火狐使いの娘 (初代小人)
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第1話ってどうしても説明臭くなるよね

はい、機動都市大好きマンの初代小人です。ドゥームアイカッコよすぎない?マジで好きすぎてそれしか使ってないです。ということで懲りずにシリーズを増やしました。不定期更新になるとは思いますが、ゆっくりとお願い致します。


パチリ、と目が覚める。

壁にかけたバツ印だらけのカレンダーとひとつの丸印を見て、改めて今日こそが全ての始まりなのだ、と改めて実感して深く息をついた。

 

 

「行ってきます」

心配そうなママの声に分かった、と答えて私は玄関を出た。

 

 

 

───────────

 

 

 

スーパーメカバトル大会、それはここスーパー(S)メカ(M)シティシティ(C)で行われるメカによる、所謂模擬戦である。

 

私が生まれる少し前。

人類は今世紀最大とも言われる兵器を生み出した。

スーパーメカ。普通に呼ばれる時は単にメカと称されるそれは戦車のごとき重火力に、戦車を超える機動力、何より1人で操縦できるという利便性から量産された。

 

 

メカは内部の超電磁コイルを主動力としており、一度稼動すれば原則としてそれ以降の燃料等の補給は必要とせず、サブ動力としてはメカ用濃縮燃料を補充すれば数試合は軽く稼働できるという画期的なものであった。

その運用コストの低さゆえに、メカは大量の殺戮を生み出した。

 

 

 

 

正しく神話上の巨人のように、家々を焼き払い、いくつもの国を滅ぼした。

やがて人類は疲弊し、休戦協定が結ばれた。

しかし、争いはなくならなかった。

 

 

尤も、戦いは終息し、それは競技へと移り変わった。

それがスーパーメカバトル大会。

各国の代表選手が中央都市であるSMCに集結し、専用のマシンにフルダイブし、各選手の身体能力を元に構成したアバターとそのメカを使って最後の一人を目指すもの。

 

 

 

───────────

 

 

 

別にメカが悪いんじゃないのに。

授業終わりの私はそうひとりごちた。

 

 

「不満そうだな」

「別に。メカが戦争を加速させたのは事実だし。それで?なんの用?ギン」

「なんの用って……もう昼休みだぞ?」

「あ、そっか」

「ニンは時々ぼーっとしているのやめた方がいい。それさえなければ多分、モテる。」

「はあ!?うっさいわね!別にモテたいだなんて……」

 

視線を感じてそこで止める。

 

「ニンは、今年の大会出るんだよな」

「ええ、そのためにこの学校に入って今までやってきたんだし。」

「俺は……いや、なんでもない。ニンにそんなものは必要ないな。忘れてくれ。」

「何よ、煮え切らないわね……まあいいわ、大会まであとすこしなんだし、その話題を振ったって事は練習付き合ってくれるんでしょ?」

「まあいいが。」

「じゃあ今日私の家に放課後一緒に行きましょ。もう時間もないのだし、ビシバシ練習しなきゃ!」

 

 

私は家に置いてきた愛機のことを思い出し、早くも恋しくなった。




【設定解説】
このコーナーは、作者の妄想等で増やした設定の文中で書ききれなかった部分を説明するものです。
感想でもし質問等頂ければそちらもここでお答えしたいと思っています(わかりやすい感想の催促)

・超電磁コイル
磁石を回転させることで発電する原子的な発電方法から発展し、発電したエネルギー>発電時に消費するエネルギーとなる夢のコイル。ぶっちゃけご都合主義パーツ第1号。これがあれば永久機関余裕で作れる。熱力学方程式は死んだ。

・ギン
ニンの影のパートナー。人当たりが強く、友人があまり多くないニンの数少ない友人。ニンと大会に出たいが言い出せず今回は諦めることとなる。


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恋愛表現って思いつきで書き始めるとそのあとの展開困るよね

第1話タイトルネタ気味にしてから変えたつもりで変わってなかったからもうこんな感じで行きます。よろしくお願いします


学校が終わって、私の家。

「それじゃ早速、やりましょ」

「分かった。」

 

 

そうして私たちは現実世界において意識を消失した。

 

 

 

 

 

 

────────

 

 

【電脳世界、サーバー:Nin’s home】

 

 

やっとこちらに来られた。

ここは現実世界と限りなく近い別の世界。人間がその叡智で作りだした私だけの街。

スーパーメカバトル大会もサーバーだけが違う同じ電脳世界で行われる。

現在世界各国は武装解除し、軍事工業は全て凍結されている。

取り締まりは他ならぬSMCが行っており、凍結時に回収された銃火器に関するデータは全て電脳世界に保管され、政府からの許可を得て開ける家庭用サーバーにも流用されている。

つまり、大会で使用される武器と全く変わらないものを家庭用サーバーである家庭用電脳世界交信(エレクトリカルコミュニケーション)システムで使って練習出来るということである。

 

 

「それじゃ、まずは肩慣らしといきましょう」

「ん」

 

そう言って一つ二つ操作をすると不規則に移動する人型の的が現れる。

それを距離ごとに、アサルトライフル、パルスライフル、スナイパーライフル、プラズマ砲など各種武器を用いて頭部分を射抜く。

いつも通り、いやエイミングが若干遅いだろうか。そんなことを考えながらながら狙撃していると的が消えた。

的うち練習に熱中しすぎると普通にこれだけで終わってしまうため、あらかじめ時間制で消えるようにしておいたのである。

 

 

「身体は温まったわよね?じゃあ……行きましょう!ファイアフォックス!」

「そうだな、今日こそは勝つ。イクシオン!」

 

と、互いにデバイスを操作し、メカを出す。

選手が搭乗するメカは、それぞれサーバーに接続されたデバイスにデータが3Dモデルとして保存されており、それを呼び出すことで現実と全く変わらず操作することが出来るのであるを

ちなみに私のメカはラビット型量産機を、昔父が私専用にチューニングしてくれたものを更に年数をかけて私に合わせた最早量産機の枠組みを飛び越えた愛機である。

同じくギンのメカはフェール型量産機を改造し、本来なら右アームにしかついていないミサイルポッドを左アームにも増設した火力特化メカである。

 

 

 

「今日も……負けない!」

そして模擬戦の火蓋が切って落とされた。

 

 

 

 

 

────────

 

 

 

 

エレクトリカルコミュニケーションサービスからログアウトするともう夕暮れ時であった。

「あー……向こうの世界にいるとほんっと、時間感覚無くなるわね……」

「一応時計表示はあるがな」

「そんなもの見るわけないじゃない」

「そうだな」

「大会、もう明後日か……」

「頑張れよ」

「アンタに言われるまでもないわ、当たり前よ。」

「それじゃ、帰るわ」

そう言ってギンは私の家を出て帰っていった。

 

 

「あら、ギンちゃん~、来てたのね~?うちの娘、どんな感じ?」

「お母さん!余計なこと言わなくていいから!」

「ニンちゃん普段ママって言ってるじゃないの、どうしちゃったの?」

「本当に黙って!!!」

「もう……怖いわねぇニンちゃんは……」

「あ、そうだ!良かったらギンちゃんも夕食、どうかしら?ニンちゃんもその方が喜ぶと思うの……」

「お母さん!?」

 

 

ギンはしっかりと食べて帰った。

暗くなっているしギンを家まで送っていったらギンのお母さんにも歓迎されて家にあげられそうになったので急いで帰ったのはまた別の話。




【設定解説】
・電脳世界
こういう作品によくあるVR世界。正直銃で撃ち合っても生死を絡めたくなかったからこういう形になりました。
・エレクトリカルコミュニケーション
電脳世界を家庭用まで落とし込んだもの。大会で使われる大型サーバーよりも若干規模や処理速度等は劣るもののさしたる問題は無い。名前?フィーリングだよ。品性疑ってこ?(問題があったら変えるかルビを消す)

・ラビット型量産機
要するにファイアフォックスの原型。出力等がやや低めで比較的誰にでも扱えるようになっている

・フェール型量産機
同じくホットスチールの原型。こちらは移動時のGを抑えるために突進等の出力が抑え気味。ミサイルは反動が少なそう(偏見)だから大丈夫でしょう、多分。きっと。もしかしたら。


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一挙登場回(例外もあります)

書きたくなったら投稿、不定期更新の駄文書き、小人でございます。
今回もよろしくお願いします。


ps.ドゥームアイ2桁順位入りたい(願望)


そうして私は家を発った。

大会は予選と本戦それぞれ1日ずつ、2日に渡って開催される。

勿論予選の前にも書類選考がある上にそもそも出場資格も厳しいため、一般人が出場することは難しい。

ちなみに私はその狭き門を超えるために学生未来枠と呼ばれる推薦枠を利用した。

 

 

要するに未来の国の武力を示すために今メカ操作等の戦闘技術を専攻する学生の中で優秀な生徒に大会出場権が与えられるという制度である。

ただの高校生の私が、パパのくれた力を見せつけるためにはこうするしかなかったのだ。

そのために全てを注ぎ込んで来たけれど後悔はない。

 

 

どうせ期待のされていない学生枠だけど……今年の優勝は私が貰う!

 

 

 

─────────

 

 

 

 

清水家は……私にとって狭い鳥籠。

私はそんなモノに囚われ、縛られて生きてきた。

それが当然だと思ってたけど。

 

 

「ヒバリ。」

 

 

この子が私の翼になってくれる。

この子が私を解き放ってくれる……!

 

 

この大会は私の自由への第1歩!

 

 

「行くわよ!」

 

 

 

 

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正直な話、ほかの出場者も賞金も興味ないわ。

 

私が見ているのは優勝だけ。

それすらも手段に過ぎない。

 

アイドルとしての私はこの大会で優勝して、それからが本番。

だからこんな所でとどまっている暇なんてないの。

 

「さあ、IT'S SHOWTIME!!」

 

 

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まさか、またお前の力を借りるとは思わなかったよ。ホットスチール。

地下世界を制覇して、俺は独りになった。

 

結婚前から体が弱かったアイツは、娘を産んで死んでいった。

俺との形を残して死ねて本望だとか腑抜けたことを言いながら。

 

その娘もある日突然消えた。

いつも……俺は結局独りだ……でも

「お前だけは取り戻すからな。無事で居ろよ」

 

 

 

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さぁさぁ、楽しいバトルの始まりさ。

勝ち?負け?どうでもいい、ただそこに楽しい戦いがあれば。

過去に縛られてるようなつまんねぇ奴らの希望をブッ潰せさえすればよォ!

 

「ククク……」

 

バーニングメテオ……なんだろうが全てをぶっ潰す!

 

 

 

 

 

 

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つまんない。全部全部つまんない。

おもちゃはみーんな、すぐに壊れちゃうし。飽きちゃったし。

でもこの子は違う。

クマちゃんは壊れてもすぐに治るし、使えば使うほどわたしが思うように動いてくれるようになるの。

だからわたしははパパに頼んだの。

 

クマちゃんともっと遊べるところに行きたいって。

 

そしたらパパはいつもの通りちょっとだけ困った顔をしていたけれど。

この大会に出るためのチケットをくれたの。

聞けば聞くほど素晴らしいこの大会。どれだけほかのメカを壊しても、どれだけ他の人を壊しても怒られないどころか褒められるだなんて……

 

 

「ミラ、頑張っちゃう……」

 

 

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上官に歯向かってあの人の剣となってもう何年も経つ。

あの時の行動に後悔はない。それはディアノ家を破門になったとしても変わらない。

 

 

 

Take the sword for what you believe,(信じるもののために剣を取れ)Arthur.(アーサー)

口にしたかつての家訓には果たして何が込められていたのかは、彼にすらわからない。

 

 

 

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これが今回の儀式に集まった虫達、という訳ですか。

実に、実に素晴らしい!これで我が教団の計画も進行することでしょう……

 

おっと、(ワタクシ)としたことが昂ってしまいました……

我が神に、栄光の光を!




今回は解説はないんですけども。
未実装のキャラが数人出てきている件については公式から実装があった時点ですり合わせるかどうか考えようと思います。
個人的にはロムさんとニンちゃんをW主人公(ニンちゃん比重多め)で行きたいなと思ってます。
銀の執事実装はよ


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電脳世界作る人って割と凝り性なことが多いよね

ちょっと間が開きましたね、すみません。次の展開は思いついてたのですが少し別ゲーの方で立て込んでまして……
あとS1お疲れ様でした。私は最後の方少しサボってしまったのでダイヤモンド止まりでしたが皆さんはどのような結果でしたでしょうか?よかったら感想と合わせて教えてくださると嬉しいです(意訳:感想くださいお願いします何にもしませんから)


そうして大会が幕を開けた。

トーナメント形式で行われるこれはまずBOTと呼ばれるai選手50人と出場者50人の混合100人からプレイヤーが残り25人になるまで戦う予選の後、それを4つの予選ブロックで繰り返す。

残った25人が4組で100人の精鋭たちが本戦ブロックに出場し、最後まで生存していた選手が優勝となる。

 

ちなみにチーム戦ではこれを2人ないし3人で行うため、人数が若干前後する。

 

 

 

 

───────

 

 

 

目を開ける。

見えてくるのは馴染んだ愛機のコクピット内、そして出撃のためのリニア式カタパルトレール。

 

と、目の前にホログラムで戦場のマップが表示され、そこに橙色の矢印で今乗っている飛行船の航路が映し出される。

私は迷わずマーキングし、出撃ボタンを押した。

 

 

 

訪れたのは加速。それも感じたことの無いような、いっそ嘔吐感すら催すほどの。

当然だろう。飛行船から出撃する際の速度は360km/hにもなる。そこまでものの2秒程で加速するのだから。

 

 

そして次に感じたのは最早痛みと言えるほどの冷感。そして息苦しさ。

電脳世界は嫌な程に現実に忠実だ。さすがに被弾時の痛覚は抑え気味に設計されているが、それさえも安全ピンで深く突き刺したくらいの痛みがある。

この世界を作った人はきっと几帳面な性格だったか、余程物理法則を愛していたのだろう。

 

 

 

コクピットが開き、高度7~80メートルにジェットグライダーひとつで投げ出される。

高いところが怖いだなんてことはないが、この感覚だけは何度やっても好きになれない。

 

 

とはいえここに来てやることは1つ。戦うだけである。

決意を固めたニンはジェットグライダーを操作して急降下。最高速度108km/hまで加速して目下のデパートに着地する。

 

 

この大会で使用される武器は対人武器と対メカ武器に大別される。

 

 

アサルトライフルやパルスライフルなどの銃弾を用いるものは、人体を効率よく破壊するために設計されており、人に対するダメージが大きい。

一方グレネードランチャーや誘導ミサイル等は人に対しては弾速が遅く当てづらい上、爆風に対して受身を取ればダメージを抑えることが出来てしまうため、相手が強ければ強いほど効きづらくなってしまう代わりに、的が大きくまた人よりも熱エネルギーを多く産生するため追尾しやすい上、爆風で装甲を破損させやすいためメカに対して効果が大きい。

 

 

 

もちろん例外もあり、自走ボムランチャーは炸裂時に爆風ではなく妨害電流を流すことでメカの行動を阻害したり、人体を軽く麻痺させることが出来るため双方に効くと言える。

またプラズマ砲は瞬間的に膨大な熱線を放つことでメカの装甲を貫き、更に人に対しても甚大なダメージを与えるためかなり汎用性が高かったりする。

 

 

(とりあえずグレードは問わないから対人武器を見つけないと……)

 

私は電脳世界を駆け出した。

 

 




今回そもそもが説明回だったから説明は省きます


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