ファイアーエムブレム覚醒~炎の紋章と蒼の魔道書~ (生徒会長月光)
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予告編ファイアーエムブレム覚醒~炎の紋章と蒼の魔道書
これはブレイブルーに転生したので気楽に生きてみるの世界での出来事を終えたラグナ・ザ・ブラッドエッジの物語。
彼は神と共に消えたはずであった。
しかし偶然にもある場所にて異界の門が開きそれに巻き込まれ召喚されるラグナ。
そこは神竜を信仰する国イーリス聖王国であった。何もかもが階層都市と違い自分にとって新鮮であったラグナ。
偶々賊を無傷で拘束したことを切っ掛けにイーリス聖王国の王子クロムに自身の自警団に入らないかと記憶喪失のルフレという女軍師と一緒に誘われ無一文の彼はそこで働くことにした。
クロムと声が同じなため従者のフレデリクにも間違えられたり、記憶がないルフレを気に掛けたり、妹のリズからもからかわれたりするものの平温な空気にラグナも安らぎを感じていた。
そこに現れるは各地に出没するようになった屍兵と呼ばれるものたち。そして仮面をしたマルスと名乗る人物。
ラグナはイーリス聖王国を巻き込む戦いに身を投じる。
そしてマルスと名乗る人物からラグナは世界の行く末を聞かされる。
そして最悪の未来を変えるため、彼は動く。これは死神と言われた一人の人間が世界を…いや一人の少女の願いを叶える物語である。
予告
「俺は確かにマスターユニットと一緒に消えたはず。てかここはどこだ?」
「ワカラナイノ」
BLAZBLUE主人公ラグナ・ザ・ブラッドエッジ 相棒の6th-G概念核 V-SW
「俺と同じ声だと?!驚いたな。俺はクロム。自警団をしている。」
イーリス聖王国 王子 クロム
「うっそ。お兄ちゃんと同じ声。すっごい。ねぇねぇ貴方名前は?」
クロムの妹の王女 リズ
「いけません。クロム様。いくら先程のことがあったにせよ、クロム様と同じ声で悪人面などと。」
クロムに仕える 騎士 フレデリク
「ここは一体?それより私は一体?」
記憶を無くした女軍師 ルフレ
「えっおとゴホン、くっクロム王子と同じ声?」仮面の戦士 マルス
イーリス聖王国、ペレジアの戦いはただの始まりに過ぎなかった。
「貴方に協力していただきたいのです。未来を変えるために、そして来るべき邪悪を討つために。」
「俺は世界とかどうでもいいんだが、クロムには世話になったからな。仕方ねぇ。手伝ってやるよ。」
そうして現れる絶対的な力を持った邪竜。
「我はギムレー。この世を破滅に導く邪竜なり。」復活した邪竜 ギムレー
邪竜を倒す方法が封印ともう一つの残酷な真実しかない。
そうして決断を迫られるクロム。
「ギムレーを弱体化させる方法なら俺に考えがある。任せろ。」ラグナの育ての親であり10の竜を象徴する世界を内封した概念核を持った者
出雲 祐希
そして、
「行くぞ。ギムレー。これが俺たちが築いてきた、絆の力だ。」
「これが蒼のいや俺たちの力だ。」
「貴方に会えて本当に良かった。ラグナさん、私の未来を貰ってくれませんか。」
ファイアーエムブレム覚醒 炎の紋章と蒼の魔導書
5つの宝玉と蒼の魔道書が交わる時、世界は変わる。
あとがき
BLAZBLUE本編後のラグナのその後を妄想してみた月光です。
覚醒はファイアーエムブレムシリーズの中で一番好きなものになります。カップリングを見るため、何度も支援レベルをSにするのは大変でした。
マイユニは女ルフレです。記憶喪失になったこともあるラグナは不器用ながらも、世話をする内になつかれ兄のように慕われます。これはサヤに何と言われるか……(笑)
そしてクロムとラグナ 中の人が同じなので、できることをやりたいなと考えています。
さて最後に告白をしたのは一体誰でしょうかね。(すっとぼけ)
基本はラグナを中心に物語は展開していくようになりますので祐希の出番は少な目です。
竜を鎮めるのは終わりのクロニクルならではの方法。
感想もらえると助かります。好評でしたら連載しようかと思います。
それではまた次回も縁があれば会いましょう。
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第一章 死神異世界に立つ
投稿は不定期になりますが完結まで持っていけるようにしたいです。
それでは第一章お楽しみください。
第一章 死神異世界に立つ
全ての可能性を世界へと解放したラグナ・ザ・ブラッドエッジ。それにより、世界は未来へ向けて歩き出した。
そうして彼はマスターユニットアマテラスと共に世界から消えた。
ここはイーリス聖王国周辺に異界へ通じる門。機能が停止し久しいそれは突如起動しある存在を招く。
ドサッ
重たい音が草原に響く。そこに倒れていたのは腰に大剣を差した白髪の男だった。
ピピッピピッ オキルノ
「ん…うるせぇな。なんだよ。」
「ハヤクオキルノ」ベシッ
「痛ってーな。何すんだ。V-SW」
「んV-SWだと……たしか俺はマスターユニットと消えたはず。それにここはどこだ?」
「V-SWここは階層都市の何処かか?」
「ココチガウノ。ミタコトナイセカイ。ワカラナイノ」
「ハァー仕方ねぇ。一先ず町を探すか。よっと」
そうして男は立ち上がる。
彼の名前はラグナ・ザ・ブラッドエッジ。元の世界ではSS級の犯罪者死神と呼ばれていた。
もう一つは祐希より授かった6th-Gという世界の概念「輪廻転生」を宿した概念核V-SW。V-SWは取り付けられたコンソールに文字が浮かび誰とでも会話が可能である。
歩き始めて半刻程で町に辿り着いた。
しかし彼は有ることに気づいた。無一文であったのだ。これでは何も買うことも出来ない。
仕方なく町全体を見るため、辺りを歩く。
(この街は穏やかだな。見た感じ、物の物流はそこそこではあるがそれでも笑顔が溢れている。階層都市とは大違いだな。それに空気が澄んでる。この世界には魔素がないのか?だが右腕は問題なく動くし目も両方見えている。どういうことだ?)
蒼の魔道書は魔素を吸収してその力を発揮する。魔素がなければその力が発揮されずラグナの右腕と同化しているため右腕が動かなくなる。しかしこのラグナは同時にV-SWとも同化しているため右腕に若干の違和感が出るものの、動かすことができる。しかしそのようなこともなく動いていることがラグナには不思議で仕方なかった。
(まぁ考えたって仕方ねぇ。まずはここが何処なのかを知らないといけない。まぁ幸い言葉は通じるしある程度文字も共通していたのは良かった。)
そうして情報を集めている内に時間は正午を過ぎていった。
「一先ずここが何処なのかはわかったがまさか異世界だとはな。まぁそれよりも今は金がないからな。また咎追いみたいに賞金首とか捕まえて金にするか。」
これからの予定を考えるラグナ。
ふと上を見ると遠くの方で煙が上がっていた。
「あん?何だ火事か?とりあえず行ってみるか。」
そうしてラグナは煙の上がる方へと進む。
ある程度進むと、町の住人たちが逃げてくるのが見える。
その後ろには斧に剣を持った山賊たちが迫っていた。
「野郎共、金目のものを奪ったあとはそれ以外のものは燃やせ!」
リーダー格の男がそう言い、山賊たちは辺りに散らばる。
逃げ惑う人々の中で子供が転ぶ。そこに追い付いてきた山賊
男は笑いながら子供を虐殺しようと斧を振り下ろした。
恐怖から目を閉じる子供。
ギィン
何時までたっても痛みがこないことを不思議に思い目を開ける。
そこには身の丈ほどの剣で山賊の男の斧を受け止めるラグナの姿が映る。
「おいてめぇ。今何しようとしたかわかってんのか?」
「はん。イーリスの奴等がどうなろうが知ったこっちゃねぇんだよ。」
「そうか。ならお前がどうなろうが関係ねぇよな。」
そう言いV-SWで斧を弾き飛ばしたラグナは続け様に空いた左手に力を込める。
「歯ぁ食い縛りやがれ!!ヘルズファング!!」
そうして左手に込めたエネルギー波が山賊を吹き飛ばし川へ落ちる。
「おい。ガキンチョ大丈夫か?ここは危険だ。さっさと逃げろ。」
「ぅうん。ありがと。兄ちゃん。」
「行ったか。にしても胸くそワリーな。くそ。」
ラグナは昔のことを少し思い出す。無力なやつから無抵抗に全て奪う。ラグナにとってそれは許せないことだ。
「おらっさっさと金目のものを出せ。」
そこで思い出すのを中断したラグナは続けて山賊たちを川へと吹き飛ばしていく。そこの川は水深も深いので上がってきてまた略奪をすることはないと判断したため川に落としている。
そしてあらかた片付け終えたラグナ。
そんな中、前方にまだ山賊が残っていた。更には山賊たちと戦っていたらしき4人組がいた。しかもそいつは子供を人質にして何やら逃げようとしていた。ラグナは丁度横にあった武器屋の短剣を手に取る。
そして彼の姉代わりに教わった投擲術を発揮し素早く短剣を武器を持った腕に向けて投げる。
グサッ
それにより武器を落とした男に4人組の内の少女が小規模の雷を放ち山賊を倒した。
辺りに山賊がいないことを確認したラグナはその四人組に話しかける。
「おい、あんたら大丈夫か?」
ルフレside
私の名前はルフレ。それ以外のことはなにも覚えてません。私は草原で寝ていたそうで、そこをクロムさん、リズさん、フレデリクさんという方に拾われました。初対面なクロムさんの名前を知っていたため、話を聞くとのことで近くの町まで連行されています。
そんな中、町から煙が上がっているのが見え急いで町に行くと、そこで山賊が略奪行為をしていたのだクロムさんたちと一緒にそれを倒していました。リーダーらしき人物を倒した私たちは少し気を抜いているときに、まだ一人残っていた山賊が子供を人質に私たちに武器を捨てろと言います。武器を離したとしても子供をそのまま離すとも思えず、クロムさんが説得しようとしても話を聞こうとせず、事態は硬直仕掛けましたがふと男の腕に何かが刺さり痛みから子供を離した好機を逃さず私はサンダーの魔道書から魔法を放ち相手を気絶させます。
子供を無事にフレデリクさんが保護し、ふと男に刺さっているものを見て更に何処から来たのかを見る。それは短剣でありその方角からは此方とざっと見て200メートル離れたところに短剣を放った姿勢で男の人が立っていました。その人は辺りを気にかけた後此方に近付いてきました。そして私はビックリしました。
声がクロムさんと全く同じだったんです❗
なので最初その人が言ったと気付かず、クロムさんの方を見てしまいましたが、クロムさんも呆けていました。
そしてそこから立ち直りの速かったフレデリクさんが話をします。
「失礼ですが貴方は一体?」
「人に何か訪ねる前に自分達が何者かいうのが一応の筋じゃねぇか?まぁいいか。俺はラグナ。ラグナ・ザ・ブラッドエッジだ。偶々町によってたら煙が上がるのが見えてその方向に来たら山賊が来たからぶちのめして川に放り込んでおいた。」と言います。
「あのすいません。」
「何かようか?」「先程の短剣は貴方が投げたものですか?」
「あぁ幸い俺に気付いてなかったからな。気を反らせるために投げたんだが?」
「ありがとうございました。お陰であの子を助けられました。」
「礼なら別に良い。俺にとって不愉快だったからムカついて投げたようなもんだ。気にすんな。」
わしゃわしゃっと私の髪を撫でるラグナさん。
何だかこの人は照れ屋な人なのかと思いました。それと撫で方も絶妙な力加減でやっていたのか何だか心地よかったです(^-^)/
そして漸く復帰したクロムさんとリズさん。
「驚いたな。俺と同じ声だとは。先程は助かった。改めて礼を言わせてくれ。俺はクロム。自警団をしている。」
「うっそ。お兄ちゃんと同じ声してるなんて、私はリズだよ。よろしくね。ラグナさん。」
「私はクロム様に仕える騎士フレデリクと申します。先程は助かりました。」
「遅くなりましたが私はルフレと言います。えっと記憶喪失です。」
「何?記憶喪失だと。」「はい。自分の名前以外私が何者かも分からないんです。」
「成る程。戦闘は体が覚えてたってところか。記憶がなくなる前何か強い衝撃を受けたのかもしれないな。何かあれば周りを頼るようにするんだぞ。」
「なぁラグナ。お前が良ければ、俺たちと一緒に来ないか?」
「クロム様。確かにラグナさんはこの町を助けましたが、素性のわからないものを入れるのは余りお勧めできません。」
「さっきラグナは子供を怪我させないよう最小限の動きで見事救出して見せた。それだけで信用できる。それにああいった技術を持つものがいてくれたらとても心強い。」
「わかりました。」
「おいまて。俺はまだ入るとは…」
「一緒にいてくれないんですかウルッ」上目遣い
「いや、そうじゃなくてな。……はぁ仕方ねぇ、ある程度の衣食住と割りの良い仕事を紹介してくれるなら良いぜ。」
「あぁ約束する。これからよろしく頼む。」
「よろしくなクロム。」
「さて賊を縛り上げたら王城へいきますよ。」
「えぇー折角さっき泊まっても良いっていってたのに。今からだと日が暮れちゃうよ。」
「これも訓練です。食料は現地調達すれば大丈夫です。」
「気を付けろ。二人とも。フレデリクは笑顔の時の方が厳しいぞ。」
「成る程な。」
「さぁ行きますよ。クロム様。」
「あぁ今行くぞ。」
「二人とも自警団に歓迎する。これから頼むぞ。」
そうして私はクロムさんたちとラグナさんを交えた4人と先に進みます。ふとラグナさんを見ると私に歩幅を会わせるように歩いていてくれました。何だかこう見ると、お兄さんって感じがします。今度呼んでみようかな。と思いながらクロムさんたちの後を追い掛けます。
次回に続く。
ファイアーエムブレム覚醒の中でも好きなキャラはクロムとルキナの親子な月光です。短編から連載に切り替えました。こちらがプロローグ兼第一話になります。
ラグナは前作の時に蒼の魔道書との融合の際に過度な暴走で死にかけましたがV-SWがそれを止め制御することにより安定して力を出せています。
詳しくは前作を参考にしてもらえると助かります。
魔素がないのに何で右手が動くのかという突っ込みはあると思いますが、これは大気中に魔力が豊富に行き渡っているのでそれを糧に動いているという風にしています。
そして記憶喪失なルフレと過去に記憶喪失になったことのあるラグナはルフレを気に掛けるようになります。
ルフレも兄ができたような感覚でラグナには接していきます。因みに髪色は白髪で背丈は少し低めな設定です。スマブラの女ルフレを思い浮かべてくれたら助かります。
クロムと声が似ているので、物語が進むに連れて部屋越しに話を聞くなどするとどっちの声か分からないため勘違いされるなど日常茶飯事になっていけたらと思います。
それでは今回も読んでいただきありがとうございました。感想などもらえると嬉しいです。
また次回も楽しみにしてもらえると助かります。
おまけ
6th-G概念核 V-SW
元は終わりのクロニクルの出雲覚が使用していた専用概念核兵装。
祐希が基を作りラグナが担い手に選ばれたため使用している。
ヴリトラにヴァジュラを収め機殻剣としたもので、正式名称はVAJRAVRITRA-Sword(ヴァジュラ・ヴァリトラ・ソード)コンソールに文字を表示することで意思疎通ができ、6th-Gの者によれば「お気楽極楽」な性格。
普段は身の丈ほどもある白い大剣の姿をしており、出力に応じてさらに三つの形態へと変形する。
第一形態は通常の大剣。
第二形態は機殻を一部展開し光の刃とスラスターを形成する。
第三形態は6th‐Gの概念を用いて万物を破壊・再構成する輪廻転生の弾丸を打ち出すバズーカ。
最終形態は最大出力で全長500メートルを超える極圧の光刃を形成する。
更にはラグナが使用するV-SWには何種類か亜種形態があるそうだ。
それは本編にて明かされることになる。
6th-G
インド神話の原型とされ、Low-Gではインドがそれに当たる。2つの川を挟んで「破壊」「停滞」「再生」の三種の空間が存在しており、停滞の空間で暮らした生物は死亡すると破壊の空間で構成要素に還元され、肉体を与える再生の空間を経て再び停滞の空間へと戻るというサイクルを持っていた。要するに輪廻転生が繰り返し行われていたということ。
6th‐G人類は総じて黒人系であり、政治は複数の政治家によって方針を決める民主主義だったとされる。
概念戦争の戦渦により破壊の空間が広がった為、それぞれの河川にヴリトラとヴァジュラを配置して安定させた。だがそれによって政治家達は死と再生を管理出来るようになり、民衆は反発して内乱が発生した。生と死を管理できたら不老不死が可能になり文明の低迷に繋がるでしょう。
やがて不毛に気付いた人類はヴァジュラとヴリトラを「災いの象徴」とし、Low-Gから調査に来ていた出雲・全に押し付けた。
押しつけられた概念核達を全がLow-Gに持ち帰ったため6th‐Gは滅んだとされている。
後の全竜交渉では、10th-G残党と協力して6th‐Gの残党がG-SpとV-Swを強奪しようとしたが、巻き込まれた出雲・覚と風見・千里がそれを阻止し、自決用の試作型ヴリトラも破壊された事でLow-Gに恭順した。
この頃から風見は通称ゴングパワーという圧倒的な怪力を発揮し始めたのではないかと思います。
草の獣からの呼び方がエイブキラーなのはそこら辺から来ている。
あれ風見さんその振り上げた拳は一体?
あっちょっと待ってそれは洒落にならな
あァァァァァ
作者 出雲千里ゴホン 風見千里に殴られ全治一週間のため今回はここで終わります。まぁ千里には気を付けろよ。もしかしたらお前の後ろに、トントン
うん? あれ千里どうしたんだ?何かあったのか?ってちょっと待て、何でG-sp2のフルスイングを。えっおれがボール?ってまだ鬱憤が収まらないのかよ。
どわぁー。
出雲覚 ギャグ補正のため全治10分
おわり。
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第二章 死神異変に遭遇。そして出会い
駄文ですが今回も楽しく読んで頂ければ幸いです。
それではどうぞ。
異界の門を通り偶然、イーリス聖王国の領地にやって来たラグナ・ザ・ブラッドエッジ。町へと足を運んだラグナはそこで自警団をしているクロム、リズ、フレデリク、記憶喪失な軍師ルフレと出会い成り行きで彼の自警団に加わることにした。そして彼らはイーリス聖王国の王城へと向かうのであった。
俺はクロムたちとこの国の王城に向かって歩いている。どうやらクロムたちはしっかりと土地勘があるようで迷わずに進めているようだ。昔セリカに道案内を頼んだら目的地に着かず途中でやって来たナインに悪態をつかれながら向かった苦い思い出がある。
まぁそんなことはおいておこう。
歩き続ける内に気付けば夜になっていた。
辺りも暗いので今回は野宿になった。リズが文句をいっていたがそこら辺はしょうがないとして納得をしてもらった。
各自で食料調達することになり周辺を詮索することになった。
「たくっ。まさか違う世界でも野宿とはな…あいつらは元気でやってるか心配だが、俺は世界から消えた存在、覚えてる奴なんて…祐希一人ぐらいか。」
彼を育てた養父であり、あらゆることを教わった師匠の一人出雲祐希。そんな憂いを抱いているときに、目の前に熊がやって来た。
「丁度良い。今日の夕飯はあいつだな。行くぞ。V-SW。」「キョウノショクザイゲットナノ。」
一方のクロムたちは山菜をとり、薪を集め終わり何か肉を探そうとしていた。
「こう山菜ばかりだと栄養にならんな。」
「もーう。お兄ちゃんいーじゃん。辺りも暗いし今日はこれぐらいで。」
「残念ですがリズ様の言うとおりです、クロム様。安全のため今日はこれで。」
「こんなとこにいたのかお前ら。探しちまったぜ。」
「クロムさん。ラグナさんが帰ってきたみたいですよ。」
「遅かったな。一体何をして……ラグナお前が担いでいるのはもしや熊か?」
「あぁ丁度良いところにいたからな。血抜きは済ませたから、後は調理するだけだ。」
「助かる。山菜だけだと腹が膨れんからな。」
「えぇー熊!?獣臭いじゃん。」
「ちゃんと処理をしっかりやれば臭みも取れてしかも栄養もあって美味いぞ。」
「しかし熊を調理するための道具がないので些か難しいのでは?」
「ん?道具なら俺が持ってるぞ。」
そう言いながらラグナはまな板に包丁、鍋などの調理セットを何処からともなく出した。
「なっ?!一体何処から持ってきたんだ?こんなに。」
「あぁこのバッグから出した。こいつの中身は空間を拡大してほぼ無限に物が入るってこいつをくれた奴は言ってたな。」
「何というか俺は魔法に詳しくないからなんとも言えんがその俺から見ても凄いものと思うんだが。」
「そうですね。兵士の食料など持つだけ持てるだけでなく、それだけ負担が軽くなる優れものと言えます。」
クゥー
話をしてると誰かの腹の音がなる。ふとその音のした方を見るとルフレがお腹を押さえて顔を赤くしていた。
「あっすいません。その聞かなかったことにしてくださぃ…」と恥ずかしがって言う。
「まぁ今はその話は良いか。フレデリク頼めるか。」
「お任せを。ラグナさん。料理の心得は?」
「旅の時は大体自分で作っていたから、それなりにできるぞ。」
「それは心強い。では手早く済ませましょう。」
そうして二人して料理に取りかかり30分ほどで完成した。
そのまま一度日を通して臭みを抜き焼いた熊肉、山菜と共に煮込み出しを取ったスープを人数分ラグナの持っていた容器に入れて全員に配り食べる。
「美味しい。獣臭いと思ってたけど、甘いし体が暖まるよ。」
「熊肉は滋養作用があるから全身に栄養もいくし肌にも効果的らしいからな。」
「えっそうなの。良かった。お肌が荒れちゃうからどうしようかと思ってた。ありがとね。ラグナさん。」
「まさかここでこんなに美味い飯にありつけるとは思わなかった。戦闘だけでなく料理も出来るとは…ますます自警団に入ってくれたのはとても嬉しいことだ。ありがとうラグナ。」
「料理なんてコツと経験があれば大抵のやつなら出来るもんだ。今度教えてやろうか?」
「機会があれば頼むとしよう。」
「それにしてもラグナさんとても手慣れてましたね。どなたに教わったんですか?」
「あぁまぁ。育ての親にな。」
幼い頃にシスターの手伝いをしてその手際を覚えていたラグナ。更には祐希の手持ちのソーナンスにも料理を教わっていたので、階層都市では咎追いの他に短期で料理店でバイトをしていたこともあった。
ん?祐希に教わらなかったのかだって?あいつの料理は手際よくて味が良くても見た目がゲテモノにしか見えないんだよ。デザートとかの菓子系は大丈夫らしいがそれ以外は信用できん。
クイクイっと誰かに服を引っ張られる。そちらを向くとルフレが器を出しておかわりを要求していた。
「あの。ラグナさん。おかわり良いですか?」
「おう良いぞ。食わないと力もでないし成長しないからな。」
「ルフレさんよっぽどお腹すいてたんだね。」
「それもあるが美味いからな。」
そうして鍋が空になる頃には全員満足して食べ終えた。そうして近くに川があるようだったので、そこで軽く食器と鍋を洗い流し、四次元バックへと戻す。
そうして明日に備え寝ることにした5人。
真夜中に近い時間。ふと誰かに揺すられている感じがして目を開けると、ルフレがいた。
「ラグナさん。すいません。実は、クロムさんたちがいないんです。」
「何だって?こんな夜更けにどっか行くって、仕方ねぇな。おいフレデリク起きろ。」
「むっ如何なさいましたか?クロ、ん?ラグナさんでしたか。」
「今間違えかけたな。まぁいい。クロムたちがいないらしいんだ。」
「何ですって?!このフレデリク一生の不覚。急いで探さなければ。」
そうしていると、遠くからゴゴゴゴッと地鳴りがする。
ドン
と爆発音がし火の手が上がる。
「何ですか?あれは?!」
「ともかく行ってみましょう。」
そうして三人は急いで火の手へ急いで走る。
走る三人は遠くに人影が見えた。クロムたちだ。
「クロム様ご無事ですか!!」
「フレデリク!あぁ大丈夫だ。それよりも戦闘準備だ。」
そういうクロムの先にはゾンビのようなグールのような正体不明の敵がいた。
「何ですかあれ!この国ではこんな化け物がいるのですか?」
「俺たちも見たのは初めてだ。来るぞ。」
そうしてグールのような敵が攻めてくる。剣を持った敵にクロムが応戦し、そして隙ができるとルフレがサンダーで倒す。
フレデリクはリズを馬に乗せ斧の敵に対処する。少し手傷を負うもののリズが回復する。
ラグナはV-SWで斧を持った敵と接敵する。
スラスターを吹かし早々と片付ける。そしてある程度敵が少なくなると遠くで、馬に乗った女騎士と弓兵が此方に向かってくる。
「おいっテメーら何もんだ?」
「クロム団長?!ってあれ違う。でも確かに声がしたような。」
「そこの彼が話しかけたのだよ。美しいマドモワゼル。」
「だから僕はソワレだって言っただろう。それで君は一体だれだい?敵かそれとも味方?」
「さっきから涌き出てくるこいつらの敵だ。」
「わかった。味方だね。さっさと片付けるよ。」
「そこの弓持ったやつ。」
「私かい?私はヴィオールしがない弓兵さ。」
「それは後だ。援護を頼む。」
「任せたまえ。私の華麗なる弓捌き見ると良い。」
そうして他のグールを倒していく。剣の敵にはソワレが対応し、斧の敵はラグナが対処する。そしてヴィオールは隙が出来ると抜群の精度を見せ敵を倒す。
そしてあらかた倒し終えてクロムたちと合流する。
「無事だったか?ラグナにソワレと誰だ?」
「クロム団長この男はヴィオールという流れの者らしく自警団に入ってもらおうと思ってる。」
「私はヴィオール。よろしく頼むよ。」
「あぁ頼む。」
「クロム団長。こっちのクロム団長に似た声の男は?」
「ラグナという。自警団に入ってくれたんだ。」
「そうか。これからは仲間だね。僕はソワレよろしく。」「あぁ。ラグナだ。よろしく頼む。」
少し待っていろと言われ、ソワレとヴィオールは暫くその辺で休むと言い、ラグナはクロムに着いていく。
そしてフレデリク、リズ、ルフレたちと合流する。
目の前にはもう一人仮面を被った人物がいた。
「先程は助かった。リズを助けてくれてありがとう。」
「助けてくれてありがとう。」
「いや、僕は当然のことをしただけ。気にしないでくれ。」
「俺はクロム。こっちは妹のリズとフレデリクにラグナだ。」
「フレデリクです。先程は助太刀助かりました。」
「僕はマルス。」
「そうか。古の英雄王と同じ名前か。先程の剣捌き見事だった。誰かに習ったのか?」
「僕のことは良い。それよりも気を付けてほしい。今回のこれはこれから起こる災厄の前触れ。」
「?どういうことだ。あんた何か知ってんのか?」
「!?!おとゴホンクロムさんと同じ声?」
「あぁ俺も最初はビックリしたな。」
「そうなのか。今は言えない。ただ気を付けてほしい。それでは。」
「待てっ。こいつを持っていくと良い」とラグナは熊肉のスープの入った水筒と、全員に内緒で朝御飯として用意していた握り飯を渡す。
「少ないかもしれないが、持っていってくれ。」
「いや、僕は別に。」
「助けられた恩は返すのが俺の流儀だ。後で捨てても構わん。」
「それならありがたくもらうよ。」
そうしてマルスはその場を去っていく。
そうして一先ずの危機を乗り越えたクロム一行。
次に目指すはイーリス王城だ。
マルスside
私はある存在の助力によりここへ来ることができた。危機一髪リズさんを助け、その後…おとゴホンクロムさんと共にあの存在屍兵を倒す。
全て倒し終わり、クロムさん、リズさん、フレデリクさん、ルフレさんと話す。そしてもう一人私が知らない男の人がいた。ラグナというらしい。声がクロムさんと同じだったので少し素が出てしまった。
そしてこれからの出来事に対する警告をし、その場を去ろうとする私をラグナさんが呼び止めた。
彼からスープの入った水筒、おにぎりの入った笹袋を頂いた。そうして彼らと別れ、暫くし丁度良い切り株の上で一休みする。
そして先程もらったおにぎりとスープを飲む。
おにぎりとスープは少し冷めていたが、私の心は暖かくなった。久しぶりに人の優しさに触れた私にとってそれはとても嬉しかった。
味は少ししょっぱかったけど美味しく頂いた。そして顔をふいて空を見上げる。
私は一層の決意をする。どんなに孤独な戦いでも必ず、お父様を救うと。
あとがき
今回も読んでいただきありがとうございました。ゲームでは熊はクロムかフレデリクが取ったようでしたがこのssではラグナが取りました。彼はシスターから料理の手解きの基礎を学び、祐希の手持ちのソーナンスに様々な料理を教わったので大抵の料理を作れ、一時期咎追い以外での仕事でレストランで働いていました。その美味さは通常の店の売り上げの1,5倍を記録するほど。
最後のマルスの独白はオリジナルです。初めて来た大地に一人でやって来た覚悟と孤独。そこにラグナから渡された手作りおにぎりとスープは心に響いたと思います。人の優しさと温もりを久しぶりに感じた彼?は一層の決意をして瞳から流れる物をふき夜空を見上げる。
果たしてその瞳には何が写るのか。
そして次回からはイーリス王城での話になると思います。今回も読んでいただきありがとうございました。次回も楽しみにしてもらえると助かります。
いたたっ前回のエイブキラーからの傷が…
ん?これは木の実と軟膏と手紙?
傷に良く聞く、早く治す。 キテルグマ。
キテルグマ!?!そうかありがたい。おっとどうやら雨が降ってきたようだ。これは土砂降りかな。
作者が帽子を深くかぶり直したのを見た、こっそり見ていたキテルグマはその場を離れるのであった。
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第三章 聖王との邂逅 自警団アジトへ
前回謎の存在からの襲撃を受けたクロムたち。リズに振り下ろされた凶刃をマルスという仮面の戦士が守り、クロムたちに合流したソワレと流れの弓兵ヴィオールの力もあり無事に殲滅した。
その後マルスはクロムに気を付けろと言いその場を去った。そうしてクロムたちはイーリス聖王国へと向かうのであった。
クロムたちは休息を取りながら無事にイーリス王都へ辿り着いた。
「此処がイーリス王都。最初に行った町よりも人が溢れていますね。 」
「どうやら大きな混乱はないようですね。謎の地割れの被害はあの森に限られたもののようですね。」
「もしこっちに被害があったら慌ただしくなるしな。それにしても良い王国だな。町に活気がある。あとは人との交流に笑顔。良いところなんだな。」
そして辺りからエメリナ様だとの声がしたのでその方角を見ると、一人の女性が民に手を振っているのが見えた。
「あの姉ちゃん何もんだ?あんなに兵たちが周りにいるってことはこの国の重鎮なのか?」
「あの方はイーリス聖王国の聖王エメリナ様であらせられます。」
「王がこんな町中にいらっしゃるのですか?」
「聖王はこの国の平和の象徴なのです。遥か昔に世界を破滅させんとした邪竜を神竜の力によって倒した英雄の血を引くのがあの方でその初代聖王のお姿を民はエメリナ様に重ねているのでしょう。」
「今は隣国のペレジアとの関係も緊張していて皆不安になっているからな。ああやって表に出ることで民の心を鎮めているんだ。」
「そうですか。エメリナ様のような良い王がいるこの国の人々は幸せですね。」
「えへへー!でしょー。だって、私のお姉ちゃんなんだもんね!」
「そうかリズの………ん?待てよ。姉ってことはクロムとリズはまさか?」
「イーリス聖王国の王子と姫様なのです」
「えぇぇー!お二人とも自警団だと」
「王族が自警団をやって悪い法はない。まぁ気にせず普通に接してくれ。」
「てことはフレデリクは御付きの騎士ってことなのか?」
「えぇその通りです。クロム様あるところにこのフレデリクありという所です。」
「姉さんが王城に戻るようだから俺たちも行こう。」
こうして途中でソワレ、ヴィオールと別れ一同はエメリナのところへ向かう。
王城を進むとエメリナの姿が見え声を掛けられる。
「ご苦労様でした。クロム、リズ。それにフレデリクも。」
「山賊は無事に倒した。町の皆も無事だった。しかし、辺境には賊が蔓延ってる。その多くが隣国のペレジアから流れてきた連中だ。」
「そうですか…」
「大丈夫だよ。お姉ちゃん。これからはルフレさんとラグナさんがいるから。」
「そちらの方々が?」
「山賊退治に手を貸してくれた自警団の✨仲間だ。」
「弟たちがお世話になったのですね。ありがとう。ルフレさん。ラグナさん」
「い、いえ」
「俺がいたところに偶々アイツらが来てそれをぶちのめしただけだ。」
「?クロム、言葉遣いが荒いですが何かあったのですか?もしかして私に何か不満があったのですか?!私がもっと貴方を見ていたらこんなことには。」
「いや。姉さん❗今のは俺じゃないぞ。それと姉さんに不満なんてあるわけがないだろう。姉さんは最高の姉だ。」
「お姉ちゃん。今のはラグナさんだよ。お兄ちゃんと声が物凄いそっくりなんだよ!」
「そうだったのですね。ビックリしました。てっきりクロムが言ったのかと。」
「まぁそう言うわけで色々と世話になる」
「恐れながらエメリナ様。ラグナさんはともかくルフレさんは記憶喪失とのことでして、賊の一味とは考えられませんが他国の密偵の疑いが完全に解けたわけではありません。」
「フレデリク!」
「ここへ連れてきたのということはクロム貴方はその方たちを信じたのですね。」
「ああ。ルフレは俺と共に、ラグナは賊に人質にされた子供を守るために命を懸けて戦ってくれた。だからルフレやラグナは信頼できる。」
「ならば何も心配いりませんね。フレデリクもありがとう。心からクロムたちを心配してくれているのね。」
「いえ、クロム様とリズ様の安全を守るのは騎士にとって当然のことです。」
そうして話しは森で出た謎の存在の話しになりクロムはその話し合いに、フレデリクはそのあとを付いていくことになった。
そのあとリズに連れられて自警団のアジトにルフレとラグナを連れていくのだった。
そうしてアジトに着いたリズたちはそこにいた三人に話をすることになった。
「此処が私たちのアジトだよ!」
「ほぉ。中々広いところだな。それに腕っぷしの強そうなのが結構いそうだな。」
「おう。リズ帰ってきたのか。」
「あっヴェイク。お兄ちゃんも一緒に帰ってて今はお姉ちゃんと会議してるよ。」
「ん?だが今クロムの声がしたと思うんだが?」
「私も聞こえました。」
「スミアさんも。えっとね。お兄ちゃんは居ないんだけどね。新しく入ってくれた二人。ルフレさんとラグナさんなんだけどね。ラグナさんは何とお兄ちゃんと声が似てるんだよ。」
「そんなわけあるか。またお前のイタズラなんじゃないか?」
「人の声がイタズラとは言ってくれるじゃねぇか。」
「わぁ。本当にクロム様と同じ声なんですね。クロム様がワイルドな雰囲気で喋ってるみたいで良いです。」
「まじか!わりぃ。まさか同じ声だったとは、所であんたは強ぇのか?」
「何ならここで試すか?」
「もう二人ともストップ。アジトの中でやったら物が壊れちゃうでしょ。」
「それもそうだな。ヴェイクって言ったな。後で外で組み手といくか?」
「いいぜ。どっちが強ぇか確かめようじゃねぇか。」
「もう二人とも血気盛んなんだから。」
「まぁリズさん。ああいうコミュニケーションだってあるんですから良いじゃありませんか。」
「リズ帰ってきてたのですね!」
「あっマリアベル。」
「心配していたのですよ。何処にも怪我はありませんか?」
「大丈夫だよ。それとね新しく入るルフレさんとラグナさんだよ。」
マリアベルはラグナたちを一瞥する。
「私庶民の方とお付き合いする気はありません。リズに馴れ馴れし過ぎるんじゃありませんこと?失礼させていただきます。」
そう言いながら二人の前から去っていく。
「何だあの高飛車女は。」
「あ、あの…あまりお気になさらないでくださいね。マリアベルさんちょっと人見知りなんです。」
「だからってあの態度はないだろ。俺はともかくとしてルフレには普通に接すれば良いだろうに。」
「ラグナさん。私は気にしてませんよ。これからマリアベルさんとは仲良くなっていきますから。」
「そうか。頑張れよ。」
そう話していると、クロムが入ってきた。
「クロム様!」
とスミアが近付こうとしたとき足元の紙束に足を滑らせて転けそうになる。
丁度側にいたラグナが咄嗟に受け止めたので転けることはなかった。
「おっと大丈夫か?もうちょい足元をしっかり見ないと危ねぇぞ。」
「あっありがとうございます。」カァー
「だ、大丈夫かスミア?」
「すみません。私ったら何時もこうで。」
そしてクロムは話し合いで決まったことを伝える。イーリスより北にある、フェリア連合王国という軍事国家に助力を求めにむかうとのことだった。
付いていくことになったこの場のメンバーはリズ、ヴェイク、スミア、フレデリク、ソワレ、ヴィオールの六人だ。
あとで他の仲間にもどうするかを確認するとのことでこの場は解散になった。
そうして寝泊まりする部屋に案内されたラグナとルフレ。外に一度出てヴェイクと腕っぷしを競い合い、その後に部屋に戻り部屋を片付けて落ち着いてから、ラグナは自分と共にいた仲間(ポケモン)たちを確認する。その内の一つから出てきたのが
「ヌゴン!」
「ヌメルゴンどうしたんだ?」
「ヌメッ ゴン‼️」
「ウレシガッテルノ。」
「V-SW嬉しがってるって。」
「アノトキラグナ タスケルノニ ジブンヲギセイニシテセカイスクッタ ミンナカナシカッタ。デモマタアエタ ダカラ ウレシイ。」
「そういうことか。悪かったヌメルゴン。それにお前たちも。」
カタカタと揺れるボール。それはまた会えて嬉しいという表現だろう。
その時、部屋をノックする音が聞こえた。
「ラグナさん。クロムさんが風呂が空いたって言ってましたよ。」
「ああ、悪いなルフレあとで入るわ。」
「ヌメッ」
「?誰か一緒にいるのですか?…入りますね。」
とルフレが入るとラグナと2メートルはあるだろう不思議な生物を見た。
「わっ。ラグナさんその大きな生き物は一体?」
「こいつはヌメルゴンって言うんだ。ポケモンって言われる生物の一つなんだ。」
「ポケモンですか。この世界にはこんな生き物がいるんですね。」
「いや、多分今現時点では俺しか知らないしポケモンたちもこっちにはいないだろう。」
「どうしてですか?」
「俺はこことは違う世界に生きててな。そこの世界でやるべきことをやって消えたと思ってんだが、何故かこの世界に着いてな。こっそりクロムに聞いたら異界の門って所が別の世界に繋がることがあるって言われてな。それで俺もこの世界に来たんだろうさ。」
「そうだったんですね。所でラグナさん、その、ヌメルゴンが離してくれません。」
「ヌメッヌメメゴ」
「はっはっ気に入られたみたいだな。」
「このヌメヌメしたようなそれでいてひんやりとした感触は何とも言えない良い感じになります。」
「ヌメメゴン!」
「まぁ少ししたら落ち着くだろ。」
そうしてると今度はクロムが入ってきた。
「ラグナ、風呂が空いたから行くぞっと何だこの生き物は?」
「メゴ?メゴゴ?ヌメッ 」
「うぉっ、表面がヌメヌメしてるが冷たい感触が…」
「あーヌメルゴン、俺と同じ声だからと思って抱きつきに行ったな。」
そうして十分程楽しんだヌメルゴンはボールに戻る。そこにはヌメヌメになったクロムとルフレの姿があった。
「ラグナ今の奴は一体?」
「ヌメルゴンっていうポケモンで俺と同じ異界の存在なんだ。」
「そうだったのか。おっとルフレお前もヌメヌメになってるから風呂にいくぞ。」
「あのクロムさん。私は女ですよ。」
「…そうだったな。すまん!」
「とりあえずルフレは先に入ってきな。それから俺たちも入る。というか他のやつらが入らないように外で見張った方がいいか?」
「すいませんがお願いします。」
「いくぞクロム。」
「そうだな。」
そうして風呂に入りに行く三人。トラブルもなく普通に風呂に入り部屋へと戻る。
明日はフェリア連合王国へと出発だ。
あとがき
今回はファイアーエムブレム覚醒を投稿しました。月光です。最近ヒーローズで覚醒キャラが多くきたので投稿しました。
今回はイーリス王城へ着いてエメリナに会い自警団メンバーに会いました。やっぱり声が似ていて普段からの言動でないと動揺しそうだなと思いました。
そしてラグナは祐希からポケモンも受け取っていて今回はその内の一体のヌメルゴンを出しました。因みにラグナは6体持ってるので他のポケモンもその内に出します。
今のところヌメルゴンとリザードン、ロトムは決まってます。シリーズ初期の方のバイクロトム(鋼 電気 タイプ)はそのまま続投してラグナの陸の移動手段になります。
剣盾で自転車にロトム入ってくるとはこの当時思わなく始めたときはビックリしました。そろそろ鎧の孤島が配信されるのでそちらからも何体か作品に出していきたいですね。
FGOでは水着剣豪復刻なのでイベント消化しつつ投稿していきたいと思います。
このポケモンをラグナの手持ちにという方がいたら活動報告にコメントしてください。それではまた次回も見ていただけると幸いです。
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第四章 フェリア連合王国へそしてハプニングは突然に
それではどうぞごゆっくり。
「はぁ………」
「ゲンキダスノ!」
「つってもなV-SW。これはため息を吐かずにはいられねぇだろ」
「オッチョコチョイ?」
「それで済んだら俺はこんなところにはいねぇよ」
草原にポツンと一人残されたラグナは何故こうなったかと思い出す。
フェリア連合王国へ向かうためクロムたち自警団は一度集まりメンバーを確認していた。クロム、ラグナ、ルフレ、フレデリク、リズ、ヴィオール、ソワレ、ヴェイク、スミアの9人。揃ったと思い出発しようとしたとき、慌ててこちらへ向かってくる寝癖のついた青年。
「待ってよ。クロム!」
「ん? ソールお前も来るのか?」
「そうだよ。でも僕もさっき聞いたばかりだから慌てて来たんだよ」
「あれっ? 確かソールに言っとくって昨日ヴェイクが言ってたと思うけど」
「あっ! 俺様としたことが忘れてたぜ。わりぃ」
「もう! ヴェイクったら本当に適当!今日はこの前みたいに武器忘れてない!?」
「今日はちゃんと持ってるよ!」
「クロムさんこの方は?」
「こいつはソールだ。自警団の仲間でこう見えて頼りになる騎士だ」
「よろしくね、ルフレ。君が入団したことは、ミリエルから聞いてるよ。ちなみにミリエルはこの自警団の魔道士なんだ。彼女も後から合流するって」
「何だか慌ただしい奴だな」
「んーやっぱり聞いてたとおりだね。クロムとそっくりな声だ。よろしくねラグナ!」
そうしてフェリア連合王国へ向かうクロム自警団。
その道中にてイーリスへ向かう途中に襲われた異形 が現れた。クロムはそれらを屍兵と呼び戦い始めるがなんとヴェイクが自身の武器である斧を落としたのだ。
そうしてヴェイクを守りながら戦うことになった一同。
クロムはルフレ、スミア、ソールを率いて左翼をフレデリクはリズを馬の背に乗せて近距離の対応でソワレ遠距離からの攻撃をもつヴィオールと武器を持ってないヴェイクをラグナが守る布陣だ。
ある程度屍兵を倒しながら進んでいくと後ろから一人の魔道士が合流する。
「漸く追い付きました。クロム団長の所は……成る程上手く敵を引き寄せて戦っているのなら問題ないですね。だとしたらあちらに加勢した方が良いですね。ん? これは斧ですか……誰が落としたのか後できっちり言わなければ」
そういうなりフレデリクたちの布陣へと進み、短槍を投げようとする屍兵へ炎の魔道書ファイアーを放ち倒して武器を持たないヴェイクを見付けるとさっき拾った斧を渡す。
「おおっ!? 俺様の斧がある!」
「私が渡したのですよこの馬鹿者」
「ありがとよミリエル、助かったぜ!」
「全く次からは名前でも書いておくのですね」
「さっきの魔法はあんたか?」
「……成る程。貴方がラグナさんですね。私はミリエル主に自警団では魔法の研究や薬草などの薬の調合ををしてます。それにしてもクロム団長と声が全く一緒とは、後程調べさせてもらっても?」
「調べたって何にもならないぞ」
「声の発声から振動、波長のパターンなど様々な検証を行うだけですので」
「メチャクチャ調べる気満々かよ」
「お時間は取らせないので」
「気が向いたらな。今はこいつらだ」
「そうしましょう。ヴェイクは槍の屍兵をフレデリクさんは周りのサポートをしつつリズさんは回復をヴィオールさんは私と共に屍兵の機動力を削ぎます。ラグナさんとソワレは機動力の落ちた屍兵を殲滅してください」
そうしてヴェイクが本来の力を発揮し始めさらに遠距離からはミリエルが攻撃し、突破力のあるソワレが道を切り開く。そうしている間に屍兵の親玉をクロムたちが撃破したことにより屍兵は統率を失い全滅させた。
そうして戦闘が終わりルフレとミリエルの挨拶を済ませ一行は先に進む。
そうして進むと前方に何かが見えた。野良のペガサスだ。
「怪我をしてるようだな。どれ」
クロムが治療しようと近付くがペガサスはクロムを警戒し暴れる。
「おっと大人しくしろ!」
「クロム様!」
「スミア!? 危ないから離れてろ」
「ここは私にお任せください!」
そうしてスミアはペガサスの前に立ち目を合わせる。そうして少し経つと、ペガサスは警戒を解く。スミアは怪我をした箇所に薬と包帯を巻いていく。
「やるじゃないか。スミア!」
「凄いです。あんなに警戒心のあったペガサスが心を開くなんて。きっとスミアさんの優しい気持ちが伝わったんですね」
「そんなことありません。ただ夢中で何とかしたいと思って」
「だからこそペガサスはスミアに心を開いたんだろ。他人を思いやれる心意気をペガサスは感じ取った。お前にしか出来ないことだ」
「クロム様……はいっ!」
「しかしこいつを置いていくわけにもいかんしな。どうするか……」
「クロム様たちは先へお進みください。この子の怪我の具合が良くなったら私も追いかけます」
「それだとスミア一人になる。もし万が一があれば……」
「なら俺も残る」
「ラグナ! 良いのか?」
「あぁ。もし何かあっても俺が時間を稼いで隙をみてスミアとペガサスで逃げりゃ良いからな。それよりも一刻も早くフェリアにいって援軍を喚ばねぇと行けねぇんだ。とっとと向かっちまいな」
「済まない。頼んだぞラグナ」
そうしてスミア、ラグナはその場に残りクロムたちは先に進む。
「すみませんラグナさん。私のために残ってもらって」
「気にすんな。俺が残るつったんだ。お前が謝る必要なんざない」
「でも私なんてドジですしどんくさいしまだまだ未熟です」
「そうは言うが未熟なところを素直に認められるなんざ中々出来るもんじゃねぇ。お前はまだまだ伸びる。そんでクロムのやつに良いところを見せてやるって感じで良いんじゃねぇか?」
「ラグナさん……はいっ!」
「それにスミアはいつも謝ってるが謝るよりもありがとうって感謝の言葉の方が相手も自分も気持ちが良いんだ」
「ありがとうございます! ラグナさん!」
「すぐに直すって言うのは難しいかもだがそこは意識の問題だろう。頑張れよ」
ここで終わっていたら良い話なのだが…………スミアの天然が出てしまったのか……
ペガサスの具合も良くなり空を飛んでいたスミアだったのだが乙女の勘なのかクロムの危機を感じ取ったのかそのままフェリアへと向かってしまった。……ラグナをすっかり忘れて。
そうして冒頭に至る。
「ったく俺が残った意味は何だったのか」
「ハヤクゴウリュウスルノ!」
「わぁてるよ。取り敢えずスミアの向かった方向に行くか。でてこいっロトム」
ポーン
「ロトトッ!」
そうしてラグナが出したのはプラズマポケモンのロトムだがその姿は大きく変わっている。普通のロトムは通常フォルム、ヒート、ウォッシュ、スピン、フロスト、カット6種類だがラグナのロトムはクリーンな太陽光発電かつ電気エンジンも取り付けられたバイクに入ったバイクフォルムになったのである。タイプはでんき、はがねタイプで固有技はアイアンヘッドである。
「ロトム悪いがあっちの方角に向かってくれ。よっと」
ラグナはロトムに跨がりながらそういう。
「ロトトット(^-^)v」ブォォォォォォォン!
「うおっと! はしゃいでるな。久しぶりに走るからな。いくぞっ!」
「ロトっ!」
「シュッパツシンコウナノ!」
そうして一人と一機と一匹はフェリアへと向かう。フェリアではどんな出会いがあるのか……
次回に続く……
あとがき
久し振りの投稿な月光です。最近はFGO夏イベントをやっていて投稿遅れました。今回のガチャではイリヤ以外はいらっしゃってくれました! 今回のキアラさんの召喚演出最初見たときはバグったかと焦りました
そして黒猫パンケーキなアビー……可愛い❗
何となくで単発でスキップしてたら来たので思わず叫びました
そしてアーツ環境を一変させた、アルトリア・キャスター。スキル強化の欠片集めが大変でしたが無事にスキルマに出来たので周回が楽です。そして思わず630連ガチャを回していました。何とか宝具5にできたので良かったのと、もうこんなに回すこともないなと思いました。
さて話しは戻りまして今回はフェリアへと向かうクロムたち。合流したミリエルは魔道士として自警団を支えていて、後方からの援護が主で遠くから戦場を見ているので指揮も取れるがルフレのように本職ではないので所々ムラはある感じです。
そしてスミアはペガサスと心を通わせてペガサスナイトの本領を発揮出来るようになりました。ちょっとドジですが頼れる飛行職でフェリア到着の戦いでは大いに活躍します。
ふと思ったのはスミアとFEIFのフェリシアが一緒になるとどんな大惨事?! になるのかとヒーローズやってて思いました(笑)
そしてラグナはスミアのドジで一人取り残され、ロトムと共にクロム一向に遅れる形でフェリアに向かいます。
次回はそんなラグナがある人に出会い大胆に交渉するようです。そこで思わぬ再会もあったりします。
あと先の展開になるのですがクロムの結婚相手最初はルフレで行こうと思ってたのですが、やはりスミアも捨てがたいと思いました。なのでゲームではあり得ない、王族一夫多妻制でやるのもありかと考えています。その場合生まれる子供はルフレがルキナ、マークでスミアがシンシアの予定です。
原作でイーリス王家の血筋はクロム、リズの娘、息子だけで王位継承争いも息子娘同士なので仲が良いですが二人に何かあるとイーリスの血が途絶えるんじゃないかでだったら一夫多妻制があっても可笑しくないかなと思ってのことです。
それでは今回も読んで頂きありがとうございました。次回も読んで頂けると幸いです。
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第五章 フェリアでの一幕
覚えている方いないと思いますが前回のフェリアへ向かうラグナの続きからになります。
それではどうぞごゆっくり。
前回スミアに置いていかれたラグナはバイクロトムに乗り込みフェリア連合王国へと向かうのであった。
ロトムに跨がり移動し続け辺りが雪景色になり始めた頃漸くフェリアの城塞らしき所まで辿り着いたラグナ。
ロトムをボールに戻しいざ合流しようとするのだが…
「クロムたちがいなけりゃ俺完全に不審者だな。…まじでどうするか…」
「ガンバルノ…!」
そうクロムたちがいないためイーリスからの使者と言っても追い返される可能性もあり更に強引に突入すればイーリスとフェリアの関係が悪化してしまう恐れもあり下手に動けないでいた。
「昔みたいに迷彩の術式で潜り込むか?いや感の良い奴なら気付くだろう見付かれば不法侵入で追われて指名手配…チッどうする。」
昔なら自分一人なら関係ないと割りきれたものの今はクロム自警団にいる身なため慎重になるラグナ。
「…ラグナ…ケンノオトスル。」
「V-Swなにか聞こえたんだな!」
とV-Swに導かれるようにラグナは剣戟のする方へと進んでいく。
丁度終わったようで二人の剣士の姿と横にいる男性。
横にいた男性がラグナに気付き声をかけた。
「おう兄ちゃん、どうしたんだ?見ねぇ顔だがフェリアに用か?」
「まぁな。俺はラグナっつうんだが一緒に来てたイーリスのクロム自警団とはぐれちまってな。良かったらそいつらのところに案内して欲しいんだが?」
「おぉお前さんイーリスのか、ってことは兵力を借りるって話だな。悪いが今はそれが出来なくてな。ウチは何年かに一度東と西で代理を立てて戦ってな。んで勝ったらそっちの陣営の王がフェリアの王っつう決まりでな。」
「成る程な。んでおっさんがフェリアのどっちかの陣営の王っつうことか?」
「おっさんじゃねぇ、俺はバジーリオだ。」
「バジーリオね。あんたが勝てばイーリスに兵力を貸してくれるか?」
「良いぞ!大将が良いってんならそっちの剣士と戦ってもらうが。」
「いや大将っつう柄でもねぇ別に気にしねぇぜ。」
「なら任せるぜ。ウチの兵たちに知らせねぇとな。」
とバジーリオはそのまま闘技会のメンバーの元へと向かう。
「…ん、お前は確かあの時のやつか?」
「久し振りだね。あの後どうだった?」
「あぁ無事にイーリスに着けたぜ。それとリズのやつが礼を言いたがってたぜ。」
「なにお礼ならいらないさ。君の実力は知ってるから頼りにさせてもらうよ。」
「おう!背中は任せな!」
と仮面の剣士マルスと話すラグナ。
フェリアから出る兵たちはアーマーナイト二人、戦士三人、魔道士二人の編成にラグナ、ルキナを加えた9人である。
時間が来るまでラグナは大まかな作戦を伝える。
といっても簡単にアーマーナイトの高い防御力を活かして接近する敵の攻撃を受け止め、その隙に魔法を使用して攻撃する、または魔法の代わりに手斧を投げる、手斧自体を攻撃ではなく足止めに使いその場に縫い付ける間に魔法を放つ集団戦の話をする。
そして腹が減っては戦は出来ないと言わんばかりに食事をすることになり食堂らしき所へと通され肉料理が沢山出てきた。
「まぁ腹ごしらえと行こうぜ!全員腹一杯食って絶対に勝つぞ!」
「「「おーーーー!!!」」」
「すげぇやる気だな、士気は上々ってか」
「皆が一致団結して目的の物に挑む。とても良いことだよ。」
そうして肉が出てくるのだが一口かじりつくとラグナは塩、胡椒が振られてない、味付けのスパイスが足りないと厨房へとそのまま駆け込み料理していた者たちに
「テメェらっ馬鹿かっ!何で焼く前に塩胡椒で味付けしねぇ!そんなんじゃ肉に味が染み付かねぇだろう!
肉々しすぎて食欲落ちるぞ!しかもスパイスすら使わねぇとはどう言うことだ!
さっき見た限り辛みのあるスパイスとガーリックの風味のあるハーブがあっただろ!
さっさと持ってこい!」
とラグナが厨房を仕切る。
このラグナは路銀を稼ぐために統制機構から隠れては咎追いをしつつ料亭で短期で働いては金を稼いでいた。
そういったことからラグナの料理スキルは中々に高くなっていたのでただ肉を焼く行為にイラつきこうなった。
その後ラグナは試しにバジーリオにラグナの焼いた肉を食べさせるとバジーリオはあっという間に食べたので全員が驚きつつもラグナの焼いた肉をどんどん食していく。
マルスも最初は遠慮していたものの香ばしいスパイスの効いた肉の匂いの前にそのままかじりつくと勢い良く食べる。
「ラグナお前やるじゃねぇか!どうだ!ウチに来ないか?それなりの地位を用意するぞ!」
「生憎今はクロム自警団にいるんでな。わりぃなバジーリオ、誘ってくれたのは嬉しいぜ。それと肉の保存で良い方法があるが聞くか?」
「おう!聞かせてくれ!」
とラグナは胡椒を使った保存法を教えて更にイーリスで胡椒が大量に余っていることも伝えると
「こりゃお前さんたちが来てくれて良かったかもしれん。これが終わったら兵もそうだがその胡椒を貿易でウチに卸してくれるように言わねぇとな!
フェリアは寒い地域が多いから保存食程重要なもんはねぇ!
ありがとよ!」
バシンとラグナの背中を叩くバジーリオにラグナは調子の良いおっさんだなと思いつつも悪い気はしなかった。
そして時間になりラグナはマルスと共に闘技場へと向かう。
「確か最初に敵の大将と一度剣を交えるんだったな。んでこっちの大将が敗北を認めると終わりだな。」
「そうだね。とても楽しみだ。」
と言って今回戦うメンツを見て…
「ヤベっあいつらが出てたのかよ。」
「おや、知らなかったのかい?」
「まさか違う陣営の方に行ってて闘技場に出てくるとは思わなかったぜ。」
「手を抜くかい?」
「バカいってんじゃねぇよ。やるなら徹底的だろ?」
「そうだね。何事もやるなら勝つつもりでやらないと。」
そうしてマルスと共にラグナも闘技場へも歩みを進めるのであった。
今回はここまでになります。
前回の投稿が2年半前になります。
此方の方中々に構想が思い付かず他の投稿をしていましたが偶然BLAZBLUEのssを見て少し再燃したので投稿出来ました。
フェリアへ辿り着いたラグナが、バジーリオに出会い西側の代表として出ることになりクロムたちと次回戦うことになります。
何気にバジーリオと貿易の話などして後のイーリスに利益をもたらすことに。
これからも不定期ですが更新していけたらと思います。
今回も読んで頂きありがとうございました!
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