ロリンチちゃんの依代になった (シナない)
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ロリンチちゃんの依代になった男の話
ロリンチちゃんがかわいいので衝動的に書きました。
俺は煌々と火のオーロラを見せる薪ストーブの前に腰を降ろしていた。
ここは、前世のリビングだ。そして俺の心象風景だ。
何故、この風景なんだろうか。今更前世のことを思い出しても遅かった。
既に人理焼却は始まっている。
fate/GrandOrderの開幕のファンファーレたるカルデアの爆破は、何も気付かなかった俺を吹き飛ばすのに十分な火力を持っていたようだった。吹き飛ばされてから、また死んでから思い出したのはあまりにも遅過ぎる。
「…」
ぼんやりと懐かしい炎を眺める。思えば、前世でも、今生でも諦めてばかりだった。
魔術師の家系に産まれたものの、大した魔術回路も無かったし特別は属性も無かった。
性格まで引き継がなくて良かったのに、と一人苦笑した。
「隣、いいかい?」
鈴のような懐かしい声色で声を掛けられた。顔だけを声の主に向ける。
何故、ここに貴方がいるんだ。
「……まあ、いいよ」
「ありがとう」
隣にレオナルド・ダ・ヴィンチのデッドコピー、『グラン・カヴァッロ』が可愛らしくストンと座った。
☆5のライダー、通称ロリンチちゃん、アーツ全体宝具、オーバーホール。
彼、いや彼女について取り留めなく思い出す。
「何故、」
「綺麗だね、この炎は」
俺の問に被せてグランはそう微笑んだ。
「……そうか? 前は何時も見ていたから、いつの間にか綺麗って感じなくなってたな」
「そうさ。オーロラ燃焼は薪ストーブでしか見られない現象だ。薪ストーブ自体が1700年代に開発されたものだし、私にはあまり縁が無かったものだ」
「そっか、そうなんだ。そう言ってくれると、嬉しいよ」
「ああ……」
「…」
お互い、無言になる。俺は言葉に詰まった。色々聞きたいことは有るけれど、どう言えばいいのかわからなくなってしまった。
「君は、私のマスター君は、生きたい?」
「当たりまえだろ」
「それが、今の君から変質する可能性があっても?」
「ああ。 変質なんて今更だ。一回死んだことがあっても、やっぱり生きたいよ」
「そっか……。じゃあ、私の依代になるかい? 例えば孔明やイシュタルのように、」
「いいよ。グランなら、いいさ」
今度は俺が被せてやった。ちょっとした意趣返しだ。
「…ふふっ、まさかそんなに信頼してくれてるとは」
「……まあな。それと、一つ聞きたいことがある。 ………俺のカルデアは、楽しかったか?」
「……っ! ああ!楽しかったよ! 君のスマホの中でも、楽しかった」
「なら、良かった」
薪ストーブの中で赤熱した薪がホロリと崩れた。青い炎が赤熱する薪からゆらゆらと離れてはくっついた。
「もう、時間がないね…」
「そうみたいだな…」
「もっと君とお喋りしたかったなぁ…」
「大丈夫だろ。どうせしばらくは、ずっと一緒だ。」
「そっか…」
「そうだ…」
薪が、火を見せなくなっている。薪ストーブの中の薪は目に見える火を無くして赤熱したまま、しだいに灰になっていく。
「それじゃあ、うん。またね」
「…またな」
カルデアの召喚室だ、ここは。
眼前には夕日のようなオレンジ色の髪の女の子と薄紫色の髪の女の子。マシュが鎧を展開しているのは召喚に使う盾のためだったか。
「サーヴァント、キャスター。真名をグラン・カヴァッロ。出来損ないの天才だが、よろしく」
俺は一人で、そう名乗った。
メス化度:30%
続いたら続きます。
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化けの皮が剥がれた男
やっぱり短い気がします。
1万字とか書いてる人ってなんなの?どういう生活したらそんなに書けるの…?
サーヴァントって記憶があってもその肉体に精神が引っ張られるみたいですね。リリィとか、ギル君とかみたいに。
じゃあ、ロリンチちゃんは…?
二人の少女がこちらを見て驚いている。ぐだ子のほうか…、とどうでもいい考えが頭を過った。
「ぐ、グラン…?マシュ、知ってる?」
「うーん… すみません、先輩。私も知らない方です…」
「でもこの子ってなんだかダ・ヴィンチちゃんに似てない?」
「言われてみれば… 確かにダ・ヴィンチちゃんさんに似ていますね」
「でもダ・ヴィンチちゃんってちっちゃくなれるの?」
「どうなんでしょう……いけそうな気もしますね……」
「……あの、もう喋ってもいいか?」
「あ! す、すみません!」
やはり俺の正体、というかグランの正体が気になるようで目の前でこそこそ話し合っていたが、流石に止めた。自分たちの正体など別に隠すようなものでもない。
「そうだな、私の正体については君たちの言う“ダ・ヴィンチちゃん”も同席してから話そうと思う」
「ダ・ヴィンチちゃんも? んー、じゃあ一緒に工房に行こっか!」
そういうことになった。コイツ俺を疑う気持ちとかはないのか。俺の外見か、ロリだからか……
「私は藤丸立香、マスターだよ。それでこっちが─」
「マシュ・キリエライトです。先輩のサーヴァント、シールダーです。よろしくお願いします」
「ん、わかった。マスターの立香にマシュだね」
「ていうか、あなた……グランでいい?」
「構わないよ」
「ありがとね。うん、やっぱり!グランから火の粉が散ってる!カッコいいなぁ!」
「わ、確かに火の粉が………あ、でも触っても熱くはないんですね」
「ああ、マスター君、私のステータスは見えるか?スキルに『命の薪』というものがあるだろう。それだよ」
自己紹介をしながら歩く。それにしても、俺にとってはアニメや一枚絵でしか見たことのないカルデアの通路や窓や天井の高さ。興味が湧いてキョロキョロ辺りを見ながら立香、マシュと歩く。
おおー、天井高いんだなー…………ん?
ふと視線を感じて二人に目を向けると微笑ましげにこちらを見ていた。まるで子どもを見守るような視線に顔が赤くなる。
今気が付いた。完全に遊園地に来た子ども状態だ。前世含めて40を超える男のしていい行動じゃなかった。
恥ずかしさに目を逸らし機械的な壁を見る。その俺の態度にますます微笑ましげな表情を見せる二人。
「……なんだ、その目はっ…」
「いや、べっつにー」
「い、言いたいことがあるなら言えばいいだろ……………っ! に、ニヤニヤするなっ!」
「あっ、わわっ、泣かないでっ! ほら、よしよし…」
「ぅぅう……撫でるなぁ……」
やばい、まずい。
恥ずかしさのあまり涙目になって立香に撫でられる。身体に引っ張られるのか感情がうまく制御出来ない。
ぅ、うぐぐ… 高難易度とかで大活躍するかっこいいダ・ヴィンチを密かに目指していたのに、この調子ではナーサリーやジャック率いるカルデア幼稚園に入れられてしまう…!
「や、やめろぉ!」
「あ、着いたよー」
「えっ」
か、完全にペースに載せられてた…!
ぐぬぅ…いつか仕返しを………
ま、まあいい、とにかくここのダ・ヴィンチに会って自分のことを説明しないといけない。
何も話さない選択肢も考えたけど、ダ・ヴィンチならともかく俺じゃ隠し通せる気が全然しないのと、怪しまれて警戒されるのは今の自分には耐えれなさそうと判断したからだ。
何処まで話すかも、召喚されるまえにグランと相談して、『自分が未来の英霊であること』と『ダ・ヴィンチに肉体を譲られた存在であること』を話すと決めた。
「ダ・ヴィンチちゃーん、藤丸立香です。入っていい?」
「いいよー」
流石にちょっと緊張してきた。自分の心象風景に来たのはグランであって、本当のダ・ヴィンチでは無かった。
「どうしたんだい?マスターく……んん!?」
カルデアのダ・ヴィンチが俺を見て驚いた。まあ自分のサブ機が英霊として急に現れたらびっくりするか。
「そ、その子は…?」
「そうそう、この子真名が『グラン・カヴァッロ』って言うらしくて…、詳しいことはダ・ヴィンチちゃんがいないと話さないって」
ダ・ヴィンチがぎこちなく笑っている。口角がピクピク動いているところから、だいぶ動揺してるみたいだ。
「そうだな、過去のダ・ヴィンチ。前置きはいらないだろう?私は未来の英霊だ。」
「………あぁ、うん、まあ、そんなところだろうとは思ったけどさ。」
メス化度:50%
少女の精神が純粋な青年の心に侵食してくる()
今までずっと読み専だったけど、妄想が止まらなくてまた投稿しました。ハーメルンの知らなかった機能が沢山あって楽しいですね。
自分の読みたいものはやはり自分で書くしかないのか…
それと初めて感想もらって嬉しかったのでまた何かしら投稿します。
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サーヴァントステータス
マジで嬉しい
そもそもこの小説を書こうと思った理由は、レオナルド・ダ・ヴィンチ(ライダー)のプロフィールに書いてある『オーバーホール』の解説でした。気になる方はwiki見てください。
そういや当たり前のように使ってたけど、ロリンチちゃんの真名が『グラン・カヴァッロ』っていうの知ってた人ってどれくらいいるんだろうか。
1話目とか数時間で書き上げたのを大体そのまま投稿したからその辺知ってるのを前提感がある。
それと、この主人公は基本的に『(前世の)おれのかんがえたかっこいいダ・ヴィンチ』を元に喋っています。なおボロがでまくる模様。
【CLASS】キャスター
【マスター】藤丸立香
【真名】グラン・カヴァッロ
【身長・体重】148㎝・36.9Kg
【属性】中立・善
【性別】少女体
【ステータス】 筋力C 耐久D 敏捷B
魔力A- 幸運A 宝具B
【解説】
元カルデアのCチームマスター。レフによる爆破によって死亡した。
死する間際に前世を思い出し、その縁で本来呼び出せない小ダ・ヴィンチを自身の心象風景に召喚した。そして小ダ・ヴィンチの依代になることで死んだ自分を再定義し、カルデアの英霊召喚に無理矢理割り込んだ。
容姿は少女体のダ・ヴィンチのものになっているが、身体の各所が赤熱し時折火の粉を散らしていたり、本来左腕に装着している籠手を右腕に着けていたりと違いが出ている。
ダ・ヴィンチの演算能力だけが、今の彼には残された。
彼は何時までも自分の命の恩人を、また会うその日まで想い続ける。
たまに、彼の隣にそっくりな少女を幻視することがあるのは、何故だろうか。
【保有スキル】
<クラス保有スキル>
・道具作成:B
・陣地作成:D
<固有スキル>
・黄金律(体):B
・命の薪:C
・星に夢を:C
・オーバーホール:E(A)
【スキル解説】
・黄金律(体):B
小型化したことで万能の幅は狭まったが、その代わりに黄金律は高まる筈だった。
ある青年を依代として召喚されたため、本来はEXのランクから大幅に下がっている。
・命の薪:C
薪として燃え尽きる筈だった青年は、ダ・ヴィンチによって生きながらえた。
薪の起源が覚醒した青年の性質によって得たスキル。
Dランク相当の『魔力放出(炎)』と『オーバーロード』を獲得する。また、自身の霊基を燃やすことで魔力を得ることが出来る。
・星に夢を:C
仮初めの命として鋳造されたすべてのモノたちが抱く、希望と結論。
依代の存在があっても、このダ・ヴィンチからは『星の開拓者』は失われたままだった。
だが、その魂には知性体が産まれた理由とそれら短命のものが目指すべき真理が、ニ度死した魂の中に存在している。
・オーバーホール:E(A)
疑似霊子で作成したナノマシンを散布し、パーティ全員の状態を『元に戻す』。
高ランクなら破損した武具、傷ついた霊基、さらには戦闘開始時のNP状態までもスタートコンディションに戻す。
本来Eランクで保有しているスキルだが、依代の青年とダ・ヴィンチの演算能力と宝具化によって高ランクでの行使が可能になった。
【宝具】
ランク:B
種別:対自陣宝具
レンジ:1~10
最大補足:10人
スキルのオーバーホールをダ・ヴィンチの全演算によって全力展開し、パーティ全員を戦闘開始時の状態に戻す補助型宝具。
霊基の状態やNPすらも戦闘開始時に戻す。
高密度で疑似霊子によるナノマシンを大量散布するため、マスターから供給される魔力だけでは足りなくなる。だから自身の霊基の一部を『薪』として燃やし、魔力を補う。
───あまりにも高密度に展開されたナノマシンは、彼が想い続ける大切な存在の姿を何故か映し出す。
一発屋とか掎角一陣されそうとかは言っちゃダメ。
続くとしたらグランはどんどん子どもっぽくなっていくと思う。というかそうする。かわいいから。
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ガチ泣きする元男
「ねえ、グラン」
「なんだい?立香」
「ふと思ったんだけどさ、アンデルセンやシェイクスピアの『エンチャント』って、文章を書いて対象を強化するんだよね」
「そうだね、作家系のサーヴァントなら大抵持っているスキルだね」
「なんで文章を書くだけで強化になるのかなーって思って」
「んー…、そうだなぁ。そもそも文字には力があるんだ。例えばお金がわかりやすいかな」
「お金?」
「うん、特に紙幣だね。」
「千円札とか?」
「そうそう。その千円札には色々文字が書いてあるだろう?物質的に見れば唯の紙と同じだけど、たくさん書かれた文字と権威のある銀行の判子があることで、その紙には物を買うっていう力が生まれるんだ。千円札は文字と権威で成り立っているんだね」
「あー、確かに……。じゃあアンデルセンも文章書いて判子を押してる感じなんだ」
「っふふ……、赤い丸のなかに『アンデルセン』ってあったりするかもね」
「なにそれかわいい」
カルデアのダ・ヴィンチが俺を鋭い、冷たさすら感じる目で見つめてくる。
「纏めるよ? つまり君は人理修復後に起きた何かしらの事件によって英霊になったと。そしてその身体はその事件の際、当時のレオナルド・ダ・ヴィンチに譲られたモノだと」
「……ああ、合ってるよ」
「その事件や……人理修復について、話すつもりはない、そうだね?」
「うん、未来のことは絶対に喋らないとも……」
「………ふーん、どんな目に、あっても?」
「ぅ、ぁ……ぜ、絶対に!喋ら、ないんだから!」
「…………へぇ、そうか。でも私たちも結構切羽詰まっているんだよね」
威圧感というか、殺気というか、とにかくぞわぞわする何かを感じて、身体が震える。
ダ・ヴィンチの目はマジだ。きっと、俺には到底思い付かないような口を割らせる手段もあるんだろう。そこまで考えて、その何かわからない恐怖に涙が勝手に出てくる。
や、ヤバい……身体に精神が引っ張られてる……!
グランの言っていた変質って、もしかしてこれか…!
まあ変質は別にいいけど、どうしよう…どう弁解しよう…
例え何をされても、俺のダ・ヴィンチと、グランと決めたこと、未来のことを軽率に話さないことは守りたい。この決意は譲れないんだ。
結局スマホで見ていても剪定事象とか空想樹とか、よくわからなかった。そういうのが解説されるところまでプレイ出来なかったのもあるけど。
でも、自分のカルデアにいたサーヴァントのことは信じているから、俺のダ・ヴィンチちゃんが決めたことなら、俺の考えよりも正しいだろうから。だから──
「ぅう、ふぐっ、ぐすっ、ぅぁっ──しゃ、しゃべん、ないもん!」
「ダ・ヴィンチちゃん!もういいよ!」
俺はマジ泣きした。いや、だって怖いんだもん……
立香に抱きしめられる。いや、庇われてる。
というか本当に自分が幼児化というか、すごい幼くなってるのを、この身長差とかで感じた。
涙が、止まらない。自分はこんなに泣き虫だったけか……。
いや、それとも別のダ・ヴィンチとはいえ、嫌われるのが怖いだけかもしれない。
「……立香君はいいのかい?未来を知っていて、それも、これからのグランドオーダーに関わることだ。本気で人理修復を目指すなら、無理矢理にでも聞き出すべきじゃないかい?」
ダ・ヴィンチの言うことはもっともだ。間違えることが無いが故に、“私”では反論出来ない。
「それでもっ!小さい子をこんなに泣かせてまで聞いた情報なんて、いらないよ!」
「そうですよ!先輩の言うとおりです!私は、そこまでして得た事実に、価値を見い出せません!」
「ぅぅうぅ、ぐすっ、すんっ、り、立香ぁ……マシュぅ……」
立香とマシュが全面的に庇ってくれている。なんてお人好しなんだろうか。これが型月主人公の風格か……
「………ふう、わかってるよ。私も柄にもなく焦ってたみたいだ。ほら、何時まで泣いてるんだ。そろそろ泣き止めよ、“グラン”」
ダ・ヴィンチが嫌気な姿勢を収めて、一転して優しく“私”の顔を白いハンカチで拭ってくれている。
「……ぁ、ぁりがと…」
「……ほら、これでよし、と。まったく、その身体は私の設計した最高にかわいい身体なんだから、あまり変な事はしないでくれよ?」
されるがまま、ダ・ヴィンチに顔を拭いて貰っていたら、横から立香に抱きしめられていたのを正面に抱え直された。
「わーい!良かったね、グラン!」
ううぅぅ……服でわかりずらいけど立香ってやっぱ結構大きい……柔らかい……暖かいよぉ………抱きしめられるって、いつ振りかなぁ…………甘えても、いいのかなぁ………………
………っは!思考までもが幼くなっていた!
「……も、もういいから、離して……大丈夫だから」
「そう?はい、よしよし…」
「な、撫でないで……」
「立香君はその子が英霊っていうの忘れてないかい?」
「大丈夫、大丈夫。忘れてないよー。」
「………もうやめてっ! もう、それより、ダ・ヴィンチに聞きたいことがあるんだ」
これは絶対に確認しないといけない。自分の、Cチームとしての私の身体について、知っておきたいから。
メス化度:70%
ルーキー日間で8位に上がったー!しかも赤評価じゃん!やったー!
ロリンチちゃんはかわいい、でも泣いてる女の子はもっとかわいい。
書けば書くほど性癖がバレていく。俺はロリコンかもしれない…
うちのグランちゃんは絆レベル5とかでにゃあにゃあ甘え出すタイプ。それまでは恥ずかしさが上回る。
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火に焼べる
書きたいことだけ書いてるのは許して…
そういう儚いサーヴァントが好きです。シャルロットとか、異聞帯のアルテミスとか
「あ…あの光……」
「フォーウ!」
第7特異点、バビロニア。藤丸立香は人類の終わりを目の当たりにしている。
ケイオスタイドに侵食されたウルクの街。そしてそのケイオスタイドに立つは人類悪が一神、創造神ティアマト。
藤丸立香は己のサーヴァントのマシュ、そしてギルガメッシュ王と共にジグラットの上で死にゆく街を見ていた。
ティアマトの目が徐に赤く光る。藤丸立香は直感的にそれが己に向けられた攻撃だと理解した。
「…あ……私、死んだ……」
────いや、死ななかった。
────咄嗟に、立香の前に小さい子が躍り出た。
────こんな出来損ないでも、優しい優しい私のマスターをかっこよく助けても、いいよね?
「…やるではないか、薪よ。貴様が行かなかったら我が庇おうと思っていたが、いらぬ気遣いだったか」
「げほっ……かふっ……ま、まぁねぇ……」
「…え?」
「にしても、ティアマトめ。狙撃とは小癪な…」
「…グラン、さん?」
ふらり、と
「…っ! グランッ!な、何で!カ、カルデアに居る筈じゃ……」
「…え、へへ……はぁ……実は……ずっ、と、着いて、来てた……げほっげほ…」
私は未来を知っている。しかし、それが原作知識という形で、しかも曖昧にしか覚えていなかったという大きな欠点があった。
思い出したタイミングも遅かったから、Cチームの魔術師としての私の身体は起源覚醒の衝撃で燃え尽きていた。
原作知識はあるけど、第2部までやってたし、第7特異点を詳細に思い出せるわけがないんだけどね。
─これは私の出した結論だが、この世界はゲームではなく、Fate/GrandOrderというゲームによく似た世界だ。
─星に夢を
─目を閉じると、瞼の裏にはみんなの顔が直ぐに写った。
─マスターの嬉しそうな笑顔、マシュのやさしい微笑み、ダ・ヴィンチが面白いお話を得意げに喋って、ロマニが「ないしょだよ?」ってこっそりお菓子をくれた。
─カルデア職員も、サーヴァントも、みんな私の知らない表情を、感情を持っていた。
それは、スマホ越しには一生見えなかった美しいモノだった。
─だから…だから!守りたいって、初めて思った!
─命の薪
「─
「グランさんっ!グランさんっ!!目を開けてください!!」
私は目を開けて、マスターとマシュの必死な顔を見つめた。
「…立香にマシュ、少し黙れ。そやつの遺言だ」
「そんなっ…」
「…ねぇ、マス、ター……」
─宝具開帳
「…私、は……楽し、かった、よ……………あぁ、とても、楽しかった、とも……」
『
自分の身体を、霊基を火に
燃え盛る炎は、霊基を代償に膨大な魔力を作り出す。
『薪』の起源は、原初の生贄・文化文明の基盤・炎の産まれる所を意味する。単純な話、自分を燃やすことで魔力を獲得する。
「…君に、出会えて…本当、に…良かった……」
─ああ、少し、残念だなぁ…
─もっと君たちと、お話したかったなぁ…
宝具を応用する。仮にも万能の身体だし、なんとかなるだろう。
右腕の小手から大量に疑似霊子によるナノマシンを放出する。そして、そのナノマシンを全て圧縮、結晶化し、一つの炎を閉じ込めたような結晶体を作り出す。
「……だからっ……そんな、に…泣かない、でっ……!」
─マスターもマシュも、私なんかの為に泣いてくれている。
─…そっか、私でも、あなたの大切な人に、なれたのかな
「…大丈、夫……君たち、は…これから……あらゆる困難、を…乗り、越える………」
「私、なんか、を………大切、に、して、くれて……あり、が、と………………」
ごうごう、めらめら、と霊基が燃え尽きていく音が聞こえる。生み出した魔力は全て結晶に詰め込んだ。あの結晶を砕けば、マスターの魔力どころかサーヴァントの魔力すらも全快するはず。
大丈夫。マスターならきっと、大丈夫だから。さあ、前を向いて。
君はこれから、英雄になるんだ。
私は、気付けば、煌々と火のオーロラを
薪ストーブの中には、もう殆ど灰と化した燃え滓が僅かに赤く光っている。
「……君は、すごく、頑張ったよ…」
そう、一人で呟いていたから…
私は、彼女に声を掛けた。
「………隣、いいかい?」
「……! あぁ…………ああ、いいとも。…君のお話、聞かせてくれたまえ」
これにて一旦終わりの形とします。
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