キャルと付き合っているのにペコリーヌとエッチしちゃうお話 (浅間藤)
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1話

「今日は楽しかったわよ……あ、ありがとう」

 

 部屋で二人きりの中、猫耳の少女は照れながら目を逸らし、今日のデートの感想をぶっきらぼうに告げた。

 彼女と彼が親密な関係になったのは二ヶ月ほど前だが、いまだにやり取りはぎこちない。彼が思い切って手を握り急接近すると、キャルの尻尾はピンと立ち、毛も逆立て、顔を真っ赤にする。

 

「あ、あたし!もう部屋戻るから!!」

 

 慌てて逃げ去る彼女を、見送る事しか出来ない少年。もう何度となくこのやり取りをしている。

 しばらくすると、部屋の戸が叩かれた。それに続いて朗らかな声が尋ねる。

 

「私です。入ってもいいですか?」

 

 返事をして戸を開けると、そこにはキャルと同じくしてギルドの仲間のペコリーヌが笑顔で立っていた。中へ入れると、ベッドにぽすんと座り込む。

 

「キャルちゃんお顔真っ赤っ赤にしてましたけどどうでした?キスぐらいは出来ましたか?」

 

 彼は残念そうに首を振る。

 

「あらら、やっぱりダメでしたか。まあ恥ずかしがり屋さんですからね〜」

 

 彼女は若干の苦笑いで相槌を打つと、少しの間が生まれた。そして二人の間に妙な雰囲気が流れると、待ちきれないといったように彼はギルドの仲間の胸へと抱き着いた。

 

「きゃっ。も〜ダメですよ女の子の胸に飛びついちゃ☆」

 

 そう言う彼女に嫌がる気配は一切ない。それどころか胸に埋まる頭に手を回し、優しく撫でている。

 

「今日も“練習”しちゃいますか?」

 

 そんな問いに応えるように、彼女の唇に唇を重ね合わせる。まだ恋人ともしていないことを。仲間と――

 

 

 二人が秘密の関係になったのは数日程前のことだった。なかなか進展しないキャルとの距離をどう縮めたらよいのかを、彼女に相談することにしたのだ。

 

「もっと距離を縮めたい……ですか。そう言えばお二人はどれぐらい進んでるんですか?キャルちゃんに聞いても教えてくれないんですよねぇ」

 

 それを聞かれて彼は、最近ようやく手を繋いだくらいだと。しかも他に人が居ない時のみだ。それを聞いたペコリーヌは思い切り引きつった顔をする。

 

「それはなんていうか……ヤバいですね☆」

 

 そして、しばらくウンウン唸り、考え込むと、閃いたのかパチリと目を開き手を叩く。

 

「わかりました!デートしましょうデート♪」

 

 それを聞いても、彼がピンときてないでいるので、説明をするペコリーヌ。

 

「問題はあなたがキャルちゃんを上手くリードできてないからだと思うんですよ。だから私とデートで練習してリード出来るようになれば良いんですよ☆」

 

 その説明で納得がいったのか少年は、提案に同意する。

 

「というわけで、早速行きましょー☆」

 

 といった感じで始まった練習デートだったが、実際にはこれといって特別なことはなく、普通にお店を回って買い物をしたり、行きつけの料理屋に来るぐらいだった。不思議に思ってそれを質問すると、

 

「そうですか?まあ私が楽しんでるだけかもしれませんね♪」

 

なんてコロコロと笑いながら回答している。それに対して不思議そうにする少年を見て、彼女は雰囲気を変え、少し意地悪そうに微笑む。

 

「まあ本番はこれからですから☆」

 

「――なので、そろそろお部屋に戻りましょうか」

 

 言われるがままに自室に帰ると、ベッドに隣合って座る二人。しかしいつもより距離は近く、間には拳一つも入らない程だ。

 いつもとは違う雰囲気を感じ取った少年も、視線はふらふらとしてしまうが、自然と彼女の瞳に吸い寄せられてしまう。

 

「ドキドキしてます?それじゃあ男の子としてはちょーっとカッコ悪いですね☆」

 

「だから、私と練習して、なれちゃいましょう?」

 

 さっきまで、触れ合う程度だった手を彼女は重ねていく。柔らかく小さな手は、ゴツゴツとした手の甲に温かさを伝えていく。

 その間も合わさったままの視線に耐えられず、彼が少し逸らすと、

 

「ダメですよ。ちゃんと目を合わせてください」

 

そう言いながら視界に合わさって入ってくる。

 さっきまで重ねていた手を、ペコリーヌは持ち上げ、上に誘導すると、お互いの手のひらと手のひらを合わせる。そして、人差し指から中指と、順々に絡めていく。

 

「これは、ちょっと恥ずかしい……ですね☆」

 

 顔を赤らめ、はにかむペコリーヌ。気付けば、二人は向かい合って、両手はしっかりと絡み合い、吐息がかかる程に、顔が接近していた。

 しかし、少年は途中で距離を縮めるのを止めてしまう。脳裏には恋人のことか。それを彼女は見かねたのか、口を開く。

 

「キスは浮気になっちゃいますか?」

 

「でも、大丈夫ですよ。これは“練習”ですから☆」

 

 それを聞き、止まっていたはずの彼の時間が、また動き出した。ゆっくりと近付いていく、唇と唇。それに合わせて、目を瞑る彼女。そして、二人の距離はゼロになった。

 重なり合う二人。彼にとっても、彼女にとっても初めてのキス。お互いが初めての柔らかさを、熱を感じていた。そして、少女の方から舌を入れ始めた。少年の口内を探るように舐ると、彼もその動きに最初は驚いていたが、器用にも動きを合わせ、舌と舌を絡め、次第に彼女よりも、上手に舌を使うようになっていった。

 しばらく、堪能していた二人だったが、息の限界も迎え、ついには離れていく。それを名残惜しそうに二人の唾液が糸を引く。

 

「ぷはっ……しちゃいましたね。キス」

 

「でも、意外とお上手なんですね、ほんとに初めてなんですか〜このこの〜☆」

 

 彼女なりの照れ隠しなのか、間を置かずにまくし立てる。

 

「どうでしたか、初めてのキスは?ドキドキしました?……んん?」

 

 喋り続けていた彼女だったが、不意に口をつぐむ。そして視線は固定されている。彼の股間の方に。

 

「あー……こっちは素直なんですね☆」

 

 彼女の優れた容姿に加え、恋人ではない人との密事、そんな背徳感は少年のオトコを刺激し、ズボンの上からでも分かるほどイキり立たせたのだ。それをしゃがみこんでまで、まじまじと眺められ――勃起自体が滅多に無いこともあって――恥ずかしくなってしまい、手で覆い隠すのだが、

 

「恥ずかしがらなくて良いんですよー」

 

と優しく手を払いのけられ、しまいにズボンまで脱がされ、オトコの部分をさらけだされてしまう。

 

「わわっ、結構おっきいんですね」

 

 ニコニコとはしているものの、初めて見るであろうソレに、想像よりも大きかったせいか若干なりとも気圧されてしまうペコリーヌ。

 彼女が至近距離で見続けるものだから、彼も恥ずかしさの余り顔を逸らし、目をつぶった。

 

「これってちょっと皮を被ってるってやつなんですかねー?結構かわいいかもですね♪」

 

「触ってもいいですか?優しくするんで」

 

 口ではこう言ってるが、目は好奇心にキラキラ、いや、ギラギラとしている。恥ずかしさに加え、恐怖まで感じたのか少年は首をイヤイヤと横に振っている。

 

「嫌なんですかー?……でもこっちはそうでもないみたいですよ☆」

 

 首を振る彼を尻目に、有無を言わさず彼女は、人差し指でそっと陰茎を、下からなぞり上げると、彼のソレは大変素直に首を縦に振ってしまうのだ。

 

「ほらほら我慢しないで気持ち良くなりましょう?」

 

 いよいよ誘惑に耐えられなくなったのか、おずおずと首を縦に振ると、彼女も満面の笑みをこぼす。

 

「ふっふっふっ、ようやく観念しましたねー……じゃあ最初に皮、剥いちゃいますね」

 

 言うと同時に、半剥けになっていた皮を、人差し指と親指で輪っかを作り、くぐらせるようにしてゆっくりと先っぽを露わにした。

 

「あっ、ごめんなさい痛かったですか?」

 

 彼が敏感に反応をするものだから、心配そうに声をかける。彼女も初めての事なので、勝手が掴めていないようだったが、少年も安心させるように首を振る。

 

「ならよかったです☆……手、動かしますね?」

 

 柔らかな指は優しく包み込み、根本から先の方までそっと撫でるように動き出した。痛くないように優しく、ゆっくりと。触れるか触れないかのフェザータッチで少しづつ刺激する。

 気持ちいいような、こそばゆいような、そんな感覚に思わず彼の身体と肉茎は、ぴくっぴくっと時折反応してしまう。

 

「気持ちいいんですね、かわいいですよ☆」

 

「もうちょっと強く触ってもいいですよね?」

 

 弱い刺激がじれったかった彼は、即座に頷いた。それ見てニコりと笑うと、彼女の手はしっかりと握り、竿をしごき始めた。

 先程と打って変わって、ダイレクトに来る快感、しかも少しだけ手の動きが速いのだ。気持ちよくないわけがなかった。

 スリスリと肌と肌の擦り合う音が、次第にチュコチュコと粘液の音を含み出す。それに気付くと一旦手を止め、

 

「お〜、男の子も気持ち良くなると出ちゃうんですね」

 

「凄いヌルヌルです。これでもっと気持ちいですね☆」

 

と先走り汁を、竿全体に塗りたくり、手の動きは再開した。

 滑りが良くなり、より速くなった手は、一際いやらしい音をたてながら責め立てた。

 快楽の波に耐えれず、少年が声を漏らす。それを聞き逃すペコリーヌではなかった。

 

「なんですか今の声、可愛すぎです!いじめたくなっちゃうじゃないですか♪」

 

「もう一回聞かせてください!ほらほら☆」

 

 興奮した彼女は、手の力を強くし、更に加速させた。止まらない手に、止まらない快感。ついに限界を迎えた少年の淫棒は精を射ち出した。

 射精の波は一回、二回と、何回にもわけ、その都度大量の精液を吐き出した。すぐ側の彼女の顔目掛けて。

 

「えっ、ちょ、わぷっ……」

 

 しごくのに集中して、油断していた上に、しゃがみこんでいた彼女は急な射精に対応出来ず、思い切り顔で全てを受けてしまったのだ。射精が終わり、ようやく口を開く。

 

「もーっ出すなら言ってください!ベトベトです!」

 

「臭いも凄いですね……」

 

 顔から零れ落ちた精液を手で受け止めると、匂いを確かめるペコリーヌ。そして何を思ったかそれを口に含んだ。

 

「んんー、あんまり美味しくはないですね☆まあ飲めなくはないですけど」

 

 飲み込む動作を見て、呆気を取られた少年に気付き、はっとした彼女は慌てて説明する。

 

「えっ、えっとーこれはあのー……聞いた話で、男の人は飲んであげると喜ぶって聞いたので、だから、その……やっぱり引いてますか?」

 

 おずおずと聞く彼女が、悪い事をした子犬のようで、引いたとも言えず首をブンブンと横に振る少年だった。

 それにほっとして、いつも通り笑顔になるペコリーヌだったが、また一つ気付いてしまう。

 

「まだ元気そうですね、それ」

 

 アレだけ出したのにも関わらず、少年の逸物は猛っていた。

 

「んー……じゃあ、次はお口で試して見ますか?」

 

 あーんと口を開け見せつけるペコリーヌ。それを見て自然と喉を鳴らす少年。手だけでも凄かったのに、口に入れたらどうなるのだろうか?そんな探究心は抑えられる訳もなく、彼女の口の前にイチモツを差し出した。

 差し出されたソレを、大きく開けた口で一気に頬張っていく。彼女の顔よりも大きいが、嫌な顔一つせず咥え込む。ひとえに彼女の食生活の賜物だろう。

 咥え込むと、頭を前後に揺らし始める。彼は未知の感覚に遭遇する。温かくヌメる舌が滑り、時々亀頭が喉を突く。目をつぶりギュッと力を入れないと、即座に力尽きてしまいそうな程だ。

 

「ろーれふはー?ひほひひーへふはー?」

 

 咥えたまま喋ると、舌が複雑な動きをし、それがまた快感になる。というのを、彼の表情と反応から汲み取った彼女は、単調な動きだけでなく、舌を竿に這わせるようにしたり、先っぽだけを咥えて裏筋やカリ首、尿道口を舐め回すと面白いくらいに少年は身体を震わせた。彼女もそれが嬉しいようだった。

 

「ほろほろへふはねー」

 

 そろそろ限界、というのを感じ取りラストスパートをかけるペコリーヌ。咥えると言うよりは吸い付くように、腔内を負圧にし、頭を揺する。バキュームのように吸引され、ほんの数秒で声にならない声と共にイってしまう少年。

 一回目の射精に引けをとらない勢いで脈をうつ。熱い精液は、喉奥に直接流し込まれる。粘っこく、大量なのにも関わらず、えづきもせず飲み込んでしまう。

 そして、ひとしきり続いた射精が終わると、根本から舌で綺麗にするよう舐め上げ、最後に先っぽから出し切れていない精液を吸い出し、ようやく口を離した。

 

「んー二回目なのに凄い量でした」

 

「でも全部飲んじゃいました☆」

 

 そう言いながら彼女は笑いながらVサインをつくった。その日はそれを最後に彼は意識を失っていた。

 

 

 ――これが、現在に至った数日前の出来事だ。そして今、彼は彼女といつもの“練習”の最中である。

 ベッドに隣合って座り、彼女にしごかれている。

 

「ふふ、もうそろそろですか?キスしながらイっていいですよ」

 

 舌を絡められ、亀頭を重点的に責められると呆気なくイかされていた。出し終わると、離れたくなさそうに、彼女は少年の舌を吸いながら離れていく。

 いつもの事が終わっても、彼女が何も言わないで居るので、妙に気まずいまま見つめ合う二人。するとペコリーヌがそっと切り出した。

 

「……大分慣れてきましたし、そろそろステップアップしませんか?」

 

 彼女の緊張した雰囲気が伝わって、ドキドキする少年は、ゆっくりと頷いた。それを受けて、彼女は落ち着くよう軽く深呼吸をし、ベッドの中央により膝立ちになると、スカートの裾をつまみ、持ち上げた。

 

「じゃ、じゃーん」

 

 ふざけながらも、下着を見せつける彼女は耳まで真っ赤だ。彼は見せつけられた下着を凝視する。白くレースのショーツは肌を隠しきらず、彼女の柔肌をいやらしく透け浮かばせていた。普段から離れた印象を受け、少年は股間を熱くしてしまうのであった。

 

「もー、なんかいってください。はずかしいんですからね?」

 

「それで……見てるだけでいいんですか?」

 

 しかし、察しの悪い少年は不思議そうな顔をしていたので、ちょっと怒ったように――恥ずかしさもあって――そっぽを向く。

 

「だから脱がして下さいって事です。こういうのは男の子からするんですよ……」

 

 少し頬を膨らませる彼女だったが、彼のオロオロとした反応を見て笑わされてしまう。

 しかし、少年も落ち着いたのか、ゆっくりと彼女に近付くと、そっと下着に手をかける。そして、手は下に下げられ、秘所は露わにされた。

 

「ど、どうですか?……って答えにくいですよね」

 

 ここでもおどける彼女。まだ、誰にも見せたことのなかった大事な場所を、初めてさらけ出すのに、気を紛らわす他ないのだろう。

 彼も初めて見るソレに、ゴクリと喉を鳴らす。彼女の肌よりも少し上気したように薄く紅がかっていて、髪と同じ色の毛は綺麗に切り揃えられていた。

 

「う〜、思ったより恥ずかしいので、ちゃっちゃとやっちゃいましょう」

 

 そうして、急かすように向かい合っている少年の腕を掴み、股座に誘導する。

 

「ここです、ここ。そうです……そこに中指を入れちゃって下さい」

 

 言われた通りに、指を割れ目へと侵入させる。ねっとりとしていて、肉ひだはみっちり指を包み込んでいるが、ヌルヌルとスムーズに入るのは既に彼女も出来上がっているからだろう。

 初めての他人の指に喘ぎを漏らすペコリーヌ。

 

「んあっ、ん……やっぱり、人のは全然違いますね……」

 

 普段見せないしおらしさと、雌の声を出す彼女から目が離せず、舐めるよう凝視しながら、指を奥へと進めると、中指の全部が包まれていた。

 

「こんなに入っちゃうんですか……?あなたの指って思ったより大きいんですねっ」

 

「その指で、擦るようにっ、しっしてください……」

 

 ビクつきながらも指示をする彼女に沿うように、直立だった指を湾曲させ、天井を擦るように出し入れすると、彼女は少年の肩でバランスを取るように掴み、嘆息のように深く喘ぐ。腰はビクビク浮いて、ダラダラと下の口から涎が溢れだしている。

 

「あんっ、こっ……これヤバいですね……♡」

 

 普段は天真爛漫で、性的なものを感じさせない彼女が、今では息を荒らげ、瞳を潤わせているのは、まさしく自分によるものだという事実に、少年は身体の芯から強烈な熱を感じていた。

 

「指、もう一本、いれちゃっても良いんですよ……?」

 

 今度はお願いではなく、ご自由にというスタンスは、彼女なりの挑発なのか、彼はそれを素直に受け止め、薬指も追加で挿入した。

 一本でも詰まっていたが、二本ともなると指を動かす事もままならない。だが、それを強引にくねらせると、

 

「おっ♡こっ……これ!ダメなやつです……♡」

 

腰を思い切り逃がし、倒れかかるように少年の肩に抱き着くペコリーヌ。

 しかし彼は、逃げる腰を追い詰めるように密着し、空いた腕で腰に回し、がっちりと離れられないようにすると、容赦なく柔肉を擦り上げる。

 

「――んんッ!?あんっ、やっ……ちょ、ちょっと止めて下さいいッ♡」

 

 急に固定され、苛烈に責められると、肉の蛇口からは、とめどなく幸福液が漏れ出て、ぐっちゅぐっちゅねちょねちょねちょと淫音が脳に響く。

 

「んぐぅっ、はあっ……あっ♡イクっ!イッちゃいます♡」

 

「――ッ♡♡♡」

 

 彼女は蜜穴をいじめぬかれ、最後には声にもならない声を上げ絶頂した。何度も腰を跳ねさせ、肉ひだはウネウネと蠕動し指を締め付ける。

 

「はーっ、はーっ……ふう。」

 

「もう!酷いじゃないですか!!止めてって言ったのに、全然止めないどころか、あんな、あんな……」

 

 憤りながらも、さっきまでのことを思い出し、強烈に恥ずかしくなったのか、俯いて呻くペコリーヌに、申し訳なさそうする彼なのだが、

 

「急に男らしくイカせるなんてずるですよ」

 

「これなら……最後まで男らしくできますよね」

 

とベッドに足を浮かせて、仰向けで寝転がる。秘花を大公開する恥ずかしさから、顔を逸らすと、重力に従って長い髪は彼女の顔を覆い隠す。

 少年は花に誘われた蜂となる。両手で両足の膝を鷲掴みにすると、一度大きく震えた。彼のモノがあてがわれると、彼女は女にされる時が来た事を察した。

 腰を押し進めると、肉裂は割れて、指よりも遥かに太い肉棒を受け入れ始めた。

 

「ふぐぅううううううッ!」

 

 もたれていた枕に噛んで堪えるも、声は漏れ出てしまう。

 彼女が堪える中、ずんずんと肉の森を掻き分け、最奥を目指す。ズプッズプッズププと潜る程に愛の川が氾濫する。

 やがて、彼のコロンブスは旅の終わりを告げる。トンっと扉に当たると、彼女も一際甘い声が飛び出る。

 

「んひゃあん♡……ぜ、全部入りました?」

 

 ようやく、彼と目を合わせ、自分の結合部にも目を向けた。

 

「う、うわー、ガッツリ入ってますね……あんなの入るもんなんですねー」

 

 平静を装ってはいるが、彼の息子を痛い位に締め付けているのだ。

 ギチギチの膣内を動こうとするが、不慣れな彼は上手く動けず、揺するようにしかできない。それが、逆に彼女をもどかしくさせた。

 

「んっ、んっ……あのーもっと遠慮しないで動いてもいいですよ?」

 

 それを聞いて、窺うような腰使いを辞めると、力任せに一気に引き抜き、一気に打ち付けると、ペコリーヌは普段とは似ても似つかない獣の様な声を出す。

 

「おんっ♡おっ、そっ、れすごい♡」

 

 肉を叩く音が鳴り響く。粘液と粘液の絡み合う音がする。そこには、野生の息を漏らし喘ぐ二人がいた。

 

「あっ、あん、あのっ……手、握ってもらってもいいですか……?」

 

 拒む理由はなかった。伸びた両手を絡め合わせると、締め付けが強くなった。

 

「それとッ!キ、キスもして下さい!」

 

 愛らしいおねだりに燃え上がり、覆いかぶさり彼女の唇にむしゃぶりつく。口の中はトロトロで熱く、まるで膣内のようで、上と下両方で性行為をしているようだった。

 

「あむっ、んちゅ♡はあっ、あんっ♡好きっ、好きです♡♡」

 

 時折彼女が愛の言葉を囁くと、彼の肉棒はより硬くなり、それに合わせて彼女も舌と下が吸い付いた。お互いがお互いを興奮させあい、無限に巡っていた。

 しかし、それも終わりを告げようとしていた。彼の射精感は限界まで登り詰めていた。残っていた理性から、外に出す旨を伝えると、それを聞いた彼女は握っていた手を離し、彼の後頭部に手を回すと、自分の口元まで引き寄せ、囁いた。

 

「――い〜っぱい、なかに出して下さい♡」

 

 それは、彼の脳を焼き切るように犯し、一切の理性も許さず、爆発させた。

 今までで1番長い射精。限界まで溜めた淫欲を、背徳感によって熟成させる事によって、多量の精液が彼女の中を満たしていった。

 それと同時に、彼女も深い快感に堕ちていた。自分の中に広がっていく、少年の熱を感じた、その中には重い罪悪感も含まれていたのかもしれない。

 出し切った後もしばらく放心していた少年だったが、気が付くとすぐさま引き抜いた。

 

「うわっ、多過ぎてあふれてます!」

 

 自分のから溢れ出る白濁を見て、彼女は笑っていた。何故そんなに気楽にしているのか彼には不思議だった。

 

「あーすみません、大丈夫ですよ。私、避妊魔法かけてますから。不安にさせちゃいましたかね」

 

 それが、どのようなものなのかは知らなかったが、一先ずは問題が無いみたいなので、彼は安心したのかベッドに倒れ込んだ。その隣にペコリーヌも転がる。水晶のような瞳で彼を見つめる。

 

「気持ちよかったですね」

 

「――また、しましょうね」

 

 ポツリと呟くと、そのまま起き上がり、ショーツを穿くと、部屋を出ていってしまった。その間、彼は何も言えないでいた。




三話で完結します。多分。


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2話

 依頼を受け、ランドソル周辺の魔物を討伐に来ていた美食殿の一行。傍らには魔物の山が積み上げられている。

 

「やっと終わった!まったく、こんなに多いなんて聞いてないわよ!」

 

「まあまあ、報酬は多めに貰ってますし良いじゃないですか……それよりもお腹ペコペコですっ」

 

「そうですね。主さまもお疲れでしょうし、ここらで昼食にしませんか?」

 

 

 食事をとる為に、近くの森で準備をしていると、ペコリーヌが倒した魔物を何体か抱えているので、キャルが怪訝な目を向ける。

 

「アンタそれどうする気よ?」

 

「え?決まってるじゃないですか食べるんですよ?」

 

「当たり前みたいに言うな!嫌に決まってんでしょ!」

 

「えー、でも持って来てた分じゃ足りませんし……それに別のお鍋で調理しますから、キャルちゃんは食べなくてもいいですよ」

 

「それはそれでムカつくわね……」

 

「それじゃあ、ちょっと捌いて来ますね」

 

 言い合いながらペコリーヌは、解体に使うナイフを取り森の奥へと向かおうとすると、手持ち無沙汰に中空を眺める少年に声をかける。

 

「あなたも暇なら手伝って下さい」

 

「ペコリーヌ様そういうのはわたくしが……」

 

「ああいや、コッコロちゃんだとお料理の担当がいなくなっちゃいますから……」

 

「あ、確かにそうでございますね。でしたら主さま、刃物の扱いには充分に注意をするんですよ?」

 

 念押ししても、なお不安気に少年を見送るコッコロだった。

 

 

 二人は少し離れた場所に着くと、川辺に魔物を広げる。そして、それをあっという間にペコリーヌが解体していく。何か手伝いがあるのかと少年は待っていると、解体を終わらせ、川で血を濯いだペコリーヌが言う。

 

「ほんとは、手伝ってもらう為に連れて来たんじゃないんですよ?」

 

「――ぎゅーっ」

 

 突然、ペコリーヌは少年を思い切り抱き締める。

 

「なんだか戦ってたらムラムラしちゃって……特に、あなたから力を貰うと酷いんですよ」

 

「だから、エッチしましょう☆」

 

 二人はあの日を境に、隙を見つけては互いのカラダを貪り合うようになっていた。彼らの間に歯止めを効かせるものはなく、むしろ、不実な行為であるという事も興奮を高めているかのようであった。

 木陰に座る少年の上に跨る彼女は、小鳥がついばむように唇を食んでいる。

 

「はむっ。あむ、チュッ……やっぱり、私キスが1番興奮するんですよね」

 

 言いながら彼女は、唇をついばむことから、口の中へとシフトしていく。舌と舌が出会うと、お互いが押し合い圧し合いをして舌が滑って、クルクルと二つは渦を描く。

 彼女が唾液を送り込むと、彼はそれを飲み干す。それが堪らなく嬉しいのか、何度も流し込む。量が多過ぎるのか、口からは溢れて、二人共口の周りをベタベタにしている。

 

「ぷはあっ……そろそろ、いいですよね?もう我慢できません!」

 

 辛抱たまらない様子で、少年のベルトを力任せに外して荒くれを解放する。そして、自らの下着をズラして深く腰を落とした。

 

「ああんッ♡これですよ、これこれ」

 

 待ちかねたブツで満たされた彼女は感嘆の声を上げる。

 初めての時より、数段熟れた彼女の中は、より彼を搾り上げるカタチへと変化していた。密着度は増し、ただキツいのではなく全体をピタリと覆うことで摩擦が増え、お互いの快感は飛躍的に上がっていた。

 

「はっ、ん……あっ♡こっ、ここ、すきです♡覚えててくださいね♡」

 

 彼女はスイートスポットを探すように姿勢を変え、腰を逸らすと、やがて見つけたようで、それを少年に刻み込む為に、何度も擦り合わせた。

 少年も限界が近いのか、教えられた弱点を突こうと、受け身なのをやめて腰を動かす。

 二人の吐息は、熱色を帯び混ざりあって行った。その時――

 

「ちょっとー、アンタらいつまでやってんのー?」

 

 一瞬ではあったが、その声は二人の心臓を止めた。

 結構な時間待たされた、猫耳の少女は気になって様子を見に来たのだ。まだ少し距離はあるが、直ぐにも見つかってしまうだろう。

 

(キャ、キャルちゃん!?と……取り敢えず、そこの茂みに隠れましょう!)

 

 小声でまくし立てるペコリーヌは、少年の背中を押して急かす。

 

「いないのー?ちょっとー?」

 

「……うわ、グロッ!?なによ、終わってるじゃない。どこに行ったんだか」

 

 服を整えたペコリーヌは、タイミングを見計らって茂みから出てキャルに声をかける。

 

「あれ、どうしたんですか?」

 

「どうしたんですかーじゃないわよ。遅過ぎるから見に来たのよ」

 

「あ、あーアレです。ちょっと物足りないかなって、キノコとか山菜ないかなって二人でちょっと探してたんです。まあ見つからなかったんですけど……」

 

「呆れた、どんだけ食う気よ……てか、アイツは?」

 

「ちょっとお手洗いって言ってました。ま、まあまあそんな事より早く戻ってお昼にしましょう!」

 

「いや、遅かったのアンタら……って押すんじゃないわよ!」

 

 茂みの少年を置いて、賑やかな二人の声は離れて行く。彼も下を履き直して、早足で三人の元へと向かうのだった。

 

 

 少年が自室で、一日を終えようという時に扉がノックされる。そして少し開かれると、そこからエルフの幼女が覗いていた。

 

「あの、主様。今日は一緒に寝てもらってもかまいませんか……?」

 

 期待の眼差しを向けられ、彼も無下にはせず、自分の横をぽんぽんと叩いて彼女を誘う。許しをもらうと、彼女は無邪気な子犬のように駆け寄ってくる。

 

「ありがとうございます。今日はなんだか一緒に寝たい気分でしたので……」

 

 隣に潜り込むコッコロの頭をやんわり撫でると、エルフ特有の細長い耳がピコピコ揺れる。

 卓上のランプを消して少年も布団を被ると、落ち着くのか彼の腕を抱き枕にして目をつぶると、おやすみなさいも言い切る前に小さな寝息をたて始める。

 彼も幼い子供特有の体温に、眠気を誘われるとうつらうつらとしていた。すると、またノックの音がする。扉は、そうっと開けられる。

 

「失礼しま〜す……アレ?」

 

 少年が灯りを点けると、訪問者は寄ってくる。視線は少年の隣で寝ている幼女に向いている。

 

「いやー、昼間は中途半端な所で止めちゃったので今夜はどうでしょうと思ったんですけど……これじゃあ無理ですよね」

 

 流石に彼女も寝ているコッコロの隣でするのは無理があると判断したのか、おやすみなさいとだけ言い、その場を立ち去ろうとした。のだが、少年が手を掴んで引き止める。

 

「えっ、するんですか?でもコッコロちゃんも寝てますし……」

 

 困惑する彼女だったが、布団から這い出た彼の腰から下を見ると黙り込む。少年もまたスッキリとしないまま中断させられ、陰部にいつも以上の肉欲を溜め込んでいた。それは服の上からでもハッキリと分かる程だ。

 

「も、もー仕方ないですね♪でも静かにですよ?」

 

 困った様な口振りだが、求められた喜びからか、彼女の口端は綻んでいた。

 彼女は少年を脱がせてベッドの端に座らせると、見せつけるように目の前で、着ていたシミーズの肩紐を下ろしていく。より扇情的なようにゆっくりと目に焼きつけるよう。彼女の淫らなストリップに目を奪われる彼は、心臓の鼓動を大きくしていった。

 そうして、身に着けたものを全て脱ぎ捨て一糸まとわぬ姿になると、少年の膝の間に潜り込む。

 

「まだ一度もやってなくて、試したいのあるんですよ」

 

 そう言うと、豊満な胸で彼の竿を挟み、上下させる。

 

「どうですか?……んー微妙ですか?じゃあこれなら?」

 

 ただ挟んで擦るだけでは刺激が普段より足りていない。そんな気持ちが顔に出ていたのを察し、上からたっぷりと唾液をかけ、両手に力を入れ圧迫感を強める。

 それは効果的だったのか、彼の表情にも変化が現れているのを、上目遣いに確認していた。

 

「ふふっ、気持ちよさそーですね☆」

 

「さらにこうですっ♡」

 

 胸の谷間から飛び出た亀頭を、不意打ち的に咥える。

 上は熱々の舌で舐られ、下はフワフワでヌルヌルの胸に扱かれて、彼はあっさりと射精させられた。

 

「んくっ、んくっ……ぷはっ。慣れればコレも割といけますね☆」

 

「おっぱいでするのどうでした?」

 

 彼女は、感想を聞かれて無言で頷く少年を見て満足そうにする。

 

「私もおっぱいでエッチしてるみたいで、こそばゆくって感覚的に結構キましたよ……♡」

 

「それとは別で、あの、お願いがあるんですけど……足で触ってもらえませんか?」

 

 彼女も、ぐしょぐしょにしたソレを刺激して欲しいと言う。しかし、彼も足でするのは申し訳ないといった顔をするのだが、甘えるようにお願いをされると、結局は聞き入れてしまう。

 少年は期待に沿って、彼女の股の間に足を優しく差し挟む。そして、なるべく痛くしないよう慎重に動かす。まず大陰唇の上を一周するようにクルクルとなぞる。

 

「んっ♡手でされるのとはまた違ってイイですねこれ♡」

 

 しばらく、なぞると彼も慣れたのか、割れ目へと親指を移動させる。上から下へ、下から上へなぞると彼女の腰が軽く揺れる。

 

「んんっ、んっ♡……私いじわるするのも好きでしたけど、足でイジめられるのも悪くないですね……♡」

 

「もうちょっと雑に出来ますか♡」

 

 彼女のちょっとした一面に、戸惑う少年だったが、期待には応えるようで、親指でなぞるようにしていたのを辞め、指の関節と足の甲で擦り始めた。さながら足はおろし金のようで、ゴツゴツとした関節と筋張った甲が強く刺激した。

 これが効果てきめんで、雑にゴシゴシと擦ると甘露液は大量に溢れ、腰の跳ねも大きくなり、そろそろだと当たりをつけた彼はラストスパートをかける。

 

「あっ、あっ、ッッッッッ〜〜♡♡」

 

 達っする寸前で彼女は、腕で口を抑える。なるべく静かにしなければいけない事は忘れていないようだ。

 

「はーっ♡はーっ♡気持ち良くて、危うくコッコロちゃんを起こしちゃう所でした……」

 

「ところで、私はまだしたいんですけど……まだ出来ますよね♡」

 

 まだまだ萎えていない彼の巨塔を見て、ペコリーヌはそう誘う。彼はもちろんといった感じで頷くと、彼女は少年の肩に掴まり、ゆっくりと腰を下ろしていく。

 

「ううっ〜、ふーっ♡ふーっ♡ほんとおっき過ぎです……」

 

 声を上げないように我慢をすると、かえって圧迫感に集中してしまうようで、ペコリーヌの息も絶え絶えになる。

 

「そっちは動けないでしょうし、私から動きますね?」

 

「うっ、くうっ〜、あッ……♡」

 

 なるべく音を立てないように出し入れするのは、必要以上に感覚を刺激してしまうようで、彼女も動けなくなってしまう。

 

「あの、はあっ……ちょっとだけ、待って、ください」

 

 疲弊したのか休憩を取ろうと、力を抜き少年の肩に顎を乗せ、密着するカタチで体重を全て預けてしまう。

 しかし、そこで彼女は気付いてしまう。そう、視線の先で寝ているはずだったコッコロと目が合ってしまっていることに。どれだけ静かにしようとも、隣で情事が行われれば起きてしまうものだし、彼女も幼いながら、二人が何をしているのかを理解しているようで、顔を赤くしているように見えた。

 焦って目を、少しの間泳がせたペコリーヌは、申し訳なさそうに笑顔を作り、口の前に指を一本立ててシーのジェスチャーをする。

 それと同時に彼女は緊張からか、膣の方を強く締めていたせいで、少年も動きを止めた彼女に我慢が出来なくなり、ギュッと強く抱き締め強引に突き上げる

 

「ちょちょちょ、今は、あっ♡ダメですッ♡」

 

 急に下から突かれ――しかもコッコロに見られながらで――声を我慢する事が出来ず、思い切り痴態を晒してしまうペコリーヌ。

 それを見ているコッコロは、思わず声を出してしまわないよう両手でおおっていた。彼女は目の前で起きている事に理解が追いついていないようだった。いつものボーッとした雰囲気から豹変して、ケモノのように力強く女体を抱く主さまに、普段の竹を割ったような明るい性格からは想像もつかないような淫らな声に、いやらしい吐息をするペコリーヌ様。お二人は一体どうしてしまったのだろうとでも言いたげだった。

 そして、コッコロの見る前で二人は果ててしまう。

 

「あんっ♡あんっ♡オッ♡もっ、ダメです……イクッ♡イッちゃいますッッッ♡」

 

「んひゃああ〜ッッッッ♡♡♡」

 

 二人は一度大きく跳ねると、肩で荒い呼吸をしながら動かなくなってしまう。

 しばらくすると、グッタリしていたペコリーヌが体を起こし、少年の上からどく。手で陰部を抑えて、中に出された精液を漏らさないようにしながら、脱ぎ捨てていた衣服を器用に着ると、一言も発さずそそくさと部屋を出ていってしまった。

 それに続いて少年がゆっくりと服を着て、寝床につこうとしたので、コッコロは急いで寝たフリをする。しかし、今夜彼女が寝る事はとても出来なかった、それ程に強烈なインパクトを彼女に与えたのだから。

 

 

 翌日、少年は気だるそうに目を覚ます。時間は昼前で、少し寝過ぎてしまっている。いつもなら朝になっても起きないでいると、コッコロが起こしに来るのだが、今日に限ってはそれもない。

 不思議そうに頭を揺らしながら、リビングルームへ向かうと、

 

「あ、主さま、おはようございます。朝食はあちらにありますから。それとわたくし少しお散歩に出かけてきますので」

 

とコッコロが見かけてくるなりまくし立てて、そのまま行ってしまった。

 

「なによ、コロ助のやつ珍しくそっけなかったわね。アンタたちケンカでもした?」

 

 居合わせたキャルに聞かれ、首を振り見当もつかないといった顔をする。彼女はその顔を見て、鼻でフッと笑ってしまう。

 

「まあそんな訳ないわよね……あ、そうそうアタシ今日は用事あるから」

 

 ギルドからの仕事もなく、デートに誘おうとしていた少年はそれを聞き、露骨に気落ちした顔になる。その顔はキャルを少し焦らせた。

 

「な、何よその顔?え、デートに行きたかった?しょ、しょうがないでしょ、先に用事出来ちゃったんだから!」

 

「今度埋め合わせするわよ……だから一々そんな顔しないでよ」

 

 しゅんとする少年に困ったような顔をするキャルだったが、そんな彼の態度が嬉しかったのだろうというのが、尻尾からは丸分かりだった。

 その後、彼女も出かけてしまい一人で暇になった彼は、部屋に戻ると二度寝を決め込んだ。

 

 

所変わって、目的もなく家を出たコッコロ。彼女は今、非常に頭を悩まされている。そして、独り言を呟き始める。

 

「先程の主さまへの態度、少し失礼だったでしょうか……しかし、昨晩のアレが――」

 

 脳裏にフラッシュバックしてしまう。深夜に起きた、二人の秘め事。

 

「主さまはキャルさまとお付き合いをされているはず。しかし、あの時に交わられていたのは間違いなくペコリーヌさま……」

 

 思考は彼女の中で複雑に渦を巻き、視界を狭めた。結果、対向側の歩行者と衝突してしまう。痛む鼻を抑えながら、慌てるコッコロ。

 

「申し訳ございません!余所見をしてしまって、いて……」

 

「あの、大丈夫ですか?コッコロちゃん」

 

「ペコリーヌさま……」

 

 たまたまぶつかったのは、頭を悩ませている張本人の一人だった。

 お互いに微妙な空気が流れる。それを破ったのはペコリーヌ方だった。

 

「昨日、の事ですよね……?あっちの方で話しましょうか」

 

 ペコリーヌは人気の少ない方に誘導すると、コッコロも黙って従った。植え込みを囲うレンガにペコリーヌが座ると、コッコロもちょこんと小さく収まる。

 座ってから若干の間を空けて、少女が口を開く。

 

「彼とはなんでいうか、“練習”してるんです」

 

「練習……と言うのは?」

 

 そこで、今までに至る経緯を洗いざらい話した。

 

「なるほど、主さまがキャルさまとより親密になる為……」

 

「まあ、私が彼としたいってのも――」

 

「ペコリーヌさまっ!!」

 

 ペコリーヌは急にコッコロに手を握られ、度肝を抜かれてしまう。

 

「はっはい!?」

 

「ペコリーヌさまのお二人への献身的な姿勢、わたくし感銘を受けました」

 

「は、はい??」

 

 目をキラキラさせながらコッコロは続ける。

 

「ですので、わたくしも出来ることをお手伝いさせていただきたく存じます」

 

 彼女の、その真剣な眼差しに気圧されるペコリーヌ。しかし、少し考えてから気が付く。

 

「コッコロちゃんもエッチしたいんですか?」

 

「えっ!?いや、えっちはその、したいとか言う訳ではなく……主さまのお手伝い……」

 

 たった一つの単語で、先程までの勢いを削がれ、しどろもどろになってしまう。

 

「お手伝いですよね?なら、しましょう!きっと彼も喜びますよ☆」

 

「喜ぶ?――」

 

「それなら、はい……主さまとえっち……します」

 

 俯き、顔を赤くするコッコロの手を引き、ギルドハウスへ向かうペコリーヌの足取りはウキウキという擬音が見えるようだった。

 

 

「たっだいま帰りましたよー!」

 

 昼下がりの午後、いきなり扉を蹴破られ、すやすや眠っていた少年は飛び起きる。

なにがなんだか分からない、そんな顔で突入してきた二人の顔を見る。一方は喜色満面で、もう一方はリンゴだった。

 

「昨日の事なんですけど、コッコロちゃんに見られてました☆」

 

 入ってくるや否や衝撃の事実を伝えられ、寝ぼけていた彼の頭は完全に機能停止してしまう。

 

「それで、コッコロちゃんも一緒にしませんかってなったんですよ〜」

 

 続けざまに送られてくる情報量に、まったく処理が追いついていない彼は、とりあえずハッキリとしている問題であるコッコロに目を向ける。

 視線が飛んで来たことに気付くと彼女は、恥ずかしげに身をよじり、目をあちらこちらに泳がせ、目を合わせまいとしていた。

 そんな彼女を見て、流石に無理だろうと彼は抗議する。それも当然でコッコロは余りにも幼すぎる。しかし、彼の抗議をペコリーヌは遮る。

 

「まあまあ、ここはコッコロちゃん本人に聞いてみましょうよ」

 

 どうですか?と投げかけられ、コッコロは俯きがちに、もにょもにょと答える。

 

「そ、その、あぅ……わたくしは、主さまが求めるのであれば……」

 

 消極的ではあるが、しかし身を捧げるのには異論はない様子。

 否定的だった彼も、エルフ耳を紅潮させ、瞳を潤ませる彼女に、艶めかしさを感じ始めているようだった。

 

「主さまはお嫌でしょうか……?」

 

 そんな風に可愛らしく問われ、拒否できる男などいようものか。彼の血は下へと巡りだす。

 

「どっちもオッケーって事で良さそうですね。ささ、コッコロちゃんこっち来てください」

 

 コッコロをベッドの上に誘いながら、ペコリーヌは躊躇なく服を脱ぎ出す。釣られて少年も脱ぎ去る。風呂場以外で晒される肌に慣れていないコッコロは、目のやり場に困ってしまう。

 

「脱がないんですか?あっ!それとも脱がされたい的な☆」

 

「えっ!?い、いえ自分で脱ぎますので……」

 

「それは残念です」

 

 おどけるペコリーヌは置いて、コッコロも服を脱ぎ始める。

 まず羽織っている布と、独立している袖を脱ぐと綺麗に畳み、次に服と繋がる首の輪を外すと衣服はするりと全て脱げてしまう。

 そして、驚く事にコッコロはそれ以外に何も身につけていなかった。

 

「コッ、コッコロちゃん下着は着けてないんですか!?」

 

「?はい。戦う時に動きの邪魔になるので。それにまだ胸も大きくないので……」

 

「だから今まで際どいのにチラっとも見えなかったんですね……」

 

 今までの謎の解決に戦慄するペコリーヌ。

 そんな事よりも少年は、コッコロの生まれたままの姿に囚われていた。すべすべの肌は種族柄かとても色素が薄く、小さくともピンと主張する胸の先も余り色はついていない。子供特有の未発達な筋肉からなる、少しぽっこりと出た下腹は、思わず手で押してみたくなるもの。そして、ぴったり閉じた恥丘はまだ産毛すら生えていなかった。

 未成熟なカラダを舐めるように視姦され、恥ずかしそうに手で胸と股を隠すコッコロ。

 

「あの、主さま、そんなに見つめないでくださいまし……」

 

 食い入るように見つめる少年から逃げようとするが、ペコリーヌに後ろから抱き締められ、隠そうとする両手を剥がされてしまう。

 

「どうせ、これからもっと見られるんですから、慣れちゃいましょう?それにほら、彼の見てください」

 

「――主さまの、おっきぃ……」

 

 コッコロが言われた通り見ると、ソコには赤黒く重たそうに鎌首をもたげた怒張があった。彼女は男性器を見た事などなく――勃起した状態なら尚のこと――知りもしなかったが、確実に大きいと思わせるオーラがソレにはあった。

 

「ほら、触ってあげてください」

 

 肩をトンっと叩かれ、コッコロは恐る恐る手を近付ける。下手にして触れるとイチモツはピクンと少しだけ反応する。

 それからペコリーヌに握るよう言われ従うが、コッコロの手が小さ過ぎるのか、彼の肉棒が大き過ぎるのか、どちらにせよ握り切れていない。

 

「どうですか?」

 

「すごく、熱くて、硬い、です……」

 

 小さな手の中で脈打つ大蛇に圧倒されるコッコロを、ペコリーヌは次へと促す。

 

「そしたら上下にシゴくんです」

 

「上下に……こうでしょうか?」

 

 小さな手は拙い動きでシゴきだすが、重い上に握り切れていないせいで、ブルンブルンと不安定に揺れてしまい、今ひとつ射精感を高めるに至らなかった。

 見かねたペコリーヌはアドバイスをする。

 

「両手でした方が良いかもですね」

 

「両手、なるほど」

 

 コッコロは片手を辞め、両手を合わせて輪っかをつくると、そこに巨根を収めて擦る。両手になった事で小さな手が、ちょうどいい塩梅で竿を刺激する。

 

「どうでしょう主さま?気持ちいいですか?」

 

 懸命に手を動かしながら見上げて聞く彼女を、少年は頭を撫でて頷く。それが喜ばしいのかコッコロははにかみ顔だ。

 

「しゃぶってあげると、更に喜ぶんですけど、流石に厳しいですかね……コッコロちゃんの顔より大きいですし」

 

「しゃぶる……」

 

 その巨塔を咥えるのは難しく、少し考えた後コッコロは、亀頭の先にキスするように口付けた。そして、唇を当てながら尿道口を舌でチロチロと舐め始めた。

 これは相当効いてるようで、尿道口を舌で押し広げられては、声が小さく漏れてしまっていた。

 彼女も少しづつ慣れてきたのか、亀頭の半分以上を頬張っている。これ以上は歯が当たってしまうので無理だが、限界の中で必死に舐めしゃぶっている。

 小さな舌が亀頭を、特に裏筋を這いずり回るのは心地よい刺激で、たまに当たる歯も程よいアクセントだった。しかし、まだ相手が射精しそうかなど分かる訳もないコッコロは、加減を知らず、一切手を緩めなかったものだから、少年も我慢できずに暴発させてしまった。

 

「んっ、んぶッ!?うぶぇッ……ケホケホッ」

 

 急に噴火した大量の白濁液を、コッコロの小さな口では受けとめ切れずに吐き出してしまった。それでもシーツを汚さないように、手で受け止めるのが彼女らしいところだ。

 ペコリーヌはむせる彼女の背中をさすりながら、心配して声をかける。

 

「大丈夫ですかコッコロちゃん?急にこんなに出されても困りますよね」

 

「ゲホッゴホッ……はい、少し驚きました。それにちょっと飲んでしまいました。これは飲んでしまっても大丈夫なものなのでしょうか?」

 

「え?あー大丈夫です、特に何もありませんよ。まあ飲んだらオトコの子的に嬉しいってぐらいですから☆」

 

「嬉しい……?主さまもですか?」

 

 コッコロは一息ついている少年を見て、手に溜まる白く濁った液体を見ると、彼が止めるよりも早く口に流し込んでしまった。

 口に含んだ途端に生臭さが広がり、早く飲み込んでしまおうとするのだが、喉越しが悪くつっかえてしまう。そこを何とか我慢して嚥下する。

 

「ちゃんと飲むことが出来ました、主さま」

 

 涙目になりながらも、達成した事を少しだけ誇らしそうに伝えるコッコロ。その愛らしい姿に、彼の下半身にはまた熱が篭もる。

 鼻息の荒い彼が近付くと、コッコロは若干の恐怖を感じたのか、身を引いて軽く尻もちをついてしまう。そして、後ろに居たペコリーヌがコッコロに膝枕をする形で、身体を抑えてしまった。

 

「ふふ、ここからが本番ですよ☆」

 

「ほーら、これがコッコロちゃんのおまんこですよー」

 

 ペコリーヌは足を広げさせて、少年にコッコロのつぼみが良く見えるようにすると、コッコロは慌てて手で隠そうとするが、足を抑える手に遮られて出来ない。その代わりに燃えるように熱い顔を隠してしまう。

 

「あのっ!これは流石に恥ずかし過ぎます!」

 

「えー?良いじゃないですか、どうせこれからもっと見られるんですし」

 

「それとこれとは――ひあっ、主さま!?」

 

 二人が言い合っている所に、少年は我慢できずにコッコロの腰を掴んで、お腹に男根を乗せている。そんな彼を見てペコリーヌは慌てて止めに入る。

 

「ダメダメ、ダメですよ!ほら、見てくださいコッコロちゃんの胃位まであるんですよ?いきなり入れたら壊れちゃいます」

 

 コッコロに乗せた、逸物は確かにそれくらいの位置にあった。

 

「だから、ちゃんと解してあげなきゃですっ♡」

 

 少年も制止され冷静になる。そして、改めてコッコロに向き直し、彼女の未成熟な花弁に手をかける。

 ぴったりと閉じて一本筋になっているのを少し開き、指を一本入れようとするのだが、

 

「いっ、痛ッ!」

 

と声を上げるので、指でならすのも難しかった。

 どうするか悩んだ末に少年が思い付いたのは、指よりも柔らかい舌でしてあげる事だった。

 

「あっ、主さま!?そこは汚いのでおやめ下さ、あっ!」

 

 コッコロの制止を意にも介さず、彼は青い桃にかぶりつく。

 まだ硬さの残った谷間の筋を舐めると、コッコロは幼いながらも艶のある嬌声を上げる。

 

「んっ、あるじ、さまぁ……はあっ、はあっ」

 

「気持ち良くて段々エッチになってきましたねーコッコロちゃん。私にも今度口でして下さいっ☆」

 

 そう呟くペコリーヌだが二人からの反応は無い。暇になってしまった彼女はあることを思いつく。

 抑える必要のなくなった手で、コッコロの薄い胸、主に乳首の周りである乳輪を、爪で優しく擦り始めた。

 

「ふっ、ふふっ、ペコリーヌさまくすぐったいです。ふふっ、んっ……」

 

「直ぐに良くなりますから我慢です」

 

 実際コッコロの声は、また一段と艶を増していった。

 一方で、舐め続けていた少年は、ようやく周りの肉を解し終わったといった感じで、舌を内部へと進出させる。

 まだ、何も入った事のないコッコロのナカは未体験の感覚に襲われる。

 

「んやあッ♡へ、変なかんっじです、あるじさまあ♡」

 

 コッコロの変化に満足せず、彼は舌での蹂躙を続ける。料理する前に硬い肉を叩いて柔らかくするように、隅々まで入念に舌を這わせる。

 ペコリーヌはペコリーヌで、乳輪を弄るのから乳首へと移行していた。指で弾くように往復すると、硬さが増していくようだった。

 上も下も責められ、コッコロは更なる先の未知へと行こうとしていた。

 

「あっ♡あっ♡な、なんかへんっなんです♡おかしくなりそうですッ♡」

 

「それがイクって事なんですよコッコロちゃん♡。安心して身を任せてください」

 

「イ、ク?あんっ♡これがイク♡あっ、あるじさまッ、イクっ!イキます♡♡」

 

「あッ!!!!あるじ、さまぁ……♡♡♡」

 

 初めての絶頂は深く幸せそうで、しばらく放心している程だった。そこをペコリーヌが、肩を揺すり引き戻す。

 

「ほらほら、これからですよコッコロちゃん」

 

「それと……」

 

 ごにょごにょと何かペコリーヌが耳打ちをしている。されたコッコロは最初に驚いた顔をした後、もじもじと恥ずかしそうにしている。やがて、少年の瞳を見つめて口を開く。

 

「あ、主さま……コッコロの、えっ、えっちなこどもまんこ、その逞しいおちんちんさまで滅茶苦茶にしてください……♡」

 

 ペコリーヌの入れ知恵で、普段なら絶対に言わないような淫語で少年を誘うコッコロ。恥じらいながら言う姿も彼を魅了した。

 上と下の両方に血を昇らせた彼は、コッコロにのしかかる。

 

「あっ――優しくしてくださいまし……♡」

 

 コッコロはついにその時が来た、とケダモノの彼を受け入れる。

 

「んんっ、くぅっ……おっきぃ、です♡」

 

 全く優しくないどころか、かなり力づくでねじ込まれたのだが、彼女は痛がる所か、快感にすらなっているようだった。これは入念に解したのもあっただろうが、それ以上に彼女が、その場の空気にあてられて、脳内で多幸物質が多く分泌されていた事の方が大きいだろう。

 股からは破瓜の血を流し、下腹が膨れるほど深く抽挿されているが、苦悶の表情は一切なく、歳不相応に乱れた顔をしていた。

 

「あるじさまッ♡あるじさまッ♡」

 

 彼を呼び、自ら興奮を高め、膣内の潤滑剤はより量を増した。

 肉を打つ音が響く。少年は柔らかい脇腹を掴み、腰を乱暴に叩き付ける。コッコロはそのまだ狭い幼穴を、無理やり拡張され啼かされてしまう。

 二人のそんな姿を眺め、ペコリーヌもムラムラとみなぎっていた。

 

「コッコロちゃんがこんなにエッチになるなんて……ここも、こんなにおちんちんで膨らませて、気持ちいいですかー?」

 

「なあッ――!♡そ、こダメです♡」

 

 なんとなしに盛り上がった下腹を撫でたら、予想だにしない反応が帰ってきて驚くペコリーヌだったが、弱点を見つけ不敵に笑っていた。

 

「ここですか?ここが気持ちいいんですねっ?コッコロちゃん♡」

 

「んぐッ♡やっ、やめっ♡いぃッ、イッちゃいます、からぁ♡あっ!イクっイッッッ!!♡♡」

 

 急に意識外からの攻撃がペコリーヌから飛んできて、イカされてしまうコッコロ。しかし、それで終わりでははなかった。

 

「あんッ♡あっ!あるじさまッ♡イッ、イッた、ので……一度、んッ♡お止めくだ、さッ!いィッ♡♡ペコリーヌっ!さまもっ♡」

 

 一度イッてからも二人の責めは終わらず、中と外から責められ続け、一度ならず二度、三度とタガが外れたようにコッコロは絶頂し続けた。

 そして、ただでさえ狭いのに、その上イク度に膣内が痙攣して収縮する、幼膣に肉棒を入れていた少年にも限界が来ていた。

 彼は自分の射精のタイミングに合わせて、ボディプレスをするように身体を押し付け密着し、可愛らしく喘ぐ小さな口を、自分の口で塞いだ。

 

「んんんんッッ〜〜♡♡♡♡」

 

 幼く艶やかな悲鳴は彼の口内に反響し、濃厚な種は最奥で吐き出されたにも関わらず、一瞬で満杯にし隙間から溢れてしまっていた。

 二人は終わっても、長いことお互いの口を貪っていた。やがて、息も途切れ、彼の方から上体を起こし離れていく。

 

「はあ、はあっ……とってもすごかったです、主さま…♡」

 

 ウットリと浸っているコッコロを膝枕していたペコリーヌは、疎外感を拭う為に自己主張をし始める。

 

「もー!コッコロちゃんばっかりズルいですっ!!私にもしてくださいね♡」

 

 日は西に沈み始めた頃、三人の“練習”は続いていく。

 

 

「ただいまーっ」

 

「?」

 

 夕も暮れ、用事を済ませてきたキャルはようやく帰ってきていた。なにやらドタバタと騒がしかったが、訝しげにとりあえずリビングルームの扉を開いた。

 

「おかえりなさいキャルちゃん!」

 

「お、おかえりなさいませ、キャルさま」

 

「?ただいま。三人揃ってどうしたのよ?それになんか騒がしかったし、息も上がってるし……」

 

「いやー、それがネズミが出たので、皆で退治してたんですよ☆」

 

「ネズミ!?ちゃんと退治したんでしょうね?」

 

「はい!逃げられちゃいました♪」

 

「はァ!?なに自信満々に言ってんのよ!どうすんのよ、ネズミ!!」

 

「まあ、あれだけ追い回せばしばらくは出てこないじゃないですかね。それにキャルちゃんなら多分、出て来ても退治できますよね?」

 

「アタシは猫じゃなああああい!!!!」

 

 いつものように、和気あいあい?とふざけ合っていたが、キャルはまだ知らなかった。この時、ペコリーヌとコッコロには溢れる程の精液が注がれていた事を。




 読んでくださった方々、評価をして頂いた方々、感想をくれた方々、本当にありがとうございます。とてもモチベーションになってます。


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3話

 グプッ……ジュルルっ……。朝焼けの眩しさと同時に、水音と違和感に気付き少年は目が覚めた。

 

「ん、ちゅっ……あっ、おはようございます、主さま♡」

 

「んーほはほほほはひはふ」

 

「ふふっ、何を言ってるか分かりませんよペコリーヌさま」

 

 少年は寝起きから声を上げそうになってしまう。それもそのはず、目を開けたら、コッコロには口内を、ペコリーヌには陰茎を犯されていたのだから。

 咥えたまま喋っていたペコリーヌは、一旦ソレから離れる。

 

「おはようございます☆どうですか、美少女二人からの目覚めのキスは?」

 

 少年が起き抜けにそう言われて、反応できないでいる内に、また二人は彼への奉仕を続ける。

  小さな舌で必死に少年の舌と絡みつくコッコロに、根元からしっかりと飲み込んで美味しそうにしゃぶるペコリーヌ。

 そんな責めに数分と耐えれず吐精してしまうと、ペコリーヌは飲み込まずにわざと口の中に溜めて、朝からどれだけ出したのかを、口を大きく開けて彼に見せつける。

 

「ペコリーヌさま、あの……」

 

「ん、コッコロひゃんもほひいんれふね?」

 

 コッコロが恥じらいながら控えめに頷くと、ペコリーヌは彼女に近寄ると唇を尖らせる、それに合わせてコッコロが目を閉じて舌を受け皿にする。そこにペコリーヌが口に溜めた精液を、舌伝いに流し込んでいった。

 そして、二人は分け合った白濁を、味わうように飲み干すと、口を開け舌を出し、キレイに飲んだことをさらけ出す。

 その光景はとても淫靡で、少年の劣情を催させた。

 

「まだまだ時間は余裕ですし、一回ずつイケますよね♡」

 

「主さま……わたくしのカラダ、ご自由にお使い下さい♡」

 

 

 早朝から始まった情交は、朝げの時間だということもあって締められたが、二人のナカはしっかりと満たされていた。

 やけに朝から疲れた様な顔で食卓につく三人に、キャルは投げかける。

 

「そういやさっき、アンタら何で一緒に部屋から出てたのよ?コロ助は分かるけどさ」

 

「えっ、あー早起きして暇だったんで、コッコロちゃんと起こしに行ってたんですよ」

 

「ふーん……」

 

 いまいち腑に落ちてない顔をするキャル。若干気まずい雰囲気なったのをペコリーヌは話を逸らし変えようとする。

 

「そう言えば、この前カリンさんから劇のチケット貰ったんですよ」

 

「劇〜?アタシは興味無いってか、今日はコイツと……」

 

「それがただの劇じゃないんですよ。何でも、最新の光魔法を使って記録した劇を大きく映しだすもので、映画って言って、巷でも大流行してるみたいですよ」

 

「映画ねえ……てかアンタはどうなのよ?」

 

 彼女はデートをするはずの恋人を窺うと、そこにはコッコロと一緒に目を光らせ興味津々な彼が居た。

 

「映画……一体どれ程、凄いものなのでしょうか。気になりますね主さま」

 

 うんうんと無邪気に頭を振る彼に、キャルは何も言えなくなってしまう。

 

「二人もこう言ってますし、珍しい機会ですから、ね?」

 

「ああもう、分かったわよ……」

 

「やった☆」

 

 結局押し切られ、不承不承で行く事になったキャルだったが、劇場に着いてみると、ソワソワと落ち着きの無さが尻尾からも見て取れた。

 

「す、凄い人の数ね」

 

「公演してからずっと満席だそうです」

 

 ランドソルの中でも最大の劇場が埋まる程の人混みを見た事のなかったキャルやコッコロは、周囲の高揚感に感化され興奮が抑えきれていない様子だった。

 

「こっち、こっちですよ主さまー!」

 

 コッコロは指定された座席の方へいの一番で駆けると、三人に向かって大きな声で呼びかけた。珍しく年相応にはしゃぐ彼女に、顔を綻ばせた三人も次いで座っていく。

 座席に着いたものの、身長の低いコッコロは視界が悪く、背筋を伸ばしていたのを横に座っていたキャルが見兼ねてコッコロに言う。

 

「コロ助、アンタちゃんと見えてる?」

 

「え?そうですね、少々見にくいです……」

 

「なら、アタシの膝に来れば?」

 

「よろしいのですか?」

 

「別にいいわよ。それより、見えなかったらもったいないでしょ」

 

「やはり、キャルさまはお優しいですね」

 

「べっ、別にそーいうんじゃないから!」

 

 照れ隠しをするキャルの膝上に、コッコロが腰をかけると、丁度、薄暗かった劇場の明かりが全て落ちて完全な暗闇になり、少しざわついていた場内はシンとする。すると、普段は劇に使われているであろう舞台に、巨大な白い布が張り出されていて、そこに光の魔法で投影され始めた。

 コッコロとキャルの二人はこれから始まる体験に息を飲む。少年も何が始まるのかと期待に胸をふくらませていた、そんな時だった。彼の股間に手がするりと伸びてきたのだ。その手は、二人の方とは反対からだった。

 

「シーっ、静かにしないとバレちゃいますからね♡」

 

 小声で囁くペコリーヌは、イタズラな小悪魔のような笑顔をしていた。

 チャックが下ろされ、パンツの間から愚息までもを引きずり出される。まだ、しんなりと柔らかいので、彼女が優しく揉みしだくと、次第に海綿体は充血し、血管が浮き出て剛直へと変貌していく。

 硬くなったソレを握りながら、彼女は更に囁く。

 

「弄り合いっこ、しましょう♡」

 

 そう言うと、彼の手を自分のスカートの中まで持っていき催促をする、彼も下着の前まで来ると、その上から彼女の花園を刺激していく。

 下着の上からでも分かる程すでに湿らせていて、陰核も主張していたので、それを撫でるようにこねくり回すと、ペコリーヌも感じながら負けじと、竿をシゴく手に力を込める。

 

「んッ……ふッ♡」

 

 お互い、周囲に聞かせまいと声を押し殺し、事実、周りには映画の音もあって聞こえていないのだが、二人の間では漏れ出た吐息すらも、異常なまでの大音響に感じていた。

 少年は陰核をつまんだり、弾いたりとひたすらに突起物をイジめ抜くと、彼女の下着がまるで粗相でもしたのかと思う程濡らしていたので、頃合いを見計らって、しとどに濡れた薄布をズラして指を滑り込ませる。すると、彼女のシゴいていた手の動きが一瞬止まる。

 

「ッッ……フーっ♡フーっ♡」

 

 ペコリーヌは声を上げないようにと、必死で我慢をする。そして、今度は持ち直したのか、仕返しをするように少年の亀頭を重点的にシゴく。彼も指の動きが疎かになってしまう。

 互いが互いに、イカせようとしている中、先に音を上げようとしたのは少年の方だった。ピクンと跳ねて、子種を吐き出そうとしたが、それをペコリーヌが阻止した。根元からギュッと握り、尿道の奥で留めさせるのだ。

 突然、訳も分からずお預けを食らった彼は、彼女の方に顔を向けると、これまた急に口で口を塞がれる。最初はペコリーヌの舌に蹂躙されていたが、しばらくすると、彼女の舌をしゃぶるようになっていた。

 満足したのか、ペコリーヌが彼の口から離れると、

 

「ここじゃ出せませんし、外、行きましょうか♡」

 

と彼を誘うのだった。

 

 

「あんッ!アッ♡アッ♡」

 

 こっそりと抜け出した二人は、劇場近くの薄暗い路地で繋がっていた。

 立ったままペコリーヌの後ろから、少年は彼女の豊満な乳房を鷲掴みにしながら突き上げた。突き上げる度、柔らかな尻肉はカタチを変え、肉と肉のぶつかるいかがわしい音を奏でた。

 手の中から溢れる程のたわわの先を、親指と人差し指で潰す勢いで挟むと、痛がる素振りすら見せず、それどころかより一層よがり声が淫らになった。

 

「ひゃわああァッ♡ん、ふッ♡……キャルちゃん、私たちが二人して居ないのに気付いたらなんて思いますかね♡」

 

 ペコリーヌはわざと、彼に恋人の事を思い出させる。今、行われているのは不貞なのだと、そして、それこそが最も極上で淫猥なスパイスなのだと知らしめる為に。

 そんな挑発的な彼女を、彼は折檻するように両手首を痕が残る程の強さで握り、身動きが取れないよう自由を奪い、貪欲に吸い付く子宮を渾身の力で何度も叩いた。

 

「ほッ、お゙ッ♡んぐッ♡あっ……イクんですか?イイですよ♡いっぱいナカに出してぇッ♡♡」

 

 力任せに腰を叩きつけて、最後は、子種をいやらしくねだる子袋にピッタリと密着させて、ドロドロで濃厚な精液を注いだ。

 ペコリーヌはお腹の奥からじんわりと温められて、恍惚としていたが、萎え知らずの彼が、抜かずの二戦目を開始して意識を持っていかれてしまう。

 

「んやぁッ♡♡あ゙っ♡ちょ、ちょっとまっへぇッ♡♡♡」

 

 彼はペコリーヌの制止に聞く耳を持たず、ごりごりどちゅどちゅと、熱々にふやけた膣内を犯す。

 ペコリーヌは腕を掴まれた状態から、何とか腰をひねって後ろに振り向き、潤んだ瞳で彼に懇願する。

 

「あのっ、やっぱり後ろからじゃヤです!前からシてくださいッ♡」

 

 いじらしい願いに少年も胸打たれ、一旦ピストンを止める。彼女も向き直ると、挿入しやすいよう片脚を上げて彼の肉棒をお出迎えする。そして、鈴口と膣口がキスをすると、自然と上の口でもキスをしていた。お互いが密着していれば密着している程、二人の快感はより高まっていった。

 

「はむッ、ん……んッ♡んぐぅッ♡」

 

 繋がっている最中、少年は手持ち無沙汰にならないよう、肉厚で張りのある尻肉を撫でたり掴んだりしていたが、ペコリーヌが上げた脚を腰に絡めると、言葉にしなくとも理解をし、尻から持ち上げて全体重を支える。持ち上げられた彼女も、バランスを崩さないように腕を回し、両足でしがみつく。

 持ち上げる事で不安定になって、激しい動きは出来なくなったが、その分、密着感は増して愛欲は満たされているようだった。絡まり合う舌にも熱が入り、唾液も粘ついたものになっていった。彼女の蜜壷は締め付ける中、小刻みに痙攣をしていて、常に小さく絶頂をし続けていた。

 幾度となくビクビクと震える肉ひだに射精を促され、彼も我慢の限界を迎え、トドメと言わんばかりに最奥をズンっと一突きすると、彼女のしがみつく手足と膣内は万力の如く締め付けるので、最後の一滴まで絞り上げられてしまった。

 口を塞がれていて、普段なら声を上げて逃がしていた快感も、行き場を失いカラダの中に留まっているせいか、酷く深イキをしているのが少年に伝わってきた。

 ペコリーヌはイキ終わると、体からは力が抜け、手足はダランと放り出されて、急に重く感じた彼はバランスを崩しかけたので、倒れないように陰茎を引き抜き、彼女を壁にもたれさせた。しばらくの間、彼女は肩で息をしながら、引き抜かれた肉壺からドロドロと新鮮な精液が零れ落ち、口端からもヨダレを垂らし惚けていた。

 

「はーッ♡♡はーッ♡♡」

 

 彼が肩を揺すると一応は気が付いたようで、とろんとした瞳に彼を映す。

 

「すっごく、キモチよかったですね♡」

 

 ペコリーヌがまだ浸っていたので、頬をペチペチと叩いて正気に引き戻して、そろそろ戻らなければと伝えると、

 

「ホントに居ないのがバレたらヤバいですっ!」

 

と急にシャッキリして身だしなみを整え、早々に二人で戻るのだった。

 

 

「魔法少女ミスティカスミにピュアリーシオリ、とても素敵な方たちでした」

 

 上映が終わり明るくなると、感心した様子でコッコロは映画の感想を述べている。抜け出していた二人もクライマックスが終わった頃にこっそりと戻っていた。

 

「凄かったですね、キャルさま」

 

「え?ええ、そうね……」

 

 キャルの膝に座っていたコッコロは、頭上のキャルを見上げて問いかけるも、キャルはどこか上の空だった。

 

「?もしかして、楽しくはなかったのですか……?」

 

 コッコロが素っ気ない反応にしょんぼりとするのを見て、キャルは慌ててフォローする。

 

「ええ!?い、いや違うわよ!面白かったわよ……まあ、ちょっと子供向けではあったけど、普通の芝居とかと違って新鮮で楽しめたわ」

 

「楽しめたみたいで、良かったです」

 

 さしものキャルも、幼いコッコロには滅法弱いようだ。

 

「そろそろ帰りましょうか」

 

 満員だった劇場内もまばらになっていくのを見て、ペコリーヌはそう言う。それにハッとして、コッコロは膝からいそいそと降りた。

 

「すみませんキャルさま、お疲れでしたよね」

 

「ぜっんぜん。アンタ軽いし。さーて行きましょ行きましょ」

 

 人波に流されながら場内を出ると、近くの売店から香ばしい匂い風に来るもので、

 

「美味しそうな匂い!私ちょっと買ってきますね☆」

 

と瞬足で行ってしまった。更に、コッコロはコッコロで、

 

「すみません、主さま。何やら先程の映画のパンフレットなるものがあるようでして、少しばかりお待ち下さい」

 

余程、映画の内容が気に入ったのかパンフレットを求めて行ってしまった。

 二人きりになった少年とキャルは、さしあたって近くの広場の噴水で待つ事にした。

 彼女が喋らない事もあり、キャルの様子がいつもと違う事を察したらしい彼に、妙な緊張が走る。

 しばらく、重い空気が続くと、ようやくキャルが口を開く。

 

「映画、楽しかったわね」

 

 声自体はとても小さいにも関わらず、いやに少年の耳まで届いた。内容を一切知らない故、彼は相槌を打ってごまかす。しかし、氷のように張り詰めた声はまだ続く。

 

「特に、あのラスボスの女の暴走する理由は笑えたわよねえ……覚えてる?」

 

 彼の額からは汗が一筋垂れた。

 

「覚えてない?それはそうよねえ。だって、アンタいなかったもんね……いや、アンタだけじゃないわね」

 

 小さく震える声には静かに、しかし、確かな怒りがこもっていた。

 

「ねえ、どこに行ってたのよ?ペコリーヌと一緒にどこ行ってたのよっ!」

 

 ペコリーヌの名を出すと、より一層の怒気が込められていた。そこから、更に彼女は捲し立てる。

 

「言えないの?へー、そう。彼女にも言えないんだ。彼女にも言えないような所に他の女はいるっていうのに!?」

 

「ふざけんじゃないわよっ!!」

 

 ボロボロと大粒の涙を零しながら、怒りを爆発させると、そのまま走り去ってしまった。

 彼に言い返せるような事など何も無く、ただ呆然としている事しか出来なかった。

 

 

 三人が帰宅してから、夜になってもキャルが帰ってくることは無かった。

 キャルがいないまま、しめやかに食事をすませると、少年の部屋で話し合いが始まった。

 

「流石に、調子に乗り過ぎましたね……」

 

「キャルさま、このままお帰りにならないなんてこと、無いですよね……?」

 

「それは無い、と思いたいですけど」

 

 少しでも間が空くと場の雰囲気はどんよりとした。そのままどんどんと、落ち込んでいく空気を切り替えるように、ペコリーヌがパンっと手を叩く。

 

「とりあえずキャルちゃんが帰ってくるのを待つとして、やっぱりちゃんと話さなきゃですよね」

 

「話す……」

 

「はい。いっそ、腹を割って全部話しちゃいましょう☆」

 

「その為にも、ちょっとした準備をするので手伝って下さい」

 

 不敵に笑うペコリーヌを見た、少年とコッコロは疑問符を浮かべながら顔を見合わせた。

 

 

「はあ〜、やっぱ帰るのやめようかなぁ……でも、他に行くとこも無いし」

 

 すっかり夜も更けた頃、キャルはギルドハウスの前まで来てそんな独り言を漏らす。感情が昂って思わず走り去った後、歩き回っていたら冷静になって、ここまで帰ってきていたのだ。しかし、顔を合わせにくいのか尻込みをしてしまっているようだった。

 

「やっぱり、ちゃんと話聞いた方が良かったかな……アタシの勘違いってこともあるし――」

 

「よしっ、決めた。話くらいは聞いてあげよう」

 

 意を決したキャルが、玄関の扉を開けると中は既に真っ暗だった。

 

「もしかして、もう全員寝てる?」

 

 気合を入れたのに、拍子抜けした、といった感じのキャルは、まだ起きているかもしれない少年の部屋がある、二階へと上っていく。

 暗闇の中、上り切ると扉が半開きで、薄らと光が漏れている部屋があった。その光は彼の部屋からで、まだ起きているのが分かると、早まる鼓動を落ち着かせてゆっくりと近付いていく。

 しかし、近付くにつれ、奇妙な音が彼女の耳に伝わって来る。気になって耳を凝らしてみると、それは、何か木製の物が軋むような音や、布が擦れるような音であったり、何かを叩く破裂音のように聞こえた。

 キャルの心臓は不規則に脈動した。彼女は震える足で一歩ずつ部屋へと歩み寄り、祈るような表情で、隙間から部屋を覗いた。

 

「ンオ゙っ!あっあっあっ♡いっ、イクっ♡イクとこ見ててくらさいッ♡♡」

 

「ひぐゥゥゥゥッッッ〜〜〜!!!♡♡♡」

 

 信じたくない光景がそこには広がっていた。自分の恋人とペコリーヌが、一糸まとわぬ姿で互いのカラダを貪りあっているのだ。キャルは、普段と似ても似つかない、雌の本能を剥き出しにした鳴き声を出すペコリーヌが現実のものなのかすら判断出来てないようだった。

 

「う、嘘でしょ、何よ、これ……」

 

 しかし、信じ難い現実はここで終わりではなかった。

 

「主さま……わたくしにも……♡」

 

 二人の陰で見えていなかったが、そこには幼いコッコロでさえも、ベッドに寝転がり足を広げて、雄を誘っていた。

 

「こ、コロ助まで……」

 

 遠目から見ても分かる程大きい男根を、あの小さなカラダで精一杯受け入れていた。そして、ピストン運動をされれば、悩ましげな艶声を出す立派な雌であった。

 キャル自身気付いていなかったが、目の前で繰り広げられる情事を覗く、彼女の手は自然とスカートの裏、下着の中にまで滑り込んでいた。

 

「あんッ♡あるじさまぁッ♡いつものッ!いつもの、シてください♡♡」

 

 コッコロが媚びるようにせがむと、少年がコッコロの足を肩まで上げて固める、いわゆるマングリ返しの姿勢にさせて挿入をする。

 

「はおォッ♡おんッ♡おッ♡」

 

 結合部が丸見えの体位は、極太の巨根がコッコロの中に出たり入ったりするのをありありとキャルに見せつけた。

 彼がコッコロを物でも扱うかのようにしているのも、あの慎ましやかで品行方正なコッコロが、恥ずかしい姿勢を晒して下品によがっているのも、どちらもキャルにとってはショックな事だった。だがしかし、見れば見る程、聞けば聞く程、彼女の弄る指は止まらず、下には水溜まりができてしまう位に愛液が溢れていた。

 

「あぁッ♡あるじさまぁ♡あるじさまのざーめんッ、わたくしめのはしたないおまんこに出してくださいッ♡♡♡」

 

 コッコロが大きく叫ぶと、彼は抽挿している状態から、一気に深く突き入れて中に射精しているようだった。しかし、その途中で引き抜いて、まだ吐き出されている精液を、恍惚としているコッコロの顔にぶちまけた。

 

「あぅ、あるじさまの、もったいない……♡」

 

 顔にかけられたコッコロは、全て掬いとって舐め取ると、咀嚼してから嚥下した。

 キャルには、あそこにいるコッコロが本物かすら疑わしく思えた。普段から少年を最優先にしてはいたが、あそこまで男を悦ばそうと淫乱に振る舞うのかと。

 

「いやーコッコロちゃんも、随分とエッチになっちゃいましたよね。特にエッチな言葉にはすっかり慣れちゃいましたねぇ」

 

「そ、そうですか?――でも、そうですね、主さまにえっちな言葉を言うと、その……おまんこが熱くなって、キモチ良くてつい……♡」

 

「かぁわいいですね〜」

 

 照れ隠しで顔を手で覆うコッコロに、ペコリーヌは抱き着く。

 キャルはキャルで、先程までの色事が、鮮烈に焼き付いたのか、頭から離れず、その記憶で自分を慰める事に耽っていた。

 

「さてと、そろそろ本題に移りましょう」

 

 キャルのナカを掻き混ぜる指は止まらない。裏切られて酷く悲しいのに止められない。怒りと悲しみと劣情がない混ぜになった彼女は、ただ、ひたすらに慰める事しか出来なかった、自分に近付いてくる気配にも気付かず。

 

「おかえりなさい、キャルちゃん☆」

 

「はぇっ……?」

 

 急に目の前の扉が開かれ、素っ頓狂な声を出すキャル。

 

「わおっ、私たちのセックス見ながらオナニーしてたんですか?」

 

「へっ?いっ、いやちがっ!違うわよっ!!……そんな事よりあんたたち、何やってるか分かってんの!?」

 

 至極当然の怒りだった。耳も尻尾も毛を逆立てて、猛るキャルは少年を睨み付ける。

 

「少しでも信じようとしたアタシが馬鹿みたい!こんな……こんな最低野郎!!ペコリーヌとヤッて、コロ助にまで手を出して!!」

 

「ま、まあまあ、ちょっと落ち着い――」

 

「これが落ち着けるかっての!つーかアンタもよ!!何、人の彼氏とヤッてんのよ、この泥棒猫!!!」

 

「ね、猫はキャルちゃんですよぅ……」

 

「アンタほんと、ぶっ殺すわよ!!??」

 

「じょ、冗談です、冗談。あはは……」

 

 ふざけるペコリーヌに勢いを殺されると、キャルは俯きすすり泣き、床には雫が落ちる。

 

「ううっ、すんっすんっ、なんなのよぉ……なんで、アタシばっかりぃ……」

 

「キャルちゃん、ちょっとだけお話聞いてくれますか?」

 

 キャルからの返事は何も無かったが、嫌がる素振りも見せなかったので、無言の肯定と見なしペコリーヌは続ける。

 

「今回の事は全部、私に責任があるんです。」

 

「彼に、キャルちゃんとまだキスも出来てないって相談されて……それなら、チャンスかなって」

 

「それでヤッたってわけ?最低じゃない……」

 

「そうですね、最低ですね……でも、羨ましかったんです、キャルちゃんの事が。私も、彼が好きだから……」

 

「……」

 

 二人の間に長い沈黙が訪れる。先に破ったのはペコリーヌの方からだった。

 

「本当にすみませんでした」

 

 深く頭を下げるペコリーヌを、キャルは見下ろしていた。

 

「謝れば許されると思ってんの?」

 

「そうじゃないです。でも、まずは謝らないと」

 

「あっそ。で、それからどうすんのよ?」

 

 それを聞いたペコリーヌは満面の笑みで頭を上げた。謎の笑顔に恐怖で若干引くキャルに、ペコリーヌはこう言う。

 

「今から皆でエッチしましょう☆」

 

「――は?」

 

 想定外の答えが帰ってきて面食らうキャル。

 

「いやいや、意味わかんないからっ!」

 

「大丈夫ですっ、おちんちん入れられてキモチ良くなったら、全部どうでも良くなりますから」

 

「ちょっ、全然大丈夫じゃ――」

 

 ペコリーヌは狼狽えるキャルを担いで、下着を剥ぎ取ってベッドに放り込む。

 

「ほんとにヤだからっ!」

 

「なーに言ってるんですか、こんなにグチョグチョにしてるのに」

 

「うにゃあ!どこ触ってんのよ!」

 

 ふわふわの密林からは、はしたなく濡れる花園が見え、少年の大蛇も鎌首をもたげる。

 彼はペコリーヌとキャルを交互に何度も見る。どうするか迷っているので、ペコリーヌが頷く。

 

「ヤっちゃってください♪」

 

 それを聞き、彼は近寄ろうとするが、キャルは両手を振り回し暴れて抵抗する。

 

「来んなぁっ!浮気男!アンタなんかと死んでもヤらないから!!」

 

「こらっ、キャルちゃん!暴れちゃダメですよ!」

 

 ペコリーヌがキャルの両手を掴んで押さえ込むことで、少年は詰め寄る事に成功した。しかし、今度は足で蹴って暴れる。だが、それも無駄な事で、足を避けて脇に挟み込む。両足を抑えたら、もうそこには二人のおしべとめしべを遮る物は何も無かった。

 彼は一度呼吸を整えてから、陰茎を膣口にあてがうと、ゆっくり腰を前身させた。めりめりと彼女の初心なナカを押し広げながら進んでいった。

 

「うぐうぅぅぅ〜〜ッッ」

 

 一番奥まで挿入すると、息も絶え絶えだったが、少年を睨み付ける目には殺意がこもっていた。

 

「おおー、全部入りましたね。どうですか、キャルちゃん。キモチいいですか?」

 

「きもちいいわけないでしょっ、苦しいだけよ……!」

 

「いい?アタシはアンタのちんぽなんかに感じたりしなっ――お゙ッ♡♡♡」

 

 何かを言いかけていたキャルだったが、彼の一突きに全てをかき乱され、情けない声を上げてしまう。そのまま、彼は腰を動かし始める。

 

「おほッ♡オ゙ッ♡♡ちょ、動くなっ♡動くなつってんでしょおっほぉ〜ッ♡♡♡」

 

「おー、キモチ良さそうですね」

 

「よくないィッ♡ぜんぜんっ、キモチよくなんかあッ♡ないんだからッ♡♡ぜったい…ぜったいに、アンタにイかされたりしなっ――」

 

「ア゙♡っッッッ〜〜〜〜♡♡♡♡♡」

 

 思い切り腰を跳ねさせながら、キャルは絶頂した。

 

「イかない宣言をした瞬間にイってしまいましたね、キャルさま……」

 

「カラダは正直ってやつですね」

 

「どうでしたか〜、キモチ良かったですよね?」

 

 ぐったりしているキャルに話しかけると、キャルは涙を溢れさせる。

 

「ううっ、クズっ!変態!レイプ魔!ううぅ〜……」

 

「ええ……よしよし、泣かないでーキャルちゃん」

 

 ぐちゃぐちゃの感情の最中で情緒が不安定になり、泣きじゃくるキャルの頭を撫でるペコリーヌ。だが、辞める気はまだ無い様だ。

 

「あんなに感じちゃうくらいキモチよかったなら、もっとしましょうよ」

 

「やだぁ、もうしない……」

 

「そんな事言わずに、ほらバンザーイ」

 

「脱がすなぁ」

 

 若干幼児退行して泣きべそをかくキャルの服を、半ば無理やり脱がせると、自分の体を抱いて縮こまってしまう。

 

「触んないで。アンタたちなんか大嫌い」

 

 取り付く島もなくなってしまい、ペコリーヌは困り果てたが、少年はそれでも近寄ると、両肩を掴んだ。

 

「触んない――!?」

 

 振り払おうとするキャルの肩を抱き寄せ、彼はキスをした。

 

「ぷはっ!なに――んんっ」

 

 一度は離れるキャルだったが、強引に抱き寄せ再びキスをした。しばらく、抱き締めながらキスをしていると、最初は抵抗していた彼女も、次第に自分から抱き着いて求めるようになった。

 

「んっ、しゅきぃ、ちゅ……ぷはぁ、だいしゅきぃ、んんっ」

 

 少年が少しでも離れようとすると、キャルが腕に力を入れてとても離してくれそうにないので、彼はくっついたまま、彼女を寝転がせると、今度はさっきまでと打って変わって、自分から脚を開いて彼のことを迎え入れようとする。そして、彼は挿入した。

 

「うにゃあぁぁッ♡♡」

 

 挿れられると同時に甘ったるい嬌声が響き渡る。

 膣内は先程のような、異物追い出そうとするようなキツさはなく、むしろ、逃がさないと言わんばかりに肉棒に吸い付いて、引き抜くのも一苦労だった。

 たまに、意地悪でキスを止めると、泣きそうな顔で舌を出して催促をするものだから、上から唾液を垂らすと、彼女は悦んで飲んだ。また、キスに戻ると待ち兼ねたようにしゃぶりついてきて、猫の獣人特有のざらついた舌が口の中を擦り上げる。

 腰を動かしながら、彼女のカラダを撫でていく。肩から脇、胸にあばらと、ペコリーヌと対照的で余り発育が良いとは言えないカラダではあったが、優しく撫でるだけで大きな耳が揺れる程、敏感なのは素直に情欲を滾らせた。

 

「にゃッ♡あっ……フーっ♡フーっ♡」

 

 そんな彼女の中を堪能していたら、限界が来るのも当然の事で、フィニッシュに向けて上下運動を速くする。

 

「ひにゃあッ♡♡あッ♡あッ♡やらッ、イクッ♡イっちゃう♡♡」

 

「にゃあああぁ〜〜〜ッッ♡♡♡♡♡」

 

 イク寸前に、手足でがっちりとホールドをするキャル。ギュッと膣内を締められ彼は大量に射精してしまう。

 中出しをキメられてイったキャルの手足から力が抜けて、彼がキャルの上から退く。離れてからも、しばらく彼女は放心していた。

 

「いやー、一時はどうなるかと思いましたけど。これは完全に堕ちましたね☆」

 

「はい。キャルさま、まるでにゃんにゃんみたいになってました」

 

 外野から色々と言われているのに、ようやく気付いたのかキャルが正気に戻る。

 

「――はっ!アタシ、何を……」

 

「つーか、何アンタ普通に中出ししてくれっちゃってんの!?出来ちゃったら、どうすんのよ!!??」

 

「いやいや、避妊魔法で出来ませんよね?変な事言うキャルちゃん」

 

「は?何よ、避妊魔法って?そんなの知らないけど」

 

「……え?」

 

 突如として周囲の空気が凍りつき、ペコリーヌとコッコロは顔を見合わせる。

 

「えっ、私たちみたいな荒事をやるんなら普通は、誰かからかけてもらったり、教わったりしますよね!?」

 

「はい、わたくしも故郷を出る前に教わりましたし……」

 

「そんなの教えてくれる人なんかいなかったわよ……」

 

 キャル以外の全員が彼女の境遇を考え、微妙な雰囲気になるが、ペコリーヌが明るく切り替える。

 

「まあ、良いんじゃないですか?」

 

「いや、良くないでしょ!?この歳で子供って!」

 

「えー?でも、私は彼との赤ちゃん欲しいですよ?コッコロちゃん、自分で魔法かけたなら解除もできますか?」

 

「えっ?ええ、可能ですが……」

 

「なら、お願いします!」

 

「いやいや、アンタは色々まずいでしょ!」

 

「大丈夫大丈夫、上手く隠しますから。それにキャルちゃんだけズルいですよ」

 

「ズルいって、アタシはコイツの彼女!」

 

 二人が悶着している間に、コッコロは自分の下腹部に手をかざし、何か唱えると、こっそりと少年に耳打ちをする。

 

「主さま、子づくりえっち、しましょう♡」

 

 揉める二人の横で、本気の子作りセックスを始めると、流石の二人もそれに気付いた。

 

「ちょっとコロ助!?」

 

「抜け駆けなんてズルいです!」

 

「アンタがそれ言う?」

 

「申し訳ございませんッ、でも、あるじさまの、あッ♡赤ちゃんが欲しくて♡♡」

 

「ひゃあンッ♡♡あるじさま♡はっ、激し過ぎますッ♡♡オ゙♡だめ、ダメダメ♡奥ぅッ♡グリグリされてッ♡イっちゃいましゅうぅぅ〜〜ッッ♡♡♡」

 

 初めてから、ものの数分で本気種付けをキメられ、果てるコッコロ。

 しかし、もう何度も放精をしたにも関わらず、彼の愛刀は萎える所か、より硬度と角度を増していた。そんな彼がキャルを見据えると、明らかに正気ではない見て、キャルは逃げようとするが尻尾を捕まえられてしまう。

 

「ちょおっ!尻尾は掴むな――」

 

 そのまま足首を引き掴むと、引きずりうつ伏せにさせて、漲る魔羅をねじ込んだ。

 

「ヴニ゙ゃあッッッ♡♡♡」

 

 剛直に貫かれて、否応なしにキャルの足と尻尾はピンっと伸びをする。華奢な腰を掴んで腰を前後させると、小振りなすももは可愛らしくカタチを変えた。

 キャルは組み敷かれる直前に枕を抱いて、そこに顔を埋めたが、蜜壷が抉られてる上に、うつ伏せのせいで三つの突起部が擦れて、枕を貫通する程、発情しきった雌猫の悲鳴が聞こえて来た。

 彼が中に出すぞと言わんばかりに、彼女の尻を引っぱたくと、キャルは服従するように腰を少し浮かせて、彼の種付けを待ち焦がれてしまう。

 

「――ゥゥゥゥッッッ〜〜♡♡♡♡♡」

 

 濃厚な赤ちゃんミルクで子宮をいっぱいにされたキャルは、深いオーガズムに達して気絶してしまった。

 流石のプリンセスナイトも、連戦に次ぐ連戦で疲弊しているのか、肩で息をしている。そんな彼をドンと押し倒すのはペコリーヌだった。

 

「もー待ちくたびれましたよ♡」

 

 どうやら二人が睦み合っている間に、コッコロに魔法を解除してもらった彼女は、雌のフェロモンをむんむんに纏わせて、彼の上に跨った。

 

「はぁ♡……これから、ホントに妊娠しちゃうかもって考えただけでゾクゾクしちゃいます♡」

 

 自分のカラダを抱きながら、興奮しているペコリーヌは、すぐに挿入はせず、彼を焦らすように性器同士を擦り合わせていた。

 二人の性器は最早、誰のかも分からない体液でヌラヌラテラテラといやらしく光を照り返していた。

 

「いいですか?私、貴方の赤ちゃん孕んじゃいますから♡」

 

 囁き、一気に腰を落とした。

 

「オッホおおおぉぉぉッ♡♡♡♡♡」

 

 入った途端に、ペコリーヌはケダモノの咆哮を上げてしまう。少しの間、動けないでいたが、気を持ち直すと膝に手をついて、杭打ち騎乗位のスタイルでピストンをする。

 ストロークの大きい動きで、根本まで咥えては、一気に引き抜いてカリ首まで見えたら、また根本まで腰を下ろす。引き抜く度に背中をゾワゾワと震わせて、挿入する時にはガクガクと腰をいわせていた。

 

「はあッ♡はあッ♡ふぅ〜ッ♡♡ホント、もう、おちんちんおっきくしすぎですッ♡♡」

 

 しかし、ゆっくり過ぎて物足りないのか、彼はペコリーヌの足首を握り、もっと激しくと催促をする。

 

「もおっ♡しょうがないですね♡♡」

 

 甘やかしたがりのペコリーヌは求められ、嬉しそうに返すと、一拍、深呼吸をして呼吸を整えると、全力ピストンを始めた。

 激しく上下すると、肉のぶつかり合う音や粘液の音に混じって、膣の中に空気が出たり入ったりするせいでブピっと恥ずかしい音まで鳴り響いて、彼女は少し恥ずかしそうにする。しかし、それも一瞬で肉欲に塗り潰されていく。

 

「ンオ゙ッ♡オ゙ッ♡はあッ♡あんッあんッ♡♡」

 

「ン゙ぅ♡もう限界です……♡そろそろ、下さい♡♡濃厚ザーメン、ナカにびゅーびゅー出してッ♡孕ませてくださいッ♡♡♡♡♡」

 

「あ゙ッ♡はあぁ〜〜〜♡♡♡」

 

 彼女は最後の一滴まで搾り取ると、疲れ果てて少年の胸に倒れ込んでしまう。

 彼がペコリーヌを見つめると、彼女も笑顔で見つめ返した。

 

「えへへ、もうお腹いっぱいです♡」

 

 満足気に笑うと、彼女は少年に優しく口付けた。

 

 

「で……なんで、全員で風呂入ってんのよ!」

 

 風呂桶にギチギチに詰まりながらキャルは吠える。

 あらゆる体液で全身ベトベトに汚れた四人は、入れ替わりで入ってては時間もかかるし、体も冷えるから、皆で入ろうとペコリーヌが提案した結果だった。

 

「たまには良いじゃないですか、裸の付き合いってやつです」

 

「それは、散々やったでしょ……大体、何かお尻に当たってんのよ、このスケベ!」

 

「あはは、まだ元気ですね。上がったらまたヤリます?」

 

「いや折角お風呂入ったのに、意味ないでしょ!」

 

「あの、キャルさま……」

 

 ペコリーヌとキャルがいつものようなやり取りをしていると、コッコロが横からもじもじとキャルに話しかけ、キャルもそれに耳を傾ける。

 

「黙っていて本当に申し訳ございませんでした」

 

 コッコロは深々と頭を下げて謝意を述べる。

 

「もう、いいわよ。今は怒ってないし……」

 

「キャルさま……」

 

 顔を上げたコッコロの目尻に溜まる雫を、キャルは親指で拭うと、頭をぽんぽんと優しく撫でて笑う。

 

「それに、どうせペコリーヌのバカに唆されたんでしょ?」

 

「ぎくぅっ!?そ、そんな事ナイデスヨー」

 

「てか、アンタらいつからよ?」

 

「え、えー……一ヶ月くらいですかね☆」

 

 苦笑いをしながら答えるペコリーヌに、キャルは深いため息をついて、少年をじろりと睨む。

 

「おい、明日からは毎日、最低でも10回はヤるから、覚悟しときなさいよ!」

 

 とんでもない提案に顔を引きつらせる少年。しかし、紆余曲折はあったものの、今はこうして全員が笑顔でいる事が何より嬉しくて、彼はキャルの唇にキスで返事をした。




 最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。拙い作品ですが、少しでも楽しんで頂けたのなら本懐です。コメントや評価を押して下さった方々も、本当にありがとうございました、一番のモチベーションに繋がってましたので。
 次、何を書くかはあまり決まって無いですけど、プリコネならなかよし部を書きたいけど、ストーリー露出が少な過ぎてあんま思いつかないのが難点ですかね。また美食殿を書くかもです。
 次回があったら、良ければまた読んで頂ければなと。


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