やさしい世界へ (ウサガミ)
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ぷろろーぐ

転生、もしくは輪廻転生、

それはとある宗教の概念だ。

 

まあ、私は宗教なんて信じてなかった一般的な日本人だったので、2度目の生というものは、まあ、期待などしていなかったが貰えるならうれしい程度の感覚だった。

 

確実とは限らないとはいえ未来がわかってしまわなければ・・・

 

ん?なんで未来がわかってるなんて超能力的かつ、中二病的な事を言ってるんだって?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・それは私があるアニメにおいて確実に死ぬ人物に転生してしまったからだ。

 

アリシア・テスタロッサという本編に直接関わらずフェードアウトする人物に・・・

 

享年5歳とかベリーハード過ぎるよ!!

 

ーーーーー

 

ミッドチルダ、新暦39年

 

5歳まではあっという間だった。

前世の記憶によれば、

普通人間というのは、3歳前後でしっかりと話せるようになり、

9、10歳ぐらいで物心つくという。

だからなのかわからないが、2歳までの記憶や前世の記憶はどこか曖昧になっている。

神様転生などというテンプレかつ理不尽に会ってはないのは確実だとは思うが、いや享年5歳が半ば確定している方が理不尽か。

正直な話、特典なんてあるなら欲しかったよ・・・

とはいえ現実に生きる世界にそんな御都合主義は早々ない。

政治家や悪どい金持ちなどの諸々は例外だ、例外ったら例外なんだよ!

 

 

 

それはそうと、

私こと、アリシア・テスタロッサは今生の母であるプレシア・テスタロッサに手をひかれ、前世での幼稚園に当たる場所に行くところだ。

あと子供の目線から見てもわかった、シングルマザーというのは大変なんだと…

どちくせうの父親出てこいよ!このちくしょー!!

 

 

 

「アリシア、ごめんなさい、今日は迎えが少し遅くなるかもしれない」

 

「大丈夫だよママ、お仕事頑張ってね」

 

申し訳ないという顔でママは言う、私は笑顔で頑張ってねと返す。

私は前世では男で成人までは生きて、仕事もした・・・はずなので、ある意味こっちの方が申し訳なかった。

とはいえ今生の体や精神の基本は幼女のそれだ。

やれることは限られる、ゆえに今のところ今生の母、もといママに出来る事と言えば笑顔ぐらいだろう。

 

「ありがとう、アリシア」

 

「あっ、そうだ、ママ今度のお休みはいつになるの?」

 

「そうね、今のお仕事が一段落したらかしらね。

そうしたらピクニックにでも行きましょう」

 

 

いやおそらく、一段落した時には私の命も永遠の眠りという一段落になってしまいそうなのだが・・・

前世においての原作知識やwiki情報を元にした推測が正しければ、ママが今手掛けている仕事は『次元エネルギー駆動炉ヒュードラ』のはずだ。

座して死を待つ訳にはいかない、

ここは1つ賭けに出てみるべきなのかもしれない。

 

 

 

「・・・ママ、いきなりだけどワガママ言っていい?」

 

「ふふ、どんなワガママかしら?」

 

「ママのお仕事してる場所を見てみたい!」

 

「・・・えっ?」

 

私が行き着いた結論はこうだ。

原作のおいて(アリシア)はヒュードラの事故で亡くなっている。

だがママ(プレシア)は生き残っている。

 

という事は、ママの職場もしくは、避難した場所に一緒にいればもしかしたら生き残れる?

逆に危険へと飛び込んでるようにも見えるが、

虎穴に入らなければ虎児は手に入らないと、うる覚えの知識で自分を納得させた。

 

さて、のるか?そるか?

 

「アリシア、それはーーーーー




内容がn

ではなくひどかったので書き直すことにしました。


自分の作品の1つのリメイクプラス加筆版として作品です。

あと余談ですが、日本人の感覚は神道に基づく部分もあるので完全に無宗教ってわけでもないっぽいですけどね。



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大人ってのは

とある研究施設の中に設けられたオフィス。

そこで

 

イライラした様子の妙齢の女性と眼鏡をかけた青年が議論と言う名の口論を繰り広げていた。

  

 

 

「プレシア主任、このプロジェクトは本社からも情報を制限するよう言われているってご存じですよね?」

 

「ええ、私もその場で聞きましたから」

 

部下は深いため息を吐く。

 

「だったら見学なんてもっての他だと理解していらっしゃるでしょう?!」

 

「うるさいわね…!そもそも本社の要求は最初からコストから期間まですべて滅茶苦茶だったのよ?!」

 

「…それはそうですが、だからといって主任のお子さんとはいえ一般人をここに入れて良い理由などありませんよ!」

 

「だからアリシアの経歴を上手く誤魔化して研究員として入れるのよ」

 

「…ダメだこの人、何とかしないと」

 

 

 

「…」

 

「そう睨まないでください。私は何も見学は完全にダメだと言ってるわけではありません。

実用化されている旧式の駆動炉の見学コースなら…」

 

「それでは私の職場を見せることにはならないわ」

 

この人は一種の天才ではあるが彼女の娘に向ける愛情はハッキリ言ってバカが何個も付きそうなくらい親バカだ。

その上頑固で自分の信じたもののために退くことを知らないような人だ。

あと娘のことになると普段の理路整然とした理屈に基づく考えは微塵もなく、感情に基づいた行き当たりばったりの考えを吐き出してくる。

 

 

「……わかりましたよ、通常の見学コースを案内した後にこのエリアの監視システムをその時間だけダミーに差し替えて娘さんを案内しますよ…」

 

「そんなこと出来るの?」

 

「かなり難易度は高いですが30分程度なら誤魔化すことは自体は可能です」

 

「なら最初からそうしなさいよ」

 

「…これ違法行為だってわかってますよね?」

 

ーーー

 

今日はママの職場を見学する日だ。

予定としては旧式の実用されてる駆動炉の見学をした後にママのいる開発部に行くらしい。

 

パッと見ただけど、うむよくわからん。

前半の説明では色々説明されたが半分以上は専門的すぎてほぼわからなかった。

大気中の魔力を少量取り込んで炉の中で何か難しい物質と反応させて増幅させて云々…

 

呪文か何か?

 

あと、ちょっと難しかったかな?とか言われたが文字通り次元が違いませんかね?

 

 

 

 

「ふわあ、これがミッドの電力供給施設なんだ~」

 

我ながら白々しい反応だ、多分目が死んでる。

 

「これはさっきの説明でも出た現在稼働中の駆動炉ネメア、第一管理世界ミッドの首都を中心に電力供給してるよ」

 

「これがママのお仕事なんですか?」

 

「いや違うよ君のママと僕が関わっているのはこれの次の世代の駆動炉の開発さ」

 

ママの部下の男性職員がカードキーを通して機密エリアへのドアを開ける。

 

「ここからは入ったことは内緒だからね?」

 

「はい!」

 

 

さあ、ここからだ。

確か何かの映画の言葉だったかな?

未来は決まってなどいない、そう心の中で呟き私は歩を進めた。

 

 



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