ラブライブ!〜不良とアイドル〜 (kick up men)
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第1話

どーも作者です
友人と相談し
今書いている小説の
普通の学園モノとして書きました
やはり、学園モノと言えば
不良系としか脳が無い私なので
ヤンキー漫画を美化したような
作品になっております


先生「君は何を考えているんだ!無断欠勤や早退は当たり前!学校を何だと思っている!?」

 

職員室から怒鳴り声が響く。先生からとある生徒が説教を食らっているのだ。しかし、彼は言わゆる不良と呼ばれている。そんな彼に先生の言葉など響くはずが無い

 

ヨウタ「先生。ごめん聞いてなかったわ」

 

先生はその一言に更に激怒してしまい、生徒の頭を思いっきり打った

 

ヨウタ「イテテ…」

 

先生「少しは反省しろ!」

 

先生は職員室から生徒を追い出した後、また大声で怒鳴り職員室の扉を閉めた

 

ヨウタ「クソッ…何も殴る事ねーだろ」

 

俺の名はヨウタ。高校2年生。高校に入学して1年『つまんねぇ』と言うのが俺の感想だ。俺は言わゆる世間で見たら不良と呼ばれ周りからも煙たがれている

 

ヨウタ「もっと面白しれぇ所だと思ってたのによ…」

 

俺の学校は女子校だったのだが、生徒が少ない為3年前から共学になった。しかし、それでも男子生徒は俺含め両手で数えられる程度。少な過ぎる

 

ヨウタ「まぁ、元女子校ならこんな所だろう」

 

俺はスタスタと何やら廊下で誰かが騒いでいる

 

ヨウタ「朝から元気だな」

 

廊下では女子生徒3人が何やら学校の掲示板を観ている。そして1人の女子生徒がいきなり倒れ出した

 

ヨウタ「アイツ、大丈夫かよ?」

 

俺は倒れた女子生徒の名前を呼ぶ2人の元へ駆け寄った

 

ヨウタ「おい、どうした?」

 

俺は2人の女子生徒に声を掛ける。けど、2人は俺を恐れてか声を掛けた途端にビクッとし俺の方を見た

 

???「こ、コレを見てショックを受けた見たいで…」

 

黒髪の長髪の女子生徒が俺に掲示板を指差して言った

 

ヨウタ「何だ?そんなショックな事が書いてあるのかよ」

 

俺も掲示板に目を向けた。そこには大きく廃校と書かれたお知らせ用紙のような物が張り出されてた。まぁ、俺はどうでも良いけど

 

ヨウタ「たく、それだけか」

 

俺は倒れた女子生徒を持ち上げる

 

ヨウタ「保健室にでも連れてくか」

 

俺はそのまま保健室に向かった。そんな学校が無くなるのがショックなのかよ。変わった奴だな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨウタ「チース。ベッド空いてるか?」

 

俺は保健室のドアを開け先生に尋ねた

 

保健室の先生「あら?またサボり?」

 

ヨウタ「違げーよ。コイツが倒れたんだよ」

 

保健室の先生「丁度、空いてるわよ」

 

俺は倒れた女子生徒をベッドに下ろした

 

保健室の先生「まさか、貴方、女の子にまで手を挙げたの?」

 

ヨウタ「俺がそんな事するかよ。コイツ、廃校になるってショックで倒れたんだよ」

 

保健室の先生「そう。それなら良かったわ」

 

たく、俺はどんな目で見られてるんだよ

 

ヨウタ「先生、俺もベッドで寝ていいか?」

 

保健室の先生「ダメよ。それに貴方、これ以上サボったら単位足りなくて留年するんじゃないの?」

 

ヨウタ「廃校になるのに留年もクソもあるかよ」

 

保健室の先生「貴方、何か勘違いしていない?」

 

ヨウタ「どう言う事だ?」

 

保健室の先生「廃校になるのは今の1年生が卒業してからよ」

 

ヨウタ「何だよ。期待して損した」

 

保健室の先生「ホラ、今日はサボらないで教室に戻りなさい」

 

ヨウタ「ヘイヘイ」

 

俺はダルそうに保健室から出て行き教室に戻る。たく、廃校になるからサボっても大丈夫かと思ったのによ。今の1年が卒業した後かよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は教室に向かう途中、あるものを見た

 

???「ランラランララ~♪おっはよ~♪ヒデコ、フミコ、ミカ、おっはよ~♪今日も良い天気~♪ 」

 

バカみたいにスキップしながら、バカみたいなテンションで、通りすぎる人みんなに挨拶していく女子生徒の姿だった

 

ヨウタ「なにしてんだ?アイツ?」

 

ぶっ倒れて可笑しくなったのか?それとも何だ?夢でも見てるのか?まぁ、あの調子なら大丈夫そうだな。俺はそう思い俺も教室に戻った。しかし教室に戻るやいなや先程の女子生徒が騒ぎ立てていた

 

???「どうしよう!全然勉強してないよー!!」

 

何を言ってんだコイツは?

 

ヨウタ「おい、騒がしーぞ」

 

???「だって廃校だよ!!別の高校通うための勉強をしてない事だよ!受験勉強とか編入試験とか~!」

 

廃校と騒いでいるオレンジの髪の生徒が俺に詰め寄った

 

ヨウタ「落ち着け。連れに詳しく話を聞け」

 

???「そうですよ。穂乃果。彼の言う通りです」

 

黒髪の生徒が俺と穂乃果という奴の仲裁に入る

 

穂乃果「ことりちゃんと海未ちゃんはいいよ!そこそこ成績は良いし!私なんか…」

 

黒髪の生徒が海未か。それなら、もう1人がことりと言う名か

 

海未「だから落ち着きなさい!私たちが卒業するまでは学校は無くなりません!」

 

穂乃果「え?」

 

ヨウタ「だから言っただろ。それとうるさいから静かにしてろ」

 

穂乃果「何よ。あそこまで言わなくて良いでしょ」

 

ことり「穂乃果ちゃん。これ以上は…」

 

穂乃果「え?どうして?」

 

海未「知らないのですか。彼は学校でも有名な不良ですよ」

 

3人が席に座ってる俺の話をしている。いや、近くにいるから聞こえてるぞ。それにしても、やっぱつまんねぇ〜な。昼休みに抜け出してゲーセンにでも行くか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休み、穂乃果はパンを食べていた。その理由は、ことりから話を聞いて学校の廃校は3年後であり、今居る生徒が全員卒業するまでは存続するという

 

穂乃果「よかった~!いや~、今日もパンが旨い!」

 

海未「太りますよ」

 

ことり「でも、正式に決まったら次からは1年生が入って来なくなって、来年は2年生と3年生だけ…」

 

海未「今の1年生はずっと後輩がいなくなる事になるのですね…」

 

穂乃果「そっか…」

 

???「ねぇ、ちょっといい?」

 

穂乃果「誰?」

 

海未「生徒会長ですよ」

 

穂乃果達の前に現れたのは、音ノ木坂学院の生徒会会長である絢瀬絵里とその生徒会の副会長の東條希であった

 

絵里「南さん。あなた、理事長の娘よね?」

 

ことり「はい」

 

絵里「理事長、何か言ってなかった?」

 

ことり「いいえ、私も今日初めて知ったので…」

 

絵里「そう。ありがとう」

 

希「ほな♪」

 

穂乃果「ま、待って下さい!本当に学校が無くなっちゃうんですか?」

 

絵里「あなた達が気にすることじゃないわ」

 

絵里はそう言うと、穂乃果達の場から去っていった

 

希「そういえばエリチ、フミ君は何処に行ったんやろうね?」

 

絵里「フミならどうせまた生徒会室にいるでしょう」

 

希「そうやね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、生徒会室

 

フミ「これで、この書類の作成は完了か」

 

希「見~つけた♪」

 

絵里「相変わらず仕事熱心ね」

 

フミ「昼休みは暇なので」

 

フミはそう言って絵里に書類を渡した

 

フミ「今日の分は終わりました。俺はこれで失礼します」

 

書類を作成し生徒会室を出た

 

絵里「仕事熱心なのは良いけど、たまには息抜きとかしないのかしら」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は昼休みに学校を抜け出しゲーセンに来た

 

ヨウタ「よし、何するか?レン」

 

レン「なんで俺っちもサボってゲーセンに行かなきゃならないのよ〜」

 

ヨウタ「1人だと飽きて時間潰せねーだろ」

 

レン「で、俺っちを誘ってゲーセンに来たと?」

 

ヨウタ「そう言う事だ。少し付き合えよ」

 

コイツの名はレン。俺の中学時代からの悪友だ。中学は同じだったが、高校は別の学校に通っている

 

レン「だって、ヨウちゃんの所さぁ〜元女子校でしょ?アオハルとかしないの〜?」

 

ヨウタ「俺はオメーみたいに手当たり次第、女なんて口説かねーよ」

 

レン「いいな〜。俺っちも音ノ木坂にすれば良かった」

 

ヨウタ「それはオメーが悪いだろ」

 

レン「だって、ヨウちゃん達が行くなんて思ってなかったも〜ん」

 

ヨウタ「ハイハイ。お、この景品取れそうだな」

 

レン「そう言っていつもUFOキャッチャーで破産してるくせに」

 

ヨウタ「うるせーな。どっか行ってろ」

 

レン「呼んどいて酷いなぁ〜。嘘!可愛い子発見〜」

 

ヨウタ「たく、やっぱ女かよ」

 

レンはナンパに俺はUFOキャッチャーをする。すぐに景品が取れると思っていたが俺は2000円以上使っていた

 

ヨウタ「クソ、まだ取れねーな」

 

中々、景品が取れず俺は千円札を両替しようと台を離れた時だった

 

チャラ男1「見てみろ。アイツの制服」

 

チャラ男2「男の癖に音ノ木坂の制服着てるぜ」

 

チャラ男3「元女子校に通うとかオカマかよ」

 

チャラ男3人が俺に聞こえるように話していた。両替しようと思ったけど辞めた。頭に来た。とりあえずコイツらを潰す事にした

 

ヨウタ「誰がオカマだって?」

 

俺はその3人が座っていた共有スペースの近くにあったゴミ箱を蹴飛ばし3人にガンを飛ばした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レン「ねぇ〜これからどこ行く?後、連れが一緒にきてるからソイツも連れてくるけど大丈夫?」

 

やばいね〜。今日はついてるじゃ〜ん。こんな可愛い子が3人も捕まるなんてねぇ〜

 

レン「ヨウちゃ〜ん。これからこの子達と遊びに行くんだけど…」

 

俺っちの目に入ったのは、きっとヨウちゃんにボコボコにされたであろう男3人が倒れている所だった。いや、完全に3人気を失ってるし流石にやり過ぎでしょ!?

 

レン「ちょっと何してんの!?あー待って行かないでー!」

 

ヨウタ「コイツらが喧嘩吹っ掛けて来たんだよ」

 

レン「もう、その所為で女の子逃げちゃったよ〜」

 

ヨウタ「また、ナンパすれば良いだろ」

 

レン「あんな可愛い子、滅多に見当たらないよ〜」

 

レンが俺にウダウダ言ってると店の人が駆けつけて来た。やばい!気付かれた!?

 

ヨウタ「げ!?バレた!!」

 

レン「ここは逃げた方が良さそうだね〜」

 

俺とレンは走って店から出た。クソ!店員は外まで追って来やがる!?とりあえず路地裏使って店員を撒く事にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どれだけ走っただろうか?後ろを振り返ると店員は追って来てなかった

 

レン「ハァ〜走った。つーか何で俺っちも走るのよ」

 

ヨウタ「一緒にいたからお前も共犯だろ」

 

レン「絶対、店のカメラでバレたよ。明日、学校で怒られたら飯奢れよ」

 

ヨウタ「多分、大丈夫だろ」

 

レン「本当、ヨウちゃん一緒だと、いつもこうなるんだから〜」

 

ヨウタ「うるせーな。今日は帰るぞ」

 

俺とレンは遊び終え、家に帰宅しようと、歩いていると不良3人に絡まれている俺らと同い年くらい男を見かけた

 

ヨウタ「なんだ?カツアゲか。シャバい事してんな」

 

レン「ヨウちゃん。助けるの?」

 

ヨウタ「嫌だよ。面倒くせぇ」

 

不良が俺達の会話を聞いていたのか?俺とレンを睨んできた

 

レン「ありゃりゃ。絡まれるよ。これ」

 

ヨウタ「たく、面倒くせぇ」

 

案の定、不良が俺とレンに絡んで来たので2人でボコボコにした。呆気ないな。瞬殺だったよ

 

ヨウタ「だせーな。弱い奴にしかイキれないなんて」

 

レン「けど、コイツらも弱かったねぇ〜」

 

ヨウタ「おい、大丈夫か?」

 

カツアゲされてた男に声を掛けたが男はそそくさと逃げて行った

 

ヨウタ「何だよ。礼ぐらい言えよ」

 

レン「ヨウちゃんが怖かったんでしょ〜」

 

ヨウタ「うるせーな」

 

最後の最後で面倒くせぇ〜事に巻き込まれたな。この倒れてる奴らのせいで時間無駄にしたよ。もう、今日は家に帰るか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、俺は朝からレンに呼び出された

 

ヨウタ「なんだよ。朝早くから」

 

レン「まぁまぁ、昨日はヨウちゃん付き合ったんだから今日は俺っちに付き合ってもらうよ〜」

 

俺はレンに着いて行くと何やらデカイ建物の前に到着した

 

ヨウタ「ん?何だ?ココ?」

 

レン「知らないの?UTX学院だよ。今日は凄いんだよ〜」

 

それにしてもデケーな。本当に学校かよ。アキラにオフィスビルだろ。しかも、何でモニターとか着いてるんだ

 

ヨウタ「なあ?ぞろぞろ人が集まって来たけど」

 

レン「まぁ、見てなって」

 

ヨウタ「はいはい。てっアイツも来てんのかよ」

 

モニターに集まってる人混みの中に穂乃果といた。すると、突然モニターが映し出され、そこにはモニター画面に3人の少女が映っていた

 

ヨウタ「たくよ〜。一体、何が始まるんだよ、おい少しいいか?」

 

すると俺の前をサングラスとマスクをかけて、厚着の服を着た女子高生に話しかけた

 

???「何?今忙しいんだけど!」

 

何処が忙しいんだよ。ただモニター見てるだけじゃねーか

 

ヨウタ「あの画面に出ている子なんだけど…」

 

???「はぁ?あんた達そんな事も知らないの?そのパンフレットに書いてあるでしょう!何処見てんのよ!」

 

何故か俺は怒られた。それよりも春だろ?なんつー格好してんだよ

 

ヨウタ「たく、何だよ。アイツは?」

 

レン「けど、やっぱA-RISEは凄い人気だね〜」

 

ヨウタ「お前、アイドル好きだっけ?」

 

レン「いや、俺っちはナンパ☆」

 

ヨウタ「やっぱそうかよ」

 

レン「どの子が良いかなぁー?お、あの子、中々可愛い!!」

 

ヨウタ「おい、レン。アイツはやめとけ」

 

レンはモニターに映るA-RISEを眺めている穂乃果に声を掛けた

 

レン「ねぇ〜君?音ノ木坂の子?良かったら俺と…」

 

穂乃果「これだ…見つけた!」

 

レンの言葉を無視して穂乃果は去って行った

 

ヨウタ「あ〜あ。振られた」

 

レン「そんな〜」

 

レンは頭を抱えながら両膝から崩れ落ちた。ざまぁ見ろと言いたいが、コイツが失敗するなんてな

 

ヨウタ「お前に俺の学校の生徒は高嶺の花なんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休み

 

穂乃果「じゃーん!!」

 

海未「なんですか?これは」

 

穂乃果「アイドルだよ!!スクールアイドル!これなら廃校を阻止できるかも!」

 

そ穂乃果はことりの机にドサッといつ買ったのかわからないスクールアイドルが紹介されている雑誌を勢いよく置いた

 

穂乃果「スクールアイドルってどんどん増えてるらしくて、人気の高校は入学希望者も増えてるんだって!それで私思いついたんだ!」

 

ことり「アレ?海未ちゃんは?」

 

いつの間にか海未はいなくなっていた。すると、穂乃果は、ハッとしたように教室を飛び出した。そして、そっと出て行ったはずの海未を見つけると、海未の足を止めた

 

穂乃果「ちょっと海未ちゃん!まだ話終わってないよ!」

 

海未「わ、私は少し用事が…」

 

穂乃果「いい方法思いついたんだから聞いてよ~!」

 

すると海未はため息をつきながら答える

 

海未「どうせ、私たちでスクールアイドルをやろうとか言い出すのでしょう?」

 

穂乃果「う、海未ちゃんエスパー!?」

 

海未「誰だってわかります!」

 

穂乃果「だったら話が早いね~。今から先生のところに行って...」

 

海未「お断りします」

 

穂乃果「な、なんでよ~!」

 

海未「当然です!あの雑誌に載っているようなスクールアイドルは、本物のアイドル同然の努力して真剣にやってきた人たちです!それなのに穂乃果のように“好奇心”だけでやれるほどスクールアイドルは甘いものではないはずです!」

 

ヨウタ「たく、また騒いでんのかよ」

 

俺が学校に到着すると何やらまた2人が騒いでいた。何がしたいんだよ。本当

 

ヨウタ「コッチとら朝から怒られてご機嫌斜めなんだよ。分かったら静かにしてろ」

 

そう言って俺は教室に入った

 

海未「とにかく、ハッキリ言います。アイドルは無しです」

 

海未の言葉で穂乃果の表情から一気に笑顔が消えていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後

 

ヨウタ「たく、レンの奴、つれねーな」

 

俺はレンにLINEを送ったが断れた。暇を持て余している

 

ヨウタ「1人だと暇だし屋上で寝て時間でも潰すか」

 

俺が屋上に繋がる階段を登るとある生徒とすれ違った。リボンの色からして3年か。何してたんだ?

 

ヨウタ「ん?なんだ?」

 

俺は気にせず階段を登ると屋上の扉が半開きになっていた

 

ヨウタ「チッ。先客かよ」

 

先客がいる事に俺は舌打ちをしたが、とりあえず屋上の扉を開ける。すると、そこにいたのは同じクラスの穂乃果だった。つーか、最近よく出くわすな

 

ヨウタ「何だ。お前が先客かよ」

 

穂乃果「貴方は…」

 

ヨウタ「最近よく会うだろ。後、俺はここで眠る為に来たから、また騒ぐなよ」

 

穂乃果「ねぇ?」

 

ヨウタ「何だ?」

 

俺がひと眠りしようとすると穂乃果が声を掛けて来た

 

穂乃果「アイドルとか興味ない?」

 

ヨウタ「はぁ?何言ってんだ!?」

 

穂乃果「この学校が廃校になるのを知ってるよね?」

 

ヨウタ「知ってるけど、それとアイドル何が関係あんだよ」

 

穂乃果「私、この学校が無くなって欲しくないからアイドルになって有名になれば、この学校も存続出来るかなって思って」

 

ヨウタ「それを俺に言うなよ。連れを誘えば良いだろ?」

 

穂乃果「誘ったんだけど、断られて…良いと思ったんだけどなぁ…」

 

たく、有名になって学校を存続だ?そんなの難しいに決まってるだろ

 

ヨウタ「だろうな。そんなの不可能な事だ」

 

穂乃果「やっても無いのにどうして分かるの」

 

ヨウタ「そもそも有名になるのが不可能だよ。つーか簡単にアイドルとかなれないだろ?他の方法で考えろ」

 

穂乃果「他の方法ってどんな?」

 

ヨウタ「俺に聞くな。別に俺は廃校だろうが存続だろうが、どうでもいいんだよ」

 

穂乃果「なんで、どうでも良いの?」

 

ヨウタ「つまんねーんだよ。学校にいても」

 

穂乃果「だったら、自分で楽しくしてみたら。きっと楽しくなるよ」

 

穂乃果の言葉を聞いて俺は2、3秒固まった

 

ヨウタ「お前も同じ事言うのかよ」

 

その時、どうしてか知らないが俺は起き上がった

 

ヨウタ「テメーがそう言うなら、その…手伝ってやるよ」

 

穂乃果「え?」

 

ヨウタ「けど、勘違いすんな。俺はアイドルはやらねぇ。あくまでもサポート役だ。それに俺がつまらないと思ったら辞めるからな」

 

穂乃果「ありがとう!確か同じクラスだったよね?私は高坂穂乃果よろしくね!」

 

ヨウタ「ヨウタだ」

 

穂乃果「じゃあ、ヨウタ君。早速部員集めに…」

 

その時、俺と穂乃果の耳元からある曲が聞こえた。俺と穂乃果は曲の音響を辿っていくと、そこから音楽室でピアノで演奏しながら歌っていた女子生徒がいた。そして、ピアノの伴奏と共に歌い終わった後に一息つくと、穂乃果はガラス越しで拍手をしていた

 

穂乃果「スゴいスゴいスゴい! 感動しちゃったよ!」

 

真姫「べ、別に…」

 

穂乃果「それに、アイドルみたいで可愛い!」

 

穂乃果の言葉を聞いたその生徒はは一瞬赤面になると、その場から立ち去ろうとしていた

 

穂乃果「あの…いきなりなんだけど、あなたアイドルやってみないと思わない?」

 

真姫「…なにそれ、意味分かんない!」

 

穂乃果「そ、そうだよね…」

 

ヨウタ「お前なぁ、いきなりそんな事言ったら断るに決まっているだろ」

 

穂乃果「う、うん…」

 

ヨウタ「とりま、気を取り直して行くぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、弓道部では海未は弓矢で的に狙っていたが…

 

海未『みんなのハート、撃ち抜くぞ~!バ~ン!』

 

自分がアイドルになった背格好とセリフに妄想して狙っていた的を外してしまう

 

海未(何を考えているのですか、私は!?)

 

弓道部員「外したの?珍しい…!」

 

海未「い、いえ…たまたまです!」

 

海未は再度弓矢で的に狙おうとするが…

 

海未『ラブアローシュート!』

 

1回と2回と同じことで同じ妄想をする海未は全ての矢は的に外れてしまう

 

海未「ああ!いけません!余計なことを考えては!」

 

ことり「海未ちゃ~ん。ちょっと来て~」

 

弓道部から足を運んできたことりは、休憩を取る海未を連れて何処かへと向かう

 

海未「穂乃果のせいです。全然練習に身が入りません」

 

ことり「ってことは、ちょっとアイドルに興味があるってこと?」

 

海未「ッ!?い、いえ、そんな…。やっぱり上手くいくとは思いません」

 

ことり「でも、いつもこういう事って全部穂乃果ちゃんが言い出していたんだよね」

 

穂乃果、ことり、海未は幼児期の頃から幼馴染みで仲良しであった。大きな大樹で木登りをすると言い出して登るが途中で枝が折れて降りられなくなったという話があった。それでも、最後には幸運があり、登っていた高さで見かける絶景と夕日は3人にとっては良い思い出だという

 

ことり「ほら、見て」

 

ことりと海未が見かける先には、ダンスの振り付けを練習する穂乃果の姿があった。しかし、ダンスの振り付けの練習をする穂乃果だったが、途中で足を挫いて転んでしまう

 

穂乃果「イッタ~!難しいな~、みんなよく

出来るな~。よし、もう1回!」

 

穂乃果はそう言うと、再びダンスの振り付けの練習を行った

 

ことり「ねぇ海未ちゃん、私やってみようかな。海未ちゃんはどうする?」

 

ことりは笑顔で海未を見つめると、ダンスの振り付けの練習をしていた穂乃果は再び足を挫いて転んでしまう

 

穂乃果「アイタタタッ…くぅ~!ん?海未ちゃん!」

 

海未「1人でやっていては意味がありませんよ。やるなら、3人でやらないと」

 

穂乃果「海未ちゃん…」

 

ヨウタ「おい、そろそろ休まねーと倒れるぞ」

 

飲み物を買いに行った俺が戻ってくると穂乃果の友人でもある2人がいた。しかし、俺を見るなり驚愕しているようだった

 

海未「ど、どうして彼がいるのですか!?」

 

穂乃果「ヨウタ君も穂乃果に協力してくるって」

 

ヨウタ「なんだ。やっぱり、お前らも一緒にやるのか?最初に言っとくが俺はサポート役だ」

 

ことり「流石、穂乃果ちゃんだね」

 

海未「本当に、いつも穂乃果には驚かされます」

 

ことり「私は南ことり。よろしくね!ヨウタ君」

 

海未「園田海未です」

 

ヨウタ「よろしく。つーか人数揃ったんだし部活の申請書とか出さないのか?」

 

穂乃果「そうだった!?じゃあ早速、申請書を提出しに行こ!!」

 

穂乃果と海未とことり。ついでに俺と共にアイドル部を設立することになった。その後、3人は生徒会に足を運んでアイドル部入部の用紙を渡す

 

絵里「これは?」

 

穂乃果「アイドル部、設立の申請書です!」

 

絵里「それは見れば分かります」

 

穂乃果「じゃあ、認めてくれるんですね?」

 

絵里「いいえ。部活は同好会だけでも最低部員は5人以上は必要よ」

 

海未「ですが、校内では部員が5人以下がたくさんあると聞いています!」

 

絵里「設立した時はみんな5人以上いたはずよ」

 

希「あと2人やね」

 

ヨウタ「待てよ!俺もいるからあと1人だろ!!」

 

フミ「貴方はあくまでも部活のマネージャー。部員としては認められない」

 

ヨウタ「はぁ?勝手な事を抜かすんじゃねーよ」

 

穂乃果「あと2人…分かりました。行こう」

 

ヨウタ「チッ。お前、いつか覚えておけよ」

 

絵里「待ちなさい。どうしてこの時期にアイドル部をやろうとするの?あなた達は2年生でしょ」

 

穂乃果「廃校をなんとか阻止したくて、スクールアイドルって今スッゴク人気があるんですよ!だから…」

 

絵里「だったら、例え5人集まったとしても認める訳にはいかないわね…」

 

穂乃果「えぇ!?どうして?」

 

絵里「部活は生徒を集める為にやるものじゃない。思いつきで行動したって状況は変えられないわ。変なこと考えてないで、残り2年自分が何をするべきかよく考えるべきよ」

 

フミ「それに学校1の不良がいる部活なんて誰が部して認めると思っているのですか?」

 

ヨウタ「てめぇ!生徒会だからって調子に乗ってんじゃねーぞ!」

 

海未「ヨウタ!落ち着いて!」

 

ヨウタ「分かったよ…けど、俺達は諦めねーからな」

 

その後、俺達は生徒会から出ていき外に出て校内の桜並木を見つめていた

 

ことり「ガッカリしないで、穂乃果ちゃんが悪いんじゃないから…」

 

海未「生徒会長だって気持ちは分かっているはずです。でも、部活として認められなければ講堂は借りられないし、部室もありません。何もしようがないです!」

 

ことり「そうだよね…ああ、これからどうすれば…」

 

海未「どうすれば…」

 

ヨウタ「たく、何シラけてるんだよ。まだ始まったばかりだろ」

 

俺は痺れを切らして言った

 

穂乃果「ヨウタ君…そうだよね。まだ始まったばかりだよね」

 

海未「穂乃果…」

 

ことり「穂乃果ちゃん…」

 

穂乃果「私、やっぱりやる。やるったら、やる!」

 

こうして俺達は音ノ木坂の存続の為、進み出した

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ライダー小説の方はどうしようかな?
悩むな?もしかしたらココがメインに
なるかもな


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第2話

キャラ紹介
ヨウタ
(苗字募集中)

音ノ木坂学院の問題児
遅刻と早退は当たり前
みんなから怖がられてる
けど、自分から喧嘩は売らない
本人曰く、タバコは吸ってるらしい
酒も呑むととか



好きな食べ物
スイーツ、うなぎ

嫌いな食べ物
魚卵

乗ってるバイク
SUZUKI スカイウェイブ250SS
SUZUKI gsx250e ザリ
吸ってるタバコ
メビウス・オプションイエロー5


ヨウタ「どうした?急に呼び出して」

 

俺は朝からフミに呼び出され、屋上に来ていた

 

フミ「何で、お前がアイツらと部活を始めた?」

 

ヨウタ「はぁ?何でお前に教えるんだよ」

 

フミ「質問にはちゃんと答えろ」

 

ヨウタ「嫌だね。お前には教えねぇ」

 

フミ「何…!?」

 

ヨウタ「お〜怖。聞きたいなら力ずくで答えさせる気か?まぁ、今のお前には無理だと思うけどな」

 

そして、俺はフミの前から立ち去った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり生徒会室。穂乃果達は生徒会室へと足を運び会長の絵里に学校の講堂を借りる許可書を渡す

 

絵里「朝から何?」

 

穂乃果「講堂の使用許可を頂きたいと思いまして!」

 

海未「部活働に関係なく、生徒は自由に講堂の使用許可が出来ると生徒手帳に書いてありましたので…」

 

希「新入生歓迎会の日の放課後やな」

 

絵里「何をするつもり?」

 

海未「それは…」

 

穂乃果「ライブです。3人でスクールアイドルを結成したので、その初ライブ講堂でやる事にしたんです!」

 

海未「穂乃果…!」

 

ことり「まだ出来るかどうかは分からないよ」

 

穂乃果「え~やるよ~!」

 

海未「それに私たちはまだステージに立った訳じゃ…」

 

絵里「出来るの?そんな状態で…。新入生歓迎会は遊びではないのよ」

 

穂乃果「だ、大丈夫です!」

 

希「3人は講堂の使用許可をしに来たんやろ?部活でもないのに生徒会がそやかて聞く権利はないはずや」

 

絵里「それは…」

 

何とか、講堂の使用許可を貰った3人は生徒会室から退出した。穂乃果は喜んだ様子で走り回るが、海未達は少し不安な様子であった

 

絵里「何故あの子達の味方をするの?」

 

希「何度やってもそうしろっていうんや…。カードが!」

 

窓を開けた希は次の瞬間、大きく吹き荒れる風が入り込んでいくと1枚のタロットカードが天井に刺さった

 

希「カードがウチにそう告げるんや!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、庭園で穂乃果と海未は生徒会から講堂を借りる件について話していた

 

海未「ちゃんと話したじゃないですか!アイドルの事は伏せておいて借りるだけ借りておこうと!」

 

穂乃果「ふぁんで(なんで)?」

 

海未「また、パンですか」

 

穂乃果「ウチ和菓子屋だからパンは珍しいって知っているでしょ?」

 

海未「お昼前に…太りますよ」

 

穂乃果「そうだよね~」

 

ヨウタ「うぃ〜す」

 

俺は庭園にいた2人と合流した

 

ヨウタ「はぁ〜。朝から疲れた」

 

海未「また、指導されてたのですか」

 

ヨウタ「ちげーよ。ちょっとした私用だ」

 

海未「なら良いのですが、問題を起こすとみんなに迷惑が掛かる事を忘れないで下さい」

 

ヨウタ「ハイハイ」

 

???「お2人さん。掲示板見たよ」

 

俺達が話してると、突然3人組の女子生徒に話しかけられた。確か俺や穂乃果と同じクラスの…。名前は…ヒデコ、フミコ、ミカだったか?

 

フミカ「スクールアイドルやんだって?」

 

海未「えっ!!」

 

ミカ「けど、海未ちゃんがやるんなんて思わなかった」

 

海未は驚いていたが俺も同じである。だって何も聞いてないからな

 

海未「ちょっと待って下さい!掲示板に何か貼ったのですか!?」

 

穂乃果「うん!ライブのお知らせを!」

 

実は前の日に穂乃果は無断で掲示板にスクールアイドルを始めた事とライブをやると報せたのだ

 

ヨウタ「たく、何で勝手に貼るんだよ」

 

海未「勝手過ぎます!あと1ヶ月しかないんですよ。まだ何1つもしていないのに見通しが甘すぎます!」

 

穂乃果「でも、ことりちゃんは良いって言ってたよ」

 

その頃、教室にいたことりはスケッチブックで何かを描いていた

 

海未「ことり?」

 

ヨウタ「よッ」

 

ことり「うん、こんなもんかな。見て、ステージ衣装を考えてみたの」

 

ことりがスケッチブックで描いたのは講堂でやるステージ衣装であった。その姿は目立つようにピンク色の衣装で足のラインなども正確に描いていた

 

穂乃果「おぉ~!可愛い~!」

 

ヨウタ「すげぇな」

 

ことり「本当?このカーブのところが難しいんだけど、頑張って作ってみるよ」

 

穂乃果「うんうん!」

 

海未「ことり…?」

 

ことり「海未ちゃんはどう?」

 

ことりは海未にスケッチブックで描いたステージ衣装を見せるが、海未にとって一番気になるところは素足であった

 

海未「こ、ここのスゥーと伸びているものは…?」

 

ことり「足よ♪」

 

海未「素足にこの短いスカートを履くというのでしょうか…」

 

ことり「アイドルだもん」

 

ことりがそう言うと、海未は自分の足と太ももを見つめていた

 

穂乃果「大丈夫だよ!海未ちゃん、そんなに足太くないよ!」

 

海未「人のこと言えるのですか!!」

 

穂乃果「え~と…うん…ふむふむ。ふむふむ…」

 

穂乃果は足の太さを触りながら確認する。正直、男として目のやり場に困る

 

穂乃果「よし!ダイエットだ!」

 

ことり「2人共、大丈夫だと思うけど…」

 

穂乃果「あ~、他にも決めておかないことがたくさんあるよね~。サインでしょ?街を歩く時の変装でしょ?」

 

ヨウタ「いや、まだ早いだろ?」

 

ことり「それより…グループの名前決めてないし…」

 

はぁ?まだ決めて無かったのか。本当に大丈夫かよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グループの名前を決めるために俺達は図書室に行き、辞書や参考書を使ってグループ名を考える事にした

 

穂乃果「う~ん、なかなか思い付かないよね~」

 

ことり「何か私たちに特徴があればいいんだけど…」

 

海未「3人とも性格はバラバラですし…」

 

穂乃果「じゃあ、単純に3人の名前を使って…『穂乃果!海未!ことり!』」

 

ヨウタ「それはセンスないな」

 

穂乃果「アハハハ…。あ、そうだ!海未ちゃんの『海』!ことりちゃんは『空』!穂乃果は『陸』!名付けて『陸・海・空』!」

 

ことり「全然アイドルっぽくないけど…」

 

ヨウタ「まるで軍隊だな」

 

穂乃果「だよね~!う~ん、じゃあ…じゃあ……あ、そうだ!」

 

穂乃果は掲示板に貼ってあった紙にライブの告知の下にグループ名の案を出してほしいと書き足した

 

海未「丸投げですか…」

 

穂乃果「こっちのほうがみんな興味をもってくれそうだし!」

 

ことり「そうだね」

 

ヨウタ「いいのかよ。これで…」

 

穂乃果「よ~し!次は歌と踊りの練習だ~!」

 

5人は歌と踊りの練習をするために場所を探すが、グランドや体育館、空き教室などはどれもしようしており、最終的には学校の屋上しかなかった

 

海未「ここしかないようですね…」

 

ことり「日陰もないし、雨が降ったら使えないけど、贅沢は言ってられないよね」

 

穂乃果「うん。でも、ここなら音とか気にならなくて済みそうだね。よーし、頑張って練習しなくっちゃ!」

 

ヨウタ「おい、ちょっと待て」

 

穂乃果「ヨウタ君。どうしたの?」

 

ヨウタ「いや、練習するのは良いが…歌う曲は?それに振り付けも考えてねーだろ」

 

穂乃果「あ…?」

 

コイツら色々と大丈夫かよ。俺は最先、不安しかなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、学校内では掲示板の前で穂乃果が貼ったアイドル部のポスターを見ていた生徒ががいた

 

フミ「どうしたんだ?掲示板を見つめて」

 

???「あ、貴方は生徒会の」

 

フミ「フミだ」

 

花陽「小泉花陽です」

 

小泉は何を見ていたんだ?俺は掲示板に目をやるとライブのポスターが貼られていた

 

フミ「たく、アイツら…」

 

???「か~よち~ん♪」

 

彼女の名前を横からあだ名で呼ぶ少女は星空 凛。凛は花陽のところに駆け寄った

 

花陽「凛ちゃん!」

 

凛「どうしたの?」

 

花陽「う、ううん。なんでも…」

 

凛「ふーん。さぁ、帰ろ♪」

 

花陽「う、うん!」

 

花陽は凛と一緒に帰ろうとすると、再び掲示板に貼ってあったポスターをみると、そこに黒髪のツインテールをしていた生徒がいきなり花陽の後ろから現れた

 

???「なにこれ?」

 

花陽「さ、さあ…?」

 

フミ「勝手に言ってるだけだ。あまり気にするな」

 

そう言って俺は掲示板の前から去った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部活終わりの海未と俺は穂乃果の家でもあると穂むらに到着した。そこには穂乃果の母が三色団子を食べている途中であった

 

穂乃果の母「あら、いらっしゃい」

 

海未「こんばんわ」

 

ヨウタ「お邪魔します…」

 

穂乃果の母「あら、男の子なんて珍しいわね」

 

ヨウタ「あの、穂乃果さんは?」

 

穂乃果の母「上にいるわよ。そうだ!お団子食べない?」

 

海未「いえ、結構です。ダイエットしているので…」

 

ヨウタ「僕も大丈夫です…」

 

俺と海未は穂乃果の母親が2階ににいるというので階段を上がる

 

ヨウタ「いや〜、緊張したわ」

 

海未「意外と弁えているのですね」

 

ヨウタ「当たり前だろ。それより何処にいるんだ?」

 

海未「ここが穂乃果の部屋です」

 

俺と海未は2階にある穂乃果の部屋へと入ると、そこには呑気に団子を食べていた穂乃果とことりの姿があった

 

穂乃果・ことり「練習お疲れ様~!」

 

穂乃果「お団子食べる?」

 

ことり「今お茶入れるね~」

 

ヨウタ「おい、お前らダイエットは?」

 

穂乃果・ことり「ああー!!」

 

ヨウタ「いや、忘れるなよ!」

 

海未「はぁ…。努力をしようという気はないようですね。それで曲はどうなりました?」

 

穂乃果「うん!1年生ですっこぐ歌の上手い子がいるの。ピアノも上手できっと作曲も出来るんじゃないかな~って、明日聞いてみようと思うんだ~!」

 

ことり「もし作曲をしてもらえるなら、作詞はなんとかなるよねってさっき話していたの」

 

海未「なんとか…ですか?」

 

穂乃果「うん!」

 

すると、穂乃果とことりは海未に近づいてこんなお願いを言う

 

海未「な、何なんですか!?」

 

穂乃果「海未ちゃんさ~、中学の時ポエム書いたことあったよね~」

 

海未「えっ?」

 

ことり「読ませてくれた事もあるよね~」

 

海未「えぇっ!?」

 

これは何か嫌な予感がする。そして俺の予感は的中した

 

穂乃果「逃げた!」

 

海未は部屋を飛び出した。そして、玄関前で穂乃果とことりが必死に海未を引き止め穂乃果の部屋に連れ戻した

 

海未「お断りします!」

 

穂乃果「え~!?なんでなんで?」

 

海未「絶対いやです!中学の時のだって思い

出したくないほど恥ずかしいんですよ!」

 

穂乃果「アイドルに恥はかきすてっていうじゃない」

 

海未「言いません!!」

 

ことり「でも、私は衣装作るのに精一杯だし…」

 

海未「穂乃果やヨウタもいるじゃないですか!言い出しっぺは貴方なんですよ、穂乃果!」

 

ヨウタ「はぁ!?何で俺の名前が出てくるんだよ。それに俺は作詞家じゃなくてサポート役」

 

穂乃果「いや~、私は…昔から文章とか書くの苦手だし…」

 

俺は穂乃果が小学校の頃に作文を書いた話を聞いたが、確かにコイツには作詞は無理だと思った

ヨウタ「穂乃果に任せるのはダメだ。作詞のセンスが無い」

 

海未「それはそうですが…」

 

ことり「お願い!海未ちゃんしかいないの!」

 

穂乃果「私たちも手伝うから!何か元になるようなものだけでも!」

 

海未「うっ…ん?」

 

ことり「海未ちゃん…おねが〜い!!」

 

ことりは海未に向かって目を光らせているかのように甘い声でお願いした。いや、卑怯だろ。その仕方は…

 

海未「もう、ずるいですよ。ことり…」

 

穂乃果「やったー!そう言ってくれると思ったんだ!」

 

海未「ただし、ライブまでの練習メニューは私は私が作ります!」

 

そう言って海未は穂乃果が用意したパソコンにA-RISEのライブの動画を見せる

 

海未「楽しく歌っているようですが、ずっと動きっぱなしです。それでも息を切らさず笑顔でいられる、かなりの体力が必要です。穂乃果、少し腕立て伏せしてもらいませんか?」

 

穂乃果「うん。こう?」

 

穂乃果は腕立ての姿勢になる。つーか、目のやり場に困るんだよ。俺は少し気まずかったので横を向いた

 

海未「そのまま笑顔で腕立て伏せ出来ますか?」

 

穂乃果は海未の言われた通りに笑顔を作って腕立て伏せをやるが、バランスを崩して鼻を打ってしまう

 

海未「弓道部で鍛えた私はともかく、穂乃果とことりは楽しく歌って踊れる体力が必要です」

 

ことり「そっか、アイドルって大変なんだね」

 

海未「はい。ですから、基礎体力をつけるトレーニングが必要です」

 

また、俺の中で何か嫌な予感した。今日は解散となったが、翌日朝早くか神田明神に集合と言われた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日朝、穂乃果とことりと俺は近くの神社『神田明神』の階段を走って駆け上がっていた

 

穂乃果「ひぃ~!キツいよ~!」

 

ことり「もう足が動かない~!」

 

ヨウタ「つーか、何で俺も…」

 

海未「これから毎日朝と晩、ここで歌とダンスとは別に基礎体力をつける練習をしてもらいます」

 

穂乃果「1日2回も!?」

 

海未「そうです。やるからにはちゃんとしたライブをやります。そうでもしないと生徒は集まれませんから」

 

ヨウタ「いや、だから何で俺も…」

 

海未「つべこべ言わずに、もう1セット行きますよ」

 

ヨウタ「マジかよ…」

 

レン「お、ヨウちゃ〜ん。朝早くから用事ってこう言う事なの?」

 

俺が3人の朝練に付き合わせている所にレンが現れた。クソ!1番見られたく無い奴に見られたよ

 

ヨウタ「何でお前がココにいるんだよ」

 

レン「俺っちにも色々とあるのよ。それよりヨウちゃん。俺っちに内緒で何?3人の女の子と遊んでんの?」

 

ヨウタ「馬鹿か?そう言うのじゃねーよ」

 

レン「3人もいるなら1人ぐらい分けてやっても良いんじゃな〜い?」

 

ヨウタ「うっせー。ぶっ飛ばすぞ」

 

穂乃果「ヨウタ君。この人は?」

 

ヨウタ「俺の中学からの腐れ縁のレンだ」

 

レン「その言い方酷くない?どうも〜俺っちがレンレンなり〜。また会ったね〜」

 

穂乃果「えっと?何処かでお会いしましたっけ?」

 

ヨウタ「フッ。忘れられてやんの」

 

レン「何、鼻で笑ってるの〜?ヨウちゃ〜ん?」

 

ヨウタ「ざまぁ見ろって意味だよ」

 

俺とレンのやり取りを見て3人は吹き出した

 

ことり「賑やかな人だね」

 

海未「けど、朝からあんな風に接して来ると疲れます」

 

穂乃果「ヨウタ君にも、ああやって話せる友達がいたんだね。少しホッとしたな」

 

希「君達、朝から元気やなぁ〜」

 

レンの次に俺達の所に駆け寄ってきたのは巫女姿で箒を持っていた副生徒会長の希だった

 

ことり「副会長さん?」

 

穂乃果「副会長さん、その格好は?」

 

希「ここでお手伝いしとるんや」

 

レン「俺っちはこの時を待っていたんだ!」

 

何だよ。アイツ結局ソレが目的かよ

 

レン「君が僕の女神です。どうですか?この後、2人で」

 

希「お誘いは嬉しいけど、また今度な〜」

 

ヨウタ「レン。これはナンパが失敗したって事だぞ。分かるか?」

 

レン「1度ならず2度までも…この俺っちが失敗するなんて…」

 

レンは膝から崩れ落ち地面に手を付け落ちんだ

 

ヨウタ「コイツは馬鹿だから無視して大丈夫だ」

 

穂乃果「アハハ…」

 

希「4人共、階段使わせてもらっとるんやからお参りぐらいしとき♪神社は色んな気が集まるスピリチュアルな場所やからね」

 

俺達は希の言う通り練習が終わると神社にお参りをする

 

穂乃果「初ライブが上手くいきますように!」

 

俺達はお参りでライブの成功を祈った

 

希「あの4人、本気みたいやな」

 

レン「いいね〜。青春だね〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休み

 

ヨウタ「そう言えば、1年の奴に作曲お願いしないのか?」

 

穂乃果「そうだ!忘れてた!」

 

ヨウタ「いや、忘れてたんかい!!」

 

穂乃果「よし、今から行こう!」

 

その後、穂乃果達は1クラスしかない1年生の教室に入った

 

穂乃果「1年生の皆さん、こんにちは。スクールアイドルの高坂穂乃果です!」

 

穂乃果は1年生の前でスクールアイドルと自分の名前を発言するが、それを見ていた1年生達は呆然としていた

 

穂乃果「あれ?全く浸透していない」

 

海未「当たり前です!」

 

ヨウタ「で、歌の上手い奴は何処にいる?」

 

俺が教室を見回すと明らかに1年生数人が怯えてるのが分かった

 

海未「やめなさい、ヨウタ。1年生が怯えてますよ」

 

ヨウタ「分かったよ」

 

すると、丁度教室にお目当ての生徒が入って来た。その生徒に穂乃果が駆け寄より、作曲をお願いする為に屋上に呼んだのだが…

 

???「お断りします!」

 

穂乃果「お願い!あなたに作曲してもらいたいの!」

 

???「お断りします!」

 

穂乃果「もしかして歌うだけで作曲とか出来ないの?」

 

???「出来ないわけないでしょ!ただ、やりたくないんです。そんなもの…」

 

ヨウタ「悪かったな。コイツが酷いこと言ってさ。こんな奴だけど悪気は無かったんだ。頼む!協力してくれねーか?」

 

???「興味ないです!!」

 

彼女はそう言うと、屋上から出ていった

 

ヨウタ「クソ。ダメだったか」

 

穂乃果「…お断りしますって、海未ちゃんみたい…」

 

海未「あれが普通の反応です」

 

穂乃果「はぁ…。せっかく海未ちゃんがいい歌詞作ったのに…」

 

海未「なっ!ダメです!!」

 

穂乃果「なんで?曲が出来たらみんなの前で歌うんだよ!」

 

海未「それはそうですが〜!」

 

すると、穂乃果達の目の前から絵里とフミの姿があった

 

穂乃果「生徒会長…?」

 

絵里「ちょっといいかしら?スクールアイドルがなかったこの学校でやってみたけどやっぱりダメでしたとなったらみんなどう思うかしら?私はこの学校が無くなってほしくない。そう思っているから簡単にやってほしくないの!」

 

放課後、穂乃果は絵里の言葉を少し考えて反省していた。ただやってその後が結果なしに終わったら無駄になると言う事を

 

海未「やっと気付いたのですか…」

 

穂乃果「でも、ふざけてやろうって思っていたわけじゃないよ。海未ちゃんのメニュー全部こなしているし、おかけで足は筋肉痛だけど…」

 

海未「確かに頑張っているとは思いますが、生徒会長が言っていた事はちゃんと受け止めなければなりません…」

 

穂乃果「そうだよね、あと1ヶ月しかないんだよね…」

 

ことり「ライブをやるにしても歌う曲ぐらいは決めないと…」

 

ヨウタ「けどよぉ〜、今から作曲者を探す時間は無いだろう?」

 

海未「そうなれば他のスクールアイドルの歌を歌うしか無いと思います」

 

3人が落ち込んでいる姿を見て何か俺に出来る事が無いかと考えてみたが何も浮かばなかった。サポート役とか言ってても俺は何も出来ねーな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

教室に戻る途中、穂乃果は掲示板に貼ってあったポスターの下にアイドル名を募集する箱の前に立っていた

 

海未「入ってた!?」

 

ことり「本当!?」

 

穂乃果「あったよ~!1枚!」

 

ヨウタ「で、何て書いてあるんだ?」

 

穂乃果「えーと、ふゅーず?」

 

海未「たぶん、μ's(ミューズ)じゃないかと?」

 

穂乃果「ああ!あの石鹸のでしょ?」

 

ヨウタ「馬鹿か。神話に出てくる音楽の女神だよ」

 

ことり「いいと思う。私は好きだな♪」

 

穂乃果「μ's…。うん!今日から私たちはμ'sだ!!」

 

その後、俺と穂乃果は1年生の教室に向かうが、誰もいなかった。それを近くで凛と花陽が見かける

 

穂乃果「はぁ…。誰もいない…」

 

凛「にゃ?」

 

ヨウタ「あ?」

 

穂乃果「ちょっと、ヨウタ君。怯えてるよ」

 

俺が1年を睨んだら穂乃果に注意された

 

ヨウタ「所でアイツどこ言った?」

 

花陽「西木野さんですよね。歌の上手い」

 

穂乃果「そうそう!西木野さんっていうんだ!」

 

花陽「はい。西木野真姫さん…」

 

ヨウタ「ソイツに話があったんだけど、この感じだと帰ってるよな?」

 

凛「音楽室じゃないですか?」

 

穂乃果「音楽室?」

 

凛「あの子、あんまり人と話さないんです。休み時間はいつも図書館だし、放課後は音楽室だし…」

 

穂乃果「そうなんだ…。2人とも、ありがとう!」

 

ヨウタ「おい、待て!!」

 

花陽「あの!…」

 

穂乃果と俺が音楽室に向かおうとした時、花陽が声を掛け、俺達は足を止めた

 

花陽「が、頑張って下さい!アイドル…」

 

穂乃果「うん!頑張る!」

 

穂乃果と俺は早速音楽室に向かうと、そこにはピアノを弾いて歌っていた真姫の姿があった。それを見ていた穂乃果は拍手すると、真姫は驚愕する

 

真姫「何の用ですか?」

 

穂乃果「やっぱり、もう1度お願いしようと思って」

 

真姫「しつこいですね」

 

ヨウタ「確かに、しつこいな」

 

穂乃果「そうだよね。いつも海未ちゃんに怒られちゃうんだ…」

 

ヨウタ「なあ、なんで作曲してくれないんだ?」

 

真姫「私、ああいう曲いっさい聞かないんです。聞くのはジャズとかクラシックとか…」

 

穂乃果「どうして?」

 

真姫「軽いからよ。なんか薄っぺらくて、ただ遊んでいるみたいで…」

 

穂乃果「そうだよね。私も思ったんだ、なんかこうお祭りみたいにパ~っと盛り上がって楽しく歌っていればいいのかな~って…。でもね、結構大変なの……そうだ、ねぇ腕立て伏せ出来る?」

 

真姫「はぁ?」

 

穂乃果「出来ないんだぁ〜?」

 

真姫「なっ!で、出来ますよ!それくらい!」

 

穂乃果のお願いに真姫は制服の上着を脱いで腕立て伏せをする。こう言うのって少し目のやり場に困るんだよなぁ〜

 

真姫「これで良いんでしょう?」

 

穂乃果「凄い!私より出来る!」

 

真姫「当たり前よ、私はこう見えても…」

 

穂乃果「ねぇ、それで笑ってみて」

 

真姫「えっ、なんで?」

 

穂乃果「いいから」

 

真姫は穂乃果の言われた通りに笑顔で腕立て伏せをしようとするが、段々と顔が歪み出す

 

穂乃果「ねっ、アイドルって大変でしょ」

 

真姫「何のことよ、まったく…」

 

穂乃果「はい、歌詞。一度読んでみてよ」

 

真姫「だから私は…」

 

穂乃果「読むだけならいいでしょ。今度聴きに来るから、その時ダメって言われたらスッパリ諦める」

 

真姫「答えは変わることはないと思いますけど」

 

穂乃果「だったらそれでもいい。そしたら、また歌を聴かせてよ。私、西木野さんの歌声大好きなんだ。あの歌とピアノを聴いて感動したから作曲お願いしたいなぁ~って思ったんだ!じゃあ、私はトレーニングがあるから」

 

そう言って穂乃果は1人先に神田明神に向かった

ヨウタ「アイツ、お前と初めから会った時から決めてたんだぜ。お前に作曲して欲しいって」

 

真姫「え?」

 

ヨウタ「確かピアノって弾く人の心が音に出るんだってな。お前のピアノの音は優しいが何処か寂しそうに聴こえるんだよ」

 

何で俺は柄にでもない事を言ったんだろうか。すげー恥ずかしい。アイツら3人に聞かれてないとホッとする

 

ヨウタ「別にアイツがそう感じたかは知らんが俺はそう思った。たく、俺はなに言ってんだよ!とりあえず、絶対に読めよ」

 

そして、俺も神田明神に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、真姫は帰り道の途中に穂乃果達が練習している神田明神に足を運んだ

 

穂乃果「もうダメ~!」

 

ことり「もう動けない~!」

 

海未「ダメです!まだ2往復残っていますよ。それとも諦めますか?」

 

穂乃果「もう、海未ちゃんの悪大官!」

 

ことり「それを言うなら、鬼教官のような…」

 

すると、真姫の方から叫び声が聞こえて穂乃果達は気になったが犬か猫の鳴き声かと思ったのかそのまま練習を続けた。叫び声の理由は希が後ろから真姫の胸を触った事だからだ

 

真姫「な、な…何すんのよ!!」

 

希「まだ発展途上って言ったところやな。でも望みは捨てなくて大丈夫や。大きくなる可能性はある!」

 

ヨウタ「いや、お前ら何してんだよ…」

 

俺は3人の飲み物を買いに行った帰り、すごい光景を目にした。とりあえず後で神様に御礼でも言おう

 

ヨウタ「つーか、何でここにいるんだ?」

 

真姫「別に!たまたま、ここを通っただけよ」

 

希「ホントかなぁ~?」

 

真姫「なっ…何よ?!」

 

 

ズイズイとジト目で迫る希に、真姫はたじろった

 

 

希「何か目的あったんとちゃう~?」

 

真姫「何の事?!」

 

希「恥ずかしいんなら、"こっそり"って、手もあると思うんや……」

 

真姫「だから何?!」

 

希「分かるやろ?」

 

そう言って、希は去って行った

 

ヨウタ「俺は何も見ちゃいない」

 

俺も穂乃果達の所に去って行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の朝、穂むらでは穂乃果宛にCDが入った袋の後ろにはμ'sと書かれてあった。穂乃果は急いで海未達に知らせてパソコンにCDをセットして曲を流すと、そこには海未が作った歌詞の通りに歌が流れると同時に真姫の歌声も入っていた

 

穂乃果「スゴい…歌になっている!」

 

ことり「私たちの…」

 

海未「私たちの歌…」

 

ヨウタ(たく、アイツは素直じゃねーんだから…?)

 

俺達はパソコンを眺めているとランク外だったμ'sのランキングが999位に変わった

 

ヨウタ「お、票が入ったな」

 

パソコンを眺めていた穂乃果に笑みが溢れた

 

穂乃果「さあ、練習しよう!」

 

穂乃果達が練習をする別の場所では真姫がスマートフォンを片手に青空を見上げていた。それから穂乃果達は初ライブの1ヶ月前まで猛特訓に練習を始める。初ライブの成功を祈って

 

 

 

つづく

 

 




1万文字行かなくて良かった〜
今後はこの小説メインで書きます
次回はいよいよファーストライブ


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第3話

お待たせ致しました、いや、お待たせし過ぎたのかも知れません。本来ならとっくに書き上げていたのですが、メモ帳からここに投稿する時、コピーとカットを間違えてしまい、全部消えたのですよ…そこからモチベが無くて…長くなりました。ご了承下さい。さぁ、三話です。見て下さい


ファーストライブに控え俺達は神田明神で朝練を行っていたのだが…

 

ヨウタ「で、何でお前もいるんだ?」

 

レン「良いじゃん良いじゃん。俺っちも青春したいのよ〜」

 

ヨウタ「自分の学校で青春しろ」

 

何故かレンも参加していた。穂乃果達目当てだとは思うが、安心しろレン。お前には振り向かねーよ

 

穂乃果「ふぅ~、終わった~!」

 

レン「三人共お疲れ〜」

 

海未「まだ放課後の練習がありますよ」

 

ことり「でも、ずいぶん出来るようになったよね?」

 

海未「二人がここまで真面目にやるとは思いませんでした。穂乃果は寝坊してばかりだと思ってましたし…」

 

穂乃果「大丈夫!その分授業中グッスリて寝ているから!」

 

ヨウタ「いや寝るなよ…」

 

すると、穂乃果が神田明神の階段に人影を見かけて近寄るとそこには俺達をこっそりと見ていた真姫の姿があった

 

穂乃果「西木野さ~ん!真姫ちゃ~ん!」

 

真姫「うわぁ!?ちょっと!大声で呼ばないで!!」

 

穂乃果「どうして?」

 

真姫「恥ずかしいからよ!!」

 

ヨウタ(そりゃそうだ)

 

穂乃果「あっ、そうだ。あの曲3人で歌で歌ってみたから聞いてみて!」

 

真姫「はぁ?なんでよ!?」

 

穂乃果「だって、真姫ちゃんが作ってくれた曲でしょ?」

 

真姫「だから私じゃないって何度も!」

 

海未「まだ言っているのですか?」

 

ヨウタ「あの歌声はお前しかいねーねぇだろ?」

 

俺達の言葉に真姫は少し照れると、穂乃果はいきなり真姫の体に抱きついた

 

真姫「な、何やってんの!?」

 

穂乃果「いいからいいから♪フヒヒヒ〜♪」

 

真姫「ちょっ、いや~!!」

 

おい、何やってるんだよ!?目のやり場に困るな…レンはガン見してるけど…真姫の体に抱きついた穂乃果は次にイヤホンを取り出すと、真姫の耳に付けた。

 

穂乃果「よし!作戦成功!結構上手く歌えたと思っているんだ。じゃあ、行くよ!」

 

海未「μ's!」

 

ことり「music…」

 

「「「スタート!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、学校では廊下にμ'sのファーストライブが書かれてあったチラシを花陽は走り取ってチラシを見ていた。

その頃、穂乃果達は朝練を終えて学校へと向かっていた。

 

穂乃果「ふわぁ~…」

 

海未「寝る気満々ですね…」

 

穂乃果が眠たそうな顔をしている中、ことりは後ろから2人の女子3年生が何か話しているのを聞こえていた。

 

女子1「ねぇ、あなた達ってもしかしてスクールアイドルやってるっていう…」

 

ことり「あ、はい!μ'sっていうグループです」

 

女子2「μ's…あ~!石鹸の…」

 

海未「違います!」

 

ヨウタ「確かに紛らわしいな。けど、ちゃんとした名前なんだ」

 

女子1「ねぇ、男の子もアイドルやっているの?」

 

ヨウタ「いや…俺はサポート係」

 

女子2「そうなんだ~。実はウチの妹がネットであなた達のことを見かけてて…」

 

穂乃果「えっ、本当ですか?」

 

女子2「えぇ。ねぇ、明日ライブやるんでしょ?」

 

ことり「はい。放課後に…」

 

女子1「どんな風にやるの?ちょっと踊ってみて!」

 

ことり「えっ、ここでですか?」

 

女子2「ちょっとだけでいいから!」

 

穂乃果「フフフッ…いいでしょう、もし来てくれたらここで少しだけ見せてもらいますよ。お客さんだけ特別に♪」

 

ことり「お友達を連れてきていただけたら、さらにもう少し見せてあげますよ」

 

女子2「本当?行く行く!」

 

穂乃果「毎度あり!じゃあ、あたまのところだけやろう!」

 

ことり「うん♪」

 

女子1「あれ?もう一人は?」

 

ヨウタ「あれ?海未がいねーな」

 

穂乃果達と晴人達は海未を探しに向かうと、屋上で体育座りをする海未の姿があった。

 

ヨウタ「おい海未、どうしたんだよ?いきなりいなくなって…」

 

海未「やっぱり無理です…」

 

穂乃果「え~、どうしたの?海未ちゃんなら出来るよ~!」

 

海未「出来ません…歌もダンスもこれだけ練習してきましたし。でも、人前で歌うのを想像すると…」

 

ことり「緊張しちゃう?」

 

ことりの言葉に海未は頷くと、俺と穂乃果は難しい顔をした。すると穂乃果はある事を思い付いたのかひらめいたような顔をした

 

穂乃果「そうだ!そういう時はお客さんを野菜だと思えって、お母さんが言ってた!」

 

海未「野菜?」

 

海未は穂乃果の言葉通りにお客を野菜と想像しているのだろうか?何か考えている

 

海未「私に一人で歌えと!?」

 

ヨウタ「誰もお前だけに歌えとは言ってねーよ!」

 

穂乃果「そこ?はぁ~、困ったなぁ…」

 

ことり「でも、海未ちゃんが辛いんだったら何か考えないと…」

 

ヨウタ「で、どうしたいんだよ?」

 

海未「人前でなければ大丈夫だと思うんです!人前でなければ…!」

 

穂乃果「海未ちゃん。色々考えるより、慣れちゃった方が早いよ」

 

ヨウタ「慣れた方が早いか?う〜ん?そうだ!思いついた!」

 

俺はある事を思いついた。そして放課後に海未を特訓するために向かった場所は人々が溢れ出る秋葉原の街であった

 

ヨウタ「ここでライブのチラシを配れば人前に立つ事を慣れるだろ」

 

海未「ひ、人がたくさん…!」

 

ヨウタ「当たり前だろ!慣れる為に選んだ場所だしな」

 

海未「………」

 

穂乃果「大丈夫だよ!海未ちゃんならきっと出来るよ!」

 

海未「は、はい!ふぅ~…(お客さんは野菜…お客さんは野菜…お客さんは野菜…)ハッ!」

 

海未は頭の中でお客は野菜とイメージトレーニングをするが、海未は通りかかるお客の頭が野菜に見えたのだろうか?ふらついていた

 

穂乃果「ことりちゃんは大丈夫なの?」

 

ことり「ううん、私は平気だよ」

 

ヨウタ「よし!なら始めるとしますか!」

 

俺達はチラシ配りを始めよう思ったのだが海未が緊張のあまり倒れかけた

 

ヨウタ「海未!正気に戻れ!!」

 

結局、俺達は秋葉原でのチラシ配りは止めて学校の校門前でチラシ配りする事にした

 

ヨウタ「ここなら平気だろ?」

 

海未「まあ、ここなら…」

 

穂乃果「じゃあ、始めよう!μ'sファーストライブやりま~す!」

 

俺達は下校する生徒達にμ'sファーストライブをやるチラシを配りに行く。海未も下校する生徒達にチラシを配るが、上手くいかなかった

 

海未「お願いします!」

 

???「いらない」

 

海未「あっ、はぁ〜……」

 

穂乃果「ダメだって、そんな配り方じゃ〜」

 

海未「ですが…」

 

ヨウタ「俺だってこういうのは初めてだ。ほら、ことりだってちゃんとやってる」

 

穂乃果「よし!みんな、それを全部配り終わるまでは止めたらダメだよ!」

 

海未「えっ!?そんなの無理です!」

 

穂乃果「海未ちゃん、私が階段5往復出来ない時なんて言ってたっけ~?」

 

海未「分かりました、やりましょう!」

 

そう言うと海未は下校する生徒達にチラシ配りをする。チラシを配りをする俺達の前に花陽の姿があった

 

花陽「あの……」

 

穂乃果「あなたはこの前の!」

 

ヨウタ「お、ライブ来てくれるのか?」

 

花陽「は、はい!ライブ、見に行きます!」

 

穂乃果「本当!?」

 

ことり「来てくれるの?」

 

ヨウタ「ありがとな!」

 

海未「では1枚、2枚といわずこれを全部…」

 

ヨウタ「おい海未!」

 

海未「わ、分かってます…///」

 

海未の行動に注意するかのように俺は少しキレた。海未は頬を少し赤くする。それを見ていたことりと花陽は軽く微笑んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、生徒会室ではフミと希が資料の作成をしていた

 

フミ「これで、ある程度は終わったな」

 

希「フミ君。仕事熱心なのはええけど

あまり無理せんといてな」

 

フミ「大丈夫ですよ。けど、お気遣いありがとうございます」

 

すると、先ほどまで外に出ていた絵里先輩が生徒会室に入って帰ってきた

 

希「お帰り、絵里ち。何処に行っとったん?」

 

絵里「ちょっと、校内の見回りを…」

 

フミ「アイツらの監視ついですか?」

 

絵里「監視なんてしていないわ。ただ、私はあの子たちに余計な真似をしてほしくないの」

 

希「絵里ち…」

 

絵里先輩はそう言うと、カバンを持って生徒会室から出て行った

 

フミ「僕もそろそろ帰るとしますか」

 

希「フミ君は彼らの事どう思ってるん?」

 

フミ「アイツらの事ですか?俺は正直、関わりたく無い。特にあの不良とは」

 

希「不良って、確かヨウタ君の事?」

 

フミ「はい。俺は昔から不良が嫌いなんで」

 

希先輩にそう言うと俺はカバンを手に取り生徒会室を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後の夜、俺達は穂乃果の部屋に置いてあるパソコンでA-RISEのライブ映像を見ていた

 

穂乃果「う~ん、やっぱり動きのキレが違うよね。こう?こう?こう?」

 

ヨウタ「何してんだよ…」

 

穂乃果「エヘヘ…。あっ、みんな見て!」

 

海未「どうしました?」

 

穂乃果「ランクが上がってる!きっとチラシを見た人が投票してくれたんだね」

 

海未「嬉しいものですね!」

 

俺達がμ'sのランクアップで盛り上がると、手提げの袋と一緒に持ってきたことりが入ってきた

 

ことり「おまたせ~」

 

穂乃果「あっ、ことりちゃん。見て、μ'sのランクが上がったよ!」

 

ことり「あっ、スゴい!」

 

ヨウタ「ん?ことり、持ってる袋の中身ってライブの衣装か?」

 

ことり「あっ、うん。さっきお店で最後の仕上げをしてもらったの。はい、じゃ~ん♪」

 

ことりは袋の中からファーストライブ用の衣装を取り出すと、穂乃果用のピンクのライブ衣装を見せる

 

穂乃果「うわぁ~!可愛い~!本物のアイドルみたい!」

 

ことり「そう?」

 

ヨウタ「スゲーな!デザイナーになれるんじゃね?」

 

ことり「ありがとう♪でも、本物って訳にはいかないけど、なるべくそれに近く見えるようにしたつもりだよ」

 

穂乃果「いいよ!いいよ!」

 

海未「あの…ことり、そのスカート丈は…」

 

ことり「こ、これは…」

 

実はファーストライブの衣装を作る前に海未はことりに忠告していた。「スカートは膝下までじゃないと履かない」と脅すように…俺もその場にいたんだけど、あの時の海未の形相は恐ろしかった…

 

海未「言ったはずです!最低でも膝下までなければ履かないと!!」

 

ヨウタ「ちょっ…海未、落ち着けって!」

 

穂乃果「そうだよ。それにしょうがないもん、アイドルだもん」

 

海未「アイドルだからといってスカートは短くという決まりはないはずです!」

 

穂乃果「それはそうだけど…」

 

ことり「でも、今から直すのはさすがに…」

 

ヨウタ「流石に無理があるだろ?」

 

海未「そういう手に出るのは卑怯です!ならば、私だけ一人で制服で歌います!」

 

ことり・ヨウタ「えぇ!?」

 

穂乃果「そんな!」

 

海未「仕方ないですよ!あんなスカートが短い衣装を着るなんて思わなかったんですから!そもそも皆さんが悪いんですよ!!私に黙って結託するなんて!!」

 

穂乃果「だって…絶対に成功させたいんだもん。歌を作って、ステップを覚えて、衣装も揃って、ここまでずっと頑張ってきたんだもん。やって良かったって、三人で頑張ってきたって、そう思いたいもん!」

 

そう言うと、穂乃果は窓側へと走って窓を開けると大きな声で叫び始めた。いや、夜から近所迷惑だろ…

 

穂乃果「思いたいもーん!!!」

 

海未「何をしているんですか!」

 

ことり「でも、それは私も同じかな。私も三人でライブを成功させたい」

 

海未「ことり……いつもいつも、ずるいです…はぁ~、分かりました」

 

穂乃果「海未ちゃん…ダ~イスキ!!」

 

穂乃果は海未の胸に向かって飛び込んでいくと、海未は穂乃果の体を抱いて二人は仲良く微笑んだ。なんと言うか…その…御馳走様です

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、俺達は神田明神で明日のファーストライブが成功するようにお祈りをしていた

 

穂乃果「初ライブが成功しますように!いや、大成功しますように!!」

 

海未「緊張しませんように…」

 

ことり「みんなが楽しんでくれますように…」

 

ヨウタ(三人の願いを叶えてやってくれねーか…?)

 

穂乃果「よろしくお願いしまーす!!」

 

そして翌日、明日のファーストライブのチラシを配るが誰も受け取ろうとはしなかった

 

穂乃果「他の部活に負けてられないよ~!」

 

ヨウタ「そうだな!負けてられねーな!」

 

ことり「うん!」

 

穂乃果とことりが苦戦する中、海未だけは全力で生徒達にチラシを渡す。それを見ていた二人も負けじとチラシを配り続ける。すると、穂乃果の前からヒデコ達が駆けつけて来てくれた。

 

穂乃果「手伝ってくれるの?」

 

ミカ「リハーサルとかしたいんでしょ?」

 

フミコ「私たちも学校無くなるの嫌だし」

 

ヒデコ「穂乃果達には上手くいってほしいって思っているから」

 

穂乃果「みんな…ありがとう!」

 

ヨウタ「よし、こうなったら明日のライブは成功させねーとな!」

 

そして、引き続き俺達はチラシ配りを始めた

 

ヨウタ「よし!チラシ配り終わり!」

 

俺はチラシ配りを終え、三人の様子を見に行こうとした時、穂乃果が校門前で他校と思われる男子生徒二人に絡まれてた

 

男子生徒1「なぁなぁ?俺達と遊ぼうぜ〜?」

 

穂乃果「で、でも」

 

男子生徒2「良いじゃねーか。他の奴にコレ押し付けてもよぉ〜」

 

ヨウタ「オイ!何やってるんだ!」

 

穂乃果「ヨウタ君!?」

 

男子生徒1「あ?何だ?お前!?」

 

ヨウタ「コイツが困ってんだろ。大人しく諦めろ」

 

男子生徒2「ヘッ!女の前だからってカッコつけてよ〜」

 

ヨウタ「何だ。やる気か?言っとくが手加減はしねーぞ!」

 

男子生徒1「上等だよ!?やってやるよ!!」

 

一人の男子生徒が俺の胸ぐらを掴んで来た。俺はムカついたのでソイツの腕を掴み逆方向に捻った

 

男子生徒1「イデデデテテッ!!!」

 

ヨウタ「このまま、やられるか?帰るか選べ」

 

男子生徒2「コノヤロー!!」

 

もう一人の男子生徒が俺に手を出そうとした時、校門前に先生が走って来た!

 

先生「お前達!何やってるんだ!」

 

男子生徒1「ヤベ!お前…!?手を離せ!」

 

俺があっさり手を離すとソイツらは逃げて行った

 

ヨウタ「たく、最初から帰ればいいのによ」

 

先生「オイ!お前!なにやってた!」

 

ヨウタ「何ってアイツらを追い払おうと」

 

先生「話は後だ!職員室に来い!」

 

俺は職員室に呼ばれた。たく、面倒くせ〜な

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨウタ「はぁ!?停学3日!?」

 

俺は職員室に連れてかれ指導を喰らった。そして言い渡された処分は3日間の停学だった

 

ヨウタ「おかしいだろ!?つーか!アイツらから喧嘩売って来たんだよ!」

 

先生「その前に先生を呼べば、もっと最善な対策が出来ただろ」

 

ヨウタ「穂乃果が絡まれてたんだぞ!お前ら呼びに行ってる間に穂乃果が危ない目にあってたかも知らねーだろ!?」

 

先生「それでもだ!この学校の生徒である以上は他の人に迷惑かけるな!」

 

ヨウタ「勝手な事ばかり言いあがって!!」

 

先生「いいのか?お前は、この件以外にも問題を起こしている」

 

ヨウタ「だから何だよ?」

 

先生「これ以上、問題を起こしたら次は停学では済まないって事だ」

 

ヨウタ「チッ。分かったよ…」

 

俺は渋々、停学を受け入れ職員室に後にした。職員室を出た廊下には穂乃果、海未、ことりの3人が立っていた

 

穂乃果「ヨウタ君…大丈夫だった?」

 

ヨウタ「悪りぃ…穂乃果。俺、停学だってさ」

 

穂乃果「えっ?」

 

ヨウタ「けど、3日間だ。俺はいないけどライブ頑張れよ」

 

海未「けど、この件はヨウタが悪いわけでは…」

 

ヨウタ「俺が行く前に先公を呼んでたら最善な対策が出来ただろうって怒られたよ」

 

ことり「ヨウタ君…」

 

ヨウタ「まぁ、退学になったわけじゃねーから。じゃ、そう言う事で」

 

俺はそそくさと下校した。3人は俺には何も話かけず、ただ背中を見てるだけだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チラシ配りが終わり3人は明日のファーストライブの為、神田明神で練習をしていた

 

海未「穂乃果、気持ちは分かりますが今はライブの為、気を引き締めないと行けませんよ」

 

穂乃果「う、うん…」

 

練習中も穂乃果は身が入っていなかった。それもあるからだろうか3人は一旦休憩を取る事にした

 

ことり「ヨウタ君の事気にしてる?」

 

穂乃果「だって、ヨウタ君…私を助ける為に駆け付けてくれたのに…それなのに…」

 

海未「穂乃果…」

 

レン「お、三人共練習中?」

 

3人が休憩していると帰宅中のレンがやって来た

 

レン「アレ?ヨウちゃんは?」

 

レンは3人から俺が停学になった事を聞いた

 

レン「なるほどねぇ〜。停学か〜」

 

穂乃果「ヨウタ君、私のせいで…」

 

レン「まぁまぁ、そんなに気にしないで。ヨウちゃんも同じ事言うと思うし。それに、こう思ってくれるだけでヨウちゃんも嬉しいと思うよ」

 

穂乃果「え?」

 

レン「昔ね〜。ヨウちゃん今日と同じような事があったのよ。それでさ不良のレッテル貼られて今に至るってわけ」

 

海未「そんな事が…」

 

レン「けど、一緒にいて気づいてると思うけど、別に悪い奴では無いしね」

 

そう言ってレンは何故かスマホを取り出した

 

 

 

 

 

 

 

ヨウタ「クソ!明日から何すればって言いんだよ!」

 

俺は帰宅し自分の部屋でタバコを吸っているとスマホの着信がなった

 

ヨウタ「何だよ?レンか」

 

レンだと気付き俺は嫌々、電話と取った

 

レン「ヨウちゃ〜ん。何したの!?女の子泣かしてさぁ〜」

 

ヨウタ「はぁ!?何言ってんだよ!!テメー!!」

 

レン「今、神田明神に行ったら三人に会ってさぁ〜、穂乃果ちゃんが落ち込んでたんだょ〜。それにヨウちゃんいないし、絶対ヨウちゃんの仕業でしょ〜」

 

ヨウタ「何だ。その事かよ。いや、俺…」

 

レン「知ってるよ。停学でしょ?穂乃果ちゃん達から聞いたよ」

 

ヨウタ「知っんのかよ!?」

 

レン「けど、穂乃果ちゃん。思い悩んでるよぉ〜?」

 

ヨウタ「何だよ。そんな事か。おい、穂乃果がいるなら伝えておけ。別にお前のせいじゃねーって。それと、その事でライブ集中出来なかったらタダではおかねーからよ!」

 

レン「OK。伝えておくよ。あ、後さぁ〜明日のライブは行くの?」

 

ヨウタ「馬鹿か?停学喰らってんだから行けるわけねーだろ」

 

レン「けど、放課後でしょ?大丈夫なんじゃない?」

 

ヨウタ「まぁ、考えとくわ」

 

そうレンに伝え俺は電話を切った

 

レン「てさ。ヨウちゃんも気にしてないから。じゃあ、明日のライブ頑張ってね」

 

レンは3人に言い帰って行った

 

穂乃果「よし!明日のライブに向けて、もう少し練習するぞ〜!」

 

ことり「うん!」

 

海未「穂乃果…」

 

休憩を終え、3人は明日のライブに向けて練習を始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日、フミコとヒデコは講堂でのライトアップの調整、ミカは生徒達にチラシを配ったりとしていた。その頃、穂乃果達は楽屋でライブの衣装を着て準備をしていた。

 

穂乃果「うわぁ~♪可愛いよ!どう?どう?」

 

ことり「うん。スゴく似合ってるよ♪」

 

穂乃果「海未ちゃんは…ってまだ着替えているの?もう、私たちしかいないんだからさっさと着替えちゃいなよ」

 

海未「わ、分かっています!」

 

海未はカーテンを開いて穂乃果とことりに衣装の姿を見せるが、海未はスカートの下から体操服のジャージを着ていた

 

海未「ど、どうでしょうか?」

 

穂乃果「どうでしょうかじゃないよ!何この往生際の悪さは!さっきの海未ちゃんは何処へいったの?」

 

海未「あの…その…か…///」

 

穂乃果「か?」

 

海未「鏡で自分の姿を見たら急に…」

 

すると、穂乃果は海未が履いているスカートの下の体操服のジャージを無理やり脱がしていった

 

海未「いや~!!///」

 

穂乃果「隠してどうするの?スカート履いているのに」

 

海未「で、ですが…」

 

ことり「海未ちゃん、可愛いよ♪」

 

海未「えっ?」

 

穂乃果「ほらほら!海未ちゃん、一番似合ってるんじゃない。どう、こうして並んで立っちゃえば恥ずかしくないでしょ?」

 

海未「はい。確かにこうしていれば…」

 

穂乃果「じゃあ、最後にもう一度練習しちゃおう!」

 

ことり「そうね♪」

 

海未「……やっぱり恥ずかしいです///」

 

その頃、ロッカーからμ'sのファーストライブのチラシを見ていた花陽は講堂に向かおうとすると、凛は猫の真似をして花陽を脅かす

 

凛「やった~、イタズラ成功!」

 

花陽「止めてよ~」

 

凛「エヘヘ♪ねぇねぇ、一緒に陸上部見に行こう!」

 

花陽「えっ、陸上部!?あ、いや、その…」

 

凛「かよちん少し運動してみたいって言ってたじゃん!早く行くにゃ~!」

 

花陽「うわぁ~!?凛ちゃ~ん!だ、誰か…誰か助けて~!!」

 

花陽は誰かに助けの声を挙げたが、誰にも届かず凛と一緒に陸上部へと連れ去れたのであった。その頃、生徒会室では絵里は1人、空の景色を見上げていた

 

希「気になる?」

 

絵里「希…」

 

希「ウチは帰ろうかな~」

 

フミ「俺も帰ります。用事を思い出したので」

 

希とフミは生徒会室から出ていって、絵里1人だけとなった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨウタ「停学してやる事ねぇ〜な〜」

 

俺は1人、部屋でダラダラしていた

 

ヨウタ「そろそろライブ始まる時間か…」

 

俺は時計を見あげる。停学だし、音ノ木坂に行く意味なんて無い。しかし、昨日レンに言われた事が引っかかっていた

 

ヨウタ「たく、俺は停学なんだよ」

 

そう呟きながらも俺は制服に着替え家を出た

 

ヨウタ「これ、間に合うか?」

 

俺はダッシュで音ノ木坂に向かっている途中、昨日の2人組の男子生徒に出会した

 

男子生徒1「テメェ!昨日の!?」

 

ヨウタ「あ?何だよ。コッチは急いでるんだ」

 

男子生徒2「テメェ!昨日はよくもコケにしてくれたな!」

 

ヨウタ「はぁ!?お前らから最初に手を出したんだろ!!それに俺はお前らのせいで停学喰らってるんだ」

 

俺は2人を放って置いて走り出そうした時、1人の男子生徒に肩を掴まれた

 

男子生徒1「待てよ。昨日の事はゆるしてねーぞ」

 

ヨウタ「あ?続きでもやろうってか!」

 

俺は胸ぐらを掴み返すが、ある事が脳裏に過った。ここで、また問題を起こしてしまえてば次は退学になってしまうと…

 

ヨウタ「やっぱ、やめた…」

 

男子生徒1「ああ!昨日の威勢はどうしたんだよ!?」

 

俺はいきなり腹パンを喰らった

 

ヨウタ「ウッ…!!?」

 

男子生徒2「ほら?どうしたよ!?」

 

次に顔面を殴られる。歯は折れてないが口を切ってしまった

 

男子生徒1「お、こいつ何もしねーぞ」

 

男子生徒2「何だ?今更ビビったか?」

 

2人にボコボコにされている時だった

 

男子生徒1「ほらほら?どうした?どうし…グァッ!!」

 

何故か分からないが、1人の男子生徒が頭を抑えなながら怯みだした

 

レン「たく、二人して弱い者いじめ?」

 

男子生徒1「何だ!?テメーは!?」

 

フラフラになりながらも男子生徒は俺を助けたレンにタンカを切り出した

 

レン「どう?俺っちの学生カバン。改造してあるから薄い鉄板が入ってるよ」

 

ヨウタ「レン…」

 

レン「たく、ヨウちゃん何やってるの?ライブ始まったちゃうよ」

 

ヨウタ「それぐらい、分かってる」

 

レン「ここは俺っちに任せなって。けど、今度飯を奢ってもらうよ」

 

ヨウタ「分かったよ。牛丼で良いだろ?」

 

レン「大盛りで卵とネギ付きでね。後は豚汁も」

 

男子生徒2「待て!逃すかよ!」

 

レン「よいしょー!」

 

レンは追っかけようとした男子生徒に間髪入れず蹴りを喰らわした

 

レン「早く行きな」

 

ヨウタ「悪りぃ。助かった」

 

レン「さぁ〜て。いっちょやりますか。俺っちのダチを傷付けた落とし前、付けてもらおうか!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、講堂ではμ'sのファーストライブが始まろうとしていた。穂乃果達は開始前に講堂のステージ上でスタンバイをしていた

 

穂乃果「いよいよだね!」

 

ことり「うん!」

 

穂乃果とことりは気合いが入る中、海未だけは緊張で手が震えていた。それを見た穂乃果は海未の手を掴んだ

 

穂乃果「大丈夫、私たちがついているから!」

 

海未「穂乃果…」

 

ことり「でも、こういう時ってなんて言ったらいいのかな~?」

 

穂乃果「μ's、ファイト!オー!」

 

海未「それでは運動部みたいですよ」

 

穂乃果「だよね…あ、思い出した。番号言うんだよ、みんなで」

 

ことり「面白そう♪」

 

穂乃果「よ~し、じゃあ行くよ!1!」

 

ことり「2!」

 

海未「3!」

 

穂乃果達が番号を言うと、少し面白かったのか笑い始めた

 

穂乃果「μ'sのファーストライブ、最高のライブにしよう!」

 

ことり「うん!」

 

海未「もちろんです!」

 

穂乃果達は準備万端の用意が出来るとカーテンが開いて穂乃果が目を開けると、そこには講堂の席が誰一人も座っておらず穂乃果達の表情は驚きで隠せなかった

 

フミコ「ごめん…頑張ったんだけど…」

 

ことり「穂乃果ちゃん…」

 

海未「穂乃果…」

 

穂乃果「そりゃそうだ、世の中そんな甘くない!」

 

強がる穂乃果だったが、穂乃果は今でも悔しい思いで泣きそうであった。しかし、その時だった

 

ヨウタ「アレ?ライブ終わっちまったか?」

 

穂乃果「ヨウタ君…!?」

 

俺が到着して、またすぐに講堂の扉が開く。やって来たのはライブを見に行くと言った花陽だった

 

穂乃果「花陽ちゃん…」

 

ヨウタ「お前は…確か…?」

 

花陽「花陽です。あの、ライブは…?」

 

ヨウタ「お、そうだ!ライブは終わったのか?それとも、ガラガラだからやらないって言うのか!?」

 

俺の言葉を聞いてか、穂乃果は目の色を変えてライブを始めようとしていた

 

ことり「穂乃果ちゃん?」

 

穂乃果「やろう!歌おう、全力で!!」

 

海未「穂乃果…」

 

穂乃果「だってそのために今日まで頑張ってきたんだから!歌おう!!」

 

ことり「穂乃果ちゃん…海未ちゃん!」

 

海未「はい!」

 

ヨウタ(フン。良い顔してんじゃねーか)

 

START:DASH!!

 

舞台が暗転すると一つ、二つとスポットライトが穂乃果達に照らされて穂乃果達は曲に沿ってダンスを始める。俺と花陽がライブを観ている途中に1年生の女子生徒がやって来た。あった事はあるが名前を知らなかったので花陽に教えてもらったが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、3人が最後まで歌い終わると講堂の席には俺と花陽と凛は拍手を挙げた。すると、講堂から歩いてやって来た絵里が穂乃果達を見つめていた

 

穂乃果「生徒会長…」

 

絵里「どうするつもり?」

 

穂乃果「続けます!」

 

海未「穂乃果…」

 

絵里「何故?これ以上続けても意味があるとは思えないけど…」

 

穂乃果「やりたいからです!今、私もっともっと歌いたい、踊りたいって思っています。きっと、海未ちゃんもことりちゃんもこんな気持ち初めてなんです!やって良かったって本気で思えたんです!!」

 

ことり「穂乃果ちゃん…」

 

穂乃果「今はこの気持ちを信じたい。このまま誰も見る気もしてくれない。応援なんて全然もらえないかもしれない。でも、一生懸命頑張って私たちがとにかく頑張って届けたい!今、私たちがいるこの思いを!…いつか…いつか必ず、ここを満員にしてみせます!!」

 

ヨウタ「たく、よく言うぜ」

 

俺はそう言って講堂から出て行った。講堂から出るとフミと希が立っていた

 

ヨウタ「二人して何の用だ?」

 

フミ「お前、何でここにいる?停学なったんでじゃないのか?」

 

ヨウタ「ライブを観に来たんだよ。お前こそ何でいる?ライブなら終わったぞ」

 

フミ「うるさい。停学ならさっさと帰れ」

 

ヨウタ「はいはい、それとフミ。仲間ってのは良いもんだぜ」

 

俺はこれ以上いると面倒くさい事になると思い、帰宅した

 

フミ「チッ」

 

希「ふっ、完敗からのスタートか…」

 

確かに完敗からのスタートかも知れねぇ。だが、これだけは言える。アイツらの挑戦はまだ一歩進んだだけかも知れねぇ。けど、アイツらの思いは絶対に届く。いつか必ず。俺はそう思ってる

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が家に着くと着信がなった。知らない番号からだ

 

ヨウタ「はい。もしもし」

 

穂乃果「ヨウタ君、穂乃果だけど」

 

ヨウタ「え?何で電話番号知ってんだ?」

 

穂乃果「昨日、レン君から教えてもらったんだ。それと、話したい事があるから今から会えないかな?」

 

ヨウタ「話って今、電話してるんだし…オイ!」

 

途中で電話が切れてしまう。たく、せめて場所ぐらい伝えろ。そう思いながらも俺は穂むらに向かった。穂むらに到着したら、外で穂乃果が待っていた

 

穂乃果「あ、ヨウタ君」

 

ヨウタ「たく、場所ぐらい言ってから電話切れよ」

 

穂乃果「ゴメンね。急いでたから」

 

ヨウタ「で、話って何だ?」

 

穂乃果「今日はライブ。観に来てくれてありがとね」

 

ヨウタ「当たり前だよ。マネージャーみたいなもんだし」

 

穂乃果「それと…」

 

ヨウタ「それと?なんだ?」

 

穂乃果は何か言いたそうだが、ダンマリしていた。まぁ、大体察しましたけど

 

ヨウタ「停学なら心配ねーよ。3日間だけだしな。まぁ、反省文はあるけど」

 

穂乃果「そっか。なら、よかった♪」

 

ヨウタ「ありがとな。心配してくれて」

 

俺は穂乃果の頭に手を乗せた。穂乃果は一瞬、焦ったのか驚いた様子だった。けど、何処と無く満更でも無い気がした

 

ヨウタ「で、話はそれだけか?それなら俺は帰るぞ」

 

穂乃果「待って!」

 

ヨウタ「今度は何だ?」

 

穂乃果「ヨウタ君…まだ、辞めないよね?」

 

ヨウタ「最初に言っただろ?俺はつまんないと思ったら辞めるって。今は辞める気なんてねーよ」

 

穂乃果「本当?」

 

ヨウタ「ここで嘘ついてどーする?」

 

穂乃果「ありがとう!ヨウタ君大好き!」

 

ヨウタ「やめろ!鬱陶しい!離せ!」

 

そう言って穂乃果は俺に抱きついて来た。つーか、外でそんな事するんじゃねーよ!それに周りの人がいたら勘違いするだろうが!全く面倒な事に巻き込まれた。けど、しばらくは俺も一緒に学校の存続に向けてやっていく事を決めた

 

 




とりあえず最後は蛇足かな!ちと、穂乃果ちゃんと距離を詰めたかったんですが、やり過ぎ気がする…けど、反省も後悔もしていない!では、次回お会いしましょう。それと、次回は男子生徒側にも新キャラでるかも知れない


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第4話

キャラ紹介
レン(名字募集中)

ヨウタの悪友
中学まで同じだったが
高校は違う学校に通っている
変な口調で話すのが特徴

好きな食べ物
エビチリ

嫌いな食べ物
酢の物


停学期間が終わり、俺は久しぶりに登校した

 

ヨウタ「短いようで長いような、3日間だったな」

 

俺が教室に到着すると先に穂乃果達が来ていた

 

穂乃果「あ!ヨウタ君!もう、大丈夫なんだね!」

 

ヨウタ「ああ、昨日で停学は終わったからな」

 

穂乃果「よかった〜。これで、また練習にも参加できるんだね」

 

ヨウタ「そうだな。それと色々迷惑かけた」

 

穂乃果「別にヨウタ君が謝る事じゃないよ」

 

ヨウタ「いや、あの件は俺が…」

 

穂乃果と会話をしていると色んな所から視線が俺達に刺さってるのを俺は察した

 

ヨウタ「そろそろ、席に着くわ…」

 

様々な視線に耐えられなくなった俺は話を無理矢理終わらして席に着いた

 

ヨウタ「たく、何でみんな見てくるんだよ」

 

ことり「色々と大変だね」

 

俺が席に着くと次はことりが話しかけて来た

 

ヨウタ「全くだ。どーせ停学してたから、また変な噂でも広まったんだろ」

 

ことり「多分、それだけじゃ無いと思うけど…」

 

ヨウタ「何か言ったか?」

 

ことり「ううん。何でも無いよ」

 

独り言かよ…紛らわしいな。とりあえずホームルームまで寝とくとするか。昨日は徹夜で反省文を仕上げてたから眠い

 

海未「ヨウタ、起きて下さい」

 

俺がうつ伏せになっていると海未が話かけて来やがった

 

ヨウタ「何だよ?昨日、徹夜で反省文書いてたから眠いんだよ」

 

海未「寝てる場合ではありませんよ。先生が呼んでいましたから」

 

ヨウタ「何だよ?面倒クセーな」

 

どうせ、反省文の提出しろとか言う催促だろ?そう思いながらも俺は渋々、職員室に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨウタ「はぁ!?何で俺が!!」

 

職員室に到着し先生に声を掛けるやいなや、俺はとんでもないお願いをされた

 

先生「同じクラスメイトだろ?」

 

ヨウタ「だからって俺に不登校の奴の家を訪ねろってか!?」

 

先生「クラスの男子はお前だけだしな」

 

ヨウタ「いや、普通はアンタが行くべきだろ!?」

 

先生「先生も何度も訪ねたんだが、顔を見せて来れないんだ」

 

ヨウタ「ならほっとけよ。不登校って精神的な奴だから何もしないのが1番だろ?」

 

先生「そうすると留年とか退学とか色々と面倒なんだよ」

 

ヨウタ「だからって俺にどうしろと言うんだ?」

 

先生「とりあえず、一回行って来てくれ。そしたら単位もやるぞ」

 

ヨウタ「嫌だよ。面倒くせ〜」

 

先生「なら、単位上げないぞ。お前、ただでさえ足りないのに良いのか?こんなチャンスは滅多に無いぞ」

 

ヨウタ「分かったよ!行ってやるよ!」

 

つーか、先公がそんな事して良いのかよ…俺は半ば強制的だとは思うが嫌々お願いを承諾した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先公のお願いを聞いた俺は教室に戻る

 

穂乃果「ヨウタ君、大丈夫だった」

 

ヨウタ「大丈夫だけど、大丈夫じゃない」

 

海未「それは、どう言う事ですか?」

 

ヨウタ「話せば長くなるから昼休みに話す」

 

そして、昼休みになり俺は購買部で購入した焼きそばパンとオニギリを持って屋上にいた

 

ヨウタ「うし、昼飯にするか」

 

海未「やっと見つけましたよ」

 

ヨウタ「どうした?俺と飯食いたいのか?」

 

海未「そんな事を言いに来たんじゃありません。忘れたのですか?」

 

ヨウタ「何だっけ?」

 

海未「朝、先生に呼ばれた事ですよ!」

 

ヨウタ「ああ、あの件ね。すまん。忘れてた」

 

海未「全く、無責任な人です」

 

まぁ、コイツらには関係ない事だけどな。知りたがってるし、教えてやるか

 

海未「学校に来なくなった生徒の家に行く!?」

 

ヨウタ「そう言う事」

 

ことり「けど、ヨウタ君が行かなくても良いような…」

 

ヨウタ「同じクラスで男子生徒は俺だけだしな。それで頼まれたんよ」

 

海未「けど、ヨウタ1人で大丈夫なのですか?」

 

ヨウタ「俺、以外の生徒がいないんだよ。しゃーないだろ?」

 

ことり「そう言う事じゃ無いと思うよ」

 

ヨウタ「どう言う意味だ?」

 

海未「貴方は学校一の不良と恐れられてるのですよ」

 

ヨウタ「誰が不良だ!!」

 

海未「周りのみんなからはそう思われてるのです。1人で行っても家に上げてもらえませんよ」

 

ヨウタ「じゃあ、どうするんだよ」

 

海未「私達もついて行きます」

 

ヨウタ「何でだよ!別について来なくて良いわ!」

 

海未「どうせ、約束破って適当に報告するつもりだったのでしょう」

 

うっ!流石に勘付かんでやがる…

 

ヨウタ「けど、お前らはともかくコイツも行くのかよ」

 

穂乃果「ふぇ?」

 

ヨウタ「あ、テメー俺の焼きそばパン食ってんじゃねー!」

 

コイツ、通りで静かと思ったら!チクショー…幸先不安になって来た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、俺達3人は不登校になった生徒の家に向かった

 

ヨウタ「えっと…この辺だと思うが…」

 

海未「本当にあってるのですか?」

 

ヨウタ「先公から地図と生徒名簿貰ってるから大丈夫だ」

 

ことり「その子の名前は何て言うの?」

 

ヨウタ「確か、ヤヨイって名前でよ。1年の2月後半から学校に来てないんだと」

 

地図を見ながら俺達は歩く。そして数分歩いた時だった

 

穂乃果「ここじゃ無いかな?」

 

穂乃果が指差す所には2階建ての一軒家が建っていた

 

ヨウタ「お、ココだな。それにしてもデケーな」

 

東京に2階建ての家とか金持ちだな。羨ましいもんだ。俺が家もマジマジと眺めていると穂乃果がインターホンを押した

 

ヨウタ「おい!何してるんだよ!」

 

穂乃果「え?だって、この家に用があるんでしょ?」

 

ヨウタ「用はあるけど、心の準備が…」

 

すると、玄関の扉が開く。家の中から若々しい女性が出てきた

 

ヤヨイの母「あら?貴方達は?」

 

ヨウタ「はじめまして。僕はヤヨイ君のクラスメイトのヨウタと申します」

 

ヤヨイの母「まぁ!ヤヨイのお友達ね。さぁ、入って」

 

ヨウタ「お邪魔します」

 

俺達はヤヨイの母親に案内され家に入る

 

穂乃果「ヨウタ君って、意外とこう言うの弁えてるよね」

 

ヨウタ「どう言う事だよ」

 

海未「常識的と言いますか。外面が良いと言いますか…」

 

ヨウタ「余計なお世話だ」

 

たく、失礼な奴らだ。それにしてもやはり家の中も豪勢だな

 

ヤヨイの母「さぁ、遠慮なく座って」

 

ヨウタ「失礼します」

 

ヤヨイの母「それとパウンドケーキ焼いてたのよ。良かったら食べて」

 

俺達はソファに座りパウンドケーキをご馳走になる

 

ヨウタ「頂きます。うん、美味しいです」

 

穂乃果「あの、おかわり頂いて良いですか?」

 

ヨウタ「おい、遠慮しろ。がっつくな」

 

ヤヨイの母「いいのよ。沢山、焼いたからいっぱい食べて行って」

 

ヨウタ「では、僕もお言葉に甘えて」

 

海未「2人共、食べてる場合ですか」

 

ヨウタ「そうだ!そうだ!お母様、ヤヨイ君の事でお伺いしてもよろしいでしょうか?」

 

ヤヨイの母「ヤヨイの事?」

 

ことり「どうして、ヤヨイ君は学校に来なくなったんですか?」

 

ヤヨイの母「それが、私も分からないのよ。最近は部屋からも出てこないし…」

 

ヨウタ「お母様。ヤヨイ君の部屋は何処にあるんですか?」

 

ヤヨイの母「ヤヨイの部屋なら2階よ」

 

ヨウタ「ありがとうございます」

 

俺はヤヨイの部屋の場所を聞くと、ソファから立ち上がった

 

海未「ヨウタ、何処に行くのですか?」

 

ヨウタ「決まってんだろ。ヤヨイの部屋だ」

 

俺はそう言って2階に上がった

 

ヨウタ「おい、ヤヨイ!いるんだろ!?さっさと出て来やがれ!!」

 

海未「ヨウタ!それでは逆効果です」

 

ヨウタ「じゃあ、どうするんだよ?」

 

ことり「ここは海未ちゃんに任せてみたら?」

 

ヨウタ「たく、しゃねーな」

 

海未「私、同じクラスメイトの園田海未と申します。貴方と少しお話をしたくて家を訪ねて来ました」

 

俺の変わりに海未がヤヨイに問いかけた。流石、家元の娘だな

 

海未「貴方が学校に来なくなった理由を知りたいのです。どうか、私達に理由をお話し伺えないでしょうか?」

 

すると、ヤヨイの部屋の扉から1枚の紙が出て来た。顔も出さず部屋から出ないで隙間から紙だけ出すとは…相当、出たくないんだな

 

ヨウタ「んだよ。コレ」

 

俺は紙を拾う。そして、紙に書いてある文字をみんなに見せた

 

ヨウタ「ホラよ。『今日は帰って下さい』だってさ」

 

海未「やはり、駄目でしたか」

 

ヨウタ「しゃーない。今日は帰るぞ。どうせ、いても出て来やしないんだし」

 

今日の所は諦めて俺達は帰る事にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日。俺は昨日の件を先公に報告する為、職員室に足を運んだ

 

先生「そうか、駄目だったか」

 

ヨウタ「一応、ちゃんと行ったからな。穂乃果達が証人だ」

 

先生「協力ありがとな。もう大丈夫だぞ」

 

なんだよ。意外にあっさりしてるな。学校来るまで行かされると思ったのによ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

話が終わり俺は教室に戻り、3人にも報告をした

 

ヨウタ「とりあえず、『協力ありがと』ってさ。もう行かなくて良いとよ」

 

海未「これで良かったのでしょうか…」

 

ヨウタ「そこなんだよぁ〜」

 

穂乃果「ヨウタ君。何か納得行ってないの?」

 

ヨウタ「なんかよぉ〜。あっさりしてると言うか?このままでは引き下がれねぇ〜んだよなぁ〜」

 

ことり「もしかして、今日も行くつもり?」

 

ヨウタ「ああ、その予定だ」

 

海未「けど、先生からは…」

 

ヨウタ「なんか、スッキリしないんだよ。サンペスドラマ観てる途中で寝落ちした感じで」

 

穂乃果「それなら私も行く!」

 

海未「穂乃果…」

 

ことり「穂乃果ちゃん…」

 

穂乃果「だって、このままだとヨウタ君ずっとモヤモヤするでしょ?なら、ヤヨイ君が学校来れるようにしよう!」

 

ヨウタ「たく、お前って本当に迷惑な奴だな」

 

穂乃果「ヨウタ君、酷いよ!それじゃ穂乃果がお節介みたいじゃん!」

 

ヨウタ「別に悪い意味じゃない。良い意味でだ」

 

穂乃果「それって、どう言う事?」

 

ヨウタ「自分で考えな」

 

俺はそう言って教室を出た。まぁ、その迷惑の所為で今の俺があるのも確かだしな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後。俺達は再びヤヨイの家に行った。しかし、昨日の同じように話掛けても出て来る所か返事すら無かった

 

海未「やっぱり駄目みたいですね」

 

ヨウタ「ん〜何か良い方法無いものか?」

 

穂乃果「あ、それなら良い物作って来たよ!」

 

そう言うと穂乃果が何か鞄から取り出した。唐突だな…オイ

 

穂乃果「ヤヨイ君。私、高坂穂乃果って言います。ヤヨイ君と同じクラスメイトなんだけど。ごめんね、私、ヤヨイ君の事あまりよく知らないの。だから、こう言うの作って来たんだ。名付けてヤヨイ君に聞きたい20の質問!」

 

すると、穂乃果はその紙を扉の隙間に入れた

 

穂乃果「時間がある時でもいいから、答えてくれると嬉しいな」

 

ヨウタ「まぁ、今日は帰るか」

 

俺達はヤヨイの家を後にし帰宅する

 

ヨウタ「穂乃果、色々と助かった」

 

穂乃果「別に私は何もしてないよ」

 

ヨウタ「それでも、助かったんだよ」

 

俺はそう言って自宅へ帰る為、3人と別れた

 

穂乃果「変なヨウタ君」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家に帰り俺は部屋でレンと電話をしていた

 

レン「へぇ〜不登校を学校に来させる為に、わざわざ家に」

 

ヨウタ「まぁ、本当は1回行くだけで良かったんだけど、それじゃ何かモヤモヤしてよぉ〜」

 

レン「けど、こう言うのって意外にさ。どーでも良い理由とかなんじゃ無い?」

 

ヨウタ「なんだよ。それ」

 

レン「ヨウちゃん達はイジメとかで不登校になったと思ってると思うけど、実はゲームにハマって学校に行くのが面倒くさかったりしてさぁ〜」

 

ヨウタ「んな事あるかよ」

 

レン「けど、理由は知らないんでしょ〜」

 

ヨウタ「まぁ、知らね〜けど」

 

レン「意外にしょうもなかったりするのよ。あ、ゲームで思い出したんだけど、面白いのが出たんだよねぇ〜。今、俺っちがドハマりしてる」

 

ヨウタ「何だよ。買えってか?」

 

レン「そう、御名答!今ならフレンドいっぱいいるから手伝えるよぉ〜」

 

ヨウタ「んだよ。面倒くせぇ。それにネット意外で友達増やせよ」

 

レン「じゃあ、明日買いに行こうよ。ゲーム機は持ってんだし」

 

ヨウタ「いや、買うとは言ってねーよ」

 

レン「じゃあ、明日13時からねぇ〜」

 

ヨウタ「おい、勝手に決めん…切りやがった…たく、面倒くせぇ〜」

 

俺はそう言ってタバコの火をつけた

 

ヨウタ「はぁ〜…何で俺もやるんだよ」

 

俺に拒否権は無く明日レンとゲームを買いに行く事になった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

ヨウタ「たく、何で俺まで…」

 

自宅に駐車しているバイクに乗りエンジンを掛けレンに伝えられたゲーム屋に向かう。ゲーム屋に向かう道中。俺はヤヨイの家の前を通る。その時、同じ年くらいだろう。3人組の男子を見かけた

 

ヨウタ(なんだ?ヤヨイの中学の時の友達か?)

 

俺は知り合いかとスルーしたが、何処となく俺は違和感を感じた。しかし、今は構ってられない。俺はフルスロットルでゲーム屋に到着した

 

ヨウタ「あ〜あ。買っちまった…」

 

レン「よし、これでヨウちゃんもナマカだねぇ〜」

 

ヨウタ「ネタが古いんだよ」

 

レン「じゃあ、真中」

 

ヨウタ「何処の100%だ」

 

レン「では早速、今日からプレイね〜。早く帰るよ」

 

ヨウタ「待て!もう帰るのか?」

 

レン「当たり前でしょ〜。フレンドが待ってんだから」

 

コイツ…ネト友よりリア友優先しろよ。そう思いながら俺は帰宅した

 

ヨウタ「今日からってチュートリアルとかあるから時間掛かるだろ」

 

渋々、俺はゲームを起動した。アバターを作ったり、プロローグを観たり…結構時間が掛かった。そして、やっとの事でレンと合流した

 

ヨウタ「なんだ?これは?ゲーム内で会話するんか?」

 

いちいち、文字打つのも面倒くせぇ。レンに至っては通話で良いだろうよ

 

ヨウタ「とりあえず自己紹介しとくか」

 

俺はゲーム内でレンのフレンドに挨拶した。レンがフレンドの事を紹介してくれた。ソイツは俺達と同じく高校生らしい

 

ヨウタ「いや、明らかに高校生にしてはやり込んでるレベルだろ?」

 

まぁ、ゲームだとやり込んでる方が心強いか。そして、俺とレンとそのレンのフレンドと3人でクエストをする事になった

 

ヨウタ「中々、強えーな。レンのフレンド」

 

俺は2人に助けられながらクエストをクリアしていく。そして1日で結構レベルが上がった

 

ヨウタ「やべ、夢中になってたら、もう夜じゃねーか。よし、飯食ってから再会するか」

 

俺は飯を食う為、ゲームを終了した。そして、飯を食い終わるやいなやゲームを再会し夜中までプレイしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の学校。俺は寝不足もあり、授業中に居眠りをして先公に怒られた

 

ヨウタ「たく、怒り過ぎだろ」

 

穂乃果「ヨウタ君が寝てるからだよ」

 

ヨウタ「しゃーねーだろ。寝不足なんだから」

 

海未「いいですか?夜更かしは身体の毒ですよ」

 

ことり「けど、ヨウタ君が寝不足なんて珍しいね」

 

ヨウタ「レンにゲーム進められてよぉ〜。それが意外にもハマってさ」

 

海未「程々にしないと行けませんよ。不規則な生活をすると…」

 

ヨウタ「分かった。うるせ〜な。オカンかよ」

 

海未「な!!ヨウタの為を思って言ってるんですよ!」

 

ヨウタ「ハイハイ」

 

俺は軽く受け流し席を立つとトイレに向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、俺は今日もヤヨイの家に向かったのだが…

 

ヤヨイの母「ゴメンね。ヤヨイから、もう誰も家に入れるなと言われているの」

 

俺はインターホン越しでヤヨイの母から伝えられた。絶対、昨日何かあったな。そう違いないと確信したが話も聞けそうに無いので俺は諦めて家に帰った

 

ヨウタ「え!?SNS!!」

 

レン「そうそう。呟きとかを投稿したりするの」

 

俺は帰宅しレンと通話していた。何やらSNSと言うもの俺は勧められている

 

ヨウタ「で、その呟きって誰が見るんだよ」

 

レン「それはフォロワーよ〜」

 

ヨウタ「つーか見られてどうなるんだ。何がしたいか分かんねーよ」

 

レン「まぁ、人には言えない事とかあるでしょ〜。そう言った事とか呟いたりしてもよいんだよぉ〜」

 

ヨウタ「くだらねぇ。俺は絶対にやらない」

 

レン「え〜。折角、俺っちとフレンドもやってるのに〜」

 

ヨウタ「あー!分かったよ!登録するよ!けど、つまらなかったら消すからな!」

 

レン「流石、ヨウちゃん。じゃあ、作ったら今日のゲームで俺っちとフレンドにも教えてよぉ〜」

 

ヨウタ「はぁ!何で教えないと…切れてるし」

 

たく、何で毎回勝手に通話切るんだ?アイツ…俺は嫌々ながらもSNSのアカウントを作り今日のゲームで2人にも教えた。俺が教えると2人もアカウントを教えてくれた

 

ヨウタ「よし、今日はここまで。寝るか」

 

俺はゲームを片付け寝る準備をした

 

ヨウタ「そう言えば2人からアカウント教えて貰ったな。とりあえず見てみるか」

 

俺は教えてもらった2人のSNSアカウントを覗いた

 

ヨウタ「何だよ。レンは?コイツ、呟きもあんな口調なのかよ」

 

俺はネットでも現実でもレンの変わらない事を知ると気持ち悪くなって。レンの投稿はここまでにして、レンのフレンドの投稿でも見るか

 

ヨウタ「えっと。コレか…うん?コレって…!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の放課後

 

海未「どうしたんですか?急に」

 

俺は3人に話したい事あると伝えた

 

ヨウタ「見て欲しい物があるんだ」

 

そう言って俺は3人にスマホの画面を見せた

 

海未「コレは一体、何でしょうか?」

 

穂乃果「私、知ってるよ!今流行ってるよね!」

 

ことり「ヨウタ君。コレって?」

 

ヨウタ「お、ことり気がついたか?そうだヤヨイと思われる投稿だ」

 

穂乃果「え!ヤヨイ君の!?」

 

ヨウタ「話せば長くなるが昨日、レンに教えられて見てたんだよ」

 

海未「けど、どうしてヤヨイのだと気付いたのですか?」

 

ヨウタ「この写真の投稿だ。この写真って穂乃果がヤヨイに渡した奴だろ?」

 

そう言って俺はヤヨイが上げている写真を見せた

 

穂乃果「本当だ!穂乃果が上げたのと一緒だ!」

 

ヨウタ「やっぱりな。そうと分かれば話は早い」

 

海未「一体、何をするのですか?」

 

ヨウタ「このSNSを見れば何でヤヨイが不登校になったのか分かると思ってな」

 

海未「私達に協力して欲しいって事ですか?」

 

ヨウタ「そう言う事」

 

ことり「それで、ことり達を呼んだんだね」

 

ヨウタ「俺1人で考えるより、みんなで考えた方が良いと思ってな」

 

俺達はヤヨイの投稿を見る。まずは最近の投稿からだな

 

ヨウタ「えっと、今日は同じクラスメイトの女の子3人とガラの悪い男が来た」

 

穂乃果「コレってヨウタ君の事だよね?」

 

ヨウタ「だったら何だよ?」

 

まぁ、最近の投稿を見ても意味ないか。最初の投稿でも見るか

 

ヨウタ「まぁ、最初は普通の投稿だな」

 

見てみると最初はごく普通の投稿だった。高校生活が始まり友達が出来るかだったり学校の事だったり。そして、見て行くと段々と内容が変わっていった

 

ヨウタ「何だよこれ?」

 

その内容は高校生活が始まり再び中学の同級生と再開し遊ぶようになったが、お金だけの関係だと投稿されていた

 

ヨウタ「遊びに行くといつも金欠だからと僕がお金を貸して遊ぶ…か」

 

俺は3人の顔色を伺った。明らかに引いてる。いや、それよりも何か心に来ているようだな

 

ヨウタ「成る程、要するにパシリか。いや、もっと酷いな」

 

俺は立ち上がり、屋上を出ようとする

 

海未「ヨ、ヨウタ!?何処行くのですか!?」

 

ヨウタ「決まってんだろ。その金ズルをぶっ飛ばしに行くんだよ」

 

海未「行ってどうなるって言うんですか?それにいる場所も分からないでしょう?」

 

まぁ、確かにそうだ。感情に身を任せてしまったな。他に何か手掛かりがあるかも知れないと思い俺は再び投稿を見る

 

ヨウタ「なんだよ!ネガティブな事ばかり!コッチまで憂鬱になるわ!」

 

ことり「けど、ヤヨイ君、ずっと辛い思いしてたんだね…」

 

海未「こんな事があれば誰だって外に出るのは怖くなります」

 

ヨウタ「なら助けてもらえよ!何なんだよ!」

 

穂乃果「ヤヨイ君も助けて欲しいと思ってるよ。けど、誰を頼ったらよいか分からないんだよ」

 

ヨウタ「何でお前が分かるんだよ?」

 

穂乃果「ヨウタ君。コレ見て」

 

そう言って穂乃果は俺にスマホを見せた

 

ヨウタ「今日も部屋から出られない。脅かされてる事を親に知られるのも怖い。こんな僕を家族はどう思うのだろう?そう考えると怖くて話せない…」

 

この投稿を見て俺は数秒間固まった

 

ヨウタ「あー!もう、しゃらくせー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤヨイ「今日もゲームするのかな?彼らは高校楽しいのかな?」

 

僕がスマホをぼんやりと眺めていたら通知がなった。その通知はSNSのコメントだった

 

『いーじゃねーか。親に話せなくたって』

 

そのコメントは最近ゲームで知り合った人だった

 

ヤヨイ「でも、辛いんだ…」

 

僕はスマホの画面を開く届いたコメントに返信した

 

「友達がいないなんて恥ずかしくて言えなかった。だから高校生になった時、同じ中学校の同級生が友達になった時は嬉しかった。けど、お金だけの関係と気付いた時には遅かった…取り繕ってる自分には助けてくれる人は1人もいなかった」

 

すると、再度コメントが返って来る

 

『だからって、一生部屋から出ないつもりか?』

 

『助けてって言えば良いだろ?』

 

『取り繕う必要ねーだろ?』

 

この人は僕の何を知っているんだろうか…すると僕が返信を送るより先にまたコメントが届いた

 

『お前はお前のままで。そのままの自分を受け入れてくれるヤツと友達になれば良いんだよ』

 

ヤヨイ「そんな奴いるわけないだろ!」

 

僕の事も知らないで、こんなコメントを送って来て…けど、この怒りの吐口も無く、置いてあった辞書を床に叩き付けた

 

ヨウタ「それはオメーが決める事じゃねーよ」

 

部屋の外から聞き覚えのある声が聞こえた。同じクラスのガラの悪い男だ

 

ヨウタ「あー!もう面倒くさいから直接言うわ」

 

もしかして僕のSNSにコメントくれた人って…

 

ヨウタ「お前さ。何カッコ付けてんだよ!親に話せなくたって良いだろ。こうやって俺に話せてるんだし。こうさ、悩みとか打ち明けて話せるって言うのがダチなんじゃねーの?」

 

海未「ヨウタ、そんな言い方では前と同じ事になりますよ」

 

ヨウタ「お前、SNSに書くなら俺に言えよ。ゲームでもフレンドだろ?」

 

後はアイツ次第だ。俺は扉に持たれ掛かる。すると、扉が開き俺はバランスを崩し倒れそうになった

 

ヨウタ「おおっと!」

 

俺は開いた扉の方を見るとヤヨイが立っていた

 

ヨウタ「よぉ」

 

ヤヨイ「ど、どうも…」

 

ヨウタ「つーかデカ!!」

 

穂乃果「ヤヨイ君!初めまして!私は高坂穂乃果!」

 

海未「園田海未です」

 

ことり「私は南ことり。よろしくねヤヨイ君♪」

 

ヤヨイ「よろしく…」

 

穂乃果「そうだ!ヤヨイ君!私が作った質問は全部書けた?」

 

ヤヨイ「まだ、最後だけ…書けてなくて。友達の人数数えた事無かったから…」

 

ヨウタ「なら、4人だな。書き足しとけ」

 

穂乃果「それと私達スクールアイドルやってるんだ!」

 

ヨウタ「俺はサポート係だけど」

 

穂乃果「もし、良かったら明日みんなで学校に行かない?」

 

ことり「それ良いかも♪」

 

ヨウタ「なら、神田明神集合で。よし、ヤヨイ明日待ってるぞ!」

 

俺達は明日、ヤヨイと一緒に学校に行く約束をし帰宅した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日。神田明神の階段前でヤヨイを待っていた

 

ヨウタ「で、何でお前もいるんだ?」

 

レン「いーじゃん。途中までは道一緒だし」

 

穂乃果「ヤヨイ君。来るかな?」

 

ヨウタ「絶対来るだろ?」

 

ヤヨイ「みんな!おはよ…」

 

ヨウタ「お、ヤヨ…ん?」

 

SNSで書いていた奴らか。3人組の男子生徒がヤヨイに絡んできた

 

ヨウタ「たく、アイツら。レン手貸せ」

 

海未「ヨウタ行ってはいけませんよ」

 

俺がぶっ飛ばしに行こうとした時、海未に止められた

 

ヨウタ「なんで止めるんだよ」

 

海未「この問題はヤヨイ自身で解決しなくてはなりません」

 

俺達はヤヨイを見守る事にした。すると、男子生徒のリーダーらしき男がヤヨイに手を出した。コレは金せびってるな

 

ヤヨイ「お金ぐらい自分で何とかしたら。友達なら、もういるから」

 

フン。中々やるじゃねーか

 

ヤヨイ「おはよう!みんな!」

 

穂乃果「ヤヨイ君!おはよう!」

 

ことり「おはよう。ヤヨイ君♪」

 

海未「おはようございます」

 

レン「初めてかな?レンレンと呼んでちょぉ〜」

 

ヤヨイ「貴方は?」

 

レン「いつも、やってるゲームではフレンドでしょ?ヨウちゃんも紹介したじゃ〜ん」

 

ヨウタ「おい、引かれてる事に気づけ」

 

ヤヨイ「ヨウタ君。おはよう」

 

ヨウタ「はい。おはよう」

 

そして、俺は先にそそくさと歩き出した

 

穂乃果「あ、待ってよ!ヨウタ君!」

 

ヤヨイ「では、僕達も学校に行きますか」

 

レン「俺っちは途中までだけどね〜」

 

たく、後ろか騒がしいな。これから色々と大変だろうが、その分退屈はしなさそうだな

 

 

つづく

 

 




今年2019年には間に合った
来年はペースを上げたい
そう感じている


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第5話

当時人物紹介
ヤヨイ(苗字募集中)

1年生の2月後半から不登校だったが
ヨウタの説得により
また、学校に通うようになった
成績は学年トップ
作中のオリキャラで唯一の常識人

好きな食べ物
メロンパン

嫌いな食べ物
ブロッコリー


教室にて俺はヤヨイと話していた。ある事を頼みたくてな

 

ヨウタ「そういえば、お前に頼みたい事があるんだ」

 

ヤヨイ「なんですか?」

 

ヨウタ「俺と一緒にスクールアイドルのサポート係やって欲しいんだよ」

 

ヤヨイ「僕で良ければ承りますよ」

 

ヨウタ「お、マジか!頼りになるぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

早々にヤヨイが加入した、その日の休み時間、宣伝のチラシを配ろうと思っていたのだが…

 

ことり「はぁ~…♡ふぇ~…♡」

 

穂乃果「ことりちゃん、最近毎日来るよね」

 

海未「急にハマったみたいです」

 

ヨウタ「アルパカに?」

 

ヤヨイ「そう見たいですね。ことりさん。チラシ配りするからアルパカ対面はここまでにして…」

 

ことり「あとちょっとだけ〜♪」

 

ヤヨイはことりにチラシ配りを行うと声をかけたが、ことりは二匹のアルパカの可愛さに釣られて離れようとしなかった

 

海未「ことり、部として認めてもらわなければ、ちゃんとした部活は出来ないのですよ!」

 

ヤヨイ「その為に部員を集めないといけないんですよ」

 

ことり「う~ん、そうだよねぇ~…」

 

ヨウタ「ダメだ、完全に見とれているな…」

 

穂乃果「可愛いかな?」

 

穂乃果の言葉に気に触ったのか、もう一匹の茶色い毛のアルパカが俺達に威嚇してきた。この野郎…俺にタンカ切るなんて良い度胸だな

 

ことり「え~?可愛いと思うけどな~♪首の辺りとかフサフサしているし…♡はぁ~、幸せ~♡♡♡」

 

穂乃果「ことりちゃんダメだよ!」

 

海未「あ、危ないですよ!」

 

ことり「大丈夫だよ」

 

ことりがアルパカの首を触り続けると、アルパカがことりの顔を舐た。すると、ことりは体勢を崩してしまう

 

穂乃果「ことりちゃん!」

 

ヤヨイ「大丈夫ですか!?」

 

海未「ど、どうすれば…?あっ、ここはひとつ弓で!」

 

ヨウタ「おい!アルパカ殺す気かよっ!?」

 

海未の言葉に茶色い毛のアルパカが俺達に向かって顔を出して威嚇してきた

 

穂乃果「ほら、変なこと言うから!」

 

ヨウタ「冗談だ!とりあえず落ち着け」

 

アルパカを宥めようとしたら、俺はアルパカに唾を吐かれた

 

ヨウタ「この野郎!やってくれたな!」

 

ヤヨイ「ヨウタ君も落ち着いて下さい!?」

 

すると、俺達の間に入ってきたのは花陽であった。花陽は茶色い毛のアルパカの方に首を触って機嫌を直した

 

穂乃果「大丈夫?ことりちゃん」

 

ヤヨイ「怪我はありませんか?」

 

ことり「う、うん。嫌われちゃったかな~?」

 

花陽「平気です。楽しくて遊んでいただけだから…」

 

花陽はアルパカが飲んでいる水のペットボトルを取り替える

 

ヨウタ「おっ、やっぱ花陽じゃねぇか!」

 

花陽「えっと…確か…」

 

ヨウタ「ヨウタだ。よろしくな」

 

ことり「あっ、駆けつけてくれた1年生の子!」

 

ヤヨイ「えっと、あの子は誰ですか?」

 

海未「ファーストライブに来てくれた1年生の小泉さんです」

 

ヤヨイは海未に誰だか訪ね花陽の事を教えてもらう

 

ヨウタ「あの時はありがとな」

 

花陽「い、いえ…」

 

花陽は俺のお礼を軽く返事をした

 

穂乃果「ねぇ、花陽ちゃん!」

 

花陽「は、はい…」

 

穂乃果「アイドルやりませんか?」

 

花陽「えっ?」

 

ことり「穂乃果ちゃん、いきなり過ぎ」

 

穂乃果はいきなり花陽の肩をもつと、花陽にアイドルをやらないかと質問するとことりは軽くツッコんだ

 

穂乃果「君は光っている!大丈夫、悪いようにはしないから!」

 

海未「なんかスゴい悪人に見えますね…」

 

穂乃果「でも、少しぐらい強引に頑張らないと」

 

ヨウタ「いや、強引過ぎるだろ!!花陽、無理しなくてもいいぞ。コイツ、こういう奴だから…」

 

穂乃果「なっ!ヨウタ君。酷い〜!!」

 

俺の言葉に穂乃果に酷いことを言うと、穂乃果はその場でジタバタし始めた

 

花陽「あ、あの…西木野さん…」

 

穂乃果「あ、ごめん。もう一回いい?」

 

花陽「に、西木野さんがいいと思います。スゴく歌、上手なので…」

 

穂乃果「そうだよね~!私も大好きなんだ~!あの子の歌声!」

 

花陽は穂乃果の耳元で小さく真姫の名前を言うと、穂乃果は共感して花陽の手を握った

 

海未「だったらスカウトに行けばいいじゃないですか」

 

穂乃果「行ったよ。でも絶対ダメだって!」

 

花陽「ご、ごめんなさい!私、余計なことを…」

 

穂乃果「ううん。ありがとう♪」

 

花陽は穂乃果に向かって謝ると、それを穂乃果は逆にお礼を言った。すると、向こうから体操着姿の凛が花陽の名前を呼んでいた

 

凛「か~よち~ん!早くしないと体育遅れちゃうよ~!」

 

花陽「あ、それじゃ…失礼します」

 

花陽は俺達の前からお辞儀をして去ると、凛と一緒に次の時間にやる体育をしにいった。

 

海未「私たちも教室に戻りましょうか」

 

ことり「そうだね」

 

穂乃果「うん…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから放課後へと時間が過ぎて、花陽がいる教室は全員帰る準備をしていた。花陽も帰る仕度をすると、横から凛が現れた

 

凛「か~よち~ん、部活はもう決まった?今日までに決めるって、昨日かよちん言ってたよね?」

 

花陽「そ、そうだっけ…明日決めようかな」

 

凛「そろそろ決めないと、みんな部活始めているよ!」

 

花陽「う、うん…えっと、凛ちゃんはどこ入るの?」

 

凛「凛は陸上部かな~」

 

花陽「り、陸上か…」

 

凛「あ、もしかして…スクールアイドルに入ろうと思ってたり?」

 

花陽「えぇ!?そ、そんなこと…ない」

 

凛「ふ~ん、やっぱりそうだったんだね」

 

花陽「そんなこと…!」

 

花陽はスクールアイドルに入ることを否定しようと言い張るが、凛はそんな花陽の口を指で閉じた

 

凛「ダメだよかよちん、嘘つく時必ず指合わせるからすぐ分かっちゃうよ~。一緒に行ってあげるから、先輩達のところに行こう!」

 

花陽「えっ!ち、違うの!本当に…私じゃ、アイドルなんて…」

 

凛「かよちんそんなに可愛いんだよ。人気出るよ♪」

 

花陽「ちょっ、ちょっと待って!待って!!」

 

凛「うん?」

 

花陽「あの…わがまま言ってもいい?」

 

凛「しょうがないなぁ~。何?」

 

花陽「もしね、私がアイドルやるって言ったら、一緒にやってくれる?」

 

凛「凛が……ムリムリムリ!凛がアイドルなんて似合わないよ。ほら女の子っぽくないし、髪だってこんなに短いし…」

 

花陽「そんなこと…」

 

凛「ほら、昔だって!」

 

それは凛と花陽がまだ小学生の頃、その時の凛はいつも長ズボンを履いていたが、スカートを履くようになっていた。花陽は可愛いと褒めていたが、男子からは凛がスカートを履いている事をバカにされたのだ。それ以来、凛はスカートを履く事は無かった

 

凛「アイドルなんて、凛には似合わないよ…」

 

花陽「凛ちゃん…」

 

その後、花陽は凛と別れて帰ろうとすると、μ'sのポスター前で真姫がいた。

 

花陽「西木野さん…?」

 

真姫はμ'sのポスター前でチラシを取るとその場から去る。花陽もμ'sのポスター前に立つと、足元に真姫の生徒手帳があった

 

花陽「これって、西木野さんの?」

 

ヨウタ「でさぁ〜レンがよ〜」

 

ヤヨイ「ヨウタ君、アレ?」

 

ヨウタ「お?どうした?」

 

俺とヤヨイはダベりながら歩いていたら、ふとヤヨイが指を刺した

 

ヨウタ「お、花陽じゃねーか。また、会ったな」

 

ヤヨイ「いや、ポスターの事聞こうと思ったんだけど…」

 

花陽「あ、先輩」

 

ヨウタ「どうしたんだ?ポスターなんか見て」

 

花陽「その、コレが落ちていまして…」

 

ヨウタ「生徒手帳か。俺持ってたかなぁ〜?醤油溢して捨てた記憶があるんだけど」

 

ヤヨイ「今、サラっと大変な事を言いましたよ」

 

ヨウタ「で、誰のなんだ?」

 

花陽「えっと、西木野さんの物で…」

 

ヨウタ「あーアイツか。なら、音楽室に行けばいるか。よし、早速…」

 

花陽「もう帰っちゃったんです」

 

ヨウタ「マジか…」

 

俺が音楽室に向かおうとすると、花陽は帰って音楽室にはいないと言った

 

ヤヨイ「こうなったら届けるしか無い見たいですね」

 

ヨウタ「成る程な。じゃあ後は…」

 

ヤヨイ「ヨウタ君も行くんですよ」

 

ヨウタ「えぇ…」

 

俺は制服の襟をヤヨイに掴まれ帰ろうとしたら止められた。クソ、なんで俺まで…あー面倒くせぇ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、理事長室では絵里と希が理事長と話をしていた

 

絵里「生徒は全く集まりませんでした。スクールアイドルの活動は音ノ木坂学院にとってマイナスだと思います」

 

理事長「学校の事情で生徒の活動を制限するのは…」

 

絵里「でしたら、学校の存続のために生徒会も独自に活動させて下さい!」

 

理事長「それは駄目よ」

 

絵里「何故ですか!?」

 

理事長「それに、全然人気がないわけじゃないみたいですよ」

 

理事長は絵里と希にパソコンの画面を見せると、そこにはμ'sのファーストライブの映像であった

 

希「この前のライブ…誰かが撮ってたんやな」

 

絵里と希は理事長との話を終えて理事長室から退出した

 

希「あのライブ映像、誰が撮っとたんやろうな~?」

 

絵里「さあ、知らないわ」

 

絵里と希が話していると、絵里と希の前にフミが現れた

 

希「あ、フミ君?」

 

フミ「理事長との話し合いはどうだったんですか?」

 

絵里「残念ながら断られたわ」

 

フミ「そうですか。やはり、学校の事情でも生徒の活動を制限する事は難しいんですね」

 

希「フミ君もあの子達の活動には反対なん?」

 

フミ「前にも話したように関わりたくは無いですが、反対はして無いです。それと、不良が学校の存続に向けて活動してるとなると、学校の評判が下がると思っているだけです」

 

俺はそう言って2人の前から立ち去った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、俺とヤヨイ、それに花陽は真姫が落とした生徒手帳を届けに真姫の家へと着いたが、真姫の家は近くの住宅街より豪華で豪邸のような家であった

 

花陽「ほぇ~、凄いな~…!」

 

ヤヨイ「大きな家ですね」

 

ヨウタ「お前の家もデカイけどな」

 

花陽が真姫の家のインターホンを押すと、真姫の母親だろうか?声が出迎えてくれた

 

花陽「えっと…」

 

ヨウタ「すいません。西木野さんと同じ学校の生徒なんですが、西木野さんが生徒手帳を落としておりましたので届けに伺いました」

 

真姫の母「あら、わざわざありがとう。良かったら上がって」

 

事情を説明すると、真姫の母親が家に上げてくれた

 

真姫の母「ちょっと待っててね。病院の方で顔を出しているところだから」

 

花陽「病院?」

 

真姫の母「ええ。うち、病院で経営していてあの子が継ぐことになっているの」

 

花陽「そうなんですか…」

 

真姫の母「よかったわ。高校に入ってから友達1人呼んでこないから、ちょっと心配していたの」

 

花陽が真姫の母と話をしていると、玄関からドアが開いてそこには病院から帰ってきた真姫の姿はあった

 

真姫「ただいま~。誰か来てるの?あっ…」

 

花陽「こ、こんにちは…」

 

ヨウタ「よ、久しぶりだな」

 

真姫の母「お茶入れてくるわね♪」

 

真姫の母はお茶を取りにリビングから離れると、真姫はカバンを持ちながらリビングへと入った

 

花陽「ごめんなさい、急に…」

 

真姫「何の用…?」

 

花陽「これ、落ちていたから…西木野さんのだよね?」

 

真姫「なんであなたが持っているの?」

 

花陽「ごめんなさい…」

 

真姫「なんで謝るのよ…その、ありがとう…わざわざ届けてくれくれて…」

 

真姫は花陽が届けてくれた真姫の生徒手帳を受け取ってお礼を言った

 

花陽「μ'sのポスター、見ていたよね?」

 

真姫「私が?知らないわ。人違いじゃないの?」

 

花陽「でも、手帳がそこに落ちてたから…」

 

真姫「あっ!ち、違うの!うっ、イッタ~!うわぁ!?」

 

真姫は慌てた様子で膝を机にぶつけてしまい、体勢を崩してそのままソファーと一緒に転び落ちた

 

花陽「だ、大丈夫ですか!?」

 

ヨウタ「たく、何やってんだよ。ヤヨイ、ソファ一緒に直すぞ」

 

ヤヨイ「あ、はい」

 

真姫「全く、あなたが変なこと言うから!!」

 

俺とヤヨイで倒れたソファを起き上がらせる。真姫が転んだのが可笑しかったのか、花陽が笑い出した

 

花陽「プッ…フフフッ…」

 

真姫「笑わない!!も~!!」

 

それから花陽達と真姫は紅茶を飲みながら色々話した中、スクールアイドルの話へと変わった

 

真姫「私がスクールアイドルに?」

 

花陽「うん。私、放課後いつも音楽室に寄っているから…西木野さんの歌、聞きたくて…綺麗で、歌も上手いから入ってほしいなって…」

 

ヨウタ「確かにピアノと歌も上手いし、加入したら即戦力だぜ」

 

真姫「そう…でも、お断りするわ。私は大学で医学部に入るから…私の音楽はもう終わっているの。だからスクールアイドルに入る時間は無いの…」

 

花陽「そうなんだ…」

 

花陽は真姫の質問の答えを聞いて頭を下げた。スクールアイドル、を断ったことに…

 

真姫「それより、あなたアイドルになりたいんでしょ?この間のライブの時、夢中で見てたじゃない」

 

ヨウタ「つーか、お前も見てたんだな」

 

真姫「あ、いや…私は偶々通りかかっただけだけど。やりたいんなら、やればいいじゃない。そしたら少し、応援してあげるから…」

 

花陽「ありがとう♪」

 

そして、花陽達は真姫と話を終え帰宅する事にした。いや、俺らほとんど空気的な存在だったよな。ヤヨイに至っては緊張して一言を喋って無かったし!

 

花陽「色々あるんだなぁ~。みんな」

 

ヨウタ「みんな色々とあるよ。なぁ?ヤヨイ」

 

ヤヨイ「なんで僕に聞くんですか?それにヨウタ君も色々とあるでしょう」

 

ヨウタ「まぁ、最近までは色々とあったよ」

 

俺達は帰り道、たまたま穂むらの前を通る

 

花陽「あ、お母さんにお見上げ買って行こう」

 

ヨウタ「ココって確か…?」

 

穂むらへと立ち寄り店内に入ると、店番をしていた穂乃果と出会った

 

穂乃果「花陽ちゃん!それにヨウタ君達も!」

 

花陽「先輩…!!」

 

ヨウタ「やっぱり穂乃果の家だったか」

 

穂乃果「ちょっと待ってて、今ウチに入れてあげるよ!」

 

花陽「えっ?そんないいですよ!」

 

ヨウタ「穂乃果はお前と話がしたいんだと思うぜ?頼むが、少し付き合ってくれないか?」

 

花陽「は、はい…」

 

俺は花陽の肩に手を置き耳元で小さな声で話すと、花陽は軽く頷いた

 

ヨウタ「穂乃果、裏から入った方が良いか?」

 

穂乃果「そうだね。その方が良いかな?」

 

俺達は裏口に周り家に上がる

 

穂乃果「いらっしゃい!」

 

花陽「お、お邪魔します…」

 

穂乃果「私、店番あるから上でちょっと待っててね」

 

穂乃果の母「穂乃果~!ちょっといい~?」

 

穂乃果「は~い!じゃあ、上でちょっと待っててね」

 

花陽「はい…」

 

ヨウタ「俺達も手ぶらじゃ悪いからコンビニで何か買ってくるわ」

 

俺とヤヨイは買い出しに行き、花陽は先に階段を上がり穂乃果の部屋に向かった。この時、1度来た事のある俺が案内しなかったのが悪いのだが、ちょっとした悲劇が起こった

 

雪穂「フンヌヌヌ…!このくらいになれれば…!」

 

花陽は間違えて別の部屋を開けてしまう。穂乃果の妹が何をしてたのかは俺は知らないが、花陽は驚いてドアを閉じる。そして、隣の部屋から声が聞こえドアを開くと、海未が一人でポーズの練習をしていた

 

海未「ラララ~♪ありがとう~!」

 

花陽は音を立てずにゆっくりとドアを閉めたが、海未に聞こえてしまうと同時に雪穂まで知られてしまった

 

海未・雪穂「見ました!?」

 

花陽「うっ、うぅ……」

 

その後、穂乃果は店番を終え、俺とヤヨイが買い物から戻ると、まぁ、カオスな光景だよな。とりあえずバスタオル1枚の妹は見なかった事にしとこう…とりあえず海未には落ち着いもらうか

 

花陽「ご、ごめんなさい…」

 

穂乃果の部屋に入るなり花陽が謝る。まぁ、何というか見ては行けない物を見たんだし、それは謝るよな…

 

穂乃果「ううん、いいの。こっちこそごめん。でも、まさか海未ちゃんがポーズの練習していたなんて」

 

穂乃果はニヤニヤしながら海未の方を見る

 

海未「穂乃果が店番でいなくなるからです!」

 

ヤヨイ「まあまあ、2人共…もうお互いに忘れましょう」

 

ヨウタ「そうだぞ。花陽もいるんだし喧嘩すんなよ」

 

ことり「お邪魔しま~す」

 

俺とヤヨイが穂乃果と海未の2人を仲裁しているとことりが部屋に入って来た

 

花陽「お、お邪魔しています…」

 

ことり「えっ!もしかして、本当にアイドルに?」

 

穂乃果「偶々、お店に来たから、ご馳走しようかと思って。穂むら名物『穂むらまんじゅう』略してほむまん!」

 

ヨウタ「略すなよ」

 

穂乃果「美味しいよ」

 

ヨウタ「なら、1個貰う」

 

ヤヨイ「ことりさんも用事があって来たんですか?」

 

ことり「うん。穂乃果ちゃんからパソコン持って来て欲しいって連絡があって」

 

穂乃果「ありがとう、ことりちゃん。肝心な時に限って壊れちゃうんだよね~」

 

ことりはバックからパソコンを出そうと机に置くと、花陽が机にあったお菓子を退かした

 

ことり「あ、ごめん」

 

花陽「い、いえ…」

 

海未「それであったのですか、動画は?」

 

ことり「まだ確かめてないけど、多分ここに…」

 

穂乃果「あった!」

 

海未「本当ですか?」

 

ことりはパソコンを開いて映像画面を開くとせこには講堂でファーストライブを行った映像が流れていた

 

ことり「誰が撮ってくれたのかな〜?」

 

ヤヨイ「すごい再生数ですね」

 

穂乃果「こんなに見てもらったんだ~!ここのところ、綺麗に踊れたよね!」

 

ことり「何度も練習したから、決まった瞬間ガッツポーズしそうになっちゃった♪」

 

ヨウタ(けど、ライブにカメラ持ってた観客って…いなかったような?)

 

穂乃果「あっ、ごめん花陽ちゃん。そこじゃ見辛くない?」

 

穂乃果達がファーストライブの映像を見ている中、花陽だけは無口で真剣に見ていた

 

海未「小泉さん!」

 

花陽「は、はい!」

 

穂乃果「スクールアイドル、本気でやってみない?」

 

花陽「でも私、向いてないですから…」

 

海未「私だって人前に出るのは苦手です。向いているとは思えません」

 

ことり「私も歌を忘れちゃったりするし、運動も苦手なんだ~」

 

穂乃果「私はすごいおっちょこちょいだよ!」

 

ヨウタ「俺は学校1の問題児だしな」

 

ヤヨイ「それは自信満々に言う事では無いと思いますよ」

 

ことり「プロのアイドルなら私たちはすぐに失格。でも、スクールアイドルなら、やりたいって気持ちを持って自分たちの目標を持ってやってみることが出来る!」

 

海未「それがスクールアイドルだと思います」

 

穂乃果「だから、やりたいって思ったらやってみようよ!」

 

海未「最も、練習は厳しいですが!」

 

穂乃果「海未ちゃん!」

 

ヨウタ「余計な一言を言いやがって」

 

海未「失礼…」

 

穂乃果「ゆっくり考えて、答え聞かせて」

 

ことり「私たちがいつでも待ってるから!」

 

ヨウタ「その時は何でもサポートするぜ」

 

ヤヨイ「サポート係は頼りにならないかと思いますが…」

 

ヨウタ「テメェまで余計な事を!」

 

その夜、花陽はアルバムを見ていてそこにはアイドル姿で歌いながら踊っていた幼稚園の時の花陽がいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、花陽は中庭で落ち込んでいた。その理由は国語の授業で教科書を読んでいる時に声のトーンが外れて赤っ恥をかいたことであった

 

花陽「はぁ…」

 

真姫「何してるの?」

 

花陽「西木野さん…」

 

真姫「あなた声は綺麗なんだから、後は声を大きく出す練習をすればいいじゃない」

 

花陽「でも……」

 

すると、落ち込んでいた花陽を真姫はいきなり声を出し始めた。それは歌の発声練習だった

 

真姫「はい」

 

花陽「えっ?」

 

真姫「やって」

 

真姫は同じような発声練習を花陽にやらせようとするが、花陽は自信がないような小さな声で発した

 

真姫「もっと大きく!はい、立って」

 

花陽「は、はい!」

 

真姫は花陽を立たせると、先ほどのように声を発すると、花陽も同じように声を発した。そして、今度は2人同時に声を発するとハモった声が綺麗に聞こえた

 

真姫「ねっ、気持ちでしょ?」

 

花陽「うん。楽しい♪」

 

花陽の笑顔に真姫が照れると、そこから凛が花陽の名前を呼んでやってきた

 

凛「か~よち~ん!って、西木野さん?どうしてここに?」

 

花陽「励ましてくれたの」

 

真姫「わ、私は別に…」

 

凛「それより、今日こそ先輩のところに行ってアイドルになりますって言わなきゃ!」

 

花陽「う、うん…」

 

真姫「そんな急かさないほうがいいわ。もう少し自信を付けてからでも…」

 

凛「なんで西木野さんが凛とかよちんの話に入ってくるの!?」

 

真姫「別に歌うならそっちのほうがいいって言っただけ!」

 

凛「かよちんはいつも迷ってばっかりだから、パッと決めてあげたほうがいいの!」

 

真姫「そう?昨日話した感じじゃそうは思わなかったけど」

 

花陽「あの、喧嘩は…」

 

凛と真姫が睨み合うと、花陽は混乱した顔へと変わった

 

凛「かよちん行こう!先輩達帰っちゃうよ!」

 

花陽「で、でも…」

 

真姫「待って!どうしてもって言うのなら私が連れていくわ!音楽に関しては私のほうがアドバイス出来るし、μ'sの曲は私が作ったんだから!」

 

花陽「えっ、そうなの?」

 

真姫「あ、いや…とにかく行くわよ!」

 

凛「待って!連れてくなら凛が!」

 

真姫「私が!」

 

凛「凛が!」

 

真姫「私が!」

 

凛「凛が!」

 

花陽「誰か…誰か助けて~!!」

 

放課後、穂乃果達が屋上で練習して休憩中の中で真姫と凛は花陽を連れて現れた

 

ことり「つまり、メンバーになるってこと?」

 

凛「はい!かよちんはずっとずっと前からアイドルにやってみたいと思ってたんです!」

 

真姫「そんな事はどうでもよくて、この子は結構歌唱力あるんです!」

 

凛「どうでもいいってどういう事!」

 

真姫「言葉通りの意味よ!」

 

ヤヨイ「ちょっと落ち着いて!入部するのは花陽ちゃんだよね?花陽ちゃんは入部する事を決まっているの?」

 

花陽「わ、私はまだなんと言うか…」

 

凛「もう!いつまで迷ってるの!絶対やったほうがいいの!」

 

真姫「それには賛成。やってみたい気持ちがあるなら、やってみたほうがいいわ!」

 

花陽「でも…」

 

真姫「さっきも言ったでしょ?声を出すなんて簡単、あなただったら出来るわ!」

 

凛「凛は知っているよ!かよちんがずっとずっとアイドルなりたいって思ってたこと!」

 

花陽「凛ちゃん…西木野さん…」

 

凛「頑張って!凛がずっと付いていてあげるから!」

 

真姫「私も少しは応援してあげるって言ったでしょ」

 

花陽「えっと…私…小泉…」

 

すると、凛と真姫が花陽の背中を押すと花陽が振り返って二人の顔を見ると思いきって決意した

 

花陽「私、小泉花陽と言います!1年生で…背も小さくて…声も小さくて…人見知りで…得意なものは何もありません。でも…でも、アイドルへの思いは誰にも負けないつもりです!だから、μ'sのメンバーにして下さい!」

 

穂乃果「こちらこそ、よろしく♪」

 

穂乃果の言葉に花陽は涙を流すと、花陽は穂乃果の手を握り、握手をする

 

凛「かよちん、偉いよ…」

 

真姫「何泣いているのよ」

 

凛「だって…って、西木野さんも泣いてる?」

 

真姫「だ、誰が!泣いてなんかいないわよ!」

 

ことり「それで、2人は?」

 

凛・真姫「えっ?」

 

海未「まだまだメンバーは募集中ですよ!」

 

ヨウタ「一緒にやろうぜ。人数は多い方が部活としても楽しいからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その翌日の朝、凛と真姫は昨日の穂乃果達のスカウトに乗せられしまいμ’sのメンバーとして入っていった。そうして、朝練をやるために神田明神の階段を登っている途中であった

 

凛「ふわぁ〜。朝練ってこんな朝早くやるの~?」

 

真姫「これくらい当然よ」

 

凛「当然なの~?」

 

真姫「そう、当然なの」

 

凛「ん?あ、か~よち~ん!」

 

花陽「あ、おはよう!」

 

神田明神の前に着いた真姫と凛は目の前にいた花陽に挨拶すると、ストレッチの途中をしていて花陽が真姫と凛の方へと振り向くとそこには眼鏡をかけていない花陽であった

 

凛「あれ、眼鏡は?」

 

花陽「コンタクトにしてみたの。変かな?」

 

凛「ううん!すっごく可愛いよ!」

 

花陽「本当?」

 

真姫「へぇ~、いいじゃない」

 

花陽「西木野さん!」

 

真姫「ねぇ、眼鏡外したついでに名前で呼んでよ…」

 

花陽・凛「えっ?」

 

真姫「私も名前で呼ぶから…花陽…凛…」

 

花陽「うん!真姫ちゃん!」

 

凛「真姫ちゃん…真姫ちゃ~ん!真姫ちゃん!真姫ちゃ〜ん!!」

 

凛は真姫の名前を何度も叫んで呼ぶと、真姫の体を抱きついた

 

真姫「う、うるさいわね!」

 

凛「照れてる♪照れてる♪」

 

真姫「照れてない!!」

 

凛「真姫ちゃん可愛いにゃ!」

 

真姫「しつこいっ!!」

 

凛と真姫がじゃれ合う姿に花陽は少し微笑んだ笑顔を見せた

 

ヨウタ「たく、朝から騒がしいな。こっちとら眠いんだよ」

 

ヤヨイ「眠いからって八つ当たりはダメですよ」

 

花陽「先輩!おはようございます!」

 

ヨウタ「ん?お前、花陽か?」

 

花陽「はい。実はコンタクトにしたんです」

 

ヨウタ「大分、雰囲気変わったな。良いんじゃねぇか?なぁ、ヤヨイ」

 

ヤヨイ「なんで、僕に振るんですか?」

 

ヨウタ「いや、感想とか無いかなと思って」

 

ヤヨイ「凄い…似合ってますよ…」

 

ヨウタ「何、緊張してんだよ?」

 

穂乃果「みんな〜!おはよう!」

 

俺達が到着した後に、穂乃果達3人もやって来た。たく、朝から喧しい奴がもう1人増えたよ

 

穂乃果「あれ?花陽ちゃん。コントタクトにしたの?」

 

花陽「はい。変ですか?」

 

穂乃果「ううん!凄く似合ってるよ!」

 

海未「素敵ですよ」

 

ことり「とっても可愛いよ♪」

 

ヨウタ「ハイハイ。雑談はこれまでにして朝練始めんぞ」

 

ヤヨイ「貴方が仕切るんですね」

 

ヨウタ「うるせー!」

 

部員も増えて賑やかになったけど、コレから俺達はもっと大変な事になるだろうな。あーあ面倒くせぇ…

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜、何処かの部屋で音ノ木坂学院スクールアイドルμ'sのホームページを見ていた

 

???「アイドル部…」

 

その子は音ノ木坂学院スクールアイドルμ'sのホームページのコメント欄に「アイドルを語るなんて10年早いわよ!」などの書き込みをして、ニヤついていた




そろそろオリキャラの苗字考えないと、誰か決めてくれ〜。


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第6話

友人からもっと、イチャラブを増やせと。もう6話だぞと。まだ、青春活劇だと。まぁ、コレからやで。多分。いや〜カップリングも考えないとなぁ〜!後はオリキャラの苗字か。カップリングはある程度決まってるが苗字が思い浮かばないよ。誰か決めてくれないかな?


花陽達が加入して一週間が過ぎたある日、神田明神で朝練前にストレッチをすることり。そして、少し遅れて俺と穂乃果が到着した

 

穂乃果「ごめん!待った!?」

 

ことり「ううん、私もさっき来たばかりだから。海未ちゃんは弓道の朝練があるからって」

 

ヨウタ「マジか。ヤヨイも少し遅れるってさ」

 

すると、ことりは背後に気配を感じ後ろを振り返る

 

穂乃果「ことりちゃん?」

 

ヨウタ「どうした?急に背後なんか見て」

 

ことり「穂乃果ちゃん、ヨウタ君。さっき後ろに誰かいなかった?」

 

穂乃果「後ろ?」

 

ヨウタ「まさかストーカーか?」

 

穂乃果と俺が足音を立てずにことりが振り返った方に向かうが誰もいなかった。すると突然、誰かが穂乃果の足を掴んだ

 

穂乃果「う、うわぁぁぁ!?」

 

ヨウタ「ほ、穂乃果!!」

 

俺は転びそうになった穂乃果の手を掴もうとしたが、穂乃果の両手は地面について腕立て伏せポーズになった

 

穂乃果「イッタ~イ!!」

 

ヨウタ「大丈夫か、ほの…って危ないっ!!!」

 

俺は手を痛がる穂乃果を見て近付こうとすると、穂乃果の横から誰かが襲いかかってきたのを見た。俺は穂乃果を助けようとしたが、穂乃果はおでこにデコピンをされて気を失ってしまう

 

ことり「穂乃果ちゃん!」

 

ヨウタ「テメェ!何すんだ」

 

俺達の前に堂々と現れたのは、サングラスを掛けてコートを着た女あった。俺ははコイツに文句を言おうとしたが、何か存在感に言葉を失った

 

にこ「あんた達、とっとと解散しなさい!!」

 

ソイツはそう言うと俺達の前から走って逃げて姿を消した

 

ことり「今の…誰?」

 

ヨウタ「さあ…って、つーか穂乃果?大丈夫か?」

 

俺は穂乃果の身体を揺すって見たが、びくともしなかった。完全に気を失っているな。しゃーない。朝練終わりまでに目が覚めなかったら学校まで担いで行くか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから放課後の学校へと移り変わり、穂乃果達と新入部員の花陽、真姫、凛は練習着を着て練習を始めようとしていた

 

穂乃果「それでは新メンバーを新たに迎えたところで新生スクールアイドルμ'sの練習を始めたいと思います!」

 

海未「いつまで言っているのですか?それはもう二週間も前のことですよ」

 

ヨウタ「つーか、もう前置きはいらねーだろ?」

 

穂乃果「だって嬉しいんだもん!」

 

ヤヨイ「穂乃果さん。本当に嬉しいそうですね」

 

穂乃果「6人だよ!6人っ!!アイドルグループって感じだよね!いつかこの六人が神6だとか仏6だとか言われるのかなぁ?」

 

花陽「仏だと死んじゃってるみたいだけど…」

 

凛「毎日同じことで感動出来るなんて羨ましいにゃ~!」

 

ヨウタ「羨ましいか?」

 

穂乃果「私、賑やかの好きでしょ?それにたくさんいれば歌が下手でも気付かれないでしょ?それにダンスで失敗しても…」

 

海未「穂乃果!」

 

ヨウタ「テメェ!そんな事考えていたのか!?」

 

穂乃果「じょ、冗談だよ!冗談!」

 

ヤヨイ「けど、それを克服しないといけませんよ」

 

ことり「そうだよ。ちゃんとやらないと今朝に言われたみたいに怒られちゃうよ」

 

ことりの言葉に穂乃果は今朝、神田明神にコート姿で現れたあの女に言われた事を思い出した

 

海未「『解散しなさい!』って言われたんでしたっけ?」

 

ヨウタ「アイツは何者なんだよ?」

 

ことり「分からないけど、いきなり解散しなさいって言われたから…」

 

凛「でも、それだけ有名人になったっていうことだよね?」

 

ヤヨイ「ネットでもμ'sの事を書いてあったブログなど見ましたよ」

 

真姫「それより練習、どんどん時間無くなるわよ」

 

凛「おっ、真姫ちゃんやる気満々!」

 

真姫「べ、別に私は早くやってとっとと帰りたいの!」

 

凛「またまた~。お昼休み見たよ、1人でこっそり練習してるの」

 

真姫「あ、あれはこの前やったステップがカッコ悪かったから変えようとしていたのよ!あまりにも酷すぎるから!」

 

海未「そうですか…。あのステップ、私が考えたのですが…」

 

真姫「えっ!?」

 

ヨウタ「あ〜あ。落ち込んじゃった〜」

 

凛「でも気にする事ないにゃ~。真姫ちゃんは照れくさいだよね?」

 

俺達は会話しながら屋上に向かう階段を登る途中、みんなが浮かない顔をして窓の方を見た。そこには雨が映っている。これじゃ練習は出来ないな

 

穂乃果「どしゃ降り~…」

 

ことり「梅雨入りしたって言ってたしね」

 

穂乃果「それにしちゃ降りすぎだよ。降水確率60%だったのに…」

 

真姫「60%なら降ってもおかしくないんじゃない?」

 

穂乃果「でも昨日も一昨日も60%だったのに降らなかったよ!」

 

ヤヨイ「どっちにしても天気には逆らえないですよ」

 

ことり「あっ、雨少し弱くなったかも?」

 

穂乃果「本当だ!やっぱり確率だよ!よかった~!」

 

凛「このくらいなら練習出来るよ!」

 

ヨウタ「いや、無理だろ」

 

海未「そうですよ。下が濡れて滑りやすいですし、またいつ降りだすかも…」

 

ヤヨイ「それに、滑って怪我でもしたら大変な事になりますよ」

 

海未はいつ雨が降るか心配していたが、穂乃果と凛は屋上に走り出した

 

穂乃果「大丈夫!大丈夫!練習出来るよ!」

 

凛「う〜!テンション上がるにゃ~!!」

 

凛はそう言うと、屋上の上でバック転をして着地したと同時に一回転をして決めポーズを決めるといきなり雨が降りだした。それを見ていた俺達は呆れていた。凄いけど、馬鹿だな

 

真姫「私、帰る」

 

花陽「私も今日は…」

 

ことり「そうね、また明日にしよっか」

 

穂乃果「え~、帰っちゃうの?」

 

凛「それじゃ凛達がバカみたいじゃん!」

 

海未「バカなんです」

 

ヤヨイ「あははは…」

 

ヨウタ「つーか、梅雨入ったんだろ?練習場所どうすんだよ?」

 

花陽「体育館とかダメなんですか?」

 

海未「講堂も体育館も他の部が使っているので…」

 

ヤヨイ「確か、他の部が使っていなかったとしても、生徒会の許可が降りないと使えなかったはずです」

 

花陽「そうですか…」

 

その頃、階段から降りた真姫は不満そうな表情で上を見上げていた。それを近くで見ていた希とにこの姿があった

 

希「どうやらあの子ら、止めるつもりはないようやで。にこっち♪」

 

にこ「ふん!」

 

希「で、どうするつもりなん?」

 

にこ「決まっているでしょ!意地でも止めさせてやるわ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、俺達はファーストフード店でハンバーガーとポテトを食べていたが、穂乃果だけは不満そうにポテトを食っていた

 

海未「穂乃果、ストレスを食べ物でぶつけてしまうと大変な事になりますよ!」

 

穂乃果「雨、なんで止まないの?」

 

海未「私に言われても…」

 

ヨウタ「その内、止むだろ」

 

穂乃果「その内っていつ?何時何分!?」

 

ヨウタ「俺が知るか!!」

 

穂乃果と俺が言い争っているその横で白いコートを着てサングラスをかけて変装をしているにこの姿があった

 

にこ「ちょっと今日は派手過ぎたかしら…」

 

少年「うわぁ!?変な頭!!」

 

にこ「うるさいッ!!」

 

にこが頭に渦巻き形で巻いていた帽子をファーストフード店にいた少年が馬鹿にする。にこは少年に向かって怒鳴り付けると穂乃果達にバレないように顔を伏せた

 

ことり「穂乃果ちゃ~ん、さっき予報見たら明日も雨だって」

 

穂乃果「え~!?」

 

穂乃果はさらに不満そうな顔でポテトを食べるが、ボードにあった自分のポテトがいつの間にか無くなっていた

 

穂乃果「無くなった…!海未ちゃん食べたでしょ!」

 

海未「自分が食べた分も忘れたのですか?全く…あっ!穂乃果こそ!!」

 

穂乃果「私は食べてないよ!」

 

ヤヨイ「喧嘩しないでください。良かったら僕の上げますので」

 

真姫「そんな事より練習場所でしょ?教室とか借りられないの?」

 

ことり「うん。前に先生に頼んだんだけど、ちゃんとした部活じゃないと許可出来ないって…」

 

ヤヨイ「部活申請出してないんですか?」

 

ヨウタ「生徒会長が5人いないと部活申請出せねーってさ」

 

穂乃果「そうだよね~、部員に5人入ればちゃんとした部の申請をして部活が出来るんだけど…」

 

海未「5人?」

 

花陽「5人なら…」

 

穂乃果「あっ、そうだ!忘れてた!部活申請すればいいじゃん!」

 

にこ「忘れてたんかーいっ!!!」

 

隣から穂乃果の言葉にに思わずツッコミを入れてしまったにこは咄嗟に顔を伏せた

 

ヨウタ「なんだ?今の?」

 

真姫「それより忘れてたってどういう事なの?」

 

穂乃果「いや~、メンバー集まったら安心しちゃって…」

 

凛「凛達が入る前から5人だった気がするけど…」

 

ヨウタ「俺とヤヨイは部員には入らない形になってるんだよ」

 

真姫「はぁ~。この人達ダメかも…」

 

穂乃果「よーし!明日早速部活申請しよう。そしたら部室が貰えるよ!はぁ~、ほっとしたらお腹減っちゃった。さ~て…」

 

穂乃果は残りハンバーガーを食べようとすると、隣にいたにこがハンバーガーを取ろうとした。しかし、穂乃果に気付かれてしまいそっと置いて立ち去ろうとしていた

 

穂乃果「ちょっと待ってよ!!」

 

にこ「解散しろって言ったでしょ!」

 

花陽「解散!?」

 

ヨウタ「テメェ!今朝の奴か!?」

 

穂乃果「そんな事より食べたポテト返して!」

 

花陽「そっち!?」

 

ヤヨイ「しかも、そんな事よりって…」

 

穂乃果「買って返してよ!!」

 

にこ「アンタ達ダンスも歌も全然なってない!プロ意識が足りないわ!いい?アンタ達がやっているのはアイドルへの冒涜、恥よ!とっとと止める事ね!」

 

にこはそう言うと、ファーストフード店から出ていて雨の中逃げ去って行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の放課後、穂乃果達は部活新生する為に生徒会室で部活新生しようとしていた

 

穂乃果「アイドル研究部?」

 

絵里「そう。すでにこの学校はアイドル研究部というアイドルに関する部が存在しています」

 

フミ「要するにアイドル好きの連中が研究をやっている部活みたいなものだ。実際、何やっているかは知らないが…」

 

希「まあ、部員は1人やけどな」

 

穂乃果「えっ?でもこの前、部活には5人以上って…」

 

希「設立する時は5人必要やけど、その後何人になってもいい決まりやから」

 

絵里「生徒の数が限られている中、イタズラに部を増やしたくないんです。アイドル研究部がある以上、あなた達の新生を受ける訳にはいきません」

 

穂乃果「そんな~…」

 

絵里「これで話は終わり…」

 

希「そう、なりたくなければ、アイドル研究部とちゃんと話をしてくる事やな」

 

絵里「希!」

 

希「2つの部が1つになれば、問題はないやろ?」

 

絵里「それはそうだけど…」

 

希「とりあえず、部室に行ってみれば?」

 

俺とヤヨイは生徒会室の外で待っていたら穂乃果達が出て来た。どうやら話は終わったみたいだな

 

ヤヨイ「どうでした?」

 

穂乃果「部活の申請はダメだったけど、今あるアイドル研究部の人と話し合って

見ればって副会長さんが言ってたよ!」

 

ヨウタ「似たような部活だから、そこに入部しろと言う事か。そうと決まれば話を付けに行くぞ」

 

俺達はアイドル研究部へと向かうと、部室の廊下前で部長のにこと偶然会った

 

穂乃果「それじゃ、もしかしてあなたが…あなたがアイドル研究部の部長!?」

 

すると、にこは穂乃果に向かって腕を振り回していくと咄嗟にアイドル研究部へと入り鍵を閉めた

 

穂乃果「部長さん、開けて下さい!部長さん!くぅ~、開かない!」

 

ヨウタ「よし、そうとなれば壊すしか…」

 

海未「そんな事したら、また停学になりますよ」

 

凛「外から行くにゃ!」

 

部室のドアが開かないのを知った凛は外からにこを追い詰めようと走り出した。その時にこは部室の窓から飛び降りて走ってくる凛を見て走り逃げる

 

凛「待つにゃ~!!!」

 

にこは凛から全力で走り逃げようとするが、体力に自信がなかったにこは体力切れにより凛にあっさりと捕まってしまう。

 

凛「捕まえた~!」

 

しかし、にこは凛に捕まってもすり抜けて再び逃げるが、近くにいたアルパカの小屋に激突して気を失ってしまい後から凛に見つかってしまう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、俺達はアイドル研究部の部室になんとか入れてもらえた

 

ヤヨイ「それにしても、スゴいですね…」

 

凛「A-RISEのポスター!」

 

真姫「あっちは福岡のスクールアイドルね」

 

海未「校内にこんな所があったなんて…」

 

にこ「勝手に見ないでくれる」

 

アイドル研究部内にあるA-RISEや色んな地方のスクールアイドルのポスターやCD.DVDなどが置かれている中、花陽はあるものを見つけた

 

花陽「こ、こ、こ…これは!『伝説のアイドル伝説DVD全巻ボックス』!持ってる人初めて見ました!」

 

にこ「そ、そう?」

 

花陽「スゴいです!!」

 

にこ「ま、まあね!」

 

穂乃果「へぇ~、そんなにスゴいんだ~」

 

ヨウタ「よく分かんねぇけど…」

 

花陽「知らないんですか!?伝説のアイドル伝説とは、各プロダクションや事務所、学校などが限定生産を条件に歩みより、古今東西の素晴らしいと思われるアイドルを集めたDVDボックスで、その希少性から伝説の伝説の伝説…略して『でんでんでん』と呼ばれる、アイドル好きなら誰もが知ってるDVDボックスです!」

 

ヨウタ「こ、古今東西?勘弁?勘弁?和田勉?」

 

穂乃果「花陽ちゃん、キャラ変わってない?」

 

花陽「通販、店頭とも瞬殺だったそれを2セットも持っているなんて…尊・敬♡」

 

にこ「家にもう1セットあるけどね」

 

花陽「ホントですか!?」

 

穂乃果「じゃあ、みんなで見ようよ」

 

にこ「ダメよ、それは保存用」

 

花陽「ガーン!!で、でんでんでん…」

 

凛「かよちんが何時になく落ち込んでいる!」

 

ヨウタ「どんだけ見てぇんだよ…」

 

花陽がショック泣きをしている中、ことりは棚の上にあるものを見つけた

 

にこ「ああ、気付いた?それ、秋葉のカリスマメイド、ミナリンスキーさんのサインよ」

 

海未「ことり、知っているのですか?」

 

ことり「あ、いや……」

 

にこ「まっ、ネットで手に入れたものだから本人の姿は見たことないけどね」

 

ことり「はぁ~…。とにかく、その人スゴい!」

 

にこ「それで何の用?」

 

穂乃果はにこにアイドル研究部に来た理由を告げる。

 

穂乃果「アイドル研究部さん!」

 

にこ「にこよ…」

 

穂乃果「にこ先輩、実は私たちスクールアイドルというものをやっておりまして…」

 

にこ「知ってる。どうせ希に部にしたいんなら話つけてこいって言われたんでしょ?」

 

穂乃果「おお!話が早い!」

 

にこ「まっ、そうなると思っていたけどね」

 

ヤヨイ「なら、みんなの頼みを…」

 

にこ「お断り…お断りって言ってるの!」

 

穂乃果「いや、あの…いきなり言われても。ていうか、まだ何も…」

 

海未「私たちはμ'sとして活動の場が必要なだけです。なので、ここを廃部にしてほしいのではなく…」

 

にこ「お断りって言っているでしょ!言ったでしょ!アンタ達はアイドルを汚しているって!」

 

穂乃果「でも、ずっと練習してきたから歌もダンスも…」

 

にこ「そういう事じゃない!」

 

ヨウタ「なら、どう言う事だよ!」

 

にこ「ったく…アンタ達、ちゃんとキャラ作りしてるの?」

 

穂乃果「キャラ?」

 

にこ「そう!お客さんに求めているのは、楽しい夢のような時間でしょ?だったら、それに求めるキャラっていうものがあるでしょ!ったく、しょうがないわね。いい?例えば……」

 

キャラ作りってどう言う事だ?例えば、何だ?すると、にこは後ろを向く

 

にこ「にっこにこに~♪あなたのハートににこにこに~♪笑顔届ける矢澤にこにこ~♪にこにーって覚えてラブにこ♪」

 

にこは自分の持ちキャラを穂乃果達に見せるが、あまりの変化に言葉を失う

 

にこ「どう?」

 

穂乃果「えっと…」

 

海未「これは…」

 

ことり「キャラというか…」

 

ヤヨイ「なんと言いますか…」

 

真姫「私、無理…」

 

凛「ちょっと寒くないかにゃ?」

 

ヨウタ「ま、まぁ…アレだな…アレ」

 

花陽「ふむふむ……」

 

にこ「そこのアンタ、今寒いって言った?」

 

にこは全員の感想とコメントを聞いている中、凛だけがかなりの毒舌を耳に入ったにこは凛を睨んだ

 

凛「あ、いや…スッゴク可愛かったです!最高です!!」

 

ことり「あ、でもこれはいいかも?」

 

海未「そうですね!お客様を楽しませる努力は大事です!!」

 

花陽「素晴らしい!さすがにこ先輩」

 

穂乃果「よーし!そのくらい私も…」

 

にこ「出てって」

 

穂乃果「えっ?うわぁ!?」

 

にこ「とにかく話は終わりよ!いいから出てって!!」

 

にこは俺達を部室から追い出した

 

穂乃果「にこ先輩~!」

 

希「やっぱり追い出されたみたいやね」

 

ヨウタ「やっぱりって、どう言う意味ですか?」

 

希「フフッ♪」

 

その後、俺達は副会長からにこの過去について話してくれた

 

穂乃果「スクールアイドル?」

 

海未「にこ先輩が?」

 

希「一年生の頃やったかな?同じ学年の子と結成してたんよ。今はもうやってないんやけどね」

 

ことり「辞めちゃったんですか?」

 

希「にこっち以外の子がね。アイドルとしての目標が高すぎたんやろうね。ついていけないって1人辞め、2人辞めて…」

 

ヤヨイ「他の人達はにこ先輩の目標が高かったから辞めたんですね」

 

希「だから、あなた達が羨ましかったんじゃないかな。歌にダメ出ししたり、ダンスにケチつけたり出来るっていうことは、それだけ興味があって見てるってことやろ?」

 

副会長から話を聞いた俺達は帰宅中にこの事を話していた

 

ことり「なかなか難しそうだね、にこ先輩」

 

海未「そうですね。先輩の理想は高いですから、私たちのパフォーマンスでは納得してくれそうもありませんし、説得に耳を貸してくれる感じもないですし…」

 

穂乃果「そうかな~?にこ先輩はアイドルが好きなんでしょ?それでアイドルに憧れてて、私たちにもちょっと興味があるんだよね?」

 

ヨウタ「まぁ、そうみてぇーだな」

 

穂乃果「それって、ほんのちょっと何かあれば上手くいきそうな気がするんだけど…」

 

海未「具体性に乏しいですね…」

 

穂乃果「それはそうだけど…あ、今の…」

 

穂乃果が目線の向こうからピンク色の傘を差していたにこを見かけた

 

ヤヨイ「にこ先輩ですね?」

 

ことり「多分…」

 

海未「どうします?」

 

ヨウタ「追っかけて再度お願いするか?」

 

ことり「でも、声かけたらまた逃げちゃいそうだし…」

 

穂乃果は考え込むと、急にニヤニヤと笑い始めた

 

海未「どうかしましたか?」

 

穂乃果「これって、海未ちゃんと同じじゃない?ほら、海未ちゃんと初めて会った時!」

 

それは10年ほど前の話、その頃は穂乃果とことりは近くの子供と一緒に遊んでいてそれを遠くから眺めていた

 

海未「そんな事ありましたっけ?」

 

穂乃果「海未ちゃん、スッゴク恥ずかしがり屋さんだったからね~」

 

海未「それが今の状況と何か関係があるのですか!?」

 

穂乃果「うん。あったよね?ことりちゃん」

 

ことり「…ああ、あの時の!」

 

穂乃果「そうそう!」

 

穂乃果とことりは昔の海未の事を思い出し笑いをしているのをにこが密かに見ていた

 

にこ「ふんっ、何仲良さそうに話しているのよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の放課後、他の生徒が帰る中でにこだけはいつものようにアイドル研究部に入ると、そこで明かりが急に点くと穂乃果達の姿があった。

 

「お疲れ様で~す!」

 

にこ「なっ!」

 

穂乃果「お茶です!部長!」

 

にこ「部長!?」

 

ヨウタ「お菓子もありますよ!部長!」

 

ことり「今年の予算表になります。部長♪」

 

凛「部長、ここにあったグッズ邪魔だったんで棚に移動しておきました」

 

にこ「こら!勝手に…」

 

真姫「さ、参考にちょっと貸して。部長のオススメの曲」

 

花陽「なら、迷わずこれを…」

 

ヤヨイ「参考に伝説のアイドル伝説DVDボックスでも観賞しましょうか?部長」

 

にこ「あー!だからそれは!!」

 

穂乃果「ところで次の曲の相談をしたいのですが、部長!」

 

海未「やはり次はさらにアイドルを意識した方がいいかと思いまして…」

 

ことり「それと振り付けも何かいいのがあったら…」

 

穂乃果「歌のパート分けもよろしくお願いします!」

 

にこ「こんな事で押しきられると思っているの?」

 

穂乃果「押しきる?私はただ、相談しているだけです。音ノ木坂アイドル研究部所属のμ'sの7人が歌う次の曲を!」

 

にこ「7人?」

 

にこは穂乃果達が微笑む顔を見て少し信じるような気持ちになった

 

にこ「…厳しいわよ」

 

穂乃果「分かっています!アイドルの道が厳しいくらい!」

 

にこ「分かってない!アンタも甘々!アンタも!アンタも!アンタ達一年生も!そしてアンタ達も!!」

 

ヨウタ「俺達もかよ!?」

 

にこ「当たり前でしょ!いい?アイドルっていうのは、笑顔を見せる仕事じゃない。笑顔をさせる仕事なの!それをよーく自覚しなさい!!」

 

その頃、生徒会室では絵里がアイドル研究部とスクールアイドルの名簿の紙を見ていた

 

希「絵里ち。見てみ、雨上がったよ♪」

 

フミ「アイツら…やりやがったみたいだな」

 

その頃、屋上では穂乃果達と何故か俺達もにこの指導の下で練習を開始しようとしていた

 

にこ「いい?やると決めた以上、ちゃんと魂込めてアイドルになりきってもらうわよ!分かった?」

 

ヨウタ「つーか、俺達もやんのかよ…」

 

ことり「けど、成功して良かったね♪」

 

穂乃果「うん!」

 

海未「でも、本当にそんな事ありましたっけ?」

 

ことり「あったよ!あの時も穂乃果ちゃんが…」

 

実は10年前の話には続きがあった。穂乃果達が遊んでいる中、海未だけは遠くから見ていた時に穂乃果に見つかってしまったが、「一緒に遊ぼう!」と誘ってくれたのであった。今回も同じ事があったのであの時と同じようにやったという

 

にこ「にっこにこに~♪はい!」

 

「にっこにこに~♪」

 

にこ「全然ダメ!もう一回!にっこにこに~♪はい!」

 

「にっこにこに~♪」

 

にこ「ツリ目のアンタ!気合い入れて!」

 

真姫「真姫よ!」

 

にこ「あと、そこ!もっと笑顔で!」

 

ヨウタ「いや、何で俺らもやんだよ!

 

にこ「つべこべ言わない!」

 

「にっこにこに~♪」

 

にこ「はい!あと30回!」

 

凛「あーあー…」

 

ヤヨイ「いつまで、やるんですかね?」

 

穂乃果「何言ってるの?まだまだこれからだよ!にこ先輩、お願いします!!」

 

にこ「よーし!もう一度頭から!行っくよ~!!」

 

こうして、μ’sのメンバーは7人となって新たな盛り上がりを見せる事になるだろうな。しかし、活躍ってのはこれからだろう

 

 

つづく




今回は1万文字は超えてないな
そして、次回は新キャラ
新たなサポート係が増えるよ


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第7話

2月ですね。2月1発目の更新。新キャラも出るよ。後は今年の抱負として更新ペースあげれたら良いですね(笑)





キャラクターの名字募集中
コメントやメッセージで受け付けてます
後は評価や感想もお待ちしております


放課後の屋上で今日もμ'sは歌とダンスの練習をしている

 

穂乃果「はぁ~、疲れた~!」

 

ヨウタ「ほら、お疲れさん」

 

穂乃果「あっ、ありがとう。ヨウタくん」

 

俺は休憩中の穂乃果に水を渡す

 

ヨウタ「それにしても増えたよな」

 

ヤヨイ「部員は増えましたが、僕達サポートは2人ですよ」

 

ヨウタ「確かに2人だと今後、手が回らなくなりそうだな」

 

穂乃果「だったら、ヨウタくん達も募集してみたら?」

 

ヨウタ「増やすって言ってもなぁ〜」

 

俺達はサポートメンバーを増やす事を考えて見たが、そもそも男子生徒なんて片手で数えられる程度だ

 

ヤヨイ「男子生徒なら生徒会にいましたよね?」

 

ヨウタ「あ、フミか?アイツはダメだ。俺の事嫌いだからな」

 

ヤヨイ「そうなるとしたら、誰かいたかな?」

 

海未「確か、同じ2年生にもう1人男子生徒がいたかと思います」

 

ヨウタ「マジか!!けど、俺見た事無いな」

 

ヤヨイ「そういえば、いましたね。1年生の時、同じクラスでしたよ」

 

ヨウタ「お、ソイツなんて言うんだ?」

 

ヤヨイ「名前ですか?う〜んと、シオンだった気がするんですけど」

 

ヨウタ「よし、なら明日ソイツを探し出す」

 

ヨウタ君はシオンって言う生徒を新しくサポートメンバーに加えたい見たいですが、なんだか不安しかありませんね…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、俺とヤヨイは教室で話していた

 

ヨウタ「で、シオンってどんな奴なんだ?」

 

ヤヨイ「真面目そうな人でしたよ。無遅刻無欠席で確かクラスでも成績は上位の方でした」

 

ヨウタ「なんだよ。ガリ勉君じゃねーか。俺と合わなさそうだな」

 

ヤヨイ「ワガママばかり言ってるとサポートメンバー集まりませんよ」

 

ヨウタ「ハイハイ。よし、とりあえず偵察に行くぞ」

 

俺とヤヨイは隣のクラスにシオンがどんな奴か見に行く事にした

 

ヨウタ「で、どいつがシオンだ?」

 

ヤヨイ「見るからに男子生徒は1人だけじゃ無いですか」

 

俺とヤヨイは窓から目から上だけを出し覗いていた

 

ヨウタ「あのいかにも真面目そうな奴か?つーか分厚い本読んでるけど、どこで売ってるんだよ」

 

すると、シオンは俺達に勘づいたのか窓の方を向く。俺とヤヨイは咄嗟にしゃがみ隠れた

 

ヨウタ「アブね〜」

 

ヤヨイ「どうして隠れるんですか?」

 

ヨウタ「ま、まぁ…何となくだな」

 

海未「2人共、何をしてるんですか?」

 

俺達は隠れている所を3人に見つかった

 

ヨウタ「アレだよ。アレ…じゃ、後でな!」

 

ヤヨイ「ヨウタ君!どうして逃げるんですか!?」

 

俺は3人にバレてズラかると俺の後をヤヨイも走って追いかける

 

ことり「何で逃げちゃったのかな?」

 

海未「また、くだらない事を考えていたのでしょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休み。俺達は5人で昼食を取る事にした

 

穂乃果「ヨウタ君。どう?見つかった?」

 

ヨウタ「まぁ、ぼちぼちと」

 

海未「それは、そうと今朝は何をしていたのですか?」

 

ヨウタ「まぁ、アレだよ。ハハハ…」

 

俺は笑って誤魔化した。しかし、企みもバレてるだろう。だって、ことりがヤヨイに耳打ちしてるし

 

ことり「ヤヨイ君。ヨウタ君は何で誤魔化してるの?」

 

ヤヨイ「僕も分からないです。隠す必要なんて無いのに」

 

いや、2人よ。耳打ちしても大体は話の内容は予想ついてるぞ。しかし、これ以上は面倒臭い。トイレに行って時間潰すか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はトイレに到着した。何となくだけと顔でも洗うか

 

ヨウタ「あーあ、面倒くせー。つーかシオンって奴をどうするかだよ」

 

シオン「俺がどうしたって?」

 

俺が独り言を呟いているとトイレの個室から噂していたシオンが現れた。しかもタバコ吸ってるし。いや、何だよ!?コイツ!?真面目な奴じゃないんかよ!!なんでタバコなんて吸ってんだ!?

 

シオン「この時間は誰も来ないと思ってたんだけどな」

 

そう言うとシオンは吸っていたタバコを便器の水につけ火を消した

 

ヨウタ「お、おい!?お前は何者なんだよ!?」

 

シオン「それはコッチの台詞だ。お前、朝コソコソと俺の事見てただろ?」

 

ヨウタ「だ、だったらどうした?」

 

シオン「俺はもう喧嘩はしないぞ。お前みたいな不良とは違い足を洗ったからな」

 

ヨウタ「はぁ?どう言う事だ?」

 

シオン「俺は中学の時、地元だが喧嘩でテッペンを取った。だから次はココでテッペンを狙う」

 

シオンは指で頭を指して俺に答えた。嘘だろ!?この学校にもう1人、元ヤンがいたなんてな…!

 

ヨウタ「けど、タバコは吸うんだな」 

 

シオン「それは俺の勝手だ」

 

ヨウタ「けど、良いのか?人前で吸ってよ〜」

 

これはチャンスだ。少々強引かも知れねーがやるしかない

 

ヨウタ「俺にバレたって事はどうなるかって分かってるよな?」

 

シオン「あ?どう言う事だ」

 

ヨウタ「先公にチクられたくなかったら放課後、裏庭に来い。話がある」

 

俺はシオンにそう伝えトイレを出た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はトイレを出て教室に到着した

 

ヤヨイ「ヨウタ君。何やってたんですか?」

 

ヨウタ「トイレだ。あまり人前で言わすな。恥ずいだろ」

 

ヤヨイ「貴方はそんなタイプじゃ無いでしょ」

 

ヨウタ「それより、ヤヨイ。チャンス何だよ」

 

ヤヨイ「何ですか?チャンスって?」

 

ヨウタ「ちと、強引な気もするが…まぁ、そんな事はいいか。俺は放課後に裏庭行くから練習は遅れて参加する」

 

ヤヨイ「わ、分かりました」

 

そして、放課後。μ'sはいつも通り屋上で練習をする

 

穂乃果「ヨウタ君。遅いね」

 

海未「全く。遅れるとは言ってましたが、流石に遅過ぎます」

 

ことり「ヤヨイ君は何か聞いてないの?」

 

ヤヨイ「裏庭に行くとは言ってましたが、一体何してるんだろう?」

 

凛「まさか、決闘とか!?」

 

ヤヨイ「いや、流石に無いと思いますが…」

 

真姫「けど、あの人。噂によると学校1の問題児なんでしょ?」

 

ヤヨイ「そう言われてましたけど、今はそんな喧嘩をするような人では…」

 

にこ「何で黙るのよ。もしかして心辺りあるの?」

 

ヤヨイ「確か裏庭に行くって言ってた時。少し強引な気もするけどチャンスだって…」

 

花陽「もしかして、脅して部に加入させようと…!?」

 

海未「そんな事、誰が許すと言うのですか!?」

 

ヤヨイ「でも、決まった訳では…」

 

海未「とにかく、ヤヨイ!ヨウタを止めに裏庭に行きますよ」

 

ヤヨイ「は、はい!!」

 

ことり「海未ちゃん待って。私も行く」

 

こうして、ヤヨイと海未、ことりは裏庭に向かった

 

穂乃果「行っちゃった…」

 

にこ「アンタは行かなくて良いの?」

 

穂乃果「大丈夫だよ。ヨウタ君はそんな事する人じゃないから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり裏庭。俺はある奴の事を待っていた

 

ヨウタ「お、やっと来たか」

 

シオン「何だ?話って喧嘩ならしないと…」

 

ヨウタ「別にテメーとタイマン張りたくて呼んだ訳じゃねーよ。それにタバコの事も先公に言うつもりもねーしな」

 

シオン「はぁ!?じゃあ、何で俺を!!」

 

ヨウタ「俺、実はスクールアイドルのサポートやってんだ。けど、最近部員が増えてサポートが足りねぇんだよ。だからお前にお願いしようと思ってな」

 

シオン「嫌だな。悪いが他を当たれ」

 

ヨウタ「頼む!お前しか頼れる奴がいないんだ!!」

 

シオン「俺は勉強が忙しいんだ。そろそろテストも控えてるのに部活なんてやってられるか」

 

ヨウタ「男手が足りないんだ。頼むよ〜」

 

シオン「しつこいな!やらないと言ってるだろ!?」

 

俺がしつこくシオンを勧誘してる時だった

 

ヤヨイ「あ!見つけましたよ!!」

 

ヨウタ「ヤヨイ?どうした?」

 

海未「全く!何やってるのですか!?」

 

ヨウタ「う、海未まで…ど、どした!?」

 

海未「貴方がそんな人とは思いませんでした!」

 

ヨウタ「な、なんなんだよ!?」

 

ヤヨイ「だって、ヨウタ君。少々強引だけどって」

 

ヨウタ「あーソレね。まぁ多少は強引だったけど…」

 

ヤヨイ「だからって脅して部員にしても意味ないですよ」

 

ことり「ヨウタ君。そんな事しても誰も喜ばないよ」

 

シオン「ちょっと待て。お前ら俺を置いてけぼりにするな」

 

ヨウタ「俺に聞くな!勝手に話が変な方向に言ってるんだよ!」

 

シオン「お前ら…何なんだよ」

 

ヨウタ「俺が知るか!あーもう面倒くせぇ!テメーら静かにしろ!!」

 

俺はヤヨイ達に怒鳴り散らした

 

ヨウタ「たく、黙ってみてろ。シオン、もう1度言うが俺達の部に入らねーか?」

 

シオン「そこまで言うなら仕方が無い。けど、1つ条件がある」

 

ヨウタ「なんだよ。条件って?」

 

シオン「俺と勝負しろ。お前が勝ったら部に入ってやる」

 

ヨウタ「勝負ってお前。もう、喧嘩は…」

 

シオン「誰が喧嘩するって言った。ここだよ」

 

ヨウタ「頭?牛じゃねぇんだし。ぶつけ合うのは…」

 

シオン「誰がそんな事言った!テストも近いんだ。テストで勝負だ!丁度、国語の先生から去年の過去問を貰っている」

 

ヨウタ「OK。受けてやるぜ」

 

シオン「ルールは簡単だ。点数の高い奴の勝ちだ」

 

海未「ヨウタ。簡単に受けてしまって良いのですか?」

 

ヨウタ「あ、何でだ?」

 

ヤヨイ「だって、彼は学年でも上位の成績ですよ」

 

ヨウタ「大丈夫だ。策はある」

 

シオン「じゃあ、さっさとやるぞ」

 

そして、俺はシオンと勝負する事になった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、お互いにプリントを手に取り制限時間は50分でテストを解く。因みにシオンは図書室で俺は部室でテストを解いているカンニング防止の為だ。それとシオンにはことりと海未。俺にはヤヨイが監視役でついている

 

ことり「ヨウタ君。あまり勉強してる所見た事無いけど大丈夫かな?」

 

海未「正直、この勝負はヨウタが不利でしょうね」

 

シオン「何話してるんだ?監視役が目を離すなよ」

 

海未「貴方は監視しなくても問題無いと思いますが」

 

シオン「俺だけ監視がいないのも不公平だろ。ホラ、始めるから時間測れよ」

 

そして、部室にいる俺とヤヨイはと言うと…

 

ヤヨイ「大丈夫なんですか?こんな事引き受けて」

 

ヨウタ「だから策はあるって言ったろ」

 

ヤヨイ「だから、その策は何なんですか?」

 

ヨウタ「質問を質問で返すが、どうして俺がお前を監視役に選んだ思うか?」

 

ヤヨイ「どうしてですか?もしかして…」

 

ヨウタ「そう、そのもしかしてだ」

 

本当、この人の考ている事は嫌な予感しかしない。それも、予想通りな方向に…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、50分経ちテストは終了。海未とことりが俺とシオンのテストを採点する。その間に俺達は部室で待っている事にした

 

シオン「どうした?随分と余裕だな」

 

ヨウタ「まぁ、意外に解けたからさ」

 

シオン「その余裕も今だけだと思うがな」

 

海未「採点が終わりました。結果はシオン92点。ヨウタ95点です」

 

シオン「何!?」

 

ヨウタ「ヨシ!コレで部員になって貰うぞ」

 

シオン「馬鹿な!?俺が…こんな奴に…!!」

 

ヨウタ君、喜んでいるけどイカサマしてますからね。だって、この問題を解いたのは僕ですから…アレは勝負開始直後…

 

ヨウタ「お前がこの問題を解け」

 

ヤヨイ「やっぱり、言うと思いましたよ…」

 

ヨウタ「そうでもしないと勝てない。だってアイツ頭良いんだろ?」

 

ヤヨイ「けど、もしバレたらマズい事になりますよ」

 

ヨウタ「大丈夫だ。バレはしない。だって、俺とお前しかこの部屋にはいないからな」

 

ヤヨイ「後から大変な事になっても知らないですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨウタ「見たか!俺の本領発揮!では、早速、屋上に行くぞ」

 

こうして俺はシオンを連れ、屋上に向かった

 

ヨウタ「よう!待たせたな」

 

花陽「皆さん、先輩達が戻って来ましたよ」

 

にこ「全く、何処ほっつき歩いていたのよ」

 

海未「遅れて申し訳ありません」

 

穂乃果「海未ちゃん達も遅かったね」

 

ことり「ちょっと、色々あって…」

 

ヨウタ「紹介する。新しいサポート役のシオンだ」

 

シオン「シオンです…よろしく」

 

穂乃果「ヨウタ君。新しいサポート役の子見つけて来たんだね」

 

凛「真面目そうな人にゃ」

 

真姫「確かに、アイツよりは頼りになりそうね」

 

ヨウタ「あ?なんだ?」

 

ヤヨイ「まあまあ、ヨウタ君」

 

ヨウタ「よし、じゃあ明日から活動開始な」

 

なんで、俺がこんな事しなくちゃいけないんだ。こんな奴に過去問とは言え負けた事に納得が行かない。俺は不満を抱えつつも帰宅した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、渋々だが俺は部活に参加した

 

シオン「おい」

 

ヨウタ「何だ?」

 

シオン「俺達は何をすれば良いんだ?」

 

ヨウタ「今はコイツらの練習を見てるだけ」

 

シオン「その後は」

 

 

ヨウタ「特にやる事は無いな」

 

ふざけるな。サポート役が足りないからと勧誘した癖にやる事が無いだと?なら、コイツら2人で補えるだろ。この時間を返せ。俺はテスト対策をしなきゃ行けないんだ

 

シオン「おい、本当に俺は必要なのか?」

 

ヨウタ「まぁ、何か会った時の為には必要だな」

 

シオン「その時が来そうには無いんだ?」

 

ヨウタ「まぁ、何か会った時だし」

 

シオン「ふざけるな!」

 

俺はこの馬鹿に怒鳴り散らす。すると他のみんなも俺と馬鹿の方を向いた

 

ヤヨイ「どうしたんですか?2人共?」

 

ヨウタ「何だよ。急にキレて」

 

シオン「俺はお前らの茶番に付き合ってらんないんだよ!」

 

すると、シオンは出て行った。何だよ。あんなに怒ってよぉ〜

 

ヨウタ「たく、面倒くさい奴だな」

 

海未「ヨウタ。流石に勝負に勝ったとは言え無理に部に誘ったのは良くなかったのでは?」

 

ヨウタ「いや、そんな事は無ぇ」

 

ヤヨイ「そんな事は無いって現に怒ってたじゃないですか」

 

ヨウタ「俺はアイツと部活がしたいと思ったから誘った」

 

ヤヨイ「答えになってませんよ」

 

ヨウタ「とにかく、俺はアイツを追う」

 

俺はシオンを追う為、屋上から飛び出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨウタ「お、いた!」

 

シオン「何だ?引き止めに来たのか?」

 

ヨウタ「そうだ。けど、ただ引き止めた訳じゃ無い。俺と勝負しろ。お前が勝ったら辞めさせてやる」

 

シオン「何の勝負だ?」

 

ヨウタ「なら俺の得意分野で行かせてもらうぜ」

 

そして、俺はヤヨイとμ’sのみんなを連れてゲームセンターに向かった

 

にこ「で、何で私達も来なきゃ行けないのよ」

 

ヨウタ「良いじゃん。良いじゃん」

 

シオン「早くしろ。俺は帰りたいんだ」

 

ヨウタ「よし、ならコイツで勝負だ」

 

俺はシオンに目の前にあったバイクのレースゲームを指差した

 

ヨウタ「ルールは簡単だ。先にゴールした奴の勝ち」

 

シオン「何だ。単純だな」

 

ヨウタ「意外に難易度高いぞ」

 

早速、俺とシオンは100円を投入しゲームをする

 

ヤヨイ「ヨウタ君。自分が得意だからって勝てそうな者選んで…」

 

海未「本当に悪知恵だけは働くんですから…」

 

ヨウタ「よし、ならステージは俺が決めるぜ」

 

よし、ここはワザと難易度の高いステージを選んでおこう。このステージはゴール前のカーブが難しく初心者では操作できまい

 

ヨウタ「よし、行くぜ!」

 

スタートダッシュは俺の方が有利だった。なんせ経験者なんでな。ガリ勉はこう言うゲームした事無いだろ?シオンは操作に不慣れだから、このまま俺の勝ちは見えたような物だな

 

穂乃果「ヨウタ君!凄い!」

 

ヤヨイ「流石、学校サボってゲームセンターに通ってただけはありますね」

 

コース中間辺りぐらいからか、シオンも操作に慣れ俺に追いついて来た。しかし、コース終盤のカーブでは差をつけられまい

 

ヨウタ「中々やるな」

 

シオン「操作を覚えれば簡単だ」

 

ヨウタ「だか、この後は簡単に行くかな?」

 

今に見とけよ。ここからは初心者には無理なんだよ。そして終盤のカーブ地点が見えて来た所だった

 

ヨウタ「何!?」

 

カーブ地点のコースでシオンはいとも簡単に操作していた。俺はそれに動揺しミスってしまいシオンにゴール直前で追い越された

 

ヨウタ「マジかよ!?」

 

シオン「本物と比べて大した事無いな」

 

穂乃果「シオン君!凄いよ!初めてとは思えなかったよ!」

 

 

シオン「じゃあ、俺は帰るぞ」

 

俺が…このゲームで負けるなんて…シオンに負けて俺は分かりやすくガクッとしていた

 

ことり「ヨウタ君。元気出して」

 

海未「余程、負けた事がショックだったんですね」

 

ヤヨイ「そんな落ち込んで無いで帰りますよ」

 

ヨウタ「お前に俺の気持ちが分かってたまるか!て、アレ?1年の奴らは?」

 

ヤヨイ「確か向こうで遊んで来ると言ってましたが」

 

何だよ。アイツら俺とシオンの勝負には興味ないってか

 

穂乃果「終わったなら呼びに行こうよ」

 

ヤヨイ「そうですね。充分楽しんだかお思いますし」

 

俺がバイクゲームに跨り不貞腐れいると他のみんなは1年を呼びに離れて行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はあの馬鹿との勝負が終わり帰宅しようとした時、何やら声が聴こえた

 

不良1「良いじゃん。良いじゃん俺達と楽しい事しようよ」

 

不良2「そうそう。大勢で遊んだ方が楽しいでしょ?」

 

不良3「丁度、3対3だし良いだろ?」

 

真姫「お断りします」

 

不良1「ちょっとぐらい良いじゃねーか」

 

真姫「貴方達!しつこいわよ!」

 

確か、アイツらは1年の。不良にナンパされてるのか?赤髪の奴が断ってるが声が震えてるな

 

不良2「少しぐらい良いだろ?」

 

シオン「オイ!何やってる!」

 

不良2「何だテメェ!」

 

シオン「様子見てたけど。嫌がってるなら諦めろ」

 

不良2「うるせぇ!お前には関係ないだろ!」

 

シオン「確かに関係ないが、しつこいと嫌われるってお前らに言いたかったんだよ」

 

不良2「テメェ!舐めてんのか!!」

 

不良の1人が俺に殴り掛かって来た。喧嘩をしないと決めていたが仕方ない。と思っていたが、俺の予想とは違う事が起きた

 

ヨウタ「喧嘩はやめてくれねーか」

 

あの馬鹿が俺に殴り掛かって来た不良の腕を掴み喧嘩を止めた

 

不良2「何だ!邪魔すんなよ!」

 

ヨウタ「コイツらは俺の連れだ。女の子の前でカッコ悪い事すんな」

 

不良3「あ?お前、痛い目にあいたいのか?」

 

ヨウタ「それはよしてくれないか?彼女達の前だ。外で話しましょう」

 

花陽「あ、あの先輩…」

 

ヨウタ「大丈夫だ。少し話してくるだけだから」

 

そう言ってアイツは不良3人組とゲーセンの外に出て行った

 

穂乃果「アレ?ヨウタ君、外に行っちゃったけど?」

 

花陽「せ、先輩が…」

 

大人しそうな1年が後から来た5人に事情を説明した

 

ヤヨイ「花陽ちゃん。心配しなくて大丈夫ですよ。ヨウタ君ならすぐに戻って来ますから」

 

ヤヨイの言う通り、あの馬鹿は数分したら戻って来た

 

ヨウタ「うぃ〜。お待たせ〜」

 

ヤヨイ「遅いですよ」

 

ヨウタ「いや〜ちと、コイツらをナンパしてる奴がいてね。俺の連れだから諦めろって話してたのよ」

 

花陽「あ、あの相手の方々は?」

 

ヨウタ「意外に話聞いてくれて帰って行ったよ」

 

絶対、コイツ何かしたな。俺の勘がそう言っている

 

ヨウタ「よし、俺達も帰ろうぜ」

 

そう言ってあの馬鹿は先にゲーセンの外に出る。何故か俺はあの馬鹿の後を追った

 

シオン「オイ!」

 

ヨウタ「何だ?シオンか」

 

シオン「お前に話がある」

 

ヨウタ「何だよ?話って」

 

シオン「何でも良いだろ」

 

ヨウタ「よし、なら路地裏に行こうぜ。タバコ吸いたいし」

 

俺は案内され馬鹿と路地裏に向かう。路地裏に入るとさっきの不良3人組が気絶して伸びきっていた

 

シオン「おい、コイツらどーすんだ?」

 

ヨウタ「その内、目ぇ覚ますだろ?それよりタバコくれねーか?俺、学校には持って来ないんだよ」

 

俺はタバコとライターを渡した

 

ヨウタ「何だよ。マルボロか。しかもアイスブラストだし」

 

シオン「嫌なら吸うな」

 

ヨウタ「まぁ、貰える物は貰っておく」

 

あの馬鹿がタバコに火をつけ一口吸った所で俺は話を切り出した

 

シオン「あの時、何故俺を助けた?」

 

ヨウタ「何だ?助けて欲しく無かったのか?」

 

シオン「助けなくたってアイツらの俺1人で…」

 

ヨウタ「だってお前、もう喧嘩しねーんだろ?それに、あそこで喧嘩してたら、お前が築き上げたガリ勉キャラが終いに何だろ?」

 

コイツ、それだけの為に俺を助けたのか?

 

ヨウタ「元不良ってバレたら大変だぜ。クラスから孤立するし、誰も近寄って来なくなるしな」

 

シオン「おい!俺も部活に入る」

 

ヨウタ「はぁ!?テメェ部活辞めるって…」

 

シオン「勘違いするな。別にテメェの借りを返す為じゃねぇ。お前が、部活しならがら勉強出来るのに、俺が出来ない訳無いだろ?頭でテッペン取るならお前と同じ土俵に立つ。それだけだ」

 

言えない。あの時、不正してヤヨイに問題解かせた事なんて…それに、ヤヨイや海未、ことりの方が俺より頭が良いなんて言えねー!?ん?待てよ。実質、同じ土俵に立ってるから問題無いか

 

ヨウタ「よし、なら早く行くぞ!アイツらにも伝えないとな!?」

 

そう言ってヨウタは路地裏を飛び出して行き、俺も後を追った

 

ヨウタ「おーい!お前ら!」

 

穂乃果「ヨウタ君。何処に行ってたの?先に帰ったのかと思っちゃったよ」

 

ヨウタ「悪い悪い。シオンと少し話しててさ。そしたら何と!シオンがサポートメンバーに加入するってさ!」

 

穂乃果「え!?本当!!」

 

ヨウタ「俺が嘘つくかよ」

 

ヤヨイ「やりましたね。ヨウタ君」

 

ヨウタ「うし!これからよろしな!」

 

シオン「シオンだ。よろしく頼む」

 

海未「こちらこそ、よろしくお願いします」

 

ことり「よろしくね。シオン君」

 

花陽「よろしくお願いします。シオン先輩」

 

にこ「フン。ちゃんとサポート出来るかしら」

 

真姫「真面目そうだし、意外に適任なんじゃ無い?」

 

ヤヨイ「何か有れば色々と教えますよ」

 

凛「これから楽しくなりそうにゃ!」

 

穂乃果「ようこそ!アイドル研究部へ!」

 

ヨウタ「よし!明日から参加な」

 

シオン「俺が入ったからには厳しくサポートするから覚悟しとけよ」

 

他の奴らも有り難く歓迎して来れた。これから忙しくなりそうだが、文武平等、俺は絶対に頭でテッペン取ってみせる




後書きと言いますか…何と言いますかな話ですが…最近、友人にcreepy nutsをオススメしたらハマってくれたんですよ。そこからヒプマイとか聴いてくれてHIPHOPを聴く仲間が増えて嬉しい限りです。そこでcreepy nutsとピプマイにハマったらならある曲を聴いて欲しかったので梅田ナイトフィーバー19を勧めたんですよ。結構、気に入ってくれてね。いや〜良い曲なんですよ。昔のメンバーと変わらないで楽しんでる歌詞が。皆さんも聴いてください。僕も梅田ナイトフィーバー19のような小説が書きたくて頑張りますので(笑)いや、最後なんだよ


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第8話

キャラクター紹介
シオン(苗字募集中)
音ノ木坂学院の2年生
ヨウタ達とは違うクラス
地元だか喧嘩でテッペン取った元ヤン
次は頭でテッペン取る為に
音ノ木坂入学した
本人曰く、もう喧嘩はしない

好きな食べ物
カツサンド

嫌いな食べ物
ホルモン

吸ってるタバコ
マルボロアイスブラスト8ミリ

愛車
YAMAHA YZF-R25
YAMAHA SR400


放課後、俺と希先輩は部活動紹介の為のビデオ撮影をしにアイドル部の所に来ていた

 

希「はい、笑って」

 

凛「決めポーズ!」

 

凛が穂乃果にビデオカメラを向け何やらビデオを撮っていた

 

希『これが音ノ木坂に誕生したμ'sのリーダー。高坂穂乃果その人だ』

 

凛「はい!OK!」

 

ヤヨイ「何やってるんですか?」

 

フミ「部活動紹介の為の取材だとよ」

 

凛「ね!?面白そうでしょ!!」

 

シオン「面白そうと言うか今ので大丈夫なのか?」

 

希「最近、スクールアイドルって流行ってるみたいやし、μ'sにとっても悪くない話やろ?」

 

シオン「確かに悪い話では無いな。なぁ?みんな」

 

海未「取材なんて私は嫌です!そんなカメラに映るなんて」

 

ヤヨイ「けど、人前で踊るので有ればカメラにも慣れとか無いと…」

 

シオン「それに、海未以外はやる気みたいだけど」

 

穂乃果「取材…なんてアイドルな響き」

 

海未「穂乃果!」

 

穂乃果「OKだよね?海未ちゃん。それ見てくれた人がμ'sの事覚えてくれるし」

 

ことり「断る理由は無いかも?」

 

フミ「それと取材させてくれたらビデオカメラは貸してやる」

 

希「そしたらPVとか撮れるやろ?」

 

シオン「PV?一応あるんだな」

 

ヤヨイ「確か、μ'sが3人の時に撮影された物があります」

 

穂乃果「結局、あの動画は誰が撮ってたんだろう?」

 

ことり「海未ちゃん。新しい曲をやった方が良いって言ってたよね?」

 

シオン「それじゃあ、ビデオ撮影は決まりだな」

 

海未「もう、勝手なんですから!」

 

穂乃果「それじゃ他のみんなにも行ってくるね!」

 

穂乃果はそう言うと校内に走って行き、穂乃果を追うように海未とことりも校内向かって行った

 

シオン「元気な奴らだな」

 

フミ「おい、アイツの姿が見えないが何処にいる?」

 

ヤヨイ「ヨウタ君でしたら今日は休みですよ」

 

フミ「たく、またサボりか」

 

希「ほな、ウチらも戻ろうか」

 

フミ「そうですね。それとカメラは預ける。適当に部活動紹介のビデオを取っといて来れ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、部室に集まり僕達は撮影したビデオを見ていた

 

希『スクールアイドルと言っても、時間外に授業を受けたり、早退したりなどプロのアイドルのようにはいかない。そのため…こうなってしまう事も』

 

副会長である希先輩がナレーションと解説付きでビデオ撮影した映像を流す。その映像には、授業中にうたた寝をしていた穂乃果さんの姿が写っていました

 

希『昼食を食べて……再び熟睡。そして、先生に見つかる』

 

映像には、昼食を食べて授業中に熟睡し、先生に見つかり机ごとひっくり返るなんともアイドルらしく無い姿が映っていました

 

希『これがアイドルとはいえまだ弱冠16歳。高坂穂乃果のありのままの姿である』

 

穂乃果「ありのまま過ぎるよ!ていうか、いつの間に撮ったの?」

 

凛「上手く撮れてたよ、ことり先輩♪」

 

ことり「ありがとう。こっそり撮るのドキドキしちゃった♪」

 

ヤヨイ「えっ、あれ撮ったのことりさんなの!?」

 

穂乃果「えー!ことりちゃんが!酷いよ~!」

 

海未「普段だらけているからそうなるんです。これからはもう少し…」

 

シオン「さすが海未だな。真面目に練習してる」

 

海未「えっ?」

 

僕達がビデオカメラの続きを見ていると映像の続きだろうか?海未さんが弓道の練習をしている映像が映し出された

 

穂乃果「これは……」

 

ことり「可愛く見える笑顔の練習?」

 

海未「ちょっ!プライバシーの侵害です!!」

 

海未さんは咄嗟にビデオカメラの電源を切り、穂乃果さんとことりさんに見せないようにカメラを取り上げていました

 

穂乃果「よし!こうなったら~、ことりちゃんのプライバシーも……ってあれ?何だろうこれ?」

 

穂乃果さんがことりさんのカバンを見て、何か見つけたみたいですけど…ことりさんが咄嗟にカバンのチャックを閉めて2、3歩程、後ろへと下りカバンを隠しました

 

穂乃果「ことりちゃん?」

 

ことり「なんでもないのよ、穂乃果ちゃん!」

 

フミ(明らかに何か隠したな)

 

希「完成したら、各部にチェックをしてもらうつもりだから、問題があったらその時に…」

 

穂乃果「でも、その間に生徒会長に見られたらどうすれば…?」

 

フミ「あまり、良い評価は貰えそうに無いな」

 

希「まあそこは頑張ってもらうとして…」

 

穂乃果「えー!希先輩なんとかしてくれないんですか?」

 

フミ「甘いな。いくら先輩がお前達の味方だという存在だからって、そう簡単にいける話じゃない」

 

希「フミ君の言う通りや。ウチがやる事は誰かを支えてあげる事だけやから」

 

穂乃果「支えてあげる?」

 

シオン「どういう事だ?」

 

希「まあ、ウチの話はいいんや。さて、次は……」

 

すると、部室のドアから開けて入ってきたのは息があがった状態のにこ先輩の姿でした

 

穂乃果「あっ、にこ先輩」

 

シオン「何っつー顔してんだよ、お前…」

 

にこ「しゅ、取材が来るって本当?」

 

ことり「もう来てますよ。ほら」

 

部室へと入ったにこ先輩は一息つくと、まるで先程とは別人のように自己紹介を始めようとしていました

 

にこ「にっこにっこに~♪みんなの元気のにっこにっこに~の矢澤にこです!えーと、好きな食べ物は…」

 

希「ごめん、そういうのいらないわ」

 

シオン「誰も求めて無いぞ」

 

にこ「えっ?じゃあ、何の取材なの?」

 

凛「部活動の素顔について迫るっていう感じにしたいんだって!」

 

にこ「素顔?…ああ、OK!そっちのパターンね。ちょっと待ってね~」

 

すると、にこ先輩は急にしゃがみこむと髪を結んだ桃色のリボンを程いて髪を伸ばしました

 

にこ「いつも、いつもはこんな感じにしているんです。アイドルの時のにこはもう1人の私。髪をキュッと止めている時にスイッチが入る感じで…。あっ、そうです。普段は自分の事をにこなんて呼ばないんです」

 

にこ先輩のスピーチが長かったので僕達は無視して撮影する為に中庭に向かいました

 

にこ「誰、1人いないの?嘘ー!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、中庭では1年生達を取材しようと俺はカメラを回していたのだが…

 

フミ「少し表情が固く無いか?」

 

ヤヨイ「花陽ちゃん、緊張してる?」

 

花陽「う、うん……」

 

凛「緊張しなくても平気!聞かれた事に答えればいいから」

 

希「編集するからどんなに時間かかっても大丈夫やし」

 

ヤヨイ「では早速、撮影始めましょう」

 

フミ「俺も早くカメラを回したいんだが、あそこ…」

 

俺が指を指す方向には、真姫が癖毛を弄っている様子が見える

 

凛「真姫ちゃんもこっち来るにゃ」

 

真姫「私はやらない」

 

シオン「何だよ。ノリ悪いな」

 

希「ええんよ。どうしても嫌なら、無理にインタビューしなくても♪」

 

希先輩はそう言うと、俺からカメラを取って真姫の方に向けて撮影を始めた

 

希『真姫だけはインタビューに応じてくれなかった。スクールアイドルから離れれば、ただの果敢な15歳。これもまた自然の…』

 

真姫「何勝手にナレーション被せているのよ!」

 

希先輩の作戦に真姫は仕方なく凛、花陽と共に撮影する事になった

 

希「まず、アイドルの魅力について聞いてみたいと思います。じゃあ、最初に花陽さんから」

 

花陽「えぇ!?え、えーと……」

 

凛「かよちんは昔からアイドル好きだったんだよね♪」

 

花陽「は、はい!」

 

フミ「じゃあ、次は自分にとってのアイドルは何か答えられるか?」

 

花陽「は、はい。えーと……うっ、プププ!」

 

真姫「ちょっと止めて!」

 

真姫は撮影を止めると、穂乃果が頬を膨らませ変顔をしていた。花陽が笑ったのはこのコイツの仕業だったみたいだ

 

穂乃果「いや~、緊張しているみたいだったから、解そうかな~っと思って!」

 

真姫「大きな御世話よ!ことり先輩も!!」

 

ことり「ガンバッテイルカネ?」

 

ことりがひょっとこのお面を被って話すと、1年生達が笑い始めた

 

真姫「全く!これじゃμ'sがどんどん誤解されるわ!」

 

穂乃果「おお!真姫ちゃんがμ'sの事を心配してくれた!」

 

真姫「っ!?べ、別に私は……と、撮らないで///!!」

 

穂乃果は真姫の方へとカメラを向けると、真姫は顔を赤くして穂乃果に向かって注意する。それから何度か撮影してみたんだが、これといって良い絵は撮れず、ふざけた映像しか残らなかった

 

凛「でも、確かにここまで撮った分だとちょっとね」

 

希「だらけているというか、遊んでいるというか……」

 

シオン「撮れ高無しか…」

 

花陽「えぇ!?」

 

ヤヨイ「これを部活動紹介で出したら、笑われ者になるだけですね」

 

フミ「と言うよりか、スクールアイドルの活動の本番は練習だろ?それを活かせばなんとかいい紹介になるんじゃないか?」

 

真姫「そうね!」

 

穂乃果「よーし!じゃあみんな、張り切っていくよー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果達は練習着に着替えて屋上で新曲の振り付けを行う

 

海未「ワン!ツー!スリー!フォー!ファイブ!シックス!セブン!エイト!」

 

海未がら手拍子し他のみんなのリズムを取り、ヤヨイ、シオンが振り付けを確認する

 

海未「花陽は少し遅いです!」

 

花陽「はい!」

 

ヤヨイ「凛ちゃんはテンポが少し早いですよ」

 

凛「はい!」

 

にこ「ちゃんとやりなさいよ」

 

シオン「お前はステップ、間違ってるぞ」

 

にこ「うっ…分かってるわよ!」

 

シオン「真姫はもっと動きを大きくな!」

 

真姫「はい!」

 

海未「穂乃果、疲れてきた?」

 

穂乃果「まだまだ!」

 

ヤヨイ「ことりさんは今の動き忘れずにお願いします」

 

ことり「うん!」

 

シオン「ラストォー!!」

 

シオンの最後の掛け声に穂乃果達は笑顔を見せたまま、新曲の振り付けが終わる

 

希『かれこれ1時間、ぶっ通しでダンスを続けてやっと休憩。全員息は上がっているが、文句を言う者はいない』

 

フミ「先輩。結構、良い絵は撮れたんじゃないですか?」

 

真姫「どうだった?」

 

希「さすが練習だと迫力が違うね。やることはやってるって感じやね」

 

真姫「まあね」

 

フミ「なぁ?少し気になったんだが、μ'sにリーダーっているのか?」

 

真姫「それは…」

 

ヤヨイ「確かにリーダーって聞いた事無いですね」

 

シオン「俺はμ'sを最初に結成した3人の中の誰かだと思っていたが…」

 

フミ「穂乃果では無いのか?」

 

ヤヨイ「穂乃果さんはリーダーと言いますか…何と言いますか…」

 

シオン「確かに海未のように指示出したりはしないな」

 

俺が疑問をぶつけて見た物の誰1人即答すり奴はいなかった

 

フミ「すまんな。気になったから聞いてみただけだ。希先輩そろそろ俺達も戻りますか」

 

俺と希先輩は屋上から出ようした。すると、突然屋上の扉が開き、俺と希先輩は扉の横に下ざる

 

ヨウタ「うぃ〜す。すまん遅れた」

 

穂乃果「ヨウタ君。遅いよ〜」

 

海未「全く。昨日学校休むからですよ」

 

ヨウタ「いや〜レンと遅くまでゲームして、起きたら昼だったからさ」

 

海未「このままだと本当に留年しちゃいますよ」

 

ヨウタ「まぁ、今ん所ギリギリセーフだな」

 

フミ「おい、勢い良く扉を開けるな」

 

ヨウタ「あ?何でオメーがいるんだ?生徒会が圧力掛けに来たのか?」

 

ヤヨイ「違いますよ。部活動紹介のビデオ撮影に来ていたんです」

 

フミ「もう、用は無い。俺達は戻るぞ」

 

ヨウタ「ハイハイ。じゃあね」

 

アイツが現れると同時に俺達は生徒会室に戻った

 

ヨウタ「変な風に紹介動画作らんよな?アイツ」

 

ヤヨイ「それより、少し気になった事がありまして…」

 

穂乃果「どうしたの?ヤヨイ君」

 

ヤヨイ「μ'sのリーダーって誰なんですか?僕が入った時には決まっていたのですか?」

 

ヨウタ「え?俺は穂乃果だと思っていたけど」

 

シオン「けど、穂乃果は何かリーダーらしい事してるか?」

 

ヨウタ「けど、μ'sを作ったのは穂乃果だろ?」

 

にこ「コレは1度考えるべきね」

 

ヨウタ「そうか?」

 

にこ「そうよ!アイドルにはもっと重要なリーダーが必要よ!」

 

ヨウタ「じゃあ、明日決めるか」

 

シオン「唐突だな…」

 

明日の放課後、俺達はアイドル研究部の部室でリーダーは誰がいいかと会議を始める事になった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、翌日。部室でリーダーを決める会議が始まった

 

にこ「リーダーには誰が相応しいか。大体私が部長であること事態、1度考え直すべきなのよ」

 

真姫「リーダーね…」

 

シオン「今の練習風景見てるとリーダーって必要か?」

 

ヨウタ「まぁ、リーダーがいないと成り立たないようなもんだし必要なんじゃねーの?」

 

ことり「私は穂乃果ちゃんでいいと思うけど…」

 

にこ「ダメよ。今回の事ではっきりしたでしょ?この子にはリーダーにまるで向いていない」

 

真姫「それはそうね」

 

ヤヨイ「2人とも口悪すぎですよ…」

 

にこと真姫の言葉にヤヨイは軽くツッコミをいれた。まぁ、確かに酷い言いようだな…

 

にこ「そうと決まれば早速リーダーを決めておく必要はあるわね。PVだってあるし」

 

海未「PV…ですか?」

 

にこ「リーダーが代われば、必然的にセンターだって変わるでしょ?次のPVは新リーダーがセンターよ」

 

真姫「そうね」

 

花陽「でも誰が?」

 

すると、先輩は急に立ち上がってホワイトボードを裏返す。そこにはリーダーについて丸々と書かれていた。まぁ、俺にはよく分からないけどな

 

にこ「リーダーとは、まず最初に誰よりも熱い情熱をもってみんなを引っ張っていけること!次に、精神的府中に慣れる懐の大きさをもった人間であること!そして、何よりメンバーから尊敬される存在であること!この条件を全て揃えたメンバーとなると……」

 

凛「海未先輩かにゃ?」

 

にこ「なんでやねーん!!」

 

凛の言葉に先輩がツッコミをいれるが、他の俺を含めみんなも何故そこでツッコんだのか疑問に感じていた

 

海未「私が!?」

 

穂乃果「そうだよ海未ちゃん。向いてるかも、リーダー」

 

ヨウタ「待て!穂乃果!お前、それでいいのかよ!?」

 

穂乃果「へ?何で?」

 

ヤヨイ「穂乃果さん。リーダーの座を奪われようとしているんですよ?それで、何も感じないのですか?」

 

穂乃果「だって、みんなでμ'sやっていくのは当然でしょ?」

 

花陽「でも、センターじゃなくなるかもですよ!」

 

穂乃果「おお!そうか!それも大変だ…でも、いっか!」

 

ヨウタ「いいのかよ!」

 

穂乃果のテキトーな判断に俺は驚いたが他のみんなも驚愕した。それはそうだよな…危機感が無いと言うか…意識が低いと言うか…

 

海未「そんな事でいいのですか?」

 

穂乃果「じゃあ、リーダーは海未ちゃんにする事にして…」

 

海未「ま、待ってください。無理です…///」

 

真姫「面倒な人ね…」

 

シオン「なら、ことりはどうだ?」

 

ことり「えっ、私?」

 

凛「副リーダーって感じだね」

 

花陽「でも、1年生がリーダーっていう訳にはいかないし…」

 

にこ「仕方ないわね」

 

ことり「やっぱり穂乃果ちゃんの方がいいと思うけど…」

 

ヨウタ「俺も穂乃果の方がいいと思うんだけどなぁ…」

 

にこ「仕方ないわね!」

 

真姫「私は海未先輩を説得した方がいいと思うけど」

 

シオン「サポートが指示出したりすればリーダー必要無いんじゃないか?」

 

ヤヨイ「PVでセンターを務める為にもリーダーは必要って言ってたじゃないですか」

 

にこ「仕方ないわね!!」

 

花陽「と、投票にするとか…」

 

ヨウタ「それの方が安パイかもな」

 

にこ「し~か~た~な~い~わ~ね~!!!」

 

凛「で、どうするにゃ?」

 

穂乃果「どうしよう?」

 

ヨウタ「どうすんだよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会議をした結果、リーダーは全く決まらず、時間が過ぎるだけだった。そして、何故か俺達をカラオケボックスへと先輩が連れ込んだ

 

にこ「分かったわよ!じゃあ、歌とダンスで決着を着けようじゃない!」

 

ことり「決着?」

 

凛「みんなで得点を競うつもりかにゃ?」

 

にこ「その通り!一番歌とダンスが上手い者がセンター!どう?それなら文句ないでしょ?」

 

海未「でも、私はカラオケはあまり…」

 

真姫「私も特に歌う気はしないわ」

 

にこ「なら歌わなくて結構!リーダーの権利を消失するだけだから」

 

すると、先輩は後ろに振り返り手元から何か取り出して確認していた

 

にこ「フフフッ…。こんなことも有ろうかと、高得点が出やすい曲はすでにピックアップ済みよ。これでリーダーの座は確実に……!」

 

ヨウタ(ん?何やってんだ?先輩)

 

にこ「さあ!始めるわよ…」

 

ヨウタ「よし、トップバッターは俺だな」

 

にこ「何で、アンタが歌うのよ!」

 

ヨウタ「勝負の前の緊張感をほぐす為の前説みたいなもんよ」

 

にこ「分かったわよ。なら、早く曲入れてよね」

 

ヨウタ「よし、ここは今定番の曲だな」

 

俺は菅田将暉の『さよならエレジー』を選択し歌った

 

穂乃果「ヨウタ君、歌上手だね!」

 

真姫「確かに意外に良い声してたわよ」

 

ヨウタ「よし、次ヤヨイな」

 

ヤヨイ「え!?僕ですか?歌えるかな?」

 

ヤヨイは最近、話題になった国民的アーティスト。米津玄師の『LOSER』を入れる

 

凛「ヤヨイ先輩がこの曲歌えるなんて意外にゃ」

 

海未「ヤヨイも凄く上手ですね」

 

ヤヨイ「人前で初めて歌ったので緊張しました」

 

シオン「じゃあ、次は俺だな」

 

シオンは若者。特に高校生に人気がある今流行りのバンドOfficial髭男dismの『Pretender』を入れた

 

花陽「シオン先輩も綺麗な声してますね」

 

ことり「シオン君。カッコ良かったよ」

 

シオン「最近、ずっと聴いてたから覚えたんだ」

 

ヨウタ「よーし。なら俺はcreepy nutsを〜」

 

シオン「俺とヤヨイでKing Gnu行こうぜ」

 

ヤヨイ「白日と傘なら歌えると思いますが…」

 

にこ「何、アンタ達が楽しんでるのよ!!」

 

ヨウタ「ええ…ダメ?」

 

にこ「私達は勝負しに来たの!もう、前説は終わりよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後、さっきまで仲良く話し合っていた穂乃果達だったが、カラオケでの得点は皆90点以上を叩き出した。それを見た先輩は少し焦っていた。そして、次にダンスで競う為に俺達はゲームセンターへと移動した

 

にこ「次にダンス。今度は歌の時みたいに甘くないわよ!」

 

先輩がダンスで使用するマシンについて説明するが、俺達サポート3人が隣で平気にUFOキャッチャーをしていたので、他のみんなもそこに釘付けだった

 

にこ「だから緊張感もってって言ってるでしょ!!」

 

凛「でも、凛は運動は得意だけど、ダンスは苦手だからな~」

 

花陽「これ、どうやるの?」

 

ヤヨイ「足元の矢印ボタンをタイミング良く踏むんですよ」

 

にこ(プレイ経験ゼロの素人が挑んで、まともな点数が出る筈がないわ。フフフッ…、カラオケの時は焦ったけどこれなら…)

 

ヨウタ「お、ずけーな2人共」

 

ヤヨイがゲームのやり方を説明する為にプレイをする。何故か凛も一緒になってプレイしているのだか、2人共すげー上手い

 

ヤヨイ「凛ちゃん凄いですね」

 

凛「なんか出来ちゃった♪」

 

シオン「ヤヨイもやるじゃん」

 

ヤヨイ「昔から僕はやっていたので」

 

そして、ダンスの得点の結果。みんなカラオケの点数とほぼ同じような結果になった

 

ことり「面白かったね♪」

 

シオン「けど、中々勝負つかねーな」

 

さすがの先輩もヤバイと思ったのだろうか、急遽、1つ項目を追加して俺達はアイドルショップ店の前まで連れてこられた

 

にこ「歌と躍りに決着が決まらなかった以上、最後はオーラで決めるわ!」

 

ヨウタ「オーラ?泉とか」

 

ヤヨイ「それは、昔やってたテレビ番組ですよ」

 

にこ「アイドルとして1番必要といっても過言ではないものよ。歌も下手、ダンスもイマイチ、でも何故か人を引き付けるアイドルがいる。それは即ちオーラ!人を引き付けてやまない何かを持っている事よ!」

 

花陽「わ、分かります!何故か放っておけないんです!」

 

海未「でも、そんなものどうやって競うのですか?」

 

にこ「フフフッ…、これよ」

 

そう言って先輩はチラシを俺達に見せる。多分、先輩の考えはチラシを使って時間内に多く配り終えた者がオーラがあるという何とも強引なやり方に違いないだろう

 

にこ「オーラが有れば黙っても人は寄ってくるもの。1時間で多く配れた人が1番オーラがあるって事」

 

ことり「ちょっと強引な気がするけど…」

 

ヨウタ「まぁ、宣伝になるし良いんじゃねーか?」

 

シオン「つーか、俺達も配るのかよ」

 

ヤヨイ「僕達は勝負しませんが一応、宣伝の為にと思って…」

 

ヨウタ「うし、じゃあやるか!」

 

そして、俺達はチラシ配りを始めた。意外にも通る人達から受け取ってもらえたのだが、なんと、先にチラシを配り終えたのはことりだった

 

穂乃果「ことりちゃん。凄い!」

 

シオン「全部配り終わったのか!?」

 

ことり「気付いたら無くなってて…」

 

スゲーな。あんな短時間で配り終えるなんて…ん?先輩どうしたんだ?落胆してるけど

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、俺達は競争を終え部室に戻る。

 

ヨウタ「う〜ん。どっこいどっこいだな」

 

なんと、結果はみんなほぼ同点だった

 

ヤヨイ「そうですね。総合的な点数で見ると殆ど一緒ですね」

 

ことり「結局はみんな同じって事なんだね」

 

凛「にこ先輩も流石です。ちょっとしか練習して無いのにみんなと同じ点数なんて」

 

にこ「あ、当たり前でしょ…」

 

真姫「でも、どうするの?これじゃ決まらないわよ」

 

花陽「う、うん。やっぱり、リーダーは上級生の方が…」

 

にこ「仕方ないわね~」

 

凛「凛もそう思うにゃ!」

 

真姫「私も特にやる気ないし」

 

にこ「アンタ達ぶれないわね…」

 

穂乃果「じゃあ、いいんじゃないかな?無くても」

 

ヨウタ「リーダー無しって事か?」

 

穂乃果の突然の言葉に俺達は驚きの声を上げた

 

穂乃果「リーダー無しでも全然平気だと思うよ。みんなそれで練習してきて、歌も歌ってきたんだし」

 

海未「しかし…」

 

ヤヨイ「それは少し強引な気が…」

 

にこ「そうよ!リーダー無しのグループなんて聞いた事ないわよ!」

 

真姫「大体、センターはどうするの?」

 

穂乃果「それなんだけど、私考えたんだ。みんなで歌うってどうかな?」

 

シオン「みんなで?」

 

穂乃果「家でアイドルの動画とか見て思ったんだ。なんかね、みんなが順番に歌ったら素敵だな~って。そんな曲、作れないかな~って」

 

花陽「順番に…ですか?」

 

穂乃果「うん。無理かな?」

 

海未「まあ、歌は作れなくはないけど…」

 

真姫「そういう曲、悪くないわね」

 

穂乃果「ダンスはそういうの無理かな?」

 

ことり「ううん。今の7人なら出来ると思うけど」

 

穂乃果「じゃあ、それが一番いいよ。みんなが歌って、みんながセンター!」

 

穂乃果の考えに全員が一致し、全員がセンターする事になった。そして、俺達は屋上に向かったのだが、新曲の練習を開始しようと穂乃果は先に一直線で屋上へと掛け登る

 

ことり「結局、リーダーは決まらないままになったね…」

 

海未「いえ、もう決まっていますよ」

 

シオン「はぁ?誰なんだよ?」

 

ヨウタ「分かんねーのか?アイツだよ」

 

真姫「不本意だけど」

 

海未「ええ。何にもとらわれずやりたい事をただ怯まず真っ直ぐ進んでやっていく。それは穂乃果にしか無い物かも知れません」

 

ヨウタ「そうだな。そのせいで俺もサポートやったような物だし」

 

海未の言葉を聞いたシオンは階段を懸命に駆け登っていく穂乃果の姿を見て、理解したのか納得したように頷いた

 

穂乃果「じゃあ、始めよう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして練習で完璧に振り付けを覚えPV撮影がスタートする

 

ヨウタ「よし、カメラOK」

 

ヤヨイ「コッチも準備は大丈夫見たいです」

 

シオン「よし!撮影スタート!」

 

『これからのsomeday』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、PVが配信され生徒会室では絵里、希、フミがμ'sの新しい動画を見ていた

 

絵里「何を言ったの?」

 

希「ウチは思った事を言っただけや、誰かさんと違うて」

 

フミ「俺は希先輩に撮影を頼まれただけです」

 

俺は面倒くさい事に巻き込まれたくなかったので生徒会室から立ち去った

 

希「もう認めるしかないんやない?絵里ちが力を貸してくればあの子らはもっと…」

 

絵里「なら希が力を貸してあげれば!」

 

希「ウチやない。カードが言っとるもん、あの子達に必要なんは…絵里ちや」

 

絵里「ダメよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜、俺はレンと通話しながらゲームをしていた

 

レン「新曲のPV見たよぉ〜。よく出来てるね〜」

 

ヨウタ「コレで注目が集まれば良いんだけどな」

 

レン「人数も増たんだし、これからもっと忙しくなるね」

 

ヨウタ「まぁ、そうだな。けど生徒会がどう見てるかだな」

 

レン「何〜まだフミちゃんと揉めてんの〜?」

 

ヨウタ「別にアイツは関係ない。生徒会がそもそも学校存続に向けてのアイドル活動を良く思って無いんだよ」

 

レン「なら、フミちゃんと仲直りして活動を理解してもらえば良いじゃん」

 

ヨウタ「なんで、アイツが出てくんだよ!」

 

レン「だって、その方が手っ取り早いじゃん」

 

ヨウタ「うるせーな!寝るぞ!」

 

レン「待って!あと1回だけクエストやろ!」

 

そして、俺はレンとのゲームを終え寝る事にした

 

ヨウタ「じゃ、またな」

 

レン「お疲れ〜」

 

ヨウタ「よし、寝よう」

 

俺は部屋のカーテンを閉め、部屋の電気を消そうとしたら壁に掛けてあるカレンダーが目に止まった

 

ヨウタ「もうすぐ。夏か…」

 

早い物だな。もう、折り返し地点だなんて…そうか、あの事件も去年の夏頃だったんだな。俺はふと1年生の頃を思い出した

 

つづく




もう少し更新ペース上げないとかな?まぁ、ネタバレになるかと思いますが少しヨウタの過去の話だったり今後出てきます


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第9話

間違って消したから書き直したよ
まぁ、すぐに書けてよかった


ヨウタ「あぢぃ~!」

 

シオン「うるせぇ!こっちまで暑くなるわ!」

 

穂乃果「あ~あ、こういう夏の時ってなんかイベントとかやらないかな~」

 

俺達が初夏の暑さを実感していると、勢いよく扉が開く。しかも、飛び出して入ってきたのは慌てた様子の花陽の姿があった

 

ヤヨイ「花陽ちゃん、どうしたんですか?」

 

花陽「た…た、たすけて!」

 

シオン「助けて!?誰かに追われているのか!?」

 

花陽「じゃなかった!た、大変です!ラブライブです!ラブライブが開催される事になりました!」

 

穂乃果「ラブライブ!?…って何?」

 

ヨウタ「さあ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達野郎3人と穂乃果の頭にはハテナマークが浮かんでいたに違いない。ラブライブ を知らない俺達の為に花陽は分かりやすく説明するため、パソコンを開いてラブライブの公式サイトを映した

 

花陽「スクールアイドルの甲子園、それがラブライブです!エントリーしたグループの中から、このスクールアイドルランキング上位20位がライブに出場、そしてNo.1を決める大会です。噂には聞いていましたけど、遂に始まるなんて!」

 

穂乃果「へぇ~!」

 

ヨウタ「すげぇな!」

 

海未「スクールアイドルは全国的にも有名ですしね…」

 

シオン「確かに、こういう大規模な大会、やりそうな感じだよな」

 

凛「盛り上がること間違いなしにゃ!」

 

花陽「今のスクールアイドルランキングから上位20位となると、1位のA-RISEは出場として、2位3位は……ま、まさに夢のイベント!チケット発売日はいつでしょうか~?初日特典は……」

 

穂乃果「って花陽ちゃん、見に行くつもり?」

 

花陽「当たり前です!これはアイドル史に残る一大イベントなんですよ!見逃せません!!」

 

花陽のアイドル好きの圧迫感に穂乃果は押されていく

 

真姫「アイドルの事になるとキャラ変わるのよね」

 

シオン「オタクって奴か…」

 

凛「凛はこっちのかよちんも好きだよ♪」

 

穂乃果「なんだ、私てっきり出場目指して頑張ろうかと思ったよ」

 

花陽「え、えぇー!!そ、そんな私たちが出場だなんて恐れ多いです!」

 

真姫「キャラ変わりすぎ…」

 

ヤヨイ「けど、そんな隅で謙遜しなくても」

 

凛「凛はこっちのかよちんも好きにゃ♪」

 

ことり「でも、スクールアイドルやってるんだもん。目指してみるのも悪くないかも」

 

穂乃果「ていうか、目指さなきゃダメでしょ!」

 

真姫「そうは言っても、現実は厳しいわよ」

 

海未「そうですね。確か、先週見た時にはとてもそんな大会に出られるような順位では…」

 

海未はスクールアイドルの専用サイトでμ'sのランキングを調べると、何かが変わっていた事に気付いた

 

海未「皆さん、これを!」

 

シオン「どうしたんだ?海未」

 

ヨウタ「お、おい!これ!」

 

ことり「順位が上がってる!」

 

真姫「嘘!?」

 

俺達はサイトを見ると、そこには急上昇のピックアップスクールアイドルにも選ばれ、視聴者からのコメントも書かれていた

 

穂乃果「『新しい曲、カッコよかったです!』『7人に増えたんですね』『いつも一生懸命さが伝わってきて大好きです!』だって!」

 

ヤヨイ「でもスゴい人気ですね」

 

真姫「そのせいね。最近、なんか…」

 

真姫の話によると、つい最近の下校途中に中学生が写真をお願いされたという事があったらしい

 

ことり「出待ち!?」

 

穂乃果「うそ!私、したことない…」

 

ヤヨイ「こういう差も出るのですか?」

 

花陽「はい。アイドルというものは残酷な格差社会でもありますから」

 

穂乃果「うぅ…」

 

ヨウタ「穂乃果。そんなに落ち込むな」

 

凛「でも、写真なんて真姫も随分変わったにゃ!」

 

真姫「わ、私は別に…///」

 

凛「あっ、赤くなったにゃ!」

 

すると、凛の言葉に頬を膨らませた真姫は凛の頭に向かってチョップすると、凛は痛がって尻餅を着いてしまう

 

ヤヨイ「大丈夫ですか?凛ちゃん」

 

にこ「みんな聞きなさい!重大ニュースよ!」

 

俺達がラブライブの事について話していると勢い良く扉が開き、先輩が入って来た

 

穂乃果「にこ先輩?」

 

ヨウタ「何ですか?それって?」

 

にこ「フフフッ、聞いて驚きなさい!今年の夏も盛り上がる、スクールアイドルの祭典!」

 

ことり「ラブライブですか?」

 

にこ「知ってたの?」

 

ヤヨイ「その話は先程、花陽ちゃんから聞きましたよ」

 

にこ「あっそう…とにかく!私たちもラブライブ出場するために気合い入れるわよ!」

 

シオン(急に開き直りやがった)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、俺達はラブライブ出場について生徒会室へと向かって許可を得ようとしていた

 

真姫「どう考えても、答えはとっくに出ているわ」

 

凛「学校の許可?認められないわ!」

 

ヨウタ「確かに、あの生徒会長なら言い兼ねないな」

 

穂乃果「でも、今度こそ間違いなく生徒を集められるんだけど…」

 

にこ「そんなの、あの生徒会長には関係ないでしょ。私たちの事を目の敵みたいに思ってるのよ」

 

花陽「どうして私達ばかり…?」

 

にこ「それは…あっ!もしかして学校内での人気が私に奪われるのが怖くて…」

 

真姫「それは無いわ」

 

にこ「ツッコミ早っ!!」

 

シオン「ハイハイ。静かして」

 

ヤヨイ「扉は閉めなくても良いかもと…」

 

何故、にこは教室内にいるのかは知らないが、シオンが扉を閉める。きっとうるさかったのだろう

 

真姫「もう、許可なんて取らないで勝手にエントリーしちゃえば良いんじゃない?」

 

花陽「ダメだよ。エントリーの条件にちゃんと学校からの許可は必要って書いてあるもん」

 

真姫「なら、直接理事長に話をするとか…」

 

穂乃果「えっ、そんな事出来るの?」

 

海未「確かに、部活の要望で原則としては生徒会を通じてとありますが、理事長へだったら禁止されている訳ではありません」

 

ヨウタ「おお、ならいけるじゃねぇか!」

 

ヤヨイ「それに親族もいるから心強ですよ」

 

ヤヨイの言葉に全員はことりを見つめて納得をする

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、理事長室へと着いた俺達だったが、理事長室の扉にに威圧感を感じていた

 

穂乃果「さらに入りづらい緊張感が…!」

 

真姫「そんな事言ってる場合?」

 

穂乃果「分かってるけど…」

 

シオン「なら俺が開けるぞ」

 

シオンが理事長室のドアに向かってノックしようとすると、ドアが開き中から生徒会メンバーの姿があった

 

希「おっ、お揃いでどうしたん?」

 

フミ「なんだ、お前らか…」

 

穂乃果「希先輩にフミ君。それに生徒会長まで!?」

 

にこ「タイミング悪っ…」

 

絵里「何のようですか?」

 

ヨウタ「何で、テメェらに答えなきゃいけねぇーんだ?」

 

ヤヨイ「そんな事、言ったら失礼ですよ。ヨウタ君!」

 

俺達が理事長室に入ろうとすると、生徒会長が理事長室の前で俺達を妨げた

 

絵里「各部の申請は生徒会を通す決まりよ」

 

真姫「申請とは言ってないわ、ただ話があるの!」

 

穂乃果「真姫ちゃん、上級生だよ」

 

穂乃果の注意に真姫は言葉を慎んで黙り混むと、そこから理事長がドアをノックして現れた

 

理事長「どうしたの?」

 

理事長の薦めにより、俺達は理事長室に入りラブライブについての説明とエントリーさせるようにお願いした

 

理事長「スクールアイドルの祭典、それがラブライブですか?」

 

海未「はい。ネットの配信により全国に中継される事になっています」

 

ことり「もし出場出来たら、学校の名前をみんなに知ってもらえるって思っているの」

 

絵里「私は反対です!」

 

俺達がラブライブの出場を申請しようとしていると、途中からいきなり生徒会長が割り込んで来やがった

 

絵里「理事長は学校のための活動をするべきではないとおっしゃいました。であれば、彼女達の活動を認めない。ですよね?」

 

理事長「そうね。でもいいんじゃないかしら?エントリーするくらいなら」

 

穂乃果「本当ですか?」

 

理事長「えぇ」

 

ヨウタ「やったな、穂乃果!」

 

穂乃果「うん!」

 

意外な結果ではあったが、俺達は理事長からラブライブへの出場許可を貰えた

 

絵里「ちょっと待って下さい!どうして彼女達の肩を持つんですか?」

 

理事長「別にそういうつもりはないけど…」

 

絵里「だったら、生徒会も学校存続のために活動させて下さい!」

 

理事長「うーん、それはダメ」

 

絵里「意味が分かりません…」

 

理事長「そう?簡単な事よ」

 

生徒会長は理事長の言葉に納得がいかないまま、一礼をして理事長室を退出した

 

にこ「ふんっ。ざまぁ見ろってのよ」

 

理事長「ただし、条件があります。勉強を疎かにしてはいけません。今度の期末試験で1人でも赤点を取る生徒がいたら、ラブライブへのエントリーは認めません。いいですね?」

 

穂乃果「えぇ!?」

 

ことり「まあ、さすがに赤点は無いから大丈夫かと…あれ?」

 

ヤヨイ「ひょっとして…?」

 

ヤヨイとことりの目の前で急に落ち込む穂乃果、凛、にこがいた

 

ヨウタ「なんだ。それぐらいなら楽勝だろ」

 

理事長「それと、貴方」

 

ヨウタ「ん?俺ですか?」

 

理事長「貴方は今回の期末試験。全教科65点以上取らないと追試になると聞いているわ」

 

ヨウタ「はぁ!?俺は聞いてねーけど!?」

 

理事長「あら、少し早く教えてしまった見たいね。貴方は全教科65点以上取る事。良いわね?」

 

なんで、俺だけ他のみんなよりハードル高いんだよ!あー!不幸だーーー!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「大変申し訳ありません!」

 

凛「ません!」

 

部室で机に向かって頭を下げて謝罪する穂乃果と凛であった

 

海未「小学生の頃から知ってはいましたが、穂乃果…」

 

穂乃果「数学だけだよ!ほら、小学生の時の算数苦手だったでしょ?」

 

花陽「7×4=?」

 

穂乃果「にじゅう……ろく?」

 

海未「かなりの重症ですね」

 

花陽「凛ちゃんは?」

 

凛「英語!凛は英語だけはどうしても肌に合わなくて…」

 

花陽「た、確かに難しいよね」

 

凛「そうだよ!大体凛たちは日本人なのにどうして外国の言葉を勉強しなくちゃいけないの!」

 

真姫「もう!屁理屈はいいの!!」

 

凛「真姫ちゃん、怖いにゃ~…」

 

真姫「これでテストの点が悪くてエントリー出来なかったら、恥ずかし過ぎるわよ!」

 

凛「そうだよね…」

 

ヤヨイ「けど、2人はマシな方ですよ。あそこ、見て下さい」

 

ヤヨイが目線を映した先には俺がボクサー漫画の主人公のように燃え尽きたように真っ白になっていた

 

海未「完全に魂が抜けてますね」

 

ことり「あれ?けど、ヨウタ君。国語の点数は良かったよね?」

 

シオン「確かに俺と国語の過去問で勝負した時は90点以上だったな」

 

ヤヨイ「アレはシオン君に勝ちたくて不正をしたんですよ。解いたのは僕なんですが…」

 

シオン「そこまでして勝ちたかったのかよ!!」

 

海未「呆れて言葉にも出来ませんね…」

 

にこ「全くその通りよ!みんな、赤点なんて絶対取っちゃダメよ!」

 

別の机で逆さの数学の教科書を見ていたにこを穂乃果達はジト目で見ていた

 

ことり「にこ先輩、成績は?」

 

にこ「ににに、にっこにっこに~が赤点なんてとと取るわけないでしょ!」

 

海未「動揺し過ぎです…」

 

にこは赤点はないと言い張っているが、みんな嘘だと気付いているだろう

 

海未「とにかく、試験の為に穂乃果と凛の弱点教科を克服します」

 

ヤヨイ「僕達2年生で2人を見るので、花陽ちゃんと真姫ちゃんは凛ちゃんを見て下さいね」

 

真姫「まあそれはいいとして、にこ先輩は誰に任せればいいの?」

 

にこ「だ、たから言ってるでしょ。にこは…」

 

希「それはウチが担当するわ」

 

部室にいきなり入ってきたのは副会長でもある希だった

 

穂乃果「いいんですか?」

 

希「うん。少しお役に立てるかな?」

 

にこ「言ってるでしょ!にこは赤点の心配なんてない…」

 

突然、副会長がにこの胸を鷲掴みすると、にこ先輩は軽く悲鳴をあげた

 

希「嘘つくとわしわしするよ~?」

 

にこ「分かりました。教えて下さい…」

 

希「はい、よろしい」

 

穂乃果「よし、これで準備は出来たね!明日から頑張ろう!」

 

海未「今日からです!」

 

こうして、ラブライブ出場を掛けての勉強会が行われた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とは言った物の…俺達の勉強は一向に進む気配がなかった

 

凛「う~、これが毎日続くのかにゃ~…」

 

真姫「当たり前でしょ」

 

凛「あっ!白いご飯にゃ!!」

 

花陽「えっ!?」

 

凛の引っ掛けに花陽以外は引っ掛からず、真姫は凛の頭に向かって軽くチョップをした

 

真姫「引っ掛かると思った?」

 

1年生達が勉強するその隣で俺達も勉強をしていたのだか…

 

ヨウタ「ことり、この問題はどうやって解くんだ?」

 

ことり「この問題は…」

 

穂乃果「ことりちゃん…」

 

ことり「あと1問だよ。頑張って♪」

 

穂乃果「おやすみなさい…」

 

ことり「あっ!穂乃果ちゃん!寝たらダメだよ~!」

 

ヤヨイ「まだ5分しか経ってないっていうのに…」

 

海未「すみません。私、そろそろ弓道部に行かないといけないので、後は頼みます」

 

ことり「分かった!」

 

シオン「後は任せな」

 

海未は部活に行く準備をしていると、向かい側で副会長がにこ先輩勉強の手伝いをしていた

 

希「じゃあ、次の問題の答えは?」

 

にこ「え~と…に、にっこにっこに~…」

 

にこ先輩のふざけた回答に副会長は再びにこの胸を鷲掴んだ。やがて、部室内は騒がしくなり勉強会どころではなくなった

 

海未「これで身に付いているんでしょうか…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、勉強会が終わり俺達は帰宅する事になった

 

穂乃果「これから毎日勉強かぁ〜」

 

ヨウタ「俺よりマシなんだから文句は言うなよ」

 

ヤヨイ「しかし、意外にもヨウタ君が熱心に勉強するなんて思ってなかったです」

 

ヨウタ「コッチも意地があんだよ」

 

シオン「けどお前、寝たらカッターが刺さるように勉強するのは引いたぞ」

 

ヨウタ「あーでもしねーと勉強なんてやらないだろ?」

 

シオン「それはお前だけだ」

 

ことり「みんな、ゴメンね。忘れ物しちゃったみたい」

 

ヨウタ「なら待ってようか?」

 

ことり「ううん。先に帰って大丈夫だよ」

 

俺達がたわいもない会話をしていると、ことりが部室に忘れ物をしたので、取りに戻る。俺達は先に帰ってと言われたので帰る事にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことりは忘れ物を取り部室から出ると、走って帰宅しようとする。だか、走ったいたせいか誰かとぶつかってしまう

 

ことり「きゃっ!」

 

フミ「あ、すまない」

 

ことり「フミ君、ゴメンね。ことりがちゃんと前見てなくて」

 

フミ「いや、気付かなかった俺の不注意でもある」

 

俺はことりが落としたノートを拾い渡した

 

フミ「アイツ、ちゃんと勉強出来てるのか?」

 

ことり「ヨウタ君の事?」

 

フミ「アイツは授業を聞いてるだけで、勉強なんてしないからな。いつも赤点は回避するけど、点数はギリギリだし」

 

ことり「けど、今日は1番集中して勉強してましたよ」

 

フミ「アイツの勉強見る時は気を付けろよ。変な事するからな。危なっかしくて、コッチがヒヤヒヤする」

 

ことり「ヨウタ君の事、よく知ってるんですね」

 

フミ「1年の頃、同じクラスだったからな」

 

ことり「同じクラスだったのに、どうして喧嘩ばかりするの?」

 

フミ「俺は不良が嫌いだからだ」

 

ことり「けど、フミ君。ヨウタ君の事、楽しそうに話してたよ」

 

フミ「馬鹿言うな。俺はアイツが嫌いなんだ。楽しそうに話す訳ないだろ」

 

たく、アイツの事になると調子が狂うな

 

フミ「俺はそろそろ生徒会室に戻るぞ」

 

これ以上、話してしまうと面倒な事になると思い、俺は生徒会室に戻った

 

フミ「もう、1年経つのか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、海未も部活が終わり帰宅しようとしていた。部活仲間の女子と別れると、校門前でイヤホンを着けて曲を聞いている金髪のセーラー服を着た少女を見かけた

 

少女の聞いていた曲を海未がよく見ると、そこにはファーストライブをやった講堂の映像が映っていた

 

海未「サイトに上がっていない映像まで…」

 

???「うわぁ!?」

 

海未「あっ、すいません!」

 

???「あっ!園田海未さんですよね?μ'sの!」

 

海未「い、いえ!人違いです!」

 

海未は少し否定する感じでいたが、少女の落ち込む姿に負けて本人だと認めた

 

海未「それより、この映像は?」

 

亜里沙「はい。亜里沙はいけなかったんですけど、お姉ちゃんが取ってきてくれたんです!」

 

海未「お姉ちゃん?」

 

絵里「亜里沙」

 

フミ「会長って妹いたんですね」

 

すると、向こうから少女の名前を呼ぶ声がしたので、海未は振り返る。なんと、驚く事に亜里沙の姉はこの学校の生徒会長でもある絵里であった

 

海未「生徒会長」

 

絵里「貴方は…」

 

その後、俺と会長は海未が話がしたいと言っていたので近くの公園に向かった

 

亜里沙「お待たせしました!」

 

海未「ありがとう」

 

フミ「ありがとな」

 

亜里沙は近くの自販機で飲み物を買い、海未と俺に渡したのだが、渡されたのは『秋葉原のおでん』という食べ物だった

 

フミ(なんで、おでんなんだ?)

 

絵里「ごめんなさい。向こうの暮らしが長かったから、まだ日本に慣れていないの」

 

海未「向こう?」

 

絵里「ええ。祖母がロシア人なの」

 

フミ「先輩ってクウォーターだったんですね」

 

絵里「亜里沙、それは飲み物じゃないの。別なの買ってきてくれる?」

 

亜里沙「はい!」

 

亜里沙は会長に頼まれて自販機へ行き、別の飲み物を買いに行った

 

絵里「それにしても、あなた達に見られてしまうとはね…」

 

海未「前から穂乃果達で話していたんです。誰が撮影してネットにアップしてくれたんだろうなって…でも、生徒会長だったなんて」

 

何で会長はスクールアイドルの事をよく思ってないのに、動画とネットに上げたんだ?俺は心の中で疑問を感じた

 

海未「あの映像がなければ、私達は今こうしてなかったと思うんです。あれがあたったから見てくれた人も増えたし、だから…」

 

絵里「止めて。別にあなた達の為にやったんじゃないから。むしろ逆、あなた達のダンスや歌がいかに人を引き付けられないのか、活動を続けても意味があるかどうか知ってもらいたくて…」

 

フミ「そんな事の為に、動画を撮影したんですか?」

 

絵里「ええ。だけど、状況は想定外になって無くなるどころか人数が増えるなんて……でも、私は認めない。人に見せられるものになっているとは思えない、そんな状態で学校の名前を背負って活動したくないの。話はそれだけ…」

 

海未「待って下さい!じゃあ、もし私たちが…人を引き付けられるようになったら、認めてくれますか?」

 

絵里「無理よ」

 

海未「どうしてです?」

 

絵里「私にとって、スクールアイドル全てが素人にしか見えないのよ。1番実力のA-RISEも素人にしか見えない」 

 

フミ「会長。流石に今のは言い過ぎかと思いますよ」

 

そう言って会長はカバンを持ちベンチから立ち上がった

 

亜里沙「お姉ちゃん、ごめんね。時間懸かっちゃった」

 

絵里「もう話は終わったわ」

 

海未「あなたに、あなたに私達の事をそんな風に言われたくありません!」

 

海未は会長に向かって強い言葉を言うが、会長はそのまま聞いていないフリをして俺達の前から立ち去った。すると、亜里沙が先程買ってきて飲み物を俺達に渡すが、飲み物とはまた違う『おしるこ』を渡されて海未と俺は苦笑いした

 

亜里沙「あの…亜里沙、μ's、海未さん達のこと大好きです!」

 

亜里沙は笑顔でそう言うと、会長の元へと駆けつけて行った

 

フミ「会長の妹はお前らの事を尊敬しているように見ているけど、会長は何で、そこまで敵視するんだろうか?」

 

海未「フミもその事については知らないのですか?」

 

フミ「俺も深くは聞いた事無いしな。副会長なら何か知ってるんじゃ無いか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、何処かのファーストフード店で希はにこの為に勉強をしていたが、全く身に付いていなかった

 

にこ「にっこにっこに~!」

 

希「だから次ふざけたら、わしわしMaxだって言ったはずやん?」

 

にこ「待って!違うの。ふざけているんじゃなくて、こうすると答えが思い付くの!」

 

希「本当に?」

 

にこ「そ、そうなの!キャラチェンジすると、脳が活性化するっていうの。にこで~す。よ~し、今日はこの問題を解いちゃおうかな~。え~と、ここにこれを代入して……」

 

希「して?」

 

にこ「え~と、それでこうだから…にこ分かんないよ~」

 

にこのふざけた答えに希はお仕置きのわしわしMaxを仕掛けようとするが、そこへ海未がやってきた

 

海未「希先輩、聞きたい事があるのですが…」

 

希「ん、どうしたん?」

 

海未は希に絵里から聞いた話について話した

 

希「そう、絵里ちがそんな事言っとったんや」

 

海未「はい。一番実力のあるA-RISEの事を素人にしか見えないというのは、いくらなんでも…」

 

希「絵里ちならそう言うやろうね。そう言える自信がある程、絵里ちにはある。知りたい?」

 

希の言葉に海未は軽く頷いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の昼休み、屋上では練習着に着替えていた穂乃果、凛、にこは発声練習をしようとしていた

 

穂乃果「スゴい太陽だね」

 

凛「夏、かにゃ~」

 

にこ「よ~し、限界までいくわよ!」

 

ヨウタ「ちょっと待て!お前ら!」

 

穂乃果「もう、ヨウタ君!邪魔しないでよ!」

 

ヨウタ「いや、お前ら昼休みは勉強する約束だろ?練習してる場合かよ!」

 

にこ「何、馬鹿な事言ってるの。練習しなきゃラブライブに出場しても意味ないじゃないの!」

 

ヨウタ「そもそも、赤点取ったら出場出来ないだろ」

 

穂乃果「ヨウタ君、堅い事言わないでよ。それに息抜きも大事だし!」

 

凛「そうにゃ!息抜きも大事にゃ!」

 

ヨウタ「息抜きって…つーか、副会長にバレたらマズいんじゃねーの?

 

希「何やっとるん?」

 

あっ…言ってる事が本当になったな。神出鬼没のように現れた副会長にコイツら冷や汗かいてるし

 

希「昼休みは部室で勉強って約束したやん?」

 

穂乃果「い、いや!それは分かっているんです!分かってはいるんですけど!」

 

凛「そうそう!なんか体動かさないと頭にどうかな~と!」

 

にこ「私はこの子達に誘われただけよ!」

 

穂乃果「あっ、嘘!にこ先輩から最初に誘ってきたくせに!」

 

凛「そうだよ!希先輩にビビっているようじゃアイドルは勤まらないとかなんとか言って!」

 

にこ「デタラメ言うんじゃないわよ!!」

 

希「そう。まあ、誰でもいいやん。どうせ、みんな一緒にお仕置きやから!フフフフッ…」

 

穂乃果「ウソッ…!いやぁぁぁ~!!」

 

あーあ、言わんこっちゃ無い。自業自得って奴だな。けど、流石に眼のやり場には困るな

 

希「次は穂乃果ちゃんの番やな」

 

穂乃果「ヨウタ君助けて!」

 

ヨウタ「待ってろ!今すぐに…」

 

希「助けたら、どうなるか分かるよな?ヨウタ君」

 

ヤバイ!まるで、蛇に睨まれた蛙だ!完全に動けん!俺が硬直していると穂乃果は副会長に捕まってしまった。許せ、穂乃果…俺が今何か言えるとするなら、その…御馳走様です…

 

 

 

 

 

 

 

 

希「さて、部室に戻ろ」

 

ヨウタ「おーい生きてるか?」

 

俺は3人の安否を確認すると、辛うじて生きていた。つーか3人の自業自得だし、しゃーないよな

 

希「今日のノルマはこれね!」

 

俺達は部室に戻り勉強を始める事にした。すると、副会長が山のように盛られた問題集や参考書などを机の上に置く

 

穂乃果、凛、にこ「鬼…」

 

希「あれ?まだわしわし足りて無い子がおる?」

 

穂乃果、凛、にこ「まっさか~!」

 

海未「3人共、穂乃果達の勉強をお願いします」

 

ことり「えっ?うん…」

 

ヤヨイ「わ、分かりました」

 

海未はそう言うと、部室から出ていってしまう。その後、海未は生徒会室の前に立ってノックしようとすると、希に声をかけられて止められた

 

希「ショック受けたんやろ?絵里ちの踊りを見て」

 

海未は手元からウォークマンを取り出し、絵里がバレエをしている映像を見ていた

 

海未「自分達が今までやってきたのは何だったんだろうと思い、悔しいけど生徒会長がああ言うのは分かると思いました」

 

希「だから、謝ろうと?」

 

海未「いえ、ダンスを教わろうと思いました。もし、今の先輩の半分でも上手に踊って人を引き付けれたらいいと思いまして…」

 

希「ウチの睨んだ通りや。あなた達なら、そう言うと思っとったわ。でも、その前にやる事があるんやない?試験まであと5日よ」

 

希がそう言うと、海未は真っ先に部室へと戻る。すると海未の目にはとんでも無い光景が映っていた

 

穂乃果「海未ちゃ~ん…」

 

ヤヨイ「ヨ、ヨウタ君!危ないですよ!」

 

シオン「馬鹿!鉢巻きに剣山を仕込むな!」

 

ヨウタ「離せ!俺はこの方がやる気出るんだ!」

 

海未「何やってるのですか!ヨウタもそんな物閉まって下さい!」

 

ヨウタ「は、はい…すいません」

 

海未「今日から一気に追い込みを掛けます!昼休みと放課後は毎日勉強です!」

 

穂乃果「えぇ〜!」

 

海未「そして、私は今日から穂乃果の家に泊まり込みます!勉強です!!」

 

穂乃果「鬼ぃ〜!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、俺達は5日間の地獄とも呼ばれる勉強会に耐えていった。そして期末試験当日、試験を終えた穂乃果と俺は部室へと向かった

 

真姫「どうだった?」

 

海未「今日で全教科返ってきましたよね?」

 

凛「凛はセーフだったよ♪」

 

ヨウタ「俺は国語66点。英語がギリギリ65点。理科は69点。数学が72点で社会が83点だ!」

 

ヤヨイ「これでヨウタ君もクリアですね」

 

シオン「で、穂乃果はどうなんだ?」

 

にこ「アンタ、まさか私達の努力を水の泡にするんじゃないでしょうね?」

 

穂乃果「う、うん。もう少し、良い点だったといいんだけど…」

 

穂乃果はカバンから赤字の53点という数学の答案を出して笑顔でピースすると、全員は歓喜の声をあげた

 

穂乃果「よーし!久々の練習だ~!」

 

ヨウタ「やったな!穂乃果!」

 

穂乃果「うん!」

 

花陽「ら、ラブライブ…!」

 

真姫「まだ目指せるって決まっただけでしょ?」

 

ヤヨイ「そうと決まれば、早速ラブライブ出場の許可を行きましょうよ」

 

そして許可を貰う為、俺達2年生が理事長室に向かった。理事長室の前に立ち、扉をノックしたが、理事長からの反応が無かったので、ドアを少し開けると理事長と生徒会長が話している姿が見えた

 

絵里「そんな!説明して下さい!」

 

理事長「ごめんなさい。でも、これは決定事項なの。音ノ木坂学院は来年をもって廃校とします」

 

穂乃果「廃…校…?」

 

理事長から廃校という言葉に俺達は驚愕した。その言葉に誰もが耳を疑った

 

 

つづく




後書きって何書こうかな?好きなラジオとかバンドでも書こうかな?いや、興味ないか。あ、コメントや感想、オリキャラの苗字とか募集してるので待ってますよ


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第10話

別の小説をコピペして貼ってたよ。再アップ



キャラ補足としてヨウタは金髪。フミは伊達眼鏡

コメントや感想もお待ちしております
オリキャラの苗字も募集中
非ログインの方でも書けるように設定なりました


理事長「音ノ木坂学院では、来年より生徒募集を止め、廃校とします」

 

理事長の言葉をこっそりとドアを開いて聞いていた俺達は驚愕していた

 

穂乃果「今の話、本当何ですか!?」

 

絵里「あなた!」

 

穂乃果「学校を廃校にするって本当何ですか!?」

 

理事長「本当よ」

 

穂乃果は理事長室のドアを開けて理事長に質問をすると、理事長は迷いもなしに即答した。

 

ことり「お母さん、そんな話聞いてないよ!」

 

穂乃果「お願いします!もう少しだけ待って下さい!あと1週間だけ…いや、あと2日で何とかしますから!お願いします!!」

 

ヨウタ「俺からもお願いします!!」

 

穂乃果と俺は頭を下げなから理事長にお願いを申し上げると、理事長は呆気な表情へと変わった

 

理事長「いえ…あのね、廃校っていうのは今度やるオープンキャンパスの結果が悪かったらの話よ」

 

穂乃果、ヨウタ「お、オープンキャンパス?」

 

ことり「一般の人に見学してもらうって事?」

 

理事長「ええ。中学生の子にアンケートを採ってもらって、結果が芳しくなかったら廃校を決定しますという話を絢瀬さんとしていたのよ」

 

穂乃果「なんだ~」

 

ヨウタ「俺達の早とちりかよ。焦って損した」

 

絵里「安心してる場合じゃないわよ。オープンキャンパスは2週間後の日曜日、これで結果が悪かったら廃校は決まりよ」

 

穂乃果「ど、どうしよう?」

 

ヤヨイ「今から何をどうすればいいか…」

 

俺達が話し合っている間から会長が理事長の前に歩み寄る

 

絵里「理事長、オープンキャンパスのイベント内容は生徒会で決めさせていただきます」

 

理事長「止めても聞きそうにないわね」

 

絵里「失礼します」

 

会長は理事長に一礼をすると、理事長室から出ていった

 

希「どうするつもり?」

 

廊下にいた希は絵里に質問すると、手元から一枚のタロットカードを取り出した

 

絵里「決まってるでしょ…」

 

穂乃果「何とかしないと!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達は急いでメンバー全員にオープンキャンパスと廃校について話した

 

花陽「そんな!」

 

凛「じゃあ、やっぱり凛達は下級生のいない高校生活を送るって事?」

 

にこ「そうなるわね」

 

真姫「まあ、私は別にそっちの方がいいと思うけど」

 

穂乃果「とにかくオープンキャンパスライブをやろう!それで少しでも入学希望者を増やそうよ!」

 

ヨウタ「そうだな。よし、今から練習を始めようぜ!何としても廃校を阻止するぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

その頃、生徒会室にて

 

絵里「これより生徒会は独自に動きます。何とかして廃校を食い止めましょう」

 

会長が廃校を阻止する為に独自で動くとか言い出した。しかし、この資料の内容では何とも言えんな

 

絵里「フミどうしたの?資料なんか睨んだりして」

 

希「言いたい事あるなら言った方が良いと思うよ」

 

フミ「会長。学校の歴史などを紹介するのは良いと思いますが、少し硬過ぎやしないですか?もっと、中学生の子達に興味を持ってもらうようにした方が良いと思います」

 

絵里「例えば?」

 

フミ「例えば、制服とかアピールしたり、部活動とかを…それに俺らの学校にもスクールアイドルが出来たのでココはやはり…」

 

俺が意見を申し出るが、スクールアイドルと口に出した瞬間に会長から他の意見は無いかと聞かれた

 

フミ「他でしたら…」

 

そう言って俺達はアルパカ小屋の前に到着した

 

絵里「アルパカ?」

 

フミ「調べによると他校の生徒達からも人気みたいですね」

 

絵里「しかし、コレでは…」

 

会長の言葉がカンに触ったのか、茶色いアルパカが唾を会長に吐いた

 

フミ「会長!大丈夫ですか!?」

 

会長はアルパカにかけられた唾をハンカチで拭く。すると、アルパカの餌を持って来たのだろうか。凛と花陽がやって来た

 

花陽「生徒会長さん?」

 

絵里「貴方達は…」

 

フミ「なぁ?少し聞きたい事があるんだが」

 

花陽「はい」

 

フミ「オープンキャンパスでライブやるのか?やるなら…」

 

絵里「待ちなさい!まだ決まったわけでは無いでしょ」

 

そう言って会長は生徒会室に戻って行った

 

フミ「すまんな。気分悪くしてしまって。練習頑張れよ」

 

俺も会長の後を追い生徒会室に戻った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり屋上。μ'sのみんなは練習を開始する。今日だけ指導してほしいと穂乃果に頼まれ海未が指導する事になった。という事で俺達野郎3人は暇を持て余しております

 

海未「ワン、ツー、スリー、フォー!ファイブ、シックス、セブン、エイト!」

 

穂乃果「ふぅ~…。よし!」

 

ヤヨイ「お疲れ。みんな、いい感じでしたよ」

 

シオン「これならオープンキャンパスライブまでは間に合うな」

 

真姫「でも本当にライブなんて出来るの?生徒会長に止められるんじゃない?」

 

ことり「それは大丈夫。部活紹介の時間は必ずあるはずだから」

 

穂乃果「そこでライブをやれば!」

 

ヨウタ「入学希望者が増える!」

 

シオン「たく、何ハシャいでるんだよ」

 

だか、海未だけ1人浮かない顔をしていた。

 

ヤヨイ「海未さん。どうかしましたか?」

 

海未「まだです。まだタイミングがずれています…」

 

穂乃果「海未ちゃん…。分かった!もう一回やろう!」

 

穂乃果達は海未の言われた通りに再度ダンスの振り付けの練習を行い、終わると穂乃果達は手応えがあったように思えた。

 

穂乃果「完璧!」

 

真姫「そうね!」

 

にこ「やっとみんなにこのレベルについてきたわね~」

 

シオン「よく言うぜ」

 

にこ「うるさいわね!」

 

海未「まだダメです」

 

ヨウタ「は!今のは上手く行ってただろ?」

 

凛「う~、もうこれ以上上手くなりようがないにゃ~…」

 

海未「ダメなんです…そんなんじゃ…」

 

真姫「何が気に入らないの!?はっきり言って!」

 

海未「感動できないのです…」

 

ヤヨイ「感動…ですか?」

 

シオン「お前はさっきから何か言いたそうだけど、何が言いたいんだ?」

 

海未「はい…」

 

そして、海未は俺達に生徒会長か幼い頃、バレエをやっていた事を話した。そして海未はメンバー全員にある事を話した

 

真姫、凛、花陽「えー!?生徒会長に?」

 

ヨウタ、ヤヨイ、シオン「ダンスを教わる!?」

 

海未「はい。あの人のバレエを見て思ったんです。私たちはまだまだだって…」

 

にこ「話があるって、そんな事?」

 

花陽「でも生徒会長、私たちの事を…」

 

凛「嫌ってるよね、絶対!」

 

にこ「つーか嫉妬してんのよ!嫉妬!」

 

海未「私もそう思いました。でも…」

 

ヨウタ「でも、何だ?」

 

海未「あんなに踊れる人が私たちを見て素人だっていう気持ちも分かると思うんです」

 

ことり「そんなにスゴいんだ…」

 

真姫「私たちは反対、潰されかねないわ」

 

シオン「俺もそう思う。無理に研きを掛けない方がいい」

 

ヤヨイ「俺も2人と意見と同じです。それに、生徒会長が僕達の手伝いをしてくれるかどうか…」

 

にこ「そうね、3年生はにこがいれば十分よ」

 

花陽「生徒会長、ちょっと怖い…」

 

凛「凛も楽しいのがいいな~」

 

海未「そうですね…」

 

穂乃果「私はいいと思うけどな~」

 

ヨウタ「は!正気かよ!?」

 

にこ「何言ってんのよ!」

 

穂乃果「だって、ダンスの上手い人が近くにいてもっと頑張ろうと思ってその人のダンスを教わりたいっていう話でしょ?」

 

海未「そうですが…」

 

穂乃果「だったら、私は賛成!頼むだけ頼んでみようよ!」

 

ヨウタ「しゃーないな。俺も穂乃果の意見に賛成だ」

 

ことり「うん!それに、絵里先輩のダンス、ちょっと見てみたいかも」

 

花陽「あっ、それは私も!」

 

穂乃果「決まりだね!」

 

にこ「どうなっても知らないわよ」

 

全員が話し合った結果、明日に生徒会長からダンスを教わる事になった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜、絵里が住むマンションでは音ノ木坂学院に入学しようと考えていた雪穂と亜里沙と2人の友達の前でオープンキャンパスで行うプレゼンテーションのリハーサルをしていた

 

モブ子「ちょっと雪穂、起きなよ!雪穂ってば!!」

 

雪穂「うわぁ!?体重増えたー!!」

 

雪穂は絵里の説明を聞かずに寝てしまい、起きた瞬間に赤面して絵里に向かって謝った

 

絵里「ごめんね。退屈だった?」

 

雪穂「いいえ!よかったですよ!」

 

絵里「改善してほしい所があったら言ってね。オープンキャンパスまでには間に合わせるから」

 

亜里沙「亜里沙は全然楽しくなかった」

 

雪穂「ちょっと!?」

 

亜里沙「なんでお姉ちゃん、こんな事しているの?」

 

絵里「学校を存続させたいからよ」

 

亜里沙「私も音ノ木坂は無くなってほしくない。でも、これがお姉ちゃんのやりたい事?」

 

亜里沙の言葉に絵里は一瞬戸惑っていた。でも、自分でもそれがやりたい事だと確信している

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、生徒会室では絵里は不満そうな顔をして昨夜の事を希とフミに相談していた

 

絵里「いやでしょ?自分が通っている学校が廃校になるなんて…」

 

希「それはそうやけど、ちょっと無理してるんやない?」

 

絵里「そんな…無理してるだなんて…」

 

フミ「会長って、意外と頑固ですね」

 

絵里「私はただ、学校を存続させたいだけ」

 

俺達が話していると、扉の外からノックの音が聞こえた。俺が扉を開けるとドアの前では穂乃果達が立っていた

 

穂乃果「お願いします、生徒会長!」

 

絵里「私があなた達にダンスを?」

 

穂乃果「はい!教えて頂けないでしょうか。私達、上手くなりたいんです!」

 

絵里「分かったわ」

 

穂乃果「本当ですか!?」

 

絵里「あなた達の存在は理解しないけど、人気があるのは間違いなさそうだし、引き受けるましょう」

 

穂乃果「本当ですか!?」

 

絵里「でも、私が教えるからには納得出来る水準までやってもらうわよ!いい?」

 

穂乃果「はい!ありがとうございます!」

 

希「星が動き出したみたいや」

 

一方、横で隠れて穂乃果達と生徒会長の話を聞いていた俺らや他のメンバーだったのだが、先輩は不満そうな顔をしていた

 

にこ「嫌な予感しかしないわね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、場所は屋上へと移り変わる

 

ヨウタ「おい、ちょっと良いか?」

 

穂乃果「どうしたの?ヨウタ君」

 

ヨウタ「俺は別に生徒会長が練習を教えるのは文句ねーけどよぉ、なんでコイツもいるんだよ!」

 

俺はフミに指差して言った

 

フミ「別に練習見る分には良いだろ?」

 

ヨウタ「そう言って、何かと俺達の練習にイチャモン付ける気だろ?」

 

俺がフミにメンチを切ると、ヤヨイが仲裁に入った

 

ヤヨイ「ハイハイ。そこまでですよ」

 

ヨウタ「テメェ、文句言ったら潰すからな」

 

そして、穂乃果達は会長にオープンキャンパスライブでやる振り付けを披露する

 

凛「ととっ、おわああぁぁぁ!!」

 

しかし、振り付けの途中に凛がバランスを崩して尻餅を突いてしまう

 

花陽「凛ちゃん!?」

 

シオン「大丈夫か?」

 

凛「イッターイ!」

 

絵里「全然なってないじゃない!よくこれで今までやれたわね!」

 

穂乃果「すいません…」

 

凛「昨日はちゃんと出来てたのにー!」

 

絵里「基礎が出来ていないからムラが出るのよ。脚を開いて」

 

凛「こう?」

 

すると、会長は凛の背中を容赦なく押し倒した。体の固い凛にとってはかなりの激痛が走ってるだろう

 

凛「痛いにゃーーーッ!!」

 

絵里「これで?少なくとも脚を開いた状態でお腹が地面に着くようにならなきゃダメよ」

 

凛「えぇーーー!?」

 

絵里「柔軟性を上げる事は全てに繋がるわ。このままだと本番は一か八かの勝負になるわよ!」

 

にこ「嫌な予感的中…」

 

先輩が呟いている横で、ことりは脚を開いた状態で腹を地面に着けていた

 

穂乃果「おー!ことりちゃん、スゴーイ!」

 

ヨウタ「すげぇな」

 

ことり「えへへ♪」

 

絵里「関心している場合じゃないでしょ!みんな出来るの?ダンスで人を魅了したいんでしょ!」

 

会長の指導により次に行ったのは、片足で立ったままキープする練習であった

 

絵里「はい、あと10分!!」

 

片足でのバランス感覚が終わった後は、筋トレを基礎からやり直して行い、その後にまた片足立ちのバランス感覚を行った

 

フミ「大分、キツそうだな」

 

絵里「後1セット!」

 

そして、もう1回、片足立ちでバランスをキープするトレーニングをやる事になったのだが…

 

花陽「あっ…きゃあっ!」

 

凛「かよちん!」

 

花陽が片足立ちでのバランスに耐えきれず、バランスを崩して倒れてしまったところを凛とヤヨイが駆けつける

 

凛「かよちん大丈夫?」

 

ヤヨイ「怪我は無いですか?」

 

花陽「う、うん…」

 

絵里「もういいわ。今日はここまで」

 

にこ「ちょっ、何よそれ!」

 

真姫「そんな言い方ないんじゃない!」

 

絵里「私は冷静に判断しただけよ。いかに自分達の実力が無いか分かったでしょ?」

 

ヨウタ「おい、テメェ!もういっぺん言ってみろよ!」

 

絵里「な、何よ」

 

ヨウタ「コイツらの実力が無ぇだと!テメェ調子に乗るのも良い加減にしろよ!」

 

シオン「よせ!ヨウタ!」

 

俺は会長に突っかかろうとしたが、シオンに止められてしまう

 

ヨウタ「離せ!シオン!流石に今のは俺も頭に来た!」

 

フミ「おい、馬鹿。やめろ」

 

ヨウタ「なんだよ!」

 

フミ「お前がココで暴れて何になる。少しは落ち着け」

 

ヨウタ「チッ…」

 

俺はフミに注意され舌打ちをした

 

絵里「今度のオープンキャンパスは学校の存続が掛かっているの。もし出来ないと思ったら早めに言って。時間の無駄だから」

 

穂乃果「待って下さい!」

 

会長は屋上から退出しようとすると、穂乃果に止められてメンバー全員は会長の方へと見つめる

 

穂乃果「ありがとうございました!」

 

絵里「えっ…?」

 

穂乃果「明日もよろしくお願いします!」

 

穂乃果達が頭を下げるところを見た会長は無言で屋上から退出した

 

ヨウタ「おい、フミ」

 

フミ「なんだ?」

 

ヨウタ「ありがとな。止めてくれて」

 

フミ「お前が礼を言うなんて気持ち悪いな」

 

ヨウタ「お前が止めてくれなかったら俺は会長に手を上げてだかも知れない。だから、ありがとな」

 

フミ「下らん」

 

そう言ってフミも屋上から退出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、屋上から飛び出して入ってきた穂乃果はやる気満々の様子でメンバー全員に挨拶をしていた。

 

穂乃果「おっはよー!」

 

ことり「おはよう!」

 

海未「おはようございます!」

 

ヨウタ「うぃす」

 

穂乃果「よし、今日も頑張ろう!」

 

ヤヨイ「穂乃果さん。今日は一段と張り切ってますね」

 

シオン「空回りしなきゃ良いけどな」

 

穂乃果がやる気満々な所、会長を引っ張って入ってきた凛の姿があった

 

凛「にゃにゃにゃ~!」

 

絵里「ちょっ、ちょっと!」

 

穂乃果「おはようございます!」

 

ヤヨイ「では早速、始めましょう」

 

ことり「まずは、柔軟ですよね?」

 

絵里「辛くないの?」

 

穂乃果「え?」

 

絵里「昨日あれだけやって、今日また同じ事やるのよ。第1、上手くなるかどうかも分からないのに…」

 

穂乃果「やりたいからです!」

 

絵里「えっ…?」

 

穂乃果「確かに、練習は辛いです。身体中痛いです。でも、廃校をなんとかしたいという気持ちは生徒会長にも負けません!」

 

絵里「どうして…そこまで…?」

 

ヨウタ「みんな考えている事が同じだからです。なんとかしたい時に色々やりたい事やって、それで結果が残せるなら、それを信じてやる。コイツらはそう信じてここまでやる事が出来たんだ」

 

穂乃果「だから、今日も練習お願いします!」

 

会長は穂乃果の言葉に苦しめな顔を見せると同時に、屋上から無言で立ち去った

 

穂乃果「生徒会長!」

 

ヤヨイ「何かマズい事、言ってしまったんでしょうか?」

 

にこ「放っておけばいいのよ。あんなの」

 

その頃、絵里は廊下を歩きながら考えていた。自分も廃校をなんとかしようと一生懸命やっているけど、穂乃果達と違うのは何故か

 

絵里(なんで…なんでなの…?)

 

希「ウチな…」

 

絵里「希!」

 

希「絵里ちと友達になって、生徒会やってきてずっと思ってきた事があるんや。絵里ちは本当は何がしたいんやろうって…」

 

絵里「えっ…?」

 

希「一緒にいると、分かるんよ。絵里ちが頑張るんはいつも誰かのためばっかりで、だからいつも何かを我慢しているようで、自分の事は何も考えなくて……」

 

希の言葉を聞いた絵里は逃げ出そうとするが、希は最後まで絵里に伝える

 

希「学校を存続させようっていうのも、生徒会長としての義務感やろ!だから理事長は絵里ちの事を認めなかったんとちゃう?絵里ちの…絵里ちの本当にやりたい事は?」

 

絵里「何よ…何とかしなくちゃいけないんだからしょうがないじゃない!私だって、好きなことだけやってそれだけで何とかなるんだったらそうしたいわよ!!」

 

絵里の本心を希に伝えた絵里だったが、絵里の目には涙が零れていた

 

絵里「自分が不器用なのは分かってる。でも!…今さらアイドルを始めようなんて、私が言えると思う?」

 

絵里はそう言うと、涙を流しながら走り去っていった。希は追いかけようとするが、途中で踏み止まった

 

フミ(どうしたんだ?先輩達)

 

穂乃果「あ!フミ君。生徒会長さん見なかった?」

 

フミ「会長なら走って何処かに行ってしまいましたよ」

 

穂乃果「ありがと!」

 

俺に礼を言うとμ'sのメンバーは走って会長の後を追って行った。そして、俺は1人屋上に到着すると、あの3人がいた

 

フミ「穂乃果達は何があったんだ?」

 

シオン「まぁ、色々とあってだな」

 

フミ「色々って?」

 

ヤヨイ「説明すれば長くなると言いますか…」

 

フミ「何だよ。それ?」

 

ヨウタ「よう、また来たのか?」

 

フミ「何だ。お前もいたのか」

 

ヨウタ「当たり前だろ。それより、何の様だ?」

 

フミ「練習を見に来ただけだ」

 

ヨウタ「ハイハイ。どうせ、また練習見てイチャモン付ける気だろ?」

 

フミ「はぁ?誰がそんな事!!」

 

ヨウタ「悪りぃ、冗談だ。それと、フミ」

 

フミ「何だ?さっきから」

 

ヨウタ「俺達もそろそろ過去に決着付けないか?」

 

フミ「何言ってんだ?お前」

 

ヨウタ「俺は別にあの事を恨んでもねーし。テメーに謝って欲しいとも思って無ぇ。ただ、このままだと、お互い前に進めない気がするんだ」

 

ヤヨイ「2人は一体どんな関係なんですか?」

 

フミ「コイツと俺は旧友だ」

 

ヤヨイ「え?2人がですか!?」

 

シオン「おいおい、冗談はよしてくれよ」

 

ヨウタ「冗談じゃねーよ。けど、1年前にある事があってな。その日以来、俺とコイツはロクに口も聞いてなかった」

 

ヤヨイ「けど、どうして」

 

ヨウタ「追々、その事はお前らに話す。今の俺はコイツとあの事件に終止符を打ちたい」

 

シオン「タイマン張るって事か?」

 

ヨウタ「そうだな」

 

ヤヨイ「何言ってるんですか!?今、喧嘩なんかしたら…!!」

 

フミ「おい、外野は黙っとけ。コレは俺とコイツの問題だ」

 

ヤヨイ「しかし!」

 

フミ「ヨウタ。丁度、俺も同じ事思ってた所だ。テメェと決着付けないと過去の呪縛から解き放たれないってな」

 

ヨウタ「よし!決まりだな!なら、校舎裏に行こうぜ」

 

そして、俺とフミは校舎裏に向かった

 

ヤヨイ「このままじゃ、危ない!」

 

シオン「おい、ヤヨイ!絶対にアイツらの事止めんなよ」

 

ヤヨイ「シオン君まで何言ってるんですか!?」

 

シオン「アイツらの事はよく知らないが、この決着で2人が前に進めるんだったら良いだろ。それに、2人ともいつもと違う顔してた」

 

ヤヨイ「顔ですか?」

 

僕はシオン君の言ってる事はよく分からなかったが、きっとあの2人は言葉では語れない何かがあるんだと思った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、絵里は何処かの空き教室の席に座って外の景色を眺めながら考えていた

 

絵里「私のやりたい事…そんなもの…」

 

すると、絵里の横から手を差し伸べたのは穂乃果であった。穂乃果だけじゃなく、他のメンバー全員と希の姿もあった

 

絵里「あなた達…」

 

穂乃果「生徒会長…いや、絵里先輩!お願いがあります!」

 

絵里「練習?なら、昨日やった課題をまずこなして…」

 

穂乃果「絵里先輩、μ'sに入って下さい!」

 

絵里「えっ?」

 

穂乃果「一緒にやってもらいたいんです。スクールアイドルとして!」

 

絵里「何言ってるの?私がそんな事する訳ないでしょ…」

 

海未「さっき希先輩から聞きました」

 

にこ「やりたいなら、素直に言いなさいよ」

 

真姫「にこ先輩に言われたくないけど」

 

にこ「ムッ!何よ…」

 

絵里「ちょっと待って!まだやりたいなんて言ってないでしょ!大体、私がアイドルなんておかしいでしょ?」

 

希「やってみればいいやん。特に理由なんてない。やりたいからやってみる。本当にやりたい事って、そんな感じやない?」

 

絵里は穂乃果達の顔を見て、穂乃果が差し伸べる手を握った。絵里はメンバー全員に笑顔を見せた

 

穂乃果「絵里さん…!」

 

ことり「これで8人…」

 

希「いや、9人や。ウチを入れて」

 

穂乃果「えっ、希先輩も?」

 

海未「どう言う事ですか?」

 

希「占いで出てたんよ。このグループは9人になった時、道が開けるって。だから付けたんや、9人の歌の女神『μ's』って」

 

希の衝撃的な発言にメンバー全員は驚愕していた

 

穂乃果「えーっ!?じゃあ、あの名前つけてくれたの、希先輩だったんですか?」

 

絵里「希…全く呆れるわ」

 

そう言って絵里は1人椅子から立ち上がり歩き出す

 

海未「何処へ?」

 

絵里「決まってるでしょ。練習よ!」

 

絵里の言葉に全員は喜びの表情を浮かべると、絵里に続いた穂乃果達も順々へと屋上へ向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、校舎裏にて

 

ヨウタ「じゃあ、人が来ないうちに早速始めるか」

 

フミ「いいぜ。来いよ」

 

ヨウタ「なら、遠慮なく行かせて貰うぜ!」

 

俺はフミの左腹に間髪入れずに蹴りをお見舞いした

 

ヨウタ「どうした?最近、生徒会ばかりでなまってるんじゃ無いのか?」

 

俺の蹴りは決まったかと思っていたが、フミは脇で俺の脚を挟み、威力を最小限に抑えていた

 

フミ「お前こそ、部活ばかりでなまってるんじゃ無いか!?」

 

脚を抑えられ動けない俺の顔面にフミは1発、右ストレートを喰らわしてきた

 

ヨウタ「グッ…!」

 

フミ「どうした?来いよ?」

 

顔面を殴られ怯んだ俺を見てフミは挑発して来た

 

ヨウタ「言われなくても来るにきまってんだろ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「3人共、聞いて!なんと絵里先輩が…アレ?ヨウタ君は?」

 

穂乃果は屋上にいた3人に絵里がμ'sに加入した事を報告しようとしたのだが、そこにはヨウタの姿は無かった

 

ヤヨイ「ヨ、ヨウタ君なら帰りましたよ」

 

穂乃果「えー!何で帰っちゃったの〜!」

 

シオン「お、お前らが…く、来るのがお、遅いからだって」

 

ヤヨイ「ちょっと!シオン君!嘘付くの下手ですよ」

 

シオン「仕方ないだろ!こう言うは苦手なんだよ!」

 

ヤヨイとシオンが小声で話してるのを不審に思ったのか、海未が間髪入れずに2人に質問した

 

海未「貴方達、何か隠してませんか?」

 

ヤヨイ「べ、別に何も隠して無いですよ」

 

にこ「怪しい」

 

真姫「2人共、目が泳いでるわよ」

 

海未「一体、2人共。何を隠しているのですか?」

 

2人に海未が詰め寄って来る。流石に2人もマズいと思ったのか焦りだした

 

シオン「あ、アイツが校舎裏にいるなんて隠して無いぞ」

 

ヤヨイ「ちょっと!何で言うんですか!?」

 

シオン「え!?俺言ってた!?」

 

穂乃果「分かった。裏庭だね!」

 

そう言って穂乃果は走りだした

 

ヤヨイ「待って下さい!絶対に行っては行けません!」

 

シオン「そうだ!アイツとフミはタイマン張ってるんだ!」

 

シオンの言葉にμ's一同は驚愕した

 

凛「タイマンって、何?」

 

花陽「さ、さぁ?」

 

にこ「1対1で喧嘩してるって事よ!」

 

凛「えー!それじゃあ、このままだと2人は大変な事になるにゃ!」

 

海未「どうして止めなかったのですか!」

 

シオン「俺らが2人の問題に口出ししてどうする」

 

海未「開き直らないで下さい!」

 

絵里「と、とにかく行ってみましょう」

 

こうしてμ'sとシオン、ヤヨイは校舎裏へと向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨウタ「おい、そろそろ…諦めたらどうだ?」

 

フミ「それは…コッチの台詞だ…」

 

校舎裏でタイマンを張っている俺とフミは互いにボロボロになっていた

 

ヨウタ「お前、昔と変わらず…諦めが…悪いな…」

 

フミ「お前こそ…熱くなると…周りが見えなくなる所…変わらないな…」

 

ヨウタ「うるせぇ!」

 

俺はすかさずフミの顔面を殴ると、フミも負けじと殴り返して来た

 

フミ「ホラ…早く諦めろ…」

 

ヨウタ「誰が諦めるかよ…!!」

 

正直、俺はもうフラフラだ。フミも俺と同じだろう。けど、俺は血の味がする唇を噛みしめフミにタックルし馬乗りで殴り続けたが、フミにマウントを取られてしまい立場が逆転し俺が殴り続けられた

 

フミ「お前が…降参するまで、俺は殴るのを辞めねーぞ」

 

海未「2人共!何してるんですか!!」

 

俺がフミに殴られているとμ'sのみんな、シオンとヤヨイが校舎裏に到着した

 

フミ「はぁ?邪魔すんなよ」

 

ヨウタ「隙あり!」

 

俺は上に乗っ下てるフミを払い退ける。すると、フミは倒れてしまい、俺はフミの腹に蹴りを入れる。何発か蹴りを入れた後、フミは俺のベルトを掴みながら、起き上がり俺の腹を殴って来た

 

シオン「あーあ。言わんこっちゃ無い」

 

凛「先輩!早く止めないと2人共、死んじゃうよ!」

 

シオン「って言っても邪魔する訳にも行かないしなぁ〜」

 

真姫「馬鹿な事言ってないで速くなんとかしなさいよ!」

 

他のみんなをお構い無しに俺とフミはタイマンを続ける。中々、勝負が付かないからか、互いに息も上がって来ていた

 

ヨウタ「そろそろ…終わりにしてやるよ」

 

フミ「はぁ?倒れるのは…お前だ」

 

お互いに負けを認めない2人だったが、次の1発が決まれば、どちらかの勝ちとなるだろう

 

穂乃果「ヨウタ君…何で…何で辞めないの!」

 

穂乃果が俺達に向けて何か言っていたが、俺とフミは聞く耳すら持たなかった

 

穂乃果「ねぇ!この喧嘩に何の意味があるの!?」

 

穂乃果が叫び続けるが俺とフミには届かなかった

 

フミ「外野がうるさくなって来たな」

 

ヨウタ「なら、終わらせてやるよ!」

 

俺は隙を見てフミに殴りかかろうとした。だが…

 

ことり「ヨウタ君!もう、辞めてよ!」

 

俺とフミの間にことりが割って入って来た

 

ヨウタ「ことり…」

 

ことり「ことりには何があったか知らないけど…どうして…2人共、お互いが傷付くまで喧嘩するの…」

 

フミ「たく、邪魔すんなよ…」

 

フミは限界からか、地面に倒れるように座り込んだ

 

ヨウタ「結局、勝負付かずかよ…」

 

俺も限界が来てしまい、フミと同じ体制になった

 

穂乃果「ヨウタ君!」

 

海未「ヨウタ!」

 

俺の所に穂乃果と海未が駆け寄って来た

 

ヨウタ「たく、テメーらが邪魔するから…」

 

海未「どうして、こんな馬鹿な事するんですか!」

 

ヨウタ「お前らには関係ないだろ」

 

ことり「フミ君。大丈夫?」

 

フミ「大丈夫だ。1人で立てる」

 

フミはことりの手は借りず立ち上がるが、とても1人で歩けそうには無かった

 

海未「ことり、フミを保健室へ。私達でヨウタを手当てします」

 

ヤヨイ「ことりさん。僕も行きます」

 

フミはことりとヤヨイに保健室まで連れて行かれた

 

ヨウタ「たく、ダサい奴だ」

 

そう言って俺も立ち上がるが、やはりフミと同じでフラフラだった

 

穂乃果「ヨウタ君。危ないよ」

 

ヨウタ「いや、悪りぃ」

 

海未「手当てするので、部室に行きますよ」

 

そして、俺は部室に連れて行かれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部室に到着した俺は喧嘩した怪我を手当て貰っていた

 

ヨウタ「イデデデデデ!!!もう少し優しく出来ないんですか!?」

 

希「男の子なんだから、これぐらい我慢しないとアカンよ」

 

俺は副会長に消毒液が塗ってある綿棒を顔に当てられる。コレは傷口に染みるから嫌いだ

 

穂乃果「ヨウタ君。こっち向いて」

 

俺の消毒液を塗られた傷口に穂乃果が絆創膏を貼ってくれた

 

穂乃果「早く治ると良いね」

 

ヨウタ「こんぐらいすぐ治る」

 

花陽「けど、どうして先輩達はあんな事してたのですか?」

 

ヨウタ「過去の俺達に決着をつける為だ」

 

シオン「で、そのお前らの過去って何なんだ?」

 

ヨウタ「アレは俺とフミが1年生の時だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、保健室では

 

ことり「はい。コレでお終い」

 

俺は保健室に連れて行かれ、ことりに傷を手当てしてもらった

 

フミ「じゃあ、そろそろ行くわ」

 

俺は座っていたベッドから立ち上がろうとした途端、身体が悲鳴を上げた

 

フミ「ウッ…!!」

 

ことり「フミ君。今は無理しないで」

 

フミ「すまない…」

 

ヤヨイ「けど、昔は2人共仲良かったのに、今はどうして歪み合ってるのですか?」

 

フミ「アレは今から1年前の事だ」

 

俺とフミは口を開き、俺達の過去をみんなに話す事にした

 

 

つづく

 

 




次回はヨウタとフミの過去について
まぁ、ベタな展開ですかね…


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第11話

今回はいつもより短めかな?
まぁ、第一部完みたいなものやし
ええかな?


この話は俺とフミが音ノ木坂に入学した時だ。中学の頃、俺とフミ、それとレンは世間から見たら、いわゆる不良と呼ばれてる奴らだった。けど、俺とフミは高校の入学を期に不良を辞めた

 

ヨウタ「お前が眼鏡とか似合わねーな」

 

フミ「お前も黒髪なんて似合わねーぞ」

 

ヨウタ「髪は元々、黒だっただろ」

 

フミ「中学の頃から金髪しか見てなかったからな。違和感しかねーよ」

 

ヨウタ「それはそうと、今日から俺らも普通の高校生だ。ヘマするなよ」

 

フミ「お前もな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「え!ヨウタ君って髪染めてたんだ!」

 

ヨウタ「当たり前だろ。俺は外国人かよ」

 

海未「けど、どうしてまた不良に戻ってしまったのですか?」

 

シオン「髪の色も昔と同じようにしなくても良かっただろ?」

 

ヨウタ「俺が不良に戻ってしまったのは夏休みが明けた時の事だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり保健室

 

ヤヨイ「それで、眼鏡を掛けてたんですね」

 

フミ「伊達眼鏡だけどな。けど、さっきの喧嘩で壊れてしまった」

 

ことり「でも、どうして2人は仲悪くなったの?」

 

フミ「夏休み明けにある事件が起きた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨウタ「普通も案外、退屈だな〜」

 

フミ「我慢しろ。俺達は不良をやめたんだぞ」

 

ヨウタ「喧嘩はしたくねーけどさぁ〜。普通って、もっと…こう楽しい物だと思ってたのによ〜」

 

フミ「たく、それぐらいは自分で考えろ」

 

ヨウタ「ハイハイ」

 

俺とフミはたわいの無い会話をしながら帰宅していると不良がカツアゲしている所に遭遇した

 

ヨウタ「なんだ、アレ?楽しそうだな」

 

フミ「どっからどう見てもカツアゲだろ」

 

ヨウタ「たく、ジャバい事するね〜。なら、ここは俺が…」

 

フミ「よせ!関わるな!」

 

ヨウタ「はぁ?何だ、困ってる人を見放せって言うのか?」

 

フミ「そうじゃない。このままお前が手を出すと不良に逆戻りになる。ここは警察を呼んで…」

 

ヨウタ「ポリ公待ってる間、アイツらを指咥えて見てろってか?俺は嫌だね」

 

フミ「おい、馬鹿!止めろ!」

 

俺はフミの忠告を無視して不良に殴り掛かった。3対1だったか余裕だった

 

ヨウタ「よし、終わり〜。お前ら大丈…って、いねーし」

 

俺が不良3人と喧嘩してる隙を見てカツアゲされていた学生は逃げ、フミも呆れて帰ったのか、その場にはいなかった

 

ヨウタ「なんだよ、みんなして置いて行きやがって。俺もかーえろ」

 

そして、翌日。俺は職員室に呼ばれた。担任の話によると俺と不良が喧嘩していたのを他の音ノ木坂の子が見ていた為、学校に報告が入ったらしい

 

担任「喧嘩したのは本当か」

 

ヨウタ「確かに喧嘩はしましたが、アレは他の学生がカツアゲされてたので…」

 

担任「けど、報告した生徒が言うにはお前と他校の不良しかいなかったそうだ」

 

そうだった。あの時、助けた奴逃げたんだよ。そうだ!フミが証人になってくれるだろ

 

ヨウタ「なら、フミに聞いて下さい。俺、昨日アイツと一緒に帰ったので」

 

担任「それが、フミにも聞いてみたんだが、この件は知らないと言っていた」

 

ヨウタ「え?嘘ですよね」

 

担任「本当だ。フミは昨日、1人で帰ってお前の事は知らないと言っていた」

 

なんだよ!アイツ!意味わかんねーよ。

俺は教室に戻ると机に座っていたフミの胸ぐらを掴んだ

 

ヨウタ「おい!テメェどう言う事だ!」

 

フミ「離せ。みんな見てるだろ」

 

ヨウタ「テメェ!何、昨日の事。しらばっくれてるんだよ!」

 

フミ「あの時、俺は止めたよな。穏便に済ませようとしたのに、お前が聞く耳持たないからだろ?自業自得だ」

 

ヨウタ「はぁ!ふざけんなよ!」

 

俺はこの時フミを殴った。その後、すぐに先生が来て止められた。一方的に殴った事により俺は職員室に連れてかれた。この時は指導として反省文だけで済んだのだか、他の生徒からの視線は冷たい物に変わった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨウタ「それで昔の頃の俺に戻った訳だ」

 

シオン「それにしてもアイツ、酷い奴だな。自分だけ助かりやがって」

 

ヨウタ「いや、フミを責める事は出来ない。だってあの時、アイツは最善策を尽くそうとした。それなのに俺はアイツの言葉聞かないで喧嘩してしまったからな」

 

海未「だから、昨日フミにお礼を…」

 

ヨウタ「昨日みたいにアイツの言う事を聞いてれば俺も不良に逆戻りしなかったと思うしな。それに、昨日アイツが止めなかったら会長ブン殴ってたかも知れねーし」

 

シオン「サラッと怖い事言うなよ」

 

ヨウタ「だから、過去の俺達と決着つける為にフミとタイマン張ったんだよ」

 

穂乃果「けど、それって何の意味があるの?」

 

ヨウタ「互いに歪み合うのも最後して、今後は関わらない。俺達2人の為にな」

 

穂乃果「でも、ヨウタ君はフミ君と仲直りしたいんでしょ?」

 

ヨウタ「はぁ?馬鹿言え。俺はアイツと…」

 

穂乃果「なら、どうしてシオン君がフミ君を悪者扱いした時庇ったの?」

 

ヨウタ「それは…」

 

絵里「全く、素直になりなさい」

 

ヨウタ「会長。でも…」

 

希「『でも』やないよ。そうやって言い訳ばかりしてると進む道も閉ざされたまま」

 

真姫「どうせ、先輩の事だから今更、恥ずかしいと思ってるんでしょ?」

 

ヨウタ「ウッ!否定出来ん…」

 

にこ「アンタ、そうやってグズグスしてたら後で後悔するわよ」

 

花陽「ヨウタ先輩なら仲直り出来ると思いますよ」

 

凛「きっと、今頃フミ先輩も同じ事考えていたりして」

 

シオン「ホラ、みんなが背中押してんだ。突っ走るのはお前の得意分野だろ?」

 

ヨウタ「しかし、俺は不良に戻って…」

 

海未「ヨウタ。貴方はもう不良ではありませんよ」

 

ヨウタ「何だよ。急に」

 

海未「最初は私も貴方の事を不良だと勘違いしていました。けど、ここにいる全員は知ってますよ。貴方は誰よりも友達想いの優しい人だって」

 

ヨウタ「うるせーな。褒めても何も出ないぞ」

 

穂乃果「ヨウタ君。ちゃんと謝ったらフミ君も許してくれるよ」 

 

ヨウタ「はぁ?俺は謝る気も無いし、アイツに誤って欲しいとも思ってねーよ」

 

穂乃果「もう、そんな事言わないで早く仲直りしに行こう!」

 

ヨウタ「なんだよ!いきなり!」

 

穂乃果「ホラ!早く行かないとフミ君帰っちゃうよ」

 

ヨウタ「分かった!分かったから!離せ!」

 

俺は穂乃果に腕を引っ張られフミのいる保健室へと連れて行かれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、再度。場所は変わり保健室にて

 

フミ「アイツはいつも自分1人で突っ走る。それがアイツの良い所でもあり悪い所だ」

 

ヤヨイ「それでヨウタ君と仲違いしたんですね」

 

フミ「アイツは俺の忠告を聞いていたらこんな事にはならなかった」

 

ヤヨイ「けど、それでヨウタ君を見捨てるのは酷いと思いますよ」

 

フミ「それは俺も酷い事したと思ってる。あの時の俺は不良に逆戻りするのが怖かった。周りからまた白い目で見られる事に怯えていた」

 

ことり「フミ君…」

 

フミ「あの時、俺がアイツの誤解を解いていればと思うと悔やんでも悔やみきれない」

 

ことり「だったら、ヨウタ君と仲直りしたらどうかな?」

 

フミ「俺が?アイツと…?」

 

ことり「もう、ヨウタ君も怒ってないと思うよ」

 

フミ「何で分かるんだ?」

 

ことり「ヨウタ君は穂乃果ちゃんと同じで、どこまでも突き進もうとするから」

 

ヤヨイ「確かに2人共、後ろは振り向かないタイプですね」

 

フミ「ことりはそれを迷惑だと思った事ないのか?」

 

ことり「ことりは思った事無いよ。だって穂乃果ちゃんはことりの友達だから。それに、穂乃果ちゃんについて行く場所には間違いなんて無かったから」

 

ヤヨイ「2人共、今は別の道を進んでいます。けど、その道は必ず繋ると思いますよ」

 

フミ「ヤヨイ…」

 

ヤヨイ「きっと彼も同じ事考えていますよ」

 

 

フミ「アイツが?」

 

ヤヨイ「では、僕はヨウタ君の様子も見て来ますね」

 

ヤヨイが保健室から出ようとした瞬間、勢い良く扉が開いた

 

穂乃果「ヨウタ君!フミ君、まだいるみたいだよ」

 

ヨウタ「それがどうしたんだよ」

 

あの馬鹿が穂乃果に連れられて保健室に入って来た

 

フミ「何のようだ?」

 

俺はベッドから立ち上がりアイツの前に立った

 

ヨウタ「用なんてねーよ」

 

穂乃果「そんな事、言わないの!」

 

アイツが穂乃果に引っ張られ俺に近づいて来た。俺も距離を離す為、後ろに下がったのだが、ことりにぶつかってしまう

 

フミ「わ、悪りぃ」

 

ことり「ホラ、フミ君も♪」

 

俺はことりに背中を押されアイツの前に詰め寄られた。お互いに目線は違う所を見ていた。すると、アイツが俺に向かってアイサインを出して来た。たく、察したよ

 

ヨウタ「今だ!」

 

アイツの合図と共にお互い走り出し俺はそのまま扉から、アイツは窓を開け逃走した

 

穂乃果「ちょっと!どこ行くの!!」

 

ことり「2人共、逃げちゃったね」

 

ヤヨイ「けど、なんだかんだであの2人は仲は良いと思いますよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから1週間後。遂にオープンキャンパスが始まり、μ'sはライブを始めようとしていた

 

穂乃果「皆さん、こんにちは!私たちは音ノ木坂学院スクールアイドル、μ'sです!私たちはこの音ノ木坂学院が大好きです!これから歌う曲は私たちが9人になって初めて出来た曲です!私たちの、スタートの曲です!」

 

「聞いて下さい!『僕らのLIVE 君とのLIFE』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フミ「ライブ見なくて良いのか?」

 

ヨウタ「まぁ、俺が見なくたってライブは成功するだろう。それに、この前の続きやるなら今だろ?」

 

フミ「そうだな」

 

ヨウタ「言っとくが手加減は無しだ!」

 

フミ「じゃあ、コッチから行かせて貰うぜ!」

 

フミは先手を撃つ為、俺にハイキックをかまして来たが、俺は腕に力を入れ顔の近くに待って来てなんとか防いだ

 

ヨウタ「相変わらず、いい蹴りだな」

 

フミ「ありがとよ!」

 

フミはすかさず殴りかかって来たが、俺はガードしながらしゃがみ、ガラ空きだった腹を殴った

 

フミ「グッ…!!」

 

ヨウタ「隙だらけなんだよ!」

 

俺はフミの顔を殴り、腹に膝蹴りを喰らわした。怯んだフミをもう1度殴ろうとしたが、避けられてしまい、逆に俺が顔を殴られた

 

ヨウタ「中々やるじゃねーかよ!」

 

俺はフミに右ストレートを喰らわそうとしたが、フミは俺の行動を呼んでいたのか、避けて俺の腹を思いっきり殴る。俺は殴られた衝撃で怯み後ろに下がってしまった

 

ヨウタ「やっぱり、オメェ面白れぇーよ」

 

俺がそう言うとフミは不敵に笑い俺目掛けて走り、飛び膝蹴りを喰らわそうとした。俺もすかさず右ストレートをフミに撃ち込ちこもうと拳を構えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局、俺達の勝負はつかず、俺とフミは互いに大の字になって倒れてしまう

 

ヨウタ「変わんねーな。お前…」

 

フミ「お前に言われたくねーよ…」

 

ヨウタ「それは悪かったな」

 

フミ「これで俺も不良に逆戻りか…」

 

ヨウタ「いや、お前はいつも同じだ。あの空の様にな」

 

フミ「フッ。意味分かんねーよ」

 

ヨウタ「なぁ、お前もアイドル部に入らねーか?」

 

フミ「唐突だな。けど、俺が入っても大丈夫なのか?」

 

ヨウタ「何言ってんだ。人数は多い方が楽しいだろ?」

 

フミ「多い方が楽しい…か。昔の俺達では考えられない言葉だな」

 

ヨウタ「確かにな。よし、ならみんなの所に戻ろうぜ」

 

フミ「別に良いが、俺らボロボロだぜ」

 

ヨウタ「なら、会うまでに言い訳考えねぇとな」

 

俺とフミは起き上がり、みんなの所に向かった。新たな1歩と共に

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シオン「次の電車まで、後5分か」

 

帰りの電車を待っている俺に電話がかかって来た

 

シオン「誰だ?一体」

 

そう思いながら電話に出た俺は衝撃な事を聞かされた




次回は新展開かな?まぁ、お楽しみに
後、苗字募集してコメントやメッセージから
色々と案を頂いたので近い内に発表しようかな
追記としてフミの苗字も募集します


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第12話

キャラクター紹介

フミ(苗字募集中)
ヨウタとレンと同じ中学出身
不良から足を洗い
今は生徒会とアイドル部の
二足の草鞋
ヨウタとの蟠りもあったが
今は修復している
因みにタバコは吸わないが
電子タバコは吸ってるらしい

好きな食べ物
甘い物

嫌いな食べ物
トマト

愛車
HONDA CB400 SUPER FOUR


フミ「アイドル部のサポートって何すんだよ」

 

アイツに誘われたのは良いけどさ、サポートってやる事あるのか?

 

フミ「そう言えば電子タバコのリキュール切れてたな。よし、買いに行くか」

 

俺は秋葉原の街へと繰り出した。しかし、平日の夕方なのに人は相変わらず多いな

 

フミ「確かスマホのマップだと、この道なんだが…」

 

俺はスマホの地図アプリを使い、電子タバコのお店を探す。すると横からチラシを配っているメイドに声を掛けられた

 

フミ「ありがとございま…す…。ん?」

 

俺はあまりの衝撃に目を丸くさせた。そして、メイドと俺の間に長い沈黙が走る

 

フミ「ことり…?何やってるんだ?」

 

ことり「な、何の事ですか?」

 

フミ「いや、隠さなくて良いよ。別に誰にも話すつもりは無いし」

 

ことり「ワタシハコトリデワアリマセン」

 

フミ「カタコトに喋ってもバレバレだ。大丈夫だ。アイツらにも話さない」

 

ことり「本当?」

 

フミ「当たり前だろ」

 

ことり「実は、μ's始めた頃、ここのお店の人に道で勧誘されちゃって。最初は断ったんだけど、この服が可愛くって」

 

フミ「成る程な」

 

ことり「フミ君。本当に誰にも言わないでよ!」

 

フミ「大丈夫だ。俺を信じろ」

 

ことり「じゃあ、信じてるからね」

 

フミ「任せろ。じゃあ、俺は帰るわ。バイト頑張れよ」

 

ことり「ありがと♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オープンキャンパスから1週間が過ぎたある日の事

 

海未「オープンキャンパスのライブ、成功したみたいですね」

 

ことり「うん。これで廃校が無くなればいいんだけどね」

 

ヨウタ「きっと大丈夫だろ」

 

穂乃果「ことりちゃ~ん!海未ちゃ~ん!ヨウタく~ん!」

 

ヨウタ「ん?どうした?穂乃果」

 

穂乃果「ビックニュースだよ!」

 

ことり「ビックニュース?」

 

穂乃果「とにかく部室に行こう!」

 

穂乃果はことりの海未の手を握って部室に向かうと、部室には花陽、凛、ヤヨイ、シオンがいた。花陽は部室に来た俺達にある報せを伝えた。それはオープンキャンパスの結果だった

 

花陽「オープンキャンパスの結果、廃校からの段階は様子を見てからということになるそうです」

 

海未「それって、つまり…!」

 

ことり「見学に来た子たちが興味を持ったって事?」

 

ヨウタ「やったな!お前ら」

 

穂乃果「うん!でも、それだけじゃないんだよな~♪」

 

穂乃果は向かいのドアを開けると、そこには空き部屋があった。実は、生徒会からの許可によりアイドル研究部の部室がさらに広くなったというらしい

 

穂乃果「いや~、良かった!良かった!」

 

絵里「安心している場合じゃないわよ」  

 

俺達が部室が広くなり喜んでいると、生徒会長と副会長もやって来た

 

絵里「生徒が増えない限り、廃校の可能性があるから頑張らないと」

 

会長が俺達に忠告すると、海未の様子が変わった。なんだ?怒られたと思って泣いているのか?

 

ヤヨイ「海未さん。どうしたんですか?」

 

海未「嬉しいんです!まともな人がやっと入ってくれた事に!」

 

凛「それじゃ凛達、まともじゃないみたいだけど…」

 

シオン「まぁ、殆どまともな奴はいないからな」

 

希「ほな、練習始めようか?」

 

ことり「あっ、ごめんなさい。私、今日はちょっと…」

 

ヨウタ「用事か?」

 

ことり「うん。ごめん、また明日!」

 

ことりはそう言うと、部室から出ていき帰っていった

 

ヤヨイ「珍しいですね」

 

ヨウタ「用事だからしゃーないだろ。よし!練習始めるぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから練習後、穂乃果達はスクールアイドルのホームページのランキングを見ると、そこには出場ランキングに近い50位と出ていた

 

穂乃果「50位!?スゴい!!」

 

花陽「夢みたいです!」

 

穂乃果「20位に大分近づきました!」

 

絵里「スゴいわね!」

 

海未「絵里先輩が加わった事で、女性ファンが増えたみたいです」

 

絵里「えっ、私が?」

 

穂乃果「あ~確かに、背は高いし、足も長いし、美人だし、何より大人っぽい。さすが3年生!」

 

絵里「止めてよ///」

 

穂乃果の言葉に照れて、会長は目線を反らす。確かにプロポーションは完璧だな。何処かの3年生と比べたら

 

にこ「ん、何?」

 

ヨウタ「いや、何でも」

 

フミ(会長と比べると)

 

シオン(にこ先輩は子供っぽいよな)

 

俺達の目線から何か感じたのか、矢澤先輩は不満そうに俺達の方を睨む

 

希「でも、おっちょこちょいなとこもあるんよ。この間なんかお菓子の見せ物を本物だと思って食べそうになったし♪」

 

絵里「ちょっ、希!」

 

フミ「会長にそんなエピソードがあるなんて意外ですね」

 

絵里「その話は止めて!」

 

穂乃果「でも、本当に綺麗。よーし、こうなったらダイエットだ!」

 

凛「聞き飽きたにゃー!」

 

ヨウタ「どーせ。リバウンドするのがオチだろ」

 

穂乃果「ムッ!ヨウタ君失礼だよ」

 

俺達がたわいも無い話をしていたら、教室から女子生徒の声がした。俺達は声が聞こえた方を見ると、そこにはヒデコ、フミコ、ミカが穂乃果達を応援していた

 

ヒデコ「穂乃果~!頑張ってね~!」

 

フミコ「ファイト~!」

 

ミカ「μ's、応援してるよ~!」

 

穂乃果「ありがとう~!」

 

絵里「知り合い?」

 

穂乃果「はい!ファーストライブの時から応援してくれてるんです!」

 

シオン「これだけ応援してもらえてたらラブライブ出場も難しくは無いだろう」

 

真姫「でも、ここからが大変よ。上に行けば行くほど、ファンはたくさんいるわ」

 

穂乃果「そうだよね、20位か…」

 

絵里「今から短期間で順位を上げるには、何か思いきった手が必要ね」

 

にこ「その前にやることがあるんじゃない?」

 

ヤヨイ「やることって?」

 

ヨウタ「なにするんだ?」

 

練習後、俺達は矢澤先輩に連れられて、秋葉原の人通りが多い場所に着く。けど、何故か冬服とマスクとサングラスを掛けた暑い格好へと着替えさせられた

 

ヨウタ「何だよ。この格好」

 

穂乃果「スゴく暑いんですけど…」

 

にこ「我慢しなさい!これがアイドルとして生きる道よ。有名人なら有名人らしく街に紛れる格好ってものがあるの」

 

絵里「でも、これは…」

 

海未「逆に目立っているようでは?」

 

シオン「別に俺ら、有名人じゃないし。ランクが上がったからって、有名人になった訳じゃないし」

 

真姫「バカバカしい!」

 

ヤヨイ「先輩、これには意味があるのですか?」

 

にこ「大有りよ!例えプライベートでも常に人に見られていると意識する。トップアイドルを目指すなら当たり前よ!」

 

穂乃果「はあ…」

 

フミ「で、これからどうするんだ?」

 

ヨウタ「とりあえずテキトーにふらついて」

 

俺達がたわいも無い会話をしていると、近くのお店から花陽と凛が歓喜の声が聞こえて来る。俺達も気になり店内に入ってみると、そこはスクールアイドルのグッズなどが置いある専門店だった

 

穂乃果「何ここ?」

 

にこ「近くに住んでいるのに知らないの?最近オープンしたスクールアイドルの専門ショップよ」

 

絵里「こんなお店があったなんて…」

 

希「ラブライブが開催されるぐらいやしね」

 

にこ「とは言え、まだ数件あるくらいだけど」

 

シオン「こう言うのって版権とか大丈夫なのか?」

 

ヨウタ「さぁ?別に大丈夫なんじゃねーの?」

 

凛「ねぇ、見て見て!このカンバッチの子、可愛いよ。まるでかよちん!そっくりだにゃ!」

 

にこ「ていうか、それ…」

 

穂乃果「花陽ちゃんだよ!」

 

凛「えぇーー!?」

 

凛は花陽のカンバッチを見て驚いた。だが、それだけではなかった。目の前にはμ's全員の顔などが写っているグッズが置かれていた

 

ヨウタ「マジかよ!μ'sも置いてあるのか!?」

 

穂乃果「ううう、海未ちゃん!これ私達だよ!」

 

海未「おおお、落ち着きなさい!」

 

穂乃果「みみみ、μ'sって書いてあるよ!石鹸売っているのかな?」

 

海未「ななな、何でアイドルショップに石鹸を売るんですか!」

 

にこ「退きなさい!あれ?私のグッズが無い!どういうこと!?」

 

シオン「よく見ろ。ちゃんと置いてあるぞ」

 

にこ「あった!私のグッズがあった!良かった…」

 

凛「あ、にこ先輩が泣いてる~」

 

にこ「うるさい!!」

 

海未「でも、こうやって注目されるのが分かると勇気付けられますよね」

 

絵里「ええ!」

 

花陽「うぅ…。嬉しいね…」

 

凛「かよちん、また泣いてる。泣き虫だにゃ~」

 

μ'sのグッズが置いてある事を喜んでいたみんなだったが、俺の横にいた穂乃果が何かの写真を見ていた

 

ヨウタ「穂乃果、何見てんだ?」

 

穂乃果「この写真、ことりちゃんだよね?」

 

ヨウタ「確かにことりだな。けど、何故メイド服…」

 

すると、アイドルショップの出入口から聞き覚えがある女の子の声が聞こえて来たので、俺達は近づくと、そこにはメイド服を着たことりの姿であった

 

ことり「ここに私の写真があると聞いて、アレは駄目なんです!今すぐ無くして下さい!」

 

穂乃果「あれ、ことりちゃん?」

 

ことり「はっ!」

 

海未「ことり、何しているのですか?」

 

シオン「しかも、その格好…」

 

ことり「コトリ?ワット?ドナタデスカ?」

 

凛「外国人!!」

 

ことりはガシャポンのケースを目に当て外国人のフリをした変装をしたのだか、バレバレだった。いや、当たり前だろ

 

穂乃果「ことりちゃん、だよね?」

 

ことり「チガイマス!ソレデハ、ゴキゲンヨウ~。ヨキニハカラエ、ミナノシュウ……サラバ!」

 

ヨウタ「あ、待て!クソ、逃げやがった!!」

 

穂乃果「ことりちゃん!待ってよ!」

 

シオン「おい、ことり!」

 

ヨウタ「フミ!追うぞ!」

 

フミ「ん?どうした?」

 

ヨウタ「ことりを追うって言ったんだよ!」

 

フミ「あ、ああ。分かった」

 

俺とフミでことりを追っかける。しかし、中々距離が縮まらない。するとフミが作戦を考え俺に伝える

 

フミ「よし、ここは挟み撃ちだ。俺が裏から行く」

 

ヨウタ「よし、任せたぜ」

 

ことり「ひぃ!?」

 

俺はことりを追っかけていると…突然パトカーのサイレンが聞こえて来た

 

ヨウタ「えっ!」

 

警察「お前!そんな堂々とストーカーするなんて良い度胸だな!」

 

ヨウタ「違います!」

 

警察「言い訳するな!話は署で聞こう!」

 

ヨウタ「違います!勘違いです!」

 

フミ「ヨウタ許してくれ。それと、強く生きろよ」

 

俺は訳も聞いてもらえず警察に連行され、結局ことりを見失ってしまった

 

ことり「脱出ルート決めといて良かった」

 

ことりは逃げ切ったかと思ったが…

 

希「見ーつけた♪」

 

ことり「ひぃ!」

 

希「これ以上逃げたら、そのふくよかな胸をわしわしするよ」

 

ことり「ごめんなさい…」

 

ことりは希先輩に捕まってしまい、そして事情聴取をする事になった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤヨイ「ことりさんがメイド喫茶のバイトを?」

 

花陽「しかも、この秋葉で人気のカリスマメイド、ミナリンスキーさんだったんですか!?」

 

ことり「そうです…」

 

穂乃果「酷いよことりちゃん!そう言う事はちゃんと言ってよ!」

 

フミ「よせ穂乃果、ことりだって言いたくて言えなかったんだよ」

 

穂乃果「でも、言ってくれれば遊びに来て、ジュースとかごちそうになったのに!」

 

花陽「そっち!?」

 

穂乃果の言葉に花陽は思わず軽くつっこんだ

 

絵里「じゃあ、この写真は?」

 

ことり「店内のイベントで歌わされて、撮影禁止だったのに…」

 

穂乃果「なんだ~。じゃあ、アイドルって訳じゃないんだね?」

 

ことり「うん。それはもちろん」

 

海未「でも何故です?」

 

ことり「それは‥」

 

フミ「話しにくいなら、俺が話そうか?」

 

絵里「フミは知っていたの?」

 

フミ「俺も知ったのは3日前です。学校帰りにチラシ配っていたことりに会って」

 

ことり「フミ君ありがと。でも、大丈夫だよ」

 

ことりが言うには、μ'sを始めた時にメイド喫茶から路上で勧誘され、最初は断ろうとしたがメイド服に魅了されて思わず入ってしまったという

 

シオン「それでバイトを始めたのか」

 

ヤヨイ「けど、この短い間に伝説のメイドと呼ばれるなんて凄いですね」

 

ことり「エヘヘ…。でも、本当は自分を変えたいなっと思って…私、穂乃果ちゃんと海未ちゃんと違って何もないから」

 

穂乃果「何もない?」

 

ことり「穂乃果ちゃんみたいにみんなを引っ張っていく事も出来ないし、海未ちゃんみたいにしっかりもしてない…」

 

穂乃果「そんな事ないよ!歌もダンスも、ことりちゃん上手だよ!」

 

海未「衣装だって、ことりが作ってくれているじゃないですか」

 

真姫「少なくとも、2年の中ではまともね」

 

シオン「おい、それはどう言う意味だ」

 

ことり「ううん、私はただ二人に付いていっているだけだよ…」

 

ことりのうつ向く姿に俺達は心配になったのだが…

 

ヨウタ「やっと見つけた!ってアレ?」

 

俺は空気が読めてないのか、それともたまたまなのか完全にアウェイな状態だ

 

フミ「なんでお前は大事な時に!」

 

俺はフミにメキシコの修行から帰国し、今の日本プロレスを支えている仲間の事を『パレハ』と呼びそうなプロレスラーのフィニッシュ技をかけられた

 

フミ「たく少しは空気読めってんだ」

 

ヨウタ「だからって、お前!デスディーノは無いだろ!」

 

絵里「そ、それより私達も今日はここまでにしておかない」

 

穂乃果「そうだね。もう夕方だし」

 

ヨウタ「はぁ!?俺来たばかりよ!!」

 

俺以外みんな同意だった。なんだよ!俺はただプロレス技かけられたダケじゃねぇか!

 

穂乃果「ことりちゃん。また明日ね!」

 

俺達は店の外に出ると、ことりも見送りに来ていた

 

ことり「この事はママには内緒だから!学校ではシー!」

 

ことりは人差し指を顔に当てお願いした

 

穂乃果「わかった!」

 

俺は穂乃果、海未、フミ、会長と帰宅していた。希先輩は巫女さんのバイトで1人神社に向かい、シオンは電車なので駅に向かい、1年生組が一緒に帰るとの事だった

 

穂乃果「でも意外だな〜。ことりちゃんがそんな事悩んでいたなんて」

 

絵里「意外とみんなそうなのかも知れないわね」

 

フミ「会長、それはどう言う事ですか?」

 

絵里「自分より優れていると思っている人間はほとんどいないって事。だからこそ努力するのよ」

 

ヨウタ「確かに間違えないな」

 

絵里「ライバルみたいな関係なのかもね、友達って」

 

ヨウタ「ライバルねぇ〜。俺とフミは少し違うのかな?」

 

絵里「それって、どうゆう事?」 

 

フミ「だって俺の方がお前より強いしな」

 

ヨウタ「あぁ?中学の時の勝負は喧嘩以外にもあるからだろ」

 

フミ「所詮お前は、ただの脳筋野郎だ。頭なら俺の方が良いからな。それを踏まえると総合的に俺が上になる」

 

ヨウタ「はぁ?俺の脳が筋肉なら俺の筋肉は全て脳だ。それなら俺の方が頭良いぞ」

 

海未「全く、子供みたいな争いはしないで下さい」

 

ヨウタ、フミ「誰が子供だ」

 

海未「そう言う時だけは、息ピッタリなんですから」

 

絵里「私はこれで、じゃあね」

 

フミ「お疲れ様です」

 

穂乃果、海未「また明日です」

 

会長と別れた後、俺とフミも帰り道が穂乃果達とは違うので、そのまま別れて帰宅した

 

穂乃果「海未ちゃん私の事を見てもっと頑張らなきゃって思った事ある?」

 

海未「ええ、数えきれない程に」

 

穂乃果「えー!海未ちゃん何をやっても上手なのに私の何処でそう思うの」

 

海未「悔しいから秘密にしておきます」

 

穂乃果「えー!」

 

海未「ことりと穂乃果は私の1番のライバルですから」

 

穂乃果「海未ちゃん…そうだね!」

 

穂乃果は海未の言葉で微笑んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、絵里はメンバー全員を集めてアキバで路上ライブをすると伝えた。

 

ヤヨイ「秋葉で路上ライブですか!?」

 

にこ「秋葉といえば、A-RISEの膝元よ?」

 

フミ「それにしても唐突ですね…」

 

希「それだけに面白いやん」

 

真姫「でも、ずいぶん大胆ね」

 

絵里「アキバはアイドルファンの聖地。だからこそ、あそこで認められるパフォーマンス見せれば大きなアピールになる!」

 

穂乃果「いいと思います!」

 

ことり「楽しそう!」

 

海未「ですが、すごい人では…」

 

にこ「人がいなかったら、やる意味ないでしょ?」

 

凛「凛も賛成にゃ!」

 

花陽「じゃ、じゃあ私も!」

 

シオン「じゃあって…。まあ、俺も反対はしないけど」

 

ヨウタ「決まりだな!それじゃ、早速日程を決めようぜ!」

 

絵里「…と、その前に今回の作詞は秋葉にすごく詳しい人に書いてもらおうと思うの。ことりさん、どう?」

 

いつもなら、作詞担当は海未と決まっているが、会長は今回の作詞にことりを推薦した

 

ことり「えっ、私ですか?」

 

絵里「ええ。あの街でずっとアルバイトしてたんでしょ?きっと、あそこでふさわしい歌詞を考えられそうだと思うの」

 

穂乃果「それいい!すごくいいよ!」

 

フミ「俺もいいと思うよ」

 

ことり「穂乃果ちゃん…フミ君…」

 

海未「やった方がいいと思います。ことりなら、秋葉にふさわしい良い歌詞が書けますよ」

 

凛「凛もことり先輩の甘々な歌詞で歌いたいにゃ~♪」

 

ヤヨイ「僕も聞きたいですね」

 

にこ「ちゃんと良い歌詞作りなさいよ」

 

シオン「期待してるぜ」

 

希「頑張ってね」

 

ことり「う、うん…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、ことりは1人で必死に歌詞を作るが良いアイディアが出ずにかなり苦戦していた

 

ことり「チョコレートパフェ美味しい!」

 

俺達2年生組は教室のドア端からことりを見守っていた

 

ことり「生地がパリパリのクレープ食べたい!」

 

ヨウタ「大丈夫なのか?」

 

俺は心配になった。何故かって?歌詞以前の問題だと思ったからだ

 

ことり「思いつかないよー!!」

 

海未「やはり苦戦しているようですね」

 

ことりも悩んでいるようだな。まぁ、いきなり作詞を頼まれたら誰だってこうなるだろう

 

ヨウタ「流石に歌詞がな…」

 

シオン「お前よりは良い歌詞だろ」

 

ヨウタ「俺はいつも速攻で即興で披露するんだよ」

 

フミ「そう言えば昔サイファーしたな」

 

ヨウタ「お、懐かしいな。今もお前はビートボックス行ける?」

 

ヤヨイ「ハイハイ。2人共、今はことりさんを手助けする事を考えますよ」

 

俺達はことりの手助けが出来ないか考える事にした。何故かって?ここ数日、ことりは歌詞が思いつかなくて授業中も上の空だった。昼休み、職員室に呼ばれ先生に最近たるんでいると注意されていたし、なんだか見てて可哀想だったからな

 

ことり「やっぱり私には…」

 

穂乃果「ことりちゃん!」

 

ことり「穂乃果ちゃん…?」

 

穂乃果「こうなったら、一緒に考えようよ!とっておきの方法で!」

 

思い詰めていることりを見かねたのか、穂乃果が一緒に考えるって言い出した。その方法とは一体…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして

 

ことり「お帰りなさいませ、ご主人様♪」

 

穂乃果「お帰りなさいませ!ご主人様!」

 

海未「お帰りなさいませ…ご主人様…」

 

ヨウタ「お帰りなさいませ。ご主人様」

 

ことり「可愛い~♪3人共、すごく似合ってるよ♪」

 

海未「こんな事だろうと思ってました…」

 

ヨウタ「いや!ちょっと待て!なんで俺もメイドやんなきゃいけねーんだ!」 

 

穂乃果「だって、ヨウタ君も手伝ってくれるって言ったじゃん」

 

ヨウタ「いや、言ったけど!メイドやるとは言ってねーよ!」

 

ことり「でも、店長が心良く歓迎してくるって」

 

店長も明らかに面白がっているな。はぁ〜不幸だ。早々とため息を吐いていると扉が開きお客さんが来店して来た

 

レン「お久〜。レンレンの来店なり〜」

 

ヨウタ「あぁ?なんでお前が来てんだよ?」

 

レン「うわぁ…ヨウちゃん!とうとう、そんな趣味を…!?」

 

ヨウタ「ちげーよ!色々と訳があんだよ!つーか、なんで来た」

 

穂乃果「私が呼んだんだ。レン君以外にもμ'sのみんなも誘ったんだよ」

 

凛「ニャー!遊びに来たよ!」

 

噂をしているとμ'sのみんなも来店して来た

 

絵里「秋葉で歌う曲なら秋葉で考えるって事ね」

 

シオン「ヨウタ…お前とうとう…」

 

ヨウタ「俺も好きで着てねぇよ!」

 

そして、俺を見てフミが徐にスマホのシャッターを押した

 

ヨウタ「テメェ!撮るな!店内は撮影禁止だ!」

 

希「ではでは早速取材を」

 

海未「やめてください!」

 

ヨウタ「先輩も撮影は禁止ですよ」

 

レン「ヨウちゃんこの人達は?」

 

ヨウタ「お前は初めて会うのか。カメラ持ってるのは希先輩。コッチの人は絵里先輩。俺らの学校の生徒会でもある」

 

レン「初めまして。僕はヨウタ君とフミ君の友達のレンと申します」

 

絵里「絢瀬絵里よ。よろしくね」

 

希「ウチは東條希。よろしく」

 

レン「よろしくお願いします。大丈夫ですか?2人共、ヤンチャなので迷惑かけて無いですか?」

 

絵里「ええ。前までは仲が悪かったみたいだけど、今はすっかりフミもアイドル部に溶け込んでいるわ」

 

レン「良かったです。2人とは違う学校なので心配だったんですよ」

 

ヨウタ「おい!レン」

 

レン「なんですか?今、僕は挨拶中なんですけど」

 

ヨウタ「いいからコッチ来い」

 

レン「全く、何ですか?」

 

ヨウタ「お前、どうした。いつもと違うぞ」

 

レン「何言ってるのですか?僕はいつもと変わらないですよ」

 

ヨウタ「いや、お前さっきまで…」

 

レン「ちょっと何言ってるか分からないですね」

 

ヨウタ「なんで何言ってるか分からねーんだよ!」

 

レン「それより、あの綺麗な先輩の連絡先知ってるんでしょ?教えてよ」

 

ヨウタ「はぁ?誰が教えるか」

 

にこ「アンタ何してるの?それよりも速く接客してちょうだい」

 

レン「この人は?」

 

ヨウタ「3年生の矢澤先輩。まぁ、アレでも3年生だ」

 

にこ「そこ!何話てるの!?」

 

ヨウタ「いえ、何でも…」

 

俺達はことりの接客を見ていたがスゲーと思った。あれぞ正しく神対応と呼べるだろう。流石、伝説のメイドだ。俺も頑張らないとな

 

花陽「さすが伝説のカリスマメイド…!」

 

凛「ミナリンスキ~…」

 

ヤヨイ「あ、すいません。注文良いですか?」

 

ことり「はい、かしこまりました♪」

 

席に座っていたヤヨイがことりにメニューを注文した。ヤヨイは紅茶、凛はオレンジジュース。花陽は白米スムージーと言う謎な物を頼んでいた

 

ヤヨイ「花陽ちゃん。それは何ですか?」

 

花陽「これは白米スムージーです」

 

ヤヨイ「白米でスムージー?美味しいんですか?」

 

花陽「飲んでみますか?」

 

ヤヨイ「あ、いえ、大丈夫です…」

 

レン「あれぇ〜。ヤヨちゃ〜ん飲まないの〜?」

 

ヤヨイ「僕には注文した飲み物がありますから…」

 

レン「とか言って〜間接キスになるから戸惑ったんでしょ〜」

 

レンがヤヨイに耳打ちをした

 

ヤヨイ「変な事言わないで下さい!」

 

たく、元気な奴らだな。俺は接客をしながらみんなの事を見ていた

 

ヨウタ「シオン、空いてる皿下げて良いか?」

 

シオン「別に大丈夫だけど」

 

ヨウタ「悪いな」

 

シオン「ヨウタ、ちょっと良いか?」

 

ヨウタ「なんだよ」

 

シオン「喫煙所って何処にあるんだ?」

 

ヨウタ「店から出て左に行くと裏口になってて、そこに灰皿あったぞ」

 

シオン「ありがとう助かった」

 

そこまでしてタバコ吸いたいのか?あ〜俺も吸いたいな〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、お皿を片付ける為にキッチンに向かったのだが

 

穂乃果「海未ちゃん!さっきから海未ちゃん皿洗いばっかり!お客さんと話してきなよ」

 

ヨウタ「そうだぞ。俺なんてこの格好で接客してるんだぞ」

 

海未「し、仕事はしています!そもそもメイドというのは、こういう事をするのが常識です」

 

穂乃果「屁理屈言ってる」

 

ことり「ダメだよ、海未ちゃん。ここにいる時は笑顔を忘れちゃダメ。お客さんがいない時でも、そういう心構えが大事だよ」

 

海未「はい…」

 

ヨウタ「よし、表に出ろ。俺が変わる」

 

ことり「大丈夫だよ。ヨウタ君、頑張ってたから休んで来たら?」

 

ヨウタ「なら、お言葉に甘えて」

 

俺はみんなより早く休憩に入った。タバコでも吸いに行くか。

 

ヨウタ「ふぅ〜。メイドも疲れるな」

 

レン「その格好でタバコ吸ったら臭い付くよ」 

 

ヨウタ「何のようだ?」

 

レン「別に何も。ただ、ヨウちゃん楽しそうだなぁ〜って言いたくてさ。後、フミちゃんとも仲直り出来て良かったね」

 

ヨウタ「誰が楽しいかよ」

 

レン「なら部活辞めれば良いのに」

 

ヨウタ「それとこれは別」

 

レン「意味分かんね。あーあ俺も音ノ木坂に行けば良かったな〜。みんな可愛いし、特に絵里先輩なんて、どっかの国のお姫様でしょ」

 

ヨウタ「オメーはそればっかりだな」

 

レン「で、どうなの?」

 

ヨウタ「何がだ?」

 

レン「穂乃果ちゃんと」

 

ヨウタ「はぁ!?別に何もねーよ」

 

レン「え?でも、抱き付かれて無かった?」

 

ヨウタ「テメェ!見てたのかよ!?」

 

あーあ。1番見られたく無い奴に見られてたのか

 

ヨウタ「アレは色々とあってだな…」

 

レン「色々って何…エエ!何でぇ!!」

 

レンは行きなり俺の顔を見るなり驚愕した。なんだ?そんなに顔に出てた?

 

ヨウタ「どうした?俺の顔が…」

 

レン「いや、アイツ!!」

 

レンが指差す方向を見ると見かけない制服を来た1人の男子生徒が何かキョロキョロとしていた

 

ヨウタ「アイツがどうしたんだ?」

 

レン「この前、アイツが突然俺っちの学校にカチコミに来て1人で3年の番格4人を倒したんだよ。マジかよ。まだ、いたのかよ〜」

 

そんな不良がどうして秋葉にいるんだ?オタク狩りか?いや、それにしても古いだろ。俺はその不良を眺めていると意外な奴が接触して来た

 

ヨウタ「シオン!」

 

俺は声には出さなかったが驚愕した。シオンがあの不良と何か話している事に。しかも、揉めてはいない。まるで、接点があったかのようだ

 

レン「じゃあ、俺っちは戻るね〜。バイト頑張ってちょ」

 

あの2人の事を監視したいが俺もそろそろ時間だ。後で話は聞くとして戻るか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

喫煙所から戻って来た俺は仕事を再開しようとした時だった

 

ことり「ヨウタ君。もう戻って来たの?」

 

ヨウタ「ああ、長く休んでも迷惑だろ?」

 

ことり「そんなの気にしなくて大丈夫だよ。ホラ、あそこ座って」

 

俺はことりに案内され。フミの隣に座った

 

フミ「お前、バイトはいいのか?」

 

ヨウタ「ことりがここで休んでろってさ」

 

ことり「2人共、お待たせしました。ことりと穂乃果ちゃん特製のオレンジジュースです♪」

 

俺とフミの元にオレンジジュースが置かれたのだが、明らかにおかしい

 

フミ「ことり、コレは1人前にしてはデカすぎねーか?」

 

ヨウタ「それに、ストロー2つ刺さってるし。しかもストローがハートの形してるぞ」

 

穂乃果「私とことりちゃんが2人にコレからも仲良くして欲しくて作ったんだ」

 

ヨウタ「ふざけるな!何で男2人でこんなの飲まなきゃならねーんだよ!」

 

フミ「珍しくコイツの意見に同感だ。こんなフザけた物を持って来るな」

 

穂乃果「そうだよね…迷惑だよね…」

 

ことり「ゴメンね…2人共」

 

あ、この雰囲気はヤバい。嫌な予感がする…つーか周りの視線も気になる

 

ヨウタ「おい、フミ」

 

フミ「な、なんだよ」

 

ヨウタ「俺達、生まれは違えど死ぬ時は一緒だろ」

 

フミ「ああ。今だけは運命共同体だ」

 

ここからはお前らの想像に任せる。俺は思い出したくも無い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、お店は閉まり後片付けを始める。あーあ、何か今日はゾッと疲れたよ

 

穂乃果「ことりちゃん、やっぱりここにいると、ちょっと違うね」

 

ことり「えっ、そうかな?」

 

ヨウタ「ああ、俺もそう思う」

 

ことり「うん。なんかね、この服を着ると出来るっていうか、この街に来ると不思議と勇気がもらえるの。もし、思いきって自分を変えようとしても、この街ならきっと受け入れてくれる。そんな気持ちにさせてくれるんだ。だから好き!」

 

すると、穂乃果は先ほどことりが言った言葉に気がついた

 

穂乃果「ことりちゃん、今のだよ!」

 

ことり「えっ?」

 

穂乃果「今、ことりちゃんが言った事をそのまま歌にすればいいんだよ。この街を見て、友達を見て、色んなものを見て、ことりちゃんが感じた事、思った事、ただそれをそのまま歌に載せればいいんだよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、ことりはノートに歌詞を書いて完成させた

 

ことり「出来たよ!」

 

フミ「中々良い歌詞なんじゃ無いか?」

 

ことり「みんなのお陰だよ」

 

ヨウタ「歌詞完成したのは良いが、とごで路上ライブやるんだ?」

 

穂乃果「ことりちゃんのお店の前とか良いんじゃ無いかな?」

 

シオン「そうだな。店長からも許可貰いやすそうだし」

 

ヤヨイ「それに、あそこなら人が沢山通りますもんね」

 

海未「ひ、人が沢山…!!」

 

ヨウタ「何、ビビってんだよ。今更だろ」

 

シオン「けど、いつやるんだ?」

 

フミ「会長に連絡したら、今度の日曜日がいいんじゃ無いかってさ」

 

穂乃果「うん!やろう!」

 

こうして俺達は路上ライブに向けて練習がスタートした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、路上ライブの当日はμ's全員がメイド服で行った。俺達は宣伝の為、駅前でチラシ配りを行った

 

ヨウタ「ライブやってまーす」

 

俺がライブの宣伝チラシを配っていると、とある3人の男に絡まれた

 

男1「お前、こんな所で何やってんだ?」

 

ヨウタ「え?ライブ宣伝ですけど?」

 

男2「誰に許可取ってやってんだ?」

 

ヨウタ「ちゃんと許可所もありますけど。オメーらこそ何なんだよ?」

 

男1「俺達はレペゼン秋葉原のHIPHOPクルーのLeaf Originalだ。ここはいつも俺らがサイファーに使ってる場所なんだよ。邪魔だからどきな」

 

ヨウタ「はぁ?テメーら許可所も無いでピーチクパーチクやってんじゃねーよ。他行け」

 

シオン「おい!何やってんだ!」

 

俺の揉め事を見てか、シオンが駆け付けてくれた

 

ヨウタ「コイツらが、ココで歌いたいからどけだとよ」

 

シオン「お前らコッチはちゃんと許可取ってやってんだ。悪いが諦めて他の場所へ…」

 

男3「シオンさん!?シオンさんじゃ無いですか!!」

 

すると、突然ラッパーの1人がシオンに声を掛けてきた

 

男3「シオンさんが抜けて地元が大変なんですよ!シュウジさんが会って話するって言ってましたけど、どうなったんですか?」

 

シオン「シオン?誰だソイツは。生憎だが人違いだぜ」

 

シオンはそう言って去っていった

 

男3「シオンさん!待って下さい!」

 

男1「で、お前はどうすんだ?」

 

ヨウタ「ラッパーなら、俺と勝負しようぜ。勝ったら場所譲ってやるよ」

 

男1「面白い事言うじゃねーか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうしてμ'sの路上ライブは成功に終わった

 

穂乃果「凄いね!大成功だね!」

 

凛「コレでラブライブ出場も夢じゃ無いにゃ!」

 

絵里「気が早いわよ。ライブは成功したけど、観に来てくれた人が私達に興味を持たないと」

 

ヤヨイ「けど、このライブで間違いなく今よりも、もっと注目はされる様にはなりましたね」

 

ヨウタ「うぃーす。お疲れ〜」

 

俺とシオンもチラシ配りを終え、みんなと合流した

 

穂乃果「ヨウタ君もお疲れ様。チラシ配りありがと」

 

ヨウタ「いや、当然の事よ」

 

言えない。HIPHOPチームとMCバトルして盛り上がってしまい、そのままサイファーしてたなんて…

 

ヨウタ「よし、ライブも終わったんだし打ち上げでもやりますか!」

 

シオン「悪い。俺は打ち上げはパス」

 

ヨウタ「何だよ。ノリ悪りぃーな」

 

シオン「俺、今日で部活辞めるわ」

 

ヨウタ「はぁ!何言ってんだよ!」

 

シオンの衝撃な一言に俺達は驚愕した

 

 

つづく




ここでLeaf Originalの紹介

萌野星 ソウ
チームのリーダー
数々のMCバトル大会でも
好成績を残している
けど、まだ優勝はしていない
期待のラッパー

玄場 カントク
ギャグラップを得意とするラッパー
MCバトルでのバースやアンサーの
ユーモアは抜群で会場も沸く程の実力
対戦相手からもハマったらヤバいと
評されている

切磋 タクマ
高速フロウを得意とする
早口だが、聞き取りやすいと
ヘッズのからも評価されている
地元の大会で1回戦負けだが
凄いプロップスを獲得した


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第13話

さて、シオンはどうなるのか?
それでは前回の続きです


穂乃果「アイドル部を辞める…」

 

海未「シオン、どう言う事ですか!」

 

にこ「そうよ!急に何言ってんのよ!」

 

ヤヨイ「一体、どうしたって言うんですか」

 

ヨウタ「理由くらい言ったらどうなんだ?」

 

シオン「理由?知りたきゃ言ってやるよ。楽しくねーからだよ」

 

そう言ってシオンは1人で帰ろうとした

 

フミ「おい!テメェ待ちやがれ!」

 

穂乃果「シオン君!あのッ…」

 

ヨウタ「2人共、やめとけ」

 

穂乃果「ヨウタ君…」

 

ヨウタ「ほっとけよ。あんな奴」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シオン「待たせて悪いな。シュウジ」

 

シュウジ「大丈夫だ」

 

シオン「残った奴はお前だけか」

 

シュウジ「今回の件でほとんどの奴が怖じ気づいて引き下がった」

 

シオン「そうか」

 

シュウジ「相手の数次第だが、戦力的にコッチが不利の可能性もある」

 

シオン「けど、それでもやらなきゃならねーんだ。行くぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、俺達は

 

ヤヨイ「シオン君。どうしちゃったんだろう?」

 

ことり「『楽しく無い』って言ってたけど、ずっとそうだったのかな?」

 

海未「元はヨウタが無理に勧誘したからですよ」

 

ヨウタ「はぁ!?俺のせいかよ!!言っとくが、あの後にアイツから入るって言ったんだよ!」

 

穂乃果「ヨウタ君、前みたいに何とかしてよ」

 

ヨウタ「知らねーよ。あんな奴」

 

海未「ちょっと!どこいくのですか!?」

 

俺がこの場から去ろうとしたら、海未に止めらた

 

ヨウタ「はぁ?打ち上げだろ。とりあえず着替えて学校集合な」

 

そう言って俺は歩き出した。アイツの事を考えるだけ無駄だ。今は打ち上げだろ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アイツらと別れ、俺はとある病院に到着した

 

シオン「久しぶりだな。リョウヤ」

 

リョウヤ「え?もしかしてシオン?」

 

俺は地元の友人でもあるリョウヤが入院している病室に顔を出しに来た

 

リョウヤ「嘘!マジで、シオン!全然気付かなかった!髪も黒くして真ん中分けとかガリ勉って奴」

 

シオン「う、うるせぇな…」

 

たく、昔と変わらず騒がしい奴だ

 

シュウジ「リョウヤが入院してると聞いていたが、大丈夫そうだな。もっと…」

 

シオン「ヘコみまくって、途方に暮れてるのかと思ったよ」

 

リョウヤ「俺が?まさかぁ〜」

 

シオン「しかし、ハデにやられたな」

 

リョウヤ「勘違いすんなよ。俺は一切、手を出してねーからな!」

 

シオン「見れば分かる。それにしてもバカ面に磨きが掛かっているな」

 

リョウヤ「お前こそ、すっかり優等生じゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず、シオン不在で打ち上げをする事となり、みんな着替えて学校に集まる事になったのだか…

 

真姫「アイツは一体何を考えてるのよ」

 

真姫はシオンが辞めると言い出したのに、ヨウタがそれでも打ち上げをすると言い出した事に納得が行っていない様子だった

 

真姫「シオン先輩も急に部活辞めるとか言って、もう何なのよ!」

 

真姫が歩いていると、1台の車が真姫の隣に停車した。すると車から黒い特攻服を着た連中が真姫を囲む

 

真姫「な、何ですか!?貴方達!!」

 

???「お前、シオンと同じ部活だよな?」

 

真姫「だったら何なのよ!!」

 

???「お前ら連れて行け」

 

すると、舎弟らしき男達が真姫を掴む

 

真姫「やめて!離して!」

 

???「騒ぐな。騒いだら殺す」

 

必死に抵抗する真姫だったが、男の力には勝てず連れ去られてしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、病院の屋上にて

 

シオン「話はシュウジから全部聞いた」

 

リョウヤ「そうか。それと、シオン」

 

シオン「どうした?」

 

リョウヤ「俺達、族を引退して決めたじゃん。俺は部活でシオンは勉強でテッペン取るって」

 

アレは族を引退した15の夜に俺達で誓った約束。懐かしいな

 

リョウヤ「けど、そう簡単には行かないみたいだな。これも昔、悪さしてた罰って奴かなー?」

 

リョウヤは空を見上げて俺に言った

 

リョウヤ「退院した所で奴らが引き下がるワケもねーし。今度はバスケ部の奴らにも手を出すって言ってたしさー」

 

シオン「要するに何が言いたいんだよ?」

 

リョウヤ「俺、バスケ部は辞める事にするよ」

 

リョウヤは悲しそうな顔をして俺に告げた

 

シオン「リョウヤ。テメーが部活を辞める必要は無い。俺はそれを言いに来たんだ」

 

リョウヤ「シオン!それって!」

 

シオン「ああ、だからお前は安心してらベッドで寝ていろ」

 

俺はリョウヤに伝えるとシュウジと共に病院から去った。さてと、行きますか。たった2人の殴り込み

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、音ノ木坂では俺達は真姫が来るのを待っていた

 

ヨウタ「で、何でお前もいるんだよ?」

 

レン「俺っちもチラシ配り手伝ったから打ち上げに参加するに決まってんじゃ〜ん」

 

ヨウタ「たく、面倒くせぇ〜奴が増えたよ」

 

穂乃果「それにしても真姫ちゃん。遅いね」

 

絵里「何か事件に巻き込まれて無ければ良いんだけど…」

 

ヨウタ「きっと、あの日なんだろ?」

 

凛「それって何の日なの?」

 

ヨウタ「分からねーのか?あの日って言うのは、せ…」

 

海未、フミ「いい加減にしろ(しなさい)」

 

俺はフミと海未から頭を強く叩かれた。つーか手加減無しかよ

 

ヨウタ「イデデ…ん?アイツは?」

 

俺は頭を押さえながら、顔を上げると今日の昼に一緒にサイファーしたラッパーの1人が校門の前をウロウロしてるのが目に映った

 

ヨウタ「確かアイツ、チラシ配ってる時にシオンに声掛けてたよな?」

 

チラシ配りの出来事を思い出した俺はソイツに近づき取っ捕まえた

 

ヨウタ「で?シオンの何を知ってるんだ?」

 

ヤヨイ「皆さん。近いですよ…」

 

花陽とヤヨイ以外のみんなで、ラッパーに詰め寄った

 

花陽「これだと、話づらいと思いますよ…」

 

ヨウタ「で、お前はなんて言うんだ?」

 

タクマ「俺は切磋タクマと言います。シオンさんは俺の地元の先輩で…」

 

ヨウタ「お前はシオンの何を知ってるんだ?」

 

タクマ「シオンさんは俺らの地元で凄い暴走族だったんですよ」

 

シオンの衝撃的な過去に俺達は絶句した。元ヤンとは言っていたけど、そこまで凄い奴だったのかよ…!?アイツ

 

タクマ「けど、高校入学を境に引退したんですよ。それで3代目としてガクさんと言う人がヘッドになったのですが、あまりにも横暴で、それに嫌気がさしてシオンさん派の人達は族を抜けて行ったんです」

 

フミ「けど、何でシオンは部活を辞めたんだ?もう、族とは関係ないだろ?」

 

タクマ「それが、地元に居たシオンさん派だった連中はガクさんとその舎弟達にやられました。それを聞いてシオンさん。『俺がケリを付ける』って」

 

ヨウタ「たく、なら本当の事言えよ。アイツ」

 

ヤヨイ「君は無事だったんだね」

 

タクマ「俺は地元から離れていたので大丈夫でしたが、副ヘッドだったリョウヤさんがやられてしまって…」

 

花陽「その人はどうしているんですか?」

 

タクマ「リョウヤさん。今は入院中で…それにガクさん達もリョウヤさんの事はまだ狙っています。リョウヤさん、族を引退して次は部活で1番になるって言ってたのに…」

 

海未「そんな…酷過ぎます!」

 

にこ「入院させておいて、まだ狙うつもりなの!?」

 

タクマ「それほど、リョウヤさんは凄い人だったんです」

 

ヨウタ「3代目とケリつけるのはアイツの勝手だ。けどな、何で生徒会辞める必要があんだよ?」

 

俺はタクマを睨み付けて言った

 

ヤヨイ「ヨウタ君、怖がってますよ」

 

ことり「シオン君、きっと私達に迷惑掛けたく無かったんだと思うよ」

 

ヨウタ「たく、あの野郎…」

 

すると突然、俺のスマホの着信が鳴り響いた

 

ヨウタ「ん?真姫か。珍しいな」

 

電話の相手は真姫だった。俺は珍しいと思い電話を出たのだか、聞き覚えの無い男の声が聞こえて来た

 

ガク「もしもし」

 

ヨウタ「はぁ!?テメェ誰だ。何で真姫のスマホ持ってんだ!」

 

ガク「お前らの仲間は預かった。返して欲しかったらシオンに横浜にある廃ビルに来いと伝えろ」

 

ヨウタ「テメェ!一方的に話すんじゃねぇ!おい…チッ、通話切られた」

 

凛「先輩!真姫ちゃんに何があったんですか!?」

 

ヨウタ「真姫が拐われた」

 

俺の言葉に一同は驚愕した

 

絵里「真姫は無事なの?」

 

ヨウタ「分かりません。確認しようとしたら通話切られてしまいました」

 

穂乃果「海未ちゃん!どうしよう!」

 

海未「落ち着いて下さい。まず、警察に…」

 

ヨウタ「そんなの待ってられっかよ。行くぞフミ」

 

フミ「言うと思ったよ」

 

俺とフミは近くに止めてあったバイクに向かって歩き出す

 

海未「2人共、何処に行こうとしてるんですか!?」

 

ヨウタ「決まってるだろ。真姫を助けにだ。それとシオンも連れ戻す」

 

穂乃果「どうして、2人が真姫ちゃんを助けに行くの?」

 

海未「そうです。ここは警察に通報するべきです!!」

 

ヨウタ「警察なんか呼んだら、真姫が何されるか分からないだろ」

 

絵里「2人共、今は冷静に考えるべきよ」

 

ヨウタ「その間に真姫がどうなっても良いっていうんですか?」

 

絵里「そ、それは…」

 

ヨウタ「なら、俺達は行きます。ガクって奴もそうだが、シオンも気に食わねぇ。何、カッコつけてんだよ」

 

穂乃果「ヨウタ君!待ってよ!」

 

ヨウタ「何だよ」

 

穂乃果「みんな同じ気持ちだよ。穂乃果達も真姫ちゃんを助けたい。でも…」

 

ヨウタ「だから、俺とフミが助けに行くって言ってんだろ?」

 

穂乃果「け、けど…!?」

 

ヨウタ「何だ?俺達が負けると思ってるのか?」

 

穂乃果「そうじゃないよ。でも…」

 

フミ「穂乃果。コイツは言い出したら聞かない奴だ。諦めろ」

 

ヨウタ「あいにく、自分で決めた事は貫き通すタイプなんでね」

 

穂乃果「もう、知らない!!ヨウタ君なんてボロボロになれば良いんだ」

 

ヨウタ「はぁ!?俺に負けろって言ってんのか!!」

 

フミ「ヨウタ、そこまでだ。早く行くぞ」

 

ヨウタ「ハイハイ。分かりましたよ」

 

フミ「穂乃果、心配するな。コイツには俺が付いている。真姫とシオンは俺達が連れ戻す」

 

ことり「フミ君…」

 

フミ「ことり、行ってくる」

 

ことり「うん!絶対に無事に帰って来てね」

 

フミ「ああ、分かった」

 

レン「ホラ、早く行きな。ココは俺っちに任せて」

 

フミ「奴の手下が襲いに来るかも知れないからな。レン、お前にμ'sは預けた」

 

レン「任せなサイ、ゴリラ、ゾウってね」

 

俺とフミは愛車であるバイクに乗り、横浜の廃ビルへと向かった

 

ヤヨイ「行っちゃいましたね」

 

穂乃果「もう、ヨウタ君達なんて知らない」

 

希「2人共、どうしても自分達で助けたかったんやろうな」

 

ヤヨイ「希先輩は2人の事、何か分かっんですか?」

 

希「ウチは何でもお見通しやから」

 

ヤヨイ「何ですか?ソレ…」

 

希「人には目では見えない繋がりがあるんよ。さぁ、穂乃果ちゃんもヘソ曲げて無いで2人の帰りを待つとするよ」

 

やっぱり、この人はよく分からない。僕はそう思った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、廃ビル前では

 

シュウジ「ここが奴らの居場所だ」

 

シオン「あの野郎、俺のダチをあんな目に合わせやがって、許さねぇ!ぶっ潰してやる!」

 

シュウジ「情報では頭合わせて、4、5人と聞いている」

 

シオン「たった、それだけか?たわいねぇな」

 

シュウジ「こうしていると昔を思い出すな。あの頃は…」

 

シオンはシュウジの言葉を聞かず、1人で突っ込んでいった

 

シュウジ「シオン。無視は酷いぜ」

 

俺は扉を蹴り飛ばし廃ビルの中へと突入した

 

シオン「ガクは何処だ!出て来やがれ!」

 

突入すると中央の奥にガクが積み重ねられた鉄の味場に座っており、その手前には舎弟が4、50人ぐらいが囲んでいた

 

シオン「シュウジ、コレが4、5人に見えるか?」

 

シュウジ「すまん。俺、数学弱くて1桁間違えてた」

 

シオン「テメェ、帰って来たら数学叩き込んでやるよ」

 

シュウジ「帰れたらの話だかな」

 

ガク「何だ、来たのは2人だけか」

 

シオン「リョウヤをやったのはテメェか?」

 

ガク「ああ、アイツが俺達に服従しねぇからな。こらしめてやったダケだ」

 

シオン「ヤロォ…!行くぞ!シュウジ!」

 

ガク「待ちな。お前ら。コイツが見えないのか?」

 

アイツは拘束された真姫を俺らに見せつけた

 

シオン「真姫!」

 

ガク「コイツを助けたかったら、兵隊どもぶっ倒して俺の所に来るんだな」

 

シオン「テメェ!どこまでも卑怯な奴だ!」

 

ガク「愚かな奴らだ。お前ら返り討ちにしてやれ」

 

俺とシュウジに向かって4、50人の兵隊が向かって来た

 

シュウジ「コイツらは汚ねぇやり方でここまで膨れ上がった。団結力は無に等しい」

 

シオン「要するに頭とりゃ崩れるな」

 

コイツだけは絶対に許さねぇ!俺のダチを傷つけ、関係ない真姫まで巻き込みやがって!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2、30人ぐらいはやったか?けど、流石に俺らも虫の息に近いな

 

シオン「おい、シュウジ…あと何人だ?」

 

シュウジ「ちょっと…数え切れないな」

 

シオン「数も分からねーなら…算数から教え直すか…」

 

シュウジ「それは、無理そう…」

 

シュウジは兵隊の1人に腹を蹴られ倒れ込んだ

 

シオン「シュウジ…!!」

 

俺はシュウジの方に気を取られていると、敵の1人に鉄パイプをみぞおちに打ち込まれた

 

シオン「……!!ガハッ…!」

 

ガク「残念だ。俺の所まで来ると思っていたのによ」

 

俺は負ける訳にはいかねぇ!!絶対にこんな所で終わっちゃならねぇんだよ!!

 

ガク「まだ、立ち上がるのかよ」

 

ガクは俺の前に来るやいなや、腹を蹴って来た。力が入ら無い俺は、そのまま大の字に倒れた

 

真姫「シオン先輩!!」

 

ガク「ダチの力になれなくて残念だな」

 

ちくしょう!!俺は何の為にここまで来たんだよ…!!

 

ガク「終わりだ」

 

真姫「やめて!」

 

ガクは俺の顔に鉄パイプを振り落とそうとした時だった。すると突然、2台のバイクが俺達の前に現れた

 

ヨウタ「シオン、テメェ。俺達を差し置いて楽しそうな打ち上げしてんじゃねーよ」

 

ガク「何者だ!!テメェら!!」

 

フミ「俺達か?」

 

ヨウタ「俺達はスクールアイドル部だ」

 

ガク「はぁ!何なんだ?コイツら?」

 

明らかにガクの野郎はポカンとしている。それもそうだろ。行きなり現れてスクールアイドル部だなんて、頭おかしいだろ

 

シオン「お前ら…何しに来たんだよ…」

 

ヨウタ「見りゃ分かんだろ。真姫とお前を助けに来たんだよ」

 

シオン「余計な事しやがって。コレは俺の問題だ。お前らには何の関係も無い事だろうがよ!」

 

ヨウタ「何だ?テメェ?俺に2度と喧嘩しないって言ってたくせによぉ〜」

 

フミ「よせ、ヨウタ。今はこの状況を切り抜ける事が最優先だ」

 

ヨウタ「んな事は分かってるよ」

 

く…お前ら2人がどうにか出来る相手じゃねーよ

 

ガク「何をウダウダ抜かしてやがる。どうせ、加勢しに来たんだろ?向かって来ねーなら、コッチから行かせてもらうぞ」

 

フミ「おい、どうすんだよ」

 

ヨウタ「ここは俺に任せろ」

 

アイツ、何言ってやがる?

 

ヨウタ「アンタが3代目ヘッドか?1つ頼みがあるだけどさ」

 

そう言うと、アイツは俺を担ぎ上げた

 

ヨウタ「俺にコイツらを連れ帰えらせてくれないか?」

 

シオン「ナッ!?」

 

ガク「ふざけているのか?乗り込んで来て、そうくるのかよ」

 

ヨウタ「あぁ、シオンはダチを救う為にここへ来た。けど、条件無しとは言わねぇ」

 

ガク「どうするって言うんだ?」

 

ヨウタ「2度とアンタらには手出ししねーからさ」

 

シオン「ヨウタ、テメェ!」

 

ガク「アンタ、気に入ったよ。お前ら、アイツらを連れ出せ」

 

アイツのお陰で真姫も解放された。しかし、俺は納得行かなかった

 

フミ「真姫。大丈夫か?」

 

真姫「それよりも、あの2人を」

 

フミ「よし、お前も立てないだろ。肩貸してやるよ」

 

シュウジ「ありがとう…ございます」

 

シオン「何してくれてんだ。勝手な真似してんじゃねぇよ!」

 

担がれていた俺だったが、今の一言でアイツは俺を振り落とした

 

ヨウタ「何、言ってやんがんだ?テメェ」

 

シオン「はぁ!?」

 

ヨウタ「俺が演技してあの場を潜り抜けてやったんだからな」

 

シオン「演技だと?」

 

ヨウタ「決まってんだろ!?真姫も人質に取られ、敵もあの人数だ。相手してられるかっつーの」

 

シオン「チッ」

 

ヨウタ「それに今のお前には誰も救えねぇ。立て直そうぜ。チャンスはいくらでもあるだろ」

 

シオン「勝手にしやがれ」

 

ヨウタ「フミ。真姫は無事か?」

 

フミ「特に何かされた訳では無いらしい」

 

ヨウタ「そうか、なら帰るとしますか…アラッ…!!」

 

アイツは帰ろうと歩き出した瞬間、空き缶を踏んでしまい崩れそうになった。なんとか持ち堪えようとしたが、駄目だったらしく、倒れそうになった。すると、アイツの頭が敵の兵隊の1人にぶつかり、思いっきり頭突きをかましてしまった

 

ヨウタ「あ…」

 

シオン「おい!テメェ!!」

 

ヨウタ「やっちゃった」

 

ガク「何事だ?」

 

フミ「あの馬鹿」

 

マズい!ガクに気づかれた

 

ガク「テメェら!どう言う事だ?ぶさけやがって…お前らコイツらをやっちまえぇぇぇ!!」

 

フミ「おい、何やってんだよ!!」

 

ヨウタ「違うコレは事故だ!」

 

フミ「待ってろ!俺が止め…る!!」

 

フミはこの場を止めようとしたのだが、敵の1人が思いっきり鉄パイプでフミを殴った。間一髪避けたのだが、顔をカスってしまいフミの右頬に傷がついた

 

フミ「オイ、痛てぇな…」

 

そう言ってフミは不敵に笑い、担いでいたシュウジを振り下ろし敵の顔面目掛けて回し蹴りを炸裂した

 

フミ「ヨウタ!コイツら完膚なきまでに潰すぞ!」

 

ヨウタ「言われなくても分かってるよ!」

 

そう言って、あの馬鹿2人は敵の兵隊達に突っ込んでいった

 

シオン「おい、引き下がるんじゃねーのかよ…」

 

俺はコイツらを巻き込みたくなくて部活辞めたんだよな?なのにどうしてこうなった?ああ、俺は頭に血が上り重要な事を忘れていたな。コイツら馬鹿だったや…

 

シオン「シュウジ…やっぱりあの馬鹿共には俺が必要みたいだ」

 

シュウジ「スクールアイドル部に戻るのか?」

 

シオン「でもよ、リョウヤも助けなきゃならねぇし、真姫を巻き込んだ事も許せねぇ」

 

シュウジ「どう言う事だ?」

 

シオン「つまり、この勝負。負けられねーって事だ」

 

真姫「ちょっと!もう喧嘩しないって約束したんでしょ!!」

 

シオン「ああ、けどよ。それよりも大事な物見つけたからよ」

 

ガク「まだ、立ち上がるのかよ」

 

シオン「シュウジ、真姫は頼んだ。3代目、俺とタイマン張れや」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、病院では

 

タクマ「リョウヤさん。お久しぶりです」

 

リョウヤ「おう、相変わらず元気そうだな」

 

ヤヨイ「君がリョウヤ君だね」

 

リョウヤ「そうだ。君達の事はシオンから良く聞いている。一緒にいると昔みたいに退屈しないってね」

 

海未「シオンがそんな事を…」

 

絵里「なんだかんだで、シオンもココが自分の居場所だと思っていたのよ」

 

リョウヤ「けど、すいません。俺のせいで関係ない貴方達まで巻き込んで」

 

ヤヨイ「大丈夫ですよ。シオン君には頼りになる2人がいますから」

 

タクマ「それにシュウジさんも一緒にいるから何とかなりますよ」

 

リョウヤ「けど、俺のせいでこんな事になってしまったから、急いで行かないと」

 

タクマ「無茶ですよ!リョウヤさん」

 

レン「心配しなくて大丈V☆。ヨウちゃん達がついてるしねぇ〜。彼らはどんな状況でも打開するよぉ〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガク「俺に負ける訳ねーだと?」

 

シオン「ああ」

 

ガク「戯れ言を。テメーは1度くたばってるじゃねーか」

 

俺は奴の言葉にも聞く耳を持たず奴の方へと歩き出す

 

ガク「おい、アイツを止めろ。もう虫の息だ」

 

俺は襲撃して来た1人の兵隊の顔面を殴り1発で仕留めた

 

ガク「何してやがる!奴は立ち上がるのが、やっとの腰抜けだ!止めろ!」

 

ガクの威勢と共に兵隊共が何人も襲撃して来たが俺は全員返り討ちにしてやった

 

ガク「お前は良く知ってるハズだ!俺に逆らう奴はどんな目にあうか!楯突く奴は容赦しねぇ!」

 

兵隊1「そう言う事だ」

 

1人の兵隊が俺の袖を掴む。その勢いで俺の特攻服が脱げてしまった。まぁ、良い。その方が都合が良いからな

 

兵隊1「おい…コレ…!!」

 

兵隊2「まさか…嘘だろ…!!」

 

ガク「何をしてやがる!引くんじゃねぇ!」

 

そろそろ、コイツにも教えてやるか。俺が仕込んでいる別の特攻服の存在を

 

ガク「何怯えてやがる!!ブチのめすんだよ!奴を前に進めるな!」

 

兵隊3「やっぱりそうだ…あれは伝説の…」

 

ガク「お前ら、良い加減にしろよ!」

 

兵隊4「総長!奴の背中を見て下さい!」

 

ガク「あぁ?ど、どう言う事だ!?」

 

奴は俺の特攻服を見て驚愕した

 

ガク「この赤い昇り龍は…!?伝説の…!!目にしたら最後、生きては帰れない…!?」

 

シオン「やっと、気付いたか」

 

ガク「ヒィィィ!!分かった!もう、一切、リョウヤやお前の仲間には手を出さなぇ!!俺が悪かった…謝るから、この通り許してくれぇ!!」

 

シオン「もう、遅ぇよ」

 

俺は腰を抜かしているガクの顔面目掛けて思いっきり蹴りをブチかましてやった

 

シオン「おい、終わったぞ」

 

フミ「たく、やっとかよ」

 

ヨウタ「コッチはとっくに終わってんだよ」

 

コイツらそう言ってタバコに火をつけた。フミは電子タバコだけど

 

シオン「なら、俺も1本吸わしてくれ」

 

真姫「シオン先輩!!」

 

俺がタバコに火をつけようとしたら、いきなり真姫が飛びついて来た

 

真姫「馬鹿!!なんで、もっと早く来なかったのよ!!」

 

真姫は俺に説教をするかと思ったら、そのまま俺の胸に顔を埋めた

 

真姫「もう、怖かったんだから…」

 

今は真姫に胸を貸す事にするか。けど、この状況を見て、あの2人が馬鹿にしてるような気がする

 

ヨウタ「早く打ち上げに行きたかったのに、これじゃ遅れちまうじゃねぇか」

 

フミ「いっその事、2人は置いていくか」

 

シオン「おい!待てお前ら!」

 

たく、早く泣き止んでくれ。動きたくても動けねぇよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、無事に騒動も解決し俺は穂乃果達の所へ帰る事にした

 

穂乃果「あ、帰って来た!」

 

俺は穂乃果達の前までバイク走らせ、停車した

 

穂乃果「もう、遅いよ!」

 

ヨウタ「悪い悪い」

 

にこ「もう、夜も遅くなってるけど打ち上げはどうするのよ」

 

ヨウタ「そう言うと思ってな。じゃん!帰りに花火買って来た!」

 

穂乃果「流石、ヨウタ君!」

 

海未「けど、大人の人がいないで火遊びなんて大丈夫なんですか?」

 

ヨウタ「大丈夫!大丈夫!扱い慣れてるから!」

 

フミ「それと、コイツは?」

 

ヤヨイ「シオン君の友達のリョウヤ君ですよ」

 

シオン「おい、リョウヤ!病院抜け出して大丈夫なのか!?」

 

リョウヤ「大丈夫では無いけど、せっかくの打ち上げ見たいだし、楽しそうだったから」

 

シオン「たく、お前も馬鹿だな」

 

リョウヤ「シオンには言われたく無いね」

 

ヨウタ「よし、花火やるぞ!」

 

あの馬鹿の一言で花火をやる事になったのだが、身体中痛いって言うのにやってられるかよ

 

リョウヤ「怪我は大丈夫なのか?」

 

シオン「大丈夫な訳あるか。身体中が痛ぇよ」

 

シュウジ「貴方がリーダーですか?」

 

穂乃果「一応、そうだけど」

 

シュウジ「俺も洲苦留愛怒流部に入れてもらいたいんですが」

 

穂乃果「駄目だよ。シュウジ君は他校生だもん」

 

シュウジ「成る程、少数精鋭って訳ですか」

 

ヤヨイ(きっと、暴走族と勘違いしてるんだろうな)

 

シオン「たく、どうなってんだよ。何で俺の周りには馬鹿しかいねーんだよ」

 

リョウヤ「それはお前も馬鹿だからだろ」

 

シオン「何!?」

 

リョウヤ「だって昔からそうだろ。1人で突っ走ってさ。それでも、そんなお前について来てくれる仲間がいる」

 

真姫「シオン先輩」

 

シオン「ん?どうした?」

 

真姫「もう、部活辞めるって言わないですよね」

 

シオン「当たり前だろ。お前らを放って置く訳にも行かねーしな」

 

俺は真姫の頭に手を乗せて言った

 

ヨウタ「お前ら、何やってんだ?早くしないと花火、無くなるぞ」

 

レン「ヨウちゃん。早くコレを打ち上げようよ」

 

ヨウタ「それは最後だろ。焦んな」

 

リョウヤ「呼んでるよ。どうする?」

 

シオン「たく、しゃーねぇな」

 

穂乃果「はい、コレ3人の分!」

 

フミ「火つけるから離すなよ」

 

やっぱり、今はココが俺の居場所なんだな。俺は改めてそう感じた

 

 

つづく

 

 

 




これで一通り色々とおわったかな?
次回は番外編と言うか
それに近い感じです


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第14話

キャラクター紹介

シュウジ(苗字募集中)
シオンの族時代の右腕的存在
喧嘩の強さもシオンと同等
族時代の異名は白凰(はくおう)
しかし、少々天然な部分もチラホラと…


好きな食べ物


嫌いな食べ物
ヘチマ

吸ってるタバコ
メビウススーパーライトノーマル

愛車
KAWASAKI ZEPHYR X400


合宿2日目の朝

 

ヨウタ「たく、朝からランニングとか年寄りかよ」

 

穂乃果「本当に走るの?」

 

海未「当たり前です。昨日言いましたよね?」

 

海未はスゴい張り切っているみたいだな

 

絵里「みんな、あまり無茶しないようにね」

 

絵里の言う通り、真夏のランニングは熱中症にもなるし危険だ

 

ヤヨイ「体調が優れなくなった場合は僕達に報告下さい」

 

フミ「けど、どうやって報告するんだ?」

 

ヨウタ「それなら問題無い。俺達も付いて行くからな」

 

フミ「俺達も走れってか?」

 

ヨウタ「違う。シオンとシュウジがバイク見つけて来てよ」

 

シオン「全部で4台あったぞ」

 

シュウジ「125ccの小型だが2人乗りは出来るから問題ない」

 

ヨウタ「けど、PCXかよ」

 

フミ「文句言うな。じゃあ、誰が乗るか決めないとだな」

 

レン「あ、俺っちは免許証持ってないから」

 

ヤヨイ「お恥ずかしながら僕も…」

 

シオン「なら、必然的に俺達4人か」

 

フミ「よし、俺が先頭を走る」

 

シオン「じゃあ、俺とシュウジは真ん中付近だな」

 

ヨウタ「え!?って事は俺が最後尾かよ!!」

 

フミ「しかし、よくバイクが置いてあったな」

 

シュウジ「倉庫の隣に車庫があった」

 

ヨウタ「小型でも4台は凄いな」

 

シオン「流石、金持ちってとこだ」

 

絵里「フミ達は決まったかしら?」

 

フミ「こっちは大丈夫です」

 

絵里「じゃ、じゃあ始めるわよ」

 

こうして朝のランニングがスタートした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

折り返し地点を少し過ぎた所

 

ヨウタ「フミ、先頭はどうだ?」

 

フミ「異常無し。シオンは?」

 

シオン「コッチも大丈夫だ」

 

俺達はスマホのグループ通話を繋げてやり取りをしている。つーか、バイクにもスマホスタンドってあるんだな

 

ヨウタ「みんな問題ないみたいだな」

 

俺は安否の確認を取り、安心したのか意気揚々とバイクを運転していたのだが…

 

ヨウタ「折り返し地点も過ぎたし。後、3kmぐらいかな?」

 

バイクを走らして少しした時だった

 

ヨウタ「アレは?」

 

俺はハンドルのアクセルを少しだけ捻り、スピードを上げた

 

ヨウタ「花陽。大丈夫か?」

 

花陽「ヨウタ君…」

 

ヨウタ「頑張るのも良いが無理するなよ」

 

花陽「は、はい。ありがとう…ございます」

 

ヨウタ「キツそうだけど本当に大丈夫か?」

 

花陽「大丈夫です…」

 

ヨウタ「よし、あと少しだ。体調悪かったらすぐに言えよ」

 

俺は花陽の後ろに付き、見守りながらバイクを走らせた。そして、なんとか花陽はゴールする

 

レン「ふぃ〜。お疲れ様〜」

 

ヨウタ「花陽、ナイスファイト」

 

凛「かよちん頑張ったにゃ」

 

花陽」う、うん…ありが…と…」

 

体力を使い果たしたのか、花陽は急に倒れ込んだ

 

凛「かよちん!」

 

ヨウタ「おい!花陽!大丈夫か!」

 

花陽「は、はい。なんとか…」

 

ヤヨイ「どうしました?」

 

他のみんなも花陽の異変に気付き駆け付けた

 

レン「花ちゃんが少し体調崩したみたい」

 

ヨウタ「意識はあるんだが、フラフラなんだよ」

 

真姫「きっと軽い熱中症ね」

 

シオン「この場合はどうすれば良いんだ?」

 

絵里「とにかく部屋に運びましょう」

 

ヨウタ「分かった。よし、ヤヨイ少し手伝え」

 

俺とヤヨイは花陽を別荘の中に連れて行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、1時間が過ぎ

 

花陽「ん…アレ?私…」

 

ヤヨイ「気が付きましたか?」 

 

花陽ちゃんは目が覚め、上半身をベッドから起こす

 

花陽「ヤヨイ君…私…」

 

ヤヨイ「軽い熱中症とは言ってましたが、大丈夫だと思いますよ」

 

花陽「あの、他のみんなは?」

 

ヤヨイ「まだ、練習してます。けど、花陽ちゃんはしばらく安静にしてて」

 

花陽「ごめんなさい…」

 

ヤヨイ「どうして、謝るんですか?」

 

花陽「私のせいで、みんなに迷惑かけてしまって…」

 

ヤヨイ「そんな事無いですよ。逆にみんな心配してましたから」

 

花陽「凛ちゃんやみんなに追い付きたくて頑張ったんですけど…」

 

僕は花陽ちゃんが寝ているベッドの横に置いてあった椅子に座る

 

ヤヨイ「何言ってるんですか。花陽ちゃんも頑張って完走したじゃないですか」

 

花陽「けど、私が足を引っ張ってる気がするんです…」

 

僕にそう話すと花陽ちゃんの目から涙が雫れて出した

 

ヤヨイ「花陽ちゃん。みんな花陽ちゃんが足を引っ張ってるだなんて思ってませんよ」

 

花陽「でも、今日だって…」

 

ヤヨイ「だって、花陽ちゃんはμ'sや僕達にとっても大切な仲間なんですから」

 

花陽「ヤヨイ君…!」

 

突然、花陽ちゃんは僕の胸に飛び込んで来た

 

花陽「私、悔しんです…みんなに追い付きたくて練習頑張っだのに…みんなの期待に答えられなくて…」

 

ヤヨイ「泣かないで下さい。アイドルは『常に笑顔』ってにこさんも言ってたじゃないですか」

 

花陽「でも…でもぉ…!」

 

ヤヨイ「今日みたいに同じ事があったら、また僕がそばにいますから。だから元気出して下さい」

 

花陽「ほんと…?」

 

ヤヨイ「ええ、約束しますよ」

 

花陽「約束…だよ…」

 

花陽ちゃんは涙目で僕に微笑みながら答えた。その後も僕は花陽ちゃんに胸を貸した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

20分後

 

ヤヨイ「大丈夫?落ち着いた?」

 

花陽「はい、少しは…」

 

ヤヨイ「みんなの所には行けそうですか?」

 

花陽「だ、大丈夫です…」

 

ヤヨイ「じゃあ、行きましょうか。みんなも待ってると思うので」

 

僕と花陽ちゃんはみんなが練習している外に向かった

 

ヤヨイ「お待たせしました」

 

ヨウタ「うぃーす。大丈夫かなのか?花陽は?」

 

花陽「はい、さっきよりは良くなりました」

 

凛「けど、かよちんの顔真っ赤だよ」

 

花陽「大丈夫…大丈夫だから…!」

 

ん?コイツら何かあったな。後でヤヨイを問い詰めるとするか

 

シオン「よし、花陽も戻って来た事だし練習を再開して、その後に飯にするか」

 

絵里「そうね。もう、そろそろでお昼だし良いんじゃないかしら?」

 

凛「凛もさんせーい」

 

シュウジ「確かに俺も腹減りました」

 

シオン「お前は何もしてないだろ」

 

こうして、俺達は練習を再開した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、練習が終わり

 

シオン「終了!よし、昼にするぞ」

 

ヤヨイ「皆さん。お疲れ様です」

 

シュウジ「待ちくたびれたぞ」

 

シオン「だから、お前は何もしてねーだろ!」

 

穂乃果「はぁ〜練習したからお腹減ったよ〜」

 

海未「食べ過ぎて午後の練習に支障をきたさしたらいけませんよ」

 

ヨウタ「よし、みんな戻って来たな」

 

シオン「お前らは何してたんだ?」

 

ヨウタ「割り箸でクジを作ってたんだ」

 

フミ「この中で赤い印がついた割り箸を引き当てた2人が買い出しに行く。文句ないだろ?」

 

シオン「文句つーか、お前らバイク運転出来るなら、練習中に買い出しに行けただろ?」

 

ヨウタ「…よし、みんな一斉にクジを引くんだ」

 

シオン「シカトすんじゃねーよ!」

 

希「まぁ、ええんやない」

 

シオン「いいんですか?」

 

希「買い出しに行けば、また更に打ち解けたりすると思うし」

 

シオン「たく、しゃーねぇな。おい三羽ガラス。今回だけだぞ」

 

そして俺達は一斉にクジを引き、買い出しに行く2人を決めたのだが、なんと、赤い印がついたクジを引いたのはレンと絵里であった

 

レン「僕と絵里さんですか」

 

絵里「よろしくね。レン」

 

にこ「なんだが、面白い組み合わせね」

 

ことり「そうだね。意外な2人かも」

 

フミ「アイツ、調子に乗ってやがる」

 

ヨウタ「ああ、カッコつけてるのが見て分かる」

 

真姫「本当にあの人で大丈夫かしら?」

 

シオン「まぁ、絵里がいるから大丈夫だろ」

 

レン「よし、じゃあ行ってくるねぇ〜」

 

レンは俺達に手を振りながら買い出しに向かった

 

ヨウタ「アイツ、旅に出るんかよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

拝啓、母上様。お元気ですか?俺っちは明日世界が滅んでも悔いが無い程に元気です

 

レン(やべぇ〜。絵里さんと買い出しだなんて。俺っち明日死ぬんかな?いや、死んでも構わない)

 

絵里「…ン…レン」

 

レン「ああ、はい!何でございましょう?」

 

絵里「どうして、貴方はヨウタやフミがいるのに音ノ木坂に入学しなかったの?」

 

レン「俺っち…いや、僕はヨウタ君やフミ君が音ノ木坂に入学するとは思っていなくて、つい別の学校に入学してしまって」

 

絵里「よく、ヨウタ達と遊んでるみたいだけど、ソッチの学校は楽しいの?」

 

レン「男子校なのでノリが男臭いですね。やっぱり、僕も共学にするべきでした」

 

アレ?これ俺っち…絵里さんに気を使わせてる?いや、普通こういうのって男がリードするもんだろ!俺っちは何やってんだよ!

 

レン「え、え…絵里さん」

 

絵里「どうしたの?」

 

レン「えっと…ヨウタ君とフミ君は学校でどうですか?仲良くしてますか?」

 

絵里「見て分かるでしょ?2人共、前と比べて仲良くなってるじゃない」

 

レン「そうですよね…ハハハ…」

 

いや、俺っちなにしてるんたよ!完全に苦笑いだったぞ!つーかどうしよう。会話が途切れた。これと言って話す事も無いし…あ、そうだ!中学の頃の話を…

 

レン「いや〜お…」

 

絵里「レン」

 

レン「あ、はい。何でしょう?」

 

絵里「ひょっとして、私に気を使ってる?」

 

レン「俺っち…いや、僕が気を使うだなんて…」

 

絵里「けど、私の前だとみんなと同じように話して無いわよ」

 

レン「何言ってるんですか?これが普段の僕ですよ」

 

絵里「ヨウタ達と話す時はもっとフランクな感じがするんだけど、もしかして私の事怖がってる?」

 

レン「いや、そんな事は…」

 

絵里「だったら私にも同じように接しなさい。年上だからって気を使わなくて良いのよ♪」

 

この時、俺っちの身体は雷が落ちた感覚だった。ああ、そうか。これが謂わゆる恋はいつでもハリケーンか

 

絵里「どうして立ち止まってるの?」

 

レン「あ、いえ…」

 

絵里「早くしないと置いて行っちゃうわよ♪」

 

ああ、神よ。なんと感謝すればよろしいのでしょうか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レンと絵里が買い出しから帰って来て昼食を取る事になったのだが…

 

ヨウタ「なぁ?フミ」

 

フミ「どうした?」

 

ヨウタ「レンの奴、さっきと様子がおかしくないか?」

 

フミ「買い出しから帰って来たら、あの調子だ」

 

たく、アイツどうしちまったんだ?後でフミと一緒に海に沈めるか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シオン「よし、練習再開するぞ」

 

昼食を済ませ俺達は再び練習を再開する

 

ことり「シオン君。ちょっと良い?」

 

シオン「どうした?ことり」

 

ことり「私、昼は衣装作りしても大丈夫かな?」

 

シオン「ああ、大丈夫だ」

 

ことり「ありがと♪」

 

シオン「他のみんなは練習始めるぞ。昼は振り付けだ」

 

さっきから、思っていたんだが、何でコイツが仕切ってるんだ?まぁ、いいや。俺はやる事無いし、こっそり持って来たストロング缶でも呑むか

 

ヨウタ「フミ。昨日の酒余ってるぜ」

 

フミ「今はパスだ。俺は少し外すぞ」

 

たく、つれねー野郎だな。いいや、1人で呑んで来るか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フミ「よう、ここに居たのか」

 

ことり「あ、フミ君。練習は見なくて大丈夫なの?」

 

フミ「俺が居なくても大丈夫だ。それより、いいのが思いついたのか?」

 

ことり「うん。まだ、描き始めたばかりだけど」

 

フミ「見せてくれるか?」

 

ことり「うん。いいよ」

 

俺はことりが次のライブで着る衣装のデザインを見せて貰った

 

フミ「ヘェ〜。良いんじゃないか?」

 

ことり「本当、ありがと」

 

フミ「しかし、ことりが全部作ってたんだな」

 

ことり「うん。私、お洋服作るのが好きで、将来はデザイナーになりたいんだ」

 

フミ「このクオリティだとなれると思うぜ」

 

ことり「フミ君にそう言って貰えると嬉しいな♪」

 

フミ「あのさ…ことり、少し良いか?」

 

ことり「どうしたの?」

 

フミ「あの時の礼が言いたくてな。俺がアイツとまた、昔みたいに戻れたのはことりのお陰だから」

 

ことり「そんな事無いよ。フミ君がヨウタ君と仲良りしたいと思ったから、出来たんだよ」

 

フミ「いや、保健室で手当てしてくれた時、ことりが言ってくれた言葉に俺は救われた」

 

俺はことりの目を見つめて礼を言う

 

フミ「ありがとな」

 

互いに顔を見合わせ照れ臭そうにしていると、数秒間の沈黙が訪れる

 

フミ「じゃ、じゃあ、俺はそろそろ戻るわ」

 

ことり「待って」

 

俺が戻ろうとすると、ことりに声をかけられ止められた

 

ことり「もう少し…いて欲しいな…」

 

フミ「あ、ああ…」

 

またしても沈黙が訪れたのたが、その矢先、台所から物凄い音が響いた

 

フミ「何だ?今の音は」

 

俺とことりは台所に向かうと物音を立てた犯人と遭遇した

 

ヨウタ「何だぁ〜?おめぇらぁ〜?昼からおせっせかぁ〜?」

 

フミ「何してるんだ?お前?」

 

ヨウタ「決まってるだろぅ〜。冷蔵庫に酒があったから呑んでるんだぁよぉ〜」

 

たく、コイツはとんだ酒クズ野郎だ

 

フミ「ことり。少し席を外してくれないか?」

 

ことり「う、うん」

 

フミ「たく、テメェは呑まないとやってられないのか!!」

 

俺はこの酒クズに片翼の天使をお見舞いした

 

フミ「よし、これで良いか」

 

俺はこの馬鹿を気絶させベッドに運び出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨウタ「アレ?俺いつの間に寝てたんだ?」

 

俺は酒の呑み過ぎでベッドで寝ていたみたいだ。それにしても誰が運んでくれたんだ?

 

ヨウタ「とりあえず、みんなの場所に行くか」

 

俺は大広間の方に移動するが誰もいなかった

 

ヨウタ「アレ?誰もいない」

 

しかも、夜になってるし。それにしても腹が減ったな。俺は台所に向かうと夕飯のカレーが置いてあった

 

ヨウタ「今日の晩飯もカレーかよ」

 

俺はカレーを食い終わると、みんなを探すために外に出た。外に出るとみんなは花火を楽しんでいた

 

ヨウタ「何だ。花火してたんかよ」

 

俺はみんなの方に向かった

 

穂乃果「ヨウタ君。起きたんだ」

 

ヨウタ「ああ、いつの間にか寝てたらしいな」

 

穂乃果「ホラ、これヨウタ君の」

 

俺は穂乃果から受け取った手持ち花火を握り置いてあったロウソクで点火する

 

ヨウタ「やっぱ、夏は花火だよな」

 

穂乃果「そうだね…」

 

ヨウタ「ん?どうした?浮かない顔して」

 

穂乃果「楽しかった合宿が今日で終わるのが少し寂しんだ…」

 

ヨウタ「たく、そんな事かよ。つーか、こう言うのって花火と同じで一瞬だから良いんだよ?」

 

穂乃果「それってどう言う事?」

 

ヨウタ「終わった後、楽しかった思い出として、みんなに共有出来るし。それに一瞬だから綺麗なんだよ」

 

俺がそう言うと穂乃果はクスッと笑う

 

ヨウタ「なんで、笑うんだよ?」

 

穂乃果「だって、ヨウタ君らしく無いんだもん」

 

ヨウタ「うるせぇな」

 

穂乃果「拗ねてると花火無くなっちゃうよ」

 

ヨウタ「じゃあ、ソレよこせ」

 

穂乃果「どうしようかな〜?」

 

穂乃果は花火を手に取り走り出した

 

ヨウタ「穂乃果!待ちやがれ!」

 

俺は穂乃果を追い掛ける。砂浜まで走り出すといきなり地面が深くなった

 

ヨウタ「はぁ!?」

 

俺は落とし穴にまんまとハマったのだ。しかも予想以上にも穴が深く、落ちたと同時に砂が覆いかぶさり、首から下が埋まってしまったのだ

 

ヨウタ「なんだよ!コレ!」

 

シオン「まんまとハマってくれて良かったな」

 

ヨウタ「どう言う事だ!」

 

フミ「早速だが、異端審問にかける」

 

レン「じゃあ、判決は死刑ね〜」

 

ヨウタ「いや、早過ぎるだろ!!」

 

シオン「俺らはフミから聞いたぞ。練習サボって酒呑んでいたと」

 

ヨウタ「いや、それは…お前ら何が目的だ」

 

フミ「花火代、お前払ってないよな〜?みんなで出したんだよ。お前の分は俺達が払ったんだけど」

 

ヨウタ「分かった。後で返すから」

 

フミ「レン。奴にロケット花火を向けろ」

 

レン「OK」

 

ヨウタ「はぁ!?何が不満なんだよ!?」

 

フミ「レン。火を付けて良いぞ」

 

ヨウタ「分かった!全額払う!だから、出してくれ」

 

フミ「仕方ない。お前ら出してやれ」

 

こうして俺は落とし穴から救出された。畜生、後で覚えてやがれ。つーか、穂乃果もグルだったのかよ

 

 

 

 

 

 

 

花火も終わり就寝しついたみんなだったが

 

ヨウタ「ふぁ〜起きた」

 

俺は昨日、酒呑んで寝てたせいか早く起きてしまった

 

ヨウタ「仕方ない。少し風にでも当たるか」

 

俺は1階へと降りる。降りたらμ'sのみんなもぐっすりと寝ていた。1人を除いて

 

穂乃果「あ、ヨウタ君も起きたの?」

 

ヨウタ「昨日、昼寝してたからか。早く起きた」

 

穂乃果「そうなんだ。穂乃果も何だか眠りが浅くて」

 

ヨウタ「今から、外で風に当たろうとしてたんだけど一緒に行くか?」

 

穂乃果「いいよ。穂乃果も丁度行こうと思ってたんだ」

 

こうして俺と穂乃果は2人で外に出る

 

ヨウタ「夏でも朝は案外涼しいな」

 

穂乃果「そうだね」

 

穂乃果とたわいの無い会話をしながら歩いていたのだが、どうしても意識してしまう。なんつーか、パジャマ姿ってアレだよな…

 

穂乃果「ヨウタ君」

 

ヨウタ「どうした?」

 

穂乃果「あそこで座って少し休まない?」

 

穂乃果が指を指したベンチで休む事にした俺達だったのだが…

 

ヨウタ(気まずい…)

 

隣同士に座ったのは良いのだが、話す事が無い。なんて声掛ければ良いんだ

 

ヨウタ「穂乃果、あのさ…」

 

俺が穂乃果の名前を呼ぶと、肩にトンッと何かが触れた

 

ヨウタ「穂乃果?」

 

穂乃果は俺の肩に頭を乗せてグッスリと熟睡していた

 

ヨウタ「たく、早起きしたって言うのに寝るんかよ」

 

つーか、肩で寝られたら動けねぇーんだけど…しゃーない。起きるまで貸してやるよ

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果に肩を貸したつもりだったのだが、いつの間に俺も熟睡していた

 

ヨウタ「アレ?俺も寝てたのか」

 

俺は目を覚ましたが穂乃果はまだ眠ってた。だが、俺が起きて数秒後に穂乃果も目を覚ました

 

穂乃果「アレ?ヨウタ君?」

 

穂乃果は眠たそうに眼を擦り俺の名を読ぶ

 

ヨウタ「寝ぼけてるのか?早朝に散歩してる途中で寝たんだよ」

 

穂乃果「あ、そうだった。ごめんね重かった?」

 

ヨウタ「いや、大丈夫だ。俺も寝てたし」

 

まぁ、肩凝った気はするけど

 

ヨウタ「よし、早く戻ろうぜ。みんな起きてるだろ」

 

俺と穂乃果が別荘に戻ると、みんなはもう起床していた

 

ヨウタ「うぃす。戻ったぞ」

 

レン「お、やっと戻って来たね〜」

 

なんだ?朝から賑やかだな

 

ヨウタ「どうした?ニマニマして気色悪いぞ」

 

フミ「お前ら、そう言う関係だったんだな」

 

ヨウタ「はぁ!?なんの話だ!」

 

ヤヨイ「だって、2人して朝早くから、いないもんですから」

 

ヨウタ「いや、それは…その…」

 

シオン「まぁ、隠すな。写真もあるしな」

 

シオンはそう言って俺と穂乃果が2人でベンチに座りながらお互いに寄り添って寝ている写真を見せて来た

 

希「お2人さん。お似合いやよ♪」

 

ヨウタ「いや、これは誤解だ!なぁ?穂乃果」

 

穂乃果「う、うん…そう…だね」

 

いや、何照れてんの!!余計に疑惑が黒に変わるぞ!

 

海未「2人して寄り添いあって破廉恥です!」

 

ヨウタ「いや、誤解なんだって!」

 

にこ「アンタ、サポート役なのにアイドルに手出して良いと思ってんの!?」

 

ヨウタ「だから、誤解だ!!」

 

こうして俺達の合宿は終了した。それと、疑惑が晴れるのは数日掛かった

 

 

つづく




コロナ面倒くせぇ〜。自宅待機でやる事が無い
そして、色々とあり…気分もすぐれんよね
志村さん…藤原さん…3000回愛してる
でも、大丈夫だぁ〜。ラブライブはいいよなぁ〜
落ち込んでいても曲聴くと元気貰えるからなぁ〜
よし、アベンジャーズとドリフターズ見よ
自宅待機で暇だしね


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第15話

お待たせ致しました。お待たせし過ぎたのかも知れません。アレ?もう古いのかな?ナイスですねぇ〜。後書きに遅くなった理由が書いてあります


合宿2日目の朝

 

ヨウタ「たく、朝からランニングとか年寄りかよ」

 

穂乃果「本当に走るの?」

 

海未「当たり前です。昨日言いましたよね?」

 

海未はスゴい張り切っているみたいだな

 

絵里「みんな、あまり無茶しないようにね」

 

絵里の言う通り、真夏のランニングは熱中症にもなるし危険だ

 

ヤヨイ「体調が優れなくなった場合は僕達に報告下さい」

 

フミ「けど、どうやって報告するんだ?」

 

ヨウタ「それなら問題無い。俺達も付いて行くからな」

 

フミ「俺達も走れってか?」

 

ヨウタ「違う。シオンとシュウジがバイク見つけて来てよ」

 

シオン「全部で4台あったぞ」

 

シュウジ「125ccの小型だが2人乗りは出来るから問題ない」

 

ヨウタ「けど、PCXかよ」

 

フミ「文句言うな。じゃあ、誰が乗るか決めないとだな」

 

レン「あ、俺っちは免許証持ってないから」

 

ヤヨイ「お恥ずかしながら僕も…」

 

シオン「なら、必然的に俺達4人か」

 

フミ「よし、俺が先頭を走る」

 

シオン「じゃあ、俺とシュウジは真ん中付近だな」

 

ヨウタ「え!?って事は俺が最後尾かよ!!」

 

フミ「しかし、よくバイクが置いてあったな」

 

シュウジ「倉庫の隣に車庫があった」

 

ヨウタ「小型でも4台は凄いな」

 

シオン「流石、金持ちってとこだ」

 

絵里「フミ達は決まったかしら?」

 

フミ「こっちは大丈夫です」

 

絵里「じゃ、じゃあ始めるわよ」

 

こうして朝のランニングがスタートした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

折り返し地点を少し過ぎた所

 

ヨウタ「フミ、先頭はどうだ?」

 

フミ「異常無し。シオンは?」

 

シオン「コッチも大丈夫だ」

 

俺達はスマホのグループ通話を繋げてやり取りをしている。つーか、バイクにもスマホスタンドってあるんだな

 

ヨウタ「みんな問題ないみたいだな」

 

俺は安否の確認を取り、安心したのか意気揚々とバイクを運転していたのだが…

 

ヨウタ「折り返し地点も過ぎたし。後、3kmぐらいかな?」

 

バイクを走らして少しした時だった

 

ヨウタ「アレは?」

 

俺はハンドルのアクセルを少しだけ捻り、スピードを上げた

 

ヨウタ「花陽。大丈夫か?」

 

花陽「ヨウタ君…」

 

ヨウタ「頑張るのも良いが無理するなよ」

 

花陽「は、はい。ありがとう…ございます」

 

ヨウタ「キツそうだけど本当に大丈夫か?」

 

花陽「大丈夫です…」

 

ヨウタ「よし、あと少しだ。体調悪かったらすぐに言えよ」

 

俺は花陽の後ろに付き、見守りながらバイクを走らせた。そして、なんとか花陽はゴールする

 

レン「ふぃ〜。お疲れ様〜」

 

ヨウタ「花陽、ナイスファイト」

 

凛「かよちん頑張ったにゃ」

 

花陽」う、うん…ありが…と…」

 

体力を使い果たしたのか、花陽は急に倒れ込んだ

 

凛「かよちん!」

 

ヨウタ「おい!花陽!大丈夫か!」

 

花陽「は、はい。なんとか…」

 

ヤヨイ「どうしました?」

 

他のみんなも花陽の異変に気付き駆け付けた

 

レン「花ちゃんが少し体調崩したみたい」

 

ヨウタ「意識はあるんだが、フラフラなんだよ」

 

真姫「きっと軽い熱中症ね」

 

シオン「この場合はどうすれば良いんだ?」

 

絵里「とにかく部屋に運びましょう」

 

ヨウタ「分かった。よし、ヤヨイ少し手伝え」

 

俺とヤヨイは花陽を別荘の中に連れて行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、1時間が過ぎ

 

花陽「ん…アレ?私…」

 

ヤヨイ「気が付きましたか?」 

 

花陽ちゃんは目が覚め、上半身をベッドから起こす

 

花陽「ヤヨイ君…私…」

 

ヤヨイ「軽い熱中症とは言ってましたが、大丈夫だと思いますよ」

 

花陽「あの、他のみんなは?」

 

ヤヨイ「まだ、練習してます。けど、花陽ちゃんはしばらく安静にしてて」

 

花陽「ごめんなさい…」

 

ヤヨイ「どうして、謝るんですか?」

 

花陽「私のせいで、みんなに迷惑かけてしまって…」

 

ヤヨイ「そんな事無いですよ。逆にみんな心配してましたから」

 

花陽「凛ちゃんやみんなに追い付きたくて頑張ったんですけど…」

 

僕は花陽ちゃんが寝ているベッドの横に置いてあった椅子に座る

 

ヤヨイ「何言ってるんですか。花陽ちゃんも頑張って完走したじゃないですか」

 

花陽「けど、私が足を引っ張ってる気がするんです…」

 

僕にそう話すと花陽ちゃんの目から涙が雫れて出した

 

ヤヨイ「花陽ちゃん。みんな花陽ちゃんが足を引っ張ってるだなんて思ってませんよ」

 

花陽「でも、今日だって…」

 

ヤヨイ「だって、花陽ちゃんはμ'sや僕達にとっても大切な仲間なんですから」

 

花陽「ヤヨイ君…!」

 

突然、花陽ちゃんは僕の胸に飛び込んで来た

 

花陽「私、悔しんです…みんなに追い付きたくて練習頑張っだのに…みんなの期待に答えられなくて…」

 

ヤヨイ「泣かないで下さい。アイドルは『常に笑顔』ってにこさんも言ってたじゃないですか」

 

花陽「でも…でもぉ…!」

 

ヤヨイ「今日みたいに同じ事があったら、また僕がそばにいますから。だから元気出して下さい」

 

花陽「ほんと…?」

 

ヤヨイ「ええ、約束しますよ」

 

花陽「約束…だよ…」

 

花陽ちゃんは涙目で僕に微笑みながら答えた。その後も僕は花陽ちゃんに胸を貸した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

20分後

 

ヤヨイ「大丈夫?落ち着いた?」

 

花陽「はい、少しは…」

 

ヤヨイ「みんなの所には行けそうですか?」

 

花陽「だ、大丈夫です…」

 

ヤヨイ「じゃあ、行きましょうか。みんなも待ってると思うので」

 

僕と花陽ちゃんはみんなが練習している外に向かった

 

ヤヨイ「お待たせしました」

 

ヨウタ「うぃーす。大丈夫かなのか?花陽は?」

 

花陽「はい、さっきよりは良くなりました」

 

凛「けど、かよちんの顔真っ赤だよ」

 

花陽「大丈夫…大丈夫だから…!」

 

ん?コイツら何かあったな。後でヤヨイを問い詰めるとするか

 

シオン「よし、花陽も戻って来た事だし練習を再開して、その後に飯にするか」

 

絵里「そうね。もう、そろそろでお昼だし良いんじゃないかしら?」

 

凛「凛もさんせーい」

 

シュウジ「確かに俺も腹減りました」

 

シオン「お前は何もしてないだろ」

 

こうして、俺達は練習を再開した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、練習が終わり

 

シオン「終了!よし、昼にするぞ」

 

ヤヨイ「皆さん。お疲れ様です」

 

シュウジ「待ちくたびれたぞ」

 

シオン「だから、お前は何もしてねーだろ!」

 

穂乃果「はぁ〜練習したからお腹減ったよ〜」

 

海未「食べ過ぎて午後の練習に支障をきたさしたらいけませんよ」

 

ヨウタ「よし、みんな戻って来たな」

 

シオン「お前らは何してたんだ?」

 

ヨウタ「割り箸でクジを作ってたんだ」

 

フミ「この中で赤い印がついた割り箸を引き当てた2人が買い出しに行く。文句ないだろ?」

 

シオン「文句つーか、お前らバイク運転出来るなら、練習中に買い出しに行けただろ?」

 

ヨウタ「…よし、みんな一斉にクジを引くんだ」

 

シオン「シカトすんじゃねーよ!」

 

希「まぁ、ええんやない」

 

シオン「いいんですか?」

 

希「買い出しに行けば、また更に打ち解けたりすると思うし」

 

シオン「たく、しゃーねぇな。おい三羽ガラス。今回だけだぞ」

 

そして俺達は一斉にクジを引き、買い出しに行く2人を決めたのだが、なんと、赤い印がついたクジを引いたのはレンと絵里であった

 

レン「僕と絵里さんですか」

 

絵里「よろしくね。レン」

 

にこ「なんだが、面白い組み合わせね」

 

ことり「そうだね。意外な2人かも」

 

フミ「アイツ、調子に乗ってやがる」

 

ヨウタ「ああ、カッコつけてるのが見て分かる」

 

真姫「本当にあの人で大丈夫かしら?」

 

シオン「まぁ、絵里がいるから大丈夫だろ」

 

レン「よし、じゃあ行ってくるねぇ〜」

 

レンは俺達に手を振りながら買い出しに向かった

 

ヨウタ「アイツ、旅に出るんかよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

拝啓、母上様。お元気ですか?俺っちは明日世界が滅んでも悔いが無い程に元気です

 

レン(やべぇ〜。絵里さんと買い出しだなんて。俺っち明日死ぬんかな?いや、死んでも構わない)

 

絵里「…ン…レン」

 

レン「ああ、はい!何でございましょう?」

 

絵里「どうして、貴方はヨウタやフミがいるのに音ノ木坂に入学しなかったの?」

 

レン「俺っち…いや、僕はヨウタ君やフミ君が音ノ木坂に入学するとは思っていなくて、つい別の学校に入学してしまって」

 

絵里「よく、ヨウタ達と遊んでるみたいだけど、ソッチの学校は楽しいの?」

 

レン「男子校なのでノリが男臭いですね。やっぱり、僕も共学にするべきでした」

 

アレ?これ俺っち…絵里さんに気を使わせてる?いや、普通こういうのって男がリードするもんだろ!俺っちは何やってんだよ!

 

レン「え、え…絵里さん」

 

絵里「どうしたの?」

 

レン「えっと…ヨウタ君とフミ君は学校でどうですか?仲良くしてますか?」

 

絵里「見て分かるでしょ?2人共、前と比べて仲良くなってるじゃない」

 

レン「そうですよね…ハハハ…」

 

いや、俺っちなにしてるんたよ!完全に苦笑いだったぞ!つーかどうしよう。会話が途切れた。これと言って話す事も無いし…あ、そうだ!中学の頃の話を…

 

レン「いや〜お…」

 

絵里「レン」

 

レン「あ、はい。何でしょう?」

 

絵里「ひょっとして、私に気を使ってる?」

 

レン「俺っち…いや、僕が気を使うだなんて…」

 

絵里「けど、私の前だとみんなと同じように話して無いわよ」

 

レン「何言ってるんですか?これが普段の僕ですよ」

 

絵里「ヨウタ達と話す時はもっとフランクな感じがするんだけど、もしかして私の事怖がってる?」

 

レン「いや、そんな事は…」

 

絵里「だったら私にも同じように接しなさい。年上だからって気を使わなくて良いのよ♪」

 

この時、俺っちの身体は雷が落ちた感覚だった。ああ、そうか。これが謂わゆる恋はいつでもハリケーンか

 

絵里「どうして立ち止まってるの?」

 

レン「あ、いえ…」

 

絵里「早くしないと置いて行っちゃうわよ♪」

 

ああ、神よ。なんと感謝すればよろしいのでしょうか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レンと絵里が買い出しから帰って来て昼食を取る事になったのだが…

 

ヨウタ「なぁ?フミ」

 

フミ「どうした?」

 

ヨウタ「レンの奴、さっきと様子がおかしくないか?」

 

フミ「買い出しから帰って来たら、あの調子だ」

 

たく、アイツどうしちまったんだ?後でフミと一緒に海に沈めるか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シオン「よし、練習再開するぞ」

 

昼食を済ませ俺達は再び練習を再開する

 

ことり「シオン君。ちょっと良い?」

 

シオン「どうした?ことり」

 

ことり「私、昼は衣装作りしても大丈夫かな?」

 

シオン「ああ、大丈夫だ」

 

ことり「ありがと♪」

 

シオン「他のみんなは練習始めるぞ。昼は振り付けだ」

 

さっきから、思っていたんだが、何でコイツが仕切ってるんだ?まぁ、いいや。俺はやる事無いし、こっそり持って来たストロング缶でも呑むか

 

ヨウタ「フミ。昨日の酒余ってるぜ」

 

フミ「今はパスだ。俺は少し外すぞ」

 

たく、つれねー野郎だな。いいや、1人で呑んで来るか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フミ「よう、ここに居たのか」

 

ことり「あ、フミ君。練習は見なくて大丈夫なの?」

 

フミ「俺が居なくても大丈夫だ。それより、いいのが思いついたのか?」

 

ことり「うん。まだ、描き始めたばかりだけど」

 

フミ「見せてくれるか?」

 

ことり「うん。いいよ」

 

俺はことりが次のライブで着る衣装のデザインを見せて貰った

 

フミ「ヘェ〜。良いんじゃないか?」

 

ことり「本当、ありがと」

 

フミ「しかし、ことりが全部作ってたんだな」

 

ことり「うん。私、お洋服作るのが好きで、将来はデザイナーになりたいんだ」

 

フミ「このクオリティだと慣れると思うぜ」

 

ことり「フミ君にそう言って貰えると嬉しいな♪」

 

フミ「あのさ…ことり、少し良いか?」

 

ことり「どうしたの?」

 

フミ「あの時の礼が言いたくてな。俺がアイツとまた、昔みたいに戻れたのはことりのお陰だから」

 

ことり「そんな事無いよ。フミ君がヨウタ君と仲良りしたいと思ったから、出来たんだよ」

 

フミ「いや、保健室で手当てしてくれた時、ことりが言ってくれた言葉に俺は救われた」

 

俺はことりの目を見つめて礼を言う

 

フミ「ありがとな」

 

互いに顔を見合わせ照れ臭そうにしていると、数秒間の沈黙が訪れる

 

フミ「じゃ、じゃあ、俺はそろそろ戻るわ」

 

ことり「待って」

 

俺が戻ろうとすると、ことりに声をかけられ止められた

 

ことり「もう少し…いて欲しいな…」

 

フミ「あ、ああ…」

 

またしても沈黙がおとずれたのたが、その矢先、台所からだろうか。物凄い音が響いた

 

フミ「何だ?今の音は」

 

俺とことりは台所に向かうと物音を立てた犯人と遭遇した

 

ヨウタ「何だぁ〜?おめぇらぁ〜?昼からおせっせかぁ〜?」

 

フミ「何してるんだ?お前?」

 

ヨウタ「決まってるだろぅ〜。冷蔵庫に酒があったから呑んでるんだぁよぉ〜」

 

たく、コイツはとんだ酒クズ野郎だ

 

フミ「ことり。少し席を外してくれないか?」

 

ことり「う、うん」

 

フミ「たく、テメェは呑まないとやってられないのか!!」

 

俺はこの酒クズに片翼の天使をお見ましいた

 

フミ「よし、これで良いか」

 

俺はこの馬鹿を気絶させベッドに運び出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨウタ「アレ?俺いつの間に寝てたんだ?」

 

俺は酒の呑み過ぎでベッドで寝ていたみたいだ。それにしても誰が運んでくれたんだ?

 

ヨウタ「とりあえず、みんなの場所に行くか」

 

俺は大広間の方に移動するが誰もいなかった

 

ヨウタ「アレ?誰もいない」

 

しかも、夜になってるし。それにしても腹が減ったな。俺は台所に向かうと夕飯のカレーが置いてあった

 

ヨウタ「今日の晩飯もカレーかよ」

 

俺はカレーを食い終わると、みんなを探すために外に出た。外に出るとみんなは花火を楽しんでいた

 

ヨウタ「何だ。花火してたんかよ」

 

俺はみんなの方に向かった

 

穂乃果「ヨウタ君。起きたんだ」

 

ヨウタ「ああ、いつの間にか寝てたらしいな」

 

穂乃果「ホラ、これヨウタ君の」

 

俺は穂乃果から受け取った手持ち花火を握り置いてあったロウソクで点火する

 

ヨウタ「やっぱ、夏は花火だよな」

 

穂乃果「そうだね…」

 

ヨウタ「ん?どうした?浮かない顔して」

 

穂乃果「楽しかった合宿が今日で終わるのが少し寂しんだ…」

 

ヨウタ「たく、そんな事かよ。つーか、こう言うのって花火と同じで一瞬だから良いんだよ?」

 

穂乃果「それってどう言う事?」

 

ヨウタ「終わった後、楽しかった思い出として、みんなに共有出来るし。それに一瞬だから綺麗なんだよ」

 

俺がそう言うと穂乃果はクスッと笑う

 

ヨウタ「なんで、笑うんだよ?」

 

穂乃果「だって、ヨウタ君らしく無いんだもん」

 

ヨウタ「うるせぇな」

 

穂乃果「拗ねてると花火無くなっちゃうよ」

 

ヨウタ「じゃあ、ソレよこせ」

 

穂乃果「どうしようかな〜?」

 

穂乃果は花火を手に取り走り出した

 

ヨウタ「穂乃果!待ちやがれ!」

 

俺は穂乃果を追い掛ける。砂浜まで走り出すといきなり地面が深くなった

 

ヨウタ「はぁ!?」

 

俺は落とし穴にまんまとハマったのだ。しかも予想以上にも穴が深く、落ちたと同時に砂が覆いかぶさり、首から下が埋まってしまったのだ

 

ヨウタ「なんだよ!コレ!」

 

シオン「まんまとハマってくれて良かったな」

 

ヨウタ「どう言う事だ!」

 

フミ「早速だが、異端審問にかける」

 

レン「じゃあ、判決は死刑ね〜」

 

ヨウタ「いや、早過ぎるだろ!!」

 

シオン「俺らはフミから聞いたぞ。練習サボって酒呑んでいたと」

 

ヨウタ「いや、それは…お前ら何が目的だ」

 

フミ「花火代、お前払ってないよな〜?みんなで出したんだよ。お前の分は俺達が払ったんだけど」

 

ヨウタ「分かった。後で返すから」

 

フミ「レン。奴にロケット花火を向けろ」

 

レン「OK」

 

ヨウタ「はぁ!?何が不満なんだよ!?」

 

フミ「レン。火を付けて良いぞ」

 

ヨウタ「分かった!全額払う!だから、出してくれ」

 

フミ「仕方ない。お前ら出してやれ」

 

こうして俺は落とし穴から救出された。畜生、後で覚えてやがれ。つーか、穂乃果もグルだったのかよ

 

 

 

 

 

 

 

花火も終わり就寝しついたみんなだったが

 

ヨウタ「ふぁ〜起きた」

 

俺は昨日、酒呑んで寝てたせいか早く起きてしまった

 

ヨウタ「仕方ない。少し風にでも当たるか」

 

俺は1階へと降りる。降りたらμ'sのみんなもぐっすりと寝ていた。1人を除いて

 

穂乃果「あ、ヨウタ君も起きたの?」

 

ヨウタ「昨日、昼寝してたからか。早く起きた」

 

穂乃果「そうなんだ。穂乃果も何だか眠りが浅くて」

 

ヨウタ「今から、外で風に当たろうとしてたんだけど一緒に行くか?」

 

穂乃果「いいよ。穂乃果も丁度行こうと思ってたんだ」

 

こうして俺と穂乃果は2人で外に出る

 

ヨウタ「夏でも朝は案外涼しいな」

 

穂乃果「そうだね」

 

穂乃果とたわいの無い会話をしながら歩いていたのだが、どうしても意識してしまう。なんつーか、パジャマ姿ってアレだよな…

 

穂乃果「ヨウタ君」

 

ヨウタ「どうした?」

 

穂乃果「あそこで座って少し休まない?」

 

穂乃果が指を指したベンチで休む事にした俺達だったのだが…

 

ヨウタ(気まずい…)

 

隣同士に座ったのは良いのだが、話す事が無い。なんて声掛ければ良いんだ

 

ヨウタ「穂乃果、あのさ…」

 

俺が穂乃果の名前を呼ぶと、肩にトンッと何かが触れた

 

ヨウタ「穂乃果?」

 

穂乃果は俺の肩に頭を乗せてグッスリと熟睡していた

 

ヨウタ「たく、早起きしたって言うのに寝るんかよ」

 

つーか、肩で寝られたら動けねぇーんだけど…しゃーない。起きるまで貸してやるよ

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果に肩を貸したつもりだったのだが、いつの間に俺も熟睡していた

 

ヨウタ「アレ?俺も寝てたのか」

 

俺は目を覚ましたが穂乃果はまだ眠ってた。だが、俺が起きて数秒後に穂乃果も目を覚ました

 

穂乃果「アレ?ヨウタ君?」

 

穂乃果は眠たそうに眼を擦り俺の名を読ぶ

 

ヨウタ「寝ぼけてるのか?早朝に散歩してる途中で寝たんだよ」

 

穂乃果「あ、そうだった。ごめんね重かった?」

 

ヨウタ「いや、大丈夫だ。俺も寝てたし」

 

まぁ、肩凝った気はするけど

 

ヨウタ「よし、早く戻ろうぜ。みんな起きてるだろ」

 

俺と穂乃果が別荘に戻ると、みんなはもう起床していた

 

ヨウタ「うぃす。戻ったぞ」

 

レン「お、やっと戻って来たね〜」

 

なんだ?朝から賑やかだな

 

ヨウタ「どうした?ニマニマして気色悪いぞ」

 

フミ「お前ら、そう言う関係だったんだな」

 

ヨウタ「はぁ!?なんの話だ!」

 

ヤヨイ「だって、2人して朝早くから、いないもんですから」

 

ヨウタ「いや、それは…その…」

 

シオン「まぁ、隠すな。写真もあるしな」

 

シオンはそう言って俺と穂乃果が2人でベンチに座りながらお互いに寄り添って寝ている写真を見せて来た

 

希「お2人さん。お似合いやよ♪」

 

ヨウタ「いや、これは誤解だ!なぁ?穂乃果」

 

穂乃果「う、うん…そう…だね」

 

いや、何照れてんの!!余計に疑惑が黒に変わるぞ!

 

海未「2人して寄り添いあって破廉恥です!」

 

ヨウタ「いや、誤解なんだって!」

 

にこ「アンタ、サポート役なのにアイドルに手出して良いと思ってんの!?」

 

ヨウタ「だから、誤解だ!!」

 

こうして俺達の合宿は終了した。それと、疑惑が晴れるまでに数日掛かった

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 




ガンダム、モンハン、ONE PIECE、BLEACHと自粛中に色んな物にハマり手が止まっていました。申し訳ございません。次の話はもう書けておりますので近いうちに更新します


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第16話

新章と言えば新章かな?
そして、フミとシュウジの名字を募集しております
この2人が決まったら沢山の方々から
コメント、メッセで頂いた他のキャラの名字を選び
決めようかと思います


夏休みが終わり新学期が始まる

 

ヨウタ「なんで、新学期初日って憂鬱なんだろうなぁ〜?」

 

夏休み明けは気分が上がらない。まぁ、留年は勘弁だから渋々登校するが…

 

ヨウタ「はあぁ〜面倒くせえ〜」

 

俺がダラダラと歩いてと、数メートル離れた所から人影が見えた

 

ヨウタ「喧嘩か?たく、朝から元気だな。」

 

関わりたく無かったが、人影の姿がハッキリと見えた途端、俺は関わる羽目になると察した

 

不良「良いじゃねーか?」

 

穂乃果「嫌だよ!話して!」

 

穂乃果が不良に絡まれていた何だこの展開は?デジャブかよ

 

不良「うるせーな!大人しくついて来いよ」

 

穂乃果「嫌だよ!」

 

ヨウタ「おい、嫌がってるだろ」

 

穂乃果「ヨ、ヨウタ君…」

 

ヨウタ「振られたら他を当たれ。しつこい男は嫌われるぞ」

 

不良「何だ?お前?ドラマの主人公気取りか?」

 

ヨウタ「いや、気取っては無いが…」

 

不良「それに何だ?女子校の制服着てオカマか?」

 

ヨウタ「誰がオカマだ」

 

不良「女子校に通うような女々しい奴が俺に楯突いた事を後悔させてやるよ」

 

そう言って不良は俺に制服に縫われている学校の紋章を見せて来た

 

不良「俺を誰だと思ってやがる。俺は神田工業の生徒だぞ」

 

ヨウタ「あ、ごめん。知らん」

 

不良「テメェ馬鹿にしてんのか!」

 

不良が俺に殴りかかろうとしたので、俺は咄嗟に俺は腕を掴み、逆方向に捻る

 

不良「痛!」

 

ヨウタ「よし。今だ。逃げるぞ!穂乃果」

 

俺は穂乃果の手を掴み走り出す

 

不良「テメェ!待ち上がれ!」

 

不良が俺達を追い掛けて来た。本当、しつこい野郎だ

 

穂乃果「ちょっと、ヨウタ君!どこに行くの!?」

 

ヨウタ「このままアイツを巻く。それまで走るぞ」

 

喧嘩しても良いが、この状況だと穂乃果を巻き込んでしまう

 

ヨウタ「たく、どこまでついて来るんだよ」

 

身を潜める事が出来たら簡単に巻けるのによ。と、その時だった

 

ヨウタ「お、いい曲がり角!」

 

逃げ回ってる俺と穂乃果は偶然見つけた曲がり角を右折し、そのまま路地裏に入り身を潜める

 

不良「アイツ、どこ行った」

 

俺は不良が過ぎ去るのを路地裏で確認する

 

ヨウタ「やっと、いなくなったか」

 

不良の姿が見えなくなると俺はホッと胸を撫で下ろした

 

ヨウタ「よし、そろそろ出るか」

 

穂乃果「ヨ、ヨウタ君!」

 

俺が路地裏から出ようとすると穂乃果が俺の名を呼ぶ。何だ?今出ると見つかるのか?

 

ヨウタ「どうした?」

 

穂乃果「その…」

 

俺は穂乃果の目線の先を見る。俺の視界に映ったのは穂乃果の手を握っていた俺の手であった

 

ヨウタ「あ、悪りぃ」

 

俺は握っていた穂乃果の手を離した

 

穂乃果「う、うん。いいよ…助けてくれてありがとね…」

 

ヨウタ「また、何かあったら厄介だから2人で登校するか」

 

俺は穂乃果と一緒に登校する事にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして学校に到着した俺は教室の席で面倒くさそうに座っていた

 

ヨウタ「あ〜何でこう新学期って理事長の挨拶とか全校集会があるんだよ」

 

ヤヨイ「けど、ヨウタ君が登校初日からサボらないなんて珍しいですね」

 

ヨウタ「留年はゴメンだからな。嫌でも参加するしかねーんだよ」

 

ヤヨイ「そう言えば聞きました?今日、転入生が来るみたいですよ。しかも男子生徒だとか」

 

ヨウタ「この時期に転入なんて変わってるな」

 

ヤヨイ「大体、この時期に転入してくるのは家庭の事情とかですよ」

 

ヨウタ「つーか、何で音ノ木坂なんだよ?」

 

ヤヨイ「多分、受け入れてくれたのが音ノ木坂以外に無かったのかなと?」

 

ヨウタ「確かに生徒数少ないからな〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全校集会も終わり、昼休みなる

 

穂乃果「ねぇ、聞いた?転入生の話」

 

やはり、話題になってるんだな

 

ヤヨイ「聞きましたよ。男子生徒なんですよね?」

 

ことり「私もお母さんから少し」

 

ヨウタ「つーか、何でそんなに話題なんだよ?」

 

海未「転入生がどうやら2年生らしいんです」

 

ヨウタ「だから話題になってるのか」

 

ヤヨイ「2クラスしかありませんからね。転入生が来たら話題にもなりますよ」

 

ヨウタ「俺達のクラスにいないって事はフミとシオンのクラスか」

 

穂乃果「じゃあ、みんなで転入生を見に行かない?」

 

ヨウタ「いいね〜。面白そうじゃん」

 

海未「いいですが、ヨウタは転入生にあまり馴々しくしたらいけませんよ」

 

ヨウタ「何でだよ」

 

海未「初対面の人が見たら怖がるに決まってるからです」

 

ヨウタ「オイ、意外にその言葉って傷つくんだぞ」

 

ヤヨイ「と、とりあえず見に行きましょうよ」

 

こうして、俺達は転入生がどんな奴か確認する為、隣のクラスに向かった

 

ヨウタ「うす、2人共」

 

フミ「どうした?揃いも揃って」

 

穂乃果「転入生が来たって聞いて見に来たんだよ」 

 

フミ「ああ、それなんだが…」

 

ヨウタ「どうしたんだ?歯切れ悪いぞ」

 

シオン「多分、お前らが期待すればするだけガッカリするぞ」

 

シュウジ「お久しぶりです。皆さん」

 

転入生がシュウジだと知り俺達は驚愕した。まさか顔見知りとはな…

 

穂乃果「な、何でシュウジ君が!」

 

海未「シオンは知ってたのですか?」

 

シオン「俺も知らなかった。今朝、お前らと同じ反応したよ」

 

ことり「でも、どうして音ノ木坂に転入して来たの?」

 

シュウジ「俺、洲苦留愛怒流部に加入したくて転入して来ました」

 

きっと、まだ暴走族と勘違いしてるんだろうな

 

シュウジ「穂乃果。これで俺も加入出来ますよね?」

 

穂乃果「確かに、他校生では無いけど…」

 

ヨウタ「つーか、お前。スクールアイドルって分かってるのか?」

 

シュウジ「はい。漢字でこう書くんですよね?」

 

するとシュウジは黒板全体を使って『洲苦留愛怒流部』と書き出した。この時、誰もが頭にダサいと思っただろう。1人を除いて…

 

海未「か、かっこいい…」

 

海未の一言を聞き、脳内で俺達全員は『え!!』と思っただろう

 

海未「やっと、まともな殿方に出会いました!」

 

穂乃果「海未ちゃんが感動してる!?」

 

ヨウタ「おーい、海未。正気か?」

 

フミ「アイツ、どうしちまったんだ?」

 

ことり「シュウジ君の書いた文字が心に響いたんだと思うよ」

 

シオン「どこに感動するんだよ。不良が使う当て字じゃねーか」

 

ヤヨイ「海未さんって、少しみんなとズレた所ありますよね」

 

たまに分からない時あるんだよなぁ〜海未って…。そうこうしていたら、昼休みが終わり俺達は自分の教室に戻った

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、放課後。μ'sのサポートに加入したシュウジを他のみんなにも紹介する事になった

 

シオン「改めて自己紹介しとけ」

 

シュウジ「皆さん、お久しぶりです。この度、音ノ木坂に転入して来たシュウジです。今日からスクールアイドル部のサポートを務めさせて頂きます。どうぞ宜しくお願いします」

 

ヨウタ「いや、硬いな!お前、そんな奴だったか!?」

 

シュウジ「最初は丁寧に挨拶するのが基本だと、この本に書いてありました」

 

フミ「何々?『転入してもボッチにならない100のマニュアル』どんな本読んでんだよ!」

 

穂乃果「と、という事で新しくシュウジ君が加わりました」

 

にこ「スクールアイドル部に入りたいからって転入してくるなんて、かなりぶっ飛んでるわね」

 

凛「けど、ヤヨイ君よりも真面目そうだにゃ」

 

花陽「厳しかったらどうしよう…」

 

シオン「コイツは俺の地元の連れだ。仲良くしてくれ。それと、シュウジ。何か聞きたい事とかあるか?」

 

シュウジ「シオン、ちょっと良いか?」

 

シオン「ん?どうした?」

 

シュウジ「スクールアイドルって何だ?」

 

シュウジの一言に俺達サポートメンバーが全員ズッこけた。たく、ドリフのコントじゃねーんだから

 

シオン「お前、知らないで加入したんか!?」

 

シュウジ「俺はてっきりシオンが新しく作ったチームだと思っていた」

 

ヤヨイ「やっぱり、暴走族と勘違いしてたんですね…」

 

フミ「コイツ、ただのアホだ…」

 

シオン「いいか?スクールアイドルってのはな…」

 

シオンはシュウジにスクールアイドルの事を説明する。まぁ、長すぎるから割愛させていただくけど

 

シュウジ「成る程。4〜8理解しました」

 

シオン「1から理解しろよ」

 

シュウジ「で、俺達は何するんだ?踊ればいいのか?」

 

ヨウタ「俺達は踊る必要ない。サポートするんだよ」

 

フミ「コイツには口で説明するより、実践して理解してもらった方がいいんじゃないか?」

 

シオン「そうだな。よし、お前ら!練習始めるぞ」

 

シオンの掛け声と共に練習がスタートした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わりとある学校

 

ユウノスケ「聞いたか?マサ」

 

マサ「何だ?」

 

ユウノスケ「ウチの奴で、音ノ木坂の生徒に負けた奴がいるんだってよ」

 

マサ「音ノ木坂って女子校だろ?」

 

ユウノスケ「噂なんだけど共学化により男子生徒がいるんだとよ」

 

マサ「そんな奴に負けるなんてウチの学校も落ちたな」

 

俺達が放課後、屋上で話してると、1人の生徒がやって来た

 

???「おー。いた。いた」

 

ユウノスケ「何のようっスか?リョウ」

 

リョウ「待って。俺は3年生だよ?先輩つけないと」

 

ユウノスケ「俺はアンタの事、先輩と思った事ねーけど」

 

リョウ「いいねー。相変わらずムカつくよ」

 

リョウが俺達の事を睨む。どうせ、いつもの奴だろ

 

リョウ「お前ら、ムカつくから殺っても良いよな?」

 

リョウの後ろからゾロゾロと生徒が集まって来た。中には木刀や鉄パイプを持った奴らまでいる

 

リョウ「お前ら殺ったら1人3万やるって、1年に言ったら動いてくれたよ」

 

マサ「テメェ。少しは自分で喧嘩したらどうだ?」

 

リョウ「俺が?何で?金さえあればコイツらは兵隊は動いてくれる。わざわざ俺が手を汚す意味なんてあんの?」

 

ユウノスケ「チッ。やはり、とんでもねー野郎だな」

 

リョウ「お前ら、後はよろしく」

 

リョウは1人屋上から出て行った。相変わらずコスい野郎だ

 

ユウノスケ「20人か?やれるか?マサ?」

 

マサ「やれるか?じゃなくて、やるんだよ」

 

ユウノスケ「結局、そうなるよな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、場所は変わり音ノ木坂。俺は朝の出来事を話していた

 

ヨウタ「朝、変な不良に絡まれてさ」

 

シオン「絡まれるとか、舐められてるな。お前」

 

ヨウタ「俺じゃなくて、穂乃果が絡まれてたんだよ。そいつ制服の紋章見せてさ。学校を自慢して来たんだよ」

 

シュウジ「ダサいな。学校の名を使うとか」

 

ヨウタ「確か、神田工業って言ってたな」

 

フミ「まさか、お前喧嘩してないよな?」

 

ヨウタ「いや、穂乃果もいたし。その場から逃げた」

 

フミ「あの学校には喧嘩売るなよ」

 

ヤヨイ「フミ君。何かマズいんですか?」

 

フミ「神田工業高校。不良養成学校と言われるほどの学校だ。絶対に関わるな」

 

ヨウタ「マジかよ。喧嘩したらヤバいタイプじゃん」

 

そんなに、ヤバイのか神田工業高校って。けど俺は、この時はある事に巻き込まれるなんて思っても無かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユウノスケ「立てるか…マサ…?」

 

マサ「ああ…」

 

ユウノスケ「派手にやったし、やられたな…」

 

マサ「お前もな…」

 

俺達の周りには倒れている1年がいる。20人に喧嘩を売られたが、なんとか勝てた

 

ユウノスケ「たく、リョウの奴…正々堂々と真っ向勝負しやがれ…」

 

マサ「これも…ダイの仕業だろ…」

 

ユウノスケ「あの野郎…いつも、セコい事ばかりしやがって…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュウジ「少し気になったんだが、俺達ってこの部活に必要なんですか?」

 

ヨウタ「そりゃ、必要だ。例えば…振り付けの提案したり」

 

シュウジ「それって俺達が居なくても出来るよな?」

 

ヤヨイ「確かに、μ'sは9人いるので案なんて沢山出ますもんね」

 

ヨウタ「うーん。買い出しとか?」

 

シュウジ「それって俺達が居なくても出来るよな?」

 

フミ「各自で飲み物は持って来るからな」

 

ヨウタ「ライブの日程とか組んだり?」

 

シュウジ「それって俺達が居なくても出来るよな?」

 

シオン「実際、ライブの日程って組んだ事無いよな」

 

ヨウタ「ライブのチラシ配りとか?」

 

シュウジそれって俺達が居なくても出来る…」

 

ヨウタ「あー!分かった!うるせー!お前はオウムか!!」

 

俺はカバンを持ち屋上の扉を開けた

 

フミ「どこ行くんだ?」

 

ヨウタ「帰るんだよ。俺達いても居なくても変わらないんだし」

 

俺はそう言い残し帰った

 

フミ「何、不貞腐れてるんだよ」

 

シオン「確かにアイツの言う通りかもな」

 

ヤヨイ「ちょっと、シオン君までどこ行くんですか!?」

 

シオン「俺も帰る。帰って2学期のテストの勉強するんだよ」

 

ヤヨイ「シオン君も帰っちゃいましたね」

 

フミ「しゃーね。俺達も帰…」

 

海未「珍しいですね。2人共、何処に行くんですか?」

 

マジかよ!?なんつータイミングだ。こんな時に限って海未に気付かれた!!

 

フミ「いや〜ちょっとトイレに…」

 

海未「ヤヨイも一緒にですか?」

 

ヤヨイ「ぼ、僕は喉が渇いたなぁ〜と思って…」

 

海未「本当ですか?もしかして帰ろうとか思ってませんよね?」

 

ヤバい!勘付かれてる!?

 

フミ「そんな事ない。なぁ?ヤヨイ」

 

ヤヨイ「そうですね。ヨウタ君じゃあるまいし、僕達が帰ろうだなんて…」

 

シュウジ「ああ、ヨウタとシオンが帰ったからコイツらも帰ろうとしてた」

 

あの馬鹿!?余計な事言いやがって!?

 

ことり「フミ君、帰っちゃうの…」

 

フミ「いや、俺は…」

 

ことり「ことり、フミ君に練習見てもらいたいな〜」

 

花陽「ヤヨイ君も帰っちゃうんですか?」

 

ヤヨイ「ぼ、僕が…帰るわけ…」

 

花陽「そんな、寂しい事言わないですよね…?」

 

クソ!ことりと花陽に上目遣いでお願いされたら動きたくても動けん!

 

ヤヨイ「フミ君、もう少しだけ練習見てましょうか?」

 

フミ「そうだな。俺達はいないと…いけないからな」

 

結局、俺とヤヨイは最後まで練習を見ていく事になった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある2人の帰り道

 

ユウノスケ「それにしても、何者なんだ?音ノ木坂の奴って」

 

マサ「さぁな?」

 

下校中。俺とマサの前に1人の生徒が現れる

 

不良「お前ら。帰れると思うなよ」

 

ユウノスケ「たく、また来るのかよ」

 

マサ「ユウノスケは下がっとけ。相手は1人。俺だけで充分だ」

 

マサは拳を構えた。その時だった

 

ヨウタ「オイ、道を塞ぐな。通れないだろ?」

 

マサ「わ、悪い」

 

ヨウタ「たく、他の人の迷惑を考えろよな」

 

俺は不良の喧嘩を通り過ぎようとしたのだが

 

不良「あ!テメェ!今朝の!?」

 

ヨウタ「あ?誰だ?お前」

 

不良「ここであったからには逃がさんぞ!」

 

不良が俺に向かって殴りかかろうとしたのだが、俺は咄嗟に手が出てしまい、思いっ切り顔面に右ストレートをお見舞いしてしまう。顔面を殴られた不良はそのまま倒れてしまった

 

ヨウタ「あ、ヤバッ!」

 

俺はフミの言った言葉を思い出した、神田の奴には喧嘩を売るなと…まぁ、相手から売って来たんだけど

 

ヨウタ「よし、逃げよう」

 

俺はこの場をすぐに離れた

 

マサ「何だ?アイツ?」

 

ユウノスケ「あ!アイツ!音ノ木坂の制服きてたぞ!?」

 

マサ「アイツが例の奴?」

 

ユウノスケ「マサ追うぞ」

 

俺とマサはあの噂の人物かと思われる音ノ木坂の生徒を追った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シオン「アイツらはバレてしまったのか」

 

俺は帰る事に成功し、1人駅に向かっていた

 

シオン「参考書を探していたら、大分時間が経っちまったな」 

 

その時、俺に1本の電話がなった

 

シオン「もしもし」

 

ヨウタ「あ、シオンか?お前は帰れたんだな?」

 

シオン「お前か。何の用だ?」

 

ヨウタ「それよりさ、大変なんだよ。あの学校の近くの公園に来てくれないか?」

 

シオン「はぁ?公園って俺は今駅に…切りやがった」

 

あの馬鹿はそれだけを言い電話を切った

 

シオン「何だ?アイツ?」

 

俺は不意にフミが部活中に言っていた言葉を思い出した

 

シオン「アイツ!まさか!」

 

クソッ!あの馬鹿!?喧嘩は売るなって言われたばかりだろうが!!何で、毎回トラブルに巻き込まれるんだよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユウノスケ「確か、ここに向かったよな」

 

マサ「さぁな」

 

ユウノスケ「オメーも探せよ!」

 

俺とマサがさっきの奴を探していると、また別の音ノ木坂の制服を着た男子生徒に出会した

 

シオン「あの馬鹿!どこ行った!」

 

ユウノスケ「おい、俺はお前と同じ音ノ木坂の制服を着た奴を探してるんだが知らないか?」

 

シオン「お前らか?おい、ヨウタを何処へ連れってた!!」

 

ユウノスケ「俺も同じ事を聞きてーんだが…」

 

シオン「テメェが何かしたんだろ!」

 

俺はヨウタを探していると言う男の胸ぐらを掴んだ

 

ヨウタ「よーシオンってアレ?さっきの奴ら」

 

揉めてるアイツらの前に俺はコンビニのふくろを持ってやって来たのだが、何で揉めてるんだ?

 

ヨウタ「何してるんだ?」

 

シオン「お前が電話して来て。大変だって言うから」

 

ヨウタ「あーそうそう。大変なんだよよ、この公園の近くのコンビニでさガリガリ君を3本買うと1本無料キャンペーンやってたんだよ」

 

シオン「それだけか?」

 

ヨウタ「それだけって?大変だろ。1本無料なんだぜ!」

 

シオン「俺の心配を返せ!」

 

ヨウタ「なんだよ。急にキレて」

 

シオン「俺はお前が神高の奴らと揉めて、事件に巻き込まれたのかと思ってたんだぞ!」

 

ヨウタ「マジか。すまんな」

 

シオン「謝って済む問題じゃねーよ!」

 

ユウノスケ「おい、お前ら。俺達を無視すんなよ」

 

ヨウタ「で、何なの?お前ら」

 

ユウノスケ「俺達はコイツの勘違いでイチャモン付けられてるんだよ。どう、落とし前つける気だ?」

 

ヨウタ「まぁ、そんな怒らないで。ガリガリ君あげるから」

 

俺はガリガリ君を袋から出し、渡そうとしたのだが…

 

ユウノスケ「いるか!んな物!」

 

ガリガリ君を振り払われ地面に落とされたのだ

 

ヨウタ「ああー!ガリガリ君が…俺のガリガリ…君が…!」

 

頭きた!もうコイツはぶっ飛ばす!

 

ヨウタ「テメェ!食べ物の怨み!思い知らしてやる!」

 

ユウノスケ「ほう、やる気か?実は俺もお前と喧嘩したかったんだよ。あのパンチは只者では無いだろう」

 

シオン「おい、馬鹿!喧嘩はよせ!」

 

シオンが喧嘩を止めようとするが、後ろからマサにローリングソバットを放たれた

 

シオン「!?」

 

なんとか防ぐ事は出来たが、この蹴りの威力。アイツも半端ない強さだ

 

マサ「お前も中々やるな。言っとくが胸ぐらを掴んだ事を忘れてないよな?」

 

シオン「結局、こうなるのか?いいぜ。コッチも手加減はしねーぞ」

 

マサ「いいぜ。来いよ」

 

シオン「オラっ!!」

 

俺は2、3発蹴りをお見舞いするが、全部防がれる」

 

マサ「相手が怯んでも無いのに足技は使うのは禁物だぜ」

 

俺は右足を掴まれてレッグ・ドラッグをやり返されるが、回転を利用し左足で脊髄に蹴りを浴びせた

 

シオン「捻る方向を間違えたなみたいだな」

 

マサ「黙れ」

 

ヨウタ「あっちは始めた見たいだな」

 

俺はシオンが喧嘩してる方向を見ていると不意に殴られて吹き飛ばされた

 

ユウノスケ「馬鹿か?よそ見してんじゃねーよ」

 

俺は顔を抑えながらも、衣服に着いた土汚れを振り払い立ち上がった

 

ヨウタ「いてぇな。この野郎」

 

ユウノスケ「ヘェ〜。顔面殴られたのに立ち上がれるのか。だが、次はどうかな!」

 

俺は殴りかかって来た拳を受け止める

 

ユウノスケ「何!?」

 

ヨウタ「不意打ちする奴に負ける訳ねーだろ」

 

ユウノスケ「お前、面白いじゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1年前。とある学校に入学した。なんでも有名な不良校らしいが、そんな事は関係無い。俺は中学の時から不良と言われてたからな

 

リョウ「ハイハイ。1年生のみんな入学おめでとう。これから学校の仕来りを教えるからな」

 

入学初日。2年の先輩が俺らの教室にやって来た。どうやら、学校の仕切りって奴を教えるみたいだ

 

リョウ「この学校では1年は奴隷だ。先輩の言う事を聞くようにね」

 

2年が俺らの事を奴隷だと言い放つ。それを聞いた他の連中が酷い罵倒を2年に浴びせていた

 

リョウ」ハイハイ、静かにしろお前ら。ここは猿山か?」

 

奴隷だと言われ静かにすると思ってんのか?誰もテメェらの奴隷にはなりたくねぇんだよ

 

リョウ「じゃあ、そんなお前らに良い事を教えてあげるよ」

 

2年はボロボロになった1年生らしき生徒を黒板に叩き付けた

 

リョウ「逆らったらこうなるよ。コレで言う事を聞く気になっただろう?」

 

馬鹿馬鹿しい。たかが、1年早く産まれたからって調子に乗りやがって

 

リョウ「俺も今日は手を出しに来たわけじゃない。分かったら、静かに言う事を聞きな」

 

ユウノスケ「何言ってんだ?騒がしいのはアンタらだろ?」

 

2年の態度に気に食わなかった俺は顔面目掛けて靴を投げた

 

マサ(靴、外れてるな…)

 

ユウノスケ「俺はお前らに従わない。いつでも相手になってやるよ」

 

リョウ「チッ」

 

舌打ちをし、2年は教室から出て行った。この時は周りからもすげー慕われヒーロー扱いだった。けど、長くは続かなかった

 

ユウノスケ「たく、アイツら今日も喧嘩売って来やがったぜ」

 

俺とマサは下校中にクラスの連中に囲まれた

 

ユウノスケ「おい、どうしたお前ら?」

 

同級生「悪く思うな。神高で生きて行くにはコレしか方法がねぇんだよ」

 

俺らの事をいけ好かないと思った2、3年が1年を絞め、他の1年は手下になった

 

ユウノスケ「お前ら!正気かよ!」

 

マサ「ユウノスケ。この場は一旦逃げるぞ」

 

同級生「あ!テメェら!待ちやがれ!」

 

そして、2、3年に逆らう連中は気付いたら俺とマサだけになっていた

 

ユウノスケ「たく、2年になっても喧嘩の日々かよ」

 

マサ「おい、本当にこのままで良いのか?」

 

ユウノスケ「後、1年我慢すれば3年は卒業だろ?俺らが3年になったら奴隷制度変えてやるよ」

 

2年に進級してからも、1年は奴隷だから2、3年の味方。俺とマサは襲撃される毎日を送る事になった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユウノスケ(流石に20人やった後にコイツとの喧嘩はキツイな)

 

ヨウタ「ハァ…ハァ…どうした…?フラフラじゃねーか…?」

 

ユウノスケ「お前こそな…」

 

ヨウタ「俺は…疲れて…ねーよ…」

 

ユウノスケ(けど、久々だな。こんなに楽しい喧嘩したのは…)

 

マサ「コイツ…ここまでやるとはな…」

 

シオン「流石、有名な不良校。今までの奴とは桁違いだ…」

 

マサ「これで、終わりだ…」

 

シオンは鯖折りの状態で持ち上げられる

 

マサ「動けねぇだろ?このまま…叩き付けてやる…」

 

シオン「この状態で…動けないと思ってるのかよ…!!」

 

シオンは出ない力を振り絞り、相手の腹に膝蹴りを放つ。すると、相手は膝から崩れ落ち俯せに倒れた

 

シオン「ハァ…ハァ…俺の勝ちだ…」

 

シオンはフラフラになりながらも何とか立てていた

 

ヨウタ「アッチは終わったみたいだぜ。俺らも早くケリつけようや」

 

俺はフラフラになりながらも拳を構えた

 

ユウノスケ「俺は…負けるわけには…行かねーんだ…よ!!」

 

俺は放たれた右ストレートをしゃがみ、思いっきり顎目掛けてアッパーを放つ

 

ユウノスケ「グブゥ…!!」

 

相手は空中に吹き飛ぶと、大の字になり地面に倒れた

 

ヨウタ「もう…立てねーだろ…?それにしても…疲れたな…」

 

シオン「おい、馬鹿…テメェは無事か?」

 

ヨウタ「誰が馬鹿だ…!この状態で無事と思えるか…」

 

シオン「それより、どうする?神高の奴に喧嘩売って…」

 

ヨウタ「明日…アイツらに…バレたら謝れば良いだろ?」

 

シオン「そう言うと思ったぜ…」

 

俺とシオンは横一列の状態でダベりながら帰宅する

 

ユウノスケ「マサ…生きてるか?」

 

マサ「なんとかな…それより…音ノ木坂に…あんなのがいるとはな…」

 

ユウノスケ「俺らが負けるなんてな…」

 

マサ「けどよ…負けたのに、すげー清々しいな」

 

ユウノスケ「俺もだよ…マサ」

 

俺とマサは喧嘩の余韻に浸っていた

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リョウ「アイツら兵隊20人倒しやがった」

 

シュン「俺達もそろそろ動くか?」

 

カズキ「まだ、1年と2年がいるだろ?」

 

タカト「ダイ。神田の頭はお前だろ?お前が決めろ」

 

ダイ「そうだな。そろそろ俺達も動くとするか」

 




新キャラも出て来ました
喧嘩編が続くかな?
喧嘩するなら喧嘩道
あのアプリのCM
朝倉兄弟の棒読みが好きですね


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第17話

少し短いかな?そして、察してると思いますがμ'sはあまり出て来ません。多分次の話も、その次もすいません


ヤヨイ「しかし、顔が傷だらけなのに、よく登校出来ましたね」

 

ヨウタ「コッチは休んだら留年なんだよ」

 

シオン「俺も無遅刻無欠席が途絶るからな」

 

フミ「たく、お前らって奴は」

 

ヨウタ「しゃーねぇーだろ。喧嘩吹っかけられたんだから」

 

シオン「俺もコイツのせいで巻き込まれたんだよ」

 

ことり「2人共、災難だったね」

 

海未「全く、ヨウタはともかくシオンまで…呆れて言葉も出て来ません」

 

ヨウタ「おい、それはどう言う意味だ?」

 

シュウジ「シオンは昔から巻き込まれ体質だからな」

 

海未「けど、少し喧嘩は控えて下さい」

 

ヨウタ「控えろって何も自己防衛だよ」

 

穂乃果「けど、海未ちゃんの言う通りだよ。ヨウタ君は次は退学になるかも知れないんだから」

 

ヨウタ「あぁ?そん時はそん時だよ」

 

穂乃果「もう、退学になってからでは遅いんだよ!」

 

ヨウタ「ヘイヘイ」

 

フミ(この様子だと時間の問題だな。アイツの事だ。また喧嘩するだろう)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、とあるラーメン屋

 

ユウノスケ「たく、昨日は散々だった」

 

マサ「それにしても、何者なんだ?アイツら?」

 

ユウノスケ「俺が知るか。けど、次こそは勝つ」

 

俺とマサが昨日の件を話していると話していると扉が開く

 

ユウノスケ「客か」

 

凛「今日も来たよ!お兄さん」

 

ユウノスケ「らっしゃい。つーか、毎日来てるな。飽きないのか?」

 

凛「だって、ここのラーメンが1番美味しいんだもん!」

 

ユウノスケ「フッ。よく言うぜ」

 

マサ「照れる…」

 

ユウノスケ「あ?なんか言ったか?」

 

マサ「何でも無い」

 

ユウノスケ「で、注文はいつもので良いんか?」

 

凛「うん!けど、今日は友達も来てるんだ!」

 

ユウノスケ「珍しいな。何名だ?」

 

凛「6人なんだけど大丈夫?」

 

ユウノスケ「了解。テーブル席に案内するぜ」

 

凛「ありがとう!みんな、入るにゃ〜」

 

真姫「ここがラーメン屋さん」

 

ヤヨイ「真姫ちゃんはラーメン屋って初めてなんですか?」

 

真姫「べ、別に初めてじゃないわよ!」

 

花陽「え?でも真姫ちゃん行った事無いって…」

 

真姫「ちょっと!花陽。余計な事言わないでよ!」

 

シオン「まぁ、そんな恥ずかしがる事じゃねーよ」

 

ヨウタ「そうそう。俺も大勢で来るのは初めてだし」

 

俺は客にいた野郎2人を見て驚愕した

 

ユウノスケ「テメェらは!昨日の!?」

 

ヨウタ「え?誰だ?」

 

ユウノスケ「テメェ、昨日の事を覚えてねぇのか?」

 

ヨウタ「昨日の事?あ〜俺とシオンに喧嘩で負けた。誰だっけ?ああ、思い出した。オイモとカーシーだ」

 

シオン「違うだろ。ドリーとブロギーだ」

 

ユウノスケ「誰が巨人族だ!」

 

凛「お兄さん。ヨウタ君達と知り合いなの?」

 

ユウノスケ「知り合いじゃねーよ。思い出しただけでイライラする」

 

ヨウタ「逆ギレか?つーか、お前ら。俺のガリガリ君返せよ」

 

ユウノスケ「無料の奴だろ。誰が払うか」

 

ヨウタ「はぁ!?ふざけんなよ!」

 

店長「おい、お前らうるさいぞ!」

 

チッ、騒がしくて裏から親父出て来たよ

 

凛「オジさん。こんにちわ」

 

店長「おう、お嬢ちゃん。いらっしゃい」

 

ユウノスケ「つーか、何で出て来たんだよ」

 

店長「お前が騒がしいからだよ。お前、女の子に怒鳴り散らしてたのか?」

 

ユウノスケ「誰がそんな事するか!昨日喧嘩した相手が客で来てんだよ」

 

店長「喧嘩って。お前は毎日喧嘩して。父さんはそんな不良に育てた覚えは無いぞ」

 

ユウノスケ「うるせぇな。親父も昔は相当な悪だったじゃねぇか」

 

店長「何言ってるんだ。父さんは高校時代、暴走族の2代目総長って呼ばれ神田を仕切ってたぐらいだ」

 

ユウノスケ「相当な悪じゃねーか!」

 

店長「大した事はしてないぞ」

 

ユウノスケ「神田仕切ってたのが大した事無いって馬鹿かよ」

 

ヨウタ「おいおい。親子喧嘩は後にしてくれねぇか?」

 

ユウノスケ「うるせーな。今、注文聞くから待っとけ」

 

ヨウタ「コッチはお前の喧嘩を見に来たんじゃなくて、ラーメン食いに来たんだよ」

 

ユウノスケ「誰がお前だ。俺にはユウノスケって名前があるんだよ」

 

マサ「因みに俺はマサだ」

 

ヨウタ「ユウノスケって。ユウスケなら分かるがノスケって何だよ。覚えずれぇ」

 

店長「それは名付け親の俺に言ってんのか?兄ちゃん?」

 

ユウノスケ「ウルセェ!テメェには言われたくねぇな!」

 

ヨウタ「誰がテメェだ!俺にはヨウタと言うカッコいい名前があんだよ!」

 

ヤヨイ「2人共、喧嘩は他所でして下さい」

 

ユウノスケ「言っとくが、昨日はお前らと喧嘩する前に20人相手にしてたんだ。本調子なら俺らが勝ってた」

 

マサ「だな」

 

凛「に、20人!?」

 

花陽「す、凄い…」

 

真姫「何、信じてんのよ。2人共」

 

シオン「真姫の言う通りだ。どうせ、ハッタリだ」

 

ヨウタ「へぇ!どうせ…」

 

ヤヨイ「ハイハイ。そこまでですよ。それより早くラーメン食べましょう」

 

俺はヤヨイに仲裁され、席に座る。たく、調子に乗りやがってムカつく野郎だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラーメンを注文し頂いた俺達は会計を済ませ店を出る事にした。因みにラーメンは、ムカつくほどにすげ〜美味かった

 

凛「お兄さん。また来るにゃ〜」

 

ユウノスケ「おう、待ってるぜ」

 

マサ「俺もそろそろ帰るわ」

 

ユウノスケ「はいよ」

 

因みに何故か店長から、ラーメンを完食したので店のロゴが描かれてるドンブリを貰った

 

ヨウタ「で、誰が持ち帰るんだ?コレ?」

 

シオン「お前が持って帰れ」

 

ヨウタ「え!俺!?」

 

誰も持って帰る人がいなかったので、俺が持って帰る事になる。まぁ、あっても損では無いからな

 

ヤヨイ「じゃあ、僕達はこの辺で」

 

凛「また、明日にゃ」

 

シオン「じゃあな」

 

花陽「皆さんもお気をつけて」

 

真姫「また、変な事に巻き込まれないでよ」

 

ヨウタ「たく、大丈夫だっての」

 

シオン「じゃあ、俺も駅は向こうだから」

 

ヨウタ「うぃ〜。じゃあな〜」

 

俺はみんなと別れ1人で帰宅するのだが…

 

ヨウタ「なんで俺についてくるんだ?」

 

マサ「帰り道がコッチだからな」

 

ユウノスケの友人でもあるマサと偶然にも帰り道が一緒だった。たく、嫌な偶然だな…

 

ヨウタ「ずっと黙り込んでるが、話す事とか無いのか?」

 

マサ「別に無い」

 

ヨウタ「たく、なんだよ。それ」

 

マサ「あ」

 

ヨウタ「今度はなんだ?」

 

マサ「お前、一体何者なんだ?」

 

ヨウタ「はぁ?俺は普通の音ノ木坂の生徒よ」

 

マサ「普通の生徒が喧嘩売るか」

 

ヨウタ「だからお前らが吹っかけて来たんだろ!」

 

マサ「それは、お前がふざけた態度を…」

 

ヨウタ「うっせ!俺はな、お前らと違って不良じゃねーよ!」

 

マサ「別に俺達も不良では無い」

 

ヨウタ「じゃあ、なんで有名な不良校にいるんだよ?」

 

マサ「成り行きだ」

 

ヨウタ「意味わかんねーよ」

 

俺とマサが話していると、何処から現れたのか30人ぐらいのガラの悪い奴らに囲まれた

 

ヨウタ「え、何?」

 

カズキ「マサ。お前、昨日はリョウの兵隊20人ぶっ倒したってな」

 

ヨウタ「お前の知り合い?」

 

マサ「違う」

 

カズキ「言っておくが、20人倒したからって逃げられると思うなよ。お前とユウノスケは学校全体を敵に回したんだからな」

 

はぁ?ちょっと待てよ。俺は話について来れてねーんだけど

 

カズキ「何だ、お前?友達か?残念だな。コイツのせいで巻き込まれてよ」

 

ヨウタ「おい、どう言う事だ?遊びの誘いにしては手荒過ぎるだろ」

 

マサ「仕方ない。手伝え」

 

ヨウタ「おい!ちょ!」

 

そう言うとマサは1人、大人数の野郎達に向かって行った

 

ヨウタ「待て!待て!俺を巻き込むな!」

 

不良「おい」

 

ヨウタ「はぁ?誰だ?」

 

不良「俺の事忘れたとは言わせねーぞ」

 

ヨウタ「えっと?ああー小学校の頃、同じクラスだったトシくん。何で怒ってんの?カービィのセーブデータ…」

 

不良「誰だ!ソイツは!」 

 

いきなり不良が殴り掛かって来たので俺は咄嗟にカードしたのだが…何かが殴られ割れる音が俺の耳に響いた

 

ヨウタ「ん?ああー!!俺のドンブリ…今日貰った…大事な奴…」

 

俺は殴り掛かって来た不良に大事なドンブリを壊されたのだ

 

ヨウタ「テメェ!何してくれた!!」

 

俺は不良の顔面を思いっ切り殴り気絶させた

 

ヨウタ「マサ!コイツら全員潰すぞ!」

 

マサ「お前、流石にこの数は…」

 

ヨウタ「喧嘩は数じゃねぇ!気合と根性だ!」

 

そして、俺達は大乱闘を始めたのだが、近所の人が騒きを目にしたのか、パトカーのサイレンが聴こえて来た

 

ヨウタ「チッ、察か。マサ一旦引くぞ」

 

マサ「おい、待て」

 

カズキ「通報されたかよ。俺達も撤収するぞ」

 

ヨウタ「おい、お前。顔覚えたかんな」

 

俺は即座にその場から立ち去った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マサ「何処に行ったんだ?」

 

俺は逸れたアイツを探していると、突然頭を鈍器のような物で殴られた

 

マサ「!?」

 

俺が振り返ると、そこにはリョウがいた

 

マサ「て、テメェ…!」

 

リョウ「よう。マサちゃん元気〜?昨日は良く兵隊20人やっつけたね」

 

マサ「何の用だ!?」

 

リョウ「お前ら2人がさ、随分としぶといから俺達3年が出て来たのよ」

 

マサ「ワザワザ、3年がお出ましか…」

 

俺は戦闘態勢に入り、リョウに拳を構える

 

リョウ「おお〜、やる気か?けど俺達に敵うかな?」

 

すると、リョウの後ろからゾロゾロと3年が現れた

 

カズキ「よう、また会ったな」

 

マサ「カズキ!?」

 

リョウ「たく、昨日も言っただろ?先輩を付けろって」

 

俺はリョウが持っていたバッドで腹を殴られてしまい、その場に倒れ込んだ

 

マサ「ガハ…」

 

リョウ「流石にアイツがいないと弱いな」

 

倒れた俺の前にリョウがヤンキー座りをしながら睨みつける

 

リョウ「どうだ。俺達に従う気はなったか?」

 

マサ「はぁ…?誰が従うか!」

 

俺はリョウの顔に吐いた

 

リョウ「はは〜ん。そう出るのか」

 

リョウは立ち上がり、持っていたバットを振り被ろうとする

 

???「まぁ、待て」

 

リョウ「なんで止めるんだよ。ダイ」

 

リョウの後ろから風格の悪い男が現れる

 

マサ「テメェが…ダイ…」

 

ダイ「もう一度、チャンスをやる。俺らの下につけ」

 

マサ「あいにく俺は群れるのが嫌いなんだよ」

 

ダイ「そうか、分かった。お前ら殺れ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

凛「お兄さん。今日も来たよ!」

 

ユウノスケ「ああ、いらっしゃい」

 

凛「お兄さん。どうしたの?元気ないよ」

 

ユウノスケ「少しな…」

 

凛「何か嫌な事でもあったの?」

 

ユウノスケ「いつもカウンターに座ってる俺のダチがいただろ?」

 

凛「うん。けど、今日は珍しく座って無いね」

 

ユウノスケ「ソイツが今、病院で入院してんだよ」

 

マサの事を口にしたら、さっきまで気さくに話しかけていたが、急に黙り込んだ

 

ユウノスケ「クソ、俺が…」

 

ヨウタ「うぃ〜す。また食いに来たぜって…アレ?アイツは」

 

凛「ヨウタ君。お兄さんのお友達は…」

 

ヨウタ「いや、何も言わなくていい。昨日の事で何となく察した」

 

ユウノスケ「お前、昨日の事知ってんのか?」

 

ヨウタ「テメェらの学校の奴に襲われてよぉ。なぁ?何でお前らはアイツらに狙われてるんだ?」

 

ユウノスケ「お前には関係ねぇだろ」

 

ヨウタ「関係無くはねぇよ。コッチは昨日、ドンブリ壊されてんだ」

 

ユウノスケ「だからと言って…!」

 

シオン「やっぱ、ここにいたのか?」

 

俺とユウノスケが話してる途中でシオン達が入店して来た

 

フミ「ここか。お前らが言ってたラーメン屋」

 

ヤヨイ「中々、美味しんですよ」

 

真姫「そう、まぁまぁだったわよ」

 

花陽「真姫ちゃん。お店の人に失礼だよ」

 

ユウノスケ「お前らも来たのかよ」

 

ヨウタ「丁度良かった。お前ら手貸してくれねぇか?」

 

シオン「急に何言ってんだ?お前」

 

ヨウタ「コイツと一緒に神田の連中をぶっ飛ばすんだよ」

 

フミ「お前、何言ってんだ!?」

 

ヨウタ「ドンブリ壊された借りがあんだよ」

 

フミ「悪いが俺達は手を貸さん。やるなら2人でやるんだな」

 

ヨウタ「たく、付き合い悪りぃな」

 

ユウノスケ「当たり前だろ。普通は誰だって俺の学校の連中には手を出さん」

 

シオン「そう言う事だ。じゃあ俺達はラーメン食ったら帰るぞ」

 

シオン達が席に座ろうとした瞬間『バン!』と衝撃音が俺達の鼓膜に響く

 

ユウノスケ「おい!大丈夫か!?」

 

ユウノスケの足元には掌ぐらいある石が落ちていていた

 

フミ「何だよ…今の…!」

 

音が響いた方を見ると、窓ガラスが何者かによって割られている

 

ヨウタ「神田の連中か!?」

 

俺が店を出ると、ビッグスクーターに2人乗りしている神田の生徒らしき、奴がいた

 

不良「ユウノスケに伝えておけ。逃げんなよってな!」

 

ソイツらは高笑いしながらバイクで去って行った

 

ヨウタ「お前ら大丈夫か?」

 

ヤヨイ「僕達は大丈夫ですが、真姫ちゃんが…」

 

俺は真姫に目をやると、真姫は右腕から流血していた

 

真姫「大丈夫…傷は深くないから」

 

シオン「見せてみろ」

 

シオンは真姫の傷口を確認する

 

シオン「オイ、救急箱貸してくれ」

 

ユウノスケはシオンに救急箱を渡し、真姫の腕を包帯で応急処置をする

 

シオン「フミ、これで俺達も神田の連中に借りが出来たな」

 

フミ「ああ、そうだな」

 

シオン「おい、手ぇ貸せよ」

 

ユウノスケ「はぁ?」

 

シオン「手ぇ貸せつってんだよ!!」 

 

ユウノスケ「いや、俺の台詞…」

 

ヨウタ「お前ら手を貸さないんじゃ…」

 

フミ「真姫が怪我させられて、俺らが黙ってるわけねぇだろ」

 

ヨウタ「そうかよ。よし、これで4人。面白そうな事になりそうだ」

 

ユウノスケ「いや、4人だと足りねぇ。相手は神田の頭。その下に四天王がいる。最低でも5人は必要だ」

 

シオン「5人か。それならアイツだな」

 

そう言ってシオンはシュウジに電話した

 

シオン「シュウジ、俺だ」

 

シュウジ「急にどうした?」

 

シオン「すまねぇが、手を貸してくれないか?」

 

シュウジ「今からか?なら無理だ」

 

シオン「はぁ!?どうしてだよ!!」

 

シュウジ「今、海未に頼んで弓道部を見学してるんだ」

 

シオン「そんなん、いつでも出来るだろ?おい、もしもし…チッ、切られたよ」

 

ヨウタ「なるほどな。ちと待っとけ」

 

俺はスマホを取り出し、ある奴に電話した

 

ヨウタ「俺だ、昨日話したラーメン屋に来てくれ」

 

俺が通話を終えた数分後。俺の電話相手が到着する

 

レン「呼ばれて登場。どもどもレンレンなり〜」

 

フミ「コイツなら頼りになるな」

 

レン「で、何のよう?」

 

ヨウタ「好きなラーメン奢るから選んでくれ」

 

レン「ヨウちゃんが奢るだなんて怪しいねぇ〜。用件は何なの?」

 

ヨウタ「手を貸してくれ。神田の連中と勝負すんだよ」

 

レン「え〜面倒くさい。何で俺っちが」

 

フミ「真姫の腕を見てくれ」

 

レン「お、1年生の子達もいんじゃ〜ん。ん?その腕…?」

 

レンは包帯を巻かれた真姫の腕を見て何かを察したようだ

 

レン「ヨウちゃん、フミちゃん。じゃあ、ラーメンの肉と野菜増し増しね」

 

ヨウタ「ああ、2杯までなら奢ってやるよ」

 

ユウノスケ「よし、これで5人か」

 

シオン「頭数は揃った。後はそれぞれの目的を果たすだけだな」

 

ユウノスケ「俺はマサの仇」

 

ヨウタ「俺はドンブリの借りを」

 

シオン「俺達は、真姫の…為に…」

 

フミ「何で、声小さくなってんだよ」

 

レン「俺っちはラーメン食べたいから」

 

1人は動機が不純だが、これで役者は揃った。絶対に神田の連中をぶっ飛ばしてやるよ

 

 

つづく

 

 




神田四天王

加賀美リョウ
神田のNo.2
金の力で登りつめた卑怯者
金を使い1、2年を兵隊として扱う

新井カズキ
強さはダイとほぼ同等の実力を誇る
実質神田のNo.2
ダイと共に行動する事が多い

氷上シュン
神田工業1の色男
放課後は必ず彼女に電話している
喧嘩もかなりの実力者

斎場タカト
四天王の集会以外はあまり登校しない為
神田の生徒からはレア者扱いされてる
基本的には1人で行動する事が多い


守谷ダイ
神田工業の頭
今までの喧嘩も無敗
神田最強の男


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第18話

ユウノスケ(苗字募集中)
神田工業高校の2年生
実家はラーメン屋
そのせいか、料理が得意
ラーメン以外も作れるとの事
親父が元族の2代目ヘッド
どうやら、血筋は受け継がれるようだ
マサとは小5のころからの付き合い

好きな食べ物
ヒレ肉のステーキ

嫌いな食べ物
蟹(アレルギー)

愛車
YAMAHA ドラッグスター400


ヨウタ「よし。そうと決まれば早速殴り込みだ」

 

ユウノスケ「いや、正面突破だと1、2年も相手にしなきゃ、いけないから厄介だ」

 

レン「それじゃ、どうするの?このままだと俺っち達、負けちゃうよ〜」

 

ユウノスケ「だから"ココ"を使うんだよ」

 

ユウノスケは頭を指差して言う

 

ヨウタ「頭使うって頭突きだけで倒せねーぞ」

 

フミ「脳筋は少し黙ってろ。オイ、頭使うなら作戦立てるんだよな?」

 

ユウノスケ「そうだが?」

 

フミ「何か情報とか無いのか?」

 

ユウノスケ「情報か。俺が知ってる事は四天王とダイは週2回、火曜日と金曜日に喫茶店で集会を開いている」

 

ヨウタ「集会ねぇ〜」

 

シオン「成る程な。良い案がある」

 

レン「お、何なの?シオンちゃん」

 

シオン「俺達の目的は四天王とダイって奴をぶっ飛ばす事だ。なら集会終わりを狙うのが良いだろ?」

 

レン「ほいで、ほいで?」

 

シオン「集会終わり、それぞれバラバラになった所に奇襲をかけるんだよ」

 

フミ「けど、それなら5人が集会終わりに、どうするか探らないと行けねーぞ」

 

ヨウタ「偵察って事か。俺とコイツは顔が割れてるからな」

 

レン「ここは怪しまれない人が良いね〜」

 

レンはチラッとヤヨイの方を見る

 

ヤヨイ「え?」

 

ヨウタ「決まりだな」

 

ヤヨイ「ちょっと!勝手に決めないで下さいよ!」

 

シオン「けど、お前しかいねーんだよ」

 

ヤヨイ「そんな、困りますよ!?」

 

ヨウタ「じゃあ、どうすんだよ?」

 

ヤヨイ「あ!それなら良い案があります」

 

するとヤヨイはスマホを取り出した

 

ヤヨイ「SNSを使って情報を集めます。それに皆さんの事ですから、早くしないと勝手に動きそうですし」

 

確かに、コイツ俺達の事を分かってやがる

 

ヨウタ「けど、そう簡単に探せるのか?」

 

ヤヨイ「任せて下さい」

 

レン「頼りになるねぇ〜。ヤヨちゃん」

 

ユウノスケ「よし、なら次は誰を相手するかだ」

 

ヨウタ「俺は昨日、ドンブリを割った奴」

 

ユウノスケ「多分、カズキだろう」

 

ヨウタ「よし、ぶっ飛ばしてやるよ」

 

ユウノスケ「言っとくが、カズキは実質ダイの次に手強い」

 

ヨウタ「はぁ、どんな奴だろうと紙と一緒に丸めて天ぷらにしてやるよ」

 

ユウノスケ「何だよ、ソレ?」

 

レン「俺は誰でも良いよ〜」

 

シオン「右に同じく」

 

ユウノスケ「俺はダイをぶっ飛ばす」

 

ヨウタ「本当にいいのか?」

 

ユウノスケ「何が言いたい?」

 

ヨウタ「お前、マサを病院送りにした奴をぶっ飛ばしたい顔してるぜ」

 

ユウノスケ「お前に言われるとムカつくな」

 

フミ「お前がソイツをぶっ飛ばしたいなら、頭は俺が貰うぜ」

 

ユウノスケ「ああ、任せた。リョウの野郎!マサの仇だ!」

 

シオン「これで準備は整ったな」

 

ヨウタ「よし、景気付けにラーメンを…」

 

ユウノスケ「おい、勝手に決めんな」

 

店長「お、帰ったぞー。何だお前ら来てたのか」

 

ヨウタ「あ、お邪魔してまーす」

 

店長「お前ら、遊ぶのは良いけど、勉強もしないとダメだぞ」

 

ユウノスケ「うるせーな。口だしすんなよ」

 

店長「お前らの為を思って言ってんだぞ。うぉ!?ガラス割れてる!」

 

ユウノスケ「さっき割られたぞ」

 

店長「何で、捕まえなかった!」

 

ユウノスケ「相手はバイクだった。無理なこと言うな」

 

店長「走って追いつけるだろ!」

 

ユウノスケ「無理だわ!」

 

店長「情けない。俺が若い頃は250ccなら走って追いつけたぞ」

 

ユウノスケ「自分と比べんな。クソ親父!」

 

店長「とにかく、1発ぶん殴って来い!俺の分で2発な」

 

元族だけあって血の気が多い店長だな…割られたガラスの分もブン殴ってやるか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず計画を実行する時、再度集まる事にして俺達は解散した

 

ヨウタ「悪いな。レン」

 

レン「そんな事言わないの☆3人の仲でしょ」

 

フミ「それにしても、いつ振りだ?3人で喧嘩すんの」

 

レン「中学以来じゃない?けど、相変わらず変わらないね」

 

ヨウタ「何がだ?」

 

レン「2人が喧嘩する理由って、昔っから仲間の為だもんねぇ〜。けど、ヨウちゃんは自分の事を馬鹿にされても喧嘩するけど」

 

ヨウタ「うっセーな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラーメン屋を出た僕達も帰路に向かっていた

 

花陽「真姫ちゃん。大丈夫?」

 

真姫「大した怪我じゃ無いから、すぐに治ると思うわ」

 

凛「ガラス破られて店長さんもカンカンに怒っていたにゃ」

 

シオン「誰だって自分の店を壊されたらキレるだろ」

 

ヤヨイ「シオン君も珍しく怒ってましたからね」

 

シオン「当たり前だろ」

 

真姫「全く、シオンも案外単純よね」

 

シオン「誰が単純だ。それに、今回の件は…お前の為でもあるし…」

 

真姫「な、何言ってんのよ!!」

 

凛「あ、真姫ちゃんが照れてるにゃ〜」

 

真姫「う、うるさい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして2日後

 

ヨウタ「よし、行きますか」

 

穂乃果「ヨウタ君達、今日練習だけど?」

 

ヨウタ「ちと、俺達予定あるから帰るわ」

 

フミ「じゃあな」

 

シオン「ヤヨイ、後は頼んだ」

 

穂乃果「ちょ、ちょっと!!もう、自分勝手なんだから!」

 

ヤヨイ「3人も色々とあるんですよ」

 

海未「ヤヨイは何か知ってるのですか?」

 

ヤヨイ「真姫ちゃんが怪我したのって他の学校の人達の仕業なんですよ。それにシオン達が怒って」

 

ことり「それで、フミ君達もヨウタ君について行ったんだね」

 

穂乃果「それでも自分勝手過ぎるよ!ヨウタ君、次は退学だって分かってても喧嘩するんだから」

 

シュウジ「教室から出た途端、3人が走って行ったんだが部活サボって逃げたのか?」

 

穂乃果「シュウジ君?どうしてここに?」

 

海未「シオンについていかなかったのですか?」

 

シュウジ「俺は無関係だからな。それよりも早くサポート役の仕事を覚えないといけないからな」

 

相変わらず、マイペースな人だ

 

穂乃果「3人もシュウジ君を見習えば良いのに」

 

シュウジ「確かに、喧嘩は良くないイメージが強いが、やらなきゃ行けない時もある」

 

ヤヨイ「それって、どういう時ですか?」

 

シュウジ「仲間を傷つけられた時さ」

 

ヤヨイ「何か、らしくないですね」

 

シュウジ「先代からの教えでな。あの3人も先代のリーダーと同じ意思を感じた」

 

ヤヨイ「本当に無知苦茶な人達ですよ」

 

シュウジ「確かに無茶苦茶な人達だな。けど、一緒にいても飽きない奴らだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、放課後。俺達は作戦を決行する為、喫茶店の前で隠れている

 

ヨウタ「とりあえず、出て来るまで暇だな」

 

レン「待つ事も大事よ」

 

ユウノスケ「つーか、何でお前らと一緒なんだよ」

 

何故、俺とユウノスケ、レンが一緒にいるのかと言うと、それは昨日に行われた作戦会議に遡る

 

ヤヨイ「集会終わり、それぞれの動きが分かりました」

 

ユウノスケ「でかした」

 

ヤヨイ「けど、予想通りに行くとは限らないです」

 

シオン「構わない。続けろ」

 

ヤヨイ「じゃあ、それぞれに指示を出します」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨウタ「仕方ないだろ。指示通りに動いてるんだから」

 

レン「お、出てきたよ」

 

喫茶店から先に出てきたのは四天王の1人。シュンだった

 

ヤヨイ「四天王のシュンは先に1人で店を出ます。その時にいつも彼女らしい人と電話をしているらしく、その時が狙い目です」

 

レン「来た来た。ここは俺っちにお任せあ〜れ〜」

 

シュンに向かいレンが飛び出して行く

 

ヨウタ「おい!お前!」

 

シュンは向かってくる足音に気が付き、振り返ったのだが、その瞬間にレンが勢いよくドロップキックを顔面にお見舞いする

 

ヨウタ「嘘だろ!」

 

ユウノスケ「何もんだよ。アイツ」

 

ドロップキックを食らったシュンは吹き飛び気絶していた

 

レン「はい〜。一丁あがり☆」

 

ヨウタ「相変わらず、やり過ぎだ。テメェは」

 

レン「先手必勝!一撃必殺!これが俺っちのポリシーねぇ〜」

 

ユウノスケ「とりあえず、電話が掛かってきたら厄介だな。電源は切っておくか」

 

ユウノスケは勘付かれたらマズイと思い、シュンが持っていたスマホの電源を切る

 

ヨウタ「これで1人片付いた。あと4人だ」

 

ユウノスケ「俺はリョウの所に行く。お前らも気をつけろよ」

 

ユウノスケは1人走りながらリョウの所に向かった

 

ヨウタ「よし、俺も」

 

俺も1人でヤヨイに指示された場所に走り出す

 

レン「ありゃ?みんなどうしたの?」

 

俺っち1人だけ取り残されちゃった

 

レン「しょうがない。俺っちも手助けと行きますか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある、河川敷。シオンは四天王の1人であるタカトを待つ

 

ヤヨイ「四天王のタカトは1人で帰宅します。その時、人がいない河川敷を通りますので、そこを狙った方がベストです」

 

シオン「たく、いつになったら現れるんだ」

 

そこから数分経ち、やっと見るからに不良の輩が歩いて来た

 

シオン「よう、お前がタカトか?」

 

タカト「誰だお前は?」

 

シオン「お前に恨みはないが負けて貰う」

 

タカト「俺を誰だか知っていて言ってるのか?お前」

 

シオン「そうだが、文句あるか?」

 

タカト「やろー!上等だよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、客のいないビリヤード場。そこで1人ビリヤードを楽しんでいたリョウの元に珍しい客が訪れる

 

ユウノスケ「よう、先輩。俺とケリつけようや」

 

リョウ「まさか、君から来るなんて思わなかったよ」

 

ユウノスケ「マサの仇だ。俺とタイマン張ろうぜ。先輩」

 

リョウ「面白いね。言っとくけど君は俺にタイマンでも勝てないと思うよ」

 

ユウノスケ「ふざけんなよ。タイマンなら俺が勝つに決まってんだろ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨウタ「よし、この空き地で良いんだよな」

 

ヤヨイの話によると四天王のカズキが来るらしい

 

ヤヨイ「四天王のカズキは集会が終わると空き地に停めてあるビッグスクーターの所に向かいます」

 

ヨウタ「確かにビッグスクーターは止まってる。ここで間違え無いんだがな」

 

俺が待ち続けると停めてあるビッグスクーターに近づく男がいた

 

ヨウタ「お!アイツは間違えなく俺のドンブリを割った奴!!」

 

俺はダッシュでビッグスクーターに近づいた

 

ヨウタ「テメー!見つけだぞ!」

 

ビッグスクーターの前まで来た俺。その時に予想外の出来事が起きた

 

ダイ「カズキ。家まで送れよ」

 

ヨウタ「え?」

 

カズキ「ん?何だ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フミ「おかしい。とっくにダイが来ても良い時間だ」

 

ヤヨイの指示通りにダイを待つが、一向に現れない。俺はその時、ヤヨイの言葉を思い出した

 

フミ「まさか…!?」

 

『予想通りには行かない』けど、もしダイが他の四天王と鉢合わせるのならば…!?誰だ!?俺は急いで他の奴らの元へ向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

ユウノスケ「ぐあぁ…!!」

 

俺はリョウに殴られ、足が怯み後ろのビリアード台に持たれかかる

 

リョウ「俺が1年と2年を金で動かしているから弱いと思ったか?一応、これでもNo.2なんだよ」

 

やっぱ四天王だな。タイマンでも手強い相手だ

 

ユウノスケ「ああ、ハッキリ言って舐めてたよ。テメェの事…」

 

ビリアード台にもたれかかっている俺の腹にリョウは容赦なく蹴りを入れる

 

リョウ「さっきの威勢はどうした!?タイマンなら俺に勝てるんだよな!?」

 

何度も蹴られ続けられてる俺は、限界に近かった

 

リョウ「どうした?もうお終いか?」

 

だが、諦めるわけには行かねぇんだよ

 

ユウノスケ「ああ、そうだっな…」

 

リョウ「ああ?」

 

俺は身体全体に力を込め、立ち上がり、蹴りを休めたリョウの顔面に思いっ切り右ストレートを放った

 

ユウノスケ「タイマンなら勝つ…!!」

 

ここで負けたらマサに顔向け出来ねぇだろうが

 

リョウ「クソが!!」

 

殴り掛かって来たリョウの胸ぐらを掴み俺はビリアード台に投げ飛ばした

 

リョウ「があぁ…!!」

 

背中から叩き付けられたリョウの腹や顔を何発も殴る

 

ユウノスケ「これで懲りただろ?」

 

何発も殴り続けた俺も体力の限界が近づいて、手を止め壁に持たれた

 

ユウノスケ「それとも、まだやるか?」

 

ビリアード台の上で倒れていたリョウはフラフラになりながらも台から降り、そのまま地面に座り込んだ

 

リョウ「俺の負けだ…悪かった。もう、お前には手出ししねぇからさ…」

 

ユウノスケ「分かれば良いんだよ」

 

俺はそのままビリアード場から出ようとした時だった

 

リョウ(馬鹿か!敵に背中を向けるなんてよ!!)

 

リョウはユウノスケの後頭部目掛けてキューを振りかぶろうとしたが

 

リョウ「ガバッ!!」

 

俺はリョウのコメカミ目掛けて回し蹴りを放つ。まともに喰らったリョウは吹き飛びビリアード台に思いっ切り強打し気絶した

 

ユウノスケ「気づいて無いと思ってたのかよ。先輩」

 

普段から卑怯な事してるからお見通しなんだよ

 

ユウノスケ「言っただろ?『タイマンなら勝つ』って…」

 

けど、流石に苦戦した。けど、ダイの所に行かなければ。アイツらが簡単に勝てる相手では無いからな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、河川敷

 

タカト「まさか、こんな強い奴がいるなんてな…」

 

シオン「そりゃどうも…」

 

タカト「けど、俺ほどでは無いな!!」

 

俺はタカトに脇腹を殴られる

 

シオン「ぐっ…!!」

 

タカト「どうした!?怯んでんぞ!!」

 

すかさず俺は右足にローキックをお見舞いされ、片膝が地面に着いた

 

タカト「所詮は威勢だけか」

 

顔面に蹴りを入れられた俺は吹き飛ばされ側臥いに倒れる

 

タカト「口だけの野郎だったな」

 

シオン「おい…」

 

タカト「…!?」

 

シオン「これぐらいで、俺がくたばると思ってたのか?」

 

タカト「顔面に蹴り喰らって、まだ立てると言うのか!?」

 

シオン「あんな蹴りじゃ俺を倒せないぜ」

 

タカト「ふざけんな!!」

 

タカトは俺目掛けて向かって来たが、俺はタカトの顎に思っ切り膝蹴りをぶち込んだ

 

タカト「ガバッ…!!」

 

タカトはそのまま膝から地面に倒れ込む

 

シオン「顎に1発入れれば脳が揺れるだろ?喧嘩の極意だ」

 

族の時に教えられた事が役に立つなんてな。とりあえず一服するか

 

シオン「まだ、蹴られた顔が痛ぇな」

 

俺は地面に座りタバコに火を付ける

 

シオン「フゥ〜。アイツら大丈夫か?」

 

タバコをの煙を眺めていると、突然、何者かの影が俺を覆い被さった

 

マサ「おい」

 

シオン「おわあぁ!!」

 

マサ「ユウノスケ知らないか?」

 

シオン「お前かよ。たく、脅かすなよ」

 

マサ「お前、何してるんだ?」

 

シオン「喧嘩後の一服だよ」

 

マサ「なんで、お前がタカトと?」

 

シオン「コイツらが俺達の仲間を怪我させたんだよ。それで、四天王と頭をぶっ飛ばそうと…」

 

マサ「じゃあ、ダイはどこにいる?」

 

シオン「最後まで聞け!ソイツなら他の奴が別の場所で…」

 

マサ「分かった」

 

シオン「だから、人の話を聞け!!」

 

マサは俺の話を途中までしか聞かないで、どこかに向かってしまった

 

シオン「たく、アイツ1人で大丈夫かよ」

 

しゃーない。道案内としますか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フミ「空き地はこの辺だと思うが」

 

空き地近くまで来た俺。すると、草むらから見覚えのある奴が飛び出して来た

 

ヨウタ「うぉッ!!」

 

フミ「何だ!?」

 

ヨウタ「イテテ…クソ!かなり強ぇ」

 

ダイ「まさかガズキを倒すなんてな」

 

ヨウタ「後はお前だけだ」

 

ダイ「俺に勝つなんて無理だぜ」

 

ヨウタ「はぁ、無理じゃねぇよ」

 

草むらから飛び出て来たのは、ダイと交戦中の馬鹿だった

 

ヨウタ「それにしてもキツいな」

 

フミ「おい!」

 

ヨウタ「フミ…テメェ!来るのが遅いんだよ!!」

 

フミ「はぁ?」

 

ヨウタ「オメーが遅いから、コッチは2人同時に相手する事になったんだよ」

 

フミ「お前!?」

 

ヨウタ「ん?」

 

あの馬鹿!?喧嘩中に余所見してるからだ!!

 

ダイ「喧嘩中に話し込んでんじゃねぇよ」

 

ヨウタ「痛ぇな。ちとは、空気読めや」

 

フミ「ヨウタ下がれ!後は俺がやる」

 

ヨウタ「はぁ?何言って…」

 

フミ「元々は俺の相手だ。役目終わったなら引っ込んでろ」

 

渋々だが、俺はフミとバトンタッチする

 

ダイ「選手交代か?いいぜ来いよ」

 

フミはダイに向かい拳を構える。いよいよ2人の対決が始まろうとしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダイ「どうした?構えてるだけなら意味ないぜ」

 

フミ「分かってるよ」

 

俺はダイの顔面を殴ろうとするが

 

ダイ「そんな、パンチじゃ勝てないぜ」

 

俺の拳は簡単に受け止めてしまい、ハイキックを入れられた

 

フミ「グッ…!!」

 

ダイ「どうした?もう終いか?」

 

フミ「誰が終わるかよ!」

 

俺はダイに再び殴り掛かる

 

ヨウタ(このままじゃ、アイツ負けるな)

 

俺は傍観しながら、喧嘩を見守る。けど勝負か決まっていると確信した

 

ヨウタ(確かにフミは強い奴だが、ダイが桁違いだ。俺とあれだけやって呼吸すら乱れて無い)

 

ダイ「まだやるか!」

 

ダイがフミの人中を目掛け殴り掛かるが、なんとかフミは両腕でブロックした

 

ダイ「馬鹿か?視界塞いだら見えねーだろ?」

 

すかさずダイはフミの脇腹に蹴りを入れる

 

フミ「グッッ…!!」

 

ダイ「大した事ねぇな」

 

フミ「まだだ…」

 

フミはフラフラになりながらも、持ち堪える。しかし、もう限界だろう

 

ヨウタ「フミ、変われ。俺がやる」

 

フミ「ふざけんな…俺は、まだ負けてねぇ」

 

ヨウタ「無理すんな。お前、もう限界だろ?」

 

ダイ「カズキと戦って、まだやれるのか」

 

ヨウタ「テメェ倒さねぇと意味ねぇからな」

 

俺がダイに向かって構えた時だった

 

マサ「待ちな」

 

俺達の前にマサとシオンが現れる

 

シオン「はぁ…やっと着いた…」

 

マサ「先輩。俺と決着つけましょう」

 

ヨウタ「テメェ、良い所に来んなよ」

 

マサ「お前もフラフラだろ?それに俺達の問題は俺達が決着付けないとな」

 

ヨウタ「フラフラじゃねーよ。見ての通り立ってるだろ」

 

マサは俺の身体を軽く押した

 

ヨウタ「オッ…と…痛てぇ…!!」

 

マサ「我慢すんな」

 

ヨウタ「チッ…テメェ、負けんなよ。シオン肩貸せ」

 

シオン「あいにくフミを担いでるから無理だ」

 

ダイ「結局、誰が相手すんだよ」

 

マサ「早くやりましょうぜ。先輩」

 

ダイ「後輩が先輩に楯突くなよ!」

 

ダイはマサに向かって蹴りを浴びせてきたが、マサは瞬時にブロックする

 

ダイ「やるようだな」

 

マサ「負けられないんだよ。俺は」

 

マサは右ストレートを顔面に喰らわすがダイはビクともしない

 

ダイ「甘いんだよ!」

 

続いてダイがマサの顔面に右ストレートを喰らわすと、マサは倒れそうになるが持ち堪える

 

マサ(流石、頭だな)

 

ダイ「どうしたよ?俺を倒すんじゃ無いのか?」

 

マサ「ああ、倒す」

 

マサはダイの腹にフロントキックをお見舞いする

 

ダイ「グッ…!!」

 

マサ「どうした?痛かったか?」

 

するとダイはマサの足を掴み、頭から落とそうとするが、その勢いを利用してマサは延髄に蹴りを食らわす

 

フミ「よし!」

 

ヨウタ「いや、まだだ」

 

脳天をモロに当たっていたものの、ダイが怯む事は無かった

 

ダイ「舐めやがって!」

 

ダイは倒れたマサに馬乗りをし何発も殴り続けた

 

ダイ「どうだ?もう、動けまい」

 

マサ「甘いよ。先輩…」

 

何発も殴られたマサだが、顔の傷は少なかった

 

マサ「アンタを油断させる為に、最初はワザと喰らった。けど、それ以降は全部ブロックしたのさ」

 

ダイ「ふざけんな!」

 

ダイはマサの顔面をもう一度殴ろうとするが、マサはダイの拳を受け止める

 

マサ「そろそろ疲れて来ただろ」

 

マサはダイの顔面を殴り返すとダイは怯んでマサから離れた

 

マサ「先輩。まだ続けますか?」

 

マサは起き上がり拳を構える

 

ダイ「クソ!ならコレで終いだ!」

 

ダイは右手の拳を構えて、マサに向かっていく。それを見かねマサも右拳を振り被ろうとする

 

ヨウタ「しゃがめ!マサ!」

 

俺はマサに指示を出した。すると、とっさにマサはしゃがみ、腹に右ストレートを放つ

 

ダイ「ガハッ!」

 

シオン「マジか…!?」

 

フミ「アイツ、やりやがったな」

 

ダイの腹にマサの右ストレートが決まり、ダイは倒れ込んだ

 

マサ「俺達の勝ちですね」

 

フミ「アイツ、やりやがったのか?」

 

ヨウタ「そう、見たいだな」

 

シオン(コイツ、あの時本当に20人と喧嘩した後に俺とやり合ったのか…!)

 

神田との戦いは俺達の勝利となった

 

ユウノスケ「おい、お前本当は迷ってるんだろ?」

 

レン「ここで合ってると思うんだけどなぁ〜?」

 

ヨウタ「何してんだ?お前ら?」

 

レン「お、いたいた!探したよって、アレェ〜。もう終わり?」

 

ヨウタ「何してたんだよ」

 

レン「みんなの事、探してたのよ」

 

ユウノスケ「つーかマサ、怪我は大丈夫なのか!?」

 

マサ「問題ない。それより…」

 

倒れ込んだダイは起き上がり地面に座り込む。その元にユウノスケとマサが歩き出し、ダイの前に立つ

 

ダイ「殴りたきゃ殴れ」

 

ユウノスケ「倒れてる奴を殴るほど、俺達は腐ってねーよ」

 

そして、2人はダイに背を向けた

 

ユウノスケ「行くぞ。マサ」

 

マサ「ああ」

 

2人で帰ろうとした時、ユウノスケがチラッと俺の方に目をやる

 

ユウノスケ(アイツ、1人でダイとカズキを相手にしたのか?負けたとしてもバケモンだろ?)

 

ヨウタ(アイツら。本当に只者では無ぇな)

 

シオン「俺達も行くぞ」

 

シオンはフミを担いだ状態で歩き出した

 

レン「ヨウちゃんも行くよ」

 

ヨウタ「大丈夫だ。もう1人で歩ける」

 

レンは俺に肩を貸したが俺はそれを振り解く

 

レン「たく、素直じゃ無いんだから」

 

決着をつけた俺達はそれぞれの帰路に向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日。俺達はまたラーメン屋に来ていた

 

ヨウタ「で、お前達は何か変化あったのか?」

 

ユウノスケ「ダイ倒しても、みんなが俺らの事怖がって、結局何も変わらないまま」

 

2人は喧嘩は売られなくなっていたが、孤立してるのは変わらないようだ

 

マサ「俺は群れるのは嫌いだ。今のままで良い」

 

ユウノスケ「変わらない事が1番良いのかもな」

 

2人が話しているとドアが開く。誰かと思えばレンが入ってきた

 

レン「どもども〜。ラーメン1つ」

 

ユウノスケ「お前も来たのかよ」

 

レン「せっかく来たのに酷い言い方だね〜。後、アイスティーとかある?」

 

ユウノスケ「ここはラーメン屋だ。アイスティー飲みたいなら喫茶店に行け」

 

ユウノスケとレンが話していると、また扉が開く

 

フミ「よう」

 

シオン「また、来たぜ」

 

ユウノスケ「今度はお前らかよ」

 

シオン「別に良いだろ」

 

ヨウタ「つーか、お前ら部活は大丈夫なのか?」

 

フミ「それはお前も一緒だろ」

 

ユウノスケ「なんだ?お前ら。部活してたのかよ」

 

ヨウタ「まぁ、マネージャーと言うかサポート役だけど」

 

ユウノスケ「なんだよ。それ」

 

俺達がたわいの無い話をしていると、また扉が開く

 

凛「やっぱり、ここにいたにゃ!」

 

穂乃果「もう、やっと見つけたんだから!!」

 

ヨウタ「げぇ!ヤベぇ!!」

 

ユウノスケ「いらっしゃい。今日も来たのか?」

 

凛「あ、お兄さん。酷いんだよ!ヨウタ君達部活サボってここに来てるんだよ」

 

ヨウタ「別にサボってる訳じゃ…」

 

シオン「つーか、何でココが分かった?」

 

ヤヨイ「すいません。バレちゃいました」

 

フミ「ヤヨイ!何でお前も!?」

 

海未「3人共、随分と楽しそうですね」

 

ヨウタ「げぇ!!海未もいんのかよ!!」

 

フミ「それより、この状況はヤバい!」

 

シオン「おい、裏口とか無いのかよ!?」

 

ユウノスケ「あるが、客を厨房に入れてたまるか」

 

ことり「3人共、素直に謝った方が良いと思うよ」

 

フミ「こ、ことり。お前からも何か言ってくれないか」

 

海未「今日と言う今日は逃がさないですよ」

 

ヨウタ「このままじゃ、殺される!逃げるぞ!?お前ら!!」

 

凛「あ、3人共、待つにゃ!」

 

3人は顔色を変えて店を後にした

 

ユウノスケ「何者なんだよ。アイツら」

 

レン「ヨウちゃん達、今話題のスクールアイドルμ’sのサポート役なんだ。俺っちも最初は驚いたよ」

 

ユウノスケ「はぁ!?嘘だろ!?」

 

レン「嘘じゃないよ。リアルガチ」

 

ユウノスケ「つーか、アイツらそー言うキャラじゃ無いだろ」

 

レン「まぁ、そうなるよね」

 

ユウノスケ「いや、ありえねーだろ!」

 

なんなんだよ!てっきり名の通ってない不良共だと思ってたが、スクールアイドルのサポート役だと!?

 

ユウノスケ「そんな奴らが不良に喧嘩売るか普通…?」

 

レン「普通とは違うのがヨウちゃん達だからね

 

ユウノスケ「本当に何者だよ…」

 

マサ「スクールアイドル…μ's…」

 

レン「ん?どしたの?」

 

マサ「いや、何でも無い。面白い奴らだなと思ってさ」

 

ユウノスケ「冷静かよ」

 

レン「よし、俺っちも帰るわ」

 

ユウノスケ「本当に分けわかんねぇ〜…」

 

ユウノスケは椅子に座り頭を抱え苦悩していた

 

マサ「アイドルか…」

 

ユウノスケ「どうしたんだ?お前、アイドル好きだったか?」

 

マサ「いや、少し昔の事を思い出した。アイドルになりたがってた奴の事を」

 

しゃーない。少し付き合ってやるか。その昔話に

 

つづく




次回から学園祭に入ります
少しユウノスケとマサの2人には
登場を控えてもらいます
そして、マサの言葉にも
少し引っかかるな
誰の事を言ってるのかも
追々、分かって来ます


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第19話

最近、やるゲーム無くて暇なのね
ニンジャラとマキブまで暇よ
ずっとグラバト2やってるが
1人だと飽きるな
そんなこんなで19話です


ヨウタ「今日こそは部活行かないとやべーな」

 

俺は神田高校との抗争もあり、最近ロクに部活に参加していなかった

 

ヨウタ「昨日は海未に怒られたし最悪だったな」

 

俺は憂鬱とする中、教室に向かって歩いていると、廊下で穂乃果がヒデコとフミコとミカと何やら話していた

 

ヒデコ「良かったじゃん!穂乃果!」

 

フミコ「クラスの凄い話題になっていたよ!」

 

何の話をしているのか?つーか穂乃果、ミカに甘えて頭撫でられてるし。犬かよ

 

ヨウタ「お前ら、朝から何してんだよ…」

 

穂乃果「ヨウタ君聞いてよ!ランキング上がって19位になってたんだ!」

 

ヨウタ「お、スゲーじゃん!」

 

穂乃果「これでラブライブに出場出来れば、きっと注目してもらえるよ!」

 

ヨウタ「なら、俺も今日から真面目に部活行かねーとな」

 

俺と穂乃果が話していると後ろから絵里が声をかけて来る

 

絵里「穂乃果、ヨウタ、おはよう!」

 

穂乃果「あ、絵里ちゃん。おはよー!」

 

ヨウタ「チス」

 

穂乃果は手を上げ挨拶をし、俺は人差し指と中指を突き立て挨拶した

 

ミカ「穂乃果!ヨウタ!先輩だよ!」

 

穂乃果「大丈夫。先輩、後輩やめようって話したんだ」

 

ミカがタメ口を使った穂乃果と俺を注意した。けど、穂乃果がタメ口の理由を説明する。確かに、事情を知らない人から見れば世間知らずの奴だ

 

ミカ「凄い!?芸能人みたい!?」

 

いや、芸能人は上下関係厳しいと思うぞ。そう思いつつ俺は教室に入る。話が終わると穂乃果達も教室に入り席に着く。すると何やら穂乃果は3人から何かを頼まれてた

 

穂乃果「え?サイン?」

 

ヤヨイ「どうやら、μ'sのサインを集めてるみたいですよ」

 

ミカ「これから有名としてなるんだから、記念に書いてよ」

 

ヨウタ「へぇー頭良いな。俺も貰おうかな?」

 

ミカ「さっき園田さんにも書いて貰ったんだけど…」

 

ミカが色紙を見せるが真っ白だった

 

ヨウタ「どこだよ?」

 

ヤヨイ「よく、見て下さい」

 

俺と穂乃果は目を細めて探して見ると、左下に小さく『園田海未』とイメージカラーの青色で書かれていた

 

穂乃果「ちっさ!」

 

それにしても小さ過ぎる。大きさは俺の小指ぐらいか?

 

ミカ「恥ずかしいから、これが限界だって言うの。だから穂乃果は大っきく書いてね!」

 

恥ずかしいからって、ファンからのサインも小さく書くのか?

 

ミカ「だから、穂乃果は大きく書いてね!」

 

ミカに頼まれ、大きくは書いたのだが逆に大き過ぎて文字か入りきらなく『果』が小さくなっていた

 

穂乃果「ごめん。入りきらなかった」

 

ヒデコ「本当、貴方達極端よね…」

 

ヒデコ、フミコ、ミカは少し呆れ気味だった。たく、まともな書き方をする奴はいないのか?

 

フミコ「さっき矢澤先輩にもお願いしたんだけど…」

 

ヨウタ「え?にこにもお願いしたの?」

 

ヤヨイ「けど、今はプライベートだからって断られちゃったらしいです」

 

まぁ、あの人なら言いそうだな

 

穂乃果「私達、芸能人って訳じゃないんだけどね…」

 

ヨウタ「そう言うなよ」

 

穂乃果「アレ?そういえばことりちゃんは?」

 

ヨウタ「まだ来てねーみたいだな」

 

先程からことりの姿が見えない。遅刻か?ことりに限ってそんな事は無いだろう?

 

俺達が話していると、チャイムギリギリにことりも教室に入って来た

 

穂乃果「ことりちゃん、おはよう!」

 

ことり「穂乃果ちゃん。おはよう…」

 

穂乃果「ことりちゃんがギリギリなんて珍しいね」

 

ことり「うん。ちょっとね…」

 

ことりの奴、様子が変だが気のせいか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後

俺達はアイドル研究部の部室のパソコンでラブライブの公式サイトを眺めている

 

穂乃果「うわぁ~♪出場出来たら、ここでライブをするんだね!」

 

ヤヨイ「凄いステージですね」

 

凛「すごいニャ〜♪」

 

穂乃果と凛は横になりながら画面を眺める。いや、机の上にパソコン置けよ

 

にこ「何うっとりしてんのよ!ラブライブ出場ぐらいで…!?」

 

そう言ってにこは後ろを向く

 

にこ「やったわね…にこ…!!」

 

相当嬉しいんだろうな〜目が涙ぐんでやがる。イジッたら怒りそうなのでそっとしておこう

 

にこ「まだ喜ぶのは早いわ!決まったわけじゃないんだから、気合い入れて行くわよ!」

 

切り替え早いな。けど、言ってる事は間違い無い

 

絵里「その通りよ」

 

すると絵里がパソコンの画面を見せてくれた。パソコンにはA-RISEのホームページが映し出されていて、そこには「7日間連続ライブ」という文字が書かれていた

 

穂乃果「7日間連続ライブ!」

 

凛「そんなに!?」

 

シオン「すごいな。アーティストとでも見た事ない」

 

希「ラブライブ出場チームは2週間後の時点で20位以内に入ったグループ。どのスクールアイドルも最後の追い込みに必死なん」

 

絵里「20位以下に落ちたところだってまだ諦めていないだろうし、今から追い上げて何とか出場を勝ち取ろうとしているスクールアイドルだってたくさんいる」

 

ヨウタ「この2週間が最後の踏ん張りどきか」

 

真姫「つまり、ここからが本番ってわけね」

 

絵里「ストレートに言うとそうゆう事。喜んでいる暇は無いわ」

 

穂乃果「よーし!もっと頑張らないと!」

 

絵里「とは言え、特別な事を今からやっても仕方ないわ」

 

フミ「じゃあ、どうするんだ?」

 

絵里「まずは目の前の学園祭で精一杯良いステージ見せる事。それが目標よ!」

 

にこ「よし!そうとなったらこの部長に仕事を頂戴!」

 

絵里「じゃあ、にこ!うってつけの仕事があるわよ」

 

にこ「ん?何?」

 

そう言われて俺と穂乃果、にこは絵里に案内されある教室に向かった。その教室には何故かガラポンが置いてあった

 

にこ「何で講堂の許可がクジ引きなワケ?」

 

絵里「昔からの伝統らしくて…」

 

ヨウタ「どんな伝統だよ…」

 

生徒「次はアイドル研究部」

 

部の名前を呼ばれるとにこはズカズカと前に出る。なにやらすごい気合いだ。

 

にこ「見てなさい」

 

そう言ってにこはガラポンを掴んだ

 

穂乃果「頑張って!にこちゃん!」

 

絵里「講堂が使えるかどうかでライブのアピール度は大きく変わるわ!」

 

ヨウタ「そうだ!お前に賭けてんだにこ!」

 

そしてゆっくりとガラポンが回る。そして玉が出来た結果は…『ハズレ』俺達の目の前が真っ暗になった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「どうしよ〜!!」

 

にこ「だってしょうがないじゃ無い!クジ引きで決めるなんて知らなかったんだから!」

 

凛「あー!開き直ったニャ!」

 

花陽「何でハズレちゃったの!?」

 

真姫「予想してた結果よね」

 

希「にこっち…ウチ信じてたんよ」

 

俺達は屋上で困惑していた。中には傷付け合うもの、慰さめ合うもの、諦めていたもの、涙を流すものまで存在していた

 

ヨウタ「クソ!負けた!」

 

シオン「まさかシュウジの1人勝ちかよ!」

 

シュウジ「残念だったな。ホラ1人千円だ」

 

にこ「アンタ達!賭けてたの!?」

 

ヨウタ「俺は信じてた!」

 

フミ「俺もだ!」

 

にこ「うるさい!うるさい!うるさーい!…悪かったわよ…」

 

絵里「気持ちを切り替えましょ」

 

ヨウタ「確かに、にこを責めても仕方ねぇ」

 

シオン「これは試練と考えた方が良いな」

 

絵里「講堂が使えないと他の所を使うしか無いわ」

 

海未「でも、どこで…」

 

フミ「グラウンドと体育館は運動部が使ってるよな」

 

にこ「部室とか!」

 

穂乃果「狭いよ!」

 

ヤヨイ「確かに部室だと人が入りきらないですね」

 

フミ「他は無いのか?」

 

穂乃果「じゃあ廊下は?」

 

ヨウタ「いや、パレードじゃ無いし、それに迷惑だろ」

 

シオン「アホだな」

 

にこ「バカ丸出しね」

 

シュウジ「確かに」

 

穂乃果「にこちゃんがクジ外したから必死で考えてるのに!」

 

ヨウタ「オイ、にこのせいにするな。けど何処が良いか?」

 

穂乃果「そうだ!ココにしよう!」

 

ヨウタ「ココって屋上か?」

 

穂乃果の発言にみんなが驚いた

 

穂乃果「ココに簡易ステージを作れば良いんじゃない?お客さんも沢山入れるし!」

 

ことり「確かに沢山人は入るけど」

 

穂乃果「何よりココは私達にとって凄く大事な場所!ライブをやるのに凄く良いと思うんだ!」

 

凛「野外ライブ!カッコいいニャ!」

 

絵里「それなら屋上にどうやってお客さんを呼ぶの?」

 

海未「確かにココだと通りかかる事も無いですし…」

 

真姫「下手すると1人も来なかったりして」

 

穂乃果「じゃあ、大っきな声で歌おうよ!」

 

にこ「そんな簡単に出来るわけ…」

 

穂乃果「校舎の中や外を歩いているお客さんにも聞こえるくらいに歌おうよ!そしたら、みんな興味を持って観に来てくれよ!」

 

穂乃果が食い気味に答えた。勢いとやる気は伝わるが、せめてにこの言葉も最後まで聴いてやってくれ

 

絵里「ふふっ。穂乃果らしいわね」

 

穂乃果の言葉に絵里が微笑んだ

 

穂乃果「え?ダメかな?」

 

絵里「いつもそうやってココまで来たんだもんね。μ’sってグループは」

 

すると険しい表情をしていたみんなの顔が柔らかくなる

 

絵里「決まりよ。ライブはこの屋上にステージを作って行いましょう」

 

希「確かに、それが1番μ’sらしいライブかもね」

 

凛「よーし!凛も大声で歌うニャー!」

 

ヤヨイ「面白くなりそうですね」

 

フミ「なら早速、ステージ作らないとな」

 

ヨウタ「サポートなら任せな。俺達チーム…何にする?」

 

シュウジ「それなら全員の頭文字を取って…」

 

シオン「勝手にチーム名を決めるな」

 

フミ「で、ステージは決まったが曲はどうすんだ?」

 

絵里「そうね。なら各自、歌う曲の候補を出してくる事!」

 

こうしてラブライブに向けて学園祭のライブを成功させると団結した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜

 

理事長「どうするの?こんなチャンス、滅多にないのよ」

 

ことり「うん…」

 

ことりの手元には手紙が置いてある。その手紙は外国宛からだった。要は留学の招待状みたいなものだ

 

ことり「ねぇお母さん。お母さんなら、行った方がいいと思う?」

 

理事長「…それは自分で決める事よ」

 

ことり「うん…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の放課後

 

俺達は部室で学園祭に向けて会議をしていた

 

絵里「え!新曲を!」

 

穂乃果「うん!昨日、真姫ちゃんの新曲聴いたらやっぱり良くて!」

 

穂乃果は学園祭に新曲を披露すると言う案を出す

 

穂乃果「1番最初にやったら盛り上がるんじゃないかなぁ〜と思って!」

 

シオン「良いと思うが…振り付けとか、どうすれんだ?」

 

確かにシオンの言う通りだ。残り少ない時間で振り付けを覚えなきゃいけない

 

穂乃果「頑張れば、なんとかなると思う」

 

シオン「頑張るって根拠がねぇぞ」 

 

ヤヨイ「確かに少し無茶な気もします」

 

海未「それに他の曲のおさらいもありますし…」

 

花陽「私…自信ないな…」

 

穂乃果「μ’sの集大成のライブにしなきゃ、ラブライブの出現がかかってるんだよ」

 

フミ「一理あるな」

 

穂乃果「でしょ!ラブライブは今の私達の目標だよ!その為にここまで来たんだもん!」

 

確かに穂乃果の言う通りだな

 

穂乃果「このまま順位を落とさなければ本当に出場に出場できるんだよ!沢山のお客さんの前で歌えるんだよ!」

 

すると穂乃果がおもむろに立ち上がった

 

穂乃果「私、頑張りたい。その為にやれる事をやりたい。ダメかな?」

 

みんなが穂乃果の方に注目している

 

絵里「反対の人は?」

 

絵里がみんなに聞いたが、誰1人『はい』と答える者はいなかった

 

ヨウタ「決まったみたいだな」

 

穂乃果「みんな、ありがとう!」

 

絵里「ただし、練習は厳しくなるわよ。特に穂乃果。あなたはセンターボーカルなんだから、みんなの倍キツいわよ」

 

穂乃果「うん!全力で頑張る!」

 

こうしてμ’sは学園祭で新曲を披露する事が決まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学校が終わり帰宅した後、俺は晩飯の買い出しをしていた

 

ヨウタ「何で晩飯が麻婆豆腐なのに豆腐買い忘れるんだよ。お袋は…」

 

俺は1人バイクを走らせてると、見たことある後ろ姿が見えた

 

ヨウタ「アレは、穂乃果?」

 

俺が見たのはランニングしてる穂乃果だった。頑張ってるな

 

雪穂「え?夜も練習してるの?」

 

穂乃果「うん」

 

雪穂「やりすぎは良くないよ。いつも無理するんだから」

 

穂乃果「大丈夫。自分が誰より頑張ってライブを成功させなきゃ。自分がやるって言い出したんだから」

 

穂乃果は雪穂に話し、また練習に行こうとした時だった

 

ヨウタ「夜にすいませーん」

 

穂乃果「ヨウタ君どうしたの?」

 

ヨウタ「買い物してたら穂乃果の姿が見えたからな。ちょいと寄った」

 

俺はランニングしてる穂乃果の後をついてきた。決してストーカーでは無いぞ

 

ヨウタ「また、練習行くのか?」

 

穂乃果「うん。どうしてもライブを成功させたいんだ」

 

ヨウタ「オーバーワークし過ぎると身体壊すぞ。少しは休んで俺みたいにガス抜きしないと」

 

穂乃果「ヨウタ君は、いつもガス抜きしてる気がするけど」

 

ヨウタ「はぁ?俺は風船がデカくて膨らまないだけだ」

 

全く、俺は何を言ってんだよ…

 

ヨウタ「とりあえず、ホラよ」

 

俺は晩飯の買い物で買った板チョコを穂乃果に渡した

 

穂乃果「いいの?」

 

ヨウタ「練習頑張ってるご褒美。あまり無茶はするなよ」

 

俺はそう言って穂むらを後にして帰宅する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さらに翌日の放課後

穂乃果が振り付けを変えると言い出した。昨日考えたと言っていたが本番はもうすぐだぞ。大丈夫なのか?

 

シュウジ「本番は明日だが間に合うのか?」

 

海未「ことり、これは流石に…」

 

ことり「良いんじゃないかな…」

 

穂乃果「だよね!だよね!」

 

ヨウタ「それしにしも急過ぎねーか?」

 

フミ「本人がやる気なら良いんじゃね?」

 

こうして振り付けを急遽、変更になり練習を開始した

 

にこ「あ〜もう足が動かないよぉ〜」

 

凄い汗の量だ。明日が本番だから追い込みをかけて練習をしていれ

 

穂乃果「まだ、だめだよ!さあもう1回!」

 

ヨウタ「流石に無理するなよ」

 

海未「そうですよ。穂乃果は夜も遅くまで練習しているのですから」

 

穂乃果「大丈夫!私燃えてるから!」

 

ヤヨイ「けど、少しは…」

 

穂乃果「だってもうすぐライブだよ!」

 

シオン「こりゃ、張り切ってるな」

 

海未「ことりからも言ってやって下さい」

 

ことり「私は穂乃果ちゃんやりたいようにやるのが1番だと思う」

 

穂乃果「ホラ!ことりちゃんもそう言ってるよ」

 

これは、俺達が止めれる物じゃねーな

 

フミ「おい、海未」

 

海未「何ですか?」

 

フミ「ことりの様子、少し変じゃ無いか?」

 

その夜、フミの言葉が気になり海未はことりが何か思い詰めてるのでは無いかと思い、穂乃果に電話した

 

穂乃果「ことりちゃん?別にいつもと変わらないと思うけど」

 

海未「そうでしょうか?」

 

穂乃果「海未ちゃんは何か聞いたの?」

 

海未「いえ、私も何も聞いていないのです」

 

穂乃果「大丈夫じゃないかな?」

 

海未「なら、良いんですが…」

 

ことりの事を話していると電話越しから穂乃果のクシャミが聴こえて来る

 

海未「もうすぐ本番ですよ。体調崩したら元も子もないのですから、今日は休みなさい」

 

穂乃果「は〜い」

 

2人は電話でのやり取りを終え電話を切ると、海未の携帯の着信が鳴る

 

海未「ことり…」

 

その、電話相手はことりだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨウタ「くそ!次は洗剤買い忘れるって何してんだよ!お袋!」

 

雨の中、俺はお使いを頼まれて夜道を歩いていた

 

ヨウタ「明日までには雨止んでくれよ」

 

俺が歩いていると、昨日と同じジャージを着た穂乃果を見かける

 

ヨウタ「アイツ、雨の中走ってるのかよ」

 

俺は穂乃果を追っ掛けようとしたが、雨の中、傘を持っていたので追いつけず、結局見失ってしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学園祭当日の朝

穂乃果の部屋では穂乃果はまだ寝ていた

 

穂乃果の母「穂乃果!今日学園祭でしょ?早起きするんじゃなかったの?」

 

穂乃果「う、うん…へっくしょん!」

 

穂乃果はベットから立ち上がるが、2、3歩歩いた瞬間バランスが崩れて倒れてしまう

 

穂乃果「え…?」

 

その時、穂乃果は気付いた。顔は熱くなって、昨日の夜、雨の中を走ったせいで風邪を引いた事に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果は体がふらつきながらも立ち上がり制服へと着替えて学校へと向かった。その頃、学校ではもう学園祭が開始されていたのだが…

 

凛「うわぁ~!スゴい雨!」

 

花陽「お客さん、全然いない…」

 

真姫「この雨だもの。しょうがないわ」

 

絵里「私達の歌声でお客さん集めるしか無いわね」

 

にこ「そう言われると燃えてくるわね!」

 

メンバーがライブに向けて意気込んでいる時、ことりと海未は2人で何やら話していた

 

海未「本当に良いのですか?」

 

ことり「本番直前にそんな話したら…穂乃果ちゃんやみんなにも悪いよ」

 

海未「でも今日がリミットなのでしょ?」

 

ことり「ライブ終わったら話すよ。みんなにも…穂乃果ちゃんにも…」

 

海未にそう言ってことりは部室に向かった。大分時間が経ちみんなは衣装に着替えていた。けど穂乃果の姿は無かった

 

シオン「準備出来たか?」

 

ヨウタ「みんなOKらしいが、まだ穂乃果が来てないんだよ」

 

フミ「遅いな。何かあったのか?」

 

そう話していると穂乃果が到着する

 

穂乃果「おはよ〜…」

 

海未「穂乃果!」

 

にこ「遅いわよ」

 

ヨウタ「たく、ヒヤヒヤさせるなよ」

 

穂乃果「ゴメン、ゴメン当日に寝坊しちゃうなんて」

 

穂乃果は2、3歩歩いた後、バランスを崩す

 

ことり「穂乃果ちゃん。大丈夫!?」

 

隣にいたことりが支えてくれたお陰でなんとか倒れずに済んだ

 

穂乃果「ゴメン、ゴメン…」

 

絵里「穂乃果ちょっと声変じゃ無い?」

 

穂乃果「そうかな?ノド飴舐めとくよ」

 

ヨウタ「よし着替えるんだろ?なら、外に出るぞ」

 

ヤヨイ「着替え終わったら連絡下さいね」

 

シオン「じゃあ、それまでビラ配って来るか」

 

いよいよμ'sの屋外ライブが始まろうとしていたが、天気は雨のままだった

 

絵里「全然弱くならないわね」

 

にこ「ていうか、さっきより強くなってない?」

 

真姫「これじゃ例えお客さんが来てくれたとしても…」

 

穂乃果「やろう!」

 

ヨウタ「正気かよ」

 

穂乃果「ファーストライブの時もそうだった。諦めずにやって来たから今のμ’sがあると思うの。だからみんないこう!」

 

花陽「そうだよね。その為にずっとやって来たんだもん」

 

凛「後悔だけはしたくないニャ!」

 

絵里「泣いても笑っても、このライブの後に結果が出る」

 

希「なら思っきりやるしか無いやん」

 

真姫「進化した私達を見せるわよ!」

 

にこ「やってやるわ!」

 

シュウジ「全員、答えは同じみたいですね」

 

ヨウタ「よし、じゃあ俺達も客席で応援してるから」

 

μ’sのみんなが一致団結し、これから本番が始まる。そして舞台の照明が光り音楽が流れた

 

『No brand girls』

 

曲が終わった瞬間だった…バタッと穂乃果が倒れた

 

ヨウタ「穂乃果!」

 

フミ「おい、どうしたんだ!?」

 

ヤヨイ「穂乃果さん。急に倒れちゃいましたよ…」

 

シオン「おい、どうすんだよ!?」

 

シュウジ「このままだと、続けられないな」

 

ヨウタ「何、悠長にしてんだよ!お前ら!行くぞ!」

 

周りがザワザワとする中、俺はすぐ舞台に上がる

 

絵里「穂乃果!大丈夫!?凄い熱!」

 

ヨウタ「なんでボサッとしてるんだよれお前ら!退け!」

 

穂乃果「…っ…次の…曲を…せっ…かく…こっ…ここ…までっ…」

 

ヨウタ「こんな状態で次の曲行けるか!」

 

周りは静寂となり、雨の音だけが俺達の耳に聴こええる中、俺は穂乃果を担ぎ保健室へと向かった

 

 

つづく




大変な事になりやした
それ以外に何も思いつかない
何も無いので後書きはサクッと終わります


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第20話

一期も終盤ですね
それと、友達から誤字が多いと
気を付けねば


ラブライブに向け学園祭でライブを披露したのだが、穂乃果が倒れてしまいライブを中止という形で断念した。3日後、学園祭も終わり俺達はお見舞いで穂むらに来ていた

 

ヨウタ「僕達の不注意で穂乃果さんが風邪になってしまい…」

 

絵里「本当に申し訳ございませんでした」

 

俺と絵里が代表として穂乃果の母親に謝罪をした。多分この時、俺の喋り方は違和感があるだろう。一応、生前で社会人してたからな

 

穂乃果の母「貴方達、何言ってるの♪」

 

穂乃果の母は笑顔で全く気にしていなかった

 

穂乃果の母「あの子がどうせ、『出来る出来る』って全部背負いこんだんでしょ?昔からずっとそうなんだから」

 

さすが母親だ。穂乃果の事を分かっている

 

穂乃果の母「それより退屈してるみたいだから上がって行って」

 

ヨウタ「大丈夫なのですか?」

 

ことり「穂乃果ちゃん、ずっと熱が出たままだって」

 

穂乃果の母「一昨日辺りから下がって来て、今朝はすっかり元気よ」

 

穂乃果の母さんの甘えで、穂乃果の部屋に案内してもらった。つーか俺、男だけど入って良いのか?結構、緊張するな。シオンとシュウジ達と一緒に外で待てば良かった

 

海未「穂乃果…?」

 

穂乃果「あ、海未ちゃん!ことりちゃん!」

 

ヨウタ「一応、俺達もいるよ」

 

ことり「よかった。起きられるようになったんだ」

 

穂乃果「風邪だから、プリン3個食べても良いって」

 

俺達は襖を開けて穂乃果の部屋に入ると、プリンを頬張る穂乃果がいた。食欲もあるし、元気そうで良かった。それにしても3個は風邪以前にお腹壊しそうだか…

 

にこ「まったく、心配して損したわ」

 

希「お母さんの言う通りやね」

 

にこ「それで、足の方はどうなの?」

 

穂乃果「軽く挫いただけだから、腫れが引いたら大丈夫だって」

 

にこは穂乃果の前に座り、穂乃果の足の容態をうかがった。なぜ足を挫いたかと言うと、学園祭のライブで踊り終わった後に倒れてしまったのが原因で穂乃果は足を挫いたのだ

 

穂乃果「本当に今回はゴメンね…せっかくの最高のライブになりそうだったのに…」

 

ヨウタ「何言ってんだよ?お前のせいじゃねぇーよ」

 

穂乃果「でも…」

 

 

すると、絵里がCDを渡した

 

絵里「真姫がピアノでリラックス出来る曲を弾いてくれたわ。コレを聴いてゆっくり休んで」

 

穂乃果はCDを受け取ると窓を開けて、身を乗り出した

 

穂乃果「真姫ちゃんありがとー!」

 

絵里「何やってるの!?」

 

にこ「アンタ風邪引いてるのよ!?」

 

流石に危険だったのか、穂乃果は2人に注意された。まぁ、これだけ元気なら大丈夫だろう。けど大声出したせいか穂乃果は咳をした。その咳は外にいた1年生組とシオン達にも聞こえてきた

 

真姫「大声だすからよ」

 

凛「きっと嬉しいんだよ」

 

シオン「けど、元気そうで良かった」

 

シュウジ「調子乗って風邪をぶり返さなければ良いんだがな」

 

外で待ってたみんなも穂乃果が元気そうだったので安心していた

 

海未「ホラ、病み上がりなんだから無理しないで」

 

海未は穂乃果の肩に上着をかけてあげる

 

穂乃果「ありがとう。でも、明日には学校に行けると思うんだ」

 

ことり「本当?」

 

ヨウタ「まぁ、あれだけ動けば問題ないだろ」

 

穂乃果「うん。だからね、短いので良いから、もう一度ライブ出来ないかなって」

 

穂乃果の言葉で俺達全員の視線が穂乃果の方に向き、先程より表情が険しくなる

 

穂乃果「ホラ、ラブライブ出場決定まで時間あるでしょ?なんて言うか、何か出来ないかなって」

 

絵里「穂乃果…ラブライブには出場しません」

 

絵里が重たい口を開くと、穂乃果はその言葉に耳を疑った。確かに穂乃果にとっては衝撃的な言葉だろう

 

絵里「理事長にも言われたの。無理し過ぎたんじゃないかって?」

 

ヨウタ「こーゆう事になる為にアイドル始めたのかってさ。そんで、みんなで相談して決めたんだ…」

 

海未「私達がいけなかったんです。穂乃果に無理させたから…」

 

穂乃果「違うよ…私が調子に乗って…」

 

ヨウタ「誰が悪いとか言っても仕方ないしさぁ、何つーか…」

 

絵里「そうよ。アレはみんなの責任よ。体調管理を怠った穂乃果も悪いけど、それを気付かなかった私たちも悪いわ」

 

希「エリチ言う通りやね」

 

落ち込む表情を見せる穂乃果だっが、俺達も同じ気持ちだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達野郎共は見舞いを終えて、路地裏でタバコを吸いながら穂乃果の事を話していた

 

ヨウタ「穂乃果の奴…大丈夫か?」

 

シュウジ「嘘ついてもいずれバレる」

 

シオン「どうせ言わないといけない事だったし」

 

ヤヨイ「けど、あと少しで出場出来たんですよね…」

 

フミ「そうだな…」

 

俺達が帰宅した後、穂乃果はパソコンの画面見ながら涙を流していた。自分のせいでラブライブを辞退する事になった。みんなに迷惑をかけた。様々な感情が入り乱れていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後

穂乃果の体調は良くなり学校にも登校していたのだが…ずっと落ち込んでいたのだ。ことり達も声を掛けてくれてるのだが、一向に変わらずだった

 

ヨウタ「穂乃果、その何つーか…落ち込むなよ」

 

俺は穂乃果がポスターを見てる時になると、いつも励まじているのだが、いつも受け流されている

 

シュウジ「ずっと、あんな感じたな」

 

フミ「アイツもずっとはげましてるんだけどな」

 

にこ「仕方ないわね。希」

 

希「任せとき」

 

希がにこにハンドサインを出した。何やら嫌な予感がする

 

希「わし!」

 

嫌な予感が的中した。希は穂乃果の胸を掴み、例のわしわしを繰り出した。いや、俺らいるんだけど…

 

穂乃果「うわぁぁぁ!!?って、希ちゃん!?」

 

胸を揉まれた穂乃果は悲鳴をあげ

 

希「ぼんやりしてたら次はアグレッシブに行くよ〜」

 

凄いワル顔だ。まるでエロどうz…これ以上は止めておこう

 

穂乃果「いえ、結構です…」

 

引きつった表情で穂乃果は断った

 

にこ「アンタも諦め悪いわね。いつまでポスター見てるつもりよ」

 

穂乃果「分かってはいるんだけど…」

 

にこ「けど?」

 

穂乃果「けど…」

 

そして穂乃果は俯いた。仕方ない俺の出番か

 

ヨウタ「今度は俺がやろうか?」

 

穂乃果「ヨウタ君訴えるよ」

 

俺は凄い目で睨まれた

 

ヨウタ「すまん。冗談だ」

 

絵里「そうやっていつも通りにしていれば、みんな気にしないわよ」

 

シュウジ「それとも何だ?構って欲しいのか?」

 

穂乃果「そうゆう訳じゃ無いけど…」

 

にこ「今日から練習にも復帰するんでしょ?そんなテンションで来たら迷惑なんですけど」

 

穂乃果「そうだね。いつまでも気にしてちゃしょうがないよね!」

 

ヨウタ「お、やっと元気になったか?」

 

絵里「そうよ。それに私達の目的はこの学校を存続させる事でしょ?」

 

良かった。コレでようやく穂乃果も元気になったか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後

俺達は屋上で練習を始めた。練習の休憩中、ある事を話していた

 

穂乃果「それで理事長は何て言ってたの?」

 

絵里「別に禁止したつもりは無いって。これからも活動を続けて良いそうよ」

 

穂乃果「本当?」

 

海未「じゃあ、ライブも?」

 

穂乃果「海未ちゃんいつにしよう?」

 

穂乃果が倒れた件で注意はされたが、別に理事長はアイドルの活動は禁止しないらしい。ラブライブは辞退したが存続の為の活動は出来から、みんな張り切っている

 

シュウジ「張り切り過ぎて、また倒れるなよ」

 

穂乃果「みんなの体調とか、疲れ過ぎるのも良くないよね?」

 

ヨウタ「オイ、シュウジ。オメェーのせいで気にしてるじゃねぇか」

 

海未「なんか穂乃果らしくありませんね」

 

穂乃果「そうかな?」

 

絵里「でも、少し周りが見えるようになったって事かしら」

 

シュウジ「そうだ。プラスに考えろ」

 

ヨウタ「オメーはもっと周りの人に対する言葉使いを治せ」

 

フミ「お前には言われたく無い台詞だな」

 

ヨウタ「はぁ?フミ、今何つった?」

 

穂乃果「アハハ…。あれ?ことりちゃんは?」

 

穂乃果はことりがいない事に気付いた。そういえば先程からいないような気がする

 

海未「少し電話してくると下に行きましたよ」

 

海未は穂乃果にことりがいない理由を説明している時、1年生組とシオンが凄い勢いでやって来た

 

シオン「大変だ!」

 

ヨウタ「ど、どうした!」

 

1年生組は乱れた息を整えた。すると花陽が口を開てこう言った

 

花陽「助けて…」

 

ヨウタ「なんだ?他校の奴らがカチ込んで来たか?」

 

フミ「そうなれば迎え撃つしか無いな」

 

シュウジ「ああ」

 

シオン「違う。カチ込みじゃ無い」

 

ヨウタ「へ?」

 

シュウジ「何だ、違うのか。木刀用意したのによ」 

 

ヤヨイ「何処から待って来たんですか?」

 

フミ「たく、驚かせるな」

 

シオン「今話そうとしてただろ」

 

とりあえず俺達は学校内の掲示板へ向かう。そこには『来年度入学者受付のお知らせ』と大きく書かれた紙が貼られてあった

 

穂乃果「これって?」

 

花陽「中学生の希望校アンケートの結果が出たんだけど」

 

真姫「去年より志願者がずっと多いみたいで」

 

ヨウタ「つまり?」

 

希「学校が存続するって事やん」

 

真姫「再来年はわからないけどね」

 

凛「後輩ができるの!?やった〜!!」

 

俺達が存続の話題で盛り上がっていると、ことりが電話を終えて戻ってきた

 

穂乃果「ことりちゃーん!」

 

穂乃果かことりのもとに走っていき抱き締めた。抱き締められたことりは状況が読み込めなく少し戸惑っていたが、海未が来年度入学者受付の紙を見せたので状況を理解した

 

穂乃果「やったよ!私達やったんだよ!」

 

ことり「嘘じゃないんだ」

 

穂乃果「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後

 

絵里「亜里沙、お待たせ」

 

校門前で中学生くらいの子が絵里を待っていた

 

ヨウタ「この子は?」

 

穂乃果「そう言えばヨウタ君は会った事無かったね」

 

絵里「妹の亜里沙よ」

 

亜里沙「絢瀬亜里沙です」

 

ヨウタ「あぁ、どうも。初めまして、ヨウタと申します」

 

穂乃果「ヨウタ君、固いよ」

 

絵里「彼はμ'sのサポート役なの。言わえるマネージャーみたいな人かな?」

 

亜里沙「マネージャーってお仕事とか持ってくるんですか?」

 

ヨウタ「え?あ、うん」

 

亜里沙「すごーい!さすが人気者ですね!」

 

まぁ、仕事を持ってきた事ないし、何よりマネージャーの仕事をした事も無いんですよね

 

絵里「それより亜里沙。音ノ木坂は存続が決まったのよ」

 

亜里沙「本当に?」

 

ヨウタ「まぁ、今日発表されたけどな」

 

亜里沙「嬉しい♪やったー♪」

 

穂乃果「良かったね」

 

亜里沙「来年から、よろしくお願いします」

 

絵里「その為には入試で合格しないとだめね」

 

亜里沙「うん!頑張る!」

 

穂乃果「雪穂も受験するって言わないかな」

 

ヨウタ「雪穂は音ノ木坂を受験しないのか?」

 

亜里沙「けど、この前話してたら迷ってましたよ」

 

穂乃果「本当?」

 

ヨウタ「お、良かったじゃん」

 

俺達が話しをしていると、ことりが口を開き穂乃果の名を呼んだ

 

ことり「穂乃果ちゃん。ちょっと買い物があるから先に帰るね」

 

穂乃果「何買いに行くの?」

 

ことり「ちょっとね」

 

穂乃果「一緒に買いに行こうか?」

 

ヨウタ「穂乃果、あまりしつこく聞くなよ」

 

ことり「大丈夫。じゃあ」

 

するとことりは急いで帰ってしまった

 

穂乃果「ことりちゃん何か元気ないね?」

 

絵里「希も気にしていたわ。何か悩んでいるんじゃないかって」

 

ヨウタ「穂乃果は知らないのか?」

 

穂乃果「私は何も」

 

ヨウタ「そうか」

 

以前から少し様子が変だったが、ことりは何か悩み事とかあるのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フミ「つーか、何で俺達まで」

 

海未「私1人よりは良いかなと思いまして」

 

シュウジ「俺は海未と一緒に帰宅していたから」

 

俺とシュウジは海未に頼まれて近くの公園を訪れていた。ことりが何か相談があるらしい。そして数分後ことりが到着し公園のベンチに座り話を聞く事になった

 

フミ「で、相談って」

 

海未「実は…」

 

海未から聴いた言葉に衝撃が走った

 

フミ「留学!!」

 

ことり「うん…実は学園祭の時から話しがあって…」

 

フミ「けど、その事は穂乃果に話したのか?」

 

ことり「ううん…」

 

海未「遅らせば遅らせるほど、辛くなるだけですよ」

 

ことり「でも、決める前に穂乃果ちゃんに何て言ったらいいんだろうって…それを思うとうまく言えなくて…」

 

シュウジ「それでずっと黙ってるつもりか?誰にも報告しないで留学するか?」

 

海未「シュウジ何て事を言うんですか!」

 

フミ「確かにシュウジの言う通りだ。不安があるかも知れないが、自分で決めたら事なんだから伝えるべきだ」

 

ことり「う、うん…」

 

フミ「それとも黙って留学するか?」

 

ことり「それだけは嫌だ!」

 

フミ「なら、みんなにも伝える事だ。それが、みんな望んでる事だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、俺達は学校の存続を祝って祝会を部室で開く事にした

 

にこ「グラスは持ったかなぁ〜?」

 

まず、初めに部長であるにこの挨拶から始まるのか?長くなければ良いが

 

にこ「学校存続が決まったという事で、部長のにこにーから一言挨拶したいと思いま~す!」

 

掛け声と拍手が飛び交うが、俺は内心早くしてくれと思っていた

 

にこ「思えばμ'sが結成され、私が部長に選ばれたときから、どれほどの月日が流れたであろうか。たった一人のアイドル研究部で耐えに耐え抜き、今こうしてメンバーの前で思いを語れて…」

 

ヨウタ「長いからカンパーイ!ウェイヨー!」

 

にこ「ちょっと待ちなさーい!」

 

あまりにも話が長かったので途中で乾杯の掛け声を俺が上げる

 

穂乃果「わぁ〜お腹すいた〜」

 

にこ「いやしんぼね〜」

 

ヨウタ「タコスは無いのか?」

 

シオン「あるわけ無いだろ」

 

花陽「みんな~!ご飯炊けたよ~♪」

 

俺達が適当に食事をしてると米が炊き上がったみたいだ。つーか何処から炊飯器持ってきたのだ?

 

希「ホッとしたようやね」

 

絵里「まあね。肩の重みが下りたっていうか…」

 

希「μ’sやって良かったでしょ?」

 

絵里「どうかしらね?正直、私が入らなくても同じ結果だった気がするわ」

 

ヨウタ「2人共、何しんみりしてるんスか?祝い事は楽しまなきゃ損ですよ」

 

希「そうやね。ヨウタ君の言う通りやね」

 

海未「ことり、今しか無いですよ」

 

ことり「でも、今は…」

 

海未「ことり…」 

 

シュウジ「じゃあ、いつ言うんだ?」

 

フミ「仕方ないな。みんなちょっと良いか?」

 

俺達はフミの方に注目すると、海未が椅子から立ち上がる。何だ?サプライズか?

 

海未「実は…突然ですか、ことりが留学する事になりました」

 

俺達は海未の言葉に唖然して声も出なかった

 

海未「2週間後に日本を離れます」

 

一気に部室が静まり帰った。俺も他のみんなも状況が飲み込みていない

 

ことり「前から服飾の勉強がしたいと思ってて…そしたら、お母さんの知り合いの学校の人が来てみないか?って…ごめんね。もっと早く話そうって、思っていたんだけど…」

 

海未「学園祭のライブでまとまっている時に、言うのは良くないと、ことりは気を使っていたんです」

 

絵里「行ったきり戻って来ないのね」

 

ことり「高校を卒業するまでは…多分…」

 

ことりの発言に誰もが下を向く中、穂乃果は立ち上がってことりの方へと歩き出した

 

穂乃果「どうして言ってくれなかったの?」

 

海未「だから、学園祭があったから」

 

穂乃果「海未ちゃんは知ってたんだ」

 

海未「それは…」

 

穂乃果「どうして言ってくれなかったの」

 

穂乃果はことりの前にしゃがみ話を続けた

 

穂乃果「どうして言ってくれなかったの?ライブがあったのはっていうのは分かるよ。でも、私と海未ちゃんとことりちゃんはずっと…」

 

ヨウタ「よせ、穂乃果。ことりの気持ちも分かってやれ」

 

穂乃果「分からないよ!だって居なくなっちゃんだよ!ずっと一緒だったのに、離ればなれになっちゃうんだよ!!なのに……」

 

ことり「何度も言おうとしたよ…」

 

穂乃果「え?」

 

ことり「でも、穂乃果ちゃんライブに夢中でラブライブに夢中で…だから、ライブが終わったらすぐ言おうと思ってた。相談に乗って貰おうと思ってた…でも、あんな事になって…」

 

話てる途中、ことりの声が震え来てる。そして、ことりの目には涙が浮かんで来た

 

ことり「聞いてほしかったよ!穂乃果ちゃんには!一番に相談したかった!穂乃果ちゃんが初めて出来た友達だよ!ずっと側にいた友達だよ!そんなの…そんなの当たり前だよ!!」

 

ことりは涙を流しながら出て行った

 

穂乃果「ことりちゃん!」

 

穂乃果は名前を呼んだが止める事は出来なかった

 

フミ「待て!ことり」

 

フミは咄嗟にことりの後を追った

 

海未「ずっと、行くかどうか迷っていたそうです。いえ、むしろ行きたがってなかったようにも見えました。ずっと穂乃果の事を気にしてて、穂乃果に相談したら何て言われるかとそればかり…本当にライブが終わった後に言うつもりだったんです。分かってあげて下さい…」

 

穂乃果は、ただ呆然としていた。他のメンバーも俯いて黙る事しか出来なかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フミ「ことり!たく、何処に行ったんだ!?」

 

その時、昨日来た公園に目をやると、そこにはベンチに座りながら泣いていることりの姿があった

 

フミ「ことり…」

 

ことり「フミ君…私、穂乃果ちゃんにあんな酷い事を…」

 

フミ「それは違う。俺が急がせたせいだ。俺が早く他のみんなにも知らせないと思ったから」

 

ことり「フミ君…」

 

俺はことりの言葉を否定した

 

フミ「ごめん!俺はことりが決めた夢を応援したかった。そればかりで、ことりの事を考えてやれなかった!」

 

ことりの隣に座り、ことりの体を抱きしめた

 

ことり「フミ君…うわあああぁぁぁん!!」

 

静かな公園でことりの声だけが響いた。俺は何も言えず、ただ抱きしめる事しか出来なかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

教室で穂乃果は元気無く、机で顔を伏せていた

 

ヨウタ「穂乃果。寝てるのか?」

 

穂乃果「起きてるよ」

 

ヨウタ「なら、ちょっと良いか?絵里が呼んでるから」

 

穂乃果は顔を上げて廊下の方を見ると、そこには絵里がいた。そして、俺達は屋上へと上がる

 

穂乃果「ライブ?」

 

絵里「みんなで話したの?ことりがいなくなる前に全員でライブをやろうって」

 

希「来たらことりちゃんにも言うつもりよ」

 

凛「おもいっきり賑やかにして、門出を祝うにゃ!」

 

にこ「馬鹿、はしゃぎすぎないの!」

 

にこは凛に軽くチョップをする

 

凛「にこちゃん何するの!」

 

にこ「手加減してやったじゃない」

 

ヤヨイ「まぁまぁ、2人とも」

 

シュウジ「最後は笑って見送くろう」

 

シオン「その方が良いと思ってな」

 

しかし、穂乃果だけは下に俯いたままだった。

 

海未「まだ、落ち込んでいるのですか?」

 

絵里「明るく行きましょう。これが9人の最後のライブになるんだから」

 

穂乃果「私がもっと周りを見ていれば、こんな事にはならなかった」

 

ヨウタ「穂乃果、自分を責める必要は無い」

 

穂乃果「自分が何もしなければ、こんな事にはならなかった!」

 

フミ「オイ、それは傲慢だぞ」

 

絵里「ここで言って何になるの?何も始まらないし、誰も良い思いなんてしない!」

 

フミと絵里は穂乃果の言葉に対して厳しめに注意する

 

真姫「ラブライブだって次があるわ」

 

にこ「今度こそ出場するんだから、落ち込んでいる暇なんてないわよ!」

 

穂乃果「出場してどうするの?」

 

にこ「え?」

 

ヨウタ「穂乃果どうゆう意味だ」

 

穂乃果「学校は存続出来たんだから出たってしょうがないよ…それに無理だよ。A-RISEみたいな強いチーム相手にいくら練習したって勝てっこないよ…」

 

にこ「アンタそれ、本気で言ってる?本気だったら許さないわよ…!」

 

穂乃果はにこ言葉に黙ったままだった

 

にこ「許さないって言ってんでしょ!!」

 

ヤヨイ「落ち着いて下さい!」

 

真姫「ダメ!」

 

にこは黙っている穂乃果を見て我慢できず襲いかかろうとするが、真姫とヤヨイが止めに入った

 

にこ「離しなさいよ!!にこはね、アンタが本気で思ったから!本気でアイドルやりたいんだって思ったからμ'sに入ったのよ!!ここに賭けようって思ったのよ!!それをこんな事ぐらいで諦めるの!?こんな事ぐらいでやる気を無くすの!?」

 

絵里「じゃあ、穂乃果はどうしたら良いと思うの?答えて?」

 

ずっと黙ったままの穂乃果が口を開いた

 

穂乃果「辞めます」

 

穂乃果の一言に俺達は驚きを隠せなかった

 

穂乃果「私、スクールアイドル辞めます」

 

シオン「辞めるって、お前!?」

 

希「穂乃果ちゃん…」

 

フミ「冗談だろ?」

 

ヨウタ「…けんなよ。ブサけんなよ!!」

 

絵里「ちょっと!ヨウタ!」

 

ヨウタ「テメェ!本気で言ってんのか!?」

 

シオン「よせ!ヨウタ!?」

 

ヨウタ「シオン!黙ってろ!!そんな簡単に諦めんのか!?ことりがいなくなるから辞めるのか!?じゃあ、俺達は今まで何の為にお前について来たんだよ!!」

 

フミ「ヨウタ!止めろ!今、お前が暴れてどうする!?」

 

ヨウタ「フミ!離せ!!オイ!お前、諦めないって言ったよな!!嘘だったのか!?」

 

穂乃果「ヨウタ君…ごめん…」

 

穂乃果は屋上から立ち去ろうとする

 

ヨウタ「オイ!話はまだ終わってねーぞ!!」

 

その時だった。海未が穂乃果の手を掴み、顔を引っ叩いた

 

シュウジ「海未、何するんだ!」

 

海未「…あなたがそんな人だとは思いませんでした…!最低です…貴方は最低です…」

 

この時、俺達スクールアイドル部に亀裂が生まれた

 

 

 

つづく




最近、ヤンキー漫画を読もうと思って
ろくでなしBluesと湘南爆走族見てます
え?古い?いや、面白いから見てよ
新しいヤンキー漫画って何があるの?
worstとクローバーで止まってるなよ
あ、worstの鉄生と九里虎の外伝あるさ


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第21話

マサ(苗字募集中)
ユウノスケと同じ神田高校出身
よく、ユウノスケの家である
ラーメン屋に居座っている
基本は無口で相づちしか打たない
過去にとある人と何かしら関係があるらしい…

好きな食べ物
カレー

嫌いな食べ物
ナス

愛車
HONDA REBEL250


ヨウタ「暇だ」

 

俺は放課後、暇をもてましていた。部活が活動休止中でやる事がない。何故、活動休止かと言うと穂乃果がμ’sを抜け、活動する意味が無く、話し合いの結果決まったのだ

 

ヨウタ「とりあえず、いつもの場所に行くか」

 

俺は例の場所に行く事にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シオン「よっ」

 

真姫「シオンどうしたの?」

 

シオン「ちょっと暇だったから」

 

俺は真姫の弾いているピアノにもたれるように座った

 

シオン「μ’sはどうなるんだろうな?」

 

真姫「前に話したでしょ?穂乃果がいなかったら解散したようなものだって」

 

シオン「穂乃果は戻ってくるよな?」

 

真姫「私に聞いても分からないわよ。シオンはどう思ってるの?」

 

シオン「俺は戻って来て欲しいと思ってる。俺達の大事な居場所だしな」

 

みんなとの思い出が俺の頭をよぎった。色々あったけど、μ'sの復活を俺は願う

 

シュウジ「随分と熱心だな」

 

海未「大会も近いですから」

 

シュウジ「アイドル活動も無いから集中出来るしな」

 

俺の言葉に海未は何も言わず、弓を引いて的に狙いを定めた。何か、悪い事言ったかな?

 

希「本当にこれでよかったんかな?」

 

絵里「9人じゃなきゃμ'sじゃないって言ったのは希でしょ」

 

希「そうやけど…」

 

フミ「それ以外に方法が無かった。今の俺達は学校の存続について考えるべきです」

 

希「フミ君…」

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後

 

ヨウタ「暇だ」

 

ユウノスケ「だからって俺の店に来るなよ」

 

俺はユウノスケの親父が営むラーメン屋に最近は入り浸っていた

 

ユウノスケ「それより、早く活動再開すると良いな」

 

ヨウタ「てか、なんで活動休止なんだよぉ〜」

 

マサ「活動が出来なくなったら休止するしか無いだろ」

 

ヨウタ「穂乃果が辞めるって言い出してさぁ〜。あんな風になるなんて思わなかったよ」

 

ユウノスケ「それほど存在がデカかったんだろ」

 

マサ「じゃあ、いつ再開すれば聞けば良いだろ?」

 

ヨウタ「んな事聞けるか。穂乃果にキレて突っ掛かって、それから一言も話してねーんだよ」

 

ユウノスケ「なら、素直に謝れよ」

 

ヨウタ「それが出来たら苦労はしねーよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、弓道部の練習を終えた海未はことりの部屋を訪れていた

 

ことり「海未ちゃん。μ'sの活動は断ったの?」

 

海未「はい。続けようとするにこの気持ちは分かりますが、出来ることなら…」

 

ことり「じゃあ、どうして?」

 

海未「私がスクールアイドルを始めようとしたのは、穂乃果とことりが誘ってくれたからです」

 

ことり「ごめんなさい…」

 

海未「いいえ。人のせいにしたい訳じゃありません。穂乃果にはあんな事言いましたが、辞めると言わせた私にも責任があります!」

 

ことり「そんな事ない!あれは、私がちゃんと言わなかったから!」

 

自分が怒った事を責める海未に対して、ことりは穂乃果にちゃんと言えなかった事を責める。だが、今となっては過ぎた話だ

 

海未「穂乃果とは?もうすぐ日本を発つんですよね?」

 

ことり「うん…」

 

海未の質問に頷くしか出来なかったことりを見た海未はまだ話し合っていないとすぐに分かった

 

海未「ことり、本当に留学するのですか?」

 

ことり「えっ?」

 

海未「い、いえ!何でもありません!」

 

ことり「無理だよ。今からなんて、そんな…」

 

海未「分かっています」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果は歩きながら考えていた。あの時のようにみんなに迷惑をかけずに、楽しくて人を喜ばせてやりたい事を。だが、少し迷っていた。それをやって本当に伝えたい事とは何なのかと

 

穂乃果「あるのかな…アイドル以外にそんなもの…」

 

再び穂乃果は歩きながら考えていると、いつの間にか神田明神に着いていた。すると、向こうから凛と花陽の声が聞こえ、近付くと階段で走り込みの練習をしていた凛と花陽がいた

 

凛「やった~!着いたにゃ~!」

 

ヤヨイ「お疲れさま。凛ちゃん自己ベスト更新だよ」

 

凛「本当に!?やった~!!」

 

自己ベストタイムを更新した凛ちゃんが喜ぶ中、花陽ちゃんとにこさんも階段を駆け上がって来た

 

ヤヨイ「お疲れさま。花陽ちゃん、にこさん」

 

凛「かよちん、にこちゃん、遅いにゃ~」

 

花陽「はぁ…はぁ…ご、ごめん!久々だとキツいね…」

 

にこ「はぁ…はぁ…このっ…くらい…バテるもんじゃ…ない…わっ…」

 

ヤヨイ「にこさん。息切らし過ぎてますよ」

 

凛「あ、穂乃果ちゃん」

 

穂乃果「凛ちゃん。花陽ちゃん。練習続けてるんだね」

 

花陽「う、うん」

 

にこ「当たり前でしょ」

 

すると、にこさんは穂乃果に向かって話し出す

 

にこ「スクールアイドル続けるんだから」

 

穂乃果「え?」

 

にこ「μ’sが休止したからって、スクールアイドルやったらダメって決まりは無いでしょ?」

 

穂乃果「でも、何で?」

 

にこ「好きだから。にこはアイドルが大好きだからよ!みんなの前で歌ってダンスして、みんなと一緒に盛り上がって、また頑張ろうって。そういう気持ちをさせる事が出来るアイドルが私は好きなの!!」

 

にこさんは穂乃果に思いをぶつける。僕にもその思いは伝わって来た

 

にこ「穂乃果みたいにいい加減な好きとは違うの!」

 

穂乃果「違うっ!!私だって…!」

 

にこ「どこが違うの?自分からアイドル辞めるって言い出したんでしょ?やってもしょうがないって…」

 

ヤヨイ「それは、いくら何でも言い過ぎかと思いますよ」

 

穂乃果「いいよヤヨイ君。にこちゃんの言う通りだよ。邪魔しちゃってごめんね…」

 

穂乃果はその場を離れようとした時だった

 

花陽「穂乃果ちゃん!」

 

花陽が名前を呼んで引き止める

 

花陽「今度、私たちだけでライブしようと思うの。もしよかったら、来てほしいな…」

 

凛「穂乃果ちゃんが来てくれたら盛り上がるにゃ!」

 

にこ「アンタが始めたんでしょ?絶対に来なさいよ」

 

穂乃果「みんな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わりラーメン屋

 

ユウノスケ「いらっしゃい。て、アンタか」

 

フミ「お前も来てたんだな」

 

ラーメン屋にやって来たのはフミだった

 

ヨウタ「やる事がねぇんだよ」

 

ユウノスケ「だからって長い時間、居座るのも迷惑だ」

 

ヨウタ「どうなんのかね?俺達」

 

フミ「確かにな。けど、不良に戻るのは御免だぜ」

 

ヨウタ「俺だって、同じだよ」

 

ユウノスケ「俺らの学校を敵に回して良く言えるよな…」

 

マサ「だな」

 

フミ「なら、穂乃果を説得すれば良いだろ?」

 

ヨウタ「俺が説得した所で穂乃果が戻って来るわけねーだろ。ことりも留学するんだしよ」

 

フミ「本当はキレた後から一言も話してないから気まずいんだろ?」

 

ヨウタ「うッ…!テメェ…それは言わねー約束だろ」

 

フミ「そんな約束はしていない。素直に謝って、どうしたいか聞けよ」

 

ユウノスケ「ほら、見ろ。俺と同じ事言ってるだろ?」

 

ヨウタ「たく、どいつもこいつも。俺は帰る」

 

俺は会計を済ませ、店を出た

 

フミ「素直じゃねーんだから。昔からよ」

 

ユウノスケ「心配してるの見え見えなのにな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり穂むら

 

絵里「ごめんね。急に」

 

穂乃果「いえいえ、お気になさらず」

 

絵里「違うわ。μ's活動休止にしようって言った事。本当は私に、そんな事言う資格無いのに…」

 

穂乃果「そんな事ないよ。私が辞めるって言ったから…」

 

絵里「ねぇ?穂乃果。私には何を言ってあげればいいか正直、分からない。私達でさえ、ことりがいなくなってしまう事がショックなんだから…穂乃果の気持ちを考えると辛くなる」

 

穂乃果「絵里ちゃん…」

 

絵里「でもね、私は穂乃果に1番大切な物を教えてもらったの。変わる事を恐れないで突き進む勇気」

 

そう言って絵里は穂乃果に手を差し出した

 

絵里「私はあの時、貴方の手に救われた。きっと、ヨウタも同じ事を思ってる」

 

穂乃果「ヨウタ君も?」

 

絵里「だって、彼の中で穂乃果は特別な存在でしょ?」

 

穂乃果「そ、そんな事無いよ」 

 

絵里「でも、学園祭のライブで穂乃果が倒れた時、私達が茫然とする中、ヨウタが1番に駆け付けてくれてくれたのよ」

 

穂乃果「そうだったんだ…」

 

絵里「じゃあ、私はコレで」

 

穂乃果「絵里ちゃん。まだ、ヨウタ君っておこってるのか?」

 

すると、絵里は悪戯っぽい笑みを浮かべる

 

絵里「それは穂乃果がよく知ってるんじゃない?」

 

そう言うと絵里は鞄を持ち穂むらを出て帰路につく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、ことりが留学する当日

 

穂乃果「ごめんね、急に呼び出して…」

 

海未「いえ…」

 

穂乃果「ことりちゃんは?」

 

海未「今日の午後の便で出発だそうです」

 

穂乃果「私ね、ここでファーストライブやってことりちゃんと海未ちゃんと歌った時、思ったの。もっと歌いたいって…もっとスクールアイドルやっていたいって!」

 

海未「穂乃果…」

 

穂乃果「辞めるって言ったけど、気持ちは変わらなかった。学校のためとかラブライブのためとかじゃなくて、私は好きなの!歌うのが!踊ることが!仲間と一緒にスクールアイドルやることが!!これだけは譲りたくない。だから…ごめんなさい!!」

 

海未「穂乃果…!」

 

穂乃果「これからもきっと迷惑かけると思う!夢中になりすぎて、誰かが悩んでいるのに気付かない時もあると思う。入れ込み過ぎて空回りする時もあると思う…だって私、不器用だもん!だから、追いかけたいの!!」

 

穂乃果の謝る気持ちと言葉を強く発言すると、海未は急に笑い出した

 

穂乃果「海未ちゃん!なんで笑ってるの!?私、真剣なのに!!」

 

海未「ご、ごめんなさい…。でもね、ハッキリと言いますが……穂乃果はずっと前から迷惑かけられっぱなしですよ♪」

 

穂乃果「えっ?ウソ!?」

 

海未「本当ですよ。ずっと前からことりと話していました。穂乃果と一緒にいるといつも大変なことになると」

 

海未は話ながら講堂の階段を降りていく

 

海未「どんなに止めようにも夢中になったら何にも聞こえてなくて。大体スクールアイドルだってそうです。私は本気で嫌だったんですよ。知ってましたか?」

 

穂乃果「海未ちゃん…」

 

海未「どうにかして辞めようと思いました。穂乃果を恨んだりもしていました。全然気付いていなかったですけどね!」

 

穂乃果「ご、ごめん…」

 

海未「ですが、穂乃果は連れてってくれるんです。私やことりでは勇気がなくて行けないようなスゴい所に!」

 

穂乃果「私が…」

 

海未「それに、私が穂乃果を叩いたのは穂乃果がことりの気持ちに気づかなかったからではなく、穂乃果が自分の気持ちに嘘をついているのが分かったからなんです。穂乃果に振り回されるのは、もう慣れっこなんです。だから、その代わりに連れてって下さい!私たちの知らない世界へ!!それが穂乃果のスゴいところなんです!!」

 

海未の言葉に穂乃果は目から一粒の涙が溢れた

 

海未「さあ、ことりが待っています!迎えに行ってやって下さい!」

 

穂乃果「うん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は分かりアイドル部の部室。俺とフミ、シオン、シュウジ4人で麻雀をしていた

 

ヨウタ「今日、ことりが外国に行く日か」

 

シオン「そうだな」

 

シュウジ「見送らなくって良かったのか?」

 

ヨウタ「ことりが見送りはしなくて良いってさ」

 

フミ「ロン」

 

ヨウタ「あ、クソ!マジかよ」

 

俺達4人は部室で麻雀をしていた

 

ヨウタ「結局、アイツらは仲直りしたのか?」

 

シオン「どうだか」

 

ヨウタ「女の喧嘩ってココから引っ張るからな」

 

フミ「お前も早く仲直りしろよな」

 

ヨウタ「はぁ?今、その話するかね?」

 

話してる時、俺のスマホがなった

 

ヨウタ「たく、誰だよ。麻雀中に電話して来る奴は」

 

俺は電話を取り、二言返事で通話を切り、椅子から立ち上がる

 

ヨウタ「悪い。ちょっくら行ってくる」

 

シオン「おい、どこ行くんだよ!」

 

俺はシオンの言葉を無視して、そのまま走り出した

 

フミ「たく、昔から変わらねーな。アイツ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は校門前に到着した

 

ヨウタ「よっ!」

 

穂乃果「ヨ、ヨウタ君!?」

 

ヨウタ「ことり迎えに行くんだろ?乗れよ」

 

俺は穂乃果にヘルメットを渡した

 

穂乃果「でも!?どうして!?」

 

ヨウタ「海未から電話があったんだよ。穂乃果をお願いしますとさ」

 

俺の電話は海未からだった。俺は穂乃果を後部座席に乗せ、エンジンを掛けた

 

穂乃果「ヨウタ君…そ、その…」

 

ヨウタ「話は後だ。それより、スピード上げるからしっかり掴まってろよ」

 

そして、俺と穂乃果はことりがいる空港向かった。空港に着くと飛行機に乗ろうとしていたことりを見かけ、穂乃果はことりの手を掴んだ

 

穂乃果「ことりちゃん!私ことりちゃんとスクールアイドルやりたいの!いつか別の夢に向かう時が来るとしても…」

 

穂乃果は正面に回ってことりの体を抱きつくと、ことりは涙を流していた

 

穂乃果「だから!行かないで!」

 

ことり「ううん。私の方こそごめん。自分の気持ち、分かってたのに…!」

 

ヨウタ「感動的な再会の所、悪いが時間が無い。ライブやるんだろ?今、シオンから電話来たよ」

 

講堂で穂乃果がライブやると言っていたらしい。残り30分で学校に行かないといけない

 

穂乃果「けど、ヨウタ君のバイクにことりちゃん乗せて大丈夫なの?」

 

ヨウタ「あ…」

 

忘れていた。バイクで3人乗りしたら警察にパクられる

 

フミ「たく、3人乗りするつもりか?」

 

穂乃果「フミ君!?」

 

ヨウタ「フミ!?どうしてここに!?」

 

フミ「お前が飛び出して行ったからな。空港に行くと思ったんだよ」

 

ことり「フミ君…」

 

ことりはフミに抱き付き涙を流す

 

フミ「ことり、お帰り」

 

ヨウタ「たく、何を悠長にしてんだよ。今からライブがあんだよ」

 

フミ「なら、飛ばすぞ。ヨウタ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、他のみんなは講堂裏でライブスタンバイをしていた

 

花陽「うぅ…緊張してきた~!」

 

凛「それより、凛たち制服のままだけど大丈夫かな?」

 

真姫「スクールアイドルらしくていいんじゃない?」

 

ヤヨイ「制服でも可愛いと思いますよ」

 

にこ「ねぇ海未、穂乃果達は間に合うの?」

 

海未「大丈夫です。絶対に来ます!」

 

シュウジ「フミもついて行ってるから大丈夫だろ」

 

希「でも、もうそろそろ時間やけど…」

 

絵里「お客さんを待たせる訳にはいかないわ」

 

みんなが心配していると穂乃果が到着した

 

穂乃果「みんな、お待たせ~!」

 

凛「ハラハラしたにゃ~」

 

シュウジ「アレ?あの馬鹿2人は?」

 

ことり「バイク止めてくるって言ってたよ」

 

シオン「よし、じゃあ、部長から一言お願いします」

 

にこ「え~!?…な~んてね♪もう考えてあるわ!」

 

するとにこはピースサインをして手を前にて出した

 

にこ「今日みんなを一番の笑顔にするわよ!」

 

その後、にこと同じようにみんなが手を前に出した

 

穂乃果「よし、行こう!」

 

そして、舞台の幕が開いた

 

『START:DASH!!』

 

ヨウタ「ハアハア…あー走った」

 

フミ「たく、バテるの早過ぎだろ」

 

ヤヨイ「あ、来たみたいですよ」

 

シオン「お前ら、おせーぞ」

 

シュウジ「ライブは始まってるぞ」

 

ヨウタ「しゃーねーだろ。バイク停めてたんだからよ」

 

フミ「それより、やっと元に戻ったな」

 

シオン「そうだな」

 

シュウジ「コレがアイドル…」

 

ヤヨイ「シュウジ君は初めてなんですよね。μ'sのライブ」

 

シュウジ「ああ、良い歌だな。輝いてる」

 

シオン「お前が言うと気持ち悪りぃな」

 

シュウジ「何だ?やるのか?」

 

フミ「おい、喧嘩すんなよ」

 

ヤヨイ「ホラ、みなさん雑談はここまでにしてLIVEを楽しみましょう」

 

μ'sは新たな1歩を踏み出した。俺達も一緒に

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「送ってくれてありがと」

 

ヨウタ「別にいいよ。帰宅ついでだし」

 

俺はバイクのキーを回しエンジンを掛けようとした時だった

 

穂乃果「ヨウタ君、良かったら上がって行かない?」

 

俺は穂乃果の言葉に甘え、バイクを停車して穂むらに上がり、穂乃果の部屋に入る

 

穂乃果「お母さんが後でお茶持ってくるって」

 

ヨウタ「何か、悪いな」

 

俺はくつろぎながら座り、周りを見回してた。つーか、1人で来たのは初めてだな。通りで緊張するわけだ

 

穂乃果「ヨウタ君、周りを見渡してどうしたの?」

 

ヨウタ「いや、1人で部屋に入るのは初めてだなぁ〜と思ってさ」

 

穂乃果「そんなに緊張しなくて大丈夫だよ。いつもみたいにゆっくりしてて」

 

いや、だって女の子の部屋で2人きりだなんて初めてですし…

 

穂乃果「ヨウタ君、隣に座っても良いかな?」

 

ヨウタ「別に構わないけど」

 

そう言って穂乃果は俺の隣に腰を下ろした

 

穂乃果「ありがとね。穂乃果が倒れた時、保健室に連れってくれて」

 

ヨウタ「礼を言う程の事かよ」

 

穂乃果「けど、穂乃果が寝ている間もずっと心配して、そばにいてくれたんでしょ」

 

ヨウタ「んな事、覚えてねーな」

 

穂乃果「絵里ちゃんが言ってたよ」

 

ヨウタ「たく、余計な事言いやがって」

 

すると、穂乃果は俺の肩に頭を乗せる

 

穂乃果「温かい…」

 

ヨウタ「俺は重たいんだが」

 

穂乃果「なんだか落ち着く」

 

俺の言葉は無視かよ。もう、好きにしてくれ

 

穂乃果「ヨウタ君…」

 

ヨウタ「今度は何だ?」

 

穂乃果「ゴメンね」

 

ヨウタ「いや、謝るのは俺の方だ」

 

穂乃果「えっ?」

 

俺の肩から離れた穂乃果は、俺の横顔を見つめる

 

ヨウタ「1番辛いのは穂乃果だったハズなのに、俺は酷い事言ってしまった。あの時、お前の気持ちをちゃんと考えられなかった」

 

穂乃果「違うよ。あの時は穂乃果が勝手に…」

 

ヨウタ「自分を責めるな。お前は学校存続の為、頑張って来たんだから」

 

俺は穂乃果の目を見て答える

 

ヨウタ「分かってる。ずっと見てたから…分かってるから」

 

すると、穂乃果は俺の胸に顔を埋める。

俺の制服に穂乃果の涙が染み込んできた

 

穂乃果「ありがと…」

 

俺は右手をソッと穂乃果の頭に添え、優しく髪を撫でた

 




やっと、1期が完結しました。
2期からはもっとオリジナルストーリー
書きたいよね。
それと、あと1人新キャラも出します
それとユウノスケ、マサ、シュウジ、レンかな?
新しく出て来たキャラも登場増やします
レンに関しては最初から入るけど…
まぁ、もっとμ'sと絡めたいよね
恋愛や喧嘩シーンも増やしてさ


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第22話

お久しぶりです。何か色々と忙しくてね…まぁ、飽きたとかでは無いです。ネタが無いのはありますが久々ですが見て下さい


シュウジ「お疲れ様でした」

 

俺は弓道部の練習が終わり帰宅をする為、駅に向かっていると、とある現場に出会した

 

シュウジ「お前ら何やってんだ?」

 

俺が目撃したのは不良3人がカツアゲしている所だった

 

シュウジ「たく、他人から金巻き上げるぐらいなら働いたらどうだ」

 

言葉が不良の勘に触ったのか俺にタンカを切る。その隙に絡まれてた奴は逃げ切ったから良しとしよう

 

シュウジ「何だ?やる気か?」

 

俺がそう言うと不良が殴りかかって来たが、返り討ちにしてやった。全く喧嘩も出来ねぇのに態度だけはデカい奴らだったな。そして、俺はそのまま駅に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

俺は学校に着くと他の生徒からの視線を感じた。みんな俺を見てザワついてやがる。顔に何かついているのか?その教室に向かうとシオンに声を掛けられた

 

シオン「シュウジ、先生が呼んでたぞ」

 

シュウジ「何で俺の事呼んでんだ?」

 

シオン「俺が知るかよ」

 

シュウジ「先生は何処にいるんだ?」

 

シオン「職員室だってさ」

 

俺はシオンの言われた通り職員室に向かう

 

シュウジ「失礼します」

 

先生「来たみたいだな」

 

シュウジ「話って何ですか?」

 

先生「話づらいが…昨日、お前が他校の生徒に手を出してるのを目撃したって連絡が入った」

 

シュウジ「アレは奴らが先に手を出して…」

 

先生「先生もお前の言う事を信じたいが、証拠が無いからどうしようも無いんだ…」

 

シュウジ「マジかよ…」

 

先生「今回は多目に見てやるが次は、停学になるかも知れないから気を付けろよ」

 

シュウジ「わかりました…」

 

俺は扉を開け、職員室を後にした

 

シオン「何だったんだ?話は」

 

俺の事が心配だったのか、シオンが職員室の前に立っていた

 

シュウジ「学校はもう慣れたか?ってさ」

 

シオン「それだけか…?」

 

シュウジ「ああ、また教室でな」

 

俺はそのまま教室に向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シオン「アイツ、何か隠してるな」

 

俺はそう思い、職員室にいる先生にシュウジの事を聞くと、衝撃の事実を耳する

 

シオン「先生、本当ですか?」

 

先生「目撃情報が入っていてな。他校の生徒を傷つけている所が」

 

シオン「アイツが先に手を出すなんてあり得ないです!きっと何かあって!?」

 

先生「けど、証拠が無いとコチラも対処が出来なくてな…」

 

シオン「マジかよ…」

 

俺は重い空気のまま、職員室を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

教室にて

 

クラスの奴らも俺を見て何か話してる。たく、面倒くさい事になった

 

フミ「話は聞いたぞ。シュウジ」

 

フミが俺に話掛けてきた。どうやら昨日の事を何処かで知ったらしい

 

フミ「災難だったな。でも、あまり気にするな。人の噂も75日って言うだろ?」

 

シュウジ「そんな長い間待ってられっかよ」

 

フミ「いや、ことわざであって実際って訳ではねーよ」

 

シュウジ「それと、今の俺には話しかけない方がいい。お前まで誤解される」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後の部室にて

 

絵里「大変な事になったわね」 

 

ヨウタ「何?なんかあったん?」

 

フミ「お前、知らねーのかよ」

 

ヨウタ「いや、知らねーから聞いてるんだよ」

 

フミ「絶対にお前だけだぞ。知らないの」

 

ヤヨイ「あの、実は僕も…」

 

フミ「お前もかよ!?」

 

花陽「2人共、シュウジ君の事だよ」

 

ヨウタ「シュウジの事?」

 

ヤヨイ「何かあったんですか?」

 

希「シオン君なら詳しく知ってるんやない?」

 

俺とヤヨイはシオンからシュウジの事を聞かされた

 

ヨウタ「成る程ねぇ〜。それで、俺達の事避けてるのか」

 

ヤヨイ「だから、部活にも顔を出さないのですね」

 

真姫「あんな噂広まったら顔を合わせ辛いわよね」

 

シオン「けど、噂を信じる奴らも馬鹿だ」

 

フミ「シュウジって意外に真面目そうだから、絶対に自分からは何もしないと思うけどな」

 

シオン「アイツは真面目だ。俺が木刀を持って先陣切ろって言ったら直ぐに向かうからな」

 

にこ「それの何処が真面目なのよ!?」

 

シオン「人の言うことは絶対に聞くって事だ!話の流れで理解しろよ」

 

ことり「今のはシオン君の例えがおかしかったと思うよ…」

 

凛「普通の人にはピンと来ない話にゃ」

 

シオン「要するにアイツは昔から人の言う事を簡単に鵜呑みにするんだよ」

 

俺らがシュウジの事を話してる中、1人だけ浮かない顔をしていた

 

穂乃果「海未ちゃん、どうしたの?」

 

海未「真面目だから心に響くんですよね?」

 

シオン「ああ、アイツは気にしないように強がってるな」

 

ヨウタ「俺達が挽回しようしたら、アイツ怒るだろうな」

 

シオン「そうだな。俺達まで巻き込まないようにしてるからな」

 

海未「本当に真面目なんですから…」

 

フミ「俺達が部活サボろうしてもアイツはちゃんと行くし」

 

ヤヨイ「それに、サボろうとしたことを報告しましたからね」

 

ヨウタ「喧嘩に参加しろって電話したら部活があるって断ってたからな」

 

シオン「アイツは不良だけど、なんだかんだで真面目なんだよ」

 

海未「シュウジがそんな事をしないのは分かっています…」

 

海未の目には涙が溢れたいた

 

穂乃果「海未ちゃん…」

 

海未「ごめんなさい…1番辛いのはシュウジなのに…」

 

シオン「たく、かつて青龍って呼ばれた奴が今じゃ見る影もねーな」

 

ヤヨイ「何ですか?その異名」

 

シオン「ありがとな。アイツの代わりに泣いてくれて」

 

シオンは海に礼を言う

 

シオン「よし、そうと決まれば…」

 

フミ「おい、どうした?」

 

シオン「いや、何も考えてなかった」

 

真姫「たく、どうしていつもカッコつかないのよ」

 

シオン「うるせー!」

 

ヨウタ「まぁ、こう言うのは勢いだろ」

 

フミ「そうだな」

 

ヤヨイ「ですね」

 

ヨウタ「俺達は仲間見捨てる程、腐ってねーからな」

 

シオン「そうと決まればアイツの誤解を解くぞ!」

 

真姫「誤解を解くってどうするわけ?」

 

シオン「…知らん」

 

真姫「本当に大丈夫かしら?」

 

俺達はμ'sのみんなに呆れられた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュウジ「コンビニでも行くか」

 

何故かタバコが吸いたくなった。俺はコンビニに向かう途中、肩がぶつかる

 

シュウジ「悪りぃ」

 

不良1「おい、お前は昨日世話になった奴だな」

 

シュウジ「何だ。またやる気か?」

 

俺は胸ぐらを掴みガンを飛ばしたが、その時に先生の言葉が脳裏に浮かんだ

 

シュウジ「何でもねぇ…」

 

不良2「アレェ〜。昨日までの威勢はどこ行ったんですか!?」

 

俺の腹に拳が入る。良いの貰っちまった

 

シュウジ「また…次の機会でどうだ?」

 

不良3「フザケンナ!」

 

次は顔に拳が入る

 

不良1「コッチとら、お前に復讐したくてたまんないんだよぉ」

 

ヤバイな。この状況どう打開しようか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学校帰り

 

海未「あの3人は本当に大丈夫なのでしょうか?」

 

海未は1人帰宅している時、近くの公園で不良の喧嘩を目撃し驚愕した

 

海未「アレは…!?」

 

不良1「オラオラ!どうした!」

 

不良2「昨日の威勢は何処に行ったんだ!?オラッ!?」

 

不良3「何だ?コイツ抵抗しねぇぞ?」

 

手を出せない事を良い気に一方的にやり上がるな

 

不良1「これだけじゃ面白く無いな?オイ!コイツの身体押さえとけ」

 

不良の2人が倒れている俺の身体を押さえ付ける

 

不良1「腕1本折らせて貰うぜ」

 

ヤベェな。完全に詰んだ。と思った矢先だった

 

海未「何してるんですか!?」

 

不良1「はぁ?何だ?女か」

 

海未が駆け付けてくれたが、俺はダサい姿を見られてしまう

 

海未「警察呼びますよ…」

 

不良1「声、震えてるぞ」

 

1人の不良が海未に詰め寄る

 

不良1「中々、可愛い顔してんじゃん。俺らと遊ばね?」

 

海未「誰が貴方達なんかと!?」

 

不良1「遊んでくれねーなら無理にでも遊んでやるよ!」

 

海未「やめて!!話して下さい!?」

 

不良が海未の手を無理矢理掴む

 

不良1「大人しくしろ!」

 

シュウジ「おい」

 

俺は海未の手を掴んでいた不良の肩を叩く

 

不良1「あ?何だ…」

 

俺は怒りからか不良の顔面に思いっ切り右ストレートを打ち込んだ

 

シュウジ「嫌がってるなら離せよ」

 

顔面を殴られた不良は地面に倒れ込む

 

シュウジ「オイ。俺に殺されるか?この場を立ち去るか選べ」

 

他2人の不良を睨み俺が選択肢を与えると不良はビビってか倒れた不良を引っ張って逃げて行く

 

シュウジ「つまんねぇ奴らだな。行くぞ海未」

 

海未「シュウジ…!!」

 

突然、海未が俺の胸に飛び込んでくる

 

シュウジ「どうした?」

 

海未「凄い…怖かった…」

 

シュウジ「ゴメンな」

 

俺は海未の肩に右手を回す

 

シュウジ「でも大丈夫だ。俺が傍にいる」

 

本当なら今すぐにでもアイツらをぶん殴ってやりたいが、これじゃそうも行かないか…

 

シュウジ「なぁ?今暇か?」

 

海未「えっ…?」

 

シュウジ「暇なら俺と遊ばないか?」

 

俺がそう言うと海未はクスりと笑う

 

シュウジ「なんで笑う?」

 

海未「だって、シュウジがおかしな事を言うので」

 

シュウジ「泣き止んだなら答えを聞かせてくれないか?結構、恥ずかしんだ」

 

海未「喜んでお相手しますよ♪」

 

俺は海未と帰宅する事にした

 

海未「シュウジ…」

 

シュウジ「今度はどうした?」

 

海未「もう、どこにも行かないで下さい」

 

シュウジ「ずっと家にいろって事か?」

 

海未「そうじゃありません。何だかシュウジが遠くに行ってしまいそうで…」

 

シュウジ「俺は何処にも行くつもりは無い」

 

海未「じゃあ、どうして私達を避けたのですか?」

 

シュウジ「俺が問題を起こしたせいで、お前らに迷惑を掛けたく無かった。熱りが冷めるまでは」

 

海未「そんな事、私達は誰1人と気にしてませんよ。だってシュウジがそんな人じゃ無いと知っていますから」

 

俺は恥ずかしさからか何も言わなかった。けど、思った事は音ノ木坂に転向して良かったと言う事だ

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

俺はいつも通り登校すると…

 

女子生徒1「シュウジ先輩!」

 

弓道部の後輩達に声をかけられた

 

シュウジ「どうした?」

 

女子生徒1「シュウジ先輩って海未先輩と付き合ってるんですか!?」

 

シュウジ「いや、付き合っては無いが?」

 

女子生徒2「でも、昨日2人で一緒に帰ってるのを見たって人がいるんですよ!?」

 

マズい。見られてたか…けど、理由なんて話せないしな…

 

シュウジ「それは帰り道が一緒だっただけだ」

 

女子生徒3「じゃあ、いつも2人で帰ってるんですか!?」

 

女子生徒1「付き合っても無いのにですか!?」

 

ヤバいな。良からぬ方向に話が進んでいる

 

シュウジ「後は海未にでも聞くんだな」

 

俺は後輩達から逃げるように教室へ向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして放課後

 

シュウジ「はぁ〜」

 

フミ「ため息なんかしてどうした?」

 

シュウジ「今日は一段と疲れてな…」

 

シオン「お前が疲れるなんて珍しいな」

 

俺達が部室でダベっていると勢いよく扉が開く

 

海未「シュウジどう言う事ですか!?」

 

シュウジ「どうした?いきなり?」

 

突然、海未が顔を真っ赤にし俺に詰め寄って来たのだ

 

海未「どうもこうもありません!」

 

ことり「海未ちゃん。朝から大変だったからね〜」

 

穂乃果「まさか、海未ちゃんとシュウジ君がねぇ〜」

 

海未「2人共、からかわないで下さい!」

 

きっと、後輩達に俺と同じ事言われたんだろうな

 

シュウジ「仕方ないだろ。昨日、2人で帰ってるのを見られたんだか…ら…」

 

俺は今の発言に墓穴を掘ったと気付き、周りを見る。みんな予想通りニマニマした顔で俺と海未を見ていた

 

シオン「ほう、2人で帰ったと。しかも一緒に」

 

希「海未ちゃんも中々大胆やな♪」

 

海未「違います!き、昨日は…たまたま…」

 

フミ「でも、コイツって昨日は部活来てないよな?」

 

真姫「たまたまって事があるかしら?」

 

凛「もしかしてシュウジ君、昨日はずっと海未ちゃんの事待ってたりして〜?」

 

シュウジ「だから誤解だ!」

 

絵里「2人共、別に隠さなくて良いのよ」

 

花陽「はい!凄くお似合いだと思います!」

 

にこ「ちょっと!アイドルは恋愛禁止よ!!」

 

コイツらは人の話に耳も傾けねぇのか!?

 

シュウジ「おい、海未」

 

俺は海未の手を掴む

 

海未「ど、どうしたのですか!?いきなり…!!」

 

シュウジ「後輩達の誤解を解きに行くぞ」

 

海未「ちょ、ちょっと…!?」

 

俺は海未の手を引っ張り部室を後にした

 

ヨウタ「勢いよく飛び出して行ったけど、あの2人どうしたんだ?」

 

ヤヨイ「しかも、手を繋いでましだけど…」

 

シオン「詳しくは2人に聞きな」

 

俺はシオンの言う通りに2人に訪ねてみると何故か怒られてしまった。不幸だ…何だよ、この事は2人だけが知るって事かよ

 

 

つづく




意外に文字数少なかった
こんな感じで短編が続きます
次はシオンの話でも書こうかな?


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第23話

お待たせしました。色々とあって
8月は1回しか投稿してない
もうちょいペース上げないとな


放課後の部室にて

 

ヨウタ「暇だ」

 

シオン「お前そればっかりだな」

 

ヨウタ「学校の存続が決まってやる事ねーんだよ」

 

フミ「暇なら寝てろ」

 

ヨウタ「そうだな。寝るか」

 

ヤヨイ「ここで寝るより、家に帰ってからの方が良いかと」

 

ヨウタ「帰ったら怒られるだろ」

 

シュウジ「そこは真面目だな」

 

ヤヨイ「真面目と言いますか。何と言いますか…」

 

いつものように無駄話をしていたら、何故か怖い話をする流れになり…

 

ヨウタ「でさ、港で溺れてる子供の顔は笑ってるんだよ」

 

シオン「アレだろ。その子供が助けた人を海に誘うから立ち入り禁止の防波堤なんだろ?」

 

ヨウタ「やっぱり知ってたか?」

 

シュウジ「有名な話でも、やっぱゾッとするな」

 

ヨウタ「なんだよ怖いのか?」

 

シュウジ「怖くねーよ」

 

ヨウタ「じゃあ、今度肝試しでもする?」

 

シオン「何処でやるんだよ?」

 

ヨウタ「そりゃ、勿論この学校よ。七不思議解明とか?」

 

フミ「けど、どうやって侵入するんだよ」

 

シュウジ「門の柵を飛び越えれば問題無いんじゃ無いか?」

 

ヤヨイ「それを出来るのは貴方達だけだと思いますよ」

 

俺達が肝試しでもすると盛り上がっているとμ'sのみんなも部室に到着する

 

絵里「お待たせ」

 

フミ「お疲れ様です」

 

にこ「随分と楽しそうな話し声が廊下まで聞こえたわよ」

 

ヨウタ「そんな声デカかった?」

 

ヤヨイ「すいません。次からは気をつけます」

 

海未「何を楽しそうに話していたのですか?」

 

ヨウタ「コワイハナシ…」

 

シオン「何故に雰囲気出してるんだよ」

 

希「何?何?怖い話?」

 

俺達の話に耳を傾けたのか、希も加わってきた

 

穂乃果「ねぇ、どんな話なの?」

 

ヨウタ「お、気になる」

 

凛「凛も気になるにゃ。ねぇ〜かよちん」

 

花陽「私は少し…怖いかな…」

 

真姫「馬鹿馬鹿しい。どーせ作り話でしょ」

 

ことり「けど、テレビとかでも芸能人が体験した事を話してるよね」

 

フミ「ことりの言う通り、幽霊は存在するんじゃねーのか?」

 

ヤヨイ「ナスカの地上絵のように、解明されてない物だったりありますからね」

 

シオン「アレは心霊になるのか?」

 

シュウジ「宇宙人も幽霊も似たようなモンだろ」

 

ヨウタ「じゃあ、早速。俺の取っておきの話でもしますか」

 

俺がこれから話すのは、沖縄で有名な怖い話だ。深夜カップルがドライブをしていたのだが、彼氏がトイレに行きたくなり、近く公園で用を足す事にした。公園の駐車場に車を停め彼氏はトイレに向かい、彼女は車で待つ事にしたのだが、数分経過しても彼氏は戻ってこない。すると車の上から『ドスン』『ドスン』と言う男が聞こえて来た。車にはウーハーも付いていない。彼女は不信に思って車を降り、車の屋根を見た

 

ヨウタ「すると車の上には鎌と彼氏の生首を持った男が狂気に暴れ回ってたんだってさ」

 

周りに不穏な空気になってしまった

 

にこ「その後はどうなったって言うのよ…」

 

少し怖がってるのか、にこが震えながら口にした

 

ヨウタ「さぁ、捕まったとか、捕まってないとか真実は不明だからな」

 

絵里「けど、どうして暴れ回ってたのかしら?」

 

ヨウタ「霊に取り憑かれておかしくなったんじゃ無いか?って言われてるけど、俺も取り憑かれた事ないから分からん」

 

この話を聞いてみんながゾッとしている。ぶっちゃっけ俺の話なんてネットでもすぐに検索かけたらヒットする話だ。嘘か真実かなんて知らない。つーか知りたくもない

 

フミ「テメーの話でみんな怯えてるじゃねぇーか」

 

ヨウタ「いやぁ〜すまん。すまん」

 

そんな怖かったか?

 

シオン「そんなに怖がらなくてもいいと思うがな。な?花陽?」

 

花陽「ピャアッ!!」

 

シオンは花陽の肩に手を置いた。すると花陽は驚き悲鳴をあげだ

 

真姫「ちょっと!シオン何してるのよ!」

 

シオン「ゴメン、ゴメン。こんなに驚くとは思ってなかったんだ」

 

シオンは少し笑いながら答えた。アイツ絶対ワザとだな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰り道

 

俺達4人が何故か花陽を送る事になった

 

ヨウタ「な〜んで、俺達も一緒な〜のよ」

 

真姫「自分から話したのが悪いのよ」

 

ヨウタ「みんなが聞きたいって言ったから話したのよ」

 

俺はちょっとした悪意を込めて真姫の真似をして答えた

 

真姫「ちょっと!マネしないでよ!」

 

ヨウタ「真似してないですけど、あ〜はん?」

 

シオン「少し落ち着け。それに最初に無駄話したのはヨウタだろ?」

 

ヤヨイ「けど、花陽ちゃんを驚かせたのはシオン君ですよ」

 

シオン「う、うっせーな」

 

フミ「当分は怖い話は出来ないな」

 

ヨウタ「じゃあ、次はすべらない話でもしますか?」

 

真姫「アンタ達、少しは反省しなさいよ」

 

俺達は真姫に注意されると空返事で答える。そして歩く事数分。真姫が「あッ!」と声を上げる

 

シオン「ん?どうした?」

 

真姫「忘れ物した見たいだから、部室に取りに行ってくるわ」

 

シオン「一緒に行こうか?」

 

真姫「べ、別について来なくて大丈夫よ」

 

ヨウタ「あの話、聞いた後だが怖くないのか?」

 

真姫「こ、怖くないわよ!」

 

 

そう言って真姫は学校へと戻って行く

 

シオン「たく、素直じゃねーんだから。ちょっくら俺も行ってくるわ」

 

そう言ってシオンも学校に戻って行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫「まさか、部室にノート忘れちゃうなんて…」

 

真姫は朝とは違い静まり返った学校に到着した

 

真姫「夜の学校って不気味よね…」

 

真姫はため息混じりにボヤく。するとヨウタの怖い話が脳裏に蘇った

 

真姫(ちょっと何を思い出してんの!?どうせ作り話よ!?)

 

真姫が頭から怖い話の事を消そうとした時だった

 

シオン「どうした?入らないのか?」

 

シオンは真姫の後ろに立ち声をかけた

 

真姫「きゃあああ!!」

 

シオン「うお…!?ビックリさせるなよ」

 

真姫「コッチの台詞よ!何なのよ!後なんかつけて!」

 

シオン「心配でついて来たんだよ。そこは礼を言う所だろ。礼(霊)だけに」

 

真姫「つまんないわよ」

 

シオン「ハイハイ。で、忘れ物取りに行かないのか?」

 

真姫「そ、それは…」

 

シオン「もしかしてビビってんのか?」

 

真姫「そ、そんな事ないわよ!」

 

シオン「なら入るぞ。ついて来い」

 

俺は真姫と2人で夜の音ノ木坂の校舎に入った。しかし夜の学校は不気味なものだ。よく警備員は働けるな

 

シオン「何処に忘れたんだ?」

 

真姫「多分、部室だと思うわ…」

 

シオン「部室ね〜。あそこの廊下は空き教室が多いから不気味なんだよな〜」

 

真姫「ちょっと!変な事言わないでよ!」

 

シオン「やっぱ怖いのか?」

 

真姫「そ、そんな訳ないわよ!」

 

シオン「なら、良いんだけど」

 

俺と真姫はスマホのライトを頼りに部室に向かう

 

シオン「ライトつけなかったら真っ暗だな。な?真姫?」

 

俺は真姫の方を向いて質問したのだが、答えが返って来ない

 

シオン「真姫?」

 

真姫「な、何よ…」

 

真姫は少し驚きながら返事をした

 

シオン「やっぱり怖いのか?」

 

真姫「べ、別に怖くなんか…」

 

俺は強がる真姫を手を掴んだ

 

真姫「な、何するのよ!?」

 

シオン「これだと怖くねーだろ?」

 

真姫「う、うん…」

 

シオン「俺の後ろにいろ。後、絶対に手を離すなよ」

 

そして、俺達は学校の廊下を進み無事に部室へと到着した

 

シオン「あったか?」

 

真姫「うん。部室に忘れてたみたい」

 

シオン「良かったな」

 

俺達がノートを見つけて帰ろうとした時、俺達に眩しい光が当たる

 

シオン「眩し!?」

 

警備員「何してんだ?お前ら?」

 

光の正体は警備員だった

 

シオン「すいません。忘れ物したから取りに来ました」

 

警備員「そうか。暗いから気をつけて帰るんだぞ」

 

シオン「うぃす。行こう真姫」

 

真姫「うん…」

 

俺と真姫は部室を後にした

 

シオン「まぁ、何もなくて良かったな」

 

俺は真姫の方に視線を移すと、ふと窓から向かいの廊下が見えた。裏庭を挟む向かいの教室にはポツリと灯りが動いていた

 

シオン「何だ?あの灯りは?」

 

真姫「何って警備員の人でしょ」

 

シオン「けど、あんな短時間であそこまで移動出来るか?」

 

真姫「それって、もしかして…」

 

俺は察しろとばかりに頷いた。それで理解したのか真姫の顔は青ざめていく

 

真姫「きゃああああ!!」

 

真姫は恐怖の余りに悲鳴を上げ、シオンを置いて逃げてしまった

 

シオン「待て!真姫!たく、置いて行くなよ」

 

俺は頭を掻く。しかし、やっぱ不気味だな

 

シオン「俺も怖がってる場合か。真姫を探しに行かねーと」

 

そう思った矢先、廊下から奇妙な呻き声が聞こえて来る

 

シオン「な、何だ!?」

 

俺は呻き声に驚愕した時だった

 

ヨウタ「うおぁ〜。ゾンビだぞ〜!!」

 

シオン「…」

 

俺はとりあえず馬鹿の足にローキックをかました

 

ヨウタ「イデ!!何しやがる!?」

 

シオン「それはコッチの台詞だ」

 

ヨウタ「驚かせようとしたんだよ」

 

フミ「おい!何してんだよ」

 

ヨウタ「フミ、すまん。失敗した」

 

フミ「たく、駄目じゃねーか」

 

シオン「お前ら」

 

フミ「何だ?」

 

シオン「色々と聞きたいが、単刀直入に言う。何でいるんだ?」

 

ヨウタ「だから、驚かせようとしてたんだよ」

 

シオン「はぁ!?」

 

フミ「説明したら長くなるが…」

 

それはシオンと真姫が学校に向かった直後の事

 

ヨウタ「アイツら夜の学校に向かったよな」

 

ヤヨイ「そうですけど、それがどうしましたか?」

 

ヨウタ「よし!フミ、先回りするぞ!」

 

フミ「言うと思ったよ」

 

ヤヨイ「ちょっと!何しようとしてるんですか!?」

 

ヨウタ「怖い話をした後だろ。だから、怖がらせに行くんだよ」

 

フミ「そう言う事」

 

ヨウタ「よぉ〜し。急ぐそ〜!フミ」

 

ヤヨイ「あ、ちょっと!?2人共!!」

 

これが俺とフミが夜の学校に忍び込んだ経緯である

 

シオン「何で、そう毎回変な事ばかり思い付くんだよ」

 

ヨウタ「面白いと思って」

 

シオン「そのせいで真姫が怖がって逃げたんだよ!」

 

ヨウタ「何だ〜。アイツ、強がってたくせにビビってんじゃん」

 

シオン「ごちゃごちゃ言ってねーで探しに行くぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正門前

 

真姫「どうしよう…シオン置いてきちゃった…」

 

真姫はシオンを置いてきた事に気付き校舎に戻ろうと考えるが、足が震えて動けなかった

 

真姫(シオンなら心配ないよね…?)

 

真姫は自分の心に問い聞かせた。その時、練習の時に聞いていた怖い話を思い出した

 

ヨウタ(鎌と彼氏の生首を持った男が狂気に暴れ回ってたんだってさ)

 

真姫「さっきの灯り…そ、そんな訳ないわよね…でも、もし…」

 

真姫は嫌な予感がしたのかすぐに校舎に走っていく

 

真姫「シオーン!」

 

真姫はシオンの名前を呼びながら探したが、シオンの返事は帰って来なかった

 

真姫「まさか…シオン…!!」

 

不安になりながらも探していると、校舎の階段前でシオンと他2人と遭遇した

 

真姫「シオン…」

 

シオン「真姫、聞いてくれよ。コイツらが…」

 

真姫「シオン…!!」

 

真姫は泣きながらシオンに抱きついた

 

シオン「オァッ!ど、どうした?急に?」

 

真姫「名前…呼んでるんだから返事ぐらいしなさいよ…」

 

シオン「悪かったな」

 

俺は怖がってる真姫の頭を撫でる

 

真姫「馬鹿…心配したんだから…」

 

そうか、俺の事を探しに来てくれたんだよな

 

シオン「ありがとな」

 

探しに来てくれた事に免じて、『真姫が離れなけば』とは言わないでおこう。それにしても…

 

ヨウタ「若いですね。お2人さん」

 

コイツら2人の馬鹿にしたような視線がムカつく。ブッ飛ばしてやりたいがこの状況だと耐えるしか無いな。クソが…

 

フミ「じゃあ、先に校門前で待ってるからな」

 

ヨウタ「落ち着いたら来いよ」

 

そう言って馬鹿2人は先に校舎を出て行った。ちくしょう、後でぶん殴ってやる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫も落ち着き、校舎から出た俺達

 

真姫「アンタ達、本ッ当最低!!」

 

ヨウタ「いや〜すまん!!この通り」

 

フミ「こんな、怖がるとは思ってなかったんだ」

 

シオン「やり過ぎなんだよ」

 

真姫「そうよ!ライトなんか照らして!」

 

ヨウタ「ライト?何の事だ?」

 

シオン「俺と真姫が部室から出た時、窓から見えたんだよ。向かいの廊下から灯りが動くのが」

 

ヨウタ「え?俺、シオンが1人でいたから急いでゾンビの真似やったんだが…」

 

フミ「俺もコイツが何か怖い音を流せって言うからスマホいじってライトは照らしてないぞ」

 

シオン「じゃあ、あの灯りって?」

 

ヨウタ「成る程ね。よし!振り向くな!走るぞ!」

 

フミ「まぁ、そうなるよな」

 

そう言うとあの馬鹿2人は走り出した

 

シオン「真姫、俺達も行くぞ!」

 

俺は真姫の手を掴み走り出す。あの馬鹿の言う通り振り向かず走ったのが、俺の手は震えていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして

 

ヨウタ「いや〜走った」

 

シオン「お前が走らせたんだろ」

 

フミ「走ったら腹減ったな」

 

ヨウタ「そうだな。ユウノスケのラーメン屋にでも行くか」

 

フミ「安定の場所だな」

 

ヨウタ「2人も行くだろ?」

 

真姫「私はパス」

 

ヨウタ「何だよ。ノリ悪いな」

 

シオン「じゃあ、俺もパス」

 

ヨウタ「マジかよ」

 

シオン「コイツ、送らなきゃ行けねーからよ」

 

真姫1人で帰らす訳にもいかねーしな。俺は送って帰る事にした

 

真姫「別に私の事なんか良かったのに」

 

シオン「あんな、怖がってたのに1人で帰れるのか?」

 

真姫「シオンこそ、手震えてたわよ」

 

シオン「う、うるせーな」

 

たく、痛い所ついて来やがる

 

シオン「家着いたぞ。早く帰れ」

 

真姫「そうしたいんだけど…」

 

真姫の目線を指す方向に目をやると、俺はまだ手を掴んだ状態だった

 

真姫「いつまで掴んでるの…?」

 

シオン「わ、悪りぃ」

 

俺は咄嗟に手を離す。俺と真姫の間には何かぎこちない雰囲気が流れていた

 

シオン「じゃあな。明日、学校で」

 

俺は真姫を家に送り終え駅に向かおうとした時だった

 

真姫「シオン!!」

 

俺は名前を呼ばれ振り返る

 

真姫「そ、その…きょ、今日はありがと」

 

シオン「おう!」

 

俺は笑いながら真姫に返事した。色々とあったけど今日の出来事はあまり大ごとにしないようにしないとな

 

 

つづく




本当は8月に投稿予定でしたが忘れてました
すいません。さぁ〜て、次は誰を書こうかな?


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第24話

お待たせし過ぎました
ネタが思い付かず苦労した
やっと、書けた
コレからはペース早めたい


珍しくレンに呼び出された俺とフミはユウノスケのラーメン屋に来ていた

 

レン「ヨウちゃん、フミちゃん!おねがぁ〜い」

 

ヨウタ「気持ち悪い声を出すな!」

 

フミ「珍しく呼び出したと思ったら、そー言う事かよ」

 

レン「どうしても〜2人に手伝って欲しくて〜」

 

ヨウタ「俺は嫌だ」

 

フミ「俺もだ」

 

レン「そんな事言わずにさぁ〜」

 

ユウノスケ「うぃ〜す。ラーメン3丁お待ち」

 

レン「じゃあ、何の為にこのラーメン奢ったと思ってるの〜?」

 

ヨウタ「知るか!」

 

ユウノスケ「つーか、お前ら何モメてんだよ」

 

レン「ノスケちゃん聞いてよ〜。この2人が酷いんだよ!」

 

フミ「俺らはμ'sのマネージャーだ。μ'sを守る権利がある」

 

レン「そんな、人を犯罪者みたいに〜」

 

ヨウタ「和柄のシャツ着てる奴が何言ってんだ。つーか、何だよ。その格好、呂布カルマかよ」

 

レン「服ぐらい好きな物着て良いでしょ〜」

 

ユウノスケ「俺はさっきから話が見えないんだが」

 

ヨウタ「コイツが絵里との仲を縮めたいから手を貸せって言うんだよ」

 

ユウノスケ「絵里って?確か3年生の?」

 

レン「俺ちゃん絵里先輩にゾッコンLOVEしてるのよ〜。だからお願い!」

 

ヨウタ「絶対に嫌だ!」

 

ユウノスケ「何で、そんなに拒むんだ?」

 

フミ「お前はコイツの事を知らないから言えると思うがコイツは昔から女癖が酷いんだよ」

 

ヨウタ「出会ってすぐナンパする奴に紹介出来るか?しかも相手はスクールアイドルだぞ」

 

レン「失礼な!俺っちは絵里先輩に出会って以来からナンパなんてしてないの!!」

 

ヨウタ「とにかく嫌な物は嫌だ!」

 

ユウノスケ「そこまで拒否らなくても良いと思うけどな〜?」

 

レン「ね!?ね!?ノスケちゃんもそう思うでしょ!!」

 

ヨウタ「じゃあ、仮に距離を縮めたいとしてプランはあんのか?」

 

レン「それは勿論!」

 

フミ「お前にしては珍しいな」

 

レン「ノープランなりよ〜」

 

ヨウタ「アホか。帰るぞフミ」

 

レン「ちょっと待ってよぉ〜。今日はその計画を立てる為にも呼び出したの〜」

 

ヨウタ「何で俺らも計画しなきゃ行けねーんだよ!」

 

ユウノスケ「それぐらい手伝ってやれよ」

 

レン「そうだ!そうだ!」

 

フミ「おい、コイツを1回ブン殴っても良いか?」

 

ユウノスケ「やめろ!出禁にすんぞ!」

 

ヨウタ「まぁ、確かにラーメン屋を溜まり場にして世話になってるからな」

 

フミ「ユウノスケがそこまで言うなら手伝ってやるよ」

 

レン「やったぁ〜。ありがとね⭐︎ユウちゃん♪」

 

ユウノスケ「やっぱコイツ、ブン殴っても良いわ」

 

俺とフミとレン。そしてユウノスケの4人でレンと絵里の距離を縮める為の計画を立てる事にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユウノスケ「で、まずはどうやって距離を縮めるかだよな」

 

フミ「今のままだと何も進展しないよな」

 

ユウノスケ「じゃあ、どうすんだよ?」

 

ヨウタ「こう言うのって吊り橋効果とかが良いんじゃねーの?」

 

ユウノスケ「それは何か違うと思うけどな」

 

レン「いいねぇ〜。吊り橋効果」

 

フミ「けど、橋って何処にあるんだよ?」

 

ヨウタ「レインボーブリッジとか?」

 

フミ「お前に聞いた俺が馬鹿だったよ」

 

ユウノスケ「つーか、もう思い切って2人で出掛けてみたらどうだ?」

 

レン「え〜、どうやって誘えば良いのよ〜」

 

ユウノスケ「普通に誘えよ」

 

レン「俺っちには無理だよぉ〜」

 

ヨウタ「普段、ナンパしてる奴が何を言う」

 

フミ「もう、諦めろ。お前には高嶺の花なんだよ」

 

話を終わらせようとした時だった

 

店長「お前ら、今日も来てたのか?」

 

ユウノスケ「親父。俺に店任せて何処行ってたんだよ」

 

店長「少し仕入れ先の所に顔出しにさ。そしたらコレを貰ってな」

 

店長さんが俺達のテーブルにある物を置いた

 

店長「水族館のペアチケットだ。2枚あるからお前達で行って来い」

 

何だよ。この展開は…神の悪戯か?レンへの救済か?

 

レン「ノスケちゃん!」

 

ユウノスケ「お、おう…どうした?」

 

レン「コレを俺っちに譲って下さい!お願いします!」

 

ユウノスケ「べ、別に良いぞ」

 

レン「やった〜♪」

 

ヨウタ「じゃあ、コレで解決だ…」

 

レン「何言ってるの〜?チケットは後1枚あるんだよ」

 

フミ「どう言う意味だ?」

 

レン「後1枚はぁ〜ヨウちゃんかフミちゃんが貰うんだよ」

 

ヨウタ「はぁ!何で俺らが!」

 

フミ「そうだ!ユウノスケが貰えよ!」

 

ユウノスケ「俺は別に要らない。誘う奴もいないしな」

 

ヨウタ「マサがいるだろ」

 

ユウノスケ「誰が男2人で水族館なんか行くか!」

 

フミ「凛でも誘えば?仲良いだろ?」

 

ユウノスケ「アイツはただの常連客だ。別にそこまで仲良いって訳では無い」

 

レン「じゃあ、ヨウちゃんかフミちゃんで決まりだね」

 

クソ!逃げられねぇ!フミと行くのも流石にシンドイな。よし!こうなれば

 

ヨウタ「フミ。ここは平等にじゃんけんだ」

 

フミ「ああ、負けた方がチケットを受け取る。恨みっ子無しだ」

 

そして、俺とフミはじゃんけんをした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラーメン屋の帰り

 

ヨウタ「クソ!何で俺が!!」

 

俺はじゃんけんに負けて水族館のペアチケットを受け取る事になった

 

ヨウタ「誰を誘えって言うんだよ…」

 

野郎共を誘っても気持ち悪がられるだけだし…かと言って誰を誘えと…

 

ヨウタ「あー俺にどうしろと!!」

 

穂乃果「ヨ、ヨウタ君。何してるの?」

 

ヤバイ…1番見られたく無い奴に見られた

 

ヨウタ「ほ、穂乃果!?どうして!!」

 

穂乃果「お使い頼まれて。今帰る所」

 

ヨウタ「そ、そうか」

 

俺は穂乃果を見送ろうとした時

 

ヨウタ「穂乃果!」

 

何故か口が勝手に動き呼び止めてしまう

 

穂乃果「どうしたの?」

 

ヨウタ「は、話があるんだ。ついて行っていいか?」

 

穂乃果「うん。いいよ」

 

俺は穂乃果と一緒に穂むらへと向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂むらへと到着し、俺は穂乃果の部屋に上がる

 

穂乃果「ゆっくりして行ってね」

 

ヨウタ「お邪魔します」

 

俺はテーブルの前に座ると穂乃果がお茶を出してくれた

 

穂乃果「ヨウタ君、話って何?」

 

ヨウタ「あのさ…えっと…」

 

ヤベェ…すげ〜緊張する

 

ヨウタ「迷惑じゃなかったら良いんだけど…俺と水族館行かないか?」

 

俺が穂乃果を誘うと2人の間に短い沈黙が走る。それはそうだよな…急に水族館誘ってもなぁ〜

 

穂乃果「うん…いいよ…」

 

少し、ぎこちなく穂乃果が返答する

 

ヨウタ「マジか!?恩に切るぜ!実はさ…」

 

俺は穂乃果にレンの事を話した

 

穂乃果「レン君が絵里ちゃんと?」

 

ヨウタ「どうしても仲良くなりたいらしくてよ。それで今日たまたまユウノスケから、このチケット2枚貰ってさ」

 

穂乃果「そうだったんだ…」

 

あれ?何で残念そうなんだ。まぁ、そうだよな。他のみんなは誘ってないし、気使うよな

 

穂乃果「けど、どうして穂乃果なんか誘ったの?」

 

ヨウタ「穂乃果以外、誘う奴が思い付かなくてよ。野郎連中誘っても断るだろうしさ」

 

穂乃果「でも、それはそれで見てみたいかな?」

 

ヨウタ「面白がるなよ。んな光景は地獄だぜ」

 

たく、想像しただけで気色悪いな。男4人で魚見てワイワイしてるのは

 

ヨウタ「じゃあ、絵里を誘うのは任せて良いか?」

 

穂乃果「分かった。聞いてみるね」

 

ヨウタ「サンキュー。じゃあ、俺はこれで」

 

用を済ませ俺は穂むらを後にする

 

穂乃果「レン君と絵里ちゃんがいるけど、これって…デートだよね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

約束の日。何故か俺とレンは1時間速く集合場所についていた

 

ヨウタ「つーか、何で1時間も早く来てんだよ」

 

レン「女の子を待たせるなんて出来ないでしょ〜」

 

ヨウタ「それでも早過ぎるんだよ!?」

 

たく、コイツはどんだけ張り切ってんだよ…

 

ヨウタ「どーせ、まだ来ねーんだし。俺はタバコでも吸って来るわ」

 

レン「何考えてんの。ヤニ臭くなるからやめてよねぇ〜」

 

ヨウタ「うっせーな。俺の勝手だろ?」

 

レン「スメルハラスメントはダメよぉ〜」

 

ヨウタ「チッ。分かったよ」

 

そして、30分後。意外にも早く穂乃果と絵里が到着する

 

穂乃果「お〜い!ヨウタく〜ん!」

 

ヨウタ「やっと来たか」

 

レン「まぁ、それでも30分早いけどね」

 

穂乃果「2人共、もう来てたんだね」

 

絵里「ごめんなさい。待たせちゃったかしら?」

 

レン「いえ、僕達も今さっき着いたばかりです」

 

よく言うぜ。1時間前から張り切ってたくせによぉ〜

 

ヨウタ「じゃあ、中に入りますか?」

 

レン「あれれ?最初、行くの嫌がってたのに〜」

 

ヨウタ「んだなよ。悪いか?」

 

絵里「けど意外ね。ヨウタが水族館が好きだなんて」

 

ヨウタ「好きとか嫌いではねぇーけど…」

 

レン「ハイハイ、隠さなくて良いの」

 

ヨウタ「うるせー!これ以上何か言うなら置いてくぞ。チケットは俺が持ってんだからな!」

 

レン「いや〜ん。ヨウちゃん怖〜い」

 

これ以上、コイツと絡むのはめんどくせぇ。そう思い俺は入り口に向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水族館の中に入り最初のエリアは海の熱帯魚が泳いでいた

 

穂乃果「わぁ〜綺麗」

 

ヨウタ「クマノミにツノダシ。青いのはナンヨウハギだな」

 

穂乃果「ヨウタ君、よく知ってるね」

 

ヨウタ「ガキの頃に見た映画で覚えた」

 

穂乃果「ヨウタ君、岩の所に何か隠れてるよ」

 

ヨウタ「アレはウツボだろ。今はおとなしくしてるが噛まれたらヤベーぞ」

 

穂乃果「大丈夫。襲って来ないよね?」

 

ヨウタ「ガラス張られてるから大丈夫だ。簡単には壊れん」

 

一方、レンと絵里は…

 

絵里「本当、2人って仲が良いわね」

 

レン「そうですね。まるで兄妹見たいです」

 

絵里「フフッ。あの2人が子供なら大変そうね」

 

レン「絶対、言う事聞かないと思いますよ」

 

あ〜俺っちは絵里さんが嫁なら嬉しいんだけどなぁ〜

 

絵里「ねぇ、レン」

 

レン「は、はい!何でしょうか!?」

 

絵里「今日は貴方が計画してくれたんでしょ?」

 

レン「え?何の事でしょうか?」

 

絵里「とぼけなくて良いのよ。2人の距離を上手く縮める為に水族館のチケット用意して。本当にレンは友達想いね」

 

レン「それはどうかですかね?」

 

絵里「だって、2人っきりにさせるよりかは、他に誰かいた方が怪しまれないでしょ?」

 

まぁ、本当は逆なんだけど…

 

レン「けど、僕的にはヨウちゃんと穂乃果ちゃんがそんな風には見えないですがね」

 

絵里「知らないの?あの2人、学校でも…」

 

ヨウタ「おい、2人で何してんだよ?魚見ねーのか?」

 

レン「魚より面白い物が見れてるから大丈夫だよ〜」

 

ヨウタ「んだよ。それ?」

 

穂乃果「ねぇ〜早くアザラシ観に行こうよ〜」

 

ヨウタ「そんな急ぐなよ」

 

穂乃果「だって早く見たいんだもん」

 

ヨウタ「しゃーねーな。ほら、お前ら行くぞ!」

 

レン「ハイハイ。分かりましたよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「わぁ〜可愛い!!」

 

ヨウタ「つーか、このアザラシ何してんだ?」

 

レン「喧嘩してるね」

 

穂乃果「まるでヨウタ君達みたい」

 

絵里「確かに、そっくりね」

 

ヨウタ「何処が似てんだよ!」

 

レン「学校でいつもあんな感じでしょ〜?」

 

ヨウタ「はぁ?うっせ」

 

否定出来ないが、レンに言われると何かムカつくな

 

ヨウタ「たく、次行くぞ!次!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、俺達は大体、見終わって昼食を取る事にした

 

ヨウタ「はぁ〜。疲れた」

 

レン「そう言ってるけど、楽しんでたでしょ?」

 

ヨウタ「んな事ねーよ」

 

絵里「けど、カワウソのコーナーに長い時間居たわよ」

 

ヨウタ「はぁ!?そんな入り浸ってねーよ!!」

 

穂乃果「でも、ヨウタ君、凄い楽しそうな顔してるよ」

 

ヨウタ「俺がそんな顔するわけねーだろ!」

 

レン「たく、照れちゃって〜」

 

ヨウタ「うっせ!トイレ行ってくる!」

 

そして、俺は1人トイレへと向かう

 

穂乃果「別にあそこまで怒らなくても良いのに」

 

レン「いや、アレは照れ隠しだね」

 

穂乃果「照れ隠し?」

 

レン「だって、ヨウちゃんがあんな楽しい顔してるの初めて見たもん」

 

絵里「楽しいなら素直に言えば良いのに」

 

レン「ヨウちゃん素直じゃないからねぇ〜」

 

俺っちは椅子から立ち上がる

 

レン「じゃあ、俺っちは宥めてくるから」

 

そして俺っちはトイレに向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レン「ちょっと、ヨウちゃ〜ん。照れてないで出ておいで〜」

 

ヨウタ「うるせーな。別に照れてねーよ」

 

レン「嘘だ〜穂乃果ちゃんとラブラブしてた事思い出してるんでしょ〜?」

 

ヨウタ「な!誰がんな事!!」

 

レン「て言うか、今日の趣旨忘れてなぁ〜い?」

 

ヨウタ「はぁ?」

 

レン「今日は俺っちと絵里先輩の仲を良くする為のデートでしょ〜?」

 

デートでも何でもねーよ。まぁ、目的は忘れてたが

 

レン「それなのにヨウちゃんと穂乃果ちゃん。2人で楽しんじゃってさぁ〜」

 

ヨウタ「なら、お前も絵里と楽しめば良いだろ?」

 

レン「それが出来たら苦労しないのよ!」

 

ヨウタ「うるせーな。鼓膜破れるだろ」

 

レン「そう言う事で後半は俺っちのフォローよろぴく♪」

 

ヨウタ「ハイハイ」

 

はぁ〜めんどくせぇ。とりあえず穂乃果達の所に戻るか

 

 

 

 

 

 

 

 

俺とレンがトイレから戻って来ると、何やらチャラついた男共が穂乃果と絵里に絡んでいた

 

ヨウタ「なんだ?アイツら?」

 

レン「どうせ、ナンパでしょ。まぁ、俺っち達がいる事を知らないなんてついて無いねぇ〜」

 

ヨウタ「で、どうするんだ?一発かましてやるか?」

 

レン「そんな事したら駄目よ〜。諦めて帰ってもらうの」

 

ヨウタ「ハイハイ」

 

チャラ男1「いいじゃん。いいじゃん。どうせ暇でしょ〜?」

 

絵里「お誘いはありがたいけど、ごめんなさい。友達を待っているの?」

 

チャラ男2「じゃあ、そのお友達と一緒に俺達と遊ぼうよ!」

 

チャラ男1「そうそう。その方が楽しいって!」

 

レン「え?じゃあ、俺っち達も混ざろうかなぁ〜?」

 

チャラ男1「あ?誰だよ」

 

レン「え?この子達のお友達だなり〜」

 

チャラ男2「は!ふざけんなよ!」

 

ヨウタ「ふざけてねーよ。コイツらも友達待ってるって言ってただろ?」

 

レン「そうそう。だからお友達の俺ら2人も遊んでも良いんだよねぇ〜?」

 

チャラ男1「なんだテメェ!ふざけてるのかよ!」

 

レンはチャラ男に胸ぐらを掴まれる

 

絵里「ちょっと!これ以上騒ぐと係員を呼ぶわよ!」

 

チャラ男1「チッ」

 

チャラ男はレンから手を離す

 

チャラ男2「クソが!」

 

レンはチャラ男に水をかけられ、俺はもう1人の奴に膝裏に蹴りを入れられる

 

チャラ男1「女の前だからってカッコつけてんじゃねーよ!」

 

チャラ男2人は去って行く

 

絵里「貴方達!待ちなさ…!」

 

ヨウタ「絵里。やめとけ」

 

絵里「でも!」

 

ヨウタ「これ以上は野暮だ」

 

穂乃果「レン君。大丈夫?」

 

レン「あちゃ〜ビショビショだよ〜」

 

ヨウタ「派手にやられたな」

 

レン「けど、水も滴る良い男でしょ?」

 

ヨウタ「いや、変わらない」

 

レン「ヨウちゃん。それは酷くなぁ〜い?」

 

絵里「2人共、なんで笑ってられるの?」

 

ヨウタ「え?だって解決したし」

 

絵里「あんな事されて悔しく無いの」

 

レン「あんな事って、ただ水をかけられた無いですか」

 

絵里「けど、怒らないなんておかしいわよ!」

 

レン「別に怒る必要は無かったですよ。問題が解決すればOKじゃないですか?」

 

絵里「2人共、男としてカッコ悪いわよ」

 

そう言うと絵里は1人で何処か行ってしまう

 

穂乃果「絵里ちゃん。待って!」

 

ヨウタ「おい、嫌われたぞ。今日の作戦どうすんだよ」

 

レン「え〜と、どうしようかねぇ〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

水族館から出た絵里と穂乃木果

 

穂乃果「待ってよ!絵里ちゃん!」

 

絵里「穂乃果…」

 

穂乃果「もう、1人で何処かに行かないでよ」

 

絵里「ごめんなさい。少しあの2人にガッカリしただけ」

 

穂乃果「そうかな?私はあんな事されても笑ってられる2人がカッコいいと思うけどなぁ〜?」

 

絵里「けど、やり返さないなんて情けないわよ」

 

チャラ男1「アレ?さっきの野郎共は何処に行ったんだ?」

 

絵里「貴方達は!?」

 

チャラ男2「別れちゃったのかなぁ〜?なら丁度良いな!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨウタ「で、どうすんだよ?」

 

レン「このまま2人で水族館楽しみますか」

 

ヨウタ「それだけはゴメンだ」

 

レン「え〜じゃあ帰っちゃうのぉ〜?」

 

ヨウタ「俺は充分楽しんだかな」

 

レン「穂乃果ちゃんとイチャイチャしてたからね」

 

ヨウタ「あ!!そんな事してねーよ!たく、俺は帰るぞ」

 

レン「あ、待ってよぉ〜。ヨウちゃ〜ん」

 

俺とレンは水族館を出る。時間もあるしゲーセンにでも行くか

 

レン「置いて行くなんて酷いよ〜」

 

ヨウタ「なぁ、これからどうするか?」

 

レン「まぁ、ゲーセンかノスケちゃんのラーメン屋でも行きますか」

 

ヨウタ「それが安牌だよなぁ〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

絵里「やめて!離しなさい!」

 

チャラ男1「騒ぐんじゃねぇよ!」

 

穂乃果「ちょっと!何するの!?」

 

チャラ男2「大人しくしろ!」

 

チャラ男1「こっちもなるべく手荒な真似はしたくねーんだ」

 

絵里「貴方達がやってる事は犯罪よ!」

 

チャラ男1「これ以上騒がれたら厄介だな」

 

チャラ男2「ガムテープで口塞いで手と足を縛ろうぜ」

 

チャラ男1「やっぱ、その方が良いか」

 

ヨウタ「たく、何楽しそうにしてんだ?」

 

チャラ男1「お前らさっきの!?」

 

レン「俺っち達も仲間に入れてよぉ〜」

 

ヨウタ「まあ俺は無理矢理、女抱こうとしてる奴らの仲間に入る気はねぇな」

 

チャラ男1「テメェら!また邪魔しに来たのか?」

 

チャラ男の1人が俺達に詰め寄って来る

 

レン「ヨウちゃん。ここは俺っちに任せて」

 

チャラ男1「雑魚は引っ込んどけよ」

 

レン「その言葉、誰に向かって聞いてんだ?」

 

チャラ男1「てめぇだよ。ポンコツ!!」

 

レン「俺がポンコツねぇ〜?」

 

レンは右手で拳を作り、チャラ男の前に出す

 

チャラ男1「何だ?」

 

レンが拳を前に出すと鈍い音が響き、チャラ男は腹を抑えながら後ろに下がる

 

チャラ男1「何だ…!?今の…!?」

 

レン「知らねぇの?ワンインチパンチって言うんだけど」

 

ヨウタ「はぁ〜。俺はお前らに同情するよ」

 

レン「俺は自分が水掛けらたぐらいじゃ笑って許してやるが、ダチが傷付けられてるの見たら黙っていられねぇんだよ!」

 

レンの気迫に絵里と穂乃果の2人も驚愕している

 

チャラ男1「くそったれが!」

 

チャラ男がレンに殴りかかるとレンは左手で拳を受け止め、その隙に右手で顔面を叩く

 

ヨウタ「相変わらず速いな」

 

顔を叩かれた相手は前に倒れ込みそうになり、レンは掴んでいたチャラ男の腕を自分の右肘にかけて身動きが取りづらくして、腹に膝を入れる

 

チャラ男1「ガッ…!?」

 

レン「まずは1人か。おい、次はお前だぜ」

 

チャラ男2「テメェ1人に負けるかよ!」

 

もう1人のチャラ男もレンに殴り掛かって来る

 

レン「たく、少しは学習しろよ」

 

レンはチャラ男の拳から正中線をズラし右手で拳を掴み、左手の甲で腹を撃つ

 

チャラ男2「ウッ…!!」

 

そして、そのまま右手で首を掴み足払いで相手を倒す

 

レン「選べよ。腕折られるか?ここから立ち去るか?」

 

レンは横倒れになっているチャラ男の腕を掴み頭と脇腹に膝を乗せ拘束しながら質問する

 

チャラ男2「すいません!2度と手を出しません!だから許して下さい!」

 

レン「10秒だ。数え終わる前に失せろ」

 

そう言ってレンはチャラ男を解放する。チャラ男の2人は怯えながら去って行った

 

ヨウタ「たく、少しは手加減しろよな」

 

レン「これでも手加減したよ。本来なら五体満足で済まないからね」

 

ヨウタ「よく俺とフミは中学の時、お前と喧嘩出来たよな」

 

レン「けど、1回も俺っちに勝った事ないでしょ〜?」

 

ヨウタ「うるせーな。つーか、あの叩きは何だよ?エグい音してたぞ」

 

レン「アレは鞭打って言うの。食らってみる?」

 

ヨウタ「遠慮しとく。おい、お前ら何もされてないよな」

 

穂乃果「ヨウタ君!!」

 

穂乃果は俺の胸に駆け寄った

 

穂乃果「助けに来なかったら…穂乃果達…」

 

ヨウタ「たく、俺達から離れるからだ」

 

俺は穂乃果の肩に手を回し胸を貸した

 

レン「えっと…その」

 

絵里「ごめんなさい!」

 

レン「え?」

 

絵里「私、貴方の事を誤解していたみたい」

 

レン「え、えっと…誤解が解けたなら嬉しいです」

 

ヨウタ「穂乃果、いい加減泣き止んでくれないか?」

 

2人もいるってのに、いつまで俺に抱きつくんだよ

 

ヨウタ「俺さ、駅前のいちごパフェ食いに行きたいんだが…」

 

穂乃果「穂乃果も行く…」

 

ヨウタ「なら離れてくれ。そうしないと動けん」

 

たく、ヨウちゃん達も見せ付けてくれるねぇ〜

 

ヨウタ「これから俺達、いちごパフェ食いに行くんだが2人も行くか?」

 

レン「当たり前でしょ〜。置いていかないで」

 

ヨウタ「よし、なら早く行こうぜ」

 

ヨウちゃんと穂乃果ちゃんは先に前を歩き出す

 

レン「2人共マイペースだねぇ〜」

 

絵里「ねぇ?レン」

 

レン「どうかしましたか?」

 

絵里「助けてくれてありがと」

 

レン「いや、男として当然な事をしたまでで…」

 

絵里「カッコ良かったわよ」

 

すると、俺っちの右頬に柔らかい感触が伝わった

 

レン「えっ?」

 

絵里「ホラ、早くしないと置いて行くわよ」

 

俺っちは頭の整理が付かなく俺っちはただボーっとするだけだった

 

 

つづく




絵里ってこんなキャラだっけ?
友達に何で言われるか…
まぁ、それ覚悟ですね
次は早く書かないとな


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第25話

約半年振りですか?
一年なりますかね?
まあ、趣味が忙しくなり
放置してましたよ

すいませんね


もう、10月になり気温も下がり風が肌寒く感じるそんな季節

 

ヨウタ「寒くなって来たな」

 

俺は学校に向かう。登校中に感じる秋の訪れは少し俺を憂鬱にさせる。何故なら今日は全校集会があるからだ

 

ヨウタ「あ〜朝からダルいな」

 

なんで、こう秋って憂鬱な気分になるんだろうな

 

 

 

 

 

 

 

 

そして全校集会が始まり、講堂で理事長の挨拶を聞いていた全校生徒は理事長に拍手を送っていた

 

フミコ「理事長、ありがとうございました!」

 

ヒデコ「続きまして、生徒会長の挨拶。生徒会長、よろしくお願いします!」

 

司会をするヒデコは生徒会長の挨拶をお願いすると、講堂の席に座っていた絵里が立ち上がると手拍子を送った。そう、新学期となった今、生徒会長は変わり新生徒会長が挨拶となる。そして、その新生徒会長は…

 

穂乃果「皆さん、こんにちは!この度、新生徒会長となりました。スクールアイドルでお馴染みの私、高坂穂乃果と申します!!」

 

穂乃果が壇上へ上がり、マイクの前に立つと全校生徒は歓喜の声を上げる中で穂乃果はマイクを振り上げて掴み取り、自己紹介をした

 

シュウジ「凄いパフォーマンスだな」

 

フミ「まぁ、いいんじゃねーか?」

 

ことり「うん!」

 

海未「派手ですけど、穂乃果らしいですね」

 

シオン「さすが穂乃果だな」

 

ヤヨイ「けど、マイク持ったまま固まっていますが…?」

 

壇上の影で穂乃果の挨拶を見ていたみんなだったが、マイクを持ったまま固まっている穂乃果を見て違和感に思う

 

穂乃果「あー…えーと…その…」

 

ヤヨイ「あれは…?」

 

シオン「まさか……」

 

フミ「嘘だろ…」

 

海未「完全に硬直して何を言いたいのか分からなくなった状態です…」

 

ことり「穂乃果ちゃん……」

 

それからは何とか思い当たる単語を繋げて挨拶っぽく締め括った穂乃果だったが、幸先が悪いスタートになった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒会室

 

穂乃果「はあ〜!疲れた〜!」

 

ことり「穂乃果ちゃん。お疲れ様」

 

穂乃果「生徒会長挨拶ってライブとは全然違うね…緊張しっぱなしだったよぉ…」

 

ことり「でも、穂乃果ちゃんらしくて良かったと思うよ」

 

海未「どこが良かったのですか!せっかく昨日3人で挨拶文も考えたのに!」

 

ヨウタ「まぁ、よかったんじゃね?」

 

穂乃果「せっかく練習したのにぃ…」

 

ヨウタ「まぁ、終わった事は気にすんなって」

 

俺は穂乃果に購買部で買ったオレンジジュースを渡した

 

穂乃果「ありがとう!ヨウタ君」

 

ヨウタ「さて、早くやろうぜ!」

 

フミ「つーか1000点いくらだ?」

 

シオン「100円でいいんじゃねーか?」

 

シュウジ「麻雀なんて久々だな」

 

ヤヨイ「と言うより何処から持って来たんですか?」

 

海未「4人共、何してるんですか?」

 

ヨウタ「見て分かるだろ?麻雀だよ」

 

海未「お金の話もしているような気もしましたが?」

 

シオン「そりや、勝負なんだから賭けねーと」

 

シュウジ「その方が面白いからな」

 

海未「貴方達は学校で…しかも生徒会室で堂々と賭博を行うんですね」

 

海未は笑顔で言うが目が笑っていない。これはヤバイ奴だ!

 

フミ「おい!お前ら逃げるぞ!」

 

俺達はトンズラするつもりだったのだ…

 

ヨウタ「どうも…」

 

ヨウタ、フミ、シオン、シュウジ「すいませんでした…」

 

ヤヨイ「何で僕まで…」

 

俺達は思いっきり鉄拳制裁を喰らい、正座して海未に謝罪した

 

海未「罰として今日はコレを全て処理して帰って下さい!」

 

海未が持っきたのは山積みの資料だった

 

ヨウタ「コレは流石に多くねぇか?」

 

海未「学校で賭け事をしようとした罰です」

 

ことり「みんな災難だね…」

 

穂乃果「あんな海未ちゃん初めて見たかも…」

 

海未「それと、穂乃果にはこれを」

 

海未は穂乃果に俺達の資料の厚さより何倍もある物を穂乃果の机の上に置く

 

穂乃果「何この山のようなファイル!?」

 

海未「生徒会長であるならば、この学校の全てを知る権利があります。生半可な覚悟ではやっていけません!」

 

穂乃果「でも、流石にコレは多過ぎるよ!!」

 

ことり「3人もいるんだし手分けしてやれば…」

 

海未「ことりは穂乃果に甘過ぎます!」

 

穂乃果「はぁ〜生徒会長って大変なんだねぇ…」

 

絵里「分かってくれた?」

 

希「頑張ってるかね?君達?」

 

そんな話し合いをしている中、生徒会室から入ってきたのは絵里とタロットカードを持った希が入ってくる

 

穂乃果「絵里ちゃん、希ちゃん」

 

絵里「ヨウタ達は何してるの?」

 

ヨウタ「みて分からないんですか?仕事を押し…手伝ってる」

 

俺は仕事を押し付けられたと言おうとしたが、何か怖い視線を感じ咄嗟に文言を変える

 

絵里「みんな一緒って事は何か悪さでもしようとしたんでしょ?」

 

くッ…!?何でこうも察しが良いんだ?この人

 

希「それより困った時があったら相談しといてね。ウチらも手伝ってあげるから」

 

ヨウタ「じゃあ、この資料を…」

 

希「それは駄目。罰なんだから自分の力でやらんといかんよ」

 

ヨウタ「じゃあ、自分の力でやるんで終わったらご褒美下さい」

 

希「う〜ん。それならええかな」

 

ヨウタ「とりあえず一発…」

 

すると、俺は突然フミに頭を強く握られる

 

フミ「一発って何がだ?」

 

ヨウタ「うーんと…それはですね…」

 

フミ「なら、俺達が一発だけじゃなく三発ぐらいお見舞いしてあげようか?」

 

ヨウタ「おい、フミ!タイム!?冗談だって!!」

 

フミ「お前ら手を貸せ」

 

シオン「いいぜ。丁度コイツに腹立ててた」

 

シュウジ「麻雀を台無しにしましたからね」

 

ヨウタ「待て!待て!お前ら!何する気だ!?

 

俺はフミに容赦なくカミゴェを喰らわされ、その後にシオンにニードロップ。シュウジにカンクーン・トルネードをお見舞いされる

 

ヤヨイ「ちょっと!?こんな所で大技をしないで下さい!?」

 

フミ「俺は自分の分は終わった。お前ら、後はコイツに任せておけ」

 

シオン「じゃあ、後は頼んだ。ちと、真姫に呼ばれたんで屋上行ってくる。ヤヨイ、シュウジ行くぞ」

 

フミ「俺も休憩」

 

そう言って4人は生徒会室から出て行った

 

穂乃果「ヨウタ君、大丈夫?」

 

この状態で大丈夫だと思うのか?俺はしばらく横に伸びていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、屋上に来た俺とシュウジとヤヨイ。先にいた真姫、凛、花陽の前でにこがある特技をさらに進化したというので披露していた所で

 

にこ「にっこにっこにー!あなたのハートににっこにっこにー♪笑顔届ける矢澤にこにこ~♪ああん!ダメダメダメ~。にこにーはみーんなのも・の♡」

 

真姫「気持ち悪い…」

 

シオン「同感だな」

 

にこ「ちょっと!何よ!昨日一生懸命考えたんだから~!!」

 

真姫「知らないわよ」

 

にこ「くぅ~!あんた達ね~…!!」

 

ヤヨイ「にこさん。お、落ち着いて下さい」

 

凛「ねぇ、それよりこれだけ集まって意味あるの?」

 

シュウジ「確かにな。俺ら以外の2年は生徒会の仕事があるし、3年もいない中でどうしろと…」

 

にこ「あんた達、何にも分かってないわね。これからは1年生が頑張らなきゃいけないのよ!」

 

そう言うと、にこは自分のバッグからカメラと三脚を立て始める

 

にこ「いい?私はあんた達がどう頑張ればいいか分からないと思ったから手助けに来たの!先輩として!」

 

シオン「これ、俺ら必要なくねーか?」

 

シュウジ「そうだな。帰るか」

 

にこ「待ちなさい!」

 

あ〜引き止められたよ。これは当分帰れそうにないな

 

にこ「アンタ達も手伝いなさいよ!」

 

ヤヨイ「何を手伝うんですか?」

 

にこ「ネットにアップするために決まっているでしょ?今やスクールアイドルはグローバル!全世界へとアピールしていく時代なのよ!」

 

ヤヨイ「ネットにアップ?」

 

シオン「そういえば前にYouTubeでスクールアイドルの動画がアップされていたが、それも関係あるのか?」

 

シュウジ「今は配信なんて一般人もやるぐらいだからな。知名度を上げる為にも必要不可欠なんじゃないか?」

 

すると、にこは背中を向けながらなにやら怪しげな笑い声が聞こえて来る

 

にこ「グフフフッ…こうやって1年生を甲斐甲斐しくみているところをアピールすれば、それを見たファンの間に『にこにーこそセンターに相応しい!』との声が上がり始めて、やがては…!」

 

凛「全部聞こえているにゃ…」

 

にこ「なっ!?…にこ♪」

 

シオン「誤魔化すなよ」

 

そんな話をしている中、荷物置きからマナーモードにしている花陽のスマホからブザーが鳴り始める。それに気付いた花陽はスマホを取って送られてきたメールを確認すると、花陽は驚きの声と表情を変えて俺達を見る

 

凛「ん?かよちん、どうしたの?」

 

真姫「花陽?」

 

花陽「あ、あ…ありえないです!…こんなこと…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり生徒会室

 

ヨウタ「はぁ〜、やっと終わった〜」

 

フミ「お疲れさん」

 

ヨウタ「お、サンキュー」

 

フミは俺に買って来た缶コーヒーを投げて渡す

 

穂乃果「ことりちゃん。あの2人、いつの間にあんな仲良くなったの?」

 

 

ことり「仲直りしてからだと思うけど…」

 

穂乃果「でも、以前よりもっと仲良さそうだけど」

 

2人が何かコソコソと話しているが、何話してんだ?

 

 

花陽「大変なんです!大変なんです!」

 

生徒会室で仕事をしていると花陽があわてふためた様子で入ってくる

 

絵里「落ち着いて花陽。オウムみたいになってるわよ」

 

にこ「もう1度あるわよ…」

 

穂乃果「もう1度?」

 

もう1度何があるんだ?とりあえず全員、部室に集まる事にする

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フミ「なんだ急に呼び出して?」

 

にこ「もう1度ラブライブが始まるのよ」

 

ヨウタ「マジかよ!?」

 

花陽「はい!A-RISEの優勝と大会の成功をもって終わった第1回ラブライブ!それがなんとなんと、その第2回大会が行われることが早くも決定したのです!!」

 

花陽はラブライブの公式ホームページをパソコンに起動してみんなに見せた

 

花陽「今回は前回を上回る大会規模で大会の広さも数倍!ネット配信の他にもライブビューイングも計画されています!」

 

絵里「凄いわね…」

 

花陽「重要なのはここからです!大会規模が大きい今度のラブライブは前回のランキング形式ではなく、各地で予選が行われ、各地区の代表になったチームが本戦に進む形へと変更されました!」

 

シオン「ということは、今までのランキングは全く関係ないって訳か?」

 

花陽「その通り!これはまさにアイドル下剋上!ランキング外の者でも、予選のパフォーマンス次第で本大会に出場出来るのです!」

 

にこ「それって私達でも大会に出られるって事?」

 

凛「凄いにゃ〜」

 

海未「またとないチャンスですね」

 

真姫「やらない手はないわね!」

 

ことり「よーし、じゃあラブライブ出場目指して頑張るぞ!」

 

みんな凄いやる気だ。確かに1度は辞退したからな。意気込むのは当たり前だろう。だけど少し違和感を感じた。ふだんなら1番乗り気な穂乃果が机に座ってお茶をすすっている

 

絵里「穂乃果?」

 

ヤヨイ「穂乃果さん。どうして、そんな落ち着いているんですか?」

 

穂乃果「出なくても良いんじゃないかな?」

 

絵里とヤヨイが不審げに尋ねると穂乃果はいつもの様ににこやかに答えた

 

一同「えええええっーーー!!?」

 

穂乃果以外のみんなが驚愕する

 

にこ「穂乃果ぁ~!!」

 

怒りを露わにしたにこは穂乃果を連れて別部室で大きな鏡の前に座らせる

 

海未「穂乃果、自分の顔が見えますか?」

 

穂乃果「見え…ます…」

 

海未「では、鏡の中の自分は何と言っていますか?」

 

穂乃果「何それ?」

 

シュウジ(確かに、その質問は何だよ?)

 

絵里「だって穂乃果…」

 

希「ラブライブに出ないなんて…」

 

にこ「ありえないんだけど!!」

 

ヨウタ「だってお前が1番真っ先に出ようって言うだろ!?」

 

花陽「何かあったの?」

 

フミ「出場出来ない理由でもあるのか?」

 

穂乃果「それは…別に…」

 

ヤヨイ「なら、何ですか?」

 

穂乃果「私は、歌って踊ってみんなが喜ぶならそれで…」

 

にこ「何言ってんのよ!今までラブライブを目標にやってきたじゃない!違うの!?」

 

凛「穂乃果ちゃんらしくないよ!?」

 

シュウジ「挑戦してもいいんじゃないか?」

穂乃果「あはは…」

 

すると、穂乃果の腹の音がなる

 

穂乃果「そうだ!今日はこのまま帰って、みんなで何処かで寄り道していかない?」

 

にこ「はぁ~?何でよ?」

 

穂乃果「いいからいいから♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達は何故かゲーセンに寄り、ハンバーガー屋に行き帰る事になった

 

穂乃果「送ってくれてありがと。ヨウタ君」

 

ヨウタ「いいって事よ」

 

俺は帰りに穂乃果を送り届ける

 

穂乃果「じゃあ、また明日」

 

ヨウタ「穂乃果。少しいいか?」

 

穂乃果「どうしたの?」

 

ヨウタ「いや、マジでラブライブ出ないのかと思ってさ」

 

あ〜あ、俺何言ってんだ…

 

ヨウタ「いや、別に出る出ないは正直、俺ら何もしないから関係無いんだけどさぁ…3年って、もうすぐ卒業だし…なんつーか」

 

あ〜何でこうすらすらと出てこねーんだよ!俺!?

 

ヨウタ「今の9人で活動出来る時間って限られてる訳だし。少し考えて見てもいいんじゃねーかと思ってよ」

 

この件に関して俺から言える事はコレぐらいだな

 

ヨウタ「じゃあな。また明日」

 

そうして俺は家に向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨウタ「ただいま〜」

 

レン「いや〜オバさんが作る料理美味いですね」

 

ヨウタ「何でテメーがいんだよ!?」

 

レン「ヨウちゃん帰ってくるの遅いよ〜」

 

ヨウタ「いや、早く帰るとは言ってねーだろ」

 

レン「俺っち、ずっと待ってたんだよ」

 

ヨウタ「諦めて帰れよ」

 

レン「いや〜夕飯食べて行ってって言われたからさぁ〜」

 

ヨウタ「もういいや。俺も飯にするか」

 

俺はレンと一緒に飯を頂き、部屋に戻る

 

レン「ヨウちゃん。最近、新しい漫画買った〜?」

 

ヨウタ「いや、オメーいつまでいるんだよ。はよ帰れ」

 

レン「明日、創立記念日で休みなのよ」

 

ヨウタ「俺は普通に学校だよ!?」

 

すると、俺のスマホが鳴る

 

ヨウタ「たく、誰だよ」

 

俺はスマホを手に取り通話ボタンを押す

 

ヨウタ「もしもし」

 

絵里「ごめんね。こんな時間に」

 

ヨウタ「なんだ。絵里かよ」

 

レン「え!?絵里さん!?ちょっとだけ変わって!!」

 

ヨウタ「嫌だわ。部活の話だからな」

 

レン「良いじゃん!ケチ!?」

 

ヨウタ「うるせー!もう帰れ!?」

 

フミ「たく、お前ら騒がしいぞ」

 

ヨウタ「何で、テメーもいるんだ?」

 

ヤヨイ「グループ通話ですよ。ヨウタ君」

 

ヨウタ「ん?電気グルーヴ?」

 

シオン「よし、この馬鹿は放っておこう」

 

ヨウタ「はぁ!?誰が馬鹿だ!!」

 

真姫「全く、何しにてるのよ?」

 

ヨウタ「真姫、この馬鹿が俺の事、放っておくって言うんだよ!?」

 

ヤヨイ「ハイハイ。話を戻しますよ」

 

ヨウタ「話って何だ?」

 

フミ「お前、LINE見てねーのか?」

 

ヨウタ「すまん。レンと飯食ってた。で?話って」

 

シュウジ「穂乃果の事だ。何故、ラブライブ 出ないって言ったのか」

 

絵里「穂乃果も色々考えたから出なくてもいいって言ったんじゃない?」

 

海未「色々ですか…」

 

ことり「どうしちゃったんだろう…」

 

絵里「それは私にも…」

 

にこ「らしくないわよね」

 

花陽「このままだと、本当にラブライブに出場しないってことも…」

 

凛「それは寂しいな…」

 

希「にこっちはどうしたいん?」

 

にこ「私は…もちろんラブライブに出たい!」

 

フミ「にこ以外のみんなも同じ考えだろ?」

 

ヤヨイ「穂乃果さんがラブライブに出ないって言うのは、生徒会長としてこれから忙しくなるからとかですかね?」

 

ことり「でも、忙しいからやらないって、穂乃果ちゃんらしくないよ」

 

海未「確かに、今の穂乃果ならこんな時こそやりそうな感じがします…」

 

希「今のμ’sはみんなで練習して歌を披露する場もある。それで十分ってことやろうか?」

 

シオン「ヨウタ、お前はどう思うんだ?」

 

ヨウタ「アイツは絶対にそんな事で諦めねぇ。ただよ、1つ考えるとするならば学園祭の時から少し変わったつーか、何というか…」

 

絵里「もしかしたら、ラブライブを辞退した時の事で出場しないと考えているんじゃないかしら?」

 

フミ「そうなると、大体辻褄が合うな」

 

シオン「だったら、尚更穂乃果にラブライブを出るように言った方がいいんじゃねーか?」

 

ヤヨイ「そうですね」

 

凛「凛も穂乃果ちゃんに勇気をつけてやるにゃ!」

 

シュウジ「説得するしか無いって事か」

 

真姫「全く、しょうがないわね」

 

こうして、俺達は穂乃果にもう一度ラブライブに出るように説得するために明日に穂乃果と話をするということになり全員は電話を切った

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

俺達は練習を再開し本来なら屋上にいるのだが、何故か神田明神の階段前にいる

 

フミ「なんで、こんな事になった?」

 

ヨウタ「俺に聞くな」

 

時は数時間前に遡る。にこが穂乃果に勝負を挑んだ。ルールは階段を先に登った方が勝ち。にこが勝てばラブライブ出場、穂乃果が勝てばラブライブ出場はしない

 

ヤヨイ「ラブライブ出場かけて戦うとか…」

 

フミ「で、勝負する事になったのか」

 

ことり「たぶん、穂乃果ちゃんを説得したいんだろうけど…」

 

海未「少々強引すぎる気が…」

 

溜息する海未。μ'sのみんなは不安でいる

 

にこ「じゃあ、始めるわよ。よーい、ドン!」

 

にこは掛け声と共にフライングをし、階段を駆け上がる。だが、半分を過ぎた時足を滑らせて転んでします

 

穂乃果「にこちゃん!」

 

穂乃果がにこに駆け込むが、にこは痛みに顔をしかめながらも穂乃果を睨む

 

穂乃果「ズルするからだよ」

 

にこ「うるさいわね!ズルでもいいじゃない。ラブライブに出られれば…」

 

その時、急に雨が降り始める。次第に強くなっていく雨に俺達は仕方無く神社の屋根へと雨宿りする事にした

 

ヨウタ「強くなって来たな。つーか、どうすんだ?ラブライブ」

 

俺は穂乃果に訪ねる。勝負も中止じゃ話し合いで決めるしかないだろ

 

絵里「私達3年生が活動出来るのも、あと半年」

 

希「それにスクールアイドルとして活動出来るのは在学中だけ」

 

希と絵里が続けて話すが、その話し方は悲痛な気持ちが混じっているような気がした

 

シオン「気づいてるんだろ?9人で出場出来るのが最後だって」

 

シュウジ「もう1度考えてみたらどうだ?」

 

穂乃果「みんな…」

 

花陽「私たちもそうだよ。例え予選が落ちちゃったとしても、この9人で頑張った足跡を残したい」

 

凛「凛もそう思うにゃ!」

 

フミ「俺達も忘れるなよ。一応マネージャーだからな」

 

真姫「やってみてもいいんじゃない?」

 

穂乃果「ことりちゃんは?」

 

ことり「私は、穂乃果ちゃんが選ぶ道なら何処へでも」

 

海未「また自分のせいでみんなに迷惑をかけてしまうのではと心配しているのでしょう?」

 

穂乃果は海未の方に視線を持ってくる

 

海未「ラブライブに夢中になって、周りが見えなくなって、生徒会長として学校のみんなに迷惑をかける訳にはいかないっと」

 

穂乃果「全部バレバレだね。始めたばかりの時は何も考えないで出来たのに、今は何をやるべきか分からなくなる時がある。でも一度夢見た舞台だもん。やっぱり私だって出たい。生徒会長をやりながらだから迷惑掛けるかもだけど、本当は物凄く出たいよ!」

 

ヨウタ「なら決まりだな!やろうぜ穂乃果!」

 

穂乃果「うん!よーし!」

 

穂乃果は気合いを入れる為か、雨の中外へ飛び出した

 

穂乃果「雨!止めぇー!」

 

その叫びは、奇跡を起こした。突然どんよりとした雲が割れ、日の光がこぼれ始める

 

シオン「うそだろ!」

 

ヨウタ「こんなのありかよ」

 

穂乃果「凄い、凄いよ!人間やれば出来るんだよ!ラブライブに出るだけじゃ勿体ないよ!うん、そうだよ。優勝しようよ!」

 

海未「優勝!?」

 

凛「そこまで!?」

 

シオン「大きく目標を上げたな」

 

希「面白そうやん!」

 

穂乃果「ラブライブの大会で私たちは優勝を目指そう!みんな!!!」

 

一同「おおー!」

 

穂乃果「よーし!そうと決まれば、早速練習しよう!」

 

 

アイツらの目標はラブライブの大会で優勝、その願いを乗せてアイツらは走りだした

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「ここだな。例のラーメン屋って」

 

ユウノスケ「いらっしゃい。1名様ですか?」

 

???「アンタか?ダイを倒したって言う奴は」

 

ユウノスケ「何だ?お前?」

 

???「俺と勝負しろ!!お前に勝って俺は神田最強になる!!」

 

ユウノスケ「はぁ!?」

 

マサ「何だ?知り合いか?」

 

ユウノスケ「いや、今のやり取りを見て何処が知り合いと思った!!」

 




新キャラ出てきます
以上


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第26話

久々ですね
そして深夜投稿
まぁ、正直に言うと
データ飛んだ
作り直した
それだけ
そして、時間掛かった


ユウノスケ「つーか、テメェ何者だ?」

 

???「俺はユウヤ。ダイを倒して神田最強になろうとしたんだが…」

 

コイツは名を名乗ると聞いてもねーのに喋り始める

 

ユウヤ「2日前にダイに勝負ふっかけたんだが俺はこの世界から降りたって言いやがってよ」

 

ユウノスケ「じゃあ、お前が神田最強って事でいいじゃねーか?」

 

ユウヤ「はぁ?ふざけてんのか!?テメェ!!さっさと俺と勝負しやがれ!!」

 

ユウノスケ「てよ、マサ」

 

マサ「俺か?」

 

ユウノスケ「お前がダイ倒しただろ?」

 

マサ「倒したって言いってもな…そもそもダイはボロボロだっし…」

 

ユウヤ「チッ、何だよ。ただの漁夫の利か」

 

コイツ、いちいち癇に触る野郎だな

 

ユウノスケ「ここだと、他の人に迷惑だから一旦外に出るぞ」

 

マサ「客は俺しかいねーけどな」

 

ユウノスケ「うるせ!いいから出るぞ!?」

 

ユウヤ「で、ダイをボコボコにした奴って何処のどいつだ?」

 

ユウノスケ「音ノ木坂の奴だ」

 

ユウヤ「はぁ?音ノ木坂って女子校だろ?」

 

ユウノスケ「意外に知られてねーが、生徒不足で去年から一応共学になった」

 

マサ「それに男子生徒は片手で数えられる人数だ。探しやすいと思うぞ」

 

ユウヤ「たく、骨折り損かよ」

 

ユウノスケ「おい、もう下校時刻は過ぎてるから行っても意味ないぞ」

 

ユウヤ「うるせーな。いちいち」

 

そう言ってアイツは去って行く

 

ユウノスケ「たく、ありがとうぐらい言えや」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、スクールアイドル部の部室

 

フミ「どうぞぉ〜」

 

ヨウタ「大将、これは?」

 

フミ「スパムです」

 

ヨウタ「スパム!!」

 

ヤヨイ「えっと…その…」

 

シオン「何やってんだ?」

 

フミ「コイツが昨日観たお笑い番組のネタを覚えたって言うからよ」

 

シュウジ「それで、やっていたと?」

 

ヨウタ「まぁ、そう言う事だな」

 

シオン「ほら、馬鹿な事やってないで屋上行くぞ」

 

けど、屋上行っても正直やる事ないんだよなぁ〜

 

シオン「屋上に来たのは良いんだが…」

 

フミ「ヤバイ…走馬灯が…!!」

 

ヨウタ「しょうもない人生!」

 

シュウジ「まだやってるのか?」

 

ヤヨイ「ほんと、飽きないですよね〜」

 

にこ「たく、なにボサッとしてんのよ」

 

ヤヨイ「にこさん。あの2人がですね」

 

ヨウタ「しのびねぇな」

 

フミ「構わんよ」

 

真姫「さっきから2人は何してんの?」

 

シオン「昨日やってたお笑い番組の真似だってさ」

 

真姫「全く、幼稚な事して」

 

希「けど、2人の仲が良いのは良い事やない?」

 

海未「けど、アレは少し羽目を外し過ぎな気が…」

 

絵里「ちょっと!2人共遊んでないで色々とやりなさい」

 

ヨウタ「ホラ、手伝えってよ」

 

フミ「ちょっと、何言ってるか分からないですね」

 

ヨウタ「なんで何言ってるか分かんねーんだよ!」

 

海未「全く、貴方達は…」

 

あ、やべ!顔は笑ってるけど目が笑ってない

 

フミ「よし、練習疲れて喉渇いてると思うから買い出しに行ってくるわ」

 

ヨウタ「流石に9人分は持てないだろ?俺も行く」

 

ヤヨイ「何処か行っちゃいましたね」

 

シュウジ「危険を察知して逃げたな」

 

海未「心配なのでシオンもついて行ってもらってよいですか?」

 

シオン「まぁ、そうなるよな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨウタ「たく、何でお前も付いてくんだよ」

 

シオン「お前らの監視役だ」

 

フミ「まるで犯罪者の扱いだな」

 

ヨウタ「それなら、俺達はアンチェインだな」

 

シオン「意味わかんねーよ」

 

ユウヤ「おい」

 

3人でダベりながら校門を出るととある奴に声かけられる

 

ヨウタ「ん?誰だ?お前」

 

ユウヤ「俺の名はユウヤ。誰だ?この中でダイを倒したって奴は?」

 

ヨウタ「ダイって誰だ?」

 

フミ「知らん」

 

シオン「お前ら忘れたのか?神田高の頭だよ」

 

ヨウタ「あー、何かいたな」

 

シオン「たく、どんだけもの覚えが悪いんだよ」

 

フミ「もの覚えが悪いつーか、興味ない」

 

ヨウタ「わかるー!?だって1回や2回会った奴の事なんて…」

 

ユウヤ「テメェら!ふざけんのも大概にしろよ」

 

ヨウタ「あ?こっちだってダダふざけてんじゃねぇよ。真面目にふざけてんだよ」

 

ユウヤ「んだとテメェ!!」

 

ヨウタ「何だよ。触んな」

 

急に胸ぐら掴む奴がいるかよ。制服が破けるだろうが

 

ヨウタ「つーか、テメェこそふざけんなよ。胸ぐら掴みやがって」

 

シオン「落ち着け。こんな奴に関わっても損するだけだ」

 

ユウヤ「はぁ?こんな奴ってどう言う事だ!?」

 

フミ「世間的にヤベー奴って事だ。俺達はお前に構ってる暇は無い」

 

ヨウタ「たく、遅れたら怒られるだろうが。行くぞ、買い出しサボってたと思われる」

 

ユウヤ「待て!テメェら!!」

 

ヨウタ「何だよ!!さっきから!!」

 

ユウヤ「ダイを倒したって言う奴がいるなら俺と勝負しろ」

 

ヨウタ「はぁ?何言ってんだ?」

 

ユウヤ「勝負しろって言ってんだ!?」

 

ヨウタ「え〜と…ダイって誰が倒したっけ?」

 

シオン「俺は別の奴と喧嘩してたから知らん」

 

フミ「俺は負けたな」

 

ヨウタ「俺も負けた。アレ?誰が倒したっけ?」

 

フミ「確かお前が2対1で喧嘩してて…」

 

ヨウタ「その後、フミが来て…」

 

シオン「俺が来た時には決着がついてた」

 

ヨウタ「じゃあ、誰が?」

 

ユウヤ「あーもう、めんどくせぇ!!テメェら3人係で来やがれ!」

 

ヨウタ「んな、卑怯な事出来るか!?」

 

ユウヤ「どうせ、群れてねーと弱い奴らだろ?」

 

ヨウタ「確かに否定は出来んな」

 

フミ「つーか、タイマンで自分自身が強いと思ってるなら勝負しなくて良くねーか?」

 

シオン「確かにな。もう答え出てる訳だし」

 

ヨウタ「そうだな。お前は俺達より強い!以上!」

 

シオン「なら、早く買い物行こうぜ」

 

ユウヤ「テメェら!待ちやがれ!!」

 

何か叫んでるが関わりたくねーし、俺達は無視してスーパーに向かう事にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、放課後。珍しく野郎メンバー5人で公園にいた

 

ヨウタ「一体、アイツは何だったんだよ」

 

ヤヨイ「アイツって絡まれた人の事ですか?」

 

フミ「いきなり、喧嘩売って来てな」

 

シオン「全く、何がしたかったんだよ」

 

シュウジ「俺なら喧嘩買うけどな」

 

シオン「お前は少しアイドル部の事を考えろ」

 

ヨウタ「下手に喧嘩すると廃部になる。手出せるか」

 

ヤヨイ「その自覚があるならタバコ吸うの辞めてもらって良いですか?」

 

フミ「全くだ。非喫煙者の事を考えろよ」

 

ヨウタ「てよ、お前ら」

 

シオン「いや、お前もだよ」

 

シュウジ「全く、紙タバコなんか吸ってないで俺みたいにiQOSにしろよ」

 

フミ「オメーも吸うな!紙もiQOSも未成年ダメだろ!?」

 

ヤヨイ「本当にマイペースな人達ですね…」

 

シュウジ「けど、次も絡んで来たらどうすんだ?」

 

ヤヨイ「そうですよ。変な事に巻き込まれないうちに対処した方が良いですよ」

 

ヨウタ「そう言われてもなぁ〜」

 

フミ「つーか、アイツの目的って何だよ?」

 

シオン「確か、神高のダイを倒した奴は俺と勝負しろって言ってた気が…」

 

ヤヨイ「そう言えば誰がダイを倒したんですか?」

 

シオン「俺は四天王の1人を倒して、コイツらの所に到着した時には決着付いていた」

 

フミ「俺は勝てなかったな」

 

ヨウタ「俺は2対1で勝負して1人しか倒せなかった」

 

シュウジ「それってどう言う事だ?」

 

ヨウタ「神高の四天王の1人と喧嘩する予定だったんだけどよ、何故かその場所にダイもいてさ。1人は倒せたんだけど、結局ダイと決着つける前にフミが到着してバトンタッチしたわけ」

 

ヤヨイ「それで、フミ君が負けて」

 

フミ「その後にマサが来てダイに勝ったんだよ」

 

シオン「これ、話聞いた限りだとヨウタが勝負するべきなんじゃないか?」

 

ヨウタ「はぁ!?嫌だよ!!面倒くせぇ!!」

 

シュウジ「2対1じゃなかったら勝てた可能性あるだろ?」

 

ヨウタ「いや、無理だろ!?俺フミと互角よ!!フミが負けてるなら俺が勝てねーよ」

 

フミ「けど、あの時俺が来なかったらお前、勝負続けてただろ?」

 

ヨウタ「痛い所突いて来るな…」

 

シオン「じゃあ、お前がケリつけるしかねーな!」

 

ヨウタ「何で俺が汚れ役買わないといけねーんだよ!」

 

フミ「昔のお前なら、こういう時は真っ先に勝負してたのにな」

 

ヨウタ「中学の時はな。けど、今問題起こすと穂乃果達に迷惑掛かるだろ」

 

シュウジ「じゃあ、ここは俺が…」

 

シオン「シュウジ。お前は少し引っ込んでろ」

 

ヤヨイ「ヨウタ君もμ'sの事も気にかけるようになったんですね」

 

ヨウタ「当たり前だろ!一応、マネージャーなわけだ。それより、また穂乃果の悲しい顔が見たくねーんだよ」

 

フミ「ヨウタ。お前、穂乃果と何かあったのか?」

 

ヨウタ「はぁ?何言ってんだよ?」

 

フミ「なんつーか、お前らしく無い事言ってたから」

 

ヤヨイ「確かに、今までヨウタ君の口から聞いた事無かったですね」

 

シオン「神高の時、穂乃果に怒られても聞く耳持って無かったしな」

 

フミ「つーか、今までも喧嘩の事を穂乃果に怒られても聞く耳すら立てて無かったよな?」

 

ヨウタ「勘違いしてるらしいから言うが、俺が喧嘩する時は自分か仲間を馬鹿にされた時だけだ」

 

そう言って俺は公園から出る。全く、めんどくせぇ事に巻き込まれたよ

 

 

 

 

 

 

 

 

そして場所は変わり

 

ユウヤ「たく!何なんだよ!?アイツ!!」

 

俺は神田明神の階段で不貞腐れる

 

ユウヤ「クソが!」

 

俺はイライラして空き缶を地面に叩き付けた

 

希「そこの君」

 

ユウヤ「あ?」

 

見覚えのある制服を着た女が立っていた

 

希「ポイ捨てはあかんよ。ゴミ箱があるんやからそこに捨てないと」

 

ユウヤ「チッ…」

 

急に絡んで来た女の言う事を聞くのはムカつくが俺は空き缶を拾い直しゴミ箱に捨てる

 

ユウヤ「これで満足か?」

 

希「ちゃんとマナーを守らないとバチが当たるからなぁ〜。次からは気をつけてや〜」

 

ユウヤ「待て!」

 

希「なんや?まだ、ウチに何か用があるん?」

 

ユウヤ「お前、音ノ木坂だろ?ちょっと面貸せ」

 

希「もしかしてナンパ?けど、ちょっと強引やと思うよ」

 

ユウヤ「ナンパじゃねぇよ!?つーか、お前みたいな女、誰が…ナンパ…する…か…」

 

俺はマジマジと女を見ると…クソが…!!

 

希「あれ?急に元気なくなったけど、どうしたん?」

 

ユウヤ「うるせー!面貸せって言ってんだよ!」

 

希「そんな乱暴な事するんやったら大声で助けてって言うよ?」

 

ユウヤ「チッ。なら単刀直入に言う。お前、音ノ木坂にいる不良の事知ってるのか?」

 

希「知ってるって言ったらどうするん?」

 

ユウヤ「なら、教えろ」

 

希「なら、それなりの態度ってあるんやない?」

 

ユウヤ「チッ。教えて下さい…お願いします」

 

俺は見ず知らずの女に頭を下げる

 

希「よろしい♪なら教えて上げる」

 

ユウヤ「さっさとしろ」

 

希「そんなに焦らなくてもええんやない?別にウチは逃げたりせぇへんよ」

 

何なんだよ?この女の子はさっきから

 

希「ウチの学校に男子生徒って5人いてな、その中でも1人は真面目なんやけど4人がどうも問題児みたいでな」

 

ユウヤ「そんな話はどうでもいい。誰が強いんだ?ソイツらの誰かが強いってのは耳に入ってるんだよ」

 

希「なんで、そんな強い人と勝負したがるん?」

 

ユウヤ「決まってるだろ。勝って俺の名を知らしめるんだよ」

 

希「ただ強くても意味ないんやない?」

 

ユウヤ「はぁ?」

 

希「本当に強い人は無闇に喧嘩売ったりはせぇへんと思うよ」

 

ユウヤ「何だよそれ…」

 

俺は自販機に向かい小銭を入れ紅茶のボタンを押した

 

ユウヤ「ホラよ。教えてくれた礼だ」

 

希「あ、ありがと」

 

ユウヤ「ソイツらと知り合いなら伝えておけ。明日も来るってな」

 

俺は女にそう言って帰路に着く

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜

 

シオン「何だよ。急に呼び出して」

 

フミ「すまない。終電までには終わらせるつもりだ」

 

シオン「バイクで来たから時間は気にすんな。まぁ、大体呼ばれた事については察しは付くけどな」

 

フミ「なら、話が早い」

 

シオン「言っておくが俺はお前にアイツを譲るつもりは無い」

 

フミ「それは俺も同じだ。アイツが喧嘩しねーなら俺がケリをつける」

 

シオン「お前らと出会ってから景色が綺麗に見えた事はねぇ。お前らが邪魔でいつも霞んでやがる」

 

フミ「なら、今日で霧が晴れるといいな!」

 

俺はシオン目掛けて飛び膝蹴りをかますが、シオンは両手の橈骨で防いだ

 

シオン「テメェの蹴りも大した事ねーな!」

 

俺が地面に足を付けたと同時にシオンは俺の顔面に裏拳をかまして来る。そして見事に顔に直撃したが、俺も負けじと顔面を殴り返す

 

フミ「オラッ!!」

 

シオン「グッ…!!」

 

怯んだ隙を見て俺はシオンの腹に蹴りをお見舞いした。蹴られた反動でシオンは後ろに3歩下がる

 

フミ「何だ?これで地元のテッペン取ったのか?大した事ねーな」

 

シオン「うるせぇ!」

 

シオンは俺目掛けて走ってきた。俺はシオン目掛けて後ろ回し蹴りを首に放ったが避けられてしまい、そのまま押し倒されバランスを崩し倒れ込む

 

シオン「カッコつけんじゃねぇよ!」

 

俺はシオンにマウントを取られ顔面を数発殴られる

 

フミ「2、3発はいいの入れるじゃねーか!」

 

俺は背中に全体重をかけ横にシオンを倒す。そして次は俺が顔面に数発お見舞いしてやった

 

シオン「うおぁぁ!!」

 

シオンは全体重で俺を払いのける。しかし、2人共、立ち上がるがやっとだった

 

フミ「やっぱ、お前…強えぇわ…」

 

シオン「テッペン取った実力…舐めんじゃねーよ…!」

 

そして再びシオンは俺目掛けて殴り掛かって来る。疲労からか俺は避ける事も出来ず顔面に右ストレートを喰らう。その後もシオンは容赦なく俺の腹に膝を入れて来た

 

フミ「グヴッッ…!!」

 

再びシオンが俺の顔面を殴って来たが俺はその手を掴み、カウンターで腹に2発も拳を叩き込んだが、それでもシオンは怯む事なく俺の顔面に拳を入れて来る

 

シオン「どうした?終いか?」

 

フミ「フッ…」

 

俺は鼻で笑いシオンの脇腹に蹴りを入れる。1発は入ったが2発目は防がれてしまい、俺は陣中に頭突きを喰らわされた。しかし俺は負けじと更に顔面に裏拳をお見舞いする

 

フミ「ハァハァ…どうだ…?参ったか…?」

 

シオン「誰が降参するかよ…」

 

フミ「あー!もうめんどくせぇ!!」

 

俺はシオンの顎に2段蹴りを入れてやった。シオンは顎を蹴られた反動で上に吹き飛び、そのまま倒れ込んだ

 

シオン「くそ…立ち上がれねぇ!」

 

フミ「じゃあ…俺の勝ちだな…」

 

シオン「ったく…参ったぜ…」

 

フミ「どうだ?霧は晴れたか?」

 

シオン「ああ、負けたはずなのによ…目の前の景色がよく見える…」

 

フミ「それは良かったな…」

 

シオン「お前…勝てよ…」

 

フミ「さぁ?どうだろうな」

 

俺はシオンに言い残し駐車しているバイクに向かう

 

シオン「手ぐらい貸せよ…起き上がれねぇって言っただろ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

ヨウタ「何でお前ら顔ボロボロなんだ?」

 

シオン「うるせーな。テメェのせいだろ」

 

フミ「全くだ」

 

いや、俺のせいって八つ当たりもいい所だよ

 

シュウジ「喧嘩に巻き込まれたら俺も誘えよ」

 

シオン「巻き込まれてねーよ」

 

ヤヨイ「本当に程々にしないと2人共、学校での評価に響きますよ」

 

フミ「証拠もねーから大丈夫だろ」

 

そう言うとフミは立ち上がり屋上を出ようとする

 

ヨウタ「おい、どこ行くんだ?」

 

フミ「私用だ。私用」

 

そう言ってフミは屋上から出て行った

 

ヨウタ「何なんだ?アイツ」

 

 

 

 

 

 

 

 

フミ「やっぱり来たか」

 

ユウヤ「あ?お前はダイに負けたんだろ?」

 

フミ「ああ負けた。けど、俺に勝てないとアイツに負けるぞ」

 

ユウヤ「何だ?親玉は俺を倒してからってか?」

 

フミ「アイツの舎弟になるつもりもなったつもりはねぇ。ただ俺にも譲れない物があんだよ」

 

ユウヤ「面白れぇ」

 

フミ「そうと決まればついて来い」

 

俺は神田明神を喧嘩場所に選ぶ

 

フミ「ここなら大丈夫だろ?」

 

ユウヤ「つーか、テメェ顔ボロボロだぜ。勝てんのか?」

 

フミ「やってみなきゃ分かんねーだろ!!」

 

ユウヤ「なら、やってみろよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フミ「流石に昨日…派手にやり過ぎたな…」

 

アイツ…口だけかと思ったら相当な実力者だ。ダイに喧嘩売っただけはある

 

フミ「今は少し休むとするか…」

 

俺は壁に持たれ掛かるように倒れ込み、電子タバコを吸う。煙が消えると同時に俺の視界も暗くなって行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はどのくらい休憩していたのだろうか。目を開けようとしたが、眩しさのあまり視界を横に逸らす

 

フミ「う…う、ん?ここは何処だ?」

 

俺が目を開くと見知らぬ天井だった。俺は力を振り絞り上半身を起こすと白いベッドの上にいた

 

ことり「うわ〜ん、フミ君。良かったよぉ…」

 

フミ「こ、ことり…」

 

俺はことりに泣き付かれる。つまり俺は病院のベッドで寝ていたのか

 

ことり「フミ君が…フミ君がボロボロになって倒れてるって言われたら…」

 

俺は自分の胸元で泣いていることりの背中に両腕を回した

 

フミ「ごめんな…心配かけて」

 

俺はことりの背中をトントンと叩く。すると俺が着ている服の胸元をギュッとする力が強くなる

 

ことり「あんまり無茶したらダメだからね…」

 

フミ「ああ、次からは気をつけるよ」

 

ことりは少し微笑み、顔を真っ直ぐ上げた。その目尻に残る涙を俺は指で拭い同じように微笑んだ

 

ヨウタ「あの〜?俺はお邪魔ですか?」

 

フミ「なんだ。お前も一緒かよ」

 

ヨウタ「あ?その言い方は無いだろ!?」

 

たく、見れてたく無い所をよりにもよってコイツに見られるとか一生の恥だな

 

真姫「ちょっと!病院では静かにしなさいよ」

 

ヨウタ「あーごめん。ごめん」

 

俺と馬鹿の会話を聞いてか真姫が扉を開け注意して来た

 

フミ「真姫も一緒なんだな」

 

ヨウタ「ああ、ここ真姫の親父が経営してる病院だってさ」

 

フミ「通りで別荘とか所有してる訳だ」

 

ヨウタ「つーか、お前らはいつまで俺に見せつけるんだ?」

 

俺がそう言うと2人は数秒固まり、恥ずかしくなったのか咄嗟に離れ出す

 

フミ「ことり、すまないがコイツと話がしたいから少し外してもらえるか?」

 

ことり「う、うん。けど、今はゆっくり休んでね…」

 

そう言ってことりは病室を後にする

 

ヨウタ「それにしても派手にやられたな」

 

フミ「この事はアイツらにも話したのか?」

 

ヨウタ「知ってるのは俺達3人だけだ。あの2人にもショナイにしてって言っといた」

 

フミ「けど、後々バレねーか?」

 

ヨウタ「お前が倒れたのが階段途中だったらしいから、階段から落ちたって事にしとくさ」

 

フミ「それだと俺は間抜けじゃねーか?」

 

ヨウタ「喧嘩買ってる時点で間抜けだよ」

 

フミ「お前には言われたくねーな」

 

ヨウタ「え?そんな事言うの?折角、仇取ろうとしたのに?」

 

フミ「頼んでもねーよ」

 

ヨウタ「まぁ、それでもやるんですけどね」

 

フミ「アイツと喧嘩しないんじゃねーのか?」

 

ヨウタ「オメーやられて喧嘩しないわけねーだろ」

 

フミ「おい」

 

ヨウタ「なんだよ」

 

フミ「勝てよ」

 

ヨウタ「あったりめーだろ!バーカ!?」

 

フミ「前言撤回。負けろ」

 

ヨウタ「はぁ!?こうなれば嫌でも勝ってやるよ!」

 

そう捨て台詞を吐いてアイツは病室を出て行った

 

ヨウタ「たく、アイツも素直じゃ無いんだからよ」

 

ことり「ヨ、ヨウタ君」

 

ヨウタ「オッ、ことり。まだアイツに用なのか?」

 

ことり「うん…フミ君の事、心配だから…」

 

ヨウタ「そうか。なら、アイツの傍にいてやってくれ。その方がアイツも嬉しいだろ」

 

ことり「ヨウタ君も無茶しないでね。きっと穂乃果ちゃん心配すると思うから」

 

ヨウタ「大丈夫だって。俺、意外にタフだから」

 

そう言って俺は病院を後にする

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユウヤ「クソ!アイツであんなに強いのかよ!!」

 

俺は喧嘩に勝ったとはいえボロボロだった

 

ユウヤ「けど、アイツよりも強い奴がいるとは…!!」

 

俺は音ノ木坂の野郎と喧嘩した時の事が思い出した

 

ユウヤ「ハァ…ハァ…」

 

フミ「やっぱ強いな…お前…」

 

ユウヤ「当たり前だろ…俺は神田最強になるって決めたんだよ…」

 

フミ「けど、アイツを倒さねーと神田のトップにはなれないぜ…」

 

ユウヤ「アイツって誰だよ…」

 

フミ「オメーもあっただろ?金髪野郎に…アイツは強いぜ」

 

ユウヤ「フッ…ならお前と同じようにボコボコにしてやるよ」

 

フミ「はぁ〜…言っておくが今のオメーとは格がちげーよ…アイツは…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユウヤ「くだらねぇ」

 

ヨウタ「急に飛び出したのは良いが何処にいるんだ?」

 

何で運良くコイツは現れるんだ?まぁ、丁度いいか

 

ユウヤ「おい!」

 

ヨウタ「うわっ!ビックリした〜ゾンビか?」

 

ユウヤ「人間だ。テメェ…俺と勝負しろ」

 

ヨウタ「お前か?フミをボコボコにしたのは?」

 

ユウヤ「だったらどうする?」

 

ヨウタ「まぁ、今はパスだな。万全な状態で挑んで来い。それなら何時でも相手してやる」

 

ユウヤ「上等だよ」

 

俺はそう言ってフミと勝負した奴の元を離れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3日後

 

俺は奴と勝負する為に河川敷に来ていた

 

ヨウタ「しかし、お前ら2人は傷の治りはえーな」

 

フミ「昔っから喧嘩してたからな。身体が慣れてんだろ」

 

シュウジ「2人はタフさだけが取り柄か」

 

シオン「うるせーな!テメェもだろ!」

 

レン「けど、本当に来るのかね〜?あのユウヤって奴」

 

ユウノスケ「俺達に見境なく喧嘩売って来たんだ。逃げるなんてあり得ねーだろ?」

 

マサ「だな」

 

フミ「ヤヨイ。頼んだ事調べてくれたか?」

 

ヤヨイ「はい。バッチリです」

 

ヨウタ「何頼んでたんだ?」

 

フミ「ユウヤって奴の事だ。アイツと喧嘩した時、妙にやり辛かったんだよ」

 

シオン「何だよ?それ」

 

フミ「アイツと喧嘩していると虚しくなって来たんだよ。それが気になってな」

 

ユウノスケ「それで、アイツの過去を調べてもらった訳か」

 

ヤヨイ「彼は学校では1人でいる事が多いみたいです。友達がいないと言うよりは作ろうとしないって感じ見たいです」

 

シオン「それは、どう言う事だ?」

 

ヤヨイ「僕も気になって、昔の彼を知る人とコンタクトを取ってみました。調べた所によると彼は両親が転勤族だった見たいです」

 

レン「それが、どう関係あるって言うのわけ?」

 

ヤヨイ「小さい頃から両親が転勤続きで彼も転校を繰り返していたみたいです。ここからは憶測になりますが、そのせいで友達がいなかったんだと思います」

 

フミ「その寂しさからか、喧嘩に明け暮れるようになったってわけか」

 

ヨウタ「成る程な。まぁ、俺達と似たもの同士って事か?」

 

シオン「オイ、ヨウタ。お前が考えてる事は大体分かる。ここはガツンと目を覚ましてやれ」

 

ヨウタ「ああ、1発目覚めの良い奴喰らわしてやるよ」

 

そうそうしているとユウヤも河川敷に到着した

 

ヨウタ「よぉ、怪我は大丈夫か?」

 

ユウヤ「3日もあれば充分だ。それよりテメェ…」

 

ヨウタ「コイツらの事は心配すんな。立ち会い人でお前とは俺がタイマンで勝負してやる」

 

ユウヤ「面白い」

 

ヨウタ「お前ら、ここからはどっちか倒れるまで手出すなよ」

 

そして、俺とユウヤは向かい合う。先に仕掛けて来たのはユウヤだった。俺に右ストレートをお見舞いするが俺は避ける。すると蹴りを入れて来たが、それも俺は腕でガードし、殴り返した

 

ユウノスケ「流石、俺達に喧嘩売るだけはあるな。アイツ」

 

マサ「だな」

 

ユウヤの顔面に俺の拳が当たると鈍い音がした。

ユウヤは吹き飛び倒れるが、すぐに立ち上がる

 

ユウヤ「野郎…ぶっ殺す!!」

 

ユウヤは膝蹴りを俺の顔面に入れようとするが、俺は何とか防ぐ。しかし、蹴りの反動でかバランスを崩してしまう

 

ヨウタ「ヤベ!!」

 

ユウヤ「オラ!」

 

俺はユウヤに腹パンを入れられ、片膝を着きそうになるが、そんな事はお構いなしにユウヤは再び顔に蹴りを入れてくる

 

ヨウタ「のわっ!!」

 

間一髪で避け、俺はユウヤに卍蹴りを顔面に直撃させた

 

レン「お、流石ヨウちゃん♪俺っちが教えた卍蹴り使えてるじゃん♪」

 

フミ「正確には俺がお前に教えたんだがな」

 

俺は立ち上がりユウヤの顔に再び殴りかかったが、ユウヤはしゃがんで避ける。そして、俺の足を掴み持ち上げ後ろに投げ飛ばした

 

シュウジ「アイツ、意外にパワーもありますね」

 

シオン「ああ、喧嘩慣れしてやがる」

 

俺は再び起き上がるが、ユウヤは俺の顔面に拳を叩き込もうとしていた。だが、俺は何とか避けてユウヤの顔面に右ストレートをお見舞いした

 

ヨウタ「遅えよ」

 

ユウヤは再び倒れるが、まだ立ち上がる。鼻血が出ているがおかまいなしだ

 

ユウヤ「プッ」

 

ユウヤは血の唾を地面に吐き、不敵に笑う

 

ユウヤ「オララァ!!」

 

ユウヤは再び俺目掛けて殴り掛かって来る。しかし、俺も間髪入れず膝蹴りを喰らわす。ユウヤも負けじと俺の腹に殴り掛かる。蹴る殴ると攻防が続き、2人の息は上がっていた

 

ヨウタ「ハァ…ハァ…」

 

ユウヤ「ハァ…ハァ…」

 

そしてユウヤが俺を殴り掛かろうとするが、俺は腕を掴み背負い投げの要領でユウヤを投げ飛ばした

 

ヤヨイ「これで決着はつきましたね」

 

フミ「いや、まだだな」

 

背中から叩きつけられたユウヤだが、意地でも立ち上がる

 

ユウヤ「うおあおおお!!」

 

ユウヤは俺の鼻に拳を叩き込き込んだ。俺はフラフラになり片膝を地面に着き倒れそうになる

 

ユウヤ「終わりだ…」

 

倒れそうになる俺の顔にユウヤは蹴りを入れ、倒れた俺の脇腹に蹴りを何発も入れた

 

ユウヤ「ハァ…ハァ…」

 

ユウヤは息を切らしながらも立っていた

 

ユウヤ「俺の勝ちだ…」

 

ユウヤはそう言うとフミ達の方を向く

 

ユウヤ「俺の勝ちだ!見たか!クソッタレども!?コイツは負けた!!俺の勝ちだ!?」

 

ヨウタ「おい」

 

ユウヤ「!!」

 

ヨウタ「笑わせるなよ。ユウヤ」

 

俺は起き上がるとユウヤの胸ぐらを掴んだ

 

ヨウタ「テメェの事は色々と聞いた。転校続きで友達がいねーなんて知ったこっちゃねーけどよ。そんな捻くれた野郎に俺が負ける訳ねーんだよ!!」

 

俺はユウヤの顔を力いっぱいにぶん殴ってやった。ユウヤは吹き飛び倒れると起き上がる事は無かった

 

ヨウタ「おい、生きてるか?」

 

俺は座り込み、その場でダラダラと口を動かす

 

ヨウタ「お前は昔の俺を見てる気がするんだよ。捻くれて喧嘩ばかりして、そんなんじゃ楽しくねーだろ?短い高校生活だ。楽しまなきゃ損だぜ」

 

ユウノスケ「おい、何グダグダ話してんだ?勝負はついてんだろ?」

 

ヨウタ「オメーら。助けてくれよ。コイツも俺も限界だわ」

 

フミ「たく、しゃーねー野郎だ」

 

俺が声を掛けると、みんなが駆け寄って来る

 

ヨウタ「ユウヤ、一からやり直してみろ。お前から動いて喧嘩以外の楽しい事を見つけてみろ」

 

レン「そんな事言ってるけど、ヨウちゃん達も喧嘩ばかりしてるじゃん」

 

ヨウタ「うるせーな。喧嘩以外にも部活があるわ!」

 

レン「ハイハイ。ほら肩につかまりな。フミちゃんも手伝ってよ」

 

フミ「分かったよ。お前らはコイツを頼む」

 

ユウノスケ「おい、立てるか?」

 

シオン「起き上がれねーと救急車呼ぶぞ」

 

ユウノスケとシオンがユウヤに声を掛けるとユウヤは起き上がり歩き始める

 

ユウノスケ「おい!大丈夫なのかよ!?」

 

ユウヤ「うるせー!1人で歩けるわ!」

 

そう言いながらもフラフラでユウヤは倒れそうになる

 

シオン「おい!無茶すんな!」

 

ヤヨイ「本当、何でこうみんな意地張るんですかね?」

 

ヨウタ「何でだろうな?」

 

レン「つーか、ヨウちゃん達腹減ってない?」

 

ヨウタ「確かに腹減ったな。そうだ!ラーメン食いに行こうぜ」

 

フミ「また、ラーメンかよ。たまには変わったもの食いに行こうぜ」

 

マサ「俺、カレー食いたい」

 

シュウジ「いや、ここはハンバーガーで」

 

フミ「お前らが決めんな!」

 

レン「じゃあ、フミちゃんは何処がいいのよ〜?俺っちは甘い物食いたいな〜」

 

フミ「んなので腹が溜まるか!そうだな。回転寿司とか?」

 

レン「まぁ、甘い物をあるし俺っちは賛成なりよ〜」

 

ヨウタ「いや、ここはラーメンだろ」

 

マサ「俺はカレー」

 

シュウジ「ハンバーガーだな」

 

ヤヨイ「全く、皆さん。喧嘩後なのに元気ですね」

 

ヨウタ「じゃあ、ヤヨイは何が食いたい?」

 

ヤヨイ「僕は手軽に牛丼とか?」

 

シオン「お前が牛丼なんて意外だな」

 

ユウノスケ「俺は米にオカズ乗ってるのはあまり好きじゃない」

 

ヤヨイ「2人共、いつの間に話聞いてたんですか?」

 

ユウヤを担ぎながら2人が話に入って来た

 

シオン「俺は最近流行りの千円から食えるステーキ屋に行きたい」

 

ユウノスケ「まじか!俺もずっと気になってたんだよ!」

 

ヨウタ「これで、寿司かステーキ屋に絞られたな」

 

ヤヨイ「ちょっと、待って下さい!この人はどうするんですか?」

 

そうだ、飯の事を考えてたらユウヤの事忘れてた

 

フミ「どうする?1度、コイツを病院に連れて行くか?」

 

ヨウタ「おい、お前はどうするんだ?このまま病院に行くか」

 

俺はユウヤに質問すると、ユウヤは呼吸を整え口を動かした

 

ユウヤ「…レス…」

 

ヨウタ「何て?」

 

ユウヤ「ファミレスに…連れてけ…」

 

ユウノスケ「コイツ、ちゃっかり飯食おうとしてるぞ」

 

ヤヨイ「けど、良いんじゃないですか?ファミレス」

 

レン「確かに、今食いたい物全部揃ってるしね〜」

 

シュウジ「ファミレスより俺はサイゼ…」

 

シオン「お前は話をややこしくするな」

 

フミ「じゃあ、ファミレスで決まりって事でいいか?」

 

ユウノスケ「そうだな。一応、ステーキ食えるし。値段も安いしな」

 

マサ「だな」

 

ヨウタ「よし、なら早速行こうぜ!」

 

こうして俺達はファミレスに向かう事にした

 

ユウノスケ「おい、何笑ってんだ?お前?」

 

ユウヤ「別に笑ってねーよ」

 

シオン「まずは素直になる所からだな」

 

ユウノスケ「もし、友達がほしいって言うんなら俺のラーメン屋に顔を出してみな。嫌でも友達出来るぜ」

 

シオン「俺達が殆ど通ってるからな」

 

ユウノスケ「お前が嫌じゃなければの話だがな」

 

ユウヤ「迷惑じゃねーのか?」

 

ユウノスケ「一応、客だしな。クレーム言わねーなら大歓迎よ。勿論、代金はキッチリ貰うけどな」

 

ユウヤ「暇な時ぐらいは顔出してやるよ」

 

シオン「そしたら毎日通う事になるぜ」

 

ユウヤ「チッ。減らず口を…」

 

フミ「おい、おせーぞ!お前ら!」

 

ユウノスケ「お前らが早過ぎるんだよ!」

 

レン「こっちは腹減ってるんよ。早く早く〜」

 

シオン「たく、おい少しスピード上げるから歩幅合わせろよ」

 

親父、お袋。ダチが出来ねーのは転校が理由だと思っていたが、そうでも無さそうだ。どうやら俺自身が拒んでいた見たいだ。けど、今は俺にもダチって奴が出来そうな気がするんだ

 

ユウヤ「フッ…」

 

ユウノスケ「どうした?おかしな事でもあったか?」

 

ユウヤ「何でもねーよ」

 

シオン「変な奴だな」

 

 

 

つづく




新キャラはこれからも
準レギュラーとして
登場するので活躍お楽しみに
そして、喧嘩回、オリキャラメイン回は
相変わらずμ'sの出番が少ない
また、リア友に怒られるよ…


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第27話

今回は合宿回がベースなので
μ'sも登場します
前回がアレだったので


放課後、穂乃果達はラブライブの出場を目指して練習を開始しようとしていたが、その前に花陽からある事を伝えようとしていた

 

穂乃果「花陽ちゃん、一体どうしたの?」

 

ヨウタ「大事な話があるって?」

 

花陽「皆さん、大変な事になりました!」

 

ヤヨイ「大変なこと?」

 

凛「一体何が大変なことなの?かよちん!」

 

花陽「実は、先ほど新たな情報によりラブライブの予選で披露する曲は未発表のものと限られるという事になりました!」

 

花陽の言葉に穂乃果達は驚愕な顔と声を上げる

 

にこ「なんでよ!?」

 

花陽「何でも参加希望のチームが予想以上に多くらしく、今回のエントリーに名乗りを挙げるグループの中にはプロのアイドルをコピーして出場しようとしているグループがいるみたいなんです!」

 

希「この段階でふるいにかけようって訳やね」

 

凛「そんな~!」

 

絵里「これから1ヶ月間何とかしないと、ラブライブには出られないって事ね…」

 

絵里の言葉に穂乃果達はこの1ヶ月間に出来る事を考えていると、フミがある事を提案する

 

フミ「作るしかないだろ。新曲を」

 

シュウジ「けど、どうするんだ?」

 

シオン「今からじゃ何のアイディア無しに新曲は作れねーぞ」

 

絵里「いえ、1つだけあるわ。真姫!」

 

真姫「えっ?絵里、もしかして…」

 

絵里「えぇ。合宿よ!!!」

 

ヨウタ「またかよ!?」

 

フミ「ちょっと待て!!急過ぎるだろ!?」

 

ヤヨイ「そうですよ。急に言われても別荘なんて…」

 

シオン「流石に、無理だろ?」

 

真姫「出来なくは無いけど」

 

ヨウタ、フミ、シオン「いや、行けるんかい」

 

そして、μ’sのみんなと合宿する事になった俺達。つーか、本当に別荘貸してくれんのかよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後

 

天気も晴れ。風が心地よい。つーか、よく別荘貸すのに許可降りたよな…

 

ことり「わぁ〜綺麗!」

 

希「空気が澄んでるね〜」

 

凛「やっぱり真姫ちゃんは凄いにゃ!」

 

シオン「山に別荘があるとか漫画かよ」

 

花陽「歌も上手いし完璧だね」

 

真姫「当然でしょ。私を誰だと思ってるの」

 

真姫は凛と花陽に褒められたからなのか、少し照れながら強気に答える

 

にこ「何、自慢してんのよ」

 

真姫「べ、別に自慢して無いわよ」

 

ヤヨイ「2人共、合宿なんだし仲良くして下さい」

 

絵里「ヤヨイの言う通りよ。それに今回は時間が足り無いんだから」

 

絵里とヤヨイが2人の仲裁に入る。ラブライブ に向けての新曲作りの為の合宿だ。悠長には出来ない

 

フミ「おい、ヨウタ」

 

ヨウタ「あ?何だよ」

 

フミ「何でコイツらもいるんだ?」

 

レン「まぁ、俺っちも実質マネージャーみたいなもんだしねぇ〜」

 

ヨウタ「コイツはいつも通りついて来た。けどアイツは知らない」

 

ユウノスケ「俺はその…」

 

凛「お兄さんは凛が誘ったんだ」

 

ユウノスケ「男手が欲しいって頼まれて…」

 

ヨウタ「つーか、お前…緊張してんの?」

 

ユウノスケ「こう言うの初めてだから…」

 

凛「お兄さん。緊張しなくて大丈夫だよ〜」

 

ユウノスケ「けど、俺…コイツら以外の名前知らないし…何なら…お前の名前も…」

 

凛「じゃあ、凛の事は凛って呼んで!」

 

ユウノスケ「俺…ユウノスケって言います」

 

凛「よろしくね!ユウノスケ君!」

 

凛はユウノスケの前に周り両手を握るとブンブンとユウノスケの手をふっていた。たく、何ラブコメかましてんだよ

 

ヨウタ「つーか、前から思ったけどユウノスケって長くねーか?」

 

フミ「確かに少し長いな」

 

レン「ノスケちゃんで良くな〜い」

 

ヨウタ「そう呼ぶのはお前だけだ」

 

凛「え〜ユウノスケ君はユウノスケ君だよ〜」

 

シュウジ「何か楽しそうだな」

 

真姫「まるで子供みたい」

 

希「けど、どうやって知り合ったんやろ?」

 

花陽「あの人、凛ちゃんがよく行くラーメン屋さんの人なんですよ」

 

にこ「凛はともかく、何でアイツらも仲良いのよ?」

 

シオン「まぁ、色々あってな」

 

ことり「色々って?」

 

ヤヨイ「それは…まぁ…」

 

希「すぐ仲良くなれる所がヨウタ君達のええ所なんやない?」

 

シュウジ(何か無理矢理まとめた気がするな)

 

絵里「でも、大丈夫かしら?緊張しているみたいだけど」

 

ヤヨイ「きっと、すぐに打ち解けますよ」

 

シュウジ「そうだな」

 

シオン「なら、俺らも軽く自己紹介と行きますか」

 

そして皆、ユウノスケに自己紹介を終える

 

ヨウタ「よし、自己紹介も終わったし、別荘に急ぎますか?」

 

フミ「そうだな。時間は限られてるし」

 

海未「その通りです」

 

海未も作詞担当なだけあって張り切ってるな。ん?なんか荷物多くないか?つーか、カバンもデケェし…

 

ことり「海未ちゃん。その荷物は?」

 

海未「何か?」

 

シュウジ「何か…デカくないか?」

 

海未「山ですから」

 

フミ「理由になって無いぞ」

 

海未「むしろ、みんなこそ軽装過ぎませんか?」

 

シオン「普通こんなもんだと思うが…?」

 

海未「さぁ、行きましょう!山が呼んでますよ!」

 

海未は1人で張り切ってバス停に向かう

 

絵里「海未って登山マニア?」

 

にこ「前の合宿みたいにならなきゃ良いけど」

 

ヨウタ「ま…まぁ、大丈夫でしょ。それより早くしないとバスが到着するぞ」

 

みんなは改札を通りバス停に向かう。その時だった

 

凛「アレ?」

 

ことり「どうかした?」

 

凛「何か足りて無い気がしないかにゃ?」

 

フミ「忘れ物か?」

 

凛「忘れ物じゃないけど…」

 

凛は何か違和感があったみたいだが、とりあえず改札を出る

 

シオン「全員いるよな?」

 

この時だった。凛が感じてた違和感に気づいたのは

 

ことり「アレ?穂乃果ちゃんは?」

 

みんなで辺りを見渡したが、穂乃果の姿は無い

 

絵里「もしかして、まだ電車に乗ってるんじゃ…」

 

俺達は全員、下車したかと思ったが穂乃果を置いて来たらしい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、数分後。乗り過ごした穂乃果だったが、なんとか到着した

 

海未「たるみ過ぎです!」

 

穂乃果「だってみんな起こしてくれないんだもん!」

 

ことり「ゴメンね。忘れ物確認するまで気づかなくて」

 

ヨウタ「寝てた穂乃果も悪いからな。とりあえず泣くな」

 

俺は穂乃果を慰める

 

ヨウタ「海未もその辺にしとけ。終わった事だ」

 

海未「全く今回だけですよ」

 

一件落着。そして俺達は別荘に向かう。到着すると豪勢な建物が目の前にあった

 

ヨウタ「相変わらず凄いな」

 

フミ「一体、親は何者なんだ?」

 

俺達は別荘の中に入ると驚愕する。部屋の真ん中に1台のグランドピアノ。それに天井には映画なので良く見るお金持ちの家の天井のプロペラ。しかも、暖炉も設備されてる

 

ユウノスケ「凄えな…」

 

シオン「まぁ、初見だとリアクションはそうなるよな」

 

レン「しかも、こんな感じの別荘が海の近くにもあるからねぇ〜」

 

凛「凄いにゃ〜。初めて暖炉見たにゃ」

 

穂乃果「凄いよね〜ここに火をつけよう」

 

ヨウタ「そしてピザを焼こう」

 

真姫「つけないわよ。それにピザも焼かないわよ」

 

穂乃果、凛、ヨウタ「えー」

 

ユウノスケ(多分、暖炉でピザは焼けない気がするが…)

 

真姫「まだ、そんな寒くないでしょ。それに冬になる前に煙突を汚すとサンタさんが入りにくくなるって、パパが言ってたの」

 

穂乃果「パパ?」

 

凛「サンタさん?」

 

俺と穂乃果と凛は互いに顔を見合わせてる。サンタって言ったよな?あのクリスマスのサンタクロースと…

 

ことり「素敵!」

 

海未「素敵なお父さんですね」

 

真姫「ここの煙突は、いつも私が綺麗にしていたの。去年までサンタさんが来てくれなかった事なんて無いんだから」

 

何といえば良いんだろう。ピュアと言うか純粋と言うか…

 

真姫「証拠に暖炉の中を見てご覧なさい」

 

俺と穂乃果と凛は暖炉の中を覗くと、そこには『thank you』と書いてあった。本人が満足なら、これ以上追求するのは辞めとくか

 

にこ「プププ…真姫が…サンタ…」

 

にこが何か言いそうだ。ヤバい気がする

 

絵里「にこ!それはダメよ!」

 

花陽「にこちゃん!」

 

何か察したのか、花陽と絵里が止める

 

にこ「痛っ!何すんのよ!」

 

穂乃果「ダメだよ!それを言ったら重罪だよ!」

 

フミ「それを言うと人生は大きく左右される!?」

 

ヨウタ「そうだ!サンタはいる!」

 

レン「秋葉原のサンタさんは年中無休なんだぞ!」

 

ユウノスケ「おい!変な嘘はつくな!?」

 

にこ「だってあの真姫が…真姫がサンタ…プププ!」

 

これ以上はヤバいと思い俺達はにこを止めにかかる

 

真姫「一体なんなの?」

 

シオン「気にすんな。今年もサンタさんはやって来るさ」

 

シュウジ(相変わらず騒がしい人達だな…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いよいよ合宿で練習に取り組む。ことりは衣装作り、海未は作詞、真姫は作曲、それ以外のメンバーはダンスの練習となる

 

シュウジ「風が心地よいな」

 

シオン「お前にしては珍しい事言うな」

 

希「山はスピリチュアルパワーが全開や〜」

 

花陽「眠くなっちゃいそう」

 

フミ「穂乃果は寝てるぞ」

 

ダンスの練習をしているメンバーは現在、休憩中だが、穂乃果は爆睡している

 

ユウノスケ「これは起こした方が良いんじゃ無いか?」

 

絵里「そうよ、休憩は5分までなんだから」

 

フミ「そういえば、あの馬鹿は?」

 

ヤヨイ「ヨウタ君ならレン君と何処かに行きましたよ」

 

フミ「たく、あの馬鹿共は!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レン「本当に捕まえきれんの〜?」

 

俺はレンと川に来ている。何故かって?モリで魚捕まえよんだよ。さて、この川にいる魚は鮎とかフナか?とりあえず、食えない外来魚だけは勘弁だな

 

ヨウタ「よし、ポイントはここだな」

 

俺がモリを持ち川に入ると、何処からともなく声が聞こえてくる

 

ヨウタ「なんだ?クマでも出たか?」

 

にこ・凛「うわあああぁぁぁ~!!!」

 

ヨウタ「え?ええええぇぇぇー!!?」

 

突然山奥から出てきたにこと凛はそのまま川へ落ちていく

 

ヨウタ「やべーな。レン助けるぞ!」

 

レン「はいよ〜」

 

俺はレンとに落ちた凛とにこを救助した。流れがゆるやかな川で良かった。速かったらどうなっていた事だろうか。俺達2人は凛とにこを連れ別荘に戻る

 

にこ・凛「へ、へっくしゅん!」

 

ヤヨイ「リストバンドを取ろうとして坂から転び川に落ちたなんて…」

 

絵里「無事で済んだけど、急に居なくなったから心配したのよ?」

 

シオン「けど、本当に運が良かったな」

 

穂乃果「凄い!本物の暖炉だ!」

 

ヨウタ「これで魚焼けるか?」

 

ユウノスケ「周りに置けば焼けるとは思うぞ」

 

にこ「ちょっと!少しは心配しなさいよ!」

 

希「静かにしないと。上で作業してるしてるんやし」

 

穂乃果「そっか。アレ?真姫ちゃんは?」

 

穂乃果は辺りを見回しピアノの前に真姫がいない事に疑問を思う

 

シオン「トイレじゃないか?」

 

ヤヨイ「シオン君、少しは言い方を…」

 

花陽「紅茶とクッキーを用意しました」

 

みんなの為に花陽がクッキーと紅茶を持って来てくれた。特に川に落ちた2人の為だろう。冷えたら風邪引くからな

 

ヨウタ「お、サンキュー」

 

俺とフミが先にクッキーに手を伸ばす

 

フミ「美味そうなクッキーだな」

 

花陽「このクッキー。ユウノスケさんが焼いたんですよ」

 

穂乃果「え!嘘!?」

 

ユウノスケ「練習後…小腹空くかと思って…」

 

ヨウタ「いや、これだと余計に喉が渇…」

 

凛「凄いにゃ!」

 

絵里「ユウノスケって料理も出来るの?」

 

ユウノスケ「一応は…作った事無くてもレシピを見れば何となく…」

 

希「将来有望やね。台所に立つ男の人はモテるって言うしなぁ〜」

 

そう言うと希の視線が俺達の方に向く

 

ヨウタ「やっぱり、男はギャップがある方がいいのか?」

 

レン「まぁ、僕は絵里さんをいつでも守れるようにジークンドーやってますから」

 

絵里「ねぇ?今度、私にも作り方教えてもらえる?」

 

ユウノスケ「え?あぁ、大丈夫ですよ」

 

あらら…完全にシカトされてるよ

 

レン「はぁ〜…俺っちも料理教室通おうかな?」

 

フミ「おい、落ち込むな」

 

レン「フミちゃ〜ん。俺っち何の為にジークンドーやって来たのよ〜!!」

 

フミ「うるせー!近づくな!!気持ち悪い」

 

シュウジ「やっぱり、家庭的な男性がモテるんだな」

 

シオン「だからって、お前も料理教室通おうとすんなよ?」

 

シュウジ「いや、俺は料理出来るから」

 

シオン「はぁ?何作れるんだ?」

 

シュウジ「サンドウィッチ」

 

シオン「ただ、パンに具材挟んだだけじゃねーか!」

 

ヤヨイ「皆さん、騒いでいると2階の人に迷惑ですよ」

 

ユウノスケが料理が出来るって事を知り盛り上がっていたが、海未やことりに悪いと思い静かになる

 

穂乃果「それじゃ、海未ちゃん達にも持って行こうよ」

 

ヨウタ「そうだな。息抜きも大事だし」

 

俺と穂乃果で2階にいる海未達に差し入れを持って行くが、やけに静かだ

 

ヨウタ「つーか、何も音しねーんだけど」

 

穂乃果「みんな集中してるんだね」

 

俺と穂乃果は最初に海未の部屋をノックする

 

穂乃果「海未ちゃん、お茶持って来たよ」

 

扉を開け部屋に入るが海未の姿がない

 

穂乃果「アレ?海未ちゃん?」

 

ヨウタ「息抜きに散歩か?とりあえず机に置いとこうぜ」

 

俺と穂乃果は机に紅茶とクッキーを置きに部屋に入ると、そこに1枚の紙が置いてあり何か書かれている

 

ヨウタ「なんだ?探さないで下さい…え!?」

 

穂乃果「ど、どういう事!ヨウタ君!」

 

ヨウタ「と、とりあえず!お、落ち着け!みんなに知らせないと…!!」

 

穂乃果「そ、そうだね。ことりちゃ〜ん!」

 

まずは部屋が近いことりに話さないと!?

 

穂乃果「大変なの!海未ちゃんが…!」

 

ことりの部屋の扉を開けるとことりはいなく壁に『タスケテ』と書かれていた

 

穂乃果「えー!」

 

ヨウタ「なんだよ!コレ!金田一少年の事件簿かよ!?」

 

部屋を見渡すと窓の前にカーテンを繋げたのか長い布が垂らされている

 

ヨウタ「いや…ラプンツェルか…」

 

俺と穂乃果は窓から外を見ると、そこには海未、ことり、真姫の落ち込んでる姿があった。とりあえず別荘に連れて行き詳しく話を聞こう

 

絵里「す、スランプ!」

 

レン「アラレちゃん?」

 

フミ「レン。お前は喋んな」

 

絵里「つまり、今までよりプレッシャーがかかっているという事?」

 

海未「気にしないようにしてたのですが…」

 

ことり「予選敗退になったらどうしようと考えると…」

 

真姫「私はそんなの関係なく進んでたけどね」

 

シオン「いや、譜面真っ白だぞ」

 

真姫「ちょっと!勝手に見ないでよ!」

 

確かに3人にとっては荷が重いよな

 

ヤヨイ「どうします?皆さん」

 

絵里「そうだ!3班に別れましょう」

 

シュウジ「別れるって?」

 

絵里「海未の班とことりの班と真姫の班になりそれぞれ完成させるの」

 

シオン「確かに、そっちの方が効率も良いかも知れないな」

 

絵里「じゃあ、今からクジを作るから待ってて」

 

そして数分後

 

絵里「それでは1人1本引いて頂戴」

 

クジを引き終わるとそれぞれの班が決まった

 

海未の班

希、凛、シュウジ、ユウノスケ

 

ことりの班

穂乃果、花陽、フミ、ヤヨイ

 

真姫の班

絵里、にこ、シオン、レン

 

ヨウタ「ちょっと待て!俺は?」

 

絵里「ごめんなさい。作るの忘れてて…」

 

フミ「お前は勝手に何かしてろ」

 

ヨウタ「いや、おかしーだろ!」

 

除け者になった俺だったが、話し合いの末に穂乃果達の班に入れてもらう事になった

 

 

 

 

 

 

 

 

そして三班に分かれた俺達は互いに別行動を取る

 

シオン「ふぅ〜。やっと完成した」

 

にこ「どうして近くに別荘があるのに外でテント張らなきゃいけないの!」

 

絵里「少し距離取らないと班に分けた意味ないでしょ」

 

にこ「こんなんで作曲出来るの〜?」

 

真姫「私は後でピアノの所に戻るから」

 

レン「絵里さん。僕達はこれからどうします?」

 

絵里「食事でも作ろうかしら。真姫が少しでも進めるように」

 

シオン「頑張ってな」

 

俺は真姫の頭に手を置く。嫌がれると思ったが、満更でもないような顔をしていた。まぁ、気のせいだろう。とりあえず俺と絵里とにこは別荘のキッチンに向かう。レンは魚を取って来ると川に向かったが大丈夫だろうか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、俺達も川の近くにテントを張り衣装作りに励んでいた。因みに穂乃果はテントで爆睡中

 

ヨウタ「しゃあ!川へダーイブ!?」

 

ヤヨイ「ヨウタ君、流れには気を付けて下さいよ」

 

ヨウタ「分かってる!魚捕まえて来るから待ってろよ!」

 

俺はモリを持ち再度、水中に潜る

 

花陽「ことりちゃん。どう?進みそう?」

 

ことり「ひと息ついたら少し、イメージ湧いて来たよ。それは?」

 

ことりは花陽が持っていたカゴに入った花を見て質問する

 

花陽「綺麗だなと思って。同じ花なのに1つ1つ色や形が違ったり、みんなそれぞれ個性があるの。今回の曲のヒントになるといいな」

 

ことり「ありがとう花陽ちゃん」

 

フミ「どうだ?なんか思いついたか?」

 

ことり「フミ君、丁度ひと息ついた所だよ」

 

フミ「そうか、なら良かった」

 

ヤヨイ「それにしても風が気持ち良いですね」

 

花陽「なんだか、眠くなっちゃうね」

 

フミ「寝てても良いよ。疲れてるだろ?」

 

ことり「フミ君達も一緒に寝ようよ。せっかくだから」

 

フミ「誘いは嬉しいが、コイツが溺れないか見張りが必要だ。戻って来たら休憩するよ」

 

ことり「そっか…」

 

少し残念がる、ことりの顔を見ると可哀想だとは思うが仕方がない。あの馬鹿を放ってはおけん

 

ヤヨイ「フミ君、僕達はどうします?」

 

フミ「あの馬鹿が溺れないか見張って置いてくれ。俺は葉っぱと枝を集めてくる」

 

アイツの事だ。捕まえた魚を焼くとか言い出すからな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

他のみんながテントを張り、それぞれの任された事をしている中、もう1つの班は…

 

凛「にゃああああ!?」

 

ユウノスケ「何で…何で俺まで…」

 

海未「凛!絶対に手を離してはなりません!」

 

凛「今日はこんなのばっかりにゃ〜!!」

 

希「ファイトが足りんよ!」

 

シュウジ「お先に失礼」

 

ユウノスケ(何で、アイツは余裕なんだよ)

 

なんとか5人共ひと通り登り終えた頃、空は暗くなろうとしている

 

ユウノスケ「はぁ…!!死ぬかと思った…」

 

希「雲がかかって来た。山頂までは無理やね」

 

シュウジ「マジかよ…」

 

海未「ここまで来たのに…」

 

凛「酷いにゃ!凛はこんな所全然来たくなかったのに!」

 

海未「仕方ありません。今日はここで明け方まで待って、翌日アタックをかけましょう」

 

シュウジ「山頂アタックだな」

 

ユウノスケ「待て!待て!流石にキツいぞ!?」

 

凛「まだ行くの!?」

 

海未「当然です!なにしにここに来たと思ってるのですか!」

 

凛「作詞に来たハズにゃ〜」

 

海未「ハッ!」

 

凛「まさか、忘れてたの!」

 

海未「そ、そんな事はありません!山を制覇し成し遂げだという充実感が創作の源になると私は思うのです」

 

希「まあまあ海未ちゃん。気持ちは分かるけどここまでにしといた方がええよ」

 

海未「ですが…」

 

希「山で1番大切なのは何か知ってる?チャレンジする勇気やない。諦める勇気。分かるやろ?」

 

海未「希…」

 

希「凛ちゃん下山の準備。夕食はラーメンにしよう」

 

凛「本当!?」

 

希「下に食べられる草いっぱいあったよ。海未ちゃんも手伝って」

 

海未「は、はい」

 

ユウノスケ「それにしても、やけに色んな事詳しいよな」

 

凛「謎にゃ?」

 

シュウジ「よし、みんな降りるぞ」

 

何で俺は合宿連れてこられて登山させられてるんだ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

辺りは暗くなり夜が訪れる。その中で俺っち達は焚き火で明かりを灯す

 

レン「お魚さ〜ん。焼けたかな〜?」

 

にこ「シオンは寝ちゃったの?」

 

真姫「色々と慣れない事して疲れたみたい」

 

レン「確かにヨウちゃんやフミちゃんと比べると体力無さそうよねぇ〜」

 

絵里「ね、ねえ…」

 

絵里さんが空を見て2人に何か聞く

 

絵里「このままだと、火を消したら真っ暗よね…」

 

真姫「何?マズいの?」

 

絵里「そんな事無いけど…ちょっとだけ待っててね」

 

絵里さんはテントの中に入りランプを点灯させる。暗いのが怖いって絵里さんにも可愛い所あるんだなぁ〜

 

真姫「絵里にあんな弱点があったなんてね」

 

にこ「この歳になって暗いのが怖いなんてね」

 

真姫「全く3年生の為に曲考える身にもなってよ」

 

にこ「今なんて言った?」

 

真姫「え?」

 

にこ「今、3年生の為にって言ったでしょ!?」

 

真姫「だったら何よ!?」

 

にこ「そうだじゃ無いかと思ってたのよね」

 

何か真剣な表情で話し始めたな。いいねーアオハルだね〜

 

にこ「曲はいつも、どんな時もみんなの為にあるのよ」

 

真姫「な、なに偉そうに言ってるのよ」

 

にこ「部長だもん。当たり前でしょ」

 

にこはそう言うと、焚き火で焼いていた焼き芋を取り出した

 

真姫「それは?」

 

にこ「焼き芋よ。焚き火といったら焼き芋でしょ?はい」

 

真姫「うわぁ!あっち!あちちちっ!ふーふー…」

 

というか、いつの間に焼いてたんだ?

 

真姫「はい」

 

にこ「えっ?あ、ありがとう…」

 

2人が焼き芋を食べ始めると、テントの中か絵里さんが顔を出す

 

絵里「どうかしたの?」

 

にこ「食べたわね?食べた以上はにこを1番目立つようにしてよ?3年生なんだし!」

 

真姫「何それ?台無し!」

 

シオン「うるせ〜な…何事だ?」

 

レン「お、シオンちゃん起きた〜?って、何で絵里さんと同じテントにいるの!?」

 

俺っちは絵里さんがいるテントにシオンちゃんが寝ていた事を知りシオンちゃんに突っかかる

 

にこ「何が台無しなのよ!」

 

真姫「台無しだから台無しなのよ!」

 

にこ「何ですって!?焼き芋返しなさい!」

 

レン「シオンちゃ〜ん。何で絵里さんと同じテントで寝てんのかな〜?」

 

シオン「別に良いだろ?俺が何処で寝ようと。つーか、魚焦げるぞ」

 

レン「今は魚より、こっちの方が大事ナリ〜」

 

みんなのやりとりを見ていた絵里さんは自然と笑っていた。俺っちはその笑顔にまたもや心臓を撃ち抜かれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、野郎を除いた穂乃果班は露天風呂があると聞いて夜空を眺めながら露天風呂を満喫していた

 

ことり「こんな所にお風呂があったなんて~…」

 

花陽「はぁ~、気持ち良い~…」

 

穂乃果「なんか眠くなっちゃうね~…」

 

ことり「また~?」

 

露天風呂に入って気持ちよさそうに入っていた穂乃果達だったが、ことりと花陽は衣装作りの事でまだ頭がいっぱいだった

 

花陽「他の皆、今ごろどうしてるかな?」

 

ことり「ん~どうだろう?私、まだできてないよ……」

 

穂乃果「できるよ!だって9人もいるんだよ!?」

 

ことり・花陽「穂乃果ちゃんっ!?」

 

いきなり風呂から上がり始めた穂乃果の姿を目撃したことりと花陽は驚きの声をあげる

 

穂乃果「誰かが立ち止まれば誰かが引っ張る。誰かが疲れたら誰かが背中を押す。皆が少しずつ立ち止まったり、少しずつ迷ったりして、それでも進んでるんだよ!」

 

穂乃果はそうことりと花陽に向かって励ますような言葉を言うと、再び風呂の中に入る

 

穂乃果「だからきっとできるよ。ラブライブの予選の日はきっと上手くいくよ!」

 

ことり「うん!」

 

花陽「そうだね!」

 

そして、俺はと言うと…

 

ヨウタ「レンがいると風呂でも覗こうってなるけど、お前らとだとな〜?」

 

ヤヨイ「当たり前ですよ。覗きなんて誰もやりたがりませんよ」

 

フミ「そのやらない事をやるのが、コイツら馬鹿なんだよ」

 

ヨウタ「けど、見たいだろ?お前ら2人もことりと花陽の…」

 

フミ「テメェ、もういっぺん言ってみろ?」

 

フミは俺にチョークスリーパーを喰らわしドスの効いた声で言う

 

ヨウタ「悪い…冗談だ…だから離してくれ…」

 

フミ「次言ったら容赦しねーからな」

 

ヨウタ「はぁ〜死ぬかと思った…お、ギターあるじゃん」

 

フミ「懐かしいな。まだ弾けるのか?」

 

ヨウタ「一応な。お前は?」 

 

フミ「俺も一応は」

 

ヤヨイ「え?2人共、ギター弾けるんですか?」

 

フミ「中学の頃覚えてな」

 

ヨウタ「高校行く為には特技が無いといけねぇって話になってな。練習したんだよな。因みにレンはドラムやってた」

 

フミ「俗に言う高校デビューって奴だ」

 

ヤヨイ「何か聞いてすいません…」

 

ヨウタ「良いって事よ」

 

フミ「1回貸してくれねーか?」

 

ヨウタ「ほらよ」

 

フミ「この感じ懐かしいな」

 

フミはそう言ってチューニングを始めギターを弾き出した

 

ヤヨイ「結構、上手いですね」

 

フミ「ある程度の曲なら弾けるぜ」

 

ヨウタ「じゃあ、俺が歌いたいから今夜はブギー・バック弾いてくれ」

 

俺がリクエストするとフミはギターを弾き俺がそれに合わせて歌い出す。なんとも懐かしい気分だ。俺とフミは穂乃果達が風呂から上がるまでギターを弾き歌い続けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、海未の班。テントから寝袋を出して夜空に映っていた星空を眺めている

 

凛「キレイだにゃ~…」

 

希「星はいつも自分を見てくれている。星空 凛って言うくらいやから、星を好きにならないとね?」

 

海未「星座に詳しいんですね」

 

シュウジ「希は一番どの星が好きなんだ?」

 

希「そうやねぇ…印象に残ってるのは南十字星かな」

 

ユウノスケ「漫画でしか聞いた事ない正座ですね」

 

希「ふふっ。ペンギンさんと一緒に見たんやけどね」

 

ユウノスケ「南極に行ったんですか!?」

 

希の発言に俺達は驚きの声を上げると、希は夜空を見て何か見つける

 

希「あ、流れ星!」

 

凛「どこどこ!?」

 

希「南に向かう流れ星は物事が進む暗示」

 

海未「希…」

 

希「1番大事なのは本人の気持ちよ?」

 

希は海未に向かってウィンクをするとテントの中に入っていった

 

凛「あーあ、流れ星見損なったにゃ~…」

 

海未「いいえ。流れ星なんて最初からありませんでしたよ?」

 

すると、別荘の方からピアノの音色が聞こえて来る。海未は別荘の方へと向かうと、そこには海未と同じようにピアノの音色が聞こえたことりもやってきた。

 

海未「ことり…」

 

ことり「海未ちゃん…」

 

海未とことりはピアノの音色が聞こえた別荘の窓から見ると、そこにはピアノを演奏していた真姫の姿があった

 

真姫「いつもどんな時も全員の為にか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、別荘に明かりがついており、みんな別荘に集まる事になった。別荘では3人がソファで寝ており手元には完成した歌詞と衣装のイラストが書かれていた。真姫のピアノの前にも完成したノートが置いてある

 

穂乃果「ことりちゃん達出来たんだね」

 

フミ「そうみたいだな」

 

シオン「けど今は休ませてあげるか」

 

絵里「そうね。でも起きたらすぐ練習よ」

 

ヤヨイ「3人ともお疲れ様」

 

ヤヨイは3人に毛布をかける。そして数時間後3人が目を覚ますと練習が始まった。こうして合宿2日目が始めりラブライブ優勝に向けて新曲の練習をするのであった

 

 

つづく

 




因みにユウヤとマサが不在なのは
マサは私用
ユウヤは追試


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第28話

なんか、更新ペース上がってるな
良い事だ
一時期の更新頻度少なかったのは
スランプとリアルが忙しかっただけだ


合宿が終わり数週間が過ぎ、ラブライブに向けて練習中のμ's

 

ヨウタ「これがラブライブの公式サイトか」

 

俺とフミ。それと花陽、絵里、穂乃果はラブライブのホームページを閲覧している。凄いなキャピキャピとしてるというか…とりあえず派手な画面だ。花陽がパソコンを操作し画面を切り替える。そこには色々な舞台画像が写っていた

 

穂乃果「これは?」

 

フミ「何々、各地の予選ステージと書いてあるな」

 

花陽「今回の予選は参加チームが多いから会場以外の場所で歌う事も認められてるの」

 

穂乃果「え!そうなの!」

 

絵里「それはルールブックにも載っている事よ。なんで穂乃果が知らない?」

 

絵里は困ったような顔で穂乃果に質問する

 

穂乃果「いや〜。文字読むのが苦手で」

 

フミ「本当に穂乃果がーダーで大丈夫か?」

 

ヨウタ「つーか、予選ステージ以外の場所で歌う時はどうするんだ?」

 

花陽「その場合はネット配信で生中継。そこからライブを観てもらうんです」

 

穂乃果「全国…凄いや!」

 

ヨウタ「そうとなれば作戦会議だな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達は部室に戻りラブライブの予選の事を話した。そして作戦会議が始まり改めてラブライブの説明を海未から聞く

 

海未「本線に勝ち上がる為には上位4組に入らなければなりません」

 

フミ「上位4組か…」

 

シュウジ「厳しいな」

 

ヤヨイ「特にここは1番の激戦区。狭き門です」

 

花陽「そして、なんと言っても…」

 

みんながパソコンの方へ向けると、そこにはA-RISEの姿が映し出されていた

 

ヨウタ「コイツらがA-RISE」

 

にこ「すでに4組の人枠は決まったもの同然ね」

 

フミ「すると、残り3枠に入らないといけないのか」

 

穂乃果「大丈夫!ポジティブに考えよう!残り3つもあるんだよ!」

 

ヨウタ「そうだな!よし、それじゃ学校からライブ中継で盛り上げるとしますか!」

 

シオン「少し気が早いぞ。お前」

 

ヤヨイ「それよりも学校でライブをやるんですか?」

 

ヨウタ「その方がいいだろ?ライブを披露する場所は何処でも良いんだし」

 

穂乃果「ヨウタ君の言う通りだよ。ここなら緊張しなくて済むし、自分達らしいライブが出来ると思うんだ!」

 

にこ「甘いわよ、2人共!」

 

穂乃果「えっ?なんで?」

 

花陽「にこちゃんの言う通りだよ。中継の配信は1回勝負だから、やり直しは出来ないの。失敗したら、そのまま全世界の目に晒されて…」

 

にこ「それに目新しさも必要となるのよ!」

 

ヨウタ「目新しさなら俺達の学校も…」

 

にこ「なら外に出てみるわよ」

 

俺らは会議を終え外に出た

 

ヨウタ「なんつーか…普通の学校です。ハイ…」

 

フミ「目新しさと言ってもどうするんだ?」

 

凛「例えば奇抜な歌とか衣装とか」

 

シュウジ「とりあえず奇抜な衣装ならあるぞ」

 

何かシュウジが衣装を持ってきたので俺は着てみる事にした

 

ヨウタ「フハハハ!お前も蝋人形にしてやろうか!って違う!?」

 

シュウジ「奇抜と思ったんだが?」

 

ヨウタ「なんで閣下なんだよ!」

 

シュウジ「じゃあ他に何があるんだ?」

 

ヤヨイ「一体、何処から持って来たんですか…?」

 

確かに奇抜だが何で聖飢魔IIの格好すんだよ!

 

シオン「とりあえず衣装どうするんだ?奇抜なのは海未は着たくないみたいだが」

 

シオンの目線の先にいる海未を見ると体育座りで落ち込んでる。というより絶望というか、弱気というか…

 

希「ならセクシーな衣装とか?」

 

希がにまにましながら答えると海未はフリーズした

 

海未「私は嫌です!」

 

そう言うと海未が逃げ出した

 

シュウジ「逃げたな」

 

穂乃果が逃げだ海未を捕まえる

 

海未「離してください!私は嫌です!」

 

穂乃果「誰も着るとは言ってないよ!」

 

にこ「ふんっ!私もやらないわよ!」

 

凛「またまた~。部長には誰もお願いしてないにゃ~」

 

にこ「そのようなこと言ったら抓るわよ!」

 

凛「もう抓ってるにゃ~!」

 

やれやれ、どうなる事やら…

 

真姫「ていうか、そんなことをしている間にやる事があるでしょ?」

 

穂乃果「やる事?」

 

シオン「って、なんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真姫が俺達を連れて行った場所は学校の放送室であった。そこには、真姫と同じ1年生の放送部員がいた

 

穂乃果「本当に!?」

 

ヨウタ「放送室を使わせてくれるのか?」

 

女子生徒「はい。お昼の放送でよければ構いませんよ」

 

真姫からの提案によると、お昼の放送を使ってライブ出場の宣伝する練習を考えていたという

 

フミ「なるほど、学校なら失敗しても大丈夫だし外に漏れる心配もないな」

 

シオン「それに、みんなの応援してもらえば心強いしな」

 

海未「確かに、それはいい考えだと思いますが…」

 

真姫の提案を聞いていた海未は少し賛成派だったが、凛と花陽は真姫の提案を聞いて口を開く

 

絵里「どうしたの?」

 

凛「真姫ちゃんが同じクラスの子と仲良くなるなんて…」

 

花陽「びっくり…」

 

シオン「確かに意外だな」

 

真姫「べ、別に!ただ日直が一緒になって少し話しただけよ!!///」

 

真姫は顔を赤くしながら答えるとそれを聞いていた凛と花陽は少し笑っていた

 

ヤヨイ「あっ、そういえば。この中で誰がライブの宣伝は誰がするんですか?」

 

シオン「そうだな。全員でやるのも長くなるしな…」

 

フミ「大丈夫だ。もう3人決まっている」

 

穂乃果「えっ、誰なの?」

 

フミ「海未、花陽、そして穂乃果。お前らがやれ」

 

にこ「ちょっと待ちなさいよ!なんでこの3人なのよ?」

 

フミ「リーダーと本番で一番緊張する奴が適しているだろ?だから選らんだんだ」

 

海未「な、ななな、何を言っているので、ででで、ですかフミ!?そ、そんな訳な、ななな、ないじゃないですか!ねぇ、花陽?」

 

花陽「ええっ!?そ、そそそ、そうだよ!き、ききき緊張なんかしないよ!」

 

ヨウタ「すっげぇ緊張してんじゃん…」

 

フミの提案により穂乃果、海未、花陽の3人で昼休みの放送のライブ発表を行うことになった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、昼休みの時間が入り校内の放送から初めに穂乃果の声が鳴り響く

 

穂乃果「皆さん、こんにちは!私、生徒会長の…じゃなくて、μ’sのリーダーをやっています。高坂穂乃果です!実は、私たちまたライブをやるんです。今度はラブライブ優勝を目指す目標でいます。みんなの応援が私たちにとって必要なんです。ライブ、絶対に来てくださいね!高坂穂乃果でした!」

 

穂乃果の挨拶からの校内放送を聞いた生徒達は軽く笑顔で頷いていた

 

穂乃果「そして、他のメンバーも紹介します!って、あれ?」

 

穂乃果は後ろにいる海未と花陽を紹介しようとしていたが、2人はかなりの緊張をしていた

 

ヨウタ「頑張れ、海未!花陽!」

 

ヤヨイ「2人共、頑張って下さい」

 

海未「は、はい!あ、あの…園田海未役をやっています…園田海未と申します…」

 

シオン(いや、何だよ…その自己紹介)

 

花陽「あ、あの…μ’sのメンバーの小泉花陽です…す、好きな食べ物はご飯です…」

 

フミ(ダメだ…花陽も緊張して小声で途中から何言ってるかさっぱり分からんな)

 

真姫「ねぇ、ちょっとボリューム上げてくれる?」

 

女子生徒「うん」

 

真姫は放送部の女子生徒に放送のボリューム音を上げさせるように頼むと、放送部の女子はボリューム音を上げた

 

花陽「ライブ…皆さん、見に来て下さい…」

 

凛「おーい!声、もっと出して!こーえー!」

 

ヨウタ「聞こえねぇぞ~!」

 

俺と凛が花陽の声の大きさに聞こえずに小声で言うが、それを聞いた穂乃果が聞き間違えてマイクに向かって大声をあげると、校内放送を聞いていた生徒達は耳を塞いで倒れてしまう

 

 

理事長「何?爆発!?」

 

その頃、校内放送を聞いた理事長は耳を塞いでいた

 

フミ「あー!もう見てられん!」

 

フミがそう言うとズカズカと放送室に入りマイクの前に立つ

 

フミ「アイドル部のマネージャーのフミです。お見苦しい所も御座いましたが、ラブライブ優勝目指して行きますので是非、我々の活躍を応援よろしくお願い致します」

 

ヨウタ「おーいフミ、かたっ苦しい。そんなんじゃ俺の肩に来るし」

 

フミ「何、勝手に入って来てんだ?つーか駄洒落つまんねーよ。赤点」

 

ヨウタ「おお。かまへんかまへんその調子でcome again」

 

フミ「いや、ガキの使いやらあらへんで…」

 

ヨウタ「良いね。じゃあ行くぞ!黒板、下駄箱、チョーク、スリッパ」

 

フミ「いじめっ子達にチョークスリーパー?」

 

ヨウタ「おぉ苦しいか?まだ降伏しない?」

 

フミ「じゃあ、時に愛の鞭、往復ビンタ?」

 

シオン「おい!お前ら!何やってんだ!?」

 

ヨウタ「はぁ?この方が印象あるだろ?」

 

シオン「誰もテメェらの漫才を聞きたくねーんだよ!?」

 

シュウジ「けど、印象に残るなら悪く無いんじゃないか?」

 

シオン「印象に残るのとふざけるのは違げーんだよ!?」

 

シュウジ「じゃあ、やり直そう」

 

シオン「お前は馬鹿か!今本番中なんだよ!?」

 

真姫「もうっ!何やっているのよ!」

 

女子生徒「でも、μ’sらしくていいんじゃない?」

 

真姫「それって褒め言葉?」

 

穂乃果「あはは、ごめん…」

 

ヤヨイ「本当にこれで大丈夫なんでしょうか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無事に?昼休み放送を終えた俺達は放課後ライブする場所を考えていた

 

ヨウタ「んー…何処でやるべきか?」

 

絵里「学校だと殆どライブやっちゃったしね」

 

ことり「同じ場所だとどうしても目新しさが感じられないよね…」

 

穂乃果「う〜ん…」

 

ヨウタ「あー!考えてると腹減った。今から飯食いに行こうぜ」

 

フミ「お前、何言ってんだ。今はそれ所じゃ無いだろ」

 

ヨウタ「考えても何も出ねーなら気分転換でもするべきだろ?」

 

フミ「お前な…」

 

希「けど、ヨウタ君の言ってる事もあながち間違って無いんやない?」

 

フミ「しかし…」

 

ヨウタ「そうと決まれば早速行きますか」

 

俺はスマホを取り出しユウノスケに電話する

 

ヨウタ「もしもし、今から大人数行ける?」

 

シオン(アイツらはいつの間に仲良くなったよだ?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨウタ「うぃ〜す」

 

ユウノスケ「いらっしゃい」

 

ヨウタ「あれ?あの2人もいると思ったが」

 

ユウノスケ「あの2人は親父の買い出しに連れてかれた」

 

ヨウタ「なるほど」

 

凛「来たよ〜!ユウノスケ〜!?」

 

ユウノスケ「はい、らっしゃい」

 

絵里「ここがユウノスケのラーメン屋ね」

 

フミ「アイツのって言うかアイツの親父の店だがな」

 

シオン「それと意外にラーメンは美味い」

 

ユウノスケ「意外には余計だ」

 

ヨウタ「とりあえず、ラーメン人数分」

 

俺が人数分のラーメンを注文するとユウノスケは順番よくテーブルに運ぶ。手際良いな…コイツ

 

ユウノスケ「ライブやる場所ね〜?」

 

花陽「そうなんです。学校は殆どライブやっちゃって目新しいさが無くて…」

 

フミ「何か良い案無いか?」

 

ユウノスケ「この街でライブとかやって見たら良いんじゃねーか?」

 

ヨウタ「おー!それはナイスアイディア」

 

シオン「お前にしては良い案だな」

 

ユウヤ「さっきから一言余計だ」

 

にこ「アンタ達、何言ってんのよ?」

 

ヨウタ「めっちゃ良い案だと思うけどな」

 

ヤヨイ「2人共、秋葉はA-RISEの膝元です」

 

にこ「下手にライブをしたら、喧嘩売っているようなものよ」

 

ユウノスケ「そうか…悪いな。頼りになれなくて」

 

穂乃果「ううん。私達の為に考えてくれてありがとね」

 

ユウノスケ「俺で良かったら協力するから何かあったら言ってくれ」

 

コイツ、出会った時より随分と丸くなったな

 

フミ「ありがとな。よし、これからライブのステージでも決める為、街でもブラつきますか」

 

俺達はラーメンを食い終え秋葉の街へと向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達は街を歩いているとUTX学園へとたどり着く。するとモニターが映し出されA-RISEが新曲の発表を始めていた

 

シオン「A-RISEも新曲を出したのか」

 

シュウジ「向こうもやる気みたいだな」

 

俺達がモニターに注目していると穂乃果の目の前に1人の女子高生が現れる

 

???「高坂さん!」

 

穂乃果「えっ?」

 

穂乃果の目の前に現れた人物は、先ほどUTX学園のモニターにA-RISEが映っていたメンバーの1人、綺羅ツバサであった

 

穂乃果「あ…ああああ!!A-RISE…!」

 

ツバサ「しっ!こっちに来て!」

 

穂乃果「ええっ!?ちょっ、ちょっと!」

 

ツバサは穂乃果の手を握って走り出すと、それを偶々目の当たりをした花陽はツバサの姿を見て急に走り出した

 

凛「か、かよちん!?どこ行くの~!!?」

 

花陽「い、今のは絶対!」

 

にこ「ツバサよね!?」

 

ツバサの姿を見た花陽とにこはツバサの後を追うように走り出してUTX学園の中へと入って行く。そして同じく同じ光景を見た俺達は…

 

シオン「オイ!アレ!」

 

シオンが俺達に声を掛け指を指す

 

ヨウタ「アレはA-RISE!え?その後ろには…穂乃果!」

 

シュウジ「とりあえず追うぞ!」

 

なんで2人が一緒にいるんだ!?喧嘩でも売るんか!?宣戦布告か!?

 

フミ「建物の中に入ったぞ!」

 

シュウジ「俺達もカチコミに行きますか」

 

そう言って俺達も建物内へと向かう

 

ヤヨイ「み、皆さん!?ちょっと待って下さい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、UTX学園内では穂乃果を連れ出してきたツバサ、そしてA-RISEの残りのメンバー2人である優木あんじゅ、統堂英玲奈がいた。

 

ツバサ「改めて初めまして。私はA-RISEのリーダー、綺羅ツバサです」

 

ツバサが自己紹介をすると、ツバサを追いかけに来た花陽とにこもやって来てA-RISEの姿に驚愕する

 

花陽「あ、あの…サ、サイン下さい!」

 

にこ「あっ!ズルいわよ花陽!わ、私にもください!」

 

ツバサ「ふふ、いいわよ」

 

花陽とにこがツバサにサインを要求すると、それを見ていたツバサは笑顔で応えてくれた

 

穂乃果「でも、どうして?」

 

ツバサ「それは前から知ってたからよ、μ’sの皆さん。ねぇ、今時間あるかしら?」

 

穂乃果「えっ?は、はい!」

 

ヨウタ「ちょっと待てぇ!」

 

穂乃果「え!ヨウタ君!」

 

フミ「お前らμ'sに何の用だ?」

 

シオン「宣戦布告か?上等だよ」

 

シュウジ「売られた喧嘩なら俺達が買いますよ」

 

ヤヨイ「いきなり失礼ですよ!?みんな!!」

 

 

にこ「そうよ!?口の聞き方には気を付けなさいよ!!」

 

ツバサ「賑やかな人達ね。とりあえず中でゆっくり話しましょ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達はA-RISEに学園内へと案内される。案内された先は食堂だろうか?それにしても広いな

 

ツバサ「UTX学園にようこそ。ここはカフェスペース。ゆっくりしていってね」

 

俺達はソファの席へと案内され腰を下ろし、もてなされた紅茶を口する

 

ツバサ「μ’sの皆さんとは1度挨拶したいと思っていたのよ。そして高坂穂乃果さん!」

 

穂乃果「は…はい!」

 

ツバサ「やっぱり映像で見るよりはるかに魅力的ね!」

 

英玲奈「人を惹き付ける魅力。カリスマ性とでも言えばいいのだろうか。9人でいてもなお輝いている」

 

ツバサが言うと英玲奈が説明を加えた

 

ツバサ「私たちね、ずっとあなた達の事を注目していたのよ」

 

ツバサの言葉に穂乃果達は驚きの声を上げる

 

あんじゅ「実は前回のラブライブで1番のライバルになるんじゃないかって思っていたのよ」

 

絵里「そ、そんな」

 

ツバサ「あなたもよ」

 

絵里「えっ?」

 

照れた様子に絵里はあんじゅの言葉を否定しようとするもそうツバサに言われ口を紡ぎ、英玲奈が絵里について話した

 

英玲奈「絢瀬絵里。ロシアでは常にバレエコンクールの上位だったと聞いている」

 

あんじゅ「そして西木野真姫は作曲の才能が素晴らしく、園田海未の率直な詩ととてもマッチしている」

 

ツバサ「星空凛のバネと運動神経はスクールアイドルとしても全国レベルだし、小泉花陽の歌声は個性が強いメンバーの歌に見事な調和を与えている」

 

英玲奈「牽引する穂乃果の対となる存在として9人を包み込む包容力を持った東條希」

 

ツバサ「それにアキバのカリスマメイドさんまでいるしね」

 

ツバサはことりを見てカリスマメイド「ミナリンスキー」の事を言われると、ことりは少し驚いた様子だった。A-RISEの3人から次々と発せられた情報に穂乃果達は驚きで言葉が返せず、口を開けて聞いていた

 

ツバサ「そして矢澤にこ…」

 

ツバサはにこの名前を呼ぶと、にこは緊張した面持ちをするとツバサは微笑みながら話す

 

ツバサ「いつもお花ありがとう。昔から応援してくれてるよね。凄く嬉しいよ!」

 

にこ「えっ!いや…その…」

 

ツバサの言葉を聞いた穂乃果達は驚愕すると同時に、にこを見るとにこは動揺してるようだった

 

絵里「にこ、そうだったの?」

 

希「知らんかったんやけど」

 

にこ「い、いや~μ's始める前からファンだったから~って、そんな事はどうでもよくて、私の良い所は!?」

 

にこはA-RISEの3人の方を向いて勢いよく聞くとその質問にツバサが答える

 

ツバサ「そうね。グループにはなくてはならない小悪魔ってところかしら」

 

にこ「はわわ~♡小悪魔…」

 

ツバサの言葉ににこは感激した様に両手を胸の前で合わせて悶えている

 

フミ「少しいいか?」

 

ツバサ「ええ」

 

フミ「何故μ’sをそこまで知る必要がある?それに何の為にここに呼んだ?」

 

ツバサ「答えてあげるわ。えっと?」

 

ヤヨイ「そういえば僕達の自己紹介がまだでしたね。僕はヤヨイです」

 

フミ「俺はフミ」

 

シオン「シオンだ」

 

シュウジ「シュウジです。よろしくお願いします」

 

ヨウタ「俺はヨウタ。でお前らの名前は?」

 

ヤヨイ「ヨウタ君、ちょっと失礼ですよ!?」

 

ヨウタ「いや、俺達が名乗ったなら名乗るのが礼儀だろ?」

 

ヤヨイ「いや、そうじゃなくて…」

 

ツバサ「本当、面白い人達ね。綺羅ツバサよ」

 

あんじゅ「私は優木あんじゅ」

 

英玲奈「私は統堂英玲奈」

 

ツバサ「君達はμ'sの親衛隊か何か?」

 

フミ「いえ、一応マネージャーです」

 

ツバサ「そうだったのね。ごめんね、勘違いして」

 

ツバサは少し笑いながら俺達に謝罪する

 

ツバサ「話を戻すと、これだけのメンバーが揃っているチームはそうはいない。だから注目もしていたし、応援もしていた。そして何より…負けたくないと思っている!」

 

ツバサの今の言葉に先程まで妙な空気が緊迫感へと変わる

 

海未「でも、A-RISEは全国1位で…」

 

あんじゅ「それはもう過去のこと」

 

英玲奈「私たちはただ純粋に、今この時、1番お客さんを楽しませる存在でありたい。ただそれだけ…」

 

ツバサ「μ’sの皆さん、お互いに頑張りましょう!そして私達は負けません!」

 

ツバサはそう言ってソファーから立ち上がり部屋から出ようとしていた

 

穂乃果「あのっ!」

 

穂乃果がそう言ってソファーから立ち上がると、それにつられた俺達も立ち上がりA-RISEの方を見る

 

穂乃果「A-RISEの皆さん!私たちも負けません!今日はありがとうございます!」

 

穂乃果の突然の宣言にツバサは一瞬驚きで目を見開くも、すぐに笑みを浮かべて返す

 

ツバサ「ふふっ。あなたって面白いわね」

 

あんじゅ「ねぇ、まだラブライブ予選のライブ会場まだ決まってないよね?」

 

穂乃果「は、はい!」

 

英玲奈「今日のライブで私たちA-RISEはここUTX高校の屋上でやるつもりだが、使う気はないか?」

 

英玲奈の言葉に穂乃果達は驚愕の声をあげる

 

穂乃果「やります!!ここでライブをさせて下さい!!!」

 

穂乃果の一言により俺達は驚愕する。たく、今日は何回驚かされるんだよ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日が経ち、ラブライブの一次予選東京地区が開催された。そして俺達はライブ会場となるUTX学園の屋上にいる

 

穂乃果「おお~!すごい!!」

 

シオン「すげぇ…高いな」

 

希「ウチらの学校とは大違いやね…」

 

ヤヨイ「ヨウタ君。大丈夫ですか?」

 

ヨウタ「ダメ…無理…」

 

シュウジ「アイツ…どうしたんだ?」

 

フミ「アイツは昔から高い所が苦手なんだよ」

 

シュウジ「成程。骨粗鬆症って奴か」

 

シオン「それを言うなら高所恐怖症な」

 

穂乃果「ヨウタ君。大丈夫?」

 

ヨウタ「ごめん…もう駄目だ…」

 

穂乃果が心配そうに俺の顔を覗き込むが俺涙目では顔を真っ青にしながら倒れそうになる

 

フミ「たく、仕方ねーな」

 

フミが俺の所に駆け寄ると肩を担ぎ上げ、室内へと運ぶ

 

フミ「コイツを運ぶからライブの準備は任せた。それと希、穂乃果、そろそろ衣装に着がえろよ。みんなもう着替えて準備しているぞ」

 

穂乃果・希「はーい!」

 

その頃、UTX学園内にある更衣室では海未達がライブ用の衣装を着替えて準備をしていた。

 

凛「あっ、可愛いにゃ~!」

 

にこ「当たり前でしょ。今日が勝負なんだから」

 

凛「よし、やるにゃ!」

 

にこは鏡の前で両サイドの髪をお団子ヘアーに纏めたのを見ていた凛はにこを見て可愛いと思うと、気合いを露わにした

 

絵里「みんな、何も心配することはないわ。とにかく集中しましょう」

 

ことり「でも、本当に良かったのかな?A-RISEとライブするなんて…」

 

絵里「一緒にライブをやろうって決めてから2週間集中して練習出来た。だから、私はこれで良かったと思っている」

 

絵里がそう話していると、ツバサ達A-RISEが入って来て場の空気が変わった。それと同時に更衣室に穂乃果と希が入って来る

 

穂乃果「ツバサさん、こんにちは!」

 

ツバサ「こんにちは。いよいよ予選当日ね。今日は同じ場所でライブが出来て嬉しいわ。…予選突破を目指してお互い頑張りましょう!」

 

穂乃果「はい!」

 

ツバサは穂乃果の前に手を差し出すと、穂乃果はツバサの手を握って握手をした。それから数十分後ラブライブ一次予選東京地区が開始され、まずは1番手のA-RISEがライブを披露する事となる

 

 

Shocking party

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、A-RISEのライブが終わりUTX学園前のモニターを見ていた観客達は声援と拍手を上げていた。穂乃果達もA-RISEのライブを見て思わず拍手をする

 

ヤヨイ「す、凄いですね…」

 

凛「直に見るライブ…」

 

花陽「全然違う…やっぱり、A-RISEのライブには私たち…」

 

ことり「敵わない…」

 

海未「認めざるを得ませんね…」

 

A-RISEのライブを目の当たりした海未達の表情は曇り始めた。だが、穂乃果だけは誰よりも暗い表情にはなっていなかった

 

穂乃果「そんなことない!!」

 

海未「穂乃果…」

 

穂乃果「A-RISEのライブが凄いのは当たり前だよ!せっかくのチャンスを無駄にしないように私たちも続いていこうよ!!」

 

穂乃果の言葉に海未達は先ほどの曇った表情が一変して笑顔へと変わった。そして、全員は円陣を組み始める

 

穂乃果「A-RISEはやっぱり凄い。でも、私たちは今日に向けてたくさんの練習を積み重ねてきた…。だから今からその成果をお客さんたちに見せつけてやろうよ!今日はその練習の成果をすべて吐き捨ててこよう!!」

 

フミ「それでこそ、穂乃果だなってアイツは言うだろうな」

 

ヤヨイ「皆さん。頑張って下さい!」

 

シュウジ「当たって砕けろだな」

 

シオン「いや、砕けたら駄目だろ」

 

穂乃果「よーし!みんないくよ!μ’s!!!ミュージックー…」

 

ヒデコ「穂乃果ー!」

 

穂乃果はいつものようにμ’sコールをかけようとすると、入口の方向からヒデコの声が聞こえてきた。

 

穂乃果「みんな…!!」

 

フミコ「ヨウタ君達が呼びかけてくれて来たの!」

 

ミカ「頑張って!応援しているよ!」

 

ヒデコ、フミコ、ミカに続いて音ノ木坂の生徒ほとんどがを駆け付けてきてくれた大勢の応援団が来てくれていた

 

フミ「よし、そろそろライブ…」

 

ライブを始めようとすると俺のスマホが鳴り出した

 

フミ「たく、レンの野郎。つーかビデオ通話かよ」

 

俺は渋々レンの電話に出る事にした

 

レン「いえ〜い!フミちゃ〜ん!見てる〜!?」

 

フミ「何だ?今からライブ始まるんだが?」

 

レン「ちょっと待ってよ。じゃじゃーん!?見てよコレ!」

 

スマホに映し出されたのは大繁盛しているラーメン屋だった

 

レン「ノスケちゃん。ちょっと、ちょっと」

 

レンに呼ばれるとユウノスケがスマホの画面に現れた

 

レン「はい、説明して」

 

ユウノスケ「親父に頼んでスポーツバーみたいにライブの中継映像をテレビに繋いで客呼んだら繁盛するって話したら即OKもらってよ。スゲーだろ?みんな応援してるぜ」

 

ユウヤ「そのせいで俺もバイトで手伝いに駆り出されたわ!?つーか、テメェらアイドル部のマネージャーやってたのかよ!?」

 

ユウヤも来てたのかよ。コイツ本当に入り浸ってるんだな

 

フミ「悪りぃ。お前には話して無かったな」

 

ユウヤ「まぁいいや。この借りは今度返せよ」

 

フミ「バイト代入るから良いだろ」

 

レン「じゃあ、そう言う事でね〜。絵里さんに俺っちが見守っているよって伝えておいてね☆」

 

そしてレンとの通話が切れる。最後のは無視しとくか

 

フミ「お前ら、レン達がライブ頑張れってさ」

 

シオン「俺もリョウヤとタクマから連絡来て、ライブ中継見ながら応援してるって言われた」

 

穂乃果「みんな…ありがとう…さあ、みんな行こう!」

 

 

 

ユメノトビラ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

μ’sのライブが終え、俺達と応援に駆けつけてくれたヒデコ達は拍手を送った。きっと連絡して来た奴らも同じ事してるだろうな。こうして、μ’sの一次予選のライブは終え、練習の成果を出し尽くした穂乃果達は夜空に輝く星を見つめていた

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨウタ「あーシンド…」

 

俺は目の上に濡れタオルを乗せ室内に設置されていた4人掛けの椅子に倒れていた

 

???「まだ、苦しそうだけど大丈夫?」

 

ヨウタ「少しは良くなりましたが、まだシンド…て、ええ!?」

 

俺が目の上に乗せていたタオルを避け顔を見るとそこにはツバサがいた

 

ツバサ「フフッ、そんなに驚く事?」

 

ヨウタ「いや、それりゃそうでしょ!?つーかライブは!?」

 

ツバサ「終わってみんな着替えていると思うわ」

 

ヨウタ「そ、そうか…」

 

ツバサ「それより、隣いいかしら?」

 

ヨウタ「ど、どうぞ…」

 

俺の隣にツバサは腰掛ける。何ですか?この状況は…

 

ツバサ「少し貴方に聞きたい事があるの」

 

ヨウタ「な、何ですか?」

 

俺は緊張してるのか知らねーが、辿々しく話していた

 

ツバサ「どうして、貴方がμ'sのマネージャーやってるのかなって?」

 

ヨウタ「それはどう言う意味ですか?」

 

ツバサ「質問も質問で返さないで」

 

ヨウタ「わ、悪りぃ…」

 

怒られたか?俺は頭を少しかき呼吸を整えて言葉を続けた

 

ヨウタ「何で不良がマネージャーやってるのか?って聞きたいんだと思うが、ただ単純な事だ。穂乃果に誘われたんだ」

 

俺の返答が意外な事だったのかツバサは目を丸くして俺の方を見る

 

ヨウタ「元々、学校なんてつまんねーと思ってたんだが、穂乃果に『だったら自分で楽しくしてみたらいいじゃん』って言われてよ。最初はつまんなかったら辞めるつもりだったけど…」

 

ツバサ「今は楽しいのね」

 

ヨウタ「まぁ、そう言う事だな」

 

ツバサ「なんだか貴方の事、もっと知りたくなっちゃった」

 

ヨウタ「え?」

 

ツバサ「ねぇ?今度2人の予定が空いていたら私と遊びに行かない?」

 

ヨウタ「はぁ!?おいて、それってよ…」

 

ツバサ「何ってデートだけど?」

 

いや、普通に答えるんですね

 

ツバサ「それとも、私とデートするのは嫌なの?」

 

ヨウタ「いや、別に嫌では無いが…」

 

ツバサ「じゃあ、連絡先交換しましょ」

 

俺はツバサと連絡先を交換した。何か上手く口車に乗せられた気がするが…

 

ツバサ「予定が空いてる日があるなら連絡してね。私も連絡するから」

 

そう言うとツバサは俺の元から去って行く

 

ヨウタ「何だよ…この展開は…」

 

俺は再び目の上に濡れタオルを乗せ横になった




最後のシーンはマジで悩んでた。けど、1年前に友人と話していて書く事にした。その話をヨウタとフミで再現する

フミ「そろそろ恋愛絡みのシーン増やそうぜ」

ヨウタ「少女漫画とか見てネタ増やそうとしてるが思い付かないんよね」

フミ「ツバサと穂乃果とお前の三角関係とかは?」

ヨウタ「いや、俺がハーレムとか嫌いなの知ってるだろ?」

フミ「なんだよ。それ書けねーならラブライブ要素要らねーだろ」

ヨウタ「それを言うなよ」

フミ「もう、ラブライブ要素抜いてバスケ要素入れようぜ」

ヨウタ「不良がバスケするのは、もうそれはスラムダンクなんよ」

フミ「じゃあ、早くろくでなしブルースとプリキュアのクロスオーバー書けよ」

ヨウタ「書くか!品性が問われる」

フミ「お前が品性語ってるんじゃねーよ!」


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第29話

キャラクター紹介

ユウヤ(苗字募集)

ヨウタ達と出会う前は
家庭環境が原因で捻くれていた
しかし、ヨウタ達と出会う事で
友情が芽生え良くつるむようになる
現在はユウノスケのラーメン屋で
バイトとして雇われている
単位はギリギリだったが
なんとか取り返したらしい

好きな食べ物
唐揚げ

嫌いな食べ物
ハムやスパム等の加工肉

愛車
KAWASAKI ZRX400


場所は音ノ木坂学院のアイドル研究部。穂乃果達はラブライブの一次予選突破を確認するためにパソコンを開いた

 

花陽「い、いよいよだね…」

 

ことり「緊張してきた…」

 

穂乃果「うぅ…心臓が飛び出しそうだよ!」

 

ヨウタ「トランキーロ。焦んなよ」

 

フミ「なんで急に内藤の真似した?」

 

パソコンの前で花陽が操作しているところを見ていた穂乃果、ことりはかなり緊張しており、横には海未が耳を塞ぎながら震えていた

 

海未「終わりましたか?終わりましたか?」

 

絵里「まだよ」

 

海未「誰か答えて下さい!」

 

シオン「だから、まだ結果出てねーよ」

 

真姫「それじゃ聞こえないでしょ?」

 

海未とシュウジのやりとりに真姫がそう言うと、椅子に座っていたにこは緊張しているのか体を震えながら机の上に置いてあるイチゴのジュースを取ろうとしていた

 

にこ「そ、そそそそうよ!予選突破ぐらいで…な、ななな何ビビってんのよ…」

 

フミ「いや、お前が一番ビビっているけど…」

 

ヤヨイ「希さんの占いなら、結果とか少し分かったりすしますか?」

 

希「そうやね。カードによると…」

 

穂乃果「よると?」

 

希は手元のタロットカードで占うと、希の表情は困った顔になっていた

 

穂乃果「あー!やっぱり聞きたくない!」

 

花陽「来ました!」

 

にこ「うあ!」

 

にこが握っていたイチゴのジュースが溢れ出す穂乃果達は今はそんなことは気にしなかった

 

花陽「最終予選に突破した4チーム。1チーム目は…A-RISE!」

 

シュウジ「やはりA-RISEか」

 

花陽「2チーム目は…East Heart。3チーム目は……Midnight Cats」

 

花陽が3位のチームまで読み上げると、穂乃果達は期待していたが少し落ち込んでいた

 

フミ「最後は?」

 

花陽「そして最後の4チーム目は…ミュー」

 

「ミュー…?」

 

花陽ちゃんが4位のチームの最初の文字を溜めるように伸ばし、穂乃果達もそれにつられて伸ばす

 

花陽「Mu……tant Girls!」

 

花陽が告げた名前を聞いた穂乃果達。μ’sの名前は無かった。よって穂乃果達はラブライブ一次予選落ちとなった

 

海未「そんな…私たち…」

 

ことり「予選に落ちちゃったってこと…?」

 

穂乃果「そんな…」

 

穂乃果達はその事実を受け入れないままその場に崩れ落ちていった

 

穂乃果「そんなぁ~~っ!!!」

 

穂乃果は叫びながら泣き崩れると、他のみんなももそれに続いて泣き崩れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「…っていう夢を見たんだよ」

 

………

 

穂乃果以外のみんながフリーズしていた

 

穂乃果「えっ?」

 

夢なんかーいっ!!!

 

そう。ただの夢だった…安心たが、今日結果発表なのは変わりは無い。穂乃果の夢の話が終わり、穂乃果達はパソコンを開いて一次予選突破の確認を開始する

 

花陽「それにしても、生々しい夢だよね…」

 

ことり「本当だよね…」

 

穂乃果「ていうかさ…今夢と同じ状況だし~!!」

 

そう、穂乃果が見ていた夢が今現在。同じ光景になっている。海未は耳を塞ぎながら震えており、にこはビビリながらイチゴジュースを持っており、希もタロットカードを見ながら困った顔となる。正に穂乃果の夢の通りらしい

 

穂乃果「そうだ!にこちゃん。そのジュース、一気飲みして!」

 

にこ「なんでよ!?」

 

穂乃果「なんか変えないと正夢になっちゃうよ~!!」

 

シオン「落ち着け、こんくらいで騒ぐな」

 

花陽「来ました!」

 

穂乃果が見ていた夢の通りににこが握っていだジュースが噴き出した。正夢の通りだ。穂乃果達はパソコンを見て、花陽は一次予選突破の4チームを読み上げていく。1チーム目はA-RISE、2チーム目はEast Heart。3チーム目はMidnight Catsと夢と同じだった

 

穂乃果「ダメだよ…終わりだよ…」

 

ヨウタ「諦めんなよ。花陽、最後の4チーム目はなんだ?」

 

花陽「は、はい!最後の4チーム目は、ミュー…」

 

ミュー…

 

花陽「ズ」

 

…えっ?

 

花陽「音ノ木坂学院高校スクールアイドルμ’sです!」

 

穂乃果「μ’sって私たち…だよね?」

 

ヨウタ「石鹸のミューズじゃないよな?」

 

真姫「当たり前でしょ!」

 

ヨウタの問いに真姫はすかさずツッコむと、パソコンの画面からμ’sの名前を見た穂乃果達は喜びを露わす。そして、穂乃果達は飛び出してして部室から出て行った

 

海未「ど、どうなったのですか?」

 

耳を塞ぎながらいた海未が周りを見渡すと、部室には海未と俺達5人しか残っておらず、何も分からなかった海未だったが、校内放送からμ’sがラブライブ一次予選突破の知らせを聞いて安堵の表情を浮かべていた。それから数分後、ラブライブ一次予選突破に喜んでいた穂乃果達だったが、次の最終予選に向かって練習を開始しようとしていた

 

絵里「次の最終予選は12月。そこでラブライブに出場出来る1チームが決まるわ」

 

シュウジ「勝てば念願のラブライブに出場出来るわけか」

 

花陽「でも、A-RISEに勝たなきゃいけないなんて…」

 

穂乃果「今は考えても仕方ないよ。とにかく頑張ろう!」

 

花陽の不安な発言に穂乃果は励ましの言葉を言うと、メンバー全員は軽く頷いた

 

海未「その通りです。そこで来週から朝練の時間を1時間早く開始したいと思います。その他にも休みの日には基礎のおさらいを行います」

 

凛「凛、1時間も早く起きれるかな~?」

 

海未の言葉に凛は不満気な声を漏らした

 

絵里「練習は嘘をつかない。ただ闇雲にやればいいという訳じゃない。質の高い練習をどれだけいかに集中してやりこなせるか、ラブライブ出場はそこにかかっているわ」

 

絵里の言葉に穂乃果達は勇気付けられたように笑顔に頷いた

 

穂乃果「よーし!じゃあみんな行くよ!ミュー…」

 

ことり「待って!誰か一人足りてない気がする…」

 

ヨウタ「え?全員いるだろ?」

 

ことりが1人いないと疑問を感じて指で人数を数えていくと、人差し指を出した瞬間に思い出した

 

にこ(ちゃん)っ!!!

 

にこの存在に誰も気付かなかったが、穂乃果達は急いで校門へと降りると、そこには制服姿で帰る途中のにこがいた

 

穂乃果「にこちゃ~ん!」

 

にこ「うっ!大声で呼ばないでよ!びっくりするじゃない!!」

 

ヨウタ「いや、びっくりしたのは俺達だよ。なんで黙って帰るんだよ?」

 

にこ「いやその…今日はちょっと用があるの。それより、最終予選近いんだから気合い入れて練習頑張りなさいよ!」

 

穂乃果「はい!」

 

にこの言葉に穂乃果は強く返事すると、にこはそのまま校門から出て行って帰って行った

 

ヨウタ「アレ?なんか可笑しいような?」

 

シュウジ「アイツ帰ったぞ」

 

フミ「おい、行っちまったぞ!」

 

凛「どうするにゃ?」

 

穂乃果「追いかけよう!!」

 

俺達は穂乃果の案に驚愕し急いで制服へと着替えにこの跡を追う事になった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらコードネームスネーク。こちらコードネームスネークただ今、にこの尾行をしている

 

シオン「スネーク様子はどうだ?どうぞ」

 

ヨウタ「こちらスネーク。特に気づかれてないぞパンダ。ガムはどうだ?どうぞ」

 

シュウジ「こちらガム。こっちも特に怪しまれてる様子はない。数式はどうだ?」

 

フミ「こちら数式。コチラも警戒はされてない。どうぞ」

 

俺達はサングラスを掛けトランシーバーでやり取りをしている。尾行は気づかれないように後を付けるのが義務だ。顔も見られてはならない

 

真姫「ちょっと、気が散るんだけど」

 

ヨウタ「こちらスネーク。真姫に怒られた。どうすれば良いか?パンダ?どうぞ」

 

シオン「こちらパンダ。とりあえず鞄の中のペロキャンでもあげたら喜ぶぞ。どうぞ」

 

真姫「そんな物で喜ばないわよ! 」

 

ヤヨイ「何でサングラスにトランシーバー?それと何処から持って来たんですか?」

 

海未「どうして4人共近くにいるのに、わざわざ回りくどい事をしてるんですか?」

 

シオン「尾行にはサングラスとトランシーバーは付き物だろ」

 

海未「全く、貴方達はもう少し真面目にしたらどうですか?」

 

フミ「こう言う祭り事だからハジけるんだろ」

 

海未「ことりも何か言ってやって下さい」

 

ことり「楽しそうにしてるから良いんじゃないかな?多分止めても効かないと思うよ」

 

ヨウタ「よく分かってるな」

 

海未「しょうがないですね」

 

俺達が下らない事をしていると、にこは辺りを見回しスーパーに入店する

 

凛「お店に入っちゃったよ?」

 

ヨウタ「周辺を見回して入店したな?万引きするのか?」

 

ヤヨイ「なんで、そう言う発想になるんですか?」

 

シオン「ここでちょっと様子を見るか?」

 

真姫「それより、なんで追いかけるのよ?」

 

穂乃果「だって怪しいんだもん!まさか、ここでバイトしているとか…」

 

穂乃果の言葉に俺達はにこがバイトしている姿を想像すると、あまりにも違和感が無かった

 

凛「はまり過ぎだにゃ~」

 

フミ「いや待て。違うみたいだ」

 

フミがスーパー内にいるにこを見てみると、にこが買い物カゴを持って買い物をしていた

 

ヨウタ「普通に買い物しているな」

 

穂乃果「なんだ。ただの夕飯のお買い物か~」

 

海未「でも、そんなことで普通練習を休むのでしょうか?」

 

ことり「ラブライブ出場に向けて、気合いが入っているはずなのに…」

 

海未とことりの言葉を聞いた穂乃果達は益々にこの行動に怪しさを感じていた

 

花陽「よっぽど大事な人が来ている…とか?」

 

真姫「どうしても手料理を食べさせたい相手がいる…とか?」

 

ことり「にこちゃんが!?」

 

花陽「ダメです!それはアイドルとして一番ダメなパターンです!」

 

穂乃果「え?それってなんの話?」

 

花陽が立ち上がり声を張り上げて否定するも、穂乃果は話の内容が分からず首を傾げている

 

凛「μ'sメンバー矢澤にこ。練習を早退して足早に通うマンションとは!?」

 

花陽に続き、凛も口に手を当てて、まさかの事態を声に出す。声が響いたのか、にこは玄関の外を見て、俺達ががいることをにこは確認した。そして俺達とにこは目が合ってしまう。するとにこは買い物カゴを置いて走り出す

 

ヨウタ「あ!逃げたぞ!」

 

シオン「しゃーない。追いかけるか」

 

俺達はにこを追いかける。逃走していったにこはスーパーの裏口から出て行こうとしていたが、そこには絵里が足止めにかかっていた

 

絵里「さすがにこ、裏口から回るとはね」

 

絵里を見たにこは驚いて2、3歩後ろに下がると背後には希がいて、希はにこの胸をワシワシしようとしていた

 

希「さあ~、大人しく訳を聞かせて~」

 

危険を察知したにこは希の手から屈みこんで脱出して、希達の元から離れて再び逃走していった

 

ヨウタ「希!絵里!にこ来なかったか!?」

 

絵里「さっきまでいたんだけど、逃げられたわ」

 

ヨウタ「よし!追うぞ!まだ近くにいるはずだ!」

 

俺達はにこを探す。周辺を散策していると、ふと、立ち止まりアイドルショップ前のアイドルのパネルに見が行く。すると端の所に、にこがいることに気が付いた

 

にこ「に、にっこにっこにー!」

 

俺にバレてにこは再び逃走する

 

ヨウタ「待て!!」

 

俺はトランシーバーを取り出し、他の3人に伝える

 

ヨウタ「こちらスネーク。にこが逃げたパンダお前からが近い。そのまま捕まえろ」

 

シオン「任務了解」

 

にこが逃げた所にシオンが待ち構える。そしてにこはシオンと出くわした

 

シオン「ターゲット確認。任務を遂行する」

 

シオンはにこを追う

 

ユウヤ「さてと、ゴミ出し終わったら帰るか」

 

ユウヤはユウノスケのラーメン屋でバイト作業であるゴミ出しをしていた時、にこが通り過ぎる

 

ユウヤ「ん?確かアイツって…」

 

ユウヤが逃走中のにこを見ていると、急にシオンが突進して来た

 

ユウヤ「はぁ!?うあぁ!」

 

盛大に転んだユウヤはポリバケツをひっくり返す

 

シオン「悪りぃ!」

 

ユウヤ「イテテ…何やってんだ!てめぇ!」

 

シオン「ちょっと、諸事情でな」

 

ユウノスケ「おい、どうした?スゲー音したけど?」

 

ユウノスケが視線を向けた先は衝突した時に吹き飛んだゴミの残骸だった

 

シオン「悪い。俺も手伝う。こちらパンダ緊急事態が発生した。ガム、俺の代わりに任務は任せた」

 

シュウジ「了解。さて、行きますか」

 

シオンの代わりにシュウジがにこを追う

 

にこ「アンタ達、しつこいわよ!」

 

シュウジ「なら、大人しく捕まれ」

 

にこは必死にシュウジから逃げる為、路地裏に入る

 

シュウジ「こちらガム。今路地裏に入って行った」

 

ヨウタ「了解。よし、俺達も行きますか」

 

フミ「よし、2人で取り押さえるぞ」

 

俺とフミで待ち構え、にこが現れた所を2人で挟みうちにする

 

にこ「何よ!アンタ達まで邪魔をするの」

 

ヨウタ「堪忍しな」

 

そう言って俺はにこの腕を掴んだ

 

ヨウタ「逃がさないぞ」

 

にこ「いや、離して!誰かー!」

 

ヨウタ「大人しくしろ」

 

俺はにこを捕まえ、逃げようとするにこは必死に抵抗する。すると誰かに肩を叩かれる

 

ヨウタ「いま、丁度捕まえた所だ」

 

フミが肩を叩いたかと思い俺は振り返ると、そこには警察官が2人立っていた

 

ヨウタ「え!?」

 

フミ「お巡りさん。あの人が女子校生を追っかけてました」

 

あのヤロー!また裏切ったな!俺は誤解を解くまでも無く連行された

 

フミ「ヨウタ。強くなれ」

 

色々とあり、俺達の作戦は失敗に終わったのだ。にこを見失ってしまった穂乃果達は疲れた様に肩を落とし、近くの小さい広場に移動した

 

穂乃果「結局逃げられちゃったね」

 

シオン「けど、どうして逃げるんだ?」

 

真姫「にこちゃん、意地っ張りで相談とかほとんどしないから」

 

凛「真姫ちゃんに言われたくないにゃ」

 

真姫「うるさい!///」

 

凛の発言を聞いた真姫は凛に向かって頬を赤くしながら怒鳴りつけた

 

穂乃果「家に行ってみる?」

 

海未「押し掛けるのですか?」

 

穂乃果「だって、そうでもしないと話してくれそうにないんだもん…」

 

絵里「でも、家が何処にあるのか私たちも知らないのよ」

 

絵里の発言を聞いた穂乃果達は俯いていた。その時、花陽は橋の向こう側に向かって驚いた声をあげた

 

フミ「花陽、どうしたんだ?」

 

花陽「あれ…」

 

花陽が指を指した方向には、にこと同じような髪型をした身長小さめの女の子であった

 

穂乃果「にこちゃん!?」

 

シュウジ「けど、小さくないか?」

 

シオン「そうか?遠いから小さく見えるんだろう」

 

凛「そうだよ。にこちゃんは3年生の割に小さ…小さいにゃ~!!!」

 

???「あの…何か?」

 

凛の叫びに足を止め、首を傾げて見つめる少女。凛は慌てた様子を見せると、少女は凛達を見てふと思い出したような声を出す

 

???「もしかしてあなた方、μ’sの方たちでは…?」

 

穂乃果「えっ?もしかして私たちの事を知ってるの?」

 

???「はい!」

 

穂乃果の問いに少女は返事をすると、少女の口から意外な言葉が発せられた

 

こころ「はい!お姉様がいつもお世話になっております。矢澤こころです!矢澤にこは私のお姉様です」

 

「ええええぇぇぇーっ!!?」

 

その場にいた俺達は驚愕した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨウタ「よし、ようやく解放された」

 

勘違いされ連行された俺は交番で事情聴取を終わり、無事に誤解が解ける

 

ヨウタ「たく、それにしても何処に言ったんだ?」

 

俺はテキトーにみんなを探しながら街を歩ていると、とある奴に出会った

 

ヨウタ「ん?アイツは?」

 

俺は珍しく1人で歩いているマサの元に駆け寄った

 

ヨウタ「何してんだよ?マサ」

 

マサ「何だ、ヨウタか。それにしても1人とは珍しいな」

 

ヨウタ「お前がそれ言うか?ユウノスケのラーメン屋には行かないのか?」

 

マサ「今から行こうとしてたんだが、お前もか?」

 

ヨウタ「いや、俺は色々とあって、他の奴ら探している」

 

マサ「そうか。じゃあな」

 

ヨウタ「待て!お前、暇だろ?なら手伝え」

 

マサ「暇では無いんだが」

 

ヨウタ「ラーメン屋に行っても何もしねーだろ。それなら俺とアイツら探すの手伝え」

 

マサ「なら、スマホで連絡取ってみろ」

 

ヨウタ「それはナイスアイディア。つーかコイツの存在を忘れていたぜ」

 

マサ「コレで解決だな」

 

ヨウタ「待て!どうせ暇なんだろ?なら俺らに付き合え」

 

俺はフミに連絡し何処にいるのか聞き出した後、マサを無理矢理連れて行く事にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、にこに妹がいると知った穂乃果達は、現在なぜか建物の物陰に隠れている

 

希「にこっちに妹がいたなんて…」

 

真姫「しかもにこちゃんとは違って礼儀がいい」

 

凛「まるで正反対にゃ」

 

シオン「親戚のガキの間違いじゃないのか?」

 

みんなはにこに妹がいた事にすごく驚いており、性格も礼儀正しい事にも違いすぎて疑っている程だ

 

ヤヨイ「けど、なんでこんな所に隠れなきゃいけないんですか?」

 

僕は何故隠れるのかをこころちゃんに質問する

 

こころ「静かにしてください!」

 

ヤヨイ「ご、ごめんね」

 

こころ「こっちはいませんね?そっちはどうですか?」

 

こころは同じように周りを見張っていた海未に話しかけていた

 

海未「人はいないと思いますが…」

 

こころ「しっかりと見てください。相手はプロです!どこに隠れているのか分かりませんから!」

 

穂乃果「プロ?」

 

こころは車の端から人がいないか確認していた

 

こころ「ホラ。あそこの2人組なんて怪しいですよ」

 

こころが目で穂乃果達に合図をする。その視線の先にはヨウタとマサが歩いていた

 

マサ「確か、この辺だと思うがな?」

 

ヨウタ「本当に当たってるのか?」

 

穂乃果「おーい!ヨウタくーん!」

 

俺がみんなを探していると、穂乃果が手を振って合図を出してくれた。合流出来たのは良いが、何で隠れてるんだ?

 

ヨウタ「見つかって良かった」

 

絵里「ヨウタ。この人は?」

 

ヨウタ「そう言えば、絵里と希は合ってなかったか?マサだ。ユウノスケと同じ学校で良くラーメン屋にいる」

 

絵里「絢瀬絵里よ。よろしくね」

 

希「ウチは東條希。よろしくねマサ君」

 

マサ「よろしく…お願いします…」

 

ヨウタ「それと気になってたのは…この子は?」

 

フミ「にこの妹だ」

 

ヨウタ「え!嘘!」

 

こころ「はじめまして。矢澤こころです」

 

マサ「こころ?お前こころなのか?」

 

こころ「えっと?お兄様は?」

 

マサ「そっか、覚えてないよな。あの時はまだ小さかったもんな」

 

こころ「私の事をご存じ何ですか?」

 

マサ「4、5年前は良くこころの家に遊びに来てたんだが覚えてないか?」

 

こころはマサの顔をジッと見つめると、何か思い出したような顔をした

 

こころ「ひょっとしてマサお兄様ですか!?」

 

ヨウタ「マサ…お兄様…!?」

 

フミ「どう言う事だ!?」

 

こころ「お兄様!お久しぶりです!?」

 

数年ぶりの再会にこころは嬉しかったのかマサに抱き付き喜悦する

 

マサ「思い出したか!?」

 

マサも嬉しいのか、こころの頭をワシャワシャと撫でる

 

ヨウタ「俺、アイツがあんなって喜んでんの初めて見たかも知れない」

 

フミ「奇遇だな俺もだ」

 

シオン「同感だ」

 

ヤヨイ「僕もです」

 

シュウジ「アイツもあんな風に喜ぶんだな」

 

普段は無口で喋ったと思ったら相槌しかしないマサが饒舌になってるのを見て俺達は困惑する

 

マサ「それにしても、随分と大きくなっな」

 

こころ「お兄様も逞しくなられましたね」

 

そう言いながらマサはこころを肩に乗せ持ち上げていた

 

絵里「小さい子を肩に乗せるなんて…」

 

穂乃果「それに片方の腕だけで…」

 

凛「す、凄いにゃ…」

 

フミ「戸愚呂弟かよ…」

 

ヨウタ「シオン。お前よくアイツに喧嘩勝てたよな」

 

シオン「俺も今、お前と同じ事考えていた」

 

マサの姿を見てみんな驚愕していた。いや、今はそんな場合じゃねーよ

 

ヨウタ「そ、それよりも何で隠れてるんだ?」

 

こころ「決まってるじゃないですか。誰かに後をつけられない為です」

 

花陽「もしかしてにこちゃん誰かに狙われてるとか?」

 

こころ「何言ってるんです?マスコミに決まってるじゃないですか!」

 

俺達の頭にはハテナマークが浮かんでいる。何を言っているんだ?この子は?

 

こころ「パパラッチですよ!特にバックダンサーの皆さんは顔がばれているので危険なんです」

 

ヨウタ「バックダンサー?」

 

真姫「誰の事よ?」

 

バックダンサーというこころの発言を聞いた俺達は一体何の事か問いかける

 

こころ「スーパーアイドル矢澤にこの“バックダンサー”μ’s!」

 

ちょっと、何言ってるか分かんないだが…

 

こころ「いつもお姉様から聞いてます。お姉様から指導を受けてアイドルを目指しているのですよね?」

 

こころの話を聞いた穂乃果達は顔を合わせて、今までここに来るまでの行動の意味が分かったような表情を見せていた

 

シュウジ「なるほどな」

 

海未「状況が読めてきました…」

 

真姫「忘れてたわ。相手はにこちゃんだもんね」

 

こころ「頑張ってくださいね!ダメはダメなりに8人集まれば、なんとかデビューくらいはできるんじゃないかってお姉様が言ってましたから」

 

ヨウタ「何というかな…」

 

フミ「呆れて言葉が出ない」

 

ヨウタ「因みに、俺達の事なんて言ってたの」

 

こころ「仕事の出来ない、マネージャー4人と雑用って言ってました!あまり、みんなに迷惑掛けたら駄目ですよ」

 

ん?雑用?5人の内1人雑用!?純粋無垢な子供に何教えてんだ?あのヤロー…!!

 

シオン「ドンマイ。雑用」

 

ヨウタ「はぁ!?俺かよ!」

 

シュウジ「お前しかいないな」

 

フミ「どっから、どう見ても雑用はお前だ」

 

ヨウタ「フザケンナよ!」

 

ヤヨイ「すいません。僕もこの意見は否定出来ないです」

 

ヨウタ「何でテメェら!やるってのか!上等だよ!フルボッコにしてやんよ!」

 

こころ「そんな顔しないでください!スーパーアイドルのお姉様を見習って…いつも“にっこにっこにー”ですよ?」

 

姉のにこと同じように妹のこころも『にっこにっこにー』をやっていた。子供に喧嘩止められるとは見っともないな…俺…

 

絵里「こころちゃん?」

 

こころ「はい?」

 

絵里「ちょっと…電話させてくれる?」

 

こころ「はい!」

 

絵里はにこに電話したが一向に電話に出ず。やっと電話に出たかと思えば録音で、その録音を聴いて、みんなが怒りを露わにしたのは言うまでも無い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、俺達はこころに家を案内してもらい、ついでにお邪魔する事にした

 

穂乃果「ここがにこちゃんの家…」

 

マサ「懐かしいな」

 

こころはテーブルの椅子に座ってμ’sの顔が貼られていたモグラを叩くゲームで遊んでいた3歳ぐらいの男の子の名前を教えてくれた

 

こころ「こちらが弟の虎太郎です」

 

虎太郎「バックダンサ~…」

 

ことり「あはは、こんにちは…」

 

ヤヨイ(鼻水垂れてる…)

 

マサ「こんにちわ。何してるんだ?」

 

マサは虎太郎に挨拶をすると一緒に遊び出す

 

こころ「お姉様は普段、事務所が用意したウォーターフロントのマンションを使っているのですが、夜にはこっちに戻ってきます」

 

シオン「何だよ?そのウォーターフロントって…大体何処にあんだよ?」

 

こころ「もちろんそれは秘密です。マスコミに嗅ぎつけられてら大変ですから」

 

こころがここまで話すと言う事は恐らく、にこの話を完全に信じているんだろうな

 

花陽「なんでこんなに信じちゃってるのかな?」

 

海未「μ’sの動画などを見れば、私たちがバックダンサーではないと分かるはずなのですが…」

 

海未の言葉通り、μ’sが歌っているところの写真や映像を見せればバックダンサーじゃないと理解出来るはずだが、何故かこころはそれを気付いていない

 

ことり「ねぇ虎太郎くん。お姉ちゃんの歌っているところとか見た事ある?」

 

虎太郎「あれ~」

 

ことりが虎太郎に聞くと虎太郎は手に持っているピコピコハンマーを持ちながらあるポスターを指す

 

ヨウタ「ほう、ポスターも飾って…ん?」

 

フミ「なんか、おかしくねーか?」

 

シュウジ「あれ合成だな」

 

シュウジの言う通りμ’sのポスターは穂乃果がセンターのはずが、貼ってあるポスターはにこと顔が入れ替わっていた

 

シオン「これは、アイツの部屋を調べる必要があるな」

 

ことり「虎太郎君。お姉ちゃんの部屋はどこかな?」

 

虎太郎「あそこ〜」

 

虎太郎が指差す部屋に入ってみると、その部屋にも先程のポスターと同じように顔を交換してあるポスターが何枚も貼ってあった

 

絵里「わざわざこんな事まで…」

 

穂乃果「涙ぐましいというか…」

 

すると玄関が開く音がしたのを聞いた穂乃果達は玄関の方に向かう。そこには帰ってきたのはにこの姿があった

 

にこ「あ、あんた達…」

 

穂乃果「にこちゃん!」

 

こころ「お帰りなさいお姉様!バックダンサーの方々がお話があると…」

 

にこ「そ、そう…」

 

海未「申し訳ありません。すぐに済みますのでよろしでしょうか?」

 

すると海未の表情はニコニコした表情から怒りを露わにした表情へと変わる

 

にこ「あ…えっと…。こころ、私今日、仕事で向こうのマンションに行かなきゃだから…じゃあ!」

 

海未「逃げた!」

 

危険を感じたにこはそう言って買い物の荷物を置き、玄関から飛び出して逃走していった。それに気付いた海未達は後を追う

 

ヨウタ「待ちやがれ!?さっきはよくも警察に俺を売ったな!?」

 

にこ「なんで何度も逃げなきゃいけないのよ!ていうか、なんでヨウタが一番怒ってんのよ!?フミだって裏切ったでしょ!」

 

ヨウタ「そうだった!?くたばれ!!フミー!」

 

フミ「なぁ…!?」

 

俺はフミに飛び蹴りをお見舞いする

 

ヨウタ「これで、アイコにしてやんよ」

 

シオン「おい、馬鹿!今は仲間割れすんな!?」

 

にこは追いかけてくる俺達から逃げようとエレベーターに乗ろうとしたが、そこから2人目の妹の矢澤ここあが家に帰ろうとしていた

 

ここあ「あっ、お姉ちゃん!」

 

にこ「ここあ!」

 

ここあ「どうしたの?そんなに急いで」

 

にこ「ちょっ、ちょっと…」

 

にこに会ったここあはにこに向かって抱きつくと、後ろから追ってきた穂乃果達が追いついているのを見て苦笑いをしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっと、にこを捕まえた俺達は事情徴収の為に再びにこの家にお邪魔する

 

にこ「大変申し訳ありません。私、矢澤にこは嘘をついておりました」

 

フミ「おい、ちゃんと顔を上げて話せ」

 

フミの言葉通りににこは恐る恐る顔を上げると、目の前には穂乃果達がじっとにこの顔を見ていた

 

にこ「い、いやだな~みんな怖い顔しちゃって…。アイドルは笑顔だよ。にっこにっこにー!」

 

希「にこっち。ふざけてて、ええんかな?」

 

希はニコニコした顔でにこを見ながら手元からタロットカードを取り出すと、にこは黙り込んで反省する

 

にこ「それで…何を話せばいいの?」

 

ヨウタ「休んだ理由だ。なぁ、なんで休んだんだよ?」

 

にこ「…お母さんが出張だからよ」

 

にこは間を空けて俺の質問に素直に答えた

 

穂乃果「出張?」

 

にこ「ええ。それで2週間ほど、妹たちの面倒を見なきゃいけないの」

 

フミ「だから練習を休んでたのか」

 

海未「では、次は私が質問します。何故私たちがバックダンサーという事になっているのですか?」

 

絵里「そうね。むしろ問題はそれよ」

 

にこ「そ、それは…」

 

海未からの言葉に言葉を詰まらせるにこ。どう話せばいいのか迷っている様子だったが、にこは重い口を開き話し始める

 

にこ「元からよ」

 

穂乃果「元から?」

 

にこ「そう。家では元からそういう事になっているのよ。別に…私の家で私が何を言おうが勝手でしょ?」

 

穂乃果「でも…」

 

にこ「お願い。今日はもう帰って…」

 

ヤヨイ「にこさん。僕達はちゃんとした理由が知りたいんです」

 

にこ「帰ってって言ってるでしょ!」

 

マサ「おい、少しぐらい、ちゃんと話してもいいんじゃねーのか?」

 

にこ「つーか、アンタ帰って来たのね」

 

マサ「ああ、去年な」

 

にこ「で、アンタは何の用なの?」

 

マサ「いや、別に用は無くて…たまたまコイツらと…」

 

にこ「今はアンタの顔は見たく無いの!?もう早く帰ってよ!!」

 

にこを怒らせてしまった。穂乃果達はもっと聞きたい気持ちでいっぱいだと思うが、にこの言われた通りににこの家から出て行く事にした。帰る時には夕方になっており、辺りは夕焼けに包まれていた

 

シュウジ「困ったもんだな」

 

ことり「でも、元からってどういう事なんだろう?」

 

ことりの発言を聞いた俺達はそれについて考えていると、絵里は深く考えている希の顔を見ていた

 

絵里「希?」

 

希「多分、元からスーパーアイドルだったっていう事やろうな…」

 

ヨウタ「どういう意味だ?」

 

希の考察によると、にこは1年生の時からスクールアイドルを始めていた。だが、イマイチな結果のまま活動は終わってしまっても妹達の声援に断れないまま隠し続けていたと考えられている

 

フミ「確かに、それなら考えられるな」

 

真姫「もう、にこちゃんどんだけプライド高いのよ…」

 

シオン「お前と同じだな」

 

真姫「シオン、茶化さないで!!」

 

花陽「でも、プライドが高いだけなのかな?」

 

ヨウタ「ん?どう言う意味?」

 

花陽「アイドルにすごい憧れてたんじゃないかな?本当にアイドルでいたかったんだよ。私も、ずっと憧れていたから…分かるんだ」

 

そう話した花陽は、どこか達観したような感じだった。それを聞いた俺達は下に俯いて考える

 

絵里「1年の時、見た事ある。にこがスクールアイドルのチラシを配布している所を…その頃、私は生徒会だったし、アイドルなんて興味なかった。けど、あの時…私が話しかけていれば…」

 

シオン「今更悔やんでもしょうがないだろ。それで過去が変わるのか?」

 

唇を噛みしめて悔やみながら話していた絵里に対して、シオンは声をかけた。シオンの言う通り今は過去の事を考えても仕方がない。けど、気になるのは…

 

ヨウタ「後はお前だよ。マサ」

 

にこはマサの顔を見ると更に不機嫌になったがどうしたんだ?

 

ヨウタ「顔見知りみたいだが過去に何があったんだ?」

 

マサ「昔、俺はチビで泣き虫だったからイジメられてたんだ」

 

マサの言葉にみんな声は出していないが驚いた様子だった

 

希「こんな強そうな見た目してるのに意外な事ってあるんやな」

 

マサ「それは、にこのお陰でもあるんだ」

 

そして、マサはにことの出会いを話し出す

 

マサ「俺の母親とにこの母親が昔からの友達だったから、俺は小さい時からにこの事は知っていた」

 

 

 

 

 

 

 

 

小学生の頃、俺はチビで泣き虫だった為、いつも同級生からイジメられていた。それをにこは毎回助けてくれた

 

マサ「うう…うう…」

 

にこ「たく、アンタいつまで泣いてんのよ」

 

マサ「だって…みんなが…チビだって…」

 

にこ「今はチビでも、いずれ大きくなるの」

 

マサ「それって…いつ…」

 

にこ「さぁね。けど、そんな弱虫なら大きくならないわよ」

 

マサ「だったら、僕…強くなる…」

 

にこ「そうよ。男の子なんだから強くなりなさい」

 

俺はにこに強くなると約束をして格闘技を始めた

 

フミ「お前にそんな過去があったのか」 

 

ヤヨイ「それに格闘技やってたんですね」

 

シュウジ「通りで体格は良いわけだ」

 

ヨウタ「アレ?この事はユウノスケは知ってんのか?」

 

マサ「アイツと出会ったのは中学の頃だ」

 

ヨウタ「ユウノスケと出会う以前からにことは長い付き合いだったんだな」

 

マサ「けど、俺はある罪を犯した」

 

ヨウタ「なんだよ?その罪って…」

 

 

つづく




今回は前半書いていたら1万文字越えたので
分かる事にしました
まぁ、意外な展開やな
因みにこの案は最初から決めていた


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第30話

久々ですね
何年振りだろう
とりあえず矛盾があったらごめんね


あれは小6ぐらいの事だったと思う。格闘技を習う前と比べて力も付いてきたし練習も積んだおかげで戦闘術も進歩して来た時だった。にこが中学生の男子生徒2人にちょっかいを掛けられていた。それを見て助けなきゃいけないと思った。ただ、それだけなのに…

 

 

 

 

 

 

 

 

マサ「気付いたら返り討ちにしてた。後は察してくれ」

 

マサは少し苦笑いをするがきっと…

 

穂乃果「けど、マサ君が悪い訳では無いよ」

 

マサ「いや、俺が悪かった。格闘技は喧嘩の道具じゃないのに俺は相手を痛みつける為に使ってしまったから…」

 

ヨウタ「成程ねぇ〜。それでお互いに気まずい関係になったと」

 

マサ「そこから俺が引っ越したりして余計に疎遠になったのもあるけど」

 

ヨウタ「よし。なら任せときな」

 

あの馬鹿はまた変な事を思い付いたな

 

ヨウタ「野郎共は俺について来い。穂乃果達はにこをどうにかよろしく」

 

そう言ってアイツはそそくさと歩き出す。きっと例の場所だろう

 

穂乃果「ちょっと!ヨウタくーん!!」

 

海未「本当に自分勝手な人です」

 

希「けど、友達を助けたいって気持ちは素敵な事やと思うよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

そして俺達はと言うと

 

ヨウタ「第1回チキチキ!?マサとにこの仲直り大作戦」

 

ドンドンドン!!パフパフ!?

 

ユウノスケ「なぁ?勝手に何やってるんだ?」

 

ヨウタ「何ってお前のマブダチが困ってるから助けようと」

 

ユウノスケ「それは良い事だが…テメェら!場所考えやれや!!」

 

ヤヨイ「けど、店長さんが貸切の許可は出してくれましたよ?」

 

フミ「何か事情を話したらすんなりと」

 

シオン「丁度良かった。今から臨時休業だって言って店を休みにしてたぞ」

 

シュウジ「後、お前の親父さんはナイト競馬がやるからって友達と地方の競馬場に向かった」

 

ユウノスケ「あのクソ親父ィ!!」

 

ユウヤ「俺は残業代出るのか?」

 

ユウノスケ「労働じゃねーから出ないに決まってるだろ」

 

ユウヤ「訴えたら勝てるかな」

 

とりま、2人にもマサとにこが疎遠になった経緯を説明した

 

ユウノスケ「何だ。知り合いだったのかよ」

 

ヨウタ「ユウノスケが初知りとは意外だな」

 

ユウノスケ「俺とマサが出会ったのって中2の後半からだもんな」

 

フミ「それさっき言ってただろ」

 

ヨウタ「そうだっけ?」

 

ユウヤ「つーかお前、女いんのか?」

 

シオン「下品な言い方だな」

 

マサ「幼馴染みってだけだけど」

 

ユウヤ「それって勝ち確じゃん」

 

ユウノスケ「勝ち確ってどう言う事だよ」

 

ヨウタ「んな事は置いといて、どうやって仲直りさせるかだ?」

 

シオン「吊り橋効果とか良いんじゃねーか?」

 

ヨウタ「成程。吊り橋効果ねぇ〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マサ「ファイトー!?」

 

にこ「イッパーツ!!」

 

ヨウタ「よし!バッチリだな」

 

ヤヨイ「多分、想像と違うと思います」

 

え?吊り橋効果って栄養ドリンクのCM見たいな感じじゃねーの?

 

ヨウタ「じゃあ、どう言う奴何だよ?」

 

フミ「吊り橋効果って…」

 

フミが説明しようとした瞬間、俺のスマホが鳴る

 

ヨウタ「悪りぃ。電話だ」

 

そう言って俺は店の外に出る

 

ヨウタ「もしもーし」

 

ツバサ「私だけと?」

 

ヨウタ「え〜と…確か?」

 

ツバサ「忘れたの?ツバサよ」

 

ツバサって確か…A-RISEの…

 

ツバサ「普通、連絡先交換したら名前の登録とかしない?」

 

ヨウタ「そんな事はいいじゃないですか。それよりどうしたんですか?」

 

ツバサ「どうした?って貴方から連絡が無いからこっちから電話しただけよ」

 

ヨウタ「なら切って大丈夫ですか?」

 

ツバサ「あら?意外に冷たいのね」

 

ヨウタ「冷たいと言いますが俺ら敵対関係ですよ」

 

ツバサ「でも今はプライベートよ」

 

ヨウタ「まぁ、そうですけど…」

 

何か言いくるめられた気がする

 

ヨウタ「つーか、暇電なら切りますよ」

 

ツバサ「本当に冷たい人ね。何で連絡先交換したか忘れたの?」

 

連絡先交換した理由って確か…

 

ツバサ「まぁ忙しそうだから率直に聞くわ。今度の土曜日って空いてるかしら?」

 

ヨウタ「空いてますけど」

 

ツバサ「じゃあ、その日2人で遊びに行きましょ♪」

 

ヨウタ「遊びに行くってどこに!?」

 

ツバサ「それは男の人が提案するものでしょ?当日まで楽しみにしてるから♪じゃあね」

 

ヨウタ「おい!ちょ待て…!?」

 

俺が反論する余地も無く通話が切られてしまう

 

ヨウタ「どうすればいいんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨウタ「うぃーす。今戻った〜」

 

シオン「おせーぞ」

 

ヨウタ「悪りぃな電話が長引いてよ」

 

そんな長く通話してない気もするが…

 

マサ「色々、提案してくれたけど俺やっぱ素直に謝るよ」

 

ヨウタ「何だよ。もう終わりか」

 

ユウノスケ「コイツがそうしたいって言うから、もういいじゃねーか」

 

シュウジ「そうだな。当たって砕けろだ」

 

ヤヨイ「砕けちゃダメだと思いますよ」

 

シュウジ「じゃあ、失敗は成功の元だ」

 

シオン「1回目で上手く行かねーじゃねぇか」

 

とりあえず1番の最善策である案?が思い付いたらしいので俺達は解散する事にした

 

ヨウタ「なぁフミ。金曜日暇か?」

 

フミ「今の所は予定無いが」

 

ヨウタ「レンも誘って俺の話を聞いてくれ」

 

フミ「こと…わらぬ」

 

ヨウタ「スッと言えや!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして夜の事

 

ヨウタ「まぁ、なんとかなるっつーか…当たって砕けろ的な…」

 

穂乃果「どういう意味なの?それ」

 

ヨウタ「本人達に任せる的な」

 

俺は穂乃果に電話で近況を報告する

 

ヨウタ「マサ自身がにこに直接伝えるって言ってんだから何とかなるだろ。それよりそっちは?」

 

穂乃果「こっちもどうにかなりそうだよ。詳しい事はまた明日ヨウタ君達に話すね」

 

ヨウタ「ほ、穂乃果…あ、あのさ…」

 

穂乃果「ん?どうしたの?」

 

ヨウタ「その…?いや、明日詳しく話聞くわ。その時に俺達も色々考えるからさ。じゃあ…おやすみ」

 

穂乃果「う…うん。おやすみ」

 

ヨウタ「話しずれ〜よなぁ〜」

 

俺は穂乃果に未だ『あの事』を伝えられずにいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の放課後、1人校門から出て行って帰る途中のにこを見た穂乃果と俺は横から出てきた

 

穂乃果「に~こちゃん!」

 

にこ「練習なら出られないって…いっ!?」

 

にこがそう言うと、俺の背後からこころとここあと虎太郎が出てきて、それを見たにこは驚きを隠せなかった

 

にこ「ちょ、なんで連れて来てんのよ!?」

 

ヨウタ「アイツに頼んで連れてきた」

 

穂乃果「3人共、見たいって言うんだ。にこちゃんのステージ」

 

にこ「ステージ?」

 

穂乃果「とりあえず屋上に行こう。屋上でみんな待ってるから!」

 

にこ「はぁ?」

 

ヨウタ「いーから行くぞ!」

 

にこ「ちょ…ちょっと!?」

 

穂乃果はにこの手を引っ張って学校の屋上へと向かう。俺はにこの妹達を連れて学校へと入って行く

 

そして20、30分は経過した頃

 

にこ「これって…」

 

絵里「にこにピッタリの衣装を、私と希で考えたのよ」

 

希「やっぱりにこっちには、可愛い衣装がよく似合う」

 

シオン「珍しく似合ってんじゃねーな」

 

ヤヨイ「早く行きましょう。屋上のステージを心待ちにしているファンがいます」

 

にこ「…みんな」

 

絵里「ほら、いいから行きなさい。あまり時間を取りすぎると、怒られるわよ?」

 

絵里に言われるまま、にこはカーテンをくぐりこころ達がいるステージに出て行く。その後に穂乃果達がステージに現れる

 

にこ「こころ、ここあ、虎太郎。歌う前に話があるの」

 

にこの一言に妹達は少し驚いた様子を見せる

 

にこ「実はね…スーパーアイドルにこは、今日でおしまいなの」

 

こころ「アイドル、辞めちゃうの?」

 

にこ「ううん、辞めないよ。これからはここにいるμ'sのメンバーとアイドルをやっていくの」

 

こころ「でもみなさんは、アイドルを目指している…」

 

虎太郎「バックダンサー…」

 

にこ「そう思ってた…けど違ったの。これからは、もっと新しい自分に変わっていきたい。この9人でいる時が、一番輝けるの!1人でいる時よりも、ずっと、ずっと…」

 

こころ達は、黙ってにこの話を聞いている

 

にこ「今の私の夢は、宇宙No. 1アイドルにこちゃんとして、宇宙No. 1ユニットμ'sと一緒に、より輝いていくこと!…それが、一番大切な夢、私のやりたいことなの!」

 

そして、にこが思いを告げたタイミングで他のメンバーは場外に捌ける

 

にこ「だから、これは私が一人で歌う最後の曲…」

 

その時、μ’s1人1人のイメージカラーの風船が晴天の空へ登って行く

 

にこ「にっこにっこ……にー!!!」

 

にこは思いっきりの笑顔を見せて笑い歌い始めた。それを見ていたこころ達は手拍子しながら楽しんでいた。まぁ、ここからは別の意味でのサプライズかもな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、にこのライブは終わり部室にて

 

ヨウタ「よし!ライブも終わった事でココからは俺が用意したサプライズ的な事を」

 

にこ「はぁ?何よサプライズって?」

 

ヨウタ「じゃあ、ご搭乗してもらいましょう。どうぞ!」

 

俺と合図との同時に部室にマサが入って来る

 

にこ「マサ!アンタも来てたの!?」

 

マサ「あ…ああ。ヨウタ達に呼ばれて」

 

俺達はそそくさと退散し部室に2人だけを残した

 

マサ「ライブ見てた…夢、叶えたんだな」

 

にこ「当たり前でしょ。私を誰だと思ってるんの」

 

マサ「その…凄かった…これからも頑張ってな」

 

もどかしい2人の様子を俺達は隠れながら様子を見ていた

 

フミ「アイツ、謝ってる様子ねーぞ」

 

海未「本当にこの作戦で良かったのでしょうか」

 

絵里「けど、本人が望んだ事なんでしょ?」

 

シオン「確かにアイツの意志を尊重したつもりだが?」

 

真姫「これだと結局、振り出しに戻るんじゃないの?」

 

シュウジ「じれったいな。俺がケリ付けてこうか?」

 

ヨウタ「待て!行くな!」

 

ヤヨイ「でも、このままだと第三者が入って来ないと埒が明かないですよ」

 

このまま俺達は2人の空気に耐えられ無いのか

 

穂乃果「あ!見て!?」

 

希「にこっちから仕掛けたみたいやね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「アンタ。それだけを言いに来たの?」

 

マサ「…」

 

にこ「何とか言いなさいよ!!」

 

マサ「…俺は…」

 

にこ「結局、弱虫のまんまじゃないのよ!」

 

マサ「違う…」

 

にこ「何が違うのよ!」

 

マサ「違う…!!俺は…!!」

 

俺は自分でも分からないぐらい声を荒げていた。さっきまで何も言えずに下を向いていた顔を上げると目に涙を溜めたにこの顔が俺の眼に写った

 

マサ「確かに…にこの言う通り俺は弱虫だ…だからあの時もそうだった」

 

俺は喉につっかえてた物を吐き出すかの様に口を動かした

 

マサ「俺は強さを履き違えた。自分が弱かったからあんな事になった!自分が弱かったから…にこを怖がらせた…」

 

にこ「馬鹿…その事じゃない…」

 

俺は一瞬、何が起きたか分からなったが数秒後に俺の胸ににこが縋り付いたと理解した

 

にこ「その事で怒ってない…あの時は…その、ありがと…少しやり過ぎだけど…」

 

マサ「え?じゃあ何の事で?」

 

にこ「黙って転校した事よ!?」

 

にこは先程とは違い少し怒った様な呆れてた様な顔で俺を見る

 

マサ「あの、その…勝手にいなくなって…ごめんなさい」

 

にこ「次、勝手にいなくなったら許さないからね!それに」

 

マサ「それに?」

 

にこ「約束したでしょ?『強くなる』って」

 

マサ「は、はい約束しました」

 

にこ「だったら宇宙No.1アイドルのにこの側を離れない事。いいわね?」

 

マサ「ああ、約束する。ずっと離れない」

 

俺はにこの背中に手を回す。きっとぎこちなくなってると思うけど。すると扉越しから何やらヒソヒソと声が聞こえて来たので俺とにこは扉を開ける

 

ヨウタ「う、うす…」

 

そこにはアイツらとにこの友達達がいた

 

ヨウタ「お布団用意しようか?」

 

何かムカついてたのでヨウタを殴った

 

にこ「ちょっとマサ!何してるのよ!」

 

マサ「ごめん。何かムカついたから」

 

穂乃果「に、にこちゃん!結婚はまだ早いよ!!」

 

にこ「はぁ?何いってるの?」

 

海未「破廉恥です…若い男女2人で…」

 

ことり「わー!海未ちゃん!しかっりしてー!?」

 

希「ええ旦那さん見つかって良かったなぁ〜♪にこっち♪」

 

にこ「だから!さっきから何言ってるのよ!?」

 

絵里「マサが言った言葉思い出してみなさい。あれはプロポーズだと思われても仕方ないわ」

 

絵里の言う通りだ。アイツは天然なのか?無自覚なのか?

 

にこ「ち、ちち…違うわよ!ねぇ?マサ」

 

マサ「にこが良いんなら俺は構わないけど」

 

にこ「マサも何言ってんのよ!?」

 

凛「ちょっと〜みんなどうしたんの〜?」

 

花陽「何かあったんですか?」

 

凛と花陽にこころ達を任せていたのだが、俺達が遅いから様子を見に来たのだろう

 

シオン「何か面白い事になってな」

 

シュウジ「けど、にこは結婚出来る年齢に達しているがマサはまだ無理だろ」

 

真姫「法律上後、1年は待たないと行けないわね」

 

こころ「え!?お姉様達結婚するんですか!?」

 

ありゃりゃ…話が大きくなったな

 

にこ「もう!どうしてこうなるのよー!!」

 

何とか一件落着?だろうか…にこもμ'sの練習に再び戻る事が出来たしマサと良い関係に戻れたし万々歳なのかな?知らんけど

 

 

つづく

 




裏話でも無いけど
マサって元々無口な大柄な屈強な男のイメージだったけど、この回を書くにつれて段々と呪術廻戦の虎杖みたいなイメージになって来たんだよねー


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