雷の軌跡Ⅱ (カオスカラミティ)
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序章・内戦勃発
ノルドに行く前に


前回と同じようにこの小説は台本形式です。


――日常は突然崩れ去った。

 

1204年10月30日12時10分

エレボニア帝国代表ギリアス・オズボーンが銃弾に倒れ、同時に貴族連合による帝都制圧が開始された。帝都は瞬く間に混乱に陥り、その様子をラジオ放送で聞いていた者達もあまりの衝撃に呆然としていた。

 

 

そしてオズボーン宰相を狙撃した犯人は貴族派と組んでいた〈帝国解放戦線〉のリーダー〈C〉こと、トールズ士官学院に所属していたクロウ・アームブラストだという事はごく一部の人間しか知らない。

 

 

宰相狙撃に成功した貴族派は新型人型兵器〈機甲兵(パンツァー・ゾルダ)〉を用いて次々と正規軍の戦車部隊を撃破し、帝都の各地を制圧。貴族派と革新派による帝国全土を巻き込んだ大規模な内戦は貴族連合の先勝で幕を開けた。

 

 

 

〈10月30日13;00〉

 

アイゼンガルド連峰付近の上空

ミルディーヌ「〈翡翠の騎神スペランザ〉ですか……。」

 

レイ「どうしたミルディーヌ?」

 

ミルディーヌ「いえ、機甲兵と似たような騎士人形なのに機甲兵より強く、それでいて彫刻のように美しいなと思いまして……」

 

レイ「ははっ、翡翠の起動者(ライザー)としては嬉しい限りだな。」

 

ミルディーヌ「ところでレイ兄様、服はそのままでよろしいのですか?」

 

ミルディーヌの指摘に自分の服装を見ると、〈Ⅶ組〉の象徴である赤い制服のままだった。

 

レイ「確かにこのままでは目立つな。それにミルディーヌだって〈聖アストライア女学院〉の制服のままだと目立つし、どこかで調達するか。スペランザ、霊力(マナ)はまだ大丈夫か?」

 

『ああ、大丈夫だ。』

 

ミルディーヌ「それではルーレで新しい服を調達しましょう。ちょうど通るルートですし。」

 

レイ「そうだな。スペランザ、ルーレ郊外に降りてくれ。なるべく貴族派に見つからない場所でな。」

 

『分かった。』

 

 

スペランザはルーレ郊外(閃Ⅱでリィン達が幻獣と戦った場所です。)に降り立ち、レイとミルディーヌ、邪神竜が出てきた。

 

ミルディーヌ「……あっ、でもこのままルーレに向かってしまったら、領邦軍に捕まってしまうのでは?」

 

邪神竜「それは我に任せろ。」

 

レイ「さあ、行くぞ。」

 

ミルディーヌ「は、はい……」

 

 

そして2人と1体は領邦軍が立っている門へと近づく。

 

領邦軍隊員「待て。お前、トールズ士官学院〈Ⅶ組〉の者だな?」

 

レイ「そうですが、それが何か?」

 

領邦軍隊員2「〈Ⅶ組〉の者は捕らえよというお達しだ。詰所に来てもらおうか?」

 

レイ「残念ながらそれは無理だな。邪神竜。」

 

そう言うと透明になっていた邪神竜が姿を現し、すぐさま隊員達に向けて目を光らせる。

 

邪神竜「『よく聞け小僧共。我らは先を急ぐのだ。邪魔をするな。』」

 

隊員達「あ……」

 

邪神竜の言葉を聞いた隊員達は目が虚ろになり、レイが一言。

 

レイ「というわけだ。通っても良いか?」

 

隊員「はっ!あっ、ああ。」

隊員2「引き止めて悪かったな。」

 

レイ「いえいえ、お勤めご苦労様です。」

 

そして2人と1体はあっさりとルーレに入っていった。

 

 

ルーレ市内

ミルディーヌ「凄いですね。こんなにあっさり入れるなんて。」

 

邪神竜「まぁ、これ位は簡単だな。」

 

レイ「俺も使えるように練習中なんだがな。それより、早く新しい服を買おう。」

 

そう言って店に入ってレイは青い服と黒い上着(閃Ⅳでクロウが着ていた物の黒いver)を、ミルディーヌは青いドレスっぽい服(同じく閃Ⅳでミュゼが着ていた私服の青いver)を購入した。

 

そして服を着替えた後、しばらく街を歩いていると武器屋の前で立ち止まるレイ。

 

レイ「ミルディーヌ、少しだけあそこの武器屋に寄って良いか?」

 

ミルディーヌ「私は構いませんが?」

 

ミルディーヌの許可を得てレイは武器屋に入り、剣や銃など色々な武器を見て回る。

 

レイ「ミルディーヌ、お前何か武器は扱えるか?」

 

ミルディーヌ「えっ?そうですね、祖父の狩猟についていったのでライフルは扱えますよ。」

 

レイ「ライフルか……。ショットガンは少し違うしな。だが身を守る為に何か武器があった方が良いしな。」

 

「うーん……。」と唸りながらレイはミルディーヌに合いそうな武器を探すが良さそうな物が無いので……

 

レイ「邪神竜、お前の力でミルディーヌに合うライフルを作れないか?(小声)」

 

と邪神竜に頼んでみる。

 

邪神竜『まぁ、作れない事もないが……。』

 

レイ「なら頼む。(小声)」

 

ミルディーヌ「えっと、レイ兄様?」

 

レイ「気にするな。それとミルディーヌ、後一ヶ所だけ寄らせてくれ。」

 

 

武器屋から出た後、レイ達が来たのはルーレ駅構内にある〈鉄道憲兵隊〉の詰所だった。

 

憲兵隊員「レイ大尉!?」

 

レイ「皆、お疲れ様。すまないが通信機を貸してくれ。」

 

その後、通信機で帝都駅の〈鉄道憲兵隊〉に何かを話した後、レイはミルディーヌと共に詰所を出た。

 

ミルディーヌ「レイ兄様、詰所で通信機を借りてどこに何を話したんですか?」

 

レイ「頼れる仲間、と言っても〈Ⅶ組〉とは違うぞ。そいつらにちょっとな。」

 

ミルディーヌ「フーン?私に隠し事なんて、通用すると思いですか?」

 

ミルディーヌの言葉にレイは冷や汗をかき、「誤魔化しても無駄だな。」と悟ってスペランザの元に戻るまでの間に先ほどの通信の内容を話す。

 

ミルディーヌ「なるほど。万が一の事態が起こった時の為にその方達に“力”を与えておくと。確かに良い一手ですね。」

 

 

そしてスペランザの元に戻ってきたレイは透明化を解除した邪神竜に一言。

 

レイ「それじゃ邪神竜、さっき武器屋で言った通りミルディーヌの為に武器を作ってくれ。」

 

邪神竜「承知した。」

 

そう言うと邪神竜は目を光らせ、目の前の空間に闇を出現させる。

 

 

そして数分後……

 

邪神竜「まぁ、こんなものか。」

 

闇が晴れると、中から一丁のライフルが現れてミルディーヌの手の中に収まる。

 

ミルディーヌ「これは……」

 

邪神竜「私の力で作り上げたそなた専用の武器だ。」

 

ミルディーヌ「ありがとうございます。ただ、アストライアに入ってからライフルは使ってないので上手く扱えるか……」

 

レイ「その点は安心しろ。俺が鍛えてやる。」

 

 

その後、レイは数日間ミルディーヌの射撃訓練を行った。その時のミルディーヌは……

 

ミルディーヌ「レイ兄様って結構スパルタなんですね。出来たらあんな事やこんな事もスパルタで……♥️」

 

レイ「やめなさい!」

 

邪神竜「やれやれ…」

 

弱音を吐かないどころか、いつも通りだった。




雷の軌跡Ⅱ連載開始!!

バイトしてるので不定期更新ではありますが、必ず完結させます!!


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第三機甲師団

レイによる射撃訓練が終わり、〈スペランザ〉に乗り込む2人。(邪神竜はレイの体の中にいます。)

 

ミルディーヌ「それでは当初の予定通り、第三機甲師団が駐屯しているノルド高原に向かいましょう。」

 

レイ「ああ。スペランザ、頼む。」

 

『了解した。』

 

そしてスペランザは飛翔し、ノルド高原に向かう。

 

 

―10分後

 

レイ「あまり霊力(マナ)を消費しないように速度を落として飛翔していたが、それでもこんなに早く到着するとは……。」

 

ミルディーヌ「騎神という存在はとことん規格外なんですね。」

 

『レイ、そろそろノルド高原に到着するがどこに降りる?』

 

レイ「第三機甲師団が駐屯している〈ゼンダー門〉の前で頼む。」

 

『了解した。――むっ?』

 

スペランザがゼンダー門に向かおうとした時、何かを感じ取ったようだ。

 

レイ「どうしたスペランザ?」

 

『これから向かうノルド高原で戦闘音が聞こえた。』

 

レイ「戦闘音だと?」

 

『うむ。砲撃音とローラー音が聞こえた。恐らく砲撃音は戦車の物で、ローラー音は帝都近郊で戦った〈機甲兵〉の物だろう。』

 

それを聞いたレイは驚く。

 

レイ「何だと!?もう〈貴族連合〉の手がノルド高原にまで来ているのか!?」

 

そしてノルド高原に到着すると、そこにはあの光景が――帝都で見たのと同じような光景が広がっていた。

 

ミルディーヌ「装甲車がいくつも破壊されていますね。ですが、戦車の方は何台か無事な様子。さすがゼクス・ヴァンダール中将率いる第三機甲師団と言ったところでしょうか。」

 

レイ「そうだな。まだ機甲兵に対する対策が無いのに被害を最小限にしている。」

 

すると戦闘は終了し戦車部隊はゼンダー門へ、機甲兵部隊は監視塔へと帰還していった。

 

レイ「どうやら戦闘が終わったようだな。」

 

戦闘部隊と機甲兵部隊の戦闘の一部始終を見た後、レイはゼンダー門へと向かう。

 

 

―ゼンダー門前

師団兵「っ!!空から何かが降りてくるぞ!!」

 

師団兵2「貴族連合の飛行艇か!?」

 

師団兵3「いや、機甲兵のような物体だ!!」

 

師団兵「総員戦闘――」

 

レイ『その必要はないぞ。俺は帝国正規軍・鉄道憲兵隊所属レイ・リーヴェルト大尉だ。ゼンダー門の責任者であるゼクス中将にお会いしたいのだが。』

 

いきなり空から現れた翡翠の騎士人形に驚く師団兵達だが、その騎士人形から聞こえたレイの声に別の意味で師団兵達は驚く。

 

師団兵「レイ大尉って確か……」

 

師団兵2「数ヶ月前にトールズの実習で来ていた……」

 

師団兵3「声もレイ大尉に間違いない。了解しました!少々お待ち下さい!」

 

 

―そして数分後、ゼクス中将が出てくるとレイもミルディーヌと共にスペランザから降りてくる。

 

レイ「お久しぶりですゼクス中将。」

 

ゼクス「久しぶりだな、レイ大尉。してこの騎士人形は?」

 

レイ「帝国に伝わる〈巨いなる騎士〉の内の1体。〈翡翠の騎神スペランザ〉です。ところで現在のノルド高原の状況を聞かせてもらっても良いでしょうか?」

 

ゼクス「うむ、部屋に来たまえ。」

 

その後、レイとミルディーヌは司令室でノルド高原の状況を聞く。

 

ゼクス「2日前の事だ。帝都が貴族連合に占領されたと聞いて我々も動こうとした時、共和国が大規模な領空侵犯を犯した。それに対処しようとした時に貴族連合の飛行艇が機甲兵を連れて奇襲を仕掛けてきたのだ。」

 

ミルディーヌ「つまり、貴族連合は一時的に共和国と手を結び、監視塔のメンバーが共和国の飛行艇に気を取られている隙に監視塔を――と言う事ですね?」

 

ゼクス「その通りだ。」

 

レイ「それで被害は?」

 

ゼクス「監視塔が貴族連合の手に落ちてからまだ2日しか経ってないのでそれほど被害は無い。だが、問題が1つあってな。奴らが監視塔を占領してから高原で通信が使えなくなったのだ。」

 

レイ「という事は補給や援軍要請が出来ないと?それはマズイですね。」

 

ミルディーヌ「それにプラスして貴族連合は恐らくアイゼンガルド方面の部隊も動かして両面から攻撃してくる可能性もありますね。」

 

ミルディーヌの言葉にゼクスとレイは頷く。そしてレイはしばらく考えて一言。

 

レイ「なら監視塔方面の部隊は自分に任せて下さい。しばらくは攻撃してこないように痛めつけます。ゼクス中将はアイゼンガルド方面の部隊をお願いします。」

 

ゼクス「うむ、分かった。くれぐれも無茶はせんようにな。それと言いそびれていたが、ガイウスが集落に戻っているぞ。」

 

ゼクスの言葉にレイの顔が喜びに満ちる。

 

レイ「そうですか!良かった……。他には誰かいましたか?」

 

ゼクス「少女を2人、連れていたな。1人は以前の実習で来ていたグエン老のお孫さんで、もう1人は君達と共に猟兵崩れを捕らえた少女だ。」

 

レイ「アリサとミリアムか。ありがたい情報です。」

 

ゼクス「そうか。それでは作戦は明日の正午に始めよう。作戦立案部屋へ来るといい。」

 

その後、レイとミルディーヌはゼクスと共に作戦立案部屋に向かい、明日はどう動くは話し合ってその日はお開きとなった。




なんかレイが監視塔を攻略するような流れに見えますが、ご安心を。レイは敵勢力を少し弱体化させるだけなんで。


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来訪者

新作の『創の軌跡』の情報が開示されましたね。まだ情報は少ないですがなかなか面白そうな予感ですね。


―翌日・早朝

 

食堂にて

ミルディーヌ「おはようございますレイ兄様。お早いですね。」

 

そう言ってミルディーヌはレイの前の席に座る。

 

レイ「ああ、ミルディーヌおはよう。今日は奴らを弱体化させる為の作戦の実行日だからな。」

 

ミルディーヌ「その事なのですが、本当に今回の作戦に私も参加してよろしいのですか?」

 

レイ「もちろんだ。今日の作戦はお前が要だと言っても過言じゃないからな。」

 

ミルディーヌ「そうなのですか?」

 

レイ「頼りにしてるぞミルディーヌ。」

 

ミルディーヌ「はっ、はい!」

 

 

―2時間後

 

ゼクス「レイ君、君に会いたいという人達が来ているのだが?」

 

割り当てられた部屋でミルディーヌとゆっくりしているとゼクス中将がレイに客人だと言って入ってきた。

 

レイ「ありがとうございます。ようやく来たか。」

 

レイが部屋を出るとミルディーヌも後を追って部屋を出る。すると目の前には紫色のロングヘアーの女性と黒い髪に赤いメッシュが入った男性がいた

 

レイ「急に呼び出して悪かったなカレン少尉、ザギ中尉。」

 

2人の男女の正体はレイがルーレ分所の通信で呼び出した直属の部下である鉄道憲兵隊のカレン少尉とザギ中尉だった。

 

カレン「いえ、レイ大尉がご無事で良かったです。」

 

ザギ「帝都が占領されたあの日から、全く連絡が取れなくて心配で心配で……」

 

レイ「すまなかったな。それで君達を呼び出した理由は2つある。1つはこの地にいる貴族連合を弱体化させるのを手伝ってほしい事。もう1つは君達にこの武器を与える為だ。」

 

そう言ってレイがケースから出した物をカレンとザギに渡す。

 

カレン「これは……短剣?でも変わった形ですね。」

 

ザギ「これは棍棒の左右に……発射口?」

 

レイ「邪神竜に作らせたお前達専用の武器だ。この内戦では通常兵器は役立つか微妙だからな。それと……なんだかんだでずっと俺についてきてくれてるからそのお礼というか何というか……///」

 

カレン・ザギ(何かレイ大尉、可愛い。)

 

邪神竜「久しぶりだなカレン、ザギ。」

 

カレン・ザギ「邪神竜!!」

 

邪神竜「その2つの武器はお前達の戦闘スタイルに合わせて私が作った物だ。そんじょそこらの武器などよりはるかに強力だぞ。」

 

カレン「ありがとう邪神竜。」

ザギ「大切に使わせてもらうよ。」

 

レイ「ちなみにカレン少尉の武器は『カイザースラッガー』、ザギ中尉の武器は『カイザーワンド』だ。必要最低限の使い方は後で教えるとして……。ミルディーヌ。」

 

言葉を切ったレイはミルディーヌを呼ぶ。

 

ミルディーヌ「はい。初めましてカレンさん、ザギさん。私はミルディーヌ。ミルディーヌ・ユーゼリス・ド・カイエンと申します。今、内戦を起こしている貴族連合の総主宰クロワール・ド・カイエンの姪でレイ兄様の恋人です。」

 

そう言ってミルディーヌは服の裾をつまみ上げて一礼する。

 

レイ「彼女はカイエン公の姪だが我々と敵対する意思はない。むしろカイエン公を捕まえる為に力になってくれる存在だ。」

 

カレン「それは頼もしいですね。よろしくね。」

ザギ「よろしくお願いするよ。」

 

カレンとザギ、ミルディーヌが握手するのを見届けたレイは早速この地の貴族連合の弱体化作戦とカレンとザギの武器の説明を始めた。

 

 

―30分後

レイ「以上だが、ここまで不明な点はないか?」

 

カレン「大丈夫です。」

ザギ「同じく。」

ミルディーヌ「私も大丈夫です。」

 

レイ「では30分後に作戦を開始する。各々、準備を怠らないように!」

 

カレン・ザギ「イエス・サー!!」




カレンの『カイザースラッガー』はウルトラマンゼロのゼロスラッガーの黒いver、『カイザーワンド』はベリアルのギガバトルナイザーのような形状だと思って下さい

それとカレンとザギが邪神竜を知っている理由はレイの部下になった時に見せてもらったからです。その話は幕間にでも書こうかと思っています。


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作戦開始

明けましておめでとうございますm(__)m

新年初の投稿です。まぁ、年開けてから2週間経ってしまいましたが……(汗)

今年もよろしくお願いいたしますm(__)m


―30分後

 

遂に作戦開始の時間になり、レイはスペランザに乗り込み、ミルディーヌとザギとカレンはレイに言われた場所に移動する。

 

レイ「これより監視塔に陣取っている貴族連合の弱体化作戦を実行する!!」

 

ザギ・カレン『イエス・サー!!』

ミルディーヌ『了解しました♥️』

 

すると見計らったように監視塔から5体の〈機甲兵(パンツァー・ゾルダ)〉がゼンダー門に向かってきた。すると隊長機であるシュピーゲルがスペランザを見て一言

 

隊長『むっ!?あれは…帝都部隊の〈機甲兵(パンツァー・ゾルダ)〉を退けた翡翠の騎士人形か!?』

 

『どっ、どうしましょう隊長!?』

 

隊長『狼狽えるな!!こちらは私を含めて5機いるのだ!!囲んで叩きのめせ!!』

 

―ズガンッ!!

 

隊長『うおっ!?』

 

銃声が響くとシュピーゲルの顔面に穴が空き…

 

『たっ、隊長!?』

 

―ズガンッ!ズガンッ!

 

『うわっ!?』

 

シュピーゲルが狙撃された事に部下達が驚いていると、その部下達が乗るドラッケンも顔面を狙撃された。

 

『クソッ!一体どこから!?』

 

 

ゼンダー門・屋上

ミルディーヌ「こちらミルディーヌ。隊長機とドラッケン4機のセンサーを破壊しました。」

 

レイ『よくやったぞミルディーヌ。そのまま遠距離からのサポート頼む。』

 

ミルディーヌ「分かりました。」

 

 

ゼンダー門前

レイ「さて、それじゃ行くぞザギ中尉、カレン少尉。俺が与えた武器を使い、機甲兵を倒してみろ!」

 

2人「イエス・サー!!」

 

そう言って2人はレイから与えられた『カイザースラッガー』と『カイザーワンド』を構えて〈機甲兵〉に向かっていく

 

『隊長、鉄道憲兵隊の制服を着た男女がこちらに向かってきます!どうやら生身で〈機甲兵〉に挑むようです!』

 

隊長『何だと!?愚かな、戦車でも勝てなかった〈機甲兵〉に生身で挑んだ事を後悔させてやれ!!』

 

『イエス・サー!!』

 

隊長の命令に2機の機甲兵がカレン少尉とザギ中尉の前に立ち、機甲兵用ブレードを振り下ろそうとするが……

 

2人「フッ!!」

 

2人はスピードを上げ、カレン少尉は飛び上がってブレードを持っている腕の関節部分をカイザースラッガーで、ザギはカイザーワンドにエネルギーを纏わせてそのエネルギーを大鎌状にしてブレードを持っている手首を切り落とした。

 

『なっ、何だとぉぉぉぉっ!?』

『そっ、そんなバカな!?』

 

 

その頃、スペランザに乗っているレイは…

 

レイ「さすが俺の仲間だな。さて、それじゃ俺もやるか。いくぞスペランザ」

 

「ああ、任せろ。」

 

そう言うスペランザの腕には〈魔剣カイザーブロード〉と〈魔槍カイザートライデント〉が握られていた。

 

隊長『おのれ、こうなったらこの翡翠の騎士人形だけでも討ち取るぞ!!』

 

『はっ!!』

 

1機のドラッケンがスペランザに向かって剣を振るい、もう1機のドラッケンは持っていた銃をスペランザに向ける。

 

『『くらえ!!』』

 

レイ「甘いな。」

 

レイはスペランザを操作して最初の剣の一撃を少し横に移動する事で回避し、銃撃に対してはミルディーヌがライフルのエネルギーを最大限解放して放った銃撃で防いだ。

 

そしてスペランザは銃を持ったドラッケンに接近し、カイザーブロードを振って銃を真っ二つにし…

 

『なっ!?』

 

レイ「セイヤァッ!!」

 

―ドガッ!!

 

『グアァッ!!』

 

隊員が驚いてる隙に回し蹴りを食らわせて吹っ飛ばし、戦闘不能にした。

 

レイ「ハッ!」

 

そしてすぐさま剣を持っているドラッケンに接近し、目に見えない速さでカイザーブロードを2回振るってドラッケンの両腕を切り落とした。

 

レイ「さて、残りはお前だけだな。」

 

隊長『くっ、まだだ!まだ、あちらで戦っているドラッケンが奴らを蹴散らしてこちらに来れば……』

 

レイ「残念だが、それは無理だな。」

 

 

カレン「カイザースラッガーアタック!!」

ザギ「カイザージェノサンダー!!」

 

―ズガァァァァンッ!!

 

カレンとザギのSクラフトで2機のドラッケンは戦闘不能になる。

 

 

隊長『なぁっ!?機甲兵相手に生身で勝っただと!?』

 

レイ「さぁ、これで俺とお前の1対1になったな。それじゃ、始めようか?」

 

隊長『くっ……なめるなよ鉄血の狗がぁぁぁっ!!』

 

シュピーゲルは足のローラーを使い、高速でスペランザに接近して剣を突き立てようとする。

 

―ガギィィィンッ!!

 

しかし、レイはカイザートライデントの先端で受け止めていた。カイザートライデントの先端は三つ又に分かれており、その間に機甲兵用ブレードを挟んでいた。

 

レイ「戦場で大切なのは武力もそうだが、冷静な判断力も必要だ。熱くなると勝機が見出だせなくなるぞ。フッ!デヤァァッ!!」

 

そう言ってレイは機甲兵用ブレードを挟んだまま、カイザートライデントを回転させて機甲兵の手からブレードをもぎ取った。

 

レイ「ハアァァァッ!!ヘルライジングスラッシュ!!」

 

―ズバァァァンッ!!

 

そしてカイザーブロードに黒い雷を纏わせて必殺の〈ヘルライジングスラッシュ〉を放ち、シュピーゲルを戦闘不能にさせた。

 

レイ「それと1つ訂正だ。俺は鉄血の狗じゃない。むしろ……(小声)」

 

 

作戦は終了し、レイ、ミルディーヌ、カレン、ザギはゼンダー門に帰還した。

 

ゼクス「ありがとうレイ君。これで貴族連合はしばらくの間、動けないだろう。実習の時もそうだが、世話になりっぱなしだな。」

 

レイ「いえ、自分達に出来る事をやったまでです。それと30分後には物資や備品を積んだ鉄道憲兵隊の高速列車が到着します。量は少ないですが1ヶ月程は大丈夫でしょう。」

 

ゼクス「何から何まですまんな。にしても、もう行ってしまうとは……。ガイウス達に会っていかなくて良いのか?」

 

レイ「ええ。俺達〈Ⅶ組〉はどこにいても、必ずまた会えると信じていますから。」

 

ゼクス「そうか……分かった。風と女神の加護を。くれぐれも無茶せんようにな。」

 

レイ「もちろんです。それでは失礼します。」

 

ゼクス中将に一礼するとレイとミルディーヌはスペランザに乗り込み、カレンとザギはスペランザの手の上に乗る。

 

そしてスペランザは飛翔し、次の目的地を目指して飛び去っていった。




カレン少尉とザギ中尉はこれからちょくちょく出てくるかもしれません。次は幕間です。


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幕間・レイの部下達

本編で言ってた通り、ザギ中尉とカレン少尉が初めて邪神竜に出会う話です。

後、3月にニンテンドーSwitchで閃の軌跡Ⅲが発売されますね。絶対手に入れる!


ノルドでの作戦を終えて次なる目的地へと向かっているレイ、ミルディーヌ、ザギ中尉、カレン少尉。しかし今は紡績町パルムにある食事処で休憩中であった。

 

(ちなみにザギ中尉とカレン少尉は私服に着替えてます。)

 

ミルディーヌ「そう言えば、ザギさんとカレンさんは邪神竜さんを見ても驚きませんでしたね?」

 

ザギ「ああ。実は邪神竜とはレイ大尉の部隊に配属された時に会ってるんだ。」

 

カレン「まぁ、最初は『えっ!?』って驚いたけどね。」

 

邪神竜『懐かしいな。』

 

レイ「ちなみに俺の部隊の者は全員、邪神竜の事を知っている。もちろん他言しないように言ってある。なんだったらその時の話をしてやろうか?」

 

ミルディーヌ「ぜひ、お願いします。」

 

そしてレイはザギとカレン、邪神竜が初めて出会った話を始める。

 

〈回想〉

レイ・あれは、姉さんにやられて宰相の元に行った後に鉄道憲兵隊の詰所に連れていかれてから数年後……姉さんと共に中尉になった頃の話だ。

 

レイ『はぁ~、今日の仕事は終了っと。』

 

クレア『お疲れ様レイ。どう?鉄道憲兵隊の仕事には慣れた?』

 

レイ『何とかね。まぁ、書類仕事はあまりやりたくないが…』

 

クレア『それも重要な仕事なんだから、サボらないようにね?』

 

レイ『分かってるよ。んで、何か用?』

 

クレア『明日、貴方に初めての部下がつくわよ。新人2人だけど、なかなか優秀な人達なの。これが彼らの履歴書よ。』

 

そう言ってクレアは入隊してくる新人の履歴書をレイに渡し、レイは受け取った履歴書に目を通す。

 

レイ『ザギ・ノイドにカレン・メイトか。2人とも帝都の士官学院を上位で卒業……か。』

 

邪神竜(どれほどの力の持ち主か試すのか?)

 

レイ(当然。)

 

 

 

ミルディーヌ・試すって、もしかしてお2人と戦ったんですか?

 

レイ・ああ。その頃の俺はまだ〈狂戦士(バーサーカー)〉時代の癖が残っていたからな。

 

 

 

―翌日

 

鉄道憲兵隊詰所にクレアが言っていた新人2人が来た。

 

カレン『ううっ、緊張するわね……』

 

ザギ『確かにな。義理とはいえ、あの〈氷の乙女(アイス・メイデン)〉の弟さんが俺達の上司だからな。』

 

その時、扉が開きクレアとレイが入ってきた。

 

クレア『ザギ・ノイドさんにカレン・メイトさんですね?』

 

2人『あっ、はい!』

 

クレア『ようこそ鉄道憲兵隊へ。もう知っているとは思いますがこちらが私の義弟であり、貴方達の上司の……』

 

レイ『レイ・リーヴェルト。階級は中尉だよろしくな。』

 

2人『よろしくお願いします!!レイ中尉!!』

 

レイ『早速だがお前達の力を見せてもらうぞ。ついてこい。』

 

レイが部屋を出るとザギとカレンもその後をついていき、 クレアは『大丈夫かしら?』という顔で出ていく。

 

 

―訓練所

レイ『さて、さっきも言った通りお前達の力を見せてもらう。武器を構えろ。』

 

2人『はいっ!!』

 

レイの言葉に頷いたザギはこん棒を、カレンは短剣を構える。そしてレイは……

 

レイ『ハアッ!!』

 

―ジャギンッ!!

 

赤黒い鉤爪〈カイザークロー〉を装備する。

 

ザギ『えっ!?』

カレン『それって!?』

 

レイ『ボサッとするな!!カイザーリッパー!!』

 

レイが装備した〈カイザークロー〉に驚くザギとカレンに向かって赤黒い斬撃―カイザーリッパーを放つレイ。

 

ザギ『うわっ!?』

カレン『きゃあっ!?』

 

その斬撃を間一髪で避けた2人。

 

ザギ『ちょっ、ちょっと待って下さい!!いくらなんでも、本気の武器を装備したレイ中尉相手は……!!』

 

カレン『それに、急に攻撃するのは……!!』

 

レイ『お前らは戦場でも相手に同じ事を言うのか?』

 

2人『うっ……』

 

レイ『分かったなら、戦闘再開だ。』

 

そしてレイは再びカイザーリッパーを放つ。

 

ザギ『確かに、俺達の言った事は戦場では通用しない事ばかりだな。』

 

カレン『いつまでも学生気分でいるわけにはいかないわね。』

 

2人『ハアッ!!』

 

―バキィィィンッ!!

 

2人は向かってくる赤黒い斬撃を自身の武器で弾き、そのままの勢いでレイに攻撃する。

 

レイ『クッ!』

 

ザギ『よしっ!』

カレン『一撃を与えたわ!』

 

レイ『……。なかなかやるな。正直驚いてるよ。地獄を味わった事のない奴が……俺に一撃入れるなんてな!!』

 

レイは2人の渾身の攻撃を受けたのにも関わらず、全くダメージを受けていなかった。

 

ザギ『そんなバカな……』

 

カレン『ダメージを受けていないなんて……』

 

レイ『俺に一撃入れた褒美だ。俺の真の力を見せてやる。』

 

するとレイは右手で自分の胸を掴み、自分の中にある力を解放する。

 

レイ『ハアァァァッ!!』

 

〈サンダードラコ〉の力を解放したレイは、雷のようなオーラを纏っていた。

 

ザギ『これがレイ中尉の……』

カレン『真の力……』

 

レイ『まだ10%程だがな。さぁ、これで終わりだ。』

 

そう言ってレイは飛び上がって高速回転を始める。

 

レイ『カイザーエグゼキューション!!』

 

―ズガァァァァンッ!!!

 

ザギ『ウワァァァァッ!!』

カレン『キャアァァァァッ!!』

 

 

―戦闘後

ザギ『ううっ……』

カレン『くぅ~……』

 

クレア『大丈夫ですか?』

 

ザギ『はっ、はい……』

カレン『なっ、何とか~……』

 

クレア『全く、少しやり過ぎじゃない?』

 

レイ『生半可な気持ちで戦場に立ったら死ぬからな。これ位はやらないと。』

 

?『我も同感だな。』

 

2人『っ!?』

 

いきなりこの場にいる者とは違う声が聞こえて驚くザギとカレンだが、レイとクレアは平然としていた。するとレイの真横の空間が歪み、邪神竜が現れた。

 

ザギ『えっ!?』

カレン『貴方は!?』

 

邪神竜『我の名は邪神竜。幻獣よりもはるかに上の存在で、レイが〈狂戦士(バーサーカー)〉時代の頃からの付き合いだ。』

 

ザギ『幻獣よりもはるかに上の存在がいたなんて……』

 

カレン『それよりもレイ中尉が〈狂戦士(バーサーカー)〉!?あの強い者との戦いを求めていた、文字通り狂った戦士ですか!?』

 

レイ『それは昔の話だから忘れろ。それより、邪神竜の事は信頼の置ける者にしか話さないからこの事は秘密にしといてくれ。』

 

2人『はい!これからよろしくお願いしますレイ中尉!!』

〈回想終了〉

 

 

ミルディーヌ「なるほど、そんなやり取りがあったんですね。」

 

カレン「最初はびっくりしたわよ。レイ大尉が真の力を解放するし、過去には〈狂戦士(バーサーカー)〉って呼ばれていた事を知るし。」

 

ザギ「トドメには幻獣よりもはるかに上の存在である邪神竜まで登場するしな。まぁ、レイ大尉が〈巨いなる騎士〉の一角と言われている〈翡翠の騎神〉の起動者(ライザー)になっていると聞いた時はキャパオーバーになりかけたが……」

 

レイ「まぁ、とにかくこの内戦を乗り越えるにはトールズの〈Ⅶ組〉と〈灰の騎神ヴァリマール〉、そして俺の〈翡翠の騎神スペランザ〉に加えて帝国正規軍の力が必要になる。頼りにしてるぞザギ、カレン。そしてお前の射撃の腕もなミルディーヌ。」

 

2人「はっ、お任せ下さいレイ大尉!!」

 

ミルディーヌ「お任せ下さいレイ兄様♥️」




幕間終了。さて、次はどこに行ってもらおうかな?


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レイ・リーヴェルト設定

名前:レイ・リーヴェルト(イメージCV・古川(まこと)

 

年齢:20歳

 

性格:冷静沈着

 

髪色:クレアより薄い水色

 

 

武器:◇魔爪カイザークロー(元はただの鉤爪だったが邪神竜の力を注入され魔爪となった)

 

◇魔剣カイザーブロード

レイが扱う漆黒の魔剣。必殺技は剣に暗黒の雷を纏わせて斬る『ヘルライジングスラッシュ』

 

◇魔槍カイザートライデント

レイが扱う三つ叉の刃を両端につけた漆黒の魔槍。必殺技は槍に暗黒の雷を纏わせて放つ『ヘルライジングショット』

 

 

好きなもの:チョコケーキ、猫

 

趣味:読書、料理

 

クレア・リーヴェルトの義弟で若くして鉄道憲兵隊の大尉を勤め、『迅雷(サンダー・クラップ)』異名を持つ。邪神竜の力を解放して背中に翼を展開し、飛翔する

 

 

クラフト

◇カイザーリッパー

左右どちらかの手、もしくは両手に赤黒いエネルギーをためて放つ斬撃

 

◇デスクローラッシュ

カイザークローを連続で突き出し、相手を仕留める技

 

◇ダークグレイブ

カイザークローを地面に突き刺してエネルギーを地面に叩き込み、エネルギー状の爪を足下から襲わせる

 

◇カオス・エンド・フレア

右手に闇のエネルギーを、左手に光のエネルギーをチャージした後に1つにして放つ強力な光線

 

※クラフトは魔剣と魔槍を使って放つ事も可能

 

 

Sクラフト

◇カイザーエグゼキューション

赤黒いエネルギーを体に纏い、高速回転で上空から敵に迫り自らが漆黒の光輪となって相手を切り裂く

 

 

◇邪神竜

レイがレグラムで出会った幻獣よりもはるかに上の存在。自身の闇で暗黒の武器も作れる。

 

◇邪竜吼

レイが邪神竜に相談して〈邪神竜の力〉と〈サンダードラコの力〉を融合させて完成させた身体強化技。完全に解放すると暗黒の炎と雷を纏い、全ステータスが限界まで上がる

(サンダードラコに関しては前作雷の軌跡をお読み下さい。)

 

 

◇翡翠の騎神スペランザ(イメージCV・内田雄馬)

レイが邪神竜の試練を突破して手に入れた騎神。広い場所があればそのまま休眠状態になるが、無い時は体を粒子化してレイのブレスレットの中に入る。

武器はレイが扱うカイザーブロードとカイザートライデント。

(上記の武器はレイが自分の武器を巨大化させた物です)

 

 

◇ミルディーヌとの関係

1年前にレイが〈聖アストライア女学院〉の警備にあたった時に昼食のお弁当をもらい、それ以降良い仲になる。(というか本人達は既に恋人ですね。by作者)

 

――しかし、レイとミルディーヌが出会ったのは偶然ではなかった。とある理由でミルディーヌがレイに声をかけたのである。

 

 

 

―――

とりあえずレイの設定はこれくらいですね。

 

新しい技の設定などが出たらその都度更新していきます。




レイのイメージCVである古川慎さんは〈劇場版フェアリーテイル・ドラゴンクライ〉でアニムスという竜の声をしていた方で、スペランザのイメージCVである内田雄馬さんはウルトラマントレギアの声をしていた方です。


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第1章・翡翠の戦記
ガレリア要塞へ


しばらく更新してなくて申し訳ありませんm(__)m

ノートに下書きして色々考えていたら、物凄く時間が経ってしまいました。


――ノルド高原の戦闘から1ヶ月と少し経ったセントアークのホテルにて

 

レイ「そろそろかな?」

 

ミルディーヌ「何がですか、レイ兄様?」

 

邪神竜「灰の騎神の起動者(ライザー)が目覚める。」

 

ミルディーヌの疑問に邪神竜が答える。

 

レイ「カレンとザギの情報によると灰は〈蒼の騎神オルディーネ〉と戦闘した後、飛び去ったらしい。恐らくどこかへ落ち延びて機を伺う為にな。」

 

邪神竜「だがリィンはその戦いで初めて〈灰の騎神ヴァリマール〉を起動し、戦った。恐らくたどり着いた地でしばらくは動けないだろうな。」

 

ミルディーヌ「もしかして、その動けない期間が?」

 

レイ「約1ヶ月だ。」

 

その時、部屋の扉が開いてレイ直属の部下であるカレンとザギが入ってきた

 

カレン「レイ大尉、〈Ⅶ組〉及びリィン・シュバルツァーの情報が入りました。」

 

レイ「聞かせてくれ。」

 

ザギ「まず、リィン・シュバルツァーについてです。ユミルに潜伏させた仲間からの情報だと、リィン・シュバルツァーはアイゼンガルド連邦で巨大な人型兵器と戦闘後、遊撃士と皇女殿下、自分の妹、紫色の猫と共にシュバルツァー男爵邸に帰還しました。」

 

レイ「人型兵器か。潜伏していた者は姿は見たのか?それと遊撃士と言ったが、特徴は?」

 

ザギ「人型兵器の方は機甲兵より騎神に近い感じだったそうです。関節部分には怪しく光る球体があったと。そして遊撃士の方ですが、金髪に白い上着で上級魔法(アーツ)をあり得ない速度で放っていました。恐らく魔法(アーツ)に特化しているのではないかと。」

 

レイ「なるほど。人型兵器は暗黒時代の魔導ゴーレム〈魔煌兵〉だな。そして、金髪に白い上着で魔法(アーツ)に特化している……トヴァル・ランドナーか。それでカレンの方は?」

 

ザギの報告を聞き終えたレイは次にカレンの報告を聞く。

 

カレン「はっ。〈Ⅶ組〉のメンバーの行方ですが、帝都知事の息子マキアス・レーグニッツ、クレイグ中将の息子エリオット・クレイグ、西風の妖精(シルフィード)フィー・クラウゼルの3人が今、ケルディックの元締めの配慮で東ケルディック街道の風車小屋にいます。それとザギ中尉の報告に1つプラスさせていただきます。リィン・シュバルツァーが遊撃士及び紫の猫と共にユミルを出発したそうです。」

 

カレンの報告を聞いたレイはしばらく考え込む。そしてミルディーヌに一言。

 

レイ「ミルディーヌ。もしお前がケルディックにいる3人の内の1人ならこの後、どう動く?」

 

するとミルディーヌは「フフッ」と軽く笑う。

 

ミルディーヌ「レイ兄様、この程度で私の能力を試しているのですか?ですが、良いでしょう。私が彼らの内の1人ならリィンさんと極秘に―そうですね、かの怪盗Bのような挑戦状を作って自分の元へ来させて再会し、その後は……」

 

カレン・ザギ「その後は?」

 

ミルディーヌ「ガレリア要塞を目指します。ケルディックからガレリア要塞は少し遠いと行っても歩いていけない距離ではありません。それにガレリア要塞にはエリオットさんのお父上が指揮している正規軍最強の〈第四機甲師団〉がいます。その方に接触出来れば、内戦がどのようになっているか等の情報が手に入ります。」

 

カレン「でも確か、ケルディックとガレリア要塞の間にある〈双龍橋〉には貴族連合がいますよ?」

 

ミルディーヌ「大丈夫です。確かに貴族連合が陣を敷いていますが、それは人が通る道のみ。ならば人が通らない道―線路を使って〈双龍橋〉を突破すれば良いんです。恐らく彼らも何らかの手段でこの事に気づくでしょう。」

 

カレン「す、凄~い……(汗)」

ザギ「さすが数万手先を読む事が出来る〈指し手〉だ……(汗)」

 

邪神竜「それでレイ、我らはどう動くのだ?」

 

レイ「そうだな。〈灰の起動者(ライザー)〉が再び動くなら、〈翡翠の起動者(ライザー)〉である俺も動くか。それに俺の予想通りなら、導力演算器並みの頭脳の持ち主がガレリア要塞にいるばすだからな。」

 

そう言ってレイは立ち上がり、邪神竜はレイの中に戻り、ミルディーヌとカレンとザギはレイの後を追ってホテルを後にした。

 

 

―イストミア大森林にて

 

レイ「スペランザ、状態はどうだ?」

 

スペランザ『ああ、すこぶる良好だ。』

 

レイ「なら良かった。今からケルディックに向かうぞ。〈灰の起動者(ライザー)〉であるリィンと〈Ⅶ組〉のメンバーに会う為にな。」

 

スペランザ『分かった。カレンとザギは先日と同じように私の手の上で良いか?』

 

カレン「ええ、大丈夫よ。」

ザギ「頼むぜ。」

 

そしてレイとミルディーヌはスペランザの中に、カレンは右手に、ザギは左手に乗って一同はガレリア要塞へと向かった。



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一時の再会

YouTubeで創の軌跡の第1弾のCM見ましたが、なかなか個性豊かなキャラが出てきますね。早く夏にならないかな~

今回、リィン達は所々でオリジナルなセリフを言いますが、ご了承下さいm(__)m


ガレリア要塞――ここはクロスベルひいては共和国のすぐ近くの為、どこより強固な要塞になっている。そんな場所に4つの人影と1匹の猫がいた

 

リィン「これは……」

 

エリオット「帝国時報で要塞が消滅したのは知っていたけど……」

 

マキアス「ああ、まさかここまでとはな……」

 

フィー「どうやったらこうなるんだろうね?」

 

彼らはリィン・シュバルツァー、エリオット・クレイグ、マキアス・レーグニッツ、フィー・クラウゼル。トールズ士官学院の特科クラス〈Ⅶ組〉に在籍していた者達だ。

 

リィン「あの奥に見えるのはクロスベルか。しかし、あの青白い障壁のような物は……?」

 

トヴァル「何でもギルド仲間からの情報だと、クロスベルは〈力〉を手に入れたらしい。」

 

リィン「〈力〉……ですか?」

 

リィンの問いに答えたのは帝国遊撃士協会所属のトヴァル・ランドナー。魔法(アーツ)を通常より速く使う為、〈零駆動〉の異名を持っている。

 

セリーヌ「っていうか、ここに来たのは〈赤毛のクレイグ〉とかいう人に会う為でしょ?早く行きましょ。」

 

今喋ったのは紫色の美しい毛並みを持つ猫―セリーヌだ。実は彼女はエマの使い魔なのだ。

 

トヴァル「そうだな。あそこに見える橋を渡れば、第四機甲師団がいるキャンプに行けるはずだ。」

 

マキアス「そうと決まれば早く行こう。クレイグ中将がいらっしゃるといいが……」

 

そう言ってマキアスが一歩踏み出すと、足下で「カチッ!」と何かを踏んだ音がした。マキアスは「ん?」という顔をする。

 

フィー「マキアス、動かないで!」

 

マキアス「へっ?……ぐあっ!?」

 

フィーは地面を蹴って一瞬でマキアスへ突進し、そのままマキアスに体当たりして彼と共に音がした場所から離れる。するとその場所が爆発し、周囲は爆煙に包まれる。

 

マキアス「なあぁぁぁぁっ!?」

 

トヴァル「ゲホッ…ゲホッ…!何だこりゃ!?」

 

フィー「やっぱり改良型の導力地雷(オーバルマイン)。いるんでしょ、2人とも。」

 

?「ははっ、やっぱり気づいとったか。」

 

?2「腕を上げたようだな。」

 

フィーが見上げた方を見るとガレリア要塞の入口の上に2人組の男がおり、細身の男がそう言うと筋肉質の男と共にリィン達の前に降りてくる。

 

リィン「フィーの知り合いか?」

 

フィー「知り合いも何も……士官学院に入るまでは仲間だったし。」

 

マキアス「仲間って……まさか!?」

 

?「いやぁ、久しぶりやな。あれからしばらく経つけど、背も伸びたんちゃうか?」

 

?2「筋力、反応速度、瞬発力……全てが以前を上回っている。これも、時の流れか。」

 

黄緑の髪を後ろで結んで眼鏡をかけた男と全体的に筋肉質な体をし、重く低い声にサングラスをかけている男がしみじみした感じでフィーに話しかける。

 

すると、トヴァルは男達の胸元に描かれているマークを見て〈ARCUS(アークス)〉を取り出す。

 

トヴァル「その紋章、〈西風の旅団〉か!!」

 

フィー「変わってないねゼノ。……レオも久しぶり。」

 

?2→レオ「ああ、1年程度ではお前ほど変わりはしない。大人と子供の違いというものだ。」

 

フィー「また子供扱いする……。」

 

先程の地雷は無かったかのように会話する3人だが、トヴァルの顔からは警戒の色は取れていなかった。

 

?→ゼノ「本当はもっと世間話したいんやけど、こっちも仕事で来てるんやわ。」

 

レオ「一応確認するが、退くつもりはないな?」

 

フィー「ん、今は敵同士だから。」

 

ゼノ「なら、しゃーないわな。」

 

フィーの否定の言葉にゼノとレオの2人は少し残念そうにしながらも自身の武器であるブレードライフルと機械化手甲(マシンガントレット)を取り出す。それを見たリィン達も自身の武器を構える。

 

そして戦闘が開始されようとした時……

 

?「まさか大陸最強の猟兵団の片割れである〈西風の旅団〉がこんな所にいるとはな。」

 

誰かの声が聞こえ、そちらを振り向くと3人の黒ローブを羽織った人物達が側の建物に立っていた。

 

リィン「い、いつの間に!?」

 

ゼノ「わいらにも気づかせんとは…」

レオ「なかなかやるな。」

 

?「トールズ士官学院・特科クラス〈Ⅶ組〉そして遊撃士トヴァル・ランドナーよ。我々も加勢しよう。」

 

そう言って3人の謎の人物は建物から飛び降り、リィン達の側に降り立つ。

 

トヴァル「お前ら、一体何が目的だ?」

 

?2「我々の目的はただ1つ。」

 

?3「この世界を救う。ただそれだけよ。」

 

それだけ言うと?2は導力仕掛けの黒いこん棒のような物を、?3は変わった形の黒い短剣のような物を取り出す。そして?は……

 

?「大陸最強の猟兵団の力……見せてもらうぞ。」

 

黒いオーラを纏い、武器も何も装備せずに徒手空拳で挑むようだ。

 

ゼノ「ほう~?見た事ない武器に、しかもリーダー格は徒手空拳でわいらに挑むんか。」

 

レオ「武器を使わない者との戦闘はガルシアさんとの模擬戦以来だが、面白い。」

 

ゼノとレオも武器をしっかりと持ち、戦闘の構えを取る。

 

 

 

リィン達がゼノとレオと戦闘を開始して数分後。

 

リィン「くっ……」

 

エリオット「強い……」

 

マキアス「これが大陸最強の猟兵団か……」

 

黒ローブの3人組とフィー、トヴァル以外は膝をついていた。

 

ゼノ「いや~、思ってたより粘ったからちょっとビビったで。」

 

レオ「だが、そちらの3人はもう立てないようだな。」

 

フィー「仕方ないか。トヴァル、それにそこの知らない人達、私が時間稼ぐからリィン達を回復して。そしてその後は私が殿(しんがり)を務めるから撤退しよう。」

 

その言葉に仲間達は驚き、リィンが叫ぶ

 

リィン「何を言ってるんだフィー!?ここは皆で……」

 

フィー「その状態で戦ったら逆に足手まとい。大丈夫、2人の攻撃パターンは把握しているから。」

 

リィン「ダメだフィー!!」

 

しかしフィーはリィンの言葉を聞かずに双銃剣をギュッと握って臨戦態勢になる。

 

すると黒ローブのリーダーがフィーの前に手を出して進路を塞ぐ。

 

フィー「っ!?何のつもり?」

 

?「時間を稼ぐなら我らがやろう。」

 

?2「君は仲間達に危害が及ばないようにしろ。」

 

そう言って黒ローブ達はゼノとレオに向かっていく

 

フィー「ちょっ!?」

 

ゼノ「ははっ。今度はあんたらが前衛やな!!」

 

レオ「先程の戦いではサポートに徹していたが、これでお前達の力が存分に見れる!!」

 

ゼノはブレードライフルを振るい、レオは機械化手甲(マシンガントレット)を振りかぶるが……

 

?・?2「フッ!!」

 

―ガギィィィンッ!!

 

?3「ハアッ!」

 

なんと?2はこん棒でブレードライフルを、?にいたっては素手で機械化手甲(マシンガントレット)を受け止めており、そして?3はその一瞬を見逃さずに自身の武器をゼノとレオに投げる。

 

ゼノ「うおっ!?」

レオ「むっ!?」

 

しかし2人が間一髪のところで避けてしまい、投げた武器は外れてしまった。

 

ゼノ「なかなかええ作戦やったけど、おしかったなぁ。」

 

レオ「これでお前は武器を失った。」

 

?3「フフッ、それはどうかしら?」

 

レオ「なに?」

 

ゼノ「っ!!レオ、後ろや!!」

 

ゼノの言葉にレオが後ろを振り返ると?3の武器がこちらに向かってきていた。それを見た2人は慌てて回避する。

 

ゼノ「危な~、間一髪やったで。しかし、武器を回転させながら投げとったのは見たけど、まさかブーメランみたいに返ってくるとはな。」

 

レオ「ゼノの反応がもう少し遅れていたら、くらっていたな。だが妙な軌道だったな。」

 

?3「当然よ。だってこの武器を投げた後は、私の意志で自由自在に動いてくれるんだから。」

 

?「さて、もう少し楽しみたかったが……時間切れか。」

 

?がそう言うと、リィン達が入ってきた要塞入口から巨大な人型兵器―〈機甲兵(パンツァー・ゾルダ)〉が数体入ってきた。



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翡翠の騎神再び

Nintendo Switch版の閃の軌跡Ⅲを手に入れたぁぁぁっ!!!

当時、閃の軌跡Ⅲが携帯ゲームで出来ないと知った時は絶望したけど、まさかNintendo Switchで出るとは……。嬉し過ぎる……(泣)


隊長『何をやっとるか貴様ら!!』

 

ガレリア要塞の入口から男の声が聞こえ、全員がそちらの方へ顔を向けるとそこには4体のドラッケンと1体の隊長機であるシュピーゲルがいた。

 

マキアス「あれは……機甲兵!?」

 

エリオット「大陸横断鉄道方面に行ってたんじゃないの!?」

 

?3「恐らくそれは囮ね。第四機甲師団の注意をそちらに引き付けておいて、ガレリア廃道から挟み撃ちにする予定だったのよ。」

 

リィン達がそんな話をしていると隊長機であるシュピーゲルがゼノとレオの方に機体を向ける。

 

隊長『貴様ら、合流しないと思ったらこんな所にいたのか!これだから猟兵は信用ならん、下がれ!』

 

ゼノ「あ~あ、折角これから盛り上がるっちゅうタイミングで……。」

 

レオ「興が削がれたな。」

 

隊長機の説教など意に介さずゼノはあからさまにガッカリし、レオも少しガッカリした様子を見せながら武器を下ろす。

 

ゼノ「ほななフィーに黒ローブの兄ちゃんに嬢ちゃん、また会おうや。」

 

レオ「他の者達も次に会うときは楽しみにしている。」

 

そう言って2人はガレリア要塞の塀を乗り越えて姿を消した。

 

トヴァル「西風は去ったが、新たな問題発生だな。」

 

?2「一難去ってまた一難だな。」

 

隊長『それにしても貴様ら、一体何者だ?』

 

隊長がそう言うと後ろに控えていた4機のドラッケンが前に出て武器を構える。それを見たエリオットとマキアスは怯える。

 

マキアス「さ、流石に逃げた方がいいんじゃないか?」

 

フィー「出来たら苦労しないよ。」

 

エリオット「トリスタの時は一機でも苦労したのに……。」

 

戦車すらも圧倒する機甲兵が目の前を埋め尽くしている光景に一歩、また一歩と後ずさるが、ただ1人だけは違った。

 

リィン「皆、下がっていてくれ。」

 

リィンだけは機甲兵に向かって一歩踏み出し、勢いよく右手を上げる。

 

リィン「来い―――灰の騎神ヴァリマール!!」

 

彼が力強く呼んだ数秒後、ルナリア自然公園から太陽の光を反射させながら人型の飛行物体がガレリア要塞に飛んできた。

 

マキアス「あ、あれは!?」

 

エリオット「旧校舎で見た……本当にリィンが起動者だったんだ。」

 

灰の騎神はリィンの前に降り立ち、片膝をつく。そしてリィンとセリーヌが目の前に立つと光に包まれ、騎神の胸部に付いている(ケルン)へと吸い込まれていった。

 

隊長『バカな……報告にあった灰色の騎士人形だと!?まさか貴様ら……。』

 

リィン「ここから先は俺が相手だ。。皆は下がっててくれ。」

 

そう言うとリィンとセリーヌを乗せたヴァリマールは武器を持たない八葉一刀流〈無手の型〉を構える。

 

?2「八葉一刀流〈無手の型〉か。」

 

?3「でもあの構え、なかなか洗練されてるわ。起動者である彼が素手でもかなりの手練れの証ね。」

 

?2「だが領邦軍もそれなりのプライドを持ってるからな。このまま引き下がらないだろうな。」

 

?2の言う通り、領邦軍はヴァリマールを見て一瞬怯んだがすぐに武器を構え直した。

 

隊長『相手は武器も持たない木偶だ!1機程度ならなんてことはない!』

 

?「残念ながら、1機ではない。こちらは2機いる。」

 

隊長『何……!?』

 

?の声に隊長機がヴァリマールから視線を下げると、そこにはⅦ組の面々から一歩出てヴァリマールの横に立つ?がいた。

 

リィン「一体……何を?」

 

?「出でよ、翡翠の騎神スペランザ!!」

 

?は左手をギュッと握って拳を作って先程のリィンと同じように力強い声で叫びながら、掲げると左手に着けているブレスレットが光って空間が歪み〈翡翠の騎神スペランザ〉が?の背後に現れた。

 

隊員『翡翠の騎士人形だと!?』

 

隊員2『帝都の機甲兵部隊を退けたあれか!?』

 

隊長『あり得ん……なぜ灰と共にいるんだ!?』

 

新たな騎神の登場に領邦軍は驚愕するが、それはリィン達も同じだった。

 

リィン「翡翠の騎神!?セリーヌ、知ってるか?」

 

セリーヌ「なっ、何よあの騎神!?私、聞いた事ないわよわよ!?」

 

?「驚いてる暇は無いぞ。こちらに向かってくる機甲兵は4体。ならば1人2体を相手にするぞ。」

 

リィン「わっ、分かった!」

 

リィンのヴァリマール、?のスペランザは肩を並べるように立ち、目の前にいる5体の機甲兵を見据えて互いに構える。

 

隊長『所詮は同じ人型兵器、数の差には勝てん!機甲兵の恐ろしさを見せてやれ!』

 

隊員達『イエス・サー!!』

 

隊長機の号令で機甲兵4体が2手に分かれ、2対1×2となった。

 

 

?「さて、スペランザ。今回は武器無しで戦う事になるが大丈夫か?」

 

『問題ない。速攻で片づけよう。』

 

隊員1『舐めるなぁぁぁっ!!』

 

隊員は機甲兵ドラッケンを操り、スペランザへ接近しブレードを振り下ろすが……

 

?「フッ!」

 

―ガッ!ドガッ!

 

隊員1『うおっ!?』

 

?「もう一発!」

 

―ズガンッ!

 

隊員1『ぐうっ!!』

 

?はスペランザを操り、ブレードをギリギリで避けてがら空きになったドラッケンの脇腹にパンチをくらわせ、よろめいた所にもう一発――今度はボディにパンチをくらわせた。

 

隊員1『くっ……さすが帝都部隊を退けた騎士人形か……。』

 

隊員2『なら自分が援護しよう。』

 

そう言って隊員2が乗るドライブが導力銃を構え、スペランザめがけて撃とうとするが……

 

―ドギュンッ!ズガァァンッ!!

 

隊員2『ぐっ!?なっ、何だ!?機甲兵用の導力銃が……!』

 

リィン達のはるか後方、くり貫かれたガレリア要塞の屋上に黒ローブを羽織ったスナイパーが機甲兵用の導力銃の銃口めがけて撃ち、暴発させたのだ。

 

?4「上手く命中しましたね。」

 

?「まぁ、導力銃相手でも問題なく戦えたが、ここは礼を言っておくぞ。」

 

?4「ウフフ。そう言っていただけると特訓を頑張った甲斐があります。」

 

?「さあ、戦闘再開だ!」

 

―バキィィィッ!!

 

隊員2『グハッ!!』

 

?「セェェェヤッ!」

 

隊員2『うおおおっ!?』

 

―ドガァァァッ!!

 

?は武器が無くなったドラッケンに向かっていき、がら空きのボディにひじ打ちをくらわせた後、その場で回転し裏拳をヒットさせてダウンさせた。

 

隊員1『くっ、この……!!』

 

仲間が倒されたのを見て隊員はブレードを横凪ぎに振るおうとしたが……

 

?4「私がいるのをお忘れなく。ハアッ!」

 

―ドギュンッ!

 

隊員1『なっ!?関節部分が!?』

 

?「ハアァァァッ!!」

 

―ドゴォォォッ!!

 

隊員1『ぐあぁぁぁっ!?』

 

?4がブレードを持った関節部分を撃ち抜いて腕が動かなくなり、それを見た?はすかさず接近してボディに掌底をくらわせて吹き飛ばし、吹き飛ばされたドラッケンは要塞の壁に激突した。

 

?「さて、灰の方はどうなっているかな?」

 

2機のドラッケンを倒した?はヴァリマールの方を見ると、あちらももう終わる所だった。

 

リィン「うおおおっ!」

 

―ズガァァンッ!!

 

隊員『うおぉぉぉっ!?』

 

?「そちらも終わったか。お疲れ様だったな。」

 

リィン「そちらの方こそ。」

 

そして2騎の騎神は残った隊長機の方を見る。

 

リィン「これで残りは貴方だけだ。」

 

?「たった1機でこの2騎を相手にするか?」

 

隊長『くっ!こんな予想外な事が……。』

 

「そこまでだぁぁぁぁっ!!!」

 

突如野太い声が響き、全員がそちらを振り返ると第四機甲師団の戦車がこちらに走ってきた。その中の1台に立つという危ない乗り方をしている男――彼こそが第4機甲師団の中将、〈赤毛のクレイグ〉ことオーラフ・クレイグだ。

 

そして第四機甲師団は機甲兵に向けて砲撃しながら近づいてくる。

 

隊長『だっ、第四機甲師団だと!?バカな、あちらは大陸横断鉄道の部隊が相手をしていたはず……!』

 

クレイグ中将「そちらは一機残らず片付けた!貴様らもその木偶もろとも立ち去るがよい!さもなくば、第四機甲師団・主力部隊が相手になろう!!」

 

帝国の主力戦車をいとも簡単に破壊する機甲兵をあっさりと片付けた第四機甲師団に恐れる隊長だが、そう簡単には退こうとしなかった。

 

隊長『くそっ、こうなったら後づめの部隊に連絡して――』

 

―ズガンッ!

 

隊長『ぐおっ!?』

 

その時、隊長機が?4以外の何者かに狙撃され、頭部に搭載されているメインセンサーを破壊された。

 

リィン「狙撃!?」

 

?2「彼女じゃないな。」

 

?3「ええ。銃弾の軌道からすると……」

 

?2と?3は銃弾が飛んできた方向に視線を向けるとそこには?4と同じように要塞の屋上に超長距離対物ライフルを構える鉄道憲兵隊の大尉――〈氷の乙女(アイス・メイデン)〉クレア・リーヴェルトがいた。

 

クレア「敵隊長機のセンサーの破壊を確認。西風の様子は?」

 

『2時の方向に。動き出す気配はありません。』

 

クレア「ではそのまま監視を継続して下さい。」

 

『イエス・マム。』

 

側に置いてある通信機でやり取りを終えると、クレアは再び機甲兵と騎神の戦闘の場にライフルを向ける。

 

一方、クレアの姿を確認した?は……

 

?「やはりここにいたか。」

 

と呟き、どこか安堵した雰囲気を出す。

 

そして領邦軍の隊長は状況が不利となると分かると……

 

隊長『くっ……全軍撤退!!双竜橋まで戻るぞ!!』

 

隊員達『イ、イエス・サー!!』

 

部下を引き連れて撤退していったのだった。




クレアがシュピーゲルを狙撃するシーンは個人的に気に入ってますね。何か女スナイパーってカッコいいし。


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戦闘を終えて

〈同日・17:00〉

 

―ガレリア要塞跡地

 

戦闘が終わって1時間もしないうちに空が暗くなっていく頃、機甲兵部隊を退けた〈Ⅶ組〉と黒ローブ達はクレイグ中将に司令室へ通され、クレアと共に現状整理を行う事になった。

 

?「なるほど。やはり、こちらの正規軍も上手く立て直しが出来ていないのか。」

 

黒ローブのリーダーである?がそう言うとクレイグ中将は深刻な顔で首を縦に振る。ちなみ今リィン達がいる司令室はプレハブで作られた簡易的な物で、その中央にある机を囲むように座っていた。

 

クレイグ「情けない話、対機甲兵戦術があっても補給面などで不利になっておってな。しかもナイトハルトや他の機甲師団とまなかなか連絡が取れんのだ。」

 

エリオット「そうなると帝都にいる姉さんが心配だよね……」

 

マキアス「僕の父さんは逮捕されてしまったし……」

 

?2「だがレーグニッツ帝都知事は重要人物だから、それなりの待遇のはずだ。」

 

?3「クレア大尉の方は何か掴んでいないのですか?」

 

クレア「……?」

 

?3がクレアに話しかけると彼女は何故かじっと?3を、いや正確には黒ローブ達をじっと見ている。

 

?3「どうかしましたか?」

 

クレア「いえ……。残念ですが、鉄道を封じられてしまっているので我々も思うように動く事が出来ていないんです。貴方達の方は何か掴んでいないのですか?」

 

?「そうだな。俺達がつい最近掴んだのは皇族の情報だ。」

 

?4「ユーゲント皇帝陛下、プリシラ皇后陛下、ゼドリック皇太子殿下につきましては貴族連合による帝都制圧後、帝都外へ連れ去られたそうです。さすがにどこに連れ去られたかは分かりませんが……。ですが恐らく保護という名目で軟禁されているのは確実でしょうね。」

 

マキアス「あの…オリヴァルト皇子の行方は?」

 

?「そこまでは分からん。未だに行方不明だ。」

 

エリオット「そうですか……。」

 

すると黒ローブ達は立ち上がり、司令室から出ていこうとする。それを見たリィンは黒ローブ達に問いかける。

 

リィン「ど、どこへ行くんですか!?」

 

?「知りたい情報は聞けたのでな。我々は次の場所へ向かう。」

 

フィー「次の場所?」

 

?4「それでは皆さん、ごきげんよう。」

 

?4がそう言うと黒ローブ達は司令室から出ていき、スペランザの元へ来た。するとスペランザの目に光が灯り、?達に話しかける。

 

『情報交換は終わったか?』

 

?「ああ。これから次の場所へ向かうが霊力(マナ)は大丈夫か?」

 

『問題ない。』

 

?「それじゃ――」

 

セリーヌ「ちょっと待ちなさいよ!!」

 

スペランザの力で次の目的地へ行こうとした一行は紫色の猫――セリーヌに呼び止められる。

 

?3「何かしら、可愛い猫ちゃん?」

 

セリーヌ「可愛いって……コホンッ。聞きたい事があるのよ。その〈翡翠の騎神スペランザ〉って何なの?帝国に伝わる騎神は全部で七体。八体目がいるはずがないのよ。」

 

セリーヌの問いに?は顎に手を当ててしばらく考える。

 

?「どう答えたら良いのか。強いて言うなら……」

 

セリーヌ「言うなら?」

 

?「光と闇は表裏一体って事かな。」

 

セリーヌ「なっ、何なのよそれ!?ワケわかんないわよ!!」

 

?「じゃあな。」

 

セリーヌは?の言葉に食って掛かるが、?はそのまま騎神が持つ能力〈空間転移〉を発動し、その場から消えた。

 

 

 

―おまけ

 

クレア「……。」

 

リィン「クレア大尉、どうかしましたか?」

 

クレア「リィンさん。いえ、あの黒ローブの人達どこかで会ったような……」

 

フィー「恋人?」

 

クレア「ちっ、違います!///」

 

エリオット「実は僕達もその黒ローブの内の2人。リーダーの人と遠くから狙撃した人に会ったような気がするんだ。ねっ、マキアス?」

 

マキアス「ああ。だが、誰だったかまでは……」

 

5人「うぅ~ん……。」




次はどこに行こうかな~。原作通りだとつまんないんで、帝国西部に行ってもらおうかな。


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帝国西部

ガレリア要塞でクレイグ中将やクレアと情報交換した?達いや、レイ達はスペランザの〈空間転移〉で帝国の西部に来た。

 

レイ「フゥ~、無事にクレイグ中将や、姉さんと情報交換が出来たな。」

 

ミルディーヌ「途中で正体がバレないか、ドキドキしちゃいました♥️」

 

そう言って、腕に抱きついてくるミルディーヌをレイは「あはは……」と苦笑いしながら頭を撫でる。

 

カレン「ところでレイ大尉、なぜ帝国西部に来たんですか?」

 

レイ「ああ。帝国西部は東部と違って激戦が続いているだろ?実際、何度も機甲師団を返り討ちにしている。」

 

ザギ「確か……機甲師団を返り討ちにしている機甲兵部隊を率いているのは……」

 

ミルディーヌ「〈黄金の羅刹〉オーレリア・ルグィンと〈黒旋風〉ウォレス・バルディアスですね。2人とも貴族連合の顔とも言える人物です。」

 

レイ「そう、その2人だ。俺は今からその2人に会ってこようと思う。」

 

レイのとんでもない発言にカレンとザギは「えっ!?」っと驚いた顔になり、しばらく考え込む。そしてある結論に至った2人は一言ずつ言葉を発する。

 

カレン「えっと、まさかと思いますけど……。」

ザギ「そのお2人と戦うつもりですか?」

 

レイ「その通りだ。」

 

カレン「いやいや!!レイ大尉もご存知かと思いますが、オーレリア将軍は〈ヴァンダール流〉と〈アルゼイド流〉の二大流派を修めた人物ですよ!?はっきり言って人間やめてますよあの人は!!」

 

ザギ「そしてウォレス准将も軽く人の域を超えてますよ!!もしかしたらもう、オーレリア将軍と同じように人間やめてるかも……」

 

レイ「カレン、ザギ。それ本人の前で言うなよ?半殺しにされるぞ。」

 

カレン・ザギ「す、すいません……」

 

ミルディーヌ「レイ兄様がお2人に挑むのには理由があるんです。……『あの計画』の為に〈黄金の羅刹〉と〈黒旋風〉の力が必要なんです。」

 

 

その後、レイ達4人はオーレリアの住まいであり、要塞でもある〈ジュノー海上要塞〉来た。

 

カレン「うわぁ~、データでは知っていましたが実物を見ると本当に難攻不落の要塞ですね。」

 

ザギ「この要塞を落とすのは至難の技……いやほぼ不可能だろうな。」

 

レイ「さて、それじゃ早速オーレリア将軍とウォレス准将に会いに行こうか。」

 

ザギ「ちなみにどうやってお会いになるので?」

 

ミルディーヌ「そこは私にお任せ下さい。先代イーグレット伯のおかげで多少なりともご縁がありますから。」

 

そしてミルディーヌを先頭にレイ、カレン、ザギは〈ジュノー海上要塞〉の門へ歩いていく。

 

隊員「待て。お前達、ここに何しに来た?」

 

隊員2「ただの観光客ならとっとと去れ。」

 

ミルディーヌ「いえいえ、実はオーレリア伯爵が強者との戦いを求めていると伺ったものですから、あの方のお眼鏡に叶う人を連れてきました。」

 

隊員「むっ、確かに将軍は強者との戦いを求めているが……」

 

隊員2「どんな身分か分からない者が連れてきた者を通すのはな……」

 

ミルディーヌ「あっ、申し訳ありません。自己紹介が遅れましたね。私は……ミュゼ・イーグレットと申します。この名前を伯爵にお伝えになってから今の事を話して下さい。」

 

そう言われた隊員2人は困った顔をしながらも1人が通信機を取り出して一言二言話す。

 

隊員「そっ、そうですか……分かりました。すぐに……」

 

隊員2「何だって?」

 

隊員「通して構わないと。どうやらこの娘はカイエン公の相談役だった方の娘らしい。」

 

隊員2「なっ!?」

 

隊員「失礼しました。どうぞお通り下さい。」

 

隊員は扉を開け、4人に入るように促す。

 

隊員「入ったら真っ直ぐ進んで格納庫になっている所がありますのでそこでお待ち下さい。そこにオーレリア将軍とウォレス准将がお越しになりますので。」

 

ミルディーヌ「ありがとうございます。」

 

4人は扉を潜り抜け、格納庫になっている所まで来た。そして最初に目にしたのは……

 

カレン「これは……物凄い機甲兵の数ですね。」

ザギ「装甲車もかなりの数がある。」

 

ところ狭しと並んだ大量の機甲兵と装甲車だった。

 

?「ふむ、お主らか?私に挑むという強者は?」

 

カレンとザギが目の前の機甲兵と装甲車の多さに圧倒されていると、要塞へ続く扉が開いて〈黄金の羅刹〉オーレリア・ルグィンと〈黒旋風〉ウォレス・バルディアスが現れた。



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