海に映る2つの月 (空丘ルミィ)
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プロローグ:変化

ドーモ、ドクシャ=サン。ソラオカ=ルミィデス。

今日も元気(?)に投稿を頑張っております。まあ、適度に投稿ペースが変わるかもしれませんが、楽しみにしてくれると嬉しいです。

それでは、本編へどうぞ


 

 

 

 

 

 

 

 

俺の名前は海月宥凪(みつきゆうなぎ)。去年の末までは高校生だったが、高校1年の時の卒業式の前の月から学校に通わなくなり、高校を中退した。それからというものの、学校というものに縛られず一人自由気ままに一人暮らしを満喫している真っ最中だ。一応学歴はあり、学生としては高校2年生扱いだ。まあ学校には今通ってないから2年生も何もないんだが。

今日は日曜日で、学校に通ってる人は休日という安らぎの日だ。俺は今、適当に商店街をふらついている最中だ。

 

 

 

 

 

 

 

5月7日

 

【午後2時:商店街】

 

宥凪「今日も人の通りが少ないな、まあ騒がしいことと面倒事が嫌いだからこういう雰囲気はいいんだけど。今日もいつものようにあそこに行くか」

 

そう言って俺は足を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【羽沢珈琲店】

 

(カランカラン)

 

??「いらっしゃいませ…あ、宥凪さん!」

 

宥凪「よ、つぐみ。いつものを頼む」

 

つぐみ「わかりました!席についてお待ちください!」

 

この子は羽沢(はざわ)つぐみ。喫茶店、羽沢珈琲店の看板娘でいつも俺の接客をしてくれる子だ。昔はよく一緒に遊んでいて、他に4人ほどつぐみに幼馴染がいるが、つぐみ達からしたら俺は5人目の幼馴染だとか言われている。

 

つぐみ「お待たせしました、ブラックコーヒーとタルトです」

 

宥凪「ありがとな。それじゃあいただきます」

 

 

 

 

 

 

宥凪「うん、今日もいい苦みと程よい甘さだな。」

 

つぐみ「いつもありがとうございます、宥凪さん。もうすっかり常連さんですね」

 

宥凪「今は学生じゃないから、自由気ままに人生を過ごしてるからな。ここのコーヒーもおいしいし足が進むんだよ」

 

つぐみ「私はまだブラックコーヒーは飲めませんから、頑張って飲めるようにならないと…」

 

宥凪「そんなに急がなくても徐々に慣れていけばいいさ。俺だって最初はブラックコーヒーは飲めなかったんだし。それよりも蘭たちは元気か?」

 

??「呼んだ?」

 

つぐみ「あ、蘭ちゃんいらっしゃい!」

 

宥凪「いつも通りの来店だな蘭」

 

蘭「まあ、いつも通りだし」

 

こいつは美竹蘭(みたけらん)。つぐみや俺の幼馴染で、黒髪のショートカットに赤メッシュを入れている。普段はツンとした性格だが、弄られたときとかはすぐデレる程に感情がわかりやすい。俺のことは『ユウ』と呼んでいる

 

蘭「ユウもいつもの頼んでるんだ。」

 

宥凪「まあ、ここのコーヒーは他の所よりおいしいからな。そういう蘭だっていつものブラックコーヒーなんだろ?」

 

蘭「な、なんでわかったの!?」

 

宥凪「だって蘭、ブラックを頼むときはつぐみにアイコンタクト取ってるしな。あと頼んだのは糖分控えめのクッキーと…」

 

蘭「…いくらユウでもそれ以上言ったら怒るよ」

 

宥凪「おっと、悪い。それじゃあ蘭を怒らせると怖いし俺はそろそろ行くよ。これ代金」

 

つぐみ「ありがとうございましたー!」

 

蘭「またね、ユウ。」

 

俺は羽沢珈琲店を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宥凪「さて、寝覚めのコーヒーも飲んだし次は・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【北沢精肉店】

 

??「あっ、いらっしゃいなぎくん!」

 

宥凪「今日も元気だなはぐみ。北沢印のコロッケ二つ頼む」

 

はぐみ「北沢印のコロッケだね!お父さん!」

 

はぐみの父「あいよー!北沢印のコロッケだね!」

 

 

 

こいつは北沢(きたざわ)はぐみ。北沢精肉店の看板娘でいつも元気いっぱいで商店街のムードメーカー的な存在。俺のことは「凪くん」と呼ぶ。はぐみも小さいころから遊んでいた幼馴染のような存在。たまーにだが、他にお客さんがいないのを確認した後は「凪にーちゃん」と呼ぶことも。だが・・・

 

宥凪「今日も元気いっぱいだな。最近のバンド活動はどうだ?」

 

はぐみ「とっても楽しいよ!凪くんも一緒にやろうよ!」

 

宥凪「俺は騒がしいのが苦手だって何度も言ってるよな…?」

 

はぐみ「あれ、そうだっけ?」

 

そう、はぐみはとてもと言っていいほど勉強や記憶力がダメで、去年なんかはテスト勉強に付き合ってほしいって言って俺の家に上がり込んで1日中勉強を見てやったりもした。

 

はぐみ「はい、凪くん!北沢印のコロッケお待ち!」

 

宥凪「ああ、ありがとな…あれ?俺が頼んだのは2つだったよな?」

 

はぐみ「お父さんからの奢りだって!いつも買ってくれてるお礼だよ!」

 

宥凪「ならそういう事にしておくか。また今度時間がある時に買いに来るよ」

 

はぐみ「いつもありがとねー!」

 

 

俺は北沢精肉店を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【宇田川家前】

 

(ピンポーン)

 

??「はーい・・・って宥凪さんじゃないですか!いらっしゃい!」

 

宥凪「あれ、巴が出てくるのか。あこは今日バンド練習は休みとか言ってたような気がしたんだけど」

 

巴「あこならまだ寝てますよ。昨日も徹夜だったみたいで…」

 

俺を出迎えてくれたのは宇田川巴(うだがわともえ)。つぐみや蘭たちの幼馴染で、蘭たちの中では一番身長が高い。男勝りな性格で俺とよく気が合うが、大の祭り好きで商店街で行われる祭りの際には和太鼓を叩いたりする。よく男と間違われたりもする。俺のことは蘭と同じで『ユウ』と呼ぶ

 

宥凪「まあいないものはしょうがないな。ほら、はぐみのところで買ってきたコロッケだ」

 

巴「おっ、サンキュー!ユウは気が利くな!」

 

??「むにゃむにゃ…おねーちゃんおはよー…」

 

巴「おはよう、あこ。といってももう昼だから今はこんにちはだけどな」

 

宥凪「まあ、俺にとってはおはようでも構わないけどな。おはようあこ」

 

あこ「あっ、宥にいだ!おはよー!」

 

部屋から出てきたのは宇田川(うだがわ)あこ。巴の一つ下の妹で、巴がいなかったときとかは遊び相手になっていたことが多かった。今はRoseliaというバンドのドラム担当で、オンラインゲームの『Neo Fantasy Online』で『聖堕天使あこ姫』というユーザー名でログインしている。空いた時間を使ってあこと一緒にやることが多く、『聖堕天使の契約悪魔』とか呼ばれ始めた

 

あこ「あ!コロッケのいい匂い!」

 

宥凪「さっきはぐみのところでコロッケを買ってきてな。はぐみの親父さんの奢りだってよ。あとでお礼を言っておけよ?」

 

あこ「はーい!あ、宥にい、一緒にゲームしようよ!」

 

宥凪「別にいいぞ、今日はどのゲームで対戦する?」

 

あこ「それじゃあスマ〇ラで!あこもあれからたくさんのキャラを使って特訓したんだよ!」

 

宥凪「負けないぞ。伊達に高レート帯で連勝を重ねてないから今日も完勝させてもらうぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

結果はというと、何度か1ストックは失ったものの俺の全戦全勝だった。あれから俺も最高レート帯に潜ったりして連勝してたからな…少し大人げなかったような気がした…その後はあこに『大人げないよ宥にい―!』とか言われてポカポカ叩かれたのは言うまでもない

 

宥凪「おっと、思ったより長居しちゃったな。今日はもう帰るよ」

 

巴「またな、ユウ。」

 

あこ「次はぜーったいに負けないからね宥にい!」

 

宥凪「今度対戦する時までにまた腕を上げておけよ―」

 

そう言って俺は宇田川家を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【路地裏】

 

宥凪「そういやここもあったな。あまりこういうところは何かトラブルが起こるから来ないんだが、静かに過ごすにはいいところなんだよな…」

 

(ガタッ)

 

宥凪「ん?何の音だ?壁に何かを打ち付けたような・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガラの悪い男A「おい嬢ちゃん、暇ならオレ達と遊ぼうぜー」

 

??「え、えっと・・・私はこれからお友達と約束してて…」

 

ガラの悪い男B「そんな約束キャンセルしちゃってオレたちと遊んだほうが有意義だってー」

 

??「で、でも今日は…」

 

あー…やっぱりこういうのの一つや二つはあるのか…しかもガラが悪くて人相が悪い男が2人でおどおどしてる女の子に寄ってたかって脅迫めいたことをしてるし・・・はあ、しょうがない…

 

 

 

 

 

宥凪「そこで何してるんだ?」

 

ガラの悪い男A「あ?なんだテメーは。」

 

宥凪「偶々ここを通りかかっただけのしがない男だ。それよりお前たち、二人が狩で一人の女の子に言い迫るなんて恥ずかしくないのか?」

 

ガラの悪い男B「テメーには関係ねーよ!オレたちはこの子とこれから遊ぶんだよ!」

 

宥凪「それじゃあそこの女の子にちょっと質問するけど、このいかにも悪そうな2人組とここに今さっきここに来てこの悪そうな2人組を説教してる俺、どっちについていきたい?」

 

??「え、えっと・・・どっちかっていうと…後者のあなたの方に・・・」

 

宥凪「ほら、この子もこういってるし諦めて帰ったほうがいいぞ。あと、お前たちの顔も覚えたしこの状況を警察に通報したら捕まるのはどっちなんだろうな?」

 

ガラの悪そうな男A「テメェ・・・さっきからキレイごとばっかり並べやがって…そういうのがむかつくんだよ!」

 

ガラの悪そうな男B「おい、こいつやっちまいやしょうぜ」

 

ガラの悪そうな男A「だな。テメー、覚悟しろ!」

 

宥凪「やれやれ・・・厄介ごとは嫌なんだが(まあこの状況を警察に連絡済みだから警察が来るまでの退屈しのぎになるか)」

 

ガラの悪そうな男A「さっきから何ブツブツ言ってやがる!!オラァ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブンッ!…スカッ。ブンブンッ!・・・スカスカッ

 

ガラの悪そうな男B「ちくしょう…なんでさっきから当たらねーんだ・・・」

 

宥凪「動きが単調すぎてこんなの、その辺にいるガキ大将の方がまだマシだ」

 

ガラの悪そうな男A「て、テメー…!」

 

宥凪「さて、そろそろ時間だな。」

 

ガラの悪そうな男A「何・・・言ってやがる・・・?」

 

宥凪「お前たちに付き合うのも飽きたってことだ。ついでに言うと、そろそろ警察がここに付くから警察が来るまでの間伸びててもらう。じゃ、お疲れさん。」

 

ズガッ、ドガッ、バキッ、グシャァッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

宥凪「ちょっとやりすぎたかもな…っと、そろそろか」

 

警察「すみません、警察のものですが・・・先ほど通報があった場所はここでしょうか?」

 

宥凪「はい、間違いありません。つい先ほどそこの女の子に無理やり遊びに誘ってきてた2人組がいて、言っても聞かなかったんで何発か鳩尾に拳を入れて伸びてますので連れて行ってください」

 

警察「ご協力、感謝します。この二人組は1ヶ月ほど前からこの路地裏に出没していて、何人かが脅迫されて数日間家に帰ってこないという知らせを受けてほとほと困っていたのです。」

 

宥凪「そうだったんですか。大したことはなかったので小物感しかしませんでしたがこんな俺でも助けに慣れたのならうれしいです」

 

警察「それでは、ご協力ありがとうございました。」

 

そういって警察は男二人組を連れて路地裏から出ていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

??「あ、あの・・・助けてくれてありがとうございました・・・」

 

宥凪「別に俺はたまたまここを通りかかっただけだよ。それより、友達のところに行かなくて大丈夫なのか?」

 

??「えっと・・・それが、恥ずかしい話、道に迷っちゃって…」

 

宥凪「それでこの路地裏に入り込んだ・・・と。待ち合わせ場所はどこですか?」

 

??「えっと・・・羽沢珈琲店っていうところです。」

 

宥凪「あそこに?それじゃあ案内しましょうか?」

 

??「いいんですか?」

 

宥凪「ここで放っておいてもまた迷ったら困りますし。あ、名前を聞いてもいいですか?俺は海月宥凪っていいます」

 

花音「私は松原花音(まつばらかのん)っていいます。助けてくれてありがとう海月くん」

 

宥凪「それじゃあ行きましょうか松原さん」

 

そう言って俺は松原さんを連れて羽沢珈琲店まで案内した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【羽沢珈琲店】

 

(カランカラン・・・)

 

つぐみ「いらっしゃいませ…あ、花音さん!それと・・・宥凪くん?何か忘れ物?」

 

宥凪「いや、ちょっとさっき路地裏でいざこざがあってな。で、何があったか聞いてみたら松原さんが道に迷って路地裏にいたってものでここまで案内してきたんだよ」

 

??「花音、遅いわよ。何度も携帯に連絡を入れたのに不在通知ばかりだもの」

 

花音「ごめんね千聖ちゃん…携帯の充電が切れてて…」

 

千聖「何かあったのかって心配したのよ。ところであなたは誰かしら?」

 

宥凪「俺は海月宥凪っていいます。適当にふらついて路地裏に行ったらガラの悪い二人組が松原さんをナンパしていたので助けてここに連れてきました」

 

千聖「そう、花音を助けてくれてありがとう海月くん。私は白鷺千聖(しらさぎちさと)よ。」

 

宥凪「無事に松原さんをここまで連れてこれたので俺はこれで・・・」

 

千聖「あら、もう帰っちゃうの?花音を助けてくれたお礼にお茶をと思ったのだけれど」

 

宥凪「お誘いしてくれるのは嬉しいですけど、俺は松原さんを助けただけなので…」

 

花音「あ、あの!海月くん!私からもお願い、一緒にお茶しちゃ…ダメですか?」

 

宥凪「いや、ダメってことはありませんけど、2時くらいにこっちでコーヒーを飲んだばかりなので・・・」

 

千聖「(ジーッ)」

 

花音「(ジーッ)」

 

宥凪「(2人からの視線がやばい・・・これは断るに断れないな…)わかりました。ちょっとだけですよ」

 

千聖「ふふっ、ありがとう。」

 

それから白鷺さんと松原さんと一緒にお茶した・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千聖「ねえ海月くん、あなたは学校には通っているのかしら?」

 

宥凪「いえ、去年までは通ってたんですけど今は通ってないですね。」

 

花音「何で途中でやめちゃったの?」

 

宥凪「まあ一応学年的には高校2年っていったところなんですけど、自由気ままに人生を過ごしたいってことで中退したんです。学校も結構自由だったので中退する時も先生達は止めませんでしたし」

 

千聖「高校生として戻りたいって思ったことはあるのかしら?」

 

宥凪「まあ、できることなら戻りたいとは思ってますね。ただ中退した高校にはもう通えないので今から通うにしても今から探さないとですが」

 

花音「千聖ちゃん、海月くんなら大丈夫なんじゃないかな?」

 

千聖「そうね。さっきの花音の話を聞く限りこの人は信用できそうだわ」

 

宥凪「あの、何の話なんです?」

 

千聖「私たちは花咲川学園というところに通っているのだけど、少子化に伴って共学にしようって学園長は言ってるけど、去年まで女子高だった影響か今年は男子生徒がいないのよ。だから、海月くんを特待生として花咲川学園に誘いたいのよ」

 

宥凪「俺を、ですか?でもこういうのは色々手続きを踏まないとダメなのでは?」

 

千聖「そうね、でも手続き自体はそこまで長くないわ。ただ入りたいなら早めに決めないと学園側も苦労するからできれば今返事をもらいたいところなのだけれど…」

 

宥凪「そうですね…入ってみます。」

 

花音「本当!?」

 

宥凪「まあ、自由気ままなのが俺の性格なので。これを期に新しいことにチャレンジしてみるのもいいかなと思いますし」

 

千聖「それなら、明日私たちと一緒に花咲川まで一緒に行きましょうか。待ち合わせ場所はここでいいわね?」

 

宥凪「はい、それで大丈夫ですよ。」

 

花音「それじゃあ明日はここに集合にしようか。」

 

宥凪「わかりました。」

 

そう言って俺たちは解散した。帰り際に松原さんが『助けてくれたお礼に』と言ってクラゲがプリントされた栞をくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして俺の新しい学園生活が始まろうとしていた・・・どんな変わった生徒がいるのかわからないけどどこか楽しみだ。

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

タグにもつけている通りハロハピメインですが今回ははぐみちゃんと花音ちゃんだけしか出せなくてすみませんでした。ちゃんと次回からは出します…(多分)

それでは次をお楽しみに!


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1話:学生生活

どうも、今日はとあるゲームの発売日だったので買って即プレイしたら時間を忘れていたルミィです。

いやぁ、新発売ってワードが怖いですよね…主は買おうと思ったら即買いに行く派なので時間を忘れやすいんですよねはっはっは。

それでは本編へどうぞ


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5月8日

 

今日は俺が花咲川学園に特待生として入学する日だ。学校なんて2か月ぶりだからどんな感じかは少しだけ忘れているけど学校に通ううちに感を取り戻るから大丈夫だろう。まあ肝心の学園の場所を知らないのでまずは羽沢珈琲店前に集合してから一緒に行く形になっている。どのクラスに入るかは学園長室で聞かされ、2時限目から授業に参加する形になっている。教科書等も学園長室で配られるがノートまでは配られないためノートは持参しなければならない。学園のかばんもその時にもらうので来るときの服装や持ち物は自由だ。とりあえずトートバッグに7冊くらいノートを入れておけばいいだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前7時:羽沢珈琲店前】

 

宥凪「ちょっと早く来すぎたか?昨日は二人を家に送ってから自分の家に戻ったんだけど距離的には俺の家が一番遠いから余裕を持って来たんだが・・・」

 

ちなみに白鷺さんや松原さんとは連絡先を交換済みで、集合に遅れそうなときとかに連絡を入れてくれるという。

 

宥凪「んー…あ、白鷺さんと松原さんだ。」

 

千聖「ごめんなさい、海月くん。花音がまた道に迷っていたのよ・・・」

 

宥凪「またですか…昨日も迷って路地裏に行ってたって言ってましたよね?」

 

千聖「花音は一人でいるといつも道に迷っちゃうのよ・・・」

 

花音「ふぇぇ…ごめんね千聖ちゃん…今日は頑張って一人で行ってみようとしたのにまた助けてもらっちゃって…」

 

千聖「もう慣れたから大丈夫よ」

 

宥凪「まあ、今日から俺も花咲川学園に通うので白鷺さんだけに頼らずに俺を頼ってもいいんですよ」

 

千聖「私が先に学園に着いたときとかは頼もうかしら」

 

花音「それじゃあその時はお願いしようかな…」

 

千聖「それで海月くんは今日何を持って来たのかしら?トートバッグの膨らみを見る限り結構入ってそうだけど」

 

宥凪「ただノートを7冊くらい持ってきてるだけですよ、俺はこまめにノートを取る性格なので」

 

千聖「見かけによらずマメなのね」

 

宥凪「見かけによらずは余計です」

 

花音「あ、そろそろ着くよ2人とも」

 

宥凪「それじゃあ俺は裏門に行きますね、後でまた」

 

千聖「ええ、またね海月くん」

 

そう言って俺たちは一度別れた。

 

宥凪「(あ、そういえばどのクラスとか聞くの忘れてたな…まあいいか)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【花咲川学園校舎内】

 

花音「そういえば千聖ちゃん、海月くんに私たちがどのクラスにいるのか教えたの?」

 

千聖「忘れていたわね、彼はいったいどのクラスに入るのかしら。私たちは同じクラスだから別のクラスだと会えるのは昼休みか放課後だけになるけれど」

 

花音「千聖ちゃん、もしかして楽しみにしてる?」

 

千聖「あら、どうしてそう思うのかしら?」

 

花音「だって千聖ちゃん、海月くんが私のことを助けてくれたって聞いた時から海月くんのことを意識し始めてるみたいに見えるから・・・」

 

千聖「花音に私の心を読まれるなんて、私もまだまだね…でもそういう花音こそ海月くんに助けてもらってから海月くんの名前をよく呼ぶわね」

 

花音「ふぇぇ!?そんなに言ってたかな…?」

 

千聖「ええ、昨日の夜も今日の朝も海月くんに関する話が多かったから気にしない方が難しいわ」

 

花音「ふぇぇ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【学園長室】

 

宥凪「(なんかどこかで俺の噂をされてるような気がするな…)」

 

学園長「海月くん?どうかしましたか?」

 

宥凪「いえ、どこかで俺の噂をしているような感じがしてですね・・・すみません。気にしてもらわなくて大丈夫です」

 

学園長「そうですか。まずは昨日、うちの生徒を助けていただいてありがとうございました。うちの学園から生徒がいなくなると学園長としては悲しかったので感謝の言葉しかありません。」

 

宥凪「いえ、俺は当然のことをしただけですよ。」

 

学園長「では本題に入りましょうか。海月くんには2ーAに編入していただきます。学園の3階に位置していて、3階から屋上へつながる階段に一番近い教室だからわかりやすいでしょう。」

 

宥凪「2ーAですね。わかりました。」

 

学園長「あと、教科書や学園指定のかばんなどは私の机の隣にある段ボールに入っていますので話が終わったら中に入っているものを受け取ってから担当教師と一緒に教室に向かってください」

 

宥凪「わかりました、ありがとうございます」

 

学園長「ここまでで何か聞きたいことはありませんか?」

 

宥凪「いえ、特にはありません。もし本当に困ったら聞きますので」

 

学園長「そうですか。それでは私からの話はこれでおしまいです。それでは準備が終わったら担当教師と一緒に教室に向かってください」

 

宥凪準備中…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【2ーA前】

 

教師「ここがあなたが今日から通うクラスです。まだこの学園には男子生徒はあなた一人なので浮くかもしれませんが」

 

宥凪「いえ、だいじょうぶです。去年まで通ってた学校でも多少は浮いていたので」

 

教師「そうですか。それでは私が呼んだら教室に入ってきてください。」

 

宥凪「わかりました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【2ーA】

 

花音「そろそろ2時限目が始まる時間だね。海月くん、どのクラスに入るんだろう…」

 

千聖「ふふ、どのクラスかしらね?」

 

教師「皆さん、お静かに。今日からこのクラスに転校生がやってきます」

 

花音「転校生…ですか?この時期に珍しいですね」

 

教師「ええ、私もこの時期に転入してくるのは珍しく思いますが今日からこの学園に通う仲間です。それでは入ってきてください」

 

(ガラガラ・・・)

 

 

 

 

 

 

 

宥凪「…どうも(やっぱり元が女子高だっただけあってクラスメイトみんなが女子だな…視線がそこそこ痛い)」

 

教師「それでは、自己紹介をお願いします。」

 

宥凪「はい。俺は海月宥凪っていいます。去年の末に高校を一度中退してこっちの学校に転入することを決めました。今日から1年間、よろしくお願いします」

 

教師「それでは、開いている席があるので席についてください。これから少しだけの間親睦を深めるために休憩時間とします。」

 

そういって担当教師は教室を出ていった。ちなみに俺の席は松原さんの隣だ。

 

 

宥凪「(休憩時間っていっても特に話すことがない気がするんだよな…)」

 

花音「海月くん、改めておはよう」

 

宥凪「あ、ああ。おはよう…でいいのか?」

 

千聖「おはよう、海月くん。まさかこのクラスに転入してくるなんて思わなかったわ」

 

宥凪「俺もですよ。松原さんと白鷺さんにどのクラスにいるのか聞き損ねてたので知らない人がクラスメイトだったらどうしようかと思っていたのでこれはこれでよかったですね」

 

千聖「これから一年間、よろしくね海月くん」

 

宥凪「はい、よろしくお願いします白鷺さん、松原さん。」

 

花音「うん、これからよろしくね海月くん」

 

こうして俺たちは休み時間を使っては適当に世間話やよくテレビで見てるジャンルを話し合ったりした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【昼休み】

 

宥凪「もう昼休みか、時間が過ぎるのが早いような感じがするな。こんな感覚だったのをすっかり忘れていたよ」

 

千聖「たった数ヶ月でそこまで忘れるものなのかしら?」

 

宥凪「俺にとっては短い時間が長くなるように感じるんですよ。逆に長い時間が短いって感じるので」

 

花音「海月くんって時間の間隔がズレてるよね…」

 

宥凪「よく言われる。」

 

(ガラガラ!)

 

はぐみ「かのちゃん先輩!一緒にご飯食べよー!ってあれ?凪くん?」

 

宥凪「あれ、はぐみじゃないか。はぐみもここに通ってたんだな」

 

はぐみ「うん!ところで凪くんってここに通ってたっけ?」

 

宥凪「まあちょっと色々あってな。今日から俺もここに通うことになったんだよ。」

 

はぐみ「本当に!?やったー!また一緒に通えるね!」

 

花音「え?はぐみちゃんと海月くん、昔は同じところに通ってたの?」

 

宥凪「まあ、小学生の時にな。香澄は元気か?」

 

はぐみ「うん!かーくんとはぐみは同じクラスだから一緒だよ!」

 

宥凪「そうか、良かったな。」

 

はぐみ「うん!凪くんも一緒にお昼食べようよ!かーくんも誘ってるよ!」

 

宥凪「せっかくだし一緒に食べるか。白鷺さんと松原さんはどうします?」

 

千聖「せっかくだし私もご一緒しようかしら」

 

花音「私も一緒にいいかな?」

 

はぐみ「大丈夫だよ!人数が多いほど話が盛り上がるし!それじゃあレッツゴー!」

 

俺たちははぐみと一緒に屋上に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【花咲川学園:屋上】

 

はぐみ「かーくん!みんなを連れてきたよ!」

 

香澄「はぐー!ありがとー!」

 

花音「お、お邪魔します・・・」

 

千聖「今日は誘ってくれてありがとう、香澄ちゃん。」

 

宥凪「久しぶりだな、香澄」

 

香澄「あー!なーくんひさしぶり―!」

 

このちょっと騒がしいのは戸山香澄(とやまかすみ)。小学生の時に一緒に遊んでいた幼馴染みたいな感じの女の子だ。小学生の時は1年から6年生までずっと同じクラスだったが中学校が別々になったためそれからは遊ばなくなっていた。ちなみにはぐみも俺と香澄とずっと同じクラスだった。俺のことは『なーくん』と呼ぶ

 

宥凪「それにしても香澄、小学生の時から何も変わってないよな。…いや、少し騒がしくなったぐらいか」

 

香澄「そういうなーくんだってー!髪伸ばした?」

 

宥凪「ちょっとだけだけどな。」

 

はぐみ「ねーねー!早く食べようよ!もうお腹ぺこぺこ―!」

 

花音「うん、食べよっか。」

 

俺たちは思い出話とかして昼休みは話題が尽きなかった。

 

 

 

 

 

 

 

はぐみ「もう昼休みも終わりだねー」

 

宥凪「だな。次に会えるのは放課後か」

 

香澄「それじゃあゆーくん!また放課後にねー!」

 

宥凪「忘れてなかったらな、というか今日は俺バイトだから一緒には帰れないな。悪い」

 

千聖「あらそうなの?残念ね。花音は放課後予定はあるかしら?」

 

花音「ごめんね千聖ちゃん、私も今日はバイトで・・・」

 

千聖「そう、なら今日は彩ちゃんと一緒に・・・」

 

花音「彩ちゃんも今日は一緒のシフトだから・・・」

 

千聖「そう・・・なら今日は一人で帰ろうかしら。」

 

宥凪「松原さんはどこでバイトしてるんですか?」

 

花音「私はファーストフード店だよ。海月くんは?」

 

宥凪「俺もファーストフード店ですね。多分場所は違うと思いますけど」

 

花音「そうなんだ?今日は一緒に帰れないんだね。私は彩ちゃんと一緒に行くから放課後は別々だね」

 

宥凪「そうだな。それじゃあ俺たちは戻りますか」

 

千聖「そうね、次の授業は移動教室だから遅れないようにしないと」

 

俺たちは次の移動教室に遅れないように屋上を早く出て教室に入った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから午後の授業が終わり、今日の授業は終わって放課後になった。

 

【放課後:2ーA】

 

宥凪「それじゃあまた明日ですね松原さん、白鷺さん。」

 

千聖「ええ、また明日ね」

 

花音「うん、また明日だね。」

 

そう言って俺たちは教室で分かれ、それぞれの帰路についた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ファーストフード店】

 

宥凪「さて、今日のバイトも頑張るか…俺は一人暮らしだしお金管理もしないといけないしな。仕送りも入ったりはするけど1月に1回しか送られてこないし、しかも来るのも不定期だし。…っと、そろそろ時間か。」

 

(ガチャ・・・)

 

花音「あれ…?海月くん?」

 

宥凪「・・・あれ、松原さん。まさか同じバイト先だったんですね」

 

花音「そうみたいだね…あ、彩ちゃん。この人がさっき言ってた・・・」

 

彩「海月宥凪くん、だよね?私は丸山彩っていうんだ。花咲川学園の2年生でクラスは2ーBなんだ。よろしくね海月くん」

 

宥凪「改めて、俺は海月宥凪です。今日花咲川学園の2ーAに転入してきて松原さんと白鷺さんと同じクラスになりました。よろしくお願いします丸山さん」

 

彩「うん!よろしくね!今日はいつもより頑張れそう!」

 

宥凪「えらくご機嫌ですね。何かあったんですか?」

 

彩「何かあったっていうよりは今この場で起きてることが嬉しいかな。いつもは巴ちゃんと花音ちゃんが一緒で男の人とは一緒にやることがないから…」

 

宥凪「あー、なるほど・・・とりあえず頑張りますか」

 

彩「うん!よーし頑張るぞー!」

 

松原さんたちは張り切って倒れない程度にバイトを頑張っていた。俺はというと、適度に仕事をこなしてその日のバイトは終わった。バイトが終わった後、松原さんは足早に家に帰っていった。…また迷ったりしないよなって思ったのもつかの間、松原さんはひまりと近くのコンビニで待ち合わせしていたようで安心した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【海月家への帰り道】

 

彩「そういえば海月くんってどうして花咲川に転入してきたの?」

 

宥凪「まあ、昨日松原さんが路地裏でガラの悪そうな男たちに絡まれて俺が助けた後に白鷺さんたちと一緒にお茶することになってから何を納得したのか俺を花咲川学園の特待生として入学しないかって誘われたんですよ」

 

彩「でも海月くん、前の学校は大丈夫だったの?」

 

宥凪「前の学校は数か月前に中退してましたし今更戻るのは抵抗があったんでこれを期に何かしてみようかって思ってたので」

 

彩「そんなことがあったんだ?でも中退して大丈夫だったの?」

 

宥凪「まあ学校っていっても結構フリーダムだったので中退する際には何も言われなかったですね」

 

彩「な、なんかすごいね・・・それで、転入してどうだった?」

 

宥凪「まだ転入初日何で何とも言えないですね。これからの学校生活が楽しみです」

 

彩「ねえ海月くん、今度時間がある時に一緒にお昼食べない?」

 

宥凪「別にいいですよ。」

 

彩「本当?やったぁ!」

 

宥凪「あ、俺の家はここなのでまた明日ですね。お休みなさい丸山さん」

 

彩「それじゃあね、海月くん!お休みなさい!」

 

そう言って俺は彩さんと別れて俺は家に戻った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【海月家:宥凪の部屋】

 

宥凪「今日は色んなことがあったな。香澄との再会、白鷺さんたちと同じクラスになったり、丸山さんとも仲良くなれたし。なんか思ったより普通に学校生活を送れそうだな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうつぶやいて今日はベッドに入って寝ることにした。

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

ちなみに主はバイト経験はないので宥凪くんには主がよく行くファーストフード店のバイトをしている、という感じにしてみました。え?ひまりちゃんとは同じシフトじゃなかったのは何でだったかって?

な ん と な く で す

それではここまで読んでいただきありがとうございました。


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2話:帰ってきたもう一人の家族

どうも、もはや投稿ペースが『い つ も の』となりつつあるルミィです。

え?毎日投稿して疲れないかって?いやいや、楽しいから書いてるんですよ。はっはっは(苦笑)

どれでは本編へどぞ


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が花咲川学園に通い始めて早2週間が経った。花咲川学園に通っているのは俺以外全員女子なので最初は珍しがられたり『どうしてこの学園に来たの?』などと質問が先輩からも後輩からも同学年からも聞かれまくって適当にあしらっていたので翌日には質問の嵐も止んでようやく普通に落ち着いた学園生活を送り始めた。…のだが

 

 

 

 

 

 

5月27日

 

【昼休み:花咲川学園屋上】

 

宥凪「あー、今日も平和な一日だな…何事もなく適当に人生を過ごすほど平和なことはないし何もないといいんだけど」

 

??「宥凪―!ここにいるのはわかっているわ!早く出てきなさい!」

 

宥凪「…(わかってた、わかってたよ。大抵こういうフラグを立てると平和な一日はすぐに終わるって。まあ巻き込まれるのはごめん被りたいからこのまま知らんぷりして適当にやり過ごそう。さすがにここまで登っては来れないだろうし)」

 

ちなみに今現在俺がいるところは屋上だが、会談がある所の少し上に小さいスペースがあってそこに寝転がっている。

 

(シュタッ)

 

??「見つけたわ宥凪!おとなしく観念してちょうだい!」

 

宥凪「いやちょっと待てなんでこの高さを普通に上ってきてんの!?それよりお前は誰だ!?俺に何の用だ!?」

 

??「あら、ごめんなさい。あたしの名前は弦巻(つるまき)こころっていうの。ここの高等部に通う一年生ではぐみと同じクラスね!」

 

 

 

 

 

こいつ、はぐみと同じクラスだったのか。というか弦巻こころっていったら『花咲川の異空間』で有名な破天荒お嬢様じゃないか。いやそんな事よりも・・・

 

宥凪「その弦巻家のご令嬢が俺に何の用なんだ?」

 

こころ「いい質問ね!宥凪、あなたをあたしのいるバンドに勧誘しに来たのよ!」

 

宥凪「なんで俺なんだ?俺よりいい人選はいくらでもあるだろうに」

 

こころ「はぐみに聞いたのよ。宥凪ははぐみと小さい頃によく遊んだそうじゃない?」

 

宥凪「昔は昔、今は今ってな。今はただはぐみのお店でコロッケを買ってるだけなんだけどな。」

 

こころ「それと、花音にも聞いたの!あなた、花音のことを助けたそうじゃない!花音がずっと喜んでたわ!」

 

宥凪「松原さんが・・・ってなんでこころが松原さんのことを知ってるんだ」

 

こころ「だって、はぐみも花音もあたしがいるバンドのメンバーよ?知らないことなんてないわ!」

 

宥凪「…はい?」

 

こころ「はぐみも花音もあたしがいるバンドにいるの!」

 

宥凪「(松原さんもはぐみもこんなこと隠してたのか…)で、そのお誘いはどこまで本気なんだ?」

 

こころ「全部よ!!」

 

宥凪「…(やっぱりお嬢様の考えることは俺にはわからん。)で、返事はいつ出せばいいんだ?」

 

こころ「今よ!」

 

宥凪「ごめん、今日はバイトの日だからそもそも無理だった。その返事は保留でいいか?(今日はバイトは休みなんだけど適当に理由をつければ何とかなるだろ)」

 

こころ「そうなの?残念ね。でも今度会った時に答えは聞かせてもらうわ!」

 

宥凪「はいはい、期待しないでくれていいぞ。」

 

こころ「それじゃああたしは戻るわね!宥凪、また会いましょう!」

 

宥凪「はいはい。それじゃあな」

 

こころは屋上を後にした

 

 

宥凪「はあ…お嬢様の考えることは俺にはよくわからん…俺はただの一般市民だぞ」

 

(ガチャ)

 

宥凪「(まさか、またこころなのか・・・?)」

 

??「あのすみません、海月さんですか?」

 

宥凪「ああ、俺が海月宥凪だけど・・・キミは?」

 

??「あたしは奥沢美咲(おくさわみさき)っていいます。さっきこころがここから出て行ったのが見えたので何事かと思って来たんです」

 

宥凪「あー…なるほどな。確かにさっきこころがここに来て『あたしがいるバンドに勧誘しに来たのよ!』とか何とか言っていたな…」

 

美咲「あー…やっぱりですか。こころ、楽しそうなことにはいつも首を突っ込むので今回はバンドメンバーの勧誘だったんですね。」

 

宥凪「ああ…俺はただ自由気ままに過ごしたいだけなんだが・・・」

 

美咲「なんかあたし達、気が合いそうですね」

 

宥凪「だな。えっと・・・美咲、だったか。俺に何か用なのか?」

 

美咲「えっとですね、花音さんがお世話になったのでそのお礼といってはなんですが、あたしが作ったクッキーを持ってきたので」

 

宥凪「もらっていいのか?」

 

美咲「はい、一応あたしもバンドメンバーなのでお礼だけでも渡しておこうかなと思って」

 

宥凪「さっき会ったこころもそうだけどはぐみは元気いっぱいで振り回されそうな感じだからな…こういった落ち着いた人がいてよかったよ・・・」

 

美咲「あはは、あたしもいつも振り回されますからね・・・」

 

宥凪「なんか苦労人同士気が合いそうだな。これからよろしくな美咲」

 

美咲「はい、よろしくお願いします海月さん。それじゃああたしはこれで」

 

宥凪「せっかく来たんだしもう少しゆっくりしていけばいいのに」

 

美咲「いえ、折角一人でのんびりしていた時間に水を差した感がするので行きますよ。」

 

宥凪「そうか。また今度な」

 

美咲「はい。それじゃあ・・・」

 

そう言って美咲は屋上を後にした

 

宥凪「(水を差した感がするっていってももうすぐ昼休みも終わりなんだけどな…)」

 

美咲が階段を下りたのを確認した後は俺も屋上を後にして次の授業の準備をした…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから午後の授業も終わり、放課後になった

 

【2ーA】

 

(ピロピロリン♪)

 

宥凪「ああ、今日はバイトはないけどそっちの約束があったか」

 

花音「海月くん、今日は時間ある?」

 

宥凪「ごめん、今日は友達と約束してるんだ。」

 

花音「そっか、無理言っちゃってごめんね」

 

宥凪「いや、一緒に帰れないからって無理言ってるわけじゃないから安心していいよ。またな」

 

花音「うん、またね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【花咲川学園前】

 

宥凪「さて…返事をするか。」

 

《Rain》

 

【オリジナル設定:Rain(レイン)。携帯での連絡手段。以上】

 

宥凪「それで、なんなんだひまり?」

 

ひまり「凪―!今日は暇ー!?」

 

宥凪「暇も何も、今日はバイトが休みだからってひまりから誘ってきたんだろ…」

 

ひまり「あれ、そうだったっけ?」

 

宥凪「おい…で、今日はどうするんだ?」

 

ひまり「ショッピングモールでスイーツ食べ歩きしない?」

 

宥凪「俺は騒がしいところは苦手なんだが」

 

ひまり「大丈夫!今日は平日だしそんなに人はいないって!」

 

宥凪「まあ、断る意味もないしいいぞ。」

 

ひまり「やったー!それじゃあ今からショップピングモール前に集合で!」

 

宥凪「はいはい、それじゃあ切るぞ」

 

《Rain終了》

 

宥凪「さて…と、制服のまま邪気が引けるから一度家に戻って着替えてから行くか。」

 

俺は一度家に戻り、制服から私服に着替えてショッピングモールまで向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ショッピングモール:Sunshine】

 

 

ひまり「あ、凪―!遅ーい!」

 

宥凪「制服で来るのは気が引けたから一回家に戻って私服に着替えてきたんだよ。補導されるのは嫌だからな」

 

ひまり「それでも一言連絡ほしいよー!」

 

こいつは上原(うえはら)ひまり。つぐみや蘭たちの幼馴染だ。すごく涙もろく、感動系のアニメやドラマを見せたらすぐ泣くほど。甘いものに目がなく、食べては太るというものすごく困ったちゃんな体質。俺のことは『凪くん』と呼ぶ

 

ひまり「それよりも凪くん!今日は私のスイーツ食べ歩きに付き合ってもらうよ!」

 

宥凪「はいはい、それよりも…」

 

ひまり「どうかしたの?」

 

宥凪「いつの間にか一人増えてるんだけど」

 

??「ほほー、それは誰のことですかなー?」

 

宥凪「お前以外に誰がいるんだモカ」

 

モカ「ふむふむー、みっくんにはお見通しかー」

 

こいつは青葉(あおば)モカ。つぐみ達、5人目の幼馴染だ。とてもと言っていいほど天然で大喰らい。本人曰く『ハンバーガーは15個までが腹8分目―』だそうだ。なぜかどれだけ食べても太らない体質らしく、本人曰く『カロリーをひーちゃんに送っている』のだとか。俺のことは『みっくん』と呼ぶ

 

宥凪「何でここにいるんだモカ?」

 

モカ「うーんと、学校から出てからすぐ家に戻ってから私服に着替えて適当に散歩してたらひーちゃんがここに入っていくのが見えたから後をつけてきたーって感じ?」

 

宥凪「何で最後が疑問形なんだ…」

 

モカ「それでお二人さんはデートかなー?」

 

ひまり「もうモカ!違うよ!私はこれから宥凪くんと一緒にスイーツの食べ歩きをするの!」

 

モカ「またなのー?あんまり食べると太」

 

ひまり「言わないで!」

 

宥凪「ああ、なんか先週見かけた時よりお腹が出てると思ったら太っt」

 

ひまり「だから言わないでー!」

 

宥凪「食べるのはいいことだけど、まずは服装から変えような。ちょうどそこに服屋があるから買ってから行くぞ」

 

ひまり「そんな―!?」

 

宥凪「この状況で警察に見つかってみろ、補導されることはほぼ確実だぞ」

 

ひまり「じゃ、じゃあ宥凪くんが選んで!」

 

宥凪「へいへい。ところでモカはどうする?」

 

モカ「モカちゃんはお邪魔みたいなので今日は帰りまーす」

 

そういってモカはスタコラと帰っていった

 

宥凪「それじゃあまずは服装からだ。それからスイーツの食べ巡りでいいだろ?」

 

ひまり「スイーツが食べれるなら大丈夫!」

 

それから俺たちはひまりの服を買ってからスイーツ食べ歩きに付き合った。急に服を買うことになったので今度のバイト代からひまりに買ってあげた服の代金を払ってもらうという形になった。途中でひまりがスイーツを食べすぎてトイレに行ったものだから途中からは俺が食べる羽目になった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひまり「うぅー・・・食べ過ぎたかも…」

 

宥凪「ほら言わんこっちゃない。食べ過ぎると太るからやめておいた方がいいって言ったのに」

 

ひまり「やっぱり控えるべきだったかなぁ…」

 

宥凪「偶には先輩の言うことも聞いた方がいいぞ、後で後悔することになるからな」

 

ひまり「はーい・・・」

 

(テーレッテッレッテー♪)

 

ひまり「宥凪くん、ケータイなってるよ?」

 

宥凪「ああ、多分あいつからだな。今日はここまでだ」

 

ひまり「誰ですか?」

 

宥凪「まあ、ちょっと騒がしいかもしれないけど従妹が今日からうちに泊まるんだよ。年は俺と一緒なんだけど俺を兄みたいに慕ってくれるいい子だから多分すぐ仲良くなれると思う」

 

ひまり「そうなんだ?それじゃあまたね宥凪くん!」

 

宥凪「ああ、またな。」

 

そう言って俺たちはショッピングセンターで別れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後6時:空港ロビー】

 

宥凪「そろそろこっちに着くころだと思うけど・・・」

 

??「あ、お兄さん!私はこっちですよ!」

 

宥凪「噂をすれば影とはよく言うものだな。久しぶり、メイ。」

 

メイ「お久しぶりです兄さん!」

 

【オリキャラ紹介:桜庭(さくらば)メイ。イギリス人と日本人のハーフで、髪の色はクリアブルー、瞳の色はピンク。俺の父さんの妹にあたる。ハーフと侮るなかれ、日本語はペラペラで2年前からフランスにホームステイしてた際に日本語だけで会話できるように猛勉強し漢字等も読み書きできるようになったのだとか(正し漢字が並んでいると適当に読んでしまう事がある)。俺のことを『兄さん』と呼び、俺にとっては妹のような存在なのでとても可愛がっている。時には甘えてくることもあるが節度をもって接してくれる。】

 

宥凪「2年ぶりか。中学校を卒業していきなりホームステイに行きたいって言った時はどうなることかと思ったけど」

 

メイ「私だっていつまでも子供じゃありませんから。」

 

宥凪「それで、こっちに戻ってきたからにはこっちの高校に入るんだろ?向こうで受験は済ませたって聞いたけどどこに入るんだ?」

 

メイ「私は明日からハナサキガワガクエンというところに転入です!」

 

宥凪「…そこ、俺も今月の頭に転入したんだよ。メイも通うのか。」

 

メイ「はい!かばんも教科書も向こうですでにもらってるので明日は学園長室に向かった後はハナサキガワガクエンの学生です!」

 

宥凪「まあ、これからよろしくな。積もる話もあるだろうから後は俺の家で話そう」

 

メイ「はい!まだまだたくさんの思い出ができたので今日は夜までお話しましょう!」

 

宥凪「明日も学校だからちょっとは自重しような」

 

俺たちは空港を出て俺の家に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後9時:海月家リビング】

 

メイ「あの頃と何も変わらないですね兄さん。」

 

宥凪「まあ、家具とか料理器具が増えたぐらいだけどね。メイがこっちに帰ってくるって聞いた時は少し焦ったけど俺は嬉しかったよ」

 

メイ「私も、兄さんと一緒にまた生活できるなんて嬉しいです!」

 

宥凪「そうかそうか(ナデナデ)」

 

メイ「----♪」

 

宥凪「まあ、メイは節度を持って俺に接してくれるのは知ってるけど学校で俺と話す時は名前で呼んでくれると嬉しい。変に勘違いされて厄介なことになったら困るし」

 

メイ「わかっています兄さん!それでは私はお風呂に入ってきますね!」

 

宥凪「ああ、いってらっしゃい。」

 

メイはそういって風呂場に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数分後、メイが風呂から上がってからはメイの向こうでの思い出話や俺の花咲川学園での生活などいろんなことを話してから俺たちは別々の部屋で寝た。明日からメイも花咲川に通うけどどのクラスになるんだろうな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

バンドリにはイヴちゃんというフィンランド人と日本人のハーフの人がいるのでどうせならと思いオリキャラでイギリス人と日本人のハーフを入れてみました。うーん、やっぱりお兄ちゃんっ子っていいですよね…
え?ハロハピの人があと一人足りない?もちろん出しますよ(キリッ)

それではここまで読んでいただきありがとうございました


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3話:無自覚

話す

ことが

なくなって

しまいました(笑)


 

 

 

 

 

 

 

 

 

5月28日

 

 

今日は昨日こっちに引っ越してきたメイと一緒に花咲川学園に通う日だ。昨日俺は寝る前に部屋で白鷺さんたちに連絡を取った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は昨日に遡って…

 

5月27日

 

《Rain》

 

宥凪「夜分遅くにすみません、海月です」

 

千聖「あら、こんな時間に連絡を入れるなんて珍しいわね」

 

花音「何かあったの?もしかして明日は用事があって学校にはこれないってこと?」

 

宥凪「いえ、逆ですね。ちょっと明日は学校に行く前の寄る所があるので先に二人で学校に向かっててください」

 

千聖「海月くんが学校に来る前に寄り道?珍しいわね」

 

花音「私たちもついて行こうか?」

 

宥凪「いえ、すぐ済む用事なので大丈夫ですよ。心配してくれてありがとうございます。」

 

千聖「そう?気を付けてくるのよ。それじゃあお休みなさい」

 

花音「お休み。千聖ちゃん、海月くん」

 

宥凪「お休みなさい、白鷺さん、松原さん」

 

《Rain終了》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は戻って

 

5月28日

 

【午前7時30分:海月家リビング】

 

宥凪「さて、うまく誤魔化せたかな。白鷺さんたちには悪いけど」

 

メイ「兄さん?何をしてるんですか?」

 

宥凪「ああメイか。いや、ちょっと昨日の夜にクラスメイトと連絡を取ってたんだよ」

 

メイ「もしかして、一緒に学校まで行けるんですか!?」

 

宥凪「いいや、逆だ。メイのことはクラスメイトには伏せてある。それよりも、似合ってるなその格好」

 

メイ「えへへ、ありがとうございます兄さん。それじゃあ行きましょう!」

 

宥凪「ああ。(さて、これからがある意味大変だ…クラスメイトはおろか他の学年の人にも会わないようにしないといけないからな。)」

 

俺たちは家を出た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前7時45分:花咲川学園前】

 

宥凪「なんとか誰にも出くわさずに校舎までたどり着けたな…あとは校舎内に先生たち以外の誰もいないことを祈るしか・・・」

 

メイ「ここが兄さんの通っているハナサキガワガクエンですか!ワクワクです!」

 

宥凪「それを言うならドキドキじゃ・・・まあいいか。とりあえずメイが来ることは学園長に伝えてあるからとりあえず裏門に行っておいてくれ」

 

メイ「わかりました!それではまた後で!」

 

メイは校舎の裏門に走っていった

 

宥凪「やっと行ったか…さて、俺も校舎に入ろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前8時:2ーA】

 

千聖「あら、おはよう海月くん。買い物は終わったのかしら?」

 

宥凪「ええまあ。」

 

花音「何を買ったの?」

 

宥凪「まあ、小物ですけど結構人気なので早めに買っておかないと売り切れちゃうんですよ。」

 

千聖「意外ね、海月くんって小物とかも買うのね」

 

宥凪「別にいくつあっても困りませんし。」

 

花音「それより聞いた?この学校にまた転校生が来るんだって」

 

宥凪「へえ…そうなんですね。(まあ俺は知ってるんだけど、黙っておいた方がいいな。ただどのクラスに入るかまでは聞いてないんだけど)」

 

千聖「今月の頭に海月くんが転入してから一ヶ月が経とうとしているのにもう一人来るなんて今月はイベントが目白押しね」

 

宥凪「そうですね。どこのクラスに来るんでしょうね・・・ざっと見てきましたけど、他のクラスにも席が一つ空いていたようなので」

 

千聖「教室にかばんを置いたと思ったら教室の外に出て行ったのはその確認のためだったのね」

 

宥凪「噂は玄関でめちゃくちゃ聞こえたんで何事かと思いましたよ」

 

花音「広まりすぎて隣のクラスのお話が聞こえるからね・・・あ、先生来たよ」

 

 

 

 

 

 

先生「あー、コホン。今日は皆さんに嬉しいお知らせがあります。今日からこの学園に転入してきた生徒がこのクラスに入ると先ほど学園長から連絡が入りました。」

 

宥凪「(ゑ?まさか…)」

 

先生「それでは、入ってきてください」

 

(ガラガラ)

 

メイ「おはようございます!」

 

宥凪「(やっぱりかあああああ!!)」

 

先生「えー、それでは自己紹介をお願いします」

 

メイ「はい!私の名前は桜庭メイと言います!昨日フランスのホームステイから帰ってきました!父は日本人で、母はイギリス人のハーフです!至らぬ点があるかもしれませんがよろしくお願いします!」

 

先生「えー、それではあそこの席が空いているのでそちらn・・・」

 

メイ「あ、兄さん!」

 

千聖・花音「「兄さん!?」」

 

宥凪「(昨日あれほど言ったよなああああメイいいいいい!?)」

 

先生「なんですか、あなたたちは知り合いだったんですね。ちょうど海月くんの席の隣が空いてるのでそこに座るように」

 

メイ「わかりました!」

 

メイはスタスタと歩いて席についた

 

先生「えー、これから授業を始めます・・・と言いたいところですが1時限目は親睦を深めるために自由時間にします。ですがあまり騒ぎすぎないようにしてください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宥凪「(メイ…お前ぇ…)」

 

千聖「ねえ海月くん?ちょっといいかしら?」

 

宥凪「なんですか・・・?」

 

千聖「メイちゃん、だったかしら?あなたのことを『兄さん』と呼んでいたようだけどあなたたちって兄妹だったのかしら?これまでに一度もそんなことは言ってなかったわよね?」

 

宥凪「あー…すみません。やっぱりそういう質問が来ますよね。まあこの際ですし言っておきますか。その通りですよ、俺とメイは血が繋がってません」

 

花音「ならなんで海月くんのことを『兄さん』って呼んでたの?」

 

宥凪「小さいころからメイは俺に隙あらば甘えてきててな。自然と妹のような感じになって来たからメイの方から俺を『兄さん』って呼ぶようになったんだよ。まあ節度をもって接してくれるから安心してください」

 

千聖「そうなのね、てっきり彼女さんだとばかり思ってたけど」

 

宥凪「俺みたいな自由気ままな人間にこんな元気のいい子が彼女だと思いますか?」

 

千聖「…ないわね。海月くんが彼女にする人を選びそうだわ」

 

宥凪「そうでしょう?」

 

千聖「ちなみに海月くん、彼女はいるのかしら?」

 

宥凪「いいえ、いませんね。俺は自由気ままに過ごしてきたせいか一人でいることが多かったので」

 

花音「たしかに、海月くんは昼休みの時間も私たちといるか一人で過ごしてるかの二択だからね・・・彼女さんを作ろうと思ったことはないの?」

 

宥凪「まあ、思ったことはないですね。俺はあまり大人数でいるところが好きじゃないんで」

 

メイ「兄さんは昔から私以外の人と話してるところを見たことも聞いたこともないので兄さん次第ですね」

 

宥凪「何も言い返せないのが悔しいけどこれが俺の自由気ままな生き方だしなぁ…今更変えろっていう方も無理だけどそろそろこの自由気ままな生き方を変えた方がいいかもな」

 

花音「試しにやってみる?」

 

宥凪「何を?」

 

花音「今日、みんなでショッピングモールに買い物に行こうよ。」

 

千聖「いいわね、メイちゃんもどうかしら?」

 

メイ「ご一緒しても構わないのでしたらぜひ!」

 

宥凪「俺は今日もバイトは休みだから大丈夫だ」

 

花音「決まりだね。それじゃあ放課後は校舎前に集合で」

 

宥凪「わかった」

 

それからその日の授業を軽くこなし、放課後になった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【放課後:花咲川学園前】

 

宥凪「おまたせ。日直の仕事が長引いちゃって」

 

花音「大丈夫だよ、私たちもさっきまでお話してたから」

 

千聖「遅くならないうちに行きましょうか」

 

メイ「はい!こっちでの初めてのお出かけなので楽しみです!」

 

宥凪「んじゃま、行きますか・・・」

 

俺たちはショッピングモールに足を進めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ショッピングモール:Sunshine】

 

花音「噂には聞いてたけどすごい大きいね・・・」

 

千聖「私は何度か収録できたことがあるけど、やっぱり慣れないわね・・・」

 

宥凪「え?白鷺さんが収録に?もしかして白鷺さんは芸能人だったんですか?」

 

千聖「言ってなかったわね。私は『Pastel*Palettes』っていうアイドルバンドのベース担当なのよ。」

 

メイ「そうだったんですね!」

 

宥凪「俺はテレビはよく見る方なんですけど白鷺さんがアイドルなんて知りませんでしたよ。」

 

千聖「普段は私は何気ない女子高生として生活しているから話す機会がなかっただけかもしれないわね。ちなみに花音と同じところでバイトしている彩ちゃんもメンバーよ」

 

宥凪「あれ、そうだったんですか?」

 

花音「うん、彩ちゃんとはよく話すんだ」

 

宥凪「じゃあ俺もこれを期にコミュニティの輪を広げてみますか。昨日も心や美咲と少しだけど話しましたし」

 

花音「こころちゃんと美咲ちゃんと?何を話したの?」

 

宥凪「まあ、こころからは『バンドメンバーにならないかしら?』なんて誘って来たし。まあ美咲とは苦労人同士気が合うとか話し合ったりだな」

 

花音「美咲ちゃんたちがそんなことを?」

 

メイ「なんだか楽しそうですね!」

 

宥凪「これが『楽しそう』って考えることができるメイが羨ましいよ…」

 

花音「でも、メイちゃんのそのポジティブな性格を見習おうかな…」

 

宥凪「やめておいたほうがいいですよ。メイはポジティブすぎて落ち込むことの方が少ないんですから」

 

千聖「そう?そうだとしても学ぶことに関してはいいことだと思うけれど」

 

宥凪「白鷺さんがそう言うなら…別に止めはしませんけどあまり無茶はしないでくださいね」

 

花音「うん!」

 

それから俺たちは適当にふらついて服などを見て回った。白鷺さんや松原さんに少しだけ服を買ってあげたら喜んでくれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後6時30分:ショッピングモール前】

 

千聖「今日はありがとう、みんな。」

 

花音「ううん、私もみんなとここに来れてよかったよ」

 

メイ「私も、買いたいものがたくさん見つかったのでよかったです!」

 

宥凪「俺は皆さんに服を買ってあげたりとこの中で一番消費が激しかったですけどね・・・」

 

千聖「いいじゃない、海月くんに彼女ができたらこういう事もあるでしょうし」

 

宥凪「まあ、前向きに考えてみますよ」

 

メイ「それでは、私と兄さんはここで失礼しますね!」

 

花音「うん、またねメイちゃん、海月くん。」

 

千聖「また学校で会いましょう」

 

宥凪「はい、また明日」

 

俺たちは別れてそれぞれの帰路についた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【海月家への帰り道】

 

メイ「兄さん、今日は付き合ってくれてありがとうございました!」

 

宥凪「まあ、今日はメイを連れてどこかに行こうって計画してたし、クラスメイトも紹介しようかなって思ってたから同時進行できてよかったよ。」

 

メイ「それはよかったです!ところで兄さん?」

 

宥凪「なんだ?」

 

メイ「先ほど、カノジョさんという話が出ましたが、カノジョさんとは何でしょうか?」

 

宥凪「(そこからか…)彼女っていうのはな、男の人が女の子に好きだって告白して、オッケーを出した女の子のことを指すんだ。例えば、俺が今メイに告白したとして、メイがオッケーを出したらメイは俺の彼女ってことなんだ。わかったか?」

 

メイ「なるほど!わかりました!向こうで知ったことなんですが、これが好意を寄せるということですね!」

 

宥凪「向こうでどんな知識を得たのかは知らないけど・・・まあそうなるな。」

 

メイ「ふむふむ…ちなみに兄さんは今好意を寄せてる人はいるんですか?」

 

宥凪「今はいないけど、なんで今そんなことを?」

 

メイ「それは・・・」

 

宥凪「?」

 

メイ「な、なんでもないです!それでは失礼します!」

 

宥凪「ってメイ?待って・・・ってもう行ったか。なんなんだ?」

 

 

 

 

メイ・宥凪sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花音・千聖side

 

花音「ねえ千聖ちゃん、聞いてもいいかな?」

 

千聖「珍しいわね、花音から聞いてくるなんて。何を聞きたいの?」

 

花音「千聖ちゃんも、海月くんのことが好き…だったりする?」

 

千聖「『私も』と聞くということは花音ももしかして海月くんのことが好きなのかしら?」

 

花音「う、うん…最初に助けてもらってから海月くんのことが気になって、それから私たちのクラスに転入してきたときに心が少しだけ締め付けられるような感覚になって…たぶんこれが『好き』って気持ちなんだと思う・・・」

 

千聖「そうね…花音がそう思うのならそうでしょうね。でも私は海月くんのことは今は好きではないわね」

 

花音「『今は』?もしかして千聖ちゃん、自分がアイドルだってことを気にしてるの?」

 

千聖「ええ、アイドルが恋愛なんてしたらスキャンダルになるのは間違いないでしょうし、もし付き合うにしても本当に好きかどうかを心で判断してから告白しないと後で後悔することになるのよ」

 

花音「そっかぁ…」

 

千聖「それにしても花音が恋…ね。いつかはするって思っていたけれど今するなんて思ってなかったわ」

 

花音「それって、私が鈍感だってこと・・・?」

 

千聖「いいえ、違うわ。さて、どうかしらね?」

 

花音「ち、千聖ちゃん・・・?もったいぶらないで教えてよー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

とくに

話すことが

ないんです

それではここまで読んでいただきありがとうございました


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4話:キッカケがもたらした出来事

どうも、昨日投稿ができなかった理由は疲労の蓄積がヤバくて眠っていましたよとルミィです。

最近は仕事が忙しくなってきてるので投稿ペースが遅れる可能性があります…その時はすみません

それでは本編へどうぞ


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メイがこっちに引っ越して来てからさらに日が経った。あれから俺もメイも花咲川で何気なく普通に学生生活を送っているが、偶に松原さんも白鷺さんもメイもどこかよそよそしい態度で俺に話しかけてくる。その話題はというと、『好きな食べ物』や『好きな料理』といった食生活関連の話題が多かった。まあ好きなものなんて上げたらキリないし、適当に答えたりしたらほっぺたを膨らませたりして不機嫌な態度を取ったりもしていたので俺には何のことかまったくもってわからなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6月30日

 

【昼休み:屋上】

 

宥凪「本当に何なんだ最近の松原さんや白鷺さん、それにメイまで・・・俺、何か悪いことしたか?まったくそんな記憶ないんだが・・・まあいいか、今日は何やら3人で話し込んでるみたいだし久しぶりにのんびり過ごせそうだな…」

 

(ガチャ…)

 

??「今日は屋上には誰もいなさそうだね」

 

??「だな、ここのところは香澄たちにお昼いに誘われては振り回されまくったしなぁ…やっと静かに過ごせそうだ」

 

宥凪「(何だ?聞く限り後輩2人の声がするな…まあ俺はただのんびりできればそれでいいんだけど)」

 

(ガタッ)

 

??「あれ?今上の方で物音がしたような・・・」

 

??「んなことあるわけねーだろ、さっさと飯済ませるぞー」

 

宥凪「(こりゃ後輩たちに申し訳ないことしたな…ん?)」

 

(ガッシャーン!)

 

??「ええっ!?な、何の音!?」

 

宥凪「いって…最近あそこのコンクリートが痛んでたっていう情報は本当だったか…腰から落ちてしまった…」

 

??「(ジー)」

 

宥凪「あ」

 

??「ネクタイの色を見る限り先輩ですよね?どうしてこんなところにいるんですか?」

 

宥凪「まあちょっと弁当を食べてのんびり過ごそうかって思ってたところだよ。で、二人もお昼か?」

 

??「はい。あ、私は市ヶ谷有咲(いちがやありさ)っていいます。ここの1年で隣にいるりみとは別のクラスですけど」

 

りみ「私は牛込(うしごめ)りみっていいます。よろしくお願いします、先輩」

 

宥凪「俺は海月宥凪だ。ここの2年で2ーBにいる。」

 

有咲「あれ?2ーBっていったら白鷺さんたちがいるクラスじゃ?」

 

宥凪「なんだ、知っているんだな」

 

りみ「海月先輩っていったら花咲川唯一の男子生徒なので1年生の間でも有名ですよ。」

 

宥凪「そこまで知れ渡ってるのか…まあいいか。二人の昼ご飯を邪魔したら悪いし俺は行k・・・」

 

りみ「あ、あの!海月先輩さえよければ、私たちとお話しませんか!?」

 

有咲「はあ!?何言ってんだよりみ!海月先輩は私たちに気を遣ってるんだよ!海月先輩、私たちのことは気にしなくて大丈夫ですから」

 

宥凪「んー・・・まあ話すだけならいいか」

 

有咲「いや、無理して付き合ってくれなくていいんですよ?」

 

宥凪「俺たちは初対面だし、これからまた会うことがあるにしても話すことがないかもしれないだろ?なら今ここで少しだけでも親睦を深めてもいいって思うんだ」

 

有咲「そ、そう言うなら・・・」

 

宥凪「それで、何を話すか?」

 

りみ「あの、海月先輩って…」

 

宥凪「あー、その『海月先輩』っていうのはなしにしてくれ、なんか背中が痒くなる」

 

有咲「じゃあ海月さんでいいですか?」

 

宥凪「じゃあそれで。」

 

りみ「それで、海月さんは何でここにいたんですか?」

 

宥凪「さっきも言ったと思うけど、単なる暇つぶしだよ。教室にいても何もすることないし、こころとかはぐみに巻き込まれるのはごめんだから屋上で日向ぼっこしてた。で、後のことはりみたちが知っての通り、俺は床が崩れて腰を打ったってわけ」

 

有咲「それ、大丈夫なんですか?そこそこの高さから落ちましたよね?」

 

宥凪「子供のころから坂から滑り落ちたりケガに関するハプニングが続出だったから自然と体が丈夫になったから大丈夫だ」

 

有咲「海月さん、昔から苦労してるんですね・・・」

 

宥凪「まあな…帰ったら親に説明するのがめんどくさかったよ・・・月1で何処かしらに怪我してたし」

 

りみ「そ、それは逆にすごいような・・・」

 

宥凪「それから親も慣れたのか何か月か経った後にはもう説明を求められなくなったな」

 

有咲「海月さんの親、飽きるの早くないですか?」

 

宥凪「意外と飽きっぽかったからな俺の両親」

 

りみ「『飽きっぽかった』?今はどうしてるんですか?」

 

宥凪「俺と離れて二人で新しい家に住んでるよ。両親が建築家だったから新しい仕事場に行っては家を建ててるって言ってた。」

 

有咲「それじゃあ、今は一人暮らしなんですか?」

 

宥凪「いや、この間こっちに転入してきたメイと一緒に暮らしてるよ。」

 

りみ「メイって、桜庭先輩のことですか?」

 

宥凪「ああ、俺の従妹で偶に実の妹のように甘えてくるんだよ。初対面の人ともすぐ仲良くなれるし今度紹介するよ」

 

有咲「ありがとうございます、海月さん。私もコミュニティの輪を広げたかったので助かります」

 

宥凪「それといっては何だけど、また時間があったらここで話さないか?」

 

有咲「別にそれくらいならいいですよ。りみもいいか?」

 

りみ「うん、大丈夫だよ有咲ちゃん」

 

(ガチャ・・・)

 

??「さっきここですごい音がしましたが・・・何があったんですか?」

 

宥凪「あれ、紗夜さん。さっきの音って?」

 

紗夜「先ほど私たちの教室の上から落ちたような音がしたので何事かと思って来たんです。何があったんですか?」

 

宥凪「あー…それはですね…」

 

海月説明中…

 

 

 

 

紗夜「そういうことですか。大丈夫ですか海月くん?」

 

宥凪「俺は大丈夫です。心配させてすみません紗夜さん」

 

この人は氷川紗夜(ひかわさよ)さん。花咲川学園の2年生で風紀委員をやっている。とてもまじめな性格で成績優秀。偶に互いに時間があったときに勉強を見てもらったりもしている。

 

宥凪「それで紗夜さん、何か頼みたいことでもあるんですか?さっきから手に何かを持っているように見えるので」

 

紗夜「ええ、実は海月くんに頼みたいことがあるんです。羽丘学園はご存知ですよね?」

 

宥凪「はい。昔一緒に遊んでいた幼馴染が通ってる高校ですね。羽丘がどうかしたんですか?」

 

紗夜「そこに通っている私の妹がいるんですが、ギターのピックを忘れて行ってしまったんです。私は放課後は用事があっていけないので、代わりに届けに行っていただけませんか?妹に連絡はしてありますので」

 

宥凪「大丈夫ですよ、今日はバイトが休みなので。」

 

紗夜「すみません、それでは私はこれで失礼しますね」

 

紗夜さんは屋上を出て行った

 

 

 

 

 

 

 

その後、りみと有咲の連絡先を教えてもらい、昼休みは終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【放課後】

 

宥凪「さて…と」

 

メイ「兄さん!この後予定はありますか!?」

 

宥凪「あー、悪い。紗夜さんにちょっと頼まれごとをされて今日は無理だな。また今度誘ってくれ。」

 

千聖「あら、残念ね。といっても私も用事があるから今日は無理だけれど…それじゃあまた明日」

 

宥凪「はい、また明日」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【羽丘学園校舎前】

 

宥凪「さて、羽丘に来たはいいがどこがどうなのかはあまり知らないからな…誰かに聞いた方がいいだろうけどそう簡単に見つかるわけ・・・」

 

??「おや、キミは誰だい?花咲川の生徒がこっちに来るなんて珍しいこともあるものだ」

 

宥凪「どうも。俺は花咲川2年の海月宥凪です。」

 

??「私は瀬田薫(せたかおる)だ。よろしく、海月。それで、ここに何のようだい?」

 

宥凪「あ、はい。実は紗夜さんの妹さんにギターのピックを届けに来たのはいいんですがどこにいるのかわからなくてですね・・・」

 

薫「そうか、紗夜が遣わせた使者はキミか。日菜は今3階の生徒会室にいるよ」

 

宥凪「わかりました、ありがとうございます。」

 

薫「機会があればまた会おうじゃないか。」

 

俺は校舎に入っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【羽丘学園:生徒会室前】

 

(コンコン)

 

??「鍵開いてるよー!」

 

(ガチャ)

 

宥凪「失礼します。瀬田さんから紗夜さんの妹さんがこっちにいると聞いてきましたが」

 

??「おねーちゃんの友達?あたしは氷川日菜(ひかわひな)だよ!」

 

宥凪「俺は海月宥凪っていいます。日菜さんに届け物があってきました」

 

日菜「なになに?」

 

宥凪「ギターのピック、忘れたそうですね。紗夜さんは用事があると言っていたので俺が代わりに届けに来ました」

 

日菜「あー!ありがとう海くん!これがないとギターをるんってさせれないんだー」

 

宥凪「海くん・・・?それにるんってなんです?」

 

日菜「るんっはるんっだよ?」

 

宥凪「はあ…それじゃあ俺は届け物を届けたんで俺はこれで・・・」

 

日菜「ねえねえ海くん!この後時間ある?」

 

宥凪「この後…ですか?別に日菜さんにお届け物を届けられたので暇ですけど」

 

日菜「それじゃ―…あたしについてきて!」

 

宥凪「どこに行くんです?」

 

日菜「たぶん、海くんがるんってする所だよ!」

 

宥凪「は、はあ…」

 

そう日菜さんは言って俺の手を引いて羽丘学園を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【芸能事務所前】

 

宥凪「で、ここはなんなんです?」

 

日菜「あたしが所属してる事務所!」

 

宥凪「それで、ここに連れてきて俺をどうしようっていうんですか?」

 

日菜「あたしがいるアイドルバンドのみんなに紹介しようかなーって!」

 

宥凪「アイドルバンドのメンバー…ですか(あれ?前にも似たようなことを聞いたような…)」

 

日菜「それじゃあ入ろうよ!」

 

宥凪「ちょっ…!ちゃんと歩きますからお願いですから手を離しt・・・!」

 

日菜さんは俺の言うことを聞かずに俺の手を引いて事務所内に俺を連れて・・・もとい連行していった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【休憩室前】

 

日菜「着いたー!」

 

宥凪「そんなにがっちり手を握らなくても今更逃げませんから・・・お願いですから手を離してください・・・」

 

日菜「えー?すごい海くんの手が温かくてるんってくるのに。」

 

宥凪「お願いします」

 

日菜「ちぇー…」

 

日菜さんは俺の手を離した

 

日菜「それじゃあ入ろっか!」

 

宥凪「はいはい…わかりましたよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【休憩室】

 

日菜「ごめんねみんな!この間買ったるんってくるギターのピックを忘れちゃって、届けてくれた人も連れてきちゃった!」

 

宥凪「どうも・・・日菜さんにギターのピックを届けに来たら巻き込まれました海月宥凪です」

 

千聖「あら…?海月くん?」

 

宥凪「あれ、白鷺さん?」

 

彩「あっ、海月くんだ!こんにちは!」

 

宥凪「彩さんまで?」

 

??「あなたがチサトさんが最近お話していたミツキユウナギさんですね!私は若宮イヴと申します!花咲川学園の1年生です!」

 

宥凪「ん?花咲川学園の後輩だったのか。改めて、俺は海月宥凪だ。よろしくな、イヴ」

 

イヴ「はい!よろしくお願いします!」

 

??「では次はジブンですね。ジブンは大和麻弥といいます。日菜さんと同じ羽丘学園の2年生ですね」

 

宥凪「日菜さんとは対照的で落ち着いてますね。よろしくお願いします大和さん」

 

麻弥「はい!よろしくお願いするっす!」

 

宥凪「それで、ここにいるみんながアイドルバンド…でしたっけ」

 

千聖「ええ。私が言ったと思うけれど、私たち5人で『Pastel*Palettes』っていうバンドなの。私はベース担当ね」

 

彩「私はボーカル担当だよ!」

 

日菜「あたしはギター!」

 

イヴ「私はキーボードです!」

 

麻弥「ジブンはドラムですね」

 

宥凪「なるほど・・・それで日菜さん、俺をここに連れてきた他の理由は?」

 

日菜「ないよ?」

 

宥凪「…はい?」

 

日菜「だから、他に理由なんてないよ?」

 

千聖「ごめんなさいね海月くん。日菜ちゃんは思いついたら即行動するのよ・・・だからこれから日菜ちゃんには気を付けた方がいいわ」

 

宥凪「…頑張ります」

 

彩「そうだ!せっかくみんなで集まったんだから何かお話しようよ!」

 

宥凪「まあそれくらいなら・・・」

 

俺たちはいつの間にか置いてあった机の上のお菓子を食べながら適当に雑談した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【芸能事務所からの帰り道】

 

宥凪「結局今日も誰かに振り回される一日になりましたね俺・・・」

 

千聖「ごめんなさいね、海月くん。日菜ちゃんにギターのピックを届けに来たばかりに・・・」

 

宥凪「いえ、紗夜さんが行けなかったんで仕方ないですよ。まあ千聖さんたちの新しい一面が見れたのでよかったですが」

 

千聖「ふふっ、ありがとう海月くん。」

 

宥凪「まあ…これからはまた注意する人が増えたってのがきついですけど」

 

千聖「そうね…」

 

宥凪「まあ、退屈はしなさそうなのでいいんですけどね」

 

千聖「海月くんは私の新しい一面を見てどうだったかしら?」

 

宥凪「そうですね、学校にいるときの白鷺さんより輝いて見えたのは確かです。学校では学生、事務所ではアイドルバンドの一員…どっちも白鷺さんらしくていいと思います。」

 

千聖「ふふ、ありがとう海月くん。一つ海月くんにお礼をしようかしら」

 

宥凪「そんな、お礼をされるほどじゃないですよ。」

 

千聖「私がしたいからしたいのよ。」

 

宥凪「はあ…まあいいですけど。それでお礼って何かくれるんですか?」

 

千聖「形には残らないものだけれど…」

 

そういって白鷺さんは俺の手を握ってきた

 

宥凪「し、白鷺さん・・・?」

 

千聖「ふふっ、ビックリしたって顔をしてるわね。アイドルに手を握られるのがそんなに驚くものなのかしら?」

 

宥凪「そりゃ、ビックリしますよ…俺は女の人とまともに手を繋いだことすらなかったのに、それもアイドルから手を握られてびっくりするなって言われる方が無理だと思います」

 

千聖「そうね。それで海月くん・・・今はどんな気持ちかしら?」

 

宥凪「どうって…嬉しいですよ。俺と初めて手を繋いだのが白鷺さんで。」

 

千聖「ふふ、ありがとう。」

 

そういって白鷺さんは俺の手を離した

 

千聖「改めてありがとう、海月くん。私はここからこっちだから今日はお別れね」

 

宥凪「いえ、俺も貴重な体験をさせてもらってありがとうございました。それではまた明日」

 

俺たちは分かれ道で分かれ、それぞれの帰路についた。帰り際に白鷺さんが見せてくれた笑顔は輝いて見えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宥凪side

 

宥凪「(一体何だったんだ・・・?さっきの白鷺さん、いつもとはまた違ったような…それに、手を繋いだ時に何か心が締め付けられるような感覚が・・・何なんだ、この感覚?)」

 

宥凪side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千聖side

 

千聖「(ふふっ。海月くん驚いてたわね。それに、手を一度握っただけなのに海月くんの手、とても暖かったわね。それに…こんな気持ちになったのは初めてだわ。やっぱり私は海月くんのことが・・・)」

 

千聖side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

やーっとハロハピメンバー全員を出すことができました…あとパスパレメンバーも全員出せました(というか出しました)。あとRoseliaの紗夜さんが一番に出てくる形になってしまってすみませんでした。最初はリーダーの友希那さんから出したかったのですが花咲川メインで進める都合上友希那さんは後出しという形になってしまって本当にすみません…

それではここまで読んでいただきありがとうございました


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5話:計画と訪問

どうも、復刻ハロウィンガチャで大爆死したルミィです

まあハロウィン麻弥ちゃんが出ただけでもよかったですが・・・星4すら出なかったのは悲しいです(悲)確率的には出てもよかったんですけどね…まあ出ないものはしょうがないですし

それでは本編へどうぞ






 

 

 

 

 

 

 

 

 

紗夜さんに頼まれて羽丘にいる紗夜さんの妹である日菜さんに会ってからPastel*Palettesというアイドルバンドに出会ってさらに日が経った。白鷺さんに手を握られてからというものの、白鷺さんの様子は以前より俺に対して積極的になったように感じた。あの後の俺はというと…メイに何をしていたかと問い詰められ、その日に起きたことを説明したら羨ましがっていた。メイは向こうで何度かアイドルに勧誘されたらしいが、メイ曰く『私はまだ舞台に立てるほど演技も歌も上手くはないので立つときは自分でオーディションをちゃんと受けます!』らしい。で、今日は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7月14日

 

宥凪「やーっとテスト終わった・・・期末テストってこんなに期間長かったか・・・?」

 

花音「去年と同じだよ?」

 

千聖「ええ、近年は少子化に伴ってテスト範囲も少し広く取られていて教科も2教科くらい増えているから長く感じるのかもしれないわ。メイちゃんはどうだったかしら?」

 

メイ「国語と英語はばっちりです!ただ数学と社会が心配ですね…」

 

宥凪「思ったんですけど、夏休みっていつからなんですか?」

 

花音「確か、来週からだったかな」

 

千聖「ええ、来週からね。テスト期間が遅いかわりにテストが終わった1週間後は夏休みに入るのよ」

 

宥凪「そうなんですね。ちなみに他の学年も今日でテスト期間は終わりなんですか?」

 

花音「うん。でもここだけじゃなくて羽丘学園もテスト期間は今日までだって薫さんも言ってたよ」

 

宥凪「薫さんって…ああ、先々週に会ったあのなんだか変なセリフを言っていた人ですか。」

 

千聖「あら?海月くん、薫を知っているの?」

 

宥凪「はい、日菜さんにギターのピックを届けに行った際に学園前にいたんですよ。それで生徒会室までのルートを教えてくれました」

 

花音「実は薫さん、ハロハピのメンバーなんだよ。」

 

宥凪「あの人が・・・ですか。なんだか異質なバンドですね…」

 

花音「あ、そうだ。海月くん、この後時間あるよね?」

 

宥凪「俺ですか?まあ暇ですけど」

 

花音「海月くんさえよければ、私がいるバンドの練習風景を見に来ない?」

 

宥凪「えっと、ハロハピでしたっけ。こころと松原さんとはぐみと瀬田さんと美咲の5人でしたっけ」

 

花音「うん、ちょっと変わってるかもしれないけどバンドとしては人気な方だよ」

 

宥凪「へえ・・・ならちょっと見て行こうかな。メイはどうする?」

 

メイ「私は千聖さんに事務所まで案内してもらってパスパレの皆さんにあいさつしに行きます!」

 

宥凪「じゃあ今日は一度別れるな。またな、メイ」

 

メイ「はい!兄さんもまた後で!」

 

そう言って俺たちは教室で別れ、俺は松原さんに、メイは白鷺さんについていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【???】

 

宥凪「で…ここってなんですか?」

 

花音「ここはこころちゃんの家だよ。いつもここでハロハピの練習や練習に関する話し合いとかをするんだ」

 

宥凪「こんな大きい豪邸で、ですか・・・というかここ誰の家なんです?」

 

花音「こころちゃんだよ。」

 

宥凪「やっぱりですか・・・」

 

(チョンチョン)

 

はぐみ「あれー?かのちゃん先輩と凪くんだー!こんなところでどうしたのー?」

 

宥凪「あれ、はぐみ?実は…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はぐみ「なるほどー、かのちゃん先輩にハロハピの練習風景を見て行かないかって誘われたんだー!」

 

宥凪「まあ、そういうことだ。」

 

はぐみ「それにしてもかのちゃん先輩が男の人を誘ってくるなんて!よほどかのちゃん先輩は凪くんのことを気に入ったのかなー?」

 

花音「そ、そんなんじゃないよはぐみちゃん!」

 

はぐみ「まぁいいやー!それより中に入ろうよ!こころんも薫くんも待ってるよ!」

 

はぐみは俺と松原さんの手を引いてこころの家(?)に連行された

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【弦巻邸:玄関】

 

はぐみ「こころーん!かのちゃん先輩と凪くん連れてきたよー!」

 

はぐみがそう言うと、2階の手すりの上からジャンプしてこっちに側転しながらやってきた。こころ、噂に違わない運動神経だな…

 

こころ「あら、宥凪じゃない!今日はどうしてここに?」

 

宥凪「実は…」

 

 

 

 

 

 

 

 

こころ「花音が誘ったのね!素敵じゃない!」

 

宥凪「まあ、偶然今日はバイトが休みだったのでついてきたんだよ。」

 

こころ「でもメイはついてこなかったのね?」

 

宥凪「メイなら白鷺さんについていって今頃は事務所だろうな。メイはアイドルに憧れていて、いつか自分もああいう風になりたいって言ってたし」

 

こころ「素敵な夢ね!応援するわ!」

 

花音「こころちゃん、もうみんな来てるなら早く練習についての話し合いをしないかな?」

 

こころ「それもそうね!宥凪、ついてきなさい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【こころの部屋】

 

こころ「薫!美咲!みんなを連れてきたわよ!ってあら?美咲はどこに行ったのかしら?」

 

??「美咲ちゃんなら用事があるとかでどこかに行っちゃったよー?」

 

こころ「そうなの?なら仕方ないわね!さっそく話し合いを始めましょう!」

 

薫「おや、宥凪じゃないか。はぐみに聞いたよ、花音に連れられてきたんだったね」

 

宥凪「ええ、まあ・・・ところで花音さんに美咲もメンバーだって聞いたんですけど当の本人はどこにいるんです?」

 

??「ここだよー」

 

宥凪「ゑ?」

 

俺は声がする方を向いてみると、ピンクのクマが立っていた

 

宥凪「まさか…美咲、なのか?」

 

美咲「はい・・・まあここではミッシェルって呼んでください。こころ達3バカが混乱するのでできるだけ控えてもらえると…」

 

宥凪「わかった、できるだけミッシェルって呼ぶことにするよ」

 

美咲「助かります・・・」

 

はぐみ「凪くん、もうミッシェルと仲良くなったんだね!」

 

宥凪「まあマスコットって滅多に見ないし、すぐ仲良くなったのが不思議でならないんだけどな…」

 

花音「それでこころちゃん、今日の話し合いって何するの?」

 

こころ「よく聞いてくれたわね!実は、あたしの船の上でパーティをしようと思うの!」

 

宥凪「ゑっ?なんて?」

 

こころ「あたしの船でー、パーティをするの!」

 

宥凪「いつ?」

 

こころ「そうね、夏休みに入った次の日なんてどうかしら?」

 

宥凪「だとすると、日程は7月24日か・・・うん、その日はバイトも入ってないし大丈夫だ。他のメンバーはどうなんだ?」

 

はぐみ「はぐみは大丈夫だよ!」

 

薫「私も大丈夫だ、問題ないよ」

 

花音「私もその日は大丈夫だよ」

 

こころ「美咲はどうなのかしら?」

 

ミッシェル(美咲)「美咲ちゃんかー、ちょっと連絡とってみるねー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミッシェル(美咲)「美咲ちゃんもその日は大丈夫だってー。」

 

宥凪「というか、俺もパーティーに参加して大丈夫なのか?俺はバンドに関しては部外者のようなものなんだけど」

 

こころ「大丈夫よ!だってこれは宥凪の歓迎パーティも兼ねたものなのよ!」

 

宥凪「俺の歓迎パーティーをしてくれるのは嬉しいんだけど、俺はハロハピに入るなんて一言も言ってないんだけど」

 

はぐみ「違うよ凪くん!これは凪くんが花咲川に入ってきてからこころんがずっと考えていたことなんだよ!」

 

宥凪「こころが?」

 

こころ「ええ!宥凪ってこっちに来てからまだ2か月とちょっとしか経っていないわよね?」

 

宥凪「そうだな。」

 

花音「だから、花咲川にいる私たちと羽丘にいる薫さんたちとの親睦会…って言った方が速いかもしれないね」

 

宥凪「親睦会か・・・そう考えると悪くないかもな。」

 

こころ「そうでしょう?なら決まりね!さっそくパーティーについて話すわよ!」

 

宥凪「パーティーについて話すっていっても具体的には何を話すんだ?料理とか誘う人たちとか?」

 

こころ「そうね…でも今回のパーティは私たちだけでやりましょう!」

 

宥凪「それだとパーティも何もないような気がするが・・・」

 

こころ「そうね…それなら薫!あなたにしてほしいことがあるのよ!」

 

薫「おや、私をご指名かいこころ?それで、してほしいことはなんだい?」

 

こころ「それはね…(ゴニョゴニョゴニョ…)」

 

薫「ふふ、それは面白いね。私でよければその役、かわせてもらうよ」

 

こころ「きまりね!」

 

宥凪「薫さん、こころに何を頼まれたんですか?」

 

薫「ふふ、当日のお楽しみさ。急かす男は嫌われるよ?」

 

宥凪「はあ…俺にはよくわからないです。」

 

こころ「それじゃあ今日は解散よ!当日を楽しみにしててちょうだい!」

 

こころがそう言うと俺たちは解散した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【海月家:リビング】

 

宥凪「で、なんで俺の家に来たいって言いだしたんです?」

 

花音「私、まだ海月くんの家に上がったことなかったし、どういう感じなのか知りたくて…迷惑だったかな?」

 

宥凪「なんか期待されてるみたいですけど、そこまで物があるわけじゃないですしごく普通の家ですよ。それに、迷惑なんてことはないですよ。ただ松原さんがうちに来たいって言いだした時は驚きましたけど」

 

花音「そんなに驚くことかな?」

 

宥凪「驚きますよ。松原さんって俺から見たらインドアのイメージなのでこうしてうちに来ることなんてそんなにないですし」

 

花音「確かに私は家から出ることはあまりないけど、水族館にはよく行くんだよ?」

 

宥凪「水族館ですか、確かにあそこは落ち着くにはいいところですけど何かあるんですか?」

 

花音「私、海月を見るのが好きなんだ。でも海月に触ると体がしびれるとかで触れなくて・・・」

 

宥凪「ああ、確かに・・・そういえば松原さんに出会った初日にお礼でクラゲばプリントされた栞をもらいましたね。」

 

花音「栞、使ってる?」

 

宥凪「こんなに素敵な栞、使うのがもったいなくて栞としてではなくてお守りとして筆箱に入れてますね…」

 

花音「ふふ、大事に持っていてくれてるんだね。嬉しいよ」

 

宥凪「人からもらったものは大抵身に着けるか使うかの二択なんですけど、こういうのってなかなか使いにくくて反応に困っちゃうんですよね…本はよく読むんですけど結構流し読みすることが多くて」

 

花音「でも教科書とかは普通に何度も見直したりしてるよね?」

 

宥凪「まあ、見直しは何度してもいいですしテストとかにも必要ですからね。」

 

花音「海月くん、変なことかもしれないけど聞いてもいいかな?」

 

宥凪「なんですか?俺に答えれるものなら何でも聞いてください」

 

花音「海月くんって、好きな人っているの?」

 

宥凪「いえ、いないですね。」

 

花音「それじゃあ、好きな異性のタイプってどんな人が好みなの?」

 

宥凪「好きな異性のタイプ…ですか。んー…なんかこう、普段は頼りないように見えて実は頑張り屋だったり、みんなを引っ張っていく人だったり…そんなタイプの人が好きですね。でもどうしていきなりそんなことを?」

 

花音「え、えっとその…な、なんでもないよ!そ、それじゃあ私は帰るね!」

 

(ガチャン!)

 

宥凪「一体何だったんだ・・・?というか一人で帰って大丈夫なんだろうか・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【一方その頃・・・】

 

花音「ふぇぇー・・・迷っちゃったよぉ…(でも、海月くんから聞けたのはよかったかも…それに、今度のハロハピのパーティーにも来てくれるし・・・が、頑張ろう!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【海月家:宥凪の部屋】

 

宥凪「ということがあってだな…ってメイ?聞いてるか?」

 

メイ「聞いてるよ?それで、兄さんはどう思うの?その二人のタイプの人のこと」

 

宥凪「まあ・・・好きなタイプってだけで誰か心当たりがあるってわけでもないんだけどな。気になってるっていうのも確かだし」

 

メイ「ふーん…?(やっぱり兄さん、あの二人のことが気になってたんだね。私はちょっと悔しいけどこの件に関しては引いた方がいいかも・・・私の思いが実らないのはちょっと悔しいけど、兄さんには幸せになってほしいし)」

 

宥凪「メイ?」

 

メイ「ううん、大丈夫だよ兄さん。ちょっと考え事の整理がついただけだから!それじゃあ私はもう寝るね!」

 

宥凪「あっ、おい…行っちゃったな。それにしても、メイも白鷺さんも松原さんも何なんだ・・・?まさか…いやそんなはずないよな。…このことは空いた時間にゆっくり考えることにして今日はもう休もう。今日は色んなことがあって疲れた・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして俺はベッドに入り寝息をたてた。疲れが残っていたせいか早く眠りにつき、その日は終わった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

やーっと恋愛っぽくなってきた感じがしますね…やっぱりこういうのって思考回数とか『どのようにすれば』とかに悩まされますがそれが小説を書くにあたってのいいところだと思うので楽しいです。

それではここまで読んでいただきありがとうございました


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6話:明けの予奏楽(あけのよぞら)

1日ずつ投稿ペースが空いてしまってすみません。外での仕事は結構疲れが残りやすいのでタグにもある通り不定期更新になるかと思います…この小説を読んでくれている方々…気長に待っていただけると嬉しいです。

それでは本編へどうぞ


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハロハピの無茶苦茶な提案の日から1週間が経ち、終業式が終わり夏休みに入った。2年生といえど、夏休みの宿題の量はとても多く、1日で5%程片づければ休みが多くなるので早めに進ませて後々のんびり過ごす人や最初はのんびりして後で勢いよく片付けるタイプの人などたくさんいる。白鷺さんはパスパレの仕事が忙しい時などありそうなので中間択、といったところだろう。松原さんはおそらく前者だと思われる。俺?ああ、夏休み前から課題に手を出していたからもう8割程片づけてるから後は夏休みにどんなことを過ごしていたのかという記録みたいなものだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7月23日

 

【午後1時:2ーA】

 

宥凪「花咲川に入って初めての夏休みか…さて、明日の予定は埋まってるから後々の予定はどうするかな。メイとお出かけするのもありだし、新しいことを始めたのでそっちも進めたいですし」

 

千聖「海月くん、昼休みとかに宿題を済ませていたみたいね。どれくらい終わったのかしら?」

 

宥凪「もう後は夏休みの記録みたいなものだけですよ。まあこれは長々と書くつもりなのですぐ終わることはないでしょうね」

 

花音「ふぇぇー・・・海月くん早いよぉ…」

 

宥凪「早く済ませておくに越したことはありませんからね。」

 

千聖「そうね、私も仕事がない時は宿題を終わらせることに徹底しようかしら。『宿題が片付いてないから仕事に来れない』なんてことになったら困るもの」

 

花音「私も明日の用事が終わったら宿題を早めに片付けようかな・・・色んな所に出かけたいし、バイトもあるから・・・」

 

宥凪「俺も明日の用事が終わったらバイトがない日は暇なんで誘っていただければ遊べるんで。メイはどうだ?」

 

メイ「私も早く宿題を終わらせて皆さんと遊びたいのでまずは宿題を片付けます!」

 

宥凪「OK、みんなは宿題を早めに終わらせるんだな。それじゃあ今度みんなの時間があったときにでも宿題の消化をしますか」

 

千聖「ええ、その時はお願いするわ。ところでみんな、今日はこの後時間あるかしら?」

 

宥凪「まあ、ちょっとだけなら。花咲川にいる人と羽丘にいるとある人と約束してるのでそこまで長くは付き合えないかもですけど…」

 

花音「だったらそっちを優先してくれて構わないよ。千聖ちゃんもメイちゃんもそれでいいかな?」

 

千聖「ええ、他に用事があるならそっちを先に済ませてくれて構わないわ。ちょっとこれから暑くなるし日焼け止めとかを買いに行こうと思ってたのだけれど」

 

メイ「私は宿題を早めに片付けたいので今日はやめておきます!」

 

千聖「花音はどう?」

 

花音「ごめんね、千聖ちゃん。これからハロハピのみんなと明日のことで話し合いがあるから・・・」

 

千聖「なら今日は解散しましょうか。お疲れさま。」

 

宥凪「お疲れ様です」

 

俺たちは解散した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ライブハウス:Galaxy】

 

宥凪「さて、待ち合わせ場所はここであってるはずだ・・・あ、いた。」

 

??「宥凪くんおっそーい!私たちは10分も待ってたのに!」

 

??「海月くんは結構忙しいからこれくらいは大目に見てあげましょう?」

 

??「なーくんは人気者ですからね!。しょうがないですよ!」

 

宥凪「これでも急いできたんだけどな。璃奈(りな)、唯乃(ゆの)、冬珂(ふゆか)。それじゃあ始めるか」

 

【オリキャラ紹介:俺が待ち合わせ場所に来て早々注意してきた女の子は鳳璃奈(おおとりるな)。羽丘学園の2年生でバイト先の先輩。時間にルーズで少しの遅れも注意してくるほど生真面目。甘いものに目がなく、帰りによくコンビニスイーツをたくさん買っている。

瑠奈の隣にいるの女の子は白華唯乃(しらはなゆの)。羽丘学園の2年生で瑠奈とは幼馴染。ちょっと友人やクラスメイトには甘い性格で、少しのミスも大目に見るほどの心の広さの持ち主。瑠奈とは一度もクラスが別になったことがないのだとか。バイト先の同期。

唯乃の左隣の席に座ってる騒がしい雰囲気の女の子は雪原冬珂(ゆきはらふゆか)。花咲川学園の1年生で美咲と同じクラス。誰にでも気さくに話しかけ、すぐに打ち解ける。バイト先の後輩でもある。】

 

宥凪「じゃあ早く入って音合わせでもするか。今日はどれくらい取ってあるんだ?」

 

冬珂「んーと、確か2時間くらいだったかなー。私がバイトに行くまでの時間って感じですけど」

 

瑠奈「早く入って音合わせしようよ!時間は有限なんだよ!」

 

唯乃「瑠奈ちゃん、どうどう・・・ごめんね海月くん。」

 

宥凪「まあ、これが俺たちにとっての普通の日常だしな。早く入ろう」

 

 

実を言うと俺たちは期間限定のバンドを組んでいる。バンド名は『Delight』、バイト先のメンバーで組んだバンドだ。先月俺はベースを買い、ただひたすら練習に励んだ。白鷺さんの仕事がない日などは練習に付き合ってもらっていた。歌う曲はカバーが基本で、唯乃が歌詞を作ってきたときはそれを歌ったりする。担当パートは俺がベース、瑠奈がドラム、唯乃がギターボーカルで冬珂がキーボードだ。リーダーは俺で、みんなの時間があうときはGalaxyで練習するようになっている。期間限定っていっても『1度みんなでライブしてみたーい』と唯乃が言ったため、1度ライブで演奏したら解散する感じだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【Galaxy:練習室】

 

宥凪「さて、と・・・今日はどの曲を演奏する?」

 

唯乃「うーん、今日は『天体観測』なんてどう?」

 

冬珂「おー!夏だしぴったりな曲ですね!」

 

瑠奈「それじゃあ早く始めましょうか、1・2・3!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後4時】

 

宥凪「初めてこの曲を合わせたけどこんなものか。いつもだな」

 

瑠奈「そうだね、初めてにしてはこんなものだよ。」

 

冬珂「そうですね!あ、そろそろバイトの時間なので冬珂はこれで失礼します!」

 

唯乃「私も冬ちゃんと同じシフトだから今日はここまでだねー」

 

宥凪「まあそろそろ練習時間も終わりだし今日は解散ってことにするか。」

 

瑠奈「宥凪、これから時間ある?」

 

宥凪「ああ、大丈夫だぞ。といってもここで話すことじゃないだろうしいったん外に出ろうか」

 

瑠奈「うん、そうしようか。冬珂も唯乃もまたね」

 

冬珂「バイバーイ!」

 

唯乃「またねー」

 

俺と瑠奈と一緒に、冬珂は唯乃と一緒に練習場を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【Galaxy前】

 

宥凪「それで、話って何だ?」

 

瑠奈「宥凪、そろそろバンドを組んで1ヶ月にもなるんだしライブをしてみない?」

 

宥凪「それって、主催ライブを開くってことなのか?俺はライブのことをよくしらないんだけど」

 

瑠奈「ライブをするにはいくつか必要な点があるわ。1つ目は歌う曲のリスト、これは当然ね。2つ目は照明のパターン。3つ目はMCね、これはメンバー紹介する時間ってことね。」

 

宥凪「なるほどな。瑠奈ってこういう時は頼もしいよな」

 

瑠奈「私だって何度かライブの手伝いをしたことがあるんだしこれくらいは知ってるから」

 

宥凪「それじゃあ今度どこかのライブに混ざる形になるか。今度知り合いがいるバンドのライブに混ざれないか聞いてみるよ。日程と時間をその時に聞いておくからグループチャットは見逃さないようにしてくれ」

 

瑠奈「わかった、それじゃあライブの日程は宥凪に任せるね。それと明日は時間ある?」

 

宥凪「あー、悪い。明日は俺の用事が埋まってるんだ。夕方から何だけど、パーティーをするから体調を崩すわけにもいかないし明日は家から動かないつもりだ」

 

瑠奈「わかったよ、それじゃあライブの件は忘れないでね。」

 

宥凪「わかってるよ。それじゃあまたな」

 

瑠奈「またね、宥凪」

 

そう言って俺たちは別れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【帰り道】

 

宥凪「さて…どのバンドが主催するライブに参加するか悩むな。沙夜さんたちもバンドを組んでるとはいえ本格的なバンドだし参加させてくれるか悩ましい。他のバンドは結構気楽な感じだし他の所が主催するライブに参加した方がいいんだろうけど…パスパレのライブに混ざることは至難だろうしさすがにパスパレはきつそうだな…ん?あそこにいるのって…リサさん?」

 

リサ「あれ、宥凪くん?どうしたのこんなところで」

 

宥凪「さっきまでちょっとライブの計画でもたてようかって思ったんですけど、どのバンドの主催ライブに参加しようかって話してたんです。みんなの予定と重ならないようにしないといけませんし、何より参加する側なので主催する側に許可もとらないといけませんからね…」

 

リサ「あー、なるほどね。アタシたちは今度主催ライブをするんだけどあと一組だけ枠空いてるからどうかなーってアタシ達も友希那たちと話しててさ。もし宥凪くん達さえよければ参加してみる?」

 

宥凪「いいんですか?」

 

リサ「いいのいいの!先輩のアタシ達を頼っていいんだよ?」

 

宥凪「そうはいっても俺たちは1度ライブをしたら解散するので・・・」

 

リサ「あはは、そんなの関係ないって。友希那も知ってるんだし」

 

宥凪「ゑ?」

 

リサ「この間唯乃が話してるところを偶然聞いちゃってさ、友希那にこのことを話したら『別に構わないわよ』って言ってたし」

 

宥凪「それならお言葉に甘えちゃっていいですかね」

 

リサ「それはあ宥凪くん達が最後の一組に入るって友希那に伝えておくね♪」

 

宥凪「助かります。」

 

リサ「オッケー☆それじゃあそういう事で話は進めておくね。時間と日程は後でケータイに連絡しておくから」

 

宥凪「わかりました。それじゃあ今度またゆっくりみんなで話し合いましょう」

 

リサ「了解♪それじゃあまたね!」

 

宥凪「はい、ありがとうございました。」

 

そういって俺とリサさんは別れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後9時:海月家リビング】

 

宥凪「ということがあってだな。一応メイにも伝えておこうかなって」

 

メイ「兄さんの初めてのライブですか?見に行きます!」

 

宥凪「あー、そういう事じゃないんだ。メイがこの間来た時言ったよな?『ギターを向こうで習ったので弾けます!』って。一度きりのライブだし、メイもメンバーに誘おうかなって思ってるんだよ」

 

メイ「私が兄さんのバンドに?」

 

宥凪「ああ。どうだ?リードギターをやってみる気はないか?」

 

メイ「なるほど。確かに私はこっちにギターを持ってきてますし、冬珂ちゃんとも何度かお話したので私でよければぜひ!」

 

宥凪「決まりだな。それじゃあ瑠奈達に連絡をまわしてみるぞ」

 

ちなみにだが、メイは度々俺たちの練習に顔を出していたので一応面識はある。

 

 

 

 

 

 

 

 

《Rain》

 

宥凪「なあみんな、ちょっといいか?」

 

瑠奈「なんですか?『やっぱりなしー』とかは無しですからね」

 

宥凪「そんなんじゃないよ。ほら、俺たちは4人でバンドやってるだろ?それで今度のライブのことはリサさんから来た連絡も送ってその日に演奏することは決まってるだろ?でも日にちが9月9日だから結構時間があるんだよ。だから、メイをリードギターとしてメンバーに加えてもらえないかなってみんなに聞いておきたくて」

 

唯乃「なるほどねー。それで、メイちゃんのギターの腕前はー?」

 

宥凪「向こうでホームステイしてた際にギターを教えてもらってたから演奏はできるんだと。」

 

冬珂「メイさんと一緒に演奏できるんですか!?瑠南さん、一緒にやりましょう!」

 

瑠奈「この事はメイちゃんには言ってあるの?」

 

宥凪「もちろんだ。というかさっき話は終わったんだけどな。メイも一緒にやりたいって言ってた」

 

瑠奈「それじゃあメイも私たちのバンドに加入ってことで決定ね。メイちゃんによろしく言っておいて」

 

宥凪「わかった、ありがとなみんな。それじゃあお休み」

 

《Rain終了》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メイ「どうでしたか?」

 

宥凪「無事に俺たちのバンドに加入できたよ。短い間かもしれないけど、一緒に一度きりのライブ、成功させような」

 

メイ「はい!まだまだ道半ばかもしれませんがよろしくお願いします!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、メイを新しいバンドメンバーに加え、『Delight』改め『Star Light』を結成した。一度きりのライブだけど、できる限りのことをやって成功させたい。このライブに参加させてくれた湊さんたちのために。そして、俺自身のためにも。そのためには・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宥凪「(明日のハチャメチャなハロハピのパーティ、無事に五体満足で帰ってこれるかどうかだな…)」

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

ある意味初めてのオリジナルバンドを結成させてみました。後輩一人+同い年3人+宥凪くんの5人構成に何とかねじ込めました。え?宥凪くんがハーレム状態じゃないかって?そんなの・・・考えてらんなかったっす(脳死)

それではここまで読んでいただきありがとうございました


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7話:Party Start

話す!ネタが!なくなってしまったァ!

…ああ、先日FilmLiveを見てきました。3 回 目 で し た け ど ね(笑)やっとグッズ買えましたよ・・・

それでは本編へどうぞ


 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日はハロハピ主催の俺の歓迎パーティーの日だ。まあ始まるのは夜からだからそれまでは家でじっとしてればいいんだろうけど、正直なところじっとしてるだけでも疲れそうなんだよな…メイはというと朝から白鷺さんたちパスパレの仕事内容を見に行っていていない。だから今家には俺一人だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7月24日

 

【午後12時:海月家リビング】

 

宥凪「あー…いよいよ今日か…じっとしていても何も始まらないけどどこかに行く気にもなれないからな…二度寝しても起きるのが8時とかになったら困るしとりあえず起きててこれからのことに備えるか…」

 

(ピンポーン)

 

宥凪「ん?こんな真昼間に誰だ?今日は誰かが来るとか予定はなかったはずなんだけど」

 

(ピンポーン)

 

宥凪「はいはい、今玄関を開けますよーっと・・・」

 

(ガチャ・・・)

 

宥凪「誰ですか・・・って湊さんとリサさん?」

 

リサ「ヤッホー、宥凪くん♪」

 

友希那「こんにちは海月くん。」

 

宥凪「こんな真昼間からどうしたんです?それも俺の家に。今日はRoseliaの練習とかはないんですか?」

 

リサ「今日は夏休み初日だから休みなんだー☆宥凪くんは今日予定とかある?」

 

宥凪「夜からですけど用事がありますね。それまでは暇ですけど」

 

友希那「なら、これからどこかに行かないかしら?」

 

宥凪「あまり疲れないのなら大丈夫ですよ」

 

リサ「それじゃあいこっか。」

 

そう言ってリサさんたちに連れられて家を出た。向かった場所は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【カフェ:Sapphire】

 

宥凪「で、ここまで来て何するんですか?」

 

リサ「うーん、宥凪くんってベースやってるんだよね?」

 

宥凪「そうですけど、それがどうかしたんですか?一応今持ってきてますけど」

 

友希那「私たちは海月くんがベースをやってるという事しか知らないのよ。だから一度海月くんが演奏するベースの音を聞いてみたいのよ」

 

宥凪「俺が演奏するベースの音、ですか?別に構いませんけど。ところでいいですか?」

 

リサ「どうしたの?」

 

宥凪「あこがずっと俺たちの後をつけてきてたんですがどうします?」

 

友希那「どうするかは任せるわ」

 

宥凪「ならちょっとだけ席外しますね。大丈夫です、すぐ戻ってくるんで」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【草陰】

 

あこ「あれ?宥にいどこいったんだろ?ちょっとだけ目を話してる隙にいなくなっちゃったよりんりん!」

 

??「どこ…いったんだろうね・・・」

 

宥凪「呼んだか?」

 

あこ「え!?宥にい何でここに!?」

 

宥凪「あこがずっと俺たちの後をつけて来たのがバレバレだったからリサさんたちにあこの対応を任せるって言ってたからな。それで、隣の人は?」

 

??「私・・・白金燐子(しろかねりんこ)っていいます・・・あこちゃんとはネットゲームの友達です・・・」

 

宥凪「白金さんですか。よろしくお願いします。そうだ、折角だから白金さんも一緒にどうです?あと、さっきからそこにいる紗夜さんも一緒に」

 

紗夜「バレていましたか。湊さんたちと一緒に向かっていたようなので何事かと思ったんですが」

 

宥凪「ただ単に二人に誘われてお茶しようかって誘われたんですよ。紗夜さんもどうですか?」

 

紗夜「誘っていただけるのなら私もご一緒します、宇田川さんと白金さんはどうしますか?」

 

あこ「はいはーい!あこも混ざりたいです!」

 

燐子「私も・・・」

 

宥凪「決まりですね。リサさんたちを待たせると悪いので行きましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【カフェ:Sapphire】

 

宥凪「すみません二人とも、お待たせしました」

 

リサ「あれ?紗夜に燐子、それにあこじゃん!」

 

あこ「リサ姉、友希那さん!こんにちは!」

 

燐子「こんにちは・・・」

 

紗夜「何とも騒がしいお茶会になりそうですね…」

 

友希那「そうね、少し落ち着こうと思ったのだけれど。」

 

宥凪「それで、俺のベースのソロを聞きたいんでしたっけ?」

 

あこ「宥にいのベース聞けるんですか!?やったー!」

 

宥凪「それで、演奏してほしい曲ってありますか?ベースの音なら大抵の曲を拾ってるので曲名だけでも言ってもらえると演奏しますよ」

 

リサ「なら、『天体観測』をお願いしてもいい?」

 

宥凪「それは昨日やりましたけど・・・一人で演奏したことはないのでやってみますか。」

 

そう言って俺はベースをケースから取り出し、『天体観測』を演奏し始めた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宥凪「こんなものですけど、どうですか?」

 

友希那「いいわね、海月くんのベースのソロは何度か聞いたことがあるけれど曲をフルで聞くとなるとさらに凄みが増すわ」

 

リサ「だね、宥凪くんっていつからベース始めてたの?」

 

宥凪「去年からですかね。家でじっとしてる時はベースを弄ったりしてました。」

 

リサ「え、去年からやってたんだ?道理でアタシよりうまいわけだよ」

 

宥凪「といっても気分で弾いていたのでうまいも下手もないですけどね。それならいつも練習してるリサさんの方がうまいですよ」

 

リサ「あはは、ありがとね。って、時間大丈夫?」

 

宥凪「あ、そうですね…そろそろ失礼します。迎えに行かないといけないので」

 

あこ「宥にい、またねー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後6時:松原家前】

 

(ピンポーン)

 

花音「あ、海月くん。迎えに来てくれたんだ」

 

宥凪「いつものように迷われたら探すのも一苦労なんで迎えに来ました」

 

花音「ふぇぇ…いつもごめんね…」

 

宥凪「まあ、そろそろ行きますk…」

 

黒服の人たち「海月様、松原様。お時間なのでお迎えに参りました」

 

宥凪「ああ、黒服の人たちですか・・・どうもお疲れ様です」

 

この人たちは黒服のひとたち。こころの家の使用人たちだ。神出鬼没でいきなり目の前に現れる。

 

黒服「それでは、会場まで来るまでお送りします。お乗りください」

 

黒服の人たちが用意した車に乗って俺たちは移動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【船着き場】

 

黒服「海月様、松原様。お着きになりました」

 

宥凪「…これ、なんです?」

 

黒服「こころ様の船『スマイル号』です」

 

宥凪「…とりあえず乗りますか。」

 

花音「う、うん…」

 

俺たちはスマイル号に乗り込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【スマイル号:メインホール】

 

美咲「あ、花音さんと海月さん。どうも」

 

宥凪「先に来てたのか。俺たちが最後か?」

 

はぐみ「薫くんをまだ見てないからかのちゃん先輩たちが最後かはわからないかなー」

 

花音「薫さん、どこに行っちゃったんだろう?」

 

(バチン!)

 

??「わぁ!照明落ちちゃったよ!?」

 

??「大丈夫か、みんな!?」

 

??「はい、あたしは大丈夫です…」

 

??「ふぇぇー…!」

 

??「(え?今のって松原さんの声…だよな?)」

 

(パッ)

 

宥凪「あ、電気付いたな。大丈夫か?」

 

はぐみ「はぐみは大丈夫だよ!」

 

美咲「あたしも大丈夫ですけど・・・花音さんはどこに行ったんでしょうね?」

 

宥凪「ゑ?」

 

美咲にそう言われ、メインホールを見回しても松原さんの姿は見当たらない。さっきの数分の間にどうやら誰かが連れ去ったみたいだ…

 

(キィーン!)

 

??「あーあー、テステス!みんな、よく来てくれたわね!さっそくだけど、みんなの絆を試させてもらうわ!」

 

この声…こころだな。あいつ、何を計画してたんだ…

 

こころ「さっきの停電中に花音をさらわせてもらったわ!みんなには協力して怪盗さんから花音を取り戻してみなさい!」

 

宥凪「(怪盗?もしかしなくても薫さんだろ…)それで、探すだけなんじゃダメなんだろ?そうでもしないと見つけるだけじゃ俺がすぐ見つけちゃうし」

 

こころ「ええ!だから怪盗さんにタッチしたら一つゲームをするの!それでゲームに勝てたら花音は返すわ!それじゃあゲームスタートよ!」

 

宥凪「えっちょっおまっ…!はあ、探しに行くか。一人一人が別々に探しても迷うだろうし一緒に行動するか。」

 

美咲「そうですね、早く行きましょう」

 

はぐみ「それじゃあレッツゴー!」

 

こうして松原さんを怪盗から取り戻すゲームが始まった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【甲板】

 

宥凪「…(美咲、はぐみ。怪盗の気を引くことってできるか?俺が後ろから怪盗にタッチするから頼む)」

 

美咲「(わかりました、できるだけ頑張りますね)」

 

はぐみ「(りょーかい!)」

 

怪盗「(む…何やら作戦を立てているようだね。乗ってあげようじゃないか、子猫ちゃんたち。ちょうどこころからもらった台本も読み終わったところだ。)」

 

 

 

 

 

 

宥凪「(よし、怪盗は美咲とはぐみに気を取られているな…今のうちに…!)よし、タッチだ!」

 

怪盗「おや、タッチされてしまったようだね。それでは花音を取り戻すためのゲームをしようではないか」

 

はぐみ「どんとこーい!ところで何をすればいいの?」

 

怪盗「なに、私は花音をみんなから奪ったのはいいが心までは奪えてなくてね。キミたちには花音に告白して花音の心を奪えたらそれで君たちの勝利にしよう。」

 

宥凪「(はあああああ!?おいどんな無茶ぶりだよ!!)それで、挑戦する回数は何回までなんだ?さすがに無制限ってわけにはいかないだろ」

 

怪盗「そうだね、1度きりにしようか。さて、誰が挑戦するんだい?」

 

宥凪「(さて、誰が行く?正直俺は避けたいんだが・・・)」

 

美咲「(あたしに告白なんて無理なんで海月さんに頼みたいですね…)」

 

はぐみ「(はぐみもコクハクって何をすればいいのかわからないから宥くんおねがーい!)」

 

宥凪「(さっきの話聞いてたか!?…ってそんな『やってくださいお願いします』って感じに上目遣いで見るのはやめてくれ・・・わかった、わかったから・・・)」

 

怪盗「話は終わったかい?さて、誰がするのかな?」

 

宥凪「俺がやりますよ。」

 

怪盗「キミかい?ふふ、キミに花音を取り戻せるかな?」

 

こうなったらやるしかないな…告白なんてしたことないからどんな感じで言えばいいのかわからないけど早く終わらせてこんな厄介ごとから手を引きたい・・・

 

宥凪「松原さん、行きます・・・」

 

花音「う、うん…!」

 

宥凪「…松原さん、あなたのその笑顔は俺にとっては太陽そのものです。あなたのその笑顔、俺に守らせてください。俺はあなたのことが好き…です(もうこんなんでいいだろ…!)」

 

怪盗「ふむ、この言葉、花音はどう思うのか聞いてもいいかい?」

 

花音「え!?私…ですか!?」

 

怪盗「私じゃ答えは出せないさ。花音の口から答えを聞かせてもらえるかい?」

 

花音「え、えっと・・・わ、私でよければ…お願いします・・・」

 

怪盗「ふむ、それが花音の答えか、いいだろう。花音は返してあげよう。それではさらばだ!」

 

そういって怪盗は花音を開放し甲板を後にした・・・

 

宥凪「つ、疲れた…なんであんなのを言わなくちゃいけなかったんだよ・・・」

 

なんかどっと疲れた後は船の上で食事をし、その日は解散となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【松原家への帰り道】

 

宥凪「あのー、松原さん?いつまでそうしているんですか・・・?」

 

あの船の上での告白の後、松原さんは顔を赤くしたまま俯いていた。

 

花音「だ、だって…男の人からあんな風に告白されたことなんてなくて…」

 

宥凪「それを言うなら俺だって告白なんてしたことはありませんよ・・・ただありきたりな言葉を並べただけでしたし」

 

花音「それで海月くん・・・あれって私への告白…って受け取ってもいいの?」

 

宥凪「あー…やっぱりそこに食いついちゃいますよね。すみません、あれはさすがに演技ですよ。でも、俺がちゃんと松原さんのことが好きになったときはちゃんと俺の思いを伝えるのでそれまで待ってていただけませんか?」

 

花音「そっかぁ…うん、ちゃんと待つよ。それじゃあまたね。」

 

宥凪「はい、それではまた。」

 

そういって松原さんは家に戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれが演技であったにしろなかったにしろ・・・俺の気持ちは多分誤魔化せていないのかもしれない。それに、白鷺さんのあの時の行動の意味は…『俺のことが好き』なんだと思う。松原さんもおそらく『俺のことが好き』だと思っている。俺は二人のうちからどちらかを選ばなくちゃいけないだろう。そうなるとどちらかの心に傷をつけてしまうだろう。たとえそうだとしても・・・俺は二人の気持ちにこたえなくちゃいけない。なるだけ早く二人の気持ちにこたえなきゃな…そうするとなると夏休みのうちに二人を別々の日にお茶に誘うなりして二人のことをもっと知るのが良さそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

宥凪「これは俺にとっての夏休みの宿題、なのかもな。」

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

バンドリのグッズですが、上映が始まった当初はグッズが即売り切れてたので悲しかったです…今回買ったのはRoseliaのパーカー、Afterglowとパスパレのラバーバンド、トレーディングリングライトを2つでした。中身はハロハピとRoseliaでしたね。なんでピンポイントでポピパを避けたのか…コレガワカラナイ

それではご読了、ありがとうございました。活動報告のコメントもよければどうぞ


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8話:問と答

どうも、バンドリの小説を買おうかなーと思いつつあるルミィです。

小説自体はそこそこ持っているんですがそれでも両手の指の数にも及びませんが(笑)まあそこまで費用が飛ばないならいいんですがね…

それでは本編へどうぞ


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハロハピのパーティーと呼んでいいのかわからない出来事からさらに日が経ち、夏休みも半ばに入ろうとしていた。残りの宿題は夏休みの日記だけなので時間はそこまで取られないだろうけど、俺には一つの悩みがあった。それは、白鷺さんと松原さんが俺に好意を寄せているだろうということに関しての解決である。一応今日は白鷺さんの予定が空いてるという連絡をもらったので二人でお茶でもどうかと誘って、今現在俺たちはカフェにいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8月4日

 

【カフェ:Sapphire】

 

宥凪「今日はカフェに付き合ってくれてありがとうございます白鷺さん」

 

千聖「海月くんから誘ってくるなんて珍しいわね。私は宿題を早めに終わらせていて今日は仕事もオフだったからいいけれど。ところで海月くん、あなたが持って来たのはベースかしら?」

 

宥凪「はい、まだ白鷺さんには伝えていませんでしたね。実は俺、バンドを組んでいるんです。といっても、1回ライブをしたら解散する即席バンドのようなものですけど」

 

千聖「そうなのね。ということは今度ライブに参加するのかしら?」

 

宥凪「はい、Roseliaの主催ライブに混ぜてもらう形になっているんです。もしよければパスパレの皆さんと来てください。これ、パスパレの皆さんの分のチケットです。」

 

千聖「ありがとう、海月くん。時間があったら見に来るわ。ところで、こんなことのためにわざわざお茶しようだなんて誘わないわよね?」

 

宥凪「白鷺さんって妙なところで鋭いですよね…まあその通りなんですけど」

 

千聖「それで、私に言いたいことって何かしら?」

 

宥凪「単刀直入に聞きます。白鷺さんは俺に好意を寄せている・・・どうですか?」

 

千聖「・・・花音だけじゃなくて海月くんにも察されるのね。ええ、その通りよ。私は海月くんの事が好きよ」

 

宥凪「やっぱりですか…あの時から薄々と感じていたんですよ。そうでなきゃあの時に俺の手を握ってくることはないですからね。といっても白鷺さんが俺に好意を寄せてるって気づいたのは少し前でしたけど」

 

千聖「少し前ということは何かあったのね?」

 

宥凪「はい。2週間ほど前にハロハピのパーティーに参加してとあるイベントに巻き込まれてですね…その際に演技とはいえ松原さんに告白したんです。」

 

千聖「海月くんが花音に告白したの?」

 

宥凪「はい。松原さんもあの時の告白を本気にしていたようですけど、俺はあくまで『演技として』言葉を伝えました。その時に思ったんです。『白鷺さんも俺のことが好きなのでは?』と。」

 

千聖「そうね、海月くんの言う通りよ。私はあなたのことが好きなの。あなたが花音のことを助けてくれた時、私はあなたのことを気になり始めたの。そして海月くんは花咲川へ転入して、私たちと同じクラスになったわ。」

 

宥凪「そうですね、あの時は偶然に偶然が重なりました。」

 

千聖「それからよ、私があなたに好意を寄せ始めたのは。海月くんはその後パスパレの事務所に日菜ちゃんと一緒に来たこともあったわ。」

 

宥凪「その日の帰りに白鷺さんは俺の手を握ってきましたね。今思えばあの時俺は白鷺さんのことを思いはじめたのかもしれませんね。」

 

千聖「ええ。それで海月くん・・・聞いてもらえるかしら?」

 

宥凪「…はい」

 

千聖「私は海月宥凪くんのことが好きです。アイドルとしての白鷺千聖ではなく一人の女性として海月宥凪という男性が好きです。私と・・・付き合ってください」

 

宥凪「…すみません、『今は』その告白に答えることはできません」

 

千聖「…それは海月くんが花音のことが好きだから、という事かしら?」

 

宥凪「それは遠からず当たっているかもしれませんね。でも俺は白鷺さんのことを思ってると同時に松原さんのことも思っているんです。だから松原さんからの答えを聞かずに白鷺さんからの告白を受け取ることはできないんです。」

 

千聖「…そう。」

 

宥凪「俺が答えを出した時はちゃんと俺の思いを伝えます。その時まで待っていただけませんか?」

 

千聖「…わかったわ。海月くんの答えがどんな答えでも私は受け止めるわ。海月くんの答え・・・待ってるわね」

 

宥凪「はい。すみません、折角来てもらったのに」

 

千聖「大丈夫よ。私も言いたいことは言ったから」

 

宥凪「帰りは俺が白鷺さんを家に送りますよ。それと、今日は俺の奢りってことにしておいてください。ここまで付き合ってくれたお礼です」

 

千聖「ふふ、こういうところはやっぱり男の子なのね」

 

宥凪「こういうところもなにも俺は男子なんですけどね…」

 

そう言って俺たちはカフェを後にした。俺は白鷺さんを家まで送り、家に帰った後は夜ご飯をメイと一緒に食べて風呂に入った後寝た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8月7日

 

今日は松原さんを誘ってカフェに行くことになっている。また松原さんが迷ったら探すハメになるので俺は一度松原さんの家に行ってからカフェに行くことになっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【カフェ:Sapphire】

 

宥凪「今日はお誘いに乗ってくれてありがとうございます松原さん。」

 

花音「ううん、大丈夫だよ。今日はハロハピの練習は休みだし、家でも何もすることがなかったから…それで、話って何?」

 

宥凪「単刀直入に聞きます。松原さんは俺のことを好いている・・・違いませんか?」

 

花音「そっかぁ…海月くん、気が付いてたんだね」

 

宥凪「ハロハピのパーティーが終わった後の松原さんノアの言葉を聞いて気が付かないって方が無理がありましたからね。」

 

花音「そこまで言われたら言うしかないかも…海月くん、聞いてもらえないかな?」

 

宥凪「はい。」

 

花音「私は海月くんのことがす、好き…です!私と付き合ってください!」

 

宥凪「…すみませんが今はその告白を受けることはできません。まだ俺は答えが出せていませんし、先日白鷺さんにも同じことを言われました。俺は松原さんのことを思ってはいますが、白鷺さんのことを思っているのも事実です。だから…」

 

花音「うん…わかったよ。無理に答えを聞くのは悪いし、海月くんの答えが決まったら聞かせてほしいな」

 

宥凪「はい、そのつもりです。俺が答えを出せた時は二人を呼びますのでその時に俺の答えを聞いてください。」

 

花音「うん。」

 

宥凪「すみません、保留する形になってしまって。今日は俺の奢りってことにしてください」

 

花音「ううん、大丈夫だよ。この前バイト代が入ったし私も出すよ」

 

宥凪「いいですよ。こういう時は頼ってください。普段は俺の方が頼ってるので偶には俺にも頼ってくれていいんですよ」

 

花音「うーん…わかったよ。今日は海月くんにお任せするね」

 

宥凪「ありがとうございます。」

 

そう言って俺たちはカフェを後にして色んな所を一緒に回った後松原さんを家に送って家に帰った。俺はその日の夜、部屋で悩んでいた。

 

 

 

 

 

宥凪「(今週で二人から答えを聞けた。やっぱり二人とも俺のことが好きだったみたいだな…二人とも選ぶわけにはいかない。だとしても、俺は選ばなくちゃいけない。目の前のことから逃げるなんて俺の性分じゃないし、俺の思いを伝えなきゃ一生後悔することになる。俺が選ぶのは…)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8月19日

 

今日は偶然にも松原さんと白鷺さんの二人とも予定がない日となっていた。その事は松原さんと白鷺さんから同時に連絡が来たので俺は二人をカフェに誘った。この期を逃したら2人が一緒に用事がないことなんてないかもしれない。だから俺は今日二人のどちらかに告白することを決めた。メイには『ちょっとバンドの個人練習に行ってくる』とベースを持って家を出たので特に問題はない・・・はずだ。

 

【午後3時:カフェSapphire】

 

宥凪「…」

 

花音「…」

 

千聖「…」

 

そうしてカフェに集まったのはいいが、少しだけ重苦しい空気が感じられていた。

 

宥凪「今日二人に来てもらったのはほかでもありません。二人に俺の気持ちを伝え宅てお呼びしました」

 

花音「う、うん…」

 

千聖「それで、答えは出せたのかしら?」

 

宥凪「待たせてしまってすみませんでした。俺の答えは出せました。ですが二人の言葉で俺の答えが変わるかもしれませんので二人の思いを聞かせてください。」

 

花音「ど、どっちから言う…?」

 

千聖「それじゃあ私からでいいかしら?」

 

宥凪「はい。千聖さんの気持ちを言葉にしてください」

 

千聖「私は海月宥凪くんのことが好きです。最初に出会った時、あなたは私を一人の女性として接してくれたわ。それから私がアイドルバンドのメンバーだと知った時でも、海月くんはわたしを一人の女性と接してくれた時もあったわ。そんな優しい海月くんのことが好きになっていったの。私と・・・付き合ってくれないかしら?」

 

宥凪「白鷺さんの思い、受け取りました。松原さんの答えも聞かせていただけませんか?」

 

花音「え、えっと・・・わ、私は海月くんのことが好きです!最初に海月くんが私のことを助けてくれた時、とても嬉しかったです!それから、私が困ったときには助けてくれたりもしてくれて…ハロハピのパーティーでは演技だったとしてもあの時の告白もすごくうれしかったです!あの時からずっと海月くんのことが気になって…私の心のなかでモヤモヤがどんどん大きくなっていって、初めて誰かを好きになったんです・・・わ、私と付き合ってください!」

 

宥凪「それが松原さんの思いなんですね。ありがとうございます。二人の思い、確かに受け取りました。少しだけ悩ませてください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【数分後…】

 

宥凪「…答えは出ました。」

 

千聖「…そう。海月くんの答え、聞いてもいいかしら?」

 

花音「(ふぇぇ…きっと海月くんは千聖ちゃんを選ぶんだろうなぁ…)」

 

宥凪「…松原さん、俺の方こそよろしくお願いします。」

 

花音「ふぇっ!?わ、私でいいんですか!?私は臆病で道に迷ったりして迷惑をかけることが多いのに…」

 

宥凪「たとえそうだとしても、俺は松原さんのことが好きです。」

 

花音「でも、私は千聖ちゃんとは違って魅力はないし…」

 

宥凪「松原さんには松原さんにしかない魅力があります。もっと自分に自信を持ってください。」

 

花音「ふ、ふぇぇ…ほ、本当に私でいいんですか…?」

 

宥凪「そうでなければ俺は松原さんを選んでいませんよ。松原さん・・・改めて言わせてください。松原さん、俺と付き合っていただけませんか?」

 

花音「海月くん・・・海月くん・・・!う、うん!私でよければ…!」

 

千聖「おめでとう、二人とも。私はそろそろ帰ろうかしら。二人とも、またね」

 

そういって白鷺さんはカフェを出ていった…

 

花音「あ、千聖ちゃん…!」

 

宥凪「…今は一人にさせてあげましょう。今の俺たちにはそれしかできないです」

 

花音「(千聖ちゃん・・・)」

 

宥凪&花音side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千聖side

 

千聖「(…どうして逃げてしまったのかしら。私って最低よね…二人に祝いの言葉を伝えてただあの場所を後にしただけなんて…あの二人、もうわたしを友達としてみてくれないんじゃないかしら…今度二人に会ったら謝らないといけないわね)」

 

千聖side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宥凪&花音side

 

花音「…千聖ちゃん」

 

宥凪「千聖さんをフった俺が言うのも何かと思いますけど・・・白鷺さんのことが心配なのは俺も一緒ですよ。多分、白鷺さんが自分のことを一番よくわかってるとは思いますけどやっぱり放っておけないです。今度俺から何か伝えておきましょうか?」

 

花音「…お願いしてもいいかな?千聖ちゃんは私にとっての友達だけど今は海月くんの恋人だから千聖ちゃんを傷つけてしまうかもしれないから・・・」

 

宥凪「はい、俺が白鷺さん…いえ、千聖さんに伝えておきます。俺も千聖さんの友達ですから。松原さん…いえ、花音さん。」

 

花音「えっと・・・ゆ、宥凪くん…でいいのかな?」

 

宥凪「はい、花音さん。これからよろしくお願いします」

 

そう言って俺は花音さんの唇にそっとキスをした。俺にとっても花音さんにとっても初めてのキスはとても甘く、とても短い時間のキスだったが俺たちにとってはとても長い時間のように感じた・・・その後は俺が花音さんを家に送って俺は家に帰った。

 

宥凪&花音side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千聖side

 

千聖「…」

 

(プルルル・・・)

 

千聖「っ!相手は・・・海月くん?…はい、白鷺です」

 

宥凪「よかった、繋がりましたね。俺と花音さんが白鷺さん…いえ、千聖さんに伝えておきたいことがあります。」

 

千聖「情けなんていらないわ…」

 

宥凪「情けなんかじゃありません。俺と花音さんは千聖さんがカフェを去ってからは千聖さんのことを心配していたんですよ。」

 

千聖「あなたたちは恋人なんだから心配しなくていいのに…どうして心配するの?」

 

宥凪「それは、俺は千聖さんの友人だから心配しますよ。友達が友達のことを心配しないなんてそんなの友達として失格ですから。花音さんも千聖さんのこと、心配していましたよ」

 

千聖「…そう。花音にも心配させてしまったのね。」

 

宥凪「千聖さんは泣き顔よりいつもの千聖さんの方がいいですよ。今は無理に顔を見せなくて大丈夫なので落ち着いたらまた3人でお茶しましょう。」

 

千聖「…ええ。ごめんなさい海月くん…いえ、宥凪くん。花音にも心配ないって伝えてもらえるかしら」

 

宥凪「わかりました。千聖さん、また今度」

 

千聖「ええ、また会いましょう」

 

(ツー、ツー、ツー・・・)

 

千聖「…そうよね。友達に心配をかけるようじゃアイドルとしても友達としても失格よね。今度二人に謝らないといけないわね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから2日後、千聖さんと俺たちは改めてカフェに行き、仲直りも兼ねてお茶会をした。あの時に見せた涙は嘘だったかのように千聖さんは笑顔だった。千聖さんはあの後パスパレの仕事を一日だけ休み、一度は心配をかけたらしいが今は何事もなく自分に出来ることを精一杯やっているとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

今更ですがリゼロとコラボが確定しましたね(本当に今更)レミリア枠は友希那さんに決定してますがレムラムの姉妹枠は誰になるんでしょうか・・・主的にはあこちゃんとリサ姉だと思ってます。だって見る限り二人は本当の姉妹のようですし(本当にそう思ってます)

それではここまで読んでいただきありがとうございました


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9話:違う日常への兆し

ペルソナ5ザ・ロイヤルタノチイ(脳死)

昨日は疲れが残ってたから書けませんでしたが気がついたら寝ていました。お、俺が何を言ってるかわからねーと思うが俺も無意識でやっていたから何をしていたのか俺でもわからなかった・・・ちなみに主は寝転んで意識だけ飛ばすこともできたりします(マジです)

それでは本編へどうぞ


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺と花音さんが付き合い始めてから2週間ほど経ち、気が付いたら2学期が始まっていた。あれから俺と花音さんはお互いにバイトのシフトがない日はショッピングモールやカフェに一緒に行ったりしていた。ショッピングモールに出かけた際は花音さんが人混みに流されて探すのに時間を使ったりといつもの花音さんの日常だったりした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9月1日

 

【午前7時30分:海月家】

 

宥凪「かばんよし、今日の分の教材よし、ベースよし。メイー、準備できたか?」

 

メイ「はい!準備オッケーです!」

 

宥凪「それじゃあいくか。」

 

俺たちは花咲川学園に向けて足を進めていった。ちなみにメイに俺と花音さんが付き合ってることはまだ言ってない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前7時40分:通学路】

 

宥凪「あれからどうだ?俺がいないときはバンド練習に顔を出してるんだろ?」

 

メイ「私にとても優しくしてくれて楽しいです!早くライブの日にならないでしょうか・・・」

 

宥凪「今からソワソワしても仕方ないからライブの日まで気楽にしような。メイもこっちにいつまでもいるわけじゃないんだろ?」

 

メイ「はい…」

 

そう、メイは今年度の花咲川の修了式が終わった後、実家のイギリスに帰ってしまう。まだこのことは花音さんや千聖さんには教えておらず、俺とメイだけの秘密にしている。

 

 

 

花音「宥凪くん、メイちゃん。おはよう」

 

宥凪「おはようございます花音さん。」

 

メイ「おはようございます花音さん!」

 

千聖「私もいるわよ。おはよう宥凪くん、メイちゃん」

 

宥凪「千聖さんもおはようございます。あれからパスパレはどうですか?」

 

千聖「何事もなく仕事できてるわ。そっちはどうかしら?」

 

メイ「?兄さん、何かあったんですか?」

 

宥凪「ああ、メイにはまだ言ってなかったか。実は、俺と花音さんは付き合うことになったんだよ」

 

花音「う、うん…ごめんねメイちゃん。メイちゃんに夏休みの間はほとんど会うことがなかったから言う機会がなくて…」

 

メイ「そうだったんですね、お二人ともおめでとうございます!ちなみに他の人にこのことは?」

 

宥凪「まだ言ってないな。約数名が周りに言いふらしそうだし」

 

花音「こころちゃんとはぐみちゃんはやりそうだよね…」

 

宥凪「後は香澄のやつもやりそうだしな…羽丘にもひまりと日菜さんがいるし…」

 

千聖「花音も宥凪くんも私の知らないところで苦労してるのね…」

 

宥凪「はい・・・本当に苦労してますよ。そういえば花音さん、今月の9日って空いてますか?」

 

花音「9日?うん、空いてるよ。何かあるの?」

 

宥凪「実はその日は俺とメイがRoseliaの主催ライブに参加することになって、一度きりだけどバンドとして演奏するんだ。ハロハピのみんなもどうかなって思って。あとAfterglowの面々も誘ってますね。これ、よかったらみんなで来てください」

 

花音「うん、ありがとう。みんなを誘って見に行くね」

 

宥凪「はい、ぜひどうぞ。といってもオリジナルの曲はほとんどないのでカバー曲ばかりになるかもしれませんが」

 

花音「ううん、いつも私は演奏する側だから聞く側になってみたかったんだ」

 

宥凪「おっと、そろそろ着きますね。俺は日直なので先に教室に行っておきます」

 

花音「またね、宥凪くん」

 

そう言って俺は一人学園の中に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後12時:2ーA】

 

宥凪「今日は始業式と2時間くらい授業があっただけで特に何もなかったな、さて…と」

 

花音「宥凪くん、どうしたの?」

 

宥凪「朝に話したと思いますけど来週はライブなのでそろそろ演奏する曲を決めないといけないので今日から1日おきに練習しないといけないのでしばらくは一緒に帰れないですね。すみません」

 

千聖「いいのよ。ライブが終わったら今度みんなでお茶でもしましょう?」

 

宥凪「そうですね。予定があえば集まりましょう」

 

メイ「…」

 

花音「メイちゃん?」

 

メイ「は、はい!なんでしょう!?」

 

花音「今度、みんなの予定があったらお茶しようって話してたんだけど、メイちゃんもどうかな?」

 

メイ「す、すみません!私はライブハウスの予約をしないといけないのでお先に失礼します!」

 

そういってメイは足早に教室を出ていった

 

千聖「メイちゃん、どうかしたのかしら?あんなに慌てたメイちゃんは初めて見たわね…宥凪くん、あなたは知ってるんじゃないかしら?」

 

宥凪「…その通りですよ。教室で話すものあれなので屋上に行きましょうか。二人には知ってもらいたいので」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【屋上】

 

宥凪「さて…メイのことでしたね。実はメイ、今年度を最後にイギリスに帰っちゃうんです。なんでもメイの兄さんが『イギリスに戻ってきてほしい』ってメイに連絡を入れてきて、メイも少しは渋っていましたが了承してこっちでの修了式が終わった後に帰っちゃうんです。だからメイは少し焦っているのかもしれません。せっかく花音さんたちと仲良くなれたのに、半年後にはイギリスに行っちゃうので・・・俺も聞いた時は嘘だって思ってました。でも、メイの表情が俺の前ではくらいので従兄としては心配なんですよ」

 

千聖「そんなことがあったのね…ならメイちゃんが向こうに行くまでにメイちゃんにこっちで楽しい思い出を作らないといけないわね」

 

宥凪「はい、だから二人にはメイの思い出作りに協力してほしいんです。ただ3人で思い出を作るのは難しいので花音さんにはハロハピのみんなに、千聖さんはパスパレのみんなに協力をお願いしてもいいでしょうか?」

 

花音「うん、いいよ。さっそくみんなに声をかけてみるね」

 

千聖「私も彩ちゃんたちに声をかけてみるわ。」

 

宥凪「それじゃあ後でパスパレのメンバーとハロハピのメンバーと俺でチャットグループを作っておきますから各自思いついたことをどんどん言ってください。俺の方でもいくつか考えておくので」

 

花音「うん、頑張ろう!メイちゃんには笑顔でイギリスに帰ってほしいから・・・」

 

千聖「ええ。みんなで頑張りましょう」

 

宥凪「ありがとうございます。それじゃあ俺はバンド練習に行きますね。」

 

千聖「ライブ、頑張ってね」

 

宥凪「はい。花音さんたちもバンド活動頑張ってください。」

 

そう言って俺たちは別れて俺はライブハウスに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから『Galaxy』で練習をしていたが、メイの様子がずっとおかしかったのでその日の練習はお開きとなり、俺は璃奈たちにメイの様子がおかしかった理由を説明したら璃奈たちもメイの思い出作りに協力してくれることになった。それからはメイは平然を装ってライブに向けて練習をしてくれたがメイの事情を知っている俺たちからしたら空元気だということは言うまでもなかった…そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9月9日

 

【午後3時:『Galaxy』控室】

 

宥凪「今日が最初で最後のライブ…だな。」

 

璃奈「だね。この日のために私たちは練習を重ねてきた。このライブに参加させてくれた湊さんたちに感謝しないと」

 

唯乃「そうだねー、セトリもいい曲ばかりだし今日はいい演奏しちゃえるかも―」

 

冬珂「はい!みんなで無事にここまで来れたんです!いい音を奏でましょう!」

 

宥凪「でも…肝心のあの人が来てないからどうしたらいいんだろうな…」

 

そう、実はメイが朝早くから家にいなかったのだ。置き手紙もケータイに連絡もなく、メイは俺の家からいなくなっていた。このことに気づいたのは俺が朝8時に目が覚めた時だ。メイが家にいないことを知った後はすぐ他のバンドメンバーや千聖さん、花音さんたちに連絡をまわし、俺は警察にメイの捜索願を出した。それから今の今まで、警察はおろか千聖さんたちからも連絡はなかった…

 

宥凪「(メイ…お前は今どこにいるんだ?メイとの思い出を作りたいのにメイがいなかったら思い出も何もないじゃないか・・・)」

 

(プルルルル)

 

宥凪「っ!?」

 

突然俺のケータイが鳴った。

 

宥凪「悪い、ちょっと席を外すぞ」

 

璃奈「うん、わかったよ。できるだけ早く戻ってきてね」

 

宥凪「ああ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【控室外】

 

宥凪「はい、海月です。」

 

警察「よかった、繋がりましたね。メイさんですが、見つかりましたよ」

 

宥凪「!!本当ですか!?今どこに!?」

 

警察「それが…空港なんです」

 

宥凪「(空港…!?何でメイはそんなところに・・・?)わかりました。ありがとうございます」

 

警察「さきほどこちらにいた担当の者をそちらに向かわせています。外で待っていてください!」

 

宥凪「わかりました!」

 

警察「それでは失礼しました。」

 

宥凪「いえ、ありがとうございました。(待っててくれメイ…!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【控室】

 

璃奈「宥凪くん、誰だった?」

 

宥凪「警察の人だ!詳しいことは後で話すからついてきてくれ!」

 

冬珂「もうすぐ私たちの番ですよ!?」

 

宥凪「お客さんたちには悪いけど、俺たちの演奏を後回しってことにしておく!リサさんたちには事情を伝えてあるから早く!」

 

唯乃「オッケー、それじゃあレッツゴー」

 

俺たちはGalaxyを後にして、警察の車に乗って空港へ向かった。Galaxyを出る前に千聖さんと花音さんが外に出る俺たちのことを見かけたのか荷台に二人が入る形で俺たちについてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【空港】

 

宥凪「はあ…はあ…メイっ!!」

 

メイ「・・・兄さん?どうして兄さんがここに・・・?」

 

宥凪「メイのことが心配だからここまで来たに決まってるだろ!どうしてここにいるんだよ!!」

 

メイ「そ、れは…」

 

唯乃「メイちゃん?お姉さんたちに隠し事はなしだよ?」

 

メイ「実は…お母さんが仕事中に倒れちゃって急遽帰郷することになったんです…連絡が来たのは昨日の夜で、兄さんに伝えることができませんでした・・・」

 

宥凪「メイ!」

 

俺は無意識にメイのことを抱きしめた

 

メイ「兄…さん…?」

 

宥凪「確かに俺たちは血が繋がってない、従兄妹だ。でもメイは俺にとってはもう一人の家族のようなものなんだ。だからどんなにつらいことがあったとしても相談しろよ!」

 

メイ「兄さん…!兄さん…!」

 

メイは大きな声で涙を流しながら俺の胸の中で泣いた。十数分の間、メイは子供のように泣いて、空港のロビーで少しの間話をした。メイは今日の便で帰ることは変えず、最後に俺たちのライブを一緒に演奏することを決めた。千聖さんはパスパレのマネージャーに連絡を取り、偶然にも空港の近くにいたので俺たちはマネージャーの車でGalaxyに戻った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【Galaxy:控室】

 

宥凪「すみません!戻りました!」

 

リサ「どうだった?」

 

宥凪「メイは今日の便で帰ってしまうのは変えなくて、今日このライブの演奏だけはしていくと言っていました。心配をかけてしまってすみません。」

 

友希那「そう…桜庭さん、今日で行ってしまうのね。寂しくなるわ。桜庭さんは時間がある時は私たちの練習に顔を出して紗夜や私たちにギターのコツを聞きに来たこともあったから」

 

宥凪「メイがそんなことを・・・ならなおさらこの後の演奏は気合を入れないといけませんね。」

 

紗夜「桜庭さんに最高の思い出をプレゼントしましょう。それでは今日の最後の演奏、頑張ってきてください」

 

宥凪「はい。それでは行ってきます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ステージ】

 

宥凪「みなさん、長い時間待たせてしまってすみませんでした!『Star Light』です!」

 

メイ「私たちは海月さんのバイト先で知り合った友達で組んだバンドです!」

 

冬珂「この日のために私たちはたくさんの時間を練習に費やしてきました!」

 

唯乃「ちょっとさっきハプニングは起きちゃいましたけど、皆さんに私たちの音楽を聞かせてあげれるのは嬉しいです~」

 

瑠奈「それでは聞いてください!『カルマ』」

 

 

 

 

 

 

それから俺たちは全力でお客さんたちの声援にこたえるべく精一杯演奏した。そして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宥凪「次が最後の曲です。最後は俺と桜庭の二人で歌います。」

 

メイ「それでは聞いてください。『Uninterrupted bonds』」

 

瑠奈「(え!?そんな曲作ったこともないし知らないよ!?)」

 

唯乃「(まさかー?即席で考えた曲だったり―?)」

 

冬珂「(今日は桜庭先輩の最高の思い出を作るので付き合いますよ!)」

 

そう、この曲は俺たちみんなに隠れてが作ったこともなければ誰かが歌ったことがあるわけでもない。つまりメイが即席で考えた曲名だ。メイは今日イギリスへ帰ってしまう…俺たちとの絆を大切にしたいという思いが込められた曲名だ。その思いにこたえるためにも・・・俺たちは全力で演奏する。観客の人たちも息を呑み、俺たちの奏でる音に耳を澄ませている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宥凪「ありがとうございました!」

 

瑠奈「残念ですが、お別れの時間がやってきてしまいました・・・」

 

唯乃「私たちはー、この演奏を最後に解散しちゃいますー…」

 

冬珂「私たちは解散しちゃいますけど、今日聞いた音を忘れないでください!」

 

メイ「それでは…」

 

全員「「「「「ありがとうございました!」」」」」

 

無事に俺たちの演奏は終わり、『Star Light』は解散した。その日の夜…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後9時:空港】

 

宥凪「メイ、向こうで義兄さんたちによろしくな」

 

メイ「はい、兄さんもお元気で」

 

千聖「これから寂しくなるわね…メイちゃん、偶にこっちで撮った写真を送るわね」

 

メイ「ありがとうございます千聖さん!私の方でも写真を送りますね!」

 

花音「今度会う時はいつかわからないけど、私たちはいつでも待ってるからね。」

 

メイ「花音さん、兄さんのことをよろしくお願いしますね。ちょっと不器用で情けないかもしれませんけど」

 

宥凪「メイも向こうで姉さんに迷惑をかけないようにな。」

 

メイ「兄さんじゃないんですから・・・」

 

宥凪「そうだメイ、これを・・・」

 

千聖「私からも贈り物よ」

 

花音「わ、私からも・・・」

 

俺からは黒服の人たちにお願いしていた俺が使ってるベースのキーホルダー、千聖さんからはパスパレとメイで撮った写真が入ったペンダント、花音さんからはハロハピメンバーのサインが書いてあるドラムスティックだった。

 

メイ「皆さん…こんなに素敵な贈り物をしていただきありがとうございます!こっちで過ごした日々は絶対に忘れません!」

 

宥凪「俺たちは離れても絆で繋がっている。向こうでもアイドルを目指して頑張れよメイ」

 

メイ「はい・・・!千聖さん、次に会う時はライバルかもしれませんね!」

 

千聖「ふふ、私たちも負けないわよ」

 

メイ「それでは・・・また会いましょう!」

 

そう言ってメイはロビーからいなくなり、飛行機に乗って旅立っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【空港外】

 

千聖「…行っちゃったわねメイちゃん」

 

宥凪「はい…でも不思議と寂しくないです。」

 

花音「私も宥凪くんと同じ気持ちだよ。メイちゃんと一緒に遊んだ時間は短かったけどずっと長い時間遊んでいたような・・・そんな感じがするんだ」

 

千聖「私もメイちゃんに練習風景を見せていた時に目を煌めかせていたのを覚えているわ。」

 

宥凪「向こうでも頑張れよ、メイ。俺たちもこっちで頑張るから…」

 

全員「「「またみんなで集まろう」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

裏話をすると、オリキャラのメイちゃんはちゃんと修了式回で海外に戻るという設定でしたが今後の展開を考えて今回で海外に旅立っちゃいました・・・メイちゃんと宥凪くんの今後の展開を楽しみにしていた方々、本当にすみません。

それではここまで読んでいただきありがとうございました


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10話:Aquarium

ペルソナ5ザ・ロイヤルホントウニタノチィ(脳死)あ、とりあえず昨日エンディング迎えました。

ええ、そのおかげで昨日の投稿を忘れていましたとも。すみませんでした(ダイナミック土下座)

それでは本編へどうぞ


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メイがイギリスに帰ってから日が経った。メイが日本から旅立ってからは俺の家から従妹がいなくなった寂しさはすぐには消えず、何日かは少し落ち込んでいた。それは千聖さんや花音さんも同じだった。でも俺にとっては妹がいなくなったのと同義だったので花音さんたちに比べたら心の傷は深かった。そんな時、花音さんが俺の家に来て俺を慰めたりしてくれた。男の俺が女の子の花音さんに慰められるのは少し情けないって思ったけど花音さんが近くにいたからか不思議と落ち着いた時もあった。そんな時・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10月7日

 

宥凪「…なんでこうなったんでしょうね?」

 

千聖「うちの生徒会長は気分で動くことが多いからそれに宥凪くんは巻き込まれたって感じね…」

 

花音「ふぇぇ…宥凪くん頑張って…」

 

 

 

 

俺は花咲川に今年転入したためそこまで学校の行事などを把握していたわけじゃないのでどうしようもなかった。それで今俺はどこにいるのかというと、生徒会室である。

 

宥凪「それで、生徒会長とあろう人が俺たちに何の用なんです?」

 

燐子「はい・・・どうして私たちなんでしょうか・・・?」

 

会長「白金さんはご存知かもしれませんが、この時期は何があると思いますか?」

 

宥凪「この時期…ですか?文化祭とか修学旅行とかでしょうか。前の学校では生徒会長選挙がありましたが」

 

会長「そうです。この時期の花咲川では新しい生徒会長を決める時期でもあるんです。お二人はテストの成績もいいですし、学園でも人気があります。今日はお二人のどちらかに生徒会長になってほしいんです」

 

宥凪「俺と燐子さんで・・・ですか?こういうのは千聖さんや紗夜さんとかの方が向いていると思いますが」

 

会長「お二人にも声をおかけしたんですが、あっさりと断られてしまいまして(テヘペロ」

 

宥凪「いやテヘペロじゃないですって。それで俺たちに頼むって完全に俺たちにとってはとばっちりですよ…というか元は女子高だったとはいえ俺が生徒会長になるのってなんか違和感しかないのでこういうのは燐子さんが適任ですよ」

 

燐子「私が・・・ですか?でも私、生徒会っていってもなにをすればいいのかわかりませんし・・・」

 

宥凪「去年までいた学校では俺は一応生徒会役員だったので少しだけなら教えれますよ。」

 

燐子「そう…だったんですね。」

 

会長「それでは、来週の月曜日から白金さんは朝の集会でお願いしますね。今日はありがとうございました」

 

宥凪「失礼しました」

 

そう言って俺たちは生徒会室を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【廊下】

 

宥凪「なんかすみません燐子さん、生徒会長を押し付ける形になってしまって」

 

燐子「いえ・・・私も何か新しいことにチャレンジしてみようと思ったので・・・」

 

宥凪「そうだったんですね。俺もこれを期に新しいことにチャレンジしてみましょうか…」

 

燐子「そういえば…白鷺さんに聞きましたけど松原さんとお付き合いを始めたそうですね…」

 

宥凪「ええ、まあ。何度か花音さんを連れてショッピングモールに行ったことはあったんですがそこまで遠出ができてないので今度の休みにでも遠出でもしようかと思ってるんですがどこに行こうか悩んでるんですよ」

 

燐子「あの…それだったら私…水族館のチケットを持っているんですが・・・」

 

宥凪「え、いいんですか?そういうのはRoseliaのみんなと行ってきては・・・?」

 

燐子「いえ・・・海月くんには助けられることもありますし、私たちはライブの練習がほとんどなのでこういう所にはいきませんし・・・それに、2枚しかないので・・・」

 

宥凪「そういう事ならありがたくもらっておきますね。ところで、期限はいつまでなんですか?」

 

燐子「明後日までだったかと・・・」

 

宥凪「明後日まで、ですか。ちょうど日曜までですしいい機会かもしれませんね。ありがとうございます燐子さん。」

 

燐子「いえ・・・楽しんできてください・・・」

 

燐子さんはそう言って俺に水族館のチケットをくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【放課後:2ーA】

 

宥凪「さて…と、今日はどうするか。」

 

花音「あ、宥凪くん。今日はバイトのシフトがなかったよね?」

 

宥凪「あ、花音さん。確かそうですね、明後日も俺たち二人はシフトがなかったですね」

 

花音「それなら、ちょっとついてきてほしいところがあるんだけどいいかな?」

 

宥凪「どこですか?」

 

花音「先週オープンした服屋さんなんだけど…いつもは同じ服で出かけてるから今後のために新しい服を買おうかなって思って…」

 

宥凪「なるほど、たしかに付き合い始めてからというものの服を買いに行ったことはありませんでしたね。一緒に買いに行きましょうか」

 

花音「うん!」

 

そう言って俺たちは教室を後にした。千聖さんはどうやら仕事があるらしく帰りの挨拶が終わったすぐに教室を出て行った後だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【服屋:Rainbow】

 

宥凪「外から見ても大きかったように中も広いですね…これは探すのに苦労しそうです。あ、花音さんちょっといいですか?」

 

花音「宥凪くん?何かな?」

 

宥凪「実は今日の昼休みに燐子さんから水族館のチケットをもらったんです。それで、期限は明後日までなのでよければ一緒にどうです?」

 

花音「あ、ここは私も気になってたんだ。場所は知ってたけど行ったことがなくて…」

 

宥凪「花音さんなら迷うを通り越して遠出になりそうですね…それで、明後日はここに行きませんか?」

 

花音「うん、行くよ!」

 

宥凪「よかったです。それじゃあ服選びを始めますか。ただ俺も花音さんも始めてくるところなので十中八九迷うでしょうし」

 

花音「そ、そうだね…それじゃあ一緒に見て回ろうか」

 

俺たちは夕方までフルに時間を使いこれからのお出かけの服を選んだ。バイト代から相当お金を出したので今月はバイト代をどこに使うか悩んだ方がいいかもな…服を買った後は花音さんの家に送り届けてその日は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10月9日

 

今日は花音さんと初めての水族館でのデートの日だ。一昨日買った服を選んでいたらそこそこ時間をかけてしまったため待ち合わせ時間から少し遅れかけた・・・まあ花音さんが迷ったら困るので待ち合わせ場所というよりは迎えに行く時間といった方が正しいだろうな…

 

花音「ごめんね宥凪くん、服選びに時間かけちゃって…」

 

宥凪「大丈夫ですよ、俺だって今日来ていく服に悩んだらこんな時間になっちゃいましたし…」

 

花音「そ、それじゃあいこっか。」

 

俺たちは花音さんの家を後にし、目的地の水族館に一番近い駅まで最寄りの駅から電車で向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前11時:水族館『Clear Marine』】

 

宥凪「水族館だけあって外観が大きいですね…」

 

花音「宥凪くん、水族館とかには行ったことないの?」

 

宥凪「恥ずかしい話、俺はアウトドア派かインドア派って聞かれたらインドア派って答えるほど家の中にいましたし・・・行ってゲーセンとかがほとんどでしたし。まあこれを機に花音さんと一緒にどこかに出かけるのもいいかなって思いましたよ」

 

花音「これから時間があうときは一緒に出掛けれるから…」

 

宥凪「そうですね。それじゃあ中に入りましょうか。」

 

俺たちは水族館の中に入っていった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花音「宥凪くん、ほらペンギンが泳いでるよ!」

 

宥凪「テレビでしか見たことがなかったけど実際に見ると可愛いな、こっちにはアシカがいるし」

 

花音「あ、ペンギンが餌食べてるよ!可愛いなぁ…」

 

宥凪「でも俺にとって一番可愛いのは花音さんの笑顔ですけどね。ペンギンが餌を食べるところも可愛いですけど」

 

花音「ふぇっ!?い、いきなり言われると恥ずかしいっていうか・・・ほ、ほら宥凪くん、次はこっちに行こうよ!」

 

宥凪「あ、花音さん…!そんなに手を強く握らなくても大丈夫ですから…!」

 

俺は花音さんに手を引かれその場を後にした…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから昼になり、昼ご飯を食べてから俺たちは再び水族館内を見て回った。花音さんが途中で何かを思い出したようなそぶりを見せた時はまた手を引かれて水族館内を連れ回わされた。そして花音さんに連れてこられた場所は…

 

 

【水族館:ステージ 客席】

 

花音さんに手を引かれて連れていかれたのは水族館のステージの客席だった。

 

宥凪「花音さん、ここに連れてきてくれたのは嬉しいんですけど今からここで何かあるんですか?」

 

花音「今日はイルカさんのショーを見れるんだって。時間があったらイルカさんに乗れるみたい」

 

宥凪「なるほど、ステージにある水槽も結構大きいですしイルカも大きいのかもしれませんね。」

 

花音「イルカさんのショーってどんなのだろう…?」

 

宥凪「あ、イルカとイルカのトレーナーが出てきましたね。これから始まるみたいですよ。イルカも本当に大きいですね、二人は乗れそうな感じです」

 

花音「それじゃあ静かにしよっか」

 

ちなみに俺たちが座った席は前から3番目の中央あたりに位置している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トレーナー「お待たせしました!これよりイルカのショーを始めまーす!まずはわっかくぐりからです!」

 

(ヒュッ、バッシャーン!)

 

花音「ひゃあ!ちょっとだけ水かかっちゃった…」

 

宥凪「体が大きいからそれだけ水しぶきが結構飛びますね…傘を持ってきていたんですが範囲が広かったので俺も少しだけ濡れちゃいました」

 

トレーナー「それじゃあ次は…」

 

それから少しの時間、イルカのショーを堪能した。その後・・・

 

トレーナー「それじゃあ、このままお別れするのも寂しいしお客さんの中から二人イルカさんの背中の上に乗ってもらって一緒にわっかくぐりをしてみようか!乗りたい人はいるかなー?」

 

花音「(シュッ)」

 

宥凪「(えっちょっ!?花音さんあげるの早すぎですよ…!しかも俺の手を握ってあげてますし…!)」

 

トレーナー「じゃあそこのお似合いな二人に出てきてもらおうかな。スタッフさんがステージに案内してくれるから一緒に来てね!」

 

トレーナーさんがそう言うと俺たちはスタッフさんに連れられてステージの上に立った。

 

トレーナー「それじゃあ名前を聞こうかな。二人の名前はなんていうのかな?」

 

花音「わ、私は松原花音っていいます!」

 

宥凪「俺は海月宥凪っていいます。」

 

トレーナー「海月くんと松原さんだね。二人は友達?」

 

宥凪「はい、俺たちは一緒の高校に通っています。」

 

花音「あ、後・・・私たちは恋人同士…です」

 

トレーナー「これは驚きましたー!二人はまさかのカップルさんでした!それじゃあさっそくイルカさんに乗ってみようか。海月くんが前で松原さんは後ろでいいかな?」

 

宥凪「はい、それで大丈夫です」

 

トレーナー「それじゃあ海月くんはこっちで…松原さんは振り落とされないように海月くんに抱き着いていてね!」

 

花音「わ、わかりました!」

 

だきっ

 

宥凪「(うわっ…!やっぱり恋人同士とはいえこういう状況で抱き着かれるのは慣れないな…!)」

 

トレーナー「それじゃあ行きまーす!1、2、3!」

 

(バッシャーン!)

 

花音「きゃあ!」

 

宥凪「うわっ!」

 

トレーナー「はい!無事にわっかくぐり成功です!どうでしたか?」

 

花音「最初はどうなるかって思ってましたけど、すっごく楽しかったです!」

 

宥凪「俺もつい手を放してしまうかと思ってましたけど、イルカが俺の状況を分かっていたかのように飛ぶ勢いを弱めてくれたのが分かったのでまた一つ知識が増えたような気がします」

 

トレーナー「2人ともありがとうございます!それではイルカショーはお開きになります!見に来てくれたお客さんもありがとうございました!」

 

そうして俺たちはステージを後にしてまだ見てなかった水槽を見に行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【???の水槽前】

 

 

花音「あ、宥凪くん。これが私の見せたかったものだよ」

 

宥凪「これは…クラゲ、ですか。花音さん、クラゲが好きなんですか?」

 

花音「うん。私、クラゲを見るのが好きなんだ。」

 

宥凪「意外ですね、花音さんは猫とかハムスターとかの可愛い動物の類が好きかと思ったんですけど」

 

花音「猫とかも好きだけど、クラゲってふわふわしてるから私と似てるかなって…」

 

宥凪「あー…確かに似てますね。ふわふわした雰囲気がクラゲにそっくりです。でもそういうところも花音さんの魅力ですよ。」

 

花音「ふぇぇ!?」

 

宥凪「普段はどこかオドオドしてるけど、いつも一番近くで守ってあげたくなるんです。なんでしょう、従妹のメイとは違って本当の妹みたいな感じ…っていうんでしょうか」

 

花音「い、妹かぁ…そんなふうに思われたことはなかったかも…宥凪くん、一ついいかな?」

 

宥凪「花音さん?何ですか?」

 

花音「あ、あの…今この時だけ『お兄ちゃん』って呼んでも・・・いいかな?」

 

宥凪「・・・えっ?ほ、本気…ですか?」

 

花音「…(コクリ)」

 

宥凪「・・・今日だけですよ。」

 

花音「…ありがとう、お兄ちゃん」

 

花音さんはそう言うと俺に抱き着いてきた。まるで妹のように甘えてくる花音さんは今この時だけ本当の妹のように思えてきた。その思いにこたえるために俺は一度花音さんを離し、花音さんの唇にキスをする。花音さんの告白を受けた時はほんの一瞬だったが、今回は5秒ほどのキスだった。この時俺は思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『もし花音さんと本当の家族になれたのなら、俺は今よりも花音さんのことを幸せにしてみせる』と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

花音ちゃんといえばクラゲが好き・・・ということで今回は水族館でのデート回にしてみました。ああ、もちろんイルカの背中に乗る時は防水スーツは着用していましたよ。だって濡れたら風邪ひいちゃいますもんね(キリッ)書いてて思いましたが、花音ちゃんから『お兄ちゃん』呼びされる破壊力がたまりませんな…

それではここまで読んでいただきありがとうございました


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11話:みんなが笑顔になる魔法

4日も間が空いてしまってすみませんでしたよとルミィです…

やっぱり疲れには勝てませんでした・・・なんというかそのー・・・

まことに申し訳ございませんでした!


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宥凪「で…どうしてこうなってるんだろうな?」

 

今俺は商店街でとある状況下に置かれている。事の発端は昨日に遡る…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10月30日

 

今日はハロウィン前日ということもあって商店街は賑わっている。まあ今は15時だから前の祭りなんだろうけど…今俺がいるところは商店街ではなく、こころの家・・・つまりは弦巻邸である。今日と明日は学校が休みなので俺は花音さんに呼ばれてこころの家にいる。それで今は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こころ「さてみんな、明日は何の日か知っているかしら?」

 

はぐみ「はーい!明日はハッピーハロウィンだよこころん!」

 

こころ「その通りよはぐみ!今日は明日のハロウィンのための仮装をみんなで考えるために集まったのよ!」

 

宥凪「それで、なんで俺まで巻き込まれてるんだ・・・?」

 

花音「ごめんね宥凪くん…私がたまに宥凪くんにお菓子を作ってもらっていることをはぐみちゃんに教えたら『それだったら宥くんも誘おうよ!』ってことになっちゃって…」

 

宥凪「あー…なるほど、やっぱり発信源は花音さんでしたか・・・で、俺を呼んだ理由は何なんだ?」

 

こころ「そんなの決まってるわ!明日はみんなでハロウィンパーティーをするのよ!」

 

薫「ハロウィンにみんなで集まってお菓子を食べる…ああ、儚い・・・」

 

宥凪「いやそれは全く儚いですからね薫さん?」

 

美咲「海月さん、ほんっとうにうちのこころとはぐみがご迷惑をおかけしました・・・」

 

宥凪「まあ昔っからよく巻き込まれる側だったしもうこういうのは慣れたけどな…たぶん美咲より慣れてるぞこういう状況」

 

美咲「あはは・・・本当に3バカはこういう状況には張り切りますからね…ってあれ?」

 

宥凪「どうしたんだ美咲?」

 

美咲「いや、海月さんと花音さんって名前で呼び合ってなかったですねって思ったんですよ。何かあったんですか?」

 

花音「そ、それは…」

 

宥凪「別に隠すことでもないんじゃないですか?それに、いつかはバレますし」

 

花音「そ、それはそうだけど…やっぱり恥ずかしいっていうか・・・」

 

はぐみ「なになに!?かのちゃん先輩と宥くん何かあったの!?」

 

花音「えっと・・・その…」

 

宥凪「実は、俺と花音さんは付き合っているんだよ。」

 

はぐみ「そっかー!かのちゃん先輩と宥くんが付き合って・・・えーっ!?それって本当なのかのちゃん先輩!?」

 

花音「う、うん…ごめんねみんな隠してて…」

 

薫「何、別に構わないよ。人には隠したいことの一つや二つはあるものだからね。それに花音と海月くんがか…儚い」

 

宥凪「だから儚いも何も普通ですって。俺たちは普通に付き合ってますから」

 

こころ「何にしても二人ともおめでとうよ!式はいつ挙げるのかしら?」

 

花音「し、式って何言ってるのこころちゃん!?わ、私たちはまだ付き合い始めて2ヶ月しか経ってないんだよ!?」

 

宥凪「そうだよ何言ってるんだこころ。それにまだ年齢的にも無理だ。さらに俺も花音さんも未成年だから親の承諾なしには無理だし」

 

花音「ゆ、宥凪くんも何言ってるの!?」

 

はぐみ「2人ならお似合いだねこころん!はぐみにできることがあったら何でも言ってね!」

 

花音「はぐみちゃんまで!?」

 

美咲「はいはーい、本題に戻ろうねー。」

 

花音「そ、そうだよみんな!今日はハロウィンのことで集まったんだよね?」

 

こころ「あら、私としたことが忘れていたわ。」

 

宥凪「で、ハロウィンパーティーっていってもなにするんだ?単にハロウィンの衣装を着てお菓子を食べるだけじゃつまらないだろうしまた何かおかしなことをするんだろ?」

 

はぐみ「お菓子だけに?」

 

美咲「誰がうまいことを言えって言ったんだろうねはぐみ?それで、何するの?」

 

こころ「ここにいるみんなで二人一組になって商店街の人たちからお菓子をもらいに行くの!それで一番お菓子をもらった人の優勝ね!」

 

宥凪「なるほど、それは確かに面白そうだけど何か商品とかはあるのか?」

 

こころ「ないわよ?これはみんなで笑顔になるためのパーティーなのよ!」

 

宥凪「で、衣装はどうするんだ?まさか今から買いに行くとでも?」

 

こころ「衣装はあたしの部屋にあるものを使ってくれて構わないわ!まずは組み合わせを決めましょう!」

 

はぐみ「それじゃあ、割りばしに印をつけておいたから『いっせーの』で弾いて色が一緒の2人で組んでね!」

 

全員『いっせーの!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宥凪「俺は赤か。」

 

こころ「あたしは黄色ね!」

 

はぐみ「はぐみは青だよ!」

 

美咲「あ、あたしは青だね。よろしくはぐみ」

 

薫「私は黄色のようだね。こころ、よろしく頼むよ」

 

花音「わ、私は赤かぁ…よろしくね宥凪くん」

 

宥凪「よろしくお願いします花音さん。それじゃあ後は衣装選び…なんだけど一組ずつこころの部屋に入って各自衣装を持っていくってことでいいか?」

 

こころ「ええ、それでいいわ!あと、衣装はそのままお持ち帰りしてもらって構わないわよ!」

 

宥凪「え、それっていいのか?別に借りるだけで俺は大丈夫なんだけど」

 

こころ「だって、ハロウィンが終わったら黒服の人たちがまた用意してくれるもの」

 

宥凪「(ああ、黒服の人たちのことをすっかり忘れてたな…)じゃあありがたくもらうぞ。それじゃあ先にどの組が衣装を選ぶ?」

 

薫「私たちは最後で構わないよ。こころもそれで構わないかい?」

 

こころ「ええ!それで構わないわ!美咲たちはどうするのかしら?」

 

美咲「あたしは別に2番目でも最初でも構わないけど、海月さんはどうします?」

 

宥凪「じゃあ俺たちが最初に選ばせてもらうよ。花音さん、行きましょうか」

 

花音「ゆ、宥凪くん待ってー!」

 

俺たちはこころの部屋に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【こころの部屋】

 

宥凪「花音さん、いいの見つかりました?」

 

花音「あ、この魔法使いの衣装いいかも・・・色も水色でいいし・・・宥凪くんはいいの見つかった?」

 

宥凪「んー…狼男っていうのもありきたりですかけどね…さて、本当にどうしましょうか。でも花音さんは魔法使いっていうよりはこっちの赤ずきんの方が似合ってると思いますよ(主に性格の面で)」

 

花音「そ、そうかな?それじゃあ私は赤ずきんにしようかな・・・宥凪くんは結局どれにするの?」

 

宥凪「そうですね…それじゃあこの狼男にします。花音さんが赤ずきんなら俺も合わせた方がいいかもしれませんし」

 

花音「む、無理に合わせなくていいんだよ…?」

 

宥凪「いえ、俺が着たいから着るんですよ。せっかくのハロウィンですし、こういう時は楽しまないと」

 

花音「宥凪くんがそれでいいならいいけど…」

 

宥凪「それじゃあ衣装も決まったことですし美咲たちと交代しましょうか」

 

花音「うん!」

 

俺たちはハロウィンできる衣装を決めてこころの家を出た・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後5時:商店街】

 

 

で、今に至るというわけだ。

 

花音「ハ、ハッピーハロウィーン…」

 

宥凪「花音さん、そんなに恥ずかしがってたら誰もお菓子くれませんよ…?」

 

そう、さっきから俺は挨拶をしたらお菓子をもらってはいるが花音さんの方はというとちらほらと子供からもらってはいるものの大人などからはほとんどもらえていなかった・・・原因は言うまでもなく花音さんの性格だった。俺や千聖さんなどの友人の前では生き生きとしているが、こういう大勢の人前では固くなってしまう。

 

宥凪「花音さん、もう少し肩の力を抜いたらどうですか?いつも俺たちと話してる時は生き生きとしてるじゃないですか」

 

花音「そ、それは宥凪くん達だからっていうか・・・き、緊張する・・・」

 

宥凪「これだと今日のハロウィンパーティーの時に食べるお菓子の量減りますね…」

 

ちなみに、もらったお菓子の量は俺が二袋目の約半分、花音さんは一袋目の7割くらいといったところだ。袋の大きさはペットボトルなどを入れるごみ袋くらいの大きさだ。

 

宥凪「…花音さん、ちょっといいですか」

 

花音「え?何かな宥凪く・・・」

 

俺は一瞬の間だけ花音さんにキスをした。

 

花音「ゆ、宥凪くん?」

 

宥凪「俺から花音さんへの緊張が解けるおまじないですよ。これで少しは緊張は解けると思って」

 

花音「そ、それでも今のは不意打ちだよ…」

 

千聖「あら、ハロウィンでも二人は熱いのね」

 

花音「ち、千聖ちゃん!?」

 

宥凪「あ、こんばんは千聖さん。ほら花音さん。」

 

花音「あ、そっか・・・ち、千聖ちゃん…ハ、ハッピーハロウィーン…!お菓子をくれなきゃいたずらしちゃうよ…!」

 

千聖「いたずらされるのは花音といえども勘弁だからこれでいいかしら?それじゃあ私は行くわね」

 

そう言って千聖さんは他のところに向かった

 

宥凪「ほら、できたじゃないですか花音さん。」

 

花音「や、やった・・・できたよ宥凪くん!」

 

宥凪「花音さんが頑張ったからですよ。この調子で他の組に負けないくらいにお菓子を集めましょう」

 

花音「うん!」

 

それからは順調にお菓子が集まり、気が付いたらお互いに〇袋目がいっぱいになるくらいにお菓子が集まっていた。途中彩さんに会ったりして花音さんが彩さんにじゃれつきはじめた時は彩さんもさすがに戸惑い、彩さんが作ってきたであろうお菓子を全部渡してきたときはさすがの俺も驚きを隠せなかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後7時:こころの部屋】

 

こころ「それじゃあみんな、今日貰ったお菓子を出してちょうだい!私たちはこれだけもらったわよ!」

 

薫「見てくれ、このお菓子の量を。私たち二人で5袋分ももらってしまったよ・・・」

 

はぐみ「それじゃあ次ははぐみたちだよ!みーくん!」

 

美咲「はーい・・・よっ…とあたし達は5袋いっぱいとちょっとですね。それじゃあ最後は花音さんたちですけど」

 

花音「え、えっと・・・その・・・」

 

美咲「どうかしましたか?まさか貰えなかったとか・・・?」

 

宥凪「そう言うと思ったよ。それじゃあ俺たちが貰ったお菓子の量を見せますか花音さん」

 

花音「う、うん…」

 

そう言って花音さんは一旦部屋の外に出た。数分後・・・

 

花音「よいしょ・・・これで全部…かな」

 

美咲「えっちょっ!?これで全部…ですか?」

 

宥凪「ああ、これで俺たちが貰って来たお菓子は全部だな。そうだな、ざっと…10袋分は行ったかな」

 

はぐみ「10袋分!?すごいよ宥くんとかのちゃん先輩!」

 

宥凪「実は全体の60%は花音さんが集めたりするぞ。」

 

薫「それは本当かい花音?」

 

花音「う、うん…本当だよ」

 

こころ「すごいわ花音!花音にもこんな才能があったのね!」

 

宥凪「花音さんが頑張ったおかげですよ。普段からこう、友好的になればいいんですけどね…」

 

花音「が、頑張るよ・・・」

 

こころ「それじゃあみんなでもらったお菓子を食べましょう!でもこれだけの量を食べきれるかしら?」

 

こころはお菓子がなくならないかと心配していたが、そんな心配をよそに俺たちはひょいひょいと口に放り込み始めた。そりゃ3時間くらい商店街をあっちこっち歩けばお腹も減るわな…俺は帰宅部だし、花音さんも茶道部に入っているとはいえ体力がそこまであるわけじゃないしな…結局は今日貰ったお菓子を全部食べ終えて俺たちはそれぞれの帰路についた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宥凪「今日はいろいろ災難でしたね…まあ楽しかったのでいいですけど」

 

花音「そうだね、ちょっとハプニングがあったけどとても楽しかったよ。」

 

宥凪「まあ、折角のハロウィンでしたしね。楽しまないと損でしたから」

 

花音「ゆ、宥凪くん・・・ハ、ハッピーハロウィーン…!お菓子くれなきゃいたずらしちゃうよ…!」

 

宥凪「すみませんが、お菓子は作ってきてないですし今日みんなにもらったお菓子も俺たちで食べちゃいましたのでお菓子は持ってないですね…」

 

花音「そっかあ…それじゃあいたずらしちゃうよ?」

 

宥凪「いたずらっていっても今何かできることってありますっけ?」

 

花音「あ、あるよ・・・ちょっと恥ずかしいけど…」

 

宥凪「そこまで恥ずかしがることなら無理にやらなくてもいいんですよ?」

 

花音「や、やるよ!あ、宥凪くん、あそこに何か見えない?」

 

宥凪「え?俺には何も見えないですけど…花音さん?」

 

花音「んっ…」

 

俺が花音さんの見た方向を見て何もないことを確認して花音さんの方に振り向いた時…俺は花音さんにキスをされていた。水族館の時と花音さんが俺に告白してきたときは俺からキスをしたが、今回は花音さんの方から俺にキスをしてきた

 

宥凪「…花音さんって意外に大胆な意地悪をしますね」

 

花音「ひ、昼間のお返し…だよ?」

 

宥凪「そんな律儀に返さなくてもいいんですけど…でもありがとうございます花音さん。俺にとっての今日一番の魔法ですよ」

 

花音「えへへ、私も嬉しいよ。それじゃあ・・・またね。」

 

宥凪「はい、また学校で」

 

そう言って俺たちは別れた。キスをされたときは死角が広かったため気が付かなかったが、家に帰ったときにポケットがやたらと重かったのを確認したら花音さん手作りのクッキーが入っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宥凪「…こりゃ食べるのがもったいないくらいだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

10月といえばハロウィンということで今回はハロウィン回にしてみました。え?もうハロウィンは終わってるって?こういうのは雰囲気が大事なんですよ(キリッ

そして気が付けばもうすぐ主がハーメルンに投稿を始めて3ヶ月経ちますね…まさか3ヶ月で5作品も書くことになろうとは夢にも思いませんでした

それではここまで読んでいただきありがとうございました


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12話:夢を追いかけて

シゴトイソガチィ・・・4日の次は5日も日にちが空いてしまってすみませんでした

あと疲れの蓄積量が1.5倍なのもあって疲労も溜まっていたのでやっぱり一番の敵は疲れだぁ!





 

 

 

 

 

 

 

 

あのハロウィンパーティーから日が経って11月の半ばに入ろうとしていた。俺は今年度から入ってきたからこの時期での花咲川はどんな行事があるとかは知らない。生徒会長も燐子さんに変わってから1ヶ月になろうとしていた。そんな時・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

11月9日

 

【午前7時:松原家前】

 

宥凪「おはようございます花音さん。」

 

花音「おはよう宥凪くん。今日は早いね」

 

宥凪「いえ、今日はなんか朝6時くらいに目が覚めたのでそのまま起きてたら自然と花音さんの家に足が向いていたんです」

 

花音「だから私服なんだね…でも大丈夫?そろそろ学校に行かないと間に合わないんじゃ…」

 

宥凪「…そうですね、ちょっと俺の家に寄りますね」

 

花音「私もついて行くよ。私ひとりじゃまた迷うかもしれないし・・・」

 

 

 

 

 

 

【海月家前】

 

宥凪「それじゃあさっさと制服に着替えますので俺の家の前で待っていてください、すぐ済ませますので」

 

花音「うん、待ってるね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【海月家リビング】

 

宥凪「…?何だこの封筒?家を出る前は置いてなかったのに…今日の学校が終わったら確認するか。さて、制服に着替えて・・・これでよし、と。そろそろ5分か、花音さんを待たせたら悪いし」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【海月家前】

 

宥凪「すみません花音さん、お待たせしました」

 

花音「何かあったの?」

 

宥凪「いえ、何もなかったですよ。もしかしてちょっと出てくるのが遅れたからって理由ですか?」

 

花音「う、うん…もしかして制服の洗濯を忘れてたりしてなかったのかなって考えちゃって…」

 

宥凪「そんな心配しなくても、制服は帰ったら毎日洗濯してるので大丈夫ですよ、それよりもそろそろ行きませんか?たぶん今から行ってもギリギリですよ」

 

花音「あ…い、急ごう宥凪くん!」

 

宥凪「あ、花音さん・・・!そんなに手を引っ張らなくてもちゃんと行きますから…!(…花音さんに心配をさせちゃったかな)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前7時30分:花咲川学園前】

 

宥凪「ん?なんだか人だかりができてますね、何事なんでしょうか花音さん?」

 

花音「私は何も知らないよ?」

 

宥凪「花音さんでも知らないんですか?・・・あれ?あそこに見えるのって燐子さんじゃないですか?すみません花音さん、先に教室に行っててくれませんか?すぐ済む用事ですから」

 

花音「え?うんわかったよ。もうすぐ朝のホームルームだから早めに済ませてね?」

 

そう言って花音さんは学校に入っていった

 

 

 

 

 

 

 

宥凪「燐子さんと紗夜さん、これは何の騒ぎなんですか?」

 

燐子「あ…海月くん・・・」

 

紗夜「海月さん、おはようございます。実は・・・」

 

日菜「あ、海くんだ!おっはよー!」

 

宥凪「あれ、羽丘の生徒である日菜さんがどうしてこっちに来てるんですか?」

 

日菜「おねーちゃん、まだ海くんには言ってなかったの?」

 

紗夜「最近は生徒会の仕事が忙しかったので言う機会がなかっただけよ」

 

宥凪「それで、日菜さんがどうしてここに?」

 

日菜「あたし、羽丘の新しい生徒会長になったんだ!」

 

宥凪「へ?」

 

燐子「はい・・・そうなんです。私も生徒会の仕事が立て込んでいたんで伝える機会がなったので・・・すみません」

 

宥凪「忙しいのならしょうがないですよ。俺は生徒会の人間じゃないのでこういうのに口出しはよくないですし。それで、こっちに何の用なんですか?」

 

日菜「海くん、合同文化祭って興味ある?」

 

宥凪「合同文化祭って、兄弟姉妹校とか学園長同士仲がいい学校がするあれですか。確かに興味はありますけど。それがどうかしたんですか?…まさか日菜さん」

 

日菜「そのまさかだよ海くん!花咲川学園と羽丘学園の2校で合同文化祭、やってみようよ!」

 

宥凪「…へ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして日菜さんの思い付きに乗せられ、羽丘と花咲川の2校で合同文化祭をすることになった。日にちは3週間後の11月30日と12月1日になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【昼休み:屋上】

 

宥凪「はぁ・・・日菜さんの行動力には頭が上がりませんね…もし日菜さんが彼氏さんを持つことになったらその彼氏さん、相当振り回されることは間違いないでしょうけど俺たちまで巻き込むのはちょっと…」

 

千聖「仕方ないわ。日菜ちゃんは紗夜ちゃんでも手が付けられないほどの天真爛漫っぷりだからしょうがないわ」

 

宥凪「でもさすがにいきなり『合同文化祭、やろう!』だなんて言い出す生徒会長なんて初めて会いましたよ・・・」

 

彩「でも合同文化祭かぁ…一度やってみたかったけどまさか今年にやることになるなんて思わなかったよ」

 

花音「それで、私たちのクラスは何にしよう・・・?私たちはお菓子が作れるから喫茶店とかどうかな?」

 

宥凪「なるほど、確かに喫茶店は悪くはないですね。明日のホームルームで案を出してみましょうか。」

 

千聖「そうね、出してみるだけ出してみましょうか。」

 

彩「うぅー・・・私だけ別のクラスだから被らせるわけにもいかないし・・・」

 

宥凪「彩さんたちのクラスで俺たちのクラスとは別のものを作ればいいじゃないですか・・・」

 

彩「あ、それもそうだね!宥凪くん頭いい!」

 

宥凪「いや、こういうのは誰でも思いつきますって…」

 

花音「彩ちゃん、バイトでもテンパったときはこういう調子だから・・・」

 

宥凪「…彩さん?」

 

彩「・・・えへっ」

 

宥凪「そんな可愛い顔をしても俺と千聖さんの前じゃ誤魔化せませんよ?」

 

千聖「彩ちゃん?今度から私が練習に付き合ってあげましょうか?」

 

彩「だ、大丈夫だよ!そ、そろそろ行くね!」

 

千聖「彩ちゃん?まだ話は終わってないわよ?」

 

そう言って千聖さんと彩さんは屋上を後にした

 

 

 

 

 

宥凪「なんというか…いつも通りですねあの二人」

 

花音「あれが千聖ちゃんたちらしさだよ。千聖ちゃんはああ言ってたけど彩ちゃんのためを思って言ってるのは私にもわかるよ」

 

宥凪「ですね。俺も花音さんと一緒に遠出する時は花音さんのお願いに付き合ってますし、そういう意味ではある意味特訓の一種なのかもしれませんね。花音さんもまずは方向音痴から直した方がいいかもですね…今度方向音痴を直す特訓でもします?」

 

花音「そ、それはもういいよー!行く先々で宥凪くんは私より先にいって宥凪くんに追いつけるか試してくるんだから・・・」

 

宥凪「花音さんの将来を思って言ってるんですよ。まあ花音さんが治したいって思った時は俺に言ってください。俺にできることなら付き合いますよ」

 

花音「本当?」

 

宥凪「本当ですよ。花音さんは俺の彼女なんですから花音さんがやりたいことにはとことん付き合います」

 

花音「えっと・・・そ、それじゃあ一ついいかな?」

 

宥凪「なんですか?」

 

花音「合同文化祭で学年別に劇をやるのは知ってるよね?」

 

宥凪「はい、それがどうかしましたか?」

 

花音「えっと・・・こ、今度の合同文化祭の劇、宥凪くんが主人公で…私がヒロインって…ダメかな?」

 

宥凪「俺が主人公…ですか?そういうのは千聖さんとかが適任なんじゃ?」

 

花音「私、人前に出るのが苦手で…合同文化祭を期に人前に出ても緊張しないようになりたくて…お、お願いします!」

 

宥凪「・・・俺でよければ付き合いますよ。花音さんの晴れ舞台ですし俺も精いっぱいサポートしますからあまり気負いせずに気楽にやりましょう」

 

花音「ありがとう宥凪くん!私、精いっぱい頑張るよ!」

 

宥凪「こちらこそ。俺だってパスパレやハロハピの練習風景を見せてもらったりもしてるけどそれでも見せてもらってるだけだから他の人に比べたら満足な演技ができないかもしれないけど、それでも花音さんやみんなのために頑張りますよ」

 

花音「うんっ!私も宥凪くんや私をここまで支えてくれたみんなのために頑張るよ!」

 

宥凪「さて、俺たちは決まったにしても台本ってどうするんでしょうね?」

 

花音「うーん…今から作っても間に合わないからこういう時は卒業生の人たちの演劇の時の本を借りるか誰かに借りるかなんだけど…」

 

宥凪「…どうしましょうかね」

 

 

 

 

 

 

などと唸っていると、屋上のドアが開いた。そこに現れたのは…

 

千聖「何を難しい顔をしているのかしら?」

 

花音「あ、千聖ちゃん。実は…」

 

俺たちは事の経緯を千聖さんに説明した

 

千聖「なるほどね。2人が演劇の主役を演じるのはいいけれど、劇の台本が何処にあるのかわからなくて唸ってたのね」

 

宥凪「恥ずかしい話、そういう事です…去年までいたところは卒業生の演劇部の人たちが持っていた台本をお借りしたんですが、花咲川に演劇部があるのか知りませんからね…それで今は台本を誰かから借りるか学園長に演劇部の先輩方が置いていった演劇の台本を借りるか悩んでいるんです・・・」

 

千聖「それなら、私が子供の時に演じたドラマの台本のコピーが家にあるのだけどそれでもいいのならあげるわ」

 

宥凪「え、いいんですか?こういうのは他の人の了承を得てからがいいんじゃ?」

 

千聖「そういうことをしてたらいつ返事が来るのかわからないわ。だから早いうちに渡しておこうと思うのよ。」

 

宥凪「そういうことならありがたくいただきますね。ただそのまま使うのはなんというかオリジナリティーがないので少しだけ俺たちで改良してみますけどいいですか?」

 

千聖「それをやるかどうかは花音と宥凪くん次第よ。宥凪くんはやりたいらしいけど花音はどうするのかしら?」

 

花音「う、うん!やってみるよ!」

 

千聖「それじゃあ、これがその時の台本よ。まだ私が新米子役だったころの台本だからそこまで難しくはないけれど頑張るのよ」

 

宥凪「ありがとうございます千聖さん。」

 

俺たちは台本を受け取った

 

千聖「それじゃあ、二人とも頑張ってね」

 

宥凪「あれ、千聖さんは演劇はやらないんですか?」

 

千聖「私が演劇をやると女優としてこなしてしまうかもしれないから今回は演劇は遠慮しておこうかしら。」

 

花音「そっかぁ…じゃ、じゃあ私たちが千聖ちゃんの分まで頑張るよ!」

 

千聖「ふふっ、ありがとう花音。それじゃあ私は行くわね」

 

宥凪「このお礼は文化祭の演劇の時にお返ししますよ。千聖さんをも驚かせるほどの劇で、ね。」

 

千聖「宥凪くんも頑張ってね。花音のことをお願いするわ」

 

キーンコーンカーンコーン…

 

宥凪「あ、チャイム鳴っちゃいましたね…次は移動教室なので急がないと」

 

そう言って俺たちは足早に教室まで次の授業の教材を取りに行ってから次の授業がある教室まで向かった。それから適当に授業が終わって放課後になり・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【放課後:2ーB】

 

宥凪「今日の授業が終わりましたね…」

 

花音「いつもより授業時間が長く感じたよ・・・宥凪くん、この後時間ある?千聖ちゃんからもらった台本を改良したいんだけど…」

 

宥凪「すみません花音さん…今日はちょっと一度家の方に戻らないといけないのでそれからでよければ。」

 

花音「それじゃあ宥凪くんの用事が終わったらでいいから私の家に集合でいいかな?」

 

宥凪「そうしますか。明日も学校なので今日は花音さんの家にお泊りに来てもいいですか?」

 

花音「うん、大丈夫だよ。私の方でお泊りの準備をしておくね」

 

宥凪「すみません花音さん、何から何まで。それじゃあ俺は先に失礼しますね」

 

花音「うん、また後でね。」

 

そう言って俺は先に教室を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後4時45分:海月家リビング】

 

宥凪「さて…この封筒の中身を確認しないとな。…これは」

 

そこに書かれていたのは、衝撃と驚愕の内容だった。

 

宥凪「…メイ、お前がこの手紙をよこすってことは…そういうことか。わかったよメイ。でもまだ今はその時じゃない、ちゃんとその時が来たらそっちに行くよ。」

 

俺は封筒に入っていたメイからの手紙を読んだ後、手紙を封筒の中に再び入れた。

 

宥凪「(…確かに俺はこれをすることが子供のころからの夢だった。でも、これをするためにはここを離れないといけない。そうしたら花音さんや千聖さん、ハロハピのみんなとしばらく会えないだろう。…また俺は誰かに心配をかけるのか。このことを花音さんに教えたら花音さんはいつも以上に俺に気を遣うかもしれない。でもいつか花音さんはこのことを知るだろうな。それに花音さんは俺の彼女だ、こういうのは千聖さんに伝えておくのがいいだろうな…)よし、そうと決まったらさっそく実行だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《Rain》

 

宥凪「千聖さん、ちょっといいですか?」

 

千聖「あら、宥凪くん。今日は花音と演劇の台本を考えるために花音の家に泊まるって言っていたけどどうしたの?」

 

宥凪「実は…」

 

俺は事の経緯を千聖さんに何一つ隠さず説明した

 

千聖「…そう、わかったわ。私でよければ協力するわ」

 

宥凪「すみません千聖さん。花音さんには迷惑をかけたくないのでこういうのは千聖さんにしか頼めなくて・・・」

 

千聖「構わないわ。今度時間がある時でいいから連絡をくれれば大丈夫よ」

 

宥凪「その時はよろしくお願いします。」

 

千聖「ええ、わかったわ。それじゃあその時はよろしくね」

 

宥凪「はい、協力感謝します。」

 

《Rain終了》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…さて、今は目の前のことに集中しないとな。文化祭は3週間後だ。それまでにできることを全部やって後悔がないようにしないと。後は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

5日ぶりに書いたので文章力が多少落ちているかもしれませんが、全力で今書ける分を書けました・・・うん、正直疲れが残ってる状態で書いたので結構時間がかかりましたとも。

それではここまで読んでいただきありがとうございました


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13話:文化祭を前に

ネタがねぇ!…マジっす







 

 

 

 

 

 

 

 

 

日菜さんの勢いに任せた合同文化祭の提案から2週間が経った。あれから俺も花音さんもハロハピの練習がない時は劇の練習に励んだりしていた。千聖さんの時間がある時は千聖さんの指導の下演技のいろはなどを教えてもらったりした。演技に関しては俺と花音さんは素人に近いので天才子役だった千聖さんに教えてもらうことは『水を得た魚』に近かった。花音さんにとっては初めてのヒロイン役だったとのことなのでこれは何としても花音さんにとっての晴れ舞台にしたいと思っていた。そんな時・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

11月23日

 

【午前8時:2ーA】

 

宥凪「おはようございます千聖さん」

 

千聖「あら、おはよう宥凪くん。今日は一人なのね。花音はどうしたの?」

 

宥凪「それが…花音さん、風邪をひいちゃったみたいなんです。昨日は俺がバイトのシフトに夜遅くまで入ってて一緒に練習ができなかったので花音さんに聞いてみたら夜寝るまでずっと一人で台本を読みなおしたりしていたみたいで、今日体が重いって言っていたので熱を測ったところ38度も熱があったらしく今日は学校と劇の個人練習は休むみたいです」

 

千聖「そう…花音は頑張り屋だから一人で頑張っていたのね。」

 

宥凪「はい、だから今日は花音さんのお見舞いに行ってあげようって思ってますけど千聖さんはどうしますか?」

 

千聖「今日は仕事もないから私も一緒に行こうかしら。」

 

宥凪「すみません、お時間を取らせてしまって。」

 

千聖「いいのよ。花音は私の親友だからお見舞いに行かないと」

 

宥凪「それじゃあ放課後にゼリーとか簡単に食べれるものを買って花音さんの家に行きましょうか。」

 

千聖「ええ。一日も早く花音には元気になってもらってまた3人で劇の練習もしたいもの。」

 

宥凪「あ、そうでした千聖さん。これ・・・」

 

そう言って俺は千聖さんに一封の封筒を渡した

 

千聖「これは?」

 

宥凪「前に行っていたことをまだ花音さんに黙ったままなので…俺がこっちからいなくなってから花音さんが悲しんでいたら花音さんに渡してあげてください。もちろん中身は見たらダメですよ」

 

千聖「わかったわ、大事に預かっておくわね。」

 

宥凪「何から何まですみません千聖さん…花音さんに見つからないように頑張ってください」

 

千聖「ええ。宥凪くんもしっかりね」

 

などと話していると先生が入ってきてその日の午前中の授業は終わって昼休みになった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【昼休み:屋上】

 

彩「そっかぁ…花音ちゃん、今日は風邪で学校休んでるんだね…」

 

宥凪「はい、最近は一人でも劇の練習をしていたみたいなのでその無理が重なった、という感じですね…」

 

彩「花音ちゃん、大丈夫かな…?もう文化祭まで一週間ないよね?」

 

千聖「そうね。もし花音が文化祭までに復帰できなかったら代役として私が出ないといけなくなるから花音には早く戻ってきてほしいわね」

 

彩「え?今回の劇のヒロインって花音ちゃんなの?」

 

宥凪「あれ、言ってませんでしたっけ?今回の劇は俺が主人公で花音さんがヒロインなんですよ」

 

彩「え!?そうなの千聖ちゃん!?てっきり千聖ちゃんが主人公だとばかり…」

 

千聖「彩ちゃんは小道具担当だったから知らないのも無理はなかったわね。私は劇の役者っていってもセリフは少ないけど」

 

彩「そう言えば千聖ちゃん、時間があったらこっちを手伝ってくれてたね…」

 

千聖「ええ。今回はあの二人が主役だもの。」

 

彩「それで二人とも、今日は花音ちゃんのお見舞いに行くの?」

 

宥凪「はい。もしかしたら俺たちの知らないところでまた無茶してるかもしれませんし、今日は休ませないといけませんからね…」

 

彩「それだったら、私もお邪魔していいかな?」

 

宥凪「彩さんもですか?俺は別に構いませんが、千聖さんはどうですか?」

 

千聖「そこまで大所帯にならなければいいと思うわ。でもあまり病人に前で騒がしくしちゃだめよ?」

 

彩「わ、わかってるよー!」

 

宥凪「それじゃあ帰りはコンビニよりスーパーとかに寄ったほうがいいですね。コンビニだとモカとかリサさんに出くわす可能性があるので」

 

彩「そっか、リサちゃんはコンビニでバイトしてるから変に勘付かれるかもしれないんだね?」

 

宥凪「そういうことです。そろそろ昼休みが終わるのでまた放課後ですね」

 

彩「うん!校門で待ってるね!」

 

そう言っていると昼休みの終わるチャイムが聞こえて昼は解散した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【放課後:校門前】

 

宥凪「すみません彩さん千聖さん。日直の仕事が長引いちゃって…」

 

千聖「今日は花音がいないから一人でやっていたわね。私は手伝ってもよかったのだけれど宥凪くんが頑張っているところを見ると加勢ができなくなっていたわ」

 

宥凪「いいんですよ、今日はそんなに日直の仕事はなかったので」

 

彩「それよりも早く行こうよ!早くしないと売り切れちゃうかもしれないし…」

 

宥凪「そうですね、早く買うものを買って花音さんのお見舞いに行きましょう」

 

俺たちはスーパーへと足を進めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【スーパー】

 

宥凪「さて、と・・・何を買いましょうか。果物ゼリーとかお粥に入れるものとかでしょうけどお粥は作ったことがないのでどちらかお粥を作ったことはありますか?」

 

彩「私は友達が風邪をひいたことがなかったから作ったことはないなぁ…千聖ちゃんは?」

 

千聖「私は小腹が空いたときとか夕食の時に食べたりするから作り方は知ってるわよ」

 

宥凪「ならお粥の方は千聖さんに任せて俺たちは花音さんが食べれる果物ゼリーとか少食を買いに行きますか」

 

彩「うん、それじゃあ千聖ちゃんまた後でね」

 

千聖「ええ、そっちも気をつけてね。特に宥凪くんは浮気しちゃダメよ?」

 

彩「え、え?どういうこと?」

 

宥凪「後で話しますからとりあえず買いに行きましょうか彩さん」

 

彩「ま、待ってよ海月くん!」

 

俺たちは一旦分かれ、彩さんと一緒にスーパー内を見て回った…のだが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彩「ねえ海月くん、さっき千聖ちゃんが言ってた『浮気しちゃダメ』ってどういうこと?」

 

宥凪「ああ、そのことですか…実は、俺と花音さんは付き合ってるんっですよ。といってもまだ付き合い始めて3ヶ月なんですが」

 

彩「えぇっ!?バイトでもそんな素振り見せてなかったよね!?」

 

宥凪「あんまりベタベタしてると周りから気を遣われますしね。それに付き合ってるっていっても最近は花音さんの方がハロハピの練習で忙しいことが多いのでお出かけとかはできてませんが」

 

彩「そっかぁ…おめでとう、海月くん!」

 

宥凪「ありがとうございます彩さん。彩さん、実はこのことは花音さんにはまだ言ってないんですが…」

 

彩「何かあったの?」

 

宥凪「実は…」

 

俺は千聖さんに話したように先々週にあったことをそのまま伝えた

 

彩「そんな…宥凪くんはどうするの?」

 

宥凪「…俺は東京を離れようと思っています。」

 

彩「どうして花音ちゃんには黙ってるの?」

 

宥凪「…花音さんに心配の種を増やしたくないんです。きっとこのことを話したら花音さんは俺についてくるって言いだすと思いますし、何より俺の子供のころからの夢だったんです。だから…」

 

彩「・・・海月くん」

 

宥凪「さて、そろそろ行きましょうか。一応俺たちの分も買っておきましたし」

 

彩「み、海月くん待ってよー!」

 

そう言って俺たちは千聖さんと合流してから花音さんの家に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【松原家前】

 

ピンポーン

 

花音「はーい・・・あ、千聖ちゃんと彩ちゃん、それに宥凪くん・・・?どうしたの?」

 

宥凪「どうしたもこうしたもありませんよ。花音さんが風邪を引いたっていうのでお見舞いに来たんです。」

 

千聖「ほら、病人は早く布団に寝てた方がいいわよ。今は大丈夫そうに見えるけ風邪がぶり返したら文化祭も何もないわよ」

 

彩「それじゃあお邪魔するね!お邪魔します!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【花音の部屋】

 

花音「ごめんね宥凪くん、こんな大事な時に風邪ひいちゃって…」

 

宥凪「いいんですよ、まだ1週間も準備期間がありますしゆっくり風邪を治してまた劇の練習をしましょう。」

 

花音「うん…ところで彩ちゃんと千聖ちゃんは何をしてるの?」

 

宥凪「ああ、それは…」

 

千聖「お待たせ、二人とも。お粥を作っていたの」

 

彩「私は粉薬をゼリーに混ぜて飲みやすくしたんだ。」

 

花音「千聖ちゃんと彩ちゃん…ありがとう」

 

宥凪「それじゃあ俺は部屋の外にいますね。パジャマを着替えないといけないでしょうし着替えを除くなんて男のすることじゃないですし」

 

千聖「宥凪くんって変なところで紳士よね」

 

宥凪「俺だってこころに巻き込まれる以外は紳士ですよ…」

 

そう言って俺は一度花音さんの部屋から出て花音さんの気がwが終わったのを彩さんから教えてもらった時にまた花音さんの部屋に入った

 

宥凪「でもチャイムを鳴らした時に起きてきたところを見たのはよかったですね。少しは元気そうで」

 

花音「だって、初めての文化祭の劇で宥凪くんと一緒に舞台に立てるから早く風邪を治して練習に戻らないといけないから・・・」

 

千聖「初めての花音の晴れ舞台だから私も楽しみにしてるから早く治してまた戻ってきなさい」

 

花音「うん…」

 

彩「それじゃあ私は帰るね。風邪をうつされたらパスパレの仕事を休んじゃうかもしれないし・・・」

 

千聖「なら私も帰るわ。明日は放課後から仕事が入ってるの」

 

宥凪「なら俺も・・・」

 

千聖「宥凪くんは花音の側にいてあげてちょうだい。少しでも花音のことを支えてあげた方がいいわ」

 

宥凪「俺も今度の劇の主役なので風邪をうつされたら困るんですが・・・」

 

千聖「残 り な さ い ?」

 

宥凪「…はい」

 

千聖「それじゃあ私たちは帰るわね。花音、お大事に」

 

彩「またみんなで集まろうね花音ちゃん!」

 

そう言って彩さんと千聖さんは帰っていった

 

宥凪「…なんか千聖さんにうまく丸め込まれたような気がします」

 

花音「あはは・・・千聖ちゃんらしいっていうか・・・」

 

宥凪「花音さん、体調はどうですか?」

 

花音「まだ咳が時々出るけど、体は重くないよ。」

 

宥凪「でもまだ体調は悪い、ということですね?ほら、早く布団に入ってください。風邪が悪化しますよ」

 

花音「う、うん…」

 

俺がそう言うと花音さんは布団に入った

 

宥凪「あまり無茶しないでください花音さん。俺だって花音さんと一緒の舞台に立つことができてうれしいんですから。」

 

花音「えへへ、私も宥凪くんと一緒に劇を演じることができてうれしいんだ。来年もまた一緒に舞台に立てたら嬉しいなぁ…」

 

宥凪「そうですね。また一緒に舞台にたてたら・・・(来年…か。そうだったらよかったんだけど…そうなるかどうかは俺次第だ)」

 

花音「宥凪くん?どうかした?」

 

宥凪「いえ、大丈夫ですよ。」

 

花音「体調が悪いならもう帰ったほうが・・・」

 

宥凪「俺のことは俺が一番よくわかっていますから大丈夫です。心配してくれてありがとうございます花音さん。ただ…もうそろそろ帰ったほうがいいのには同意ですね。もう7時を回ろうとしてますし。また明日あいましょう花音さん」

 

花音「うん、またね宥凪くん」

 

俺は帰り際に一度部屋から出た際に作っておいたおにぎりを花音さんの部屋に置いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宥凪「(来年また同じ舞台で…か。その願いは叶うのだろうか・・・いや、叶えたい。花音さんと一緒に。そしてできることなら・・・)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

文化祭前に風邪をひくのは誰だってきついものですよね…主はあまり風邪をひかない体質なので割と助かってますが疲れが人一倍蓄積されやすいのは悩みですがね…

それではここまで読んでくれてありがとうございました


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14話:思いもよらぬ夢

コミュ力あげたい(小声)






 

 

 

 

 

 

 

 

あれからさらに一週間が経ち、今日は合同文化祭の日だ。ちなみに合同文化祭といっても2校の生徒が花咲川に集まってそれぞれが露店などを手伝ったり、時間別にステージで一緒に披露したりと多種多様である。俺と花音さん、千聖さんは日菜さんと一緒に喫茶店を担当している。

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前10時:2ーA】

 

花音「宥凪くん、こっちお願い…!」

 

宥凪「はい!それにしてもお客さんが途切れませんね…まだ10時だっていうのに」

 

千聖「一体誰がこんなにお客さんを呼び込んだのかしらね?」

 

日菜「ねー☆一体誰なんだろうねー?」

 

宥凪「日菜さんです日菜さん。まったく、俺の担当する喫茶店のことは黙っててほしいって言ったんですけどね…注目されるのはごめん被りたいんですよ」

 

日菜「えー?海くんは羽丘でも大人気だよ?」

 

宥凪「…ちなみに広めたのは誰ですか?」

 

日菜「あたしだよ?」

 

宥凪「千聖さん、最近覚えたという技を日菜さんにお願いします」

 

千聖「手加減はしなくてもいいわよね?」

 

宥凪「もちろんです、やってしまって大丈夫ですよ千聖さん」

 

日菜「え?海くん目が笑ってないよ?ち、千聖ちゃんまで?」

 

日菜さんは千聖さんに連行され、教室を出ていった

 

花音「あはは・・・宥凪くんも大変だね…」

 

宥凪「まったくですよ・・・日菜さんの脳内辞書に『手加減』の文字はないでしょうかね…あ、一応確認しておきますけど今日の劇の時間は覚えていますか?」

 

花音「うん。確か昼の3時からだったよね。」

 

宥凪「はい、そうですね。初めての花音さんの晴れ舞台ですから俺の最大限にサポートするので頑張りましょう」

 

花音「うん!」

 

などと言ってると日菜さんの制服の首根っこを掴んで千聖さんが戻ってきた

 

千聖「ただいま、二人とも。」

 

宥凪「あれ、日菜さんを捕まえれたんですね」

 

千聖「ええ。紗夜ちゃんが日菜ちゃんを捕まえてくれたの。それで、喫茶店のことだけどあなたたち二人は上がっていいわ」

 

花音「え、いいの?」

 

千聖「ええ。店は私たち二人に任せて楽しんできていいわ。せっかくの文化祭だもの、楽しまなきゃ損でしょう?」

 

宥凪「それはそうですけど…それだと二人が文化祭を回れませんよね?」

 

千聖「いいのよ、あなたたち二人が楽しんでくれれば私は嬉しいから」

 

宥凪「はあ…それならお言葉に甘えますね。行きましょう花音さん」

 

花音「ゆ、宥凪くん、待ってー!」

 

俺たちは教室を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【花咲川学園:休憩室】

 

花音「あ、そうだ宥凪くん。千聖ちゃんにクッキーを預けてたんだけど…」

 

宥凪「千聖さん、無駄がありませんね…よく見たらこれ、花音さんの手作りですか?それに花音さんの指、相当クッキーを焼いていたんですね」

 

花音「ふぇっ!?そ、そうだけど・・・どうしてわかったの?」

 

宥凪「花音さんの手から仄かにクッキーの生地特有のにおいがするので」

 

花音「う、うん…私も喫茶店の店員さんだしみんなにも喜んでほしいから…ゆ、宥凪くん」

 

宥凪「花音さん?」

 

花音「あ、あーん…」

 

宥凪「(え?これって…花音さんが俺に食べさせてくれるのか?いやそれは嬉しいんだけど恥ずかしいっていうか・・・)・・・花音さん、もしかして千聖さんに事前に言ってました?」

 

花音「う、うん…」

 

宥凪「・・・俺のためにありがとうございます。それじゃあいただきますね」

 

パクッ

 

花音「ど、どうかな…?」

 

宥凪「うん、俺好みの甘さと食べやすさですね。ありがとうございます花音さん」

 

花音「えへへ、ありがとう宥凪くん。頑張って練習したかいがあったよ」

 

宥凪「俺のために作ってくれるのは嬉しいですけどあまり無茶しないでくださいね。この前みたいに風邪をひかれたり倒れられるとどうすればいいのかわからないので・・・」

 

花音「うん、わかってるよ。でも私は宥凪くんに喜んでもらえるのが嬉しいから頑張っちゃうんだ」

 

宥凪「…本当に花音さんは俺なんかにはもったいないくらいに可愛い彼女ですよ。(花音さんもこんなに頑張ってるんだ、俺も頑張らなきゃな)」

 

花音「それで宥凪くん、これから劇の時間まで何してよっか?」

 

宥凪「ただ休憩室で何もしないってのはあれですしね…適当にふらつきましょうか。」

 

花音「うん!」

 

俺たちは休憩室を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前11時:2ーB】

 

彩「あ、おはよう花音ちゃん、海月くん!」

 

宥凪「おはようございます彩さん。お好み焼き2パックお願いします」

 

彩「はーい!燐子ちゃん、麻弥ちゃん!お好み焼き2パックお願い!」

 

燐子「わかり・・・ました・・・」

 

麻弥「はい!急いで作りますね!」

 

宥凪「そんなに急がなくても大丈夫ですよ。作り終わるまで待つので」

 

花音「私も待つから大丈夫だよ」

 

彩「ごめんね、少し待ってもらうことになっちゃうけど…」

 

宥凪「そういえば彩さん、お好み焼きを作れたんですね。麻弥さんも燐子さんも」

 

麻弥「ジブンは一人暮らしなので自然と料理のレパートリーが増えていったって感じですね。」

 

燐子「私も・・・大和さんと同じ感じです・・・」

 

彩「私はバイト先の先輩から何か新しい料理を作ってないかって聞いてみたら『お好み焼きを作るのが楽しい』って言ってたから教えてもらったんだ」

 

宥凪「最近何か彩さんがバイト先の先輩たちに聞いてたと思ったらそんなこと聞いてたんですね。花音さんもこれを期に新しい料理に挑戦してみたらどうですか?」

 

花音「新しい料理かぁ…ゆ、宥凪くんは何食べたい?」

 

宥凪「そうですね、花音さんの手作り弁当…とかでしょうか。」

 

花音「ふぇっ!?」

 

麻弥「ゆ、宥凪さん意外と大胆ですね…ジブンたちがいるにもかかわらずそんなことを言えるなんて…」

 

宥凪「まあ、まだ花音さんの手作り弁当を食べたことがなかったので食べてみたいとは思ってましたね。ただ俺も無意識に言ったのでちょっと恥ずかしかったですが」

 

燐子「そう言えば…お二人のクラスは大丈夫なんですか・・・?確か喫茶店…でしたよね?」

 

花音「うん。でも千聖ちゃんと日菜ちゃんが変わってくれて、後でひまりちゃんも合流するみたい」

 

麻弥「こっちは3人体制で作ってますが千聖さんたちは今2人体制ですからね…上原さんが行くなら大丈夫じゃないでしょうか」

 

宥凪「ひまりはお菓子作りに関しては俺よりうまいですからね。中学生の時はよく作ってもらってました。」

 

花音「ひまりちゃん、よく差し入れにクッキーとか持ってきてくれるけどおいしいんだよね…私もいつか作りたいなぁ…」

 

宥凪「それだったらひまりにお菓子のレシピを教えてもらったらどうですか?ひまりなら教えてくれると思いますよ」

 

花音「そうだね、今度聞いてみるよ」

 

彩「はい!二人とも、お好み焼きができたよ!」

 

花音「ありがとう彩ちゃん。それじゃあお金を・・・」

 

彩「あ、それは大丈夫だよ!今日は私たちからの奢りってことで!」

 

宥凪「え、いいんですか?でもこういうのは…」

 

彩「いいの!せっかくの文化祭デートなんだし楽しまないと!」

 

宥凪「そういう事なら貰っておきますね。ありがとうございます彩さん」

 

彩「それじゃあ文化祭、楽しんできてねー!」

 

俺たちは2ーBを後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後2時30分:屋上】

 

宥凪「さて…そろそろ体育倉庫に移動しましょうか」

 

花音「もうそんな時間かぁ…うぅ、今から緊張してきたよ・・・」

 

宥凪「そんなに固くならなくても大丈夫ですよ。俺が花音さんのことを支えるので」

 

花音「う、うん!私頑張るよ!」

 

宥凪「さて、行きましょうか花音さん…いえ、俺のお姫様。」

 

花音「う、うん…私の王子様」

 

俺たちは手を繋いで体育倉庫に移動した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後2時45分:体育倉庫】

 

千聖「いよいよね、二人とも。」

 

宥凪「はい。日菜さんに言われたときは少し焦りましたけど今はこの舞台に立ててとても嬉しいです。」

 

花音「最初は緊張したけど…ここまで来たんだね。」

 

宥凪「はい、途中花音さんが休んじゃったりしてしまった時は戸惑いましたけどここまでこれたんです。これもみんなが頑張ってくれたおかげですよ。」

 

花音「あの時はごめんね…でも私は風邪を治して今ここに立っている。この劇、絶対に成功させようね!」

 

千聖「ええ。みんなが私たちの劇を待ってくれているわ。みんなでお客さんたちを楽しませるわよ」

 

宥凪「はい。それじゃあ行きましょうか。」

 

俺たちの劇が始まる。花音さんの初めての晴れ舞台。そして最初で最後かもしれない俺と花音さんが一緒に立てる劇。花音さんの笑顔を守りたいと願って俺はこの役を演じることを決めた。俺がこっちにいるのは今年度いっぱいとまでは行かないだろうな…そう考えているうちに俺たちの劇は終わり、お客さんからは拍手喝采だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後5時:花咲川学園屋上】

 

宥凪「…もうすぐ終わっちゃうな、学園祭」

 

花音「そうだね…宥凪くんとの劇も楽しかったしもう少しこの時間が止まればいいなって思っちゃうよ」

 

宥凪「…そうですね。ほら見てください花音さん、綺麗な夕焼け空ですよ」

 

花音「わぁ…綺麗…こんなにきれいな夕焼け空見たことなかったなぁ…」

 

宥凪「…花音さん」

 

花音「宥凪くん?」

 

宥凪「…いえ、なんでもないです。すみません」

 

花音「・・・宥凪くん、やっぱり私に隠し事してない?だって私と一緒にいるときは何だか悲しそうな顔してるから・・・」

 

宥凪「俺だって心配なことは一つ二つはあるんです。」

 

花音「本当に?」

 

宥凪「・・・花音さんって本当に心配性ですね。その心配性な花音さんには…」

 

そう言って俺は花音さんを抱きしめながらキスをした

 

花音「んっ…」

 

宥凪「(本当にすみません花音さん…)」

 

花音「ふふっ・・・宥凪くんからこんなことをされちゃったら確かに心配なんてどこかに行っちゃうかもね」

 

宥凪「心配しすぎると俺も心配になるので…俺も花音さんのことが心配なんですよ。また無茶して体調を崩さないかって思うと…」

 

花音「…あの時は本当にごめんね。」

 

宥凪「もう過ぎたことですから大丈夫です。これからのことを考えましょう。」

 

花音「これからのことかぁ…ゆ、宥凪くんは将来何になりたいとかあるの?」

 

宥凪「そうですね…困ってる人を助けたりしたいですね。でも俺は音楽の先生になって世界中の子供も大人も笑顔にしたいって夢がありますね。そういう花音さんはどうなんですか?」

 

花音「私は…ゆ、宥凪くんのお嫁さんになりたい…かな」

 

宥凪「ぶっ!?お、俺のお嫁さん…ですか?俺にそこまでついてくるのは嬉しいんですけど、俺の夢は音楽の先生なんですよ?大変な人生になるかもしれませんよ?」

 

花音「うん、わかってるよ。でも私は宥凪くんとこれからの人生を歩みたいから・・・ダメ、かな?」

 

宥凪「ダメってことはないですけど…花音さん。これ、受け取ってくれませんか?」

 

そう言って俺は小さな箱を渡した

 

花音「開けてもいいかな?」

 

宥凪「もちろんですよ。どうぞ」

 

花音「そ、それじゃあ・・・(パカッ)ゆ、宥凪くんこれって…」

 

宥凪「これは本物じゃないですけど…花音さんってこういうのは持ってないと思ってこの間買っておいたんです。」

 

俺が花音さんに渡したのはクラゲの形をしたペンダントだった

 

宥凪「まだそれには写真は入っていませんが、これから花音さんとの一番の思い出をこのペンダントに入れましょう。」

 

花音「うん!」

 

宥凪「それじゃあ後夜祭に行きましょうか。そろそろ始まりますし」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言って俺たちは文化祭の後夜祭がある花咲川のグラウンドへ足を進めた。後夜祭ではフォークダンスを踊ったりした。あの時花音さんが『宥凪くんのお嫁さんになりたい』と言われた時から俺の頭からその言葉が離れることはなかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか。

文化祭といったら後夜祭、後夜祭といったらフォークダンスでしょう?(適当)

主がダンスを踊れる?ハハッ、そんなことできませんよ(諦

それではここまで読んでいただきありがとうございました


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15話:思い出の場所で

やっぱ何かしらネタがないと話すことないですね(真顔)








 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

羽丘と花咲川の合同文化祭からさらに日が経った。今日は大晦日でこころの家にハロハピメンバーが全員集合している。千聖さんはパスパレメンバーと年を越すと言っていたので少し寂しく感じた。いつもは花音さんと俺と千聖さんの3人で教室に一緒にいるからな…ちなみに今俺は花音さんの家に向かってるところだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前10時:松原家前】

 

(ピンポーン)

 

花音「あ、宥凪くんおはよう。」

 

宥凪「おはようございます花音さん。迎えに来ましたよ」

 

花音「えへへ、でも私は嬉しいよ。大晦日を宥凪くんと一緒に過ごせて・・・」

 

宥凪「俺も花音さんと一緒に大晦日を過ごせて嬉しいですよ。さて、こころ達が首を長くしてるでしょうしそろそろ行きましょうか」

 

花音「うん!」

 

俺たちはこころの家に足を進めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【こころの家へ向かう途中】

 

宥凪「しかし、何度こころの家に向かうとわかっても慣れないですね…もうこれで5度目なんですが…」

 

花音「あはは・・・私は慣れるまで10回くらいは行ったからね…宥凪くんの気持ちはわかるよ」

 

宥凪「まあそろそろ慣れる…と思いたいですけどね。というかこころの家で大晦日を過ごすのはいいんですけど何するんでしょうね。」

 

花音「こころちゃんたちと一緒に過ごす大晦日かぁ…何をするんだろう…?」

 

宥凪「あれ、花音さんもわからないんですか?」

 

花音「私がこころちゃんたちとバンドを組んだのは宥凪くんと知り合った後だったからね…」

 

宥凪「あれ、そうだったんですか?てっきり去年から一緒だったのかと思ってました」

 

花音「こころちゃんたちと知り合ったのが今年だからね、意外って思われるのはわかるよ」

 

宥凪「まあ、こころですからね…こころのやることは俺には理解ができませんね…」

 

花音「あはは・・・私もこころちゃんの思い付きによく巻き込まれるからね…この間もいきなり舞踏会で踊ることになったこともあったからね…」

 

宥凪「それは…ご愁傷様です。っと、そろそろ着きますね。」

 

花音「でもまた後で話せるから・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【弦巻邸:玄関】

 

こころ「よく来たわね花音、宥凪!今日はみんなで笑顔で大晦日を過ごしましょう!」

 

宥凪「このメンバーで笑顔で過ごすっていう方が無理だと思うけどな…だってこのメンバーだぞ?」

 

美咲「あはは・・・確かに。まあでも今日のメンバーのうち半分はまともなのであたしとしては助かってますけどね…」

 

宥凪「まあ、な…薫さんは言ってることがわからないしはぐみと心は考えることがぶっ飛んでるしな…うん、俺はいつも巻き込まれてる側だから正直今日はいつもより巻き込まれ度が高い気しかしないな、うん。(諦)」

 

花音「ふぇぇ…今日は大丈夫かなぁ…」

 

宥凪「本当ですよ・・・俺たちの日常に『平和』と『落ち着いた』の文字は果たしてあるんでしょうかね…?」

 

美咲「本当ですよ・・・」

 

宥凪「(あ、そうだ。一応美咲に言っておくけど明日は千聖さんがこっちに来ることになってるからその時は頼む。事情はこの間言ったと思うけど)」

 

美咲「(あ、あのことですね。花音さんにはまだ伝えてないので…でも本当に良かったんですか?)」

 

宥凪「(何度も悩んだけど、やっぱり変わらなかったよ。というわけで、明日は千聖さんと一緒にこのことは頼んだ)」

 

美咲「(わかりました。)」

 

花音「美咲ちゃんと宥凪くん、何を話してるの?」

 

美咲「何でもないですよ。」

 

宥凪「そろそろこころの部屋に行きましょうか。あとの二人も待ってるでしょうし」

 

花音「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後1時:こころの部屋】

 

はぐみ「宥くんいらっしゃーい!」

 

薫「おや、花音の王子さまも一緒か。今日はとても儚い大晦日になりそうだね」

 

花音「ふぇっ!?か、薫さん何言ってるの!?宥凪くんが私の王子様なんて…(ま、間違ってはないけど宥凪くん以外の人に言われると恥ずかしいよ・・・!)」

 

美咲「はいはい薫さん、花音さんが戸惑ってるのでそれ以上はやめましょうねー」

 

宥凪「やっぱり今日は騒がしい大晦日になりそうだな…」

 

こころ「楽しい大晦日の間違いじゃないかしら?」

 

宥凪「このメンバーのどこが楽しく見えるんだろうな…」

 

こうしてハロハピメンバーとの騒がしい大晦日が始まった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こころ「この伊勢海老おいしいわね!宥凪の作った料理はいつ食べてもおいしいわ!」

 

はぐみ「それは当然だよこころん!宥くんはお弁当とかを作らせたら天下一品だからね!」

 

宥凪「それをはぐみが言うのは何なんだろうな?まあ自分で作っておいてなんだけどおいしいとは思ってるから素直に嬉しいな」

 

薫「毎日食べたいくらいにおいしいね。ここの黒服の人たちに負けないんじゃないかい?」

 

宥凪「いやさすがに黒服の人たちには負けますよ・・・何でもできるじゃないですかあの人たち」

 

美咲「あはは・・・黒服の人たちは本当にすごいですからね…いきなり現れては弁当とか持ってきたりしてますし」

 

宥凪「ハロハピは薫さん以外みんな花咲川のメンバーだからな…うん、何度も見てるからある意味ゲシュタルト崩壊しそうだな」

 

花音「でも宥凪くんが作るお弁当はおいしいからいいよね…私もたまに作ってもらうけどおいしいからなぁ…」

 

宥凪「いやいや花音さんの作ったお弁当もおいしいですよ。一人暮らしだから料理のレパートリーが増えるので嬉しいですし」

 

花音「そ、そうかな…?えへへ、私も宥凪くんにお弁当を作るのが楽しいからつい張り切っちゃうんだ」

 

宥凪「あんまり張り切りすぎないでくださいね。またこの間みたいに倒れちゃいますし」

 

花音「そ、それは大丈夫だよ!あれから自分の体調に気を遣うようになったし…」

 

宥凪「それならよかったです」

 

はぐみ「ねえ、これから何する?ただお弁当を食べるだけじゃつまらないよね?」

 

こころ「そうね…なら大晦日にふさわしいことをしましょう!」

 

宥凪「大晦日にふさわしいことってなんかあったか?」

 

美咲「あたしも大晦日にふさわしいことって何があったか知らないですね。年越しそばは正月ですし」

 

花音「何かあったかな…?」

 

こころ「大晦日といえば着物を着ることだけど、今年は白無垢を着ましょう!」

 

宥凪「いやこころ、白無垢って結婚式の時に着るやつじゃないのか・・・?なんで今着るんだよ!?というか誰が着るんだよ!?」

 

こころ「誰って、決まってるじゃない!花音よ!」

 

花音「ふぇっ!?私!?わ、私なんか似合わないよー!」

 

はぐみ「かのちゃん先輩なら大丈夫だよ!黒服さーん!」

 

美咲「(ちょっ!?何で黒服の人たち呼んでるのはぐみ!?)」

 

宥凪「(おいいいいい!?)」

 

黒服の人たち「北沢様、事情は把握しました。松原様、どうぞこちらへ」

 

花音「ゆ、宥凪くん助けてー!」

 

宥凪「(すみません花音さん、はぐみとこころのぶっ飛びの思考能力にはどうすることもできないです・・・すみません)」

 

花音さんは黒服の人たちに連れていかれた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後7時:こころの部屋】

 

こころ「黒服の人たち、花音の準備はできたかしら?」

 

黒服「はい、こちらの準備はできています」

 

こころ「宥凪!ちゃんとドアの方を見るのよ!」

 

宥凪「はいはい…というかどうせ見ろうとしなくても固定させるんだろ…だったら腹を括って見るしかないだろ」

 

こころ「いい心がけね!黒服の人たち、お願いね!」

 

黒服「承知しました。では松原様、こちらへどうぞ」

 

(ギィ・・・)

 

花音「ふぇぇ…」

 

宥凪「なんというか…その・・・とても似合ってます花音さん。」

 

花音「そ、そうかな…?えへへ、そう言われると恥ずかしくはないかも…」

 

宥凪「俺は一応年齢的には結婚できますけど…やっぱり好きな人の白無垢とかウェディングドレスを見ると心を奪われますね…」

 

花音「ふぇぇ!?や、やっぱり恥ずかしいよー!」

 

薫「やはり私の想像通り似合っているね。」

 

美咲「花音さん、とても似合ってますよ。」

 

はぐみ「かのちゃん先輩とても似合ってるよ!いいなー宥くんかのちゃん先輩が恋人でー」

 

こころ「私の予想通り、とっても似合ってるわよ花音!ところで、二人の式はいつ挙げるのかしら?」

 

花音「ふぇぇ!?それこの間も聞いたよこころちゃんー!」

 

宥凪「だからなんで今それを思いつくんだか…でも俺と花音さんが結婚…か。」

 

花音「ゆ、宥凪くんまで何を言ってるの!?(でも宥凪くんと結婚かぁ…この間言っていた私の将来の夢と一緒だからそれもいい…かも)」

 

はぐみ「宥くん、かのちゃん先輩をパース!」

 

宥凪「えっちょっはぐm…」

 

花音「ふぇぇ!?」

 

突然はぐみが花音さんを押し出して俺に抱き着く形になった

 

宥凪「(か、花音さんの白無垢姿が目の前に・・・!)」

 

花音「(ふぇぇー…!宥凪くんが目の前に…!)」

 

美咲「あ、あの二人とも・・・大丈夫ですか?」

 

宥凪「大丈夫じゃないかもな…(精神的な意味で)」

 

花音「(ゆ、宥凪くん大丈夫…?)」

 

宥凪「(大丈夫じゃないですね…どうしましょうか花音さん。こころとはぐみが目をめちゃくちゃキラキラさせてますけど…)」

 

花音「(…ねえ宥凪くん、えっと・・・ゴニョゴニョ)」

 

宥凪「(・・・意外と花音さんって大胆なことを考えるんですね。花音さんにおまかせしますよ)」

 

花音「(そ、それじゃあ・・・えいっ)」

 

美咲「花音さんと海月さん、何を話t・・・」

 

美咲が何かを言う前に俺たちはキスをしていた

 

こころ「まるで本当の結婚式みたいね!」

 

薫「ふふ、とてもお似合いの二人じゃないか。」

 

はぐみ「ねー!」

 

美咲「2人もある意味思考が飛んでますよね…」

 

宥凪「こころ達の影響を受けたって言っても過言じゃないかもな…」

 

花音「えへへ・・・ちょっと恥ずかしいけど…ふわぁぁぁ…」

 

宥凪「花音さん、もしかして眠いんですか?」

 

花音「今日を楽しみにしてたから7時に目が覚めちゃって…」

 

宥凪「さすがにその格好で寝るとしわくちゃになっちゃうので一度着替えてきた方がいいですよ。というわけで黒服さんたち、お願いします」

 

黒服「承知いたしました。では松原様、こちらへ」

 

そう言って花音さんは黒服の人たちと一緒に私服に着替えに行ったあと、花音さんはこころの部屋で俺と一緒に寝た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後11時45分:こころの部屋】

 

宥凪「(花音さん・・・ぐっすり寝てますね。今のうちに・・・)」

 

(ガチャ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【弦巻邸:玄関】

 

千聖「宥凪くん、行くのね。」

 

宥凪「はい。今年は花音さんと一緒に年を越したかったんですが・・・後のことはお願いします」

 

千聖「ええ。こっちは私たちに任せて行ってらっしゃい。」

 

宥凪「何から何まで任せちゃってすみません。」

 

そう言って俺はこころの家を後にした。ちなみに俺と千聖さん以外はぐっすり眠っているためこのことを知ってるのは俺たちだけだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1月1日

 

【午前8時:こころの部屋】

 

花音「ふわぁぁぁ…おはよう宥凪くん・・・」

 

千聖「おはよう花音。」

 

花音「あれ?千聖ちゃんがどうしてここにいるの?」

 

千聖「宥凪くんに頼まれてこっちに泊まることになったのよ。」

 

花音「それで千聖ちゃん、宥凪くんはどこにいるの?」

 

千聖「花音…宥凪くんはもうこっちにはいないわ」

 

花音「えっ…?どういうこと…?」

 

千聖「詳しくはこの封筒に入ってる手紙に書かれているわ。花音の目で確認してちょうだい」

 

そう言って千聖ちゃんは一通の手紙を渡してきた

 

千聖「それじゃあ私は行くわね。花音、ちゃんと見るのよ」

 

そう言って千聖ちゃんはこころちゃんの部屋を出て行きました

 

花音「宥凪くんからの手紙…?一体何が書かれてるんだろう…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宥凪『花音さん、あなたがこの手紙を読んでいるということは今俺は花音さんの目の前にいないでしょう。俺がこの間言っていた将来の夢、あれは紛れもない真実です。俺は昔から楽器を演奏するのが好きで、音楽で出会う人みんなに笑顔を届けるのが夢だったんです。俺は昨日の夜の便でメイがいるイギリスにある音楽学校の臨時教師になることを決めていました。音楽学校では戦災孤児や親と別れた子供たちが通っていて、音楽を教えて少しでも笑顔を取り戻したいんです。今までずっと黙っててすみませんでした。昨日のあの事は俺も嬉しかったです。いつこっちに戻ってくるかはわかりませんが、戻ってきたその時は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺と結婚してください』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花音「宥…凪…くん…!宥凪くん…!…あれ?もう一つ何か入ってる・・・?」

 

私は封筒に入ってるもう一つのものを取り出した

 

花音「これって…指輪?宥凪くん・・・私も宥凪くんが戻ってきたら勇気を出して言うよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花音「私も・・・宥凪くんと結婚したい…です」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから〇〇後…

 

5月7日

 

【???】

 

花音「ふぇぇ…また迷っちゃったよぉ…千聖ちゃん、また待ってるだろうから早くいかないと・・・」

 

私は方向音痴が治らず、いまだに一人で出かけるときは迷っていました…

 

花音「あっ、ここ懐かしいなぁ…あの人と初めて出会った場所だったっけ…ふふっ」

 

チャラ男「よお姉ちゃん、オレと一緒にお茶しないかい?」

 

花音「ふぇっ!?わ、私はこれからお友達と約束してて…」

 

チャラ男「そんなのキャンセルしてオレと一緒に行こうぜー?」

 

花音「(ふぇぇ・・・!千聖ちゃん助けてー!)」

 

??「やれやれ…〇〇ぶりにこっちに戻ってきたら懐かしい展開だな。」

 

チャラ男「誰だテメェ?オレとこの子の邪魔するんじゃねーよ!」

 

??「そっちこそ、迷惑がってる女の子を無茶難題吹っ掛けて誘うなんて恥ずかしくないのか?悪いけどその子は俺の彼女なんでな、手を出すなら容赦しないぞ」

 

チャラ男「そっちこそ後悔するんじゃねーぞ!」

 

??「ま、すぐ終わるから安心していいぞ。『お前の負けでな』」

 

数分後・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

チャラ男「わ、悪かった・・・この場は見逃してくれ・・・!」

 

??「悪かったって思うならこの場からいなくなった方がいいぞ、もうすぐこの騒ぎを聞きつけて警察も来るだろうからな」

 

チャラ男「し、失礼しましたー!」

 

そう言ってチャラ男は尻尾を巻いて逃げていった

 

??「ふう…大丈夫ですか?」

 

花音「は、はい・・・えっと、あなたは誰ですか・・・?」

 

??「誰って…ああ、やっぱりこの格好をしてると勘違いされるのは無理もないですよね。しかも身長も少しだけですが伸びましたし、髪も伸ばしましたから。向こうじゃこの格好でいることが多かったから仕方ないですね。それにこの格好、結構つらかったですよ…子供たちが寄ってくる寄ってくる…

それと、あの時はすみませんでした。いきなり目の前からいなくなってしまって。とてもつらい思いをさせてしまいましたね…」

 

花音「え?も、もしかして・・・宥凪くん?」

 

宥凪「はい、長い間待たせてしまってすみませんでした。」

 

花音「いつ・・・戻ってきたの?」

 

宥凪「昨日ですね、向こうで2年くらい過ごしてたせいで時差ボケがひどかったですよ。…花音さん。あの時の約束、覚えていますか?」

 

花音「…うん。あの時の約束、この2年間忘れたことはなかったよ。ずっと宥凪くんのことを考えてて…いつこっちに戻ってくるのかなって待ち遠しかった」

 

宥凪「花音さん…俺は花音さんのことが好きです。イギリスでも花音さんのことを1日たりとも忘れたことはありませんでした。花音さん・・・俺と結婚してくれませんか?」

 

花音「…うんっ!私も宥凪くんのことが大好きだよ!私、宥凪くんのおかげで笑顔が増えたし、宥凪くんとずっと一緒にいたい!」

 

宥凪「・・・花音さん」

 

花音「宥凪くん・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして俺たちは誓いのキスをする。2年ぶりに再開した俺たちは抱きしめあい、花音さんは俺の胸の中で涙を流していた。花音さんが泣き終わった後は花音さんが千聖さんと約束していたという羽沢珈琲店に手を繋いで足を進めていた。花音さんの左手にはあの日俺が封筒に入れていた綺麗な指輪が、俺の左薬指にも綺麗な指輪がはめられていた。どうやら花音さんは俺が戻ってきたときのために買っていたようだった。それからは羽沢珈琲店で千聖さんと再会してからは俺と花音さんが結婚することを教えたら祝福してくれた。どうやら千聖さんは花音さんの行動が全部筒抜けだったらしい・・・そしてその日に家でバイトしていたつぐみも聞こえていたらしく、聞こえた時はこっちに慌ててやってきた。どうやら2年ぶりに会ってもみんな変わらないみたいで安心した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

やっと…ここまで来ました・・・時々空いた時間を埋めるように頑張りましたとも(鎮火)

それではここまで読んでいただきありがとうございました


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エピローグ:海に映る2つの月

どうも、朝早くに起きたんで投稿しますよとルミィです。

リゼロコラボ…終わりましたね。順位?100000位行きませんでしたよ(笑)









 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が日本に戻ってきてから花音さんと再会し、俺たちは結婚した。結婚してからは花音さんは『海月花音』と名前を変えて俺がこっちに住んでいた家に一緒に住むことになった。俺が日本を離れてからはこころの家の黒服の人たちが毎日掃除していたらしく、俺が帰ってきて家に入ったら綺麗だったのはそういう事だった。それから数年後・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8月18日

 

【海月家:リビング】

 

宥凪「ふわぁぁぁぁ…今日は仕事ないし久しぶりの休みだな…まったく、最近の上司の人使いのあらさといったら・・・まあ、昔から慣れてるからいいんだけど」

 

(ガチャ)

 

花音「あ、おはよう宥凪くん。今日は早いね」

 

宥凪「最近はあいつに振り回されてましたからね…あれ、まだ起きてきてないんですか?」

 

花音「ううん、一緒に起きてきたよ。」

 

??「おはよう…ございます・・・」

 

宥凪「お、おはよう凪花(なぎか)」

 

 

【オリキャラ紹介:この子は海月凪花(みつきなぎか)。俺と花音さんの間に産まれた娘だ。髪の色は花音さんと同じで水色、瞳の色は黄色だ。初対面の人とは人見知りだが、数時間話せば人見知りではなくなる。素直で健気な子だ。ちなみにハロハピメンバー以外に凪花のことを知ってるのは千聖さんだけだ。ちなみに名前は俺と花音さんの名前から1文字づつとって付けた】

 

宥凪「さて…今日は仕事が休みだしどこか行くか?」

 

凪花「あの・・・千聖お姉ちゃんのところに行きたい…です」

 

花音「凪花ちゃん、本当に千聖ちゃんのこと好きだよね。」

 

宥凪「花音さんが千聖さんの親友だから懐きやすかったんじゃないでしょうか。ところで千聖さんは今どこにいるんですか?」

 

花音「えっと・・・事務所だって。でも今は休憩中みたい」

 

宥凪「タイミングいいですね、それじゃあ行きましょうか」

 

凪花「ん…行こ…」

 

俺たちは車に乗って事務所に移動した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前11時30分:事務所】

 

宥凪「こんにちは千聖さん。」

 

千聖「あら、こんにちは宥凪くん。今日は仕事はオフなのね」

 

宥凪「ええ、まあ。最近振り回されることが多くなってきたので…あ、凪花と花音さんも一緒ですよ」

 

花音「こんにちは、千聖ちゃん。最近仕事はどう?」

 

千聖「最近はパスパレの仕事が増えてきたから楽しいわね。花音も最近どう?」

 

花音「えっと・・・その・・・」

 

宥凪「…花音さん、未だに道に迷ってるから毎回俺が送っていってるんですよ。」

 

千聖「…方向音痴はまだなおっていないのね」

 

宥凪「そう言う千聖さんだって、乗り継ぎがまだ苦手じゃありませんか?」

 

千聖「…誰に聞いたのかしら」

 

宥凪「薫さんからですけど」

 

千聖「…そう、後でお仕置きが必要みたいね」

 

凪花「(プルプル)」

 

宥凪「千聖さん、凪花が震えてるのでここでその表情をするのは…」

 

千聖「あら、ごめんなさい凪花ちゃん。ちょっと私の幼馴染がお父さんに変なことを吹き込んでいたものだから」

 

凪花「大丈夫…です。」

 

宥凪「ところで、彩さんたちも今休憩中ですか?」

 

千聖「ええ、みんな今休憩室で寛いでるわ。」

 

宥凪「なら会っていきますか。花音さんも凪花も行きますか?」

 

凪花「千聖お姉ちゃんのお友達・・・会いたいです」

 

花音「私も久しぶりに会いたいなぁ…」

 

宥凪「とまあこんな感じなので休憩室に案内をお願い出来ますか?」

 

千聖「ええ、わかったわ。それじゃあ案内するわね。」

 

俺たちは千聖さんの案内で事務所の休憩室に移動した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後12時20分:事務所休憩室】

 

千聖「ただいま、みんな。」

 

彩「あ、千聖ちゃんおかえり!いきなりいなくなっちゃうからどこに行っちゃったのかなって心配してたんだよ!」

 

千聖「ごめんなさいね彩ちゃん。でもいいお知らせを持って来たわ」

 

日菜「いいお知らせって何千聖ちゃん!?」

 

イヴ「チサトさん、隠し事は武士のすることではないのでハクジョーしてください!」

 

千聖「まったく・・・あれから3年も経ったのにみんな変わらないのね…それじゃあ入って来てちょうだい」

 

(ガチャ・・・)

 

宥凪「お久しぶりです。彩さん、日菜さん、イヴさん、麻弥さん」

 

麻弥「あ、宥凪さん!お久しぶりです!5年ぶりくらいでしょうか」

 

宥凪「そうですね。今から3年前に花音さんと結婚した時は麻弥さんたちは仕事でしたし、そのさらに2年前は大晦日に俺が単身でイギリスの音楽学校の臨時教師に行ったので5年ぶりですね。皆さんも何ら変わりないようで何よりです」

 

花音「みんな、久しぶりだね。あ、そうだ。ほら凪花ちゃん、この人たちが千聖ちゃんの友達だよ」

 

凪花「あ・・・う・・・」

 

日菜「この子誰―?」

 

気が付いた時には日菜さんに凪花が抱きかかえられていた

 

宥凪「優しくしてあげてくださいね。俺と花音さんの子供なんで」

 

イヴ「なんと!カノンさんとユウナギさんのお子さんですか!これは驚きです!」

 

彩「可愛いー!写真撮ってもいい?」

 

宥凪「撮ってもいいですけど、あまり撮りすぎないでくださいね。ほら凪花、お姉ちゃんたちと遊んできていいぞ。」

 

凪花「怖く・・・ない…?」

 

宥凪「ああ、大丈夫だよ。みんな優しいから凪花もすぐ仲良くなれると思うぞ」

 

凪花「じゃあ・・・行ってきます…」

 

花音「行ってらっしゃい。」

 

それから凪花はパスパレのメンバーと遊んだ。彩さんは凪花が遊んでいるところを写真に撮ったりしていた。イヴは凪花とサムライごっこ、日菜さんは凪花とお話を、麻弥さんは機材についての話で盛り上がっていた。ちなみに凪花は機材のことは1歳のころからブログを読み漁ったりしていたので今となっては俺と同じくらい機材のことを知っていたりする。子供に知識で負けるのは親としてちょっと情けないのでそれからは俺も機材のブログを読み漁り始めた。ちなみに俺の仕事はこっちで音楽学校の教師と大きな会社の仕事を両立している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宥凪「凪花、お姉ちゃんたちと遊んでどうだった?」

 

凪花「とても…楽しかった・・・」

 

宥凪「それはよかった。それじゃあ今度は別の友達のところに行くか。今度また休みができたらまた来るから」

 

凪花「うん・・・会ってみたい・・・」

 

花音「それじゃあまたね千聖ちゃん。」

 

千聖「ええ、またね花音。凪花ちゃんもまた会いましょう」

 

凪花「うん…またね…」

 

日菜「バイバーイ!今度はゆっくりお話しようねー!」

 

俺たちは事務所を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後3時:弦巻邸】

 

宥凪「凪花、ここが父さんの友達がいるところだ。ちょっと変わってるけどいい友達だから仲良くなれると思うぞ」

 

凪花「お父さん…この家、すごく高そう…」

 

宥凪「うん、そこは気にするだろうけど大丈夫だから入ろうか」

 

花音「(大丈夫かな・・・?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【弦巻邸:玄関】

 

宥凪「美咲、来たぞ」

 

美咲「あ、宥凪さんと花音さんじゃないですか。いらっしゃい。ところでその子供って誰ですか?」

 

宥凪「あー、ここで話すと長くなりそうだからとりあえずこころ達のところに案内してくれないか?」

 

美咲「わかりました。…って、なんか袖を引っ張られてるんですけど」

 

花音「美咲ちゃん、おんぶしてあげてくれないかな?」

 

美咲「わかりました。でも後でちゃんと話してもらいますよ?」

 

宥凪「わかってるわかってる」

 

俺たちは美咲に案内されてこころの部屋に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【こころの部屋】

 

美咲「こころー、花音さんたちを連れてきたよ」

 

こころ「お疲れ様美咲!ところで美咲がおんぶしてるのは誰かしら?」

 

宥凪「俺と花音さんの子供だよ。名前は凪花な。」

 

はぐみ「そっかー、宥くんとかのちゃん先輩の子供かー!ってえーっ!?」

 

薫「今日はとても儚い一日になりそうだね。新しい子猫ちゃんの誕生に今日は海に行かないかい?」

 

花音「ふぇぇ!?い、いきなりすぎるよ薫さん―!」

 

凪花「海…行ってみたいかも…」

 

こころ「ほら、凪花もこう言ってるわ!それじゃあ聞くわね!海に行きたい人―!」

 

はぐみ「はいはーい!はぐみは海に行きたーい!」

 

薫「私も久しぶりに行きたくなったよ」

 

凪花「私も行きたい…です」

 

美咲「あはは・・・観念するしかなさそうですね二人とも」

 

宥凪「だな…というか今から行くのか?」

 

こころ「そうよ?」

 

宥凪「(ああ、やっぱりこころはいつまでたってもこころなんだな…)」

 

などと愚痴をこぼしていると黒服の人たちがリムジンを家の前に止めて弦巻家のプライベートビーチに向かった

 

宥凪「(あ、そういえば凪花の分の水着買ってなかったな…)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後3時30分:プライベートビーチ】

 

宥凪「やっぱり女の子は着替えに時間かかるな。ちょっと早く着替えすぎたか。」

 

こころ「宥凪―!」

 

宥凪「あ、来たな。何かいい水着が見つかった…か…?」

 

俺の目に止まったのは、フリフリのレースがついた水着を着た花音さんだった。

 

花音「ふぇぇ…やっぱり恥ずかしいよ・・・」

 

宥凪「なんというかその・・・とても似合ってますよ花音さん。」

 

実を言うと、花音さんの水着姿を見たのは初めてだった。俺が帰ってきてから俺たちはすぐ結婚して数か月後に花音さんは凪花を身ごもり、海に行けるほど余裕はなかったのだ。

 

花音「えへへ…そうかな?あ、凪花ちゃんも水着を着てるんだけど後ろに隠れてて…」

 

凪花「だって…水着を着るのは初めて…だから・・・」

 

花音「でも、みんなの前に出ないと泳げないよ?」

 

はぐみ「凪ちゃん!ゴーゴー!」

 

凪花「あ・・・う・・・」

 

凪花が着ていたのは、花模様がプリントされた水着だった

 

宥凪「こんなものまであるのか…凪花、とても似合ってるぞ」

 

凪花「そう…かな…?」

 

宥凪「ああ、とても似合ってるぞ。ほら、お姉ちゃんたちと遊んできていいぞ。さっきは何も話せなかったからな。」

 

凪花「それじゃあ・・・いってきます・・・」

 

凪花はこころ達のところに向かった。

 

花音「宥凪くん、よかったの?」

 

宥凪「まあ、美咲もいるし大丈夫じゃないか?・・・多分」

 

花音「美咲ちゃんなら大丈夫…かはわからないかな・・・でも泳ぎを教えるのはうまいから少しは大丈夫じゃないかな?」

 

宥凪「まあそうですね。俺たちは俺たちで楽しみますか」

 

花音「うん!」

 

それから俺たちも海で泳いだり水をかけあったりした。途中からこころやはぐみたちも混ざり、全員が体全体に水を被って笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後7時:ビーチ】

 

宥凪「ふわぁぁぁ…あれだけ遊んだからまったく眠くないな…みんなもう寝ただろうな…」

 

花音「あれ、宥凪くんも眠れないの?」

 

宥凪「あれ、花音さん。花音さんも眠れないんですか?」

 

花音「うん…あれだけ潮水を被ったら眠気が来なくって…凪花ちゃんはみんなと寝ちゃってるけど」

 

宥凪「こころとはぐみはともかく美咲も寝てるんですか?でも美咲も結構はしゃいでましたからね…」

 

花音「美咲ちゃん、凪花ちゃんと遊んでたから遊び疲れたみたい」

 

宥凪「素直で健気ですからね凪花は。誰とでもすぐ仲良くなれますしとても幸せですよ」

 

花音「えへへ、私も今とても幸せだよ。宥凪くんと一緒の時間を過ごせて・・・」

 

宥凪「あ、花音さん、空を見てください。月が見えますよ」

 

花音「わぁ…綺麗な満月だね…まるで私たちみたい」

 

宥凪「ですね。俺と花音さん、凪花の3人であの満月みたいです。」

 

花音「海を見たら満月が映ってるね。こっちもきれいだなぁ…」

 

宥凪「でも俺にとって一番きれいなのは花音さんの笑顔ですけどね。」

 

花音「ふぇぇ…やっぱりいきなり言われるのは嬉しいけど慣れないよぉ…」

 

宥凪「はは、でも本当のことですからね。」

 

花音「うぅー・・・ゆ、宥凪くん・・・え、えいっ!」

 

宥凪「花音さん?なn・・・」

 

花音「ん…」

 

俺が言い終わる前に花音さんは俺にキスしてきた。それから花音さんは俺を抱きしめて10秒ほど離さなかった

 

宥凪「…花音さん、俺がいない2年の間に本当に変わりましたね。何事にも積極的になったというか…」

 

花音「だって、宥凪くんがいなかった時は本当にさみしかったんだよ?あの頃は宥凪くんと付き合って半年もたってなかったし、正月も一緒に過ごせなかったから・・・」

 

宥凪「あの時は本当にすみませんでした。でも俺は今花音さんとこうして一緒の時間を過ごせて本当に嬉しいですよ。みんなでこうして笑顔でいられるのはほかでもない、花音さんのおかげです。俺にとって花音さんはお姫様ですよ」

 

花音「私も、あの時宥凪くんが助けてくれなかったら宥凪くんと一緒にいることはなかったかもしれないから・・・私にとって宥凪くんは王子さまだよ」

 

宥凪「はは、花音さんにそう言ってもらえて俺は嬉しいですよ。…花音さん」

 

花音「宥凪くん?」

 

そう言って俺は花音さんをお姫様抱っこした

 

花音「ふ、ふぇぇぇ…!」

 

宥凪「お姫様抱っこをするのは王子様の特権ですよ。こんなことをするのは花音さんだけですよ」

 

花音「ふぇぇ…やっぱり恥ずかしい・・・」

 

宥凪「それでは改めて…花音さん、あなたは俺にとっての一番のお姫様です。世界で一番愛してます」

 

花音「わ、私も…宥凪くんは私にとって一番の王子さまだよ!世界で一番大好き!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから俺たちはしばらくお姫様抱っこのまま一緒に海を眺めていた。海に映った満月はゆらゆらと動いていた。少し時間が経つと鏡合わせのように満月は2つに分かれる。2つの満月は俺たちのことを照らすスポットライトのように動く。あの時俺と花音さんが出会ったのは偶然だったのかもしれないけど、今こうして一緒にいるのは運命なのかもしれない。海に映る2つの月に照らされて俺たちは言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宥凪・花音「「俺(私)たちは今、とても幸せです」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『海に映る2つの月』fin

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

これにて『海に映る2つの月』は完結です。本編はこれで完結ですが、番外編としてこれまでに書いた作品の振り返りとかを書くつもりなのでその時はまた見てくれると嬉しいです。

それでは、ご読了ありがとうございました!


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番外編:振り返りとか色々

【注意!】

この番外編は『キミとの出会いは偶然か必然か』、『青色の薔薇と虹色の薔薇』、『新しい"いつも通り"』、『小さな森に花は咲く』、『海に映る2つの月』の振り返り会兼雑談会となっています。次回作のネタバレを含む可能性もあるので『本編で見たい!』という方は回れ右、『それでも問題ねぇっす』という方は前へ進んで、どうぞ
















 

 

 

 

 

 

 

 

ルミィ「祝(?)、5作品完結記念の番外編!司会はルミィd」

 

主「どうも、投稿主です」

 

ルミィ「アイエエエエエ!?投稿主なんで!?」

 

主「いいじゃないですか。リアルの主とハーメルンの主は同一人物なんですから」

 

ルミィ「メタい!さすが投稿主!メタい!それでは今回のゲストに来ていただきましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

麻弥「どうもッス!『キミとの出会いは偶然か必然か』のヒロインの大和麻弥です!」

 

相汰「同じく、『キミとの出会いは偶然か必然か』の主人公の空葉相汰です」

 

あこ「ふっふっふー…『青色の薔薇と虹色の薔薇』の盟友である宇田川あこ、降臨!」

 

藍冴「・・・なんか騒がしいところだな。『青色の薔薇と虹色の薔薇』の主人公、翠川藍冴だ」

 

つぐみ「『新しい"いつも通り"』のヒロイン、羽沢つぐみです!今回はよろしくお願いします!」

 

洸汰「つぐと同じ『新しい"いつも通り"』の主人公、趨鈹洸汰です」

 

りみ「『小さな森に花は咲く』のヒロイン、牛込りみです」

 

疾透「『小さな森に花は咲く』の主人公、森睦疾透です」

 

花音「『海に映る2つの月』のヒロイン、ま、松原花音です!」

 

宥凪「『海に映る2つの月』の主人公、海月宥凪です。よろしくお願いします」

 

主「というわけでこの10人のゲストと一緒に5作品の振り返りなどをしていきます。というわけでもう一人の自分をこの箱の中にシュゥーッ!」

 

ルミィ「え、ちょ主ぃぃぃ…」

 

主「さて、始めますか」

 

藍冴「それでいいのか投稿主」

 

主「さて、まずは振り返る前にこのコーナー行きましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『小説を書き始めたきっかけ』

 

麻弥「まあ最初は定番の書き始めたきっかけですね。ところでどうして書き始めたんですか?」

 

主「主は文章力が致命的になかったんですが、とある時にスマホでこのサイトの存在を知り、主の推しキャラの小説ないかなーと検索してみたところ見事にいくつかあったので読んでみたところ『やっべ、これ見ててすっげー書きたくなったぜヒャッハー!』って感じになったのがきっかけですね。」

 

相汰「それで、俺たちが主人公の小説から手を出し始めた、というわけなんだな」

 

主「Exactly。それでは次はこのコーナー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『主のバンドリでの推しについて』

 

藍冴「まあバンドリっていったら推しキャラについて語るよな。で、主の推しキャラは誰なんだ?」

 

主「花音ちゃんですね。始めた当初はモカちゃんと美咲ちゃんが好きだったんですが色々あって花音ちゃん推しになりましたとさ。」

 

あこ「どうしてモカちんとみさきんが好きだったんですか?」

 

主「美咲ちゃんについては、主の過去と合わせたところ見事にマッチしまして、モカちゃんについてはゆったりした性格が主の心を射止めました。」

 

藍冴「それがどうして今花音のことが好きになったんだ?」

 

主「エピソードを呼んでいるうちに花音ちゃんが推しキャラとなっていました(キリッ)」

 

あこ「なるほど…すごいかっこいい理由ですね!」

 

藍冴「それははたしてかっこいいのか…?」

 

主「さて、次はこのコーナー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『小説を書く順番について』

 

主「というわけで小説を書く順番についてです」

 

つぐみ「順番って大事ですからね…」

 

洸汰「俺たちは3番目だったな、ところで書いた順番に決まりなんてあるんですか?」

 

主「最初の2つだけですな。3つ目からはアンケートの結果次第でしたので」

 

つぐみ「大和先輩が最初の作品のヒロインでしたね。これには何か理由があるんですか?」

 

主「先ほど主の推しは花音ちゃんといいましたが推し=推しバンドではないのですよ。」

 

洸汰「ちなみに推しバンドはどこなんですか?」

 

主「パスパレですね。アイドルバンドでもあるということが主の心に突き刺さったので最初は麻弥ちゃんがヒロインの小説を書くことを決めました。」

 

つぐみ「なるほど、続いてあこちゃんの作品を書いたのも同じような理由ですか?」

 

主「いえ、ただ単にあこちゃんも推しキャラなのでいずれ書こうと思っていたらいつの間にか書いていました。その後の3作品はアンケートの結果です。というわけで次はこのコーナー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『オリキャラについて』

 

主「はい、お次はオリキャラについてです。」

 

りみ「主さん、とてもたくさんのオリキャラを出してくれてましたね。」

 

疾透「といっても最長で4話出てきたキャラもいれば最短で1話しか出てこなかったオリキャラもいたけどね…」

 

主「出したかったけど今後の展開を考えた結果出番が少なくなってしまいました」

 

りみ「あはは・・・」

 

疾透「水夏姉さんはある意味鍵オリキャラだったから出番が多めだったけど」

 

主「ですね。さて次はこのコーナー」

 

 

 

 

 

 

 

 

『各作品の振り返り』

 

主「というわけで、各作品の振り返りのコーナーです。ここからは作品ごとの主人公とヒロインがゲストとして出演します。最初はもちろん…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【『キミとの出会いは偶然か必然か』編】

 

相汰「俺たちが出てくる作品だな。この作品は主の初めて描いた作品だから文章力をフルに絞ったらしいけど」

 

主「その解釈で問題ない(キリッ」

 

麻弥「ジブンたちが出会ったのは相汰くんがこっちに引っ越してきた際に道に迷ってたらジブンが声をかけたことがきっかけでしたね」

 

相汰「だな、あの時は正直恥ずかしかった…年相応の男子が道に迷ってたし。」

 

麻弥「それで引っ越し先がジブンの家だったのでタクシーを呼んで自分の部屋の隣に住むことになりましたね」

 

相汰「ああ、それで親の親友だった人の学校に入学することになったんだよな。その転入先は羽丘学園で、少子化に伴って共学になってたのはいいけど男子生徒が俺だけだったんだよな…」

 

麻弥「それで、ジブンと同じクラスに転入してきてビックリしましたよ・・・」

 

相汰「あの時は本当に申し訳なかった。」

 

麻弥「その後はジブンが相汰くんをパスパレの練習風景を見に誘ったんですよね。そこで相汰くんは昔の記憶を少しだけですが思い出して…」

 

相汰「あの時も迷惑をかけてすまかった、麻弥。でもあれがきっかけで少しずつ記憶を取り戻したいって思ったっけか」

 

麻弥「それで夏休みに入ったときに無人島ロケに相汰くんが参加することになって自分と一緒に外の散策に出たんですよね」

 

相汰「あの時は本当にびっくりしたよ・・・いきなり麻弥が俺の手を繋いできたんだし」

 

麻弥「日菜さんに言われたことがジブンにとっては他人事ではなかったんですよね…まさか相汰くんのことが好きだったなんて」

 

相汰「ロケ中はずっと俺の側にいて手を繋いでいたからな…結構恥ずかしかったんだぞあれ…」

 

麻弥「本当すみません…」

 

相汰「そして無人島ロケが終わったら数日後には夏祭りに一緒に行ったんだよな。あの時の麻弥の浴衣姿、とても可愛かったよ」

 

麻弥「フヘヘ…市ヶ谷さんに手伝ってもらいましたけどとても喜んでもらえてよかったです。そしてその後は羽丘と花咲川の合同文化祭を一緒に回りましたね。」

 

相汰「あの時の劇を通して俺の記憶を全部思い出してから俺と麻弥は正式に付き合うことになったんだよな。」

 

麻弥「まさか最終日に日菜さんたちの企みで自分たちが結婚式の時に着るドレスとスーツを着ることになるとは思いませんでした・・・」

 

相汰「でもあの時の日菜さんのおかげで俺たちは結婚の約束をしたんだよな。でもリサさんもこの提案に乗ったのは意外だったな…」

 

麻弥「ですね…

ジブンたちの作品の振り返りはここまでっす!次にバトンタッチしますね!」

 

主「それでは次の作品の登場人物たちにバトンタッチです。それではどうぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【『青色の薔薇と虹色の薔薇』編】

 

あこ「麻弥ちんたちとバトンターッチ!次はあこたちの番だよ藍にい!」

 

藍冴「ったく・・・騒がしいな。まあ振り返っていくか」

 

あこ「はい!」

 

藍冴「ある日の俺は羽沢珈琲店に行ったんだよな。で、適当に時間を過ごした後はcircleっていうライブハウスに足が向いて」

 

あこ「circleのスタッフが足りなくて、藍にいがあこたちRoseliaのお手伝いをしてくれましたね」

 

藍冴「ああ、それから湊が俺の昔の記憶を掘り起こしてから少し口論になって俺は怒ったようにcircleを出たっけか」

 

あこ「それからあこたちの方でも紗夜さんと湊さんが藍にいのことを何も知らなくて、あこはcircleを飛び出して藍にいのところに行ったんですよね」

 

藍冴「それからあこが俺の作った曲を聞いた感想を言ってくれて、俺の音楽に対しての情熱を取り戻し始めたんだったな。」

 

あこ「はい!それで藍にいはRoseliaのサポーターになってくれてとっても嬉しかったです!」

 

藍冴「で、ある日の休日にRoseliaメンバー+俺でショッピングモールに新しい曲のイメージを作りに行こうってなったな。」

 

あこ「あこは藍にいと一緒に回ることになって、リサ姉たちもいろんなことを歌詞に書いてくれたんだよね」

 

藍冴「ああ、でもさすがにみんなの作った歌詞を一つにまとめるのは苦労したから相当日にちをもらったな。」

 

あこ「でも、ある日あこは風邪をひいちゃって…藍にいがあこの看病をしてくれた時もあったね」

 

藍冴「ああ、そんなこともあったな。まさかあこが風邪をひくなんて思わなかったよ。あんなに元気だったのにいきなり風邪をひいた時はちょっとビビった」

 

あこ「でも藍にいが看病してくれたおかげで4日で風邪が治ったんだよ!ありがとう藍にい!」

 

藍冴「まあその時は俺も歌詞作りは止まってたから少し急ぎ足になったかもな…その後は俺が通ってる季瀧学園の体育祭をあこたちが見に来たんだよな」

 

あこ「あの借り物競争はひどかったよー!なんで人を借り物として借りてこなくちゃいけなかったの!?」

 

藍冴「あのお題を考えたあいつは後でフルボッコにしてやった(キリッ)まああの事がきっかけで俺とあこは付き合い始めたんだよな。」

 

あこ「あこ、とっても恥ずかしかったけど藍にいと付き合えて本当に良かった!」

 

藍冴「で、夏祭りとか七夕祭りとかを通して俺たちはもっと仲良くなったのはよかったが、テーマパークの帰りに・・・」

 

あこ「あの時藍にいがあこのことを庇ってくれなかったらあこが大けがをしてたかもしれなかったけど…でもあの後、1週間も藍にいは目を覚まさなくて・・・」

 

藍冴「あの時は本当に迷惑をかけてすまなかった。でも不幸中の幸いは事故に会う前に歌詞が完成してたことだな…」

 

あこ「でも、藍にいがRoseliaの主催ライブの前に目が覚めたから本当に良かった!」

 

藍冴「ああ、昔目の前で失った夏海の声のおかげだな。夏海には本当に感謝してもしきれない…」

 

あこ「あこも藍にいと夏ねえのお墓にお参りに行ったときに夏ねえの幽霊を見たんだよね。あの時は少しみぶるっちゃった…」

 

藍冴「さて、俺たちの物語はここまでだな。次にバトンタッチだ」

 

主「というわけで次の方々、お願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【『新しい"いつも通り"』編】

 

つぐみ「ここからは私、羽沢つぐみと」

 

洸汰「趨鈹洸汰で『新しい"いつも通り"』の振り返りをお送りします」

 

つぐみ「私たちの出会いは普通の出会いだったよね。」

 

洸汰「転入初日につぐみと校舎前であったのが始まりだったな。あの時は俺の名前だけ教えてすぐに行っちゃったけど」

 

つぐみ「でもすぐ同じクラスになって蘭ちゃんたちと昼休みに屋上でご飯を食べたよね」

 

洸汰「ああ。でも俺は昔のことを忘れていてつぐたちのことを知らなかったのは俺も悲しかったよ。」

 

つぐみ「私とモカちゃんは昔のことは覚えてたけど、蘭ちゃんたちは覚えてなかったから私は洸くんの記憶を取り戻させたくて頑張ってたんだ。」

 

洸汰「俺の知らないところでつぐは頑張ってたんだよな…俺はただ見てるだけだったから恥ずかしかった」

 

つぐみ「それから私は洸くんたちと一緒に海に行って、2日目は夏祭りで洸くんに告白した・・・んだけど」

 

洸汰「俺の記憶が戻るまで告白の返事は保留ってことにしたんだよな。あの時は悲しませたかもしれないけどあれが最善だったと思ってたんだ」

 

つぐみ「ううん、大丈夫だよ。保留されちゃったのはちょっと残念だったけど、私はずっと待ってたから・・・」

 

洸汰「そんな時、日菜さんの提案て合同文化祭をすることになったんだよな。それでつぐたちと日程を決めた後、彩さんたちの買い物に付き合った後、俺の目の前で車が電柱に突っ込んで・・・俺は意識を失ったんだ」

 

つぐみ「偶々近くを私が通りかかったからよかったけど、洸くんは植物状態になって病院に入院することになって…私や蘭ちゃんは洸くんに声をかけ続けてたんだよ」

 

洸汰「あの後、俺の母さんが俺の精神世界に現れて声をかけてくれたんだよな。そのおかげで俺は目を覚まして、一緒に文化祭の劇を演じることになったんだ」

 

つぐみ「それで劇が終わった後洸くんは屋上にいて、私は洸くんから告白を受けて、私はそれを受け入れて私たちは恋人になったんだよね。」

 

洸汰「それからクリスマスを蘭たちと一緒に過ごすことになって、俺はつぐのお母さんたちからもらったお金でショッピングモールにある店で指輪を買って、俺はつぐにプロポーズして・・・」

 

つぐみ「あ、あれはとても恥ずかしかったよ!洸くんは本当に・・・」

 

洸汰「でも俺はつぐと一緒にいたかったし、俺の思いをそのまま伝えたかったんだよ。でもつぐが受け入れてくれて俺は本当に嬉しかったぞ」

 

つぐみ「…うん、私も同じ気持ちだったから本当に嬉しかったよ!」

 

洸汰「…というわけで俺たちの振り返りは終わりだな。それじゃあ次の二人に頼むか」

 

主「では次の方々へバトンタッチしましょうか。よろしく頼むでー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【『小さな森に花は咲く』編】

 

りみ「ここからは私たちだね。疾透くん…が、頑張ろう!」

 

疾透「そんなに緊張しなくてもいつも俺と話す感じでいいって。それじゃあ行くか」

 

りみ「私たちのお話は主さんが初めての2章構成にしたんだよね。」

 

疾透「そのおかげで主さんはすごい疲れたとか…」

 

主「ものすごく疲れました(真顔)」

 

りみ「私たちの出会いはどこの漫画にもある登校中の出会いだったよね」

 

疾透「そうだな、普通に入学式にいってたらりみが隣にいてそのまま一緒に学校に行ったんだっけ」

 

りみ「そして入学式が終わってから私たちは同じクラスになったんだよね。」

 

疾透「ああ。そして俺は燐子さんと一緒にRoseliaの勧誘テストみたいなのに行ったのはよかったけど俺は前のことを思い出して少し落ち込んでたところにりみが着てくれて俺は立ち直ったな。りみには感謝してるよ」

 

りみ「でも、その私もお姉ちゃんと喧嘩しちゃって…疾透くんはわたしを家に泊めてくれて…私とお姉ちゃんが仲直りするきっかけを作ってくれたんだよね」

 

疾透「そうだな。それから俺はRoseliaの主催ライブに行ってポピパのマネージャーになることを決めたんだったな。で、クリスマスイヴの日に俺がりみに告白して…」

 

りみ「わ、私が告白を受け入れて恋人になって…嬉しくて疾透くんの胸の中で泣いちゃったよね…」

 

疾透「告白を受けて泣かない人なんてそうそういないから大丈夫だよ。俺だって泣くのを堪えてたんだし」

 

りみ「それから、お姉ちゃんたちが海外の大学に行っちゃって…でも疾透くんは私のことを慰めてくれて…」

 

疾透「それから俺たちは2年生に進級して、俺たちはまた同じクラスになったんだよな。そして入学式の日の夜に俺はRASのチュチュに誘われたんだよな…その時は返事を保留にしたけど」

 

りみ「で、でもその後のこころちゃんたちのあれは…」

 

疾透「・・・あれは本当にごめん。こころたちのあれに逆らうことなんてできなかったんだよ・・・今思うと俺も恥ずかしかった。」

 

りみ「・・・私も本当に恥ずかしかったよ。」

 

疾透「それから俺はRASの練習に顔を出し始めて・・・でも俺はりみがいるからどっちを選ぶべきか本当に悩んだよ。」

 

りみ「私も疾透くんがあんなに悩んだ顔を見たのは初めてだったから・・・私に何かできないかなってずっと考えてて…」

 

疾透「それから俺は悩んだまま合同文化祭に臨むことになって、文化祭限定バンドのギターボーカルとして少し心が決まったんだよな。そして文化祭2日目の日にRASとしてバンドに出て・・・俺はポピパを選んだんだよな。」

 

りみ「それから疾透くんは私にプ、プロポーズしてきて…」

 

疾透「俺はりみのことをどうやって幸せにできるのかずっと考えてたんだよ。その答えがりみとこれからの人生を一緒にいることだって思ったんだ。」

 

りみ「うぅ…そ、それじゃあ最後の人たちにバトンタッチ!」

 

主「あいよ、最後の組み合わせに行きましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【『海に映る2つの月』編】

 

花音「そ、それじゃあ最後は私たち…だね」

 

宥凪「ですね。それじゃあ行きますか。」

 

花音「私たちの出会いは路地裏で私が不良2人に絡まれてて、そこに宥凪くんが来てくれたことから始まったよね」

 

宥凪「はい、ちなみにある意味主さんが書いた小説の中で一番言葉遣いが緩かった主人公が俺なんですよね。そして初めてのダブルヒロインの小説です」

 

花音「そ、それで…私を助けてくれた後は私と一緒につぐみちゃんの家に送ってくれて、千聖ちゃんと会った後宥凪くんは花咲川の特待生として入学することを決めたんだよね」

 

宥凪「はい。それで学園でも花音さんたちと同じクラスになったんですよね。」

 

花音「あの時は本当に驚いたよ・・・でも私は嬉しかったんだ・・・」

 

宥凪「それで、俺が紗夜さんに頼まれて日菜さんにギターのピックを届けに行ったらその帰りに千聖さんに手を握られてドキッとしたんですよね…その後に」

 

花音「歓迎会っていう名前の恥ずかしい思いをしたんだよね…演技って言ってもあんなこと言われるのは恥ずかしかったよ…!」

 

宥凪「ありきたりなセリフのはずなのにいう俺も恥ずかしかったです・・・」

 

花音「それから少し経って、私と千聖ちゃんは宥凪くんに告白して・・・」

 

宥凪「俺が選んだのは花音さんでしたね。千聖さんには申し訳なかったですけど…」

 

花音「でも千聖ちゃん、私たちのこと祝福してくれてたよ。あの後私も千聖ちゃんに電話したら祝福してくれてたから…」

 

宥凪「そうだったんですね。」

 

花音「それから、初めてのデートは水族館にいったよね」

 

宥凪「はい。花音さんは水族館によく行くと事前に千聖さんから教えてもらったので凛子さんにもチケットをもらいましたしお二人には感謝してます。それにしても…花音さんが俺のことを『お兄ちゃん』って呼んだ時はめちゃくちゃ恥ずかしかったです…」

 

花音「わ、私もとっても恥ずかしかったよ・・・」

 

主「主はこの場面を書いていた時はめちゃくちゃ楽しかったです」

 

花音「それから日菜ちゃんが思い付きで合同文化祭をすることになって…私たちは劇を演じることになったんだよね。」

 

宥凪「はい。日菜さんは俺がギターのピックを届けに来ただけなのに事務所に初対面の俺を連れて行くほどの実行力と行動力ですからね…」

 

花音「でも、私は宥凪くんと一緒に劇を演じれてよかったなぁ…」

 

宥凪「俺も、花音さんと一緒に劇を演じれてよかったですよ。でもそれよりも花音さんの夢が『俺のお嫁さん』って言ってきたときが一番恥ずかしかったですよ・・・」

 

花音「だ、だって私…宥凪くんといつまでも一緒にいたかったから・・・」

 

宥凪「…でも大晦日の日の夜、俺は花音さんを置いてイギリスに行ってしまったことを後悔しましたよ」

 

花音「あの手紙を見た時…私はこころちゃんの部屋で声を出して泣いていたんだ・・・のどがかれるくらいに・・・」

 

宥凪「でもそれから2年後、俺は日本に戻ってきました。」

 

花音「私はあいかわらず道に迷って・・・あの時宥凪くんに出会った路地裏に行って・・・見た目が派手な男の人に出会って・・・」

 

宥凪「それで、俺が暇つぶしに路地裏に行ったら花音さんがチャラそうな男に絡まれてたのが見えたので俺が助けたんですよね。そこで俺は花音さんと再会して、俺からプロポーズしましたね」

 

花音「あの時宥凪くんが残した手紙の最後に書かれてたこと、私は一度も忘れたことはなかったよ。」

 

宥凪「俺もイギリスにいってからも花音さんのことを一度たりとも忘れたことはありませんでした。だから、花音さんと出会えて俺は本当に嬉しかったですよ」

 

花音「うん!私も宥凪くんと出会えて本当に嬉しかったよ!」

 

宥凪「というわけで、俺たちの話の振り返りは終わりです。」

 

主「はい、これで5作品の振り返りも終わりましたので次のコーナーに行きましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『主人公の名前について』

 

相汰「今更な気がするコーナーだと思うけど…いいか。」

 

主「このコーナーでは主人公の名前について語るコーナーです。」

 

相汰「まずは俺の名前からだな。俺の名前は空葉相汰だけど、この名前に由来とかはあったりするんですか?」

 

主「名前は元から決めていたんですが、名字の方に迷走していまして…それで、少し凝った名前がいいかなーと思ってこの名前にいたしました。」

 

藍冴「次は俺だな。俺の名前は翠川藍冴だけど由来はあるのか?」

 

主「はい、こちらはちゃんと由来はありますよ。翠川藍冴は元は虹原彩音という名前で活動していましたが、メディアから名前を消す際に何色か色を失った、という設定を入れてこの名前にいたしました」

 

洸汰「次は俺ですね。俺の名前は趨鈹洸汰ですけど…」

 

主「こちらは空葉くんと同じで下の名前は決めていたんですが、名字の方に悩まされた結果、翠川くんと同じ作品に出ていた翠川くんの幼馴染の華鈹琴奈さんから一文字いただいてこの名前に決定いたしました」

 

疾透「次は俺ですか。俺の名前は森睦疾透だけど」

 

主「こちらも名前は決めていましたが、名字に悩まされた結果某弾幕ゲームの男性の苗字を少し弄ってこの名前になりました。ちなみに元の苗字は『森近』です」

 

宥凪「最後は俺ですね。俺は海月宥凪ですが」

 

主「海月くんだけ実は一番悩まされました。かれこれ7分くらい悩みましたよ…ちなみに、ヒロインは花音ちゃんと決めていたので海に関連する名前がいいだろうなーという考えからこうなりました。ちなみに名字は他の読み方があるのですが『くらげ』と読みますが『みつき』とも読ぶのでどうせなら合わせてしまおうという考えも生まれ子の苗字に決定しました。あと、名字に関しては書いてる最中に気が付いたのですが全くの偶然です」

 

藍冴「なるほどな。主もそうとう悩んでるのか…考えるだけでも大変なのに」

 

主「考えることが好きなのでこれくらい苦ではありませんよ。それでは次はこのコーナーです」

 

【注意!】

 

ここから先は次回作の設定とかが書かれていますので本編で直接見たいという方は戻って、どうぞ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『次回作について』

 

麻弥「次回作について…ですか?」

 

主「はい、次回作についてでございます。」

 

つぐみ「大丈夫なんですか?」

 

主「はい、いくつか設定は思いついているのでこちらをご覧ください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《次回作の設定資料集》

 

あこ「これなんですか?」

 

主「そのままの通り、次回作の設定資料集ですよ。といってもあまりネタバレをするわけにはいかないので本当にほんの少しだけですが」

 

りみ「どんな感じなのか聞いてもいいですか?」

 

主「聞くより見た方が早いですね。それではどうぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

名前:緋翠(ひすい) 【名字はまだ決まってない】

 

髪の色:黒

 

瞳の色:赤と翠のオッドアイ(カラーコンタクトではない)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

主「とまあ、ほんの一部ですけどこんな感じですね。」

 

花音「なんかこれまでと打って変わったかんじで最初から目の色は両方とも違うんですね…」

 

主「はい、他のアニメにはオッドアイのキャラとかいますが次回作にはついにオッドアイのキャラを入れることが決定しました。」

 

つぐみ「私の出る作品の主人公の洸くんは話の途中からオッドアイになりましたからね…その名残でしょうか?」

 

主「その解釈であながち間違いじゃないですね。それでは最後のコーナーに参りましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『今後の投稿ペースについて』

 

洸汰「確かにこれは大事だよな。で、どうなんですか?」

 

主「リアルの事情があってこれから投稿ペースはバラバラになる可能性が高いですね…これまでは最高1日3話とかあって1日2話とかありましたがこれから疲れが残ることが多くなるのでこの間のように1話と2話の間が4日とかそこいら空くかもしれません…」

 

藍冴「あまり無理する必要はないぞ。主ができる範囲でいい」

 

主「はい、もとよりそのつもりなので『主が元気な時に投稿する』という感じになりますね。このコーナーは以上です。後書きにもうちょっと続きますよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




『雑談的な何か』

麻弥「なんだかんだで主さんも5作品も書いていたんですね。それも3ヶ月ちょっとで」

主「はい、気がついたら5作品目で3ヶ月くらい経っていましたよ…時の流れは速いですね」

あこ「はい!あこの作品が完結したときは1か月足らずでしたけどその時点でも2作品目でしたし」

つぐみ「それから私の出る作品は2週間足らずで終わって…」

りみ「私の作品の時は2章構成にもかかわらず3週間ほどで完結しましたし・・・」

花音「私の作品の時は日にちが空いちゃったけど連続で休んだ日を除けば3週間くらいだし・・・」

主「これだけたくさんの作品をかけて主も大変満足しております。もちろんこれだけでは満足しきれないのでまだまだ描き続けますよ。目指せ15作品投稿です。それでは・・・」











全員「「「「番外編、ここまで読んでいただきありがとうございました!」」」」










ルミィ「(私はいつここから出られるのおおおお!?)」


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番外編2:戻ってきた日常に花の香りを





花音ちゃん誕生日会です(書かなきゃという使命感しかなかった)







※時間軸はエピローグと15話の間です






 

 

 

 

 

 

 

 

5月10日

 

【午後3時:羽沢珈琲店】

 

宥凪「お久しぶりです千聖さん。」

 

千聖「久しぶりね宥凪くん。今日は忙しかったのにごめんなさいね」

 

宥凪「いえ、今日やることは終わってたので忙しくなかったですから大丈夫ですよ。それで、今日は何か俺に何か用があって呼んだんですよね?」

 

千聖「ええ、今日は宥凪くんにも大切なことを伝えに来たのよ。宥凪くん、明日は何があるか知っているかしら?」

 

宥凪「明日・・・ですか?知りませんね…」

 

千聖「実は、明日は花音の誕生日なの。だから花音に何かプレゼントを贈りたいって思ってるけど…」

 

宥凪「なるほど…それで買い物に付き合ってほしいという事ですか?」

 

千聖「その通りよ。いいかしら?」

 

宥凪「はい、構いませんよ。」

 

千聖「それじゃあ行きましょうか」

 

俺は千聖さんと一緒に羽沢珈琲店を出て近くの駅から電車で少し遠くのデパートに向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後4時:デパート】

 

宥凪「何とか着きましたね…途中千聖さんが電車を間違えそうになって何度か乗り遅れちゃいましたけど…」

 

千聖「・・・ごめんなさいね。まだ電車の乗り継ぎに慣れてないのよ…」

 

宥凪「花音さんに聞きましたけど俺が海外に行っていた時も電車に何度も乗り間違えたと聞きましたが…まさかここまでとは…」

 

千聖「そ、そろそろ行きましょうか…」

 

宥凪「そ、そうですね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千聖「これなんてどうかしら?」

 

宥凪「クラゲのマスコットキーホルダーですか…花音さんはこういうの結構持ってそうですけど…」

 

千聖「そうね…花音はクラゲが好きだからこういうのは持ってそうだわ・・・」

 

宥凪「ん…?千聖さん、こういうの見つけましたけど…」

 

千聖「えっと…クラゲのマスコットキャラクターの着ぐるみ…?こういうのは持ってなさそうだけどさすがにこれはないんじゃないかしら・・・」

 

宥凪「そ、そうですよね…もう少し他を回りましょうか…」

 

千聖「え、ええ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宥凪「うーん…一通り見て回りましたがいいプレゼントが見つかりませんでしたね…」

 

千聖「そうね…形に残るものがいいと思ったけれどここまで見つからないものかしら…」

 

宥凪「どうしましょうか…手ぶらで帰るのもあれですし…花音さんは家でゆっくりしていますが…」

 

千聖「…」

 

宥凪「…」

 

???「あれ?千聖先輩と凪くん?」

 

宥凪「はぐみ?どうしたんだこんなところで」

 

はぐみ「とーちゃんがお肉が足りないからって買ってきてほしいって頼まれたの!二人はこんなところでどうしたのー?」

 

千聖「実はね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はぐみ「そっかー、かのちゃん先輩に送るプレゼントがなかったんだー…」

 

宥凪「そうなんだよ…花音さんが持ってそうなものしかなかったからなかなか買えなかったんだよ…」

 

千聖「はぐみちゃんは何かいい考えはないかしら…?」

 

はぐみ「うーん…そうだ!2人とも、耳をかして!」

 

宥凪&千聖「??」

 

はぐみ「えーっとね…(ゴニョゴニョゴニョ・・・)」

 

宥凪「…それ、本気か?」

 

千聖「そ、それは確かに効果的だけれど…さすがにそれは・・・」

 

はぐみ「もうすぐここのお店閉まっちゃうから早く決めないとどうしようもないよー?」

 

宥凪「うっ…(確かに買うものはなかったから今からまた考え直すのは得策じゃない…)…わかったよ、やってやるよ…」

 

千聖「えっ!?大丈夫なの!?」

 

宥凪「やるしかないですよ…今から他のところに行くとしても残ってるかどうかわかりませんし…覚悟を決めるしかありません」

 

千聖「・・・そうね。決めるのは宥凪くんだもの。宥凪くんがそうしたいのなら任せるわ」

 

宥凪「なんか巻き込んですみません千聖さん…」

 

千聖「謝らなくていいのよ?後は宥凪くん次第だもの」

 

宥凪「そうですね…はぐみ、こころ達に伝えてもらえるか?あ、もちろん花音さんには内緒で頼むな」

 

はぐみ「うん!任せて!それじゃあねー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宥凪「はあ…」

 

千聖「大変なことになったわね…」

 

宥凪「まさかこんな形になるとは…」

 

千聖「ふふっ、おめでとう宥凪くん。」

 

宥凪「ありがとうございます…」

 

千聖「あら?嬉しくないの?」

 

宥凪「嬉しいですけどまさかこんな形になるなんて思ってなかったですよ…本当にあのお嬢様は・・・」

 

千聖「そうね…明日は頑張りなさい、宥凪くん。」

 

宥凪「はい…」

 

そうして俺たちは電車に乗り、俺たちの帰路についた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後6時:海月家リビング】

 

宥凪「ただいま…」

 

花音「あ、おかえり宥凪くん。どこに行ってたの?」

 

宥凪「ちょっとつぐみの店に行ってから千聖さんと一緒にお出かけしてきましたよ。といっても近くのデパートまでですけど」

 

花音「千聖ちゃんと?いいなあ…私も行きたかった…」

 

宥凪「(その笑顔は卑怯ですよ…)花音さんが一緒に行ったところで途中で逸れたらどうしようもないじゃないですか…」

 

花音「そ、その時は宥凪くんが探しに来てくれるよね…?」

 

宥凪「それはそうですけど、千聖さんを一人にしてたら何が起こるかわかりませんし…今度一緒に行きましょうか。もちろん二人で。」

 

花音「…うん!」

 

それから俺と花音さんは夕ご飯を一緒に食べ、同じ部屋で一緒に寝た・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後11時:宥凪の部屋】

 

宥凪「(ぐっすり寝てるな…よし、今のうちに・・・)黒服さん、いますよね?」

 

黒服「はい、こちらに。事情はこころお嬢様より聞いております」

 

宥凪「それじゃあ花音さんをお願いします。花音さんには申し訳ないですが寝る前に少しばかり睡眠薬を仕込んでおいたのでしばらくは起きないと思いますが…」

 

黒服「わかりました。それでは花音様はこちらに任せて宥凪様はお眠りください」

 

宥凪「夜遅くに呼び出してすみません…それでは」

 

それから黒服さんは花音さんをおんぶして帰っていった…そのあと俺はすぐに布団に入って寝た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5月11日

 

【午前10時45分:宥凪の部屋】

 

宥凪「(今日は俺と花音さんが付き合い始めてからは初めて祝う花音さんの誕生日だ…今からでも緊張するな…)だけど今から考えてもしょうがないから向こうに行かないと…」

 

俺は弦巻家に移動した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前11時:弦巻邸前】

 

ピンポーン

 

???「はーい!あら、宥凪じゃない!」

 

宥凪「久しぶりだな、こころ。少し身長が伸びたか?」

 

こころ「ええ!美咲より少し高くなったわ!」

 

宥凪「そうか。それで花音さんは?」

 

こころ「今はあたしの部屋で着替えてるわ!」

 

宥凪「了解。あとどれくらいかかりそうだ?」

 

こころ「もう少しかしら。宥凪はどこかで待つの?」

 

宥凪「せっかくだし会場を見ておくよ。」

 

こころ「それじゃあこっちよ!ついて来てちょうだい!」

 

俺はこころに案内され、会場に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【パーティ会場】

 

宥凪「おお…これはすごい豪華だな…」

 

こころ「そうでしょう!これも花音と宥凪のためよ!」

 

宥凪「ありがとな、こころ。」

 

プルルル・・・

 

こころ「あら?あたしの電話みたいね。…」

 

宥凪「なんだって?」

 

こころ「花音の準備が整ったわ!」

 

宥凪「お、そうか。それじゃあ案内を頼む」

 

こころ「ええ!こっちよ!」

 

俺はこころに案内されて別の会場に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宥凪「そろそろかな・・・」

 

ガチャ

 

花音「あ…宥凪くん…?」

 

宥凪「はい、俺ですよ。…素敵ですね、その格好」

 

花音「えへへ・・・」

 

花音さんが着ていたのは・・・ウェディングドレスだった。昨日はぐみに持ちかけられた話は『かのちゃん先輩に結婚式というプレゼントをしてみたらどうかな!?』ということだった。

 

花音「このドレスを着ることになったってこころちゃんから聞いた時はびっくりしたけど…私、とても嬉しいよ…」

 

宥凪「・・・俺もですよ。昨日は千聖さんと出かけにいったのは花音さんにあげる誕生日プレゼントを買いに行ったんです。でもいくら探しても花音さんが喜ぶものが見当たらなくて・・・それで迷ってたところにはぐみが来てこの話を持ち掛けられたんです。この間再会した時にプロポーズはしましたがいつ式を挙げるか悩んでいたんですが今日あげることになるなんて思ってなかったですね…」

 

花音「そうだね…でも私は嬉しいよ?こうして結婚式を挙げることができて・・・」

 

宥凪「・・・はい、俺も嬉しいです。さて、そろそろ行きましょうか。みんなが待ってます」

 

花音「うん!」

 

こうして俺たちは結婚し、花音さんは『海月花音』と名前を変えて一緒の人生を歩むこととなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから1年と数ヶ月後…

 

 

 

 

 

 

 

7月7日

 

 

【???】

 

宥凪「…」

 

千聖「もう、じっとしていられないの?」

 

宥凪「そうは言っても、花音さんは必死に頑張っているのに俺がこんなところで足踏みしているなんてできないですよ…」

 

千聖「…そうね。もうすぐ新しい命が生まれるもの。」

 

そう、花音さんは今この病院の手術室にいる。もうすぐ俺と花音さんの子供が産まれると聞いて車で急いできた。その道中に俺が運転する車を見かけた千聖さんも乗り、今は二人で手術室の前で待機しているところだ…

 

千聖「花音、大丈夫かしら…」

 

宥凪「花音さんなら大丈夫です。花音さんを信じましょう」

 

千聖「・・・そうね。今はただ信じましょう。」

 

しばらくすると、手術室のランプが消え、担当医師が出てきた

 

宥凪「あ、先生…花音さんは・・・」

 

先生「成功です。無事に産まれましたよ。今奥さんとお子さんは担当の者と一緒に病室に向かっているのでしばらくしたら行ってあげてください」

 

宥凪「わかりました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千聖「そろそろじゃないかしら?」

 

宥凪「そうですね…そろそろ行きましょうか」

 

俺たちは花音さんがいるという病室に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【病室前】

 

コンコン

 

宥凪「花音さん、俺です」

 

花音「宥凪くん?だいじょうぶだよ?」

 

ガチャ・・・

 

宥凪「失礼します」

 

千聖「こんにちは、花音」

 

花音「あ、千聖ちゃん。仕事はどうしたの?」

 

千聖「早めに終わったから宥凪くんの車に乗せてもらったのよ」

 

花音「あ、そうだったんだね。そうだ、この子が…」

 

??「スゥ・・・スゥ・・・」

 

花音さんの隣には産まれたばかりの子供がスヤスヤと眠っていた。女の子のようだ。

 

宥凪「この子が俺たちの子供…可愛いですね。」

 

花音「ふふっ、そうだね。」

 

千聖「どこか花音に似てるわね。ね、宥凪くん?」

 

宥凪「そうですね、髪の色は花音さんと同じ水色ですし、将来は花音さんに似て美人になりますよ」

 

花音「ふふっ…ありがとう、宥凪くん。ねえ宥凪くん、この子の名付け親になってくれないかな?」

 

宥凪「俺が、ですか?」

 

千聖「そうね、宥凪くんが名付け親になった方がこの子も喜ぶわ」

 

宥凪「千聖さんまで…それじゃあ…『凪花(なぎか)』なんてどうでしょうか。宥凪の『凪』と花音さんの『花』から一文字ずつ取って『凪花』で。静かな凪のような時間の中、静かに咲く一輪の花…それが凪花です。」

 

花音「凪花ちゃん…か…うん、いいかも…」

 

千聖「ふふっ、宥凪くんって名前を付けるのがうまいわね」

 

宥凪「揶揄わないでくださいよ千聖さん…」

 

凪花「キャッキャッ」

 

千聖「凪花ちゃんも喜んでいるみたいね。」

 

宥凪「それじゃあこの子は凪花に決定ですね。海月凪花…俺と花音さんの新しい家族です。これからよろしくな、凪花」

 

凪花「キャッキャッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから俺たちはしばらく花音さんたちと話をしてから病院を後にした。花音さんは出産のための手術を耐えたけどさすがに疲れが残ってないわけではなく、手術の後の後遺症もあってしばらく入院することになった。仕事がないときは車で花音さんがいる病院に向かって凪花をあやしたりした。時々彩さんや美咲を連れて行くこともあったが、こころやはぐみたちを連れて行くことはなかった。え?理由?察してほしい…あんなに騒がしいメンバーを連れていったら凪花が泣くに違いないからな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







いかがだったでしょうか?

花音ちゃんの誕生日会の後はあこちゃんが一番近いかな・・・それでも2ヶ月くらい間があるからそれまでは頑張って他の小説を完結させなければ…



(地味に4649(ヨロシク)字なのに驚きを隠せない)


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