デュエル好きの高校生が遊戯王の世界へ異世界転移 (スラ☆K)
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プロローグ 入学初日は異世界転移!?
「いってきまーす!」
俺は
「今日から俺も高校生か〜。実感わかねぇな〜」
俺は頭はそこそこ良いし、運動神経も悪くはない。そして1つだけあることが何よりも得意であり好きなことだ。そんなこと考えてると背後から声がした。
「おはよー!その制服、君も私と同じ高校なんだね!」
声の主は横に並んだ。女だ。誰がどう見ても。ピンクのツインテールというだけで分かる。そういった男もいるがこの人は女だ。
「え?あ…はい。そうです」
入学初日でめっちゃ可愛い女子生徒に声をかけられた。こういうのはやはり嬉しい。
「私は
「俺は神立レイヤ。同じく1年生。レイヤって呼んでくれ。よろしくノエル」
「よろしくレイヤ。それよりも、なんでさっき敬語だったの?」
「え?そりゃ君が先輩に見えたからだよ。いきなりすごい勢いで話しかけてくるから」
「ふ〜ん。あ、そうそう!1年生のクラスが1つしか無いって聞いた?」
「え?何それ?初耳だよ」
というか1クラスしかない学年なんて聞いたことがない。
「入学人数少ないんだってさ」
「へぇ〜」
つまり俺はこの子と同じクラスになるということだ。俺がノエルと話をしているといきなり目の前に紫のローブを羽織った人が現れた。
「やぁやぁ」
「うぉ!ビックリしたぁ〜」
いきなり目の前に人が現れたら誰でもビックリする。当然のことだ。ローブ姿の人の声は女の声だった。
「え〜と、私たち入学初日で遅刻したらマズイんですけど、何か用ですか?」
「1つ質問していいかな?」
「質問?」
このローブ姿の人は名乗りもせずにいきなり質問するのか?とは思ったが、質問内容も気になるためスルーした。
「キミたちは、“遊戯王デュエルモンスターズ”というのを知っているかな?」
「知ってますよ!あの人気のカードゲームのことですよね!」
俺はすぐに反応した。俺の最も得意で好きなことだからだ。
「私も知ってます!すっごく好きなんですよ!」
意外だった。まぁ出会ったばかりだからノエルのことは何も知らないけど、俺は“遊戯王”を女がやっているイメージが無いからそう思った。
「そうか。キミたちは2人共遊戯王が好きなんだね」
「もちろんです!え〜と、私たちへの質問はそれだけですか?」
「そうだね」
「じゃあ俺たち遅刻したら大変なのでこれで」
そう言って俺とノエルはその場を後にしようとしたが、
「質問は終わり。重要な事が聞けたからね。その返答をしてくれたから、キミたちを素敵な場所へ案内しよう」
「え?」「え?」
次の瞬間、俺とノエルは気を失った。
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第1話 試験デュエル 前編
……きて!起きて!
その言葉で俺は目を覚ました。
「な〜んで俺寝てたんだ?……ていうか学校遅れる〜!」
「ま、待って!」
隣にいたノエルが腕を掴んで止めた。
「いやいや!急がないと……うん?ここどこだ?」
全く知らない場所だった。
「どうもどうも」
「うわっ!って、またお前かよ」
突然後ろから声がしたと思って振り返ると、紫のローブ姿の人がいた。
「ここどこですか?」
「気になるよね〜?ツインテールのキミはかわいいから特別に教えちゃう!あ、もちろんキミにもね」
なんか俺、おまけみたいで悲しいわ。聞けるならこれほどいいことはないが。ナイス!ノエルさん!
「初めに言っとくけど、ここはキミたちがいた世界とは別の世界だからね?」
「「はい!?」」
ま・さ・かの異世界転移だったー!
「俺たちは元の世界に帰れるのか!?」
「無理だね!この世界は別の世界から入ることは可能だけど、出ることはできないからね」
「それって私たち元の世界だと行方不明なんじゃ……」
「あぁ!それなら問題ないよ!この世界に来ると、元の世界の人たちの記憶からキミたちのことは無くなってるから!」
「じゃあ私たちは……」
「元いた世界だと、最初からいなかったってことか?」
「そう」
聞いた時は、ふざけんな!って思ったけど、帰れない訳だし、今後どうしていくのかを考えることにした。
「で、これから何したらいいんだ俺たちは?」
「今からキミたち2人には、デュエルアカデミアに通ってもらう」
「デュエルアカデミアってマジ!?」
「レイヤ、デュエルアカデミアって何?」
「デュエルアカデミアっていうのは、遊戯王の学校だよ」
まさかデュエルアカデミアに通えるとは!これはもう、圧倒的感謝!ってやつだ!
「キミ知ってるんだ?」
「ま、まぁ……。あーでもでも、俺たちデッキ持ってないぞ?」
「あ、私も」
元々高校へ行く予定だったのだから、持ってなくて当然だ。
「本当に?キミたちポケット確認した?」
「いやだから無いって……あるー!それにさりげなく制服も少し変わっとるー!」
ここは異世界。なんでもアリか!?デッキの中身を確認したけど、確かに俺のデッキだった。
「私もあった!……ふむふむ。うん、絶対これ私のデッキ!」
「良かった良かった。デッキがないと試験デュエルも受けれないからね。とりあえず、デュエルアカデミアに案内するよ」
試験デュエルか……。それって勝てば合格なのか?それともプレイングの良さなのか?分からぬ……。と、考えている間にデュエルアカデミアに着いた。本物は(当然だけど)初めて見た。東京ドームくらいある。いやデッカ!
「さぁ中に入って」
「す、すごい……」
「まさかデュエルアカデミアがこんなにも大きいとは……」
ウィーン
しかも自動ドア。さすがデュエルアカデミア。
「え〜と確か……あった。キミたちはこの部屋に入って」
指示に従って部屋に入った。中には10個のステージがあった。
「ここは何の部屋ですか?」
「ここはフリーデュエルアリーナ。その名の通り、自由にデュエルしていい部屋だよ」
「ちょ待てや」
「ん?何か?」
「そのデュエルをするための机が1つもねぇじゃねぇか。ステージだけ用意されても困るんだが?」
「何を言って……あれ?キミたちよく見たら腕に
「アレ?」
「ちょっと待ってて。今持ってくるから」
と言って、部屋を出ていった。
「レイヤ、アレって何だと思う?」
「う〜ん……。腕につける何か……あ!もしかして!」
どうやら戻ってきたみたいだ。手には画面がついた板を2つ持っていた。
「ごめんごめん、お待たせ!はいこれ」
「何これ?スマホ?」
「スマホじゃないよ。これはデュエルディスクさ」
「デュエルディスクってあの腕につける機械の?」
「そうそう」
思ってた形とはかけ離れてる。デュエルディスクっていったら、腕につける部分が丸の形で、その先にへの字の形のパーツが付いているイメージなんだけど?
「デュエルディスクってこんな形だったっけ?私あんまり記憶にないから分かんないな〜」
ノエルもか。こんなスマホみたいなのがデュエルディスクなんて誰も信じられない。
「さ、つけてつけて」
「こうですか?」
「こうか?」
画面側を表にして、腕につけた。
『デュエリストネームヲニュウリョクシテクダサイ』
「わわっ!デュエルディスクが喋った!?」
「すごいな最新の技術は。え〜とそれじゃあ、《神立レイヤ》っと」
『《神立レイヤ》デスネ。トウロクカンリョウデス。デュエルヲタノシンデクダサイネ』
「おお〜」
「すごいすごい!私も!《新条ノエル》っと」
『《新条ノエル》デスネ。トウロクカンリョウデス。デュエルヲタノシンデクダサイネ』
「私こういうの初めて見た!」
「どこでもいいから画面をタッチすればデュエルモードになるから。じゃあそろそろ試験デュエルの時間だから準備しといてね」
「オッケー」「了解です!」
ノエル敬礼しとるし。
「移動すっか」
俺はステージの1つにあがり、決められた立ち位置に立った。ノエルはその隣のステージに立った。
「白線引いてあるしここだろ」
ノエルも移動が完了したようだ。そして、先生と思われる人物が2人来た。
「あれ?待って…あの人たちなんか見覚えが…」
「おや?2人だけなんですか?」
「もっといるって聞いたんだけど?」
「あ、もう少ししたら他の受験生も来ます。この子たちは早く来すぎてしまったみたいなので」
先生と知り合い?どんな関係よ?ていうか本当にどっかで見た気がするんだけど誰だったかな……。
「そうですか。まぁ、早めの行動は大事ですから」
「とりあえず試験デュエルを始めよう!僕は片桐大介だよ」
「僕は
「「ファ!?」」
そうだ!遊戯王
「どうしました?」
「い、いえ……まさか有名人が先生をやっているとは思わなかったので……」
「隣と同じく」
俺の相手はⅣか。ヤバイ……俺のデッキ相性悪い……。
とか考えてると、ローブの奴が開始宣言した。どうやら審判するらしい。
「それでは始めてください」
「よろしくお願いします」
さっすがⅣ先生。表は礼儀正しい。
「こちらこそよろしくお願いします!」
「よろしく!」
あっちと同時なのか。
「え、えっと…よろしくお願いします!」
ノエル大丈夫かな?片桐先生のデッキに相性なんてものないと思うからよっぽど大丈夫だろうけど……【弁慶ワンキル】だったらヤベェな。まぁいいや……やるか!
Ⅳ&レイヤ
「「デュエル!」」
片桐&ノエル
「「デュエル!」」
こうして俺たちの試験デュエルが始まった。
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第1話 試験デュエル 後編
俺とノエルはデュエルディスクの画面をタッチした。
キュイーン
すると画面が光り、その側面からは横長に光が出てきた。
「お〜。すげ〜な〜」
「まさかデュエルディスクを使う日が来るなんて思わなかったな〜!」
ノエルはとても感動している。俺もなんだが
〜Ⅳ&レイヤ〜
「先攻は受験生の方からと決まってるのでどうぞ」
「あ、分かりました(Ⅳの裏を知ってると優しい感じの性格は違和感を感じるな)。俺のターン。《
OToサンダー
光 レベル4 A1300 (D600)
「効果発動!1ターンに1度、手札から自身の同名カード以外の光属性・雷族・レベル4モンスター1体を召喚できる!来い!《
OKaサンダー
光 レベル4 A1400 (D700)
「まだまだ!OKaサンダーはOToサンダーと同じ効果がある!手札から《
ONiサンダー
光 レベル4 A900 (D400)
「ONiサンダーの召喚時にデッキからONiサンダー以外の光属性・雷族・レベル4モンスター1体を手札に加える事ができる!俺は《サンダー・シーホース》を手札に加え、この《サンダー・シーホース》の効果発動!こいつを墓地へ送ってデッキから光属性・雷族・レベル4の同名モンスター2体を手札に加える。俺はデッキから《ONeサンダー》2体を手札に加える。そしてカードを1枚セットしてターンエンド!」
レイヤ LP4000
手札4
Ⅳ LP4000
手札5
◯◯セ◯◯
◯トカニ◯
◯ ◯
◯◯◯◯◯
◯◯◯◯◯
ト:OToサンダー
カ:OKaサンダー
ニ:ONiサンダー
セ:伏せカード
「それでは僕の……」
「先生ー」
「? どうしましたか?」
「いつもの調子でやってくれていいんですよ?というかそっちの方がいいです」
「……そうですか。なぜあなたが知っているのかは分かりませんが、それを望むのなら」
「すいません。そっちの方が聞き慣れてるのでお願いします」
「時々良く分からない事を言いますね?まぁ、いいでしょう。それでは改めて……俺のターン!」
やっぱⅣはこっちじゃないとな。こっちにはエクシーズがいないからジャイアントキラー出されても問題ないな。他の2体はキツイけど。
「俺は《ギミック・パペットーギア・チェンジャー》を召喚!」
ギミック・パペットーギア・チェンジャー
地 レベル1 A0 (D0)
「さらに相手フィールドにモンスターが存在し、俺のフィールドのモンスターがギミック・パペットのみの時、手札から《ギミック・パペットーマグネドール》を特殊召喚できる!」
ギミック・パペットーマグネドール
闇 レベル8 A1000 (D1000)
「ギア・チェンジャーの効果発動!自身のレベルをマグネドールと同じ8にする!」
ギア・チェンジャー
レベル1→8
「レベル8のモンスターが2体。早速来るか!」
「俺はレベル8のギア・チェンジャーとマグネドールでオーバーレイ!2体の闇属性モンスターでオーバーレイネットワークを構築!」
“《エクシーズ召喚》!
現れろNo.40!
《ギミック・パペットーヘブンズ・ストリングス》!
ギミック・パペットーヘブンズ・ストリングス
闇 ランク8 A3000 (D2000)
そりゃそっち出しますよね〜
「さらに俺はヘブンズ・ストリングスに《エアークラック・ストーム》を装備して、バトル!ヘブンズ・ストリングスでOKaサンダーを攻撃!」
「永続トラップ発動!《スパーク・バリア》!このカードがある限り、俺の光属性・雷族・レベル4のモンスターとの戦闘で俺はダメージを受けない!」
「だが破壊はさせてもらおう!」
2体モンスターが残れば手札のモンスターと合わせて俺のエースを召喚できる!
「《エアークラック・ストーム》の効果!装備モンスターであるヘブンズ・ストリングスが相手モンスターを破壊した事で、もう1度だけ攻撃が可能となる!」
「追加攻撃だと!?」
「ヘブンズ・ストリングスでOToサンダーを攻撃!」
ヘブンズ・ストリングスが剣を振り下ろし、OToサンダーも破壊した。
「クッソ!2体破壊されるのは想定外だ!」
「俺はカードを1枚セットし、ヘブンズ・ストリングスの効果発動。
ヘブンズ・ストリングス
ORU 2→1
レイヤ LP4000
手札4
Ⅳ LP4000
手札1
◯◯バ◯◯
◯◯◯ニ◯
◯ ◯
◯◯ヘ◯◯
◯◯エセ◯
ニ:ONiサンダー
バ:スパーク・バリア
ヘ:ヘブンズ・ストリングス
エ:エアークラック・ストーム
セ:伏せカード
あれ?ヘブンズ・ストリングスの効果ダメージって俺の記憶だと破壊したモンスターの数×500だった気が…ま、いいや。にしてもこれは…最悪素材にしないといけない状況になったな…。
「俺のターン!よし!《OKaサンダー》を召喚!そのまま効果発動!《
ONeサンダー
光 レベル4 A900 (D400)
「ONeサンダーの召喚により、墓地のOToサンダーを除外。じゃあそろそろ俺のエースを先生に見せるぜ!俺はレベル4のONiサンダー、OKaサンダー、ONeサンダーでオーバーレイ!」
“現れろNo.91!
その雷鳴は天空に、地底に、深海に轟く!
今その力をもって世界を揺るがせ!
《エクシーズ召喚》!
来い!ランク4!
《サンダー・スパーク・ドラゴン》!!
サンダー・スパーク・ドラゴン
光 ランク4 A2400 (D2000)
「エースモンスターか。だがヘブンズ・ストリングスの攻撃力には程遠い!」
「俺のエース、サンダー・スパークの前ではいかなるモンスターでも塵と化す!効果発動!ORUを3つ使い、自身を除く全モンスターを破壊する!《バースト・サンダー》!」
サンダー・スパーク・ドラゴンが辺りに電撃を放つと、ヘブンズ・ストリングスがその電撃を喰らい、破壊された。
「攻撃もせずにヘブンズ・ストリングスを破壊するとは…!」
「バトルだ!サンダー・スパークでダイレクトアタック!《スパーク・ショック・ブレス》!」
ドォーン!
「決まったぜ!もう少しだ!……ってあれ?」
Ⅳのライフが減っていない。
「残念だがその攻撃、俺には届かなかった。この永続トラップ《ギミック・ボックス》の効果により、戦闘ダメージを無効にした。そしてこのカードはモンスターカードとなりモンスターゾーンに特殊召喚され、その攻撃力は無効にした戦闘ダメージと同じになる。攻撃はできないがな」
ギミック・ボックス
闇 レベル8 A2400 (D0)
「レベル8かよ…。カードを1枚セットし、このエンドフェイズ、ONeサンダーの効果で除外していたOToサンダーを手札に加えてターンエンド」
レイヤ LP4000
手札4
Ⅳ LP4000
手札1
◯◯バセ◯
◯◯サ◯◯
◯ ◯
◯◯ボ◯◯
◯◯◯◯◯
サ:サンダー・スパーク・ドラゴン
バ:スパーク・バリア
ボ:ギミック・ボックス
「俺のターン、ドロー!俺は魔法カード《コンドーレンス・パペット》を発動!」
コンドーレンス・パペット?あんなカード始めて見たわ。
「このカードの効果で相手フィールドのEXデッキから特殊召喚されたモンスターの数+1体、デッキからギミック・パペットを墓地へ送る」
「今俺の場に該当するモンスターは1体だから2体デッキから墓地へ送るって事か」
「俺は《ギミック・パペットーネクロドール》と《ギミック・パペットーシャドーフィーラー》を墓地へ送り、今墓地へ送ったネクロドールの効果発動。墓地から別のギミック・パペットを除外して自身を特殊召喚する。俺はギア・チェンジャーを除外。蘇れネクロドール!」
ギミック・パペットーネクロドール
闇 レベル8 A0 (D0)
俺の場にはエクシーズモンスター、Ⅳの場にはレベル8のモンスターが2体。それすなわち…
「俺はレベル8のギミック・ボックスとネクロドールでオーバーレイ!」
“現れろ、No.15!
運命の糸を操る地獄からの使者、漆黒の闇の中より舞台の幕を開けろ!”
《エクシーズ召喚》!
ランク8、《ギミック・パペットージャイアントキラー》!!
ギミック・パペットージャイアントキラー
闇 ランク8 A1500 (D2500)
出たー。エクシーズ特攻のジャイアントキラー。
「俺はジャイアントキラーの効果発動!ORUを1つ使い、相手フィールドのエクシーズモンスターを全て破壊する!」
ジャイアントキラー
ORU2→1
「それ原作効果じゃねぇか!異世界は本当になんでもアリだな!?トラップ発動!《サンダー・スパーク・ソウル》!このカードをサンダー・スパークのORUにして、このターン、サンダー・スパークは効果で破壊されなくなる!ジャイアントキラーの欠点はその低い攻撃力。効果を防げてしまえば突破手段は消える!」
サンダー・スパーク
ORU0→1
「クククッ…。それはどうかな?」
「何?」
サンダー・スパーク・ドラゴン
A2400→0
「サンダー・スパークの攻撃力が!」
何が起こったのか全く分からなかった。
「ギミック・ボックスはORUから墓地へ送られた時、相手フィールドのモンスター1体の攻撃力を永続的に0にする効果がある」
「んな効果あのカードにあったか!?原作やOCGと違う効果もあるのかよ…。勘弁してくれー」
「バトル!ジャイアントキラーでサンダー・スパークを攻撃!《ファイナル・ダンス》!」
「発動中の永続トラップ《スパーク・バリア》をサンダー・スパークのORUにする事で、このターン、そのサンダー・スパークを戦闘による破壊から守る!」
サンダー・スパーク
ORU1→2
「だがダメージは受けてもらう!」
れ
「ぐあっ!」
【LP4000→2500】
「バトル終了。このままだとお前のエクシーズモンスターの効果でジャイアントキラーが即死してしまう。そこで俺は墓地の《コンドーレンス・パペット》を除外してその効果を発動。これでジャイアントキラーはフィールドにいる限り相手の効果で破壊されなくなる。ターンエンドだ」
「効果破壊耐性はキツイぜ…。俺のターンドロー!(こいつならまだ引けるな)魔法カード《貪欲な壺》[B中央]を発動し、墓地の《サンダー・シーホース》、《ONiサンダー》、《ONeサンダー》、《OKaサンダー》2体をデッキに戻し、2枚ドロー!(この手札なら…!)俺はOToサンダーを召喚!効果でOKaサンダー召喚!そして効果でONeサンダー召喚!」
「一気に3体のモンスターを召喚か」
「そしてサンダーファミリーの3体でオーバーレイ!」
“現れろ、No.32!
世界最大の力を持つ深海の帝王!
その牙で全てのものを噛み砕け!”
《エクシーズ召喚》!
ランク4!
《海咬竜シャークドレイク》[M左2↑]!
海咬竜シャークドレイク
水 ランク4 A2800 D2100
「そのナンバーズは凌牙の…!」
「あぁ、そっか。原作だとシャークが使ってたナンバーズだったな。まぁいいや。続けて装備魔法《エクシーズユニット》[B中央]をシャークドレイクに装備!装備モンスターの攻撃力はそのランクの数×200アップする。シャークドレイクのランクは4。よって800アップ!」
シャークドレイク
A2800→3600
「ちっ…。シャークドレイクの攻撃を防ぐ手段がねぇ」
「バトル!シャークドレイクでジャイアントキラーに攻撃!」
「ぐ…!」
【Ⅳ・ライフ4000→1900】
「シャークドレイクの効果発動!相手モンスターを破壊した時、ORUを1つ使い、そのモンスターを攻撃力を1000ダウンさせ攻撃表示で特殊召喚させる!」
シャークドレイク
ORU3→2
ジャイアントキラー
A1500→500
「そしてシャークドレイクは続けて攻撃できる…」
「さすがⅣ先生!シャークドレイクにはお詳しい!」
「というわけでシャークドレイクでジャイアントキラーに再攻撃!デプス・バイトォ!」
「フッ…やるじゃねぇか」
【Ⅳ・ライフ1900→0】
「勝ちましたが合格…でしょうか?」
「……文句なしの合格です!いやぁまさか凌牙のナンバーズを持っているとは…」
「性格が戻った!デュエルの時だけ性格変わるあれか」
「おや?まだ片桐先生の方が終わってないみたいですね?」
「え?あ、本当だ」
「様子を見てみますか」
俺とⅣ先生はノエルの試験デュエルを見学しにいった。
【片桐・ライフ4000 手札2
フィールド 《獣神機王バルバロスUru》[M中央↑]】
【ノエル・ライフ4000 手札4
フィールド セットカード[B中央]】
「僕は《愚鈍の斧》[B中央]を《獣神機王バルバロスUru》に装備!これでバルバロスUruの効果は無効になり、攻撃力が1000アップ!」
バルバロスUru
A3800→4800
「さすがは片桐先生。バルバロスUruは高い攻撃力を持っている代わりに戦闘ダメージを与えられない効果がある。愚鈍の斧を装備する事で、攻撃力を上げるだけでなくデメリットも失くす事ができる」
というか片桐先生バルバロス使ってるのか。愚鈍バルバロスはマジで容赦ないな。ノエルのライフは4000だけどモンスターがいないから即死だぞ。
「バルバロスUruでダイレクトアタック!」
「トラップ発動!《ガード・ブロック》!」
「それは戦闘ダメージを無効にして1ドローするカード!ということは…!」
「さっき《鳳凰神の羽根》でデッキの上に置いたモンスター《封印されしエクゾディア》!これでエクゾディアが完成!」
そう言って見せびらかしたノエルの手札にはしっかりと、《封印されしエクゾディア》、《封印されし者の右腕》、《封印されし者の左腕》、《封印されし者の右足》、《封印されし者の左足》の5枚のエクゾディアパーツが揃っている。ノエルはエクゾデッキなのか。……あんまあいつとは戦いたくねぇなぁ…。エクゾは苦い思い出しかねぇ。
「手札にエクゾディアパーツが5枚揃った事でエクゾディアが解放され、相手に測定不能数値、すなわち∞のダメージを与える!」
「それデュエルに勝利するって効果であって、ダメージではな……
「エクゾード・フレイム!」
うわああああ!!!!」
「先生にも容赦ねぇ…」
「試験は合格だよ。おめでとう」
「ありがとうございます!」
「試験は終わりましたが、これからどうすればいいんでしょうか?」
「私が案内しましょう!」
「ではよろしくお願いしますゼータさん。僕と片桐先生はこれから来る生徒の試験の面倒を見ないといけないので」
とⅣは言ったが、ゼータって名前すごいな。偽名か?
「さ、行きましょう」
「お、おう…」
「…はい」
ノエルもゼータって名前に驚いている様子だった。そしてこれから俺とノエルの異世界でのしかも遊戯王の学校生活が始まる。……のかも。
今回登場したオリジナルカードの詳細
スパーク・バリア
永続罠
このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、自分フィールドの光属性・雷族・レベル4モンスターとの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。②:自分フィールドに「No.91サンダー・スパーク・ドラゴン」が存在する場合にこの効果を発動できる。フィールドのこのカードを自分フィールドのXモンスターの下に重ねてX素材とする。このターン、そのモンスターは戦闘では破壊されない。
サンダー・スパーク・ソウル
通常罠
①:このカードを自分フィールドのXモンスターの下に重ねてX素材とし、このターン、そのモンスターは効果では破壊されない。
ギミック・ボックス
永続罠
①:自分が戦闘ダメージを受ける際に発動できる。その戦闘ダメージを0にして、このカードは効果モンスター(機械族・闇・星8・攻/守?)となりモンスターゾーンに特殊召喚される。②:このカードの効果で特殊召喚したこのカードの攻撃力・守備力はこのカードの①の効果で0にした戦闘ダメージの元々の数値分アップする。③:このカードは攻撃できない。④:X素材のこのカードが墓地へ送られた場合、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力を0にする。
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第2話 霧に紛れし決闘者 前編
ゼータに案内された俺とノエルは、『待機室』と書かれた部屋に入った。中はいたって普通の教室で、縦5つの机が5列並んでいて前にはホワイトボードと教卓があった。
「待機室っていうから中は空っぽかと思ったけど教室そっくりね」
「ここは元々は使われていない教室だったからね。じゃあしばらくの間待っててね〜」
と言ってゼータはその場を後にした。と言っても特にすることが無いため暇だ。ここはノエルにデュエルを誘おう。
「なぁ暇だしデュエルしようぜ」
「いいよー。私も暇だから今誘おうとしたんだよね」
と、笑みを浮かべながらノエルは返答した。
「じゃあ決まりだな!あ、ディスクは使わないぞ?」
「分かってるよ。ていうか私たちからしたら机の上とかでやるのが普通でしょ」
「たしかに」
そう言いながら準備をしていると教卓の方から声がした。
「こんにちは」
教卓の裏から出てきたのは女子だった。青色のショートヘアーで、背は約160cmの俺と同じくらいだ。教卓の裏にいたから入ってきた時は見えなかったようだ。なぜ教卓の裏にいたかは分からないが。
「あれ?もしかしてずっといました?」
ノエルが聞いた。
「あなたたちがここに来る30分前くらいからいたわ」
青髪の女が答えた。
「そうなのか。あ、俺は神立レイヤ。こっちは新条ノエル。よろしく」
「青霞(あおかすみ)マナよ。実は別の世界から来たの。よろしく」
その言葉に俺とノエルは驚愕した。
「てことは異世界転移したってことか!?」
「そうなるわね」
「この子、私たちと同じだよ!」
「? あなたたちもなの?」
「そうなんだ」
「ならもっと仲良くなれるかもね。それよりもレイヤくん。私とデュエルしない?」
「デュエル?いいけどノエルと先に1戦やらしてくれ」
「分かったわ」
「というわけでやるぞ!」
俺は視線をマナからノエルに向けた。
「オッケー」
〜数分後〜
「《封印されし者の右腕》に《デーモンの斧》を2枚装備!そのままダイレクトアタック!」
「負けたー!まさかエクゾパーツに殴られるとは…。初めての経験だな〜」
「それじゃあ私とやりましょ」
「ああ!」
「実はここ、デュエルステージにつながる隠し通路があるの。そこでやらない?」
「おおマジか!行こう行こう!」
「隠し通路?なんでまたそんなものが…」
と、喋っている間にマナが隠し通路を出した。3人は隠し通路を通っていった。
「ここはたまたま見つけたのか?」
「そうよ」
「すごいね〜。こんなの見つけちゃうなんて」
「ほんとにたまたまなの。あ、もうすぐね」
マナがそう言うと、俺も含めて全員が前を向き出口の光を浴びた。そこには試験デュエルを受けたステージと同じものが1つだけあり、それ以外には何もなく周りは模様もないただの壁だ。
「ステージは1つだけなんだな」
「ま、簡易的なデュエルステージなんでしょうね」
「わざわざ隠し通路にする意味があるのかな〜?」
「少なくとも無いことは無いんじゃないでしょうか?」
「一旦その話は終わり!さ、マナ。やろうやろう!」
そして俺はデュエルステージに上がった。
「そうね」
マナもステージに上がる。そのあとマナに、なぜわざわざステージに誘ったか聞いてみると、いろいろなモンスターのソリットビジョンが見たいということらしい。そりゃそうだ。俺たちがいた世界にはソリットビジョンシステムなんてもの存在しないのだから。
「よし!いくぜ!」
「こっちも準備完了」
俺とマナはデュエルディスクを構えた。ノエルが開始宣言をする。
「それじゃあ…デュエルスタート!」
「デュエル!」「デュエル!」
「俺の先攻!《OToサンダー》[M中央↑]を召喚!その効果で《ONiサンダー↑》[M右2]も召喚するぜ!」
OToサンダー
光 レベル4 A1300 D600
ONiサンダー
光 レベル4 A900 D400
「ONiサンダーの効果でデッキから《OKaサンダー》を手札に加える。そしてレベル4のONiサンダーとOKaサンダーでオーバーレイ!」
“《エクシーズ召喚》!
《No.39希望皇ホープ》[M中央↑]!
ホープ
光 ランク4 A2500 D2000
「初手ホープ…。悪くない先攻ね」
「カードを2枚セット[B中央 右2]してターンエンド!」
「そう…悪くない先攻であるけど良い先攻でもないわ!私のターン!私は《アクアミスト・ゴールドフィッシュ》[M中央↑]を召喚!」
ゴールドフィッシュ
水 レベル3 A1000 D1000
「待て待て待て!なんだそのカード!?」
見たこともないカードを見た俺は驚きしか無かった。
「アクアミスト?初めて聞いたな〜」
「このカードたちはこの世界に来た時に落ちていたカードなの」
「そうなのか。見たこともないカードが落ちてるとか…さすが異世界だな…」
「ま、いいわ。デュエルを続けよう。召喚したゴールドフィッシュの効果発動!手札からアクアミストモンスター1体を特殊召喚する!私は《アクアミスト・ジェルフィッシュ》[M左2↑]を特殊召喚!」
ジェルフィッシュ
水 レベル3 A800 D1000
「特殊召喚したジェルフィッシュの効果!デッキからアクアミスト魔法カードを手札に加える!デッキから永続魔法《アクアミスト・スペース》を手札に加え、これを発動[B中央]!」
すると、辺りには薄い霧が出てきた。
「辺りに霧が…」
「さらに、自分のフィールドにアクアミストカードが3枚以上ある時、手札からこのカードを特殊召喚できる!《アクアミスト・フライフィッシュ》[M右2↑]!」
フライフィッシュ
水 レベル4 A1500 D1200
「めっちゃモンスター展開してるけど、みんな攻撃力低いな?」
「まぁコンボデッキだし。バトル!ジェルフィッシュでホープを攻撃!」
「自爆特攻!?これは何か狙ってるな…。それじゃあその攻撃宣言時、ホープの効果を発…」
「悪いけど、アクアミスト・スペースの効果で、アクアミストが攻撃した場合相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠・モンスター効果を発動できないわ」
「つっよ!アンティークギアかよ…」
ジェルフィッシュはホープにめがけて突進するが、ホープの自らの剣による迎撃であっさり真っ二つ。
「いったた…」
【マナ・ライフ 4000→2300】
真っ二つにされたジェルフィッシュは霧となって拡散され、それが集まっていき形を変え元のジェルフィッシュに戻った。いわゆる再生能力だ。
「破壊したはずのジェルフィッシュが!」
「これはアクアミストモンスター全てが持つ、『戦闘では破壊されない』効果よ」
「は?戦闘で破壊されない効果が…」
「共通効果って…」
その時、俺とノエルは同時に同じ事を思った。
(いや…。強くない?)
強すぎる。戦闘で破壊されない効果はカードの効果でいくらでも対処できるから無敵ではないけど、それが共通効果であって全てのモンスターが持っているなら話は別だ。
「驚いているところ悪いけど進めるわよ?私がダメージを受けたことでアクアミスト・スペースの効果発動!次の相手ターン終了時まで、受けたダメージの数値分だけ自分フィールドのアクアミストの攻撃力をアップさせる!」
ゴールドフィッシュ
A1000→2700
フライフィッシュ
A1500→3200
ジェルフィッシュ
A800→2500
「破壊されないアクアミストの弱点を補う効果…でもあるけど、単純に攻めるのに使える。あの永続魔法厄介だなぁ…」
「ゴールドフィッシュでホープを攻撃!」
「ホープ…!」
【レイヤ・ライフ4000→3800】
「マナのフィールドにはまだ攻撃力3200のフライフィッシュが…」
「トラップ発動!《エクシーズ・リボーン》!墓地のXモンスターを特殊召喚し、このカードをオーバーレイユニットにする!ホープを守備表示で特殊召喚[M中央→]する!」
「ならフライフィッシュでホープを攻撃!」
「本来ならもっと防げたんだが、ホープの効果が使えないんじゃ仕方ねぇよなぁ…」
「? もしかして『このターンの攻撃は防げた』って思ってるのかしら?」
「え?」
「速攻魔法《アクアミスト・フュージョン》発動!」
「フュージョン!?」
「このカードは私が戦闘ダメージを受けたターンに発動できる融合カード。手札・フィールドから素材モンスターを墓地へ送り、アクアミストモンスターを融合召喚するわ」
速攻魔法の融合は珍しい。俺が今まで見た速攻魔法の融合は多くない。
「私はフィールドのゴールドフィッシュ、ジェルフィッシュ、フライフィッシュを融合!」
“水面に浮かぶ薄き霧。
ここに混ざり合い、巨影生み出す存在となれ!”
《融合召喚》!
レベル8、《アクアミスト・ジャイアントホエール》[M中央↑]!
ジャイアントホエール
水 レベル8 A2800 D2400
召喚されたモンスターは相当広いこの部屋の大半を影で覆う程の大きさだった。
「な…」
「な…」
「何だこのデカさーー!!」「何この大きさーー!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
脅威の大きさに驚きを隠せない2人。
この巨大モンスターの効果、勝負の行方はいかに!?
後半へ続く。
今回登場したオリジナルカード詳細
アクアミスト・ゴールドフィッシュ
水 レベル3 魚族 A1000 D1000
①:このカードは戦闘では破壊されない。②:このカードが召喚に成功した場合に発動できる。手札から「アクアミスト」モンスター1体を特殊召喚する。③:???
アクアミスト・ジェルフィッシュ
水 レベル3 水族 A800 D1000
①:このカードは戦闘では破壊されない。②:このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「アクアミスト」魔法カード1枚を手札に加える。③:???
アクアミスト・フライフィッシュ
水 レベル4 魚族 A1500 D1200
①:このカードは戦闘では破壊されない。②:このカードは自分フィールドに「アクアミスト」カードが3枚以上存在する場合、手札から特殊召喚できる。③:???
アクアミスト・スペース
永続魔法
①:このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、自分フィールドの「アクアミスト」モンスターが攻撃する場合、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠・モンスター効果を発動できない。②:1ターンに1度、自分が「アクアミスト」モンスターとの戦闘でダメージを受けた場合に発動できる。次の相手ターン終了時まで、自分フィールドの全ての「アクアミスト」モンスターの攻撃力は受けたその戦闘ダメージの数値分アップする。
アクアミスト・フュージョン
速攻魔法
①:自分が戦闘ダメージを受けたターンに発動できる。「アクアミスト」融合モンスターによって決められた融合素材モンスターを手札・フィールドから墓地へ送り、その融合モンスターをEXデッキから融合召喚する。
アクアミスト・ジャイアントホエール
水 レベル8 魚族 融合 A2800 D2400
「アクアミスト」モンスター×3
①:???
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第2話 霧に紛れし決闘者 後編
【レイヤ・ライフ3800手札2墓地4デッキ34除外0
フィールド セットカード[B右2]】
【マナ・ライフ2300手札2墓地4デッキ33除外0
フィールド 《アクアミスト・ジャイアントホエール》[M中央↑]、《アクアミスト・スペース》[B中央]】
「いくわよ!ジャイアントホエールでダイレクトアタック!」
「うぉあ!」
【レイヤ・ライフ3800→1000】
あまりに激しい攻撃に、俺は吹っ飛んだ。
「レイヤ大丈夫!?」
「いってて…。…大丈夫だ」
「ジャイアントホエールの効果発動!ジャイアントホエールのバトルで自分か相手がダメージを受けた時、その数値分ジャイアントホエールの攻撃力がアップするわ!」
ジャイアントホエール
A2800→5600
「ダイレクトアタックなら実質攻撃力2倍じゃんそれ」
「その通り。そしてジャイアントホエールは戦闘・効果で破壊されない効果も持ってるわ」
「え、効果まで?」
「アクアミスト融合モンスターは効果での破壊耐性も付くのよ。カードを1枚伏せて[B右2]ターンエンド」
「うぉ〜…」
俺はこの状況に頭を抱えた。そんな俺を見ていたノエルが言った。
「レイヤ?頭抱えてどうしたの?」
「いやさ〜。なんでこうも続けて効果破壊耐性持ってるやつと戦うのかなぁって思って」
「良くないの?」
「あぁ良くない。効果破壊耐性付きじゃサンダースパークで破壊できないからキツイ」
対策手段は一応用意してあるが
「攻めのモンスターで破壊できないのね」
「そうなんだよ…。俺のターンドロー…あっ。解決した」
「こっちは攻撃力5600で戦闘でも効果でも破壊できないジャイアントホエールがいるのに?」
「あぁ!魔法カード《バッテリー・リサイクル》発動!その効果で墓地の攻撃力1500以下の雷族モンスター2体を手札に加える!俺は《OToサンダー》と《ONiサンダー》を回収するぜ!さらに今加えた《OToサンダー》[M中央↑]を召喚!その効果で《ONiサンダー》を召喚して、またその効果でデッキから《OToサンダー》を手札に加える。そしてレベル4のONiサンダーとOToサンダーでオーバーレイ!」
“その銃口の先には獲物の姿。一撃で打ち抜け!”
《エクシーズ召喚》!ランク4!
《鳥銃士カステル》[M中央↑]!
鳥銃士カステル
風 ランク4 A2000 D1500
「カステル?知らないモンスターだわ」
カステルを知らない?う〜ん…結構有名だと思うんだけどなぁ…
「カステルって除去役で割と有名だけど知らない人もいるんだね」
そうらしい。じゃあ…
「知らないなら教えてやるぜ!こいつの力を!ORUを2つ使いカステルの効果発動!」
カステル
ORU 2→0
「一気に2つも?」
「フィールドのカードを1枚、すなわちジャイアントホエールをデッキに戻す!」
「デッキに戻す!?さすがにダメだわ!ジャイアントホエールの効果発動!自身をEXデッキに戻す!」
「自分からEXデッキに戻っただと?」
「そして墓地のアクアミスト1体を攻撃表示で特殊召喚し、その攻撃力はジャイアントホエールの攻撃力の半分の数値となり、このターン、効果で破壊されなくなるわ。蘇れ、《アクアミスト・ジェルフィッシュ》[M中央↑]!」
ジェルフィッシュ
A800→2800
EXデッキに戻って展開とか剣闘獣かよ。
「また出たよ。しかも今度は攻撃力上がって効果でも破壊できないし…うん?ジェルフィッシュが特殊召喚したって事は…」
「効果発動!デッキから《アクアミスト・コール》を手札に加えるわ」
ジャイアントホエールとジェルフィッシュは中々ヤバめのコンビだなぁ。
「何もできねぇなぁ…ターンエンド」
「この瞬間、ジェルフィッシュの攻撃力は元に戻り、効果破壊耐性も失われるわ」
攻撃力戻るんかい。ずっとかと思ったわ。
ジェルフィッシュ
A2800→800
「私のターンドロー。《アクアミスト・スピアフィッシュ》[M左2↑]を召喚よ」
スピアフィッシュ
水 レベル4 A1800 D1100
素の攻撃力が高ぇ!
「カステルの方が攻撃力はまだ上ね!」
ノエル〜。それ言ったらアカン台詞だよ〜?それにさっき手札に加えてたカードは名前からして展開用のカードでしょ〜?
「手札から《アクアミスト・コール》発動!自分フィールドにアクアミスト2体以上が存在する時、デッキからレベル4以下のアクアミスト1体を特殊召喚するわ」
ほらね?
「いでよ!《アクアミスト・ジェルフィッシュ》[M右2↑]!」
「またそいつ?」
「ジェルフィッシュの効果で《アクアミスト・フュージョンゼロ》を手札に加えるわ」
フュージョンゼロ?さっきとはまた別の融合カードか。
「スピアフィッシュの効果!1ターンに1度、フィールドの全モンスターの攻撃力を元々の半分の数値にする!」
「フィールドの全モンスター…それお前のモンスターも巻き添えじゃね?」
ジェルフィッシュ
A800→400
スピアフィッシュ
A1800→900
カステル
A2000→1000
「別にいいのよ。《アクアミスト・フュージョンゼロ》を発動!シンプルな融合カードよ。私はフィールドの3体のアクアミストを融合!再び現れよ!《アクアミスト・ジャイアントホエール》[M中央↑]!」
「すぐ戻って来たよ〜」
「融合素材として墓地へ送られたジェルフィッシュとスピアフィッシュの効果発動よ!ジェルフィッシュは相手モンスターの攻撃力を500ダウンさせ、スピアフィッシュはジャイアントホエールに貫通効果を付与するわ!」
「な!ジェルフィッシュはそんな効果まで!?さっきは使える状況じゃなかったから使わなかったのか…」
カステル
A1000→0
「マジかぁ…。攻撃力ゼ〜ロ〜」
「これでトドメよ!ジャイアントホエールで…」
「待った!トラップ[B右2]発動!《クロストップ》!俺の場にXモンスターが存在する時、バトルフェイズを終了する!」
「無駄よ!カウンタートラップ[B右2]《ドリームミスト》!バトルフェイズに発動されたカード効果を無効にして破壊するわ!」
「まだまだ!今無効にされたクロストップを墓地から除外して効果発動!自分フィールドのXモンスターを墓地へ送り、それと同じランクのXモンスターを墓地から特殊召喚する!俺はカステルを墓地へ送り、ホープを特殊召喚!」
「ならジャイアントホエールで破壊は…」
「悪いけどクロストップの効果で特殊召喚されたモンスターはこのターン破壊されない!」
「じゃあダメージだけでも与えるわ!ジャイアントホエールでホープを攻撃!」
「ぐっ…」
【レイヤ・ライフ1000→700】
「ダメージを受けた事でジャイアントホエールの効果で自身の攻撃力がアップ!これでターンエンドよ」
ジャイアントホエール
A2800→3100
「じゃあそろそろ決めるぜ!俺のターン!」
「ホープ1体じゃあ私どころかジャイアントホエールも倒せないんじゃない?」
「両方倒してみせるさ。俺の第2のエースでな!」
「第2のエースですって!?」
「俺は手札から《RUMーヌメロン・フォース》を発動!」
「ら、ランクアップマジック!?…ジャイアントホエールの効果発動!自身をEXデッキに戻し、墓地からジェルフィッシュを特殊召喚するわ!」
「いいぜ。結果は変わらねぇからよ!ヌメロン・フォースは俺のXモンスターをランクアップさせ、同種族のCNo.(カオスナンバーズ)を特殊召喚する!俺はランク4の希望皇ホープでオーバーレイ!」
“現れろ、CNo.39!
希望の光が勝利の道を指し示す!
その力で混沌を打ち砕け!”
《カオス・エクシーズチェンジ》!輝け、ランク5!
《希望皇ホープレイ・ヴィクトリー》[M中央↑]!
ホープレイ・ヴィクトリー
光 ランク5 A2800 D2500
「ヴィクトリー…ねぇ?まぁいいわ。それじゃあジェルフィッシュの効果を…」
「待てよ」
「? 何かしら?」
「ヌメロン・フォースにはまだ効果がある」
「あのカードはランクアップさせるだけじゃないのかしら?」
「ランクアップさせる効果の他にもう1つ。ランクアップしたモンスター以外のフィールドの全ての表側表示のカードの効果を無効にするのさ」
「全てのカードの効果を無効に!?」
「レイヤダメよ!そんなインチキカード使ったら!」
「世の中にはこんなカードよりもバケモンみてぇなカード沢山あるぞ?(フィールドで効果が発動した時に自身以外の全てのカードの効果を無効にするジャイアントハンド・レッドとか完全にこれの上位互換だろ)とにかく、これでジェルフィッシュは効果が使えなくなるだけじゃなく、戦闘破壊耐性もなくなるわけだ」
「生憎だけど、墓地のドリームミストを除外すればあらゆるダメージを1度だけ0にできるわ」
それこのターン決まらなくね?…いやこの手札なら…
「それなら関係ねぇな。バトルだ!ホープレイ・ヴィクトリーでジェルフィッシュを攻撃!そして効果発動!ORUを1つ使い、相手モンスターの攻撃力を自身の攻撃力に加えて、相手モンスターの効果を無効にする!《ヴィクトリー・チャージ》!」
ホープレイ・ヴィクトリー
A2800→3600
ORU1→0
「オネスト内蔵は強力ね。でもダメージは受けないと言ったはずよ!墓地のドリームミストを除外して効果発動!私が受ける全てのダメージを1度だけ0にする!」
「破壊は防げないぜ!行け、ホープレイ・ヴィクトリー!
《ホープ剣ダブルヴィクトリースラッシュ》!」
ホープレイ・ヴィクトリーが2つのVの字を描くようにジェルフィッシュを斬りつけた。
「え?防げるの?てっきり手札からカウンター罠が飛んでくるのを予想してたのに」
「いや待て。誰もお前の防御カードを止めるなんて一言も言ってないぞ?」
「え?まぁそうだけど…」
「速攻魔法《ナンバーズ・ストライク》!」
「ナンバーズ・ストライク!ナンバーズがモンスターを戦闘破壊したターンにEXデッキから新たなナンバーズを特殊召喚できるカードね!」
ノエルさん説明ありがとう。
「え?何そのカード?始めて見たわ」
「まぁひと昔前のカードだからなぁ。分からんやつもいるだろ」
ゼアル時代の最後のパックに入ってたスーレアのカードだ。スーレアだから多少は知ってると思ったんだけどなぁ。それとも何か?そっちの世界にはこのカードが存在しないってか?まさかな…
「で、何を出すのかしら?」
「じゃ、俺の本当のエースの登場だ!来い!《No.91サンダー・スパーク・ドラゴン》[M右2↑]!」
サンダー・スパーク
光 ランク4 A2400 D2100
「そしてナンバーズ・ストライクをORUにする!」
サンダー・スパーク
ORU0→1
「ここまでね…」
「サンダー・スパークでダイレクトアタック!《スパーク・ブレス》!」
【マナ・ライフ 2300→0】
「俺の勝ち〜!」
「むぅ〜負けたわぁ…。」
マナは悔しそうな様子だ。
「あ、最後に使ったカード見せてほしいわ」
「ん?《ナンバーズ・ストライク》の事か?まぁいいけど。ほい」
俺はカードをマナに渡した。
「へぇ〜スーレアのカードなんだ。…私はいろいろなカードを知ってるけど、やっぱりこんなカード私のいた世界には無いわねぇ…」
「え?それってマナと私たちがいた世界は別って事になるよね?」
「そう考えるのが妥当ね」
「なぁなぁ。それも気になるんだけどさぁ、もっとデュエルしね?」
「それは私も思ってたの!レイヤ、次は私がマナとデュエルする番なんだからね?」
「分かってるって」
「…ふふっ」
「?どうした急に笑って?」
「私たち今面白い事言ったかな?」
「前いた世界では仲の良い人がいなかったものだから、なんだかこの状況が嬉しくて、つい…」
「あ、ごめん!辛い事聞いて!」
「いいわよ別に。今こうしてあなたたちと楽しい時間を過ごしているんだもの。じゃあノエル、デュエルよ」
「あ、うん!」
この後俺たち3人はデュエルをして時間を過ごすのだった。
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