ありふれたRTAで世界最速 (ささささささ)
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Part1


初投稿です。よろしくお願いします。あとISRTAに思いっきり影響を受けていますが許して下さい!何でもしますから!(何でもするとは言っていない)


 はーい、よーいスタート。

 

 倫理観レイプ!敵虐殺マシーンと化したサウスクラウドななろう系厨二ダークファンタジーRTA、はーじまーるよー。

 

 起動してタイトルが表示されたタイマースタート。

 

 今回はオリジナルキャラモードでエヒト神をぶっコロがした後、日本への帰還ゲートをくぐると見ることができる通常ENDのムービー終了、つまりfinの文字が表示され終わったらタイマーストップです。

 

 そんなこんなでモードとオプションを設定し終わったのでキャラ設定をします。性別は男、名前はみんな大好き安定の『ホモ』は短すぎてはじかれるので『保科(ほしな) 萌樹(もえき)』、通称ホモにします。理由はありますが今は時間が足りないので時が来たら説明します。

 

 OPと入学式の間に本RTAの詳しい説明します。ゲームモードは主人公のハジメを操作する通常のモードではなく自分で作ったキャラを操作するオリジナルキャラモード、オプションの召喚時の大幅なステータス補正や天職の補正、技能の補正等は全てOFF、開始地点は見ての通り、召喚直前ではなく高校の入学式からという一番一般的な走り方をします。時間を入学式以前にしてもたいしたメリットはないくせに時間だけが無駄にかかります。また、召喚直前にすると天職と技能がランダムになるのでただの乱数ゲーと化します。天職マラソンとかいや~キツイっす。

 

 今回走る通常(ルート)は体力が無駄に高いエヒト神を臭い物に蓋をするの精神で封印してしまう封印END、エヒト神に気付かれずかつ追跡をジャミングしながら帰還する密航ENDや、各種族によって繰り広げられる戦争中にエヒト神を引きずり出して盛大にネタバレしてみんなで仲良くボコボコにして遊ぶ公開処刑ENDなどの√とは違い、放って置いてもヒロインsを落としてさえいなければ主人公と愉快な仲間達がクリアしてくれます。しかしそれでは時間が掛かりすぎるので、さっさと大迷宮をこなしてエヒト神にちょっかいをだしていこうと思います。大まかな行動指針としては召喚されるまでの1年の行動で天職と技能を絞る、高火力ヒロインを落としながら迷宮を急いで攻略、ならびに面倒ごとの火種をあらかじめ潰す、エヒト神をおちょくって開戦を早めるという風に動くので正直本来の主人公の動きから無駄を省いただけのように見えますが私的にはこれが一番速く安定もします。異論は認めます。

 

 また性別を男にした理由は性別を女にするとハジメ君が他のヒロインsと結ばれないようにしつつハジメ君と高火力なヒロインを落とさなければいけません。他のヒロインsを蹴落としながら走ると当然ながら時間もより多くかかりますし、何よりミスが頻発します。そんな状態では走りたくないというかぶっちゃけ面倒です。それでも主人公は女の子がいいという方は一回走ってみてください。胃薬がマッハで飛んでいきます。

 

 さてちょうど入学式が終わったので急いで学校を出ます。学校を出たら即座にショッピングモールに向かいましょう。学校に残れば他の生徒との友好度を上げられますが自由にできる時間が減るだけなのでさっさと撤退しましょう。私はぼっちでも一向に構わん。(開き直り)

 

 ショッピングモールについたら本屋でVRについての本を数冊購入します。VRについての本を読むことで召喚時に存在しないものをあるように見せる技能、すなわち幻術の技能を習得する可能性が少し上がるので時間があれば常に読んでおくようにしましょう。また本屋にはハジメ君がいますが今はいったん無視しましょう。初日にはこなすべきイベントが多すぎるのでハジメ君の友好度上げは後回しです。最悪、召喚後に奈落に落ちるまでに一定ラインまで上げておけば問題ありません。

 

 次にスポーツショップでハンドグリップを購入しましょう。これから雫ちゃんの家の道場にカチコミに行きますが雫父と雫祖父との試合は初期状態ではまず勝てません。なので日頃から鍛えておくためにこのハンドグリップを使いながら日常生活を送りましょう。これで買い物は終わったので本を読み、ハンドグリップを使いながら急がずに道場へ向かいます。急ぐと雫ちゃんが帰宅していないことがあり道場破りの時に雫ちゃんと戦えません。もしそうなったらおとなしくリセットしましょう、時には諦めが肝心です。(再走6回)

 

 移動がてら主人公の下の名前の由来(前編)についてお話します。主人公の下の名前には主に2つ効果があります。そしてその1つが主人公の容姿です。主人公の下の名前に“美”や“麗”などの文字を使うと主人公はイケメンもしくは美人、美少女になり、“高”、“低”、“大”“小”などにすると身長や体格が変わります。ここで主人公の名前を見てみましょう。主人公の名前は『萌樹』なので“萌”、“樹”の2つが使われています。今回はこれらの漢字の両方が見た目に影響する文字ですが反映されるのは1つだけです。なので見た目が“萌”の効果で男の娘になっておらず身長が高い男になっていたらリセットしましょう。男の娘の見た目補正による友好度・好感度上昇率補正がないとチャート通りに進まない可能性がでてきます。あと何時間も見続けるなら男の娘の方が集中力が持続します。絶対に。

 

 道場についたら稽古場まで行き大声で道場破りに来たと告げましょう。雫ちゃんがいれば雫父が出てきたときに前哨戦として雫ちゃんと戦えます。ここで雫ちゃんを倒し、雫ちゃんにPCを意識してもらうことが目的なので雫ちゃんがいなければリセットです。まあ雫ちゃんはショッピングモールからの移動を急いでさえいなければほぼ確実に戦えます。雫戦後に雫父戦になりますが前述の通りまず勝てないので試合時間いっぱいまで粘りましょう。粘りさえすれば力は認めてもらうことができ、道場に対戦相手として自由に出入りできるようになります。雫ちゃんを落とし門下生からの襲撃をうけるか雫父や雫祖父と対戦後にある判定で忍者への道に誘われ、指導を受けると天職が忍者になる可能性が大幅に増えます。しっかりとこのチャンスを拾いましょう。

 

 さて雫戦ですが雫ちゃんは強いもののやはり隙が大きいです。立ちあがるとすぐに奇襲飛び込みをかましてくるため、弾いた後は即座に突きを入れましょう。何故か確実に一本取れます。その後は先程と同様に攻撃を弾いた後の隙を狙っていきましょう。激しく攻めてもよいですが体力の消耗を考えるとあまり得策とは言えません。また、雫ちゃんに苦戦しているようではこのチャートはこなせない為、PSもしっかり磨いておきましょう。運よく突破とかは後で詰まるからダメ!お兄さんとの約束だぞ!

 

 続いて雫父戦ですが本当に勝てません。大事なことなので3回言いました。まあ、一般の特に鍛えてもいない高校生が道場破りなんてできるハズもないので妥当な設定でしょう。試合中に積極的に動くと体力の消耗が激しくなるため行動は基本的に待ち剣です。時間も稼げるのでうまあじです。また、こちらから仕掛けると高確率で手痛い反撃を喰らいます。仕掛けるときはタイミングをしっかりと見計らいましょう。(再走48回)

 

 試合後に雫父からのお話しはたいした話ではないため適当に聞き流しておきます。ここで道場破りをしにきたと告げたときに剣道経験がないと言っていると雫ちゃんが突っかかってきますが適当にいなしましょう。こうすることで雫ちゃんのフラグが立ちます。しかしあんまり雑にしすぎると、雫ちゃんが勇者(笑)な光輝君に怒りながら話してしまい道場で正義マンに付きまとわれるので一応気を付けましょう。

 

 これで初日にできることは終わりました。後は家に帰って筋トレを行いながら読書をしましょう。地味に本チャートの難所の1つは乗り越えたので次回は召喚前にするべき残りのことを終わらせます。

 

 今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。




お読みいただきありがとうございました。次は物語形式です。


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第一話

とても短いです。後、個人的あまり納得のいっていない出来なので書き直すかもしれません。


 その日、八重樫(やえがし)(しずく)は不機嫌であった。入学式を終え、学校から帰ってくるや否や道場破りに来たという人物といきなり戦えと言われたのだからそうもなるだろう。しかも話を聞くに、その人物は今まで剣道をしたことすらないらしく、道着の着こなしも竹刀の持ち方も様になっているとはお世辞にも言えない有様だった。

 

 「よろしくお願いします」

 

 そう言った彼は確かクラスメイトであり、雫の記憶では名は保科萌樹だったはずだ。

 

 「こちらこそよろしくお願いいたします」

 

 そう告げ雫が竹刀を構えると萌樹も竹刀を構えた。そしてその瞬間、

 

 「っ……」

 

 萌樹の纏っていたどこか春を思わせるような優しく、穏やかな雰囲気はがらりと変わり、暴力的で威圧感のあふれた恐ろしいナニカが肌を突き刺した。その変貌に、発する圧力に雫は一瞬気圧され、たじろいでしまった。また、その得体の知れなさからか、いつの間にかに手汗が湧き竹刀を握る手にはより力が入っていた。

 

 「始め」

 

 雫の父である八重樫(やえがし)虎一(こいち)が試合開始を宣告のあと、萌樹が立ちあがった直後に彼に対する恐怖からかすぐに斬りかかってしまう。

 

 貰った!萌樹が急な打ち込みに反応出来ていなかったので、雫はそう確信した。いや確信してしまった。しかし、萌樹はその面を雫の振るった竹刀の動きに目もくれず、まるでそこに打ち込まれることが最初から分かっていたかのように防がれてしまった。そして雫が呆然としている間に喉に突きを放ってきた。

 

 「止め。…一本」

 

 その突きを呆けていた雫が防げるはずもなく呆気なく一本目を取られてしまった。雫は気を引き締め直し位置についた。

 

 「始め」

 

 萌樹の出方を窺いながら慎重に雫は攻撃を仕掛けていった。しかし剣道が初めてであると言っていたはずの彼はその悉くを軽くいなし、鋭い振りを流れるように放つ。

 

 「本当になんなのよ…」と雫は小さく呟いた。

 

 本来剣道では有効打突はなかなか決まらない。それはまっすぐに放ったか、きちんと振り切ったか、打ち込んだ後も気を緩めていないかなど細かく判定されるからである。そのため、初心者が適当に放ち当たったとしても一本には数えられない。それを目の前の萌樹は一発でやってのけ、その後の攻撃を防ぎカウンターすら行っている。しかも齢四歳で才能の片鱗を見せ、他を犠牲にしてまで鍛錬を行ってきた雫に対してである。それがどれほど異常なことであるか、それを正しく理解しているがゆえに雫の焦りはより大きいものとなっていく。焦りからか雫の動きからは精彩さが失われていく。その一方で、雫の攻撃を止め、虎視眈々と隙を狙ってくる萌樹の動きはまさしく熟練者のそれだ。その気にさえなれば激しい攻撃で容易く勝つことが出来るであるだろうに最小限の行動にとどめつつ、勝ちを狙っているのは余裕の表れなのだろうか。

 

 「っつ…」

 

 今も雫が苦し紛れに打ち込まなければ萌樹は確実に有効打突を決めていただろう。その天賦の才と評するに値する萌樹の腕を雫は認めたくなかった。仮にそれを認めてしまえば自身が剣道の為に他を捨ててきたことが無意味であったと認めることになるからだ。激しく攻めたて大きく疲労している雫と反対に息ひとつ乱していない萌樹ではどちらが優勢であるか誰の目にも明らかであった。しかしそれでも雫は認める訳にはいかなかった。

 

 「破ぁっっっ!」

 

 大きな声とともに雫は萌樹に挑みかかるが剣先で逸らされ、隙だらけの胴にお返しとでもいわんばかりの大振りの一撃がささる。

 

 「止め。勝者、保科萌樹」

 

 虎一が静かに勝敗を告げる声も雫には届いていなかった。

 

―*―*―*―*―*―*―*―

 

 虎一と萌樹による静かでいて、しかし苛烈でもある水面下で行われる読み合いの間も雫は呆然としたままであった。それもそのはず、自身の今まで積み上げてきたものを相手は才能と感性の暴力で蟻でも潰すかのように容易く踏みにじってきたのである。しかもその相手は現在も自身の父と互角の戦いを繰り広げている。そして間合いの取り方、攻撃の受け方、切り返し方、攻め方、そのどれをとっても一流で、とてもではないが一朝一夕に出来ることではないものをついさっき剣道というものに初めて触れたはずの萌樹が見せつけてきているのである。

 

 そんなの、認められない。雫は強くそう思った。そして審判をしていた門下生が試合の終了を告げる。結果は時間制限による引き分け。虎一の興奮気味の声が道場に響き渡る。

 

 「萌樹!凄いな!お前には相当な才能があるぞ!だからぜひ、うちにたまに寄ってくれよ。」

 

 それは昔、雫が才能を祖父に見せたときに掛けられた、雫が竹刀を握るきっかけ(元凶)の言葉によく似たもの。

 

 「そこまでのものじゃあないですよ。でも楽しかったのでまた顔を出してもいいですか?」

 

 認められない。認められない。自分が望んでいるもの(女の子らしい容姿)を持った萌樹を、自分が持っているもの(剣術の才能)よりもはるか優れたものをもつ萌樹のことを雫は認める訳にはいかなかった。

 

 「もちろんその時には歓迎――」

 「保科君!」

 

 気が付くと雫は萌樹に対し呼びかけていた。

 

 「ねえ、あなたは剣道が初めてだと言ったそうよね。それは嘘でしょ?いったいいつからやっていたの?なんでそんな嘘をついたの?ねえ?どうして?」

 「いや、僕は本当に今日初めて剣道をしたよ」

 

 そう言い明るく笑う萌樹に雫は我慢ならなかった。雫は萌樹に詰め寄り胸倉をつかみさらに問い詰める。

 

 「なんでそんなに簡単にばれる嘘をつくの?あんな動きはそんなに簡単には出来ないわよ、そこまで言いたくない何かがあるの?ねえ?答えてよ」

 

 雫は萌樹をつかんだ右手でその体を揺らすが華奢な見た目通りまるで女の子のようであるかのように軽い。そのことが雫の怒りを加速させ握る右手により力が加わる。

 

 「雫。もうやめなさい」

 

 虎一から制止の声がかかる。雫はキッと萌樹をきつく睨むとその場から立ち去った。

 

 「萌樹君。先程は娘が失礼したね。後できつく言っておくからどうか勘弁してほしい」

 「いえいえ。気にしていないので大丈夫ですよ虎一さん。それでまた来た時にはぜひ一戦お願いします」

 「それはこちらこそよろしく頼む」

 

 そういい二人は握手を交わし、萌樹は帰路についたのだった。




書き溜めはないので牛歩更新になるかもしれませんがご容赦ください。


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Part2

投稿しても評価はもらえないだろうなぁと思っていたら評価がもらえて嬉しかったので急いで書き上げました。お気に入りも2,3程度だと思っていたのでびっくりです。評価、お気に入り、感想ありがとうございました。


 仕様上スキップ出来ない要素がオオスギィ!なRTA第二部、はーじまーるよー。

 

 前回は技能習得のための買い物と雫ちゃんの気を引きました。なので今回はひたすら読書と雫ちゃんの気を引きながらさっさと時計を進めてしまいましょう。

 

 さて学校の授業ですが正直に言うと真面目に受けるメリットはありません。授業を真面目に受けないと周囲からの友好度がマイナスされる、光輝君に絡まれる等のデメリットが発生しますが前者はそもそもボッチなので無関係、見た目はいいからかいじめには発展しないので無害。それどころか会話イベントが発生しにくくなるため時短につながります。やったぜ。後者は雫ちゃんの気を引いている時点でいずれ絡まれる運命にあるので実質無害です。なので授業中は読書しながらハンドグリップをするか徹夜をして読書をするために睡眠をとるようにしましょう。そして昼休みですが教室にいると光輝君に絡まれる可能性があるのでさっさと逃げましょう。屋上かトイレで食べるが吉です。

 

 は?(困惑)

 

 は?(威圧)

 

 こ っ ち く ん な

 

 えぇ…(困惑)何故か初日の昼休みから光輝君に絡まれました。しかも席を立つよりも早く話しかけてきました。このパターンには私も初めて遭遇しました。いずれ再走する可能性もあるのでチャートにメモしておきましょう。それにしてもかなりのクズ運ですよクォレハ・・・

 

 勇者様(笑)(光輝君)に絡まれるとロスが大きいためここではいったん適当な理由をつけて離脱しましょう。また雫ちゃんに話しかけると必ず光輝君と会うことになるので学校での接触は諦めましょう。道場でなら光輝君抜きで接触できますし、もし道場で光輝君に会ったのであれば試合(暴力)で一時的におとなしくなってもらうこともできます。K!B!S!はRTAでS以外は重要なんだよね。それ一番言われてるから。

 

 さて、土曜日になったので早速道場に行きましょう。この時に睡眠不足であると試合を行う時に反射神経が低下するため勝利が難しくなります。雫ちゃんのイベントは勝利後に確率判定で発生、判定がダメでも次回以降の判定時の確率が上昇するというシステムなので負けるとタイムに響きます。授業中にしっかり睡眠はとりましょう。

 

 試合が終わりました。雫ちゃんと一気に3戦とかいや~キツイっす。途中で何度かミスりかけましたが手際よく片付けることが……おお!(歓喜)雫ちゃんのイベントが入りましたね。これはいい調子です。このタイミングで入ったので雫父や雫祖父に気に入られて忍者の指導を受けるよりも√を進めて忍者の門下生からの襲撃を待った方が早そうです。

 

 ……………アイエエエ!?コウキクン!?コウキクンナンデ!?雫ちゃんが「なんであなたは私の欲しいものを持っているの?妬ましい」(要約)というようなことを言って泣きながら去っていく場面を思いっきり光輝君に見られました。光輝君が激おこぷんぷん丸です。せっかく短縮できた時間が… 胃薬が足りなくなりそうです…

 

 えー、話をまとめますと光輝君が言いたいことは「雫ちゃんをいじめるな!許さん!剣道で勝負だ!あとお前、授業態度悪いな!え?授業受けなくても問題ない?なら俺より上の成績とってみろよ!まず無理だけどな!」(雑な意訳)だそうです。わけがわからないよ。(インキュベーター風)とりあえず試合には勝ったので良いとして問題のテストですがこちらも多分大丈夫です。理由としては念入りに考え抜いた名前の効果です。苗字の一字がPCの日本における個性を決定する仕様なので、“優”や“勉”であれば頭が良くなる、“強”、“頑”であれば力自慢でタフになるという効果があります。今回は“科”がおそらく教科、科目の科として扱われているため知力が上昇しています。さらにほぼずっと読書を続けていることでも知力が上がっているはずです。もし勝てば今後は関わらないでくれと言ってあるため多分これ以上のロスはないでしょう。多分。まあかなり不安ですがなるようになるでしょう。

 

 日曜ですがチャートに記入漏れがあり必要な買い物をいくつか忘れていました。こいつはひでェ… なのでショッピングモールまで買い出しに出かけましょう。ショッピングモールにきたら雫ちゃんを攻略するために可愛い人形やキーホルダーを買いましょう。泣かせた時の謝罪として渡せば好感度が上がります。そのあとは剣道の指導をしたり、デートやプレゼントで気を引けば落ちるはずです。ショッピングモールに来たついでにハジメ君が本屋にいないか探しましょう。本来のチャートでは召喚後に図書館を頻繁に訪れて友好度を上げる予定でしたがこの際ついでに上げておきましょう。さて、ハジメ君は…お!いますね。ハジメ君にラノベの話題を振ってオススメのラノベやアニメを聞き出しましょう。オタク仲間ができたとハジメ君が喜ぶので今後も定期的に振っていけば召喚後が少し楽になるはずです。この程度でほぼ落ちるなんて、ハジメ君はチョロイン。はっきりわかんだね。

 

 ここからは代り映えのない作業なので4倍速…だと物足りないので16倍速でお送りしながら内容のダイジェストをお話します。まずは光輝君のことから、光輝君とのテストの勝負は無事勝てましたがその後もある程度の頻度で絡まれました。正義感の押しつけを悪意なしに行ってくるので大変でしたがこのチャートを作った時からこのロスはある程度想定していたので問題はありませんでした。雫ちゃんに関しては問題なく攻略でき、忍者の指導も受けることが出来ました。ついでに雫ちゃんとのデートの時にクトゥルフ系の本と手品グッズも購入し、練習しておいたので幻術の習得率と見せることができる幻術の幅が広がったと思われます。最後に大問題のハジメ君との関係なのですが…時間をだいぶロスりました。嘘だといってよ、バーニィ。詳しくはこちらを見てください。

 

 左上の小さい映像が16倍速中の画面で、真ん中がロスをした証拠映像(通常速度)です。ここからも分かる通り思いっきりいじめの対象になりましたね。授業中も寝て、オタクで、ぼっちで、光輝君に絡まれていて、美少女(雫ちゃん)に気に掛けられている。これはハジメ君とほぼ同じ状況ですね。まあこのおかげでハジメ君との友好度が想定以上になり、そして途中で気付いた雫ちゃんが檜山達に怒ってからは落ち着いたのでリセットするレベルにはギリギリ至りませんでしたが。ここでのガバでチャートより速く進んでいた積み立ても底をつきました。悲しいなぁ。

 

 というわけで召喚前までは全て終わりました。次は召喚からになります。終わりっ!閉廷!以上!皆解散!

 

 今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。

 




お読みいただきありがとうございました。後、語録をそこそこ使っているため、あらすじの欄の”(淫夢要素はたぶん)ないです。”の後ろに(ホモは嘘つき)を追加させていただきました。


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第二話

かなり遅くなったけど牛歩更新宣言したからセーフ…
あとお気に入り、評価、感想ありがとうございます。かなり励みになります。

今回は場面変更が非常に多いです。力不足で申し訳ない…


 入学式の翌日の昼休み、黒い髪を肩上で切り揃えた華奢で小柄な可愛らしい顔立ちの人物、つまり萌樹が教室を出て他の場所で昼食をとるためにバッグをごそごそと漁っているとそこへ、

 

 「君、ちょっといいかな?」

 「今から昼食を別のところで食べたいので今度にしてもらっていいですか?」

 「授業中に眠るのは周りの迷惑になるからやめてもらえないかな?」

 

 光輝が話かけてきた。萌樹がそれに対し拒否するも、光輝の方はまったく耳を貸さず萌樹に説教をし始めた。

 

 「今度からなるべく気を付けるように心がけたいと思うよ。だからもう行ってもいいかな?」

 「気を付けるだけじゃなくてきちんと改善してほしいんだ。ほら、授業を眠るのは先生がたにも失礼だろう?しかも初回の授業からいきなりだなんて…」

 

 ごまかしの言葉を見逃さず、尚も説教を続ける光輝に萌樹は多少の苛立ちを覚えていた。しかも光輝は他人を正す自分に酔っているようで萌樹が無言で立ち去ろうとするとそれに対してすら説教をし始める。そして、

 

 「保科はその性格自体を改善するべきだね。授業中に眠る、人の話の途中でいなくなろうとする、しかも昨日はずるをして雫との剣道の試合に勝ったのだろう?それともわざと手を抜くようにでも言ったのかな?剣道が初めてだったらしい保科が勝てるはずもないから必ず何かをしたのは間違いないだろう。そういうことは人としてやってはいけないことだと思うよ」

 

 話が膨らみ、もはや直接悪口を伝えているかのような内容にまでなってきていた。しかも自分にも非があることを相手だけ悪いと思い苦言を呈し、断片的に知りえた情報から自分が推測した事実無根なことにまで話は及んでいた。

 

 「保科は今すぐ雫に謝るべきだ。そうやってひとつひとつ改めていかないと一生そんな無礼で卑怯な性格のままだ」

 

 光輝の酷い物言いについに堪えきれなくなったのか、早い段階で会話をすることを止めていた萌樹が口を開いた。

 

 「天之河(あまのがわ)君は僕の親かなにかかな?僕は君にそこまで誹謗中傷される謂れは無いし、適当な推測で物事を語って人を悪者に仕立て上げるのをやめてくれない?しかも人が黙って聞いていればそれをいいことに散々上から目線であれこれ口を出して…しまいには謝罪?君の捏造したことで?鬱陶しいからいい加減、話を終わってくれないかな?最初にも言ったけど僕は他のところで食事がとりたいんだ。ひとの食事を妨害して楽しかった?もう金輪際関わらないでくれるかな?」

 

 そう吐き捨てて、萌樹は弁当箱をつかみ教室から出て行った。

 

―*―*―*―*―*―*―*―

 

 その週の土曜日、八重樫家の道場に萌樹が客として訪れていた。

 

 「保科君、この前は本当にごめんなさい。あと、光輝の言いがかりについても。でももう一度、お手合わせお願いできるかしら?」

 掴みかかったことと光輝の暴走についてかなり負い目を感じていたのか、雫はばつが悪そうにしつつ萌樹に謝った。

 

 「この前のはもう気にしてないから大丈夫だよ、八重樫さん。試合のほうは虎一さんに挨拶をした後でもいいかな?」

 「ええ、もちろんよ」

 

 萌樹は「それじゃあ、またあとでね~」と告げながら奥へと向かっていった。

 

―*―*―*―*―*―*―*―

 

 はあはあ、という乱れた息が雫の口から洩れる。萌樹と雫の約束であった剣道の試合の再戦が他の門下生の立ち合いのもと終わったところだった。

 

 「保科君、少ししたらもう一度戦ってもらえるかしら?」

 「うん、いいけど…今日は虎一さんと少しお話をしに来ただけだから早めに終わらせてくれるとありがたいかな」

 

 先程までの試合で雫を一方的に攻め、そして容易く下した萌樹にそのように言われると雫は顔にこそ出さないものの苛立ちを覚えた。もちろん、雫は萌樹が悪意なくその言葉を発したことは理解している。そして萌樹が純粋にそう言ったのだと、萌樹は剣道の初心者で自分が大会で負けなしの強者であるということを知らなかったからそう言ってしまったのだと心の中で庇えば庇うほど雫の心にさざ波が立った。

 

 「分かったわ。ならもう休憩は終わりにするわね」

 

 雫はそれについて考えること自体をやめ、ある程度落ち着いてきていた呼吸を整えると門下生に審判を頼んだ。

 

 「始め」

 

 鬼とでも形容すべきような圧倒的な気迫、それを纏い萌樹が雫に斬りかかる。それを雫は弾くも即座に追撃の一閃が放たれる。それを辛うじて受け流すと雫は間合いをとった。本来であれば明鏡止水の心境で行える試合が萌樹のその鋭い一撃によって乱される。認めないっ、そう強く思いながら雫は攻めにでた。

 

―*―*―*―*―*―*―*―

 

 結果は惨敗だった。そして雫がもう一度と頼み込み行った3戦目も同様の結果だった。その結果に雫の心は荒立つ。この試合は自分と向き合うために行ったもの、結果は気にする必要がないと考え、雫は前のように暴走しそうな自分を抑え込んだ。

 

 「もう大丈夫かな?八重樫さん。あとちょっと強めに当てちゃってごめんね?」

 

 そう萌樹が告げる。あれでちょっと強めなのか、手加減されていたのかと何気ない一言で再び心が荒れる。なんで剣道のけの字も知らない初心者が自分より遥か高みにいるのか、そのような考えが雫のなかで再び湧きだす。「あれは本物の天才だね。戦いのためにうまれたって言っても過言じゃないどころかそれでは物足りないくらいだよ、だから雫が負けても仕方がなかったんじゃないかな?」父の言葉が思い出される。仕方がないじゃない、私の今までの努力は無駄だったの?私にあると言っていた才能はなんだったのよ、私の才能と努力じゃ本物の天才(萌樹)にはかなわないの?そう雫が考えたところで萌樹から声がかかった。

 

 「あ、あのごめんね八重樫さん。無神経なこと言っちゃって…なんというか本当にごめん…」

 

 自分の考えていたことが全て口から出ていたことに初めて気づいた雫はその場から逃げるようにして立ち去ってしまった。

 

―*―*―*―*―*―*―*―

 

 「おい」

 

 帰るために着替えを終え、道場を出ようとしていた萌樹に声がかかる。

 

 「なにか用かな?天之河君」

 「また雫に無理やり勝負をさせてズルして勝ったらしいじゃないか。しかも3回も。そうやって人を傷つけるのはやめてくれないか?俺は遠くから見ていただけだから雫になんて言ったのかは知らないけど雫はそのあと泣いていたよ。もうこういうことは本当にやめてくれないか?」

 

 萌樹はなんの根拠もなく自分の憶測で語る光輝の方を向くのをやめ、帰ろうとしながら口を開いた。

 

 「普通に試合をしただけだよ?天之河君には関係ないよね?僕は帰るから、それじゃ」

 「普通に試合をして勝てる訳がないだろう。そこまでいうのならその腕を見せてくれないか?」

 

 萌樹の行く先を阻むようにして立つ光輝。萌樹はため息をつく。

 

 「これから帰るところだから邪魔しないでくれるかな?」

 「そうやって逃げて有耶無耶にする気だろう。卑怯な人がとる手は分かってるよ」

 「帰ろうとする人の道を塞いで言うことを聞かせようとする人の方がよっぽど卑怯じゃないのかな?」

 「そうやって誤魔化して昼休みも逃げただろう?まだ昼休みの話も終わってないのに逃がすわけがないじゃないか」

 

 靴の裏にこびりついたガムのようにしつこく粘着する光輝に萌樹の怒りがたまっていく。

 

 「じゃあどうすればさっさと逃がしてくれるのかな?」

 「いますぐ俺と試合をして負けて、本当の実力を他の人に見せたあとに雫にしたことを話すことと授業中に寝るのを止めると誓ってくれたらいいよ」

 「なんでここで居眠りの話になるのかなぁ…あと受け入れる訳がないでしょ、そんなの」

 「ここで言わないと学校だと逃げるに決まっているからだよ。保科が居眠りをして成績が下がるのは勝手だけどそれでクラスの平均の成績を下げられるのは嫌だからね」

 「はぁ。多分だけど天之河君よりもいい成績はとれるから安心して放っておいてよ。あと要求を呑む気はないからもう通らせてもらうね」

 

 そういい萌樹が通ろうとすると光輝は萌樹の服をつかみ止めた。

 

 「なら誓う代わりにテストで比べよう。ずっと寝てる人に負けるはずがないからね。もし負けたらその後は一切居眠りをしないでよ。あともう一つの方も呑まないと帰らせないよ」

 「……わかったよ。一本勝負にした上でもし僕が勝ったら今後関わらないならやるよ。それでいいでしょ?」

 

 萌樹は諦め、光輝に急かされながら道場のなかへ戻っていった。

 

―*―*―*―*―*―*―*―

 

 「用意ができたな。いくぞ!」

 

 萌樹の確認もとらず勝手に試合を始める光輝。萌樹は竹刀を構え光輝の初撃を弾いた。

 

 「審判も用意せずに自分のタイミングで始めるほうが卑怯でしょ。あとこれで一本だよね?」

 

 そう告げた萌樹の竹刀は光輝の喉元にしっかりと突き付けられていた。光輝がそれに告げられて初めて気づき苦々しい顔をする。

 

「もういいでしょ?帰るね」

 「まだだ!なにかしたに違いない!待つんだ保科!」

 

 光輝が声を張り上げるがその様子を見ていた虎一に取り押さえられ、萌樹は光輝の顔も見ずに帰っていった。

 




なんか思ったように書けなかった…
召喚後の構想はかなりできているのでもう少しよく書けるとは思います。あと次の更新はそこまで遅くならないハズ…

あとスキップした所は書く必要はないよね?全然書ける気がしない…


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Part3

水曜日に投稿しようと思っていたのに…出来ませんでした…(小声)
次は早めの投稿を頑張ります。
それと、お気に入り、感想ありがとうございます。
感想が一気に増えて嬉しかったです。(小並感)


 仄暗い奈落の底から日本目指して大奮闘!なRTA、第三部はーじまーるよー。

 

 前回は天職、技能の選定のために雫ちゃんを落として八重樫家の忍者の訓練を受けました。16倍速の動画なんてなんで見る必要なんかあるんですか(正論)という兄貴達に詳しい説明をすると、まず雫ちゃんと仲良くなり八重樫家で忍者の修行中の人から反感を買い襲撃を受け、忍者の存在を知りました。その後に取りたい技能に合わせた指導を受けながら日常を過ごし今回まで至るというわけです。(雫ちゃんへの告白イベントはこなして)ないです。時間かかるからね、しょうがないね。うざ絡みをしてくる勇者(笑)には修行中に学んだ心理術で精神面に干渉するものへの耐性弱化を仕返し代わりに会話中にかけまくっておきました。いやーもう十分(会話を)堪能したよ…(満身創痍)

 

 さて、本題の召喚のXデーは5月の第2週の月曜日です。家を出る前に制服の下に黒装束を着用して火薬、サバイバルセット等の小道具を身につけておきましょう。鞄は持っていけないので全てポケットに詰め込みましょう。

 

 朝の固定の会話が終わり授業も終わったのでそろそろ召喚が始まります。この時、目立つ4人組の誰かと親密であるとハジメ君の席まで連れていかれますが位置が悪いので、香織のセリフのあと雫が吹き出したタイミングでトイレに行く振りをして離れましょう。魔法陣が広がりきったあとにその場から距離をとれてさえいれば、どの位置でも問題はありません。

 

 さあ魔法陣に包まれ異世界召喚されました。全員が混乱したまま他の部屋へと連れていかれますがここではそれに従いましょう。ここでハジメ君たちの近くにいた場合は雫ちゃんの好感度が高いため、移動の列の位置が先頭になり部屋で上座に座ることになりますが、今回は誰にも邪魔されず列の最後尾になれ部屋では端を確保できます。

 

 部屋についたらハジメ君に話しかけましょう。ハジメ君は本来であれば確定で最後方に座りますが今はそこにPCがいるのでその隣にいます。この場での話の要約を後で教えてもらうように頼んだらイシュタルが話を始めたタイミングは確実に誰からの視線も受けないため隠形を使いましょう。もし、技能で〝隠形〟を持っていなくとも日本で学んでいるのでこの場で使用することが出来ます。そのまま部屋を出たら聖教協会の正門周辺で所持技能の確認、練習を始めます。

 

 日本での行動から持っている可能性のある初期技能は〝幻術〟〝忍術〟〝印術〟〝剣術〟〝短剣術〟〝暗器術〟〝体術〟です。また、〝忍術〟に含まれるまたは派生で生まれる技能の中で初期から持っている可能性があるものは〝五遁の術〟〝心理術〟〝隠形〟〝手品〟です。この中で〝幻術〟〝五遁の術〟〝心理術〟が必須技能なので〝五遁の術〟がないことが分かったらリセットしましょう。持っている確率は3つをあわせても体感8割を越えているのでヘーキヘーキ。

 

検証の結果、今回持っていると思われる技能は〝忍術〟〝剣術〟の2つだと思われます。重要そうに見える〝印術〟はありませんが上位互換である〝魔力操作〟がいずれ入手できるので問題ありません。検証が終わったのでイシュタルが他の生徒達を連れてくるまでは〝忍術〟を鍛えましょう。忍術は忍者らしい行動に補正が掛かり、忍者らしい行動で熟練度を稼げます。持ち込んだ火薬や煙玉で火遁を無駄打ちしたまま隠形を使った上で、宙返りや壁張り付き、三角飛びをして手品をしながら物を投擲し、それを木の枝で斬るのが最高効率です。ミスなく続ければステータスプレートをもらうまでには派生技能が手に入ります。やったぜ。

 

 【神山】を降りるタイミングで合流し【ハイリヒ王国】につきました。夕食の後から行動開始です。イベント回避のためには光輝君、恵理ちゃん、清水君に干渉する必要があります。早いうちに〝心理学〟を出すためにもこの日だけは光輝君に話しかけて熟練度を稼ぎましょう。光輝君に掛けるべき精神誘導は性欲増加と恵理ちゃんへの関心増加です。後者は重度の精神誘導であるため掛けられた人物の行動が多少おかしくなりますが、周りからは突然異世界に来たストレスのせいだと思われるため日本でならまだしもこ↑こ↓ではバレません。

 

 翌日になりステータスプレートを受け取りました。今回のステータスは~こちらっ!(通販番組風)

 

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保科萌樹 17歳 男 レベル:10

天職:忍者

筋力:100

体力:120

耐性:240

敏捷:500

魔力:120

魔耐:120

技能:幻術・忍術[+遁術:攻性][+薬学][+心理学]・剣術[+大切断]・言語理解

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 ステータスが高いのは日本で光輝君と雫ちゃんに圧勝し、雫父と引き分けたからでしょう。才能的には劣っているはずの勇者(邪魔)がこれより高いステータスを出しているのは天職補正があるからです。腐っても勇者なのでま、多少はね?そしてこのステータスにも実は名前の効果があります。“保科”の“保”の効果で体力、耐性、魔力、魔耐に補正:小がかかっており、また長時間の戦闘への適正、疲労に強くなるという効果があります。そして“萌樹”の“樹”は体力、耐性、魔力、魔耐に補正:小、風、水、土属性の適正:小上昇、火属性適正:中減少、植物に関するものの効果:大上昇です。といってもステータスは奈落に行く以上誤差でしかないのでお目当ては後半部分です。“保”は利しかなく、“樹”の方の属性適正は魔法にしか影響がないので忍術は普通に使えます。そのため、植物系の効果上昇という恩恵のみを受けられます。うん、おいしい!幻術の魔法陣が刻まれた錫杖のアーティファクトをもらったら早速訓練をしましょう。忍術用の魔法陣が刻まれたアーティファクトはどこにもないので探すだけ無駄です。図書館のどこかに色物魔法陣が載っている図鑑があるのでそれをハジメ君に見せ、錬成で金属板に刻んでもらいましょう。

 

 夜になったのでこれから仕込みをしていきましょう。まずは光輝君の部屋まで隠形を使いながら移動しましょう。部屋には鍵がかかっていますが日本のものに比べればとてつもなくちゃっちいのでピッキングで楽に開けられます。いいゾ~コレ。中に入ったら寝ている勇者(害悪)に幻術をかけましょう。内容は恵理ちゃんとにゃんにゃん(死語)しているというものにします。淫夢ではありますが淫夢ではありません。これもうわかんねぇな。

 

 次は清水君です。勇者(要らない)に比べて就寝時間が多少遅いので後回しにしましょう。清水君の部屋に同様の手段で侵入したら幻術をかけます。彼には魔族の将軍の前でクラスメイトを葬り俺tueeeをした後、その功績で美少女姫と美少女メイドと美少女戦士といちゃいちゃするという、なろう系テンプレの内容を見せます。幻術には〝心理学〟の効果を乗せられるので出世欲を伸ばし、裏切りと魔族陣営での功を急がせましょう。

 

 最後に恵理ちゃんにも同様に幻術をかけますが他の2人とは違い幻術越しに精神誘導をするだけで十分です。光輝君を束縛したいという欲望を伸ばしてあげましょう。それが終わったらひたすら訓練です。派生技能のために睡眠時間を削って修行しましょう。前述の通り、疲労耐性が名前の効果であるので無理をがんがんしても問題ないです。これを毎日繰り返せば奈落で蹴りウサギを不意打ちで倒せる程度までは育ちます。

 

 さあ次のイベントが発生しました。ハジメ君が檜山グループに襲われています。おっ、大丈夫か大丈夫か?とりあえずは隠形で隠れて様子を窺いましょう。勇者(実質敵)が来たタイミングで乱入しましょう。ついでに4人組を〝遁術:攻性〟の木遁で縛りあげておきましょう。人に撃ったほうが熟練度を稼げるからね、しょうがないね。勇者(鬱陶しい)がハジメ君の読書にケチをつけるので会話に割り込みます。読書の重要性を説き、戦争参加の流れを作ったことを犯罪者宣言と罵ってあげましょう。精神面に傷をつけたほうが精神誘導は効きやすいので最後の仕上げがてらみっちり再教育しましょう。

 

 は?(威圧)あーもうめちゃくちゃだよ!この勇者(糞)め…人間の屑がこの野郎…この勇者(無能)やってくれやがりましたよ!犯罪者宣言をつついた上で魔族についてとこの国が魔族をどうしているかを懇切丁寧に語ってあげたら、訓練場にいるってことはそれでもお前には魔族を殺す覚悟があるのかだって?魔族でもなんでも記録の邪魔をするなら上等だ!いいよ!来いよ! とまあ怒りはおいておきまして、このままでは勝ち逃げされて勇者(嫌い)のメンタルを傷つけられそうにないので最終手段をとりましょう。メルドさんに捕虜の魔族を連れてきてもらい、ぶっコロがしの実践をしましょう。上げた好感度、友好度が下がるのでなるべくとりたくはない手段でしたがここで精神誘導が通らない方が問題です。なんてことを…(憤怒)

 

 頼んだ捕虜二人、しかも運よく女二人です。女性であると勇者(屑)の精神へのダメージが大きくなります。さっさと魔族を一人殺し、糞勇者をそんなんじゃ虫もころせねぇぞお前ら!と煽りましょう。糞が人殺し呼ばわりしてきますがお前は国の期待を裏切るのか、お前が覚悟を試すということを言わなきゃこいつは死ななかったぞなどと言っておきましょう。その後に糞の脳内で先程の殺害シーンがループするという幻術をかければ精神誘導は通るようになるでしょう。これで仕込みは終わったので夕食時に全て完成させてしまいましょう。

 

 夕食の時間になりました。ハジメ君に幻術の魔法陣を刻んだ金属板を作ってもらったので早速使っていきましょう。まずは糞から幻術を介して精神誘導をかけ、しばらくは恵理ちゃんのことだけを考えるようにしてしまいましょう。恵理ちゃんには、迷宮に行ったら死ぬ可能性があるので今日の夜に告白兼夜這いに行こうと考えさせます。清水君にはクラスメイト、国、宗教への不信感を植え付けて魔族に接触するように誘導し、出世欲を強めに刺激することもしておきます。これで完成です。夜まで待ちましょう。

 

 夜になりましたが恵理ちゃんはすぐには動かないので、もう寝ているはずである雫ちゃんに幻術をかけます。雫ちゃんには香織ちゃんが見たであろうハジメ君が深い穴に落ちる夢を見させます。好感度が糞のせいでどうなっているか分かりませんがおそらくハジメ君を何があっても助ける約束はできるはずです。これを終えたらそろそろ糞の部屋まで向かいましょう。おっ、タイミングが良いですね。恵理ちゃんが部屋に入ろうとしているので部屋の中に惚れ薬と媚薬を調合した揮発性の薬をぶち込みましょう。朝まで盛って今後は恵理ちゃんが糞の行動を管理してくれるはずです。やりますねぇ!(賞賛)

 

 朝になったので糞が昨日のことをなかったことにしないためにいつものメンバーの前で冷やかしておきましょう。ここまですればご都合主義的な解釈しかしない糞でも責任をとるので仕込みが実ったといえるでしょう。あとは奈落に落ちた後に恵理ちゃんが妊娠していればそれを理由にして、再会後に糞を安地に封印できます。…最高やな!糞と龍太郎くんが少し離れたタイミングを見計らい、魔族をぶっコロがしたことを後悔している風にしながら雫ちゃんに話しかけ、ついでにハジメ君が落ちる夢について話しましょう。悔やんでいる風にしたらかなり好感触ですねクォレハ…好感度もおそらく落ちていませんし約束も取り付けたので準備は完璧です。頑張って【オルクス大迷宮】で奈落に落ちましょう。

 

 という訳で次回はオルクス大迷宮からです。ぬわあああああああああああん疲れたもおおおおおおおおおおおおおおおん。

 

 今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。

 




早く投稿したかったので迷宮前で区切りました。もしかすると次話はpart3.5になるかも…
あと前回のアンケの結果をうけてスキップした場面は書かないことにしました。もし書くとしたら閑話みたいな感じにすると思います。





最後のは文字数稼ぎにならないよね…?最低投稿文字数はちゃんと越えてるし…


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第三話

なんかもう書き終わったので投稿です。
評価、お気に入り、感想ありがとうございます!


 「よぉ、キモオタ!また、徹夜でゲームか?どうせエロゲでもしてたんだろ?」

 「うわっ、きも~。エロゲで徹夜とかマジキモイじゃん」

 

 ハジメが始業チャイム直前で教室に入ると檜山達からからかいの声が飛んでくる。それに続くようにしてその周辺からバカ笑いが聞こえるがその直後に顔を真っ青にし、おとなしく各々の席に戻り始めた。その原因は女の子と見紛うほど可憐な顔立ちをした男子生徒、萌樹が本を読む手をとめ、彼らを睨みつけているからである。萌樹は彼の授業態度、光輝が早とちりをし、彼を大声で糾弾したことにより最初こそクラスの腫物のような扱いを受けていたがその誤解が解けると、他の女子生徒達よりも整った顔立ちと話しかけてにべもなく話すこと自体を断る点がクールで良いという理由で男であるにもかかわらず学校の三大女神に数えられているからである。しかも檜山達は誤解が解ける前に彼を目立たない場所で“なんで男のくせに女みたいな顔してんだよ。本当は女かもしれないから服を脱がしてみようぜ”“インチキのやり方が分からないから教えてくれよ~インチキの大先生?”などといじめの対象にしていたので、彼らはクラスから浮いてしまっているのである。ハジメは檜山達をおとなしくさせてくれた萌樹に心の中で感謝の言葉を述べながら席についたのだった。

 

―*―*―*―*―*―*―*―

 

 「ねえ、萌樹君。今週の土曜日って空いているかしら?剣道の練習に付き合ってもらいたいの」

 

 昼休みが始まってすぐ、萌樹の席には雫が訪れていた。

 

 「もうそろそろ大会だから自分の弱点を補強したいの。萌樹君ならそういう弱点をつくのが上手だし、アドバイスも的確じゃない?お父さんたちは他の子のことも見ないといけないから頼めるのは萌樹君だけなの。頼めるかしら?」

 「分かった、引き受けるよ。何時ぐらいに行けばいいかな?」

 「そうね……それを決める前に光輝を止め来ないといけないわね。南雲君にまた迷惑をかけているようだし…行きましょ?」

 

 雫にそう言われ、萌樹は席を立つ。ハジメの席につくとハジメが助けを求めるような目で萌樹たちを見る。

 

 「…ごめんなさいね?二人とも悪気はないのだけど…」

 

 雫がハジメにそう謝った。そしてその後もなんやかんや会話が続き、萌樹がトイレに行くためにそこから離れた少しあと教室は魔法陣が発する白銀の光に飲み込まれ、光が消えた後には誰も残っていなかった。

 

―*―*―*―*―*―*―*―

 

 光が収まるとそこは教室ではなく大きな広間だった。雫はこの異常事態に先程離れていった萌樹が巻き込まれているかどうかを確認した。雫たちからは少し離れているものの萌樹は特にけがした様子もなく、このような異常事態に巻き込まれているにもかかわらずのんびりとあたりを見回している。そのことに雫がほっとしていると煌びやかな法衣を来た集団の中からその中でも特に装飾が多く派手な法衣を着た老人が前へと進み出た。

 

 「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎致しますぞ。私は、聖教協会にて教皇の地位に就いておりますイシュタル・ランゴバルドと申す者。以後宜しくお願い致しますぞ」

 

 そして雫はイシュタルに促されるまま別の広間へと移動した。しかしイシュタルの話の途中にふと萌樹のことを探すと部屋のどこにも彼はいなかった。召喚される直前にトイレに行きたがっていたからトイレに行っているだけよね、きっと。だけどこの流れだと光輝が暴走しかねないから早く帰ってきて萌樹君!光輝に口で言ってものを聞かせられる可能性があるのはあなただけなのよっ!そんな雫の願いとは裏腹に萌樹は案の定光輝が暴走し始めたときになっても姿を見せなかった。

 

―*―*―*―*―*―*―*―

 

 「ねえ南雲君。このおじさんの話の内容とそのあとどうなったかをあとで教えてくれないかな?」

 

 大理石でできた巨大な広間から他の部屋へと移動し、飲み物を給仕してくれたメイドさんを凝視しそうになっているととなりの席にいる萌樹から小さな声でそう話しかけられた。

 

 「それは別にいいけど何をするつもりなの?ここから抜け出そうにも人がたくさんいて気付かれちゃうよ?」

 

 ハジメは笑いながら小さくそう返そうとしたタイミングでイシュタルが話を始めた。

 

 「さて、あなた方におかれましてはさぞ混乱されていることでしょう。一から説明させて頂きますので、まずは私の話を最後までお聞き下され」

 

 そう切り出したイシュタルに目を向けた一瞬のうちにハジメの隣からは萌樹のドリンクと萌樹自身が消え、そこに萌樹がいたという痕跡ごとなくなっていたのだった。

 

―*―*―*―*―*―*―*―

 

 翌日からは訓練が始まった。メルド団長からステータスプレートの説明が終わり全員で魔法陣に血を垂らす作業が始まった。

 

 「ず、ずいぶん個性的な色だね。保科君」

 

 萌樹の魔力の色を見て言葉を濁しながら話しかけるハジメ。まあ萌樹の魔力が静脈血のような暗褐色だったので無理もないだろう。

 

 「あはは、無理に気を使わなくてもいいよ、南雲君。自分でもこの色は無いな~って思ってるから」

 「ステータスはどうだった?確認してなかったらせーの、で見ない?」

 「じゃあそうする?」

 

 そして萌樹によるせーのの掛け声で同時にステータスを確認する。

 

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保科萌樹 17歳 男 レベル:10

天職:忍者

筋力:100

体力:120

耐性:240

敏捷:500

魔力:120

魔耐:120

技能:幻術・忍術[+遁術:攻性][+薬学][+心理学]・剣術[+大切断]・言語理解

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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:1

天職:錬成師

筋力:10

体力:10

耐性:10

敏捷:10

魔力:10

魔耐:10

技能:錬成・言語理解

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 「どうだった?」

 「周りがどうか分からないけど多分良いとは思うよ。南雲君は?」

 

 ひょいと萌樹のステータスプレートをのぞき込み顔を曇らせるハジメ。萌樹もハジメのステータスを見てどう声をかけるべきか迷う。

 

 「あー、なんかごめんね。」

 「ま、まあ大丈夫だよ。きっと他にもいるから…」

 

 目に見えて沈んでいるハジメに萌樹はあたふたし、なんとか慰めようとするも結局一日中ハジメは落ち込んだままだった。

 

―*―*―*―*―*―*―*―

 

 それから二週間後、ハジメが図書館をでて訓練施設に向かうと後ろから衝撃を受けた。

「よぉ、南雲。なにしてんの? お前が剣持っても意味ないだろが。マジ無能なんだしよ~」

「ちょっ、檜山言い過ぎ! いくら本当だからってさ~、ギャハハハ」

「なんで毎回訓練に出てくるわけ? 俺なら恥ずかしくて無理だわ! ヒヒヒ」

「なぁ、大介。こいつさぁ、なんかもう哀れだから、俺らで稽古つけてやんね?」

 

 ニヤニヤと笑いながら絡んでくる檜山達。稽古という名のいじめをハジメは断るものの、無理やり目立たない場所に連れていかれ魔法や剣の鞘での暴行が行われる。

 

 「何やってるの!?」

 

 そこに香織の声が響く。檜山達は必死に弁明するものの誤魔化しきれず立ち去ろうとした瞬間。

 

 「なんだこれ!?」

 

 檜山達を逃がさないとでもいうかのように地面から生えた蔦が檜山達の体を縛り上げる。

 

 「南雲君に稽古をつけてあげる余裕があるほど自分達の稽古は完璧なんだね?じゃあ僕にその完璧な練習の成果を見せてよ。他人に指導できるほど努力してたならきっとこの程度の拘束ならすぐに抜けられるよね?」

 

 そう萌樹が告げていると光輝が南雲を叱っている声が聞こえてきた。

 

 「檜山達も悪いけど訓練をしっかりしていない南雲だって悪いよ。聞くところによると図書館で読書ばかりしているらしいじゃないか。」

 

 萌樹はため息をつくと光輝に言った。

 

 「南雲君が読書をしていることだって立派な努力だよ。天之河君が知らないであろうことも南雲君は本からきちんと学んでいるよ。例えば魔人族との戦争のこととか…ある程度は聞いてるとは思うけどその詳細までは知らないでしょ?今回の戦争は領土拡大と魔人族を捕虜にするために人間側が仕掛けて劣勢になったとかさ。あとは捕虜になった魔人族の扱いとか。捕虜の魔人族がどうしているか知っている?男は寒冷地での強制労働、女は慰み者として扱われてるんだよ?しかも使えなくなったら民衆に投石させて処刑する…人間側の方がよっぽど悪者なんじゃないかな?魔人族だって人間と同じように国を作って同じように文化的な暮らしを送っているんだよ?細かい事情を知ろうとせず一方的な意見だけを聞いて大量殺人宣言をした天之河君?これでも読書が無意味だと思うのかな?」

 「…でもあの場にいたってことは保科も戦争に参加すると言ったのだろう?同罪じゃないか」

 「残念だったね。僕はあの場にはいなかったよ。南雲君と八重樫さんから話を聞いただけだからね。」

 「じゃあなんで訓練をしているんだ?戦争に参加しないのなら鍛える必要もないだろう?鍛えているってことは魔人族を殺す覚悟をしてるってことなんだな?ならそれを見せてくれよ、口先だけじゃないのか?」

 「はあ…誰もそんなことは言ってないじゃん…でもまあ戦争になったら生きる為に殺すとは思うよ。自分の命が惜しいからね。覚悟を証明するのは簡単だけど…本当にする?」

 「ほらやっぱり誤魔化そうとしてるじゃないか。」

 

 萌樹はため息を大きくつき、叫んだ。

 

 「メルド団長~!気づいたらここまで魔人族の捕虜を2人ほど連れてきて下さ~い。…これで証明すればいいかな?ついでに天之河君も見せてよね、その覚悟を」

 

 萌樹の言葉で何をするつもりなのか理解した光輝は顔を青くしながら慌てる。暫くすると騎士が魔人族の女二人を連れてきた。

 

 「じゃあ始めるからちゃんと見ててね。今日は剣は持ってきてないからこれでいいか…」

 

 萌樹はそういうと手に持っていた錫杖で首の骨を折るようにぶん殴る。しかし流石魔人族というべきかそれでも首が折れず生きていたため、萌樹は容赦なく追撃を頭にも叩き込む。

 

 「や、やめろって、保科。これ以上は本当に彼女が死んでしまうぞ…」

 「死んでしまうって言ったって…天之河君が見せろって言ったんでしょ?あともう終わったよ?次はそっちの番だよ?」

 

 そう言い、萌樹はもう一人の魔人族を光輝の方へと蹴り飛ばす。

 

 「さあ見せてよ、その覚悟を。そんなにビビってちゃ虫だって殺せないよ?それとも戦場でも棒立ちして殺されるつもりなのかな?」

 「黙れ!この人殺しめ!殺す必要は無かっただろ!」

 「覚悟を見せろっていった天之河君がそれを言う?第一、天之河君が余計なことを言わなかったら彼女は死ぬことはなかったよ。やったね、殺人教唆の罪がついたよ、良かったね!」

 「うるさい、うるさい!黙れ殺人犯!」

 「本当にこんな調子で戦争なんか出来るのかな…?そうだ!そこでいまだに拘束から抜けられてない檜山君!人に暴行をするのが好きならいまここでしてみない?」

 

 萌樹がそう言い拘束を解いた瞬間に檜山達は逃げ出した。

 

 「これじゃあ戦争は確実に出来ないね…勇者、勇者って持て囃されるだけ持て囃されて、結局は国の期待を裏切って何も出来ずに死ぬのか…なんか可哀そうだね」

 

 萌樹はそういうと呆然としたままの光輝達をおいて、訓練施設に戻っていった。

 

―*―*―*―*―*―*―*―

 

 次の日、萌樹は昨日のことがなかったかのように光輝達に近づいてきた。

 

 「ゆうべはおたのしみでしたね。光輝君!相手は誰だったのかな?声の感じ的に中村さんかな?廊下にまで声が響いていたよ!幻術で再現してあげようか?」

 

 昨日のことも気にせず平然としている萌樹を光輝は気味悪がり、その場から離れていく。龍太郎はその話に興味があったのか光輝にどんな感じだったのか聞きながら光輝についていった。そして萌樹は残った雫と香織とハジメの前で辛そうな顔をする。

 

 「昨日のことは本当にごめんね…売り言葉に買い言葉で反応しちゃって途中から後戻り出来なくなっちゃった…天之河君にあんなこと言った手前、平然としているしかないけど…もうちょっと限界かも…本当に酷い場面を見せてごめんなさい…」

 

 辛そうに語る萌樹に雫達は必死で慰める。

 

 「わ、私達だって動物とか殺したし萌樹君がそこまで気に病む必要はないわよ」

 「雫ちゃんの言う通りだよ!いつかは私達も魔人族を殺さないといけないんだし…」

 

 そんな言葉で少しは楽になったのか萌樹は少しぎこちなくはあったが無理に小さく笑って言った。

 

 「そう言ってくれてありがとう。でもやったことはやったことだから…これを忘れないようにするよ…あとこんな話の後で申し訳ないけど昨日凄く変な夢を見たんだ。妙に現実味があって気持ち悪くて不吉な夢を。」

 「私も昨日見たわ。もしかして…南雲君が穴に落ちる夢?」

 

 そう雫が言うと萌樹だけでなく香織やハジメも驚いた。

 

 「そうそれだよ。もしかして白崎さん達も見たの?」

 「僕は見てないけど白崎さんが見たって昨日言ってたよ…本当に何かあるのかもね…」

 

 ハジメが青ざめていると萌樹が言った。

 

 「なら八重樫さんと僕で南雲君の護衛をしない?それで南雲君を危険から何があっても守るの。白崎さんは南雲君に何かあったらすぐに治療してもらえるかな?」

 「分かったわ。私もあの夢は気になっていたから協力するわ。」

 「私もするよ!もう昨日南雲君に守ってあげるって約束してたからね!」

 「じゃあそうしようか!」

 「なんか僕のことでごめんね…もう少し僕が強かったらなぁ…」

 

 その後もどのように対策をするかと話合っている間に気がつけば萌樹達は迷宮の入り口前にたどり着いていた。




文字数が足りなそうとか散々言っておきながら前回よりも長く書けました…何でだろ?
次も早めの投稿を心がけます。

…前回萌樹のステータスに言語理解が入っていなかった…どうやって異世界の言葉を理解してたんだ?この主人公は…


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Part4

連続更新3日目!3回だよ、3回。
(もう気力がないので明日の更新は)ないです。
評価、お気に入り、感想ありがとナス!
誤字報告もすごく助かりました。でもすごく恥ずかしかった。(小並感)


 初期ステータスがまったく意味をなさない超爆速成長系成り上がりハイファンタジーなRTA、はーじまーるよー。

 

 前回は昼休み中に異世界召喚され、天職と技能が決定されたため、技能の育成並びにクラスメイトがきっかけとなるイベントの回避のために色々と対策をしました。なので今回はオルクス大迷宮の攻略を始めたいと思います。とりあえずは雑魚魔物を狩りながら迷宮を進むことになるので、適当に雑魚を蹴散らしながら持ち物とステータスの確認でもしましょう。現在の持ち物は小さなバッグ、水筒×2、ロープ、懐中時計、忍術用魔法陣、錫杖、刀です。小さなバッグには火薬、木の枝、植物の種などの忍術の補助道具が入っています。続いては現在のステータスです。

 

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保科萌樹 17歳 男 レベル:42

天職:忍者

筋力:400

体力:560

耐性:1020

敏捷:2500

魔力:540

魔耐:480

技能:幻術[+視界共有・上書き][+恐怖効果上昇][+安心効果上昇][+混乱効果上昇][+気絶効果上昇][+発狂効果上昇][+描出:名状しがたきナニカ]・忍術[+威力強化][+効果範囲強化][+遁術:攻性][+耐性半貫通][+遁術:守性][+効果時間延長][+薬学][+心理学][+諜報術][+野戦術][+変装術][+手品]・剣術[+斬撃速度上昇][+抜刀速度上昇][+刀身強化][+大切断]・言語理解

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 夜中の特訓でかなりの技能を派生させることが出来ました。ここまでにどうしても入手しておきたかった〝発狂効果上昇〟〝描出:名状しがたきナニカ〟〝野戦術〟が取れました。欲をいえば〝隠形〟と〝暗殺術〟も取りたかったのですが無くても何とかなるので妥協します。分かりづらい技能名で使う必要のあるものはいずれ説明します。それにしても〝描出:名状しがたきナニカ〟がとれて本当に良かったです。この技能をとるためにはクトゥルフ系の本を読む必要があるのですが…召喚のちょっと前にまだ読んでいないことに気付き急いで買いに行くというガバをしていました。チャートに書き忘れていたみたいです。チャートの不備を許してはいけない(戒め)

 

 さてロックマウントが現れました。ここでやっと光輝君が良い働きをしてくれます。馬鹿であるからか、それとも脳みそが空っぽであるからか理由はどうでもいいですが狭い場所で大技を放ち、ベストな形で壁を破壊してくれます。これをPCが行うと威力を調整しても大抵はトラップごと破壊してしまい、他の生徒では火力が足りず壁にひびすら入らないという結果になってしまいます。悲しいなぁ…

 

 さて、脳みそスカスカおせちな勇者が破壊した壁にあった罠付きの鉱石を檜山君が触りました。それでは戦闘開始です。まずはトラウムソルジャーがポップします。これを適当に切り伏せながらべヒモスのポップを待ちましょう。べヒモスのポップが終わったらそちらに向かいます。技能を組み合わせて戦えばべヒモスは倒せはしますが倒すと奈落に落ちるフラグが折れてしまうので絶対に倒してはいけません。程よく苦戦している体を装いましょう。しばらく耐久すると退却の指示がでますがそれに従う必要はありません。ハジメ君が応援に駆けつけてくるのを待ちます。おっ、来ましたね。約束をしたこともあり護衛として雫ちゃんも来てくれました。やったぜ。光輝君も来ようとしていますがハジメ君が理由をつけて止めてくれました。ありがとナス!さて、他の生徒が退却する時間が稼げました。ここで援護の魔法が飛んできますがその中で一つだけはハジメ君を狙っています。防ぐこともできますが絶対に防いではいけません。(フリじゃ)ないです。ハジメ君が奈落に落ちたら雫ちゃんにワンチャンダイブのお誘いをしましょう。好感度が高ければすぐに了承してくれまs………は?(困惑)

 

 すこしためらうってことは好感度が足りない…ふざけんな!(声だけ迫真)…まあ勇者(クソ虫)がやってくれやがった時点でこうなる可能性は分かってはいました。こうなったら檜山君を軽く発狂させて突き落としてもらいましょう。さて檜山君はどこかな…あれ魔法が来てる…PC達に命中しそうですね。ナイスゥ!良い働きをしてくれた檜山君ですがこれ以上の出番の予定はないので、奈落に落ちる瞬間に目で確認し幻術をかけましょう。使用する技能は〝幻術〟に上乗せで〝恐怖効果上昇〟〝発狂効果上昇〟〝描出:名状しがたきナニカ〟です。ここまで重ねれば確実に永久的狂気に陥ってくれます。おそらく王宮に戻った後、おかしくなった勇者の同胞の存在をなかったことにしたい聖教協会によって処分されます。万一処分されなかったとしても廃人にはなっていると思うのでチャートの支障にはならないはずです。

 

 さて足場が崩壊したことによりハジメ君は先に落ちましたが、彼は水の流れに乗ることで衝撃を殺しながら落ちていっています。そしてどこかの横穴から奈落の底まで来るはずなので水を利用せずそのままの勢いで落下しているPCよりも遅く、そして違う場所に出るはずです。なので、当面の目標はハジメ君よりも先に神水の場所にたどり着く、ハジメ君の豹変が完了するまではハジメ君を発見しない、の2つです。それではそろそろ地面が近いのでなんとかしましょう。このステータスでも地面にそのままぶつかると即死するので地面と接触する前に身代わりの術を使用しましょう。身代わりの術は自身の身代わりを使い、自分はそこから離脱するという忍術ですが、その時に自身が吹き飛ばされているとその身代わりがその衝撃を肩代わりしてくれます。これを利用すると自身にかかっているGを身代わりにした木の枝に肩代わりさせ安全に降りることが出来ます。ただし頻繁にこれを使いながら降りるとハジメ君の方が先に神水へとたどり着き、PCが気づかないふりをしても雫ちゃんが発見してしまいます。なので、使用する回数は理想だと1回、最大でも2回にとどめておきましょう。また、術を使用する際にはしっかりと雫ちゃんを持っておきましょう。身代わりの術の判定に含まれていないと悲惨なことになります。(ミスをすると本当に)まずいですよ!

 

 神水確保に移る前に先に落ちているはずのべヒモスの肉を回収しましょう。はえ^~すっごい大きい…今回はそこそこ大きめの肉塊ですね。これをロープで背中に括り付け、隠形で隠れながら進みましょう。肉塊の血の臭いで気付かれることが多いので魔物を見つけたら即座に〝幻術〟をかけて臭いを誤魔化しましょう。

 

 クォクォア…よし(適当)この隣の部屋が神水のあるところでしょう。このあたりに来ると先ほどまで気絶していた雫ちゃんが確実に目を覚まします。これで手が空いたため戦闘が出来るようになりました。さて、神水の部屋に着いたらまずは溜まっている神水を水筒で回収しておきましょう。腹減ったなぁ、あと喉渇か…喉渇かない?じゃけんハジメ君が来る前にべヒモスの肉を食べましょうね~。魔物の肉を食べてもPCのステータスが高く、べヒモス自体が奈落の魔物に比べれば弱い為、痛みはそう長く続きません。なので、ハジメ君が来る前にギリギリ立ち去れます。また、神水は有限ではありますが怪我の治療に使うつもりは一切ないので神水の消費者が2人増えたぐらいでは(問題は)ないです。ガンガン飲んでステータスをあげていきましょう。

 

 神水も回収し終えたので残りのべヒモスの肉を背負い、ハジメ君を探すという名目で部屋から離れましょう。次に訪れるのは9日後です。それまでは水分は水遁の術で出しながら魔物を食べて暮らしましょう。今回は〝野戦術〟の技能があるので簡単に過ごすことができます。やったぜ。

 

 さて持ち込んだ時計で時間を確認すると今日で奈落に落ちてから10日目です。ハジメ君の豹変がもうそろそろ完了するはずなので神水のある部屋までもどりましょう。…神水のある部屋にいますね。指先から紅い雷を出しているので豹変と魔物肉の実食は終わっているようです。ハジメ君に近づくと相手の記憶にある人間に擬態する魔物と勘違いされるので戦闘開始です。ハジメ君の主な攻撃はこの時点では錬成を利用した壁、地面による拘束です。なので、最初に〝遁術:守性〟による木の根による拘束をし、縮地で間合いを詰めて〝幻術〟と〝気絶効果上昇〟で意識を失わせましょう。いったん意識を失わせた後はおとなしくなりこちらの話を聞いてくれるので、戦いながら説得するよりも早く、かつこじれずに場を収めることができます。剣はペンよりも強し、はっきりわかんだね。

 

 説得の後はハジメ君がここで技能の訓練をすると言い出すのでそれに付き合いましょう。この時に〝隠形〟と〝暗殺術〟が取れなかった場合はリセットです。この先の階層の敵はまともに戦うと時間が掛かるので、この二つの技能を使いながら不意打ちでワンパンしていかないとロスが大きくなりすぎます。大丈夫だって安心しろよ。ここまでに大部分の技能は派生させました。多分そろそろ派生するはずです。なぜ忍術の派生はランダムなのか、コレガワカラナイ。

 

 さて、ハジメ君の修行が終わり、爪熊にリベンジした後に階層移動をすることになりました。爪熊には手を出すなと言われているので爪熊との戦闘の間は階段に行くまでにいる敵の殲滅でもしていましょう。移動の際に〝隠形〟の使用をせず、駆け抜けることが出来るようになります。ああ~(ちょうど)いいっすね~。ハジメ君の戦闘が終わったようなので次の階層へ移動します。

 

 ここからの階層の攻略法はほぼ全て同パターンです。〝隠形〟でPCが隠れ、隠れていないハジメ君、雫ちゃんが魔物に襲われた瞬間に〝暗殺術〟で首を撥ね、次の階段に一直線で向かうという方法です。トレントもどきをハジメ君が狩ろうとしても止めましょう。まあ完全に時間の無駄だからね、しょうがないね。

 

唯一の例外である50階層では階段に行く前にユエちゃんの救出をします。エヒト神戦では使うつもりはないのでハジメ君に押しつけましょう。

 

 おいヤメルルォ!なんで裏切られたというセリフに反応しないの…あっ…(察し)クォレハ…ハジメ君の友好度が好感度に変換されましたね…わけがわからないよ。

 

 ……全部勇者(不要)のせいですね…またお前か。ハジメ君の“敵は全て殺す”という信条はPCが魔人族をぶち殺すシーンが原因だそうです。それによりPCの行動は間違っていなかった→PCのやることは全て正しいんだ!→下がっていた友好度が一気に回復する→回復しすぎて好感度の域に突入する…これもうわかんねぇな。まあユエが嘘をついている感じはしないから助けようと提案し中に入りましょう。救出したらサソリモドキとの戦闘開始です。ハジメ君に〝錬成〟で外殻を何とかしてもらうのも手ですが、魔力を通していない外殻はそこまで硬くないので〝隠形〟で隠れてから〝暗殺術〟のコンボですぐに倒せます。ユエの吸血イベントはヒュドラ戦でハジメ君に起こさせましょう。

 

 その後も進み、現在百層目です。それではヒュドラ戦を開始します。6つの頭に勝てるわけないだろ!(ホモは嘘つき)ヒュドラは強敵ですが本気で戦ってはいけません。後で詰むことになります。ヒュドラ戦で厄介なのは首にそれぞれ存在する特殊能力です。銀紋様の頭の攻撃が一番うざい為、銀紋様の頭のヘイトは常にPCで受け持ちましょう。そしてハジメが攻撃を喰らいピンチになるとユエの吸血イベントが入ります。これで目的は達成できたため火遁の術で大きな火球を作りそちらにヒュドラが注目した瞬間に〝隠形〟〝暗殺術〟コンボで回復役の白紋様の頭を撥ねます。その後は作業なのでさっさと処分してしまいましょう。なお黒紋様による強制悪夢がユエに掛けられてもハジメ君が助けないので〝幻術〟で悪夢を上書きし、それを解除することで強引に解きます。ラストスパート、ほらいくどー。

 

 ヒュドラの討伐が完了しました。それでは反逆者の住処に入り魔法陣に乗って神代魔法を習得しましょう。

 

 というわけでオルクス大迷宮の攻略が完了したので次回はライセン大迷宮です。チカレタ…(小声)

 

 今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。




昨日の夜に気づいたけど、この作品はアンチ・ヘイトに該当してますよね…光輝君の扱い的に。必須タグ不足に気付けて良かった…


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第四話~その1~

今日は更新しないと言ったな、あれは嘘だ。
という訳で連続更新4日目です。(流石に明日の更新は)ないです。
評価、お気に入り、感想ありがとナス!
朝に他の作品を探そうと思って日間ランキング見てたら45位で流石にビビった…
本当に謝謝茄子!


 こんな状況であるにも関わらず一体何を考えているのだろう、ハジメは隣にいる萌樹を見ながらそう思った。というのも今、ハジメ達は【オルクス大迷宮】にて魔物との実践訓練を行っている最中であり、たまに魔物に襲われることもあるというのに萌樹はステータスプレートを見ながら何かを考えながら文字通り魔物を蹴散らして進んでいるからである。

 

 「萌樹!萌樹!なにか考え事をしているようだがあまり気は抜きすぎるなよ?お前たちにとってはこの辺りじゃあ肩慣らしにもならんのは分かるが、何が起きるかが分からないのが迷宮だからな」

 

 隣まで来ていたメルド団長にも気づかず、呼びかけられて初めて顔を上げた萌樹。彼は「分かりました」とメルド団長に返すとハジメに声をかけた。

 

 「どう?考えていた錬成での魔物拘束作戦の調子は?」

 「うん、バッチリだったよ。というか本当に周りを見てなかったんだね…何をそこまで考え込んでいたの?…昨日のを思い出したりとかしちゃった?」

 「いや昨日のことではないから大丈夫。それよりさ…」

 

 他愛のない話をしながら一行は進む。そのすぐ先に絶望が大口を開けて待ち構えているなどとは露ほども知らずに…

 

―*―*―*―*―*―*―*―

 

 「擬態しているぞ!周りをよ~く注意しておけ!」

 

 そんなメルド団長の声の直後にせり出していた壁が変色しながら起き上がる。立ちあがるなりドラミングを始めたそのゴリラ型の褐色の魔物はどうやら擬態能力を持っているらしい。

 

 「ロックマウントだ!二本の腕に注意しろ!剛腕だぞ!」

 

 メルド団長の注意を促す声が響く。光輝たちはロックマウントを囲み倒そうとする。しかし、

 

 「グゥガガガァァァァアアアア―――!!」

 

 龍太郎の足止めから抜け出せないことを悟ったロックマウントによる麻痺効果付きの咆哮が響き渡る。対策を取れず、硬直した光輝たちに向かってロックマウントは同族が擬態した岩を投げつけた。投げられたロックマウントは目が血走り、妙に鼻息が荒く、そしてそれが両腕を広げて飛びかかってきたため、香織たちがその気持ち悪さから怯える。そのロックマウントはメルド団長により討伐されたものの、怯えた様子の香織たちを見て死にかけたことに対する恐怖だと勘違いしキレる光輝。そして大技を放ち、壁を破壊してしまった。

 

 「この馬鹿者が。気持ちは分かるがな、こんな狭いところで使う技じゃないだろうが!崩落でもしたらどうするんだ!」

 

 メルド団長に叱られる光輝に苦笑しながら香織たちが寄っていく。そして、ふと顔をそらし崩れた壁を見た香織が何かに気付く。

 

 「……あれ、何かな?キラキラしてる……」

 

 香織のそのつぶやきで全員が壁を見る。そこには美しい鉱石が壁から顔を出していた。その鉱石についてメルド団長が説明する。

 

 「素敵……」

 「だったら俺らで回収しようぜ!」

 

 うっとりしながら香織が言った言葉に反応し檜山がそう叫び、鉱石を回収するために壁を上る。檜山はメルド団長の制止を無視し、グランツ鉱石へ手を伸ばす。

 

 「団長!トラップです!」

 

 そう騎士の一人が叫んだ時にはもう遅かった。鉱石を中心に広がった魔法陣は後方にいた萌樹たちをも飲み込み大きく光を放った。

 

―*―*―*―*―*―*―*―

 

 「ねえ、これってマズくない?嫌な予感しかしないけど…」

 

 光が収まると橋の上にいたハジメが萌樹に話しかける。そして萌樹が返事を返す前に橋の両端に赤黒い魔法陣が現れた。そして階段側にある魔法陣からはおびただしい量の魔物が吐き出された。

 

 「行ってくる!」

 

 萌樹はハジメにそう告げると生まれたばかりのトラウムソルジャーに向かって突撃し剣で薙ぎ払う。筋力400に〝刀身強化〟〝大切断〟の二つの技能をのせた斬撃によってなすすべもなくトラウムソルジャーは倒される。

 

 「火遁の術:攻性 大花火!」

 

 そしてトラウムソルジャーたちを切り伏せながら少し離れた位置にいるものを爆発が襲い、その身を粉々にさせる。そしてついに反対側の通路からも新たな魔物が姿を現した。

 

 「まさか……べヒモス……なのか……」

 

 メルド団長はそう呻いた直後にべヒモスが凄まじい咆哮を上げる。メルド団長は急いで騎士と生徒達に指示を出していく。指示の内容が気に食わなかったのか光輝がメルド団長に噛みつく。

 

 「待って下さい、メルドさん!俺たちもやります!あの恐竜みたいなヤツが一番ヤバイでしょう!俺たちも…」

「馬鹿野郎! あれが本当にベヒモスなら、今のお前達では無理だ! ヤツは六十五階層の魔物。かつて、“最強”と言わしめた冒険者をして歯が立たなかった化け物だ! さっさと行け! 私はお前達を死なせるわけにはいかないんだ!」

「でも、保科だって戦えているんですよ!」

 

 その言葉の通りべヒモスと萌樹は戦っていた。どちらが優勢、ということもなくお互いに拮抗している状態である。

 

 「ここで加勢すればなんとかなるはずです!」

 「馬鹿野郎っ!拮抗しているからこそ手出ししちゃいけないんじゃないか!戦闘のセンス、ステータス、技能、その全てで萌樹がこの場で最も秀でている!余計な加勢は足を引っ張ることになりかねない!ここは萌樹に任せて撤退するぞ!全員、急げっ!」

 

 メルド団長は光輝の首をひっつかみ、自身も急いで移動しながら声を響かせる。その言葉でいまだに状況についていけていなかった生徒達も階段に向かって走り出す。それを尻目に見て萌樹は小さくため息をつき、再びべヒモスへと攻撃を加え始めた。

 

 「木遁の術:攻性 樹根槍!火遁の術:攻性 大火花!」

 

 その声とともに地面からせり出してきた鋭い木の根と小さめの連続した爆発がべヒモスの背後から襲う。突然の背後からの攻撃に思わず振り向いてしまったべヒモスの首に萌樹の剣が突き刺さる。

 

 「水遁の術 水放射!」

 

 剣の先から放たれる大量の水には攻撃力も大した衝撃もない。しかし衝撃がないがゆえに剣は突き刺さったままとなり、血管中に水が入り込み溶血が起きる。べヒモスはその痛みをこらえながら怒りの咆哮をあげ、頭部を赤熱化させて萌樹に突進した。

 

 「やばっ!身代わりの術!」

 

 萌樹はなんとかそれを回避するとべヒモスの首から剣を回収し間合いを取る。

 

 「萌樹こっちはある程度は撤退できた!戻ってこい!」

 「無理です!メルド団長!移動している余裕なんてありません!」

 

 萌樹はそう叫んだ。すると、

 

 「僕、行ってきます!」

 

 ハジメがそう叫びながら萌樹のもとへと走っていく。

 

 「待て、ハジメ!」

 「南雲君、君には無理だっ!」

 

 メルド団長と光輝から制止がかかるがハジメは止まらない。見かねた雫はハジメの後を追うようにして走り出した。

 

 「私も行ってきます!」

 「雫、待ってくれ!俺も行くぞっ!」

 「天之河君は来ちゃだめだ!君がいなくなったらリーダーを失ったみんながパニックになる!」

 

  駆けだした雫のあとを追うようにして飛び出そうとした光輝をハジメが止める。その言葉で一瞬、駆けだそうとしていた光輝の動きが止まった。メルド団長はその隙をつき光輝を捕まえるとハジメ達に叫んだ。

 

 「死んでくれるなよ!萌樹をたのんだ!」

 「わかってます!ちゃんと保科君を連れてきます!」

 「よし、お前ら!階段のそばに着いたら、萌樹たちが退却し始めたときにべヒモスに魔法を打ち込めるように準備しとけ!」

 

 メルド団長は生徒達に向き直るとそう告げた。その中の一人がその言葉を聞き、歪な笑みを浮かべていることにも気が付かずに…

 

―*―*―*―*―*―*―*―

 

 「萌樹君!大丈夫だったかしら?って怪我一つないわね」

 「や、八重樫さん、速すぎるよ…保科君は意外に元気そうだね」

 

 急いで萌樹を助けにやって来た二人。先に走り出したハジメよりも先に雫がついたのはひとえにステータスの差だろう。しかし二人とも、まだ余裕のありそうな萌樹を見て少し驚く。

 

 「来てくれてありがとう。南雲君、八重樫さん。怪我がないのは敏捷が高いからと何かあったら身代わりの術でよけられるからだよ。でも逃げようとするにはちょっときつかったんだ。八重樫さん、少しの間だけべヒモスの攻撃を受け持ってくれないかな?南雲君は錬成でべヒモスを地面に埋めてもらえる?」

 「うん、分かったよ!」

 「了解よ。それで萌樹君は何をするつもりなのかしら?」

 「南雲君と一緒にべヒモスを拘束するつもりだよ。ちょっと用意に時間がかかりそうなんだ」

 

 そういうと萌樹はハジメが錬成で地面に拘束し始めたべヒモスの周りに植物の種をまいていく。そして魔法陣に魔力を込めて忍術を行使した。

 

 「木遁の術:守性 樹縛の牢獄!」

 

 べヒモスの周りから急成長した木がその根で、幹で、枝でべヒモスの体を押さえつける。赤熱化したべヒモスの頭部辺りの木は燃えはじめてはいるがべヒモスは完全に動けなくなっている。しかし、橋に根を伸ばしたせいか、ハジメが橋にべヒモスを埋めたためか、はたまた橋の耐久年数が過ぎていたのか橋に亀裂が生じる。幸いにも階段側の通路に比較的近いところで戦っていたためか崩落しきるまでに三人ともが渡り切ることができそうだった。しかし、ボンっという音とともにハジメが後ろへ吹き飛ぶ。援護に向かっていたはずの火球がハジメに当たったのだ。そしてハジメは吹き飛び、奈落へと落ちていく。

 

 「「「南雲君!」」」

 

 萌樹と雫と香織の声が重なる。萌樹と雫は一瞬足を止めるがその足場が崩れかける。

 

 「止まるな!」

 

 メルド団長の声で萌樹と雫は急いで渡り切る。そして渡り切ったところで奈落を見つめながら萌樹が言った。

 

 「八重樫さん、南雲君を助けに行こう!身代わりの術を使えばたぶん無傷で降りられるし…」

 「…この高さじゃ南雲君はダメかもしれないわよ…?」

 「それでも…生きているかもしれないよ!確認してみないと分からないよ!」

 

 萌樹の涙ながらの声に雫は押し黙る。

 

 「誰だよ、南雲君を突き落としたのは!」

 

 萌樹がそう叫びながら後ろを振り返るとそのすぐそばまで風の魔法が迫っていた。風の魔法は萌樹に命中し近くにいた雫もろとも吹き飛ばす。萌樹は空中で雫をキャッチしながら奈落へと落ちていく。

 

 「俺だって殺す覚悟はあるんだよっ!!ざまあみやがれ!ぎゃはははっっっ!!」

 

 そんな声が階段付近で響き渡った…




そう言えばどこかにRTAものを書いてる癖に計6話で進んだ内容が原作1巻のp65の終わりあたりまでなことについさっき気づいた作者がいるらしいですよ。
一体誰なんだろう?(すっとぼけ)
次回からはハジメ君のPCの呼び方が“保科君”じゃなくなるから入力するたびに寧々ちゃんボイスでの再生がしばらくはされなくなる…書くことに集中しやすくはなるから嬉しいような悲しいような…
あと、前話のPCがべヒモスに向かう時に゛応援にいく"という表現になっていたので変えました。
少し離れた位置でポップしたばかりでかつ魔物のポップ中は誰も動いていなかったはずのに…
やべぇよ…やべぇよ…


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第四話~その2~

下手に前編、後編で分けなくてよかった…3編で書くことになりましたよ…まあ原作でも長いからね、しょうがないね。
そうそうこの前、野獣先輩の新説を思いついたんですよ。長いのであとがきに書きますが…
というわけで野獣先輩の新説を思いついたので初投稿です。
それと評価、お気に入り、感想ありがとナス!

あと2話前の「10日後」の部分を「9日後」に修正しました。


 ただひたすらに下へ下へと落ちていく。それが萌樹と雫の現在の状況だった。萌樹は気を失っている雫を抱えながら刻々と迫って来ているであろう奈落の底を睨みつける。萌樹の技能を使えば着地は出来るはずではあるが、それにはタイミングよく技能を使うことが出来ればという条件をクリアしなければならない。技能を使い減速しながら落下することも出来なくはないが穴の深さが分からなく、それが原因で必要な時に使えないとう状況に陥る可能性があるため、あまり現実的な手段ではなかった。

 

 「身代わりの術!」

 

 緑光石でぼんやりと照らされた奈落の底が見えた瞬間に詠唱をし、魔法陣を起動する。詠唱は萌樹たちの体が地面に触れるその直前で完了し、萌樹たちのいた位置にとって代わるように現れた小枝が地面に勢いよくぶつかり粉微塵になる。掛かっていたGを小枝に移すことで安全に地面へと降りた萌樹は近くに落ちていたボール大の肉片へと目を向ける。

 

 「…残っている骨の感じからしてべヒモスか。うわ~、あのまま落ちるとあんなに硬かったべヒモスでもこうなるのね…ぞっとするね…」

 

 萌樹は雫を地面におろすと黒装束のポケットからロープを取り出し肉塊を背中に括り付ける。

 

 「これで食べ物は一日弱なら平気かな?〝薬学〟で毒物判定になっているのは少し怖いけど。これがなくなるまでには他の食べ物を探さないとなぁ…植物は無いだろうし…苔って食べられるのかな?」

 

 そう呟きながらまだ気を失っている雫を抱え移動を始めた。〝隠形〟を使い、身を隠していても背中の肉塊の臭いで気づいたのか魔物が萌樹に襲いかかる。その度に〝幻術〟で魔物の感覚を誤魔化しながら探索を進めていると雫が目を覚ました。

 

 「ここは…どこかしら?」

 「大穴の底だよ、八重樫さん。誰かの魔法で突き落とされたみたいだね」

 「そう…南雲君は見つかった?それともまさか…」

 

 雫を降ろし、困ったように頬を掻きながら答えた萌樹の背中の肉塊に気付き、青い顔をしながら雫は問った。

 

 「いやいや!これは違うから、八重樫さん!べヒモス、べヒモスの肉塊だから!食べ物として持ってきただけだから!」

「なら南雲君は見つかったの?」

「…それがまだ見つかっていないんだ。南雲君があそこに落ちて、もし死んでいたとしても装備の破片ぐらいは見つかるはずなんだけど…何故かなかったんだ。でもここに落ちたことは確実だから見つけてあげないと」

「…分かったわ。なら探し出してあげないといけないわね。それで、これからどこに行くのかしら?」

「こっちから来たからあっちの方だね。早く見つけてあげるために急ごう!」

 

 そう萌樹は雫を急かし、通路の先へと走りだした。

 

―*―*―*―*―*―*―*―

 

「これは…すごくきれいね」

「すごく神秘的な石だね…〝薬学〟によると、この石から垂れている水は薬らしいよ?あっ、そうだ!これを飲みながらならべヒモスの肉を食べられるかも?」

 

 萌樹はそう言うと、【神結晶】という青白く発光する鉱石に見惚れる雫の横で取り出した水筒に【神水】を詰めつつ、べヒモスの肉を火遁の術で焼き始めた。

 

 「人が感動している間ぐらいは空気を読みなさいよ…」

 「ああ、ごめんごめん。でも早く探しに行かないと、って思ったからさ。八重樫さんもどう?毒はあるみたいだけどこの水を飲めば平気だと思うから」

 「まあそれもそうね…そういうことなら私も頂くわ」

 

 そうして二人がその肉を食べ始めた少しあとに異変が起きた。

 

 「「っ!!」」

 

 突然、体中に激痛が走り、同時に何かが体の中を這いずりまわるかのような不快感。それが〝薬学〟により毒判定された原因だと気づいた萌樹は水筒に口をつけ、少し楽になった体を動かして雫の口に水筒を当てて神水を飲ませる。しかし、一時的に引いていた激痛が再び襲い、体の中を何かが蠢く感覚が再度湧き上がってくる。萌樹はその気持ち悪さから逃れようと無意識のうちに体外へとそれを追いやろうとする。すると、徐々に体に変化が現れた。魔法陣を使ったときのような疲労とともに体の中で蠢いていた何かがほんの少しだけ外へと出ていく感覚がし、それに合わせて髪の色が紅緋に瞳の色がプルシャンブルーへと変化していく。そしてその後もしばらく痛みが続き、それが少しずつ薄れたタイミングで萌樹はよろよろと立ち上がる。

 

 「八重樫さん!八重樫さん!大丈夫?」

 

 萌樹は雫がいまだに苦しんでいることに気が付くと急いで駆け寄り神水を再び飲ませ、介抱する。その甲斐もあってか、雫も動ける程度には回復した。

 

 「萌樹君…毒は毒でもこれは洒落にならないレベルのものだったじゃない…」

 「それは本当にごめん…って八重樫さんは見た目があんまり変わらないね」

 「それはあなたが変わりすぎているだけでしょうが…私も少しは変わったわよ、髪の色が少しだけ」

 

そう言われて萌樹がよく見てみると確かに雫の髪の青みがほんのりと増していた。

 

 「分かりにくいよっ!というかよく気付けたね」

 「女の子にとっては髪が命なんだからそれぐらい気付くわよ。っと、私も動けそうになったから南雲君を探しに行くわよ」

 

 そうして二人はその少し後にそこへハジメが来ることを知らないまま、その場を後にした。

 

―*―*―*―*―*―*―*―

 

 萌樹たちが奈落へと落ちて10日目、萌樹と雫はハジメが見つからなかったため、神水の補給のために神結晶のある部屋へと戻ってきていた。そしてその部屋につながる通路を移動しているときに聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

 「おお~、出来たよ。……なるほど、魔物の固有魔法はイメージが大事ってことか。っていうか魔力光も赤……いや紅色に変わっていやがる」

 

 口調こそ違えど、その声音は確かにハジメのものだった。萌樹も雫も思わずといった様子で駆け出し、部屋に入った。

 

 「「南雲君!」」

 

 しかし、それに対するハジメの行動はそう叫んだ二人の予想とは全く違うものだった。

 

 「なんだ?新手の魔物か?しかも相手の記憶を読み取って変身するタイプの。いや幻を見せるタイプか?しかも記憶の読み取りが完全じゃないし…まあいい。どうであろうと殺して喰ってやる」

 

 そう言うとハジメは地面に手をつけ、〝錬成〟を行った。その不意打ち気味の〝錬成〟に雫は回避出来ず、床に足を埋められてしまう。

 

 「チッ!一匹しかやれなかったか…避けんじゃねぇよっ!」

 

 ハジメは再び〝錬成〟で壁や床に萌樹を埋め込もうとする。それを萌樹は〝天歩〟で宙に生み出した足場を使うことで回避する。

 

 「魔物じゃなくて僕だよ!僕!保科萌樹だよっ!話を聞いてよ!」

 「うるせぇ!魔物ごときがその声を出すんじゃねえ!さっさと死ねっ!」

 「だから魔物じゃないってば…もういいよ。木遁の術:守性 大蔦捕縛!」

 

 萌樹は自身を飲み込もうとする地面を避けながらハジメを縛り上げ縮地で近づく。そしてハジメに直接手を当ててかなり強く〝幻術〟をかけて気絶させる。

 

 「八重樫さん、ハジメ君は何とかしたよ。そっちはそこから抜けられそう?」

 「ちょうど今抜けられそうなところよ。それでどうなったのかしら?」

 

 そう萌樹に返し、雫は刀の先に作りだした〝風爪〟で地面を切り裂いて足を引き抜き、そして足についている石をおおざっぱに斬って壊し、残りは地面に打ちつけて砕いた。

 

 「とりあえず気絶させておいたよ。起こすとまたこうなるかもしれないからタイミングが良くなったら言ってね」

 「もう大丈夫よ。石はだいたいとれたわ」

 「そっか。なら起こすね」

 

 萌樹はそう言うとハジメをぶん殴って無理やり起そうとした。隣で雫が軽く引いていたが萌樹はそれを気にせず、殴られても起きなかったハジメに〝纏雷〟で感電させた。

 

 「いってぇ!!」

 

 ハジメの叫びが部屋中に響き渡る。ハジメは痛みに悶え、転げまわりそうになるが蔦に絡み取られ身動きがとれなかった。

 

 「あ、起きた。それで、一回眠って少しは落ち着いたかな?南雲君」

 「ああ、最悪の目覚めだったけどな。それで本当に保科と八重樫なんだな?」

 

 萌樹はうんと軽く頷いた。横で雫が小声で「ほら、あの起こし方はやっぱり最悪だったじゃないの!」と言っているがそれをスルーしながらハジメに奈落に落ちた経緯と今日に至るまでについてを説明した。

 

 「あー、それじゃあ保科たちも裏切られたってことになるのか……にしてもお前のその魔力の色は無いだろ」

 

 萌樹が自分たちも魔力の直接操作が出来るようになったと言いながら実際に自身の魔力を空気中に放出した時のことを思い出しながらハジメは言った。それというのもハジメも雫も最初に食べた魔物の魔力の色に自身の魔力の色が塗りつぶされているのだが、萌樹だけはその魔力に抗ってそれを体外に無理やり放出したことによって、萌樹の本来の魔力の色の一部は髪に、べヒモスの魔力の色は眼に焼き付き変色したのだが、髪に焼き付かなかった魔力の色、つまり赤黒い魔力の黒色だけが萌樹の魔力光になってしまったのである。

 

 「いや、自分でもなんでこうなったのか分からないんだよ…あとついでに魔力を髪と目に流すと…ほら」

 

 そう言うと萌樹の髪と目が発光した。しかも魔力の量に応じて光の量も変化するらしく赤と青に輝く萌樹にハジメも雫も噴き出した。

 

 「しかもこれに魔力を貯めることも出来るんだよ。そうすると…こうなるんだ」

 

 次の瞬間には萌樹の髪と目の周囲がキラキラとし、さらに萌樹が魔力を貯めると魔力光の色のオーラが放たれる。しかもそれに合わせ、魔力を流すと髪と目が光りながらキラキラとしたオーラを放つビックリ人間が完成した。その奇妙な姿にまたしてもハジメたちは大爆笑する。

 

 「一応これを抑えることは出来るけどね…で、これからどうするの?僕たちはここから出るつもりだけど…南雲君も一緒に来る?」

 

 発光させることをやめ、真面目な顔に戻った萌樹はハジメに手を伸ばしながらそう問った。ハジメは萌樹の手を取って言った。

 

 「おう!これからもよろしくな!保科、八重樫!いや、萌樹!雫!」

 「ええ、よろしくね。ハジメ君!」

 「こちらこそよろしくね!ハジメ君!」

 

 こうして3人は手を取り、結束を高めあった。

 

 「あっ、僕も八重樫さんのことを下の名前で呼んでいいかな?」

 

 もっとも萌樹のその一言でそのムードはすぐに壊れたのだったが。

 




ユエちゃんのところまで行きたかったけど結局行けませんでした…
というか萌樹の最後の下りは完全に蛇足だった気がする…まあ感想にあった雫ちゃんの容姿と魔力光はほぼ変わらずという形になりました。ヒロインの容姿を変えたらみんな困惑しちゃうダルルォ!?という訳です。萌樹君の容姿が変わるのはオリ主だから当たり前だよなぁ?萌樹君の容姿はワガハイの四月一日奏恋ちゃんを貧乳にして、もう少し身長を小さくした感じです。

それでは野獣先輩新説です。モンハンをしてて思いついたガバガバ説なので読み飛ばして、どうぞ。


野獣先輩イヴェルカーナ説

様々な予測が建てられているものの野獣先輩の正体を知っている人物は誰もいない。そんな中、長年の調査によって判明したその正体は…冰龍イヴェルカーナである。その根拠は下の通りである。
根拠①
野獣先輩はホモである。
そしてホモは二度刺す。
イヴェルカーナも尻尾でプレイヤーを二度刺す。
根拠②
野獣先輩は白いのを撒き散らす。
イヴェルカーナも辺りを白くする。
根拠③
野獣先輩はアイスティーで相手を眠らせる。
イヴェルカーナも相手を殺して永遠に眠らせる。
根拠④
野獣先輩は遠野に襲いかかった。
イヴェルカーナもプレイヤーに襲いかかる。
根拠⑤
野獣先輩は遠野の相手に何度もイった。
イヴェルカーナもプレイヤー相手に何度も逝った。
根拠⑥
野獣先輩は野獣と化した先輩である。つまり、野獣先輩はモンスター。
イヴェルカーナもモンスターハンターという作品でハンターに狩られるのでモンスターである。
根拠⑦
野獣先輩は人間の鏡である、つまり人間の屑ではない。
イヴェルカーナは竜であり人間ではない、つまりイヴェルカーナも人間の屑ではない。
根拠⑧
野獣先輩は人間の屑である、つまり人間の鏡ではない。
イヴェルカーナは竜であり人間ではない、つまりイヴェルカーナも人間の鏡ではない。
根拠⑨
野獣先輩は大胆な告白をする。
イヴェルカーナも大胆な攻撃をする。
根拠⑩
今、淫夢ファミリーで最も有名なのはおそらく野獣先輩である。
イヴェルカーナもアイスボーンのオープニングに出ているのでおそらく最も有名である。
根拠⑪
野獣先輩の出ている真夏の夜の淫夢は外国でも広まっている。
イヴェルカーナが出ているMHW:IBも外国にも広まっている。

そして野獣先輩がイヴェルカーナである最大の理由が次のアナグラムである。

根拠⑫
田所、野獣先輩、この二つをローマ字で書くとこうである。
TADOKORO YAJYUUSENNPAI
そして、この中からあまり好きではないA,E,I,K,N,N,O,P,Yを取り除き並び替えると…
JYURATODOSU
ファッ!?なんだこれは、たまげたなあ。ジュラトドスになってしまったではないか…これでは仮説が成り立たない…
わかったわかった!ダイエー!
ジュラトドスにアナグラムがなってしまったのは間違いではない!
新大陸で古龍が死ぬとその体の生命エネルギーは新大陸の生態系の維持、発展に使われる。つまり古龍であるイヴェルカーナが死ぬとジュラトドスなどの竜たちへとそのエネルギーが受け継がれていくということをこのアナグラムは表しているのだ!
よってこれらの理由から野獣先輩はイヴェルカーナと言えるだろう。終わりっ!閉廷!以上!皆解散!

長文すいませんでした。何でもするので許して下さい。


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第4話~その? 番外編~

今日は11月11日なので世間的にはポッキーの日らしいですが作者にはワンワンワンワンにしか思えなく、今日はTDNの日であると言われたほうが納得できます。
ワンの回数は3回だよ3回?(1回違いなら誤差でしか)ないです。
今回もほんへであまりふざけられなかったのであとがきで暴走します。
お気に入り、感想ありがとナス!


 「俺だって殺す覚悟はあるんだよっ!!ざまあみやがれ!ぎゃはははっっっ!!」

 

 奈落へと落ちていく萌樹と雫に対して大きな声で叫ぶ檜山。その顔は狂気で染まっていた。狂ったように笑い続けている檜山に対し、若干気圧されながらも光輝が確認をする。

 

 「今のは…檜山がやったのか…?」

 「そうだよ、やってやったぜ。ざまあないね、ぎゃははっ、………」

 

 檜山の笑いが突然止まり、顔が蒼白になって脂汗が浮かび上がる。そして目が虚ろになり、なにかをうわごとのように呟きだす。

 

 「ひぃっ、ああああ見られている見られている見られている見られているこっちに来る来る来る来る来る増えた増えた増えた……」

 「檜山、檜山!どうしたんだ!しっかりしろ!」

 

 急に様子がおかしくなった檜山に光輝が呼びかける。しかし檜山はそれに反応を返さない。それどころか呟きの声の大きさが少しずつ大きくなっていく。

 

 「ああああああああすぐそこにいるよ見てるよあのうつくしい(おぞましい)なにかが、きているよきているよたべてるよたべtiruyqawsedrftgyhujukolp@×!⊿%∫*+>=¥?Ω#………」

 

 もはや最後の方は言語ですらなかった。相手の発した言葉を自動で翻訳する〝言語理解〟の技能でもただの何かの羅列にしか聞こえないということはそれにはもはや何の意味もこもっていなかったのだろう。

 

 「ねぇ、南雲君と雫ちゃんになにしたの!なんであんなことを!ねえ!」

 

 そこでようやく状況を理解し始めた香織が狂ってしまった檜山に詰め寄る。

 

 「ねぇ光輝君、それ貸して?今すぐここで殺らないと…」

 「い、いやダメだ。そんなことを香織にさせられないっ!それにまだ本当にしたのかを本人から聞けていないだろう?それに雫ならきっと生きている!だから大丈夫だ」

 「南雲君は?南雲君はどうなの?それにもし生きていたとしても目には目を歯には歯を、だよ?似たような目にあわせないと…迷宮でならそんなものをどうしたってバレないから…なんで貸してくれないの、ねぇっ、光輝君っ」

 

「い、いや…」

 

 ハイライトの消えた目で光輝に迫る香織。そして光輝は檜山の狂気に完全に気圧されてしまい、雫を奈落へと落としたことに怒るよりも檜山の前から離れたいという思いと香織に檜山を渡した場合に目の前で起こるであろうスプラッタへの恐怖、それとわずかばかりの香織を犯罪者にしたくないという思いに板挟みになり、檜山と香織の間に立ち尽くしていた。

 

 「落ち着け」

 

 メルド団長が香織に近づき手刀で意識を奪う。そして香織と檜山を担ぐと全員に撤退の指示をだす。

 

 「あ、ありがとうございます」

 

 ようやく場の変化について行けた光輝の感謝の言葉でその場にいたクラスメイトたちも放心状態からもどる。

 

 「ああ…だがお前も勇者なんだ。狂気に負けるな、場の空気に飲まれるな。はあ、これから教皇様や王様になんと説明すればいいのだか…」

 

 メルド団長はぼやきながら精神的に不安定になった生徒たちを誘導しながら迷宮から脱出し始めた。

 

―*―*―*―*―*―*―*―

 

 萌樹たちが奈落へと落ちて5日後、いまだに香織は眠り続けていた。騎士団とクラスメイト一行は迷宮を脱出した次の日に高速馬車で王宮まで帰ってきていたのだが他のクラスメイトたちの状況も香織ほどではないがあまりよろしくなかった。無能と蔑まれていたハジメはともかく、学校で人気のあった萌樹と雫が目の前で底の見えぬ大穴へと消えていったのだから無理もないだろう。さらにクラスのリーダー的存在である光輝も部屋に引きこもったままである。これによって、生徒の内の幾人かは鬱に、他にもふさぎ込んでしまっている生徒が多くいた。王宮も萌樹と雫という召喚者のなかでもとりわけ大きな力を持つ二人が死んでしまったことで大慌てであり、教会側は他の生徒を殺め、本人自体がすでに狂っている檜山をどう処理するかで揉めていた。

 

 「う、うん…ここは…?南雲君は…?雫ちゃんは…?………南雲君っ!雫ちゃんっ!」

 

 ようやく眠りから覚めた香織。その音を聞いて香織の介抱用に専属としてあてられていたメイドが部屋へ入ってくる。

 

 「香織様、お目覚めになられましたか。今お食事を手配いたしますのでしばらくお待ちください」

 「そんなことよりここは?今は何日?南雲君は?雫ちゃんは?」

 

 そう香織は叫びながら、入って来たメイドに恐ろしい剣幕で掴みかかり体を揺らそうするが力が入らずそのまま地面に倒れこみそうになる。

 

 「あ、あれ…?」

 「香織様がお眠りになられてから今日で5日目でございます。その間何も食べていらっしゃらなかったので体がうまく動かないのでしょう。今はお休みになられてください。それとここは王宮でございます。萌樹様、雫様、ハジメ様は迷宮からお戻りになられておりません」

 「そ、そんな…」

 

 メイドに体を支えられながら香織は再びベッドに横になる。するとそこへ光輝と龍太郎が香織の目が覚めたということを聞き、部屋に訪れてきた。

 

 「入るぞ、香織?」

 「嫌、来ないで光輝君」

 

 香織が傍にいたメイドに鍵を閉めるように言い、光輝たちは部屋に入ることができなかった。

 

 「香織、雫はきっと生きているはずだ。だから訓練を再開して雫を迎えに行こう。だから出てきてよ、香織」

 

 光輝は部屋にいる香織に諭すように優しく話しかける。しかしその声には以前のような覇気は感じられなかった。

 

 「帰って。もう光輝君なんか見たくもない。なんであの場であれを殺らせてくれなかったの?あんなのは死んで当然、そうだよね?光輝君。そうだ、今からあれを殺しにいかないと…」

 

 扉越しにも伝わる香織のどす黒い殺意、それが恐ろしくなってしまい光輝たちは扉の前から急いで逃げ出してしまう。

 

 「ねえメイドさん、ナイフって今持ってるかな?」

 「いけません、香織様。もう一度お考え直し下さい。そのような短絡的な行動に出ると後で後悔されることになると思います」

 「私は後悔なんかしないよ。だから、ほら?早く頂戴?嫌なら私はもらえなかったとしても別にいいよ?そうしたら首を絞めて殺してくるだけだから」

 

 そのような会話を香織がしているとにわかに外が騒がしくなる。断片的に聞こえてくる内容から分かったのは檜山が自室で死んだらしいということ。香織はそれを知るとよろめきながらも部屋を飛び出し檜山の部屋へ向かおうとする。メイドが後をついてきているようだったが香織は気にせずに移動する。香織が部屋の前に着くとそこでは光輝と教会所属の騎士が言い合いをしていた。

 

 「騎士さん、そこをどいてもらえない?私はあれの死体を直接見たいの。綺麗なままだなんて許せないからぐちゃぐちゃにしてバラバラにしてやりたいの」

 

 後ろから香織の狂気混じりの声がしたため光輝は身をこわばらせる。そして震えた声で香織に声をかけた。

 

 「か、香織、外に出てきたんだね。だけど死体にそういうことをするのはいけないと思うぞ」

 「うるさい、光輝君は黙ってて。それで騎士さん?そこを通してもらえる?」

 

 ひぃっ、という情けない声とともに光輝は尻もちをつきながら後退していく。香織は無言を貫く騎士に対し埒があかないと思い、部屋を出るときに気付かれないように回収していた紙の魔法陣に手を当てる。

 

 「無理やりにでも通してもらうね。〝縛煌鎖〟」

 

 すると騎士の足元から現れた無数の光の鎖が騎士を縛り付ける。騎士はそれを振りほどこうとするがそれはびくともしなかった。

 

 「いけません!香織様!」

 

 そうメイドが叫びながら走ってきたがそれも香織がもう一度唱えた〝縛煌鎖〟により妨げられる。そして香織は扉を開けると中の状況を目にした。

 

 「あはははっ!死んでる、死んでる!」

 

 その部屋の中では壁にうたれた杭にかけられたロープで首を吊り、力なく宙を漂う檜山がいた。

 

 「でも綺麗なままだと嫌だよ。だから、ねっ!」

 

 香織は魔法陣が書かれた紙を大量に取り出す。そしてそれに魔力を注ぎ次々に詠唱していった。

 

 「〝光絶〟〝縛煌鎖〟〝光刃〟〝天絶〟〝封禁〟」

 

 光の壁は檜山の体内に生み出され、鎖はねじ切るように強く縛り付ける。そして手に光の刃を生み出し、それで切り裂きながら少し離れた位置に発生した光の牢が檜山の死体を貫く。血に濡れながらも香織は笑い続ける。

 

 「香織様っ!もうお止めになって下さい!」

 

 メイドの声も香織には届かない。どこで間違ってしまったのか王宮の運命の針は、生徒達の精神は、もはや取り返しのつかないぐらい大きく狂い始めてしまった。

 




前回投稿してすぐの感想にはあとがきの事しか書かれてなかったんですがそれは…
前回の新説が野獣先輩のア○ナル並にガバガバで学会追放を食らったので学会に戻れるように今回は素晴らしい新説を用意してきました。
あ、あと投稿日時がTDNの日(勝手に決めた)の夜の810タイムです。こだわりました。
それでは新説です。ネタが少し古いので分からない兄貴は呼び飛ばして、どうぞ。

野獣先輩椎名深夏・真冬説

114514人の学者により議論され、様々な説が唱えられてきた野獣先輩、別名田所もしくはSCP-114514-JP。様々な姿をもつとされているが恐らく最も正解に近い説をこじつけられたのでそれを公表したいと思う。それは…

野獣先輩椎名深夏・真冬説

野獣先輩が女の子である時点でこの説は成り立っているようなものだが詳しい根拠を述べていく。
根拠①
野獣先輩はインタビューの発言より学生であることが判明している。
それは真の姿である椎名深夏・真冬が学生だからであるからだろう。
根拠②
野獣先輩はホモである。
なので野獣先輩の真の姿である椎名真冬がBL好きなのも当然である。
根拠③
野獣先輩は空手部に所属している。よって運動が得意であると言える。
椎名深夏も運動が得意である。
根拠④
野獣先輩はネット上で人間の鏡であると言われている。
椎名真冬はゲームを壊し泣いている男の子のソフトと自分のものを入れ替え、その子を笑顔にした。よって彼女も人間の鏡である。
根拠⑤
野獣先輩はネット上で人間の屑であると言われている。
椎名深夏はしょっちゅう主人公に暴力をふるっているので人間の屑とも言える。
根拠⑥
野獣先輩は人間の鏡と屑、その二面性が重要である。
椎名深夏・真冬は上記の理由によりそれを満たしている。
根拠⑥
椎名真冬はとても美しい儚い雰囲気を持った美少女である。
よって仮の姿である野獣先輩の時にアイスティーを淹れてしまうのも無理はないだろう。
根拠⑦
椎名深夏は胸が大きい。
野獣先輩の姿になるとその柔らかさが失われるため、野獣先輩は大きい枕を使っている。
根拠⑧
生徒会シリーズはギャグ性が高い。
野獣先輩の名言も汎用性とギャグ性が高いのは彼がこの世界の住人であるからだろう。

そしてこの説の最大の根拠と言えるのが次の二つである。

根拠⑨
深夏、真冬をローマ字で書くと次のようになる。
MINATU MAHUYU
この中気に食わないH,U,Yを墓地に送りNを召喚し並び替えると…
MANATU INMU
となる。これは椎名深夏・真冬が合体して野獣先輩となった証拠であるだろう。
根拠⑩
椎名深夏・真冬の誕生日は
9/6 2/22
である。
これを組み合わせ、計算すると
9^2*(6+2+2)=810
である。これも椎名深夏・真冬が合体して野獣先輩となった証拠であるだろう。

よって椎名深夏・真冬が野獣先輩の真の姿だと言えるだろう。


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第四話~その3~

昨日の昼に投稿する予定だったのに書き終えられませんでした…(小声)
あと、何故か今回はギャグっぽくなりました。どうしてこうなった…(困惑)
評価、お気に入り、感想ありがとナス!
評価10は本当に嬉しかったです。

前の方でステータスを書いた時に技能の順番がごちゃごちゃだったので見やすくしておきました。原作で入手順じゃなくて効果順だったことに気がつかなかったです…


 爪から伸びた風の刃を小さくステップを踏むことでハジメは回避をする。そして縮地で間合いを詰め、爪熊の左肩に銃剣の刀身を突き刺し発砲。その攻撃により、階層で最も強い魔物である爪熊は初めての痛みを感じ、怯みながらも攻撃の主であるハジメを睨む。

 

 「おいおい、この程度かよ!」

 

 睨まれながらもハジメは一切気にした様子を見せず、それどころかどこか落胆した様子で先程切りつけた場所をなぞるかのように銃剣を振るう。再び爪熊を襲う激痛、しかし今度は怯まずにハジメに反撃をしてきた。

 

 「もっとマシな抵抗をしてみろよ!そうしないとお前の左腕と体がサヨナラするぞ?ホラホラホラホラ!!」

 

 爪熊の反撃はハジメに軽く弾かれ、逆に何度も斬りつけられる。一方的に爪熊がいいようにされてしまっているがそれも仕方がないのかもしれない。それというのも、ハジメはここしばらくの間はひたすら修行をしていたのだ。まず、萌樹の幻術で体感時間を加速させながら体の動かし方を感覚に無理矢理植え付けられた後、萌樹と雫相手に摸擬戦をしてそれを体にも叩き込まれされ、その後は複数の技能を扱いながら反復練習をするということでマルチタスク能力と集中力も大幅に上げていたのだった。しかも摸擬戦では、爪熊の攻撃よりも遥かに速い萌樹の攻撃を受け続けていたので、爪熊が弱く思えてしまうのも至極真っ当なことであるだろう。

 

 「もう取れちまったか…ほら、お前が…いや、アイツとは別の個体か…お前のお仲間さんが俺にしたことと同じことをしてやるよ!」

 

 爪熊の攻撃を踊るように躱しながら落ちている爪熊の左腕を回収しつつハジメは言った。何をしようとしているのかを察した爪熊は右腕に〝風爪〟を出しながら突進をする。それに対してハジメは〝錬成〟で地面を歪めて爪熊を転ばせ、その体を地面に埋め込むことで拘束する。

 

 「ああ…クッソマズいなぁ!でもな、お前のその顔を見ながら食うとそれ以上に楽しいんだよ!分かるか?いや、分かるわけがねぇか…あぁ…ホンットにいい気分だよっ!」

 

 クチャクチャ、とわざとらしく咀嚼しながらハジメは爪熊の顔を踏みつける。もがきながら地面から抜け出そうとしている爪熊を萌樹から教わった蹴り方で強く蹴ることで怯ませていると、ハジメの体に激痛が走り始めた。

 

 「ああクソ、時間切れか…あばよ!地獄でアイツと楽しくやってやがれ、劣化アオアシラ!」

 

 ハジメはそう叫び、爪熊の肉を食べたことで痛みを感じ始めた体を気合で動かすと、爪熊の頭に零距離で何度も発砲した。そして爪熊の反応がなくなったのを確認すると地面に倒れこむ。

 

 「萌樹!!終わったぞ!っとこれで萌樹なら気づいたよな…にしてもこれ、マジでいてぇな…」

 

 その言葉のすぐ後に風のような速さで駆けつけた萌樹によってハジメは神水を飲まされ、萌樹に背負われたのだった。

 

―*―*―*―*―*―*―*―

 

 それから数日後、萌樹たちは道中の魔物を萌樹が隠れながら殲滅し、一行は五十階層目に到達していた。

 

 「これ、絶対になにかあるヤツだろ…」

 「確かに、いかにもなにかありますって言っているわよね」

 

 ハジメと雫がその荘厳な扉に対して思い思いの感想を述べるなか、萌樹はスタスタと扉に近づき押し開けようとする。しかしそれでも扉はピクリともしなかったため、扉の中央にあった魔法陣に手を触れて魔力を注いだ。すると、バチッ、という音とともに扉から赤い雷が萌樹を襲った。

 

 「危ないなぁ…もう少し殺意を抑えてくれてもいいと思うよ…」

 

 その雷を〝罠術〟であらかじめ察知していた萌樹はさっと身を躱し文句を垂れ、横で動きだした壁の彫刻だった一つ目の巨人を見つめる。

 

 「まあ変身時間だとか登場演出時間を待ってあげる義理は無いよね」

 

 萌樹は右側に出現したサイクロプスの目玉を自身の横に生やした樹の幹で貫く。それと同時にハジメが萌樹の左にいたサイクロプスの目玉を打ち抜き、無駄に派手な演出のわりにあっけなく沈んだサイクロプスを見ながら萌樹に近づいてきた。

 

 「…弱かったな…あとこいつが壁の中にいたのも減点だな」

 「見た目もね?色は暗緑色じゃなくて灰色で黄色い二つ目、左手左足を上げながら襲いかかってこないと…」

 「もしくは翼付きで薄紫色で赤い二つ目に黄色いくちばしでもいいな!」

 「巨人の目の彫刻だから炎の玉や弾き返せる青い玉を出してきてもよかったね!あとサイクロプスなら頭の一本角と濃い目の黄土色の服に水色の体で足の指は3本で手の指は4本じゃないと!」

 「は?手の指は5本でこん棒持ちだろ?Ⅱ派か?」

 

 萌樹たちがどうでもいいことで論争をしながらサイクロプスを解体していると雫が呆れた様子で近づいてきた。

 

 「敵がかっこよくキメている間くらい待ちなさいよ!お約束でしょ、お約束!」

 

 香織の影響でサブカルに染まった雫も大概だった。

 

 萌樹たちは取り出した魔石を扉の窪みに嵌め、扉を開けようとしていた。扉を開ける役目は中のお宝に期待してそわそわしていたハジメが務めることになった。

 

 「しっつれ~い!」

 「…だれ?」

 

 ウキウキで扉を開けたハジメに冷や水を浴びせるかのように聞えた声にハジメは部屋の中央を見る。そこには立方体の外に顔だけ出した金髪の少女がいた。

 

 「すみません。間違えました」

 

 一気にテンションが下がったハジメは半開きだった扉を閉めようとする。

 

 「ま、待って!……お願い!……助けて……」

 「あ、そういうのは間に合ってます」

 「ど、どうして……何でもする……だから……」

 「ウチはそういうのは全てお断りしているので…っていうか、あからさまに怪しいじゃん」

 「ちがう!ケホッ……私、怪しくない!……待って!私……………裏切られただけ!」

 「あっ、それは大変ですね。じゃ、それでは」

 

 自宅に訪れた営業を追い払うかのごとく冷たい対応をしたハジメだったが実際は何でもするという言葉に「ん?」と返しそうになっていた。

 

 「いやいや、今の助ける場面だったよねぇ!!」

 

 学校では大半の人に冷たい態度をとるなどクールなイメージであったが、最近では化けの皮が剥がれてきた萌樹が扉を閉じたハジメにつっこむ。

 

 「私もそう思うわ…光輝君ほどとまでは決して言わないけど、もう少し人を助けようとしてもいいんじゃないかしら」

 「嘘をついてるって感じでもなかったしね!」

 

 二人から集中砲火を喰らったハジメが少ししょげながら言う。

 

 「だって、こんな奈落の底の更に底で明らかに封印されているような奴じゃん…解放すると絶対マズいことになるじゃん…ね?」

 「ね?じゃないわよ!今すぐ助けに行って謝って来なさいよ!あと萌樹君!ハジメ君に小声で雫お母さんって言ったのは聞こえてるわよ!」

 「聞こえてた!?ごめん、多分もう言わないから許して。あと、ハジメ君はなんで助けなかったの?」

 

 その質問にハジメは少し言いづらそうにしつつ、顔を赤らめ恥ずかしがった。

 

 「いや…だってさ、最悪さ、萌樹と雫…というか萌樹が傍にいてくれればもういいかなって…萌樹は地上で魔族を殺してた時は少し怖かったけど、奈落に落ちてからあれが理解できたんだよ!魔族は敵だろ?なら敵を殺すのは間違ってないじゃん!ってな具合でさ。そう考えてきたら萌樹が今までしてくれたこととかを思い出してさ…萌樹って可愛いじゃん?俺に優しいじゃん?奈落に落ちても見つけてくれたじゃん?……それでさ…」

 

 萌樹と雫はその続きを察しはしたが驚きのあまり動けない。つつー、と頬から汗が流れ落ちる。

 

 「それでな…その時に分かったんだよ…俺は…萌樹が……お前の事が好きだったんだよ!」

 

 萌樹と雫は変な笑顔のまま固まった。ハジメは軽く暴走状態になっているのかそれでも言葉を続ける。

 

 「だって、めっちゃ可愛いじゃん!仕方ないよな!女の子よりも女の子らしくて声までクッソ可愛いくて優しいとか反則だろ!それに」

 「あー分かった分かった、分かったから!僕はノンケだから!ホモじゃないから!」

 「?男の娘はおにゃのこだからセーフだろ?」

 「アウトだよ!」

 「いやホモだと思うわよ…」

 「なんだァ?てめェ…」

 

 暴走しているハジメは割って入った雫に噛みつく。雫はもはや諦め、萌樹に対し静かに首を横に振る。萌樹、泣いた!

 

 「お前はノンケで、俺は男の娘好き!そこになんの違いもありゃしねぇだろうが!」

 「全然違うよ!」

 

 半泣きのまま萌樹が心の叫びをあげる。某サイトの同人誌のコメント欄並にカオスだった。

 

―*―*―*―*―*―*―*―

 

 その話はその後も続き、雫の「結局ホモでしょ…?」という言葉で一応収束した。そして扉を閉めたハジメが部屋の中の人物に謝り、救出をするということで話はまとまった。

 

 「……ありがとう」

 

 部屋の中からは外の音が聞こえず、そして結局助けもらえたからかその少女はハジメに悪くない感情を持っているようだった。その少女は周りを見るとこう尋ねた。

 

 「……名前、なに?」

 「ハジメだ。南雲ハジメ」

 「保科萌樹だよ。…男だからね?」

 「…ほんと?」

 「生えてるから…」

 「私は八重樫雫よ。それであなたは?」

 

 生えてるから、と言った時にハジメに獲物を狙う肉食獣のような目で見られ、寒気を感じた萌樹。その横で雫は謎の少女から名前を聞こうとしていたがその少女は答えなかった。

 

 「…名前、付けて」

 

 その少女は突然ハジメの方を向くと何かを決めたようにそう言った。

 

 「忘れでもしたのか?」

 「もう、前の名前はいらない。……ハジメの付けた名前がいい」

 

 そう言ってハジメとその少女が話始めたときに萌樹は違和感を覚えた。

 

 「雫ちゃん、一応気をつけて!なんか来るかも!」

 

 そして萌樹と雫が警戒しているとその気配の主が萌樹たちの真上から降って来た。萌樹と雫はそれを避け、遅れて気づいたハジメもその少女を連れたままギリギリのところで回避した。

 

 「あっぶねぇ…こいつは?」

 「見ての通りよ!サソリっぽいから毒もあるかもしれないわね!」

 

 そして萌樹は忍術でサソリモドキを拘束し、ハジメはユエを抱えたまま地面に手を当てて地面に埋め込もうとする。しかし、サソリモドキは地面を操作してそれを振り払う。雫はサソリモドキに斬りかかったものの外殻の硬さにそれを阻まれてしまった。

 

 「雫ちゃん!もう少し耐えてて!」

 

 萌樹はそう叫ぶと雫の返事も待たずに忍術で起こした爆発にサソリモドキの気を引き付け、〝隠形〟で隠れた。そして〝空力〟で生み出した足場を使いサソリモドキの真上に移動した。

 

 「〝暗殺術〟〝首狩り〟これでも弾けるかな!」

 

突然首の上に現れた萌樹にサソリモドキは驚いた。そして振るわれた刀よりも先に魔力を外殻へと流すことは叶わずそのまま首を撥ねられた。

 

 「えっ…」

 

 全員の想定を超えた結果に誰もその場からしばらく動けなかった。

 

―*―*―*―*―*―*―*―

 

 その後、サソリモドキが呆気なく死んだ理由が判明し、雫が萌樹を「暗殺術なのに声を出して相手に気付かせたらダメでしょう!」と叱られたりもしながら一行は進んでいった。また、謎の少女の名前はユエと決まり、食事代わりに同性の雫から血を分けてもらっていた。そして気がつけば百層目へと到達していた。

 

 「……これはまた凄いな。もしかして……」

 「……反逆者の住処?」

 「こらっ!萌樹君!勝手に先に進もうとしたらダメでしょ!」

 「あ、雫お母さんが怒った」

 

 ハジメとユエが目の前の場所に危機感を覚え、覚悟を決めているあいだにも萌樹と雫はコントじみたことをしていた。

 

 「うぅ…痛い……それじゃあ、みんなで行こうか」

 

 萌樹が雫に叩かれた頭をさすりながらそういうと、一同は気を引き締め前へと進んだ。そして扉の前の最後の柱を越えた瞬間に巨大な魔法陣が現れた。

 

 「うわ~これ大きすぎじゃない?何が出てくるんだろうね、どう思う?」

 「べヒモスのよりも大きいわよね…全く分からないわ」

 「すごく…大きいです…」

 「……大丈夫……私達、負けない……」

 

 ハジメの言葉に萌樹はひっ、と叫びながら尻を押さえ、ハジメの言葉の元ネタが分からなかったユエはハジメを奮い立たせるように声をかける。そして魔法陣から現れたのはそれぞれ色が違う紋様が刻まれた6つの頭を持つ竜、つまりヒュドラに似た魔物であった。それは咆哮をあげると赤い紋様の頭が火炎放射をした。それを全員が躱し、ハジメはその頭を撃ち抜く。しかし白い紋様の頭が撃ち抜かれた赤い頭を即座に回復させてしまった。

 

 「僕は空中で黄色と青色のを抑えてるから他の頭をよろしく!」

 

 萌樹はそう言い、〝空力〟で空を駆ける。ハジメたちは残った他の頭を相手にすることとなった。

 

 「さっさときやがれクソトカゲ!」

 

ハジメはヒュドラを挑発するそれに対しヒュドラは炎や風を射出し答える。雫はヒュドラの下に潜り込み足を攻撃する。そしてユエは中級魔法でヒュドラを攻撃する雫の援護をしていた。しばらくハジメたちが赤紋様と緑紋様の頭と戦っていると攻撃を喰らったユエがハジメのほうに飛んできた。そして黒紋様の頭に見つめられ、ユエは悲鳴とともに動かなくなってしまった。

 

 「「ユエ!」」

 

 ハジメと雫の声が重なる。そしてハジメはユエのことを気にしながら赤紋様の頭が繰り出した炎の矢を回避していたため、横から迫っていた風の槍に気がつかず被弾してしまう。

 

 「ハジメ……ごめん…あと、許して…」

 

 いつのまにかに動けるようになっていたユエがハジメに謝りそして首筋に噛みついた。そしてユエは〝血盟契約〟の効果をハジメに指定し、大きく回復した魔力で魔法を唱えた。

 

 「〝蒼天〟」

 

 生み出された青白い大きな火球は、ハジメたちを襲う魔法を飲み込み赤、緑、黒の紋様の頭に命中し全てを破壊した。そして、そのタイミングで萌樹が〝首狩り〟で白紋様の頭を、萌樹が生み出した火球が、いつのまにかに現れてそれ以降萌樹が担当していた銀紋様の頭を破壊した。

 

 「あと二つ!」

 

 萌樹の声が響く。その直後にハジメは青紋様の頭を撃ち抜いた。そして黄色紋様の頭も撃ち抜こうとしたが弾かれてしまった。

 

 「ハジメ君!雫ちゃん!あいつの頭は固いし魔法が通じない、だから眼から脳を突き刺そう!」

 

 ハジメと雫はそれを聞くと〝空力〟で空中に踏み出し黄紋様の頭へと向かう。そして、萌樹と雫が同時に黄紋様の頭の目に刀を突き刺した。それがトドメとなりヒュドラの体が倒れる。同時に行動したにも関わらず、最後はなにもできなかったハジメは手持ち無沙汰になり不完全燃焼のまま地面に降りる。

 

 「お疲れ様、ハジメ」

 

 ハジメはユエにそう声をかけられ、少し報われたように感じた。そして早速ヒュドラを解体しようとしている萌樹とそれよりも早く中に入ろうと急かす雫と合流し、ヒュドラが守っていた扉を開けた。




来週か再来週には多めに投稿するかもしれません。
(ちなみにストックは一切)ないです。
まあ気分なので絶対にするというわけではないですが…
あと今後の香織ちゃん関連の展開を3つ決めたので投票してくれるとありがたいです。


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Part5

(大量投稿はできそうに)ないです。
今回はキリが良くなってしまったので短いですが何でもするので許して…しかもあんまりガバらなかった…
あと評価、お気に入り、感想ありがとナス!誤字報告も助かりました!


 人は変わっていくわ…私たちと同じように…なRTA、はーじまーるよー。

 

 前回はオルクス大迷宮の攻略を開始し、なんだかんだあって奈落へと落ちました。その後、かくかくしかじかで豹変した上にホモにまでなってしまったハジメ君と合流し、ユエちゃんを助け、ヒュドラの攻略を終えました。なので、次はシアちゃんの回収をします。

 

 まず、シアちゃんの回収の前に神代魔法の受け取り、ヒュドラ肉の実食を終わらせてしまいましょう。前回のラストでユエちゃんがハジメを〝血盟契約〟の対象にしたので恐らくユエちゃんの恋愛対象はハジメ君に決定されたハズです。(4敗)同じ部屋にぶち込んでおき、ハジメ君には襲われてもらいましょう。(ゲス顔)他にすることは〝描出:名状しがたきナニカ〟の補助用の魔導書作成とほとんど戦闘していなかったため、あまり戦闘技術が伸びていないハジメ君たちとの摸擬戦です。クトゥルフ系の技能は特殊で、関連した道具等を使うことで効果上昇をさせられるので必ず作りましょう。しかし、魔導書作りは現段階では途中までしかできません。それでも時間短縮のためにここでやっておきます。使うものは道中で倒していたトレントモドキとエセアルラウネです。まずはトレントモドキの樹皮とエセアルラウネを地球から持ち込んだ水酸化ナトリウムで作った水溶液で煮込みます。煮込んだ後はこの二つを水洗いし、残った水溶液は適当な容器に入れて地上で捨てましょう。ここで捨てるとハジメ君達が見つける可能性があり、そうなると会話イベントが入るためロスになります。そして、摸擬戦では全員を同時に相手取ることで時間短縮ができます。魔力がヒュドラ肉で大幅に伸びているので身代わりの術による回避が連発できます。カスが効かねぇんだよ(無敵)

 

 さて、やることは全て終わったのでここから出ましょう。魔法陣に乗ると住処から出ることができます。魔法陣の移動先の壁を開けるために攻略の証である指輪が必要なのであらかじめ身に付けておきます。それを壁の魔法陣にかざせば出入り口が出来ます。おっ、開いてんじゃ~ん!

 

 洞窟の外は【ライセン大峡谷】の谷底です。しばらくうろついていると〝未来視〟でイベントを自ら早めてくれたシアちゃんとエンカウントします。またしても助けようとしないハジメ君は放っておき、魔物からの救出イベントをこなしましょう。その後のお願いはいったん断り、ハジメ君から樹海の案内をさせるという案が出るまでは「いいえ」を選びましょう。…ひどいの台詞の無限ループ…シアちゃんはローラ姫だった…?(名推理)

 

案が出たので【ハルツィナ樹海】へ移動します。道中で帝国兵が出るのでなるべく綺麗な状態で殺し、死体を回収しておきます。樹海に入ると警備隊に発見されるので大樹に行くことを説明し長老が来るのを待ちます。あくしろよ。長老が来たらフェアベルゲンに移動します。フェアベルゲンでは他の長老に絡まれるので手早く処理し、兎さん達の引き渡しを拒否しましょう。フェアベルゲンを追い出されますが人との接触が減るので好都合です。今回は大樹にたどり着けるようになるまでに8日かかるため、その間は兎さん達に教育をしておきましょう。8日待たずに特攻しても確実に迷います。特定日と亜人族なしではたどり着けないとか酷い…酷くない?

 

 8日がたち、教育も終わりました。ここで教育をしておかなければいずれ兎さん達がお亡くなりになります。そうするとシアちゃんがふさぎ込み、戦力にならなくなります。ふざけんな!(迫真)教育中にシアちゃんが雫ちゃんとユエちゃんから訓練を受けていたのである程度は戦えるようになりました。ウレシイ…ウレシイ…それでは大樹へ向かいましょう。

 

なんだこれはたまげたなぁ。道中に襲撃がありましたが大樹につきました。しかし、大樹は枯れていて、その前には石板がありますが条件不足で入れません。しかし、目的は迷宮ではなく大樹です。大樹は枯れてはいますが朽ちてはいないので素材の回収は問題なく行えます。樹皮と枝を回収したら【ライセン大迷宮】へ向かいます。途中に町がありますが寄ってはいけません、時間の無駄です。シアちゃんには余っているヒュドラ肉を神水とともに食べてもらいましょう。

 

 ライセン大迷宮につきましたがここを真面目に攻略する必要はありません。迷宮内はミレディに監視されています。そのため、監視用に仕掛けられている魔道具に〝幻術〟をかけ、〝視界共有・上書き〟で迷宮を攻略しているフリをすると部屋の組み換えギミックにより、いずれはボス部屋への通路と待機している部屋がつながります。なので、待機時間中に魔導書作成をしていきましょう。まずは回収したばかりの大樹の樹皮を前と同じように処理します。その後、作ったものと水を混ぜながら〝風爪〟で繊維を細かく切っていきます。後は薄く伸ばし乾かしておきましょう。これで紙は完成したので次は表紙の装丁です。クトゥルフ系の技能の効果上昇のための道具は冒涜的であればあるほどいいため、帝国兵の皮を剥いで人皮装丁本にします。このシーンを見られると困るので〝幻術〟でごまかしましょう。まーだ時間掛かりそうですかね~?作業は終わりましたがそろそろ通路とつながらないと魔力がキツイですねぇ…神水は使いたくないので早くつながることを祈りながら全裸待機していましょう。

 

ファッ!?あんまりにもつながらないのでトイレに行っていたらいつの間にかつながっていました…ふざけんじゃねぇよお前これどうしてくれんだよ!(自己批判)まあ小さいガバなので諦めて進みましょう。ボス部屋に入ったら〝幻術〟を解除します。幻術で騙されていたことに気付き、怒ったミレディ・ゴーレムが天井からブロックを落としてきますが〝天歩〟の派生技能の〝瞬光〟で切り抜けられます。ハジメ君、雫ちゃんは〝瞬光〟と〝限界突破〟で粘り、シアちゃんは〝未来視〟の内容と直感で耐えています。ユエちゃんはハジメ君に抱えられているので大丈夫そうですね。おっ!雫ちゃんがミスをしかけていますね。ミスをしたところで助けて好感度をあげましょう。シアちゃんはその後に助けます。

 

どうやらハジメ君も切り抜けられたようですね。雫ちゃんを助けるときにわざと被弾したため“体を張って助けてくれた”と雫ちゃんが認識し、好感度が大きく上昇したハズです。誰かに助けてもらいたいという考えが強い雫ちゃんはこれでまた落とせたと思います。神水を飲み傷と魔力を回復させたら一番厄介な攻撃を終えたミレディ・ゴーレムを倒すだけです。ミレディ・ゴーレムはハジメ君のパイルバンカーでしか倒せないのでそっちはハジメ君に任せましょう。その間は倒しても倒しても復活するお供のゴーレムの駆除をします。馬鹿野郎お前俺は勝つぞお前(天下無双)

 

 やっと終わりましたね…討伐後にミレディがしんみりした口調で語り始めますが、(聞く必要は)ないです。壁の一部が動くようになっているのでその部分まで〝空力〟で移動し無理に押し開けて先へ進みます。ミレディ・ゴーレムがなにかわめいていますが無視して結構です。進んだ先にはちっこいミレディ・ゴーレムがいるので重力魔法を入手するための魔法陣を起動してもらいましょう。重力魔法があればこの先のイベントを少し楽に進められるようになります。やったぜ。

 

 さてこれでライセン大迷宮の攻略が終わりました。次は王都でお金稼ぎをして後のイベントの対策をします。さっさとここを出て、すぐイクゾー!

 

 今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。

 




明日も投稿頑張る…(白目)
あっ、そうだ(唐突)ゆずソフトの新作の画像が差し替えになったらしいですね…
それでも発売延期にしないゆずさんは流石…さすゆず!


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