たのしいにじかい・こいもよう (DELF)
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たのしいにじかい・おとこしてん

本作が初小説となるため見苦しいところも多々ありますが、楽しんでいただけたなら幸いです。


 

 

 

 

「たのもーう!四名席おねがいしまーす!」

 

「もう少し普通に頼めないのか…」

 

プロゲーマーとしての仕事を終えた俺、カッツォ、夏目氏。そこで偶然にも同じテレビ局で収録してた永遠も交えて飯を食いに行こうという話となった。……というのは建前であるがそれを言うことはない。

 

 

 

 

「よぉーしカッツォくん、せっかくだし飲み比べといこうぜ!負けた方は当然罰ゲームで」

 

「え、ザルのペンシルゴンと?絶対にいやなんだけど。というか飲み比べだとサンラクとメグが参加できないじゃん!」

 

「二人はあと一、二年もすれば飲めるようになるからその時にネ。とりあえず今回はカッツォくんと一騎打ちだ!」

 

「あきらめろカッツォ」

 

「が、頑張ってねケイ」

 

現在、俺と永遠で考案した「いい加減リアルギャルゲーやってるカッツォを夏目氏とくっつけよう計画【仮】」を実施中である(計画名は最終的にもみ合いになったため仮のまま)。まあ大げさに計画なんて言ってはいるが、要は夏目氏にもっと積極的に行動しろと促すものだ。ラブクロックのような超過密スケジュールで動けと言ってるわけではないので本来なら難易度としては高くない。まあ相手がカッツォ(ギャルゲー主人公)の時点でアレなんだがなハハハ。

 

今回の食事もその計画の一環であり、作戦内容は「酔ったカッツォを夏目氏が家まで送り介抱する」という至極単純なこと。そんな簡単なこととも思うが、長い間片思いを続けてた夏目氏のヘタレっぷりは凄まじいため十分だろう。

 

「じゃあ罰ゲームの内容だけどどうしようか。楽郎くんと夏目ちゃんは意見ある?」

 

「ここの食事代をケイが払うってことでいいんじゃない?」

 

「あれ割り勘って話じゃなかったっけ今回!メグ最近こいつらに毒されてきてるよ!」

 

「魔境にお化け屋敷行ったときの写真投下でいいんじゃね?」

 

「あぁこの前のアレね。すごいいい声で啼いてて笑っちゃったよ」

 

「おまえら鬼かっ!というか俺が負けるの前提で考えるのやめろ!」

 

だってカッツォが永遠に酒で勝てる姿が想像できないしなぁ。どんだけ飲んでもケロッとしてるし。

 

「おまえ飲めるようになったら覚悟しとけよ…!」

 

「カフェインの加護が付いてるから無敵なんだよなぁ」

 

「どうしよう、この子酒飲んでないのに酔っ払っちゃってるよ」

 

「…いつものことなんじゃないの?」

 

よし夏目氏、後で覚えておけよ?

 

 

 

 

結局、俺と夏目氏が参加してないことをふまえて勝者は支払免除、敗者がその分払うということに。勝負自体なしでいいじゃんとかのたまっていたが無視だ無視。

 

ひとまず全員飲み物を注文したし、次は食い物なんだが…

 

「じゃあ食べ物も注文しよっか。とりあえず夏目ちゃんはポテト大盛り?」

 

「なんでそこ確定させるのよ!?」

 

「え、違うの?」

 

いやだってポテトある店だとまず頼んでるし…。どうやらそう思ってたのは俺だけじゃないようで、永遠とカッツォも真面目に驚いた表情をしている。

 

「いや、まあそのつもりだったんだけど…。もういいわ、今更否定したって仕方ないし…」

 

夏目氏も諦めが付いたようで、素直に受け入れたようだ。ただこのファーストフード好きがカッツォの認識によくない補正を入れてることに夏目氏は気付いているのだろうか。こいつの目、小さい子供の健康を気遣うような感じになってるぞ。

 

 

 

 

「しかし、楽郎君がプロゲーマーになってもう一年になるんだから早いよねぇ」

 

「その台詞なんだかおb

 

「おばさんくさいとか言ったら殴るからね」

 

「ヤサシイオネエサンニキヅカッテモラエテシアワセデス」

 

「棒読みになってるけど寛容な永遠お姉様は許してあげよう」

 

声がガチだったよ…。最近かつての外道節がちょっと…うん、ほんとにちょっとだけ緩くなってきた節があったから油断してたわ。こいつのこんな声聞いたのいつ以来だったかな。

 

「まあ順位としては中の上ぐらいで収まってるけどな」

 

「こいつテンションが上がらないと普通に負けるからな。むしろシルヴィアやアメリアたちトップクラスの連中と戦ってるときの方が善戦出来てる辺りやっぱおかしいというか」

 

「ちょっと前まで顔隠しが出てこない限り順位付けが出来ないなんて言われてたけど、出てきたら出てきたでまためんどくさい状態になってるのよね」

 

「お、喧嘩売ってんなら買ってやるぞ?」

 

「え、いやよ挙動地球外生命体と喧嘩なんて」

 

俺の中の夏目氏覚えとけよカウンターが少しずつたまっていく。銀金さんにも何か情報をリークすべきだろうか?

 

「まあ戦績はともかく、タレントじみた活動が面倒だな。基本カボチャ頭だからまだマシだけど、偶に素顔でも注目されることあるし。おまえらよくそんな分厚いネコの皮かぶれるな」

 

「こういうのは慣れる慣れないじゃないんだよ。それが当たり前だと思うこと。そうすれば何も気にすることなんかないよ。まあ私の場合は私が完璧すぎるのも理由なんだけどね!」

 

「おまえのその自信はどこから来るんだ…。まあいいわ、参考にするわ」

 

実際モデルとして常日頃から人前にさらされる仕事をしている永遠のアドバイスは参考になることが多い。昔は気付かなかったが、こういう面倒見の良さも人気の一因なのだろうか。

 

「普段から引きこもっているからだよ。ソウダ、この前チームのメンバーからこんなのもらったんだが、サンラクも誰か誘っていってきたらどうだ?」

 

「映画のペアチケット…?つーかなんだ今の話題の切り出し方」

 

明らかに不自然なこの話題転換、さては何か企んでやがるな?だがこの行為にどんな意味が…

 

「何の映画?…あ、この映画興味あったんだよねぇ。楽郎君一緒に行かないかい?」

 

「え、いやそもそも映画に興味がないんだが…」

 

「…それ、顔隠しが今度出演する番組で共演する人が褒めてた作品よ。話題作りも兼ねて行ってきたら?」

 

あー、マジか。そういうことなら行っといた方がいいのか?実際何話せばいいのか分からなくて困ること多いんだよなぁ。てあれ、なんで夏目氏が俺の共演者知ってるんだ?いやまずカッツォの唐突な…

 

「よし決まりだね!じゃあこの日はデートとしゃれ込もうじゃないか!」

 

「は!?いやデートじゃなくて映画見に行くだけで」

 

「男女二人で行くならば世間一般ではデートと言うんだよ。いやあ楽しみだね!」

 

うぅ、マジで喜んでる表情してやがる。こうなると否定しずらいし、仕方ないか。妹に知られたら何を言われるか…。

 

…はて、何か忘れたような?

 

 

 

 

 

 

 

 

なんとか誤魔化せているか。一応ペンシルゴンの演技指導も効果があったと言うことかな。とりあえずこの話題は終わりとでもいうように、手元にある酒を飲み下す。そういえば形だけとはいえ飲み比べとかやってたっけ。

 

「しかしカッツォ君は相変わらず()()()()()()というか、表情に出るねえ。こりゃ私の圧勝かなぁ?」

 

ペンシルゴン基準ではアウトだったらしい。表情こそ笑っているが目がガチだ。普通に怖いので勘弁して欲しいのだが…。

 

現在「サンラクとペンシルゴンの仲を進展させること」を目的に、俺やメグ、それにサンラクの妹である瑠美ちゃんがペンシルゴンに協力している。今回の偶然を装った食事や飲み比べに関しても、事前に打ち合わせしていたことだ。メグはともかく、俺の場合脅されたという側面も強いが。

 

まあペンシルゴンには恩もあるしな。サンラクがプロゲーマーになることをあいつの両親に認めさせるため、まずペンシルゴンに瑠美ちゃんを味方にしてもらい、その後全員で両親を説得…しようとしたらサンラク母の飼ってる虫が逃げたとかで大騒ぎになって…なんだかんだ大変だったなアレ。

 

まあ協力してはいるが、こいつら手伝うまでもなく自然とくっつきそうな気がする。サンラクのやつ、少し前までペンシルゴンの名前を呼ぶのにすごい抵抗していたのに、最近は普通に呼んでるし。

 

とりあえず今回の目標の一つである「サンラクとペンシルゴンがデートの約束をする」は達成できた。後は「ペンシルゴンを普段より多く飲ませ、サンラクを付き添いとして一緒に帰らせること」だが、ザルであるこいつに付添はいるのだろうか。そもそも最初の目標もペンシルゴンが普通に誘えばいいだけだった話だと思うのだが…

 

「この写真を魔境にもってくだけで1スレ分くらい消費しないかな」

 

「いいね、じゃあ飲むペース上げますか!」

 

しかしサンラクのやつ、やたらと生き生きしてやがるな。そんなに俺をつぶしたいのかこいつは。

 

そしてペンシルゴン、おまえもっと手加減しろ、何故協力を受ける側なのにそんなハイペースで飲むんだ。

 

「ケイ、無理はしないでね。明後日には試合もあるんだし」

 

メグは心配してくれているが、ポテトを食べる手は緩めていない。というかあれ追加で頼んだ分なのにもう半分まで減ってるし。もう何度目になるか分からないが、この子本当に大丈夫なんだろうか。

 

「まあ仮に潰れたとしても夏目氏が家まで送ってやれば問題ないだろ」

 

「そうだねえ、私たちは別方向だから無理だけど、夏目ちゃんに任せれば一安心だね」

 

「あ、うん!そこは安心してくれていいわよケイ!」

 

「大丈夫だよメグ。夜遅くに送らせるのも申し訳ないからね。なんとか自力で帰るよ」

 

「「「………」」」

 

アレ、なんだろこの空気。おかしなことは何も言ってないはずだが。もしかしてメグの付き添いに関してか?心配せずとも駅までは付き添うつもりなんだが。

 

「天音さん」

 

「なに夏目ちゃん」

 

「徹底的にお願い」

 

「まっかせて!それはもう完膚なきまでに潰れさせてみせよう!」

 

「やはり魔境に写真を流すしかないか…」

 

「ちょっと待てお前らー!」

 

 

 

 

結局、勝負はペンシルゴンの圧勝で終わり、奴の支払は俺が持つことになった上に酔ってる間の様子まで撮られてた。もうこいつと飲み比べなんて二度としない…



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たのしいにじかい2・おんなしてん

たのしいにじかい・おとこしてんの続きとなっています。こちらも拙い文章ですが、楽しんでいただけたなら幸いです。
酔った鰹君が何をしたのかはユザパってます。あらかじめご了承ください(何をしたのか全く思い浮かばなかった)。




 

 

 

 

「ケイ、大丈夫?」

 

「メグもノリノリで飲ませてたじゃん…うぅ…」

 

恨めしそうな目でケイが私を見てくる。罪悪感がわいてくるが…正直、魔境の民と言われる人たちの気持ちも分からなくもないというか…

 

「あー、夏目氏、送り狼にはならな…いやなった方がいいのか」

 

「カッツォ君相手ならそこまでやらないと駄目なのかもねぇ。いやぁゲーム脳相手にするのは大変だね」

 

天音さんがすごく実感のこもった台詞を吐き出してるけど、隣にいるエナドリ仮面はまったくだ、なんて頷いてばかりでその様子に気付いていない。ホント、お互いに苦労するわね。

 

「さて、それじゃあここらでお開きとしますか。夏目ちゃん、カッツォ君のことよろしくね!」

 

「夏目氏に迷惑かけるなよカッツォ」

 

「既に困らせてる気もするけどね…お前もペンシルゴンをちゃんと送ってやるんだぞ…」

 

「おつかれさま」

 

互いに言葉を交わして天音さんと顔隠しは去って行く。ひとまず二人を一緒に帰らせることには成功したし、私もケイの家に何の問題もなく入って介抱が出来る。ケイも顔隠しも、まさか自分が作戦を仕掛ける側であると同時に仕掛けられる側であったとは思わないだろう…いや少しぐらい感づいてくれても、とは思うが。

 

「あー、ごめんメグ、付き合わせちゃって」

 

「気にしないで、けしかけちゃった私にも責任はあるし」

 

そもそもこうなるように仕組んでおいてこんなこと言うのもおかしな話ではあるが。タクシーを待ちながら、私とケイは会話を続ける。

 

「しかしサンラクの奴、おかしな挙動がさらにおかしなことになってたな…」

 

「今日の番組のこと?私にはいつも通りにしか見えなかったけど」

 

「奇天烈な動き自体はいつも通り…いやいつも通りと言っていいか分からないけど、それを支える動作一つ一つのキレがよくなってたんだよね…」

 

「どういうこと?」

 

「あいつの最大の強みはUIに対する適応力…ていうのは前に話したかな?」

 

「聞いたわ。操作ウインドウを見ずに操作して即座に武器を切り替えるとかの曲芸じみた動きでしょ?」

 

「そうそれ。今日のあいつ、そういった動きがさらに進化してたんだよね…。より無駄を省きながら、より早く、よりあいつが追い求める浪漫を叶えるための動きに。

 あいつがプロゲーマーになってから、勝率7割を維持するのがさらに難しくなってる。…なにより、あいつに負けたくない。もっと強くならなくちゃいけない…」

 

酔っているためかいまいち要領を得づらいケイの言葉。けれどそう呟くケイの表情は、酔っているはずなのに、まるで大会の決勝に赴く前のようなとても強いものになっている。この世界で一番強いのはシルヴィア・ゴールドバーグでも顔隠しでもない、魚臣慧なのだと叫ぶように。

 

その姿を見て、私は顔が熱くなるのを感じる。

ああ、この姿だ。一見冷静に物事を見ているようでありながら、その内面を溶岩のように煮えたぎらせ勝利を渇望する姿。私が好きになった人の、本気の姿。思えば恋敵であるはずのシルヴィアと仲良くしていられるのは、ケイのこういう一面が好きになったというのが共通しているのもあるのだろう…きっかけはジャンクだったけど。

 

しかし、ケイは気付いているのだろうか。強くなった顔隠し相手に勝率7割を維持しているケイもまたさらに強くなっていることに。…自覚はしているだろう、それでも満足していない。だから彼が歩みを止めることはない。

 

そんなケイと並ぶためには、私ももっと強くならなければならない。ただでさえシルヴィアも含めてライバルが大勢いるのだ。寄り道することはあっても、立ち止まることだけはしてはいけない。彼に相応しい私でいるために。

 

だからまあ…口ではなんだかんだ言いながらも、顔隠しには感謝している。私の好きなケイがさらにかっこよくなったのも、顔隠しの存在が大きいから。本人に言うつもりはないけれど。

 

そして、天音さんにも。からかわれてはいるけど、よく相談に乗ってくれるし、応援してくれる。最初に会ったときはこれがティーンの憧れの実態…と思ったものだが、付き合いが長くなってくるとまた印象が変わってくる。こういった面も含めてカリスマモデルなんだなとよく分かる。

 

私から見ても、天音さんと顔隠しはお似合いだと思う。二人にはうまくいって欲しい。二人が去った方向を見ながら、そんなことを思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁ楽しかったね楽郎君、ああも見事に潰れるとは思ってなかったけど」

 

「酔ったあいつがあんな風になるとはな。ククク、これから当面の間はこのネタでいじれるぞ」

 

二人並んで帰路につきながら、先程の出来事について語り合う。やはり素の自分を曝け出せるというのは楽しい。その相手が思いを寄せる人ならば、尚のこと。

 

ティーンの憧れであるカリスマモデルとして、決して堂々と表に出すことの出来ない、私の刹那主義。それを受け入れてくれるだけでなく、私と対等の立場で一緒にバカなことをする人。そんな彼に惹かれている自分を意識してから、毎日がさらに楽しくなった。

 

彼がプロゲーマーになりたいと知ったときはすごく心が躍った。彼は大学進学すると聞いていたから。もし大学にいったら、顔がよくて対応も悪くない彼は間違いなくモテていただろうし、社会人である私とリアルで接点を持つには立場的にも距離的にも難しかった。

 

その点プロゲーマーなら都心近くに住むし、TVなどで共演することもあれば芸能人としてアドバイスすることも出来るだろう。それに表舞台に出る彼は「顔隠し」。有名になっても素顔が隠れている分、女性からの恋愛感情に起因した人気は出づらい。だから彼の親を説得するのにも全力を出した。予想外のことも多くあったけどそれもいい思い出。

 

 

 

 

「しかしあいつ、本当に爆発案件というか…あれだけ夏目氏分かりやすいのに気付かないものなんかねえ」

 

「うーん、それに関しては君が言っていいことじゃないかなぁ」

 

「は?」

 

だってそうだろう。私が君を楽郎君と呼ぶようになり、君に永遠と呼ぶように強制したというのに、君は私の好意にまるで気付いていないのだから。もしかしたら気付いているのかもしれないが、こうもこちらに気がある素振りを見せてくれないのであれば不安にもなる。さっきも一緒の映画に行くというデートの定番を約束したというのに平然としているし!(妙に恥ずかしくてカッツォにやらせたことを棚に上げつつ)

 

なんかだんだんと腹が立ってきた。うん、ちょっとくらいやらかしても問題ないよね。

 

「えいっ」

 

「うおっ、なんだいきなり!?」

 

おお、やってしまった。正直すごく恥ずかしいが、もう後には引けない。ええいなるようになれ!

 

「なんだかんだ酔いが回ってたみたいでね、ちょっとふらついちゃって。足下がおぼつかないから少しの間掴まらせてもらうよ」

 

「それはかまわんが、その、あれだ。腕を組むというのは流石にあれだ。もしおまえのファンに見られたらあれだぞ」

 

そっぽを向きながらあれしか言わなくなった。顔をよくよく見てみれば、すごく顔が赤い。たぶん私もこんな顔色なんだろうけど、今は私を意識してくれていることの喜びが大きくて。

 

「それはほら、背負ってもらうのは気が引けるし、肩を貸してもらうのも歩きにくいしね。顔を埋めれば顔も見られにくいし」

 

「おお、そうか。…うん、まあ、うん」

 

「…おやぁ?どうしたんだい楽郎君、顔が真っ赤だよ?」

 

「うるせー、くっついてる分暑くなってるだけだよ」

 

「ふふ、そういうことにしておいてあげるよ」

 

そう言ったきり、二人して沈黙しながら町を歩く。けれどその沈黙は、どこか心地よくて。ずっと続いて欲しいと思えるもので。

 

この光景を見ている人は、私たちのことをカップルだと思うだろうか。それが事実で会ったならいいのだが、現実にはまだ付き合ってるわけじゃない。

だけどもし、いつか私がこの人と付き合うことが出来たなら。その時は堂々と胸を張り、見せつけてやろう。

 

世界よ見るがいい、これが私の恋人だ、ってね!




ペンシルゴンすごく好きなキャラで書いてみたいな、と思い始めたら止まりませんでした。人気投票は悩んだ末に秋津茜にいれたわけですが…

秋津茜でも書いてみたいという気持ちと、なんとなくの形はあるのでいずれ書けたらなとも思います。

何にしても、読んでいただきありがとうございます!


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