IS〜焔の月と冬の桜〜 (黒蜜黄粉)
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プロローグ

≪編集というか、変更≫
あらすじでは主人公の名前を『柳 春叶』と書いておりましたが『叶嶋 春』に変更いたします。
以後、よろしくお願いします。










あ、駄文だから読むなら気を付けてね


 「しっかし飽きたなぁ・・・・・」

山に西日が沈む頃、俺は川沿いの道をジョギングしていた。

だがいつも走っている道なので少し飽きてきた。

俺は何か良い道は無いかな?と走りながら辺りを見渡してみる。ふと川の方を見てみると苔に包まれた一本の石橋が見えた。

俺は「あっち側に行ってみるか!」と、そのまま石橋を渡って山の中へと行ってしまった。

今思えばそれが俺を変えた、運命の歯車の一つ目だったんだと思う。

 

春にはまだ早い深い緑が生い茂った山道をずんずんと進んでいく。俺は少し寒気を感じたが、構わず突き進むことにした。

辺りは霧に包まれてきたが「まだ大丈夫だろ」と思いそのまま走っていく。

少しするとここで山道は行き止まりになっていた。

「引き返すか・・・・・」

と思い振り返ろうとした瞬間、首筋にゾクッとした悪寒が走った。

行き止まりの方に一瞬人影が見えた気がしたのだ。俺は覚悟を決めて恐る恐る振り返ることにした。

 

そこには一つの祠が建っていた。しかもその祠は鍵が開いていて中が見える状態だったのだ。

さっきまではこんな祠無かったはずだ。

 

素早く引き換えそうと思ったが、興味と恐怖で興味の方が上回ってしまった。

俺は祠の中を覗くとそこには赤い結晶石のような石が一つ置いてあるだけだった。

俺は祠の扉を開けるとまじまじと見つめた。その結晶石は綺麗な赤をしていて眩しく光って見える。

俺はその結晶石を手にとって見ようと指先に触れてしまった。

 

するといきなりその石が待ってましたと言わんばかりに光り始めた。

数秒光ったあと光が止んだ。

光が止むと手や脚、身体全体に違和感を感じる。

目を開けると自分の姿に驚いた。なんと全身が赤い装甲に包まれているのだ。

「これって、IS?」

だが何故自分がISに乗っているのか訳が分からなかった。

何故ならISは()()()()使えないからだ。

 

なのに男性の俺が乗っている。しかも何でこんな場所に、こんな祠の中に置いてあるのか色々な疑問が飛び交っている。

だが、俺はそんなことはあまり気にしていなかった。

それよりやりたいことがあったからだ。

 

それは・・・・・

 

 

 

「イヤッフォォォォォッ!!!」

俺はISを使って自由自在に飛び回った。

ISが扱いにくいとか言ってるけど、なんてことはなかった。

さっきまでジョギングでかいた汗が風で冷えていく。

すごい気持ちいい。今なら何処へでも行けそうだ。

そんなことを考えていると凄い向こうの方に巨大な建物が見えた。

 

*IS学園* だ

 

俺は少しニヤリと笑みを浮かべるとそこへ向かって突き進んだ。

 

そう、これがバカである。

そして運命を変える歯車の二つ目。

 

 

俺は空からIS学園の敷地内を見渡した。

何でもG〇〇gleマップでもISの敷地内だけは非表示らしい。

「これがIS学園の敷地内か・・・・広い以外は普通だな」

俺は満足するとそのまま帰った。

 

「ただいまー・・・・って俺一人か」

今は独り暮らしをしているので親はいない。

テレビを点けると暴行事件が映っていた。

男性が女性に・・・・・ではなく女性が男性にだ。

ISというものが開発されてから世界は大きく変わった。

簡単に言うと女尊男卑。

ある程度はどれだけ犯罪を犯しても女性だったら無罪。

男性だったら有罪で36年の刑罰だ。

 

前に見たニュースで俺が最も憤りを感じた事件があった。

それは『男児殺害事件』。

これは僅か12才の男の子が誘拐され、犯され、男の子が暴れるからムカついたので殺した。

という端から見たら胸糞の事件だった。

それでも無罪・・・・・・ということにはならないが、女性という理由で無期懲役という判断になった。

こんなような事件が相次いで起きている。

 

そして去年、男性の中で初めての男性操縦者が現れ、世界は驚きを隠せなかった。

一部の女性からは大バッシングがあったらしいが・・・・。

そしてIS学園という可哀想な所にぶちこまれた織村一夏。俺と同年代だか何の面識もないし関わりがあるわけでもない。

それでも本当に織村一夏には同情する。

あんな所にぶちこまれたら俺だったら自殺するわ。

そして悪の象徴 鬼村千冬。あれ、織村だっけか?

まあ良いや。

今までISが出始めの頃はあまり女尊男卑は無かった(少しはあった)。

が、ある事件が起こる。

それが織織村千冬による世界大会の棄権だ。

織村千冬は第一回目の世界大会に出て優勝こそはしなかったが、一回戦目で圧倒的な力を見せつけ誰もが優勝すると確信した途端、弟の誘拐が原因で大会を棄権した。

そのせいで一部の女性からは「弟のせいで優勝出来なかった!」「やっぱり男共は無能ばかりだ!」という批判の声が相継いでいる。

客観的に見たら「はい?」て思うかもしれないが、人の妄想は恐ろしいもので本当に広まっていった。

そこから女尊男卑が強くなっていったのだ。

 

俺は元凶である織村千冬を許せない。

いや、そこで俺達男が織村千冬を恨んでしまえば、それこそ女共とやっていることは変わらない。

それこそただの八つ当たりだ。

俺は頭を掻くとキッチンにつく。

「………カップ麺でいっか……」

今日は飯を作る気にもなれない。

俺はさっさと食べて寝ることにした。

 



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episode1・恐怖、怪力鬼女。~無理やり適性検査~

久しぶりに書いたww


 ピピピピピピピピピッピピピピピッピピピピピッ

けたたましいアラームの音に無理矢理起こされる。

目が覚めるとカーテンの隙間の日差しが容赦なく起きろと照らしてくる。

「もう、朝か・・・・・・」

昨日ジョギングしてISを使い、風呂に入って寝た。

「そっか、一応あのアクセサリー学校に持っていくか」

そう思ってテーブルを見たがそれらしきものが無い。

「あれ?」

ベッドも見たが何処にもなかった。

「あれ?まさかの夢オチ?」

他にも部屋の隅々まで探し回ったが何処にもなかった。

「・・・・・・うそん

は、てかもうこんな時間!?」

 

俺は時計を見ると遅刻ギリギリの時間だった。

アクセサリーを探すのに時間を費やしすぎたのだ。

俺はバッグを持って家を出て、自転車を大急ぎで漕いで、やっと学校へと到着する。

「ゲホッ、ハアッ、ハアッ、」

あとチャイムが鳴るまで一分だった。

「うおぉぉぉぉ!!」

廊下を全力疾走し、教室の扉を開ける。

「(間に合ったか!?)」

 

結果は・・・・・・・

      ギリギリセーフだった。

 

俺は静かに席へと着いた。

「また遅刻ギリギリやな」

後ろの席の田中がニヤニヤした表情で言ってきた。

「まあな、遅刻はしない。それが俺の信条や」

「よく言うわ、遅刻ばっかりしてるくせに」

田中は呆れ顔でそう答える。

「うわー、今日はギリギリか!」

2列向こうの奴らが騒ぎ始める。

「くそー、俺は遅刻で賭けてたのに」

「俺も」

「よっしゃあ、じゃあ俺が千円ずつ貰うぞ」

 

「いや、俺で賭けるなよ!」

「席に着けーい!今からホームルームを始めるぞぃ!」

毎回思うけど俺んところの担任個性的だよな。ほんと。

「ワシが今から話すのは・・・………」

ダラァーっと担任の話を聞き流してホームルームが終わった。

チャイムが鳴りホームルームが終わるとみんな突然廊下に並びだした。

「?」

「何やってんだ、早く行くぞ」

「え?今日何かあるの?」

何があるのか聞くと田中はため息をついた。

「今話してただろ、今日の一時間目は授業変更で体育館に集まるって」

「体育館?何するんだ?」

「さあな」

俺は渋々みんなと一緒に体育館へ向かった。

体育館に集まると巨大なカーテンが引かれて舞台の方が見えなくなっている。

 

「?なんだ」

「騒ぐな!今からIS適性検査を行う!」

見たことない女性がざわざわとしていた体育館を鎮める。

 

IS適性検査!?

そんなことしたら俺はIS学園(ブタ箱)にぶちこまれちまうな。

てかIS学園の上空を飛んだのがまずかったか?

いや、夢だったんだっけ?まあいいや……

色々な考えが交差するが今はそんなことどうでも良かった。

とりあえずどうやって適性検査を回避するか……。

 

俺は考えた末、()()()()()()()()でやることにした。

俺は担任の元にかけよる。

「………先生、少しトイレに行ってきます…」

「うい、分かった」

 

よし!トイレ作戦大成功だ!

俺はそのままそそくさと体育館を出ようとした。

第一の敵が現れた。

「お、叶嶋君今日もトイレでサボりですかー!?」

田中だ。

 

俺は周囲を見渡した。

他の生徒はさほど気にしてないがスーツを着た女性数人がこちらを見ている。

俺は会釈するとそそくさとトイレへ行った。

 

体育館トイレだともしかしたらバレるかもしれないので体育館トイレへ行くと見せかけて校舎のトイレへ駆け込む。

トイレの個室へ篭るとスマホを取り出しゲームを始める。

そのまま50分が経過した。

チャイムが鳴り、皆が教室へ戻っていく。

 

よし、そろそろ良いかな………。

俺はゲームを切りあげ、立ち上がろうとすると

 

「随分長いトイレだな?」

聞いたこともない女性の声がした。

「はい、まあでもたった10分くらいですよ。もう適性検査もやりましたし」

俺は嘘をつく。

「はぁ……見え透いた嘘は止せ」

「え?」

「お前が適性検査をやっていないことなど知っている」

「………嫌だなぁ、ちゃんとやりましたよ」

「……お前は適性検査が始まる10分前にトイレへ駆け込んだ。田中という生徒にからかわれながらもな」

「(田中め、後で処すか)」

「………無言か」

「取り敢えず……ここ男子トイレっすよね?ちょっと出てもらって良いですか?」

「お前はいつまで茶番をするつもり……だッ!」 

その瞬間トイレのドアが凹み、ぶっ飛んだ。

ギャグ漫画でしか見たこともないその光景に呆然とする。

「ほら、やはりズボンを脱いでもいないじゃないか」

「ゲッ!」

そこには黒い髪と黒いスーツを着た女性が立っていた。

 

誰だ?どこかで見たことあるな……。まあいいや

取り敢えず扉を蹴りで壊す怪力バカな事だけは分かった。

「さあ、さっさと行くぞ」

「は?何処に……」

「決まっているだろう、体育館だ」

「…………マジで?」

「…………マジだ」

そう言って俺の腕を引っ張り無理やり連れていかれた。

いや、力強すぎや……。途中何度か抜け出そうとしたのにがっしり掴んで離してくれない。

マジで怪力可笑しいだろ!女とは思えん……。

「……今何か思ったか?」

「いやいや、何の事ですかね~。人間誰しも生きてれば頭の中は思考だらけですよ、オホホホホ」

「……まあいい」

体育館の中には軍服着た女性等が仁王立ちで立っている。

「うわ、怖っ、めちゃめちゃ睨んでますやん」

適性検査の職員皆が俺を見てピリつく気配を出している。

「気にするな、いつもああいう顔だ」

「ほんとかよ……」

俺は黒い女に連れられてカーテンの向こう側に入る。

中には白衣を着て眼鏡をかけた女性が出席簿を持っていた。

「これで全部か?」

「ああ」

「まったく、何故サボろうとした?」

「何の事でしょう?………俺はちゃんと終わらせてから便所に行きましたよ?」

俺は冷や汗を垂らしながら応える。

「う・そ・を・つ・く・な!君が適性検査を(おこな)ったかなんてこの表を見れば分かるのだよ!」

白衣女に出席簿で何回か叩かれる。

………理不尽だ。

世界は何故俺にいつも理不尽なことばかり………。

そんなことを考えていると黒い女が「もういい」と制した。

「おい、いいからさっさとこのISに触れ」

「これに……ですか?」

そこには白い機体がドカッと置かれている。

「ああ、それに触れるだけで適正かどうか分かる」

「触れたら反応するとかですか?」

「……いいから早く触れ」

俺は黒い女に背中を押される。

そしてそのまま倒れるように機体へと触れた。

途端、機体がひかりだす。

「………バカな!」

「………当たりだ」

俺は上体を起こす。

「チッ………!」

機体は光っていた。

この『光り』が何を意味するのか何となくで分かった。

ならば行動は一つ。

俺はカーテンをくぐり、体育館の外へ走った。

少し運動音痴とはいえ、運動部だ!

女の一人や二人………逃げ切れるに、決まってらァ!

俺は体育館を出て曲がり角を曲がる。

よし、このまま無断早退して家まで………。

俺は浅はかだった。

あの女は扉を蹴りで壊した女だということを忘れていたのだ。

 

「どうした?その程度か?」

真後ろから声がする。

バカな!?完全に撒いたと思ったのに………!!

後ろを振り返るのが怖い。

真後ろから声がしたのに息が聞こえてこない。化け物だ。

俺は恐る恐る振り返る。

そこには不敵な笑みを浮かべながら汗一つかかずに走っている女の顔があった。

「っひいぃぃぃぃぃぃぃっ!!!」

情けない声をあげながらも全速力で走る。

「お、少し上がったな。だがもう終わりだ」

俺は首根っこを掴まれた。

制服が喉を締め付ける。

「っぐえっ!!」

「捕獲完了」

「ば……化けもんかよ……」

「女性に化け物呼ばわりとは感心せんなぁ……」

「………っくそ」

ゲホッゲホッ

予想以上に走った。

限界越えた気がする。

「ま、私の目の前で逃げの一手を使ったその勇気だけは褒めてやろう」

……この女、息切れも無しかよ……。

こっちは限界突破したってのにどこまで人間辞めてやがる……!?

「これで、決まりだな」

「え、何が?」

「ふん、今更とぼける気か?決まっているだろう、IS学園への編入だ」

これから地獄が続くのか………。

 

こうして俺の『ドキッ女だらけの学園生活!』は幕を開けさせられたのだった。

 



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