自殺愛好者(贋作)の刃 (後藤さんのゲッターすごいのね〜‼︎)
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自殺愛好者(贋作)の刃

「鬼滅の刃×文豪ストレイドックスのクロスオーバーのSsなど!バカなことはやめろ!」

「貴様ほど急ぎもしなければ、まだこのSsに絶望もしちゃいない!」

「書く原稿はまだあるのだぞ!」


私はいわゆる転生者というものだ。はいそこ石を投げるために石を探さないで!

 

なぜかというと私には、前世とも言える記憶を持っていた。そのことに気がついたのは良き学び良き遊べと言われる子供の頃。いつものように近所の友達たちと外で遊び、川で自身の姿を見たことからだった。

 

アッレー?ナンデ私、文豪ストレイドッグスの太宰さんのショタになってるのカナー…?

 

Q.文豪ストレイドックス(通称:文スト)はどんなお話なの?

 

A.文豪の名前をしたフレンズたちがヨコハマでドッカンバッタンな物理な大騒ぎをするお話です!

 

なぜか文ストの舞台である現代ではなく、大正なのかは謎だが、それまでは前世の「ぜ」の字もなかったが、記憶で私は、平凡な顔立ちで、今の時世である大正より、約百年後の平成の日本で激しい喜びは無く、深い絶望もない、そんな植物のような学生生活を過ごしていたが、転生の条件なのか通り魔に刺されて気がついたらピカピカの小年生とも言える年の太宰さん、つまりショタ太宰さんになっていた!さらに名前も太宰治というオプション付き。

 

私には何が起こっているのかさっぱり分からねぇ!コナンの方がまだマシじゃないか!

 

そして平成の義務教育で学んだことはどうあがいても、大正の小学生が知っていてはいけない知識である。もしそれが知られればどうなるかなんて想像できないが、ロクなことにならないと本能で察した。というか息子が教えてもいないことを知っていたらどうですか?私の場合は恐れて距離を置きます。

 

こうしてそのことを誰にも知られないように隠しながら生きることにした。

 

そうして六年が経ち、十四歳となった。自分を偽りながら暮らすということを繰り返す日々はまるでやりたくもないゲームを延々とやらされているような嫌な気分だった。

 

そしてそのうち私は何で生きているのか。なぜこうまでして生きなくてはならないのか。と私は文ストの太宰さんのように、生きる理由を見失い、空っぽになってしまった。太宰さんのように自殺行為を繰り返すことも考えたが、痛いのは嫌だし、何より万が一に自殺ができてしまった場合、産んでくれた親より先立つのはなんだか嫌な感じがしたからだ。

 

その生活に嫌気がさした私は、深夜に家を抜け出して寝静まった街を目的なく歩くことが趣味みたいなものになった。

 

月の綺麗な夜のことだった。いつものように深夜の街を月明かりを頼りに歩き明け方が近くなってきたと思っていると、誰もいないはずの裏通りから金属と金属同士がぶつかってなる『カァーン!』、『キン』という音、つまり剣戟の音が聞こえる。

 

ものすごいドロドロな夫婦喧嘩(修羅場)なのかと思いそこへと行ってみると、そこには蝶の羽のような柄の羽織をきた女性と血をかぶったような髪色の人ならざる者の気配を纏う男が死闘が繰り広げられていた。

 

一般の人はその光景を見て腰を抜かすか、悲鳴でもあげるのだろう。だが私は───

 

魅入っていた。そしてこう思った。

 

これだ!これこそが!空っぽな私を満たしてくれるナニカ、そして生きる理由を見つけられるかもしれない!

 

そのせいか興奮し、心臓の鼓動が早くなり、左手の甲が燃えるように熱くなる。

 

そして私の世界の流れが緩やかになった。先程まで、何がどうなっていたのかが分からなかったが見える。全てが見える。

 

そして蝶の羽織の女性がこちらへと吹き飛ばされ、私の横の壁へと激突する。そして一本の刀が私の目の前にあった。どうやら女性は壁に激突する直前に刀から手を離してしまったらしい。

 

「お姉さん、刀を借りるよ」

 

気付けば、私は刀を拾い両目に「上弦」、「弐」と書かれてある男へと対峙していた。

 

「うん?君は誰だい?」

 

「戦ってはだめ。ーッ逃げて!」

 

男は、私に哀れむような視線を向け、女性は逃げるようにいう。

 

でも私は…

 

「なんかいつもより身体が軽くて、今の私ならなんでもできるような気分なんだ」

 

引かなかった。私は腰を引いた構えで、奇妙な痣ができた左腕を突き出し、左手にイメージする見えない弓に構えるように刀を構え、刀の先を左手に添えてそう言う。

 

現代の漫画愛好者がいればこう思うだろう。「これ…牙突の構えじゃね?」と。

 

「鬼殺最強の柱でさえ、あんなになってるのに、君は面白いことを…」

 

男が言い終える前に私は前へと出て、構えていた刀を男の頸へと放つ。

 

-牙突

 

それが私が放った技の名である。某流浪剣客に登場する悪即斬を掲げる男の技である。

 

男の子なら誰もが一度は傘で構える技順位(ランキング)上位の技でもある。

 

私は刀など今まで構えたことがない素人だ。刀を振り回したりするのは厳しいが、突きならばなんとなく成功しそうと思ったのでこの技を選んだ。

 

牙突は新撰組副長である土方歳三が考案した突きを斎藤一を昇華させた技。その威力は絶大。だが男の鉄扇にて防御された。

 

直感がその場にいることに警告を与える。それに従い下がると、先程までいたところに氷塊ができていた。直感に従っていなかったら腰から下が固まっていただろう。

 

そして男は、氷をいくつか放ってくるが、わたしはすべて見えたので、突きで撃ち落とすか、必要最低限の動きで回避した。

 

そして夜明けが近づいてくる。

 

「なかなかやるね。俺は優しいから君の修行相手になってやりたいがもう夜明け。名残惜しいけどまた今度にしよう!」

 

そう言って男は楽しそうに去っていった。どうやら男は私が剣の素人だと見抜いていたらしい。ひとまず脅威は去ったと思い、私は壁に激突した女性の状態を確認する。

 

外傷は擦り傷のみだが、肺の損傷がなかなかひどい。このままでは死んでしまいそうだ。

 

悩んでいると、ふとあることを思い出した。文ストの太宰さんは『異能無効化』という某不幸なツンツン頭の右手(幻想殺し)のような特殊能力をもっていた。

 

これ… 中身が贋作である私でもいけるのでは?

 

なぜ疑問形なのかというとこの世界で異能、つまり魔術や特殊能力を持つ人と戦ったことはおろか、あったことすらないのだ。あくまで仮説だ。だがやらないで後悔するよりもやって後悔したほうがいい。

 

そう思い私は女性の胸の部分、肺がある場所へと手を合わせる。緊急時だから胸を触れてしまうのは是非もないよネ!

 

そう思っていると、私の触れている部分から、まるで文ストの異能者たちが異能を使う時に出る文字が溢れ出てきた。

 

どうやら私の仮説は正しかったらしい。女性の肺を蝕んでいた氷の異能を無効化出来たらしく、女性は苦しそうな顔から穏やかな顔へとなった。

 

女性の近くに紙が落ちていた。どうやら壁に激突した際に懐から落ちたらしい。それを戻そうと思い拾うと、私に一つの案が浮かんだ。

 

 

***

 

「…さん!姉…ん!姉さん!」

ぼんやりとしていた意識が、最愛の妹の必死な呼びかけで覚醒する。

 

「しのぶ…」

 

「姉さん!」

 

私が起きたことに笑顔で応じるしのぶ。だが私の脳裏を浮かんだのは私を守ろうと、上弦の弐へと対峙したあの少年だった。おそらくは…

 

「しのぶ。近くに少年の遺体が…」

 

「少年?ここには姉さん以外誰もいませんけど…」

 

「え?」

 

私が壁に激突したのは明け方近くだとは言えども少年を殺めるのは赤子の手を捻るように簡単の筈だ。そう思ってると、しのぶがそっと気まずい顔で、紙を差し出した。いつも私が懐に入れている紙だ。何か書いてあるらしい。

 

「あと近くにこれが…」

 

もしかしたらと思い、その紙を見ると…

 

『刀しばらく借ります』

 

と流暢な字が私の吐いたと思われる血で書かれていた。

 

「えっ?」

 

言われてみれば辺りには私の刀、日輪刀がない。腰のあたりにあったはずの鞘もだ。

 

「どうしよう…」

 

それを聞きしのぶは慌てるが、私が困惑してるのは刀のことではない、私を助けてくれた少年に一目惚れしてしまったことだ。

 

私はあの少年の笑顔なのに空っぽな目をする顔を思い出した。なそう思うと心臓が熱く、そして真っ黒な気持ちでこう思った。

 

ー私の家族《もの》にしたい

 

と…

 

 

***

 

「へクション!どうやら誰かが私の噂でも知るんかな?」

 

くしゃみをしながら私はそんな呑気なことを考えていた。あれから私は、刀を借りるよという書き置きを残して去った。生まれ育ったあの街から。

 

理由はいくつかある。まず一つはこの世界が文ストではなく、『鬼滅の刃』だったことだ。今までずっと疑問だった『ナンデ文ストの太宰さんなのに、文ストの舞台である現代ではなく大正時代に生まれたのか』という疑問の一部が解けた。私は『鬼滅の刃』の狂信的なファンではないので細かい内容は覚えていないが、大まかな流れなら覚えている。

 

そして今は、まだ原作には入っていないはずだ。なのでそれまでの間に体を鍛えたい。人間をやめた鬼と死闘をするには一般の体では太刀打ちどころか一矢報いることさえ厳しい。瞳に『上弦』、『弐』と書かれた鬼、童磨と会って生きてるのはまぐれだ。もし彼があの時万全だったら今私はここにいないだろう。

 

もう一つは、蝶の羽織の女性の人こと、胡蝶かなえさんの日輪刀を借りパクしたからだ。なんでかなえさんの刀を借りパクしたからのかというと、私の生きる理由が見つかったからだ。

 

私の生きる理由、それはまだなんのかははっきりとはわからないけど命を懸けた闘い、つまり死闘の中にあると昨日の出来事でわかった。

 

文ストの 太宰さんも生きる理由がわからないから死と暴力に近いところにいた。だから私もそこにいれば見つけられるかもしれない。

 

そして最後が、先程言った通り鍛えるためだ。ただし鬼殺隊の卵を育てる育手の元へはいけない。なぜならばカナエさんの刀を借りパクしたからだ。

 

カナエさんの刀は独特な形状をしている。もしわたしが鬼殺隊のトップならば鬼殺隊の隊員ではない者が、育手のところにくるのでは?と思い情報を流しているだろう。

 

修行するのが面倒だからという理由ではないのだ。ないと言ったらないのだ。

 

そこで四方八方ふさがれてしまった私はダメ元である街へと向かうことにした。

 

 

これは、中身が贋作の自殺愛好者がハッピーエンドを目指す物語だ。

 




続くかな…?

感想お願いします

Q.どうしてオリ主に牙突を撃たせたの?

A.筆者はバカなので個人的に突き技が一番簡単な技だと思ってます

Q.どうしてオリ主は転生の知識を公開しなかったの?

A.あなたの息子が教えてもいない知識をペラペラと喋り出したらどう思いますか?

Q.痣の出現方法ヒドイ…酷くない?

A.すいません許してください!筆者のバカな頭じゃあんな方法しか思いつかなかったんです!

Q.じゃあ痣出現させなければいいのでは?

A.瞬殺されます

Q.どうしてカナエさんを病ませたの?

A.某ぎゆしのヤンデレSsの影響を受けてしまったからです(しのぶさんは落ちません)



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自殺愛好者(贋作)とヒノカミ神楽

皆さんに好評だったので続きました


私はここ一週間ほど山で居候として、とある山奥の一家の元でお世話になっている。雲取山の炭を作っている竈門一家の元で…。なんでさ…。

 

***

 

 

Q.雲取山ってどこにあるんですか?

 

A.東京府奥多摩郡にあるところです。余談ですが主人公の実家があるところです。

 

あのあと生まれ育った街から両親に『自分探しの旅をします。探さないでください』という書き置きを残し、旅に必要な必要最低限のものを持ってトンヅラした私は竈門一家製の炭を求めて、雲取山の麓にある街を目指した。どうして炭治郎の炭を求めたのだって?そこに推しの作った炭があるからだよ。

 

という冗談はおいといて、私がきた理由はヒノカミ神楽を見るためだ。今は十二月末。私の記憶が正しければ竈門一家は年初めに、ヒノカミ様にお祈りするために丸一日踊るという習慣がある。

 

私はそこでヒノカミ神楽を覚えようとしていた。これが一般人の身体だったら不可能といって諦めて別の手段を考えていただろう。だが今の私は太宰さんの身体なのだ!

 

どういうことかというとこの身体、一度見たことは決して忘れず、身体は見本されたものをたった一度でできるという約束された勝利の身体なのだ!ヤッタネ!

 

わかりにくいって?例えるなら、Fgoのみんな大好き以蔵さんみたいに一度見た剣は自分のものにできる体質ということだ。これほど喜んだことはなかった。もし仮に覚えられなかったらだって?その時はその時だ。

 

そう思いながら、雲取山の麓の街で大晦日の前日を迎え、なけなしのお金でできる限りの保存食、山登りに必要なものを購入し、山へと入る。

 

入り口のところにいたおっさんが「あぶねぇからから入るな!」って言ってたけどどうしても行きたいと言ったらなんらかの花のような匂いがするお守りと握り飯をくれた。優しい。

 

人の優しさに感謝しながら私は山を登る。登る。登る。そして大晦日の黄昏時に、儀式の場所らしきところで男性が踊っていた。私は男性の一つ一つ動きに注目しながら覚える。それはまるで夢のような時間でした。

 

 

 

***

 

 

 

いつのまにか寝てしまったらしい。人がいない山の中で寝てしまうとは、慣れぬ旅をしてしまったこともあるのかもしれない。

 

まだ覚醒していない意識でぼんやりと思っていると、あることに気づく。

 

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おかしい。私は先程まで、炭十郎さんのヒノカミ神楽を木の陰から見ていてそこで意識を失ってしまったはず…。

 

「あっ!目が覚めたんですね!」

 

横から長男力が五十三万ほどありそうな少年の声がする。視線を横にすると額に痣がある少年がいた。いや…まさか…。

 

「君は…?」

 

私は恐る恐る聞いてみると…

 

「俺の名前は竈門炭治郎です!お兄さんが倒れていたところを運ばせました!」

 

意識を失ってしまった私は竈門一家に連行されてしまったみたいだ。これから私を尋問するつもりなんでしょ!サスペンスドラマの犯人を尋問する刑事みたいに!

 

 

***

 

 

奇妙な、いや独特な匂いのする人だと思いながら俺は目の前の人を見る。

 

その人は、正月に俺の家から年始に父さんがヒノカミ神楽を舞う場所の道中で倒れていた俺より年上らしい少年だった。

 

弟たちは父さん以外の俺より年上の人を初めて見たらしくツンツンと触れていた。

 

父さんは、なにやら少年がこんな辺鄙なところへきた理由に心当たりがあるらしいが教えてはくれない。

 

少年が放つ匂いはなんと言えばいいのだろう。それを表現する言葉は思いつかないが、ただこれだけは言える。少年は空っぽなのだ。

 

そう思っていると少年の指先がピクリと動いた。慌てて少年が起きてもいいようにと準備を整え終えると、少年が眼を覚ます。

 

「君は…?」

 

そう片手で頭を押さえながら上半身を起き上がらせた少年はそう呟く。

「俺の名前は竈門炭治郎です!お兄さんが倒れていたところを運ばせました!」

 

そういうと、少年から驚きと恐怖の匂いがした。なんでだろう?

 

 

***

 

 

それから一カ月くらいが経った。

 

少年の名は太宰治といい、俺たちは太宰さんと呼ぶことにした。

 

一カ月でわかったことだが太宰さんはすごい人だ。最初は全くできないことを一度見るもしくは教えただけで、できなかったことをできるようになるのだ。そしてどんなことでも知っていた。

 

太宰さんは俺の中で大きくなって、いつしか太宰さんは俺の憧れの人になっていた。

 

そしてある夜の日、俺は太宰さんに聞いていた。「なぜあなたはそんなにもすごいのか?」と。

 

だが彼は笑いながら「私は凡人さ。いいかい炭治郎?世界は広い。君が私をすごいと思うのはまだ世界の広さを知らないからなんだよ」と満月を眺めながら答えた。

 

そして次の日の朝、太宰さんは俺の前から去っていった。

 

父さんと母さんに慌てて問い詰めれば「引き留めたが、行ってしまった」と父さんは言った。

 

 

何故?何故俺に何も言わずに去っていったのですか!俺が足手まといだから?そうか!俺が力不足なんですね!あなたの後ろにいて恥じないように強くならないと!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だから置いていかないで…

 

 

***

 

私は一カ月の修行を経て、雲取山を下山していた。炭十郎さんにヒノカミ神楽を教わるように頼んだら毎晩みんなが寝静まった夜になってから指南してくれた。

 

その特訓を通してわかったことだが、私の身体はヒノカミ神楽に一部適して、一部適していないという矛盾の体をしていた。

 

どういうことかというと私は雷の呼吸の壱の方が使えない獪岳のように、ヒノカミ神楽の全部ある十ある舞のうち半分が舞うことができなかった。

 

炭十郎さん曰く、肺の一部が適していないらしい。

 

なので舞えない半分の舞のことはスッパリ諦めて、もう半分をひたすら磨き、免許皆伝をもらった。

 

いつ旅立つかぼんやりと月を眺めながら考えていると、炭治郎が「どうしてそんなにすごいの?(要約)」と聞いてきた。

 

炭治郎にはまだ世界の広さを知らないから私がすごいように見えるらしい。いつか炭治郎が世界の広さを知ったら私がどの程度の実力か知るだろう。

 

そう答えたが、今思い返せばクッソ恥ずかしい回答だった。翌日炭治郎の顔が見れない!それに今の私は、空っぽだ。炭次郎が慕ってくれるけど、そんな自分に自信がなくて何いて答えればいいのか、空っぽな自分にはわからなかった。

 

なのでその日の夜に炭十郎さんと葵枝さんに今まで世話になった礼を言い、竈門一家から去っていった。

 

さてとこれからそうしようかな。そう思いながら私は、流浪の旅を再び始める。

 

 




太宰さん(偽)
ヒノカミ神楽の半分を取得。ヤッタネ!太宰さん!これで雑魚鬼に殺されないよ!

大正ヒソヒソ話
本来なら太宰さん(偽)のボディのスペックは優秀なのだが、自身を卑下している

炭治郎
太宰さん(偽)に心酔してしまった長男。長男だからといって親にそんなに甘えていなかったからのが理由。このSsにおける文ストの芥川さんポジである。

炭十郎
太宰さん(偽)にヒノカミ神楽を伝授した人

大正ヒソヒソ話
本当は太宰さん(偽)にヒノカミ神楽を伝授する気は無かったが、あまりにも太宰さん(偽)が優秀だったので伝授したんだって

竈門一家
最初は太宰さん(偽)を怪しんでいたが、交流すると懐いた。また会いたいな

三郎じいさん
太宰さん(偽)に山の入り口で忠告、握り飯らを与えた人

大正ヒソヒソ話
本当は太宰さん(偽)に忠告する気は無かったが、太宰さん(偽)に亡くなった息子の面影を感じたので忠告したんだって


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自殺愛好者(贋作)と黒死牟

今回はややネタバレを含んでおります!注意してください!

アンケートにて時透兄弟か、お屋形様かを聞いたのに第三者を出す筆者…

すまない…ポンコツ筆者で…

Ps:修正してくれた方々ありがとうございます!

前回、炭治郎の父親が炭十郎ではなく、有十郎になっていたことに気づかずに投稿してしまいました。申し訳ありません。

どうでもいいことですけど有十郎って時透兄弟の父親みたいですね





 

 

 

 

竈門一家の元を去ってから私は、各地を転々とし、鬼に追い詰められて、危機(ピンチ)な鬼殺隊員がいたら顔に包帯をグルグル巻きの変装(?)をしてヒノカミ神楽で、その鬼の頸を切って即座にトンズラしていた。

 

え?追い詰められていた鬼殺隊員は放置すんなよだって?こちとら慈善活動をしてるわけでもないので放置します。やだよ怪我人をえっちらおっちら運ぶなんて疲れるし、鬼殺隊には隠というサポーターがいるから別に放置して構わんのだろう?(暴論)

 

そんな鬼を狩るという鬼殺隊もどきのような日々を過ごしていたら半年が経って年明けから梅雨に入っていた。

 

そしてある梅雨の月明かりのない新月の夜の森の中で野宿の準備をしていると、私の目の前にかつて剣士であっただろう鬼が現われる。顔に三対の眼を持ち、瞳孔に『上弦』、『壱』と書かれており、身体から放たれる闘気は圧倒的な実力を持つという気迫を感じさせる。

 

私はこう思った。なんで鬼滅の刃ラスボスに最も近く、鬼滅の刃世界の人間側の最強戦力である『柱』が三人がかりで戦って勝てるかどうか怪しい黒死牟が中途半端なヒノカミ神楽を取得して半年しか経ってない私の目の前にいるんだよ!しかも今は、鬼との戦いで瞼を切ってしまい片方の目を包帯で見えなくなっている状態なのに!

 

例えるならRPGでまだ始まりの村を出てまもない勇者パーティにHpがじわじわと減る毒を魔王軍にかけられて、ぼろぼろなところにあらわれたのが、中ボスじゃなくてラスボスの魔王がいるようなもんだぞ!こんなクソゲー誰がやるか!

 

だが悲しいかな。私がいるのはゲームではなく、現実。さてとどう切り抜こうか…。

 

次回「太宰(偽)死す!」

 

次回も楽しみにしてね!(白目)

 

 

 

***

 

黒死牟は何故か最近不機嫌な主君からある男を抹殺をする命を受けた。詳細を聞くとその男は、あの縁壱の呼吸『日の呼吸』の使い手だという。

 

『日の呼吸』の使い手はついこの間に滅したはずなのに。それは主もキレるわ。と呑気に琵琶鬼の鳴女の血気術でその男のいるところまで送ってもらうために、発動条件である琵琶を聞きながら思っていると、場所はいたるところに部屋がある無限城ではなく、静かな森の中だった。

 

目の前に片方の目と腕、頸と全身のあちこちを包帯で巻いている男がいた。どうやらこの包帯ぐるぐる男が『日の呼吸』の使い手らしい。

 

包帯の男は森で一晩を過ごすつもりだったのか、近くには薪と寝袋があった。

 

「どこで…『日の呼吸』を…覚えた…?」

 

まずは包帯の男がどこで『日の呼吸』を取得したのかを聞く。もう主のパワハラを耐えながら、『日の呼吸の使い手を尋ねて三千里』はこりごりなのだ。なのでまずはその元凶を滅する。それが一番よく楽な方法なのだ。

 

「『日の呼吸』ってなんだい?お兄さん」

 

「貴様が…使う…剣術の…ことだ…」

 

どうやら包帯の男は、自身の剣術の正式名称を知らないらしい。だが『日の呼吸』という名前を知らなかったからといってハイそうですかと、見逃すわけにもいかない。

 

「なるほど。私の舞の事か…」

 

「舞…とは…?」

 

すると包帯の男は、顎に当てていた手を懐に入れ、ところどころが傷んでいる古びた一冊の本を取り出しこういった。

 

「私の舞う剣舞のことをどこで覚えたと聞いたね?だったら答えは簡単。この本に書いてあったからさ」

 

「その本を…どこで…手に入れた…?」

 

「さぁ?どこかは忘れたけど、ある街の古本屋の中で特に古い本だったから興味を持って買ったんだ」

「そうだ。そして本に舞の踊り方が書いてあったから面白半分で舞ったらすごい力が出るから覚えたんだ」

 

妬ましい。私の心はそのドス黒い感情で満たされていた。私が足掻いて手を伸ばしても届かなかった『日の呼吸』(憧れ)を読んだだけで覚えただと?

 

コイツもあの男(縁壱)のように天に愛されているものなのか?

 

「でも残念ながら私では、半分しか舞うことができなかった」

 

それを聞いて少しだけ安堵した私がいた。包帯の男は、あの男(縁壱)ほどは愛されていないのだと。

 

「他に聞きたいことは?」

 

「ない…貴様は…ここで…果てろ…」

 

「それはお断りしたいな。私の死ぬときは生きる理由を見つけてからと決めたのだから」

 

そうして包帯の男と私は衝突した。

 

包帯の男は、不完全な『日の呼吸』と言いながらも、技の一つ一つが見事までに磨かれていた。この男は鬼狩りの柱に匹敵するか、それ以上の力を持っている。

 

そして技を放つ姿があの男(縁壱)と重なる。それに苛立った私は使わないと決めていた月の呼吸(未完全な技)を放っていた。

 

男はそれを難なく躱し、距離をとった。次はそのような手で来るかと身構えるが、一向に男が動き出す気配がなく、私を目を見開いて見ていた。

 

「何故…動かない…?」

 

「その…技は…?」

 

それが気になり、声をかけてみると返ってきた声はどこか震えながら、技の名を聞いてきた。

 

「『月の呼吸』…という…」

 

「もっとだ!もっと見せてくれ!」

 

その名をいうと、男は無邪気な笑みをしながらそう言ってきた。一瞬それを断ろうと思ったが、そんな無邪気な笑顔で言われたら答えたくなってしまうのが剣客の悲しい宿命。

 

「いい…だろう…」

 

こうして私は、使わないはずだった『月の呼吸』を解禁した。

 

そして気づいたらもう夜明け近く。鬼である我が身は日の光を浴びてしまうと消滅してしまう。悔しいが、私ではあの男を殺すことができなかった。あげられた戦果といえば、せいぜい日輪刀の柄を斬ったくらい。

 

「今度…出会った時こそ…お前の…最後の刻だ…」

 

「じゃあ合わないように夜道を気をつけよう」

 

そうなんともずれた回答が来るとは思わず、一瞬身体が脱力した。

 

そして森の中に日が指して来るが、その前に琵琶の音が響く。気づけばそこはもう顔を忘れてしまった家族よりも見慣れた無限城。奥から主がやってきてこう聞く。

 

「命は果たせたか?」

 

あっ…

 

 

 

***

 

 

 

い、生きてる…。『城之内死す!』みたいな死亡回のタイトルだったけど生きてる。

 

黒死牟襲来をなんとか『ヒノカミ神楽』の守備の方で防戦にして、徐々に引いていったお陰でなんとか生き延びれた…。

 

でもあの人の呼吸、『月の呼吸』が出てきたときは一瞬死を覚悟したね。何アレ?拾陸まであるなんて多すぎ!でもなんとか覚えられた型がいくつかあったからいい経験になったか…?

 

おそらく無惨は、『日の呼吸』から派生したと思われる『ヒノカミ神楽』の使い手である私に、何度か鬼を向かわせるようにするだろう。なんせトラウマ物だから…

 

黒死牟との会話にて私は、『ヒノカミ神楽』の取得方法を誤魔化した。何故ならば竈門一家に害が及ばないようにするためだ。

 

でなければ、竈門一家は作中よりも早く皆殺しにされてしまう。それは避けなければならない。

 

黒死牟に見せた古書は偽物だ。確かにあの本は古本屋にて買ったものだが、『日の呼吸』については『日』の字さえ無い。いや多少はあるか。ちなみに、本には『東海道中膝栗毛』という江戸時代の物語が書かれてある。

 

それよりもやることが山のようにできた。まずは黒死牟との斬り合いで斬られてしまった着物、柄の新調。そして鬼側に対する準備だ。

 

そして今の私はとても眠い。黒死牟と死闘を繰り広げていたので、ちっとも寝れなかったからだ。なので一刻も早く寝たいのだが、山の中で雑魚寝など無惨に「どうぞ殺してください」と言っているようなものだ。

 

なのでとりあえず森を抜けて、街の宿屋に行き、昨夜黒死牟のせいで取れなかった睡眠を摂ろうと思っていると目の前に一匹の鴉が降り立った。なんだこの鴉!

 

「はじめまして、太宰治殿。我輩は産屋敷の使いのものです」

 

すいませんもう一回言ってくれませんか?

 

 

 




太宰さん(偽)

ヒノカミ神楽で攻めず、防戦にしたため生き延びた。普通に戦ったら勝てるかどうか怪しいとか。

大正ヒソヒソ話
黒死牟が見せた『月の呼吸』を一部覚えたとか。ヤッタネ!太宰さん(偽)!これでさらに強くなるよ!

黒死牟
太宰さん(偽)の姿に縁壱さんの姿が見えたが、『日の呼吸』をそこそこ使いこなしていれば見える模様。眼科行ったほうがいいかもしれない。
この後、無惨にひどいお仕置きをされたとか。

大正ヒソヒソ話
筆者は黒死牟のことをブラコンをこじらせためんどくさいやつだと思っている。

無惨
名前だけ登場。最近鬼ネットワークにトラウマ物である『日の呼吸』が出てきているから不機嫌。

産屋敷の鴉
空気が読める鴉。

大正ヒソヒソ話
実は黒死牟との斬り合いの時にはいたのだけれで空気を読んでスタンばっていたんだって。

最近本誌がマジ地獄すぎてツライです…


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自殺愛好者(贋作)とお屋形様


明日留年がかかったテストでも!俺は自分の信じられる道を歩いていたい!


 

 

 

あ、…ありのまま今起こったことを話すぜ…!強敵(黒死牟)を撃退したかと思ったら、鬼殺隊の当主である産屋敷の使いの鴉が来た…!何が起こってるかまるで意味がわからんぞ!(混乱)

 

とポルナレフ化している太宰(偽)、略して太ナレフになっている私に、使いの鴉は流暢な日本語で話し始める。

 

「太宰殿。あなたを産屋敷の屋敷にご招待いたします」

 

「なんでさ」

 

そう素直に心の声を漏らしてしまった私は悪くない筈だ。ちょっと待って?アレ?これ?原作の炭治郎みたいに柱合会議に連行系ですか?やめて!それを聞いたせいで太宰さん(偽)の精神(ライフ)はもう負の値(マイナス)突破よ!

 

「おや?あなたは自身のなさった偉業を認知していないようだ」

 

偉業ってなんだよ…。(困惑)

 

私がしたことなんて、花柱である胡蝶カナエさんの日輪刀を(死ぬまで)借りて、現場に鬼殺隊員を放置しただけだぞ…。ちょっと待って!えっ…?私の罪…重すぎ…?!

 

というかもう俺の体は、黒死牟(ブラコンこじらせた野郎)のせいでボロボロだ!眠い。怠い。もう休みたい…

 

「とりあえず私の肩に乗ってくれないかい?もう私は疲れているから街の宿屋に行きたいんだ。話なら歩きながらでもできるからさ」

 

「それは失礼。では遠慮なく」

 

鴉はわざわざ断りをいれてから私の肩に乗った。礼儀正しすぎる…。

 

「でなに?私をあの産屋敷の元に連れて行ってどうするつもりだい?」

 

「ご安心を。まさかあなたの命を取ろうとは思っていません。というか『十二鬼月』の中で最も強い上弦の壱との死闘で生き延びているあなたを殺すことは不可能かと」

 

「お世辞はいいよ。彼は手を抜いていたのと運が良かったから生き延びれただけだよ」

 

鴉を肩に乗せ街へと向かいながら、鴉に事実を述べる。鴉は豆鉄砲を食らったような顔をするが、事実は事実だ。私が黒死牟と闘い、生き延びた理由は、防戦に徹したのと理由はわからないが彼が本気を出さなかったからだ。

 

まぁ生き延びたからもういいか!(能天気)

 

「で、産屋敷の元に行くのはいいのだけれど少し条件がいくつかある」

 

「何でしょうか?」

 

産屋敷といえば、癖が一癖や二癖ではすまない『鬼殺隊』の最強である“柱”たちを束ねているお屋形様だ。

 

鬼殺隊に入る気はさらさら無いけど彼がどれほどの良い声(イケボ)なのかが気になってしまい、最近では夜しか眠れないほどだ。

 

だがこんなボロボロになっている状態であってしまうのは色々と不味い。

 

「まずは…服とかを新調したいから一日待ってくれない?」

 

「へ?」

 

私の記憶が正しければ、産屋敷は平安から続く名家の筈だ。そんな高潔な方にこんなボロボロな格好で面会するのは不味い。なので一日待ってもらい万全な格好で面会するのだ。

「だって平安から続く名家であるあの()()()なんだよ?こんなボロボロな格好で面会するのは不謹慎じゃないか。あとあの六目お化けと一晩中剣戟をしたせいで古びた新聞よりしなしなな私が行ったらお屋形様様の前で寝る可能性がとても高いのだよ…」

 

「なるほど…」

 

よかった…。どうやら納得してくれたようだ。そう呑気に鴉と話していると、街に着いた。じゃあ今晩いや、今日の昼に泊まる宿は君に決めた!

 

「私はこの宿に泊まるから、隠の人をここまで連れてきてくれればいいよ…。あっ!私がお屋形様と会うときは鬼殺隊員の立会いは駄目だから!」

 

『お屋形様との面会〜柱たちを添えて〜』なんてもう悪夢だ。三日三晩も魘されそうなくらいに。なのでそんなふざけた悪夢が実現されないように、鬼殺隊員も立会い不可にしてもらおう。そうすれば悪夢は実現しない。(勝った!第三部完!)

 

「承知しました。では!」

 

そう言って、明けたばかりの空へと駆っていくやる気満々の使いの鴉くん。どうやらどこぞのパワハラ上司の真っ黒(ブラック)な職場とは違って産屋敷の使いは真っ白(ホワイト)なんだろうな…。

 

と的外れなことを思いながら私は宿屋に入っていった。

 

 

 

***

 

 

とりあえず五、六時間ほどの睡眠である程度の疲れをとった私は、服の新調などの準備すべきことを終えさせて宿屋に待機していた。だが廃刀令が進んだ大正で、刀の柄なんてそう簡単に調達できる訳もなく、柄が調達できなかったのは想定外だったが。なので柄のあった部分は、伊之助の初期の日輪刀のように布でぐるぐる巻きにしている。

 

『こいよ産屋敷!柱なんて捨ててかかってこい!』

 

と某筋肉映画のセリフみたいなことを思いながらぼーっと、待っていると、某賭け事(ギャンブル)の黒服を進化させたような黒い人物、鬼殺隊の事後処理部隊である『(かくし)』がやってきた。

 

「太宰治殿ですね?」

 

「そだよー。で、私の提示した条件は…」

 

 

目隠しを差し出しながら、隠の確認にやる気なく返しながら、条件を受け入れられたかどうかを確認する。

 

「その件ならご安心を。お屋形様の周辺には、鬼殺隊員はいない手筈となっています」

 

「それはいい報告(ニュース)だ」

 

やった!これで悪夢は実現しないぞ!そう思いながら目隠しを付け、隠の背中に乗り、懐に入れといた歌舞伎揚げをぼりぼりとつまみながら鬼殺隊本部へと連行される私であった。

 

 

 

***

 

 

 

「着きました。ここが鬼殺隊本部内です」

 

「いやぁ、ここまでありがとう!はい!これは私からの感謝の気持ち!」

 

四、五十分程を隠の背中に揺られながら、うとうとしているとどうやら目的地である鬼殺隊本部に到着したらしい。あたりを見回してみると、立派に手入れされている日本庭園だった。というか原作にて行われた柱合会議の場所に似てる。

(*柱合会議の場所です)

 

ここまで運んでくれた隠の人に、私が隠が待っている間に、暇つぶしにといくつかつくっておいた大福を入れた木箱を渡す。

 

非常食にと求めていた餅がなかったので、餅の原料であるもち米が米屋の店主の心使いで大量に手に入ったのと、餡子が安売りしていたので宿屋の台所を借りてつくったのだ。味はなかなかいいという言葉を泊まった宿の女将さんからいただいた。嬉しい。

 

すると、屋敷の縁側のところに三つの人影があった。

 

「あれ?私は隊員の立会いは不可にしたはずだけど?」

 

「すまないね。言い訳に聞こえるかもしれないけどこの二人は私の娘で鬼殺隊員じゃないんだ」

 

こ…、この良い声(イケボ)は…!?

 

「だったらなぜここに?普通だったら可愛い子供をここに連れてくる必要がないと思うのだけど」

 

「私は目がもう見えないんだ」

 

「それは…すまない…」

 

「気にしないでくれ。目が見えなくなったのは産屋敷の定めなのだから」

 

私の目の前にいる人物、鬼殺隊当主、産屋敷耀哉は笑いながらそう言った。

 

さてと、私の命運はどこへ?

 

 

***

 

 

 

私、産屋敷耀哉が、目の前の人物の太宰治の情報を聞いた時、 まるで御伽噺の英雄だと思った。

 

まるで数手先の未来を見通しているかのような行動、危機(ピンチ)に陥った隊員を救うだけの実力。そして、救ったことになんの見返りをも求めない高潔さ。

 

だから彼と会えばその何かがわかるかもしれないと。

 

そして対峙してわかった。彼は空っぽなのだと。だから自身のことを顧みずに人々を救うことになんの違和感もなく自身を粉にしてまでもして救おうとする人なのだと。

(*違います)

 

だったらそれがどれほどすごいことなのか、そして君が救ってきた人々の感謝の声を聞かせてあげなくては。そう思うと私は、彼にある提案をしていた。

 

「太宰君、君は鬼殺隊に入らないか?」

 

 

 

 





太宰さん(偽)
急な鬼殺隊へのスカウトにびっくり。どうしよう…。ちなみに料理の腕はなかなかのもの。まぁ原典(オリジナル)は二日ほど走っても疲労がつかないという雑炊つくってますし…

産屋敷の使いの鴉
とても流暢に話せる頭がいい鴉
とても労働環境が良く、働きがいがある職場なんだとか

産屋敷耀哉
みんな大好き(鬼殺隊員に限る)良い声(イケボ)なお屋形様

太宰さん(偽)の着眼点はよかったのだが、着地点を盛大に外す。まぁお屋形様も人間ですから…(震え)

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自殺愛好者(贋作)と不器用な兄

本誌が地獄などそんなことは認めはせぬ!


 

 

 

 

 

 

表と裏の社会の境界は、曖昧だ。国境のようにどこからどこまでと明確に区分していないのだから。

 

だが、その診療所は()()()()()()()()()。なぜなら表と裏の人間の診察、治療をするために。というのがその診療所の持ち主の談だ。

 

「で、君はあの産屋敷の誘いを断ってきてここに来たという訳か…」

 

「そうなんだよ。森さん」

 

診療所のベットに座りながら話した私の話を安っぽい木製の椅子に座りながら聞いて、呆れた視線を送る着古したよれよれの白衣を被った中年に差し迫っている男性は、その診療所の主治医である森さんだ。ちなみに下の名前は教えてくれない。いい男は秘密がつくと本人は言うが、絶対きらきらな名前(ネーム)と言うのが私の中で有力だ。

 

森さんに言った通り、私はあの鬼殺隊当主、産屋敷耀哉(お屋形様)との面会で鬼殺隊への入隊のお誘いを私は蹴った。理由はいくつかあるが、一つあげるとしたら規則が厳しそうなところでは働きたくないからだ。原作にて『隊律違反』という言葉が幾度か出てきた。そう考えると、幕末最強の剣客集団であった『新撰組』の『局度』ような厳しい規則があるかもしれない。入ってからわかりましたでは遅いのだ。

 

「ではなんで君は、産屋敷の誘いを断ったのかね?」

 

「それは…」

 

私の中を探るような目線に思わず狼狽えてしまう。私の倍の人生を歩んできた森さんに嘘は通用しない。なので表向きの理由を言おう。

 

「私は規則が厳しそうなところでは働きたくないんだ」

 

「…ふむ。ではそう言うことにしておこう」

 

森さんは、私から目を離し机の上に置いておいてある書き途中らしい診療簿(カルテ)を書き始める。どうやら森さんは私の三文芝居に乗っかってくれるらしい。

 

「あっ!森さん!当分の間は情報は買う予定はないから!」

 

「それは寂しくなるね。大事な顧客の一人が減ってしまうなんて」

 

限られた人しか知らないが、森さんは治療した人々から得た情報で情報屋の仕事をしている。その情報の中にはお偉いさんの黒歴史がたくさんあるんだとか。

 

鬼殺隊のような情報網を持っていなかった私は、森さんから行方不明となる人が多く、鬼がいる可能性が高い場所の情報を売ってもらい、鬼殺隊擬きを活動していた。

 

だが刀の柄を新調するまでは必要ない情報だ。話は変わるが、私は未だ刀の柄を新調できていない。やはりこのご時世に刀屋は厳しいらしく、刀屋がもう存在しないのでは…?と言えるくらいなかった。こんなことなら産屋敷に用意してもらう案も考えたが、利子がとんでもないことになりそうなので、あまり産屋敷に貸しを作りたくはない。

 

ちなみに、面会時に刀を返却しようかと提案してみると、その剣の持ち主は鬼殺隊を引退したので返却の必要がないらしい。

 

「で、君はこれからどうするのだね?太宰君?」

 

「そうだね…」

 

森さんの質問で今後のことを考え始める。鬼殺隊擬きは刀が駄目なので休業状態。なので刀の柄求める旅に出るのはあまり合理的ではないし、面倒だ。

何かいい案はと、悩んでいた私の中に閃光が走った。

 

『ないのなら 作ってしまえ 柄部分』

 

太宰 治(偽)

 

季語すらない出来が悪すぎる俳句ができたがまぁ気にするな!

 

なんでこんな簡単なことに気がつかなかったのだろう!ないならル○ン三世の一味の石川五○衛門の斬鉄剣の柄、つまり木で作ればいいんだ!

 

そうと決まれば早速行動に移そうじゃないか!

 

「森さん。世話になったね。そう遠くない日にくると思うからそれまでに情報を揃えておいておくれよ!」

 

「あぁ、わかったよ。じゃあね、太宰君。君はお得意様の一人なのだからいつでも遊びにおいで」

 

私はベットから立ち上がり、出入り口のドアを開けそう言った。森さんは微笑みながら、私を見送ってくれた。ただその微笑みが、医者が患者さんに安堵を与えてくれるような笑みではなく、裏社会を牛耳る組織(マフィア)首領(ボス)が浮かべそうな笑みだったことをここに追記しておく。

 

 

***

 

 

 

意気揚々と森さんの診療所を出た私を待っていたのは、一通の手紙を持つ産屋敷の使いの鴉だった。

 

手紙には、要約すると、『いい木材とお勧めの樵夫(きこり)がいる場所をオ・シ・エ・テ・ア・ゲ・ル♡』ということだった。

 

先ほど決めたはずの柄を新調することを、先祖代々研ぎ澄まされた産屋敷の勘で当てるとは…。恐るべし産屋敷…。というか、こんなことに勘を使うのか…。(困惑)

 

えーと、その場所は…、景信山…?どこそこ?

 

 

***

 

 

 

そんなこんなでやってきました!景信山!

 

森さんの診療所は東京のど真ん中にあるのだけれど(しょっちゅう極道(ヤクザ)などの裏社会の人が抗争(ドンパチ)をやっているかららしい)、景信山は東京と神奈川県の境界にある。

 

つまり何が言いたいかというと、鉄道がそんなに発達していない大正の世なので、 東京のど真ん中から県境までという都合のいい鉄道など存在せず、移動手段が徒歩だったのでがとてもきつかった…。丸一日歩いたので足腰が…。

 

とりあえず、日が暮れる前に着いた麓の山の宿屋で一夜を過ごし、新しい朝が来た。早速朝から賑わい、人の集まりやすい茶屋にて、産屋敷に提供された樵夫(きこり)についての情報収集と、登山の準備をする。登山道を舗装されている現代ならともかく、今は舗装の『ほ』すらない大正の世。なんの準備もなしに山に入ることは、戦争に武器を持っていかないで、拳で戦いに行くことに等しい愚行なのだ。こうした準備だけで一日を過ごしてしまった。

 

そして翌日の朝、昨日も泊まった宿屋にて、あらかたの準備を終えると、私は景信山へと入山した。登山が久しぶりなのと、前日に雨が降っていたせいで、道がぬかるんで歩きにくく進むのに手間取り、長靴(ブーツ)が泥だらけになったが、身体にはたいした問題はなかった。

 

太陽が真上まで登ったお昼に、産屋敷の勧められた樵夫(きこり)がいるという家が見えた。

 

ん?ちょっとまって?この家を、どこかで見たような…。まぁいいか。大正の家なんて現代と違って家の設計などは大工に任せるから、大体は造形が同じだから気のせいか。

閉じられている戸を叩き(ノックして)、自分がきた要件をいう。

 

「産屋敷さんの紹介できた。太宰なんですが、だれかいませんか?」

 

もし家主が留守だった場合は、日が暮れないうちに下山し、翌日に再び伺うつもりだが、杞憂だったらしい。

 

家の中から、どったんばったんという物音がし、言い争う声が聞こえるのだから。

 

()()()()()()その言い争う声が少年の声しか聞こえないのは何故だろうか。普通樵夫(きこり)はいい年こいたおっさんのはずなのに。そう考えていると勢いよく戸が開かれた。

 

その瞬間、私の思考回路が停止した。何故ならば、目の前に後の霜柱である時透無一郎、いやどっちだ?

 

兄の有一郎か、弟の無一郎のどちらかなのか判別しようと、少年をじっと見つめると少年が手にしていた水桶から、水をぶっかけられる。なんでさ。

 

 

 

***

 

 

 

俺こと、時透有一郎は苛ついていた。理由は最近来るようになった。産屋敷あまねという女の人のせいだ。

 

その女の人曰く、俺ら兄弟のご先祖様はとてもすごい剣士だったので鬼殺隊に入っていただきたいということだった。

 

弟の無一郎は、鬼殺隊に入隊しても無駄死になどせず、いやむしろ大活躍してその鬼殺隊の上層部(トップ)まで駆け上がるだろう。なんせ自慢の弟で、選ばれた人なのだから。

 

だが、俺は違う。俺なんかが鬼殺隊に入隊しても無駄死にするのが目に見える。俺は選ばれた人ではないのだから。

 

あまねさんが何回も来ると、そのうち無一郎が剣士になろうと言い始めた。鬼に苦しめられている人々を救うために。

 

それを聞いた瞬間、俺はかけがえのない弟である無一郎に向けて、怒鳴っていた。

 

だけど、俺は選ばれた人ではないのだから、弟に優しくすることもできない。せいぜいできることは、弟に辛く当たることだけだった。

 

ごめんな、無一郎。こんな不器用な兄で。

 

そして無一郎を怒鳴ってから一週間くらい経ったある日の正午のことだった。

 

戸が叩かれたかと思うと、まだ少年と青年の狭間にいそうな男性の声がした。

 

聞くと、男はあの産屋敷の紹介を受けて来たという。とうとう絡み手を使い始めたか。追い返すために、桶に水を貯める。無一郎に止められるも、無視をする。

 

戸を勢いよく開けると、片目、首、手首などに包帯をぐるぐる巻いてる胡散臭い男がいる。俺を見てぽかんとしているかと思えば、急に俺を凝視し始めたではないか。

 

背筋が震えた俺は、その男に水を思いっ切りぶっかけてしまった。

 

 

これが俺と、いや俺たち時透兄弟と太宰治の出会いだった。




太宰治(偽)
どっかで見たことある家かと思ったら時透家だった!だって作中に景信山って出てこなかったんだもん!(ファンブック未購入の敗北者)

森さん
裏社会ではかなり有名な腕のいい医者。腕のいい闇医者四天王に入っているとか。(珠世さんもその一人だとか)
大正ヒソヒソ話
名前を教えてくれないのはきらきら名前(ネーム)だからではない。ないったらないのだ。ちなみに裏社会を牛耳る組織(マフィア)首領(ボス)ではない。

お屋形様
産屋敷の勘をどうでもいいことに使った


…と思うじゃん?(作品違うやろ!)

時透有一郎
不器用すぎる人



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自殺愛好者(贋作)と時透兄弟


あけましておめでとうございます。投稿が久しくなってしまって申し訳ないです。受験が終わるまでは不定期となってしまいます。何卒読者の皆様にはご理解いただけますように…


 

 

 

 

 

まだ夏に入りかけの時期に、時透宅を訪問したら全身に水をぶっ掛けられるという手荒い歓迎を受けた私は今、草木が茂る森の中で入浴を楽しんでいた。

 

「湯加減はどうですか?」

 

「あぁ、丁度良いよ。しかし、大正にもなってもこんな(タイプ)の風呂があるなんて…」

 

私が言うこんな(タイプ)の風呂とは、簡単に説明すると江戸時代では主流(メジャー)だった風呂である。だが黒船襲来によって始まった文明開化によって近年化が進んだ大正の世では、絶滅危惧種になりかけている、湯を沸かすための竈門の上に湯船代わりの桶があり、桶の中に竈門で足の裏をやけどしないように底板という板がある五右衛門風呂だった。

 

 そんな絶滅危惧種(五右衛門風呂)の火の番をしてくれているのは、私に水をぶっ掛けた張本人である時透有一郎くんの双子の弟であり、この風呂まで案内してくれた無一郎くんだ。

 

 毎日使っているからなのか、無一郎くんの湯加減が丁度良い。此処(景信山)までやってくるのに、酷使し続けていた全身によく染みる。極楽極楽というのがよくわかるありがたみだ。

 

「僕の家は、山の中にあるので湯船を作るのができなかったんです。だからこの(タイプ)になったそうです」

 

「なるほどね」

 

 こんな山奥では、湯船を作るのが難しいが、五右衛門風呂の湯船となる桶ならば運べる大きさだし、運ばなくとも家を建てる場所が木の多い山なので原料(木材)ならいくらでもある。

 

「………」

 

「どうしたんだい?なんだか迷い子のような顔をしているのだけれど…?」

 

「えっ…?」

 

「私でもいいのなら悩みでも聞こうか?」

 

 竈門の中の火を眺めている無一郎くんの顔は、なんだか親とはぐれてしまい道に迷って、泣きそうな子供のような顔をしていた。

 

 ある学者は、火は原初(ルーツ)なのだという。だからこそ、人は火を眺めていると落ち着き、本性を表れるのだという。

 

 私はこの生きる理由探しの旅の道中に、金策のために、酒場にて男版の芸女のような事をして女の人を手玉に取り、男の人には悩みを聞いてあげ、打開策を提示し、相槌を打った。そして彼らに貢がせて金をがっぽり稼いでいた。えっ…。私…屑過ぎ…?たまに、私の身体目当ての方々がいたが、全力疾走(全集中の呼吸)で、逃げた。なので私の身体は汚されていない!本当だよ!

 

 話が脱線しすぎてしまった。本題に戻そう。そのおかげと言っていいのか、ある程度の話術が身に付いた。警戒心を張りまくっている人と仲良く酒を飲めるほどに。なので、何か思い詰めた無一郎君いや、むーくんの力になれるかもしれない。

 

「………」

 

「………」

 

 だが、むーくんは話し出す気配がない。おそらく、私に悩みを話すか、話さないかを悩んでいるのだろう。まぁ、それも是非もない。いきなりであった人に悩みを話すなんて思えない。私は、お悩み相談所の職員じゃないのだから。

 

「すまなかったね。部外者である私に悩みをそう易々とは話せないよね…。話を変えよう。この山に樵夫(きこり)をしている人はいるかい?」

 

樵夫(きこり)…ですか…?」

 

「あぁ、私はある事情でいい木材が欲しくて腕のいい樵夫(きこり) を探していたんだ。そしたら伝手(ツテ)に、この山に腕のいい樵夫(きこり)がいると紹介されたんだ」

 

「あっ、それ…。僕たちのことです…」

 

「えっ…?!」

 

 なんともまぁ間抜けな声が、我が喉から出てしまった。いや、知ってたさ。君たち(時透兄弟)樵夫(きこり)だという事を。

 

 でも少し言い訳させて!原作に、景信山の『け』の字すら出てこなかったじゃないか!それだから時透兄弟って言う発想が出るだろうか?いや、出るわけがない。(半切レ(キレ))

 

 でもまぁいい。私は木材が手に入ればいいのだ。だったら原作登場人物(キャラ)相手でもやってやろうじゃねぇか!

 

 さてとこれからどうしましょうか…。(現実逃避)

 

 

 

***

 

 

 僕たちの家、兄さんと二人ぼっちだっただけど居心地が悪くなっていた家に奇妙な居候が増えた。

 

 きっかけは、あまねさんの件から一週間ほど経ったある日、兄さんが僕たちの家まで訪ねて来た太宰さんに水をぶっかけた事だった。いくら夏とはいえども、水をかぶったままで山にいることなんて危険な事この上ない。

 

 なので、何もしようとしなかった兄さんの代わりに、太宰さんを風呂まで案内して、丁度良い湯加減のために僕が火の番をした。

 

 その入浴中に太宰さんは、此処に来た経緯を教えてくれた。なんでも太宰さんは、とある事情で質の良い木材が必要らしい。そのため太宰さんは、伝手を頼ったところ此処、『景信山』の木材を勧められ、そこで樵夫(きこり)をしている僕ら(時透兄弟)が選ばれたらしい。

 

 そしてのんびりと入浴を終えた太宰さんは、濡れてしまった服を物干し竿に干して、僕が出しておいた亡くなった父さんの着流しを着て、兄さんに水をかけられたことを材料(ネタ)にして交渉をしていた。

 

 その交渉は夜遅くまで続き、翌朝になると太宰さんは僕らの家の居候となっていた。ちなみに兄さんは虚な瞳をし、ぶつぶつと何やらを呟いていた。

 

 その日は疲れていたので、僕はいつの間にか寝てしまっていた。なので、一体太宰さんと兄さんに、どのような交渉が行われたのかは分からない。だけど言葉がきつく、注意深すぎる兄さんがこうなってしまうなんて…。一体太宰さんは何をしたんだ…?

 

 こうして始まった居候となった太宰さんと僕ら(時透兄弟)の奇妙な日々が始まった。

 

 

 

***

 

 

 そして二週間ほどが経った。僕たちの環境が少し、いやかなり変わった。まず第一に変わった事は食事だ。僕たちは木を刈って売る事で、生活している樵夫(きこり)だ。だが決して豊かとは言えず、足りないところは両親が遺してくれた財産で賄いながらなんとか過ごしていた。

 

 なので食事はいつも質素なもので、お肉や魚なんかは滅多に食べれず、料理上手だった母さんと違って料理がそこまでうまくない僕たち(時透兄弟)は美味しい料理なんか作れず、なんとも微妙な味の料理を食べていた。

 

 だが、太宰さんは僕たちが山に木を刈っている時に、山のあちこちに仕掛けた罠などで仕留めた猪、鹿といった獣を解体し得た獣肉や、実っていた木の実、(きのこ)らを使って、鍋、蒸し焼き、厚い肉を焼いた物(ステーキ)などの様々な美味しい料理を作ってくれた。

 

 そんな絶品料理を前には、兄さんは何も言えず、年相応の子供の顔をしてがつがつと食べ終えると、渋々嫌な顔をしながら三角頭巾に割烹着姿の太宰さんにおかわりをしていた。これじゃあまるで太宰さんは僕たちのお母さんみたいだ。

 

 そして次に変わったことといえば、僕らが街で売る商品が増えたことだ。いつもは、僕たちが頑張って採った木材だけを売っていたが、太宰さんが作ってくれた竈にて、教えてくれた炭の焼き方で焼いた炭も売るようになった。

 

 その炭はよく燃え、出来が良いので街の人たちには好評で、たくさん買ってくれて作った炭は全て売れ、僕たちの収入がたくさん増えた。買ってくれた人の中に過呼吸しているお姉さんたちがたくさんいたけど大丈夫かな…?

 

こうして奇妙な居候である太宰さんとの楽しい日々は流れるように経ち、じめじめとした梅雨が過ぎて蒸すような暑い夏がやってきた。

 

 そして僕たちの運命を変えるきっかけ(人生の分岐点)がやってくることを僕たちはまだ知らなかった…。

 

 

 

 

 





太宰さん
むーくん兄弟に竈門家の炭の焼き方を教えた。そこ裏切り者とは言わないで…

大正コソコソ話
太宰さん目当てのお客さんのおかげで勤め先の居酒屋さんの売り上げはやばかったんだって(語彙力消失)

あと料理の腕はその居酒屋で磨いたんだって

時透兄弟
太宰さんの家事力に負けてしまった方々。美味しい料理には勝てなかったよ…
大正コソコソ話
太宰さんの教えで焼いた炭のおかげで生活がだいぶ楽になったんだって
あと過呼吸のお姉さんはHentaiなので安心して…

五右衛門風呂
名前の由来は石川五右衛門をかまゆでの刑にしたという俗説から。余談だが、いつぞやに書いた『東海道中膝栗毛』の中に五右衛門風呂をネタとしたものがあります。よろしければ是非。




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自殺愛好者(贋作)と経緯

どうして鬼滅の刃世界に太宰さん(偽)が送られたのか?(それを明らかにするお話です。正直興味ない人は読む必要が)ないです

型月世界の用語・設定が来ます。クロスオーバーのタグあるからヘーキヘーキという考えで入れた結果闇鍋化としました。(理性蒸発の状態で執筆した末路)


 

 抑止力。カウンターガーディアン。集合無意識によって作られた、世界の安全装置。

 

現在の世界を延長させることが目的であり、世界を滅びそうになった時に出現、原因を抹消する。

 

だが、いくら抑止力が集合無意識の集まりだからと言って、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

そして、この物語ではその判断機関が某和鯖達も真っ青なくらいに、ぐだぐだだった…。

 

 

 

***

 

 抑止力の判断機関(以下、上層部とする)は、忙しい。特に神世から数千年程度経った、日本で例えるなら平安時代でも、神秘は色濃く残り日々、鬼、亡霊と言った人ならざる者たちが、右手に棍棒や鉈を、左手には人の部品(パーツ)も持って、ブンブン(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾と暴れまくっているのだ。

 

 なので、人からしてみれば、京から一歩でも出れば、もう毎日が世紀末!の評価(レベル)である。

 

 無論、上層部は何もしなかったわけではない。だが、それと同じことがブリテン、フランス、中国と言った世界各所で起こっていたのだ。それはもう年末の決算する会社と同等か、それ以上に忙しかった。

 

 そんな時に、鬼舞辻無惨という人喰い鬼の始祖が発生したというときにはさほど危険度は高くなく、そこら辺の山にいる熊と同じくらいの扱いであった。

 

 もう真祖という、鬼舞辻無惨の上位交換的な存在や、酒呑童子を首魁とした大江山の妖怪軍団の方が脅威だったのだから是非もない。さらに当時の無惨は「God is dead(神は死んだ)」なんか言わないで、太陽克服のために自身の身体を鬼へと変化させた薬の原料である『青い彼岸花を求めて三千里』をし、日本各地を転々していて、その道中でご飯感覚で人間を喰っていたく程度なのだから。だったらヒャッハーしまくって京の人類と抗争(ドンパチ)いる大江山の妖怪軍団の方が脅威である。

 

 さらに、環境破壊は気持ちいいZoy!と言わんばかりに口から炎を吐いて焦土を大量作成し、スナック感覚で人間を食べていた龍種(ドラゴン)や、某ゾンビゲームのようにわらわらと人間を材料に同族を増やす幽霊(ゴースト)種らよりは低くなっていた。

 

 そして、数百年の年月が流れ日本では神秘が薄れ人ならざるものが消え失せ、人が天下を巡る戦国時代という乱世の時代に突入した頃。上層部は無惨の扱いにすごく困っていた。その数百年の見ていない間に無惨は、真面目系の眼鏡委員長が夏休みの間に金髪耳装飾具(ピアス)の不良に変化したようにすごく過激にな方向に変化した。

 

 そして何をトチ狂ったのか人から人ならざるもの、『鬼』へと変容させる自身の血を一部の人々に与えて鬼化させ、かの有名な『かゆうま』みたいなことをさせていたのだ。そのことを知った上層部はドン引きした。

 

 これは抑止力案件に即取り上げられた。だが、問題が一つあった。それは脅威の等級(ランク)である。抑止力は要件を扱う・対処する場合は、その対象に必ず、絶対に勝てるという完璧な状態に整え、処理する。

 

 かつて抑止力は、鬼舞辻無惨の対策は一度だけ軽く(*当社比)その時代の人の身体能力を高くした程度であった。その結果誕生したのが継国縁壱である。

 

 おい!そこはきちんと対処しろや!と思う方々がいるかもしれないが抑止力の名誉を守るために言わせてもらうと、当時世界は英国(イギリス)仏蘭西(フランス)の王位をめぐって英国(イギリス)仏蘭西(フランス)がなんと百年も戦争をし、黒死病(ペスト)でバタバタと人々が亡くなりまくっていたのだから、抑止力はそこで仏蘭西(フランス)が滅びずに、かつ人理を保つために死傷者の数を調整するのに手一杯だったのだ。

 

 そして反省から軽くが駄目なら、壁に思いっきり起重機(クレーン)車でどーんとぶつけてくる鉄球ような重さでやればいいのでは?!と思ったがそれでは地球がもたない上に、絡み手(血鬼術)を得意とする鬼舞辻無惨とその哀れな配下達とは相性が悪過ぎる。ジャンケンのパーにグーをぶつけるようなもの。チョキで絡み手をしてそのチョキで目潰しをするような感じでないといけないのだ。(まるで意味がわからんぞ!)

 

 そして人間は「絡み手など無駄無駄無駄無駄無駄ァ!」なんて言えないのです。それが千年も無駄に、無様に生きている鬼舞辻無惨ならなおさら。

 

 だったらその絡み手(血鬼術)を封じる手はどうだ?と言う事であらゆる異能を無効化にする異能を持つ『文豪ストレイドックス』の太宰治をモチーフにして太宰治(偽)の身体は作られたのです。

 

 だが人は一般的には、三つの要素である『魂』、『肉体』、『精神』がなければならない。(型月知識より)

 

 抑止力が用意できたのは『文豪ストレイドックス』シリーズをじっくり読みながら作成した太宰治の肉体のみ。これで肉体が動いたらもはや恐怖(ホラー)である。つまるところその『肉体』を操るモノが存在しないのだ。

 

 それから上層部は荒れた。まるで大嵐の海のように。最初に出た案は魂に武芸で有名な英霊を入れるべきだ!と言うものだったが、精神が本来の『肉体』にない事で生じる不利益(デメリット)が多いと言う可能性があるために没となりました。それから次々にと案が出ては没にされてから三日が経ちました。

 

 もう考えるのが面倒になった上層部は、丁度その時に亡くなった魂を再利用することにしましたとさ。

 

 その結果亡くなったばかりの魂は、『精神』、『魂』を担当し、太宰さん(偽)は無事稼働して今に至るのだとさ。

 

 




なぁにこれぇ。(本文見ながら)

読者の皆さんお久しぶりです。ハーメルン よ!私は(受験から)帰ってきた!

無事なんとか受験を終わらせることができました。これから執筆再開と行きたいところなんですが、大学の諸々のため再開が早くて四月の上旬、遅くて五月となります…。すまない。

正直太宰さん(偽)の鬼滅の刃世界の乱入の方法はめちゃくちゃですが本文の通りです。(白目)

抑止力って無意識集合体だそうですが、その判断機関がぐだぐだだったらという頭わるわるな考えでこうなりました。異論、こうしたらいいんじゃないか?という意見は感想にお願いします。

さてここらで一回筆を下させていただきます。次に皆さまにこの愚作を届けるように努力します。

ではまた次回でお会いしましょう。


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自殺愛好者(贋作)と事後処理





 待たせたなぁ!

 鬼滅終わっちゃいましたね…。今回で時透兄弟編は終わるといいなぁ…


太宰さんはたまに夜遅くまで出かけることがある。そして朝に太宰さんは用があるといっていなくなったので、この日は僕ら兄弟二人で過ごすことになった。兄さんと仲直りはまだしていない。だが、太宰さんという橋渡りがあって以前のような一触即発状態ほどではないのだが、仲直りしたわけでもないのでなんとも気まずい日になることになった。

 

 そして夜になった。じめじめと蒸し暑い夜だった。肌に絡みつくような蒸し暑さでなかなか寝付けなかった。僕はこの暑さをましにするため、寝る前にドアを全開にし、通気性を抜群にするという足掻きをしたが、なんにもならなかったらしい。けれど何とか寝ようと無理矢理瞼を閉じ、寝ようとするが寝れない。

 

こうした無駄な行為をしていると足音が聞こえてくる。一瞬太宰さんかと思うが、違う。太宰さんの足音はもっと静かだ。なんといえばいいのだろう。葉が地面に落ちる音くらい静かで安らぎを感じる柔らかい音だ。だがこの足音は違う。どさどさと粗雑さを感じる足音だ。

 

 この家の前まできた。そして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 血の海が広がっていた。その中に一つの島、いや一人の少年がいた。

 

 目の前の惨状を見て、自分が何のためにここに滞在していたのかを自身に問い詰めたくなる。だがそれをするのは後だ。血まみれになり、左腕を喪っている有一朗くんの状態を確認する。瀕死の重傷ではないが、このままにしていたら命を落としてしまう。

 

 原作の無一郎くんの回想によると、有一朗くんの死因は急所に致命傷の傷を負ったのではなく、腕からの大量出血で亡くなったのかと推測できる。そして、有一朗くんが出血しないように日々鬼と殺しあっている私の必要必需品となっているために持ち歩いている包帯を使って圧迫止血といった応急処置を行う。

 

 気休めだが、これで有一朗くんがすぐにも死ぬという可能性はなくなった。余った包帯で外で鬼をぼこぼこにしていた無一郎くんにも応急処置を行う。無一郎くんも有一朗くんよりはましとは言え、重傷には違いない。しかも血が出ているのに激しい運動をしたため出血量がすごいことになりそうだった。

 

 私一人では人手が足りない。一人で二人の重傷者の看護・治療は実質不可能に等しい。なので私は人手を呼ぶことにした。

 

「どうせいるのだろう?産屋敷の使い君?」

 

 私が時透宅からでて目の前の木にそういう。すると産屋敷の使いである鴉が現れる。おそらく原作でも産屋敷こと耀哉くんは時透宅の襲撃を予測していたと私は推測する。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。ここからは私の推測だ。推測はどこまで行っても推測だ。だが現実に限りなく近づけることができる。産屋敷家代々の勘で時透家の異変に気付いた耀哉くんは子供たちをあまねさんに付き添わせたのだと思う。

 

「ここに」

 

「やっぱりか…」

 

だがこの世界線は(太宰治(贋作))という異分子(イレギュラー)が存在するため少し対策をしたに違いない。なんせあの産屋敷なのだから。

 

「やはりとは…?」

 

「いやこっちの話。さて要件は言わなくてもわかるよね」

 

 思わず漏らしてしまった独り言を聞かれてしまったらしい。私はそれをごまかし、さっさと本題に入ることにした。でなければ彼らが死んでしまう。

 

「もちろんです。これからわが主に報告しようかと思い向かうところでした」

 

「だったら急いで隠を派遣させてくれ。彼らの応急処置はしたけどこのままでは時間の問題だ」

 

 どうせ用意し終えているのだろうと思うけど一応念のためにくぎを刺しておこう。

 

「了解しました。太宰殿は…?」

 

「私はこの子、有一朗くんを私の知っている限り腕一番の医者のもとに連れていく」

 

 珠世さんのもとに連れて行こうかと考えたが、彼女のもとには強力な愈史郎(セコム)がいるし、面識がない人と彼女はあってはくれないだろう。あまり気が進まないけど森さんのところに行くとしよう。前回は歩きだったから一日かかったが全集中の呼吸を用いればここ(景信山)から東京にある森さんの診療所までは半日もかからない。

 

「もってくれよ…。有一朗君…」

 

 こうして私は夜の道を駆けた。小さな灯が消える前に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 気づけば俺は光と影の狭間にある水のような液体中に身体を動かせずにただ漂っていた。ここはどこだ…。無一郎は…。ぼんやりとした意識でそんなことを思う。

 

 すると徐々に光の明るさが上がっていく。そしてまばゆい日の光で目を覚ます。俺は…そうだ…。変な奴に片腕を…。無一郎は?!徐々に覚醒した頭でこれまでのことを思い出した俺は体を無理やり起き上がらせる。

 

「おや。目が覚めたかい?」

 

 思考を巡らせていると横から聞き覚えのない声が聞こえる。声の方向へとむけると白衣を着たおっさんがいた。

 

「なんだこのおっさん?」

 

「目覚めてからの言葉がそれかい…」

 

 どうやら思っていたことが漏れていたらしい。目覚め早々におっさんのしかっめつらを見ることができたが別にうれしくもなんともない。でここはどこなんだろう。一見ただの診療所に見えるけど。

 

「では太宰くんを呼ぶとしよう」

 

「太宰?!」

 

 聞き覚えのある名が聞こえたのは気のせいだろうか?

 

「あぁ、二週間前に重傷だった君を連れてきた時はびっくりしたもんだよ」

 

「うわぁ…」

 

「なんで君は死ぬほど嫌な顔をしているのだろうかは触れないでおこう。なんとなく察せれるから…」

 

 よりにもよってあの人に貸しを作ったことになるのか…。どんなことを要求されるのだろうか…。あの人のことだからろくなことだからはないことは確かだな…。

 

 そう思ってると足音が聞こえてくる。葉が地面に落ちる音くらい静かで安らぎを感じる柔らかい音だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして物語はいよいよ始まろうとしていた…。

 

 

 

 

 

 






 次らへんで原作突入したいと思います。


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