双子の心と秋の空 (蒼奈涼音)
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日常編①
オリキャラ紹介とプロローグ


大好きなテニプリでコメディを書きました!!!

初投稿なので誤字脱字も多いと思いますが暖かい目で見てください。


主人公紹介

 

小向柚瑠-コムカイ ユズル-

 

 

性別…女

 

学校…立海大附属中学

 

身長…169㎝

 

体重…48㎏

 

利き腕…左

 

プレイスタイル↓

オールラウンダー

 

一人称…オレ

 

誕生日…5月30日(双子座)

 

座右の銘…悠揚迫らず

 

性格↓

その辺の男よりもずっと男らしい。常に自由気ままでマイペース。案外負けず嫌いで口が悪くわりと毒舌。

 

血液型…B型

 

家族構成↓

父と居候数名

母は父と離婚し、双子の弟と東京に暮らしている。

 

父の職業↓

元警察官で現在は実家の空手道場で師範をしている。

 

趣味↓

道場の門下生を相手に組手

 

容姿…黒髪で中性顔。

髪の長さはショート。

猫のような金色の瞳が特徴。

首にはシルバーリングのペンダント、耳にはイヤーカフを着けている。

 

委員会…風紀委員会(推薦で無理矢理)

 

好きな色…レモンイエロー

 

好きな食べ物↓

りんごのコンポート

レモンのはちみつ漬け

柚茶

 

得意科目…国語、歴史

 

苦手教科…英語

 

今一番欲しいもの↓

新しいパーカー

 

苦手なもの(こと)↓

真田弦一郎、変態

 

テニス以外の特技↓

柔道(三段)、空手(師範代)、家事

 

時間軸....原作より半年以上前から始まります。

(原作三年メンバーが二年、原作二年メンバーが一年)

 

 

 

 

 

 

プロローグ

 

 

その日はごくごく普通の平日のいつも通りの朝だった…。

 

 

AM 6:00

 

 

オレ…小向柚瑠はいつも通りに携帯のアラームで目覚め、クローゼットから男子制服を取り出し袖を通した

 

冒頭にあったキャラクター紹介に女って書いてなかったっけ?とか思っているひともいるだろうけど紹介にあった通り、オレはれっきとした女子である。

 

なんで男子制服を着ているのかと言うとこれにはちょっとしたわけがある。

 

入学祝いにとうちに下宿している高校生が面白半分でくれたお古の男子制服を見て、うちの親父が「お前そっちの方が似合うし、それで学校行け。制服代が浮く」とか言い出して学校から許可を得てきたんだ。

 

なんでも親父が「うちの娘はスカートアレルギーで」と言ったとかそうでないとか…。

 

まぁ、確かにスカートはあまり好きではないし、ズボンの方が楽でいい。

 

現にこの制服で学校生活を一年半以上過ごしているが不便に思った事はない。

 

オレはいつも通りにキッチンに行きエプロンを着け、朝食作りに励む。

 

 

AM 7:15

 

 

朝食が出来上がると「おい!!テメェら飯だぞ!!」とオレはいつもの様に家中に響き渡るような大声で言った。

 

すると階段をかけ下りる音が聞こえ、やがて競うようにリビングに入ってくる二人の男子。

 

?「テメェ!!オレが先に入ってきたんだっつーの!!」

 

?「いいや!!僕だね!!」とケンカしているのはこの家に下宿中の高校生の秋本さんと浜野さんである。

 

?「わぁ、今日も美味しそうだね~柚君」とそんな二人を無視して入ってきたのは同じく下宿人の香山さんだ。

 

ちなみに男子制服をくれたのはこの香山さんなのだ。

 

この三人は皆、うちの空手道場の門下生である。

 

そして「朝から元気だなぁお前ら」とあくびをしながら最後にやって来たヒゲオヤジがオレの父親の小向俊明である。

 

朝飯を用意してこうして男共を起こすのがオレの日課だ。

 

すでに朝食を済ませたオレは鞄と弁当を持って「行ってきます」と家を出た。

 

オレが通う中学は立海大附属中っつー全国でも結構有名な私立の中・高・大の一貫校だ。

 

なんでもスポーツが有名らしい。

 

オレの部活?あぁ、帰宅部だぜ(笑)たまに柔道部と空手部に助っ人に行ったりはするけどな。

 

 

しばらく歩くと見慣れた馬鹿でかい校舎が見えてくるのだが…。

 

 

校門の前に立っている老け顔のオッサンがオレの目に入り、オレは決めた…。

 

「よし、今日はサボろう」と回れ右をした時だ!!

 

オッサン否クラスメイトの真田弦一郎が「小向!!」と大声をあげてこちらに向かってきた。

 

真「貴様ぁぁぁぁ!!!!また委員会をサボりよって馬鹿者がぁぁぁ」

 

どうやら相当お怒りの模様…やはり昨日委員会をサボったのがいけなかったのかも知れない…。

 

やはりここは…

 

「逃げるしかないっしよ!!!!!」とオレは猛スピードで逃げ出した。

 

普段からランニングをしているので脚にはかなり自信がある。

 

真「待たんか!!小向ぃぃぃぃ!!」

 

「誰が待つかぁぁぁ!!」と二人は鬼ごっこ状態に突入した。

 

密かにこれが学校名物となっていることを二人は知らない…。

 

まぁ…これがオレの騒がしくも平和な日常だった訳だが…この日…このあと起こったある出来事が…この平和を崩す事になるなどこの時のオレは夢にも思っていなかったのだった…。

 

 

to be continued




ようやく序章が終わりました。

弟君が出るのは少し先になります。

こまめに投稿出来たらなと思いますので次回を乞うご期待!!!


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第一話「バドミントンの王子様」

一話です!!!

2日〜一週間に一話のペースで書いていきたいと思います。



 

 

 

第1話

 

「バドミントンの王子様」

 

 

 

 

クラスが同じなのでところどころ授業をサボりつつ、真田から逃げるオレ…。

 

だってあのオッサン手加減無しに殴ってくるしさー痛いんだよねアレ。

 

 

そして体育の時間…。

 

 

「どーせ男女別だし」とジャージに着替えて体育館に行く…たしか今日の実習科目はバドミントンだったはずだ。

 

そしてオレが準備体操を終え、女子側のネットに向かおうとした時!!

 

先「小向」と先生に呼ばれた。

 

「何スか?」

 

先「すまないねぇ。人数が合わないから男子と組むことになると思うんだけどいいかな?」

 

「男子とッスか?あー…まぁいいっすよ(真田の野郎とじゃなきゃ。組むのなんて誰とでもいいし)で?誰と組めばいいんスか?」

 

数分後…オレはいいっすよなんて言ってしまった自分を恨んだ。

 

「何でお前とペアなんだよ…」

 

ネットを挟んで向こう側にいる真田を見てオレは盛大にため息を吐いた。

 

真「なんだ!!そのため息は!!?」

 

「あーうるさいうるさい」とオレは耳を塞ぐ。

 

 

そして体育の先生から指示が飛んだ…どうやらラリーをするらしい…。

 

 

「うわぁ…マジかよ…面倒臭い」

 

いつもは好きな体育の先生もこの時ばかりは恨んでしまう。

 

すでに真田は羽根を持ってスタンバっている。

 

真「小向ぃぃ!!手加減はせんぞ!!」と羽根をテニスボールと同じように上に上げ、力強くサーブを打った。

 

(おいおい…これはテニスじゃねーよバドミントンだって)と内心ツッコミながら羽根を打ち返す。

 

真「ほぅ、やるではないか」と真田も羽根を打ち返す…もはやバドミントンではなくなっているがラリーは続く…。

 

こちらを見ている女子サイドでは何故か歓声があがっている…女子達はこんなバドミントンじゃないバドミントン見て楽しいのだろうか?女子とはわからないものだ…理解に苦しむ。

 

(いやいや、お前も女だろヾ(--;)by作者)

 

 

その時だ!!

 

 

真田の手加減無しの超高速殺人サーブがオレの後ろにいた女子に向かって飛んでいった!!

 

いくら軽いバドミントンの羽根とは言っても真田の手加減無しの殺人サーブはきっと痛いだろう…。

 

オレはこの時そう考え、大分離れたその場所まで羽根を取りに走り、力を込めて打ち返した。

 

今思えばこれがいけなかったのだ…。

 

「全くよ…ちょっとは手加減しろっつの」とオレは肩を竦め、後ろの女子達の方を向いた。

 

「おい、危ねぇから向こう行ってろ」と言うと女子達は悲鳴?(世に言う黄色い声援というやつだろうか?)をあげて離れていった。

 

結局その後のラリーは二人共、一度も羽根を落とさぬまま終了した。

 

で、授業が終わりオレがジャージから制服に着替え、体育館から出ようとした時だ!!

 

後ろから「ちょっと待ちんしゃい」と声がした。

 

この日…この瞬間から…オレの平和な日常は音を立てて崩れていったのだった…。

 

 

to be continued




真田が普通に体育の授業を受けている所を想像して書きました(^_^)

さて、次回は何が起こるのか乞うご期待!!!


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第二話「詐欺師の悪だくみ」

 

 

 

 

第2話

 

「詐欺師の悪だくみ」

 

 

 

 

振り返るとそこには銀髪の知らない男子が立っていた…恐らく隣のクラスの奴だろう。

 

?「お前さん、さっき真田と打ち合っとったじゃろ?」と男子はオレに問ってきた…どうやらこの銀髪はあのバドミントンモドキを見ていたらしい。

 

「はぁ…まぁ」とオレは曖昧に返事を返すと銀髪は「ちょっと聞きたい事があるんじゃがいいか?」と問ってくる。

 

 

(面倒くせぇな…)と心の中で呟いたその時だ!!

 

 

女子「きゃあぁぁ!!!!仁王君と小向君のツーショットよ!!」と女子の叫び?が聞こえてきた。

 

ったく、声でけーよ!!!声高ぇから耳痛ぇんだよお前らの悲鳴?

 

周りを見ると女子がオレと銀髪の周りを取り囲んでいる。

 

(君…ねぇ…もう慣れたよ…)とオレは深いため息を吐く。

 

別に性別を隠している訳ではないのだが…どうやらオレはクラスメイト(真田を除く)以外には完全に男だと思われているらしい…。

 

一年の時から靴箱に手紙(ラブレター)が入っていたり、女子から告白されたりはしょっちゅうだ…もう女だと言っても信じてくれないので敢えて無視している。

 

うちのクラスの女子達は性悪でそんなオレを見て明らかに楽しんでいる。

 

まぁ、慣れたけどな…ってこんなことしてる場合じゃないな、早く逃げねーと真田の野郎が来ちまう!!!!

 

「悪いな、用があるからまた今度にしてくれ」とオレは銀髪の横を通って体育館を出た。

 

 

その後…こんな会話があったことをオレは知らない…。

 

 

?「面白いのぉ…」と銀髪の男子…仁王雅治は含み笑いを浮かべながら呟いた。

 

そこに「仁王君」と眼鏡の男子がやって来る。

 

仁「おぉ、柳生か。お前さん、アイツをどう思うよ」と仁王は去っていく柚瑠を顎で差しながら言う。

 

?「アイツ…?」と眼鏡の男子…柳生比呂士は仁王が差した方に目をやり「あぁ、真田君とラリーをしてた彼の事ですね」と納得の表情で答えた。

 

柳生「面白いと思いますよ。バドミントンとはいえ真田君と互角に渡り合っていましたからね」と穏やかな紳士スマイルを浮かべている。

 

仁「あぁ、うちの参謀が食いつきそうなネタじゃ」と仁王は口元を吊り上げニヤリと笑う。

 

そんな仁王に対し、柳生は「仁王君、また悪巧みをしているのではないですか?」と眉をひそめる。

 

仁「さぁ、どうじゃろな」と仁王は柚瑠が去っていった方向を見つめていた…。

 

手元に隠れたビデオカメラがライトに照らされ怪しく光っていたのだった…。

 

 

to be continued




えー、二話です!!!

ここで追加設定を書きたいと思います(^∇^)

現在原作前のこの段階での原作メンバーのクラスの設定です!!!

A組は真田・柚瑠、B組は仁王・柳生、C組は幸村、F組は柳、I組はジャッカル・丸井という設定です。
柳生と丸井以外は同じです。

次回をお楽しみに(^o^)/


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第三話「それぞれの昼休み」

 

 

 

第3話

 

「それぞれの昼休み」

 

 

 

そして昼休み…。

 

 

「昼飯♪昼飯♪」

 

オレは弁当を持って別校舎にある屋上庭園に向かった。

 

うちの学校には屋上庭園というものが存在する…普段は鍵が掛かっていて入れないのだが、オレはこっそり鍵を開けてここに出入りしている。

 

何故かって?だってここイスもテーブルもあるし人来ねぇし真田に見つかんねーし(←ここ重要)

 

 

絶好のサボりスポットなんだよ(笑)

 

 

そしてオレはいつもの様に庭園の鍵を勝手に開け、中に入った。

 

「あー…やっぱ落ち着くな…ここ」と近くの椅子に腰掛ける。

 

 

花の甘い香りが鼻につく。

 

 

8月も後半に入ってたがやはり日差しはまだ強く、蒸し暑い…気持ちいい日差しに向かってクッと伸びをし「さて、弁当でも食うか」とオレはテーブルに自分の弁当を広げる。

 

今日の弁当は重箱入りの和風弁当だ。

 

「あ、だし巻き玉子いれ忘れたな(-o-;)まぁいっか」と軽く弁当を平らげ「ふぁ~」と欠伸をすると日陰の辺りに寝転んだ。

 

「どーせサボるし…このまま寝るか…」

 

こうしてオレは夢の世界に旅立った…。

 

 

 

 

その頃…2年D組では…。

 

 

 

 

仁「柳は居るか」と昼食を終えた仁王がやって来た。

 

その言葉に反応し、窓際に座っていた糸目の男子…柳蓮二は読んでいた本を置き「お前が来るとは珍しいな。何かあった確率はさしずめ97%というところか」となんともよく分からない確率を口にした。

 

仁王は楽しげに「耳寄りの情報があるぜよ」と柳の前の椅子に腰掛ける。

 

柳「耳寄りの情報?」と柳は訝しげに首を傾げる。

 

仁王は「まぁ、これを見んしゃい」とビデオカメラを取り出し柳に見せる。

 

映ったのは例のバドミントンのラリーの映像だ。

 

柳「仁王…これは?」と柳は映像を見ながら仁王に問う。

 

仁「面白いじゃろ?真田のクラスの奴なんじゃが、アイツとまともにラリーしとるんよ」

 

柳「確かにな…この打ち方…バドミントンの経験者という訳でもなさそうだ…この打ち方は…」

 

仁「テニスの打法じゃ」と仁王はビデオカメラをさらに操作し「ここも見てみんしゃい」と柳に再びビデオカメラを見せる。

 

映ったのは柚瑠が女子に当たりそうになった羽根を打ち返した辺りだ。

 

柳「ほぅ…」と柳は唸り「なかなかの瞬発力と走力だ」と小さく呟く。

 

柳「よく弦一郎に見つからずに録れたな」と柳が苦笑すると仁王は「プリッ」と適当に誤魔化した。

 

柳「まぁいい、なかなか面白いデータだ」

 

仁「お前さんなら食いつくと思ってたぜよ。で、だな…物は相談なんじゃがこいつの実力が知りたくてのぉ…」

 

柳「それは…うちの部に勧誘したいと捉えていいのか?」と問う柳に対して仁王は「ピヨッ」と訳のわからぬ言葉で返事する。

 

どうやらyesということらしい…。

 

柳「なるほどな…しかし珍しいな。お前がこれほど他人に興味を持つとは」

 

仁「そういうお前さんも、興味津々じゃろ?」と悪戯っぽく微笑む仁王。

 

仁「こいつからは…オレと同じ臭いがするんじゃよ」

 

柳「それは…詐欺師の勘…というやつか?」

 

仁「さぁの?それに、オレだけじゃないぜよ」

 

柳「?それはどういう…」と柳が言った時だ!!

 

真「小向何処だぁぁ!!キェェェェ!!」と廊下で真田が奇声をあげていた。

 

柳は廊下に顔を出し「どうした弦一郎」と問いかける。

 

真「おぉ、蓮二か!!うちのクラスの小向を見なかったか?」

 

柳「小向とは体育のバドミントンでお前とラリーをした彼の事か?」

 

真「!!何故それを!!」

 

柳「情報提供があってな。なかなか面白い奴だと聞いている」

 

真「あぁ…奴に問いただそうと探し回っているのだがなかなか見つからん!!」

 

柳「なるほどな」と柳は微笑んだ。

 

柳「なら、オレも協力しよう。お前がそこまで必死になるのも珍しい。興味が沸いた」

 

真「ムッ、そうか。それは助かる。では別の校舎を頼む」と真田は去っていった。

 

こうして柚瑠の捜索が始まった。

 

 

to be continued




テニス部のメンバーに興味を持たれてしまった柚瑠の運命やいかに!!!!次回もお楽しみに(^◇^)


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第四話「オレは部活になんか入らない」

 

 

第4話

 

「オレは部活になんか入らない」

 

 

 

真田と柳が柚瑠を捜索している頃…当の本人は気持ち良くお昼タイムを満喫していた。

 

ここは元々人が来ないので柚瑠は昼寝する時にわざわざ鍵を掛けたりもしない…まさか今日…そんな場所に人が来るとは夢にも思わずに…。

 

 

 

side ?

 

 

 

?「あれ?鍵があいてる…変だな?この間確かに閉めた筈なんだけど」

 

そしてふと、委員会で聞いた話を思い出す。

 

行事の時以外開放しないこの庭園に最近出入りしている人間がいるという話だ。

 

オレは手入れを任されていているのでたまに来るが、毎回ちゃんと鍵を閉めたあとに確認をしている。

 

(誰かいる)と思いながらオレは扉を開けた。

 

辺りを見回し「誰かいるのかい?」と声を掛けてみるがやはり返事はない。

 

?「やっぱり鍵を掛け忘れたのかな」とオレが納得いかず、ため息を吐いた時だった。

 

「ZzzZzz」と規則正しい寝息が近くの日陰から聞こえてきた。

 

覗き込んでみると、そこには黒髪の男子が気持ち良さそうに眠っていた。

 

カフェテーブルには弁当箱が置いてある。

 

最近ここに出入りしている人間というのはどうやら彼らしい。

 

オレは苦笑しながら彼の体を揺すった。

 

?「ねぇ君、起きなよ」と男子に声を掛けるが男子は「…うーん……もう少し…あと五時間…」と完全に寝ぼけている。

 

?「放課後まで寝る気かい?いい加減起きなよ!!」という言葉で男子はようやく目を覚ました。

 

そして目の前にいたオレを見て「うわっ!!」と驚きの声をあげた。

 

「びっくりした!!誰だ!?お前!!何で…」

 

?「それはこっちの台詞だよ。ここ、関係者以外立ち入り禁止なんだけど」とオレが苦笑すると「そういうお前は何で入ってきてんだよ」と問ってくる。

 

?「オレは美化委員でね。ここの手入れを任されていてるんだよ」

 

「へぇ…ってことは花の世話お前がしてんの?」

 

不意の質問に戸惑い「う、うん」と曖昧な答えになってしまう。

 

「綺麗に咲いてるよな~ここの花。カフェスペースみたいのもあるし、学校の庭園っつーよりどっかの植物園って感じでさ」と花を見ながら言う男子。

 

正直驚いた。

 

第一印象でこんな事を思うのは悪いと思うが、彼は花を愛でるようには見えなかった…正直意外だ。

 

考えが顔に出ていたようだ彼は「んな意外そうな顔すんなよ」と苦笑した。

 

「タメ口っつー事は一年じゃねーよな?二年か?」

 

?「うん、オレは二年だよ。C組の幸村だ」

 

「へぇ。っつー事は同学年か」

 

どうやら彼も二年らしい。

 

幸「君も?」

 

「あぁ、オレはA組だ。A組の小向」

 

A組と言う事は…。

 

幸「真田と同じクラスか」と呟くと男子は露骨に嫌そうな顔をした。

 

「何…お前…あのオッサンの知り合い?」

 

幸「うん、うちの部員…っていうかオッサンって(笑」

 

「だってオッサンだろ?ってかアイツと同じっつー事は…お前テニス部か?」

 

幸「うん、そうだけど?」

 

「ふーん、アイツ厳しいだろ?」

 

幸「まぁ、それが彼だしね。小向?は部活とかしてないの?」

 

「疑問符つけんなよ(・・;)部活は入ってねーよ。面倒臭いしさ。まぁ助っ人くらいには行くけど」

 

幸「助っ人?」

 

「あぁ、空手部と柔道部にな」

 

幸「へぇ…部活には入らないの?」

 

自分でもなぜこんな事を聞いたのかは分からない…ただ、なぜか聞きたくなったんだ。

 

「入らねーよ。面倒臭いって言ったろ?縛られんの嫌いだし」というと小向は「あ、勝手に入って悪かったな。邪魔になるんだったらもう来ねぇし」と言った。

 

その時、オレは良いことを思いつき「いや、別に来てもいいよ」と微笑んだ。

 

「え?マジ?」

 

幸「ただし、たまにオレの仕事を手伝ってくれるならね」と言うと小向は苦い顔をし少し思案してから「分かったよ」とため息を吐いた。

 

穴場を失いたくないんだろう。

 

幸「フフッ。じゃあ、よろしくね。小向」

 

そしてこの後、オレは小向に花壇の水やりを手伝ってもらい昼休みは終わった。

 

 

 

幸村 side out

 

 

to be continued




遂に幸村登場!!!

次回辺りで試合風景を書きたいなーと思っております!!!!!乞うご期待!!!


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第五話「勧誘?何それ美味しいの?」

 

第5話

 

「勧誘?何それ美味しいの?」

 

 

 

 

昼休みが終わり、幸村は次の授業の教室に向かって歩いていた。

 

すると前方に見覚えのある二人を見つけ、幸村は「真田、柳」と声をかけた。

 

真「おぉ、幸村か…。お前も移動教室なのか…?」

 

幸「あぁ、次は音楽でね…二人とも、大丈夫かい?なんだか疲れてるみたいだけど…また赤也が何かしたのか?」と幸村が聞くと柳は苦笑してその言葉を否定した。

 

柳「探し人がなかなか見つからなくてな」

 

幸「探し人?」

 

真「あぁ…全く!!小向はどこに隠れておるのだ!!」と熱り立つ真田の言葉に幸村は「小向って…君のクラスの小向かい?」と問いかける。

 

真「!!奴の居場所を知っているのか!!幸村」

 

幸「うん、昼休みは彼に花の水やりを手伝ってもらっていたんだ。彼に何かあったのかい?」

 

真田が説明しようとするが柳が「次の休み時間に話そう。時間がないからな」と時計を見せた。

 

幸「確かにね。じゃあ後で教室に行くよ」

 

 

そして次の休み時間…。

 

 

柳と真田は体育でのバドミントンや仁王の考察を幸村に伝える。

 

幸「なるほどね…確かに勧誘してみる価値はありそうだ」と幸村は含みのある笑みを浮かべる。

 

幸「実は放課後、部活の前に少し花壇の手入れを手伝ってもらうことになってるんだ」

 

真「なるほど、そのタイミングで勧誘…だな」

 

柳「だが、弦一郎。お前から聞いた小向の性格を考えると、入れといっても無視されるのがオチだと思うが?」

 

真「うむ…確かに…」と唸る真田。

 

幸「真田…ここはオレに任せてもらえないかな?オレも興味があるしね」

 

真「そうか…?確かにその方がいいかもしれんな。頼むぞ幸村」

 

 

そして放課後…花壇にて。

 

 

約束通り、柚瑠は花壇の所に来ていた…。

 

「早くやっちまおうぜ。お前だって部活あんだろ?」と面倒臭そうではあるが進んで雑草を抜く柚瑠。

 

作業中の雑談として幸村は柚瑠に聞いた。

 

幸「君はテニスをやったことがあるかい?」

 

「あぁ、まぁ昔な…だから?」

 

幸「うちの「却下」まだ何も言ってないよ」

 

「行かない、やらない、入らない、面倒臭い以上。いきなりなんだよ…あ、真田辺りが何か言ってたのか?」

 

幸「じゃあ試合しない?」

 

「お前話聞いてた?」

 

柚瑠の意見と質問を完全に無視する幸村。

 

幸「そういえば…真田はあの庭園のこと知らないんだね」

 

「だからなんだ…」

 

幸「君のサボり場所になってるって聞いたらどんな顔するかな?」と微笑みを浮かべる幸村。

 

この時柚瑠は思った。

 

(何だこいつ!!!!見た目に反して腹ん中真っ黒じゃねーか!!)

 

そんな幸村に脅しに近い勧誘をされ、柚瑠はある約束を取り付けた。

 

 

そして数分後…。

 

 

柚瑠はテニスコートにやって来た…柚瑠が取り付けた約束は幸村と試合し、柚瑠が勝ったらもう勧誘して来ない真田にもあの場所は教えないという約束だ。

 

 

柚瑠は渋々ジャージに着替え、平部員からラケットを借りた。

 

靴は元から運動靴だ。

 

 

そしてコートにて…。

 

 

コートにはギャラリーが集まっていた…結構な数だ。

 

(前の方にいるのがレギュラーか?赤髪にハゲに…何だあのもじゃもじゃ…ワカメみてぇ…。逆光眼鏡に糸目もいんのか…ってかあの銀髪もいるし…あいつもテニス部だったのか…)

 

何とも個性が強そうな面々だ。

 

そんなギャラリーを気にも止めず幸村は「試合は1セットマッチでいいかな?」と柚瑠に問う。

 

「シンプルだし…それでいいよ」

 

幸「じゃあ、真田。審判頼むよ」

 

真「あぁ、分かっている」と真田は位置につく。

 

「おい幸村。オレが勝った時は分かってんな」と柚瑠は幸村を軽く睨むが幸村は「あぁ、もう君を勧誘するのはやめるし、あの事も言わないよ」と余裕の表情。

 

「サーブは?」

 

幸「君からでいいよ」と微笑む幸村…。

 

「久しぶりだからな~鈍ってないかな」と呟きながら柚瑠は位置につく。

 

真「ザ・ベスト・オブ・1セットマッチ、小向サービスプレイ」

 

真田の号令がかかると柚瑠はボールを数回バウンドさせ「フゥ」っと一呼吸置いてからスパンッとサーブを出した。

 

幸(軽いサーブだな)と幸村も余裕でサーブを返す。

 

だが柚瑠は…。

 

ジャ「動かないだと!!」

 

ボールは柚瑠側のコートへと容赦なく突き刺さる。

 

真「15―0」

 

それからも柚瑠は幸村のボールを打ち返すがすぐに動きを止め…。

 

真「ゲーム幸村、1―0」

 

あっという間に幸村が1ゲームを先取した。

 

丸「おいおい…やる気あるのかよ…」

 

ギャラリー達はどよめきだすがそんな中で柚瑠は…。

 

柳生「笑っている…?」

 

そう、笑っていたのだ。

 

「幸村、こっからが…本当のゲームだ」と妖しく笑う柚瑠に幸村は眉を寄せる。

 

次のサーブは幸村だ。

 

幸「(君がどういうつもりか知らないけど…)オレは負けないよ!!」と幸村は強めのサーブを出した。

 

柚瑠は笑みを浮かべたままそれを静かに返す。

 

幸村はそのボールを打とうとするがボールは幸村の手前で沈み、コートに落ちた

 

真「15―0」

 

丸「ボールの勢いが…」

 

ジャ「死んでる…」

 

 

それから柚瑠は快進撃を見せ…。

 

 

真「げ…ゲーム小向、1―1」

 

ジャ「嘘だろ…」

 

切「さっきと動きが全然違うッスよ!?」

 

丸「どうなってるんだよぃ!!」とガラリと変わった柚瑠のプレイにギャラリーはざわめく。

 

そんな中で柳はポツリと呟くように「どうやら小向は…わざと1ゲーム落としたようだな…」と言った。

 

柳生「わざと…ですか?」と柳生は怪訝そうに眉を寄せながら柳に問う。

 

柳「あぁ…恐らく精市のプレイを観察する為だろう…今の返球はオレの空蝉と原理は同じだ。ボールの勢いを殺し、弾まぬように回転をかけている」

 

「さぁ、どんどんいこうか!!」と柚瑠は再びスパンッとサーブを放つ。

 

幸「(また軽いサーブを?)こんな軽い球をオレが返せないとでも?」と幸村は球を返そうとラケットを振るう。

 

だがボールがラケットに当たると幸村は苦しそうに顔を歪めて球を返した。

 

幸(なんだ今の打球…さっきの球より…)と幸村が思った時だ!!

 

幸村の考えを読み取ったように柚瑠は「重いだろ?」と不敵な笑みを浮かべる。

 

「確かに音は軽いぜ…でもな、だからって打球まで軽いと思わない方が身のためだっ!!」と柚瑠が放ったスマッシュが幸村のコートを射抜く。

 

「オッサーン、ちゃんと審判やれよー」

 

真「分かっておるわ!!!!たわけが!!あとオッサンではない!!!」

 

「じゃあ、お次はっ…はっ!!」と再びサーブを打つ。

 

幸(思ったてた以上に…手強い)と幸村がそのサーブを返そうとした時だ!!

 

幸「!!」

 

なんとバウンドしたボールは不規則な超速回転を始め、いくつかの分身を作った。

 

球がブレ、分身を作るその様は…まるで花でも咲くかのようだった…。

 

幸村は何とかボールを打ち返すがネットに引っ掛かり、アウトになる。

 

真「ゲーム小向、2―1」

 

「…いい加減パワーリスト外せば?ハンデ背負ったまま勝てる相手じゃねーってのは分かっただろ?」と柚瑠はため息を吐く。

 

幸「フフッ、確かに…そのようだね…」と幸村は手首に付けられたパワーリストを外す。

 

そこからは幸村の動きも良くなり、互角の試合が繰り広げられる。

 

だが、試合は未だ柚瑠がリードしている。

 

そんな二人の試合を見て柳は「なるほどな」と呟いた。

 

仁王「何がじゃ?柳」

 

柳「いや、お前の言った事が少し分かった気がしてな」と口元に笑みを浮かべる柳。

 

柳「色々と見ていたが…アイツのプレイは相手をタイミングを狂わせたり惑わせたりするものが多い。それに加えて的確なボールコントロール、試合運び、打球の重さも全て計算されている。確かにアレは技術がなきゃ出来ない。どことなく…お前のイリュージョンに似ているな」と自分の考察を述べる柳。

 

 

だが…その時だ!!

 

 

ドサッと何かが倒れる音がした!!

 

二人がコートを見ると…なんと!!コートには柚瑠が倒れていた…倒れた柚瑠の近くで…一匹の黒猫がにゃーと呑気に鳴いている。

 

柳「精市、どうしたんだ!?これは…」

 

幸「いきなりこの猫がコートに入ってきてね…オレが打った球が猫に当たりそうになったのを彼が庇ったんだ…多分その時頭を打ったんだと思う」という幸村の顔は若干青い。

 

幸村の説明を聞きながら柳は容態を見る。

 

柳「心配するな。軽い脳震盪だ。大事には至らない。とりあえず保健室に連れていこう」と柳が言うと幸村はホッと胸を撫で下ろし、柚瑠を保健室まで運んだ。

 

 

数分後…。

 

 

「うーん…あれ…どこだ?ここ…」と寝惚けた様子で柚瑠は起き上がる。

 

幸「気が付いたみたいだね」とこちらを見て微笑む幸村…。

 

「あ、試合!!」と立ち上がった時、頭に痛みが走る。

 

擦ってみると少したんこぶが出来ていた。

 

幸「猫を庇ってボールに当たって昏倒するなんて、君も案外間抜けなんだね」

 

「間抜けじゃねぇ(怒)」

 

幸「でも約束は守ってね」

 

「は?約束?」

 

幸「うちの部に入ってもらうよ」

 

「いやいや、オレだって負けてねーし!!」

 

幸「途中棄権は立派な負けだよ。はいこの子」と幸村はベッドの上に柚瑠が助けた黒猫をのせた。

 

黒猫はにゃーと呑気に鳴き、すり寄ってくる。

 

この時…柚瑠は「黒猫が不幸を呼ぶとは本当だったんだ」と本気で思った…。

 

こうして小向柚瑠はテニス部に強制入部させられたのだった。

 

 

to be continued




はい、彼女は不本意ですがとうとうテニス部入部です(笑)

試合を書くのに結構苦労致しました(・・;)

これからも柚瑠君の活躍にご期待あれ(^o^)/


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第六話「自己紹介?んなもん知るか!!!!!!」

 

 

 

第6話

 

「自己紹介?んなもん知るか!!!!!!」

 

 

 

腹黒魔王幸村の策略により…オレは無理矢理テニス部に入部させられる事になった…のだが…。

 

「なぁ、腹黒」とテニスコートに戻る途中…オレは腹黒幸村に話しかけた。

 

幸「誰が腹黒だって」と真っ黒な笑みを浮かべてこちらを見ている幸村をガン無視してオレは「そもそもオレって男テニに入れるわけ?」と今さらながらに質問した。

 

思い出したのだが、よく考えて見ればオレは女だ。

 

(考えなくても分かんだろ!?自分の性別忘れんな!!by作者)

 

そんな質問に対し幸村は「入れるよ。たとえ女でも」と予想外の答えをした。

 

「…!!気付いてたのか!!(初めて自分から言わずに気付いてもらえた…ちょっと見直したぞ魔王!!)」とオレは若干感動を覚えたが…

 

幸「え?当たってたんだ。確かに男にしては華奢だったし、体重も軽かったし…もしかしたらとは思ったけど…本当に女だったんだね」と幸村は本気で驚いていた。

 

前言撤回、ただの勘かよ…ってか………HA?

 

「お前今何つった?」

 

幸「え?男にしては華奢だし…「その後!!」あぁ、体重も軽かった」と幸村が言うとオレは奴のネクタイを掴む。

 

クソッ!!何で無駄に身長デケーんだよ(怒)(←身長差6㎝(笑))

 

「おい…テメェ…何でオレの体重を…」と全力で幸村を睨みつける。

 

普通の奴はこれだけ睨んだら大方逃げ出すのだが……どうやら魔王幸村には効かないらしい…。

 

幸村は苦笑して「だって君を保健室に運んだのオレだし」と言った。

 

不覚…こんな奴に運ばれるなんて…屈辱以外の何者でもない!!こんなオレより女っぽい奴に!!こんな女顔に!!

 

幸「聞こえてるよ(黒怒)」

 

「え?マジで?」

 

どうやら口から出ていたらしい…まぁ、どーでもいいけどな!!

 

 

そして数分後…テニスコートにて…。

 

 

「っつーわけで…今日から無理矢理入部させられる2年の小向柚瑠でーす…嫌いなものは無駄に背が高い帽子の男とすぐに鉄拳制裁してくる暴力風紀委員と立海一老けてる二年男子です。よろしくお願いしまーす」と適当に自己紹介をするオレ。

 

正直かったるいし非常に面倒臭い。

 

ん?嫌いなものしか答えてねぇじゃねーかって?嫌いなものが分かれば十分だろ?他に何がいる?

 

部員全員((((全部真田に当てはまるじゃねーか(--;)どんだけ嫌いなんだよ!!!!!))))

 

幸「じゃあ、とりあえずレギュラーだけ自己紹介して。他の部員は後から各自で自己紹介するように」と言うと平部員は「はいっ」と元気に返事した。

 

幸「真田はわかるからいいよね?じゃあまずはオレから…ちゃんと自己紹介してなかったからね。テニス部部長の幸村精市だ。よろしく」と幸村が自己紹介をする。

 

はいはい、分かりましたよ魔王さん。

 

柳「柳蓮二だ。部内では会計を務めている。先程はいい試合だった…お前のデータ、取らせてもらうぞ」

 

アンタ本当に試合見てたの?その目で?ってかデータってなんだ?

 

ジャ「ジャッカル桑原だ。さっきの試合凄かったな!!久しぶりにあんな試合見たぜ!!!これからよろしくな」

 

ジャッカル?ハーフか?中身と名前が合ってない気がするんですけど…ってか煮卵みたいだな。

 

丸「丸井ブン太だ、シクヨロ♪」

 

丸いブタな。

 

仁「さっきは残念じゃったのぉ。まぁこれからよろしくの」

 

銀髪(怒)テメェだな糸目と幸村に色々言いやがったのは!!!ふざけんな(`Δ´)

 

柳生「柳生比呂士です。共に励み、より良い部活にしましょう」

 

おっ、一番マトモなこと言ってる。

 

幸「…ねぇ…小向」

 

「ん?」

 

幸「全部まる聞こえだけど(黒怒笑)」

 

「え?マジで?」と周りを見ると赤髪の丸井は「ブタじゃねーよ」と叫びジャッカルは「煮卵…か…」と悲しげに笑っていた。

 

 

その時だ!!

 

 

切「幸村部長!!オレまだ自己紹介してないッス!!」と立派なワカメが生えてきた(笑)あ、間違った人間だ。

 

切「アンタ…潰すよ…」

 

どうやらまた声が出ていたようだ。

 

「あ、悪ぃ悪ぃ。で、お前は?」とオレが聞くとワk…いや、男子は「1年の切原赤也ッス」と口を尖らせながら答えた。

 

「なるほど、切原ワカ也な」と言うと切原は目を充血させて襲いかかって来る!!

 

 

だが…3秒後…オレは切原の首を腕で思いっきり締め上げた。

 

 

切「ギブギブッ!!小向先輩ギブッス!!ギブ!!」

 

「切原君、先輩にあんな態度とっちゃいけないな~…

 

 

 

 

…ごめんなさいは?」

 

 

 

 

 

切「な!!先に言ったの先輩じゃないッスか!!グエッ」

 

「ねぇ…ごめんなさいは?」とオレは満面の笑みを浮かべる。

 

観念した切原は素直に「す…すみませんした…」と言った。

 

「よし、いい子だ」と切原の頭を撫で「次からこういう事がないようにしろよ?ちなみにオレ、柔道三段。空手師範代だから」と軽く脅しをかけてみた。

 

平部員達が顔を一斉に青くしていたのは恐らく気のせいだろう。

 

こうして…平和とは程遠い…個性が豊かすぎるテニス部メンバーとの部活生活が始まったのだった…。

 

 

to be continued




立海の魔王が二人に増えてしまいましたね(笑)

柚瑠君も気が付けば黒属の仲間入りです。

立海の第二の魔王ですね( ̄▽ ̄)


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第七話「切原赤也、朝練の災難」

 

 

 

 

第7話

 

「切原赤也、朝練の災難」

 

 

 

テニス部に入部した次の日の朝…。

 

 

現在時刻…6:50。

 

 

昨日のオレなら今頃はきっと男共の朝飯を作っていただろう…だが今日のオレは違う…今オレは学校に向けて全速力で走っているのだ。

 

何でかって?

 

テニス部の朝練の存在すっっっっっっかり忘れてたんだよ!!

 

遅刻したらあの腹黒魔王と暴力副部長に怒られんだよ!!

 

「仕方ねぇ!!近道だ!!」とオレは住宅街の隙間の細い路地に入る。

 

そして路地を進み、塀を登り、屋根を渡る(いわゆる野良猫コースというやつだ)←良い子は絶対真似したらダメだよ(笑)

 

オレは遅刻ギリギリになった時のみこの道を使う。

 

ギリギリの時にしか使わないのって?もちろんだ。普通に危ないからな。

 

そんなこんなで道を大幅にカットし、走っているとだんだん学校が見えてきて、オレは…丁度遅刻1分前に到着した。

 

校門に仁王立ちしていた真田が「小向ぃぃぃぃ!!入部早々遅刻ギリギリとは何事だ!!たるんどるぞ!!!!」とご立腹の様子だ。

 

その隣には魔王と糸目もいらっしゃるがオレの知ったことではない。

 

間に合ったからいいではないか。

 

幸「よくないよ」と微笑む幸村。

 

!!!!

 

柳「今お前が間に合ったからいいではないかと思った確率、97%」

 

一体何の確率だよ!!!!なにコイツら?読心術でも会得してんの?人の心を読むんじゃねーよ!!

 

そんな二人の隣で「朝練は7時からだと昨日言ったであろうが!!!大体ジャージはどうした!!」と説教を始める真田。

 

あー聞こえない聞こえない。

 

「持ってきたよ、持ってましたよ。今着替えてきますよ」とオレは部室に向かおうと三人に背を向ける。

 

すると「早くしないと朝のメニュー3倍にするからね」と幸村の声が…。

 

この鬼畜部長めが…。

 

オレは足早にその場を去った。

 

 

柚瑠が部室に行ったその数十秒後…。

 

 

ダダダッと切原が猛ダッシュしてきた!!!

 

切「よっしゃセーフ!!!!」と勝ち誇ったような表情の赤也に柳は「残念だったな赤也。30秒の遅刻だ」と苦笑する。

 

切「えっ!!!!30秒って!!!!?ちょっと待ってくださいよ柳先輩!!!」という切原の背後にはすでに真田がスタンばっている。

 

真「30秒でも遅刻は遅刻だ。分かっているな…赤也!!!!」

 

切「ゲッ!!副部長!!!!ちょっとタンマ!!!!!」と切原は言うが真田は「問答無用!!!!」と切原の頬にバチーンと強烈なビンタを食らわせた。

 

その威力で切原は3mほど後方に吹き飛んだ。(←どんだけ威力あんだよ(−_−;))

 

幸村は完全に伸びている切原に近づき「赤也はその遅刻癖を何とかしないとね」と微笑み、彼の耳元で「早く起きないと…朝のメニュー10倍にするよ」と囁いた。

 

すると切原はスッと起き上がり「着替えて来るッス!!!!!」とその場から逃げ出した。

 

逃げて行く切原を見て幸村は「本当に赤也は見ていて飽きないよ」と満足気に微笑む。

 

もうドS以外の何者でもない。

 

そんな幸村の横で柳は「精市、あまり赤也をいじめてやるな」と苦笑する。

 

幸「分かってるよ。そろそろオレ達も練習に戻ろうか」と三強はコートに戻った。

 

 

その頃、切原は部室に向かって歩を進めていた。

 

 

切「ったく、副部長め…30秒くらいおおめに見てくれたっていいのによ」とビンタされた左頬を摩りながら文句を言う切原…だがこの後切原は更なる災難に見舞われる…。

 

柚瑠が着替えている時に彼は部室に入ってしまったのだ!!!!

 

当然着替え中の柚瑠はジャージのズボンこそ穿いているが上はサラシである。

 

「バカ!!!!!入ってくんじゃねぇ!!!!!!」と柚瑠が怒鳴ると切原は顔を真っ赤にして「す!!!!!!すみませんでした!!!!!!!!!」と勢いよくドアを閉めた。

 

切(こ、小向先輩!!!??だよな!!?えっ!!!!女!!?嘘だ!!!!!)と切原が扉の前で混乱しているといきなり扉が開き、ガンっと扉の角が切原の頭にクリーンヒットする。

 

これは痛い!!!!

 

「〜〜〜〜!!!!!!!」と痛みに頭を抱える切原…。

 

「きりは〜ら〜君…覚悟はいいかな?」と柚瑠は切原に覗き(事故)の制裁…頭グリグリの刑を執行した。

 

もう一度言おう。あれは完全に事故である。

 

「切原、オレが女ってことは連中には黙っとけよ。色々面倒臭そうだからな」と切原に念を押し、柚瑠はコートに向かって歩いて行った。

 

 

この後、切原は真田に殴られた跡を丸井と仁王にからかわれ災難続きの朝練であった。

 

 

to be continued




遅刻癖がある赤也を話に入れたらこんな風になりました(笑)

駄文ですが温かい目で読んでくれれば幸いです。


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第八話「殴り込みの一つや二つ」

 

 

 

 

第8話

 

「殴り込みの一つや二つ」

 

 

 

 

そしてその日の放課後…。

 

 

当然の如く授業をサボっていたオレはテニスバッグを持ってテニスコートに向かった(切原との一件があったので着替えは済ませている)。

 

「暑い面倒臭い暑い面倒臭い暑い面倒臭い暑い面倒臭い暑い面倒臭い」と呪文の様に連呼するオレ…。

 

(そういえばテニスバッグに帽子入ってたっけ…被るか…………いや、止めよう。真田とかぶるのとかヤだし)とオレは仕方なく鞄に入れていた薄手のパーカーを着てフードを深く被った

 

余計に暑くならないかって?大丈夫、通気性いいのだし半袖だからな♪

 

フードもデカイから被れば日差しも当たらないしな。

 

あ、そういえば…確か今日はお客が来るからレギュラーは部室に………あ…オレもレギュラーだっけ?まぁいいや~面倒臭いからコートで平部員と遊んでいよう。

 

 

そんなこんなで歩いていると何やらコートの方が騒がしい。

 

 

何かあったのだろうか?

 

「おい、なんかあったのか?」と近くにいた平部員に聞くと平部員は慌て気味に「な!!殴り込みです!!」と言った。

 

殴り込みねぇ…一応全国一の学校だしあるんじゃないの?殴り込みの一つや二つ。

 

平部員「いつもは自分達で対処してるんですが相手が氷帝の生徒で…平部員潰してるんです!!」と取り乱し気味の平部員…。

 

「ほうほう」と思わず口元に笑みがこぼれる…レギュラーがコートにいない時に平部員潰し…こんなに面白い事はない。

 

「今部長達に知らせに行こうと…」と部室に向かおうとする平部員をオレは静止する。

 

「オレが相手をする」

 

「え、でも…」と不安げな平部員にオレは「殴り込みの事がバレたら…あのおっかなーい副部長に‘この程度の殴り込みも対応出来んのか!!たるんどる!!!’って平部員全員ビンタだぜ」と囁いた。

 

途端に青くなる平部員…オレはそんな平部員を無視してコートに向かった。

 

コートには帽子を深く被ったテニスウェアの男子が立っていた。

 

あれが氷帝って奴か♪

 

(柚瑠君、氷帝って人の名前じゃないから!!!!!by作者)

 

『全国一ってこんなものなんだー…ちょっとガッカリだな』と男子は目の前に倒れている平部員を見据えている。

 

そんな男子に「なぁ、お前」とオレは声をかけた。

 

「うちの平部員やったのお前だよな?」

 

『そうだけど?君は?』

 

「名前なんざどうでもいいだろ?それよりさぁ…

 

 

 

 

 

 

オレと遊ばない?(妖笑)」

 

 

 

我ながらナンパみたいだと思っていると男子は『平部員…ということは…君は、レギュラーかな?』と問ってきた。

 

オレは「さぁな?」とわざとらしく微笑む。

 

「やってみれば分かるんじゃない?」

 

『フフッ、面白いね…でも後悔しても知らないよ』

 

「その台詞はそっくりそのまま返させていただくぜ」とオレは奴の向かいのコートに入った。

 

 

to be continued





さぁ、氷帝が出て来ました!!!!

あの帽子の男子は誰なのか…次回をお楽しみに(^◇^)


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第九話「再開の時は突然に」

 

 

 

第9話

 

「再開の時は突然に」

 

 

 

 

「サーブは?」

 

『そっちからでいいよ』

 

「面倒臭ぇからボードに点数書くだけでいいよな」

 

『僕は構わないよ』

 

「了解、じゃあ一年、ボード頼むぞ」と一年生に言い柚瑠はカゴからボールを取る。

 

(やっぱパワーリスト着けたままやらないと怒られるよな~(-_-;))と柚瑠は両手首に着けられたパワーリストに触れる。

 

一応レギュラーという事で魔王に着けられた(無理矢理)。

…別に重いからという訳ではないが試合をする時は非常に邪魔くさい。

 

だが結果…(まぁいいか。怒られるのもバカらしいし)と柚瑠は構えに入り、サーブを打った。

 

氷帝の男子はそのサーブを難なく返す。

 

お互い実力は出さず…探り探りのラリーが続く。

 

 

 

『立海のレギュラーってこんなもんなのっ!!はっ!!』

 

「そっちこそ…ビビって反撃できてねぇんじゃねー…かっ!!」

 

『僕は弱い相手に本気は出さないんだよっ!!』

 

「ただの負け惜しみじゃねーのっ!!たぁっ!!」

 

『そんな挑発に乗ると思ってん…のっ!!』

 

「思ってねー…よっと!!」と試合中にも関わらずしゃべる二人…。

 

 

 

平部員達(((試合しながら普通に会話してるよ(◎-◎;))))

 

そんな探り探りのラリーに終止符を打ったのは氷帝の男子だった。

 

「!!」

 

なんと!!彼が打った打球がコート上で強力な回転を起こし、バウンドをした球は柚瑠のまるで放たれた矢のように真っ直ぐラケットをピンポイントで弾き飛ばした。

 

『破邪の矢…』と呟く男子

 

男子は今の打球で最初のゲームを先取した。

 

それに対し「…痛ぇじゃねーか」と柚瑠は弾き飛ばされたラケットを握り直す。

 

柚瑠は笑っていた…。

 

『本気…出す気になったかな?』

 

「まぁ…ちょっとはな」と柚瑠は再び構え、軽い音をたててサーブを打つ…。

 

男子はその打球を打ち返そうとするが…ラケットに当たった打球は重く、打ち返してもネットに引っ掛かってしまった!!

 

柚瑠はあっという間に1ゲームを取り返す。

 

『へぇ…』と男子の口元にも笑みが浮かぶ…。

 

『なかなかやるね』

 

「おいおい、まだまだこれからだろ?」

 

『フフッ、そうだね…いくよ!!』と男子がサーブをしようとした時だ!!

 

真・?「「小向/村上!!!!何してるんだ!!」」とコートの外から怒声が聞こえてきた!!

 

「『村上/小向?』」

 

その言葉でコントロールが狂ったのか男子のサーブが柚瑠の顔面目掛けて飛んでくる!!

 

『しまっ…!!』と氷帝の男子…村上は声をあげるが「チッ」と柚瑠は舌打ちをしてその打球を紙一重で避けた…。

 

打球は柚瑠のフードにかすり、フードが取れて柚瑠の顔が晒される。

 

村上は先程とは違う驚いたような様子で立ちすくみ、そして自ら帽子を取った。

 

 

日本人には見えない綺麗な白髪…その白によく映える赤いピン止め…。

 

 

『柚瑠…?』と村上は柚瑠の名を呟いた…。

 

 

to be continued




あらすじを見てくださった方はお分かりでしょうが、とうとう弟君の登場です( ̄▽ ̄)



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第十話「ドッペルゲンガー?違います双子です」

 

 

第10話

 

「ドッペルゲンガー?違います双子です」

 

 

 

 

オレには7年前に離れ離れになった弟がいた…。

 

 

 

 

双子で顔はそっくりだったけどオレとは違って気が小さくて、泣き虫で…女みたいな弟が…。

 

帽子を取ったそいつは…白髪で…オレとそっくりな顔をしてた…。

 

こんな偶然ってあるんだろうか?

 

身長も伸び、声もガキの頃に比べると若干低くなっていたけど…母さん似の白い髪も…オレがあげた赤いピン止めも…昔と全く変わらない…。

 

そいつは間違えようもなく…弟の春だった。

 

『やっぱり柚瑠だ!!』と春はこちらに駆けてきた。

 

そんなオレらの感動の再開を邪魔する奴がいた。

 

真「コラァァァ!!!!貴様らぁぁぁぁぁ(怒)」と怒号が聞こえる…邪魔者は予想通り真田だった…こちらにただならぬ雰囲気でこちらに向かってくるが…。

 

オレ達は「『邪魔してんじゃねーよ、このKYが(怒)』」と7年ぶりに会ったとは思えないほどのコンビネーションで真田をのした。

 

オレ達がハイタッチをしたのも束の間「「お前らいい加減にしろよ(黒怒)」」と後ろから肩を掴まれた。

 

「『げっ…魔王/跡部…』」

 

そしてオレ達は魔王と跡部と呼ばれた泣きボクロ野郎に部室に連行され…。

 

幸「小向…今朝言ったよね(黒怒)今日は部室で練習試合のミーティングをするって」

 

跡「村上…テメェがどうしても行きてぇっつーから連れてきてやったんだろうが。面倒事は起こすなといっておいたハズだがな」

 

二人揃って正座させられそれぞれ説教を受けていた。

 

「仕方ねーだろ…成り行きだ成り行き」

 

『だってずっと話聞いてるのなんて嫌だったし…僕は楽しくテニスをしたかっただけだし…』と二人は各々反論する。

 

幸「仕方なくないよ(黒笑)」

 

跡「お前の楽しいテニスは怪我人を出すって何度言ったら分かんだ。アーン?」

 

そこで柳が「精市、跡部。反省はしているようだしそろそろ許してやったらどうだ?」と間に入った。

 

まさに天の助け!!

 

柳は二人を宥めオレ達に「お前達は随分似ているが…兄弟か?」と聞いてきた。

 

「『双子だ?』」

 

丸「双子ぉ?オレはてっきりドッペルゲンガーかと思ったぜ」と失礼なことを言う丸井。

 

「何でだよ、一回散れ丸いブタ」

 

丸「・゜・(つД`)・゜・」

 

ジャ「なぁ、どっちが上なんだ?」

 

「あぁ、オレだけど」

 

ジャ「へぇ、お前妹がいたのか?」

 

跡「村上、テメェ兄貴なんていたのか?」と全然違うの事を言うメンバーにオレ達は「『いや、違うから』」とツッコんだ。

 

幸村・切原以外「「「は?」」」

 

「春は弟だ」

 

『柚瑠は姉だよ』

 

柳生「ですが…小向君は男子では?」

 

『え?何言ってるの?眼鏡さん。柚瑠はれっきとした女の子だよ』

 

まぁ…当然の如く、幸村と切原、柳以外のメンバーにはめちゃくちゃ驚かれた。

 

どうやら柳には薄々気付かれていたようだ。

 

 

その後…ミーティング(気絶中の真田は無視)が行われた…。

 

 

どうやら今週の土曜日に氷帝と練習試合をするらしい

 

そしてミーティングが終わると「村上、そろそろ戻るぞ」と跡部が言った。

 

『え?もう?僕、柚瑠と試合の続きしたいんだけど』

 

跡「駄目だ。我が儘言うんじゃねー。練習試合の時に当ててやるからそれで我慢しろ」と跡部が言うと春は目を輝かせて『本当!!』と言った。

 

ここらへんは昔と全然変わらない。

 

「春、土曜日にちゃんと決着させようぜ。話はその時ゆっくりとな」

 

『うん、わかった』

 

そして春は跡部と東京に帰っていった…そして部室にて…。

 

「元気そうでよかったな~早く土曜になんねーかな」

 

切「小向先輩もやっぱり人の子なんスね…」

 

「あ゛ぁ?切原…テメェはオレを血もない魔王だとでも思ってたのか?」

 

切「いや…もうそのとお…じゃなくて!!」

 

「ほほぅ…切原君、覚悟はいいかな(黒笑)」

 

切「か…勘弁して下さいよぉぉぉ!!」

 

切原の悲痛の叫びが日の暮れた夏空に響き渡った。

 

 

to be continued

 

 

 

村上春-ムラカミ シュン-

 

 

性別…男

 

学校…氷帝学園

 

身長…169.5㎝

 

体重…48㎏

 

利き腕…右

 

プレイスタイル↓

アグレッシブベースライナー

 

一人称…僕

 

誕生日…5月30日(双子座)

 

座右の銘…one cannot have pain without pleasure, and one cannot have pleasure without pain.(楽は苦の種苦は楽の種)

 

性格↓

普段はわりと天然で穏やかだが試合になると少し性格が変わる。

(↑タカさん程ではない)

悪気は全くないのだがたまに笑顔で物凄く辛辣なことを言ったりする。

 

血液型…B型

 

家族構成…母

父と姉は神奈川県在住

 

母の職業…社長秘書(外資系)

 

 

趣味↓

作曲

 

容姿…白髪で髪には赤いピン止めを着けている。髪の長さはショート。

華奢でわりと色白なので女の子に間違えられる事もあるが一卵性の双子なので柚瑠とはそっくりである。

 

委員会…海外交流委員会

 

好きな色…赤

 

好きな食べ物↓

みかん等の柑橘系の果物

 

得意科目…音楽、英語

 

苦手教科…歴史(日本史)

 

今一番欲しいもの↓

楽譜

 

苦手なもの(こと)↓

押しが強い女の子

 

テニス以外の特技↓

ピアノ、バイオリン

 




はい、とうとう10話です。

いつもこんな駄文を読んでくださり、まことにありがとうございます。


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第十一話「負けたくないから」

 

 

 

 

第11話

 

「負けたくないから」

 

 

 

 

春との再開から早数日…。

 

 

 

 

柚瑠の練習態度は目に見えて変わった…練習に集中するようになり、練習で周りが見えていない時も多々あった。

 

幸村は不思議に思い「この頃随分真面目に練習してるね」と柚瑠に声をかけるが柚瑠は「悪ぃかよ」と吐き捨てすぐに練習に戻ってしまう。

 

 

そしてその日の部活も何事もなく終了した。

 

 

切「やっと終わった〜」と切原が思いっきり伸びをする。

 

丸「今日は早く終わったし、ラーメンでも食いに行くか」

 

切「えっ!!!もしかして奢りッスか!!丸井先輩!!!!」と期待に目を輝かせる切原に丸井は得意げに「あぁ、奢ってやるぜ………ジャッカルが」とジャッカルを指差した。

 

ジャ「おいオレかよ!!!!!………って聞いてねぇし…」と肩を落とすジャッカル。

 

切「小向先輩もどうッスか?」と切原は柚瑠にも声をかけた。

 

どうやらこのところ真面目に練習している柚瑠を見て恐怖心はうすれたようだ。

 

「卵の奢りかーそりゃいいな…って言いたいとこだけど、悪ぃな。オレ、これから用があんだよ」

 

切「そうなんスか?」

 

「そうなの。ほら、早く行かねぇと置いてかれるぞ」と柚瑠は丸井とジャッカルを指差す。

 

切「あ!!!じゃあ小向先輩お疲れ様でした!!!!!丸井先輩待って下さいよ〜!」と切原は慌しく走って行った。

 

 

そんな切原を見送った後…「さて…行くか」と柚瑠は学校付近にあるストリートテニス場に向かった。

 

 

壁打ち、スマッシュ、サーブ、ボレー、ロブと独自に考えたメニューで練習していく柚瑠…。

 

 

「まだだ…まだ足りねぇ…」と独り言を呟いた時だ!!!!!

 

 

?「随分、練習熱心だな」と声がした。

 

「そりゃあ、まぁ……って…ん?」と柚瑠が声のした方を振り向くと.....。

 

「糸目!!!!何で!!!!!」

 

そう、そこには柳蓮二が立っていた。

 

柳「柳蓮二だ(苦笑)オレは自主練だ。お前もか?」と柳は足元に転がっていたボールを拾う。

 

「てめぇに関係ねぇだろ?」

 

柳「関係はあるな。練習試合前に無理をしてコンディションを崩す恐れがある」

 

「んなヘマしねぇっつの」と吐き捨てた後、柚瑠は「…弟相手に負けたくないからな。ブランク埋めねぇと」と呟いた。

 

そんな柚瑠に柳は「それならば…壁とより…人とやった方がだろう?」と提案をする。

 

柚瑠は少し驚いた様に目を見開き「ほぉ、オレとやるってか?」とニヤリと笑った。

 

柳「お前とは一度ゲームをしてみたかった」

 

「はっ、後悔しても知らねーぞ」と二人はコートに入る。

 

試合は1セットマッチ…現在は柚瑠がリードである。

 

「どうした糸目!!!!!お前の実力はこんなもんか!!!!」と柚瑠が柳のサーブを返すと柳は「いや、お前のデータはもう取れた」とその打球 を強く返した。

 

「だから何だよデータって!!!!」と柚瑠は絶妙なボールコントロールで球の威力を殺し、打ち返した。

 

(よし、あの球なら返せない)と柚瑠が思った矢先にその打球は返された。

 

柳「言っただろう?データは取れたと…」

 

それから柳は点を詰めていきとうとう同点まで追いついた。

 

ゲームは柳のサーブから始まる…。

 

柳がサーブをあげると柚瑠はため息をついて即座にラケットを持ち替えた。

 

柳「!!!」

 

左の空いたスペースに打球を叩き込む。

 

 

 

 

「誰が右利きって言ったよ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オレは左利きだ」

 

 

柳「サウスポーか…なるほど、面白い」と柳が次のサーブを打とうとした時だ!!!!!

 

 

 

 

ポッ…

 

 

ポツ…

 

 

ポツッ…

 

 

と突然雨が降り出し、試合は中止を余儀なくされた。

 

二人は近くの橋の下で雨宿りをする。

 

「雨とはついてねぇな〜傘もってねーよ」とボヤきながらも柚瑠は柳に「でもお前のお陰で大分試合の感覚思い出してきた。付き合ってくれてサンキューな。これで練習試合は大丈夫だ!」と柳に礼を言う。

 

柳「弟に負けたくないか」

 

「当たり前だ」

 

柳「負けず嫌いだな(苦笑)ところで…ブランクというのは……どのくらいあったんだ?」と柳が聞くと柚瑠は「ん?そうだな…5年くらいかな?」とサラッと言いのけた。

 

柳「!!!」

 

思わず開眼する柳。

 

「やめろって!!!!目ぇ開けんじゃねぇよ!!!!怖いって!!!」とツッコむ柚瑠。

 

柳「そうか?」

 

「そうだよ。やめろよな(−_−;)あ、スポドリ飲むか?二本あるから一本やるよ。礼だ」と柳にスポーツドリンクを投げよこした。

 

二人の間に沈黙が走る…雨音はだんだんと強くなっていく…。

 

柳「小向…」とそんな沈黙を破ったのは柳だった。

 

柳「お前はなぜ…テニスをやめたんだ?」と柳が聞くと柚瑠は「張り合いがある奴がいなくなったから…ただそれだけ」と呟いて残りのスポーツドリンクを飲み干した。

 

柳「張り合い?」

 

「そ、本気でやり合える奴がいなくなった。で、テニスをやる意味がなくなった訳だ」

 

柳「なるほど…ならば聞こう。今お前がテニスをやっている意味とは何だ?」

 

「今テニスをやっている意味……ねぇ……

 

 

 

楽しいからじゃないかな…」

 

柳「楽しい?」

 

「何つーか…テニス部の連中って何気に強いし試合してても飽きねーんだよ。だから楽しい。それが今オレがテニスやってる意味だし理由だと思う」

 

それを聞いて柳は「そうか」と微笑んだ。

 

そんな柳を見て柚瑠は「か、勘違いすんじゃねーぞ!!!!あくまでお前らのテニスの腕を買ってるんだからな!!!!!魔王とかおっさんとかに言うんじゃねーぞ糸目!!!!!」と全力で否定した。

 

雨の中…時間は穏やかに過ぎていった。

 

 

to be continued




お待たせしました11話です!!!

柚瑠君にとってテニスとは何かと考えながら書きました。
話として成り立っているか心配ですか楽しんでいただけてるでしょうか?

もし楽しんでいただけているのなら嬉しい限りです。

ご意見、ご感想、ご質問などがありましたら遠慮なくお書きください。


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第十二話「黒猫と氷帝少年」

 

 

 

 

第12話

 

「黒猫と氷帝少年」

 

 

 

テニス部に入って数日経つが…未だになれないことがある…それは…。

 

女子1「きゃあー《*≧∀≦》小向君カッコいい!!」

 

女子2「こっち向いてぇー」

 

この女子共の無駄にデカイ声援である…声高いから耳痛いし、ウザいし、何より声がデカイ。(←重要なので二回言いました)

 

無駄だ。

 

無駄以外の何者でもない。

 

ったく…オレは一応女だっつーの…(--;)

 

「なぁ…魔o 幸「誰がだい?(黒笑)」…オレ自主練してていい?出来れば誰もいない部室の裏とかで」とオレが魔o…いや、幸村に訴えると幸村は苦笑して「確かに…気持ちは分かるからね」と女子を一瞥して「いいよ、真田にはオレから言っとくよ」と言ってくれた。

 

流石部長!!

 

幸「こういう時だけ部長とか言わないでくれる?(黒笑)」

 

「そういうお前は心読むなよ」とため息を吐きながらオレは部室の裏に向かった…。

 

 

部室裏にて…。

 

 

「いや~、人がいないっていいな。静かで」

 

心からそう思う。

 

「さて、自主練しねぇとおっさんにまた怒鳴られっからな~…やるか」とオレは壁打ちを始めようとボールを上げた時だ!!

 

?「にゃぁ~」と足元から鳴き声が聞こえ、オレは腕を止めた。

 

足元を見るとそこには黒猫が一匹、ちょこんと座っていた。

 

「はぁ…」とため息を吐きながらオレは黒猫の前にしゃがみこむ。

 

こいつはこの間オレが助けた黒猫である。

 

「お前な…危ねーからもう来んなよっつったよな」と軽く叱るが黒猫はそんなことは気にしていないようで甘えた声ですり寄ってきた。

 

「な!!!」

 

野良猫とは思えないほどコイツは警戒心がない。

 

きっと元は飼い猫だったんだろうが…どちらにせよ、こんなことをされてしまっては怒るものも怒れないではないか。

 

オレだって一応女だ。

 

猫の可愛い姿を愛でていたってバチは当たらないだろうはずだ。

 

オレは周りを十分に確認し黒猫の喉元を撫でた。

 

 

その時だ!!

 

 

?「くかー」と近くからイビキが聞こえてきた。

 

驚いてイビキのした方を見るとそこには金髪の男子が気持ち良さそうに眠っていた…近くにはテニスバッグが転がっている…こいつもでテニスをするんだろうか?

 

そしてよく見るとその人物は見覚えある制服を着ていた…。

 

「これって確か…氷帝の…」

 

そう、その制服はこの間見た氷帝の制服だった…。

 

どうやらコイツは氷帝の生徒らしい…。

 

(テニスバッグってことはもしかしてテニス部の奴かな?)とオレは興味本意でソイツに声をかけることにした。

 

 

to be continued




黒猫を愛でる柚瑠君を書きたかったのですが今回は今まで以上に駄文です(−_−;)


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第十三話「新たな友人」

 

 

 

 

第13話

 

「新たな友人」

 

 

 

 

「おい、起きろよ」とオレは男子の肩を揺する。

 

すると男子は「うぅ…」と軽く唸って起き上がった。

 

?「せっかく気持ちよく寝てたのに~…」と目を擦り、男子はこちらを見てきた。

 

男子は「あれぇ…?ハルちゃん何で立海にいるの…?」と寝ぼけた様子で男子はこちらに話しかけてきた。

 

誰だハルちゃんって(--;)

 

「誰がハルちゃんだ。氷帝の生徒が一体うちに何のようだ?練習試合前の視察か?」とオレが聞くと男子は「オレは丸井君を見にきたんだC~」とのほほんと答えた。

 

まるいくん?マルイクン…丸井君…

 

 

 

あぁ!!あのブタか!!

 

 

 

 

 

 

その頃…。

 

 

丸「ヘックシ!!!!」

 

ジャ「なんだ?ブン太、風邪か?」

 

丸「いや…鼻がムズムズする…誰か噂でもしてんのか?ヘックション!!」

 

丸井はくしゃみに悩まされていた。

 

 

 

 

 

 

そして戻って部室裏…。

 

 

芥「丸井君のボレー!!マジマジスッゲーんだC~!!」と先程の眠たそうな顔はどこへやら…男子は興奮したように力説し始めていた。

 

話を聞いている限りやはりコイツもテニス部らしい。

 

「氷帝テニス部って事は…お前、村上春って知ってるよな?」

 

?「え?知ってるよ?お前ハルちゃんの知り合い?」と男子は首を傾げて聞いてくる。

 

あぁ…ハルちゃんって春の事だったのか(--;)

 

「あぁ、アイツはオレの双子の弟だ」

 

?「あ、だからそっくりなんだ!!」と男子は納得したようにパンッと手を叩くがすぐに「あれ?でもハルちゃんは確か双子の姉ちゃんがいるって言ってたC~…」と考え込む…。

 

そして男子は「もしかして双子じゃなくて三つ子なの?」と真剣な顔で尋ねてきた。

 

表情がコロコロ変わるので見ていて楽しい。

 

そんな男子に「んな訳あるか、オレがその姉貴だよ」と苦笑しながら言った。

 

?「えーΣ(´□`;)お前女の子なのー!!!!」

 

「んなガチで驚くなよ(--;)まぁ、女に見えねぇ事は認めるけどな」

 

?「びっくりしたよ~あ、自己紹介してなかった!!オレ、氷帝二年の芥川慈郎!!皆ジローって呼ぶC~」

 

「二年っつー事は同学年だな。オレは立海二年の小向柚瑠だ。よろしくな、芥川(笑)」

 

芥「ジローでいいC~」

 

「じゃあ、よろしくな。ジロー」

 

芥「うん、よろしく!!柚瑠ちゃん!!」

 

「おい、柚瑠ちゃんって(◎-◎;)ってか、いきなり名前呼びかよ!!」

 

芥「えーEーでしょ?」

 

「いやいや、オレちゃん付け慣れてねーから…」

 

何故だろうか…?切原とか真田がこんなことを言い出したら真っ先にキモいって柔道の技をかけてやるのにな…何かこいつには技かける気にならん…何でだ?

 

え?差別だって?知るか、んなもん。

 

芥川は少し考えて「じゃあゆずるんで」と言い出したのでオレは速攻で却下した。

 

「ってか普通に名字で呼べばいいだろ(--;)」

 

芥「えー、ハルちゃんとごっちゃになるC~」

 

「名字違うだろ」

 

芥「でも、小向って呼びにくいC~」

 

「失礼だなお前。全国の小向さんに謝れ」

 

芥「えーダメー?」

 

「ダメ」

 

芥「いいじゃん!!女の子なんだし」

 

「女=ちゃん付けって考え捨てろ!!オレは嫌いなんだよ!!」

 

そんなくっだらない言い争いをしていた時に魔王と丸井が来て、ジローは丸井に飛びつき、オレは魔王に怒られたのであった。

 

そしてしばらく居座ってからジローは「じゃあ丸井君、柚瑠ちゃん、また土曜日にね~」と帰っていったのだ…。

 

この時オレはジローに名字で呼ばれることはないだろうと…悟ったのだった…。

 

 

to be continued




ジロちゃんが出ましたね。

ここで登場キャラの髪の色について書きたいと思います。

この小説では基本的に原作に忠実に表記していきたいと思います。アニメしか見てない方はこんな色じゃないだろうと思うかもしれませんが原作ではこうなんだと思って温かい目で見守ってあげて下さい。

それではこれからも双子の活躍をお楽しみに。


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第十四話「来ました!!練習試合」

 

 

 

 

第14話

 

「来ました!!練習試合」

 

 

 

 

そして練習試合当日…。

 

 

幸「これが跡部と話し合って決めた今日のオーダーだ」と幸村からオーダー用紙が配られた。

 

 

 

 

えーと…S3はジローと丸井か。

 

ジロー喜んでんだろうな。

 

D2は紳士と卵?

 

変わった組み合わせだな(・・;)

 

で、S2は糸目。

 

まぁ、普通だな。

 

D1が真田と幸村でオレは最後…ん?

 

 

 

 

「ヤバい…オレ目ぇイカれたか?D1にオッサンと魔王の名前が見える」

 

幸「何言ってるの?オレと真田はD1だよ」と涼しい顔でいいのける幸村。

 

「いやいやいやいや、なんだよこの鬼畜ダブルス!!魔王と鬼が組んで何やろうとしてんだよ!!!」

 

幸・真「誰が魔王だって(黒笑)/誰が鬼だ!!!!(怒)」

 

「相手が可哀想すぎるだろうが!!」

 

完っ全に生け贄じゃねーか!!!?

 

幸「嫌だな~生け贄だなんて」

 

「人の心読むなぁぁぁぁ!!!!!!!!」

 

聞いた話だがこの魔王部長は中学テニス業界では神の子とか呼ばれてるらしい(←なんだよ神の子って(◎-◎;)魔王でいいじゃねーか!!)

 

で、あの鬼副部長には皇帝とかいう御大層なあだ名がついているらしい…(←大体何で真田が皇帝なんだ?あんなのがトップにいたら国潰れるぞ。絶対)

 

しかも魔王のテニスは他人の五感を奪うそうだ…もはや人間技ではない。

 

あぁ…相手の奴は跡部と…おしたりって読むのか?

 

もう、なんつーか…御愁傷様だな…ちゃんと墓建てて供養はしてやろう。

 

(いや、死んでない死んでないby作者)

 

幸「そろそろ跡部達が来る頃だ。みんな、行くよ」と幸村が言い、オレ達は校門まで向かった。

 

校門の前には一台のバスが止まっていた。

 

バスから丸眼鏡やらおかっぱやら長髪やらが降りてきた…いやいや、こっちもかなり個性が強そうな面子だ。

 

「あれ?春とジローがいない?」と首を傾げていると春は『柚瑠ー!!』とこちらに突撃してきて、ジローは「丸井くーん!!」と丸井に体当たりしていた。

 

丸「「うぐぇっ!!」」

 

春の攻撃はオレの鳩尾にクリーンヒットする。

 

どうやら丸井も同じようだ。

『柚瑠♪試合楽しみだね!!』と満面の笑みを浮かべる春。

 

オレは「分かった分かった」と春の頭を撫でてやる。

 

 

そこへ…。

 

 

?「村上~コート行くで~って、誰やそいつ?」と丸眼鏡の男子が話しかけてきた。

 

『あ、忍足!!姉の柚瑠だよ!!』

 

忍「姉!?なんや男みたいやな~でも…ごっつ綺麗な脚しとるやん」とこの変態丸眼鏡はオレの素足を見てくる。

 

オレはそんな変態発言にブチッときて「変態発言してんじゃねーよ!!こんの腐れ眼鏡がぁぁぁぁ」と奴の右頬に一撃食らわせた。

 

あ、もちろんグーで。

 

忍「グハァ」と低音ボイスの悲鳴と共にぶっ飛ぶ変態。

 

そんな変態を見て春は『忍足…』と苦笑している……って、はっ!?忍足?忍足ってあの魔王の生け贄の一人の!?

 

マジか!!オレが止め指しちまったよ!!

 

「うわぁ、思わず殺っちまったよ」

 

『柚瑠、まだ死んでないよ(苦笑)ゴメンね。忍足変態だから』と春は変態の足を掴み『皆コート行っちゃったし、僕らも行こうか』と引き摺りながら歩き出した。

 

オレは春と(引き摺られてる丸眼鏡も一緒)コートに向かった。

 

 

to be continued




遂に練習試合突入です♪


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第十五話「また自己紹介かよ」

 

 

 

第15話

 

「また自己紹介かよ」

 

 

 

 

コートまで行くと氷帝、立海は共に自己紹介をしていた。

 

もしかしてまた自己紹介するハメになんのか?面倒臭い(ー_ー;)

 

『柚瑠、面倒臭いのは分かるけどこればかりは仕方ないよ』と春はオレの肩を叩きながら苦笑する。

 

「あ、やっぱり面倒臭がってるの分かる?」

 

『うん、顔に書いてあるよ』

 

「マジかー」と春と談笑しているとコートから「小向ぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!早く来んかぁぁぁぁ(怒)」と真田の馬鹿でかい怒号が飛んできた。

 

うっせぇなー…そんなにデカイ声じゃなくても

聞こえるっつーの…チッ。

 

真「聞こえているぞ(怒)」と後ろから声が…って!!!!

 

「うわっ!!!!!テメェ!!いきなり背後に立つな!!!!」

 

真「疾きこと風の如し」

 

速すぎだ!!!!!

 

真「皆はもう自己紹介は済ませた。あとはお前達だけだ」とオレの後ろで仁王立ちをしている真田。

 

このままだと殴られそうなので渋々コートに行き、オレと春は自己紹介をした。

 

春の自己紹介は普通だったが…オレはというと…。

 

「立海2年、小向柚瑠。嫌いなものは帽子を被った老け顔風紀委員と丸眼鏡かけた青っぽい髪の変態クソ野郎です」とこの間と同じように自己紹介した。

 

立(((((真田以外に追加された!!!!!!)))))

 

氷帝(((((嫌いなものを言うのかよ!!!!ってか後者ピンポイントで忍足!!!!!)))))と思う氷帝メンバーの中でジローだけが「柚瑠ちゃんカッコE〜!!!!」とハイテンションだった。

 

(相変わらず騒がしい奴だなぁ。ジローは(−_−;))と思っていると「あれ?そういえば侑士は?」とおかっぱ少年が周りを見回していた。

 

どうやら変態を探しているらしい。

 

そんなおかっぱに春は苦笑して『あ、忍足はここだよ』と引き摺ってきた変態を見せた。

 

?「うわっ!!!!!侑士!!!」と伸びきっている変態に驚くおかっぱ。

 

?「おい、何があったんだよ」と長髪が春に問う。

 

春は苦笑して『ちょっと忍足が変態発言して…』と言うと全員が「「「「あ、なるほどな」」」」と一斉に呟いた。

 

どうやら眼鏡の変態発言は珍しいものではないらしい。

 

?「ったく…忍足の野郎、激ダサだな」とため息を吐く長髪ポニーテール…なんだ?激ダサって。

 

?「本当だぜ、どーせ自分足綺麗やなーとか言ったんだろ?」と呆れ顔のおかっぱ…ってかよく分かったな!(◎_◎;)

 

?「やるねー、似てるよ向日」と微笑む茶髪の男子…髪めっちゃ整ってんなおい(・・;)

 

?「忍足さんってちょっと変わってますよね」と苦笑する銀髪の長身少年。

 

?「ウス」といつの間にか長身の横にいた馬鹿デカイ男が呟く…。

 

やべぇ……なんなんだ?この個性豊かすぎる面々は?

 

跡「ったく…忍足の野郎はしょうがねぇな…おい、お前らとりあえず小向に自己紹介しとけ」とあh「アーン(怒)」いや、跡部に言われ氷帝の面々は各々自己紹介をし出す。

 

春との関係を聞いてこないってことはオレらが双子なの知ってんのか?

 

向「オレ、氷帝2年の向日岳人!!で、その眼鏡は忍足侑士ってんだ。お前春の双子の兄ちゃんだろ?よろしくな!!!」

 

「あぁ、よろしくな。おかっぱ少年(ってか兄じゃねぇ!!!!!!!)」

 

向「おかっぱ言うな!!!!!!」

 

滝「2年の滝萩之介だよ」

 

「萩滝之介な」

 

滝「いや、萩じゃないから!!滝だから!!」

 

宍「氷帝2年、宍戸亮だ」

 

「ポニーテールの穴戸君な」

 

宍「ポニーテール言うんじゃねー!!それに穴戸じゃねぇ!!!!!!!宍戸だ、し・し・ど!!!!!」

 

鳳「準レギュラーで1年の鳳長太郎です。よろしくお願いします(ペコリッ)」

 

「おー、礼儀正しいな青少年」

 

鳳「(苦笑)」

 

樺「1年の…樺地…です…」

 

「は!?1年!!!!!真田よりデケェのに?ありえねーΣ(・□・;)」

 

「……」

 

 

そんなことを話していた時だ!!!!

 

 

?「春から話は聞いていたが、相変わらず騒がしいな。お前は」とどこか懐かしい声がした。

 

振り返るとそこにはキノコヘアーの少年が立っていた…。

 

その面影にオレは7年以上会ってない一つ年下の幼馴染みを思い出した。

 

「え…もしかして若?」と恐る恐る聞いてみるとキノコヘアー…否、日吉若は呆れ顔で「他に誰に見えるんだ?」とため息を吐いていた。

 

「マジで!!!久しぶりだな!!!!元気してたか?ってか、背ぇ伸びたなこの野郎!!!!」とオレは若の頭をくしゃくしゃと撫でる。

 

それに対し若は恥ずかしそうに「ば、馬鹿!!やめろ人前で!!」と顔を赤くする。

 

春は楽しそうにその様子を傍観し、他のメンバーは驚いた様子だ。

 

幸「知り合いかい?」

 

「あぁ、幼馴染みだ」

 

『柚瑠、もう勘弁してあげなよ。若真っ赤だよ』という春の言葉でオレは「それもそうだな」と若の頭から手を離した。

 

よほど恥ずかしかったようで若は顔を真っ赤にしながらこちらを睨んでくる。

 

うんうん、ガキの頃から変わってねーな。

 

 

そしてこの後予定通り練習試合が行われた。

 

 

to be continued




〜おまけ劇場〜

-鳳と日吉の会話-

鳳「ねぇ日吉」
日「なんだ?」
鳳「今日の練習試合、何で跡部さんダブルスなんだろ?」
日「春にS1譲ったってのもあるらしいが、一番はD2の幸村さんと真田さんと試合がしたかったってのが大きいらしいぞ」
鳳「そうなんだ。なるほどね」
日「まぁ、忍足さんがアレだから試合やるかも分からんがな」

◇◆◇◆◇◆◇◆

はい、どーも。

久々の投稿です!!

おまけも含めて楽しんでいただけたでしょうか?
駄文ですがこれからもよろしくお願いします。



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第十六話「真剣勝負」

 

 

 

第16話

 

「真剣勝負」

 

 

 

 

最初のS3はジローと丸井のボレーヤー対決…互いに一歩も譲らぬ試合展開を見せるたが、結果は6-4で丸井が勝利した。

 

「やっぱ丸井君はスッゲーC~!!」ってジローが騒いでたっけ?

 

続くD2は紳士・卵ペア対おかっぱ・長髪ペア。

 

ここはおかっぱがムーンサルト、長髪はライジングで果敢に攻めていったが試合は卵お得意の持久戦に持ち込まれ、一気に氷帝側の不利な展開に…結果は6-4で紳士と卵が勝利した。

 

柳生「なかなか良い試合でしたよ」って紳士が無駄にさわやかだったな。

 

S2の糸目と樺地の試合は樺地のコピープレイを計算に入れつつ糸目が見事な試合運びを見せ、6-3で勝利した。

 

こうして試合を観てるとやはりレギュラー達は強い。

王者の看板は伊達じゃないと感じることができる。

 

そして例のD1だが、復活した変態が不慮の事故(切原同様オレの着替え覗き疑惑)によりオレの鉄拳制裁を受け、仲裁に入ろうとした萩滝之介が巻き添えを食らい戦闘不能に…D1は幻となった…。

(↑オレはその後真田に怒られた)

 

そしてS1…オレと春の試合が今始まる…。

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

『この間は決着つけられなかったけど…これで思う存分やれるね』とラケットを握り微笑む春。

 

「あぁ、まぁ勝つのはオレだけどな」と柚瑠も不敵な笑みを浮かべラケットを手に取り、コートに入る…。

 

そんな様子を見ていた向日が日吉に問った。

 

向「なぁ日吉~春が強いのは知ってっけどよ~小向って強ぇの?」

 

日「春が弱い者に興味ないの知ってますよね?」

 

向「ってことは…やっぱ強いのか?あんま強そうには見えねーんだけど」

 

日「向日さんは人は見かけによらぬものって言葉知らないんですか?」

 

向「そのくらい知ってるっての!!」と日吉と向日が話してる間に試合は始まった…。

 

試合は両者一歩も譲らぬ大混戦!!

 

互いに腹を探りあい、技を掛け合い、これまでとは全く違う試合展開を見せる…そして試合はタイブレークに突入した。

 

 

審「51-51」

 

 

向「タイブレークって…こんなに長いもんだったか…?」

 

宍「一体…何処まで続くんだ!!」

 

 

そんな緊迫した中…二人の顔は笑っていた…。

 

 

幸「笑っている…?」

 

跡「アイツら…この長試合を楽しんでやがるのか…」

 

柳「もう試合開始から三時間は経っている…そろそろ体力も限界なはずだが…」と柳が呟いた時、試合に変化が起きた。

 

コート上が急に静かになったのだ…掛け声も足音もない……音が消えたのだ…。

 

日「出たな…サイレント」と日吉が呟くと柳が「何だ?サイレントとは?」と日吉に問った。

 

日「この無音状態のことですよ。誰が言い出したかは知りませんがね」

 

柳「なるほど…辺りから音が消えるからサイレントということか…だが一体何故音が?」

 

日「無意識状態に入ったんですよ。意識が無いから掛け声が消えた…アイツらは今、ただ本能的に試合してるんですよ。音を消すのはアイツらの本能の現れです」

 

切「本能って…」

 

日「体力の限界に近くなるとアイツらはああなるんだよ。ガキの頃からな…」

 

ブ「ちょっと待てよ!!それってヤバイんじゃ…」と丸井が呟いた時だ!!

 

 

ドォン!!と派手な音が静かだったコートに響き渡った!!

 

 

立海、氷帝両メンバーがコートを見ると…柚瑠の放ったスマッシュが春のサイドにテニスボールがめり込んでいたのだ!!

 

 

審「フィ…58-57」

 

 

そしてそれから春は動かず「げ、ゲームセット!!ウォンバイ小向!!」とコールが掛かった。

 

すると二人はまるで糸が切れたのように一斉にコートに倒れたのだ!!

 

全「「「「小向!!/村上!!」」」」

 

メンバーが慌てて駆け寄るが…二人は「『すぅ…』」と仲良く寝息をたてていた…

 

跡「日吉、どういう事だ?これは…」

 

日「どういう事も何も、ただ疲れて寝てるだけですよ」と呆れたようにため息を吐く日吉…。

 

このあと、二人は保健室に運ばれたのでした。

 

 

to be continued




今回出てきたサイレントは幸村のイップスと同じようなもので双子の意思とは関係なく出てきます。

今回はこれだけでしたがこれからも技を色々開発していきたいと思います。

みなさんお楽しみに(笑)


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第十七話「寝起きの双子にご注意を」

 

 

 

 

第17話「寝起きの双子にご注意を」

 

 

 

 

保健室にて…。

 

 

ベッドで仲良く眠る双子を見て「ったく、世話の焼ける奴等だな」「そうだね」と二人の部長は苦笑した。

 

真「だが試合終了と同時に倒れるとはたるんどる!!!」と真田はご立腹のご様子。

 

そんな真田を見て幸村は苦笑し「真田、小向も奮闘したようだし今日は多目に見てあげたらどうだい?」と言うが真田は「甘いな幸村。体力切れで倒れるなど鍛練が足りん証拠だ!!大体小向は普段から…」と大声で小言を言い出す。

 

そんな真田を見て日吉は若干焦ったように「真田さん声が大きいです!!静かにしてください。アイツら起きますよ」と真田に小声で言う。

 

真「なんだ日吉。起きるのならば良いではないか!!」となおも怒声を発する真田…。

 

それに加えて忍足が「それにしても…可愛ええ寝顔やな」と柚瑠の顔を見ていた。

(↑復活しました(笑))

 

そして忍足が「さっきの凶暴さ0やで」と柚瑠のほっぺをつつくと同時に寝ている柚瑠の拳が忍足の横っ面に突き刺さった。

 

忍「グハァ!!」と忍足は倒れ、気絶する。

(↑もはやお約束(笑))

 

「『ん…』」と双子は小さく唸っていた…眠りが浅くなってきている…。

 

日吉はため息を吐きながら「ダメだ起きる…皆さん、死にたくなかったら保健室から出てください」と保健室から退避した。

 

その意味深な発言に訳もわからず保健室から出る立海・氷帝両メンバー。

 

だが、中には真田と忍足以外にも逃げ遅れた可哀想な奴等もいた。

 

滝「どうしたんだ?」

宍「死ぬって、何かあんのか?」

(↑逃げ遅れた可哀想な奴等)

 

 

その時だ!!

 

 

スッと双子がベッドから起き上がった。

 

真「ムッ、起きたか。小向、体力切れで倒れるとはたるんどるぞ!!」と真田は怒鳴るが柚瑠は「あ゛ぁ゛ん?」と殺意が篭りまくった目付きで真田を睨む。

 

「うっ」と真田は怯む。

 

春はというと『テメェ等かぁ…俺様の眠りを妨げやがったのはよぉ…いい度胸してんじゃねーかぁ…』と完全にキャラが変わってしまっている。

 

滝「え…君…本当に…村上…?」と滝は驚きを隠せずにいた。

 

その後…真田と忍足は柚瑠の手加減皆無の柔道技にのされ壁にめり込まれ…春は宍戸と滝に放送禁止事項満載の殺意と悪意しか籠っていない罵声を浴びせた。

 

 

約数十分後…二人は再び仲良く寝入ったのであった。

 

 

そして再び保健室に入った残りのメンバーはその惨事を見て絶句した。

 

日「コイツら…疲れて寝てる時は正しいやり方で起こさないとめちゃくちゃ寝起き悪くなるんですよ」

 

幸「正しいやり方?」と幸村が首を傾げると日吉は二人の元に歩みより鼻と口を塞いだ。

 

すると「『ぷはっ』」と二人は同時に起き上がった。

 

『鼻と口塞がないでよ若~苦しいじゃない』

 

「そうだそうだ!!死んだらどうすんだ馬鹿!!」

 

日「安心しろ、馬鹿は死なない」

 

「んだと(怒)この生意気キノコが!!」と柚瑠が日吉に食ってかかろうとしていると「はいそこまで」と幸村が柚瑠の首根っこを掴んだ。

 

幸「小向、自分が何したか分かってるかな(黒笑)」

 

跡「お前もだ村上!!」と二人はこのあと両部長にお説教を受けたのだった…。

 

 

こうして、なんとも忙しない練習試合は幕を閉じた。

 

 

余談ですが攻撃と口撃を食らった四人はしばらくこの悪夢に悩まされることになるのでした。

 

 

to be continued





はい、もう17話ですね!!!!

あと少しで20話です!!これからも色々工夫を凝らして行こうと思っていますので応援よろしくお願いします。


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第十八話「愉快な小向さん家」

 

 

 

第18話「愉快な小向さん家」

 

 

 

 

現在時刻は午後6時半…双子が説教を受けてる間に日はすっかり傾いてしまっていた。

 

 

幸「すまないな跡部。うちの小向が迷惑かけたな」と苦笑する幸村に跡部は「気にすんな。うちの村上も似たようなもんだ」とため息を吐いていた。

 

 

犠牲者は明らかに氷帝側の方が多いんだけどね(笑)

 

 

『ねぇ…僕もうちょっと 跡「ダメだ」え!!!まだ全部言ってないよ!!!!跡部ってエスパー!!?』

 

跡「誰がエスパーだ!!そんなの言わなくても分かるに決まってるだろ」と跡部はため息を吐く。

 

『えー』と頬を膨らませる春に日吉が「携帯があるんだからメアドと電話番号交換すればいつでもメールできるし話せるだろ」というと春はハッとした顔でポンと手を叩いた。

 

『そういえばそうだ!!!!』

 

日「まさか…気づいてなかったのか…?」

 

『うん!!さすが若!!!』

 

日「いや、普通は気づくだろ。さすがとか言われても嬉しくない(−_−;)」

 

 

この時その場にいた全員が思った…。

 

 

全員((((((((この子…色々抜けてる…)))))))))

 

この後柚瑠と春はお互い番号を交換し、春は東京に帰って行った。

 

 

 

 

 

そして柚瑠はテニス部と別れ家路についていた…

 

 

 

 

 

のだが……。

 

 

 

 

 

 

「で…なんでついて来てんだ…魔王」と柚瑠は隣を睨みつけた。

 

そこには先程別れたはずの幸村がいた。

 

対する幸村は「オレの家こっちだから」と涼しげな笑みを浮かべている。

 

幸「それに君は一応女だからね。送って行こうと思って」

 

「一応は余計だ。それに送ってもらう必要性はまったくない」

 

幸「いくら空手や柔道やってても夜道に女の子が一人で歩くのは危ないよ。世の中物騒だしね」

 

「こんな時だけ女扱いすんじゃねーよ!!!!」と柚瑠はブツブツ文句を言っていた。

 

 

そして少し歩いたところで柚瑠は「ここでいい…」と呟いた。

 

幸「遠慮しなくても家の前まで送ってくよ」

 

「いや、もう家の前だから」という言葉を聞いて幸村は目の前の立派な門構えの日本家屋を見て「ここが小向の家?随分風格のある家だね」と感嘆の息を漏らした。

 

「こっちは道場。家はそっち」と柚瑠は隣の二階建ての家を指差した。

 

そして幸村は「じゃあ小向、また明日ね」と歩いて行こうとするが柚瑠は「ちょっと待て」と引き止めた。

 

幸「ん?なんだい?」と首を傾げる幸村に背を向けたまま柚瑠は「一応送ってくれたんだ…茶くらい出してやる」と吐き捨てるように口にした。

 

幸「いいのかい?」

 

「何回も言わせんな!入るのか?入らねーのか?」

 

幸「フフッ、じゃあお言葉に甘えるよ」と幸村も門をくぐった。

 

そして「ただいま」と家に入るとリビングから「あ、おかえりなさい柚瑠君」と黒髪眼鏡の下宿人一号、浜野が顔を出したのだが浜野は幸村を見て固まった…。

 

 

 

そして…

 

 

 

浜「たっ、た、た大変です!!!!!柚瑠君が…柚瑠君が…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女を連れてきました!!!!!!」と叫びながら奥に走って行った…。

 

一瞬状況を把握できなくなる二人…そこに「何ぃ!!!!!!!!!!」と不良っぽい下宿人二号の秋本がリビングから出てきて更に話はややこしくなる。

 

秋本は幸村を見るなり「こりゃあ大変だ!!!!!」と声を荒げ「おい眼鏡!!!!!!赤飯だ!!!!!赤飯炊けぇぇぇ」とキッチンに猛ダッシュして行った。

 

浜野と秋本という名の嵐が去って二人はようやく我に返り、幸村は「彼女って…この場合…俺だよね…」とかなり苦い顔をした。

 

それもそうだ、だって女に間違えられたんだからな。

 

それに対して柚瑠は頭を抱え必死に考えていた。

 

(前に…と言っても大分前だが…友達(女)を家に連れてきた時はこんな反応ではなかったはずだ…彼女?こんな腹ん中真っ黒な彼女オレが男だったらごめんだ!!!!てかコイツ一応男だし!!!!!!!!!)

 

幸「小向…一応ってなんだい(黒笑)?」

 

「テメェはこんな時まで心を読むなぁぁぁ!!!!!!」と叫んでいると「なんだい騒々しい」とリビングから下宿人最年長の香山が出てきた。

 

香山は固まった二人を見て「柚君おかえり。そっちの君はいらっしゃい」と微笑んだ。

 

「た、ただいま…」

 

幸「お、おじゃましてます…」

 

香「あ、堅くならなくていいよ。オレは誤解してないから。それにしても珍しいね柚君が男の子連れて来るなんて」

 

「うちの部活の部長だ…送ってもらったから茶でも出してやろうと思っただけだ」

 

香「フフッ、そっか。とりあえずあがんなよ。オレはお茶淹れるついでに赤飯作ってる馬鹿達シメてくるから」と香山は笑顔でキッチンに向かって行った。

 

すぐにドーンドカーンと地鳴りが響く。

 

そんな香山を見て幸村は「楽しそうな家族だね。お兄さんかい?」と苦笑しながら聞いてきた。

 

「あ?違ぇよ。うちに下宿してる道場の門下生達だ。とっとと靴脱いで上がれ」

 

幸「あ、うん」

 

 

そしてリビングで待っているとほどなくして香山がお茶を持ってきた。

 

「全く…どーせ親父が妙なこと吹き込みやがったんだろ。あんのクソ親父」と香山が持ってきた湯飲みを手に取りながら柚瑠は吐き捨てた。

 

香「まぁまぁ、師範なりの愛情表現だと思ってあげなよ。柚君大人でしょ?君もごめんね〜あのアホ二人にはきっつーく言っといたから」と笑顔で謝罪すると幸村も「気にしてませんよ」と笑顔で返した。

 

(なんかコイツら似てる(・_・;)

 

香・幸「「はい?」」

 

「な!!!何でもない!!!!!(魔王共め…)」

 

その後…道場から帰って来た父と柚瑠は喧嘩を始めるが、その喧嘩は香山・幸村組によって鎮圧された。

 

幸村は晩飯を共にしてから帰って行った。

 

香山と幸村が仲良くなったのは言うまでもない。

 

 

to be continued




本当に間が空いてしまって申し訳ないです。

久しぶりの投稿です。


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第十九話「柚瑠の友達」

 

 

第19話「柚瑠の友達」

 

 

 

 

あの練習試合から数日経ったある日の朝…この日は朝練が休みでオレはいつもより少し遅く家を出た。

 

 

「ふぁ〜…眠い…」とあくびをしながらいつもの道を歩く。

 

?「寝不足か?」

 

「まぁな…寝たの3時だし…」

 

?「ダメだろ夜更かしは。お肌に悪いぞ」

 

「うるせぇな………ん?」と流石に違和感を覚えオレが後ろを振り向くとそこには茶髪の男子が立っていた。

 

「咲!!!!テメェいつから後ろに!!!!!」

 

?「いやいや、気付けよ!!さっきからいたし!!!」と茶髪の男子…水島咲が苦笑しながらツッコんだ。

 

「さっきからっていつからだよ!!!!!」

 

コイツ…水島咲はオレのクラスメイト兼親友(という名の腐れ縁)で立海大空手部の主将である。

 

コイツはしばらく空手の遠征で東京に行っていたのだが…。

 

「てかお前いつ帰ってきたんだよ!!!」

 

水「ん?帰ってきたのは昨日だよ。でも昨日家行ったら居なかったから部屋から数学のノートを拝借した」と咲は鞄から数学のノートを取り出す。

 

「数学のノートがねぇなと思ったらテメェのせいか!!!!!てか勝手に部屋に入るな!!!!」

 

いつも人の部屋に不法侵入しやがって!!!一応女子の部屋だぞコノヤロー(怒)

 

水「まぁまぁ、怒るなよ柚瑠〜シワできるぞ」

 

「ウザい散れ」

 

水「でも女子達は怒ってる顔も素敵ーって騒ぐんだよなー」

 

「マジで投げるぞ(怒)」

 

水「またまた」と咲は楽しそうな笑みを浮かべる。

 

「チッ…」

 

咲は見た目こそヘラヘラしていて弱そうに見えるが空手の腕は尋常じゃないほど強く、実力はオレと互角…いや、それ以上とも言える。

 

オレがこれ以上喧嘩を発展させない理由はただ一つ…面倒臭いからだ。

 

水「そういえば親父さんに聞いたよ。部活入ったんだって?」

 

「(あんのクソ親父(怒)余計なことを!!!!)入りましたが何か?」

 

水「この間まで部活なんて面倒臭いって言ってなかったっけ?」

 

「別にいいだろ?入ろうが何しようがオレの勝手だ」と言うが咲はそれで納得するような男ではない。

 

咲は「どこ入ったんだよ!!」と興味深々問い詰めてくる。

 

「教えない」

 

テニス部なんて言ったらどんだけからかわれるか…。

 

水「えー、教えろよー」と咲がオレを小突いてきた時だ!!

 

?「あ、小向」と聞き覚えがありすぎる声が聞こえた気がした。

 

正直、気のせいであってほしいと思う。うん切実に。

 

だがオレのそんな小さな願いは叶わなかった…何でかって?だって真っ黒な笑顔で「無視しないでよ小向(黒笑)」って肩掴まれたら逃げれないじゃん…。

 

水「あれ?幸村君?」と咲も魔王の正体に気付く…。

 

幸「空手部の水島じゃないか」

 

何やら面識あるっぽいぞコイツら。

 

水「柚瑠、幸村君と知り合いだったの?」

 

「いや、知り合いとかじゃ…」

 

「何を言ってるんだい?小向はうちのb「あー!!!!!黙れ黙れ!!!!!!」むぐっ」と魔王の言葉を遮って口を塞ぐが時すでに遅し…幸村が‘うちの’と口走ってしまった時点でオレの負け…無駄に頭のキレる親友にはきっとわかってしまうのだろう…。

 

水「もしかして…柚瑠が入ったのテニス部?」と言う咲は笑っていた。

 

この野郎完全に面白がってやがる。

 

幸「そうだよ。君たちこそ一緒に登校かい?仲がいいね」

 

「ただの腐れ縁だ。腐れ縁…」と半ば諦めが入った声で吐き捨てるオレ。

 

もうどうとでもなれ…。

 

 

その後オレは二人と学校へ行き、教室で咲に質問攻めにされたのであった。

 

 

to be continued




水島君の設定を少し書かせていただきます↓

水島咲-ミズシマ サキ-

クラス…2-A
部活…空手部主将
容姿…色の薄い茶髪に眼鏡をかけている。
性格…人をからかうのが好きなお調子者。

こんな感じのキャラです。


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第二十話「立海大の反省会」

 

 

 

 

 

第20話「立海大の反省会」

 

 

 

 

とある日のレギュラーミーティング…。

 

 

この日はレギュラー全員で柳が編集したあの練習試合のビデオを見ていた。

 

 

試合は立海が完全勝利だったはずだが試合に出たレギュラー達は苦虫を噛み潰したような表情でビデオを見ている。

 

そしてビデオを見終わると幸村は一人一人に少々手厳しく試合の講評を述べていく。

 

幸「ブン太はボレーテクニックは申し分ないけどもっと持久力をつけるべきだね。相手も持久戦に弱かったから勝てたが…もし相手が持久戦に強かったら負けていたよ。今後は走り込み練習を増やすからそのつもりでね。あと少し減量しなよ。これ以上体重増えたら試合用お菓子全部没収だからね」

 

ブ「そりゃねーよ幸村君・゚・(。>Д<。)・゚・」

 

幸「嫌だったら少し自制しなよ。次に柳生とジャッカル。お互いいつもと違うパートナーとのダブルスだったからか苦戦していたね。ゲームを持久戦に持ち込むという作戦は良かったけど点を取られすぎだ」

 

柳生「申し訳ありません」

 

ジャ「す、すまねー」

 

幸「柳生はもう少しスピードを強化する必要があるね。ダッシュトレーニングを重点的に。ジャッカルはまだまだパワー不足だから基礎の筋トレを五倍に増やすから」

 

柳生「分かりました」

 

ジャ「ご…五倍… 幸「文句ある(黒笑)」ア、アリマセン」

 

幸「ならいいんだ。次に柳は… 柳「お前は遊びすぎだという確率100%だ。すまない精市、コピープレイヤーは珍しくてな」分かってるならいいんだ。柳は自己分析が早くて助かるよ。ただ試合を見てて思ったがパワーがまだ足りない。パワーリストの重りを増やしてくれ」

 

柳「了解だ」

 

幸「最後に小向だけど…」と幸村が柚瑠の方に目を向けると…。

 

「Zzz…Zzz…」

 

柚瑠は壁にもたれかかって気持ち良さそうにスゥスゥと寝息をたてていた。

 

レギュラー達は思わず苦笑いを浮かべる……もちろん、この男を除いて。

 

真「小向ぃぃぃぃ!!!!!!!!貴様ぁ!!!ミーティング中に寝るとはt 幸「うるさい、イップス」キェェェェェ!!!!!!!」

 

上の文の状況を説明しよう怒声をあげて柚瑠に近づいた真田に幸村が背後から真田の五感を奪い、真田は発狂して倒れたのだ。

 

そんな真田を踏んづけて幸村は「真田、お前馬鹿?この間日吉君に無理矢理起こすなって言われたでしょ?また小向にボコられたいの?お前Mなの?」と言い放つ。

 

柳以外(((((ま…魔王だ……)))))

 

柳以外はドン引きである。

 

柳「精市、その辺にしておけ」と柳は幸村を軽く諫める。

 

 

その時だ!!!!キィっといきなり扉の方から音がした。

 

 

レ全「「「「「!!!!」」」」」

 

その音に驚きメンバーが一斉にドアの方を見るが視線の先には誰もいない。

 

だがすぐに足元から「にゃぁ〜」と鳴き声が聞こえた。

 

メンバーが足元に目を向けると黒い影がメンバーの足元を縫うように歩いていた。

 

切「あれ?あの猫って確か…」

 

それは柚瑠が助けたあの黒猫である。

 

黒猫は柚瑠の近くまでいくとそこから柚瑠の膝に飛び乗り、体を丸めて眠りについた。

 

そんな様子に驚くレギュラー達だが同時にどこか微笑ましげな笑みを浮かべている。

 

柳生「小向さん…随分懐かれているんですね。彼女の猫なんでしょうか?」

 

柳「いや、首輪をしてないところを見ると野良猫だろう。まぁ、野良猫にしては警戒心がないが…」

 

切「…」

 

丸「どうした赤也?急に黙って」

 

切「いや、寝顔見てると小向先輩ってやっぱり女子なんだなーって思っただけッスよ」

 

仁「なんじゃ赤也、惚れたか(笑)」

 

切「な!!!!ち、違うッスよ!!!!!」と切原は否定するが仁王は「本当かのぉ」とニヤニヤしながらからかい、そこに「オレも混ぜろぃ!!」と丸井も参戦し少し騒がしくなる部室…。

 

柳生「君達、静かにしたまえ。小向さんが起きてしまいます」と注意する柳生…。

 

(いや、柳生さん…今一応ミーティング中なんでしょ?起きた方がいいんじゃないの?by作者)

 

そんな様子を見て柳は「ミーティングどころではなくなってしまったな…どうする精市?」と苦笑しながら幸村に問う。

 

幸「うーん…とりあえず小向はもう少し寝かせてあげようか(微笑)」と黒猫を撫でながら幸村は言った。

 

そして柚瑠は部活が終わる直前に起き、何やらニヤニヤしていたレギュラー達を見てドン引いたのはまた別の話。

 

 

to be continued




祝・二十話!!!!


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第二十一話「双子の休日in千葉(前編)」

 

 

 

 

第21話「双子の休日in千葉(前編)」

 

 

 

 

それはとある土曜日のこと…この日オレは千葉行きの電車の中にいた…部活が休みで春と会う約束をしているのだ。

 

え?何でわざわざ千葉にって?

あぁ、なんか春が福引きでチケット当てたとかで千葉の某ネズミキャラが支配する夢の国に遊びに行くんだよ。で、帰りにストテニをする。

 

これが今日の予定だ。

 

ア【まもなく〜】と車内アナウンスが入り、下車したオレは待ち合わせ場所に向かう。

 

 

******

 

 

待ち合わせ場所に着き「確かこの辺のはず…」と辺りを見回していると…。

 

?「ねぇ彼女〜こんなとこで何してんの〜?」

 

?「暇なら俺達とお茶しなーい?」と近くから何ともベッタベタなナンパが聞こえてきた。

 

(今時こんなナンパする奴本当にいるんだなー春どこだろ)とナンパは軽ーく聞き流し、オレは春を探す。

 

 

「女子に間違えられてナンパされてたりしてな(笑)」と笑いながらそんなことを呟いたその時だ!!!!

 

 

『あの…すみません…僕…人を待ってるんですけど…』と聞き覚えがありすぎる声がした。

 

(まさか…な…)と声の方を見てみるとまさに…そのまさかであった。

 

ナンパされていたのは間違えようもなく弟の春であった。

 

ナンパ1「ボクだってさぁ~」

 

ナンパ2「何ぃ?彼氏でも待ってんのぉ?」

 

『いや、だからですね。僕は女の子じゃ…』

 

ナンパ1「まぁまぁ、ここでもなんだしさぁ」

 

ナンパ2「そこの喫茶店にでも…「おい、そこのナンパ野郎」あん?」

 

ナンパ野郎はオレの方を向き「なんだゴラ?」と不機嫌そうに眉を寄せる。

 

一方春はこちらを見てホッとしたような表情だ。

 

「悪ぃねぇ〜そいつオレの連れなんだわ」と軽く言うとナンパ野郎共は「チッ、彼氏さんのご登場かよ。行こーぜ」と去って行った。

 

「誰が彼氏だ(怒)オレは女だっつの(-_-#)」とナンパ野郎達の発言に若干イラついていると『柚瑠〜怖かったよ〜(>_<)』と半泣きの春が飛びついてきた。

 

よく目立つ白髪。その髪によく映える赤いピン留め。ここまではこの間と変わらなかったが今日はなぜか赤い縁の眼鏡をかけていた。

 

「ったく男だろ?こんなことでいちいち泣くな。ほら、ハンカチ」とオレはポケットからハンカチを取り出し春に渡す。

 

『ありがとう…やっぱり柚瑠は優しいね』

 

本当にこいつは恥ずかしいことをサラッと…。

 

「そんなんじゃねーよ。それよりお前目ぇ悪かったのか?この間眼鏡かけてなかっただろ?」と照れ隠しに聞いてみる。

 

『あ、これ伊達なんだ。似合わない?』

 

「いや、んなことねーけどなんでまた?」

 

『うん、忍足に薦められて「外せ」え?』

 

「お前があの変態のいう事を聞いてやることはない。どうせ眼鏡萌えとか期待しやがったんだろあの腐れ眼鏡」とブツブツ呟くと春は拗ねたように頬を膨らませる。

 

『…柚瑠…似合わないならはっきり言ってよ』

 

「そうじゃないって。似合ってるよ。ほら、遊びに来たんだから。そんな顔してんなよ」と頭を撫でてやると春は拗ねた表情を引っ込めて「うん!!行こう!!」とガキの頃と変わらぬ笑顔を向けた。

 

そしてオレ達は夢の国(笑)へと向かったのだった。

 

 

to be continued




駄文ですがよろしくお願いします。


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