超高校級の技術者 (リメイク版) (海虎)
しおりを挟む

プロローグ 設定

キャラの設定はあとがきに書きます。通信簿はダンガンロンパ風に書いてあります。通信簿は今作主人公がジャバウォック島にいった場合の通信簿となっています。


その巨大な学園は都会のど真ん中の一等地にそびえ立っていた。私立希望ヶ峰学園。学業、スポーツ、芸術、芸能あらゆる分野の超一流高校生達を集め育て上げることを目的とした政府公認の超特権的な学園。そんな学園での生活も今日から2年目に入ろうとしていた。

 

(僕の名前は倉橋雫、超高校級の技術者として希望ヶ峰学園の2年生だ。って誰に自己紹介してるんだろ)

 

2年生に上がり場所が変わった教室に向かう、教室に着くと既に自分以外のクラスメイトが全て揃っており各々騒いでいた

 

「おはよう、みんな久しぶり」

 

「おう、ひさしぶりじゃのう!見たところしっかりわしが渡したトレーニングもしっかりこなしているようじゃの!」

 

「ってことは倉橋も強くなったのか!バトろうぜ!」

 

「終里さんほどは強くなってないよ」

 

「なんだそうなのか、まっ今日からまたよろしくな」

 

「よろしく頼むぞ!」

 

「よろしく2人とも」

 

弐大と終里との会話を終えて席に着く、同じく席に座っていた九頭龍と辺古山達にも挨拶を済ませる

 

「そういや倉橋春休みは何してたんだ?」

 

「ん?春休みは今年ここに入ってくる1年生の子と新しい発明に付き合ってもらったり、フランスにいるテストパイロットの機体調整、"男性でも動かすことが出来るISの試作開発"とかで忙しかったから休んだ気がしないな」

 

「さらっと凄いことを聞いた気がするが」

 

「まじかよ、お前まじで世界をかえられるもしれないな」

 

「僕はそんなに凄くないよ、僕くらいの人は大勢いる」

 

「お前みたいな天才が大勢いたら今頃こんな世の中になってないだろうよ」

 

九頭龍の言うように今の世の中はISの登場で変わってしまった。IS(インフィニット・ストラトス)は9年前、当時15歳の篠ノ之束が発表した宇宙開発を目的としたパワードスーツとして開発されたが。ミサイルなどの兵器も通さない絶対防御と言われるシールド、戦闘機よりも速いスピードと機動力を持つ兵器として今では扱われている、その原因は「白騎士事件」そこでISの力を見せつけ宇宙開発としてでは無く兵器として運用されるようになってしまった。そしてISの欠点である女性しか使うことができないという事で世の中は女尊男卑の世界に変わっていった。

 

「そうだよ、倉橋君。君はそんなくだらない世の中に産まれた希望なんだ。もっと胸を張るべきだよ」

 

九頭龍達と話しているところにボロボロの狛枝がやってくる

 

「相変わらずだなおめぇはって大丈夫か」

 

「ほんとだよ。今日はどんな災難にあったの?」

 

「ハハ、僕みたいなクズを心配してくれてありがとう」

 

「坊ちゃん、狛枝はいつもどおりのようです」

 

「そうだな、これくらいの軽口叩けるなら大丈夫だな」

 

「確かに大丈夫そうだね」

 

「酷いなー、そう言えば春休み中に全国の学校で男性のIS適正検査が行われていたみたいだね、織りなんとかの他にも1人適正がある人が見つかったらしいよ」

 

「そういや、俺達はまだ検査受けてないよな」

 

「そうだね、適性があったら左右田君とか花村君はかなり喜びそうだ」

 

「まぁ受けなくてもいいと思うけどね、どうせ誰も動かせやしないから」

 

「そういう倉橋は動かせんじゃないのか?」

 

「秘密かな」

 

「言ってるようなもんじゃねぇか」

 

九頭龍達との会話に花を咲かせていると教室のドアが空く、担任の雪染ちさと黄桜公一が入ってきた瞬間に皆席に着く

 

「みんな久しぶりね!今日から新学期、みんながっばっていくよー」

 

「あと悪いが男子はこれから校庭に出てきてくれ、ISの適正検査があるんだと」

 

黄桜から支持を受けた雫達は校庭に向かい適正検査を受ける

 

「なぁ雫、もし適正あったらどうなるんだ?それにお前に適性がある事がバレたら」

 

左右田が雫に小声で聞いてくる

 

「多分IS学園に行くことになるかな、まぁ交渉はするけどね」

 

「だよな、ハーレム生活も悪くないが自分の進路を強制されるのはちょっとな」

 

「左右田君がそんなこと考えてるなんて意外だよ」

 

「お前俺の事なんだと思ってんだよ!それに俺はソニアさん一筋だ!」

 

「そこ!話してないで早くしないさい!」

 

黒スーツの女性がさけぶ

 

「はいはい」

 

左右田はそういいISに手をかざすが何も反応しない、そして雫の番になる

 

「あんたで最後ね、早く済ませちゃって」

 

雫は無言で手をかざすとISが反応し打鉄が装着されるが直ぐに雫が解除する

 

「そんな!あなたここで待っていなさい」

 

黒スーツの女性は電話をかけ始めるが雫は女性の言うことを無視して教室に戻る、教室に戻るとみんなから色々聞かれた

 

「雫お兄もしかしてIS動かしちゃった?」

 

「まぁね」

 

「あんたもしかしてずっと隠してたんじゃないの?」

 

「まぁ公表しても禄なことにならないから黙ってたんだけどね、知ってるのは左右田君と家の会社の重役だけ」

 

「そうだったのか、じゃあこれから倉橋はどうなるんだ?」

 

「日向君、多分IS学園に転校じゃないかな最悪研究所かも」

 

「まじかよ」

 

「大丈夫です、私がそんなことさせません!」

 

ソニアが言う

 

「大丈夫だよ、こっちにはかなり手札があるから」

 

「お前さんがそう言うなら大丈夫か」

 

「でも倉橋君はこれからハーレム生活が有り得るのか!羨ましいね」

 

「花村君ならそう言うと思ったよ」

 

クラスメイト達と話していると校内放送がはいる

 

「倉橋雫君、至急学園長室まで来るように」

 

「もう呼ばれたか、じゃあいってくるよ」

 

学園長室に着くと黒スーツの女性3名と学園長の霧切仁が待っていた。

 

「君が超高校級の技術者での倉橋雫君か」

 

「えぇ、あなたは織斑千冬さんですね、他2人は知りませんが。それでその織斑千冬がなんのようです?」

 

「君には2日後から新入生としてIS学園に転校してもらう」

 

「お断りします、僕がそこに行くメリットがありませんから」

 

「あなた男の分際で千冬様に逆らってるんじゃないわよ!」

 

「うるさいですね」

 

「大体こっちはIS学園で保護してやるって言ってるんだから二つ返事で了承しなさい」

 

「君、辞めるんだ」

 

織斑千冬が1人の女性にそう言う

 

「ですが」

 

「やめろと言っている」

 

「わっわかりました」

 

「こちらが提示できるメリットとしてはさっきもこの女が言っていたように君の保護だ」

 

「それだけですか?」

 

「これを拒否すれば研究所に送られる可能性がある」

 

「それは有り得ませんね」

 

「何」

 

「織斑さんは超高校級の肩書きがどれ程の力を持っているかご存じですか?」

 

「いや、その肩書きがあるだけで将来が約束されるということしか知らない」

 

「そう、僕のことを欲しがる場所は沢山あるんですよ、ISの分野だけでなく他の分野からもね。だからそんな人材を日本政府やIS委員会が研究所送りになんてしたことが発覚したら世界の損失なんですよ、僕はこれでも世界の希望でもあるんですから、それはあなたもご存知でしょう織斑さん」

 

「そうですね」

 

「それにIS学園が後ろ盾にならなくても既に倉橋コーポレーションという後ろ盾がありますから」

 

緑髪のメガネの女性が口を開く

 

「ですが、テロリストなどの組織に狙われる可能性が」

 

「そんなの去年から狙われてますよ、現にここや会社に何度か襲撃がありましたから」

 

「本当ですか?霧切学園長」

 

織斑さんが学園長に聞く

 

「えぇ、ですがここへの襲撃は警備のものが鎮圧してくれました」

 

「それに会社にも戦力はかなりありますから」

 

織斑さん達は黙る、すると学園長が口を開く

 

「倉橋君、君にメリットがあればIS学園に行ってもいいのかい?」

 

「えぇ」

 

「なら君が条件を提示したまえ、織斑さん達もそれでいいかな。これがこちらができる最大限の譲歩だ」

 

「わかりました」

 

「この項目を守ることができるなら行きますよ」

 

1.授業の免除

2.学籍を希望ヶ峰学園に残したままにする

3.基本的に倉橋雫に適応される校則は希望ヶ峰学園のものとする

4.倉橋雫個人の研究室を用意する

5.倉橋雫に危害を加えたものに対して制裁を加えても良い(生死は問わない)

6.倉橋雫は基本的に技術の提供はしない

7.倉橋雫を戦力として扱わない、扱う場合報酬を支払う事

8.テストパイロットのスカウトを邪魔することを禁ずる

9.テストパイロット、7の項目と同文

 

9個の項目が書かれた紙を織斑さん達に渡す

 

「こんな項目守れる訳」

 

「わかった、この項目を守ることを上に掛け合ってみる」

 

「織斑先生!」

 

「2人とも行くぞ」

 

そう言うと織斑さん達は学園長室を出ていった。

 

「流石だね、倉橋君」

 

「いえいえ、ですが政府も馬鹿ですね。本職の人でなく織斑千冬を交渉役に持ってくるとは。大方ブリュンヒルデの肩書きをチラつかせれば来るとでも思っていたんでしょう」

 

「確かにかなり適当言うと思ったよ、いくら世界の希望と言っても無理やり送られる可能性もあるだろうに」

 

「まぁ確かにそれもありますけどそれも無いに等しいですよ。学園長も去年のテストで僕が何を提出したのか分かってますよね」

 

「ああ、あれには驚かされたよ。もうこんな時間か戻りたまえ」

 

「わかりました」

 

学園長室をでて教室に戻る

 

「どうだった倉橋」

 

「まぁなるようになるかな」

 

「何があっても俺達はお前の味方だからな」

 

「そうだぜなんでも俺に相談しな」

 

「さすがっす左右田ちゃん」

 

「実際はこういうのに力になれそうなのソニアお姉と九頭龍くらいだけどね、でも日向お兄や左右田の癖にいい事言うじゃん」

 

「余計なこと言う必要は無いだろー!」

 

「西園寺の言うようにまじでなんかあったら言えよ」

 

「ありがとう」

 

「それと話は変わるんですけど今日は授業はないそうです」

 

「それもそうか、罪木さん教えてくれてありがとう」

 

それから夕方までクラスメイト達と騒いでいた

 

夜9時頃に寮に戻った雫の携帯が鳴る。

 

「上に掛け合った結果、君のIS学園行きが決定した。項目は全て受け入れるようだ」

 

「わかりました」

 

そういい電話を切る、こうして倉橋雫の日常は崩れ去った。

 




名前:倉橋雫
肩書き:超高校級の技術者

通信簿

1.
身長163cm 体重48kg 血液型B
好きなもの:77期生の皆 義理の家族
嫌いなもの:前の家族 価値観の押し付け
特記:超高校級の技術者、IS学園1年生

2.
自分の発明で人が豊かになっていくことが好きだと言っていた。
好きなことを聞くと照れ臭そうに自分達と義理の家族言ったが逆に嫌いなことを聞くとかなり機嫌を悪くしどこかに行ってしまった。

3.
この前言っていた事が本当かどうかを聞くと技術者としての自分は前言っていたことが本心だが倉橋雫としては義理の家族の為になれれればいいと思っていると言っていた。それでも日向が自分の言葉で褒めてくれた事で少しだけ打ち解けたようだ

4.
家族について聞くと今のか前のかと聞かれる。
選択肢:前の家族✕ 今の家族〇
血は繋がってないが自分を拾ってくれてこの才能を初めて認めてくれた恩人だと言う。特に義理の姉には良くしてもらっていると言っていた。

5.
日向が気になっていることを察して前の家族の事を話してくれた。両親は屑で特に母親が女尊男卑であった為、毎日のように暴力を受けていた。昔は優しかった姉と妹がいたが2人にも次第に暴力などをふるわれて最終的に捨てられたらしい。
選択肢:頑張ったな✕ 酷いな✕ ・・・〇
言葉が出なないでいると雫は笑ってこの話はこれで終わりだと言ってどこかに行ってしまうがその後ろ姿は今にも消えてしまいそうだった

6.
あの話をしてからかなり上の空が続いていた為、日向がまた前の家族の話題を振る。
選択肢:元両親がどうなったのか✕ 優しかった姉妹の事〇
裏切られる前まではとても仲が良かったと語る。希望ヶ峰学園に上がる時に元いた施設に2人が会いに来たらしいくその後うちに会社にも来たけどその時は泣きそうな顔でいや、妹の方は泣きながら謝ってきたが取り合わなかった。日向がそれでいいのかと聞くとわからないと応える。島を出たらもう一度話してみることを提案すると倉橋は考えておくといい、立ち上がりどこかに行くが後ろからありがとうと聞こえてきた。

スキル:パーフェクター
精神集中時、正解の言弾に自動で切り替わる
ノンストップ議論の時使用可能

プレゼント:倉橋のパンツ
そこら辺で売られている何の変哲もないパンツ


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

1話

4月、桜も散り始めている頃新しい学び舎に悠里はいた。近代的な教室に、ハイテクを詰め込んだ机、窓の外には広い敷地とその先に大きく広がる海が見えた。そして貫くような視線の数々。頭を上げると見えるのは嬉しそうに視線を送ってくる男子と息を飲む女子生徒、そして何よりいつまで経っても後ろの席に誰も来ないということが気になっていた。

 

「(どうして僕がこんな目に)」

 

鹿島悠里は4月にデュエルアカデミアに入学するはずだった決闘者だったが織斑一夏がISを動かしたせいで行われた適正検査に引っかかりアカデミアへの入学取り消しになりここに来ることになった。

 

「(それにしても後ろの人いつまで来ないつもりなんだろう、入学式ももう終わってるのに)」

 

悠里がそんなことを考えていると緑髪の眼鏡の先生が入ってくるそして教卓についた。

 

「おはようございます!今日から皆さんの副担任になる山田 真耶ですっ、皆さんよろしくお願いしますね!」

 

元気よく山田先生が挨拶するが誰も返さない

 

「えっとじゃあ皆さんの自己紹介をしましょう、廊下側の一番前からお願いします」

 

あ行の人から自己紹介を済ませていく、そして1人目の男性操縦者である織斑一夏の番になる

 

「えっと、織斑 一夏です、・・・以上です」

 

すると突然織斑の頭がはたかれた。

 

「まともに自己紹介も出来んのかお前は」

 

織斑を叩いたのは織斑千冬その人だった。織斑千冬の登場に教室が一気にうるさくなる

 

私が織斑千冬だ、お前達には基礎知識を半年で覚えてもらう、その後は訓練だ!基礎動作は半月で覚えろ。いいな」

 

「(ここは軍隊かよ)」

 

「千冬様よ!本物の千冬様よ!」 

 

「貴方の為なら死ねます!」

 

「貴方に憧れて北海道から来ました!」

 

「よく毎年ここれだけの馬鹿が集まるものだ、私のクラスに集中させているのか」

 

「もっと叱って!罵って」

 

「でも時には優しくして」

 

「そしてつけあがらないように躾をしてー!」

 

「あまり時間がない、鹿島お前も自己紹介をしろ気になっている奴も多いだろうからな」

 

織斑先生に言われ席をたち自己紹介を始める

 

「鹿島悠里です、元々は今年からデュエルアカデミアに通う予定でしたがよろしくお願いします」

 

「デュエルで鹿島って」

 

「もしかして美月様の弟!」

 

「凄い有名人の血縁者が2人も」

 

「(ここでも姉さんか)」

 

「織斑、自己紹介はこうやってやるんだ。それと皆が気にになってる鹿島の後ろの生徒だが今ここに来ている、入ってこい」

 

「はいはい」

 

「はいは1回でいい」

 

入ってきた生徒はIS学園との制服ではなく、茶色の制服を着ておりその制服には希望ヶ峰学園の校章が入っていた。予想外の人間の登場に皆目を見開いていた。ISを学ぶものなら誰でも知っている人間といえば開発者の篠ノ之束、ブリュンヒルデの織斑千冬の2人を上げるが去年からもう1人加わった、開発者以外の人間がISのコアを開発したと世間を騒がせた張本人が目の前にいた

 

「倉橋雫です。一応君達の1つ上だけどよろしく。知ってると思うけど希望ヶ峰学園77期生の超高校級の技術者です」

 

「倉橋はここに来ているが基本的には希望ヶ峰学園の生徒でもある。諸君も気になることがあれば聞いてみるといい」

 

織斑先生がそう言うと雫はものすごく嫌な顔をしたがすぐに治し空いている席についた。こうして鹿島悠里のIS学園での生活が始まった。

 

 

 

「(自己紹介はしたけどどうせすぐこの教室にも来なくなるんだよね、このクラスメイトと宜しくするつもりもないし。いや、2人の男性操縦者は一応見る期間が必要かな)」

 

ホームルームが終わるとすぐに悠里は授業の予習を始める、その光景を見ていた雫は軽く感心していた。

 

「(自分の立ち位置を理解してるってことか)」

 

そこに織斑がやってくる

 

「なぁ俺は織斑一夏よろしく」

 

「・・・ああ、よろしく」

 

「よろしく」

 

「俺の他にも同じ境遇がいて良かったよ」

 

「(こいつ、自分が何をしたのかわかってないのか)」

 

「(こんな奴のせいで僕は・・・。いや僕が動かせてしまったのも原因だし)」

 

「ちょっといいか?」

 

そこに1人の女子がやってくる

 

「箒?」

 

「織斑を借りてもいいか」

 

「別にいいよ」

 

「僕も構わないよ」

 

織斑がどこかに行ったあと悠里が雫の方を向き言い放つ

 

「その観察するみたいな目は辞めてくれないかな、いい気分は誰もしないと思うから」

 

「へぇー気づいてたんだ、ごめんね。仕事柄人を観察することもかなりあるから」

 

「まぁ僕も人の観察はよくするからそういう視線には敏感なんだ」

 

そういい悠里は前を向いて予習に戻った。

 

「(成程。さすがはエリート決闘者の卵と言ったところだね、あの視線にも気づいてたのか。これは候補に入れて置いてもいいかもしれない)」

 

その数分後にこっちにまた女子がやってくる

 

「ちょっと宜しくて?」

 

「ん?」

 

「(この人確かイギリスの代表候補生の)なんでしょうオルコットさん」

 

「倉橋君、この人は?」

 

「デュエルしかしていなかったのなら私を知らなくても仕方ありませんわね、私はイギリス代表候補生のセシリア・オルコットですわ」

 

「よろしくお願いします、オルコットさん」

 

「よろしくですわ、そして倉橋さんに知っていただいていたなんて光栄ですわ」

 

「えぇBT適正の高い操縦者だからデータを見たことがあるんですよ、それで何か御用ですか」

 

「特に用はないですわ、強いていえば男性操縦者がどのような方々なのか見に来ただけですわ」

 

「なるほど、ではもうすぐチャイムがなるので席に戻ることをオススメしますよオルコットさん。」

 

「そうですわね、また来ますわミスタ倉橋、ミスタ鹿島」

 

チャイムがなり遅れて戻ってきた織斑と篠ノ之は織斑先生に叩かれていた。

 

「(まぁそうなるよね、でもこれからISの座学か寝てよ)」

 

そうして授業が進んでいく、織斑が顔を青くしているのが悠里からもみてとれた。

 

「織斑君、鹿島君わからない所はありますか」

 

「一応大丈夫です」

 

「ほとんど全部わかりません」

 

「え!?全部ですか?他にわからない人はいませんか?」

 

山田先生が聞くが誰も手を挙げない

 

「悠里も雫もわからないだろ、嘘ついてもいい事ないぞ」

 

「いえ僕は大丈夫です、着いてくのにやっとですが」

 

「・・・ん?なんか言った?」

 

織斑の言葉に反応して雫が起きる

 

「お前も授業ついてけないんだろ?だから寝てるんだろ?」

 

「いや別に、こんな教科書があれば簡単なことが理解できないのかが理解できない」

 

「は?」

 

「それにこんな初歩の初歩を僕が知らないなんてありえないでしょ」

 

「どうしてだよ!そんなに言う必要も無いだろ」

 

すると織斑先生が口を開く

 

「織斑、参考書はどうした」

 

「古い電話帳と間違えて捨てました」 

 

織斑が言い終える前に叩かれる。

 

「後で再発行してやるから1週間で覚えろ」

 

「えっ1週間であの厚さはちょっと」

 

「やれと言っている」

 

「はい」

 

「鹿島、倉橋についてIS関連で騒がせたことを応えろ」

 

「はい、彼は超高校級の技術者であり去年の希望ヶ峰学園の期末テストでISコアの複製作り上げており、IS委員会とIS学園に10個づつコアを寄付しています。それと確か第三世代機の量産化に成功しています。」

 

「その機体の名はわかるか」

 

「いえ、そこまでは」

 

「まぁ春休みからISの勉強を始めたのなら知らなくても仕方がないか。だがこれだけ分かっていれば確かギリギリついていけそうだな。織斑今、鹿島が言ったとおり倉橋はIS開発者以外でISコアを作れる唯一の天才ということだ」

 

「そういうことだから僕がわからないなんてことはないってわけ」

 

「そういうことだ織斑、それと倉橋に教えてもらおうなんて考えるなよ」

 

「そんな」

 

このやり取りをしていると一限終了のチャムがなる

 

「もうこんな時間か倉橋、次の時間はクラス代表を決めるからちゃんと授業2出るように」

 

「・・・わかりました」

 

授業が終わると織斑がこちらにやってくる

 

「なぁ雫頼むよ!1週間であの量は無理だ」

 

「嫌だね、織斑先生にも言われたのもあるけど、君の勉強に付き合ってやるほど暇じゃない」

 

「なんだよ!困ってるんだから助けてくれてもいいじゃないか!」

 

「君の場合は自業自得だからね、それに基本的に僕は希望ヶ峰学園の生徒として扱われるから希望ヶ峰学園の期末試験用に研究成果を作らないといけない。だから君には教えない」

 

「なら悠里、教えてくれないか」

 

「僕も自分の事でいっぱいいっぱいだから」

 

「そんな友達なんだから助けてくれよ!」

 

「友達?誰と誰が?」

 

悠里が織斑に向かって言う

 

「俺とお前らだよ、同じ男性操縦者同士で同じ境遇の友達だろ」

 

「僕らまだ知り合って2時間程度の仲だけど、少し馴れ馴れしいよ」

 

「僕は君のことなんてどうでもいいよ、それにここに来るきっかけになった君に怒りすら覚えてるから即刻この場から立ち去ることをオススメする」

 

悠里の次に雫が言った言葉に唖然とするが直ぐにくってかかる

 

「なんでだよ!ここに来ることになったのはお前も動かしたからだろ!」

 

「あのさ、僕は結構前からISの開発なんかに関わってるんだよね、それで君よりも前に適性があることはわかってたんだよ」

 

「じゃあなんですぐ公表しなかったんだよ!」

 

「君ってホントに馬鹿だね、そんなことしたらここに送られるからに決まってるじゃん。それにその時はまだ超高校級の肩書きはなかったから研究所だったかもね」

 

雫が言い終えると良いタイミングでチャイムがなり織斑は渋々自分の席に戻っていった。そして織斑先生達が教室に入ってくる

 

「それでは授業を始める前にクラス代表を決める」

 

「先生クラス代表ってなんですか?」

 

「クラス委員の様なものだ。他にもクラス対抗戦などに出ることになる、自選他薦は問わない」

 

(研究の時間が減るからなる理由はないな)

 

「はい!織斑君がいいと思います」

 

女子生徒の1人が言うと次々と織斑を推薦していく

 

「えっ俺?俺はそんなのやらない」

 

「馬鹿者、自選他薦は問わないと言ったはずだ」

 

「なら俺は雫と悠里を推薦する」

 

織斑がそう言うとほかの女子達も推薦していく

 

(織斑君、巻き込んだな)

 

(面倒なことになりそうだ、オルコットさんが震えてるぞ)

 

「納得いきませんわ!」

 

ドンっと机を叩き立ち上がる

 

「男がクラス代表だなんて恥さらしも良いところです、私にそのそうな屈辱を味わえと言うのですか!いいですか?クラス代表は実力の高い人間、私や雪村さんのような代表候補生がなるべきなんです!私は後進的な極東の島国で茶番をする気なんて毛頭ありませんわ!」

 

(まぁ言ってることは間違ってないけど少し言い過ぎだ。周りは日本人ばっかだぞ)

 

「イギリスだって大したお国自慢ないだろ!世界一不味い飯で何年覇者だよ!」

 

「貴方!私の祖国を馬鹿にしますの!」

 

「先に侮辱したのはそっちだろ!」

 

2人のやり取りに雫と悠里はため息をつく

 

「日本がバカにされてんだぞ!2人ともなんか言ったらどうだ!」

 

「別にオルコットさんが言ってることも間違ってないよ、後半はちょっといきすぎてたけど」

 

「僕も鹿島君と同じ意見かな、それに僕は日本がバカにされてもどうとも思わないよ。それにこんな茶番に付き合ってる暇はない」

 

「茶番だと!」

 

「あと話は変わるけどオルコットさん、周りを見て発言した方がいい、いつか身を滅ぼすよ」

 

「決闘ですわ!私に恥をかかせたことを後悔させますわ!」

 

「「は?」」

 

「いいぜ四の五の言うよりわかりやすい」

 

「くだらな」

 

雫が呟く

 

「なんで僕まで巻き込まれなきゃ行けないんだ」

 

「あら逃げますの?」

 

「そうとらえてもいいよ、鹿島君は知らないけど僕はこれほど時間を無駄にすることは無いと思ってるから」

 

「僕もやりたくはないかな、初心者で動かし方もわからないから」

 

「お前ら揃って腰抜けかよ!男なら戦えよ!」

 

ようやく織斑先生が口を開く

 

「オルコットは自薦でいいんだな」

 

「はい、よろしくお願いします」

 

「なら一週間後にクラス代表戦を行う、オルコット、織斑、鹿島、倉橋は準備しておくように。」

 

「いやだから僕達はやらないって」

 

「他薦されたんだ拒否権はない」

 

こうしてクラス代表戦が行われることが決まった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む