永遠の巫女の魂を持つ赤龍帝 (レオナ)
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旧校舎のディアボロス
1話


僕の名前は兵藤一誠。親や友人からはイッセーと呼ばれている。声の方に向くと……

 

「おはよう。松田、元浜」

 

今、僕に挨拶をしてきたのは松田と元浜。中学の時からの友人。

 

「「おはよう。イッセー!」」

 

そう言って2人は僕の背中を叩いた。

 

「痛っ!何をするの松田、元浜」

 

「イッセーはいいよな、女子に人気で」

 

「それに一緒に行きたい人の上位にも入っているぞ」

 

元浜が言っているのは間違いじゃないけど、クラスの女子にも行きたいって言われたこともあった。

 

「イヤイヤ元浜。それは関係ないよ」

 

「だったら回り女子達を見たらどうだ!」

 

教室の回りを見ると……

 

「兵藤君だ」

 

「兵藤君が私を見ている」

 

「癒される。このクラスの清涼材だわ」

 

何故か?クラスの女子を見てると幸せそうな顔になっている。

 

「ちょっと!松田、元浜!兵藤君を一人占めにしないでよ!」

 

「そうだ!そうだ!」

 

クラスの女子達は松田と元浜に言葉の集中砲火を喰わせた。

 

「イッセーだ俺たちの友達だ」

 

「違うよ、このクラスの癒しのマスコットなのよ!」

 

「そうだ!そうだ!」

 

いつも松田と元浜と一緒に時に限って言わせるよな?

何あれこれが僕の日常。

 

 

 

 

放課後。

 

 

 

「今日の授業が終わったから修行でもするか」

 

 

 

『相棒。その前に家に帰るのが先だ』

 

僕の頭に声を語りかけたのはドライグ。

その昔にセイグリット・ギアに魂を封印された二天竜の一角。

 

 

「あ、あの、兵藤一誠君ですね?」

 

僕に声をかけたのは駒王学園と別の制服を着た少女だ。

 

 

「うんそうだけど、君は?」

 

「私は天野夕麻です」

 

なんか(かっとビングだ俺!)で有名な某先生と同じな名前だな。←漢字は違うけど……

 

「少し、お話をしませんか?」

 

「わかった、公園に行こう」

 

2人は公園へと向かった。

 

 

 

「イッセー君って好きな人はいるの?」

 

「ううん………いない」

 

「いないか。なら、私にもチャンスが……」

 

「チャンスがどうしたの?」

 

「イッセー君!あなたの事が「まだ人間1人を始末してないかおまえは」ドーナシーク様!?」

 

夕麻ちゃんの言葉に第三者によってさい切った。

僕の目の前に現れたのは、コートを着こなせて、黒い翼を広げた中年の男性。

 

「おまえにはこの人間を始末出来ないから私自ら手を下すことになった」

 

夕麻の言葉もきりなるけど、まずは夕麻ちゃんの上司のドーナシークをなんとかしないと思っていたら、僕の目の前に紅の光が現れる。

 

 

「この魔方陣はグレモリーか……撤退するぞレイナーレ」

 

「イッセー。騙してごめんなさい」

 

「私の縄張りで何をしているのかしら?」

 

「先輩始めまして2年の兵藤一誠です」

 

「兵藤君ね、何があったのか話したいけど。今日は遅いから、明日放課後に私の使いを出すからまってちょうだい」

 

今日は色々あったな……堕天使が現れたり、グレモリー先輩が魔方陣から現れたりして大変になりそう。

 



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2話

「えーと兵藤君は入るのか?」

 

僕に声をかけたのは木場祐人、僕と同じ学年で学園一のイケメンだけど何故か彼女はいない。

 

「どうしたの木場?僕のクラスまで来るなんて、珍しいね」

 

「昨日の部長の使いで来たよ」

 

「うん。分かった、一緒に行こう」

 

僕は木場と一緒に教室から出ていた。

 

それにしても……木場が来るだけでクラスの女子の黄色声援が上がるなんて、木場すごいな。

 

僕が木場と話しているうちに、学園の校舎の裏手にある誰も使用されていない旧校舎についた。

 

「ねえ。木場、ここって旧校舎だよね」

 

「そうだよ。僕たちの部室も旧校舎にあるよ、」

 

 

「部長。兵藤一誠君を連れてきました」

 

「入ってきてちょうだい」

 

中に入るとそこには魔方陣や謎の文字が床や天井に散らばっている。

 

他にはソファーやディスクがあり、そこには背丈が小学生と同じ位の女子生徒で学園一のマスコットの塔城小猫がいる。

 

「……どうもです」

 

塔城は僕に頭を下げたので僕も頭を下げた。

 

「それにしても木場。オカルト研究部に入部しているなんて知らなかったよ」

 

「事情が事情だからね。これからは一緒になるからよろしくね」

 

爽やかスマイルを振りまくる木場。出来ればそのスマイルを女子に振り向けばいいに、学園では木場が主人公で僕がヒロインのBL作品の本が出わまっている噂があるらしい。

 

もう1つのソファーには黒髪のポニーテールで大和撫子が似合いそうで二大お嬢様の1人、姫島朱乃先輩。

 

「あらあら。この子がリアスが言っていた兵藤一誠君ね、私は、姫島朱乃ですわ、どうぞお見知り置きを」

 

「兵藤一誠です。こちらこそよろしくお願いします」

 

最後にスカーレットの色のような紅の髪で透き通る白い肌。並みの人間を越えた(ふつく)しさを持つのは二大お嬢様の1人、リアス・グレモリー先輩。

 

「ようこそ。兵藤一誠君、オカルト研究部は貴方を歓迎するわ」

 

「僕は兵藤一誠です。よろしくお願いします」

 

「昨夜、貴方が堕天使に狙われている理由は知っているのかしら?」

 

「理由を言う前にグレモリー先輩が来たので分かりません」

 

「貴方に宿っている神器(セイグリット・ギア)の可能性があるから魔方陣を使って来たわ」

 

「やはりドライグが言ったとおりですね」

 

「ドライグ?」

 

「見てもらってほうが早いですね。」

 

そう言って僕は左手に赤龍帝の龍手(ブースデット・ギア)を出した。

 

「これは……赤龍帝の籠手(ブースデット・ギア)!貴方が赤龍帝なの?」

 

「先輩の言うとおりです」

 

「貴方は私の眷属になってくれないかしら?」

 

「眷属にですか?」

 

僕が訪ねと、グレモリー先輩はスカートのポケットから赤いチェスの駒を出した。

 

「そうよ!この悪魔の駒(イーヴィルピース)で悪魔に転生が可能よ、私の下僕としてね」

 

「あの先輩、メリットとデメリットは?」

 

グレモリー先輩の説明で分かったことがある。悪魔に転生したら寿命が人間よりも100倍以上延びる代わりに出産率が極端に低くて、夜になると五感が鋭くなるけど日光や聖水と聖書と十字架(ロザリオ)等の神に祝福された物が弱点になる。

後、神社や教会に行くだけで頭痛になるらしい。

 

 

「説明は終わりだけど……話しを聞いてどうかしら」

 

「先輩の説明を聞いて僕は先輩の眷属になります」

 

「分かったわ」

 

グレモリー先輩は僕に向けて、悪魔の駒(イーヴィルピース)を差し出す。

 

「我リアス・グレモリー名によって命じる。悪魔にするために汝、兵藤一誠よ。我ともに行きよ」

 

そして僕の体に……えっ?何も起きていないだと?

 

「あのグレモリー先輩。僕は転生ができたんですか!?」

 

「まさか兵士(ポーン)を全て使っても転生ができないなんて貴方はかなりの実力の持ち主ね」

 

先輩は飽きれ気味に言っている。

僕が兵士の駒を手にしてみると、当然に光が輝きだした。

 

悪魔の駒(イーヴィルピース)の形が若干変わっている」

 

悪魔の駒の上の形が陰陽の形に変わっている。

 

「先輩。今なら転生ができるかもしれません」

 

「やってみるわ」

 

再びグレモリー先輩が転生の儀式を行う。

すると、8つのポーンの駒が全て光だして僕の胸の中に入っていた。

 

「貴方、悪魔の翼出せる?」

 

「やってみます」

 

背中に翼を出すイメージをするようにしようとするけど……

 

「先輩どうしましょう翼が出せません」

 

「どうなっているのかしら?朱乃、イッセーを調べてくれるかしら?」

 

「部長、分かりましたわ。一誠君少しじっとしてくださいね」

 

そう言って姫島先輩は僕に不思議な光をかけて何かを調べた。

 

「部長、一誠君が悪魔の翼が出なかった原因が分かりましたわ」

 

「どういうことかしら?」

 

「一誠君は悪魔に近い人間です」

 

悪魔に近い人間?もしかすると半人半悪魔かな?

 

「イッセー……貴方は私の眷属になっているけど、悪魔化にならないのは初めてだわ。お兄様に後で報告が必要ね。」

 

って言って、グレモリー先輩たちは背中に翼を出した。

 

「改まって自己紹介ね♪私はリアス・グレモリー。駒は(キング)よ」

 

「姫島朱乃。駒は女王(クィーン)ですわ」

 

「僕は木場祐斗。駒は騎士(ナイト)やっているよ」

 

「塔城小猫です。駒は戦車(ルーク)です」

 

「兵藤一誠です。先程も言いましたが赤龍帝をやっています。分かならいことをありますがよろしくお願いします」

 

そうして僕はグレモリー先輩の眷属としてオカルト研究部に入部することになった。



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3話

それにしても僕が悪魔に近い人間に転生出来たのは変異の駒(ミューテーション・ピース)のおかげらしい。ドライグいわく『相棒の霊力が悪魔の駒に反応して変異の駒になった』って言ってた。後、悪魔?になっても私生活が変わらなかった。そう言えば僕は今、チラシを配りをしている。深夜にポストに簡易魔方陣を描かれた紙をいれる作業。これも割りと体力作りになる。

 

「これで終わりと」

 

今夜のチラシの分は配り終えて、部室に帰った。

 

 

 

 

イッセーが悪魔?から転生になってから1週間後。

 

「イッセー。貴方には契約を取ってもらわらいとね。本来は使い魔の仕事だけどイッセーには悪魔の仕事を慣れるためにチラシ配りをやってもらったのよ」

 

そーなのかー。結構いいトレーニングだったのに……。

 

「小猫の依頼があるけど、彼女は別の依頼に行ってもらっているから行ってもらえないのかしら?」

 

「分かりました。部長」

 

「イッセー。魔方陣の中央に立って、手のひらをこっちにかざしてちょうだい」

 

僕が手を差し出すと、部長は魔方陣で僕の手に描きこんだ。

 

「これは転移用の魔方陣を使って移動者の元に転移出来るの。朱乃が準備してくれたからすぐにも転移ができるわ」

 

転移を含めて魔法は便利だな。

 

「イッセー頑張りなさい」

 

僕は光に包まれた、光が止むとそこには呆れた状態になっているオカルト研究部のメンバーがいた。

 

「むきゅ!?何で?」

 

「イッセー貴方は転移が出来ていないのよ」

 

「僕はこのまま走って行くしかないですね」

 

「分かっているなら、依頼人のもとに行かないとだめよ」

 

「行って来ます」

 

 

 

 

しばらくしてイッセーは依頼主の家に到着していた。

 

「こんばんは、悪魔のグレモリー様の使いです」

 

「誰?って一誠君じゃないか?」

 

「も、森沢さん!?」

 

初の依頼人がまさかの森沢さんだった。

森沢さんと知り合ったのが、松田と元浜ともう1人の子と一緒にコミケで出会った。

 

「まさか悪魔になっていたんだ。それにしても魔力が足りなく転移が出来ずに、ここまで走って来れくれたのか」

 

「僕はかっこよく魔方陣から出て来たのに……」

 

僕とたわいな話しをしていると……

 

「今日は小猫ちゃんにこれを着てもらおうと思っていたのに」

 

って言って、森沢さんはクローゼットから中二病の魔法少女の衣装と某お嬢様学校の制服を持ってきた。

 

「キミって前から思っていたけど、可愛い顔立ちをしているからこの衣装が似合いそう」

 

森沢さんは某お嬢様学校の制服を僕に渡した。

 

「分かりました。着替えて来ます」

 

別の部屋で僕は着替えた。

 

「森沢さん。着替えた終わりました」

 

「やはり、似合っているよ。それに……」

 

そう言って森沢さんは僕の足を見ていた。

 

「相変わらず足とか細くて綺麗」

 

「嬉しくないです!!」

 

「男がスカートを履いているのに、違和感がないなんて不思議だ」

 

「いや、僕は男です!!」

 

「そんなことはないよ……それに今の君は全く男に見えないよ」

 

確かに森沢さんが言っているのは正しい。過去にコミケで僕だけ女装のコスプレをしてたら、多くの人が僕に向けて写真を撮っていたこともあった。

 

「見ているだけじゃ持った無いから、写真を撮ってもらうよ」

そう言って森沢さんはカメラで僕を撮った。

今回の依頼は僕を女装のコスプレ撮影会になったおかげで、森沢さんとの契約が出来た。

 

翌日の夜。

また連絡主に合うとそこには依頼主なんと猫耳を付け。魔法少女のコスプレをした漢の娘だった。

 

「あ、あの、依頼主さんですよね。依頼の要件」

 

「ミルたんと一緒に弾幕ごっこをして欲しいにょ」

 

弾幕ごっこは簡単に言うと、幻想郷の中で人間や妖怪や神様が対等に戦えるようにした遊び。スペルカードや弾幕で美しさを決める。

 

「あの、ミルたん。幻想郷を知っていますか?」

 

「もちろん知っているにょ。前に裂け目の両端にリボンが結ばれたところから行ったことがあるにょ」

 

ミルたんが幻想郷に行ったことがあるんだ。まあ、幻想入りの原因のひとつがスキマ妖怪の八雲紫さんによって連れてこられる事が多い。

 

「分かりました。ここでは他の人にも当たる可能性があるので、人があんまりいない場所に行きましょう」

 

「分かったにょ」

 

僕とミルたんさんは弾幕ごっこをするために人気が無い裏山に移動をした。

 

「スペルカードの使用回数は1枚でどうですか?」

 

「分かったにょ。始めるにょ」

 

そして僕たちは弾幕ごっこをするのであった。

 

 

 

 

 

「行くにょ。魔符<ミルキー・スター>!!」

 

ミルたんは魔方陣を展開し、星の弾を放つ。

 

『すごいな、ミルたんは。でも……』

 

「龍符<赤き龍の思い>!!」

 

赤色の札の形状した弾を放ち、お互いの弾幕を相殺するのであった。

 

「相撃ちにょ。悪魔さんは強いにょ」

 

弾幕ごっこが終わった後、2人供新たなスペルカードの作成をしていた。

ミルたんに指名をしたお陰で契約を結ぶことができ、対価は一冊の魔道書だった。

後にその魔道書の作者がパチュリー・ノーレッジだったのはこの時にはまだ知らなかった。

 

 



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4話

ミルたんの依頼から次の日

 

「それにしても、ミルたんも異変解決をしてとは」

 

昨日の事だけど弾幕ごっこの後、話しをしてくれた。

 

『ミルたん実は博麗の巫女と一緒に異変解決を手伝ったにょ』

 

『ミルたんも異変解決を手伝ったの?』

 

『悪魔さんもにょ?』

 

『僕は空が赤い霧で覆われた異変。通常、紅霧異変。ミルたんは?』

 

『ミルたんは月が偽物と入れ替わった異変にょ。』

 

話をしているうちにスペルカードを複数作っていて、終わったのが深夜過ぎまでやっていた。

 

「はう」

 

僕の胸に何かがぶつかる音がした。少し下を向けるとそこには綺麗な金髪で緑色の瞳の少女がいた。

 

「大丈夫ですか?」

 

「はい。この辺りに教会の場所はありますか?」

 

「教会の場所を知っているから案内するよ」

 

「ありかどうございます!実は…私。日本語が上手く話せなくて、道を訪ねることが出来なかったです。あなたに出会ったことが主のお導きのお陰です」

 

そう言って彼女は十字を切った。何故か見ても拒否反応が起きなった。僕は本当に悪魔になったのかな?

 

「一緒に行こ」

 

「はい。案内よろしくお願いします」

 

僕たちは教会に行くのであった。

 

 

 

 

 

 

しばらくして2人は町外れの教会についていた。

 

「ねえ、本当にここで良かったの?」

 

僕が指を指したのは古びた教会だったのでシスターに質問した。

 

「はい、ここで間違いありません」

 

「良かった。僕はこれで」

 

「待って下さい。お礼をしたいのですが……」

 

別れを告げてこの場から去ろうとした僕にシスターから呼び止まれる。

 

「ごめんなさい。僕用事があるから…今度ね」

 

「そうですか、残念です。せめてお名前だけでも」

 

お礼をしてくれるのはうれしいけど、僕は悪魔になっているから難しい。

 

「僕は兵藤一誠。イッセーって呼んでね」

 

「私はアーシア・アルジェントと申します。アーシアと呼んで下さい。」

 

「じゃあ、アーシア。また会おうね」

 

「イッセーさん。また会いましょう」

 

僕はアーシアに手を振って別れを告げる。

 

アーシアを見れいるとまるであの子のことを思い出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

「二度と教会に近づいちゃダメよ」

 

その日夜。アーシアを教会に送ったことがばれていて注意されている。

 

「イッセー。教会いうのは神聖な者が集まる場所なの。もし私たちのような悪魔が立ち入ればどうなると思う?」

 

「光の槍に刺されるですか?」

 

「そうよ。前にも言ったけど悪魔とっては光は猛毒なのよ。掠ってしまるだけでも致命傷になりえるだから…貴方は悪魔ではないけど、刃物に貫いたら最悪の場合死ぬことあるのよ」

 

部長は心配そうな表情で怒っている、本当に眷属を大切にしてくれているな。

 

「部長。……すみませんでした」

 

「分かってくれればいいの。今度から気付けちょうだい」

 

部長がお説教が終わった時、朱乃がタイミングを見計らっていたのかすぐに話しかけた。

 

「お説教終わりましたか?」

 

「朱乃、どうしたの?」

 

「討伐の依頼が大公から届きました」

 

 

 

 

はぐれ悪魔。眷族である悪魔が主に裏切ったり殺害した悪魔である。はぐれ悪魔は非常に凶悪で犠牲者を出さない為に見つけ次第、討伐することらしい。

僕たちは今、廃墟にいる。

 

「血の臭い」

 

「イッセー。いい機会だから貴方にも悪魔としての戦いを経験しなさい」

 

「僕も戦うですか?」

 

「イッセーの実力を知りたいけど、今日は見学をしてもらうわ。ついでに駒の性質を教えるわ」

 

悪魔の駒(イービル・ピース)

悪魔はその昔、天使や堕天使と三つ巴の争いで純粋な悪魔の同胞が失って数減した。さらに出産率の低さに相まって悪魔は悪魔の駒(イービル・ピース)を作ることで少数精鋭の精度にした。ちらみにこの制度が出来たのはこの数百年前のことらしい。

 

「不味そうな臭いがするぞ?旨そうな匂いがするぞ?とくに……」

 

はぐれ悪魔は僕のほうを見て。

 

「そこの少年から旨そうな匂いがするぞ?甘いかな?苦いかな?ケケケケ」

 

何か寒気した。

 

「はぐれ悪魔バイザー!主から逃げ己の欲求を満たす為に好き勝手に暴れ回すのは万死を値するわ。グレモリーの名において、貴女を消し飛ばしてあげるわ」

 

「こざかしい!小娘が生意気な!!」

 

「祐人!」

 

「はい!」

 

近くにいた木場が部長の命を受けて飛び出す。

 

「これからイッセーには駒の特性をレクチャーをするわね。まず祐人の駒は『騎士』。騎士になった者は素早い動きが特長。祐人の最大の武器は剣」

 

木場は腰当ていた剣を抜き放つ。ブン屋の鴉天狗並みのスピードでバイザーの両腕を切り裂いた。

 

「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」

 

切断された両腕から鮮血しバイザーは木霊した。

 

「これが祐人の力。一般の人間には捉えきえない程の速さと達人級の剣さばきを持つことで最速の騎士になれるのよ。次は小猫の駒は…」

 

バイザーは小猫に踏み潰そうとするが、小猫は軽く受け止めて押し飛ばした。

 

「小猫の駒は『戦車』シンプル。バカげたパワーと強靭な防御力。あの程度の悪魔なら小猫は潰されないわ」

 

「……吹っ飛べ」

 

小猫ちゃんその巨体を持ってハンマー投げのように投げ飛ばした。ワイルドだな。

 

「最後に朱乃ね」

 

「分かりました、部長」

 

朱乃さんは雷雲を生み出し、バイザーに向けて雷を落とす。

 

「あらあら。まだ、元気みたいですわね。」

 

「朱乃の駒は『王女』。騎士と戦車と僧侶の特性を持つ。雷を使うから雷の巫女で呼ばれているの。後、ドS」

 

今の朱乃さんは少し怖い。既に再起不能の状態なのにダメ押しにまた雷を落としているよ。

 

「安心して味方には優しいから。でも、イッセーには別の意味で心配したほうがいいわ」

 

別の意味って何ですか?部長。

 

「あらあら。部長の分は残していますわ」

 

朱乃さんが雷撃を終えるとリアス部長がバイザーに手をかざす。

 

「最後に言うことは?」

 

「殺せ」

 

「そう。消し飛びなさい」

 

部長は掌から巨大なドス黒い魔法が放たれ、バイザーの身体に包み込むとバイザーは消滅した。

 

「皆、ご苦労様」

 

「兵士の特性はプロモーションですか?」

 

「そうよ。兵士は私が認めた敵地に足を踏み込んだとき王以外の駒を昇格することができるの」

 

なるほどプロモーションは僕の戦闘スタイルに合っているな。

 

「プロモーションは実戦でやってもらったほうが早いから、次の戦闘ではイッセーも参加してもらうわ。よろしくね」

 

こうして僕たちははぐれ悪魔の討伐と駒の説明が終わり、部室へと戻るのであった。

 



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5話

次の日の夜。いつものように依頼者の家まで着いた。

 

「ええと、ここかな?」

 

インターホンを押そうとするとギィと開いていた。

 

『相棒、念のため俺を出しておけ』

 

「分かった」

 

『Boost!』

 

僕はドライグの指示で赤龍帝の籠手を出して家に入った。

 

「こんばんは、グレモリーの使いです。誰がいませんか?」

 

誰も返事が無く何故か人の気配も無い。暫く詮索している内に薄暗い部屋から血まみれの男性がいた。

 

「大丈夫ですか!?」

 

血まみれの男性の容態を見る限り出血量が多い。止血をしないと命が危ない。

 

『相棒!スペルカードだ!』

 

その手があった。

 

「回復<博麗の加護>!!」

 

スペルカードを唱えると赤い光が放ち、傷口にあてる。すると、傷口が綺麗さっはり無くなった。

 

「誰ですか~!?悪魔に頼ろとした人間を回復した奴は!?」

 

後ろから声が聞こえたので、後ろを振り向くとそこには白髪の神父服を着た男がいた。

 

「僕だ!!」

 

「ほう~、悪魔君がやったのか~お仕置きが必要じゃあ~りませんか!フリード・ヒルゼンが可愛い顔の悪魔君の胸に剣を突き刺し、このイカれた銃で撃つ。最初は痛いが、すぐに泣くほど気持ちよくなるぜ!!」

 

何気に僕が一番気にしている言っているよ。この顔立ちのせいで何度も女装することなった。

 

「可愛いのは余計だ!」

 

『Boost!』

 

そのイラっとする顔面に殴った。

 

「痛っ!俺を殴るとは……可愛い顔して容赦ないぜ」

 

「お前がこの人を痛め付けたのか?」

 

「ん~ザッツライト。悪魔に魅了された人間は屑ですよ!俺に断罪すべきだ」

 

それだけの理由だけでここまでするなんてビドい奴だ。

 

「悪魔祓い特性の祓魔銃だぜ!バキュン!」

 

フリードは僕に向けて悪魔祓いの祓魔銃の引き金を引きながら言う。

 

「ほう!これをかわしますか悪魔くぅん」

 

「だったら、静かに戦ったらどうなの?」

 

戦い難いな…剣を避けたら銃弾が飛んで来て、銃弾を剣で斬りこんで来る。しかもフリードは戦い慣れているから僕の攻撃がなかなか出来ない。

 

「止めてください!」

 

何処からか聞いたことがある女性の声がした。

 

「……アーシア!?」

 

「おや?助手のアーシアちゃん。結界を張り終わったから離れなさい」

 

「わっ 、分かりました!えっ、イッセーさん!?」

 

「おやおやアーシャちゃん。この悪魔くぅんと知り合いかな?もしかしてシスターと悪魔の禁断の恋中になっちゃだめですぜ」

 

「イッセーさんが……悪魔?」

 

「アーシア。ごめん……」

 

その言葉にアーシャが驚愕した。アーシアは僕がこんな所にいるなんて知らかっただろう。僕も出来れば普通の男子高校生として出会いたかった。

 

「アーシアちゃんも俺と同じで堕天使のご加護なしには生きてはいけないですぜ!」

 

アーシアが…堕天使と関係している。でも、何で堕天使の加護を受けている2人が上級悪魔の管理をしているこの場所にいるのかな?僕の疑問も関係なくフリードは言う。

 

「俺はこの悪魔君を斬り、その可愛い顔を涙目にしないと気がすまないぜ!」

 

「フリード神父止めてください」

 

アーシアが僕の前に立ち、僕を庇うように両腕を広げてフリードをじっと見た。

 

「何しているのキミ?」

 

何でアーシア。僕を庇うの?

 

「私は悪魔を魅了された人間を裁いたり悪魔を殺すのは間違っています!それに悪魔だっていい人はいます!」

 

「いねーよ!悪魔を殺すのは教会から教えられているだろうが!」

 

「私も教会に教えられていましたが、イッセーさんと出会ってから悪魔でもいい人もいるのを知りました」

 

「堕天使の命令でアーシアちゃんを殺せないから、お仕置きをするぜ」

 

アーシアはフリードの言葉を否定した。その時、フリードはアーシャに剣で斬りつけようしたが、僕はそれを霊力で纏った手で止めた。

 

「な、何!この光で出来た剣に触れているだと!悪魔は触れただけでも、激痛が走るはずですけど」

 

「僕正確には悪魔じゃないから……あんたの弾や剣も効き難いかもね」

 

「可愛い顔以外を斬りさいて行くぜ!」

 

フリードが僕に斬りこもうとした時に突然、僕とフリードの間に紅の魔方陣が表れ、そこから眷属の皆が現れた。

 

「助けに来たよ」

 

「まるでヒロインを助ける主人公かな?いいねいいね最高のシチュエーションだね!」

 

フリードがおちょくるように言う。こう言うのは学校の腐女子だけでいいのに。

 

「神父とは思えない汚い言葉だ。吐き気がする」

 

木場も否定の言葉をいってよ。

 

「悪魔が生意気なことを言う」

 

フリードがふざけながら言う。

 

「イッセー、貴方の目の前の娘の正体は分かっているよね」

 

「悪魔とシスターは関わったからいけないですね」

 

部長の言いたい事は分かるけど、教会の時と今回の事も僕が勝手にしたから責任を果たさないと……。

 

「部長!複数の堕天使の気配がここに近いていますわ」

 

朱乃さんから部長に報告し、部長は転移用の魔方陣を出現する。

 

「イッセー!あとで話を聞くから今は魔方陣に来てちょうだい!」

 

「だった、アーシアも…」

 

「この魔方陣は私の眷族しか転移出来ないの。だからこの娘は無理なのよ。それに彼女は堕天使に関与している者。だったら尚更よ」

 

「せめて僕だけでも…」

 

例え、僕だけでも堕天使と戦うつもりだ!

すると、その時だった。

 

「イッセー。私は大丈夫です…行ってください」

 

アーシアは微笑んで言った。だけと頬には涙が流れていて、僕の背中を押した。

 

「イッセーさん。また会いましょう!」

 

「アーシア。また会おうね!」

 

その言葉が最後に、僕たちはそのまま駒王学園の部室に転移されていた。



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6話

数日後。

今は放課後、僕は昨日の事で悩んでいる。

部室に戻り、部長から『あのシスターからは諦めなさい。残念だけど教会関係の人間と悪魔は交わることはないのよ。堕天使との戦いで私の可愛い眷属を失いたくないわ……分かってちょうだいイッセー……』って部長が言っていた。

確かに部長言いたいことも分かる最悪、悪魔と堕天使の争いが起きる可能性もある。でも、アーシアを放っといたら嫌な予感がする。

 

「あれはもしかして……」

 

ふっと見上げると目の前にベールを被ったシスター服の少女がいた。

 

「イッセーさん!」

 

そこにいたのはアーシアだった。

僕はアーシアに駆け寄った。

 

「アーシア、無事だったんだ……本当によかった」

 

「はい!私は大丈夫です」

 

でも本当によかった。アーシアが悪魔と繋がって、堕天使に拘束されていないかと心配していた。

何より元気が一番だね。

 

「アーシアどうしたらの?顔が真っ赤だけど」

 

「恥ずかしいですけど、お腹が空きました」

 

アーシアが顔を真っ赤になって言った。

 

僕はアーシアと一緒に近くのホットドッグ屋に行ってホットドッグと飲み物を買った。

 

「イッセーさんいいですか?奢ってもらって」

 

「いいの、僕がやりたりからやっているからね」

 

「では、主の感謝をこめていただきます」

 

そう言ってアーシアはホットドッグを食べた。

 

「もぐもぐ……」

 

アーシアはいい食べっぷりだな……なんか見ているだけで癒されるな。

アーシアから聞いた話ではお休みをもらったのはいいけど財布を忘れて昨夜から食べて無かったらしい。まるで家事専門のアンドロイドの女の子みたいね。

 

「ごちそうさまでした」

 

「お粗末様です。そう言えばアーシア」

 

何でアーシアは堕天使の所にいたのだろう。それがきになり僕はアーシアに質問をする。

 

「イッセーさん何でしょうか?」

 

「前々から気になったけど、シスターの君が堕天使と一緒にいるの?答えなれなくてもいいよ」

 

「いいえ、イッセーさんには私の過去を聞いて下さい」

 

アーシアは欧州の教会に住んでいた。8歳の頃、教会に迷いこみ。怪我した子犬を発見し、アーシアは自分の神器の力で子犬の怪我を治癒した。その現場を教会の関係者に見られ、アーシアを人を癒す聖女と祀られていた。

だか、アーシアはそれを望んでいなかった。本当は友達が欲しかったのだ。だけど神器を持っていたために周りの人とは距離を置かれたため友と呼べる者かいなかった。

ある日の頃、傷を負って倒れた悪魔を助けた。神器は種族関係なく影響するため神聖ではない。悪魔でも癒すことが出来るため、アーシアを魔女と呼び教会から追放されていた。それから極東の日本にはぐれ悪魔祓いを組織に入り、堕天使の加護を受けるしかなかった。

 

「私の信仰心が足りないから神様から与えられた試練です。これを乗り越えたら私の夢、友達だって……」

 

「それは違うよアーシア」

 

「イッセーさん?」

 

「アーシアは十分耐えて来たよ。それに僕は君のこと友達だよ」

 

「友達……ですか?」

 

「出会ってからあんまり時間はたってないけど、僕たちはお互いの気持ちを伝えることが出来るのね。僕たちはもう、友達よアーシア」

 

「レイナーレさんの言った通り、イッセーさんは優しいですね」

 

「レイナーレを知っているの?」

 

「はい。レイナーレさんだけは優しく接してくれました」

 

アーシアの表情が少しだけ明るくなった。それにしてもレイナーレはわざわざ偽名を使って僕に接触したのかな?

 

「イッセーさんもレイナーレさんの事知っていますか?」

 

「まぁ……少しだけ」

 

僕が言いかけた時だった。

 

「アーシア!見つけた。心配していたのよ!イッセー君も一緒なの?」

 

公園の噴水の方から声が聞こえた。振り替えるとレイナーレがいた。

 

「レイナーレ!?どうして君が!?」

 

「私はアーシアがいなくなったから探していたの」

 

「イッセーにお礼を言いたかったです。レイナーレさんには無理にお願いして来ました」

 

「僕に?何もしてないよ」

 

すると、アーシアは僕に答えた。

 

「いいえ、イッセーは私に優しくしてくれました。教会に案内の時とフリード神父から守っていた時に助けてもらいました」

 

「アーシア、僕は好きでしただけよ。それにアーシアとレイナーレはもう友達だね」

 

「私とレイナーレさんが?」

 

「うん。ここまで来て、心配してくれているのは友達の証拠よ」

 

僕が思っていたことをアーシアに伝えた。

 

「イッセー君の言うとおりよ、アーシア。私たちは友達よ」

 

「すみません……。私は友達ができたのが嬉しいです」

 

僕たちはお互い別の種族だけど理解し友達になろうとした時だった。

 

「友達か下らんな。堕天使が他の種類とつるんでレイナーレ」

 

「ド、ドーナシーク……」

 

「ほう。レイナーレよ、私を呼び捨てにいて生意気になったな。それに……」

 

ドーナシークはレイナーレに睨みながら言い、僕の方に見る。

 

「この前の神器使いの人間か。いや、オーラでは悪魔に近いが悪魔ではないか。そんなことより貴様、アーシア・アルデェントとレイナーレをこちらに渡してもらう」

 

「断るって言ったら?それに此処は悪魔の領地って知っているのかな?」

 

「我々の堕天使の一部しか知らない。貴様を始末すれば問題ないが我々も時間が惜しい。無論、この者を連れてな」

 

ドーナシークが言うと、アーシアとレイナーレの足元から魔方陣が現れて、アーシアとレイナーレが光となってその場から消えていた。

 

「転移魔法!?」

 

「我々の計画にはこの2人が必要。いざという時、2人に強制転移のマーキングを仕掛けておいて正解だった」

 

「止めろぉぉ!!」

 

霊力に纏った御札を投げるが、僅かの差で転移が早くドーナシークには当たらなかった。ドーナシークが転移を終わると気配まで消えていた。

 

「ドライグ!僕は行くよ」

 

『相棒、無茶だけはするなよ』

 

2人を助けるため僕は、教会へと向かって行くのであった。あっ、これがばれたら部長から説教かもね。



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7話

僕は今、アーシアとレイナーレが連れ去れている教会に着いた。

ドライグがレイナーレの気配を知っていたため、ここに来ることが出来た。どうやら僕よりも先に教会に着いている者があるようだ。

 

「木場に小猫ちゃん、何で此処に来たの?」

 

「リアス部長の命令でね。堕天使との関係が掴めたから討伐に来たんだよ」

 

「この教会は敵の敷地と認め、部長がイッセー先輩の昇格の許可をもらいました」

 

あちゃ、部長にはばれていたのか~部長すいません。

 

「よし、開けるよ」

 

扉を開くと銀髪の男、フリードがいた。

 

「おやおや、イッセー君じゃあ~りませんか。前回の続きを始めよぜ!」

 

銃口をこちらに向けるが……

 

「えい」

 

「はぁっ!!」

 

小猫ちゃんが近くに合った長い椅子を投げ、僕は御札を放った。

 

「この光の剣で綺麗に真っ二つよ」

 

フリードは剣を降って長い椅子を真っ二つに斬った。

そのまま、御札を避けながら木場に近く剣を振るう。木場は魔剣で防ぐ。

 

「すごい剣さばきね、これならどう?喰え!」

 

木場の魔剣から闇を包み込んでフリードの光の剣が侵食している。

 

「アァァァレェェェ!?光の剣の刀身が消えた?」

 

「僕の光喰剣(ホーリー・イレイザー)は光りを喰うことが出来る魔剣さ」

 

「テメーも神器持ちか、もしかして俺っちピンチ?イッセー君に教えてやるよ。祭壇の儀式が行われてるから、早く下に行かないとアーシアちゃんや堕天使の姉ちゃんの命が危ないぜ!今度あったらどちらが倒れるまで戦おう。ばいちゃ」

 

その言葉を残し、フリードは閃光弾を叩きつけてこの場を去った。

 

 

 

 

 

 

 

僕たちは、教会の地下の通路にたどり着いた。通路の奥に扉があった。その間に六回分の倍加を貯めることが出来た。

 

「ここで間違いがないね」

 

「そうだね。中から堕天使の気配がある」

 

「イッセー先輩。シスターさんの気配もします」

 

皆の言うように扉からドーナシークや複数の堕天使がする。他にもいるけど、アーシアとレイナーレの救出を最優先する。いざとなればスペルカードを放てばいいだけだ。

 

「じゃあ、開けるね」

 

僕が扉を開けるとドナーシークや複数の神父がいて、祭壇を見てるとアーシアとレイナーレがいた。

 

「小猫ちゃん、僕を祭壇のところまで投げてくれないかな?」

 

「分かりました。えい」

 

僕の指示で小猫ちゃんは、アーシアの方に向けて僕を投げた。

 

「イッセー君(さん)!」

 

僕の姿を見て、2人は僕の名を叫んだ。

 

「大丈夫。後で君達を助けるからね」

 

2人の状態を見たけど、怪我は無かった。

でも、ドナーシークだけは許さない。

 

「貴様か、また私の計画の邪魔をしてくれるなよ悪魔よ」

 

そう言いながら翼を広げて、両手に光の槍を作り出した。

 

「イッセー君。気をつけて……そこにいる堕天使の翼が4枚、相当の実力よ」

 

翼が多い方が強いらしい。ドライグは何も教えてくれなかった。

 

「その光の槍で、僕を倒そうとしているのかな?」

 

「時間が欲しいから、速やかに終わらせたいのだ。貴様らには退場を願おうか」

 

ドナーシーク魔方陣を展開し、悪魔祓いが更に10人位増えていた。

 

「木場!小猫ちゃん!悪魔祓いと神父を任せていい?」

 

「分かった。僕達が相手をしよう。神父共には因縁があるからね」

 

木場は普段と違く、低い声色で僕に言った。

神父との因縁があるのかな?

 

「私達が相手します。イッセー先輩は堕天使をお願いします。必ず全員で生きて帰りましょう」

 

分かった。気分が良いものだね、仲間と共に戦えるというのは…!

 

「やはり貴様は私の手で始末してもらう」

 

ドナーシークは僕に向かって光の槍を振って来るが、僕はそれを全て避け、美鈴さんに教わった中国拳法で対応している。

 

「くぅ!何故、私の攻撃が当たらない」

 

「その程度の攻撃では、僕を倒せないよ」

 

僕はドナーシークの槍を回し蹴りで壊し、そのまま相手の懐に入った。

 

「これで終わらせる。霊符<夢想封印>!」

 

『Hakurei』

 

今の博麗の巫女の同じスペルカードと赤龍帝の籠手の倍加を組み合わせて放ち、ドナーシークを飛ばす。勢よく吹っ飛んだドナーシークは教会の壁に衝突して気絶をした。

 

 

 

 

 

木場side

 

僕と小猫ちゃんは爆破した場所に行きと、そこには気絶したドナーシークがいた。

 

「イッセー君、何を?」

 

「レイナーレ、少しじっとして。プローモーション戦車(ルーク)

 

イッセー君は自分自身の駒の特性で、戦車の駒になってレイナーレと言う堕天使の両手に縛られた鎖を壊した。

 

「次はアーシア」

 

さらにアーシアさんもレイナーレと同じ用に鎖を壊した。

すると、見知いの気配が近づいた。

 

「すごいわね。彼は」

 

リアス部長だ。

 

「部長。そちらの方は終わったのですか?」

 

「えぇ、小猫と祐斗も無事で良かった。それにしても……」

 

「あらあら。イッセー君は2人に抱きしめられて動きそうにくそとしていますわ」

 

朱乃さんの見ている方に向けると、

 

「イッセー君(さん)!このままにして(ください)」

 

「木場。助けて」

 

イッセー君が僕を見て助けるを求めるが幸せそうだったから無視した。

 

木場sideout

 

 

 

 

 

僕が倒したドーナシークを回収をしようと思ったけど、レイナーレとアーシアに抱きしめられて動けなくたった。

 

「あ、あの…恥ずかしいから離れて」

 

「イッセー君(さん)このままにして(ください)」

 

「木場。助けて」

 

僕は恥ずかしさのあまり木場に助けてを求めたが、無視した。むきゅ~薄情もの。

 

っと2人の後ろから部長が見えた。

 

「イッセーご苦労様」

 

「あ、ごめんなさい部長。勝手に動いて…」

 

「いいのよイッセー。あなたが無事で良かった。それしても……彼が今回の首謀者」

 

「ええ。今は気絶していますが、後は部長に任せます」

 

「本来は首謀者を消すがいいけど、今回は冥界の専門機関に送るわ。目の前の同じ堕天使の彼女もあるから、流石の私も気が引けるわ」

 

「部長。彼女…レイナーレは?」

 

「彼女とは少しお話しをするだけわ。本来ならこんなことはすべきじゃないけど」

 

部長が言いたい事も分かる。悪魔と堕天使は敵対している。

 

「えっと、レイナーレで良かったかしら?」

 

「あっ、はい」

 

「少し間お話しをしないかしら」

 

「は、はい」

 

「それとシスターさんを私の方で勝手に保護をするわ。また、同じことが起きない為なの。ごめんなさい」

 

「アーシアの事お願いします」

 

「そんなに堅くなくてもいいわよ。例え私たちは敵同士でも、私は人を選んでいるつもりよ。」

 

その後はドーナシークを冥界の専門機関に送り、堕天使の方で正当な裁きを受けたらしい。

レイナーレは部長とお話しをした後、レイナーレが……

『イッセー君、あなたの事が好きです』の言葉を残して冥界に帰った。

 

 

 

 

 

 

翌日

 

僕はいつもように松田や元浜と話しながら授業を待っていた。チャイムが鳴ると、教室のドアが開き、担任がやって来た。

 

「諸君、朝の挨拶。すなわち(おはよう)と言う言葉を、謹んで贈らせてもらおう!」

 

「ハム先生、おはようございます」

 

「おはよう。早速だが、着任者(転校生)を紹介をする。君、入りたまえ」

 

「は、はい。私はアーシア・アルジェントと申します。日本にはまだ浅いですが、皆さんと仲良くしたいです」

 

「清掃系金髪美少女が私たちのクラス来たぁぁぁぁぁ!」

 

「よっしゃぁぁぁぁぁ!」

 

何かクラスのテンションが某ゲーセン動物園並に高いよ。

しかし、アーシア言った言葉が衝撃的な内容で……、

 

「私はイッセーさんのご自宅にホームステイにすることになりました。これからもよろしくお願いしますイッセーさん」

 

むきゅ!アーシア、何も聞きてなしよ。部長は僕の両親の許可は得たのかな?

 

「アーシア。これからもよろしくね」

 

その休み時間は質問攻めにされていたのは言うまでもなかった。

 

 

 

 

放課後

 

アーシアが家にホームステイ件は、僕が悪魔家業で出掛けた時に部長から僕の両親に言った。アーシアの事情を話したら、両親から是非ともここに住んで欲しいと言ったそうだ。

 

「ところでアーシア。もしかして、悪魔になったの?」

 

今朝からアーシアの気配が紅魔館に住んでいる小悪魔に気配が似てたためアーシアに質問をした。

 

「分かるですか?」

 

「少しね。部長、何でアーシアを悪魔に転生をされたですか?」

 

部長は私利私欲のために、アーシアを無理矢理に眷属されることはないと思うけど。

 

それをアーシアが答えた。

 

「私が」

 

「アーシアが」

 

「はい。リアスさんからは、悪魔にならない道もありましたが、私はイッセーさんと一緒に行きたくて、私からリアスさんにお願いをしました」

 

「でもいいの?アーシア、悪魔になったらお祈りが出来なくなるけど……」

 

「お祈りは出来なくなりましたが、私はイッセー達と友達になれたことが嬉しいです」

 

「アーシアの事はイッセーに頼むわ。私はアーシアの主行くわ。イッセーはご両親に伝えてもえるのかしら」

 

「部長、分かりました」

 

「話も終わったことだし、アーシアの歓迎会を始めるわよ。言っても、私が作ったケーキしかないけど……」

 

それにしてもすごいなリアス部長は、ケーキを手作りするなんてね。普通はなかなか出来ないよ。

 

近くにティーカップが合ったから、僕は紅魔館のメイド長の咲夜さん直伝で紅茶の入れた。

 

こうして、元シスターのアーシアは部長の僧侶として仲間となった。



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番外編

アーシアが悪魔になって一週間後、悪魔家業にも慣れいてきたある日のころ。僕とアーシアは部長に呼ばれて夜の部室にいる。

先に言っておくけど、アーシアの件は説明が最初ね。

アーシアは、僕の家にホームステイすることになった。僕の親もまるで娘が出来たって喜んでいたな。でも、僕には無駄に女子力が高いって指摘されていた。(何故か咲夜さんにメイドを強制てきにさせられた)

とにかくアーシアは兵藤家でうまくいっているよ。

 

「イッセー、アーシア、使い魔に興味ないかしら?」

 

「使い魔ですか?」

 

使い魔とは悪魔の手足になって偵察や視察、情報処理、相手によっては修業の相手にもなってくれる。例えば、パチュリーと小悪魔の関係ね。

 

「そう、使い魔。悪魔は大体、自分の使い魔を持っているの。イッセーは何件も契約をして、アーシアは悪魔の仕事に慣れてきたからそろそろ使い魔を持たせようと思ったわけよ」

 

アーシアを契約してくるお客様は癒しを求めている人間。家事のストレスを抱えた主婦や、仕事のストレスを抱えたサラリーマンが大半。ストレスを抱えた人の話を聞いたり心配をしてくれるから、アーシアをリピーター力が凄ましい。まあ……アーシアは存在事態が癒しで、優しいし、気も利いてくれるから癒してもらいたいもの分かる。

 

「部長。ところで使い魔はどこで捕まえるですか?」

 

「それは……」

 

部長が言いかけた時、オカルト研究部のドアが開かれた。誰と思っていたら複数の女子生徒と男子生徒が入って来る。

 

「リアス、彼がもしかして」

 

僕を見てスレンダーの女子生徒が部長に尋ねた。

 

「ええ。私の新たな眷族、兵士の兵藤一誠よ。そしてイッセーの隣にいるのが僧侶のアーシア・アルジェントよ。2人とも挨拶をしなさい」

 

「リアス部長の眷族で兵士の兵藤一誠です」

 

「僧侶のアーシア・アルジェントです」

 

「はじめまして。学園では支取蒼那を名乗ってますが、本名はソーナ・シトリーです。上級悪魔でシトリー家の次期当主です」

 

なるほど、支取先輩は部長と同じ上級悪魔なのか~。

 

 

「それでソーナ。今日は何の用なの?」

 

「ええ。お互い、眷属が増えたようですし交流を兼ねてと思いまして……匙、あなたも自己紹介を」

 

「兵藤!リアス先輩の眷属になったのか?」

 

「黙ってごめんね匙」

 

今、僕と話しているのは、松田と元浜と一緒にコミケで一緒に行った。もう1人の子が、匙よ。

 

「兵藤以外は始めまして。生徒会書記で会長の兵士の匙元士郎です」

 

「匙も、僕と同じ兵士だね」

 

「俺は普通の転生悪魔と違って、兵士の駒を4つも消費をしたんだぜ!」

 

いいな匙、兵士の駒を4つで済ませるなんて羨ましい。

 

「匙。貴方は勘違いをしています」

 

「どう言うことですか?」

 

匙は支取先輩に訪ねる。

支取先輩はメガネを上げて説明をする。

 

「兵藤一誠君は今世の赤龍帝で、リアスの駒を8つ消費をしています。変異の駒を含めないと転生が出来なかったほどです。駒の価値で兵士16個以上です」

 

「16ゥ!?」

 

「僕は何故か、翼を出せないよ」

 

「おい兵藤。お前……悪魔になっても変わらないぜ」

 

「ねぇ、匙。今度休みを取れたら、松田と元浜も連れて一緒に遊ぼう」

 

「生徒会は毎日忙しいけど、取れたら行くぜ」

 

匙との話を終えて、部長の方に向けると。

 

「貴方達も使い魔を?」

 

「も、ということはつまりリアス達も?」

 

支取先輩も匙に使い魔を持たせようと思っていたが、部長と被ってしまった。

 

「それでしたら一緒にしませんか?」

 

僕がその提案すると、あったりと提案が呑まれたのであった。

 

メンバーは僕と部長とアーシアと匙と小猫ちゃんと支取先輩だ。

 

 

ところ変わって、ここは使い魔の森。オカルト研究部と匙は月に一度の満月にしかいない使い魔のプロフェッショナルに会いに行った。

 

「ゲットだぜ」

 

「ひゃ!」

 

某スーパーマサラ人の格好したおっちゃんがいた。

 

「俺はマザラタウンのザドゥージ!使い魔マスターを目指す使い魔のトレーナーだぜ!リアス・グレモリーさんよ、この者たちが電話で言っていた子たちか?」

 

「ええ…1人増えたけど、いいかしら?」

 

「問題無いぜ!金髪の美少女に茶髪の中性な子に茶髪の少年か」

 

「特にお前さん、近くで見ると中性いや……女としか思えないぜ」

 

「兵藤は仕方がない、お前は女装が似合うぞ」

 

匙それを言わないで、気にしているのに。

 

「イッセー、アーシア、この人は使い魔のプロフェッショナルよ。この人の言うことを参考にして、使い魔を手に入れなさい」

 

「匙も同様よ!」

 

「「「はい!」」」

 

 

 

 

「あのザドゥージさん。オススメの使い魔はどれですか?」

 

「人によって変わってくるが、俺のオススメはこれだぜ」

 

ザドゥージさんは図鑑の写真を指して言った。

図鑑の写真を見ると1ページ丸々に迫力の絵が掛かれた1匹のドラゴン。

 

「おう!竜王の一角天魔の業龍(カオス・カルマ・ドラゴン)、ティアマット!竜王の中で唯一メスのドラゴン!伝説のドラゴンだけど、使い魔にしようとした悪魔などはいないな!」

 

『ほう、ティアマットか。懐かしい名である』

 

ねえ、ドライグ。知っているの?

 

『昔に何度か戦ったことがある。力を求めた時に奴を何度も倒した。それで俺を嫌っている。ちらみに歴代の赤龍帝で何人もが奴を遭遇していた』

 

竜王は魔王クラスの実力なのか~

 

「部長命令よ、イッセー!ティアマットを使い魔にしなさい!!」

 

「部長。僕に死ねと!?」

 

「だって見てみたいじゃない。天竜と竜王のセット」

 

明らかに使い魔のレベルを超えているよね部長。

話っている内に、上空から強い風が吹き渡り、突然、轟音がした。僕が上を見上げると蒼穹と同じ色の鱗を持つドラゴン、ティアマットがいる。

 

『相棒、奴と戦えるのは少ない。やるだげやってみろ』

 

分かった!例え竜王が使い魔に出来なくても、戦えるだけでも修業になる。

 

「あなたが竜王のティアマット」

 

「誰だ、貴様は!」

 

キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァ!!しかも極めて普通の女性の声だ。

するとティアマットは僕の方に何か気付いたように、その目が鋭くなる。

 

「その神器は赤龍帝!何の用だ!」

 

「僕の使い魔になって欲しい」

 

僕は素直にティアマットに言った。

 

「ふははははぁ!可愛い見た目とは違い、戦闘バカが現れるとは……この私を使い魔にしたい奴が現れるとは面白い。チャンスをやろう」

 

ティアマットは可笑しそうに笑い上がっていた。

 

「チャンス?」

 

「この私に実力を認めたら、貴様の使い魔になってやる」

 

話しが通じる相手で良かった。

 

「僕の力を見せてやる。<夢符>封魔陣!」

 

霊力で作った無数のお札を放った。

 

「相手の行動を制限する攻撃か…だが」

 

ティアマットはブレスを吐き出した。

 

「一発当たりの威力が低いから、突破するのが容易い。今度は私が」

 

『相棒!防御に専念しろ』

 

分かっている。お札を利用して二重結界を作り出した。

 

 

「ほう、この攻撃を凌ぐとは。並み大抵の悪魔は今ので終わっていたぞ」

 

「僕も簡単には諦めないよ」

 

「なら、この私に全力でぶつけてこい」

 

赤龍帝の籠手で貯めた霊力を1枚のスペルカードに譲渡する。

 

『Transfer!』

 

「次の一撃に全てを込める。<霊符>夢想封印!」

 

『Hakurei!』

 

「竜王ティアマット。これが今の僕の全力だぁ!」

 

「これを避けるのは野暮だ」

 

そう言って、ティアマットは魔法陣を展開し、特大の魔力砲撃を放った。

 

僕のスペルカードとティアマットの魔力砲撃が衝突。衝突よ余波で僕は後ろに吹き飛ばされた。

 

 

 

 

「ドライグ、やっぱりティアマットは強いや 」

 

『やつは竜王最強の存在、それは仕方がないだろう。相棒と比べても戦闘経験もやつのほうが上、それに……』

 

「いい一撃だったらぞ」

 

「あの、ティアマット?」

 

「この姿では初めましてだな、何故そんなに驚いているんだ?」

 

「ドラゴンから綺麗な女性に変わるから驚くよ」

 

「綺麗か嬉しいぞ。貴様、兵藤一誠と言ったな」

 

「うん、そうだけど?」

 

「神器には禁じ手(バランス・ブレイカー)の存在があるが?何故、使わないのか?それとも、まだ到っていないのか?」

 

「ごめん、まだ到っていない」

 

「まだ禁じ手に到ってないでこの強さか、兵藤一誠!」

 

「どうしたの?」

 

「貴様を認めてやろう」

 

「もしかして使い魔になってくれるの?」

 

「そういうことだ。貴様はまだ若く荒削りであるが、伸び代がある」

 

「ティアマット。恥ずかしいから離れて」

 

「ふふ、可愛いところがあるな。私のことはティアで呼べ。堅苦しのは嫌いでな」

 

「僕のことはイッセーって呼んでね」

 

「ああ、これからもよろしくなイッセー」

 

「こちらこそねティア」

 

僕とティアとの戦いが終わって、使い魔にすることが出来た。部長が来るまでティアは僕を胸に抱き閉めていた。

 

「イッセー、本当に竜王ティアマットと一緒にいるなんて……」

 

「アーシアと匙もしかしてドラゴン?」

 

「はい!私が蒼雷竜(スプライト・ドラゴン)ラッセーです」

 

「俺は火炎竜(フレイム・ドラゴン)フレアだ」

 

「ほう。蒼雷竜は心が清い者しかつかず、火炎竜はあんまり人になつかないからな」

 

「兵藤一誠の名によって命ず。汝、我が使い魔として契約に応じよ!」

 

「これで使い魔契約は完了。まさか私の眷属に竜王を使い魔にするなんて、思っていなかったわ。」

 

もう部長、こんな無茶はこれきりにしてください。

こうして僕たちは使い魔を獲得することが出来た。



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戦闘校舎のフェニックス
8話


おっはよう!イッセーよ。

 

僕は今、朝のトレーニング中。

紫さんが僕の為に考えたトレーニングは、ランニングを10キロ。体の軸をぶれない為の太極拳を10分。それから腕立て伏せとプランクなどの基礎トレーニング。

次に霊力の修行として、身体中に霊力を纏いながら座禅をする。それを維持する修行。

 

朝のトレーニングを終え、時計を見ると5時30分。

学校の仕度するために家に帰った。

リビングで寝ぼけ眼のアーシアと鉢合わせする。

 

「アーシアおはよう」

 

「ふぁ~イッセーさんおはようございます」

 

眠いのか~目を擦っている。レミリアやフランと同じで朝が弱いね。

 

 

「アーシア、洗面台で顔を洗ってね」

 

「は~い」

 

ふらふらと危うげな足取りながらも、洗面台に向かって歩いていたアーシア。

 

「さてと、朝食の準備でもするか」

 

僕はエプロンを着けからキッチンに立ち、朝食の準備をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝の教室

 

「「おはよう!アーシアちゃん!」」

 

「おはようございます。松田さん、元浜さん」

 

教室に着くなり松田と元浜がアーシアに挨拶をしてきた。

 

「元浜君」

 

「分かるぞ松田よ!朝から美少女の『おはようございます』、それを言われただけで今日1日が元気になる」

 

アーシアが2人に挨拶を返すと、感無量の表情になりながら口を開く。

 

「相変わらずね、2人供」

 

「イッセー!どうしたんだ!この声!?」

 

「本当に女子の声になったじゃないのか!?」

 

確かに前に悪ふざけで、女性の声真似したら暫くの間女装をする羽目になったな。でも、今は違う。

 

「失礼ね。声は変声機を着けているから」

 

僕は首に着けているチョーカー型変声機のスイッチを押すと……

 

「ねえ、この声ならどう?」

 

「うわ、元の声に戻った!」

 

「それはそうと、イッセー!お前はアーシアちゃんがホームステイだと!?ふざけるな!」

 

「そうだ!オカルト研究部にまで入部だと!?美女美少女の集団と同じ部活に入るは似合っているげと、俺たちに紹介しろ!」

 

「もしくは可愛い娘を紹介しろ!」

 

「「お願いします」」

 

そう言って2人は、涙目になりながら僕の肩にしがみついてくる。

 

「少し待ってて」

 

僕は携帯を開き、悪魔稼業で知り合った人物に確認を取った。

数分の間に話したが、あちらはOKだった。よかったね。

 

「大丈夫っだよ。今日はOK。友達を連れて来るって。これはアドレスよ。これは、紹介が出来る娘らの番号とメアド。でも、1度はメールで連絡はした方がいいよ」

 

メモを受けとる2人。すると、速攻で番号を登録し、僕を見てまるで信仰心を持った信者のように崇めた。

 

「イッセー殿、ありがとうございます」

 

「この恩は忘れません」

 

2人供、舞い上がっているね。あの人らも変わっているよな~僕が悪魔稼業で、その依頼がメイド服を着て掃除や夜食を作ったり、恥ずかしいポーズをされられた。

 

「っで、紹介してくれる娘らは?」

 

「岡崎夢見さんと北河白ちゆりさんよ。ちらみに、この変声機を作った人でもあるよ」

 

 

 

 

 

 

今夜は住宅地でアーシアのチラシ配りを手伝っている。

 

僕は夜の住宅地を駆け抜けていた。感じ違いでね、僕はアーシアのチラシ配りをしているからね。

 

「イッセーさん、本当によろしいんですか?私のチラシ配りをお手伝いしてくださるなんて…」

 

「気にしないで、僕が好きにしているから」

 

「でも…」

 

「それにこれは、この町の案内もかねているの」

 

アーシアは日本に来てまだ日が浅い。悪魔になったから聞きとりは出来るけど、文字などはそうもいかない、生活面でも強いられる。前みたいに悪い奴らが現れるかもしないから、部長の提案でアーシアがチラシ配りの間は護衛兼町の案内をしている。

 

「アーシア。あれが神社。悪魔は入ったらダメよ」

 

「はい、悪魔は精霊が集まる所や土地の神様 に関係する場所には行ったらダメなんですよね?クリスチャンの私でも日本は『八百屋の神』は理解しかねますけど……」

 

ただし、博麗神社は妖怪、妖精、悪魔も遊びに行けるけどね。

 

「それは少しずつでも分かっていけばいいの。此処は今、夜だから閉まっているけど、美味しいパン屋がある。今度一緒に行こうね」

 

「はい。日本のパンは甘いくて好きです」

 

何気ない会話だけど、アーシアは嬉しそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「部長。ただいま戻って来ました」

 

「お帰り、夜のデートは楽しかったかい?」

 

爽やか笑顔で迎えているのは、オカ研で数少ない男子の木場裕斗。学校の噂で何故か僕と木場のカップリングが出来ているらしい。

 

「ねえ、木場。これがデートだったの?」

 

デートの意味が分からないから、木場に質問した。

 

「イッセー君。デートを知らなかったのかい?」

 

「うん、今まで知らなかった。アーシアは知っていたの?」

 

「私は知っていました!」

 

アーシアはデートの意味を知っていたのか~

 

「あはは…(アーシアさん…強く生きてね)」

 

木場はアーシアに憐れみのこもった眼で見ていた。

僕とアーシアは奥のソファに座っている部長の元へ足を向ける

 

「部長?どうかしましたか?」

 

そう報告をするが部長がぼーとしたまま、上を向いている。ため息もついているし、もしかして部長は夕食の献立を悩んでいるのかな?

 

「あっ…イッセーごめんなさい。少しぼーとしていたわ。2人供ご苦労様」

 

少しじゃないよ。いつもは某エレガント閣下みたいな立ち振舞いしているのに、少しでも目を離すとぼーとしているよ。

 

「さて、今夜からアーシアにもデビューしてもらいましょうか」

 

「え、もういいのですか?」

 

「アーシアも使い魔をゲットしていたから。それにこのままたど、2人のデートの時間が増えてしまいそうだもの」

 

下僕弄りをしないで、デートの意味を教えてください部長。僕のデビューと同じで、部長がグレモリー紋章の魔方陣を記していく。それのお陰で魔方陣で他の場所にも行けるよね。極めて便利だ

 

「朱乃、アーシアが魔方陣を取れるだけの魔力があるか、調べて」

 

「はい、部長」

 

部長に頼まれて、朱乃さんがアーシアのおでこに手を当てていた。

 

「どっかの誰かさんが、魔方陣を取れるだけの魔力すら無い、調べないとね」

 

むっきゅう!確かに僕の魔力が無いから1人で魔方陣にも介して飛ぶことが出来ない。魔力量は赤子以下だけど、霊力だった霊夢と同等らしい。

 

「部長、大丈夫ですわ。問題ありません。アーシアちゃんは、部長と私の次に魔力の持ち主かもしれません。魔力の潜在キャパシティが豊富ですわ」

 

「それは朗報だわ。僧侶の特性を充分に活かせるわね」

 

その後は、アーシアの為に部長と朱乃さんが選んでくれた依頼をすすめて来るが……アーシアがまだ1人では不安ということもあり小猫が補佐をやることになった。

 

 

 

 

 

深夜、アーシアと共に帰宅した。

アーシアが帰ってくる間は木場と小猫ちゃんと一緒に宿題をしてが、部長は表情を思い積めた表情をしていた。僕が出来る事があれば、力にならないといけないよね。

今は僕が部屋に入て、アーシアは入浴中。

 

 

「ドライグ。何で僕は女装させられているの?」

 

僕はドライグに悪魔稼業の不満を言った。

 

『俺が見ても似合っているし、過去にも相棒が女体化もあるから別に良くない』

 

確かにパチュリーの魔法の実験で女体化になっていたし、フランには着替え人形のごとく女性の服を無理矢理着せされたり、射命丸さんに撮影をされていた。

 

「グレモリーの紋章?」

 

突然、部屋の住みにグレモリー眷属の紋章の魔方陣が浮かんだと思うと、そこには僕の知った人が現れた。

 

「あの、部長!?」

 

そこには部長がいて、何か表情に曇りがあった。

ベッドに横になっている僕を見ると、部長は僕に向けて床ドンをしていた。

 

「ごめんなさい、でも急を要するの。お願い私を抱いて」

 

もしかして部長は人肌が欲しいから言ったのかな?

 

「分かりました」

 

そう言って僕は、部長を抱きしめた。

 

「イッセー、抱くって意味を知っているの?」

 

えっ、違うの?フランが暴走した時に止めた方法なのにな……

 

「抱いてって、抱きしめることじゃないですか?それに、部長が震えてましたので、抱きしめたり、話しを聞くことしか出来ません。僕は部長の兵士ですから」

 

部長が安心にするまで、ずっと抱きしめることになった。

 

「ありがとう、イッセー。私がどうかしていたわ。それにこんなことしたら、アーシアとレイナーレに悪いわ。」

 

何でアーシアとレイナーレが出てくるの?でも、良かった。部長が少し元気になっているね。

そして、部屋の床から銀色の魔方陣が浮かんだ。

 

「来たわね」

 

部長はその魔方陣から出る人を知っているみたい。

そして少しすると、魔方陣から人が現れた。

 

「こんなことして破綻を持ち込もとしたわけですか?」

 

そこに現れたのは咲夜さんよりも大人っぽいな銀髪のメイド。

 

『相棒が出会ったことがある悪魔とはレベルが違う』

 

ドライグの言う通り、感じとる威圧感や魔力も上級悪魔の部長よりも強い。まるで風見さんも見てる時と同じだ。

 

「こうもしないと、誰も私の話しを聞いてくれないでしょう。でも、今は冷静だから馬鹿なことはしないけど」

 

「そうですか?それならばいいです」

 

「始めまして。私は、グレモリー家を仕える者。グレイフィアと申します。以後、お見知り置きよ」

 

「初めまして、リアス・グレモリー様の眷属の兵藤一誠と申します。こちらこそよろしくお願いします」

 

咄嗟にレミリアに学んだ挨拶をする。それにしても、このメイドさんはすごいな。僕も何故か紅魔館でメイドとして働いていたから分かる。咲夜さんよりも手練れのメイドさんだ。

 

「兵藤一誠、ですか……彼が例の兵士」

 

「ええ。赤龍帝の籠手の使い手よ」

 

「赤龍帝の籠手、赤き龍帝に憑かれた者」

 

『さらに相棒の場合は、歴代の博麗の巫女1人の生まれ変わりだからな…』

 

ドライグ。今は関係が無いよね。

 

「一度、私の根城に戻りましょう。話しは此処で聞くわ。朱乃の同伴はいいわよね?」

 

「雷の巫女ですか?私は構いません。上級悪魔たる者。女王を置くのは常ですので」

 

「ごめんなさい、イッセー。そして、ありがとう。貴方が止めなかったら、私は自分のことが嫌になっていたわ」

 

そして、部長は僕の頭を撫でていた。

 

「今日はこれで許してちょうだい。明日、部室で会いましょう。今日の事は明日に話すわ」

 

そう言うと部長はグレイフィアと一緒に魔法陣の放つ光の中で消えていた。

 

「イッセーさん。お風呂上がりました」

 

アーシアが僕の部屋に入って来たのはそれからすぐ後であった。



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9話

部長襲来から次の日。

いつもと変わらない授業が終わり、僕、木場、アーシアはオカルト研究部の部室に向かっていた。

 

「ねぇ木場」

 

「なんだい、イッセー君?」

 

「昨日の部長が少しヘンだったけど、何か知っている?」

 

すると木場は少し考えて、

 

「う~ん確かにそうだね。でも、僕も良く知らないんだ。もしかすると、朱乃さんなら何か知っているかもしれない」

 

僕たちに答えてくれた。

 

「朱乃さんが?」

 

「うん。朱乃さんは部長の懐刀だからね」

 

「そーなのかー、朱乃さんは部長の女王だったね」

 

話していると、

 

『相棒も気付いかもしれんが』

 

ドライグ。もしかしてこの気配はグレイフィアさん?

 

「まさか僕がここまで気配に気がつかなかったなんて」

 

木場も気付いているね。でもグレイフィアさんのことは知っているのかな?アーシアの方を見ると首を傾げて何も分かっていないようだ。

 

「とりあいず入ろう」

 

そのまま進み、部室に入った。

室内は部長、朱乃さん、小猫ちゃん、グレイフィアさんがいた。しかも室内の空気はピリピリになっている。

 

「全員そろったわね。部活が始める前に少し、話があるの」

 

「お嬢様、私からお話ししましょうか?」

 

「いえ、私から話すわ……実はね……」

 

部長が何かを言おうとした時、部長の床の一面から魔方陣が出現した。それと共に熱く赤き炎の中からホスト風の男の姿が現れた。

 

「……フェニックス」

 

僕の傍で木場がそう呟く。

 

「ふ、人間界は去年のコミケに行ったぶりだ」

 

部長の方に向かっている人って、もしかして……。

 

「やぁ、愛しいのリアス」

 

「ライザー・フェニックスさん。あの、部長とはどんな関係ですか?」

 

「兵動一誠か、俺はリアスの婚約者だ。それはそうと、貴様は何故ここにいる?」

 

え?部長の婚約者がライザー・フェニックスさんなの?知らなかった。

 

「僕は部長の眷属です」

 

「イッセー、ライザーとは知り合いだったの?」

 

「去年にちょっとね」

 

去年のコミケで、痴漢にあった僕を助けたのがライザー・フェニックスさん。まぁ、僕が女装していたことが原因で女の子と間違えたらしい。

 

 

 

 

 

 

「リアスの女王が入れるお茶は上手いな」

 

「ありがとうございます」

 

朱乃さんはいつものようにニコニコしている。

それよりも僕は、何でライザー・フェニックスさんの隣に座っているの?

 

「いい加減してちょうだい、ライザー。前にも言ったはずよ。まだあなたとは結婚しないわ……私が人間界の大学を出せるまでは自由にされてくれるって約束のはずなのに、皆急ぎすぎなのよ!」

 

「それは前に聞いた。しかし、リアスも分かるのだろう。君の所の御家は事情で以外にも切羽が詰まってと思うし、先の戦争で純粋な悪魔72柱の大半が消えた。この会談は純血悪魔を減らぬるよう、俺の父や君の父、そしてサーゼクス様の考えの総意なんだよ」

 

「ライザーの言う事も分かるわ。それでも、私は、譲れない夢があるわ!」

 

部長は夢の為、ライザー・フェニックスさんは悪魔の未来の為、それぞれ譲れない者がある。だが、このままだと何も変わらないから僕はふたりの会話に挟んだ。

 

「ライザー・フェニックスさん、部長。少し落ち付いてください。このままでは何も解決はしません」

 

「兵藤一誠さまの言う通りです。申し訳ございませんお嬢様、これが最後の話し合い場だったのです。これで決着が着かない場合のことを皆様方が予想をし、最終手段を取り得ることにしました」

 

「最終手段?何かしら、グレイフィア」

 

グレイフィアさんは少し息を整えてゆっくりと口を開いた。

 

「お嬢様がどうしても自分の意思を貫くのであれば、レーティングバトルで勝利をしてください」

 

レーティングバトルは侯爵持ちの上級悪魔同士が下僕を戦わせるゲームらしい。基本は成熟した悪魔しか参加出来ないが、今回みたいな件は非公式として半人前の悪魔でも参加が出来るらしいって部長が言っていた。

 

「リアス、1つ言っておくが俺は既にレーティングバトルで経験もしているし、勝ち星も多い。もし受けるのであればしっかりと考えておくがいい」

 

ライザー・フェニックスさんはレーティングバトルの経験がある分、成熟していない部長が圧倒敵に不利。

 

 

「私はそのレーティングバトル受けるわ。例え不利の状況でも、私は私自信で生きてみたいわ!」

 

部長はライザー・フェニックスに向けて高やかに宣言した。

 

「良いだろう。不本意だが今回は負けるつもりはないぞ?リアス」

 

「私だってそうよライザー!あなたを消し飛ばしてあげるわ!!」

 

両者睨み合う。お互いに引かないのであった。

 

「承知いたしました。両者の同意が決定しましたので、レーティングバトルの日時を決めてください」

 

「十日後、それが妥当だろう。今のままでは俺のまだ見ない眷属に太刀打ち出来ない」

 

そう言ってライザー・フェニックスさんは魔方陣を展開し、部室からフェニックスの紋章が浮かび上がった。部室には総員15名の眷属悪魔らしき者たちが現れた。

 

「私にハンデを与えようというの!」

 

「甘えるなリアス!レーティングバトルは君が思っているほど甘くない!キングの判断次第では、眷属全体の敗退の危機もある。このことを覚えとけ」

 

そう言うとライザーは魔方陣と共に消えていった。

 

それを見届けた後、グレイフィアさんが口を広げた。

 

「ではゲームはこれから10日後の深夜。それにて全てを決着とします」

 

グレイフィアさんその言葉を残し、魔方陣で展開をしてこの場を去った。

10日間、それが僕達に与えられた時間。それにしてもライザー・フェニックスさんは本当に部長のことが好きかな?



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10話

部長とライザー・フェニックスさんとの、婚約を懸けたレーティングゲームが10日後に決まった翌日。

その10日後に向けて僕たちは山を登り、部長の別荘に向かっている。

 

 

「意外ときついものだね、イッセー君」

 

「その割には涼しい顔」

 

明らかに自分よりも大きいなリュックサックを背負っている木場は、爽やかな汗をかきながらそう言ってきた。

 

「いや、僕は騎士だから力仕事が苦手なんだ」

 

「木場も線細いからね」

 

途中まで電車で向かい、それからは徒歩で基礎体力を作る鍛練。歩いてから2時間はたっている。

僕の荷物は少ないけど、部長と朱乃さんの荷物も持っているから木場よりも大きい。

 

「イッセー先輩、祐斗先輩、お先にです…」

 

「木場も頑張ろうね」

 

「ありがとう……イッセー君」

 

木場を励ましながら部長達の元に駆け足で向かうのであった。

 

 

 

 

 

「ここは10日間、私達が合宿を行う別荘よ」

 

「僕が知る別荘とは違う」

 

僕の視線の先には、本当に漫画とかに出てくる位に、大きな屋敷のような建物があった。

これで別荘って部長の家はどんだけなの!?しかも、周りにはプールも見えるし、今さらながらグレモリ一家の凄さを身に感じる。ドライグは周りの環境に感心していた。

 

『修行には最高の場所だ。人間は結界で入れないようにしているし、幻想郷と同じで自然も多い。人間界にもこんな場所があったとはな』

 

確かにここだったら、多少の無茶な修行も出来るよな。

 

『そっ言って、相棒はフランドールに修行の相手に良いけど、重傷を負ったのは誰かな?』

 

それを言わないでよドライグ。

 

「みんな、直ぐに着替えなさい、早速だけど修行を始めるわよ」

 

部長の号令で別荘の中に入っていく。

別荘の中は良く綺麗されていて、埃1つなかった。僕と木場は案内されて、そこで修行が出来る格好に言われて着替えることにした。

 

「イッセー君の体、僕と同じで線が細いのに、触るとしっかりと鍛えいるね」

 

「くすぐったよ」

 

「イッセー君。この傷痕はどうしたのかい?」

 

木場がわき腹の怪我を見て驚いていた。

 

「ごめん今は言えない」

 

仲間でもこの怪我は驚くよね。もしも、みんなで幻想郷に行ったときに言うよ。

そして、僕と木場は着替え、そしてそのまま部長が指定した別荘の中庭に向かうのであった。

 

レッスン1木場との剣術訓練

 

「はっ!」

 

「むきゅ!」

 

今は僕と木場は部長に言われるまま、お互いに木刀を持って剣術の訓練をしている。

僕は神器を使うことを禁止されている。理由が神器無しでどこまで戦えるのかを理解をするためらしい。

 

木場の戦闘スタイルはスピードで敵を翻弄し、手数で圧倒し、隙をついて、一気に攻め倒す。

まるで咲夜さんと射命丸さんを足して2で割った戦法ね。

 

連続攻撃を流す僕に木場が問う。

 

「僕の攻撃を受け流すなんてね。どこかで剣術を習っていたのかい?」

 

「剣術じゃないけど、ナイフ術なら若干覚えているよ。行くよ」

 

「僕のほうが速いけど、まるで動きを読まれているみたいだ…」

 

木場の動きが読めるのは、射命丸さんに何度もセクハラされてるから体が覚えている。

 

「一々驚かない」

 

木刀を逆手に持ち変えて、木場のわき腹に突きつけた。

 

「僕の負けだ!」

 

「木場はもしかして、相手の動きを目で追っているの?」

 

「イッセー君は違うのかい?」

 

「目を追うのも大事だけど、それ以上に相手の気配を追うほうが大事よ。もし木場が自分よりも速かったらどうするの?」

 

「それは……」

 

「目だけで追わないで五感を全て使うの。そうすれば目で追えなくても体が勝手に動くことが出来る。当分はそれを目標にすればいいよ。木場は速いし技術力もある。これを覚えていけばさらに強くなれる」

 

「分かったよ、イッセー君」

 

 

 

 

 

レッスン2朱乃さんとの魔力特訓

 

「魔力と言うのは体から溢れるオーラを流れるよるに集めるのですわ。」

 

木場との訓練を終え、次はアーシアと共に朱乃さんに魔力の訓練をしてもらっている。

 

 

「では、やってください」

 

朱乃さんの説明通りしてたら何か霊力の球が出てきた。

 

「あらあら、イッセー君…不思議ですわ。何故か、懐かしく感じますわ」

 

「何でですかね?」

 

朱乃さんも霊力や博麗の巫女も知っているのかな?

すると横にいるアーシアの手元には小さな緑色の魔力を集中したものを出している!

 

「出来ました」

 

「あらあら、アーシアちゃんは魔力の才能があるかもしれませんね」

 

「すごいよアーシア!」

 

「本当ですか?嬉しいです~」

 

照れいるアーシアも可愛いね。

こうして、僕とアーシアは魔力の基礎を学んだのだった。

 

 

 

 

レッスン3小猫ちゃんとの格闘訓練

 

朱乃さんのレッスンを終え、僕は小猫ちゃんとの組手を興じていた。

 

「当たってください」

 

「流石に嫌かな?」

 

小猫ちゃんの攻撃は鋭いけど単調だし、目で追える速度だから避けきれる。

 

「小猫ちゃんはパワーもスピードもあるけど、動きは単調だから攻撃が読まれてやすい。僕みたいね」

 

「どうすればいいですか?」

 

「そうね、カウンターやフェイントを覚えたいいかな?それに、敵に攻撃をするには中心線に向けて打ったほうがいい」

 

「カウンターやフェイントは分かります。中心線?」

 

「そう、打撃を中心線に狙って、的確に打てば、力が分散せずに相手に一点に伝わるの」

 

美鈴さんに教えてもらった。

 

「やってみます」

 

こうして僕と小猫ちゃんは日がくれるまで格闘訓練を続けるのであった。

 

修行が終わって晩ごはんを食べている。

ご飯は当番制で、今日は僕の当番だった。

メニューは合宿で有名なカレーライス。

 

「イッセー、美味しいわ」

 

「本当ですか!?嬉しいです」

 

「イッセー君、美味しいですわ」

 

「料理が更に上手くなっているね、イッセー君」

 

「上手いです」

 

「見た目どうり…」

 

気に入ってもらって良かった。

木場は前に食べてもらったことがあった。

 

「ドライグ、今日の特訓を見てどったらか、正直に答えてもらえるかしら」

 

『総合力なら、相棒が1番だな』

 

『一分野で勝ったらとしても、相棒はそれを補う戦闘技術がある。無論、お前たちに非があるわけはない』

 

「僕の速度にも対応して、力技によるゴリ押し戦法以外も秀でている、相手にしたら厄介なレベルです」

 

「あの修行の中で手傷を負わせたのは1度だけでした」

 

「魔法と霊力の総合合戦でしたら、イッセー君に分がありますわ」

 

「アイデアが凄かったです」

 

「とにかく、イッセーはこの眷属の中で頭1つ飛び抜けているわ。戦闘センスはもちろん、自分を追い込めるほどの覚悟と根性、そして神器を使った戦術……正直、イッセーは『王』に向いていると思っているわ」

 

「部長、そんなことはないです」

 

『相棒は元から強かった訳ではない。相棒の強さは全て努力によって裏付けされた物。後は、残りの特訓しだいだ』

 

「強いって言っても、努力を忘れていたら、直ぐに錆びます。それに、僕に出来ることがあったら何でもします。打倒ライザー・フェニックスさん!」

 

今出来ることをするだけ、10日はなんて、あっとゆう間なんだ。

 

「それもそうね、まずは温泉に入って今日の汚れを落としましょう」

 

部長は話題を転換してくれた。

すると、何故か僕の方に見ると、部長が悪そうな顔をしている。嫌な予感。

 

「ねぇ、イッセー。一緒に入る?ここは露天風呂だから、日本には裸の付き合いって言葉があるでしょう?」

 

的中だよ!!この空間から早く逃げたい。

 

「誰に聞いたのですか?そんな悪い日本の習慣は!そもそも男女が一緒のお風呂に入るなんて間違っています」

 

入る前提なの?嫌です。紅魔館のメンバーと同じ事を言っている。

 

「なら聞いてみましょうか」

 

「私はイッセーさんと裸の付き合いしたいです!」

 

アーシアは恥ずかしくなの?僕は恥ずかしいよ!

 

「あらあら、でしたらイッセー君の身体を流してみたいですわ」

 

朱乃さんも乗らないで!でも目はマジだよ。

 

「イッセー先輩と一緒に入るのは……恥ずかしくありません」

 

小猫ちゃんも僕と入りたいの?みんな、僕は男って知っているよね!?

こうなったら!!

 

「木場!男子2人で入るよ」

 

「ちょ、ちょっと!」

 

木場の腕を握って逃げるように僕は風呂場に向かった!

このままだと、また恥ずかしいくなる。

 

 

 

 

「やっぱり露天風呂は良い」

 

「露天風呂は日本の文化だよ、イッセー君」

 

僕と木場は湯船に浸たりながら修行の疲れを癒した。

僕が紅魔館でメイドの仕事の疲れを癒してくれたな。

 

「イッセーはいつから神器に目覚めていたんだい?」

 

すると木場は興味津々と言ったように僕に言ってくる。

 

「小学5年の時かな?」

 

「確かにその時から力を持っているなら納得できるんだけどね、イッセー君は」

 

「僕はまだ弱いよ。だからこそ強くなりたいんだ!」

 

誰にも弱さと強さを持っている。それが例え、矛盾がしてたとしてもね。

 

「君を見ていると、また無茶をするから僕たちも強くならないといけないね。今は部長の夢の為に頑張ろうねイッセー君」

 

「うん」

 

その後、僕と木場はお風呂から出てから数分後に女子メンバーが入って来た。

危なかった……少し遅れていたら女子メンバーと入浴するはめになっていた。

 

 

 

 

火照っていた身体を冷やしたいから、テラスで夜風に当たろうとしたら部長を遭遇。

 

「あら、イッセーまだ起きていたの?」

 

部長は眼鏡をかけて、寝巻きを着ており、幾つも重ねられている本を横にして椅子で座っている。

 

「あ、これのことかしら?」

 

すると部長は眼鏡を外して説明をしてくれた。

 

「何か集中したい時にこれを掛けると集中ができるの……単の願かけね。人間界にいるのが長いから、人間の風潮になれたのかしら」

 

部長もパチュリーと同じで眼鏡を掛けると集中するタイプなのか~。僕の視線は部長の手元の本に行く。

レーティングバトル関係の資料かな?

 

「部長、それは」

 

「正直、これを読んでも気休めにしかならないけどね」

 

部長は本のカバーを指になぞりながら、自信なさげに嘆く。

 

「部長はライザー・フェニックスさんとの縁談を拒絶しているですか?」

 

僕の言葉で部長は腕を組み、ゆっくりと口を開いた。

 

「ライザーは私との婚約は『仕方がない』『家のため』『純血の悪魔を』『悪魔の未来のため』……そう言ってくるの」

 

「確かにこの前も言っていましたね」

 

「私が我が儘を言っているのも分かる。でも私は、好きな人と結婚したいの」

 

部長は悲しげに言った。

 

「部長も1人の女の子ですね。ライザー・フェニックスさんの事は好きですか?」

 

「えっ!?それは……!」

 

おや、部長の顔が赤いよ。ライザー・フェニックスさんとは脈がありですね。

 

「お休みなさい部長」

 

「イッセー待ち ―――」

 

部長の言葉を残しながら足早に部屋へと向かっていた。

 



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11話

僕たちオカルト研究部の部員は旧校舎に集まっていた。

 

小猫ちゃんは拳にフィンガーグローブを付けて、

木場は帯剣している剣をじっと見ている。

 

部長と朱乃さんはさすがと言ったほど落ち着いていて、アーシアは僕の傍にいても不安なのだろう。アーシアは戦う力もなければ、戦闘経験もない。

緊張や不安が感じるもの仕方がない。

 

「やっぱり、怖いよね?」

 

「はい……」

 

「そうね。心配するなって、言っても難しいよね。でも、僕たちが今、出来ることをする。部長の為にもね?」

 

そう言って僕は、アーシアの手を握った。完全に不安を取り除くことは出来ないけど、少しでも気持ちを落ち着かせれば良いってね。

 

「皆様、準備はお斉なりましたか?」

 

試合10分ほど前に銀色の魔法陣が展開され、その中からグレイフィアさんが現れた。

 

「この10日間で随分変わられましたね。お嬢様、私の立場的に言いにくいのですか……頑張ってください」

 

「勿論よ。最善をつくさせてもらうわ」

 

グレイフィアさんは部室の真ん中に魔法陣を展開される。

そして全員が魔法陣の中に入ると、次の瞬間、魔法陣が光を出し始める。

 

「開始時間になりましたら、こちらの魔法陣から戦闘フィールドへ転送されます。それでは、ご武運を祈ります…」

 

そして次の瞬間、僕たちは光に包まれながら転移していた。

 

 

 

 

目を開けると、そこは先程と変わってない部屋だった。

転移失敗か?と思っていたが、窓を見ると空が紫に覆わっていた。

 

『皆様、この度、フェニックス家とグレモリー家の試合に置いて、審判役を任せられましたグレモリー家の使用人、グレイフィアと申します』

 

するとアナウンスのような音声で、どこからがグレイフィアさんの声が聞こえた。

 

『この度のレーティングゲームの会場としてリアス・グレモリー様方が通う、駒王学園の校舎を元にしたレプリカを異空間に用意しました』

 

異空間に学校のレプリカを用意するなんて、悪魔の技術力がすごすぎる。

 

『両者、転移された先は本陣でございます。リアス様は旧校舎のオカルト研究部部室、ライザー様は新校舎の生徒会室でございます。兵士はお互いの敵地に踏み込めた瞬間、昇格を可能とします』

 

なるほど、僕が新校舎に入ればその瞬間に昇格可能か。分かりやすい。

 

「全員、耳に通信機をつけなさい」

 

通信機ってもしかして、赤い光の球のことかな?

 

「戦場ではこれで味方同士やり取りするわ」

 

これで離れた場所で命令するのか~極めて便利なアイテムだから壊さないようにしないとね

 

『それでは0時になりました。開始の時間になります。制限時間は人間界の夜明けまで。ゲームスタートです』

 

そして校内の鐘の音が響く。

まるで試合開始と暗に告げているようだ。

 

「さぁ、初めましょうか……その前にイッセーは、こっちに」

 

「むきゅっ?」

 

部長は僕を自分の肩に指して、多分そこに来なさいと言っているだろう。

 

「この戦いはあなたが要なの。だからイッセーには体を休めて貰わないと……」

 

言われるままに、僕は部長の方を頭に乗っけた。

 

「今からイッセーの封印を解くわ」

 

「封印ですか?」

 

疑問を口にした時、僕の中で何かが外れて気がした。

 

「あなたを悪魔に転生さてる際にね、あなたの力があまりにも大きすぎたの。だから私はたかだか人間がそんな力を持って転生したら、体が持たないと判断し、あなたの力いくつかに分けて封印したの……杞憂だったけどね」

 

つまり、僕の中の存在する封印を解いたってことか?

だから力を溢れているのか~

 

「あなたが悪魔に転生出来たのは今さらながら奇跡でしょうね。変異の駒を含めないと転生できない16個分の『兵士』……最強の『兵士』よ、イッセー」

 

最強の『兵士』か……言い響きね!

 

『部長、僕と小猫ちゃんの準備、整いました』

 

『こちらもですわ、部長』

 

木場と朱乃さんの声が通信機から聞こえる。

なら僕の出番ね。

 

「朱乃は旧校舎の屋根で待機、祐斗は相手の『兵士』を森で警戒しながら待機、小猫はイッセーと合流して体育館に行きなさい」

 

その言葉で僕たちは同時に了承する。

 

「さて、私の可愛い下僕たち。準備は良いかしら?敵は不死身のフェニックス家の中でも有望視されている才児ライザー・フェニックスよ。消し飛ばして上げましょう!!」

 

それは宣戦布告としてはありがたいほど、意気の入った声だった。

 

 

 

 

 

僕は体育館付近で小猫ちゃんと合流し、そのまま裏口から入る。

僕たちは舞台袖で相手がいるかどうか疑った。

 

「小猫ちゃん、どうやら敵が来ちゃた。隠れる意味がないね」

 

「イッセー先輩は潔いがいいですね。行きましょう」

 

小猫ちゃんにそう言われたのは初めてだね。

そう思いつつ、僕たちは舞台の中の真ん中に立とつ、すでに体育館の真ん中にライザー・フェニックスさんの眷属の数人がいた。

チャイナドレスの女の子、体操服の双子の女の子、棍棒の女の子だ。

 

「こんにちは、グレモリー眷属の下僕さん……ってあなたでしたか。ライザー様のご友人さん」

 

「ライザー・フェニックスさんとは、去年に知り合ったけどなぁ。僕は兵藤一誠。リアス部長の下僕で唯一つの『兵士』」

 

僕のことを知っていたら、ライザー・フェニックスさんが眷属全員に女装の教えているかもしれない。

 

「私はライザー様に使える『戦車』、雪蘭よ」

 

「『兵士』のイルで~す」「ネルで~す」

 

「同じく『兵士』のミラよ」

 

双子の女の子とチャイナドレスの女の子と棍棒を持った女の子がそう言って自己紹介してくれる。

 

「小猫ちゃん、僕たちのデビュー戦た。行くぞ!」

 

「……はい!」

 

そして、僕たちは相手の舞台から飛び降りて、そのまま向かった。

 

「解体します」

 

「バラバラバラバラ」

 

目の前の女の子がチェーンソーを取り出して来たから。

僕に向けて双子はチェーンソーを振り回して来たぁぁぁぁぁ!!

 

「可愛い顔でとんでもない物を振り回しているの?物騒すぎるよ」

 

僕と小猫ちゃんはライザー・フェニックスさんの『戦車』1人と『兵士』3人と対峙している。

正直、僕1人でも良かったけど、どうしても小猫ちゃんが相手の『戦車』と戦ってみたいだね。

 

たぶん自分の修業の成果を見せたいだね。

だから僕は『兵士』3人と対峙しているけど……

 

「きゃはは!性別が分からないので、バラバラしてから調べてあげるよ!」

 

「バラバラしてあげる!可愛いね」

 

「可愛いくって何!?僕が男って分かるよね!?それにチェーンソーは少女が振り回すものじゃないだろ!?」

 

僕は双子のチェーンソーとミラの棍棒をかわしつつ、お札を霊力で纏われて彼女たちの足に向けて投げた。

 

「動けない!」

 

「外してよ!」

 

「ただの紙切れなのに取れない!」

 

それはそうよ。僕が投げたのは博麗神社印のお札。ただのお札じゃないからね。

『兵士』3人の動きを止めたことだし、良しとするかな?

さて、小猫ちゃんはどんな感じかなって、小猫ちゃんを見ているとチャイナドレスの女の子を圧倒している。

 

「はあ、はあ、攻撃が重い」

 

「修行の成果です」

 

そう言って小猫ちゃんは相手の腹部に鋭い一撃を送った。ズシンと重い音と共に、チャイナドレスの女の子は膝が床に付いた。

 

『イッセー!準備が整ったわ!』

 

部長からの指示が入った。

僕は小猫ちゃんと視線で合図を送り、頷いた。

その後、僕たちはその場から走り出し離脱する。

 

「逃げる気なの!?此処は重要拠点なのに!!」

 

4人が僕たちの行動に驚いている。

当然の反応ね。此処が重要拠点だからこそ僕たちの行動が繋がる。僕と小猫ちゃんが体育館から出た瞬間に、巨大な雷が襲い、消し飛ばした。

 

「テイク」

 

その言葉と共に、体育館の上空にいる巫女服装の朱乃さんの姿があった。

 

『ライザー様の『兵士』3名、『戦車』1名、リタイア』

 

審判役のグレイフィアさんの声がフィールド中に響く。

やっぱり凄いや朱乃さん

 

「凄いですね。朱乃先輩……」

 

呟くと、部長から通信が入った。

 

『イッセー、小猫、良くやったわ。次は祐斗と合流してちょうだい』

 

「「了解です」」

 

部長との通信を終え、僕は小猫ちゃんに向き変える。

 

「小猫ちゃん、行こう」

 

「はい」

 

と呟くと、僕たちを爆風が襲った。



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12話

「ふふふ……まかさ攻撃されるとは思っていなかった?狩りを終えて油断した獲物は一番狩りやすい……基本よ」

 

「そうね……確かに基本だね。タイミングも完璧だった。しかし、殺気は隠さないと駄目だよ?」

 

「な!?」

 

相手の『女王』は相当驚いているな。

それもそうね、確実に不意を突き、事前から用意した術を放ったて、しかも直撃を確認したのにも関わらず、声が聞こえたもんね。

僕は結界を貼い、爆撃を防いだ。

それでもタイミングはギリギリだったけどね。

 

「殺気の押え方を知ったほうがいいですよ?」

 

「余計なお世話」

 

敵に起こられちゃった。

 

「小猫ちゃん大丈夫?」

 

「イッセー先輩。結界も使えるのですね」

 

「まぁ、見せてなかったからね」

 

っと言ったけど、これからはどうしようか?

 

「イッセー君、小猫ちゃん……先を急ぎなさい」

 

「朱乃さん!」

 

そう思っていると、ちょうどあの『女王』と相対するように上空から降りてくる、朱乃さんがあった。

 

「心配はご不用ですわ。私の大切な後輩に不意打ちて傷つけようとする不届き者。オカルト研究部副部長として…倒しますわ」

 

朱乃さんは目を開くと、魔力が跳び上がる。

 

「分かりました!でも、気をつけてください!」

 

そう言って、僕と小猫ちゃんは木場の元に向かった。

 

『ライザー様『兵士』3名リタイア』

 

すると更に3名がリタイアしたというアナウンスが入った。

兵士3名ね……成る程、木場がやってくれたんだ。

 

「これで半分近くのあの人の駒を殲滅出来た。後は!」

 

僕と小猫ちゃんは運動場付近に到着すると、僕はすぐそばに木場がいることに気がつく。

そして僕は腕を引かれた。

 

「やあ、イッセー君、小猫ちゃん。無事で良かったよ」

 

腕を引いた張本人は涼しい顔で無傷の木場だった。

 

「さてと、これからどうする?」

 

「次の敵は小猫ちゃんとは相性が悪い『騎士』や『僧侶』だらけだ…ここは」

 

「小猫ちゃんを待機するとかないね」

 

そう言うと、木場は頷いた。

それを聞いていた小猫ちゃんは苦い顔だった。

 

「ですが……」

 

「小猫ちゃんの気持ちも分かるけど、僕たちは負けれない。それに駒の数じゃ僕たちは圧倒的に降りなんだ」

 

僕が諭すように言うと、小猫ちゃんは頷いた。

 

「ごめんね、小猫ちゃん。もし、僕と木場がピンチになったら……その時は、助太刀してくれるかな?」

 

「…分かりました」

 

小猫ちゃんが頷くを見て、僕と木場は静かに立ち上がった。

 

「木場、こそこそと隠れるのが面倒くさくなってきていない?」

 

「そうね。僕も面倒なのは嫌になってきたところだよ」

 

そう言うと、僕たちはどちらともなく笑った。

考えるのは一緒か……だったら!

 

「オカルト研究部の男子コンビで、あいつらに目を飛び出るくらいに驚かしてやろう!そして見せつけやるんだ!僕たちの実力を」

 

「当然だよ!僕たちは舐められて終わらないからね」

 

そして僕と木場は拳を殴り合わせ、そして用具倉庫から飛び出る。

 

「ライザー・フェニックスさんの眷属たち!出てこいや!僕たちはここにいるぞ!」

 

僕は運動場に姿を出で叫ぶようにそう言い放ち、籠手を出現する。

 

『Boost!!』

 

すると、甲冑姿の女の子が出てきた。

剣を持っているから『騎士』かな?

 

「正面から堂々と現れるなど、正気の沙汰とは思えん。だが、私はお前らのような馬鹿が大好きだ!」

うん。僕も言えたことじゃないけど、あの娘も結構、馬鹿じゃないの。

 

「私はライザー様の『騎士』、カーラマインだ!グレモリーの『騎士』よ、名を名乗れ!」

 

「僕はリアス・グレモリー様の『騎士』、木場祐斗。『騎士』同士の戦い、待ち望んだよ!」

 

「良く言った、リアス・グレモリーのナイトよ!!」

 

すると相手の『騎士』が高速で動きはじめる。

木場と遜色のないほど速度……さすがは『騎士』だ!

木場、あんたも実は剣馬鹿だったのね!

なんなか、2人とも生き生きしているね。

こうなると僕と小猫ちゃんが暇だな。

 

「暇だな」

 

「まったく、頭の中まで剣で塗りつぶされた者同士の戦など、泥臭くてたまりませんわ。カーラマインったら『兵士』たちを犠牲にするときも渋い顔をしていましたし、主の戦略が気に入らなかったのかした?」

 

なるほど。

 

「全員投入となさすがに驚いたよ」

 

顔の半分だけ仮面をつけた女性と、ドレスを着た金髪縦ロールの女の子、双子の猫耳少女に和服の女の人に大剣を持った奴…。

うわ、属性もりもりだ。

 

「それにしては随分と物静かだな、リアス・グレモリーの『兵士』」

 

「焦っても意味がないからね」

 

仮面の女が僕にそう言ってくる。

 

「ほう、面白い。ならその力を見せてもらおう!私はライザー様に使える『戦車』イザベラ。さあ、行くぞ!リアス・グレモリーの『兵士』!」

 

「上等!!」

 

『Boost!』

 

そして僕と『戦車』の近接戦闘が始まる。

 

――――――ッ!!

 

こいつは小猫ちゃんと戦った『戦車』よりも強い!

僕はこいつの全ての攻撃を避けていくけど、拳の風圧だけで火傷しそうだ!

 

「ほう!良く避ける!さすがはライザー様のご友人のことだけあるようだ!」

 

「そいつはどうも!」

 

僕がイザベラの攻撃した瞬間、籠手に包まれた拳を強く握り、素直にストレートを放ち狙う!

紙一重で交わずも、そして体制が崩れ攻撃してきたところを、回し蹴りでカウンター!!

 

「ぐぅっ!」

 

勢いに勝てず、イザベラは地面に叩きつけられる。

 

「これほどとは。ならば全員で掛かるまで!!」

 

すると僕を囲むように金髪の女の子を除く全ての駒が臨戦態勢になる。

って、え?

 

「あの子は戦わないの?」

 

僕はイザベラに尋ねると、彼女はなぜか歯切れが悪そうに答えた。

 

「あ、あぁ。その方は戦わないのだ。なぜならその方の名は、レイヴェル・フェニックス」

 

 

 

 

……………フェニックス?

 

 

 

「つまりライザー様の実の妹君だ」

 

「……………………………え?」

 

あの子はライザー・フェニックスさんの実の妹であの人の駒?

もしかしてこの戦いの空気を感じされる為に眷属になったのかな?

 

「まったく、頭の中まで剣、剣、剣で塗り潰された者同士、泥臭くたまりませんわ。カーラマインったら、お兄様が言ったサクリファイスに顔を渋っていましたし、あちらの殿方も顔は良いですが、そちらも剣バカだなんてついていませんわね……」

 

この子は高飛車系なお嬢様だ。

友達関係でギクシャクしそうね。

 

「相手を全員倒せば、良いだけだね」

 

夢想封印でもいいけど、今回はチーム戦だから、久しぶりにあれだ!

 

「受け取って木場!赤龍帝の贈り物(ブーステッドギア・ギフト)!」

 

『Transfer!!』

 

「こ、これは?」

 

「木場!あんたの神器を使って!!」

 

魔剣創造(ソード・バース)

 

木場が地面に魔剣創造(ソード・バース)を使うと、地面から数多な魔剣が生え、ライザー・フェニックスさんの眷属の腹部に全員が刺さった。

 

「ば、馬鹿な!?」

 

「……これもドラゴンの、力!?」

 

彼女たちが呟くと、光に包まれて消えていた。

 

『ライザー様の『兵士』2名、『騎士』2名、『僧侶』1名、リタイア』

 

レーティングゲームでリタイアした下僕は然るべき場所で然るべき治療を受けるらしい。

 

「イッセー君。この力は…」

 

「赤龍帝の籠手は、自分の力を増やす以外にも、それを物や他人を譲渡することが出来る。他人には譲渡した事はないけどね」

 

すると、

 

『イッセーさん!聞こえますか?』

 

アーシアの通信が突然に響いた。

焦ってる?何があったの?

 

「どうしたの、アーシア!何があったの!?」

 

『大変なんです!部長が……部長さんが!!』

 

何だろう、この胸騒ぎは。

アーシアの焦りの声と、どこからともなく感じる様な予感に僕は冷や汗を掻くながらアーシアの言葉を待つ。

そして、その嫌な予感が的中したのだった。

 

『部長さんが単騎で相手の本陣に向かいました』

 

それは衝撃な出来事で、僕は目を見開いて驚いた。

そして……

 

『リアス様の『女王』リタイア』

 

更なる追い討ちを掛けるようにそのアナウンスが響き通った。

そして僕の耳に聞こえた。朱乃さんのリタイアを知らせる音声。

 

「アーシア、一体何があったの!?どうして部長が……」

 

朱乃さんのことは心配だけど、今は部長が最優だ!

 

『向こうからの通信で、部長さんとの一騎打ちで決着を付けるって!』

 

僕は新校舎から怒る爆発音と轟音に気付く!

むきゅう!こうなったら!!

 

「木場、小猫ちゃん!相手の『女王』は朱乃さんを倒した!次に狙われるのは部長か、アーシアがいるところだ!だからアーシアの所に向かって……」

 

その時、通信機からアーシアの叫び声が聞こえた!

あの方向は間違い。

 

「急いで!木場、小猫ちゃん!あの区域は朱乃さんが仕掛けた罠があるけど、それも通用しない!僕がすぐにも部長のところにいく!」

 

木場と小猫は急いでアーシア達の所に向かう。

敵の狙いは僕たちの生命線であるアーシアの撃破。

そして部長を自身で葬り、保険としてアーシアを消す。

 

もし、木場と小猫ちゃんが相手の『女王』を押さえてくれたえら、僕はライザー・フェニックスさんに集中できる。

 

それでも敵は朱乃さんを倒したほどの悪魔……強さは相当なはず。

 

「あぁ、分かった!…………イッセー君、頼んだよ!」

 

「先輩も、気をつけて!」

 

「こんなことは、言いたくありませんけど、あなた方の勝ち目はありませんわ。こちらの女王、ユーベルーナ。彼女にはフェニックスの涙を一つ、持たせていますわ」

 

僕が急いで新校舎の中に入っていた時、

僕に話しかけるライザー・フェニックスさんの妹がいた。

彼女はガラス張りの扉にもたれかかってそう言ってくる。

 

「だからどうしたの?僕たちを舐めるなよ。例え、相手が不死身でも倒す。何があってもだ」

 

『Boost!』

 

僕はそれだけを言うと、そのまま新校舎を掛け上がる。

どうにか間に合ってくれよ!

 

 

 

 

リアスside

 

私は旧校舎の屋上でライザーと対峙している。

アーシアには回復のオーラを送ってもらっているが、予想外が起こったわ。

まさか、ライザー自ら私たちの本陣に攻めてくるなんて。

 

「リアス、いい加減諦めろ………君はもう詰んでいる。君の本陣には我が最強の女王、ユーベルーナを送った。もうじき、リタリアになるだろう。そしてそこで君が倒されればそこで終わりだ……投了しろ、リアス」

 

「いいえ、ライザー。私は諦めないわ。せっかく皆が頑張ってあなたを追い詰めているのよ。

『王』である私が諦められるわけが無いわ!」

 

私はライザーの顔に向けて大質量の魔力を放つ…だがそれが直撃しても、ライザーの顔が消し飛んでもまた再生する。

魔力の消耗や精神力は削られるが、例えその行為が愚かだとしても私は諦めないわ。

 

「なら、この一撃で終わろう。散っていった眷属たちの思いも背負った『王』の攻撃だ」

 

ライザーの上げられた片手の上に炎が渦巻き球体を作り出す。

 

「チェックメイトだ、リアス」

 

「くっ……!!」

 

私は目を閉じて敗北を認めた時、私のよく知る声が屋上に響いた。

 

『Boost!』

 

『Exploslon!』

 

「夢符<二重結界>」

 

ライザーの炎を防ぐように鎮座する結界と、その内側で私の傍に立つイッセーの姿があった。

 

「イッセー」

 

イッセーはこくり頷いた。

 

リアスsideout

 

 

部長は満身創痍の状態で、アーシアのところまで向から、優しく頭を撫でる。

 

「言いたいことは沢山ありますが、今は僕がやりますから。部長は休んでください」

 

「ごめんなさい」

 

謝らないでください。

 

僕は部長に自分の制服を被せ、ライザー・フェニックスさんの元に向かった。

 

「兵動一誠。貴様がここまで来るとわな」

 

「来ちゃった。ライザー・フェニックスさん」

 

「―――なんだ」

 

「一丁やります?」

 

ライザー・フェニックスは好戦的な笑みを浮かべ、その背後に炎の翼を大きく拡げる。

 

「貴様と話すものいいけど、それに……このゲームは負けるわけにはいかないからな!!」

 

その言葉と共に、二人は足を動かした。



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