異聞帯AC
西暦に換算し、キリストの誕生から約4000年以上の月日が流れた。
人は未だ、呪縛からは逃れていなかった。
祈りは絶え、希望を失い、それでもなお、人は、戦うことを止められなかった。
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「クリプターとは別に、新たな異聞帯が発見された」
……どうして?
「……それは、ほんとうなのでしょうか?」
「……残念ながら、本当なんだ」
戦いは終わった。今度こそ、終わったはずなんだ。幾らなんでも、それは。
「まあいつも通りだ。行けばわかるさ。という訳でレッツゴー!」
場を明るくしようと、大きな声で音頭をとるその姿が、痛々しかった。
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「……うそだ」
──この世界には、魔力が存在しない。
つまり、だ。あの時と同じように、英霊を召喚できない。今回、サーヴァントは連れて来ることが出来なかった。この世界に来る途中で、弾き出されたのだ。
当然だ。自分の魔力量じゃあ到底補えない。シャドウボーダーの魔力にも限界がある。つまり、強制退去。そうせざるを得なかった。
ボーダーの外は、剥き出しになった赤土の大地と、妙に汚れた空が広がっているらしい。そして、毒性の反応もあるそうだ。
ボーダーは魔力のことも考えて動けない。連絡手段は機械を頼ることになる。
この隠れる場所のない平地に居るのは危険すぎる。まずは、身を隠す場所を探すことから始めよう、という意見が通った。
ドローンを飛ばし、周囲を捜索する。望ましいのは洞窟。
「……うん? あれは、まさか……」
──ロボット?
人型機動兵器、アーマード・コア。通称、AC。それが、このロボットの名前であり、この世界での力の象徴だった。
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輸送機を操縦していた彼女は、自分たちのことを傭兵だと名乗った。つまり、依頼なら受ける。そして、報酬を出せ、ということだ。
報酬は、美味しいご飯。ありとあらゆる食材を美味しくする魔術がここで役立つとは思わなかった。
料理人として雇われないかという問いに、頷いた。
これで安全が確保され、情報も手に入るだろう。
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力の源であるタワー。
滅んだ統括機構。
立ち入ってはいけない領域。
滅んだ区画。
そして、汚染されきった地上。
この世界は、きっと、滅ぶ。
でも、だからこそ
人々は、毎日
命の火を、激しく燃やしている。
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「あなた達に依頼をします。彼を……彼女達を、殺してください」
──彼らは、この世界に居てはいけない。
報酬は、彼女らの全財産。およそ、5,000,000コーム。
貴方達13名で分けるので、1人約385,000コームです。
どうか、この世界を、滅ぼしてください。
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空想樹→タワー
魔力は存在しない。人々からも希望は失われている。だが、もし、君が助けを求めるというのならば。依頼を出すといい。それが君の導とならん。
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