怪人系配信者BANちゃん (TEAM-POCO/CHIN)
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配信、撮影開始
黒歴史確定の瞬間である。続かない(黒曜石は砕けない)
出来は……んにゃぴ……
――ある一本の動画が投稿された。世界的動画投稿サイトであるYo!Tube、そこにそれは投下された。
瞬間、それは日本中を震撼させ、そして世に混乱を招いた。
「ハローワールド! 今日から配信をしていくBANです。ということで今日は挨拶と今後の活動についてをば、オッスお願いしまーす!」
何気ない普通の挨拶から始まった動画。しかしその実態はあまりにも非現実的。
――新人Yo!Tuber【BAN】こと本名ネームレス。その身体は怪物であった。
■□■□■□
別に人生にさして大きな不満はなかった。仕事はちょっとブラック気味ではあるが給与はいいし、これといった親友や遊び相手、ましてやお嫁さんなんていない独身貴族であったが娯楽は世に溢れていて退屈しなかった。家族との時間を除けば一生涯をほぼ独りで過ごしてきた俺だが、その日々はとても充実していて楽しいと感じられるものだった。
だから後悔はなかった。
たとえその最後があまりにも呆気なく、そしてまだ年若い頃であったとしても……
――転生しました。
そんでもって生まれ変わってから二年経ちました。
現在西暦20XX年、世界は厄災の波に呑まれていた。突如として現れたレギオンと呼称される怪物たち。それの侵攻により人類は滅亡の危機に瀕したかのように見えていた。だが、人類は負けてはいなかった。レギオンと同様、突如として現れたヒーローと呼ばれる異能力者たちにより、レギオンの侵攻は止み、そして人類はレギオンに対抗できるようになったからだ。
要はヒーローと怪物が戦うコミックの中のような世界なのである、ここは。
そして俺はそんな世界に生まれ変わったのだ――
――
黒かったはずの髪は真っ白に、健康的だったはずの肌も青白くなり、額には鬼のような二本のちいさな黒い角が生え、瞳の色も紫色に変わり淡く発光していた。そして何よりも身体がいかにもロリロリした体型になり、生涯を共にしていた相棒は消失していた。消失していた! たまげたなぁ……
さて、そんなレギオンになってしまってからこの二年。俺はヒーロー、とりわけある魔法少女に狙われ追われ何度か殺されていた。やめたくなりますよ~人生~。でも死ねないんだなぁこれが。
レギオンはそれぞれ何かしらの異能力を一つは必ず持っているようで、俺の場合はリスポーン能力を有している。こいつは死ぬと予めマーキングしておいた場所に蘇生するという能力。マーキングしてなかったらその場で蘇生する。
こいつのおかげで俺は何度殺されても死なない。死ねない。絶望。
でも最近俺はヒーローから隠れられる拠点を入手した。希望。
そんでもってそこで機材が手に入ったから生前やってみたかった動画配信を始めた。アホ。バカ。マヌケ。
いや自分でも分かってはいる。これが自殺行為であり、そんでもってヒーローから隠れた意味がないことも。
でも俺は思ったんだ。なんかこう動画配信ってのはやりたかっただけだけども、これを通して俺は人類に僕は悪いレギオンじゃないよプルプル的な感じで友好性をアピールしてあわよくば人間社会にまた戻れるんじゃないかなって。
それにまあ俺基本的に死なないからなんかあってもどうにかなるだろうし、ま、多少はね?
てなわけで――
「ハローワールド! 昨日に続いて今日もやるぞ。BANです。昨日は挨拶だけだったから今日から本格的にやってイキますよ~イクイク」
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生配信でマルチンチン
(オチは)ないです。
出来は……ナオキです。
Yo!Tuber活動開始の翌日。
昨日存在アピールを兼ねた挨拶動画を投稿した俺は、今朝方それに対する反応が気になりエゴサーチをしてみた。果たしてその反響は想像以上に凄まじいものだった。動画視聴回数はミリオン達成。チャンネル登録者数は一万前後と初回にしてはかなり良い。通報されたり垢バンされたりという事態には幸運にもなっていなかった。しかしコメント欄やSNS上では罵詈雑言の類や俺がレギオンかどうかを疑うもので溢れていた。まあ炎上商法に近しいことしたからね、仕方ないね。
そんでもって夜。いきなりではあるが生配信をしてみることにした。昨日ので人目は引いたからね、この機を逃す手はない。
「ハローワールド! 昨日に続いて今日もやるぞ。BANです。昨日は挨拶だけだったから今日から本格的にやってイキますよ~イクイク」
『ファッ!?』『ほんまにレギオンじゃねえか!』『やべぇよ…やべぇよ…』『いきなり生配信かよ』『目が濁っておる』『偽物だろ』『かわええ』『どっからどうやって配信してるんだ』『草www』『レギオンが何でこ↑こ↓にいるんですかねぇ』『草に草生やすな』『米覧淫夢率高スギィ!』『タヒね』
「はぇ~初生にしてはすっごい視聴率。お姉さん舞い上がっちまうわ」
『お姉、さん…?』『は?』『ロリの間違いだろJK』『真顔で言ってて草』『炎上商法だろこんなん』『レギオンとかねえわ』
「表情変わらんのはデフォルトなんだよ。あと幼児扱い兄貴は、お覚悟を」
『ガチトーンで草』『ヒェッ…』『今北産業』『雰囲気とテンションの落差が大きすぎるw』
軽く喋りながらコメント欄を確認してみれば存外存在否定はされていないようである。昨日の動画のコメントは八割方あまりよろしくないものだったから少し安堵した。
この調子なら今日は今後のためにと準備していたゲームをしてもいいかもしれない。
「さて、前置きもそこそこにして。今日はね雑談だけする予定だったんだけども、過激派視聴者兄貴が少なくて良さげな雰囲気だからね、ゲームもしたいと思います」
『いきなり生配信してゲーム&雑談とかはえーよホセ』『ホモはせっかち、はっきりわかんだね』『ほんまレギオンが動画配信するはゲームするはでこれもうわかんねぇな』『つかパソコンとかゲーム機とかどうやって手に入れたんだよwww』
「ふひひ、全面的に協力してくれる協力者がいるのよ。機材諸々はその方から提供してもらってます」
『その方?』『無表情ふひひとか怖かわえぇ』『その方ってのは女の子?ロリ?幼女?』『馬鹿野郎‼お前そりゃショタに決まってんダルルォ!?』『ヒーローに見つかったらまずいですよ!』『↑イマサラタウン』『もしやその子もレギオン?』『ヒーローなんてザルだからヘーキヘーキ』『どうせ要監視とかそんなんだから』
「そこは黙秘で~」
と、そんなこんなで喋っている間にゲームの準備が済んだ。はい起動。
「てことではい。今日はどこでもお馴染みのゲーム――マイクラをします」
『マイクラ実況かー』『無難なゲームだな』『テンプレすぐるwww』『何か個性出さんとマイクラはなぁ~』『実況界隈じゃ分母がでかすぎる』『個性ってそれBANちゃんがもう個性的すぎんだろ!いい加減にしろ!』『modとか入れてんの?』
「modはねぇ、結構ごちゃごちゃ入ってるゾイ。だいたい七十くらい、ですかねぇ?」
『多スギィ!』『ゾイ』『少ない』『パソコンが死なないよう毎秒mod入れろ』『マルチしようぜBANちゃん』『マルチやりたいやつの挙手率が多かったり少なかったりしたらマルチで決定だなこれは』『 ( ´・∀・)ノ』『ノ』『ノ』『 (ノシ 'ω')ノシ バンバン』『ノ』『ノ』
「え、マルチ?」
俺がマイクラをやると告げた途端にコメント欄がマルチ希望者で溢れ出した。しかも勝手にマルチをすることにされてしまい、その希望者数は三桁にも及んでいる。完全に要求を呑まざるを得ない状況に持ち込まれた。
でもまあ、ゲームは皆でやった方が楽しいってそれ一番言われてるから、仕方ないね。
「そんなにマルチンチンしたいのかよてめえら、しょうがねぇな(悟空)じゃあ視聴者ニキが熱烈すぎっからマルチすっか」
『唐突な下ネタは草』『草』『おくちわるわる』『幼女が下ネタとか何それ卑猥』『視聴者の要望に応える実況者の鏡』『ナチュラル下ネタで草生えるわw』『おっしゃ、そんじゃ俺のスーパープレイ見せてやるから見とけよ見とけよ~』『下ネタ大明神』『マイクラやっぱ好きなんすねぇ~ホモの皆』『ちくわ大明神』『俺らは皆ホモだった?』『残念アライだ』『残念ノンケだ』『残念ゲイだ』『やっぱりホモじゃないか!(歓喜)』『誰だ今の』
俺がマルチプレイ宣告をした瞬間、コメント数とそのカオス度は爆発的に加速した。もとからカオスなのに更に混沌としてしまうと収拾がつかなくなる。まあ初めから収める気はないのだけれど。
「ってことではい、サーバー設定終わったぜ。バージョンは1.7.10で、modは今回はなし、サーバーIPはXXX.XXX.XXXな。先着順で五十名までな。ハイ、よーいスタート」
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出鼻は挫かれるもの
お兄さん許して。
出来は……ダメみたいですね。
『オッスお願いしま~す』『テーマパークに来たみたいだぜ、テンション上がるなぁ~』『お邪魔するわよ~』『邪魔するなら帰って、どうぞ』『入れたぞ~』『あー一面のクソミドリ』『よろ~』
マイクラのマルチでサーバーを建て、入室が可能となるや否や個性的な挨拶と共に着々とサーバーに入ってきた五十人の精鋭たち。彼らは入って早々に周囲の木を切り倒し、石を掘り、石ツール一式――ただし鍬、テメーはダメだ――までを作り上げた。まだ何もルール説明もしていないのに好き勝手に行動されて色々と困るのだが、その反面彼らの手馴れ具合を見るに彼らはマイクラ歴の長い兄貴たちであることが予想される。凄く助かる。
ただしその後の現在、彼らは各々が個性過剰なスキンと動きでもって互いを煽り、作り上げたツールを持って殺し合っている。世紀末の原始人かな?
ここは速急にまとめ上げてゲーム始めないと(使命感)
「おちんちんランド開園だよ~ってことでメンバーチェックの時間だオラァ! 早く集まれ~」
『わぁい』『わぁい^^』『わぁい!』『唐突なアニメ声からのドス声は草w』『のりこめー^^』『びっくりして心臓が止まったぞ』『心停止ニキははよ成仏して』『大丈夫かこれw』『わぁい^^』
一先ず集合の意を込めて声をかけてみれば、打てば響くが如く視聴者ニキたちは俺のプレイヤースキンの周りに群がり始めた。ただ皆が皆でごちゃごちゃと落ち着きなく動き回るのでゲーム画面が圧迫されて周りの風景が見えなくなってしまった。
これでは俺も視聴者も困るので、軽くどんな人がいるのかの確認も兼ねて俺は画面を三人称視点に変更した。その結果――
「ヒェッ」
画面に映し出された光景は、俺を中心に台風のように蠢く一面の肌色であった。きもい。
「あのさぁ……全裸スキンばっかって恥ずかしくないの? 馬鹿なの? 死ぬの?」
『口悪くなってて草』『ヌッ!』『お前の罵倒が欲しかったんだよ!』『きもすぐるwww』『ロリの冷え冷え罵倒は俺に効く』『ロリが男勝りでお口わるわるとか良い。良くない?』 『わかる』『ちょっと引いてて草』『ありがとうございます!』『脅威の全裸率w』『初回の生配信でこんなに変態紳士が集まるとは、壊れるなぁ』『幼女の罵倒とか…で、出ますよ』『草』
思わず罵倒が口から飛び出す。
マルチの起動準備時、配信中のコメントの様子からある程度おかしな輩はくるだろうと予想していた。だが、このまるで示し合わせたかのような惨状は流石の俺も予想できず、上擦り声を漏らしてしまった。
しかし、いつまでもこの状況に驚いてはいられない。今は生配信中だ。ゲームをさくさくと進めていかなければならない。
「まあ、うん。ちょっと驚いたけども早速ゲーム始めてくぞ」
『テンション沈んでて草』『ほぼ無表情だけど感情豊かなBANちゃんすこ』『盛り上がってまいりました』『はよゲーム進めよ』『待ちきれねぇんだ』
コメントを見てみれば、まったく口の減らない連中である。
「ま、そんじゃ今回の方針だけど、折角五十人もいるからね。取り敢えずエ――
――ぴんぽーん ぴんぽーん
ようやく本格的にゲームを始められると思った瞬間のこと。突然チャイムの軽い音が鳴り響いた。誰かが来訪してきたようで、またもや出鼻を挫かれてしまった。中指スタンドアップ。
しかし現在時刻は十時過ぎ。こんな時間に突然の来客は常識的におかしいはずだ。しかもこのアパートは基本パンピーが寄らないような場所にある。尚更不審である。
「おや、誰か来たようだ。ってことですいませんがちょっとお客さん来たみたいなんで、少し空けますねー」
『いってらーノシ』『気を付けるんだぞ』『何か嫌な予感がするゾ!』『レギオンにお客とか、あっ…(察し)』『ノシ』『まずいですよ!』『ついに特定されたか?』
コメントの通り、脳内でゆうさくの注意喚起が再生されるくらいには嫌な予感がする。
しかしそれでも俺は、どんな類の客かはわからないが取り敢えず客を出迎えるために腰を上げ、玄関に向かうことにした。対面しないにしても誰が来たのかは確認しておきたいしね。
なお玄関に向かう途中に台所に寄って、指を噛み切り、出てきた少量の血液を窓から外に飛ばしておく。能力のマーキングだ。こんな身の上だから一応何かあったときに逃げるための準備はしておいた方がいい。来たのがヒーローだったら怖いしね。
さて、そんなこんなで心もとない逃走準備ではあるが完了したので玄関口の前に来た。取り敢えず音を立てないように忍び足で扉に近づき、ドアスコープから外を覗く。
「あれ……」
扉の前には誰もいない。ドアスコープから見えない場所に誰かがいるのかとも考えたが、その誰かの気配は感じられない。
気のせいだったのだろうか。しかしチャイムは二回も鳴らされている。そんなことはないとは思うが――
「――お前の後ろだ」
「へっ?」
振り返ろうとした一瞬。一筋の痛みが全身を駆け抜け、めのまえがまっくらになった。
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ヌエ△
話の内容的に前回や前々回の内容(物語自体に関係ない)を若干修正変更した部分があります。気になる方はお手数ですが確認してみてください。
出来は……あーもう滅茶苦茶だよ。
――はッ!?
気が付けば俺はアパート裏の背の高い草むらの中に倒れていた。急いで立ち上がってみれば俺の寝転んでいた場所に血が付着している。
「殺されたのか……」
思わず体がぶるりと震え、首元を摩ってしまう。
俺を殺した犯人の全貌は確認できなかった。奴がどんな手段で俺を殺したかは定かではない。また対面するのはまずい。確実に蹂躙される。
今のうちに逃げよう。そして今は元ヒーロー支部にいるだろう姉貴に助けを求めようそうしよう。幸いにもここからアパートの玄関口とはかなり距離がある。あそこはアパートの五階でここはアパートの裏手だ。
「ほんと世知辛い世の中……」
死ぬことは怖くない。しかし殺されることは怖い。特に一人のときには。
そんな恐怖をかき消すためか、今この静かな廃墟街で口を動かすことは悪手であるが、声を発してしまう。
「フゥ……フゥ……コワッ」
移動時に音が出てしまうため草むらから出て隣の民家の塀を越えようとしたとき、アパート前の道路にいる追手らしき黒い後ろ姿がちらりと見えた。
まだこちらには気付いていないようで見当違いの方を見回している。今の内にさっさと移動しよう。元ヒーロー支部はこの家を越えたちょっと先だ。
塀を乗り越え民家の庭先に入る。自分と相手の間に壁ができたことで少し安心する。
「見つけたぞ」
「ヒエッ」
突然、瞬間移動の如く背後に奴が現れた。咄嗟に前方へ
このとき強引に殴り壊したことで民家の一部が崩れ、障害物となって奴と俺の距離を開いた。
「このッ、待ちやがれッ!」
「待てと言われて待つ馬鹿がどこにいんだよ! このクソカスがァ──ッ‼」
恐怖で頭がどうにかしていたようで無意識の内に怒声を上げていた。
民家を抜け、住宅街の道路に出る。背後を確認すると追ってくる奴の姿が確認できた。
全身黒のアーミー装備。顔が分からず、その全身至る所に投げナイフが装着されている。そしてその右手には何やらエネルギーを纏ってライトセーバーみたいになっている太刀が一本握られている。リボルクラッシュされそうでやばい。
と、そんなことを考えていると奴はおもむろに腰のポーチからナイフを数本取り出し、エネルギーを纏わせて投げつけてきた。
「危ねッ」
咄嗟に飛んできたナイフを大振りに避ける。するとまたナイフが数本飛んでくる。
こんな逃走劇の最中だっていうのに奴のナイフは正確に俺を狙ってくる。じぐざくと不規則に走ってもその移動先を正確に読み取ってくる。
俺は悪足掻きとしてそこいらに落ちているコンクリート片や石ころを拾い上げ、散弾銃ばりに投擲した。人間の腕力ならいざ知らず、レギオンの腕力ならばただの石ころでもかなりの威力が出る。
だが奴は石に当たっても何ともないようでそのままナイフを投げ続けながら走っている。
「ウッソだろお前……ってヴォエッ!」
驚いた不意を突かれ、飛んできたナイフの一本が膝関節に突き刺さった。そして最悪なことにその付与されていたエネルギーが爆発し、脚が吹き飛んだ。身体が堅いコンクリートの上を転がり、顔や手が擦れて痛い。
「弱すぎるな……」
「うおッ!?」
俺が地面を転がっている間に早くも追いついた奴が顔面目掛けてレーザーブレードを振り下ろすのを横に転がることで避ける。だが完全には避けきれず、右腕を肩から肘にかけて切られてしまった。くそ熱くてくそ痛い。涙が溢れる。死なないとわかっていてもこれ以上痛いのとかマジ勘弁。
「あ、あっ、ゆ、許して……」
今見上げている奴の顔はフェイスマスクやゴーグルで見えないが、その身から溢れる気迫は膀胱が緩みそうな程凄まじく情けなくも命乞いをしてしまった。だが願い叶わず、奴は先程よりも高エネルギーを纏ったその太刀を上段に構える。完全に止めを刺す体制だ。怖すぎるッピ! 許し亭ぇ、許してぇ……
「クソレギオンが……死ねッ」
「うあぁッ!」
ついに振り下ろされた光子剣。確実に殺されてしまうと意識させられる恐怖から両目を瞑ってしまう。
死んでも生き返る。だから今死んでも問題はない。むしろマーキングした地へと一瞬で飛ぶことで逃げる機会が生まれるし、千切れた脚も再生される。更にいえば、それなしでもどっちみち脚の再生のために後で自殺することになるのだ。確実に今殺された方が合理的だ。
ああ、でもやはり、それでも殺されるというこの瞬間は怖い。どんなにふざけたり言繕ったりしても、この他者から命を害されるという感覚は何よりも怖い。
だからこんな形で死にたくはない。絶対に死にたくはない!
「いゃ……嫌ぁ――」
「――アウトローが……私のネムに何をする」
「ウガハァッ!?」
暗闇の中、唐突に響き渡る轟音。目を開いて辺りを見回すと先程俺を殺そうとしていた奴は、道路脇の大きく崩れたブロック塀に埋まって伸されていた。そして先程奴が太刀を振りかざしていた位置、つまり俺の目の前には、凛々し気な背の高い女性が悠然と立っていた。
「ヌエさん!」
大きく見知ったその姿に恐怖や不安を瞬く間に吹き飛ばされ、喜びの声が上がる。希望が今、舞い降りたのだ。
一瞬で敵をノックアウトし俺を爽快と救出した、白髪に青白い肌、淡く発光する赤眼と、先の鋭いコンセントのような形状をした尻尾が臀部から生えているのが特徴的なレギオン――ヌエ。そのバストは豊満であった。
俺の命の恩人であり、理解者であり、超絶優しくて超絶頼りになる姉貴である。
「う゛お゛ぉ゛お゛ヌ゛エ゛さ゛ぁ゛ん゛!」
あまりの感動っぷりに自ずとヌエさんの脚に思いっきり抱き着いてしまう。
やっぱりヌエさんはいつでも俺の超絶かっこいい無敵のヒーローなんだなぁって、自分勝手にもそう思ってしまう。あぁ、ヌエさんが傍にいるだけで安心感が違う。
「ネム、こんなにボロボロに……すまない、私が不甲斐ないばかりに……」
「そんなことない! 姉貴はいつだって俺を助けてくれるヒーローだもん!」
「ネム……」
はーッ尊ッ。ヌエさんの謙虚はにかみ笑顔からのハグとか。俺もう死ぬの怖くねぇわ! 寿命ねえけど寿命が超伸びた。尊死しそう。もう元気百倍パンパンマンだわー(ガンギマリ)もう何も恐くない。勝ったッ!第3部完!
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打つ手なし
やっぱMHは楽しい(天下無双)
そしてあと少しでCODE VEIN発売(迫真)
あと、淫夢リアリティショックを発症された方がいるみたいなんで、今回淫夢は控えめです(暗黒微笑)
出来は……すいません許してください!何でも許してください!何でも許して(以下無限ループ
「おまたせ! 戻るの遅くなってごめんね」
『おかえり』『生きとったんかワレ!』『何か凄い音がしてたゾ!』『何があったかkwsk』『鼻塩塩』『遅かったじゃないか…』『遅かったじゃないか』『何が起こったんです?』『(興)』『遅かったじゃないか…(興)』『尻を貸そう』『(興)<遅かったじゃないか…』
コロコロされそうなところをヌエさんに助けられた後、傷の修復をした俺は襲撃犯の武装解除と諸々の処理をしてヌエさんに襲撃犯を担いでもらいながらアパートまで戻ってきた。そして長い間放置していた配信画面に二時間ぶりに映り込んだ。
取り敢えずまだ人がいるか確認してみると、視聴者はここを離れる前よりも増えており、コメント欄にて雑談が繰り広げられていた。そしてマイクラのサーバーは視聴者の遊び場となっており、ワールド生成時の頃の面影が見られない程に改造されていた。ちょっと情報過多すぎんよ~。
「まあ、んー……実はね、ヒーローらしき能力者に襲撃されたんよ」
『知ってた』『⁉』『予定調和』『ファッ!?』『⁉』『逃れられぬカルマ』『ヒーローには気を付けよう!』『大丈夫なんかソレ』『ヒーロー怖ッ』『無害な子を殴るなんて……!やめろよヒーロー‼』『容赦ないなヒーロー』『どこ所属かわかる?』
「私は大丈夫よ大丈夫。まあほんでね……」
その後しばらく、視聴者ニキたちに配信外で何があったのか、自分の能力やヌエさんの素性は伏せて事のあらましを語ってみた。するとコメント欄は、こちらを気遣ってくれるものやヒーローについて批判、考察するもの、また詳しく語らなかった協力者ことヌエさんについてなどの様々な意見や反応などのコメントで溢れ始めた。コメントの濁流で何が書かれているのか読み取りづらい。
ただそんな流れの中、俺はコメントの中で幾つか気になった単語を見つけた。それは“アウトロー”や“コード”というものだ。
俺は転生してから今まで、近づくと危険なこともありこの世界の人間の生活圏には近づいてこなかった。故にこの世界の人間社会についての細かなことはあまり知らない。
だから俺は疑問の解消に視聴者ニキたちにそれらのことについて質問をしてみた。
「なあなあ、ちょっとわからんことがあるんだけど、自分質問いいっすか?」
『いいぞ』『私は神だ。知りたい事を何でも教えよう』『どしたのわさわさ』『キルミーベイベーは死んだ!もういない!』『ggrks』『←お前を消す方法』
「ありがとナスってことでじゃあ質問ね。アウトローとコードってのは一体何なん?」
『え、知らんの?』『そこらのレギオン普通にヒーローとアウトローの区別ついてなかったっけ?』『普通にアウトローって口にしてたゾ』
早速尋ねてみたところ、まるでレギオンでも知っているものだといわんばかりにこちらを窺う兄貴たちが続出した。俺だけ何も知らないみたいな雰囲気になって無性に恥ずかしくて居たたまれなくなってきたゾ。無知で悪かったな!
「ええいうるさい。こちとら温室育ちなんだよ!」
『マ?』『レギオンの温室育ちってどういうことだってばよ?』『温室育ち、無知、幼女……閃いた!』『←通報した』『通報した』『鮃いた』『それは鰈』『温室育ちなのに品がないとかたまげたなあ』
「で、結局のところ何なん?」
『いきなり落ち着くなw』『何ってナニだよ』『アレだよアレ』『例のアレ』『アウトローは資格なしに能力行使したり、私刑したりするような連中』『能力持ちの犯罪者のこと』『コードはヒーロー認定されてるやつについてるやつ』『うなじにバーコードみたいなのがあるじゃろ?それじゃ』
その後もしばらくヒーローについての基本的な情報が書き込まれ、俺はそれに対して湧いた疑問を投げかけたり得た情報の確認をしたりした。その結果として書き込まれた情報を整理すると以下のようになった。
ヒーローとは、異能の行使を認める資格とヒーローの認定資格の両方を得ていて、且つどこかのヒーロー事務所に所属している者達のことらしい。そしてヒーロー認定されている者はヒーロー登録としてうなじにコードと呼ばれるバーコード状の刻印を刻まれて、それで国に情報を管理されているらしい。
対してアウトローってのは資格なしに異能を用いて私刑を振りかざすような異能持ちの犯罪者のことらしい。罪が軽ければ更生してヒーローにもなれるらしいが、基本アウトローは罪の重い者が多いようで重刑に処されて終わりの者が多いらしい。
このことから考えるに、俺を襲った奴はアウトローだろう。武装解除時に丸裸にひん剥いてやったが、コードなんてなかったからね。
あっ、そうだ(唐突)
「ねぇねぇ、そういえばなんだけど。私を襲った奴ってたぶんアウトローなんだけど今隣の部屋に無力化して置いてるんよ。あれどうすればいいかな?」
『ファッ!?ウーン……(心停止)』『まずいですよ!』『犯罪者が隣室にいるのは草(震え声)』『何で家に犯罪者がいるんだよ!』『いや危ないだろwww』『ちょっとガバガバすぎんよ~』『もっと危機管理しっかりして、どうぞ』
ちなみに無力化ってのは四肢を折ることだ。
こんなこと怖すぎて視聴者ニキたちには言えないし、それをいきなり無力化とか言って躊躇なくやったヌエさんも怖い。でも相手は敵だし瞬間移動っぽい能力を持っていたことを考えると無力化の方法はこれぐらいしか現状なかったしで仕方ないね。
でもあれは心臓に悪い。骨を折られた瞬間の奴の悲鳴と表情は見ているこっちが怖くなった。ちょっとちびりそうになったゾ。
「で、どうしたらいいかね。できれば人間君の方で引き取ってほしいんだけどね……」
人間の都市に近づくのは危険だし、誰かに引き渡すにもヒーローが必ずいるだろうしでどうしようもない。殺すのはあり得ないし、そのままどこかに放置するってのもできない。八方塞がりである。
誰かどうにかしてくんねぇかなぁ……(他力本願)
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名無しの匿名
いつの間にか評価が赤に染まっていてこれって……勲章ですよ(付け上がり)
出来は……やべぇよやべぇよ……
手に余るアウトローをどうするか視聴者ニキたちと相談し始めてから数分。未だ解決の糸口が見つからない現状、とりあえず面倒くさくなってきたし視聴者ニキたちもつまらないだろうしで、この話題は一端置いとくことにし、俺は外から戻ってきてからも放置気味だったマイクラを再開することにした。
「とりま解決策がないし、面倒くさいからもう皆でマイクラしましょう」
『時間を置くのも大事だからね、仕方ないね。』『ヒャアがまんできねぇマイクラだ!』『オッスお願いしまーす!』『お ま た せ』『✋( ͡° ͜ʖ ͡°)アッシェンテ』『皆マイクラやっぱ好きなんすねぇ』
ずいぶんと放置していたからゲームに動作不備がないか取り敢えず確認してみるも、全く問題なかった。ここ数時間で何度も出鼻挫かれてたから、じゃけん早速ゲームを始めましょうね~。
「じゃあ先ずは皆でエンドの開拓でもすっか。どうせエンドラ倒しちまったんダルルォ⁉」
『当たり前だよなぁ?』『テンション戻ってきたね』『やっぱBANちゃんはこうじゃねぇとなぁ?』『Foo↑』『即堕ちレイプ!二コマと化したエンダー先輩』『やっちまおうぜ俺らで!』『やっちまうか!』『やっちゃいましょうよ!』
「相変わらず連携がうまくてたまげた兄貴たちだなぁ。じゃけんテンション上げてくぞー」
『いくぞー!』『吉幾三』『ダイナモ感覚!ダイナモ感覚!』『おい神社建てようぜ、お前御神木な』『さあ、かなまら祭りの始まりや』
――このあと滅茶苦茶マイクラした。
■□■□■□
【Yo!Tuber】BANちゃんについて語るスレ
666:名無しの匿名
昨夜のマイクラ楽しかったゾ^~
667:名無しの匿名
ゆうべはおたのしみでしたね
668:名無しの匿名
社泊で昨日の配信見れなかった(・ω・`)
669:名無しの匿名
社畜ニキは強く生きて
670:名無しの匿名
辞めたらその仕事?
671:名無しの匿名
何時でも誰でも募集してるようなとこはだいたいブラックやで。ホワイトは安定してるから(入る隙は)ないです。再就職してもブラックだなんて、やめてくれよ…(絶望)
672:名無しの匿名
もっこりランドで…就職♂
673:名無しの匿名
見逃した人も安心してください、ありますよ(アーカイブ)
つ【https://www.yo!tube.com/watch?v=XXXXXXXXXXX】
674:名無しの匿名
ナイスでーす♂
675:名無しの匿名
レギオンが動画配信なんて初耳なんだが、ちなどんな奴?
676:名無しの匿名
今更すぐるwww
677:名無しの匿名
じゃあ、まず見た目を教えてくれるかな?
678:名無しの匿名
ボサボサ白髪のショートヘア、瞳が紫のジト目、額からちっこい黒角二本生えてる青白肌のロリ(かわいい)
679:名無しの匿名
見た目静かそうなんだけど口を開くとネタ二郎系ラーメン状態で草。特に淫夢関連。
680:名無しの匿名
基本無表情だけどテンション上がると若干表情柔らかくなってヌッ!
681:名無しの匿名
属性多すぎるッピ!
あぁ^~たまらねぇぜ
682:名無しの匿名
見てこいカルロ。話はそれからだ、オラッ!催眠!
683:名無しの匿名
横からちょっと失礼(し・トゥ・れい)ィィィィィ~~~
配信中にアウトローに襲われったってマ?
684:名無しの匿名
マ。ただ協力者とやらに無力化されて今そいつの処理に困ってる
685:名無しの匿名
そんなん放置でええやろ犯罪者なんやし
686:名無しの匿名
放置や殺処分はNGだと。できればヒーローあたりに引き取ってほしいらしいけどレギオンだから人前に出るのは命の危険が危ないらしい。
687:名無しの匿名
ちなみにアウトローはどんなやつかわかるん?
688:名無しの匿名
話聞くに、瞬間移動能力とエネルギーを纏わせる能力を持つ黒髪黒目の青年で、全身黒アーミー装備とナイフ多数、刀一本所持してるらしい。
689:名無しの匿名
それ最近指名手配されたチェイサーやんけッ!?
690:名無しの匿名
ファッ!?ヒーローも殺してる過激派のヤベー奴やん。
691:名無しの匿名
無害で可愛い(重要)いい娘なんだからヒーローはつべこべ言わずに毎秒助けろ
692:名無しの匿名
つかレギオンがなんで淫夢知ってんだ。あと何でまだ垢BANされんの?
693:名無しの匿名
たぶん垢BANされてないのはヒーロー側がレギオンの情報引き出すためじゃね?BANちゃん素直なアホっぽいし
694:名無しの匿名
あとはアウトローをおびき寄せるためでは?ボブは訝しんだ。
695:名無しの匿名
BANちゃん普通におもろいから消えないでツヅケ…ツヅケ…
696:名無しの匿名
ほんとレギオンなのか疑うくらい温厚で頭おかしなるで
697:名無しの匿名
【速報】とあるヒーロー事務所がアウトローの引き取りの準備してるらしい
ソースはワシ(16歳)の姉(ヒーロー)
698:名無しの匿名
マガジンマーク
699:名無しの匿名
うせやろ⁉
700:名無しの匿名
BANちゃん…消えるのか?
701:名無しの匿名
ヒーロー助けて!
702:名無しの匿名
そのヒーローが脅威なんだよなぁ
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ヌエさんネムちゃん
前々から容姿知りたいって要望があったのに応えなかった作者の怠慢と投稿遅れを許すな! 読者兄貴やめちくり~。許して(迫真)
出来は……なんか足んねえよなぁ?(文章量&内容)
レギオンの朝は早い。そもそも睡眠という概念が存在しない。
「起きろネム、朝だ」
だが、このネムというレギオンだけは珍しくも睡眠をとる。私もそんなネムに倣って一緒に隣で寝る。
ネムは御寝坊さんだ。私は日の出には起床するが、ネムは8時頃まで起きない。
そんなネムを起こすところから私たちの朝は始まる。
「ウーン……もうちょっとだけ」
昨日は深夜まで動画配信。朝起きづらいのは当然だろう。
だがネム自身が朝に起こしてほしいと望んだこと。私はネムを起こさなければならないし、ネムも起きなければならない。
「うぁ何をすりゅやめ……」
ネムを起こす手順として、まずは布団を剝ぎ取ってネムを抱き上げてやる。次に抱き上げたネムを洗面台まで連れて行きおろしてやる。後はネムが勝手に顔を渋々のそのそと洗い始めるのを眺めていれば終わりだ。
そして顔を洗い終えてすっきりしたところで声をかけてやる。
「おはようネム」
「おはようヌエさん」
この挨拶が交わされた後に、私たちは毎日外に出てこの廃墟街の探索がてら散歩に出向く。
今日は快晴。絶好の散歩日和だろう。
さて、レギオンは人間と違い衣服というものに頓着しない。私たちは体温調整の必要がないし、体表は薄い白や黒の膜で覆われている。服を着る必要がないのだ。
だがネムは服を纏うことにこだわる。曰く、裸みたいな格好は恥ずかしいらしい。
後ネムは私にも目の毒だと言ってこのアパート内にあったスーツという服を着せる。これを着るとごわごわとした感覚があるし、少し動きづらいのだがネムが似合ってるだのかっこいいだのと褒めてくれるからまあ仕方ない。悪い気分ではないのだ。
そんなこんなで外出の支度を終えてネムが準備を終えたか確認にいく……
――ふむ今日のネムは白か。把握した。
「あッ、ちょ! 覗かないでヌエさん!」
――速攻でばれてしまった。
「ネム、もう準備はいいか?」
「え、あ、もうちょっと待ってて!」
もう少し準備に時間がかかりそうなのでそのまま着替えているネムを眺めとく。こうやってネムを見ていると案外服を着るというのもいいかもしれないと思えてくる。色々なネムが見れて眼福だ。
そうしてしばらく眺めているとネムは準備をほぼ終えたようでいそいそと充電していたデジタルカメラやメモ帳、ペンを手に取り鞄に詰め込み、空のリュックを背負って私の方へ駆け寄ってくる。
「準備おk。早速出かけましょ」
「ん」
「今日はどこ行くのヌエさん?」
「今日は都市部近郊にある廃墟街に行く。些か普段よりは危険だが安心しろ。私がついてる」
今日はいつもの探索と違って人間の生活圏に近い区域に赴く。目的は資材集めととある人物に会うことだ。
いつもよりヒーローやアウトローなどの人間との接敵の可能性が高いが、それだけ会う価値の高い人物だ。特にネムにとっては嬉しいはずの人物だ。
「目的の場所がかなり遠い。ネム」
「はいはーい」
いつもは周辺を徒歩で散策するのだが、今回の目的地はこのアパートから徒歩じゃ一日二日で辿り着けない位置にある。故に今日は私の異能で転移して行く。ネムもその旨は既に知っているので、声をかければすぐに手を繋いでくれる。私の異能において、触れていなければ一緒に転移はできないのだ。
「では転移する」
そう声をかけてやるとネムはぎゅっと手を握り返してくる。それに応じて異能を発動し、目的地へ直接転移する。
転移して初めに視界に映ったのは、多少崩れて鉄筋が飛び出ていたり硝子片が飛び散っていたりはするものの、比較的に形は綺麗に保っている廃ビルのエントランスだ。ここは廃墟街の中央区にあるまだ水道や電気などの機能が残っている優良物件だ。
普通ならこんなところはアウトローや浮浪者の溜まり場になるのだが、そうはなっていない。というのもここに住む輩がこのビルの周りを瓦礫の山で塞いで侵入できないように作り替えてしまったからだ。物理系の異能力者では入るには相当の苦労をするだろう。
「ネム、先ず今日はここの主と話をする。かなりの変わり者だが心配はするな」
「おっ? 珍しいね、誰かに会いにいくのは。わかったよ」
「ネムの今後の助けになってくれるだろうから来た。楽しみにしとけ」
最近ネムは動画配信なるものを始めたからな。流通経路や機材開発の手はあって困らないだろう。
それにここの主も私たちと同様に“ハグレ”にあたる者だから戦線にいるような人間に敵対的で血気盛んな輩ではないし、最近は暇しているとのことだからネムの存在はいい刺激になるだろう。
「奴はこのビルの地下にいる。行くぞ」
「あいあいさ~」
アンケート期間は次話投稿までとします。オッスお願いしまーす。
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騒音お姉さんマド
しかし今回は文字数4300……! これは許されない。でも睡魔と戦ってたからこうなったんです許して(迫真)
なお、ちくわ大明神は外れ値扱いの模様。誰だこんなふざけたもんをアンケートにぶち込んだ奴ッ!
出来は……(作品の生みの)親の顔が見て見たいよ。
PS.少し野暮用があるので更新はしばらく)ないです。
※次話はもうほぼ完成してるけど、とある事情で出せ)ないです。
朝。いつものようにだらしなくもヌエさんに起こしてもらい、共に廃墟街の散策に出た。
ただ今日はいつもとは違って、遠い廃墟街へ誰かに会いに行くらしく、外に出て早々にヌエさんの能力で目的地へ直接転移した。
到着先は比較的綺麗に形が保たれているビルか何かのホールだった。辺りを見回すと俺の背後に硝子が割れてただの穴と化している自動ドアらしきものと、そこを全面的に塞ぐ瓦礫が見えた。更に所々にあるどの窓も瓦礫で塞がれている。この階において外へ繋がる場所が一つも見当たらない。
そんなどこもかしこも瓦礫で塞がれたこの薄暗い場所の地下にヌエさんが言うには会いに来た目的の人物が住んでいるらしい。重度の引き篭もりか土竜かな? かなりの変人でもあるらしいし、何かサングラスして顎がくがくさせそうと真っ先に想像してしまうのは俺が穢れているからだろう。
そんな会ってもいない人物に対して失礼なことを考えながら俺はヌエさんにこの建物のエレベーターホールまで手を引かれ、エレベーターに乗り地下へと向かった。エレベーターが動くということは電気が動くのか。はぇ~すっごい。
ただ――
「な、なぁヌエさん? 俺の顔に何かついてる?」
その移動の最中、何故だかヌエさんが俺の方を度々注視してくる。俺に何か変なとこでもあっただろうか?
心配になったのと、エレベーターに乗ってから訪れた静寂に耐えられなくなったので思わず聞いてしまった。
「いや、暇だからネムを見ていた」
「え、あぅぇ……」
そう言うとヌエさんは俺が言葉を発する前に俺の頭に手を置き、撫でてくる。ちょっとこそばゆいし、何故か恥ずかしい。
最近ヌエさんは何故かよく頭を撫でてくる。布団で寝ているときや、ちょっとした会話の後などに結構頻繁に。
これってもしかして、もしかするかも知れませんよ? ヌエさんは俺のことを子供扱いしているのかもしれない。俺は立派な大人ってずいぶん前に言ってはいるんだがなぁ……俺前世合わせたら年齢三十位だゾ。まあその真意は聞いてみない限りは全くわからないんだけどな。
というのはヌエさんの表情筋は死んでるから何考えてるか読み取りずらい……それに若干天然の気があるから余計にこれもうわかんねえなぁ……
誰かヌエさんの表情柔らかくしてくんろ。おらどうすればええがわがんね。
「ネム、着いたぞ」
ヌエさんにずっと撫でられてぼーっと惚けていたらいつの間にかエレベーターは下に着いていた。
エレベーターから降りてみるとそこは、白い壁に蛍光灯のような照明が等間隔に設置され、立面的に円形に切り抜かれた綺麗な道が奥に延びていた。そしてその道の壁には自動ドアが点々と設置してあり、どこかアウトラストというホラーゲームの地下研究施設を思い起こさせる。
あのゲームはやっていて本当に怖かった。この光景を見てるとちょっとトラウマが蘇りそう。
「なんていうか、近未来って感じがしてしゅごい……」
「ここの主は研究馬鹿だ。私にはよくわからない価値観を持っている」
いよいよ何か危ないもの作ってそうに思えてきた。
思えばさっきから俺は会ってもいない人物に散々なイメージをつけているな。そんなこと一人間? レギオン? としてしてはいけない(戒め)
「ネム、そろそろ行くぞ」
「あ、うん」
そうして俺はまたヌエさんに手を引かれてこの通路を進んでいった。
■□■□■□
「おぉお! 君がネムちゃんか! にしても本当だったんだなレギオンで幼体のままだってのは! いやね、レギオンって基本誕生したら数ヶ月で成体になるんだよ。そんでね――――」
変人とは聞いていたが、本当に相当の変人だった件。勢いがしゅごい……
「――でもね聞けば君は一年以上はその姿なんだろ、そうなんだよね? やっぱり君の固有能力の影響かな、たぶんそうなんだろうね、きっとそんなんだろう。いやだって君の能力って不死身なんだろ? これはヌエ君並みに貴重かつ強力な能力なんだよ! きっとあの戦闘馬鹿共は――――」
目が合って早々に駆け寄って来てはいろんなところをべたべたと触ってきたり、かと思えば機械音ですごい早口に色々なことを喋りまくったりで、パーンってなりましてね、頭が。何言ってるのか聞き取れない。
取り敢えず先ずは服を脱がそうとするの止めて。
「マド、ネムが困っている。一端落ち着け」
「ヌエ君ヌエ君! いやぁ一月ぶりか、久しぶり! 今日は一体どんな用事で来たの? あ、言わなくてもわかるよ、ネムちゃんのことだろそうだろ! 大丈夫すぐに丹念な検査を――――」
ヌエさんが来てこのマドという女性レギオンの関心と身体がヌエさんの方へ行き、取り敢えず開放された。この人すんごいパワフルで何もしてないのに俺疲れた……疲れない? 助かった。ありがとうヌエさん。でもヌエさんも若干引いてる気がする。ごめんヌエさん。
それにしても改めて見るとこのマドさん、ずいぶんと凄い恰好をしている。四肢や胸元、腰が黒と赤を基調とした流線形の機械装甲で覆われてて、顔はフルフェイスで目元に横一筋の青い光が走っている。何だよお前アイアンマンかよぉ!(驚愕)かっこいいなオイッ!? 男心がくすぐられるわこんなん。ちなみにそのバストは豊満であった。
ヌエさんといいマドさんといいでかいな本当。二人が向かい合って話してるの見てるだけで何か熱いものがこみ上げてくる。セクシー……エロいっ! でも何だろうか? おっぱいぷるんぷるんしてて眼福のはずなのに感じるこの強烈な虚しさは?
「ネム、おいで」
「え、うん」
黒光りする床のタイルに映る自分の顔に視線を向けていたらヌエさんに呼ばれた。なので視線をヌエさんのいる方向に向ける。しかし視界に映ったのはヌエさんではなくマドさんの無機質な顔だった。
「うおッ!?」
「ネムちゃんネムちゃん改めてこんにちは! 私はマドね、呼称は自由でいいよ。それでね今からネムちゃんにここを案内しながら奥の個室に行ってヌエ君共々じっくりねっとりとお話をしようとね。そういうわけだから早速行こうか、ほらおいで!」
「うおぉ⁉」
突然早口で捲し立てたと思ったら、途端に俺を脇に抱えてヌエさんの手も掴んで早歩きし始めた。取り敢えず言っていることはわかったが、超絶に強引すぎてう、羽毛……
ただ、案内はきちんとしてくれるようで、今いる研究室の中にあるよくわかんない機械や水槽内の培養物らしきものなども含めて、どこが何の部屋なのかを語ってくれる。早口だけど。チカレタ……
そうして体感で五時間程。強制的に回らされたこのでかい研究施設のツアーも終わり、高級そうなソファーやテーブル、その他家具などが綺麗に並べられた応接間に通され、やっとこさ地面に降ろされた。ふいーやっと椅子に座れりゅ~。いやーもう十分堪能したよ……(満身創痍)
「燃え尽きたぜ……真っ白にな……」
「お疲れネム。おいで」
はー聖母。隣に座っているヌエさんが迎え入れてくれるので全身を預ける。もうこのまま寝そうな勢いだわ……柔らかくて暖かいナリィ~。元気がで、出ますよ。
「ヌエ君にずいぶん懐いてるねその子。まるで姉妹みたいだ」
「しまい? 姉妹……フフ」
「おぉ? これはもしかしてぇ~? ヌエ君はネムちゃんがぁ~? つまりそういうことなのぉブベッ⁉」
「茶化すな怒るぞ」
力を抜きながら二人を眺めていたらマドさんがヌエさんをからかって顔面を軽く押さえつけられた。ヌエさんが手を出すなんて珍しいこともあるもんだ。いや、マドさんの前だと調子狂わされるし疲れるからなぁ~。それに今の煽り方はされたら単純にうざいだろうし。ま、やられても仕方ないね。
それにしても姉妹ねー。まあ確かに俺はヌエさんに頼りっぱなしだし、甘えてるからな~……いやこれどっちかというと母と娘じゃね? 親子?
ファッ⁉︎ 何かそう考えるといい歳した大人が女の子にバブみ感じてるみたいできもいな。恥ずか死ぬわこんなん!
「ん? ネム、もういいのか?」
「いやいい歳した大人が甘えっぱなしは恥ずかしいわ」
「「ん?」」
羞恥心からすぐにヌエさんから身体を離し、姿勢と表情を正してテーブルを挟んだ向かいのソファに座るマドさんを見据える。
最近俺はヌエさんに甘えっぱなしで自分が大人だという自覚をすっかり忘れていた。これはいけない(戒め)
それに思い返せば今日は話し合いにきたんだ。人前だというのに怠けてだらだらぐだぐだとしているのはナンセンス。例え手遅れだとしても真面目な方へと切り替えない道理はない。真面目にしなきゃ!(使命感)
ただ、やはりというか二人の目が何言ってんだと訴えてきているような気がする。まあ急に真面目ムーブかましたから何ふざけてんだ的な感じにはなる。仕方ないね。
でもやっぱり醜態晒したから恥ずかしくなってきたゾ。コンナハズジャナイノニィ!
「ヌエ君ヌエ君、ネムちゃんって背伸びっ子なの? 生後五年も経ってないんだよね?」
「ん」
「あら~」
全然違ったわ。背伸びしてる子供だと思われてるわこれ。一人で勝手に妄想繰り広げてた俺が馬鹿みたいで恥ずか死。いや馬鹿でした。もぅマヂ無理……
あと違うんです、俺はこの世界で生まれてからは二歳三歳あたりだけど前世カウントすると三十歳位になるんです! って言いたいけどこんなこと言えないわ。頭おかしいって思われる。
あれ、俺さっきから自爆して恥ずか死しかしてなくね? いい歳した大人のはずなのに……ファーwww顔から火がで、出ますよ……
「ネム、眠そうだぞ。疲れてるなら楽にしていいんだ」
「おっ、そうだよネムちゃん。何も私はお偉いさんとかじゃないしね。無理に肩に力入れなくていいよ。それに疲れたならもっとヌエ君に甘えてていいよ。むしろその方が捗るもんも捗るってもんだしね」
何だろなあーこれ。なんか一人で勝手に盛り上がってたのが恥ずかしくて、この空気が辛い。どうすっかな~もう寝ちまおっかな~(逃避)実際精神的に疲れてるしな~……
「ほら」
「ぁ……」
ヌエさんヌエさん‼ 困ります‼ あーっ‼ そんな強引に抱きしめられたら‼ あーっ‼ 寝ちゃいます寝ちゃいます‼ あーっ‼ まだお昼頃なのにっ‼ お昼頃なのにィ‼
柔らかくて暖かくて……ああ欠伸が出る。
「そんなことされたら俺寝ちゃうよ?」
「大丈夫だ。何かあれば起こす」
「時間はたっぷりとある、何も焦る必要はないさ。さあさあ存分に甘えたまえよ。ほらほらほらほら!」
マドさんが騒々しすぎる。寝てもいいっていう癖に寝かす気ないだろこの人。
でも、こんなに甘やかされたり優しくされると子供に戻りそうになる。今までの人生でここまで優しい人なんてヌエさんくらいだったからなぁ……駄目だ誘惑に負けそう。睡魔に負けそう……!
「ん、寝た」
「寝るの早いねこの子。人間の赤ちゃんみたいだわ。いやそもそもレギオンが寝るなんて前例がないことだから本当に寝たことについての方が驚きなんだけどね」
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やったぜ。 投稿者:ネームレス
(´・ω・`)やあ。久方ぶりですね。更新遅れは、まぁセンター試験近いからね、しょうがないね。あと疲れからか、不幸にもお絵描き(9割)
(´・ω・)つドゾー
【挿絵表示】
出来は……センセンシャル。
「それで? 結局のところ今日は何の用で来たのかな?」
眠っているネムに配慮してか、先程とは打って変わって静かに、普通に会話を始めたマド。正直平常運転のマドは少し苦手なので助かる。
ここで欲を言えば、普段からこの調子でいてくれるともっと助かるのだが……流石に無理な相談か。
「ネムのしていることに今後協力してもらいたくて来た。主に物品の開発や入手において」
今日マドを訪ねたのは、ネムの動画配信に使う機材や物の開発、仕入れを今後手伝ってもらうためだ。
こいつは基本的に対価を払えば依頼にきちんと応えるという信頼があるし、私の知りうる限りのレギオンの中で唯一人間の生活圏から穏便に物の仕入れが可能だ。頼るには最適なやつなのだ。
まあただ対価に何を要求してくるのかはこいつの気分次第だからわからんし、騒がしいのが欠点だが。
「ほおほぉ……それはいったいどういった経緯でのことなの? 詳しく聞かせて?」
「最近ネムが動画配信というものを始めた。その手伝いだ」
「は?」
珍しくも一瞬マドが固まった――
「ちょい待ちヌエ君。それまずいんじゃないの、いやまずいでしょ。動画配信ってそれ、だってそれは人間側に君たちの情報を全て晒すに等しい行為だよ、まずいじゃん。人間に襲撃されるぞ! いや本当になんでそんなこと始めちゃったのよおみゃーさんは……」
――と思ったら急にいつものように早口に喋り始めた。
まあマドの言い分は最もだ。よくわかる。実際つい先日に、不注意でアウトローの襲撃でネムが殺されてしまうという失態を私は犯した。だがしかし、同じ過ちは犯さない。ネムの安全は確実に私が守ろう。
「私たちは死なないし、ヒーロー連中は様子見の状態にある。それに私もネムの護衛は改めてしっかりとするし、いざとなったら遠くに逃げる」
「ああ~……もう、ああそうだね君達基本的に距離の概念がない不死身コンビだったね。なら心配は無用だったかな~でも心配だな~やっぱり、でもなぁ……」
そうしてブツブツと独りで喋り続けた末、結局マドはまあいいかと口にすれば身体の力を抜いてソファに身体を預け、先程の静かな雰囲気に戻った。
爆発的というか何というか……急にテンションが上がったと思えば一気に平常に戻る。マドのこういうところが私は少し苦手だ。まあかといって嫌いかと聞かれればそうではないのだが。
「まあそんじゃ閑話休題ってことで依頼内容について本格的に話そっか!」
「常識の範囲内であれば対価として何でもしよう」
「ん? 今何でもするって言ったよね? よねよね?」
■□■□■□
「――ネムちんオッハー!」
「ヌァッファッ⁉」
目覚まし時計代わりにマドさんの騒音攻撃で起こされた。酷い起こし方だ。おかげで寝起き早々に奇声を発してしまった。あと耳が痛い……! 鼓膜破れてないよな?
「起こしてもらった身とはいえもう少しましな起こし方はできなかったんですか……」
「いやぁ最初は身体揺すったり何だり普通に起こそうとしてたんだけどね、ネムちゃん全然起きないんだもの仕方ないでしょ。あ、ちなみにコール四回目でネムちゃん起きたんだよ、凄い爆睡状態だったねこれは」
「わ、わかりましたわかりましたすいませんでした起こしてもらってありがとうございます」
マドさんが物理的にぐいぐい迫って来て困る。顔が近すぎるし柔らかいものが当たってる当たってる! ヌッ!
まあ、それにしてもだ。はえ^~……俺そんなに爆睡してたのか(呆れ)そりゃ爆音目覚ましも仕方ないね。でもやっぱり爆音目覚ましはマジ勘弁。寝起きは爽やかにいきたいし、最悪な起床は不機嫌になっちゃうからね。
というか俺今までヌエさんに膝枕されてたのか。膝枕が最の高でまだ寝たりないんだけれども、もうあと一時間そこで寝ちゃダメっすか? ゲへへ(思春期)
あっ、このスケベ思考は大人としてあかんやつ。お前それはお前駄目だろお前ッ! ヌエさん! ヌエさん! ヌエさん! っていい歳した大人が子供みたいに甘えて恥ずかしくないのか! お前の心を戒メロン。
「ネム、粗方私の方は話が付いた。あとはネムの番だ」
「え、あっうん」
邪心に囚われていたら急に話を振られて困惑。何かここ最近はっちゃけすぎなんじゃないかな俺? いや元からだわ。これが駄目な大人の図か……
もう開き直って子供でいいんじゃないかな? 個性出して行こうとかありのままの自分で行こうとかよく謳われてるしな! でもこんなんだから前世は人に避けられてたんだよなぁ……でも今更変わろうと思っても早々に根っこは変えられんし…………もうどうにでもなればいいんじゃないかな?
なるようになるさってことでこの話は終わり! 閉廷! ……以上! 皆解散!
――と、それはさておき、閑話休題。
急にヌエさんから俺の番って話を振られたのだけれども、そう言われても俺寝てたし話聞いてないしで何についてお話してたのか全くわからないのですがそれは……あ、そこはちゃんと一から十まで説明してくれる。何か手間かけさせて本当に申し訳ない。ありがとうございます。
「取り敢えずだけどねネムちゃんや。ヌエ君と話したこととしてはねネムちゃんがよければだけれども、今後何かネムちゃんが欲しい物があるときは私が作るか仕入れるかしてあげるってことなのよ」
やったぜ。淫夢君大勝利。UNICORN。
「んでね、今後半永続的に私が協力してあげるってことで勿論対価は頂くんだけれどもね? その内容としてはね、定期的に私のお手伝いを色々としてもらうってことなの。あっ、そんなに大変なことじゃないからそこは安心してオッケー! ちなみに場合によっては人間の生活圏に一緒におでかけすることもできるからね。どうよ悪くはないでしょ?」
二回目のやったぜ! 淫夢君大大大勝利! UNICORN!
人間の生活圏――都市におでかけできるってこれって……勲章ですよ。
「是非ともお願いします! 自分にできることなら何でもします!」
「あいわかったってことで契約完了! 今後ともよろしくねお二人さん! いやぁ最近は刺激不足で退屈だったからね、こちらも楽しみだよ。今後とも是非とも私に積極的に絡んできてくれていいよ! 私は暇や退屈を何よりも嫌うんでね。お喋りするだけでも凄く――――」
取り敢えず話に一段落ついたところ、マドさんが何やら半分自分の世界に入り始めたので軽く半分話を聞き流しておく。全部聞いてたら疲れるからね、仕方ないね。
それにしてもだ。まさか今後バイトをするだけで物が仕入れられるようになるなんて、夢にも思ってなかった。人間社会じゃ当たり前な構図かもしれないが、少なくとも自分みたいなレギオンにとっては大きな一歩だ。廃品やゴミ山を漁って辛うじて使える物を多大な時間と労力をかけて探すのと、バイトという対価を払ってほぼ確実に欲しいものを綺麗な状態で手に入れるのとでは大きく異なる。
もう頭中お祭り状態や。これがダイナモ感覚か!(違う)
「あっそうだ。ネムちゃんとのお近づきの印に今日は一つ無償で何か物の仕入れや開発の案件を聞いてあげちゃう! 今日は気分がいいからね大奮発しちゃうってことで、さあささご注文は?」
「えっえ、マジすか?」
「マジマジ」
唐突ではあるがマドさんから初回特典サービスをしてもらうことになった。話題をいきなり投げかけられてちょっと驚いたぞ。でも凄く素敵なことなんでOKです。今日は願ったり叶ったりで最高な一日だな!
ということで、じゃあ早速何を注文するべきか……
新品の高性能PCやカメラ、マイク、ゲームのハードウェアやソフト等々と、正直欲しいものが多すぎて決まらないんだよなぁ。動画配信用機器周辺を揃えるのが無難か、それとも今後動画内容のことを考えて実況のレパートリーを増やすべくゲームを揃えるか……正直ゲームしたさもあるしなぁ。フリーのじゃなくて企業から出てる大規模なやつ。主に3DアクションとかVRとか。俺はゲームが大好きなんだ。
――よし、そうと決まれば。
「えーっと、じゃあ新品のPCが欲しいです」
ここは無難に下地を整えることにした。
今俺の使っているPCは拾い物のガラクタPCだ。性能的にも寿命的にも頼りないし、画面が若干割れていて使いづらい。今後長々と配信していくのに先にPCがお釈迦になったら元も子もない。そんなのはナンセンス。先ずは土台建築から始めるのだ。当たり前だよなぁ?
「おっ、そんなんでいいの? そうだねぇ、私の手持ちの物はみんな改造済みで使ってるしネムちゃんの欲しいのは人間のネットワークが繋がってるやつだろうし。作るにも資材が足りないから、仕入れかなぁ~、うん。ってことでネムちゃんネムちゃん、依頼品は近々仕入れてくるから、そうだね来週あたりにまた来てくれるかな?」
「はい、わかりました」
「ヌエ君もそれでいい?」
「ん」
あぁ^~、おニューのPCが手に入るってわかった途端身体がうずうずしてきた。たまらねぇぜ。
よっしゃ何かテンション上がってきた。これは帰ったらゲリラライブだな! 視聴者が集まってくれるかはわからないが、やる気で満ちあふれてきているんだからやるぞ。
「そんじゃ私はこれから早速仕入れの準備始めるから、今日はお開きってことで、そんじゃまた来週!」
「世話になった」
「え? あ、はい。今日はありがとうございました。また来週……に」
何か喜びに浸っていたら今日はもう即解散の流れになっていた。そしてマドさんがもうどこかに行ってしまった。マドさんが唐突の極すぎて頭が一瞬追いつかなかった件。行動速すぎない? というか、ゑ? 本当にもう今日終わりなん?
「ネム、今日はもう帰ろう。予想外に時間を取られた。もう深夜帯だ」
「え、もうそんな時間?」
なんか予想外に時間が経過していた。俺の意識だとまだ夕方くらいなんだけれども。俺が寝てたせいか、マドさんの研究所ツアーのせいか……これもうわかんねぇな?
「時間も時間だ、ここから直接転移する」
「了解」
取り敢えずまあ、ヌエさんが帰るって言ってるんだし、帰りましょ。
転移するためにヌエさんの手をしっかりにぎにぎする。暖かい。
「――では転移する」
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お披露目会
また文字数4000だけど許して。最近忙しいのよ_:(´ཀ`」 ∠):
出来は……†悔い改めて†
「マイク音量大丈夫? チェック、1、2。よし……やぁ」
『やぁ。』『やぁ。』『生配信(゚∀゚)キタコレ!!』『やぁ。』『霧島ネキからの馬コンボ ±114514893364点』『久々の生BAN配信』『やぁ。』『お久しブリブリブリュリュ』『何かいつもよりご機嫌だね』『やったぜ。』『動画見に来て早々に神社聴くことになるのは草』『なぜ女なんだ』『待機用BGMがほのぼの神社(迫真)』
注文したPCを、動画用の素材を作成したり後付け編集有の普通の動画を投稿したりと色々なことをして待つこと早一週間。
遂に念願のつよつよ高性能PC(仮)を手に入れた! それも高性能すぎて語彙力が消失するくらいやばいやつ。
というのも先ずこれ、俺が想像していたようなデスクトップとかノートパソコンとかの形状のやつではなくて、デジタル腕時計の形をしている。というか実際腕時計として機能するからそうなのだろう。
そして何とこれ、時計のつまみのようなスイッチを捻って起動するとSFとかでよくあるキーボードとかPC画面みたいなものとかが描かれた複数のディスプレイが空中に表示されるのだ。超技術過ぎてしゅごい。
しかもマドさんが言うにはこれ、まだ機能のほんの一端でしかないらしくて、もっと凄い機能があるらしい。ちなみにそれについてはまた今度説明してくれるとのこと。
取り敢えずこんな凄いものを恵んでくれたヌエさんマドさん、ありがとう、フラーッシュ! これは一生足向けて寝られないな。今度何かお礼しなきゃ。
ということで今はつよつよ機材入手の喜びからか衝動的にも生配信を始めたところだ。ただしまだその機材は使ってない。これから視聴者兄貴たちにお披露目するからだ。
「今日はね、初っ端早々にお披露目会をしたいと思います。PC、マイク、カメラの動画作成における三種の神器が一つにまとまったハイテクなやつのね!」
『おー、ええやん』『何手に入れたん?』『 (ノシ 'ω')ノシ ハヨミセ』『お披露目ハリー!ハリーハリー‼』『あぁ^~いいっすね^~』『888』『どんなん?』
「えっとねちょい待ち……はいこれ。じゃーんっ! ポケットディメンション? ってやつね」
『ファッ!?』『嘘やろ?』『ほうPDですか…たいしたものですね』『最新型やんけワレェ!』『どうやって手に入れた!言え!』『大人しくそれを渡してもらおうか』『クソ!見せつけやがって!ゆ゛る゛さ゛ん゛‼』『早く起動するんだよ、あくしろよ』『驚嘆で心停止したゾ』『↑心停止兄貴は早く成仏してクレメンス』『うらやまけしからん』『証拠物件として押収するからなぁ(ねっとり)』
言葉に合わせ、カメラに映らないよう太股の上に乗せていたポータブルディメンションという名の腕時計型PCをカメラの前に大々的に翳す。すると今まで比較的穏やかだったコメント欄の流れが一気に加速した。やはりこいつはその超技術に見合って相当なものらしく視聴者ニキの反響が凄まじい。しかも視聴者ニキたちのコメントを見るにこれは最新型だとも。
こんないいものを貰っちゃったのか俺は。こうなってくると値段がいくらか気になってくる。
「これの入手経路は超絶懐が深い神様みたいな人に恵んでもらったとしか言え、ないです。個人情報だから名前諸々の開示はNGで。あ、そうだ(唐突)ところでホモの兄貴たち、これってさお値段なんぼなん?」
『ホモじゃ)ないです』『ノ゛ン゛ケ゛で゛す゛!』『くさい』『恵゛ん゛で゛も゛ら゛っ゛た゛』『レズです』『レギオン?人?』『神様だからGOじょのいこ(名推理)』『GO is GOD』『GO is GOD』『こちら、114万3千円になっております』『中古でも100万はするぞそれ』『( ゚д゚)ホスィ…』『つかそれ都市内じゃないと買えないやん?誰やレギオンにそれ渡せる輩って』『こいつはくせえッー!きなこの臭いがプンプンするぜッーー!』『きなこの臭いって何だよ』『←たぶんきな臭いって言いたいんだろ』
「ヒュッ⁉」
百万⁈(驚嘆)うせやろ?
値段を聞いた途端に何か俺は騙されてるんじゃないかと思えてきて手が震える。だんだん怖くなってきた……こんな高価なものをポンッとくれたマドさんは一体何者なんだ……これ後で何かされないよな? な? 大丈夫だよね?
『驚いてて草』『BANちゃんのびっくり顔』『驚くとお目々ぱっちりになるのスコ』『目元しか変わってないやん!』『手が若干震えてますよ…?』『人間の価値観があるのか……レギオンに(かわいい)』『今の驚いた顔は保存させていただいた! サラダバー!』『あっ、おい待てぃ(江戸っ子)』『←それはいくらだ』『逃がさん』『盗撮民だ!囲め囲め!』『言い値で買おう』『どこで販売してますか』
「ちょっ何か恥ずかしいから止めろバカ!」
人の画像だか写真だかを本人の前で堂々と勝手に保存するのは止めろ。あまつさえ何か珍しく変な顔になってたらしいところを!
『お口わるわる^~』『プリプリしてんのスコ』『視聴者に翻弄されるレギオンの図』『その冷ややかな眼光に感動し射精した……ヌッ!』『←感動してヌクな。ヌッ!』『お前ら最高に931931』
くそ……こいつらここぞとばかりに煽りやがって……もう許さねぇからなぁ?
「罰としてニコニコ本社君には爆死してもらいますッ!」
そう言って予め準備していた素材の中から本社爆破素材を選び、
ニコニコ本社は営業終了で現実世界ではもう存在しないが、皆の心の中にはいつまでも残っている(感動)そして爆破される(無慈悲)逃れられぬカルマ……悲しいなぁ……(ショッギョ・ムッジョ)
『やったぜ』『草』『やったぜ。』『実家のような安心感』『大草原不可避』『やったぜ。』『やったぜ』
「ついでにノヴァくんも、死のうか(暗黒微笑)」
『草』『草』『やったぜ』『やったぜ』『草』『やったぜ。』『THE END』『デデデデドン!(希望)』『やったぜ。』『やったぜ』『ホモ特有の爆破オチ』『爆発オチなんてサイテー!(建前)やったぜ(本音)』『やったぜ。』『隙を生じぬ二段構え』
おまけとばかりにノヴァくんの素材も引っ張り出して爆破してやった。慈悲はない。
「あ^~派手な爆破は心が洗われるぜ」
『草』『クッソwww』『禿同』『ワイトもそう思います』『禿同』『おハーブが生えましてよ』『真顔でサイコパス発言ww』『わかるマン』『また髪の話してる……』
「ってことでお披露目会終わり! 閉廷! 次行くぞ次!」
『強引だなぁ』『次あくしろよ』『もう待ちきれないよ!早くしてくれ!』『ホモはせっかち』『何が始まるんです?』『↑大惨事大戦だ』『ほんへ開幕』『PDは使わんのぉ?』
お披露目会もいい加減ここいらで締めないとテンポが悪い。爆破で一端区切りがついたことだし次のステップに進んでしまおう。
「取り敢えず次なんだけど、ベタだけどフリーゲームしようと思いまっす。久々にJRPGがしたくなったからね、仕方ないね。ちなみに何やるかは視聴者ニキのコメントから選ぶぞ。行き当たりばったりだけどよろしく。あ、あとPDはまだ設定諸々が完了してないから次回まで待って。」
『ホ ラ ー ゲ ー ム』『やったぜ(期待)』『青鬼やって♡』『ホラゲー一択』『へなちょこBANちゃんを期待します』『哥欲祟』『ホモなら阿部鬼だろJK』『星屑の世界で(迫真)』『←おい!それってYO!18禁じゃねえか』『鬱夫の恋』『鬱夫はやめろ(大迫真)』
フリーゲームの募集をかけてみたところ、たくさんの視聴者の兄貴たちから応募が届いた。とても嬉しい限りだ。その全てがホラーゲームじゃなければ。
まあある程度こうなることは予想していたっちゃぁしていた。どの動画投稿者を見てみても“やってほしいゲーム”なんて募集をかけるとホラーゲームに票がいく。これが自然の摂理か……
駄菓子菓子!
「ちなみに言っておくと、残念だけどもホモの兄貴たち。生憎と私のホラー耐性は53万なのよ。ってことでホラーでも何でもやるけど、そこいらの実況者の二の舞にはならんよ」
『ん?』『ん?』『ん?』『今何でもするって言ったよね?』『ん?』『フラグですねこれ』『盛大なフラグ建築』『フラグ建築士検定の始まりや』『【ホラゲー検討中】 ( ´・ω)(´・ω・) (・ω・`) (ω・` )』『で結局何するん?』『オニアソビとかどうよ?』『めっちゃ怖いやつって何やろ?』
その後しばらくコメント欄は数々のホラーゲームの名前で埋まっていった。中々にリクエスト内容がばらけるものだから俺も何をすべきか数分悩んでしまった。まだ俺の知らないような、興味を引くタイトルが多すぎるのがいけない。
まあ、そんなこんなで出た結論としては――
「じゃあかなり推す人のいた哥欲祟をしま~す」
『おっしゃ!』『やったぜ』『Ibやってほしかっオォン!アォン!』『チョッ刃…』『ウタホはかなり怖いゾ』『BANちゃんやったことあんの?』『怯えるBANちゃんが見える見える…』『BANちゃんの鉄仮面が剥がれることに花京院の魂をかける!』『泣きっ面が拝めることに視聴者の魂を全部賭ける!』『勝手に俺たちの命を賭けるなw』
「このゲームやったことあるかって質問だけども、名前を聞いたことあるって程度でやったことはないなぁ。まあ、ほとんどのホラゲー平気だったからね私は。この後の私の爽快プレイを見とけよ見とけよ~。ちなみに今はダウンロード中だからもうちょっと待ってね」
『フラグをどんどん建てていくスタイル、嫌いじゃないわ!』『これは一級フラグ建築士』『初見でイキるその姿勢は今後が楽しみになるw』『フラグ回収のお膳立てありがとう』『慢心王』『“ほ と ん ど”』『これは……ダメみたいですね(我々の勝利)』
前世で俺はホラーゲーム実況なんかはよく見ていたが、恐怖なんてほとんど感じなかったからな。だから全くもって大丈夫だ。仮に不安になることがあるとすれば、このホラゲーがどっきり系かどうかということだけだ。どっきりだけはどうあっても驚いてしまうからな。まあ恐怖とはまた違うから全然へっちゃらよ!(慢心)
「おっしゃダウンロード終わり。そんじゃ解凍して早速始めるゾ!」
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落ちろ! ……落ちたな
Bacchus食べたい(迫真)
出来は……やはりヤバイ(再確認)
「来いよホラゲー! テメェなんか怖かねぇ!」
■□■□■□
――ホテル編。
「ゑ? ちょっと待ってこれ詰み? これって詰みなん? 何か動けなくなったんだけども……あ、ちょッそこは……!」
『草』『バグに愛されたな』『人体模型怖いでしょう』『こ↑こ↓若干涙目になってる』『目が潤んできてる+364364点』『壁ハメwww』『なんかエロい』『バグ死は草生えるww』『じわじわと追い詰められる恐怖』『お疲れ~』『まずは一乙』『バグには気をつけよう!』
■□■□■□
――病院編。
「いや泣いてないから……泣いてないって! ウウッ泣いてなんかないもん……!」
『もんッ(尊死)』『GAME ♂VER』『またしても人体模型君』『ついに表情崩れたヤッター!』『正体現したね。』『泣いた(迫真)』『マインドクラッシュ』『俺もうテクノブレイク810回目だぞヌッ!』『テクノ兄貴はもっとキメていって、どうぞ』『あぁ^~』『全米が射精した』『泣きながらもゲームは依然として続けるのか…』『病院編は怖いからね、仕方ないね♂』
■□■□■□
「ファッキン死ねーーッ! 死ねーーッ! 死・死・死・ね‼」
『お口わるわる新記録更新』『逆ギレから快進撃してて草』『BANちゃんこわれる』『怖すぎて逆ギレwww』『大草原』『こわれちゃ^~↑う』『BANちゃんのせいでゲームの方が全然怖くないんだがww』
■□■□■□
「や、やったぁクリアしたぞォォ! ……え? 別ルートがある? や、やめてくれよ……(絶望)許してェ許してよぉぉ……!」
『苦行はまだ終わらない』『次は廃村編ですね』『やったぜ。』『幼女の命乞い(成仏)』『弱ってて草ァ!』『さぁ、地獄を楽しみな!』『右手加速します』『非常に絶望的で非常においしい!』『お目々ぱっちりレイプ目涙目Foo↑』
■□■□■□
――廃村編。
「死ぬ死ぬ死にゅ死にゅぅ! 死にゅってこれ! ああっ‼ ……マジ止めろよぉ! グスン」
『カミカミきゃわわ』『惜しかったですねぇ(愉悦)』『たまらねえぜ』『ここまで誰もゲームの助言してあげてないのは草』『視聴者は右手が忙しい』『でもノーヒントでここまでくるのは凄い』
――あああああああもうやだああああああ‼‼‼
■□■□■□
――結局ホラーゲームには勝てなかったよ……
「なんだよこれふざけんな……! 誰だよこんなの推しやがったの……ッ! グスン」
『やっぱりな♂』『草ァ!』『清々しいまでの即堕ち2コマで草』『知ってた』『魂チップした兄貴大勝利やん』『メンタルクソザコでしたね……(愉悦)』『でもビビッてるのに反してずんずん進んでいくのは素直に凄い』『だがそれが逆にBANちゃんの泣き所に連続で触れた!』『クリア結構早かったな…』『うん、おいしい!』『泣き虫BANちゃんエッッ!』『全然怖くなかったが?』『←見るのと実際やるのとじゃ怖さは段違いゾ』『これがギャップ萌えですか?』
ゲームは結構苦戦したがクリアしてやった。ゲームの進行途中悔しくも、悔しくも! 恐怖を感じてしまってからは、いつまでもうだうだしてると余計に恐怖心が煽られると感じ、怖くても心を置き去りにできる限り合理的にプレイしてクリアまでこぎ着けてやった。
でもそれに反してオデノココロハボドボドダ! 実写映像とか何だよあれ精神的にくるんだよバカヤロォ⁉ それに俺こんなに涙脆くもなかったはずだぞおかしいだろこんなん! 何で簡単に泣くんだよ俺ェ……! 泣くなよ情けないダルルォ⁉
クソ、試合に勝って勝負に負けた気分だッ! 悔しいし恥ずかしいッ! 涙止まれよくそったれ!
「エグッ悔しいけど……ホラゲーには勝てなかったよ……ホラゲーには勝てなかったよッ!」
『ヤケクソでもネタに走るのは草』『大事なことなので二回言いました』『弱々表情で敗北宣言は股間にビビビッ』『草』『実況者の鏡』『乙』『もっとお顔見せて♡』『哥欲難いはずなのにパパッとクリアしやがって……誇らしくないのかよ?』『再走して、どうぞ』『終始お口わるわるお下品発言連発はクソワロタwww』
うるさいですねぇ……(怒)
「こちとら余裕ないんだから口悪くなっても仕方ないだろいい加減にしろ……ッ!」
『開き直ってて草』『涙目で怒っても俺の下が起こるだけだぞ?』『↑その起立した爪楊枝しまえよ』『別に上手くねぇからな?』『ヌッ!フゥ…ヌッ!』『もっとプンスカプンプンして、どうぞ』『あぁ^~、たまらねぇぜ』『もう一度やりたいぜ!』
くっそこいつら本当にムカつくなぁ……⁉
「クッソ、何か凄くイライラしてきたんで哥欲祟2やるぞオッラーン!」
『やったぜ』『や゛っ゛た゛ぜ゛!』『もう一回遊べるドン!』『出血大サービス』『もう深夜ですよ?』『←明日日曜日だからいいだろ別に』『お前の事が好きだったんだよ!』『ホンマ実況者の鏡』『自分から泣きを見にいくドMスタイルwww』『やったぜ。』『締まっていこう‼』
――このあと無茶苦茶ヌエさんに慰められた。もう二度とホラーなんてやらないからなッ! 絶対だぞ⁉
■□■□■□
【Yo!Tuber】BANちゃんについて語るスレ
364:名無しの匿名
終始クソザコメンタルでしたね……
365:名無しの匿名
今までの配信はほとんど真顔だったのに今回だけ凄い弱々しくてなんていうか……その…下品なんですが…フフ……勃起……しちゃいましてね……
366:名無しの匿名
仕事でまたしても見れなかった( ‘ᾥ’ )
367:名無しの匿名
社畜兄貴強く生きて
368:名無しの匿名
救いはないんですか⁉
369:名無しの匿名
今回もアーカイブあるから……
370:名無しの匿名
悲しいなぁ…(諸行無常)
371:名無しの匿名
俺今アーカイブ見てきたけど終始お下品でおハーブ生えましてよ?
372:名無しの匿名
BANちゃん女の子なはずなのに口調のせいで男の子っぽいんだよなぁ
373:名無しの匿名
ロリはホモ、ホモはロリ Q.E.D.証明終了
374:名無しの匿名
>>372 ホモガキの一言で全ては片付く
375:名無しの匿名
ロリペドなら全てがどうでもいい
376:名無しの匿名
>>375 すまない、ホモ以外は帰ってくれないか
377:名無しの匿名
ロリホモの定義が証明されたばっかりだろいい加減にしろ!
378:名無しの匿名
つまりロリコンはホモだった……?
379:名無しの匿名
お前ら収集つかなくなるから今その話をするのはやめるんだ
380:名無しの匿名
病院編で人体模型くんの初見殺しに見事に引っかかってて笑った
381:名無しの匿名
そんときの「にゃあああ!」って絶叫が可愛くて射精した
382:名無しの匿名
何か最近未来の人類滅ぼしてる人多い…人多くない?
383:名無しの匿名
未来もなにも俺たちは一生独り身ゾ? 少子高齢化が進んでるんだからわかるだろオイ
384:名無しの匿名
普段真顔だから今回のキャラ崩壊のギャップは
385:名無しの匿名
BAN民はスケベなことしか考えないのか……
386:名無しの匿名
何をわかりきったことを
387:名無しの匿名
そういえばホラゲーのインパクトで忘れてたけどBANちゃんPD入手したやん?
388:名無しの匿名
あれ貰い物らしいけど誰があげたんや
389:名無しの匿名
神様みたいな人=GO
390:名無しの匿名
GO is GOD
391:名無しの匿名
ヒーローはないやろ
392:名無しの匿名
そもそも都市在住のパンピーは危険区域入れないだろうから浮浪者のおっさん(60歳)かアウトローか……
393:名無しの匿名
合法ではないやろ
394:名無しの匿名
それってエン〇コー……?
395:名無しの匿名
>>394 BANちゃんがそんなことするわけないだろいい加減にしろ!
396:名無しの匿名
人類側に裏切り者がおる(名推理)
397:名無しの匿名
BANちゃんに貢ぎ物すんのに裏切りもクソもあるかよ
398:名無しの匿名
BANちゃんっていう友好的なレギオンの例ができたわけだから裏で取引してる人間とレギオンがいてもおかしくはない
399:名無しの匿名
内部情報ガバガバやんけ
400:名無しの匿名
こわいなーとづまりすとこ
401:名無しの匿名
協力者いるって前々から言ってたからそやつでは?
402:名無しの匿名
結局協力者って誰なん?
403:名無しの匿名
順当にレギオンじゃね
404:名無しの匿名
大穴ヒーロー
405:名無しの匿名
ヒーローもレギオンも能力者だからこれもうわかんねぇな
406:名無しの匿名
話戻すとPD入手したっていうけどモデルは?
407:名無しの匿名
マッドカンパニーから出た最新型にして最高級の一品――MAD PD-555ゾ!
408:名無しの匿名
ファッ⁉ウゥーン…(心肺停止)
409:名無しの匿名
ファイズかよ何それ羨ましい!
410:名無しの匿名
ますますBANちゃんを支援したやつの謎が深まったゾ
411:名無しの匿名
もしかしてこれって…MAD社が支援者ってことじゃない…⁉
412:名無しの匿名
MAD社……ありそうだなぁ
413:名無しの匿名
あそこのシャッチョ=サンならやりそ
414:名無しの匿名
かなりの変人だからなぁ
415:名無しの匿名
いいぞもっとやれ!
416:名無しの匿名
あ、そうだ(唐突)
話変えて申し訳ないが、BANちゃん襲ったアウトローって結局今どうなってんの?
417:名無しの匿名
そういえば一週間以上何もないなぁ~
418:名無しの匿名
出てこい!ヒーロー弟
419:名無しの匿名
ヒーローにもBANちゃんにも動きないからな~教えてエロい人!
420:名無しの匿名
【登場】おまたせ!微妙な情報しかなかったんだけどいいかな?
421:名無しの匿名
114514
422:名無しの匿名
くんのはえーよホセ
423:名無しの匿名
来るのが速すぎる+114514点
424:名無しの匿名
きさま!最初から見ていたなッ!
425:名無しの匿名
Exactly(そうだよ)
426:名無しの匿名
その言い方だと情報規制(ガバガバ)でもされてんの?
427:名無しの匿名
全然されてないゾ。むしろ友好関係築こうとしてるからな
428:名無しの匿名
じゃあ何で誰もそゆこと知らなかったんですかねぇ
429:名無しの匿名
何でってヒーローがまだ公表してないからに決まってんだろ
430:名無しの匿名
つまりヒーロー弟(16歳)が先走って情報漏洩してるだけってことか
431:名無しの匿名
まずいですよ!
432:名無しの匿名
ヒーロー弟、お前マジ何やってんの?
433:名無しの匿名
情報漏洩はいけない(戒め)
434:名無しの匿名
ヒーロー弟(16歳)は早漏で候
435:名無しの匿名
>>434 は?
436:名無しの匿名
【審議拒否】(ω・` )(・ω・`)(´・ω・)( ´・ω)
437:名無しの匿名
は?
438:名無しの匿名
お前は犬のエサだ
439:名無しの匿名
([∩∩])<死にたいらしいな
440:名無しの匿名
これはですね、早漏(そうろう)――射精までの時間が過度に短いこと――っていう言葉と候(そうろう)――「~である」の丁寧語――っていう言葉を掛けてるんですね。ちなみに安易に言葉を掛けて笑いを取ろうとする者は漏れなく死刑になります。
441:名無しの匿名
>>440 サンキュー解説ニキ!
442:名無しの匿名
死刑執行中にすまないが、まず漏らしちゃ駄目な情報だったらそもそもとして姉貴から教えてはもらえないからな?
443:名無しの匿名
当たり前だよなぁ?
444:名無しの匿名
何はともあれBANちゃんが受け入れられる方向でヨシ!
445:名無しの匿名
かなり挑戦的じゃないそれぇ?
446:名無しの匿名
ヒーローも柔軟な奴がいて助かった(歓喜)
447:名無しの匿名
いいじゃん(いいじゃん)
448:名無しの匿名
やったぜ。
449:名無しの匿名
あの…その前にヒーローの対応が遅すぎるんですがそれは…
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掲示板、大発見!
投稿遅れは忙しさに免じて許してください。
出来は……許してもらえるわけがな~い。
日曜日の朝。俺は昨晩とは打って変わり清々しい気分で目を覚ました。
日曜日は基本一人の時間ってことで廃墟探索はお休みだから寝坊しても構わないし、何よりヌエさんが一緒に寝てくれたから疲弊した心が癒されたのだ。ヌエさん謝謝茄子!
身体の凝りを解しながらさあ今日も一日頑張るぞと意気込んでいつも配信の際に座っている机の前に移動し、PDを起動してインターネットを開く。
今日はネットサーフィンをしながら久々にエゴサーチをするつもりだ。配信し始めの頃にしたっきりで自分が今どう人間さんに評価されているかわからないからね。自分の今の立ち位置を知るという意味で、人間社会に入り込みたい俺にとってはエゴサーチは大事なことなのだ。まあそれ以外にも俺自身の承認欲求を満たすという心の闇的な部分もないといったら嘘になるが。
「お……これ俺のスレ?」
いつの間にか作られている大百科やwiki、ブログなどを検索順に覗いていたところ、俺について語る掲示板を発見した。題名からするにどうやらアンチの類ではなさそうだ。
どんなことが語られているのか気になるし、もしかしたら俺がどう人間に捉えられているかわかるかもしれない。
――ということで俺は少しこの掲示板を覗いてみることにした。
■□■□■□
【Yo!Tuber】BANちゃんについて語るスレ
449:名無しの匿名
あの…その前にヒーローの対応が遅すぎるんですがそれは…
450:名無しの匿名
確かに一週間以上も犯罪者君放置ってのは……
451:名無しの匿名
迅速に行動していない-8939319310721364364点
452:名無しの匿名
ヒーローも所詮…無能政府の管理下じゃけェ…‼!
453:名無しの匿名
>>452 ハァ…ハァ…管理下……?
454:名無しの匿名
悲しいことだけども、ヒーローは政府に逆らえないのよね……
455:名無しの匿名
今回は異例の事態であっても人類側に被害が出ているわけじゃないからヒーロー事務所の独断じゃ動けない。政府の判断を仰ぐしかない。つまり政府が悪い(名推理)
456:名無しの匿名
どうせ政府の無能役員共が会議のための会議とか他人の意見は気に入らないとかで無駄なことしてるんでしょ
457:名無しの匿名
ヒーローが悪いんじゃない!政府が悪いんだ!
458:社畜ニキ ◆
アウトロー君餓死やら衰弱死やらしてないといいけど…(;´・ω・)
459:名無しの匿名
>>458 犯罪者を心配する聖人現る
460:名無しの匿名
社畜ニキの唐突なコテハンで草
461:名無しの匿名
社畜ニキ、何もここで自分から社畜と明言することはないんやで…?
462:名無しの匿名
社会に尽くすに飽き足らず犯罪者にまで慈悲深いなんて…感動的だな~
463:名無しの匿名
でも確かに犯罪者君生きてるか謎だよね
464:名無しの匿名
お腹がすいて力が出ないとか言ってカバオ君になってそう
465:名無しの匿名
ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ‼‼‼ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!‼‼‼
466:名無しの匿名
お前それは腹の音じゃねぇよwww
467:名無しの匿名
空腹すぎて悟り開いて今までの行いを悔いてそう
468:名無しの匿名
BANちゃんの言動やら何やらから推測するにBANちゃんのいるとこって廃墟街っぽいから食べ物なさ素
469:名無しの匿名
断食レイプ!涅槃先輩と化した咎人
470:名無しの匿名
何とか生きてるだろ(小並感)
471:ヒーロー弟 ◆
オーハー!社畜ニキがコテハンしてたから自分もしてきたゾ~
472:名無しの匿名
うるせぇ!
473:名無しの匿名
鼓膜が破れた。訴訟
474:名無しの匿名
ブルータスよ、お前もか
475:名無しの匿名
唐突すぎて呼吸が戻ったゾ
476:名無しの匿名
呼吸兄貴は今までどうやって生きてたんですかねぇ…
477:名無しの匿名
何気ないコテハンが死者兄貴を蘇生した
478:名無しの匿名
コテハン最強すぎる
479:名無しの匿名
コテハンレイプ!生者と化した先輩
480:名無しの匿名
ホモは二度刺す
481:名無しの匿名
ヒーロー弟が来るときは決まってヒーローとBANちゃん絡みの情報を提供するとき
ということで情報あくしろよ
482:名無しの匿名
というかヒーロー弟まださっき言ってた微妙な情報ってやつ開示してないやん!
483:ヒーロー弟 ◆
思い…出した!
484:名無しの匿名
忘れてんじゃねーぞこの野郎!ホモのくせによお!
485:名無しの匿名
これは許されない
486:ヒーロー弟 ◆
あああああああああ‼忘れてたああああ!‼‼‼‼‼(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ‼‼‼ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!‼‼‼)
487:名無しの匿名
もう顔中に糞まみれや。
488:名無しの匿名
くさい
489:名無しの匿名
絶叫脱糞を披露してくれるスレ民が二人以上もいるなんて…これなんて地獄?
490:名無しの匿名
いるさっここにまだひとりな‼
491:名無しの匿名
俺もいるぞ!
492:名無しの匿名
もうやだこのスレ
493:名無しの匿名
うんこ率高杉
494:名無しの匿名
もういいから情報はよ
495:名無しの匿名
OTUT早くしろー
496:名無しの匿名
早く出してよー
497:名無しの匿名
待ちくたびれてイライラするぜ!
498:名無しの匿名
ホモはせっかち
499:ヒーロー弟 ◆
【OK!(ズドン)】取り敢えずBANちゃん側は謎。私にもわからん。ヒーロー側は今Yo!Tubeの運営メールを通してアウトロー引き渡しについての連絡打ち合わせに取り掛かるとこだったはず。場所時刻とかは極秘とのこと。
今考えるとこんな簡単なことに時間をかける政府は…アレはダメみたいですね(事実確認)
500:社畜ニキ ◆
こんな世の中だから私みたいなのが量産されるのよ……(;´д` )
501:名無しの匿名
未だにこの国は旧時代の制度で溢れているもんな。こんなんだから先進国の癖に貧困層であふれるんだよ。イヤだねぇ。
502:名無しの匿名
σ゚ロ゚)σソレナ
嗚呼~異能持ちが羨まスィ~
503:名無しの匿名
異能持ちは国の監視下に置かれるけど職の選択肢は多いしどこ行っても給与がいいもんな
504:名無しの匿名
俺も異能が星買った
505:名無しの匿名
ねぇ、スレ民はさ、どんな大人になりたいの?
506:社畜ニキ ◆
私はね、ヒーローに……なりたかったんだ
507:名無しの匿名
>>505 もう大人です…
508:名無しの匿名
俺もソーナノ
509:名無しの匿名
ワイもや
510:名無しの匿名
悲しいなぁ…
511:名無しの匿名
…わかった。この話はやめよう。ハイ‼やめやめ
512:名無しの匿名
暗い話より楽しい話、やろうや。
513:名無しの匿名
お、そうだな
514:名無しの匿名
やっちまうか?
515:名無しの匿名
やっちゃいますか?
516:名無しの匿名
やっちゃいましょうよ!
517:名無しの匿名
じゃあ早速俺から。
一昨日投稿された動画の話なんだが…
518:名無しの匿名
あぁ…焼豚ウンメェナね……
519:名無しの匿名
その~ちょっと不謹慎なんですが、例のあのシーンの直後のBANちゃんのあの顔が……ヌッ!
520:名無しの匿名
>>517 レイプ目ェ……ふぅ…
521:名無しの匿名
その直後の修羅っぷりは必見。更にその後の魂が抜けた状態も必見。
522:社畜ニキ ◆
心が死んでいく感触のするゲーム;つД`)
523:名無しの匿名
シスルマジで許せねぇ
524:ヒーロー弟 ◆
ルリちゃんがマジ不幸すぎて見てられなくてずっとBANちゃんのご尊顔見てたわ。そしたら途中で部屋に入ってきた姉にドン引きされたわ。分かる?この罪の重さ。
525:名無しの匿名
修羅BANちゃんのゲーム戦闘力が凄すぎて草だった
526:名無しの匿名
怒ってるのに反してゲームプレイは超スマートになるの何なのアレ
527:名無しの匿名
サイヤ人かな?
528:名無しの匿名
お口超わるわるで草生え散らかしたわww
529:名無しの匿名
「テメエにテメエの粗チンを食わせてやる」は草
530:名無しの匿名
その前の単純な屠殺宣言の方がスコ
531:名無しの匿名
BAD ENDのあとの無気力BANちゃんが最高にスコスコスコティッシュフォールド
532:名無しの匿名
俺は「ま○こ」実況してるときのBANちゃんスコ
533:名無しの匿名
あのゲームって確か随分昔に公開停止されてたはずだけどどうやってダウンロードしたんだ…?
534:名無しの匿名
前使ってたPCに他のゲームと一緒にZIPファイル入ってたってコメント欄で回答してたゾ
535:名無しの匿名
ごめんコメント欄見てなかった
536:名無しの匿名
ええんやで(ニッコリ
537:名無しの匿名
優しい世界
538:名無しの匿名
モナ―の理不尽死に対して一々ツッコミ入れるBANちゃんスコ
539:名無しの匿名
ちん〇こ泥棒で少し笑顔になってて俺のちん〇こがお…おっぱげどん
540:名無しの匿名
阿部さんとこで迫真の声真似してたのほんと大好き
541:名無しの匿名
その前のコープスんとこ完全に沈黙してて草だった
542:名無しの匿名
というかネタが多すぎて視聴者もBANちゃんも終始ゲームに追いつけなくて草だった件
543:名無しの匿名
BANちゃん下ネタで表情柔らかくなりやすい
544:名無しの匿名
下ネタ大好きっ子だもん仕方ない
545:BAN@nameless ◆
誰が下ネタ大好きっ子じゃ!
そうだよ(当然)
546:名無しの匿名
⁉
547:名無しの匿名
ファッ!?
548:名無しの匿名
マガジンマーク
■□■□■□
ちょっとした悪戯心でカキコってしまった。まあいいや。
掲示板を軽く流し読みしてみたところ、何か色々と衝撃的なことがうじゃうじゃと書かれていて色々と感じるものはあったが、動画のネタが思わず思いついたのでヨシ!
今夜は生配信をしよう、そうしよう。
ということで配信の準備を今から始める。まだPDの設定が終わっていないからね。
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【質疑応答】鼻☆塩☆塩
出来は……母ちゃんごめん(懺悔)
「夜も更けてまいりました。ご近所の迷惑にならぬよう音量を下げてお楽しみください」
「この動画はステレオハイファイで録音されております。大音量でお楽しみ下さい」
『同時に流すのやめれw』『音でデンプシーロールするな』『うるせぇ!』『マサルさんで草』『音を前後前後左右左右に振るな』『うるせぇ!』『音を上下に振るな』『上下兄貴の耳はどこについてるんですかねぇ…』『音振りでマサルさんより聞き取れないんですが』『マサルさん懐かしいなぁ…』『アニメ声で癒されるはずなのに耳が死ぬ』『何も聞こえないゾ?』『音量注意』
「ハローワールド。まったり雑談配信の時間だよ。この配信では、私がただただひたすらに雑談や他に何かをするだけだよ、いいね? アッハイな皆様には、私と時間を浪費して月曜を迎えてもらうよ」
『アッハイ』『アッハイ』『アッガイ』『アッハイ』『おい、その先は地獄だぞ』『月曜日がせめてきたぞっ』『お慈悲^~』『アッハイ』『自宅警備員の俺は勝ち組』『休みってなんだぁ?』『ママ―!』『こんなの堪えられない!(月曜日)』『最後の晩餐』『月曜日を克服する方法を教えよう。まず(中略)存☆在☆し☆な☆い』
配信開始からのつかみは取り敢えず上々。録音していた声もちゃんとタイミングよく流せたしその他の台詞も舌を噛まずにすらすらと詠唱できた。視聴者数も日曜の夜だからかかなりいて良き良き。
それにPDを使っているからか動作も画質も音質も最高に良い。流石最新鋭の端末さん!
「明日は月曜日……視聴者は不安よな。BAN、動きます」
『それ実際に動かないやつやんけ!』『配信開始早々から視聴者に絶望を与える幼女』『レギオンのメスガキがこの野郎…』『月曜日を迎えて差し上げろ(諦観)』『初っ端からネタ盛りガンギマリだなぁ…』
「まあレギオンにゃ学校も試験も何にもないんだから私が月曜日を憂うことはないんですけどね初見さん」
『あぁ狂いそう』『(青筋が)ヒクヒクしてる…!』『狂いそう…!(静かなる怒り)』『鞭が入るぞ鞭が』『生意気なガキめ…!』『ゆ゛る゛さ゛ん゛‼』『許せる!』『可愛いから許す』『ロリニート』
誰がロリニートだこの野郎……!
「さて早速だけれども。実は私、今日ネットサーフィンしてたら私のスレを発見しちゃいました」
『見つかってしまった』『知ってた』『俺たちの性癖モロバレル』『/(^o^)\』『なんてこったパンナコッタ』『いいよ!来いよ!』
「そんでね、まあちょっとスレ板覗いてみたら何か色々とこちらもそちらも気になることあるみたいだからさ。今日は質疑応答も兼ねて雑談配信始めたんよ」
『なるほどー』『I see』『オカノシタ』『何でも言うことを聞いてくれるバンチャン』『じゃあ、まず年齢を教えてくれるかな?』『あーそーゆーことね、完全に理解した』
午前中、見つけた掲示板を少し覗いてみたら気になることがうじゃうじゃと出てきた。特にアウトロー君の引き取りという話は今一番知りたいことだ。
何せアウトロー君をいつまでも保護しているのは大変なことだからね。
今のところアウトロー君の食事は何とか用意できている。しかしそれにも限界がある。そして何より転移能力対策でヌエさんが骨を折ったので一応できうる限りの応急処置は施しているが怪我は悪化するだろうから困るのだ。早く本格的な治療を受けさせないと可哀想だ。ヌエさん曰く異能力者は常人よりも肉体性能が優れているからこの程度あまり問題ないらしいが……まあ兎に角アウトロー君の引き渡しができるなら早くしたいところなのだ。
それ故に今回の配信では視聴者との雑談を楽しみながら色々な情報を集めたいところだ。
「まあそんな感じってことで取り敢えず……まあ先ずは質問返信コーナー始めるゾ。OK?」
『OK!(ズドン)』『OK!(ズドン)』『(^q^)ハイ!ワカリマシタ!』『やったぜ。』『まともな質問は果たして存在しているのか……』『自分、質問いいっすか?』
取り敢えず先ずは過去の動画に付いたコメントやスレ板で見つけた大まかなものに答えていくことにする。
「じゃあまずは過去動画に着いたコメから答えていくね。先ず最初は……これかな?」
――協力者って誰? PD誰から貰ったん?
「この質問だけれども、答えられる範囲で言うと私と一緒にいてくれる姉貴って感じのレギオンね。んでPDはまた別のレギオンで、研究開発が大好きな技術者姉貴です。どっちも私と同じハグレって奴みたい。あっ人間君には無害よ?」
『ほーん…ん?』『BANちゃんたちはハグレなんか』『やっぱりレギオンじゃないか!』『ちょっと待ってレギオンの技術者って初耳なんですが』『BANちゃんみたいなのがいる時点でどんなレギオンがいてもおかしくはないだろjk』『そんなことよりもBANちゃんのお姉さまだって…⁉』『姉妹ゴクリ…』『義理の姉妹関係…何も起きないはずがなく』『姉妹で過ごす夜がどうなのか、そこが重要だ』
何だこいつらやけに食いつきがいいな……俺がヌエさんにそんな失礼なことできるわけないだろ、いい加減にしろ! まあ不可抗力でちょっと感触を堪能することはあるけど……
ちなみにこの情報開示についてはちゃんと本人確認は得ているので悪しからず。
「姉貴とはそんな関係じゃありませんーっと。じゃあ次行くぞ次。ほらほら」
――アウトロー君ってどうしたん?
「アウトロー君は可哀想だけれども転移能力対策で持ち物全部処分して四肢の骨を折りました。ごめんね許して……んで今は空き部屋のベッドに縛り付けてる状態。食事はその辺で集めてきた缶詰とか保存食を与えてるって感じかな? 本当に申し訳ない」
『んー……これってどうなん?』『能力対策ならしゃーなし』『むしろそれしないとBANちゃんの環境じゃBANちゃんの方が危ないからね仕方ないね』『異能力者は能力因子の影響で肉体が強靭だから骨折ぐらいなら大丈夫やで』『むしろ自然治癒能力が高いから傷の治りを警戒した方がいい』『いや人道的にどうなんそれ?』『ロリ、ベット、拘束……閃いた!』『↑通報した』『通報した』
成程。ヌエさんが言ってた通り異能力者は身体能力も向上してるのね。しかも自然治癒能力も高いと……ヌエさんがいるけれども一応気を付けておこう。
「あっ、そうだ(唐突)そういえばだけれども、さっき私がスレ版覗いたときにヒーローがアウトロー君の引き取りを計画しているってあったんだけれども、あれってマ?」
『マ』『マ』『そうだよ(当然)』『マ』『ママ―!』『そのうち運営メール通してヒーローから連絡来るだろうから見とけよ見とけよ』『364364』『周知の事実』
「そーなのかー」
やはりこの件に関してはスレ板通りなのね。成程。おかのした。
「さて、じゃあ次のコメいこかー」
――何で動画配信始めたの? 結婚を前提にお答えください。
「ハイ、結婚はできないけどお答えします。始めたのは単なる興味からです。でも一応それっぽいこと言うと人間君と仲良くなってあわよくば都市部に入れるようになってお買い物とかお食事とか贅沢したいなぁっていうね、何ていうかそういう打算があります」
『感動しました。結婚してください!』『↑いいよ♡』『↑駄目だ!』『都市部にいいよ!来いよ!』『俺もBANちゃんと交流したいなぁ…』『本当にこういうとこ人間臭いなぁって…好き!』『温厚で友好的なレギオンなんだから都市部に入れて差し上げろ』『いつかこっちに来れたらオフ会とかしたい…したくない?』『入れてもずっと監視されてそう』
「はいはいどんどん次行くぞ~」
――BANちゃんの能力って何?
「はいずばりお答えしましょう。ずばり私の能力は超再生です。生きている限りは怪我や肉体の欠損が瞬間的に再生します」
『つよい』『つよい』『それ何てチート?』『いいなぁ~』『リョナラーの餌』『アウトロー君の襲撃もこれのおかげで生き延びたんか』『つよつようじょ』
嘘だ。俺は自らの異能力について嘘をついた。異能力の詳細内容を明かすことは死を意味する。俺は他の異能力者に比べて非力なんだ。できる限り能力の情報は明かしたくない。
「まあ能力に対して私の身体能力は貧弱なんだけれどもね。他の異能力者に対しては抵抗できないよ。だから毎回姉貴にはお世話になってます」
『ロリ…一方的…お世話…閃いた!』『通報した』『
ここまでの視聴者のコメントの流れを見ると、本当にこいつら下半身でものを考えるやつらだなぁって感じる。まるで思春期の男子高校生みたいだぁ。
「まったくお前らはエロいことばっかり考えてるんだから、そんなんだから彼女ができないんだゾ」
『やめてくれその言葉は俺にきく』『なんてひどいことを…』『ヒドゥイ』『やめてくれよ…(絶望)』『 ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ア゛↑ア゛↑ア゛↑ア゛↑ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛‼‼ウ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ!‼‼』『うるせぇ!』『うるせぇ!』『うるせぇ!』『僕の彼女が引きこもりなんです…画面の中から出てこないんです。どうすればいいですか?』『知らねぇよ』『君も画面に入ればいいと思うよ』『電光超人』
「まあでも……エロいこといっぱい考えるってのは若い証拠やで。彼女も頑張ればいつかできるさ。私は君たちを応援してるよ」
『もう三十路手前なんですが…(静かなる怒り)』『あーおれアダルトになっちゃったよー』『ハッピーバースデー、アダルトマン!』『永遠の17歳です』『視聴者さん18歳』『BANちゃん俺たちを傷つけた責任とってよね』『てめーは俺を怒らせた』『幼女に憐れまれる俺たちって……』
哀れだな。本当に哀れだなぁ……なんて俺が一方的に視聴者ニキたちを思っているが、そんな俺も前世じゃ彼女いなかったし、もっと言うと友達も碌にいなかった。
俺も人のこと言えない。
「まあ、視聴者ニキも頑張ろうぜ! ってことでそろそろ過去のコメント読み上げはおしまいにしようかな?」
大きな質問は粗方読み上げた。時刻も十時を丁度過ぎたところだしそろそろ次のコーナーに移るとしよう。
「ほんじゃま、こっからは視聴者ニキと雑談しようかな。途中何か質問があればある程度は答えるよ」
『ほんへ』『ほんへ』『ほんへ←→ほんへ』『わーい(無邪気)』『やったぜ』『いつもの』『唐突にBGMが神社に代わるのは草』『親の曲より聴いた曲』『もっと親のBGM聴け』『実家のような安心感』
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【おま〇け】雑談プラスα
よぉ、ホモの兄ちゃんもうクリスマスか? 文量少ないのは勘弁してくれよな~頼むよ~。
出来は……あーねんつま。
雑談配信を始めてから一時間程経った。時刻は既に十一時を過ぎている。
配信開始前に月曜日を皆で迎えようなんてことを言ったが、やはり明日はお仕事や学業がある人が多いだろうからそれに配慮してせめて十二時半前には配信を終わらせたいと思う。
『今北。社畜です(´・ω・)疲れを癒してお慈悲^~』
「あ、社畜ニキオッスオッス。お仕事お疲れ様です。こんなホモガキの巣窟みたいな場所ですがゆっくりしていってね♡」
『ネームドキャラの登場』『ママー!』『猫被り』『お前そんな甘い声出せたんか…いいぞもっとやれ!』『あぁ^~(尊死)』『ヌッ!』『ホモじゃないです(憤怒)』『ノンケです』『レズです(#^ω^)ピキピキ』『もうロリコンでいいや』
「どうよこのアニメボイス! 結構うまいやろ?」
『そうですね』『普段からもっとやって♡』『元からロリボイスやろがい‼』『猫撫で声気持ちええんじゃ』『嗚呼、これで明日も頑張れる0(:3 )~ =͟͟͞͞('、3)_ヽ)_』『逝かないで』『社畜ニキ生きて』
「社畜ニキがんばれ♡がんばれ♡」
『社畜ニキ応援会で草』『社畜ニキは強く生きて』『もっと働いて、どうぞ』『ライフ流応援術』『延命処置』『セクシー…エロいっ!』『あぁ^~(入滅)』
いつどのタイミングでどのような感じで配信を終わらせようかと考え始めていたとき、丁度いいところで社畜ニキがやってきた。これはアレをやって終わらせるしかないな。
「ところでさぁ、皆明日は仕事に学業にって忙しいでしょ? あんまり夜更かしさせるのもよくないと思ってね……そんな皆様のためにぃ……」
『ヒエッ』『ん?』『ヒエッ』『ん?』『ん?』『ん?』『何かを感じ取るホモたち』『癒してもらったと思ったら現実を突きつけられた件;つД`)』
「おねんねのための読み聞かせ、やりたいと思います」
『やったぜ』『やったぜ』『もう許せるぞオイ!』『ママー!』『ねんね』『勝ったな。布団持ってくる』『あぁ^~』
「それじゃあよい子のみんな~、おねんねする準備はいいかなぁ?」
『はーい!』『( ˘ω˘ )スヤァ…』『はぁ~い』『オフトゥン、ヨシ!』『ママ―!』『柔らかロリボイスあぁ^~』『幼稚園味あるわぁ~』『寿命が延びる…延びる…』『今夜からは安心して眠れるぜ、ホモの兄ちゃん』
さて、場の雰囲気が柔らかくなり知能指数が若干下がったところ。一体何を朗読しようか……
おや、こんなところに丁度いいテキストが(予定調和)
「それじゃあ皆、始めるよぉ~」
『ステンバーイ…』『準備OK!(ズドン)』『お布団待機中』『フフ…この時を待っていたのだ』『ヒャアがまんできねぇ!』
「――昔、南会津の山奥を流れる水無川の上流で、四人の木こり達が木を伐っていました」
『ん?』『(。´・ω・)ん?』『ヒエッ』『こわい』『こわい』『やめなされやめなされ…酷い殺生はやめなされ…!』『皆今から根流しすっぺ』『根ながしすっぺ』『オーノー』『なんてことを…(憤怒)』『キョエェエエエエェオァアアア』『このやろう!』『くっそお!』『やりやがったな!』『あっー!』『底無しの淵』
「暑さが続き仕事に疲れた木こり達は、明日が休みなんでコンビニで酒とつまみを買ってから滅多に人が来ない所なんで、そこでしこたま酒を飲んでからやりはじめたんや」
『ん?』『んwんんww?』『何この…何?』『なぁにこれぇ』『まさかの二段構え』『(根流しを)やったぜ。』『つwなwげwるwなw』『自然すぎて一瞬分からんかったゾ』
「その晩、木の根や葉っぱを鍋で煮て、根を作っている時の事、一人の坊さんがやってきて『小魚まで死んでしまう、むごい事はやめなされ』とわしの口に糞をドバーっと出して来た。それと同時におっさんもわしも糞を出したんや。もう顔中、糞まみれや」
『まさかのミックス』『これもう寝せる気ないやろw』『フフフ…ミックス!』『↑やめないか!』『根流しで浣腸したりした(狂気)』『やめなされやめなされ…肛門虐待はやめなされ…!』『目が覚めちゃった』『これが人間のやることかよぉぉぉぉぉ!』
――その後この短くも汚い話が終わるも逆に覚醒状態の視聴者兄貴が増えるという事態に陥ったため、もう一つ日本昔話をきちんと朗読し、この配信は幕を閉じたのでした。
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