ゼノブレイド2 特別執権官補佐 (青い灰)
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プロローグ


  どーも皆様、青い灰と申します。

  黒い龍、ドラクエ、そして今度は
  ゼノブレイドでございます。

  テメードラクエ書けコノヤローって方、
  すみません。

  作者は気まぐれなんです。

  ではでは、どうぞ。



  

アルスト───それは巨大な生物″アルス″を

大地とし、その外は雲海が広がる世界。

 

アルストの中央にそびえる巨大な世界樹が、

今日もアルストを見下ろしている。

 

俺──オウカ・スローンは今日も

机の上で目を覚ます。

 

  

「ふぁぁぁっ……」

 

 

しまった。また職場で寝てしまった。

俺は飛び起き、時計を確認する。

 

6時……良かった。

職場で寝てしまっただけでなく、

遅刻までしてしまっては洒落にならない。

目覚ましとして、俺は机上の茶を飲む。

 

 

「お早う御座います、オウカさん」

 

「ぶふぅっ!?」

 

 

そんな俺の背後から″掛かる筈のない声″が

聞こえ、俺は口から茶を吹き出す。

 

 

「陛下!?」

 

「あははははっ、やはり貴方は面白いですね」

 

「すみません、見苦しい所をお見せしました!」

 

 

俺の背後でにこやかに笑うのは、俺の住む国、

軍事国家スペルビアの皇帝陛下、

ネフェル・エル・スペルビア様だ。

 

一体何故こんな所に──って、ここ職場だった。

 

俺の職場、というか俺の職は、

スペルビアの実質No.3、特別執権官補佐だ。

 

 

「いえいえ、少し用事があったので来てみれば、

 また机上で寝ているではありませんか。

 仕事は良いですがちゃんとベッドで寝て下さい」

 

「う、すみません、陛下」

 

「ふふ、それで、本題ですが、2つあります。

 昨夜、イーラによる飛空艇の襲撃がありました」

 

 

イーラ……国に属さず、雲海に潜み暗躍する

秘密結社だ。

 

 

「成る程、ここ最近多いですね」

 

「ええ、そして、2つ目、

  天の聖杯が発見されました」

 

「へぇ………!」

 

 

天の聖杯と言うのは、

アルストを創った神のブレイドのことだ。

 

亜種生命体、ブレイドの頂点とも言われている。

 

それが発見された。

俺は立ち上がる。

 

 

「同調したドライバーは誰ですか?」

 

「こちらで調べた結果、

 サルベージャーの少年、だそうです」

 

 

サルベージャーと言うのは、

雲海に沈んだ宝を引き上げる仕事人だ。

 

しかも少年ときたか。

ゾクゾクしてくる。

 

 

「そして、少年はイーラと激突、

 中型アルスに乗りグーラに逃亡したようです」

 

「成る程、陛下、早速ですが調査許可を」

 

「ふふ、やる気ですね。

 最初からそのつもりです。

 特別執権官と共に、グーラへ向かって下さい」

 

「ハッ!」

 

「目的は、天の聖杯とそのドライバーの調査です」

 

「了解しました」

 

 

陛下は俺の仕事部屋から退出し、

俺は外出用の灰色の軍服に着替える。

 

俺もドライバーだが、武器は自分のを使っている。

俺は特殊な形状の軍刀を背負い、

上司の特別執権官、メレフを探しに行く。

 

 

 

 

 

これは本当の物語と少し違う、

もう1つの物語。

 





  


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メレフに悪戯とヤエギリ探索

  オウカの武器ですが、
  1でディクソンさんが使っている武器です。
  (太い刀身に銃が仕込んである武器)

  基本的にオウカ視点で行きます。



「ヤエギリを探したいが、

 まずはメレフの所だな」

 

 

俺は、部屋を出て、特別執権官の部屋に

向かう。まぁ隣なんだけどな。

 

一応上司なので、先に呼びに向かう。

 

扉をノックし、返答が帰って来る前に開ける。

 

 

「うおっ!?なんだ!?」

 

「俺だ」

 

 

驚き、飛び起きるメレフ。

どうやら寝ていたようだが、

陛下の気持ちが分かった気がする。

 

 

「つーかお前も机上で寝てたのか」

 

「なんだ、オウカもか?」

 

「あぁ、陛下に悪戯された」

 

「わざわざ悪戯をされたのか」

 

 

メレフは立ち上がり服装を整える。

 

 

「天の聖杯が発見されてな、グーラへ行く。

 陛下から調査命令だ、カグツチも呼んどいてくれ」

 

「ほう、天の聖杯か」

 

「お前も気になるだろ?

 なんでも同調まで終わってて、

 ドライバーは少年なんだってよ」

 

「成る程な、直ぐ準備しよう」

 

 

俺は部屋から出て、ヤエギリを探すことにした。

どうせ皇宮の外だろう。

 

皇宮から出て、兵士にヤエギリが何処に

いるか聞く。

 

 

「すんません、ちょっと良いですか?」

 

「ん、なんっ!?

 補佐殿!?お早う御座います!」

 

「おはようございます。

 ヤエギリ何処にいるか分かります?」

 

 

俺は大体の兵士には敬語を使う。

大体の兵士が年上な為だ。

メレフは別だが。

 

俺は今年で18(という見た目と設定)だ。

軍の中ではかなり若い方である。

 

 

「ハッ、ヤエギリ殿は現在、地熱タービン

 付近でモンスターの討伐を行っております」

 

「了解、いつもご苦労様です」

 

「光栄です。行ってらっしゃいませ」

 

 

ヤエギリはかなりの戦闘狂で、

毎日のようにモンスターの討伐を行う。

 

まぁ帝都の被害がほとんど無くなるので、

放っておいているが。

 

ドライバーとブレイドは一心同体だと、

よく言われるのだが、

アイツは一人でも十分強い。

 

 

「という訳で帝都の外に来た訳だが、

 アイツは一体何処にいるんだ?」

 

 

その辺に倒されたモンスターが転がっている。

いつもの光景だ。

 

すると、戦闘音が聞こえた。

 

 

「……行くかぁ」

 

 

あまりダラダラしていると

メレフを待たせるので、加勢に向かう。

 

あの辺にはレパード種の

ユニークモンスターがいた筈だ。

確か異名は、″人喰いのドラン″だったかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおらぁぁぁッ!!」

 

 

女性とは思えないような声を上げ、

俺のブレイド、ヤエギリは大斧を″人喰い″に

振り下ろす。

 

 

「グルルァッ!」

 

「うわっ!?」

 

 

だが、爪の叩きつけを食らい、

吹き飛ばされる。

 

少し不味いか?

 

技──″アーツ″を軍刀から放つ。

 

 

「″サンダーボルト″」

 

 

俺は軍刀の先端から雷の銃弾を撃つ。

エーテルの雷が人喰いに命中、

人喰いが痺れ、怯む。

 

 

「何やってんだヤエギリ!

 ユニークに一人で手を出すなと言ったろ!?」

 

「良いじゃん別にー

  強そうだったコイツが悪い」

 

「チッ、さっさとコイツを仕留めるぞ!」

 

 

立て直した人喰いを前に、

俺たちは武器を構え直した。

 




  人喰いのドラン lv.32

  体力お化けで攻撃バカ。
  ドライバー封印持ち。

  作者は現在、全員がlv.99です。


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vs人喰いのドラン

  戦闘回ですね。
  
  オウカの戦いはイーラ式戦闘です。

  ヤエギリの一人称変更。




「"ヒールボルト"」

 

「お、サンキュー」

 

 

まずはヤエギリに軍刀を向け、

エーテル弾を撃つ。

 

するとヤエギリの傷が瞬時に癒える。

回復系のアーツだ。

 

 

「グァァッ!!」

 

「ヤエギリ、まずは俺が前に出るぞ!」

 

「分かった!」

 

 

俺は軍刀を片手で構え、ドランに斬りかかる。

後ろでは、ヤエギリがこちらに手のひらを向け、

力を流しこんでくれている。

 

 

「そらッ!」

 

「グァァァ!」

 

 

ドランの鱗ごと、叩き斬る。

斬る、撃つが出来る俺のオリジナルの武器だ。

 

ヤエギリのサポートのお陰で、

威力は更に強化されている。

 

すると、ここでドランが攻撃に転じ、

前足を大きく振り上げ、その爪で

引き裂きを放って来た。

 

 

「グッ、中々反応が速いな」

 

 

ユニークモンスターは、

その辺の雑魚とは桁違いに強いモンスターを指し、

その全てに異名が与えられている。

 

俺は軍刀で爪をガードしたが、

空中へ打ち上げられる。

 

通常なら、ブレイドとの共闘は

ドライバーが攻撃を主に行う。

そう、通常なら。

 

 

「ヤエギリ!」

 

「任せな!」

 

 

俺はヤエギリと交代し、

サポートに回る。

 

俺は着地し、ヤエギリに軍刀を向け、

強化用のエーテル弾をヤエギリに撃つ。

 

お互いにこれを繰り返し、

敵への攻撃、傷や疲労の回復を同時に行う。

 

まぁ同調したときにヤエギリが、

「あたしも戦いたい!」

と言い出したので、かなりの特訓をして

編み出した戦法だ。

 

 

「はぁッ!!」

 

「ギャゥッ!」

 

 

ヤエギリの大斧はかなりの重さなのだが、

アイツは軽々と片手で振り回す。

 

俺は武器の性質で遠距離から攻撃できるので

援護も可能だったから出来た戦法でもある。

 

俺のサポートもあり、

ドランの体力を削っていく。

 

ヤエギリは斧を薙ぎ払うが、

ドランは大きく跳躍して回避、

ヤエギリが蹴りとばされる。

 

 

「ぐっ、オウカ!」

 

「分かっている!」

 

 

俺はヤエギリへヒールボルトを撃ち、

ヤエギリへの追撃を弾く。

 

相手もヤエギリの攻撃によって

消耗している。

アーツと連携で一気に決めてやろう。

 

俺は跳躍し、飛び上がる。

そして、アーツを放つ。

 

 

「″ロストレイ″ッ!!」

 

 

軍刀を真上から斬り下ろし、

体を回転させ、連続で真横に斬り払う。

 

顔に十字の2連撃を撃ち込み、

ヤエギリの力を借りて止めを刺す。

 

 

「ヤエギリ、行くぞ!」

 

「オッケー!!」

 

 

ヤエギリが飛び出し、大斧で斬り下ろし、

斬り上げの2連撃を放ち、打ち上げる。

 

俺は軍刀にエーテルを込め、

最大出力の雷を発生させ、

ドランを撃ち抜く。

 

ヤエギリの上昇気流が俺とヤエギリを

ドランの真上に飛ばす。

 

 

「「"風雷・桜花八重桐″!!!」」

 

 

同時にお互いの武器を振り下ろし、

ドランを地面に叩き潰す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユニークモンスターは、名を冠する者とも

呼ばれる為、倒した者が墓を作るのが

ならわしだ。

 

俺とヤエギリは墓を作り終え、

話をする。

 

 

「ふーっ、終わった終わった!

  それにしても中々強いヤツだったね!」

 

「今のが中々なのか……それはともかく、

 ヤエギリ、グーラへ仕事だ。

 もうメレフたちを待たせてる。急いで行くぞ」

 

「りょーかい、カグツチ怒らせると面倒だしねー」

 

 

俺とヤエギリは、ドランの墓を背に走り出した。

 




  イーラ式戦闘っていうのは
  ドライバーとブレイドが交代で戦う
  黄金の国イーラでの戦闘方法のことです。

  桜花八重桐(オウカヤエキリ)は
  名前をくっつけただけ。
  考えるのが面倒だった訳ではない。
  いいね?


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巨神獣戦艦、グーラへ

  
  飛空艇の中での話。

  タグ編集多いと思います。



「あら、やっと来たわね」

 

「げっ」

 

「すまん、遅くなったな」

 

 

帝都に戻った俺とヤエギリを、

帝国の宝珠と呼ばれるメレフのブレイド、

カグツチが出迎えてくれた。

 

 

「あら、ヤエギリ、げっ、

 とはどういうことかしら?」

 

「あーなんのことだろうねー」

 

「まぁいいわ、船内でメレフ様がお待ちよ。

 ヤエギリ、あとで言い訳は聞いてあげるわ」

 

 

ヤエギリの反応についてだが、

実はヤエギリ、カグツチがどうも

苦手らしい。

 

まぁとりあえず庇っておく。

 

 

「了解、あーそうだ、カグツチ」

 

「どうしたの?」

 

「タービン付近に″人喰い″がいたろ?

 さっき倒して来たんだ、

 突っ込んだのはヤエギリだが許してやってくれ」

 

「オウカ………!」

 

「……そうね、あれは確かに帝都に来ていたら

   脅威だったし、今回は勘弁してあげるわ」

 

「やった!」

 

 

ヤエギリが俺に抱きついてくる。

辞めろ!お前の馬鹿力は死ぬって!?

 

 

「ぐぇっ!!」

 

「あ、ごめん」

 

「し、死ぬかと思った………」

 

 

マジで。あと柔らかいものが当たってたので

いろいろヤバかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっと来たか」

 

「悪いな、遅くなった」

 

 

巨神獣戦艦に乗り込み、

会議室へ向かうと、既にメレフが待機していた。

 

 

「あはは、ごめんねメレフー!」

 

「実はな………」

 

 

俺はこれまでの経緯をメレフに説明した。

 

 

「成る程、よくやってくれたな二人とも」

 

「まぁ、ヤツの被害は大きかったから、

 討伐して正解だったのかもしれないな」

 

「やっぱあたしのお陰だね!」

 

「………まぁそういうことにしておこう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、カグツチは船の見回り、

ヤエギリもカグツチについていき、

俺とメレフは会議室でチェスをしていた。

 

 

「………そう言えばお前が

  私の補佐についてもう二年か」

 

「そうだったな、確か陛下が

 暗殺されかけて、俺が助けたんだったか?」

 

「あぁ、あの時は助かったぞ」

 

 

そう、俺は二年前、旅の途中で

インヴィディアに立ち寄っていた、

陛下とメレフに出会い、陛下が暗殺されかけた

ことがあった。

 

俺が成り行きで暗殺者を捕らえると、

俺は半強制でスペルビアへ連行…

ゲフンゲフン案内され、受賞された。

 

結果、俺の腕を見込んだらしく、

陛下のブレイド、ワダツミが

「メレフ殿の補佐をさせては?」

と言ったそうで、

俺は食いぶちに困っていた所を誘われ、

今に至るのだ。

 

 

「そりゃこっちの台詞だよ、

 住まいから飯まで皇宮から

 提供してもらってんだしな」

 

「何故お前の作る食事が皇宮のコックより

  旨いのか私には理解が出来ないのだが」

 

「旅の成果だ。そしてお前の料理技術は

 どういうことだよ。なんで料理が炭になる?」

 

「ぐっ……」

 

 

メレフの料理だが、一度炭が出来上がったのだ。

まぁ自分の料理の下手さを理解していない

何処かの聖杯よりマシだがな。

 

 

「……ふん」

 

「あっ、ちょっ!?

 お前その手は駄目だろ!?」

 

「せめてこちらでは勝ってやる……」

 

「くそっ、負けた!?」

 

「これこそが特別執権官の実力!」

 

「もう一回だ!もう一回!」

 

「駄目だ、グーラについたようだぞ」

 

「ちくしょおぉぉぉ!」

 

 

こうして、俺とメレフはグーラへ到着した。

 





今回のオウカの台詞で分かりますが、
オウカは天の聖杯と面識があります。


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天の聖杯

  レックスたち登場!



「トリゴに来るのも久々だな……

  活気もあるし、空気も澄んでて

  気持ちがいいなぁ」

 

 

俺は一人でトリゴの街を歩く。

グーラで唯一の街トリゴは、

巨神獣グーラの自然の恵みを受けた

活気溢れるいい街だ。

 

 

「おっ!兄ちゃん、帝国の人かい?」

 

「あぁ、トリゴはやっぱり良いところだな」

 

「へへっ、そう言われると嬉しいぜ、

 コンゴウイワナの香草焼きはどうだい?」

 

「試食しても良いのか?」

 

「おうよ!試食と言わず、買って

  行ってくれれば俺ぁ嬉しいぜ?」

 

 

おまけに人が良い。

話しかけて来たのは魚屋の男性だ。

俺はコンゴウイワナの香草焼きを頬張る。

とても美味しい。

コンゴウイワナの味に香草が合っている。

 

 

「旨い!」

 

「だろ?」

 

「五つくらい買わせてくれ、

  みんなにも土産にするよ」

 

「流石!帝国の人は太っ腹だねぇ!」

 

 

いやー、やっぱりトリゴは良いところだ。

旅してた時はここに1ヶ月ほどいたもんだ。

 

 

「急げ!こっちだ!」

 

「何だ?」

 

 

三人のスペルビア兵が市場の奥へ走っていく。

一人はパクス軍隊長だったし。

どうしたんだろうか?

 

 

「まぁ、行けば分かるか」

 

 

俺は、香草焼きを頬張ったまま、

兵たちを歩いて追いかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐぁぁっ!」

 

 

おぉう。中々な悲鳴が聞こえた。

俺は香草焼きを飲み込み、

走り出した。

 

スペルビア兵と戦っているのは、

黒髪の少年と、灰色の髪のグーラ人の少女だ。

それぞれブレイドを連れている。

 

あ?なんじゃありゃ。

あの赤髪のブレイド、天の聖杯じゃねぇか。

なんであんな姿に?

 

とりあえず隠れて様子を見るか。

 

 

「レックス、今だ!」

 

「あぁ!」

 

 

逃げた。

追いかけるか?っと、そんな必要はないか。

 

二人組の前に青い炎が広がり、

行く手を塞いだ。

 

 

「なっ、何だこの炎の壁は!?」

 

「騒がしいですね」

 

 

カグツチだ。

アイツも休暇もらって街を堪能してたな。

 

さて、どうする天の聖杯とドライバー?

 

 

「せっかくつかの間の休暇を楽しんでいたのに」

 

「か、カグツチ様」

 

「カグツチ?ブレイドか?

  でも、ドライバーは?」

 

「私のドライバーは現在、

 トリゴの領事と面会中です。今は私一人」

 

「ドライバーがいない?」

 

 

ま、今の時期はブレイド一人なんて珍しいよな。

 

 

「ふははははは、カグツチ様は、

 スペルビアの宝珠とも呼ばれるブレイド。

 ドライバーなくしてもこの力、観念しろ」

 

「……翠玉色のコアクリスタル──

  成る程、まさかとは思ったけれど……

 

  パクス軍隊長、殺生は禁じます。

  彼らを生きたまま捕らえなさい」

 

「ハッ!おい、例の物を!」

 

「はっ」

 

 

パクス君、あれを使うのかぁ。

あれは確かにドライバーにとっては天敵だね。

 

 

カグツチとドライバー達が戦い始める。

 

中々見物だね。

あのレックスも中々だけど、

少女、ニアの方もブレイドとの連携が上手い。

 

あ、ニアとビャッコが遮断ネットにやられた。

 

えげつない物を開発したなー俺。

俺が開発したエーテルの流れを遮るネットだ。

 

 

「くっそぉっ!」

 

 

ん?なんか飛んで来たな。

あ、水道管に当たった。

うわー水出てきたよ、カグツチ大丈夫か?

 

属性的に力が出なくなるんだよな。

後でタオルでも買ってやるか。

 

 

「水!?」

 

「今じゃレックス!」

 

 

あ、レックスのヘルメットの中になんかいる。

え、あれセイリュウじゃね?

ちっちゃ!なにがあったし!?

 

 

「「バーニングソード!!」」

 

「くっ!?」

 

 

うっわ、水流れてんのに。

あの炎すげぇな。

 

 

「ホムラ!」

「はい!」

 

「逃がすな!追え、追えー!」

 

 

逃げたか。

 

 

「この水流の中であの炎、

  やはり天の聖杯───」

 

「だな」

 

「うわっ!?お、オウカ殿!?」

 

「覗きなんて、趣味が悪いわよ」

 

「ははは、してやられたな、

   カグツチ、パクス君?」

 

「も、申し訳ありません……」

 

「はい、香草焼き」

 

「え?」

 

「食べないか?」

 

「あ、頂きます」

 

「私の分は?」

 

「あるからちょっと待て」

 




  オウカの外見ですが、
  現在は、灰色のメレフの軍服、
  背中にディクソン軍刀背負って、
  白い髪に、青い目です。
  

  ……正体に気付いた人はいないよね?


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監視室の話

  ギャグも入れてきます。

  カグツチキャラ崩壊。


誤字修正致しました。
報告、感謝します!


「ちくしょー……」

 

「すいません、お嬢様……」

 

「あ、忘れてた」

 

 

そうだった、この二人どうしようか。

 

 

「どうする、パクス君」

 

「何故私なのですか!?」

 

「パクス軍隊長、どうするの?」

 

「カグツチ様まで!?

  決めるの貴方達では!?」

 

 

ナイス、カグツチ。ハイタッチする。

 

 

「と、とりあえず巨神獣戦艦に

   入れておけば良いのでは?」

 

「そうだな、で、残り二人はどうする?」

 

「えー、この者を死刑にするという情報を

 流せば助けに来るのではないでしょうか?」

 

 

いや、パクス君すげぇな。

結構急に言ったのに普通に頭の回転が早い。

 

 

「流石パクス君だ。それで行こう」

 

「そうね、流石はパクス軍隊長」

 

「あ、ありがたきお言葉です……?」

 

 

あのブタ領事の元でも頑張ってるのだ。

今度、彼の給料アップしておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから1日がたち、その夜。

 

 

「引っ掛かったね、流石パクス君だ」

 

「胃が持たないので辞めて下さい!?」

 

「カグツチはメレフと宿に泊まってるし、

 彼らが出ていくのは朝になるだろうから

 後で起こして連絡すればいいだろう」

 

「ところで、一人ノポンが増えていますね」

 

「あぁ、それにあれは………機械のブレイドか?」

 

 

珍しい。しかもあれはおそらく………

人工のブレイドだな。

 

 

「面白くなってきたな、

 あ、パクス君、お疲れ」

 

「失礼させて頂きます、御武運を」

 

「おやすみー」

 

 

パクス君が帰ったので、

俺は戦艦内部の監視カメラで観察を開始する。

覗きではない。いいね?

 

 

「お、早速助けにいったな、

  うわ、鉄の扉ぶち抜いた、修繕費が…」

 

「ただいまー」

 

 

ヤエギリが帰って来た。

 

 

「お前どこ行ってたんだ?」

 

「モンスター狩りだけど?」

 

「……まぁ、これだけ自然が豊かなら

  生態系が壊れることもないか………?」

 

 

実際、スペルビアのモンスターの

数が目に見えて減った。

 

害があるモンスターを倒しているので、

こちらもあまり強く言えない。

 

という訳で朝以外は単独で狩りしない

と決めた。

 

敵が弱いと蹂躙される彼らが少し

可哀想になってきている。

 

あまり敵が強すぎるとヤエギリが

死ぬ可能性まである。

それは絶対に避けなければならない。

 

 

「ヤエギリ、朝以外は狩り禁止な」

 

「ええー!?」

 

 

そんな話をしている内に、

レックスたちが戦闘をしていた。

 

 

「小型巨神獣兵器が………

  あれ直すの大変なのに………」

 

「うわー兵士たちも次々と……」

 

「慰謝料出しとかないとなぁ……」

 

 

うちはホワイトな軍隊だ。

うちの皇帝が倹約家な為、金は余っている。

つーかスペルビアの家系は皇帝向いてないな。

 

食事もだいたい俺が作っている。

コックと一緒に。

 

 

「……はぁ、インヴィディアと

  戦争でもあったら終わりかねぇ」

 

「仲悪いもんねぇ」

 

「あ、迷ってんなこれ」

 

 

巨神獣戦艦だが、結構複雑な造りになっている。

まぁ、兵士全員が覚えてはいるが、

初めて来る奴はだいたい迷う。

 

 

「しっかし、あのニアっていうのはともかく、

  戦いが下手くそだね、天の聖杯のドライバー」

 

「あぁ、ブレイドに頼り過ぎているな、

  典型的なブレイドとの戦闘初心者だ」

 

 

なんとか天の聖杯、ホムラとか言ってたか?

そのホムラが調整してるが、

レックスがかなりの勢いでアーツを

撃っているせいで辛そうだ。

 

 

「ま、放っておいても死ぬだけだしな」

 

「それもそうだね、

  たとえ天の聖杯と言っても現実は非常だ」

 

 

天の聖杯と連携、なんてレベルではない。

かなり酷い戦いだ。

 

ニアも天の聖杯を過信し過ぎている。

天の聖杯は必ずしも万能なんかじゃない。

 

 

「ん、あれは──」

 

 

モーフ、あのブタ領事、一体何を……?

 

 

「ブレイドまでいるね」

 

「あぁ、一体なにをする気だ?」

 

 

現在は明け方、しかも巨神獣戦艦の出口だ。

待ち伏せか?だが、あのブタが何故?

協力ならメレフやカグツチから

俺に連絡が来るはずだ。

 

 

「……まさかな」

 

「来たみたいだよ、天の聖杯一行」

 

「じゃメレフに連絡して、と」

 

 

そのまま、レックスたちは

モーフと戦闘を始めた。

 

あんのブタ領事、ブレイドを盾に……!?

クビ決定だ。職権乱用でも

あのブタ失脚させてやる。

 

 

「お、勝った」

 

「んじゃ、俺たちも行くかね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「早速始めてるね」

 

「ああ、メレフ相手に中々頑張ってるな」

 

 

俺はまた遠くから眺めている状態だ。

巨神獣戦艦のデッキで。

 

 

「あ、また逃げた」

 

「逃げてばっかりじゃん、

  天の聖杯、面白くないなー」

 

「しょうがない気もするけどな

  相手がメレフとカグツチだし」

 

 

ん?バラバラに逃げた?

レックスが炎の斬撃を貯水タンクに撃った。

 

 

………貯水タンク?

 

 

おい、それはマジで駄目だろ。

待て待て待て待て!

それは修繕費バカ高いんだぞ!?

払うの国だぞ!?

 

 

「ちょ、ああぁぁぁぁ!!!?」

 

「うっわ、派手にぶちかましたね」

 

 

貯水タンクから大量の水がぁぁぁぁ!?

 

 

「行くぞ、ホムラ!」

「はい、レックス!」

 

 

あれは……!

 

 

「ヤエギリ、頼むッ!!」

 

「オッケー!」

 

 

ヤエギリの起こした風に乗って

俺とヤエギリはメレフたちの元へ全力で向かう。

 

 

「「バーニング、ソード!!!」」

 

「……間に合えッ!!」

 

 

二人の前に着地し、

全力でエーテルバリアを展開する。

 

水へ炎が触れ、巨大な水蒸気爆発が起こる。

 

 

「………間に合ったか」

 

 

爆発が晴れ、大した傷を負っていない

メレフとカグツチを確認する。

無事だ。

 

ヤエギリもちゃんと風で爆発に

抵抗してくれたみたいで、無傷のようだ。

 

 

「……くっ、オウカ、助かったぞ」

 

「ありがとう、今のは危なかったわ」

 

「ふー、無事でよかったよ」

 

 

なんとか二人は助けられた。

 

 

「で、逃げられたみたいだけどどうするの?」

 

「ふむ、オウカ、今回の件だが、

  天の聖杯の調査、だったな?」

 

「ああ、一応調査は達成だな」

 

「そうだ、スペルビアへ帰るぞ」

 

「あー、メレフ」

 

「何だ?」

 

「俺はちょっと調査続けるわ、

  陛下に報告よろしく頼む」

 

「……オウカ、メレフ様は」

「カグツチ、待ってくれ」

「はい」

 

「何故、調査を続ける?」

 

「なんて言うかな、

  興味が湧いたんだよ、あのレックスに」

 

「ほう、なら、私にも

  調査結果を届けるなら行ってもいい」

 

「そんなことでいいなら、

  喜んでやろうか、ヤエギリ、行くぞ」

 

「はーい」

 

「あ、そうだな、天の聖杯一行は

 インヴィディアへ向かうから、

 俺はインヴィディアで調査してから帰るから」

 

「待て!何故インヴィディアへ行くと分かる?」

 

 

 

 

 

 

 

「……そうだな、言うなれば、

   

  それが″因果の流れの内″だからな」

 






こwれwがw因w果wのw流wれwだw

ザンザのモナド、カッコよくないですか?


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インヴィディアへ


メレフ様は出なくなります。



 

「ねぇオウカ」

 

「ん?」

 

「アイツら追い掛けるのはいいけどさ、

  あたしら船持ってないよね」

 

「………やっべ」

 

 

やってしまったか。

小型飛空艇でも借りるんだった。

 

 

「どうするかねぇ」

 

「うーん、あ!」

 

「どうしたんだ?」

 

「こういう時、知恵を出してくれる人がいた!」

 

「あっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「という訳で、どうしようパクス君」

 

「何故に私なのですか!?」

 

 

いつものノリである。

キレのあるいい突っ込みだ。

 

 

「っていうか、もういっそ

  一行に潜入でもしたらどうですか……」

 

「「それだ!」」

 

「あんたら馬鹿なのですか!?」

 

 

確かにこちらはバレてないし、

俺を知ってるのはホムラとセイリュウくらいだ。

 

軍服を着替えれば問題ない。

そして執権官補佐はあまり表に出ないので

ちょうど良すぎるくらいだ。

 

 

「やはり流石だパクス君!

  給料アップを手配しておく!

  それでは行って来よう!」

 

「ありがとねー」

 

「………嵐のような人だなぁ、

  最も、良い人ではあるしな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず、持って来ていた私服に

着替えることにした。

私服は白いシャツに灰色のコートだ。

 

武器だが、背中に軍刀を背負うのは同じだが、

腰のホルスターに

仕込み刃のついた二丁拳銃を仕舞う。

 

これも俺の自信作であり、

エーテル弾は勿論、ワイヤー、麻酔銃まで

なんでもアリな凄い銃である。

 

素材はたまたま仕留めた

プテルスの甲殻から作った。

 

「もう武器屋か料理屋に転職したらどうだ」

とメレフに呆れられたのも良い思い出だ。

 

 

「よし、おそらく造船所に向かったはずだ。

  俺たちも行こうか、途中のモンスターは頼む」

 

「いよっしゃー!!」

 

 

グーラの坂を進んでいく。

 

 

「うぉっ!なんじゃありゃあ……」

 

 

でかいゴリラがいた。

ゆっくりとトリゴ付近を歩き回っている。

 

縄張りバルバロッサだ。

 

 

「……ヤエギリ」

 

「……あたしも流石にあんなのに挑んだりしないよ」

 

「良かった……」

 

 

なんであんなゴリラがトリゴの

近くにいるんだよ。

生態系どうなってんだグーラ。

 

……よく考えればスペルビアにも

マムートやらプテルスやらいるな。

 

 

 

ヤエギリがゴゴールどもを蹂躙しながら、

少し歩くと、丘のような場所に出た。

 

 

「ここは、確かグーラの左側だっけ?」

 

「そうだな、レックスたちは、っと?」

 

 

見つけた。

戦闘中みたいだが、鳥?

ありゃユニークか?

 

 

「苦戦してるな、助けるか」

 

「よっしゃー、ユニークだ!」

 

 

俺は軍刀を右手に、ヤエギリは大斧を両手に

それぞれの得物を構え、走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

「くっ、こいつ空から……!」

 

「レックス、ニア、ここは退きましょう!」

 

「レックス、分が悪い、

  ここは逃げるべきじゃ!」

 

「くっそ!」

 

 

ユニークモンスター、狙撃のゴスか。

こいつは仲間呼びするから厄介だな。

 

しかも遠距離から羽を飛ばしてくるんだっけ?

 

 

「お前たち、加勢するぞ!」

 

「下がってな!」

 

 

とにかく、雑魚の鳥はレックスたちでも

倒せるから任せよう。

 





  狙撃のゴス lv18

  本体はそこまで強くない。
  初心者狩り。
  仲間呼びで、lv20の鳥を召喚する。
 

  作者は昔、こいつに二回殺されました。


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vs狙撃のゴス

あ、この作品ではほとんどレベル関係なしです。
みんな同じ強さに見えます。

レックスたちは自然と強くなる感じ。

クロスレイをロストレイに修正。


「あんたらは!?」

 

「話は後だ!ヤエギリ、俺が前に出るぞ!」

 

「りょーかい!!」

 

 

ゴスは崖から羽で攻撃をしてくる為、

遠距離攻撃手段のないレックスたちは苦戦した。

 

だが、俺は遠距離、近距離、

どちらにも対応可能だ。

 

 

「″サンダーボルト″、そらッ!!」

 

 

雷のエーテル弾を撃ち、ゴスを攻撃する。

相手も攻撃を食らったことで、

アーツを発動、大量の羽を飛ばしてくる。

 

 

「キュァァァッ!!」

 

「ヤエギリ!!」

 

「オッケー!!」

 

 

ヤエギリが背後で小さな竜巻を起こし、

羽を吹き飛ばす。

 

 

「キュェェェッ!!」

 

「な、なんだ!?」

 

「仲間呼びだ!お前らはそっちを頼む!」

 

「何だかわからないけど、やるよ、ビャッコ!」

 

「り、了解ですお嬢様!」

 

「ハナ、やるも!」

 

「了解ですご主人!」

 

「行くぞホムラ!」

 

「はい!」

 

 

それぞれが戦いを開始する。

 

俺は軍刀の銃口をゴスへ向け、

エーテル弾を撃ち、攻撃する。

 

ここで、ゴスが直接攻撃を

するために近づいてくる。

 

 

「″ロストレイ″ッ!!」

 

 

俺は軍刀を左下から斬り上げ、

重心を移動させて右上から斬り下ろす。

 

斜め十字の斬撃をゴスに撃ち込み、

怯んだところでヤエギリとスイッチする。

 

 

「ヤエギリ!スイッチだ!」

 

「やっとあたしの出番だね!」

 

 

銃口をヤエギリに向け、

能力上昇のエーテル弾を撃つ。

 

ヤエギリが敵を引き付けているので、

レックス、ニア、トラにも支援エーテル弾を撃つ。

 

 

「な、なんだ?体に力が……」

 

「援護するぞ、敵を逃すなよ?」

 

「アイツ、なんなんだ?

  アタシを捕まえたり、助けたり……」

 

「お嬢様、今は味方のようです。

  彼の真意は後で確かめましょう」

 

 

ナイスだビャッコ。

彼女に顔をバッチリ見られていたのを

すっかり忘れていた。

 

 

「オウカ、スイッチ!」

 

「了解だ!」

 

 

俺は軍刀を構え、再び前に出る。

 

 

「あの、戦い方はやっぱり………」

 

「ホムラ、今はレックスに集中するのじゃ。

 何故あやつがここにおるかは後で聞けばよい」

 

「……はい、セイリュウさん」

 

 

俺は軍刀を下段に構え、跳躍し、

アーツを発動する。

 

 

「″エアスラッシュ″!」

 

 

下段に構えた軍刀を振り上げ、

斬り上げて体勢を崩す。

 

まだ、終わらせない。

二連続でアーツを発動する。

 

俺は空中で斬り上げた軍刀に

雷を纏わせ、振り下ろす。

 

 

「″サンダーストライク″!」

 

「キュァァァ!」

 

 

ゴスを地面に叩き落とし、

転倒の状態に持ち込む。

 

今のように相手の体勢を崩すことを″ブレイク″、

転倒させることを″ダウン″といい、

これを繋げることを″ドライバーコンボ″という。

 

一人でここまで持って行ける奴はあまりいないが。

ヤエギリとスイッチすればまだ繋がるが、

止めだ。

 

 

「ヤエギリ、行くぞ!」

 

「やってやるぞぉー!」

 

 

ヤエギリが竜巻でゴスを包囲し、

俺は軍刀の銃口に雷のエーテルを充電する。

 

一秒で充電が終了し、

俺は両手で軍刀を銃のように構え、撃つ。

 

 

「キュァァァ!!」

 

 

「「″サンダーストーム″!!!」」

 

 

雷のエーテル弾が風に命中し、

雷が風に帯電、雷の竜巻がゴスを襲い、

身体を黒く焦がした。

 

 




ゴスが落とすコアチップですが、
そのレベルではまあまあ強い方ですね。


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和解

作者=主人公に謎をぶっ込んでいくスタイル。



「終わったか」

 

「ふー、なんか戦い足りないなぁー」

 

「その辺の敵なら倒していいぞ、

  俺の目の届かないところには行くなよ」

 

「やったー!」

 

 

ヤエギリはかなりの速さで

飛んで行ってしまった。

 

アイツは元気だなー。

 

 

「助けてくれてありがとう、オレはレックス」

 

「レックス!そいつから離れな!」

 

「……ま、そうなるわな」

 

 

ニアがツインリングを構え、

こちらを睨んでいる。

 

 

「ニ、ニア?どうしたも?」

 

「こいつ、スペルビア軍だよ」

 

「なっ!?」

 

「俺はお前たちを拘束する気はないが」

 

「どうだか。私たちを助けるふりして、

  捕まえる気立てだったんじゃないの?」

 

 

面倒くせぇ………

まぁ誰だってそうなるだろうなぁ。

 

 

「………お主、オウカ、じゃな?」

 

「セイリュウのじいさんか、久しぶりだな」

 

「え、じっちゃん知り合い?」

 

「あぁ、古い、な」

 

 

レックスは武器をしまってくれる。

ナイスだ、じいさん。

 

 

「………ニア、武器をしまってやってくれんか?」

 

「………分かった。

  でも、少しでも危害を加えるつもりなら」

 

「好きにしてくれ」

 

 

まぁ、少しは話せるようになったか?

 

 

「まぁ、積もる話もあるじゃろ、

  ここいらで少し休憩にせんか?」

 

「そうだね、そこの木陰で休もうか」

 

 

俺は木陰へ向かい、

レックスたちと話し始める。

 

 

「まず、お主はなんじゃ?」

 

「いきなりストレートに聞くね。何、か………」

 

「スペルビアの兵士、じゃないの?」

 

「ま、そうなるか。

  俺はスペルビア、特別執権官の補佐、だ」

 

 

周りの全員が目を丸くする。

 

 

「特別執権官、補佐!?」

 

「あのメレフってやつの部下じゃないか!?」

 

「て、敵なのかも!?」

 

「敵じゃない」

 

 

まぁ、スペルビアのNo.3だからな。

警戒されるのも仕方ないか。

 

 

「俺は今、完全にブレイドと二人。

 あいつらはいねぇよ、ブレイドは今いねぇし」

 

「ですけど、私たちが全力でかかっても、

  あなたには勝てない。そのはずです」

 

 

流石、天の聖杯、といったところか?

 

 

「………さぁ?どうだろうな」

 

「無理じゃな、

 今のレックスたちでは絶対にお前に敵わん」

 

「……知り合い二人は信じてくれないのかねぇ」

 

「知り合い二人?

  ホムラも、この人と知り合いなの?」

 

 

レックスがホムラに聞く。

 

 

「はい、彼は500年前、

  一時期だけ私たちと旅をした方です」

 

「その時はブレイドは居なかった筈じゃが……」

 

「ヤエギリなら五年程前に同調したんだ」

 

「ちょっ、ちょっと待って!?

  ご、500年前に旅をしてたって!?」

 

「あんた一体何歳なの!?」

 

「忘れた」

 

「「はぁぁぁぁっ!?」」

 

「………お主、人間ではなかったのか?」

 

「くくっ、まぁ、な」

 



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サーペント

未だにレアブレイド
コンプ出来てないんですよね。

出る確率鬼畜過ぎないですか?

ナナコオリは忍耐力必要です。
終わってないです。



 

「生きて、いたのですか」

 

「なんだ、死んで欲しかったのか?」

 

「いっ、いえ!そういう訳ではありません!」

 

 

ホムラが慌てる。

いや、性格変わりすぎだろ。

 

 

「………言わない方がいいか?」

 

「っ!?は、はい……」

 

 

やはり、あれが原因か。

力を封印した、って感じだな。

 

 

「ま、誤解、ってか敵意はない。

 あくまで俺の目的は天の聖杯の調査だ」

 

「捕まえないのか?」

 

「必要ねぇからな」

 

「そうか、ならいいか」

 

 

すると、ヤエギリが帰ってきた。

 

 

「ん、和解できたの?」

 

「まぁな、じゃ、自己紹介といこうか。

  俺はオウカ・スローン、んで、こっちが」

 

「オウカのブレイド、ヤエギリだよ。よろしく」

 

 

俺たちは名前を名乗る。

 

 

「俺はレックス」

 

「改めて、ホムラです」

 

「改め、セイリュウじゃ」

 

「ニアだ、よろしく」

 

「ビャッコと申します」

 

「トラだも」

 

「ハナですも」

 

 

「あぁ、よろしく」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところでレックス、

 どこへ向かうつもりか聞いてもいいか?」

 

「世界樹だ、そこに向かう」

 

「…………ふむ、止めはしない、

  だが、俺も共に行ってもいいか?」

 

「良いのか!?心強いよ!」

 

「そう言ってくれると助かる。

  トリゴへ敵対するなと伝えてある」

 

「おおっ!」

 

「それでは、そろそろ行くことにしようか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウモンさんの造船所で船を借りた

俺たちは、巨神獣船で世界樹付近へ向かう。

 

 

「これが、世界樹」

 

「こんなに近くで見るのは初めてだよ」

 

 

世界樹の周辺は、雲海が下へと流れ落ちており、

近付くのは危険そうだ。

 

 

「凄い流れだね、落ちたら助かりそうもない」

 

「来たのはいいけど、どうやって

  向こう側に行けばいいんだ?ねぇホムラ」

 

 

………!

これは、この感じは、不味い!!

 

 

「に、逃げて下さい!!」「逃げろレックス!!」

 

 

ホムラも危険を察知したようだ。

ホムラと同時に叫んだ。

 

奴が来る!

 

 

「に、逃げろってどうしたんだよいきなり」

 

 

その時、前方の雲海から、

それは飛び出してきた。

 

紫色の巨大な蛇のような身体をした、

それは─────

 

 

「「サーペント………!!」」

 

「サーペント?」

 

「レックス!船を旋回させろ!来るぞ!!」

 

「あ、あぁ!」

 

 

レックスがハンドルをまわし、

船を旋回させる。

 

逃げ切れるか………!?

 

 

「っ!不味い!」

 

 

サーペントが大きく尻尾を持ち上げる。

叩きつけが来る!!

 

 

「くっ!」

 

 

船には直撃しなかったが、

巨大な衝撃が船を吹き飛ばす。

 

 

「な、なんだ?」

 

 

レックスの言葉に、

俺はサーペントを見る。

 

見逃したのか、サーペントは再び、

雲海の中へ消えて行った。

 

 

「どうしたんだ?あいつ突然?」

 

 

俺は船の前を見る。

おいおい嘘だろ!?

 

ありゃまさか…………

 

 

「みんな、全力で船に捕まれ!!

  振り落とされるなよ!」

 

 

巨大な巨神獣、インヴィディアのアルスが

大きく口を開き、船を飲み込んだ。

 

 





サーペント・デバイス lv117

レベルオーバー。
ユニークモンスター扱い。
チェイン反射持ち。
即死級のアーツを後半に使ってくる。


反射無効、レベル99あれば倒せます。


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フレーズヴェルク傭兵団

ヴァンダムさん、
ゼノブレシリーズ全部出てるんですね。

ゼノクロやってなかったですけど。

ゾード好きなんですよね。キャラが。
カッコ良くないですか?
(ゼノブレ2ヴァンダムと声が同じ)



「ぐっ、みんな無事か?」

 

「いってててて」

 

「いってえ───」

 

「もー────」

 

「無事、みたいじゃな」

 

 

無事ではあるようだ。

しっかし、こりゃまた───

 

 

「しかし、またとんでもない

  ものに飲み込まれたもんじゃのう」

 

「あぁ、こんな体験は流石に俺もないぞ……」

 

「ここ、一体どこなんだい?」

 

「インヴィディアの巨神獣の内部じゃよ」

 

「ももーっ!?」

 

「見てみろ」

 

 

俺はセイリュウに合わせて、

入り口?つまり入ってきた口を指差す。

 

 

「何だか、気味悪い所だも……」

 

「同感だよ、暗いし、湿気も凄いし」

 

 

トラとヤエギリが嫌そうな顔をする。

 

 

「皆さん、出口を探しませんか?

 インヴィディアの街は、

 背中の方にあると聞きます」

 

「あぁ、ビャッコの言う通り、

 さっさとこんなとこから出よう」

 

 

俺たちは、口の中を進んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく、進んで行くと、

明るく、広い所へ出た。

 

 

「待ちな」

 

 

そう言い、崖の上から飛び降り、

こちらへ叫んだのは、筋骨隆々な男だ。

後ろへ鳥のような姿のブレイドを連れている。

 

さらに背後にはもう二人の男がいる。

 

 

「この辺りじゃ見かけん顔だな?

 さしずめ漂流してる最中に

 巨神獣に飲まれでもしたってか?」

 

 

図星だ。

 

 

「──ん?そのブレイド、

 翠玉色のコアクリスタル───」

 

「!」

 

「はーっはっはっは、

 なるほど、噂は本当だったか」

 

「噂って何のことだ」

 

 

レックスは何で喧嘩腰なんだよ。

 

 

「ドライバーなら誰しも一度は耳にする

 伝説のブレイド、天の聖杯──

 

 それが500年振りに目覚めたって噂だ。

 

 だが、まさか

 お前のような小僧っ子がドライバーとはな」

 

「俺がドライバーじゃいけないのか」

 

「いけなかねぇ、ソイツが普通のブレイドならな

 お前にゃ過ぎた代物だよ

 

 小僧、天の聖杯と剣を渡しな」

 

「まさかお前もホムラを……誰が渡すもんか!!」

 

 

皆が武器を構える。

俺は、どうしようかな?

いっか、オッサンは殺す気も奪う気もねぇし。

 

 

「威勢だけはいいな、小僧

 

 ユウ、ズオ、お前達は他の二人をやれ、

 この小僧は俺がやる」

 

「二人?

 な、何でオウカは構えないんだ?」

 

「俺にゃ戦う理由がないしな、

  ちっと傍観だ、お前の戦いを間近で見たい」

 

「は──?」

 

「………行くぞ!」

 

「レックス、来ます!」

 

「あ、あぁ!」

 

 

さって、どうなる?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

負けたねぇー、

ま、分かってたことだけどさぁ。

オッサン中々強いね。

歳食ってなけりゃ凄かったかもな。

 

 

「まぁ、こうなるよねー」

 

「ヤエギリ、お前、俺もエーテル切れたら

 終わりだから戦いはさっさと終わらせろよ?」

 

「分かってるってー」

 

 

この状態が解かれるのも近いだろうけどな。

 

オッサンの話は終わったみたいだし、

俺も行くかね。

 

 

「ん?そう言えばお前さん、どこかで……」

 

「スペルビア、特別執権官補佐、

 オウカ・スローンだ、新聞かなんかだろ」

 

「スペルビアだと?

 だが、悪いやつではなさそうだな」

 

「天の聖杯の調査なんでね、

  ま、保護者的なものだと思ってくれ」

 

「保護者、ねぇ。

 まぁいい、ついて来な」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちは、ヴァンダムのオッサンに

世界樹へ近付いて飲み込まれたこと、

オッサンが口に物資とりに行ったら

俺たちと会ったということなど、

色々な話をした。

 

そして、

 

 

「ここは………」

 

「俺たちの村、フレースヴェルグだ」

 

「こんな所に村があったのか」

 

「俺たちはここで傭兵団をやってるんだ」

 

 

傭兵団、かぁ。

懐かしいな、500年前にもあった。

 

 

「それじゃ、俺は村を散歩でもしてくるか」

 

「ん?飯は食わんのか?」

 

「少し腹を空かせてくる、

 レックスたちとの話が終わったら言ってくれ」

 

「そうか、まぁ、

  お前さんにはする必要もない話だしな」

 

「ヴァンダムさん、どういうこと?」

 

「アイツは、当事者だからな」

 

「当事者?」

 

「こい、話がある」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちは村の中を見てまわる。

たち、というのはヤエギリも一緒だからだ。

 

 

「どうしたのさ?」

 

「………少し、気になることがあってな。

  ヤエギリ、インヴィディアに

  遺跡みたいな所はあったか?」

 

「遺跡ぃ?そうだね、確か

  カラムって名前の遺跡があったような………」

 

「カラムの遺跡……成る程、そう言うことか」

     

「いつもの未来予知?」

 

「あぁ…………」

 

(絶対に………誰も死なせはしないぞ)

 




ゼノブレイド2って
時系列的にゼノブレ1と同時進行のようですが、
今はマクナ原生林辺りですかね?

春風のゾルホス「サウラー召喚!」
初見作者「ああああああ!!?」


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vsヨシツネ

ギャグ回?

ヨシツネの白目剥いた顔、面白いですね。
ヨシツネファンすいません。



 

「暇だ」

 

「暇だね」

 

 

現在、俺とヤエギリは留守番中だ。

広場で元気そうに遊ぶ子供たちを眺めている。

 

留守番というのも、レックスたちが

オッサンと大噴気孔の調査へ行ってしまった為、

『お前らがいると修行にならんなw』

ということで留守番になった。

 

しっかし、アイツが来る前に帰って来れんのか?

面倒そうな客が来る未来が見えたんだが……

 

 

「おや、天の聖杯がいると

  聞きましたが、外れですかね?」

 

「ありゃ?さっきまで此処にいた筈にゃ」

 

 

来たよ………、どうしよう。

来たのは青い鎧に赤いメガネの男、

そして金色のふざけた語尾をつけるブレイドだ。

 

 

「すいません貴方、天の聖杯をご存知で?」

 

「……俺もドライバーだし、知ってるけど?」

 

「ああ!すいません、言葉が足りませんでした、

  天の聖杯、それとそのドライバーです。

  どうです?ご存知で?」

 

 

うぜぇ……、いやマジどうしたらええの?

 

 

「あぁ、そいつらなら今は留守だよ?」

 

 

何で言っちゃうんすか、ヤエギリさん?

 

 

「ほぅ、知っていると………」

 

「えぇ……何で武器を構えるの?」

 

「貴方たちが仲間だからですよ」

 

「直ぐ楽にしてやるにゃ」

 

 

チッ、やるかぁ。

 

 

「おら、プレゼントだ」

 

 

俺は腰の二丁拳銃を抜き、

両手の拳銃(の弾)を二人の敵にプレゼント。

 

 

「おわっ!?」

 

「にゃっ!?」

 

「ヤエギリさん?

 あんた煽ったんだからずっと前衛ね」

 

「オッケー、むしろ嬉しい!」

 

「この……ッ!」

 

 

俺は近くにいたユウとズオに

周りの人たちの避難をさせ、戦闘を開始する。

 

 

「おら、来いよ」

 

「ーーーーッ!」

 

 

おぉう、挑発に弱いタイプだね。

 

 

「カムイ!」

 

「りょ~か~い!」 

 

 

赤いエーテル、

エーテル相反場、か。

 

 

「カムイの能力で属性の相反場を作りました、

 なぶってなぶってなぶり殺しにしてあげます!」

 

「残念、実弾なんだよね、これが!」

 

 

俺は両手の銃を連射し、

二人を攻撃する。

 

 

「うにゃ!?」

 

「ぐっ!?」

 

「ヤエギリ、相反場を乱せ」

 

「分かってるって!」

 

 

ヤエギリが竜巻を引き起こし、

相反場を乱す。

 

 

「馬鹿な!?」

 

「うにゃぁぁ!?」

 

「ヤエギリ、青いヤツ頼む」

 

 

ヤエギリに青いヤツを任せ、

俺はカムイと呼ばれたブレイドに銃を構える。

 

 

「許さないにゃ!」

 

 

怒ったのかカムイが雷を纏って突っ込んでくる。

 

 

「隙だらけだ」

 

 

俺は銃の機能を切り替え、

鉤つきのワイヤーガンに変更、

カムイ向かって撃ち、たわませて

カムイに巻き付ける。

 

 

「うにゃ!?」

 

「一本釣りじゃおらぁぁぁ!!」

 

 

そのまま銃を振り回して、

地面へ叩き付ける。

 

ワイヤーを戻し、軍刀を抜く。

 

 

「ぐにゃぁ!?」

 

「"サンダーボルト"」

 

「ぐにゃにゃにゃにゃぁぁぁ!?」

 

 

黒焦げだ。

ヤエギリはどうなったかな?

 

 

「そらぁぁっ!」

 

「ぐぁっ!?何なんですかコイツは!?

  こんなのシナリオに書いてませんよ!」

 

「終わったぞー」

 

「カムイ!?」

 

「死んじゃいねぇ、退きな、イーラのドライバー」

 

 

とにかく、ここで全力を出すと村が壊滅するし、

コイツと戦うのはレックスたちの仕事だ。

 

 

「チッ、名乗れ、ドライバー」

 

「オウカ・スローン」

 

「なっ、あのスペルビアのNo.3ですか……」

 

「お前は何者だ」

 

「イーラのヨシツネ、

  次は息の根を止めてやりますよ!」

 

 

そう言って、カムイを抱えて

ヨシツネは何処かへ行った。

やっちまったな………

 

 

「逃がして良かったの?」

 

「もう、いいんじゃないか?」

 





そう言えばヨシツネ、
あのメツにゲスとか言われてましたねw

この時のヨシツネ lv24 

チェインアタックのチュートリアル。
上記の為そこまで強くない。
ドライバー封印持ち。


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フォンス・マイムでヤエギリと


ほのぼの回。
ヤエギリのヒロイン要素忘れそうになります。
イラストとか、普通に可愛いですよね(圧)。



 

「さて、と」

 

 

俺は軍刀を背負い直し、

フレースヴェルグの村を出る。

 

 

「レックスたちには説明終わったのかい?」

 

「あぁ、そろそろ出るとしよう」

 

 

先日、フレースヴェルグの村へメガネが

襲撃を仕掛けてきた。

 

俺はそれを帰ってきたレックスたちに伝えると、

イーラについて調べる、という名目で

先にフォンス・マイムに向かうことにした。

 

本当の目的は、イーラの連中、

特に、シンとメツを探すためだ。

 

 

「シンはどうしたんだろうなぁ」

 

「んん?会ったことあるの?」

 

「まぁな、アイツは

 メツを敵視してた筈なんだがな」

 

 

洗脳でもされたか?

ラウラのやつが死んでメツと同調したのか?

あれがメツと同調するとは思えないが。

 

 

「まぁ考えても仕方ない、行くか」

 

「そうだねー」

 

 

こうして、俺たちは

フォンス・マイムへ向けて歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日が傾き始めたころ。

歩き始めて5時間ほどで、俺とヤエギリは

フォンス・マイムにたどり着いた。

 

 

「おおー!ここがフォンス・マイムかー!」

 

 

門を通ったとき、ヤエギリの腹から

「ぐぅぅ」という音がなる。

 

 

「……あー、ごめん、お腹すいて………///」

 

「はははっ、そうだな、腹も減ったし、

 何か買って食べることにしよう」

 

「いぇーい!」

 

 

俺とヤエギリは店を見て回る。

いい臭いがするな。

結構な長時間歩いてたし、

モンスターと戦っていたので流石に腹が減る。

 

 

「………ん?」

 

 

ヤエギリが隣から消えていることに気付き、

俺が後ろを振り向くと、

 

炭焼き鳥の屋台をヨダレを

垂らしたヤエギリが凝視していた。

 

俺は財布を取り出し、

焼き鳥を5本ほどパックで買う。

……中々高い。

ヤエギリが見ていただけの理由がこれだろうな。

 

それをヤエギリに手渡す。

 

 

「ほれ」

 

「いいの!?」

 

「あぁ、今日はかなり歩いたからな。

 メレフもいないし、贅沢しても大丈夫だろ」

 

「ありがとー!」

 

「うおっ!人目もあるから抱きつくなッ!!」

 

 

少し周りを見渡すと、ちょっとした

騒ぎのようになっていて、周りの人々に

暖かい目で見られていた。

 

俺は離してくれないヤエギリをくっ付けたまま、

逃げるようにその場を離れた。

 

ていうか、顔に胸を押し付けるのは辞めろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちは崩れた橋の端で落ち着き、

テッカ鳥の炭焼きをかじっていた。

 

 

「うーん、美味しい!

 こんな美味しい物初めてだよ!」

 

「ははは、大袈裟だな。

  ほら、俺の分もやるよ」

 

「えっ、いいの!?」

 

 

俺の一本目(食べかけ)を

ヤエギリの口の前に持っていく。

 

 

「遠慮すんな、ほれ。あーん」

 

「っ!?……あ、あーん///」

 

 

ヤエギリは顔を赤くしてそれを食べる。

………たまに見せるが、こういう時とか反応が

可愛いんだよな。

 

 

「………」

 

「………///」

 

 

しまった。小さな悪戯心のせいで

話しづらくなってしまった。

 

 

「……け、景色、綺麗だよね!///」

 

「お、おう。確かに………な」

 

 

言われる通り、無理矢理に景色に視線を向ける。

確かに、綺麗だった。

 

 

「………幻想的って、こういうことを言うんだね」

 

 

オレンジ色に発光するの桜の花びらが舞い、

それが水に映り、舞い上がるようにも見えた。

 

幻想的……そんな言葉を

具現化したらこんな感じなのだろう。

 

 

「……そうだな、本当に……」

 

「うん。また、来ようね」

 

 

肩を寄せ、俺たちは景色を

眺めながら眠ってしまったのだった。

 



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未来を変えること


番外編?みたいな感じ。
そろそろ正体バラします。



────■■■■■■が、言った。

 

 

『変えたいかい?

   ─────未来』

 

 

それは、まるで夢のようで、

儚く消えた。

 

 

 

そして、■■■■■が言った。

 

 

『この世界で生きる者全てに、

 選ぶ自由がある───それが未来よ!!』

 

 

それも、可憐な花のように、消えた。 

 

 

 

そして、■■■■が言った。

 

 

『僕達は、僕達の手で神を斬り、

  そして、未来を切り開く!!』

 

 

それは、抜けるように、スッと消えた。

 

 

 

 

 

 

最初の、光が現れる。

俺は、意識のみで、それと対面する。

 

 

『君は、どうするんだい?』

 

『どうするか、ねぇ?

  聞くのは、野暮ってもんじゃねぇか?』

 

『フフッ、考えてないだけだろう?』

 

『はははっ、そうとも言う』

 

        ・ ・ ・

『全く、これが僕自信なんて、

  世界が違うとここまで変わるんだね』

 

『元々からして俺がオリジナルじゃね?』

 

『そうかな?

  君も、人格が宿っただけだろう?』

 

『あ、そうか』

 

『ま、気にする必要もないだろう』

 

『ん?それにしては

 結構マジメに反応を返したなぁ?』

 

『はぁ、全く……。

 で、力を使うのかい?』

 

『まぁな。この先の未来は気に入らねぇし』

 

『成る程ね、因果律からは外れるけど?』

 

『そんなん問題ねぇ誤差に過ぎないことは

 お前だって分かってんだろ?』

 

『フフッ、そうだね』

 

『そっちはどうだ?

  機械バカの調子は?』

 

『そう言わないでくれ。

 これでも彼は気に入っているんだ』

 

『ほぉ……今は巨神のどの辺?』

 

『今はマクナ原生林……

  巨神の背中辺りかな』

 

『ふーん。何してる?』

 

『今はテレシアと戦っているね。

 三つ首の大型テレシアで、

 ノポン、ハイエンターの少女もいる』

 

『……よく思うんだが、

 テレシアってカッコいいよな』

 

『刈り取る者だよ?』

 

『あっちの親父はセンスがいいな。

 一応言っておくが、性格は本当に嫌いだ』

 

『正直だね、出番が増えるから、

 連絡も無くなるから、じゃあね』

 

『そうか、頑張りな』

 

 

光が消える。

■■■■■■との話も終わりだろうな。

 

どちらもこれから大変になるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

 

意識が体に戻り、体を動かす。

確か、昨日に宿にチェックインして寝た筈だ。

 

ベッドから起き上がり、時計を見る。

5時か………

 

隣ではヤエギリが寝ているが、

特に何があったわけでもない。本当に。

 

 

「レックスたちが来るのは、

  確か昼頃だったよな……どうするか」

 

 

ヒカリの目覚めは因果律の内にある。

俺が出るまでもないが、

それだとヴァンダムが死ぬ。

 

 

「アイツにどう対処するか

 アドバイスでももらっときゃ良かったな………」

 

 

俺は、予定通りに因果をずらす方法を考え始めた。

 



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真なる力

実は結構fgo初期組でして、一部の
魔神柱イベントに参加していたんですよ。

あれ、バルバトス狩りしてましたが、
「採集決戦」なんて呼ばれてるんですね。

「殺したかったけど
  死んでほしいわけじゃなかった」


作者「死ぬがよい!
   流星一条<ステラ>ァァァッ!!!」

バルバトス「うぉぉぉぉぉ!?」



最初にガンド、竜脈アーラシュのステラ、
三蔵ちゃんと交代して
W孔明とカレスコ三蔵ちゃんの宝具、
使いまくって折りまくってました。

でもデータ消しちゃったんですよね……

断末魔が長いことは覚えてました。



昼頃、レックスたちがフォンス・マイムに

到着、そして、ミノチ、もといコールの元で

演劇を見たらしい。

 

そして、その後、コールの近くにいたイオンが

イーラのメツとメガネに拐われた。

 

この1日での出来事だった。

日は既に沈んでいる。

そして、レックスたちはイオンが

拐われたこと、イーラとホムラが話していることに

気づいていない。

 

俺とヤエギリは、コールに会いに行った。

 

 

「お主は……!」

 

「よう、ミノチ。

 この500年ですっかり老けちまったな」

 

「何故、生きておるのだ………!?」

 

「その話は後だ。

 イオンがイーラに拐われた。

 どこかにホムラを誘い出す気だろう。

 レックスたちに伝えろ」

 

「何!?

 だが、お主はどうするのだ?」

 

「無論、イーラを探すさ。

 俺はイーラの連中が水場にいないかを調べる」

 

 

もう少しミノチと話をしたいところだったが、

俺はレックス達を傍観することにする。

 

因果律の流れではオッサンが死んで

ヒカリが目覚めてたが、

恐らくそれがスイッチではない。

 

メツが本気を出せばヒカリも目覚めるしか

無くなるだろうからな。

 

という訳でレックス達と合流せずに

俺は監視を始める。

 

 

「覗きが趣味なの?」

 

「違うわ、監視だ監視!」

 

 

あくまでも俺の役目は天の聖杯の調査なのだ。

8割好奇心だけど。

 

 

「さーて、カラムの遺跡にホムラが向かったな」

 

 

一人で来るように言われていたんだろうな。

 

 

「さて、行くぞ」

 

「レックスたちはいいの?」

 

「ああ、因果律のずれは既に起きてるからな。

 レックスたちはホムラをこっそり見てるな」

 

「意地悪いね、何がしたいんだい?」

 

「ヒカリ、天の聖杯の目覚めかな。

  それは因果律で確立してるから、

  必ずここで目覚める筈だ。

  アイツも俺と同じだからな」

 

「んー?どゆこと?」

 

「すぐに分かる。行くぞ」

 

 

俺たちは、空を風の力で飛翔し、

カラムの遺跡の広場の上の方の倒れている

巨大な柱の影に隠れる。

 

 

「メツとメガネもいたな、

 ここも因果律から外れているからどうなるか」

 

 

ホムラとイーラ二人が対峙し、

レックスたちが飛び出し、ホムラを守る。

 

 

「メツ、そこまでだ!」

 

「チッ、もう来やがったか!」

 

「レックス!?何で!?」

 

「コールさんが教えてくれたんだ、

  メツ、ここでお前らを倒す!!」

 

「僕を忘れないでもらえませんか、ねッ!!」

 

 

メガネが走り出し、戦闘が始まる。

レックスたちが最初は押していくが、

メガネのブレイド、カムイがエーテルを弄って

武器への供給を止める。

 

それからレックスたちが圧倒され始める。

 

ここで、ヴァンダムが動いた。

 

 

「いいかレックス!

 ブレイドの武器の使い方にはな───

 こういう使い方もあるッ!!」

 

 

うわぁ、武器を体に突き刺した。

痛そう。

 

……ありゃ、体に武器に残ったエーテルを

直接流しこんでやがるな。

 

万が一、奴らに勝っても、

体がエーテルに耐えられずに死ぬ。

 

残存エーテルが切れれば、死ぬ。

 

死が確定したようなもんだ。

特攻か………。

 

 

「ぐふっ、こうすりゃエーテルの流れなんか

 関係ねぇって訳だ、うぉぉぉぉぉッ!!」

 

「馬鹿な!?」

 

「ヴァンダムさん!!?」

 

「逃げろッ!

 ホムラを連れて、さっさと逃げやがれ!」

 

「でも……!」

 

「死なないんだろ、死ねないんだろ!?

  なら、こんなところにいるんじゃねぇッ!

 

  生きて、生き延びて、楽園に行くんだぁッ!」

 

 

カッコいいな。

だが、あんたは死ぬにゃ早いだろ?

 

 

「ちいっ、てりゃァッ!!」

 

「ぐおぁっ!?」

 

「消し飛べ」

 

 

メツが、ヴァンダムの前に立ちはだかる。

 

 

「辞めろォォォッ!!」

「ダメェェェッ!!」

 

 

レックス、ホムラの叫びが重なり、

ホムラが光を放つ。

やっとこさ目覚めか。

 

 

「何!?」

 

「なんだあれは!?」

 

「こ、これは───」

 

 

レックスの持つ剣が変化する。

金色の輝く剣だ。

 

そして、光の中から、

更に強い光を纏った女が現れる。

 

 

「ホムラ?」

 

「そ、そんなものになったからって、

 何だってんだァァァッ!!」

 

 

走り出すメガネに、手を向ける女。

その瞬間、空が光る。

 

 

「馬鹿野郎、上だ!!」

 

「!?」

 

 

空から降り注ぐ光が、メツ、ヨシツネを狙う。

 

 

「ぐぁぁぁっ!!」

 

「チッ、やっとお目覚めか!

  ヒカリィィッ!!」

 

 

メツがレックスたちに斬りかかる。

レックスが剣で受け止める。

 

 

「ヒカリ、だって?

 ホムラ、その姿は───」

 

「私はホムラじゃない。

 私はヒカリ。ホムラは、

 私が作り出したもう一つの人格」

 

「人格って」

「余所見しない!」

 

「あ、ああっ」

 

「集中して、キミが集中してくれないと、

 私から力を渡せない」

 

 

レックスが攻撃を弾き、

メツが距離をとる。

 

 

「馬鹿な、僕の力がまるで役に立たない!

 どこからあれだけの力を!?」

 

「ったりめぇだ、

 あいつの力の源はエーテルじゃねぇ」

 

「エーテルじゃ、ない!?」

 

「その姿、いいぜヒカリ、高鳴ってきたぁ!」

 

 

メツは既に虫の息のヴァンダムには

目もくれていない。

今だな。俺は、力を完全に解放する。

 

大量のエーテルが取り込まれ、

白い、異形の剣が、

俺の体はエーテルを纏い、白い衣が現れた。

 

 

「ヤエギリ、レックス以外を頼む」

 

「……わかった、ふふっ」

 

「何だ?」

 

「カッコいいなって」

 

「……チッ///」

 

 

俺は舌打ちをして飛び出す。

まずはメツとレックスの間の

エーテルを爆発させる。

 

 

「何ッ!!?」

 

「な、何だ!?」

 

「私の攻撃じゃないわ!誰ッ!?」

 

 

俺は、剣の力を発動する。

剣が拡張し、丸い穴に「力」の

文字が浮かび上がる。

 

 

「俺だ」

 

「オウカ!?」

 

「てめぇは……500年前の?

   まさか、てめぇは!?」

 

「あなた、その、姿は───」

 

 

俺は、剣を肩に乗せて、言った。

 

 

「天の聖杯が二人って誰が決めたんだ?

  ははっ、別に驚くことじゃねぇだろ?」

 

「まさか……」

 

 

メツ、ヒカリですら、驚愕する。

 

 

「改めて名乗るぜ、

 俺は、オウカ・モナド・スローン!

 

 天の聖杯……歴史には無い、三人目だ」

 

 

異形の剣、白い″モナド″を持つ者。

 

人を、神を断ち、未来を切り開く剣が、

その手にあった。

 




最初のゼノブレイドをクリアしたなら、
もう気付いたんじゃないでしょうか。

オウカの正体は───この世界の■■■■■■。


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モナド

ヒカリは出オチ。



「3人目……だと!?」

 

「オウカ・モナド・スローン………!?」

 

 

二人の天の聖杯が狼狽える。

 

 

「誰が決めた?

 別に良いじゃねぇか、ははっ」

 

「……ふん。まぁ、こうすりゃ分かるよなぁ!?」

 

 

メツが俺に斬りかかって来る。

 

 

「それもそうだな、

  ──モナド解放、″モナドブレイブ″!!」

 

 

俺は剣──モナドを発動。

浮かび上がっている、「力」の文字が輝き、

俺の体を薄紅の光が包む。

 

 

「オラァッ!!」

 

「ふんッ!!」

 

 

メツの逆手の剣と、モナドがぶつかり合うが、

俺は軽くメツを上に押し返し、

モナドを右に薙ぎ、追撃を仕掛ける。

 

 

「何!?」

 

「せぁッ!!」

 

「ちぃッ!」

 

 

俺の追撃は空中で宙返りしたメツに避けられる。

 

 

「ヘッ、行きな!!」

 

「ククク、悪く思うなョ?」

 

 

俺の背後にメツのブレイド、

ザンテツが忍び寄っていたが、

既に未来視は発動していた。

 

俺はモナドを地面に突き刺す。

モナドの文字は切り替わり、

「波」の文字が浮かび上がっている。

 

 

「″モナドウェーブ″!!」

 

「が、ァァァァ!?」

 

 

地面が波のようにうねり、

隆起した地面がザンテツを打ち付け、

地面がザンテツを飲み込み、押し潰した。

 

 

「何!?」

 

「くそ……が、この、ッ

   ……脇役がァァァッ!!」

 

「!」

 

 

ヨシツネが狂乱したように

カムイと共に走り出してくる。

 

 

「食らえぇぇッ!」

 

 

邪魔だ。

俺は、モナドを二人が来る方向に向ける。

文字が「喰」に切り替わり、

モナドから出る白い光の刃が黒に変わる。

 

 

「ヨシツネ、避けろ!!」

 

「なっ!?」

 

「″モナドイーター″」

 

 

黒い光刃が爆発し、

巨大なレーザーとなって

ヨシツネがいた場所を抉りとった。

 

ヨシツネは辛うじて避けたものの、

カムイはそれを食らい、黒い光に飲み込まれた。

 

 

「カムイィィッ!!!」

 

「退くぞ!ヨシツネ!」

 

「あ、ぁ、カムイ………」

 

 

メツが呼び掛けるが、ヨシツネは

カムイのコアクリスタルを呆然と眺めるだけだ。

メツが黒い力を吹き出し、

爆風が俺たちを襲う。

 

 

「逃がさないわ、メツ!!!」

 

 

ヒカリが力を使い、

空からの光がメツたちを狙うが……

 

 

「逃げられた、ようじゃな」

 

 

セイリュウの言う通り、

その場には、メツも、

ヨシツネも消えていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐふっ!」

 

「!! ヴァンダムさん!」

 

 

ヤエギリが確保していた

ヴァンダムは、既に限界だった。

 

 

「ヴァンダム!さっさと武器を体から抜け!」

 

「ヴァンダムさん!」

 

「ぐぅぅっ!」

 

 

ヴァンダムのブレイド、

スザクがヴァンダムを促す。

 

 

「どけっ、レックス」

 

「オウカ!?」

 

 

俺はモナドの文字を「治」に切り替え、

緑に変わった光の刃をヴァンダムに突き刺す。

 

 

「何をする気じゃオウカ!?」

 

「オウカ、何をしてるの!!」

 

「黙ってろ、″モナドヒール″!」

 

 

緑色の光がヴァンダムを包み、

剣を引き抜く。

 

 

「か、体が………」

 

 

ヴァンダムの傷が急速に癒え、

ものの2~3秒で傷が完治した。

 

 

「す、凄い……」

 

「はー、疲れたぁぁッ!!」

 

 

俺は白い衣を脱ぐ。

するとモナドは消え、衣も消えた。

 

 

「で、一件落着、か?」

 

 

俺は周囲を見回し、

戦いが終わったことを確認した。

 




オウカのモナドアーツについて

・「斬」モナドバスター
  (直線上にダメージ、機械系の敵に特攻)

・「力」モナドブレイブ
  (味方全員に全能力40%上昇バフ)

・「鎧」モナドアーマー
  (味方全員にダメージ80%カット付与)  
 
・「波」モナドウェーブ
  (円形にダメージ、バインド付与)

・「治」モナドヒール
  (一人の体力100%回復、ヒールバリア付与)

・「喰」モナドイーター
  (直線上にダメージ、出血付与、バフを消去)

・「轟」モナドサイクロン
  (円形にダメージ、強制ライジング)


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オウカ 設定

オウカ「俺のゲーム内での設定みたいだな」

何となくネタが切れたので考えました。

オウカ「完全に捏造だから気を付けてな~」



 

オウカ

 

天の聖杯(現在はドライバー不在)

 

年齢 ???

 

身長 170cm

 

 

ブレイド ヤエギリ(固定)

 

 

 

 

武器

 

・軍刀

 オートアタック→秒速1回。

 物理攻撃、物理防御、エーテル攻撃上昇。

 

・五三式二丁拳銃

 オートアタック→秒速4回。

 物理攻撃、エーテル攻撃、素早さ上昇。

 

・モナド ZERO

 オートアタック→秒速2回。″白の衣″強制装備。

 無属性に強制変化。

 全能力上昇、デバフ無効付与。

 モナドアーツとアーツの切り替え可能になる。

 3分後に強制解除。

 

 

 

 

 

 

 

軍刀(前衛時)のドライバーアーツ

 

・サンダーボルト

 敵単体に雷属性のエーテルダメージ。

 リキャストまで7回。

 

・ヒールボルト

 味方一人のHPを最大HPの50%回復する。

 リキャストまで5回。

 

・ロストレイ

 敵単体に物理の2回大ダメージ。

 リキャストまで8回。

 

・エアスラッシュ

 敵単体に物理の2回ダメージ。

 ブレイク付与。

 リキャストまで7回。

 

・サンダーストライク

 敵単体に雷属性の物理ダメージ。

 ダウン付与。

 リキャストまで10回。

 

 

軍刀(後衛時)のドライバーアーツ

 

・サンダーボルト

 敵単体に雷属性のエーテルダメージ。

 

・ヒールボルト

 味方一人のHPを最大HPの50%回復する。

 

・ブレイブボルト

 味方一人の物理攻撃、エーテル攻撃を10%上昇。

 

・ガードボルト

 味方一人の物理防御、エーテル防御を10%上昇。

 

 

軍刀 必殺技

 

必殺Ⅰ バスターボルト

   敵単体に雷属性の10連続ダメージ。

   味方全体の物理攻撃を20%上昇。

 

必殺Ⅱ サンダークラッシュ

   敵から円形に雷属性の8連続ダメージ。

   敵の怒り、覚醒を解除する。

 

必殺Ⅲ ライトニングボルト

   敵から円形に雷属性の12連続ダメージ。

   敵の属性を全属性に弱くする。

 

必殺Ⅳ サンダーストーム

    雷、風属性のエーテルダメージ

    

    風雷・桜花八重桐

    雷、風属性の物理ダメージ。

 

 

 

 

五三式二丁拳銃(前衛時)のドライバーアーツ

 

・貫通型螺旋弾

 自身の直線上の敵に3回の物理ダメージ。

 出血付与。

 リキャストまで13回。

 

・単発式エーテル拘束弾

 敵単体にエーテルダメージ。

 ダウン、バインド付与。

 リキャストまで11回。

 

・短剣変形 紫陽花

 敵単体に15回の物理ダメージ。

 ノックバック付与。

 リキャストまで18回。

 

・エーテル炸裂弾

 敵単体に8回のエーテルダメージ。

 ブレイク付与。

 リキャストまで10回。

 

 

 

五三式二丁拳銃(後衛時)のドライバーアーツ

 

・エーテル散弾

 敵円形にエーテルダメージ。

 

・連続エーテル治癒弾

 味方全体のHPを最大HPの20%回復する。

 

・新型雷撃弾

 敵に雷属性の物理ダメージ。

 パラライズ付与。

 

・エーテルシールド弾

 味方一人に物理、エーテルバリア付与。

 レベルによってカットは変動。

 最高30%カット。

 

 

 

五三式二丁拳銃 必殺技

 

必殺Ⅰ 短剣変形 蓮華

   敵単体に20回の物理ダメージ。

   自身にヘイトダウン付与。

 

必殺Ⅱ 範囲治癒弾

   味方全体に最大HPの50%を回復。

   自身の物理防御を10%上昇。

 

必殺Ⅲ 銃剣連撃 菊

   敵単体に30回の物理、エーテルダメージ。

   確率で味方全体のヘイトを消滅する。

 

必殺Ⅳ 八重桜

   雷、風のエーテルダメージ。

 

 

 

 

モナド ZERO(装備時強制前衛)のドライバーアーツ

 

・爆

 敵円形にエーテルダメージ。

 ブロー付与。

 リキャストまで6回。

 

・流

 味方全体のヘイトを奪う。

 自身にヒールバリア、物理バリア、

 エーテルバリア、ライジングスパイク付与。

 バリアは30%カット。

 効果時間5秒。

 リキャストまで10回。

 

・光

 敵単体に光属性のエーテルダメージ。

 ブロー付与。

 リキャストまで8回。

 

・滅

 敵単体に闇属性のエーテルダメージ。

 ブロー付与。

 リキャストまで8回。

 

・モナド発動

 モナドアーツに切り替え可能。

 一度モナドアーツを使うとリキャスト。

 リキャストまで14回。

 

 

モナドアーツ

 

・斬

 自身の直線上の敵に大ダメージ。

 ノックバック付与。機械特攻。

 

・力

 味方全体の全能力を40%上昇。

 効果時間90秒。

 

・鎧

 味方全体にダメージ80%カット付与。

 効果時間90秒。

 

・波

 円形に敵にダメージ。

 敵にバインド付与。敵の全耐性低下。

 

・治

 味方一人のHPを100%回復。

 ヒールバリア付与。

 自身のヘイト上昇無し。

 

・喰

 直線上の敵に大ダメージ。

 敵に出血付与、バフを消去。

 

・轟

 自身の円形に大ダメージ。

 敵に強制ライジング付与。

 

 

モナド ZERO 必殺技

 

 

必殺 零

   敵に強制即死を付与。

   特殊な条件下でしか発動不可。

 

 

 

 

 

オウカ プロフィール

 

 

スペルビア帝国の特別執権官補佐にして

三人目の天の聖杯。

 

ドライバーはいない(本人談)。

 

500年前のヒカリ、メツなどを知っている。

 

顕現……周囲のエーテルを無理矢理吸収すれば、

   天の聖杯の力を行使出来る。

   少しでも使うとエーテルを枯渇させるほど。

   巨神獣のエーテルを吸収するので

   使いすぎると巨神獣が沈む。

 

モナド……顕現で現れるオウカ白い聖杯の剣。

    ″白の衣″も顕現で同時に現れる。

    未来を見ることが可能になる。

    エーテルを自在に操ることが可能。

 

白の衣……顕現で現れる白い衣。

    あらゆる異常を無効化する。

    

ヤエギリとはまだ長い付き合いではない。

が、仲が良く、恋愛にまで発展しそうな状況。

 

メレフ、カグツチとは短い関係だが、

気が合うことも多く、

さらに互いに(異性としても)意識はしている。

 

温厚な性格だが、一度怒ると怖い。

部下であるスペルビア兵には基本的に優しい。

 

料理、機械弄りが得意。

モナド以外の武器は手作り。

 

戦闘スタイルはレックスたちとは違う。

 

趣味は雲海での釣り。

上手い訳ではなく、時々足のあるサメ、

でかいタコ、でかいザリガニなどが釣れる。

 

属性については不明。

エーテルを操ることが出来るので

全部に対応するのかも知れない。

 



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秘密と、残り火と


明けましておめでとうございます。
投稿遅くなりすいません。

作者のプロフィールを更新致しました。
これからもこの作品をよろしくお願いします。



「ま、こんなとこか」

 

「な、何が起きたのよ………」

 

「見ての通り、じゃねぇか?」

 

 

俺は力を抜く。

白い光の剣と衣は、空に溶けるように消える。

 

そして、呆然とするレックスたちに向けて

俺は笑いかける。

 

 

「取り敢えず、疲れただろ?

  今日は宿とって休もうぜ」

 

「え、あ」

 

「レックス、確かに奴の言う通りじゃ。

  色々ありすぎた、少し、休むといい」

 

「そうだね、じゃあみんな、戻ろうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜。

俺は部屋で聖杯(ヒカリ)について軽く

レポートをまとめていると、ノックされる。

 

 

「鍵なら開いてるぞ」

 

「分かったわ」

 

「夜分に失礼するぞ」

 

「ヒカリとセイリュウか。

  どうした………って聞く必要もないか」

 

「ええ、あれがなんなのか。

  それと、何故あのとき使わなかったのか。

  それを教えてもらうためよ」

 

「聞く必要もねぇし、分かってたんだけどな」

 

「なに?お主は………」

 

「まぁ待て、場所を変えるぞ」

 

 

ベッドではヤエギリが寝ている。

取り敢えず起こさないように部屋から外に出る。

 

外の椅子に1人と一匹を座らせて茶を出す。

 

セイリュウのはないけど。

いや、だってカップのサイズがね?

 

 

「熱っ………」

 

「お前、猫舌健在か。

 ホムラの時は火のエーテルじゃねぇかよ」

 

「私だって火は熱いと感じるわよ。

  あの子は耐性あると思うけど………」

 

「………日が昇ってしまうぞ………」

 

 

無駄話をしているとセイリュウが

頭を抱え始めたので、俺も向かい合って座る。

 

 

「ま、見りゃ分かったろ?」

 

「「分かるか!」」

 

「あれ?」

 

 

いや、分かるだろ。

 

 

「俺は天の聖杯ってことなんだが」

 

「………ドライバーはどこじゃ?

  お主とてブレイド、ドライバーがいる筈じゃ」

 

「いきなり痛いとこを突いてくれるね……」

 

「当たり前のことよ、私だってレックスがいる」

 

 

んー、そうだな。言うなれば………

 

 

「死んだ」

 

「………は?」

 

「え、死んだ………って」

 

「だから、死んだんだよ。

 生き物なんだから、死んだ。何度も言わせんな」

 

 

俺は本気で2人を威圧する。

 

 

「…………誰じゃ、名前は」

 

「………さぁな、覚えてねぇよ」

 

「嘘をつかないで、

  私でも500年前を覚えてるのよ」

 

「…………はぁ、仕方ないか。

  お前ら、今から言うこと、秘密にしろよ」

 

 

2人は頬を引き締める。

まぁドライバーについては話したくないです。

 

 

「そうさな、だいたい500年前のことだ。

 世界樹から天の聖杯を持ち帰った奴がいたな?」

 

「あぁ……あの胡散臭いやつね」

 

「そうだ。まず、

 天の聖杯が2人って間違いがそこからだ」

 

「そう言えば………そうじゃったな」

 

 

上手い具合に話を逸らして

ドライバーのことは忘れてもらおう。

 

 

「次に俺の力だが………」

 

「……なんで500年前に使わなかったの」

 

「その通りじゃ……お主があの力を使えば……」

 

「使って良かったのか?」

 

 

事実を、事実だけを述べる。

すると、ヒカリは俺の胸ぐらを掴む。

 

 

「…………っ!馬鹿なの!?使えばユーゴが

 死ぬこともなかった!ミルトだって………!!」

 

「お主は………!!」

 

「珍しい、じいさんも怒るか?」

 

「ふざけないで!!」

 

「へぇ………?」

 

 

ヒカリが俺の首に剣を当てていた。

俺はその剣を掴み、力を入れると、

剣はミシミシと音を立て始める。

 

 

「因果率予測、使ってみろよ?」

 

「………ッ!?」

 

 

ヒカリの目が輝く。因果率予測の発動合図だ。

発動は1秒。ヒカリは、俺から全力で離れる。

 

 

「ハッ、なんだよ、その程度か」

 

「ハァッ………ハァッ………」

 

「何が見えた?」

 

 

見せたのは、2つ。

1つは、この巨神獣が沈む光景だろう。

2つは、ヒカリが切り刻まれて死ぬ光景。

 

 

「………っ、巨神獣が………!」

 

「はぁ………何故、

 あんな光景が見えたか教えてやろうか?」

 

「…………」

 

「俺があの力をあと3回使った結果だ」

 

「「!?」」

 

 

俺の力は周囲のエーテルを使う。

エーテルが枯渇すれば、自然は崩壊し、

水は枯れ、生命は息絶える。

 

俺の力は無尽蔵にエーテルを消費し、

周囲のエーテルがなくなれば、

巨神獣からも吸い出す。

 

 

「アルスのエーテルが尽きればどうなるか、

 小さくなったイーラのアルスなら分かるだろ?」

 

「…………成る程、だがイーラは」

「あの時、俺たちはどこで戦った?」

 

「イーラの、腹の近くよ」

 

 

そこからエーテルを吸い出しなんかすれば、

溜め込まれていたイーラのエーテルは暴走し、

吹き飛んでただろうな。

 

 

「まぁ別にそれでも良かったぞ?

  メツは死ぬし。まぁ、俺たちも死んだけどな」

 

「使えなかった……の?」

 

「仮に使ったら、生き残りなんていねぇよ?

 エーテルの巨大爆発だ、全員死亡は確定だぜ?」

 

 

もしかしたら周囲の

巨大なアルスごと消し飛んだかもな。

 

 

「ま、こういうこった。

  俺の力の危険性、分かったか?」

 

「不用意に使える力ではない……という訳か」

 

「そうだ。どちらにせよ、過去には戻れん。

  死んだら生き帰ることはねぇよ」

 

「…………」

 

 

俺は立ち上がって2人に背を向ける。

 

 

「今の俺はスペルビアの特別執権官の補佐だ。

  手を貸すつもりではいる。

  まぁ明日には先に帰るつもりだ。じゃあな」

 

 

今日は眠い。

明日は早朝にはスペルビアに帰るので、

寝るとしようかな。

 



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メレフで遊ぶと後が怖い


キャラ崩壊。



 

 

 

「さぁて、帰るかー」

 

「ん、レックスたちは置いていくの?」

 

「あぁ、先に帰る。

 メレフに仕事を任せたままだからさ」

 

 

俺たちは雲海用の小型船に乗って帰る。

小型船というか、水上バイクである。

デカイのは定期便しかないし、遅い。

 

 

「対してコイツは速いしな」

 

「沈みそうだけど、これ大丈夫なの?」

 

「俺が改造した高速船だぞ?

  多分、うん、多分大丈夫だ。うん」

 

「自己暗示かけてるよね!?」

 

 

カケテナイヨー。

 

 

「まぁ沈んだときはさ、

  飛べるんだから運んで?」

 

「まぁいいけど」

 

「よっしゃ、帰るぞ!」

 

 

こうして、俺とヤエギリはインヴィディアを

出て、スペルビアへ帰ることになったのだった。

 

水上バイクは沈まなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ、それで?」

 

「うん、ごめ──」

「うん、だと?」

 

「は、はい。すいませんでした………」

 

 

スペルビア、アナンヤム港にいたのは、

メレフ、カグツチだった。

 

なんでいるんだよ………何も連絡してない筈だぞ。

ヤエギリ逃げやがったし。

 

 

「私は天の聖杯のレポートをお前に頼んだ。

  だが、お前が私に渡した物は何だ!!?」

 

「………″アルス油ハンドクリーム″

  ″ハゴロモピーチ水ようかん″です」

 

「あらメレフ様、

 お気に召さないなら私が全て頂い

「それはダメだ!」さ、左様ですか」

 

 

もの凄い気迫で即答する。

あ、気に入らない訳では無いようだ。

良かった。

 

 

「な、なぁメレフ、今度なんでも

 言うこと聞くから許してくれないか?」

 

「………ほう?言ったな?」

 

「オウカ………メレフ様相手にそれは……」

 

「あ」

 

 

忘れてた。メレフに「なんでも」は

使ってはいけない言葉だと。

 

 

「ふふ、だが今回は妥協してやろう。

 これから一週間、私と行動を共にしてもらう」

 

「…………風呂、寝るときもか?」

 

「なッ、ば、馬鹿かお前は!!

 流石にそれは別に決まっているだろう!!///」

 

 

俺はメレフをからかってニヤリと笑い、

カグツチへと目で合図を送る。

 

カグツチもニヤリと笑い、メレフへ耳打ちする。

 

 

「では、私がオウカと風呂と夜を共にしましょう」

 

「ぶふぅっ!!?///」

 

「ふふ、今日から楽しみです」

 

「なっ、ぁ、か、カグツチお前!

  誰のブレイドなのか分かって……!?///」

 

「はい、私はメレフ様のブレイドですが。

 ですが夜枷にそれは関係の無いことですし」

 

「やっ、ややや、夜枷だと!!?

  お前たち、そんな関係だったのか!?///」

 

「「いや、違いますけど?」」

 

「へ?」

 

 

メレフがポカーンとしたように

赤い顔で硬直する。

 

 

「いや、流石にそれはないですよ。

 安心してください、私は貴方様のブレイドです」

 

「ははは、冗談だよ冗談!

  ちょっとからかっただけだって!」

 

 

俺は笑いながらメレフの肩を揺する。

彼女、夜のネタに耐性がない。

 

まぁ、あったらあったで怖いが。

 

 

「…………」

 

「あ、あれ?メレフ?メレフさん?」

 

 

動かないメレフを揺する。

すると、急に腕をガシッと掴まれる。

 

 

「よ、よし分かった!!?

 お前が望むなら私は風呂だろうと

 夜枷だろうと共にしようじゃないか!!?///」

 

「え、あの」

「ほら行くぞ!!?

 まずは旅の疲れを癒すための風呂だ!!?///」

 

「暴走すんなぁぁぁ!?」

 

 

「あらー」じゃねぇカグツチ!?

お前も共犯だろうがぁぁぁ!?

 

 

「待って、お願い待ってメレフさん!?」

 

「何してる、行くぞ!!?///

 お前のために貸し切りにしてあるんだ!!?///」

 

「ちょっと待てぇぇぇい!?」

 

 

つーか何で帰る日知ってるんだよ!?

あ、待って引き摺らないでぇぇ!?

 

 






メレフ様、
買ってきて貰った物はちゃんと全て受け取り、
夜関係ネタで暴走するという………

カグツチ置いてけぼり。


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風呂

 

 

 

「待て待て待て!?正気かメレフ!?」

 

「私は至って正気だ!!///」

 

 

結局、そのままメレフに宿の風呂の

脱衣場へと投げ飛ばされる。

 

後ろからちゃっかりカグツチもついて来ている。

助けろよ?

 

 

「………だけど、ここで逃げてもなぁ」

 

 

メレフとの関係が崩れるようなことは

出来るだけ避けたい。

 

あんな言動をするということは、

少なくとも俺を想ってくれているということ。

 

…………自分で考えてて恥ずかしいな。

 

ここで逃げるようなことをすれば、

メレフは落ち込むかも知れんし………

 

 

「仕方ない、か………

  元は自分で蒔いた種だしな」

 

 

俺は仕方なく服を脱ぎ始める。

下も勿論脱いで、腰にタオルを巻く。

 

 

「…………よし、行くかぁ」

 

 

俺は風呂へと入る。

 

洗面器でお湯をすくい、

体を露天風呂の湯で流す。

あぁ、気持ちいい。

この感覚が堪らなく気持ちいい。

 

 

「あ、あの………」

 

「あぁ、来たかメレ、フ………」

 

 

俺はかけられた声に振り向く。

そこには、バスタオル一枚の髪を下ろした

メレフの姿があった。

 

まぁその、俺も男なわけで。

布一枚の美しい女性を見れば、

はい。硬直くらいはする。

 

 

「…………」

 

「……あ、あの、まじまじと見ないでくれ………///」

 

「お、おう。悪いな………ははは……」

 

 

なんで今正気に戻ってるんだよ!?

不味い、暴走状態なら大丈夫だと思ってた。

 

頼むから恥ずかしがるな!!

顔赤くするなぁぁぁ!!

モジモジするなぁぁぁ!!

 

 

「す、すまないが私にも洗面器を………///」

 

「わ、悪い!はい!」

 

 

俺はメレフに洗面器を素早く渡して

露天風呂に入る。

 

ヤバい………気持ちいい筈なのに

緊張しまくってるせいか、

もの凄い体がガチガチになる。

 

 

「…………」

 

「…………」

 

 

横でメレフが体を流し終わり、

俺の隣に入ってくる。

 

 

「「…………」」

 

 

や、ヤバい。沈黙がキツイ。

何か話題は…………

 

 

「「あの………!?」」

 

 

被ったぁぁぁぁ……………!

ヤバい、余計キツイ!

 

 

「お、オウカ………あの、だな」

 

「あ、あぁ。何だ?」

 

 

深呼吸して体を落ち着けて、

俺はメレフの話を聞く。

 

 

「お前が………私たちと

  別れて一週間、だったが………」

 

「……あぁ」

 

「…………少し、寂しかった。

  いつもいる人が1人や2人いなくなると、

  ここまで違うのかと、思い知った」

 

「……………」

 

「だから先程はあんな事を口走ってしまって……

  め、迷惑じゃないだろうか?」

 

 

…………確かに、メレフたちと放れて一週間、

何か物足りなさを感じることがあったが………

 

やはり、俺も同じことを考えていたのかもな。

 

それで、迷惑な訳がない。

 

 

「迷惑なんかじゃないさ、

 メレフと一緒に歩いたりすることも減ってたし、

 俺も同じ気持ちだったからな」

 

「…………そうか。なら、良かった」

 

 

急に空が明るくなり、俺は空を見上げる。

雲が今まで覆っていたのだが、

空は既に日が沈み、星、大きな満月が輝いていた。

 

 

「おぉ………」

 

「月か…………」

 

 

俺とメレフは感嘆の声を漏らす。

 

 

「月が、綺麗だな」

 

「!!?///」

 

 

俺がその一言を漏らした瞬間、

メレフは横でバシャッと水と体を跳ねさせる。

 

 

「な、何かおかしい事を言ったか?」

 

「え!?い、いや………

  ほ、本気で言っているのか?///」

 

「本気だが…………」

 

「~~~!わ、私はもう上がる!

 お前も早く上がれ、逆上(のぼ)せているぞ!!?///」

 

 

メレフは凄い速度で風呂場から出ていく。

な、何かおかしいことを言っただろうか?

 

 

「……………まぁ、いいかな」

 

 

夜、俺は月を見上げ、目を瞑る。

 






「ネフェル様、こちらを」

「これは、双眼鏡?
 ワダツミ、どうしたのですか?」

「こちらの窓から、ご覧下さい。
  良いものが見られる筈でございます」

「…………あれは、オウカに、姉さん?
  ふふっ、あはは、そういうことですか」

「どうでしょう、
 進展が楽しみで仕方ないのですが」

「大分、進展したようですね」

「赤飯でもお作りしましょうか?」

「それはまだ早いのでは?」


「「はははははは!」」



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夜はお楽しみどころじゃない



お久しぶりでございます。
いつものように投稿遅れました。

皆さん、コロナが
流行っているようですのでお気を付けて。



 

 

風呂にゆっくり浸かった後、

俺は部屋のベッドに座り、本を読んでいた。

 

メレフに失礼をしたかと謝りに

行こうとしたのだが返事がなく、

唸り声くらいしか聞こえないので怖くて

部屋に帰ってきたのだった。

 

すると、部屋がノックされる。

 

 

「鍵なら開いてる、入っていいぞー」

 

「失礼するわよ」

 

「んん?カグツチか」

 

 

てっきりヤエギリかと………奴はノックはしないか。

どうしたのだろうか?

 

 

「どうした?」

 

「またメレフ様をからかったみたいね」

 

「説教は勘弁してくれ、

 からかったつもりはないし、

 夕方のやつならお前も共犯だろ?」

 

「まぁそうね。それを言いに来た訳じゃないの」

 

 

カグツチは俺から本を取り上げて投げ捨てる。

そして俺に近づいてくる。

その距離は、息がかかる程で。

 

 

「あ、あの、カグツチさん?」

 

「フフフ………夕方、私がメレフ様をからかう時、

 言ったことを覚えてるかしら?」

 

「…………いや、待とう。

  落ち着いてくれ、落ち着いて下さい」

 

「ひっく………フフフ」

 

「…………あっ」

 

 

コイツ、さては酔ってるな?

酒の匂いがする。

 

でもほら、やめようカグツチさん。

脱ぐのは駄目だよ、

あとその中途半端に肌見せるの辞めよう?

 

 

「酔ってるだろ、カグツチ」

 

「酔ってないわよ?ひっく」

 

「酔ってるな、ほら、さっさと部屋に戻って」

「もう………よっ、と」

 

「うおっ」

 

 

俺は、ベッドに座っていたせいで

カグツチに押し倒される。

 

押し倒される。

 

 

「!?!?!?」

 

「フフフフ………どうなるか、分かるかしら?」

 

「ま、マジすか?」

 

「マジよ………」

 

 

そのまま、カグツチは

俺に唇をゆっくりと近づけ……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何をしてるんだお前たちはぁぁぁぁ!!!?」

 

 

止めた。

ピタッと止まった。

 

 

「め、メレフ様!?」

 

「ひぃっ!?」

 

 

ドアを開けっ放しだったからか、

メレフが扉の入口で硬直、頬を紅潮させている。

まぁ端から見ればカグツチが俺を押し倒している

光景なので。

 

 

「カグツチ貴様ァァァァ!!」

 

「落ち着けメレフ!!

  酔ってるだけ、酔ってるだけだから!!」

 

「うぅん、ひっく…………Zzz's」

 

「俺のベッドだぞ寝るな元凶!!」

 

 

なにこのカオス。

俺はカグツチに殴りかかろうとするメレフを

羽交い締めにして拘束し、カグツチは

俺のベッドで寝始める。

 

被害者俺じゃん。俺泣いちゃうよ?

 

 

「助けて陛下………」

 

「カァグツチィィィ!!!!」

 

「Zzz's……………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、分かります?

 賢明な特別執権官なら騒音による

 近所迷惑くらい理解しての所業ですか?」

 

「も、申し訳ありません陛下………」

 

「全く………カグツチ、貴女もです。

  お酒を嗜むのは良いですが、飲み過ぎです」

 

「すいません………」

 

「そしてオウカ、貴方もです」

 

「俺もなの陛下!?」

 

「押し倒されたなら最後までやってしまいなさい」

 

「そこぉ!?」

 

 

解せぬ。

 





主人公はヘタレ。



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