私、篠ノ之束は天才であり天災です (曲がり角)
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1.篠ノ之束に憑依転生しちゃいましたが、私は元気です

束さんに憑依した作品がないのか気になったところで書いてみました。
天才でありながら天災でもある束さんのメンヘラな内面を表現できたらいいなと思います。


何の前触れもなく篠ノ之束に生まれ変わっちゃいました。前世ではどうやら何かしらの職場でOLをやっていた記憶があったりなかったりしますが、多分死んだ後なので、そういった設定はもうどうでもいいです。

 

 

それと神様なんていなかった。いいね?

 

 

原作での篠ノ之束はちょっと意味不明すぎるチートに走っちゃいましたが、パラダイムシフトを起こせるほどの天才が理系だけで活躍するだなんて、ちょっと現実的じゃないんですよね。経済や政治にも少しだけいろいろやってみようと思います。それでもISは作らないと多分私の知性をほんの少しだけ無駄遣いしてしまいそうな気がするので、ISはいつか開発する予定です。

 

 

あくまで気がするだけで、他に決められる方向性が定まるとそっちに走っちゃうと思いますが。

 

 

例えばスペースコロニーとかロマンあふれると思いませんか?いくらいろんな機能を詰め込んだにしても、露出度の高い一張羅だけで大気圏を突破する理由が、精神年齢40代のおばさんからしたらわけがわかりませんね。

 

 

多分、女の子とロボットの組み合わせって最強じゃね?みたいなノリだとは思いますけど。そういうのはフィクションだから許されるんですよ。現実だとムダ毛を処理しないとISにも乗れないんじゃー。みたいになるのはおかしいと思います。体のラインだって、アニメや漫画だと作画で統一できるんですけど、実際は結構違ったりするので、いくらスポーツ目的で引き締まった体になっても、目立つところは目立ってしまうわけでして。そういう私はパーフェクトなボディラインなんですが。細胞単位でオーバースペックってのは伊達じゃないんです。

 

 

まあ、そんな感じで作るとしても原作とは違う形になると思います。ISコアの性能次第なんですけど。IS作らないと世界が崩壊する可能性だってあるわけで。原作がISの世界なのにISを作らない縛りプレイに挑戦して無駄死にしたくはないわけでして。

だって何かしらの修正力が作用したり、そもそもこの世界がファンタジー法則で回ってるかもしれないので。

 

 

と言ってもこの世界が本当にISの世界かどうかがわからないんですよ。例えばエイリアンが侵略してくるとか。

 

 

どこかで異能力バトルとか繰り広げられてるとか。吸血鬼や魔術師がいるかもしれませんよね?この世界がISの世界かどうかわからないってことは予想もできない場所から危険が危ないかもしれないということなんです。対抗策は用意しないと。ISを開発するのはこの私なので後で開発してなかったことを後悔したくないんですよね。

 

ISの世界であるかどうかを決めるのも私ってことになるかもしれないので。分岐点ってやつです。

 

 

まあISがあってもなくても私は私です。フィクションの存在だったこの私、篠ノ之束がいるんです。同姓同名かも?という疑問は何をやってもうまくできてしまった時点である程度諦めています。

 

 

私から言うのもなんですが、私、天才なんですよね。

 

 

天才といってもその定義からして結構ほんわかしてますが。むしろ天才と言われてる時点で本当の天才ではない気が。

 

 

人の才能は結果によって判断されますよね。才能があっても結果を出さないと天才じゃない、みたいなことにもなりえるわけでして。つまり何かしらの才能が結果を出せないような環境に置かれているとして、そういう人を天才と言えるかどうかということなんですよね。

 

 

例えば数学に関してすごい才能を持つ人が田舎で母親と二人でキノコを採取しながら暮らしていて、その人が数学の天才だってことを誰も知らないとしましょう。数多の数学者たちが挑戦し続けても解けられなかった難題を軽々とクリアできるほどの実力を持っているんです。けどその人は静かに暮らしています。

 

 

周りは彼の能力や才能を知らないんです。この場合、この人物を天才と呼べるかどうかって話で。ちなみに実話です。グリゴリー・ペレルマンという、少し毛深い顔の男性です。この世界でもご存命のようで。あってみたくはないですね。私はツルツルの肌が好きなんですよ。

じゃあ私は私を何を持って天才と定義するかなんですけど。

 

 

そうですね。結論から言うと、何かをやる前にその行動に必要なプロセスがわかっちゃうと言えばいいんでしょうか。一般的に試行錯誤をしてからわかるものを、それをする前にわかっちゃう。例えば本を読むとしましょう。本を通じて何かしらを得るため、というのが一般的な感覚だとすると、私は確認するために読む感じです。

 

 

知ってるんだけどほかの人はどう考えてるのかな?みたいな。私もなぜ最初から答えがわかってるのかがわかりません。まあすべての分野でそういうわけではないんですけど。ただ前提があって、前提から推理できるところは一瞬でわかっちゃいます。

 

必要性すら感じられなくて、普通にこうじゃないかと思えば当たっちゃうんですよね。本を読むのは後で確認する感じに過ぎないんですよ。結論を推理して答えを簡単に出せるから、何が言いたいのかをわざわざ読んでいる理由がないというか。

 

 

これは知識に限っての話なんですけど、殆どの分野でこの何となくその問題はこのように話がなされてるんじゃない?って自分で簡単にわかっちゃう。スポーツやギャンブルにまでこの能力?が適応されるらしくてですね。これチートや!天才じゃなくてチートや!って、父親に頼んで入った競馬場でぼろ儲けしてからついつい叫んじゃいましたよ。

 

 

意識は一般人と大差ない気がするんですけどね…。脳ミソがラプラスの悪魔とでも言うんでしょうか。さすがにそれはないと思いますが。何しろ量子力学ではラプラスの悪魔は否定せざるを得ないですし。

 

 

しかしこれだけでは天才じゃなくてもっと別のになっちゃうこともありますし、実際の天才というのは感覚や知識じゃなく、行動から現れるものなんですよ。

 

 

何かをする前に何かを参考にしようとしますよね。普通は。けど私は何かをするにしても前例なんていらない、結果が最初から見えてるので、ただどうやったらそこまで行けるのかを最初に計算して行動するだけ、ってことになっちゃうんですよね。

 

 

自分が自分を天才だとわかるのはその最初から見えていた結果に手が届いた瞬間なんじゃないかなと。努力は過程に過ぎないんですよ。

 

 

最初からゴールが見えてるか見えてないか。人には見えないそのゴールが自分には見えてしまうと、そこからは人と自分の感覚が共有できなくなりますね。それを人は天才と呼ぶんじゃないでしょうか。

その天才の私からしてもこの世界は不可解なものなんです。だから準備したくなるんですよね。

 

 

なんか物騒なことが起きてですね、喰種同士の争いみたいな、ワルプルギスの夜みたいな。そういうのが私や周りに降りかかってきたら何とかして防ぎたくなるじゃないですか。いや、ちょっと変な話かもしれないんですけど、言いましたが、後悔したくないんです。死んだ後に神様に言われたくないんですよ。

 

 

なんでそんな優れた頭脳を持って転生したのに何も準備してなかったの?みたいな。だからまあ、先に資金調達をしないとですね。

 

 

それでIS開発は予定していますが、公開時期とかいろいろ原作よりもっとましな形にしないとだめですね。先にやっておくといいことと言えば、やっぱAIによる株式売買じゃないでしょうか。

 

 

とまあ、頑張って作ってみましたよ。1年ほどかかりました。まだ小学校3年生なんですが、まあ別に年齢なんて気にしなくていいでしょう。転生者ですし。

 

 

「最近忙しそうじゃないか。何をしているんだい?」

 

 

お父さんが部屋に入って封筒を見せながら私に聞いてるんです。まあその封筒の中身は親孝行といいますか、産んで育ててくれてありがとうという意味で100万円ほどが入っていますね。

 

 

「株式売買なんですよ、お父さんの許可が欲しいところなんですけど、一応私一人でもやれる範囲ではありますので。」

 

 

「それは、危険ではないのかい?どこの口座を使ったんだい?」

 

 

「私の口座といいますか、使っても問題ない口座は持っていますよ。違法ではありません。リスクマネジメントのことなら心配しなくてもいいですよ、ヘッジはしてますし、そもそも予測データで演算してる結果の今までの的中率は98%以上なので。」

 

 

私の説明にちょっとわかんないけどわかろうとしてるのが表情から伝わってきます。この私の父親なのでそんな言ってることは全くわからない、とかはないんですよね。科学に関しては、学生時代にあまり勉強してなかったみたいで説明してもわからないようなんですけど、経済はある程度理解してるようで。

 

 

原作ではどうだったかわかんないんですけど、私の家族は結構緩い感じです。硬いのはむしろお父さんじゃなくてお母さんなんですよね。硬いというか、オヤジギャグな好きな美人なおばさんです。厳格で、脳筋です。お父さんはお母さんとは正反対までは行かなくても結構緩い感じですかね。

 

 

「……そういうのは先に私たちと、親と相談してやってもよかったんじゃないかい?」

 

 

「実を言うとまだ本格的な取引までは手を出していないんですよね。私がまだ未成年なのは別にどうにでもなる問題なんですけど、それはプログラム開発費として先に受け取った分なんですからね。アメリカの大学教授さんが法人を作ってくれたんですよ、ほら、デイビスさんのこと、覚えてるんですよね?」

 

 

「ああ、彼のことか。」デイビスさんは一年前から連絡し合ってる、金融工学と経済学、数学が得意な、カリフォルニア工科大学の教授さんなんです。立派な大人なんですよ。今年二十歳になるお子さんがいたりしますが、まあ彼とチャットとかで話すのはとても楽しいんです。気が向いたときは電話もしますし、彼のことは両親にも説明してあります。

 

 

「そうです、だからそのお金は私からの贈り物なんですよ、お母さんと旅行でも言ってくるといいんじゃないでしょうか。」

 

 

お父さんが私の頭を優しくなでてくれます。悪くないですね。自分の娘が自分では理解できないことをやってのける、いわゆる天才であることを知っていながらも、その娘を愛し、娘からの贈り物にもちゃんと答えようとしてくれてるんですよね。なんて素敵なんでしょう。

 

 

だって、娘が怖くなったり、利用しようとしたり、そういうのが全くないんですよね、うちの親は。ただ幸せになって欲しいんだそうです。一般的に親の理想と言ったらこんな感じなんですよね。私的に理想なだけかもしれませんが、運がいいと思ってますよ。なんで原作の束さんはこんな親のことを全く考えてなかったんでしょうかね。理解に苦しみます。

 

 

私はいわゆる二次創作で見られる白い束なんじゃないでしょうか。別に善悪とかは考えてませんけど。人間なんて見る角度が違うと善にも悪にもなるものじゃないですか。異論は認めますが。

 

 

デイビスさんのような友人もいますし、私が気にかけてるのは家族だけじゃありません。家族以外にも優しく接しないと、コミュニケーションから何も得られなくなるんですよ。人の目線は気にしてないんですけど、人が何を考えてるかはそれこそ深淵を覗くようなものなんですよ。

 

 

些細なことのように見えてもそこから新たな発想が出て来たり?というのはまあ理由の一つではありますが、実際は自分の世界に没頭できてしまうから、戻れない気がします、一回はまると。

 

 

だから枷として、人となるべくかかわるようにしてるんです。原作の束さんはそれがわかってなかったんじゃないですかね。いくら優れた頭脳を持っていてもそれを活用するのもまた人の意志ということです。それに関しては彼女は未熟としか言いようがないでしょう。宇宙開発もいいですが、そもそもこの地球もまだまだ未知の領域がたくさん残ってるんですよ。未知というか、未開発なんですけどね。何なら水上都市計画に活用できる科学技術でもよかったんじゃないですかね?それか砂漠を簡単に緑地に変えれる何かしらの技術もありですね。なんで宇宙にこだわる必要がありますか。そりゃそういう物語なんですし、わからなくもないんですけど。

 

 

まあそれもこの体のスペックからしたら納得できる話でもあるんですよ。天才には天才の悩みがあるって、本当だったんですね。体というか脳?何かに集中してしまうととことん理解できるまで追い求められるって素晴らしいように見えてもこれ、一度やってみるときりがないというか。

 

 

例えば物理学でちょっと前、ブラックホールの内部どうなってるかに対する考察をしたことがあるんですよね。だって、気になるじゃないですか。それでうっかり夏休み全部使って、論文を書いて発表したら学会で大騒ぎになってたんですよね。レファレンスも充実、デイビスさんからもお墨付きだったので、学会に通りましたよ。

 

 

原作の束さんもこういうことを地道にやっておけば笑われずに済んだかも?まあそれでもぶっ飛んだ技術は受け入れがたいところがありますからどうなったかはわからないところなんですけど。

 

ちなみにこの時の私は小学校2年生だったんです。まだちーちゃんもいませんし、私はみんなと仲良くしています。クラスに一人や二人はいるいじめっ子はPTAを通じて圧力かけて、スカートめくりとかできなくしちゃったりしています。万が一にでもやらかしたら即退学です。いやー。法人になるとやっぱ便利なんですよね。アメリカの企業として日本の市民団体を支援できちゃうんですよ。

 

 

これがすごく楽しくてですね。資金援助をすれば国会にも声が通るようになるんですよね。まあ政治はあんまり好きじゃないんですけど、日本の学生生活は先進国にしてはひどすぎますからね。偏差値教育がまかり通る現実を誰も気にしちゃいないというのがなんとも言えませんね。試験勉強という概念自体がナンセンスだと思いますが、突っ込み役は不在なんですかね?

 

 

私が学生である以上、生活改善のために頑張るのはやっぱ大事なことではないでしょうか。だって、せっかくの学生時代に、一公務員に過ぎない教師に全部任せるとか、頭わいてるんじゃないですかね。

 

 

それで教師からは畏怖の対象になってますけど、別に気にすることでもないですね。私は忙しいんですよ、アフリカ北部の砂漠化を防ぐための土木工事プロジェクトを提案しないといけないので。今はまだ実現しにくい話なんですけど、ニューヨークの金持ちがいかにも好きそうな話としては通用するんじゃないでしょうか。

 

 

宇宙開発よりかはずっとましなんです。先ず目に見えるところから手を出さないとですね。授業?聞く必要ありますかね。クラスメイトには優しく接してますよ、だってまだ皆子供なんですから。子供は愛に飢えてるんです。女の子と抱き合ったりすると暖かくて柔らかくてふわふわしますけど、なんでみんなやってないんですかね。男の子はどうしてるかわかりませんが。百合じゃありませんよ?

 

 

そんなこんなで平和で楽しく過ごしていましたよ、その日までは。すべてが始まった日ですね。

 

 

その日はちょっとだけ熱が入ってしまって、居残ったまま論文を作成していました。おや、廊下が騒がしいですね、もう下校時間なんですけど。男の子たち、確か五年生なんですよね。うちのクラスの女子の一人が絡まれてるようです。

 

 

「お前、篠ノ之の友達なんだろ?」

 

 

「は、はい。なんでしょう?」

 

 

城明知美ちゃんですね。ちょっと大人しくて私がいなかったら成績トップになったはずのカワイ子ちゃんです。怖がってはいますけど、そこまでひどいことはされてないと思い込んでる感じなんでしょうかね。

 

 

「お前の友達のせいで親に怒られたんだよ、どうしろってんだ?」言ってることがめちゃくちゃですね。意味不明です。現実での人間は悪役みたいに理路整然とした悪役っぷりを発揮したりはしないんですよねぇ。

 

 

「どうって…?」

 

 

「親にさ、お前は殴られたことないだろ!痛いんだよ!大人だからすごく痛いんだよ!だからさ、お前も殴られて痛くなったら篠ノ之のやつがいい気にはならないだろ?」

 

 

これはあれですね。追い詰められた子供が滅茶苦茶になってる感じですね。

 

 

「な、何を言ってるんですか?」

 

 

「お前、生意気なんだよ!」

 

 

殴られるタイミングで登場して代わりに殴られます。まあ痛くもかゆくもない、おこちゃまのパンチなので、中心を少し移動して息を少し吐くと衝撃は殆どありませんね。その代わりちょっと派手に吹き飛びましたが、そのせいでクラスメイトの知美ちゃんが涙目になってます。どうしてくれるんでしょうか。

 

 

まあ、わかるんですけどね。女に手を出すのは別に最低なことでもなんでもないと思いますが、子供の分際で身の程も知らずに手を動かすのは問題ですね。

 

 

ちなみに女に手を出すのは最低ではないと思ってる理由は簡単です。男でも女でも、同じ人間相手に話より暴力を取る人間は普通に死ねばいいと思います。最低ではなく、あれは死罪にしないとだめですね。

 

 

人間なんだから頭を使って欲しいところです、せっかく類人猿から何百万年もかけて進化してきたのに、ヤギや鹿みたいに物理で解決するだなんて、数百万年の重みを何も感じてないということじゃないですか。それはもう、同じ人間として見る必要すら感じませんね。

 

 

「はは、飛んだよ!バカだよ!」

 

 

何がバカなんでしょうね…。

 

 

「生意気なやつが!殴れば誰だってぶっ飛ぶんだよ!」

 

 

「そうなんですよ。それはあなたたちも同じなんです。」

 

 

私は手首に付けておいた小型スタンガンを一番近くにいた男子の首に宛てます。気絶しましたね。あら、ズボンが濡れちゃってますね。次に空気を圧縮して爆発させるもの、私命名、エアボマーを反対側の手首から耳に向けて発動、もう一人を気絶させます。これやられると鼓膜がぶっ壊れるんですよね。耳から血を流していますね。証拠は残らないんです。電気と空気なので。

 

 

「後二人ですね。どうしますか?」

 

 

「お、お前、なんなんだよ!なんで、なんでこんな…。」

 

 

「そうですね、ここがアメリカだったらあなたたちみたいな礼儀知らずは撃ち殺すところだったんですけど、日本なので、穏便な形にしましたよ。相模君なんですよね?なんのつもりですか?人に暴力を振るっちゃいけないと、ヤクザの親父が教えてくれなかったんですか?」

 

 

そう、それが原因だったんじゃないですかね。父親がヤクザだからと、ガキ大将になっていい気になってたんですけど、校内の治安が悪化するので、いろんなところに報告させていただきましたよ。それでそんないろんな方々からの家庭訪問でもあったんじゃないでしょうか?

 

 

その八つ当たりを自分の子供にして、その子供は私と私のクラスメイトの知美ちゃんに。単純な話ですね。単純すぎて反吐が出るくらいなんです。まあ吐きませんけど。人間の醜いところは哀れであると受け取るのがコツなんです。哀れみ慈しむ。原作の束さんに教えてあげたいですね。それと相模君の家のことは誰でも知ってるわけではありません。私は学校がどうなってるか、どこのうちの子が通ってるのか全部把握してるだけです。

 

 

「親父のことは関係ないだろ!」

 

 

「関係ありますよ。あなたの親父があなたに暴力をふるったからあなたはその暴力を私にふるうことにした。別にそれはいいんです。あなたがその程度の人間であることはわかっているので。ただ誰が吹き込んだんですか?私に当たればなんとかなると言ったやつは誰ですか?」

 

 

「し、知らない。誰もそんなこと言ってない。」

 

 

「別に脅迫してるつもりではありませんよ?言ってくれた人を教えてくれたらいいことありますよ?取引です。そうですね。あなたの父親を組織から引っこ抜くことくらいはできます。どうです?真っ当な暮らしができたらあなたもこんなくだらない茶番に付き合う必要もなくなるんですよ。ラーメン屋とか定食屋とか、町工場もいいですね。あなたもそんな親のもとで青春が過ごせるんですよ。そういう未来を描いて今から頑張れると思いますが。」

 

 

「そんな未来のことなんて知らねぇ…。バカにすんな!」

 

 

そう叫んでも殴りかかってはこないんですね。強気のように見えても何となく察してるみたいです。こっちがハッタリではなく、理性的に考えて分があるのはどちらか、聞いてみればわかることなんですよね。

 

 

「そうなんですよ。あなたはバカじゃないんだから、言ってる意味はわかるでしょう。」

 

 

「そ、それよりこいつらだよ!何したんだ!」横にいる男の子が割り込んできます。見たことない顔ですね。

 

 

「誰ですか?あなたは。この学校の生徒じゃありませんね?」実は調べはついています。ただ今まで顔がばれてなかっただけなんですけど。これではっきりしましたね。

「は、はぁ?何言ってんだ?俺はこの学校の…」

 

 

「去年3年生の担任に赴任した若い先生の名前は?」

 

 

「な、なんだよ、知らなくていいだろ別に…」

 

 

「新卒の若い女性なんですよ、知らないはずがないじゃないですか。」

 

 

「うるさい!お前、こんなことしてただで済むと…」

 

目線の動きが子供のそれじゃありませんね。

 

 

「そうですね、子供を利用してるのか、子供になり切ってるのか。どっちなんですか?それともどっちもですか?」

 

 

「お、俺は子供だぞ!」自分が子供だと主張する子供ってどうなんでしょう?

 

 

「今ので確定しました。あなたが利用される立場であることくらいはわかっちゃうんですよ。一定年齢以上に成長できない遺伝子特性があるんですよね。あなたがそのたぐいであるなら、あなたの背後に誰がいてもあなた自身は切り捨てられるんじゃないですかね。だって、どういう経緯があるにせよ、こんなことをしてるあなたはどうみても犯罪者じゃないですか。」

 

 

「ふ、ふざけんな!おい、相模、何とかしろよ!またお前の親父に殴られたくないだろ?」

 

 

私が、動いたらわかってますね?と相模君に視線を送ります。彼は動きませんね。

 

 

「なんだよ、お前は!何なんだよ!」これは気絶させるほうがよさそうですね。

 

 

しかしこれで終わることはなかったんですよね、当たり前なんですけど。学校に変な人間が混ざってきたんですよ。危ない話じゃないですか。それをもみ消せるほどの権力のある人間、あるいは集団があるってことです。まあ大体予想はしていますが。どの国にもそうなんですけど、表側の人間と裏側の人間がいるんですよね。

 

 

その似非小学生を調べて洗いざらい吐いてもらったんですけど、別に拷問とかしてませんよ?簡単な話術です。それでアジトというか、本部ではないんですけど、関連人物の一人が経営してる変な会社に乗り込んで、スタンガンとエアボマーで無双したら話をすることになりまして、ええ、そんな状況でも自分たちのほうが上であると勘違いしていたので、全部録音してから日本に存在するほかの裏側の組織にばらまいておきました。

 

 

日本には調べたところ、そういった人間の集まりは大きく分けて六つありまして、そのうち二つは完全に黒な連中だったりしますね。二つのうち一つは後で徹底的につぶす予定なんですけど、もう一つは普通なんですよね。何というか、真っ黒ではありますけど、やってることが小物っぽいというか。

 

 

例えば中国人が留学生であると自称して不法滞在者になって、日本人が嫌う3Kの仕事とかするんですけど、そいつらを保護したり、まあそういうのはどうでもいいんですよ、ほっといてもそこまで害悪にはならないんです。けどもう一つはやばいですね。日本を軍事国家にしようとしてる連中がいるんですよ。アメリカがいつまでも世界秩序を保てないことを前提としていて、そうなると仮定してやりたい放題やってるやつらです。

 

 

まあその発想自体は悪くないと思いますが、だからって軍事国家にしよう、ってのはちょっと時代錯誤にもほどがあるというか。

 

 

今更なんなんだって話ですし、そんな連中が力を持つわけないだろうと思うじゃないですか。そうでもないんですよね、これが。意外と表側の人間に顔が効くんですよ。

 

 

私を標的にしたやつらはこいつらじゃないかと思ってましたよ。まあ実際予想は的中してましたし、原作の織斑姉弟と繋がってるんじゃないかとも思ってました。才能を見込んだのか私が開発した技術が目当てなのか。どちらにせよ、私に手を出したらどうなるか、見せしめにするいい機会でした。それで、いかにも悪の秘密結社じみた違法研究所やらの襲撃に何の権利があってか同行して、早期に織斑ファミリーを救出することにしましたとさ。

 

 

「助けに来ましたよ。」まるでヒーローのごとく登場し、華麗なるステップを踏みながら例のごとく無双。しばらくしてから実験室に閉じ込められた二人の女の子と一人の男の子を発見してから言ったセリフです。

 

 

なんのひねりもなく、印象深いとは言えないかもしれない出会いでしたが、ロリちーちゃんはとても可愛らしく、これにはモラルガバガバな転生束さんも思わずほっこり。

 

 

というか生きてるのはその3人だけですね。原作より早い時期での救出だったので、もっといるかもと期待していましたが、ほかの実験体?の子供は実験に耐えられなかったのか、どうみても解剖中の死体。なんとまあ…、普通ここまでしますか?と、人間のくずどもが見苦しくも言い訳を述べていらっしゃったので、ぶんなぐっておきました。内臓を適切に破裂し、機能不全にさせることで、罪滅ぼしまでは行かなくとも、自分がやられるとどんな気持ちになるのかに対しての知的好奇心は満足できたのではないかと。

 

 

しかし人体実験はシミュレーションでもある程度はできますが、それも知らなかったようですね。今の時代ならスーパーコンピューターを使ったら誤差の範囲内に収まる精度の結果を見ることもできるでしょう。こんな生きてる人間使って、バカなことをやった人間のくず共は目を離したら死んでいました。

 

 

ここに乗り込んだのは私一人じゃないので。裏の側の人たちが全員殺してました。証拠隠滅ではなく、ことが事なので、生存者があると後処理が困るという、まるでどっちが悪党かわからない話です。

 

 

ただこういう時は子供の私のほうが、警戒せずに近づけると思われたようで、説得やら事情説明やらを子供の私に丸投げする頼りない野郎どもからの期待を真に受けて、正直に可愛いから友達になりましょ、と提案したところで、白眼視される始末。何がいけなかったのかわかりませんな。

 

 

それとこいつら全員超人なんですよね。

 

私と同レベルらしいんですよ。そうは見えませんが。この3人が遺伝子工学の成功ケースなんですよね。最強の人間というか、理想の人間を作ろうとしてたんですよね。遺伝子工学でそんなことしてる連中は先進国にちょくちょく現れます。こんな人権もくそもないやり方はさすがに原作がフィクションだからのことなんでしょうけど。

 

 

それから三日後に交渉が行われまして、私は対暗部組織の取りまとめ役の更識楯無という、なんともまあ既視感しかない名前の凛々しい男性と一緒に、やりすぎちゃだめだよ、と注意をしてから隠してることを洗いざらい吐いてもらうことにしました。もちろん、そうしないとほかの組織が力を合わせてつぶしに行くことになってましたので。

 

 

なぜそんなことになったかと言うと、他の組織はこの組織の実体を掴んでいなかったそうですね。それを私があっさり捕まえてばらしたせいで、これまでも私を相手に脅迫まがいな行為を行おうとしたことと似たようなことが数え切れないほどにあったのが周知の事実となってしまいました。証拠はありませんが、確実にこいつらしかやらかす人間が存在しないんですよね、オカルト的な何かがない限り。

 

 

裏側の人間は表側の人間と違って独自のルールがありまして、証拠あんの?って威張り散らすことができないんですよ。影が見えたら幽霊に決まってる、幽霊は殴れる!そんな感じです。それでかなりの損失を背負うことになったんです。

 

 

因果応報ってやつです。私ですか?安全ですよ?表側であろうと裏側であろうと、私や私の家族に手を出すなら徹底的につぶすに決まってるじゃないですか。束さんはこの世界でも天災なんですよ。

 

 

これが始まりだったんです。私が本格的にこの世界への干渉というか、原作介入というか。まあ織斑姉弟の女の子で小さいほう、織斑マドカちゃんがうちで暮らすことになりました。一夏君とちーちゃんは更識が引き取っちゃいました。その3人が超人であることは、まあ交渉の場でバレちゃってますので。

 

 

もちろんばらしたのは私なんです。しかしあれですね、こうなると原作と程遠いとしか言いようがありません。どうしましょうか。ISを開発しても織斑ハーレムは実現できそうにないですね。その代わりに血のつながってない姉と妹ができちゃいましたね。どっちとくっつくのか、今から気になるところです。

 

 

それから3年ほど経ちまして、小学校5年生になりました。と言っても、日本の学校は行ってないんですけどね。

 

 

ちょっと大金持ちになったので、アメリカで国籍を習得しちゃいました。特に理由はないんですけど、ポーランドとドイツの国籍も持っています。未成年でも投資者として有名になってしまったので、各国の政府から認められるという、金持ちに住みやすい世の中であることを実感している今日この頃。

 

アメリカでは仕事場の位置関係上、ニューヨーク大学を通っています。ちょっと飛び級して今は3年生です。キャンパスは設計が斬新で、教授たちが少し左寄りな傾向はありますが、普通にいい大学です。

 

 

子供だからと差別されることもなく、日本人だからとかそういうことも…。逆に少しだけアイドルみたいな立ち位置ではありますが。どれくらいかというと新入生が私のサインをもらいに来るくらいは自分がちょっと目立ってるって自覚しているつもりです。

 

 

「それ絶対ちょっとじゃないよ?お姉ちゃん。」と、マドカちゃんから電話で言われたりもしていますが、別にストーカー被害とかはあってないので、大したことではないと思います。

 

 

と言っても金持ちとしての名は知られているので、年に一回か二回、キャンパスの外で誘拐されそうになりましたが、私は元気です。もちろんなめられたら終わるので、全員返り討ちにしました。組織じゃなく個人で誘拐しようとした人たちは丁重に気絶させて通報。組織の場合は、アメリカだったので、アメリカの流儀を通して例外なく撃ち殺しちゃいました。

 

 

別に銃を携帯していたわけじゃなくて、普通に犯人共が持っていたので奪って、少し拷問してから殺すという、若干サイコパスな感じもしますが、やる時はやらないといけないってアメリカでは一番言われてることなので。

 

 

依頼主はロシアン・マフィアだったのです。投資バンクの設立に当たって貧弱だけど裏社会と通じてる企業の信用評価を最低レベルにしちゃったのが原因でしょうね。

 

 

そんなやばいやつらを突っついて遊ぶくせにボディーガードの一人もない。襲ってくれと言ってるようなものです。まあ、そんな投資バンクでの表のトップは全くの別人なので、深いところまで調べてみないとすべてを動かしてるのが私であることはわからないはずなんですが。どこから情報を得たんでしょうね。

 

 

まあ、ISの試作機というか、パワードスーツを着て無双しちゃいましたが。目立たないように死体は一ヶ所にまとめて爆弾でぶっ飛ばしました。目立たないとはいったい…?と思われそうですが、死体が残ると証拠になるので。

 

 

映像や写真での記録がない限り結果的に目立たなくなるという、サイテーの爆発オチにも意義はあったんだと、密かに誰に向かってなのかわからない言い訳をしつつ。

 

 

その日は家に帰ってバーベキューパーティーをしましたとさ。肉の焼ける匂いが実に香ばしい。

 

 

警察やFBIからの捜査はなかったので、犯人も予想通り特定されてなかったようで。FBIの内部ネットワークに光学迷彩を搭載したドローンを送ってハッキングしたところ、イタリアン・マフィアとの抗争の結果じゃないかと報告書には書かれていました。

 

 

そもそもこっちは被害者側なので、そんなに身構える必要はなかったんじゃないかなと。殺人の罪悪感は…。別にそれでどうした?ってな感じで簡単に克服しました。さすがに相手が子供を拉致しようとした人間のくずだったので。まあいつかは経験することです。亡国機業が存在しているのが確認できたら先制攻撃して皆殺しにする予定ですしおすし。

 

 

それと魔法的な存在はいまだに感知されていません。安心できると言えば、まだはっきりとはしていませんけど、世界の衛星は全部ハッキングして地表面は全部スキャン済みなので、これで見つからなかったらもうゴールしてもいいんじゃないかなと。

 

 

ちょっと残念ではありますけどね。超能力は何となく再現できそうではあります。ワンピースの武装色とかは現実でも少林寺とかで、刃物が通らない体とか作れちゃったりしますので、その仕組みを暴くことはもうできていたりします。肉体だけで現代の生物学に喧嘩売ってるんですよね。

 

 

超人ボディの秘密は光学的には観測不可能なフィールドを、人体から形成されていることがわかっちゃったので。このフィールドは研究する価値がありそうです。

 

 

多分気の正体がこれなんじゃないかと、仮説は立てているんですけどね。

 

 

日本ではちーちゃんとか一夏君とかマドカちゃんとかが元気に生活しているようです。私は一般的に優秀とされていても、実際はバカなことしかやってない、2000年代のアメリカの企業を見極めたりコンサルティングをしたりしています。

 

 

科学の研究は趣味のレベルとしか見られてないんですよね。私の専攻が量子力学であることは、実は大学内ではあまり知られてなかったりしています。経済学関係の講義は一つも履修していないんです。

 

 

あまり信じてもらえないんですよね。

 

 

『誰だって投資の天才が物理学者になるとは思わないだろうよ。』

 

 

私と同じく量子力学専攻のジョセフからの言葉です。彼も16歳で、充分天才なんですけど、私のせいで目立たなくなった人物です。まあ彼は全然気にしてないようなので、トラブルもなく友達としてよくやっていますが。

 

 

まあ、間違いないですね。研究をするだけで幸せな人は世の中に必ず一定数以上存在します。その人たちは全員がなぜか研究さえできればどんな環境でも構わないと思っちゃったりするんですよね。

 

 

つまり金持ちになろうだなんて思わないということです。相反するわけでもないんですけどねぇ。ただそこまで頭を回したくないといったところでしょうか。学者が金持ちってのも変な話ではありますからね。私的にはどっちもできなかったら天災にはなりえないと思ってるだけなんですけど。というかこの頭で科学にしか手を出さないって、まるで魔法に才能があるのに剣術しか鍛錬しない主人公のくずみたいな気が…。

 

 

『私だって研究だけできればそれでいいとは思いますよ。けど私より投資のうまい人が世の中にはあまりいないものでして。』

 

 

『俺もやってみたらできるか気になったじゃないか。』

 

 

『そうやってみんなウォールストリートに行っちゃうんですよねぇ。』

 

 

『満足するほどの生活さえできればいいじゃない?そこまでお金が必要なの?』

 

 

ソフィアさんがサンドイッチを片手に私たちの会話に参加します。今私たちがいる場所は校内のカフェテリアです。

 

 

『お金がたくさんあれば自分で研究所が作れちゃうんですよ?素敵だと思いませんか?』

 

 

『んん…。大学での研究だってそこそこいい環境が提供されると思うんだけど、ジョセフはどう思う?』

 

 

『研究にもよるけどさ、そんなにやろうとしてできるものなのか、俺はちょっと懐疑的というか。偶然だけじゃないけどさ、パラダイムシフトがないといくらお金を詰め込んだって意味ないじゃん?』

 

 

『タバネが言ってる研究所は科学的な研究じゃなくて技術的な研究なんじゃないかな?大きな企業なら研究開発部門は抱えてるわけでしょ?それと同じじゃない?』

 

 

『そうです、そうなんです。理論的なところは一人でだって、大学の中でだってできますけど、技術はどうしても一人では難しいんですよ。あれもやりたい、これもやりたい、けど一人ではどうしても時間が足りない!だからお金をたくさん使って、研究所を作るんです。』

 

 

『普通に社長とかやれそうだな。俺が就職してもいいか?』

 

 

『もちろん、いいですよ。』

 

 

『こら!こんな年下の子を口説くとはどういうことよ!ロリコンは犯罪だからね!』ソフィアさんが私をぎゅっと抱きしめます。

 

 

口元が緩んじゃいます。ソフィアさん、結構美人さんなんですよね。普通に19歳で、高校卒業してから大学入ってる人で、優しいお姉ちゃんって感じです。ちょっとお胸が貧相ではありますけど、モデル体型でわざとらしく分厚い眼鏡をかけて美貌を隠してます。いい匂いがしますねぇ。

 

 

『誰がペドフィリアか!というか俺も未成年だよ!仮に付き合ったとしても犯罪にはならないだろう。』

 

 

『もしかして私のこと…。』肉食獣を見る目で警戒するふりをするウサギちゃんです。

 

 

『い、いや。別にそういうわけでは…。』

 

 

『成人になってから考えましょうか。今から付き合うと大変なことになりますよ。この年で妊娠したくありませんし。』

 

 

『人をなんだと思ってる?!』

 

 

『あはは。』

 

 

そんな日常の一コマもありましたが、まあその後ジョセフはソフィアさんと付き合ってるんですよね。彼はロリコンじゃなかったということです。彼もそこそこ顔立ちもよく、マナーもできていて、視野の広い人物ではありましたが、あれですね。プライドが高くて、自分より優れた女性と付き合うのはちょっと、みたいな。

 

 

普通に軽い感覚でやる女性が多いので、性に関しては別に困ってないですよね。やってはないんですけど、触ったり触られたりするのは、まあ、結構ありました。

 

 

学生生活の間だけは男とやるのも女とやるのも別に構わないと思ってる女子大生が多いというか。そういう雰囲気に流されないように気を付けていましたが、ついついやっちゃいましたね。私も人間ですからね。頭を使ってたくさん運動をしたりすると、どうしても発散したくなります。思春期にもなってしまったので。ベッドで一夜を共にしたのは一人だけですけどね。

 

 

相手は女性でした。大学4年生で、年齢は一回別の大学を進学した後卒業してここにまた通っている。つまり25歳か26歳ってところでしょうか。メリッサ・ミューゼルという名前で、何かしらの組織に所属しているとのこと。私から接触したんですけどね。まだ何かしらの組織の一員であるかどうか、確信が持てなかったので丁度良かったと言いますか。

 

 

普段何気なく金融業界にハッキングをかけてみたりしてますけど、怪しい金の流れが見えたりするんですよね。なんでこれだけの金額が動いてるの?ってな感じです。スパイの資金源だったり税金を払いたくないとかで金を動かしてる人はちょくちょく見かけますが、それとは違う感じです。

 

 

個人名義から法人に、ってのがスパイやら隠し財産を持つ人たちの一般的な動きなんですけど、これは反対に法人から個人に流れてる感じで。その流れを追跡してる途中、この学校に在籍してる女性がその金をもらっていたので。まあどう考えても黒ですよね。

 

 

その証拠にしちゃあれなんですけど、私とほぼ同い年の女の子を抱いたことがあるようで。つまり経験者なんですよね。いろいろ話してみたところ、人格が少し、いや、かなり歪んでいました。トラウマがあってそうなったというより、気質がそもそもサイコパスに近いですね。人間不信というか、人を利用する対象でしか見てないというか。まあそれも表面的な部分なだけで、実際は短時間で複数のことを計算できる頭脳の持ち主で、それで自分を天才だと思い込んでいましたね。

 

 

実際はただ頭の性能がいいだけの一般人が自惚れてるだけというか…。実際そう言ってみたところ、殴られそうになったのでそのまま押し倒したら逆に押し倒されて、そのまま…。

 

 

いやまあ、いい経験でしたよ。10歳の子供を相手にマウントを取りたいがために奉仕し続けるという、なんともまあ…。これくらいにしときましょう。いくら相手がちょっとあれな女性でも、そもそもが26歳の人間はよっぽどのことじゃない限り、そんな大したことなんてできないんですよ。社会になじみ切れてない感じがひしひしと伝わってくるじゃないですか。大人気のない大人。

 

 

いやー。いいですね。実に哀れで。愉悦はしませんよ?可愛い人だなぁって思っただけでして。それと顔立ちというか、雰囲気というか、口調というか、英語ではありましたけど、ずっと既視感があったんですよね。こんなキャラいなかったっけ?って。それで原作にもミューゼルって苗字のキャラがいたような…。

 

 

そしてその年齢。

ええ、そうですね。どう考えてもスコールです。本当にありがとうございました。まだ事故にはあってないようで、体は生身でしたが、このままだとどうなるかわかりません。この時期はまだ亡国機業の関係者ではないみたいで。下部組織のようなものじゃないですかね。

 

 

ちなみに何がとは言いませんが、とてもテクニシャンでした。小学生年齢の女の子にそこまでやりますか、って何度も突っ込みましたが、逆に指やら舌やら突っ込まれました。

 

 

そういうわけで、メリッサさん改めスコールは、事故る前に引き抜くことにしました。どう考えてもこいつオータムじゃね?みたいな男顔負けのツンデレな女の子も発見したので、保護することにしました。なんでそんな性格に育ったのかと、常々疑問に思っていましたが、案の定スラム出身でした。気性が荒く、白い黒人と揶揄されるほど、アメリカでは一般的に低いステータスを持つアイリッシュ系。

 

 

私は日系なので関係ありませんね。大学を卒業したら日本に連れて帰ることにします。別荘やマンションもいくつか持っているので、同じ場所で暮らすのが嫌なら、しっかり教育させてお嬢様学校に通わせるのも一興かと思います。

 

 

日本人のお嬢様が気性の荒い白人の女の子に食い散らかされる未来しか予想できませんが、あえて無視しましょう。それくらいの刺激はあってもいいと思います。自分が扉を開いてしまったからって、関係のない人にまで強要する天災のくずがこの野郎。

 

 

まあ開放的になる楽しさは、自由の空気を吸う前にはわからないものなので。日本も嫌いじゃないですけどね。むしろ好きですけど、変わる必要だけはあると思います。例えば失業率。技術が発展すればするほど自動化が進むわけで、ニートは増えることはあっても減ることはあまりなかったりします。なのにニートがダメとか、仕事しないのはよくないとか。ちょっとおかしくないですか?

 

 

仕事は減る一方なのになんで仕事しないだけで信用も何もなくなっちゃうんですか?バカですか?バカなんですよね。わかります。総合的な思考ができないのは日本人だけではありません。人間の頭はそんな総合的な思考が簡単にできるようにはできていません。できる人はほんの一握りで、それ以外は目の前のことしか考えられないんですよ。

 

 

天才の私は例外ということです。だから天才と言われているんでしょうけど。

 

 

何が言いたいかと言うと、労働を神聖化したって、仕事をしなくなった人がたくさんいても、生活と密接な関係のある経済だけは普通によく回るものなので、それを前提にした考え方が一般的なことになってもいいと思います。

 

 

車とか建設資材とかの、大きな金が回る系の経済は、ある程度インフラが整備され終わった現代において、そこまで需要のある事業でもないという事実にいつ気が付くのか。別にバカだからわからないわけではなく、普通にそういう発想自体がないのが大多数でして。この世界でもそれが原因で不況は続いています。

 

 

しかしながら市場はアイデアと実行力で開拓できなくもない、というのが私の意見です。実際見込みのあるアイデアは、プッシュされる限り持続します。ただ試行錯誤はあるので、その辺は常に考えておいたほうがいいということです。

 

 

頑張れば誰だってできる、みたいな話ではありませんが、どれだけ小さな事業でも需要がある限り続きます。それで私は、現場に行っていちいち確認してから投資したりしています。もちろんAIも使いますが。まあAIが扱うのは企業への投資という概念ではなく、普通に変動率を予測するだけです。

 

 

実際一番儲かっているのは投資ではなく人工知能による市場での価格変動を秒単位で予測して利益を残すことだったりしますが。やりすぎると税金がめっちゃ取られますが、だからって加減をする理由はありませんね。

 

 

お金はいくらあっても多すぎることはありません。財産がそろそろやばいことになってますが、あまり気になりませんね。秘密結社は、要するにこういうことができないバカの集まりなんです。亡国機業のトップの集まりとかがあったら、顔を出して言ってみたいですね。お子ちゃまより資金の巡りの悪い秘密結社を作ってさ、くだらない陰謀を企んで何がしたいの?って。

 

 

まあ、日本に帰った時税金問題でひと悶着あったので、似たような状況にはなってましたね。小学生年齢の子供がアメリカの法人名義でたくさんの財産を保持しているとのことで。日本政府が干渉することなんてできないことはわかってるはずなんですけどねぇ。

 

 

子供だと侮られていたようで、仕方なくアメリカでロビー活動をして日本政府に公式に抗議をしておきました。それでも不十分だったので、裏の人脈を使って私には関わっちゃいけないと釘を刺しておきました。

 

 

表の人たちはその場の乗りと勢いだけで何となくいらない騒ぎを起こしてから、都合が悪くなると他人に責任を擦り付けたりするので。ただのバカじゃないかと思われがちなんですが、バカかバカじゃないかは重要ではありません。誰かがその場に立ってるだけで目印になるんですよ。

 

 

なのでその方々は立ってるだけで仕事はしてるということになります。つまり肩書きのほうが本体で、そこに座ってる人間は本体じゃない付属品なんですよ。

 

 

非効率極まりないんですけど、人間は元々が非効率な生き物なので、世の中そんなものだと割り切って受け取ることは、社会人として重要な気質だと思います。まあ年齢的にまだ社会人の半分以下しか生きてないんですけど。

 

 

後で日本で会社を立ち上げる予定なので、言われなくても税金はたくさん払われるでしょう。無意味にケチってもいいことなんてありません。

 

 

むしろ持ってるだけで腐るだけの金も少なくないので、のどに詰まる前にばらまいてしまいたいくらいです。

 

「なるべく早く君の会社を作って欲しいところだよ。」更識のおっちゃんです。私が何か目立ってからやらかすたびにそれを解決するため呼ばれてるみたいです。別に私のせいじゃなくないですか?まあ、私のせいだとしてもそれがどうしたって話なんですけど。

 

 

まあ、ご愁傷様とだけ言っておきます。

 




木綿豆腐より崩れやすいメンタルなので、たたかれるとすぐ消しちゃうと思います。
まあ、評価がないと更新しないだけにとどまるんじゃないかなと…

気が向いたら更新します。


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2.親方、空から天災が

見る方によっては、お見苦しいところが多々あると思われますので、ご不快な思いをさせてしまう方には先に深くお詫び申し上げます。


どうも、私です。束さんです。

 

 

前回、更識のおっさんがまだピンピンしていることに違和感を覚える方々も多いと思い、一応説明しておきますと、多分原作では私を利用しようとした組織に関する任務で死亡したのではないかと予測しています。

 

 

まあ、まだ死期ではないという可能性もあるように見えますが、キラキラネームにしてももっとひねるところがあっただろうと、突っ込まざるを得ない更識の姉のほうが、斬る側から守る側にジョブチェンジするまでの期間が延長されたのは確定事項なので、間違ってはいないはずです。それ以外の原因で更識のおっちゃんが早死にするなら、それはそれで運命には勝てなかったと、ヤムチャポーズで死ぬかもしれないおっさんの目をそっと閉じてあげることにします。

 

 

予定は未定なので、どうなるかはわからないままのほうが、シュレディンガーの猫的な意味で楽しめそうです。

 

 

今私が何をしているかというと運よく亡国企業日本支部発見したので水没させるところです。地下の岩盤に衝撃を加えて、その下に流れている地下水を一気にあふれさせるという、どこかの童貞坊やが思いつきそうな戦略を実戦で使ってみる企画です。水死体が出来上がる間に今までの束さんの功績や財産状況などを確認しておきましょう。

 

 

暇つぶしに数学の難題をいくつか解決して、学会での評判はまあまあと言ったところです。まだISコアみたいなぶっ飛んだ物質を公表するにはまだ足りてない信用ですが、何事もコツコツと積み重ねることが大事です。

 

 

それから人工知能による自動売買システムだけで大手投資バンクを設立ができるほどの資本を築き上げました。具体的にはメガバンクが動かせる金額の総額に匹敵するほどになっております。目立ちすぎてしまいましたが、私の狂った精神を一ミリたりとも動かせないといえるでしょう。

 

 

というのも、お金はいくら使ってもその時代の人間ができることしか再現できないので、私ができることを他人にやらせるだけの手段に過ぎないという、天才からしたらただ手間を省く手段でしかありません。何なら人工知能を搭載したロボットを量産して、それに全部任せることだってできるので、やはりお金は手段ではあっても目的にはならないってはっきりわかるんだね。

 

 

それより大事なのは、大金持ちになると、いくらばかげたことを話しても聞き入れてくれる人は増えるという事実です。ただのハゲたおっさんでしかないのにも関わらず、金持ちだからってツイッターなどでのフォロワーは100万人以上で、しょうもないことを延々と喋っていても人々が聞く価値のある正論をぶっ放しているんだと勘違いされるものなので。

 

 

そんな柔らかい銀行を作ってからやりたい放題やってる、日本に住んでいながらも死ぬまで心が外国人であることを、何かのステータスかのように自慢してる頭のおかしい、ただのお金持ちのハゲの話は置いといて、要は財産の規模は聞く価値があるかどうかの基準にもなりうるということなんです。

 

 

アメリカだとまだ自分たちの国の中にとても大きな砂漠を抱えているにもかかわらず、そこを人が住む環境に変えることより火星に人を送ることを義務感だけで喋っていても、真剣に聞いてる人が大勢いるという、不条理な現実があったりするので、私が金持ちになってからには、露出度が水着と大差ない一張羅で大気圏突破できますからと、世間に公表しても大した問題にはならないんじゃないかなと密かに期待を膨らんでいます。私の胸も、未だに傲慢なロリコン、26歳から定期的にもまれることで膨らんでおります。

 

 

そんな、全方位に喧嘩を売るようなことをだらしなく喋ることで時間を潰してから現場に向かいます。前回は炎攻めで、今回は水攻めでございます。死体を確認、ぶよぶよとした肌は少し引っかければ破けそうな強度まで下がってると思われ、実際どこかに引っかかって切れた部分は脂肪までもが綺麗に切断されています。

 

 

観察する価値があったわけではありませんが、万が一にも生存者がいる場合は拙いので、生命反応をスキャンしたところ、お魚さんしか発見できませんでした。今日のおやつは水まんじゅうにしようと思います。

 

 

今回の件は不運な事故として処理されることでしょう。

 

 

通りすがりの暴走族を捕まえて、水の中にダイブさせてもらったりもしましたが、特に意味はありません。あえて言うなら、集団でしか暴走できないくせに、暴走族という御大層な名前を持つことにイラっとしたのが原因じゃないですかね?

 

 

バイクは使い物にならないでしょうけど、水死体と戯れるという、滅多にできない経験ができて豊かな心を持つことができたんじゃないかなと、親切の塊である束さんからの配慮です。思いやりの心とも言えます。

 

 

なお、苦情は受け付けておりませんので悪しからず。

 

 

そういえば、私こと束さんは、いつの間にか卒業論文を完成させて、晴れてこの秋に大学の卒業生となりました。冬の間はアメリカに残って、投資バンク関連の仕事を片付けたり、株式売買に使う人工知能をアップデートをしたりと、もうやり残したことは、あんまりないです。

 

 

クリスマスには家族を豪邸に招待して、素朴なパーティーをしました。うちは神社ですが、豪華なクリスマスパーティーをすることに抵抗などはございません。金にがめついのがよくないことだと、親戚一同からは白眼で見られたりもしますが、同時に甘い汁を吸いたいがために群がって来たこともありました。

 

 

しかしながら親戚だからと我が物顔をするのは如何かと思い、留学や見込みのある事業など、自らやる意志のある場合ではない限りは、一切の優遇はさせないでいます。それ以外の親戚の使い道があるとするなら、元旦の年越し参拝などにお金を握らせて押し付けることくらいです。

 

 

八百万の神様を怒らせるようなことを平然とやってのけることで、天災としてのノルマを達成しつつ、派手で楽しい、狂乱のクリスマスパーティーを頑張った次の日にはなぜか私の処女膜がなくなっていました。

 

 

犯人は自分の指だったという、閉まらない落ちから一転、スコールの処女膜もこの際なので開通しておきましょう。平気平気、そんなものなくても死にはしません。引きつった顔で血が付いた私の指を凝視するのはやめていただきたい。その年まで処女を拗らせてから思春期のロリに手を出しちゃうやつに処女を守る権利なんて存在しません。

 

 

しかしながら寒い寒いニューヨークでの日々はもう懲り懲りなので、私は日本に帰らせていただきます。付いてくるんじゃないぞ。

 

 

投資バンクの社員たちが、まるで捨てられたいぬっころみたいなしょんぼりとした目で空港にまで来て私を見ていましたが、絵面だけを見ると、可愛いロリっ子を囲むおっさんたちという、異様な集団なのをおわかりいただけないだろうか。

 

 

そんなこともありましたけど、無事日本に到着、取材しに来た記者たちに適当に受け答えをしながらリムジンに乗り実家に向かうふりをして、先に来ていたスコールと合流、そのままラウンジのある高級ホテルで優雅なひと時を…、過ごしたかったんですが、美味しく頂かれちゃいました。

 

 

いかれたサイコパス同士、気があいすぎたんでしょうか。まあ、若いころはみんな多かれ少なかれ火遊びを経験するものです。せいぜい火傷しないよう注意するつもりではありますが、あくまでそういうつもりでいるだけなので、どこかで酷い目に遭う気がします。

 

 

「私には関係ないわ。」

 

 

などと供述しており…、スコールさんと一緒に行動することのリスクは受け入れないとダメなようです。誰だよ過激派変態ロリコンなレズビアンに接近しようとしたやつは。

 

 

私でした。許してくださいなんでもはしません。

 

 

とまあ、人生のスパイスが思ったより辛かった件は置いといて、帰国してから何をしているかと言うと、動画投稿サイトなどを製作したり、IT関係の事業に挑戦しているところです。まあ、挑戦と言っても結果はある程度見えていますので、消化試合になると思われます。

 

 

いよいよ会社を作ったのかというとそういうことではなく。もともとある会社を買い取った次第であります。そんなことしなくても互いに食いつぶすまで後一歩のところだったので。IT企業は生産過程にC言語などのスタンダードが明確に存在するためか合併し易い側面を持っています。それ以外にもなぜか社長同士仲がいいとか、労働者側からしたらどうでもいい理由で合体するわけです。

 

 

規模が大きくなると進行するプロジェクトの規模も拡大できるということから積極的に合体しちゃうわけなんですが、別にそこまでする理由はないという事実に関しては、誰からも突っ込んでもらえません。まるで真夏の夜に見るいかがわしい夢のように合体しちゃいうわけなんですが、無責任な経営者たちにより会社の尻の穴が工事現場と化し、周りに酷い匂いやら汚い何やらをまき散らすわけです。

 

 

いきなりのITバブルの中、頭空っぽな判断で別にそこまでする必要もないのにも関わらず、根拠のない自信のもとに規模だけ増やすとか、需要もないのにまとまった金ができたからとやりたい放題やろうとして倒産するのはそう珍しい現象でもなく。

 

 

慎重さのかけらのない判断しかできないあほ共による才能の無駄遣いが広まり、IT関係の労働者がやがてはブラックな勤務環境にぶち込まれるという現実が待ってるわけです。その前に救済するにはどうすればいいかという話で。

 

 

技術革新により新たな産業が生まれても、需要がないとどうにもできないのが現実です。なら需要を作ることから始めないと、しょうもないことしかできないということです。

 

 

例えるなら、多くの技術を学んで、作ってるのは単純なシステムであるという、無駄に洗練された無駄のない無駄な動きをしてしまうわけです。まあ、人類がいつ無駄のない生活をしていたのかというと、そもそもそんな時代なんて存在しなかったし、これからもあり得ないので、いつの世にも無駄が生まれるのは当たり前とも言えます。

 

 

そんな無駄に需要を生み出すのが、私の計画です。つまるところ、今までとは違う文化での生活ができるよう、人々の常識から変えちゃおうという企画を実現するための第一歩です。

 

 

具体的には見込みのある人材がウロチョロしている、しょうもないことしかやってないIT企業をうちのニューヨークにある投資バンクが買収し、能力を発揮できるよう調整しちゃおうという、言わば私募ファンドの一般的なやり口に過ぎなかったりしますが。

 

 

まあ、ファンドの運用対象が前例のある企業ではなく、21世紀になってからわんさかと湧いてきたIT企業なので、それなりに違う気はしますが。

 

 

一般的に私募ファンドと言えば、不動産ファンドのことを考える人も多いと思いますが、公募ファンドと私募ファンドの差は投資信託か金持ちたちが集まってこそこそするかの差でしかありません。

 

 

私募ファンドの収益率がやたらと高い場合があります。特にアメリカでは経営のプロフェッショナルがアイデアはあってもろくな経営ができない素人会社を救ってあげる代わり、がっぽり儲かってもらうという、一歩間違えれば光源氏計画にも見られるような話です。

 

 

投資信託ではそんなことまではしない受け身の体裁で、説明するのは投資を受ける側であるという原則がありまして、私募ファンドは自分から行って勝手に利益を上げるという肉食女子の鏡みたいなものです。まあ、こういうのはやってる人だけがやってる感じなので、一般的かと言うとそうでもないんですけど。

 

 

ちなみに日本で流行ってる不動産私募ファンドは賃貸目当ての何のロマンのない、ただただしょっぱいだけの話です。

 

 

そんな感じで片っ端からIT企業を買収して人材のプールを活用できるような環境を作っちゃいました。アメリカから日本に金を移すのに莫大な税金やらなにやらが支払われましたが、まあ、全体の規模からしたら大した金額ではないので、気にしないことにします。

 

 

それからせっかく帰国したので、家族との団欒の時間も楽しんでおります。それなりに忙しくはありますが、箒ちゃんや苗字が篠ノ之になったマドカちゃん改めて篠ノ之マドカちゃんともキャッキャウフフと、露天風呂のある旅館を買い取って温泉旅行に行ったり、プールのあるホテルを買い取ってプールで水遊びをしたり、体育館を貸し切って体を動かしたりと、まあ人生満喫しています。

 

 

札束でおっさんやおばさんの丁度良く膨らんだ頬っぺたをびんたというか殴りつけながら、金持ちならではの道楽を楽しんでるわけです。まあ、買い取った後はいろいろを改善をしてもっと収益を上げるようにしているので、迷惑な金持ちとは一線を画すと言えるでしょう。

 

 

保護者としてロリコンに付いてもらったりしていますが、妹たちに手を出すとその手を切り取って、早々にサイボーグ化させてもらうよ?と脅しておきましたが、言われなくても私にしか興味がないみたいで、育ちすぎた陰獣の手は私だけを狙っております。人の目がある場所ではなるべく控えて欲しいところです。妹たちになまめかしい声を聴かせるのはさすがに天災のくずである束さんでも憚られます。

 

 

ショッピングモールとかには行きません。普通にブティックでオーダーメイドの服を作るので。とまあ、家族と言っても妹たちとだけ遊んでいるように見える私ですが、別に親との関係が悪いわけではありません。

 

 

父は堅苦しい道場の運営に余念がなく、母はいまだに神社の仕事をしているので、遊ぼう?と軽いノリで言っても遊んではくれません。金持ちになっても変わらない、社会人の鏡です。ただの堅物とも言えます。

 

 

ちなみに箒ちゃんもマドカちゃんも未だに幼女のままなので、金城で一番高い幼稚園に通ってはいますが、なぜか頭の切れるマドカちゃんならともかく、箒ちゃんとは大した話はできません。金城ではなく近所です。

 

 

「おねえちゃんだいしゅき。」と言った、お姉ちゃんのハートをブレイクしに来たりしますが、私は元気です。そのまま箒ちゃんに抱き着かれちゃいましたね。

 

 

子供のころからずっと親身に接したおかげか、ちょっと放任主義の気がある父親の職場で無駄に時間をすごすこともなかったのが彼女の性格を変えた原因になったんじゃないかと思われます。

 

 

お母さんはそもそも口下手なので、喋ることより聞くのが好きな父親とが相まって、原作での寡黙(暴力)なスタイルが定着したのでしょう。まあ、親の心子知らずと、よく言いますが、そりゃ二人ともそんな自分の心なんて口にしないからわかるわけがないだろ、いい加減にしろ。

 

 

こりゃ寂しい天才の原作束さんが生まれるのもおかしな話ではないかも?と、勝手に納得しそうになります。しそうになるだけです。やはり科学と工学だけにしか興味がなかったのは、普通に理解不能です。

 

 

閑話休題

 

 

なんで私がITで何かをしようとしているのかと言うと、世の中がもっと面白くなったらいいという極めて個人的な理由もなくはないですが、基本は軍事産業時代から文化戦争時代に変えようという、人類補完計画見たいな何かを実行しようとするわけです。

 

 

そもそも人々が娯楽にだけ目を向けるようになったら、ISを作ってから発表したところで、ロボットアクションよりかはそれで遊びましょという方向に向かう気がします。

 

 

前世でも、特殊部隊顔負けの飛行能力を保有している野生のモモンガが自撮り動画を取って有名人になったりしていました。イタリアなどで若者の間に流行っており、そのまま飛行中に帰れない人になったケースも少なくないという話です。

 

 

ここで注目すべき点は、軍用で使われたら計り知れない威力を発揮しそうな気がするモモンガスーツが、娯楽の対象でしかない点です。ISを開発したところで、兵器ではないと主張しても、その戦略的な価値に気が付かないはずがないので、人々の考え方そのものを根本的な部分から改革しないと、どう考えてもISで悪いことをしようとする人間が現れるわけです。仮に亡国企業を潰したところで、第二第三の亡国企業が現れたら元も子もないということです。

 

 

そんなわけで、コンテンツを作りまくって、世界平和を実現させようという、ちょっとねじがぶっ飛んだかもしれないプロジェクトを始動します。まあ、放っておいても、普通にそういう方向に行く気はしますが、ISありきの世界はどうなるかわからないので。

 

 

それに女尊男卑とかという、わけのわからない思想が生まれることを許せるはずがない私としては、何とかして世界の在り方を変えてからISをその中に組み込ませることが理想的だと思っているわけです。

 

 

「ひと昔の独裁者でもそこまでは考えないだろうに。」

 

 

私のこのように壮大な計画を、ちーちゃんに話してみたところで言われました。ちーちゃんにはISを作ろうとしてることなども話しております。

 

 

転生云々の話は誰にもしてません。計画が実現できたら、ちーちゃんにだけは言ってみるのも悪くないかもしれませんが。

 

 

「ちーちゃんは反対しますか?私が世界を動かそうとしていることが、悪いことなんだと思っちゃうんですか?」

 

 

「いや、君のその考え方はとても魅力的でいいと思う。君の心がそのままな限り、私はいつまでも君の味方であり続けるさ。」そんなさりげなく口説いてくるちーちゃんには優しくハグするというお仕置きをしておきましょう。

 

 

決して恥ずかしくなって赤くなった顔を隠そうとしているからではじゃないです。ないったらないです。ちーちゃんの耳も赤くなってますが、見なかったことにします。

 

 

今更何純情ぶってるんだか。我ながら自分のことなのに不思議な限りです。原理を理解しても、説明できてしまっても、人の感情というのは一度生まれてしまったからには知らないうちにおかされてしまうものなのでしょう。

 

 

最初にちーちゃんを見た時、怒りがこみあげてきたのを未だに鮮明に覚えています。こんな可愛い子供をまるでモルモットのように同意も得ずに実験対象にした連中を八つ裂きにしたくてたまらなかったんですよ。覚られないよう、笑顔を作ってましたけど、多分不自然だったんでしょうね。少しだけ警戒されました。その後なんだかんだあって、心置きなく話せる友になりましたが。

 

 

原作でも無二の親友だったんですよね。無茶な計画にも付き合ってくれて。面倒見がいいというか。

 

 

積極的に連絡を取り合おうとはしないんですけど、一度会って話すと不思議と心が弾むんですよね。肉欲や情欲のない、互いを認め合う関係であると私は思っていますが、ちーちゃんのほうはまだ精神的に少しだけ不安定なところもあるようで、自分への愛が足りないと感じます。いつかはそういった、ちーちゃんの中にある闇を包み隠さず私に見せてくれることを期待しております。

 

 

とまあ、そんなわけで、一年ほど頑張って、いろいろやってみました。各種ジャンルのゲーム、3Dアニメの製作など、物語や設定が豊富で、二次創作にも使えるのを一通にりにやっておきました。例えば設定だけがとんでもなく長く、美少女がたくさん登場するなら、何でもいいという勢いで、RPGからアクションまでを網羅し、利益を度外して市場にばらまく方針です。

 

 

人の精神には戻せない時間に対しての補正が働いていて、例えば子供のころに楽しんだら大人買いをしてでも当時にやりたかったことがやりたくなり、集めたかったものを集めようとするものです。

 

 

これは自我の形成と関係のある時期の記憶であればあるほどその傾向が強くなり、その時の記憶は後になっても自我の維持にかかわるようになるので、そのまま抵抗できない誘惑にもなっちゃうわけです。言い方はあれですが、要は消える飛行機雲は追いかけたくなるという、ノスタルジックな感覚が常に記憶の奥底から無意識に働いているという話です。

 

 

つまり、自我の維持に使うエネルギーがあるとして、このエネルギーには自我の形成時期のエネルギーの循環に基づいていて、大人になってからも強い衝動として作用していて、思い出がただの思い出ではなく、重さを持つ、取り戻せない感情にも直結しちゃいます。

 

 

まあ、そのせいで小学校の同窓会などで浮気をする大人が少なくないというろくでもない現実があったりもしますが、文化の発展という側面から見ると、これは面白いと言えるような現象をいくらでも生み出したりします。

 

 

例えば、ドラゴンボールを子供のころに見た世代が大人になってからまた流行るというサイクルができ、ただ繰り返すだけではなくとある二次創作サイトで真っ白い地球人の美少女が劇場版ラッシュすらも制するという2000年代からの美少女文化がハイブリッドした作品が生まれたりするわけです。ちなみに私の中ではその時間軸の物語が正史を上書きしていたりしていますが、これは私だけなんでしょうかね?

 

 

そんなわけで、まずは利益を上げることより、種をばらまいて、長い期間を経て成長するまで待つという戦略です。まあ、生産システムを作ってるだけでまだそんな多くの作品が製作されているわけではありませんが。利益度外視してても最大の株主も私が実質所有している金融会社で、事業を成り立たせるのも私のポケットマネーなので、良質のコンテンツはぽんぽん生み出されています。

 

 

社員への待遇も北欧レベルにまで上げていて、会社内に保育園や体を動かせる場所や、お昼寝ができるスペースもあります。そこそこ金を使っちゃいましたが、また例によって人工知能を使ってお金を吸えば一瞬で補填できるので。言わば金策チート状態です。この際なのでろくなことをしない企業などはできあがる前に潰しておきましょう。こっちは資産規模が3桁以上違ったりするので、生まれたてのIT企業ごとき相手になりません。

 

 

あほな連中に天災が降り注いだところで、私は変態ロリコンなお姉さんにおっぱいを揉まれに行ってきます。

 

 

サラダバー。

 

 




今回は前回よりは短めでしたが、次回もこのくらいの分量になるかもしれません。
ご理解をお願い申し上げます。

それと、打たれ弱いので、叩かれると消すと思います。すみません。まあ、そうじゃないなら気が向いた時に更新します。


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3.寂しいウサギは遊ぶ時も全力を出します。

リアルメンヘラな作者がメンヘラな主人公を書くって、これもうわかんねぇな。
まあ、やっぱり雑談見たいな作品になっちゃいましたね。内容がなくても何とかなります。(そんなわけがない)


前回までのあらすじ。

 

 

猫カフェを経営する頭がお花畑なロリっ子美少女、篠ノ之束さんはある汚い雨の日、震えている野獣先輩を拾います。

 

 

「汚いから捨てておきなさい。」という、親からのド正論を無視して人類ポカン計画を発動する束さん。これには道草を主食にしているなんちゃって草食系なおっさんたちもにっこり。

 

 

その間に驚異的な回復力で体を温めた臭い野獣先輩はロリっ子に提案しました。

 

 

「僕、実はネコなんだよね。だから僕と契約してタチになってよ。」ネコ?タチ?何のことやらさっぱりな束さん。

 

 

「ごめんね、私、本当は女の子なんだ。見ればわかるよね?わからない?わからないか。それと中の人的にお前のようなわいせつ物なんかよりフェレットのほうが好みかな。」汚いからね、仕方ないね。

 

 

「うそん。」

 

 

野獣先輩は衝撃のあまり死にました。汚いので急遽管理局の白い悪魔ちゃんになってしまったロリっ子は太平洋のど真ん中に野獣先輩の死骸を捨ててこうよと画策。

 

 

通りすがりの未来から来た戦場カメラマンが何の前触れもなく唐突に魔術師に変身、海洋汚染を防ぐために召喚したのは味方殺ししか能のないくそ雑魚槍兵。

 

 

しかしこの世界に魔術師なんて外道な人種はいらないと、ウサギ王国の国民が反発。国会の前でデモ行進を行おうとして、無慈悲な女王様からお前ら邪魔だと一掃されました。あーもうめちゃくちゃだよ。

 

 

そんな中、くそ雑魚槍兵はロリっ子との対決を前にマスターと同じ声のちーちゃんを口説き始めよとして、

 

 

「ちーちゃんは渡さないんだから!」と、嫉妬と憤怒に燃える真砲少女が独裁国家の弾道ミサイル基地をハッキング。

 

 

くそ雑魚槍兵に向かって発射することで早々に問題を解決するのもやぶさかでない。

 

 

「死ぬほど痛いぞ。」痛いだけじゃなく情けなくも死んでしまいましたがそれは。

 

 

くそ雑魚槍兵は雑魚なだけに雑な捨て台詞だけを残して脱落、通りすがりの未来から来た戦場カメラマンは何となく気まずくなったので本来の時間軸に帰還いたしました。

 

 

皆もいかれた天災ロリっ子には気を付けようね!

 

 

という夢を見たのさ。

 

 

そんな元ネタがわからないと一マイクロメートルも面白くない、ただ寒いだけの話はなかったことにして。

 

 

本編スタートです。

 

 

今日も元気に頑張る篠ノ之束さんですが、最近になってから思うところがありまして、そんなには頑張らないことにしました。どれほど頑張らないかと言うと、嫌いな食べ物は食べないけど好きでも何でもないけど食べられる食べ物はなるべく食べるようにするくらいには頑張る感じです。

 

 

全然頑張ってないって?いやいや、頑張ってますよ。想像してみてください。好きでも何でもない、別にあってもなくても困らない食べ物を黙々と食べる。頑張らないとできないんですからね?

 

 

まあ、こうなった原因がありましてですね。何かを頑張るためには頑張った後に何かがあるって、期待できるからなんですよね。ほかの人はどうかは知りませんけど、少なくとも私は頑張った結果大したことがないってわかっていたら頑張りたくはありません。

 

 

痛みと快楽を混同するレベルの高い変態さんなら結果より痛みのほうを目的にしちゃうかもしれませんが。私は天災ではあっても変態ではないんですよ。少しは変態かもしれませんが、積極的な変態ではないんですよ。

 

 

原作束さんみたいに自らアイアンクロウをかけられに行ったりはしないってことです。ちーちゃんと私は仲良しですからね。さりげなく髪を撫でたり、指を絡ませたり、膝枕したりされたり。それ以上はしませんけど。あれです。私とちーちゃんはプラトニックな関係です。

 

 

互いに愛人ができても許しちゃいます。スコールを見るちーちゃんの目がすごく怖かったりしますが、多分気のせいです。

 

 

ちーちゃんに彼氏ができたら洗いざらい調べて、少しでも問題があったら密かになくなってもらう予定ではありますけど、どこに出しても恥ずかしくない人物なら私からも応援しますよ。ええ。血の涙でも流しながら応援しますとも。

 

 

そんなどこからどこまでが冗談なのかわからない話はこれくらいにしときましょ。

 

 

本題は私がなんで頑張らなくなったのかなんです。そりゃ、今の時代、頑張らなくても別に問題なく生きることだってできますけど、むしろ日本人は頑張らないほうがいいって、一番言われたりしますけど。私は天才なので、最初から肩の力は抜いてます。肩の力と天才との関係性は、まあなくはないとだけ。緊張する天才ってあまり天才らしくないでしょ?そういうことです。

 

 

これは天才ならではの悩みな気がしますけど、そうですね。あまり人や物に何かを期待しても大した結果は得られないってもうわかっているんです。大人になりました。まだ年齢的には子供ですが。

 

 

天才としての自分のスペックと一般人と大差ない自意識の間で四苦八苦しながらも何とか適応し、ようやく物にした感じですかね。

 

 

世界を俯瞰する神の視点までは行かなくとも、何がどうなってどのような流れでここまで来たのか、歴史を見る目もできまして。同時に今この瞬間何が起きているのかを、ハッキングなどのスキルを使って把握できて、人々の心の動きも何となくわかる。

 

 

つまり、時間軸、空間軸、人の動きの三つを掌握した私に隙はないってことです。

 

 

嘘です。隙はあります。いくら天才な束さんでもわからないことはわからないんです。まあ、大まかな流れはわかっているということです。例えば来年にはどういうカラーリングの服装が流行るのか、アメリカの次の大統領は誰になるのか。

 

 

ただのビッグデータを頭の中に叩き込んで、知らないうちに勝手に演算してるだけかもしれませんけどね。それなら普通にスーパーコンピューターと同レベルな人間の脳の性能を活用しているに過ぎないと言えなくもないですね。そんなことができてる時点で天才ではありますが。自慢じゃないですよ?客観的な自己分析です。

 

 

そう言い張ってるだけとか言わないでください。私だって自分が見る角度によっちゃ痛いやつかもしれないって自覚していますからね?

 

 

とまあ、天才としての束さんは少しだけ寂しくなりまして。結構高いところにまで来てしまって、降りられなくなったネコみたいな状況かもしれません。

 

 

人からは猫よりウサギさんなイメージを持たれてしまう私なんですが、自分ではわからないものなんですねぇ。ほら、束さんにだってわからないことがあるでしょ?

 

 

世界を理解すればするほど世界そのものとの距離はどんどん離れて行くんです。なんでその人がそのような行動に出たのか、何でそのような現象が起きたのか。

 

 

何もかもわかってしまっても寂しさだけはどうしようもありません。束さんも人間なのです。誰かがそばにいてくれたらいいのにと、寂しさに枕を濡らすこともしばしば。

 

 

家族も友人も何かを話せる人もいますが、そうじゃないんですよ。私が知っている、私が見ているこの景色は他人とは分かち合えないものでして。こういう話ありますよね。

 

 

ある日突然みんなバカになってしまって、以前までは話せばわかることを、そうなってからは何を言っても誰もわからなくなって。一人だけバカではない現実を耐えられなくなって、自ら進んでバカになる薬を飲んじゃうんです。井戸の水だったかな?

 

 

まあ、そんな感じで私、少し休み休みしながら頑張っています。例えばロスアンジェルスにて高層ビルを買って、暇なときに誰もが天才な頭脳を持っていたらやってみたいことに挑戦している次第です。

 

 

脳内で見る映像を記録媒体に保存する、脳波だけで操縦できるロボットを作る、動物の言葉がわかるような機械を作るなどですね。

 

 

全部を同時にやってますが、全部できそうなんですよね。そして3ヶ月も経たないうちにできてしまいました。

 

 

脳内の映像を記録媒体に投影、これは脳のシナプス活動をそれぞれの思考にパターン化し、そのパターンによって再現される映像を実際の映像との違いと比べながら少しずつ修正してみたところ、特定の神経回路の活動をそのまま映像として再現することに成功しました。試行錯誤といろんな資材を調達するため一か月ほどかかりました。

 

 

次は脳波で操作できるロボット。これはシナプス活動を投影する技術をそのまま応用して、一週間で完成です。ちょっと簡単すぎて拍子抜けしまいましたよ。その次は動物の言葉がわかる機械。

 

 

これは普通にビッグデータを取りスーパーコンピューターにぶち込んで解析、翻訳ソフトを作ってみました。

 

 

ちょっとごり押しなやり方だったんですけど、科学者にはこんなものが日常なんですよねぇ。ちょっとビッグデータを取るだけに様々な動物園で協力を申し込んだりスーパーコンピューターでビッグデータを分析できるプロトコルを組み込んだりと、それなりに時間がかかってしまいました。

 

 

一番長かったですね。ほぼ二ヶ月かかりましたよ。

 

 

そんな感じで最近になって動物と会話できるようになった、天才博士篠ノ之束、13歳です。

 

 

異世界への扉を作って、異世界から魔法を学んでくることも選択肢にありましたよ。

 

 

途方もないほどの演算が必要だったので、ちょっと保留中でした。それがやることもなくなったので、暇なときにする研究として異世界転移を目標に頑張ることにしました。頑張る?頑張らない?わかんないや。

 

 

それでですね、異世界とは何ぞやという定義から始める必要があるんですよ。

 

 

我々が住んでるこの宇宙には4つの力があります。

 

この力を決める数式が少し違うと別の宇宙が誕生するだろうという仮説から、平行世界の宇宙は物理法則からして生身で行ってしまえば普通に大参事が起きてしまいます。単に宇宙空間を作り出せる力だけを宇宙定数と言って、その数字が違う場合での平行世界を仮定することもありえますが、どっちにしろ肉体が界を渡る時に発生するエラーに耐えられるとは思えないんですよねぇ。

 

 

つまるところ、仮に異世界がある場合、超えられない物理法則の壁が存在しているという話になります。

 

 

一般的にフィクションなどで平行世界と言うと、何かしらの事件が起こらなかった世界線のことを指す場合が多いんですが、そんなイベントの分岐点みたいに何かが起こるかそうでないかで世界の数が枝分かれしてしまうと、同じ宇宙法則を持つ世界が数多く存在することになり、その宇宙が何らかの形で衝突しないという保証がないんですよ。

 

 

それも確率的にはかなり高確率で、物理法則が全く同じな宇宙が平行線上に並べられたら、時間軸が共鳴し合い、ぶつかってから大爆発ってのもあり得るという話です。まあ、超越存在がいて、その存在により管理される場合はそれもないとは言い切れないんですが。それは考えるだけ無駄ってことで。

 

 

だから世界と世界の間には物理学的に超えられない壁があると想定し、それを超えるにはどうすればいいのか、ってところから始めないとだめですね。

 

 

ちなみに物理法則そのものが違う場合は人型知性はおろか、星や惑星が存在していないことだって想定できちゃいます。逆に普通に似たような知的生命体が存在している場合もありますが、そうでない確率が高すぎるわけでして。

 

 

どれくらいかと言うと、運よく物理法則の壁を何らかの手段を用いて超えた後の世界に知的生命体が存在していて、それが人型で、人間に友好的な確率は死んだ人間が復活したらその瞬間頭上に雷が落ちて、フランケンシュタインの怪物に変わるほどの低確率です。

 

 

またその世界に魔法が存在していて、そこで学んだ魔法をもとの世界で使える確率はそうやって生まれたフランケンシュタインの怪物が実は超能力を使えるくらい突拍子のない話になります。

 

 

しかしそこは天才の本懐が試されるところです。要はあり得ないほどの低確率ではあるけど、完全にあり得ないと言い切れないってことなんですからね。

 

 

最初に物理的に違う別の宇宙を観測するための何かしらの手段が必要で、その手段を用いて片っ端から探し当てる。まさに途方もない計画です。普通に幻想郷見たいな地球内での秘境を探すほうが簡単な気がしてきます。

 

 

「見ているんでしょ?八雲紫。」と虚空に向かって喋ってみたら隙間妖怪が現れてくれたりしないんですかねぇ。

 

 

「あら、どうしてわかっちゃったのかしら。」と、本当に妖怪の賢者さんが現れてくれましたが、今のところ人々から忘れ去られ幻想入りするつもりはございません。

 

 

「私から呼んでいて申し訳ないんですけれども、まだそちらに行く気はないので、お引き取りください。」

三日ほど寝ずに可能な数式や理論を片っ端から検討してみたところ、いよいよ幻覚が見えてきたようです。

 

 

すっと隙間を閉じる八雲紫。なぜか残念そうにも見えましたが、多分幻覚です。この世界に幻想郷なんて存在しません。存在していても後で確認します。今じゃない。

 

 

私は今自分がいる34階のビルの一室のソファーで横になり、そのまま眠りにつきました。幻想入りする夢を見た気がしなくもないんですが、もう忘れてしまいましたよ。

 

 

ええ。酒吞童子の伊吹萃香ちゃんと将棋をして勝ったので、首を取っていきな、などと戯言を言っていたので頬っぺたにチューだけしようとして、そのまま本番になった記憶があったりなかったりしますが、ただの夢なんです。鬼の性欲を舐めてましたね。もう腰が…。普通に動きます。だから夢ですって。

 

 

そんな茶番はさておき、物理法則の違う平行世界を観測するために必要なことは一つだけ。ブラックホールです。なぜブラックホールかと言うと、空間を形成する力の一部が圧迫され続けているからなんです。

 

 

ブラックホールが宇宙を壊せるほどの力を持っているかというとそういうことではなく、ブラックホール内での時間は限りなく伸びています。宇宙を平たんなカーペットだとすると、ブラックホールはその上に重荷を置いた状態です。カーペットを維持する繊維=時空間だとして、それが伸びてしまっているということです。

 

 

こうやって伸びた繊維と繊維の間に宇宙の外側を観測するヒントがあるんですよ。

 

 

まあ、今まで一度もその宇宙の外側を観測できた例がないと言われていますが、それはブラックホールを光学的な手段、或いは電子波などを利用して観測していたからなんです。人体がまとう気も観測できた私にかかればちょちょいのちょいです。

 

 

と言っても、手ごろなブラックホールを発見したところで、それからが問題なんですよね。

 

 

宇宙の外側に本当に何かがあるとして、それがおぞましい何かでないという保証はないわけでして。いちいちビビってたら何も始まらないので、一思いに観測を開始しちゃいました。ちなみにその手ごろなブラックホールはクエーサーです。銀河の中心部にある観測できる最大のブラックホールです。

 

 

ただのブラックホールではなく、空間にかかるエネルギーが膨大過ぎて光に変わって放出するほどです。さて、その中から時空間の隙間を探してみましょう。人工衛星を勝手にハッキングして使っています。

 

 

……それから記憶が曖昧なんですよね。いくら天才でも手を出しちゃいけない領域だったようです。とほほ。

 

 

収穫はありましたよ。宇宙の外側には何もかもがごっちゃ混ぜになっていて、情報の塊が生物みたいに存在している感じです。何というか、神の世界があるとするならそんな感じなんじゃないでしょうか。情報が物質であって、物質が情報である世界。宇宙の外側は異世界ではなく、もっと別の何かでしたとさ。

 

 

そこからずっと観察していれば、もっと他に何かが見つかるかもしれませんが…。ちょっとsan値がピンチになってしまうのでやめておきましょう。

 

 

次はプランBです。人の死を利用する方法です。人が死んだら魂が抜けてどこかに行くとか、人類が思考するようになってから今までずっと議論されてきた話題です。

 

 

未だに謎なんですよね。しかし私こと転生憑依束さんと言えば仮に一度は死んだ身、仮説を立てておきましたよ。先ずは便宜上、魂を現代物理学で言う観測者だと定義します。観測者一人にそれぞれの固有の時間と空間が与えられることになりますよね。相対性理論では観測者が属している加速度により生まれた空間がその存在の時間軸を定義することになります。

 

 

簡単に言うと観測者が動くと観測者の時空間がそれに伴い変わるということです。地球内では誤差の範囲ですが、ブラックホールなどの時空間の特異点に近づいてしまえばその差は明確なものになります。

 

 

人が今同じ時空間の中を生きているのも、宇宙時代が始まれば難しくなるかもしれませんね。どうしてこう、人類文明は科学が発達すればするほど個人を孤独に導いていくのでしょう。何かしらの作為を感じます。

 

 

それよりなぜ人の死を利用しようとしているのかなんですけど、別に国土錬成とかがしたいわけじゃないですよ?死んでしまうと観測者としての時間がそのまま止まってしまうことになります。どのような物理法則にも引っかからなくなりますから、魂の存在をこちら側から観測できないってことは、こちら側とそちら側の観測領域が繋がってないという解析もできるわけです。

 

 

仮にあの世があるとして、あの世はこの世と時空間的に隔たりがあるということなんです。もちろんあくまで観測者がその場所から消失しているという仮説の上に成り立っているに過ぎないんですが。要するに単なる空間軸での転移である可能性だってあるわけなんです。

 

 

ここじゃないどこかに、例えば私が観測した世界の裂け目から見えるあの不思議な情報空間のような場所に。魂が消滅してないという可能性にかける必要もありますけどね。

 

 

本当、あれもこれも可能性の話なんですよ。これだから科学的な発見は難しいものなんですよねぇ。可能性の上に可能性を重ねて、それを地道に検証していくという。ある程度直感も作用しちゃいますけどね。

 

 

私が注目したのはその世界から観測されない存在となるというのが、物理法則の壁を突破することにもつながるんじゃないかという、やはりとんでもない規模の話なんですが。

 

 

異世界転生が本当に可能かどうかを検証することにも繋がっちゃいますね。しかしながらそんな物理法則の壁を超えた存在をどうやって観測するかという難題が待っているわけでして。

 

 

ここで私は魂にアンテナを付けてみる方法を模索してみました。さすがにあり得ないオカルトの話のように見えますが、観測者はどのような時空間の流れにいてもその中で見られる光の速度はいつも同じなんです。

 

 

これが相対性理論の一つ、光は観測者が光の速度で動いていても常に光が持つ速度を保つという現象です。そこで観測者が経験する時間そのものが違うことになってしまうわけなんですが。

 

 

しかしながら観測者が世界から隔離されてしまうと、光すらも見れなくなってしまいます。ここで、量子力学的の要素を入れてみます。粒子はただ原子としての性質だけではなく、その中にもいろんな構成要素を持っているんです。

 

 

回転数、質量、電子そのもの構成する粒子。これは理論的な粒子、つまり量子であり、特定の性質を持っているとされています。

 

 

理論的な量子って別に実在すると証明されてないかとかそういう話ではなく、小さすぎてその粒子が残した痕跡でしか存在がわからないものなんです。一般的には粒子加速器を回して、脳筋さながらの膨大な運動エネルギーを一つの粒子に集約、何かにぶつけさせてから壊れたら壊れたでそこからエネルギーのパターンを検出、そこから量子の存在を確認する感じです。

 

 

しかしながら観測者が存在するかしないかによって観測結果に差が生じます。観測者効果とも言えますが、一般的にほぼすべての素粒子の動きは観測者がいるかいないかによって結果が変わります。

 

 

ただ一つだけの例外がありまして、観測結果と関係のない量子を検出する過程で必ずその場にある空白だけの幻の粒子が理論的にはあるとされています。これがいわゆるヒックス粒子、何の情報量も持ってないけど、すべての粒子の中にあって、その粒子を粒子と定義するためだけに存在します。だから神の粒子などという名前で呼ばれたりしますが。

 

 

魂が観測者だとすると、時間が止まった世界では粒子が持つ数字的な部分、エネルギーのパターンや回転数などが無意味なことになります。

 

 

つまるところ、すべての運動量が停止するというわけなんです。じゃあ残るのはその粒子を粒子として定義する最小の単位だけ、ヒッグス粒子だけが観測者には見えるのではないかという、ちょっとだけぶっ飛んだ仮説です。

 

 

ここで観測される側のヒックス粒子に、もっと具体的に言うとこれから死ぬ人間の近くにある適当な空間の中にヒックス粒子だけに細工をしておくと、その人物の死亡時にヒックス粒子が反応してしまうわけなんです。

 

 

これに粒子の空間内での座標をそれぞれ指定しておきます。指定した座標から全く別の法則を持つ粒子を散発的に拡散させ、一致する場合だけ観測者が今いる座標の数値と伴って反応するように調整。そこから反応した粒子だけを確認して、その粒子が持つ固有の運動量などからその魂が向かった世界の物理法則を逆算するという寸法です。

 

 

ちなみに自然界で一つだけ別の法則で動いている粒子ができたら膨大なエネルギーを残して衝突し消滅するか、エネルギー量を外部から取り入れてその粒子が持つ元の状態に戻るかのどっちかになると思われます。

 

 

つまり不可能な検証であると、言えなくもないってことなんでよすね。

 

 

しかしここはまた天才としての力量を試される場面です。真空状態で粒子をいじくるのは光の見えない闇の中で女の子の体を弄り回すのと同じくワクワクするものなんです。

 

 

そして真空状態を何とかして作り出すことさえできれば、そこからは真空状態で保存されている粒子が漂うボックスを死ぬ寸前の患者さんがたくさんいる病院を囲めば…。

 

 

痛っ!誰だよ私の腕を掴んだのは!

 

影が差して見上げてみれば、腕が私の足よりも一回りは太いふくよかな体形の警備員の服装をしている黒人おばさんが鬼のような形相で私を睨んでいました。

 

 

『何をやってるんだい、君は!』しまった、病院に話を通すのを忘れていました。

 

 

『ちょっとした検証を…。』

 

 

『こんなボックスで病院を囲んでかい?大人を揶揄うんじゃないよ、お嬢ちゃん。爆弾にでも間違われてみ?警察が動いて大騒ぎになるんだよ。これで停学でもされたらどうするんだい?親御さんがどれだけ君を心配しているのか、君はわかっていないんだよ。』くっ、めっちゃいい人やん。もう大学も卒業してますって、言えない雰囲気じゃないですかやだー。

 

 

『別にこれは爆弾じゃなくてですね…。』

 

 

『親の電話番号を教えてくれるかい?』問答無用だった。

 

 

『お、親のことは別にいいでしょ?私は御覧の通りの可愛い天才ウサギさんなんですよ?』

 

 

『あら、まあ。それで、親の電話番号は?』

 

 

『え、ええと…。』

 

 

この後めちゃくちゃ怒られました。くすん。

 

 

一応誤解は解けました。説明するのに難儀しましたが、私が有名人でしかもセレブだってわかったとたん、金持ちは変なことするんだよなぁと白い目で見られましたが、私は元気です。

 

 

異世界に行くのは死んだ後にでも考えてみることにしましょ、そうしましょう。

 

 




次回は何かしらのストーリー的な展開があるんじゃないかなと、自分で書いているくせに予想してしまう無責任な作者のくずがこの野郎。本当すみません、何でもはしません。


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4.束さんにISが救えるか!?

はい、ちょっとだけ長いですが…。まあ、あれです。別にネタ不足ではないとだけ。


「いくら優れた技術があってもその技術を使いこなせる人が何も考えていないと大したことはできないのは歴史が証明しています。今まではそういった技術は戦争のために使われ、何かを生み出すより何かを破壊することを目的としていました。

 

 

仮に何かすごいことができたとしても、使う人がまともな発想ができない限り、文明にとってそれが発展的な方向に作用する可能性はとても低いと言えるでしょう。そんなわけで、年々発達するハイテクな産業にもそれを制御するためのシステム、具体的には凝り固まった勤務環境から労働者の自律的な行動を尊重する方向に全体的な改善を行う必要があると…。」

 

 

スコールが経営者たちが集まるセミナーで発表しているのをモニター越しに見ながら私こと束さんはお風呂に入って最近の疲れを取っています。

 

 

なんで疲れてるかと言うと、今私はISコアを開発している途中なんですが、やはりというかなんというか、この子達は女しか受け付けないそうなので、その原因がわからず四苦八苦しているところなんですよ。

 

 

ロスアンジェルスでの迷走から半年。私はドイツのユーリッヒに作った研究所にてそろそろISを作っておかないとちょっとやばいかもと、謎の危機感をもとに行動を開始しました。

 

 

ユーリッヒに研究所を作ろうとしたのは普通にここが景色がいいからなんです。粒子加速器を持つ欧州最大の研究所の一つがあるのも大きな理由ですが。束さんの研究所はそこに便乗する形となっています。

 

 

そんな大規模な研究ではないんですよね、やってることが実質魔法と大差のない新技術の開発にしては。

 

 

原作の束さんは実家のちっちゃな工房でやってのけたくらいなので、何倍も恵まれた環境の私にできない道理はないという謎理論で、ニューヨーク大学で学生生活をしながら大まかな設計だけはし終わっていたISコアの開発に取り掛かりました。

 

 

しかしながら原作の束さんとは違って私は経済にも手を広げたちょっとした有名人でして、日本に帰国してからもいろいろやってはいましたが、そもそも日本はいくら天才だとしても子供が出しゃばるような環境ではないのでして。

 

 

例外的な存在となるために金やらなにやら使うこともできましたがさすがにそこまでしてやる理由がないというかなんというか。

 

 

要は別にそこまで目立ちたくないという、やりたい放題やっといて本当に今更ながらやる気をなくしちゃった私は日本での仕事の殆どをスコールに丸投げしちゃいました。

 

 

彼女はちょっと思想やら価値観やら偏ってはいても地頭がいいので、私から与えられた仕事を嬉々として処理してました。最近は白人で美人な外人の経営者として有名になりつつあります。なぜだか本名のメリッサじゃなくスコールという名前をずっと使っていますが。

 

 

「あなたがやってる時に私のことをそう呼んだんじゃないの。」と、スコールの弁ですが、何のことだか私にはさっぱり。全く記憶にございません。

 

 

「とぼけちゃって。まあいいわ。好きに使わせてもらうから。」そうです、好きにしてくださいな。私には関係のないことなのですよ。

 

 

それよりISコアの技術なんですが、最初に私はこれが何かしらのナノテクノロジーの産物ではないかと思っていました。原作でもISコアの誕生秘話は描写してないので基準にしていいのかどうかは迷っちゃうところではありますが、ISコアは束さんしか作れないという点を主軸に考えてみたんですよ。

 

 

ナノテクノロジーだとすると、分解してアルゴリズムを解析しようとしても、有機的に繋がっていて、これがなぜそういう機能をしているのかなどがわからなかったりします。ブラックボックス見たいなものであるという例えもあったような気がするのでそこからヒントを得ましたね。

 

 

代表的な例が人体です。それこそ死体とか科学捜査官からしたらブラックボックスのようなものではないですか。細胞まで分解したところで有機的に繋がっているからそれが特定の状況下で機能するのを見ない限りはなぜその部分が存在しているのかも説明できないのです。

 

 

つまるところISコアが膨大なパズルのように、ナノテクノロジーの組み合わせとして作られたというのが私の予想でした。

 

 

しかしながらナノテクノロジーにも限界がありまして、人が計算できる領域を明らかに超えているんですよ。

 

 

いくら天才でもそんな有機的かつ魔法的なレベルの技術を再現するのは到底無理な話で、よしんば似たようなものができたとしてもそれはナノテクノロジーを単独で使用しているとは言えない、むしろそういった場合はナノテクノロジーが付随的な技術であることが予想されました。

 

 

そもそも量子収納見たいなぶっ飛んだ技術はその技術の名称からして量子力学的な何かと思うのが妥当なのでしょう。

 

 

補足しますとナノテクノロジーの産物であるナノマシンとは量子力学的に手を加えないとそれ単体ではただの複雑な分子構造を持つ微細な物質に過ぎません。

 

 

そうですね、風車やぜんまい仕掛けのようなものでして、人間の細胞内にもそのような機能を持つのがたくさんあったりします。つまりナノマシンは複雑な機械としてのマシーンではなく、産業革命以前に単純な機能しか持ってない、特殊な分子の組み合わせです。

 

 

自ら目標を追跡して動くとか、他の小さな機械たちと連携を取るほどの複雑な設計をするにはいくら小さくしてもマイクロメートル単位の大きさが必要なんです。

 

 

ナノ単位のデバイスは作れないというわけではないですが、そこまで行くとウィルスのような半分は人工生命体見たいなものになってしまいますね。

 

 

整理すると普通にそれだけでも原子の配置を組み替えることなどはできますが、自律的な機能を持つナノマシンを作ることは、量子力学的に原子の内部情報を変えるほどの何かをしない限り不可能ということです。

 

 

しかし何ということでしょう。私でも思いついた技術、デバイスとして機能するナノマシンが量子力学的なテコ入れなしには作れないとしたら、そうしてしまえばいいじゃない、という逆転の発想ができちゃいます。

 

 

さすが束さん、やればできます。

 

 

先ずは原子を粒子加速器で回してエネルギーを集積します。具体的には“色”と呼ばれる原子が持つ力の係数が変動するまで加速させます。

 

 

それを真空状態で電子エネルギーを四方八方から加えることで位置的な安定性を保たせて、周りを少しだけ違う色で固めるようにします。要は“色”でグラデーションを作る感じです。

 

 

ここからが多分私以外は再現できない技術と呼ばれる所以じゃないかと思うんですが、詳細はこんな感じです。

 

 

グラデーションを作ったのは自然界ではありえない物質が外側に行けば行くほど自然界と融和するようにしてみたかったのが一つ。

 

 

もちろんながら中心部にはもとの状態に戻すためのエントロピーが作用しますが、そのエントロピーをグラデーションで分散することができるのが一つ。そしてこれが最も重要な理由なんですが、そんな感じで作った中心部が異界化しちゃう現象が発生する可能性があると、理論を組み立てる段階で仮説としてあったのが一つです。

 

 

前回に説明した、平行世界理論、具体的にはM理論と呼ばれるものなんですが、宇宙は異なる物理法則を持つ宇宙が連続的に繋がってるという理論があります。別にマゾヒストのMとかじゃないですよ?

 

 

まあ、今の人類の科学レベルで検証できそうな理論ではないので詳細は割愛しますが、要は原子のエネルギー量をこの宇宙では一般的でない数値に変えてそれを何らかの形で安定させることができれば、それ自体が異なる宇宙と繋がる媒介となってしまうわけなんです。これで量子収納は何とかなりましたね。

 

 

ですがこれがISコアか?と言うとそうではなく、この自然界ではありえない色をした原子でグラデーションを作って立方体にしますと単なる異世界への扉になるだけです。それも人間のような有機的な物質は通れない、無機物だけを通す扉なんですが。

 

 

仲は特異点となった、最も違う“色”をしている原子を中心にゆっくりと回転が行われており、その回転に干渉するには固有の波形から情報を伝達してまたは読み取る機能を付着する必要があります。

 

 

ここでアルゴリズムを組み込んだ、色を変えた粒子同士の組み合わせで小型の量子コンピューターを作ることになりますが。まあ、本来の量子コンピューター理論は時間軸ですらある程度は自由に動き回る粒子の特性を利用するもので、色だけ変えたこれは簡易的な量子コンピューターモドキ、とでも言っておきます。

 

 

それで、このグラデーションを作るためには固有の電子パルスで真空状態の中での特異点となる原子を固定し続ける必要がありますが、この技術、演算だけで成立するんじゃなく、束さんが観測していないとできないのです。

 

 

何を観測しているのか自覚している状態で観測し続けないといけない。この時点で色違いの原子の概念を理解できない人はコア製作が不可能であるということになります。

 

 

それからも固有の振動係数やらグラデーションの組み合わせ式など、束さんしか知らない法則というか技術がてんこ盛りです。実験の中で機材の管理や大まかな流れはほかの研究員に指示して何とかなりましたが、詳細を詰めたりデータをまともに分析できたのは私ともう一人…、なんでここにいるのかな?

 

 

「篝火ヒカルノだよ。」だそうです。できれば一人でデータ分析をしたいと思ってましたが。ちなみにこのユーリッヒにあるIS開発研究所の共同出資者はあのデュノア社だったりします。別に出資してくれって頼んでもなかったんですけど、デュノア社長の話によると、財界では目立ちすぎる天才投資家がヨーロッパ各地で優秀な研究員を抜擢したのが気になって調べたところ、何か起きそうだと直感したようです。

 

 

よければ一儲け、悪ければ世界有数の投資バンクの裏の重役の弱点を掴むことができるという、いかにも人間らしい手前勝手な考えですが。ISは私なしでは作れないんですよ。私がなかったらISも作れないんです。

 

 

それよりこの研究所に篝火さんがいるんですよね、なぜか。あれですかね。私が作った財団から、才能のありあまる人材をアメリカなどの大学に飛び級入学させるための資金を提供しちゃう活動もやってたんですけど。まさかその恩恵で私じゃない日本人の美少女がミュンヘン工科大学を早くも卒業してこの研究所に来るとは。

 

 

「まったく、誰がこんな経歴もない人を採用したんですか。」と言うか研究所の近くにある同じ寮で住んでて、今一緒に風呂を入っちゃってますが。後ろから抱きかかえられています。そんなに身長に差はないんですが。むしろ私のほうが少しだけ高いんですけど。なんでこうなってしまったんでしょう?気が付いたらいつもこんな感じです。

 

 

「束ちゃんじゃなかった?ツンデレなんだよね、束ちゃんは。」

 

 

「誰がツンデレですか。私は好きなら好きとはっきり言いますよ。デレたりはしません。」

 

 

「今日も張り切っちゃってさ。お姉ちゃんがマッサージしてあげよう。ほれ、無駄に重そうな脂肪の塊を…。」どこを触ってるんだか。後誰がお姉ちゃんですか。同い年なんですけど。

 

 

「あの、私、一応そういうのは好きな人にしてもらうことにしていますので…。んんっ…。」

 

 

「何艶っぽい声出してるの?全く、束ちゃんは変態だな…。」

 

 

「や、やめてください…。」

 

 

「普段はきりっとしてて格好いいのに、このギャップがたまらない!」

 

それからしばらくあっちこっちを揉まれてのぼせそうになったりもしましたが、私は元気です。

 

 

ちなみに私は無駄に優れた頭脳を使ってナノテクノロジーを利用し、減ってしまったら寿命も減ると言われているテロミアのデフォルト状態をコアネットワークに登録して、体調不良になるとマイクロマシンとそれに連動するナノマシンを注射して元の状態に戻すことにしています。施術時間は大体6時間くらいで、夜寝る時に注射器をぶっ刺し、起きたらさっぱりした気分になります。

 

 

それ以外にもやれそうなことはありますが、今は老化を止めること以外にはそこまで興味はないですかね。元の体のスペックも高いので物足りなさは感じません。

 

 

マイクロマシンの制御なしにナノテクノロジーだけを体内に入り込んだ場合は普通に毒です。そんなに万能物質ではないので、普通に有機物からしたら異物として扱われてしまいます。制御権のないゼンマイ(ナノマシン)エンジン(細胞)の中にぶち込んだところ、ゼンマイが機能的に動くことなんて、まあ普通に考えてあり得ないですね。

 

 

話を戻します。この特異点を中心にゆっくりと回転する謎の物体要するにISコア(仮)に量子コンピューターモドキを付けると不思議な現象が起きます。同じ特異点を持つ物質と勝手に繋がってしまいます。そして特異点の中の情報を勝手に連動させてしまいます。

 

 

そしてこの特異点は観測者にある余剰分の精神エネルギーを取り入れちゃって、自我のようなものが生まれてしまいます。自我のようなものと言うのはどこで考えているのかがわからないからなんです。

 

 

人間なら神経細胞の組み合わせなどがありますが、こいつにそういうのはないです。量子コンピューターモドキはあくまで外部の情報を取り入れたり自分の中にある情報を外部に送出するためだけの機能を持っているんです。

 

 

じゃあどこで考えているのか。これがわからない。このコアの中には情報の出し入れもできますし、無機物を収納することもできます。収納される時物質は当たり前ですがエネルギー量の変動が行われ、コアという媒介なしでは観測も接触できない、別の宇宙での物理法則に帰属します。

 

 

「束ちゃん、こいつを見てくれ、こいつをどう思う?」篝火さんがコア内に試しにステンレス製のスプーンを入れたり出したりしています。

 

 

「すごく…、アイテムボックスです。」

 

 

「本当それ!」

 

まあ、終始こんな乗りでやっていますが、そこそこ頑張って完成させました。運動エネルギーの制御やらと言った部分は、物理法則そのものにコアが干渉するようにデバイスを組み込めば何とかなる気がします。

 

 

ちなみに周りに私たちを暖かく見守っているおっさんおばさんの研究員の皆様方も最初は異次元ポケットに感動していましたが、最近はノリノリで遊んでいます。それと特に理由はないですが、研究所内での公用語は日本語となっております。

 

 

まあ、このアイテムボックスっぽい技術、普通に輸送などに使えば大革命が起こりそうなんですよね。悪用だってできそうですけど。まあ、コアに登録できる物質にも限界があるし、コアそのものを作るのも生半可な難易度ではないですが。

 

 

一つだけ、謎が残ります。どう考えても量子力学的なテコ入れは粒子加速器なしではできそうにないんですが、個人の工房レベルの研究所でどうやってこう言ったことができたんでしょう?

 

 

可能性としては最初に常温核融合技術などで膨大なエネルギーを得てそれを粒子に投射するなどの方法があり得そうではありますが、そんなことすると絶対目立つと思うんですよね。

 

 

なぜなら常温核融合などの膨大なエネルギーを生み出す技術はそれだけで世界的な大発見なので。IS技術じゃなくてそっちを発表したほうが…ってな感じです。

 

 

そうやって完成してから二週間。なぜ女性だけ運用できるってなんでなんだろうとずっと考えて考えて考え抜いて、何とか仮説を立ててからISと観測者の関係を細かく検証してみたところ、何となく理由がわかりました。

 

 

観測者にある余剰の精神エネルギーを使って自我を作るISはそれがないと反応しません。観測者は常に観測している行為そのものに含まれないエネルギーの空白を持ってる感じじゃないとダメってことです。

 

 

例えるなら氷水が入ったコップに蓋をして、小さな穴をあけてさかさまにしたら水だけが落ちますが、氷はずっと残っています。この氷が余剰エネルギーです。ISコアはこの余剰エネルギーを勝手に取り込んで起動しちゃうんです。

 

 

男性の場合、氷の部分が存在しないんですよねなぜか。女性は例外なく氷の部分が常に残っています。この秘密と言うか、構造を分析するために研究員たちに相談してみたところ、化学だけでは説明できない現象かもしれないというアドバイスをもらい、思い切って精神分析を勉強してみることにしました。

 

 

一人でやるのも何なので、フランスのパリ第八大学に通うことに。その前に日本に戻ってスコールの顔でも見ましょうか。まだ夏なので、新学期が始まる秋まで時間が空いちゃいます。別に恋人ではないですけど、一応気にかけている人なので。

 

 

「そういうのは本人に直接言わなくていいわよ。恥ずかしくないのかしら。そうね、あなたはまだ子供なんだから大人の恥ずかしさがわからないものね。」ベッドの上です。スコールと私は裸で抱きあっています。まあ、あれです。事後です。彼女の立派なお胸を両手で包んでからタプタプと揺らしちゃいます。

 

 

「そんな子供に先に手を出したじゃないですか。」その後に私からも手を出すようになりましたが。言わぬが花です。

 

 

「違うわ。あなたはずっと子供であっても子供じゃなかった。あなたみたいな子供、いるわけないじゃない。」

 

 

「じゃあ、あの子は?日本に連れてきたあの子、あなたと一緒にいるのでしょう?あなたがロリコンなのはその子を見ればわかりますよ。好かれているんですよね。責任取ってあげないとダメなんですよ。」

 

 

「オータムのこと?半年間一人にしてって言うから何をしたかと思えば、そんなこと考えていたの?」

 

 

「あなたの日本語が拙かったから学ぶ時間を与えてあげただけなんです、とも言っておきましょう。」

 

 

「減らず口をたたいたって気持ちは隠せてないわよ。嫉妬しているのでしょう?言われてから恥ずかしくなったのよね?」私は無言でスコールの乳首を口に含んでちゅっちゅと音を立てて吸っちゃいます。

 

 

「っあぁ…!なに?まだやり足りないの?」やった後なので敏感になってるんですよね。私もなんですけど。最近は私が攻める場合が多いんです。人が気持ちよくなるのを見ていると満たされる気がするので。

 

 

「よくないと思いますよ?人が真剣に何かを語ろうとするとすぐ茶化そうとするの。」

 

 

「性分なんだから仕方ないでしょ?それよりオータムってそういうのじゃないわよ。気に入ってはいるけど、あなたほどでもないわ。日本に来てからは早速恋人を作っちゃって私のことはもう忘れちゃったの。」

 

 

「あなたとの繋がりがあってからこそ私も彼女を見つけることができましたよ。それを彼女にも説明しました。望むならあなたとの関係を断っていいって、あの子が言ったの知らなかったんでしょう?私が頼んだんですよ。そんなことはしなくていいからスコールが寂しくなる時はそばにいてくれって。だから、その…、寂しかったんでしょう?あの子と一緒にいたんじゃないですか?」

 

 

「ふふ、デレるあなたはやっぱり可愛いわ。確かに同じ家で住んではいるけど、体を重ねたりはしないわ。あなただけよ。どう?満足した?」

 

 

「物事をマイナスな方向で締めくくらないと、死ぬ病気でもかかっているんですか、もう。」

 

 

「あんたの裸はプラスな方向にでも行けちゃうけど。」彼女に抱き着いている私の首筋をいやらしく撫でてくるスコール。

 

 

「変態、ロリコン。」

 

 

「もうそんな年でもないでしょ?もうこんなに胸が膨らんじゃって。」スコールが私の胸を左手で愛撫し始めます。やめてください、行ってしまいます。それと今の私は確かに14歳で、私のことが好きになってもロリコンじゃないと言えなくもないかもしれませんが、スコールの年齢を考えると……

 

 

「い、痛い。何するんですか。」耳たぶを噛まれちゃいました。

 

 

「今失礼なこと考えてたのよね?」

 

 

「スコールの年齢のことしか考えてませんよ?」

 

 

「それが失礼だって言ってるの。」今度は耳の穴に息を吹き込まれました。

 

 

「あぅう…、話が進まなくなっちゃうじゃないですか。」

 

 

「このままでもいいのではなくて?私たちはそんなに話し合う仲でもないわよ。」

 

 

「半年間ほったらかしにしたからって、拗ねているんですね。オータムじゃなくても私以外にも抱いている子はいるのでしょう?私じゃないとダメな理由でもありますか?ただ私の体で意地悪がしたいんでしたら…。んんっ」口を塞がれました。

 

 

「くだらないことを言うのはやめて頂戴。拗ねてるのはそっちなのではなくて?」

 

 

「なぜ私が拗ねる必要がありますか。好き勝手に過ごしていましたよ。あなたが来なくても一人で楽しく…。あなたはどうでした?楽しかったですか?」

 

 

「ふふ、どうだったかしらね。」

 

 

「別に構ってくれとは言ってないんですけど、連絡くらいはよこして欲しかったです。私に拒絶されたとでも思ってましたか?それとも私の命令には逆らえないとか、そんなことじゃないんですよね?」

 

 

「あら、いつ私があなたの奴隷になったのかしら。」

 

 

「違いますか?」

 

 

「愛の奴隷とでも言わせるつもり?」

 

 

「別に情欲でもいいですよ。」

 

 

「ふふ。」この後二回戦に突入しちゃいましたとさ。

 

 

そんな濡場もあり、妹たちやちーちゃんを含む数人の友人との楽しい時間を過ごして、私はフランスに向かいました。

 

 

結論から言うと、1年ほどですべての過程を終えて、女性しか余剰エネルギーが発生しないのかの原因はわかりましたが、解決するにはどうしたらいいのかがまだわからないんです。

 

 

まとめるとこんな感じです。女性は観測者になる時、世界との境界線が現れます。この境界線が存在する男性がいないのは女性が文明の中で再生産の役割を担っているからなんです。

 

 

女性は文明の再生産という、存在の余剰分を常に残す立場として外側から定義され、無意識の中でそれに従うようになっています。集団無意識…、とは少し違いますが、要するに時代、世界の決め事であり、大きなルールとも言えます。

 

 

自らのアイデンティティを作る過程で外側から介入されちゃうことになるので、自らを女性と定義するだけのオカマなどとは根本的な差が存在します。

 

 

何かしらの原因で妊娠ができなくなってしまっても社会のルールから女性であるということを位置づけられることになりますので、多分そういう現実的な機能とは関係のない部分で作用していますね、これは。文化的と言うのはちょっと重いというか。

 

 

政治や経済での存在をかけて繰り広げる、文明内でのゲームにて、女性の立場は歴史的にも部外者としての立ち位置を殆ど常にキープしていて、本格的に表舞台に出たケースはそんなになかったりします。

 

 

その結果、女性は社会的なアイデンティティに対しても常に一定の余剰分を残しておくことになります。この余剰分の精神エネルギーと言った部分が、量子力学的で言う観測者としての女性が持つ意識の外側にあって、ISコアこれお勝手に引っ張り出しちゃうんです。これにより当然の権利のように女性にだけ反応するISコアという等式が生まれてしまう。

 

 

この問題には普通にその余剰分のアイデンティティとやらを持つ非人間、外側から存在の余剰分を作られた超人として強要された一夏君のケースを見る限り、男性でもできなくはないと思いますが。どうすればそうなるのかがわからないんですよね。

 

 

天才もお手上げってわけじゃなくて、まあいろいろ思いついたのはありますけど、それで本当にいいの?!って自分でもちょっとよくわからないと言いますか。

 

 

解決案はこうです。コアが反応することで人が量子ネットワークにアクセスできるようになります。しかしこれはアクセスと言うより、自我の外側を投影することに近いです。コア自体が観測者の意識の余剰分を自分も知らないうちにその中に取り込む。観測者は観測するだけでなく文明により観測され続けている。その現実が逆説的に実体のなる。

 

 

これがISコアの実体ではないかと思うわけでして。なら意識の余剰分を最初から誰でも作れるような方法論を提示すればいいじゃない、ということです。

 

 

そしてその方法とは、女性がそうしているように、ネットワークの中で自我を投影してその余剰分としての“リアル”を常に外側に残す、つまりネットピープルの存在論を拡大することなんじゃないかと、束さんは思いました。

 

 

身も蓋もない言い方をすると皆ネット世界にはまればいいと言うことです。

 

 

……わかってます。いくら何でも飛躍しすぎだろって。けどこれ以外には思いつかなかったんですよ。男性もISコアに接続できるようにするにはどうしたらいいかって。

 

 

普通にISに細工をすればいいって?いやいや、これって、そういうもんじゃないですって。ISコアは物理学的な壁の向こう側とこっち側を繋げる扉でもあるんですよ。下手に手を出したらどうなるかわかったもんじゃないですって。

 

 

そんなわけで、私、インターネット文化を育成するためにいろいろやっちゃいます。そうですね。手始めにボイスロイドとボーカロイドを作りましょう。それからは……。

 

 

幸い日本でやっていたこと、コンテンツ開発とは繋がっています。

 

 

まあ、まだ15歳です。何とかなりますよ。きっと、多分、メイビー。

 




次回からネタに走るかもしれません。走らないかもしれません。

まだ書いてないので、わからないんですよね。


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5.レズがホモで何が悪いの?

遅くなりました。


前回、結構くだらない結論を出して満足していましたが、天才の束さんがそれで止まったら天才なんて自信満々に自己紹介できるわけがないじゃないですか。

 

 

ISなんて一旦置いときましょう。世界が面白くなったらISなんて二の次になるに決まってます。

 

 

束さんの存在意義とは…、と突っ込むのは野暮と言うものです。

 

 

何をしようとしているかと言うとですね。

 

 

人工衛星の可能性の一つでホログラムを地上に投影するというものがあります。

 

 

どこで読んだ話だったか、どこで聞いた話だったのか。

 

 

多分前世でのものなので憶えてないんですけど、要は世界を巨大なホログラムにしちゃエバ面白いことになるんじゃないかと言うことです。

 

 

例えばホログラムに人工知能を組み込んでしまうと、それこそ触れない幽霊が歩いて回るのと同じになります。

 

 

今の文明レベルでやっていいようなものではない気がしないでもないですけど、そこはやってから考えてみるのが私のポリシー!

 

 

さて、やることは簡単です。

 

 

あくまで天才の束さんを基準で簡単と言うことですが。

 

 

先ずは電波を発信できて地上でその電波の質をコントロールできる人工衛星を複数発射して軌道に上げます。内容は地上にたどり着いたら電波塔を経由して電磁波となり散乱します。

 

 

散乱する電磁波は個別の管理プログラムによって特定の場所に着くと波長が可視光線になるようにエネルギー量を調整します。

 

 

これはスーパーコンピューターでクラウドサーバーを構築して管理します。単一の端末ですべての作業を行うようにすると行われた結果の受信から送信の間にタイムラグが発生しますからね。

 

 

ISコアを使うとこのラグもなくせますけど、誰かが常に管理してないといけないから、それはちょっといやかな。

 

 

束さんは人類を労働から解放することを願ってやまないので。理想主義者ではないですよ?実際可能です。可能なんだけど、政治的な状況がね…。人工知能を搭載したロボットを量産して世界にばらまいたらもう大混乱が起こるの間違いなし。

 

 

そうすると政治システムや企業の生産体制などを根本から見直さないといけないんですからね。早すぎる変化は混乱をもたらすだけです。特大のブーメランが戻ってきますけど、束さんにブーメランなんて原始的な道具なんて通じるわけないからね!

 

 

話を戻しましょう。

 

 

勿論ですが、空気中にたどり着いたら可視光線になるような電磁波を送ったところでノイズが発生するのは避けられないんですよね。

 

 

空気中の成分やら熱による密度の変化は常に起こってしまうものなので。

 

 

だからそういうノイズは形状がぶれるたびにもとに戻すよう、特定の形状が投影されていることを観測できる観測衛星を配置します。

 

 

それを綺麗な状態に変換するためのフィードバックをミリ秒単位でできるように、電磁波のぶれをコントロールするプロセスを組み込みます。

 

 

そうするとあら不思議。衛星と電波塔により地上は美しい光の波が押し寄せてくるようになります。光あれ!実現したら神様にでもなった気分を満喫できそうです。

 

 

原理はこうです。

 

 

電磁波は可視光線より高いエネルギーを持ってます。その分、一定範囲を波長としてカバーします。

 

 

これが電磁波で通信を行える原理ですけど、ここでのポイントは電磁波がエネルギーを失うと可視光線になることです。

 

 

勿論空気中を少し進んだところでエネルギーを消失してしまったらラジオ放送なんてできるわけないですよね。

 

 

だから意図的にエネルギー量をダウンさせる方法を使います。皆さまのご存知の通り、光は波であり、その移動経路が観測されたら粒子となります。

 

 

波の状態だと干渉するとしても重力による屈折や障害物で進路を妨害する程度で、水面のように同じ電磁波を反対側から発生させてぶつけたところでそもそもぶつかることが起こりえません。

 

 

ちなにみ一定範囲内の電磁波が通らなくなる所謂(いわゆる)電磁パルス(EMP)がありますけど。

 

 

これは電磁波が通る範囲内の空気中の粒子をイオン化させることにより範囲全体が帯電状態となって、より大きな電磁波が発生、それに吸収される形でかき消される現象です。

 

 

別にイオン化じゃなくても核爆発が起きたら電子だけが原子から逃げて爆心地から遠くまで波のように放出

、拡散しますが…。そんな力技の電磁パルスは電磁パルスだけを起こすこととは言えませんな。束さんは認めませんからね!

 

 

そんな蘊蓄が言いたかったわけじゃなくてですね。電磁波は滅多なことではびくともしないと言うことです。だから通信で使っているんですけど。

 

 

しかし観測者により粒子としての特性を持ってしまえば干渉するのは簡単です。量子が持つエネルギーは振動数に比例します。

 

 

そして振動を減らす方法なんてそれこそ無数にあります。

 

 

どれだけあるかと言うと目に見える色の数だけあるんです。

 

 

振動が減った量子が網膜にぶつかると電気信号に変換され、視神経により特定のパターンとして入力されることにより色として認識できるようになります。

 

 

この説明だとちょっと大雑把すぎるんでしょうかね。

 

 

要するにです。

 

 

光がただの純粋なエネルギーだとすると、それに色があるわけないじゃないですか。

 

 

電磁波が見えないのと同じく光だって見えないものになっちゃいます。けど色があると言うことは光がある時点で見えるように性質を変化させられると言うことです。

 

 

電磁波は空気中で拡散するだけなのに。そして電磁波は光と本質的にエネルギー量以外は同じです。

 

 

差はどこにあるのか。それこそただの波長が目の中に入ったって見えるわけないじゃないですか。粒子じゃないと…。そうですね。水の中に入って、その中に波が起こったところで目に見えるのは水の向こう側ですよね。

 

 

けど光は見えます。粒として目に入っているから。大分端折りましたが、要はどのような波長を持つ電磁波であろうと、観測されたら最後、粒子として可視光線に変換するまでエネルギー量を減らすだけでいいです。

 

 

具体的にはコンピューターで計測して宇宙にある四つの力のうちの一つ、強い力で干渉します。強い力とは原子核を結びつける力のことです。それがどうやって電磁波を粒子として観測してエネルギー量の変換と繋がるか、それをいちいち説明すると論文が三つほど必要になるのでこれくらいにしておきます。

 

 

別に面倒くさいわけではなく、普通に電磁波の変換は太陽光発電などの技術で使っています。そしてその原理も同じです。違いがあるとすれば大気そのものをフィルターとして使う技術が今の時代には存在しないということです。

 

 

まあ、そこは天才の束さんですからね。やればできます。

 

 

「束ちゃん、また不思議な研究始めたね?」篝火ヒカルノさんが後ろから覗いてきます。

 

 

今私は日本で私が作った会社が持つ研究開発部門にある研究室で理論を構築しています。

 

 

「不思議ではありませんよ?これ、読んでみて下さい。それといつ日本に戻ったんですか?」篝火さんは私から大気を透過するたびにエネルギー量を減らす電磁波を放出する技術について私が書いたメモを受け取って読み始めます。

 

 

「束ちゃんがいないと寂しいからね。今はこの会社にも入社したから、私は正式な職員なんだよね。今度は束ちゃんが上司は上司でもただの上司じゃなくて社長さんになるわね。へぇ、こういうこともあり得るのか。束ちゃんならではの発想かな。ここの数式はこれを使うのね。ここは省略しちゃってるよ?」

 

 

「そこはこの公式を使います。」

 

 

「どれどれ…。ほうほう。」

 

 

「どう思います?」

 

 

「こりゃまたとんでもない理論だね。スーパーコンピューターで電磁波の軌道を観測して量子化させちゃうのか。とんでもない量の計算が必要になるから、今のスーパーコンピューターでも難しいんじゃないかなぁ。」

 

 

「そうですね。空間内の全ての粒子を計測しないとできないですね。」

 

 

「じゃあこれはただの空想の理論?それともそのために量子コンピューターでも開発しちゃうの?」

 

 

「量子コンピューターは束さんでも無理です。これは発想の転換で解決できる問題なんですよ。技術がついて行ってないからと毎回新しいものを作るって三流の考えることです。空間そのものを波動とし一括りにまとめて処理するんですよ。空間圧力係数と分子の分包を平均値として算出するだけでいいんです。それを電磁波が通るルートでやれば、波形が粒子に変わります。そうなると波動の経路を空間内で反射する回数で調整できて、空気を透過するたびにエネルギー量が減ります。」

 

 

「なるほど、そうすると電磁波が意図した場所で特定の色を持つ可視光線にまで変換しちゃうね。そうすると空間内での反射を一つの振動として計算して…。」

 

 

「はい、それ自体を一つの係数としてコンピューターが計算する範囲内で入力することになります。」

 

 

そんな感じで私たちは少しだけ議論を交わしてから風呂場に。なんでですか。また風呂ですか。

 

 

「別にお風呂じゃなくても話し合うことくらいはできるじゃないですか。」

 

 

「そうなんだけど、寝室に行ったら束ちゃんに襲われちゃいそうで。」

 

 

「襲いませんよ。どうしてそういう発想に行き着いたのか聞きたいですね。」

 

 

「ええ…、それ私が言うの?」

 

 

「当たり前じゃないですか。」

 

 

「だってさ、束ちゃんあれでしょ?女の人が好きなんでしょ?」

 

 

「へ?」

 

 

「風呂場で裸を見せるくらいは別にいいけど、同じベッドで寝たらいろいろされちゃいそうだからさ。」

 

 

「私は別に…、その…。どこから聞いたんですか?誰から聞いたんです?それとなんで私がヒカルノさんを寝室に連れ込むと思ったんですか?しませんからね?」

 

 

「まあ、落ち着けって。妹さんからだよ。恋人いるんでしょ?金髪の白人。」

 

 

「妹…。マドカちゃんですか?」

 

 

「ポニーテールの子が箒ちゃんだよね。」

 

 

「はい。」

 

 

「じゃあマドカちゃんだね。」

 

 

「はぁ…。あの子はどこでそんな知識を…。」まあ、年齢的におかしくはないですけどね。もう小学校5年生にもなってますし。

 

 

「私は別に偏見とかないからね。束ちゃんがそっちが趣味でも。けど浮気はだめよ?いくら私が魅力的でも。」

 

 

「いろいろ誤解されているようなので説明しますけど。第一スコールは私の恋人ではありません。」

 

 

「エッチする仲なのに?」

 

 

「それは一旦置いておきましょう。第二に私は男性の方が好きです。そして私の今の立場を考えてみてください。」

 

 

「そりゃ世界的な天才でしょ?」

 

 

「それは自称です。別に他人から呼ばれるようなものじゃ…って何言わせてるんですか。」

 

 

「何言ってるのかな。束ちゃんはまごうことなき世界的な天才よ?それも人類の歴史に残るような。」

 

 

「それはまあ…、ありがとうございます。そうではなくてですね。私は、その…。金持ちなんです。会社も持ってて。経営権はなくても実質私が作ったようなもので資金調達も私がやってて…。」

 

 

「うん、まあ、そうだね。束ちゃんは億万長者よね。だから男を作ったら大変になっちゃうってことだよね。」

 

 

「そうなんです。未成年で億万長者な私と付き合えるような男性なんて、御曹司でも無理です。むしろ親の七光りなんてこっちから願い下げです。私は私が稼いでここまで来ましたけど、御曹司はただ金持ちの親を持っているだけじゃないですか。」

 

 

「そっか。恋愛ができなくなっちゃったけど性欲はあるから女の人で…。それはそれでなんか違うような…。」

 

 

「べ、別にいいじゃないですか。それと合意の上ですし、私は自分の、その…、自分が感じることより感じさせる方が…。」

 

 

ヒカルノさんの顔が真っ赤になります。

 

 

「そういう生々しい話はさすがにまだ経験なんてない私にはちょっと…。それともやっぱり私をその気にさせたいの?」

 

 

「やめてください、ヒカルノさんはそのままでいいんです。それとも、その、実は誘ってるんですか?」

 

 

「な、何言ってるのかな…。お姉ちゃんを揶揄っちゃダメだよ?」

 

 

「同い年ですし、私の方が誕生日早いです。」

 

 

「ほ、ほら、束ちゃんは守ってあげたくなる感じと言うか。守られないと闇落ちしそうな感じと言うか…。」

 

 

「どういうイメージですか。闇落ちなんてしませんよ。」

 

 

「けどその、束ちゃんは人のために頑張ってるところはすごいと思うけど、愛されなくなったら人類に失望しちゃって怖い兵器とか作りそうで…。」

 

 

「なんですか、私はどこぞの映画の悪役ですか。闇落ちしてラスボスになっちゃうんですか。」

 

 

「そう、そして実は束ちゃんは転生者でラスボスになっても闇落ちする運命を変えるためにこんなに頑張っているとかね。」

 

 

「え…。」

 

 

「うん?冗談だからね?いくら束ちゃんが年齢に合わない発想をするからって、甘えるのが好きな普通の女の子なのはわかっているからね?泣きたいときはお姉ちゃんの胸を借りてあげよう。」

 

 

「いいんですか?実はその、毎回私だけ揉まれてたので、私も揉んで見たいなって思ってて…。」

 

 

「え?」

 

 

この後めちゃくちゃヒカルノさんの胸を揉みました。

 

 

「もうお嫁に行けない…。」

 

 

「何言ってるんですか。ヒカルノさんだって私の胸を半年間ずっと揉んでましたけど、私もお嫁に行けないってことになるじゃないですか。」

 

 

「やっぱ私をそっちの道に引き寄せるつもりでなんだよね?エロ同人みたいに。」

 

 

「そんなエロ同人見たことないんですけど。」

 

 

「束ちゃんもエロ同人なんて読むんだね。やっぱ変態なんだ。」

 

 

「変態じゃないです!変態はスコールの方で…。」

 

 

「誰が変態ですって?」

 

 

え、スコール?

 

 

「な、なんでここにいるんですか?」

 

 

「あら、この会社はもう私の会社でもあるのよ?なのに私がここにいちゃダメなのかしら?」

 

 

社内の施設です。そうです。私が会社にお金をたっぷりつぎ込んだ結果、社内にそこそこ豪華な風呂場、プールまであります。昼寝や夜間勤務用に夜景が綺麗なベッドルームもあります。

 

 

どこのリゾートホテルだよって話ですけど、別にこれくらい普通です。会社に何があっても仕事をする時は仕事をします。それがプロと言うものです。施設目当てなら面接で脱落です。当たり前です。まあ、今までそれで落ちた人は一人もいませんけどね。

 

 

成果が出ないと一目でわかります。一般の会社みたいにピラミッド組織ではなく、部署ごとに分かれてて中央コンピューターのAIが統合管理するシステムが構築されています。

 

 

当然私が設計しました。覚醒した束さんに抜かりはありません。

 

 

そう、束さんは実は覚醒束さんだったのです。少し前にうちの神社の近くで不思議物質が発見されまして、調査してみたらなんと、ISコアとほぼ同じ構造だったのです。デバイスが付いてないだけで、量子のグラデーションからの内部の異界化現象が自然界でも起こりうる現象だったようですね。

 

 

と言うか、原作の束さんがISコア作る時使ったのって、どう考えてもこれですね。常温核融合とかのオーパーツレベルの技術じゃなかったようです。

 

 

つまり私こと転生束さんは原作束さんが発見した物質を作っちゃったことになりますね。粒子加速器を使って。

 

 

ここは天才でも、いや、天才だからこそ文明の利器を使わずにしてどうするの?という教訓を得るところなんでしょうかね。

 

 

意図しなかった方で転生束さんは原作束さんを超えちゃいました。だから私は覚醒束さんになるのです。

 

 

「だんまり?だめよ?私はあなたの恋人ではなくてもあなたのパートナーなんだから。そうでしょ?」

 

 

「聞いてたんですか?」

 

 

ここは当然風呂場なのでスコールも裸です。裸で私に近づいてきます。そして私の顎をグイっと持ち上げてそのまま…。

 

 

「んんんっ…。」いや、ヒカルノさんいますよ。何舌まで入れようと…。抗議しようと口を開けたらそのままぬるりと入ってきます。

 

 

「あ、ああ…。やっぱり…。」ほら、ヒカルノさんもう固まってるじゃないですか。あの、これ以上はもうだめですって…。

 

 

この後何だかんだあって無事風呂場から3人でベッドルームに直行してそのまま…。

 

 

まあ、ヒカルノさんが大人になってしまったとだけ言っておきます。

 

 

それよりこれで終わりじゃないんですよ。何が終わりじゃないかと言うとホログラムに重要なのは映像だけではないってことです。そう。音です。音を作るのはちょっと難しいです。如何せん選択肢が複数あるので。

 

 

方法その一。遠くから壁や地面に遠隔で電磁信号を送り簡易的なスピーカーにする。

 

 

これはあれです。マイクロマシンを世界中にばらまいて壁に潜らせる方法です。ちょっと危険そうに見えても実はこのマイクロマシン、半分は有機物でできた人工生命体に近い形です。

 

 

つまり寿命があって、死ぬときは死にます。これはちょっとスケールの大きすぎる話になりそうだし、管理するための法律の問題を考えると…。一応未来に使えそうな技術として理論だけは構築しておくことにします。

 

 

方法その二。ドローンを飛ばす。まあ、はい。天才な束さんにしちゃしょぼい方法です。しかし世界中の大都市をカバーするドローンはその数だけですごいことになります。

 

 

方法その三。スピーカーをジャックできる範囲だけホログラムを投影する。これはまあ、文字通り束さんの大得意の一つ、ハッキングを駆使して繫華街などのスピーカーをハッキングしてその範囲だけにホログラムを投影します。

 

 

この他にもいくつか方法がありますが、今のところ現実的なのはその三だけですね。徐々に範囲を増やしてドローンを、それからマイクロマシンを、ってのが理想ですかね。

 

 

時間がかかりそうですけど、まあ一年くらいあればできるでしょ。

 

 

できました。

 

 

一年までかかることもなかったです。なぜなら電波を飛ばす衛星は既存のものを使っても、地上である程度操作できるのであれば問題なかったからです。

 

 

そしてあっさりと電波塔を買い取ることができ…。これ民間で買い取っていいものなんですね。それともこの世界ならではのものなんでしょうかね。

 

 

それからスピーカーをジャック。世界中にホログラムを投影して挨拶します。

 

 

可愛い兎ちゃんで、声は私の声を機械音声と合成したやつです。各国の言語でこれはホログラムでありますが、兎ちゃんは皆と仲良くなりたいとか、そういった可愛い内容です。

 

 

予想通り世界的な大騒ぎになりました。それから少ししてボーカロイドで歌わせたりボイスロイドで雑談をさせることに。

 

 

反応は上々です。世界中の商店街が人にごった返したりして、犯罪が起こったりもしましたが、まあ、概ね順調と言えます。

 

 

「ISを作るんじゃなかったのか?」ちーちゃんに聞かれました。ま、まあ作る予定ですけど、まだ時期じゃないというか…。

 

 

「ちーちゃんはISに乗りたいんですか?」

 

 

「別に。私の意志は重要じゃないんだ。君のためなら別に何をやってもいいだけだよ。」

 

なんかこっちのちーちゃんって宝塚っぽい感じになってしまったんですよね。それと天然ジゴロ。私じゃなかったら落とされてますね。学園にもファンクラブとかいるらしいですね。やっぱそこはラノベ世界なんですね。

 

 

血縁関係ではなくても親がいるので精神的な負担が少ないせいか性格がかなりマイルドでですね。人とスキンシップを取ることも躊躇しないし、温和な笑みを見せることも多くて。私の顔を見ながら微笑んでくるときはちょっと、その…、心臓に悪いです。

 

 

一夏君も結構変わりました。どこが変わったのかと言うと、もう原作ヒロインの一人と付き合ってます。更識姉妹?違います。

 

 

鳳鈴音ちゃんと付き合っているんですよ。小学生なのにリア充しています。爆発しないんでしょうかね。

 

 

やっぱ親がいると二人とも心に余裕ができちゃって、ちーちゃんは暴力体質が宝塚体質に変わり、一夏君は鈍感ではなく敏感になっているようです。つまり女子からの好意に敏感過ぎて困ってて、女性が嫌いだったり苦手だったりするわけでもなく。

 

 

それで転校生の鈴ちゃんに優しくするうちに互いにひかれあって…。

 

 

箒ちゃんどうすんの。誰と結婚するの?

 

 

マドカちゃんは特に心配していません。私よりしたたかなので、めちゃくちゃいい男を捕まってくる予感がします。

 

 

「ちーちゃんから見てホログラムで世間を騒がしたのはどうだったんですか?」

 

 

「君らしいと思ったよ。とても美しかった。さすがだね。」さりげなく頭を撫でてきます。

 

 

「え、えへへ…。」そして私は満更でもないです。

 

 

まあ、そんな感じで、今回は成功と見ていいでしょう。

 

 

こんな感じで世の中を変えて行くつもりです。




なぜか百合作品になってて。なんででしょうね…。


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6.篠ノ之家、妹増殖中

電話が鳴ってます。

 

 

朝早くに誰なんでしょう。目を覚まして受話器を取ります。

 

 

「もしもし?」

 

 

「束さん?ソフィアです。」ユーリッヒ研究所の副所長じゃないですか。ちょっと声が切羽詰まった感じです。何かあったんでしょうか。

 

 

「はい、束です。」

 

 

「緊急事態よ。異次元接続機をいくつか奪われたわ。」ISコアってずっと言ってましたけど、まだその呼び方なんですね。と言うか本当に緊急事態ですね。

 

 

「ISコアが奪取されたというんですね?どこかに輸送でもしたんですか?」

 

 

研究所のセキュリティ対策はしっかりしているんですよ。網膜スキャンから指紋認証、パスワードもありまして、日替わりです。つまり部外者はどう頑張っても入れないようになってます。

 

 

そりゃ発表したら世界がひっくり返すほどの騒ぎになるんでしょうからね。小型の核爆弾や機密情報を詰め込んだUSBメモリーなどをコアの中に入れたりと、戦略的価値は計り知れません。それに今の状態でも小さな宝石のように形を変えられます。

 

 

普段はサッカーボールサイズの水晶玉見たいな球体ですけどね。

 

 

「いや、侵入されましたよ。昨日現地時間23時から2時の間に何者かがユーリッヒの研究所に侵入、31個あったISコアのうち11個を持っていかれました。」

 

 

「扉でも破壊されたんですか?」

 

 

「扉は無事です。研究所も。研究員の一人がそちら側に人質を取られて協力されているようです。自宅で手紙が発見されたからね。暗号化してて。」さすが私が選んだ人材です。臨機応変が出来るんですよね。

 

 

「わかりました。今から現場に向かいます。」

 

 

「今束さんは日本にいるんですよね?」

 

 

「ジェット機ですぐです。詳しいことは機内で聞きますので、空港で待ってください。」四時間くらいかかりますね。私が改造したちょっとオーパーツ性能を持つ専用機があります。

 

 

「了解しました。」

 

 

私は電話を切ってとあるところに連絡を入れます。

 

 

『なんだ、朝から。今5時半だよ。バカじゃないのか?』ブルックリンアクセントで答えが来ます。Rを発音しない、Thの発音を硬いアクセントです。どうでもいいですね。

 

 

そうじゃなくて、私の知り合いでブルックリンアクセントで話すのは一人だけです。

 

 

「仕事です、カイラーさん。」カイラーさんことオータムです。彼女をその名前で呼ぶのは真剣な状況と言うことです。

 

 

カイラーが彼女の本名なんですけどね。

 

 

子供のころスラム街で育った彼女は自分の身を守るために階段の上から強い相手をよく落としてしまったようです。

 

 

それで何人か骨が折れてから彼女は怒らせてはいけない女の子、fallと呼ばれたらしいんですけど、それに怒った彼女が…、何でここで怒ったのかは謎です、せめてあだ名をつけるならもっとましなのにしろってなって、そこで言われるようになったのがオータムです。fallが秋で、オータムも秋です。

 

 

ちょっと意味不明なエピソードですね。彼女の理不尽さがよく表れている気がしなくもないです。普通にいい名前だと思うんですけどね、カイラー。

 

 

「なんだ、早くそれを言え。どこに行けばいい?」

 

 

「成田空港まで来てください。ユーリッヒの研究所に向かいます。」

 

 

「わかった。」

 

 

今のやり取りで伝わったんでしょうか。彼女は私が問題を解決するために雇用する傭兵です。喧嘩のセンスが半端ないんですよね。一度実力テストとして私とやり合ったことがあるんですけど、5分以上踏ん張りましたからね。束さん相手にそんな長く踏ん張れる人はそうはいません。

 

 

せっかくですので、私がただの頭脳派ではないことを少しだけ書いてみましょう。

 

 

最近はやってませんけど、超絶性能のいい体であるのを自覚している私は子供のころから様々な武道を学びました。と言っても週二回、一回二時間くらいのペースでやってるだけなんですけどね。

 

 

一番破壊力のある武術がキックボクシングで、一番学んで面白かったのが截拳道(ジークンドー)でした。多分、今の私はプロの格闘選手を何人か同時に相手にしても勝てるくらい強いです。別にそれでどうこうすることはないですけどね。

 

 

コツと言うか、私の体は常人とは筋肉や骨格が少しだけ違うらしくてですね。ラスボス補正とかそういうものかもしれないんですけど。

 

 

動物の筋肉って人間より何倍も性能がいいじゃないですか。人間は無意識のうちにリミットをかけてるとかよく言われますけど、実際は細胞の間に存在する有機的なコネクションが人間がかなり劣っているのが現実です。

 

 

これは脳にその筋肉を統合管理する機能が存在しないのが原因なので、リミットがあるとかそういうのが全く出鱈目な話でもないんですかね。

 

 

ちなみに訓練すればある程度は管理できるようになります。運動選手が一般人といろいろ違うのはそれが原因ですね。

 

 

人間の脳は絶え間なく何かしらの事象に対して考えているもので、脳は意外と全体的にずっと使われています。記憶一つと情報一つで一つの脳細胞が対応しているとかじゃなく、ネットワークとして繋がっているので、脳を一部だけ使い続けるのは逆に難しいです。

 

 

そうですね、一つの記憶は一つのシナプスの連結パターンなので、そのパターンを複数の脳細胞が同時に覚えて再現します。そしてその再現に参加する脳細胞はただそれだけを憶えているわけでもないので、関連するすべての情報が引き出せます。非効率極まりないように見えますが、まあだから脳細胞の数がとんでもないことになってると言えるでしょう。

 

 

そしてそうやって引っ張り出される情報の束は無意識として処理されますが、その無意識が無意識だけに限らない場合、人は一つの記憶から複数の自称を引っ張り出すことになります。担当してる脳細胞たちが持ってるすべての情報をすべて意識に再現されちゃうので。これが所謂(いわゆる)共感覚です。

 

 

だから基本的に人間は共感覚を持ってると言えます。そして人間の脳細胞が記憶する情報は動物のそれをはるかに凌駕しますよね。だから一つの脳細胞が記憶しているシナプスパターンの数が動物のそれより膨大で、動物なら簡単にできる筋肉のコントロールが人間には難しい理由です。

 

 

じゃあ束さんはなんで出来ているのか。これが実はですね。筋肉そのものにも神経ネットワークは存在しててるんですよね。体が覚えるとかよく言うじゃないですか。この筋肉が元々持ってる神経ネットワークが活性化すると体が勝手にスムーズに最適化した動作ができるようになるんですよね。

 

 

そして私が自分の体を調べたところ、この筋線維ネットワークの活性化数値が一般人の10倍以上でした。

 

 

まあ、はい。チートボディですね。原作のあのセリフ、束さんは細胞単位でオーバースペックってのは多分これのことですね。

 

 

これが何を意味しているかと言うと、筋肉を体の面積自体が同じな動物レベルで体を動かせるってことです。構造上の限界とかはあるんですけどね。ちょっとあれですけど、類人猿のようなパワーが出せるんですよ。ゴリラ女かな?

 

 

それと…、ちーちゃんとマドカちゃんと一夏君も私とほぼ同レベルでしたね。ゴリラ集団じゃないんですかね。うほ。うほほ。

 

 

そんなゴリラ束さん相手に5分も踏ん張ったカイラーさんことオータム。名誉ゴリラにしてあげるのもやぶさかではない、うほ。

 

 

「お前、やっぱバカだろう。」そんなことをジェット機の中でオータムに言ってたら言われてしまいました。

 

 

「うほ。」

 

 

「まじか、こいつ。とうとう人間やめちまったよ。」

 

 

「それは心外ですね、うほ。私はまだ人間なのです、うほ。」

 

 

「何ふざけてんだか。緊急事態じゃねぇのかよ。」

 

 

「そうです、うほ。けどどうってことないです、うほ。だって、奪われたコアの位置は全部把握しているし、束さんがコアに付けたデバイスはネットワークで掌握しています、うほ。つまり私の許可なしに勝手にコアを使って悪だくみをするなんてできないんです、うほ。」

 

 

「じゃあほっといてもいいんじゃねぇのか?それとその語尾はやめろ。まじでうざい。殴るぞ。」

 

 

「仕方ないですね。機内で肉体言語とかシャレにならないですからね。まあ、実際当分ほっといても特に何かが起こることもないでしょうね。ただ、私がコントロールできるのはコアに付けたデバイスだけなので、技術自体が解析されちゃうとデバイスを剥ぎ取られてから勝手に改造されちゃうかもしれません。そうするまで10年以上はかかるんでしょうけど。」

 

 

「まじか。やっぱお前だけで何とかできるんじゃねぇのかよ。」

 

 

「いやだったんでしょうか。もし嫌なら断ってもいいんですよ?私が処理している間にのんびり観光でもしてみても咎めたりしません。報酬も出しませんけどね。」

 

 

「金なんて別にどうでもいい。俺を拾ったのはお前だろう。拾われた恩は死ぬ前に返しておきたいってのは理由としちゃ十分じゃないってか?」

 

 

「気になってるだけです。朝早くから引っ張り出されて面倒なのか、また人を殺して血を見たくはないのか。どっちですか?」

 

 

「けっ、今更十人や百人殺したところで何も変わりゃしねぇんだよ。」そうなんですよね。彼女、私に拾われる前にも何人か殺してました。物騒なことに。

 

 

「そうですね。私もごみ屑は何人殺したって何も感じませんからね。」

 

 

そんなわけで私たちは空港に到着してから人質救出作戦を立てました。現地の警察?闇が深すぎるところには赤と青で光る警察なんて手が出せないんですよ。軍ならいけなくもないでしょうけど。あれです。警察の上層部が動かないことを決めてしまいます。だって、ほら。

 

 

上層部の何人かが亡国企業の幹部だったりするからさ。私たち、ソフィアさんと私とオータムの三人は連中のアジトに続く道路の遠くにトラックを止めて様子を伺いました。月明かりが明るい夜です。

 

 

スパイ映画とかで使うあのトラックに乗ってます。中にいろいろ入ってるやつ。盗聴器とかね。まあ、実際はそれより何段階も優れた機材が詰め込まれているんですけどね。ジェット機に乗せて持ってきたんです。

 

 

ちなみにソフィアさんは運転席で待ってます。

 

 

「中をスキャンしますので、終わるまでお茶でも飲みましょう。」

 

 

「呑気なこって。」と言いながらもちゃっかり自分のお茶を飲み始めるオータム。緑茶です。

 

 

5分くらいでスキャンが終わります。まあ、あれです。電磁波スキャンです。前回に作った技術の応用です。前から使ってましたけど、あの電磁波の量子化技術を開発してから精度が格段に上がりました。

 

 

「こんな陰湿な場所にガキなんて集めて何がしてぇんだ?」オータムがモニターでスキャン結果を見ながら言います。はて、子供がいるだなんて予想してなかったんですけど、なんでしょう?ちょっと確認。

 

 

あ、これ、あれですね。目に何か異常な物質が入ってるのを見るに…。

 

 

「へぇ…。」

 

 

「どうすんの?」

 

 

「多分、人体実験です。ISコアをその実験に使おうとしているみたいですね。」

 

 

「まじか、気持ち悪いじゃねぇか。ここの研究員は皆殺しでいいんだな?」

 

 

「はい、ドローンで援護しますので、突入してください。」

 

 

彼女はISコアを付けたパワードスーツ、試作型ISで武装を終えて上空からコアが保管されてる亡国企業のアジトの一つの強襲、私は遠隔操作できる戦闘ドローンを数体彼女の援護に回します。

 

 

数分してから現場の制圧は完了しましたが。

 

 

「ごめん、こいつしか救えなかった。」

 

 

研究員の一人が施設を自爆させました。コアは物理的な衝撃でどうにかできるものでもないので無事回収できましたが…。

 

 

「一人も救えたじゃないですか。離脱が少しでも遅くなったらオータムさんが危なくなるところでした。」

 

 

「うぅ…。」少女ですね。意識はあるようなんですけど、爆発音で耳がやられてて、耳から血が出ています。

 

 

真っ白な髪と華奢な体。まさかラウラ・ボーデヴィッヒじゃないんですよね?

 

 

「こいつ、持って帰るのか?」

 

 

「そうですね、下手に警察に問い合わせて消されるかもしれないので、私が保護します。」

 

 

「所長、その子は?」ソフィアさんです。運転席の窓を下げてこちらを見ています。私たちはトラックの前にいます。

 

 

「施設で監禁されていた子です。他言無用でお願いします。」

 

 

それから私たちはその子をトラックの後ろに乗せたまま人質を取られたという研究員のところに行って、無事人質を救出。

 

 

その過程で亡国企業の関係者っぽい何者かがトラックを発見してこっちに来たので私が制圧しました。情報は取らないかって?拷問なんて面倒なことするわけないじゃないですか。束さんは平和主義者なんですよ。

 

 

どの口が言うんだか謎ですが、束さんが減らず口なのはいつものことです。

 

 

「これで終わりなんだよな?」

 

 

「そうですね、お疲れ様でした。のんびり観光でもしてから帰りますか?」

 

 

「くそ寒いからやだね。ニューヨークを思い出すぜ。そういやお前、そっちに会社あんだろ。ほっといていいのか?」

 

 

「今のところは何の問題もありません。それよりどうしたんですか?私のこと心配しているだなんて。」

 

 

「お前は見てると危なっかしいんだからよ。何もかも自分で背負うとしてっからよ。そのガキだって、俺がとってもいいんだぜ。」

 

 

「あなたまだ未成年じゃないですか。」

 

 

「お前も未成年だろうが。」

 

 

「そうでしたね。」

 

 

「なに他人事みたいに言ってんだ。」

 

 

「まあ、これが初めてじゃないものでして。」

 

 

「俺のことか?」

 

 

「あなたもそうなんですけどね。」

 

 

「ちぇ、好きにしろ。」少女はジェット機で寝てます。一人にすると危険じゃないかって?やだな、さすがに束さんでもジェット機なんて運転してここに来たわけじゃないんですよ?パイロットさんが付いているに決まってるじゃないですか。

 

 

30代のイケメンさんです。日本人で、結婚しててお子さんもいます。そしてただのパイロットじゃなく元自衛官さんなんですよね。普通に強いです。

 

 

それと渋いおっさんのボディーガードが二人。私が国をまたぐ時に連れまわしてるおっさんたちです。ぶっちゃけ私より弱いです。ゴリラに人間が勝てるわけないだろ、いい加減にしろ。

 

 

まあ、見た目はそのおっさんたちがゴリラで、私が美女です。中身は逆だけどね、うほほ。

 

 

「オータムさんが観光する気がないなら私もこのまま帰ることにします。そもそもここ、半年も住んでましたので今更観光なんてする理由がありませんからね。」

 

 

「研究所にはいかなくていいのか?」

 

 

「まあ、多分問題ないと思いますよ?」

 

 

「どこからその自信が来るんだ?」

 

 

「どこなんでしょうね。」

 

 

「じゃあ行くところはないのか?一緒するぜ。」

 

 

「え、なんでですか?」

 

 

「……お前、まじで殴るぞ。それとも一人でウロチョロする気か?」

 

 

「ダメですか?」

 

 

「やっぱおかしいぜ、お前。金持ちって自覚がなさすぎだろ。」

 

 

「やだな、私を拉致できるほど強い人間なんて、私は一人しか知りませんよ?」

 

 

「誰だそれは。」

 

 

「知りたいんです?」

 

 

「いんや、どうでもいいね。どうせ嘯くつもりだろ。」

 

 

「本当のことですよ?」

 

 

「知らん。帰るぞ。」

 

 

「はーい。」

 

 

そんな感じでまるで何もなかったかのように帰国しましたとさ。

 

 

「お姉ちゃん、また妹連れてきたの?」

 

 

そして箒ちゃんが冷たいです。

 

 

「可愛いよ?ほら、挨拶して。」

 

 

「ど、どうも。クロエ・クロニクルです。」ちょっとたどたどしい日本語でクロちゃんが丁寧に挨拶をします。初めてだからね。挨拶は大事です。

 

 

そうです。クロちゃんだったのです。耳を直して名前を聞いたらもう、運命を感じましたね。妹にするしかないって。

 

 

「この子はちょっと特殊でね。私と一緒に行動することになると思うから、学校には一緒に行けないんだよ?だから親しくなれるのは家族である私たちだけ。いいね?」

 

 

「え、なにそれ、聞いてない。」マドカちゃんがリビングから玄関に歩いてきてから言います。

 

 

そうです、まだ玄関なのです。高級マンションのペントハウスなので、玄関でも十分すぎるほど広いので、リビングまでは私たちのやり取りなんて聞こえないはずなんですが、やっぱマドカちゃんも超人なだけあって聞いていたようです。

 

 

「あなたと似たような境遇と言ったらわかる?」

 

 

「へぇ。じゃあこいつも強いの?お姉ちゃん。」

 

 

「こいつじゃなくてクロちゃんね。それとマドカちゃんが考えるような強さじゃないからね。言わば能力者なのよ。」

 

 

「超能力者か何か?どんな能力が使えるの?」

 

 

「まだ完全には調べてないけど、現実感覚を狂わせる系なんじゃないかな…。まあ、実害もないし、今はコントロールもできてるけど、私が継続的に調整する予定なの。だから私と行動を一緒にするってこと。」

 

 

「ふ、ふーん。お姉ちゃんは箒のことが一番好きだからね?そこのとこ勘違いしちゃだめだからね?」

 

 

なんですかこのツンデレは。誰が君をそんな風に育てた。

 

 

「私もお姉ちゃんと一緒に行動する。いいでしょ?私も前みたいに調べてよ。どこかおかしくなってるかもしれないじゃん。」

 

 

「ピンピンしてるじゃないの。」

 

 

「うるさい!お姉ちゃんは私のこと調べるの!こいつだけ一緒とか不公平だよ!」え、何でヤンデレ化しちゃってるんですか。フラグなんて立てた憶えないですよ。

 

 

「だめだよ、マドカちゃん、お姉ちゃんが困っちゃうよ。ね?お姉ちゃん。」

 

 

なんだこの可愛い生き物は。箒ちゃん、マジ天使。

 

 

「あ、あの、その…。」

 

 

「ほら、クロちゃんも困ってる。」

 

 

「う、うぅ…。」そこで泣くって、私どうしたら…。もう束さんも泣きそうです。

 

 

「はぁ、何やってるんだい、君たちは。」そこでちーちゃんって…、え、いたんですか?

 

 

「大体何考えているかわかるよ、束。箒ちゃんの頼みで来ていたんだ。」そういや玄関に見慣れない靴が…。え、一人じゃない?

 

 

「お、束さん、久しぶり。」

 

 

「へぇ、あなたがその有名な天才投資家の束さんですね。」え、ツインテールで勝気な印象の美少女って…、鳳鈴音?

 

 

「箒ちゃん、ちーちゃんに何頼んだの?」

 

 

「一夏君の彼女さんができんだって。友達になれるかなって思って。紹介してもらったの。」

 

 

「はい、私、一夏の彼女。鳳鈴音と言います。」

 

 

「いつまで玄関で集まっているつもりだい。」ちーちゃんの指摘にリビングに。

 

 

今は午後3時。日曜日です。空はちょっと曇ってますけど、雨が降りそうには見えませんね。私たちはゆっくりお茶を飲んでいます。美味しいですね。

 

 

「何現実逃避してるの?お姉ちゃん。」

 

 

マドカちゃんが鋭いです。

 

 

「だってさ、私は今まで彼氏なんてできたことないのにさ。小学生だよ?天才な束さんに彼氏がいないのに、小学校5年生の鈴ちゃんにはイケメンの彼氏がいるんですよ?なんじゃそりゃって話ですよ。」

 

 

「気持ちはわからなくもないけど、お姉ちゃんにもセフレはいるじゃん。」

 

 

「せ、セフレ違うし…。」

 

 

「おい、なんだそれは。聞いてないぞ。」ほら、ちーちゃんがめっちゃ怖い目で私を見てるんですよ。

 

 

「た、多分、スコールのことなんじゃないかな…。そうだよね?」

 

 

「え、お姉ちゃんが私に聞くの?セフレだよね?」

 

 

「セフレじゃないから!パートナーだから。私が作った会社の経営者なんだからね?私まだ未成年だからさ。」

 

 

「けどセフレだよね?」

 

 

「私も聞きたい。その、そういう関係じゃないんだな?」

 

 

ちーちゃんも逃すつもりはないらしいです。と言うか、鈴ちゃんの話題じゃないの?なんで私の性生活なんて聞こうとするの?それとマドカちゃん、なんで知っているの?お姉ちゃん一言も私がスコールとそんなことやってるんだなんて言ってないですよ?

 

 

「だから会社を経営するパートナーだって言ってるでしょう?」

 

 

「あの、つかぬ事をお聞きしますが、セフレって何ですか?」そこで鈴ちゃん、果敢にもこの場の怪しい空気をもっと怪しくしちゃうんですね?と言うか、意外とピュアなんですね。知らなかったよ。

 

 

「それはセック…。っっつ!」

 

 

「それ以上はだめ!」箒ちゃんナイス!と言うか、箒ちゃんも単語の意味知ってるんですね。顔真っ赤だし。って私の箒ちゃんが!天使が!なんで知ってるの!誰が教えたの!マドカちゃん、貴様の仕業だな?

 

 

「ええと…。」一夏君もちょっと赤くなってるし。

 

 

『あの、皆さん何を言っているのかよくわかりません。』クロちゃんはクロちゃんでドイツ語で私にヘルプを頼んでるし。

 

 

『くだらない雑談だよ。ごめんね、騒がしくて。』

 

 

『いいえ、大丈夫です。とても賑やかなんですね。』

 

 

『いつもは妹二人だけだよ。』

 

 

「そこ、外国語で語り合ってますけど?何語ですか?」鈴ちゃんナイスです。話題転換しちゃいますよ。

 

 

「ドイツ語だね。くだらない雑談に参加できないほど、まだ日本語はうまくないんだね。」マドカちゃん、いつの間にかドイツ語を話せるようになったんですか?それとなんか勝ち誇った顔がうざい。こいつ…、そんなにクロちゃんと仲良くなりたくないのか。

 

 

『私も簡単なドイツ語くらいはできるぞ。』

 

 

今度はちーちゃんです。二人ともそうしてると実の姉妹見たいですね。まあ、持ってる遺伝子は全く同じなので、姉妹と言うか、双子と言っていいんでしょうけどね。歳は離れていますが。

 

 

「あの束さん。彼氏欲しかったんですか?」そこで一夏君。何かね。

 

 

「ああ、うん。はい。恋愛って楽しいものなんでしょ?」

 

 

「私が君の彼氏になってやってもいいんだぞ。」ちーちゃんの冗談です。冗談ですよね?

 

 

「お姉ちゃんはレズだから彼氏はできないよ。そろそろ認めたほうがいいんじゃないかな。」マドカちゃん…、今日はやけに煽りますね。

 

 

「表に出ましょうか、マドカちゃん。久々に姉妹のスキンシップを取りたい気分です。」

 

 

「やるの?今回はお姉ちゃんでも容赦しないよ?」マドカちゃんのその自信はどこから。

 

 

「じゃあ私が審判をしてやろう。」ちーちゃんが審判ですか。

 

 

そんなわけでやってきました、お父さんの道場。大人数で、日曜日なので社会人の門下生たちもそれなりに見えますが、結構前に拡張工事をした後なので、まだまだ広いです。

 

「剣道?」

 

 

「正確には古武術かな。篠ノ之流剣術と篠ノ之流柔術。」

 

 

「へぇ、一夏もできるの?」

 

 

「まあね、俺も通ってるから。」

 

 

「更識の屋敷でも武道やるんじゃないの?」

 

 

「そことここはちょっと方向性が違う。」

 

 

鈴ちゃんと一夏君が話しているのが見えます。しっかりと手を握り合ってますね。こいつら…。

 

 

私とマドカちゃんは木刀を握って向かい合っています。

 

 

「先手は譲って上げる。」挑発してみます。

 

 

「後悔しないでね。」マドカちゃんが素早い踏み込みで一瞬で距離を詰めてきます。上段からの振り下ろし。

 

 

恐ろしく速いです。束さんじゃなかったら見逃しちゃうね。私がそれを横ステップで簡単に避けるのを見るや私の腕を狙って突きを放って来ますが、下策です。そこは私のいる方向で横ステップに付いてくるか後ろに下がるべきでした。

 

 

私は半身をずらして突きを交わしてから同時に足が絡まるように前に出た足をマドカちゃんの足の間に滑らします。そこで足払い。截拳道の技の一つです。明確な型がないと言われる截拳道ですが、そうでもありません。

 

 

四肢を絶え間なく動くというのが型であり、そこから派生される技には特徴があるんですよ。そして足を引っかかってバランスが崩れたマドカちゃん。大きな隙ができてしまいます。

 

 

「なにこのくらい!」

 

 

無理やり中心を移動しますが、私の掌はマドカちゃんのお腹にまで迫られていて、インパクト瞬間だけ手首の力を抜いてから接触した時力を集中します。こうすると

 

 

「え、今のであそこまで飛ぶの?」

 

 

そうです、痛くはないですが、遠くまで飛んでしまいます。可愛い妹を痛み付けるわけないじゃないですか。ただ

 

 

「屈辱…。また変な技開発して…。」やられる側はたまったもんじゃないですよね。

 

 

それからマドカちゃんは何回も踏み込んでから飛ばされるのを繰り返し、最後は木刀を手放してタックルしてきました。

 

 

どうするか気になってそのまま受けると私の上に馬乗りになり

 

 

「んんんんんっっ…!?」キスされました。

 

 

「「「「えええええええぇぇぇ?!」」」

 

 

なんじゃこりゃ。

 

 

幸いクロちゃんは目を開けてないので、何が起こったのかわからなかったようです。

 

 

どうすんの、これ。

 

 

余談ですが、鈴ちゃんは家に帰ってからセフレの意味を調べたようで、それから私を見る目がちょっと怪しいものになっていました。

 

 

いや、私別にロリコンじゃないから。

 



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7. うさぎです。よろしくおねがいします。

量子コンピューターの開発は束さんにも無理だと言いましたが、あれは嘘です。(悲鳴)

 

 

最近は何かをやるにしても計算範囲が広がってしまいます。生物学的にも物理学的にも科学的にも。そのため量子コンピューター自体は前々から一台くらい欲しいと思ってはいました。

 

 

しかしここで言う量子コンピューターはただの量子コンピューターではなく市販できる量子コンピューターのことを言います。

 

 

私のためだけの量子コンピューターなら5年以内で何とか作れなくもないですけど、市販できるほど扱いやすい量子コンピューターを開発するのは難しすぎます。

 

 

なのになんで作ろうとしているかと言うと。

 

 

ホログラムを町中で見られる機会が徐々に増えて、今じゃ繫華街は美しく投影されたキャラたちが踊ったり歌ったりしている、ちょっとしたコンサート会場になっています。

 

 

それだけではなくホログラム劇場やホログラム技術を応用したゲーム、防災訓練やスポーツでの活用、一昔前のマジックのような大規模ショーも行われております。

 

 

たったの二年でこれだけのことを賄えるようになったのにはさすがに束さんも驚きを禁じえません。嘘です。ある程度予想はしていました。そのために作った技術ですからね。

 

 

一番はエンターテインメントです。今じゃエンターテインメントと言ったらホログラムと言えるほどの一大ジャンルになっています。ソシャゲ時代が来る前にホログラムゲーム時代が来てしまったのです。テレビの視聴率もだだ下がりらしいです。平面のテレビが立体のホログラムに負けたかと言うとそういうことではなく、ホログラムに付随する効果として双方向コミュニケーションが取れているのが挙げられます。

 

 

話しかければ返してくれます。人工知能入れてるからね、そりゃ会話もできますよ。何か踊って?と言ったら踊り、歌って?と言ったら歌い、面白い冗談言って?と言ったら冗談を言います。これが繫華街だけでなくスピーカーのある場所ならいつでもどこでもできるようになっています。ちょっと危険じゃないの?みんな仕事しなくなるよ?って思われるかもしれませんが、今の時代、物はあふれています。

 

 

富はあるのに仕事をしないとその富が巡ってくることはないという現実。人が世界と壁を作っているのも我々の世界が不条理である原因の一つでもあるんです。これには接近できない、これには手が出せない、これは考えても無駄、これと関わるなんてできるわけがない。

 

 

それが自分の中で当たり前となってて、勝手に自分の可能性に区切りを付けていると言えます。ホログラムで動く人工知能である彼ら彼女らはそんな人たちから何を言われても何を聞かれても反応するようになっています。

 

 

今まで無視され続け、存在すらまともに認識されていない人であっても、あのホログラムたちは反応するので。家の中に電波を受信する機能のある小さなスピーカーさえあればそれで充分です。人が諦めた自らの輝く可能性を取り戻せる、これだけで意義があると言えるでしょう。

 

 

その代わりに既存のエンターテインメント産業のほうで少なくない打撃を受けましたが、致し方ない犠牲です。コラテラル・ダメージです。それに様々な企業でホログラム技術を使って新たなエンターテインメントを作っているので、ただ一方的にこっちだけ利益を上げている状態ではないです。

 

 

ちなみにボイスロイドやボーカロイドの中の人は常時募集中でして、原作キャラの何人かがオーディションに来てました。

 

 

「布仏虚です、よろしくお願いします。」

 

 

「更識刀奈です、よろしくお願いいたします。」

 

 

「更識簪です、よろしくお願いします。」

 

 

まあ、そのようによろしくされちゃったものでして、オーディションには全員、当然の権利のように合格できました。今じゃちょっと機械音声が混ざってはありますけど町中で彼女たちの声を聴くのも珍しくありません。なんか束さんが思い描いた未来とは違う気が…。これはもう今更ですよね。

 

 

そういう面白い文化を作ったり広げたりするためだけに設立していた会社もありますし、その辺でいろいろやっていること自体は問題ないんですが、このペースだとホログラムで拡張現実を作って欲しいという消費者からのニーズに答えずにはいられない状況になるのは目に見えて明らかです。

 

 

新技術を日常に組み込んでしまうと人々がそれを欲しがるのは当たり前で、なぜそれを最初に考えてなかったのか。篝火さんの指摘に耳を傾けるべきでしたね。と言うか、私もやることなすこと世界をひっくり返してはいますが、篝火さんってあんまり苦労することなく私に付いていけているんですよね。

 

 

原作束さんは人を凡人、凡人ってバカにしてましたけど、実際こういう事例を見るにそんなことはないと思うのです。

 

 

今じゃ立派なホモの仲間ですしね。皆ホモになって仲良くくそまみれになるのです。冗談ですから想像しないでください。

 

 

束さんですら忘れそうになりますが、束さんも篝火さんも美少女なのです。そんな汚くありませんから。

 

 

なんで誰のためにもならない話をしているのか。不毛すぎることに気が付いた束さんは話を戻すことにしました。

 

 

これだけ見れば予想できると思いますが、電磁波を可視光線に変えることの計算量が毎日毎日増えているのです。

 

 

つまり一般的なスーパーコンピューターだけでそんな膨大な計算を賄えるわけでもなくなってしまっているのです。小型軽量化もしないと、実用的ではないサイズになってしまいます。どれだけ大きいかと言うと3階の建物くらいのサイズでも別にそれくらい普通と言えます。

 

 

サイバーパンクなSF世界では大きくても問題ないとは思いますが、さすがに現実的ではないですし、別に束さんはディストピア的な雰囲気は嫌いじゃないけど好きでもないので。

 

 

そんなこんなありまして量子コンピューターの開発に本格的に取り掛かることになりましたとさ。

 

 

なぜかしつこいくらい付きまとう量子力学の影に束さんは呆れる寸前だったりもしますが、大きすぎる影なので、今のところ天才すぎる束さんからしても回避は不可能と言えるでしょう。

 

 

それは別にいいとして、量子コンピューターの話なんですが。

 

 

実は技術や理論が難しいわけではなく、やることが繊細な上にやらなきゃいけないことが多いので、面倒なだけなんですよね。

 

 

具体的には途方のない数の粒子を使って意味のある形を作るための刺繡をして、それを有機的に繋げるという、誰がどうやってそんなことをやるんだよって話です。まあ、やってるところはそこそこありますが。最先端技術は開発まで時間がかかるとしても、未来のための投資に寛大でないと、品のある投資家なら投資せずにはいられない。

 

 

当たり前ですが、大きな施設が必要なんですよね。個人で何とかできるレベルをはるかに超えているのです。

 

 

つまり何が面倒なのかと言うと大きな、とても大きな研究所を作ってから多くの人員を配置して試行錯誤を繰り返すしかないんですよね。

 

 

地道な作業になります。それに研究員を雇用するとしても理論が結構複雑なので教える必要もあり。まあ、その辺はこの分野に身を置くだけのことはある人達なので学習するにそこまで時間はかからないでしょう。

 

 

問題があるとすれば理論を教えるのが私で、この歳で教授の真似事をしないといけないという点ですが、束さんは別にあがり症ではないので何とかなると思います。

 

 

ISコアを作る時は30人程度で十分でしたが、量子コンピューターを作るには3000人ほどが必要となります。

 

 

ただの量子コンピューターを作るのではなく、市場に販売できる、手軽に手に取れるような量子コンピューターを作るのが最終的な目的なので少数精鋭で作るとか、そんな縛りプレイなんてするわけないじゃないですか。

 

 

技術者と研究員だけではなく、警備員や調理師、輸送担当のトラック運転手など、雇用する人の数が数な分だけ管理の面倒さもあり得ないレベルです。この世界には亡国企業などと頭のおかしな集団がある分、身辺調査にも気を付けないといけないんですよね。

 

 

もうどこから手を出したらいいのかわからないくらいやらなきゃいけないことでいっぱいです。

 

 

ISコアの技術だって決して簡単ではないですが、やることがまるで違うんですよね。

 

 

例えるならISコアを作ることが一人で美しすぎる傑作の絵画を作ることに似てて、量子コンピューターを作るのはスタッフと一緒にCG映画を一本作るのに似てます。

 

 

束さんはなんちゃってニューヨーカーではあってもハリウッドとは縁遠いものでして。西海岸のゆるふわだけどモラルはガバガバな雰囲気、付いていける気がしないのです。

 

 

それに多くの人員を管理し、実験にも使えるためには継続的な資金調達が必要となります。つまり経理もしなくもいけなくて。幾分かはスコールに任せるとして、私も少しくらいは表に出て色んな人に説明をする羽目に。関連法案にも早めにかかわる必要があり。

 

 

最近は社交界と言うか、慈善事業で開く募金パーティーなどにもちょくちょく顔を出しています。そのたびに群がってくる男たちにうんざりすることもしばしば。

 

 

いい男性も多いですけど、如何せん未成年なものでして。格好いい人には当たり前のようにパートナーがついてますし。ちーちゃんが男装してエスコートしてくれてなかったらきっと毎回顔が引きつっていたことでしょう。

 

 

刀奈ちゃんより、より素質があると判断されたので、ちーちゃんは更識の跡継ぎになったんですよね。だから名目上にも私と二人で実質最強コンビをやっているわけです。もう高校も卒業して、なぜか私の専属のボディーガードになっています。いや、別にそんなことしなくてもいいって言ってるんですけど、断固拒否された結果、ほぼ一日中ずっと一緒です。更識は対暗部のはずなんですが、こんなことをやってていいんでしょうか。

 

 

「君を守ることでその目的も達成できるのさ。それに、やっと君と一緒のところで仕事ができるんだ。義父さんが止めても私は君のそばにいるほうを選ぶよ。」

 

 

そう言われればぐうの音も出ないですね。益々天然ジゴロ化が深刻化しているんですが、本当、私じゃなかったら誤解して大変なことになりますからね?

 

 

オータムはISスーツのテストパイロットとして雇用しています。ちーちゃんと仲良くなってるのが意外でした。それはまあ、重要な話ではありませんね。塩対応ではありません。オータムはリア充しています。男作ってるんですよ、オータムのくせに。相手は何と映画俳優です。ファッション雑誌でモデルもやってて、ダンスもうまいまじもんのイケメンです。

 

 

その相手の男性の方、ちょっと可哀想な気もします。だって、浮気とかしたら絶対殺される。世界にただ一人、実践で使えるIS(仮)を持ってる女ですからね。

 

 

それはそれとして信じられませんよね、自分のことを未だに俺って言ってるのに。全く、末永く爆発するがいいです。

 

 

だから彼女のことはもういいです。束さんは忙しいんですよ。結婚式でスピーチをするくらいの時間はあると思いますけど。

 

 

目まぐるしく日々の中に癒しが欲しい時は妹たちと戯れるだけで十分ですけど、別に私じゃなくても誰かがやる気がしなくもないのに、何で私は全部自分でやろうとしているんでしょうかと、ちょっと前にスコールから聞いた話を思い返してみたり。

 

 

束さんがやらかした結果と言え、計画性のなさは束さんの首を絞めているのは辛いです。当分は量子コンピューター開発だけに集中しないといけないというのにあっちこっちに引っ張りだこで。

 

 

そしてお金が解ける解ける。

 

 

国家予算までは行かなくても、小さな途上国の予算くらいは飛べそうな勢いです。レアメタルも使うし、電力も食いまくり。ああ、もう、誰だよ、時代を先取りして世界中にホログラムをばらまいたのは。私でした。自業自得とはこのことです。

 

 

まあ、ホログラムエンターテインメント産業は我々の会社がほぼ利益を独占している状態なので、今になっては利益が右肩上がり、黒字続きなので、お金の心配はしなくてもいいと言えます。それより国内外から有能な人材を研究所で雇用する必要があり…。

 

 

ISはいつ作るんですか?などと、どこからか謎の声が聞こえてる気がしないでもないですが、まだ時間はありますからね。

 

 

コアもあるしパワードスーツと繋げることは今でもできてるからギリギリセーフ、だと信じたい。頼むからエイリアンがUFO連れて侵略しに来るとかなしにしてくれよ(フラグ)。

 

 

「何時ぞやに束ちゃんが言ってなかった?計算できないからと量子コンピューターを開発しちゃうのは三流がやることって。」

 

 

このプロジェクトには篝火さんも参加しております。そして思い出してしまったのです。今は私たちも17歳。フランスの法律的にワインくらいは飲めるので二人だでワインを飲みながら家の中で食事中です。共同住宅です。

 

 

「束さんは実は三流だったのです。もう許してください、何でもしますから。」

 

 

「うん?今なんでもするって?」

 

 

「ま、まあ、できる範囲でなら…。」

 

 

「へぇ、ふーん。」

 

 

「なんですか、怖いですよ。」

 

 

「私をそっちの道に引きずり込んだ恨み、晴らさせておくべし。」

 

 

「え、ええ?」

 

 

この後めちゃくちゃセックスしました。ちーちゃんがドイツの研究所にお使いに行ってしまったも隙に。全く、油断大敵です。結局食べられてしまいましたからね、性的な意味で。

 

 

そういう一幕もありましたが、私は元気です。

 

 

日本はあまり魅力的ではないとかほざいている人も少なくなかったもので、フランスのデュノア社とも連携を取りフランスに一つ、アメリカの投資バンクと繋げて一つ、日本の会社と繋げて一つと、研究所を作りまして。

 

 

篝火さんは主にフランスと日本を行ったり来たり、私は主にフランスとアメリカを行ったり来たり、スコールが主にアメリカと日本を行ったり来たりしています。

 

 

作ってるのがただの量子コンピューターじゃなく、一般で買えるほどの小型化した量子コンピューターなので、束さん人生初のちょっとした大プロジェクトと言えるでしょう。だから負担も一入です。

 

 

なのになぜここにいるんでしょうか。

 

 

「あの、始めまして。私、シャルロット・デュノアと申します。」

 

 

『無理して日本語で話さなくてもいいんですよ。デュノア社からの代表さんなんですよね?』

 

 

『ええ、この度はデュノア社の代表としてこの場にいさせてもらいます。確かに私はまだ未成年ではありますが、たくさん勉強しましたので。』彼女も無理しているのに自覚があったのかフランス語で会話することにしましたけど、なんでしょう、これは。

 

 

いや、多くの人員を管理するって、勉強してできるものじゃないから。と言うか中学生の娘に何させてるんだ、デュノア社長。

 

 

まあ、可愛いとは思いますけど。

 

 

少したれ目にぱっちりした瞳、彫刻のように綺麗な曲線を描く鼻と顎のライン。ぷるんとした唇と柔らかそうな頬っぺた。リアルで見るシャルたん、恐ろしいほどの美少女です、本当にありがとうございました。

 

 

『失礼ですがデュノア社長は?』

 

 

『後で訪問する予定らしいです。社員の管理をするだけなので、社長が直接足を運ぶことはないと。」

 

 

「そのデュノア社長とやら、調子に乗ってないか?」

 

 

そしてなぜいるんですか、オータム。ちーちゃんの代わりですか、そうですか。まだユーリッヒの研究所でセキュリティーチェックしていますからね。一緒に行ってもよかったのに。私が忙しいって配慮なんてしなくても、二人でいられるならそれでいいって言ったじゃないですか…。ってなに感想的になってるんですか、私は。別にそんな劇的な場面でも何でもないですし。

 

 

「すみません、父は何分忙しいものでして。」オータムに頭を下げるシャルたん。可哀想だからやめてあげてとオータムに目配せをします。

 

 

「ふん。」何ですかね、全く。別に侮辱されたわけでもないですからね?

 

 

『気にしないでください。わかっています。経験を付けるのは重要です。きっとシャルロットさんのお父さんはあなたを愛しているのでしょう。』

 

 

『あ、ありがとうございます。そう言ってもらえると嬉しいです。あの、思ってたよりずっと優しいですね。ちょっと緊張していましたけど、あなたが優しい人で良かったです。一緒に仕事ができて光栄です、篠ノ之所長。』

 

 

『私は所長代理です。フランスの研究所の所長は篝火ヒカルノさんなんですよ。』

 

 

『あ、ああ。そうでした。すみません。』

 

 

『ふふ、これからよろしくお願いします。』

 

 

そんな感じでシャルロット・デュノアちゃんが仲間に加わりました。他のヒロインたちはどうしているんでしょうかね。

 

 

セシリア・オルコットの両親は私が列車事故を成り行きで止めたのでまだご存命で、ラウラ・ボーデヴィッヒは去年にちーちゃんと救出、残りは…。なんかゲーム版とか書籍の後に出てくるキャラとかいるんですよね。

 

 

そんなに興味がなかったものでして、関わることはなかったんですけど、一度調べてみるのもいいかもしれませんね。多分そのうち忘れてから予想もしてなかった場所でぱったり出会いそうな気がするんですけどね。

 

 

そしてそろそろISを作らないとやばい時期ですが、慣性制御とか絶対防御システムとか、まだ完成してないんですよね。慣性制御システムは完成してない。

 

 

ちょっとした吹雪が吹いたところで、束さんは暇がある時にスマホを作っております。ただのスマホじゃなく量子コンピューターを搭載したスマホです。

 

 

量子コンピューターがそこまで完成したかと言うと、そうですね。

 

 

あれから一年、これくらいは束さんのテコ入れで何とか形だけはなっています。形だけと言うのは、小型化やら軽量化やらはできてますけど、部品の値段や消費電力がとんでもないレベルなものでして。

 

 

そうですね、量子コンピューターをどのように作ったのかを少し話してみましょうか。

 

 

既存のコンピュータの回路とは違い、量子コンピューターは電子を超電導回路内で共鳴させることから始めます。一度の共鳴を一回の計算としますが、この共鳴と言う概念がネックです。

 

 

どういうことかと言うと、電子には原子核の周辺を回転する回数は決められていて、例えば一秒に100万回くらい回転するとします。実際はちょっと違いますが一応そういうことにして。

 

 

そして超電導回路に原子を固定して、電子の動きを捕捉するようにします。これに何かの計算式を入力したら電子が刺激されて違う軌道で回転します。この違う軌道と言うのが回路に現れます。そうですね。具体的には電子は核から離脱して別の核に移動し、その結果を残します。50万回は前の核のところで回転して、50万回は移動してから移動した先の核のところで回転します。

 

 

そして一つの電子がそんな風に動くとそれに連れて周りの全ての電子も移動します。

 

 

満員電車のような状態に似てます。一つの電子が動くと回路内の全ての電子がそれにつられて動く、これを共鳴と言います。要するに連鎖的な反応です。この連鎖反応を持って一つの計算とします。

 

 

ちなみに反応してる過程においての電子の動きは空間軸ではなく時間軸をも同じく移動するので、その数値を計算結果に反映するには特殊なプロトコルを必要とします。まあ、詳しい話をすると本を一冊書いていますことになるので割愛しますが。

 

 

そして時間軸を移動するって言うのはこんな感じです。電子の移動した軌道が一つあるんじゃないか?って言うとそうではなく、一回過去に電子が戻ってしまいます。そして過去に戻った電子は別の軌道を描きます。じゃあ過去の電子と現在の電子がぶつかるんじゃないかって?そのぶつかりそうな電子が過去にまた戻るから平気、平気。

 

 

意味不明ですよね。私もそう思います。要は波動になるわけです。0か1かじゃなく、0でもあり1でもある。それが量子コンピューターです。

 

 

量子コンピューターの技術はこの意味不明な電子の動きをトレースして計算結果に出力しないといけません。

 

 

そしてこの一連の動きをトレースってのが厄介で、粒子加速器あるじゃないですか。それで量子の動きをトレースするためにとんでもなく巨大な機械を使うことに。それに超電導回路を管理するのも生半可な技術ではできっこないんですよね。

 

 

これが量子コンピューターを作ることを無理ゲーとしてしまう理由です。原理自体は使ってる数式やらなにやらが複雑なこと以外にはそんなに難しくもないんですけどね。

 

 

じゃあ量子コンピューター技術とはいったい何なのかと言うと、要はプロトコルの最適化です。原理はもうそれでいいって、決められているので、どのような素材を使って電子の動きを制御し、観測し、算出できるよう形を整えたらいいのか、その工夫の繰り返しです。

 

 

どんな素材をどこに使えばいいのか、どこをどうやって刺激すれば電子の共鳴がうまく観測できるようになるのか、そのすべてを地道に繰り返して確認するのです。

 

 

これを軽量化までしようとしているための前提の一つが室温超伝導体の発明です。はい、難題来ました。まあ、そこは束さんなので、何とかしましたけどね。研究員たちは役に立ちませんでした。これだから凡人共は…。掌返しは手首に丁度いい運動になるので、たまにはね?

 

 

そして電子の観測はもはや束さんには朝飯前。いつもやってることです。これも私がやりました。と言うかずっと前に作った技術を使ってるだけです。

 

 

じゃあ研究員たちは何やってたの?まあ、あれです。回路の形を作るとか、モジュールを組み立てるとか、そういったものです。それくらいには給料分だけやってもらわないとね。

 

 

そうやってある程度形になった量子コンピューターですが、束さんはそれでスマホを作っているんです。ちょっと電力の消費がすごいんですけど、そこはISコアと連動すると何とかなります。

 

 

何がしたいかって?そりゃ、魔法少女になるに決まっているじゃないですか。量子コンピューターの演算能力でISコアでできるすべてを最小の大きさで、具体的には服のサイズだけでできるようにするのです。

 

 

これで私も時空管理局に就職できますね。

 

 

「そんなわけないでしょう。慣性制御もまだなのに、変に複雑な機能付けておかしくなっちゃったらどうするの?それと時空管理局って何?」

 

 

「ええと…。」うわーん、ヒカルノさんが束さんをいじめてますよ。ちーちゃん助けて。胸に飛び込みます。

 

 

「よしよし。」なるほど、これがナデポですか。

 

 

「だめだこいつら…、早く何とかしないと。」オータムさんも乗りがいいですね。

 

 

「束さんって、優しいんじゃなくて単に精神年齢がお子ちゃまだったんですね。」シャルたんまで何言ってるの!?

 

 

私泣きますからね!?それとちーちゃん、さりげなく私のお尻撫でてますけど、え、まさかちーちゃんまで?

 

 

それならそれで…。

 

 

束さんが百合ビッチと化している気がしないでもないですけど、そうですね、束さんに節操を求めてはいけないのです。ウサギなんですから。



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