やはり俺の幼なじみが帰ってくるのは間違って…いる? (あきこま)
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プロローグ 5年前の出来事。


プロローグは苦手なあきこまです。

私のメジャー作、家庭教師は大学生?も休止状態から復活したのでそろそろ更新する予定です。

やっぱりオリ主か比企谷八幡が主人公じゃないと書けないどうしようもない私の作品をどうぞ見ていただける方は見てください。

プロローグはすごい短いですけど。


 

 

 仲のいい3人の男女、いや、年齢的に男の子と女の子がいた。

 

 3人の子供は仲良さそうに楽しく遊んでいた。

 

 

 その3日後、その男女3人の子供達は3日前とは違い重い空気に包まれていた。

 

 理由は男の子が言った一言にあった。

 

 

 

 

 

「俺の家族、引っ越すんだって」

 

 1人の女の子は男の子の後ろで男の子の袖を掴み大泣きしており、

 もう1人の女の子は、とても小学生の女の子がしてはまずい、酷く悲しい表情になっていた。

 

 

 やがて引越しの日が来て絶望に満ちていた少女、紅坂和葉は必死の思いで書いた手紙を2人の仲のいい兄妹、比企谷八幡と比企谷小町に手渡した。

 

 

「私の事! 忘れちゃダメだからね!? いい? 

 特に八幡、あんた次にあった時には結婚するのよ!」

 

 小学生の言い草としては些か言葉が悪いような、すげぇ爆弾発言してるが、てか子供の口調じゃない気がするが、それでも小学6年の女の子が強がりながら言った言葉にしては立派な言葉だったと思う。

 

 

 対して手紙を受け取った2人はどうだろう、すごく微妙な顔をしている。

 

 

 

 次の瞬間、妹の方が凄い勢いで頭を下げた。

 

 

「ごめんなさい和葉ちゃん! こないだのお兄ちゃんの言葉で誤解してると思うんだけど! 

"私とお兄ちゃんは"引っ越さないんだ……」

 

 

 刹那、和葉は理解不能といった感じに頭の上にハテナが積もっていき、終いには積もったハテナが

こんな具合にでっかくなってしまった。

 

 

「いや待て小町、俺は間違ったことは言ってないぞ。

 俺確かに俺の"家族が"引っ越すって言ったしな」

 

「屁理屈を言わないの! このバカ兄!」

「屁理屈なんて言葉どこで習ったんだお前小学4年だよな?」

 

 

 そんな2人のバカ話を目の前で聞かされ、ようやく冷静になった和葉がすごい勢いで走ってくる。

 

 

 

 これに気づいた八幡はさすがに殴られるのか……と覚悟を決めたが、違ったようだ。

 

 

 気づいたら自分の胸元に和葉がいた、顔をぐちゃぐちゃにした和葉が。

 

「ばぁが! はちまんのばぁが! いなくなっぢゃうと思ったじゃんか! 

 わだしが……どんな気持ちで手紙がいだどおもってんのよぉ!」

 

 

 八幡はさすがに分が悪くなったと感じたのか、和葉の頭を撫でた。

 

「悪い、そこまで不安にさせてると思ってなかったよ」

「こまぢもだよ! わがってだならおじえてぐれてもいいじゃん!」

 

「盛大に反論してるところ悪い、お前泣きながらだから途中何話してるか怪しいぞ」と心の中で思った八幡。

 

「いやぁ、小町も言おうとはしてたんですけど、先に和葉ちゃんのお母さんに言ったらそんな感じに頑張ってる事を聞いてたから……言いずらくなっちゃって……」

 

「てなわけで、お前からの手紙は大切に読ませてもらうよ、和葉」

 

 

 そこまで聞いた和葉は、手を顔から八幡の腰に移して抱きついた。

 

「責任とれバカ」

「え? いや責任ってお前さぁ……」

「私にこんなに寂しい思いさせた責任取れバカ」

「お、おう、了解」

 

 

 2人は小学6年にして男女交際に発展したという。

 

 だがこの2日後、悲劇は起きた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この2日後、紅坂和葉は親の転勤で引っ越してしまった

 

 

 

 

 

 

 

 





プロローグでは小学6年八幡、和葉。
小町は小学4年として出してました

高校に入ります。


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1話 転校してきて初日に☆を付けるんじゃない

こんばんわ、あきこまです。

早々にクレハを出して、話進めるつもりが、ハイライト語ってたら1話終わりました。2話をなるべく早く出すのでお許しください。


基本私の作品って、八幡がキャラ崩壊する確率高いのでお許しください。あと、母親をよく出す傾向にあります。


 高校二年生になり、変わったことがあるかと言われれば、これっぽっちもない。

 

 1年に引き続き、部活には入らず、委員会活動とかをする訳でもない。

 授業受けるだけ受けて終わったら帰る、そんな毎日だ。

 

 今の4限であるこの数学の授業だって俺にとっては意味がわからなすぎてペンケースをぶん投げたくなる。

 

 

 というわけで寝たふりをしながら、小学6年以降の俺を振り返ってみよう。

 

 俺と和葉は付き合った、あの日を境に恋人になった。

 

 普段から毎日一緒に学校に行ってたため特段前と変わらなくね? と思いながら、それでも和葉は嬉しそうに過ごしていたため特に何も言うことは無かった。

 

 

 だが翌日、和葉の家であるお向さんにパンダの絵が荷台の箱に描かれてる引越し屋が居た。

 

 俺と小町の目の前で走り去って行ったそのトラック、そしてその後を追う和葉の家族が乗った車。

 

 見ると、父親が運転しながら無念そうな顔をしており、母親は助手席で、和葉は後部座席ですごい泣いていた。

 

 和葉は走り去る直前に俺たちに気づき、窓ガラスに顔をベッタリくっつけて叫んでいた。

 

 あっという間すぎる光景に、俺も小町を動くことができなかった。

 

 珍しく仕事が休みで家にいた母に問い詰めた結果分かったことは。

 

 紅葉の父親が同僚の罠にかかり、和葉父の事をすごく評価していた上司に「お前を守ってやれなくて、すまない……」と、ものすごく泣きながら土下座をされ、グループ会社への出向を命じられたらしい。

 

 出向先が千葉じゃなくなるため、小学生の和葉は転校せざるを得ないらしく、しかもそれを知らされ次の職場出勤が明日からのため急すぎる転校&引越しになったとか。

 

 

 その話を聞いた小学4年の小町は憤慨、言葉の限りを尽くし暴言を吐いていた。鬼小町の参上である。

 俺も思うことがないかと言われると……ある。

 

 せっかく人生初の彼女ができた2日後だ、しかも家の事情じゃなくて会社の都合。頭のどこかでは理解していても小学6年の俺には納得はできなかった。

 

 その1年後、何かを忘れるようにひたすら読書をしていた。

 一時は小町が心配になるほど部屋から出てこないこともあったとか。

 

 和葉をなんとか忘れようと女の子に告白した結果クラスで笑いものにされたりなどした。

 

 小町にそれがバレてあの時以来の鬼小町を召喚してしまったこともあった。

 

 小町は小町で俺が傷つかないように頑張ってたのだろう。

 

 

 これが高校に入るまで。

 

 入学して初日、道路に飛び出した犬をかばい入院。

 小町どころか両親も駆けつけて、1発ずつ平手打ちをくらった。

 泣きながら「このバカ息子! 心配かけやがって!」と言う親父。

 同じく泣きながら「本当に……何も無くてよかった……」と言うお袋。

 泣いてはいるが、平手打ちではなく何故かグーパンの小町。解せぬ

 

 そしてお袋、俺の足の骨が折れたのは何も無いことに分類されますか、そうですか。

 

 放任主義だと思われた俺の両親は、俺の勘違い。

 あの日を境に変わった俺を実はすげー心配してたけど、何もしてやれなかったのに今更どの面下げて接したらいいのだろう。という両親の下向きな考えが平行線だったらしい。あれ以来よく話すようになった。

 

 

 そんなこんな適当に暮らしてきて今は高校2年になりました。

 

 ここで、これを見ている人は思うだろう。

 

 

 

 

 

 

何がこれっぽっちも無いだ! お前めちゃくちゃ色々あるじゃねぇかよ! と。

 

 

 

 いやまぁ、あったね。振り返ったら色々あって感動で泣けてきたよ。

 

 高校入学の日以来会社に重宝されていた母、比企谷陽香は

「息子と娘に愛情を与えるためにこれからは主婦に専念します!!」バンッと上司の机に辞表を出したところ。

 その話を聞いた社長に「週休5日でいいから辞めないでくれ!」

 

 と言われ泣く泣く辞めずに留まる。

 

 いや充分だろ。なんだよその会社。

 

 上司も部下も、あまりにも優秀で社長にまで話が伝わるほどの仕事ぶりをする我が母の退社に心から安堵してるとか。

 

 いや、それでいいのかよ。どんだけお袋強いんだよ。

 

 

 親父もそれを聞いて実行しようとしたところ、事前に察した部下が全力で止めて、未だに(実質)週休1日だとか。男って大変……。

 

 

 そんなこんなあった今日までに考えを耽っていると授業が終わり、4限までの今日の授業は終了した。

 

 

 

 

 

 翌日、学校に行くとみなソワソワしている。

 

 なんでも聞く話によると転校生が来るらしい。

 

 しかも超可愛い子……いや誰がどこで手に入れた情報だよそれ。

 普通そんな情報手に入れられないからね? 

 

 てか、普通新学期初日に来るもんじゃねぇのかよ。

 

 

 などと思考を巡っていると、担任である平塚静が入ってきて、その転校生も続けて入ってくる。

 

 

 ……ん? なんかどこかで見たことが……。

 どっかで見たことだと? なんならずっと忘れられなかったよ。

 

 

「今日から転校してきた紅坂和葉さんだ、皆仲良く頼んだぞ」

 

 

 ……ねぇこれなんてアニメ? はたまたラノベ? 

 

 考えることを放棄した俺は机に頭を伏せた。

「席は……そうだな、昨日やらなかったし、出席番号順も嫌だろうから席替えでもするかね」

 

 なんてタイミングでなんて事するんだよこの独身許さねぇ! 

 

「……比企谷、貴様の脳から私に対する何か言いたいことがあったようだが、前2列のどこかから席を選ぶか、私にその言葉を言うか、選びたまえ」

 

 エスパーかなにかなのかなこの教師……まぁ、選べるってのならまだいいか。

 

 あとそこの転校生、今にも吹き出しそうな笑顔するな、殴りたくなってくるから。

 

 

「……なら、廊下側後列で」

「あくまでも私に対する考えた事を否定する気は無いのか……まぁよかろう、じゃあその席を除いたこれで、くじ引きするぞー」

 

 1限はそのまま平塚先生の現国のため、このまま引いて移動するらしい。

 

 数分後……。

 

 

 

「では! この席で新学期よろしく頼む」

 

 文句のある生徒、ない生徒、別れると思うが。俺は当然……ある。

 

 

 

 

「ひっさしぶりー八幡☆」

 

「お、おう……」

 

 

 

 転校初日に席替えで俺の前に紅坂和葉が来るなど間違っている……。どこかの茶髪ギャル風に☆を付けるな☆を。




…むっすがしいねぇ小説書くの。


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2話 俺って友達いたんですよ。

どうもあきこまです。
なんだかんだ筆が乗って色々文字が増えていって中々原作の流れに持っていけないです。

最近の私は推しの声優さんがアンバサダーを務めてる野○生活を毎日1本飲むことにしているのですよ。きっかけって大事。

てことでどうぞ。


「新しい席になって話したくもなるだろう。

 今日は特別に自習という体にする、席を動かない、そして隣のクラスに騒いでるのがバレない程度に騒ぎたまえ、何かあったら私に言うように、以上!」

 

 平塚先生の男前かつ優しい言葉が響いたところで自由時間になった。

 いい人だなぁ……なんで結婚できないかなぁ。

 

 比企谷は後で来るように。という言葉が聞こえた気がするが無視を決めよう。

 

 とりあえず……。

 

 

 

「あ、あのー」

 

「ん? なに? 八幡」

 

 満面の笑みでこちらを見つめる和葉。そこまで見つめられると照れる。

 

 

「とりあえず、おかえり? って言った方がいいのか」

「うん! ただいま! ……と言っても隣の県にはいたけどね」

 

「県と言うと茨城か」

「いや? 東京だよ?」

 

「それ県じゃねぇし、都だから」

「そうとも言う? テヘッ」

 

 うざかわいい……なんだこいつ、昔のツンケンしたこいつどこいったよ一体……。

 

 

「なんでこんな時期にこっち来たんだ、県立だから引っ越してきたんだろ?」

 

「うん、去年までは都立の学校行ってたんだけどね。

 お姉ちゃん分かるでしょ? ……留学したんだ。

 それで両親は心配だから一緒に海外、私はついて行かずにこっちに残って、せっかく日本に残って選択肢があるのならということで親に無理を言って千葉に引っ越したの」

 

 

 和葉の姉、陽希さんはとてつもなく優秀な人材。

 この学校で噂になってる秀才雪ノ下雪乃なんて足元に及ぶかどうかだ。

 

 国家資格である合格率1桁の試験等を並々1発で合格する資格のタイトルホルダーであると同時に、当然勉学やスポーツも優秀オマケに美人。

 妹である和葉は常に姉と比べられ続けて生きてきたのである。

 

 俺も、和葉がお向さんだった時はたまに姉が遊び相手をしてくれたことがあったため多少は知ってる。

 

 

 

 不思議なものだ。

 

 

 

 

 

 

 

彼女の姉、陽希は嫌いになれる要素がないのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 少しでも嫌な人とかなら、多少なりとも自分から言い訳じみた嫌いな理由を作れるだろう。

 

 ただし、彼女の姉は例外だ。

 人が誰しも持つような裏の要素がない。一貫した性格でカリスマ性を有している。チートすぎんだろ。

 

 

 そんな姉が留学したと聞いても、俺は何ら不思議には思わない。

 

 

 

「あれ? でも引っ越しの日、陽希さんいなかったよな?」

「うん、学校のとてつもない重傷事項があってね、学校行ってたの」

「重要事項ね? なんでそんな危ない状況陥ってんだよ」

 

 だめだ、ツンがなくなったけどアホ属性入ってる。

 

 

 

 それから少し暗い顔になって、和葉は。

「今日、4時間で終わりでしょ? 大切な話あるんだ

 八幡の家まで一緒に帰ろうね、いい?」

「お、おう」

 

 上目遣いでお願いすんな! 断れないだろ! ……てか、一瞬の暗い顔どこ行ったんだよ。

 

 

 あいつが暗い顔するのは今も昔も変わらず……俺は見たくないようだ。

 

 

 

 

 それからというもの、さすが転校生。和葉はあっという間に人に囲まれた。さっきから質問攻めにあってるが問題なく対処している。

 姉が優秀すぎて忘れるところではあるが、あいつはあいつで優秀なのだ。

 

 俺はそれを比較するような事はしない。その痛みは俺も少なからずわかるものだから。

 

 

 

 

 

 

 

 ちなみに平塚先生の1限終わりには明日までの宿題。

「高校生活を振り返って」というお題の作文のという宿題が出された。

 

 

 

 この作文が、俺の帰宅部生活に終止符を打つこととなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっほー☆ハチどうしたの? 元気ないよ?」

 

 

「……せっかく終われると思ったのになぜ出てきた、今井」

 

「? なんの話しか知らないけど……それなら終わらせるわけには行かないよね☆」

 

「うるせぇよ茶髪ギャル。☆つけんな」

「ひどい言われようだねぇ〜私」

 

「八幡! 言い方が酷いよ?」

「こっちは☆付けるべきだろおい! 作者どうなってやがる!」

 

 

「あはは……」

「本当にハチは彩加のこと好きだよねぇ……」

 

 

 やっと話に区切りをつけられると思った今話しかけてきたこの2人。

 今井リサと戸塚彩加。同じ中学から唯一総武に来た数少ない……友達と言える存在。

 

 

 2人ともずっとテニス部で同じだからなのか仲はいい。

 中学で俺にどんな噂が付き纏っても付き合いを辞めることは無かった。それが嬉しくもあり申し訳ない。

 

 うちの学校のテニス部は男女合同にやっていて、言ってはあれだがさほど強いという訳では無い。

 

 なので新3年生はおらず、新2年生で体制が固められたそうな。

 

 この2人はそのテニス部の部長、副部長なのだ。

 俺も2人の泣き落としに負け部員として名を残してはいるが行ってないので幽霊です。

 

 え? 部活やってないって言ったじゃないかって? 

 うんやってないよ、だって行ってないもん、ハチマンウソツイテナイ。

 

 

 

「で? 何の用だ?」

「いやぁ、ハチと転校生が仲良さげに話してたからさ。

 もしかして知り合いだったの?」

 

 

「昔のお迎えさんだ、最近また越してきたんだと」

「なんか……運命みたいだね!」

 

 

 どうなのだろう、これは果たして運命と呼べるのだろうか。

 

 というか、あの時のまま、俺はあいつの彼氏なのだろうか。

 それとももう違うのだろうか、それも聞かなくてはならないな。

 

 

 チラッと横目で和葉のことを見ると……あいつ器用だな……。

 

 みんなの質問答えながら隙を見てこっち睨んでる気がするのは俺の気のせいですか、そうですか。

 

 

 

 ー放課後ー

 

 

「八幡、早く帰りましょ?」

「いや、あなた色んな人から放課後誘われてなかった?」

 

 転校生という珍しさもあるのか、かなりの人が放課後遊ぼうと誘っていた気がするが……。

 

「何言ってんの、あんたと話すことの方がよっぽど大事よ」

「あ、さいですか」

 

「それに、あの二人のことも気になるしね ボソッ」

 

 

 ボソッっと言ったつもりだろうが、俺は別に難聴系主人公でもないので全然聞こえてる。

 つっこもうか迷ってる時に向こうから急かされたので家に帰ることにした。

 

 

 帰り道になり、二人並んで歩いてると和葉が。

「あんたって友達いたのね」

 と聞いてきたので。

「ありがたいことに、万年ぼっちじゃ無くなったよ」

 と答えた。

「女の子二人にデレデレしちゃって」

「今井は女子だが戸塚は違うぞ、あいつは男だ」

 

「ふーん、そっか、片方男なのおとこぉ!?」

 まぁ、そうなりますよね。俺もなったし。

 

「驚く気持ちはわかるが、戸塚は紛れもなく男だ」

 

「……なんか、自信なくしそうだわ私」

「……どんまい」

 

 自分なりに励ましたつもりが蹴られた、解せぬ。

 

 

「あんたの家変わってないわねぇ」

「そりゃ変わらねぇよずっと住んでんだからよ」

 

「私の家も変わってないなぁ……今どんな人が住んでるんだろう」

 

「誰も住んじゃ居ねぇよ」

「へ?」

 

「お前の家はお前が産まれる前の段階で既にローンが終わってたらしくてな、誰にも売ってないからお前の家のままだよ」

 

 

「そんなこと知ってるなんて、あんたはなんでも知ってるのね」

「なんでもは知らないな、知ってることのみだ。

 お前の親父さんにうちのお袋経由で清掃依頼がたまーに来るからな、またいつでも千葉に戻れるようにって」

 

 

 うちの両親と和葉の両親は仲が良いから不思議と納得できる話だ。

 

 

「そう……なんだ」

「ん? てか、お前自分の家に住むんだろ?」

「あぁそれね、それも含めてまともな話するよ」

 

 

 

 

 

 

 

 2人はそのまま比企谷家へ入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




更新は割と自分の中ではいいペースです。

見ていただいてる方、ありがとうございます。


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3話 比企谷家と紅坂和葉、そして八幡と和葉の関係リスタート

どうも、あきこまです。

ここで紅坂和葉について軽くおさらい。

紅坂和葉(クレハ)
PS4ソフト、ソードアート・オンライン フェイタルバレットの新登場ヒロインの1人。
小説内の名前は作者のオリジナル。
GGOの世界にてランチャーやらぶっぱしてるようで実は繊細な女子。
ゲームではピンク髪のサイドテールだがこの作品では茶髪混じりの黒髪サイドテール。 リズベットの仮想と現実って言えばわかりやすいかも。

本当はもう1人のヒロインも出したいところなんだけど、如何せん設定が難しいんじゃぁ。

まぁそれは追い追い考えます。

それではどうぞ。


 ー比企谷家リビングー

 

「で? 話ってなんだ」

 

 俺は和葉にコーヒーで構わないと言う承諾を得たので、MAXコーヒーを1本、和葉の前に置く。

 

「そうねぇ、何から話したらいいかなぁ」

「とりあえず家問題からか?」

 

「それでいっか、じゃあ改めて。

 

 八幡、とりあえず私はあんたの家に住みます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 んー? ちょっとよく聞こえなかったかも知れないなぁ。

 

 

「あ、ちなみに聞こえなかったとか無しね。

 もうあんたの両親に許可は貰ってるわ」

 

「逃げ場無しじゃねぇかよ色々とおい。

 それは話とは言わない、事後報告だ」

 

「まぁそうとも言うわね、とりあえずそういう事」

「もちろん小町の部屋だよなぁ?」

「受験生の部屋でお世話になるわけないでしょ。

 あんたの部屋でお世話になるわよ」

 

「はい? お前な、自分が何を言ってるか分かってるのか? 

 年頃の思春期獣系男子と同じ部屋で暮らすとか言ってんだよ? おわかり?」

 

「あんたは獣系男子じゃないからそれには当てはまらないわね」

 

「思春期男子には当てはまってるんですがそれは無視ですか……」

 

「う、うっさいわね! むしろ襲われてもばっちこいよ! //////」

「やめろ喋るなこれ以上喋るとお前は自分を見失うぞ!」

 

 全く何を口走りやがるこいつ……一瞬期待しちまったよ。

 危うく勘違いして振られるところだった、勘違いで振られるのかよ、せめて告白くらいさせろよ……。

 

 

「ち、違うのよ……今回の真剣な相談のひとつはそこなのよ」

「俺がお前を襲うことか?」

「ちっがーう! 心の準備ができてからにしてよ!」

「だからもう喋るなって頼むから!」

 

 

 

「その……あんた覚えてる? 昔私があんたに公園で言ったこと」

 

 忘れるはずがない……1度たりとも忘れた事は無い。

「次に会ったら結婚しろ……だったか?」

「なんだ、ちゃんと覚えてんじゃない!」

 

 俺の言葉を聞いて破顔した彼女の顔は、とても眩しいものだった。

 

「というわけで! 結婚するから今から同棲でもいいわけよ! 分かった?」

 

 

「あのー……指ズバしてまで決めに来てるところ申し訳ないですけど……」

 

「なによ、言ってごらんなさい?」

 

 

 

「俺まだ16ですけど?」

 

 

 

 

 

 次第に俺の知る紅坂和葉史上最も赤くなった顔で彼女は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しまったぁー!!! 2年早かったぁ!! 

 

 

 

 

 

 

 

 と叫んで、あまりにも大きい声なのでお隣さんが心配して見に来てくれた。すみませんお隣さん……。

 

 

 で、叫んでから決めポーズに悶えてるのか未だに立ち直らない和葉さん。

 

 10分経ったろうか、もうちょい経ってるだろうか。

 ようやく和葉が立ち上がり、言葉を発した。

 

「違うのよ……私本当はあんたの結婚できる歳になってから会うつもりだったのよ……でも待ちきれなかったのよ……会えるチャンスがあったから飛びついたのよ」

 

 涙ながらに顔を真っ赤にして話す彼女は、さながら悲願を達成した主人公のように、やっと会えた両思いのお姫様にあった時のような感情を持っていたのだろう。

 

 不覚にも見惚れてしまった、最後に会ってから4年ほど経っているが。俺の奥さん(仮(の予定?))はとてつもなく素敵な人物になっているようだった。

 

 普通こういう時、リア充なら抱きめして「○○さんはよく頑張りました」とかするのかもしれないけど。ん? これリア充じゃなくて思春期の症候群にかかってる人か。

 

 脱線したが、俺はそんなにかっこいいと思えるようなことが出来ない。なぜならだからだ。説得力あるだろ? 

 

 

 

「和葉、お前がこの数年ために貯めた感情は色々あるかもしれない、だがなこれだけは言わせてもらう」

 

 

「……へ? は、八幡! あんた!」

 

 我ながらみっともないと思うが、目から汗が出てきている。

 

「俺だって……寂しかったんだよ……お前の家族が急に引越しになって、いつも隣にいたやつが居なくなって……そりゃお前の家族にも事情が色々あったかもしれない! ……でもな、頭で理解はしていても俺自身心のどこかで納得してなかったんだよ……」

 

 

 こんなに感情的になるなんて、いつ以来だろうか。

 小学生の時ですらこんな感情滅多に出してなかったがなぁ……。

 

 

 すると、ふとフレグランスのいい香りが顔を覆った。

 

 和葉は身長が低い訳では無い、女子の方だと平均かその少し上かだ。

 その和葉が背後にあったソファーにダイブした、俺の体ごと引っ張ってそのまま倒れ込んだのだ。

 

 

 

 

 

 

 まぁ要するに、俺は和葉の胸に顔を埋めてるような構図なのだが……。

 不思議と全然そんな邪な感情は湧いてこない、包まれたことに対して安心感を覚えてしまった。

 

「ごめんね、八幡。待たせちゃったね。 私の胸で良ければ貸してあげるから、好きなだけ泣きなよ。 遅くなって……ごめんなざい!」

 

 

 話してる途中から和葉も泣き出してしまっていた、お互い顔がぐちゃぐちゃになるまで泣いていた。気づいたら2時間たっていてそのまま泣き疲れて2人とも寝てしまったようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 知ってる天井だった、そらそうだ、自分の家なんだから。

 ただ、家に帰ったのが13時、今は16時に差しかかるかと言ったところだ。

 

 キッチンから物音がする、小町帰ってきてるのか。

 

 寝ぼけた俺は料理をしているらしい小町(?)の頭を撫でることにした。

「ありがとな小町……今日俺の飯当番なのに済まないねぇ」

「!? 八幡、それは言わない約束でしょ?」

「おう、悪い悪い、そう言えばそうだ……った? おい小町、今お兄ちゃんを名前で……あ」

 

「そりゃお前の母親だもの名前で呼ぶだろ」

 どうやら小町とお袋間違えてたようですねぇ……頭撫でちゃったじゃん……。

 

「お袋!? なんでこんな時間に帰ってきてるんだ」

 

「元々今日出勤じゃなかったはずだしねぇ、急遽だから早上がり。

 で、帰ってきたら息子夫婦が仲睦まじく寝てるから、そこの紙に書いてる当番制があんただったし、寝かせてやろうと思って今に至る」

 

「作って貰ってる立場から言うのもなんだけど、久々だな。お袋の味……おい、息子夫婦ってなんだよ。まだ結婚してねぇよ」

 

 

「結婚することは否定しないのか、そりゃいいことだ事。

 いつもお前達2人に頼りきりだったからね、たまには作るわよ。

 折角週休5日勝ち取ったんだしね」

 

 そう言えばそうでしたね……仕事してるのに休みえぐいんですもんね。

 

「てことで、あんたは和葉ちゃん、部屋の布団に寝かせてきなよ。

 色々あったから疲れてるんだろ? さっきまで結構な話してたらしいし」

 

「ちょっと待て、一体どこまで知ってる!?」

「家入る前にお隣さんに聞いた程度よ(まぁ、一部始終見てたけど)」

 

「そうか……ならよかった」

 

 八幡は、和葉を所謂お姫様だっこと呼ばれるあれで運び出した。

 

 

 

 ーSIDE 比企谷陽香ー

 

「いつの間にあいつもあんなに立派になったか。

 そりゃそうよね、もう高校生だもんね、私が見てこなかっただけなのかもね……もっと早くこうするべきだったかなぁ」

 

「そーんなことないんじゃないの?」

 

「あら小町、おかえりなさい、いつの間に?」

「今さっきだよ、お兄ちゃんが上に上がる背中見えたからリビング来たらお母さんが独白してたし」

 

「独白って……まぁ間違えじゃないか。

 小町は? この際はっきり言って頂戴、私の事、恨んでる?」

 

「恨んでなんかないよ、私とお兄ちゃんのために一生懸命働いてるんだから。本音言うとね……小学生の時は凄い寂しかったし、お母さんなんか……と思った事もあったんだ。友達の家に行っても必ずお母さんが居たし。

 

 でもね、お兄ちゃんが居てくれた、和葉さんもいてくれたし、ちょっとしか関わってないけど陽希さんもいた。小町も大きくなるにつれてなんで家に両親がいないかなんて、多少なりともわかったつもりだしね」

 

 小町まで……私の息子と娘はこんなに立派になって……。

 

「お母さん……泣いてるの?」

 

「へ? 私が?」

 言われてから目の下に手をやると、確かにそこには雫の感触があった。

「……泣く資格なんて……私には無いはずなのにね」

「そんなことないよ、人は誰しも泣く権利がある。お母さんもね!」

 

 私の涙は感動なのか、寂しさなのか、結局の所泣いた私にもよく分からない。でもこれだけは言える。

 

 

 家にいる時間を極限まで増やしたことは間違いなく正しい答えだった。

 

 

 

 ーSIDE 比企谷八幡ー

 

 

 

 和葉をベッドに降ろし、布団をかけたところで俺は下に戻った。

 いつの間にか帰ってきてた小町とお袋の声が聞こえる。

 

 親子水入らずの会話に入るのもちょっと気が引けたので、部屋に戻ることにした。いや俺も息子だけどほら、小町とお袋の組み合わせってあんまなかったからさ。

 

 

 部屋に戻ると、和葉が寝息をたててスヤスヤと寝ている。

 なので俺はその横で本を読むことにした。

 

 

 

 その後、2時間後に和葉が起床。 久々の再会を果たした小町は嬉しさのあまり崩れ落ち、その場で泣きじゃくった。

 

 結局、今日の比企谷家は4人全員が泣く始末。親父は会社に泊まるらしく今日は帰宅してない。

 

 

 俺と和葉は長らく続いてたのか終わってたのかわからない恋人関係を一旦廃止する事にした。ひとまずは再び付き合う前提として友達から始めようという事で、長年頭の片隅にいた両思いの少女は、かなり好意的な友達としてリスタートした。

 

 

 その日の比企谷家の食卓はとても賑わっており、4年の歳月など感じさせない程に話していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




過去最長の話になった気がする。
なんか筆が乗って気づいたらこんなに。



読者様の意見参考を元に一部表現変更致しました。

また次回です。



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4話 朝の閑話休題。


更新遅くてごめんなさい。ようやく試験を乗り切りました。
学校ではなく職場の試験だけど中々に珍しく勉強したので。


書いて思いました、学校に行くまでの朝のくだりでここまでかけるんだなぁと。

駄作を生み出しておりますが、見てくれる方々に感謝を込めて、ありがとうございます…。

それではご覧下さい。


 

 

 色んなことがあった翌日、起床した俺は隣を見る。

 

 そこに居たのは普段結んでいるサイドテールは無く、髪を下ろした状態でとても女の子がする顔ではない気がするがそこは触れないでおこうと思った俺の部屋の居住人、紅坂和葉が眠っていた。

 

 実は前日の夜、俺は新たに布団を取り出してベッドを和葉に譲ろうと思っていたのだが。「何言ってんの? あんたもここで寝なさいよ」という一言の元俺の提案もとい考えはバッサリ一蹴された。

 

 だってねぇ? 本人が了承してて俺が腹決まってないとかカッコ悪いじゃん? しかも俺めちゃくちゃ眠くて肯定しちまったし。

 

 ただ、これ慣れる気しない。めちゃくちゃ緊張しちゃう。少し寝不足。

「今更否定してもダメだよなぁ……」

 

 とか考えてるうちに体が動かなくなった。

 

 これはまずい、金縛りだ。しかも物理的な。

 

 

 寝ぼけている紅坂和葉が俺を抱き枕よろしく締めつけにかかってきた。非常にまずいですね。

 

 割と朝飯食べて行くこと考えたらほんとにまずい時間になりつつあるため、母にヘルプを打診する。

 

 

「母ちゃん、助けて」

「……なに? 眠いんだけど」

「和葉に締め付けられてる、このままだと朝飯食えない」

「……今日の朝飯当番が私という事に感謝しなさい」

「え? なんで?」

「私が作ったご飯だから食べてくれないと困る、だから起こす」

「完全にご自分の都合入ってますねぇ……」

「なに? 起こして欲しくないって?」

「すいませんでした起こしてください!」

 

 まもなく母親が到着し、ドアが開く。

 

「おはよう八幡、まーた見事な締めあげられ方ね?」

 

「感心してないで早くどうにかしてくださいよ……」

 

「わーかってるって……ほら和葉ちゃん! 起きなさい!」

 

 ……しかし、和葉は起きない。例えるなら、笛を使わないと起きないあのでかいポケモンとかそんな感じ。

 

 

「……八幡、最終手段に出ていい?」

「この際なんでもいい、起こしてくれ」

 

「10分だけならあなたに最高の寝床を提供してあげるわよ和葉ちゃん、それでもあなたはそこを選ぶかしら?」

 

 

「……お義母さんを信用し、今日はこれくらいで」

「てめぇ起きてやがったなちくしょう!」

 

「起きたならよし、さぁ早く食べた食べた、今日は雨が降っているから送ってあげるわ」

 

 

 

 え? さっき眠いって言ってたよね? ちょっと運転怖いんだけど……。

「八幡、和葉ちゃんを起こす代償、車の中で終わらせるわ」

「なんでつって?」

「いやだから、車の中で起こした代償をね?」

「いや聞こえたよ、その上で驚きすぎでなんでつって? とか言っちゃったじゃん、無しでお願いします」

 

「無しにしたら私のくだりが無くなっちゃうじゃない!」

「そうだよ! そこはいいだろ別に」

 

 朝飯は久々に小町でもなく俺のでもない母親製で、すごく美味かった。

 具体的に現すなら、いつの間にか起きてた小町が爆食いしてた。

 

 

 先程も言った通り、本日は母が送ってくれるらしい。

 我が家の車は基本母しか運転しない、父は忙しすぎてそれどころでは無いし、なんなら母親が地味に車好きで今のうちの車があるようなものだ。

 

 

「小町、助手席乗ってね」

「あいあいさー!」

 

「あんたら2人は後ろね、和葉ちゃんは10分だけ八幡の膝借りて寝なさい」

 

「! はい!」

 

「さっきまで寝ぼけMAXだったやつがいきなり元気になった……。というか母ちゃん、まさか代償って」

「その通りよ、和葉ちゃんの枕になりなさい」

「朝から見せつけてくれるねぇ兄ちゃん……いやさ兄様」

 

「いやさとか言うな、キャラ変わってんぞお前」

 

 ひとまず和葉が座ってそうそう寝やがったのはもう妥協。

 

 しかしこいつ、よくこの車で寝れるな。

「母ちゃんの運転が上手いのか……」

「なんか言ったか? 息子よ」

 

「いや、この車って前後に動くだろ? たまに、よく寝れるなぁと」

「そりゃ私は1人じゃない時もしくは八幡以外が乗ってる時はギアチェンジを慎重にしてるからね」

 

「できれば俺だけ乗ってる時も優しくして欲しいんだよなぁ……」

「いやだ、あんたと二人乗りは楽しいのよ」

「小町もそれ乗ってみたい!」

「じゃ今度出かけましょうか、久々にみんなで」

「俺が家族の出かけに誘われるとは……」

「……いやホントごめん八幡」

 

 

 先に小町を送って、今度は俺ら2人の通う総武高校へ。

 

「しかし、この車もよく長持ちしてるよな」

「あんたが生まれてすぐの頃だものね、この車買ったの。

 あんた免許取るならMT車取りなさいよ?」

「早くても来年の話だよね? それ受験系統終わってからだよね?」

「そうだけど、和葉ちゃん居るなら遠出する時車必要でしょ?」

 

「まぁいずれは必要になるな、俺と違ってインドア100%じゃないし」

「あんたが免許とった時はこの車譲ってやるからさ、できるなら完全に壊れるまで乗ってやってよ」

「……まぁ、俺もこの車は思い出があるしな。その時は任せろ」

「うん! 息子の成長が嬉しいよ、やっぱり休み勝ち取って正解!」

「なんか似たようなやり取りあった気が……」

 

「多分それあんたじゃないわよ、というか着いたから和葉ちゃん起こして」

「あいよ……おい和葉起きろ! 着いたぞ」

「……王子様のキス「ない」最後まで言ってないじゃない!」

 

「俺はそんなやすやすしてやんない、というか無理」

「顔真っ赤ねぇ八幡、そんな初々しいかしら?」

「うっせ、ほっとけ」

「とりあえず、帰りも迎え必要なら連絡頂戴ね」

「おう、サンキューな」

「ありがとうございました! お義母さん!」

 

 

 

 2人を見送った陽香はというと。

 

「この子も本来の力しばらく発揮できてないし午前中は走ろうかな……」

 

 

 その後千葉の朝に、スポーツセダンのマフラー音が響いたとかそう出ないとか……。

 

 

 

 

 





比企谷家の車は作者が実際に乗ってる車をイメージ使用した物です。

多少筆ノリで書いている所があるので誤字脱字等あったら遠慮なく指摘お願い致します。


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5話 魔法少女リサ

最終更新から三年目に突入してしまってます…すみません。


 あの後、転校生である和葉と教室に二人で一緒に入った事から和葉は朝の時間ずっと質問攻めにあっていた。特に隠す訳でもないが自分から進んで言う訳では無いので俺達が付き合ってるっている許嫁地味た関係と言うことは言ってはいない。……すっごい意気投合した友人が一人でき、その人には話したと言っていたのは後の話。 その頃俺はと言うと……。

 

 

 

 

 

 

「そっかー、やっぱりただのお向さんじゃ無かったんだね」

「やっぱりってなんだよやっぱりって」

 

「昨日ねリサちゃんと二人で話してたんだよ。八幡と紅坂さんはただのお向さんではなさそうだよねって」

「……」

 

 

 なんだろう、この二人俺の事に関しちゃエスパーなのん? ってくらい鋭いのはなんなんだろうね。あと和葉さんや、みんなの質問に答えながらこちらを睨むのやめてね怖いから。

 

「エスパーリサちゃん登場だぞ★」

 

「だから★を付けるなと……パワーアップした?」

「修行したからね」

「修行なんてあんの!?」

 

 

 

 

 結局和葉は一日みんなに質問され、いじられと翻弄されていたので昼休みの俺は今井や戸塚とご飯を共にし今は放課後になった。まさに今から帰ろって時に教卓にいる人物からお声がかかる。

 

「比企谷、少しいいかね」

 

 我らが担任兼生徒指導担当平塚静より呼び止められる。

 

「今から少し時間もらってもいいかね」

「はぁ、構いませんが……何かしました?」

 

「まぁしたと言えばしたが少し心配にもなった」

「は?」

 

「まぁいい、生徒指導室に行こうか。ついてきたまえ」

 

 もちろん、紅坂も一緒で構わないぞ。という一言を添えて歩いていく。

 ……いや、あなたいつの間に横にいたのん? 普通にびっくりするからやめてね。

 

 

 生徒指導室に場所を移した今俺と対面する平塚先生、そして俺の隣に座る和葉。

 

 

「保護者会? 三者面談なのん?」

「ちょっと、家族は家族でも私は奥さんなのよ?」

「早い、気が早いよまだ高校生だから」

「まさか、浮気!? 今井さん!?」

「なんで今井? そしてなぜ浮気?」

 

 

 仮に俺が今彼女作ったらそれは浮気になるのか? 結婚の約束は一応口頭での扱いだから法的なものは無い気が……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

は・ち・ま・ん・? 

 

 

 

 

 

「怖い、怖いからその後ろに見えてる般若っぽいやつ消して!」

 

 

 

 

 

「あー二人とも、話を始めていいかね?」

「「!?」」

 

 

 忘れてた、ここ生徒指導室で目の前にいる人は生徒指導担当だった。

 

 

「何も別に生徒指導だからと言ってそこまでうるさくするつもりは無いが異性交遊は程々にしろよ……端的に言うと私の前でするなよ」

 

 歯をギリギリさせながらこっちを睨んでいる教師。自分の怨念入れてませんか? 大丈夫ですか? 

 

 

「と言うより、聞いておきたいことが」

「許可する、なんだね?」

 

「俺に関係する話でなんで和葉来るの許したんすか?」

「君たちの関係は事前に紅坂から聞いているからな、君もちゃんと青春しているようで何よりだよ」

 

 

 

 

 

「それ一方的な意見しか聞いてませんよね?」

「私事実しか話してないわよ?」

 

「私の言う紅坂とはそこにいる和葉くんだけじゃないがね……まぁいい。

 

 今回君を呼び出したのはこれの事だ」

 

 机に出したのは一枚の作文用紙、『高校生活を振り返って』と書かれた俺の出した課題である。

 

 

 

 

 

 高校生活を振り返って。

 

 今井と戸塚がいてくれて良かった。和葉が帰ってきた。もうこれ以上望まない。

 

 

 

 

 

 

「……比企谷、私が何を言いたいかわかるか?」

「サッパリですね」

「はちまん……」

 

 

 

 

 一人は呆れ、一人はキッパリ言い放ち、そして一人は涙ぐみ、そんなカオスな部屋はこちらです。

 

 

 

「まぁ事情を多少知ってる私はいいがね……生徒指導として、担任としては許す訳には行かない」

 

 

「刹那主義には賛同できないね……」

 

「それはどちらかと言うと私のセリフだ、というか全くもって私が言いたい言葉だ」

 

「知ってますよ、某BT-42の搭乗車長の真似をしただけですので」

 

 

 

「八幡」

「なんだ?」

「私との将来考えてくれないの?」

「なんで今その話なのん? 俺が刹那主義って言葉出したから? ねぇ、目の前の人すごい怖いからやめようね?」

 

 

 

 

 ほんと……早く誰か貰ってあげて……」

 

 

 

「心の内で留めずあくまでも私に聞こえるように言ったか」

 

 

 

「へ、あ、いやぁそんなつもりは……」

 

 

「決めた、やはり君にはあそこに入ってもらう」

「何の話です?」

「まぁついてきたまえ、紅坂も一緒に来るかね?」

「行きます!」

 

 

 

 

 平塚先生について行く事数分、俺達二人は特別棟にある教室に来ていた。

 

 

 平塚先生はその教室を躊躇うことなく開ける。

 

 

「平塚先生、いつもノックしてくださいと」

「悪い悪い、忘れちゃうんだよなぁ」

 

 いやぁこれはうっかりーとでも言いたげな平塚先生を他所に、俺達二人も続いて入室する。

 

 

 

 

「と言うわけで比企谷、ここで君に奉仕活動を命じる」

 

 

 

「嫌です」

 

 

 

 




いかがでした?全然タイトル関係ないでしょ?

それではまた。


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