架空戦記「日ノ出国VS極東社会主義共和国」 (冬吉)
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用語

日ノ出国

この国は、架空世界の東側(現実で言うと東アジア)に位置する議会制民主主義国家。

かつては、東から東南かけて多数の統治領(ここでいう植民地)を有していたが1939年に勃発した。

第二次ヨーロッパ戦争(E.U.WARⅡ)により、巨額の軍事費を支出し、経済が疲弊してしまった事から

1945年8月上旬に当時の日ノ出(大日ノ出帝国)は、全ての統治領からの撤退及び独立を容認した。

2年後には、国名を大日ノ出帝国から日ノ出国に改称し、旧憲法も改正された。

1949年に軍事費を削減し、その余剰となった予算を経済に回して、国内産業の復興を目指した。

1954年に軍事力の削減に伴い、大日ノ出帝国軍及び陸海軍省が解体され、新たに旧帝国軍を再編成した

日ノ出国防軍及び国防庁(後の国防省)が誕生した。当時の日ノ出国防軍の装備品は、あまりにも脆弱であった

装備の大半が旧帝国軍からの引き継ぎが多く、他国との装備開発に遅れる事となってしまった。

国防軍が新装備を開発を始めたのは、1960年代中盤頃であり、本格的に始めたのは、1970年代前半である。

1989年に東西冷戦終結に伴い、再び軍事力削減を行っていたが近年、極東国(極東社会共和国)軍の急速な軍

の近代化が脅威と感じ、最近では、軍備増強が行われている。

極東社会主義共和国(通称:極東国)

日ノ出国と同様に架空世界の東側に位置する国家。

当時の極東国は、軍事力は、それほど高くなかったため、脅威と感じられていなかったが1990年代頃からか

急速に経済と軍事力が上昇し始め、今では、日ノ出との領土争いとなっている状態。

一応言っておくがこの社会主義共和国と主張しているが中身は、一党独裁による国家である。

日ノ出国領西南諸島

南西諸島から西の方にある諸島。この島嶼には、5万人程の住民が在住しており、この島の産業は、農業と漁業。

現在、日ノ出国は、極東国がこの島の領有権を争っている。国防省は、島嶼防衛として、西南諸島に駐屯地を開設し、

沿岸部を警戒している。沿岸警備隊も本島に多数の艦艇を配備している。

北米合衆国連邦(正式名:北アメリカ合衆国連邦)

西側の大陸(現実で言うと北アメリカ大陸)にある連邦議会制の国家。

1945年の第二次ヨーロッパ戦争以降の冷戦で軍事力を拡大し、その規模から世界の警察とも言われたが経済の低迷

等の影響で軍事力を削減し、世界の警察から普通の国家へと転換を進めている。日ノ出とは、1930年代から関係が

あり、太平洋の勢力域を東西に二分した事もある。



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序盤

21世紀初頭、日ノ出国の領土である西南諸島では、隣国の極東国と領有権争いが続いていた。極東側は、自国領である主張するため近海に漁船や巡視船をうろつかせていた。日ノ出国沿岸警備隊も幾度も対処しているが毎日のようにいたちごっこ続いている状態。最近の国防省は、極東軍に警戒を強めていた。同国では、航空母艦を旗艦とする機動艦隊が編成されているという情報を掴み、日ノ出軍も沖合に空母艦隊を航行させて、警戒を強めていた。そのおかげなのか、西南諸島の領海侵犯もほぼない状態になり、平和な日々が続いた”あの日”が来るまでは、

2020年9月25日 午前3時48分 沿岸警備隊 巡視船「やえじま」

やえじま 見張り員「ひどい天気ですね。船長」

 

やえじま 船長「まぁ、そうだが、何も無い事がいい方だよ」

 

やえじま 見張り員「そうですけど、視界が悪く何も見えませんよ」

 

やえじま 船長「こんな雨天な時こそ、レーダーが役に立つだろうが」

 

やえじま 副長「船長、本船の前方、右舷から多数の漁船が向かってきます。」

 

やえじま 船長「何隻ぐらいいるんだ?」

 

やえじま 副長「数十隻、確認しました。漁船団は、西南諸島に向かっています」

 

やえじま 船長「我々だけでは、対処できんな、無線で応援を読んでくれないか?」

 

やえじま 副長「了解しました。」

 

やえじま 見張り員「ん、二隻、こっちに来るぞ、何をする気だ?」

 

やえじま 船長「見張り員、どうした、何かあったか?」

 

やえじま 見張り員「はい、数十隻いる漁船団のうち二隻がこちらに接近です。」

 

やえじま 船長「一体、ん?、!!、総員、窓から離れろ!」

 

その瞬間、やえじまの窓ガラスが割れ、多数の銃弾を浴びた。

 

やえじま 副長「こちら巡視船やえじま、国籍不明の漁船団から攻撃を受けた!至急、応援を求む!繰り返す」

 

この通信のあと、やえじまとの連絡が途絶えて、消息不明となった。

 

投信途絶から数時間後、西南諸島に向けて、四隻からなる沿岸警備隊の巡視船の船隊が向かっていた。

 

大型巡視船「やまさわ」

 

やまさわ 副長「船長、周辺海域の偵察として、ヘリコプターを飛ばしてどうでしょうか。」

 

やまさわ 船長「そうだな。よし、へりの発艦を許可する」

 

巡視船やまさわからヘリコプターが一機、発艦し、西南諸島に向けて飛び立った。

 

発艦から1時間後

 

ヘリ 無線手「西南諸島に到達しました。周囲を見渡す限り、何も異常は、ありません」

 

ヘリ 副操縦士「おい!あれって、まさか!」

 

へり 機長「嘘だろ、巡視船やえじまが」

 

ヘリ 副操縦士「それだけじゃねぇ!、あの山に旗が掲げられている。」

 

へり 無線手「あれは、極東国の国旗じゃねぇか!」

 

ヘリ 機長「これは、非常事態だ。すぐに報告しろ!

 

ヘリ 無線手「巡視船やまさわへ、こちら偵察ヘリ」

 

やまさわ 船長「こちらやまさわ、何か見つかったか。」

 

ヘリ 無線手「西南諸島の岸壁に巡視船やえじまの残骸及び西南諸島の山頂に極東国旗が掲げられています!

 

やまさわ 船長「何だと!、偵察ヘリ、すぐに帰還しろ!」

 

ヘリ 無線手「了解!」

 

やまさわ 船長「副長!すぐに沿岸警備隊本部に連絡!、西南諸島が占拠された!」



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第一話

2020年9月25日 午前5時45分 日ノ出国 首相官邸

 

巡視船やまさわからの情報は、直ちに沿岸警備隊本部に送られ、非常事態と判断した

沿岸警備隊は、直ちに国防省(現実で言う防衛省)にも通達され、首相を始めとする

官僚が官邸へ招集された。

 

栗川官房長官「首相、沿岸警備隊の平美 梓長官です。」

 

長洲首相「平美長官、これまでに起こった事を報告してくれ。」

 

平美長官「はい、今から2時間前、西南諸島の接続水域を警戒中にやえじまが

     国籍不明の船団から攻撃を受け、消息が分からずにいましたが、

     応援要請として、派遣した巡視船やまさわの艦載ヘリから西南諸島

     の岸壁に巡視船やえじまの残骸及び当諸島の山頂、極東旗が掲げら

     れていたいう事を確認しました。」

 

他の官僚「おい、それは、つまり・・・」

 

國栖国防大臣「西南諸島が極東に制圧(占領)されたというか!?」

 

平美長官「はい、おそらくは・・・」

 

國栖国防大臣「首相、直ちに軍に対して、国防出動を発令すべきでは、ないでしょうか」

 

国防出動(現実でいう防衛出動)、日ノ出国が他国の軍事勢力から攻撃を受けた時に

     発せられる日ノ出軍の出動形態の一つである。国防出動の命令が下せれば、

     日ノ出国軍の全ての兵装が使用が可能となる。

 

長洲首相「だが、本当に西南諸島が占領されたという事あれば、極東国は、声明を出す

     はずだが」

 

國栖国防大臣「そんな事を言っている場合では、ありません!我が国の領土が占領

       されたという事は、明白な侵略行為に値します!」

 

他の官僚「しかし、躊躇なく国防出動を発令すれば、国内がパニック状態になります。

     ここは、最初、海上警備行動を発令すれば良いのでは、」

 

長洲首相「そうだな、国民に無用な混乱を避けるには、それしかないな、國栖大臣、

     日ノ出海軍に海上警備行動を発令する事を海軍幕僚長に伝えてくれ。」

 

國栖国防大臣「分かりました。直ちに伝えます。」

 

長洲首相「国防大臣、現段階で被占領地域に向わせる艦隊は、あるか?」

 

國栖国防大臣「現在、1000km離れた海域にて、第509即応機動艦隊及び 

       第171潜水隊と合同演習を起こっております。

 

長洲首相「うむ、では、直ちに当艦隊に西南諸島に急行するように伝えてくれ。」

 

國栖国防大臣「分かりました。」

 

国防大臣は、席を立ち、官邸の会議室にある電話で国防省に連絡をとった。

 

長洲首相(この日から我が国の長きにわたる平和が鳴り潜めた瞬間だな)

 

そう、長洲は、考えていた。

 

2020年9月25日 午前9時33分 太平洋

 

日ノ出海軍 第509艦隊及び第171潜水隊は、統合司令部(海軍)から西南諸島

に急行せよとの命令を受け、5日間の演習を中断し、被占領地域に向っていた。

 

第509即応機動艦隊

 

旗艦:航空母艦 あかぎ CV192

 

随伴:ミサイル駆逐艦 ともつかぜ DDG220

           たかお   DDG266

           はつかぜ  DDG261

 

     汎用駆逐艦 かわた  DD253

           ひいらぎ DD237

 

第171潜水隊

 

旗艦:潜水艦 じんりゅう SS514

       いしがき  SS504

       くろしお  SS518

 

                                 次回へ続く



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第二話

西南諸島が極東国に占領され、被占領地域に向かう第509即応機動艦隊及び第171潜水隊が西南諸島に到達前の話です。


日ノ出国の領土である西南諸島が極東国の武装船団に占領されてしまった他、巡視船「やえじま」

の乗員が拘束されてしまった事により、政府は、日ノ出海軍に海上警備行動を発令した。

 

それに応じた第509即応機動艦隊及び第171潜水隊は、西南諸島へ急ぐ。

 

空母あかぎ 航空機格納庫

 

格納庫には、F-25C及びF-26戦闘機が整備されていた。そのうちの一機に一人の軍人が

乗っていた。その軍人の元に乗員がやってくる。

 

乗員「艦長、艦隊司令がお呼びです。戦闘指揮所にお戻りください」

 

そう言われ、艦長は、戦闘機のヘルメットを外す。

 

艦長「わかった。すぐに戻る」

 

日ノ出海軍 航空母艦「あかぎ」 艦長。秋沢 吾妻

 

副長「政府からの要請は、(海上)警備行動ですか」

 

司令「相手が把握しているが国内の混乱を避けるために出来る限り国防出動を出したくないのだろう」

副長「しかし、直ちに国防出動を発令した方が妥当かと思いますが」

 

司令「私も同じ考えであるが占領された地域の島民及び警備隊員の身の安全や国民の不安を少しでも和らげるには、仕方ない」

 

秋沢「磯口副長、現時点での状況は、どうなっている。」

 

磯口「現在、我が艦隊は、西南諸島向けて、全速力で航行しております。到達するまで時間は、

1~2日は、要するかと」

秋沢「そうか、我が艦隊の周辺を警戒するよう、随伴している駆逐艦及び潜水艦に伝えてくれ」

 

磯口「了解しました。」

 

空母あかぎ 艦内

 

山笠「しかし、一週間ぐらいで終わる取材が長引くとは・・・」

 

奈川「でも、いいじゃないですか、その分、記事を書く事が出来るんですから」

 

山笠「まぁ、そうだけどよぉ・・・」

 

山笠塚岸と奈川麻実は、日ノ出新聞の記者である。当空母艦隊の演習を記事にするため、

 

3日前に海軍基地から乗艦し、取材をしている最中に海上警備行動が発令されたため、

 

すぐに本土に戻る事が出来るはずもなく、艦隊の取材を続いている。

 

哨戒ヘリ SH-60

 

「マリンブルー1からあかぎへ、針路上に漁船を視認しました。」

 

磯口「マリンブルー1、こちらCIC、漁船?その船の国籍は、確認出来るか?」

 

マリンブルー1「いえ、国旗らしきものは、なく確認が出来ません。」

 

秋沢「磯口副長!随伴している駆逐艦に通達!対潜警戒!」

 

磯口「ま、まさか!」

 

マリンブルー1「あかぎCICへ、ミサイルの発射を確認!敵潜水艦です。艦隊から10時の

方向からです。

 

磯口「く、待ち伏せされていたのか!」

 

あかぎ乗員「ミサイルが来ます!13発!」

 

敵潜水艦から発射された対艦ミサイルが海中か飛び出してきた。

 

磯口「全艦に継ぐ、対空戦闘!攻撃始め!」

 

そして、あかぎ艦隊から多数のSAM(艦対空ミサイル)が発射された。

 

乗員「ミサイル12発、撃墜、本艦に接近中!」

 

秋沢「対空機関砲(CIWS)攻撃始め、総員、衝撃に備え!」

 

空母あかぎのCIWSが攻撃を開始したが、既に遅く、生き残ったミサイルが甲板後方部に着弾した。

 

全員「うわぁー!!!」

 

                                                                          続く



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第三話

今回は、一般国民からの視点です。


航空母艦「あかぎ」が敵潜水艦からのミサイル攻撃を受けていたその時間帯

 

日ノ出国内にあるコンビニエンスストア。

 

笠見「渡部さん、品出しをお願いします。」

 

渡部「はい、分かりました。レジの方を任せますね」

 

笠見「はい。」

 

そう言って、コンビニ店員の渡部は、倉庫から新しい品を出し、商品棚に陳列を始めた。

 

岡田「これ、お願いします。」

 

笠見「はい」

 

岡田和幸は、日ノ出新聞の記者である。今日は、会議がある事から普段は、外食で済ませていたのを軽食で済ませる事にしたのだ。

 

笠見「480円になります。

 

岡田「じゃあ、500円で」

 

笠見「はい、20円のお返しです。」

 

岡田「笠見さんは、今日は、早番かい?」

 

笠見「はい、今日は、講習がお休みで店長に早番にしてもらいました。」

 

岡田「そうか、君も大変だね」

 

笠見「いえ、仕事をしながら、勉強をするというのも今のうちですから」

 

岡田「そうだな、じゃあ、頑張ってな」

 

笠見「はい」

 

日ノ出新聞 本社

 

鷹田「奈川のやつ、大丈夫ですかね・・・」

 

宮河「大丈夫よ。上司の山笠さんが一緒にいるから、大丈夫よ」

 

鷹田「だといいんですけどね。」

 

喜佐美「そういえば、宮河さん、何を見ているんですか?」

 

宮河「うん、数十分前に上がった動画なんだけどね。この辺、ぼやけているけど、船みたいなのよね」

鷹田「あ、本当だ。大きい船ですね。沿岸警備隊の艦艇ですかね?」

 

宮河「最初は、そう思ったんだけど、沿岸警備隊に電話したんだけど、動画に出ている艦艇は、保有していないみたいなの。

 

鷹田「え、沿岸警備隊じゃないんだったら、何処の所属でしょうか?」

 

喜佐美「あ、それて、”あかぎ”じゃないんですか?」

 

鷹田「あかぎ?」

 

喜佐美「日ノ出海軍、航空母艦「あかぎ」ですよ。ほら、奈川さん達が今回の取材で乗艦している艦ですよ」

鷹田「あぁ、この艦か、確かあと少し数日で戻って来るんだな」

 

宮河「二人が戻ってきたら、すぐに記事を書くわよ」

 

喜佐美「はい!」

 

鷹田「はい。」

 

そんな話をしている三人に今、あかぎで何が起こっているのか、知る由もなかった。

 

空母あかぎ

 

秋沢「総員、衝撃に備え!」

 

山笠「え、衝撃に備えだと!?」

 

奈川「どうゆう事です!?」

 

その会話の瞬間、あかぎの甲板後部に敵ミサイルが着弾した。

 

山笠「うぉ!」

 

奈川「きゃぁぁぁ!」

 

あかぎ後部甲板

 

あかぎ乗員「火災発生!放水せよ!」

 

あかぎ乗員「放水開始」

 

七~八人の乗員が消火作業を開始した。

 

あかぎ艦内は、とても騒がしくなり、通路では、多数の乗員がダメコンや負傷者の搬送のため、行き来していた。

 

山笠「先の衝撃は、何だ!」

 

奈川「とりあえず、部屋から出ましょう。」

 

山笠「そうだな。状況を確認せねば」

 

あかぎ艦内 通路

 

山笠「この乗組員の行き来は、普通じゃないぞ。」

 

乗員「担架が通ります!路を空けてください!」

 

奈川「え、これって!」

 

奈川が見たのは、体中が血塗れの乗組員が担架に乗せられている姿だった。

 

乗員「記者の皆さん、大丈夫ですか!」

 

そこへ記者の案内をする乗員が安否確認のため、やって来た。

 

奈川「あの!先の衝撃は!この艦で何が起こっているんですか!」

 

奈川は、航空母艦あかぎに何が起こった問いただす。

 

乗員「大丈夫ですから!部屋で待機していてください!」

 

しかし、あかぎの乗員は、教えてくれなかった。

 

                                    続く



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第四話

乗員「衛生を呼んでくれ!、こっちも負傷者がいる。」

 

あかぎ艦内では、敵ミサイルの攻撃により多数の重軽症者が出ていた。それだけではなく。

 

乗員「こちら応急長!、我が艦の甲板後方部に直撃!艦載機用エレベーター及び電気系統に被害

あり、二基とも動作しません!

 

秋沢「修理にどれぐらい必要だ。」

 

応急長「修理に22時間、早くとも18時間です!」

 

秋沢「11時間で修理を完了してくれ、頼む」

 

応急長「了解!」

 

磯口「先程のミサイル攻撃で電気系統が損傷した事により戦闘機の離着艦は、不可能か」

 

乗員「水上レーダーに艦影あり!」

 

磯口「何隻だ」

 

乗員「2隻です。形状から蘇澳(スーアオ)級ミサイル駆逐艦です。」

 

磯口「蘇澳級か、1998年までは、北米所属のミサイル駆逐艦だったのを譲渡されて量産した

艦艇の一つだからな。電子装備は、旧型のやつだが、侮る事は、危険だな。」

 

秋沢「磯口副長は、この状況をどう打開する」

 

乗員「内心(副長!我々の艦隊は、極東軍からミサイル攻撃を受けたんですよ!正当防衛として、

反撃した方がいいはずです!例え、それが撃沈に至る事なったとしても!)」

 

磯口「はい、私としては、随伴している駆逐艦が装備するSSM(艦対艦ミサイル)で撃沈すべき

です!」

 

司令「対艦ミサイル攻撃で2隻、合わせ600名以上の乗員が海底に葬るという事か」

 

磯口「それしか、方法がありません。我が艦隊は、速やかに西南諸島に向うためには、それしか

ありません!」

 

司令「うむ、対艦ミサイルによる攻撃は、妥当だが」

 

秋沢「私は、反対です。」

 

磯口「艦長、何故ですか!」

 

秋沢「対艦ミサイル攻撃を行うためには、随伴している駆逐艦を向わせる事になる。そうなると防空体制が弱まる可能性がある。現時点で航空機による警戒できない。現在、我が空母は、先の攻撃で電気系統が損傷し、修理中だ。そこに再び、攻撃される事になれば、修理が長引く上に、

もし、飛行甲板上に直撃すれば、空母能力を完全に失う事態になる。

 

磯口「では、どうすれば」

 

秋沢「これは、私の案だが潜水艦による雷撃が確実性があると考えている。」

 

磯口「しかし、対艦ミサイルとほぼ変わらないのでは?」

 

秋沢「確かに魚雷は、使用するが無弾頭とする」

 

磯口「え、弾頭なしの魚雷ですか」

 

秋沢「通常弾頭の魚雷を打ち込めば、爆発が起こり、弾薬庫に誘爆し、爆沈する可能性がある

そこで無弾頭魚雷を使えば、爆発させる事もなく、浸水させるだけで済む。」

 

磯口「しかし、蘇澳級も駆逐艦です。対潜ミサイルも装備しているのでは」

 

秋沢「いや、あの駆逐艦は、短魚雷が装備されているだけだ。昔は、VLA能力を保持していたが譲渡が決まった際、削除された。そのため、潜水艦を攻撃するには、対潜ヘリからの爆雷か、短魚雷に限られる。」

 

磯口「その案は、賛成します。」

 

司令「うむ、それなら敵艦を沈める事もなく済む」

 

秋沢「まず、この事を首相官邸に連絡しなければなりません。」

 

                                          完

 



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