異世界ベジータ (火トカゲ)
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ベジータ、旅立つ
あなたもどうぞぉ
ここはのどかな春真っ盛りな地球。
ブルマやクリリン、トランクスといった孫悟空の仲間達は、きれいに咲いた桜を見にお花見に来ていた。
そんな彼らの中にはサイヤ人の王子ベジータの姿もあった。
「くくく…クリリンの野郎…。許さん…!」
ベジータがクリリンが歌う歌にイライラしていると、上空から大きな音をたてながら、巨大な宇宙船が近づいてきた。
宇宙船が桜の木の無い所へ着陸すると、中から大勢の同じヘルメットとスーツを着た人型の生物が降りて………
来なかった。
代わりに降りてきたのは褐色で、左目に一筋の傷跡がついた黒髪白マントの男と金色に髪を逆立て、白目を向いている筋肉モリモリのマッチョマンだった。
「捜しましたぞ、ベジータ王子」
<白マントの男>パラガスは桜の木に座っているベジータを見つけると、<マッチョマン>ブロリーと共に近づき、跪く。
「ベジータ、ひさしぶりですぅ」
「パラガス、ブロリー、わざわざ俺に殺されに来たのか」
「クズが…。血祭りに上げてやる!」
「ふおぉ!?逃げるんだぁ…勝てるわけがないょ…」
「シュワット!やめろ、ブロリー!」
パラガスは逃げるベジータに迫るブロリーに近づくと、小声でブロリーに何かを囁く。
それを聞いたブロリーは舌打ちをすると、ベジータに迫るのをやめ、パラガスの後ろに立つ。
「ベジータ王、お待ちください!ベジータ王に良い話が合って地球に来たのです!」
「なに、いい話だと!早くそれを話せ!」
「腐☆腐、あなたに異世界の王になっていただきたく参上いたしました。
最強のサイヤ人ベジータ王の優秀さを全異世界に知らしめてやろうではありませんか!
あなたの手で、最強の帝国を築き上げるのです!
異世界の王になれるのは…べジータ王!あなたしかいません!」
「いいなぁ!さっそく異世界の王に成りに出かける!後に続けパラガス!ブロ
リー!」
「父さん!ダメです!そんな話に乗っては!闇雲に出かけるのは危険です!
もっと情報を集めてからでも!」
「では科学者に作らせた一人用の異世界行きPODをどうぞ。私たちは他のPODで
後から向かいますぞぉ!」
「ハァッ☆」
パラガスが息☆子から取り出したポイポイカプセルを投げると、煙と共に一人用のPODが出てくる。
PODには異世界行きと書かれている。
「もたもたしてるんじゃないぞ!」
ベジータがPODに飛び乗ると、扉が閉じ、PODが光出す。
光が収まったころにはPODとベジータは姿を消していた。
「ふぅ~ふっふふぁ~はーはーはー、ふわぁ~はーはーはーはーはー、ふあーはーはーはーはー、ふあ~はーはっはー!」
「ははははははははははは…!うはははははははははは…!」
「能天気なベジータでは飲み込めなかったようだな。異世界の王などと、その気になっていたベジータの姿はお笑いだったぜ」
「一人用のPODは片道切符ですぅ。クズ、いつかは帰れるといいなぁ…」
「それもこれも私の大人のおねぇさん写真集をゴミのように消し飛ばしたベジータが悪いのだ。さぁ、死の恐怖を味わいながら、異世界で野垂れ死にするがいい」
「ふぅ~ふっふふぁ~はーはーはー、ふわぁ~はーはーはーはーはー、ふあーはーはーはーはー、ふあ~はーはっはー!」
「ははははははははははは…!うはははははははははは…!」
桜が舞い散る中、パラガスとブロリーの笑い声がこだまする。
そんな彼らを見ていたトランクスは焦った様子で空を飛び、花見会場を離れる
「大変なことになってしまった…。早く悟空さんに知らせなければ…!」
PODと共にどこかに消えたベジータ…。
はてさてこの先どうなりますことやら…。
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