SAORTA 100層両手斧チャート (biim兄貴の新作を見よう)
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Part.1

biim兄貴が帰還して嬉しかったので初投稿です。

注意:先駆者兄貴姉貴達みたいに現実準拠では上手く書けなかったので、RTA解説動画風に書いています。


でもとりあえずこんな小説よりbiim兄貴の動画見て♡
見ろ(豹変)



 はーい、よーいスタート。

 

 先駆者兄貴達に影響されまくった、もはや何番煎じか分からないSAOのRTA、はーじまーるよー。

 

 

 セーブデータを選択し『最初から遊ぶ』を押した瞬間に計測開始とします。

 

 

 モード選択は《オリジナル》を選択。セーブデータの名前、つまりアインクラッド内でのプレイヤーネームになりますが、名前は入力速度を考慮し《Homo(ホモ)》……としたいのはやまやまですが、諸事情により《Hokkai Monaka(北海 モナカ)》略してホモと申します。理由については後ほど。

 

 キャラクリエイト画面に移動したら性別を男性、身長を143cmに設定した後ボタンを連打し体格、髪の色、目の色、顔立ちを全てデフォ設定で通過します。

 

 ここで『チュートリアルを受けますか?』でYESを押すとクソ長いチュートリアルで早速リセットなので、ちゃんと下のNOを押しましょう(2敗)

 

 最後の確認画面も連打するとロードを兼ねたスキップ不可なムービーが入るので、倍速しつつここで本RTAの解説をして行きます。

 

 初見ニキネキ向けの解説となるので、ゲームの概要を知ってる方は5:20まで、更にRTAのレギュを把握している方は10:25まで飛ばして下さい。

 

 

 

 まず今回RTAをするゲームは、川原礫先生原作の小説、ソードアート・オンラインを例の変態ゲーム会社がゲーム化したVRRPG『Sword Art Online Perfect Edition』通称VRSAOとなります。

 

 原作のSAOが分からない方のためにざっくり説明すると、舞台は一万人が巻き込まれた、ログアウト不可かつゲーム内での死が実際の死と直結するデスゲーム。そんな中、百層からなるダンジョン《アインクラッド》を攻略し、ラスボスを撃破して脱出しよう! と言う作品です。

 

 そしてこのVRSAOは我々プレイヤーがその一万人の中の一人となって攻略に参加する、と言うゲームですね。

 ちなみに我々はログアウト=セーブであり、ログアウト中はゲーム内の時間が進まないものとなります。ご安心ください。

 

 さて、このゲームの特徴ですが、同じく川原礫先生原作のアクセル・ワールドもびっくりな思考加速が可能となった今日、自由に使える時間が爆発的に増えた事でゲームのボリュームが再度重視されるようになりましたが、このゲームはあの変態企業の作品の中でも一、二を争う超ボリュームの作品となっております。

 

 豊富なキャラクリエイト、四つの遊び方を選べるモード、多数の胸打つシナリオに加えて、尋常じゃない広さのオープンワールド型マップ、膨大な量のクエスト、他の追随を許さない自由度、高度過ぎて人間としか思えないAI。うーん流石の変態クオリティ。

 

 

 

 ここでちょっとだけモード紹介をして行きましょう。クソ長ムービーなので時間はあります。

 

 まず最初に遊べるモードは三つ。キリトを操作して原作沿い、あるいは原作と少し違うストーリーを進める《シナリオ》、魔王ヒースクリフになりきってSAOプレイヤー達を迎え撃つ《元凶》、そして十種のミニゲームが遊べる《ミニゲーム》です。

 

 余談ですが、《シナリオ》では原作キャラに関する様々なイベントが発生します。個人的には孤児院の保母さんことサーシャとの交友を深めることで発生するイベントの『懊悩』が好きですね。原作で掘り下げられていないサーシャというキャラクターにスポットを当て、子供を守る大人として、しかしただ一人の人間としての彼女の心がじっくりと語られます。私は泣きました。

 あと、ミニゲームは気がつくと時間が溶けるので気を付けましょう。特に《ラグーラビットハント》はやばいです。ピックの的当てが楽しすぎて無限に出来ます。星のカ○ビィのニンジャ道場並に中毒性があります。

 

 話を戻しましょう。最後の四つ目、これから解説するモードについてです。《シナリオ》《元凶》をそれぞれ一周ずつプレイし、ミニゲーム十種でAランクを獲得することで解放される《オリジナル》。オリジナルは固定されたイベントが殆ど無いフリープレイモードと思っていただければ大丈夫です。

 

 

 さてさて、そんな満足民も満足な超大作と言える名作が一本たったの9,980円で遊べる素晴らしいゲームですが(ステマ)、ことRTAとなると一気にクソゲーと化します。

 

 薄々皆様も勘付いているでしょうが『百層』の『広大なオープンワールド』の時点でまず氏にます。しかもほぼ全ての階層のマップのエリア配置がそれぞれ八種類からのランダム生成。つまり単純計算で百層の構成は2の270乗種類。さらに『高度すぎるAI』のせいでフラグ管理が異常に難しい。トドメに後述のように一走が長い。何でこんなゲームでRTAするんですか?(正論)

 

 

 

 気を取り直して、ここからはRTAのレギュ説明をしていきます。ムービーがまだまだ続くので雑談も交えます。10分以上あるからね、仕方ないね。

 

 本動画は所謂『ノーマル100層』と言われる、最もオーソドックスなレギュのRTAの解説動画となります。

 縛りは非常にシンプル。《オリジナル》をログアウト無し、バグ技無しで、百層にてラスボスであるヒースクリフ兄貴をムッ頃す。ただこれだけです。

 

「なんだ制限ほぼ無いし楽勝だな!」と思ったそこのホモ、WRを見て下さい。

 2年7ヶ月15日4時間12分7秒52。RTAとは何でしょうか(哲学)

 

 十年を一日まで加速することが出来る今日では挑戦時間を取ることは簡単ですが、ご覧いただいた通り、一周あたりに掛かる時間が長過ぎてRTAには向きません。というかこのゲームはそもそも恐らくRTAを想定されていません。なんだやっぱりクソゲーじゃないか!(過激派)

 

 ちなみに他に有名なレギュは《シナリオ》でヒロイン全員を落とす速度を競うハーレムレギュ、《オリジナル》で一切の制限なしでヒースクリフ撃破だけを目指すany%、最終生存数や行動に制限を設ける英雄レギュや(しかばね)の王レギュなどですね。これ以外にも様々なレギュがあるので興味がある人はggって、どうぞ。《元凶》では基本理念がヒースクリフの創世願望に則っていて自由度が低いので、RTAは殆ど無いですね。逆に《ミニゲーム》のRTAやスコアアタックは手軽で人気があります。

 

 先駆者兄貴姉貴達の記録を見ると、ミニゲームを除き最も所用時間が短いハーレムレギュでも六ヶ月、オリジナル最短のany%でも一年掛かるので、とことんRTA向きではないゲームと呼べるでしょう。それでもなお盛んにRTAが行われているあたり、変態クオリティと原作の人気が伺えます。

 

 ……ところで百階層全てクエストを完全攻略し、全てのフィールドボス、フロアボス討伐に参加してゲームをクリアする『Perfect 100%』レギュを成し遂げたレンコン姉貴は本当に人間なんでしょうか?

 

 

 

 説明と雑談が一区切りしたところで丁度ロードが終わりましたね。完璧な尺だ(自画自賛)

 

 

 

 さて《始まりの街》に降り立ちましたが、ここで最初のリセットポイントです。

 四方を見渡して北に迷宮区の塔が見えて、黒鉄宮が始まりの街の広場の南東部に無ければリセットです。目当てのマップの目印ですね。

 

 今回は……はい、無事に八分の一を引くことが出来たようです。

 

 マップガチャに成功したら、次はメインメニューを開いて初期ステータスポイントを敏捷(AGI)に全振りましょう。速さこそ正義。嘘です。最初だけです。

 

 次に道具屋に移動しながら初期スキルを選びます。移動しながら設定とかまるでRTAみたいだぁ。

 

 初期スキルは二つまで所得出来ますが、本チャートではまず《両手斧》《隠蔽》を取得します。両手斧を選ぶ理由は趣味です。嘘です。半分くらい。

 真面目な話、このRTAは年単位の時間が掛かるのでモチベは結構重要です。前やった短剣チャートは三ヶ月で飽きました。その点両手斧は素晴らしいです。飽きる事がありません。層が進めばウォーハンマーも使えます。低身長で巨大武器のロマンよ伝われ。

 

 

 そうこうしている内に道具屋に着きましたね。ここでは低級回復ポーション10本セットを150コルで買います。10本セットを買うと一本おまけが付いてくるので実質タダです。

 その後に隣のパン屋で一個1コルのクソ硬い黒パンを50個買い込みましょう。

 

 さて始まりの街には様々な武器屋があり、中には路地裏で上位の武器防具を売っている所もありますが、ちょっと値が張ります。例えば、露店で売っている普通の《鉄の大斧》は200コルですが、始まりの街で手に入る、エギルニキも使っている最上級武器《双刃斧》は480コルです。攻撃力(ATK)補正は1.5倍くらい違いますが、耐久値はむしろ《鉄の大斧》の方がちょっと高いです。

 

 というわけでチャート上本数が必要なので普通の露店で《鉄の大斧》を四本購入しましょう。これで初期資金千コルを使いきりましたね。

 この場で装備すると装備重量により移動速度にマイナスが掛かるので、戦闘の出来る圏外に行ってから装備します。

 

 さて次は始まりの街のすぐ外の森林エリアに向かいレベリングです。レベルよりもスキルを伸ばす事を意識して、木に隠れながら奇襲して頃しましょう。

 ここでは《ホーンラビット》という一本角の兎と《プチディアー》という小型の鹿のモンスターが出て来るのですが、共に奇襲で大斧で一発、そこから繋げてもう一発で倒せるので見所がありません。現在時刻の13時12分から例の手鏡イベ開始の17時半まで単調なので倍速。

 

 

 

 倍速している間に、RTAに関するちょっとしたゲームシステム解説をして行きましょう。

 

 

 まず、最初に設定したアバターですが、これは例の手鏡イベの後の姿になります。手鏡イベの前の姿は身長と性別以外がランダムの生成となります。現実と設定身長の違いによる操作性? 低身長で悪かったな(半ギレ)

 ですがこのゲームをする上では低身長の方が当たり判定が小さいので、低身長の方が有利に働きます。ついでにこの身長のデフォ顔だと目がぱっちりしたショタっ子になります。低身長って素晴らしいですね!(手の平ドリル)

 

 性癖が漏れました失礼。ちゃんと評価すると現実との体格差による操作性もやはりありますし、リーチの長さと当たり判定の小ささもトレードオフなので、そこは個人の好きにしましょう。私はショタを選びます。

 

 次は設定した名前についてですね。

 ご存知の通り、VRSAOのキャラクターに搭載されているAIは非常に高性能で、殆ど人と変わりありません。なので明らかに変な名前だとキャラからの好感度が低くなってしまう事が多々あります。だから《ホモ》は使えないんですね。そして《北海モナカ》の名前にする理由もここにあるのですが、それはまたいずれ。

 

 次はステータスについて。

 ステータスは敏捷(AGI)筋力(STR)の二種類から成ります。AGIが上がると移動速度や行動速度が上がり、STRが上がるとより重い武器が持てるといったように出来ることが広がる他、実際の戦闘の計算に使われる攻撃力(ATK)頑丈さ(DEF)体力(HP)などにも影響します。

 ちなみに初期STRで《鉄の大斧》は持つことが出来ますが、《双刃斧》は持てません。AGIに極振りする以上《双刃斧》は買いません。でもカッコいいので買うかもしれません。

 

 最後はスキル。

 このゲームではスキルは大きく分けて戦闘スキル、生産スキル、その他のスキルの三種類に分けられます。

 戦闘スキルは文字通り武器や盾の扱い、格闘などの攻撃に補正がかかったり、専用の技を扱うことが出来るようになるスキルです。

 生産スキルも同様に道具の扱い、レシピの成功率、オリジナル武器製作などに関わってきます。

 そしてその他のスキル。一括りにされていますが、ここに含まれているスキルは結構重要です。例えば《隠蔽》を取ればプレイヤーやモンスターに見つかりにくくなりますし、《索敵》を取れば逆に隠れているのを見破ったり、遠くからでもモンスターの接近に気づくことが出来ます。《軽業》《疾走》《聞き耳》《演奏》《料理》などもここに入っていて、突き詰めてみると結構面白いものが多いのも特徴ですね。

 そしてこれらのスキルはどれも使うことで熟練度が上昇し、熟練度が高くなるほど出来ることの幅が広がったり、補正値が大きくなったりします。熟練度の最大値は1000で、そこに達すると非常にユニークなメリットが得られるものが多いです。

 

 

 

 どうして等速に戻すんですか?

 

 はい、例の手鏡イベのお時間ですね。鐘がリンゴンリンゴンうるさいですが、最後に兎を一匹サクッと頃しましょう。

 ここでレベルとスキル熟練度を確認します。

 レベルが4、かつ《隠蔽》スキルの熟練度が7以上でなければリセットです。一層の大きな山場の一つですね。

 レベルは順調に育っていて5、そして肝心の《隠蔽》熟練度は……7(ナオキ)です。

 

 

 始まりの街の広場に転移しましたね。ここまでかなり忙しく動いており気を張っていましたが、スキップ不可なカヤバンのお話を聞いている間はリラックスタイムです。

 広場の外縁部に陣取り、大斧を外したりアイテムを軽く整理したりします。終わったらレベルアップで得たステータスポイントを再びAGIに全振りして、この後のチャートを脳内で確認したらやることがないので適当に過ごします。

 茅場兄貴の有難い話は聞き飽きたので倍速します。気になる人は製品版か原作を買おう(ダイマ)

 

 

 さて手鏡が配布され顔面平均値が下がる中、私のアバターも設定したものに変わります。やっほう可愛い系ショタだ!

 

 ちなみにこの時、怪しまれない程度に辺りを見ると結構色々な原作キャラがいて面白いですよ。キリトにアスナ、リズやシリカは勿論、キバオウやらシンカーやらグリセルダ、果てにはニシダ叔父貴やアシュレイ兄貴姉貴までちゃんといます。

 

 今更ですが、SAO原作やそのスピンオフに登場する所謂『原作キャラ』は必ず全員います。なのでそのキャラと同じ名前で《オリジナル》を進めることは出来ません。それ以外のキャラはランダム生成されるのですが、たまに原作組もびっくりなクソ強キャラが生まれたりして面白いです。でもRTA的には不安定要素なのでクソ仕様です。

 

 デスゲーム宣告がされたことで例の如くプレイヤーの絶望が溢れ、阿鼻叫喚地獄絵図が広がりワインが飲みたくなりますが、広場外縁部から全力疾走して人の波に巻き込まれないようにします。外縁部にいてAGIに極振りしていれば基本的には大丈夫です。(1敗)

 

 そのまま全力疾走して向かう先は、始まりの街の東方向にある村の《ユット》を一つ越えた森林エリアです。出来る限り早く辿り着けるようにしましょう。

 そして動画の通り、森林の中のこの木の上に登りましょう。目印も殆ど無いので距離や木の本数を覚えて頑張ってください。

 

 無事に木の上のこの枝に乗れたら大斧を装備して《隠蔽》を発動します。

隠蔽率(ハイディングレート)》という上手く隠れられている度合いが15を超えていれば上々です。この値を安定して出せるのが熟練度7です。今はご覧の通り18〜19を推移してますね。

 

 

 

 これからまた少し待つ時間があるので倍速しつつ解説をして行きます。

 

 

 このVRSAOには、明確に数値化されないが恐らく存在すると推定される、所謂マスクデータと呼べるものがいくつかあります。中でもRTAの中で最も気を付けるべきは切迫値や緊迫値と呼ばれるパラメータです。私は先駆者兄貴達も使っていた、Urgencyから取ったU値と呼んでいます。

 

 U値は文字通り、プレイヤー達のゲームへの焦燥や危機感を表します。U値が高ければ高いほど攻略に対する意欲が高くなり、一層あたりの攻略時間が短くなります。そしてU値が一定以上になると、前線の死亡率が上がります。死亡率が上がると戦うプレイヤーが減り、攻略に支障が出ます。

 U値は基本的にはデスゲーム宣告と同時に跳ね上がり、階層のクリアや時間経過とともに徐々に下がる傾向にあります。慣れや安心感が生じるからですね。故に、後半に進むに連れて攻略スピードが遅くなるのが常です。やめたらこのゲーム?

 

 つまりU値が高すぎると階層を進める戦力が減り、低すぎるとを進める意欲が減少します。どちらも最終的な攻略スピードにマイナスですね。と言うわけでU値は高すぎず、低すぎず、丁度いい塩梅なのがベストなんです。面倒くせっ(素直)

 

 さてそこで、U値の調整が必要となります。

 先も述べたように、U値はプレイヤー達の危機感を表すものです。つまり裏を返せば、危機感を煽る要因があればU値を上昇させ、逆に上手く危機感を減らせばU値を下降させることも出来るのです。

 例えば脅迫や札人などの犯罪が増加すると不安が広がりU値が上昇し、前線での華々しい活躍が報じられるとU値が下降する、といった具合ですね。まるで将棋だな。

 

 

 ところで、なぜ私がこんな所に留まっているのか気になる人も多いでしょう。目的はただ一つ。

 

 

 PoH(クレイジーサイコ熊野郎)をぶち頃すためです。

 

 

 原作でも殺人ギルド《笑う棺桶(ラフィン・コフィン)》を作り上げたプニキは、U値を上げる事に関して言えば天才的です。プレイヤーの恐怖を煽り、外道へと道を外させ、犯罪者(オレンジ)プレイヤー達を煽動し、悪へと唆すその手管は正に悪の権化。間違いなく、彼は原作キャラに相応しい『力』を持っています。そして、U値を下げないためには非常に有能なキャラクターと言えるでしょう。

 

 ですが、そのメリットを掻き消して余りあるほどのマイナスを持った、RTAにおいては非常に不確定な要素です。つまりクソ野郎です(断言)

 

 例えば一年が過ぎ50層を無事攻略した直後、あのクソ熊は攻略組の主戦力であるキリトアスナ風林火山を頃しました。あの瞬間U値はストップ高確定、RTAどころかゲームクリアすら不可能な状況に陥りました。リセットです。

 例えば一年半が過ぎ70層を過ぎた頃、あのゴミカス野郎は当時最多の団員数を誇っていたギルド、アインクラッド解放軍を内部から崩壊させました。U値は天元突破し中層では自殺と他殺が溢れる大騒ぎ。焦った攻略組も前線や中層の暴動の鎮静に多数の死者が出てリセット案件となりました。

 

 こんな話はまだまだありますが、彼の非常にクソな所はそんな取り返しの付かないイベントをRTA後半に起こしてくる事です。

 流石に一年以上かけたRTAをおじゃんにするようなのを連発されるとモチベがゴミと化してしまうので、そんな事が起こる前に消します。安定性の方が大事です。(慈悲は)ないです。

 

 では何故このタイミングなのか。

 まだ序盤で頃すのは勿体無いのではないか。20層くらいまでは利用すればいいのでは無いか、と言う意見もあると思います。ワイトもそう思います。

 しかし今頃すのは、ゲームがまだ序盤だからこそです。

 

 繰り返しますが、このゲームのAIは殆ど人間と変わらないくらいに非常に高度です。しかし、いやだからこそ、同じ条件下では同じ行動をする事が多くなります。

 乱数によるモンスターポップのズレなどの影響により時間は多少ズレる事はあれど、同じマップ下ならば自然と行動が似通って来ます。特に現在のようなゲーム開始直後、行動に変化を与える要因が非常に少ない内では、移動ルートなどの誤差は非常に小さいです。

 逆にこれが5日もすると色々な変化が積み重なり、行動が変わることが多くなってしまいます。まして一ヶ月も過ぎれば言うまでもありません。

 

 と言うわけで、確実に頃せる今ヤる必要があったんですね。

 

 AGIを極力上げるようにしたのも、プニキが来る前に確実にこの位置に陣取るためです。プニキ到着は最大15分ほどの幅があるので、可能な限り早く辿り着くようにしましょう。

 

 

 

 あ、プニキが来ました! 今、第一コーナーを曲がって、先頭でこちらへと向かって来ます!

 

 プニキが取っているスキルは現段階で《隠蔽》《片手剣》の二つなので、隠蔽率が15を超えている場合見つかる事は殆ど無いです。一応本人も警戒しながら来るのですが、ゲームシステムの前では意味がありません。奇襲出来ます。《索敵》取らないなんてバッカじゃねぇの(ブーメラン)

 そしてレベルを4以上にした事で、基礎STRと武器の補正を合わせて、クリティカルでプニキをワンキル出来るようになりました。

 勝ったな(2敗)

 

 ちなみにプニキは暗殺組織所属の設定があるのですが、なぜかタイマンがクソ強なので真正面からやりあうのは下策です。彼は本当に暗殺してたんでしょうか。真正面からぶっ頃す方が得意そうなんですが(名推理)

 

 このマップだと、プニキは必ず一番最初にここを通ります。ホルンカとは方角が違うのであまりプレイヤーが来ないんですね。そして、次のプレイヤーが通るまでに最低でも2分の時間があります。

 誰にも見られることなくプニキに奇襲をかけられるマップは二種類しかなく、もう一つの理由と合わせてこのマップである必要があったんですね。

 

 まあ要するにプニキをむっ頃してもその現場を見られる心配が無いんです。うーん我ながら完璧なチャート。惚れ惚れしちゃ^〜う。

 

 

 この辺にぃ、不安定要素の(プー)さん、来てるらしいんすよ。

 じゃけん木の下を通る時に、首に一撃入れて頃しましょうねー。

 

 せーの、

 

 

 

 

 アッー!(致命の一撃)

 

 

 

 

 はい、無事PoHさんの討伐に成功しました。最期に頭部だけになった彼がこちらを視認した際の、信じられないものを見るような目がゾクゾクしますね。死は救済。

 

 この時点でPoHさんは非犯罪者(グリーン)プレイヤーなので、私が犯罪者(オレンジ)カーソルに変化します。なんでや! 未来の大犯罪者を止めただけや! ワイは悪くない!(責任転嫁)

 

 

 さてPoHの札害に成功し無事カーソルがオレンジに染まったら武器を横に置き膝をついて号泣しましょう。この辺はロールプレイぢからが試されます。羞恥心をかなぐり捨てましょう。

 ほらいたいけなショタの号泣シーンだぞ。喜べよ。倍速にはしません。

 

 こんなサービスシーンを設けたのは、マップガチャのもう一つの理由と関わりがあります。決して趣味じゃありません。本当ですよ?

 

 

 

 説明のためにまず、オレンジとなった事が何を意味するのかを説明しましょう。

 

 グリーンに戻る事が出来る《カルマ浄化クエスト》は二層からの解放となり、一層では圏内に入ることが出来ません。つまり、階層ボスが攻略されるまで私はずっとオレンジです。腐ったミカンです。

 

 この時点で分かると思いますが、本チャートでは第一層ボス攻略会議に参加することは出来ません。それに伴い、ボス戦攻略にも参加出来ません。まぁ一層では短縮があまり出来ないので、後半の安定性を考えればRTA的に逆にお釣りが来ます。ちなみにディアベルは死にます。(確定)

 一応一人で攻略も出来なくは無いのですが、カーソルのせいで効率の良い狩場が使えず、レベル上げが間に合いません。そんなー。

 

 

 さてプニキを頃すのは良いのですが、ここで面倒な事に協力者が必要となります。

 先述した通り二層解放までの間、圏内に入ることが出来ないので武器や道具の購入が出来ません。一応クエストで細々と繋ぐ事も出来るのですが安定しないので、協力者を作れるのならその人に圏内の店で買って来てもらう方が良いです。ついでにその協力者とは長く交友すれば友好値が上昇するのでうまあじです。

 けれどオレンジになった今、協力者を設けるのは難しいのも事実。

 

 そこでショタです。(迫真)

 大人がオレンジだと無条件で武器を向けられますが、ロリショタだと、まずどうしたのかを尋ねられる事があります。特にギャン泣きしている場合、流石に少し警戒しながらですが、こちらを心配してくれる事が多いです。やっぱり(見た目が)小学生は最高だな!

 

 一応ちゃんと説明すると、どうやら幼い見た目のプレイヤーに対しては、前にもちらっと出て来たマスクデータの友好値の初期値が低くならないように組み込まれている場合が多いようです。友好値とは文字通りどれだけ友好的に接してくれるかを決めるものですね。

 

 特にこのマップだと、PoHの次に来るプレイヤーは、自称がオネーサンであることから分かる通り庇護欲強めなあの人。そう、ロリショタへの初期友好値が高いことで有名なアルゴネキです。30回ほどの試走では100%アルゴネキでした。

 PoHの後にアルゴが来るのは以前にPoHとタイマンしてた時に偶然気付きました。新しいチャートが生まれた瞬間ですね。ちなみにその時はvsアルゴ&PoHという貴重な体験をしました。うっかりアルゴごと頃してしまったので暫く遊んでリセットしました。

 アルゴネキはこの先の洞窟のクエストを調べに行く道中らしいです。その途中、私が号泣しているわけですね。ショタっ子が泣いていると警戒しつつも心配してくれます。そこで純真無垢を装いつつ、変な人に襲われて反撃したらオレンジになってしまったと言いましょう。なきながら舌足らずな感じで気が動転しているように見せるのがオススメです。するとあら不思議。アルゴネキが協力者に! ショタコンかな?(名推理)

 

 とは言っても当然、このデスゲームにおいて初対面の人間、それもオレンジプレイヤーを完全に信用してくれるわけがありません。そこまで上手くは行きません。

 しかしオレンジの間安全に過ごせる、あまり人目につかない場所を教えてくれて、そこにいる間は不憫に思ってか定期的に会いに来てくれます。

 二、三週間もすると疑いもやや薄れ、武器や道具などで必要な物がないか聞いてくれるようになります。それまでの武器の繋ぎとして《鉄の大斧》が4本、そして食糧の黒パンが必要だったんですね。ちなみにその間の食生活を語るともっと早く言えとちょっと怒られた後、頭を撫でられます。ならもっと早く聞けよ(逆ギレ)

 

 

 はい、そうやって泣いていること3分、足音が聞こえて来ました。目元を袖で拭っているので見えませんが、2人目の一般通過SAOプレイヤーのアルゴネキでしょう。

 

 アルゴネキー! こっち! こっちでいたいけなショタが泣いてる! 正当防衛でオレンジになってしまった(建前)哀れなショタっ子が!

 

 お、どうやら気付いてくれたようです。ゆっくりとですが足音が近づいて来ますね。

 

 さて、これで一層での大きな山は全てクリアです。後は武器の耐久をなるべく減らさないようにレベリングをしつつ、アルゴネキと交友を深めながらおよそ二ヶ月の隠遁生活を送るだけです。

 アルゴは後半になるほど重要度が高くなり、そして友好値を上げるのが難しくなっていくプレイヤーなので、早めに交友を持っておくのが得策です。今のうちに媚びへつらって、後半に備えまし

 

 

 

 

「大丈夫、か?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ど う し て ザ ザ 兄 貴 が 来 る の ?

 

 

 今回はここまでとなります。ご視聴ありがとうございました。




本編に無関係な設定:走者はリアルでは合法ショタ

裏話:プロットが初っ端から分岐してて、ダイス振ったら初手で乱数上振れルートになりました。


犯罪の芽を摘み未来の被害者を救う。これは正義の味方だな間違いない(確信)

本編で疾走したので失踪します(激ウマギャグ)


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Part.2

RTA小説恒例の別視点が次の話になったので初投稿です。
絡みが少なかったので分量が足りません。

息抜きで書いた1話で想像以上にお気に入りやら伸びたので心臓が爆発するかと思いました。あらかじめ潰しておいて良かったです。

1話に書き忘れた事:走者の投稿者としての名前はとろろ昆布
気が向いたら1話に書き足します

今回は前回と違ってかなり時間を進めるゾ。それでも全然最序盤だけどな!



 いきなりチャートを変更するRTAって本当にRTAですか? なRTA、はーじまーるよー。

 

 

 

 はい、前回ラストに現れた突然のザザニキに困惑してます。まだ泣き止まないのは脳内で今後の予定を考えているからですね。

 うーん、実はザザニキと早めに出会うこと自体は悪くありません。むしろ短縮(プラス)に働くことなんですが……

 何がまずいってアルゴと出会えないことが、まずい……まず、い……?

 いや、そうでもないですね。あのショタコン(風評被害)は攻略会議に何回か顔を出せば声を掛けてきますし、そこから友好値を上げたところで問題無いと思いますし、二層からは会議に出る予定なので焦る必要はそんなに無いような気がします。それに隠れる場所も何度も繰り返したので流石に覚えてますし……

 

 ヨシ(現場猫)そうと決まればターゲット変更です。ザザニキに媚びへつらって友好値上げを狙って行きまし

 

「……ナァ、何やってるんダ?」

 

 あのさぁ……(呆れ)

 はい、アルゴネキが追加で来ました。そりゃそうだよね。元々あなたが来るはずだったんだもんね。

 しかしアルゴネキめちゃくちゃ困惑してる様子。まぁアルゴから見てみると何故かギャン泣きしているオレンジプレイヤーと、それを前にオロオロしてるグリーンプレイヤーですからね。ついでに前者がショタで後者が青年。なんだこれ(なんだこれ)

 

 ですがこれは好都合。二人まとめて巻き込んでしまいましょう。こうなるとザザに序盤で出会えたのは豪運ですね。二人とも友好値を上げておきたいキャラクターなので上手いこと泣きつきましょう。

 

 

 少年説明中……

 

 

 やったぜ。(イケボ)

 上手く騙す……もとい説得する事が出来ました。アルゴネキがβの時に見つけた比較的安全な場所までこれから案内してくれます。ありがとナス!

 

 それにしても、編集時の今でも正直なんでザザの行動が変化したのかさっぱり分かりません。ザザとアルゴの同時召喚が安定したらチャートの改善が出来るので、まだまだ検証が必要です。何が何に影響を与えてるのか分からないのもこのRTAの辛い所ですね。

 

 だからザザニキの友好値が現在、恐らく高い状態にある理由も謎です。ザザニキは普通に女性と結婚した記録もあるのでホモではないと思うんですが……んにゃぴ……分かりませんね。基本無口なはずなのですが、ホモくんを励まそうと言葉を詰まらせながらもあれこれ話しかけてくれてます。優しい……(トゥンク)

 

 ザザニキは現段階ではプニキと出会ってないので、一応まだ札人を積極的に行う性格ではありません。が、過去のデータから見ると、恐らく一人頃してしまうと一気に原作通りの残虐な性格に近付いてしまいます。生殺与奪の悦びを知りやがって……

 なので早めに出会って媚びへつらって札人への忌避感を植え付けておくことが大切です。

 

 実は本チャートではザザニキが割と重要な役割を担います。具体的に言うと攻略組の最強格になっていただきます。

 原作のGGO編で登場するGGO界のダースベイダーこと《死銃》の中身のザザニキですが、原作で垣間見えるように実はかなりハイスペックの持ち主です。あのキリッとさんを剣のタイマンで押すほどの技量を生み出した、もはや執念と呼べるストイックさが攻略に向けられた時、彼は当然のように攻略組最強格まで登り詰めます。

 ですがザザニキを攻略に乗り気にさせるのにもまた色々やらなければならないので、ねっとりじゃなくてゆっくりと友好値を上げていきましょう。

 

 ちなみにジョニーブラックもかなり強いのですが、あくまで対人向きで対エネミーの強さは精々が中の上で攻略にはあまり向かないので、彼にはそのままオレンジになっていただきます。

 

 さて、プニキを頃しザザニキの闇堕ちを防ぐのは良いのですが、原作の裏ボス的組織のリーダーと幹部の阻止による弊害も決して小さくは無いので、その辺の帳尻合わせもいずれしていきます。実際にやる時に多分説明します。でも説明を忘れるかもしれません。

 

 

 話してる間にいつもの隠れ場所の『安全地帯(セーフティエリア)』に着きました。『安全地帯』はざっくりとエネミーがポップしない圏外エリアと思っていただければ大丈夫です。

 

 アルゴ曰くβ時代に見つかったクエストの目的地の一つらしいのですが、受けられる場所が奥まっている、達成条件がめんどくさい、報酬がしょぼいの三拍子が揃った旨味が無いクエストだそうで、さらにこの場所自体もエネミーの経験値が渋いので人が殆ど来ないそうです。でも二層解放までに100回に1回くらい人に見つかって、そこで上手くやり過ごさないとリセットです(2敗) チャート上ここはお祈りゲーなので諦めましょう。

 

 二人ともちょっと心配しながらですが、どうやらこの場を離れるようです。まぁ彼らにもやるべき事があるだろうし仕方ないね(寛容)

 定期的に会いに来てくれる約束をしてさよならです。

 

 ゆーびきーりげーんまん嘘吐いたらお前の【自主規制】を【自粛】す。指切った!

 

 

 さて突然ですが、ここで一度動画の倍速率を跳ね上げます。正直何年分もの動画を編集するのはきついと言うより無理なので、二層解放までの様な非常に長いのに見所のないところは、この様に超倍速でお送りします。

 記録の不正を疑われるのも仕方ないので、気になる人はWRサイトに編集無しでうpしてるフルバージョンを見てください。

 

 それではショタの入眠シーンを満喫したら倍速しつつ、前回の動画に寄せられたコメントのいくつかに返していきたいと思います。

 

 

 

 

『レンコン姉貴は人間じゃなく変態だからしゃーなし』

 これはレギュ紹介で取り上げたPerfect 100%を成し遂げたレンコン姉貴へのコメントですね。コメ主にはその蛮勇を讃えて拍手と合掌を送り冥福を祈りましょう。

 

『広場からマップ特定出来るの初めて知ったゾ……』

 これは始まりの街に降り立った時のマップガチャに対するコメントですね。割と知られている事ですが、始まりの街がどの方向に向いているかと迷宮区の位置だけでマップが特定出来るのでオススメです。他の層も九割は迷宮区と主街区の向きで判別出来ますよ。

 

『RTAで両手斧使う人初めて見た』

 言われてみて気付いたんですが、確かにあまり見かけませんね。両手武器だと斬撃判定が大きく、多連撃ソードスキルが多い両手剣の方が人気のようです。でもATK補正と一撃の威力は両手斧の方がデカイから、まあ多少はね?

 

『黒パン必要なの?』

 あまりに食べなさすぎるとゲームやめてからも暫く食べるの忘れるので、出来る限り三食食べます。(人間を辞めるつもりは)ないです。

 

『とろろ昆布兄貴成人でこの身長?』

 はい。私の祖父母、両親、姉弟は普通なのですが、なぜか私だけこの身長です。童顔も相まって姉私弟の年齢順を正しく当てられたことがありません。

 昔から早寝早起き、よく食べ、よく遊び、よく学び、よくRTAしてたはずなのですが……なぜなのでしょう?

 

『プニキへのヘイト高過ぎでは?』

 これは私がプニキを散々にこき下ろした事に対するコメントですね。キャラクターとしては結構好きなのですが、RTAで何度もチャート爆破されたら多分誰でもこうなります。コメ主も走って♡

 

『とろろ昆布兄貴の泣き真似上手すぎて草』

『ガチ泣きでしょこれ』

『パニクったショタが動転してガチ泣きしてるようにしか見えない』

 ありがとうございます。アルゴを完璧に騙すためにはこれぐらい必要なので皆さんも身につけましょう。

 

『アルゴネキがロリショタコンってマジ?』

 マジです。

 

『とろろ昆布兄貴がショタコンってマジ?』

 誰だそんなデマ流したやつ(激怒)

 私は博愛主義です。ただちょっと年齢層が低い男の子への愛に偏ってるだけです。

 

『RTA序盤からガバとか恥ずかしくないの?』

 チャートを前倒ししただけなのでセーフです。むしろ短縮になる豪運なので許して♡

 

 

 

 

 ん? 流れ変わったな。

 だいぶ時間が経ちました。画面左上のタイマーにあるようにゲーム開始から45日が経ちました。今日も今日とてぽつぽつポップするエネミーをちまちま狩りながら熟練度上げです。あれ? まだ2ヶ月も経ってないゾ?

 

 あ、ザザニキとアルゴネキ! おひさ、元気にしてた? それに二人揃って来るなんて珍しいね。何か良いことでもあったのかい?

 

 はい、どうやら第一層のボス攻略が成功し第二層が解放されたようです。早い……早くない?

 正直50日切るとは思ってませんでした。ザザニキとのエンカと言い攻略速度といいなかなか良い乱数を引いてる気がします。

 

 オレンジのホモ君は圏内の転移門広場が使えず迷宮区を通って二層へ行く必要があるので、その案内をしてくれるそうです。さらにアルゴネキがβ時代のカルマ浄化クエを受けられる場所を教えてくれる模様。ありがてぇ……ありがてぇ……

 

 

 ザザとアルゴの後ろに着くようにして移動と倍速開始です。後に述べますが、割と急ぐ必要があるので全力疾走です。道中の露払いは二人がやってくれるので手を出す事が出来ません。そんなー。

 

 そういえば迷宮区の説明をしていなかった気がします。

 ビジュアルで分かる通り、迷宮区とは次の層に繋がるダンジョンの事ですね。層同士を繋ぐ塔のようなものです。迷宮区のエネミーはその層の平均よりやや強めのものが現れ、また中は複雑に入り組んでいて、先に進むのにマッピングが重要となります。

 そして迷宮区には階層ボスと呼ばれる、各層に関連するステージボスがそれぞれ設置されています。例えば第一層では迷宮区テーマが《コボルト》であり、ボスはコボルトの王《イルファング・ザ・コボルトロード》通称ザコ王君、と言った具合ですね。

 

 さてそんな迷宮区を爆走しているのですが、なんかザザニキが出て来るエネミーを倒す速度がエグいです。迷宮区のエネミーってちょっと耐久が高いはずなんですが、レイピアでワンパンしてますね。地味に毎回クリティカルしてるの結構なワザマエでは……?(震え声)

 

 ……え、ザザニキってボス戦出たの? 現在のレベル14? がっつりトップ層じゃないですかヤダー。

 

 えーと、なんだかザザニキのために組んでた予定やらが全部勝手に前倒しで終わって行くんですが……まぁ、短縮になるのでヨシ!(思考停止)

 

 アルゴとは無事予定通り接触出来たし、ザザニキも攻略に積極的だし、一層解放も早いし、なんか神がかってるのでこれは記録狙えるのでは……?(慢心)

 

 

 おっ、迷宮区を抜けました。やっとオレンジからの解放が見えてきた……と思ったら大間違いです。

 

 カルマ浄化クエストはその恩恵が大きい分、必ず時間が掛かり、長い距離を移動させられる非常に面倒な作りになっています。

 

 一例を挙げると、まず二層の北端にある朝にしか開かない聖堂でクエストの受注、最初に必要なアイテムを持って来るお使いパートでは夜にしか手に入らないアイテムを要求され二層の東の端へ、次に夕方にしか現れないNPCの6時間の説法を聞きに南の端へ、次は昼にしか現れないクッソ硬いエネミーの討伐を依頼され西の端へ。さらにそれぞれのクエストは毎回聖堂へ報告、と言った具合ですね。

 

 移動先の東西南北はマップ毎に決まっているのですが、時間帯だけは固定です。つまり、丸三日は必要なクエストです。ぺっ。でも必要な事なので最短での復帰を目指します。

 

 アルゴネキとザザニキに案内されて聖堂まで着きました。んー、聖堂が西端で迷宮区が二層北西方向にあるから……まぁ可もなく不可もないマップですね。ハズレじゃないだけ良しとしましょう。

 

 しかしこの聖堂のビジュアル非常に良いですよね。朝だけしか中を見れないのが本当に残念です。森の中に突然現れる小さく荘厳な聖堂。綺麗に磨かれた外壁が朝陽を反射した淡い山吹色がグッドです。

 現在時刻9時56分。なんとか朝判定中に辿り着いたので早速侵入です。おっ、開いてんじゃーん。

 

 

 はい、中にいる聖女様に話し掛けてクエストスタートです。どうやら罪を贖うその心を行動によって示し、創造主に捧げることで赦しを得るそうです。神ではなく創造主なあたり、ゲーム化にあたって配慮されたのでしょうか。

 

 ここでアルゴが協力するか聞いて来ますが、このクエストの間は一人でやりたいので断りましょう。心配そうにアルゴとザザから問われても適当に嘘ついておけば何とかなります。

 

 

 二人を見送ったら行動開始です。まずは南端でのアイテム採集です。では出発……の前にステータスポイントの振り分けです。飛ばした間にレベルは9になりました。AGIに全振りはせず、2ポイントだけAGIに振って残りをSTRに回しましょう。

 準備も整ったので早速東の草原へイクゾー! デッデッデデデデ!(カーン)デデデデ!

 

 

 はい、倍速しながら一層の間の成果を発表します。まずレベルが9になりました。既出!

 

 次に装備が変わりました。三代目《鉄の大斧》ことみっちゃんが壊れた頃にザザニキが買ってきてくれた《双刃斧》を装備してます。基礎STRが上がったことで持てるようになり、さらにATK補正がでかいので一撃の威力が上がりました。防具もアルゴネキが買って来てくれたちょっと良い革製に変わりました。

 

 はい次熟練度。《隠蔽》は79、《両手斧》は102ですね。序盤にしては早いと思われがちですが、レベル同様後半に行くほど熟練度上げが大変になるのでそうでもないです。でも両手斧ソードスキルが増えたので一撃の威力が上がりました。脳筋か?

 

 ザザニキとアルゴネキの友好値ですが、目には見えませんが中々良いと思います。アルゴからはかなり頻繁に連絡が来ますし、ザザも無口なはずなのに会えば結構喋りかけて来ます。

 

 物資に関しても、圏外生活中に入手したアイテムをアルゴに渡し、そのお金でアイテムを買って来て貰ったのでコルとアイテムもそこそこの量があります。予定通りです。

 

 以上! 終わり! 閉廷!

 

 

 

 ……流石にマップがクソ広いせいで中々着きませんね。尺が余ったのでク○キー☆の上映会でも開きましょうか。嘘です。啓蒙が足りないのでやりません。

 

 二層の風景の雰囲気を掴んでもらう為にも倍速に留めておきます。一層と違ってどこも牧歌的で良いですよね。

 

 とはいえ確かに見所もないので、クエストクリアまでの予定でも話しましょう。

 

 本クエストは移動距離がネックですが、流石にずっと走り続けなければ着かないと言うほどではありません。このスピードで行くと夕方には着きますね。

 なので、アイテム回収までの時間が暇……な訳がありません。RTAに暇があるわけ無いだろ良い加減にしろ!

 

 今回アイテム回収に向かう場所は《夢見の草原》なのですが、そこにはこの層のテーマの《牛》系のエネミーが現れます。《ホーン・ブル》というエネミーです。名前から分かる通り角を持った闘牛なのですが、アイテム回収以外の時間はこいつを狩るマラソンをします。時間が掛かるとイライラするので今のレベルで一撃で倒せるようにSTRを上げました。

 このゲームには武器の強化が存在するのですが、そのための素材の一つの『鋭い角』が必要なので、それを集めるための周回ですね。

 

 必要数ですか? 240です。ええ、240です。

 は?(ブチギレ)

 

《夢見の草原》はオレンジが回れるような場所でプレイヤーがあまり来ません。なぜかと言うと、エネミーのポップが少なく旨味が少ないからです。

 更に強化素材は当然エネミーを倒せば必ず落ちるというわけではありません。むしろ10%弱くらいの確率で落ちる割と希少な部類です。つまり期待値的に言えば2500体くらい倒す必要がありますね。それをクエストの三日間でやるとなると一日800体、移動時間抜きでフルタイムでやるにしても1時間で35体ですね。は?(威圧)

 

 はい、お分りいただけた通り無理ですね。まぁ別に急ぎではなく20層くらいまでに集まれば良いし、なんなら他の素材でも良いので、定期的に素材を落とすエネミーでマラソンする程度で大丈夫です。

 はい、定期的(ほぼ毎日)で大丈夫です。

 

 それに関係するのがマップガチャ。この層のマップガチャは聖堂と《夢見の草原》の位置関係ですね。聖堂に近いとクエストの途中に経由してマラソン出来ますが、これらが層の真逆にあると非常に面倒です。ベストは当然聖堂と同方角にある事ですが、それは1/8なので望み薄ですね。対極にある3/8を引かないことだけお祈りしましょう。

 

 そしてザザ……は、分かりませんが少なくともアルゴがいると長時間マラソンは諌められます。無視すると束縛が強くなるか怪しまれるかの二択ですし、別行動してればホモ君が周回してる間に攻略に貢献してくれるので、ぼっちマラソンがベストです。

 

 はい、やっと着きました。17時を回りましたが夜判定の20時までは時間がありますので、マラソンのお時間です。

 マラソンといってもランダムポップなのでサーチアンドデストロイの他にありません。開けたマップなので丘に登りつつ、見つけ次第突撃晩ご飯しましょう。

 

 いた! 牛! 氏ね!(三段活用)

 

 あ、今使ってる小技はRTAだけでなく通常プレイでも有効ですよ。簡単に出来る上に恩恵が大きいです。

 

 その準備段階として、どの武器でも良いので武器スキルの熟練度を100に上げることで派生スキル《クイックチェンジ》を取得します。原作にも出てた通り《クイックチェンジ》は予め設定していた武器に素早く切り替えられるスキルです。『これを使えば74層グリームアイズ戦のキリトが二刀流に切り替える15秒は不要だったのでは?』とか言ってはいけない。勘のいいガキは嫌いだよ。でも個人的には好きです。(ツンデレ)

 後は簡単です。第一武器スロットには素手、第二武器スロットには使用したい武器をセットしたら、これで準備完了。

 

 後はご覧の通りですね。素手の状態だと武器の重量による移動速度制限が無いので速く動くことが出来て、敵に近付いたらソードスキル発動の姿勢をとりつつ《クイックチェンジ》を使用。武器が現れて一気にソードスキルが発動します。

 この方法のメリットは勿論、武器に拠らず速く移動出来る上に、その速さの分攻撃に威力ボーナスが付く事ですね。

 デメリットとしては武器が現れた瞬間少しだけ移動速度が遅くなり、ソードスキルの間合いを測るのが難しい事と、基本的には初撃以外では旨味が薄い事です。

 ですが、今回のようなマラソンに用いる奇襲にはぴったりです。クリティカルも合わせれば非常に便利です。皆さんもRTAで使ってみましょう。

 

 

 うーん、倍速してるので分りづらいかもしれませんが、ポップも中々渋いですし、角もやっぱり全然落ちません。いつものゴミ運が帰ってきた感じです。実家のような安心感がありますね。そんな安心感無くていいから(慈愛)

 

 

 少年視聴中……

 

 

 あ、レベルが上がりましたね。二層までオレンジの割には中々いいペースです。

 レベル10に上がったので新しくスキルスロットが解放されます。10刻みに新たに一つずつ増設されるのですが、ここは迷いなく《索敵》を取りましょう。どっかの熊さんみたいに奇襲されるなんて間抜けは晒せません。(戒め)

 

 RTA御用達の《疾走》スキルも欲しい所ですが、本チャートでは今後も取る予定はありません。

 つい先ほど振ったステータスポイントで分かる通り、今後はAGIではなくSTRに寄せる脳筋スタイルに寄せていくので、AGIに10%のボーナスが入る《疾走》のメリットが薄いです。移動速度(SPEED)自体もAGI:STR=7:3の割合で算出されるので、脳筋仕様に行くならSTRに10%のボーナスの入る《剛力》の方が良いでしょう。

 

 雑談しているうちに良い時間になりましたね。素材ドロップ? 何のことですか?

 

 クエストを受けたプレイヤーが夜の時間帯に此処に来ると、花弁が淡い紫の一輪の花が咲きます。カルマ浄化クエ第一の目標の《罪喰の花》ですね。フレーバーテキストによると『近付いた者の罪を喰らい花を咲かせる。懺悔と共に創造主へと捧げる事でその贖罪の意思を示す』らしいです。つまり便利アイテムですね。(実用主義)

 

 

 さてこれでこの場所でやるべき事は終わったのですが、また見所のないマラソンの時間が始まるので……はしません。

 落ちないドロップに半泣きの私の苦行をお前らも味わえ(鬼畜)

 

 

 

 少年視聴中……

 

 

 

 耐久お疲れ!(0円スマイル)

 おはようございます。清々しい朝……雨やんけ! はい、現在時刻6時15分、ご覧のとおり聖堂まで小雨の中走っております。雨の日はモンスターのポップ率が下がるのであまり嬉しくないです。豪運の揺り戻しが少しずつ来た感じがします。

 到着して聖堂にダイナミックエントリーを決めたら聖女様に《罪喰の花》を渡しましょう。一日で回収してきた事に驚かれつつ、次のクエストを貰います。

 

 次のクエストは見所が本当に無いです。ちらっと話しましたが、東端にある小屋に住むおっさんの説法を聴きに行きます。夕方から夜までの6時間コースです。RTAの中でも有数のイライラタイムです。

 しかも説法の間は《クイックチェンジ》や《隠蔽》の熟練度上げも出来ません。本当にただ聞くだけです。何度あのクソ司祭を頃してやろうかと思ったことか……

 

 そんな説法見たいですか? 私はまずあのドグサレガマガエル顔も見たくないです。

 

 なので過去に類を見ない倍率でお送りします。こうする事で30秒で一日が終わります。でもこの動画を見たやつはWRサイトで説法聞いてきなさい。ついでにその後の素材マラソン耐久も見てきなさい。

 

 はい、また聖女様とのお話です。説法の後の聖女様は一段と輝いて見えます。朝陽に照らされてるからですね。

 にしてもこの聖女様、朝以外はどうしてるんでしょうか。聖堂から出たのを見た事無いんですが……まぁ、クエストNPCと言ってしまえばそうなんですけど。

 あ、ちなみにこの聖堂はお風呂が付いています。明日の朝に入る予定です。

 

 あれ、そういえばこの聖堂にいるキャラクターって聖女様だけですし、風呂は一つしかありませんし、通される風呂場ってもしかして……うん、深く考えるのはやめましょうか。これは全年齢対象向けのゲームで動画です。

 

 最後の討伐クエストを依頼されて再び移動開始です。今度は北ですね。迷宮区近くを通るとプレイヤーに見つかる可能性があるので、層外縁部を通っていきましょう。しかし今回は昼判定の間に着かなければならないので割と余裕がありません。こいつずっと移動してんな。

 

 さて三つ目のクエストの目的地は北の端の洞窟《裁定の洞》です。こ↑こ↓のクエストは前二つと違ってちょっとだけ見所があります。本RTA初のちゃんとした戦闘です。二ヶ月経ってやっとまともな戦闘をするRTAがあるってマジっすか?

 弁明させていただくと、武器が両手斧の時点で序盤の雑魚敵は短時間で粉砕! 玉砕! 大喝采! が基本となりますし、オレンジの間はフィールドボスやフロアボス戦に参加出来ないのでそも骨のあるエネミーと戦えないんですよ。

 

 なのでクエストボスとでも言うべき存在の《裁定の石像》が最初のまともな戦闘になってしまうのは仕方ない事なんです。許してください! 何でもしますから!(何でもするとは言ってない)

 

 

 と言うわけで《裁定の洞》に到着しました。お邪魔するわよー。目的となるエネミーはクエスト受注状態で訪れると、この洞窟の最深部に現れます。というか、そもそもクエスト受注してないと入ることすらできません。

 この洞窟自体はそこまで入り組んでおらず、数百メートルほど潜ればお目当ての石像のいる広間に出られます。ステータスポイントをSTRに全振りして広間に突入です。

 

 さて《裁定の洞:広間》に辿り着いたら戦闘開始です。クエストボスにしては中々な強さを誇る《裁定の石像》君との一騎打ちです。

 

 まず戦闘が開始したら初撃は忘れずクイチェンからのソードスキルを決めましょう。ゲージ1本のうち2%くらいが削れましたね。信じられるか? こいつゲージ2本あるんだぜ?

 

 お分りいただけた通り、こいつクッッッッソ硬いんです。

 この《裁定の石像》というエネミーなんですが、対峙するプレイヤーによって強さが変わります。なので今ホモ君のレベルは11ですが、例えばレベル100とかで対峙しても普通の攻撃で与えるダメージ割合は殆ど変わりません。一撃でどれだけ削れるか以前試しましたが、STR極振り、ATKに15回強化入れたユニーク武器、最上位両手斧スキル、クリティカル、全て込めても削れたのは15%でした。

 硬いだけならまだ良いのですが、更にめんどくさい事に石像の癖に移動が早く、そして三メートルの巨体から繰り出されるリーチの長い攻撃が重いので、気を抜くと乙ります。

 

 しかし、我々RTA走者達は最適化を繰り返しているので敗北はあり得ません。(15敗)

 

 まず振り下ろしでノックバック、その後続けて振り上げてダメージを与えつつ、更に振り上げた勢いを無理矢理横に変えて攻撃。最後の攻撃を当てた反動で離脱すると石像君の薙ぎ払いをギリギリ回避出来ます。

 あとはこれの繰り返しです。一種のハメ攻略ですね。

 これはある程度ノックバックが大きい武器の両手斧、両手剣、メイスなどでしか出来ないループですが、クソ面倒な長時間戦闘を作業化して石像君を雑魚扱い出来るのでオススメです。しかもこいつを殴ってる間にスキルの熟練度も上がるので非常にうまあじです。オレンジしか受けられない制限がなかったら日通いしてたと思います。

 

 あ、ここクリティカルが良い感じに入ってスタン入りました。スキル後の硬直時間を実質無視出来るので思い切りソードスキルを連打します。うーん、敵の体力をゴリゴリ削る両手斧はやはり良い文明。

 背が高かったら首にクリティカル連打入れてスタンループでフルボッコとかできるので、高身長兄貴姉貴達はそちらでどうぞ。

 

 ゲージが一本削れましたね。複数ゲージ持ちは一本か半本削れると行動が変わるので要注意です。この石像君も素手から大剣に変わります。

 ただでさえ広いリーチが大剣によって伸びるので、中距離戦闘は悪手です。動画のようにインファイトを心掛けましょう。両手斧では無理? 実際に出来てるだろ(呆れ)

 

 とはいえ確かに難しいので、ライトプレイヤー兄貴達は小回りの効く武器を持っておくと良いでしょう。スキルが無くとも装備は出来るので、短剣や片手剣、メイスをサブウェポンにするのがオススメです。

 ですが、そういった小回りの効く武器は石像相手だと全然HPが削れないので、やはり両手斧こそ正義です。倍速してる以上難しく見えますが、実際やってみれば10周くらいで慣れると思います。

 

 はい、最後のゲージを削り切りましたね。石像君には傷一つ付いておらず消える事もありませんが、元々一定量のダメージを通す事でクエストクリアと見なされる仕様なので大丈夫です。クリアするとこのように石像君から《償いの珠》が貰えます。一応設定上は石像君は罪の裁定者である創造主の作り出した裁定機であり、裁定は石像との戦闘を通して伝えられると言う事らしいです。創造主(笑)が脳筋な気がしますね。

 

 

 と言うわけで、無事カルマ浄化クエスト達成です! ぱんぱかぱーん!

 明日からはやっと圏内に入る事が出来ます。圏外でオレンジだとなんだかんだ気が抜けず、気を張りっぱなしだったので一安心です。

 

 安心したからと言って時間は無駄に出来ないので倍速で再び《夢見の草原》マラソンをしに行きます。メンタル壊れちゃ^〜う。

 

 

 少年視聴中……

 

 

 えー、お気付きの方も多いと思いますが、非常にドロップが悪いです。この三日間暇さえあればマラソンしてましたが、そもそもポップもそこまで多くなかったので、目標の1/20も集まってません。そろそろ映像の終わる三日目のマラソン終了時点で、角が8本、そして道中倒した《エア・スワンプ》から落ちた《軽い針》が1本の計9本しか落ちてません。やべぇよ……やべぇよ……

 まま、20層までに集まれば良いから余裕やろ。行ける行ける(楽観)

 

 

 

 はい、と言うわけで最後となる聖堂突撃です。現在時刻6時ジャスト。合計で72時間掛かってないので最速です。バグを使えば5時間で済むとか言ってはいけない。

 

 ハロー聖女様。はい聖女様《償いの珠》。クエストクリアしたからカーソル戻して聖女様♡ さっさと戻せ聖女様♡ あくしろよ聖女様♡(せっかち)

 

 はい、聖女様が珠を天に捧げて無事クエストクリアです。カーソルがグリーンになりました。やっぱプニキを殺しても罪にはならんのやな!(確信)

 

 あ、聖女様お風呂貸して下さい。奥の部屋ですね知ってます借ります。

 風呂に入る理由はただの趣味です。深い意味もなくモチベ回復の一環です。嘘ですチャート上の意味があります。

 でもついでにドロップしなくて荒んだ心を落ち着かせます。荒れてたらガバるからね、仕方ないね。

 

 

 

 サービスカットの入浴シーンがあると思ったか?

(全年齢対象なのでそんなの)ないです。

 でも視聴者兄貴姉貴達を生頃しにするのも悪いので、ホモ君の背面と生脚だけは放映します。

 しかしこう見るとあれですね、なんか際どい所は逆に見せない謎の背徳感があって非常に、こう……よし、やめよう(英断)

 

 

 

 お風呂から上がって湯上がり美人になった所で聖女様に話しかけると、ちょっと効能の高いポーションとアクセサリー《加護の首輪》が貰えます。あまり知られていませんが、カルマ浄化クエを受けた事があるプレイヤーが聖堂のお風呂で入浴した後、聖女様に話しかけると貰えます。

 

《加護の首輪》はゲーム内では珍しい首輪系装備で、銀色のシンプルな見た目がオシャレな良い装備なので早速装備します。アクセサリー枠でない首装備枠はほとんど手に入らないので、今後も長いお付き合いになります。

 

 さて身も心もカーソルも一転し綺麗な身になったので、これから本格的な層攻略をして行きます。では早速二層主街区である《ウルバス》へと出発です。

 

 

 

 今回はここまでとなります。ご視聴ありがとうございました。




本編に無関係な設定:レンコン姉貴は17歳の現役JK

裏話:作者は原作のザザが好きなので光サイドに寄せるか真剣に悩んだ。悩みすぎてプロットが分岐した。ダイスで選ばれなかった分岐先ではプニキを頃して慢心した走者がザザを利用せず放置した結果、ザザは原作の性格のまま超強化される《ルート:冥鬼ザザ》を通る。


biim兄貴リスペクトの動画形式を取る以上、倍速は出来てもカットは出来ない落とし穴。


ちょっとだけ真面目な話をすると1ヶ月ほど多忙なので失踪するゾ。感想返しくらいしか出来ません。
一応3月上旬には戻る予定なのでそれまで待ってて♡(そのまま失踪しないとは言ってない)


最後にお気に入り登録、誤字報告、感想、評価、本当にありがとうございます。モチベと文字数壊れちゃ〜^う↑

じゃ、私は失踪するから……


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ほんへ 1

予告より遅れたので初投稿です。

今回はタグのbiim兄貴リスペクト(小説)リスペクト部分の回収です。分からない人はISの男の娘が亡国企業を滅するRTA読んで♡(ダイマ)
(回し者じゃ)ないです。

Q.どうして執筆再開から時間が掛かったんですか?


A.最近話題のあいつのせいでゴタゴタがありました。あと中古ゲームのやり込みもやってました。

ちょっとした修正
part.2のザザの武器をエストック→レイピアに変更。(深い意味は)ないです。ゲームメイクの事を考えるとこっちの方が自然な気がしただけです。



 

 ────ゲームの死が現実の死と直結する。

 

 

 

 ゲームマスターの茅場晶彦による宣言は、始まりの街を恐怖と混沌に叩き落とした。

 現実の姿に変わったプレイヤー達の姿は、先程と変わって様々な種類に溢れていた。周りを見渡すだけで同年代くらいの青年や少女、一回り以上は上の年齢であろう男、或いは逆にひどく幼い少年がいた。しかし、どのプレイヤーも呆然とした、或いは困惑した表情は共通していた。

 

 少女の悲鳴を皮切りに、一度生まれた混乱は人を媒質として伝播し、拡散され、増幅され、混沌の都を作り上げる。

 恐慌は老若男女を問わず、平等に襲いかかっていた。ある者は混乱を抑えようとしてプレイヤーの波に押し潰され、ある者は嘘だと叫び続け、ある者は茫然自失としてへたり込み、ある者は正気を失ったのか狂ったように笑い出す。

 多くはこの場から逃げ出すように走り出したが、この世界に逃げ場など無いのに、一体彼らは何処へ逃げるのだろうか。

 その答えは虚ろな目で『死んだら帰れる』と繰り返し、ふらふらと圏外へ向かう青年の姿で察するに余りあった。

 

 

 そして恐怖に感染したのは、当然ながら俺も例外では無かった。

 

 こんなつもりでは無かった。

 後悔と悲嘆が脳内でゆっくりと首をもたげる。

 息抜き程度に切り上げて、医者への勉学も続けなければならないのに。

 現実での病弱な身体に邪魔をされず、ただ普通に、思った通りに、満足に身体を動かしたいだけだったのに。

 第一弾でナーヴギアが一台しか買えなかったから、二弾が出たら弟と一緒に遊ぶはずだったのに。

 

 今となっては不可能となってしまった幻想へ縋り付いても、冷静な部分が無駄だと囁く。それでも目の前の現状を信じたくないと脳が叫び、二律背反に挟まれた思考は頭のネジが外れたように纏まらない。

 

 広場外縁部の建物に背を預け、空を見上げた。茅場と共に赤黒い空は消え去り、明るい橙赤色の夕焼けが空を染め上げていた。『黄昏(誰そ彼)時』の文字が脳内を踊り、皮肉げにプレイヤー達を、俺を嘲笑っていた。

 

 何分も経って漸く、死が一気に身近になった事に実感が追いついた。纏まらない思考のままに焦燥が募り、何もせず棒立ちになっている俺を、生きるために動けという切迫感が突き動かした。行動の正しさなどは知ったことではない。

 ああ、この場から走り出した彼らは宛もなく飛び出しただけだったのか。

 今更ながら他人事のように理解し、そして俺も同様に走り出していた。

 

 衝動に従った俺が走り出した先は、迷宮区とは違う方向だった。目的地も無いのにこちらへ走り出したのはただの偶然か、はたまた無意識の内に視界に入った何かを、あるいは誰かを縋り付くように追い掛けたのだろうか。

 分からない。分からないが、ただ停滞している事だけは出来なかった。

 

 

 

 レイピアを装備した俺は始まりの街から飛び出した。

 AGIに高く振ったステータスが遺憾なく発揮され、他のプレイヤーを抜き去っていく。集団で戦闘をしているプレイヤー達が視界に入る。六人で一匹の狼型エネミー《グレイウルフ》を相手にしていてなお、彼らは及び腰であった。命がかかっているのだから当然だろう。しかしその光景は、このゲームが本当にデスゲームなのだと不安と焦燥を煽った。目を背けるように前へと走り続けると、彼らは視界の外へと流れ去る。

 後ろからは誰かの悲鳴が聞こえた気がした。

 

 

 そして突然、俺の目の前にポリゴンが集まりだす。その欠片達は即座に形を成し《グレイウルフ》が生み出された。

 脳裏に茅場の宣言がフラッシュバックする。

 HPの全損が死を意味する世界においてこの狼との闘いは、比喩でなく命のやり取りに他ならない。負ければ死、勝てば生。単純にして原始的なルールだけが、この世界を支配している。

 体に一瞬の緊張が走る俺に向かって、夕暮れの中、灰色の身体で偽物の陽光を反射した敵は、威嚇するように歯をむき出しにして襲い掛かって来た。

 

「──────ッ!」

 

 緊張に身が強張る自分を鼓舞するように、言葉にならぬ叫びを上げた。狼の攻撃進路を避けるように身を左へずらし、そして右手を後ろに引き絞る。生存本能を乗せたレイピアがソードスキルのエフェクト光を纏い始め、身体が規定モーションに沿って動いた。踏み込んだ右脚のバネの緊張を一気に張り詰め、腕の引きも弓の如く更に絞り上げる。

 戦闘は一瞬で決着した。交錯と同時に銀閃が敵の喉を貫き、HPを奪い去って淡い虹色のポリゴンへと還す。会敵から十秒にすら満たない、濃密な刹那の戦闘。

 着地の軽い衝撃が足に来た事で実感する。命を賭けた闘争を終えて残ったのは、俺だ。

 

 不思議な高揚感を抱く俺に経験値とドロップを伝えるウィンドウが表示されるが、そんなものに構うほどの余裕はまだ無かった。ただ衝動のまま、目的もなく夕闇を駆けた。

 

 

 

 

 

 

 プレイヤーの少ない方へと走っていれば、数分もすると目の前には誰一人いなかった。薄暗い森から湿気た草の匂いがふわりと漂い、それに乗って不気味な獣の唸りが聞こえて来る。

 しかし気味の悪い場所である筈なのに、一人になったからか焦燥感と切迫感はなりを潜め、不安がないと言えば嘘になるが、少なくとも冷静な思考は帰って来ていた。

 

 これからどうするべきか。

 

 湧いた疑問に、俺は何も答えられない。

 先程まで俺を突き動かしていた情動が消えると、後に残ったのはただ空虚な己のみ。漠然と生への渇望がある一方で、理性はその生への意味すら見出せない。

 

 たとえこのゲームを生き残り現実へ帰ろうと、俺は恐らく、もう親から見限られるだろう。

 俺の家系は、代々病院の院長を務めてきた。病弱でロクに登校出来ず、ただでさえ医学部の勉強に着いて行けずに留年すらした上に、このようなゲームに囚われた不出来な息子へ掛ける期待など、きっともう残っていない。少なくともこうなった以上、俺より出来のいい弟に跡を継がせる方が合理的だし、あの両親ならばきっとそうする筈だ。

 親に怒りなど湧かない。なにもかもが自業自得に過ぎないのだから当然だ。

 結局、現実に帰った所で親からの期待は無くなっている。つまり今まで捧げて来た親の期待に応えるための短い二十年余りは、無意味に散った。

 それは今まで俺を支えてきた存在価値の欠如に他ならない。

 

 脚から力が抜ける。

 クリアへの意志。生の理由。存在価値。

 連鎖的した人間性の喪失は、俺を砕くには十分だった。

 

 さて俺は、一体何のために生き残れば────

 

 

「──────」

 

 ふと、小さな声が聞こえた。

 この場には俺以外居ないものと思っていたため驚きつつ、(てい)の良い理由が見つかったと思考を打ち切って声の方向へと視線を向けるも、そこには森林が広がるだけ。気のせいかと思えば、やはり奥から誰かの声が微かに聞こえる。いや、これは声というより────

 

「泣いて、いる?」

 

 好奇心が疼く。心配と言う綺麗な感情ではなく、野次馬根性にも似たものだ。

 声の聞こえた方向へと移動すれば、次第にその声は鮮明に聞こえるようになってくる。嗚咽に近い喉が引きつったようなその声の主は、間も無く俺の前に現れた。

 

 そのプレイヤーはカーソルがオレンジ色だった。それはこのゲームにおいて犯罪者である事を示す色。

 一度は警戒が跳ね上がるも、そのプレイヤーの姿を確認すればそんな警戒は一気に霧散した。

 

 武器を横に置いてへたり込み袖で目元を拭うプレイヤーは、数歩の距離を挟んで見るに、高く見積もっても中学生程度の少年であった。

 漏れる嗚咽は変声期前の高さを保ち、袖で涙を拭うたびにふわふわした黒髪が揺れ、なお拭いきれない雫が溢れていた。

 この少年が確実に悪ではないと言う確証こそ無いが、こんなフィールドで号泣している、虚飾とは思えない姿を見る限り、少なくとも気を最大限に張り詰めるのは無駄だと肩の力を抜く。

 

 しかし、どう声を掛けたものか。

 考えてから驚いた。

 先ほどまで恐怖に正気を失っていた割に、俺はこの少年にお節介を焼こうとしている。いや、人と話すのが苦手な事を鑑みれば、この事こそ未だ混乱の最中である証左か。

 無駄に思考を回しても、当然目の前の現状は打開しない。周りを見渡しても他のプレイヤーは居ないし、この少年をどうにか出来るのは俺だけだった。

 あーだこーだと首を捻っても仕方ないと諦めつつ、気軽に、それこそ弟に話しかけるように、優しく喋り掛けた。

 

「大丈夫、か?」

 

 言葉を短く切る癖が抜けないまま声を掛けると、少年は(プレイヤー)がいたことに驚いたらしく、パッと顔を上げる。

 

 露わになった顔立ちは推測より更に幼い。少なくともこのゲームの年齢制限(13歳)よりは下の年齢だろうか。大きくつぶらな瞳目が似合う端正な顔は驚きに彩られ、呆然と俺を見つめていた。

 

 そして見つめ合うこと、数秒。大きな目が再びじわりと潤むと、ポロポロと涙が溢れ始め、少年はまた泣き始めてしまった。

 こうなると、こちらとしては弱ったものだ。弟が泣きついてきたのを何度か諭した事さえあれ、見知らぬ少年を落ち着かせる事は露ほども経験が無いし、要領も当然分からない。

 何か解決策が無いかと周りを見渡しても皆無、どうにかしようと手を伸ばしても何も出来ず引っ込める。(はた)から見れば非常に珍妙な光景だろう。

 

「……ナァ、何やってるんダ?」

 

 故に背後から現れた新たなプレイヤーは、俺にとっては救いだった。

 振り返った先にはフーデットケープを被ったプレイヤーが一人。声から察するにこのゲームには珍しい──少なくとも広場では殆ど見かけなかった──女性プレイヤーだろうか。

 彼女の視線は警戒と困惑を含みながら俺と少年を往復し、少年の方に聞くのは無理だと悟ったのか、俺の方へと目を固定した。

 

「泣いていた、から、ここに来た。理由は、分からない」

 

 主語も必要な修飾語も欠いたお粗末な言葉だが、相手には十分に伝わったらしい。困ったように頬を掻くと、少年を落ち着かせようと宥め始める。女性は子供の扱いが上手いと噂で聞いた事があるが、少なくともこの場では正しかったらしい。少年は依然として泣いているが、話が出来る程度には落ち着いた。

 

「アー……とりあえず君の名前、オネーサンに教えてくれないカ?」

 

「……ぇぅ……モナカ、《北海モナカ》です」

 

「オレッチはアルゴ。良く言えたナ、モナカ。偉いぞ」

 

 あやすように背をさするアルゴという少女は、俺の方に視線を投げる。その意図を何と無く理解し、聞き覚えは無いと首を振る。

 

「じゃあ、もう一つ教えてくレ。モナカ、君に保護者のプレイヤーとかはいるのカ?」

 

 ずっと泣いていた少年、モナカは首を横に振る。

 俺がこの少年の知己でないことから薄々は察していたのだろう。少女は驚いた様子もなく薄く溜息を吐いて、 そしてやや真剣な表情へ切り替える。

 

「モナカ、最後に君のカーソルについても聞いてもいい?」

 

 飄々とした言葉遣いをやめたのは、真剣な話と切り替える彼女の合図のようなものか。

 少年のプレイヤーカーソルの色はオレンジ。それはこのゲームにおいて、盗み、そしてプレイヤーへの攻撃を行った、犯罪プレイヤーの証。もし後者であった場合──現状を鑑みるに意図的にそうなった可能性はほぼ無いし、だからこそこうして世話を焼いているわけだが──デスゲームとなった世界では、とても看過出来ない。

 その意図は俺だけでなく、少年の方にも正しく伝わったらしい。顔を少し強張らせて口許を一度きゅっと結ぶと、たどたどしく、けれどしっかりとした口調で言葉を紡ぎ出した。

 

「僕は、始まりの街の広場から────」

 

 

 

 

 

 

 彼の身に起きたことは語るに短く、しかし激動なものであった。

 

 あのデスゲーム宣言の後、彼は真っ先に広場を飛び出したらしい。

 そもそも転移させられた場所が広場外縁部。広場の混沌には巻き込まれずに、しかし突然の事に動転したままこの場所まで走ってきたが、ここ辿り着いてなんとか冷静になったと。

 

 ふと思い出したが、この少年は確か始まりの街の広場で俺のすぐ側にいた、あの幼い少年だったか。

 無意識は彼を追いかけていたのだろうか──頭を振って、そんな意味の無い疑問を振り払う。

 

 ここに辿り着いて数分すると一人の男が来た、と彼は言った。

 始まりの街で買える薄黒いフード付きのマントを纏った若い男だった。そして他の人が来たと安心する間もなく、男の短剣が振り上げられた。

 道中でエネミーを倒すために装備していた斧で慌てて防御をすれば、その大きな刃が男にぶつかり、相手のHPを削った。削ってしまった。

 少年がゲームシステム上の犯罪者としてカウントされるようになると、男の攻撃は激しさを増した。一切の容赦の無い攻撃を前に必死で抵抗することしか出来ず、短剣使いは頭のネジが外れていたのか、いくらHPを削っても引こうとしない。

 彼に残された道は、ひたすら足掻き、抗い────殺すことだった。

 

 

 

 

 

 話し終えた頃には、少年は再び泣き出していた。人の命を奪った事への戸惑いと罪悪感を受け止めるには、その器はまだ脆すぎた。

 

「よく喋ってくれた」

 

 少女がわざと荒っぽくわしゃわしゃと頭を撫でると、撫でられた当人は気恥ずかしくそうに少しはにかんだ。涙が頬を伝う彼の気丈な笑みは、見ていて痛々しかった。

 

「さ、とりあえず移動しようゼ。ここは街に近いからプレイヤーが来るかもしれないし、危ないだロ。オレッチは一応βテスターだからプレイヤーの来ない安全地帯まで案内するサ。そこの──」

 

「ザザ、だ」

 

「了解。聞いていたと思うけどオレッチはアルゴ。よろしくナ。

 ザザ、早速の相談なんだガ、出来れば一緒に着いてきて欲しいんだけど良いカ?」

 

「構わない」

 

 道中の護衛と言うよりは、この少年を連れるに当たって、もし他のプレイヤーと会った時説明できる要員が多い方が都合が良いだけだろう。だとしても、今後の方針を立てる間の時間に何もしないよりは、この依頼を受けた方が人脈を作ると言う点で得だろう。

 打算的に算盤を弾いて軽く首肯し、二人の横に並ぶ。

 

「あ、あの、えっと」

 

「よろしく」

 

 わたわたと慌てる少年に出来る限り自然に笑みを送ろうとしたが、我ながら上手く笑えた気がしない。

 

「ザザさん、その、ご迷惑をお掛けします」

 

「気に、するな」

 

「んじゃ、行こうカ」

 

 挨拶が終わったところで、少女が先頭を駆け出し、その後ろに俺達は着いて行く。月──月モドキが照らす森を駆けながら、先程まで目を背けていた生存理由に俺は再び思考を巡らせ始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 モナカを安全地帯まで連れて行った後──モナカ本人からの願い入れで彼を一人にして置いて来たが──俺がこの辺りの地理が分からないと言うと、アルゴは近くの圏内の村までの案内を買って出てくれた。そしてそのままアルゴに連れられて、俺達は荒野を駆けていた。

 

「……なあ」

 

「なんだイ?」

 

「先に進むには、迷宮区を攻略すれば、良いのか」

 

「少なくともβの時はそうだったナ」

 

「早く攻略すれば、あいつは、カルマ浄化クエストを、早く受けられる、か」

 

 俺の発言にアルゴは目を丸くして足を止めたのに合わせて、俺も立ち止まる。猫のような大きな目が興味深そうに俺を見据えていた。

 

「そりゃそうだガ……モナカとは初対面だろうに、随分と優しいナ。いや皮肉でも何でも無くそう思うゼ」

 

『初対面』の部分には、それ以上の意味が込められている気がした。『全面的に信頼し得ない犯罪者プレイヤーなのに』と変換されたのは、あるいは他ならぬ俺自身がそう思っているからか。

 

「……そんな、殊勝な、ものではない」

 

 そう、あの少年のためなどと言う綺麗なモノではない。

 俺には『このゲームに巻き込まれた全ての人のため』という漠然とした理由で動けるほどの高尚な精神は無く、かと言って自分のために生き残る理由も無い。

 そんな俺の目の前に落ちて来たモナカという存在が、理不尽に巻き込まれたにも関わらず、SAOクリアへの意欲を燃やす──それがたとえ嘘であろうと──幼い命のためという具体的な建前が、生存本能と理性の都合を付けるには丁度良かっただけ。

 結果的には美談であれ、その実、砕け散った俺の意義を一時的に補完するための、どこまでも自己本位に基づいた醜い逃避に過ぎないのだからタチが悪い。別に都合の良い理由が見つかれば恐らく、いや間違いなく、この少年の重要性は消え去ってしまう。

 

 もっとも、俺をじっと見つめてくる少女には、そんな自己分析など理解されているはずもないだろうが。

 

「……マ、何にせよ攻略に前向きなプレイヤーがいるのは嬉しいことダ。

 けどナ、ザザ、一つだけ余計な事を言わせて貰うゼ。君は、君自身が生きる事を最優先にしてくレ」

 

 今度は俺が目を丸くする番だった。口調こそ変わらないが、アルゴが口にした内容と纏った雰囲気は大真面目。

 

「心配なんて、お前の方こそ、随分と優しいな」

 

「優しいってのは違うナ。オレッチは甘いだけサ」

 

 それは──口を開こうとして、やめた。聞いてもどうしようもない事だし、踏み込める間柄でもない。

 黙りこくった俺を見て、アルゴは悪戯っぽく歯を見せて笑った。

 

 示し合わせるでもなく、二人揃って前を向く。視線の先には空を貫く一本の塔、否、迷宮。

 あの迷宮の先に二層があって、そこにはまた迷宮があり、三層があり迷宮があり──百層が重ねられて行くのだ。

 その道のりを思う。たったそれだけでゲームクリアは果てしなく遠いように思えて、心は不安に軋んでしまう。

 

「クエストは、良いのか?」

 

 目を合わせないまま、隣へ話し掛けた。

 

「それは後回しだナ。有望株の若者が目の前にいるんダ。案内ついでに色々説明して今のうちに唾付けとけば、後々ネタを持って来てくれそうだしナ」

 

 アルゴもまた、目を合わせないまま歩き出した。

 

「抜け目無い、情報屋だな」

 

「そんなに褒めたって何も出ないゼ」

 

「それは、残念」

 

「ニャハハ。オレッチはそんな安い女じゃないゼ」

 

「そもそも、買われるような、女じゃなさそうだ」

 

「良くわかってるじゃないカ」

 

 会ってまだ数時間だが、会話が苦手な俺にしては不思議なことに、軽口を叩くことが出来ていた。それはきっとアルゴの持つ独特の軽さと言うべき雰囲気に加えて、それ以上に俺達は、そうしていなければ耐え切れなかったからだろう。

 

「期待してるゼ、ザザ」

 

「俺には、重いな」

 

 俺達はそれ以上の言葉を交わすこと無く、宵闇の森を駆け抜けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ディアベルが死んだ。

 

 第一層のボス戦の指揮を執り、攻略参加者を纏め上げたディアベルは、ボスに一人で突撃を仕掛け、そして事前情報とは違う敵の武器を前にして呆気なく死んだ。

 

 目の前で人が死んだのは初めての事で、デスゲームの実感が強く引き起こされた。

 この世界は間違いなくゲームだが、同時に命を簡単に消し飛ばせる現実でもある。俺はそれを正しくは理解していなかった。どこかでゲームなのだから俺は死ぬ事はないと楽観していた。他人の死で初めて理解するあたり、我ながら狂っているのだろうか。

 

 彼は自分からボスに単騎特攻を仕掛け、ボスの繰り出すソードスキルを完全に食らって死んだ。自業自得に他ならないその死が、酷くあっさりと散った命の火花が、脳裏にチラつく。決して後悔や追悼ではないのは分かっていたが、この感覚が何なのかも分からなかった。熱に浮かされたように、ぼんやりと、人が死んだシーンが繰り返される。

 

 気が付けば、一層の例の森林へふらふらと歩いていた。あの日と同じ夕暮れの森は、しかし以前よりも赤く見えた。

 

「ヨ、ザザ」

 

 その声に、脳内に焼きついた映像は一時停止を掛けられる。

 片手を挙げて軽い様子で声を掛けてきたのは、この一月半で最も交流が深い人。けれどその表情は普段よりやや強張っていて、ほぼ毎日連絡を取り合い、時には顔を合わせて来たのだから、理由も何となくは察せられた。

 

「アルゴ、か」

 

 俺の言葉に返事は無く、アルゴは無言で俺の横を歩き始めた。目的地は当然のように一致していたから、会話が無くともアルゴと俺は付かず離れずの距離を保ちつつ森を進む。

 そうして無言のまま森を潜り、数分した頃だろうか。

 

「あの、さ」

 

 アルゴは思い詰めた顔で、視線を下に向けたまま口を開いた。けれどその先は続くことがなく、見れば言葉を探すように口元を動かしている。彼女の懊悩の、攻略への情報を提供する者としての苦悩の原因は理解していた。そしてそれをあまりに深刻に捉えれば、きっと彼女のパフォーマンスは下がってしまう。

 だから、俺は端的に擁護の言葉を口にする。

 

「……注意書きは、あった」

 

 アルゴはハッとして俺の顔を見つめてくる。余計な事を言わずとも、それに気付かないフリをして歩くスピードを少しだけ速くすると、後ろに足音が着いてきた。

 

「ニャハハ。お見通しってわけカ」

 

 力の無い笑いと小さな呟きは聞かなかった事にした。アルゴにも整理の時間が必要だし、それは赤の他人が介入して良いことではない。

 互いに黙ったままモナカの待つ安全地帯へと歩を進めていた中、沈黙を破ったのはやはりアルゴだった。

 

「ありがとナ」

 

「……早く、行くぞ」

 

 無愛想な返事にはアルゴの困ったような笑い声が返ってきた。

 それから暫く歩けば遠くで武器を振るう音が聞こえ始め、目的地に近づくほどその音は大きくなって行く。

 

 アルゴと俺がモナカのいる安全地帯──《ユフの岩場》に辿り着くと、つい先程までモンスターを倒していたのか、背中に斧を背負ったままモナカが走り寄ってきた。

 

「ザザさん! アルゴさん!」

 

 ぱたぱたと足音を立てながら寄ってくる様に犬を幻視していると、アルゴが明るい笑みを浮かべながら頭を乱雑に撫でた。

 

「ヨ、久しぶりだなモナカ」

 

「あう、アルゴさん、やめてください」

 

 言葉とは裏腹に楽しそうに笑うモナカは、どうやら初日の悪夢からはどうにか立ち直ったようだった。ゲームが突然命のかかったモノへと変貌し、そんな中で不可抗力とはいえ人を殺した彼は、頭を上げて前へと進もうと懸命に命を繋いでいる。

 初日の彼の、涙を流して今にも壊れてしまいそうな笑みはもう見る影もない。それは本当に消えたのか、それとも隠しているだけか。

 

「あの、お二人が揃って来るなんて珍しいですけど、何かあったんですか……?」

 

 身長のため下から覗き上げるようなモナカの瞳は不安げに揺れ、しかし新たな展開への期待に満ちている。決して負けず、生き残り、百層を攻略せんという強い意志が満ちたモナカのその眼に、俺は貫かれていた。

 

「二層が、解放、された」

 

「……えっ」

 

「これから二層のカルマ浄化クエストの場所まで案内するつもりだガ、すぐに出られるカ? 迷宮区を通るつもりだかラ、準備が必要なら──」

 

「い、いえ! すぐに出ます!」

 

 伝えたニュースが予想外だったらしく驚くモナカを見て、アルゴと俺は小さく笑う。あわあわとコンソールを操作し始め装備を整えたモナカは、むん、と一つ気合を入れるように拳を握った。

 

「早く行きましょう! 善は急げ、です!」

 

「ニャハハ、なら早速行こうカ」

 

 目をキラキラと輝かせながら調子の良いことを言う少年にアルゴは再び笑みをこぼし、先頭を取るように歩き出した。それにトテトテと着いて行くモナカの背は小さく、そしてなぜか儚く思える。

 あの小さな背には、一人の命を奪ったという罪科が乗っている。

 このゲームでは人がポリゴンへと散り、命を散らす。その様をこの少年は見た──否、自ら引き起こしたのだ。

 

 頭の隅が疼く。

 

「ザザさーん! 早く行きましょー!」

 

 ハッと前を見れば二人は既に十数メートル先にいて、モナカが此方に向かって手を振っている。表情は二層への期待に溢れていて、それを表す様にその場でぴょんぴょんと飛び跳ねている。

 その姿に目を細めつつ、先の疼きを誤魔化すように、俺は一歩踏み出した。

 




これで良かったのか分からないのん。

裏話:ザザニキが完全無欠の光サイドとか想像付かなくて諦めました。
あとザザの言葉を短く切る口調は読点が多くて読みづらくなるので、長めに話してる部分は詰まる箇所を減らしています。読み辛さは減らしたいからね、仕方ないね♂(ただの力量不足)
一応色々と考えてザザの不安定で極端な思考回路、そしてアルゴの設定を作りました。本文も意図的に色々端折ったりしてますが、色々言及するのは野暮なので書かないゾ。変に見えるかもしれないけどお兄さん許して(懇願)

誤字報告:誤字報告をして下さった方、名前を明記して良いか分からないので名前を伏せたままお礼申し上げます。

余談というか設定ガバ:原作読み返してたらプネウマの花を取った帰りに、キリトがロザリアに対して
「一日二日、オレンジになるくらいヘーキヘーキ(要約)」
とか言ってたので、この作品のカルマ浄化クエストは確実におかしいです。『七面倒くさいクエスト』の記述だけ確認していた結果、Part.2で書いたクエスト形式としてしまいました。あのさぁ……(呆れ)

よってガバの責任を取って失踪したいと思います。


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