サザンビーク王子の覗き見 (道化師ケダマ)
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第一章生まれ落ちた原作にない存在
1


不定期更新
なんかTipsとか前書きに書きます。




俺は人気もないごつごつとした岩の上を歩いていた。すぐ左には海。綺麗だとは思うが無慈悲にも海しか見えない。

 

 

 

山で楽しくキャンプするはずだったのに行けども行けどもキャンプ場に着かず、これはやばいと川辺を下っても人一人いない岩礁と海しか見えない。

靴を履いていても足裏に痛みがくる。

いや、これは靴擦れかな?もう遭難して数時間経つ。近くを船が通らないだろうか。

 

わざわざ足を濡らしたくはない、俺は川は通らず右へ進み続けるも気が付けばもう夜。しかし安心して寝れるような場所は未だにない。目が霞んでくるのを感じる。

 

しばらく歩くと光が見えた。誰かいるのだろうか。足を取られないように近づいてみると月に照らされたそれは古ぼけたランプだった。

 

(小さいころはアラビアンナイトも読んだな、こうランプを布で擦るんだったか。)

そうランプを控えめに擦ると手に持ったランプが熱を持った。

(んむ?擦ってないところもぬるくなった気がする。強く擦ってみよう。)

擦れば擦るほどランプは熱くなる。もう男は夢中でランプを隅々まで擦った。

 

男が満足するまでランプを磨くと、やけに周りが暗く感じる。ふと上を見ると木より高い大男が気色悪く笑いながらこちらを見ていた。

 

「み、見越した!」

「私は見越し入道ではない。私はそのランプの魔人だ。聞いたことくらいはあるだろう。好きな願いを3つまで叶えてやろう。」

 

「うそでしょ。まじかよ。こんなことがあってたまるか。本当に好きな願いを3つも叶えてくれるんだな?後になってデメリットなんてないよな?」

「あぁもちろんだ。私は全知全能だ。如何なる願いも叶えよう。」

 

 

 

男は思った。ここで帰り道なんて聞いたところで所詮独身、親もおらず帰ったところで高所作業でいつ死ぬともわからない仕事をする毎日、どうせなら小説のように生まれ変わるのもいいことだ。

どうせなら大学生のころにハマったDQ8なんかがいい。それも主人公なんかじゃなく気楽に行動できるような立場…どこぞの金持ちの放蕩息子なんかがいいな。

 

「1つ目の願いを言うぞ、いいかまだ1つ目だ。3つ目の願いを言うまで1つも叶えないでくれよ?俺をDQ8の世界、時代に、主要人物じゃない金持ちの長男として生まれ変わらせてくれ。もちろん記憶を保ったままだ。記憶がないなら俺じゃないからな!」

「うむ、DQ8だな。もちろん知っている。次の願いは何だ?」

 

 

 

 

思えば俺は心臓が弱かった。まともに働けるようになるまでカウンセリングやら投薬やらいろんな不都合を感じることも多かった。ならばもちろん。

 

「2つ目の願いだ。常に健康体で居たい。病気も呪いも毒も、全ての状態異常が効かない体にしてくれ。もちろん肉体的にも異常がないように。」

「健康か、いいだろう。最後の願いを言え。」

 

 

 

せっかくのドラクエだ。どうせなら今まで遊んだ全てのシリーズの魔法を使いまくりたい。ダメでもともと、言ってみるか。

 

「思うままに魔法が使いたい。8だけじゃないドラゴンクエストの魔法全てを。もちろん満足に使いまくれるマジックパワーもだ!」

「魔法か、いいだろう。それでは願いは聞き届けた。お前の次の生を我々は見守っているぞ。」

 

 

「え、見守ってくださるんですか。ありがたい!」

「ただし、我々が面白くないと思った時は苦難を与える。努々忘れるな。」

「え、まさか見守るって…娯楽扱いなのか!?」

「もういい、行け。」

 

 

 

「………アスさま!大変です!赤子が泣きませぬ!」

「ええい、急いで逆さ吊りにし叩くのだ!気道に水が詰まっている!」

 

スパァン!スパァン!

 

「お、おぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!???」

「おお、よかった。……様、あなたのご子息です。」

「まぁ…おさるさんみたいね。そうね、名前はどうしようかしら。」

「……様、陛下がいらっしゃいました。」

「おお、……!その子が我が子か!名前はどうするのだ?」

「あら、私もそう思っていたのよ。そうね…エリゴス、エリゴスなんてどうかしら。」

「うむうむ、良いと思うぞ。皆のもの、エリゴスの世話を頼むからな。マス……スも今回は」

「いいってことだ、わしは医師としてすべきことをしたまでよ。」

「うむ、それもそうだな。では…こ……に……」

「ええ、……ーン……許嫁……」

 

もう無理だ、意識を失いそうだ。

俺はエリゴス…俺はエリゴス…ぐぅ…




エリゴス
王子
Lv-


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2

{チャゴス}
原作においてはサザンビークの王子。
国王クラビウスの唯一の息子。
妻を亡くしたクラビウスに甘やかされて育ったことで体は太り性根が曲がり切っている。
しかし、ベルガラックに脱走して向かったり、戦闘においてはいの一番に行動することからスペックは高め。ただしへっぴり腰だからかダメージはほぼ与えられない。
原作ではこの王子を護衛しつつある儀式に挑むことになる。

{マリアン}
側仕えのメイド兼護衛。
23歳独身。
オリジナルキャラ。

{キラーパンサーの飼育}
ベビーパンサーの頃に捕獲して育てる。
野生のキラーパンサーそのものの飼育は許可されていない。
まだラパンハウスはない。

{職業}
この小説においては仕事としての職業と別に育成方針としての職業があることにしています。
クラビウスがレベル25で王家の谷の儀式を達成できたのも聖騎士としての回復スキルを駆使したと解釈してください。

{レベル40以上がいない}
現状危険な魔物はそれほどおらず、
戦争もないため上げても時間の無駄という風潮。


生まれ変わって3年、王子として育ってきた俺には弟が出来た。

名前はチャゴス。そう、あのチャゴスなのである。

どうやら俺は本来いないはずのチャゴスの兄として生まれてきたようである。たしかに金持ちだけどさぁ…。

 

母がチャゴスを生んで数日後に死んでからというものの、父が泣きながらチャゴスをあやすのを見てもしかしたらチャゴスは原作通りに甘やかされるのだろうと思った。

 

俺?俺に関しては盗み聞きした使用人曰く「気持ち悪いくらいの神童」だそうだ。

そりゃ生後半年で会話ができたり一年で部屋を歩きまくったり2年で本を読んだりすれば気持ち悪くもあるだろう。

 

父は喜んでいるようだがそうそう会いに来る時間が取れないのか3日に1度顔を見せるくらいで会話はとくにない。

しいていえば何か困っていることがないか聞かれるくらいで会話が一切弾まない。

 

今日も今日とて使用人のマリアンに図書館から魔物や魔法についての本を取り寄せてもらったがやはりというべきかゲームよりも生態が詳しく書かれていてなかなかに面白い。

 

中でもキラーパンサーをペットとして飼育する富裕層が多いそうで飼育法に関して記載されているところは写生して大事に保管してある。いずれは飼いたいものだ。

 

魔法については…とても小難しいことが書かれていた。

要約すると相性の悪い魔法を使い続けるといずれ魔法が使えなくなるだとか、蘇生は神に認められた者が夢でお告げを受けることでしか使えないだとか、マホトーンやメダパニやマヌーサは似て非なる呪文だとか。

 

いずれにしても魔法が全部使えるであろう自分には関係ない…と思っていたが、何故か自分は魔法が使えない。

マリアンに聞いてみると5歳になって神殿で祝福をうけることで初めて素質が見えるようになり呪文を使えるようになるんだという。

 

マリアンはレベル28の武闘家で、メイドの中で一番の実力者であるため第一王子の護衛らしい。父は聖騎士のレベル25だとか。

レベルについては1~5が一般的、6~15が兵士レベル、16~25が強者と呼ばれる者たち、26から40が国有数の猛者だそうな。

レベル40以上は今のところどこにもいないらしい。

 

また、レベルはなにもモンスターを殺す必要はなく訓練でもあげられるとのこと。

レベル1でサザンビーク周辺のモンスターが倒せるはずもないので納得ではある。

素振りでもレベルが上がるらしいが組手をしたほうが上がりやすいらしい。

 

ステータスは数字ではなくだいたいどのくらいかしかわからないそうだ。

ただマリアンはたまに無自覚に怪力を発揮することがありヒヤヒヤする。

箪笥を開こうとして取っ手が曲がったりするあたりメイドとしてではなく護衛としての役割が強いと認識した。

 

とりあえずは5歳になるまで部屋で本を読みながら筋トレをしようか。




エリゴス
王子
Lv-


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3

{聖堂での祝福}
オリジナル要素。
聖水と神父の祈りで神と交信させやすくして子供の職業を決めさせる儀式。
たとえその存在が神であろうとなかろうと教会の信じる神はこれ。

{物理と魔法の融合が得意になる}
かえんぎりやいなづまぎりやマヒャドぎりなど。

{職業に性格を引っ張られる}
いくつかの本質から選び出された一つを突出させることでその分野に対応する感情が強くなる。
戦士は戦いたくなる。魔法使いはものぐさになる。僧侶は慎ましやかになる。
盗賊や遊び人のように引っ張られすぎると犯罪や死に急ぐようになるとされる職業もある。


それから2年、部屋から全く出ることなく本だけが娯楽、腹筋腕立てスクワットを毎日することでこの世界の常識を覚え、レベルありの子供にも勝てるだけの筋力を手に入れたと思う。思う。思うだけかもしれない。

 

今日、城下町の聖堂で祝福を受けることになり現在同い年の子供たちと一緒に並びながら神父に聖水をかけられている。

 

「いいですか、心から神に祈るのです。神はあなたたちに選択肢を授けるでしょう。その中からあなたたちがなりたいものを選ぶのです。一生付き合うことになる職業ですので、よーく考えて選ぶのですよ。」

と神父が言うと子供達は次々に輝く。祈るとこうなるのか…。

 

「神父様!僕は戦士になりました!」「私は踊り子!きらきらしてたの!」「僕だって踊り子だもんねー!」「あそびにんだったー!!あそぶー!!」

 

おっと、祈らないと…神様ぁ!!

 

エリゴス、あなたがなれる職業は4つ。

 

賢者

盗賊

魔法戦士

聖騎士

 

賢者は攻撃魔法と回復魔法の達人になれるでしょう。

盗賊は素早く器用になれるでしょう。

魔法戦士は攻撃魔法と近接攻撃を組み合わせやすくなるでしょう。

聖騎士は回復魔法と補助魔法を操る戦士になれるでしょう。

 

どれを選んでもあなたは大成する。

 

おおっと…?4つの職業が輝いて見える、これはどれを選んでも大成するからか。

もっと魔王とかやばいのが来ると思ったが…賢者はだめだ、

本によればたしかに魔法の達人にはなるだろうが肉体的にとても弱くなるらしい。

魔法戦士もよさげだと思うが実際には魔法を使うのではなく物理と魔法の融合が得意になるだけらしい。

 

となると盗賊か聖騎士かだが、俺は全ての魔法が使える。

聖騎士より盗賊になったほうがいいと思う。きめたぞ、俺は盗賊になる!!

 

 

よかろう、エリゴスは今日から盗賊のレベル1である。

 

 

 

目を開けると神父が目の前に立っていた。

「エリゴス様、何を選ばれましたかな?」

「はい、俺は盗賊を選びました。」

「…今なんと?」

「盗賊を選びました。」

「も、もしや盗賊しかなかったのですか?」

 

「いいえ、俺はこれと思い、盗賊を、選びました!!」

 

「そうですか…エリゴス様。職業に性格を引っ張られて落ちぶれる者もいることはご存じでしょうな。職業に支配されることなく、どうか名君となってくだされ。」

「そうだな、まぁおいおい考えるさ。」

「…大丈夫ですかなぁ。」

 

職業補正のせいか帰りはとても体が軽く、街中だというのに曲芸のような動きをしてしまいマリアンに叱られてしまった。しょうがないじゃない、嬉しいんだもの。




エリゴス
王子
盗賊Lv1


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4

{練兵場}
後々話に出てくるエリゴスの所有する騎士団の訓練棟。
室内で手合わせをする。

{ホイミ}
消費MP2
回復魔法の初歩。
この世界では多くの人がこれを使えると解釈。(ヤンガスでも使えたため。)
軽傷には効果があるが重症には効きにくいという設定。

{一般的なステータス}
その職業のレベルにおいて相応か、強いか、弱いか程度しか表示されない。
MPに関しては特殊な訓練をしない限り自覚無しに魔力切れを起こすことになる。
(ベビーサタンのイオナズン未遂など)
数値化されている主人公はかなりのチート。

{ピオラ}
消費MP2
一人のすばやさを上げる魔法。
体に風を纏わせて移動補助させる魔法。
(だとスマブラでの挙動を見るに思った。)




城に戻ると父が出迎えてくれた。

「エリゴス、疲れただろう。ところで何の職業になったのだ?」

「盗賊です、父上。」

「…そうか。できれば私と同じ聖騎士になってもらいたかったものだが、お前が決めたのであれば最適の答えなのだろうな。

もし後悔するようなことがあっても私がお前を守る。

職業に呑まれることなく鍛錬するといい。」

「もちろんです、いずれは王家の谷に行かねばならないのですからね。

それまでにはレベル25を目指します。」

 

「…そうだな。簡単な回復魔法くらいしか使えない盗賊であればこそレベルは高いほうがいい。

お前は毎日鍛錬を欠かさぬようだしすぐにでもレベルはあがるだろう。

レベル5になれば練兵場で手合わせできるようにしよう。

それまでは自室で頑張るのだ。」

「はい、ありがとうございます。父上。

それでは失礼します。」

「…ああ。」

 

やはりどうにも他人行儀になってしまうな。

しかしこればかりは仕方ない。

俺にはまだクラビウス父上が自分の父親だという実感を持てていない。

 

「そういえば殿下。魔法が使えるようにはなりましたか?」

「ん?そういえば確認してなかったな。

使える魔法に関してはどうすればわかるんだ?」

「ステータスと唱えると自分に関しての情報が見れるのですよ。

私も初めてホイミが使えたときはとても嬉しかったものです。」

「ふーむ、そういうものか。ステータス。」

 

エリゴス

王子

盗賊Lv1

HP30/30

MP350/350

ちから20

すばやさ40

たいりょく10

かしこさ90

▼とくぎ

なし

▼まほう

現在非公開

 

「…マリアン、ステータスを教えてくれないか。」

「私のですか?いいですけど…ステータス。

 

マリアン

近衛メイド

武闘家Lv28

HP最大/相応

MP最大/相応

ちから強い

すばやさ強い

たいりょく弱い

かしこさ強い

▼とくぎ

あしばらい

ばくれつけん

かまいたち

せいけん突き

▼まほう

ホイミ

バギ

 

ですね。」

 

大雑把だ…俺のは数字なのにマリアンのはかなり大雑把だ。

 

「そうだな、俺は魔力とかしこさとすばやさが強いとあるな。

特技はなし。魔法は…現在未公開と書いてある。」

「未公開…ですか?うーん、とりあえず盗賊はホイミを使えたはずなので使ってみてはどうです?」

「そうか。【ホイミ】。」

 

手のひらが光り輝く。心地よい光を感じる。

これがホイミか。

これが魔法か。

 

「あら、成功しましたね。うーん、未公開って何があったんでしょうね。

でも使えるなら問題ないですね。

盗賊はたしかホイミのほかにも使える魔法があった気がしますが…なんでしたっけ?」

「あぁ、そうだな。【ピオラ】。」

 

体が軽く感じる。動いてみよ「殿下!!」

 

 

 

気が付くと自室に寝かされていた。

マリアン曰くかなりの速さで壁に突っ込んで気絶したらしい。

しかしこれじゃ魔法が使えても使いこなせないようなら自滅技だ。

自分で制御できるようにしないとな。ステータス。

 

エリゴス

王子

盗賊Lv1

HP30/30

MP346/350

ちから20

すばやさ40

たいりょく10

かしこさ90

▼とくぎ

なし

▼解放済みまほう

ホイミ

ピオラ

 

んむ?未公開が解放済み魔法のリストになっている。

もしかして全部の魔法を使えるから未公開になっていたのか?

 

「殿下、お体は大丈夫ですか?ホイミをかけましたが。」

「ああ、大丈夫だ。ちゃんと最大になっている。」

「そうでしたか、それでは夕食をお持ちしますね。」

「うむ、今日も鶏肉メインで頼むぞ?」

「大丈夫です。毎日鶏肉ですので事前に作り終えてあるはずです。」

 

食事は体づくりの主幹だからな、しっかり食べて明日からの鍛錬も頑張ろう。




エリゴス
王子
盗賊Lv1
HP30/30
MP350/350
ちから20
すばやさ40
たいりょく10
かしこさ90
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
new ホイミ
new ピオラ


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5

{スカラ}
MP消費は2。
一人の防御力を上げる魔法。
体を固くする魔法。

{ベホイミ}
MP消費は3。
ホイミの次の魔法。
効果は約2倍ほど。
この作品においては重症に効果が高い魔法として扱います。

{ヘナトス}
消費MPは8
攻撃力を下げる魔法
力が入らなくなる魔法。
脱力感を感じるのはステータスが急激に下がったため。

{ダウン}
消費MP6
与ダメージを下げる魔法
込められた力を分散させてダメージを4分の1ほどにする魔法。
副作用として全身の込められている力も下がるので脱力する。

{ヘナトスとダウンの重ね掛け}
それぞれ別の効果にすることで可能と判断しました。

{宮廷魔術師}
原作のサザンビーク城にも居る職業の人達。
力が抜けていた太陽の鏡(まほうのカガミ)を見てすぐに魔力がないことを看破するくらいの出番。
一応精鋭扱いと考えています。


「そういえばマリアン、お前にだけは言っておこうと思うことがある。」

「はい、どうなさいました?」

「実は魔法についてなんだが、

神様からは『どんな魔法でも使える』といわれたのだ。

なのでこっそりと魔法の練習がしたい。

側仕えのお前には言っておこうと思ってな。」

「な、なんと!もし本当ならとんでもないことですよ。

…下手したら暗殺されますよ。」

 

「だからこそな、5年間世話をしてくれたお前にだけ言うのだ。

これからいろんな魔法を使うと思うが、絶対に口外しないことと、

何かあったときに誤魔化すのを手伝ってくれ。」

「かしこまりました、殿下。」

 

「攻撃魔法ではなく補助魔法を主に使うことにするのでお前さえ黙っていれば何の問題もないんだ。

いいな?ではさっそく…【スカラ】。【スカラ】。【スカラ】。

 

軽く叩いてみてくれないか?」

 

ゴッ

 

「あ、さすがです殿下。ちゃんと【スカラ】が発動していますね。」

「痛いが!?これでちゃんと発動できているのか!?」

「軽くとはいえレベル28の攻撃を受けてぴんぴんしているんですよ?とても盗賊とは思えない固さですよ。」

「そ、そういうものか。」

 

(まさかそこまで日常に支障が出るような力してるのか?長すぎるから簡単なステータスお願いします!)

 

エリゴス

王子

盗賊Lv1

HP19/30

MP344/350

 

(おお、できた!)

「HPがだいたい半分まで減っている。…そうだな、【ベホイミ】。」

「おお、本当に【ベホイミ】ですね。盗賊がホイミより上の回復魔法を覚えるなんて!」

 

「次だ、【ヘナトス】。【ヘナトス】。念のためもっかい【ヘナトス】。」

「んん?知らない魔法ですね。まるで力が入りません。」

「もう一度叩いてくれ。」

「はい、ほいっと!」

 

バシ!

 

「あれ、さっきより力を込めたのですが…」

「普通に痛いんだが!?軽くって言ったよね!?ステータス!」

 

エリゴス

王子

盗賊Lv1

HP15/30

MP317/350

 

「またHP半分なんだけど…効果があったかわかったもんじゃないぞ。」

「いやいや、ちゃんと効果がありましたとも。まったく力が入りませんでしたから。そういう魔法ですよね?」

「そうなんだけどさ…じゃあ次、【ダウン】。はい、叩いて。」

「殿下、すっごい力が抜けるのですが…さきほどと同じくらいに叩きますよ。」

 

ぺすっ

 

「おお、少ししか痛くない。夢の組み合わせが出来たぞ!」

「ううん、知らない魔法でしたがどっちも同じ効果なのですか?」

「そうそう、効果は同じだけど別の魔法だ。ステータス!」

 

エリゴス

王子

盗賊Lv1

HP27/30

MP311/350

 

「1割のダメージだったぞ。大成功だ。」

「えぇ、まさか80%もダメージを下げる魔法ですか?」

「うーん、覚えてないけどたぶんそのくらいなんじゃないか?」

 

「それにしても殿下、魔力は大丈夫ですか?」

「まだ1割しか使っていないからまだまだ使えるな。」

「えぇぇ、それで盗賊って詐欺ですよ!宮廷魔術師の方々でもそこまでの魔力ないですよ!」

 

「というわけで俺はいろいろ補助魔法使いまくるから、見ててくれ。」

「は、はい。魔力切れには気を付けてくださいね?」




エリゴス
王子
盗賊Lv1
HP27/30
MP311/350
ちから20
すばやさ40
たいりょく10
かしこさ90
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
new ベホイミ
new スカラ
new ヘナトス
new ダウン


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6

{マホトラ}
消費MP0
対象のMPを吸い取る魔法。
この小説においては紐状に吸い上げる魔法。

{マホアゲル}
消費MP可変
対象にMPを分け与える魔法。
この小説においては好きな量のMPを分け与える魔法

{魔力切れ}
MPが残り1割を切ったら急に出てくる吐き気。
MPを消費する魔法を使うだけでもきつい状態。
元々MPが大きい人ほど酔いは大きい。
元々MPが1桁だったりすれば皆無。
この小説においてMPドレインは立派な攻撃法。

{ステータスを改造する}
神様の仕業ではない。
エリゴスを見ているランプの魔人っぽい何かの仕業。

{バギ}
消費MP2
唱えた者の体のまわり作られた真空が鋭い刃物のように相手に襲いかかる攻撃魔法。
風を生み出すわけではないらしい。

{特技から派生}
DQM2とかにそんなのあった気がしたのでたぶんあるでしょう。


それから30分後、ありったけの補助魔法を唱え続けている俺は急な体調不良で動けなくなった。

 

「な、なんだこれは。ステータス。」

 

エリゴス

王子

盗賊Lv1

HP30/30

MP34/350

 

 

(長い、吐き気きつい。文字読みたくない。)

「殿下、もしや魔力が1割を切ったのでは?」

「一割切るとこんなに気分が悪くなるのか…うぇっぷ。

すまないが吸わせてもらうぞ。【マホトラ】。」

「えぇ!…う、うぇっぷ…」

「げ、今度はそっちが魔力不足か!?【マホアゲル】!」

 

「はぁ…はぁ…きつかったです。

魔力不足なんてそうそう陥らないですがこれはたしかにきついですね。

殿下は大丈夫ですか?」

「ああ、大丈夫だ。

しかしこれじゃ魔力が少ないやつは怖くて魔法なんて使えないんじゃないか?」

「そりゃそうですよ。

魔法なんて本職じゃなきゃよっぽどじゃないと使いませんよ。

魔力を使う特技もありますけどそれだって戦いが長引くとヒヤヒヤですよ。」

 

「うーむ、改めて魔力が高いのはいいことだな。」

「殿下は魔力多すぎますよ。

なんでそんなに唱えてやっと魔力不足になるんですか。」

 

「まぁ、その、神様からの祝福ってやつだ。

とにかく今日のところはやめだやめ。

それにしてもステータスが長すぎて膝にまで届くようになってしまったが分割表示とかはできないんだろうか。」

 

うむむむん、どうか魔法をジャンル分けしてくださいお願いします神様。ステータス。

 

エリゴス

王子

盗賊Lv1

HP30/30

MP34/350

ちから20

すばやさ40

たいりょく10

かしこさ90

▼とくぎ

なし

▼解放済みまほう

〇回復魔法

〇攻撃魔法

〇補助魔法

〇特殊魔法

 

「おお、やったぞ。魔法がジャンルごとに開けるようになった。」

「はぁ…そりゃ結構なことですね。」

「なんか塩対応だな…」

 

「そりゃそうですよ。たくさん魔法が使えるだけでもすごいことなのに、

それが見にくいから邪魔なんて理由で表示しないなんて欲張りですよ。

私なんて頑張ってしんくうはからバギに派生させたのに…」

「むむ、特技から派生なんてできるのか。

本にはそんなこと書かれていなかったぞ?」

 

「そりゃ親を見てれば誰でも知るようなことですから。

わざわざ書かれませんよ。

ましてや殿下が読んでたのは魔法についての本ですよね。

あらかじめ魔法が使える人用の本なんですから。」

 

「なんにせよ魔法の感覚はつかめたな。

自分にヘナトスをかければ筋トレも捗りそうじゃないか。

明日からはよりトレーニングが楽しくなるな!」

「体を鍛えるのは結構ですが、

はしゃぎすぎて器具を壊さないようにしてくださいね。」

「当たり前だ!

まさかダンベルひしゃげるとは思わなかったがそれも努力の成果だ。

手加減の練習にもなるしな!」

 

「殿下…大人用のを用意しておきますね。」





エリゴス
王子
盗賊Lv1
HP30/30
MP350/350
ちから20
すばやさ40
たいりょく10
かしこさ90
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
new マホアゲル
〇攻撃魔法
〇補助魔法
new スクルト
new ピオリム
new バイシオン
new バイキルト
new インテ
new インテラ
new バーハ
new フバーハ
new マジックバリア
new アタックカンタ
new マホトラ
new マホキテ
〇特殊魔法
new トヘロス
new トラマナ
new フローミ
new レミーラ
new レミラーマ
new アバカム


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7

{睡眠時の回復}
ドラクエ8は眠ると全回復、夜まで休んでも全回復する。
魔力を睡眠中に吸収して余剰分で回復を促進する魔法が自動でかかると解釈した。

{レムオル}
消費MP15
姿を消す魔法
ただし普通にぶつかったりする。

{オーラ}
テンション上げると出る紫色のアレ。
普段は微量が垂れ流しだと思う。
テンションを溜めるとメラゴーストに攻撃が効くようになるのはオーラを纏わせて攻撃するからということで。

{オーラが見える人}
原作のふしぎな泉のそばの隠者みたいな感じ。

{テンション}
ゲームでは5,20,50,100の4段階とマイナスの4段階があり、
段階が高いほどダメージや回復量に対する補正倍率が高くなる。
特定の魔物はテンションをためてない状態での攻撃に耐性を持っており、
ためてからの攻撃する戦術が重要であった。


朝、目が覚めると気になったことを調べるために「簡易ステータス」

エリゴス

王子

盗賊Lv1

HP30/30

MP350/350

 

「やっぱりか…」

「おや、お早いお目覚めですね殿下。どうかなさいましたか?」

「いやな、あれだけ使った魔力が最大まで回復しているんだ。

どういうことなんだ?」

「なんでも、睡眠中は魔力をかたっぱしから吸いまくるらしいですよ。」

「それって寝すぎた場合はどうなるんだ?」

 

「たしか自己回復を促したり、勝手に代謝されると聞きましたよ。」

「そうか。なら安心だな。

さっそく筋トレをするので朝食を持ってきてくれ。」

「はい、殿下。」

 

…よし、マリアンは行ったな。

試しておきたいことがあったんだよな。

 

「【レムオル】、ふっふっふ。驚くだろうな。

部屋から抜け出すと思うだろうな。

もしそうなれば重畳、城内を透明なまま散歩してみようじゃないか。」

 

「殿下、朝食でございます…殿下?」

(ははは、探してる探してる。

さて、逃げ「ここですね。」「うぇ!?」

 

「殿下、透明になる魔法ですね?

しかしまだまだですね。

世の中には私のようにオーラが見える人も居るんですよ。」

 

「なんだそりゃ、なんでそれが特技にないんだ。」

「これはあくまで感覚ですからね。

嗅覚が鋭いからって特技にはならないでしょう?」

「盗賊の鼻って特技なかったか?」

「あれは神託に近いものですよ。」

「そうだったのか…で、オーラってどんなものなんだ?」

 

「オーラは殿下の体から発される気配のようなものですね。

匂いとかではないので修行を積まないとみることはできないですが、

使う事自体は誰にでもできますよ。」

「ほう、例えば?」

「そうですね、

オーラは使おうとする意志があればどんなようにも使うことができます。

剣に纏わせて霊体やガス状のモンスターにダメージを与えたり、

相手に浴びせることでおびえさせて逃がしたり萎縮させたりですね。

おたけびなんかの特技はこのオーラの量で効果が段違いです。」

 

「じゃあ、試しに俺にオーラを浴びせてみてくれ。」

「はい、では。『ハッ!』」

 

ぬおおおあ!?気が付けば壁まで吹っ飛んでひっくり返っていた。

 

「こ、これもう十分特技だろう!?」

「誰にもできることは特技には数えられないと思いますよ…

また、オーラを練ることで攻撃や魔法の威力が高まるんですよ。」

 

まさかこれ、【テンション】か?

もしテンションだとすれば…これは真っ先に覚えておいて損はないな。

上手くいけば攻撃力が純粋に5倍だ。

オーラの存在はわからないが…やるっきゃないな。





エリゴス
王子
盗賊Lv1
HP30/30
MP335/350
ちから20
すばやさ40
たいりょく10
かしこさ90
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法
new レムオル


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8

{バイキルト}
消費MP6
攻撃力を2倍にする魔法。
原作では重ね掛けはできないがこの作品でも同じです。
二度唱えたからと言って4倍になったりはしない。

{ルカニ}
消費MP3
守備力の半分を減らす魔法。
重ね掛けが可能で守備力をすっからかんにすることもできる。

{マジックハック}
消費MP4
複数対象のあらゆる耐性を低下させる魔法。
ディバインスペルが属性攻撃や状態異常魔法を効きやすくするのに対してこちらは
物理攻撃以外の全ての耐性が下がると解釈。

{グレイトハック}
消費MP10
単体のあらゆる耐性をマジックハックの2倍低下させる魔法。

{投石}
いしつぶて。一応岩石系という分類がある。


「なぁマリアン、頼みがあるんだが…サンドバッグになってくれないか?」

「いいですよ。殿下程度ではダメージなんて入らないでしょうし。」

「言ったな?毎日筋トレしてる俺に言ったな?いざ、ふんぬ!!」

 

コキ

 

「あぁぁぁぁ!!手首ぐねったぁぁ!!」

「殿下、筋トレしてもちゃんとした姿勢じゃないとまともに攻撃できないんですよ。ホイミ。」

「ううむ、だったら【スカラ】。【スカラ】。【バイキルト】。【バイキルト】。【ルカニ】。【ルカニ】。」

「で、殿下?」

「そして念のために【マジックハック】、【グレイトハック】。くらえやぁ!!」

 

ボスッ

 

「あたた、すごいですね。まさか私にダメージを与えるなんて。」

「へ、へへへ。どうだ、これが魔法だ。」

「手をさすってるってことはスカラ意味なかったんですね?」

「そうみたいだ。また手首ぐねった。【ホイミ】。」

「殿下、筋トレではなく器用さでも鍛えてはいかがですか?たとえば…彫刻とか。」

「いや、最後にもう一回やるぞ。これが本命だ。オーラを使う。」

 

オーラ出てこいオーラ出てこい!!

 

「殿下、オーラ出てないですよ。」

「…どうやるんだ?」

「人によって違いますが…そうですね…踊ってみてはいかがです?気合を入れるには体を動かすことからだと思うんです。」

「そうか、わかった。」

 

うおおおお、ハッスルハッスルハッスル!!!

 

「あ、いいですね殿下。ちょっぴり活性化してきましたよ。」

 

ぬああああ!きつい!有酸素運動きつい!もっとだ、もっと体をぐねらせる!!

 

「おお、すごいです殿下。初めてでそんなに引き出せるんですね。」

 

ぐねり!ぐねらせ!ぐねぐね!!ハッスル!!

 

「いくぞぉぉぉ、おらぁぁぁ!!」

 

ゴスッ!!

 

「げふっ!?で、殿下。よくぞここまでオーラを引き出せましたね。【ホイミ】。」

「嬉しいけどやっぱ全然ダメージでないのな…【ホイミ】。」

「それはもうレベル1で格闘初心者の拳なんてそこらへんの投石にも劣りますよ。もっと正しい姿勢でなくては衝撃はうまく通りませんもの。実際殿下の手首がぐねるのは衝撃に負けてるってことですよ。

今日はみっちり正しい姿勢をお教えします。」

「うーむ、そうだな。とりあえずステータス。」

 

エリゴス

王子

盗賊Lv2

HP38/38

MP308/380

 

「レベル2になった。」

「おや、おめでとうございます。」

「今のでも訓練扱いだったんだな。」

「それはもう。レベル27も離れた相手にダメージを与えるなんて経験値が入って当然ですよ。」

「じゃあマリアンをサンドバッグにするのが最適なのか?」

「…まぁそうですね。でも殿下の場合はレベルより技術を優先するべきですよ。

練兵場で手首をぐねりたくないでしょう?」

「そうだな。じゃあさっそく教えてくれ。」

 

こうして正しい姿勢での格闘術が毎日の筋トレに加わった。





エリゴス
王子
盗賊Lv2
HP38/38
MP293/380
ちから24
すばやさ45
たいりょく12
かしこさ98
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
new ルカニ
new マジックハック
new グレイトハック
〇特殊魔法


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9

{彫刻}
リブルアーチでは石の彫刻を作る芸術家がいる。
エリゴスがやっているのは木での彫刻。

{街並み}
ゲームのような人口2ケタではなく世界一の大国として人口は6桁。
村人やほかの街を含めれば恐らく7桁。

{庭園}
城に庭園がないとは考えられないので追加。

{キングスライムの冠}
正式名称スライムのかんむり。
キングスライムの冠もまたスライムが変身したものらしい。
個人的には無機物になってしまった成れの果てと解釈。
ベルガラック近辺のスライムがキングスライムになるためサザンビークでは手に入れやすいと解釈。


「殿下、これは見事なスライムですね。」

「うむ、まずは簡単なモノから彫ろうと思ってな。」

「でも…なんか違和感を感じますね。」

「そうか?やっぱ実物を見ないことには細部に違和感があるのかもしれんな。…取り寄せることはできるか?」

「ええ、おそらくは可能ですね。通達を出しておきます。」

 

 

 

 

「殿下、こないだ話したスライムの件ですが…」

「ん?なんかあったのか?」

「実は城内に入れることができないそうなので、庭園での見学でよろしいですか?」

「おお、もちろんだとも。なんでそんなことを聞くんだ?」

「いえ、殿下は…その…自室がお好きでいらっしゃるので。」

「おいおい、わざわざ出る必要がないから部屋を出ないだけで図書館には行くだろう?」

「図書館に行くといっても読みたいものに目星をつけて取りに行くのは使用人ではないですか。」

 

「だってなぁ。あんまりいい顔向けられないんだよな。やっぱ若いころにはっちゃけ過ぎたか。神童ならまだしも気持ち悪いほどの神童だからな。気持ち悪いとか思われたくないだろ?」

「殿下…その、言いにくいのですが…。」

「なんだ、言ってみろ。」

 

「部屋を出ない限り殿下の噂は独り歩きし続けるかと。」

 

「…そうだな。せっかくだし普通の子供であることを見せつけてやらないといずれ異形の忌子だから幽閉してるとか噂されそうだ。そうとなれば行くぞ、たしか庭だったな?」

「あぁ、陛下。庭には3つ戸口がありますがくれぐれも通ってはいけませんよ。貴族街への出入り口でもあるので。」

 

「そういえば、城下町の様子を見たことがなかったな。どれくらいの規模なんだ?」

「貴族街がこの城の30倍、大通りがこの城の10倍、あとは平民街が大通りを囲むように城の1000倍以上ですね。」

(うわぁ、やっぱゲームとちげぇや。城もでかいし街まででかい。旅するとなったらもっとわかりにくそうだ。)

「そうか、わかった。とにかく広いのだな。」

 

 

 

「殿下、あちらが風の庭園です。チャゴス第二王子の所有する庭園ですね。」

「ん?チャゴスの所有?もしかして俺も何か所有しているのか?」

「殿下はここ赤の宮、火の庭園、赤騎士団30名、平民街に殿下名義の商店が1件ございます。商店は王子への貢ぎ物などで不要な物などを卸してよいことになっております。」

 

「あー、たしかに要らんもの多いな。誰がキングスライムの冠なんか喜ぶんだ。」

「殿下、一応気品ある贈り物として流通しているのです。子供なら普通は喜ぶんですよ…」

「で、赤騎士団には会ったことがないけどいいのか?」

「問題ありません。いざという時のための殿下の私兵ですからね。もし会いたいのであれば練兵場で訓練していると思いますのでレベル5になってから行きましょうか。」

「あぁ、組手してくれるのってそいつらか。確かに雇い主なら気軽に頼めるか。聞きたいことはとりあえずない。庭へ行くぞ。」

「はい、殿下。こちらです。」





エリゴス
王子
盗賊Lv2
HP38/38
MP380/380
ちから24
すばやさ45
たいりょく12
かしこさ98
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法


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10

{スライム}
大抵喋るかピキーと鳴くかのどっちか。
たぶん個体差。

{魔物に対する風潮}
人間以外は魔物か動物かという世界。
魔物に殺される人は多いわけで、
それなりに恨みで魔物狩りをする人も居る。
ゴールドは落とさない。死骸を売りさばくことになる。

{連れてきた方法}
ベルガラック近辺まで行って捕獲、そのまま馬車に檻を乗せてサザンビークまで。

{スライムとの勝負}
基本回避、攻撃も手加減したパンチ。
完全に舐め切っている。


「こちらが殿下の所有する火の庭園です。

何故火なのかはご存じですか?」

「いや、存じ上げないがそこら中に赤い細工品があるな。

どうせそれだろう。」

 

「はい、城門の中にあるのは

本城、

赤エリア、

緑エリア、

青エリア、

黄エリアがございます。

 

それぞれ象徴となる魔法があり

城がホイミ系、

赤がメラ系、

緑がバギ系、

青がヒャド系、

黄がギラ系でございます。」

 

「イオ系は仲間外れか?」

「いえ、イオ系は城門を含む城壁でございます。

爆破されないようにという願掛けでもあるんじゃないでしょうか。

そういう詳しい歴史は存じ上げないもので。」

 

「火の庭園、風の庭園、ときて次は何の庭園なんだ?」

「青は水の庭園、黄は砂の庭園ですね。

砂の庭園はガラス細工が飾られております。」

「なるほど、熱の象徴にはピッタリか。

で、例のスライムはどこなんだ?」

「あちらの檻の中でございます。」

「あぁ、うん。見えた。

やっぱ背が低いと遮るものが多くて困るな。」

 

「あぁ、マリアン様。

こちらがご要望のスライムでございます。

放しても?」

「ええ、かまいません。

殿下、どうぞお近づきください。」

「え、マリアン様」「いいのです。」

 

「なんか不安が残るが…まぁいい。

その中なんだな?」

「……ぷるぷる」

「おお、本物のスライムだ。

よしよし、こっちへこい。」

「……いじめない?」

「おお、いじめないとも。

お前は言葉が話せるんだな。

賢い子だ。さぁ、友達になろう。」

「……ぼくかえれる?」

 

「ふむ。マリアン、どうやらこのスライムは帰りたいようだが帰せるものなのか?」

「いいえ、わざわざ持ってくるだけでも十数日かかるのです。

帰すにはさらに手間がかかります。

さらに言えばいくら賢くともそれは魔物です。

殿下がいつか倒すべきものです。

それでも殿下は帰したいと言いますか?」

 

「あー、スライム君。君を帰すわけにはいかなくなった。捕まったものは仕方がないので諦めてほしい。」

「う、う、う、ぴぎー!!」

「のわ、体当たり強いなぁ。まるで大人のパンチだ。いいだろう、俺に勝てたならば帰してやろう。こい!」

 

 

 

「殿下、それ以上は死んでしまいます。」

「おお、そうか。【ホイミ】。【ホイミ】。

どうだスライムよ。もっともっと強くなってみたくはないか?

俺のペットになればいずれ帰れるかもしれないぞ?」

 

「ぴぎー…わかったよ。でも、いたいのは、いやだよ。」

 

「うむ、じゃあ愛玩ペットにする。

マリアン、飼育係を雇ってくれ。

いずれは他の魔物も捕獲してきてもらうことになるからな。」

「かしこまりました。それで殿下、彫刻はうまくいきそうですか?」

「ああ、実際に拳を交えたことで躍動感のあるイメージが湧いてきたぞ。

おいスライム。お前の名前は今日からスラぼうだ。いいな?」

 

「うん、スラぼう。あなたにしたがいます。」

 

「いい心がけだな。脱走なんか考えるんじゃないぞ?

この庭から出たらお前は害ある魔物として処分されてしまうからな。

たまにスキンシップに来るから何か用があったらその時に言え。

わかったか?」

「うん。」

 

「それでは檻に戻しますね。

殿下、そろそろ昼食の時間でございますのでお部屋へお戻りください。」

「おお、そうだな。ところでスラぼうには何を喰わせるのだ?」

「主に残飯でございますね。

それでも平民街の食事よりはいいものかと。」

「なるほどなぁ。案外食事環境が変わったことで強くなったりしてな。はっはっは。」

 





エリゴス
王子
盗賊Lv2
HP38/38
MP376/380
ちから24
すばやさ45
たいりょく12
かしこさ98
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法


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11

{魔物を捕獲しようとする金持ち}
バトルロードのモンスターマスター達。
金をだせば会員になれるがモンスターは自分たちで用意しなくてはいけない。

{レベルを把握する魔法}
ダモーレ。存在を忘れている。ことにしている。

{魔族}
三角谷みたいに集落を作って暮らしている。
人間じゃないので徴税対象ではない。

{大臣}
ボストロールに攫われるほうではない。
後々次の大臣に追いやられパルミドで暮らすことになる。
サザンビークはイヤな事から逃げ出す人が多い土地柄らしいので嫌がらせでもされるんでしょ。


「殿下、スラぼうを飼育するにしても早急に土地を確保せねばなりません。

檻のままでは魔物嫌いな方に控えめに言えば持ち去られたり撤去される恐れがあります。」

 

「そうだな、これからも増やす予定があるし土地の確保については任せる。

ところでやはりスライムに殺される者もいるのか?」

「たまにいるそうですね。

魔物にもレベルがあるようで好戦的な魔物は異様に強いんだとか。

そういった魔物を主に捕獲しようとする金持ちもいるそうですが大抵は逃げられてしまうんだとか。」

「あー、魔物にレベルかぁ。

わかる魔法ってあるんだろうか。

もしあったらホイミよりも使うんだろうなぁ。」

 

「今のところ把握する術はありませんね。魔族たちであれば知ってるものもいるのかもしれませんね。」

「魔族?魔物とは違うのか?」

「魔族は厳密には魔物の一種ですが、文明的にも人と変わりない者たちですね。

ただ、辺境では魔族も魔物とみなされて討伐されることがあるそうですが…

この近辺で言うとベルガラックへの道の付近にガーゴイルの村があると聞いたことがあります。」

 

「そいつらは襲い掛かってこないのか?」

「うーん、居たとしても人間の盗賊とかもいるのですし性格によるのではないでしょうか。」

「そりゃそうか。」

 

「それで土地についてですが、

城下町の外の土地を切り開いたほうがよさそうです。

魔物除けの塀を設置すれば野生の魔物に襲われることもまずないでしょうからね。」

「魔物除けか。村の開拓に用いられる建材だったか?」

 

「そうですね。

飼育する魔物の脱走もなくなるでしょうしこれ一択でしょう。

しかし材料に使う聖水が大量に必要なのでしばらくは聖水が高騰するでしょうね。」

 

「聖水って何で出来ているんだ?」

「清水に岩塩を混ぜたものにトヘロスを込めるそうです。

直接塀にトヘロスをかけても維持できないとかで聖水は常に一定の需要がある者なのですよ。

しかしこの清水が問題で、そこらの川の水程度では効果が低くなるらしいです。」

「海の水はどうなんだ?塩水には変わりないだろう。」

「海の水はすでに魔力が定着しているためトヘロスが効きにくいそうですよ。」

 

「殿下、ここにおりましたか。」

「おう、どうした大臣。」

「実は陛下が殿下の取り寄せた魔物について聞きたいことがあるそうで、

殿下に真意を訪ねてくるようにと言われましてな。」

 

「ふむ、何故兵士ではなく大臣自ら来たのだ?忙しいんじゃないのか?」

「他の者には言えない話もありまして…

殿下の部屋まで同行してもよろしいですかな?」

「ああ、かまわんかまわん。

気にすることなく気軽に来るといい。」

 

「先ほど殿下の部屋に行ったところ行き違いになったようでしてな…

自室から出るとは珍しいですな。」

「あー、まぁ。部屋から出ないと悪評が広まるだけだと気づいてな。」

「…確かに使用人たちの間では姿を見ないことを訝しむ話が広まっているそうですな。」

「やっぱりかぁ。」





エリゴス
王子
盗賊Lv2
HP38/38
MP376/380
ちから24
すばやさ45
たいりょく12
かしこさ98
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法


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12

{蘇生できないようなこと}
跡形もなく火だるまになったパパスや、魂が抜けきった屍など、体を修復できないか魂が戻せない状態。
丸のみになって気づかれずに消化されたらもちろん修復不可能。

{ギャリング}
賢者ギャリングの子孫のギャリング。ベルガラックの街を取り仕切るギャングのボス。名前は襲名する。

{ベルガラック}
カジノや噴水、綺麗な海から大きなホテルまである歓楽街。
海の付近だからか原作では強化された大王イカが大暴れするイベントあり。

{小魔法}
オリジナル要素。
まさか戦闘にしか魔法を使わないなんてことないだろうと思い追加。
高所から落下してもダメージがないのも小魔法で落下を軽減できるから。みたいな。

{ザバ}
消費MP2
水系の攻撃魔法。
たぶんメラみたいに水の玉を当てる魔法。
重量があるから斜め上に打ち上げる感じなんじゃないかな。
なお魔法一覧が隠されてるため気づいていない。



「さて、殿下。本題から入らせていただきます。

殿下は魔物を飼うおつもりなのでしょうが、

それはどうしてでしょうか?」

 

「まず第一に本物の魔物に感動したこと。

次に実際に魔物と訓練をすることで経験を積んでおきたいこと。

そして魔物の有用性を試すためだ。」

 

「ふむ…有用性ですか。

たしかに魔物についてはまだ不明確な部分が多いですが、

何も殿下がやらなくてもよろしいのでは?」

 

「いいや、俺がやる。

俺がやりたいんだ。

仮に魔物に丸ごと消化され蘇生できないようなことになってもチャゴスがいるだろう。

だから俺は後々後悔しないようにやりたいと思ったら即やる。」

 

「そうですか。そこまで意志が固いのであれば問題ないでしょうな。

陛下からはただの気まぐれであれば税金の無駄遣いになるのでやめさせる説得をするように言われておりましたが、

本当に5歳児とは思えない威圧をなさりますな。」

 

「ん?オーラでも出ていたか?最近ようやく安定して出せるようになってな。」

 

「いえいえ、殿下の威圧は声の抑揚からくるものです。

こうもハッキリと断言されては意志の弱いものはすぐに従うでしょうな。

まさしく王に必要な素質です。」

「そうかそうか!まぁ王になれるかどうかは王家の谷次第だがな。

野垂れ死ぬことのないように日々鍛錬だ。」

 

「そして、こちらが内密にしておきたい話のほうなのですが…

近々殿下にはベルガラックまで行っていただくことになりました。

目的はベルガラックを治める名士ギャリング殿への視察です。

それと国民へ広く存在を知らしめるためのパレードを予定しております。

決行日は3日後となりますのでご予定は空けておいていただきたい。」

 

「ほう、ベルガラックか!一度行ってみたいと思っていたんだ。

マリアン、さっそく旅行の準備だ。」

「殿下、私は連絡を受けておりましたので準備はすでに。」

「おお、そうか。じゃあその日までは筋トレ少な目で居ようではないか。」

 

 

 

「それでは殿下、しっかりと伝えましたからな。もし何かありましたら気軽にお申し付けください。」

「うむ。下がってよいぞ。」

「殿下、それは王様が言う言葉です。気が早いです。」

「はっはっは、軽いジョークだ!

大臣、父上の事頼みますぞ!」

「ははは、かしこまりましたエリゴス陛下。」

 

「殿下、旅行の準備に際しましてこちらがパンフレットとなります。

暗記なさっておいてください。」

「ふむ、『サザンビーク~ベルガラック間の注意事項』ねぇ。

さてどんな内容だ?」

 

★サザンビークからベルガラックへは長旅となります。

着替えと水に余裕を持たせましょう。

★一人旅をするのであれば水を作る程度の小魔法が使えないと、

最悪行き倒れてしまいます。

★また、付属の地図無しでは道を間違えることがあるので、

パンフレットと地図は絶対に無くさないでください。

★野生のキラーパンサーは飼育されているものと違いとても獰猛です。

見かけても近づかないようにしましょう。

★ガーゴイルの村では魔物嫌いの方でも人を相手するようにしましょう。

喧嘩をした際は両成敗となります。

 

「なぁ、小魔法とはなんだ。」

「おや?殿下は見たことがありませんか?

魔法のように大きく魔力を消費しない生活用の魔法ですよ。

呪文は要らず、念じればできます。

指先に火をともす程度ならばこのように。」

 

「ほうほう。さっそくやってみようじゃないの。…!?」

「で、殿下!?水を御止めください!」

「や、ちょ、止まらん!と、止まれ!!」

「殿下!魔力を込めないようにするのです!」

「あそっかぁ!!よし、止まったな。」

 

「まるで形のない魔法のようでした…

殿下は制御できるまで小魔法は外で練習してくださいね。

今から侍女を呼びますので着替えていてください。」

「あぁ、うん。ソファやテーブルだけじゃなく絨毯までぐっしょりだな。」





エリゴス
王子
盗賊Lv2
HP38/38
MP374/380
ちから24
すばやさ45
たいりょく12
かしこさ98
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
new? ザバ(暴発・不完全)
〇補助魔法
〇特殊魔法


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第ニ章攫われ後聖地、助ける後パルミド
13


{父上}
クラビウス王。
妻を亡くしたショックで現在鬱。
長男の性格も相まって原作よりさらに性格が暗くなっている。
最後の一言は小声だがエリゴスは聞いてしまった。

{殺伐とした性格}
前世の教訓を生かして甘えずに体づくりをしたり、悩むことを時間の無駄だと考えているところ。
ましてや王家の谷の儀式があるので本人も余裕がない。

{懐疑的な思想}
エリゴスがあまりにも不気味なため、普通の子供であるチャゴスに継がせようとする一派がいる。ほかにもチャゴスの関係者が関与している。

{遺族に魔物を殺させる}
せめてもの償いにレベルにしてもらおうと考えている。
遺族の思いなど知ったこっちゃである。




「殿下、陛下がお呼びです。」

「ん?話ならさっき大臣が伝えてくれたと思うが何かあったんだろうか。」

「今回の視察について話しておきたいことがあるそうです。」

「そうか。終わる頃には掃除も終わっているかな?行こうか。」

 

「父上、エリゴスです。」

「あぁ、入ってくれ。」

「視察の事でお話があるとのことですがどうしましたか?」

「今回5歳のお前に視察をさせることについて不安なことがあってな。

正直に答えてくれ。お前はいざという時に魔物や盗賊を殺すことができるか?」

「もちろんです。

こちらに危害を加えるのであればたとえ護衛に裏切り者が居たとしても全力を持って殺します。」

 

「…なぁ、エリゴスよ。

お前がそう殺伐とした性格になってしまったのはいつ頃だろうか。

私はお前の育て方を間違えてしまったのか?

いずれは王となるのだ、お前には慈悲の心を養ってほしい。

言っていることがわかるか?」

「ええ、わかっていますとも。

しかし私は重要なときに躊躇するようなことになりたくないのです。

慈悲の心はもっと余裕ができてから養うことにしています。」

 

「そうか。お前は…生き急ぎすぎているぞ。

もっと周りを見るのだ。お前の悪評が使用人たちの間で広まっている。

行動だけではない。言動もだ。」

「そこまで変でしょうか?多少高圧的だとは思っていますが。」

「お前に何かしらの自信があることはなんとなくわかるが、

お前もまだ子供なんだ。

年長の者を敬うという事を忘れないでほしい。」

「なるほど、わかりました。」

 

「それでだ、視察を3日後にしたことに疑問を抱いてはいないか?」

「はぁ、私は早いのはいいことだと思いますが。」

「実はお前に王位を継がせることに懐疑的な思想を持つ者が居るようでな。

まだ視察についてはお前と一部の者しか知らないのだ。」

「あー、私のような粗忽者よりもチャゴスのほうが王に向いているとかそういうことですかね?」

 

「なにもそこまでは言っていないが、概ねそうだ。

お前が視察に行っている間にこちらは対処しておくので、

あまり気を張らずに旅行程度に思うことだ。

ベルガラックは歓楽街ではあるがその分警備の者も多い。

街中で襲われることはまずないだろう。」

 

「そういえば父上、大臣から魔物の飼育については伝わっておりますか?」

「ああ、聞いた。ちゃんとした覚悟を持っていることもな。

ただ一つ、聞くべきことがある。

もしお前の飼育する魔物が他の者を襲ったとして、

お前は責任を取ることができるか?

お前が死ぬことは覚悟していることは聞いた。

だがお前以外の者が死ぬことはどうなんだ?」

 

「あぁ、そういえばそうでした。

…うん、その時はその時です。

臨機応変に対応しようと思います。

仮に今決めるとすれば、蘇生可能ならば蘇生をし魔物を殺します。

蘇生できないような状況の場合、弱らせてから遺族に魔物を殺させます。」

 

「うむ…わかった。たまにあるのだよ。

飼育されているキラーパンサーに使用人がじゃれつかれ死ぬことが。

悪意のない殺しもあることを覚えておくように。」

「はい、父上。」

「話は以上だ。出発まで英気を養うといい。」

「わかりました。失礼します。」

 

 

 

「エリゴス…私はいつか腹を割って話すことができるのだろうか。」





エリゴス
王子
盗賊Lv2
HP38/38
MP374/380
ちから24
すばやさ45
たいりょく12
かしこさ98
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法


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14

{サザンビークの食事事情}
近くに大きめの湖があることや川が多いことから川魚がメインだと思いました。

{キアリー}
消費MP2
解毒魔法。
たぶんアルコールにも効くと思う。

{キアリク}
消費MP2
複数の仲間のマヒや睡眠を解除する魔法
たぶん原因となる不調を正す魔法

{ザメハ}
消費MP3
睡眠状態を解除する魔法
たぶん眠気そのものを消す魔法。

{マルガリ}
チャゴス3歳の教育係の貴族。
エリゴスを追い出してしまえば第二王子の教育係から次期国王の教育係に出世できると思い、アスカンタの知り合い貴族に売ろうとした。

{ロドウィン}
3人組の傭兵のリーダー。
偶然サザンビークまで来たところをマルガリに大金を支払う事を約束されエリゴスを誘拐する。
元々尻尾切りされないためにマルガリは殺すつもりだった。

{サザンビーク城の地下}
いわゆる脱出経路。
知ってるものは重臣だけのため気づかれることなく攫われた。
マルガリは教育係になるほどの貴族のため事前に知っていた。
大きな水路があり船でリブルアーチ付近の川に抜ける。


「なぁ、マリアン。父上がよそよそしいのだがやはり何か後ろめたいことでも隠しているんだろうか。」

「いえ、殿下。陛下は殿下に隠し事なんてしませんとも。

陛下は父親としての接し方がわからないだけなのです。」

「だが、俺は聞いてしまったんだ。

『いつか腹を割って話すことができるのだろうか』

と小声で言っていたのを。」

 

「殿下、腹を割って話すというのは何も後ろめたいことだけではありません。

話すのに覚悟がいることなんて日常茶飯事なんですよ。

ですから殿下もあまり思いつめないことです。」

「そうか、そうだな。いつか話してくれるだろうしな。」

 

コンコンコン

 

「マリアン様、殿下、夕食をお持ちいたしました。」

「あら、今日は早いですね。殿下、手を洗ってきてくださいませ。」

「ああ、わかった。」

 

 

 

「うむ、今日も美味いな。鳥ササミのサラダはやはり好物だ。」

「さようですか。たまには魚などは食べたくならないのですか?」

「うーん、栄養バランスはとれてるからそういうのはあまり気にしないな。

それにメニュー変更するにしても手間だろうしな。」

「殿下、その程度であれば普通の事です。

殿下はもう少しグルメになってもよろしいかと。」

 

「グルメと言えば…他国の料理なんかを食べてみたいな。

鶏肉メインにする前の料理はたしかに美味かったが俺には合わないと感じた。

さすがに川魚ばかりでは飽きる。

鶏肉ばかり食ってるやつの言う事ではないと思うけどな。」

「それでは、今度城下町に出てみましょう。

殿下の気に入る料理を出す店もあるかもしれません。」

 

「ああ、そうだな…ふぅ、なんかやけに体が重く感じるな。」

「殿下?殿下!様子がおかしいです!」

「あぁ…ステータス。」

 

エリゴス

王子

盗賊Lv2 睡眠毒 

HP38/38

MP374/380

 

(おいおい、毒にはかからないんじゃなかったのかよ…)

「睡眠毒…?【キアリー】、念のため【キアリク】、さらに【ザメハ】。」

「ど、毒ですか!?まさか、食事に毒が!殿下、失礼します。」

 

 

「急激な眠気…ステータス。

たしかに睡眠毒が入っているようですね。殿下、解毒をお願いします。」

「うむ、【キアリー】、【キアリク】、【ザメハ】。

でだ、これは誰の仕業だと思う?」

「侍女はいつも通りでした。私が思うにドレッシングに毒が混ぜられていた…

もしかすると他の方も毒になっているかもしれません。

私は急いで厨房へ向かいます。殿下は部屋でお待ちください。」

「わかった。急いで行ってこい。俺については心配するな。」

 

 

コンコンコン

 

(誰だ。マリアンではないな。毒にやられているふりをしておくか。)

 

キィィ

 

「へへへ、旦那の言う通り眠ってるようだな。

お前ら、さっさと連れ出すぞ。」

「「アイアイサ!」」

(むむ、攫われるのか。まぁいい、いざとなれば気軽に帰れる。

いっそ抜け出す口実にもなるかもしれない。)

 

 

 

(階段を下りたということはここは城の地下…か?知ってるやつは少ないはずだが…)

「おお、ロドウィン。よくやったな。船を用意した。ついてこい。」

(おいおい、この声はたしかチャゴスの教育係じゃねぇか。)

 

「へへへ、マルガリ様。金はちゃんといただけるんでしょうね?」

「ああ、ここにちゃんと用意した。20万Gだ、しっかり確かめろ。」

「ふむ…たしかにそれくらいありそうだな。だったらお前はもう用無しだな。」

「な、なんだと?どういうことだ。」

「こういうことだよ。死ね!」

「あ、あがぁぁぁ!!」

 

(あーあ、殺されちゃったよ。俺はどうなるんだ?)

「お頭、王子のほうはどうするんですかい?」

「そうだな、身代金なんか要求してもどうせ捕まるしなぁ。ここで捨てるか?」

「お頭お頭、パルミドに持っていきましょうぜ。サザンビークの第一王子なら高値で売ってもらえるかもしれませんぜ。」

「うーむ、遠いが…まぁ問題ないだろうな。元々はアスカンタの貴族に売るんだったか?

そこじゃ足がつくだろうし…食料も十分積まれてるだろうな。よし、パルミド行くかぁ!」

「「アイアイサ!」」

 

(うーん、まぁ悪いことにはならんだろうし、純粋無垢な子供でも演じてやりますか。)

俺は誘拐犯に担がれながら地下水路から船に乗って出国するのであった。





エリゴス
王子
盗賊Lv2
HP38/38
MP360/380
ちから24
すばやさ45
たいりょく12
かしこさ98
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
new キアリー
new キアリク
new ザメハ
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法


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15

{海竜}
ストーリー上必ず戦うことになる雑魚。
ジゴフラッシュは一応魔法なのでエリゴスも使える。
リブルアーチという橋の上の街の下あたりに大量に生息している。

{バフロンズ}
3人組の傭兵集団。
金が入れば酒と女に使い、普段は魔物を狩って生計をたてている。
その実態は依頼を受けて魔物を捕獲するハンター。
しかし性格は強盗である。

{アクズ}
寡黙なほうの手下。
訛りなのか語尾に『がよ』がある。
弓と短槍を使う狩人。

{チャック}
騒がしいほうの手下。
笑い上戸のやせぎす。
短剣と鞭を使う盗賊。




「お頭、無事に水路を抜けたようですぜ!」

「おう、待ち伏せもないな。こりゃまだ誘拐には気づいてないと見える。」

「カシラぁ、でかい竜がこっち見てるがよ。」

「んー?あぁ、ありゃ海竜ってやつだな。

たしかこのあたりに巣を作る珍しい魔物だな。

厄介な魔法を使うらしいからとっとと東へ逃げるぞ。」

「「アイアイサ!」」

 

(そろそろ起きてもいいかな。)

 

「うぅ、ここは一体…」

 

「カシラ、小僧が起きたがよ。」

「おうおう、エリゴス様。ご機嫌はいかがかな?」

「へっへっへ、お前は俺たちバフロンズに誘拐されたのよ!

大人しくしたほうがいいぜぇ?

なんたってお頭はレベル32の魔法使いなんだからなぁ!」

 

「なんですって、誘拐!?そんな、父上…およよ。」

 

「はっはっはっは。お頭!こいつ泣いてやがるぜ!ガキだなぁおい!」

「まてまてこいつはたしかまだ5歳だと聞くぜ。

エリゴス様よぉ、お前さん職業とレベルは何だ?」

 

「れ、レベル2の盗賊だよぉ。」

 

「はーっはははは!盗賊!王子なのに盗賊だってよお頭!!」

「おい、声が大きいがよ。

もうすぐ外海だから気を引き締めないといけねぇがよ。」

 

「外海…?もしかして、遠くに売られちゃうんですか!?」

 

「そうさ、エリゴス様…いや、もういいか。

坊主、お前はパルミドってところで売っぱらうのさ。

お前がどんなやつに買われるかはしらねぇが俺は契約料と坊主の納品で儲かるってわけよ!」

 

「そうですか…僕はそれまでどうしていればいいんでしょうか。」

 

「おぉ?しおらしいねぇ女々しいねぇ!!お頭、どうしやす?」

「適当な船倉にでも突っ込んどけ。元々船で輸送するんだから相応の設備がどっかにあるだろ。

おい、アクズは船倉に小僧を連れてって見はってろ。

チャックはその間に船内を探って俺に報告しろ。」

「「アイアイサ!」」

 

 

 

「小僧、お前はここで大人しくしてるがよ。」

「はい、わかりました。

ところで…アクズさん?達は普段から誘拐を?」

「たまにな、たまに。普段は魔物を狩ったり、商隊を襲ったりしてるがよ。」

「そ、それじゃ凶悪犯なのですね。怖いよぅ…」

「……。」

 

 

 

遠くから声が聞こえる

「お頭!たぶん小僧を入れる部屋がありましたぜ!それに酒と食料も!」

「…う……アク……こ…」

「へい!わかりやした!」

 

 

「おい、アクズ!ガキを持ってこい!入れる部屋があったぜ!」

「おう。こい、小僧。」

「はい…」

 

 

 

「ここだ!外鍵の部屋で見張り要らずとは準備のいいお人だねぇ!

ま、もう死んでるがな!がーはっはっはっは!!」

「入るがよ。」

「……。」

 

(なかなかに清掃が行き届いている。用意したのは最近か。)

 

「じゃ、俺らは楽しんでるからよ、なんかあったら呼べよ!」

「はい、わかりました。」

 

(さぁて、縛られていないことだし筋トレでもするかね。)





エリゴス
王子
盗賊Lv2
HP38/38
MP360/380
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たいりょく12
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▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法


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16

{干し肉}
たぶん今後出るのもあばれうしどり。
キラーパンサー飼育されてるなら、
もっと弱いあばれうしどりなんか家畜でしょ。
リーザス村はあばれうしどり産業のメッカ。(断定)

{盗品が集まる}
ゲームでは買い取る闇商人が居て取引したりもする。
この小説ではパルミドは城下町以上の広さを持つことにする。
よって盗品蔵が複数ある。

{ドラキーの翼焼き}
オリジナル要素。
トカゲの黒焼きではつまらんと思った。
今後もオリジナル要素モンスター素材出していきたい。

{ヌーク草}
強い発熱作用がある赤いハーブ。
生で食べると火を噴く(直喩)ほど辛い。
トウガラシは暑く『感じるようになる』だけ。
しかしヌーク草はかなり長時間本当に体温を上げる。
正直毒扱いされない毒草の類で取り扱いには一層の注意が要る。

{ザバ}
消費MP2
水系の攻撃魔法。
たぶんメラみたいに水の玉を当てる魔法。
重量があるから斜め上に打ち上げる感じなんじゃないかな。
ようやく気付いた。


「おいガキぃ!起きてるかぁ?」

「はい、どうかしましたか?」

「食事だぜ、そろそろ夕方だからよ。ほれ。」

 

ふむ、硬そうなパン、干し肉、茶色いスープ。

 

「ありがとうございます。いただきます。」

「おうおう、慣れない食事だとは思うがしっかり全部食えよ!売る前に死んでもらっちゃ困るからよぉ!!」

 

もぐもぐ…ふむ…ふむ…

 

「食べれないことはないですが不味いですね。」

「はーっはっはっは!!そうだろうそうだろう!

王室の食事と比べられちゃ困るがこれが野営じゃ普通の食事なんだぜ!

パンがあるだけましってもんだ!」

「スープはどうやって作ったんですか?」

 

「おうおう、いいところに気づいたな。

なんとこの船調理室まであったんだよ!

普段メシ作ってるの俺だからよぉ、そのスープには自信あるぜぇ?」

「ふむ……これは、美味いですね。こう、なんといいますか。

形容しがたい味ですね。食べたことない。」

 

「そうだろ!俺は生まれも育ちもパルミドなんだが、そこはいろんな盗品が集まるところでな。

俺がその素材と出会ったのも盗品蔵の一つなんだよ。

 

そのスープはな、

焼いた玉ねぎとトマトペースト、

それになんとドラキーの翼焼きの粉末に、

ヌーク草を少量混ぜたのさ。」

「するとどうなるんです?」

 

「この至極の、

茶色くて程よく辛みのついた、

俺様特製の、

寒さに負けない、

店でも出せる、

絶品スープが出来上がるのだ!」

 

 

 

「気になったんのですが…ドラキーの翼焼きの粉末って何ですか?」

「あぁ、匂い消しの一種なんだが。

このスープではヌーク草の風味を薄めるために使ったぜ。

これなしじゃ辛いんだこれが。

でも薄いと香辛料感もないからな。

ヌーク草も高いとはいえ香辛料ほどじゃねぇからな、

こうやって工夫が必要なのだよ。

料理にも、ね!(ドヤァ)」

 

「もしかして眠り薬を料理に入れたのもあなたですか?」

「いいや、それはあの…ほら、死んだやつの使用人だ。」

「え、誰か死んだんですか?」

「あぁ、なんか。ツルハゲ?みたいな名前のやつだったな。」

 

(ツ、ツルハゲ…!!マルガリだよツルハゲて…!!)

 

「お、おう?ガキ、どうした。ヌーク草合わなかったか?」

「いえ、とても滑稽な名前の人もいるもんだと思って笑っちゃいました。」

「だよなぁ!だけどそん時笑わなかったから多分違う名前だな。」

 

「おっと、じゃあ俺はそろそろ行くぜ。食い終わったらドアの前置いときな。」

「あ、あの。水をくれませんか?」

「ん?坊主はお貴族様なのにまだ小魔法習ってないのか?しょうがねぇな。」

 

「いえ、小魔法は習ったのですが、暴発してしまって…」

「暴発?気になるな、へへ、みせてみろよ。」

「えーと、こうです。」

「おいおいおい、こりゃ噴水みたいじゃねーか。まるで制御されてないザバみたいじゃねーか。」

「ザバ…?あぁ!も、もしかして。ステータス! 圧縮解除(ボソッ)」

 

エリゴス

王子

盗賊Lv2

HP38/38

MP358/380

ちから24

すばやさ45

たいりょく12

かしこさ98

▼とくぎ

なし

▼解放済みまほう

〇回復魔法

ホイミ

ベホイミ

キアリー

キアリク

ザメハ

マホアゲル

〇攻撃魔法

ザバ(暴発・不完全)

〇補助魔法

スカラ

スクルト

ピオラ

ピオリム

バイシオン

バイキルト

インテ

インテラ

バーハ

フバーハ

マジックバリア

アタックカンタ

マホトラ

マホキテ

ヘナトス

ダウン

ルカニ

マジックハック

グレイトハック

〇特殊魔法

トヘロス

トラマナ

フローミ

レミーラ

レミラーマ

アバカム

レムオル

 

「あ、ありました!魔法にザバってありました!」

「おお!やったじゃねぇか!お前盗賊だってのに攻撃魔法使えていいねぇ。

俺なんかホイミとキアリー、リレミトとピオラしか覚えてねぇからよ。

遠くへ行かれちゃったら攻撃とどかねぇの!はぁーはっは!」

 

「でも、暴発とか不完全とか書いてあるんです…どうしましょう?」

「そりゃたぶん、小魔法で出そうとしたからだろ。呪文名言ってみろ。」

「はい。【ザバ】!」

 

「おお!見事な水球だな。

 

で、それどうする?」

「どうしましょう。海にでも打ちますか。」

「それしかないよなぁ。よし、甲板行くぞ。」





エリゴス
王子
盗賊Lv2
HP38/38
MP356/380
ちから24
すばやさ45
たいりょく12
かしこさ98
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
new ザバ
〇補助魔法
〇特殊魔法


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17

{ザバラ}
消費MP8
ザバの次の魔法。
水量が多い。
たぶん圧縮されてると思う。

{入船許可証}
海辺の王都だし港あるでしょと思った。

{不思議な地図}
正式名称ふしぎなちず。
DQ8では地図の名称は「世界地図」だが書かれている内容が切り替わることから普通の地図ではなくDQ5の地図と同じものと解釈。
王族ならいくつか持っててもおかしくないでしょ。

{聖地ゴルド}
巨大な女神像のある観光地。
荒れ地な島の中心にある。
ちょうど西大陸と東大陸の間にある島。

{精鋭}
隠密部隊とか。


「お頭、こいつの魔法ちょっと海に捨てますぜ。」

「…何があったかは聞かないでおくぞ。」

「へい。おいガキ、さっさと捨てちまえ。」

「はい。よっと。」

 

ざっぱぁん。

 

「いい音だな。おい坊主、あのザバはお前が出したんだよな。お前本当に盗賊か?」

「え?たしかに盗賊のレベル2ですけども。」

「たしかに見た目はザバだがありゃザバラみたいな魔力だったぞ?」

「あ、賢さは高いってありました。たぶんそのせいです。」

 

「ふーん…まぁいいけどよ。使えるのはザバだけか?」

「ホイミが使えます。」

「そうかそうか…まぁレベル2だしな。

チャック聞くことは終わった。閉じ込めとけ。」

「へい!おらいくぞ!」

 

 

 

「なぁ、お頭にはホイミ使えるって言ってたけどよ、他には使えねぇのか?」

「実は…ピオラが使えます。内緒ですよ。」

「おうともおうとも!じゃあ、ほれ。水置いとくからよ!

ちゃんと噛んで食えよ!」

「はい、ありがとうございます。」

 

 

 

「お頭、あいつピオラも使えるそうですぜ。」

「ふむ、ピオラか…嘘ついてるように見えたがそれか。

まぁいい、ところで物資のほうはあったか?」

「へい、アスカンタへの入船許可証といくつかの宝石類、それに簡易的な地図と羅針盤が。」

「そうか。地図と羅針盤は操船してるアクズに渡してこい。宝石類はそのまま。入船許可証は持ってこい。」

「アイアイサ!」

 

 

 

「おいアクズ!地図と羅針盤だぜぇ!」

「おう。こっちは順調な航海がよ。魔物も見えるっちゃ見えるがちゃんと船を避けるがよ。」

「へへへ、さすが大国の船だ。魔物除けもバッチリときた。

お頭が目を光らせてるだろうし俺はちょいと仮眠でもしてきますかね!」

「ちゃんとカシラの許可をとるがよ。ここで寝るでねぇ。」

 

 

 

「ふぅ、食い終わったがこの船なかなか揺れないな。

やっぱ相当高い船なのか?」

 

はたして船が着くのに何日かかるのだろうか。

まぁいい、俺は筋トレでもするか。

あのお頭ってやつはかなり強そうだし、

脱走するのは売られてからにしよう。

金さえ受け取ってしまえばあいつらも追ってこないだろ。

 

 

 

 

「陛下!殿下がどこにもいないのです!」

「落ち着けマリアン。すでに毒を入れた者は尋問させている。

首謀者のマルガリも死んだ状態で見つかっている。

なにより、エリゴスの居場所は常にわかっているのだ。これを見ろ。」

「これは…地図ですか?」

 

「ああ。これは不思議な地図というものでな。

使用者の居場所を表示するものだ。

これにはエリゴスを所有者に登録してある。

どういうことかわかるな?」

 

「殿下は…聖地ゴルド南西の海に居るのですか?」

「そうだ。何者かに運ばれている。どこへかはわからないが、

場所が分かり次第精鋭を送り込む。

お前は今日はもう休め。」

「しかし、私にも何かできることがあるのではないでしょうか!」

「ない。お前はあくまで近衛、

守るべき息子から離れたお前への罰則だ。

部屋で謹慎しろということだ。」

 

「はい…。かしこまりました。」





エリゴス
王子
盗賊Lv2
HP38/38
MP356/380
ちから24
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なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法


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18

{巨大な大王イカ}
DQ11での大王イカ戦みたいな感じです。
モンスターズでは大王イカは爆発系に弱いらしい。

{ベギラマ}
消費MP6
熱線を浴びせる魔法。
DQ1では最強の魔法。

{メラミ}
消費MP4
大きな火球を飛ばす魔法。

{イオナズン}
消費MP18
空気を吸収して爆発を起こす魔法。
大王イカに効果抜群。

{騎士}
神に仕える修道騎士。
聖地ゴルドの警備などをして駐在している。
たいていが信心深い信者。


「カシラァ!!大物が来たがよぉぉ!!」

 

 

 

「ぬぉ!?な、なんだ?」

(大物って、魔物か?もし魔物に船を沈められたら困るなぁ。

いざって時はルーラやトベルーラで帰れるだろうけど、

別大陸のルーラ拠点の入手は大事だから頑張ってほしいな。)

 

ズガガァァァン!!

 

「おおう!?」

(おいおい、今の音もしかしてぶつかったのか?)

 

「カシラァァァ!!取り付かれたがよ!!」

「チャックさがれぇ!!【ベギラマ】ァ!!」

「ギュギュラァァァァ!!」

「うおおお、【メラミ】!!」

「ギャギャギャギャ!!!」

 

「カシラ!やべぇがよ!船首が持ってかれそうだがよ!!」

「ぐぬぬ、てめぇら伏せろ!船首は持って行かせねぇ!

かぁっ!!【イオナズン】!!!」

 

ズズゥゥゥン

 

「ギャォォォ…」

 

 

 

「声が聞こえなくなったな…」

 

 

 

「おい、ガキ!無事か!」

「何があったんですか!」

「大王イカだ、それもかなり大きめのな。

なんとかお頭が倒しきったが、船首がズタボロだ。

このままじゃ長旅が出来ねぇから聖地ゴルドに寄ることになった。

 

その間ぜってぇ逃げだすんじゃねぇぞ!!

お前が逃げても聖地ゴルドは治安が悪ぃ。死ぬと思え!!」

 

「わ、わかりました。」

(ひえー、おっかね。よっぽど聖地ゴルドってのは入り組んでると見える。

ゲームだとそれほどでもなかったがサザンビークがあんな広かったんだ。

宗教の聖地なんてかなり人口多そうじゃないの。)

 

 

 

「坊主、船を降りるがよ。ついてこい。」

「はい。」

 

「えーと、4人ですね。入港許可証はありますかな?」

「我々はアスカンタへ行く途中で巨大な大王イカに襲われましてね。

ここで修理させてもらいますよ。

これがアスカンタの入港許可証です。」

 

「ふむふむ、たしかに確認しました。

ようこそ聖地ゴルドへ。

修理の間観光をお楽しみください。」

 

「へぇ、なかなか大きな港町なんだね。」

「そうだな。ここからじゃまだ見えないが北はもっとすげぇぜ。」

「ここだとまだ狭いほうだがよ。貴族用の港はもっと広いがよ。」

「そうなんですね。僕たちは北まで行くんですか?」

 

「いいや、俺たちは修理のために寄ったんだ。

わざわざ北までいかねぇよ。

港から街までに関所があるが、

これがまた業突く張りなことに所持金の半分持ってくときたもんだ。

一度入ったことがあるがでけぇ像があるだけで、

街は物乞いまみれと来たもんだ!」

「おい、声が大きいがよ。」

 

「おい、そこのお前!聖地ゴルドを侮辱するような発言が聞こえたが何事か!」

「へ、へい。俺らの新入りが街まで行きたいって言いやがったんで、

話を盛ったんでさ!!

いやほんと、聖地ゴルドは何度きてもいいところですぜ!!

ですが俺たち金がないもんでしてね、

中に入っても仕方ないって言っても聞かないんですよ!」

「そ、そうなんです。僕がわがまま言ったからなんです。

う…。

ごめんなさい!」

 

「そうか、聞いていたのが俺でよかったな。

職務に忠実な騎士であったら問答無用で切り捨てられることもある。

ゆめゆめ失言なされぬようにな。」

「へ、へい!申し訳ありませんでしたぁ!」

 

「ガキ、お前なんで誘拐されたって言わずに俺ら庇ったんだ?」

「うーん、騎士さんが怖かったから。」

「…そうか。」

 

 

 

(むっちゃ怖かったわ。

こいつらに捕まってたほうがまだマシだぜ。

一応ここでも街だろ?

頼むぜルーラさんよ。)





エリゴス
王子
盗賊Lv2
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19

{国家}
トロデーンは北東の大陸を治める。
サザンビークは西の大陸を治める。
アスカンタは南東の大陸を治める。
原作で国領じゃない部分もこの小説においては国領にする。(断言)
主な国家はこの3つだが、
サヴェッラ大聖堂という宗教の総本山が、
北東の大陸の北西かつ西の大陸の北東にある。

{トヘロス}
消費MP4
魔除けの魔法。
この小説においてはレベル関係なしに魔除けです。
強い魔物ほど抵抗するけど弱い魔物は無理すると死ぬみたいな。
なので魔除けが効かないほど強い魔物が来た村は大抵滅ぶ。

{遺物の魔法}
ストーリーの進行を考えるにあってはいけないと思う魔法。
不思議な力(ご都合主義)にかき消されるほどの強い魔法。
お分かりですね?




「坊主、俺らはこの4人部屋を取ったからよ。

絶対に外出るんじゃねぇぞ。アクズ、見張っとけ。」

「アイアイサ。」

 

 

 

「アクズさん、お二人はどこへ行ったんですか?」

「まず船舶ドッグだがよ。そんで修理依頼だして帰りに食料でも買ってくるがよ。」

「ふむふむ。ところでアクズさんは弓と短槍を持ってますけど職業は何ですか?」

「あんまり職業は聞くもんじゃねぇがよ。

俺は狩人だ。トロデーンっつー国のド田舎の村の出だがらよ、

ずっとコレが仕事仲間だったがよ。」

「なるほど。あのお二人も同じところの?」

「いんや、カシラはサザンビーク、チャックはパルミドだがよ。」

 

「ところで地名聞いただけでハッキリ場所がわかるもんがよ?」

「あ、はい。地図とある程度有名な場所なら頭に。」

「そうか。俺そういうのさっぱりだがよ。

船と馬車の扱いはカシラから習ったがよ、

やっぱ俺は狩りが好きだがよ。

普段の野営じゃ俺が狩りチャックが料理で役割が分かれてるだ。」

「狩りがお好きなんですね。

僕はまだ狩りをしたことがないのでどんなのかもわかりませんね。

お頭さんは野営の時は何をしてるんですか?」

 

「カシラは野営の時は魔除けだ。

トヘロスっつー魔除けの魔法をかけれるだがよ。

あと俺らがどーしても倒しきれねぇときはボカンしてくれるだ。」

「あぁ、大きな音がしてましたね。いおなずんーって。」

「アレを出すのは相当やばい時だけだがよ。

それだけあの大王イカが猛者だったがよ。

俺の矢がもっと強けりゃ…」

 

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

(俺が話しかけなきゃいけないのか?)

 

「操船をするアクズさんから見て何日くらい駐留すると思いますか?」

「さぁ、俺は操作することはできるが船はさっぱりだ。

そういうのは技師にしかわからねぇがよ。」

「ずっとここにいるとなると捕まったりしませんか?

確か貴族の方を逃走中に殺したとチャックさんから聞きましたが。」

「あー、そうかもなぁ。まぁお頭さえいればよっぽどのやつが来ねぇ限り安心だがよ。」

 

(レベル32でそこまでの自信があるってことは…まさか32で十分高いのか?

信じがたかったがほんとのようだし、

レベル40以上が居ないってのもあながちジョークじゃないのかもしれん。)

 

「もし仮にお頭さんよりレベルの強い人が来たらどうするんです?」

「そんときゃいざって時の手段があるがよ。」

「ふむふむ、どんなのなんですか?」

「お頭は遺物の魔法の一つが使えるがよ。

それさえ使えば町ならどこでも逃げ切れるがよ。

今まで何度もそうしたがよ。」

 

(遺物の魔法…。

もしかして、俺の知らない魔法もあるのか?

いや、もしくは俺が知っているけど流通してない魔法なのか?

どちらにしてもその魔法の名前を聞き出さないとな。)

 

「ちなみにその魔法ってなんて名前なんです?

もしかしたら聞き覚えがあるかもしれません。」

「言うわけねぇがよ。

もし知ってたら対策立てるがよ?

お前は逃がさねぇがよ。」

「ですよねー。」

 

(チッ)





エリゴス
王子
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HP38/38
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20

{盗品の船}
そのままアスカンタへ行けばよし、寄り道すれば捕まって口封じ。王子が帰ってきてもその王子は寝ていたから「私は存じ上げない」で済ませばよし。と思っていた。
その場で殺されるとは微塵も思わなかった貴族の置き土産。




「……帰ってくるのがおせぇがよ。」

「そうなんですか?まだ2時間しか経っていないような。」

「俺たちゃ追われてる身だ、あんまり人の多いところ歩いてちゃ足が着くがよ。」

「そういうもんなんですね。」

 

 

ドドドドドド

 

「ん?」

 

バァン!

 

「た、大変だ!お頭がしょっ引かれちまった!!」

「なんだと!どういうことだがよ!!」

「船が盗品だった…!あの貴族にしてやられちまった!

お頭は今たぶん聴取されてるかもしれねぇ、お前はガキ連れて街まで行け!

港は探すかもしれねぇが街までは行かねぇはずだ!」

「おう、わかったがよ。お前はどうするがよ。」

 

「俺は…身代わりになってくる。俺が船を盗んだことにする。」

 

「そ、それじゃお前」

「わかってんだ!だが、それしかお頭を助けられねぇ!

俺はこれまでお頭にいい思いさせてもらった、

俺が恩を返すにゃ今しかねぇ。

それに、お頭さえいればお前たちは抜け出せんだ。

 

とっとと行きやがれ!!」

「…わかったがよ。坊主、こい。」

「あ、ちょっと待ってください!やらねばならないことがあります!」

 

(あのおっさん、魔法ブッパしなかったのか。)

 

 

 

 

 

「おい、いい加減吐け。あの船は一体どうした。」

「・・・・・・・・・」

「チッ。だんまりかよ。てめぇたしか4人組で入港したよなぁ?

他の3名はどこに泊まってんだ。吐け。」

「・・・・・・・・・」

「くそっ!おい、誰かこいつらを見た騎士はいないか。」

「港を巡回していた騎士に聞いてきます!」

「はぁ…どいつもこいつも愚図だ愚図。てめぇも部下も愚図!!」

「・・・・・・・・・」

「……ふんっ!」

「ぐっ…」

「貴様さえさっさと白状すれば俺は夕食にありつけるというのに。

お前のせいだぞ。ふっ!」

「・・・・・・・・・」

「なんとか言え!おら!おらぁ!」

「・・・・・・・・・」

 

 

 

「査問官殿、お連れしました。」

「はっ!お呼びでしょうか!」

「おう、はぁ、はぁ、こいつは盗難船でここへ来た奴らだ。

お前4人組の顔見たんだってな。どんなやつだった。」

「はっ!

一人はそこの髭面の革鎧の男!

もう一人は赤スカーフを頭に巻いたやせぎすの青い薄手のシャツの男!

もう一人が巨躯でぼさぼさ髪で野蛮な服装をした男!

もう一人が貴族の子供のような新入りの子供でした!」

「ほう…お前。なんでその子供が新入りだと?」

「はっ!やせぎすの男が聖地への暴言を吐いていたため詰問したところ、新入りと答えました!」

 

「おい、髭面の革鎧の男さんよ。貴様の名前は何だ?」

「・・・・・・・・・」

「おいおい、今更だんまりか?もっと拳が欲しいの、かぁ!!」

「・・・・・・・・・」

「おい、こいつの名前は何だ?」

「はい、書類にはロドウィンと書かれています。」

「おいおいロドウィンさんよ。こいつは本名か?偽名か?」

「・・・・・・・・・」

「……聞くだけ無駄だな。

おい、指名手配だ。

他3名を指名手配しろ。」

「はっ!かしこまりました!」

 

 

 

 

 

「次、二人組か。財布を出せ。」

「へい。」

「ふむ…ふむ…では、半額は布施てもらうぞ。入れ。」

「へい。」

(ざる警備だなぁ。)

 

「坊主、

(もし何か聞かれてもお前は答えるでねぇ。

下手したらお前も捕まって拷問されるがよ。

俺を父と扱え。

そうすればそれほど不審じゃねぇはずだがよ。)

わかったな、あまり羽目外すでねぇぞ。」

「うん、……パパ。」





エリゴス
王子
盗賊Lv2
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MP356/380
ちから24
すばやさ45
たいりょく12
かしこさ98
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法


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21

{指名手配}
絵を貼るのではなく口頭で特徴を伝え情報を伝聞させていき通報を待つ。
ゴルドの民は敬虔な信者が多くそういう情報があれば申し出る市民の鑑。
他の国ならまだしも孤島の聖地ゴルドでは逃走経路が船しかないので港さえ厳重にすればいずれ捕まると思っている。

{服屋}
防具屋ではない。
あくまで服屋。
無防具の時裸ではないように一般的な服が売られている。




「港に居る全員に告ぐ!

現在船の盗難の容疑で逃走中の犯罪者が3名ゴルドに居る!

赤スカーフを頭に巻いたやせぎすの青い薄手のシャツの男!

巨躯でぼさぼさ髪で野蛮な服装をした男!

貴族の子供のような新入りの子供!」

「これらの一派を見たものは情報提供を!まだの者は情報を広めよ!」

「次の場所へ行くぞ。」

 

 

「職務ご苦労、現在船泥棒が3名逃走中、

特徴は赤スカーフを頭に巻いたやせぎすの青い薄手のシャツの男。

巨躯でぼさぼさ髪で野蛮な服装をした男。

貴族の子供のような新入りの子供。

これら3名を見たか?」

「いえ、それらしい者は一人も街へは行きませんでしたね。」

「そうか、警戒しておいてくれ。通らせてもらう。」

 

 

「街に居る全員に告ぐ!

現在船の盗難の容疑で逃走中の犯罪者が3名ゴルドに居る!

赤スカーフを頭に巻いたやせぎすの青い薄手のシャツの男!

巨躯でぼさぼさ髪で野蛮な服装をした男!

貴族の子供のような新入りの子供!」

「これらの一派を見たものは情報提供を!まだの者は情報を広めよ!」

 

「ここもダメか。次へ向かうぞ。」

 

 

 

 

「ふぅ、坊主。お前これを見越してたのか?」

「ええ、これなら時間を稼げるでしょう。」

 

アクズのぼさぼさ髪をできるだけ整えオールバックにしちゃんとした服を着させた。

俺は貴族の服を脱いで金にした後、普通の子供服を買った。

浄銭のために服を安くし見栄えを整えると服屋に言えば上機嫌に整えてくれた。

 

「これなら関所のやつらに聴取しても問題ないでしょう。服屋に話が届いてそれから話を広げるまでにチャックさんがお頭さんの代わりに自首します。」

「問題は…どっちも捕まった時だがよ。」

「もしそうなれば話をでっちあげましょう。

貴族に裏切られかけた王子を助けた美談に。

もし何かあればサザンビーク王家が出るぞ。と。」

「…お前、俺らを助けるつもりが?」

 

「乗りかかった船ですよ。

それに、あなた方はそれなりによくしてくださった。

このまま捕まるくらいなら全員でサザンビークへ行きましょう。」

「あ、あぁ…わかったがよ。すまねぇ。」

「いずれにしても、それにはまず街から港の様子を知れないことにはどうしようもないです。

しばらく経ったらそれとなく関所を通ってきた人にどうなったか聞きましょう。」

「おう、わかったがよ。」

 

 

 

 

「お、俺なんです!あの船を盗んだのは俺なんです!」

「む、貴様船泥棒の一人か。自首か?ツレは奥にいる。来い。」

 

 

「お頭!」

「!!・・・何の用だ。」

「お頭ぁ…怪我まみれになっちまって。騎士様、俺が悪いんです!

俺があの盗んだ船を普通の船って言ってみんなを騙してたんでさ!!」

「ふむ、おい。そう言ってるがどうなんだ?ロドウィン。」

「……俺は何も知らなかった。知らないことは答えられん。」

「だとよ。おい、お前が主犯なんだな?」

「あぁ!そうなんだ!俺がお頭たちを騙したんだ!あの船を安く買ったって!」

 

「そうか。船泥棒とそれの手助けをしたのか。そういう事だろ?ロドウィン。」

「…俺は何も知らなかった。手助けなどしていない。」

 

「そうかいそうかい。じゃあ現時刻を持ってお前ら2名を拘留する。」

「ま、待ってくれ!お頭は関係ねぇ!!」

「いいや、関係あるのさ。俺があると思ったからお前らは船泥棒だ。連れてけ。」

「はい!こっちへこい!」

「ぐぐぐ、お頭ぁ…」

「・・・・・・すまない。」





エリゴス
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なし
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22

{レムオル}
消費MP15
姿を消す魔法。
しかし魔物や動物からは気配からか察知される。

{ステルス}
消費MP3
姿を消す魔法
しかし人間には見えてしまう。

{レムオル+ステルス}
人間から見えなくなる魔法と、
魔物から見えなくなる魔法。
二つ合わせることで完璧に見えないはず。はず。

{アバカム}
消費MP2
【魔法使い】の高等呪文という立場で、
対応する鍵を持っていなくても、
全ての扉を開くことが出来る。

{メダパニ}
消費MP5
正常な判断が出来なくなるほど混乱する魔法。
奇声を上げたり、妄言を言ったり、無駄なことをしたり、
敵と間違えて切りかかったりする。

{ラリホー}
消費MP2
敵を眠りに誘う魔法。
この小説においてはうつらうつらさせる魔法。

{マヌーサ}
消費MP4
深い幻で包みこんで敵の攻撃を阻害する魔法。
人が複数に見えるんだとか。

{アストロン}
消費MP6
体を鉄の塊にして絶対的な防御を得る魔法。
ただし体は動かなくなる。
ダイの大冒険ではアバンが他者にかけてたのでパクった。


「おじちゃんおじちゃん!ちょっと聞きたいことがあるけどいーい?」

「おお、なんだい坊ちゃん。」

「さっき船泥棒がなんとかって聞いたんだけど、港のほうで何かあったの?」

「あぁ、なんでも貴族の船を盗んだ船泥棒が居るらしいんだ。

そのうち2名は無事に捕まったそうだが、

他の2名はまだ見つかっていないらしい。」

「そうなんだ。怖いね、パパ。」

「そうだな。」

 

「なんでも捕まってない二人というのが、

貴族の子供みたいな新入りと、

見るからに野蛮人な大男らしい。

見かけたら君たちはすぐに逃げて助けを求めるんだよ。

犯人は追い詰められると何をしでかすかわからないからね。」

「うん、わかった!ありがとねおじちゃん!」

「うむ、神の祝福のあらんことを。」

 

 

 

「やっぱり…捕まっちまっただがよ。」

「そうですね。では、一旦街から出ますよ。」

「出てどうするがよ。」

「あの二人を助けるんです。僕には姿を消す魔法があります。」

「…そんなものを隠してたが。だがどうやって忍び込むがよ。」

「その点も問題ありません、信じてついてきてください。

もし失敗したとしても、王子として迎えが来るまでは持たせます。」

「…わかったがよ。」

 

 

 

 

「次の者…ん?お前たちは先ほど入ったばかりではないか。」

「ごめんなさい、パパが船に忘れ物をしちゃったらしくて戻ってきたんです。

ね、パパ。」

「あぁ…すまねぇ。」

「そういうことか。たまに起こることだが、次に街に入るときも浄財してもらうことになる。いいか?」

「ああ、問題ねぇがよ。」

「がよ?」

「あ、パパの訛りなんです!わかりにくかったらごめんなさい!」

「あぁ、気にすることはない。

では、今日はもう遅いので街へは明日入るといい。

船泥棒がうろついているようだから今日は出歩かずにまっすぐ宿を探すことだ。」

「はい!わかりました!」

「ども…。」

 

 

 

「で、どうするがよ。」

「夜、寝静まったころに鍵開けの呪文で牢へ侵入して、お頭さんとチャックさんを解放します。」

「…とりあえず坊主に任せるがよ。」

 

 

 

 

 

 

「ここが二人が捕まってる駐在所ですね。ではさっそく。レムオル、ステルス。なるべく無言で行きますよ。」

「おう。」

 

(失礼しまぁす。【アバカム】。)カチャ。

「む?誰かいるのか?」

「【メダパニ】、【ラリホー】、【マヌーサ】、【アストロン】」

「あががが……」

「ひ、人が石…いや、金属になったがよ。」

「アストロンっていう金属の塊になる魔法を押し付けてやった。

目が覚めてもいろんな魔法でまともに話せないはずだ。」

「え、えげつねぇだがよ。」

 

(すいすいすーいっと。【アバカム】。ほいほいっと。【アバカム】。こっちかなーっと。【アバカム】。お、ここだ。)

「【ザメハ】。お頭さん、チャックさん、助けに来ましたよ。」

「う、うぐぐ。お前ら、どうしてここに。」

「ガキ…どうやってここまで。」

「話はあとです。逃げますよ。【レムオル】、【ステルス】。ついてきてください。」

 

 

 

 

「で、どうやってあそこまで来た。」

「実は黙っていた他の魔法で行きました。」

「ほう、黙っていたか。まぁいいがどういう魔法だ。」

「レムオル、ステルス、アバカムです。」

「…レムオルは知っている。だがアバカムとステルスってのは何だ。」

「あ、えっと。鍵を開ける魔法を魔物から姿を隠す魔法です。」

 

「…そうか。じゃあ見とけ。これがお前に黙っていた遺物の魔法の一つ、ルーラだ。ふぅぅぅぅ…………【ルーラ】。」

(遺物の魔法ってルーラかよ。通りで誰も使ってねぇわけだ。……うぉ、飛んだ。ゴルドがもうあんなに小さく見える。いやまてこれどこへ行くんだ?)

 





エリゴス
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▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
new ラリホー
new メダパニ
new マヌーサ
new アストロン
〇特殊魔法
new レムオル
new ステルス


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23

{パルミド}
南東の大陸の南に位置する街。
犯罪者、世捨て人、何らかの理由で表に出れなくなった者たちの街。
ゲームではカジノがあって入り組んでるくらいしか他の街との違いはなかったですがこの小説においてはかなり大きい街ということにします。
闇の街があんなに最小限なわけないはず。


「お頭さん、これどこへ向かってるんですか?」

「パルミドだ。」

「え、この魔法あるんだったら船いらなかったんじゃないですか?」

「何言ってんだ。船まるごと持ち込めばいくらになると思ってるんだ?

これだけの船ならざっと50万Gは下らねぇぞ。

王子の誘拐2回分より多いぞ。」

 

(まじか。なんでそんなに高いんだよ。)

 

「なんでそんなに高いんですか?ただの船ですよね?」

「おいおい、この船には魔物除けが掛けられてるんだぞ。

それに船そのものも大きい。

出力もでかい。サザンビークからゴルドまであっという間だったじゃねぇか。

そんな船まともに作るとなれば100万Gじゃ済まないだろうよ。」

「でも、持ってるだけで捕まる船ですよね。」

「馬鹿野郎。そのためにパルミドまで持ち込もうとしたんだ。

パルミドなら船の偽装くらいなんてこたぁねぇ。

オークションに出せば簡単に買い手がつくぞ。」

 

「もしかして、僕もオークションに出す感じですか?」

「そのつもりだったが、気が変わった。

お前はパルミドのギャングに売り払う。」

「ギャング…ベルガラックのギャリング家みたいな?」

「ああいうまっとうなのとは違う。ガチの大盗賊の集まりだ。」

 

(おいおい、なんだってそんな心変わりしたんだよ。)

 

「えーと、なんでギャングに?」

「お前が珍しいからだ。

お前の真価はオークションで大々的に公表するよりこっそりとギャングに売り払ったほうがいい。

お前はこの俺でさえ知らない魔法を使うんだ。

どうせアバカムやらステルスやらも俺が知らない遺物の魔法なんだろう。

 

わかるか?お前は周りに知られなければ知られないほど、その力を発揮できるんだ。

暗殺者なり盗賊なり…そういやお前、魔法使いじゃなくて盗賊だったな。

その魔法がありゃどんな大盗賊にも負けないような盗賊になる。

俺が保証するぞ。」

 

(たしかにどこでも鍵を開けれて、誰にも察知されなくて、鉄の塊にして無力化できるなんて盗賊としてはチートもいいとこだよなぁ。)

 

「ほら、見えてきたぞ。あの大陸がパルミドのある南東大陸だ。」

「…いやぁ、暗くて見えませんね。」

「盗賊なら夜目くらい利かせられるようになっとけ。

いいか、俺らが売り払うまでは絶対に逃げるんじゃねぇぞ。

逃げるなら俺らが売り払ってからにしろ。」

 

「え、そんな堂々と逃げていいんですか?」

「お前どうせ逃げるつもりだったろ。

子供一人管理できないようなギャングなんていない。

そういうことだ。」

「……追ってこないってことですか?」

「そうだ。お前を買った事実から無くなる。

ましてやお前は王子だ。

逃げられちまったんなら下手に追わないほうがいい。」

「そういうものなんですね。」

 

「そういえばチャックさん、あの後何があったんです?」

「なに…査問官がやなやつだったってだけだ。

俺の嘆願なんか聞いてもらえなかった。

これだから聖堂騎士団どもは…」

「坊主、これからパルミドでは俺が抱えるがよ。

そのまま歩いていたら坊主なんかすぐ攫われてオークションに出されるがよ。」

 

「そうだな、そうしとけ。

チャック、お前は宿を手配しろ。

俺とアクズで話を付けに行く。」

「ところで、なんて名前のギャングなんです?」

 

「ヤングライオン団だ。」

(…なんか聞き覚えあるような。)





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第三章盗賊のメッカで常識を知る
24


{墨廊館}
オリジナル宿。
3階建てで室内が全て黒塗り。
家具すらも黒。
治安の悪いとこの高級宿ってロマンを感じませんか。

{酔いどれ神父}
オリジナル要素。
街が広くなったなら教会も増えるでしょ。


「ついたぜ、あの門から先がパルミドだ。」

「…ほえぇ。」

(でけぇ、上から見たけどとにかくでかかった。

これだけデカけりゃそりゃ指名手配犯でもそうそう捕まらないだろうな。)

 

「おい、ガキ。いいか、絶対に声を出すんじゃねぇぞ。

こっから先はこのズタ袋に入ってもらうぜ。」

「あ、はい。わかりました。」

「……よし、アクズ担いでくれ!」

「おうよ。」

 

(うーむ、何もわからん。透視の魔法とかあればいいのになぁ。)

 

 

 

「おぉーう、ロドウィン。

羽振りよさそうだな、へへへ、おごってくれよ。」

「今度な。」

 

「おう、ロドウィン。それは金目の物か?」

「そうだな。」

 

「なあアクズさん。こないだのツケなんだが、払ってくれねぇか?」

「…まだ仕事がよ。今度払うがよ。」

 

(なかなかに顔が知れ渡ってるんだなぁ。

それだけレベル32の魔法使いってのはすごいのか?

いや、ロドウィンがそれだけ修羅場を切り抜けてきたってことなのかな。)

 

 

 

 

「おい、お前たち何の用だ。ここはヤングライオン団の本部だ!」

「俺たちはバフロンズだ。お前たちに直接売りたいものがあって来た。

面会の手続きを頼む。」

「わかった。お頭に伝えておくから明日の昼また来い。

しょうもない物だったらただじゃおかねぇからな。」

「当たり前だ。頼むぞ。」

 

 

 

「お頭!宿の手配しておきましたぜ!南西部にある墨廊館でさぁ!」

「…おい、そこ高いだろ。わざと高いとこ選んだな?」

「へへへ、20万G持ってるんですぜ。

どうせならいいとこ泊まりたいじゃないですか!」

「で、いくらだ。」

「へい。4人部屋一食つきで1000Gでさ!」

 

「馬鹿野郎…高すぎだ。お前の分け前から差っ引いとくからな。」

「へへへ、かまいませんぜ!

捕まったってのに無事に戻ってこれたんだ。

これくらい羽目はずしてもいいじゃねぇですか!」

「それもそうがよ。カシラ、俺の分け前からも差っ引いてほしいがよ。」

 

「…そういう事なら仕方ねぇな。俺が出す。」

「さすがお頭!」

「これからもついていくがよ!」

 

(おい、お頭ちょろくないか?)

 

 

 

 

「ふぅ、坊主出るがよ。」

「はいはい。って、すごい部屋だな。一面真っ黒じゃないか。」

「へへへ、ガキはわかっちゃいねぇな!

俺たち盗賊にとっちゃ黒は縁起色だぜ。

黒一色のここはそれを売りにした高級宿だ。

食事もそこらの宿なんかとは比べ物じゃねぇはずだ!」

 

「チャック、食事だけじゃねぇがよ。

ここは部屋に風呂がついてるがよ。」

 

「おいお前ら、そこじゃねぇだろ。

ここは金庫付きだぞ。寝てる間に盗まれる心配がないだろ。」

 

 

「見事にばらばらだけど魅力的な宿なんですね。」

「そうだな。それだけにかなり高い。それこそ普通の宿40泊分だ。

そんなことに金を使うんだったらまだ薬草買ったほうがいい。」

「ホイミがあるのに薬草を買うんですか?」

 

「俺は魔法使いだがホイミが使えん。

覚えようと1年かけたが無駄だった。

チャックとアクズは使えるが魔力が低いんだ。

まともな回復は薬草しかねぇ。」

 

(魔法使いだが…?魔法使いでもホイミが使えるやつがいるのか。)

 

「魔法使いってホイミ使えるんですか?」

「ほとんどのやつは使えるが、俺は使えねぇ。

東の酔いどれ神父曰くその分攻撃魔法に特化してるらしい。

個人差ってやつなんだろうが…人間扱いされてねぇみたいで俺は気に入らん。」

「そうなんですか…」

 

(職業はDQ3ベースだと思っていたが、案外違うのかもしれないな。)





エリゴス
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25

{キメラのつばさ}
ゲームでは使い捨てのルーラができる安い道具
この小説では何度でも使えるルーラができる魔道具。



「ふむ…パルミドで止まったか。

この地図を使ってエリゴスを守りながら連れ戻してきてくれ。」

「はい、かしこまりましたクラビウス様。」

 

 

 

「なぁ、ガキはこのまま売り払っちまうんですかい?

俺、なんだか愛着が湧いちゃいましたよ。」

「馬鹿野郎。こんな厄介者いつまでも持ってるわけないだろ。

そもそも誘拐犯だぞ俺たちは。」

「いくら命の恩人とはいえこればっかりは仕方ないことがよ。」

 

「まぁ、僕としてもお三方との出会いは得るものが大きかったです。

またいつか会ったら話しましょう。」

 

「おいおい、もう脱走後の事考えてるのか?

もし脱走に失敗してみろ、

二度と出れないような場所に閉じ込められちまうぞ!」

「いざとなればそこからでも脱出して見せますとも。

孤島でも地下でもどんとこいですよ。」

「おい、あんまり調子に乗ってると軽いミスで全てが台無しになるぞ。」

 

「とりあえずメシを喰ったら寝るぞ。

もうすぐ夜明けだ。少しでも寝ておけ。」

「「アイアイサ。」」

「はい。」

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、やはりキメラのつばさがあると便利ですね。

パルミドも様変わりしましたねぇ。

さっそくエリゴス様を探しますか。」

 

 

「地図によるとこの建物…墨廊館?宿屋ですか。それも高級な。

ちょうどいい、私にうってつけの場所ですね。

さっそく入るとしますか。」

 

 

 

 

 

 

「おい、起きろ。メシの時間だ。」

「「アイアイサ。」」

「はい…ふわぁ。」

 

「わぁ、これ豚の丸焼きだ!」

「お?初めて見るか?このあたりじゃ珍しくないんだがな。

アスカンタは畜産が主流でな、魔物じゃない肉もそれなりに流通している。

ここのはちゃんとしたところから仕入れてるだろうし安心だぜ!」

「安心じゃない肉って…?」

 

「あぁ…盗んだ子豚を質素なメシで育てたりすると、そりゃもう不味い。

でも安宿だと魔物肉よりそっちが主流だってんだからなぁ。

ガキ、腹いっぱい食っておけよ!ここはお替りできるからな!」

 

「ははは…5歳児そんなに食べませんよ。」

 

 

 

「…そんなに食べないとか言ってたくせに、ガッツリ大人と同じ量食ってるじゃねーか。」

「…育ち盛りですからね!」

 

(おかしいな、普段こんなに食べれないはずなんだけど。)

 

「もしかして、魔力を大量に使うとお腹すきますか?」

「ん?いや、そんなことはないが。」

「うーん、そうですか。」

 

(なんでだろうなぁ。まぁ気にせずに食べよう。)

 

 

 

「坊主、ズタ袋に入るがよ。」

「はい、わかりました。…!?」

「どうしたがよ?」

「いえ、なんでもないです。」

 

 

 

 

「おい、お前たち何の用だ。ここはヤングライオン団の本部だ!」

「昨夜商談を申し込んだバフロンズです。首領との面会に来ました。」

「おう、オレっちも話は聞いてるぜ。入んな。」

「坊主、出るがよ。」

「ほら、いくぞお前ら。」

 

「ん?」

室内に居たのは体も顔も丸く無精髭がある大男。

肩に白い毛皮をかけているその大男の頭の上には…

見覚えのある形の被り物があった。

 

「オレがヤングライオン団首領ヤンパーだ。

そこに座ってくれ。話を聞こう。」





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26

{ヤンパー}
ヤングライオン団の首領。
ヤンガスの父。
世界中の宝を集めんとする大盗賊。

{モシャス}
姿を真似る魔法。
一度でも目にした存在なら目の前にいなくても化けることができる。
外伝作品準拠で強さは変わらない。
特技や魔法も変わらない。
特に記憶も受け継がない。



「オレがヤングライオン団首領ヤンパーだ。

そこに座ってくれ。話を聞こう。」

 

「ヤ、ヤン…パーさん?」

「そうだ、この方がパルミド南地区を治めるヤングライオン団の首領のヤンパー殿だ。

挨拶が遅れましたな、私はパルミド西地区を拠点とする傭兵団バフロンズのリーダー、ロドウィンと申します。こちらは今回輸送に呼んだ部下のアクズです。」

「この度はよろしくお願いしますがよ!ヤンパー様!」

 

「おう。そんな気にするな。お互い気楽に行こうや。

で、商品てのはそこの子供か?」

「はい。この子供の魔法を見るにオークションではなく直接売ったほうがいいと考えました。

この部屋は防音室でしょうか。」

「いや、いざって時のために数人潜んでいる。防音仕様ではあるが隣部屋には筒抜けだな。」

「ふむ…では仕方ないですな。耳を拝借いたします。

 

(この子供は、姿を消すレムオルだけではなく、

魔物からも見えなくするステルスという魔法と、

どんな扉も開錠するアバカムという魔法が使えます。

そしてこの子供は盗賊職のくせに魔法を連発しても、

全く魔力切れの気配がありません。

このことから、暗殺者にも大盗賊にもなれると思い、

ここまで情報を秘匿しながら運んでまいりました。)」

 

「(ほう、たしかにそいつはすげぇな。

俺のカギの技法とどちらが上だろうか。)」

 

「(重ねて申し上げます。

聖地ゴルドでへまをして私ともう一人の部下が留置所にぶち込まれていたんですが、見張りをアストロンの応用を使って無力化し、鍵開けと透明化を使って俺たちを脱出させました。

 

5歳ながら人並外れた頭脳と度胸があります。)」

 

「(ほうほう、ゴルドの警備を抜けたのか。

巡回も多いだろうに相当な度胸だな。)」

 

「(最後に申し上げます。この少年は…サザンビーク第一王子です。)」

「なにぃ!?(どういことだ、そりゃ!)」

「(本来私どもはこの少年を攫うよう依頼されまして、その買い手として考えていたのがパルミドのオークションです。

ところがこのような逸材だとわかり、

ヤングライオン団の配下にすればいろいろと使い道があるのではないかと持ち込ませていただきました。)」

 

「…そうか、わかったぜ。おい、お前らは聞こえてないよな!」

「「「「ヤンパー様の驚いた声しか聞こえておりません!」」」」

「…よし。まぁいい。話はわかった。

10万Gやろう。文句ねぇな?」

 

「もちろんでございます。どうかヤンパー様のお力になれば幸いです。」

「おい、お前名前はなんだ。」

「はい、エリゴスです。ヤンパー様。」

「ちゃんと礼儀も正しいな。よし、お前はどうしたい?」

「俺はしばらくここで盗賊としての修行をした後脱走する予定です!」

 

「「!?ぼ、坊主!!何言っている!!」」

「俺はハッキリ言いまして帰るつもりでいます。

しかしそれまでの間であれば私はいくらでも力をお貸しします。

それとも、サザンビークと抗争いたしますか?」

 

「おいおい、ガキに何ができるってんだ?

サザンビークと抗争たってお前がどこにいるかなんてわかるわけねぇだろ。」

「それがわかってるんですよ。父上は私を魔法の地図に登録してあります。

もしその反応がパルミドで途切れれば…パルミド全域に派兵するでしょうね。」

「…アスカンタが黙ってねぇぞ?」

「アスカンタ?アスカンタなんて弱小国が我が国と戦って済むとでも?

アスカンタは傍観しますよ。確実に。」

 

「おい、ガキ。てめぇ何を知っている。」

「実は先ほど、父が送ってくれた迎えの方と話しをしましてね。」

「な、坊主はずっと俺が担いでいたがよ!いつそんなやつと会ったがよ!」

「担がれている最中ずっとですよ。」

「「な、なぁ!?」」

 

「出てきてください、ミームスさん!」

「はい、エリゴス様。【モシャス】。」

 

そう言うと俺の影から一人の男性が出てくる。顔も声も父そのものの彼が。

 

「初めましてヤンパー殿、ロドウィン殿、アクズ殿。

私はサザンビーク国隠密、

クラビウス様の影武者を担当するミームスという者です。

以後お見知りおきを。」





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27

{レベル}
1~5が一般的、
6~15が兵士レベル、
16~25が強者と呼ばれる者たち、
26から40が国有数の猛者だそうな。
レベル40以上は今のところどこにもいない。
ただしそれは人間だけの話である。
人間より寿命の長い魔物やエルフにはそれよりレベルが高い者がいる。


{ミームス}
オリジナルキャラ
種族あやしいかげ
数百年以上サザンビーク王家を守ってきた隠密。
たまに分裂してレベル1個体を生み出す。
普段はクラビウスの影に潜んでいる。

{かぶとわり}
消費MP0
斧の初級技。
当たると防御力が下がる。
人によってフォームが違うが大抵は縦の大振り。


「初めましてヤンパー殿、ロドウィン殿、アクズ殿。

私はサザンビーク国隠密、

クラビウス様の影武者を担当するミームスという者です。

以後お見知りおきを。」

 

「い、いつからこの部屋に居やがった!?」

「いつからも何も、ずっと居ましたとも。」

「まさか、小僧の影に潜んでいやがったのか!?

そんな特技聞いたこともねぇ…!」

「まさか坊主、レムオルを使ったが!?」

「いいえ、坊ちゃまは何もしておりません。」

 

「そんで、てめぇは何をしに来た。

こいつを取り戻しに来たのか?」

「最初はその予定でしたが、気が変わりました。

エリゴス様はどうにもここで盗賊修行をしたいご様子、

そしてここは天下に響く大盗賊の本部。

修行環境はそこそこですがそこは我々サザンビーク王家が金を出しましょう。」

 

「…お前、俺らを殺すんじゃないのか。」

「殺すんてとんでもない。そんなことしませんとも。

私はエリゴス様の御心の元行動しているのですから。」

「ぼ、坊主。まさかこいつずっと付いてきてたがよ!?」

 

「いいえ、この人が私の影に入ったのは深夜の就寝時。

そして最初に話したのがアクズさんの腕の中。

彼がサザンビークの使いということはすぐにわかりました。

なんせ父の顔が袋の中に広がっているんですから。」

 

「だ、だが俺は重く感じながったぞ!!」

「そのことは私の種族に関係することですね。

ですがここでは言えないのであしからず。

まぁ私に言えることと言えば私が王子の護衛をするからには何の問題も起きないことですね。」

 

「あぁ?ここでお前を殺せば、いい話だろうが!【かぶとわり】!!」

「ふふふ、無駄です。」

「な、右手一本で防がれた…!?この俺の斧が…!!

て、てめぇレベルはいくつだ!!」

「レベルですか。いいでしょう。

私のレベルは82です。」

 

(え、知らんかった。)

「「「「・・・・・・・・・」」」」

「…そうか、信じることにしよう。

この俺の斧が一切通じねぇなんて初めてだ。

でだ、第一王子を手下にすればいいんだな?」

 

「はい、そうすればサザンビークは援助をいたしますよ。」

 

「くそっ…わかった。第一王子は俺の管理下に置く。」

「わかればよろしい。さて、私は戻りますね。

エリゴス様に何かあればすぐにお守りいたしますので。」

「あぁ、わかってる。

お前は逃げたいときに逃げればいい。

訓練は過酷な物にしてやる。」

「…ミームスさん、ミームスさん。何もこんな怒らせなくともぉ…」

「エリゴス様、いいことではないですか。すぐに強くなれますよ。」

 

「で、第一王子。俺の安全は保障してくれるのか?」

「あ、はい。サザンビーク王家にかけて誓います。」

「わかった…お前は部屋を出て案内に従え。ミック!案内してやれ。」

「へいです首領!」

 

「ロドウィン殿、約束の10万Gは渡す。

 

もう厄介ごとは持ち込まないでくれ。」

「温情感謝いたします。ありがたく頂戴いたします。

できる限りのことは私どもも致します。ご用命の際はなんなりと。」

 

「ほら、第一王子。こっちだぜ。」

「あ、はい。これからよろしくお願いします。」





エリゴス
王子
盗賊Lv2 寄生
HP38/38
MP380/380
ちから24
すばやさ45
たいりょく12
かしこさ98
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法



ミームス
隠密
あやしいかげ レベル82
ちから ???
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かしこさ ???
▽わざ
???
モシャス


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28

{ミック}
オリジナルキャラ。
ヤングライオン団構成員。
ベテラン盗賊。

{サンゴー}
オリジナルキャラ。
先輩としてエリゴスの世話係をすることになった。
新入りの中では年長。
二十歳越え。





「第一王子、ここが下っ端棟だぜ。

他にも十人くらい居るから仲良くしな。」

「はい。それと呼び捨てでも構いませんよ?

エリゴスです。よろしくお願いします。」

「へっへっへ。わかりやすいから呼んでるんだよ、第一王子。

お前見るからに肌が白くて第一王子って感じだからな。」

「あー、まぁいつも部屋の中で鍛えてましたからね。

体づくりをメインにしていましたね。」

「そりゃそうだろ。

お貴族様の5歳なんて普通はおとなしく家に引きこもってるもんだぜ。」

 

 

「さて、おーい!誰か居るかぁ!」

「へい!居ますぜ兄貴!」

「おう、サンゴー。こいつは新しく入った新入りだ。面倒見ておけ。」

「…ははは、兄貴も冗談きついね。」

「首領も了承済みだ。こいつもお前らの訓練に参加させるからな。」

「えぇ!?こ、こんなガキを!?無理ですって!」

「無理かどうかは教官どもの決めることだ。とにかくお前に世話は任せたぞ!」

 

 

「はぁ…おい、お前名前は?俺はサンゴーだ。」

「はい、エリゴスと言います。しばらくの間厄介になりますね。」

「おいおい、お貴族様みたいな言葉遣いしやがって。

子供ならもっとバカな喋り方するもんだぜ。」

「お、いいのか?じゃあタメ口でもいいのか?」

「…先輩を敬うって意味では敬語のほうがいいな。敬語で居ろ。」

「はい、サンゴー先輩。」

「じゃあ着いてこい。お前の部屋を教えとく。」

 

 

 

 

「ここだ、4号室。

入って右のベッドがお前の寝床だ。

左には別のやつがいるから仲良くするんだぞ。」

「はい、食事とか訓練とかってどうなってます?」

「食事は朝夕2回。訓練は朝食の1時間後くらいに訓練棟だ。

まぁ初日は起こしてやるよ。」

「助かります。他の方は今どこに?」

「この時間は訓練棟じゃないかな。

今日は教官居ないから各自自主練してると思うぜ。

とりあえずついてこい。」

「はい。」

 

 

 

 

「あぁ、全員居るな。

おぉーい!集まれー!

新入りが入ったぞー!」

「あぁん?このガキか?」

「おいおい、こんなガキ誰が入団させたんだよ。」

「…首領らしいぞ。」

「げぇ…先輩方には内密に頼むぜぇ。」

 

「初めまして、エリゴスと言います。しばらくの間お世話になるのでよろしくお願いします。」

「んん?しばらくの間ってどういうことだ?」

 

「ここには盗賊の技術を学ぶために入団させていただきました。

技術を習っている間は手伝います。

技術を習い終えたら帰ります。」

 

「おいおい、帰るったって…そんな気軽に帰れるわけねぇだろ。

なんのための訓練だと思ってんだ?

団に貢献できるような盗賊になるために訓練するんだぞ?」

 

「そこはいろいろありまして。

もしかしたら首領が説明するかもしれませんね。」

「そうか…まぁせいぜい死なないように気を付けるんだな。

お前みたいなチビじゃ過酷な訓練もするからよ。」

 

「はい、これからよろしくお願いします。」





エリゴス
王子
盗賊Lv2 寄生
HP38/38
MP380/380
ちから24
すばやさ45
たいりょく12
かしこさ98
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法



ミームス
隠密
あやしいかげ レベル82
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29

{ガストン}
オリジナルキャラ
新人盗賊
20歳越え。
小柄だが横に広く斧が得意。

{薬草}
葉は回復を促進させる。
粒の実は栄養満点で回復を補助する。
合わさると体内の魔力が活性化し急速にホイミ分回復する。
葉そのものを傷口に当ててもそこそこ効果がある。

{食事補正}
あります。
しかしエリゴス君は最初からステータスが高いです。
それが一番の原因です。
何故高いかはまだ秘密。


「おい、新入り。お前がどれだけできるかこのガストン様がはかってやろう。

好きな訓練用武器選びな。」

「おお、さっそくですか。短剣でお願いします!」

「短剣は…こっちの軽めのほうにしとけ。頑張れよエリゴス。」

「はい、ありがとうございますサンゴー先輩。」

 

 

 

「よぉし、では開始!」

「先手は譲ってやるよ。来てみな。」

「では、お手柔らかにお願いしまぁす!」

 

ドス…

 

「う、ごぼっ…」

「あれ?」

「ガ、ガストーン!!!」

「やべぇ!【ホイミ】!誰か、薬草持ってこい!」

「お、おい新入り。お前ステータスどうなってやがる!」

 

「ええと、魔力とかしこさとすばやさが強いです。」

「おいおい…いくらなんでも素早いなんてもんじゃねぇぞ。

あんなの一般団員と同じくらいじゃねぇか!」

「ガストン!しっかりしろ!薬草だ!」

「あ、あ、あ、」

 

「…エリゴス、お前戦闘訓練したことは?」

「その、ないです。とりあえず短剣ってこういうのじゃないんですか?」

「たしかに近づいて勢いで突き刺すのもありなんだが…これじゃ木製でも意味ないだろ。

俺らがする気だったのは短剣の振り方とか受け流し方だぞ。」

「あ、そうだったんですか。ごめんなさい。」

 

「いや、いい…そういえばレベルいくつだ?」

「盗賊のレベル2です。」

「レベル2だと!?ガストンはレベル13だぞ!な、なんだってそんな差が…」

「毎日筋トレしてたのと食事の差…とか?」

「食事…?食事がどう関係あるんだ。」

「鶏肉中心にして筋肉が出来やすくしてたんです。

もしかしたらそれで補正みたいのが入ったんじゃ…」

 

「…そうか、食事か。

俺らの食事って毎日スープとパンくらいだからよ。

…首領にちょっと話してくる。

もしかしたら食事がよくなるかもしれねぇ。」

「あ、はい。お気をつけて。」

 

「ガストン!目が覚めたか!」

「お、俺は…一体。」

「ガキの刺突もろに腹に根本まで受けて気絶してたぞ。」

「あの…なんかごめんなさい。

訓練って振り方や受け流し方を習うってことだったんですってね。

そうとは知らず思いきり突き刺しちゃって…」

「あぁ、いや…お前がいきなり消えたと思ったら突然痛くなって…

とにかく、次からは気を付けてくれ。」

「はい、本当にすみませんでした。」

 

 

 

 

「クラビウス様、本体からの伝言でございます。

『エリゴス様はパルミドのヤングライオン団で盗賊の技術を磨くことになりました。つきましては援助金の用意と視察代表の変更をお願いします。』

とのことです。伝言はございますか。」

「…そうか。わかった。金は用意しておく。

『無事ならば問題ない。本職の元で強くなって戻ってくるように。家臣には修行に出したと言っておく』と伝えてくれ。」

「はい、畏まりました。では失礼します。」

 

 

「エリゴス…お前も私を置いていくのか。」





エリゴス
王子
盗賊Lv3 寄生
HP38/45
MP380/410
ちから28
すばやさ50
たいりょく13
かしこさ103
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法



ミームス
隠密
あやしいかげ レベル82
ちから ???
すばやさ ???
たいりょく ???
かしこさ ???
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???
モシャス


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30

{ふくろ}
ご存じなんでも入るあのふくろ。
誰でも持ってるわけではないが金持ちなら持ってるくらいには量産されている。

{ヤンガス}
主要キャラ。
ゲームでは年齢不詳。
少年ヤンガスでは10歳くらい。
まだやや痩せ気味。


「おう、第一王子。あれから一週間だがどうだ?」

「はい、有意義な訓練をさせていただいています。」

「…そうか。お前以外のやつらどうしてる?」

「終わったらヒーヒー言っております。」

「それについてどう思うよ。」

「まぁ…なんか変だなぁとは。」

 

「変なんだよお前は!

なんで対5人の組手で躱しきって反撃までするんだよ。

すばやさ高すぎやしないか?」

「そうは言われても、ほらまだ僕小さいですし。

的が小さいし低いから当たりにくいんですよ。」

「他の新入りどもからは『蹴りすら当たらない』って言われてるんだが?」

「蹴りは動作でわかっちゃうんです。」

 

「はぁ…お前、今日から新人棟から一般棟へ移れ。」

「え、でもまだレベル3ですよ?」

「だからだよ。お前は新人棟に居ても微々たる経験しか積めない。

新人どもの訓練相手としてもレベル3だと意味がない。

お前は一般団員の訓練に混ざってちょうどいい。」

「わかりました。荷物まとめてきますね。」

 

「おいおい、まだ入って一週間だろ。荷物なんかあるのか?」

「その…国から送られてきたんですよね。ふくろごと。」

「ふくろってまさか…魔道具のふくろか!?」

「はい。食い物や薬が多かったんですけど、特にあったのが教材で…

普段は部屋のベッドで読み進めています。」

「第一王子となると5歳でも勉学するのか…まぁいい、用意してこい。」

 

 

 

 

「ここが一般棟だ。

部屋は一人部屋で、訓練棟も新人棟のやつより格段に広い。

ただ、女連れ込むのは禁止だ。」

「5歳のガキに言う事ですか。」

「…まぁ、お前がいつまでいるかわからんから念のためにな。

でだ、お前に合わせたいやつがいる。

首領の一人息子のヤンガスだ。」

 

(おおっと…ヤンガスか。今何歳くらいだ?)

 

 

 

 

「おおいヤンガス、ミックだ。入るぞ。」

「げぇ、ミックの兄貴。なんか用でがすか?」

「有望な新入り…いや、一般団員を連れてきた。」

「初めましてヤンガスさん。

エリゴスです。よろしくおねがいします。」

「お、おぉ、話に聞いてた通りちっこいなぁ。

俺がこのヤングライオン団の次期首領ことヤンガス様だ!」

 

(思ったより…痩せてる。頬にキズもあるな。)

 

「ヤンガス様はおいくつで?」

「あぁ、まだ13歳だ。

だがエリゴスの2倍以上は生きてるんだぜ、ちゃーんと尊敬しろよな。」

「おい、ヤンガス。あんまり調子に乗らん方がいいぞ。

こいつは身なりはちんちくりんだが、腕はお前以上だとおもうぞ。」

「な、なんだって!ミックの兄貴、そりゃさすがにねぇでがすよ。

エリゴス、訓練棟で手合わせするぞ!先行ってるからな!」

 

「あ、おいヤンガス!

…はぁ、まぁライバルと思えば成長にはつながるか。

訓練棟はここからまっすぐ行った赤い旗のある施設だ。

俺はやることあるから行ってこい。」

「倒してしまっても構わんのですよね。」

「あぁ、あぁ、あいつの気が済むまでぶっ倒してこい。」

「ははは、楽しみですね!」

 

 

 

 

「首領、ヤンガスと第一王子が訓練することになりましたが、御覧になりますか?」

「ん?あのヤンガスがか?珍しいじゃねぇか。」

「はぁ、2倍以上も年下の子供が自分より腕が立つのが気に入らなかったようで。」

「がはは、それでもやる気を出したのはいいことだ。

おい、全員行くぞ!仕事は後にしろ!」

「「「ホイ!」」」





エリゴス
王子
盗賊Lv3 寄生
HP45/45
MP410/410
ちから28
すばやさ50
たいりょく13
かしこさ103
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法



ミームス
隠密
あやしいかげ レベル82
ちから ???
すばやさ ???
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かしこさ ???
▽わざ
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31

{サタンヘルム}
たまに一ターン行動不能になる呪いの兜。
見た目がメーダそっくり。
この作品では時が遅くなって行動が遅れることにした。

{呪いのレジスト}
ランプの魔人に願った効果の一つ。
『病気も呪いも毒も、全ての状態異常が効かない体にしてくれ。もちろん肉体的にも異常がないように』
状態異常の強さによってレジストまでに時間がかかる場合がある。


「それでは、構え!開始!」

「おおおらぁぁぁ!!【かぶとわり】!!」

 

(避けやすい!躱して手首を切りつける!)

 

「うぐ!?てめぇ!」

 

(横に振られても俺は小さい、屈めば当たらない!)

 

「くそぉ!おらぁ!おらぁ!」

「はぁーっはっはっは!当たらないよーん!!!」

 

「うおおおお!!【かぶとわり】!」

「当たらないよー!!」

 

「ぬわぁぁぁ!!!」

「…当たらないよー。」

 

「はぁ、はぁ、【かぶとわり】!」

「それしか出来ないのかよぉ!もういい!」

 

(足首、膝裏、肘、手首!)

 

「あぁぁぁぁ!いでぇ!まいった!!」

 

「そこまでぇ!エリゴスの勝ち!」

 

「お疲れ様です、ヤンガス様。【べホイミ】。」

「うぐぐ、チビのくせになんでそんな強いんだ。

オヤジも見てるってのに惨敗しちまった…」

 

「おいヤンガスよ、

こいつは新入り5人でかかっても一発も喰らわないくらいだぜ、

大振りな斧主体のお前じゃ相性悪すぎるぜ。」

 

「ミックの兄貴、それでも俺は斧で行きてぇでがす!

それに俺は盗賊じゃなくて山賊だから短剣より斧のほうが補正が入る!

短剣じゃぁ強くなれねぇ!!」

 

「はぁ…お前はほんと首領と同じく頑固だな。

エリゴス、ヤンガス、観客席へ行け。首領が待ってるぜ。」

 

 

 

「おう、ヤンガス。ぼろ負けじゃねぇか。

訓練サボってっからだぞ。」

「うぐ…面目ねぇでがす。」

「そんで、エリゴス。話には聞いてたがお前は本当に目がいいな。

ヤンガスの攻撃も斧使いにしては早い方だってのにするする躱しやがる。

なんかコツはあるのか?」

 

「コツといいましても、

やっぱ体が小さいのとすばやさが高いからじゃないですかね?」

「いいや、お前はそれだけじゃねぇ。

俺が見るにお前は微弱だがオーラに包まれていた。

オーラ使ったことあるだろ。」

「あ、はい。城で少々。」

 

「オーラを使えるやつは身体能力も上がる。

他のやつの攻撃を追えるのもオーラで体感速度が上がってるからだろう。

いわゆるトランス状態ってやつだ。

他の事を考えずに戦闘に集中できるいい癖だ。」

「そんなものもあるんですね。」

 

「おい、ミック。こいつらに例の物を。」

「へい。おいヤンガス、エリゴス。お前らに渡すように言われたもんだ。」

「これは…メーダ?」

「めーだ?なんだそりゃ。

これはサタンヘルムっつー呪いの装備だ。

つけるとたまに行動が遅くなるっていうやつだ。

お前ら二人にはこれをかぶって訓練してもらうことになる。」

 

「呪いの装備って…外れなくなったりしないですよね?」

「安心しろ。つけるのは訓練前、

訓練後には団所属の神父に解呪してもらうように手筈は整ってる。

これを装備して訓練すればより動きはよくなるはずだぜ。」

 

「ありがたく頂戴いたします。」

「げぇ、エリゴスお前…っておい!今つけるのかよ!」

「試してみたくって。」

 

 

「「「・・・」」」

「なんも起きねぇな。」

「うーん、ステータス。」

 

エリゴス

王子

盗賊Lv4 寄生 呪い(レジスト済み)

HP50/50

MP407/440

 

「あー、やっぱりだ。」

「何かわかったのか?」

「体質的に呪いが効かないっぽいです。」

「…そんな体質聞いたことねぇよ。」

「エリゴス。それ外してみろ。」

 

「外れましたね。」

「ふむ…ヤンガス、その兜かぶれ。」

「えぇ!…わかりやしたでげす。」

 

「…何も起きなぁぁぁいぃぃぃ」

「呪いは発動するな。どうやら本当の事らしいな。」

「ぬぅぅおぉぉぉぉぉ!?

オォォォヤァァァジィィィのぉぉぉ声が聞き取れねぇくらい早いでがす!」

「今のがその兜の呪いの効果だ。」

 

「ということは、そのトレーニング器具つかえないっぽいです?」

「そうなるな。ミック、エリゴス用の重りでも買っとけ。

牢屋用の手錠で十分だろ。

じゃ、俺は戻ってるぜ。行くぞおめぇら。」

「「「ホイ!」」」

 

 

「あの、オヤジ!この兜はずぅぅぅしぃぃぃてぇぇぇぇほぉぉぉしぃぃぃぃぃでぇぇぇげぇぇぇすぅぅぅ!」





エリゴス
王子
盗賊Lv4 寄生
HP50/50
MP407/440
ちから31
すばやさ58
たいりょく15
かしこさ111
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法



ミームス
隠密
あやしいかげ レベル82
ちから ???
すばやさ ???
たいりょく ???
かしこさ ???
▽わざ
???
モシャス


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32

{神父}
回復魔法のエキスパート。
蘇生も解毒も解呪もできる。


{ドクロの指輪}
最大MPを半分にする呪いの指輪。
ゲームで装備する機会はそうそうない。


「ほれ、これが首領の言ってた重りだ。

無くさないようにしっかり管理しておけよ。

鉄製だからこの町じゃそれなりに売れる。」

「はい。ところでこの後の予定はありますか?」

 

「この後…たしか神父が呼んでたな。

呪いが効かない体質について聞きたいそうだ。」

「わかりました、では聖堂へ行きますね。」

 

 

 

 

 

「神父はいますか。エリゴスです。」

「おぉ、君がエリゴス君だね?

私がこの聖堂の長であるマッチンと言う。

ささ、そこの椅子に座りたまえ。」

「他にも勤務してらっしゃる方がいるんですか?」

「いないね。さっぱりいない。なんでも私任せだよ。」

 

「さて、呪いが効かない体質らしいが、どうしてだい?」

「実は夢の中で言われたんですよ。

呪いが効かないようにしてやるってね。」

「ふむ、それは神様がかね?」

「神様の姿を知らないから何とも言えないですね。

あくまでそういうお告げを受けただけなので。

本当は毒も効かないと聞いたんですが睡眠毒効いたんですよね。」

 

「ほうほう、ちょうどいい。ここに毒がある。飲みなさい。」

「なんでそんな物持ち歩いてるんです!?」

「ははは、私は神父だからね。護身のために持っているのさ。

じゃ、飲みなさい。」

「はぁ…死なないようにしてくださいね。」

 

ゴク…

 

「…案外おいしいですね。」

「そうなのかい?まぁ毒とはいえ植物の蜜だからかな。誰も飲まないから味なんか確かめようがないね。

 

それで、何か不調はあるかい?」

「うーん?今のところは…喉がびりびりする程度かな。ステータス。」

 

エリゴス

王子

盗賊Lv4 寄生 毒(レジスト中)

HP50/50

MP407/440

 

「レジスト中って出てますね。」

「ふむふむ…つまり明確な毒には効くんだね。【キアリー】。

さぁ、次はこっちだ。とある蝶の鱗粉だ。

思いっきり吸いなさい。」

 

スゥゥゥ…

 

「うぅむ?なんだかふらついてきましたね。ステータス。」

 

エリゴス

王子

盗賊Lv4 寄生 睡眠毒

HP50/50

MP407/440

 

「あ、睡眠毒ですね。レジストって書かれてないです。」

「ふむふむ…もう少し様子を見ようか。眠くても我慢しなさい。」

「はい、わかりま…あれ、ステータス。」

 

エリゴス

王子

盗賊Lv4 寄生 睡眠毒(レジスト済み)

HP50/50

MP407/440

 

「レジスト済みと出ました。まだ少しふらつきますが眠くなくなりました。」

「ふむふむ、これもレジストされるのだね。

では、最後にこれを。

とても強力な眠り薬だ。死んでも何とかするのでグビっと飲みなさい。」

 

ゴク…ゴク…

 

「………」

 

「…寝ちゃったねぇ。さて、運ぼうかね。」

 

 

 

 

 

 

「…は。ここは。」

「起きたかい?どうやら睡眠毒が効いて寝ていたようだね。」

「ということは、レジストはされなかったんですね。

ステータス。」

 

エリゴス

王子

盗賊Lv4 寄生

HP50/50

MP440/440

 

「あ、魔力が全回復してますね。睡眠毒の表記はありません。」

「ふむ…エリゴス君、どうやらレジストは成功しているようだよ?」

「なんですって、しかし意識を失いましたよ?」

 

「君が飲んだのは本来の使用量の10倍近い。

それなのに君は1時間ほどで目が覚めた。

普通の人間なら丸三日死んだように寝ていてもおかしくない。

いやむしろ死ぬだろうね。」

 

「つまり、強力な場合は徐々に無効化する…ということですか?」

「そういうことになるね。

最後に、君が寝ている間に用意したこの指輪をしてみてほしい。」

 

「この…ドクロの指輪を?まぁ、はい。」

「どこか変な感じはするかね?」

「うーん、とくには…ステータス」

 

エリゴス

王子

盗賊Lv4 寄生 呪い(レジスト済み)

HP50/50

MP220/440

 

「ん?魔力が一気に半分になってますね。呪いはレジスト済みです。」

「なら成功だ。

やっぱり君は呪いを受け付けないんじゃなくて、抵抗力が強いだけなんだ。

強い呪いは効果を受けた後に抵抗する。」

 

「そうだったんですね。つまりこの指輪は…」

「そう、最大魔力を半減する指輪だよ。

君の魔力が半分になったのは一度半分になった後に最大魔力が戻ったからだ。

今日はもう帰っていいですよ。

この検査結果は首領に伝えておきますので。」

「今日はありがとうございました。失礼します。」

 

 

 

 

 

「やっぱり言葉遣いがあからさまだね。これに関しても伝えておくよ。」





エリゴス
王子
盗賊Lv4 寄生
HP50/50
MP220/440
ちから31
すばやさ58
たいりょく15
かしこさ111
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法



ミームス
隠密
あやしいかげ レベル82
ちから ???
すばやさ ???
たいりょく ???
かしこさ ???
▽わざ
???
モシャス


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33

{モース}
戦士Lv15
槍を使う。
手数の多さでヤンガスに勝った。
新人棟から一般棟へ移って2か月、
初めての後輩が5歳の子供だった。

{しっぷう突き}
消費MP0
目にも止まらぬ速さで敵の懐に潜り込み、相手を斬りつける。
しかし威力がちょっぴり減る。
速さがダメージに直結しないのなんででしょうね。

{さみだれ突き}
消費MP4
半分の威力の攻撃を3~4発放つ。
とはいえゲームでもシーメーダとかはするする避ける。



「おうおう、お前がエリゴスって新入りだな?

なんで一般棟に居やがる。」

「今日付けで新人棟から一般棟に移ることになりました。

よろしくお願いします先輩。」

 

「ほう…俺はモース、お前より先に一般棟へ入った先輩だ。

そういやあのヤンガスと戦ったんだってな。

あいつは強かったろ。

これに懲りたら変な背伸びはせずにさっさと新人棟に帰るんだな!」

 

「あの…ヤンガス様ってそんなに強いんですか?」

「おおよ!普段全く訓練に出ないし体もでかくねぇのにかなりの力持ちでな、

俺ほどの実力者じゃねぇかぎりまともに勝てるやつはいないだろうな!」

「ふむふむ。モース先輩、もしよければ明日訓練に付き合ってはもらえませんか。

偉大なる先達である先輩にご指導願いたいのです。」

「ふふふ、そこまで言うのならば仕方ねぇな!

明日の昼一般棟の訓練棟に来い!

てめぇみたいなガキにもわかるように俺の凄さを教えてやろう!

ふはははは!!」

 

(…勝ったの俺なんだが、明日が楽しみだな。)

 

 

 

 

 

 

「…おい、エリゴス。

お前よ、昨日ヤンガスに勝ったらしいじゃねぇか。

俺を騙しやがったな?」

「おやま、気づいちゃったんですか。

それでも訓練には付き合っていただきます。」

「はん!俺の槍でそんな生意気な口きけねぇようにしてやる!」

 

「それでは、構え!開始!」

 

「【しっぷう突き】!」

(今日の訓練目的は、攻撃のさばき方だ。)

 

カァン!

 

「ぐっ!?はじきやがった!?」

「……受け流すつもりだったんです。」

「て、てめぇ!俺の力不足だって言いてぇのか!くそが!【さみだれ突き】」

 

コッ、コッコッ、カァン!

 

「その程度ですか先輩、もっと来てください。」

「【さみだれ突き】!【さみだれ突き】!」

 

スコン、スコン、スコン、

コッ、コッ、コッ、カァン!

 

「はぁ、はぁ、さみだ…オェェェ!」

「ど、どうしたんですか先輩!」

 

「そこまで、エリゴスの勝ち!

そいつはほっとけ、魔力不足だろ。」

 

(え、そんなに最大MP少ないの?)

 

「えぇと、大丈夫ですか。【マホアゲル】」

「う、あぁ、なんだこれは。お前何をした。」

「魔力を分け与える魔法を使いました。治りました?」

 

「治ったが…お前はそんなに魔力減って大丈夫なのか?」

「ははは、自分は魔力が多いほうなので…

訓練に付き合っていただきありがとうございました。」

「くそっ、なんで見切れるんだ、今まで全部避けられたことはねぇのに…」

 

「さらに言いますと、これ見えます?

服の袖の中なんですけど。」

「おい、おいおいおい。重りだと!?

てめぇ重りつけたままさばききったのか!?」

 

「そういうことになるな。おいモース。

お前は新人を舐めてるからこうなるんだよ。

エリゴスは他のやつと組手しておけ。

俺は念のためこいつを部屋に送っておく。」

 

「あ、審判してくださってありがとうございました。

モース先輩、たしかに自分は5歳ですけど手加減は要りませんので。

次からは本気でかかってきてほしいです。」

 

「あああああ!!一発殴らせろ!!」

「馬鹿野郎、さっさと戻るぞ。」

 

 

 

 

 

「おいおい、あいついくらなんでも調子に乗りすぎだろ。」

「やりますか、兄貴。」

「そうだな、やるか。」





エリゴス
王子
盗賊Lv4 寄生
HP50/50
MP428/440
ちから31
すばやさ58
たいりょく15
かしこさ111
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法



ミームス
隠密
あやしいかげ レベル82
ちから ???
すばやさ ???
たいりょく ???
かしこさ ???
▽わざ
???
モシャス


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34

{アギス}
盗賊Lv18
新人思い

{メルガホ}
盗賊Lv18
兄貴思い

{ボミエ}
消費MP3
すばやさを下げる魔法。
ピオラでうち消せる。

{ピオリム}
消費MP3
複数の仲間のすばやさを上げる魔法。
体に風を纏わせて移動補助させる魔法。

{マホステ}
消費MP4
受ける魔法を無効化する魔法。

{イオ}
消費MP5
爆発を起こす呪文です。
敵は大ダメージを受けるに違いありません。
(FC版DQ3取扱説明書より)

{ベタン}
消費MP50
重力魔法。
ゲームでは最大HPの4分の3のダメージを与える。
が、現実だと絶対強いよね。
ということでダイの大冒険基準にしました。


「なぁエリゴス君。

新人棟では5人同時に相手したんだって?

俺たちとやらねぇか?」

「なぁに俺らは二人だぜ、

5人よりもマシだろ?」

「助かります、それでは…先輩、審判してもらっても構いませんか。」

 

「おぉ、いいぞ。アギスとメルガホが相手の1対2か。

それでは構え、開始!」

 

「【ボミエ】!やっちまえ兄貴!」

「【ピオリム】!ははは、卑怯なんて言うなよ!」

「魔法使っていいんですか?では遠慮なく【ピオラ】【ピオラ】【ボミオス】【ボミオス】」

「「げぇ!?は、早い!」」

 

カァン!カァン!カランカラン

 

「お二人の武器を落としましたが、まだやりますか?」

「く、くそ!まだだ!やれメルガホ!」

(また魔法かな?【マホステ】)

「ん!?なんの魔法か知らねぇがこれは防げねぇだろ!【イオ】!」

「よっし!やったか!」

 

 

「いえ!ぜんぜん効いてないですよ!」

「「げぇ!?な、なんで!!」」

「さぁさぁ、もっと来てください!」

 

「(お、おいどうするメルガホ)」

「(これじゃ大兄貴にどやされる…あれ打つぞ)」

「(…それしかねぇな、俺が隙を作る。)」

 

「うおおおお!!捕まりやがれ!」

「そっちはボミオスかかっててこっちはうち消してんだ、

そう簡単には当たりませんよーだ!」

 

プスッ

 

「よし!当たったぜ兄貴!」

「おっし!エリゴス、さっさと棄権するんだな!

お前に当たったのは毒が付いた吹き矢だぜ!

油断大敵だったなぁ!」

 

「効いてないですよー!」

 

「はっ!強がったって無駄だ!

だがそこまで言うならそのまま組手続けてやる!」

「【アストロン】」

「あが……」

「あ、兄貴!?」

 

「あなたには【ベタン】!」

 

ズズン

メキメキメキ

 

「ぐぎゃああああああああ!!」

「いっけね!中断!」

「ごぼっ…」

 

「そこまで、エリゴスの勝ち。…メルガホのほうは何があったんだ?」

「その、初めて打つ魔法で威力わからなかったんでこうなったんですが…重力の魔法です。」

「ふぅん、そんな魔法もあるんだな。【ホイミ】。

とりあえずアギスが元に戻るまで側についてやっててくれ、

俺はメルガホを救護室送りしてくる。」

「あ、お手数おかけします。ありがとうございます。」

 

 

 

「…あ、あぁ!戻った!あぁぁ!」

「体の具合はどうですか?」

「て、てめぇまだ居たのか。

くそっ、お前をボコさなきゃ俺がやられるってのに。」

「ん?どういうことです?」

「幹部の大兄貴がお前の訓練態度が気に入らないそうで、

お前を負かすように言われてたんだよ…

二人がかりでも勝てねぇとなると大兄貴がもっと苛烈な手段使うかもしれねぇ、

 

お前後悔しねぇといいな。」

 

「あー…たしかに調子に乗りすぎてたかもしれません。つい楽しくって。」

「楽しくてで負けるこっちの気持ちも考えやがれ…帰る。」

「あ、はい。お気をつけて。」

 

 

 

 

 

「なぁ、おい。」

「!!お、大兄貴…すいません、失敗しました。」

「そうかそうか、そうだな。」

 

バキッ

 

「ぎゃ!」

「ふん、お前の財布は罰として没収しておく。

てめぇはそのまま一般棟に帰って部屋にでも引きこもってろ。」

「大兄貴…すいませんでした。」

「うるせぇ!さっさと行きやがれ!」

「へ、へい!!」

 

 

「くっくっく、今夜は楽しくなるなぁ、第一王子。」





エリゴス
王子
盗賊Lv4
HP50/50
MP358/440
ちから31
すばやさ58
たいりょく15
かしこさ111
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
new ベタン
〇補助魔法
new マホステ
〇特殊魔法



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35

【2020年1月末現在、中国武漢で発生したコロナウイルスが脅威です。
うがい手洗いはもちろんの事、納豆やヨーグルトを食べるなど予防は確実にしましょう。
仮に治っても後遺症が残る場合があるので本当にお気をつけて。
睡眠時間を削って何かをしている人は削らないようにしてください。
楽観的に過ごして後悔するより対策しきった上で後悔しましょう。】





{大兄貴・ゲイザー}
山賊Lv28
各棟の訓練棟の総合管理人。

{大兄貴の取り巻き}
各棟の訓練棟の教官。
技を磨いたベテラン。

{ザキ}
消費MP4
邪教で生まれた呪文で、一瞬で体中の血液を凝固させる。らしい。
この小説においては肉体から魂を引きはがす魔法にします。



早朝起きると、部屋の前に男どもが数人口に詰め物をされて縛られたまま転がっていた。

 

「これは一体…」

「エリゴス様、

こいつらは昨日訓練した二人組が言っていた『大兄貴』とやらです。

先日アストロンかけられた方を尾行したところ、夜襲を企てていたようでしたので。

現行犯で縛りました。」

「えー…ありがとうございますミームスさん。

でもこれどうしましょ。」

 

「全員私の特技で眠っておりますので、そのままでもよろしいかと。」

「うーん、なんかあっても困るしなぁ。他の人起こそうか。」

 

コンコン

 

「すみません、エリゴスです。」

「ふぁあ…なんなんだ朝っぱらから。」

「実は知らない方々が部屋の前に転がってまして…どうすればいいでしょうか。」

「んー?どこの酔っぱらい…げ、大兄貴じゃねぇか!」

「夜襲未遂だったらしいんですけど、どうしましょう。」

 

「あー…首領に言うしかないなあ。

大兄貴相手じゃ俺にはどうしようもできないよ。」

「わかりました、言ってきます。」

「うん、俺は関わりたくないから部屋居るわ。」

 

 

 

 

 

「ヤンパー様いますか?」

「首領はまだ就寝中だ。何の用だ。」

「実は大兄貴と呼ばれてる人たちが部屋の前で数人ぶっ倒れてまして。

護衛が言うには夜襲を仕掛けようとしてたらしくて。

どうすればいいでしょうか。」

「大兄貴…ゲイザーか。

そういやあいつ貴族嫌いだったっけな。

そういうことなら首領を起こしてくるから待ってろ。」

 

 

 

 

「で、だ。ゲイザーどもが夜襲しかけたんだってな。

どうせ影の中のやつが返り討ちにしたんだろう。」

「はい、おっしゃる通りで。」

「とりあえずうちで預かっているとはいえ、

サザンビークの第一王子の暗殺未遂の首謀者なわけだが…お前はどうしたい。」

「あー、その。あんまり大ごとにはしたくないですね。」

「わかった。こっちで対処しておくからお前は先に朝飯食ってろ。以上だ。」

「あ、はい。失礼しました。ミームスさん、くれぐれも穏便に。」

「はい、エリゴス様。」

 

「聞いてたな、運んで来い。」

「「ホイ!」」

 

 

 

 

「…は!こ、ここは。」

「目ぇ覚めたかゲイザー。」

「首領!なんで俺は縛られているんですか!」

「お前らはエリゴスの部屋を夜襲して捕まったそうだが、

何か言いたいことはあるか。」

 

「お、俺は何もやってない!

全てエリゴスってガキが悪いんです!

あのガキが突然襲い掛かって来たんです!」

「ほー?本当にか?」

「本当です!」

「だそうだぞ、ミームス殿。」

 

「まぁ私は姿を見せずに制圧しましたからね。」

「だ、誰だ!どこにいる!」

「ヤンパー殿の影の中ですよ。

あなたはエリゴス様がどのような地位の方かご存じで?」

「サザンビークの第一王子だろ、知ってるに決まってる!

てめぇは何者だ!」

 

「サザンビーク国隠密のミームスです。常に殿下の護衛をしていた者です。

あなたがアギスという人物を殴って財布を奪った時も、

部下を呼び出して襲撃計画を練っていた時も、

武器を持ってエリゴス様の部屋を襲おうとした時も、

常にあなたの影から見ていましたよ。」

「そんなことができるやつ居るわけねぇだろうが!」

 

 

「で、ヤンパー殿、どうするので?」

「…ゲイザー、お前は切り捨てる。」

「首領!?なぜです、これまで尽くして来たじゃないですか!」

「あぁそうだな。…だが、お前はやりすぎたんだ。

ミームス殿、ひと思いにやってくれ。」

「はい、それでは【ザキ】。」

「あ、あああああ!!!」

 

 

 

 

 

「いただきます。」





エリゴス
王子
盗賊Lv4 寄生
HP50/50
MP440/440
ちから31
すばやさ58
たいりょく15
かしこさ111
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法



ミームス
隠密
あやしいかげ レベル82
ちから ???
すばやさ ???
たいりょく ???
かしこさ ???
▽わざ
???
new あまいいき
new ザキ
モシャス


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36

【2020年1月末現在、中国武漢で発生したコロナウイルスが脅威です。
うがい手洗いはもちろんの事、納豆やヨーグルトを食べるなど予防は確実にしましょう。
仮に治っても後遺症が残る場合があるので本当にお気をつけて。
睡眠時間を削って何かをしている人は削らないようにしてください。
楽観的に過ごして後悔するより対策しきった上で後悔しましょう。】




{ザオリク}
消費MP15
一人を確実に生き返らせる魔法。
私思いまするにHP0で魂が抜けて、
ザオリクは魂を肉体に戻す魔法。
そして余波で体も修復される。

{剣士像の洞窟}
パルミド西にあるダンジョン。
序盤の稼ぎどころ。
人食い箱や踊る宝石のような宝物モチーフの敵や、
ミイラ男やさまようたましいなどのお化けモチーフの敵が出る。

{旧都市}
プレイ済みの人はわかるはずのあの場所みたいな感じです。


バァン!

 

「ミームスさん待ったぁ!!【ザオリク】!」

 

「エリゴス様!?なぜここに!」

「へへへ、ドアの前は監視してても天井裏は監視されてなかったからね、

小穴開けて盗み聞きさせてもらってたよ!

ザキを使ったのが分かって急いで突入させてもらった!」

 

「ザオリク…神父の使う完全蘇生の魔法か。

まるでゲイザーが死ぬとわかってたようじゃねぇか。」

「そりゃそうだ。

サザンビーク隠密ともあろうものが一人で下手人と会ってくるときたら、

始末しか思いつきませんよ。」

 

「…うぅ、首領…しゅりょぉぉお!!…ごわいよぉっぉっぉぅ!!」

「落ち着きやがれゲイザー。」

「食われた!俺の魂が端から!!」

「…そういう魔物なんだ、このお方は。」

 

「もしかして、人を食べないと生きられないタイプの魔族?」

「いえ、別に魂であれば動物でも魔物でも。

今回は蘇生をされないために食べておこうかと。

 

で、エリゴス様。どのような御用事ですか?」

 

「おいおいミームスさん、俺は穏便に済ませって言ったんですよ?

人一人消滅してどこが穏便なんです?」

「この男を後々生かしておいてはまた襲撃するかもしれないではないですか。

それもより手段を択ばない方法で。」

 

「いいーや、そうは限らないぞ?

大兄貴さんとやらも手下もなしに下っ端に格下げとなれば大っぴらなことはできなくなるんじゃないですか?ヤンパー様。」

「あぁ、たしかに手下は命令に従わなくなるだろうが…下っ端にするにはレベルが高すぎる。そればかりはどうしようもない。」

「だったら、俺に手出しのできないところへ左遷するんですよ。

たとえば…修道院とかにね。」

 

「さすがに修道院は無理だ…が、その案たしかにいいかもしれねぇな。

おいゲイザー。お前まだ生きていたいか。」

「死にたくねぇ!

もうエリゴス様にも手は出さねぇ!

お願いだ、殺さないでくれ!」

 

「そういうことならゲイザー、

お前は西の遺跡発掘部隊へ転向する。

せいぜいそこでも俺のために働いてくれ。

…これでいいですか、ミームス殿。」

 

「…まぁエリゴス様に手出しできないのであれば問題ありません。」

「ヤンパー様、西の遺跡とはなんです?」

「あぁ、一番有名なのは最近見つかった剣士像の洞窟ってところだ。

しかし、かなりやばいところらしくてな、

手練れの盗賊でも攻撃が通らないやつばかりだ。

だからそこは放置して他の遺跡を発掘して回っている。」

 

(剣士像の洞窟…たしかゲルダがヤンガスにビーナスの涙を欲しがるんだったか?)

 

「まぁ、出てくるものと言えば古びた剣やら鎧やら、

風化しきったものばかりだがな。

たまに宝箱で財宝が出ることもあってな。

それに、旧都市の遺産なんか見つけた日には大手柄だぜ。」

「旧都市…?」

 

「ああ、なんでもかつては空飛ぶ都市が各地にあって、

下は魔物上は人間という感じに住み分けていたらしい。

だがある日、何かが起こってありとあらゆる土地が変わったらしい。」

「変わった?何があったんです?」

 

「生き残った奴の日記によればまるで液体のように島が離れたりくっついたりしたそうだ。

大地だけで済めばよかったが…余波は空中都市にも及んだ。

空中都市も大地と同じように分解し、おそらくそのまま墜落。

そして今は荒れ地の下というわけだ。」

(おいおい、聞いたことないぞ。ここは本当にDQ8の世界なのか?)

 

「まぁ、そういう旧世界遺物を探すのが遺跡発掘部隊だ。

そこなら会うこともないだろう。

ゲイザー、最後にあいさつ回りしてから昼になる前に出発しろ。」

「は、はい!すぐに向かいます!」

 

「なんにせよ、一件落着だな。」

「そこそこのレベルの人間を喰い損ねましたけどね。」

「…俺がOK出すまで食っちゃだめですよ。」





エリゴス
王子
盗賊Lv4 寄生
HP50/50
MP440/440
ちから31
すばやさ58
たいりょく15
かしこさ111
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
new ザオリク
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法



ミームス
隠密
あやしいかげ レベル82
ちから ???
すばやさ ???
たいりょく ???
かしこさ ???
▽わざ
???
あまいいき
ザキ
モシャス


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第四章自らの情報と明らかな異物
37


{かえんぎり}
剣に炎の力を宿らせる技。
消費MP0。
ふぶきのつるぎで使うと炎と氷のどちらの属性も持つらしい。

{ヨゼフ}
名前だけオリジナル要素
ゲーム時は現大臣に陥れられてパルミドで余生を暮らしている。

{ルーラ}
消費MP1。
想像した場所へ効率よく移動する飛翔魔法。
途中で行き先を変えることはできない。
知っている場所でないと発動しない。



エリゴス7歳である。

パルミドに来てから2年が経った。

ナイフの使い方はだいたいマスターした。

他にもさまざまな武器を教えてもらった。

数少ない魔法使いの団員には魔法のコツも教えてもらった。

だが…

 

「なんで特技がでないんだろうなぁ。」

「またそれかエリゴス。

お前その分魔法たくさん使えるんだからいいじゃねぇか。」

 

「そうは言ってもさぁ、

こないだメラで火炎斬り真似したらナイフ溶けちゃったんだぞ?

俺だって火炎斬りしたいんだが。」

「俺だって魔法使いてぇよ。

火炎斬り出来ても結局近づかなきゃいけないんだぞ。

誰が好き好んで近接攻撃するかっての…」

 

「「隣の芝は青く見えるなぁ…」」

 

「おぉい、そこの二人。サボるなよ。」

 

「「ホイ!」」

 

 

未だに一般棟の教官の元で訓練をする俺だったが、レベル10になってから全くレベルが上がらなくなってしまった。

もしかしたら俺は必要経験値が多い人なのかもしれない。

そう考えると元々能力値が高かったのにも納得する。

モンスターズだって魔王とかは経験値多く必要だったからな。

 

しかし、もしそうならもうここにいる必要はないのかもしれない。

武器の扱い方はもうばっちりだ、一度サザンビークに帰るか。

 

「決めた。俺帰るわ。」

「はぁ?おいおい、突然どうした。」

「もうここには習うべき物がないと思ったんだ。」

「はぁ…確かにお前は座学も訓練も盗賊の技術もすごいけどよ、

そう簡単に退団できると思ってるのか?」

「うん。とりあえずは首領に話をしてくる。」

「そうか、まぁがんばれよ。」

 

 

 

 

「というわけで、実家に帰らせていただきます。」

「そうか…わかった。最後にあいさつ回りはしておけよ。」

「はい!2年間ありがとうございました!」

「なに、俺だってサザンビークからは大量の金を貰ってある。

お前だけが得したわけじゃないぞ。」

「それもそうですね、それではまた会う日まで!」

 

 

 

 

「よし、あいさつ回りは済んだが…ミームスさんはどこか寄りたいところあります?」

「いえ、私はエリゴス様の御側に居るだけで必要ありません。」

「結局2年間ずっと堅苦しいよねぇ。」

「あなたは未来のサザンビーク王なのですから当然のことです。」

「そうだね、じゃあそろそろ行こうか。【ルーラ】!」

 

 

 

 

 

「ここは…赤の庭園か。懐かしいなぁ。」

「誰です!」

「ん?そういうあなたは見ない顔ですね。」

「あなたは…賊ですわね!ガード!ガード!

不届きものが居ます!捕らえなさい!」

「まぁまてまて、ここは私の庭だぞ?そう目くじら立てないでくれよ。」

 

「ミシェル侍女長、どうなさいましたか。」

「ここに賊が居ます。早急にひっとらえなさい!」

「むむ、たしかにこの身なりは賊ですな。

おい、無駄な抵抗はせずにこちらへこい。」

「はいはい、行きますよ。」

 

 

 

 

ガシャン!

 

「この牢の中で大人しくしていろ!」

「はいはい。」

 

「エリゴス様、なんでわざわざ牢に?」

「そりゃもちろん、父上を驚かせたいからさ。」

「それはもう驚くでしょうね…」

 

「ん…誰だ。」

「おや、先客の方?初めまして、エリゴスと言います。」

 

「あぁ、これはご丁寧に。…エリゴス?

まさかエリゴス殿下!?

私です!大臣だったヨゼフです!」

 

「おいおい、確かに大臣さんじゃないか!

何故大臣さんが牢屋にいるんだ!?」





エリゴス
王子
盗賊Lv10 寄生
HP90/90
MP619/620
ちから57
すばやさ96
たいりょく30
かしこさ161
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法
new ルーラ



ミームス
隠密
あやしいかげ レベル82
ちから ???
すばやさ ???
たいりょく ???
かしこさ ???
▽わざ
???
あまいいき
ザキ
モシャス


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38

{トーマス}
名前だけオリジナル要素
ゲームの大臣。
だいぶ悪い大臣。

{ジゴフラッシュ}
海竜専用魔法。
消費MP10。
ありとあらゆる魔法が使えるなら使うでしょ。

{ラリホーマ}
消費MP8。
多数の敵に強力な眠気を促す魔法。

{メダパニーマ}
消費MP10
多数の敵に強力な混乱を齎す魔法。





「かれこれ1年前でしょうか、第二王子派の貴族が強気に出てきましてな。

特に今大臣を務めているトーマスという者が私の横領を指摘したのです。

当然私はそんなことはしていない、

しかし彼らの用意した資料を見た貴族たちはそうは思わなかった…」

「それで、牢屋に?」

「はい…待遇こそいいものの、家族もいない私にはどうすることもできず。

毎日食事時に侍女とする話くらいしか楽しみはないです。

それで、どうして殿下はこんな場所に?」

 

「それが、赤の庭園に直接帰ってきたらミシェル侍女長とかいう知らない女が居てな。

こんな身なりだからかそのまま賊として牢屋行きだよ。」

「殿下、赤の庭園ではなく火の庭園ですぞ。

それにしてもミシェル…聞いたことない侍女ですな。」

「まぁ外に出たら考えるさ。大臣の事もね。」

「それはありがたい話ですが、私のことは気にしないでください。

殿下の立場を考えれば横領貴族は放っておくことです。」

「…そか、わかったよ。ありがとな大臣さん。」

 

 

 

 

「おい、尋問の時間だ、出ろ!」

「おいおい、尋問とは穏やかじゃないね。」

「よりにもよって火の庭園に忍び込むような賊、

子供とはいえ容赦出来ない。

素直に侵入経路を吐いたほうが身のためだぞ。」

「はいはいはい、とりあえず連れてってくれよ。」

「クソガキが…!」

「蹴るこたないじゃねぇかよ。」

「うるさい、とっとと歩け!」

 

 

 

 

「私が査問官ゲモスである。お前が火の庭園に侵入した賊か。」

「まぁ火の庭園に居たね。だけど賊じゃないぞ?」

「じゃあなんだというんだね?

お前のような汚らしい下民風情が城内に居るだけでも大罪であるぞ?」

 

「まぁ俺が自分の家に帰って来ただけだ。気にするな。【アストロン】」

「な!?ガード!………」

「き、貴様!死ね!」

「よっと、【アストロン】」

「うぎゃ………」

 

「よかったので?」

「あぁ、ミームスさんは先に父上に帰還したことを伝えてくれ。」

「それなら既に伝えてあります。」

「…ふーむ?それでも俺は尋問室に居るな。

大暴れしてやろうか。」

「エリゴス様の実力を示すにはいい機会かと。」

 

「「フフフフハハハ!」」

 

 

 

 

 

 

「な、なんだ貴様………」

「ひぃ!汚らしい手で………」

「貴様、ああぁ………」

 

「手ごたえのないやつばかりだなぁ。」

「兵士よりも貴族が多いからでしょうね。

…それでも貴族も昔は鍛錬してたのですが、

何故こうも弱くなってしまったのか。」

「お、あっちにも居るな。やっちまうか。」

 

 

 

 

 

 

「止まれぇ!貴様は完全に包囲されている!

大人しく武装解除せよ!」

「止まらないさ!【ジゴフラッシュ】!」

 

「「「ぐわぁぁ!!目がぁぁぁ!!」」」

 

「【ラリホーマ】!【メダパニーマ】!そのまま見失っておけ!」

 

 

 

 

 

 

 

「ここが、会議室だな?」

「はい、エリゴス様。」

「よし、行くぞ。」

 

ギィィィ

 

「む、誰だ!」

「俺だ!第一王子の帰還だぞ!」

「第一王子…だと?何を言っている、ガード!さっさとこの賊を始末せよ!」

「だろうね!【ジゴフラッシュ】!【ラリホーマ】!【メダパニーマ】!」

 

「「「ぎゃ…うぐ…ぐぅ…」」」

 

「制圧完了!」

「さすがですエリゴス様…しかし、盗賊修行した成果は使ってないですね。」

「…まぁ、魔法って便利だからさ。」

「そうですね。わかっておりますとも。」

「さて、父上はどこかな?」

「…いらっしゃいませんね。執務室でしょう。」

「わかった。案内頼むぞ?」

 

 

 

 

 

「こちらの扉の先が執務室ですね。」

「よし…行くぞ。」





エリゴス
王子
盗賊Lv10 寄生
HP90/90
MP236/620
ちから57
すばやさ96
たいりょく30
かしこさ161
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
new ジゴフラッシュ
〇補助魔法
new ラリホーマ
new メダパニーマ
〇特殊魔法



ミームス
隠密
あやしいかげ レベル82
ちから ???
すばやさ ???
たいりょく ???
かしこさ ???
▽わざ
???
あまいいき
ザキ
モシャス


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39

{砂の庭園}
クラビウス所有の庭園。
ガラス細工が置かれた枯山水の庭。
あまりにも眩しいためわざわざ見ようとする者はいない。




「失礼しまぁーす。父上いますかぁー。」

「居るぞ。話はミームスから聞いている。入りなさい。」

「あ、はい。その、お久しぶりです父上。」

「そうだな、かれこれ2年か。」

 

「「・・・・・・・・・」」

 

「エリゴス様、何か言いたいことがあったのでは?」

「あ、そうだった。父上、地下牢で大臣さんを見ました。

彼は本当に横領をしたのですか?」

 

「そうだ、証人は何人もいるし、誰もかれも信用のおける人物だった。

その人たちが横領の証拠をこれでもかと用意していた。

隠密の者にも調査させたが裏はなかった。

彼は私の信頼を裏切ったのだ。」

 

「そう…ですか。わかりました。

それはそうと父上、

赤の庭園に行ったらミシェル侍女長という見知らぬ人物が居たのですが、

マリアンはどうなさったんですか?」

 

「マリアンは元々侍女が本分ではなく護衛としてつけていたのは知っているな?

今は国内を巡回警備する任務に就いている。」

 

「ということはクビじゃないんですね、よかったです。」

「それはそうとエリゴス、お前は本当に睡眠毒で誘拐されたのか?」

 

「え、あ、はい。そうなっています。」

「…そうなっています、か。わざとだな?」

「あー、まぁ、はい。そうです。」

 

「結果としていい経験になったようだが、

もし殺害が目的だった場合はお前は今ここにいるか怪しいのだぞ。

次からはもう少し警戒心を持ってくれ。

もう、心配させるな。」

 

「あー、その、無理…ですかねぇ。やりたいこともあるので。」

「そうか、いや、その為に日々鍛えていたのだろう?」

「半分はそうですね。

王家の試練を無事に乗り越えられるか不安ですので。」

 

「王家の試練か…エリゴス、今から手合わせをしよう。」

「え、今からですか?」

「そうだ。お前には言っておかねばならないことがある。

しかしそれは説明しにくい。

まずは私の実力をもって証明する。」

「はぁ、わかりました。」

 

 

 

 

 

 

「ここは砂の庭園、私の所有する庭だ。

ここなら誰も見ていないはずだ。」

「きれいなガラス細工ですね。

この中で戦うのは気が引けます。」

 

「これらを壊さぬようにするのも実力のうちだ。さぁ、構なさい。」

「はい、父上。」

「それではクラビウス様、エリゴス様。構え、開始。」

 

「いきますよ父上!」

 

カァン!

 

「ぬわぁ!?」

「エリゴスよ、お前はやはり身体能力を過信していたな?」

「な、なら【ラリホー】」

 

「……効かんな。」

「…もしかして、同じ体質だったりします?」

 

「そうだ、気付くのが早かったな。

お前がずっとその体質を自分の個性だと思っているというのはミームスの分身から聞いている。

それはサザンビーク王家の血筋に由来するものだ。

手合わせは終える。執務室へ戻るぞ。」





エリゴス
王子
盗賊Lv10 寄生
HP90/90
MP234/620
ちから57
すばやさ96
たいりょく30
かしこさ161
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法



ミームス
隠密
あやしいかげ レベル82
ちから ???
すばやさ ???
たいりょく ???
かしこさ ???
▽わざ
???
あまいいき
ザキ
モシャス


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40

{今回の話}
100%オリジナル要素。


「それで父上、サザンビーク王家の血筋に関わることって…」

「そう焦るな。説明する。

 

我がサザンビーク王家はかつて、

空に浮かぶ都市の一つである『サザンビーク』の長の一族だった。

それが過去に、全ての都市が壊れ、地面に落下した。

原因は何故なのか、未だにわかっていない。

しかしそれと関係あることなのか、あらゆる世界から魔族や魔物が流れ着いた。

その魔族のうちの一人が、崩落したサザンビークの民を魔物から魔法で守ったのだ。

その魔族が後に婿入りすることで、現在の血筋の主な要因が生まれたのだ。」

 

「つまり、我々は魔族の末裔?」

「だいたいはそうだ。

この血筋のせいか、王家は人間以外を妻にしたいと思う者も多く、

私の母も魔族だった。

隠密達は皆、最初の魔族の配下だ。」

 

「わー…長生きですね。」

「そうだ、そして長生きなのは我々もなのだ。

お前は祖父の顔を見たことがないだろう。」

「あ、はい。てっきり死んだものかと。」

 

「お前の祖父は今、サザンビーク墜落地点付近に作られた人間と魔族の街で暮らしている。

全ての政務を突然私に投げ出してな。」

「あー…だから父上いつも忙しそうなんですね。」

 

「それでだ、王家の血は半ば魔族と言っても過言ではないほどに多種多様な魔族の血を引き継いでいる。

その一つが、人ならざる身体能力。

さらに、状態異常への確実な耐性。

そして、呪いへの強い抵抗力。

最後に、あらゆる魔法を使うことができる素質だ。」

 

(…じゃああのランプの魔人が王子にしたのって、該当するのがここしかなかったからなのか。)

 

「あ、もしかして私が特技を覚えられないのも?」

「なに、いや、それは無関係だ。私も特技を覚えている。」

「あ、そうですか。」

 

「つまりだ、お前がそう簡単に死なないことはわかった上でミームスをパルミドまで送り込んだのだ。

ミームスは隠密の中でも精鋭、とても役に立っただろう。」

「はい、たしかにミームスにはいろいろ助けていただきましたね。」

 

「ちょうどいいので口を挟ませていただきます。

調査するように言われていたパルミド西の墜落都市ですが、

『コロナード』という都市でした。」

「ふむ、コロナードか。わかった。……これか。」

「もしかして父上も遺跡を調べているので?」

「もちろんだ。王家だけあってそれなりに古代の資料は残っていてな。

それによるとコロナードは…娯楽都市だったようだな。」

 

「娯楽都市…なるほど、昔の人がルーラを使えたのってもしかして。」

「そうだな、都市それぞれに役割を持たせ、

必要な都市へ飛ぶことで目的をこなしていたようだ。

サザンビークは元々は魚や獣の養殖をしていた都市だった。」

 

「じゃあ、他にも各地に遺跡があるんですか。」

「資料によれば10の都市があったらしい。

そのうちの7つは既に見つかっている。

しかし…3つは場所もわからない。

捜索しようにも海だからな。」

 

「そうですか。それは楽しみになってきました。」

「…やはり世界中を旅するつもりだったのだな。

まぁ、私もこの話を聞いたときは目を輝かせたものだ。

 

ただ、この話は国家機密を通り越して最重要機密だ。

絶対に他の者に悟られてはいけない。

もし知られたならば、口封じするしかない。

絶対に教えてはならない。」





エリゴス
王子
盗賊Lv11 寄生
HP90/97
MP234/650
ちから63
すばやさ102
たいりょく33
かしこさ169
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法



ミームス
隠密
あやしいかげ レベル82
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41

{魔界}
DQ5の数百年後の魔界。
時系列がはっきりしてないのでこれでいいやと思った。
8が独立世界ならこれでも問題ないでしょ。

{バズズ}
翼を生やし、紫色の体毛に覆われた猿のような魔物。
モンスターズ曰くマヒに弱いらしい。

{悪魔王バズズ}
マヒに耐性を持ち体が強くなった変異種のバズズ。
悪魔や雑多な種族の王として魔界で過ごしていた。
戦争となると一騎当千の戦いをして圧倒的な武を見せつけた。

{魔王陛下}
ミルドラースさん。


「なぁ、ミームスさん。父上が言ってた最初の魔族ってどんな人だったんだ?」

「そうですね、我々は魔界という世界に住んでいました。

閣下は魔界の4大勢力の一角、悪魔の王をしておりました。」

 

「ほー、魔界。やっぱ魔王とかいるんです?」

「居ましたね、過去の話ですが。

昔は魔王が統治していた魔界も私が閣下に仕えるころには戦乱の世でした。

その中でも閣下は特に善政を敷いており多くの民が居ました。」

 

「じゃあなんでこっちの世界に?」

「…ある日、突然空間の裂け目ができ、閣下ごと街が飲み込まれました。

そしてこの世界に落ちると、裂け目は消えてしまった。

我々は魔界に帰ることが出来なくなってしまったのです。」

 

「というと、隠密ってその時の配下?」

「そうですね。

しかし隠密に向かないものは今はサザンビーク墜落地点付近に居を構えています。

逆に向いているものは代を重ねながらもサザンビーク王家に仕えております。」

 

「…で、一番気になるんだけど。閣下さんの種族は?」

「悪魔王バズズです。」

「バズズ…もしかして全体的に赤色?」

「…そうですが、何故知っているのですか?」

「いやね、実は前世でちょっとね。」

 

「あぁ、そういえば言っておりましたね。前世を覚えていると。

ということは閣下以外のバズズをご存じなのですね。」

「あ、うん。そうなります。できれば詳しくは聞かないでほしいなぁ。」

(帳尻合わせが付かなくなるから。)

 

「まぁ、気にしませんとも。エリゴス様ならばいずれお会いすることもあるでしょう。」

 

「そういえば、ミームスさんってレベル82でしたっけ。

どうやってそこまでレベルを上げたんですか?」

「戦闘において手に入る経験値というのはレベル差があればあるほど高いのはご存じですよね。」

「まぁ、何度も実感したからね。」

 

「私は沢山の分身を生み出して、

その分身を戦わせることで本体の私のレベルを上げているのですよ。」

「ずっこい!すごくずるいぞ!」

「なんとでもお言いなさいな。しかし、これでも閣下には勝てません。

最後にお会いした閣下はレベル70でしたが、それでも勝てませんでした。」

 

「あー…種族的に強いんですよね。」

「そうです。

あらゆる状態異常を無効化し、圧倒的な身体能力を持ち、あらゆる魔法を使いこなす。

バズズの中でも変異種と呼ばれていた最強の悪魔でした。」

 

「十分もう魔王なのでは?」

「閣下にそれを言ってはいけませんよ。

閣下は当時の魔王陛下を狂信者の如くお慕いしていますからな。」

「あぁ、なるほど。了解です。」

 

「それでは、エリゴス様はそろそろお部屋へ戻られてはいかがですか?」

「…自室か。パルミドの自室を思い浮かべちゃうあたり愛着湧いちゃったな。」

 

「いたわ!ガード!こっちよ!」

「ん?」

「まさか陛下の執務室前まで侵入されるとは!」

「おぉい!!こっちだ!!」

「おのれ、バケモノのクソガキが!!」

 

 

「エリゴス様、彼らはどうします?」

「ちゃっちゃと相手しますかね、魔法無しでやってみるか。」





エリゴス
王子
盗賊Lv11 寄生
HP90/97
MP234/650
ちから63
すばやさ102
たいりょく33
かしこさ169
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法



ミームス
隠密
あやしいかげ レベル82
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???
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ザキ
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42

{はやぶさぎり}
消費MP0
通常よりやや低い威力で敵1体に2回攻撃する技。
ゲームでは通常の3/4のダメージで2回攻撃なので実質ノーコスト1.5倍攻撃。

{ベホマラー}
消費MP10
全体回復魔法



「今度こそ逃がさんぞ賊め!」

「陛下の執務室には入らせんぞ!」

「いくぞ、【ピオリム】!」

「「「【しっぷう突き】!!」」」

 

(おおっと、こりゃ逸らせない。ひょいっとな。)

 

「な、避けただと!だが甘い!【はやぶさぎり】!」

「【かえんぎり】!」

「【ルカニ】!」

 

カカァン

コッ

 

「よし、ルカニ入った!」

「一気にとっちめるぞ!」

「「「【はやぶさ斬り】!」」」

 

ココココココン

 

「甘いわぁ!!

こちとら10人組手で無傷だったんだぞ!

この程度なんてこたない!」

「クソガキがぁ!!」

「今度はこっちから行くぞ!」

 

ドス…

 

「ぐあ…」

 

ドス…

 

「あ…あ…」

 

「ひぃ、くるな!!」

 

ドス…

 

「ごぼ…」

 

「ひ、ひぃぃぃ!ガード!なにしてるの!さっさと賊を始末なさい!!」

「侍女長さんよ、残るはあなた一人ですよ。」

「ぐぐ、賊風情が頭が高い!私はシムズ侯爵の長女ですのよ!控えなさい!」

 

「関係ないね!こちとら第一王子だ!そっちこそ頭が高いわ!!」

 

ドス…

 

「ぎゃ…!」

 

「さて…【ベホマラー】。行こうかミームスさん。」

「容赦ないですね、さすがエリゴス様。」

「へへへ、よせやい。」

「褒めてません。」

 

 

 

 

 

「ふぅ、久々の我が家の自室のベッドは柔らかいなぁ。」

「ちゃんと掃除はされていたようですね。」

「ところで、いつまで護衛するんです?もう城だけど。」

「私ほどではないですが隠密は他にも居るのですよ?

私は2年前からエリゴス様に憑くようにと指令を受けていますので。」

「そうかー。じゃあ、俺ちょっと寝るから何かあったら対処お願いしますね。」

「はい、おやすみなさいませ。」

 

 

 

 

 

 

「陛下!現在城内に賊がおります!どうか避難を!」

「賊?それはどのような容姿だ?」

「卑しい身なりの短剣を持った子供です。

しかし相当腕が立つようで執務室前も既に何人も気絶しております!

また魔法に長けるようで城内は像になった者や気絶してる者で溢れております!」

 

「ふむ、それで執務室前で気絶してる者が居るというのに何故ここに入らなかったと思っているのかね?」

「へ、まさか賊と鉢合わせてしまったのですか!?」

「いや、賊などこの部屋には来なかった。」

「で、では賊はどこへ…」

「この部屋に来たのは息子だけだ。」

 

「…まさか、あの者は。」

「第一王子エリゴスだ。息子もそう言っていたのではないか?」

「そんな、まさか。何故第一王子ともあろうものがあのような身なりを。」

「ずっと遠方で修行をしていたのだよ。

今日帰ってきて早々に牢に入れられたそうだがな。」

「ひ、ひぃ!!すぐに周知いたします!!失礼します!!」

 

「はぁ、もう少し穏便に済まそうとは思わなかったのだろうか。

つくづく兄上のようだ。」





エリゴス
王子
盗賊Lv11 寄生
HP97/97
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ちから63
すばやさ102
たいりょく33
かしこさ169
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
new ベホマラー
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法



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隠密
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43

{ミシェル侍女長}
オリジナルキャラ。
20超えの独身貴族。
侍女長になれた自分を万能だと思い込んでいる。


「いたぞ!殿下だ!」

「…ん?」

 

「殿下!先ほどのご無礼何卒お許しをぉぉぉ!!」

「我々も職務に忠実だっただけであって叛意はありませぬぅぅぅ!!」

「どうか、どうかご慈悲をぉぉぉ!!」

 

「…あ、執務室前で倒した人たち?どうかしたんですか。」

 

「どうか…その、侵入者と思っていたとはいえ危うく殿下を切り殺すところでした…」

「単刀直入に言ってお許しくださいぃ!!」

 

「あー、こっちこそすまないね。思いっきり腹にナイフ突きたてちゃって。

ところでその様子からするにもう出歩いても問題ない?」

 

「は、はい!既に城中に殿下の帰還は伝わっております!」

「その、傷がなかったのは不思議だったのですが殿下はお強いお方ですね。」

「そそうそう!!殿下は!その!強いでぇす!!」

 

「ふむ…夕方か。侍女に綺麗な服を用意してもらうように伝えておいてもらえる?

それでチャラってことでどうだい。」

 

「「「か、かしこまりました!!」」」

 

 

 

 

 

「殿下、こちらお召し物でございます!」

「ご夕食もお持ちいたしました!」

「湯浴みの準備も整っておりまぁす!!」

 

「あー、その。どうして君たちが?」

 

「そのぉ、実は…」

「殿下が気絶させたミシェル侍女長が…」

「殿下の世話をしないように侍女に命令したのです…」

 

「あー、あのミシェル侍女長ってやつか。あの人ほんと何なんだ?」

 

「彼女は…その、いわゆる親の七光りというやつでして。」

「父親のコネで侍女長の地位を得て好き放題しているのです。」

「最近は火の庭園を自分好みに改造してまして…」

 

「ほー…そのミシェル侍女長ちょっと呼んできてくれない?」

 

「えぇ、あの人がそれに素直に応じるとはとても…」

「多少強引でも構わないよ。第一王子として許可するよ。」

「わ、わかりました。すぐに。」

 

 

 

 

 

 

「離しなさい!!ガード風情が!!」

「お、来たか。でかい声だな。」

「殿下!ミシェル侍女長をお連れしました!」

「おー、入れ入れ。」

「「「失礼します!」」」

「離しなさぁぁぁ!!バケモノ!!!!」

 

「人の顔見てバケモノとはご挨拶だな、ミシェル侍女長さん。」

「何の用よ!もうあなたとは関係ないでしょう!!」

 

「関係あるんだなぁ、それが。

俺の世話をしないように侍女達に命令したんだってね。

俺だってわざわざ侍女の手を煩わせるのはどうかと思うけどさ。

君がそれを決めるってどういうことかと思ってね。」

 

「なによ!私は侍女長!!

この城で働く者の中で一番偉いのよ!

あなたみたいなガキが何できるってのよ!」

 

「そうだねぇ、

とりあえず君の行いを父上に伝えて君の御父上を失脚させることができるかもね。」

 

「な、父は関係ないでしょう!!」

 

「君は親の七光りで侍女長に就任したって聞いたけど?」

 

「なによ!私は私の実力で侍女長になったのよ!父は関係ないわ!」

「君…侍女になって何年だい?」

「なによ、半年も侍女をやったわ。それがどうしたのよ!」

 

「半年で侍女長になれてたまるか!明らかに権力のゴリ押しがあると思うが?」

 

「ふん!私はメイドLv15よ!侍女長になれて当然じゃない!」

 

「…ああいってるけど、どうなの?」

「はい…城内の侍女は皆メイドLv10は普通に超えております。

もし選ばれるなら経験豊富な者が普通ですが…」

「彼女は侍女長になった…と。」

「はい…」

 

「じゃあミシェル侍女長とやら、一つ課題を出すからそれが出来れば俺からは父上に伝えないことにするよ。

明日の朝までに俺の服を綺麗にしてみてよ。

ただし一人で。」

 

「く…わかったわよ。貸しなさい!ふん!」

 

「あぁ、3人も帰っていいよ。やることあるでしょ。」

「は、はい。失礼しました!」

 

 

 

 

 

 

「ミームスさん、憑けた?」

「もちろんです。ばれないですとも。」





エリゴス
王子
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44

{ミームスの分身}
用事を終えたら後は各地に散らばり情報収集やレベル上げに勤しむ。
しかし思考はリンクしていないので死ねば集めた情報や経験値は本体に届かない。
そのためミームスは分身の放出と吸収を繰り返している。

{洗った服}
せっかく綺麗にしてもらえたので着る。
きっとパルミドでは嗅いだことないような石鹸の匂いがするでしょう。

{獣狩り}
フィールドに牛が居るように自然動物も豊富にいるでしょ。
ゲームではフィールド固定だったモンスターもそれなりの種類が。


「ほら!洗ってきたわよ!これでもういいでしょ!」

「ふむ………たしかにちゃんと洗えているようですね。

なら俺としても疑わないことにしますよ。

それでは、侍女への命令を撤回しておきなさい。」

 

「なにを!私にここまでさせておいて撤回なんてするわけないじゃない!」

「……まぁいいけどね。よくそんな態度で半年も侍女長できたもんだ。

さぁ下がった下がった。」

「ふん!私を怒らせるとどうなるか身をもって知るがいいわ!」

 

 

 

「で、どうだったんです?」

「はい、エリゴス様、本体様。

彼女はたしかに一人で洗濯していました。

乾燥もしっかりと。

それでは失礼します。」

 

「ふむ、案外ちゃんとするんだね。じゃあやっぱ伝えないでいいや。」

「しかし、食事はどうするので?」

「何も城にわざわざ住まなくたっていいだろう?

城下町の宿に泊まるのさ。」

 

「なるほど、しかしそのお金はどうするので?」

「もちろん彼女の給金からいただくさ。

だいたい貯金の半分程度貰っておこう。」

「…もうすこし自制すべきとは思いますが、まぁいいでしょう。」

 

 

 

 

 

「んー…貯金125ゴールド…安いよね。」

「安すぎますね。

半年侍女長として働いていたのなら外へ出る機会はないはずですが…」

「うーん、戻しておこうか。なんか理由あって少ないならあれだし。」

「あれだけ罵声をとばされても許すのですか。

自制できないのに寛大ですね。」

 

「それにしても、どうやって金を用立てるべきか…

父上に話すのは約束を違えることになるしなぁ。

…よし、いっそのこと街の中で仕事探すか。」

「エリゴス様、ご自分の年齢のことをお忘れでは?」

「たしかに7歳じゃまともな仕事はないだろうけどさ、

街の外で獣狩りでもすれば金にはなるでしょ?

パルミドじゃたびたびやってたし。」

 

「…まぁ、私が居れば問題ないでしょう。かまいませんよ。

しかし一応クラビウス様には伝えておきますからね。」

「ありがとね。そうと決まれば明日は街へ行くぞ。」

 

 

 

 

 

 

「というわけで、エリゴス様は街で暮らしたいそうです。」

「うーむ、パルミドで暮らしていたから城が合わなく感じる…か。

たしかにエリゴスはずっと自室に居たな。

城内とはいえほとんど知らない場所、しかも周りは敵もいるか…

 

わかった。支度金は用立てる。

それ以降は自分で稼ぐのだな?」

「はい、そのはずです。」

 

「ミームスが居るならばそうそう危険なことはないとは思うが…心配だな。」

「またまたクラビウス様、パルミドに比べればサザンビークに居るのなんてぬるま湯ではないですか。」

「そうか…そうだな…わかった。

エリゴスも大抵の大人よりは強い、きっと何があっても自力で解決するはずだ。

私はエリゴスが帰る場所を守ろう。」

「ふふふ、そうでこそのクラビウス様。では失礼します。」





エリゴス
王子
盗賊Lv11 寄生
HP97/97
MP648/650
ちから63
すばやさ102
たいりょく33
かしこさ169
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法



ミームス
隠密
あやしいかげ レベル82
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45

{ゴールド}
たぶん1ゴールドあたり何個って感じで野菜とか売られてるはず。
堀井雄二さん曰く1ゴールドは100円らしい。
小説ドラゴンクエスト7では6~8千ゴールドあれば質素に暮らせば一年もつらしい。


「さて、それじゃそろそろ行くとしますか。」

「エリゴス様、こちらクラビウス様からの支度金です。」

「…もらえたの?なんて言ったのさ。」

「城が合わないので城下町で暮らすと言えばほいと出しましたよ。」

「その手があったかぁ。いくらかなー。」

 

エリゴスは500ゴールド手に入れた。

 

「当面はこれで何とかなるかな。」

「宿は良心的なところを予め調べておきました。」

「おお、さっすがミームスさん。」

 

 

 

 

 

 

 

「ここだねぇ。」

「あら、僕どうしたの?」

「こんにちは。しばらく一人暮らしをすることになりまして、ここに泊まろうかと。」

「あらま、まだ小さいのに大変ねぇ。ここ1泊20ゴールドだけど大丈夫?」

「はい、父からお金を預かっていますので。20泊分いいですか?」

「はいな。……うん、400ゴールドね。あなたー!お客さんよー!」

 

「おーう!おや、小さいお客様だね。ついておいで。」

「20泊ですって。」

「おや、そんなに泊まってくれるならいい部屋にしなくちゃな。」

「ありがとうございます。」

 

 

 

「さぁ、この8号室が君の部屋だ。20日間ゆっくり過ごしてくれ。

俺は基本的に宿に居るから何かあったら言ってくれ。

朝食と夕食は出るがそれ以外で食べたいときは外で買ってきてな。」

「はい、わかりました。お疲れ様です。」

「ははは、行儀のいい坊ちゃんだ。じゃあこれ鍵ね。」

 

 

 

「さて、ミームスさん。お仕事を探すのですがどこがいいと思います?」

「ここの隣が酒場ですが、そこの入り口横に求人広告があるそうです。

子供の雑用程度の仕事もあるようなのでそこで探してみてはいかがですか?」

「なるほど、そうしてみるよ。」

 

 

 

 

「いらっしゃ…ん?坊主、ここは酒場だぞ?」

「こんにちは。求人広告を見に来ました。」

「あぁ、小遣い稼ぎか。そこの板に貼られてる紙に書かれてる奴選んでくれ。

気になった奴があったら書かれてる住所まで行ってこい。」

「はい、ありがとうございます。」

 

『迷子の犬探し・ポチが脱走しました。行方不明です。探してください。

3番街4番通り52のジョン』

『庭の雑草抜き・全部やったら25ゴールド払う。

3番街5番2オルド』

『下水道の魔物退治・最近下水道に魔物が住み着いた。退治してくれ。

3番街警邏隊本部』

『曲芸師募集・経験問わず。店の前で出し物をしてくれる方求む。

3番街4番通り21のアゼフ商店』

 

「(ミームスさん、どれがいいと思う?)」

「(雑草抜きから始めては?)」

「(だよね、ありがとう。)」

 

 

 

 

 

3番街5番通り…ここだね。2は…あそこの家か。

 

「すいませーん、求人広告を見てきましたー。」

 

 

・・・・・・

 

 

「留守かな。」

「いえ、中で寝ているようです。」

「あー…ドア強く叩くか。」

 

ドンドンドンドン!!

 

「すいませーん、オルドさんいらっしゃいますかー!!」

 

「うるせぇ!何の用だ!」

「あ、求人広告の雑草抜きで来ました。エライゴスです。」

「ふん、ガキか。勝手に雑草抜いて終わったら声かけろ。」

「はい、よろしくおねがいします。」

 

 

 

 

「エリゴス様、エライゴスって…」

「偽名ですよ。エリゴスじゃばれちゃうじゃないですか。」

「えぇ…えぇ…たしかにそうですけど、そのセンスはどうかと思いますよ。」

「これならエリゴスって呼ばれても不思議じゃないでしょ?」

「はぁ、まぁいいですけど。」





エリゴス
王子
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〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法



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46

{土汚れ}
小魔法っていうオリジナル要素があるのでそれでなんとかしたということで。

{後書き}
魔法の表記が長すぎるとのことで新しく使った魔法だけ記載することにしました。


「やっと全部抜き終わった。案外広かったな。」

「エリゴス様、草はどうするのです?」

「そうだなぁ…適当にふくろに入れとこ。」

「………土は落としてからですよ。」

「どうせだし土ついちゃってる手袋も入れておくか。」

 

 

 

 

 

「すいませーん!雑草抜き終わりましたー!」

 

「…おう、ちゃんと出来てるようだな。ほれ、25ゴールドだ。」

「ありがとうございます!」

「酒場に行くの忘れるなよ。終わったのに別のやつ来られても困る。」

「はい!」

 

 

 

 

 

「すみません、依頼終わったんですけどどうすればいいですか?」

「あぁ、そういうことなら終わった依頼の紙をはがせばいい。」

「…すいません、手が届かないです。」

「どれだい…これ?」

「あ、はい。オルドさんの雑草抜きです。」

 

「あぁ、オルドさん…あの人怖かったろ?大丈夫だったかい?」

「不愛想でしたけど怖くはなかったですよ。」

「そうかそうか、若いのに勇気があるんだね。

今日はもうすぐ夕方になるから帰ったほうがいいよ。」

「はい、明日もよろしくお願いします!」

 

 

 

 

 

「おかみさんただいま!」

「おや、おかえり。そういえば名前を聞いてなかったね。

私はエリザ。旦那はメッサだよ。」

「エライゴスと言います。20日間お世話になります。」

「はいよ!さっそく夕食にするかい?旦那に言えば用意してくれるからね。」

「はーい!」

 

「おや、坊ちゃん。夕食かい?」

「はい、お願いしますね。」

「おうさ、まだ他の人は来てないからゆっくり食べな。」

 

 

 

 

 

「ふぅ、ご馳走様でした。」

「ここの食事はどうだ?合わなかったら他の宿紹介するぞ。」

「いえいえ、ちゃんと美味しかったですよ。スープの肉は牛ですか?」

「そうそう、干し肉が安く売られててな。

スープに入れたんだよ。よくわかったな。」

「しばらくパルミドで暮らしてたもんで肉なら粗方食べましてね。」

 

「…パルミドか。そんな遠くからよく来たな。」

「あ、いえいえ。生まれはサザンビークでパルミドには2年だけ滞在しただけですよ。」

「坊ちゃんの歳で2年は長いだろう。アスカンタ国なら肉料理が豊富なんだろうなぁ。」

「牛肉鶏肉豚肉はもちろん魔物肉にもそれぞれ固定メニューありましたからね。

肉食メインの国はやっぱ工夫がすごいですよ。」

「ははは、そうだな。その分うちも魚料理ならアスカンタ国にも負けないぜ。

明日はとっておきの朝食を用意しておくぞ。」

「おお、楽しみです。しばらく魚は食べてなかったので。」

 

 

 

 

 

 

「エリゴス様は本日、雑草抜きの依頼をこなして25ゴールド稼ぎました。」

「ふむ、ちゃんと生活できるようだな。」

「何か伝言はございますか?」

「いや、何事もなく過ごしているなら何も言うまい。

ただ毎日の報告は頼むぞ。」

「もちろんですとも、クラビウス様。」





エリゴス
王子
125ゴールド
盗賊Lv11 寄生
HP97/97
MP650/650
ちから63
すばやさ102
たいりょく33
かしこさ169
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法



ミームス
隠密
あやしいかげ レベル82
ちから ???
すばやさ ???
たいりょく ???
かしこさ ???
▽わざ
???
あまいいき
ザキ
モシャス


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47

{警邏隊}
街中の警備をする兵士。
いわゆる警察。

{警備兵}
重要地点の警備をする兵士。
だいたい機動部隊。


「やぁエライゴス君、今日も小遣い稼ぎかい?」

「はい!」

「毎日頑張ってるね、どれにするんだい?」

「今日は下水道の魔物退治を受けてみようかと。」

 

「…君戦えるのかい?そこらのスライム倒しましたじゃダメだよ?」

「こう見えてパルミドで2年修行したので大丈夫のはずですよ!

いざって時にはリレミト使えますから!」

「うーん…まぁ頑張ってね。」

「はーい!」

 

 

 

 

「ん?僕、ここは警邏隊本部だよ。何かあったの?」

「下水道の魔物退治を引き受けに来ました。」

「ははは、冗談きついよ。君みたいな子供に任せるくらいなら僕が行くさ。」

「そういうと思ったので、手合わせ願います。」

「いいだろういいだろう、どーんとかかってきなさい。

ほら、模擬剣だよ。」

「ありがとうございます。それでは、行きます。」

 

カキィン

 

「…あれ?」

「剣がすっぽ抜けましたが、拾わないのですか?」

「い、今のはちょっと油断してただけさ!次はこっちからいくよ!」

 

カキィン

 

「あだだ!?」

「また剣がすっぽ抜けましたが。」

「く、くそう!とりゃぁあ!」

 

ベキッ

 

「剣折りましたが」

「…わかった。実力はあるね。僕よりもかなり…場所を教えるから中に入ってくれ。」

「はい、ありがとうございます。」

 

 

 

 

「これが下水道の地図だ。

入り口がここ、魔物が潜んでいると思われるのがこのエリアだ。」

「ふむ、なんで魔物が居るってわかったんですか?」

「我々警邏隊は下水道も警邏することがあるんだけど、その時に見かけてね。

警邏するとはいえレベルは十そこいらだからもしその魔物が強い場合は死んじゃうかもしれないんだ。

だからこそ強い人に依頼を受けてもらうことにしてるんだ。」

 

「レベル低かったらもし警邏中に何かあったらどうするんですか?」

「うーん、街中のいざこざくらいなら何とかなるけど高レベルの強盗とかにはこれで救助要請するんだ。」

「これは…筒?」

「これは色付きの煙が出るのろしだよ。

緊急時にはこれで城の警備兵を呼ぶ手筈になってるんだ。」

 

「じゃあ今回の魔物も警備兵になんとかしてもらえばよかったのでは?」

「あはは…城勤務の方々はプライドが高くってね、下水道には入ってくれないんだよ。」

「うーん、まぁ頑張って退治してみますね。」

「よろしく頼むよ。あの上は居住区だから何かあったら困っちゃうんだ。」

 

 

 

 

 

「ミームスさん、この警備状況ってどうなの?」

「まぁ、他の街よりとてもいい状態ですよ。これでも。」

「でももっと警備兵に働いてもらう事できないの?」

「彼らだって暇じゃないですからね。なにより城はこの街の最重要地域。

そこを守るためにひたすら死に物狂いで強さを求めた彼らにそこまで求めるのは酷なのですよ。」

「うーん、いつか解決しなきゃいけないねぇ。」

「ベストよりベターがいいことがあります。

最善を求めるあまり本末転倒になってはしょうがないのです。」

「そうかぁ、まぁいい解決法が思い浮かんだら実行すればいいか。

じゃぁいざ下水道!」





エリゴス
王子
286ゴールド
盗賊Lv11 寄生
HP97/97
MP650/650
ちから63
すばやさ102
たいりょく33
かしこさ169
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法



ミームス
隠密
あやしいかげ レベル82
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ザキ
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48

{レミーラ}
消費MP2。
暗闇のダンジョンの中で唱えると、魔法の光が自分の周囲を照らす。

{レミラーマ}
消費MP2。
周辺に落ちているアイテムの場所を発光させる効果がある。

{おおねずみ}
名前通り普通のものよりもはるかに大きい、丸々と太った青色のネズミ。
漫画ロトの紋章では獣車用に育てられてきたおおねずみが登場。

{ディバインスペル}
消費MP4。
こちらからの属性攻撃のダメージが1.25倍になり、確率系の呪文特技も効きやすくなる。
完全耐性を持つ敵もこの呪文が効けば一部特技の与ダメージ0%が30%まで耐性が緩くなる。

{ザラキ}
消費MP7。
一瞬で体中の血液を凝固させるだと確殺なので、
複数の敵の肉体から魂を引きはがす魔法にしてます。
これなら抵抗できるやつはできるでしょ。
ところで神が居るならサリエルも居そうですね。ザラキエルさん。


「んー、臭いね。【レミーラ】」

「それはまぁ、下水道ですから。」

「こういうニオイって民家に流れ込まないの?」

「問題ないですね。

旧都市の技術は受け継がれている物もあるのですよ。

材料の関係で造れない物もありますが。」

「あー、そういやシャワーもあるもんねぇ。」

「基本的に清掃は業者がやるのですが…

どうやら魔物問題が解決してないから休業中のようです。」

「…そりゃ1週間も掲示されてて未だに未解決だもんね。」

 

 

 

 

 

「地図によるとこの先で見かけたんだっけ。」

「まぁ1週間も前の情報ですからアテにしてもしょうがないですよ。」

「…ところでミームスさんは探してくれるのかい?」

「とんでもない、エリゴス様の貴重な経験を奪うような野暮な真似はしませんよ。」

「ですよねぇ…手あたり次第に探すか。」

 

 

 

 

 

「む!誰だ!」

「魔物退治の依頼を受けたエライゴスです。そちらは?」

「…同じく魔物退治の依頼を受けたボンボだ。お前みたいなガキが魔物退治だと?」

「はい、ちゃんと3番街警邏隊から受けましたよ。」

「へっ…そうかい。邪魔はすんじゃねぇぞ。」

 

 

「…やっぱ他の人も依頼受けてるのか。」

「おそらくは酒場の依頼を見てではなく警邏隊からの直接の依頼でしょうね。」

「ということは、俺が解決しちゃったらあの人はタダ働きなんだろうか。なんてね。」

「ふふふ、それはないですとも。」

 

 

 

 

 

「ん?今なんか見えたような。【レミラーマ】。  ………。」

「何かありましたか?」

「ステテコパンツ…があった。」

「おや、誰かが落としたのでしょうか?」

「これってホントに鎧なのか?」

「もちろんですよ。

防具屋で売られてる布の服のようにちゃんと神が防具として認めている物ですよ。」

「…神様、呪われた装備ならまだしもコレを防具と言い張るのは無理があります。」

 

 

 

 

 

「……ヂュ」

「ん?今何か言ったか?」

「いいえ?何も。」

「…もしかして魔物かな?」

 

「こりゃ…犬の死体?」

「どうやら先ほどまで貪っていた存在が近くに居そうですね。」

「うーん、首輪は…ポチ。ってこれずっと行方不明の犬じゃないか?

迷った末に下水道に入り込んだのかな?

これは飼い主に渡そうか。」

「…ヂュヂュ!!」

 

「よっと!やっぱ居たね。」

「これは…おおねずみですね。」

(…おおねずみはDQ8にいなかったけど…まぁ今更か。

他にもDQ8に出ないモンスターは見かけてるしな。)

「よし、ちゃっちゃと倒すか!そい!」

 

ザシュッ!

 

「ヂュ!!ヂューーーー!!!!!」

「…これ、悲鳴じゃないね。」

「仲間を呼ぶ断末魔でしょうね。」

「ということは…」

「この1週間、増え続けたおおねずみが居るのでは?」

 

『ヂュウウウウウ!!!!』

「oh...」

「ざっと10は超えていますね。ちょうど手間が省けたじゃないですか。」

「噛まれたら病気になりそうで嫌だなぁ。」

「またまた、悪魔王バズズ様の子孫ともあろうものに病魔など効きませんよ。」

「…さすが健康体だ!安心して戦えるぜ!

いいやもうヤケだ!!【マジックハック】!【ザラキ】!」





エリゴス
王子
286ゴールド
盗賊Lv11 寄生
HP97/97
MP635/650
ちから63
すばやさ102
たいりょく33
かしこさ169
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
new ザラキ
〇補助魔法
new ディバインスペル
〇特殊魔法



ミームス
隠密
あやしいかげ レベル82
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ザキ
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49

{アタカンタ}
消費MP32
自分に【物理攻撃反射】の状態変化を付与する。
たぶん体表にバリアかなんかあるんでしょ。
MPぼったくりなのはDQMJ3がインフレしてるから。


「ヂュウウウウウ!!」

「ヂュウウウウウ!!」

「ヂュウウウウウ!!」

 

「【ザラキ】!【ザラキ】!あぁまったく!倒しても倒してもきりがないぞ!!

どうなってんだ下水道!?」

「…これは緊急事態ですね、王城へ支援要請します。」

「頼んだ!!」

 

 

「分身からの調査結果です。現在下水道に200を超えるおおねずみが居るようです。」

「おいおいおいまだいるのか!?父上は!?」

「そちらの分身はまだ戻っていません。」

「あーくそ!なんかないかなんかないか!そうだあった!!【アタカンタ】!」

 

カァン!カァン!

 

『ギジジジジジ!!』

 

「これは…攻撃の反射?私も知らない魔法ですね。」

「マホカンタの物理版だ。

こいつら魔法使えないようだからしばらくこれ唱え続ければ休める。」

 

 

 

 

 

 

「クラビウス様、一大事です。」

「む、エリゴスに何かあったのか?」

「現在エリゴスは下水道に居ます。

そこで大量のおおねずみを確認。

現在エリゴス様が対処中ですが数が多すぎるため支援要請です。」

「むむ、下水道に大量の魔物か。わかった、赤騎士団を派遣する。」

 

 

 

 

 

 

「エリゴス様、分身が戻りました。赤騎士団をこちらに寄こすそうです。」

「赤騎士団っていうと俺所有の騎士団だっけか!【ザラキ】!」

「はい、エリゴス様が城を出たため他の騎士団から嫌味を言われている赤騎士団です。」

「そんなこといわれても俺だって城に居場所ないしー!【アタカンタ】!…ふぅ。」

 

 

 

 

 

 

「皆の者!現在下水道にてエリゴス様が数百のおおねずみを発見、交戦中とのこと!

急ぎ駆けつけるぞ!!」

「…下水道。」

「そこぉ!まさか文句などなかろうな!!」

「はい!もちろんです!」

「3分で準備しろ!私は先に下水道前へ行っているぞ!」

 

 

 

 

「ははは、騎士団長ともあろうものが下水道勤務とは面白い話も合ったものですな。」

「む、青騎士団長、何か御用か?」

「いやいや、ちょうど面白い話を聞いたので顔を見に来たのだよ。」

「街の中に数百の魔物が居るのだ、面白いなどと言っている場合ではないぞ。」

「なにを言うかと思えば。たかがおおねずみだと聞いたぞ?」

「我らにとってはたかが弱小の魔物とはいえ、戦う力を持たぬ者には脅威だ!

もし1匹でも街中に出てしまえば犠牲者が出るやもしれぬ!!」

 

「何か勘違いしているようだが我ら青騎士団は王城警備、

お前たち極潰しの赤とは違うのだよ。

頭が高いのではないか?」

「話はそれだけか?無いなら行かせてもらうぞ。」

「…ふん。男爵三男風情が。」

「それに極潰しは認めるが、それならそちらは殿下に無力化された役立たずの青騎士団だな。」

「な、き、貴様ぁぁぁ!!」

「先を急ぐのでそろそろ失礼。」

「ぐぐぐ、覚えていろ!!!」





エリゴス
王子
286ゴールド
盗賊Lv11 寄生
HP97/97
MP396/650
ちから63
すばやさ102
たいりょく33
かしこさ169
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
new アタカンタ
〇特殊魔法



ミームス
隠密
あやしいかげ レベル82
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ザキ
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50

{赤騎士団長}
ゴリマッチョ戦士。

{死体}
48話の魔物退治の依頼を受けたボンボさん。

{バギマ}
消費MP4
真空の刃で複数の敵を攻撃する。



「エリゴス様、赤騎士団30名が下水道に到着しました。どうしますか?」

「どうするって?こうする。【アストロン】」

「…初対面がそれでいいのですか?」

 

 

 

 

 

「む、いたぞ!おおねずみだ!」

「殿下は…いないな。ここから5人6組に分かれて捜索するぞ!」

「はい!おらぁ!」

 

 

 

 

「おおねずみの群れだ!いくぞ!」

「おぉぉ!!」

「…ん?なにか中心にあるが…」

「いくぞ【バギマ】!」

「…あ、おいあれもしかして人なんじゃ」

 

『ヂュウウウウウ!!』

 

「よし、一掃できたな。何か言ったか?」

「いや、中心のあれ人だったんじゃ…」

「…まじか?い、急ぐぞ!」

 

「…これは、像?昨日の殿下の騒動の時みたいだな。」

「にしてもこれ、子供じゃないか?なんで子供がこんな下水道に…」

「もしかしたらこれが殿下なんじゃないか?」

「これが…?身なりはどう見ても平民じゃないか。」

「殿下は2年間パルミドで修行してたらしい。その時の服だとすれば…」

『…たぶん殿下だなぁ。』

 

「よし、俺たちは像になってる殿下をお守りすることにしよう。」

「そうだな、もしものことがあるしな。」

「とりあえず水から引き揚げよう。」

「俺肩持つから足持ってくれー。」

「えー…下水に触れるじゃんかよー。」

 

「…もう必要ないぞ。」

「!!で、殿下ですか?」

「いかにも、俺がエリゴスだ。

お前たちが下水道に突入したと知らせを受けたのでアストロンで待っていたんだ。」

「そうでしたか!我ら赤騎士団第四小隊です!」

 

「おおねずみが何故こんなに居るのかはわからないが、

30人も増援が来たなら助かる。

ところで誰か魔法の聖水を持ってないか?MPが半分になってきてな。」

「おお、それならこちらに。」

「助かる。ゴキュッゴキュッ…ぷはぁ。もう一本ないか?」

「え、あ、はい。どうぞ。」

「ゴキュッゴキュッ…ぷはぁ。もう一本。」

 

「で、殿下?最大魔力を超えて回復するのは体に悪いですよ。」

「問題ない。まだ最大ではないからな。もう一本ないのか?」

「…こちらに。」

「ゴキュッゴキュッ…ぷはぁ。このくらいでいいだろう。

よし、先へ進むぞ。」

 

「は、はい…。」

「…おい、殿下の魔力どうなってるんだ?」

「さすが王家の方としか言いようがないな…」

「きっとチャゴス殿下も…」

「緑騎士団のやつらも苦労するんだろうな。」

 

「どうした?さっさと先へ進むぞー。」

『はい!』

 

 

 

 

 

 

「どうなってる。何故ここまで大量のおおねずみが王都の地下に!」

「団長!こちらに死体が…」

「これは…傭兵か。俺はここに残る、お前たちは彼を教会まで運ぶんだ。」

「しかし、それでは団長に危険が!」

「私は問題ない!お前たちの団長を見くびるでないわ!」

「はい!わかりました!おい、お前足持て、二人は警戒頼むぞ!」

 

「ふぅ…待たせたようだな、ネズミども。」

『ギジジジジジ!!』





エリゴス
王子
286ゴールド
盗賊Lv11 寄生
HP97/97
MP423/650
ちから63
すばやさ102
たいりょく33
かしこさ169
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法



ミームス
隠密
あやしいかげ レベル82
ちから ???
すばやさ ???
たいりょく ???
かしこさ ???
▽わざ
???
あまいいき
ザキ
モシャス


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51

{バイシオン}
消費MP10
味方全体の攻撃力を1段階上げる。



「殿下!前に出すぎです!どうか我々の後ろに!」

「問題ない、魔法の聖水は飲んだからなんとでもなる。」

「しかし殿下は盗賊では!どうか我々の後ろに!」

「いや、ここで戦い続けて無傷だぞ。気にするな。」

「ここからは我らにお任せを!どうか我々の後ろに!」

「…いや、そもそも現在明かりを担っているのが俺のレミーラなんだから俺が前でもいいだろ。」

「いいえ!殿下に何かあっては!我々も松明は持っております!どうか我々の後ろに!」

 

「ええい!お前たちそれしか言えんのか!

いいか!この先おおねずみだけとは限らないだろ!?

そんな時真っ先にアストロンで危機を回避できる俺が先頭のほうがいいだろう!」

「殿下を囮にするなど我々にはできませぬ!どうか!」

『我々の後ろに!』

 

「…わかったよ。ほら、進め。」

『はい!!』

 

 

 

 

 

「む、殿下。他の小隊の者のようです。」

「そのようだな。それがどうかしたのか。」

「どうやら一人だけで戦っているようです。」

「…他の者に逃げられたか?救援に向かうぞ。」

 

 

「せやぁ!!はぁっ!!」

「おーい、大丈夫かー!!…って団長!?」

「他の者はどうなされたのですか!!」

「傭兵の死体があったので戻らせた!おらぁ!!

お前たち、その子供はどうした!!せいぃ!!」

 

「話は後だ!お前たち、団長とやらを助け出してこい!【ピオリム】【バイシオン】」

『はい!!』

 

 

 

 

 

「ふぅ、助かった。お前たちも強くなったものだな。」

「いやぁ、今のは殿下の補助魔法のおかげです。」

「殿下…?もしやそこの子供が!?」

「いかにも、俺がエリゴスだ。救援感謝する。」

「はっ!赤騎士団団長のハイデルンと申します!

殿下におかれましてはお初にお目にかかります!」

 

「そう畏まらないでくれ、一日だけ戻って城から出た放蕩王子なんだからさ。」

「いえ、青騎士団の団員から話は聞いております。

メイドに冷遇されそれに反発して城下町で暮らしていると!」

「それなんか反抗期みたいで嫌な言われ方だな…まぁたしかにその通りなんだが。」

「つきましては殿下、後は我ら赤騎士団に任せてご帰還を!」

「んー?何か勘違いしているようだが、俺も行くぞ?

依頼だとか金だとかじゃなく、王子として城下町の危機は見過ごせんだろう。」

 

「しかし殿下、ここまでの大発生私が生まれてから初めてでございます。

何かあっては…」

「おいおい、お前たちが全滅されたら俺の所有する騎士団が居なくなるじゃないか。

そうなっちゃ俺は父上に顔向けもできないぞ。

そっちも同じだろうが、俺はあいにく様々な魔法が使える。

連れてって邪魔になるようなことはないぞ。」

「…畏まりました。赤騎士団団長として殿下を護衛いたします。」

 

「そうそう。それでいいんだ。じゃあ先へ進むぞ。

あっちからおおねずみが来たんだろ?」

「はい。倒しても倒しても続々と湧きだし続け、埒が明かないところでした。」

「とりあえず行くぞ。行けばわかるさ。」

『はい!』





エリゴス
王子
286ゴールド
盗賊Lv11 寄生
HP97/97
MP410/650
ちから63
すばやさ102
たいりょく33
かしこさ169
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法



ミームス
隠密
あやしいかげ レベル82
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たいりょく ???
かしこさ ???
▽わざ
???
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ザキ
モシャス


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52

{おばけねずみ}
おおねずみの上位種。
血のように真っ赤な体色の大きなネズミの魔物。

{鼠作戦坑道}
オリジナル要素。
洞穴系ダンジョン。

{フローミ}
消費MP2
建物や洞窟といった屋内で使う事で現在いる場所の地名と階層を知る事ができる。
地味な効果に思えるが意外な地名が判明する事がある。

{マホカトール}
消費MP可変
光の五芒星の魔法円を地面に描き、その円内の邪悪な力を祓い清める聖なる呪文。
魔法円はそのまま聖なる結界となって残り、外部からの邪悪な力の侵入を阻む。
術者のレベルが高ければ広範囲かつ半永久的に効果が持続する。


「こ、これはなんてことだ。」

「壁に穴が…ここからおおねずみが?」

「殿下、ここから先は」

「いや、俺が行く。」

「…畏まりました。おい、二人残って目印にするんだ。」

「「はい!」」

 

 

 

 

「ギジジジジジ!!」

「おおねずみ…じゃない、おばけねずみだな。ハッ!」

「よくご存じですね。せいっ!」

「ギギャアアア!!」

「おおねずみに比べ狂暴、牙と顎が強靭で食らいついたら肉が剥がれるまで離さないと聞いた。」

「それと、凄まじい生命力です。まだ生きている…」

ザクッ

 

「今のがおおねずみのボス…とは考えられないよな。」

「群れのボスにしては小さすぎます。おそらくは、この先にまだ。」

「…ここからもザキとザラキで進む、巻き込まれないくらいに下がっておいてくれ。」

「「「「はい。」」」」

 

 

 

 

「【ザラキ】!やはり巣なのか湧き続けるな。」

「殿下、分かれ道です。」

「…そうだ、アレがあった。少し試したい魔法があるので唱えるぞ。【フローミ】」

 

<ここは 鼠作戦坑道地下3階のようだ。>

 

「…ここは鼠作戦坑道という場所の、地下3階だそうだ。」

「名前のある魔物の巣…ダンジョンですね。」

「それって、俺らだけじゃ無理なんじゃ…」

「殿下、引き返しますか?それとも進みますか?」

 

「留まる。入り口には二人置いてきた。他の者も後々来るだろう。

ちょうどいいことにここは最初の分岐路だ。

ここさえ占拠してしまえばこれ以上下水道には流れていかないだろう。」

「畏まりました。しかし占拠すると言っても我々には何もありませぬ。」

「そこは問題ない、少し待っててくれ。」

 

(たしか、五芒星だったよな。こっちと、こっちに…よし。)

「【マホカトール】【マホカトール】」

「殿下、これはどんな魔法なのですか?」

「邪悪なモノが入れないようになる魔法だ。

それぞれの道に使ったが、おおねずみ達に効果があるかはわからない。

一応トヘロスも使っておくぞ。【トヘロス】」

 

「殿下、しばらく待つとのことですが何か策はあるのですか?」

「いや、ないぞ。人数が集まり次第この道を分かれて進む。」

「では我々はどうしますか?」

「寝るぞ。」

「ええ!ダンジョンですよ!?」

「団長!やっぱり子供に判断を求めるのはだめですよ!」

「…殿下、それは何故なのですか?」

 

「団長と小隊長には分岐路を、君達には出口を見張っておいてもらいたい。

俺はここに来るまで魔法で使った魔力を回復するために寝る。

そうすればまたおおねずみが来てもザラキで一掃が可能だ。」

「お、おお。それは思いつきませんでしたな。」

「たしかに殿下は即死魔法を連発できる…!」

「でも…ダンジョンで昼寝…」

 

「マホカトールがうまくいっていれば分岐路からはおおねずみは来ない、

もしおおねずみが通り抜けることがあったら起こしてくれ。

10人ほど来たら起こしてくれ。以上だ。」

「「「「はい。」」」」





エリゴス
王子
286ゴールド
盗賊Lv11 寄生
HP97/97
MP136/650
ちから63
すばやさ102
たいりょく33
かしこさ169
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法
new フローミ
new マホカトール



ミームス
隠密
あやしいかげ レベル82
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すばやさ ???
たいりょく ???
かしこさ ???
▽わざ
???
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53

{マヒャド}
消費MP12
鋭い氷塊を生みだす魔法
シリーズによってアニメーションが異なる。
いきなり氷漬けにしたり、いきなり地面から生えたり、いきなり空から降ったり。

{イオ}
消費MP5
爆発を起こす呪文です。敵は大ダメージを受けるに違いありません。
弾を打ち出してぶつかるか一定距離進むかすれば爆発する呪文。

{メラゾーマ}
消費MP10
巨大な火球をぶつける魔法
強烈な火炎放射を浴びせる魔法だったりすることもある。
火柱を起こすこともあれば球形に渦巻くこともある。

{ベギラゴン}
消費MP10
熱線だったり黒い稲妻だったり炎だったり光属性だったり一番ドラクエの魔法でややこしいのこいつだと思います。
この小説では熱線ということにします。それなら地面も燃えるでしょ。


「…む、おおねずみが左側の通路から来るぞ。」

「殿下のこれ…効くんだろうか。」

「ギジジジ!」

 

「…すり抜けて来たな。せいっ!」

「二人とも、殿下を起こしてくれ。はっ!」

 

「殿下、殿下、マホカトールとやらは通じませんでした。」

「んむ…ダメだったか。じゃあいっそ通れなくするか。

団長、小隊長、下がってくれ。」

「「はっ!」」

 

「【マヒャド】」

 

 

 

 

 

 

「総員集まったようだな。」

「はい、29名全員おります。」

「では、これより5班6班は引き続き下水道の巡回を。侵入経路がここだけとは限らん。

3班4班はこの先の左の通路を。1班2班と殿下は右の通路へ進むぞ。」

『はい。』

「何か質問のある者はいるか。」

 

「はい。…この氷の壁はどうやって溶かせばいいのですか?」

「それは…どうするのです殿下。」

「上手くいけばすぐにでもどかせる。【イオ】」

 

ズズゥン

 

「おお、盛大に崩れましたな。」

「やわな剣だと折れるだろうが、氷は衝撃に弱いから簡単にひび割れる。あとは解体した氷を下水道に流してくれ。【イオ】」

 

ズズゥン

 

『ギジジジジジ!』

「うお!左の道の奥山ほどねずみが居るぞ!」

「おばけねずみもちらほら混ざっているな…」

「左は後回しにして右から解体していくぞ。

おおねずみが左側を解体してくるようなら好都合だ。」

『はい。』

 

 

 

 

 

「右の通路はそろそろ通れそうだが、左の通路ももうじき破られそうだな。」

「ゴリゴリ噛んでますね。いっそ先手を打ちますか?」

「そうすることにしよう。念のため全員下がっておいてくれ。」

 

「よし、では打つぞ。【メラゾーマ】」

 

バリン!

 

『ギャアアァァァァ!!』

「おお、氷を破った!」

「【ベギラゴン】」

 

『ギャアァァァァ…』

 

「よし、これで粗方は片付いただろう。

しばらくして生き残りがいればトドメを刺しておいてくれ。

俺たちは先に右を調べよう。」

『はい!』

 

 

 

 

「俺が思うに、どちらかは貯蔵庫か何かだ。」

「でしょうな。出口から近いところに分岐路がある、それも出口からみて鋭角に。」

「そしてネズミは左から来た。となるとこっちの調査はすぐに終わるだろう。」

「まったくもってその通りですな、それもパルミドでの経験ですかな?」

「そうだな、訓練の一環でダンジョンに潜ったりしたんだ。

その時にも同じような貯蔵庫を作っていた。」

 

 

 

 

 

「ついたな。」

「これは…鎧?」

「おそらく、下水道に立ち入った奴らの遺品じゃないか?

やつら骨まで食いそうだが服は食わなそうだし。」

「あ、そういえば先ほど死んでいた傭兵は頭から食べられていました。」

「防具がない頭が食べやすかったんだろうな。」

 

「となると…こっちの装飾品や豪華な服も?」

「…もしかすると、おおねずみだけじゃなく普通のネズミも手下にしてこれらを集めているんじゃないでしょうか?」

「それはありえるかもしれないな。ひと先ず戻って左側へ進んだ班と合流しよう。」

『はい!』





エリゴス
王子
286ゴールド
盗賊Lv11 寄生
HP97/97
MP325/650
ちから63
すばやさ102
たいりょく33
かしこさ169
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
new マヒャド
new イオ
new メラゾーマ
new ベギラゴン
〇補助魔法
〇特殊魔法



ミームス
隠密
あやしいかげ レベル82
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あまいいき
ザキ
モシャス


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54

{ザラキーマ}
消費MP15
グループ攻撃から全体攻撃になったザラキ
たぶん効果範囲が広くなるんでしょ。

{ザオリーマ}
消費MP???
全員を蘇生+回復する大魔法。
しかし狙って発動することはほとんどできない。

{リレミト}
消費MP2
ダンジョンの中から入口に瞬時に移動する。




『ギジジジジ!!』

「くそ!次から次へと湧いてくる!」

「殿下が楽々倒してるから弱いと思ったのに、なんで剣を受けても平然と向かってくるんだよ!」

「おい!お前急いで救援呼んで来い!」

「わ、わかった!!」

 

 

 

 

 

「殿下!殿下!」

「ん?どうしたんだ。」

「左の通路の先に大量のネズミが!倒すよりも早くどんどん湧いてきて壊滅寸前です!」

「なに、急ぐぞ!【ピオリム】【ピオリム】!」

『はい!』

 

 

 

 

 

「…遅かったか、【ザラキーマ】!」

 

『ギジジ…!?………』

 

「こ、これは…こんな広範囲のザラキ聞いたこともない!」

「彼らは…よし、まだ体があるな。【ザオリーマ】」

 

………

 

「殿下?」

「おろ?【ザオリーマ】!」

 

………

 

「だめみたいですねぇ!!【ザオリク】!【ザオリク】!【ザオリク】!……」

 

 

 

 

 

「なんとか全員蘇生できたなぁ…ステータス。」

 

エリゴス

王子

盗賊Lv11 寄生

HP97/97

MP85/650

 

「やべぇな、もうすぐ1割を切っちまう。」

「…皆、殿下に魔法のせいすいをお渡ししよう。我々が持て余すより効果的だ。」

「助かる。ゴッキュゴッキュ…」

 

 

 

「…ぷはぁ、さすがにもう無理…腹がきつい。ステータス。」

 

エリゴス

王子

盗賊Lv11 寄生

HP97/97

MP330/650

 

「半分くらいまで回復したな。…とりあえず進もう。

ここに入ってからもう百匹は倒した。

いくらやつらの巣とはいえさらに100匹はいないはずだ。」

「殿下、我々はいかがいたしますか。」

「10人組が全滅したんだ、あのねずみどもに近距離戦は不利だと思う。

この中で魔法が使えるやつはいるか。」

 

「それなら全員がそれなりの攻撃魔法が使えます。」

「わかった。俺が仕留め損ねたネズミを魔法で迎撃してくれ。

そうすれば剣でも仕留めきれるくらいには分散するはずだ。」

「…わかりました。」

『はい。』

「じゃあ、行くぞ。」

 

 

 

 

 

「…ネズミども居ませんね。」

「先ほどのが最後だったか、それとも奥に集まっているか。」

「はたまた、別の経路から下水道に入り込んだか…」

「とりあえずはさらに進むしかない。行くぞ。」

 

 

 

 

 

「…チュチュ」

「チュウ…」

「ジュウウ…悲しい…悲しイ。

ワガハイの手下たち…死んでしまった!

全員、準備はできておるカ!!」

『ヂュウウウ!!』

「よし!流セ!!」

 

 

 

 

 

ドドドドドドド

 

「!?何かが…水だ!!」

「どけ!【マヒャド】!」

 

「…間一髪でしたな。」

「しかし、道が塞がってしまった。どうするか。」

「殿下、一度地上を探してみるのはいかがでしょうか。

これは明らかに川の水を利用していると思われます。」

「地図によると…現在位置は街の西だな。」

「む、それは魔法の地図…となるとやつら、やはり計画的に下水道に穴を!」

「よし、一度戻るぞ。全員集まってくれ。……【リレミト】!」





エリゴス
王子
286ゴールド
盗賊Lv11 寄生
HP97/97
MP325/650
ちから63
すばやさ102
たいりょく33
かしこさ169
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
impossible ザオリーマ
〇攻撃魔法
new ザラキーマ
〇補助魔法
〇特殊魔法
new リレミト



ミームス
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55

{おうねずみ}
オリジナルキャラ
黒色の毛に赤い目
普通のおおねずみとして生まれた。
身長2.5m越え。
通常のおおねずみの3倍である。



「下水道出口じゃなくて穴の出口か、

もう一度リレミトを試せば出れるか?【リレミト】」

 

「よし、うまく行ったな。すぐに門を出て川沿いを捜索するぞ!」

『はい!』

 

 

 

 

 

「ヂュウ…手下ども、さっさとハコベ!」

「チュウ!」

「チュウチュウ!」

「元の巣まで逃げ切れれれば、奴らは追ってこれないはズ!」

『チュウ!』

 

「む、おい。お前は魔族か?」

「ヂュ!たしかにワガハイは旅の魔族でス!」

「…それにしては豪奢な身なりですな。」

「ワガハイ群れのボス、こいつら手下。

手下たチまだ魔族じゃない!」

「…ちゃんと統率はとれているようだな、問題なし。」

「ヂュ!巡回ご苦労様でス!」

 

「…はぁ、はぁ、緊張したチュ…」

「チュウ…」

「ヂュ!心配いらない!やつらはきっと川辺を探すはズ!

堂々と道を歩くとは考えないはズ!

がんばって森に帰るチュ!!」

『チュウウウ!!!』

 

 

 

 

 

「…あった!ここだぁ!!こっちだぁ!!」

「むむむ、小川の水を溜めておいて一気に流したか。」

「鉄砲水、というやつですな。」

 

「中はもぬけの殻です!しかし…こんなものが。」

「ふむ…この木細工…モッタ村と刻印されているな。」

「モッタ村でネズミについて聞きまわろう。

もうここには居ない。」

「わかりました。第一小隊第二小隊第三小隊第四小隊、殿下とともにモッタ村へ行くぞ。第五第六小隊はダンジョンの貯蔵庫の物品を下水道前まで運んでおくように。」

『はい!』

「殿下、出発しましょう。」

「おう。まずは街道へ出るか。」

 

 

 

 

 

「…!殿下、殿下!こんなものが!」

「これは指輪じゃないか。もしかするとやつら堂々と街道を使っているのか?」

「だとすると、急げばまだ間に合うかもしれませぬ!」

「よし、全員駆け足でいくぞ!【ピオリム】【ピオリム】!」

 

 

 

 

「発見!ネズミの群れです!」

「ヂュ!おのれ、何故場所がわかった!!」

「お前たちが去った後にモッタ村の木細工があってな。

そこへの道中で偶然手がかりを見つけて駆け足で来たんだ。

お前がネズミのボスだな?」

 

「ヂゥヂゥ…いかにもワガハイこそがこの群れのネズミの王、おうねずみであル!!」

「おうねずみ…本当に本名か?」

「ヂュ!?このイカした名づけに異議があるッチュ!?」

「何故おうねずみなんだ!もっとあったろう!」

「おおねずみ達が多かったからだヂュ!!

おおねずみの王ならおうねずみ!!ヂィヂィ!!」

 

「…それで、話している間にお前たちを包囲したわけだが、大人しく降伏するか?」

「……どっちにしろ見つかった時点で諦めてタ。

だが、一騎討ちを申し出ル!

せめてこやつらだけは生かしてくれチュ!!」

 

「ちょっと待て、何故お前が下水道を拠点に、何をしていたのか。

これをまず言ってからだ。」

「ギィ…ワガハイ達は口減らしに追い出されタ。

森で暮らしてたら地面に綺麗なモノ落ちてた。

それが大きな壁の向こうにもっとあると思っタ。

でも壁の向こう入ることできなイ。

だから地面掘って入ろうとしタ。

…………。」

 

「どうした。」

「ヂゥ…何故…綺麗なモノ欲しかっタ?

仲間のほうが大事…ヂィィ!!」

「む、暴れだすか!殿下、後ろへ!」

「いやまて、まだ話を聞こう。」

 

「ヂィィ!頭!痛い!!ギャァァァ!!」

「あ、おい!おうねずみ!お前が拾ったのってどんなのだ!」

「ヂィ!ヂィ!紫色の綺麗な宝石!とてモ!とテモ!綺麗!ギィィ!!」

「…それをどうした?」

 

「タ ベ タ !」





エリゴス
王子
286ゴールド
盗賊Lv11 寄生
HP97/97
MP317/650
ちから63
すばやさ102
たいりょく33
かしこさ169
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法



ミームス
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56

{マ素}
魔界に多く存在する魔物の力の源。
マ素自体は魔物の闘争本能を刺激するようなものらしい。
人間には非常に有害。

{ベホマ}
消費MP6
味方単体のHPを特大回復する。ので結果的に全回復する。
ほんの一瞬で全快するというわけではない。

{ギガマホトラ}
消費MP現在MPの半分。
敵のMPを4回ランダムに大吸収する。

{おうねずみ}
さらに巨大化。容姿はグリズリーに。


「ギ…ギィ…!」

「な、膨れ上がっていく…!?」

「なんてことだ、あんなのもうネズミじゃねぇ、熊じゃねぇか!」

 

「ガァァァ!!」

「おい!ちょっと止まれや!【マヌーサ】!【ラリホー】!」

「ギ…ガァァァァァ!!」

「殿下!気を付けてください!オーラを溜めてます!!」

「げぇ…テンション使えるとかマジかよ!」

「グラァァァァア!!」

 

ドゴォン!!

 

「ひぃ!!」

「ぎゃあ!」

「く、くそ!飛んできた土塊でこんなに威力があるなんて…」

「痛ぇな、もう知ったことか!!【ザキ】!」

 

「グゥ…ガァァァ!!」

「【ザキ】!【ザキ】!【ザキ】!!」

「ギャアァァァ!!ガァァァァ!!」

「…だめだ、抵抗が強すぎて死なない!

何かないか!何かないか!!」

「グラァァァァァ!!」

「げ!!」

 

ドゴォ

 

「ぐあぁあぁ!!」

『殿下ぁ!!』

 

「う、ぐ、ガッホガホ…【ベホマ】…。」

 

「(殿下、手助けは要りますか?)」

「要らねぇ、あいつは俺がやる!俺がやりてぇ!!【ピオラ】!【スカラ】!【バイキルト】!【アタカンタ】!」

 

「殿下!近づくのは危険です!お止めください!」

「ここは我々が…!!」

「手ぇ出すな!!俺がやるのだ!!」

 

(エリゴス様…面白いですね。)

 

 

 

「くそっ!どうすればいい!

なにをすればいい!

残り魔力はいくつだ!

残り…はっ!!」

 

「ガァッ!!」

 

「【ギガマホトラ】!!」

「!?グ、ガ、オヴォォォォ…」

「は、はははは!!MP不足は辛いか!!俺は十分回復できたぞ!!」

「ヴォエ…ボォ…ボッ!」

 

コロ…コロ…

 

「ん?…紫色の宝石。まさかこれが?」

「ガァァァ!!」

「殿下!!危ない!!」

 

カァン!

 

「ギャァ!!」

「へっ、どうやらオーラは消えたようだな?大人しくしろ。」

「ゴ、ゴボッ!」

「!!」

「魔物の口から…血が…」

 

「ガ、ボォ…」

 

ズズゥン…

 

 

「た、倒れた?」

「殿下が!殿下がやっつけたぞ!!」

「さすが殿下!!大魔法使い!!」

 

(あの宝石は…)

「(殿下、あの宝石。心当たりがあります。)」

「(なんだと?あれは何なんだ。)」

「(我ら魔物を魔物たらしめるマ素。その結晶ですね。

おおねずみやおばけねずみが強かったのも、

そこの熊ネズミの体から漏れ出たマ素によって変質したからでしょう。)」

 

「…そうか。おい!俺はこの宝石を貰う。

お前たちはこのおうねずみだったものを持ち帰れ。」

『はい!!』

 

(マ素の結晶…ゲームで言うところのマデュライトか。

何故ネズミどもは王都目掛けて穴を掘ったのか、

何故装飾品を集めていたのか…)

「(ミームス、お前は何か知らないか。)」

「(残念ながら私の分身からは情報が入っていませんね。

…意図的に消されたか、そもそも王都にあると思ったのがネズミの勘違いかです。)」

 

「(…わかった。調べておいてくれ。)それでは、凱旋だ!」

『オォォォォォ!!』





エリゴス
王子
286ゴールド
盗賊Lv12 寄生
HP97/107
MP481/680
ちから68
すばやさ109
たいりょく38
かしこさ179
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
new ベホマ
〇攻撃魔法
〇補助魔法
new ギガマホトラ
〇特殊魔法



ミームス
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57

{タウンクライヤー}
伝達手段がなかった時代に、
街の中の大切な情報を大声で伝える役目があった仕事。
立札の前で読み上げたりとか。
「ベルマンとも呼ばれる町の商人は、必要に応じて公の宣告を行う王室または公的機関の役員です。(wikipedia)」



ブォォォォォ!!

「エリゴス第一王子が狂暴な賊を討伐した!

これよりこの大通りは通行を制限する!!」

 

「おい、聞いたか。第一王子が賊を討伐…だってよ。」

「まだ…5から8くらいだろ?嘘こけ…」

「いや、だがクラビウス様も幼少の砌は騎士も顔負けの猛者だったという噂だぞ。」

「そういえば聞いたことあるな…いや、でもそれだって嘘の可能性があるだろ。」

 

ブォォォォォ!!

「これより開門する!総員道を空けよ!!」

 

 

 

「お、おい。なんだあの巨大な熊は…」

「いやまて、あの口回りは熊じゃねぇぞ。」

「じゃ、じゃあなんだってんだ。あんな図体熊でもでかすぎるだろ。」

「…そうだ、ネズミだ。ネズミやモグラの鼻先なんだ。」

「じゃあ何か?我らが第一王子はあんな熊みたいにでかいネズミだかモグラだかわからんバケモノを討伐したってのか?

それこそまさかだろ。あんなの色騎士団でも全滅するぞ…」

 

ブォォォォォ!!

「エリゴス第一王子の凱旋である!

殿下は下水道を拠点として多くの装飾品を盗み人を喰らうおおねずみの首領を討伐し帰還した!!

殿下の功をしかと目に焼き付けよ!!」

 

 

 

「おいおい、本当にネズミだったのかよ。なんだってあんなデカいんだよ。」

「下水道って…そういや近所の酒場に行方不明者の捜索願があったが…」

「…そういうことじゃねぇか?おまえんとこ下水道の入り口の近くだろ?」

「…ってことは俺ももしかしたら危なかったのか?殿下ばんざーーーい!!」

「調子のいいやつだなまったく。」

 

 

 

 

「殿下、もっと胸を張って歩いてください。」

「へへへ、さすがに緊張するんだが?」

「卑屈そうな笑い方もやめてください。まっすぐ前を見ていればいいのです。」

「だ、だがな。なんでこんなに人が居るんだ?」

「それはもちろん、殿下の功績を喧伝するためにあそこでタウンクライヤーが凱旋を民衆に伝えていたからですな。」

「にしても、荷車くらい用意できなかったんかね?」

「大丈夫です殿下。これでも色騎士、熊の一匹くらい担げないわけありませぬ。」

「4m級の熊なんだからもっと工夫して運ばないと辛いだろう?」

 

「大丈夫です殿下!我々は訓練では重い物の運搬などもしますので!」

「そうそう!もっとつらい様な物を持って訓練場を歩き回ることもあるので!」

「まぁお前たちが大丈夫ならいいんだがなぁ。」

 

 

 

「おい、あれが殿下なのか?」

「そうなんじゃないか?」

「…なんというか、みすぼらしいな。」

「そうだな、なんというか。俺らのほうがいい服着てるな。」

「無駄遣いしない人なんだろうか?」

「あれは無駄遣いしないっていうより必要なモノも買わなさそうな服だよな…そもそも防具なのかあれ。インナーじゃないのか?」

「でも…おもっくそ切り裂かれてるからあの熊と戦ったってことだよな。」

「おーこわ。俺だったら死にかけてすぐに歩けないぜ。」

「馬鹿、お前狩人だろ。死にかけても歩くんだよ。」

「うっせー、俺はあくまで動物メインなの。魔物なんか相手してられっかよ。」





エリゴス
王子
286ゴールド
盗賊Lv12 寄生
HP97/107
MP481/680
ちから68
すばやさ109
たいりょく38
かしこさ179
▼とくぎ
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▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法



ミームス
隠密
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58

{ダビ子爵}
第二王子派。




「エリゴス第一王子、入場!」

ギィィィィ

 

 

「おおお、あのような大きな魔物が…」

「よもやあの年で…」

「まるでクラビウス様を思い出すようだ…」

 

(えーと、どうすりゃいいんだ。この後…とりあえずキメておくか。)

 

「第一王子エリゴス、下水道を拠点としていた人食いネズミの首領をこの通り討伐いたしました!」

 

『………』

 

(あれ、すべった?)

 

「殿下、まだ陛下がいらっしゃいませぬ。陛下がいらっしゃってから報告するのです。」

「あ、そう?へへへ、すまないな。」

 

 

 

 

「クラビウス陛下、入場!」

 

『ははぁ!』

 

(ん?俺も跪いたほうがいいのか?

いや、一応功労者だし王子だし、堂々と立っておこう。)

 

「・・・・・・」

「・・・・・・」

 

「(殿下!殿下!今です!今言うんです!)」

「(あ、やっぱり?)

第一王子エリゴス、下水道を拠点としていた人食いネズミの首領をこの通り討伐いたしました!」

「うむ、大儀であった。そなたの忠誠、しかと目に刻んでおこう。

 

と、普段は言うところだが、よくやったぞエリゴス。

これほどの魔物、今となっては儂でも倒せるかどうか。

パルミドでの盗賊修行の成果ということだな。」

 

「はい!パルミドでの経験があってこそ、咄嗟に一撃を受けることが出来ました。

下水道にも、ネズミの巣穴にも多数のネズミがおりましたが、

陛下が救援にと寄こしてくださった赤騎士団のおかげで一人で力尽きることもなくこうして無事に帰ってこれました。」

 

「今はまだ私に裁量権があるが、エリゴスが城下町に居る間、必要と判断した場合は私に直接伝令をくれれば派兵する。

それまで赤騎士団は城でより鍛錬を組むように。よいな。」

『ははぁ!!』

 

「へ、陛下!横から失礼いたします。ダビ子爵でございます!」

「む?何か用でも?申してみよ。」

「此度の殿下の無謀により死した赤騎士団員は多いのではないでしょうか!?これほどの大きさのネズミの魔物、色騎士団とはいえそうそう勝てるものとは思いませぬ!

そこのところどうなのですかエリゴス様!!」

 

「たしかに、9名は任務中にネズミの群れに殺されてしまいました。」

「おお!!なんたることでしょうか!!殿下ともあろうものが軽率に行動した結果、重要な人材が失われてしまった!!

これは大問題ですぞ!どうするおつもりですか陛下!!」

 

「…エリゴス、お前はどう思う?」

「はい、たしかに失態だと思います。」

 

「何を言うか!お前のような道楽王子が自己嫌悪したところで殉職した騎士の家族は救われぬのだぞ!!陛下!このような道楽王子よりも第二王子を王太子になさいませ!!」

 

「………これはこれはダビ子爵!面白いことをおっしゃいますな?」

「何が面白いというのだ道楽王子が!」

「ここに居る赤騎士、確かに10名と騎士団長、11名ですが。

いつ残りの9名が殉職したと言いました?」

「なんだと?」





エリゴス
王子
286ゴールド
盗賊Lv12 寄生
HP97/107
MP481/680
ちから68
すばやさ109
たいりょく38
かしこさ179
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〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法



ミームス
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59

{処理}
捨てるとかじゃないからね?


「………これはこれはダビ子爵!面白いことをおっしゃいますな?

「なに?何がおかしいというのだ道楽王子が!」

「ここに居る赤騎士、確かに10名と騎士団長、11名ですが。

いつ残りの9名が殉職したと言いました?」

「…なんだと?」

 

「彼らは蘇生して今はピンピンしていますよ。そこの左腕を持ってる彼こそがその一人です。」

「はい!私はおばけねずみに顔を生きながら食われるような愚か者でしたが今の私は完治しております!」

「で、ダビ子爵。何故これがねずみだと思ったのですか?」

「な、何故って…殿下はねずみの首領を捕まえたのであろう!?

ならばねずみに決まっておる!!」

 

「なるほど?たしかに。だが、このような巨体、爪、体つき、ネズミに見えますか?私には熊に見えますがね。熊がねずみを操っていたと思ってもおかしくはないでしょう?」

「な!な!だが!!うぐぐ!!」

 

 

「…もし、どうみても熊ですな。」

「…ええ、顔が変ですがうちの敷物そっくりです。」

「…もしや、ダビ子爵は最初から…?」

 

「でだ。ダビ子爵。子爵は俺を廃嫡させたかったのか?それとも、国家転覆を目論んでネズミの魔物を操ったのか?」

「なああ!!わ、私はそのようなことは決して!!」

「あとはお任せします。陛下。」

 

 

「うむ…ダビ子爵よ。お主には今嫌疑がかかっているのはわかるな?

此度の騒動の首謀犯、王都転覆を目論み、民を危機に曝し、第一王子を暗殺しようとした。

そのような疑惑を私は持っている。何か反論すべきことはあるか?」

 

「陛下!違います!私はなにもしておりません!ただひとえに、第一王子の愚行を指摘したかっただけなのです!!」

 

「では、何故あの熊のような魔物を一目でネズミと?」

 

「………で、殿下が事前に人食いネズミの首領と言っていました!」

「…事前に?どういう事だエリゴス。」

「はい。たしかに申し出るタイミングを間違えて先に討伐した旨を大声で申し上げました。しかし先ほど申し上げた言葉と同じです。」

 

「それで、これが人食いネズミの首領…と?」

「はい!はい!もちろんでございます!」

 

「そうか、まぁわかった。ダビ子爵への嫌疑は取り消そう。

だが、これを薬に次からは他人の上げ足を取るような言動は慎むのだな。

お前たちがエリゴスを疎んでいることは知っているが、それとエリゴスが王太子であることは別だぞ?…言葉遣いが目下の者へのそれであったこと、しかと頭に刻んでおこう。」

「ひ、ひぃぃ!!?大変申し訳ございませんでしたぁぁぁ!!」

 

「(ミームスさん。)」

「(はい。)」

「(あの子爵の影に移ってくれ。

もしかしたら情報が入ってこない理由がわかるかもしれないぞ。)」

「(そうですか。畏まりました。)」

 

(…いくらなんでも、威勢が強すぎるんだよな。チャゴス派は。)

 

「それでは、これにて解散とする。エリゴスは後程部屋へ来るように。」

『ははぁ!!』

「はい!!」

 

「それでは殿下、我々もこの魔物を処理してきます。既にあちら側にも団員が事情を説明しに行っていますからな。」

「あぁ、よろしく頼んだ。今回は助かった。また次の時も頼む。」

「…はい。次こそは足手まといにならぬようより一層の鍛錬を積ませていただきます。

それでは失礼します。」

「ああ、また次の機会に。」





エリゴス
王子
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▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法


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第五章魔界からの訪問者
60


{破邪の魔法}
疑似ニフラム

{超化}
オリジナル要素
マ素の直接注入で進化した生物。




「クソッ!クソッ!まともな勉強も積んでない放蕩王子の分際で功を…それも超化魔物で!」

(この先は…何の変哲もない城内の一室?)

 

「伯爵、儂だ!入れてくれ!」

「うむ。」

ガチャリ

 

 

(こ、これは…扉が開くだけで照り付けるほどの破邪の魔法…!

これが分身たちが情報を持ち帰れなかった理由ですか…)

 

「誰にも見られてないだろうな。」

「当たり前だ、もとよりこの南西研究棟は儂ら以外立ち寄らぬだろう。」

「で、何の集まりだったのだ?」

「む、そうか…伯爵は今は城に居ないことになっているのか。

あの忌々しい放蕩王子がどこから漏れたか超化魔物を討伐して手柄を立ててしまった。」

 

「ふむ…マドライトが輸送中にこぼれたか。で、何の魔物だったのだ。」

「うむ、ネズミだそうだ。予想通り肉体が肥大していた。熊だな。」

「ほほう!やはりか。こちらでもなかなかに面白い実験結果になっているぞ。」

 

(マドライト…マデュライトですかね。何故この方々がこの世界に自然発生しないはずのマデュライトを?どこから…)

 

「で、伯爵。その成果見せてくれるんだろうな。」

「ああ、もちろんだとも。こっちだ。」

「ついでに、一服もらえないかね?」

「決まってるだろう、ほれ。」

「ヒヒヒヒ………フハァ。これが、落ち着くんだよ。」

 

(あれは…マ素?まさか人間がマ素を吸ってなんともない!?)

 

「さぁ、そろそろ行こうか。」

「はい、伯爵。」

 

 

 

 

 

「グルルルル…」

「ガァァァァ!!」

「ジゴゴゴゴ…」

 

「これは、すごいですな。」

「子爵はあまり来てなかったからわからないだろうが、超化は一瞬だったよ。

何がキーなのかはわからないが、一定量のマ素を吸って変質したのかもはや一部を残し別の魔物だよ。」

「元々は…ワンダーフール、猫……人間?」

「そう、人間なのだよ。適当に街から攫ってきて実験しているのだ。

何人かはそのまま死んでしまったが、3人ほど適合したのか死なずに超化する奴がいてな。」

「さすがに人間はまだ早いのではないか?」

 

「何、いずれは全ての私兵に超化処置をする予定だっただろう。

既に人間で実験するフェーズに入ったということだよ。」

「そうか…ところでマドエルの精製はどうなっているだ?」

「ははは、そっちも問題ない。抜き出したマ素はそのまま人間に注入しているが、日に日に抽出精度は上がっている。

時期にもっと副作用の少ないマドエルが出来上がるはずだ。」

「ふふふ、これもそれもあの魔族のおかげだな。」

 

(魔族…もしやこれらのマデュライトは魔界から?だとするとそんな事ができるような者がこの世界に…!陛下を魔界へ戻して差し上げられる!!)

 

「で、あの方は今どこに?」

「なにやら興味がある物を聞きつけたそうでな。ベルガラックに行っておるよ。」

「ふむ、ベルガラックですか。となると、カジノですかな?」

「ふふ、そこまでは私にはわかりかねる。そろそろ私は実験に戻らせてもらうぞ。」

「そうですな、では儂も執務をしてきますわい。」

 

(ここの実験は今度調べましょう。今私が向かうべきは…ベルガラック。)





ミームス
隠密
あやしいかげ レベル82
ちから ???
すばやさ ???
たいりょく ???
かしこさ ???
▽わざ
???
あまいいき
ザキ
モシャス


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61

{人生の楽しみすら教えてやれない父}
教えた結果があのざまである。

{ペモット}
ジャハンナ人のムーンフェイス。
おちょうしもの。

{ジャハンナ}
DQ5主人公の母マーサによって人間になった魔物たちが住む魔界の町。
そこの住民は酒を飲むと勝手に姿が魔物に戻ってしまうらしい。
で、私は酒を飲むと勝手に戻るけど飲まなくても戻れるのではと解釈した。


「エリゴス、お前にしておきたい話がある。先ほどの子爵の様子は見たな?」

「はい、とても威勢が良かったといいますか。」

「そうだ、最近城内の第二王子派の様子がますますおかしい。城下町に居たとしてももしかするかもしれん。お前には2年前行く予定だったベルガラックへ行ってもらう。

と言っても気張る必要はない。どのような土地なのかを見てきてもらうだけだ。」

 

「その、視察についてはどうなったので?」

「代わりに黄騎士団長に行ってもらった。そういうのが得意な奴でな。」

「ということは、ほんとに歓楽街に遊びに行っておいでって感じなのですね。」

「そういうことになる。…お前はいつも部屋で鍛錬ばかりしていたそうだな。

視察がてら危険から離れさせ娯楽を知ってもらうようにしようとして誘拐されてからも、鍛錬ばかり。帰ってきたら今度は街で戦闘。

今を逃してはお前に人生の楽しみすら教えてやれない父になってしまう。」

 

「そういうことですか。わかりました。私もパルミドと聖地ゴルド以外には行ったことがないので楽しみです。」

「む、聖地ゴルドに行ったのか?…もしや、誘拐騒ぎののちの盗難船手続きの不正騒ぎは…」

「あぁ、はい。マルゲリ?男爵?にやられましたね。その後いろいろありましたが街に入ることができたのでルーラもできると思います。」

「む、街に?どういうことだ?」

 

「え、その。ルーラって街とかじゃないと使えないのではないのですか?」

「そんなことはない。行けるのはあくまで知っているだけでなくだいたいの位置と思い出が必要だが、特定の場所である必要はない。

お前にルーラを教えた者はよほど記憶が薄れやすい者だったのだろう。」

「そうなのですか。じゃあ思ってたよりもかなり使いやすいですね。」

「そういえば、ミームス。出てきなさい。」

 

 

・・・・・・・・・

 

 

「父上。ミームスには今さきほどの子爵を追跡してもらっています。」

「…ごほん。そうか。

では、エリゴス。今回の魔物だが、あれは本当にネズミだったのか?」

「はい。本人は『おうねずみ』と名乗っていましたが体長が2.5mくらいだったこと以外は確実におおねずみ系の魔物でした。」

「エリゴス、本人に会話できるほどの知能がある場合は魔物ではなく魔族だ。魔族相手に魔物と言ってもたいていは許してくれるだろうが気を付けてくれ。」

「そうだったんですか。わかりました。」

 

「それで、何故そのおうねずみ…があのような熊に?」

「どうやら、これのせいらしいです。」

「これは…アメジスト?にしては…何やら…不安な気分になるな。」

「ミームスが言うにはマ素の結晶だそうです。

それを丸呑みした結果、体から漏れ出るマ素で配下のネズミの魔物を強化したり、急に意識をなくして体が熊のようになり暴走しながらオーラを纏って襲い掛かってきたりしました。」

 

「マ素…魔物を魔物たらしめる成分か。それが結晶化することは知らなかったな。」

「ネズミが言うには森で拾ったそうです。自然発生したのかはわからないですが、ミームスなら知ってるでしょうね。」

「いや、ミームスに聞くまででもない。他にも隠密は居るからな。呼ぶとしよう。」

 

チリンチリンチリン

 

 

 

スタッ

 

「どうもー、殿下。ペモットです。」

「窓から…えーと。たしか…ケムケムベス?」

「ムーンフェイスでーす。でもよくご存じですね?

同胞はこの世界にいないらしいのに。」

「まぁちょっと覚えがあって。」

「誤魔化せてませんよー。まぁいいです。見ててくださいね。」

 

「え、ちょ。女性になった!?」

 

「私はジャハンナ人の末裔、ムーンフェイスのペモットですー!以後お見知りおきを!」





エリゴス
王子
286ゴールド
盗賊Lv12 
HP97/107
MP481/680
ちから68
すばやさ109
たいりょく38
かしこさ179
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法


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62

{ベルガラック}
DQ8において最大の歓楽街。
目当てのカジノはゲームでは休業していてストーリーをある程度進めないと開かない。
この小説では海のそばの歓楽街ということで港があると解釈しています。


「でだ、呼んだ理由はこのマ素の結晶の事なのだ。何か知っていることはないか?」

「マ素…たしかじいちゃんが魔界にはマ素が溢れんばかりに湧き続けるところがあって、そこにマデュライトっていうマ素の宝石が出来るって聞いたことあるけど、それかな?」

「ふむ、であれば…これは魔界の物なのか?」

「んーん、別に魔界じゃなくたって、マ素の多い場所には出来るはずですよ。

…でも、この世界にそんなにマ素の濃い場所はないはずですけど。」

 

「ということは、これは魔界から持ってこられたとか、魔物から取り出したとかですか?」

「んー、魔物からマ素…取り出せるのかな?私は聞いたことないね。」

「ふむ…ペモットでも知らないか。隠密達に聞いてきてもらえるか?」

「はい!陛下!よっと!」

「えぇ、また窓から行ったよ…父上、どうします?」

「とりあえずベルガラックへ向かってくれ。…お前ほどの実力であれば一人でも行けるな?」

「まぁ、地図もあるしいざとなったらルーラで戻ってこれますからね。」

「わかった。それではさっそく今から向かってくれ。私は執務に戻る。」

 

「あ、そうだ父上。ミームスが戻ってきたらベルガラックへ向かっているとお伝えください。」

「うむ、わかった。ここからベルガラックまではだいたい10日ほどかかる。食料品やテントの準備を忘れないようにな。」

「ははは、それならパルミドで使ってたものがまだありますよ。食料も肉も野菜もふくろに入っています。」

「なら問題ないな。何かあればこちらから連絡を寄こす。これまでの疲れを存分に癒して楽しんできてくれ。」

「はい!父上!」

 

 

 

 

 

(ベルガラック、久々ですね。キメラのつばさが使えるか不安でしたが記憶が鈍っていないようでよかった。)

「うぃーっく…負けた負けたぁ…今日は負けたから金兎亭でディナーだぁ~!」

(おや?あれは貴族ですね…ちょうどいい、付けさせていただきます。)

「へぁ~、負けたときはステーキらぁ~ひっく。」

 

 

 

 

 

「テントよし、食料よし、念のための魔法の聖水よし、さっそくいざいかん、ベルガラック!」

「おう、坊主元気がいいな。ベルガラックまで行くのか?」

「ん?はい。そうです。」

「奇遇だな、俺たちもベルガラックまで行くんだ。よかったら俺らのキャラバンと行くか?」

「おお!なんとも渡りに船!ぜひとも!」

「ははは、ただし働かざる者食うべからず!下働きはしてもらうぜ!」

「いいですとも!これでも2年ほど集団生活で磨いた調理技術や野営能力もあります!ぜひともよろしくお願いします!」

「ははは!…さすがに子供に料理や野営はさせねぇって。」

「…はぁい!」





エリゴス
王子
286ゴールド
盗賊Lv12 
HP97/107
MP481/680
ちから68
すばやさ109
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63

{モスコ}
ベテラン商人
サザンビークからベルガラックへのキャラバンの責任者。

{鑑定}
オリジナル特技。
これがないとやっぱどこでも商品の基本価格があるのが不思議だから入れることにした。
買取ができない商品って一目でわかるにはこれっきゃないでしょ。

{ゴールドシャワー}
一発1000G。
神に捧げた金は消えて敵全体に300ほどの大ダメージを与える。
ぶっ壊れ性能がたかが商人の腕力でできてはいけないと思って神の力にした。


「そうだ坊主、念のためレベルと職業を教えてくれねぇか?」

「はい。ステータス」

 

エリゴス

王子

盗賊Lv12 

HP97/107

MP481/680

 

「盗賊レベル12です。」

「ほお!こんな小さいのにレベル12とは…苦労したんだな。」

「あ、いえ!パルミドの専門家の方達と訓練させていただいたんです!」

「ほほう!若いのに南東大陸も行ったのか。すごいじゃないか。」

「生まれはこっちで最近帰って来たんです。そしたら親にずっと鍛錬ばっかじゃダメだってことでベルガラックに遊びに行くんです。」

 

「ほぅ…でも、坊主一人だけってのは不用心じゃないか?」

「いえいえ!いざとなったらすぐに帰れる魔法を覚えてるので問題ないんですよ!」

「へぇ、そんな魔法があるのか。俺は商人なんだが魔法はホイミしか使えないからうらやましいね。おっと、すまねぇが呼ばれた。おーい、この坊主がキャラバンに乗ることになりました!モスコさん、話をしてやってくれ!」

「おやおや、こんな小さな子がベルガラックまで行くのかね。しばらくの間よろしく頼むよ。」

「はい!よろしくお願いします!」

 

「ところで、何の話をしていたんだい?」

「あ、職業とレベルと魔法についてです。」

「魔法かぁ。僕はインパスとホイミだけだね。君も魔法が使えるんだね。」

「たしかに魔法は便利なんですけど、僕としては特技も欲しいんですよね。特技全然手に入らないんですよ…」

「ははは、神様は気まぐれだからねぇ。私も初めて特技を覚えたのは10歳の頃だったなぁ。

初めてのレベルアップで『鑑定』を覚えたときは感動したもんだ。

これは神様が品物の名前とだいたいの値段をおしえてくれるって特技なんだよ。」

 

(鑑定…?そんな特技あったか?)

 

「すごいですね!他にはどんな特技を覚えてるんですか?」

「まず、商人には必須の『収納空間』ってのがありましてね、つまりあのふくろと同じ効果を持つスキルが使えるんです。

これが出来て初めて商人として多くの商品を運べるようになるんですよ。

ふくろと違って時間は経過しますが、あの高すぎる魔道具を買うよりはよっぽど敷居が低いので駆け出しベテラン問わず商人はいずれ持ちますね。」

 

(空間収納…なるほど、たしかにどの店も在庫を置くようなスペースが少なかったが、あらかじめその日に売る分だけ出しておいてるんだろうな。)

 

「ほ、他には!もっと攻撃的なやつとか!」

「ははは、気が早いねぇ。まぁ私の唯一の攻撃特技は『ゴールドシャワー』だね!お金を大量に神に捧げることになるけど、その代わりに絶大なダメージを与える光の雨を降らせてくれるんだよ。」

「えと…お金は投げないの?」

「…ははは、そんなのいしっころ投げるのと変わらないだろう?」

「…そうだね!!」

 

(知ってるスキルでも全然動作が違うんだな。そりゃそうだよな。戦士ならまだしも商人が金投げてもな。)

 

「うーん、なかなか勉強になります。いつか僕も特技が使えるようになれるといいんですが…」

「まぁこればっかりは神のご機嫌次第だねぇ。」

「神のご機嫌ってことは、やっぱ教会でお祈りとかしないとダメですかねぇ。」

「………お祈りしてないから特技覚えてないんじゃないの?」

「へ?」

「私が特技を覚えたのは教会でお祈りをした時だよ?

…もしかして、5歳の祝福から一度もお祈りしていないのかい!?」

「あ、はい。用事で行くことはあってもお祈りはしてませんね。」

「あー、うん。私たちの出発準備はまだ終わりそうにないから、今のうちに行って来たらどうだい?待ってるからさ。」

「ありがとうございます!えーと。エライゴスと言います。お名前は?」

「あぁ、アクエル商店のモスコだよ。それなりに名は通っているから何かあったら商人っぽい人に聞けばいいさ。」

「はい!では行ってきます!」





エリゴス
王子
286ゴールド
盗賊Lv12 
HP97/107
MP481/680
ちから68
すばやさ109
たいりょく38
かしこさ179
▼とくぎ
なし
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法


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64

今回だけネタバレ防止に前書きと後書きを逆にします。
と思ったけど今回はエリゴスのステータスいらないよね。変動してないからね。



「神父さん!お祈りって今できますか!」

「は、はぁ。お好きになさってください。そのために開いているのですから。」

「ありがとうございます!」

 

(神様神様神様、特技ください!)

 

エリゴス、あなたが習得できるスキルは4つ。

選びなさい。

 

さみだれ斬り

一閃突き

しっぷう突き

 

この中から1つを選びなさい。

 

(えぇ、うーん。一閃突きはメタルスライム相手なら効くだろうけど局所的だし、しっぷう突きは持ち前の素早さがあるからそこまでいいものじゃない…かといってさみだれ斬りは受けてきた経験からすると隙がある…うーん。

 

よし、神様決めました。一閃突きでお願いします!)

 

よかろう。エリゴスは一閃突きを習得する。

選びなさい。

 

かえん斬り

マヒャド斬り

れっぱ斬り

 

選びなさい。

 

(うぅん?どれも使ったことある属性だな。マヒャド斬りは…いらんな。かえん斬りも…いやロマンがある。でもれっぱ斬り…どんなのかさっぱりわからないな。そこがいい。

神様、れっぱ斬りでおねがいします!)

 

よかろう。エリゴスはれっぱ斬りを習得する。

選びなさい。

 

しのびあし

鑑定

みかわしきゃく

 

選びなさい

 

(しのびあし欲しいなぁ、鑑定も欲しいなぁ、みかわしきゃくもこないだの事考えると欲しいなぁ…選び難いなぁ。

うーん…神様のオススメってできます?)

 

よかろう。・・・エリゴスは鑑定を習得する。

選びなさい。

 

しょうかん

みねうち

みやぶる

 

選びなさい。

 

(うーん、どれもわからん。しょうかんは何を召喚するんだ?モンスターズみたいにデアゴやタッツゥか?みねうちは何なんだ。HP1残すのか?みやぶるって…攻撃当てやすくなるのか?

仮に召喚できたとして死ぬまで暴れまくる系だとすっごい困る…それにミームス居れば実質同じようなことできるし。

みねうちは現状いらんなぁ…ザオリク使えるしな。魔物にはザオリク効かないって聞いたことあるけど知り合いの魔物そうそう死にそうにないしなぁ。

みやぶるかな…どんな効果かわからないけど何かみやぶるんだろう?よし。

神様、神様。みやぶるでお願いします。)

 

よかろう。エリゴスはみやぶるを習得する。

 

一閃突き

れっぱ斬り

鑑定

みやぶる

 

をエリゴスにインストールします。

 

(ん?インストール?あだ!)

 

インストール終了。

次の特技習得は15レベルです。

神はいつもあなたを見守っております。

 

 

(いったぁ…今のが特技のインストール?たしかに使い方とかわかるようになったけど、これが必須だから教会なのか?ってか神様絶対2人いるよな…)

 

 

 




{一閃突き}
消費MP3
25%で会心の一撃、25%で通常攻撃、50%でミスとなる。
ミスについては当たる直前に止まることにします。

{れっぱ斬り}
消費MP2
触れたものを爆発させる一撃を放つ。
そのまんまの効果で行きます。

{鑑定}
消費MP0
神託によってアイテム名と価値を教える。
よほど不足してたり余ったりしてないかぎりこの値段を基本に商売される。

{みやぶる}
消費MP0
神託によって敵対者の名前と情報を知る。
ドロップアイテムとかは言わない。
確率で持ってるとか持ってないとかないだろ…



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65

{シーブスナイフ}
【盗賊】が愛用する武器で攻撃力42。
強化で+値が増えるなら劣化でー値も増えるよね。

{ダガーナイフ}
攻撃力18で、販売価格は350G。
ひのきのぼうと錬金すると鉄の槍になったりするので鉄製でしょ。


「少年、お祈りは済みましたかな?」

「あっと、こりゃ失礼。お邪魔でしたかね。」

「いえいえ、どうやらとても真剣なお顔で悩んでるようでしたので。何か困ったことでもあったのですか?」

「いやぁ、特技をいただいたのですが、使い方はわかるのですがどんな効果かわからず…」

「ふむ、それなら特技についての本を持ってきましょう。ここは門前ですから多くの参拝者がおりましてな。それなりの資料もあるのですよ。」

「おお!とても助かります!ありがとう神父さん!」

 

 

 

「持ってきましたよ。現状最新に発行された特技の辞典です。」

「調べていただきたいのは、れっぱ斬り、みやぶるです。」

「ふむふむ……れっぱ斬りは、剣に纏わせた爆発系の力を剣を当てた後に開放させる特技のようですね。」

「つまり、攻撃後にそこから爆発するってことですか?」

「そういうことでしょうね。とても便利な技でよかったですな。次にみやぶる…みやぶる……ありました。

敵対者の名前、種族、大体の説明を神託で受け取れる特技のようですね。

敵対しない限りは使えないようなので注意。だそうですよ。」

 

「なるほど。種族名がわかるだけでもとても便利ですね。ありがとうございました!」

「いえいえ、よろしいのです。神のご加護があらんことを。」

 

 

 

 

(さて、とりあえず。鑑定を試すか。【鑑定】)

 

{シーブスナイフ-2 攻撃力38 相場2300G}

 

(ふむん、シーブスナイフ…盗賊ナイフってことか。-2ってのはたぶん使い古して劣化してるからなんだろうな。にしても攻撃力38とはなかなかいいナイフだったんだな。ベテランたちのお古だったんだけど。)

 

「ん?おーいエライゴスくん。特技は覚えられたかい?」

「あ、モスコさん。ちゃんと覚えることができました!今鑑定を試していたんです。」

「ほうほう、そのナイフを見ていたんだね。私もやってみていいかい?」

「はい、どうぞ。」

「ありがとうね。【鑑定】。……ふむ、鞘に入っててわからなかったけど大分劣化しているようだね。」

「それでも攻撃力38もあるのでしばらくはちゃんと使えると思いますよ!手入れもしているので刃こぼれとかはないですからね。」

 

「それでも、攻撃力はあくまで武器の強さがわかりやすいだけで壊れやすさは別だからね。あんまり新品を買い渋ってポキンと逝ったら本末転倒だよ。予備の武器はあるのかい?」

「あー、武器はないですけど攻撃魔法と訓練程度ですけど素手の格闘経験はあります。」

「ふむ…格闘経験があって魔法が使えるなら上等だね。まぁダガーナイフでもいいから買っておいて損はないと思うよ。料理用に持ち歩く人もいるからね。」

「なるほど。たしかにずっとこのナイフでやってましたね…火であぶれば清潔になりますし。」

「…それもまた劣化の原因だったんじゃないかな?」

「…あははは。」(やっぱベテラン方の使い方間違いじゃないか。)





エリゴス
王子
286ゴールド
盗賊Lv12 
HP97/107
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すばやさ109
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かしこさ179
▼とくぎ
new 一閃突き
new れっぱ斬り
new 鑑定
new みやぶる
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法


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66

{ダークエルフ}
妖精の世界にエルフとドワーフがいるなら魔界にダークエルフが居てもおかしくはない(強引)

{陛下}
ミルドラース


「でなぁ~?うちのカミさんがぁ~厳しいんれすよぉ~。」

「あーそうかい。飲みすぎないでくれよ。」

「えへぇ、まだ2杯だけれすよぉ~。」

 

(一般的な酒場…魔族はいませんね。)

 

「でー!カミさんがちょーっとしか小遣いくれないんれすよぉ!それもカジノでパーだよぉ!!」

「…お客さん、支払いちゃんとできるんでしょうね?」

「えぇと…あれ?財布からっぽだぁ!あはは!」

「お客さん!?」

「代わりにぃ、この宝石で支払いますぅ~」

「…はぁ、いいですけど、おつりはないですからね。」

「んな殺生なぁ~じゃあ代わりにもーっとじゃんじゃんもってこーい!」

「まったく…」

 

(ん?あの宝石…!!モシャス!)

「失礼、その宝石はどちらで手に入れたものですか?」

「ん~?カジノで会った男と意気投合して、もらったよぉ。」

「その方、どのような身なりでしたか?」

「んー、毛皮のコートを着てて~禿げ頭で~、耳が長い!」

 

(耳が長い…魔族。もしや。)

 

「その方、色黒ではありませんでしたか?」

「えぇ?うん、黒かったよー。すごい日焼けだったねぇ~。」

 

(おそらく…ダークエルフ。陛下の側仕えをしていた種族!)

 

「ありがとう、いい話を聞けたよ。失礼するね。」

「いいんれすよ~一緒に呑まない~?

…あれ?どこ行ったんだろ。まぁいいか!あはは~!」

 

(その人物は人型、その人物は色黒耳長禿げ頭、その人物はカジノに居た。

しばらくは分身を増やすことに専念して人海戦術で探すとしますか…。)

 

 

 

 

 

(うぅん?何やら寒気を覚えたような。

ちゃんとコートで厚着をしたのだがやはりこの世界は寒いな…

魔界が温暖だっただけかもしれないがな。)

 

「お客様、お泊りですか?」

「ああ、2日分だ。」

「畏まりました。上級、中級、一般の部屋がありますがどちらにしますか?」

「一般で構わん。」

「100Gとなります。」

「うむん…さすが観光地の高級ホテルであるな。」

「たしかに100G硬貨ですね。

ボーイ、こちらのお客様を204号室へお連れしなさい。」

「畏まりました。お客様、こちらでございます。」

「うむ、しばらく厄介させてもらうよ。」

 

 

 

 

 

「お連れしてきました。変わった方でしたね。」

「こらこら、お客様に対して変わった方などと言ってはいけません。

人間型じゃない魔族の方も別館にお泊りになるのですから別に色黒で耳が長いくらいなんです。」

「いやぁ、そういうんじゃなくて…なんていうんでしょう。そうだ、変わった匂いをしてらっしゃったんですよ。」

「ふむ?おそらくは香水の類でしょう。気にせずにこのメモを地下のバーテンダーまでお願いしますよ。」

「うーん、わかりました。」





ミームス
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すばやさ ???
たいりょく ???
かしこさ ???
▽わざ
???
あまいいき
ザキ
モシャス


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67

{ノビル}
野蒜
美味い雑草。
根っこを食べる。


「やぁ、エライゴス君。旅にも慣れたかい?」

「あぁ、モスコさん。いやぁほんとありがたいですね。荷台乗せてもらっちゃって。」

「いいのいいの。重要な商品は限界まで特技にしまってあるからね。

それより、明日は村に泊まれるよ。」

「おお、ほんとですか。野営もなかなか新鮮なモノがありましたけどやっぱり緊張せずに寝たいからいいですねぇ。」

「ははは、さすがに王都みたいな都市から離れると村は減るからねぇ。今回泊まる村は葡萄の名産地なんだ。ワインが楽しみだよ。」

「ほほう!僕も葡萄ジュースが飲みたいですね!」

「「はっはっは。」」

 

 

「おい、あの子供…めっちゃモスコさんと気が合うみたいだな。」

「あぁ、あのモスコさんと気が合うってなぁ…」

「聞いたか?最近は肉が食いたいだけで子牛一頭買い取ったとか…」

「さすがにやりすぎだよなぁ…俺だったらその分装備に回すぜ。」

「なんであんな歳でグルメ話についていけるんだか…」

「案外、いいとこの坊ちゃんだったりしてな。」

「そりゃねぇよ。確かに服はそれなりに良いものだがそれだったら護衛連れて行くだろ。」

「そうだよな。にしてもどっかで見たことある気がするんだよなぁ。思い出せないけど。」

「お前もか?まぁ俺も思い出せないんだけどな。」

「「はっはっは。」」

 

 

 

 

 

「ようこそお越しくださいました。小さい村ですがごゆっくりなさってください。」

「ありがとうございます。不足してる物はありますかな?」

「そうですな、何か作物の種なんかはありますかな?」

「おお、それなら私の好きな果物の苗を私的に持ち合わせておりますぞ。

アスカンタの方では特産品らしいザクロという果物なのですが、

これがまた酸味が良い果物でしてな。」

「ほほう…酸味のある果物ならば新しいワインの材料になるかもしれませんな。

して、いかほど…」

「はい。10本でこれくらいで…」

「なんと!お安いですね。」

 

「あー、僕は村を見て回っていますね。後程宿屋で!」

「ん?おっと。そうだね。私は村長さんと話すことがあるので気を付けるんですよ。

して、村長、この村のワインについてなのですが…」

 

 

 

 

(お、ここが食堂か。いやぁ楽しみだ。)

「いらっしゃい。」

「葡萄ジュースはありますか?」

「おや、葡萄ジュースね。あるともさ。好きな席に座っておくれ。」

「おお!やった!」

 

 

「なぁ坊主、どっちから来たんだ?」

「どっち…あぁ、王都から来ました。」

「そうかそうか。ちょいと頼みてぇんだがよ。

この手紙をベルガラックの1番街に住むベスという女性に渡してくれねぇか?

嫁いでった娘なんだがあいにく仕事で村から離れられなくてよ。」

「それくらいなら問題ないですよ。…手紙の裏に名前もあるし。」

「ははは、ありがとよ。お礼にこれをやろう。」

「これは…?【鑑定】」

 

{ノビル 50本束 5G}

 

「おっと、鑑定持ちかい?これはノビルっていうこのあたりに生えまくってる食用の草でな。

間食にはちょうどいいと思うぜ。」

「おおー、パルミド周辺にはノビル生えてなかったんですよ。

ありがたく頂戴しますね。」

「へへへ、手紙の配達頼んだぜ。」





エリゴス
王子
286ゴールド
盗賊Lv12 
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▼とくぎ
一閃突き
れっぱ斬り
鑑定
みやぶる
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法


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68

{めざめの花}
眠りを覚ます効果があるカラフルな花。
花がなければただの草だと思います。
DQ11ではめっちゃ生えまくってた印象。



(雑草といえば…前に庭の雑草取りの依頼をこなしたときの雑草をふくろに入れたままだったな。えーと。あったあった。大量だな。【鑑定】)

 

{めざめの花(不完全) 167束 0G}

 

(うーん、無価値かぁ。育てることが出来ればお金になるんだろうか?まぁいつか使うかもな。そのまま仕舞っとこ。)

 

「はい、葡萄ジュースおまちどう。こっちはおまけの干しブドウだよ。」

「あぁ、ありがとうございます。おいくらですか?」

「ははは、気にしなくていいよ。あのおっちゃんのために手紙届けてくれるんだろう?

あいつ働き者だからそれなりに金払いいいのよ。あいつのツケにしとくよ。」

「ははは、悪い気もしますがお金あるなら心配ないですね。いただきます。」

 

(うーん、濃厚だぁ。葡萄ジュースなんてこっちの世界に来て初めて飲んだね。

干しブドウは…前世で食べたのよりは甘くないな。何か違うんだろうなぁ。)

 

「どうだい、美味しいかい?」

「はい、(今世では)初めて葡萄ジュース飲みましたけどとてもおいしいですね。濃厚な気がします。」

「そうかいそうかい!濃厚ねぇ。いい言葉を知ってるもんだ。これからは濃厚を売り文句にさせてもらうよ。」

「そういえば土産物屋みたいなところってありますか?」

「土産物…うーん、雑貨屋ならあるんだけどこんな村だし土産なんてワインくらいしかないね。そのワインも村長さんが管理してるからもし欲しいなら村長さんに聞いてみるといいよ。」

「なるほど、ありがとうございます。美味しかったです、ご馳走様!」

「はいよ!よかったらまた寄ってってね!」

 

 

 

 

 

「なるほど、ザクロとはそこまで美味なのですな。」

「えぇ、そうなのですよ。この苗も譲ってもらうのに根気よくお願いし続け譲ってもらえた100本なんですよ。」

「ふむふむ、しかしそんなに貴重な苗をこのような王都から離れた村に安く売ってもいいのですかな?」

「ここはワインの製造設備、技術がありますでしょう。アスカンタにはなかったザクロのワインを飲んでみたいのです…もし仮にワインが出来なかったとしてもザクロの流通拠点としてここは好立地なのですよ。」

 

(まだ話してるのかぁ。モスコさん熱心だなぁ。)

 

「ん?あぁエライゴス君。どうかしたかね?」

「食堂のおばちゃんから村長さんがワインの販売をしてるって聞いてお土産に何本か購入したいと思いまして。」

「おぉ、そうでしたか。では村長、こちらがザクロの苗です。ぜひともよろしくお願いしますね。」

「はい。それではエライゴス君?ついてきてくだされ。」

「はい!」





エリゴス
王子
286ゴールド
盗賊Lv12 
HP107/107
MP680/680
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たいりょく38
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一閃突き
れっぱ斬り
鑑定
みやぶる
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法


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69

{ギャリング}
たぶん襲名するベルガラックのギャングの首領。
七賢者ギャリングの末裔。
本編では話をする機会はないけど姿は知ることができる。


「さて、ここがわが村のワインの全てが保管されている蔵ですじゃ。

熟成中ものは第二蔵に。新しい物は第一蔵と第三蔵に入ってますでの。

そして熟成が終わった3年物のワインがあちらの第四蔵に入っておるのです。

新しいものなら1樽3000G、熟成ワインなら1樽50000G。

ワインボトルというのは見たことあるかの?

細長いガラス製のワインを入れる物なのだけどもね。

そのワインボトルで300本分だからそれなりに高いのですじゃ。」

 

「なるほど、参考になります。

ワインボトルで購入したいのですがそちらはおいくらですか?」

「ワインボトルなら新しい物は1本50G、熟成させた物は1本300Gじゃのぅ。ワインボトルを作れるのが王都の工業組合だけでの。ここに届くまでにいくつかは割れてしまうのでここまで高くなるのじゃよ。」

「なるほどなるほど。まぁ割れたワインボトルはしょうがないですよね。ワイン詰めてからそうなっちゃったらまさしく酒を浴びることになりそうです。馬車が。」

 

「ほほほ。それがの、先日この村に来た魔族の方が握ったとたんワインボトルの首が折れてしまって足にワインがかかってしまったのじゃ。

笑って許してくれるいいナイスガイじゃったのぅ。

『加齢臭にはちょうどいい香水になりますな。』と言ってのけたのじゃ。

割れてしまったワインを匂いだけでも楽しむので気にせず、との。」

 

「それはかなりのナイスガイですね。どのような魔族の方だったんですか?」

「そうじゃの、とにかく耳が長くて、頭がつるつるで、肌が灰色の方じゃったの。

あぁ、そうそう。まだ冬ではないのにコートを着ておったのぅ。」

「暑いところ出身の方だったんですかね。南西には砂漠がありますからね。」

「そうじゃのそうじゃの。砂漠の民らしくがっちりとしたいい体じゃったわい。

ほれ、これがワインボトル入りのワインじゃよ。いくつ買うかね?」

 

「新しいほうを2つお願いします。それぞれ別の方に渡す予定でして。」

「お父さんとお母さんかね?」

「いえ、父上とベルガラックの領主様へ挨拶に伺うので手土産に。」

「ほほう。今代のギャリング様は素手で熊を倒すほどの豪傑でそれにそぐわぬ相貌と聞く、坊ちゃんは怖い顔でも泣いちゃだめだからの?」

「へへへ、大丈夫ですよ。危害を加えてこないなら怖気づいたりしませんとも!」

「ほほほ、お強いお強い。それなら問題はないのぅ。」

 

「はい、これ100Gね。」

「うむ、たしかに。ちゃんと運ぶんじゃよ?」

「大丈夫ですよ。このふくろがあればね!」

「ほぅ、魔法の袋を持ってるとは裕福な家の子じゃったか。樽で買ってもいいんじゃよ?」

「へへへ、その。あとは百いくらしかないんで。ね。」

「ほほほほほ、お小遣いじゃの?自分で買おうとしたのか。いい子じゃのー。

モスコさんと一緒に気を付けてベルガラックへ行くんじゃよ。」

「はい、ありがとうございます!」





エリゴス
王子
186ゴールド
盗賊Lv12 
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れっぱ斬り
鑑定
みやぶる
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70

{アタリ台ハズレ台}
ゲームじゃ無いらしいけどさすがに無いと不自然だよね。


「ぐぅ~…ぐぅ~…」

 

(見つけた…この方が恐らく探していた魔族ですね。確かにダークエルフそのもの。

さっそく本体へ報告しなくては。)

 

 

 

 

「ぐぅ~…ぐぅ~………ふご。む?朝か。久々に良いベッドで寝れたな。」

 

(まだ姿は現さず、何を目的にここへ来たのかだけ見ておきましょうかね。

魔界への出入り口を知ることが出来ればさらに良し。)

 

コンコン

 

「お客様、モーニングコールでございます。食堂にてお食事の用意が出来ました。」

「む?わかった。海の幸は楽しみだな。王都は川魚だったがここらでは海魚だろう?」

「はい、当ホテルの料理長が腕を振るって海鮮料理を拵えました。」

「ふふふ、私は朝食を食べたらすぐに出かけるので掃除とかはすぐにしても構わんからな。」

「畏まりました。清掃係の者に伝えておきます。」

 

 

 

 

 

(とても美味しそうに海鮮料理を食べていましたね…まだ魔界の食糧事情は改善されていないのでしょうか。それにしてもこの方の向かう先が明らかにカジノなのですが…)

 

「こちらの通用口の先はカジノとなっております。」

「うむ、ドアマンの職務ご苦労である。」

「本日は多数のお客様がいらっしゃっておりますのでお荷物の盗難などにはお気を付けください。」

「うむ、丁寧にありがとう。」

 

 

 

 

 

(この男…ただカジノを楽しんでるだけなのか?)

 

「ぐぅ~、また外してしまったかぁ。」

「おう、魔族のおっちゃん。そこたぶんハズレ台だぜ。」

「なぬ、ハズレ台やアタリ台があるのか。なるほど。」

「俺の見立てではあっちの牛マスクのおっさんの横とかのほうが出やすいと思うぜ。」

「おお、丁寧にありがとう。君はここに詳しいのかね?」

「こう見えてここで数年働いたことがあってな。あんまり負けすぎて嫌な気分になる客が減るようにこうしてたまに助言してるのさ。」

「うむうむ。なるほどなるほど。勉強になる。」

 

(やはり…純粋にカジノが気になってわざわざベルガラックまで来たのでしょうか。)

 

「お礼にこれをあげるのである。」

「ん?こりゃ綺麗な宝石だね。ラピスラズリ…ともまた違うね。」

「これはマデュライトという宝石なのである。私の住んでるところではじゃんじゃん採れるので何か恩を受けたとき、お礼にこれを差し上げているのだ。」

「ほほう、こんな綺麗な宝石があるとはね。ありがたく貰っておくよ。」

「うむうむ。」

 

(やはり…魔法の袋の中にはまだまだ分け与えるほどのマデュライトを持っているようですね。偶然入手したのでもなく住んでいるところでじゃんじゃん採れると。

確実に魔界から来ていると見て間違いないですね。

ボロを出すまで監視させていただきます。)





ミームス
隠密
あやしいかげ レベル82
ちから ???
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たいりょく ???
かしこさ ???
▽わざ
???
あまいいき
ザキ
モシャス


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71

{ガーゴイル}
11話で言ったやつ。
とても友好的。
擬人化したらコウモリ羽の天狗だと思っている。


「ん?あれはなんだろう。」

「どうかしたのかい?」

「いやね、上空を大きな何かが飛んでるんですよ。」

「あー、あれはたぶんガーゴイルだよ。この近くにガーゴイルの村があるからね。」

「ほう、このあたりなんですねぇ。ということは理性的な相手なんですね。」

「そうそう。ガーゴイルの村は道から外れたところにあるんだけど彼らの作る鉱石細工は名産品として人気があるんだ。」

「へぇ、鉱石細工で生計を立ててるんですね。」

 

「ん?あのガーゴイルどんどん降りてきてません?」

「んー?たしかにそうだね。どうかしたんだろうか。」

 

「そこの馬車、止まれ。」

 

「おっと?全員停車!」

「どうしたんでしょうか。」

 

「最近、この近辺で、強盗が、あった。お前たちは、強盗か?」

「いえ、我々はこういう者です。」

「ふむ…確かに、商人の証、確認した。先へ、進め。」

「はい。巡回ご苦労様です。」

 

 

 

「あれがガーゴイルなんですね。なんというか、思ってたのと大分違いますね。」

「ん?どんなのを思い浮かべていたんだい?」

「肌が黒くて、角が生えてて、嘴があって、レイピアとか持ってるのかと。」

「ははは、それはまたガーゴイルにとってはイケメンだろうね。

最近は人と交わる魔族も多いらしくてああいった種族的特徴の少ない魔族も居るんだよ。

私が知ってるのでも彼女はまだガーゴイルらしい方だよ。」

「え、今の方女性だったんですか?凛々しかったから青年かと。」

「そうなるだろう?もっと人の特徴が強いとわかりやすいよ。私の場合は経験と…胸を見たんだ。」

「あー…でもバレたら失礼じゃないんですか?」

「ふふふ、彼らはそういうのに大らかだからね。よっぽどじゃない限り怒られないよ。」

 

 

 

 

「おい、交代の、時間だ。」

「わかった。通ったのは、商人が、一組だけだ。」

「そうか。村に戻り、報告しろ。」

 

 

「ただいま、戻りました。」

「はぁい。街道警備お疲れ様でーす。何か異常はありましたか?」

「無い。です。商人が、一組、通っただけです。」

「…はい。それじゃこの通りに書類出しておきますね。お疲れ様でした。」

「業務、ご苦労様です。」

 

 

「ねぇねぇ、通ってった商人ってどんなんだったの?」

「子供が、一人。あとは、大人が、七人。ベルガラックに行った。」

「へー、そうだ見てみて!綺麗でしょ!」

「む、宝石?どうした。」

「さっき立ち寄った旅商人から買ったんだ!貰い物だからって安く売ってもらったんだ!」

「たしかに、綺麗。でも、なんだか、変な感じ。」

「変な感じ?」

「とても、美味しそう。石なのに、変なの。」

 

「うーん、私にはわかんないや。魔族特有の感覚かな?」

「それ、長に、報告した?」

「うーん?まだだよ。」

「じゃあ、報告しよ。」

「えー。はーい。」





エリゴス
王子
186ゴールド
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72

{おうねずみがあっさり死んだ理由}
毎ターン大ダメージを受けていたから。

{魔力の暴走}
魔法版会心の一撃

{形態変化}
アルゴリザード→アルゴングレートみたいなやつ。




「陛下、失礼します。例の巨大ネズミの解剖が終わりました。」

「うむ、何かわかったかね。」

「それが…内臓や筋肉、脳や骨髄、あらゆるところが膨張していたり破裂していたりと、到底ありえないような死因です。恐らく急激に巨大化した以外にも何かがあったかと。

何分初めて見る状態なので我々にも何が起こったのか…」

「ふむ…(マデュライトだったか。どうやらエリゴスが勝てたのはネズミのほうが常にダメージを負い続けていたからか。)」

「何かおっしゃいましたか?」

「いや、何でもない。」

 

「そうですか。ところであの巨大ネズミなのですが、一つ不可思議なところがあるのです。」

「不可思議?どのような。」

「内臓が一つ多かったのです。胃に直結する形で、球状の紫色の臓器があったのです。

調べた結果、そこから多量のマ素が検出されました。

何らかの進化をし、マ素の大量貯蔵を可能にする臓器なのではないかと結論が出ました。」

「…もし仮に、その臓器に収まりきらないほどのマ素を吸収したらどうなると思う?」

「そうですね…いくら魔物や魔族とはいえマ素の急激な吸収は毒ではないでしょうか。それこそ体丸ごと変質するような。」

「となるとやはり、巨大化はマ素を限界まで吸収したことが原因だろうな。

その臓器のマ素を一気に解放したのではないか?」

 

「しかし陛下、いくら何でも臓器を自分の意志で操作するなど到底できないはずです。」

「魔法を使う際、魔力の暴走が起こり限界以上の出力を出せることがあるだろう。何らかの要因で急激に臓器のマ素が解放されたとしたら…体中を巡るマ素はいびつに体を巨大化させるのではないか?」

「なるほど…これまで確認されていた形態変化と異なる、暴走した形態変化ですね。早速その意見を持ち帰らせていただきます。」

「うむ、早急な原因究明を頼む。場合によってはこれからも同じようにマ素の暴走で脅威になる魔物が現れるかもしれないからな。」

「はい、畏まりました。」

 

 

 

「隠密、誰かいるか。」

 

「ははぁ、ただいま。」

「魔界から直接こちらへ来た隠密を呼んできてほしい。聞きたいことがある。」

「それなら、アテクシも現役の魔界生まれでございます。」

「そうか、魔界はマ素が濃いと聞いたが。マ素を貯蓄する臓器に覚えはあるか?」

「はい、ありますです。アテクシの故郷エビルマウンテンではその部位は爆弾臓器と呼ばれ病気として扱われておりましたです。」

「病気?生まれつき持ち合わせている者はいないのか?」

 

「はい。マ素溜まりというマ素を多量に放出する地脈のようなところがあるのですが、そこに近づくほど出来やすい部位で。

アテクシらの間では肝硬変と同じくらい恐れられている病気ですね。

先ほどのお話を聞く限り、マデュライトを直接飲み込んだことで発生したと思いまする。」

「それは、不治の病なのか?」

「…アテクシらの時代では腹を開いて切除するくらいしかなかったですね。それで死ぬ者も多く、うまく行っても感染症や後遺症に悩む者が多かったでございます。」

 

「…そうか。わかった。人間がもしそうなったらどうなる?」

「人間がもしマ素なんて吸おうモノなら死ぬか新種の魔物になるかくらいですけど。

まぁ爆弾臓器が出来る出来ない以前の問題でやす。」





エリゴス
王子
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73

{Tips}
ないです。


「エライゴス君、見えてきたよ。あれがサザンビーク一の歓楽街、ベルガラックだ。」

「…うーん、ぎりっぎり見えますけどまだ遠いですね。」

「ははは、もうここまで来たらすぐさ。よかったら夕食でも一緒にどうかね?」

「ありがたくご相伴に預からせていただきます!」

「私の商会には王都の高級宿にも負けない料理人が居るからね、期待してもらって構わんよ。」

「いやぁ、楽しみですね。海鮮料理ですか?」

「うんうん。ベルガラックへ行ったら海鮮料理を食べることにしていてね。

料理人も普段は店を構えている。

食材も腕も一級品だから今にも思い出すだけで…お腹がすいてくるねぇ。」

「海魚を食べるのは(生まれて)初めてなのでとても楽しみです。」

 

 

 

 

「よし、ここが私のアクエル商店だよ。お前たちは荷下ろしをしておいてくれ。私は先に食事に行かせてもらうよ。」

『はい!モスコさん!』

「さぁ、行こうか。向かいの店だよ。」

 

 

 

「いらっしゃい。あ、オーナー!お帰りなさいませ!」

「うむうむ。客入りは上々だね。個室使わせてもらうよ。」

「わかりました!御用の際はお呼びください!」

 

「(おい、あれが食狂いか。)」

「(たしかに食狂いそうな体してるな。)」

「(ここの店の秘密をつかんで来いったって、食って覚えるしかねぇよな。)」

「(いっそ聞きに行くか?)」

「(馬鹿野郎、わざわざ金になるようなレシピを教えてくれるもんかよ。)」

 

(・・・・・・・・・)

 

「ねぇ、モスコさん。もしモスコさんの店のレシピを知りたいって人達が聞きに来たらどうするんです?」

「うーん、そうだねぇ。とりあえず二度とそんな事を思えないようにするね。」

「他の店が同じような料理出すの反対な感じですか?」

「逆だね。むしろ試行錯誤して出してほしい。その方がうちの店と違う味付けになるだろうからね。

私の店のレシピ通りに作ったところでそれはうちの店の料理と代り映えしない。

 

私はね、アレンジは良いんだ。そのままの再現は何より許しがたい。」

 

「だってさ、おじさん達。」

「「な、なにがだ!?」」

「バッチリ聞こえてたよ。この店のレシピが欲しいんだってね。

モスコさん、この二人はスパイだけどどうする?」

「…どうもしないさ。ただ、君達にはこの店のレシピを再現しようとするのではなく、新しい料理として模倣してほしいね。」

「「は、はい!!」」

「ごゆっくり食べて行ってくれ。さ、行こうか。」

「はい。」

 

 

 

 

「なぁ、エライゴス君。私には彼らの声が全く聞こえなかったが、どうしてわかったんだい?」

「盗賊としての修行で聞き耳の技術も習ったんですよ。そもそも彼ら僕たちが入ってから内緒話の体勢とりましたからね。あからさまでしたよ。」

「だからといってそう刺激するものじゃないよ。場合によっては彼らが激怒する可能性もあったのだからね。」

「へへへ、一般人二人相手なら足だけでも取り押さえられますよ。」

「ははは、それなら仕返しにこられても安心だね。

さぁ、海鮮料理を味わうとしましょう。」





エリゴス
王子
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74

{おっさんの言う別世界}
DQ5の1000年後の世界と魔界



「おっほぉー!スリーセブンである!!」

「お!やったじゃねぇかおっさん!」

「いやぁ~今日もありがとうである。おかげで初めてスリーセブンが出たのだ。」

「今日まで一切出なかったって考えないのおっさんのいいとこだよな。」

「いやぁ~やっぱこっちのカジノは楽しいであるな。

ホイミスライムのルーレットなんかもあるし私の住んでるところのカジノとは大違いだな。」

 

「そういえばおっちゃん、どこから来たんだい?」

「うーん、説明しにくいのでな、具体的に言えばマ素がひどくて人間が住めなくなったような土地である。」

「へぇ、マ素っていうのは何なんだい?」

「うむ、マ素とは魔物を魔物たらしめるものなのだ。

嘗ては魔物を人間にできる方法があったそうだが太古の昔に失われ、今では数少ない人間になれる魔物も住めなくなり私のような純粋な魔族しか住めなくなってしまった。」

「ほぅ、とすると…こないだ貰った石もそのマ素ってやつなのか?」

「うむうむ。マ素の純結晶、マデュライトという物である。こちらの世界では珍しいようで上げると喜ばれていて嬉しいのである。」

 

「…ちょっと思ったんだけどさ、これって持ってて安全なモノなの?」

「む?持ってるだけなら何ともないはずである。あくまで結晶体であるゆえ漏れ出るマ素も超微量。飲み込んだりしなければ何ともないのである。」

「そっかそっか。いやぁ人間が住めなくなるような成分って聞いて驚いたよ。」

「別に人間が住めなくなるのにマ素が関係ないこともあるので気にしないほうがいいのである。こことはまた別の場所に行ったときには人間じゃなくて幽霊の住む町があるが、そこも霊体から発される瘴気で人間も立ち寄れなかったりするのである。」

「ほー、幽霊の町ねぇ。そこってやっぱ賑わってたりするの?」

「いや、幽霊は食事ができないうえに新しい娯楽なんかが流浪の幽霊から伝わったりするから普通ににぎわってるらしいである。」

 

「いやぁ、いろんなところの事知っててすごいな。俺今年で25なんだけどさ。

この町で生まれてからずっと外に出たことが無いんだよ。」

「ほう、外に出たいとは思わないのかね?」

「確かに出たいけどさ、怖いんだよな。勝手知ったるこの町の常識が外じゃ通用しないってのを思うと、どうしても王都にも小さな村にも行こうと思えないんだ。」

「なるほど。確かに私もまか…私の住んでるところからこちらへ来る際にはかなりの恐怖があったである。もう戻ってこれないんじゃないか。息子を置いて死んでしまうんじゃないか。

しかし、私はここにいる。そして無事に往復することもできた。今では安心してこちらで仕事ができるのである。」

 

「そうかぁ。ところで仕事って今は何をしてるんだい?」

「魔物からマ素を抜いて人間にできないかをとある研究機関に委託しているのである。もしこの技術が再現できたのなら、きっとそれは伝承に残るマアサの奇跡の復活なのである。」





ミームス
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75

{モシャス}
姿を真似る魔法。
一度でも目にした存在なら目の前にいなくても化けることができる。
外伝作品準拠で強さは変わらない。
特技や魔法も変わらない。
特に記憶も受け継がない。

ラーの鏡で解除できるらしいけど、魔法の持続ができなくなれば同じく解除されると思うんだ。


「いやはや、エライゴス君の知識はすごいね。ありがたく新作料理として教えてもらったレシピは改良していくよ。」

「へへへ、曖昧な記憶ばかりですけどね。お役に立てれば何よりです。10日間ありがとうございました。」

「いいんだいいんだ。旅の間中グルメ話できる仲間なんてそうそう居ないからね。何か困ったことがあれば訪ねてくれば悪いようにはしないよ。」

「その節があればありがたく!それではまた会う日まで!」

「うむ、また会う日まで!」

 

 

(さぁて、宿を確保したらカジノに行ってみるかね。さすがにホテルには泊まれないけどカジノは見るだけならタダでしょ。)

 

 

 

「おや、坊ちゃん一人かい?」

「はい、一泊いくらですか?」

「うちは一泊20Gだよ。払えるかい?」

「はい5日分お願いします。」

「はい、毎度あり。坊ちゃんの部屋は2階の11って書いてある部屋だからね。これ鍵渡すからなくさないようにね。なくしたらお金かかるからね。」

「ありがとうございます。それじゃ街見てきますね!」

「もう暗いから怪しい人には気を付けるんだよ。」

 

 

 

 

 

(おおー、ここがカジノ…ゲームで見た者より格段にデカいな。よし、入るか。)

 

「む、坊ちゃん。大人の方はいるかな?」

「ん?いえ、一人ですけど。」

「申し訳ないけど、規則でね。子供だけの入店はできないんだ。ごめんね。」

「あー…うん。ですよね。なんとなく有名なところだったから見たかっただけなので大丈夫ですよ!」

「また次来るときは大人の方と一緒にね。当カジノはお客様のご来店をお待ちしております。」

「はい、お仕事ご苦労様です。」

 

 

(さて…カジノはだめだった!!くそう!!……そうだ。【モシャス】)

 

 

 

 

「入ってもよろしいかな?」

「はい、ようこそいらっしゃいました。」

「うむ、お仕事ご苦労様です。」

(へへへ、王都にいた一般男性に化けて潜入してやったぜ。これで中も見物できる。)

 

 

「お客様、コインはお持ちですか?」

「へぁ、いえ、持っていません。」

「そうですか。それでは先にコインのご購入をお願いします。」

「いやね、今日は下見ですよ下見。どんな設備があるかなーって。」

「ふむ、そうでしたか。それではこちらのカードを胸に下げていただきます。」

「これは?」

「魔法封じと特技封じの効果があるネックレスです。入場の際にはかならずつけていただく規則となっております。」

「ふむふむ、了解で」ボボン

 

 

「…坊ちゃん?モシャスで入店しようとなさいました?」

「あー、その、てへ。」

「事情は事務所でお聞きします。ついてきてください。」

「はい…すいませんでした。」





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王子
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76

{ギャリングの権力}
ただのカジノオーナーから街の領主まで格上げしています。
カジノだけが見どころの町から国一番の歓楽街になるんだから仕方ないね。


「で、エライゴス君だっけ?君ね、規則は守らなきゃいけないよ。」

「はい、出来心で、すみません。」

「今回は実害がなかったから見逃すけど、本来なら身分詐称やら不法侵入だからね。

もし次やったら容赦なくギャリング様に引き渡すからね。」

「はい、次からは正規の手順で入場します。」

「まったく。それで君の親は今いるのかね?」

「いえ、王都に居ます。ベルガラックには一人で来ました。」

「…ふむ、そこまでしてカジノが見たかったのかね?」

 

「たしかにカジノはとても見たかったですが、父からはベルガラックがどのような場所か経験してくるようにと言われています。」

「そうか。そういう事ならギャリング様に会ってみるかね?本来ならギャリング様に引き渡すからね。軽い罰としてお叱りを受ける代わりにお目通りできるなら君にとっても得じゃないか?」

「え、でもいいんですか?この町の権力者ですよね。」

「たしかにあの方はこのカジノやホテルのオーナーというだけではなく、この街の領主であらせられる。しかしあのお方は仕事の分配が非常に上手でね。多くの文官や武官に仕事を任せることで仕事の効率を上げているのだ。」

 

「へぇ、すごいですね。他のところではしてないんですか?」

「うむ。ギャリング様の配下はファミリーと呼ばれる誓いによって信頼を超える関係にある。他のところで真似しようものならあっという間にスパイによって筒抜けになるか破綻するだろうな。

これもギャリング様の人徳あってこそだ。」

(道理で…父上はいつも書類仕事に追われてるわけだ。ゲームならチャゴスだけだったから問題なかったんだろうが今は派閥争い中だしな。

信頼できる貴族も次の日には別派閥になったりして。おーこわ。)

 

「ぜひともギャリング様と会わせてください!」

「うむ、そうか。いいかね?あのお方は大らかだが厳格、失礼のないようにするのだ。

とはいえ、あのお方は子供が好きだ。そうきつく叱られることはあるまい。

人生の勉強として、自分の行いを叱られてきなさい。」

 

カリカリカリカリ

 

「ほら、この書状を門番に見せればギャリング様にお会いできるはずだ。邸内は誰でも入れるが2階から上は別だ。この書状がなければ門前払いされるが、この書状さえあればお会いできる。何が言いたいかというと…絶対に無くさないように。」

「はい、悪用されるからですね。」

「わかっているならよろしい。この街の最重要拠点であるゆえ、お会いできるのはこうしてファミリーの幹部によって紹介を受けた者だけなのだ。」

「…やっぱカジノの管理人さんは幹部だったのですね。」

「そうだとも…そう見えないかね?」

「どちらかといえば、ドアマンの方のほうが…」

「むぅ、まぁいい。手土産を持っていくのを忘れぬようにな。あの方なら何でも喜ぶだろうがあまり嵩張らない物にしてくれよ。置物なんか送ってもすぐに倉庫送りになるだろうからな。」

「はい、ありがとうございました。次からはちゃんと付き添いと一緒に来ます。」





エリゴス
王子
86ゴールド
盗賊Lv12 寄生
HP107/107
MP675/680
ちから68
すばやさ109
たいりょく38
かしこさ179
▼とくぎ
一閃突き
れっぱ斬り
鑑定
みやぶる
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法


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77

{ドノパン}
オリジナルキャラ
吸血鬼ってドラクエだといかにもなバンパイアだけど多分亜人として考えれば個体差あるよね。


「む?今子供が通らなかったか?」

「ああ、たぶんモシャスかなんかでカジノに一人で入ろうとしたんだろうよ。

このカジノそういうところ警備がなってるからさ、たぶん事務所で怒られるところだと思うぜ。」

「ふむふむ。モシャス対策もバッチリと…本当にすごいところである。」

「そうだろそうだろ。サザンビーク一の歓楽街ってことは世界一の歓楽街でもあるんだ。

その目玉であるこの大カジノは三大国家から毎日多くの観光客が来るんだ。

中には手癖の悪いやつもね。そういうやつがヘマしやすくなるように魔法と特技を封じるのさ。ほら、そのネックレスだよ。」

「おお、これがそうなのか。普通に渡されたからサービスかと思っていたのである。」

「それつけてないやつ居たらすぐわかるだろ?腕輪とかじゃなくネックレスなのさ。」

 

(先ほどの…いやまさか。エリゴス様が一人でこんなところに…来そうですね。分身を分けて憑りつかせておきますか。)

 

「ん?今何か…」

「どうかしたか?」

「いや、気のせいである。足元がむずむずしただけだ。」

「ははは、なんだおっさん初めてスリーセブン出たからって武者震いしてるのか?

トイレはあっちだぜ。」

「ははは、なんのなんの。王都の用事はすぐには終わらないだろうし明日からはルーレットにチャレンジしてみたいである。」

「いいね、ずっとスロットってのも飽きるしな!」

 

(いい加減さっさと尻尾だしてくれないですかね。)

 

 

 

 

 

 

「陛下、殿下は何事もなくベルガラックに到着いたしましたです。」

「うむ、ご苦労。手数かけたな。」

「いえいえ、アテクシの最も得意とするのは尾行であればそれは願ってもないことですはい。」

「まだ尾行させている片割れとは繋がっているのか?」

「はいです。何か問題がない限り監視しておくつもりですけど、やめときますです?」

「いや、ありがたい。そのまま見守っててくれ。」

「もちろんでございますです。アテクシ吸血鬼ドノパンは陛下の御心のままにですはい。」

「もし危険が及ぶ場合はギャリング殿を頼れ。彼は王家の血の秘密を知る信用できる家だ。片割れも保護してくれることだろう。」

「ははぁ、ありがたきお言葉。しかし片割れもぱっと見はただのコウモリでしてですね。

そうそう危険にはなりませぬです。」

「なら良いのだが…」

 

 

 

 

 

 

「おや坊っちゃん。用事は済んだかい?」

「はい、遅くなりすいません。」

「いいんだよ。この街は夜も昼もそう変わらないからね。夜にチェックインして夕方まで寝る人も居るくらいだ。」

「うーん、不健康まっしぐらな気もしますね。」

「かくいう僕も夜勤だから同じような睡眠リズムなんだ。不健康そうかい?」

「あぁーいや全然。さすが宿の人は体力が資本ですね。」

「そうだろうそうだろう。さぁさ、良い子は寝る時間だよ。おなかが空いてなかったら早めになることだ。」

「へへへ、ありがとうございます。それではおやすみなさい。」





エリゴス
王子
86ゴールド
盗賊Lv12 寄生
HP107/107
MP675/680
ちから68
すばやさ109
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かしこさ179
▼とくぎ
一閃突き
れっぱ斬り
鑑定
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第六章ベルガラック観光
78


{ギャリングダガー}
いわゆるイベントアイテム。
マダムの指輪とかもイベントアイテムだけど守備力増えるし、
装備できるし能力値あがるけど鑑定じゃわからない。
くらいにしときました。

なんとなく今日はちょっと1.5倍くらい長いよ。なんでだろね。


(ほぉ~、こりゃ確かに領主の館だな。ゲームより格段にデカい。)

「む、坊ちゃんも観光かね?」

「あ、いえ。門番の方にこの書状を見せるように言われまして。」

「ん?……ふむふむ。そういう事か。案内するよ。」

「え、門番はしなくていいんですか?」

「いいのいいの。1階は普通に誰でも見学できるからね。それにここにカチコミに来るようなとこはもう無いよ。」

 

 

 

コンコンコン

「ギャリング様。書状を持った者が参りました。」

「うむ、通せ。」

「さ、こっから先は一人だ。泣くんじゃないぞ?」

「はい。失礼します。」

 

「おう、お前さんが俺に用があるって?何の用だ?」

「その、カジノにモシャスで忍び込もうとした結果バレて管理人さんにギャリング様からお叱りを受けるようにと言われています。」

「ふむ、そうか。ちゃんと何をしたかを言えるのは偉いぞ。

それで、後悔はしているか?」

「いえ、後悔はしていません。反省はしていますが内装が見れただけでも入ろうとした価値があると思いました。」

 

「さては懲りてないな?だが、俺のカジノでそこまで感動したか。いいだろう。

頭ごなしに怒鳴るつもりはないがこれだけは言っとくぞ。

俺のカジノは規則を守らないようなやつに見せたくはねぇ。

次からは規則を守って生活をしろ。ベルガラックだけじゃねぇ。わかったか。」

「はい、本当に申し訳ありませんでした。」

 

「おう、それじゃ説教の時間はこれで終わりだ。こっからは優しい領主として接するぞ。」

「あ、それでしたら差し上げたいものがあります。途中の村でギャリング様へお渡しするために購入したワインです。熟成があまりされておらず酒精は少ないでしょうがお収めください。」

「ん?ほうほう。わざわざ俺に渡すために買ったのか?会えるかもわからないのに?」

「いえ、最初からお会いするつもりでした。すんなり会えるとは思いませんでしたが。」

「おいおい、俺は領主だぞ?そこらの子供が簡単には会えないぞ。」

 

「改めまして名乗らせていただきます。

私は国王クラビウスの息子の第一王子エリゴスです。

ベルガラックの町がどのような所か見るために一番豪奢なところに忍び込もうとしてバレるような未熟者ですがしばらくこの街に滞在させていただきます。」

 

「…あぁそうか。何かに似てると思ったら国王殿の若いころに似てたんだな。

そういう事なら俺も名乗るぜ。

ベルガラック領主にして七賢者ギャリングの末裔、ギャリングだ。おかしいか?」

「いえ、襲名ですよね。」

「そうだ。よく知ってるじゃねぇか。かつての名は襲名とともに捨てたが国王殿は子供の頃はそれなりに世話してやったんだぜ。もし名前を知りたかったら国王殿に聞きな。」

 

「はい。何か問題があったときはまた来てもよろしいでしょうか?」

「お、そうだな。これをやろう。」

「これは短剣?【鑑定】」

 

{鉄の短剣 規格外品 価値不明}

 

「鑑定したか。これがどういう物かわかったか?」

「いえ、さっぱり。初めて見ました。」

「これが神の定めた装備以外の武器だ。性能はたしかにある。しかし枠から外れすぎたために鑑定が対応しない。武器屋には無いが、鍛冶屋に行けば多いぜ。」

「それでこれを出したってことは、これがあればお会いできるんですね?」

 

「ああ、うちの銘がある。ファミリーの者なら持ってる短剣だ。装備風に言うなればギャリングダガーってところだな。それを見せればいつでもうちに来れるぜ。夜であろうとな。

ついでに言えばそれをファミリーじゃないやつが持ってるのは俺が一目置いている相手だということだ。ファミリーの者に見せればそれなりに力になってくれるはずだぜ。例えば暇なやつにカジノに付き添いに来てもらえるくらいならな。」

 

「そ、それはとてもありがたい!暇な方を探してカジノの中を観察させていただきます!」

「ははは、わかったならかまわん。さ、そろそろ俺もやることがあるから帰りな。」

「はい、本当にありがとうございました。失礼します!」

 





エリゴス
王子
86ゴールド
盗賊Lv12 寄生
HP107/107
MP680/680
ちから68
すばやさ109
たいりょく38
かしこさ179
▼とくぎ
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79

{薬草団子売りの婆さん}
都合よくステータスを見るために出しただけ。
DQ世界なら平然とストマフィリアとか生えてそう。
きえさり草なんかも育てれば生えてそう。

{で、何を食ったのか}
幸せの種が混ざった劇物。


「やぁ、よく眠れたかい。」

「はい、おかげ様でぐっすりです。」

「そうかそうか。うちは食事は出ないから外で食べてきてくれ。どこの通りも路上販売があるからね。」

「おお、王都じゃ少なかったんですよね露店販売。」

「あー、王都はバザーの時期なら盛大なんだけど普段は出てないんだよね。税率が高いし食堂も多いからわざわざ外で食べる人が居ないんだとか。」

「なるほど。こっちでは食堂って少ないんですか?」

「少ないってほどじゃないけど…やっぱ食べ歩きがメインだから露店のほうがおおいね。」

「ふむふむ、さっそく食べてきます!」

「はいよ、いってらっしゃい。」

 

 

 

 

「あばれうしどり串焼き2Gだよー!」「ケバブあるよ!1食5G!」「グァバジュース2G、お代わり無料だよー!」「お土産に貝殻のネックレスはどうだーい!」

 

(うーん、うるさいくらいに活気があるな。)

 

「ちょいとそこの坊ちゃん、これ買ってかないかい?」

「んー?薬草団子?」

「道具としての薬草じゃなくて滋養強壮のための薬草を複数種類練って固めたものさ。健康には抜群だよ。ヒッヒッヒ。1つ10G。」

「高い高い。それに僕は食事をしに来てるんだよ。土産物は他の人に売ってくれ。」

「おやおや、これだってれっきとした食事さね。買って食えばわかるさ。買いな。」

「買いなって…まぁそこまで言うなら気になるし食べるよ。はい10G。」

「ヒヒヒ、確かに。ほれ、どうぞ。」

「あぁ、ありがとう……あれ?」

 

「ん?坊主どうしたそんなところで。」

「ここに老婆の店ありませんでした?」

「おいおい、ここは民家のドアの前じゃないか。そこは露店禁止のところだよ。そんなところに店があったらさすがに気づくよ。夢でも見てたんじゃないか?」

「うーん、夢…じゃないんだよなぁ。この薬草団子。教えてくれてありがとね。」

「おう。変な押し売りに捕まるんじゃねぇぞ。」

 

 

 

(で、この薬草団子はなんなんだ?【鑑定】)

 

{薬草団子 規格外品 価値不明}

 

(だよねぇ。とりあえず食うか…)

モグモグモグモグ

 

(うーん、不味い。なんかとても不味い薬草の味を無理やり調味料で整えたかのように不味い。というか臭い。いや苦い。でも10Gもしたんだから食わなきゃもったいない…)

 

 

 

 

 

(結局食べ終えたが、確かに不思議と空腹は収まったし体の調子もいい気がする。なんか変な毒にかかってないだろうな…ステータス。)

 

エリゴス

王子

86ゴールド

盗賊Lv13 寄生

HP117/117

MP710/710

 

(え、レベル上がってる…って寄生?まさか…)

「えーと、ミームスもしかして居る?」

 

「……はい。殿下の動向を探るための分身でございます。」

「えぇ、いつの間に。」

「殿下が何故かベルガラックにおりましたので。私が憑くことになりました。」

「詳しい話は宿に戻ってから聞かせてもらおうか。」





エリゴス
王子
76ゴールド
盗賊Lv13 寄生
HP117/117
MP710/710
ちから74
すばやさ116
たいりょく47
かしこさ190
▼とくぎ
一閃突き
れっぱ斬り
鑑定
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80

{世界の穴}
この世界、別世界につながりやすいってことにしてます。
シナリオクリア後が楽しみですね。
絶対それまで書き続けるぞ。

{猫}
オリジナル要素。
マーブルンまみれの世界とか神秘的。


「でさ、俺がベルガラックに来てるのは観光だ。そっちはどうなんだ?」

「私は…子爵関係とだけ。」

「はぁ~ん、さては個人的に探してた何かの手がかりを見つけたってところか?ハッキリ言ってやろうか?魔界の事だろ。」

「………はい。」

「…あ、マジで?まぁそれならそれでいいけどさ。とりあえず俺もしばらくはベルガラックに居るから何か困ったことあったら言ってくれよ。あんたの本体ほどじゃないが一般人には負けないからよ。」

「畏まりました、エリゴス様。

そういう事であれば一つだけ。カジノには近づかないでいただきたいのです。」

「ほー、やっぱあの時憑いたのか。ってことはそこに本体が憑いてるやつがいるんだな?わかったわかった。何もカジノは今回しか入れないってわけじゃないしな。」

「ありがたく思います。これは閣下のためでもあります。」

 

「バズズ様…そういえばサザンビークから南西の奥地に住んでるんだっけか?」

「はい、閣下はかつてのサザンビークコミューン墜落跡地にて暮らしております。」

「コミューン?あー、空飛んでたって都市の事ね。そういやバズズ様の目的って何なんだい?」

「閣下は、魔界に帰り陛下の安否を確認すること。壮健であれば魔界へ戻りその補佐をする。そう1000年前は言っておりました。」

「なるほど。確かに安否が気になるなら帰りたいだろうね…そういえばどんな風に来たんだ?」

 

 

 

「かつて、この世界は大地が歪み、外れ、くっつき、そして今の形になったとされています。

 

しかしその現象は大地だけにとどまらず空間にまで発生し、各地のコミューンも同じく分裂し墜落。

さらに幾多の世界への穴が生じ、多くの外来の魔物がこの世界に漂流しました。

我々も閣下の町ミルヒックごとこの世界に吸い込まれ、空中から街ごと落下し街は文字通り崩壊しました。

そして近くには同じく墜落した、しかしある程度原型を保ったままのサザンビークコミューンが。

 

部下達は乗っ取るべきだと主張しましたが、閣下はそれを黙らせ友好的に接するようにと命じました。

全ては閣下の大恩の人、マーサ様が望む人と魔物が平和に暮らす世界のために。

閣下はコミューンの長をしていた男性と契り、今のサザンビーク王家を作り上げました。」

 

 

 

「へー……ってことはバズズ様って女性だったんです?」

「はい。閣下は女性でございます。言っておりませんでしたっけ?」

「言われてないねぇ…ってことはバズズ様の居た魔界以外にもいろんな世界から魔物が来たってこと?」

 

「はい。調べた結果、ガーゴイル・エルフ・ドワーフ・首狩り族など、人型魔族は外の世界からの漂流者でしたね。そしてかつてこの世界を支配していた生命体…それは猫です。」

「猫?プリズニャンとかか?」

「はい。猫です。しかし今とはくらべものにならないほどの量の、そしてどぎつい色彩の猫だったようです。」

「えーと、闇の世界の魔物とかでもなく?」

「いえ、闇の世界の魔物はかつて闇の神の顕現とともにこの世界に大量に出現しましたが七賢者が闇の神を封印した際に多くは戻ったようです。ただ、北西の島は未だに闇の世界との繋がりが濃くレッサーデーモンやらが闊歩する呪われた地となっておりますが。」

 

「なるほどなるほど。ところで子爵の件どうなった?」

「え、その。まだ言えませんね。」

「そっかぁ。こっちは調べてないから手がかりなしだよ。ま、気長にやっていこうや。」

「…憑いてるやつが気長過ぎて全然尻尾出さないんですよね。」





エリゴス
王子
76ゴールド
盗賊Lv13 寄生
HP117/117
MP710/710
ちから74
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たいりょく47
かしこさ190
▼とくぎ
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鑑定
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81

{ベス}
ワインを購入した村で渡された手紙を渡す相手。
金目当てに結婚したら旦那が想像以上のろくでなしで慰謝料貰って別れたいと思っている。

{ジョーンズ}
成金商人の一人息子。
ベスの見た目だけに惚れて結婚した結果結婚してすぐに正確に愛想が尽いた。
しかし離婚すると不利益が多いので別れたくない。


「おや、坊ちゃんいらっしゃい。小遣い稼ぎかい?」

「はい、ここが依頼が集まりやすい酒場とききまして。」

「いかにも、うちは一番活気ある酒場と言っても過言ではないよ。」

「その割には客居ないですね。」

「…この時間は皆カジノとかに居るんだよ。と言ってもここに来るのは金持ちじゃないから大カジノじゃないけどね。」

「1コイン20Gのとこですっけ?高いですよね~。」

「まぁ、だからこそ金持ち連中はのめり込むんだろうけどさ。ほら、依頼見てちゃっちゃと稼いできなー。」

「はーい。」

 

『鳥の羽がたくさん必要です。麻袋を渡すのでいっぱいまで集めてきてください。

1番街2番通り12のジェーン。』

 

『最近ストーカーに狙われています。窓に貼る鉄板を受け取りに行ってください。

1番街32番通りのボブ。』

 

『スリが多発している。捕まえた者に500G。

1番街警邏隊警備部』

 

『夫が朝まで帰ってこない。素行調査をしてほしいです。

1番街25番通りのベス』

 

(ん?1番街…ベス…そういや手紙渡すんだっけ。この人の依頼受けるか。)

 

「25番通りのベスさんの依頼受けてきますね!」

「おう、がんばれよー。競合しても文句言うんじゃねぇぞー。」

 

 

 

 

(えーと、たぶんここだよな。)

コンコンコン

「すいませーん、ベスさんいらっしゃいますか?」

 

ガチャ

「ベスは買い出しに行ってまだ帰ってきてないよ。君は誰だい?」

「あ、旦那さんですか?実は王都から来たんですけど途中の村でベスさんのお父さんから手紙を預かってまして。」

「あぁ、そうか。じゃあ渡しておくから。頂戴。」

「え?いえいえ、直接お渡ししますよ。」

「なんでだよ。俺が居るだろ。寄こせ。」

「寄こせなんて言われちゃますます渡せませんねぇ。」

「おい、クソガキ。さっさと寄こさねぇと痛い目見るぞ。」

 

「なにぃ?おいおいこっちがわざわざ直接渡してやるって言ってるのに痛い目見るだと?そっちこそ痛い目見たいようだな。」

「覚悟しろクソガキ。おらっ!」

「当たらん当たらん。おらぁ!」

「ぐぁ!?ああああ!!!痛い!!痛いぃぃ!!」

 

 

ひそひそ

「(見てあれ、またジョーンズよ。)」

「(困ったもんね。あんな酔っぱらいじゃベスがかわいそうよ。)」

「(買い出しも家事もベスにまかせっきりで本人は何してるのかしら。)」

「(あら、彼親の商店を継いだそうよ。でも下にまかせっきりで本人はなんにもしてないとか。)」

「(まぁまぁ。ただのくずじゃないの。)」

 

「(そうね…あんなでも一応私の夫だから。でも最近浮気してるみたいなのよ。)」

「「(あらベス。お帰りなさい。浮気?)」」

「(そう。最近夜にふらっと出かけては朝に戻ってくるのよ。いっそ浮気でもしててくれれば離婚できるのに。)」

 

 

(なるほど、こいつはろくでなしか。とりあえずベスさん帰ってきたようだしゆっくり話ができるところへ誘うか。)

「ああああぁぁ!!痛いよぉーー!!痛いぃぃぃ!!ガードをよべぇぇぇ!!」

(………【ラリホー】)

「ああああ!!……ふがぁ…痛くない…zzz」

 

(やっぱ酒回ってると効きやすいよな。)





エリゴス
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82

{エンプーサ}
緑色の肌をしたエルフ耳の寸胴大口の魔族。
イルルカアレンジではメガボディだけど背の高さは成人女性くらいと思ってください。



「ベスさんですね。お父さんから手紙を預かってます。どうぞ。」

「あら、ありがとう。うん、やっぱり発注書ね。」

「ところで旦那さん、最初からああだったんですか?」

「ううん、1週間前かしら…上機嫌で帰って来た次の日から酒浸りの夜遊びしまくりで。」

「それはなんというか…寝てないんですかね?」

「たぶん寝てないんじゃないかしら?」

 

「たしかにそれは素行調査も必要になりますね。」

「あら、酒場の張り紙見てくれたの?さすがに一週間も外で寝てるなんて思えないし。」

「でしょうね。それでは今夜から素行調査しますね。」

「あらそう?悪いわね。何かわかったらお駄賃は奮発するわよ。」

「ありがとうございます。それではちょっとすることがあるのでまた明日。」

 

 

 

 

「さて、ミームスの分身君。あのジョーンズってやつに分身つけられる?」

「まぁ現在この街には多数の分身がいますからね。問題は一つしかありません。」

「ん?その問題って何だい。」

「分身はレベルが低すぎるためキメラのつばさ以外では街から出れないのです。」

「あー…そうなのね。じゃあ俺が行くしかないね。」

「むしろ私だけ使うつもりだったのですか?」

「まぁ。追跡が専門みたいなとこあるでしょ。」

「そうですね。」

 

 

 

 

 

(さて、夜だけど…おっと、出てきたな。)

「うぃ~っく。…むにゃむにゃ。」

 

 

(えーと、立ち止まったな。3番街23番地の2ね。)

「あけてくれぇ~。ジョーンズだぁ。」

「合言葉は」

「一角うさぎ。」

「入れ」

 

(おぉっと。合言葉とはロマンがあるな。名前と合言葉を使った登録制の酒場か?)

「ミームスの分身君。入ってきてくれるね?」

「まぁ、ここは私の出番でしょうね。」

「助かる。」

 

 

 

 

 

 

「ただいま戻りました。」

「お。どうだったよ。」

「酒場ではありませんでした。あそこは夢魔の宿でした。」

「夢魔の宿?そこはなんだい。」

「エンプーサという魔族は夢を操ることができるのです。それを利用して望んだ夢を見ることができる宿です。ここだけではなく王都にもありますよ。」

「へぇ、ってことはジョーンズはただ眠ってただけなのか。ってなるかい。潜入するぞ。」

「しかし入る場所はなさそうですが、どうするのです?」

「こうするのさ。見てろ。」

 

 

「すいません、最近寝つきが悪くてここをオススメされたのですが。」

「…名前は?」

「エライゴスと言います。」

「誰から教わった。」

「ジョーンズっていう人です。妻のベスさんと知り合いでして。」

「…合言葉は。」

「えーと、なんだっけ…ごめんなさい。忘れちゃいました。」

「……………いっかく」

「あ、そうそう。一角ウサギ。」

「…入れ。」

「ありがとうございます。」





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83

{リブルアーチ}
巨大な橋の上にある、動く石像を作る彫刻家の街。


「それで、金はあるのか。」

「あー、その。76Gだけあります。」

「…いいだろう。最低ランクが50Gだ。出せ。」

「はい。どうぞ。」

「1,2,3,4,5。いいだろう。あんたも一応客として扱ってやる。こっちへ来い。」

「あ、はい。ありがとうございます。」

 

 

 

 

「お前を担当するエンプーサ、メザナーだ。」

「どぉもぉ!!あたしメザナー!!よろしくねぇ!!」

「あ、はあい。よろしくー。」

「ノリのいい坊やは嫌いじゃないわ!!」

「まぁ騒々しいと思うが仕事の腕はある。最低ランクだと思って我慢しろ。」

「まぁ失礼ね!!そんなあたしを好きになってくれる旦那もいるのよ!!私の美徳よ!!」

「あー、そうだな。だが上司に歯向かうとはいい度胸だな。給与減らされたいか。」

「ああ!!メット君そんな事いわないで!!ごめんね!!」

「…まぁ、ゆっくり眠れ。じゃあな。」

「ありがとうございましたメットさん。」

 

 

「じゃあ坊や!!そこのベッドに横になってね!!」

「はい。……準備OKです。」

「じゃあ、坊やには王都の綺麗な景色を見せてあげるわ!!」

「あ、王都出身だから見慣れてます…」

「そう!?じゃあパルミドの荒々しい風景を見せてあげるわ!!」

「その、パルミドに2年間滞在したことがあります。」

「あら!!その年で別の国に行ったことあるのね!!すごいじゃない!!

じゃあ、リブルアーチの石工工房なんてどうかしら!!」

「興味ありますね。よろしくおねがいします。」

「はぁいーい!!じゃあ『ハァァァァl』」

 

(おっと、あまい息だ。………眠くならないな。普通に眠りにつくか。)

 

 

 

 

 

「…だぞ、さぁ、動いてくれ!」

(ん、眠れたか。ほぉー、ここがリブルアーチの工房か。未完成から完成品まで石像だらけだな。)

「くそ、今回も失敗だ。いったい何がダメなんだ。」

「まぁ気を落とすなって。俺だって石像が動くほどの出来栄えになるまで3年はかかったんだ。」

「でも親方、俺も3年ここで修行してきました。俺と親方で何が違うっていうんですか!」

「決まってるだろ。俺はこの町に生まれ育ち、ずっと彫刻家たちの仕事を見てきた。お前はトロデーンからのぽっと出。経験が違うんだ。」

「くそっ!こんな石像!!」

「まて、壊すな。お前のそういうところを…石像もわかってるんじゃないか?」

「…そう、ですね。動かなくても俺の作品…誰かに喜んで貰うことはできますかね。」

「あぁ、できるとも。動かない石像のほうが需要のある街だってある。これからも腕を磨けばいつか、お前の思いが石像を動かす!」

「親方ぁ!!」

「弟子ぃ!!」

 

(弟子て…本名じゃないように変えてるんだろうけど弟子て…)

 

「そうして彫刻家の男はこれからも鍛錬を重ねいつの日か動く石像を作ることでしょう!!朝だよ!!」

(あー、こういう感じだったのね。ということは大人だと過激なやつなんだろうか?)





エリゴス
王子
26ゴールド
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84

{性格を変える本}
DQ3でおなじみの本。DQ11でもサブクエストで登場。
性格によってレベルアップ時のステータス上昇値が違うので使う人は使う。
また、他にも一時的に性格が変わる装備品なんかもある。


「はい!!おはよう!!」

「おはようございます。今のがリブルアーチの工房なんですね。」

「そうなの!!あたしたち夢魔は他人の夢を見て風景を知ることができるのよ!!」

「だから詳細な夢だったんですね。ということは他のお客さんもそういう気軽な観光が目当てなんでしょうか?」

「坊やはまだ知らなくていいこともあるのよ!!」

 

(ということはやっぱりそっち系か。)

 

「今回はありがとうございました。また機会があったら利用させていただきます。」

「いいのいいの!!次来るときはあたしなんかじゃなくてもっと人間寄りの大人しい子にやってもらってね!!」

「ははは、考えておきます。」

「もーお世辞が上手いわね!!」

 

 

 

 

「帰るのか。」

「あ、メットさん今回はありがとうございました。」

「お前、ジョーンズの紹介じゃなかったんだろ。」

「あー…やっぱわかります?」

「妻の名前を出したということは素行調査か何かか?」

「はい。ここ1週間朝帰りをして家では酒浸りで性格まで変わってしまったとかで。」

「…それは妙だな。うちの店にそこまでの効果はないぞ。」

「…なんですと。」

「うちはただ夢を見せるだけの店ではないが、性格が変わるような壮絶なことはない。夢を見終わった後は余韻こそあれそれに執着することはない。原因は別の何かだろう。」

「別の…わかりました。ありがとうございます。」

「うちの店の悪評が立っては敵わない。紹介制といえど客商売だからな。」

「あー、ところで僕はまた来てもいいんでしょうか?」

「金さえ持ってくればな。次は50G程度のサービスで満足するな。ここの最高ランクは1000Gだ。」

「ひえー、ホテルより高そう。」

「一応、大カジノのホテルの最高ランクは1万Gだぞ?うちは夢魔の宿としては中級もいいとこだからな。王都の夢魔の宿なら1万Gのところもあるだろう。」

 

「やっぱ金持ち御用達なんですね。そういえばジョーンズさんは何Gのコースだったんですか?」

「客の情報は一応機密なんだが…」

「まぁまぁそう言わず、不自然さの解決のためと思って。」

「………300Gだ。」

「なるほど。ありがとうございました。それではまた会う日まで!」

「次来るときはもっと成長してからにしろ。」

「はぁい、すいませんでしたー。」

 

 

 

 

 

「とまぁ、別の要因らしいけどどうする?」

「思い当たる節があります。かつて別の世界からきた魔族が言っていたことなのですが。その世界には神がばらまいたとされる性格を変える本があるとか。」

「あー…実在するんだぁ。それだと思う?」

「今のところ、他にあるとすれば記憶障害か何かしか…」

「だよね、とりあえずベスさんに報告しよう。ついでに軍資金も貰おう。もう26Gしかない。」

「まぁ50Gにしてはいい情報を手に入れることが出来てよかったですね。」

「宿代1日分無駄になったけどね。」





エリゴス
王子
26ゴールド
盗賊Lv13 寄生
HP117/117
MP710/710
ちから74
すばやさ116
たいりょく47
かしこさ190
▼とくぎ
一閃突き
れっぱ斬り
鑑定
みやぶる
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法


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85

{怒りのタトゥー}
DQ3では装備すると性格が変わるアクセサリーがあってその一つ。
DQ8ではそういうのないから呪われてたら性格変わるってことにしました。


「おや、おかえり。ジョーンズなら家の中で酒飲んでるわよ。」

「そうですね。それじゃ彼を尾行したことから言いますね。

彼は3番街の夢魔の宿で300Gのコースを頼んでいました。しかし責任者曰く性格が変わるようなことはないそうです。そして実際に50Gのコースを体験してみましたが夢から覚めた後はあっさりとしていて起きた後に持ち越すようなことはないと思いました。」

「ほー…1日でそこまで調べられるとはすごいね。それにしても300Gねぇ…この1週間ずっと使ってるとなると親父さんの遺産に手を出してるかもしれないわね。」

 

「そういえばジョーンズさんはどんな感じに帰ってきましたか?」

「今は買ったばかりらしい酒瓶抱えて勝手に酒飲みながら本読んでるの。帰って来た後は風呂に入ってすぐその状態よ。」

「はぁ、じゃあちょっとジョーンズさんと会ってもよろしいですか?」

「ええ、お礼に家に招いたってことにするわ。」

 

 

 

 

「ジョーンズさん、お邪魔しています。」

「んあ?ああああ!!てめぇ昨日のガキ!!」

「どうかしましたか?」

「てめぇよくも昨日は恥かかせやがったな!俺様は怒ってるぞ!!」

「おっと、突然殴ってきましたね?殴り返してもいいんですか?」

「う、うるせえ!さっさと失せろ!」

「ところでジョーンズさん、1週間前から何か変わったことはありますか?」

「そんな事しるか!!さっさと出てかねぇとガードを呼ぶぞ!!」

「【ラリホー】」

「はぁ?あ、あぅ……zzz」

「話にならんから持ち物検査します。」

 

 

 

 

「ん?ベスさんちょっと来てください!」

「あら、どうかした?」

「ジョーンズさんの背中に刺青みたいのがあるのですが、これ何でしょう。」

「あら、私にも覚えがないわね。何かしらこれ。」

「んー?……あ、剥がせる。ということは装備品?【鑑定】」

 

{怒りのタトゥー(呪い) 攻撃力+8 性格変更(怒) 2400G}

 

「怒りのタトゥー…呪われてるっぽいです。」

「呪い?呪われてる装備って外せないんじゃなかったかしら。」

「あー、自分体質で呪いが効かないんです。ほい、ぺたっと。剥がしてみてください。」

「………だめね、剥がすどころか爪すら入らない。剥がしてちょうだい。」

「はい、ぺりっと。で、おそらくこれが原因ですね。性格変更怒りだそうです。」

「じゃあ、これさえなければ問題ないのね。」

「おそらくは。起こしてみますか?」

「うーん、今はまだいいわね。これから朝食だからこの人そのままにして先に食べちゃいましょう。この人勝手に屋台で朝食食べてるし。」

「あっと、ありがとうございます。食べ終わったら起こしましょうか。」





エリゴス
王子
26ゴールド
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86

ぎっくり肩になりました。


「いやぁ、ご馳走様でした。いいサバでした。」

「ふふふ、あの人が帰ってくる前に市場で買ってきたのよ。私一人で食べるよりほかの人と食べたほうがいいわね。」

「そういえばあの村にいた親父さんは何をやっている人なんですか?」

「あぁ、お父さんはワイン樽の職人よ。繁忙期に向けて毎日樽を作ってるの。今回渡してもらったのは金具の発注書よ。」

「なるほど。だから金払いは良いって言われてたんですね。」

「まぁ、あの村には欠かせない人であることは確かよ。娘の私が保証するわ。」

「それじゃ、そろそろ起こしますか?」

「ええ、あの人の様子が戻ってたら解決ね。」

 

 

 

 

 

「それじゃ起こしますよ。【ザメハ】」

 

「んぅ、あれ?」

「ねぇ、ジョーンズ。あなた戻った?」

「えっと…ごめんベス。なんかおかしくなってたみたいだ。」

「そうね。ちゃんと戻ったの?」

「うん。今はちゃんと落ち着けてる。えっと、坊ちゃん?いろいろすまなかったね。」

「いえいえ。しかしあんな呪いのアイテムどこで手に入れたんですか?」

「それがね、わからないんだ。」

「…ジョーンズ。ほんとにわからないの?」

「あぁ、最初に違和感を感じたのは露店を歩いている時だ。串焼きについてるタレが少なくて苛立ちを感じた。その時はまだ自分を抑えられた。

でも、10日ほど前から抑えることが出来なくなってきた。」

 

「それで、なんで夢魔の宿に行ってたんですか?」

「夢の中で物を壊して苛立ちを抑えることにしたんだ。ただ、それでも苛立ちは収まらなくってさ。朝はまだ夢の爽快感を覚えてるからいいんだけど、昼頃になるともうだめだ。

僕は感情のままに酒を飲むようになった。いや、飲まないと何かに当たりたくなったんだ。」

「ねぇジョーンズ?夢魔の宿で300Gなんて大金出してたのは何故?」

「自分の体を動かせ、物を壊すことができる。そんな夢を見せることができるのが300Gが最低ランクだったのさ。夢魔にも格のようなモノがあるらしい。」

「で、そのお金はどこから持ってきたのよ。」

「…あー、その。父の遺産からです。」

「…はぁ。そうだと思ってたわ。でね、今回あなたの奇行を調査してもらってたのがこの子よ。……えーと。名前聞いてなかったわね。」

 

「あ、エライゴスと言います。使ったのは50Gです。それも踏まえての報酬を願います。」

「そうだね…君には殴り掛かってしまったものね。こんなに小さいのに…。」

「それに関しては私がもう用意してあるの。ほら、持ってって。」

「えーと…2000G!?いいんですかこんなに。」

「あなたが居なかったらそもそも原因も不明だったし、彼が治らなかったら毎日300G以上使うことになってたからいいのよ。でしょ?」

「そうだね。それにあのままだとベスにも手が出そうだった。君には感謝している。」

「………わかりました。ありがたく頂戴いたします!」

「それじゃ、ジョーンズ。行くわよ。」

「あぁ、うん。エライゴス君。僕らは迷惑かけたところに謝りに行ってくるよ。これで依頼は完了です。」

「それじゃ、またね。」





エリゴス
王子
2026ゴールド
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87

ぎっくり肩治ってきました。


「エリゴス様、この後はどうなさるのです?」

「思った数倍お金もらえたから大カジノじゃないカジノを探すよ。」

「そうですか。普通のカジノでしたらすぐそこの建物も一応カジノですよ。」

「え、あれ酒場じゃないの?」

「一応、ですよ。酒がメインのところもあるのです。入ってみては?」

「そうする。」

 

 

 

 

「いらっしゃい。」

「ここカジノって聞いてきたんですけど子供でも大丈夫ですか?」

「ああ、うちは問題ないよ。そっちのテーブルでポーカーとブラックジャックを楽しんでくれ。」

「えっと、コインとかってあります?」

「うちは現金だよ。掛け金は20Gまで。1Gからでもいいよ。」

「おお、それはお手頃ですね。ではさっそく。」

「あいよ。ジック!お客さんだぞ!」

 

 

「ん?ジーック!!」

 

「ちょっと待っててくれ。寝てるかもしれない。」

「はい、わかりました。」

「おーい!寝てるのかー!」

 

 

「子供でもよくって最低価格でも楽しめる良いところのようだね。ありがとう分身君。」

「いえいえ、お楽しみくださいませ。」

 

 

 

 

「いやぁ、わりぃわりぃ。ぐっすり寝てたわ!」

「まったく、仮にも住み込みで働いているんだから昼勤務くらいちゃんとしてくれよ。」

「いやね、昨日の夜思ったより長引いちゃってさ。客も来ないしついね。」

「お客さん、この人がディーラーのジックです。こんなやつですがまぁ楽しんでってください。」

「よう坊ちゃん。金は持ってきてるな?さっそくやろうか。ブラックジャックとポーカーどっちがいいよ。」

「ブラックジャックでお願いします。」

「うっし、じゃあそこ座って…いや座ったら届かないか。まぁ立ってやりな。疲れたら休もうぜ。」

「ありがとうございます。」

 

 

 

 

「いやー、坊ちゃん強いな。」

「でも利益は出てないんですよね。」

「いやいや、負けてないだけ上等よ。ところでなんか飲まない?うちはジュースもあるぜ。」

「では、オススメを。」

「おっしゃ。おやっさん。俺と坊ちゃんにリンゴジュース!」

「お前は水だ馬鹿。」

「ちぇ。」

 

 

 

 

 

「いやぁ、俺の勝ちだったな。」

「ありがとうございました。充分楽しめました。」

「いいっていいって。それにそんな固くならなくていいだろ?ここは娯楽の町ベルガラックだぜ?礼儀なんてポイしちゃえよ。」

「そうはいきませんよ。やっぱ知ってすぐの人には敬語じゃなきゃね。」

「敬語かどうかも怪しいけどな。じゃ、またやりたくなったら気軽に来いよ。」

「はい、いつかまた。」

 

 

エリゴスは42G失った。

 





エリゴス
王子
1984ゴールド
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88

{スライムレース}
DQ5のカジノにあるスライムの競馬。PS2版は必見。


「君を呼んだのは他でもない。ふふふ…ついに完成した。完全にマ素を抜き切ったマドライト…マドエルが!」

「やりましたな、伯爵。この技術を応用すれば…」

「うむ、超化魔物からの抽出が成功すれば恐らくは、理性を保ったまま強靭な肉体を得られる、我らの私兵が強くなればすなわち我々の発言権も増える。」

「もし増えなくとも、さすがの陛下も魔物より強い兵を何十人も同時に相手はできませんな。」

「さぁ、やるぞ。まずはこの猫だったやつから…」

 

「ん?様子が…」

「グ、グガァァァァ!!」

「ひぃ!!で、でかくなっていくぞ!!」

「これは…まさかマ素が抜けていくことの拒絶反応か?素晴らしいじゃないか。より強力になるかもしれんぞ。」

「だ、だが伯爵。このままでは装置が壊れてしまう!」

「なに…?あ、いかん。これはいかんぞ。」

「不味いのではないか!?」

「これは不味い!!こうなっては生き死には関係ない!一気に抜くぞ!!」

 

「グアァァ!!」

「ひぃ!!檻を噛みちぎった!!急いでくれ伯爵!!」

「ええい!今やっている!!……やっているのに。」

「どうしたんだ!!」

「…反応しなくなった。マ素を抜くことができない!逃げるぞ!!」

「ひぃぃぃ!!」

「ガアアアァァァァァァ!!!」

 

 

 

 

「陛下、一大事です。突如城内に巨大な赤いキラーパンサーが出現、南西研究棟を破壊しながら暴れまわっています。」

「わかっている、人的被害は。」

「不明です。しかしキラーパンサーは移動せずずっとその場で暴れまわっています。」

「…あれは恐らくエリゴスが討伐したネズミと同じような者だろう。装備は整った、私が行こう。」

「はっ!ご武運を!」

 

 

 

 

 

「いやー、これがベルガラックなんだなぁ。久々のカードゲームだったぜ。」

「明日は海を見てきてはどうですか?」

「海ねぇ。広場から見えるけど大きい港があったな。行ってみるとするかね。」

「王都では海魚はあまり出回りませんからね。面白いものが見つかると思いますよ。」

「それも他の分身からの情報かい?」

「ふふふ、何も言いませんとも。言っては面白くない。」

「そうかいそうかい。それじゃこっちも好きに見させてもらいますよ。」

 

 

 

 

 

「ふぅ、ポーカーも面白いである。しかし除外したカードがあればという場面ではやきもきするであるな。」

「しょーがないしょーがない!そういうのは誰にだってあることだ。それでこそポーカーってもんだよ!」

「そうか、そうであるな!ははは!!明日はビンゴゲームをやってみるのである。ホイミスライムを使うとは奇想天外だと思っていた。」

「お、いいねいいね。でもここは魔族に寛容なサザンビークだぜ?他にも魔族の力あってこその娯楽もある。たとえば地下にはスライムレースなんてのがあってな!」

 

(……早く動かないですかねぇ。いい加減飽きてきました。)





エリゴス
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第七章指名手配された首謀者たち
89


{スライムの研究}
主人公のペットいましたよね。アレです。


「いやぁぁぁ!!!あたしの研究がぁぁぁ!!」

「所長それどころじゃないです!!逃げましょう!!」

「いやだぁぁぁ!!研究成果がまだ残ってる!!」

「あんなバケモノが出たんだから戻ったらただじゃすみませんよ!大人しく避難しましょうよ!」

「うぅ…スライムの研究がぁ…」

 

「はぁ…はぁ…な、なんとか逃げれたな子爵。」

「そう…ですな。しかしこのままでは研究が露見してしまいます。」

 

「ん?所長、あそこにも人が居ます。今研究所に居るのは我々だけだったような。」

「あぁ、あの人たち?なんか場所欲しいらしいから南西研究棟を貸してあげたけど。」

「な、なに勝手なことを…!!まさかこれの原因あの人たちなんじゃ…」

「なんですって!?よくもあたしの研究を!!」

「あ、ちょ、所長!!」

 

 

「ごらぁ!!てめぇらぁ!!」

「ん?むむ、所長殿。ここは危険です。早く避難」

「おらぁ!!」

「ぐほあ!?」

「なにをするのだ所長殿!!」

「あのクソ猫、お前らのせいかぁ!!」

 

「やばいぞ子爵。ばれてる。」

「どうするんです伯爵。」

 

「おい何だんまりきめてやがるあああ!?」

「わ、我々は関係ない!!」

「あ、ちょ、伯爵!待ってください!」

「逃げるなぁぁぁ!!」

 

「こりゃえらいこっちゃ…たぶんあの二人のせいなんだろうなぁ。報告するかぁ。」

 

 

 

 

 

「陛下!現在魔物を網で拘束中!」

「でかした。そのまま捕獲しておいてくれ。」

「しかし陛下、あれほど巨大な魔物どうするのですか。」

「決まっているだろう。剣が届かないうえに暴れまわっているのであれば、高火力の魔法で仕留めるしかあるまい。」

「っでも!陛下は聖騎士でしょう!やはり宮廷魔導士の方々に任せた方が…」

「問題ない。私は聖騎士だが、王族だぞ。魔法は使える。」

「…たしかに王族の凄さは歴代の偉業で分かっています。」

「そうだ。お前の信じる歴代はこの程度何度もこなしてきた。今度は私の番ということだ。」

「……ご武運を。」

「うむ、」

 

 

「おお、陛下。現在魔物は網を食いちぎらんと暴れまわっております。近づくのは危険です。」

「私は一撃で決める。お前たちは下がっていろ。」

「はっ!総員退避!!」

『はっ!!』

 

「………【インテ】………【インテ】………【テンション解放】」

「陛下、総員退避完了いたしました。」

「うむ。………【メラゾーマ】!!」

 

 

 

 

 

「傾聴!!この度陛下が城内に現れた巨獣を討伐した!そして次の者を指名手配する!元伯爵ベゴス!!元子爵ダビ!!この二名を此度の犯人として指名手配する!!

生かして捕らえた者には10万G!死体を持ってきた者には1万G!!」





エリゴス
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90

{余の顔を見忘れたか}
徳川吉宗


(そろそろベルガラックも見て回ったな。さて、どうするか。)

「なぁ分身君。どこか見て回る場所あると思う?」

「そうですね、大カジノはどうですか?」

「連行されてるときに内部は見たしなぁ。それに1コイン20Gのところで遊ぶわけにもいかないし。」

「では、酒場を巡ってよさそうな依頼を見ては?」

「それも昨日やったけどよさそうなのが無かったからな。今日行ってもそうそうないと思う。」

「じゃあいっそのこと、王都に戻ってはいかがですか?」

「王都に戻ってもなぁ~なんだかなぁ~。」

「…いっそ勉強でもしたらどうですか?」

 

「それだ!そういえば俺はパルミドでの講義ぐらいしかしてなかったな。」

「一応第一王子なんですし。」

「まぁたしかに一応王子だけどさ。本屋の場所わかる?」

「最寄りは街門前広場にあります。」

「おお、ありがと。」

 

 

 

「傾聴!三日前に王都の城内に巨獣が出現!陛下がこれを討伐するも首謀者が未だ逃走中!元伯爵ベゴスと元子爵ダビをを見かけた者は警邏へ通報することだ!捕獲した場合は10万G!討伐した者は1万Gの賞金が出るぞ!」

 

「なぁ、分身君。やっぱ王都戻ろうと思うよ。」

「そうですか。お気をつけて。」

「君も来るんだよ。【ルーラ】」

「まぁ、そうでしょうね。」

 

 

 

「よっと。着いた着いた。火の庭園だ。」

「ん?君、ここは立ち入り禁止区域だぞ。」

「え、なんでですか?」

「ここは第一王子所有する火の庭園だ。一般の者は立ち入り禁止だ。さぁ出てった出てった。」

「余の顔を見忘れたか。」

「なにふざけているんだ。よっと。」

「あ、ちょ、担がないで。」

「関係者以外立ち入り禁止だからな。ここに入ったことの叱責を受けてもらうぞ。」

 

 

 

 

「赤騎士団の人いるか?」

「あぁ、はい。どうしましたか。」

「火の庭園にこの子供が侵入していてな。叱責してやってくれ。」

「はい、わかりま…殿下?」

「よ。」

「君、なんで殿下を担いでいるんだね?」

「はい?殿下?この子が?」

「そうだとも。君が担いでいるのは第一王子エリゴスその人だ。」

「余の顔を見忘れたか。」

「………よいしょ。えーと、大変申し訳ございませんでした。」

「まぁ名乗る前にふざけた自分も悪かったのでいいんじゃないでしょうか。ところで父上が巨獣と戦ったって聞いたんですけど大丈夫なんですか?」

 

「その、陛下は三日前から執務を休まれているようです。」

「何か怪我とかしたんですか?」

「一般警備員の私にはわかりかねます。」

「じゃあ、直接会いに行くよ。父上はどこに?」

「それでしたら私が案内しましょう。」

「あ、いいの?助かるよ。」

「殿下の騎士ですので。君は警備に戻ってくれ。」

「はい。失礼しました。」

 

「なぁ騎士君。名前は何だい。」

「クツムと申します。陛下は現在第二王子の部屋にいらっしゃるはずです。」

「なるほど、案内よろしくね。」





エリゴス
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91

{チャゴス}
わがまま王子5歳。
メイドや兵には高圧的だが怖い人や父には丁寧に接する。

{シャドーサタン}
wiki曰く隠密活動を好み暗殺や破壊活動を中心に暗躍する魔族。



コンコンコン

「失礼します。陛下はいらっしゃいますか。」

「所属を述べてください。」

「赤騎士団所属、クツムです。エリゴス様をお連れしました。」

「そうですか。陛下は現在チャゴス様の御世話をしてらっしゃいます。無礼の無いように。」

「ご苦労様です。」

 

 

 

「陛下、失礼します。エリゴス様をお連れしました。」

「む、ご苦労。よくぞ帰ったエリゴス。」

「はい、父上。ところでそちらの子が弟ですか?」

「あぁ、チャゴス。お前の兄のエリゴスだ。挨拶なさい。」

「あなたが兄上ですか?僕はチャゴスです。」

「おー、俺はエリゴス。お前の兄だよ。………兄だよ。」

「エリゴスはパルミドで2年修行してきて最近戻って来たのだ。お前に会っていなかったのは愛がないからでない。これでわかったか?」

「はい、父上。本当に不在だったのですね。」

 

「えーと、チャゴス君や。何か欲しいものはあるかい?」

「え?いえ。欲しければ父上やメイドに言います。わざわざ兄上のお手を煩わせる必要はありません。」

「あ、うん。だよね。ところで父上、お怪我とかはなされませんでした?」

「あぁ、私が怪我しているように見えるか?」

「うーん、無傷っぽいですね。ところで何か違和感がありますね。」

「…私のどこがおかしいのかね?」

「なんというか、動作がやけに忙しいような。」

「気のせいだ。気にするな。ところで何故戻って来たのだ。ベルガラックは合わなかったか?」

「いえ、城に巨獣が現れたと聞いたので戻ってきました。」

 

「ふむ、ちゃんと鳩はベルガラックに着いたようだな。」

「ところで父上、無傷なら訓練しませんか?腕がなまりそうで。」

「…今日じゃなくてはダメか?」

「ええ、今どうですか?チャゴスも見学してみたいよな?」

「はい、父上と兄上のカッコイイところが見てみたいです。」

 

「………ちょっとエリゴス、来なさい。」

「あ、はい。」

「チャゴスは待っていてくれ。大事な話なんだ。」

「わかりました父上。」

 

 

 

 

 

「えーと、父上?」

「…何故わかったのですか。」

「やっぱ違う人ですかね?」

「そうです。私は陛下の影武者の一人。ミームス殿が不在のため私が影武者をしています。普段の業務はチャゴス様の世話です。」

「父上はどうなさっているのです?」

「これは内密にしてくださいよ…現在陛下は首謀者の二人を護衛二人と追跡しています。近いうちにお戻りになられるかと。」

「チャゴスには言えないことなんですよね。何で僕には言ったんです?」

「さっきから誤魔化しの出来ない状況に持ち込もうとしているでしょう!私は剣術なんてできないんですよ!もっぱら魔法専門です!」

「そうだったのか、ごめんね。ところでなんて種族なんですか?」

「…まぁ良いでしょう。皆には内緒にして下さいね。私の種族はシャドーサタン。悪魔王バズズ様のしもべです。」





エリゴス
王子
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92

{スラぼう}
生きています。


「待たせたねチャゴス。どうやら父上は今ちょっと剣と喧嘩してるようでね。訓練はしないそうなんだ。」

「んー?そうですか、仕方ありませんね。ところで父上は先ほどから気分がすぐれないようですがどうなさったのですか?」

「あぁ、うむ。エリゴスに久々に会えたから喜んでいるのだよ。」

「なるほど、父上は喜んでいるときはそういう顔をするのですね。」

(父上…やっぱ普段から笑えないんだな)

 

「じゃあ代わりに俺が話をするけど、何か聞きたいことあるかい?」

「そうですね…兄上が行ったところで一番すごかった場所はどこですか?」

「一番すごかったところ…あー、これは俺が攫われてる最中のことなんだがな、途中で聖地ゴルドってところの港に立ち寄ることになったんだ。その時に港からそれはそれは巨大な像があったんだよ。その後街に入ることがあったんで近くで見たんだけど、それは女神像でな。顔の造形も精巧でよくあんな巨大なのに綺麗に仕上げたもんだと驚いたよ。」

「ほほう、それは僕も見てみたくなってきました。今度父上に言ってみます。」

「そかそか。俺みたいに攫われないようにな。俺の時は運よく良い性格のやつらだったが、これがタチの悪いやつなら捕まってその場でミンチだろうからな。」

「ミンチとはなんですか?」

「粉々の肉片になるってことだ。それこそそうなったらザオリクでも蘇生できないと思う。試したことはないが。」

 

「兄上は苦手なモノは無いのですか?」

「苦手なモノ…しいていえば汚いものとかかな。」

「それは皆嫌だと思います。もっとハッキリしてるものです。」

「そうだな…ペットのスライムとは顔を合わせにくいな。」

「なんでですか?ペットなんですよね。」

「俺のわがままで連れてきたんだがその後誘拐されて2年が経過してな。ぶっちゃけなぁ。無理やり連れてきたのもあって放置だぞ?どんな面して会いに行けばいいのか。」

「じゃあ、会いましょうよ。会ってから決めましょう。」

「…チャゴスいい性格してるな。いい意味で。」

「父上、良いですよね。」

 

「…申し訳ないがな、エリゴスのペットであるスラぼうは現在実験体として勤務してもらっている。」

「…実験体。ということはもはや原型を留めてなかったり?」

「いや…南西研究棟が巨獣によって壊されたのだが、そこにスラぼうも居たのだ。南西研究棟は未だ発掘作業中でスラぼうも生きていれば餓死はしていないだろうが…絶望的だ。」

「…そか。なぁチャゴス。俺会いに行ってくるよ。」

「え、ちょ。エリゴス。今言った通り埋まっているんだぞ。どうするんだ。」

「決まってるだろ、手伝いに行くんだ。じゃあまた後程。父上、チャゴス。」

 

 

「父上、兄上ってなんかカッコイイですね。」

「…チャゴス、マネしちゃいけませんよ。あれは勇敢なんじゃなくて無謀なんです。」





エリゴス
王子
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93

{バイシオン}
消費MP10。
全員に弱いバイキルトをかける。

{スライムマデュラ}
全身がマデュライトで出来たスライム。
ブレイクモンスターと違ってマ素で凶暴化したりしていない。
一応メタル系。




「おーい、なんか手伝えることあるか?」

「ん?なんだね君は。ここは子供が来る場所じゃないぞ。」

「いやさ、魔法でなら手伝えるかと思ってさ。」

「そうか、補助系呪文は使えるか?」

「おお!使える使える!」

「じゃあ俺たちにかけてくれ。補助魔法を使うやつが足りて無くてな。」

「OK!【バイシオン】!【スクルト】!【ピオリム】!」

「な、早すぎないか?いや、助かったが。君はもう下がっててくれ。後は任せてくれ。」

「あいよ、わかった。後ろで見てるよ。」

 

 

 

 

 

「おぉい!何か出てきたぞ!」

「これは…なんだ?」

「気絶してるようだな…」

 

「なんか出たんですか?」

「ああ、赤色のなんだかよくわからん物体だ。」

「えーと…え、これ。スライムマデュラですね。」

「これはスライムなのか?にしてはデカいし角ばってるな。」

「たしかマ素に適合したスライムで凶暴性は少なくて堅い、マデュライトの体を持つスライムだったような。とりあえず起こしてみますか?」

「ああ、できるならやってみてくれ。総員警戒用意。」

「【ザメハ】」

 

「んあ?ここはどこ…」

「ここは研究棟だよ。巨獣のせいでこのあたりの区画は壊れちゃったけどさ。」

「そうだ。僕は…突然建物が崩れて…ってもしかしてエリゴス?」

「ん?……もしかしてスラぼう?なんでスライムマデュラになってんの?」

「僕、体がぐちゃぐちゃになったんだけど、生きたいと思ってたらすごい力がありそうな物を見つけたんだ。それを全部吸収したら痛くなくなったから寝てたの。」

「おぉ…たぶんそりゃマデュライトだろうな…。体は大丈夫なのか?」

「うん、もうすっかり良くなったよ。ところで…久しぶりだね。」

「あー、うん。そうだな。俺の勝手で連れてきたのにすぐに会えなくなっちゃってな。」

「聞いてる。誘拐されたんだってね。馬鹿だね。僕と訓練するんじゃなかったの?」

 

「そうだな…今からするか?」

「受けて立つよ、僕だって実験として色んな事してきたんだからあの時みたいにはならないよ!」

「よし。兵士さん。ちょっと訓練棟借りますね。」

「…ああ、いってらっしゃい。」

「助けてくれてありがとう!」

「…ああ、無事でよかったね。」

「よし、じゃあ行こうかスラぼう。」

「うん!」

 

 

 

 

「なぁ、あの子供なんだったんだ?」

「喋れるとはいえあんな強そうな魔物…いや魔族?でもスライムだし魔物…?いや理性あるから魔族か?」

「まぁ魔族だろ。しかし…攫われた?連れてきた?なんか聞き覚えあるな。」

「…あ、わかった。たぶん今の子供、第一王子のエリゴス様だ。」

「なんだって、あの熊ネズミを倒したエリゴス様?今ベルガラックに居るって聞いたけど。」

「んー…戻って来たんじゃないか?とりあえず作業に戻ろうぜ。」

「そうだな。全員作業再開するぞ!」





エリゴス
王子
1867ゴールド
盗賊Lv13 寄生
HP117/117
MP693/710
ちから74
すばやさ116
たいりょく47
かしこさ190
▼とくぎ
一閃突き
れっぱ斬り
鑑定
みやぶる
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法


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94

{バーハ}
消費MP2。
一人のブレス耐性を大きく上げる。

{火炎の息}
消費MP5。
ちょっと強い火の息。

{ヒャド}
消費MP3。
単体に氷の魔法。

{リホイミ}
消費MP2。
持続的にちょっとずつ回復する魔法。


「よぉし、準備いいか?」

「いいよ。とても力がみなぎってるよ。」

「そうかそうか…俺としてもお前はとても相性が悪いので、今度こそ負けるかもしれないなぁ。」

「それじゃ、いくよ!ボァアァァァ!!」

「【バーハ】。いきなり火炎の息かよ。」

「君は避けるのが得意だろ?これなら避けられないでしょ。ボアァアァァ!!」

 

「とりあえず試しに【ヒャド】!」

「うわっ!?…あれ、痛くないよ!ボアァアァァ!!」

「やっぱりか…なぁ、10発当てたほうの勝ちにしない?」

「それだと僕が不利でしょ!降参までだよ!ボアァアァァ!!」

「じゃあいい加減火炎の息をやめろや!!」

「仕方ないなぁ。【メラミ】!」

「あっつぁ!!【ベホイミ】!【マホカンタ】!」

「【メラミ】!!うわぁ!?」

 

「もうメラミは受けねぇぞ!おら!」

カァン!

「いた…くない!」

「やっぱりメタルボディじゃねーか!お前に効く特技持ってるけどさぁ…」

「じゃあ使ってみればいいじゃん。」

「そしたらたぶんお前死ぬんだよなぁ…」

「なんで1か0なの!ボァアァァァ!!」

「しょーがないだろそういう特技なんだから!おら!おら!」

カァン!カァン!

 

 

 

 

 

「ふー…ふー…さすがにもう、疲れてきたんだが!?」

「こっちだって…過呼吸になりそうだよ…ボァアァァl!」

「なんかないか…なんかないか…」

カァン!カァン!

 

「もう、こうなったら…スゥゥゥゥ!!」

「げ、俺は逃げるぞ!!」

「………」

「追ってくるなぁぁ!!」

「ボアアアアアア!!」

「あっつうう!!【ベホイミ】!【リホイミ】!」

「はぁ…はぁ…まだ諦めないの?」

 

「…そうだ!あの手があった!!【マホトラ】!!」

「うっ!?……きゅう。」

「はー…マジでマホトラ系は便利だなおい。8じゃ効かなかった気がするけど効いてよかった…」

 

 

 

 

 

「…うぅ?何がどうなって…」

「やっと目覚めたか。俺の勝ちだぞ。」

「あ、さっきのずるくない!?」

「そうでもないぞ。あれはお前が油断してたから当たったんだ。

それに、ああでもしなきゃ止まらなかったろ。」

「エリゴスが降参すればよかったじゃん。」

「馬鹿なこと言うなよ。ペットに負けてたんじゃまだまだだろ。」

「ぐぬぬ…せっかく強くなったのになぁ。」

「お前が強くなっても俺のほうが強くなってやるよ。恵まれた生まれだからな。」

 

「殿下!もうよろしゅうございますか?」

「あぁ、訓練場貸してくれてありがとう。」

「兵士たちは皆復旧に駆り出されていますからね。人間と魔族の訓練が見れて私も満足です。」

「じゃあ、俺たちは火の庭園にいるから。もしスラぼうに用事がある人が来たらそう言っておいてくれ。」

「かしこまりました。お疲れ様でした。」





エリゴス
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ヒャド
〇補助魔法
バーハ
〇特殊魔法
マホトラ


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95

体調崩してて1時間横になったりなんなりしてたあっという間に0時超えてた。

{スライムの分裂}
モンスター物語によると起源はアレフガルドの小さな湖の中らしい。
wikiじゃ草食だろうって書かれてるけど絶対雑食だぞ。骨付き肉食うし。


「失礼します殿下。スラぼう殿の迎えが参りました。」

「おや、研究者の方かな。入ってきてもらって。」

「かしこまりました。」

 

 

「スライムく~ん!!無事だったんだねぇ!!」

「あ、所長さん。この通り姿は変わっちゃったけど無事だよ!」

「えーと、はじめまして。第一王子のエリゴスと言います。」

「あぁ、スライムくんを無理やり連れてきてその後一切合わなかった薄情なエリゴス殿下ね!あたしはララピー、研究所長です。一番偉い研究者よ!」

「あー、その、たしかに薄情っちゃ薄情ですよね。スラぼうの事を引き受けてくれてありがとうございました。」

「いいのよ!あたし元々スライムの研究でここまで上り詰めたもの。スライムくんの姿が変わってるのは気になるけどスライムくんはわたしの研究対象のスライムの一人であることに違いないわ!」

 

「他のスライムはどうなったのですか?」

「そうね、4分の1は巻き込まれて死んじゃった。誰の仕業かわからないけど…いや十中八九あの元貴族どものせいなんだけど、弱いニフラムを発する装置が地下に設置してあって崩落したところに居た子たちはほとんど抵抗できずに消されちゃったみたい。

でも、生き残った子のほうが多いから私は研究を続けるわよ!」

「ところでどんな発見をしたんですか?」

「スライムの種類がどうやって増えるのか、よ。今までは卵だけだと思われていたけど、分裂で増えるのが確認できたの。分裂してすぐは適応力がすごくて色んなスライムに変化するのよ。」

 

「もしかしたらなんですけど、スラぼうって一度潰されてぐちゃぐちゃになったらしいんです。それって分裂と似たようなことになりますかね。」

「…なるんじゃないかしら。でもどうしてそんなに硬そうな見た目になったのかしら。」

「あー、その。スラぼうはスライムマデュラという種族でして。マデュライトというマ素の塊で出来てるんです。恐らくその元子爵元伯爵がマデュライトを持ってたんじゃないですかね。」

「なるほど、食物による変化ということね。水分が少ないところのスライムや逆に湿地のような場所のスライムの変化も確認されているしその説で間違いないと思うわ。」

 

「まぁ、スラぼうの事はこれからもよろしくお願いします。今のところ城には長居しにくくって。」

「あら、どうして?」

「実はチャゴスを担ぎ上げる一派に嫌われてるらしくってメイド長が僕に対して世話しないようにメイドに命令してるんですよ。だから王都に居るときはもっぱら街の宿屋に滞在しているんです。」

「あら、王子ってのも大変なのね。あたしは誰にも反対されずに研究所長よ。まぁ面倒ごとが増えるから皆なるの嫌だったんだろうけど。それでも予算の申請が自由なのはこの国のいいところよね。魔物や魔族に寛容だからより深い知識が必要であたしたち生物研究者が重宝されてるんだから。」





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96

{狐}
喋る馬が居るんだし魔物じゃなくてもやばい動物居そう。

{きつねび}
モンスターズに出る魔物。
狐の顔の浮かんだ青い炎の周りを、同色の炎が囲んだ姿をしている。



「ふぅ…ふぅ…子爵、ここはどこなんだ。」

「わかりません…もはや北がどちらなのかも…」

 

ガサガサ

 

「「ヒィッ!」」

「コヤーン。」

「な、なんだ。ただの狐だ。」

「伯爵、この狐食料にしませんか。」

「ふむ。しかし子狐か…あまり腹が膨れなさそうだな。」

「【ヒャド】」

 

「コ、コヤアアーーン!!」

「む、逃したか。」

「疲れているのやもしれんな。今日はもうここらへんで休める場所を確保しよう。」

「はい。といっても…木が多すぎてどこも腐葉土まみれでよこにはなりたくないですな。」

 

……ォォォーーン

 

「む?今何か聞こえたような。」

「どうした子爵。トヘロスは張ったぞ。」

「うーむ、気のせいか。」

 

……コォォォォーーーン

 

「いや、気のせいではない!伯爵、何かが来ます!」

「おそらくは親狐か何かだろう。むしろ来たら食料にしようじゃないか。」

 

 

コォォォォォーーーン!!

 

「な、でかすぎる!!」

「まて、まて、狐は人を化かすと聞く。きっとこれも幻術の類だ。………【バギ】!」

「効いてない!?………【ヒャド】!」

 

コォォォォーーーーン!!

「「「ボアァ!」」」

「げげ!きつねび!!」

「ただの動物が魔物生み出したぞ!?」

 

「「「【ギラ】」」」

 

「ぎゃあああ!!!」

「子爵!?お、おのれ!………【バギ】!」

「ボア…」

「「【ギラ】」」

「ぎゃっ…ぐぐ…【バギ】…」

「「ボア…」」

 

コォォォーーーン!!

 

「「「ボアァ!」」」

「ひ、ひぃぃぃ!!すみませぬ伯爵!!」

「…………」

 

「「「【ギラ】」」」

「ぎゃあああああ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「ドノパン、彼らはこの先か?」

「はい陛下。アテクシの片割れがちゃんと追尾してますです。」

「陛下ぁ。たしかこの森ってぇ…」

「うむ…動物でありながら魔物以上の力を持つキュウビとやらの縄張りだった気がするが。」

「そうですはい。どうやら彼ら、キュウビの子供に攻撃を加えたようですはい。」

「んー…ってことはぁ、俺たちが着くころには死んでたりしてぇ。」

「それでも生死の確認はしなくてはならない。そして死んでいたとしても死体を持ち帰れば蘇生ができる。むしろ死んでいた方が大人しくていいかもしれんな。」

「やだねぇ、あのガキンチョがこーんな殺伐とした考え持っちゃって。」

 

「息子だけではない、城の者全員を危険に晒し、国家転覆のような研究をしていたのだ。必ず情報を吐かせねばならん。」

「陛下、彼らはキュウビの生み出したきつねびによって倒れました。恐らく死亡かと。」

「む、燃え尽きる前に急がねば。ドノパン、キュウビが死体処理しないように妨害してくれ。」

「はい、かしこまりましたです。」





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97

{魔封じの杖}
非売品で錬金とかでしか手に入らず、錬金以外では七賢者の遺した品として手に入るので国宝にしときました。


「殿下、陛下が帰還なさいましたよ。」

「ありがとう。えーと。さっきの方。」

「…やはりお分かりですか。皆には内緒でお願いしますね。」

「もちろんですよ。案内お願いします。」

 

 

 

 

 

「おお、エリゴス。戻っていたのだな。」

「犯人は捕まえられました?」

「そうだな。捕まえたというよりは遺体の回収だったが確保できた。この後蘇生して尋問をする予定だ。」

「ならよかったです。そういえばスラぼうが崩落現場で変化しましてね…スライムマデュラっていうマデュライトの塊のような種族に。」

「何、つまりあそこにはまだマデュライトが…発掘できれば今後の対策に仕えるかもしれないな。よく知らせてくれた。」

「いえー、それじゃ父上の無事も確認できたのでベルガラックに戻ろう…とは思えないんですよ。さすがに飽きてきました。」

 

「そうか…まぁ子供一人では行けるところも限られているだろうな。そうだ、ギャリング殿に会うことができるように紹介状を書こう。」

「あー、その。これを貰いました。」

「む、それはギャリングダガー。私の書斎から持ち出したわけでもないだろうし自力で会うことが出来たのか。さすがエリゴスだ。となると私にできることは…思いつかないな。何か欲しいものはあるか。」

「前まではお金が心もとなかったですけどベルガラックで2000Gほど稼げることがありましてお金には困ってないですね。しいて言えば…尋問に付き添いたいなぁと。」

「むぅ、しかしお前はまだ7歳だろう。尋問は見苦しいところも多いぞ。」

「まぁたしかに子供に見せるモノじゃないかもしれないですけど、個人的に聞きたいことがありまして。」

「そうか…わかった。ただし本格的に尋問を行う前だ。」

「ありがとうございます父上。」

「では、そろそろ蘇生も終わったころだろう。向かうぞ。」

 

 

 

 

「うぅ…ここは。」

「ここは王城です。あなた方は遺体として確保されたところをこうして蘇生されたのですよ。」

「あ、あなたは大臣殿!そんな…もう絶望だ…そのまま殺しておいてほしかった…」

「そうはいきません。あなた方が目論んでいたこと、南西研究棟でやっていたこと、関係者、全て吐いてもらう事になります。」

「く、くそがぁ!!………【イオ】!」

 

「無駄です。何の対策もしていないとでも?既に国宝である魔封じの杖によってあなた方の魔法は発動しなくなっているのです。諦めてそのまま座っていなさい。」

「く、くそぉぉ!あああ!!」

「ふん、蘇生したばかりで無理やり動いても平衡感覚がぶれて当たらんよ。兵士よ、この二人を縛っておけ。」

「かしこまりました。」

「く、くそぉ…このようなことをして許されるとでも…!!」

「何を勘違いしている?誰がお前たちの身分を保証するというのだ?平民以下の犯罪者めが。お前はたとえ全て吐いたとしても前大臣と同じく一生を獄中で過ごすことになる。今のうちに我々の心証を良くしておくべきだな。」

 

「大臣殿、陛下が来られました。」

「おや、時間のようですね。どうぞ、陛下。」





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98

{タクルマッカ}
もちろんオリジナルキャラ。



「…第一王子。」

「どうも、エリゴスです。ところで聞きたいことがあって来たんですけどね。マデュライトどこで手に入れたんですか?」

「マデュライト…マドライトのことか。私が言うとでも?」

「あれ、言わないの?ほーん。言ってやろうか。そいつ今ベルガラックに居るだろ。」

「………。」

「図星だろ?そいつはもうマークされてるんだよ。素直に吐きな。」

「…魔界から来たタクルマッカというダークエルフからだ。」

「そうかそうか。いやー、ベルガラックに居るってことしか知らなかったからさ。ありがとね。」

「貴様!!」

 

「じゃ、父上。聞きたいこと聞けたので後はお任せしますね。」

「そうか、では城下町に居なさい。終わるまで城には戻らないほうがいい。」

「はい。それじゃ失礼します。」

「元伯爵。元子爵が起きるまでの間すべてを洗いざらい吐くべきだ。」

「ぐぐ…わかりました。」

 

 

 

 

 

「つまり、タクルマッカなる者はマアサの奇跡とやらを起こすためにマ素の抽出について研究を求めてきた。そういうことだな?」

「そうです。魔界は空気中のマ素が濃すぎるせいで実験できなかったため無作為に別世界への扉を開きその世界の権力者に研究を委託する、その為に私に話を持ち掛けたのです。」

「そうか…で、それがどうなってあのようなバケモノの研究に変わったのだ。」

「私は思いついたのですよ。マ素をマデュライトから抽出できるのであれば、そのマ素をそのまま注入すればより強靭な魔物に、そこからマ素を再抽出すれば強靭な肉体はそのままに理性を保った魔族が生まれる。…そう考えていたのですが。」

「暴走した…と?熊ネズミの件はどういうつもりだ。」

 

「あれは私の仕業ではありません。私が注入実験を行い始めたのはワンダーフール、猫、人です。決してネズミではありません。」

「まて…人だと?まさか市井の者を攫った上に人体実験をしたというのか。」

「…はい。10名ほど…。」

「なんという事を…まさかあの巨獣は…猫なのか?」

「はい。初めての再抽出だったのですが、拒絶反応か見る見るうちに巨大化し装置を破壊、そのまま暴れまくり私と子爵は逃げ出しました。」

 

「大臣、発掘はどうなっている。」

「はい、未だ2割、といったところです。」

「私の実験は地下で行っていた。すぐには掘り出せないはずです。そして…私が恐れているのは生き残りが居た場合です。おそらくは…暴走するかと。」

「うむ。大臣、急ぎ危険性を通達。赤騎士黄騎士に発掘隊護衛を任せよ。」

「かしこまりました。」

「元伯爵、お前はここで見張りと待っていろ。私は少し行くところができた。」

「…待ちますとも。減刑のために。」





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99

{ベルガラックへ行く途中のワインが名産の村}
名前何にしようね。


「エリゴス様、先ほどの質問についてですが。まさか私の尾行を邪魔しようとはしていないでしょうね。」

「いやいや、それは心外だな。俺は分身君のために聞いたんだよ。なんせ誰が尾行対象か知らないからな。聞いたって教えてくれないだろう?」

「…まぁエリゴス様のちょっかいを出したがる性格を考えると教えませんね。」

「そうでしょ。だからあらかじめ知っておいて近寄らないでおこうという優しさだよ。」

「まぁ邪魔をしないなら構いません。それで城下町で何をするのですか?」

「あれから下水道がどうなったか見に行こうかな。分身君も来るかい?」

「私は他の分身と情報共有をしてきます。別の分身を憑けておきますのでそちらを使ってください。」

「はーい、それじゃ退治されないように気を付けてな。」

 

 

 

 

 

「む、坊主。ここは立ち入り禁止だぞ。」

「あれ?下水道に見張りついたんですか?」

「坊主は知らないのかもしれないが数日前に十数人が行方不明になった原因の魔物がこの中に居たんだ。念のために誰かが入らないように俺みたいな傭兵が下水道の見回りや警備をしてんだ。」

「あー、ネズミの魔物ですよね。そっかぁ、いやね、下水道どうなったかなーって気になって来たんですよ。」

「子供だから好奇心が強いのはわかるが仕事なんだ。坊主は帰って家で大人しくしてな。」

「はーい。失礼しましたー。」

 

 

(巡回警備されてるならいいんだけど、この後どうしようなぁ。)

「はい坊ちゃん、卵焼き定食お待ち。」

「はーい、ありがとうございます。」

(一度城に戻る…?いやまだ入っちゃダメだろうしなぁ。いっそベルガラック戻る?いやぁ、ベルガラック行ってもなぁ。)

「おい、坊主。美味そうなもん食ってんじゃねぇか。それなんてメニューだ?」

「卵焼き定食。」

「おう、ありがとよ。オヤジ!卵焼き定食1つくれ!」

「あいよ!座っててくれ!」

 

(うーん、やっぱあの村に戻って手紙渡した事伝えて美味しい葡萄ジュースを飲みに行こうかな。よし、そうしよう。)

「いやぁー、うめぇな。おい坊主、お前もそう思うだろ。」

「そうですね。」

「そっけないな!がっはっは!!」

「じゃあ用事があるので。」

「おいおい、もっと話そうぜ!俺はお前みたいなガキが好きでよ!酒ついでくれや!」

「…【ラリホー】」

「んあ?……眠い……ぐぅ。」

(魔物の噂聞きつけたのか傭兵多いし居心地悪いなぁ。やっぱあの村に滞在しよう。よし。)

「分身君、ベルガラックへ行く途中のワインが名産の村に滞在してるから。他の分身にも伝えておいてくれ。」

「かしこまりました。」

 

「店主さんごちそうさん!」

「あいよ!またおいで!」

 





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100

{村の名前}
ブルゴーになりました。

ところで記念すべき100話目ですが尻を拭いたら真っ赤でした。切れ痔だそうです。皆さん腹筋背筋腕立てプランクは無理しちゃいけないですよ。頑張った馬鹿より。


「どうもー、こないだ葡萄ジュース飲んだ子供です。覚えてます?」

「ああ、覚えてる覚えてる。もう王都に戻るのかい?」

「いえいえ、今日はベスさんの親父さんに手紙を届けた報告をしようと思いまして。あの人います?」

「律儀だねぇ。届けたなら相手から返事が届くだろうに。あの人は今は樽加工場に居るはずだよ。うちを出て右に進むと大きな柵の建物があるからその中さ。」

「ありがとうございます。それじゃその前に葡萄ジュースを1杯!」

「ははは、ゆっくり飲んでいきな。いまの時間はまだ仕事中だろうからね。会うまでに時間がかかるだろうし仕事が終わる時間まで寝てくかい?」

「んー、どうせなら手伝う事あります?ただ寝てるだけってのも申し訳ない。」

「ははは!ほんとに律儀だねぇ!じゃあ皿でも洗ってもらおうかね。お礼に葡萄ジュース飲み放題さ。」

 

 

 

 

 

「おかみさーん、終わりました!」

「おや、……うん。しっかり洗えているね。まだ時間あるけど…店内の掃除するかい?」

「はーい!」

 

 

 

 

 

「おかみさーん、終わりました!」

「おや?……たしかに終わっているね。坊ちゃん体でも鍛えてるのかい?」

「ええ、パルミドで2年ほど訓練しまして。」

「すごいね、まだ小さいのに。あたしの息子も坊ちゃんくらい努力してくれればねぇ。」

「息子さんどうかしたんですか?」

「もうすぐ15歳だってのに畑仕事もせずに木像ばっか彫ってるのよ。置き場にも困ってるしせめて売れればねぇ。」

「へぇ、気になったので見に行ってもいいですか?」

「あぁ、この食堂の裏にくっついてる家だよ。好きに見ていきな。」

「はーい。」

 

 

 

 

 

コンコン

「失礼しまーす。誰かいますかー。」

 

………ガチャ

「誰?」

「食堂のおかみさんから息子さんが彫刻をしてると聞いて気になってきました。息子さんですか?」

「ああ、俺はモス。俺の彫刻が気になって来たのか。俺はな、ワイン以外にもこのブルゴーには資源があることを証明したいんだ。そこで真っ先に目に入るのは木さ。

俺は村の周りの木を使って新たな特産品作りをしたいんだ。入りな。」

「失礼しまーす。」

 

 

 

 

「えーと、1つ1つは小さいけど数が多いですね。」

「そうか。そうだよな。どうしても彫りたくて仕方がないんだ。」

「これは…男神像ですか?」

「よくわかったな、俺は5歳の洗礼の時からずっと、神について疑問に思っていたことがあるんだ。どうして神は口調が変わるのか。俺は思ったんだ。神は男と女のどちらでもなくどちらでもあるんじゃないかと。世間では神は女であるとされているが俺はそうは思わない。そう思うと彫らざるをえないんだ。」

「難儀な思想ですね。教会の人にバレたら異端者として処罰されそう。」

「なに、この村の神父は既に説き伏せた。何も神の否定はしていないんだ。俺はこの思想を広めたい。…そのためにはこの像が売れなければどうしようもないがな。」





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101

{巨大な黒い物体}
オリジナル要素。
私がこの小説を書き始めた原因の1つ。
2つ書きたいものがあったのでどうせなら同時進行でやろうと思った。


「それで、モスさんは趣味で作ったこの男神像と中心とした彫刻を売りたいけどルートが無いのが悩みなんですか?」

「ああ、木材はいくらでもあるんだ。1種類の木だけを植林したら森の魔物が怒るからな。樽に使わない木材なら捨てるほどあるんだ。それをこのように彫れば土産物になる。」

「なるほど。ところでもうちょっとこの村らしさみたいな物はないんですか?」

「…あることにはあるんだが、ただの巨大な黒い物体だからな。そのまま彫刻にしたところで木の塊だ。」

「ほう、巨大な黒い物体…気になります。」

「そうか、それならこの村の西側に断崖絶壁ってくらい垂直な崖があるんだが。その前に鎮座している。歩いていくなら10分程度で着くはずだ。魔物には気を付けろよ。」

「はい、ありがとうございました。」

 

 

 

 

 

「おおー、これかぁ。確かに巨大で黒い謎の物体。黒曜石っぽいけど…」

「おや、こんなところによそ者が来るとは珍しい。誰かから教えてもらったのかい?」

「はい、彫刻家のモスさんからこの村の名物と言われて見に来ました。」

「彫刻家…?あぁ、あの木工馬鹿か。私は魔族のインフラ。こう見えても君の100倍は生きているのさ。」

「へぇ、どうみても普通の人にしか見えないですね。」

「ははは、前に人の町で過ごしたときは見た目が人間そっくりだから歳を取らないことで不気味がられてしまったよ。君はこの結晶が何か知っているかね?」

「いやぁ、全く。」

「ここにはね、シンリュウが封じられているのだよ。」

「へぇ、神竜ですか。なんで封じられているんですか?」

 

「昔悪さをしていたシンリュウに対して、竜神族という別の世界の者達と今の魔族が力を合わせて戦ったのさ。その結果シンリュウを弱らせることが出来た竜神族の長が倒しきれなかったシンリュウを押さえつけ、魔族の長がこの封印を施したのさ。」

「へー。その魔族の長があなただったり?」

「違うね。その魔族の長はここからもっと西に住んでいるのさ。」

「そっかぁ。いつか見てみたいなぁ。神竜。」

「ふふふ。見れたらいいね。でも悪い竜だよ?怖くはないのかい?」

「今のところはそういうの無いですね。神鳥がいるくらいだしどうせなら各地の強大な生物を見てみたいです。」

「神鳥…あぁ、暗黒神と戦ったっていうやつか。」

「そうそう。ところでお兄さんの種族はなんですか?」

「なんだと思う?」

「そうだなぁ。そこの封印された神竜の化身だったりして?」

「…はっはっは。面白い冗談だな。それだったらとっくに封印が解けてるじゃないか。不正解だから内緒にしてやろう。」

「あら、残念。じゃあそろそろ村に戻りますね。日が傾いてきたし。」

「またいつでもおいで。土産話でも期待しているよ。」





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▼解放済みまほう
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102

{ヘルコンドル}
上薬草落とすし雑食でしょ。




「おや、おかえり。もう飲みに来てるよ。」

「あら、ありがとうございます。」

 

「お久しぶりです。手紙はちゃんとベスさんに届けましたよ。」

「ん?おお坊主!助かったぜ。ところでノビルはどうだったよ。」

「ポリポリいただきました。肉と一緒に炒めて食べてみたいですね。」

「そうかそうか。うちの村はワインくらいしか土産物になる物はないからいっそノビルでも売るか!」

「土産物ですか?それならここのおかみさんの息子のモスさんが木を彫って片手で持てるサイズの像にしてるんですけどそれじゃダメなんですか?」

「あー、こういっちゃなんだが。アレはさすがにいかんだろ。使わん木材の利用としてみればいいが、本人がアレしか彫る気ないからな。アレはダメだ。」

「ですか。おかみさん、焼肉と葡萄ジュースおねがいします。」

「はいよ!」

 

 

 

 

 

「そういえば村の西のところでインフラさんって方に会ったのですけどあの人ってどこに住んでいるんですか?」

「あぁ、インフラ様は村長の家に住んでいる。代々の村長を見守っているらしい。」

「あの人の種族って知ってます?」

「うーん?いや、知らねぇな。インフラ様はインフラ様ってみんな思ってるはずだぜ。なんてったってガキの頃から世話になってるからな。この村を魔物が襲わないように植林や伐採の時期に指示を出してくれるのがインフラ様だ。」

「へぇ。この辺ってどんな魔物が出るんですか?」

「主にヘルコンドルっつぅ巨大な鳥なんだがよ。そいつらは雑食で肉だけじゃなく草も食べるんだが。その草の好みがわかれるらしく色んな種類の木を植えておかないと行動範囲が広がって村まで来ちまうらしい。」

「どれくらいの大きさなんですか?」

「最後に見たのは俺がガキの頃だが…大人と同じくらいにはでかかったはずだ。間違っても一人で森の中へ入るんじゃねぇぞ。お前みたいな子供はかっさらわれて食われちまうぞ。」

 

 

 

 

 

「やぁ、おごってもらってありがとうございました。」

「いいって。わざわざ手紙を届けたことを教えに来たんだ。これくらいはする。なんならうちに泊まっていくか?」

「ぜひお願いします。」

「よし、俺の家は樽加工場の横の長屋だ。ちぃと狭いかもしれんが坊主一人増えるくらいなら変わらんだろう。」

「そういえばこの村って娯楽かなんかあるんですか?」

「おう、それなら今頃長屋の連中が集まってサイコロでもやってんじゃねぇか?お前もやってくか。」

「サイコロ…えーとどんな感じのですか?」

「丁半だったりチンチロリンだったりその日に決まるな。」

「あぁ、なら出来そうですね。ぜひ参加したいです。」

「よぉっし。寝るまでやるか!」





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103

{モシャス}
取り調べとか受けたらまずバレるタイプの変化。
{変化の杖}
DQ8では未登場。時間制限で効果が切れてしまうタイプの変化。
{ジャハンナ人}
体の構造ごと人間になるのでバレにくい変化。ただし酒を飲むと魔物に戻る。


「おぉい坊主、朝だぞ。」

「おぅふ…おはようございます。」

「朝飯食いに行くぞ。ところで坊主は一人で来たのか?」

「あぁ、そうです。移動用の魔法を使えまして。」

「ふむ、リレミト以外にもあるのか。俺は魔法には詳しくないからわからんがそれなら帰れるな。」

「ですね。移動速度も歩くのの10倍以上の速さなんで。」

「へぇ、それで商売しようとか思わんのか?」

「やー、風情がないなぁって思うんですよね。旅はやっぱ一瞬で終わっちゃおもしろくないですから。」

「そういうものか…俺はどこでも行けるならそっちの方がいいけどよ。年だから長距離あるけねぇんだ。」

 

 

 

 

「おや、加工場長殿。そちらの子供は?」

「あぁ、こいつはベルガラックまで手紙を届けてくれたガキでしてね。お礼に1日泊めてやったんでさ。ほら坊主、村長さんだ。」

「こないだはどうも。ワイン2本購入した者です。」

「んー…あー!そうだそうだ。ザクロの苗を売ってくれたモスコさんと一緒に来た子だ。

一人で来たのかい?」

「はい、移動用の魔法を使えるので。」

「そうかそうか。それならまた暇になったときにでも遊びに来なさい。この村は街道だからそれなりに活気はあるが子供が少ない。村の子たちと遊んでくれたらなによりだ。」

「そういえば子供を見かけませんでしたけど何処にいるんですか?」

「子供達なら昼間は葡萄畑だな。大人が見守りながら葡萄の育て方について学んでおる。どれ、行ってみるかい?」

「気になりますけど、用事があるので帰ろうと思います。また今度お願いします。」

「うむうむ、また気軽に村に寄るといい。」

 

 

 

 

 

 

 

「陛下、やつらが口を割りました。例の装置の入手先はアスカンタの技師だそうです。」

「うむ…やはり第二王子派は国内ではなくアスカンタで何かをしているか。隠密を3名ほどアスカンタへ派遣し調査してくれ。くれぐれも魔族と知られないように。トロデーンやサヴェッラ程でないにしろ魔族と魔物を区別しない国ではあるからな。」

「存じております。細心の注意を踏まえそれぞれ別の変化の仕方をする者を派遣いたします。一人はモシャス使い。もう一人は変化の杖。あともう一人はジャハンナ人を。」

「うむ、それならば問題なかろう。こういう時にミームスが居れば便利なのだろうな。」

「ミームス殿…分身が言うにはベルガラックで原因となった魔族を調査中とのことです。」

「そうか。まぁそちらもミームスでなくては不自然な調査になるだろう。止むをえまい。」





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104

{侍女長}
ミシェル。第一王子の世話をさせないようにメイドに通達した思い上がり者。


「父上、ただいま戻りました。なにか変わりありました?」

「うむ、彼らが用いていた機械がどこで調達されたものかが分かった。そして協力者、なにより一番大変なことがある。」

「もしかしてマデュライトの仕入れ方とか?」

「いや、使用済みマデュライトの使い道だ。彼らはそれをマドエルの不完全品…まぁマデュエルなのだろうが抽出後のそれを粉末状にし売りさばくことで資金を得ていたようだ。」

「えー…買う人いるんですか?」

「サザンビークに人型の魔族が多いことは知っているな。それらを血縁に持つ者にとってマ素の含まれるその粉末はとても美味に感じるらしい。しかしその幸福感は長続きせず、不足して数日が経つ者は性格が変わるほどだそうだ。」

「………父上、心当たりが一人いるんですけど。」

 

「む、それは誰だ。もしかしたら我々も知らない人物かもしれない。」

「ミシェル侍女長です。実はミームスは私が城を出る理由を城下町で暮らしたいからと報告したはずですが。実際は侍女長による世話の拒否が原因です。そこでちょっとしたイタズラに侍女長の私室に入り込んだのですが、金をほとんど持っていませんでした。なにより…第一王子よりも偉いと思い込むとかどうかと思うんです。」

「…ミームスからは報告を受けていないな。そうか。誰か、侍女長を呼び出してくれ。」

「畏まりました。」

 

 

 

 

「陛下、失礼します。いかがいたしましたか。」

「ミシェル侍女長。たしか半年ほど前に就任したそうだな。」

「はい、おっしゃる通りにございます。」

「それで、第一王子の世話を拒否したそうではないか。何か申し開きはあるか?」

「…?申し開きもなにも、私の正当な権限を行使したまでです。」

「…どういうことだ?」

「私はこの王城の侍女長。全ての使用人は私の部下です。そんな私が何故パルミド育ちの下賤な者を世話する必要があるのでしょうか。」

「侍女長、この城で一番偉いのが誰か答えられるか。」

「もちろん陛下でございます。しかし、この城で働く者の中で一番偉いのはもちろん私であることは確かです。」

 

「…もうよい。マデュライトがどうとかではない。単刀直入に聞くが、私はマドエルを持っている。欲しいか?」

「是非!!!!!」

「…このような廃人になるものを売りさばきおって。ガード、ミシェル元侍女長を牢屋へ。リハビリ用に戦士と僧侶の職業を持った者達を雇用しておくように。」

「はっ!ついてきなさい。」

「元…侍女長…?え…あぇ…」

 

 

「ふぅ…これは一回全員と顔を合わせる必要がありそうだな。もう出てきていいぞ。」

「いやぁ、案外作業机の下も居心地がいいもんですね。にしても前よりひどくなってましたよ。前はもうちょっと分別のある感じでしたけど。」

「そうか。エリゴス、お前に頼みたいことがある。話を聞いてから判断してほしい。」





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第八章悪魔王バズズの町
105


{旅の扉}
モノによって色は違うけど基本青色の渦。
恐らくDQ5魔界組は全員知ってるタイプの技術。
再現できるかどうかは別として。


「頼みというのはだな、お前にはご先祖様のところへ行ってほしいのだ。」

「たしかかなり西にあるサザンビークコミューン墜落地ですっけ?」

「そうだ。現在の情勢はお前にとってかなり危険だ。第二王子派の筆頭であった元伯爵が尋問を受け協力者を吐いたことはほとんどの家臣が知ることとなった。場合によってはヤケを起こした者による襲撃があるかもしれない。それはどの町、村にいてもだ。」

「それで、ご先祖様のところへ…つまりは王族のトップシークレットまみれの厳戒態勢のところへ避難するわけですね。」

「そうだ。今回は他国にも手が回っていることで国外でも安心できない。唯一安心できるところと言えばそこだけなのだ。本来であれば王族といえど気軽に行くことは出来ない地であるが謀反が起きている現在、緊急避難で許されると思う。もしお叱りを受けるのであれば私が受けよう。」

「わかりました。どうやって行けばいいのですか?」

「うむ、それはな。ポチっと。」

 

ゴゴゴゴゴゴゴ

 

「おぉ、本棚が。」

「この隠し扉の先だ。ついてこい。」

「いやぁ、ロマンありますね。」

 

 

 

 

「これは旅の扉!うわぁ実物を見たのは初めてだ。」

「…エリゴス。何故これが旅の扉だと知っている?」

「え?そりゃもう見るからに旅の扉ですから!」

「そういうことではない。何故、この世界に一対しかない旅の扉について知っているのだ?」

「………あ、そういうこと!あー、なるほど。そっかー…まぁ、その。存在は知ってたとしか。」

「どこで、知ったのかと。聞いているんだ。書庫か?それとも盗賊団か?」

「うーん、信じてはもらえないかもしれませんけど、前世ですね。」

「前世…なるほど、お前は何某かの生まれ変わりだったか。」

「あれ、納得するんですか?」

「市民であれば疑うだろうがサザンビークの王族ともあれば各世界から来た魔族からその世界のかつての情勢を伝え聞くこともある。ご先祖様の居た魔界にもエルヘブンという場所につながる旅の扉があったらしいからな。」

 

「ところでエリゴス。生まれ変わる前は何であったのだ?魔法の発動の速さを見るに魔法使いか?それとも行動の突拍子もなさから遊び人か?はたまた放浪癖のあるところから吟遊詩人か?」

「その、実は職業も魔法もない世界の、落ちぶれ者として生活していました。精神病を患い、落ち着いても仕事は下請けの下請け。高所作業が常のいつ死んでも誰も悲しまない人脈の人間でした。」

「…そうか。つらいことを思い出させてしまったな。」

「いえ、いいんです。ランプの魔人のおかげでこうして今では……いや思ったよりも過激な毎日ですけど楽しく感じてますし。なによりミームスが分身とはいえ居てくれますし。」

「…うむ、いつか仕事が落ち着いたら。一緒にトロデーンまで行こう。」

「…うーん。はい。」





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106

{ミルヒビーク}
落下して壊れた魔界の町ミルヒックと落下して残ったサザンビーク
住んでる人が合わさってミルヒビーク。

{悪魔王バズズ}
ご先祖様。




「では、向こうに着いたら門番にこれを渡すように。サザンビーク王家であることの証明書のようなものだ。」

「ふむ…なるほど。見た目はただの栞ですね。」

「くれぐれも失礼の無いように。全員が自分より上の立場と思え。仮に何かやらかしたとしても子供として許してくれるとは思うが…一生そのことを笑われることになるぞ。」

「…それは嫌ですね。わかりました。」

「よし、それでは向かってくれ。あまりここに長居してはばれるやもしれん。」

「そうじゃん。本棚戻せるようにしましょうよ。」

「無理だな。かつてのサザンビークコミューンで使われていた装置で無傷だったものだ。とても貴重なのでもう残ってはいない。」

 

「それでは、行ってきます。」

「うむ、ご先祖様達によろしく伝えてくれ。」

「よ、よ、よいしょー!」

 

(あぁ、視界が歪む。歪むどころかねじれる感じがする。体が再構成とかじゃないのはいいけど無理やり空間を通っているような気がする。できればあまり体験したくないタイプの気持ち悪さ。あ、収まって来た。)

 

「うぇ~、ここはどう見ても石造りの小部屋。」

「エリゴス様。そこの扉を開けた先が入り口です。覚悟してお入りください。」

「へぇ~い。」

 

ガチャ

 

「む、そこの子供。ここはサザンビークコミューン墜落地。我々に出すものはあるか。」

「はい、この栞っぽいのを。」

「……よし、たしかに本物のようだ。ようこそサザンビークコミューン墜落地へ、通称で言えばミルヒビークという場所です。あなたは王族ですね?」

「はい、サザンビーク王クラビウスの長男。第一王子エリゴスと言います。」

「その歳で来たということは何かあったのですね。済むまでここで休むといい。ついてきなさい。」

「はい。」

 

 

 

 

「長、失礼します。旅の扉から来客でございます。」

「うむ、通せ。」

「はっ。さぁ、この先へどうぞ。」

「はい。失礼します。」

 

「よくぞ来た。ワレこそはお前の先祖である悪魔王バズズである。」

「………ははぁー。」

(もろに人間の女性だ。あれか。ジャハンナ人ってやつか。ペモットと同じタイプか。)

「良い心がけだ。にしてもお前…やけにワレの血が濃いようだな。体に不都合はないか?」

「いえ、無いですね。魔法の発動が早い程度です。」

「ふむ…そのくらいでは済まないほど血が濃く見えるが。まぁよい。いずれ育てば明らかになるであろう。それで、此度は何故その年齢で参った?」

「端的に申し上げると弟を担いだクーデターが起こりかけまして。その首謀者が協力者を吐いたため避難してきました。」





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107

{マーサ}
DQ5主人公の母。
魔界と人間界と天空界をつなぐ門の番人のような立ち位置だったところをパパスに求婚されそのままグランバニアまで駆け落ち、結婚式を挙げる。
主人公出産後に魔王に攫われその後二十数年を魔界で過ごすことになる。




「それなら他の国に逃げればよかろう?何故ワレの町に来たのか。」

「他国にも協力者がいるようで不安とのことです。」

「はぁー…その貴族どもをさっさと処分してしまえばよかろうに。そう思うだろう?」

「いえ、たしかに働いてるところは知らないしやたら突っかかってくるし、父に仕事押し付けて謀反するようなやつらですが、……処分したほうがいいんですかねぇ。」

「諦めておるではないか。よいか、受け継いだだけの貴族など大半がそのような性格になる。何故なら権力を持ちながらそれを発揮する機会にないからだ。この世界は既に大陸に1つの国になってしまって戦がほとんど無い。

警備も騎士や傭兵が居るためわざわざ指示せずとも解決する。村人もそのことを知っているから強盗にはそうそうならない。職業を神から受け取れば才能を手に入れ仕事にも困らないため難民も出ない。仮に出てもパルミドという受け皿があるため勝手に出国する。」

 

「言われてみれば…僕の知ってる貴族のやることほとんど民間で解決してますね。」

「本来であれば領土を持っている貴族であればその土地を管理するのが仕事であるが大抵の貴族は代官を置き王都でぐーたらしている。」

「なるほど。ギャリングさんとこのほうが変わりものだったんですね。」

「ギャリング…あの者は三代前にワレが直々に貴族にしたのだ。それまでは国外であった。」

「なるほど。まぁ七賢者の末裔ですしね。」

「……そうだな。ところで気にはならないのか?悪魔王と呼ばれるワレが人間の体をしているのを。」

 

「え、ジャハンナ人ですよね。」

「知っておったか。そう、我が身はマーサ様により善なる存在となった。かつてのワレは戦にまみれた魔界を生き延びるためにひたすらに戦い、魔王様に武官として仕えるようになった。そんなワレの戦一辺倒な生き方をマーサ様は救ってくださった。」

「ふむ、そのマーサさんという方はすごい方なんですね。魔王の武官と対話するなんて。」

「そうなのだ!!マーサ様はな!!攫われてきたにも関わらずワレらにも笑顔を向け傷を癒してくれる女神なのだ!マーサ様のおかげで人としての喜びを知った者も多い!」

(あ、これはー。ベタ惚れ通り越して狂信者だ。)

 

「魔王様とはいえマーサ様の魅力に心酔するかと思われたが、魔王様はマーサ様の魔界と人間界をつなぐ門を開閉させることに執着しておられた。世話係であったイブールもマーサ様の思想に感激され、人間と魔物の融和を志す穏健派となったのだ。」





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108

{エルトリオ}
DQ8主人公の父。
容姿や悲恋以外に強いことしかわかっていない存在。

{ウィニア}
DQ8主人公の母。
エルトリオの死によって衰弱し出産によって死亡。




「さて、色々話をした結果だが。お前の滞在を認めよう。」

「ありがとうございます。ところでその、ここは巨大な建物の中のようですが外の部分はあるのですか?」

「あるにはあるが、日の光を苦手とする者も居るため警備を立たせている。それがどうかしたのか。」

「いえ、ちょっとだけ思っただけなんです。それにしてもこの建物も昔は飛んでたんですよね。今はもう飛べないのですか?」

 

「ここがミルヒビークとなった日からここの部品はあらゆるものに使われてきていてな。技師も居るには居るが復元は無理だろう。ワレとて分解したのは後味が悪かったが、動力部が大規模に壊れていてはどうしようもない。」

「他のコミューンから取ってきたりとかは。」

「ワレも考えたがどうやらコミューンというのは単純な装置ではなく成長する天空城のような物であったらしく、それぞれ独自の内部構造をしていて仮に取ってきても適合はしない。それが初代の技師の見解だった。

 

「あ、そういえばこちらをどうぞ。用意する時間がなかったので安い手土産ですが。」

「ふむ、ブルゴーのワインか。私は好きだぞ。だがラベルが違うな…」

「安い方なんです。熟成が少ない方。自分で稼いだ金じゃさすがに高い方は買えなくて。元々は父上に渡そうと思っていましたがまた買えば良いものなので今はご先祖様に。」

「殊勝な心掛けだが、全てを話しては不都合になることもあるぞ。」

「あー、心当たりがあります。ただ言い訳っぽくなるのは癖なもので。」

「…職業による性格改変とかではないのか?」

「いえ、もともとで。この後どこへ行けばいいのでしょうか。」

 

「ん?別に好きに移動してもいいぞ。」

「宿屋か何かある場所とか…」

「ミルヒビークに宿はない。空き家ならある。だがワレとしてはお前の祖父たちと暮らしてはどうかと思うぞ。」

「そういえば居たんでしたっけ。」

「…お前、性格に難ありだな。エルトリオよりひどいな。」

「あー、叔父にあたる方ですよね。どんな方だったんですか?城での評価は武官と文官で別々だったのですが。」

 

「アレは王になったら暴君に近くなったろうな。ひたすらに自分の求めるモノを追い続け鍛錬していた。他人への言動は柔らかなものだったがその思想は他者への羨望に染まっていた。ウィニアという竜神族の娘との結婚をウィニアの親から拒絶されたエルトリオは実力を過信し竜神界へ向かったが行方不明。まったくもって脳みそまで筋肉のような男だった。」





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109

{ダークドワーフ}
DQ7で敵として出る。
何故かゾンビ系扱い。


「ところでお前の職業とレベルは何だ?」

「盗賊のレベル13です。」

「ほう…やはり最近の王族は変わり者が多いな。素直に魔法職を選んでおけばいいものを。」

「それよりはやっぱ、素早さと体力があったほうが生きやすいと思うので。」

「そうか。お前は純粋な人族ではないが復活は受けられるのだぞ?王族ならば護衛も居るだろう。ワレらにくらべて死ぬのが怖くないと思わないのか?」

「いやぁ、死ぬのもそうですけど、痛いのは嫌じゃないですか。できる限り避けます。避けれなければ魔法で防ぎます。」

「ハハハ!親に似たな!クラビウスも痛いのが嫌だから盾で防ぐと言っておったわ。さ、もう聞くことはない。好きにミルヒビークを見て回るがいい。」

「はい、ありがとうございます。お世話になります。」

 

 

 

 

「おう、新顔。お前も王族か?」

「はい、現在の第一王子エリゴスと言います。あなたは?」

「俺は悪魔王バズズ様の手下でバスモンという。ここでは鍛冶をやっている。お前は何の武器を使っているんだ?」

「このナイフです。」

「…なんだこりゃ、もうダメだろこれ。こっちこい、良いものをやろう。」

「おお、ありがたく。」

 

 

「さて、手を見せろ。………よし、ちっと待ってろ。」

「いやぁ、ワクワクします。」

 

 

 

「ほれ、これ持ってみろ。」

「はい…重いですね。」

「王族だろ、普通の短剣だとお前らにゃ軽い。このくらいの重さであれば動きにも支障が出ずに力も籠めやすいはずだ。」

「いやはや、こんなものをいただいてしまってありがとうございます。」

「ふん、人間とはいえ悪魔王バズズ様の子孫だからな。死なれては困る。」

「そういえば、ドワーフの方ですか?」

「白部族どもと一緒にするな。俺はダークドワーフだ。」

「えーと、どう違うのですか?」

「生まれる要因が違う。ドワーフどもは洞窟に適した進化を。俺達は暗黒の瘴気に耐えられる進化をした。いわば俺たちはドワーフの特性を持ちさらに暗黒に耐えられる上位種族であると言っても過言ではない。」

 

「じゃあダークエルフの方々も?」

「そうだな。魔界の主な権力者は悪魔や竜族のような力のある種族だが、街に居るようなやつらはダークエルフのほうが多い。特にミルヒックはな。ミルヒックが落下した際に死んだ者も多かったが今でもミルヒビークはダークエルフが7割を占める。」

「バスモンさんみたいなダークドワーフは他に居ないんですか?」

「居ないな。元々俺は悪魔王バズズ様に引き抜かれて鍛冶屋としてやってきてんだ。鍛冶をするダークエルフはいても鍛冶をするダークドワーフはミルヒビークに俺だけだ。」





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110

{機械のドラゴン}
オリジナルだけどオリジナルじゃないゲームである意味オリジナルな概念です。
もっと増えてくださいifシナリオ。


「そういや、その武器は売り払おうとしても売れないから注意しておけよ。整備したりもう一本欲しくなったらまた来い。」

「あー、たしか神の定めた基準から離れすぎると鑑定が効かなくなって価値がわからないんでしたっけ。」

「それだけじゃない。お前のそれは戦士が持つような剣と同じくらいの重量だ。そんなモノを持とうとする盗賊はいないし、そんな短いモノを持とうとする戦士はいない。要するに需要がないから売れない。」

「なるほど。でも溶かせば使えるんじゃないですか?」

「はっ!俺の作った武器がそう簡単に溶かせるかよ。お前の持ってるそれはただの金属じゃねぇ、古来からこの街の資材庫に仕舞われているドラゴンの鱗、それを溶かして作った短剣だ。長らく使い手が居なかったから丁度いい。」

 

「へぇ、ドラゴンの鱗って溶けるんですね。」

「あぁ、なんたってそいつはただのドラゴンじゃねぇ。機械のドラゴンだったのさ。」

「へー、今はもう居ないんですか?」

「もう元凶を封印したからな。その配下だったそいつももう湧き出して来ないだろうよ。」

「封印…もしかして神竜ですか?」

「なんだ、知ってるのか。そうだ、この世界の…いや全世界の敵であるシンリュウだ。俺はミルヒビークに引っ込んでたから知らねぇが、銀色の機械の竜だったらしい。といってもメタルドラゴンみてぇなあからさまな機械じゃなく、全身が芸術品のような翼竜だったそうだ。」

 

「待ってください。翼竜?その神竜には翼があったんですか?」

「ん?そうだろ、他に何がある。」

「神竜って、緑色で細長くて紫色の角じゃないんですか!?」

「…そういえばそんな竜も居ると聞いたことがあるな。たしか…リカントの部族が信仰している竜神がそんな姿だったはずだ。」

「…こないだ、神竜が封印されてるっていう黒い巨大な石を見に行ってきたんですよ。その時は神竜って聞いてそっちを思い浮かべていたのですけど、まさか自分も知らない魔物だったとは。」

「まぁ、俺らが来たときはそいつが暴れまわってる時代だったってことさ。そいつのせいでこんなところに来ちまったと思うとやるせねぇな。」

 

「え、こっちの世界に飛んできたのは原因不明じゃなかったんですか?」

「…おい、お前がシンリュウについて聞いたのは悪魔王バズズ様じゃねぇのか?」

「封印の近くに住んでた魔族の方ですけど…」

「………おう坊主、ちょっとツラ貸せ。悪魔王バズズ様のとこ行くぞ。」

「え!?今さっき会ったばかりですけど。」

「うるせぇ!さっさと来い!!」





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111

{暗殺部隊}
死にます。


「それで、ワレに何の用だ。」

「大変申し訳ございません。シンリュウについてこの坊主に語ってしまいました。」

「…何故そのような過ちを貴様のような者がした。」

「この坊主は最初からシンリュウについて知っておりました。私はてっきり悪魔王バズズ様が話したモノと思い、この世界へ落ちた原因であることを教えてしまいました。罰は受けます、しかしこの坊主には罪はありません。どうか沙汰は私だけに。」

「あー、その。ご先祖様。これは勘違いがすれ違いを起こしてしまっただけで。ちゃんと他の人には言わないので…」

 

「この件については話す話さないで済む話ではない。各大陸の魔族の長どもと他言せぬように盟約を結んでいるのだ。それを配下が漏らしたとあってはワレの面子にかかわる。」

「…それなら、先に漏らした人が居るのです。そちらを処罰するのはどうでしょうか。」

「ふむ、誰だ?お前の影に潜んでいるミームスの分身か?それとも本体か?はたまた王城に隠密として派遣している者か?」

「封印の近くに住んでいるインフラという魔族です。私はその人からシンリュウを封印したことを聞きました。それさえ知らなければバスモンさんも勘違いすることもありませんでした。」

 

「では、そのインフラという者を殺してこい。」

「…あー、自分にできますかね?」

「できる出来ないではない。殺すか殺せぬかだ。どうする。」

「…………」

「答えられぬか。ならば別の者を差し向ける。」

チリンチリン

 

「いかがなさいましたか、陛下。」

「暗殺部隊に伝えよ。封印の地の近くに住むインフラという魔族を殺せと。」

「畏まりました。」

「さて、これでお前たちがする必要はなくなった。貴様は戻って鍛冶をせよ。お前はこれより先、その知識を隠し通せ。何をされても漏らすな。存在を知るものが少ない方がいい存在なのだよ、アレは。」

「わかりました。」

「この事を他の者が知ってしまったからには最悪の場合お前をミルヒビークから出すことが出来なくなる。それか、骨だけになって王城へ戻ってもらう事になる。どちらかが好きな場合は好きに言いふらすがいい。その時はワレ直々に処分してやろう。」

 

 

 

 

「バスモンさん、いますか。」

「………おう、坊主。なんか用か。」

「その、すいませんでした。」

「何に対してだ。」

「軽率に神竜について聞いてしまって、バスモンさんに迷惑をかけてしまったことです。」

「…坊主は知らなかったんだろ。その話が禁句だってことは。これは俺の責任だ。気にすることはない。」

「…短剣ありがとうございます。大事に使わせていただきます。」

「おう、前の短剣みたいに変な手入れで劣化させんじゃねぇぞ。」





エリゴス
王子
1863ゴールド
盗賊Lv13 寄生
HP117/117
MP709/710
ちから74
すばやさ116
たいりょく47
かしこさ190
▼とくぎ
一閃突き
れっぱ斬り
鑑定
みやぶる
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法


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112

{ジャンバラヤン}
尻尾の先端に棘付きの玉を備えた悪魔の魔物。
リブルアーチ地方の平地に出現する。
公式から田舎者扱いされてるらしい。


「エリゴス様。こちらが王族居住区です。」

「居住区…なんか大層な区画だなぁ。」

「王族だけではなく使用人の方も住んでらっしゃいますのでそれなりに広いのです。」

「なるほど。じゃあ覚悟キメて行ってみるか。」

 

 

 

 

「むぅ?お前さん。もしやクラビウスか?」

「いえ、クラビウスの長男のエリゴスと言います。」

「おおー、そうかそうか。おーい!俺達の孫が来たぞー!」

「おーう。」「はーい。」

「儂がお前の曽祖父のペリウス。」

「俺がお前の祖父のガベリヌス。」

「私がガベリヌスの嫁のメジャーノー。」

 

「はぁ、見た目お若いですね。」

「やーね、これもモシャスの応用よ。私たち全員もう人間じゃないからね。」

「そうそう。ここに居住すると決めたら俺たちの体の中の悪魔王バズズ様の因子を活性化させて悪魔になるのさ。」

「ま、これも儂らサザンビーク王族の特権ということじゃ。」

「あれ?メジャーノーさんは王族じゃないのでは?」

「私?私は元々悪魔のハーフなのよ。人間の父とジャンバラヤンの母でね。悪魔王バズズ様の因子は後天的にもらったわ。」

「…ジャンバラヤンって女性いるんですか?」

「居るわよそりゃ。性別が決まってる種族のほうが珍しいわよ。」

 

「そういえば、君の名前は何だい?」

「あぁ、はい。クラビウスの長男のエリゴスと言います。弟にチャゴスが居るのですが…現在チャゴスを担いだ家臣の一部がクーデターまがいの事やらかしまして。」

「そうかそうか。そっちは面白そうだな。」

「父上、さすがに面白いじゃ済みませんよ。なぁエリゴス君。君は剣の腕に自信はあるかな?」

「やー、無いですけど…。どうしてですか?」

「なぁに、クーデターの避難としてここに来たんだろう?それだったらクーデター起こした家臣と家来を全員打ち負かすほど強くなればいいじゃないか。」

 

「…そういえばここにいるのサザンビークの王族でしかも悪魔になったってことはかなり強いのでは?」

「もちろんだとも。人間だったころよりも体が軽い。肉体年齢を考えればもっと若く悪魔になるべきだったな。」

「ま、儂らの見た目年齢はモシャスで自在だがね。」

「ほんとほんと。化粧が楽で助かるわ。」

 

「そういえば他に王族の方はいるんですか?」

「居るには居るが、大抵がもういろいろ飽きてしまって仕事に従事しているんだ。悪魔王バズズ様の配下としてね。ここにいるのは今のところ俺ら3人と従者たちだけだ。」

「あ、そうそう。エリゴス君の寝床を用意するように言っておかなくちゃ。」

「そうだな。頼む。でだ、エリゴス君。修行はいつする?」

「どうせなら今でもいいと儂は思うがね。」

「せっかちはよくないですよ父上。」

 

「あー、そのとりあえず今日はミルヒビークの地形を見て回ろうかと。」





エリゴス
王子
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113

{リザードマン}
クロコダインもリザードマンらしいし、DQシリーズみたいな共通グラフィックはあくまでゲーム的なものと解釈しています。
つまりトカゲ人間。


「止まりなさい、ここから先は外です。身分を証明する物を提示してください。」

「あー、すいません。来たばかりなので持ってないですね。」

「来たばかり…魔族ではなく王族の方か。ここからは基本的に日を浴びても不調にならない者のみに公開されている天空庭園だ。まずは日光に対する抵抗力を調べてから身分証などを発行してもらってください。」

「はい、ところでその。あなたの種族はなんですか?」

 

「私はリザードマンです。見ての通りですがね。」

「リザードマンなんですか。てっきりリザードマンって翼があると思っていました。」

「ははは、それは恐らくシュプリンガー等の竜族の方々ですね。私たちはあくまでリザード、トカゲですよ。それでも魔法も剣も使える警備員なんです。どうです?」

「ええ、かっこいいと思います。トカゲならではの良さがありますね。特にその手や足の感じとか。」

「わかってくれるとは嬉しい。さて、身分証でしたね。検査などを3階にある受付に申し込めばあなたの身分証発行のための耐性検査をしてくれるはずです。身分証を発行できたらまた来てください。」

「はい、ご丁寧にありがとうございました。…ところでここ何階ですか?」

「なるほど、来たばかりの方でしたか。ここは5階です。悪魔王バズズ様の執務室、鍛冶工房、王族居住区のある階です。階段はあなたが来た方向の真反対です。」

「…戻るんですね。ありがとうございます。」

 

 

 

 

「む、君は先ほどの。どうやら身分証を作らずに天空庭園のほうまで行きましたね?」

「あぁ、先ほど案内してくれた。そうなんですよ。3階で身分証を発行できると聞いたのですが。」

「はい、4階への階段はこの先を進むとあります。三階への階段へはもう一度歩いて反対側へ向かう必要があります。」

「なんでそんなややこしい構造を?」

「どうやら昔は各所に配置されたパネルでルーラのようなことが出来ていたようなのですが墜落した現在は使用できず、防衛の観点も含め現在に至るそうです。」

「なるほど、ありがとうございます。ところで身分証の発行に必要なモノってあったりしますかね?」

「いえ?手ぶらでいいはずですよ。あ、そうそう。ここでリレミトは唱えてはいけませんよ。一応ダンジョン扱いらしいのですが…地下に出てしまうのです。」

「それはまた難儀ですね。地下には何かあるのですか?」

「坑道があるのですが入り組んでいるため基本的に鉱夫以外立ち入り禁止の場所です。もし入り込んでしまっても1日経たないと見回りが来ないし扉も開かないので絶対に唱えてはいけませんからね。」

「ご丁寧にありがとうございます。気を付けます。」





エリゴス
王子
1863ゴールド
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114

{メルトスライム}
バブルスライムみたいな溶けたスライムの分類らしい。




(4階は…説明書きによれば工場か。そういや紙とか下水とか普通に見かけるのに作ってるところ知らなかったんだよな。たぶんここなんだよな。スルーしよ。)

 

 

 

 

 

「でな、そいつがな。」

「ハハハハハ。ん?」

 

「「「・・・・・・ども。」」」

 

「で、転びながら滑ってってさ。」

「おいおい、助けなかったのかよ。」

 

(ダークエルフの方々とすれ違ったけど作務衣のダークエルフいいな。いやお兄さんが好きとかではない。ロマンがあるってだけだ。)

 

 

 

 

 

ワイワイガヤガヤ

(食堂かぁ。ということは半分まで来たってことか。)

「あら、そこの坊ちゃん。もうお昼は食べた?」

「あ、いえ。身分証の発行に行かなきゃいけないので。」

「まだ持ってなかったのね。でも発行には1時間かかるけど待てる?」

「あー、そんなにかかるんですか。実は朝食べてないんですよね。」

「じゃあ食べてきな!今日は肉定食だよ。」

「他の方も美味しそうに食べてますけどこういうのって配給する人数決まってるのでは?」

「余裕持って作られてるから大丈夫よ!なんてったってうちには残飯なんて出ようがないから。」

 

「ペットか何かにあげるんですか?」

「肥溜めにぶち込めば中にいるぬかどこスライムが分解して良質な肥料になるのさ。あいつら食えるものならなんだって分解するからね。」

「もしその中に人が落ちたらどうなりますか?」

「…前にそんな事故があったねぇ。たしか骨も残らなかったとか。」

「ひぇっ。」

「冗談冗談、あいつらも知性はあるから料理やゴミみたいな分解するものはわかってるのさ。」

「メルトスライム系でその手の冗談はたち悪すぎますって。」

 

 

 

 

「どうも、美味しかったです。」

「ははは、周りのやつら挙動不審になってたな。4階に人間が来るのは珍しいからどう接すればいいかわからないだけなんだ。坊ちゃんが嫌われてるってわけじゃないからな?」

「お姉さんはずっと気さくですね。」

「お姉さん!あはは!私には3人の孫が居るわよ!」

「…やっぱエルフとかの魔族って見た目が若いですね。」

「そうでしょ?坊ちゃんも私みたいな見た目だけ若いやつに騙されないようにするのよー。」

「はい、ありがとうございました。」

 

 

 

 

 

「さて、階段が見えてきた。分身君、3階のどのあたりに受付があるんだい?」

「3階は医療機関、教会、娯楽施設、研究施設の4エリアがあります。そのうちの医療機関の受付です。降りて一番奥の場所に医療機関があります。」

「ということは、階段手前か。さすがに長いね。」

「元々長距離の場合はルーラのような装置で移動するような構造ですからね。だからといって走ってはいけません。ここは街などではなく陛下の城と思う事ですね。」

「だよね、周りの人も歩いているしさすがにここで走ったら目立つね。」

「ここが人通りの多い場所なら地面に向かって話しかけているエリゴス様もそれなりに目立つかと。」





エリゴス
王子
1863ゴールド
盗賊Lv13 寄生
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115

{デイン系}
ディンじゃないらしい。
DQ8だと主人公しか使わないイメージあるけどグレートジンガーっていうやつも使うらしいし勇者だけの特権じゃないっぽい。


(研究機関は…まぁ外から見れなくて当たり前。娯楽施設はぱっと見飲食店が多かったな。教会はしっかり教会の形だった。そして…医療機関。ドアと受付があるな。ドアと受付しかないな。)

「すみません、身分証を発行したいのですが。」

「はい、お名前を。」

「エリゴスと言います。」

「見たところ王族。年齢、性別、職業。」

「7歳、男、盗賊です。」

「文字は読み書きできますか。」

「はい、しっかりと。(ご都合主義にほとんど現代日本語だもんな。)」

「レベルは10を超えていますか。」

「はい、13です。」

「それでは耐性検査をしますので、血液をいただきます。…………【ホイミ】。不調がありましたら受付までお申し付けください。1時間もすれば検査は終わりますのでそれまで娯楽施設のほうでお待ちください。」

「はい、ご丁寧にありがとうございます。」

 

 

 

 

(いやぁ、美味い…まさか氷菓子が食えるとは。まったく見かけないからそういう文化はないと思っていたけど美味しいイチゴアイスだ。)

「失礼、エリゴスさんですか。」

「はい、エリゴスです。」

「検査が終わりましたので受付までお越しください。私は別の方に声をかけるため同伴はできません。」

「はい、お仕事ご苦労様です。」

 

 

「お待たせしました。エリゴスです。」

「はい、エリゴス様。検査の結果弱点と言える耐性は見受けられませんでした。全て正常な反応です。こちら身分証となります。空中庭園に行かれる場合は落下防止用の柵の外側に行かないようにお願いします。」

「はい、ありがとうございました。」

 

 

 

 

「分身君、この後どこに行けばいいと思う?」

「どうせなら2階も見てきてはどうですか?出入口、謁見室、会議室、内務室がありますよ。」

「うーん、興味がわかないからいいや。ところで2階に出入口があるなら1階には何があるの?」

「坑道に繋がっているのですよ。2階も1階もかつてはただの壁だったところを頑張って砕き磨いたそうですよ。」

「へぇ、こんな硬そうな材質の壁をねぇ。ご先祖様の魔法ならいけるんだろうけど手加減のほうが難しそうだね。」

「もし何でしたら当時の事をお話しいたしますよ。周りにも不思議に思われないように影から出ます。」

「ありがとね。それじゃもうすこし娯楽施設を見て回ろうか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「悪魔王バズズ様。こちらがエリゴス様の検査結果となります。」

「ふむ…やはり因子が強いようだな。悪魔寄りだ。しかしデイン系にも耐性があるとは他の王族と違いさらにワレ寄りだな。よくぞ報告した。褒めて遣わす。」

「勿体なきお言葉、それでは失礼します。」

「うむ、ところでエリゴスは今どうしている。」

「身分証を発行したのですし空中庭園かと思われます。」

「そうか。どれ、ワレ直々に会いに行ってやるとするか。先ほどは子供に対して少しきつく当たってしまったやもしれん。」

「…かしこまりました。護衛を手配いたします。」

「要らぬ、ワレの街に狼藉を働く者は入れぬだろう。一人で構わぬ。」

「かしこまりました。」





エリゴス
王子
1856ゴールド
盗賊Lv13
HP117/117
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116

{リリルーラ}
消費MP100。
想像した相手の場所に移動する呪文。
空間を飛び越える事さえも可能な呪文で、通常のルーラがあくまで高速で飛翔する呪文なのに対し、リリルーラは本当にその場から消えて瞬間移動する。(wiki)
ぶっ壊れ性能なので人間にはまともに使えないよう消費MPクッソ高くしときましょうね。


「いやぁ、食ったねぇ。」

「奢っていただきありがとうございます。」

「やっぱ嗜好品だからか1品あたりが少なかったけど久々にお菓子って感じの食べた気がする。」

「思えばパルミドでも王都でもベルガラックでも宿や出店ばかりでしたものね。」

「…よくご存じで。誘拐前はそれなりに食ってたけどやっぱ城のより美味いな。料理人も素材もどっちもいいんだろうな。」

 

「おや?もしかしてエリゴス様でいらっしゃいますか?」

「はい、エリゴスですけど。」

「…なんということでしょう、何故ここにいるのですか。」

「え、せっかく2階なんですし上る前に娯楽施設を楽しんでましたけど。」

「私は悪魔王バズズ様の側近なのですが…実は悪魔王バズズ様は今、エリゴス様が天空庭園に行っていると思い天空庭園に…」

「それ、ちょっとまずくないです?」

「だいぶ不機嫌になると思われます。どうか急ぎ足で天空庭園まで行っていただいてもよろしいでしょうか。」

 

「その…ちょっと無理ですね。つい今まで甘味を食べまくってたもので早歩きは。」

「同じく、元々質量の少ない私もご馳走に預かったので伝令に走るのは難しいです。」

「なんということだ、困った…困った…」

「連絡手段は無いのですか?」

「緊急連絡用の金属管はありますが…それを使っては悪魔王バズズ様が誰も居ない空中庭園にエリゴス様に会いに行ったという醜聞が広まってしまいます。」

「………その、もしかしたら素早く移動できる魔法があるんですけど使ってもいいですか?」

「なんと!ピオラ系ですか?」

「いえ、ルーラ系で…一度も使ったことがないやつなんです。」

 

「ルーラじゃなくルーラ系…?ええ、もうそれで間に合うなら私の権限を持って許可いたします。」

「では分身君、影に戻ってくれ。行きます。【リリルーラ】。」

 

シュン。

 

「き、消えた!?」

 

 

 

 

「どこだ、エリゴス。いないのか?」

 

シュン

 

「うわぁ!?」

「ん!?」

 

ガシッ

 

「何故ワレの上から落ちてきたのだ?」

「その、2階の娯楽施設に居たら側近の方に空中庭園に居ると聞いたので魔法で。」

「…なんという魔法だ?」

「リリルーラです。なんか思い浮かべた相手の場所に移動する魔法で。」

「………聞いたことがないな。どこで知った。」

「あー、その。ややこしくなるのでご先祖様には話ますけど、自分別の世界で暮らした記憶がありましてですね。生まれ変わりってやつです。」

「そうか、別の世界の魔法か。その魔法はルーラ系なのだな?【リリルーラ】」

「あ、ちょ。それやったら。」

 

シュン

 

ドタァン

 

「むぎゅ!」

「む、すまんすまん。慣れないと真上に出るのだな。」

「…………」

「…医療施設まで運ぶとするか。」





エリゴス
王子
1832ゴールド
盗賊Lv13 寄生 気絶
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new リリルーラ


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第九章強すぎる祖父達との修行編
117


{ガベリヌス}
オリジナルキャラでクラビウスの父。
豪快な性格にしたかったので武闘家。
そして魔法を拳で逸らし状態異常を気合で我慢し瞑想で全回復するバケモノ。

{メジャーノー}
オリジナルキャラでクラビウスの母。
魔法使いの人間の父とジャンバラヤンの母を持つハーフ。
ガベリヌスに求婚され王妃に。
ハーフなのに人間と周りから思われていたのにはあるアイテムが。


「おお、おかえりエリゴス。ミルヒビークは良いところだろう?」

「たしかに街と言えるほど大きかったですね。娯楽施設が気に入りました。」

「そうかそうか。空中庭園には行けたか?」

「はい、ご先祖様と一緒に観光しました。」

「ご先祖…?もしや悪魔王バズズ様のことかね?」

「そうですよ。一番最初のご先祖様なんでしょ?」

「まぁそうだが…うーん。あの方の本来の姿を見たことがあるかね?」

「いえ、無いです。」

「そうか。まぁいずれ気づくことになる。さて、家の中を案内しようか。ガベリヌスやメジャーノーも今頃は読書をしているだろうから儂が独り占めできるな。」

「ははは、よろしくお願いしますね。」

 

 

 

 

 

「さて、粗方案内は出来たが、なにか足りない物なんかはあったか?」

「いえ、特には。ところで二人とも見かけませんでしたね。」

「うむ……いや、もしかしたら。ついてきてくれ。」

「はい。」

 

 

「やはりここにいたな。ほら、あの部屋が武器庫だ。恐らくは明日の訓練用の装備でも見繕っているのだろう。」

「そうですか。そっとしておいた方がいいですかね?」

「鎧の調整も必要だろう、入ろうか。」

「……はい。」

 

「おお、父上。エリゴスを連れてきてくれたか。おうエリゴス、お前獲物は何だ?」

「短剣です。あと言っておくと鎧は使いません。」

「おいおい、鎧なしでどう訓練するってんだ?」

「自分は盗賊なので避けるのが主なんです。」

「…なぁ、訓練だぞ?それも俺達との。避けれるとでも思ってんのか?」

「………あー、そうか。より強いってことはより速いし器用なのかぁ。」

「そういうことだ。いざって時のために鎧着ながら受け流したりできる訓練するぞ。なぁに、明日は小手調べだ。試しと思って着てみろ。」

「ほらエリゴスこっちへいらっしゃい。採寸をしますからね。」

「はい。」

 

 

翌日

 

 

「なんだなんだ、思ったより弱っちいじゃねーか!」

「なんていうか…はぁ、いつもきつくなったら…魔法でなんとか…してます。げほっ。」

「そうかそうか。お前は因子が強いんだな。俺は生まれつきか魔法がまともに使えなくてよぉ、ひたすら肉体を鍛えてなんとか王家の試練を突破したんだぜ。当時の俺は武闘家のレベル32だ。いいか、魔法にばっか頼ってちゃいざってときなんもできなくなるぜ!」

「そうよ、この人ったら私のお父さん相手に拳で殴り掛かって勝っちゃったんだから。集落一の魔法の使い手だったのに無理やり拳で逸らしたり気合で抵抗したり瞑想して傷を治したりって、どっちが魔族って思ったわ。」

(…俺よりチートじゃねぇか?)





エリゴス
王子
1832ゴールド
盗賊Lv13 寄生
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118

昨日ちょっとした昼寝のつもりが11時間寝ちゃって23時52分だった絶望感よ。
そんでもって寝すぎで頭痛いのなんの…

そんで今日はアラームつけて昼寝したらあまりの快楽と濃い夢に結局5時間、30分ごとに寝て起きてを繰り返した。
よくちゃんとアラーム設定しなおして寝たなと無意識の律義さを思い、頭痛いならむしろ大人しく寝てたほうがいいことに気づいた夜21時半。

頭痛いときは素直に寝るんだぞ皆。
PS.祝インフル終息
明日は例の池袋の日ですけどよっぽど親しかった人以外は言っちゃだめだぞ。こんなご時世なんだから現地行かず家で故人を想いなさい。


「ははは!この数日で動きもよくなってきたじゃねぇか!」

「鎧に慣れてきただけですよ!」

「いいことじゃねぇか!だがそろそろ別の鎧にしなきゃだな。」

「さすがにここまでベッコベコだと別の意味で動きにくいです。」

「特に左肘の可動部ひん曲がって右腕だけでさばいてるよな。さばけてるよな。さすが俺の孫だ!!」

「いい加減攻撃緩めて!!そろそろ右腕だけで凌ぐのきついから!!」

「なんだとぉ?俺はまだ左腕しか使ってねぇじゃねぇか。右腕も追加するか?ああ?」

「ええんか!魔法使うぞ!ドーピングするぞ!!」

「祖父に向かってその口調はなんだぁ!!」

「ひええ!!【スカラ】【スカラ】【バイキルト】【バイキルト】【ピオラ】【ボミエ】えーと、えーと、【アストロン】!!」

 

「ぐ、体が…ぬぐおおおお!!」

「待って、待って!!聞いてない効いてない!なんでアストロンかかっても動けるの!?」

「儂の怒りの鉄拳受けてみろおおお!!」

「ばあちゃん止めて!!レフェリーストップして!!」

「はっ、まだまだ戦えるでしょ。むしろ逆境はいい鍛錬の素だよ。」

「あー!もう!【マホトラ】!」

「効かん!効かんなぁ!!」

「しまった、アストロンではじかれてる…卑怯だぞぉ!!さすがに!!」

「うるせぇ!こっちだって全力振り絞って動いてんだ!動きが鈍い分テメェの持ち味を生かすチャンスだろうが!」

「ずっと避けるしかできないんだけど!!ええい、いっそのこと【一閃突き】!」

 

カァン

 

「効かねぇ!!おらぁ!!」

「ぎゃふん!!」

「あらら、今日はここまでにしましょうね。」

「うぐ…【ベホマ】…鎧のど真ん中が拳型にへこんでるんだけど…ぐはぁ、げほげほ。」

「おーい、新しい鎧もってきたよ。」

「あら、義父様。ありがとうございます。」

「エリゴスは…ははは、やりすぎじゃないかね?」

「死なないだけ優しいものでしょう?」

「いくらまだ人間だから蘇生できるとはいえここまでするのは…」

「でもあの子、市井の盗賊から習ってたせいかやけにへたくそなのよ。せめて受け流しくらいは出来ないとあの子のためにならないじゃない。」

 

「…なんで受け流しの訓練で鎧がべこべこになったりガベリヌスは鉄の体になってたりするんだい?」

「おほほほ、急所をわざわざ狙う必要はないですし、一番狙われやすいところをあの人の思考任せに受けながさせてるだけですわよ。鉄になってるのはあの子の自業自得です。」

「おーい、ガベリヌス。そろそろその鉄の体解きなさい。」

「む、父上。でもこれ案外鍛錬に向いていると思うのだが。」

「そういう思想に染まる前に戻りなさいって言っているんだよ。」

「そうか。……ふんっ!!……戻れん!」

「エリゴス、解ける?」

 

「や、休ませて…もう少し…」





エリゴス
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119

{メダリア王国}
メダル王の家系って長いんですよね。となるとやっぱそれなりの国土はあったはず。何かがあってあの島程度の広さになったと考える。
名前は適当に決めました。


「おう、一か月でなかなか動きもよくなってきたじゃねーか。もうひよっこじゃねぇな。」

「へへへへ、このくらいばあちゃんとの訓練に比べればマシだよぉ!!」

「たしかにメジャーノーは魔法使いだから基本的に一発一発が当たりやすいし重いんだよな。」

「魔法を重いって形容するのじいちゃんくらいだよ!ふん!」

「よっと。」

「ごっふぅ!」

「まーだ反撃するにゃ膂力もリーチも素早さも判断力も足りねぇなぁ。全部たりねぇ。もっともっとまず瞬間的な判断力を鍛えるぞ。」

「【ベホイミ】、今日こそは1発当てる!!」

「無駄だ無駄無駄!たったの1か月でそこまで上達できるってんなら話は別だがお前はまだまだ!ヒヨッコだ!!」

 

 

 

 

「エリゴス。【メラ】もっと華麗な避け方はできないの?【バギ】」

「いやいやいや!魔法避けろってのが難し痛い!あだだだ。」

「この程度避けれないなら中級魔法なんて確実に当たるわよ。【メラ】…【メラ】」

「ふっ、はっ!」

「そうそうその調子、【ヒャダルコ】」

「【マホステ】!死ぬ!!それはさすがに死ぬ!!」

「うん、判断力はしっかり鍛えられてるようだね。今のみたいによっぽど早く動けない限り当たるような魔法はそうやって無効化しなさい。」

「ところで…周りが氷塊まみれで動けないんだけど。」

「あら、まだやれるでしょう?【イオ】…【ヒャド】」

「ひぇ!【マホステ】!逃げ!【ベホイミ】!」

「ほーら、氷なんて吹っ飛んだわよ。続けましょ。」

「ひいい!!」

 

 

 

 

「で、あるからして。北東大陸と陸続きであったメダリア王国は国土のほとんどが海に沈むこととなった。…寝ているかね?」

「っ!寝てません!」

「では、今の部分の原因を述べなさい。」

「………海面上昇?」

「…訓練で疲れているのはわかるがせめて夜までは気合を保ってくれ。戦場では寝れない場合もあるのだ。そんな時に作戦を聞いてませんでしたじゃ済まないのだよ。ましてや君はほぼ確定で王になるのだろう?大まかな歴史くらいだけでも覚えておきなさい。」

「すみませんでしたひいじいちゃん。」

「では、続けるぞ。その原因とされていたのは名もわからぬコミューンから発掘されたという動力炉による爆破であり…」

 

 

 

 

 

 

「おかしい、何故暗殺部隊が戻ってこない。」

「…調査隊を派遣しますか?」

「いや、もしインフラとやらの仕業であればその者達も犠牲になる。かくなる上は…幹部を呼べ、誰でもいい。」

「かしこまりました。本日はブラックホース様のご予定が空いていたはずですのでお連れいたします。」

「ああ、そうしてくれ。ワレの貴重な手駒を殺したのであれば幹部でなければ相手は出来まい。」





エリゴス
王子
2013ゴールド
盗賊Lv15 寄生
HP132/132
MP770/770
ちから92
すばやさ136
たいりょく59
かしこさ205
▼とくぎ
一閃突き
れっぱ斬り
鑑定
みやぶる
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法


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120

{ウルクス}
長年生きて毛の色が金色になったオーク。
実際強い。
物理特化なのはボス補正。
実際のゴールドオークはベホマラーしたり呪文会心でやすかったりする。


「さて、今日は記念すべき100日目だ。そろそろ俺との訓練も慣れてきた頃だろう。」

「慣れてはきましたけど受け流せないことも多いんですが。」

「そこでだぁ!!今日はお前に特別講師を用意した。悪魔王バズズ様の幹部の一人、金豚ことウルクス様だ。」

「どぉもぉ!!悪魔王バズズ様直属部隊獣人族部隊隊長のゴールドオーク、ウルクスでござぁーい!!ごふふ!!」

「普段は周辺の警備などをしてらっしゃるウルクス様が久々の休暇にミルヒビークに戻ったとのことで、お前との組手をしていただけるように嘆願したところ受けてくださった。ありがたく思うがいい。」

「まぁそう重く考えんでもぉ!!わては毎日暇だぁからこういった組手は楽しいもんでっしょぉ!ごっほ!!」

 

「その、ゴールドオークなんですよね。オークってもっと簡素な服を纏っていると思っていました。」

「ぶはははあ!!他の者ならけったいな服は肌に合わんってぇことで布切れや毛皮着てるがぁ!わてはこれでも幹部ですからのぉ!!ちゃーんとお貴族様な服ですのーん!!」

「なるほど。それでは今日の組手よろしくおねがいします。」

「ぶああぁぁぁはっはっは!!どこからでもかかってぇこい!!」

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、坊ちゃん…強いなぁ。」

「その、大丈夫ですか。」

「まって…早すぎるんとちゃうか…」

「その、祖父の連撃をさばいているうちに反射神経やらスタミナやらが鍛えられた気がしますけど、そこまで早いですか?」

「なんで攻めてるわてが先に根をあげてるかぁ!それはぁ!わての戦闘スタイルが1撃必殺型だからでぇ!!言うならば相性がわるいぃ!!訓練だから本気の武器じゃないのもなかなかきついぃ!!ぶっふぅ。」

「…エリゴス。本来この方が実際に戦う機会は少ない。何故かわかるか。」

「…指揮官だからですか?」

「…実はこの方、義によって周辺警備をしているが実際はこのあたりにそんなやつが出ることもなく、たまに紛れ込んだ傭兵くらいしか相手をしないため、腕が鈍るのだ。」

「………そうだぁ!!しかしわてはオーク族大長老にして獣人族のまとめ役!!獣人族の男にとっては強さこそ全て!!最後にその一端をみせたぁる!!ぶっふ!!ついてくるがいいぃ!!」

「俺はやることがあるからお前とウルクス様だけで行ってもらうことになるからな。ではウルクス様、孫を頼みます。」

「任せろぉ!」

 

 

 

「えと、2階ってこんな場所なんですね。」

「来た事ないのかぁ?わてら外に出る組にとってはここが一番過ごす機会が多いぃ!!さぁ、こっちだぁ!!」

「外ですね。了解です。」

 

 

 

 

「さぁあ!!ここにありますは昨日部下たちに運ばせぇた巨岩!!今からこれを1発で砕くぅ!!ぶほー!!」

「え、えぇ、これ岩っていうか金属が混じってそうな光沢を帯びてますけど。」

「では行くぞぉ!!ぶふおおおおおおお!!!」

「!?とんでもないオーラ!!」(まさか、いきなりハイテンションか何かか!?)

「ぶっふぉぉぉぉ!!」

ドゴォォォォン!!

 

「ぶふぅ、こんなもんだぁ。」

「すっげぇ。下側残して全部吹っ飛んだ…」

「これこそがぁ、わてら獣人族の一番の長所!!強力な肉体だぁぁ!!ぶふふは!!」

 





エリゴス
王子
2028ゴールド
盗賊Lv18 寄生
HP153/153
MP860/860
ちから100
すばやさ152
たいりょく69
かしこさ221
▼とくぎ
一閃突き
れっぱ斬り
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121

{オーク}
オークキングはベホマラーのイメージあるけど普通のオークって全然魔法使わないよね。
というのがシリーズでの印象。
3DS以降のモンスターズだともろに回復系。


「ウルクス殿、お疲れ様です。ひ孫と組手して頂いたようでありがとうございます。」

「おお、これはこれはペリウス殿。なんのなんの。どうせ戻ってきても暇でぇすからな。お宅のエリゴス君の素質には驚かされましたぞぉ!!」

「ははは、儂ら3人でそれぞれ教えておりますからな。そこらの人間と一緒にしては可哀そうというものです。」

「だがぁ!まだまだ力が足りないぃです!もっともっと食わせて体を作らねば!!ぶほ!!」

「いやいや、7歳の人間なんぞ力不足なのが当たり前なのです。いかにステータスが高かろうと重さも遠心力もかけられないのですから。」

 

「その、曾じいちゃん。ウルクスさんとはどういう関係なんです?」

「む、そうか。ウルクス殿は昔は儂の同期みたいなものだったのだ。儂が退位した後ミルヒビークに住むこととなり、悪魔王バズズ様の力によって悪魔となった。その後初めての任務をまだ普通のオークであったウルクス殿とこなしたのだよ。」

「うぅむ!!まだまだあの頃は訓練兵から卒業したばかりのヒヨッコ、ウルクス殿にはとてもお世話になったのだよぉ!もっともその任務の時に無理して魔法が使えなくなるヘマしてまったがのぉ!!」

 

「ウルクス殿は死にかけた儂を治療するため、限界を超えて魔法を使ってしまったのだ。本来ホイミ系はオークの中でも特別な氏族だけが使える魔法。それを無理に使ってしまったばっかりに…」

「気にするこたない!!わてはその後もペリウス殿には助けられてばっかだったでっしゃろ!!本当に感謝すべきはわてだでぇ!!」

 

「…そうだな。確かにウルクス殿は無鉄砲だった。今でもそうなのだろう?」

「うぅむ!!猪突猛進の金豚ウルクスとはわてのこと!!圧倒的な力の前にはいかなる脅威も無力!!…そういう風に部隊長をやっとります。」

「いい加減もう歳だろう?後釜は育ててるのか?」

「ええ、ええ。今はまだヒヨッコのヒヨッコ。しかしわてよりも素質があって魔法も使える。そんな羨ましいやつがいるんで。わしはそいつがヒヨッコになるまでは退職はしまへん。」

「ははは、ウルクス殿は未来を見据えているな。儂は未だにこうしてミルヒビークに留まっているのにな。」

「ペリウス殿はそれでもいいと思うで。わてはわての道を行く。わての力と大声がこの街の、数少ない獣人族の助けになると思えばこそ。」

 

 

 

 

 

「悪魔王バズズ様!魔導部隊長ブラックホースただいま帰還いたしました!」

「うむ、どうであった。」

「はっ、隠密達は死亡。亡骸は喰らったとのこと。インフラなる魔族は確かに私が屠殺し喰らってやりました!!ゲハハハハ!!」

「そうかそうか。ならばこそ彼らも浮かばれるであろう。下がってよろしい。」

「はっ!かしこまりました!ゲヒヒ!!」

 

「ゲヒヒ、ゲヒヒ……ふふふ。」





エリゴス
王子
2028ゴールド
盗賊Lv18 寄生
HP153/153
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122

{リカント}
狼のような姿をした獣人。
作品によって尻尾があったりなかったり、指が4本だったり5本だったりする。
まぁ尻尾あるし指5本でしょ。

PS.カウンセリングの先生曰く「夜寝れなくて昼に眠気があるなら睡眠薬使って無理に寝ないで昼に寝たほうがいい」と教えてもらったのでようやくぐっすり眠れるようになるのかもしれない。


「そこまで!」

 

「「ふぅ…ふぅ…」」

「エリゴス、相当腕上げたじゃねぇか。」

「じいちゃんの腕が落ちたんじゃないの?」

「言いやがる。俺は見ての通りピチピチだぞ。」

「今日何発クリーンヒットしたっけね!」

「あぁ?それ言うならお前だってわき腹に3発受けたろうが。」

 

「二人ともそこまでにしなさい。今日は来客がある。」

「ん?俺は聞いてないぞ。」

「お前の客じゃなくてエリゴスの客だからな。」

「曾じいちゃん。僕も聞いてない。」

「お前はどうせ暇だろう?そろそろ時間だ、着替えてきなさい。」

「はーい。」

 

 

 

 

「失礼ぃ!!ペリウス殿はいるかぁ!!」

「おお、時間通りだ。入ってくれ。」

「失礼ぃ!!」

 

 

 

「エリゴス、こちらウルクス殿の後釜候補であるリカント族の方だ。」

「お初にお目にかかります。オレは未だ名乗る名もなき一人のリカントですがいずれウルクスを襲名する者でございます。」

「おぉう、お前はまだ候補だぞ!あくまで一番目ぇつけてるってだけだで!!」

「とまぁ、今回は同じ世代になるであろうクラビウスの代わりにエリゴスに挨拶に来たそうだ。で、やるかね?」

「うぅむ!!さっそくやろうではないか!!」

「えと、何をですか?」

「エリゴス、訓練用の服に着替えてきなさい。」

「…そういうことねー。わかりました。」

 

 

 

 

「それでは、互いに用意はいいか。儂が止まるように言うまで手合わせしてもらう。」

「「はい!!」」

「では、開始!」

 

「おぉぉ!!!ふんふん!!」

「おいおい、いきなり飛ばすね。武闘家っぽい戦い方だけどそれじゃまだまだ遅いぞ。」

 

「エリゴス、攻撃しないのか?」

「まだまだ!手合わせは相手から技術奪ってこそでしょ?今のままじゃただ暴れてるだけだよ。」

「な、舐め腐って!!」

「おぉい犬!!教えたのは力だけじゃなかぁ!!」

「わかってますウルクス様!!」

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…くそ、人間のくせに…。」

「お?選民意識か?人種差別か?あいにくとこっちは全然疲れてないぞ。」

「うるせぇ、まだだ。」

「いーや、もう終わりにしようや。なぁ曾じいちゃん。」

「…儂はまだ止めてはおらん。」

「そぉうだぞ!まだエリゴス君の攻撃を見せてないでっしゃろ!!」

「わかりましたぁ!!いくぞ犬!!」

「お前に犬と呼ばれ…」

「そこまで。」

 

「あーあー、気絶してまっせ。」

「顎を揺らして脳震盪を起こさせたか。器用になったな。」

「じいちゃんと戦うのに比べたら隙だらけだもの。」

「…ウルクス殿。これでわかっただろう?」

「そらそうでっしゃろ。わてはまだまだ辞めるわけにはいかん。もっと後釜を育てにゃなりまへん。」

「ん?何の話なの?」

「気にするな、悪魔王バズズ様の配下としての話だ。着替えてきなさい。」

「はーい。」





エリゴス
王子
2028ゴールド
盗賊Lv18 寄生
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123

{ネクロマンサー}
霊媒師とかそういう意味の名前。若干シャーマンと同類感はある。
DQ5のボスであるゲマと同じ見た目だしたぶん種族は同じだったんでしょ。
ゾンビ系なのでアンデッドってことにした。違和感はない。お面してるし。


「そこまで!」

 

「ぐぅ、はぁ。はぁ。」

「ひぃー…ひぃー…」

「二人ともだらしないわね。3分くらい避ける程度でそんなに息切らせちゃって。」

「最後の最後にイオラを連発するやつがあるかぁ!!」

「死ぬって!!最悪死にますって!!」

「二人ともまだまだって事よ。早く悪魔の体に慣れなさい。」

「僕はまだ人間なんですけど!!」

「エリゴスは蘇生できるんだからいいじゃない。」

「蘇生できるから死んでもいいなんて命を軽視しすぎだよばあちゃん!!」

 

「エリゴス、この後悪魔王バズズ様との謁見があるから着替えてきなさい。…もちろん風呂に入ってきなさい。」

「砂利まみれ汗まみれ傷まみれ…」

「しょうがないわね。【ベホイミ】。ほら、さっさと行きなさいな。」

「うぐぐ、せめて魔法回避訓練の難易度下げてよ。」

「下げたら訓練にならないでしょ。」

 

 

 

 

 

「悪魔王バズズ様。エリゴスを連れてまいりました。」

「うむ、そなたはもう下がってよい。」

「かしこまりました。無礼の無いようにな。」

「はい。ご先祖様お久しぶりです。」

「無礼の無いようにな!わかったな!」

「よい、こやつはまだ一応子供ゆえ寛容に接する。」

「…失礼します。」

 

「でだ、エリゴスよ。インフラなる魔族は無事に討伐が完了した。そのことを伝えておく。」

「なるほど。お疲れ様です。」

「彼の者は暗殺部隊を喰らうほどの猛者であったようでな。幹部であるブラックホースという者を調査に出したところ運のよいことに討伐できたようだ。お前は彼の者がそれほどの猛者だと知っていたか?」

「いえ、立ち話すこししただけなので…ブラックホースさんという方も知りませんし。」

「む、そうか。ブラックホースは魔導部隊長という魔法に特化した者を統率する地位についている。種族はネクロマンサーという理性あるアンデッドだ。」

「ネクロマンサーなのにアンデッドなんですか?」

「…まぁ、本人達はアンデッドと言われることを嫌っていることは事実。呼ぶ際はネクロマンサーと呼ぶことだな。実際ブラックホースは死した魔族の残留思念を使役できるほどの実力者。だが、私の知る一番のネクロマンサーではない。」

 

「一番の人って魔界時代の方ですか?」

「そうだ。あの者は別世界でとある教団を立ち上げたワレとは別の幹部の補佐として色々と苦労しているようだったな。やつの悪趣味なところはな、殺した者の魂に自分との鎖をつけ、自分が死なない限り昇天も蘇生もできないようにするのが楽しみだったそうだぞ。」

「なんともまぁ。死んだならあとはゆっくりさせてやればいいのに。」

「くく、そうだな。ワレの伝え聞くところによると配下に命令を下してとある城の霊を毎日見世物にしたりしたそうだぞ。なんともまぁ聞くだけなら面白いが実態は休むことなく踊り続ける霊の苦しみを楽しんでいたそうだ。」

 

「……ところでその人の名前は?」

「うむ、その者はゲマという。幹部を除けば一番の実力を持っていたな。」

(……あれ?もしかしてゲマが死んだの知らないってことは、やっぱミルドラース死ぬ前にこっち来たのか?だとすれば帰りたがってるのもわかるな。それに…本当にミルドラースが死んだかも怪しいよなぁ。)





エリゴス
王子
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124

{天空の勇者}
DQ4,5,6の勇者のこと。
DQ4では人間と天空人の間に生まれるらしい。
DQ5では4の主人公の子孫が天空の勇者になるとミルドラースが予言した。
DQ6ではよくわからないけどライデイン使えるから勇者。
ゲームでは主人公とかと強さに差はあまりなかったけどやっぱ勇者なんだしと思いマスタードラゴンが強化したことにしました。主人公が強すぎるからね。


「失礼します、閣下。」

「む?…ミームスか。本体のようだな。」

「はい。おや、エリゴス様もご一緒のようで。」

「ベルガラックでのことは済んだの?」

「はい。良いことと悪いことがあります。まずは良いことですが…お喜びください閣下。魔界へ繋がる場所を発見いたしました。」

「なんと!そ、そこはワレのいた魔界だったのか?」

「はい、現地に赴き歴史書などを見てまいりましたが確実にかの魔界でございました。」

「うむうむ。そうか。して、悪いことは何だ?」

 

「魔王陛下、992年前に討伐されておりました。」

「……そうか。年々野望が大きくなっているのを感じていたからな。いずれそうなるだろうとは思っていた。そう怯えるな。ワレとて世の理には従う。」

「…裏切りではないのです。」

「なに?」

「マーサ様のお孫様…その方が天空の勇者であり、囚われのマーサ様を救い出すべく魔界への扉を通り陛下と戦い、陛下はそのまま…」

「何故だ…人間如きに敵うお方ではないはずだ!」

「どうやらマスタードラゴンからの全面的な協力を得ていたようで勇者としての能力を最大限に引き出していたこと、孫だけではなく家族総出で襲撃したこと。幹部が…全員死去していたことが原因です。」

 

「…幹部が死去。扉の管理をしていたイブールがか?エビルマウンテンの警備を担当していたドラグノフもか?政務を担当していたヨゼフシズルもか?」

「はい。閣下を除いた全員が討ち死になさいました。」

「………エリゴス、ミームス。二人とも部屋へ戻れ。ワレには心の整理をする時間が必要なようだ。」

「…かしこまりました、閣下。行きましょうエリゴス様。」

「うん…まぁ。」

 

 

 

 

「なぁミームス君。魔界ってどんな感じなんだい?」

「…私が見てきた魔界は、かつて私が過ごしていた魔界よりも過酷な環境でしたね。マ素が濃すぎて遠くが見えず、平地はマデュライトの結晶がところどころに生え茂り、植物はマ素に強いモノ以外は全て魔物化、街の人々も適応できないものは狂って死ぬ。そんな場所でした。」

「ふむ。じゃあそこから来た人ってことはその環境をどうにかしようと?」

「はい。マデュライトからマ素を抽出する技術を使い、別世界にマ素を大量に送り込み魔界のマ素濃度を下げる。そのための実験だったようです。」

「…その別世界ってまさか。」

「この世界ですね。」

「いやまずくないか?いきなり大量のマ素が流れ込んでくるとか…」

「まず、人間は死滅することでしょう。」

「困るなぁ!非常に困る!」

 

「私は困りません。すべては閣下の思いのままに。」

「…狂信者の配下もまた狂信者かぁ。」





エリゴス
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125

{扉型の旅の扉}
DQ5の魔界への扉みたいな感じ。
一応DQ5の世界は神によって3つの世界に分けられたらしいけど、実物の旅の扉が残っているなら頑張れば解析できるんじゃないかって思った。
魔王死んだならエルヘブンの民とかも交流できたり移住したでしょ。


「そういえば、ミームス君が追っていた人は結局どうして帰ったの?」

「実はあの後王都まで行ったのですけど、研究所が大破しているのを見て失敗したと思ったのか一目散に魔界への出入り口まで逃げ込んでそのまま上層部に報告、失敗の責任を取るとかで投獄。まぁ、その後は分身だけつけて魔界を見て回りましたが結局は釈放されたようですね。」

 

「ところで…出入口どこにあったの?」

「それがですね…ふふ、王家の谷だったのですよ。見つからないはずです。」

「んー、でも管理人とかに見つからなかったんだろうか。」

「管理人もあくまで入り口を守っているだけ。中までは入らないのですよ。

アルゴリザードは非常に憶病ですからね。にしてもその出入口のまた奇妙なこと。

崖に面して金属でできた装置…扉型の旅の扉が設置されていて明らかに我々が来た時期よりも進化しているのですよ。

新たに旅の扉を作る方法で別世界へつなげる方法を編み出した彼らは数少ない資源を用いてつなげたようですが…まぁ第一陣たる人物が失敗しましたからね。

これからどう出るか。」

 

「ところでそのことをご先祖様に伝えなくてよかったの?」

「今はあの方は…悲しむ時間です。我々配下としてはそっとしてあげるのが一番です。急を要することでもないですからね。」

「…あ、そうだ。その魔界って俺が行っても大丈夫だと思う?」

「まぁ確実に死ぬでしょうね。耐性がある魔族ですら狂うくらいの濃度ですよ。そもそも王家の谷に旅の扉があること自体問題ですよ。何らかの魔物が出てきた場合王家の谷が死の谷に変わります。」

「…あっち側の人管理ちゃんとしてるんだよね?」

「ええ、しっかり警備されているようでした。とはいえ…魔物が明らかにやばいですよ。彼らも半ば死に体。…閣下には選んでいただくことになるようです。

かつての故郷を救うか。現在の平穏を確保するか。私としては…後者ですよ。あのような変わり果てた魔界をお見せしたくはない。」

 

「とりあえず、待つように言われたけどどれくらい待てばいいと思う?」

「閣下は…その。いささか思考が長い性格ですので。数日はかかるかと。」

「帰ろう帰ろう。王族居住区へ帰ろう。」

「そうですか。ではまた会う日まで。私は王城へ行きますので。」

「…まぁ隠密だもんね。とりあえず分身君は預かっている。」

「おや、そうですね。ではその分身の情報を読み取って私の得た情報も持たせましょう。何かあったときはその分身に説明をさせてください。」

「どれくらい時間かかる?」

「30分ほどですよ。すぐです。」

「…魔族感覚のすぐはあてにならないね。帰るから後で来てくれよ分身君。」

「「すぐですよ。すぐ。」」





エリゴス
王子
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126

{ブラックホース}
死んでます。


「む?そこの者。人間のようだが王族か?」

「あ、はい。エリゴスと言います。」

「そうかそうか。私は魔導部隊長のブラックホースという者だ。以後お見知りおきを。ゲヒヒヒ。」

「はい。よろしくお願いします。」

「して、そちらから来たということはもしや悪魔王バズズ様に謁見していたのかね?」

「はい。先ほどまで。でも今は行かないほうがいいですよ。」

「ほう?それは何故だね。」

 

「あー、こればっかりは幹部の方でもちょっと…ただご先祖様が落ち込んでいるとだけ。」

「そうですか。(軽口は叩かないのですね)」

「ん?」

「何でもありませんよゲヒヒ。口が堅いお方だと言っただけです。」

「そうだ、ミームス君が今はご先祖様の部屋の前にいるのでもし気になったことがあったら聞いてみるのはどうですか?」

「ほほう、あの隠密筆頭殿が。それはいいことを聞きました。そうだ、あなたに私の加護を差し上げましょうか。」

「お、何かいただけるのですか?」

「ええ…ゴニョゴニョゴニョ(黒…の名のもとにこの者に……を。)」

 

「お、おお。なんか力がみなぎるような。」

「ええ、ええ。このことは皆には秘密ですよ。あなただけが知っている私の秘密です。いいですね?」

「はい、言いませんとも。ありがとうございます。」

「ふふふ。さて、それでは私は行くとしよう。ゲヒヒヒ。」

 

 

 

 

 

「………ん?あなたはブラックホース様。いかがなされました?」

「いえ、悪魔王バズズ様が落ち込んでいると聞いたもので。何かあったのですか?」

「ああ、エリゴス様が口を滑らしましたか。まだ公表すべきことではないのでお気になさらぬよう。」

「そうですか。ゲヒヒ。ところでいくらかお強くなりましたかね?」

「ええ、一応マ素を大量に吸収する機会がありまして。現在は分身にマ素を移しているところです。このままでは理性を失いかねない。」

「ほほう、そんなに危険な状態には見えませんね。そのことあの少年には?」

「もちろん言いませんよ。無駄に心配をかけるものではありませんしね。」

 

「ところで、これが何かお分かりですか?」

「これは………なんです?」

「……ふむ、隠密筆頭殿もご存知ない。ならば悪魔王バズズ様に聞くしかないでしょうな。」

「閣下は現在傷心中であらせられる。日を改めるとよろしいですよ。」

「もちろんですとも。そうそう、そのマ素少し肩代わり致しましょう。」

「オ、オア…ふう、助かります。しかしいつの間にそのような技を?」

「いえいえ、インフラという魔族と戦っているときに編み出しただけです。それでは。」

「…ええ、お疲れ様です。」





エリゴス
王子
2028ゴールド
盗賊Lv18 加護(秘匿)
HP203/203
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127

{黄金の腕輪}
エスタークが作ったらしい進化の秘法の必須品。

{彼の世界の神}
たぶんマスタードラゴンじゃない?




「失礼します、悪魔王バズズ様。」

「……む、ブラックホース。どこから入った。まぁよい。要件はなんだ。」

「こちら、報告し忘れておりました。インフラなる魔族の所有物でございます。」

「そんなことのため…まて、それは!」

「ご存知ですか?」

「見忘れたことなどない!!これは、魔王様の腕輪ではないか!!」

「なんと。あのような魔族が何故魔王様の腕輪を…ゲヒヒ。」

「これは黄金の腕輪と呼ばれる…進化の秘法に必須の魔道具だ。お前も聞いたことはあるだろう。魔王様が人間だった時に進化の秘法を用いて神に至り、それゆえに彼の世界の神により魔界に追放されたことは。これはその黄金の腕輪そのものだ。」

 

「となると、インフラがあれほどの強さだったのは…」

「おそらくは魔王様と同じように進化の秘法を試したか、それとも秘法の残滓にあてられたかだろう。よくぞ報告した。褒美に…そうだな、何か欲しいものはあるか。」

「それでは、あのインフラが支配していたであろう地域の監視に当てていただきたい。未だに同じような者が居ないとは限りませぬ。」

「そうか、ではお主の後釜に業務を引き継ぎ魔導部隊長から独立幹部へと名乗りを変えるがよい。」

「ははぁー!!ありがたきしあわせ。グヒヒヒ!!」

 

 

「あぁ、魔王様…魔王様…何故、死んでしまわれたのだ。あなたほどの力があれば別の世界へ移るなど魔界を壊すより、人間界を壊すより簡単だったでしょうに。何故…。」

 

 

 

 

 

「じいちゃん、なんかおかしくない?」

「あ、ああ。なんだってお前そんな…強くなってんだ?」

「わかんないよ…なんだかなぁ。レベルアップでもしたんだろうかな。」

「1つや2つレベルアップしたって強さじゃないぞ。何か悪いモノでも食ったんじゃないだろうな。」

「いや…なんかこう。体の底から湧き出る魔力が体を素早く巡り続けてるような感じで…自動でドーピングしてる感じが。」

「うーむ…なんかの病気じゃねぇだろうな?気づいたら破裂とかシャレにならんぞ。検査行ってこい。」

「はい。じゃあ行ってきます。」

「付き添いは要るか?」

「いやぁ、さすがに調子が良すぎるだけで付き添いつきで検査は恥ずかしいよ。」

「むぅ、そうか。なんにせよ気を付けろよ。加減を間違えて機材壊すなんて事無いようにな。」

「はーい。」

 

 

 

 

 

「あれ?ミームス君。まだ終わってないの?」

「エリゴス様。いえ、あと少しですよ。」

「分身作るのって大変なんだね。俺ちょっと体調良すぎるから検査してくるよ。何かあったら3階にいるから。」

「はい、かしこまりました。」





エリゴス
王子
2028ゴールド
盗賊Lv18 加護(秘匿)
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128

{アルゴンハート}
オリジナル要素追加しました。
そもそも王族が悪魔の末裔って事自体オリジナル要素だけど。


「エリゴス様ですね。検査結果が出ました、3号室へお入りください。」

「はい。」

 

 

 

 

「エリゴス様ですな。検査の結果ですが、ざっくり申し上げますと、悪魔王バズズ様の因子が活性化して魔族のような体質に変わりつつあります。」

「…それもしかして時間が経つと。」

「はい、段々と魔族に変わるでしょうな。命にかかわることはありませんが、まぁ世間体的には問題になるかもしれません。」

「活性化って止められませんか?」

「こればかりは我々にはどうにも。悪魔王バズズ様ならばできるかもしれませんが…私は活性化させた事例しか聞いたことがありませんので。」

「うーん、とりあえずは面会してこようと思います。ありがとうございました。」

「いえいえ、そうだ。気休め程度ですがこちらを処方しましょう。

きえさり草を飲みやすくした錠剤です。即効性が強いのでもし魔族としての特徴が出てきた際は世間体を守るために飲んでください。

一応服も消えるので周りの目がない場所で使ってください。」

 

 

 

 

 

(さすがにもうミームス君はいないか。たぶん居住区だろうな。)

コンコン

「失礼します、ミームスです。ご先祖様今よろしいでしょうか。」

 

「入るがよい。ぐす」

 

「失礼します。その、急用だったのですみません。」

「よい。要件を話せ。」

「実は突然ご先祖様の因子が活性化したらしくて魔族になりかけてるらしいです。どうにかできませんか?」

「なに………うむ。たしかに体が悪魔に適応する準備をしている。腕を出せ、直接因子に干渉し止められるか試す。」

「はい。痛たたた。」

「我慢せよ。血を介して指示を送り込む。」

 

 

 

 

「いかん、どうやら暴走状態にある。ワレの指示が届かぬ。」

「えぇ…うーん。いっそのこと悪魔になっちゃいます?」

「お前は良いのか?悪魔のまま王になった者は今まで居ない。どのような結末をたどるかわからぬぞ。もし露見すればお前は成り代わっていた悪魔として討伐されるかもしれない。」

「でも、これまで魔族の妃が居たのでしょう?何かしら対処法があると思ったんですけど。」

「あぁ、そうだな。だがアレは…いや、この際緊急事態だ。

いいか、これまでの妃が人間だとばれなかったのは婚約指輪の影響なのだ。人化の呪いが馴染みやすい宝石を埋め込んだ指輪こそが人間の姿を半永久的に保つ装備品なのだ。お前にそれを一生つけている覚悟があるか。」

 

「装備品なんですよね、そこまで注目されるモノなのですか?」

「されるとも、その宝石こそがアルゴンハート。王家の試練での目的物だ。

お前は王都に戻り、王家の試練を受けねばならない。」

「…わーお、了解です。」





エリゴス
王子
2028ゴールド
盗賊Lv18 加護(秘匿)
HP203/203
MP710/710
ちから120
すばやさ172
たいりょく89
かしこさ241
▼とくぎ
一閃突き
れっぱ斬り
鑑定
みやぶる
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法


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第十章王家の試練の道中
129


{移動が浮いてる}
ゴールデンスライムが浮遊系らしいから。
DQ10だと独楽のように回って移動するとも聞いたし、どっすんどっすん移動するような印象もある。かといって浮遊してすいーっと移動しても違和感なし。
どうせなので浮遊するということにしました。


「なぁ、本当に今日なのか?」

「ああ、三日前からのタウンクライヤーの言葉を聞いたろ。今日が出発日だとさ。」

「まったく、まだ7歳って聞いたぜ?」

「俺が聞いた話だと第二王子派の貴族がやらかしたから次の王としての立場を早めに作っとくって話だ。」

「だとしても、王家の山がどんな場所か知らないがそこまでの道のりでも凶暴な魔物はいるんだぞ?それを護衛なしでなんて王は息子を殺したいのか?」

「いや、王子は戦えるらしい。こないだの凱旋見てなかったのか?あんなデカい熊を仕留めたのがその第一王子だって話だ。」

「それこそまさかだろ…お、来たようだ。うーん、まだ遠くて見えないな。」

「どれ………ん?なんか変なモノに乗っているな。馬じゃないぞ。」

「なんか…赤いよな?なんだ?」

 

 

 

 

「ねえエリゴス。ほんとにこのまま行くの?」

「行くとも。なぁに兵士じゃないんだ。お前は俺のペットなんだし連れてったところで馬みたいなモノだろ。」

「うーん、まぁいいけど。それにしても僕の移動って酔わない?」

「浮いてるおかげで酔わないなぁ。」

「じゃあ、急ぐ?」

「いや、そのままで結構。町出てから一気にピオリムかけるから。」

 

 

 

 

 

「なんか話してるっぽいけど…あの顔はスライムか?」

「あぁ、スライムみたいな顔だな。にしては角ばってて赤いけど。」

「でも、頭のティアラみたいな部分といい高貴な感じするよな。」

「そうそう思った。なんていうか、スライムの王様のキングスライムよりもよっぽど王様っぽい見た目だよな。」

「でもなぁ、俺はスライムはぷるぷるとしたあの感触が好きなんだよな。ほら、例の店の…」

「あぁ、あそこの。でも野生の狂暴なスライムとか見たことあるか?顔つきこそほとんど変わらんがこっちを殺す意志で溢れてるんだぜ?あの王子の乗ってるスライムは余裕すら感じる、この大勢に見られててもだ。ありゃかなりの大物だ。」

 

ガーン!ガーン!ガーン!

「これより開門する!第一王子エリゴス様のご武運を!!」

『エリゴス様!!ご武運を!!』

 

「ありがとー!!がんばるよー!!」

 

 

 

 

 

「行っちまったな。あんな小さいのに対した度胸だよ。」

「だな、俺達も行こうぜ。仕事だ仕事。」

「なんだ、今日くらいいいじゃねぇか。ちょっと飲みに行こうぜ。」

「おいおい俺はお前と違って貯蓄が少ねぇんだ。知ってるだろ?」

「俺がおごるからさ、な?な?いいだろ?」

「しょうがねぇなぁ。ちょっとだけだぜ?」

「へへへ、そうこなくっちゃ。」





エリゴス
王子
2028ゴールド
盗賊Lv18 加護(秘匿) 寄生
HP213/213
MP650/650
ちから124
すばやさ178
たいりょく95
かしこさ232
▼とくぎ
一閃突き
れっぱ斬り
鑑定
みやぶる
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法


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130

{ブッチャー}
オリジナル要素。祖父と修行したエリゴスにとっては雑魚。

{みやぶる}
敵対者の情報を得られる。敵対者じゃないと使えない。


「…なんとなく襲ってきたから気絶させたけど、分身君、ナニコレ。」

「…ダンビラムーチョでしょうか。それにしてはかなり大きいし武器が肉切り包丁ですね。」

「今のって魔族じゃなくて魔物だったよね、違う武器持ってることって多いの?」

「いえ、ほぼ確実に魔物は生体武器と呼ばれる自分と同時に生まれる武器を使います。非常に壊れにくいのが特徴ですがその魔物が死ぬと消える、魔法のような武器です。」

「となると、これはダンビラムーチョではなく。」

「新種か何かでしょう。」

 

「この道は王家の山に続いてますし魔界の者が慌てて落としたマデュライトが落ちたりしてそれを拾ったりして…なんてことない?」

「ありえます。相当な慌てっぷりで逃げましたからね。所持品をいくつか落としていても不思議ではないです。」

「とりあえずうまくいくといいけど……忘れてなかったら初めて使うであろう【みやぶる】」

 

{無名 ブッチャー マ素汚染}

 

「えーと、名前はなし。種族はブッチャー。マ素汚染ってある。」

「となるとあのおおねずみのボスや王城で暴れた巨獣のような新種なのでしょう。このまま殺してしまったほうがいいと思いますよ。」

「そうだね、まぁ魔族だったとしてもああも狂ってたら生きてても苦だろう。ふん!」

 

 

 

 

「…分身君、見てくれ。洞窟の前にブッチャーの群れだ。」

「ふむ、では見てきましょう。しばらくお待ちください。」

 

 

「戻りました。ブッチャーのボスと思われるトロル級のブッチャーが居ました。ブッチャーの数は10体ほど、おそらくはボスのハーレムかと。」

「…あれでメスか。じゃあ切り込んでくるから、スラぼうは待っててくれ。」

「はーい。」

 

 

 

 

 

「この先?」

「はい。残り3体も中にいるかと。」

「よし、じゃあ行くか。と思ったけど…この洞窟ってさ、風通し良いかな?」

「いえ、通路はここだけだったので換気性はよくないかと。」

「…分身君、あまい息ってどれだけ長く吐ける?」

「長くて1分、それ以上は魔力より先に気管が壊れます。」

「じゃあ、できる限り長くあまい息してくれ。ちょっと待ってて。」

 

「おーい、スラぼう。お前肺活量すごかったよね。ちょっと来て。」

「はーい。はーい。」

 

「ただいま。おお、よさげに入り口に漂ってるね。」

「…そういうことですか。うまく行くとは限りませんよ?」

「ははは、さぁスラぼう。おもいっきり息を洞窟に吹いてくれ!」

「んー、スゥゥゥゥゥ。」

「げ、こっちきた!急いで!」

「ハァァァァァア!!」

 

「…思ったよりかは失敗だ。」

「下半分は中に入りましたが上側のは出てきましたね。」

「そうだよな、出口1個ならそうなるよな。でも少しは中に入っただろうしゆっくり入るか。そのまま行くよりはましでしょ。」

「すぅぅぅ、すぅぅぅ。」

「【ザメハ】ここで待っててくれスラぼう。」

「あ、うん。あれ僕今寝てた?」





エリゴス
王子
2028ゴールド
盗賊Lv18 加護(秘匿) 寄生
HP213/213
MP648/650
ちから124
すばやさ178
たいりょく95
かしこさ232
▼とくぎ
一閃突き
れっぱ斬り
鑑定
みやぶる
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法


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131

{れっぱ斬り}
消費MP2。
モンスターズだと武器何でも発動するし刺しても発動すると思った。

{ラリホーマ}
消費MP8。
多くの敵を眠らせる魔法。


「なんか明るいけど…分身君なんで?」

「明るい…おそらく暗視能力を得たのでは?着々と悪魔に近づいてきていますね。」

「うーん、これは急がないと凱旋の頃には変わり果てた姿になってたりしてな。」

「さすがに国家の一大事になるのでそうなったら絶対に王都に行かないでください。」

「わかってるわかってる。そろそろ?」

「はい、この先100mほどでボスの部屋です。」

 

 

 

 

『グゴァァァ。グゴアァァァ。』

「おお、見事に寝ている。なんとなくうまくいってくれてよかった。【みやぶる】」

 

{無名 キングブッチャー マ素汚染重大}

 

「種族名キングブッチャー。マ素汚染重大だってさ。」

「おそらくはこの個体がマデュライトを飲んだのでしょう。変化しないうちに殺してください。」

「あいよ。手っ取り早く【ザラキ】」

 

「グゴアァァァ。グゴアァァァァ。」

 

「むむ、キングブッチャーだけ死なないし無反応…さては耐性持ちか。」

「どうするのです?」

「もちろん…起こさないように一気に魔力を吸い尽くす。【ギガ・マホトラ】」

 

「グゴァァァ…ギャアアァァァ!?」

「よっし、魔力切れだな。もう一押し!【マホトラ】!!」

「グガアァァァ!!」

「あ、あれ?【マホトラ】!【マホトラ】!!なんで倒れない!?」

「おそらくですが、魔力自動回復のような特性を得たのかと。」

「…逃げるぞ!こんな狭いところじゃ避けられない!!」

「グガアァァァァ!!」

 

 

 

 

「スラぼう!走れ!」

「え!?う、うん!」

「ハイヨー!!」

「グガァァァァア!!」

「なにあれ!!なんで倒して来なかったの!!」

「中が狭すぎて戦えなかったんだよ!!平地まで走ってくれ!!」

「ひぃー!!」

 

 

 

 

 

「ここでいい!スラぼうはそのまま離れててくれ!」

「わかった!!倒してよ!?」

「まかせろって!!」

「グガァァァ!!ガァ!!」

ズドォン!

「ひぇ、危ない。初の【れっぱ斬り】!」

ザス、ボン!

「グギャァァァ!!」

 

「ひえぇ、内部で爆発とかえげつねぇ!!最高!!足首狙い【れっぱ斬り】!!」

ブス、ボシュ!

「グガャアァ!!」

「刺さらねぇ!!分身君はあまい息まき散らして!!【マヌーサ】!」

「グガァァ!!グァァァァガァァ!!!」

「よっし、効いたようだ。やるんだ分身君!…分身君?」

「嫌です。もう気管の限界までやったんですから。自分でやってください。」

「じ、自分で!?わかったよ…【ラリホー】!…効かない。【ラリホーマ】!」

「グガ…グゴォォォ…グゴォォォ…」

 

「…よし、寝たな。寝たよな。喉…首?首なのかこれ?

【れっぱ斬り】。

【れっぱ斬り】。

【れっぱ斬り】!」

ドス…ボ。ドス…ボ。ドス…ボボ。

 

「……やったか?やったな?よっし!キングブッチャー倒したり!!……倒したよな?」

「心音はしません。死んだかと。」

「よぉっし!よかった!こんなやべーやつ真っ向から戦えるかってんだ!」





エリゴス
王子
2028ゴールド
盗賊Lv18 加護(秘匿) 寄生
HP213/213
MP627/650
ちから124
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たいりょく95
かしこさ232
▼とくぎ
一閃突き
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〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
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132

{シードッグ}
さんぞくウルフの海版。
黄色い毛並みが特徴。
そしてsea dogを訳すと船乗りらしい。


「おし、村に着いたが…誰も居ないな?」

「おかしいですね、ここにはイスト村といって魚の養殖で生計を立てていたはずです。廃村になったという報告は受けていません。」

「となると、これブッチャーかなんかの仕業だろうか。とりあえずスラぼうそのまま村入ってくれ。」

「はーい。」

 

 

 

 

「おーい!誰かいませんかー!」

「エリゴス様、戻りました。」

「おお、どうだった?」

「この先の教会に多数の人が避難しています、そちらへ向かうべきかと。」

「よっし、行こうか。」

 

 

 

 

コンコン

「すいませーん、誰かいませんかー。」

 

ガチャ

「は、早く中に。」

「あ、はい。ペットもいるんですけどいいですか?」

「そこの赤いのか、いいから入ってくれ。」

「お邪魔しまーす。」

 

「ふぅ、こんな時に来てしまうとは災難だったな。今この村は妙な魔物によって襲撃を受けている。」

「それって、肉切り包丁持ったダンビラムーチョだったりします?」

「む…?いや、違うが。まさか他の地域でも見たことがない魔物が出ているのかね?」

「はい、ここから西へ行ったところに居たんですけどほぼほぼ倒してボスもしっかり倒しましたので。」

「そうか…現在この村には魔物が潜んでいるのだ。その魔物は一匹なのだが、どれだけ攻撃を与えても倒れず、体はぼろぼろなのにしばらくすると怪我が戻り、攻撃は家の壁を崩すほど。

この教会には幸いなことに寄ってこないのでこうして全員が協会に避難したのです。」

 

「ふむ、じゃあ俺達が適当に相手してきます。気になりますしね。」

「お、おい。君はまだ子供じゃないか。いくらダンビラムーチョを倒せたからって調子に乗っちゃいかん。」

「へへへ、これを見てみてくれよ。」

「これ…うむむ、君が言っていた新種か。頭だけでこのサイズとは恐ろしい。しかしこれを倒せるのであればもしくは…!ど、どうか倒せるなら倒してきていただけないか?」

「いいですとも!どの辺に出るとかわかりますか?」

「あぁ、養殖場の付近を徘徊しているのを漁師が見かけたのが始まりだから、その辺を探してみてくれ。もしかしたら既に居住区に潜んでいるのかもしれないが。」

「はい、わかりました。それでは!謝礼楽しみにしてます!」

「あぁ、うん。弾むよ。こんな時だしね。」

 

 

 

 

 

「えぇと…あれか。腐ったシードッグみたいなやつだな…【みやぶる】」

 

{対象無し}

 

「ん?みやぶるで出ないってことは敵対的じゃない?おーい!」

「グゴ、ゴガガガ!!」

「うお!?いやいや敵対的じゃねーか!【みやぶる】!」

 

{対象無し}

「えぇえ!!なんだこいつ!!」





エリゴス
王子
2028ゴールド
盗賊Lv18 加護(秘匿) 寄生
HP213/213
MP627/650
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かしこさ232
▼とくぎ
一閃突き
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133

{ニフラム}
邪悪な魂を聖なる力で光の彼方へと消し去る魔法。
実質DQ8におけるおどかすみたいなもの。


「エリゴス様、とりあえず攻撃してみては?」

「そうだな!よし!…ちょん。」

「グゴ?」

「…ふん!」

ドス!

 

「…グゴ!!」

「効いてないな!!いっそのこと、首落としやぁ!!」

「グ!?」

ゴロン

 

「…終わってないよなぁ。体動いてるもんなぁ。」

「どう思いますか?」

「これ、人形かなんかだろ。【鑑定】」

 

{腐敗した シードッグの死体 0G}

 

「無価値かぁ。…お、首くっつけた。」

「グゴゴ!!」

「ワンくらい言えよ。【ヒャダイン】」

「………」

「固まっちゃえばもう動けないだろ。ミームス君、何かわかる?」

「これは恐らく呪術ですね。シャーマンや首狩り族が使う魔法のようなものです。」

「たどれる?」

「いえ…残滓こそそれですがどこへも繋がっていないようなのです。」

「となると…これの中にいるんじゃね?」

「どういうことですか?」

「ゆうれいとか、それこそあやしいカゲみたいなエレメント系のやつが死体乗っ取って使ってる。」

 

 

 

 

 

「お、おお。たしかにこやつです。しかし、これは討伐できているのですか?」

「いえ、氷で固めてるだけなので全然。個人的な感想としては中に悪霊やエレメント系のなんかが入って操ってるんだと思うんです。」

「…なるほど。アンデッドそのものではなく死体が攻撃を受けるから不死身だったと。さっそく神父を呼んできましょう。身動きが出来ないのであればあの臆病な神父もニフラムくらいは唱えられるはず。」

「ん?ニフラムでいいんですか?それなら自分が唱えられるんですけど。」

「おお!ではぜひとも悪霊を昇天させてやってください!」

「あいよ、【ニフラム】!」

「…イタタタ」

「我慢してくれ分身君。隠れてて。」

「何か言いましたかな?」

「いや、ちょっと独り言を。これで大丈夫…ですかね?」

 

 

 

「こちらが鈍器でございます。」

「これは見事な大木槌。ではさっそく、せぇい!!」

パキィィン!!

 

「……動かないな?」

「昇天したのではないですか?」

「…【みやぶる】【鑑定】」

 

{対象無し}

{腐敗した ズタズタな シードッグの死体 0G}

 

「とりあえず1日この村に泊まりますので、誰か監視つけておいてください。」

「はい、この度はまことにありがとうございます。子供だからと見くびったことお許しください。」

「あ、いや。そんな下手に出なくてもいいですよ。あくまで子供なのは事実なんで。」

「皆の者、被害確認と祝宴の準備だ!」

『わぁぁぁ!!』

 

 

 

 

 

「……グゴ」

「ん?今動いたような。おい、村長に報告してこい。」

「気のせいじゃないのか?」

「馬鹿、少しの異変でも知らせるように言われただろ。」

「へいへい、行ってくるよ。ついでに酒でも飲めりゃなぁ。」

「俺だって我慢してるんだからお前も我慢しろよ。」

「へいへい。へーいへい。」





エリゴス
王子
2028ゴールド
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MP620/650
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134

{寄生蜂}
オリジナル要素。
所詮はマデュライト食ったヘルホーネット。


「うぃ~ひっく。そんちょ~。」

「む、お前は見張りのニック。何故酔っぱらっている。」

「ちょいともらったんでさ。ところでヤンのやつが死体がちょっと動いたとか神経質になってて俺に報告するように言ってきたんですよ。」

「あ、じゃあ僕行ってきますね。」

「うむ、頼みましたぞ王子殿下。」

 

 

 

 

 

「えーと…あれ?おーい!ヤンさーん!」

「…ドウシタンダイ。」

「あぁ、どうも。なんか異変があったって聞いたんですけど。」

「…ナンデモナイヨ。」

「ところで体調悪そうですね。【みやぶる】」

 

{対象無し}

 

「……ヤンさん死んでるな?」

「…シンデナイヨ。イキテルヨ。」

「で、あんたがあのシードック動かしてたやつだろ?」

「…シンデナイヨ。イキテルヨ。」

「生きてたらすまないが首切りさせてもらうぞ。」

「ドウシタンダイ!ナンデモナイヨ!イキテルヨ!」

 

「ブゴゴゴゴ!!ゴボボボ!!」

「…首なしで喋ってる時点でどうしたもこうしたもあるか。【ヒャダイン】」

 

 

 

 

「村長さん、一大事です。」

「む、なにかあったのですか。」

「簡潔に言うとヤンさんが乗っ取られました。ついでに言えば首落としても喋れてます。たぶんシードッグの死体が喋れなかったのは腐っていたからでヤンさんは死にたてだから喋れてるんじゃないかって思うんです。」

「…え、ヤンが死んだ?お、おい。冗談だろ。」

「いえ、個人的にはこれ以上被害が出ない内にヤンさんごと焼却したほうがいいと思うんですけど、村長さんよろしいですか?」

「………うむ。止むをえまい。相手の正体がわからぬ以上ヤンは身をもって危険を示したのだ。」

「そうですね。それじゃそういうことで焼いてきます。」

「ま、待ってくれ!ほんとにヤンは助からないのか!?」

「いやだって…ニフラムも凍結も首切りも意味ないんじゃ完全に焼くしかないですよ。」

「…う、うぅ、俺がもっと、酒に釣られずに伝令していれば…」

 

 

 

 

 

「さて【ギラ】」

ジュウウウウ

「やっぱ単純に焼くならメラじゃなくてギラのほうが吹っ飛ばないでいいな。さすが光線。」

ミシミシッ…バシュッ!

「ギジジジジジ!!!」

「!?でかい蜂!?【みやぶる】!」

 

{無名 寄生蜂 マ素汚染重大 火傷}

 

「マ素汚染!?つか虫のくせにマデュライト飲んだのか!?」

「ジジジジ、ジジジジジ!!」

「ひえ!【ザキ】!」

「ジジ……」

 

「…効いたか?効いたな?よし。回収成功。」

「エリゴス様、こちらのヤンの遺体もしかしたらまだ蘇生が可能かもしれません。」

「お、ラッキーだな。【ザオリク】!」

 

 

 

 

『王子殿下!!この度は村を御救い下さりありがとうございます!!』

「いやぁ、ヤンさんの蘇生ができてよかったです。それでは!」

「こ、これ!俺の財産だ!追加で受け取ってくれないか!」

「えと、たしかニックさん?」

「俺の不謹慎な行動でヤンが死にかけたんだ。王子のおかげなんだ。どうか!」

「わかりました。ありがとうございます。」





エリゴス
王子
4462ゴールド
盗賊Lv18 加護(秘匿) 寄生
HP213/213
MP650/650
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135

{東の湖}
北の関所と王家の山への分岐路のある場所。

{クランプール}
やっぱ名前あったほうがいいかなって。


「お、でかい湖が見えてきた。なぁ分身君、あそこって何だい。」

「ちょうど王都と王家の山の間に位置する東の湖です。この先を左に曲がればリブルアーチ、まっすぐ進めば王家の山。リブルアーチ側には交易の街、王家の山側は養殖場のある産業の街があります。どちらもクランプールという領主が管理しています。」

「…なんかこう、それぞれ名前はないの?」

「無いです。東の湖、交易の街、産業の街です。全部ひっくるめてクランプール領です。」

「風情がないなぁ。」

「ただ、王都で食べられている魚の半分はクランプール産ですよ。」

「うーん、魚かぁ。なんか海魚と違って川の魚ってなんか…泥くさいんだよな。」

「安物ばかり食べるから泥臭い魚に当たるんだと思いますが…この先に1時間湖を沿うように行けば産業の街に着きますよ。そこなら王都よりも美味しい店があるかと。」

 

「なるほど、じゃあ頑張ってくれよスラぼう。」

「はーい。……なんで歩かないの?」

「道がでこぼこだからだ。それに乗ってればすれ違う人も驚かなかったろ?」

「疲れないからいいけどさ、歩かないと鈍るよ?」

「このくらいじゃ鈍らないさ…というか運動するとだんだん力が増してくるのを感じるんだよね。あんまり張り切るとやばい。」

「そっか、そういえばなんか耳長くなってきてない?」

「(さすさす)……若干長くなってる気がするな。このままじゃ人相まで変わりかねないな。魚の街はほおっておいて先に進んだ方が良くないか?」

 

「だめです、エリゴス様が王家の試練を受けることは既に周知の事実。それなのに道中にある街に寄らないなど不正を疑われます。一泊は必ずしてください。」

「そうだよな、それなりに賑わってる街なのに誰も見てないとなったら疑われるよな。よし、じゃあそのまま街へ向かってくれ。」

「はーい。」

 

 

 

 

「次、えーと。それはスライムか?」

「はい、ペットです。スラぼうと言います。」

「んー、魔族か?」

「はーい。ちゃんと喋れるし友好的だよ!」

「自分で友好的って言われてもな…まぁ知性がない魔物じゃないならいいか。通ってよし!」

「「ありがとうございます!」」

 

 

「すみません、一泊空いてますか?」

「空いてるけど…そのスライムはどうするんだい?」

「同室ってできますか?」

「うーん、人型以外はちょっと。他の宿あたってちょうだい。」

「はい、お手数おかけしました。」

 

 

 

「…分身君、宿が全滅したんだけどどうするよ。」

「ごめんね、僕がでかいばっかりに。」

「いやスラぼうは悪くない悪くない。ただ馬小屋もダメとなると本格的にスラぼうを休ませられないからなぁ。」

「エリゴス様、それならば領主の館に泊まるのはいかがでしょう。ここの領主は魔族嫌いと聞いたことはありません。」

「なるほど、領主の館なら庭があるし部屋も広いかも。それでいこう。」





エリゴス
王子
4462ゴールド
盗賊Lv18 加護(秘匿) 寄生
HP213/213
MP650/650
ちから124
すばやさ178
たいりょく95
かしこさ232
▼とくぎ
一閃突き
れっぱ斬り
鑑定
みやぶる
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
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136

{ミニデーモン}
小さいがしっかり悪魔。
メラミに困らされたプレイヤーそれなりに居るんじゃないでしょうか。

{ランドゲーロ}
白い人面ガエル。


「このような時間にどうした。ここは領主様の御屋敷だ。」

「王家の試練を受けに東へ向かう第一王子のエリゴスと言います。連れているペットを休ませられる宿が無く領主様の御屋敷に一日だけ泊めていただきたい。お取次ぎをお願いします。」

「ええ!第一王子!?す、すぐに伝えてきます!!」

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、王子。初めまして、私がこの街の領主クランプール侯爵でございます。」

「ご丁寧にありがとうごさいます。王家の試練を受けに行く第一王子のエリゴスと言います。一泊よろしいでしょうか。」

「はい、よろこんで。何卒王様によろしくお伝えいただければ。」

「もちろんですとも。」

「何分旅の者はこちらではなく交易の街に行くもので人型でない魔族の宿泊を考えた宿はなかったようですな。改善させていただきます。」

「おお、それはとても良いことですね。ぜひ。」

 

 

 

 

「ははは、どうですか王子。我が町の料理は。」

「本当に美味しいですね。川魚がここまで美味しいとは思いませんでした。」

「ははは、たしか王子はパルミドに居たとか。あちらで魚と言えば海魚でしょうからな。」

「それがパルミドでは魚は高級品でして、もっぱら魔物肉でしたよ。…食べ終わった後にその肉が人型悪魔のミニデーモンのモツだとニヤニヤ教えられたときは思わず殺そうかと思いました。」

「そ、それはまた殺伐…いや野蛮…いやいやその。」

「いえ、それだけあそこが食に困ってるって事ですよ。その点我が国は貴族がサボっていても国民が食ってけるだけマシですね。」

「…肉と言えばこの街ではランドゲーロと呼ばれる魔物の肉がメインでしてな!これがまた鳥肉のようで美味しいのです。よければ帰りの際に寄っていただければご馳走いたしますよ!」

「ははは、ありがとうございます。そのためにも王家の試練を無事にこなしてきます。」

 

 

 

 

「いやぁ、美味かった。さすが名産地だ。全然泥臭くなかったな。」

「だから泥臭いのは安宿だからですよ。ちゃんと下処理するところは問題ないんですよ。」

「やっぱ節約して安宿に泊まり続けるのも考え物だな。ところで王家の山まで半分のところまで来たんだよね。ここから先に休めるところはあるの?」

「いえ、ここから先に行く者は王家から委託を受けた行商人のみですので。村はおろか教会も無いかと。」

「教会かぁ、そういえば特技を2個くらい覚えられるんだっけな。明日行ってみるか。」

「まぁ人間のうちに行っておいた方がいいでしょうね。体質が変わって教会に近づけなくなったら大変ですからね。」

「…他人事だなぁ。」

「他人事ですから。」

 

 

 

 

 

「よし、無事に特技も覚えた。食料も仕入れた。ハイヨー!スラぼう!」

「はいよー!」





エリゴス
王子
4448ゴールド
盗賊Lv18 加護(秘匿) 寄生
HP213/213
MP650/650
ちから124
すばやさ178
たいりょく95
かしこさ232
▼とくぎ
一閃突き
れっぱ斬り
鑑定
みやぶる
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???
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法


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137

{王家の山が蟲毒}
そんなわけないと思うけどアルゴリザードここにしかいないの変だなって思った。
リザードファッツはラプソーンの手下らしいけど場所に縛られてはいないし。


「エリゴス様、道の先に見える小高い山が見えますか。…そっちではなく右側の。あちらが王家の山です。エリゴス様には浅いところで早急にアルゴリザードと戦っていただき、アルゴンハートを入手後はルーラでクランプール領へ戻っていただきます。よろしいですか?」

「どうせならでかいのを狙ったほうがいいんじゃないのか?」

「…エリゴス様もご存知かと思いますが、王家の山には魔界への旅の扉があります。長居する必要も奥へ進む必要もないのです。万全を期して最速で終えてください。」

「はいよ、どうせならチャゴスに慕われるくらいのでかいアルゴンハートが欲しかったんだがなぁ。」

「指輪にするのですから大きさは関係ありませんよ。大事なのは時間です。王家最速を目指してください。」

「それもそうだな。よーし、いくぞー!いけースラぼう!」

「エリゴス様、スラぼうは山へ入れるのはどうかと。私ならまだしもスラぼうは隠れられないのですから一人で退治していないのではないかという疑惑が生まれます。」

「…じゃあ、スラぼうはふもとで待機ね。」

「はーい。早く終わらせてね。」

 

 

 

 

 

「これはこれは、第一王子エリゴス様ですね。私は王家の山の番人です。殿下のことは城からの伝書鳩により既に伝わっております。」

「今回はよろしくお願いします。このスラぼうの世話を戻ってくるまでお願いします。」

「もちろんでございます。どうかご無事で。」

「ははは、まるで無事で戻ってこなかった王族が居るみたいだな。…居るの?」

「はい、1割ほどは力及ばず帰らぬ身に。3割が力不足ながら命からがら逃げることができました。6割が試練を無事にこなしたそうですな。」

「うーん、シビアだ。」

「(エリゴス様、過去はバズズ様の血も濃かったため現在の王族より強い方々が居ました。それでも死んだ王族が居ることをご理解くださいませ。)」

「………」ブルリ

「おや、殿下。武者震いですかな?勇ましいことです。さぁ、山の入り口はこちらです。我ら番人総出でお送りいたします。」

「ははは…ありがとうございます。」

 

 

 

 

 

「さて、分身君。要注意の魔物とかはいる?」

「この先の王家の山は友好的な魔物は居ません。魔族になっていたとしてもより狡猾にこちらを襲ってくることでしょう。すべての魔物がエリゴス様の脅威です。」

「…本格的に他の場所と大違いなのでは?」

「それはもう。なにせ王家の山の魔物は外に出れないのです。肉を得るためには動物が居ないため他の魔物を狩るのです。いわば蟲毒。その蟲毒に攻め入りアルゴンハートを手に入れてこそ悪魔王バズズ様の血縁として王になれるのです。」





エリゴス
王子
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138

{ジョロの実}
アルゴリザードの大好物。
匂いが強く嗅げば飛びつくように貪りつく。
どこの誰がジョロの実に飛びつかれると思ったでしょうか。



「…案外静かだな。」

「大声を出してはいけませんよ。彼らが静かなのは自分の居場所をわからなくするため。狩りの際は大声で荒れ狂います。」

「そんな時潜んでるやつらはどうするんだ?」

「逃げるか、あるいは横取りを狙いヒット&アウェイで何かをかっさらうでしょうね。獲物か、手下か、ボスか。」

「…とにかく隠れてるやつも狩猟がヘタなだけで戦力はやばいんだな。ところでアルゴリザードが居るであろう所まで案内してもらえたりする?」

「私は公平を期すため、調べればわかる程度の事前情報のみお教えいたします。」

「おう、教えてくれないってことだな。【ステルス】【レムオル】」

 

 

 

 

 

「グゥー…ガガガガ…グゥー…ガガガガ」

「しめた、アルゴリザード。それも寝ている。たしか近づくと憶病すぎて逃げるんだよな。ならば…ここから一撃で「お待ちください。」

「アルゴリザードを殺してはいけません。彼らはザキを無効化できる種族ですがやみくもにザキを唱える姿勢は直すべきです。」

「…じゃあどうするんだい。」

「真っ向から戦って認められたとき、アルゴリザードは喉にある宝玉嚢と呼ばれる部位から生成されたアルゴンハートを吐き出し逃げます。しかし戦うには憶病なアルゴリザードと対峙できるだけの知恵を試されます。…あとはまぁ、王家の山の上位階級くらいには強いアルゴリザードにおびえなかったりする勇気だとか。

まぁ要するに保護生物なので殺さないでくださいね。」

「要するに、遠くからどうこうといった事しちゃいけないんだな。」

「もうそれでいいです。」

 

 

 

 

 

「よし、このジョロの実を使って…割ってどうするんだ?」

「エリゴス様?」

「あ、いや。割ったところで確実に成功するとも限らないし…うーん。いっそのこと…」

 

 

 

 

「グゥー…ガガガ…ガガ…グクゥー…」

「今からこれを投げる。切り込みを入れて壊れやすくなったジョロの実だ。」

「…まさか直接ぶつけるのですか?」

「ああ、そうだ。これなら確実にジョロの実の効果が出る。」

「…まぁやってみればいいんじゃないでしょうか。」

「おう、そぉい。」

 

 

 

ガポン!

「ギャァ!?ギャア!!」

「あ、あれ、逃げていく。」

「そりゃそうです。いくら好物と言っても突然寝ている間にぶつけられたら憶病なアルゴリザードはすぐに逃げますよ。」

「…ちょっと失敗したようだな。」

「錯乱しすぎです、もっと常識で考えて行動してください。」

「ぐ、ぐぅ…とりあえずジョロの実はまだある。ふくろにも入ってくれたしな。次のアルゴリザードを探すぞ。」





エリゴス
王子
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盗賊Lv18 加護(秘匿) 寄生 ステルス レムオル
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139

{バトルレックス}
斧を持った緑色の二足歩行ドラゴン。
DQ8では最初の時点から見かける馴染みある魔物。

{金のネックレス}
DQ3では性格がむっつりスケベになる例の装備




「お、分身君。洞窟があるぞ。この中に居たりしないかな?」

「さあ、お答えしかねます。」

「なるほど、よし行くぞ。」

 

 

 

 

 

「うーんと…分かれ道なし。奥が見えてきたけど…なんだあれ。」

「エリゴス様、ちゃんと逃げることも意識してくださいね。」

「ああ、うん。…げ、バトルレックスの巣だ。帰ろ。」

コンッカラカラカラ

 

「あ"」

「ギィ?ギャオオオオオ!!」

「ひぇ。」

「エリゴス様、今は魔法の効果で見えていないはず、音を立てずに逃げてください。」

「ああ、そうだな。」

 

「ギャオオオオオ!!」

 

「…通り過ぎてったな。」

「おそらくは一直線の洞窟に隠れる場所がないとわかっているのでしょう。この隙に奥を物色しては?」

「よし、竜の巣なんだから何かお宝があるかな。」

 

 

 

「うーん、卵、肉、骨、卵、卵、骨。そしてガラクタ。なんだこれ。」

「剣の成れの果てでしょう、おそらくは密猟者の遺品かと。」

「密猟者入り込むの?番人はなんなのさ。」

「番人はあくまで魔物が出ないか見張る一族ですよ。こっそり密猟者が入り込んだとしても自己責任です。生きて帰れるなら勲章モノですよ。」

「そうかぁ…おっ、これなんてどうだ?」

「…ネックレスのようですね。安物では?」

「おいおい、これ1個数百ゴールドで売れればたいしたものだろ?【鑑定】」

 

{金のネックレス-2(呪い) 守備力+7 性格変更(性欲) 400G}

 

「…呪われてる。性格変更性欲だってさ。嫌がらせアイテムだな。とっとこ。」

「これを装備したままここまで来たなんて大した密猟者も居たものですね。」

 

「ギュウウウ…」

「あ、帰って来た。あ、これも。」

 

 

 

 

「よし、無事に出れたな。」

「エリゴス様の隠密魔法はすごいですね。すれ違っても気づかれないとは。」

「なんか同時に使うと匂いや気配まで遮断するみたいでさ、まったく気づかれないんだよね。」

「そういえば先ほど何か拾っていませんでした?」

「あぁ、これをね。」

「…卵?」

「服に入れて盗んできた今夜の夕食だ。ふくろにしまっておくよ。」

「まったく、ばれたらあのバトルレックスが怒り狂いますよ。」

「なぁに、ばれてないからいいじゃないか。それに20個以上あったんだ、ばれやしないって。」

「今頃無いことに気づ「…ギャオオオオオ」…気づいてますよ。」

 

「ははは、竜の卵なんて食べるのは初めてだ。分身君もどうだい。」

「さっさとアルゴンハートを手に入れてスラぼうと一緒に食べましょう。」

「…あー、うん。」

「まさか一泊するつもりだったのですか?」

「まぁ見つからなかったらそうするつもりだけど。」

「馬鹿言わないでください。この産卵期の王家の山で一泊するなんて寝てる間に潰されるか食われます。」

「…よし、急いで探すか。」

「まったく、本来はこんなぎすぎすした時期に試練に来ないのですよ。」





エリゴス
王子
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???
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最近の不安とか、長く書いたけど読まないでいいです。

なんか今日久々に心臓発作起きたのでもしかしたら明日書かんかもしれん。
読んでもらえるような文章じゃないかもしれんが私は書いてて楽しいです。
やっぱこういうのは自己満足が大事ですよね。
この先の細やかな展開は考えていないけど大まかな流れは考えているのでその通りに進んでくれたら嬉しいなと思います。
なんせほとんどその場の思い付きで書いてますから私の理想に上手く着地できるか不安です。

ところで最近兎田ぺこらさんのPS2版DQ5の実況プレイを視聴しているのですけどかつて遊んでいた頃の記憶が「あぁ、そうそう。これこれ」ってなって涙が出ないのに泣きそうな心情になりますね。
Steamでドラクエ出ない物かなぁ。3DSは操作性が悪くて…なんせ半分ぶっ壊れてる。

PSvitaも持ってはいるのですがどうにもやる気がわかない。鬱病になると「楽しかったもの」が「楽しくないけどやらざるを得ない物になります。」
やらなかったらさらに気分が下がるし何もしていないともっと下がる。
どんどん下がった結果、空想に浸るようになるのですがその内容は主にその日見た夢の批評がほとんどで…今日は沢山の悪夢を見ましたが一番恐怖を感じたのはGB画質のポケモンです。

続きからで始めるとレベル100HP0毒麻痺火傷を受けてる状態で戦闘開始になって負けてタイトル、はじめからをする前に10秒待つと不気味な音とともに手持ちにミュウが1体入った状態で開始というこれまたさらに怖い夢。

…そもそも外を出歩ける夢が一番心に来るんですよな。
昔はどこにでも行けたのに、行ったことない場所にも行けたのにって。
今じゃ夢の中じゃないと自由にどこにも行けない。
好きだった温泉にも行けない。
ということで最初は楽しめていたのだけど…

最近になると夢の中まで「外に居る恐怖」が出てしまい、全て焦る結果になる。
せめて隣駅まで戻れる日は来るのだろうか。
無理にリハビリした結果隣駅で心臓発作起こって2度目の精神ポッキリがあってから今まで全然外に出れない。

最近私黒い砂漠ってゲームやってますけどただの観光ゲーだと思ってたけど奥深い生産要素ですね。
戦闘は私には面白く思えないけど生産活動楽しいと思う。

PS.私が一番楽しいと思えるのはメガネリオンのメガネをかけない理由みたいなランダム作成ワードです。
もっとメガネリオンの動画増えてほしいです。
10秒告白でもいいから。

考えていた当初は「ストーリーで主人公がチャゴスに悩まされている姿を横で笑いながら楽しむ一般同行人エリゴス」みたいな構想をしていたんですけど、皆さんどっちがいいです?「戦力としてゴリ押しストーリー進める」のと「傍観者って言って不満募らされながらも全滅したら回収する係」。私的には後者にしようかと思ってるんですけど。


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140

{猛毒}
毎ターン最大HPの8分の1ダメージ。
戦闘外でも普通の毒のようにダメージ。



「お、居たな…さっきのやつよりもそこそこデカいな。」

「一応言っておきますが大きければ大きいほど宝石嚢も大きいですからね。で、今度はどうするのです?」

「そりゃ、ここからあそこまでジョロの実を投げる。」

「…どうぞ。」

「せぇい、ほっ。」

 

「ギ!?ギャア!!」

ガポン!!

 

 

「逃げてったな。」

「憶病って言ってますよね。遠くから何か飛んで来たらそりゃ逃げます。」

「ぐぬぬ、とりあえず次…ん?何あれ。」

 

「グロロロ…」バクバク

 

「あれはマッスルアニマルという人型の獣ですね。あの手を見てください、篭手のようになっているでしょう。あれは戦闘態勢に入ると鋭い爪が飛び出します。まずもって一般人であれば容易く両断されるほどの切れ味と膂力があります。」

「…バトルレックスとどっちがやばい?」

「大きさを考えるとバトルレックスですが、強さにおいては素早く力のあるマッスルアニマルのほうが厄介でしょうね。」

「改めて思うけど歴代の王様って俺みたいなインチキせずにクリアしたんだよな、バケモノかよ…」

「時期も問題です。産卵期と言ったでしょう。ほぼ全ての魔物が狩るか狩られるかの土地で卵を死守するべく目を光らせているので、ほとんどの魔物は飢えています。」

 

「グロロ…グ!?」

 

「ん?なんか動かなくなったな。」

「上空を見てください。キラーモスです。鱗粉で動けなくなるほどの毒を喰らったのでしょう。」

「毒って動けなくなるのか?」

「無理して動くと血とともに毒が回ってすぐに死に至りますね。それに見てください、あのマッスルアニマルは既に気を失いかけています。」

「うっわ、キラーモスが群がって…うわぁもう骨じゃん。」

「わかりましたか、今の王家の山がどれほど気が抜けない場所か。」

「そうだなぁ、これは大きさがどうこう言ってる状況じゃないな。急いで探すか。」

 

 

 

 

 

「グガガガ…グゥー…グガガガ…グゥー…」

「しめた、寝ているな。今度こそこのジョロの実を、そぃ。」

 

ガポン

「ギィ?ギャアア♪」

 

「よーし、気付かれてないな。気づかれてないよな。……あれ、気付かれないんだけど。」

「ステルスとレムオルのせいでは?」

「なるほどそりゃそうだ。解除。」

 

「ギャア!?…ギャアア!!」

「よぉし、いくぞ!!」

「気を付けてください、アルゴリザードも猛毒を扱います。エリゴス様に毒の耐性があるとはいえ喰らってから平気になるまでの間苦しむことになりますよ。」

「それはとても嫌だな。確率で無効化とかだったらよかったんだがな。」

「そんな不思議な事あるわけないでしょう、それと雄たけびだけは使わせないでください、今の王家の山でそんな事をされたら横取りを狙うモンスターが来ます。短期決戦で終わらせてください。」

「ああ、わかった。いくぞ!」

「ギャアア!!」





エリゴス
王子
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???
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141

{ブレスクラッシュ}
消費MP3
息封じ状態にする攻撃。
ダメージも少し上がる。
スラぼう戦でブレスに悩まされたから即決で選ぶでしょ。


「ふぅ…ふぅ…いい加減アルゴンハート落としてくれよ!」

「ギャア!!ブフゥ!ギャアア!!」

「へへへ、猛毒の息も封じたら怖くないぜ。」

「ギャアアア!!ブハァァァ!!」

「あぶねぇ!!もいっちょ【ブレスクラッシュ】!!」

「ゴボォ!!」

 

「へへへ、盗賊の使うブレスクラッシュだぜ、効果抜群だろ?」

「エリゴス様、お急ぎください。」

「わぁってるわぁってる。【一閃突き】!」

「ギィ!!」

「ぐはぁ!!」

 

「はぁ、はぁ、やっぱ一閃突きはクソだよ!当たらないから!」

「何故魔法を使わないのですか?」

「え、使っていいの!?言ってよー!【スカラ】【バイキルト】【ピオラ】【ボミエ】【ヘナトス】【ルカニ】…はぁ、はぁ。【ベホマ】」

「まったく…それだけ魔法連発しておいて盗賊だなんて詐欺もいいところです。」

「魔法使う盗賊だっているだろ。【ブレスクラッシュ】」

「ゴッボ!!」

「あーもう!ぜんっぜんナイフが刺さらん!」

「ギャア!!」

「ぐはぁ!!」

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…いい加減諦めてほしいんだけど。」

「ギャアア!!」

「まだまだやる気満々なようですね。」

「クッソ強くない?」

「言ったでしょう、王家の山の上位階級だと。とはいえなかなかに強いですね。もしかしたら群れのボス候補かもしれません。」

「ブハァァァァ!!」

「ぎゃあああ!!【キアリー】!こんの、【ブレスクラッシュ】!」

「ゴボボ!!ボエッ!!ギャア!ギャア!!」

 

「…逃げてったけど、これがアルゴンハートなのか?」

「そのようです。よかったですね、とても大きい方ですよ。」

「は、ははは。よし、これで後は帰るだけ『グロロロロ!!』なんだこいつら!!」

「まぁ、弱った獲物であるエリゴス様を捕食しようとしているマッスルアニマル達ですね。」

「やってられっか!【レムオル】!【ステルス】!」

『グル?グロロロロ!!』

「なんで場所がわかってんだ!?」

「もしかしてその魔法、既に見つかっている者には効かないのでは?」

「…心当たりがすごい!!くそっ!【ピオラ】!逃げる!!」

 

『グロロロ!!シャア!!』

「痛い!?なんだ!?」

「マッスルアニマルの特技である真空波でしょうね。」

「くそぉ!!足も速いのに遠距離攻撃持ちなのかよぉ!!」

 

 

 

 

「あ、おーいエリゴスー!」

「スラぼう急いで退避ー!!」

「え、えぇ!?ひゃー!!」

「ぬおおお!!」

「エリゴス様、あと少しです。」

 

『グロロロ!』

ズシャシャシャ!!

 

「に、逃げ切れた?」

「はい、追っ手は全員王家の山との境に衝突しました。もう安全です。」

「は、はぁぁぁ。今度こそ死ぬかと思ったぁぁぁ!!」





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第十一章トードマン戦争
142


{メタルスライムの群生地}
ゲームで実在した。それだけ。

{ランドゲーロに全体攻撃}
死ぞ。


「さて、それじゃルーラでクランプール領の産業の街まで飛ぶよ。」

「それ僕も飛べる?」

「んー……試したことがないから何とも。まぁ何とかなるだろう。」

「大丈夫ですよスラぼう。エリゴス様の使うルーラは複数人でも発動します。ちゃんと近くに居れば。」

「離れないでよね。」

「はいはい。それじゃ、【ルーラ】」

 

 

 

 

「わぁぁ、地面が遠い!」

「ルーラって高所恐怖症の人が使ったら目も開けられないだろうなぁ。」

「ねえねえ!あそこなんだろ!」

「ん?どこ?」

「ほら、王家の山から進んで右に行った大きな窪地!」

「んー…ん!?なんかやたらキラキラしてるな。分身君、あそこには何があんだい。」

「あそこですか、メタルスライムの群生地か何かじゃないですか?」

「…え”。そこ先に行ってれば苦戦しなくなるまで強くなれたんじゃ。」

「技術の伴わないレベル上げは身を滅ぼしますよ。それにメタルスライムも有限なんですから前に居たとして次も居るとは限らないものです。」

「…そっかぁ。そうだよな。あ、産業の街が見えてきたな。」

 

 

 

 

 

「よっと。」

「ふべぇ!!」ズザザザ

「なんで移動時浮遊するのに着地ドへたくそなの?」

「エリゴスの調節があってないんだと思うよ…身長低いでしょ。」

「あぁ、たしかに。まぁ怪我は無い様でなによりだな。…で、街に人が居ないな。またこのパターンか。領主の館行こうか。」

「はーい。」

 

 

 

 

「こ、これは殿下。もしや王家の試練を成し遂げたのですか!?」

「はい、クランプール侯爵にご挨拶と一泊借りようかと思ったのですけど…人が見当たらなかったのですがどうしたのですか?」

「ランドゲーロの大群が現在ここ産業の街を目掛けてゆっくり侵攻中なのです。しかし侯爵は殿下が戻るかもしれないと言い留まっているのです。これでようやく我々も交易の街へ避難できます!」

「そうですか。とりあえず侯爵に会わせていただきますね。」

「はい、どうぞ!正門の守りはお任せください!一人でも死力を尽くします!」

「あー、スラぼう。残っておいて。ランドゲーロが攻めてきたらブレスは使わずに攻撃してね。」

「んー…?わかったよ。」

 

 

 

 

 

「侯爵、エリゴスです。」

「おお!!殿下、よくぞお戻りに!話は門番から聞いていると思いますが今すぐに交易の街まで避難しましょう。北の養殖場はどうやら完全に埋め尽くされてしまっています。」

「それでは急いで行きましょう。門番の方と侯爵だけですか?」

「いや、侍従達もまだ残っているが既に準備は終えてあります。このボタンを押せば…」

 

ウーウーウーウー!!

 

「このように館中に避難の合図が鳴り響きます。」

「…この音でランドゲーロ来たりしません?」

「……あぁ、まずいです。」

「急いで行きましょうよ!!正門まで!!」





エリゴス
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143

{ザキ耐性}
持ってます。


「ひ、ひいい!」

「おじさん、僕の後ろに!」

「す、すまない。……【ホイミ】!」

「くぅぅ、エリゴスー!早くー!」

 

「げ!おーいスラぼう!無事か!?」

「ランドゲーロが屋敷に入ろうと門に集まってるの!どうすればいいの!?」

「絶対ブレスするなよ!そいつら攻撃するとやばいから!」

「ええ!ど、どうするのさ!」

「こうする!【ザラキ】!」

 

『ゲッ…』

『ゲロゲロゲロ!!』

 

「数匹しか効いてないけど!?」

「…あっれぇ、さては耐性持ちだな。」

「どうするの!?」

「まぁ…スラぼうは門番の人連れて屋敷へ。俺はもうちょっと粘る。」

「うん、気を付けて!」

「申し訳ありません殿下…」

 

「さぁて…どうする?分身君なにか名案ある?」

「ランドゲーロがこのような襲撃を行ったことはありません。みやぶるで何かわかりませんか?」

「おお、さすが。【みやぶる】」

 

{無名 ランドゲーロ マ素汚染}

 

「…マ素汚染らしい。あいつは?【みやぶる】…こいつもだ。これ集団でマ素汚染状態っぽい。」

「ではブッチャーの時と同じく司令塔のような個体がいるのでは?」

「そいつ倒せば時間がなんとかしてくれるんだろうか。何か案無い?」

「ランドゲーロは湖からやってきたようです。湖まで強行突破すれば何かわかるのではないでしょうか。」

「なるほどなるほど。【トベルーラ】!卑怯と言うなよ蛙ども!」

「…エリゴス様、門が開けっ放しです。このままでは屋敷が。」

「あっと、【マヒャド】!塀はデカいしひっくりかえってるやつも居ないようだしなんとかなるでしょ。」

 

 

 

 

 

「さて、湖…の中から湧いてるな。まさか湖の中入らないとダメか?」

「………それしか思いつきませんね。まぁ死ぬでしょう。」

「さすがに無理だな、地道に数人ずつルーラで送るしかないんだろうか…」

「多勢に無勢、それにランドゲーロ相手では下手に攻撃魔法も唱えられない。詰みでしょうね。そうとなれば急いで戻り空からの避難をしたほうが良いです。」

「だな、よし戻るか。」

 

 

 

 

「殿下!よくぞお戻りに!」

「湖の方見てきたけどダメだった!これからルーラで数人ずつイスト村へ避難させる!」

「るーら…とは何でしょう。」

「まぁ、なんだ。別の街に送る魔法だ。一瞬で移動できる魔法もあるんだが残念ながら一人用でな。」

「交易の街のほうが近いのではないですか?」

「残念だけど一度行ったことある場所じゃないとダメなんだこれ。分岐路は行けるだろうけどそこに魔物居たらダメだし。」

「…わかりました。我々の命お預けいたします。」

「とりあえず侯爵さんとあと数人来てください。先にお送りします。」

「…はい。皆すまない、先に離脱する。」

「侯爵様、我々は大丈夫です。門はあんなにも分厚い氷壁がありますから。」

「………すまない。」





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4448ゴールド
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ブレスクラッシュ
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144

{ランドゲーロの群れ}
オリジナル要素押し出していきます。



「というわけで、一先ず大急ぎで帰ってきました。」

「ふむ、そうか。急ぎクランプール領に兵を出そう。エリゴス、お前も手伝ってきなさい。突然城に居て実は帰還してましたなどと言えるわけがないからな。帰りは討伐隊を連れて凱旋しなさい。」

「はい、とりあえず戻りますね。」

「ああ、リリルーラと言ったか。よもやルーラ以上に使い勝手のいい魔法があるとは思わなかったぞ。どこで知ったんだ?」

「あー、それはちょっと言えないですね。まぁやましいことじゃないので気にしないでください。」

「ふむ、そうか。では討伐隊が到着するまでなんとか持ちこたえてくれ。」

「はい、父上。【リリルーラ】」

 

 

 

 

 

 

「わっ、殿下。」

「やぁ、ごめんね侯爵さん。この魔法どうにも調節を間違えると人の上に出ちゃって。とりあえず王都から討伐隊が来ることになったよ。」

「おお!これ以上にない朗報ですね。」

 

「失礼します、斥候が帰還しました。」

「おお、通してくれ。」

 

 

 

 

 

「というわけでして、ランドゲーロは養殖の街を作り変えている様子です。」

「うむむ、まさか住み着く気か。よくぞ伝えてくれた。殿下……殿下?」

「っ!ね、寝てない。寝てないぞ。養殖の街を作り変えてるんだよな。」

「聞いてたならいいのです。お疲れのようですな。今日のところはお休みください。どうやらランドゲーロもこちらにはすぐに攻めてくる様子ではないですし。」

「あぁ、すいませんね。王家の試練からすぐにルーラで養殖の街まで飛んだもんで疲れたままだったんです。」

「な、なんと。試練をこなしてすぐにあのような氷の魔法を…」

「あぁ、その。元々魔力量が多いんで。もしランドゲーロが攻めてきたら起こしてください。氷壁ならまだまだ作れますんで。」

「は、はぁ。ところで殿下。その喋り方は…。」

「…忘れてください。疲れで気が緩んでいたようです。それではまた明日。」

「はい、ごゆっくりお休みください。」

 

 

 

 

 

 

「ゲッゲッゲッ、ここ一番偉いやつの館ゲコか。」

「ゲロゲロ。」

「うむうむ。しっかりと土と水を撒くゲコ。こうも堅くてはかなわんゲコ。」

 

「ケロケロ!」

「む?小さい家はお前たちの自由にするゲコ。ここにはたーっくさん家があるゲコ。」

『ゲロゲロゲロ!!ゲロゲロゲロ!!』

「そうゲコ!我々は川辺の人間どもの土地を占領したゲコ!ここから我らの帝国が広がっていくゲコ!ゲーゲッゲッゲッゲ!!」

『ゲロゲロ…ゲッ…ゲゲェ!オウサマ!バンザイ!!』

「おお!お前たちも言葉が話せるようになったゲコか!めでたいゲコ!これも力の石のおかげゲコ!早速土と水を撒いたらこの館を神殿に作り変えるゲコ!」

『オウサマバンザイ!!チカラノイシバンザイ!!』





エリゴス
王子
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MP660/660
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たいりょく102
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▼とくぎ
一閃突き
れっぱ斬り
鑑定
みやぶる
ブレスクラッシュ
???
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法


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145

{トードマン}
オリジナル要素。


「殿下、おはようございます。よく眠れましたかな?」

「ええ、もちろん。あれからランドゲーロの様子は?」

「それが…3名放った斥候のうち1名が捕らえられてしまったようで。しかし他2名によってとても重要な情報が持ち帰られました。どうやら一夜のうちにランドゲーロは二足歩行に進化し民家にあった服などを着てまるで人間のように街の壁まで土まみれにしている様子です。」

「…え、服着てるんですか?ランドゲーロなのに?」

「ええ、背中の顔は隠れているようです。何を意図してそのような姿をしているのかはわかりませんが我々は脅威が減ったと思っています。」

 

「いやいや侯爵さん、それはダメです。絶対やばいですよ。ランドゲーロって確かヒャダルコを使えるはず。」

「ええ、しかし背中の顔を向けなければ使ってきませんよ。」

「二足歩行してるってことは…裏返る必要がなくなるくらいの強さを得たのかもしれませんよ。たとえば表の顔でブレスや魔法を撃てるとか。」

「…だとすると、いかん!今すぐ衛兵にこの事を伝えてきます!どうか殿下はここでお待ちください!」

「私も偵察に行ってきますよ。これでも隠密行動だけは自信あるんです。」

「しかし殿下は…いや、王家の試練を突破するほどの猛者でしたな。それならばたとえ危機に陥っても離脱は可能ですな。」

「ええ、それに離脱手段はありますから。」

「あの瞬間移動ですな。わかりました、どうかご無事にお戻りください。」

「はい、では行ってきます。」

 

 

 

 

 

「おい、そこ塗り忘れてるケロ。」

「あ、しまったケロ。梯子とってくるケロ。」

「俺の持ってるこの長い棒にもじゃもじゃが生えてるやつをつかうケロ。」

「お、便利ケロ。ありがとうケロ。」

 

「…あれモップだよなぁ。泥まみれだ。それにまるで人間みたいだな。

…そうだ。【モシャス】。」

 

「おおーい、そこの二人とも、聞きたいことがあるケロ。」

「む?どうしたケロ?」

「なんか人間を捕まえたって聞いたケロ。気になったから見に行きたいケロ。場所知ってるケロ?」

「あぁ、まだ見てなかったケロ?今頃神殿で尋問してると思うケロ。見に行くなら早めがいいと思うケロ。」

「……おお!ありがとうケロ!助かったケロ!」

「いいってことケロ。俺達はまだ仕事があるから俺達の分まで楽しんでくるケロ!」

 

 

 

 

「…なぁ分身君。神殿ってどこだと思う?さすがに周知の事実らしいから聞けなかったけどさ。」

「この街で神殿…教会のような小さいところではないと思います。もしかしたら領主の館じゃないでしょうか。」

「なるほど。さっそく行ってみるか。」





エリゴス
王子
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146

とくに書くことなし。


「ケロケロ」

「ケロケロ」

 

 

(すごい賑わってるなぁ。それに…館が完全に土で覆われてる。)

 

「おや?新入りケロ?じゃあ君の担当場所は…」

「あぁいや、人間を捕まえたって聞いたから見に来たケロ。」

「あぁ!そうだったケロ?それなら中に入るケロ。入ってすぐのところで尋問をするケロ。」

「ありがとうケロ!」

 

 

 

 

 

「ガヤガヤワイワイ」

「ケロケロゲロゲロ」

 

 

(うーん、多くて前が見えないな。)

「ちょっといいケロ?まだ尋問は始まってないケロ?」

「そうだケロ。たぶん始まったらこの場所でも声くらいは聞こえるはずケロ。ゆっくり待つケロ~。」

「そうケロそうケロ。王様が連れてくるまで待つケロ。」

 

(王様…そいつが司令塔か?)

 

「おーい、ちょっと通すゲロ。」

「あ、王様ケロ!王様万歳ケロ!帝国万歳ケロ!」

『王様万歳ケロ!帝国万歳ケロ!』

「王様万歳ケロ!帝国万歳ケロ!」(帝国って…)

 

「おお、一日で見違えるくらい進化したゲロ!全員ステータスって言ってみるゲロ!力の石のおかげで我々の種族も変化したゲロ!!」

『ステータス!…おおお!!!』

「そう、我々はもうランドゲーロではないゲロ!知性ある人型魔族、トードマンゲロ!」

『トードマン万歳ケロ!!トードマン帝国万歳ケロ!!』

「おお!トードマン帝国!いい名前ゲロ!我らの国名はこれからトードマン帝国ゲロ!!」

『わぁぁぁ!!王様万歳ケロ!!トードマン帝国万歳ケロ!!』

 

「…もう我慢できない。」

 

「む?そこの何か言ったゲロ?」

「帝国なら!!王様じゃなくて皇帝ケロ!!!」

 

 

「おおお!!皇帝!!カッコイイ響きゲロ!!お前最高ゲロ!!お前、今日から我の補佐役にするゲロ!!」

「どうせなら一人称も変えたほうがいいケロ。朕なんてどうケロ?」

「朕!今日から朕の一人称は朕ゲロ!!どことなく厳かな雰囲気を感じるゲロ!!他に何かないゲロ!?」

「じゃあ、捕まえた人間を尋問すんじゃなくて寝返らせるなんてどうケロ?」

「そ、そんなことできるゲロ?相手は人間ゲロ。」

「任せるケロ!早速捕まえた人間と話させてほしいケロ!」

「わかったゲロ!さぁ、朕の神殿の関係者以外立ち入り禁止の場所に行くからついてくるゲロ!」

 

(…ついやってしまったが、なんかいい状況なんじゃないか?これは利用するしかないな。)

 

 

 

 

「さあ、この部屋に閉じ込めてあるゲロ。任せたゲロ!朕は街を見てくるからそれまでに頼むゲロ!」

「任せるケロ。僕の話術を信じるケロ!」

「お前はトードマンの中でもすごく賢いゲロ。信じるゲロ!」

 

キィィ バタン

「く、ランドゲーロめ!」

「……さて、こんな姿で失礼します。サザンビーク王国第一王子のエリゴスと言います。」

「…ランドゲーロじゃないのか?」

「ははは、潜入するために化けてるんですよ。この先の事で協力してほしいことがあります。」





エリゴス
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147

書くことがない。


「おい、説得できたゲコ?」

「もちろんケロ。さぁ皇帝に挨拶するケロ。」

「私ロドスはトードマン帝国皇帝に忠誠を誓います。なんでも聞かれればお話します。」

「おお!さすがゲロ。朕は尋問をするからお前は街を見てくるといいゲロ。これからは補佐官を名乗り好きに行動するといいゲロ。」

「ははぁ、ありがたいお言葉ですケロ。」

 

 

 

 

 

「よかったのですか?聞かれたことに何でも答えていいなんて言ってしまって。」

「そうすれば俺が潜入しやすいだろう?それに彼の知ってることは深くないしまずは彼の命が奪われることが無くなったのが大きい。今日はこのまま街の様子を見てリリルーラで潜入したことを報告しよう。」

「まぁエリゴス様がいいなら何も言いませんが。」

 

 

 

 

 

「ふむふむ、ということはランドゲーロ…トードマン達は帝国を名乗りサザンビーク征服に動いていると?」

「そうですね。今は捕まった斥候のロドスさんに寝返ったふりをしてもらって彼の命をそうそう奪われないようにしました。彼が知ってることは少ないですよね?」

「ああ、彼は交易の街に立ち寄っただけの傭兵だからね。それにしても…トップの補佐官ということは現状2番目に偉いのではないですか?」

「たぶんそうですね。皇帝はどうやら気が大きく大雑把、細かいことを考えるのが苦手なようです。ただ…巨体です。どれくらい巨体かと言われれば身長が3mほど、太っていて手足は人間の胴体より太いです。」

「うむむ、まるでダンビラムーチョみたいですな。勝算はあるのですか?」

 

「私が考えるに、上手くいけば彼らと戦わずに和平することができるかもしれません。もしそうなったときに養殖の街を彼らに受け渡すかもしれませんが構いませんか?」

「…思い入れはありますが、まぁ民が死ぬ可能性を考えればそれが可能ならぜひそうしていただければと思います。」

「ありがとうございます。最悪の場合はトップを暗殺してトードマン帝国をサザンビークに帰化させます。なんとしても戦争にならないようにはします。」

「…しかし、もし戦争が起こってしまったら我々はもう逃げ場がないです。この交易の街はトードマンによって滅びるかもしれません。そうなった場合の受け皿は用意していただけるのでしょうか。」

「…もしそうなったら一度王都へ行ってもらうことになりますね。私には決めかねますので。」

「そうですよね。はぁ…どうして私の代でこのようなことに。」

「それでは私は戻りますね。【モシャス】」

「うむむ…それがトードマン。確かにランドゲーロとは大違いですな。お気をつけて潜入なさってください。」





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148

{凍てつく波動}
敵全体にかかっている全ての補助呪文の効果を消し去る。
テンションすら下げる。
大抵のラスボスが使ってくるアレ。
指先から放ったり、額から放ったり、剣先から放ったり、尻から放ったり。


「おお、戻ったゲロ?さすがお前は優秀ゲロ。あの人間全て喋ってくれたゲロ。」

「それはよかったケロ。ところで別の岸にある人間の街を攻める予定はあるケロ?」

「おお!その話をしたかったゲロ。さすが補佐官ゲロ。実は三日後くらいに攻めようと思ってるゲロ。何か案はあるゲロ?」

「そういえば皇帝は他のトードマンと違う能力とかあるケロ?」

「……気にしたことなかったゲロ。【ステータス】……なんか効果はわからないけど凍てつく波動、薙ぎ払い、氷の息が使えるらしいゲロ。…あれ、ヒャダルコが使えたと思ってたけど気のせいだったゲロ?」

「そうケロか。【みやぶる】」

 

{敵意なし}

 

(あ、そうだよな。)

 

「今何か言ったゲロ?」

「さすがですと言ったケロ。凍てつく波動はたしか敵にかかってる呪文を打ち消す魔法だったはずケロ。」

「さすが補佐官、トードマンいち賢くて物知りゲロォ。」

 

(なんか、こうも褒められると殺すのが惜しくなってくるなぁ。やっぱなんとか戦争回避して引き入れられないかな。)

 

「皇帝は何故国土を広げようと思うケロ?」

「むむ?よく考えたことはなかったゲロ。ただ単純に安寧の土地が欲しいだけかもしれないゲロ。それと人間が怖いゲロ。」

「どうして人間が怖いケロ?」

「まだ朕が小さなトードマンだった頃、人間と遭遇したゲロ。人間が放った矢が朕に当たった後…気づけば朕の周りに氷漬けの人間があったゲロ。朕たちの意識を失わせる怖い存在ゲロ。」

 

「……皇帝、それたぶん人間じゃなくてもなるケロ。」

「ゲロ…?そういえば朕はそれしか戦ったことないゲロ。だとすると…補佐官、朕に攻撃してほしいゲロ。そして攻撃したらすぐ逃げるゲロ。」

「ええ、わかったケロ。いくケロ。」

 

「いたっ…あ、意識が消えないゲロ?」

「トードマンになったからかもしれないケロ。」

「おお!おお!これならもう人間怖くないかもしれないゲロ!」

「でも人間はトードマン怖いかもしれないケロ。それについてはどう思うケロ?」

「む、むむ…人間がどっかいかないと安寧は訪れないゲロ?」

「そうとも限らないケロ。トードマンの他にも魔族が人間側にはいるケロ。そいつらと同じようにトードマンも人間の友になればいいケロ。」

「………上手くいくゲロ?」

「もちろんケロ。皇帝の補佐官である私に任せるケロ。」

「おおお!朕たちの安寧の地を彼らに保証させてくるゲロ。まかせたゲロ。」

 

 

 

 

「なぁ、なんか俺皇帝の補佐官と間違われるケロ。」

「なんか顔が似てるからケロ。」

「そうケロ?なんだかなぁケロ。」

「さっさとここも塗るケロ。」

「こうすれば巣が燃えにくくなるケロ。ランドゲーロの頃からの知恵ケロ。」





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149

{わだつみの杖}
攻撃力36。
水系モンスターに特効。
ただし物理に限る。


「というわけで皇帝から言質はとってきました。とりあえずモシャスを解いて会いに行こうと思います。」

「しかし、危険ではないですか?」

「大丈夫ですよ。職こそ盗賊ですが実質魔法使いみたいなもので全身鉄の塊にできる魔法や瞬間移動ができますからね。」

「…それは魔法使いではないと思います。しかし、そこまで言うのであればこれを差し上げましょう。」

「なんですこれ。」

「我がクランプール家に伝わる家宝の一つ、わだつみの杖と言います。言い伝えでは水に棲む魔物に対して与えるダメージが多いらしいです。」

「具体的にはどうなるんです?」

「たしか……うーむ、書物に書いてあっただけでうろ覚えなのですが何かが作用して杖から不思議な力で魔物に痛みを与える…はずです。」

「なるほど。痛みを。それはいいかもしれませんね。…ただトードマンって水生ですかね?」

「ランドゲーロも一応水の中で産卵するので水生だとは思うんですよ。どうぞお持ちください。」

「うーん…わかりました。ありがとうございます。」

 

 

 

 

「たのもー!!!」

「な、なんだケロ。人間ケロ。」

「皇帝の補佐官殿に招かれたサザンビーク王国第一王子のエリゴスと言う!皇帝と和平を結びに来た!!」

 

ガヤガヤケロケロ

 

 

「おい、まだ見つからないケロ?」

「補佐官殿どこにもいないケロ、どうすればいいケロ。」

 

(あ、しまった。そうだよなまず補佐官通すよな。)

 

「補佐官殿は現在我が街にて歓待を受けている!!決して非礼は働いていないことをエリゴスの名に誓う!!(そりゃ俺だもの、非礼は働かないさ。)」

 

 

「ゲロゲロ。朕を呼んだゲロ?人間の王子。」

「ああ、お初にお目にかかる。私はサザンビーク国、トードマン帝国と戦争中である国の次期王のエリゴスと言う。そちらは皇帝とお見受けする。和平の席を用意していただけると聞いた。」

「ゲロ…交渉事は補佐官に頼もうと思っていたゲロ。」

「安心してくれ、補佐官殿からはこの街を人間側が認め、トードマンを友好的魔族として認知すれば皇帝の望む安寧の地を作る邪魔はできないしトードマンも人間の街を襲わないということになっている。」

「おお!おお!しかし朕たちはお前たち人間の街を奪ったゲロ。そこはどうなんだゲロ。」

「領主からは許可を得ている。この街は正式にお前たちトードマンの街になる。」

「おおおお!!交渉の席など要らないゲロ!!さすが補佐官ゲロ!!本当に戦争しなくてよくなったゲロ!!」

 

『よかったケロー!!よかったケロー!!』

 

(和平の席は要るんだけど…)

 

「もう朕たちは理性ないランドゲーロじゃないゲロ。一人のトードマンとして人間と平等な扱いゲロ?」

「もちろん、ガーゴイルやリザードマンはもちろん、人型じゃないスライムですら魔族なら知性ある生命として平等な国がサザンビークだ。書類を作るために一度街まで来てくれないか?」

「わかったゲロ!おまえとおまえとおまえ!ついてくるゲロ!」

 

「「「かしこまりましたケロ!」」」





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150

「ほおほお、朕たちのいた街より栄えてるみたいゲロね。」

「足とか痛くないですか?」

「いやまあ痛いゲロ。布か何かで足を巻いてくればよかったゲロ。」

 

 

「おい、あれって…」

「ああ、あれが…」

 

 

「やっぱりみられてるゲロ。」

「見られることはいいことですよ。姿も見せずに和平なんて誰も信じませんから。」

「…たしかに朕たちは一人で帝国に来た王子に誠意を感じたゲロ。朕は護衛を3人も連れてるけどいいゲロ?」

「もちろん。先走った傭兵が襲う可能性もありますからね。」

「うむむ、まぁ戦争中だから仕方ないゲロ。」

「そう言っていただけると助かります。」

 

 

 

 

「おお、そちらがトードマンの皇帝殿ですか。」

「皇帝、こちらがクランプール領の領主です。あなた方が神殿と呼んでいる館の主だった人です。」

「領主殿、この度は街を奪ってしまってすまないゲロ。進化した嬉しさと人間怖さに人間を全員追い出してトードマンの国を広げようとしたゲロ。王子が人間と和平を取り持ってくれるから戦争することもなくなったゲロ。これからは良き隣人として付き合っていくゲロ。」

「お、おお。なんとも謙虚な方ですな。」

「完全にトードマンになってからは頭が冴えわたっているようゲロ。他のトードマンも温和なやつらばかりゲロ。これから、よろしくゲロ。」

「はい、よろしくお願いします。」

 

(よし、握手したな。お互いに悪印象はもうないはずだ。)

 

「ささ、それじゃ和平の書類に調印をしましょう。」

「ちょっと待ってほしいゲロ。その前に補佐官殿にお会いしたいゲロ。」

「あぁ、そうですか。じゃあ呼んできますね。」

「む?王子直々ゲロ?すまないゲロ。」

 

 

 

 

「やあやあ皇帝、よく私を信じて来てくれたケロ。」

「おお!補佐官よくやったゲロ。これで我らトードマンは良き隣人を得たゲロ!」

「それでは書類に調印を。」

「ちょっと待つゲロ。大事な時に王子がいないのは問題ゲロ。」

「………皇帝、凍てつく波動って特技を使うケロ。」

「む?いいゲロ。でもどうしたゲロ?【凍てつく波動】!」

 

(ううう!?確かにこれは凍てつく!温度を感じるわけじゃないけど体がプレッシャーで凍てつく!!)

 

「ゲ、ゲロ!?補佐官が王子になったゲロ!?」

「まぁ、こういうことです。元々斥候として入り込みましたが…皇帝、あなた方トードマンを見て戦争になるのは惜しいと思い和平の道を選びました。」

「……朕たちを騙したゲロ?」

「そうなる。だがそうでもしないと突然人間が来ても戦争中だし襲うでしょ?」

「…あの捕まえた斥候が寝返ったのはそういうことゲロ?」

「尋問で殺させないためです。」

「…領主殿、領主殿も知ってたゲロ?」

「はい。ただこれだけは知ってほしい。殿下は死ぬ可能性がありながらもあなた方を生かそうとした。その決断をしたことを。」

 

「………そうゲロ。」





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151

{カエルの産卵}
チューブ状のゼリーにたくさんの卵が入ってるしランドゲーロもそうでしょ。


「わかったゲロ。確かに朕たちを騙したけど最初に奇襲したのは朕たちだし…どっちもどっちゲロ。書類に調印するゲロ。」

「おお!ありがとう皇帝!で、侯爵さん。事前に話した通りトードマン帝国は今後クランプール領トードマン自治区、ということでよろしいですね?」

「ええ、かまいませんとも。」

「皇帝、今後税を納めていただくことになるのですがそこは侯爵さんに教わってください。」

「わかったゲロ。ただ、我々トードマンの安寧の地を作る手伝いもしてほしいゲロ。」

「皇帝殿、お金さえあれば人を雇うことも道具を買うこともできます。そのためには我々のしていたように漁業や養殖をしていただくことになります。よろしいですか?」

「うむうむ。そこらへんは生け簀の存在を知ってるからわかるゲロ。ご教授願うゲロ。」

 

バタン!

「侯爵様!一大事です!湖から巨大なランドゲーロが出現!生け簀を薙ぎ払いながら養殖の街へ進んでいます!!」

「ゲロ!?ま、まさかママ!?」

「皇帝殿、何かご存知なのですか?」

「ランドゲーロは一度に多くの卵を産む個体が居るゲロ。女王という個体、通称ママゲロ。トードマンになったのはランドゲーロの一部ゲロ。他のランドゲーロはママの指揮下にあるはずゲロ。それなのに何故ママが!?」

「…まさか、力の石ってのあげた?」

「もちろんあげたゲロ。二つあったし何より、我らのママだからだゲロ。」

 

「…今まで勘違いしていたんだ。統率者が皇帝だと思っていた。違ったんだ…ランドゲーロの女王だったのか。」

「な、なんの話ゲロ?」

「あの力の石、食べたやつらは洩れなく暴走・狂暴化・変異してる。たぶんランドゲーロの女王も狂暴化して神殿にあるっていう力の石を求めて上陸しようとしてる。」

「ゲロ!?ま、まさかママが…直す手段は無いゲロ!?」

「無い!!ぶっちゃけ経験談的に言えばよりやばいやつに変異する前に殺すっきゃない!!」

「…ゲ、ゲロ。でも、なんとかなるかもしれないゲロ?」

「実はサザンビークの城で力の石を吸収した猫が巨大化して魔物になって暴れまわった結果一部崩壊した。今回はランドゲーロの女王、それも巨体。どんなやばいやつになるかわからない。最悪の場合…養殖の街どころかこのあたり一帯が更地になる。」

 

「………わかったゲロ。皇帝の名においてママの討伐を依頼するゲロ。どうか同胞を殺す咎を背負う前に楽にしてほしいゲロ。」

「………無理。」

「ゲロ?」

「俺、そんな強くない。でも数日すれば王都からトードマン戦争での討伐隊が来る。それまで持ちこたえれば彼らが助力してくれる…はず。弱いかもしれない。」

「どうするゲロー!?」

「えーと…うん、緊急事態だよな。ちょっと行くところがあるから失礼!【リリルーラ】!」

「「あ、王子!?王子ぃぃ!?」」

 

「どうするゲロ?」

「どうしましょう…」





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152

「ふむ、それでワレに助力しろと?」

「はい、お願いしますよぉ~ご先祖様~。」

「たしかにワレとしてもクランプール領が消えるのは望ましくない。であれば一人連れて行くがよい。」

チリンチリン

 

「どうかなさいましたか悪魔王バズズ様。」

「ウルクスを連れてこい。」

「畏まりました。」

 

「もしかしてウルクスさんを連れて行ってもいいんですか?」

「ああ、あの者は正直言って居ても居なくても変わらんからな。」

「ありがとうございます!!」

 

 

 

「悪魔王エリゴス様!!ただいぃま参りました!!」

「うむ、これよりエリゴスとともにクランプール領を襲撃しているランドゲーロの女王を始末してこい。」

「畏まりましたぁぁ!!!」

「では行け。」

「ははぁぁ!!!行くで坊ちゃん!!!」

「うわぁぁ!?」

 

 

 

 

 

「ささ!ルーラしてな!!」

「まさかお米様抱っこで外まで行くとは思わなかった…うっぷ。【ルーラ】」

「おおおお!!これがルーラでっか!!本当に飛ぶとは思わなんだわい!!」

「ウルクスさんにしてもらいたいのはランドゲーロの女王との持久戦なんですが大丈夫ですか?」

「倒してもいいんでっしゃろ?楽勝楽勝!!この槍で……槍忘れてもうた。」

「……まぁそこは侯爵さんに借りましょう。」

「あぁぁ、せっかくのわての活躍の場に槍を忘れてもうた…。」

「そんなに思い入れのある槍なんですか?」

「あれはオーク族の中でもエリィートな戦士にオーク王族から渡される大事な大事な槍なんだよぉ…それを忘れるなんてオーク族の恥晒しじゃ…。」

「…時間はかかりますが取りに戻りますか?さすがに時間が無いですけど。」

「いや、わがままは言わん。わては普通の槍でも戦いぬくで!!」

「頼もしいです。僕の分まで戦ってくださいね。」

「決まっとるで。倒すつもりで行くからのぉ!!」

 

 

 

 

 

「戻りました。こちら協力者のウルクスさんです。侯爵さん、槍を忘れてしまったそうなので貸し出して頂けますか。」

「ええ、もちろんですとも。それにしてもこれほど屈強な方が知り合いに居るとはさすが殿下です。この屋敷には槍は普通のモノしかありませんがここは交易の町、街に行けば業物の槍もありましょう。さっそく使用人に仕入れさせます。」

「ありがとうございます。それでは僕は魔力回復のために寝ますのでウルクスさん、後は頼みました。」

「おぉう!!この金豚ウルクスに全て任せてゆっくり休めぇい!!」

「ははは、ありがt………zzz」

「…え。」

「まさかここまでお疲れだったとは…ウルクス殿、殿下は私がお運びします。この使用人とともに槍を購入してきてください。もうランドゲーロの女王は上陸しています。どうかこの街をお守りください。」

「うむぅ!!任せい!!」





エリゴス
王子
4448ゴールド
盗スLv19 加護(秘匿) 寄生
HP228/235
MP144/640
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たいりょく109
かしこさ210
▼とくぎ
一閃突き
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▼解放済みまほう
〇回復魔法
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153

「あぁ、よく寝た。起こされてないってことはウルクスさんがきっちり抑えてるんだな。窓から見えるだろうか。」

 

 

「ふぅむ!!なんともぉ力強い突進!!しかしそれではわては倒れん!!」

「ゲゴロゲゴロ!!」

「ぐおお!!舐めまわすのはやめんか!!せぃ!!」

「ゲゴロォ!!」

「ぶぃぃ、せぇいやぁぁ!!」

 

 

「…まだ大丈夫そうだな。俺は今のうちに氷壁作っとくか。」

「あ、殿下。お目覚めですか。」

「はい。これから街の境に氷壁を作ろうかと。」

「それでしたら現在街の者総出で防壁の修繕を行っています。どうかそれの護衛をお願いします。」

「なるほど。わかりました。」

 

 

 

 

 

「ふっ!ふっ!ふっ!隊長!もうすぐクランプール領です!」

「おう!トードマンどもを殲滅するのが俺たちの仕事だ!!とりあえずは領主殿がいる交易の町へ行くぞ!湖を時計回りに進むぞ!」

『はっ!!』

 

「隊長!!交易の町を巨大なランドゲーロが襲っているようですが!!」

「防いでいる者がいる!我々はまず侯爵殿にお目通りをしなくてはならん!」

「しかし!」

「もし何か齟齬があってはいかん!先に侯爵様に会わなくてはいけない!!」

「はっ!!」

 

 

「侯爵様、王都よりトードマン討伐隊が到着しました。」

「おお!通してくれ。」

「はっ、失礼します。この度は養殖の街の奪還と聞きましたが違いないでしょうか!」

「いや、トードマンとは和解できた。しかしランドゲーロの女王が力の石とやらを飲み込み狂暴化、暴走しているとのことだ。」

「もしや…クランプール領でも巨獣が出たのですか。」

「巨獣…?よくわからんがランドゲーロの女王はとても大きい。現在はゴールドオークのウルクス殿が一人で防衛しておられる。どうか女王の討伐を願いたい。」

「はっ、畏まりました!!それでは出撃いたします!」

「どうかお気をつけて。」

 

 

 

 

 

「ゲゴロ、ゲゴロ、ゲェェェェェゴォォォォォ!!」

「むぅん!?何を!!」

『ゲゴ、ゲゴ!』

「ランドゲーロ…!?まさか伏兵を!!」

「ゲッゲッ!!ゲゴロ!!」

『ゲ!ゲゲゲゲ!!』

「い、いかん!離脱せねば!【しっぷう突き】!【しっぷう突き】!【しっぷう突き】!」

 

 

 

「…ん?ウルクスさんがすごい速さでこっちに来る…ってなんだありゃ!?」

「坊っちゃーーーん!!ランドゲーロの女王が伏兵をぉ呼び出した!!号令とともにひっくり返ってしまったので急いで逃げてきたぁ!!」

「やっべ!!全員街へ避難してくれ!!」

『ひ、ひいいい!!』

「ウルクス殿も!!よし、【マヒャド】!【マヒャド】!【マヒャド】!!」

 

 

 

 

『ゲッゲゲゲ!!』

「ゲゴロ!!ゲッゲッゲ!!」





エリゴス
王子
4448ゴールド
盗人ゴスLv19 加護(秘匿) 寄生
HP240/240
MP584/620
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すばやさ192
たいりょく113
かしこさ202
▼とくぎ
一閃突き
れっぱ斬り
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???
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154

{マグマの杖}
使うとイオ相当の爆発を起こせる。
杖だしノーコスト。
リブルアーチで売られてるし城にもあるでしょ。


ズゥゥゥン

「ひぃぃ!」

「全員急げー!【ピオリム】!」

 

ズゥゥゥン

「ゲゴロ!ゲゴロ!!」

 

「くそ、ヒビが入ってきてんじゃん!【マヒャド】!【マヒャド】!」

「王子様、我々はどうなるのでしょうか。」

「ひとまず街まで逃げてくれ、話はそれからだ。」

 

ズゥゥゥン

「なんかないか、なんかないか…」

「ひい!ヒビからランドゲーロが!!」

「ゲゲゲゲ!」

「これるもんなら来てみやがれ!【メラミ】!」

「ゲゲゲ…ゲ!?……ゲコ。ゲコ!」

「くっそ、ひっくり返りが戻っても来やがる。【ラリホー】!」

「ゲコ…ゲッゲコ!!」

「だめだぁ!早く逃げてくれー!」

 

「お、おれ腰が抜けちまった」

「誰かこのおっさんもってけ……おいて逃げるなぁ!!ウルクスさん、この人背負って逃げてください。」

「まかせぇ!!坊ちゃんも!!」

「いや、俺はここで食い止めます。やばくなったら逃げるのでそれまでに非難の準備をお願いします。」

「わかった!!さっさこ用意して逃げるで!!」

 

 

 

 

 

「【ラリホーマ】!【ラリホーマ】!」

『ゲッゲ……』

『ゲゲゲ!!』

「【イオナズン】!【バギクロス】!【ベギラゴン】!」

 

『ゲェェェ!!』

『ゲコ!ゲコ!』

『ゲッゲッゲェ!!』

 

「だめだぁ、いくらひっくり返しても他のやつがひっくり返る!分身君何か手はないか!?」

「申し訳ありませんが、私には思いつきませんね。」

「ぐぬぬぅ…」

 

「ゲッゲッゲ!!ブフゥゥ!!」

「うぉお!!もうブレスが届くのかよ。ダメだ、【ルーラ】!」

『ゲ!?ゲゲゲゲ!!』

「いたたたた!?【ベホマ】!!【マホトーン】!!」

『ゲゲゲゲ!!…ゲゲ!?』

「マホトーンは効くのか…でもあれだけ居たらブレスを封じる手段もないとダメだな。」

 

 

 

 

 

「おお、殿下よくぞご無事で!」

「もうすぐランドゲーロの群れが向かってきます。女王はまだ氷壁で足止めできているのですが。」

「話は避難してきた者達から聞きました。しかし既に王都からの増援が到着しており殿下の帰還を待っていました!!」

「おお!!何か策はあるのかな。」

「巨獣用?のバリスタを多数持って来たそうです。鏃にメラミが込められているとか。そしてランドゲーロの群れに効果抜群の物も。」

「ほうほう、それは?」

「マグマの杖という、何度も使うことができる杖を全員が所持しているのですよ!なんでもイオ相当だとか。」

「おお、ノーコストで複数人で連発できるならランドゲーロの群れもなんとかなるかもしれませんね!!で、彼らは?」

「現在ランドゲーロの女王を待ち構えるためにバリスタを街の東側の壁の上に設置しています。上手くいけば街を壊されることもないかもしれません。」

「よし、さっそく彼らに会いに行ってきます。」





エリゴス
王子
4448ゴールド
盗人ゴスLv19 加護(秘匿) 寄生
HP240/240
MP384/620
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???
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〇回復魔法
〇攻撃魔法
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155

「どうも、第一王子のエリゴスですけど。」

「で、殿下!?よくぞご無事で!隊長はこちらです!」

 

「隊長、殿下をお連れしました。」

「ご苦労。お初にお目にかかります、この度の討伐隊の隊長を務めるフルグフと申します。」

「あぁ、ご丁寧にどうも。第一王子のエリゴスです。作業は順調ですか?」

「はい、すでにバリスタは設置済み。後はランドゲーロの女王を待ち構えるだけです。」

「…それがですね、女王がランドゲーロの群れを呼び出しまして。マグマの杖で一掃してくれると助かります。」

「かしこまりました。その程度我々にはたやすいことです。」

 

「ところで、皇帝を知りませんか?」

「皇帝殿ですか?それなら大急ぎでトードマンの街から力の石という物を持ってきて現在は休んでいると思われます。」

「あー!だからランドゲーロの女王こっち来てたのね!早すぎたから防壁出来上がる前に来ちゃったのか…。」

「防壁が…しかし我々が来たからにはもう心配は無用です。巨獣との戦闘経験こそありませんが各地の危険な魔物を討伐してきた実績がありますからね。殿下もゆっくりお休みください。」

「うーん…不安は残るけど魔力も不安だからそうさせてもらうよ。念のために魔力を回復させなきゃね。」

「ふふふ、殿下は慎重でいらっしゃる。我々に全てお任せください。総員出撃用意!」

『はっ!!』

 

「やぁ、さっきは案内してくれてありがとうね。」

「ありがたきお言葉!」

「ところで君らの隊長はいやに僕に丁寧に接するね?」

「…実は隊長は普段は粗暴な口調でして。お貴族様方と話すときは無理やりにでも丁寧な口調にしているのですよ。」

「あー、なるほど。僕もそうですよ。普段は一人称俺だったり僕だったり私だったりぐっちゃぐちゃになるくらい人と話すのが苦手ですからね。」

「…それはまた別の問題の気がしますね。皇帝殿の部屋までお連れいたします。」

「おお、助かります。」

 

 

 

 

「皇帝、頑張ってくれたみたいだね。」

「さすがにトードマンだけ何もしなかったなんてわけにはいかないゲロ。とりあえずエリゴスが寝ている間に大急ぎで力の石は持って来たゲロ。これで…ママを倒せるゲロ。」

「あーうん。すまん。でもわかってくれ。」

「わかっているゲロ。ママは元々穏やかなランドゲーロだったゲロ。今のママの姿を見たら嫌でもわかるゲロ。もうママはあの中には居ないゲロ。一思いにやってほしいゲロ。」

「そういえばトードマン自治領の様子はどうだった?」

「まだママが動いて間もなかったしウルクス殿が足止めしていたから帝国…自治領には問題ないゲロ。でも生け簀はほとんど全滅していて領主殿が言うには復興に時間がかかるゲロ。」

「うむむ、そっかぁ。食糧難にはならないだろうけど物価はあがるかもなぁ。」

「そこらへんトードマンにはわからんゲロ。ママを倒した後教えてほしいゲロ。」

「…ごめん。実は俺もわからない。一緒に領主殿に聞こうか。」

「はははは!やっぱり王子は面白いゲロ。そこは補佐官の時と一緒ゲロ!」

「え、補佐官の時の俺面白かったの?」

「トードマンらしくないのは全て新鮮ゲロ。我らトードマンになったときからトードマンに必要な知識は知ってたゲロ。これからはもっと学ぶゲロ。」

 

(そういえば魔族ってなんで言葉を使えるんだ?学んだわけじゃないのに…まぁ特技や魔法の使い方みたいに神様関係だろうなぁ。疲れたし寝るか。)





エリゴス
王子
4448ゴールド
盗人ゴスLv19 加護(秘匿) 寄生
HP240/240
MP620/620
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一閃突き
れっぱ斬り
鑑定
みやぶる
ブレスクラッシュ
???
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〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法


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156

{ギガ・タメトラ}
消費MP 現在MPの半分。
4発のタメトラを相手に打ち込む魔法。
タメトラはテンションを吸い取る魔法。
よって相手は大弱体し使用者は大強化する。


「よし、これでランドゲーロの群れは片付いたな。」

「しかし隊長、女王が…」

「あぁそうだな。わかってる。防壁に挟まってるな。」

「これはもうバリスタをここに設置したほうが良いのではないですか?」

「…だがここでは固定に難があるだろ。いっそのことマグマの杖を連続使用しまくるか?」

「ですが、追い込まれると巨獣になる恐れがあると…」

「もう巨獣みたいなもんだろアレ。なんにせよあのままってわけにもいかんだろ。」

「…そうだ。こういう時こそ殿下ですよ!巨獣を仕留めた実績のある殿下ならきっと!」

「馬鹿野郎、俺達何年討伐隊やってんだ。王族の方に「力不足で倒せないから代わりに倒してください~」ってか。何のための兵士だ俺らは。」

「でも俺達多対多がメインじゃないっすか!肝心のバリスタがないんじゃ…」

「まぁ、嵌ってる今がチャンスでもあるか。………よし、お前伝令してこい。蛙が完全に身動き取れないから今のうちに仕留めてくれってな。」

「はい!!わかりました!!」

「……はぁぁぁぁ。」

 

 

 

 

「なるほど、わかりました。そういうことなら魔法も使える盗賊王子にお任せあれって感じですね。」

「おおお!ではこちらへ!」

「はいよ。にしてもなんだってわざわざ嵌ったんだろうな。」

「さぁ…たしか手下のランドゲーロは罅から入り込んだんですよね。もしかしたら自分も通れると勘違いしたとか…」

「いくらなんでも…いや狂暴化ってことは簡単なこともわからなくなるかもしれないな。で、嵌ったまま動かないの?」

「いえ、足をびったんびったん動かして進もうとしているんですが、防壁の土台をしっかり作ってあるからかびくともしなくて。ずっと防壁の残りと押し相撲ですよ。」

「そりゃまた好都合だ。特大のメラゾーマぶちかませばさすがに有効打にはなるだろう。」

 

 

 

 

「隊長!殿下をお連れしました。」

「申し訳ありません殿下。討伐隊ともあろうものが王族の方のお手を煩わせることとなってしまい謝罪申し上げます。」

「いいんだいいんだ。君らのおかげでランドゲーロの群れは一掃できたんだろ?あとは俺の見せ場さ。」

「俺…?かしこまりました。何かあった際は我々が身を挺してお守りいたしますのでどでかいのを一発お願いします。」

「おう、【インテ】【インテ】【ギガ・タメトラ】!」

 

「ゲゴロ…ゲゴ…ゲゴロ…」

「へへへ、大成功だ。やつのテンション奪ってやったぜ!!いくぞ俺の史上最大級の大魔法!!【メラゾーマ】!!」





エリゴス
王子
4448ゴールド
盗人ゴスLv19 加護(秘匿) 寄生 スーパーハイテンション
HP240/240
MP307/620
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すばやさ192
たいりょく113
かしこさ202
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一閃突き
れっぱ斬り
鑑定
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???
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new ギガ・タメトラ
〇特殊魔法


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157

「本当に今日なのか?」

「そのはずだぜ。なんてったって王城の知り合いに教えてもらったんだからな。」

「ふぅーん。」

 

「傾聴!!これよりエリゴス第一王子の凱旋を行う!この度殿下は王家の試練を達成し、さらには新種族トードマンの帰化および狂暴化したランドゲーロの女王によるクランプール領侵攻を防ぎ討伐隊とともに王都へ帰還した!もしもその功績を疑う者がいるのであれば実際にクランプール領へ赴けばトードマンの街もランドゲーロの女王の進行被害も目の当たりにすることができるであろう!!」

 

「なぁ、なんでわざわざ商人に聞くんじゃなくて行くように言ってるんだ?」

「そりゃ新種族の帰化があったからだろ。トードマンってのが王都まで来るんじゃなくて俺らが出向けばトードマンってのも人間慣れするだろ。王都に偏見持ってるかもしれないしな。」

「そういうものか?クランプール領ってたしか街が2個あったろ。どっちかと交流するなら勝手に慣れるんじゃないか?」

「いやなこれまた王城のやつに聞いた話なんだが、最初はただのランドゲーロだったのが養殖の街を奪って自分たちの街にしたところトードマンになったって話だ。養殖の街を追い出されたやつらにしてみれば面白い話じゃないだろ。だからそういう第一印象がない王都の人間を呼び込もうって話だ。」

「…お前の知り合い何者だよ。」

「ほら、伝書鳩係のピーターだよ。あいつ職業柄色んな事知ってるからたまに教えてもらってんだ。」

「あー、でもそれ機密漏洩にならないのか?」

「伝書鳩でやり取りするような内容に機密情報はないらしいぞ。本当の機密情報は馬に乗って届けるらしい。」

「へー。あ、開門するみたいだぞ。」

 

 

 

 

「うーん、今回も大人数での凱旋になってしまった。」

「殿下、我々が先行しますので殿下はそのまま馬車にお座りください。」

「あーうん。ありがとう。ただもうちょっと…マシな馬車はなかったのかな。」

「申し訳ありません、姿が見える馬車がそれくらいしかなく…」

「あいや、別に責めてるんじゃないんだ。ただ、これなら歩いたほうがマシなんじゃないかと思って。」

「とんでもございません。殿下にはどっしり構えていてほしいのです。今回の主役でございますから!」

 

 

 

 

「…なあ、殿下の乗ってるアレってさ。」

「ああ、見ての通りだと思うぜ。」

「大八車に椅子乗せて凱旋なんて聞いたことないぜ。」

「こりゃしばらくは殿下の話題で持ちきりだろうな。」

「殿下の顔見るに本人も恥ずかしいだろうなぁ。」

「あれじゃ歩いたほうがマシだろうに。」





エリゴス
王子
4448ゴールド
盗人リゴスLv20 加護(秘匿) 寄生
HP260/260
MP600/600
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すばやさ183
たいりょく120
かしこさ200
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一閃突き
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???
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158

なんかもうキリがないのでちゃっちゃと進めちゃいましょう。時間。


「よくぞ無事に帰還した。早速持ち帰ったアルゴンハートを見せてくれ。」

「はい、これです。」

「………うむ、確かにアルゴンハートだ。本当によく無事で戻ってくれた。」

「でも、それほど大きくないですからねぇ。自慢できるかと言えばあんまり…。」

「何か勘違いをしているようだが…皆の者、今回の王家の試練の偉業を申してみよ。」

 

「ははぁ、殿下は知らないようですが産卵期に王家の試練を行って帰って来た者はおりません。」

「そして何より、殿下は最年少でございます。」

「さらに申し上げれば殿下は盗賊。戦士などの前衛職でも魔法使いのような高火力の者でも苦戦するアルゴリザードに立ち向かうにはあまりにも困難でございます。」

 

「わかったか。エリゴスはアルゴンハートの大きさにこだわっていたようで気づかなかったようだが、十分歴史に残る偉業なのだ。もはやお前の王位継承を疑う者はいない。チャゴス派の貴族もエリゴスが王家の試練を達成したことで観念したようだ。」

「おお、ということはもう城に戻っていいんですかね。」

「もちろんだ。そして…ようやく勉強の時間だ。」

「あー、まぁ十分街は見て回った気がするし素直に勉強しますよ。」

「うむ、それは何よりだ。チャゴスの見本になるのだぞ。」

 

 

 

 

 

「悪魔王バズズ様!!ただいま戻りました!!」

「うむ、話は既に聞いている。しかし…ランドゲーロの群れから逃げたそうだな。お前であれば薙ぎ払うこともできたのではないか?」

「…実は、その、槍を忘れまして。借りた槍も人間用だからか細っこかったもので…」

「言い訳は無用。お前が槍を忘れたことも鎧を忘れたことも道具を忘れたことも把握済みだ。お前を何のためにワレが派遣したと思っている。お前が足を引っ張れば引っ張る分ワレのツラに泥を塗ると思え。」

「ホントぉぉぉに!!申し訳ありませんでしたぁぁぁぁ!!!!」

「ふん、今回はまぁ役に立ったようだが次に失態を犯せば獣人族部隊隊長の任を降りてもらうこともある。後釜の用意はしておくんだな。」

「ははぁぁぁぁ!!かしこまりました!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして時は経ちエリゴス10歳

 

「殿下、陛下がお呼びでございます。」

「ん?父上が?なんだろうねぇ。」

「私にはわかりかねます。」

「お堅いですなぁ先生。」

「殿下は次期国王でございます。私は忠実な配下でございますゆえ。」

「はいよ。じゃあ行ってくるから。」

「はい、行ってらっしゃいませ。」

 

 

 

 

 

「おお、エリゴス。お前も三日前に10歳になった。そろそろ話すべきだと思ってな。」

「何をです?」

「お前の婚約者についてだ。」





エリゴス
王子
魔人エリゴスLv20 加護(秘匿)
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第十二章ポルトリンクからの脱出
159


{トロデーン}
DQ8のスタート地点みたいな国。ゲームだと荒れ地とトラペッタ周辺くらいしか見どころがない。

{トロデ}
後々緑のおっさんになります。

{ミーティア}
エリゴスと同い年の10歳。
主人公も同い年の10歳。



「実はこれまで言わないでいたのだが、私の父…お前もあったことがあるであろうガベリヌスはかつて身分を隠して諸国漫遊をしていたのだ。お前がサザンビークをエライゴスという偽名で見て回っていたようにな。」

「あー、うん。外国までは行かなかったけど。」

「その旅の途中、父はトロデーン国の王女と両想いになったのだ。しかし当時、魔族を国民として扱うサザンビークと魔族を魔物と同一視するトロデーンは非常に仲が悪く、二人は別れなくてはいけなかった。」

「…やっぱトロデーンってそういうところなんだね。」

 

「うむ、今でこそ大きい街では魔族の概念も伝わっているだろうが辺境の街ではまだ魔物扱いが多いだろうな。そして引き離された二人は最後に自分たちの子供を結婚させる約束をしたのだが、まぁ私は男、トロデ王も男で約束は果たせなかったのだ。」

「それで、トロデーンの王女様と僕が?」

「うむ。お前の気持ちを考えていないようだがどうしても父の願いを叶えてやりたくてな。それにミーティア姫はとても美しい姫と聞く。お前にも悪い話ではないと思うがどうだろうか。」

「実際に会ってみないことにはどうにも。」

「この婚約話はトロデ王も賛成しているんだ。そこで、エリゴス一人でトロデーンへ挨拶に行ってみてほしい。産卵期の王家の試練をこなしたお前だからこそ言える事だがな。」

 

「まぁ気晴らしに旅行気分で行こうと思います。」

「…うむ。まぁどうするかはお前が決めるといい。もしお前が断ってもチャゴスが居る。お前が国王になるのであればチャゴスがトロデーンに入り婿に行くのも手だろう。」

「たしかにその方がいいかもしれないけど最近のチャゴスって…なんか性格が汚くなってません?」

「弟に対して性格が汚いとはなんだ。エリゴスのように波乱万丈の暮らしをしてきたわけではないのだから多少性格がわがままでも仕方ないだろう。」

「うーん、まぁ。」

「それに誰もがお前のように自己を貫けるわけではない。チャゴスは…職業による性格補正が強いだけだ。」

 

「そういえば聞いたことなかったですけどチャゴスの職業ってなんでしたっけ。」

「遊び人だ。」

「…盗賊よりどうなんでしょう。」

「む?遊び人の何が悪いというのだ。」

「いやだって…王子が遊び人って盗賊よりどうなんでしょう。」

「どうやら遊び人を誤解しているようだが…遊び人は町民にも大人気の職業だぞ?主に芸術家や職人や作家などの発想力が必要な仕事で大成するのは遊び人だ。発想力に優れる以外にも身のこなしに優れ会話力がある貴族としても役立つ職業だ。」

「…悪い点もあるのでは?」

「…一般的に言えば、憶病にして自己万能感が強く傲慢にして、他者の意見を無視してまで己の発想を優先しやすいことだけだ。」

「悪い点デカすぎないですか?」

 

「んん!!それは置いておこう。それでお前には三日後に身分を隠してベルガラックへと向かってもらう。身分を明かすのはトロデーンの王城へ入るまで。それまではただの旅人として移動してもらう。」

「わかりました。まぁ僕としても次期国王としてチヤホヤされるより気ままに過ごしたいですからね。」

「既に持参品は用意してあるので出発の際に渡す。それまでは城下で出発の用意をするといい。」

「はい。ところで、その。お金のほうは。」

「3年前の出来事で金銭感覚は身についただろう。好きなだけ持っていくといい。」

「じゃあ、1万Gほど。」

「良いだろう。トロデーンはサザンビークより物価は安いとはいえ一部の娯楽品は高いと聞く。あまり無駄遣いはしないようにな。」





エリゴス
王子
10000G
魔人エリゴスLv20 加護(秘匿)
HP270/270
MP500/500
ちから185
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かしこさ180
▼とくぎ
一閃突き
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160

{ポルトリンクの見どころ}
序盤の港町なのに灯台くらいしかないんです。写真家のおっさんは出しません。


「ポルトリンク行き定期便、出航しまーす!!」

カァン!カァン!カァン!カァン!

 

 

 

 

 

「やぁ坊ちゃん。君もトロデーンに行くのかい?それとも乗り継いでアスカンタ?」

「あぁ、どうも。僕はポルトリンクで降りてトロデーンですね。」

「へぇー、目的地はどこなんだい?私はトラペッタっていう辺境の街なんだけど。」

「僕は王都ですね。ぶっちゃけ言うとポルトリンクからの道がさっぱりわからないけど。」

「ん?親御さんはいないのかい?」

「一人で旅をしているんですよ。サザンビークを出るのは初めてですけど。(大嘘)」

「はぁ~、それはまた。でも君、さぞかし強いんだろう?その短剣の柄の擦り切れ具合に手の作り、前衛で戦うタイプの職業だろう。」

「いやいや、僕は魔法使いですよ。(大嘘)」

「ふぅ~ん、ちなみに私は吟遊詩人さ。サザンビークのめぼしい場所を巡ったから次はトロデーンへ。その次はアスカンタ。そしてサザンビークって感じに渡り歩いててね。」

 

「そういえば吟遊詩人って儲かるんですかね?」

「儲かる儲かる。普通の人は一生同じ町に住むモノだからね。他の国の出来事を歌に聞くことで異国に思いをはせるのさ。」

「そういう本って出回ってないんですかね。」

「…そうか、サザンビークでずっと暮らしてるとそう思うよね。サザンビークは紙がとっても安いから本が出回っているけど他の国だと紙が高いんだよ。だから文字を読めない人もいるし、とある田舎では計算は全て他人任せなんて危ういところもあるんだ。」

「うーん、恐ろしい場所ですね。それじゃ誤魔化されても気づかないんじゃないかな。」

「そうなんだよ。実際そういう人も居たんだけど…私が口を出して何か厄介ごとになったら嫌だからそのままにしておいたよ。」

 

「ところでポルトリンクの見どころってどこかありますかね?」

「そうだね、まずは大灯台だ。定期便の受付なども併設されている巨大な灯台があってね。世界で一番大きな灯台と言われているんだ。そこを出れば市場なんかもあるし、まさにトロデーンの玄関口にふさわしい港町だよ。」

「ほほう。次は?」

「トロデーンで二番目の大きさを誇る大教会だね。現地の人含めて毎日数千人も立ち寄る名所だよ。そこの見どころで言えばその構造の複雑さから再現不可能とまで言われた巨大な管楽器の魔道具さ。あの楽器の演奏は一度は耳にするべきだよ。」

「…なるほど。他にもあったりします?」

「無いよ。その二つだけ。ポルトリンクの外なら世界中のエビラが生まれる海岸とか、大自然の神秘を感じる荒野とかあるんだけど…。まぁあくまで港町って感じさ。」

「なるほどなるほど。とりあえずはその2つをメインに観光することにしますね。」

 

「サザンビークほど治安がいいわけじゃないから気を付けてね。特に魔物と仲良くしてるところを見られてはいけないよ。彼らの中には魔物は全て滅ぼすべしという思想の人々も居るからね。」

「わかりました。そうします。(大嘘)」





エリゴス
王子
9836G
魔人エリゴスLv20 加護(秘匿)
HP270/270
MP500/500
ちから185
すばやさ190
たいりょく130
かしこさ180
▼とくぎ
一閃突き
れっぱ斬り
鑑定
みやぶる
ブレスクラッシュ
???
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161

仁丹のレビュー書きました。


「ご乗船ありがとうございました。今後ともよしなに。おお、坊ちゃんみたいな子供も乗っていたんだね。これからも定期船をよろしく。」

「はい、また利用させていただきます。」

「うむうむ。」

「ではまた。」

「今後ともよしなに。ご乗船ありがとうございました。」

 

 

 

 

(さぁて、今いるのが灯台だけど…なかなか広いなぁ。確かに待合所とか受付とか入れたら広くなるよね。)

「おい坊主、そこでボーっとしてると蹴られるぜ。」

「あ、ごめんなさい。これからどうしようかと思ってて。」

「ん?親はどうした。」

「一人で旅をしているんです。灯台と教会を観光するのをオススメされたんですけど、灯台のどこを観光すればいいのかわからなくて。」

「そうかそうか、それならあそこにデカい階段があるのはわかるな?あそこを登れば町を一望できるぜ。」

「おお、ありがとう筋肉モリモリマッチョマンの覆面男。」

「おう、筋肉モリモリだぜ。坊主も体鍛えろよ。」

 

 

 

「ちょっと失礼。ごめんなさいね。おおー、綺麗に町が見えるなぁ。」

「おや、坊ちゃんはポルトリンクは初めてかね?」

「はい、トロデーンの王都に行く用事があって初めて定期船に乗りました。」

「ほほう、次の船はたしか三日後だったね。」

「…?なんのですか?」

「なんのって、王都への定期船だよ。アスカンタの港を通り過ぎる形で王都へ向かう船だよ。」

「え!?あるんですか!?」

「そりゃあるとも。まさか陸路で行くつもりだったのかい?荒野は高低差が酷くて魔物も出るし爆弾岩まで居るからオススメ出来ないよ。大回りで辺境を通るほうは道こそしっかりしているが長旅になる。それに定期船は海を通るけど大陸を沿うから大きい魔物も出ない。」

 

「なるほど。ところで荒野も通らずに辺境にもいかずに行く道ってないんですかね?」

「ないね。坊ちゃんは知らないみたいだけどこの北東大陸は王都や港町のある南側と辺境のある北側に巨大な谷で分断されているだけでなく、高い山脈に遮られているんだ。もし王都に行くなら山脈のトンネルを通るルートと谷を2回渡るルートしかないんだよ。」

「なるほど…じゃあ定期船のほうがよさそうですね。」

「それしかないよ。まぁ行商人だったら辺境を通ったり、荒野で岩塩を仕入れたりするみたいだけどね。」

 

「ところでおじさんは何をしている人なんです?」

「ははは、おじさんはここに住んでいるんだ。灯台の管理人ってやつさ。こうして展望台を見まわるのも仕事でね。」

「…もしかして迷子の子供だと思って話しかけました?」

「違うのかね?親御さんは一緒じゃないみたいだけど。」

「一人旅ですよ。」

「おやおや、小さい旅人さんすまないね。」





エリゴス
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162

{サヴェッラ大聖堂}
教会の総本山。とても高い場所に法皇の館があったりやたら長い階段があったり昇降機があったりとかなり維持が大変そうな場所。


「さて、ようやく着いた。」

「おや、君のような子供が礼拝に来たのかね?」

「そうですね。でも思ったよりも階段が長くてね。」

「おやおやぁ、この程度できついと感じたのならサヴェッラ大聖堂にはとても行けませんね。」

「そういえば…階段がとても長いんですっけね。たぶん自分の想像の5倍は長いんだろうなぁ。」

「おや?サヴェッラ大聖堂をご存知なのですね。定期船は出ていないはずですが。」

「いやぁ。生まれも育ちもサザンビークなもので色んな事を教わりまして。」

「おやおやそうでしたか。であれば私の事も知っているのではありませんか?」

 

「…いやさすがに有名人でも人相まではわかりませんよ。」

「む、そうですか。私はサヴェッラ大聖堂から世界中の教会を巡行し監査しているアクドイフ司教である。」

「司教ってことは…3番目に偉いんでしたっけ。」

「うむ、法皇、大司教、司教であるぞ。子供なのに良く知っている。感心感心。」

「それで司教様がこの教会に居るということは今日がここの視察日だったんですね。そう考えるといいタイミングで来れたものです。」

「おやおや、君はとても信仰心が強いのかな?まぁ司教を目にする幸運を神に感謝したまえよ。さて、私は司祭殿と会う予定があるので失礼するよ。」

「はい、お話いただきありがとうございました。」

 

(…にしても、胡散臭い人だったなぁ。ゲームじゃ見なかったし、そもそも「私の事も知っているのではありませんか?」だって?知るわけないだろうに。とりあえず中へ入ろうか。)

 

「こ、困ります!」

 

(ん?)

 

「なぁなぁいいだろぉ?ちょっとばかり神様への寄付を善良な市民たる俺に分けてほしいんだよぉ、ヒック。」

「善良な市民は酒に酔って恫喝なんてしませんよ…!」

「あぁん!?俺がいつおめぇを脅したってんだ!!」

「今です今!ひぃぃぃ!!」

 

 

「ちょっとお兄さん。」

「あん?」

「そのおじさん困ってると思うんだけど、やめてあげたら?」

「んだとぉ?ガキのくせにしゃしゃり出るんじゃねぇ!!」

「おっと、蹴ったね?蹴ったな?」

「避けんじゃねぇ!おらぁ!!」

「ふっ、せい!」

「ごほぉ!?……ぐぐぉ。」

 

「おじさん、今のうちに教会の人呼んできて。」

「あ、ああ。わかった!!」

「ごぼぉ…ごほっごほっ。てめぇ、よくも。」

「へへへ、どうやら立てないみたいだな。ガキと思って油断したろう。とりあえずお縄についてもらうぞ。」

「ぐぐぐ、テメェなんざ今にぶっ殺してやる…俺が立ったら死んでもらうぞぉ…」

「じゃあ立ってみろよ筋肉達磨さんよ。子供の蹴り一発で立てなくなる気分はどうだい?」

 

「おぉい!呼んできたよー!!」

「おっと、時間切れだな。じゃあ捕まってもらう。」

「くそ…くそがぁ!!」





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163

{マホステ}
消費MP2
味方一人に攻撃呪文を無効化するバリアを張る。

{マホターン}
消費MP3
一度だけ魔法を跳ね返す巨大なバリアを張る。

{盗む}
消費MP0
相手の持っている者を自分の手に移す。相手が盗みに警戒していると失敗する。


「おやおや、一体何事かね?」

「ひいい!アクドイフ様!このガキが俺のことを突然蹴りやがったんです!」

「え?」

「おやおやおや、君は先ほどの。この者は私が護衛として雇っているのですが何故突然蹴るような真似を?」

「あの、司祭様。彼は私を恫喝し金を巻き上げようとしていたのです。そこの子供は私をかばってくれたのですが。」

「んんんー?君、今私の事を司祭とか言ったかね?司教の私を?」

「し、司教様でしたか。しかし、この悪漢は酒に酔って恫喝をしたのです。何故このような者を雇っているのですか。」

 

「見た目からして強そうな護衛だからだが?しかし、このような子供相手に負けるようでは私の護衛にはふさわしくないですな。君、契約金を返したまえ。」

「も、もうねぇよ。全部酒に変えて飲んだよ。」

「…んんー?つまり、君は司教たる私に詐欺を働いたのだね?うん、死ぬがいい。【バギマ】」

「!! 【マホステ】!」

「うあぁぁ!…あぁ?」

「んん?【バギマ】…【バギマ】……何かしましたか?」

「まぁ、彼に魔法をかけてあなたの魔法が効かないようにしました。」

「そうですか、なら。【いかづちよ】!」

 

ピシャァァァン!!

 

「ぎゃあああああ!!!」

「な、なんだ!?まさかその杖か!」

「いかにも、私ほどの司教が魔道具を持っていないとでも?どうやら魔法は効かなくても魔道具は効くみたいですね。」

「おっさん、彼の様子は。」

「…ダメですね。」

「くそ、それでも神に仕える神官かよ。」

「おやおや、私から金を騙し取るような悪党は死んで当然だと思いませんか?何故そんなにお怒りなのか。あなただって彼を蹴ったのでしょう?」

「だからと言って、殺すことはないだろ!」

 

「ふん、別に何度でも生き返るのだからいいでしょう。私だって鬼ではありません。彼の私物を全て売り払った後に生き返らせてあげますよ。」

「…そうかい。あんた狂ってるな。」

「…狂ってる?司教たる私が狂っていると?【バギマ】」

「【マホターン】!」

「う!?ぐはぁ…」

「バカジャネーノ!!来ると知ってたら対策するっての。」

 

「はぁ…はぁ…この私に傷を付けましたね?もう許しません。子供だと思って優しくしていれば付け上がりますね。【いかづ」

「【盗む】!」

「ちよ】!……え、な、何故君が杖を持っているのだ!」

「ははは、油断したな。俺の職業は魔法使いじゃなく盗賊なんだよ。盗賊の十八番といえば盗みだろう?」

「ぐ、ぐぐぐ!!」

「観念しな、いくらここが教会とはいえ一般人に危害を加えようとしたんだ、出るとこ出てもらうぞ。」

「………いいでしょう、領主殿に裁定してもらおうじゃないですか。」





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164

{お香}
盗賊なら持ってると思った。


「なぁおっさん。俺らなんで投獄されたんだろうな。」

「…まぁ、教会を相手にしたからじゃないですかね。」

「そうかぁ。にしても領主も領主だな。司教に会っただけでヘコヘコスリスリ。俺らの言い分は聞かずに即投獄とか。」

「ここまで教会贔屓の貴族が治めているとは知りませんでしたね。やはり教会が立派なのって実権を握っているからなんじゃ…」

「あー、だから立派な魔道具の楽器置いてるのか。貴族の独断でどうこうなるような場所じゃないから。」

「そうかもしれませんね…ところで私たちいつになったら出れるんでしょうか。」

 

「…ところでさ、おっさんの牢からは見えないかもしれないけどさ。向かいの牢に手錠かけられたままの白骨死体があるんだけど。」

「そ、それって!まさか死ぬまで放置ですか!?」

「あの司教ならやりかねんぞ。とりあえず、このままこうしていても埒が明かない。俺は牢の外を見てくる。」

「え、どうやってですか?」

「…実はな、この牢大人用だからか抜けれちゃうんだよね。」

「ほんとだ…でも見つかったら大変なんじゃないですか?」

「大丈夫大丈夫、魔法使ってたところ見たろ?いざとなったら眠らせるさ。」

「わかりました。気を付けてくださいね。あと見捨てないでくださいね。」

「ここで見捨てるくらいなら最初から助けないよ。」

 

 

 

 

 

「グフフフ、司教様。あの者たちはどうしましょうか。」

 

(おっと、ここか。)

 

「今は確か牢屋に居るのですよね?もちろん死んでもらいますよ。彼らは司教たる私に歯向かい、大事な魔道具を盗もうとしたのですからね。」

「グフ、で、では。子供の方を味見してもいいですかね?」

「おやおや、あなたも好色ですね。しかしあの子供なかなかにレベルが高いのか強いですが、どうするのですか?」

「グフフウ、力の抜ける薬を食事に仕掛ければちょうどいい柔らかさになるのですよ。これまでもこっそり旅人の子供を攫っては味見をしていましたから慣れたものです。」

「おやぁ、あなた本当に好色ですねぇ。では、私は男性のほうを痛めつけるとしますかね。神に歯向かう不届きものを庇うような不心得者は苦しんで死んでもらわねば。」

 

(…なんだ、似た者同士か。それなら…)

 

「……む?何か甘いようなにおいが。」

「おや?確かに。なんでしょうか。」

「……グフグフ、こ、こんなに可愛い男の子が目の前に!」

「……なんとも美しい女だ。これは手を出すのが神の御心!」

 

(うわぁ、出来心で作った媚薬とあやかし草と武道エキスのお香の実験台になってもらったけどやっぱ強すぎか。でもこれでしばらくは時間を稼げるだろうし今のうちにこっそり逃げとくか。)





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165

なんか体調がアレなので三日ほど更新止まります。
思いついて書いたらスタックしておきます。
取り置きのストックじゃなくて積み重ねのスタックのほうで。


「よし、前方には誰も居ない。進もう。」

「はい。後ろからも誰も来てていません」

 

ガチャ

「ん?」

「え、お、お兄さん誰ですか。」

「おっさん、たぶんこの子供も攫われたんだろう。」

「そうですか。では連れて行きましょうか。」

「え?え?」

「心配するな、俺はここの悪徳領主に攫われた者だ。ここから脱出するからついてきてくれ。おっさん、この子を持ってやってくれ。」

「はいはい。」

「えええ??」

 

 

 

 

 

「よし、裏門には誰も居ないな。来てくれ。」

「ようやく安心できるのでしょうか。君、もうすぐ外だから安心してね。」

「ふぇぇぇ。」

「……よし、周りにも人は居ない。今のうちに出よう。」

「よかった…!!」

「ふぇぇぇぇぇ?」

 

 

 

 

 

「あぁ、ここです。私の泊っている宿です。」

「よし、俺達も宿泊の手続きしようか。一休みできるな。」

 

「302号室に泊まっているポンツィオですが、この子たちも宿を探しているようなのですが空き部屋はありますか?」

「ああ、まだまだ空きはあるよ。坊ちゃん、うちはそこそこ高いけどお金は持っているかい?」

「はい、おいくらですか?」

「二人部屋で一泊30G、明日のアスカンタ行きに乗るなら一泊だけど王都へ行くなら三日分の90Gだよ。」

「では、これで。」

「はい、たしかに。10Gのお返しです。お部屋は307号室だからね。食事は出ないから外で食べてきてね。」

「はい、ありがとうございます。行こうか。」

「ふぇ。」

 

 

 

 

 

「さて、自己紹介しようか。俺はエライゴス。サザンビークからポルトリンクに来たんだがその日のうちにここの領主に冤罪で捕まってな。君は?」

「エ、エライゴス?僕はジョナタ。ジョナタ・リンキアです。その、なんで僕を連れてきたの?」

「……リンキア?」

「うん、リンキア。」

「ここの領主は?」

「リンキア子爵…です。」

 

「………おーう?つまりなんだ、君は攫われた子供ではなく、攫ってきてしまった子供か。どうしようか。」

「その、王都に行くなら僕も連れて行ってほしいです。」

「ん?でも親がいるだろう?」

「あの人は叔父なんです。父が死んでから僕はずっと屋敷から出れなくて…働いてた人も減っていって…。お願いします、王都に居るおじいちゃんと会わせてください。」

「まぁいいか。君のおじいさんの名前は?」

「ジョロキオ…えと、みんなはかい…かい…大臣って言ってました。」

「んー、何大臣かわからないけどとりあえず行けばわかるか。じゃあとりあえず夕飯でも食べに行こうか。」





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166

これ打ち込み終えた後に飼い犬におもっくそ手噛まれて右手の指曲げにくいので更新ストップします。下痢治りかけた途端にこれだよ。

{一緒に逃げたおっさん}
同じ宿に泊まったと思っているが気づいたら二人とも居なくてたぶん捕まるでしょ。


「ん?なんだか広場が騒がしいような。」

「掲示板を見てるみたいです。」

 

「もし、なにかあったんですか?」

「ああ…司教様が領主様を殺害したらしい。蘇生はできたようだが…まさかこの街で司教様が問題を起こすなんて。」

「……なるほど。ありがとうございます。でもこの街は何か特別なんですか?」

「この街は交通の要所としてトロデーン国からもサヴェッラ大聖堂からも厚い支援を受けている。なのにわざわざ問題を起こすなんて考えられない。よほどのことがあったに違いない。」

「司教様はどうなったんでしょうか。」

「ここには書いていないが…市民ならともかく領主様を殺害したとなると儂にもわからん。」

「なるほどなるほど、ありがとうございました。」

 

 

「さて、さっそくだけどこの街に長居するのは危険だと思うんだけどどうだろうか。」

「確かに危険です。いつ叔父の配下が宿を捜索してもおかしくないです。」

「ということで、定期船が出る三日後まで別の街に身を寄せようと思う。」

「でも、ポルトリンクに一番近い村は馬車でも1日かかりますよ。」

「そこは問題ない。俺達が行くのはベルガラックだからな。」

「それこそ無理です。サザンビークへの定期船は数が少ないんです。」

「空を飛んで移動できる魔法があるんだよ。空飛んでみたくないかい?」

「…空を飛ぶ魔法なんて聞いたことありません。」

「まあ、とりあえず手をつないでね。よし、では【ルーラ】」

「ふええ!?」

 

 

 

 

 

「さて、ついた。…どした?」

「ふえええ。」

「……漏らした?どうしようかな。」

「空怖いです。」

「とりあえず水かけとくから。濡れた状態で宿行こうか。」

「…はい。」

 

 

 

「いらっしゃい、二人部屋一泊30Gだよ。」

「三日分お願いします。」

「はいよ、10Gのお返しね。ところでお連れさんどうしたんだい?」

「いやぁ、弟なんですけど我慢できなかったみたいで漏らしちゃいまして。一応水かけまくったんですけど風呂とか洗濯できる場所とかありますか?」

「なんだ、そういうことなら家内にやってもらうよ。おーい、ちょっと来てくれー。」

「はいはい、どうしたんだい。」

「この子を洗ってきてあげてくれないか。漏らしてしまったそうなんだ。」

「あら、それは大変ね。ついてきて頂戴ね。」

「はい…」

 

「よろしくおねがいします。これ、さっきのお釣りですがチップに。」

「お、ありがとう。ところで君達は子供みたいだけど二人でどうしたんだい?」

「あぁ、ちょっと三日だけこの街に居る予定になりまして。親はいません。」

「…そうか。うん、何か困ったら私たちに言うといい。これでも宿屋だから横のつながりは多いんだ。」

「はい、困ったら頼らせていただきます。」





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167

なんかもろもろの体調不良です。


「し、知らないんです…」

「そのような虚言まかり通るか!お前と行動していたのを目撃したのは何人もいるんだぞ!」

「本当にわからないんです!同じ宿に泊まったのは確認しています!」

「じゃあそこからどう消えたというんだ。門番は誰も目撃していない、船も出航していない、隠れて町を出ようにも積み荷の検査は免れられん。隠し立てしてもいいことなどないぞ!!」

「本当にしらないんです!!」

「ええい、この期に及んで隠し立てするとはまったくもって度し難い!この鞭を喰らいたくなければさっさと吐け!!」

「ひいい!!」

 

 

 

 

 

 

「さて、ジョナタ。いやあっちでそのまま呼ぶとばれるかもしれないからジョン君。これからポルトリンクに行くけど今度こそ漏らさないでくれよ。」

「大丈夫です。頑張ります。」

「ならいいけど。じゃあ【ルーラ】」

 

 

 

 

「見られてないな?よし、この後はどうするかだけど。とりあえず広場で掲示板を見ようと思う。」

「はい、でももし指名手配されていたらどうするのですか?」

「決まってるだろ、陸路で王都まで行く。どうせ港にも領主の手下がいるだろうからな。」

「そうですか…でも魔物が出たらどうするのですか?」

「倒せばいい。倒せなくても追い払えばいい。」

「エライゴスさんはそんなに強いのですか?」

「聞いて驚け、レベル20だ。」

「…冗談ですよね。子供がレベル20なんて。」

「いいや、本当だ。広場が見えてきたからしっかりフード被ってな。」

「はい。」

 

 

【リンキア子爵殺害に関する指名手配:金髪青目の子供、宿屋の記帳からエライゴスを名乗っている。子爵の甥のジョナタ様を誘拐。捕まえた者に1万Gを渡す。】

 

 

「やっぱりな。とりあえず町から出るぞ。」

「でも、町の入り口は通れないと思います。」

「ポルトリンクは町の西側に出入り口があるな。だったら東から出ればいい。」

「え…?」

「東側の崖から出るんだよ。」

「えええ、どうやって上るのですか。僕には無理ですよ。」

「空を飛ぶ。ベルガラックを行き来したルーラとは別にトベルーラという魔法があってな。魔力を喰いまくるけどルーラみたいに目的地に縛られない。」

「また飛ぶんですか。」

「飛ぶ飛ぶ。じゃあ行こうか。」

「はい…」

 

「………」ジロリ

「おい、どうした?」

「あの子供、手配書のガキじゃないか?」

「たしかに金髪だが、青目だったのか?」

「ああ、青目だった。行くぞ。」

「わかった。もし本物だったら1万Gだな。たんまり酒が飲めるぜ。」





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168

3DS壊れて詳しい地形把握できなくなった。

{ジバリカ}
消費MP12
設置した位置から一定時間後に巨大な岩が突き出す。踏みつけても作動する。

{盾士}
オリジナル職。魔法が使えないパラディンみたいな何か。守られ役だからこうする。


「ジョン、ジョン。なんか後ろからガラの悪いのが二人来るから念のため用心しといて。」

「はい、わかりました。」

 

「何か御用ですか?こんな活気のない地区に。」

「はん、わかってるだろ?お前を捕まえて1万Gいただくのさ。」

「おほ、ほんとに金髪青目で子供連れじゃねーか。そっちはジョナタ様か。よぉし、覚悟しろよぉ。」

「おいおいおい、そう言われて本当に待つと思う?行くぞジョン!」

「わ、わぁ!?」

「待てガキ!」

「止まれぇ!止まらないとナイフぶん投げるぞ!」

 

「ジョン、右に曲がるぞ!」

「はい!」

 

 

「馬鹿め、そっちは行き止まりだ!」

「へへへ、この街には慣れてないようだな!」

 

キィン

 

「ん?」

「え?」

 

ズドォン!!

 

「「ぐぼぉ!!」」

 

「はっはっは、策もなしに逃げると思ったか。」

「あの、何があったのですか?」

「ジバリカっていう罠魔法を張ったんだ。それを踏んづけてみての通り岩に足元から突っ込まれて悶絶してるんだ。」

「この岩ってどうなるんですか?」

「あー…このまま。まぁともかく串刺しになるような形状じゃなくてラッキーだったな傭兵どもー。」

 

「あ、が、【ホイ…ぐがぁ…」

「ホ、【ホイミ】…はぁ、はぁ、【ホイミ】!」

 

「で、大人しく引かないならもーっとやばいの打ち込めるけどどうする?見たところ応急処置で手一杯なくらい受け身も取れなかったみたいだけど。」

 

「うぐぅ、み、見逃してくれ。すまなかった。」

「この通りだ、足もこれじゃ治るまで数時間かかる。」

 

「そうだろそうだろ、じゃあ行こうかジョン。」

「え、あ、はい。」

 

「……馬鹿めぇ!!おらぁ!」

 

キィン

 

「ごぼっ…!?」

「相棒!?な、なんでナイフが戻って!?」

 

「無防備に背中向けるわけないだろ。お前ら二人とも物理型なんだから対策取るに決まってるだろ。魔法だよ魔法。お前たちは2回も油断して魔法喰らったってこと。」

 

「ごほっごほっ…ごぼっ。」

「だ、大丈夫か。血がこんな…!」

 

「で、どうすんだ。傷だらけのまま無力化されるのと治してから無力化されるの。」

 

「な、治してくれるのか?」

「あぁ治すとも。」

「おねがいだ!相棒を!」

 

「【ベホイミ】【ベホイミ】、そしてありがたく【マホトラ】【マホトラ】」

 

「傷が治っ…おえぇぇぇぇぇ!!」

「ごぼっごぼぼええええ!!」

 

「ひぃっ、何が!!」

「傷を治す代わりに使った魔力分貰った。無力化もできるし一石二鳥の魔法だよ。にしてもやっぱ物理型だからか少ししか回復しなかったなぁ。ジョン君は魔力多い方?」

「ぼ、僕は普通の盾士です。魔力は魔法が使えないからわかりません!どうかお見逃しを!!」

 

「ジュンシ…盾士?聞いたことないね。まぁ身を守れる職業ならこっちとしても助かる。うーん盾あったかなぁ………あった。これあげるよ。」

「え、どこから…なんですかこれ。」

「中古でもらった鉄の盾。無いよりはマシでしょ。使い方とか解るよね。」

「はい、職業を貰った時に。」

「よし、じゃあなんかあったときは防御してなさい。今回みたいに襲われるだろうし。」

「はい……あの方達はどうするのですか?」

「ん?置いていくけど。」

「え、その、あのままですか?」

「何か問題でも?顔は横剥いてるしうつぶせでも問題ないと思うけど。」

 

「…わかりました。行きましょう。(無慈悲だぁ…。)」

「ああ?うん。行こうか。あと聞こえてるし口封じに殺したりとかしない分優しいから。」

「ご、ごめんなさい。」

 

 

 

 

「…行き止まりじゃないじゃんか。ちゃんと崖じゃん。」

「行き止まりですよ。普通の人は。」





エリゴス
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169

{盾士}
両手に盾持って格闘するか大盾で殴ったりフルスイングで刺す職業と言う事にしました。なんでこの要素出したかったかといえばシールドヒッポが頭から離れんかったからだ。



「さて、ここが目的の崖か。」

「はい、外からも中からも侵入できないような絶壁の壁です。魔物除けの建材を抑えるために中に石を積んだ土壁として作られたそうです。」

「ほー、天然モノじゃないのね。にしてもよく知ってるな。」

「家の中で出来るのは読書くらいだったので…その、本当に飛ぶんですか?」

「あぁ、飛ぶ。大型の魔物を想定した砦みたいなモノだったとしても、まさか壁が攻撃してくるような構造してないしな。」

「壁が攻撃してくることがあるんですか!?」

「あるある、パルミドの南西あたりには発掘される遺跡が多くてな。その中にはスイッチを踏むと矢が壁から撃たれたり、通るだけで毒ガスを噴射して来たり、そもそも魔物自体が壁の擬態をしてたりとか。」

「ほわぁぁぁ、ロマンですね!僕そういうの大好きです!」

「ははは、これから先そんなロマンとか言えない体になるかもしれないけどな。さぁ、行くぞ。【トベルーラ】」

「どういう…う、うわぁ!?」

 

「どうだ、完全に静止しているだろ。空中に立つ気分はどうだ?」

「立ってるというかこ、これはすごく不安になります。このまま天に落下するような事になりそうで…」

「…そんなのないよ。上るぞー。」

 

 

 

「あ、あいつらだ!」

「なんだ!?空を飛んでいるぞ!」

「やはり魔物か!!」

 

 

「ん?あー、傭兵とか警備兵か。」

「どうするんですか?」

「決まってるだろ。【アタカンタ】【アタカンタ】」

 

「くらえ!【さみだれうち】!」

 

キィンキィンキィンキィン

 

ズドドド!

 

「ひ、ひいいいい!!警備兵が一瞬で死んだ!!」

「矢返しの悪魔だ…おい、おい、だめだ。俺はこいつを教会へ!」

「矢返しの悪魔め…急いで領外へ通達せねば!!」

 

「あ、おい、置いてかないでくれよお!」

「もういやだぁぁl!!!」

 

 

「…なんか大事になって来たな。」

「領主が死んでいるのです。最初から大事ですよ。」

「まぁいいか。いくぞ。上昇速度上げるから気を付けろよ。」

「はい!」

(ゲームじゃどうみても10mあるかないかだったのに、町の規模に比例して高くなってるな。ん?アレは…)

「うわわ、どうしたんですかエライゴスさん。」

「いやな、あの壁に何かが刺さってて。」

「本当ですね。…うーん、何か知ってるような。」

「槍っぽいな。よっと。【鑑定】」

 

{鉄の槍-2 攻撃力20 600G}

 

「劣化はしているけど鉄の槍みたいだ。貰っていくか。」

「うーん…何かを忘れているような。」

「よし、もうてっぺんだぞ。着地も違うから気を付けろ。」

「はい。…あああ!思い出しました、それ!抜いちゃいけないやつです!」

「ん?なんで?」

「避雷針のうちの1本です!!」

「あー…そうか。戻してくるよ。ところでジョンは槍装備できる?」

「その、できないです。僕の職業はどうやら両手盾か双盾らしいです。」

「そうか、なんか大変そうだな。まぁ鍛えれば何とかなるって、俺も盗賊なのに色んな武器使えるようになったから。」

「そうなのでしょうか……綺麗な街並みですね。」

 

「ああ、外壁が高いからこその景色だな。灯台よりは低いけど町を見渡すには最適な場所だな。」

「ははは…こんな綺麗なところを叔父は奪い去ったのですね。どうか王都までの護衛よろしくお願いします。」

「ん?うん。そりゃそうよ。俺も王都行くもの。とりあえず避雷針刺してくるね。」





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第十三章リーザス地方
170


「歩けど歩けど右向けば海岸、左向けば山。通る馬車もなし。」

「外の世界ってこんなに広かったんですね。広すぎます。」

「町なし村なし休憩所なし。日も暮れてきたし今日はこの辺で野営しようか。」

「野営…?外で眠るという事ですか?」

「そういうこと。まぁ見張りは任せとけ。数日寝なくても大丈夫だからな。」

「数日ですか?さすがに心配ですよ。」

「気にするな。それじゃテントを張るから見張っててくれ。」

「はい。」

 

 

 

「よし、いいぞ。テントの中に食べ物と飲み物も置いといたから好きに食べてくれ。こっちはこっちで好きな時に食べるから。」

「わかりました。その、真っ暗ですけど見えてるんですか?」

「バッチリ。海岸も道の先も見えてるよ。」

「やっぱりあなた魔物なんじゃないですか?」

「はっはっは、そうさ俺は怖い魔物さ。とでもいうと思ったか?寝な、明日は早いぞ。」

「…はい。」

 

 

 

 

「おい!そこの子供!フードを取れ!」

「なんか用?(【アタカンタ】)」

「うるさい!さっさとフードを脱げ!」

「ほら、これでいいか?で、なんだよ。」

「…金髪青目、お前が領主殺しの矢返しの悪魔か!」

「領主殺してないんだけど。そもそも矢を撃ってくる方が悪くない?」

「黙れ!貴様はもう討伐対象の魔物だ!総員抜刀、突撃!」

『おおおおおお!!』

 

「こんな子供に寄ってたかって恥ずかしくないの?」

「があぁ…う、腕がぁぁ!!」

「くそ、矢を撃ち返す悪魔じゃないのか…」

「言っとくが、物理攻撃ならなんでも跳ね返るぞ。で、どうするんだ?(【マホカンタ】)」

「【メラミ】!!……!?がああああ!!」

「魔法も跳ね返るぞ。どうするんだ?」

「ひ、ひいい。総員撤退!!」

「あ、おい待て、こいつら……行ってしまった。」

「た、たいちょう…たいちょう…」

「なんで…」

「あああぁ!!燃える!助けて!!」

「【ザバ】……どうするかなぁ。」

 

 

 

 

 

「ふわぁ、おはようございます。……その方たちは?」

「ポルトリンクから来た追っ手だけど、捨て駒にされて置いてかれた可哀そうなやつらだ。とりあえず怪我を治してやって事情を話した。」

「お初にお目にかかります、ポルトリンク警備隊のプルティオと申します。」

「同じくポルトリンク警備隊のマッキアです。」

「リンキア領魔法隊のグスでございます。この度はジョナタ様の救出に参りました。」

「まぁ、こいつらに俺が捕まった経緯、他にも何人も旅行者の子供を攫ったこと、ジョンが幽閉されていたことなんかを話して納得はしてもらっている。ジョンの護衛になってくれることになった。」

 

「え、その。昨日そんなことがあったのですか?」

「ははは、その高級テント防音性すごいだろ?十人くらいの追っ手が来たけど全然気づかなかったみたいだな。こいつらもジョンの事を想って俺を討伐しにきたみたいだし、ジョンへの忠誠はあるんだ。俺はともかくお前のことはしっかり守ってくれるだろう。だよな?」

『はい!前子爵様の嫡子ジョナタ様のために!』

「とまぁ、そういうわけで5人旅になる。王都までの協力関係ってことだ。」

「…よろしくお願いします。どうか叔父を止めるために協力してください。」

『かしこまりました!!』





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171

{サザンビークの伝書鳩}
クックルー


「ようやく海岸も終わりだな。なぁプルティオ君。」

「…ここから先はアルバート侯爵の領地となります。追う相手が人間であれば干渉はしませんが…エライゴスさんは一応魔物という扱いになっています。恐らくはもう国中に通達されたかと。」

「それって、伝書鳩とかで?」

「ご存知でしたか。我々警備隊は伝書鳩の管理も業務に含まれているのです。…一度サザンビークの伝書鳩を目にしたことはありますがアレを鳩扱いするのはさすがサザンビークですよ。」

「サザンビークの伝書鳩は何か変なのですか?」

「ええ、どうやら知らないようなので言っておきますが…バケモノです。魔物です。トロデーンでは念のために同じ場所に三羽送るのに対してあちらは一匹でも十分でしょう。むしろ平民では勝てないかと。」

 

「…もしかしてデカいのか?」

「はい、クソデカです。どれくらいかと言いますと私の背丈と同じくらいと言えば伝わるでしょうか。」

「………え、馬並み?馬並みの鳩?」

「はい。鳩よりは丸いですが管理人曰く筋肉の塊だとか。その膂力は羽ばたきが当たるだけで人間が吹っ飛ぶとも。」

「サザンビークだなぁ。トロデーンでは導入しないの?」

「そんな恐ろしいことできませんよ。そもそも強い魔物の飼育はトロデーンでは禁止されています。それに、おかしいのは魔物に囲まれて危機感を覚えないサザンビークです。」

「魔族だったら安全なんじゃないの?」

 

「魔族…とはなんですか?」

「言葉が話せて理性ある魔物ですよ。こっちには居ないんですか?」

「…居ますよ、居ますとも。ネームドと呼ばれる賞金首の魔物のほとんどがそれです。トロデーンでは危険視されています。何でサザンビークはそうも魔物に寛容なのですか。」

「そりゃ、言葉が話せて理性があるだから人間と変わらないだろ。人間の山賊や強盗とかも賞金首になるだろ?」

「なりますが…魔物は人間ではなく魔物です。何故わざわざ魔族などと区別する必要があるのですか。」

 

「えっと、ポルトリンク警備隊だよね?これまで魔族の観光客とかいなかったわけ?」

「居ないことは無いですが、明らかな魔物は見たことがありませんよ。大抵ローブを羽織るか何かしていますからね。」

「じゃあ別に、魔族が何かするって思ってるわけじゃないんだろ?そうならそもそも下船許可なんて下りないだろ?」

「それとこれとは別ですよ。定期船は三国共通の管理ですから。トロデーンだけの事情でサザンビークやアスカンタの意向を無視するわけにはいきません。」

 

「…そういえばアスカンタって魔族に寛容だっけ?」

「可もなく不可もなく、といったところでしょうか。よく言えば魔族にそれほど興味がない、悪く言えばもっとやばい浮浪者なんかがいますから。」

「そうだな、パルミドへの難民が毎日入国してるんだっけね。」

「まぁどこの国も何らかの悩みを抱えているんです。君のような強いだけの子供に何かできるわけもない。」

「(王都で身分を明かしたときの反応が楽しみだなぁおい。)」





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172

{リーザス・クランバートル}
七賢者のシャマルの子孫。魔法剣士の彫刻家。

{アルバート家}
ゲームのパーティメンバーのゼシカの家。

{あばれうしどり}
顔は牛、顔は猛禽類、前足はチキン、後ろ脚は牛、大量のささみと霜降り肉が一挙に取れる優秀な家畜らしい。


「ジョナタ様、あちらが歴史書にも残るリーザス像の塔です。」

「わぁ、あれが書物でみた…たしか一年に一度村人総出でお参りするんだよね。」

「はい、これから到着するリーザス村に住む領主、アルバート侯爵の先祖であるリーザス・クランバートル様が開拓したためこの辺りはリーザス地方と呼ばれています。」

 

「なぁ、リーザス村で捕まる可能性は高いか?」

「それはまず無いかと。アルバート侯爵は既に死去しており妻のアローザ様が引き継いではいますが穏健派ともいうべきお人です。ジョナタ様の御父上とも交友がありジョナタ様の現状を説明すればご理解いただけると思います。」

「なるほど。じゃあ信じることにするか。いいよな、ジョン。」

「はい!アローザ様とお会いするのはとても久しぶりです。」

「あぁ、会ったことがあるのか。じゃあ顔を見せればすぐにわかるかもしれないな。」

 

 

 

 

 

「おや、ここはリーザス村だよ。あんたがたは商人かい?」

「いや、王都へ陸路で旅をしているんだ。こっちは弟のジョン、この3人は護衛さ。」

「あらぁ、あばれうしどり牧場くらいしか見る場所は無いと思うけどゆっくりしていきなさいね。」

「…あばれうしどり牧場?プルティオ君、魔物の飼育って禁止じゃなかったのか?」

「私が言ったのは強い魔物です。あばれうしどりは角さえとってしまえば気が弱くなるので家畜のようなものですよ。」

「なるほどなるほど。お婆さんもありがとうございます。」

「もうあたしもお婆さん…ね。いいのよ、ゆっくりしていってね。」

 

 

 

「ふぅ、ひさびさのベッドだな。」

「はい。その、エライゴスさんはどうして偽名を名乗らないんですか?指名手配されているのに。」

「…それもそうだな。いやエライゴスも偽名なんだけどさ、ジョンが決めてくれよ。」

「ええ!?じゃ、じゃあライゴさん。」

「ライゴ、ね。呼ばれたときに反応できるようにしとかないとな。」

「護衛の人達には僕から言っておくので、エラ…ライゴさんも村を見に行きませんか?」

「そうだな、買い出ししてくれるらしいし俺達はアローザ様に会いに行ってみるか?」

「はい!行きましょう!」

 

 

 

 

「ここは領主様の御屋敷だ。あまり無礼の無いようにな。」

「はい、ありがとうございます。」

「お邪魔します!」

「うむ、礼節をわきまえるのであればよい。」

 

「すんなり入れてくれたな。」

「貴族の邸宅ですから。屋敷の内装を自慢するのも格式高い貴族としてのしきたりみたいなものです。僕の館も昔はそうだったんですけど…」

「叔父になってから変わったのか。」

「はい…。だからこうして誰でも入れるお屋敷を見ると懐かしく思いますね。」

「…たぶんアローザ様は二階かな?会いに行こうか。」





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173

やっぱ3DSあると一人称わかって便利ですね。

{アローザ}
ゼシカの母。しっかりと領主してそうな意志の強い女性。ゼシカの許嫁を家柄で決めるが最終的にはゼシカの気持ちを考えて許嫁を解消するくらいには子思い。


「すみません、アローザ様に用があって来たんですけど、アローザ様にお取次ぎ願えますか。」

「あら?あなたみたいな子供がアローザ様に何か御用?よかったら話してみて頂戴。」

「んー、まぁいいですけど。こちらのジョナタ・リンキア様についてちょっとお話がありまして。」

「…わかりました。少し待っててね。」

 

「なかなか話の分かるメイドさんだったね。」

「ライゴさん、あの人たぶん護衛です。」

「ん?そうだったのか。まぁ話を取り次いでくれるならよかった。」

「そうですね。」

 

「お待たせ、アローザ様がお会いするわ。ついてきて。」

「はーい。」

「失礼します。」

 

 

 

 

「…たしかにジョナタ君ね、お久しぶり。」

「はい、アローザ様。お久しぶりです。」

「そちらが…矢返しの悪魔さん?随分可愛らしい悪魔ですね。」

「ははは、ミニデーモンだって悪魔だし行い次第では人間だって悪魔ですよ。まぁ僕はまだ人間のつもりですけど。」

「そうですか。私はリーザス一帯を治める領主のアローザ・アルバートと言います。ジョナタ君の雰囲気を見てわかりました、あなたは伝書鳩に記されたような悪人ではないですね。」

「いやぁわかりますか。ジョナタの叔父がそれは酷いやつでしてね。ジョナタを連れ出したのは偶然なんですけど叔父の悪行をジョナタの祖父に伝えるために王都を目指しています。」

 

「話が早くて結構。であれば当家からは馬車を貸し出しましょう。他ならぬトロデーンの玄関口であるリンキア家の一大事ですからね。寄親として寄子の騒動の解決は手伝いましょう。」

「おお!ありがとうございます。さすが侯爵様。」

「しかし、条件があります。矢返しの悪魔としてこれから先、辺境の地でジョナタ君を守れるかどうかエライゴス君の腕を見させてもらいます。」

「…いやん。」チラリ

「…ロージア、庭へ。エライゴス君と模擬戦をしてください。」

「かしこまりました、アローザ様。」

「エライゴス君。

…あなたの出自は知りませんが、あなたの態度でジョナタ君も侮られるのだから悪ふざけはほどほどになさい。」

 

「…やー、すみません。なんか母親みたいに思えてしまって。」

「確かに私はあなたと親子ほど歳は離れています。子供だからといって誰からでも優しくされるとは思わないことです。」

「はい、すみませんでした。」

「ごめんなさい、です。」

「ごめんなさい!」

「よろしい。庭でロージアと模擬戦をしてもらいます。もちろん武器は貸し出しますが希望はありますか?」

「いえ、素手で大丈夫です。ロージアさんくらいなら。」

「おや、自信があるようですね。ならばその言葉を違えぬ実力を見せてください。」





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174

{ロージア}
オリジナルキャラ。
戦士レベル10相当。


「さて、用意はいいですかロージアさん。」

「あなたこそ、素手で私と戦おうなんていい度胸ね。」

「いつでもかかってきてください。」

 

「せいっ!…!?」

「剣はこっちです。まずは一本ですね。」

「…盗賊職の盗むね。想定外だったわ。」

「はいどうぞ。もう一回やりましょうか。」

「今度は通じないわよ。…せいっ!」

 

「後ろです。」

「…今度は私にもわからなかったわ。何をしたの?」

「単純に早く動いただけです。あなたが剣を右から振ったのでそっちから回り込んだんですよ。」

「そう。そうなの。早く動いただけね。…はぁ。」

「さ、もう一回やりましょう。」

「【さみだれぎり】!……今度はどこに。」

 

「こっちです。」

「!?…エライゴス君。いつの間に私の隣に居たのですか。」

「アローザ様!?そこにエライゴス君がいるのですか?」

「ええ、二階の室内に。どうやったのですか。」

「今度は魔法です。誰かの側に瞬間移動する魔法でね。護衛するには便利だと思いませんか?」

「そうね。今度は真正面からロージアと戦ってもらうわ。」

「…あんまり驚かないんですね。わかりましたよ。…じゃあ、やりましょうか。」

「はっ!?本当に瞬間移動なんですね、アローザ様のところから私の後ろまで一瞬なんて。」

「便利でしょ?魔力沢山使うからあんまり使えないですけど。今日は大盤振る舞いですよ。」

「さぁ、真正面からならあなたのような小柄な子には負けません。せぇい!」

 

カンッ

 

「痛くないです。」

「まともに当たったわよね?矢返しの悪魔って固すぎて刺さらないから矢返しってこと?」

「いいえ、今ロージアさんが剣を振るまでの間にスカラを唱えただけです。今度はこっちから行きますよ。」

「ええ、来なさい!」

「もう終わりました。」

「え…木剣が!」

「木剣程度じゃ手刀でスパッと切れますよ。で、どうしますか?」

「…完敗です。参りました。」

「だそうですよアローザ様ー!」

 

「わかりました。エライゴス君はジョナタ君を守るのには十分…いえ、ポルトリンクを滅ぼすくらいの力量があるようですね。」

「おお、わかります?」

「その身体能力、魔法の腕前。道具さえ整っていればポルトリンクの警備隊なんて一夜にして全滅させることができるでしょう。であれば私はそうしなかったあなたを信じリンキア家のことを任せます。ジョナタ君をお願いします。」

「はい、もちろんですとも!さしあたって今日はお屋敷に泊めてもらえます?」

「もちろん、身なりを整えるために風呂にも入っていただきます。」

 

「護衛が3人いるんですけどその人たちもいいですか?ポルトリンクの人なんですけど。」

「構いません。ロージア、後は任せますよ。」

「はい!アローザ様!さぁ、護衛の人を迎えに行こうか。」

「ありがとうございます。ジョナタは先に風呂入っちゃっててくれ。俺は3人と一緒に入るからさ!」

「はい、わかりました!」





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175

梅雨ですね、いやな季節です。梅雨が過ぎたらもっと嫌な季節ですね。


「いやぁ、美味しいですね。もしかしてこのお肉が?」

「ええ、あばれうしどりのもも肉です。牛よりも脚力が強いあばれうしどりのもも肉は筋をしっかり切れば絶品です。しかし魔物というだけで毛嫌いする者も居るため食べる人は多くありませんが。」

「やー、そういうのは食わず嫌いですよ。どうせ食べ物が無くなれば食べるようなやつらですよ。パルミドみたいなところだと悪魔の肉も食うんですから贅沢ですね。」

「エライゴス君はパルミドから来たのですか?それにしては身綺麗ですが。」

 

「パルミドは数年前に2年間過ごしてたんですよ。盗賊の技術とか常識とか料理とかサバイバルとか、いろんなことを学べましたね。そこは不幸中の幸いです。」

「あなたは10歳くらいではないですか。何故そのような歳でパルミドで過ごすことになったのですか。」

「ちょっと相続争いで疎まれましてね。誘拐されてたんですよ。でも誘拐犯と買い手がいい人達でしてね。技術習って家に戻りましたよ。」

「………もしかしてあなたはサザンビークの生まれではないですか?」

「ええ、そうですよ。なんでわかったんですか?」

 

「私の娘はサザンビークの貴族と許嫁です。そしてかの国の情報は常に入ってくるのですよ。そしてその話によく似た話を聞いたことがあります。その子供は熊のような魔物を倒すほどの猛者、身分を偽って城下で過ごすような変わり者、騒動に巻き込まれるような不運と。」

「…いやぁ!!何のことかさっぱり!!」

「そうですか、わかりました。他人の空似でしょう。ジョナタ君は食べれない物はないかしら?」

「はい、美味しくいただいています。ところでエライゴスさんは有名な方なのですか?」

「ええ、有名ですよ。本人は認めないでしょうけどね。」

「美味いなぁ!!オニオンスープが最高だなぁ!!そう思わないかジョナタ様ぁ!!」

「え、あ、はい。美味しいです。」

 

 

 

 

 

「寝室一緒になりましたね。」

「まぁわざわざ一人一部屋与える必要もないしな。ところで俺の正体が知りたい?」

「えーと、気になります。知りたいです。なんでそんなに強いのか、いろんな魔法が使えるのか、アローザ様が知っているのか。」

「そうか。これは内緒にしてくれよ。俺は実はサザンビークではそれなりに偉い立場でな。それこそジョナタみたいなもんだ。まぁアローザ様が言ったように魔物騒動を解決した結果変装しないとまともに城下町を歩けないくらいには有名だ。」

「僕と同じということは貴族の嫡男だったのですか?」

「あー、こっから先は秘密だ。王都に着いたらわかるからそれまでな。」

「そうですか。わかりました。」





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176

{スノーエイプ}
白い毛皮の猿。ゲームじゃ小さかったけど雪降る所の猿とかデカいはず。キラーエイプくらいなはず。

{リリパット}
緑色の肌をした小人。弓を使う。一番最初からスカラを使ってくるが素の防御力が全然ないのであまり変わらない。

PS.177話は30日に予約投稿しときました。


「おおー、これが用意してくれた馬車か。」

「へえ、アローザ奥様の旦那様が使っていた馬車でございやす。奥様からは王都まで同行した後はその場の流れで決めていいってんで、行動方針は坊ちゃんにお任せしますぜ。」

「ありがとうございます。ところで5人乗れますかね。」

「ええ、バッチシ乗れますぜ。作りこそ古いがスノーエイプの骨と皮で作られてるから耐寒も耐久もそんじょそこらの馬車とは違う。」

「そういえばおっちゃんが御者?随分と動きがぎこちないけど。」

「へへ、若いころに無理して右足壊しちまってね。教会の神父様でも直せなかったから剣捨てて鞭持つことにしたんでさ。御者のハイハットだ。」

 

「俺はエライゴス。まぁ矢返しの悪魔って悪評で広まっちゃってるからライゴって呼んでほしい。あっちでアローザ様と話しているのがジョナタ・リンキア様。こっちも身分を隠すためにジョンと呼んでいる。」

「へぇぇ、リンキア様。港街の?なるほど確かに前の子爵様の面影があるな。」

「で、その側に居るノッポがマッキア、筋肉質がプルティオ、ローブがグス。ジョンの護衛だ。俺はもしかしたら単独行動するかもしれないからその時は置いて進んでくれて構わない。」

「ははぁ、さては坊ちゃん強いな?あっしも若いころは調子に乗ってはいたが坊ちゃんには一切の不安がねぇな。」

「ポルトリンクの警備兵を無傷で返り討ちにしちゃうくらいには強いと思ってほしいね。ところでこの先の街はどうなってる?トラペッタは知ってるんだけど。」

 

「この先はたしかにトラペッタまで街はないですぜ。あるとしても開拓村や旅の宿で、少しでも道を外れると魔物の巣があったりするから一本道でさ。」

「魔物というと、何が居るだろうか。」

「へい、弱いやつで言えばしましまキャットっていう巨大な猫の魔物が居やすが、森の中にはリリパットっつぅ厄介な魔物が住み着いてるんでさ。やつら平地では弱いが森の中じゃその体の小ささを生かしてすばしっこく逃げたり奇襲してきやがるんです。」

「ふむふむ、まぁその辺はその馬車の材質なら問題ないだろうな。他にある?」

「そうさな…スライムくらいだな。一体ならともかく群れで来たときは馬車が進めずに馬からやられちまいますね。変に踏めば馬車も転びやす。毎年スライムに馬車をダメにされて行方知れずになる商人がいるんで気ぃつけましょう。」

「なるほど、強さだけじゃなくて性質が問題になるのか。そこらへんは御者のあなたに任せますよ。俺は王都まで馬車を守り抜くから。」

「へへへ、強気な返事。良いと思うぜ。」





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177

{関所}
ゲームでは無理やりドルマゲスが破壊して通れるようになる。


「いやぁ~、風が心地いいなぁ。幕を上げられるタイプの馬車でよかったな。周りが見えるから警戒もしやすいし。」

 

………

 

「誰か返事してくれない?」

「グゥー…グゥー…」

「スヤスヤ…」

「なんだ、寝ちゃったのか。まぁこれだけ心地いい風だとなぁ。……ハイハットさん馬車止まってない?」

「グガァー…グガァー…」

「んー!御者が寝てる!まぁ別にいいけどさ。起きるまで俺が御者するか。ハイヨー!」

「……ブルル」

「馬も寝てる!……いくら何でもおかしいだろ、【ザメハ】」

 

「う、うぅ?はっ!寝ていた!?」

「ヒヒーン!」

「よーうハイハットさん。仕事初日から睡眠とは結構な御身分だな!」

「ち、違う!俺が仕事中に寝るわけねぇだろ!」

「…まぁ馬も寝るなんてことないだろうからただの冗談だよ。で、何があったと思う?」

「……この甘い匂い、おそらくは魔物の仕業だろうが検討つかねぇ。」

「風向きからみるにあの森から届いてるっぽいな。」

「このままじゃ通るやつが全員寝ちまう、急いで戻るぞ。」

「あぁ、わかった。アローザ様に報告だな。」

 

 

 

 

 

「森から馬車を眠らせる何かが?」

「へい、ライゴ坊ちゃん以外は全員寝ていやした。」

「エライゴス君。何故あなたは眠らなかったのですか?」

「状態異常には耐性があるので。まぁなんらかの異変が起こってるんじゃないですか?」

「…あなたの腕前を見込んで頼みがあります。このまま森へ調査を送っても全員寝てしまうでしょう。この異変を解決してきてもらえませんか。」

「いいですとも。俺としてもあの森は気になりますので。」

「そうですか、解決して頂くお礼を用意しておきます。気を付けて調査をお願いします。」

「任せてくださいよ、お礼楽しみに待っていますね。」

 

 

 

 

 

「さて、甘い匂いがする。ってことはここらへんだな。」

 

ガサガサ

 

「………なんだこれ、コレから甘い匂いが。キノコっぽいけどとりあえず持って帰るか。【ルーラ】」

 

 

 

 

 

「戻りましたね、どうでしたか。」

「こんなものが。なんかのキノコっぽいんですけど。」

「……私は初めて見ますね。当家の学者に調べさせましょう。今日も泊って行ってください。明日には何かわかるはずです。」

「お言葉に甘えて。ところでお礼はもうあります?」

「ええ、こちらを。」

「ふむ…通行許可証?」

「無くても通れますが、それがあれば検問なしで通ることができます。当家が身分を保証する物です。」

「これは助かりますけど、最初からくれてもよかったんじゃないですか?」

「無暗に発行出来るものではないのです。辺境への関所は国の管理下ですからね。通行証一つにつき10万Gを国に追加で納める必要があるのです。あなた方には10万Gよりもこちらの方が良いでしょう?」

「ごもっともです。それではもう一日お世話になります。」





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178

「ふむ…ふむ…」

「わかりましたか?」

「あぁ、奥様。バッチリわかりましたよ。これはおばけきのこの幼体ですね。本来森の奥のジメジメしたところでしか育たないはずですが、なんらかの偶然で森の浅いところに生えてしまったようですね。」

「危険性は?」

「もう半月もすれば眠らせるガスも収まるでしょうね。これは幼体の時の護身として垂れ流しになっているものですから。」

「それは安心しました。では、それまで関所と村の間は通行止めとしましょう。」

 

「しかし、よくこれを吸って眠らなかったものですね。文献によれば森に棲むような魔物でも眠ってしまうほど強力なガスを出すはずなのに。」

「彼以外は馬も寝ていたようですね。本人は耐性があるから効かないと言って居ましたが。」

「それこそまさかですよ、こんなもの人間が吸い込めばたとえ服毒訓練した暗殺者でさえ眠るはずです。これで眠らないとすればもはや人間ではない。」

「それ以上はいけませんよ。彼がどんな体質であろうと私の友の子を守る人です。それに彼はサザンビーク出身です。人でないことを悪く言うのを聞かれるのはよろしくありません。」

「…それもそうですね。なんにせよ、森を焼き払う必要などはありませんので時間が解決するでしょう。」

「では、引き続きキノコの調査を進めてください。見落としてはいけませんからね。」

 

 

 

 

 

「なるほど、本来森の奥で育つはずのおばけきのこだったんですね。」

「何か変わったことなどはありませんでしたか?」

「うーん、茂みが多かった気がします。もしかしたらそれのせいで森の奥だと思ったのかもしれませんね。」

「茂みですか…であれば焼き討ちはともかく整備は必要かもしれませんね。ありがとうございます。」

「いえいえー、ところでおばけきのこって美味しいんですかね?」

「…今なんと?」

「いや、単純に美味しいのかなって思っただけですよ。もし美味しいのであればあばれうしどりみたいに栽培したりも出来るんじゃないかなって。」

 

「幼体が眠りガスを出すのであれば不可能です。そもそもキノコを食べようとするなんて危険です。そのような考えはおやめなさい。」

「あー、そっか。毒とかあるかもしれないもんねぇ。」

「エライゴス君には効かないかもしれませんが、わざわざ毒物かもしれない物を食べる必要はありません。そのような考えはいずれ他人を不幸にします。」

「ごめんなさいー。」

「それと、関所に着いたらこれを門兵に渡してください。今回の件で通行止めをする書状です。もし道中でこちらへ向かう者が居れば引き返すように言ってくださいね。」

「はいはい、もちろんです。しっかり渡しますね。ではまた会う日まで!今度こそね!」





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179

「検問を行う!全員一列に並べ!」

 

「ようやく関所についたか。おーい、そこの兵士さん。アルバート家からお届け物ですよ!」

「む、そうか。……ふむ。眠らせるガスの発生で通行止めか。」

「はい。ここに来るまでに二組ほど合流して…というか拾ってきました。」

「しかし、君たちは何事もなく来ているではないか。」

「ザメハっていう目覚ましの魔法を使いながらですよ。実際あっちの二組にも話聞いてみてください。」

「そうか。報告感謝する。」

「あと、この通行許可証ですぐに通れると聞いたんですけど。」

「…うむ。たしかにアルバート家の発行した正式な通行許可証のようだ。通れ。」

「はい、お仕事頑張ってください。行きましょハイハットさん。」

 

 

 

「あ、おい!横入りするな!」

「通行許可証で通るんですよ。検問はいらないんです。」

「はぁ?何わけのわからねぇこと言ってんだ!並ばねぇならぶん殴るぞ!」

「ほら、これだよ。通行許可証。これがあるから検問がいらないんだ。」

「なんだと。おいガキ、それを寄こせ。お前が使うよりも俺らが使う方がいい。」

「それこそおかしいだろ、これは俺のだぞ?」

「いいから寄こせ!」

「おっと、いいのか?関所で問題なんか起こして。」

「うるせぇ!お前が横入りするのが悪いんだろうが!」

(なんだこいつ。とりあえず叩きのめすか。)

「おい、やっちまえてめぇら!」

『うす!』

 

 

 

 

「ぐぅ…ごほっ…」

「あがぁ…」

「えーと、財布に、なんだこれ。」

「おい!貴様らか問題を起こしているのは!」

「あ、さっきぶりですどうも。なんか突然集団で襲ってきたんで倒しちゃいました。」

「…お前だけか?馬車の中のやつらは何故出ていない。」

 

「その、この子強いんで。」

「そうそう。俺達こっちの子の護衛だし。」

「そもそもその坊ちゃんを心配するだけ無駄というか…」

「俺は御者だから動けないし。」

「すぅー…すぅー…」

 

「ってことだ。別に問題ないだろ?」

「問題大ありだ…お前が何を持っているのかわかっているのか?」

「ん?この…金属製の砦のペナント?」

「お前が持っているのは、この先のトラペッタを治める領主の衛兵が持つ身分証明のエンブレムだ。関所でこんなことが起こるなんて…大ごとだぞ!」

「でも、襲ってきたのは彼らなんで俺は無罪ですよ。山賊に襲われてその山賊を殺しても罪には問われないでしょ?」

「それは、そうだが。彼らはれっきとした衛兵だ。山賊などと一緒の扱いにはできない。」

「でも実際に襲ってきたんですから山賊ですよ。なのでこいつらは川とかに捨てます。」

「ば、馬鹿を言うな!こんな高いところから落としたら死ぬどころか遺体すらなくなるぞ!!」

「じゃあ、あなた方にあげます。ご自由にどうぞ。ハイハットさん、行きましょ。」

 

「…ライゴ坊ちゃん。さすがにそりゃ無理ですよ。」

「詰め所に来てもらおうか。」

「…はぁ。わかりましたよ。」





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180

{セイラ}
女。騎士。レベル15相当。


なんか、今。モーレツに良いアイデアが生まれたので。
明日オリジナルな小説を書いてみようと思います。
短編で「これからどうなるか!」みたいな感じの。
まぁもちろんこれにぶつける感じですけど。

短編で迷宮まみれin地球全域を7月7日0時2分に予約投稿しました。
https://syosetu.org/novel/229527/


「どうやらお前は別の国から来た実力者だろう。ならこの先の辺境のルールは知らないだろうから言っておくぞ。この川の先、北東大陸の約半分はペッティリア辺境伯の領地だ。」

「…え、もしかして辺境丸ごと?」

「そうだ。北端のトラペッタを中心に東西南に大きく道が分かれている。だが、それらの街道に沿わない町や村もある。それらを巡回し警備するのが辺境伯領の衛兵の役目だ。」

「なるほど、サザンビークの討伐隊みたいな感じなんですね。」

「む、サザンビークから来たのか。であればわかるだろう、討伐隊の…辺境伯の面子を潰されることがどうなるか。」

(…インフラさんが裏協定を破ったからバズズ様が怒ってたのってそれかな。)

「はい、心当たりみたいなのが。」

「そういうことだ。大ごとだと言ったのはな。」

 

「これからどうします?」

「問題点が三つある。一つは彼ら衛兵。もう一つが衛兵側から危害を加えてきたこと。最後にそれを倒したお前たちがアルバート家の通行許可証を所持していたことだ。」

「あー…アローザ様が保証した人が問題に巻き込まれたらそりゃ確かに通行できない。いやごり押そうとしたけど。」

「でだ、こいつらが起きた後抗議をしてきた場合、事情聴取は行うが当時の周りの者達から衛兵から襲い掛かったことはわかった。もし彼らが容疑を否認した場合…申し訳ないが私と一緒にトラペッタまで付いてきてもらう。」

「そこは問題ないですよ。元々立ち寄る予定でしたから。」

「そうか、ところでそろそろローブを外したらどうかね。アルバート家の通行許可証を持っていたということは何らかの密命があるようだが、トラペッタでは外す必要がある。」

 

「あー、じゃあ。外しますけど驚かないでくださいね。」

「……!!そうか、お前が矢返しの悪魔か。ならば衛兵数人を無傷で制圧出来たのも納得できる。」

「まぁとりあえず自己紹介しましょうか。俺はエライゴス。盗賊です。」

「私はセイラ。聖騎士だ。」

「で、馬車の御者がハイハット。子供がジョナタ、通称ジョン。護衛3人がプルティオ、マッキア、グス。合計6人で王都を目指している。」

「本来であれば指名手配されているお前たちを捕縛するべきだろうが…アルバート家はそれを知って通行許可証を渡したのだろう?」

「はい、もちろん。ジョンの親御さんと仲が良かったようで。」

「ならば私も信じるとしよう。王都へ向かうのであればこのような場所で捕らえるよりも確実だ。」

「ははは、俺が居る限りジョンは守り通しますよ。その名目で賞金稼ぎも兵隊も叩きのめします。」

「…実際にやってのけているから冗談だと思えないな。」





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第十四章トラペッタの領主
181


{トラペッタ}
南側が広場、北側が住宅街の最初の街。
マスターライアスが西に棲んでるなら領主は東でしょ。


迷宮まみれin地球全域
https://syosetu.org/novel/229527/


「見えてきたぞ、あの城壁がトラペッタだ。」

「おー。なんか想像よりも小さいな?」

「城壁が先に作られたからな。」

「へぇ。ところでそっちの馬車の衛兵達はどうしてます?」

「…何事もないようだ。気にする必要はない。」

「はーい。」

 

 

 

 

「くそっ!出せ!出しやがれぇ!」

「もう三日もこの中じゃねぇか。いい加減諦めようぜ。トラペッタに着けばこっちのもんだ。」

「はぁ、あったかい食事が食べたい。」

「くそっ!くそっ!」

「せめて外に声が届けば奴らをビビらせられるんだがな。」

「なんで俺達が護送馬車に入れられなきゃならない!入れられるべきはあいつらだろうが!」

「ふん、王都から来た兵士どもはいつも俺達辺境の衛兵を見下しやがる。辺境の魔物を狩っているのは誰だと思ってやがんだ。」

 

「俺たちが馬車から降りたら一斉に襲い掛かるぞ、あのガキは強いから先に兵士からだ。」

「そ、それはまずくないか。俺は嫌だぞ。」

「はぁ?テメェもやるんだよ。」

「俺たちだけ働かせるつもりか?いつからそんな偉くなりやがった!オラ!」

「ぐぅ!で、も。王都の兵士はやばいって!いくら辺境伯の後ろ盾があってもそれは揉み消せねぇよ!」

「馬鹿じゃねーか?俺たちが舐められたままじゃ衛兵として示しがつかねぇだろうが!」

「じゃあ何か!?テメェはあいつらに舐められたままで居ろってのか?オラ!」

「はぁ…はぁ…俺は何もしねぇからな。やるならお前らだけでやれよ。」

「ぺっ!意気地なしが!」

 

 

 

 

 

「この街には検問はないのか?」

「無い。何故かと言えば辺境伯の方針としか言いようがないが。」

「うーん、納得。」

「この南門を通ると広場に出る。辺境伯の屋敷は東側にある。先導するからついてきてくれ。」

「はいよ。坊ちゃん、馬車に入っててくれ。」

「わかった。何かあったら教えてくれよ。」

「つっても坊ちゃん幌から外見るんだろ?だったら坊ちゃんこそ気づいたら教えてくれよ。」

「はいよ。気づいたらね。」

 

 

 

 

 

「ん?馬車の揺れがほとんど無くなったな。トラペッタに着いたか!」

「準備は良いか。」

「もちろんだ、このぼろ雑巾はどうするよ。」

「便所壺にでも突っ込んどけ。もう死んでんだからな。」

「へっ、俺達に逆らおうなんざ百年はええんだよ。」

「三人になっちまったが足を引っ張られるよりはマシだな。」

「武器は没収されたが服の中までは調べなかったようだなぁ。食事も中を見ずに上から入れてくるから気づいてもいない。絶対殺す。」

「へっへっへっ。俺達衛兵を甘く見るとどうなるか思い知らせてやるぜ。」





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182

「関所の兵士が来たと門番から聞きましたが、当家に何か御用でしょうか?」

「執事殿か?関所で衛兵が問題を起こしまして。」

「そうでしたか。では衛兵を置いてお引き取りください。」

「そちらの衛兵はアルバート家の許可を得た通行許可証を奪おうとしたため、引き渡すことは出来ません。まず話すべきは責任問題についてです。」

「いえいえ、ペッティリア辺境伯家の衛兵は当家が身分を保証しているのです。関所の兵士如きが当家に言いがかりをつけるつもりで?」

「言いがかりではありません。雇用している以上は彼らの所業は辺境伯家の責任だと申しているだけです。」

 

「話になりませんね。そもそも衛兵が奪おうとした証拠はあるのですか?」

「その場に居た通行者が多数目撃しています。」

「ふん、平民の言葉など当てにできませんね。貴族の方からの証言でないと。」

「何を…平民も貴族も目撃者であることに変わりはありません。いくら執事といえどこれ以上の怠慢は王都へペッティリア辺境伯家の行いとして報告することになります。」

「ええ、出来るものならどうぞ?たかが一兵士と辺境伯家の筆頭執事。どちらの言葉を王都が信じると思っているのですか?」

「関所の兵士は王都から派遣されている。私は脚色無しに報告を上げるだけです。」

「だから。その報告を誰が信じるって言うんです?」

「…その言葉は派遣された兵士全体の侮辱と判断いたしますが、訂正はありますか?」

「訂正?私は真実を述べただけですが?辺境の関所に飛ばされるような底辺兵士が王都に訴えたところで当家の正当性は失われませんが?」

 

「わかりました。それでは後日王都からの通達をお待ちください。行きましょうハイハットさん。」

「あ、わかりやした。」

「ふん、メイド!塩を撒け!」

 

 

 

 

 

「お?…馬車が動き出したぞ。」

「どういうことだ、辺境伯家に着いたんじゃねぇのか?」

「まさか俺達を見捨てやがったのか!?」

「くそ……糞といえば便所壺に突っ込んだこいつどうすんだよ。」

「どうするも何も…俺は辺境伯家が蘇生させるもんだと思ってたんだが。」

「便所壺使えないどころか、下手したらこいつの蘇生が出来なくなっちまうぞ。」

「次の食事の時間に上の鉄扉が開くはずだ、その瞬間に声を張り上げれば気づくんじゃねぇか?」

「そうだな、だが…今までと同じような暴言だと思われて無視されたりしねぇか?」

「死人が出たって言えばさすがに無視はしないだろ。」

「よし、その手で行くぞ。いや、むしろそのタイミングを狙って兵士を馬車に閉じ込めちまおうぜ。」

「おい、それじゃこいつの蘇生が出来ないぞ。」

「俺達このままじゃ殺される。だったらこいつだけ死んでもらおうぜ。」

「……そうだな!そもそもこいつ兵士にびびってやがったしな。」

「こんな腰抜けたしかに要らねぇな。」

「「「よし、やるかぁ!」」」





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183

「今日はトラペッタで宿を取ります。西側に大きな宿があるようですのでそちらへ。」

「へい。ところでほんとにあんな喧嘩別れみたいな感じでよかったんですかい?」

「こちらの意向に従えないのであれば王都に報告するほかない。最悪の場合は辺境伯家は王家に叛意ありという採決になるだろうがな。」

「それはそれで過激すぎる気もするが…」

「この話は止めだ。ここでどうこう言ったところで何も変わらん。」

「へいへい。」

 

 

 

 

 

「あ、天窓が開いたぜ!」

「おおい!死人が出た!」

「蘇生させてくれー!」

 

「わかった、少し待っていろ。」

 

「…閉まった。わかったっつってたが。」

「いいか?扉が開いたら一気に連れ込んで俺達は外に出て鍵を閉めるぞ。」

「へへへ、わかってるって。」

 

 

「開かねぇな。」

「何やってんだ?」

「まさか、嘘ついたんじゃないだろうな。」

 

ギィィ

 

「おい、出てこい。中を改める。」

「まず兵士さんが見てくれよ。この惨状を。」

「それは無理だ。まずお前たちが出てこい。」

 

「(どうする、隊長。)」

「(決まってるだろ、こうなったら三人で兵士をボコすぞ。)」

「(おう。)」

 

「「「今出るぜ。」」」

 

 

「…(おい、聞いてねぇぞ。)」

「(なんでこんなに剣持った奴が警戒してんだよ。)」

 

「お前たちが暴れないように、念のためにその辺の傭兵を捕まえて警戒させている。変に動けば殺させてもらう。」

 

「「「…うす。」」」

 

 

 

 

 

「酷い状態だな。死んだ兵士は暴行の後に便所壺に頭から突っ込んだな?お前たちは本当に人間か?」

「はっ、そいつは俺達に逆らったんだ。当然の報いだ。」

「では、その逆らった内容について言ってもらおうか。」

「…………」

「どうした、だんまりか。そっちのお前は?」

「………」

「こいつもだんまりか。最後の一人、お前が言わなければ全員危険分子として殺す。」

「…兵士、お前を」

「馬鹿!言うな!」

 

「大方、私を襲撃して逃げ出そうとしたのだろう。つまりお前たちは王都の兵を殺そうとしたと。この事は辺境伯家の指示か?」

「!!そ、そうだ!辺境伯家からの指示だ!穏便に事を済ませないとお前なんぞ尻尾切りだぜ!」

「ば、馬鹿野郎。そんな事言ったら俺達が尻尾切りだ!」

「そうか、わかった。辺境伯家の命令で衛兵が兵士を襲おうとしたと。ハッキリ王家へ伝えておこう。傭兵達、彼らを見張っていてください。」

「おうとも、俺達はもらった金の分はしっかり働くぜ。」

 

「死者が出たというのはここですかな。」

「おお、神父殿。この馬車の中です。」

「…これは惨い。あとは我々教会の者にお任せください。」

「助かります。掃除夫も呼んでいるので蘇生のほうをお願いします。」

「はい。修道士君、そこの井戸の水をかけて洗ってさしあげなさい。」

「はい、神父様。」





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184

{マスター・ライアス}
トラペッタに居る魔法と薬の研究してる賢者の末裔


「兵士さん、大変だ!坊ちゃんが居ない!」

「何!?まさか、逃げたか!」

「それが、こんな書置きがあった。」

 

【執事がムカついたので潜入してきます。夕飯は適当に食べておくので明日南門前で待ってます。なんか面白そうな書類とかあったら持ち帰っておきます。】

 

「あの坊ちゃん、よりにもよって辺境伯の屋敷に忍び込みやがったんだ。」

「…これはチャンスかもしれない。ライゴは実力者だ、よほどのことがない限り逃げかえるだろう。そして執事と話していた時にライゴは姿を見せていない。我々と関係があるとは思われないはずだ。」

「で、でも。もしばれたりなんかしたら。」

「その時はその時だ。元々指名手配されているのだからな。」

「そう…だな。あんなんでもアローザ様が見極めた子供だからな。信じるか。」

 

 

 

 

 

「へへへ、なかなか面白い資料があるなぁ。トラペッタにしか生えない薬草、大樹の上に棲む極楽鳥の解剖データ。編纂者マスター・ライアスってことは恐らく真実なんだろうな。」

 

「む?資料室の扉が開いていますね。誰か居るのですか?」

(おっと失敗失敗。)

「…ふむ、誰も居ませんね。ここは立ち入り禁止のはずですが何故空いていたのでしょう。」

(行ったか。まさかドアの真上の天井に張り付いてるとは思うまい。このまま別の部屋も見て回るか。)

 

 

 

 

(物音も話し声もしないな。よし、入るか。)

「しつれぇ~い。」

「……うむ?誰か、来たのか?」

「おや、おじいさんが居た。ここはおじいさんの部屋ですかね?」

「あぁ、そうだ。君は?誰かの子供、かな?」

「あー、まぁ誰しも誰かしらの子供であることは確かです。」

「そうかそうか。哲学的な、子供だね。私は、ティンバレス・ペッティリア。辺境伯だ。」

 

「ああー、あなたが辺境伯。…もしかして起きれないんです?」

「そうだ、私はもう寿命が近くて、老衰というやつだ。起きることが、出来ないのさ。」

「へぇ、そうなんですか。ところで衛兵たちが悪さしてるのはご存知ですか?」

「なに、衛兵が悪さを…?二年前までは、そのようなことはなかった、というのに。」

「アルバート家が発行した通行許可証を関所で奪おうとしたり、責任を追及しに来た兵士に執事がその衛兵を引き渡して去るように言ったり、王都へ報告しても辺境伯家の権力で握りつぶせるって言ったり。」

「す、すまない。あんまり急に言われても、頭に入ってこないんだ。ゆっくり、言ってくれないか。」

「あぁ、はい。大丈夫ですよ。ゆっくり話しますからね。」





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185

「そうか、私がこうなる前は…衛兵達も出自が、はっきりした者たちだったのだが。」

「というと今の衛兵たちは昔の人たちと違うんですか?」

「ああ、そのようなことをすれば、出身の村に迷惑がかかると。そう言って励んでいたよ。」

「村ですか。そういえば筆頭執事とか言う人が平民は当てにできない。貴族じゃないと証言にはならないって兵士に豪語した後、辺境伯家の正当性は失われないって言ってたんですけど、そこまでの権限持たせてます?」

「…私にはもう息子も娘も居ない。数年前に妻と共に王都へ向かったが、野盗に襲われ遺体すら戻ることはなかった。見つかったのは馬車に残る夥しい血の跡と、椅子の中に隠されていた妻の髪飾りのみ。だから私に何かあった時に、あの者が指揮を執るようにしていた。」

 

「なんで魔物じゃなくて野盗だと思ったんですか?」

「あの者が調査したのだよ。それに馬車の戸は壊れていなかった。にもかかわらず馬車の中は血まみれだった。このあたりの魔物にはそのような事、できないのだよ。」

「でもおかしくないですか?野党だったら馬車ごと奪ったりするとおもうんですけど。」

「はは、おかしくはないさ。貴族の馬車は王都のとある工房が作る物だ。特徴的だからたとえ分解しても、見るものが見ればわかるのさ。」

「なるほど、だから馬車は…ん?その馬車の特徴って野盗になるような貧しい人でも知ってるんですか?」

「…わからない。ただ貴族であれば、親か使用人から教わる。」

「となると、野盗は貴族の馬車について詳しい人物と繋がりがあるってことになりますよ。もしかすると野盗じゃなくて暗殺者だったんじゃないですか?」

 

「な…!まさか、妻と子は狙われていぐっごほっごほっ!」

「おちついて、おちついて。あくまで例えばの話です。その馬車には護衛も居たんですよね?」

「あ、あ。もちろんだ。」

「その護衛の人たちは?」

「全員、その場に死体が……死体が。」

「死体、残ってたんですね?でも、馬車の中は血まみれで死体がなかった。」

「魔物に食わせるために、外に捨てたとしても、護衛の死体があるのはおかしい。何故、何故気付かなかったのだ。」

「あー、その。たぶん相当ショックで思考が停止してたんじゃないですかね。僕も母が亡くなったとき、そんな感じの状態になってましたよ。」

 

「姿を見られたから、口封じに遺体を捨て、それを魔物が食べたと思っていた。だが、それでは護衛の遺体が全員、あったのが不自然すぎる。」

「…個人的にはあの筆頭執事ってのが怪しいと思うんですけど、どうです?ちょっと彼に聞いてみません?自分透明化の魔法が使えるんでもしかしたらボロ出すと思うんですけど。」

「そうか、わかった。君には危険だとは思う。だが妻と子の真実を知れるかもしれない。どうかこの老いぼれの後始末、手伝ってしてほしい。」





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186

{バーガマッタ}
筆頭執事。


「バーガマッタ、来たか。」

「はい、どうなさいましたか辺境伯様。」

「儂の妻と息子たち、彼らの事だ。」

「ええ、ええ。あのことは私にとっても非常に嘆かわしい限りです。」

「…何故、野盗どもは馬車の中の遺体だけ持ち去ったのか。それについてお前の考えを、教えてほしい。」

「そうですね、私としましてはただの野盗ではなく大きな、そう山賊団のような者達に襲われたのではないかと。何せ見た目からして衛兵とわかる護衛が六人もついた馬車ですから。」

「そうだろう。だが、それなら何故妻たちを、攫っておきながら兵士は残したのか。」

「…私が思いまするに輸送車とでも思ったのではないでしょうか?それに奥方様たちは見た目からして金持ちでいらっしゃったので、生き返らせれば身代金になると。」

 

「そうか、だったらなぜ、馬車が残っていたのだろうな。」

「さ、さぁ。野盗の考えることは私にはわかりかねます。」

「バーガマッタ、お前の考えを聞きたい。」

「…………」

「バーガマッタ?」

「邪魔だから…捨てたのではないでしょうか。」

 

「邪魔、か。彼らは金目の物目当てで、襲ったのではなかったのか?当家の馬車が、無価値だと?」

「いえ!いえいえいえとんでもない!当家の馬車の木材から装飾まで全て値打ち物でございます!しかし、野盗にとって馬車を運ぶのは」

「馬車ごと、妻たちを運ぶのが自然だと儂は思う。」

「!!」

「そして、もし馬車なしに妻たちを運べたのであれば、当然衛兵も持って行って口封じなりするだろう。何故、運ぶ手段があるのに両方とも打ち捨てたのか。」

「………」

「私は思うのだよ。妻たちは襲撃されたのだ、ほかならぬお前によってな。バーガマッタ筆頭執事、次の領主が決まるまでの代役、お前にな。」

 

「なにをおっしゃいます!!いくら辺境伯といえど口が過ぎますぞ!なにより証拠はあるのですか!」

「言っただろう、思う、と。このような寝たきりの儂が、証拠を集められるとでも思うか。だが、その余裕の無さを見るに、図星をつかれたように見えるな。」

「くっ!馬鹿をおっしゃいなさるな!!死にかけ耄碌爺の分際で!」

 

バタン!

 

「…行ったか。頼みますよ、エライゴス君。」

「ええ、任せてくださいよ。あれだけ焦ってるならすぐにでもあなたを始末しようとするはず。あなたはもしかしたら死ぬかもしれませんけど、彼の地位は落としてやりますよ。運が良ければ、もっと腐敗を取り除いたりね。」

「頼む、私のためにも、どうか生きて帰ってきてくれ。」





エリゴス
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魔人エリゴスLv20 加護(秘匿) レムオル ステルス
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一閃突き
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187

「くそっ!くそっ!くそっ!!」

 

「やだ、バーガマッタ様今日は一層機嫌が悪いわ。」

「こっちも機嫌悪くなるわよね、ただでさえ人が減って仕事が増えたのに。」

「どうして領主様が寝たきりになったのに使用人を減らしたのかしら。」

「馴染みの衛兵さんも解雇されて新しく雇われたのは低賃金で身分だけ欲しい傭兵崩れだし、私たちの事も考えて欲しいわよね。」

 

「なんでだ!くそがぁ!」

 

「む、バーガマッタ殿。どうなさった。」

「どけぇ!!」

「ぐぅ!な、なにを。」

「くそっ!くそっ!」

「わ、儂何か悪いことしたかな。昨日出した書類かな…。」

 

「上手くいっていたのに!ああああ!!」

 

「今のバーガマッタ殿、かなり機嫌が悪かったですな。」

「うむ、よほどのことがあったに違いない。」

「内政官の削減を実行したのはたしかバーガマッタ殿…若手ばかり減って何故我々老人ばかりが激務にならねばならないのか。」

「しかり、しかり。内容は我らのほうが精密だろうが肉体労働要員は増やしてほしいものだ。」

 

 

(よっぽど不満に思われてるっぽいなぁ。でもどこまで行くんだ?この先は出口だけど。)

 

 

「あ、バーガマッタ様。外出でしょうか。」

「ああ、そうだ。それと衛兵どもをアジトに呼べ。予定が早まった。」

「へへへ、そうですか。承知しました。」

「いいか、一時間以内にだぞ。」

「へい。」

 

 

(いいのか?門番の代役も用意しないで。)

 

 

ドンドン!

「何の用だ。」

「うるさい、とっとと開けろ!」

「たしかに。」

 

 

(ふーん。ほーん。【モシャス】)

 

 

ドンドン!

「何の用だ。」

「うるさい、とっとと開けろ!」

「たしかに。」

「ご苦労。」

 

(はっはっは、関所で暴れた衛兵に化けたがやっぱり捕まったことはしらないらしいな。)

 

 

「む、エリオドンか。トラペッタへ戻っていたんだな。」

「ああ、関所にわざわざ並ぶのはほんと嫌になるぜ。俺達にも通行許可証を発行してくれねぇかなぁ。」

「俺達はただの傭兵崩れだったのを拾ってもらって身分まで保証してもらってんだ、これ以上融通してもらうのはまずいだろ。」

「だけどよぉ、他のやつらも言ってたぜ?何で俺達辺境を守ってやってるのにそこらへんの町民と同じ扱いなんだってよ。」

「それもそうだな、だがこの後招集があるのは知ってるだろ。あの計画についてだろうな。」

「おお、そりゃタイミングが良いぜ。それじゃ俺はあっちで飲んでるぜ。」

「おう、俺はまだ仕事だ。」

 

(よぉーし、うまく紛れ込めたぜ。どいつもこいつも名前はさっぱりわからないがわざわざ名前なんか言う機会ないだろ。こんなこともあろうかと酒のボトルにジュース入れた物を用意しといてよかったな。)





エリゴス
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一閃突き
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188

{メダパーニャ}
消費MP10
敵全員を混乱させる。

{かまいたち}
消費MP0
格闘技術で生み出すかまいたちにMPは要らないのだ。

{正拳突き}
消費MP2
魔力を込めた正拳突きはMPが必要なのだ。


「全員集まったか、これより館の財産全部持ってとんずらするぞ。」

『おおおおお!!待ってました!!!』

 

(まじか。だからあんななりふり構わずに出てきたのか。)

 

「俺はあの領主が憎い!憎くて憎くてたまらない!ようやく今日この時が最後の復讐だ!やつの家族を奪い、信頼を奪い、そして財産を奪う!」

『金!!金!!金!!カネェェェ!!』

「討ち入りは一時間後だ!!それまでに用意しろ!準備をケチってヘマをやらかすようなやつがいればその場で首をはねろ!俺達の足を引っ張られるわけにはいかない!」

『アイッアイサァァァ!!』

 

(士気が高いし人数も多い、これじゃまともな衛兵がいない館はダメだろうな。)

 

「おい、エリオドン。黙って難しい顔してどうした。」

「あ?あぁ。そんなうまく行くか悩んでな。」

「ははは!お前に悩むほどの脳みそあったとはな!館を守るやつはいない、傭兵も危険を冒してまで止めるやつはいない!何も悩む必要はないぜ。」

 

「む、そういえば関所で衛兵が捕まったらしい。誰か覚えがあるやつはいるか。」

 

「関所?直近で関所を通るやつっていえば…」

「ああ、エリオドンの組くらいだが。」

「エリオドンは居るよな。」

「なぁエリオドン、何か知ってるか?…それに他のやつらはどうした?」

 

「あぁ、そうだな。他のやつらは【ラリホーマ】【メダパーニャ】【マヌーサ】」

「ぐ!?…うぅ。」

「あああ!!女!女ぁぁ!」

「ひいい!バケモノォ!お前もバケモノォ!」

「ぐぅ…ぐぅ…バケモノォ…女…バケモノ女…ぐぅ…」

「あひっ!あひっ!領主覚悟!!」

 

「一件落着!!…ぐっ!?」

「へへへ、油断したなエリオドンの偽物さんよ。」

「なんでお前は効いていない。」

「決まってるだろ、状態異常の対策だけは人一倍、いや万倍気を付けてるだけだ。俺が衛兵のボスであるバナゴーンだ。お前も姿を現せや。」

「剣を思いきり刺されたら仕方ないな。これが俺の真の姿だ!」

 

「…ガキじゃねぇか。なんだテメェ。」

「…ふんっ!【ベホイミ】…ん?傷が残るな。【ベホマ】」

「マジで何だテメェ!教会の回し者か!」

「俺はエライゴスだ。義によって領主に助太刀しているだけだ。」

「ふざけやがって、俺はレベル20だ。そこらの傭兵なんぞ目じゃねぇぞ。」

「奇遇だなぁ!俺もレベル20だ!【スカラ】!」

「……あぁ?テメェがレベル20?テメェみたいなガキがか。ふざけてんじゃねぇぞ。死ねぇぇ!【かまいたち】!」

「んん!?うぐ、初めて見る特技だなぁ。」

「な、俺のかまいたちを受けて平気な顔してやがる!?」

 

「あと3回俺が耐えたら大人しく投降しろ?」

「ぐく!?舐めやがって!!スゥゥゥゥ…【正拳突き】!」

「ぐっ、効くなぁ。でもかまいたちほどじゃない。」

「嘘だろ…」

「もう他に無いか?無いなら諦めたほうが良いぞ。ほら、さっきの剣つかうか?それ。」

「くっ。おらぁぁぁ!」

 

パキィン

 

「あと1回だぞ。そらどうする。」

「【かまいたち】!【かまいたち】!【かまいたち】!!」

「【ベホマ】【ザキ】」

「カヒュ…きかねぇ!!」

「そういえば状態異常対策万全だっけか。じゃあ【一閃突き】」

 

ズリュ

 

「…ん?急所に入ったか?死んだな?ラッキー。後は…」

 

「ひへへへへ!!領主が死んだ!死んだ!ひへへへ!!」

 

「これとあれもってくか。運んでる間に正気に戻るだろう…というかいっそ町のやつらに見せといたほうが良いかもしれねぇな。」





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189

今日めっちゃ素晴らしい夢を見たんだけどさぁ…目が覚めた後だとあまりに素晴らしすぎて逆に鬱が酷くなりますね。


「こっちが館の襲撃未遂、こっちが賛同した衛兵のボス。」

「…まさか館を襲撃しよう、とまでしていたとはな。」

 

「はひひひひ!!はひっ!!」

 

「エライゴス君、彼を話せる状態に、できるかね。」

「ええ、もちろん。よっ、よっ。」

 

パァン!パァン!

 

「へぶっ!へぶっ!」

 

パァン!パァン!

 

「へぶっ!へぶっ!うひひひ!!」

 

「…叩けば治るかと思ったんです。でも治りませんね。【ベホイミ】」

「何をどうすれば、こんなことになるのだね。」

「たぶん、混乱と幻惑に罹ってるんだと思うんですけど。…まぁ、放っておきましょう。ところで衛兵たちがまだトラペッタ西側のアジトで昏睡錯乱してるんですけどどうしましょうか。」

「たしか、君の同伴者に兵士が、居るのだろう。であればその者の、ほうが適切な判断を下すと思う。聞いてきてほしい。」

「はい。じゃあこの二人は両手両足縛って転がしておきましょうね。……よしっと。衛兵のボスのほうも【ザオリク】」

 

「…ぐ!?ここは!?」

「ここは儂の部屋だ。」

「……領主様。ということはもう我々は制圧されたのですね。」

「ああ、たしか…衛兵隊長のバナゴーンだったか。彼がここに戻るまで、私の話し相手をしてもらおう。」

「…畏まりました。」

 

 

 

 

「ただいまー。」

「ライゴさん!大丈夫でしたか?」

「ああ、ジョン。色々あってな、衛兵についてはあとは捕まえるだけだ。」

「捕まえるだけ?その、本当に何があったんですか。」

「とりあえずセイラさんに指示を仰ぐよ。彼女は兵士だから詳しそうだし。」

「あとで教えてくださいね!」

 

「セイラさん、戻りました。」

「ライゴ君…一応私は指名手配犯である君の監視もしているんだがね。」

「まぁまぁ。それで衛兵なんですけど、全員館の襲撃未遂で無力化しています。領主の許可もあるのでこれから捕縛に行こうと思うんですけど。人数が多すぎてどうしたものやらって感じで。」

「待て、待て待て。衛兵が館の襲撃未遂?それを無力化?辺境伯様に許可?何がこの数時間で起こったんだ。」

「いやね、筆頭執事を探してたら辺境伯のティンバレス様の部屋でね。色々話をした結果ティンバレス様の妻子を暗殺したのが筆頭執事じゃないかってなって、ティンバレス様に演技してもらったら焦って衛兵集めて襲撃するって言いだしたから制圧しました。」

 

「……はぁぁぁ。わかった。場所はどこだ。」

「この西区にある酒場の一つ。具体的に言えば西門の横だね。」

「そうか。わかった。今から捕縛に向かうぞ。あいにく人員はそろっている。」

「ん?何かあったんですか?」

「ああ、馬車で護送していた衛兵が問題を起こしてな。傭兵を集めて監視させている。彼らに追加報酬でも払えば快く捕縛を手伝うはずだ。」

「おお、グッドタイミング。それじゃさっそく行きましょうか。日が暮れる前に終えちゃいたいですし。」

 





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190

たぶん雨のせいなんですけどとても気分がダウンなのでしばらく更新ないです。
原因がわかりました、肉を最近食べてないからでした。
おそらく8月には気分が上がるはずです。

睡眠障害なぅ。
この状態で書いても寝ぼけた文章になって後々ダメそうなのでまた延期。
気長に待って。

ツイッターで大ショックな内容を見たため辛いです。



「これで全員だな。」

「ふぅー、にしても威張り散らしてた衛兵どもを縛れるなんて気分いいな。」

「へへへ、悔しいか?おらっ。」

「ふへへへぇぇぇ。金ぇぇぇ。」

「はっ、にしてもよほど幸福な夢でも見てるんだな。」

「まったくだ、俺達も出来ることなら大金手に入れて田舎に戻りたいぜ。」

 

「兵士さん、騒動で死んでいたのが15人、未だに眠っているのが20人、錯乱していたのを制圧したのが4人、まだ現実を見れてないのが20人だ。」

「ふむ、衛兵隊長を含めると60人か。衛兵全員を集めたと言っていたが街に居る衛兵だけか。」

「ということは?」

「ああ、追加依頼だ。この町に居ない衛兵を捕えてくれ。」

「へっへっへ!金は奮発してもらえるんでしょうね!」

「もちろんだ。辺境伯襲撃などということを実行しようとした組織だ。末端も腐っているだろう。彼らが逃げ延びて野盗にでもなられては困る。」

「聞いたか!こいつらを護送する組と他の衛兵を捕まえる組に分かれるぞ!」

「俺達は捕まえに行くぜ。追加で金が出るなら狙う。」

「僕らは護送しようかな。護送にも金は出るんだろう?」

「もちろん。万全を期するためにも金は惜しまない。」

 

「でもよぉ、ただの兵士にそこまでの権限あるのか?王都についてハイサヨナラじゃ無駄足だぜ?」

「問題ない、今回のような事態に備えて金が支払われる制度がある。」

「へへ、制度があるなら安心だな?もし払われなかったらどうする?」

「その時は私の財産から出そう。関所の兵士は金の使い道が無いからそこそこ貯まっている。」

「そりゃそうだな、報酬は期待させてもらうぜ。」

 

 

 

 

 

「ただいまー。」

「おお、エライゴス君。」

「あ?…お前がエライゴスだったのか?」

「あれ、名前知ってる…あぁ、衛兵隊長だもんねぇ。」

「ポルトリンクからの伝書鳩で知っている。なんでも矢を跳ね返したそうだな。だから俺の拳もかまいたちも」

「いや、跳ね返したのは呪文だ。お前の拳は確かにスカラで耐えたがかまいたちは特に何もしてない。」

「…へこむな。」

 

「それで、衛兵達はどうなった。」

「全員傭兵達によって捕縛されましたよ。ただ町の外に居る衛兵はまだらしいね。」

「そうか、それでも安心だ。館で働く者や、町の者達に被害が、出なかっただけでも。」

「ところでバーガマッタさんは今どうしてます?見当たりませんけど。」

「…私のベッドの下に、潜って眠っている。」

「…まぁ、起きればさすがに錯乱は治ってるでしょう。引きずりだして起こしますね。」





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191

シリアスがどういうのかわからなかったからとりあえず悲惨な生い立ちにしておきました。


「…はぁ、我々の襲撃計画はあなたに止められた。そういうことですか。」

「そうそう。覚えてない?」

「私はたしかにあの酒場で士気を挙げるために演説をしていた、だが君が居たような記憶がない。君のような少年が紛れ込んでいればわかるはずだ。」

「いーや、覚えてるはずだぞ?エリオドンって言えばわかるか?」

「……そうですか。あの時注目されていたゴロツキはあなたが変身していたのですね?」

「なんか落ち着いてない?関所の兵士や働いている人たちには傲慢じゃなかった?」

 

「もはや私の命もこれまで、そういう諦めがついたのですよ。辺境伯、あんたが言ったように私があんたの妻子を殺すように仕向けた。かつての衛兵達を解雇しあいつらを雇ったのもその時の縁だ。何故こんなことをしたかわかるか。」

「…心当たり、だらけさ。貴族なんぞ、やってるとな。」

「そうか、知らないか。だがマーガレットという女を知っているだろう。」

「…ああ、覚えている。かつて私と、愛しあった女…まさか!」

「私はマーガレットの子だ。あんたに捨てられみじめに死んでいった事をあんたは知らないだろうな。」

 

「みじめに、だと。私は、彼女に、毎月金を…」

「…そうか。だがな、そんなものは届かなかった。届いたのは徴税書だ。ただでさえあんたの妻に醜聞を撒かれ仕事を探すのにも苦労した母は病死した。あんたに助けを求めてもあの女が断った。死んだ母の墓の前で私は決めたんだ、何が何でもお前から全てを奪うと。」

「…………バーガマッタ、お前が来たのは、20年ほど前だったか。その時には…。」

「そうだ、私は母の死から死に物狂いで勉強をした。元宮廷使用人であった老婆に大金を貢ぎ知識や動作を教わった。すべては憎き辺境伯家に入り込むために。あの女は私を一切しらないようだった。あんたが政務に励んでいる間、私はあの女は常に使用人を通してあんたとやり取りしていることを知った。政略結婚で嫁いできた侯爵令嬢だったんだってな。元々好きだったかはわからないが私が入ったころには既に疎遠だった。」

 

「そうだな、私はキャサリンを、愛してはいなかった。だが、息子と娘、ミディアートと、ティベリンの事は、愛していた。」

「そうか、私は嫌いだったよ。何度も馬車から偶然見かけた平民の地位を使用人を使って貶めていたキャサリン様、使用人を同じ人と思わぬミディ様、毎夜男娼を呼んでいたティベ様。」

「え、な、……そんな。まさか、子供達が…。」

「知らなかったのですか。ミディ様は新人の使用人を乗馬鞭で叩き、手下としていた。ティベ様は使用人を通して色町の男娼と毎夜お楽しみで昼には起きていませんでした。だが一番私が気に食わないのは、私の母を捨てみじめに死なせ、そんな好き放題をさせているあんただ、辺境伯様。」





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192

「たしかに、私は領内の事、ばかりで、自分の周りが、見えていなかった、ようだな…。」

「この20年、私はあんたに復讐することばかりを考え行動していた。筆頭執事になってからはあんたの名声が落ちるように行動してきた。ゴロツキどもに地位を持たせ、衛兵達を退職させた。その結果多くが出身の村へと戻りトラペッタの治安は悪化した。」

「…だろうな。そのことは、エライゴス君から、聞いた。」

 

「館で働く者達、特に若い衆を解雇した。仕事が減ったことを疑問に思わなかったか?働く者が減ったから領主まで届く書類が減って、領内の問題は増え続けた。」

「……私は、彼らの、思いやりだと。」

 

「そして4年前、あんたの妻子を殺すように仕向けた。あんたは茫然と牽引されてきた馬車を眺めていたな。涙は流さなかったな。」

「………あまりにも、現実感が、なかった。未だに、館のどこかで、彼女らが、居る気がする。」

 

「料理人が泣いてたぞ?何を作っても残すってな。私は料理には何もしていなかったのに。」

「…………味が、しないんだ。あの日から、ずっと。」

 

「そして今日、衛兵が関所で問題を起こして兵士が来た。焦っているところにあんたからの確信めいた質問だ。最後に纏めておいたこの館の財産をもって逃げるために衛兵を集めたところで、エライゴス君だったか?この子供に一網打尽にされた。」

「この館の、財産…金か?調度品か?まさか…」

「そのまさかだ、全てだよ。金も、家宝も、とある一室に保管してある。調度品も略奪すればより良いだろう。」

 

「家宝だけは、触れてはならん。絶対に。」

「…ほう?よほど触られたくないようだな、残念だがもう縄は外した、最後に死ぬ前にあの家宝を壊させてもらうぞ!」

「まて!ごほっごほっ…」

 

「えーと、追いかけたほうが良いですかね?」

「た、のむ。絶対に、どうか、バーガマッタを、助け……」

「…あれ?おーい。………息はある。気絶しちゃったのか。」

 

 

 

 

「宝物庫、金で埋め尽くされた最高の部屋だ。この宝玉を割ってしまえば辺境伯家の醜聞、だっ!!」

 

パリィィン

 

「はははは、割ってやったぞ。これで…な、なんだ?宝玉の破片から黒い煙が…」

 

『私を解放したのはお前か?』

 

「なんだ、まさか魔物か?笑いものだな!かの辺境伯家の家宝が魔物だったとは!」

 

『どうやらお前のようだな、ちょうどいい。ありがたく頂戴するとしよう。』

 

「な、来るな!離れろ!ひ、ひえええええ!!」

 

 

 

 

 

「えーと、ここか。宝物庫…ってうわ、金まみれ。おーいバーガマッタさん。その様子だともう家宝壊したんでしょ。満足したならさっさと戻りますよ。」

 

『……バーガマッタ?それはこの体のことか。我が名はアカ・マナフ。偉大なる神のギミックが一柱。お前からはあのお方の加護を感じる。すなわちお前と戦う事こそ我が存在意義!!』





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193

{デスニャーゴ}
少年ヤンガスに出てくるボス。プリズニャンの色違いで巨大。


「ちょっと待った、アカ・マナフ?もしかして体を乗っ取ってるとか?」

『いかにも、この者が我を封印から解いた。故に体を頂いた。』

「……【みやぶる】」

 

{バーガマッタ 盗賊 悪神憑依}

 

「ほんとに乗っ取ってるな。何が目的だ。」

『目的などお前が知っている通りだ。我とお前は戦う宿命にあるのだ。』

「何もわからないから聞いてるんだけど!」

『なに、我の前にパルミドの悪神と戦ったはずだが、まさか覚えがないのか。』

「無い!そもそも悪神とか初めて見るんだけど。」

 

『…よかろう。我々悪神は加護を持つ者と戦うことが定められている。パルミドの悪神の反応が途絶えたからお前が倒したのかと思ったが…違うようだな。』

「そもそも加護って何さ。」

『加護とは神の祝福、お前を常に観察するための力。お前に祝福を授けた者はこの世界の天使の一人だろう。』

「…つまり誰かがそんな厄介な物をひっつけたと?」

『いかにも、祝福にはその者の潜在能力を引き出す作用もある。お前にとっても悪い物ではないぞ。』

「それなら…まぁ、困らないかも。それで、どうすればバーガマッタさんの体を返してもらえますかね。」

 

『返す?ハハハ、面白い事を言う。何故わざわざ手に入れた体を返さねばならない。』

「そりゃ…その。困るからだけども。どうしてもダメかな。」

 

『ふん、ならば我が出す試練を乗り越えよ。』

「さすがに戦えなんて言わないですよね?」

『戦うとも。それこそが我の存在意義だからな。』

「じゃあ試練ってなんなのさ。バーガマッタさんの体はどうでもいいとして、そんな威圧飛ばしまくってる悪神なんていかにもなやつと戦いたくないんだけど。」

『ならば、我の配下を用意する。それを倒せたのであれば今は見逃してやろう。』

 

(配下ってことはさすがにこれよりは怖くないだろう。)

「わかった。でもここでは足場が悪すぎるから、この屋敷の庭で戦いたいんだけど。」

『良いだろう。庭に配下を置いておこう。行くがよい。』

「どっか行かないですよね?」

『ふん、そうだな…何か暇つぶしになるような物でもあればな?』

「………これなんてどうです?」

『ふむ?……ほう、書物か。もう数冊置いていけ。』

 

 

 

 

 

「ひえぇぇ!!魔物!!」

「グルルルル…」

「こ、こっち来るなぁ!誰か、誰かぁぁ!!」

「グルルル…ぺろぺろ」

「ひいいい!!」

「グルルル…グルルル…ニャオオォォォン!!」

「ひえええええ!!」

 

「あれが配下か。庭師の人にまたがってるけど襲う気はなさそうだな。【みやぶる】」

 

{無名 デスニャーゴ・悪}

 

「…色合いはプリズニャンだけど、見た目が完全にサーベルタイガーじゃねーか。これもドラクエに出てたか?」

「グル?ニャオオオオオン!!」





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194

意欲もアイデアも湧かない私ですまない。


「ぼ、坊主!来るな!ここは儂がぁ!」

「ニャ?グルルルル…」

「く、この!この!」

「グルルル…♪」

 

(ダメだ、まるで効いてない。このままじゃ敵意が無くてもじゃれつかれてしまう。…そうだ。)

 

「【ジゴフラッシュ】!」

「ギニャァァ!?」

 

「おじいさん!今のうちにこっちへ!」

「ほえ、わ、わかった!今の光はなんだったんじゃ!」

「魔法です!ちょうどおじいさんが背を向けていたので強烈な光を出す魔法を使いました。」

 

「ギニャァ!!【にゃおおぉぉおおぉぉおおぉぉおおぉぉん】」

「う…」

「おじいさん!?……心臓が動いていない、まさかザキ系の特技か!?【ザオリク】!」

 

「うぅ…わ、儂は、死んでいた?ひ、ひいいぃぃ!!」

 

「…まぁ逃げてくれたなら御の字。念のために初めて使うが…【リザオラル】!…ん?【リザオラル】!……くそっ!これも使えない!」

「ギニャァァァ!!」

「うっ!?ぐわぁぁぁ!!離せぇぇぇ!痛い、振り回すな!」

「ギュルル、ガブ、ガブ!」

「う、ぐぅ、なんかないか…【スカラ】…ぐうう、【ベホイミ】」

「ガブガブガブガブ!!!」

 

 

 

 

「ぼ、坊主…ひいいい!!く、食われてる!!このバケモノォォ!!」

「ギャン!?」

「あいたっ、な、なにが?」

「坊主!今すぐ離れろ!」

「さっきとは逆か、ありがとうおじいさん!」

「これを持て、魔物対策のカラシ玉じゃ。」

「なるほど、ありがたく。それじゃ今度はこっちから行くぞ!【メラゾーマ】!」

 

「ギニャァァァ!?ギャルルル!!」

 

「ひぃ!衛兵はこんな時に何をしてるんじゃ!」

「衛兵?衛兵なら今頃しょっぴかれてる頃ですよ。【スカラ】、ふん!!」

「ギャルルルル!!ガブ!!」

「へっ、食いついたな?おらぁ!カラシ玉を直接鼻先に当てやったぎゃあああ!」

「ギャオオオオン!!!」

 

「坊主、その、大丈夫なのか?」

「カラシの粉が顔面にぃぃぃ!!」

「そっちじゃない!なんでそんなバケモノに噛みつかれて無傷なんだ!ま、まさかお前もバケモノか!!」

「ちがわい!!それより中和する何かないか!?」

「……牛乳じゃ。それをどうにかするには牛乳じゃないとどうにもできない。」

「くそっ、牛乳なんか持ってない!水で洗い流すぞ!」トポポポポ

「ま、待て!!水は!!」

 

「ひぎゃああああぁぁ!?」

 

「水は余計に悪化するんじゃ!」

「毛穴がいたいぃぃ!!お前もくらえ【ザバ】!」

 

「ギャオオオオン!?ギャン!ギャンギャオオン!!」

 

「い、今牛乳を持ってくる!それまでそのバケモノをなんとかしてくれ!」

「なんとかって!くそっ、なんで痛覚に耐性がないんだよぉ!!」

 

「ギャルルオオオン!!」どったんばったん





エリゴス
王子
9625G
魔人エリゴスLv20 加護(秘匿) 
HP235/270
MP372/500
ちから185
すばやさ190
たいりょく130
かしこさ180
▼とくぎ
一閃突き
れっぱ斬り
鑑定
みやぶる
ブレスクラッシュ
盗む
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
〇特殊魔法


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195

そういうことです。


「ふぅー…ふぅー…動かなければまだ耐えられる…耐えられるけどこっちに来るなぁぁ!」

「ギャグルルルギャフウウウン!!」どったんばったん

 

 

 

「な、なんじゃこれは、トラペッタ名物の庭園が…」

「ひぃ、魔物がおるぞ。ガード!ガード!!」

 

 

「いけねぇ、人が来ちまった!」

「ギャル!?ギャグワァァァァ!!」

「「ひ、ひいい!来るなぁぁぁ!」」

 

「【ボミエ】!【マヒャド】!」

「ギャオオオン!!ギャグワァァン!!」

 

「足が凍っている間に急いで逃げろ!長くは持たない!」

「た、助かるぞ少年!」

「大魔法使い!魔導士!賢者!」

「いいから早く!【マヒャド】!【マヒャド】!…くそ、覆ってもすぐにひび割れる。なんかないか、なんかないか!」

 

ピキッパキッパリン

 

「ギニャァァァ!!【にゃおおぉぉお」

「しまった、さっきのザキ系のやつが…そうだ、うおおお!!近づくたびにピシピシ言ってる!耐性があるのすごくよかった!その口閉じやがれ【ブレスクラッシュ】!!」

 

「ブグゴォ!?ゴボッ!」

 

「はぁ…はぁ…心臓がしびしびするぜ、あんまり浴び続けると俺でも死にそうだ。しかしこれどうなってるんだ?……なるほど、常に顎を痙攣させてるな?これはブレスどころじゃないな。」

 

 

「おぉい!!生きてるか!!」

「おう!ちょうどいいところに。ザキ系の特技は封じたぜ!」

「そら、牛乳だ、被れ!!」

 

ザパァン

 

「ああああ!!やっと激痛から解放された!!毒より毒だぜホント。」

「う、後ろ!!」

「ん?ぬわぁ!!…あ?」

 

「グルルル…べろんべろん」

 

「なんだ、急に大人しくなったぞ。」

「まさか腹が減っているのか?…よし、待っておれ、良いものを持っている。」

 

「出来た、ほれ、飲め。儂特製のブレンドじゃ。」

「グルルル♪」

 

 

「おじいさん、アレは?」

「除草剤じゃ。植物系の魔物にも効くほどの劇物、これであのバケモノもコロリじゃろ。」

 

 

 

 

「ゼヒュー…ゼヒュー…」

「よし、バケモノはもう動けまい。坊主、トドメを刺してくれ。」

「あ、あぁ。うん、まぁ毒物も立派な戦法だ。恨むなよ。」

 

 

「ふぅぅ…それにしても、どうしておじいさんは魔物のそばに?」

「わからぬ、突然その緑色のバケモノが居たんじゃよ。……ところで、この辺りで猫を見かけなかったか?ミーコ!おーい、もうバケモノは倒したぞぉ!」

「ミーコちゃん、なるほど。見かけたら持ってきますね。」

「うむ、頼んだ。きっとあのバケモノに怯えて逃げてしまったんじゃ。ミーコは儂の唯一の家族、ミーコが居なくなってしまっては儂は…」

 





エリゴス
王子
9625G
魔人エリゴスLv21 加護(秘匿) 
HP184/282
MP328/510
ちから194
すばやさ200
たいりょく136
かしこさ185
▼とくぎ
一閃突き
れっぱ斬り
鑑定
みやぶる
ブレスクラッシュ
盗む
▼解放済みまほう
〇回復魔法
〇攻撃魔法
〇補助魔法
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196

dig部の配信聞いてたら書かねばという意欲が出た。
毎週金曜日の20時にすべらきさんのチャンネルで配信されているdig部をよかったら見てみて。

オチが思いついたので明日の夜書く。PS.急に決まった採血検尿で病院に行かねばなのでがんばる。


『戻ったか。よくぞ我が配下を倒した。よかろう、この者はお前たちに戻してやろう。』

「そうか、よかった。それにしても悪神の配下っていうもんだから悪魔か何かかと思ったがまさか動物なんて思わなかった。」

『ふん、我の力を受けし者は全て我の配下である。偶然近場に猫が居たから本来の姿に戻してやったまでよ。』

「え、近場に猫……え?」

『お前は知らないかもしれないが、本来この大陸は猫の魔獣が闊歩する地であった。今でこそ間抜けな見た目に堕とされた存在だが我ほどの力をもってすれば本来の姿に戻すことは容易。いわば先祖返りを無理やり起こしたようなものだ。』

 

「…そうか。お前、本当に悪神だな。飼い猫ってわかってて配下にしたな?」

『ふん、たかが猫であろう。であれば何を気にする必要がある?』

「そうだよな、悪神なんて名乗るくらいだ。気になんてしないだろうな。」

『わかったならば良い。これ以上用事が無いようであれば我はこのまま来る日まで眠りにつくぞ。』

「あの猫を生き返らせることはできるか?」

『何故だ?お前が殺したのだぞ?自分で殺しておいて生き返らせろとは贅沢なやつだ。』

 

「だったら、人間以外を蘇生する方法を教えてくれ。今までも何度か試したが無理だった。何が人間と他とでは違うんだ。」

『何が違うか?決まっているだろう。そういうように今の神が決めたからだ。我は悪神とはいえ今の神の配下である。上司の決定に逆らうようなことをすると思うか?』

「だったら、方法はないのか?」

『あるとも。しかし、たとえ生き返らせてもアレは既に戻すことはできないぞ?我がしたのはあるべき姿に戻した事だからな。』

「…じゃあ無理だな。あの庭師のじいさんには何も言わないでおこう。」

『ふん、最初からそうしておけばよかったのだ。無駄な会話をさせるな。』

 

「…気配が一瞬で消え去った。バーガマッタさん?バーガマッタさん?」

「う、うぅ…覚えている。私はアカ・マナフとかいうやつに乗っ取られていたようだな。」

「記憶あるんですね。だったら話は早い。……えーと。なんだっけ?」

「…行かなくてはいけない。」

「あ、ちょっと。どこへ行くんですか。」

「領主の部屋だ。話さなくてはいけないことが出来た。やつはお前を待っている間に私に真相を伝えてくれた。領主が全て悪いんじゃない、母が…母のせいで、全員の運命が狂ったんだ。」

「どういうことなんですか。あぁちょっと置いていかないでくださいよ。」





エリゴス
王子
9625G
魔人エリゴスLv21 加護(秘匿) 
HP184/282
MP328/510
ちから194
すばやさ200
たいりょく136
かしこさ185
▼とくぎ
一閃突き
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197

寝る前に急に書かねばってなって書いてます。
続き書いたら連続で描き続けるんじゃないかと思われることに対しての不安なんて今の私にはない!無敵!
1か月半も書かないで済まない!!20人も最終話にしおり挟んでくれてるのに本当に申し訳ない!!

そして今回もややこしくてすまない!!
もっと簡素な「実は遺品が呪いの根源」と考えてたけどやっぱこうするよ!


「領主様!まだ生きていますか!!」

「もどって、きたか。バーガマッタ。」

「私は宝物庫の宝玉に触れた。あなたはアレが何か知っていますか!」

「…そうか。家宝に、触っては、いけないと、言っただろう。」

「知っていたんですね、あの宝玉に悪神が封じ込められていたことを。」

「…なに、悪神、何のことだ。アレは、この地の、邪教徒が、残した、呪いの塊、のはずだ。」

「そう、たしかにその通りだ。その呪いが中心になって悪神を構成したことも、その悪神が一人の不注意な者を配下にしたことも、あなたはやはり知らなかった……ハッハッハッハッ!!」

 

「早いって、何が起きたんです?バーガマッタさん。」

「あぁ、エライゴス君…私を戻してくれてありがとう。このままでは死んでも死にきれない。」

「なんで高笑いしていたんですか。」

「それはね、これまで辺境伯家のせいだと思っていたことが、あの悪神のせいだと、母のせいだと気づいたのだよ。」

「母?あなたの母って死んだんじゃ?それで復讐を決意したって…」

「…そういえばあなたも居ましたね。いいでしょう、教えますよ。」

 

 

ミディ様を傲慢な性格に捻じ曲げ

ティベ様に尽きない色欲を植え付け

婦人は怠惰により疎遠になり

婦人を襲った野盗に理性的に考えることができないほどの強欲を与え

昔からの老いた働き手に嫉妬を宿らせ若手を追い出させ

私に復讐の憤怒を常に送り込んでいる者

 

 

「それは、辺境伯に捨てられ館を出る前に家宝をたたき割ろうとした我が母、俺に憑りついた悪霊だ!」

「……【みやぶる】」

 

{バーガマッタ 盗賊 悪霊憑依}

 

「さてはそれ、悪神の一部と合体とかしちゃった?」(さっきの件)

「ああ、そうだ。母は家宝に触れ悪心の手下になった。」(30年前の件)

 

 

そして私を育てた。

母は仕事が見つからなかったんじゃない

最初から見つける気なんてなかった。

 

その時間は全て呪毒の作成に使っていた。

最初から母の体は捨てるつもりだったんだ。

母が死ぬ直前抜け出した魂は蘇生魔法を拒絶し留まり続け

葬儀が終わった後に体を回収しに来たんだ。

呪毒の容器である母の体を。

 

そして墓前で嘆く私に母は憑依した。

復讐心を感じたと思ったのは気のせいだ。

本当は母が思考を操っていたんだ。

 

必死に勉強をした?いいや、母は自分の知能を流すだけで済んだ。

元宮廷使用人であった老婆に大金を貢いだ?

そんな金がどこにある。そんな都合のいい人間はどこにいる。

じゃあ私が何をしていたか。私は母の体を材料に悪霊を強化し続けた。

 

いずれ私は大人になった。

母が私を操るまでもなく既に私は辺境伯家を憎悪していた。

私が『仕事』に励むと母はうまく行くように補佐した。

周りの人間を操ることで。

もちろん全てを完璧にこなす私はすぐに筆頭執事へと上り詰めた。

夫人、その子供、どちらも母が操った野盗によって死んだ。

少しでも辺境伯を追い詰めるために色んな事をした。

 

 

「あと少し、そんな時に君が来たんだ。もはや取り返しなんてつかない。しかしどうか。母を倒してくれないか。倒した後は私のことは好きにしていい。そんなことを言うとでも思ったか?残念だが死んでもらうぞ。」

「…今途中で乗っ取って悪役っぽくしたでしょ。」

「…?お前、どうしてワタシに敵意を持つ。何故警戒する。」

「え、何かしたのか。」

「…ふん、催眠が効かないのであれば仕方がない、この肉体は捨てることにする。」

「!!」

カァン!

 

「…せめてナイフで捨てさせてもらえないか?坊や。」

「いぃーや?バーガマッタさんにはあんたを倒した後は好きにしろって言われてるんだ。ちょうどいいからこの政務ずたぼろの領地を継いでもらうよ。」

「あっそう。でも坊やにはワタシをこいつから追い出すなんてできないだろう?どうするんだい?」

「ははは、どうしよう。………待てよ?お前たしか自分でも離れられるんだよな。だったらそのまま抜けろや。」

「そんなことをしたらこの肉体が死なないじゃない。これが死んでこそワタシはあのお方の真の配下になれるのよぉ!

 

「あー、くそ!結局憑りつかれたバーガマッタさんをどうにかすることになるのかよ!」





エリゴス
王子
9625G
魔人エリゴスLv21 加護(秘匿) 
HP184/282
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