テンペストの鬼殺業 (とあるスライム好き)
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第一話 休暇が欲しい‼

今回が初めての投稿です。下手かもしれませんがご容赦ください。


「炭治郎!炭治郎‼」

 

遠くで・・・俺を呼ぶ声がする・・・・

ダメだ・・・体が動かない・・・それに寒い・・・どうしてこんな事になったんだ・・・

 

 

 

 

数分前

「し、死にたくな・・ぐぎゃあああ!」

 

そう言って鬼は灰になって降りゆく雪の中に消えていった。

 

「お、終わった?炭治郎?」

 

そう言って物陰から善逸が恐る恐るという感じで、でてきた。

 

「ああ。鬼はもういないよ。善逸だって本当は強いんだからそんなに怖がらなくてもいいんじゃないか?」

 

「いやいやいや、俺はお前らみたいにアホみたいに強くは、ないんだからさー!怖がって当然だから!」

 

「そんなことないよ!善逸は強い!そうだよな!伊之助!」

 

「あ?なにがだ?」

 

どうやら伊之助は、最初から全く話を聞いていなっかったようだ。

だけどきっと伊之助もそう思っていると思う。実際、善逸がいなかったら危なかった事も結構ある。

 

「カ~~カ~~お前達、任務を終えたのなら無駄口たたいてないで急ぎ次の町に向かうのだ!カ~カ~」

 

カラスが鳴いた。

 今さらだけどどうやって人間の言葉を喋っているのだろうか?鬼殺隊で特殊な訓練を受けてるらしいけど、一体どれ程の訓練を受けたらしゃべれるようになるんだ?

いや、だけどそれはまた今度考えよう。

カラスの言うとうり俺達が、一刻も早くだどりつけばそれだけ多くの人が救われるんだから。

 

「確かにそのとうりだな。善逸、伊之助、次の町に急ごう!」

 

「ええ~今すぐ行くの~?炭治郎も伊之助も今戦ったばかりじゃん。もう少し休もうよ。」

 

「善逸・・・俺達が一分でも早くつけば助けられる命があるかも知れないんだ。頑張ってくれないか?」

 

 伊之助はもう行く気満々でいる。もともと伊之助は我慢の利く性格じゃないしな。

それでも最近は最初にあったころとは比べ物にならないくらい聞き分けも良くなってきてる。連携攻撃も息が合ってきた。

 

「うう~わかったよ~」

 

しぶしぶとは言え善逸がこうして頷いてくれるのはうれしい。

善逸もさっき怖い怖い言ってたけどやっぱり勇気があるんだよ。屋敷の鬼の時だって、あの下弦の鬼の時だって俺達についてきてくれたしさ。

 

「じゃあ、行こう!」

 

そう言って俺達はこの場を後にした。

 

 

 

この後直ぐに俺達にふりかかる厄災を誰もまだ予想していなかった・・・

 

 

 

 

 

ジュラ・テンペスト連邦国

俺は今数分ごとにどんどんと高くなっていく書類の山にその顔を、うずめてため息をはいていた。

 最近いつにもまして書類の山が高くなっていくのが早い。書類の内容は最近舞依が正式に発表した次元間航法に関するものが多い。テンペストは彼女の研究において多額の援助をしているのである程度の権利を有しているのだ。

まあ、前置きはこのぐらいにして俺が何を言いたいかと言うと

 

「休みが欲しいいいいいい!!!!!」

 

 書類の山から頭をはねおこしながらそう叫んだ!我ながらあまりの声量に驚いたね。

 

「ここんところず~~~っとこの部屋からでてないよ俺!!」

 

不満が爆発した瞬間であった。俺以外誰もいない部屋で俺はそう叫んだ。

ブラックだよ~~~ブラック企業だよ~~~!昔みたいに、縁側でスライムになってゴロゴロしてくつろぎたい。冒険とかしたいいいい!

そんな俺は、目の前に積まれた大量の書類を見て思った。

 

「異世界旅行・・・」

 

俺しかいないこの部屋にこの一言だけがいやによくひびいた・・・

 

 

 

 

 




どうでしたでしょうか?面白いと思ってくれたなら幸いです。


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第二話 リムル様は、考える

「異世界旅行・・・」

 

 ふと声に出してみたが直ぐにその考えを振り払う様に頭を振った。そんなことを俺が言い出せばヴェルドラ達が必ず何かしでかすだろう。

 奴らは、俺が1週間いなかっただけで一つの世界いや宇宙までも滅ぼしそうになったような奴らだ。

 異世界旅行に連れていく事はできない。しかし、そうすると奴らは絶対にすねるだろう。ここで俺の理由が休暇の息抜きだなんて知られた自分達でゲートを開いて追ってきかねない。

 ギィに頼むという手もあるがあいつは基本的に人類が本当に滅びそうなときにしかうごかないし・・・

 

「あ~~~!!!どうしたらいいんだよ~~!」

 

《お困りとあらば私が代案を考えましょうか?》

 

おお、シエル先生。

まぁ確かに俺がこうして考えるよりもシエル先生に任せたほうが全然いいか。

 

「頼む。シエル。」

 

《承りました、マスター。まず最も良い方法としましては個体名ヴェルドラを個体名ヴェルザ-ド及び個体名ヴェルグリンドに預けるという方法です》

 

あっいやその方法はかなり気が引ける。

 実際、それが一番いい方法なんだろうけどさあ。そんなことを俺がしたと知った時のヴェルドラからのうらみが怖い。

 

「いや、次の案を聞かしてくれ。」

 

《了解しました。次の案としては・・・・・

 

 あれから何百個もの案を聞かされたがその大半がヴェルドラの嫌がる方法だった。今回は俺としても背徳感がある為ヴェルドラ達に嫌な思いをしてもらいたくないのだ。

 

「う~ん・・・次の案を頼むよ。」

 

《了解しました。次の案としては個体名ヴェルドラをマスター御自身で監視するという案です。》

 

 ついにシエル先生からもでたか・・・俺も最初に思ったけどそれじゃあ休暇にならないんじゃないかと思ってやめたのだ。

でもな~これ以上こんな事で悩みたくもないしな。

 

「よし!決めた‼ヴェルドラ達も連れて行こう!」

 

 あいつだってこの前の件でかなりこりたはずだ。それに最近は迷宮の主として一応しっかり働いてくれているしな!

こうして俺の中でヴェルドラ達を連れていくことが決定したのだった。

 決心がついてからの俺の行動は早かった。この部屋に分身体を残しシエル先生にコントロールしてもらった。留守中に何かあってもこれなら大丈夫だろう。

 ちなみに、この時なぜ並列存在などの「別身体」ではなく「分身体」を使ったのかというと「別身体」にした場合、残していった方にも意識があるある為どっちが行くかでもめそうだからである。

その後、転移で一気に迷宮地下100階に行った。

 

「むっリムルか。何しに来たのだ?」

 

 行った直後に漫画に目を向けながらヴェルドラが話しかけてきた。こんな時間に青年がソファーに転がりながら漫画を読んでいるのだからだからまるでニートだな。

 

「げっリムル⁉あんた一体何しに来たのよさ?」

 

ラミリスもいたようだ丁度よかった。

 

「いや~お前らがきちんと仕事をしているかみにきたんだが・・・」

 

 そう言いながら漫画を読むヴェルドラの方に視線を向けた。まあ、これはかるい冗談だ。

だが、

 

「ラミリス何をしている!さっさと働くのだ‼」

 

と、ヴェルドラが飛び起きて仕事してますアピールをしだした。

 まるであれだな。教室とかでバカ騒ぎしてたのに先生がきた途端に一気に席について静かになるやつ。

 

「ええ~師匠はず~~~っと漫画ばっかり読んでいたからいいけどアタシはほとんど休んでいないだよ~~」

 

「ばっばかもん!そっそれをゆうでない!それにお主だって十分休んでいたではないか‼」

 

「ッ!しっ師匠の方こそ何いってんのよさ!」

 

 否定はしていたが目が泳いでいる。嘘をついたときのこいつのくせだ。

そんなことを言い合う二人を見て俺は思った。

 

「やっぱおいてくべきかな・・・」

 

さっき決心したばかりだが既に俺の心には迷いが生まれていた。

 

 

 




転スラは小説最新巻15巻(2019年11月時点)とウェブ版最終回の設定が混ざっています。


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第三話 行き先とメンバー

「やっぱおいてくべきかな・・・」

 

さっき決心したばかりだが既に俺の心には迷いが生まれていた。

 そりゃそうだ。例えばだが、君がもし誰かの親で、『子供も頑張っているしご褒美をやろうかな』とか考えていざその子供を見てみればゲームやマンガを読んでいたらどう思うだろうか?果てに兄弟や友人と言い争いを始めたらどう思うだろうか?

俺の今の心情は正にそんな感じ。

まあ俺、子供いたことないから本当はどんな気持ちなのかは知らんけど・・・。

 あ・・・この話はここで終わりにしよう。悲しくなってくる。いや!別にね!いいんですよ!

 俺の童貞のひいては『捕食者』おかげでね、この「ジュラ・テンペスト連邦国」があると言っても過言ではないのだから!

 うん。ホントにこれがなかったらきっと、イフリート(カリス)に負けてたかもしれないからな。

 シオンや紫克衆(ヨミガエリ)達が復活したのもこのスキルの力も大きい。他にも様々な面でお世話になった超有能スキルなのだ。

だからね全然惨めで悲しい気分になんてなってないからね!

 

「ん?おいていくとはどうゆうことだ?」

 

 俺がどうでもいいことを考えていたころ、ヴェルドラがラミリスとの言い争いをやめて俺に話しかけてきた。

 

「そうよ。どうゆうことよ。あんた、私達が仕事をしているか見に来たんじゃないの?」

 

「いや、まあそれもあるが・・・俺の目的は他にもある。このところ舞依の研究結果についての書類の対応に手いっぱいでろくに休暇をとっていなかったから、息抜きついでにお前らの行きたがっていた異世界に旅行をしに行こうと思ってな。」

 

「えっ・・・」

 

「おっおいリムルよ・・・」

 

 ラミリスとヴェルドラがプルプルと体をふるわせて言った。きっと俺に対してご立腹なのだろう。

そりゃそうだ。

 今まで自分の意見に反対してきた者がいきなり手の平を返すようなことを言ってきたら、俺だったら少し腹が立つ。『じゃあなんで今まで反対してたんだよ⁉』的な感じで。

 

「言うな。分かってる。俺は異世界に行く事については、否定的だった。そんな俺が・・・「「そんなことはどうでもいい‼」」

 

と俺が話しているのをさえぎってヴェルドラとラミリスが同時に叫んだ。

 

「つまりは我らが異世界に行く事を許してくれたのであろう!」

 

「そういうことでしょ⁉そうなんでしょ!リムル‼」

 

そう二人が非常に嬉しそうに俺に向かって喋った。

 俺としては文句を言われるだろうと思っていただけにその言葉を聞いて驚いた。

 

「あ、ああ。そのとうりだな。ところで転移する世界はどんなところがいい?俺としては俺のいた時代よりも前の日本に行きたいんだが。」

 

 謝罪をしようと思っていたのだが、こいつらはそんなこと必要じゃなかったようだ。

まあそりゃそうか。こいつらの性格からしたらそうなるのが当然かもな。

 

 それはそうとしてなぜ過去の日本なのかというと久しぶりに里帰りしたい気持ちがあったから、しかし普通の日本でも面白くないということで過去の日本にしようと思った。

 

そして最後はミッシェル達の世界のように危険性が高くはないからだ。

 まあ、よっぽどのことがない限り俺やヴェルドラがどうこうなることはないだろう。

 だがラミリスは違う。いや、まあこいつだって一応は魔王の一柱。そこいらの魔物には負けはしない。が、テンペストの正規兵が20人もいれば負けてしまうだろう。

いや、正確にいえば負けるというより真っ先に逃亡すると言った方が的を得ているな。

 そんな訳で、大人の姿の時はともかく子供の姿のラミリスを危険な世界につれていくのは避けたいのだ。

 

「うむ、我もその意見に賛成だな。我は貴様の胃袋にいた時にリムルの記憶をみていたからな。元の時代ではなく別の時代にいくというのも楽しかろう。それにリムルのもともといた世界であるならば、さぞかし旨いものがたんとあるのであろう?」

 

「アタシも賛成かな。師匠から話は聞いてたし、興味あるからね。それにそこって魔物も魔法もないんでしょ。」

 

「まあ、そうだな。俺が知らなかっただけかもしれないが魔法とかモンスターは架空の存在だったな。」

 

「でしょでしょ!だったらアタシ超強いんじゃない⁉そんな世界いくに決まってんじゃん!」

 

 どうやらヴェルドラもラミリスも俺の意見に賛成のようだな。というかラミリスは魔法のない世界なら強くなれると大はしゃぎのようだ。まあ俺の世界なら確かにラミリスでも強くなれるか。

でも、もとがあれだからな・・・。いや、まあいいや。

夢ぐらい自由に見るべきだしな。

 

「ならもう決定でいいか?」

 

「いいんじゃない?」

 

「よし、じゃあ次は、誰を連れていくかだな。」

 

「えっ?アタシと師匠とリムルの三人組で行くんじゃないの?」

 

「アホか!そんな訳ないだろ!常にお前ら二人を見張っているためのやつが一人ずつ必要だわ!」

 

「何~⁉」

 

「なんだってそんなことするのよさ!」

 

(なにが『何~⁉』『なんだってそんなことするのよさ』だよ!このトラブルメーカーが!!!)

 

と声を大にして叫びたかったがぐっとこらえって理由を述べる。

 

「お前らが勝手に行動することをふせぐためだよ!!!」

 

さっきまで申し訳ない気持ちでいっぱいだったのに急に怒りがわいてきたよ!

 

 だがまあ「むぐ~」などといってはいたがしぶしぶヴェルドラ達も了解してくれた。

というか「むぐ~」ってなんだよ。子供か⁉こいつら一応何万年も生きてんだぞ。

 いや、まあいい。考えても無駄なのだ。それがヴェルドラとラミリスなのだから。

 

「さて、誰を連れていくか・・・」

 

 連れていく者の条件としては、ある程度の実力があり、問題行動を起こさず、ヴェルドラ達をしっかりと見張っていれる者といったところか。

この条件下でいくとシオンは間違いなく不採用だな。こいつの場合考えるまでもない。

ディアブロはシオンほどではないがそれでもかなり危険だ。

ベニマルはテンペストの軍事の最高責任者。出かけること自体難しい。

それを行ったら俺なんてもっとだがそれはふれないお約束。

ハクロウは・・・んっ?かなりいいんじゃないか?条件にも当てはまる。

 それに祖父【つまりはアゲ-ラ】が元は異世界人「荒木白夜(ビャクヤ アラキ)」だ。雰囲気的にも、とてもいいんじゃないか?

それにアゲ-ラも条件は満たしている。連れていけばとても頼りになるだろう。

もうこんだけ連れていく要素がそろっているのならもうこの二人でいいだろ。

 

「よし、決めた!監視の二人はハクロウとアゲ-ラだ!」

 

「なんでハクロウとアゲ-ラなの?」

 

「ああ。そういえば誰かアゲ-ラが異世界人だったとか言っておったな。」

 

「え!そうなの!アタシ初耳なんですけど!」

 

ラミリスはアゲ-ラが異世界人という事を知らなかったようだ。こういうのを見るとやっぱりアホっぽいな~と思ってしまう。

機械とか精霊工学に関しては長生きしているだけあって詳しいんだけどね。

 

「はい。じゃあ話し合いはこのぐらいにしてハクロウ達を迎えにいくか。」

 

そう言って俺たちは転移でまずハクロウを迎えに行った。

 

 

 



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第四話 いざ出発!

転移で俺たちはまずハクロウのもとに向かった。

 ハクロウがいたのはテンペストの訓練所だった。別にハクロウが訓練していた訳ではない。

 

「ほっほっほっほ。どうしたゴブタ。もっと切りかかってこんか!」

 

 と既にボッロボッロになって倒れているゴブタに向かって鬼のようなセリフをはいていた。いやまあ事実、妖鬼(オニ)だけど・・・

まあちょっと可哀想だし助け舟を出してやるか。

 

「よう、ゴブタ元気でやってるか?」

 

「あっ!!!リッリムル様じゃないすっか!元気な訳ないじゃないすっか。あのじじい、何とかしてくれないとこのままじゃオイラが死んじゃうっすよ!」

 

 とさっきまでの元気の無さを感じさせずにムクッと立ち上がり俺たちの下にかけっ寄った。元気じゃないと言う割にはまだまだ元気そうだ。

 こういうのを見ると流石にミリムの修行を乗り越えただけはあると思って関心するな。

 

「何を言うか!ちゃんとお主がついてこれるように訓練しておる!それはそうと何か御用ですかな?リムル様」

 

「ああ。実は最近の疲れをいやすために異世界に旅行をしに行こうと思ってな。で、行き先が過去の日本になったからアゲ-ラとお前をヴェルドラ達の監視として連れて行こうと思ったんだが大丈夫か?」

 

そういうとハクロウは少し考えたのち俺に跪いて言った。

 

「リムル様のご命令とあらばその任、ありがたく受けさせていただきましょう」

 

こういうのを見ると源さん達も武将達にこんな風にされていたんだろうな、と思うよ。

 

「しかし、行き先が過去となりますとリムル様が元居た世界に影響がいくのではないでしょうかのう。」

 

 おおさすがはハクロウ。まあ普通は心配するよね。ヴェルドラ達は全く気付かなかったけどな。

だが!俺にはシエル先生という最強の相棒がいるのだ。

 

「ああ。それに関しては問題ない。俺が『虚空之神(アザトース)』で平行世界(パラレルワールド)を創ってその世界に行こうと思っていたからな」

 

「なるほど。それならば影響も、ありますまいな。」

 

さてハクロウはこれでいいな。次はアゲ-ラの所にいくか。

 

「よし!納得してくれたみたいだしさっさとアゲ-ラをひろいにいくぞ」

 

そう言いながら俺達はテンペストの最高裁判所にむけ転移した。

 

 忘れがちだがアゲ-ラの主、カレラはテンペストの司法府最高裁判所長官の役職についている。となれば当然アゲ-ラもその近くにいるということだ。

 

「わっ我が君!!!なぜこんな所に⁉」

 

とんだ直後にカレラに声をかけられた。

 

「おっ。カレラじゃないか。丁度良かった。実はアゲ-ラ少し、かりたいんだが大丈夫か?」

 

「わしをですか?」

 

「もちろんだ!我が君!アゲ-ラなんぞでよかったらどんどん連れていってくれ!」

 

 おいおいアゲ-ラが(なんぞ、ですか・・・)という顔でいるぞ。でもなんだか慣れた感じがするのが恐ろしい。

まあそれはおいといて。

 

「良かった。ありがとうな。カレラ」

 

「ッ⁉ 我が君!勿体無いお言葉!」

 

カレラの言葉を聞いた後アゲ-ラの方に向きながら俺はアゲーラに言う。

 

「さあアゲ-ラ君ちょっと来てくれたまえ」

 

「うっ!そういう感じでワシを呼ぶということは何かありますな。」

 

するどいな。

 今回はアゲ-ラを日本に連れていってやりたい気持ちもあるが前に述べたとうり主目的はあくまでもヴェルドラ達の監視。

つまりは厄介ごとなのだ。

 

「まあまあ。とりあえず来てくれよ。」

 

 ここで異世界旅行について話すつもりはない。下手をすればカレラまで連れていくことになりかねないからな。

 と、まあこんな感じでアゲ-ラも転移で連れていった。転移先に選んだのは迷宮地下100階層だ。

選んだ理由は特にない。

ただ、なんとなく頭に浮かんだからである。

 

「それで一体何の御用なのですかな?お館様。先ほどからヴェルドラ様方もいらっしゃたので何かその関連の用事ですか?」

 

「クア-ハッハッハそのとうりである。お主もなかなか感が鋭いではないか。」

 

「お前は黙ってろ!だが、まあ大方当たりだ。実は最近の仕事に対する休暇として過去の日本に旅行しようと考えたんだ。で、こいつらも連れていくことになったんだけど、監視役が必要だなと思って日本にゆかりがあるお前とハクロウを連れて行こうという事になったんだ。」

 

「なるほど・・・そういう事でござりましたか。」

 

「どうだ。受けてくれるか?」

 

「もちろんでございます。お館様。」

 

「じゃあ俺の時空間転移でとぶか。シエル、地球の平行世界(パラレルワールド)の作成を頼む。」

 

と転移の準備を始めようとしていた時にさっきまでほとんど喋っていなかったヴェルドラとラミリスが口を開いた。

 

「まあ待てリムルよ。せっかくの異世界訪問なのだから、異世界への門(ディファレントゲ-ト)を使ってデ-タをとった方がよかろう。」

 

「うんうんアタシとしてもそっちのほうがいいと思うな。丁度この階層にアタシたちが前に使ったのが残ってるし!」

 

なるほど確かに意外といい案かもしれないな。

 ディファレントゲ-トのデ-タはまだまだ少ない。ここでデ-タをとっておくのもいいように思える。それに確かに近くにあるしな。

《マスター。パラレルワールド作成完了致しました。》

 

「そうだな確かにそっちでいったほうがいいかもな。よし、異世界への門(ディファレントゲ-ト)で行こう!」

 

 そう言いながら俺は異世界への門(ディファレントゲ-ト)に近づいていき発動のために魔素を入れていった。

暴発しないように慎重に。しかしこの直後いきなり魔素が増えたのだ。

 

「なっ!!!」

 

そう一言発して俺は異世界に飛ばされた・・・

 

 

 

 

 




次回から本格的に冒険させます。裁判所のあたりについては、よく知らないので、おかしいところがあったらすいません。


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第五話 異世界に行くのにトラブルはお約束

ようやくいけました!


真夜中の森の立つ影が三体。

 そのうち二体は非常に楽しそうに話しており、残りの一体は手を額にあて悩むようなポ-ズをとっていた。

 その楽しそうにしている影の正体はもちろんヴェルドラとラミリスだ。そして悩むようなポ-ズをとっていたのは、ハクロウだった。

どうしてこんな事になっているのかといえば全ては10分ほど前にさかのぼる・・・・

 

 

 

テンペスト 迷宮地下100階層

 

 

『よしよし。上手くリムルを迷宮地下100階層に連れてくることが出来たぞ。』

 

『さっすが、師匠だよ!リムルに微弱な「思念伝達」を送ってここに向かわせるなんて!』

 

『そうであろう、そうであろう!クア-ハッハッハッハ!!!』

 

 そう、ヴェルドラ達は、監視役がくるという事を知ってからどうすれば自由行動ができるのか考えていたのだ!

 その結果ヴェルドラとラミリスで微弱な「思念伝達」をリムルに送ってで時空間転移させ、その際ヴェルドラが魔素量を調整しリムル達を自分達よりも少し遅く到着させようとしたのだ。

 それを実行した結果に喜び地下100階層にて思念伝達で話し合っていたわけだ。

 しかしヴェルドラ達の策も全てが成功したわけではなかった。ハクロウを連れてきてしまったのだ。

だが、そんなことはヴェルドラ達にとっては大したことではなかった。

リムルさえいなければヴェルドラを止めることができるメンバーはいないからだ。

 しかしそんなヴェルドラ達に対してハクロウの心は焦り、嘆き、などの感情で満ちていた。

当たり前だ。なしせここには今はヴェルドラ、ラミリスそして自分の三人がいる。つまりはハクロウだけでヴェルドラ達の監視をしなければならないからだ。

 

(しかし、しばらくたてばリムル様やアゲ-ラも来てくれるのが唯一の希望だのう。

とにかくワシはあのお方達に少しでもトラブルを起こさせないように監視するだけよ)

 

そんなことをハクロウが考えていた時

 

「さてラミリスよ。これからどうする。」

 

「そんなん、この世界の物を見て回るに決まってんじゃん!」

 

などと早速トラブルが起きそうな行動にでようとしだした。

もちろんハクロウは止めに出た。

 

「お待ちくだされ!この世界の事情も知らずに動けば悪目立ちして旅行を楽しめない可能性も高くなりますぞ!それにリムル様の話によると【妖怪】と呼ばれる存在の伝説もあったとのこと。暫くは人気のない森に入りヴェルドラ様の権能で情報収集に専念するべきですぞ。」

 

と言って何とか目的をすり替えようとした。

 

「ええ~せっかくリムルがいないんだからこのうちに行けるだけいっとこうよ!」

 

「いや、ラミリスよ。ここはハクロウの言い分にも一理あるかもしれんぞ。」

 

「え!なんでよ!師匠!リムルがこっちにくるまで数日しかないんでしょ!」

 

「そのとうりだ。だが、だからこそ情報収集をするべきなのだ。考えてもみよ。我らはこの世界のことについてほとんど知らなんだ。そんな状態で近くの町にいってもそこがつまらんことしかない、という事も考えられるのだ。そんなことになるのならあらかじめ、調べるのに多少の時間がかかったとしても情報収集をしてより楽しみが多い町にいったほうが効率もいいというものよ!まあつまりは、フラメアが作っておった「ぱんふれっと」なる物のようなことだな。」

 

「なるほど・・・さっすが師匠だね!でもそれってかなり時間がかかるんじゃ・・・」

 

「安心せい。既に解析にはとりかかっておる。あと一日半ほどたてば解析も終了するだろう。下手に動けばハクロウの言うとうりトラブルが起きてリムルからよけいにキツイお仕置きをくらうことになりかねん。森に入って大人しくするべきであろうな。」

 

ハクロウとしてはヴェルドラの思わぬ一言に驚いていた。

 

(なんと!あのヴェルドラ様が慎重に行動されようとは・・・)

 

 などと考えてしまったのは仕方ない事だろう。普段のヴェルドラからは考えられない様なことなのだから。

だが流石はハクロウ。

すぐに気持ちを入れ替えて

 

「ではワシは休める場所を探して参りますのでここで大人しく待っていてくださりますようお願いしますじゃ。」

 

と、いって走っていった。

 

 

 

 

 

 

そんな時、この三人を見ていた者もヴェルドラ達に向け動き出した。

 

 

 

 

 

それから暫くしてヴェルドラ達のところに

 

ザザッ ザザッ

 

と何かが寄ってくるよう様な音が聞こえてきた。

 

「なっ・・・なんの音よ。まっまあ、アタシは全然怖かないけどね!」

 

そんなことを言っているがその体は震えていた。

 

「安心せよ、ラミリスよ。貴様にはこの我「暴風竜」ヴェルドラがついておる。何も心配するでない。」

 

そしてヴェルドラがこのセリフを言い終わったときこの音の原因が姿を現した・・・

 

 

 

 

 



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第六話 竜の逆鱗

投稿をミスって七話目を先に投稿してしまいました。すいません。
既に修正したのでこのまま読んでください。


「はっ、なにが『「暴風竜」ヴェルドラ』だよ。恐怖のあまり気がおかしくなったのか?まあそんなことはどうでもいいけどな。どうせくっちまえば変わんないんだからよ!」

 

森の中から現れた者は姿は人間にちかかったが、どう見ても人間そのものには見えなかった。

 それはヴェルドラ達の世界でいうなら「魔人」。こちらの世界ならば「鬼」と呼称される存在だった。

 

それはそうとしてこの鬼の言葉に反応したのはヴェルドラだった。

 

「面白い。たかだか魔人の分際でこの我に歯向かおうとはな。だが、残念ながら貴様なんぞでは弱すぎて話にならんな。」

 

この言葉はヴェルドラの本心だ。

この鬼の強さはランクに換算すればAランクに相当する(自由組合のランクは魔素を基準にしているため実際にはF)がヴェルドラの前にはそこらの庶民とほとんど何も変わらない取るに足らない存在だったのだ。

しかしこの言葉を聞いて鬼はキレた。

 当然だ。何故ならばこの鬼からしたらただの食料に自分をバカにされたからだ。

 

「なんだと⁉なめた口ききやがって。貴様は楽には死なさんぞ!!!じわじわとゆっくり苦しみながら殺してt「あ?」

 

 

この時その鬼は自身の身体が消え去った幻覚を見た。

 

 

ヴェルドラがキレて自身の魔素の一部を放出したのだ。

この鬼は竜の逆鱗に触れたのだ。

 これに焦ったのは鬼だ。ヴェルドラの途方もないオ-ラにさらされ、今更ながらに自身の過ちを知ったのだ。

 

(なんだよッ⁉なんなんだよ⁉コイツは⁉)

 

もはや戦う意思など消え去り勝利するのは不可能と判断して逃亡しようとした。

この判断はこの鬼の中で最も正しい判断だった。

その鬼は自身の持てる全ての力を自らの脚に送って走った。

このままでは自分が殺される、とあらゆる感覚が訴えかけていたのだ。

そしてその鬼は自らの限界がくるまで走り続けた。そして・・・

 

「もっもう、奴は・・・」

 

追ってきていないよな。と言いかけた鬼の言葉はそこで終わった。

 何故ならば、振り返った鬼の目には息切れ一つしていないヴェルドラの姿がうつったからだ。

 

「うわああああああ!!!!」

 

「どうした・・・鬼ごっこは終わりか?ではそろそろ貴様に制裁を加えるとするか。」

 

その言葉が終わった時、鬼の首より下が消滅した。そしてその鬼の意識が消えた。

 それを確認して、制裁は終わったと満足したヴェルドラは残してきたラミリスの場所に転移していった。

 

 

それから1時間ほど後にその鬼は目覚めた。

 

「あっあれ。俺生きてる、のか?」

 

その鬼の体は既にほとんど修復が完了していた。

 鬼にとって幸いだったのはヴェルドラの攻撃が「精神体(スピリチュアルボディー)」への直接攻撃ではなかったことだ。

 損傷したのは「物質体(マテリアルボディー)」のみだったため生きていれたのだ。

だがその体を修復するために使用した体力は多かった。

 

「しかし体力がほとんどないぞ・・・何とか人間を食わなければ・・・」

 

そんな中、丁度近くにとうりかかったのが炭治郎達だったのだ。

もちろん消耗しまくった鬼が炭治郎や伊之助に勝てるはずもなかった。

そしてその鬼は殺され灰となり消えようとしていた。

その時鬼の心を埋め尽くしたのは炭治郎達への憎悪などの負の感情だった。

そしてその思いはヴェルドラの魔素と反応し恐るべき魔物を生もうとしていた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 



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第七話 フラグは回収される物

転移で戻ってきたヴェルドラに向かってラミリスは真っ先に

 

「師匠---!なんでアタシだけこんな森においてったのさ!」

 

と文句を言いつつヴェルドラの頭をポカポカと殴った。

それに対しヴェルドラは

 

「すまんすまん。」

 

と、さっきまでの怒りは何処に行ったのかという顔で受け答えた。

 

「しっかしあの魔人もバカよね。師匠にあんななめたくちきくだなんて。消滅しても文句言えないよね。ねっ、師匠。」

 

ところがヴェルドラは首を横に振りながら

 

「いいや、あの者は殺してはおらぬぞ。」

 

と、言った。

ヴェルドラは自身の【混沌之王(ナイアルトホテップ)】の【真理之究明】により鬼の殺し方について見抜いていた。

だから首よりしたを消滅させたとしてと生きていると分かっていたのだ。

 

それはそうと、これに驚いたのはラミリスだ。

 

「えっ⁉なんでなんで⁉」

 

「簡単なことだ。我がしたかったのは制裁であり、殺しではないからだ。まあこれがお主やリムルに対しての言葉だったのなら奴は魂ごと消滅していただろうがな。我は大人になったのだよ。大人に!」

 

これは日頃のリムルによる説教のおかげであった。

どんな罪人にもその罪にあう罰を与えるべきである、という言葉だ。

首から下の消滅が先ほどの言葉に対して相応の罪なのかはおいといてヴェルドラも成長したのである。

以前のヴェルドラならばこの日本を滅ぼさんとしただろうが・・・

 

「ふ~ん。師匠も成長したんだね。ところでなんだけどさっき結構、魔素流していたし「カリュブディス」みたいなのが自然発生したりすることはないのかな?」

 

そう、この魔素の流出による「精神生命体」の発生こそがリムルの恐れていたことだった。

何せ精神生命体は「受肉」をしなければ魔素をまとった攻撃しかきかないうえに死んでも蘇る性質を持つため下手すればこの世界を破壊できてしまうのだ。

ラミリスもそれを危惧したからこその発言だった。

それに対してヴェルドラの返事は

 

「大丈夫であろう。奴が生まれる程の魔素は放出しておらんし、そもそもこんな森の中では受肉できる肉体を探すのも困難であろう。先ほどの奴も死んではおらんし依代にするのは難しいであろうしな。それに発生したとしても受肉しなければ大した時間存在することもできんしな。」

 

ラミリスもヴェルドラの言ったことがこの状況に当てはまるのを確認し安心して

 

「まあそうだよね。にしてもハクロウ遅いね。さっさと帰ってきてくんないかな~」

 

魔物の発生の可能性を頭から無くしてハクロウの話をし始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時彼らはまだ知らなかったのだ。

実は先ほどヴェルドラの言った条件がほぼクリアされていようとは。

 

 

そんな時だった。

炭治郎に首を切られ、消えかけていた鬼の憎悪にヴェルドラの魔素が反応し「カリュブディス」に類似した魔物が生まれようとしていたのは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 




ヴェルドラのガマン強さはオリジナル設定です。原作でなら怒り狂うと思います。

またいくつか文字が抜けていたこと、本当に申し訳ございませんでした。
次からはこの様なミスがないように注意します。


一話目の一部を修正しました。


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第八話 厄災の襲来

しばらく投稿できず、すいませんでした。
しばらくはこの様なペ―スになると思います。
申し訳ございません。


 ヴェルドラの残留した魔素は鬼の憎悪に反応しカリュブディスによく似た魔物を生み出そうとしていた。

そして魔素が鬼の体を核として急激に集まってきた。

 

「グアアアア!!!」

 

 という叫びが依代となった鬼の最後の声だった。その後すぐに鬼の体が急速に変化していった。

そして魔物は生まれた。

 

その魔物の姿は一言で言えば「人型のカリュブディス」と言えた。

 その体を覆うのは水色で硬質感のある鱗だ。顔はカリュブディスに似て巨大な一つ目と口があるのみだ。ただし翼はなく、その代わりに鋭い棘のある尻尾が生えていた。

腕は肘より先が異様に太くなっている。鱗が密集して太く、硬くなっているのだ。

 

そんな魔物が突如として走りだしたのだ。

その一蹴りで地面が割れた。

そしてその「厄災」は依代となった鬼の思いに引きずられ炭治郎達のもとに向かっていった・・・

 

 

 

 

一方その頃炭治郎達は、町に向かっている最中だった。

 だが楽しそうな雰囲気は皆無だった。炭治郎達もあの厄災の気配を感じていたのだ。

 

「なんだ、この気配は⁉」

 

と炭治郎が言い終えたところで、すぐ近くの地面がはぜた。

人型カリュブディスがついに炭治郎達に追いついてしまったのだ。

炭治郎と伊之助はこの時すでに刀をかまえていた。

 

「ひっひいいい!なんだよ!なんなんだよ!あの水色の鬼は⁉」

 

善逸が怯えた声で叫んだ。

 その直後自分の横で、ギャイン ド---ンという金属同士がぶつかり合う様な嫌な音に続いて何かがぶつかり合う様な音がした。

 善逸が振り返った事でその音の正体はすぐに分かった。炭治郎と伊之助がその水色の鬼にぶっ飛ばされて森の中に消えていったのだ。

 音で、かまえていた刀にあたったようだ、という事は分かったがそれでもかなりの重傷のはずだ。

そしてその鬼はその一つ目を善逸に向けた。

「死ぬ」と瞬間的に悟ったが善逸はそのあまりの恐怖によって体が動かなかった。動けなかった。

善逸はその瞳を閉じた。この現実から少しでも目を背ける為に・・・

しかしながらその後、善逸の思っていたような事は起きなかった。

キイイィン、という甲高い音がその場に響く。

そしてその音に続き

 

「やれやれ。なぜワシが少しいなかっただけでこんな事になっておるのかのう?」

 

という老人のような声が聞こえその目を開けた。

そこには驚きの光景があった。

なんと炭治郎と伊之助が反応すら出来なかった攻撃を、たった一人の老人が刀で受け止めていたのだ。

そこで善逸の意識は途絶えた・・・

 

 

 

時は少し遡る。

 

 

 

ハクロウはヴェルドラ達の寝泊まりのできる場所を探していた。

 既に洞窟などは見つけていたのだがこんな場所であの二人が満足するはずがない、ともう少しましな場所を探しいていたのだ。

だが山奥ということもあり、いい場所はなかなか見つからなかった。

 

「あの御二人を残してきて良かったのであろうか・・・何か問題を起こしていないと思いたいものじゃがのう」

 

ハクロウとて残していくことはまずいと思っていたのだが、連れて行くのもどうかと思ったのだ。しかしこの判断をすぐハクロウは後悔することになる。

 

(なんじゃ?一気に視界が広く・・・。ま、まさか!)

 

視界が一気に広がる。これは「魔力感知」が作動したことを意味する。

 そしてもう一つだが、「魔力感知」というのは魔素がなければ意味のないスキルだ。

何せ大気中の魔素を感知する能力だからだ。そんな訳でこの世界では作動すること自体おかしい。それが指し示すこととは魔素が多量に放出されたことを意味するからだ。

これは明らかな異常事態。

そんな中ハクロウは

 

「ワシの判断は間違いじゃったわ!」

 

と叫び、すぐさまその魔物を追って走っていった。

 ハクロウには、この世界であんな魔物を放ったらとんでもない被害が出てしまうのが容易に想像出来た。

何故ならば、魔力感知によりその魔物の強さをランクでいうのなら特Aクラスの中でも上位に位置すると見抜いてからだ。そうしてその魔物に追いついた時に人型のカリュブディスが金髪の少年に突進をしようとしているのを見たのだ。

そして、人型カリュブディスの体が、金髪の少年に触れるまでの一瞬の時間で、その少年の前に滑り込み、攻撃を防いだのだ。

 

「やれやれ。なぜワシが少しいなかっただけでこんな事になっておるのかのう」

 

そう自然に愚痴をこぼしてしまったがこれは不可抗力というものだろう。

その時後ろの少年がドサッと倒れる音がした。

 

「さて。後ろの少年の為にも、さっさと貴様を倒すことにしようかの」

 

と言い、消えた。

次の瞬間、その人型カリュブディスは、「精神体(スピリチュアルボディー)」すら「伝説級(レジェンド)」の刃により八つに切り刻まれ息絶えた。

 

「貴様が巨大でなくて良かったわい。流石にカリュブディス程デカくては、ワシの「八重桜 八華閃」も技の規模的に通用せぬからな」

 

ハクロウはそう言ってその刀を鞘に戻した。

そして首にかけていたマフラーを額に巻き付け角を隠した後、金髪の少年の頬を

 

「お主。奴は倒したぞ。そろそろ起きよ。」

 

と言いながらペチペチたたいた。

すると金髪の少年は

 

「うっう~ん。爺さんだれ・・・あっ!!!炭治郎・・・伊之助・・・炭治郎と伊之助はどこだよ!爺さん!!!」

 

と朦朧としていた記憶が蘇ってくるように叫んだ。

 

「いやワシはお主一人しか見ておらぬぞ」

 

と、ハクロウは応えた。

そうすると金髪の少年はその場から飛び起き

 

「炭治郎‼炭治郎!!!伊之助‼伊之助!!!」

 

と叫びながら森の中に走っていった...

 

 

 

 



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第九話 後始末

ようやく用事が一区切りつきました。


金髪の少年が探しておった者達は人型カリュブディスのいた場所から約60m程離れた雪の上に飛ばされていた。

金髪少年が泣きながら

 

「うあああん!炭治郎達が目を開けないよー!!!」

 

と叫び、おぶってきたのだ。

ワシはその者達の体にさわりながら

 

「安心せい。まだ何とか生きておる!雪がクッションとなり助かったのじゃろう。しかしあばら骨と腕の骨が折れて背骨にもひび割れが生じておるのう。ワシの連れを呼んでくるゆえ、お主は火をおこしてその者達を暖めておけ!」

 

と金髪少年に指示しヴェルドラ様方のもとに向け走っていった。

 

 

 

 

 

 

 

ラミリス達はいつまでたっても帰ってこないハクロウに憤慨していた。

 

「ハクロウのやつ、全然帰ってこないじゃないじゃん!いつまで休憩場所探してんのよ!」

 

「まったくだ。帰ってきたら一言言ってやらねばなるまい!」

 

とまさかヴェルドラの後始末をしてくれているとは夢にも思わず言いたい放題言っていた。

そんな時ようやくハクロウがヴェルドラ達のもとへ帰ってきた。

そして、

 

「遅かったわねハクロウ。アタシ達一時間位ずーーーとっ待ってたんだよ…」

 

「まったくだ。我らをここまで待たすとはいったい何事だ!」

 

と恨みのこもった声で怒鳴った。

確かにハクロウにもある程度の落ち度はあった。

しかしこれにハクロウは

 

「お待ち下され。ワシがここまで遅くなったのは、何故か(・・・)発生した人型カリュブディスを追っていたからなのですじゃ!」

 

と「何故か」を強調して言った。

実際は休憩場所を探している時間の方がはるかに多かったのだが・・・

この言葉でヴェルドラとラミリスは口を噤んだ。

ハクロウにこれ以上文句を言えばそのまましっぺ返しをくらうとわかったのだ。

そしてハクロウは

 

「それはそうとそやつの攻撃で二人の少年が重傷なのですじゃ!急ぎ治癒してやってほしいのです!」

 

と、訴えた。

すると

 

「よっよかろうその何故か(・・・)発生した人型カリュブディスによって怪我をした者達を治療してやろう。」

 

と手のひらをひっくり返した様に言って自分達を金髪の少年の近くの森に転移させた。

なぜ目の前ではなく近くの森かといえばいきなり現れてはどう考えてもおかしいとヴェルドラも思ったからだ。

そして行ったさきには火をおこし終わって泣いていた金髪の少年がいた。

その少年はハクロウを見るなり

 

「爺さん⁉早く炭治郎達を助けてやってくれよ!!!」

 

と涙をこぼしながら訴えた。

それにヴェルドラは

 

「よかろう。」

 

と言い空間から完全回復薬(フルポ-ション)を出し炭治郎と呼ばれた少年達にぶっかけた。

すると一瞬二人の体は青く輝いて傷が全て完治したのだ。

ヴェルドラ達からしたら見慣れた光景だったが、その少年からしたらまさに、その光景は奇跡に等しい出来事であったのだろう。

その光景をみたあとにまた

コテン

と、気絶してしまった。

 

それをみたヴェルドラは思った。

あれ、これまた我やらかした?

と!

 

 

 

 



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第十話 自己紹介

善逸が目覚めたのは朝日がのぼり1時間ほどたった後だった。

体の上には毛布がかけられており、近くには炭治郎達が同じ様に寝かされていた。

その体には文字どうり傷の一つもありはしなかった。

その光景だけを見れば昨日の水色の魚のような鬼も、その攻撃を受け止めた爺さんも全ては夢だったのではと思ってしまうところだ。

だが、そうは決っして思う事は出来なかった。

何故なら

 

「ようやく、起きたか?金髪少年。ところで名を教えてもらえぬかのう。いつまでも金髪少年でいいのならいいがのう。ちなみにワシの名はハクロウじゃ。」

 

と、その爺さんが俺が起きた途端に声をかけてきたからだ。

色々と聞きたいことがあったが、それに対し

 

「あっはい・・・俺は我妻善逸です。そっちの猪頭が伊之助。髪が赤みがかっているほうが炭治郎です。助けてくれてありがとうございました。」

 

ということしかいう事しか返せなかった。

そしてその時、初めてはきっりとその老人をみた。

その老人の年は50~60代というところだが、眼光は鋭く、いかにも達人という雰囲気を纏っていた。

服装は白い着物のような服を着て額にハチマキのような物を巻いていた。

そしてすこしその姿を見た後、起きた時からずっと気になっていた事を聞いた。

 

「ところでなんでこの二人の怪我がこんなに綺麗になくなっているんですか?」

 

そう、これが一番の疑問だった。

鬼の攻撃をこの老人が受け止めたということも勿論驚きだが、今の自分より何倍も強いであろう老人(鱗滝・桑島(善逸の育手))を実際に知っている為にそこまで驚きはしなかった。

あの時の炭治郎達の怪我は一目見ただけでもとんでもない重傷だった。

下手すれば十数分も持たなかったであろう。

それが前にも述べたとうり傷一つなかったのだ。

これはどう考えてもおかしい。

それにかえってきた言葉は

 

「それはな、この、どんな怪我もたちどころに治す、海外の奇跡の薬 完全回復薬(フルポーション)のおかげなのじゃ!」

 

という言葉だった。

 

 

どうしてこんな事になっているのかというと・・・

 

 

 

 

 

ヴェルドラ達は善逸が再び気絶してからすぐにこれからの日程やこの場をどうするかを話し合ったのだ。

ヴェルドラとラミリスはともかくハクロウは自分達が異世界の住人だということをかくすべきだと考えたからだ。

まず最初に出た案はこのままこの少年達から離れてしまう、という案だった。

実際にこれが一番いい案だったのだが、この案はヴェルドラとラミリスによって拒否された。

いわく「そんなことをしたら面白くない」とのことだった。

そうしていくつかの案を出していく中で先ほどの「行商作戦」が出たのだ。

もちろんこの案を出したのはハクロウだったのは言うまでもない。

この案の内容としては

自分達が海外から来た商人、という役につくというものだった。

この案の利点としてはまず、かなり苦しいが完全回復薬(フルポ-ション)を海外の新開発した薬だと言えることだ。

二つ目は自身の剣の腕前を多少言い逃れできる、ということだ。

死んでいなければ大抵の傷は完治させることができる薬を持っているのならある程度の実力をもつ護衛がいなくては逆におかしいということだ。

三つ目はヴェルドラの見た目を自然にすることができる、ということ。

ヴェルドラは、どっからどう見ても日本人という見た目ではない。

なにせ体色は黒褐色で髪は金髪なのだから。

だが外人ということならば服装は兎も角、容姿はごまかせるためだ。

 

更におかしな行動をとっても外人というのである程度だが、言い逃れ出来る。

 

この様な利点があったため結局この案が採用になったのだ。

 

その後少しばかり、ある準備(・・・・)をした後に善逸が目覚めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・つまり商人ってことですか?」

 

先ほどの発言に対してかえってきたのがその反応だった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 




しばらくの間ラミリスの出番は無いと思います。
また、日本についての常識を何故ハクロウが知っているかというとヴェルドラが、読んでいた漫画の知識を少し話してもらったからです。



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第十一話 嫌な予感

「・・・商人ってことですか?」

 

ハクロウ達の言葉に対して善逸少年がかえしてきた反応には不信感がこもっていた。

当然だろう。

誰だって、いきなりあった者にこんな紹介をされたら警戒する。

むしろ警戒しなかったらそいつは馬鹿だろう。

しかし、ここで打ち合わせ通りにしておかなければならないのだ。

 

「ああ。そのとうりじゃ。」

 

ハクロウは大げさなまでにその言葉に頷いた。

すると

 

「なんでそんな人がこんな所にいるんですか?いや、そもそも何であの水色の鬼を殺せたんですか?」

 

という質問がとんできた。

ハクロウとしてはこの質問には少し引っかかるところがあった。

『なんであの水色の鬼を殺せた』

この言葉からはこの世界の事が色々とわかる。

まず、この金髪の少年が言っている「水色の鬼」とは十中八九、人型カリュブディスのことだろう。

それは間違いない。

問題はこの先だ。

先の発言からこの世界には「鬼」という存在がいるのだろう。

それだけならば良かった。

その様な存在がいるのなら人型カリュブディスについてもその「鬼」だと勘違いしてくれるだろう。

この世界にいない「魔物」ではなく、「鬼」と認識してくれる。

それはハクロウからしたら都合がいい。

だがしかし、その「鬼」は言葉から察するに倒すのに何か特殊な方法が必要なようなのだ。

ハクロウもこれには頭を悩ませる。

 

(まずいのう。うかつにものを言えばワシらがこの世界の住人でない事がばれてしまう)

 

だが、ハクロウが言葉を詰まらせた時に思わぬ助け舟がはいった。

 

『ハクロウよ。おまえのことだから何やら悩んでおるのだろう?そんな貴様に我からアドバイスをしてやろう。あの「鬼」とやらはどうやら日光が弱点のようだぞ』

 

この世界に来てから初めてハクロウがヴェルドラに対して感謝した瞬間であった。

ただ、そのことを知ったことがこの状況にも繋がっているわけなのだが・・・

 

「それはのう、ワシらは商人である故、商品を売る事が仕事なのじゃ。故にまだこの様な薬が造られてないこの国に売りに来たのじゃよ。そして殺し方については朝日が当たった事で死んだぞ」

 

「なるほど・・・?」

 

善逸少年は分かったような、分からないような感じで返事をした。

 

「まあ、要するにワシらは外国から来た商人、と考えておけばよい。それだけ知っておれば十分じゃ」

 

「クアーハッハッハ!貴様の連れを治したのも我らのフルポーションおかげなのである!」

 

ヴェルドラが出しゃばってきてそう言った。

先ほどはかなり気の利いた発言だったのだが今回はそうでもない。

ハクロウとしては、ヴェルドラの性格上、口を開けば何かいらん事を言い出す可能性が高いため黙ったままでいて欲しかった。

しかしそんなハクロウの気持ちとは裏腹に、あろうことか

 

「それはそうと、治療費の代わりとしてこの国を案内してはもらえぬか?あっ。そうそう言いそびれていたが我が名は「ヴェルドラ」だ」

 

などという発言をしたのだ。

この言葉に真っ先に反応したのは無論ハクロウだった。

瞬間的にヴェルドラに『思念伝達』を繋げ

 

『ヴェルドラ様‼打ち合わせと話が違いますぞ!!!打ち合わせでは、彼らが目覚めたらここを立ち去る予定のはずですぞ!』

 

と言ったその声は焦りに満ちていた。

だがそんなことをヴェルドラは気にしない。

 

『まあ、落ち着け。我がこの世界の解析が完了するまでまだ時間がかかる。そんなことならば現地の者に案内させた方がよかろう。この者達にもかなり関わってしまったのだからよいではないか?』

 

ハクロウからしたらこの世界の観光自体歓迎すべきことではない。

リムルがいるならば兎も角、現時点では本気で行動したヴェルドラを止めれる者などこの次元には存在しないだろう。

そのためハクロウは今も、ヴェルドラを何とか行動させないようにするために頭をひねっているのだ。

だが、ハクロウにとって最も幸運だったのはヴェルドラがとても扱いやすい性格であったということだろう。

しかし、それでも、もはや止められなくなるようなことは起きる。

それがまさにこの時だった。

ヴェルドラの話ではこの世界の解析にまだ暫くかかる、ということだった為それまでに何とかしてリムルに連絡をとる予定だったのだ。

それなのにもはや既にヴェルドラは行動を始めようとしている。

そんな中

 

「そっそれは・・・」

 

とハクロウが言葉をつまらせたときに

 

「うッ・・・」

 

と、今まで寝かせていた炭治郎、と呼ばれた少年が意識を取り戻した。

 

 

 

 

 

 




善逸はハクロウの強さは、そこまで不審がってはいません。
柱をはじめ、自分の育手「桑島慈悟郎」や「鱗滝左近次」など自分達よりも遥かに強い存在を知っている事と、人型カリュブディスの正確な強さを知らないからです。


追記 この話はかなり強引に改変したため本編で何か矛盾があるかもしれません・・・


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第十二話 次の街に

注  この話では原作の設定を一部改変しております。
どこが改変されているのかは後書きで説明します。
申し訳ございません。


「うッ・・・」

 

俺が目覚めて最初に口からこぼれ出た言葉がそれだった。

周りを見渡すと、近くには俺と同じように伊之助が寝かされており禰豆子のはいった箱もある。

話し声が聞こえその声の方に向くと、善逸が白髪の老人や金髪の青年と話していた。

そして、俺が起きたことに気が付いたのか善逸が俺のもとにかけよってきて

 

「炭治郎---!目覚めてよがった!よっがたよー!」

 

と、そのまま大泣きしてしまった。

そこから先程善逸と話していた人達とこうなった経緯や軽い自己紹介が始まった。

 

「えッ!そっそんな凄い薬があるなんて!それを使えれば無惨にも格段に勝ちやすくなる!!!」

 

 

この時は俺達の傷を治したという薬について話していた。

その薬は善逸の話では、なんとあちこちの骨が折れていた俺達の体に、その薄く青みがかった半透明の液体をかけた瞬間に外傷がみるみるうちに治癒していったというのだ。

これを聞いてもちろん俺は声に出したように驚いた。

あの時俺がおっていた傷は薄っすら残っている記憶でも俺が起き上がる事も出来ない程の傷だったという事は覚えている。

それがこのとうり傷一つなく完治しているのだ。

有り得ないような事だが自分自身で体験した事実だ。

そんな薬があれば、鬼殺隊の犠牲者も最小限に抑える事ができる。

しかし、現実はそうは上手くいかなかった。

 

「いや、この薬はそうは作れんのだ・・・」

 

その薬は量産されているんですか⁉という俺の質問に対しかえってきたきた言葉がそれだった。

 

「それはそうですよね…でも、そんな高価な薬を俺なんかの為に使ってしまってよかったんですか?」

 

肉体の損傷をあっという間に治してしまう薬、そんなに詳しい値段は分からないがとんでもない値段という事はわかる。それだけ高価な物を見ず知らずの俺達に使って良かったのか?という疑問から自然にこの言葉が出てきてしまった。

 

「クア-ハッハッハッハ。心配するでない!小僧よ!使うべき時に使ってこその道具である。それに我としても目の前でお前のような小僧に死なれても目覚めが悪い。この薬も素晴らしいものだがそれ以上に素晴らしいのは、考え、望み、再現しようとする人間(・・)そのものだ。どれだけの物が壊されようと消え去ろうと、造り手さえ無事なら何度でも何回でも、やり直すことができるからな。」

 

しかし、かえってきた言葉は炭治郎の予想していたものとは、かなりちがうものだった。

その言葉には、人として鏡にするべき言葉が多く詰まっているような気がした。

しかし、それと同時に炭治郎は「人間」という言葉に若干の違和感を感じたのだ。

それはまるでこの人物が人間ではない(・・・・)何か別の存在であるように聞こえたからだ。

そして、その「人間ではない」存在として思い浮かんだのは・・・

しかし、そんなはずはないとその思考を振り払う様に頭を振った。

その人物達の匂いは人間のもの(・・・・)だったからだ。

善逸も何も言ってないため音も人間のものなんだろう。 

 

そこからしばらくはその人達へ質問等をしていた。

そんな時に善逸がふと思い出した様に

 

「あッ!そういえば炭治郎!この人達この国の観光もしたいって話だったから、案内してあげようよ。丁度俺達が向かっていく街も大きいしさ!」

 

と言った。

なるほど。さっきはこれを話していたのか、と起きたばかりの時に見たあの光景を思い出して、そう思った。

 

「ああ!そうだね。助けて貰った恩もあるしな」

 

そう言って俺はヴェルドラさん達の方に向いて返事をした。

 

「是非案内させて下さい。遊郭・吉原を!」

 

 

 

 

 




はい、どこが改変されていたかお分かりになったでしょうか?
 
正解は 魔物はウソなどをつくことが出来ない でした。
この設定があると、正直言っちゃったらどうすればいいんだよ~、と書いている際に悩みまくって原作改変をしてしまいました。


あとヴェルドラのセリフですが、あれはあくまで自分の中での考えですが、ああいうふうに言った理由は、原作内でヴェルドラは何回も世界を破壊しかけその度に人類は何度も甚大な被害を受けましたがそれでも人類は滅ばないどころか文化も発達させてきました。
そんな人類をヴェルドラならば素晴らしいと考えていると思ったのと、原作でも自分を討伐しに来た者達であっても自身の逆鱗に触れなければ生かしてかえしていたりと初対面の人間であってもかなり友好的(魔物としては)だったからです。

あと話が長くなってしまいましたが鬼滅でようやく、どこらへんの時間軸かかけました。





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第十三話 ハクロウの心境

ハクロウは心の中で深いため息をはいていた。

今までどうにかこうにか、そらしてきたヴェルドラの気持ちがついにそらせないようなところまで固まってしまったのだから。

先程のヴェルドラ様の発言の直後にあの額に痣のある炭治郎という少年が起きたため話題を一時的にそらせはしたが所詮は一時しのぎに過ぎなかった。

すぐまた善逸という金髪少年が話を戻してしまったのだ。

善逸少年はハクロウ達を怪しんでいたようだったため、もしかしたら善逸少年のほうから断ってくれるかも、

などとも思っていたのだが炭治郎少年が無事に目覚めた事で警戒がとけてしまったのだろう。

 

(もはやヴェルドラ様は止めることができなんだ。リムル様。申し訳ございませぬ)

 

ハクロウはそうリムルへの謝罪を述べた後

 

(まあワシはワシに出来る事をするだけよのう)

 

そう心の中で唱えた

もはや旅をさせない事は若干諦めて、被害を自分の出来る範疇でカバーする方向に舵をきったのだ。

それでもあくまで若干であり、出来るならばトラブルを起こさせないようにするだろうが・・・

 

それを考えたのち現実に目を向けてみると、猪頭をかぶった少年が眼を覚ましたようだった。

そこからはまたもや説明タイムに突入し、途中で猪頭の少年、伊之助少年が

 

あいつ(人型カリュブディス)を倒したお前を俺様が倒せば俺こそが最強だ!ジジイ!俺様と勝負しろ!」

 

と言い放ちそれを炭治郎少年と善逸少年がとり押さえるという事もあった。

 

 

 

そんなこんなであらかたの事情(設定)を説明し終えた既に日は頂点をすぎ西に傾いていた。

朝から事情を説明していたにも関わらずこんなにも時間が経ってしまったのだ。

 

「もう日が傾いてきておる・・・説明に随分と時間がかかったものよのう」

 

そうハクロウがぼやいてしまったのは不可抗力というものだろう。

その言葉に反応して炭治郎少年が

 

「すいません。伊之助が迷惑をおかけしてしまって・・・」

 

申し訳なさそうな顔をしてペコペコと頭を下げて言った。

 

「いや。ワシらの方にも問題はあったからのう。気にすることはない」

 

そう。実は昼頃になった時、ヴェルドラが昼飯を作るために鉄板をだそうとしたのだ。

無論出来る範囲内だったので止めたのだが、そこでもひと悶着あったのだ。

少年達に見られる前に隠せたのは幸いだった、そう考えるとともにハクロウは胸をなでおろした。

しかし

 

(ベレッタ殿もワシと同じような心境だったのかの・・・)

 

と以前ヴェルドラ達が異世界に行った時のことを思い浮かべ、またもやため息をはきそうな表情になっていた。

 

(トラブルを起こさせないのは諦めた、というふうに思ってはいたが実際にそのようにするのはやはりワシには厳しいか・・・お二方のように何も考えずに行動できたらどれだけいいことか)

 

などとヴェルドラとラミリスの顔を思い浮かべ自分がどうするべきかを考えていた。

そんな時

 

「・・ロウ。・・クロウ。ハクロウ!」

 

ようやく呼ばれていた事に気が付いた。

 

「! なっなんですかな?ヴェルドラ様」

 

「なんですかな?ではない!そろそろ行くぞ。さっさと準備をせよ」

 

と言って、もう行くぞ、すぐに行くぞ、今すぐ行くぞ!とでもいいたそうな顔でヴェルドラが怒鳴った。

 

「・・・分かりました・・・ヴェルドラ様・・・」

 

その声に対する返事をした時のハクロウの声は酷く疲れた様子だった。

 

 

 

 

 

 

 




本編に書いてなかったんですが人型カリュブディスの遺体は善逸が朝起きる間に土に埋めてあります。
あとこの作品の転スラキャラの姿は主にマンガもしくは小説版の姿をもとにしております。カリュブディスの姿はアニメとマンガで大きく異なっているためご注意ください。


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第十四話 鬼の夜街

「はぁ。ようやくついたー」

 

疲れきった、ため息混じりの声で善逸が述べた。

そう。ようやくというべきか今頃と言うべきか、とうとう吉原に到着したのだ。

 

「ほほー。我らが国(テンペスト)には流石に劣るが、なかなか華やかな街ではないか!なあ!ハクロウ」

 

「そうですなあ。テ、ワシらの国には無い物も沢山ありますのう」

 

そう言いながら周りの店の商品を眺めていた。

ヴェルドラは言うにもれず、行くまではかなりうなだれていたハクロウも、いざ来てみればかなりテンションが上がっているようだ。

ヴェルドラ達の言うとうりこの吉原はかなりの賑わいを見せていた。

それに、これまで山道や田舎道ばかり見ていたため、尚更華やかに見えるのだ。

 

「まあまあ。ヴェルドラさんもハクロウさんも落ち着いてください。もうじき夕暮れ。早く寝泊り出来る所を見つけましょう」

 

それをみかねたのか炭治郎が困ったような顔をして言った。

今はもう夕方。

早く宿屋につかなくてはこんな花街で野宿することになってしまう。

自分ならまだしも善逸やヴェルドラさん方は嫌がるだろうと考えての発言だった。

 

「確かにそうじゃのう。はしゃぐのも控えめにしなければなりませぬのう」

 

「むう。ようやくついたというのに・・・」

 

それに対してハクロウは素直に、ヴェルドラは渋々といった様子で応えた。

ヴェルドラの場合はだら~ん、と腕を落とし、顔をしかめ、いかにも気分がそがれたというのを体全身で表現している。

それを横目で確認しながら炭治郎が

 

「じゃあ俺がどこか泊まれる宿を探してくるんで、ここで待っていてください。何か困った事があったら善逸に聞いてください。頼んだぞ、善逸」

 

「分かったよ。炭治郎」

 

善逸がこの言葉を言い終える頃には炭治郎はもう見えなくなっていた。

 

「さて、それはそうと、いい加減しゃべれよ。伊之助」

 

「・・・」

 

伊之助のその沈黙からは不機嫌さが痛いほど伝わってきた。

なぜかというと

 

「そんなに怒るなよ~。その顔でその格好すると、似合ってるよ。伊之助」

 

「うるせぇ!こんな動きにきい格好させやっがて‼」

 

そう今の伊之助は猪の頭をとって女性の着るような服を羽織っているのだ。

 

「ほっほっほ。ワシもお主の顔を見たときは驚いたものよ」

 

「まったくだ。遠回りした価値もあったというものよ。クアーハッハッハ」

 

実はこの街に入る前に街を出ていく者たちが伊之助やヴェルドラの格好をとても怪しんでいたため急きょ近くにあった藤の花の家紋の家に服を借りる為に立ち寄った。

ヴェルドラの物は問題なかったのだが、そこにあった服で伊之助の体にあう大きさの物が女物しかなかった為それを無理やり着せられたのだ。

その為機嫌を悪くして先ほどまで声を発していなかったのだ。

 

そんな話題でヴェルドラ達が盛り上がっている時に炭治郎はといえば・・・

 

「なかなか見つからないな~宿屋。というよりもここどこだろう・・・」

 

と首をかしげて迷子になっていた。

 

「誰かに聞くしかないけど・・・」

 

人は多くいるのだが皆忙しそうにせかせかと動いており話しかけにくいのだ

そこで辺りを見回した時に一人の女の子が目に付いた。

 

「お~い!そこの女の子!一つ聞きたいことが」

 

そこまで行った時にその女の子が振り向いてその顔が見えた。

その人物は・・・

「・・・って、えッ⁉アッアオイさん⁉」

 

 

 

 

 

 



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第十五話 音柱との再会

注意 この話では一部、過去を改変しております


その女の子が振り向いたときに初めてその顔が見えた。

 

「えっ⁉アッアオイさん⁉」

 

そうその顔は紛れもなく蝶屋敷にいるはずの神崎アオイの物だった。

 

「炭治郎さん⁉何でここに?」

 

「それはこっちのセリフだよ!」

 

その口調から察するにアオイの方も驚いているようだった。

 

「私は「音柱」宇髄天元様の任務の都合でここに同行して来たんです」

 

先ほどの俺の質問に対して帰ってきたのがこれだった。

 

「宇髄天元?」

 

「そうです。いつも、派手派手言ってる人ですね」

 

「ああ。あの人か」

 

最初はピンとこなかったがアオイちゃんの説明で誰か分かった。

柱合会議にいたあの頭を包帯で覆って忍の様な格好をした人だ。

 

「それは分かったよ。で、その任務の内容はどんな感じ何ですか」

 

「それは・・・宇髄天元様の奥様の捜索及び救出です」

 

「? どういうことなの?」

 

「実はこの街で奥様方が店に潜入してこの街に巣喰う鬼についての情報を集めていたらしいのですがそれの定期連絡がここ最近途切れてしまった様なので私を潜入させようという話だったようです」

 

アオイが若干顔色を悪くさせながらも、俺にこうなった経緯を教えてくれた。

その顔色から察するに自らが志願したというより無理やりに連れてこられたということが伝わってきた。

それに少しの怒りを覚えたが

 

「そんなことが・・・」

 

抑えてそう言った。

 

「それはそうと最初、私に聞きたかった事はなんだったんですか?」

 

そこで俺が忘れかけていた事に話を戻された。

 

「あッそうだった!アオイさん。この近くの宿屋がどこにあるか分かる?」

 

「えッあ、はい。宿屋なら、この通りを真っ直ぐ行ってしばらくしたら大きな宿屋がありますよ」

 

思ってもみない質問だったのか少し驚いた様子だった。

 

「ありがとう!アオイさん」

 

そう言って炭治郎はその言われた方に歩いていった。

しかし途中でふと止まり

 

「アオイさん!もし良かったらだけどその任務、俺達も手伝おうか?答えが「はい」ならここで待っていて!」

 

と言ってその場を後にした。

 

 

その後炭治郎は言われたように宿屋に行き、予約をとって、アオイとあった場所に戻ってきた。

そこには先ほどと同じようにアオイがいた。

 

「アオイさん」

 

俺が最初にかけた声がこれだった。

 

「炭治郎さん・・・」

 

あちらも俺に気付いたのか返事がかえってきた。

しかし頭は下げており、その声からは悲しみの匂いがした。

 

「何を悲しんでいるんだい?」

 

そう聞いた俺の袖を、アオイさんが無言で掴んで人通りが少ない路地の方に引っ張っていった。

 

「・・・炭治郎さんは私が惨めだとは思わないんですか?私は鬼殺隊であるにも関わらず鬼を退治することも恐ろしくて出来ません。今だって恐ろしくてたまりません。そんな私が!情けないとは思わないんですか⁉」

 

俺の方を振り向いた時アオイの目には涙が浮かんでいた。

俺はこの言葉に

 

「俺は君のことを情けないだなんて思わない‼」

 

きっぱりとこう応えた。

 

「ッ⁉ 私に気を使っているんですか?」

 

「いいや。これは俺の本心だ。人の価値は闘う力だけじゃない。君の良さは人を怪我から助けたり教えることを諦めないことだ。前に善逸達が訓練を投げ出した時も「私は知りませんからね」って言ってても結局は最後まで訓練に付き合ってくれたじゃないか。それに人には向き、不向きがある。君の得意な治療は俺には出来ない。誰かに出来ない事を出来る君はただそれだけで特別なんだよ。そんな君を情けないだなんて、どうして思うもんか。君は君に、俺は俺に出来る事を精一杯すればいいんだ」

 

そこまで言った時アオイさんは泣いていた。

 

 

 

 

数分後・・・

 

「だっ大丈夫?」

 

「うッうッ、ごめんなさい。炭治郎さん・・・私は大丈夫です・・・」

 

「あ~良かった。いきなり泣いちゃうからびっくりしたよ~」

 

炭治郎はアオイを慰めていた。

生粋の鈍感さ故に何故アオイが泣いているのかハッキリとは分かっていなかったが、話の流れ的に自分の発言が原因という事は理解できていた。

 

「・・・炭治郎さん。さっきの話で決めました。私は私に出来る事します。代わりに鬼は貴方に任せてもいいですか?」

 

「ああ。もちろんだよ。アオイ」

 

アオイの顔には先ほどまでのように自信のなさは写っていなかった。

そこまで言ったところで話題を変えた。

 

「ところでその格好は何なの?」

 

そう会った頃から気になってはいたのだがアオイはいつもの隊服ではなく着物を着ていたのだ。

アオイは

 

「これはいつも派手派手言ってる宇髄天元様が任務の為目立たないように、と私に着せたんです」

 

と、少しの軽口をいいながら説明した。

 

「へ~そうだったんだ。というかあの人、忍者っぽい格好してるのに凄い派手好きなんだな~」

 

「ああ、もちろんだ!俺は(・・)派手な物が大好きだからな!」

 

俺が発した言葉に反応したのは・・・

 

柱合会議であった宇髄天元、その人だった。

 

 

 

 

 

 

 

 




改変したのはマンガ第七巻のアオイとの会話です。原作はそこで、自分は腰抜だと言っていたのですが本作では言っていない設定になっています。
あと本作では蝶屋敷に戻らなかったため宇髄天元は神崎アオイを任務に連れていっています。


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第十六話 任務

インフルエンザに感染し、しばらく寝込んでいました。
この時、実際に三十九度の熱がでました。

こんな状態で動いているってヤバいな・・・と思ったのを覚えています。(痣の話です)


俺に返事を返したのは、今さっきまでこの場所にいなかったはずの宇髄天元その人だった。

これに驚いたのは炭治郎だ。

 

(そんな!声をかけられるまで全く気付かないなんて⁉)

 

「よう。久しぶりだな、頭突き頭。まあ、そんな警戒すんじゃねーよ」

 

不意に声をかけて無意識のうちに警戒してしまったようだ。

すぐに警戒を解き

 

「貴方が宇髄天元だな。アオイさんはこの任務を嫌がってます!代わりに俺がやるから、アオイさんを蝶屋敷に帰してあげてください!」

 

と、声を大にして叫んだ。

すると

 

「ああ、いいぜ。協力さえしてくれれば誰だって構いやしねえしな。ただし!お前、じゃなく、お前ら(・・・)でやるんだ。そして俺を神と思い、崇めろ!神である俺が言った命令には全て従え!これが守れるんならこの女は帰ってもいい」

 

という返事が返ってきた。

思っていたよりも案外あっさりとアオイの帰還を認めてくれたことや、俺が複数人でこの街に来た事を知っている事に驚きつつも俺はこの条件をのんだ。

善逸には悪いけどアオイさんの為ってちゃんと説明すればわかってくれるはずだ。

このやりとりの後アオイさんは俺に「炭治郎さん。ありがとうございました」と告げて帰っていった。

 

「お前あいつに任務の内容を聞いたか?」

 

「はい。大まかな事情は」

 

「大まかは、か・・・よし!じゃあ今日中にお前の連れと、ここに来い。詳しい説明はその後だ。分かったな」

 

そう言って宇髄は消えていった。

 

「よし。じゃあ急いで戻らないとな!ヴェルドラさん達も待ってるし。にしても結構時間かかっちゃったな」

 

空を見上げながら思った。

もう夕方ではなく夜と言ってもいい状態になっている。

この街に来た時はまだ日が出ていた為結構な時間がたったことになる。

そんなことを考え、炭治郎は大通りに戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

「うむ!この「みたらし団子」なるものは絶品であるな!」

 

と言いながら団子を食っているのはヴェルドラ。

 

「ヴェルドラさん。そんなに食べないでくれよ~これ金払うの全部、俺なんだからさ~」

 

そういう風に泣き言を言ってるのはもちろん善逸だ。

ヴェルドラが大人しく炭治郎を待っているわけもなくこうして辺りの店を回っていたのだ。

ただ、ヴェルドラ達がこの世界の通貨を持っているわけもなく、支払いは全て善逸に任せていた。

そのせいで善逸の懐は随分と軽くなってしまった訳だ。

そうしてヴェルドラが最後の団子を口にした時

炭治郎の全集中・常中の音が善逸の耳に届いた。

 

(あっ!炭治郎の音だ)

 

「ヴェルドラさん。もう炭治郎も帰ってくるんで団子買うのは止めてくださいね!」

 

そう言ってヴェルドラを止めた善逸に

 

「あの小僧が帰ってきたと何故わかるのだ?」

 

とヴェルドラが質問した。

 

「俺、耳がいいです。昔、寝てる間に話してた内容を知っていた事もありました」

 

「ほう。そんなことが」

 

「あと、炭治郎も鼻がよくて相手が何考えてるとか匂いでわかるときもあるみたいですよ」

 

などと、話しているとようやく炭治郎がやって来た。

しかしついた途端に

 

「ようやく見つけた。あそこで待っててくださいと言ったじゃないですか。俺じゃなかったら見つけれませんでしたよ」

 

と弱めの説教をした。

 

「いや~すまんすまん。だが貴様は鼻が利くのであろう。結局見つかったのだからよいではないか」

 

しかしヴェルドラは全く懲りた様子はなく逆に開き直ってしまっている。

 

「まあ、過ぎたことなんでそれはもういいです。ところで、宿屋に申し込んできたんで、もうはいれますよ」

そんな様子を見て説教を諦めたのか直ぐに話題を変えて宿屋の話をした。

 

「すまんのう。任せてしまって」

 

「いいえ!貴方方には命を救ってもらった借りがありますから、謝罪は不要ですよ」

 

と炭治郎がハクロウの言葉に笑顔で応えつつもキッパリと言った。

その後、炭治郎は真面目な顔で

 

「あと、申し訳ないんですが、俺達は急な用事ができたんで、ここでお別れです。助けて貰った恩を返しきれずすいません。」

 

と言った。

 

「恩事はいい。だが、急な用事?何なのだそれは?」

 

「それは・・・」

 

その言葉にヴェルドラが質問し、回答に炭治郎が困っていると

 

「何か事情があるようだな。無理して言うことはないぞ」

 

とまさかのヴェルドラが声を発した。

 

「そうじゃのう。他人の事情に首を突っ込む権利はワシらには無い。お主らも達者でな」

 

その言葉にハクロウも追随し、炭治郎一行とヴェルドラ達は別れた。

 

 

 

 

 

 

その後、ヴェルドラ達は炭治郎の教えてくれた道順を通り宿屋につき部屋に入った。

そして部屋まで案内してくれた女性が

 

「ご説明は以上となります。ではごゆるりとお過ごしください」

 

と言って離れていった事を確認すると

 

「ラミリス様。もう出てこられても大丈夫ですぞ」

 

とハクロウが何も無い空間に向かって言ったとたん、ひょこっと黄色い髪の毛が空間の歪みから現れた。

 

 

 

 

 




ラミリス、久しぶりに出てきましたね。

それはさておき、この話、前書きで言った様にインフルエンザになった後に投稿するため、文章がおかしいところがあるかもしれませんが許してください。
















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第十七話 久しぶりの・・・

感想に書いておいたのですが一応ここにも

「リムル様いつ出てくんだ⁉」

と思っている人もいるでしょう。
リムル様が登場するのはもう少し先です。
そのあまりの万能さ故に登場させるとすぐに話が終わっちゃうんですよ。


「ぷはー。う~~んいい空気。やっぱり吸うなら本物に限るわね!」

 

そう言って空間の歪みから出てきたのはラミリスだった。

炭治郎達にばれてしまえばかなりまずい状況になってしまうためヴェルドラの造った異空間の中に隠れていたのだ。

 

「申し訳ございませぬ。ラミリス様。あの少年達にばれると厄介なもので・・・」

 

「いいっていいって。そんなことより、ハクロウの勘って凄いわね!あの時ハクロウが「ラミリス様、ワシらの匂いや音、姿を人間に近づける事は出来ますかな?」なんて言ってなかったらばれちゃってたもんね」

 

ラミリスが、あまり似ていないハクロウの声真似をしながら感心した。

 

「ワシも今しがた我妻少年からそのことを聞いて肝が冷えましたわい」

・・・

 

 

 

ハクロウは善逸が目覚める少し前に、ただ姿を人間に偽装しようとしていたラミリスに、気配で自分達が人間ではないと見抜くことができる人間がいるかもしれない、と具申しており、それに従ったラミリスが幻覚魔法でヴェルドラ達の匂いなどを人間のものに変えていたのだ。

これは完全に勘だったのだが、その慎重さがハクロウ達を救ったのだ。

 

 

 

・・・

「クアーハッハッハ。ハクロウ、お主の勘もなかなか鋭いではないか。まあ、軽口はこのぐらいにするか。ハクロウ。貴様も感じるか?」

 

「無論でございまする。ヴェルドラ様」

 

今までの軽い雰囲気とはうって変わった声の調子でヴェルドラが話しかけそれにハクロウが応えた。

 

「え?なんの話?」

 

しかしそんな空気をブチ壊す様にラミリスがアホ丸出しの質問をしたものだからヴェルドラ達は漫画のように「がくっ」となってしまい

 

「バカモーン!この街に来た時から何やら気持ち悪い気配が漂っているであろうが!」

 

「いやいやいやいや。アタシは師匠やハクロウみたいにバカみたく強くないんだから、わかるわけないでしょーが!」

 

などと口論が始まってしまった。

どちらも軽いじゃれあいのつもりではあるようだが、あまりさわぐのも迷惑な為

 

「まあまあヴェルドラ様もラミリス様も落ち着いて下され」

 

とハクロウが仲裁に入った。

 

「むう。じゃあ師匠。ちゃんとアタシが理解できるように説明してよ」

 

「良かろう!この街に入る少し前からその気配を我は感じてはおったのだ。だが、あちらも気配を隠しているうえに人が多くハッキリとは分かっていなかったのだが、この街に来てようやく確信変わったわ。この街にも我らに襲い掛かってきたあの魔人()とにた気配の者がいるようなのだ。しかもあやつより遥かに格上の存在が、だ。無論、我にとっては取るに足らない者共である事に変わりはないがな!クアーハッハッハ」

 

「ええ!何よそれ!そんなんじゃアタシ達の旅行が楽しめないじゃん!」

 

「安心せい、ラミリスよ。明日までにはそいつは倒しておく」

 

「そっか!師匠が行くんだったら確かに安心だね!」

 

ラミリスは理解し安心した、がこれにハクロウは

 

「ヴェルドラ様⁉この街で戦闘を、するおつもりですか⁉」

 

と返した。

今のヴェルドラの発言では今日中にこの街で戦闘が起きるという事を示しているのだから当然だ。

 

「むう。やはりだめか?」

 

「ダメも何も、この世界でトラブルを起こさないでほしいのですじゃ‼」

 

もともとハクロウはヴェルドラとラミリスの監視役としてアゲーラと共にリムルにより連れてこられた。

ハクロウとしてはその任を少しでも全うしなければならない。

この街にくることは許容範囲だったが、この街での戦闘行為は断じて承認出来るものではないのだ。

そう考えていたハクロウだったが次のヴェルドラの発言によってその心を揺るがせることとなった。

その言葉とは・・・

 

「しかしハクロウよ。リムルならば確かにトラブルを起こすのは避けろ、と言うであろう。だが同時に 人の命を救え、とも言うのではないか?」

 

といったものだった。

 

 

 

 

 



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第十八話 潜入

ここから少し鬼滅陣営の話が続きます。


「・・・分かりました。ですがワシらが動くのはそやつが人間に危害を加えたら、ですぞ。それまでは大人しくしてくださいますようお願い申し上げますじゃ」

 

リムル様ならば確かに・・・と思ったハクロウはこうして、仕方なくではあるが戦闘を認めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

俺の名は宇髄天元、元忍であり現「音柱」だ。

俺が今いるのは遊郭・吉原のある裏通り。

鬼の調査のためこの街に潜入していた、俺の嫁、まきを、須磨、雛鶴の三人が同時期に定期連絡をたった。

そのため捜索、及び救出をしようと、しのぶの所から一人持ってきたんだが、気が弱くてしょうがねぇ。

そんな感じだったから頭突き頭(炭治郎)のやつから「俺が代わりにやる!」とかいう事を言われた時は都合がいいと思ったんだが・・・

 

「アンタみたいに道化師みたいなおかしな見た目の奴がモテる訳ないでしょう‼」

 

「訳あるわ‼俺には三人、嫁がいる!そしてこの化粧は道化師じゃねえ!」

 

ダメだ。

今俺はこの任務の詳しい内容を教えているんだが、頭突き頭は兎も角、金髪野郎が文句しか言わねえ。

 

「ウソだ!現実が悲惨過ぎて妄想と現実の境がわかんなくなったんでしょ!」

 

ドスッと金髪の鳩尾に俺の拳が引き寄せられるように強烈な一発が入った

 

「オヴェッ」

 

ざまあみろ。だが、心の広い俺はこれでチャラにしてやろう。

ああ。俺はなんて優しいんだ。

 

「他になんかあるか?」

 

「嫁等もう食われたんじゃね?」

 

今度は女みてえなやつ(伊之助)に俺の拳が入った。

 

「食われちゃいねえし必ず助け出す。分かったか!」

 

そこまで宣言して俺は小僧共を引き連れて呉服店に向かった。

 

 

 

「お前らにはさっき言ったように店に潜入調査をしてもらう。だが!その格好じゃ男だって事が一瞬でばれる。だからお前らには変装をしてもらう!嘴平。てめえはその格好のままでいい。竃門、我妻お前らは俺と一緒に来い。バッチリ変装させてやるぜ!」

 

キメ顔をしながらそう言って俺は竃門と我妻を引っ張って店の奥へと入っていった。

 

 

 

 

善逸達が出てきたのは店に入って数十分程たったあとだった。

その中で善逸は目立っていた。

何故ならば、目は半開きで青筋が顔に出ており吐く息は重たく、いかにも不機嫌と言う感情が言わずとも知れたからだ。

そんな善逸達の格好はというと

 

「グワハハハ!お前らなんだその格好⁉顔真っ白じゃねーか!ほっぺたにも赤丸も出来てるしよ~」

 

伊之助が言った様に彼らの顔には驚くほど下っ手くそな化粧がされていた。

 

「善逸。そんなに不機嫌になるなよ。さっきの伊之助みたいだぞ」

 

「そっくりかどうかは知らねえが、女装させたのがそんなに気に入らなかったのか?」

 

そんな善逸を見て炭治郎と天元が声をかけたが

 

(チッ んなこたーど~でもいいんじゃい。俺が気に入らなかったのは、てめえのその顔だよ。素の顔は普通にイケてんじゃねーか。なんだってあんなふざけた格好してんだよ!当てつけか⁉俺に対しての当てつけなのか⁉)

 

と心の中で宇髄に文句を言っただけで善逸が返事をする事はなかった。

すると天元がこの何とも言えない空気をやぶるかのように

 

「よし、じゃあ今からお前らの潜入する店に連れていくが、へますんじゃねーぞ」

 

そういって最初に伊之助を荻本屋、次に炭治郎をときと屋、最後に善逸を京極屋に受け渡していった。

 

 

 

 

 



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第十九話 調査

年越しサービス!!
複数話ほぼ同時投稿!(これがやりたかった)
(複数話ほぼ同時投稿のためこれから調整をしていくと思います。すみません)
文章がおかしいところがあるかもしれませんがある程度はご都合主義とその場の空気で察してくれるとありがたいです!
なお本作では読者様が、転スラ(ウェブ版)及び鬼滅(漫画)を読んでいる、と仮定しているため鬼滅の場面を複数箇所カットしています。
すみません。
あと「原作の大幅コピー」に引っかからないようにセリフや細かい点は変更しております。

あと最後になりましたが「お気に入り登録」及びに「感想」「評価」等してくださっていた皆様!
どうもありがとうございました!!!!!
(年越しでテンション上がっています!)


一夜明けて・・・

 

「女将さん!床掃除、小物の手入れ、薪運び、全部終わりました。次の仕事はなんですか?」

 

「ちょっちょっとお待ちよ!炭子!次はええと「女将さん!次の仕事を」わかってるよ!仕事の早い子だね!」

 

炭子(炭治郎)は仕事に没頭していた。

没頭しすぎて女将さんが引くほど没頭していた。

 

(いや~痣が見つかった時はどうしようかと思ったけど結果的に良かったのかもな。女の子の真似をするのも苦手だし、こういう風に働くのも懐かしいなあ。あの日(・・・)以来、普通に仕事をしてなかったからなあ)

 

自分の背丈の二倍ほどもある葛籠の山を両手に一つずつ抱え、禰豆子が鬼になった日のことを思い出しながら

 

(あの日、無惨がこなかったら俺は、今もあの家で同じような事をしていたのかもしれないな)

 

そんな事を考えていた。

そして目的の部屋に入ると小さな女の子達が何やらひそひそと話し込んでいた。

 

 

 

 

 

伊之助は歯をギリギリギリギリさせながら廊下を歩いていた。

何故歯をギリギリギリギリさせているのかと言えば伊之助にとってここでの生活はまさに生き地獄だからだ。

山で育った彼にとって家は居心地の良い物ではないうえに、猪の被り物も最初は炭治郎に外され今度は天元に没収された。

更には喋る事を天元に禁止され、いつもの動きやすさを追求したような服とは裏腹に動きにくく重たい女物の着物を着せられて、彼にとっては耐え難い苦痛だった。

そんな伊之助が今向かっている場所は宇髄天元の妻、「まきを」が具合が悪いと言って閉じこもっていると女中達が話していた部屋だ。

その部屋に近づくにつれ段々と不気味な気配が漂ってきた。

 

(やっぱりだ。あの部屋からヌメッとした気持のわりぃ気配が漂ってくるぜ)

 

そこまで考えて伊之助はその部屋に向けて走り出し、勢いよく襖をバァァンと開けた・・・

 

 

 

 

 

 

善逸は伊之助とは違いトボトボと、落ち込んだかの様にして廊下を歩いていた。

先程までは宇髄天元の素顔の事と、自分が最後まで売れないため天元が、

 

「こんな奴、お金を頂くのももったいないですよオ。タダでいいです。タダで」

 

と言って無理矢理この店に潜入させた事による怒りで狂ったように三味線を弾いていたのだが、ふと正気に戻り今までのリバウンドの様に急に落ち込み始めたのだ。

 

(はあ・・・なにやってんだろ。俺・・・。まあ気を取り直して情報収集するか)

 

そう考えた善逸だったが直ぐに諦めた

 

(ダメだ。皆少し前に死んだ人の事で口が重くなっちゃてるな・・・)

 

そのまま暫く聞き耳を立てていた善逸の耳に

 

ひっぐ ううっう ひっ  

 

 

「幼女の泣き声‼」

 

が聴こえてきた。

 

 

 

 

 

 

 



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第二十話 ヴェルドラ達は

所変わってヴェルドラ方面

 

この宿屋では朝から普段では有り得ない程騒がしかった。

理由はもちろんヴェルドラだ。

 

「この料理も我らの国(テンペスト)では見たことないな!もっともっと持って来い!」

 

「ヴェッヴェルドラ様!ほどほどにしてください!支払いがあるんですよ!」

 

この宿に炭治郎が来た時、あらかじめ代金を支払っていたのだがヴェルドラが朝食を次々に要求して追加料金が必要になってしまったのだ。

しかしながらテンペストの住人である二人がこの世界の通貨を持っているわけもなくハクロウとしてはどうしたらよいか頭を抱えて悩んでいるのだ。

だが、解決策がないわけでもなかった。

先程廊下にハクロウがでた時にこの世界の通貨を見たためそれを基にヴェルドラに『物質創造』で金を造ってもらうことだ。

つまりは『偽通貨』ということだ。

ハクロウとてそんな事はしたくないが致し方無い。

 

 

しばらくたった後ようやくヴェルドラの食事が終わった。

もっともヴェルドラが満足したわけではなく、この店の食料が尽きたからなのだが・・・

 

「ふむ。もっと食したかったのだが・・・」

 

「そんな事言わないでください、ヴェルドラ様。ところで支払いの話なのですが・・・」

 

「うむ!わかっておる!」

 

そこまで言うとヴェルドラはドタドタと受付の方に歩いて行った。

そして少したってヴェルドラが戻ってきた。

 

「ヴェルドラ様。何をしに行ったのですかな?」

 

戻ってきたヴェルドラに対してハクロウが聞いた。

 

「何をって支払いをしてきたに決まっておろうが」

 

「なッ⁉」

 

ヴェルドラの言葉が意外過ぎてハクロウから驚きの声がもれた。

 

「一体どうやって?この世界の通貨を持ってたのですかな?」

 

首をかしげて聞くハクロウにヴェルドラはフフンッと鼻をならして自慢げに

 

「そんな訳があるまい。魔鋼を代わりに渡したのだ。見た目は美しい宝石だからな。おかげで全て払うことができたし、更には多額の釣銭もゲットしたぞ。まあ、この我の魔素をふんだんに吸収しておる最高級の魔鋼故、当然のことだがな!クアーハッハッハ」

 

そう返事をした。

そのヴェルドラの言葉にハクロウは驚愕した。

悪い意味で、だが。

 

「ちょちょちょちょちょっとお待ちください⁉」

 

「なんだ、ハクロウ?我の素晴らしすぎる案に感動でもしたのか?」

 

ヴェルドラが自慢げに言うがハクロウからすればとんでもない事である。

なにせ

 

「何をおっしゃいます⁉こちらの世界に我々の世界の物を持ち込んでしまって良かったんですか!」

 

リムルならばこの世界にテンペストの物質、つまりは異世界の物質がながれるのは避けたいはずだ。

そう考えてのハクロウの発言にヴェルドラは

 

「あ・・・」

 

と言う、何とも情けない、またヴェルドラらしい声で返した。

 

 

 

 

 

 

 

 



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第二十一話 開戦

「あ・・・」

 

そう言いながらポリポリと頭をかいて

 

「まっ、まあ問題あるまい・・・」

 

そのヴェルドラらしい、まの抜けた声にハクロウは

 

「何を言っとるんですかーー!!!リムル様に知られたらどうなる事か・・・ワシは今すぐ魔鋼を返して貰いにいってきますので今度こそ大人しくしといてくださいよッ!」

 

と怒りを含めた口調で怒鳴った。

この旅が始まってから段々とハクロウの自分(ヴェルドラ)に対しての扱いが雑になってきているな~、とヴェルドラが考えている間に、ハクロウは急いでヴェルドラが先ほど向かった方向に走っていってしまった。

 

 

 

 

数分ほどでハクロウは帰ってきた。

しかし、どういう訳かその手には普段から使用している仕込み杖以外何も持っていなかった。

 

「おい、ハクロウ。魔鋼はどうした?」

 

「はぁ・・・質屋とやらにもう持って行ってしまったようですわい・・・」

 

この世界にきてもう何度目になるか分からない疲れきった顔でハクロウがため息混じりで額に手をやりながらそう言った。

 

「まあ、そんなに気をおとすでないぞ。ハクロウよ」

 

(誰のせいで・・・!)

 

ピキピキッと額に青筋をうかばせながら、心の中で呟くハクロウだったが、そのうち心ではなく口からでてくるであろうな・・・

などと立場で言えば圧倒的な上司のヴェルドラに対してかなり失礼な事を考えていた。

しかし、ヴェルドラだったらそう思われるのも当然のことの様な感じもするのだが。

 

それからしばらくハクロウは魔鋼の件をどうするか、頭を抱えることとなった・・・

 

 

 

 

 

 

所変わって 京極屋

 

ドガアアアン

 

そろばんで計算をしていた(店主)の耳に突如として凄まじい音が響いてきた。

音の正体を確かめようと音のした方にドタドタと急ぎ足で行った事で正体が分かった。

善子が蕨姫花魁によって反対側の部屋に吹き飛ばされていたのだ。

 

「蕨姫花魁・・・!落ち着いてくれ!」

 

この光景を見た俺は反射的にその言葉を発した。

そこから俺が土下座をして蕨姫花魁が矛を収める形でなんとかその場はおさまった。

吹き飛ばされて気を失った善子を女達が運んで行くのを横目で確認した後俺はすぐまた自室に戻りそろばんをはじき始めた。

まるで自身の気持ちを表すかのごとく荒々しく・・・

そしてふと

 

「お三津・・・」

 

と弱々しく呟いた。

 

 

 

 

 

一夜明けて

 

(炭治郎)と伊之助は定期連絡のためとある屋根の上に集まっていた。

集まるなり

 

「俺の店に鬼がいんだって!気持ち悪い気配を感じたんだ!」

 

そう言いながら伊之助が意味不明なポーズをとって俺に自分が潜入した店に鬼がいると訴えてきた。

そのポーズがあまりに統一感がなかったので本当に姿を見たのか聞いてみたら

 

「はぁ?姿は見てねえよ。俺が襖あけたら天井裏に逃げやがったんだ!」

 

と悔しそうな言葉が返ってきた。

噓をついている匂いはしないし、そもそも伊之助が噓をつくような性格ではないからこの話は本当の事なんだろうけど、とりあえずは宇髄さんと善逸を待とう、と伊之助に伝えた直後に

 

「善逸は戻って来ない。どうやら昨日、鬼に関するいざこざに巻き込まれたらしい」

 

何時からそこにいたのか宇髄、本人がいった。

存在を全く気付かなかった事に俺は二度目の驚き(一回目はアオイと一緒にいた時)をした。

伊之助の反応を見るに五感のうち触覚が途轍もなく優れている伊之助も気づけなかったようだ。

それはそうと

 

「善逸が戦いに巻き込まれたってことですか?」

 

ここで何故俺が疑問形で聞いたのかと言えば昨日人、一人分の血の匂いなんてしなかったからだ。

それ以前に本当に殺し合いになったのならいくら離れているとはいえ音などで気付くこと位できただろう、そられがなかったという事は戦いが起きていない、もしくは善逸は殺された、のではなく連れ去られたということになる。

その返答を求めての発言だったのだが、返ってきたのは俺達に対する謝罪と帰還命令だった。

それを告げた後、宇髄さんは消えていった。

 

「・・・伊之助。宇髄さんは俺達に「帰れ」って言った、だけど俺は善逸を見捨てるなんて出来ない。今夜、荻本屋に行くから伊之助は俺が到着するまで待っていてくれ。善逸はいつも怖がってはいるけど肉体的にはかなり強い。そんな善逸が消息を断ったり宇髄さんがあんなに警戒しているって事は上弦の鬼という事は確実だ。だから伊之助も気を付けてくれ。煉獄さんに救われた俺達の命を絶対に無駄にはするな」

 

「炭治郎・・・その通りだぜ‼」

 

こうして俺達は上弦討伐を本格的に開始した。

 

 

 

 

伊之助と離れてすぐに俺は大急ぎで、ときと屋の調査を終わらせた。

そこから化粧を落とし隊服を着てお世話になった時の食事代を払うために鯉夏花魁の部屋に向かった。

 

俺が行った時鯉夏花魁は化粧をしていたようだった。

 

「化粧中に申し訳ありません。俺は訳あってこの店を出ます。恩知らずとののしられても仕方ありませんがせめてこのお金を店主さん達にお渡しできませんか?」

 

代金のはいった封筒を取り出しながら俺が言った。

鯉夏花魁は俺の格好を見て驚いた様な顔をした。

そのため俺が自身は男だと打ち明けたのだが鯉夏花魁はそれは、分かっていたらしく俺が逆に驚いてしまった。

そんな事をした後俺はぺこりと一礼して鯉夏花魁の部屋を去った。

 

 

 

 

 

「面白い子だったわね・・・炭ちゃん」

 

炭ちゃんの出て行ってしまった部屋に(鯉夏花魁)の声が響く。

須磨ちゃんもあの子(炭治郎)がいればきっと見つかるわよね。

改めて、炭子ちゃん?炭子くん?も面白い子だったわ。

最近京極屋の女将さんが窓から落ちて亡くなったり足抜けする子が多かったから、皆少し気持ちが落ち込んでいたけどあの子はテキパキ働いていてまるで太陽みたいな人だった。

裏表の無い本当に正しく清い子。

 

しかし、そこまで考えた鯉夏花魁はふと後ろに気配を覚えた。

 

「炭ちゃん?」

 

そう言いながら振り向いた私の目には、どこか蕨姫花魁を連想させる若い女性が映っていた。

 

 

 

 

 

 



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第二十二話 上弦の陸

伊之助の下に向かっていた俺は突如としてその足を止めた。

今さっきまでいた鯉夏花魁の部屋からほんのりと甘い香りが漂ってきて、そしてそれが俺達が探していた上弦のものである事に気付いたからだ。

そして踵を返す様に俺は鯉夏花魁の部屋へと走って行った。

 

 

 

 

(京極屋の店主)は何をするでもなく亡くなった自分の(お三津)の形見の血のついた着物をそっと撫でていた。

そんな時だった俺の首元に冷たいクナイがそっとあてられたのは。

 

「何も質問せず俺に聞かれたことのみを短く簡潔に答えろ。ここで働いていた、金髪の善子と雛鶴は一体どうなった?」

 

一瞬何が起きたのか理解出来ず動きが固まってしまったが、すぐ正直に善子は消えて雛鶴は切見世へと送った事をクナイをあててきた人物に話した。

そして

 

「蕨姫・・・蕨姫花魁を殺してくれ!・・・」

 

そう涙をこぼしながらそのクナイをあてた人物に訴えた。

するとクナイをあてた人物は

 

「そいつは何処にいる?」

 

とその言葉だけを返してきた。

 

「北側、北側の部屋にいるはずだ」

 

「分かった」

 

それだけ言い残した後俺が後ろを振り返った時そこには誰もおりはせずただただ部屋の家具があるだけだった。

 

 

 

 

 

 

(鬼は、いないか・・・だったら奴を探しながら雛鶴を助けにいくか)

そう考えているのはこの俺、宇髄天元だ。

あの店主の言ってた部屋には案の定鬼はいなかった。

今は夜だから人を狩に行ってるんだろう。

そう考えた俺は、切見世に急ぐのだった。

 

 

 

 

 

一方その頃

伊之助はいつまでたってもやってこない炭治郎に腹を立てていた。

 

「惣一郎のバカが!いつまで経っても来ねえじゃねーか!もういい!俺があいつが来る前に鬼の首を切ってやらあ!」

 

そう言って伊之助は思い切り床を蹴り飛ばし天井に自らの頭で穴をあけ、天元の使いのネズミ達から刀と自らの衣服を奪い

 

「ガハハハハ!やっぱこの姿じゃねえとな!よっしゃ!待ってろよ鬼ぃ‼」

 

 

 

 

 

「ぐぁあああ‼」

 

そう叫んだのは俺、炭治郎だ。

先程急いで鯉夏花魁の部屋に戻った俺の目には驚きの光景が写っていた。

なんと上弦の陸と目に刻まれた鬼が鯉夏花魁を帯に取り込んでいたのだ。

反射的に俺が鯉夏花魁を助けようと刀を振るったのだが、次の瞬間俺は反対側の家に吹き飛ばされていた。

この時の痛みで叫んでしまったのだ。

一瞬何が起きたのか理解できなかったがすぐに持ち直した。

 

(大丈夫だ。あの青い魚みたいな鬼(人型カリュブディス)の突進よりはまだ遅い。あの時は偶然構えていた刀に当たって助かっただけだったけど今はちゃんと反応出来てる!)

 

と考える事ができたからだ。

 

「へえ。まだ生きてるのね。今ので死ぬと思ってたのに・・・でも、久々に楽しめるかもしれないわね!」

 

そう言いながら京極屋の屋根に上弦の陸が出てきた。

俺はそれを確認しながら禰豆子のはいった箱を降ろした。

肩ひもが先程の攻撃により千切れてしまったからだ。

そして先程、鯉夏花魁を吸収していた帯が一斉に俺に向かってきた。

俺はそれをジャンプし【打ち潮・乱】によって迎え撃ちそのまま【水面切り】につなげたが当然のように一瞬で再生した帯によって防がれてしまった。

 

「フフフッ。必死になって私の首を切ろうとするお前は、まるで主人に牙をむく子犬だわね」

 

そう上弦の陸が邪悪な笑みを浮かべて言った。

 

 

 

 

 



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第二十三話 参戦!

この話を読んで
あれ、おかしいぞ。
と、思った方は五話ほど後ろに戻ってください。
同時投稿したため迷惑をおかけします。

ちょっと話がごっちゃになりました・・・




伊之助は鬼の造った穴をまるでミミズのようにうねうねと進んでいた。

 

(まったく長ったらしい穴だぜ)

 

と伊之助が考え始めた時にようやくその穴が終わった。

今までの穴を地下道とするならばここは巨大な地下空間とでも言えばいいだろう。

そしてこの地下空間の中でひときわ目を奪われるのはまるで蜘蛛の巣のようにたらされている途轍もなく長い帯だろう。

 

(なんだこりゃ?この布、あちこちに女の柄が・・・違うな。この雰囲気、本物の人間だ。この俺にはわかるぜ)

 

そうやってその帯を眺めていくと、間抜けな寝顔をした善逸を見つけた。

そんな時

 

「気持ち悪い、醜い小僧が!私の縄張りにその汚い足で踏み込むんじゃないよ‼」

 

と帯に目玉と口をはっつけた様な存在が怒鳴ると同時に数多の帯が伊之助に向けてその刃をふるった。

 

(なんっだこいつ?気持ちわる!)

 

そんな事を考えた伊之助は、最初こそ少し驚いたがその帯の化け物の動きがのろい事に気が付き、それらをすらりとかわし逆にその帯に取り込まれていた人間達をきれいによけてその帯の体を刻んでいった。

それによって解放されていく人間達を見て

 

「グワハハハ。てめえみてえな気持ち悪いミミズじゃあ俺に触れることすらできねえぜ!」

 

と調子に乗る伊之助だったが

 

「なめるんじゃないわよ!アンタがいくら私を切ったところで私は本体じゃない。それにそこの奴らもすぐにまた吸収してやるわ‼」

 

と帯が叫んだことで焦った。

いくら伊之助に攻撃が当たらなかろうがそれはあくまでも今は(・・)の話。

人間である以上必ず体力にも限界がくる。

そうすれば攻撃をよける事も出来なくなる。

しかも帯はまたもや人間を吸収しようとしている。

更には本体でないが故に首に当たる部分を切ったところで死ぬ事はない。

もはや伊之助、絶体絶命かと思われたその時、幸運の確率(・・)は彼に微笑んだ!

伊之助にとっての幸運は二つ。

一つ目は

 

「猪頭!あんたのおかげで助かったよ。こっちはあたしたちで守るからあんたは攻撃に専念しな!」

 

と、帯に捕まっていた宇髄天元の妻達、そして善逸が伊之助に加勢したことだ。

 

そして二つ目は

 

ドガアアアン

 

という天井の崩落音と、ともに地下空間の天井部から入ってきた「音柱」宇髄天元、そして「暴風竜」ヴェルドラ達の加勢だった。

 

 

 

 

 

時は少し遡る。

 

ヴェルドラ達は今日も同じ宿屋で泊まっていた。

魔鋼を売った代金が食料の代金を遥かに超えており、釣銭として返そうとしたのだがヴェルドラ達は、十分の一ほどの代金を貰うと残りの金を全て店に(使い道もあまりなかったため)渡したのだ。

それに気をよくしたその店の女将さんが

 

「アンタ方みたいに気前がいい客は初めてだよ。食材も買いなおしたし何日でも泊まっていきな。タダでいいからさ」

 

と言ったため

ヴェルドラにしても損することは何も無いためこれを承諾し

ハクロウにしてもヴェルドラがあちこちで何かやらかすことのリスクを下げれる

ラミリスも特には反論しなかったためここに泊まっていたのだ。

 

昼の間ヴェルドラ達は市場に行って魔国連邦(テンペスト)には無い物などを買ったり見たりなどして楽しんだ。

そこまではハッキリ言ってハクロウも楽しんでいた。

 

しかし事態は夜になってから急変した。

 

「むッ!あの気配(上弦の陸)が動いたぞ!しかも相手はあの炭治郎ぞ!」

 

「分かっております。ヴェルドラ様」

 

そう。丁度この頃、街に入った時から警戒していた気配(上弦の陸 堕姫)が動いたのだ。

 

「ハクロウ。貴様はここで待っておれ。我が行ってくる」

 

そういって転移しようとするヴェルドラに

 

「おっお待ちください!ヴェルドラ様!ここはワシが行って参りましょうぞ。ヴェルドラ様ではこの街が滅びかねません。あと誰が見ているか分からない状態で転移を使うのは控えて下され!」

 

とハクロウが焦った様に言った。

 

当然だ。ヴェルドラがもしこんな町中で戦えばそれこそ冗談抜きで街が滅ぶだろう。

ヴェルドラが使う技には対個人用の技が極端に少ないのだ。

強いて言えば「ヴェルドラ流殺法術」というものがあるがあれもヴェルドラがこの街で戦うには街にとってリスクが大きい。

昨夜のやり取りで戦闘自体は許可したものの、それによる巻き添えは防がなければならないのだから。

しかしその点ハクロウは対個人用の技を多く習得しており技術(レベル)の面で言っても周りを巻き込むことはない。

どっちが炭治郎の加勢に行くべきかは火を見るよりも明らかだろう。

 

「ヴェルドラ様は【確率操作】にてこの街の住人に被害が出ないようにしてくだされ」

 

「うむ!ならば我は地下空間の方にも行ってこよう!そちらでも善逸達が戦っているようだからな!地下故に被害の心配は無用だ」

 

地下空間なんて物があったのかと驚くハクロウだったがすぐに冷静さを取り戻した。

出来ればヴェルドラに戦って欲しくないハクロウだったが最優先すべきは人命と思いその案に頷いた。

そうして各々の場所へとヴェルドラとハクロウは走っていったのだ。

 

 

 

 

 

ヴェルドラは自身の究極能力(アルティメットスキル)混沌之王(ナイアルトホテップ)】の権能である【確率操作】にて炭治郎や善逸達の周辺の人物の運勢を上げた。

これによって対象の人物たちは確実ではないもののかなりの確率で死ににくくはなったはずだ。

ヴェルドラはもはやこの世界の解析を終えており、元の世界と何ら変わらない力を引き出すことができる。

そのためこのぐらいの事はお茶の子さいさいなのだ。

そしてそんなことをしているあいだに地下空間の真上に到着し

 

「ここか」

 

と地面をぶち割ろうとした時に偶然、雛鶴を助けた後の宇随が到着したのだ。

もちろん宇随はそんなヴェルドラを避難させようと声を発した。

 

「誰だお前?いや誰でもいい。とっととひな・・・!」

 

とっとと避難しろ!

そう言おうとした宇随は一瞬凍りついた。

その金髪の男(ヴェルドラ)の纏う気配が圧倒的強者のそれである事に気付いたからだ。

 

「なんだ?我は今急いでいるのだ。すまんが無視するぞ」

 

そう言ってヴェルドラは自身の拳で地面を打ち砕き地下空間に突入したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 




現場につく速さはヴェルドラの方が圧倒的に早いです。


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第二十四話 哀しみのチョロゴンさん

前書きも後書きにも、書くことがない・・・


宇髄天元とヴェルドラがこの地下空間に入って帯が刻まれずにいた時間は五秒もなかっただろう。

なにせ宇髄天元が、落ちると同時に帯を目にも止まらぬ速さで切り刻んだからだ。

この時人知れずヴェルドラが

(あれ?我の出番は?まさか、もう終了?)

と嘆いたという事は秘密だ。

 

 

 

「天元様!」

 

と「まきを」が叫んだのと

 

「ヴェルドラさん!」

 

と善逸が叫んだのはほぼ同時だった。

しかし喜んだのも束の間

 

すッ

 

と静かに宇髄天元がヴェルドラに刃を向けたのだ。

 

「むッ⁉何をするか!」

 

「それはこっちのセリフだな。一体何をどうやったら地上からここまで素手の殴りで貫通させれるんだよ⁉」

 

驚くヴェルドラに対し天元は更に驚いた様子だった。

当然だ拳で地面を割れるような人間がいるなんておかしいのだ。

天元が知っている中でも「岩柱」悲鳴興 行冥がもしかしたらできるかもしれないという位だ。

 

「お前まさか、お・・・いや、それはないか?」

 

お前まさか、鬼じゃないだろうな⁉

そう言おうとした天元だったがその男(ヴェルドラ)の纏う気配は鬼のそれではなかったため鬼では(・・・)ないと考えた。

むしろこの男の気配は若干の違和感があるものの、人間のそれに近かった。

これらのことから金髪男(ヴェルドラ)は鬼ではなく、善逸達とも面識があったことから敵では(・・・)ない、と考えた。

 

(若干の違和感の正体はラミリスの施した幻覚魔法によるもので、ヴェルドラは実際、鬼ではないが人間でもない【竜種】なのだが魔法がないこの世界ではそれを見抜くのは酷というものだろう)

 

「とりあえず俺達は竃門を助けにいくがお前(ヴェルドラ)はここにいろよ」

 

金髪男(ヴェルドラ)は敵ではないと判断し刀をおろし、宇髄天元は地下空間を後にした。

いや普段だったらもっとこの金髪男(ヴェルドラ)を怪しんだろうが、今は戦闘中。しかもこれが上弦の鬼だ。

敵ではない確率が高い者(ヴェルドラ)強敵(上弦の陸)、どっちの対応を優先させるかは火を見るよりも明らかだろう。

 

こうして鬼殺隊の面々が地下空間から出ていく中で一人ポツン…と、取り残されたヴェルドラからは何とも言えない悲壮感が漂っていた。

そんなヴェルドラを見かねたのか異空間に入っていたラミリスがひょこっと出てきて

 

「まっまあまあ。みっ皆、師匠があの・・・戦っちゃうとさ、全部手柄を師匠が持ってちゃうからね。大人しくしているように言ってんだよ。うんうん」

 

言葉を詰まらせながらヴェルドラの精神(メンタル)をケアした事で

 

「うッうむ!そッそうよな!我が行くと手柄が全て我の物になってしまうからな!クアーハッハッハ!」

 

自らの哀しみを隠すようにヴェルドラの笑いが地下空間に響き渡った。

 

 

 

 

 

 

数分後

 

この俺、宇髄天元は蟷螂野郎と死闘を演じていた。

さっき、自分の事を上弦の陸ってほざいてるバカ女(堕姫)の首をはねた。

と、ここまでは良かったんだ。

だがしかしそのバカ女(堕姫)の身体はいつまでたっても崩壊する気配がなかった。

そのことに気づいた時、そいつ、蟷螂野郎は現れた。

いや現れた、というより分離したと言った方がいいか。

バカ女(堕姫)の背中から分離したのだ。

その蟷螂野郎の反応速度は悔しいが、俺を超えるものだ。

その証拠に俺は奴の攻撃をさばききれず負傷してしまったのだから。

 

「そんだけか?だったら俺の敵じゃねえな!今からお前の命は派手に散るんだよ‼」

 

「面白れぇこと言うじゃねえか。堕姫!お前はそっちの猪頭と金髪を相手しろ!」

 

そう強気の姿勢の言葉を発したが内心では焦っていた。

 

(まずい・・・こいつの武器、毒かなんかが塗られてやがる!俺は、毒の回りが遅いとはいえ、早くカタをつけねえと全滅だぞ!)

 

蟷螂野郎の武器には常人ならばかすっただけで即死するレベルの猛毒が塗られていたのだ。

この鬼の相手をしたのが俺で良かったと思った。

俺以外でこの毒に耐えられるのは胡蝶ぐらいだったからだ。

 

(クソが!このままじゃジリ貧だぞ!)

 

既に俺は竃門と共に戦っている、が攻めきれていない。

善逸や伊之助達もバカ女(堕姫)相手に防戦一方だ。

 

(これ以上の援軍は望めない・・・俺達で何とかこいつを倒さねえと!)

 

そう俺が考えた時、視界の端に白髪の老人が写った。

そして気持ちを整えるため瞬きをした後、蟷螂野郎の首がゴトリという音を立てて地面に落ちた。

 

 

 

 

 



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第二十五話 剣鬼 ハクロウ

牛太郎の「ぎゅう」の字が違います。
すいません。漢字辞典で一応調べたんですが、見つからず文字変換でも出てきませんでした。(修正済み)
あとヴェルドラの【確率操作】の能力を少しばかり改変しています。
更にこの話、「鬼滅の刃 十一巻」を読んでない(この話を読んでるってことは多分知っていると思う)と分かりにくいかもなので、ちょっと説明を。

ヴェルドラから別れた天元達は急いで炭治郎達のもとに加勢にかけつけます。
(この時すでに炭治郎は痣の発現に成功し、禰豆子も鬼化の進んだ状態になっておりますが今はもとに戻っています。何故、書かなかったのかというと、原作の大幅コピーに問われそうだったからです)
しかし、相手の鬼の強さに苦戦している状況です。


(クククッ)

 

妓夫太郎は密かに心の中でほくそ笑む。

 

(威勢のいいこと言って結局は、こいつらも俺達には勝てねえんだよなあ)

 

今、彼に必死の猛攻を仕掛けている柱の男は既に猛毒を受け、死亡は最早時間の問題。

ついでにその柱と共に攻撃を繰り返している痣つきのガキも堕姫の攻撃で既に死にかけ。

そこまで考え今度は妹である堕姫の方を向き戦況を確認した。

堕姫が相手してる金髪と猪頭は、攻撃を与えるどころか近づくこともできず防戦一方。

 

(このままいきゃあ、長くなっても後、数分で戦いも終わるなあ。まあ久しぶりに楽しめたし良しとするか)

 

決着をつけよう。

そう考えた妓夫太郎の目にも、その人影は映った。

 

(ん?まだ逃げてねえ奴がいたのか?しかもジジイだとぉ。腰でも抜けて動けなかったのかあ?ククッ、まあどうでもいいか)

 

 

この時少しでも、その瞳に映った老人を警戒していればもしかしたら彼の運命は違ったのかもしれない。

だがしかしそれはあくまで「たられば」の話。

意味のない話なのだ。

時をまいて戻すなんて、彼らには出来はしないのだから・・・

そしてその過ちが今、彼に牙をむく。

 

仕切り直しだ、とばかりにもう一度柱の男(天元)痣のガキ(炭治郎)に視線を向けた時、彼は少し景色に違和感を覚えた。

 

(なんだ?なんか景色が傾いて・・・)

 

次に瞬間彼の耳に響てきた、ゴトリ という音が何の音か理解するのに少しの時間を要した。

その証拠に

 

「は?」

 

という間の抜けた声を出してしまった。

だが、彼はその体を貫く激しい痛みで状況を理解した。

首を切られたのだということを。

それとともに響いたのは

 

「ぎゃアあぁぁアあ!!!!!????俺のッ!俺の首があぁアア!!!」

 

という空気を揺らす様な絶叫だった。

 

 

 

 

 

 

ハクロウが炭治郎達の戦闘場所についたのはヴェルドラが地下空間についてからかなり経ってからのようだった。

なぜそう考えたのかと言えばヴェルドラが向かった先にいた気配(天元)がまるで蟷螂の様な男(妓夫太郎)と戦闘を開始していたからだ。

更には善逸達は白髪の女(堕姫)を相手に防戦一方という厳しい状況に追いやられていた。

その気配の持ち主は服装は全く違うのだが、どことなくソウエイを彷彿とさせる忍者のような気配をまとい、全身にきらびやかな宝石や黄金を装着していたがそれらは装着者自身の血によって赤黒く染まっていたり攻撃をうけたのかひび割れており、とても無事とは言い難い状況だった。

我妻少年や伊之助少年も同様に体中に刃物によるものと思われる傷ができていて、竃門少年に至っては正にどうやって動いているのか分からぬ程の深い傷が肩から心の臓まで伸びていた。

常人であれば確実に即死しているであろうという、その傷の衝撃はかなりのものだった、がしかしハクロウがもっとも目を奪われたのは、周りに倒れる、腕や足を欠損した戦いに巻き込まれたであろう一般人達だった。

幸いにも死者は出なかった様だが、それはヴェルドラの【確率操作】あってのこと。

それが無ければ確実に死者が出ていたであろうその光景を見て、ハクロウのある光景がフラッシュバックした。

その光景とはリムルが魔王となる事を決意した、あのファルムス王国による魔国連邦(テンペスト)での大量虐殺事件だ。

あの時、自分が敗北してしまったことで無残にも虐殺された魔国連邦(テンペスト)の住人達の姿と今、目の前に広がるこの街の住人達の姿が重なって見えたのだ。

それを見たハクロウの体は自然に動いた。

倒壊した瓦礫の中に落ちていた包丁を拾い、その刃を蟷螂の様な男の首に向けて振るったのだ。

そしてその刃はハクロウの極限まで高められた【思考加速】のおかげで果てしなくゆっくり動き、男の首に切り入り、そのまま、その蟷螂男の首を何の抵抗もなく胴体から切り落とした。

この間僅かコンマ数秒。

ハクロウがその「剣鬼」と恐れられた実力を遺憾なく発揮させた結果だった。

彼の力を表わすかのようにハクロウが今までいた場所の地面はまるで、はぜたかのように吹き飛び、大きな落とし穴の様になっていた。

そしてハクロウは【思考加速】を解除した。

それによりハクロウからしたら、止まっているかの様に見えた世界が再び動き出すと同時にゴトリ、という鈍い音を立てて蟷螂男(妓夫太郎)の首が地面に落ちた・・・

 

「は?」

 

蟷螂男はその間抜けな声を出すと次の瞬間、自らの首が地に落ちたのを理解したのか

 

「ぎゃアあぁぁアあ!!!!!????俺のッ!俺の首があぁアア!!!」

 

という恐ろしいまでの絶叫をあげた。

周りの者達が耳を手でふさぐ中で、蟷螂男が頭だけになってもなお叫ぶ事にハクロウは

 

(ほう、まだ動きよるか。再生能力で言えば豚頭魔王(オーク・ディザスター)をも上回るのう)

 

と、少しだけ驚いただけだった。

そう、少しだけ。

異世界ならば首がなくなろうが動き、再生するものなどあまり珍しくない。

むしろ強者と言われしものならば持ってない方が珍しいくらいなのだ。

逆にAランク以下の者達であっても持っている可能性もある。

シオン配下の紫克衆(ヨミガエリ)がその最たる例。

故にある程度の強者、いやハクロウの見立てで特Aランクの中でもかなり高位に位置するこの蟷螂男の再生力を見たところでそこまで驚きはしなかったのだ。

 

しかし、そんな冷静なハクロウと対照的に蟷螂男は今もなお叫んでいた。

当然だろう。彼にとっては、それは死亡を意味することなのだから。

我妻少年達は何が起きたのか理解できていない様子で呆然と立ち尽くしていた。

それでなぜ堕姫に殺されていないのかといえば、その当人も攻撃をすることも忘れ立ち尽くしていたからである。

それほどまでに、この出来事は衝撃的だったのだ。

 

「貴様等の様な下郎には我が友(クロベエ)が造った刀を使うまでもないわ‼」

 

ハクロウがそう吐き捨てるように言葉を発し、未だにわめき続けるその男の脳天に持っていた包丁を突き刺した。

しかしそれでもなお死なずに意識があるようだったが流石にその絶叫も終わりをつげた。

そうして静寂が訪れたこの空間の中で、いきなり現れたハクロウに血まみれの忍者(天元)が驚きつつ、思い出した様に動いた。

恐らくはこの鬼にトドメをさそうということだったのだろう。

 

ハクロウが使ったのは瓦礫の中にあったただの包丁だ。

鬼を殺すことの出来る「日輪刀」ではなく本当にただの包丁なのだ。

当然そんな物で鬼の首をただ、はねたところで鬼が死ぬことはない。

更にはこの上弦の陸、牛太郎と堕姫は二人の首が二つとも胴体から切り離された状態にならないと消滅することはないのだ。

それを思っての天元の行動だったのだが、当の本人のハクロウは慌てることなく

 

「安心せい。再生はかなわん」

 

と落ち着いて告げた。

その証拠に蟷螂男は切断面が修復できないようだった。

不審に思った天元が、傷口をよくよく見てみると、その断面はまるで内部から爆ぜたような跡があった。

 

(なんだこの傷跡?まるで内側からやられたみたいな感じだ・・・)

 

天元がそう考えた時、脳天を貫かれおとなしくなっていた牛太郎が、

 

「クソッ・・・何で再生できねえんだよ・・・なんでッこんな奴が・・・」

 

先ほどまでの絶叫とは違い、諦めたように呟いた。

そして、すぐに口が塵となり消え、十数秒後には完全に塵となってこの世を去った・・・

 

 

 

 




ハクロウはヴェルドラから鬼の殺し方を聞いています。
ただし、日輪刀の存在は知りません。
あと、ハクロウが何故鬼を殺せたのかは、あるアーツが使われています。
何のアーツでしょう?


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第二十六話 決着

堕姫のところは致命的なまでに駄文です。
あと、久しぶり投稿しました。


一瞬、何が起きたのか全く理解できなかった。

だってそうだろ。

 たった一つの瞬きの後、今の今まで炭治郎のやつと戦っていた上弦の陸の首が落ちていたんだから。

いや、これがただの雑魚鬼だったらよくある話だ。

だが今回は訳が違う。相手は上弦の陸だぞ。

つまりは鬼共の親玉の無惨も含めれば鬼の中でも七番手ってことだ。

そんなやつの首が、瞬きの間に切られてるって事に理解が追い付かなかったんだ。

いや。それだけじゃないな。

可能性は低いと思うが、もしかしたら岩柱の行冥さんならそれもできたかもしれない。

 しかし、その鬼の首を切ったのはいつの間にか隣にいた、白髪を後ろで束ね、正夫(しょうぶ)と呼ばれる種類の包丁を片手に持っていた老人だった。

 そのこと自体も驚きだったが何より驚きなのはその老人から伝わってくる恐ろしいまでの怒りの気配(オーラ)だ。

その気配(オーラ)にあてられたこともパニクった理由の一つだろうな。

 

だが、それでも俺が動き出せた理由は、理解が進み老人の使った武器がその包丁であるということを俺の脳が認識したからだ。

それを知って俺の身体は反射的にトドメをさそうと動いた、がそれを老人は片手を上げ静止した。

そして俺の今の行動に対して返答を言った。

 

「安心せい。再生はかなわん」

 

それはいったいどういうことだ⁉と俺が聞き返す前にその答えを上弦の陸が教えてくれた。

 

「クソッ・・・何で再生できねえんだよ」

 

そう叫び歯をきしらせる蟷螂野郎(牛太郎)だったが身体は既に上半身が消え、頭も崩壊が進んでいた。

そして、そのまま身体を再生することもなく

 

「なんでッ・・・こんな奴が・・・」

 

という言葉を残しこの世を去ったのだ。

そして、その事を確認した老人はギロリと視線を移した。

その視線のさきにいたのは・・・

 

上弦の陸、堕姫だった。

 

 

 

 

 

 

なんなのよ!なんなのよ、あのジジイ⁉

あのジジイの眼が私を映した時、私の心に襲ってきた感情はただただ「恐怖」だけだった。

 そこからどうやって逃げたのか正直、私にも分からない・・・。一心不乱に足を動かして全力を尽くして逃げたということ以外は・・・

 振り返る余裕なんてなかった。そんなこと、もしも後ろにいたら・・・と、思うと恐ろしくてできるはずもない。

そんな満身創痍の私に、ある音が響いた。

そして私は気がついたら、無惨様の根城である、無限城にいた。

そこで初めて先程の音が琵琶によるものだという事を私の脳が理解した。

 

「堕姫」

 

何が起きたのか分からない私の耳に届いたのは無惨様のお声だった。

顔を上げてみれば女体へと変化した、無惨様がいた。

だがしかし、私をお救いに?と思った心はその直後の言葉で打ち砕かれた。

 

「逃げたな」

 

一瞬心が休まる様な気持ちだったが、そんな私にかけられた声はひどく冷たく私の思っていたものとは、遠くかけ離れたものだった。

 

「そッそれは!」

 

私の顔に汗がふきでる。

そしてそれと同時に無惨様により殺された下弦の鬼の面々が脳裏にうかぶ。

食い殺された者、頸を引きちぎられた者、それらの景色が今この瞬間目の前にある。

 

「貴様には自らが上弦の陸であるという自覚がないようだな」

 

「いっいいえ!あります!」

 

この流れを何とか変えなくては・・・

その事に気がいっていた私はこの時過ちを犯したのだ。

そこまで言った私は咄嗟に自らの口を手で押さえた。

 

「貴様は私に反論するのか?」

 

その場の空気が変わった。

おろかながらにも私は下弦の鬼と同じ過ちを犯してしまったのだ。

 

「貴様には失望した。もう二度と私の前に立つな」

 

この言葉を最後に私の視界には暗幕がおりた・・・

 

 

 

堕姫の命の灯が消えた無限城にて・・・

 

「まさか妓夫太郎が反応すらできず頸を落とされるとはな」

 

最早ただの肉塊へと堕ちた堕姫の遺体を粗食しながら、女体へと変化した無惨は呟く。

上弦の陸が戦闘していることを感じ鳴女の能力にて、戦いを観察していたのだ。

無惨からすれば弱い鬼などに興味はない。鬼とは強くあってこその鬼なのだから。

故に加勢することもなく、ただただ傍観するだけにしたのだ。

しかし、期待外れも腹は出しいと無惨は考える。まさか、尻尾をまいて逃げ出すとはな。

どっちにしろ敗北者に命など要らないのだから、どうでもいいがとも考えたのだが。

だが、あの者達の存在は危険だ。

 

「鳴女。あの老人と男は危険だ、監視をはなて」

 

「承知いたしました。無惨様」

 

冷徹にそう言い放つ無惨。

そしてそれに応え、自身の分裂体を造り吉原へと送る鳴女。

 

こうしてハクロウやヴェルドラの存在が無惨に知られることとなったのだった。

 

 

 

そしてもう一人ヴェルドラ達の存在を知った者がいた。

 

 

 

どこかの山奥にひっそりと佇むその屋敷。

質素だが手入れの行き届いた庭や畳。

そんな場所に、一羽のカラスが入っていく。

一体どれ程急いできたのか?

そのカラスの姿を見ればたとえ人間でも、疲労困憊であることがわかるだろう。

そしてそのカラスが向かった先には床に臥せた一人の男がいた。

どうやら病人のようで、顔には薄紫がかった痣が広がっており、その眼は光を失っているようだ。

足腰も弱り妻と思われる白髪の女性がその体を支えてようやく立っている。

 

「勝ったのか!上弦の陸に!」

 

しかしその容態とは裏腹にその声には喜色が見えた。

妻が止めるのも聞かずに床から立ち上がる。そして次の報告を聞いて更に声を喜色で彩る。

 

「ただの包丁で、上弦の陸を殺したのか⁉それに地面を素手で砕く男?是非とも話を聞きたい!ここに呼んでくれないか?」

 

この男こそ鬼殺隊のお館様 産屋敷輝夜 その人である。

 

 

こうしてハクロウ達は二つの勢力から目を付けられることとなったのだった。

 

 

 

 



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