現魔王のやることなすこと気に入らないのでぶち壊します (シュレッダーを見る会)
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1プロローグ
私には恨んでいる悪魔が存在する。それは、私たちを冥界の辺境へと追いやり、政治に介入する余地をなくし、伯母であるカテレア・レヴィアタンを殺した、現政権の魔王、サーゼクス・グレモリーである。その他にもセラフォルー・シトリー、アジュカ・アスタロト、ファルビウム・グラシャラボラスこの四名は私の属する派閥の抹殺対象だ。
そして、今、アジュカ・アスタロトの弟、ディオドラ・アスタロトとサーゼクス・グレモリーの妹、リアス・グレモリーの
シャルバ様から、偽りの魔王とその血族を抹殺するため、私は英雄派から借り受けた結界装置をディオドラに手渡し、予め聞いていたフィールド生成場所に大量の転移魔法の魔法陣を敷き詰めている。
これで、私の同胞たちをここに送り込み、リアス・グレモリーとその眷属、そして、あわよくばディオドラ・アスタロトの抹殺を試みる。
そうすることで、サーゼクス・グレモリーに大きな精神的なダメージを与えることができるし、運が良ければ殺すことさえ可能だろう。
「これくらいすれば十分か? 私もその日は参戦するし、蛇を決めておいた方が良さそうだな」
私は瓶詰めの蛇をゴクリと飲み干し、拠点へと帰還する。さあ、明日が楽しみだ。忌まわしきサーゼクス・グレモリーを殺すかもしれない日になるからな。
シャルバ様とクルゼレイ様には精一杯頑張ってもらいたい。
「ただいま、オーフィス」
「おかえり」
「シャルバ様たちは?」
「蛇を渡してどこかに行った」
「そっか。それじゃ、いつもの」
「……ん」
私はオーフィスから蛇をまた貰い、旧魔王派の居城の自室へと帰る。カテレア、リノアと並んで書いてあるネームプレートの部屋だ。
ここは人間界の夏休みと言うものが始まる前まで、一緒に過ごしたカテレア様と私、リノア・レヴィアタンの沢山の思い出がつまった部屋だ。
「ただいま、カテレア伯母さん」
カテレア伯母さんと、三大勢力会談で殺された私の母と私、そして、お父さんたちレヴィアタンの一族が並んで写真を撮った時のものに向かって私は語りかける。
こうした行為そのものに、意味がないことはわかっているつもりだ。だけど、母たちが殺され、ついには伯母さんも殺された。仕方がないとはいえ、憤りを覚える。
「絶対に今の冥界を変えて、私たちの地位を取り戻すからね。伯母さんたちの戦いが無駄じゃなかったって、証明して見せるから」
「そうだ。これは、我らの権威を権力を誇りを取り戻す戦いだ。我らが真なる魔王の血脈が虐げられていい訳がない。我らこそが冥界の長だ」
「そうです。絶対に許しません。シャルバ様、此度の戦、勝利に終わらせ偽りの魔王どもに真なる血筋の底力と言うものを見せつけてやりましょう!」
私はシャルバ様にそう言ったものの、うまくいかない予感がしている。というのも、ディオドラ・アスタロトがとてつもなく使い物にならない。蛇を受け取ったとはいえ、芸が一つしかない。他の人たちもそうだ。一芸しかないにも関わらず勝てる気でいる。私はそこはかとない不安を覚えるが、気にしないようにした。
私は汎用性を追い求め、魔力を水に変え、レヴィアタン本来の力を引き出すことさえできれば、私は私の家名を奪ったセラフォルー・シトリーを痛い目に合わせることができる。
そして、セラフォルー・シトリーの権威を奪い、シトリーの家の名も失墜させる。これこそが私の第一の目的だ。誰が、なんと言おうとも、グレモリー、アスタロト、グラシャラボラス、シトリー、この四家は絶対に許さない。
そう決意し、私は眠りについた。
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