ここで顔隠しを右に! (にんじんsf)
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ここで顔隠しを右に!
私は頭を抱えながら誰に聞かせる事もなくつぶやいた。
目の前には薄白く輝くPCの画面、そしてそこにはこう文字が打ちこまれていた。
「ですよねー!!!」
うん、最初から分かっていた。少なくともネットの海の表層、光差す場所に左慧は存在しないと。しかし私にはそれでも探さなければならない訳があった。
始まりはあの伝説の生放送に遡る。あの時魔境板では顔隠し慧の話題で持ちきりだった。しかし私はこう思ってしまったのだ。
(顔隠し…どどど受けでは…?)
生意気そうな口調、エナドリをキメてる、そして何より顔を隠してるのがいい。マスクの下で快楽に蕩ける顔を見られないように力の入らない体で必死に抵抗してほしい。その想いは日に日に強くなっていった。
そして受けがいれば攻めがいるのはこの世の摂理。しかしここで私は苦悩する事になった。普通に考えれば攻めはアメリカチャンピオンが妥当だろう。けれど私はこの道に踏み入れる時、腐敗の神に魂を売った身である。端的に言うと男女カプは萌えない。となると大抵のカプは脱落し残ったのはモブ顔隠しと…慧顔隠しだけになってしまったのである。そしてさらに困った事に慧顔隠しは…とても美味しかったのだ。今までで最高に萌えるんじゃ?と思うほどに。
(やっぱりあの二人精神的距離がめっちゃ近い…。もう画面がイチャついてる…!尊い、あまりにも尊い!これはもう書くしか…。でも左慧はなぁ…せめてこれが他ジャンルであったならば…)
昔、K2戦争なるものが魔境板で起きた。慧×慧、この禁断の組み合わせは左慧も大丈夫派と右慧絶対固定派の
(でもやっぱり萌えは放ちたい!一人ではこの萌えを抱えるには大きすぎる…。こうなったらBAN、粘着覚悟で特攻しかけるしか…)
「あれメール?誰からだろ…ってこれルシファーさんから!?」
ルシファーとはK2戦争の時左慧許容派を率いて戦った
「えっと…?同志ヨ、今コソ楽園ヘト集エ…?あっ画像が添付されてる。VRゲームのタイトル画面かな?シャ…シャングリラフロンティア…?」
シャングリラフロンティアという名前は聞いたことがある。最近流行っているゲームでとにかく色々とすごいんだとか。私はアクション系はさっぱりだったのでやっていなかったけれど…
「これはこのゲームをやれってことよね…?」
さっぱり左慧(ルシファーさんの同志ということは十中八九そういうことだろう)とシャングリラフロンティアが結びつかないが何か不思議な引力を感じる。私は普段BLゲーをするために使っている機械にシャングリラフロンティアをダウンロードした。
これが私のシャンフロデビューであり様々な冒険の始まりだったのだ…。
ルシファー…左慧極めすぎて脳の中に瞳出来てる人。左慧に目覚めた人を感知して円環の理(裏サイト)に導いてたけど最近シャンフロ内でクラン作った。クランのマークは魚。右にメンバー固有のマークを足す。
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