天才学者の妹とA.I.M.Sの俺 (大賢者こんすけ)
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天才妹
「帰りに買い物よろしくねー」
我が家の奥の部屋からの声に、
「おー、晩飯はピーマンの肉詰めで良かったな?」
俺が応えると……
ドタドタドタッ
「今日の晩御飯はハンバーグだって言ったでしょっ!」
俺の妹、
「えー?でも、じいちゃんがピーマン送ってきてくれたからなぁ…」
「ならお兄がピーマン食べればいいじゃないっ!!」
「ピーマン食えねぇと大人になれねぇぞ」
「うっ……べ、別にっ!大人にならなくても私は天才だから引く手あまただもん!」
「ほいほい……そういうことにしとくよ」
頬を風船の様に膨らませた妹に見送られながら家を出る。
「うん、晩飯はピーマンを細かく刻んでハンバーグに入れるか……」
◇
自転車を漕ぎながら、ふと周りを見回すと、耳に大きなモジュールをつけた人が目立つ。しかしあれは人間ではなく、とある超大企業が作った人型AIロボット「ヒューマギア」だ。
「おはようございます」
「ん、おはよう」
配達業を担当しているヒューマギアが俺に挨拶をする。流石、ロボットなだけあって、人が絶対抱えられないような重さをしているであろう大きな冷蔵庫を軽々と持ち上げながらマンションに入っていく。
「あんなのが暴走したんだもんなぁ……」
12年前、国と大企業が集まって、ヒューマギアの実験都市を作った。しかし、その実験都市は一晩にして消え去った。原因は爆発事故だと言われているが、本当の理由は別だ。ヒューマギアが暴走したのだ……。何故そんなこと知っているのかって?俺がそこにいたからだ。俺の両親はヒューマギアの研究者だった。まぁ、別に凄く秀でているわけでもないし、只の研究員だったんだが……そのおかげで俺は、その実験都市の中の学校に通っていた。学校の体育の授業中、俺が悪ふざけで跳び箱の中に隠れていたら、体育館の中に目の赤いヒューマギアが乱入してきて、俺のクラスメイトや先生を無差別に攻撃し始め、勿論、抵抗などできるはずもなく殺されてしまった……先生は俺の事を知っていたようで、敢えて、跳び箱に覆いかぶさり、俺を庇って死んだ。両親は勿論死んだ。只、妹だけはその時熱で実験で休めない両親の代わりに祖父母の元に行っていたので助かった。今では唯一の肉親だ。そして、助かった俺が祖父母に引き取られ、ショックから立ち直る頃にはその実験都市はデイブレイクタウンとして負の遺産と言われ、水没していた。
◇
「んぁー、これが暴走したらこの街も壊滅だろうなぁ……」
まぁ、その為に俺達が居るんだが………
そんなことを考えながらA.I.M.Sの駐輪場に向けてペダルを漕いだ。
16歳
バカな兄とは違い、とっても賢い妹。天才。いつも、4着あるウサギ耳のパーカーを着まわしている。兄の仮面ライダーの手助けを(面白そうだなってことで)してくれる。美少女
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