山吹色をもっと濃く【番外編】二人旅も........悪くない (スタプレ)
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プロローグ キラキラドキドキを味わえる気が一生しないと悟った。

実はTwitterやってます。スタプレと検索してごちうさ衣装の沙綾が目印です。


「おお〜あたり〜!!おめでとうございます〜!!」

ホントよく当たるんだなこの商店街。それとも俺の運がいいだけ?

 

今いるのは商店街の福引き会場。山吹ベーカリーを主に、羽沢珈琲店や北沢精肉店、八百屋や魚屋で貰った福引き券でガラガラポン。景品は特賞○○というわけではなく、何色の玉が出たらこれが貰えるという少し変わったタイプ。高級食材や電化製品。某ネズミのチケットもありますよ〜。

 

そして俺が当てたのは、

 

「旅行商品券20万円分かぁ。」

 

正直俺得です。こんだけあれば数日滞在も余裕です。サークルも前持って言えば休みも取れる。更に平日に旅行も可能。

 

「早速旅行代理店に行きますか!」

ちなみに残りは商店街で使える100円引き券。これはこれで嬉しい。1番出やすいけど...。

 

 

 

 

 

そして1週間後

 

「では、お客様のご希望日程を教えて下さい。」

 

「えっとまず飛行機に乗ってここまで行って、1日目はそこで観光ですね〜。」

 

「お宿ですとこちらがオススメですよ〜。」

 

旅行商品券を当てたあと、速攻旅行代理店に行き、パンフレットを貰って日程を考えた。こういう計画を立てる時ってなんかゾクゾクっとするよね!これは香澄の言うキラキラドキドキなのか?

 

「お、部屋もいいし、飯も美味そう。」

 

そして今日本格的に予約を進める。

 

「それではこちらのお宿で2名様ご予約させていただきますね〜。」

 

「はい、お願いします........え?ちょっと待って?」

 

「どうなさいました?」

 

「俺1人なはずだけど...」

 

「あれ?後ろの方はお連れ様では?」

 

お連れはいないはずだけど確かめてみるか。

 

「おはよ、曲。」

 

沙綾がいた。

 

「おはよじゃねーよ。いつからそこにいた?」

 

「えっと、曲が福引きしてた時からずっと。」

 

「ずっと?」

 

沙綾さん。それ世間ではストーカーと言うんでっせ。だからゾクゾクしたのか?あれ寒気だったとは...。

 

「なのに曲ったら全然私に気づいてくれないなんてひどいよ。」

あ、僕が悪いんですね。てかそこまで気配が薄いと逆に消してた疑いしかないんですけど...

 

「さーやも旅行行きたいの?」

 

「ダメ...かな...?」

 

出たうるうる上目遣い。そんなの効く訳...

 

「俺得の日程だぞ?」

 

「曲の行くとこならどこでもいい...」

 

そんな攻撃俺には...

 

「あの...お客様...?」

 

「2名分お願いします。」

 

予定としては半分使って、半分はまた後日の予定だったのだが、2名様により全て券を使うことに...。

 

あの99999ダメージの攻撃はずるいわ。

 

 

 

 

 

「曲、お待たせ〜」

 

「よし、行くゾ。飛行機に乗れなくなってしまう。その前に持ち物確認だ!」

 

「押忍!」

 

「チケットは持った?」

 

「あぁ!」

 

「サイフ持った?」

 

「あぁ!」

 

「携帯は持った?」

 

「持ったわ!!!」

 

「なんで反抗期?いや、なんで超○塾のネタやるの?」

 

「いや〜面白いから。」

 

俺も好きだよ。テンポ早くてパターンながらも飽きないし...。

 

でも好きな人から反抗期な態度とられると少し凹むよ。

 

「じゃけん行きましょうか!」

 

「お〜!」

 

 

さてこれからどんな旅になるのだろうか?

 

不安もあるけどやっぱり楽しみだな!

 

 

「ところでさーやは同じ部屋でよかったの?」

 

「曲が襲わなければいいかな〜って。」

 

「さーやが誘惑しなければな。」

 

「何それ?セクハラ!強姦魔!」

 

「ストーカーさんには言われたくない。」

 

「じゃあ寝る時は浴衣半脱ぎで股広げて寝てやる!」

 

「襲われる気満々じゃねーか!」




この物語には注意事項があります。
まずこれは主が経験した旅の内容を元に作ります。物語の最初でも書いてあるように、本編と話は繋げていません。
また、主は1人で行き、住んでいる場所も東京花咲川ではないので多少異なる場合がございます。
そしてプロローグを書いた日は旅行の行く前なので、まだどうなるか分かりません。なんの面白みもなければ削除の予定なのでご承知を。


さて、羽ばたいて行きます(唐突)

面白みもなければやめると言いながら、絶対そんな気はしない。何かが起きる。
だって既にTwitterでも書いたカオスポイントが5つもあるからね。

Twitterの方でリアルタイムで報告しようとは思いますので、そちらもよろしく!ここで宣伝はOKなのか分からないのでID載せれない。
スタプレのもと、スタープレリュードをローマ字にして、間にアンダーバーだからね(遠回しの宣伝)

それでは次回もお楽しみに


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1日目 800円は明治では何円?

「着いたーー!!」

 

「いえーい!」

 

さて我々は今どこにいるのかというと...愛媛県の松山市に来てます!

 

今回は四国をまわる旅で初日が松山、道後です。

 

「そういえば飛行機は大丈夫なんだね。」

 

「わしは急上昇急降下、ハイスピード、開放感のどれかが欠けていたら大丈夫じゃよ。」

 

「なんか変わってるね。」

 

「そうか?絶叫嫌いな人はだいたいそうだろ。」

 

 

松山空港からはバスで駅に向かう。

 

「最初はどこに向かうの?」

 

「松山の王道中の王道である松山城に行こう!」

 

松山市駅からはオレンジ色の路面電車に乗る。ここは吊り掛けモーターという唸る電車や、最新の電車も走るバライティ豊かな鉄道だ。この鉄道こそが伊予鉄という名前だが、一番の名物がある。その名物は.....と後からのお楽しみ。

 

古い電車に乗って右に曲がれば左にも曲がる。そしてすぐに最寄りの大街道停留所に着く。

 

「ねぇ、あの山登るの?」

 

「どうやらそのようだ。」

 

「結構きついよこれ。」

 

「でもロープウェイがあるからそれ使おう。」

 

便利なことに往復券と天守閣入場券がまとめ買える。

 

「リフトもあるね。さーやはどっちがいい?」

 

「私はどっちでもいいよ。」

 

「うーん.......じゃあちょうど発車時間だから行きはロープウェイで帰りリフトにしよう。」

 

ロープウェイの速度は意外に速い。しかし乗車時間は3分ぐらいと結構短い。

ロープウェイかリフトで楽してもまだまだ坂は続きますよ。

 

松山城は大きい(語彙力)

 

階段が急なうえに頭も注意しないとぶつける。

 

歴史は好きだがそんなに詳しくない人が色んな展示品をみたら

「はえ〜」

って言うしかなかった。

でも火縄銃を持って撃つ真似や、刀の重さが分かる体験も出来た。

 

そして天守閣。

 

「おーいい眺め!!」

 

「瀬戸内海がキレイだね曲!!」

 

「あぁ、結構高いから最高な景色だな。」

 

山の上にあり、天守閣も4階だてなのでそれなりの高さだ。

 

 

 

 

 

「まがり〜ご飯どうする?」

 

「実はネットで調べてみたんだ。何がいいかとね...」

 

「やっぱり鯛めし?」

 

「それは夜に食べそうだからやめとこう。」

 

「え〜。じゃあ何するの?」

 

「この辺にぃうまいラーメンや...」

 

「あ〜そういうのいいから。」

 

「泣くよ?」

 

「で?どんなラーメンなの?」

 

「ネギがたくさん入ってるらしい。」

 

「そのラーメン屋はここなの?」

 

「...」

 

着いたのは大街道から少し外れた飲み屋街。昼間だからほとんど閉まっている。

 

「ホントにここなの?」

 

「Google○生に聞いてみる。.........アッ」

 

「嫌な予感しかない。」

 

「ここ夜しかやってない。」

 

嘘やろおい。

 

 

 

「オススメの店が近くにあって助かった。」

 

「でもこのうどん美味しいよ。結果オーライだね。」

 

俺たちは伊予うどんを出しているお店にいる。

 

「しかし伊予うどんも美味しいなぁ。初めて聞いたよ。」

 

「うん。うどんと言ったら讃岐が有名過ぎるからね。」

 

ガイドによると讃岐うどんと伊予うどんは別物らしい。当然と言えば当然だな。讃岐うどんに対抗して独特な味を生むことに成功したとか。

 

「また食べたいね。」

 

「なかなか伊予うどんの店ないからな。次はいつになるのだろうか?」

 

 

 

 

そして道後温泉に向かうにはまた路面電車に乗る。本数も多いから地元の人も気軽に行けることだろう。

 

「ちょうど電車来たよ!」

 

「あ、さーや。これ道後に行かない。」

 

「そうなの?危ない危ない。」

 

全ての電車が道後温泉に行く訳ではないから注意してね。ちなみに堂々と行き先に書いてあるから落ち着いて見よう!

 

「曲、曲。今度こそ来たよ!」

 

「確かに道後に行く奴だけど、これは見逃そう。」

 

「え?なんで?」

 

「もうちょっとしたら来るから。」

 

そう、松山に来たならこれに乗らないと。伊予鉄名物のあれ。

 

「!?蒸気機関車が来た!?」

 

「これのために待ってたんだ。」

 

やって来たのはマッチ箱のような列車こと坊ちゃん列車!

 

小さい機関車に同じサイズの客車が2両。一見可愛く見えるが、近くに行くとなかなかの迫力がある。今はディーゼル機関車だが、当時は蒸気で走っていた。カッコよかっただろうなぁ...今もカッコイイけどね。

 

「皆様、坊ちゃん列車をご利用くださいましてありがとうございます!!」

 

車掌さんが改札してから大きな声で案内を始めた。音が凄いから叫ばないと聞こえない。ちなみに料金は800円。高めだが、明治時代の車両を忠実に再現しており、メンテナンスも考えると納得する。

 

外からみたらこの列車がタイムスリップしたように見えるが、こっちは街が未来に変わってしまったようだ。

 

「この列車だけ明治を走っているように感じる。」

 

「うん。なんか不思議だね。」

 

夏目漱石も短く感じた。その気持ちがよく分かる。明治の旅はあっという間に道後温泉に着いてしまった。

 

「やっぱりこの列車がタイムスリップしたように見えるね。」

 

「うん。また次の時代まで走って欲しいね。」

 

 

 

 

 

 

「あ〜たまらねぇぜ〜」

 

温泉は気持ちいい。異論は絶対認めん!!

 

 

早速旅館に着いた俺たちは温泉を楽しんでいる。

 

「まがり〜いる〜?」

 

壁越しに沙綾の声が聞こえる。

 

「いるよ〜」

 

「温泉気持ちいいね〜」

 

「そだね〜」

 

露天風呂で何してんだ俺たちは。

 

「明日もいい1日になるといいね〜」

 

「お、そうだな〜」

 

俺はニヤリと笑みを浮かべた。

 

沙綾はまだ知らない。明日カオスな日程があると言うことを。




あまり面白くなくてすみません。普通...でしたね笑


実は空港では機内に持ち込めると思ったバッグがギリギリダメで預けることになったりと普通中の普通とは言えないかも。

明日は何が起こるんでしょうね?僕も分かりません。

それでは次回もお楽しみに


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2日目 知ってるカオスと知らないカオス

「ねぇ曲。」モグモグ

 

「ん〜?」ガッツガッツ

 

「なんで朝ごはん10分しかないの?」

 

「日程的にこうなった。」モグモグ

 

「もうちょっとゆっくりしたかったのに...」

 

「何でもいいって言ったじゃん。文句言う前に食え。あと5分で出るぞ。」

 

「え?嘘!ちょっと待って...」

 

2日目の朝

 

松山駅から特急に乗るため、逆算した結果7時37分の路面電車に乗らないと間に合わないことが発覚した。

 

じゃあもっと早く飯食えだって?

 

バカヤロウ。ご飯が7時からだからこうなったんだよ。移動時間も考えて10分しかない。残すのも勿体ないから頑張って食べましょう。

 

 

「うし、ごちそうさま!行くよ、沙綾!」

 

「あ、待って!」

 

本日のルートは松山から宇和島、窪川、高知と周り、金毘羅温泉で宿泊します。

そして松山から乗るのは宇和海5号。この特急はちょっと変わっている。

 

「この列車アソパソマソが描かれてる!」

 

JR四国はアソパソマソに力を入れている。その1つがアソパソマソ列車。アソパソマソ列車は定期運転だから時刻表を調べれば分かるゾ。

 

「いいね!こういう列車!」

 

沙綾の機嫌は直ったみたい。

 

「僕は普通のに乗りたかったんすよね〜」

 

子供たちはさぞ喜ぶことだろう。しかし大人な俺にとっては望まないアソパソマソ列車。

 

車内は普通のとは変わらず、天井にアソパソマソが描かてれいる。

 

チャイムアソパソマソマーチ。ここから1時間20分の旅。

 

豆知識でJR四国の特急列車のほとんどに振り子装置がある。これはカーブでもスピードを落とさず走れる。カーブが多い四国では右に傾けば左にも傾く。結構な角度だからトイレ行く時は気をつけて。

 

「曲。実は私調べてみたんだ〜」

 

「ほぉ...」

 

「次に乗るのは海洋堂ホビートレインでしょ?」

 

沙綾は到着時間と接続から予想したのだろう?ぶっちゃけ正解です.......が、

 

「そいつはどうかな?」

 

「え〜絶対そうだよ。だって本数少ないし。」

 

そう。宇和島付近はまだしも、窪川近くになると1日5本になる。

 

『僕、アソパソマソ!』

 

宇和島近くになるとアソパソマソがアナウンスをしてくれる。その後すぐに通常のアナウンスに戻るから違和感半端ない。

 

「よし、宇和島!トイレは今のうちに済ませとけよ〜」

 

「なんか引率の先生みたいだね。」

 

「事実2時間以上トイレに行けないからね。」

 

『窪川行きは〜3番線から発車します〜』

 

宇和島駅は終点駅だから乗り換えに階段は使わない。

 

そこに停まって今のは水色の帯の列車。

 

「ホビートレインじゃない!」

 

「ホビートレインじゃないね。」

 

「ホームページにはこの時間走るって書いてあったのに!」

 

「そのホームページをよく見てみろ。この※を大きな声で。」

 

「海洋堂ホビートレインは検査のため本日普通列車で走らせていただきます...........は?(威圧)」

 

「んまぁそゆこと。」

 

お茶を濁したのはこの事があったから。俺は前々から知っていたが、その情報を知ったのは全て予定が決まったあとだった。せっかく綺麗にまとまったのに大幅に変えることも出来ないから仕方なく普通列車に乗ることにした。

 

「ちょっと待って?どうしてくれんのこれ?私はホビートレインに乗りたかったの。」

 

「沙綾さん諦めて。でも、予土線はどんな列車に乗ってもいいポイントがあるよ。」

 

「いいポイント?」

 

それは乗って1時間以上経過してからだ。

 

 

「うわ〜キレイ〜!!」

 

沙綾の目は少年のようにキラキラしている。それもそのはず。目の前には四万十川が流れており、何回も鉄橋を渡っては絶景が見られる。

 

川は透けて底まで見える。はっきりわかんだね。

 

「お、魚が泳いでる!」

 

「え、どこどこ?」

 

2時間以上各駅停車の旅は鉄オタ以外はちょっと苦かもしれない。でもこの路線の絶景は時間も忘れさせてくれる。いつの間にか終点の窪川駅だ。

 

「この後は?」

 

「すぐ来る特急あしずりに乗って高知で降りよう!」

 

 

あしずり号も1時間ちょっと。今度はアソパソマソじゃないが、新型の2700形。え?マニアックな話すんな?すんません。

 

そこから旅行で2回目の路面電車。沿線沿いにはりまや橋という有名な観光スポットがあるが、今回はカット。

 

「昼はひろめ市場でカツオのたたき〜!!!」

 

「いえーい!!!でも、曲。」

 

「なんだいさーや?」

 

「あの四字熟語読める?」

 

いくらバカだからと言って舐めすぎだろ。

 

なになに?

 

本 日 休 館

 

「は?キレそう...」

 

「曲〜しっかりしてよ...」

 

来月の休みを見た感じ毎週ではないらしい。ピンポイントで今日休みだ。余計に腹立たしい。

 

 

 

 

 

 

「昼ごはん食べれてたのはいいとして、何かないの?」

 

「あるっちゃあるけど時間的に厳しいなぁ...お、そうだ。木曜市場がやってる。」

 

「お、いいねそれ。」

 

「なんかぼうしパンって言うのがあるっぽいぞ。」

 

「パン屋としては聞き捨てならないね。」

 

「えっと、この道でやってるはずだが...」

 

「...」

 

ガイドに載っている通りに来たところは人気がない。

 

「終わっとるやん。」

 

「どこもパン売ってるところないよ...」

 

「撤収しちまったかも...」

 

「ま〜が〜り〜?」

 

やべぇ。完全キレたなこれ。

 

しかもいい時間になってしまった。

 

 

 

高知からは特急南風で本日の目的地、金比羅山に行く。

 

高知の街を見て沙綾に聞いた。

 

「俺たち何しに高知に来たのかなぁ?」

 

「さぁ...私も分かんない...」

 

1時間半の旅は途中ウトウトしながら向かった。

 

 

 

 

 

 

 

「ゼェゼェ.......さーや.......待って.........」

 

「遅いよ曲。早く。」

 

旅館に着いて俺たちは早速金比羅山に登っている。それにしてもこの階段キツい...

 

「さすがドラマー。体力あるなぁ...」

 

「曲が運動不足なんだよ!」

 

もしかしてまだ怒ってる?

 

金比羅山へ続く階段はいっぺんに登るわけではなく、曲がって登っての繰り返し。なので一瞬終わりだと思う道は横に繋がっており、絶望を抱く形になる。

 

 

やっと着いた頂上には香川の街が見渡せる。あれは讃岐富士。天気が悪くて見えないが、光の点滅で瀬戸大橋だと分かる。

 

 

「ねぇ曲。ありがとね。私を連れて来てくれて。」

 

「なんだよ。まだ旅は終わってねぇぞ。それに迷惑掛けてばっかりで...」

 

「でも平凡じゃ面白くないよ。こうやって何か起きた方が絶対楽しいよ!」

 

「あはは。なんか香澄みたいなこと言ってんぞ。」

 

「またどこか行こうね?」

 

「.......だからそれは明日言うセリフだよ。」

 

適当に誤魔化したが、胸がドキッとした感覚がした。灯篭の光で反射した沙綾の顔はこの街の景色より、川の色よりも美しかったから。

 

 

 

その後足をプルプルしながら下ったのはまた別の話。




これは全てノンフィクションです。ホントに高知で何したんだろ?振り返ると少し悲しい。

いよいよ最終日。早いですね。ここで2人が次回予告するみたい。

では次回もお楽しみに








「「明日の日程!!!」」

「明日はどこ行くの?曲。」

「明日はどこ行くよりも乗ることが目的なんだ。」

「じゃあ今日と同じ?」

「うーん.......半分正解で半分違う。」

「何に乗るの?」

「それはお楽しみに。土讃線の新たな看板でもあり、今回の旅のメインディッシュ!それではまた明日は 〜」


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3日目 語り継がれる歴史、景色、笑顔

「あ〜癒されるわぁ〜」

 

「ホントだね〜」

 

この旅館には貸切風呂があり、朝はそれでゆったりしている。昨日みたいにドダバタしなくてもいい。

 

貸切風呂だから男女入っても問題ない。ルール上問題ない。そう表向きは問題ない。

 

「これが日本の伝統文化だね。曲。」

 

「イヴみたいに言わないでくれ。」

 

やましいことはしてないゾ。だって全年齢対象だからね(メタイ)

 

 

さて我々は旅館を出ては琴平駅に向かっています。

ちなみに余談だが、近くに琴電が走っており、これに乗れば高松までいける。

 

でも琴電は今回見送り。

 

「今日はどこ行くの?」

 

改札入る前に沙綾が聞く。

 

「今日は行くよりも乗るが目的だね。」

 

「乗る?」

 

ちょうど列車が接近するアナウンスが流れた。

 

「うわぁ...何この列車!?」

 

入ってきたのは緑、青、赤色の列車。各車両色が違う。

これぞ『四国まんなか千年物語』号!!!

観光列車には2つあって、1つは行く観光列車。もう1つは乗る観光列車。

乗る観光列車が本格的に流行り始めたのが九州からかな?元々あった列車を改造して走らせるのが多い。あんまり新造はない。

そして四国まんなか千年物語もJR四国が誇る観光列車の1つだ。

 

「今日はこれに乗ります!」

 

「めっちゃ豪華やん...」

 

なんだってグリーン料金もありますから。

 

アテンダントさんがご丁寧に絨毯も敷いてくれる。

 

車内は木がメインでライトの明かりが落ち着いた雰囲気を出している。車内は車両ごとで異なっている。本日は3号車に乗ります。

 

「お客様、お飲み物は何にしますか?」

 

メニューを開くとたくさんの飲み物がある。ほとんどアルコールだけど...

 

「じゃあオリーブサイダー1つ!」

 

「私はすだちサイダーお願いします!」

 

琴平を出発すると駅員さんたちが手を降ってくれる。これも観光列車の醍醐味だ。

 

 

アテンダントさんが沿線の案内をしてくれる。絶景スポットだと遅く走ってくれるから写真を撮りやすい。

 

「お待たせしました〜」

 

ご飯が来ました。事前に申し込めば美味しいコース料理が楽しめる。最初に冷たいもの、その後に温かい料理が来る。

 

白い重箱を開けると.........ボワッとはならないが、4種類の洋食料理がある。

 

うまそー!!

 

「食べよっか。」

 

「お、そうだな。」

 

ちょうど飲み物も来たし...

 

「四国の絶景と美味しい料理に...」

 

「「乾杯!!」」チンッ

 

「でもまさか男の子と二人きりで旅行に行くなんて思わなかったな〜。」

 

「俺も女の子とここまで仲良くなれるとは夢にも思ってなかったよ。そもそも転生することすら想定外なのに...」

 

「そうなんだ!前世はモテモテだと思ってた!」

 

「マジか。今もだけどオタク男子だからモテる要素ないのさ。」

 

「でも頼りになる時はなるからね。」

 

「喜んでいいのそのセリフ...」

 

などとご飯を食べながら雑談を交わした。量は多くないけど、景色を楽しみながら食べるので自然とペースが落ちる。そのおかげで味わうことができる。

 

特急で30分で駆け抜けるこの区間は2時間掛けて走る。振り子装置がないのと、スローペースで走ってくれるのもあるが、もう1つ理由がある。

 

『まもなく坪尻駅に到着致します。この駅では10分停車で、発車は...』

 

そう途中下車ができる!しかも時間があるので、記念写真など撮る時間がある。このため時間が掛かるのだ。

まぁ乗る旅だから時間掛かった方が楽しいに決まっている。

 

「せっかくだし降りよう!」

 

「うん!」

 

坪尻は山に囲まれてのどかなところ。

 

「家も無ければ道路もないね。」

 

「さすが秘境駅...」

 

坪尻駅はマニアに人気の秘境駅。なんと定期で使う人はいないらしい。

駅舎も小さな小屋みたいで、駅前の道は整備されていない。普通列車がもともと少ないから全ての普通が停まるか分からないがまぁ少ない少ない。

ここでオフ会開けば0人になるな...

 

 

カランコラン

 

発車間近になるとアテンダントさんが鐘を鳴らす。

そして次は温かい料理が出される。ちなみにご希望なら追加メニューも頼めるし、専用グッズも買うこと合っとる可能だ。

破産しない程度でね。カードは使えないから気を付けて。その放送を聞いて絶望した方がいたから。

 

「びゃあぁぁぁぁうまいぃぃぃぃぃ!!」

 

「もうちょっと上品な感想を言ってよ...」

 

「だって美味いもんは美味いから。」

 

「それはそうだけど.........あ、あのおばあちゃん手を振ってくれてるよ〜」

 

「ほんとだ。おーい!」

 

と声は届かないが、意外にも遠くても手を振ってくれるのが見えるみたい。なので精一杯振り返す。

 

おばあちゃん、おじいちゃん。かかしの職人さん、小学生たち。地元の人達が笑顔で振ってくれてる。

 

「曲。すごい笑顔だよ。」

 

「そういうさーやだって。」

 

なんでだろう?手を振るだけなのに繋がっている気がする。

そう考えると胸に熱いものがこみ上がってくる。

観光列車にしか出来ないことだから感じること。地元の人達の心温まるおもてなしだ。1本の列車でここまで出来るんだ!

 

 

「すごい岩だな。」

 

「大きく歩いたら危ないだって。曲やってみたら?」

 

「殺す気か!?小歩危ならどこも歩けないよ。」

 

吉野川の渓谷。大歩危小歩危の景色を楽しんだら終点の大歩危駅。

2時間なんてあっという間だ。

 

「ありがとうございました」

 

「「こちらこそ楽しい旅をありがとうございました!!」」

 

少し戻るが、阿波池田駅では阿波踊りがみれた。そして記念撮影も2人で。

 

そして大歩危駅でもほら貝や太鼓などの演奏で出迎えてくれた。

 

「ここからどうする?」

 

「特にないな。どっか行っても列車が来ちゃうから、ここでゆっくりしよう。」

 

そこから2時間ぐらい沙綾と喋った。千年物語号が発車した時は手を振る番だ。

 

川の音しかしない静かな駅で、話す話題が無くなったら黙って川を見つめていた。

 

これもあっという間だった。

 

 

この列車に乗り、岡山で新幹線に乗って旅は終了だ!

 

終了......だが、

 

「なんでまたアソパソマソ列車なんじゃ。」

 

「良かったね曲!」

 

「望んでないから。」

 

締めがいいのか悪いのか。

 

 

発車してすぐに沙綾は寝てしまった。3日分の疲れが出たんだろうなぁ。

 

「俺も一眠りしよかな。終点までだから心配なく寝れる。」

 

ストン...

 

「え?」

 

列車の揺れで肩に沙綾がもたれてきた。

 

「.........」

 

目が覚めてた。

沙綾はそのまま爆睡している。

 

俺は体勢を戻さない。寝違える可能性があるが、このままがいいという欲が勝ってしまった。

 

そして自分の手を沙綾の手の上に置いた。彼女の手は柔らかい。

 

「またどこか一緒に行こうな。さーや。」

 

気持ちよさそうな寝顔は微かに頷いた気がした。




番外編完結!

ここまでのお付き合いありがとうございました!この話は半分フィクションで半分ノーフィクションです。起きた出来事を元に書いてます。元というかただ沙綾を入れただけ?とにかく作り話ではないと言うことです。

実はここだけの話‪、四国まんなか千年物語を乗る予定は最初ありませんでした。前作出た?海洋堂ホビートレインの代走が分かった時は旅行会社からの電話でした。その時はもう予定を決めたところでした。
何か観光列車に乗りたいと思い、日程に合う車両はないかと探して見つけたのがこれでした。日程組む前にも他にないか探しましたが、乗れることを見落としてしまったのでしょう。空席があることを確認して旅行会社に頼み、手配をしてくれました。
切符を取った地点では団体客に紛れ込む形でしたが、他に1人で来た人がいたのでそんな気まずい雰囲気にはなりませんでした。むしろそれを忘れるぐらい楽しませて貰いました。

次はもう1つの観光列車『伊予灘ものがたり』。更には高知〜窪川でも新しい列車が。足を伸ばして九州の観光列車にも乗ってみたいですね。


長々と失礼しました。本編や逃亡アイドル、更に余裕が出来たら別の作品も投稿する予定ですのでそちらもよろしくお願いします。

最後までご愛読ありがとうございました


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おまけ こいつら連動しているぞ!

これはノーフィクションです。

もう1回言います。ノーフィクションです。


 

曲「あ〜いい湯だったな〜」

 

ここは金毘羅温泉の旅館。あれから金毘羅山に登って帰ってきた俺たちは、汗が少しかいたのと、まだ夜ご飯までに時間があるからという理由で一風呂浴びようと大浴場へ。

 

そして俺は先に部屋に戻ってきた。2人で相談して、多分自分の方が早いだろうということで鍵を持っている。

 

曲「さて、さーやが来るまで何をしようか...ん?」

 

部屋の入り口にチャイムのボタンがある。

 

曲「どんな音がするんだろう?」

 

人間どうでもいいことのほど興味を持つ。俺は変な好奇心でチャイムを押してみた。

 

ピンポーン

 

曲「痛っ!」

 

待って、何が起きた?

 

整理しよう。俺はチャイムを押した。その後左肩に痛みが走った。

つまり肩に何かが落ちた。ていうことは下に何かがあるはず。

 

そして落下地点だろう場所に目を移す。

 

あった...いや、いたものはみんな大嫌いな黒い彗星ことG(巨大)だった。

 

「!?!!!?!!?!」(声にならない声)

 

危うく発狂するところだった...

 

カサカサカサ

 

曲「しまった!部屋の中に入りやがった!」

 

ピンポン押す前に部屋を開けてしまったので、そのまま中に逃亡した。

そして明日着る服の中に隠れた。

 

曲「マジか...」

 

沙綾「どうしたの?こんな所で立って...」

 

曲「おかえりさーや。今起きてる状況を落ち着いて聞いてね。」

 

沙綾「どうしたの?」

 

沙綾にGが発生して、今服にいることを伝えた。

 

沙綾「何してくれてるのかなぁ?」

 

曲「え?俺が悪いのかこれ?」

 

普通ピンポン押してGが降ってくるなんてありえないだろう。

第1原因は俺だが、完全に不可抗力だよね?

 

沙綾「とりあえず何とかしよう。」

 

曲「と言ってもどうしたものか...」

 

部屋の備品を使って叩くのもありだが、下手に壊したら大変だ。自分達の私物を使うのは論外。

 

何かいいものは...

 

曲「なんで部屋に冷却殺虫剤があんの?」

 

沙綾「出る前提じゃない?」

 

香川県って出やすいの?(後で調べたら特にそういうわけではないらしい。)

 

曲「とりあえずそこにいると思うから...殺るぞ。」

 

沙綾「......お願い!」

 

服に目掛けて冷却殺虫剤をかける。

 

これは明日の服冷たいな〜。

 

沙綾「うわ〜でかいよこれ!」

 

やっぱりでかいほうなんですね...

 

Gとの格闘を始めて5分後。

 

曲「や、やったか?」

 

沙綾「足や触覚が動いてないからね。」

 

意外にスプレーは冷たかった。ドライアイスまでとはいかないが、触れると痛みを感じるぐらいだ。効果はあるはず...

 

沙綾「ところでどうする?素手て触りたくないよ...」

 

曲「なんか布とかで...ここにトングがあった。」

 

沙綾「準備良すぎない!?」

 

あるものは使おう。トングでやつを挟み、恐らく瀕死状態だからゴミ箱でトドメを誘う。

 

しかし甘かった...

 

Gを挟もうとした瞬間...

 

カサカサカサ

 

沙綾「ぎゃああああ!!!」

 

曲「えぇ...」

 

なんと逆さまのまま動き出した。しかも活発に。

 

女子なんか悲鳴より絶叫だろう。俺も思いっきり引いたもん。

 

沙綾「う、動いたよ!このスプレー意味ないじゃん!」

 

曲「死んだふりか......そもそもGに死んだふりなんてあるの?」

 

もう1回スプレーかけるも効果なし。それどころかさっきよりも俊敏になっている気がする。

 

曲「クソ!いい加減観念して氏ね!」

 

沙綾「曲!そっち行ったよそっち!」

 

曲「了解って、ベッドの下かよ!」

 

本当は覗きたくないんだが、これを始末しないとゆっくり眠れない。

 

曲「光が欲しいな。」

 

沙綾「はい!スマホのライトを使って!」

 

曲「ありがとう。.........あれ?」

 

沙綾「どうしたの?」

 

曲「やつが消えた...」

 

沙綾「...............嘘。」

 

この後やつを発見することは出来なかった。

 

せっかく2泊目はゆっくり寝れる予定だったのに、無駄な恐怖のせいで眠れなかったのは別の話。




これはマジで実際に起きた話です。一切作り話は入れていません。

この話は本編に入れようか迷いましたが、あまりにも濃すぎるので当初はボツに。しかし急に書きたくなったので書きました。

ホントこう見てみると非凡な旅行をしたなと思います。Gの件は特に怒ったりした訳でもなく、旅館さんも仕方ないことなんて気にしてません。

振り返ってみて思うのがまた遠出したいなと。しかしライブのチケットが当たった時の軍資金確保の為に我慢です。

それでは他のお話でお会いしましょう。


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