B級ソロ狙撃手の人生縛りプレイ (Ur世ワイな)
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狙撃しない狙撃手

私は狙撃手だ、

スカウトを受けボーダーに入り訓練によりB級隊員となった。

 

そんな私には誰にも話したくない悩みがある

いや話せない悩みがある

結論から言おう

 

「弾が当たらない。」

 

始まりがスカウトで、3700点近かったのも一つの要因だろう

訓練を受け続けた結果、4000点に届いた

いや、届いてしまった

トリオンが多かったそうだ、狙撃手へ転向しないかと打診された、

これも要因としては大きい

狙撃手の訓練をさぼっているわけではない、

今日も朝からこの場所で悩み続けている

 

それまでは近接の訓練だったのだ、

別に、訓練では大した成績を見せた事はない

それどころか逃げ回って、トリオン切れを狙う、その戦い方は臆病者の戦闘にも映るだろう

 

まぁ、そんなことはさておき

長距離での狙撃センスがないのは問題だ

狙撃手転向を快諾した以上、狙撃銃を使用し、成果を上げねばならない

当たらないものは、しょうがない

問題への見方を変えよう、考え方を変えよう、狙撃が致命的に当たらないのなら

 

「当たる距離まで近づけばいいじゃないか」

 

結論は出た、

あとは、理論を完成させるために、

考えなければならない事がいくつか、

 

…まずは、この視線の雨から不審に思われずに

出る方法を考えようか

 

 

 

彼は困惑していた

彼には、有望な狙撃手をチームに勧誘するという目的があった

そのため、狙撃手用の訓練フロアに来たのだ

 

不自然な人垣があった、

そして、中心には座っている人物が一人、

 

まず、人垣があるのがおかしいのだが、それは一旦置いておくべき問題だろう

じっとして動きを見せない事もおかしければ周りの人がそれを眺めているのもおかしな話しである

 

何よりも、おかしいのは動かない人物の姿勢である

頬杖をつき、何かをじっと考えるような姿勢、

所謂、考える像のポーズである

 

「何やってんだよ、お前」

 

彼は、自らの弟子に向かって言った

 

 

 

所変わって、ここは食堂である

師匠たる、荒船さんに迷惑をかけてしまったので

迷惑をかけた側として、カツカレーを献上すべく食堂に来たのだが…

 

「いやなんで、カツカレー限定なんだよ」

 

師匠にはカツカレーの魅力を理解出来ないのだ、

 

「いつも言ってるだろ、師匠呼びは辞めろ」

 

「私に戦闘を教えているのは誰だ?」

 

「それは俺だが、それとこれとは話しが別で」

 

「別にいいじゃないか、呼び名くらい。」

 

「良くないだろ。それで?今回は奇行のわけは?」

 

「別にどうということはない、0距離スナイパーだ」

 

「…はぁ、ロマン火力ってやつか?」

 

狙撃が当たらないという問題を解決するための隠れ蓑としては、

中々上出来だろう

ここまで来るのには、少し時間がかかってしまったが

やりたくもないトリガー開発なんぞに付き合ったかいがあったというものだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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