怖がりさんがテイマーを始めたらNPCをテイム出来ました。 (かえねこ)
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準備

「よし、なんとか機材は揃えられた~」

 

 父から譲り受けたPCとヘッドセットの前で、三上桜は満足げに頷く。

 

「あとはインストールが終わるまで待つだけだね」

 

 パソコンの画面にはでかでかとカラフルなキノコが表示されていて、『Cherry Fantsy』というお洒落なタイトルロゴがきらきらと点滅している。

 

 夏休みの初日に桜が親友からプレゼントされたこのゲームは、VRMMOという類に入るものだ。

 

 つい最近発売して絶賛爆売れ中のこの製品をプレイする環境を整えるのに、さくらは夏休みの一週間という貴重な時間を費やした。

 というのも、桜は今までパソコンのネットゲームというものに触れたことがない。

 

 ゲーム用のパソコンを持っているはずもなく、父に頼んで郵送してもらい、一日中設置説明書とにらめっこしてやっとプレイ開始というところまで辿り着いた。

 

「まあ、親友のお願いだからなぁ」

 

 親友、古川美々はお友達招待特典の【黒チョコボール】とやらがほしくて桜にゲームをプレゼントした。

 

 しかし肝心の美々は今日から実家に帰省中で、一緒に始めることは適わない。桜は待とうかとも思ったが、初心者の自分がいきなりうまくプレイできるとも限らない。

 

 あまり美々に格好悪い所を見せたくないというプライドが働き、慣れない手つきでパソコンを操作していく。

 テストがてら。少し先に始めてしまおうと。

 

「まずはキャラ作成だね」

 

 まだインストールが終わってない今、できることはそれくらい。

 桜は椅子に座ってパソコンと向き合い、画面からキャラクターの新規作成を押した。

 

 インストールが終わってないのでVRモードでの起動はできなかったが、公式サイトでもある程度は作成できる。

 

「えっと……IDがSakura、パスワードはMikami1999と」

 

 一人暮らしだからと不用心に口にしながら、IDとパスワードを入力する。特によく考えずに名前と誕生日で決めた物だった。

 

 画面に表示されたのはハゲているアニメ調の人型キャラクター。

 

 その下には【髪型】【輪郭】【目】【鼻】【口】などの項目が表示されており、とても細かいところまで設定できることに桜は感心する。

 

「うーん、ちょっと面倒だなぁ」

 

 しかし早くゲームがしてみたかった桜にとって、その項目の多さはかえってマイナスだった。

 

 こんなの絶対納得がいくまで何時間もキャラクリしちゃうやつじゃん、と。

 だから桜は【アバターの自動設定】という項目を選択して楽をすることにした。

 

 これは自分の容姿が分かる写真をアップすることで、自動的に似せたアバターを作成してくれるというもの。

 適当に選別した写真で試してみると、見事にそれっぽいアバターにハゲから変わった。

 

「わ、科学ってすごい」

 

 アニメ調のモデルは決して写真そっくりなんてことはないが、どこか面影が残っているように見える。まあ身バレとかは全然ありえないレベル。

 

 少なくとも桜はこれでいいやと思った。素直に感心しながら、次の項目へ進む。

 いよいよ職業選択だ。

 

 



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職業選択

 

 表示されたのはズラリと並ぶ、CF職業の数々。

 

 それぞれの職業は丁寧に動画付きで紹介されている。どれも色鮮やかでド派手なスキルで敵を蹴散らすさまが強調されていたが、桜は全く別のところに注目して苦い顔をした。

 

「うわ、これが敵なの!? こわすぎ……」

 

 桜が見ていたのはスキルをぶちこまれている敵モンスターの方だった。どれもキャラクターの背より二倍は大きい、芋虫とか蜘蛛とかそんなやつばかり。

 

 現実の芋虫や蜘蛛はともかく、蛾やかたつむりなどの小さな生き物すら苦手な彼女にとってその光景は地獄だった。

 

「でも、わたしが戦わなくてもいいやつあるって言ってたはず」

 

 美々の言葉を思い出し、それぞれのジョブを一つ一つ丁寧に見ていく。

 

 途中、生産職と呼ばれるものを見て気になったがこれらは戦闘職をある程度上げないと選択できず、初心者の桜には意味のないものである。

 

 がっくりして戦闘職を最後まで見ていくがどれもモンスターと真正面から対峙するものばかり。

 

 職業選択という、この初期段階で心が折れそうになっているプレイヤーは中々珍しいだろう。

 しかし最後の最後で、桜は自分の求めていた職業を見つけた。

 

「テイマー? これ、勝手に戦ってくれるんだ! じゃあこれにしよっと」

 

 数々の戦闘職が華々しい動画で紹介される中、一つだけ地味に佇むそれは紹介動画が唯一用意されていなかった。

 

 モンスターを仲間にして簡単な説明のみ。おまけ程度に添えられているスクリーンショットは、キャラクターと可愛らしい妖精が2ショットで映っているだけのもの。

 

 戦闘シーンこそ分からないが説明には【モンスターを仲間にして戦わせる職業です】と紹介されているし、なんか画像の妖精は可愛いからモンスターとはいえ大丈夫だろう。

 

 そう安易に考えた桜は安心して【テイマー】を選択。

 

 

『【注意!】この職業はβです。表示されている画像やスキルは、後のパッチで修正される可能性が――』

 

 

 ぽち。

 

「あ、消しちゃった。……まあいいや」

 

 なんか赤い文字でいかにも警告してますっていう文が出てきたが、ダブルクリックしたら押しちゃったしいいかと桜は開き直った。

 

 それはMMO経験者ならとんだマゾではない限りまず初期ジョブから外すタイプの警告文で、実際にこのCFでもそれは例外ではない。

 

 テイマーはいわゆる『趣味枠』である。

 自分のレベルよりはるかに低いモンスターしかテイムできず……少なくともサービスが始まったばかりの段階で選択する者は少ない。

 

 なにせ序盤は死にスキルである上、使えるレベルになったところで自身よりレベルの低いモンスターはほとんど役に立たないのだ。

 

 ネタプレイ好きですら裸足で逃げだす仕様、しかしきちんと警告文を出すことでほとんどのプレイヤーは避けることができていた。それを桜はよく読むこともなく閉じてしまった。

 

 しかし彼女はそんなこと夢にも思わず、キャラクタークリエイトの最終段階、キャラクターネームを入力し始める。

 

「桜って本名は……だめだよね。うーん、でもここはシンプルに苗字と組み合わせて……うん、できた! 完成!」

 

 満足げに頷くと、画面には多少手を抜いて作られた桜の分身が表示された。

 

 

 

 名前【ミカサ】

 LV 【1】

 

 HP 【50/50】

 MP 【25/25】

 職業【テイマー】

 

 武器【初級テイマーの鞭】

 頭 【初心者のバンダナ】

 体 【無地のシャツ(白)】

 脚 【無地のスカート(青)】

 手 【装備なし】

 靴 【サンダル(白)】

 耳 【装備なし】

 首 【装備なし」

 指 【装備なし】

 スキル【テイム Lv1】【詳細確認 Lv1】

 



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スキル振り

「あ、丁度終わったみたい」

 

 キャラクタークリエイトの完了通知と同時にゲームのインストールが終わる。

 今すぐ起動の選択ボタンを押して、桜はヘッドセットを被った。

 

 説明書とにらめっこしていたので基本的な操作は分かっていた。意識がふわっとする感覚が数秒続き、次に目を開けた時には見知らぬ森の中。

 

「わー……すっごいよく出来てるなあ」

 

 本物と遜色ないフィールドの風景に感動した後、次ぎは自分の身体を確認する。メニューから手鏡が選択できた。

 

 自動設定した通りのポニーテール(茶)、どこか自分と雰囲気の似ているアニメ調の顔。実は瞳の色だけ綺麗な空色にいじってある。

 

 身長も現実と同じく設定されていて、元々150センチもない桜はキャラクターのデザインも相まって更に少しだけ幼く見えた。

 

 

 一通り外見を確認して満足すると、次に目を向けたのは周囲の人々。

 顔や髪形は様々だが服装はみんな似たようなものであり、この辺りは始めたばかりの初心者がたむろしている。

 

「……これ、みんな本物の人間なのかなぁ」

 

 ネットゲームが初めての桜にとって、それは不思議な感覚だった。ゲームなのに自分と同じ場所に他の人間が存在している。

 

 慣れた手つきでメニューを操作していたり、さっそくポイントを振ったらしい初級スキルの試し撃ちをしていたりなど、ネットゲームやVRに慣れていそうな人間ばかり。

 

 少し話してみたかったが、知らない人は怖い。

 それに、どれもこれも完全初心者であることが何だか恥ずかしくなって、桜はそそくさとその場を去ることにした。

 

 

 

 ◆

 

 

 

 どうぞここを進んでくださいと言わんばかりの細道があったのでそこに入り、しばらく歩くと誰かがいた。

 

 それは桜の頭くらいの大きさしかない小さな妖精。目が合うと、妖精の頭上に緑色の文字が表示される。

 

 ≪初心者案内人 妖精リーン≫

 

 それは属にいうNPCというやつで、桜もそれくらいは知っていたので警戒心を解く。ゲームのキャラクターなら怖くない。

 

『こんにちは、あなたは新しい冒険者ですか?』

 

 リーンは多くの冒険者にそうしてきたように定型文を発する。

 

 桜が頷くと、妖精は挨拶もそこそこにステータスやスキル、戦闘の基本といったものの話を始めた。

 

「よしよし、だいたい説明書の通りだね」

 

『では一緒に設定してみましょう。メニューからステータスとスキルが開けます。まずはステータスから』

 

「えっと……STRにINTに……わたしはどれにするのがいいのかな?」

 

『職業やスタイルによって違いますね。戦士職ならSTRやVIT、魔法職ならINTやDEXに。AGIに振れば移動速度やジャンプ力など、身体能力が上がります。

 えっと、ミカサさんの職業は……え? テイマーですか?』

 

「わたしモンスターとか外見が怖くて。代わりに戦ってくれるって書いてあったから」

 

『間違ってはいませんが、テイマーですか……。このサーバーでは初めてですね』

 

「そうなの?」

 

『ええ。みなさん、サクサクと進められる戦士職や魔法職などを選んでいきますから

 ……とりあえず、初回は自動でステータスポイントを振り分けます』

 

 

 リーンはそう言って、桜のINTに3、DEXに2ポイントずつ振り分けた。

 テイマーは魔法職だと、桜はこの時理解する。

 

「なんだか賢くなった気がする!」

 

『それは結構です。続けてスキルですね。

 これは基本的な【職業スキル】と、プレイヤーの行動や装備の効果によって獲得できる【アクティブスキル】、

 特殊な称号を与えられることで獲得できる【ユニークスキル】があります』

 

「なんだかいっぱいだね……」

 

『最初は職業スキルだけ覚えれば大丈夫ですよ。さて、これは自分で振ってみてください』

 

「はーい!」

 

 初心者と言えど、スキルという目に見えて効果の出る設定はワクワクする。とはいえ、レベル1ごとに手に入るポイントは1つしかない。

 

 桜は意気揚々とスキルウィンドウを開き、とりあえず【テイム】のスキルを上げた。

 

 

 

 Lv 【1】

 職業【テイマー】

 スキル【テイム LV1】【詳細確認 Lv1】

 

【テイム LV2】

 自分のLv≪-28≫の非アクティブモンスターをテイムできる。【下限1】

 成功確率【10%】

 再使用可能時間【10分】

 

【詳細確認 LV1】

 対象のステータスを確認する。

 【Lv】【HP】【MP】

 

 

 

「ま、マイナス?」

 

 桜は目を丸くした。

 



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初戦闘

 

 テイマーが明らかに弱いのはスキルが原因でもあった。マイナス表示されたスキルを見て、桜は戸惑う。

 

「これ、どうやって仲間を増やせばいいの?」

 

『レベル1のモンスターなら仲間に出来ます。それでしばらくは頑張るしかありません』

 

「そんなぁ」

 

 とはいえ、今更他の戦闘職にすることはできない。

 せっかく作ったキャラクターをそう簡単に削除するのは初心者の桜にとっては気が引けたし、何より他に出来そうな職業もないのだ。

 

『……とりあえず、チュートリアルの戦闘やってみますか?

 出てくるモンスターは緑マイマイのみです。レベルも1ですから』

 

「うーん、わかった……」

 

 マイマイという名前からして絶対にろくなやつじゃない。

 しかしこのままでは、この先やっていけないだろう。桜は鞄からテイマーの武器である鞭を取り出し構える。少し手は震えていた。

 

 どうしても動画にあった、気持ち悪くて怖いモンスターの記憶が過ぎる。でも、まだ序盤だから平気だろうと願った……が、すぐにその考えが甘いということを知る。

 

『それではいきますね。――【マイマイ召喚】!』

 

 リーンが呪文らしきものを唱えると空から何かが降ってくる。

 それはべちょっと音を立て泥を跳ね、リーンと桜の間に着地した。

 

 

 ……現れたのは巨大なカタツムリ。

 

 大きな体に見合う大きな緑色の殻を背中に背負い、触覚らしきところには生々しい目が付いている。

 

 実に桜の身長の半分くらいはあるそのモンスターは、ぬちょぬちょと音を立てて桜の方を向いた。

 

「ぴゃあぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 その瞬間、桜は後ろに二メートルは飛び下がる。AGIは0だったが、それは恐怖ゆえの跳躍力だった。

 

 がくがくと膝を揺らし、じっとこちらを見ているカタツムリに手も足も出ない。

 

『ミカサさん? 大丈夫です、これはチュートリアルですから早く【テイム】を』

 

「む、むり! 怖い、気持ち悪い……こんなの仲間にしたくない!」

 

 

 それは最もな意見だった。事実、他サーバーでテイマーを選択した者たちはこの時点で「気持ち悪くて無理」とデンデンのテイムを放棄、キャラクターを作り直し職業を変えていた。

 

 ただでさえ怖がりである桜がテイムなど使えるはずがない。

 

『では通常攻撃で倒すしかありません。仲間にするか倒すかどちらかです!』

 

「ぴいぃぃ……」

 

 桜は小さく鳴く。涙を浮かべて、ゆっくりと迫りくるデンデンをただ見つめるだけで鞭を振るうことが出来ないでいる。

 

 こんな図体だがデンデンはチュートリアルで出てくるような、そこらにいる雑魚モンスターである。

 

 レベル1テイマーの攻撃力でも数発殴れば倒せるのだが……それは恐怖で動けない桜にとっては難しい問題だった。

 

 どうしようもない状況の中、段々と近付くデンデンとの距離。いくら桜でもこのまま攻撃できずにいたらHPを削り切られてしまう。

 

『ミカサさん、このままではやられてしまいます!』

 

「やだ、べちょべちょやだ……」

 

 しかし、そんなことを言っている余裕もそれまでだった。もうデンデンの触覚は真上にある。

 デンデンは大きく体を持ち上げ、桜をその巨体で踏みダメージを与えようとしだす。

 

「ぴ――――――」

 

 絶望の声。しかしこの時、桜は一枚のスクリーンショットの存在を思い出した。

 それはテイマーのジョブ紹介画面にあった……可愛らしい妖精との2ショット。

 

「ひらめいた!」

 

 恐怖の中どうにか身体を動かし、ギリギリのところでデンデンの攻撃を回避する。そして鞭を握り――リーンの傍へ走り出した。

 

『ミカサさん、何を?』

 

「妖精だし可愛いし怖くないし――だから、あなたなら大丈夫なの!」

 

 その瞬間、今度はNPCであるリーンの顔がこわばる。

 

 だがもう遅かった。鞭が充分に届く範囲に桜の侵入を許してしまったことで、その意図を理解しても行動が出来なかった。

 

 桜は思い切り鞭を振り上げ、唱える。

 

「【テイム】――!!」

 



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初テイム

 称号を獲得しました【初テイム】

 称号を獲得しました【誘拐】

 

 スキルを獲得しました【命令】

 スキルを獲得しました【妖精の加護】

 

 新たなモンスターをテイムしました【妖精リーン】

 

 Lv【0】

 HP【450/450】

 MP【720/900】

 

 スキル【妖精の加護】【挑発】【ヒール Lv1】【マイマイ召喚】【テレポート】【落雷 Lv1】

 

 

 

「本当にできちゃった……」

 

 リーンの【落雷】により蒸発したデンデンの亡骸の前で、桜はステータスを確認していた。

 隣にはぱたぱたと空を飛ぶ妖精リーン。その頭上にあった初心者案内人という文字は消えている。

 

『驚きました。まさか、私に魔法が効くなんて』

 

 それはリーンすら知らない仕様だった。

 通常、NPCにはプレイヤーが対象を取るような魔法は受けないようになっている。しかしテイマーの魔法が通じることはテストされていなかったのか、とんでもない事態になったのだ。

 しかし事の重大性を理解できていないどころか、桜はこれが仕様だと思っていた。公式サイトのスクリーンショットにあった通りだなあ、と。

 

「でも良かったぁ。これで一番不安だったところはなんとかなったよ~」

 

『ミカサさんは怖がりなんですね。マイマイは確かにちょっと気持ち悪がる人はいましたが、倒すことすらできない人は初めてです』

 

「昔から虫とか嫌いでね~。でもあなた、本当にゲームのキャラクターなんだよね? 普通にお喋りできてるけど」

 

『ええ。初心者の皆様を的確に案内できるよう、様々なことを教えられましたので。

 ……その役目は早くも終わりですが』

 

「んー、もう案内は大丈夫なの?」

 

『まあ、実際はあまり私の存在も知られていません。ほとんどのプレイヤーはわざわざチュートリアルを受けずに進んでしまいますから

 ですから大きな影響は無いでしょう』

 

「そっか。じゃあえっと、これからよろしくね?」

 

『はい、よろしくお願いします』

 

 

 

 ……こうして唯一のテイマーである桜はNPCを仲間に引き入れたのだった。

 その後、満足した桜はもう遅いからということでレベルを3まで上げ(リーンに落雷を撃たせたデンデン狩り)、ログアウト。

 しかしパソコンの電源を切ろうとしたところで、ふと思い立つ。

 

「そういえば、なんか変なスキルもらってたけどなんだろう?」

 

 気になったのはリーンをテイムした時にメールに届いていたメッセージ。

 公式サイトにログインしてキャラクター情報を開き、就寝前にそれを確認するのだった。

 

 

 

 【妖精の加護】

 このスキルを持つ者のMPを10分に50回復する。

 

 【命令】

 テイムしたモンスターに指定したスキルを使用させる。

 

 【挑発】

 非アクティブモンスターをアクティブモンスターへ変化させる。

 

 【ヒール Lv1】

 HPを回復(小)。≪必要MP20≫

 

 【マイマイ召喚】

 ランダムな大きさのマイマイを召喚する。マイマイを召喚している間はMPが継続的に消費される。≪最大数:3≫≪必要MP30≫

 

 【テレポート】

 一度行った街へ瞬時に移動できる。

 

 【落雷 Lv1】

 対象に雷属性魔法攻撃。デンデンを消滅させる。≪必要MP50≫

 



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掲示板

 それは、桜がまだ知らない場所での話。

 

 

【CF】なんか妖精が消えてた【報告】

 

 

 

1名前:名無しさん

 バグかこれ?

 

 

2名前:名無しさん

 誰?

 

 

3名前:名無しさん

 >>2ゲット

 

 

4名前:名無しさん

 カタツムリきめぇ

 

 

5名前:名無しさん

 ステータス参考

 

 STR=物理攻撃力

 

 VIT=防御力

 

 AGI=攻撃速度と回避

 

 DEX=命中率と魔法の詠唱速度

 

 INT=魔法攻撃力と魔法防御力

 

 LUK=回避率クリティカル発生率

 

 

6名前:名無しさん

 妖精って何だよ

 

 

7名前:名無しさん

 たまにキャタピィの死骸消えないよな

 

 

8名前:名無しさん

 【速報】Ayakaがレベル40到達

 

 

9名前:名無しさん

 寝ろ

 

 

10名前:名無しさん

 >>5 すまん誤爆

 

 

11名前:名無しさん

 女の身体から男の声するバグ

 

 

12名前:名無しさん

 恋声使えよ捗るぞ

 

 

13名前:名無しさん

 モンスターデザイン担当はクビにしろビッグワームで漏らした

 

 

14名前:名無しさん

 >>8 はいニート確定

 持ち上げてた親衛隊共w

 

 

15名前:名無しさん

 妖精ってチュートリアルか

 

 

16名前:名無しさん

 チュートリアルなんかあったっけ?

 

 

17名前:名無しさん

 エロい妖精ちゃんがキモいカタツムリ出すやつ

 

 

18名前:名無しさん

 ふーん えっちじゃん

 

 

19名前:名無しさん

 この時期に始めてるやつなんざチュートリアルすっとばすだろ

 

 

20名前:名無しさん

 空気妖精って呼ばれてるやつね

 

 

21名前:名無しさん

 NPCが消えるとかあるか?

 

 

22名前:名無しさん

 NPCってクソだよな

 おっぱい触ろうとしたらダメージ受けて死んだ

 

 

23名前:名無しさん

 さっきキャラクリしなおしてきたんだがそいついないのよ

 何度ログインしなおしても見えないからCF側のバグかと

 

 

24名前:名無しさん

 お使いクエやったんだけどいなくて泣いた

 

 

25名前:名無しさん

 妖精って狩場入り口と反対にいるやつか

 謎配置だよな

 

 

26名前:名無しさん

 確認したがマジでいない

 

 

27名前:名無しさん

 同じく

 

 

28名前:名無しさん

 おなじくー

 

 

29名前:名無しさん

 マジのバグか

 

 

30名前:名無しさん

 まあどうせ空気だし

 

 

31名前:名無しさん

 どうでもいい

 

 

32名前:名無しさん

 そういや妖精使ってクソツムリ焼いてる奴みたわ

 召喚士って実装されてたっけ?

 

 

33名前:名無しさん

 テイマーか?

 

 

34:名前:名無しさん

 あんなクソ職で狩場出てきてたら笑うわ

 

 

35名前:名無しさん

 めっちゃレベル上げた先行組かもしれん

 

 

36名前:名無しさん

 いやそもそもあれ31になるまでクソツムリしか使えないんだぜ?

 職スキルで攻撃もできないみたいだし無理だろ

 

 

37名前:名無しさん

 約束された不遇職

 生産みたいに戦闘職ある程度やったらやれっていうお遊び

 

 

38名前:名無しさん

 生産は需要があるがテイマーとかw

 

 

39名前:名無しさん

 でも妖精連れてた女の子くっそ可愛かった テイマーだけど

 

 

41名前:名無しさん

 kwsk

 

 

42名前:名無しさん

 kwsk

 

 

43名前:名無しさん

 kwsk

 

 

 

44名前:名無しさん

 kwsk

 

 

45名前:名無しさん

 ニートのお前らに女の子の希望なんてない

 

 

46名前:名無しさん

 マジでテイマーなら特定余裕杉内

 

 

47名前:名無しさん

 テ イ マ ー だ け ど

 はい終了

 

 

48名前:名無しさん

 可愛ければなんでもいい

 

 

49名前:名無しさん

 妖精使いの女の子とか夢がありすぎる

 

 

 

 こうして、桜はこの日少しだけ有名になった。

 



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