エミリアの騎士 (doesn't work)
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リードという男

適当に書いた (`ー´) ドヤッ!


それはある場所での出来事です。

 

そこでは、銀髪のハーフエルフである事から魔女の生まれ変わりだと言われ続けた少女がいました

 

その少女はそんなことを言われ続けいつしかこれが当たり前のことだと思い出すようになってしまいました。

 

しかし、そんな少女に寄り添う者がいました。

 

その者は少女の前に膝まずき

 

「貴方に忠誠を誓います。これより我が命は貴方と共に」

 

そう言いました。

 

少女は不安そうに問いかけます

 

「本当に私でいいの?」

 

っと、

 

騎士は答えます

 

「いいわけないはずがありません」

 

少女は泣きながら騎士に手を差し出しました

 

騎士はそんな少女の手の甲にキスをしました

 

「リード・アルベルト、貴方が私の騎士であることを誇りに思います」

 

「ありがたき幸せ。これからよろしくお願いします。ご主人様」

 

「えぇ、よろしくね、リード。それと、エミリアでいいよ」

 

「では、エミリア様と呼ばせていただきます」

 

「むぅ〜、様はいらないのに...」

 

少女はごねたように頬を膨らませました

 

「これはご容赦ください」

 

騎士はニコニコ微笑みながらそう答えました。

 

ーーーー

 

建物の中で、銀髪のハーフエルフのエミリアと大精霊パックが腸狩りのエルザが対等していました。

 

その後ろには転移者であるスバルとフェルトとロム爺が戦いを見守っています。

 

「ごめんリア、ちょっとなめてかかってた、マナ切れで消えちゃう」

 

「分かったわ。後はこっちでなんとかしておくわ。ありがとうね」

 

「君に何かあれば僕は契約に従う。危なくなったらリードを呼ぶか、無理をしてでも僕を呼び出すんだよ」

 

そう言い残し、パックは消えていきます

 

「あら、消えてしまったわね」

 

パックが消えたのを見てからエルザがエミリアに攻撃を仕掛けます。

 

エルザは高スピードでエミリアに攻撃を仕掛けます。

 

その攻撃にエミリアは防戦一方になります。

そしてついにエルザの蹴りがエミリアに当たります

 

エミリアはその蹴りにより飛ばされ、そこにエルザが追撃を加えようと迫ります。

 

その時です

 

ドン!ガラガラ!

 

建物の屋根が突如として崩れたのです。

 

「エミリア様!!」

 

天井から一人の騎士が降ってきます。

 

「あら、新しいお客さんかしら?」

 

エルザは新たな敵の登場にワクワクした様子で反応します。

 

「リード!!」

 

リードはエミリアは後ろに庇うように前に立ちました

 

「エミリア様、遅くなり申し訳ございません。ご怪我は?」

 

リードはエルザの動向一つ一つに注意しながらエミリアに喋りかけます。

 

「大丈夫よ。心配ないわ」

 

「それは何よりです。さてと、貴方は何者で?」

 

「私?私はエルザって言うの。腸狩りとも呼ばれてるわね」

 

「なるほど、貴方が例の腸狩りですか。では、容赦する必要はありませんね」

 

「貴方の名前を聞いてもいいかしら?」

 

「私の名前はリード・アルベルトと申します」

 

「あら、確か剣聖ラインハルトに次いで王国最強と呼ばれている騎士様だったかしら?」

 

「えぇ、確かにそう言われたこともありますね」

 

「ふふ、楽しみだわ。貴方と戦うの」

 

「そう思っていただからのは光栄なのですが、今日はエミリア様を待たせてしまっていますので、手早く済まさせていただきます」

 

「あら、つれないのね」

 

エルザは、先程のように高スピードで飛び回り攻撃を仕掛けます。

 

キン キン 

 

しかし、その攻撃は全て防がれています。

 

ですがリードは一切動いてはいません。何がエルザの攻撃を防いでいるのか

 

それは

 

「その剣やっかいね」

 

リードの背中周りをいつの間にか円を描くように浮遊している8つの剣でした

 

「おぉ!剣が浮いてる。すげぇ!!」

 

「なんだ、なんだあの能力、チートじゃねぇか!」

 

後ろで見ていた、フェルト、スバルがそれを見て驚きを見せます。

 

「さてと、貴方は現在劣勢です。退避することをお勧めしますよ」

 

「嫌よ、これからだもの」

 

「では、仕方ありません」

 

リードはそう言うと抜刀します

 

「腸狩り、エルザ・グランヒルテ」

 

「エミリア様が騎士、リード・アルベルト」

 

小屋一帯が大きな光で包まれます

 

光が収まると、エルザがいたと思われる場所には瓦礫が崩れ落ちています。

 

リードは終わったとばかりに浮遊させている剣を魔法陣の中にしまい、抜刀していた剣を納刀しました。

 

 

「リード!大丈夫⁉︎」

 

事が終わりエミリアが心配するようにリードに近づき顔などを触りながら問いかけます

 

「えぇ、エミリア様。大丈夫です。大丈夫ですから」

 

「本当?無理してたら後でお仕置きよ?」

 

「えぇ、ご安心を」

 

ガシャ!!

 

突如としてガレキが崩れ落ちその中からエルザが飛び出してきました

 

「っ⁉︎」

 

リードはエミリアに視線を向けていたために反応が遅れてしまいます。

 

「狙いは腹!!」

 

その時エミリアとエルザの間にスバルが棍棒を持ちエルザの攻撃をガードします

 

「っち!あの子また」

 

そこにリードの浮遊する剣がエルザに襲いかかります

 

「今日はここまでね。また会いましょう。それまで、自分の腸を可愛がってあげて」

 

エルザは奇妙な言葉を言い残すとそのまま飛び去ってしまいました

 

「スバル、大丈夫なの!」

 

「あぁ、大した事ないよ」

 

「さてと、俺は今ヒロインである君の命を救ったんだ、それなりの例をもらってもいいんじゃないかな?」

 

スバルは奇妙なポーズを取りながらエミリアを指差します

 

「えぇ、お礼はするわ。私にできる事ならって条件付きだけど」

 

「なら、君の名前を聞いてもいいかな?」

 

その後スバルはエミリアの名前を聞いた後、お腹が裂け倒れました

どうやらエルザの攻撃を防ぎ切れていなかったようです

 

一方でエミリアとスバルのやり取りを見ていたリードはエミリアのお礼に自分に出来る事ならなんでもやると言ったことに驚きながらもスバルが如何わしいことを頼んだら斬り伏せる準備をしていたのだとか



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屋敷にて

続いちゃった( *^ω^)


エミリア達は重傷をおい未だ目を覚さない少年を乗せ自分たちの屋敷に戻っていました

 

「リード、本当に大丈夫なの?は、もしかしたら自分で気付いてないだけなのかも」

 

屋敷に到着し、スバルの治療を終えたエミリアは自分の騎士であるリードの心配をしていました

 

「えぇ、何度も言っていますが大丈夫です!だから服を脱がせようとしないでください!」

 

エミリアは自分の目で確かめなければ満足しないのかやめようとしません

 

「分かりました!上だけなら脱ぎますから!」

 

根負けしたリードが妥協案として上を脱ぐことを提案します

 

「もぅ、強情なんだから」

 

「どっちがですか!」

 

エミリアは少しごねたようですが上を脱ぐだけで納得しました

 

「ここは、大丈夫ね。ここも...」

 

エミリアは首から下を順に手で触りながら確認していきます。リードもそれに抵抗することなく受け入れます

 

暫くして、エミリアの触診が終わりました

 

「ふぅ、怪我はないようね」

 

「やっと分かってもらえましたね...」

 

リードは少し疲れた様子で頷きます

 

「もう、心配させないでよね」

 

「エミリア様に心配させない方が難しいのでは...」

 

するとエミリアの方あたりに光が収束しだしそこからパックが現れました

 

「ふわぁ〜あ、リアおはよう、どうやら大丈夫なようで安心したよ」

 

「おはようパック。えぇ、リードのおかげで大丈夫だったわ」

 

パックはリードに目線を移し苦笑いになりながら

 

「その様子だとまたリアの心配性が出ちゃったんだね」

 

「はい、お察しの通りです」

 

「だって、リードが心配で心配で...」

 

エミリアは少ししょげたように顔を下げます

 

「んっ、」

 

リードはエミリアの顔を両手で掴むと自分の方に向けこう言いました

 

「別に怒っているわけではありませんよ。ただ、もう少し私の事を信じていただきたいんです」

 

リードは優しくエミリアに話しかけます

 

「そうよね、これじゃあリードを信用してないみたいだものね。私頑張るわ」

 

「はい、そのいきです」

 

リードはそう言い頭を撫でます

 

エミリアも気持ちがいいのか目を閉じてじっとしています。

 

「さて、ソロソロお眠りください」

 

夕食を食べ入浴を済ませた後、エミリアの寝室でリードがそう告げます

 

「うん、おやすみリード」

 

そう言いエミリアは眠りにつきます

 

リードはそれを確認し自室に戻りました

 

コンコン

 

部屋の扉がノックされました

 

「どうぞ」

 

ガチャ

 

「失礼するわ」

 

「失礼します」

 

入ってきたのは桃髪と青髪の少女達です

 

「よく来ましたね。ラム、レム」

 

リードはラムとレムを出迎えます

 

「兄さん」

 

「お兄様」

 

二人はそう言いリードに抱き付きます

 

二人がこうするのには幼少期の出来事が原因でした

 

二人は元々鬼族として村に住んでいたのですがそこに魔女教が村を滅ぼすべくやって来たのです

 

ーーー

 

「はぁ、はぁレム大丈夫?」

 

「うん、でも...」

 

レムは殺された両親の死体を見てその場にへたり込んでいました

 

ラムは先ほどまで魔女教を倒していましたが、魔女教の一人が自分の命と引き換えにラムのツノを切り落としたのです

 

状況は絶望的です

 

次に襲われれば命はありません

 

しかし時は待ってくれません

 

「うわぁぁ!!」

 

大声を上げ襲って来ます

 

「ラム!」

 

「お姉ちゃん!」

 

二人抱きしめあい目を閉じます

 

「そこまでです」

 

ザシュ

 

ドサ 

 

突如として男性の声が聞こえて来ます

 

ラム達が目を開けるとそこには王国騎士団の制服を見に纏った青年が立っていました

 

その青年はラム達の目の前まで来ると膝をつき

 

「君たち、大丈夫かい?」

 

「は、はい」

 

レムが焦りながらも答えます

 

「それは良かった、君たちのご両親は...」

 

リードは後ろで倒れている目の前の少女達の両親らしき死体を見て何かを察したのか黙り込みます

 

「とにかくここは危険だ、少し移動しようか」

 

リードはラム達を抱き上げると走りだしました

 

リードは少女達を安全な場所に連れて行きたいという思いも勿論ありましたがそれ以上に、この惨状を幼い子達に見せたくはないと思いがありました

 

「ロズワール様、生存者はこの子達だけのようです。残党の殲滅は完了しました。」

 

「そのよ〜うだね。で〜は、撤収しようか」

 

「はい」

 

リードは少女達を抱き上げたまま馬車に乗り込みます

 

ロズワールが気を利かせたのか馬車には少女達とリードだけです

 

「お母さん、お父さん...」

 

「んぐっ...」

 

レムは思い出したかのように両親を呼びます

 

ラムは涙を堪えようとしていますが堪えきれず泣き出してしまっています

 

リードはそんな二人を見ていられず、思わず抱きしめながらこう言いました

 

「すみませんでした。私が、私がもっと速ければ貴方達にこんな思いをさせることはなかったのに...」

 

その時のリードは涙を流していました

 

「「うわぁぁん」」

 

二人はそんなリードにしがみつくように抱き付き涙を流します

 

最終的には三人一緒に泣いてしまいました

 

馬車が屋敷に着くとリードはレム達を再び抱き上げ馬車を降ります

 

ロズワールは事後処理のため帰りが遅くなっています

 

リードはまず少女達を自室に入れると椅子に座らせて話しかけました

 

「2人の名前を聞いてもいいかな?」

 

「ラム」

 

「レム、です」

 

「ラムとレムかいい名前ですね。私の名前はリードと申します」

 

リードは笑顔でそう言い、優しく問いかけます

 

「君たちに一つ提案があるんですが聞いてもらえますか?」

 

ラム達は首を傾げます

 

「ここに住む気はありませんか?」

 

「え、」

 

「ここに?」

 

「はい、どうですか?」

 

二人は1度顔を見合わせると頷きリードに向き直り

 

「住みたいです」

 

「お願い」

 

「決まりですね。さてと、そうと決まればまずはロズワール様に報告ですね」

 

リードはロズワールが帰って来てから少女達を住まわせてもいいかの確認をとり了承を得ました

 

そしてその後、二人はリードが一人でやっていた屋敷の炊事などの雑用を見て自分達もやりたいと言い出し、リードに教えてもらいながら覚えていき現在に至ります

 

ーーー

 

「毎日これだと気が思いやられますね」

 

リードは未だに抱きついているレムとラムを見て苦笑いをします

 

「二人ともソロソロ寝ないとダメですよ」

 

リードはあやすように言います

 

「後もう少しですから」

 

「もう少しぐらいいじゃない」

 

「ダメです、」

 

リードはラム達を半ば無理やり追い返します

 

コンコン

 

追い返したところで再度扉がノックされます

 

「空いてますよ」

 

ガチャ

 

「ごめんなさい、今日もいい?」

 

リードは両手を広げて

 

「おいで」

 

そう言いました

 

エミリアはその広げられた腕の中に入るとリードに抱き付きます

 

そしてリード達はそのまま横になります

 

エミリアは結構な頻度で夜リードの部屋を訪ねては一緒に寝ています

 

それはなぜかと言うとリードの体の暖かさにふれ、そして胸に耳をあて心音を聞くととても安心できるからというものでした

 

「すぅ〜」

 

エミリアはそこで大きく呼吸をしリードの匂いは肺いっぱいに取り込みます

 

「幸せ、すぅ〜」

 

そして二人は眠りにつきました

 

 

 

 

 

 



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呪い

たくさんの感想ありがとうございます!
楽しく読ませてもらってます!

感想を感想を書いていただき続きを書くスピードが変わりますね笑


屋敷の朝食、その中にいつもとは違う雰囲気が流れていました

 

「さぁ〜、君の望むものをいいたま〜え」

 

ロズワールが手を広げスバルに問いかけます  

 

スバルが椅子から立ち上がると

 

「俺を雇ってくれ!」

 

声高らかにそう発言しました

 

「フフフ」

 

それを聞いて笑ったリードに全員の視線が刺さります

 

ーーー

 

それからスバルは屋敷の雑事を主にレムに教えられ、覚えていきました

 

そんな時です、事件は唐突に起こりました

 

「イヤァァァ!レムゥゥゥ!」

 

ベッドに横になり動かなくなったレムの横でラムはベッドに顔を押し付け泣いています

 

その後ろではロズワール、ベアトリス、リード屋敷にいるすべての人が集まっていました

 

そこに、スバルをつれたエミリアが部屋に入って来ます

 

泣いているラムを見て、ベッドで顔に布をかけられているレムを見て事態を察したスバルは信じられないと言う顔をしながらレムに近づきます

 

「そんな、嘘だろ、だって、お前は」

 

すがるようにレムに触れようとします

 

ブン

 

スバルの目の前を風の攻撃魔法が横切ります

 

「ラムの妹に触らないで!」

 

涙を流しながら殺気をだしスバルを睨みつけます

 

「スバル、何か知っているなら教えて欲しいの」

 

エミリアはスバルを説得するように話しかけます

 

「俺は...ごめん」

 

スバルは何かを言おうと口を開きますが、すぐに口を閉じてエミリアから目を逸らします

 

「何か知っているのなら話しなさい!」

 

スバルに周りから疑惑の目線が突き刺さります

 

「ロズワール、やめるかしら。コイツは無実なのよ、昨晩コイツは私の車庫にいたかしら」

 

「流石の私も従者を殺されて少し頭にきてるんだ〜ね」

 

いつのまにかロズワールの周りには魔力の玉を浮かせ攻撃態勢を整えていました

 

「レムの仇を知っているなら教えなさい。レムとラムを、助けて...」

 

ラムは止まらない涙を流しながらスバルに問います

 

「スバル、答えろ」

 

「ひっ、」

 

スバルは当てられた殺気に後退りします

 

その殺気を飛ばしているのはリードでした

8つの剣を浮遊させ臨戦態勢を取っています

 

そんなリードの前にエミリアが立ちはだかります

 

「リード、落ち着いて。スバルお願い、ラムを助けられるなら助けてあげて」

 

スバルは耐えられなくなったのか、背を向け走って逃げ出します

 

その瞬間全員が攻撃を仕掛けます

 

部屋からは大きな爆発、そしてスバルを追いかけるように8つの剣が飛んできます

 

カンカン

 

突き刺さる寸前で防ぐように氷の壁が張られます

 

「な、なんなこの壁」

 

いつの間にかそこにはパックがふわふわと浮いていました

 

「やぁスバル早く逃げなよ」

 

「あ、あぁありがとうパック」

 

スバルはパックが助けに来てくれたのだと少しの安堵感を覚えましたが

 

パックは睨むようにスバルを見て

 

「勘違いしないで欲しいんだけど」

 

スバルの顔のすぐ横を氷のツララが飛んでいきます

 

「僕は君の味方じゃない。リアを悲しませた君には怒りを覚えているし、リアの頼みがなかったら君はとっくに死んでいる。リアに感謝することだね。未だってリードに抱きついて止めようと必死なんだから」

 

「あ、あぁ」

 

スバルは絶望したような顔をしながらも走り出しました

 

スバルはガムシャラに走った後崖まで来ました

 

そこでスバルは崖にたたずんでいました

 

ただ何をするでもなく一人で

 

気づけば夕暮れ時、目の前にはベアトリスがいました

 

「ベアトリス?」

 

「お前を守る契約はまだ続いているのよ」

 

「契約は今朝までだったはずだから」

 

「契約期間の話はしていないかしら」

 

そして、スバルはベアトリスに自分のしでかしたことを全て突きつけられました

 

もう、どうしようもないとも

 

しかし、スバルは何かが吹っ切れた顔になり

 

「そうだ、俺が拾った命だ。どう使おうが俺の自由だ!!」

 

スバルはそう言うと崖に走り出します

 

「俺にしかできないことだ!絶対助けてやるぅぅ!!」

 

グシャ

 

ーーー

 

「リード!今暇か?」

 

スバルはエミリアが勉強中で暇そうにしているリードに話しかけます

 

「おや?スバルじゃないですか。どうしました?」

 

「今から村に買い物に行くんだが、それについてきてくれないか?」

 

「えぇ、構わないですよ」

 

「兄様も行くのですか!」

 

スバルの後ろからレムが嬉しそうに出てきます

 

「いや、レムは屋敷にいてくれ」

 

「何でですか?」

 

レムはなぜかと疑問に思い問いかけます

 

「いや、あの〜」

 

「レム、私がいない間エミリア様をお願いできますかか?」

 

返答に困るスバルに代わって気を利かせたリードがレムにそういいます

 

「むぅ〜、わかりました。お兄様が言うなら今回は諦めます」

 

そして二人は、屋敷を出ていきました

 

村への行き道で

 

「さてと、スバル私に何か話があるんだろ?」

 

リードは横で歩いているエミリアに話しかけます

 

「やっぱばれてたから〜、いや一つ頼み事があるんだけどいいか?」

 

「私に出来ることなら」

 

「いや、その今日の夜だけでいいからレムを守ってやって欲しいんだわ」

 

(誰かわからない刺客に殺されたのなら俺では対処不可能。かと言ってレムの部屋の前で俺がいても殺されて終わり。なら王国最強とか言われてるリードに守ってもらうのが一番だろう)

 

「どうしてそんなことを?」

 

「あぁ〜それはちょっと説明できないんだが...」

 

スバルは気まずそうに頭をかきます

 

「なら、深くは聞かないことにします」

 

「え?どうして」

 

スバルは以外という風な顔ををします

 

「これでも、それなりに見る目をあるつもりです。貴方を信用しましょう。エミリア様も守ってもらえましたした」

 

「すまねぇ、恩にきる」

 

「ただ、気つけてくださいね。貴方のその他人を庇えるのは美徳ですが、それを続けるのは貴方がもたない。私で良ければいつでも頼ってくださいね」

 

「あぁ!!」

 

買い物を終えスバル達が帰ろうとした時です

 

「あ!リードさんだ!」

 

「わ〜い!リードさ〜ん!」

 

リードはスバルに目配せしてから子供達の所に歩いていきます

 

「どうしたんですか」

 

「子犬がいたの」

 

「かわいいですね」

 

「撫でてあげて」

 

子犬を抱き上げている少女がリードに子犬を近づけます

リードは言われた通りに子犬を撫でようとすると

 

ガブ

 

「痛いですね」

 

「アハハリードさん噛まれた〜!!」

 

子供達はリードが噛まれたことを笑っていました

 

ーーー

 

次の日、スバルは前回のようにベアトリスの書庫にて夜を明かしました

 

(これで刺客はリードに捕まって解決する筈だ)

 

スバルはそんな確信を持ち書庫を出ました

 

そして何か起こっていないかリードに聞くため部屋を訪ねようとリードの部屋に向かいました

 

そして、リードの部屋の前に着くと中から泣き声が聞こえてきます

 

スバルは自分の中に嫌な予感が走りました

 

恐る恐る扉を開けると

 

「リード、嘘よ、リード、ずっと一緒にいてくれるって言ったじゃない」

 

エミリアが顔に布をかけられているリードの横に顔を突っ伏しながら泣いています

 

「姉様、兄様が兄様が...」

 

「えぇ、分かっているわ、レム...」

 

ラムとレムはお互いに抱き合いお互いを慰め合っています

 

「魔力を全て吸い出されている。リードを殺すことが出来る者がいるとは考えにくい。だとすれば呪いという線が一番有力なのだけど、何か知らないか〜な、スバル君」

 

部屋にいたロズワールがスバルを睨みつけます

 

その間にベアトリスが立ちはだかります

 

「邪魔をするのか〜な?」

 

「ベティは契約に従うだけよ」

 

「私も長年仕えてくれているリードを殺されて怒りが収まらないんだ〜ね」

 

正に一触即発の雰囲気です

 

「スバル君、昨日どうして私を置いて兄様と買い物に行きたがっていたんですか?」

 

そこに、レムがそんな問いを投げかけます

 

「それは...」

 

スバルはその問いに答えることができませんでした

 

死に戻りでレムが殺されるのを知っているからと言える訳がないからです

 

「スバルが、貴方が、リードを殺したの?」

 

エミリアがゆらゆらと立ち上がります

 

「貴方が、私の、リードを」

 

エミリアはスバルに攻撃します

 

その攻撃はベアトリスによってふせがれます

 

「貴方が兄さんを...」

 

「貴方が兄様を」

 

「君がリードを」

 

「「「「殺したな?」」」」

 

グサ

 

「え?」

 

スバルの胸に氷のツララがはえてきていました

 

「僕としてもリードを殺されたのは黙っていられない」

 

それはパックによって放たれたものでした

 

「ダメ!」

 

スバルが最後に見たのは目の前ベアトリスの防壁を越えて飛んでくるモーニングスター、風の攻撃魔法、氷の攻撃魔法、そして無数の魔法の球でした

 

「クソ、やってやるって決めた直後にこれかよ...」

 

ドカーン!!!

 

 

 

 




誤字指摘お願いします!


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森の獣

夜、屋敷ではスバルがラム達にある交渉をしていました

 

どうやらスバルは昼間一緒に遊んでいた子供達と遊んでいた犬に呪いをかけられた

このままでは子供達が危ないから村に行かせてくれた言っているようです

 

「分かった。レムを同行させるわ」

 

根負けしたのかラムはレムを同行させると言いました

 

「どうしたの?」

 

そこにリードを連れたエミリアが駆けつけます

 

「何やら危ない雰囲気ですが...」

 

そしてエミリア達にも簡単に事情を説明し終えると

 

「私も同行したいのですが」

 

「いえ、兄様は兄様の任をまっとうしてください。レムは大丈夫です」

 

リードは自分も同行したいようですが、それをレムが止めます

 

「精霊の加護がありますように」

 

エミリアはスバルの胸に手を当てるとおまじないをし、見送ります

 

「エミリア様、すいません、私は門の前でレム達の帰りを待たせていただいてもよろしいでしょうか?」

 

「ええ、勿論よ。レムとスバルの帰りを待ってあげて」

 

リードは心配なのか門の前で待つと言い出します

 

「レム、スバル、何事もなければいいのですが、ね」

 

門の前で仁王立ちしたリードはそう言います

 

ーーー

 

「ん?ここは?」

 

森からなんとか生還したスバルは村の一室にて目を覚まします

 

「目が覚めましたか?」

 

声のする方に顔を向けるとそこには椅子に座り寝てしまっているエミリアと、その横に立っているリード、そしてパックがいました

 

「リード」

 

「無事で何よりです」

 

「そうだ、レムは?」

 

「レムなら大丈夫ですよ。鬼化していましからね。怪我はここにくる頃には治っていましたよ。ただ、そのレムの姿が見当たらないんですよね」

 

リードは少し焦るように言います

 

スバルは普段とは雰囲気が違うリードの姿に違和感を覚えます

 

(なんつうか、ピリピリしてる感じか?)

 

「さて、私はエミリア様をベッドに連れていきますね」

 

エミリアをお姫様抱っこしたリードは部屋を出ていきます

 

「なぁ、パック、リードなんかいつもと雰囲気が違う気がするんだが、気のせいか?」

 

スバルはパックに自分の違和感を伝えます

 

「あぁ、リードあれで結構怒ってるみたいで、ピリピリしてるね」

 

「やっぱそうか。あいつ表情に出なさ過ぎだろ」

 

ーーー

 

「レム、どこに行ってしまったんだ...」

 

リードは気持ちを落ち着かせてからレムを探し回っていました

 

その途中で更なる違和感に気づきます

 

「妙だな、ラムとスバルの姿も見当たらない。ん?あれは...」

 

リードは屋敷へ帰ろうとしているベアトリスを見かけました

 

「ベアトリス様、レム達を知りませんか?」

 

「知っているのよ」

 

「教えていただけませんか?」

 

「あいつらなら.....」

 

リードはベアトリスからレムがスバルの呪いを解くために一人で森は入ったという事を聞きました。それを追ってレム達も森に入ったとも

 

それを聞いたリードは血相を変えエミリアの元に走り出します

 

エミリアは未だに眠っています

 

「パック様、少しの間エミリアの元を離れるのを許していただけませんか?」

 

「ん?リード?どうしたんだい?」

 

リードはエミリアの横にいたパックに事情を話します

 

「なるほど、わかった。リアには僕から言っておくよ」

 

「ありがとうございます、では」

 

ーーー

 

ラムとスバルはギリギリの崖から落ちていました。そこでラムが力を振り絞り風の魔法を使い落下スピードを下げます

 

「おいラム!ラム!」

 

ラムは気を失い鼻血を出していました。スバルはそんなラムを見て慌てています

 

ドン!

 

突如上からラムが降ってきます

 

「ラム!」

 

スバルはラムに会えたことに安堵しますが

 

ブン

 

ラムは自信が持っているモーニングスターをスバル達に向かって投擲します

 

「クソ!鬼化したはいいけど制御できない設定か!」

 

スバルは自我を失っているレムをみて狼狽えます

 

そんな3人を囲むように猛獣達が集まってきます

 

レムはその猛獣達を次々蹴散らしていきます

 

スバルはその間にラムを安全な場所に移そうと移動します

 

しかし、猛獣達の数の多さにレムはとうとう攻撃を受け、後ろに吹っ飛ばされます

 

状況は絶体絶命です

 

グサ、ザシュ

 

レムに飛びかかろうとしている猛獣を一つの剣が貫きます

 

それだけではありません。3人を囲んでいた猛獣達が次々と剣の餌食になっていきます

 

「はぁ、?」

 

スバルは突然のことに驚きを見せます

 

「何とか間に合いましたね」

 

森の奥から一つの人影が出てきます

 

「リード!!」

 

それはリードでした

 

リードは素早くスバルに近づくと抱き抱えられているラムの頬に触れます

 

「ラム、よく頑張ったね。後は兄さんに任せなさい。スバルもラムを守ってくれてありがとう」

 

「いやいや、俺はただ足引っ張ってただけだ。殆どこの姉様のおかげだよ」

 

「兄、さん」

 

ラムは目を覚ますと自分の頬に触れているリードの手を取り

 

「レムを、助けて」

 

そう懇願します

 

「えぇ、任せなさい」

 

リードはそれに笑顔で答え、レムのほうに向かいます

 

「スバル、そこを動かないように頼みますね」

 

「あぁ、分かった」

 

「うぉぉぉ!!」

 

自我を失ったレムはリードに突撃します

 

カン!

 

リードは飛んできたモーニングスターをいなすとそのままレムを抱きしめます

 

「レム、大丈夫だよ。もう休みなさい」

 

リードは抱きしめたレムのツノに触れながらそう話しかけます

 

するとレムの頭のツノがなくなります

 

「兄様?」

 

「大丈夫かい?」

 

「兄様、私は...」

 

「今はゆっくり休むといい。後は任せてください」

 

レムは一瞬、安堵した顔をするとそのまま気を失います

 

リードはそんなレムを抱き抱えるとスバル達がいる場所にレムを寝かせます

 

「さて」

 

スバル達を背に猛獣達に向き直るとリードは睨みつけながら、殺気を出します

 

「うっ、」

 

スバルにとって一度は自分に向けられたものだったので少しトラウマになっていたのかうめき声をあげます

 

「スバル、それに私の、俺の妹達をよくも、やってくれたな!!」

 

リードは剣を抜くと浮遊させた剣とともに猛獣たちに突貫し、次々と獣達を倒していきます

 

「ははは、流石に凄えな」

 

スバルはそんな惨状をみて苦笑いします

 

「当然よ、ラム達の兄さんだもの」

 

「お前実は結構余裕だろ!」

 

「そうでもないわよ」

 

スバル達の表情にも安堵の表情が現れます

 

ギャオオオ!!

 

するとボス格の猛獣が巨大化しリードに襲いかかります

 

「ふん!」

 

しかしリードは関係なしとその猛獣に突撃し、首を切り落とします

 

「ふぅ、こんなものですかね」

 

そう言ったリードの周りは猛獣達の死骸だらけです

 

「マジ鬼がかってるぜ」

 

「スバル、待たせましたね。歩けますか?」

 

リードはスバルに手を差し出します

 

「あぁ、ありがとうよ!」

 

スバルはそんなリードの手をとり立ち上がります

 

「さて、帰りましょうか」

 

リードはラムとレムを抱き上げると歩き出します

 

「あれ?姉様さっき目を覚ましてなかったっけ?」

 

スバルは目を閉じているラムを見てそういいます

 

スバルがそう言った瞬間ラムの顔に汗が出だします

 

「まぁ、いいじゃないですか。さぁ、いきましょう。一様、私から離れないようにお願いしますよ」

 

なお、帰りの際ラムは顔をリードの肩に甘えるように擦り付けていたのだとか

 



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王選

大変お待たせ致しました


屋敷の前に一つの竜車が止まっていました。その横では老齢の執事と思われる人が竜車の手入れをしていました

 

そんな人に近づく影が一人、そうスバルです

 

どうやら屋敷で使者とエミリアが何を話しているのかが気になるようです。しかし、内容を教えてもらうことが出来ず項垂れているようです

 

すると、王都からの使者と思われる猫耳を話した人が屋敷から出てきてスバルと少し話した後に竜車に乗り言ってしまいました

 

ーーーー

 

「頼む、俺も行かせてくれ」

 

スバルはエミリアに両手を合わせてエミリアに何やら頼むごとをしているようです。実は先ほどの使者との会話で何かを察したらしく、王選絡みなら自分もエミリアの助けになりたいから一緒に向かわせてくれと頼み込んでいるようです

 

しかし、それに対してエミリアは難色をしめしているようです

 

「いいのではないですか?王都にはスバルがお世話になった人がいるようですし、そのお礼参りということで」

 

そこにリードが助け舟を出します

 

「いいんじゃないのかい?王選云々は抜きにして、王都には怪我の療養のためっ、て~ことで」

 

そこにロズワールがさらに追い打ちをかけます

 

二人に押されたエミリアは仕方なしと頷きました

 

ーーー

 

 

王都に向かうべくエミリア、リード、レム、スバルの四人は竜車の乗りこみました

 

「うわっ!!」

 

竜車から身を乗り出していたスバルは風にあおられたのか竜車から落っこちてしまいました。しかし、スバルの手をリードが握っており何とか落ちずにすんでいます

 

「スバルは本当にいつも騒がしいですね」

 

リードは苦笑いをしながらもスバルを引き戻しました

 

「すまねぇ、いやぁ、ついテンションが上がっちまって」

 

「もう!スバル気をつけなきゃダメなんだからね!」

 

スバルにエミリアが注意します

 

そんなこんなで四人を乗せた竜車は王都につきました

 

王都に着いてからはエミリアがスバルを迷子にしないように手をつないで行動しようとしますがスバルは恥ずかしいのかそれを拒否します

 

「では、私がつなぎましょうか?」

 

そこにいつも通りの笑顔を浮かべたリードが手を差し伸べてきます

 

「いや、大丈夫だ、気にすんな!!」

 

スバルはリードの提案を食い気味に拒否するとエミリアとおとなしく手をつなぎました

 

道中スバルが明日から始まる王選について話そうとしますが、エミリアにくぎをさされてします

 

用事を終えて宿泊先についた後、エミリアはスバルに明日はお留守番をするように伝えます。しかしスバルはどうしてもエミリアと王城に行きたいようです

 

エミリアが何度もダメと言いますが、スバルは納得しません

 

「なぁ、リードからもエミリアたんに言ってくれよ」

 

スバルはリードに助けを求めました

 

「スバル、少しわがままが過ぎるかな。これ以上エミリア様を困らせてはダメだよ」

 

リードは言い聞かせるようにスバルに話します

 

スバルはさすがに観念したのか諦めたようです

 

ーーー

 

翌日 王選会場~

 

王選会場では、エミリアが居心地が悪そうにしていました。王選で緊張しているだけではなく、周りからのハーフエルフだからという差別的な眼差しを向けられているのが大きな原因のようです

 

リードはその視線から少しでもエミリアの正面に背を向けます

 

「え?」

 

エミリアはいきなりのリードの行動におどろいているようです。

 

「エミリア様は王選まで私の背中でも見て時間をつぶしてください」

 

「フフ」

 

リードなりに守ってくれているのだろうと理解したエミリアは先ほどまでより少し顔が綻びました

 

ガチャ

 

王選を行う会場の扉を開けるものがいました

 

そこには、王選候補の一人プリシラとスバルそして怪しい格好の人がいました

 

「スバル?どうして?」

 

エミリアは悲しそうな表情をしてスバルを見つめます

 

「エミリア、俺は...」

 

スバルは何かを言おうとしますが

 

「これより賢人会の方々が入場いたします」

 

王選が始まってしまったようです

 

そこにいた全員が一斉に整列をします。その間を賢人会と呼ばれた人たちが歩いていきます

 

賢人会の人たちが席に着くと今度は王選候補の四人が前にでてきます

 

進行役の騎士が順番に話を進めていこうとしますが、さすがは王選候補の人間と言うべきか早くするように促したりと場の雰囲気をぶち壊していきます

 

そのあと進行役騎士がラインハルトの名を呼びます。ラインハルトが前に出てくるとその後ろの扉が開けられ、ドレス姿のフェルトが入場してきます

 

フェルトは入場して来るやいなやラインハルトにドレスでけりをかます、スバルに腹パンなどやりたい放題したあとにラインハルトに説得されます

 

どうやら五人目の王選候補者になるようです

 

そしてそれぞれが順番に自らが王になるための演説を始めます

 

そしてエミリアの番が終わった瞬間賢人会の人達がエミリアの容姿を批判し始めます

 

ロズワールがやんわりと注意しますが、賢人会はその口を閉じることなくエミリアの罵倒を続けます

 

スバルがその罵倒をきいてもう我慢の限界というところで一人の声が響きました

 

「恐れながら賢人会の皆様、一つ意見させていただいてよろしいでしょうか」

 

その主はリードでした

 

「申してみるがいい」

 

「では恐れながら」

 

 

「貴様らのような悪しき風習をいつまでもとなえている老害どもにわが主をどうこう言われたくはない」

 

そこには、顔を怒りの表情に変えたリードがいました

 

 

 

 

 

 




次回ご都合主義展開が起こるかもです


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