仮面ライダーアマゾンズ アマゾンネオIN 艦隊これくしょん (ゆにゆに)
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目覚め

初投稿です。
とんでもない駄文ですが暖かい目で見てくれたらうれしいです。
誤字や、リクエストがあったらどんどん感想に書いてください。では、第1話お楽しみください。
追記:編集しました。


―???―

 

 枯れ葉が落ちゴミが散乱している道に、身体中血だらけで、生きているか、死んでいるか、わからない高校生位の少女をおんぶした少年が、立っていた。

 

「!」

 

 その数メートル先に、腰に目のようなデザインがされて赤いベルトを巻いている、20才くらいの青年と、ボロボロの服をきて、目元に傷痕のようなものがある男がいた。

 この男も、青年とは違うデザインのベルトを腰に巻いていた。

 そして、その二人は、少年に向けて殺気を放っていた。

 

「どうしても?」

 

「溶原性細胞は危険すぎる・・・君自身にもコントロールできないくらいに」

 

 少女を道に寝かせた少年が、青年へ疑問を投げ掛けるが、青年は『溶原性細胞』と言う単語を使いそれを否定する。

 

「・・・そうだね・・」

 

「イユがこうなった原因は・・俺だ。」

 

 少年は、悲しみの表情を見せ言葉を続ける。

 

「他の人も・・・それに」

 

「母さんも―「違う」!」

 

 それまで黙っていた男が少年の言葉を否定する。

 

「俺だ・・」

 

 男は、ゆっくりと歩きだす

 

「だから・・・俺が送ってやる」

 

「・・・母さんのところへ」

 

 男は、そう言い青年の隣に立つ、少年も立ち上がり二人に向かって。

 

「わかった」

 

 そう言ってそばに置いていた青年と同じデザインのベルトを掴み腰に巻く。

 

「でも・・・俺は最後までいきるよ!」

 

 少年は、その言葉と共に笑う。

 

「・・やっぱり、七羽さんそっくりだ」

 

 男は、そう言いベルトについている左側の棒を回す、青年は、注射器のような物をベルトに差し込み中の液体を注入する。

 少年も、青年と同じ事をする。そして、

 

「「「アマゾン!!」」」

 

 その言葉と共に、三人を中心に爆発が起きる。

 そして、爆発が収まるとそこに立っていたのは、異形だった、一人は、失明したかの用な白い目で全身が赤い 一人は、緑の身体に赤い目をして不完全なアーマーをつけており 一人は、青い身体をしており全身にアーマーを着て黄色の目をしていた。

 

「イユ・・」

 

 アーマーを着ている異形は、道に寝かした少女『イユ』をそっと撫でた後、数メートル先で戦闘体勢を取っている二人の異形へ突撃していった。

 

 

 

―海上―

 

 

 どこかわからない海の上で、それらは戦っていた。

 

❬ドゴォォォン!!!❭

 

 海上で爆発が起きる 航空機が飛び交い、小さな砲弾がうねりを上げる その光景はまさに『戦争』である

そして、その戦場を少女達が走っていた

 

「さぁ、素敵なパーティーをしましょう!」

 

「村雨ちゃんのちょっと良いとこみせてあげる♥」

 

「最近、夜戦がすくない・・」

 

「姉さん、文句ばかりいけません」

 

「榛名!全力でがんばります!!」

 

「私の計算では、この戦いの勝率は100%です」

 

 海の上をスケートのようにその六人は、すすんでいた。

 普通、常人がそんなことできるはずがない、しかし、その六人は、さも当たり前のように滑っていた、それもそうだろう、なぜなら彼女達は、『艦娘』だからである。

 

『艦娘』と『敵』

 

 事は、7年前まで遡る。

 突如、深海から現れた謎の生命体『深海棲艦』が人類に対して攻撃をしたのだ、もちろん世界中の海軍がこれに対処するが、大きな艦が、人間サイズの『深海棲艦』をどうにかできるはずもなく海軍は、大打撃を受けた

それもそのはずである。何故なら『深海棲艦』は、軍艦のスペックをそのまま人間サイズにしたようなものだからだ故に彼らから放たれる砲弾は、サイズは違えど威力は軍艦の砲弾と同レベルであり、彼らが海上を走る速度は、軍艦と同じであるためこちらの砲弾があたらない、そして彼らには、バリエーションがあった『戦艦』『空母』『巡洋艦』『駆逐艦』etc・・さらに『姫級』『ヲ級』『レ級』etc ・ ・ 特に『姫級』の力は凄まじく情報としては、一人でどこかの国の海軍を壊滅させたらしい・・・

 そして世界は、『深海棲艦』により『制海権』を奪われた。しかし、その一年後人類に救世主が現れる!それが、

『艦娘』である!『艦娘』は、ありし日の軍艦の魂をひきつぐ戦士なのだ。そして、『艦娘』は『深海棲艦』のように人間の姿をしたまま軍艦の力を発揮できた。

 そして、人類は『艦娘』を指揮することで『深海棲艦』を討伐していき徐々に制海権を取り戻していった。

 これが『艦娘』そしてその敵『深海棲艦』である。

 

❬ヒュルルルル❭

 

「砲弾、来ます!!」

 

 メガネをかけた少女の声と共にそれぞれが動く

 メガネをかけた艦娘、彼女の名前は『霧島』金剛型4番艦の戦艦で、『艦隊の頭脳』と自負している。

 

「榛名!」

 

「まかせて‼」

 

 ロングヘアーで霧島に似た少女、彼女の名前は『榛名』霧島と同じ金剛型の3番艦である。若干の天然さんである。

 

「あー‼これに勝ったら今度こそ夜戦するようにいってやる‼」

 

 さっきから夜戦夜戦言っている少女、彼女の名前は『川内』かわうちではない。彼女は川内型軽巡洋艦1番型で夜戦が大好きなのだ。

 

「姉さん、意気込むのはいいけど油断はしないでくださいね」

 

 そしてその妹『神通』彼女は川内型軽巡洋艦2番型で姉とは違いとてもしっかりしている。

 

「さて、頑張っちゃうぞー♥」

 

 そして、中学生位の見た目をしているがどことなく大人な雰囲気を醸し出している『村雨』彼女は白露型駆逐艦3番艦であざとい。

 

「ぽいぽいぽいぽいぽいー」

 

 ぽいと言う言葉を連呼している彼女は、『夕立』白露型駆逐艦4番艦で独特の語尾が特徴。

 

「砲雷撃戦・・始め!!!」

 

 霧島の合図で、一斉に砲撃を開始する。

 

❬ギャオォオオォォ❭

 

「イ級、一匹撃破!!」

「こっちもイ級、ロ級撃破しました!」

 

 早速深海棲艦イ級、ロ級を撃破する川内と榛名

 

「さすが・・でも!」

 

❬ガシャン ドドドドン❭

 

 村雨が魚雷を発射し、その魚雷はロ級に向かっていき

 

❬ドォォォオン❭

 

「フフ♥駆逐ロ級撃破♥」

 

 それから順調に六人は、深海棲艦を撃破していった。

 

「さて、『副提督』の見立てでは、もうそろそろ・・」

 

「!きたわ!霧島!」

 

 榛名が指をさす、その先には『空母ヲ級』『軽巡へ級』『軽巡ツ級』がこっちに来ていた。

 

「ヲ級1 ヘ級3 ツ級3 ですか・・」

 

 ヲ級が、頭の所にある口の用な物の中から艦載機を飛ばし霧島達の方に向かわすが

 

❬ダダダダダダダ❭

 

「!?」

 

 突如、霧島達の後ろからきた艦載機におとされてしまう。

 

「時間バッチリさすがです『副提督』」

 

 そう霧島は呟く。

 そして霧島達の数十メートル後ろには

 

「いくよ翔鶴姉!」

 

「ええ!!」

 

 彼女達は、『翔鶴』と『瑞鶴』で翔鶴型航空母艦の1番艦と2番艦である。そして彼女達を護衛する用に

 

「お姉ちゃんが向かえにきたぞー」

 

 彼女は白露型駆逐艦1番艦『白露』元気いっぱいで一番が好き。

 

「よかった。姉さん達大丈夫そう」

 

 霧島達の心配をする少女は白露型駆逐艦5番艦『春雨』麻婆春雨を作るのが好き。

 

「頑張るのです」

 

 もはや小学生に見える彼女は暁型駆逐艦4番艦『電』とてもおっとりしている。

 

「私は一人前のレディなんだから!」

 

 どこか場違いなことを言っている彼女は暁型駆逐艦1番艦『暁』である。

 

❬バヒュゥゥン❭

 

 翔鶴と瑞鶴が、それぞれ深海棲艦へ向けて矢を放つ数メートル飛んだ矢は、突然火がつき航空機に変わった。

 

「クッ!?カンムスメェ!ヤレェ!!!!」

 

 ヲ級の合図でヘ級、ツ級が砲撃を開始するが

 

「遅いっぽい!!」

 

 すでに接近していた夕立に近距離で撃たれる。

 

「グッ!?」

 

 すぐ撃とうとするが、そこにもう夕立はいなかった。

 

(ドコニイッタ?)

 

(チッ、エンマクガジャマダ)

 

 そして、夕立が撃った砲弾で煙幕ができており前が見えなかった。そしてその隙を逃がす艦娘ではなかった。

 

「今だ!!!」

 

❬❬ドォォォオン❭❭

 

 榛名と霧島が同時に撃った砲撃で戦いは、終わった。

 

 

―帰路―

 

「夕立活躍したっぽい?」

 

「ええ、とても活躍してましたよ」

 

「ぽいー♪」

 

「全く、夕立はお子ちゃまね」

 

「夜戦ー」

 

 夕立、神通、暁、川内が話し合いながら帰っている、その光景はとても和やかである。

 

「ええ『副提督』作戦は無事達成しました、私も、他の艦娘も目立ったケガはありません」

 

 

―鎮守府―

 

 とても大きな部屋にその女性は、いた。その部屋は椅子と大きな机がありその机には、書類の束ができていた部屋の作りは、微かにレトロを感じさせるレンガ作りである。

 

「そお、よかったわ!じゃあきおつけて帰ってきてね」

 

 霧島の連絡を受け女性は安心の声を挙げた。

 

―海上―

 

「はい!後15分ほどで帰投しま―「ちょっとー」ん?」

 

 霧島が『副提督』へ返信しようとした瞬間、村雨がある方向を指差しみんなに呼び掛けた。

 

「あれって、人じゃないかな?」

 

「「「「「「「「「「「えっ!?」」」」」」」」」」

 

 村雨の『人』という言葉に霧島、榛名、川内、神通、夕立、翔鶴、瑞鶴、白露、春雨、電、暁全員が反応する

試しに近づいていった。

 

「なっ!!??」

 

「これは!?」

 

 そこにいたのは、なんと血だらけで倒れている16才ほどの少年だった。

 

「なっなにが―「瑞鶴!足もって!私は腕の方を持つから!」えっ!?」

 

 みんなが混乱している中1番早く状況を理解し行動したのは、翔鶴だった。そして次に行動が早かったのは、霧島だった。

 

「『副提督』!大変です重症者を発見しました!身体中キズだらけで血もいっぱいでています!」

 

 

―鎮守府―

 

「いきなりどうしたの?大破した艦娘でもいたの?―「いいえ!人間です!16才位の少年です!」―!?」

 

(どうゆうこと?なんで少年が海上で見つかるの?しかも重症で!)

 

「わかったわ、ひとまず鎮守府につれてきて!」

 

 そう霧島に命令し、女性は急いで部屋を出る、そして女性は工房にいき。

 

「明石ーいるー」

 

 と声をかける。

 すると工房の奥から

 

「はいはい?どうしましたー」

 

 と、ピンク髪の少女が出てきた、彼女の名前は『明石』工作艦で物作りが得意で、医療の知識も少しある。

 

「今、出撃した子達がケガ人見つけたって、しかもけっこうひどい感じらしいから薬草と、手術の準備して」

 

「えー⁉大変じゃないですか!!すぐにしてきます!」

 

「あら?『副提督』どうしたんですか?」

 

「!鳳翔さん!ちょうど良かった!」

 

 どたばたしていると、和服に身を包んだ黒髪の女性『鳳翔』がきた彼女も、艦娘で軽空母であるがあまり戦場には、立たず、この鎮守府では居酒屋をやっている。

 そして女性から話しを聞いた鳳翔もすぐ手伝ってくれた。それから約15分後艦隊が帰投し、少年をつれてきた、少年はタンカーで運ばれ手術室へつれていかれた。

 

「大丈夫でしょうか?あの少年」

 

「わからないわ、でも今は『副提督』をしんじるしかないわね」

 

「ん?なんかあったの?」

 

「!『提督』!」

 

「よっ!お帰り」

 

「ただいまーじゃなくて!!海上で大怪我している人を運んできて大変だったんですよ!」

 

「えっ‼大変じゃんその人どうしたの?」

 

「『副提督』が治療するって言ってつれていきました」

 

「そうなの?なら安心だなー」

 

「いや、まぁそうですけど」

 

「じゃ!俺鶏見てくるから」

 

 そういって、その男『提督』は、鶏小屋に向かった。

 

「『提督』って本当に『副提督』を信じてるんですねー」

 

「でも、ちょっと頼りすぎなきがするわね」

 

「あら、私はヒモでもいいと思うわよ♥」

 

「だれもそんなこと言ってないわよ」

 

 

―手術室―

 

 

 手術服に着替えた『副提督』と明石が手術道具を使って少年を介抱していく。

 

「服切るわよー」

 

 慣れた手つきで服を切っていく、完全に切り終わりキズの度合いをみようとするが、それは想像を絶する物だった。

 

「うそ・・・」

 

「・・・・・」

 

「これって、深海棲艦の攻撃のキズじゃないですよね」

 

「ええ、これは全く違う物よ」

 

 そう、運んできた少年のケガは無数の銃弾による銃痕、生々しすぎる切り傷だったのだ。艦娘と深海棲艦が戦いを始めて6年こんなキズを負った艦娘も人間も見たことがなかった。

 

「気にしていてもしょうがないわ、身体の中にある銃弾を全部抜くわよ」

 

「は、はい」

 

 そして二人は、ピンセットで丁寧に銃弾を抜けていった。

 

―数分後―

 

「これで全部ですかね?」

 

 明石は、台に乗せた数百発の銃弾を見て呟く。

 

(こんな数の銃弾いったい何処で・・それだけじゃないこの少年も貧死とはいえ生きているなんて・・・)

 

「・・・・」

 

「!『副提督』?」

 

 明石は、さっきから黙りこくっている『副提督』に言葉を投げ掛けた。

 

「・・・明石今からとても変な質問をするかも知れないけど良い?」

 

「何ですか?」

 

「この少年の身体、ここに運ばれた時より綺麗になってない?」

 

「えっ?」

 

 たしかに変な質問だ、明石はそう思ったが。少年の身体を見てその質問を理解した。そう、綺麗になっていたのだ、まだ銃弾を抜いただけなのに。

 

「これは?」

 

「明石も気がついたようね」

 

「はい・・しかし、私もなにがなんだか?」

 

「そう、じゃあ気にしていてもしょうがないわ、手術を続けましょう」

 

そして、2時間後手術は終了した。

 

―次の日―

 

「ハッ!?」

 

 驚きの声と共に少年は目覚めた、彼の名前は『千翼』ついさっきまで二人の異形と戦っていた少年である。そして『千翼』も、もちろん異形なのだが今は彼については伏せておこう。

 

(ここ、どこだ?)

 

 目覚めてすぐに『千翼』は、自分の置かれた状況を分析する。

 

(これは、包帯?治療されたのか?)

 

(そして、ベッドに寝かされていた?拘束させてないから4Cじゃないのか?)

 

(ただ少なくとも何かの施設だ)

 

(・・いや、違う何で俺はこんな所にいるんだ?)

 

(俺は、あの時『水澤悠』と父さんに殺されて)

 

「おー?」

 

「えっ」

 

 考えに浸っていた千翼だが、声がしたのでそこを見ると5才位の男の子がいた。

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

 数秒の沈黙の後、少年は走って何処かへ行ってしまった。

 そしてすぐに千翼のいる部屋へ一人の女性が入ってきたが

 

「ッ!!?!?」

 

 千翼はその女性を見て絶句してしまう。

 

(な、なんでこの人が!!!?!?)

 

 女性は、千翼の全身を軽く見た後、右手の指を3本立て左手の指を2本立てた後に

 

「はい、何本に見える?」

 

「・・はっ、えっと」

 

「ん?」

 

「ご、5本・・・です」

 

「よし!ちゃんと目は、見えているわね!」

 

 と、言ってボードに何かを書き始める。そんな中千翼は、内心動揺していた。

 

(どっ、どうしてなんで!?この人は俺が―)

 

女性はさらに質問を千翼に投げ掛ける

 

「君、名前は?」

 

「えっ?」

 

「名前は?」

 

「えっと、千翼・・・です」

 

「えっ」

 

「!・・どうかしました?」

 

「あっ、いやごめんなさい実は」

 

「お兄ちゃんの名前『ちひろ』って言うの?」

 

「えっ、あっそうだよ」

 

「僕とおんなじ名前だー」

 

と、言ってにこりとわらう『ちひろ』

 

「ふふ、息子と名前が同じだから驚いちゃった、ごめんなさい」

 

自然と千翼の心臓の鼓動が早くなる。

 

「あ、あの」

 

「んっ?」

 

「貴方の名前は?」

 

 千翼は恐る恐る質問する

 

「ああ、私の名前―

 

 目の前にいる

 

―私の名前は―

 

 自分を育て 自分が食べた

 

―七羽、七羽よ。よろしく千翼」

 

 母親そっくりの女性の名前を聞いた。

 

「!!!?!??!??!!!」

 

 千翼は、さらに動揺する『七羽』という名前に。それもそうだろう、自分が食べた母親そっくりなだけでなく名前まで同じなのだ、驚くなという方が難しい。

 

「!どうしたの、大丈夫?」

 

「!」

 

 七羽が千翼の異常に気付き手を伸ばすが

 

「俺に触れるな!!!」

 

「!?」

 

千翼がそれを拒む。

 

「ッ!」

 

「・・・」

 

 気まずい空気が流れるが、そこへ

 

「あら『副提督』、少年もう目覚めたの?」

 

「?」

 

「村雨!」

 

 茶髪で、サイドテールをしている女の子『村雨』がきた。

 

「あんたは?」

 

「お、紹介が遅れたね少年、私は村雨ちゃんだよー」

 

「彼女が、貴方をここに運んでくれたのよ」

 

「びっくりしたわよー、海上に血だらけで倒れていたから」

 

「・・・・」

 

 村雨が話している中、千翼は別の事を考えていた。

 

(この村雨って子『人間じゃない!』)

 

 そう、千翼の並外れた感覚は村雨が人間じゃない事に瞬時にきずいたのだ。しかし、千翼が考えていたのはそこじゃなかった。

 

(たしかに『人間じゃない』けど『アマゾン』でもない)

 

(何なんだ彼女は?それに彼女だけじゃないさっきは気付かなかったけど)

 

(この施設にいるほとんどの奴が『人間じゃない』いったいここは何処なんだ⁉)

 

 七羽という母親そっくりの女性だけでも困惑したのに、村雨の登場で千翼はさらに困惑し、頭を抱える。しかしこの時千翼は知らなかった、これから更に自分の置かれた状況に困惑する人物がくることを千翼は、知るよしもなかった。

 

「んっ、少年目覚めたのかい?」

 

「!?」

 

(この声は!?!?)

 

 その男は、ゆっくりと部屋に入ってきた

 

(なんで、なんでなんでなんで)

 

 その男は白い軍服に身を包み前髪が一部金髪になっている黒髪だった。そして千翼はこの男を知っていた、忘れるはずがなかった

 

「あっ『提督』!」

 

(この人は!?)

 

「第57鎮守府『提督』の『鷹山 仁』だ、よろしく」

 

自分を殺した父親なのだから

 

 




どうも、こんな駄文で申し訳ないですが、
楽しんでいただけたなら、感想等かいてくれたらうれしいです。
投稿ペースですが、不定期で、目標は、週に1回を目指します。
では、第2話お楽しみに

追記
さっそく、少し修正しました。


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別世界

第2話です。
楽しんでください!
追記:編集しました


「第57鎮守府『提督』の『鷹山 仁』だ、よろしく」

 

 千翼は、動揺していた。七羽さんの事も、村雨の事も、一瞬忘れてしまうくらい、動揺した。

 

「で、こいつの名前は?」

 

「千翼、らしいわよ」

 

「!へぇ」

 

「パパー」

 

「おー『ちひろ』ー高い高い」

 

「キャハハハ」

 

「提督ー私もー♥」

 

「よし!こい!」

 

「いくぞー「村雨ー」あっ」

 

 村雨が提督に飛び付こうとするが、外で名前を呼ばれる。

 

「時雨がお呼び立てだぞ」

 

「残念、じゃまた今度ねー提督」

 

 そう言って部屋を出ようとするがドアの前で立ち止まる。そして千翼に向かって

 

「君もお大事に♥」

 

 と、言った後投げキッスをして出ていった。

 しかし不運にも千翼は、そんな事に気付いていなかった、何故ならずっと『鷹山 仁』を見ていたから。そして考えていたから

 

(と、父さんだ、だけど違う!)

 

 そう、千翼の知っている『鷹山 仁』は、もっとボロボロで、なにがなんでも自分を殺そうとする『鷹山 仁』だったが、いま目の前にいる『鷹山 仁』は、正直似合ってはいないもの綺麗な軍服をきて自分の子供をあやす、まさに『人間の父親』をしていたから。そしてそれ以上に違う事があった

 

(『アマゾン』じゃない!!)

 

 そう、『アマゾン』じゃなかった。

 

(間違いない、完璧な人間だ!)

 

(つまり、この人は父さんじゃない別人!)

 

 自分の知っている『鷹山 仁』じゃなく別の『鷹山 仁』という事実がさらに、千翼を困惑させる。

 

(わからない、何なんだここは?)

 

「おい」

 

「!?」

 

 千翼が考えていると仁が声を掛けてくる。

 

「お前、なんで海上なんかに倒れていんだ?」

 

 仁が話そうと千翼に近づく、が

 

「ッ!!?!」

 

「!」

 

 仁が足を止める、何故なら千翼が仁に向かってとてつもない敵意を見せているのである。しかし仁には、千翼に敵意を向けられる理由が解らなかった。

 

「おい、どうした?そんなに睨むなよ」

 

「別にとって食ったりしないから」

 

「!?」

 

 さらに、千翼に敵意を向けられる。

 

「んー、俺君に何かしたっけ?」

 

 と、睨まれる理由が解らない仁が問いかけるが

 

「・・・」

 

 千翼は、答えなかった。否答えられなかった。なぜなら

 

(か、身体が、勝手に)

 

 そう、千翼の身体が仁を前にしたとたん、勝手に敵意を出しているのだ。それは、千翼の中にある防衛本能だった。

 

「・・・・」

 

「わかったよ」

 

「なんか俺、嫌われてるみたいだし七羽さん後お願いできる?」

 

「任せて」

 

「さっすが!」

 

と言って仁は、七羽の頬にキスをして出ていった。

 

「ママーお腹すいたー」

 

「『ちひろ』ちゃーん一緒にご飯たべまショウ!!」

 

「金剛お姉ちゃん!」

 

「ほら、行ってらっしゃい」

 

「うん!」

 

 と言ってちひろも出ていった。

 そして部屋には、七羽と千翼だけが残った。

 

「さて、千翼くん」

 

「は、はい」

 

「率直に聞くわ、なんで海上に血だらけで倒れていたの?」

 

「それは・・・わかりません」

 

「はぁ?」

 

 七羽が驚きの声を挙げる。当たり前だあんなケガをして海上に倒れてたのに「解らない」と答えられたら誰だって驚く。

 

「はぁ、じゃあ何処であんなケガしたの?」

 

「あ・・えっと銃痕は、4Cに・・・・」

 

「4Cって、何?」

 

「えっ?」

 

 かえってきた答えに千翼は、驚いた

 

「4Cを、知らない?」

 

「知らないわよ、そんなの?」

 

「!?」

 

 千翼は、驚いた4Cは、民間にも知られている組織なはずなのに、かえってきた「知らない」という答え。

 

「特定有害生物対策センター英語にするとCompetitive Creatures Control Center略して4C本当に知らないですか?」

 

「知らないわねー?」

 

「なっ!?」

 

(もしかして)

 

「あの、一ついいですか?」

 

「ん?何?」

 

「『アマゾン』って、知ってますか?」

 

「『アマゾン』?何それ?」

 

「!?」

 

(『アマゾン』を知らない!?)

 

 その事実は、千翼を激しく困惑させた。

 

(あ、頭がパンクしそうだ、母さんそっくりで名前も同じ女の人がいて、『アマゾン』でもないけど『人間じゃない』人達がいて、父さんそっくりで名前が同じ男がいる、そして民間に『アマゾン』が知られてない、何なんだここは!?!?)

 

 頭を抱える千翼、何がなんだか解らない七羽はそれを見るしかできなかった。

 

―工房―

 

 そこにピンク髪の少女明石は、いた。

 

「言われたからには、やるけど大丈夫かなー犯罪じゃないよねこれ?」

 

―千翼が目覚める前―

 

「あんな大手術始めてしたなー」

 

(にしても、本当に何なんだろうなあの少年)

 

なんて考えていると

 

「明石!」

 

「あ!副提督どうかしました?」

 

「貴方にやってほしい事があるわ」

 

そう言って七羽は、一つのバックを明石の前に出した

 

「これは?」

 

「さっき手術した少年の持ってたものよ」

 

「えっ?」

 

 なんで七羽が自分にこんなものを持ってきたか、明石はある程度察したが念のため何故かを、七羽に聞いてみた。

 

「あのーなんで、これをわたしに?」

 

「中にある物を調べなさい」

 

 七羽は、キッパリと言う。

 

「え、あのそれ大丈夫なんですか?犯罪なったりしませんよね?」

 

「大丈夫よ、私が許可するから、あんな怪しい相手調べないほうがバカよ」

 

「は、はぁそうですか」

 

―回想終了―

 

「まぁ、いっかさて中身は何かなー」

 

 調べると決めたとたんに明石の顔が変わる、その顔はまさしく新しいおもちゃに目を輝かせる子供のようだった。

 

「お?なんだこれベルト?」

 

 中身は、一つのベルトと、黄色の液体が入っている注射器のような物の二つだった。

 そして、明石の工作艦としての感が(このベルトを分解しろ)とささやいていた。

 

「これは当たりだったかも」

 

 と、分解しようとするがある異常がおきた。

 

❬ガシャン❭

 

「え?何?何?」

 

 明石がふりむくと、明石は何もさわっていないのに勝手に建造がおこなわれていた。

 

「な、なんで建造されてんの!?私なにもさわっていないのに!?」

 

 急いでキャンセルしようとするが、すでに建造されたあとだった。

 

「なにこれ・・・」

 

 出てきた建造物は、バイクだった。

 赤いボディをしており目のようなデザインのライトが独特だった。

 明石は、急いで原因の究明にあたる。

 

「これは、建造物を決めるコンピューターが、バグっているわねデザインは、適当に決めたようね、はぁ大本営に修理の書類出さなきゃ」

 

 

 

 

―鎮守府近海―

 

 

 

 深い海の底に彼女達は、いた

 

「オノレ、カンムスメマタワレワレノジャマヲシテ」

 

 艦娘の愚痴を言っている彼女は、重巡ネ級彼女もまたこの近海の制海権を奪うためきたのだ。

 

「コンドコソ――ン?」

 

 今度こそ艦娘を倒すと宣言しようとするが、海上の方から流れてきた謎の血が気になり言えなかった。

 

「ナンノチダ?」

 

 ネ級は、不思議に思いその血を少し『吸い込んだ』

 

「ン?ニンゲンノチカ?イヤ、スコシチガウ・・・」

 

 ネ級は、何の血か考えるが

 

「マァ、イイダロウ」

 

 そう言って何処かへいってしまった。

 

 

―病室―

 

「わかった?千翼くん」

 

 千翼は、七羽に艦娘そして深海棲艦についてはなしを聞かされた。その内容を聞いた千翼は只でさえパンクしそうだった頭が一度パンクしたが、何とか理解した。

 

(ひとまず分かった事は、ここには『アマゾン』がいなくて代わりと言ってはなんだけど深海棲艦がいる、そしてその深海棲艦を倒すためさっきの村雨ちゃんやほかの艦娘がいる、そしてここは深海棲艦と艦娘が戦う最前線の場所にある鎮守府という事か)

 

 ある程度の事情を把握した千翼だが、まだ最大の謎があった。それは

 

(なんで俺は、ここにいるのか!?)

 

 また千翼が頭を抱える

 

「もしかして・・」

 

「何かわかるんですか!」

 

「いや、その・・前に、艦娘の一人が異世界転生物の本をよんでたのよ。で、今の千翼君の状況がその本と似通っているのよね」

 

「?異世界転生ってなんですか?」

 

「まぁ簡単に言えば、今千翼君がいるこの場所は、別世界の可能性があるの」

 

「そんな事が!?」

 

「あくまで可能性ってだけよ、深海棲艦なんて化け物がいるんだから、異世界転生位ありそうだしね」

 

「・・・・・」

 

(別の世界、なんで俺が)

 

「じゃ、聞きたい事は聞いたから、後は自分で調べてね」

 

「あ、図書館はここを出て左側よ」

 

そう言い残し七羽は、出ていった

 

 

―工房―

 

 

 千翼の病室を出てすぐに七羽は、工房に向かった理由は明石に頼んだ、千翼の持ってた物の調査結果を聞く為だ。

 

「明石ー頼んでた物終わったー」

 

「ゲッ!副提督だ」

 

 七羽が質問し、明石のあからさまな返事が帰ってくる。

 

(まさかあの子、変なことしてないわよね)

 

「あっあ、副提督何のご用で」

 

「頼んだ事ちゃんとした?」

 

「あー、あれのかいぞ―ゴホンゴホン―調査はちゃんとしてますよ」

 

「今、絶対改造っていったよね」

 

「イッテマセンヨ」

 

「はぁ、貴方一度機械をいじると止まらなくなる癖があるからね、それで結果はどう?」

 

「あ、はい。結果から言うとあんな物見たことありません、使っているパーツなどは何を使って要るかわかったんですが、使用目的がいまいちわかりませんでした」

 

「そう、それでどんな改造をしたの?」

 

「はい!艦娘の使う艦装と同じような力を出せるように」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

「口が滑ったー!!!!」

 

「明石、私が許可したのは調査です。改造ではありませんよ」

 

「うぅ、つい見た事がない物だったから火がついちゃって」

 

「はぁ全く貴方って子は」

 

(にしても使用目的がいまいちわからない物、か)

 

(『アマゾン』・・・ね)

 

 

―次の日―

 

 

「図書館って確か」

 

 千翼は、今図書館に向かう為、鎮守府の廊下を歩いていた。

 

(今は、この場所や、現状を詳しく知る必要がある)

 

 そう、千翼はより鎮守府そして深海棲艦を知る為に図書館へ、向かっているのだ。

 

(それはそうとして・・)

 

「あの、何か用ですか?」

 

 千翼は、自分の斜め左後ろの柱に言葉を投げ掛ける、すると

 

「この私達の、尾行に気づくとはやりますね」

 

 柱から、ショートヘアーでメガネを掛けている女性と、その女性と、対象にロングヘアーの女性の二人が出てきた。

 

「貴方達は?」

 

「よくぞ聞きました!!」

 

「金剛型4番艦、艦隊の頭脳霧島!!!」

 

「同じく金剛型の3番艦、榛名です!!」

 

❬バァァァァアン❭

 

「えっ?」

 

 二人のテンションについていけず困惑する千翼。

 

「にしても元気になったみたいで良かったです」

 

「え、あ、ありがと」

 

「いえいえ」

 

「でも本当に元気そうですね。私の見立てでは、あと2日は病室から出られないと思っていたのですが」

 

「ま、良いじゃない霧島の計算もたまには外れるってことで」

 

「そうですね」

 

「あ!そういえばお名前聞いてませんでした!」

 

「えっ?」

 

「確かに、名前なんて言うんですか?」

 

「あ・・千翼です」

 

「よろしくお願いします!千翼さん!」

 

「何か困った事があったら何でも言ってください。力になりますから」

 

「うん、ありがとう霧島、榛名」

 

 と、千翼は二人と握手をし、二人と別れた。

 

(なるほど、村雨のように中学生位の子と、霧島と、榛名みたいな人も居るのか)

 

❬ドンッ❭

 

「ワッ」

 

「とっ、大丈・・夫」

 

 千翼は、ぶつかったどう見ても小学生に見える少女を見て言葉を失う。

 

(この子、艦娘だ!)

 

(いや、どう見ても小学生だ)

 

 千翼は、思ったこんな子供まで戦いに出るとは、艦娘をよく知らない千翼は、その事実に驚愕した。

 

「こらー、電、前をよくみなさいよー」

 

「はわわ、ごめんなさいなのです」

 

「え・・あ、大丈夫だよ」

 

「あら、あなたは」

 

「え、俺を知ってるの」

 

「はわわ、いっぱいケガしてた人なのです」

 

「ハラショー」

 

「えっと君達は?」

 

「私は、暁よ一人前のレディよ!」

 

「私は、響だよ。よろしく」

 

「私は、雷よ!かみなりじゃないわ!」

 

「どうも、電です。よろしくなのです」

 

「よろしく、俺は千翼」

 

「「「「よろしく~」」」」

 

 千翼は、四人と握手をする。

 

「じゃ」

 

 別れのあいさつをして図書館へ行こうとするが、

 

「ちょっと待った!!」

 

 千翼を雷が静止する。

 

「私が鎮守府を案内してあげるわ!!」

 

「えっ?」

 

 そして、半ば強引に千翼は、鎮守府を回った。

 

 

―鎮守府近海海上―

 

「ミテイロ、イマジゴクヘオクッテヤル」

 

 海上を滑る複数の影、その先端を重巡ネ級

 

「ウッ!」

 

(マタダキブンガワルイ、シカシコンナコトデヒイテタマルカ)

 

 この時ネ級は、気づかなかった自分の身体に『青黒い血管』が浮かんでいたことに・・・

 

 

 




第2話お仕舞いです。
この千翼毎回困惑してんな
ついに次回戦闘回です。お楽しみに!


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アマゾンとアマゾンネオ

戦闘を書くのって難しい。
というのは、置いて第3話楽しんでください!!



 暁、響、雷、電に半ば強引に鎮守府内をつれ回されて数時間後、千翼は鎮守府の廊下をさ迷っていた。

 

(はぁ彼女達に構ったお陰で時間を消費してしまった)

 

(まぁ鎮守府内の事は大体分かったけど)

 

 そう思い鎮守府にあった様々な場所の事を思い出す。

 

(教室、工房、居酒屋、etc ・ ・ )

 

(何でもあるんだなここ)

 

 と千翼は感心していたが、千翼は別の事を思っていた。

 

(・・・みんな楽しそうだった)

 

 千翼の見た艦娘はみんな幸せそうにしていたのだ。それがとても羨ましかった、そして千翼は思い出す。

 

(・・・)

 

(「君は非常に危険なアマゾンだ!!」)

 

(「ターゲット確認」)

 

(「千翼・・お前を殺しにきた」)

 

(どうして・・俺だけ)

 

(・・・・しょうがなかったのかな?)

 

❬ドンッ!❭

 

 そんな事を考えていると人とぶつかってしまった

 

「おっと、すまんって千翼じゃないか」

 

「えっ?」

 

 名前を呼ばれたので、顔を上げると

 

「よっ!大丈夫か?」

 

ここの鎮守府の提督『鷹山 仁』がいた

 

「ッ!?」❬バッ❭

 

「おいおい、だから大丈夫だって」

 

「ハッ!」

 

 千翼は、自分が無意識の内に戦闘体制を取った事に気づく。

 

(落ち着け、この人は父さんじゃない別人なんだ、落ち着け)

 

「ハァ、フゥ」

 

 と自分の気持ちを落ち着かせる千翼。

 

「す、すいません」

 

「いいよ別に、あ!じゃあお詫びとしてちょっとついてきてくれる?」

 

「え、あ、はい・・えっと」

 

「どうした?」

 

「名前なんて呼べば?」

 

「ああ、仁で良いさ」

 

「・・じゃあ仁さんで」

 

「おう!」

 

 そして千翼が仁に付いていくと鶏小屋に着いた。

 鶏小屋に着くと仁は棚に置いてあったエサを慣れた手つきでまいた。

 

「ほれ~エサだぞ~」

 

「ほれ、千翼お前はあの小屋の中にある卵取ってこい」

 

「はい!」

 

 そして千翼は、身を屈め小屋の中の卵を拾う

 

「仁さん!集めましたー」

 

「よし!OKだ!」

 

 そう言った後仁は、一匹の鶏を持った後残りの鶏を小屋に入れた。

 

「よし!行くか!」

 

「あの」

 

何処かへ行こうとする仁を千翼が止める。

 

「その鶏は小屋に入れないんですか?」

 

「えっ?いれないよ食用だもん」

 

「!?」

 

 そう千翼は、さっきまで鶏達はペットだと思っていたのだ。だからこそ一匹だけ小屋に入れない事を疑問におもったのである。

 

「な、何でわざわざ食用を飼っているんですか?」

 

「ああ、俺は元々自分で殺した物しか食わないんだ」

 

「!」

 

 その言葉に、千翼の中の防衛本能が警戒音を出すが、千翼はそれを押さえる。

 

(落ち着け、落ち着け、この人は父さんじゃない別人だ別人なんだ!)

 

「じゃ、行こうか」

 

「は、はい」

 

しばらく歩くと食糧庫に着いた。

 

「鳳翔さ~ん!いる~」

 

「はーい」

 

 仁が鳳翔と言う名前を呼ぶと奥から、黒髪で和風を着た女性鳳翔がいた。

 

「食材もってきたよー」

 

「ふふ、そうですか。ではこちらに―!あなたは!」

 

「えっ?」

 

 鳳翔は千翼に気づくやいなや

 

「貴方運ばれてきた子ですよね?もう動いて大丈夫なんですか?」

 

「あ、はい。心配ありがとうございます俺はこの通り元気です」

 

「そう。良かったわ」

 

 と安心した用に微笑んだ。

 

「卵は入って右の冷蔵庫の中にお願い」

 

「はい」

 

 鳳翔から卵の保存場所を聞き、直しに行く千翼

 

「じゃ、俺こいつ捌いてくるから」

 

 といって仁は奥の部屋に入っていく

 千翼が卵を直しに終わると、鳳翔が話かけてきた。

 

「すいません」

 

「はい、なんですか」

 

「いえ、そういえばお名前を聞いていなかったなと思い」

 

「あ、名前か、千翼です。よろしくお願いします」

 

「千翼さんですか!私は鳳翔です。こちらこそよろしくお願いします」

 

 そう言って二人は、握手をかわす。すると

 

「あ!そうだ!千翼さん私居酒屋しているんです。丁度お昼ですので、何か食べて行きませんか?」

 

「!?」

 

(ご飯・・)

 

 鳳翔からお昼のお誘いをされるが

 

「い・・・いや、ご遠慮します」

 

 千翼はそれを断る。

 

「あら、そうですか残念です。」

 

「すいません、失礼します」

 

 といった後千翼は、はや歩きで食糧庫を去っていった

 

 

―指令室―

 

 

「それは本当の情報ね、大淀」

 

「はい!間違いありません副提督」

 

 指令室そこは鎮守府全ての指揮系統を操作、そして鎮守府に近づく敵を察知も出来る場所である。そこで副提督七羽と、大淀型軽巡洋艦一番艦『大淀』はいた。

 

「深海棲艦が、攻めてきたか」

 

「大淀!数は?」

 

「確認できるだけでも16は、います!」

 

「それは、また大所帯で」

 

 七羽が愚痴を言うが、それと同時に素早い手つきで艦隊の編成を書いていく。

 

「よし、艦隊の編成は作ったわ。大淀、急いで館内放送をして」

 

「了解!」

 

❬緊急放送、緊急放送、只今、鎮守府に多数の深海棲艦が接近中、艦娘の皆さんは戦闘準備をしてください❭

 

「!深海棲艦が攻めてきた!?」

 

 放送を聞き、千翼が驚いていると

 

「千翼さん!!」

 

「!霧島さん、榛名さん!」

 

 戦闘準備の為、ドッグに向かう途中の霧島、榛名が千翼に声をかけてきた。

 

「千翼さんは、何処かの部屋に隠れていてください」

 

「え?あ、はい」

 

「では、私達はここで」

 

 と言って、二人はドッグへ走っていった。

 

 

―ドッグ内―

 

 

❬それじゃあ、艦隊編成を言うわよ❭

 

 七羽の放送で、艦隊の編成が発表される。

 

❬まず一番に深海棲艦を向かえ撃つ、第1時攻撃隊、金剛、比叡、熊野、鈴谷、時雨、吹雪、の六人。つぎに第2攻撃隊、赤城、加賀、那智、足柄、睦月、暁の六人よ。その他の艦娘も、もしもの時に備えて艦装を装備したまま待機していてね❭

 

「「「「はい!!」」」」」

 

❬それじゃあ、第1時攻撃隊出撃!!!❭

 

 

―何処かの部屋の前―

 

 

(この部屋ので良いか)

 

 千翼は、霧島、榛名、に言われた用に近くの適当な部屋に隠れようとしていたのだ。

 

❬ガチャ❭

 

「おー」

 

「えっ?」

 

 しかし、そこにはすでに先客がいた、ちひろである。

 

「あ!千翼お兄ちゃんだー」

 

「あ、久しぶり」

 

「久しぶり~」

 

(・・・何だ、この気持ち?)

 

千翼は、ちひろと話しているととても奇妙な気持ちに襲われた。

 

(このちひろ、赤の他人に感じない、それどころか俺に近い物を感じる)

 

(・・・いや、それを言ったらあの二人もだ)

 

(仁さんと、七羽さん、他人には思えない。まるで本当の父さんと母さんみたいな)

 

(何なんだ、この気持ちは?)

 

 

―鎮守府近海の海上―

 

 

❬ドゴォォォン❭

 

すでに戦闘は、始まっていた

 

「ファイヤー」

 

❬ドォォン!!!❭

 

「気合い、入れて、いきます!」

 

❬ドォォン!!!❭

 

「これでも」

 

「くらいなさい!」

 

❬ドォン!!❭

❬ドォン!!❭

 

「当たってください!」

 

❬ドン!❭

 

「当てる」

 

❬ガシャン ドドドドン❭

 

❬ギャアァアァァオォ❭

 

 金剛、比叡、熊野、鈴谷、吹雪、が主砲を、時雨が魚雷を撃つ。それぞれが、当たり深海棲艦を沈めていくが、

 

「やった!当たった!」

 

「!ブッキー危ない!!」

 

「えっ?・・キャア!?」

 

 油断している吹雪の後ろから、イ級が体当たりしてきた。

 

「ぐっ・・キャア!!?」

 

❬ドガァン❭

 

 イ級の体当たりで怯んだ吹雪をロ級が狙撃する。

 

「ブッキー!!」

 

 吹雪を助けようと金剛が動くが

 

❬ドォォン❭

 

「ッ!?」

 

「タスケニハ、イカサン」

 

 ネ級と数匹の深海棲艦が邪魔をする。

 

「ッあ!?」

 

 小破してしまい片足をつく吹雪に、体当たりをしてきたイ級が突っ込んでくる。

 

(しまっ―)

 

 イ級がゼロ距離から吹雪を撃とうとするが

 

❬ブォォン❭

 

❬ダダダダダダダダダダ❭

 

❬ギャアァアァァス❭

 

 一機の航空機がそれを拒む。

 

「!ゾウエンカ!?」

 

 航空機に気付いたネ級が航空機の来た方角を睨む。その先には

 

「第1時攻撃隊、お疲れさまでした」

 

「これから、第2時攻撃隊戦闘に参加します!!」

 

「ここは譲れません」

 

「さぁ、これに勝ってうまい酒を飲むぞ!」

 

「ふふ、これは駆逐艦に格の違いを見せる良いチャンスね」

 

「睦月ちゃん、がんばるにゃし~」

 

「私も一人前のレディよ!」

 

 赤城、加賀を先頭にする。第2時攻撃隊が来ていた

 

「グ!カンムスメェ」

 

「よそ見は、禁物ネー」

 

「シマッ―」

 

「ファイヤー!!」

 

❬ドォォン❭

 

「ガァ!・・グゥ!?」

 

 ネ級が一瞬金剛から目を離した隙に、金剛から砲撃され数メートルふっ飛んでしまう。しかしネ級は、怯まず戦況を確認する。

 

(マズイ、オサレテイル・・ワタシガマエニデテタタカワナクテハ)

 

❬ドクン❭

 

「グッ!?」

 

(マタ、キブンガワルク―)

 

 突然ネ級は、気分の悪さに襲われ足が止まる。

 そして赤城は、その隙を見逃さなかった。

 

❬ガキン!❭

 

「ナッ!?」

 

 気付いた時には、遅かった。すでに赤城の航空機が落とした爆弾が目の前にあった。

 

❬ドッゴォォオォォアアァン❭

 

こうして戦いは、終わった―

 

 

 

 

 

 

 

 

―『はずだった』

 

 

 

 

―海中―

 

 

(・・・シズンデ・・イク)

 

 ネ級は、航空機の爆撃により沈まされしまった。

 

(ワタシガ・・・シズム)

 

(シズンデ・・・クライトコロヘ)

 

(・・・・・イヤダナ・・私は―

 

 

❬ドクン❭

 

 

(マタ、キブンガワルク)

 

 

❬ドクン❭

 

 

(い、イヤ・・私ハ、ワタシハ!)

 

 

❬ドクン❭

 

 

(だ、だレか―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―タベタイ)

 

 

―海上―

 

「さすがね、赤城さん」

 

「いえいえ」

 

「赤城さん!助けてくださり。ありがとうございます!!」

 

「どういたしまして。次からは油断しちゃ駄目ですよ」

 

「本当デース、すごくヒヤヒヤしたネー」

 

「うう、すいません」

 

「ふふ」

 

 赤城、加賀、金剛、吹雪、が話している所を微笑みながら見つめる時雨、そんな彼女が一番にある『異変』に気がついた。

 

「!」

 

(あれ、赤城さんが爆撃した所に影みたいなのが)

 

「・・・」

 

「!時雨?どうしたの?」

 

 じっと一点だけをみている時雨を不思議に思い鈴谷が声をかける。すると

 

「!全員、戦闘体制!」

 

「!」

 

「赤城さんが爆撃した所に何かいる!!」

 

❬バッ!❭

 

 時雨の言葉を、聞いて全員一斉に戦闘体制を取る。

 

「!?」

 

「あれは!?」

 

 爆撃による煙幕が晴れると其処にいたのは、沈んだはずの重巡ネ級だった

 

(なっ!?確かに沈めた筈なのに)

 

「ゥゥゥ」

 

 うねり声をあげながらネ級が顔をあげる

 

「なっ!?」

 

「なにが?!」

 

 鈴谷と比叡がネ級の身体を見て驚きの声をあげる。

 なんと、ネ級の身体には全身に『青黒い血管』が浮かび上がっており、胸元を押さえ、身体を震わしていた。

そして

 

「アアアァァァァァァアァア」

 

❬ドジュゥゥゥ❭

 

 突然ネ級はさけびながら、すごい熱風と蒸気を発し始めた。

 

「なんですか!?なんですか!?」

 

 蒸気が納まるとそこにいたのは、重巡ネ級ではなく身体が異常にゴツゴツして、触覚があり、バッタのような足をした異形『バッタアマゾン』がいた。

 

 

―鎮守府内、千翼がいる部屋―

 

 

(!?)

 

(なっ!?なんで)

 

「?お兄ちゃん、どうしたの」

 

 もう何度目かわからないが千翼は動揺した。なぜなら感じたから分かったから千翼の持っている『アマゾンセンサー』は『バッタアマゾン』が現れた事を千翼に知らせた。

 

「ごめん!ちひろまた今度!」

 

 そう言って千翼は、走って部屋をでていった。

 

(どうして!?ここには居ない筈なのに!?)

 

(『アマゾン』の気配がするんだ!?)

 

 そう考えなが千翼は鎮守府内を疾走した。

 

 

―鎮守府内の庭―

 

 

「はぁー」

 

 勝手に建造されたバイクの上に、改造したベルトを入れた袋を乗せながら。少女、明石は考えていた。

 

(ベルトの方は、改造しちゃったけど本人に渡すとして。バイクはどうしよう解体しようかなー)

 

と、そこへ

 

「ええ!?」

 

「ん?」

 

 さっき部屋を出た千翼が走って来た。

 

「あれ?君もう外に―「何でこれがあるんだ!?」ん?」

 

 明石が千翼に声をかけるが、千翼はそれをガン無視してベルトの入った袋と、赤いバイク『ジャングレイダー』を触る。

 

「これがあれば何とかなる!」

 

 そう言って千翼は、ジャングレイダーに乗る。

 

「ちょ!?勝手に運転しちゃ―」

 

❬ブオン!!❭

 

 明石の言葉も、聞かず千翼はジャングレイダーで走り出した。

 

「私って影薄いのかな?」

 

 千翼は、ジャングレイダーで走りながら『アマゾン』のいる正確な位置を探していた。

 

(場所は・・・・!?)

 

 千翼は場所がわかり驚愕し、ジャングレイダーを止めてしまう。

 

(な、なんで?!)

 

(海だ!海の上にいる!!)

 

(どうする?海の上じゃ僕はどうする事も―)

 

「ぜぇ、はぁ、ま、まった」

 

「!」

 

 千翼がどうするか考えていると、ジャングレイダーに追い付いた明石が声をかけてきた。

 

「あなたは?」

 

「ぜぇ、ぜぇ、あ、明石・・・です」

 

「何の用ですか、すいませんが俺は急いでるんで」

 

「まぁ待って、何を急いでいるか分かりませんが用は海を渡りたいんですよね」

 

「!何か方法があるんですか!?」

 

「方法も何も、そのままいけば良いんですよ」

 

「はぁ?」

 

「そのバイクは、艦娘を造る機械から出来たんです。だから艦娘と同じく海の上を走れるんです。実際にわたしも乗りましたから大丈夫ですよ」

 

「そうなんですか!教えてくれてありがとうございます!では」

 

「ああ後ベルトも艦娘と同じ力をだせるように改造してるからねー」

 

「!ベルトを改造した!?艦娘と同じ力って」

 

 ベルトを改造その言葉に千翼は少し動揺するが、あまり気にせずにバイクを走らせた。

 

 

 

―海上―

 

 

 

[ゥゥゥゥ]

 

 唸り声と共にバッタアマゾンは、足に力を込める。そして

 

[ガァ!]

 

「!?」

 

 勢い良く加賀目掛けて飛び出す

 

(よけれな―)

 

「加賀さん危ない!!!」

 

❬どん!❭

 

 赤城が加賀を押し飛ばす。

 

「ぐぅ!?」

 

「赤城さん!」

 

 加賀を赤城が押し飛ばしたことで、赤城がバッタアマゾンに捕まってしまう。

 

(ぐっ!力が強くて抜け出せない!)

 

[グルル]

 

 そしてバッタアマゾンは、思い切り赤城に『食いついた』

 

「キャアアア!!!?!?」

 

「うそ・・」

 

「赤城さんを・・・食べている」

 

 そこにいる艦娘は、その異常な光景を目の当たりにし動けなかった。

 

「ああああああああああ!!!!?!!!?」

 

「ッ!?」

 

 赤城の絶叫により我にかえる

 

「赤城さんから離れて!!!」

 

 加賀が航空機を飛ばして攻撃しようとするが、直前でやめてしった。なぜなら

 

(だめ、あのまま攻撃をすると赤城さんにも被害がおよぶ!)

 

 そう今の状況は、赤城にバッタアマゾンが覆い被さっている状態だった。そんな状態で攻撃をしたら赤城に被害がでるのは目に見えていた。

 

「ああああッ、ガハッ」

 

「赤城さん!!」

 

 赤城が血吐を吐く、そして

 

「か、加賀・・・さん私ごとやって・・・ください」

 

「赤城さん!」

 

「早く・ガハッ」

 

 赤城からの自分ごと撃てという言葉、しかし

 

(ぐ・・・できない・・)

 

 加賀はできなかった。それはここにいる全員がそうだった。

 

(ま・・不味いこのままじゃ・・みんな)

 

 赤城は襲いくる激痛に耐えながら考えていた。

 

(何とか・・しな―)

 

❬ゴリィ❭

 

「ガアァ」

 

「赤城さん!」

 

 吹雪が涙目になりながら、赤城を呼ぶ。瞬間

 

❬ブオン!!!❭

 

 吹雪の横を赤いバイクが通り過ぎる、そして

 

❬ガァァァアン!!!!❭

 

[グゥゥゥ!?]

 

 バッタアマゾンに体当たりし、赤城を守る用に前に立った。

 

「千翼!」

 

 暁がバイクの操縦士、千翼の名前を呼ぶ

 

「・・・」

 

 千翼は、バッタアマゾンを見た後、赤城を見つめる。

 赤城は、右肩を抉られておりすでに気を失っていた。

 

「・・・・」

 

 千翼はもう一度バッタアマゾンを見た、そして後部座席に乗せた鞄の中から、中心に目の用なデザインがされてその周りが赤く塗装されている『ネオアマゾンズドライバー』を取りだし、腰に装着した。

 

(明石さんは、艦娘と同じ力を出せると言っていた。もしかしたら―)

 

 千翼は、しばらく考えてバイクから降り、『水面に立った』

 

(!すごい、水面に立てる!これなら)

 

 水面に立った後千翼は、鞄からもうひとつの注射器のようなアイテム、『アマゾンズインジェクター』を取りだした後、『ネオアマゾンズドライバー』に差し込み、中の黄色の液体を注入する。すると

 

❬NEO❭

 

 という機械音とほぼ同時に、千翼の目が赤く光る。

 

「?」

 

 何をしているかわからない艦娘達は、ポカンとする。

 

[ガァァ!!!]

 

 そんなのお構い無しにバッタアマゾンは、千翼に飛び掛かる。

 

「あんた!!危ない逃げ―」

 

足柄が千翼に向けて叫ぶが、

 

 

 

 

 

「アマゾン!!!!」

 

❬ドオオォォォォオオン!!!❭

 

 

 千翼が叫んだ瞬間、千翼を中心に爆発がおきる。

 

「うわぁぁぁ」

 

「本当になんなんですか!?」

 

「ッ!?」

 

 艦娘は、突然の爆発に驚く。そして

 

「うおおおおおお!!」

 

 爆発の中千翼は、雄叫びを挙げ、バッタアマゾンに突っ込む。それから小爆発を数回繰り返し、爆発が終わるとそこにいたのは千翼ではなく、青い身体をして全身にアーマーを着けている異形『アマゾンネオ』がいた。

 

「はあ!」

 

❬バキィ❭

 

 アマゾンネオは、バッタアマゾンに飛び蹴りをくらわし、ふっ飛ばす。

 

「はっ、ほっ、たぁ!」

 

 そこへ、パンチ、キックと連撃をしていき着実にダメージをくらわす。

 

「・・・」

 

 艦娘はその異形同士の戦いに着いていけず、ただポカンとしかできなかった。ただ一人をのぞては

 

「吹雪、睦月!赤城さんをお願い!私はあの青いのを援護するわ!」

 

「加賀さん!?」

 

 加賀の援護するという発言に驚く時雨

 

「少なくとも青い方は、味方だとおもうわ赤城さんを助けたしね」

 

「でもそれだけじゃ―「それに」!」

 

「あの怪物にやられっぱなしなのが許せないの」

 

「そこの青いの!」

 

「!」

 

 加賀がネオに呼び掛ける

 

「あなたのペースに合わせて援護するわ、そのつもりでいて」

 

「わかった!」

 

[ガアァ!]

 

 バッタアマゾンがネオに突っ込むが

 

❬ダダダダダダタ❭

 

[グギ、グ、ゲゲゲ!?]

 

 加賀の航空機がバッタアマゾンに機銃を打ち。それを拒む。

 

「はあ!!」

 

❬ドゴォ❭

 

「うらぁ!!」

 

❬ドガァ❭

 

 機銃で怯んだ隙にネオがパンチとキックを打ち込む。

 

「熊野!私達も行こう!!」

 

「はい!!」

 

「足柄!私達も行くぞ!!」

 

「ええ!!」

 

 加賀とネオの戦いを見て、熊野、鈴谷、那智、足柄、が戦線に参加する。

 

「だあ!!」

 

[!]

 

❬ヒュオ❭

 

「!?」

 

(避けた!?)

 

[ガァ!]

 

❬バキィ❭

 

「ぐぅ!!」

 

 ネオがパンチを放つが逆にカウンターをくらってしまう。

 

❬ドン!❭

 

「!?」

 

 バッタアマゾンがネオを食おうと飛ぶが

 

❬ドカァァァァン❭

 

 那智と足柄がそれを阻止する。そして

 

「鈴谷、足を狙いましょう」

 

「わかった!!」

 

 鈴谷と熊野がバッタアマゾンの後ろへ回り

 

❬ドォン❭

❬ドォン❭

 

❬ドカァァン❭

 

 バッタアマゾンの膝を撃ち、動きを止める。そして

 

「今!!」

 

 加賀の掛け声と共にネオは、ベルトを操作する

 

❬Amazon Punish❭

 

 という、機械音が鳴り。

 

「ハアアア」

 

 ネオはバッタアマゾンに向かって走る。

 

「ハア!!!!」

 

 そして、右腕にある『アームカッター』でバッタアマゾンの左肩から脇腹まで切り裂いた。

 

[ギッ・・・ガ]

 

 悲鳴にもならない声を挙げバッタアマゾンは倒れた。

 バッタアマゾンの身体は、茶色へ変色し海の底へ沈んでいった。

 

 

 

 

 

 




書くのめっちゃ時間かかった。ぶっちゃけ艦隊は適当に考えました。

次回は、今公開できる限りの設定集をだします。
お楽しみに‼


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今出せるだけの設定集


はい!今回は千翼や仁さんや艦娘達の設定集です。
艦娘の設定には、独自解釈をしているので注意してください。



 

本作品の主人公

 

本編での呼び名:千翼、千翼さん

 

本名:千翼

 

設定

 

 水澤 悠と鷹山 仁に殺されたが、何故か鎮守府近海で見つかる。発見当初は、血だらけで海上に倒れており、たまたま出撃していた艦娘達に救助される。本人は、いきなりの事に困惑するが、七羽が言った別世界という言葉をキーワードに今の状況を調べてる。

 

容姿

 

 基本は仮面ライダーアマゾンズSEASON 2と同じ姿です。

 

性格

 

 困惑している事もあるが、少し気が弱くなっている。そして誰よりも生きたいという気持ちが強い。

 

作者からの言葉

 

 できるだけアマゾンズ本編の千翼に近づけたいのですが、やはり難しい。ですが、頑張っていくので応援よろしくお願いいたします!

 

 

本作品の主要人物

 

本編での呼び名:仁、仁さん、提督

 

本名:鷹山 仁

 

設定

 

 日本中にある鎮守府の1つ第57鎮守府の提督。しかし実際の所提督の仕事は余りせず、食用に飼っている鶏の世話や荷物運びをしている。艦娘の皆からはまあまあ好かれている。

 

容姿

 

 仮面ライダーアマゾンズSEASON 1の仁さんに、提督服を着せた感じ。

 

性格

 

 アマゾンズ本編と同じで、飄々としていて掴み所が無い。そして、自分で殺した物しか食べないと決めている。

 

作者からの言葉

 

 こちらの仁さんは、アマゾンズSEASON 1の仁さんを模して書きました。千翼との繋がりは、今後書いていきます。

 

 

本編での呼び名:七羽さん、副提督

 

本名:鷹山 七羽

 

設定

 

 仁の奥さんで、立場上第57鎮守府の副提督だが本当の所この人が鎮守府の経済を回している。しかし、決して仁に押し付けられたなどでは無く、あくまでも自分から率先してやっている。(たまに、仕事をまかせられるが)

 

容姿

 

 こちらも仮面ライダーアマゾンズSEASON 1 の七羽さんに軍服を着せた感じ

 

性格

 

 アマゾンズ本編と同じで、とても母性が強い女性で、ママ艦達とよく話が合う。

 

作者からの言葉

 

 アマゾンズ本編でも有能でしたが、この作品でも有能ぶりを見せていくつもりです。

 

 

本編での呼び名:ちひろ、ちひろちゃん

 

本名:鷹山 ちひろ

 

設定

 

 仁と七羽の子供で、とても純粋な5歳児。艦娘のお姉ちゃんズに絶大な人気がある。噂では艦娘の中に、ちひろLOVE勢なんているらしい。

 

容姿

 

 髪は、短髪で目がくりくりしていて、5歳児特有の体つきをしている。そして、何処と無く千翼に似ている?

 

性格

 

 上に書いた用に純粋で、誰にでも笑顔を振り撒ける明るい子供。比叡カレー以外ならなんでも食べる。

 

作者からの言葉

 

 千翼とちひろ、一体どんな繋がりがあるんでしょう?

 

 

レギュラー予定の艦娘達

 

 

本編での呼び名:霧島、霧島さん

 

艦種:金剛型戦艦4番艦 霧島

 

設定

 

 頭が良く、艦隊の頭脳と自負している、実際に戦闘中は艦隊のリーダー格である。姉妹艦の榛名と仲が良くつねに一緒にいる。

 

容姿

 

 ゲーム同様、短髪の黒髪でメガネをしている。服装もゲームと同じ白の巫女服である。

 

性格

 

 つねに冷静沈着で、仲間思い。

 

作者からの言葉

 

 やっぱりリーダー格は必要だよね。

 

 

本編での呼び名:榛名、榛名さん

 

艦種:金剛型戦艦3番艦 榛名

 

設定

 

 榛名は、大丈夫です!が口癖の艦娘、正義感が強く守ると決めたら守り抜く強さがある。よく霧島といる。

 

容姿

 

 こちらもゲームと同じで、霧島とは逆にロングヘアーの黒髪、服装も霧島と同じ白の巫女服である。

 

性格

 

 誰とでも気兼ね無く接する事ができる。ちょっぴりの天然さん。

 

作者からの言葉

 

 榛名可愛い。

 

 

本編での呼び名:川内、川内さん、川内姉さん

 

艦種:川内型軽巡洋艦1番艦 川内

 

設定

 

 夜戦が好きで、艦娘には珍しく近接戦闘の心得がある。暇があれば夜戦と言っている。

 

容姿

 

 こちらもゲームと同じで、オレンジのセーラー服に髪はツーサイドアップをしている。

 

性格

 

 活発で好きと思った事はとことんする。とても素直で嘘が下手。

 

作者からの言葉

 

 近接戦闘員その1です。

 

 

本編での呼び名:神通、神通さん

 

艦種:川内型軽巡洋艦2番艦 神通

 

設定

 

 つねに姉の川内と共に居るが、その理由は川内の暴走を止めるためと噂されている。そして川内と同じく近接戦闘の心得がある。

 

容姿

 

 川内と同じくオレンジのセーラー服を着ている。髪は前髪をワンレングスにしている。

 

性格

 

 常識人、これに限る。少し控えめだが、川内が何かやらかすと人が変わる。

 

作者からの言葉

 

 近接戦闘員その2です。

 

 

本編での呼び名:明石、明石さん

 

艦種:工作艦 明石

 

設定

 

 毎日のほとんどを工房で過ごし、主に艦装の整備を担当する。医療の知識も少しあるので、たまに艦娘のけがを見る事がある。

 

容姿

 

 ピンク髪で横におさげ風にまとめている。服装は、水色のシャツの上に白のセーラー服を着ている。

 

性格

 

 いつもは常識人だが、一度火がつくと止まらなくなる癖がある。(実際に千翼のベルトを勝手に改造している)

 

作者からの言葉

 

 武器の整備員って必要だよね。

 

 

本編での呼び名:夕立、夕立ちゃん

 

艦種:白露型駆逐艦4番艦 夕立

 

設定

 

 ぽいと言う語尾が特徴的、何事も楽しみ毎日が楽しそう。人懐っこい。

 

容姿

 

 髪は金髪でストレートヘアをしており、黒の制服を着ている。

 

性格

 

 自由奔放で、常に明るく好戦的。姉妹艦が大好き。

 

作者からの言葉

 

 やっぱり、夕立は出したくなります。

 

 

本編での呼び名:時雨、時雨ちゃん、時雨姉さん

 

艦種:白露型駆逐艦2番艦 時雨

 

設定

 

 あまり目立とうとせず、おとなしい。誰かの支援に回る事が多い。

 

容姿

 

 髪はセミロングの黒髪で後ろで三つ編みをしている。夕立と同じ黒の制服を着ており、右手だけに手袋をしている。

 

性格

 

 謙虚でおとなしいく仲間を大事にしていて、姉妹艦はもっと大事にしている。すこし、自分で抱えこみ過ぎる癖がある。

 

作者からの言葉

 

 謙虚な所が好きです。

 

 

本編での呼び名:村雨、村雨ちゃん

 

艦種:白露型駆逐艦3番艦 村雨

 

設定

 

 飄々としていて、相手のペースを掴むのが上手い。たまに駆逐艦とは思えない大人の色気をだす時がある。

 

容姿

 

 茶髪のツインテールをして、夕立、時雨、と同じ黒の制服を着ている。

 

性格

 

 上に書いたように飄々としていて、たまに男性が勘違いをするような事を言うが、いかんせん鎮守府にいる男性が仁一人なので余り効果がない。(千翼にも言ってみたがこちらも効果がなかった)

 

作者からの言葉

 

 駆逐艦白露型だけじゃねーか!

 

 

その他の艦娘について

 

作者からの言葉

 

 が、頑張って機会作ります。

 

 

出てきた深海棲艦

 

 

駆逐イ級

 

 いわゆる雑魚キャラ。

 

 

駆逐ロ級

 

 こいつも雑魚キャラ。

 

 

軽巡ヘ級

 

 まぁ強い敵キャラ。

 

 

軽巡ツ級

 

 まぁ強い敵キャラ。

 

 

空母ヲ級

 

 まあまあ強い敵キャラ。

 

 

重巡ネ級

 

 まぁ強い敵キャラだったが、ある事が原因でアマゾンになってしまった。

 

 

物語本編の設定

 

 

艦娘(バリバリの独自設定です)

 

 日本海軍の細胞研究科が偶然作り出した、人類の救世主。その力は人間の姿をしたまま軍艦のスペックを引き出せると言う物である。しかし、つねに軍艦の力を出せる訳ではなく艦装をつけて初めて力を出せるのだ。つまり艦装をつけて無い場合はなんら人間と変わらないのである。

 

 

深海棲艦

 

 7年前から突如人類に攻撃してきた、謎の生物その目的などは全くわからない。

 

 

アマゾン細胞

 

簡単に言えば、人食い細胞。千翼が言うには既に世間に知られている模様。しかし、ここの人達は誰も知らないらしい何故?

 

???細胞

 

 詳しくは次回書きます。

 

 

アマゾンズ世界と艦これ世界?

 

 千翼が艦娘の事も深海棲艦の事も知らない事から、七羽が、千翼の知っている世界と自分達の世界は違うんじゃないかと考えた仮説。はたして?

 

 

 

物語にでてくる物や武器

 

 

艦装

 

艦娘達の主要武器。それぞれの艦種にあった艦装をしている。そして艦娘の軍艦としての力を出す物でもある。

 

 

ジャングレイダー

 

 勝手に建造されたバイク。見た目は赤いボディをして目のようなデザインのライトがあり、艦娘同様海の上を走れる。

 

 

アマゾンズドライバー

 

 千翼が使う変身アイテム、明石が改造(本人の許可無しに)したことで、千翼もこれを着ければ海の上を自由に走れるようになる。

 

 

アマゾンズインジェクター

 

 千翼の使うもう1つの変身アイテム、注射器のような見た目をして中に黄色の液体が入っている。

 

 

出てきたアマゾン

 

 

アマゾンネオ

 

 千翼がアマゾンズドライバーとアマゾンズインジェクターを使って変身した姿。見た目は、青の身体をし全身にアーマーを着けて黄色い目をしている。腕と、足にそれぞれカッターの用な刃物が生えている。

 

 

バッタアマゾン

 

 ネ級が変身した姿、見た目は仮面ライダー剣に出てきたローカストアンデッドを想像してください。

 

 

 

 

 

 





これが今出せるだけの設定です。
それと、私は受験生なので(突然の告白)2週間ほど投稿をやめます。ごめんなさい。
では、また第4話で会いましょう‼


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これから

受験終わりました。受かっていたいです!
では、第4話どうぞ!



―海上―

 

「ハァ、ハァ、ハァ」

 

「っ、・・・」

 

 誰も喋らなかった。否、喋れなかった。それもそうだろう、目の前で倒した筈の深海棲艦が変異して襲ってきたのだ、正に言葉が出ない状況だったが彼女達にそんな時間はなかった。

 

「み、皆さん!ぼーっとしている場合じゃありません!赤城先輩が!」

 

「そうだった!赤城さんが、足柄!急いで副提督に連絡だ!」

 

「もうしているわ!!」

 

 吹雪の声で一斉に動き始める。

 

「ハァ、ハァ」

 

❬カシャ❭

 

 千翼がインジェクターをドライバーから外し変身をとく。

 そこへ、

 

「済まない、君」

 

「!・・あなたは?」

 

「私は那智だ」

 

「・・千翼です」

 

「!と言う事は君が拾われた少年か、それはそうと君には聞きたい事がある。・・来てくれるな?」

 

 那智が千翼に問いかける。

 

「・・・はい」

 

 

―鎮守府―

 

 

 職務室で七羽の驚きの声が上がる。

 

「っ!?それは本当なの‼足柄!―「はい、此方も何がなんだか?!」―分かったわ、一先ず直ぐに帰投して。―「了解!」―なんてこった」

 

 七羽が走って職務室をでる、そこに仁が来る。

 

「あれ?七羽さん、何かあったの?」

 

「何かあったじゃないわよ、仁、大変な事になったわ」

 

 七羽が仁に足柄からの報告について話す。

 

「それ本当なの!?」

 

「嘘だったらこんな焦ってないわ」

 

 といって七羽は走ってドッグに向かい、仁もそれを追いかける。

 数分後加賀達が帰投し、右肩からおびただしい量の血を流している赤城を連れてくる。そして、赤城は明石に集中治療室に連れていかれた。

 

「赤城さん・・」

 

「だ、大丈夫ですよ。加賀先輩、今は明石さん達に任せましょう」

 

「・・・そうね」

 

 加賀が心配そうに赤城が連れていかれた方を見ながら呟くが、そこへ吹雪がフォローを入れる。

 

「お前ら、何があった?」

 

「!、提督!」

 

「それは、私から話します」

 

 仁が何があったのか、加賀達に聞くがそこへ千翼を連れた那智が来る。

 

「千翼・・」

 

「・・・」

 

 

―職務室―

 

 

 そこには、仁、七羽と対面する用に千翼、那智がそれぞれ座っていた。

 

「さて・・まずは何があったのか聞こうか」

 

「はい」

 

 仁が何があったのか那智に聞き、那智は先ほど起こった出来事について全て話した

 

「・・以上です」

 

「倒した深海棲艦が変貌して襲ってきた・・か」

 

「・・・」

 

 那智が話した内容に二人共驚くが、仁は以外にも冷静だった。そして

 

「分かった、那智お前はもういい風呂に入ってこい。これからは千翼と話がしたい」

 

「わかりました」

 

 そう言って那智は職務室を出ようとするがドアの前で立ち止まり。

 

「そうだ、千翼殿」

 

「!」

 

「ありがとう、君があの時助けに来てくれなかったら、きっと赤城は助からなかった」

 

 そう言い残して那智は職務室を出た。

 そして、職務室には千翼と仁と七羽だけが残された。

 

「さて、千翼お前の事は七羽さんから聞いてある。お前が別世界の人間かもしれないと言う事だ」

 

「!」

 

「お前の事と今回の事、俺は関係がある気がするんだ・・知っている事を話してくれるか?」

 

「・・・はい」

 

 仁からの質問に千翼は答える

 

「あの・・赤城と言う人を襲ったのは、『アマゾン』です。」

 

「『アマゾン』?」

 

「はい、俺が知る限りじゃ野座間製薬って所が作り出した人工生命体です」

 

「野座間製薬?七羽さーん」

 

「私も知らないわ」

 

 聞き慣れない名前に困惑する素振りを見せる仁と、七羽

 

「あの、続けて良いですか」

 

「あーごめんごめん。続けて」

 

「はい。そしてこの『アマゾン』、最もの特徴は『人間を食べる』と言う事です」

 

「!」

 

「ふーん、成る程」

 

 赤城の事を聞いていたのでさほど驚かなかった二人

 

「アマゾンの事は分かった、じゃあ次はお前だ千翼」

 

「!」

 

 仁が千翼の事に話を変える

 

「お前、変身したらしいな」

 

「・・はい」

 

「そこで、さっきのアマゾンの話を聞いてなんだが・・」

 

「なんです?」

 

「お前・・アマゾンじゃないよな」

 

「!?」

 

 仁の目が鋭くなり千翼を睨む。その目は正に、自分の父親そのものだった。その目に千翼の心臓は自然と早くなる。そして、仁は千翼に更に質問をする。

 

「もしかして・・お前もアマゾンで今正に、俺達を食いたいと―」

 

「俺をアマゾンなんかと一緒にするな!!!」

 

「!」

 

 仁の質問の途中で、千翼は豹変する。

 

「俺は!―」

 

(「君は非常に危険なアマゾンだ!?」)

 

「!」

 

(「溶原性細胞は危険すぎる」)

 

(「千翼・・お前を殺しにきた」)

 

 千翼は仁の言葉を否定しようとするが。前の出来事を思いだし、言葉が詰まる。

 

「違う・・違う・・違う」

 

「?」

 

 いきなり怒ったと思えば、いきなり涙目になりながら必死に否定する千翼の態度に困惑する、仁と七羽。

 

「おい、どうし―ん?」

 

 仁が千翼に声を掛けようとするが、そこである事に気付く

 

「おい、千翼1つ良いか?」

 

「・・なん・・ですか」

 

「そう言えば、赤城を襲ったのは深海棲艦が変異したアマゾンだが、こんなことあるのか?」

 

「!」

 

(そうだ、いきなりの事で忘れていたけど今回のアマゾンは変異したアマゾンだ)

 

(そう言えば、俺は最初どこで倒れていた?たしか『血だらけで海の上にいた』って!?)

 

 先に言っておこう千翼はこの仁の質問の答えは簡単にわかった。

 

 

『溶原性細胞』

 

 

 前のアマゾン細胞とは別のアマゾン細胞である。そしてこの細胞にはある最悪と言って言い程の特徴があった。それは、『人間に感染すると言う事である』人間の体内に侵入し、侵入した相手をアマゾンに変えてしまうのである。そして、その溶原性細胞には感染源がいる、それが・・・『千翼』である。

 そう溶原性細胞は千翼の血液や体液中にあるアマゾン細胞が、千翼の体外にでて変異したものである。そして溶原性細胞には人間に感染する以外にも特徴がある、それは水分が無いと生きられない事であるが、最初に千翼が助けられた状況を思いだしてほしい、そう千翼は

『血だらけで海の上に倒れていた』のだ。

 

 

(もし、その時俺の血が大量に海の中へ『流れていった』のなら、ここの海全域に『溶原性細胞が潜伏してる』事になる!!)

 

(そして、話を聞いた限りじゃ深海棲艦は海の底からやってくる。その時に溶原性細胞に感染したのか)

 

「おい、千翼何か分かるか」

 

「ッ!?」

 

 千翼があれこれ考えていると、仁が質問してくる。

 さて、これを見ているみんなは死にたく無いと思った事はあるかな?とくに、千翼はその気持ちが人一倍強かった、そして前の経験から溶原性細胞の事を言ったらどうなるか千翼は感覚的に分かった。

 

(もし、今ここで溶原性細胞の事を言ったら、この人達はどうする)

 

(俺を・・・殺しにくるんじゃ)

 

 だからこそ、してしまった。

 

「・・・し」

 

「ん?」

 

「し・・知りません・・・俺も」

 

「知らない!?」

 

 そう、嘘を付いたのだ。

 

「そうか・・・・ならしょうがないな」

 

 そして、運が良く騙せてしまった。

 

「よし!千翼、お前しばらくここにいろ」

 

「え?」

 

「今俺達はアマゾンに関する知識が乏しすぎる。なら、少しでもアマゾンに関して知識のあるお前を近くに置くのは、当たり前だろ。そしてアマゾンの事とお前の事は明日全員に伝える、いいな?」

 

「・・そう、ですね」

 

「じゃ、部屋に案内するから。ついてきな」

 

「はい」

 

「はぁ、まったく面倒になったわね」

 

 そうして仁と千翼は職務室を出て、七羽は机の上にある書類に取りかかる。

 そして、千翼は思ってなかった。溶原性細胞の事を隠したせいで、この鎮守府で『最悪の悲劇』がおこる事を

 

 

―次の日、鎮守府内の食堂―

 

 

 食堂、この鎮守府に居る艦娘、人間が使う場所。いつもは賑やかな場所だが、今日はどこか暗い感じがしていた。

 理由はもちろん赤城である。昨日の事は瞬く間に鎮守府に居るすべての艦娘の耳に届いていた。赤城の普通じゃ無いケガ、その事が艦娘達を不安にしているのだ。

 

「赤城さんなにがあったんでしょう」

 

「あの傷、明らかに深海棲艦の物じゃないわよ」

 

「噂じゃ、化け物に食われたって」

 

ざわざわ・・ざわざわ

 

「おーい!皆注目!」

 

「提督!!」

 

 艦娘達が話していると、仁が食堂に入ってくる。

 

「さて、お前らに話しておく事が3つある」

 

 仁の話を艦娘全員がしっかりと聞く

 

「まず赤城についてだが、今は治療室で傷を療養中だ。二週間程出撃は出来ない」

 

「良かった、無事なんだ」

 

「相当酷い負傷のようね」

 

 赤城の話に喜ぶ物もいれば、その負傷度合いに驚きの声をあげるものもいた。

 

「さて、2つ目だが、これが重要な事だ」

 

「!」

 

 仁の重要と言う言葉で、全員が真剣に聞き入る。

 

「赤城を襲ったのはアマゾンって怪物だ。そして、アマゾンだがこいつは人間を食うらしい」

 

「人間を・・!?」

 

「た・・食べる」

 

「つまり、赤城さんは」

 

「ああ、食われたんだ」

 

「!?」

 

 アマゾンの事を聞き驚く艦達、駆逐艦にいたっては一部身体を震わしている。仁は話を続ける

 

「で、アマゾンに関してはまだ余り分かってない状況だ」

 

「すいません、提督」

 

 姉妹達と、一緒に来ていた霧島が仁に質問をしてくる。

 

「そのアマゾンに関して余り分かってないと言いましたが、遭遇した場合どうすればよいのですか?」

 

「その事も含めて話す、今回アマゾン退治の協力者がいる」

 

「協力者?」

 

「ああ、千翼だ」

 

 仁が千翼を呼ぶと同時に千翼が食堂に入ってくる。

 

「千翼です、よろしくお願いします」

 

「千翼さん!?」

 

 千翼の登場に艦娘達は驚く

 

「さて、さっきの事だがアマゾンに遭遇したら、まず逃げろ。そして、千翼がその場にきたら千翼の援護をする事だいいな」

 

「了解!」

 

 そう言って仁は食堂をでて行き、千翼は厨房に居る鳳翔の所に向かう

 

「千翼さん」

 

「飲料ゼリー・・ありますか」

 

「え?」

 

 さっきの仁の話の事もあり複雑な表情をする鳳翔だが、千翼が飲料ゼリーを頼んだ事で困惑する。

 

「あの?ごはんとか味噌汁じゃないんですか?」

 

「はい・・」

 

「?」

 

 この時鳳翔は、千翼が暗い顔をしている事を不思議に思い、飲料ゼリーを持ってきたと同時に訪ねる。

 

「あの、どうかしました?」

 

「いえ、大丈夫です」

 

 千翼はそう言った後、飲料ゼリーを持って食堂を出て行った。

 

 

―鎮守府内廊下―

 

 

 千翼は飲料ゼリーを飲みながら考えていた。

 

(ここに来て分かった事がある、俺は艦娘に対して食人衝動がでないことだ)

 

(理由は多分、艦娘が人間じゃないからだろうな、だから俺の中のアマゾン細胞が反応しないんだ)

 

 そう千翼は艦娘に対して食人衝動が起きなかったのだ、もともと千翼は食人衝動が強いアマゾンだったが艦娘を食べたいとはまったく思わなかった、その環境は食人衝動の強い千翼には都合が良かった。

 

(それに、あの三人にもだ)

 

(仁さんと七羽さんそしてちひろ)

 

(あの三人を前にしても食人衝動が起きない)

 

(仁さんは・・父さんを思いだして食べようとは思えないな、七羽さんも母さんを思いだす、ちひろは・・何故か食べようとは思わない)

 

 不思議な事に千翼は人間である仁、七羽、ちひろにも食人衝動は起きなかった。

 

「まぁ、良いか」

 

(食人衝動が出ない事にデメリットは無い、だけど多分溶原性細胞は人間、艦娘関係無く感染する)

 

(もし、艦娘の誰かが感染したら・・・)

 

「ぐぅ!!」

 

 と、頭をかきむしる千翼。

 そう、千翼は昨日から溶原性細胞の事をずっと考えていたのだ。我が身可愛さに黙ってしまった事をずっと考えていた。

 

(あれで・・・良かったのか?)

 

 千翼はそう考えながら、用意された部屋へと入りベットにた折れ込む。

 

(・・・俺は・・)

 

❬コンコン❭

 

「!?」

 

 

―???―

 

 

 暗い光の届かない場所に彼女は歩いていた。

 

「ハァ、ハァ、ハヤクナニカヲモッテ・・・」

 

 そう言って彼女空母ヲ級は仁達の鎮守府の方へ、向かった。

 そして彼女の身体にはあの重巡ネ級と同じ『青黒い血管』が浮かび上がっていた。

 

 

―千翼の部屋―

 

 

「あの、なんの用ですか?えっと・・」

 

「加賀よ」

 

「加賀さん」

 

 今、千翼の部屋に加賀が訪ねてきたのだ。そして今二人は向かい合う用に座っている。

 

「貴方にお礼をしようと思ってね」

 

「え?」

 

 そう言って加賀は千翼に頭を下げる。

 

「赤城さんを助けてくれてありがとう」

 

「っ!?頭を上げてください!」

 

「そう」

 

 と、加賀は頭を上げる。

 

「・・・」

 

「・・・」

 

(き、気まずい)

 

 千翼と加賀の間に沈黙が流れる。それを破ったのは加賀だった。

 

「赤城さんは、私の一番の親友なの」

 

「え?」

 

「だから悔しかった、あの時何も出来なかったから」

 

「・・・」

 

「でも・・それ以上に怖かった、何も出来ずに親友が目の前で死んでしまうと考えると今でも震えが止まらない」

 

「加賀さん・・」

 

「でも、次はそうはならない!」

 

 加賀の瞳に力が籠る

 

「千翼さん、貴方には大きな恩ができたわ。何か困った事があったら何でも言って力になるわ」

 

「!ありがとうございます」

 

「フフ」

 

 そう言って加賀は部屋を出た

 

 

―鎮守府食堂近くの場所―

 

 

「アマゾンかー怖い物がでてきたね不知火」

 

「そうですね、深海棲艦だけでも大変なのに」

 

 そこを、陽炎型駆逐艦一番艦陽炎と陽炎型駆逐艦二番艦不知火が歩く。

 

「はぁ、本当・・ん?」

 

「どうしました?」

 

「あれ、誰か倒れてる」

 

 そう言って陽炎は建物の隙間を指差す、そこには妙に白い女性が倒れていた。陽炎が女性に近づくが、不知火が違和感に気付く。

 

「!!姉さん!?そいつは!!?」

 

「えっ?」

 

「ハラガヘッタ」

 

 そう呟き女性は顔を上げる。その顔は青黒い血管を張り巡らしたヲ級だった。

 

「姉さん!!そいつは深海棲艦だ!!」

 

「ハラガヘッター!!」

 

 そう叫びながらヲ級は蒸気と熱風を放ちながら陽炎に飛び込む。

 

[ガァアァアアァア]

 

❬ガジィ❭

 

「い!?ああああああああああああ!?」

 

「姉さん!!」

 

 雄叫びを上げながら『ヒョウアマゾン』は陽炎の足に噛み付き、陽炎が悲鳴を上げる。

 

 

―千翼の部屋―

 

 

「!?」

 

 千翼のアマゾンレーダーはヒョウアマゾンの気配を捉える。

 

「アマゾンの気配だ!?というか鎮守府内にいる!!!??」

 

 千翼は急いで部屋を出て、廊下を疾走する。

 

❬ああああ‼?❭

 

(!・・既に被害が!?)

 

 千翼が、ヒョウアマゾンの元へたどり着く。

 

「いた!アマゾン!!」

 

❬NEO❭

 

 千翼がネオに変身しながらヒョウアマゾンに突っ込む。

 

[!?]

 

❬ドガァ!!❭

 

「っ!?何!!?」

 

「うう、がァうう」

 

「姉さん!」

 

「何があったの!?」

 

 陽炎の悲鳴を聞いて仁、霧島、榛名、神通、川内、村雨、夕立がくる。

 

「はあ!!だあ!!」

 

❬バキィ!!ドガァ!!❭

 

[グッ!!ゲェ!!]

 

 状況は陽炎が血に濡れた足を押さえていて、その数メートル先で、ネオとヒョウアマゾンが戦っていた。

 

「成る程、どっちが千翼だ?」

 

「私の計算では、95%で青い方が千翼さんです」

 

 仁がどちらが千翼か呟き、霧島が答える。

 

「よし、今いる霧島、榛名、神通、川内、村雨、夕立は青い方を援護だ!!」

 

「了解!!」

 

 そして、霧島達は戦闘に参加して、仁は陽炎の応急手当てを始める。

 

[ハア!!]

 

❬バキィ!❭

 

「グゥ!?」

 

 ネオが蹴り飛ばされるが、それを榛名がキャッチする。

 

「千翼さん大丈夫ですか!!」

 

「榛名さん!?」

 

「全員距離を保って、あまり近づいちゃ―

 

❬ドオォン!!❭

 

「!?」

 

(なんて速さ!?)

 

❬バアァン!!❭

 

「ガァ!!」

 

「霧島!!」

 

 ヒョウアマゾンが霧島を壁に叩きつける。

 

「霧島さん!!」

 

「神通‼」

 

「はい‼姉さん!!」

 

 川内の掛け声と共にバレーのレシーブの構えをとる神通、そしてその上に川内がのり

 

「ふん‼」

 

「だああ!!!」

 

[!]

 

❬バキィ!!❭

 

 神通が川内を飛ばし、川内はその勢いで膝蹴りをヒョウアマゾンにくらわせる。

 ネオがインジェクターをさらに押し込む。

 

❬BLADE LOADING❭

 

その音声と共にネオの右手のアーマー部分から長剣が生成される。

 

「はあ‼」

 

❬ザシュ!!❭

 

 川内の攻撃で飛んできたヒョウアマゾンをネオが長剣で斬る。

 

「私達も‼」

 

「ぽい!」

 

❬ドン‼❭ ❬ドン‼❭

 

[グゥ!ギャア!!]

 

 村雨、夕立の攻撃に後退するヒョウアマゾン、しかし彼女達の攻撃は終わってなかった。

 

❬ドオォン!!❭ ❬ドオォン!!❭

 

[ギャァァァァ!!]

 

「私達を」

 

「忘れてもらっては」

 

「「困ります‼」」

 

 霧島、榛名の攻撃で膝を付くヒョウアマゾン、その隙をネオは逃がさなかった。

 

「今だ‼」

 

❬Amazon break❭

 

 ネオはベルトを操作し、ヒョウアマゾンに突っ込む。

 

「はあ!!!!」

 

❬ザシュ!!ズバァァァン!!!❭

 

 ネオは長剣をヒョウアマゾンの腹部に突き刺し上に振り上げ真っ二つに切り裂いた。

 

[ギャァ・・・ァ・・ァ]

 

 と言う声と共に、ヒョウアマゾンの身体は茶色に変色し、その場に倒れた。

 

 

 

 




投稿遅れてすみません‼
これからは多分3~4日に一話出せたらいいなーと思っています。
では、また第5話で会いましょう‼
コメントもどしどし待ってます。


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衝撃の再開?

今回は新しいレギュラーメンバーが出てきます!!
いったい誰なんだ!?
第6話楽しんでください!


―治療室―

 

 足に包帯を巻きベットに寝ている少女がいた、陽炎である。彼女はヒョウアマゾンに右足の太ももを抉られており、今は熟睡している。そしてそんな彼女に寄り添うように姉妹達が彼女をじっと見つめていた。

 

「姉さん」

 

「・・・」

 

 その様子を仁と七羽が静かに見ていた。

 

「まさか鎮守府内に侵入されるとはな」

 

「警備を寄り強固にしたわ、当たり前だけど」

 

「そうだね・・」

 

 仁と七羽が軽く会話して、治療室を出る。

 治療室を出た後、仁と七羽は小声で話す。

 

「七羽さん、あのアマゾンの死体は?」

 

「地下室に置いているわ」

 

「『先生』に連絡をしたから多分一週間後位に訪ねてくるはず」

 

「わかったわ、その時は私が案内するわね」

 

「うん!よろしく!」

 

 

―1週間後―

 

 

「明石さーん!この箱ここでいいですかー?」

 

「うん!良いよー!ありがとう千翼くん!」

 

「いえ、泊めてもらっているしこれくらいしないと」

 

「真面目だねー」

 

 千翼は今工房で明石の手伝いをしていた。理由は泊めてもらっている以上何かしないといけない、と思ったからである。

 

「明石さーん次は何をすれば良いですかー?」

 

「一先ず無いかなー、休んでて良いですよー」

 

「はい、わかりましたー・・イテッ」

 

 千翼が休もうと工房のベンチに向かう途中で、机からはみ出ているノコギリでゆびを切ってしまう。

 

(どうせ、直ぐに治るか・・)

 

(今はちょっと眠いな)

 

 そう言ってゆびをそのままで、千翼はベンチで眠りにつく。

 

「zzzz」

 

「はいはーい!明石さーんきたよー!」

 

「村雨、うるさいよ・・」

 

「お!二人共きたわね!」

 

 工房に村雨と時雨が入ってくる。

 

「ちょっと新装備のテストをしたくてね」

 

「成る程、その手伝いに僕達は呼ばれたのか」

 

「お?あれ千翼さんじゃん」

 

 村雨が千翼に気が付き、向かっていく。

 

「可愛い寝顔しちゃってー♥あら!ケガしてるじゃない」

 

 村雨が寝ている千翼に近付き、千翼のケガに気づく。

 

「ふふふ、せっかくだから村雨ちゃんがおまじないをかけて上げる♥」

 

❬ペロ❭

 

 そう言って村雨は千翼の傷を『舐めた』後、そっと絆創膏をはった。

 

「これでよし!」

 

「村雨ー、テスト始めるからきてー」

 

「はーい!」

 

 

―数時間後―

 

 

「う・・・ん、ふぁ~」

 

(今何時だ?)

 

「ん?」

 

 千翼が眠りから覚め時間を確認しようとするが、指の違和感に気づく。

 

「絆創膏?一体誰が?」

 

 千翼はしばらく考えるが、昼頃だったので考えるのをやめて食堂に向かった。

 

 

―食堂に向かう廊下―

 

 

(またゼリーか・・・俺がもっと色々食えたら)

 

(・・・あんな事・・しなければ)

 

(・・溶原性細胞の事も)

 

(大丈夫!!上手くやれば問題なんて)

 

「お!丁度良い!千翼!」

 

「!」

 

 千翼が考え事をしていると、仁が声をかけてくる。

 

「どうしました?」

 

「ああ、これから俺が研究者だった頃の『先生』が来るから紹介しようと思ってな」

 

「『先生』?」

 

 仁から説明を受け、仁と共に職務室に向かう千翼。

 職務室に千翼が付くと、そこには七羽とちひろに加え金剛、比叡、榛名、霧島の金剛4姉妹がいた。

 

「千翼さんじゃないですか!」

 

「どうして貴女達が?」

 

「私達はちひろちゃんと遊んでいたんデース!」

 

 千翼の疑問に金剛が答える。ついでに千翼は鎮守府にいる艦娘とは既にあっているので、艦娘の全員は千翼とは面識がある。

 

❬コンコン❭

 

 しばらくして、職務室のドアが叩かれる。

 

「『先生』だな、どうぞー」

 

 仁の許可で二人の男性と1人の女性が入ってくる。

 

「なっ!!!!????!?!」

 

 千翼は入ってきた人物達に驚きの声を上げる、入ってきた人物達は1人は白衣に身を包んだ50代程の男性と、同い年位の男女だった。

 そして、千翼はその二人の男女を知っていた。

 

「『イユ』お姉ちゃーん!」

 

「ちひろちゃーん!きたよー!」

 

(!?今・・なんて)

 

 ちひろが女性の名前を言いながら女性に飛び付き、白衣を着た男性が仁に話しかける。

 

「仁君久しぶり!提督業は慣れたかい?って誰だいその少年は?」

 

「!」

 

「ああ、紹介するよ千翼だ。うちの新しい手伝いだ」

 

「千翼君か、私は『星埜 始』だよろしく」

 

「あ・・よろしくお願いします」

 

 始と千翼が握手してると、もう1人の男性が近づいてくる。

 

「お?新しいおっさんの仲間か!」

 

「!貴方は」

 

「よ!俺は『長瀬 裕紀』だよろしく頼むぜ!!」

 

「!!?長・・・瀬だって!?」

 

 千翼は名前を聴いて驚愕する、何故なら自分の友人と同じ名前だったからだ、いやそれだけでは無く見た目もほぼ同一人物だった。

 

(じ、仁さんや七羽さんだけじゃなかった、裕紀まで、じゃああの女性は・・まさか)

 

 千翼が動揺しながら女性を見る、女性はそれに気付き千翼に近づく。

 

「あれ、見ない顔だね」

 

「き・・君は?」

 

「自己紹介まだだったね、私は『星埜 イユ』よろしく!」

 

「イ・・・ユ!?」

 

 女性の名前を聴いて千翼はさらに困惑する。何故なら今目の前にいる女性は千翼が初めて恋をした女性にそっくりだったのだ、それに名前まで一緒では困惑するのは当たり前だ。

 

(イユだ、イユが生きて)

 

(何なんだ、何が起きているんだ!?)

 

「ねぇ、君の名前は?」

 

「!」

 

 千翼があれこれ考えていると、イユが千翼に名前を聞いてくる。

 

「え、あ・・千翼です」

 

「千翼君か~よろしく!」

 

「!」

 

 イユが千翼に笑顔を向ける、千翼にはその笑顔がとても輝いて見えた。

 千翼が、イユの笑顔に見とれていると裕紀が肩を組んでくる。

 

「千翼か!何かお前とは気が会いそうだ!よろしくな千翼!」

 

「あ、うんよろしく裕紀」

 

 千翼と裕紀がお互い挨拶をかわす。

 

「さて、仁君今回の用件を聞こうか」

 

「ああ、先生・・だけど」

 

 仁が始の真横にきて小さな声で

 

「この事は他言無用でお願いします」

 

「!」

 

「七羽さーん!」

 

「こちらに」

 

 仁が始に忠告をして、七羽に案内を頼む、始は不思議に思いながら七羽についていった。

 

❬ぐう~❭

 

 職務室内に誰かのお腹が鳴った音がする。

 

「お腹すいた~」

 

 音が収まると同時にちひろが言う。

 

「私お弁当持ってきたんです!皆で食べましょう!」

 

 イユがカバンから段積みのお弁当をとりだし、職務室にいる、人にサンドイッチを配り始める、そしてもちろん

 

「はい!千翼さん!」

 

「え?」

 

 イユが千翼にサンドイッチを渡しにくるが、一瞬貰うのを躊躇ってしまう。

 

「あ、もしかして嫌でしたか?」

 

「っ!?いやっそんな」

 

(イユの・・弁当)

 

 千翼はイユのサンドイッチを受け取り、かじりついた。

 

(食べろ!食べろ!食べろ!)

 

 千翼はサンドイッチをよく噛み飲み込もうと、するが

 

❬ドクン❭

 

(!?)

 

 

 瞬間千翼に怪物が女性を食べる場面がフラッシュバックする。そして

 

「うっ!?オエェェ」

 

「キャア!?」

 

「うお!?どうした!」

 

 千翼がサンドイッチを吐き出す。

 

「あ・・・」

 

「その、ごめ―「ごめんなさい!」―え?」

 

 千翼がイユに謝ろうとするが、それよりもイユが先に千翼に謝る。

 

「口に合いませんでしたよね、私あまり料理得意じゃないから・・」

 

「ち、違っ」

 

 イユは千翼が吐いたのを掃除しながら、千翼に謝る、千翼はその事がとても辛かった。イユの作った物を吐き出してしまった自分に嫌気が差してきた、そして千翼がサンドイッチを吐き出してしまった理由は千翼の『母親を食べてしまった』トラウマにあった、だからイユには全く関係が無かったのだその事実がより千翼を追い詰めた。

 

「っ、ぐぅ!?」

 

「千翼さん!?」

 

 その場に居られなくなった千翼は走って職務室を出て行った。

 

 

―鎮守府沖合い―

 

 

「はぐっ、オエ、はぐ、オエっ!?」

 

 千翼はイユから貰ったサンドイッチを食べては吐いて食べては吐いてを繰返していた。

 

「はぐっ、ぐっ!?」

 

 最後の1欠片を必死に飲み込もうとするが

 

「オエェェエェエ」

 

 それも叶わず千翼は吐き出してしまう。

 

「俺・・・なんで」

 

「成る程な」

 

「!」

 

 千翼が頭を抱えていると、職務室にいた仁が千翼に近づいてくる。

 

「お前ここに来てからゼリーしか、食ってないなーとは思ったが・・」

 

「お前固形物食えないのか?」

 

「っ!?それは・・」

 

 仁が、千翼に疑問を投げ掛けるが千翼は答えなかった。

 

「・・まぁ、良いさ」

 

「・・・」

 

 そう言って仁はゆで卵の殻を向き食べる、その横で千翼はうつむいたままだった。

 

「ほれ」

 

「!これは?」

 

 仁は千翼に向かって一冊の本を投げる。

 

「お前の事が少しでも分かればなって思って買ってきた」

 

 そして、その本には『平行世界について』と書いてあった。

 

 

―鎮守府の地下室―

 

 

「こ、これは!?」

 

 案内された始は地下室の机に寝かされていたヒョウアマゾンの死体を見て声を上げる。

 

「これは、新しく確認された生命体アマゾンです」

 

「アマゾン?」

 

「はい、始先生にはこのアマゾンの細胞を調べて欲しいのです」

 

「それはまた何故?」

 

「実はこれ、元々深海棲艦なんです」

 

「!・・成る程深海棲艦がこの姿になった原因を知りたいのか」

 

「はい」

 

「わかった、引き受けよう!」

 

「!ありがとうございます!!」

 

 そう言って始はヒョウアマゾンの皮膚を一部とり、袋に入れた後、二人は職務室に戻った。

 

 

―職務室―

 

 

「千翼の奴どうしたんだ、具合でもわるかったのか?」

 

「もし、そうだとしたら悪い事しちゃった」

 

 職務室では、長瀬とイユが千翼を心配していた。

 

「大丈夫ですよ!千翼さんなら」

 

「そうですね」

 

 榛名と霧島がフォローをいれる。

 

(にしても千翼さん、体調が悪い用には見え無かった、サンドイッチも全然食べれる美味しさだったのにどうして)

 

 霧島が考えていると、七羽と始が帰ってくる。

 

「さて、イユかえるぞー」

 

「あ、うん!」

 

「俺も帰るか」

 

 イユと長瀬が椅子から立ち始の方へ行く。

 

「では、私達はこれで」

 

「はい、結果が出しだい連絡をお願いします」

 

「わかりました」

 

 そう言って始は職務室を出る、長瀬も出ていき、イユも出ようとするが立ち止まり

 

「あの、千翼さんに今日はごめんなさいって伝えてください」

 

 七羽にそう言って職務室をでた。

 

 

―鎮守府廊下―

 

 

「さて、帰るか」

 

「ちょっとパパ、間宮さんの所によらないと!お姉ちゃんがパフェ買ってきてって言ってたじゃん」

 

「あ!そうだった」

 

「俺も一緒に良いですか?」

 

 始、イユ、長瀬はそう話しながら甘味所間宮に向かう。

 

 

―職務室―

 

 

「・・・なんですって」

 

 職務室で七羽は衝撃の声を上げる。

 その連絡は今朝出撃に向かわせた艦娘からだった内容は

 

「一体の深海棲艦が・・『全滅』してるですって!?」

 

 

―海上―

 

 

 そこには数人の艦娘とまるで『何かに食い漁られた』ような姿をしている無数の深海棲艦の死体があった。

 そこでその艦隊のリーダー翔鶴は七羽に連絡を入れていた。

 

「副提督も分かっているとおもいますが、私の見立てではこれをやったのは・・」

 

 

―職務室―

 

 

「ええ、アマゾンでしょうね―「やはり」―翔鶴周りに気を付けながら帰投して―「了解」

 

❬ウウウウウ❭

 

「!?これは」

 

 七羽が翔鶴に連絡が終わるのとほぼ同時に鎮守府の警報がなった。

 

 

―数分前鎮守府近く―

 

 

 そこを白髪のヲ級が『青黒い血管』を浮かばせながらフラフラ歩いていた。

 

「ハァハァ、オネエチャンドコニ・・ウッ」

 

❬ドサッ❭

 

 ヲ級はお姉ちゃんと言いながら倒れる。

 

「モウ・・・ダメダ」

 

 そう呟きヲ級は鎮守府の方をみて。

 

「オナカ・・・ヘッタ」

 

 次の瞬間ヲ級の身体から蒸気が発生し、蒸気が晴れると、そこには『ライオンアマゾン』がいた。そして

 

[ウオォォォオオアァア]

 

 ライオンアマゾンは雄叫びを上げ鎮守府に向かって飛んだ。

 

 

 

―鎮守府の周り―

 

 

 そこに加賀の航空機が飛んでいた。そして航空機はライオンアマゾンの接近を気がついた。

 

「!あれはもしかして」

 

❬ダダダダダ❭

 

 加賀は打ち落とす用航空機を指示するが

 

[ガア!!!!]

 

❬ドガァァァン❭

 

 ライオンアマゾンは航空機の弾を無視して航空機を殴り落とす。

 

「!?そう簡単には行かないか」

 

 そう言って加賀は緊急時のボタンを押した。

 

 

―甘味所間宮―

 

 

❬ウウウウウ❭

 

「!?な、何!?」

 

「これは緊急時の!?」

 

「皆さん逃げ―

 

❬ズガァァァアアン❭

 

 間宮が始達に逃げる用に言おうとした瞬間屋根を突き破りライオンアマゾンが入ってきた。

 

「なっ!?」

 

「こいつは!?」

 

[ギャアァァァァアア]

 

「キャア!!?」

 

 ライオンアマゾンは間宮に襲いかかる。

 

「間宮さん危ない!」

 

❬ドン❭

 

[ギジャア!]

 

❬バキィ❭

 

「うぐぅ!?」

 

 始がライオンアマゾンにタックルをしかけるが逆に殴り飛ばされてしまう。

 

「パパ!!」

 

「おっさん!!」

 

 イユが始に駆け寄る。

 

「イユ!何してる逃げなさい!!!」

 

「でもパパ!!」

 

[グウゥゥ]

 

 ライオンアマゾンは間宮から狙いを変えて、イユと始の方へゆっくり歩いてくる。

 

「イ、イユ!」

 

 長瀬が叫ぶ。

 

「パ、パパ」

 

「イユ!!」

 

 始がイユを守るように抱き締める。ライオンアマゾンが襲いかろうとした瞬間

 

 

 

「アマゾン!!!!」❬NEO❭

 

 

 

❬バキィ❭

 

「っ!!??」

 

 ネオが壁をぶち破りライオンアマゾンを殴り飛ばし、始とイユ二人の前に立つ。

 

「君は?」

 

「はぁはぁ・・」

 

 ネオはイユの方を向き、イユをじっと見る。

 

[グ、グウゥゥ]

 

「!」

 

[ガア!]

 

 ライオンアマゾンがネオに突っ込んでくるがネオはそれを受け流し、ライオンアマゾンを吹っ飛ばす。

 

「イユ!おっさん!」

 

 ライオンアマゾンが、吹っ飛んだ隙に長瀬がイユと始に駆け寄る。

 

「大丈夫か!?」

 

「うん!大丈夫!にしてもあれは?」

 

 イユがネオとライオンアマゾンが戦っている所を見ながら呟く。

 

「だあ!!」

 

❬ガシィ!!❭

 

「!」

 

 ネオが突きを繰り出すが、手をつかまれてしまう。

 

「こ、こいつ!」

 

[フン!!]

 

❬ドガァ❭

 

 ライオンアマゾンがネオを蹴り飛ばす。そこに加賀が駆けつける。

 

「援護するわ!千翼さん」

 

「!千翼!?」

 

 加賀の言った千翼という言葉に衝撃を受ける、長瀬とイユ。

 

「さっきは、やってくれたわね!!」

 

 そう言って加賀は航空機を放つ。

 

[!]

 

 ライオンアマゾンは航空機を確認すると

 

❬ダァアン❭

 

「!」

 

[グウ!!]

 

❬バキィ!ドガァ!❭

 

 ライオンアマゾンは飛び上がり、航空機をパンチ、キックで落としていく。

 

「っ!だめか・・」

 

「この!!」

 

 ネオはライオンアマゾンが着地する瞬間を狙う。

 

[!]

 

「はあ!」

 

❬ザシュ!!❭

 

❬ドガァ!!❭

 

「ぐぅ!!」

 

 ネオがライオンアマゾンの左胸あたりを切り裂くが、同時にライオンアマゾンの踵落としをくらってしまう。ネオはそのせいでふらついてしまう。

 

[ウガァ!!]

 

❬バキィ❭

 

「ぐあぁ!!」

 

 その隙をつかれ頭に膝蹴りをもろ貰ってしまう。

 

「千翼さん!?」

 

[ギィ!!]

 

❬ドオォォン❭

 

 ライオンアマゾンがネオに追撃をしかけるが何処からかの砲撃により、じゃまされる。砲弾の方を見ると金剛姉妹がいた。

 

「千翼さん!大丈夫ですか!」

 

「あ、ああ大丈夫」

 

 榛名が千翼に駆け寄る。

 

「にしても、まさかあれを避けるとは」

 

[ガア!]

 

 ライオンアマゾンがネオ達に向かって突っ込んでくる。

 

「!皆さん撃ってください!」

 

「分かってるネー!ファイヤー!!」

 

「気合い!いれて!いきます!!」

 

「当たって!!」

 

「何か策があると見ました!」

 

❬ドオォォン❭

 

❬ドオォォン❭

 

❬ドオォォン❭

 

❬ドオォォン❭

 

 金剛達がライオンアマゾンに向かって砲撃するが、ライオンアマゾンは気にせず突っ込む。それが仇となった。

 

❬CLAW LOADING❭

 

[!?]

 

 気付いた時には自分の身体にネオの出したクローが巻き付いていた。

 

「今!!」

 

「ファイヤー!!」

 

「いけー!!!」

 

「そこです!!」

 

「貰った!!」

 

[!?]

 

❬ドガァァァン!!❭

 

 ネオに拘束された隙に金剛姉妹に砲撃され吹っ飛ぶライオンアマゾン。そして飛んだ隙にネオはベルトを操作して

 

❬Amazon STRIKE❭

 

「うおおおお!!!」

 

 ネオも飛び上がり、ライオンアマゾンに空中で蹴りを入れて真っ二つにした。

 

 




受験合格しました。
これからちょこっと投稿ペースが落ちると思います。
それでも週1ペースで投稿していきたいです。
ではまた次回をお楽しみに!!


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鎮守府の悲劇

今回はちょっと一部の提督達は注意して見てください。
では、楽しんでいってください。


―鎮守府の庭―

 

「ハァ、ハァ」

 

 ライオンアマゾンを倒したネオが着地する。

 そこに長瀬とイユが近づいていく。

 

「あんた・・まさか」

 

「ハァ、ハァ」

 

❬カシャ❭

 

 ネオが変身を解いて、千翼の姿に戻る。

 

「!千翼・・」

 

「・・・」

 

 千翼は長瀬達から離れようとするが

 

「千翼君!!」

 

「?」

 

 イユが千翼に向けて叫ぶ。

 

「・・ありがとう!!」

 

「!」

 

 イユからの「ありがとう」と言う言葉に驚く千翼。

 

(ありがとう・・)

 

(余り言われた事・・無いな)

 

 千翼は前もアマゾン狩りをしていたが、それでありがとうと言われた事は余り無かった。言われるとしてもかつての友人長瀬からだった。それほど経験に無かった事なのでどう反応すればいいか分からず少し口ごもる千翼

 

「え・・・と」

 

「どういたしまして・・?」

 

 千翼はイユの顔を見ながらいう。イユは笑顔で千翼を見る。

 そこに仁と七羽が到着する。

 

「アマゾンは!」

 

「そこに」

 

 仁の質問に霧島がライオンアマゾンの死体を指差しながら答える。

 

「成る程、倒したか・・被害は?」

 

「今回は間宮さんの所の屋根と壁がぶっ壊された意外はありません」

 

「そうか、なら良い。建物ならまた作り直せば良いからな」

 

「そうですね」

 

 そうして、鎮守府のライオンアマゾン騒動は終わった。

 

 

―深海の何処か―

 

 

 そこに彼女達はいた。

 

「配置シタ深海棲艦ノ一部ガ全滅シタ?」

 

「ハイ」

 

 深海棲艦の補給艦輸送ワ級の報告を聞くのは、かの姫級の一人『戦艦棲姫』

 

「艦娘ノ仕業カ?」

 

「イエ、チガイマス」

 

「!ナニ?」

 

「デハ、仲間割レデモ起コッタト?」

 

「ハイ、チョウサシタトコロ、マサシクソノトオリデシタ」

 

「!」

 

 戦艦棲姫が露骨に嫌な顔をするが、ワ級は言葉を続ける。

 

「ソシテ、ゲンインデスガオソラク」

 

「何ダ?」

 

 ワ級が戦艦棲姫にひとつの資料を渡す。

 

「・・・コレガ原因ダト?」

 

「ハイ」

 

「何ナンダコレハ」

 

「ハイ、コノサイボウハワタシタチニカンセンシテ、カイブツニカエルコウカガアルヨウデス」

 

「・・ツマリ配置シタ深海棲艦ノ中ニ、コレニ感染シタ者ガイテソノ深海棲艦がホカノ奴ヲ襲ッタト」

 

「ハイ」

 

「ナラバ今スグコノ細胞ヲ殲滅スルゾ!!」

 

「ソノコトデスガ」

 

「ナンダ?」

 

「ギジュツハンカラ」

 

「?」

 

「コノサイボウ・・・『タタカイニリヨウデキルカノウセイ』ガアルトノコト」

 

「!・・・詳シク聞カセロ」

 

 

―二日後、鎮守府白露型の部屋―

 

 

「ほら、村雨起きてー」

 

「う、うーん」

 

 朝6時、時雨が皆を起こす。

 

「うーん!!時雨ー今何時ー?」

 

「もう、起床時間だよ白露姉さん」

 

「う・・・ん」

 

「ほら、村雨起きた、起きた!」

 

「うん・・・」

 

「?・・・村雨大丈夫?なんか顔色悪いけど」

 

「・・大丈夫だよ・・・時雨姉さん」

 

「ぽいー!」

 

 村雨に夕立が後ろから抱きつく。

 

「夕立ちゃん・・」

 

「村雨元気無いっぽい?」

 

「はは、夕立まで心配ありがと」

 

 実際今朝の村雨の顔色は悪かった。

 

(二日間前の夜あたりから気分が悪いわ・・)

 

「朝ごはん行こうぽいー!」

 

「夕立は朝から元気だねー」

 

 夕立が朝ごはんを食べようと部屋を出る、それに続く用に白露、時雨、村雨達も部屋をでる。

 

 

―食堂―

 

 

「は~む!・・・美味しい~」

 

「夕立、うるさいよ」

 

「おかわりいっちばーん!」

 

 今は白露、時雨、村雨、夕立の4人でテーブルを囲って朝ごはんを食べていた。夕立を筆頭に皆美味しくごはんを食べる、村雨を除いて。

 

「・・・」

 

「!村雨、食べないの?」

 

「あ・・いや、食べるよ」

 

「ふふん!村雨ボーッとしてると・・ぽい!」

 

「あ!」

 

 夕立が村雨のおかずをつまみ食いする。

 

「夕立ちゃん!」

 

「隙だらけなのが悪いっぽいー」

 

「もー」

 

 夕立は意地悪く笑う、村雨は不満を口にしながら朝ごはんを食べるが、そのペースはいつもより遅かった。

 

 

―一時間後職務室―

 

 

 今、職務室には霧島、榛名、川内、神通、夕立、村雨が七羽から作戦の説明を受けていた。

 

「―以上が、今回の作戦よ。まぁいつも通りやれば大丈夫よ」

 

「了解!」

 

 霧島達は七羽に敬礼をして職務室をでる。

 

 

―数分後海上―

 

 

 今、霧島達が深海棲艦と戦っていた。

 

「陣形を崩さないで、いつも通りやれば大丈夫よ!」

 

「アマゾンでも出てこない限りね!」

 

「不吉な事言わない!」

 

 霧島と川内が軽い会話をすると、一隻の駆逐艦が二人の横をすり抜ける。その先には村雨がいた。

 

「!村雨さん!駆逐艦が一隻そっちにいったわ!」

 

「!」

 

 村雨が駆逐艦を確認する。

 

「返り討ちに―」

 

❬ドクン❭

 

「!?」

 

(気分が悪く・・)

 

 村雨は、突然気分の悪さに教われ一瞬行動が遅れる。

 

「!村雨ちゃん!?」

 

「!」

 

❬ドガァァァン❭

 

「キャアア!!?」

 

 駆逐艦の砲撃をもろくらっていまう。

 

「この!」

 

❬ドン❭

 

❬ギャオオ❭

 

 夕立が駆逐艦を追い払い、村雨の元へ向かう。

 

「村雨ちゃん!大丈夫!?」

 

「う、うん・・大丈夫」

 

 村雨はさっきの攻撃が予想以上に効いており、中破していた。

 それから数分後、無事に作戦は終了した。

 

 

―鎮守府内艦娘専用風呂―

 

 

「ふぅ」

 

 村雨は傷のついた身体で風呂に入っていた。実は艦娘は風呂に入る事で身体を治癒する事ができるのだ。(あくまで切り傷や火傷のみ、それ以上の傷は風呂では治らない。)

 

「早く気分が悪いの治さないと、作戦に支障がでるわね」

 

 村雨は風呂をあがり身体を洗おうと、洗い場にいく。

 

「女の子は身体を大事にしないとだからねー♥」

 

 村雨はシャンプーに手を伸ばすが、その手には『青黒い血管』が浮かんでいた。

 

「!!??何これ!??」

 

 村雨は手を擦り数回擦ると『青黒い血管』は無くなっていた。

 

「ハァハァ、さっきの・・・幻覚?」

 

 村雨は息を乱しながら、『青黒い血管』について考えるが、幻覚だったという事にして身体を洗った。

 

 

―鎮守府廊下―

 

 

 風呂を終わらせた村雨が一人廊下を歩いていた。

 

(もう、お昼頃か・・)

 

 なんて考えていると。

 

「村雨ちゃーん!」

 

「夕立ちゃん、時雨姉さん、白露姉さんまで!」

 

「一緒にお昼ごはん行こうっぽいー!」

 

 夕立達に誘われて、一緒に食堂に向かう村雨。

 

 

―食堂―

 

 

 テーブルには朝と同じ用に白露、時雨、村雨、夕立の4人でいた。

 

「いただきまーす!!」

 

「ぽいー!」

 

「白露姉さん、夕立、そんな急がなくてもごはんはにげないよ」

 

 白露と夕立が白飯を掻き込み、それを時雨が軽く注意する。この鎮守府ではよく見る光景である。そんな中、村雨はあまり箸が進んでいなかった。

 

「村雨?」

 

「・・・」

 

「村雨~油断していると~」

 

 夕立がまた村雨のごはんに手を伸ばすが

 

「夕立が食べちゃうぞ~!」

 

「!」

 

❬ガシィ!❭

 

「!?」

 

 夕立の腕を、村雨が勢い良く掴む。

 

「あちゃ~捕まったぽいー・・・村雨ちゃん?」

 

 夕立は捕まった事にリアクションを取るが、それでも村雨は夕立の腕を離さなかった。

 

「・・・」

 

「村雨ちゃん!!」

 

「!」

 

 夕立が大きな声で村雨を呼ぶ。

 

「ご、ごめん・・・」

 

「村雨ちゃん?」

 

 村雨は夕立の腕を離すが、その顔はまるでありえない事でも見たかの用に血の気が引いていた。

 

「・・夕立ちゃん、これ挙げる・・私はもう部屋に戻るね」

 

 そう言って村雨は走って食堂から出た。

 

 

―白露型の部屋―

 

 

 部屋に一人帰って村雨は自分の布団を頭から被った。そして村雨はガタガタと身体を震わせながら。

 

「わ、私・・なんで・・・なんで」

 

「夕立ちゃんを『美味しそう』っておもったの!?」

 

 と、布団の中で静かに言った。

 

 

―次の日―

 

 

「ん・・・皆を起こさなきゃ」

 

 この日も時雨が一番に起き、白露達を起こしていく。

 

「ほらー、姉さん朝だぞー」

 

「うー、いっちばーん・・」

 

「二番目だよ、おはよう姉さん」

 

「時雨は朝に強すぎるよー」

 

「皆が遅いの、霧島さんとかもっと早く起きてるよ」

 

「あの人は例外だよ~」

 

「ほら、夕立も」

 

「あと、一分だけ~」

 

「またそう言って・・」

 

「う~まだ眠いっぽいー」

 

「それでも起きるの!」

 

 白露、夕立を起こして村雨の元に向かう時雨。

 

「村雨ー、朝だよー」

 

「・・ごめん姉さん、ちょっと気分が悪いんだ・・副提督に伝えてくれる?」

 

「!そうなの大丈夫?昨日もごはん余り食べなかったし、熱はある?」

 

「熱は無いし・・寝れば・・大丈夫だよ・・とにかく今日は休むね」

 

「うん、わかった。鳳翔さんに頼んでお粥でも持ってくるね」

 

「うん・・・ありがとう」

 

 そうして、村雨を残して白露達は部屋を出た。

 

 

―鎮守府廊下―

 

 

「村雨ちゃん大丈夫かなー?」

 

「今は変な病気が流行ってるからねー」

 

 白露達は村雨を心配しながら食堂に向かっていた。

 

「あら、村雨はどうしたの?」

 

「副提督!ちょうど良かった!」

 

 そこに、七羽が合流し、時雨が村雨の事を七羽に話す。

 

「村雨が?分かったわ、本人には無理しないよう伝えてくれる?」

 

「了解!」

 

 そうして、白露達は食事をした後お粥を持って部屋に戻っていた。

 

「あ!そうだ!良いこと思い付いたっぽい!!」

 

「何、夕立!」

 

 突然夕立が何かを思い付き、時雨が何を思い付いたか質問する。

 

「今日のお昼に白露型の皆でパーティーを開こうよ!きっと村雨も喜ぶよ!」

 

「パーティーか・・良いね!鳳翔さんの所借りてやろう!」

 

「じゃあ、私春雨達にこの事伝えてくる!!」

 

「じゃあ、私は鳳翔さんに借りれるか聞いてくるっぽい!」

 

 こうして居酒屋鳳翔で白露型パーティーが始まろうとしていた。

 

 

―お昼頃―

 

 

「村雨ちゃん、大丈夫?」

 

「うん、かなり良くなったよ」

 

 時雨が村雨を心配しながら部屋に入る。村雨は大丈夫だと言うがその顔色は良くなかった。

 

「これたらで良いんだけどさ、ちょっと来てくれる?」

 

「ん、分かった」

 

 そう言って村雨は部屋から出て時雨についていく。

 

「どこに行くの?姉さん・・」

 

「それは―」

 

 数分後、時雨と村雨は居酒屋鳳翔に着いた。

 

「あれ、なんでここ?」

 

「さぁ、村雨入って」

 

「?」

 

 村雨はそっとドアを開ける、すると

 

❬パァン❭

 

「わ!」

 

 クラッカーが一斉になり村雨を白露型の面々が迎えた。

 

「これは・・?」

 

「村雨ちゃんが元気がないからパーティーを開こうってなったぽい!」

 

「みんな・・」

 

 村雨は白露型の皆の方に向かった、しかし

 

❬ドクン❭

 

「ッ!?」

 

「村雨大丈夫っぽい!?」

 

 突然村雨が膝をつき、夕立が村雨を支える。

 

「やっぱりキツかった!?大丈夫村雨ちゃん!?」

 

「ハァ、ハァ、皆・・こんなに・・・こんなにご馳走を用意して・・本当に・・・ハァ・・」

 

「村雨ちゃん?」

 

 この時、夕立は村雨にある違和感を感じた。

 

「私・・大事に・・」

 

「村雨姉さん?」

 

 他の姉妹達も村雨の違和感に気づくが

 

「残さず―

 

 

 

―タベルネ」

 

 遅かった。

 

「ガァ!!」

 

「何!?村雨ちゃん!?!??」

 

❬ガブゥ!!❭

 

「!?キャアアアアアアアア!!?!??」

 

「な!?何これ!!??」

 

 次の瞬間、村雨は夕立の右腕に噛みつき、身体から蒸気と熱風を放ち始めた。突然の事に姉妹達は困惑する。数秒後、蒸気が晴れるとそこに居たのは村雨では無く『オオカミアマゾン』だった。

 

 

―千翼の部屋―

 

 

「!またアマゾン!しかも鎮守府内だなんで!?警報はなってないのに」

 

 千翼のアマゾンレーダーは『オオカミアマゾン』の出現を千翼に知らせた。千翼はアマゾンズドライバーとインジェクターを手に取り居酒屋鳳翔へ向かった。

 

 

―居酒屋鳳翔―

 

 

「キャアアアアアアアア!!!??!痛い痛い痛い!」

 

[グジュウウウ]

 

 夕立が右腕を食われ泣きながら訴える。

 

「何が、何がおきてるんですか!?」

 

 春雨が涙目になりながら叫ぶ。

 

「痛いぃぃぃぃ!!!アアアアアアアア!」

 

「村雨!!ダメェ!!夕立よ!!私達の家族よ!?」

 

[ガアァァァアアア!!!]

 

❬ドガァ!!❭

 

「うげぇ」

 

 白露が『オオカミアマゾン』を夕立から離そうとするが、力負けして吹っ飛ばされる。

 そこに

 

「居た!!うおおおお!!!」❬NEO❭

 

[!]

 

❬ドオォォォオン!!❭

 

 ネオの起こした爆発で『オオカミアマゾン』は夕立から離れる。

 

「夕立姉さん!!」

 

 そして、夕立の元に江風、海風、山風がよるが

 

「ひっ!?これは」

 

「そんな・・・」

 

 夕立はすでに右肩から先が無くなっている状況だった。

 外では『オオカミアマゾン』とネオが戦っていた。

 

「はあ!!」

 

❬バキィ!!❭

 

[ウグゥ]

 

 ネオが『オオカミアマゾン』を蹴り飛ばし、インジェクターをベルトに押し込む。

 

❬BLADE LOADING❭

 

 音声と共にネオの右腕に長剣が生成される。

 

「だあ!!はあ!!」

 

❬ザシュ!ズバァ!❭

 

[ゲギャア]

 

 ネオは長剣で確実にダメージを与えていった。そしてベルトを操作して止めを刺そうとするが

 

「だめぇ!!!」

 

「何!!??」

 

 時雨がネオを押さえて行き手を拒む。

 

「っ!?何で!??」

 

「あれは村雨ちゃんなの!あれは・・・村雨ちゃんなの!!!!」

 

「えっ!?」

 

 時雨の言葉に衝撃を受けてネオの動きが止まる。

 

[ギィ!!]

 

❬ドォン!!❭

 

「なっ!!」

 

 ネオが止まっている隙に『オオカミアマゾン』は飛んでどこかへ逃げてしまった。

 

(そんな・・・まさか)

 

 鎮守府最悪の事件が今、始まってしまった。

 

 




村雨がこうなったのは私の責任だ・・・
だが私は謝らない。
恨むなら千翼を恨んでくれ(無慈悲)
では次回をお楽しみに!!


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すべての原因

今回も一部の提督達は注意してね。
では楽しんでください。


―鎮守府内職務室―

 

 

 職務室には今、夕立、村雨を除いた白露型全員が集められていた。そして、白露型の前に仁と七羽が立って居酒屋鳳翔で起きた事件について聞いていた。

 

「・・・それは本当か?」

 

「うぐっ・・うん・・」

 

 白露が泣きながら仁の質問に答える。

 

「・・・村雨・・・が」

 

「・・・」

 

 白露達の話しを聞いて、仁と七羽は衝撃を受けてどんな顔をしたら良いかわからず困惑する。

 

「うぐっ・・・ひぐっ・・村雨ちゃん・・」

 

「村雨・・・姉さん」

 

「一先ず貴女達が無事で良かったわ」

 

 七羽が泣いている白露達を抱き締める。

 

「・・・この事は・・全員に話す」

 

 

―数分後―

 

 

 職務室には、今動ける艦娘全員が入っていた。勿論千翼もである。

 そして、千翼の顔は常に沈んでいた。すると仁が全員に話しかける。

 

「さて、お前らよく来てくれたな」

 

「!」

 

 艦娘全員が仁の話しに集中する。

 

「お前らを呼んだのは、今ここに居ないやつと関係がある」

 

「いない?」

 

ざわざわ・・・ざわざわ

 

 艦娘の殆どが職務室をみわたす。

 

「!村雨ちゃんと夕立ちゃんが居ないじゃない!!」

 

 雷が声を上げる。

 

「ああ、まず夕立についてだ」

 

「・・!」

 

 艦娘全員が仁の話しにさらに集中する。

 

「夕立は、アマゾンの攻撃を受けて、今は療養中だ・・・右腕を完全に失った」

 

「!?」

 

「そんな・・・!?」

 

 夕立の状態を聞いて、驚きの声を上げる艦娘達

 

「ちょっと待ってください、ライオンアマゾンを最後に鎮守府にアマゾンは侵入されてないはずです!!」

 

 仁の話しに加賀が疑問を投げ掛ける。

 

「その事についてもだ・・・夕立の腕を食ったのは、村雨だ」

 

「・・・は?」

 

 仁の言った事が理解出来ずに困惑する加賀、それは他の艦娘もそうだった。

 

「いやいや、おかしいデース!夕立を襲ったのはアマゾンのはずデース、なんで村雨のnameが出てくるデース」

 

 金剛が仁に問いかける。

 

「理由は・・・村雨がアマゾンに変異して夕立を襲ったからだ」

 

「・・・へ?」

 

 仁の言った事がわからずさらに困惑する艦娘達

 

「ハ、ハハハ、提督もジョークが得意ですネーハハハ」

 

「・・・」

 

 金剛が笑い、ジョークだと言うが仁は真剣な眼差しで金剛をそして艦娘達を見る。その目を見て艦娘の殆どが理解した。

 

「・・本当・・・なんですカ」

 

「嘘は言わねぇ」

 

「!」

 

「そんな・・・事が」

 

 艦娘達が動揺する。

 

「私達だって嘘だと思いたいよ・・」

 

「!・・白露ちゃん達!」

 

 白露達が泣きながら訴える。

 

「どうして・・どうして、こんな村雨ちゃんと夕立が・・どうして」

 

「私達は・・ただ普通通り、ぐずっ・・過ごしていただけなのに・・」

 

「・・・・」

 

 白露が泣きながら話す、他の姉妹も泣いていたが、時雨は虚ろな眼をして黙っていた。

 

「村雨・・・夕立・・!!」

 

「っ!!?!!!」

 

 白露が話しを続ける毎に千翼は顔を曇らしていった。

 

「お願い・・村雨・・!!・・戻ってきて・・!!」

 

「くっ!!?!?」

 

「千翼?」

 

 そして千翼は耐えられなくなった。

 千翼は静かに白露達の前に出た。そして

 

「・・・俺の・・せいだ」

 

「え・・?」

 

「全部・・俺のせいだ・・」

 

「何を・・千翼さん・?」

 

 榛名が声を掛けるが、千翼はそれを無視して話しを進める。

 

「・・溶原性細胞・・」

 

「千翼・・?」

 

「これは、人間の体内に侵入して・・対象を・・アマゾンに変える細胞」

 

「!・・おい、ちょっとまて、なんだって!?」

 

「これが、すべての原因です・・深海淒艦がアマゾンになる原因・・村雨さんが・・アマゾンになった原因」

 

「!!??なんですって」

 

 千翼の話しを聞いて職務室にいる全員がざわつく。

 その中で仁が千翼に問いかける。

 

「知っていたのか?」

 

「・・・」

 

「何で黙っていた?」

 

「・・・」

 

 千翼はしばらく沈黙するが、やがて口を開き。

 

「溶原性細胞には、感染源がいる」

 

「・・・」

 

 いつの間にか職務室全体が静かになって、千翼の話しを聞く。そして千翼は

 

「それは・・・・俺だ」

 

 真実を言った。

 

「村雨ちゃんがああなったのは、俺のせいだ」

 

「・・・」

 

 時間が止まった用に、静かになる。あまりにも衝撃的な出来事が連続して起こった事で仁すらも困惑していた。そしてその沈黙を破ったのは時雨だった。

 

「どうして・・黙っていた・・」

 

「・・・」

 

「提督も知らなかったみたいだ・・」

 

「・・・っ」

 

「どうして隠していた!!!!!!」

 

「!?」

 

 時雨が豹変して千翼に掴みかかる。

 

「お前!!どうしてそんな事隠してたんだよ!!どうして!!!」

 

「時雨さん!落ち着いて!」

 

 霧島と榛名が時雨を後ろから押さえる。

 

「これが落ち着いていられるか!!!!こいつのせいで!!」

 

 気づけば時雨はぼろぼろと涙を流していた。

 

「こいつだ!!!こいつが悪いんだ!!こいつがそんな大事な事黙ってたから!!!!こいつが居たから!!村雨ちゃんは!!!夕立ちゃんは!!!」

 

「時雨さん・・・!!」

 

 押さえる霧島、榛名も涙を流す。

 

「こいつなんかあの時死んでいれば良かったんだ!!!こいつなんかを助けたから!!」

 

「っ!!!」

 

「霧島、榛名、時雨を外に出せ」

 

「はい・・・」

 

 仁が命令をして、霧島と榛名が時雨を押さえたまま、職務室を出ようとする。

 

「許さないぞ!!!僕は!!!絶対に!!」

 

 そう言って時雨は、職務室から出ていかされた。

 

「くっ・・・!?」

 

「千翼!?」

 

 そのすぐ後に、千翼も走って職務室を出ていった。

 しかし事はまだ続いた。

 

❬ジリリリリリ❭

 

「!?」

 

 突然、職務室の提督専用の電話が鳴り響く。

 

❬ガチャ❭

 

「第57鎮守府提督鷹山 仁だ」

 

 仁はすぐに電話を手に取る。そして相手は

 

「・・・提・・・督?」

 

「!?お前!??!」

 

 逃げた村雨だった。

 

 

―鎮守府の外―

 

 

 千翼は職務室を出た後、ネオアマゾンズドライバーとインジェクターをバックに入れてバイクに向かって行くと同時に考えていた。

 

「ハァ、ハァ」

 

(「どうして隠していた!!!!!!」)

 

(しょうがないじゃないか・・)

 

 千翼の目には微かに涙が浮かんでいた。

 

「俺はそれでも生きたいんだ!!」

 

❬ブオン❭

 

 千翼はバイクに着くや否や、鎮守府の外へ出ていった。

 

 

―職務室―

 

 

 仁は村雨からの電話だと気付くとすぐに艦娘全員に聞こえる用にし、専用の機械を使って大淀に逆探知をさせていた。

 

「ふふふ、提督~ふふふ」

 

「・・・」

 

「あら~黙り~、なんか返事くらいしてくれていいじゃない」

 

「・・・村雨」

 

「あ、やっと返事してくれた!」

 

「・・・村雨ちゃん?」

 

 艦娘達、特に白露型の全員はその電話から聞こえる村雨の声に違和感を感じた。

 

「いや~ごめんなさいね、いきなり鎮守府を抜け出して・・村雨はこの通り元気で~す!アハハハ」

 

(なんだ・・これは?)

 

 仁もその違和感に気付くと

 

「!提督、わかりました!」

 

「!何処だ?」

 

 大淀が逆探知で村雨の場所を突き止める。

 

「第56鎮守府・・この隣りの鎮守府です」

※隣りと言ってもひとつの県が入る位離れている。

 

「・・・わかった」

 

「あれ~、今ちらっと聞こえたけど場所ばれちゃった?」

 

「村雨」

 

「ん?」

 

 仁が村雨に質問を、する。

 

「そこの『提督や艦娘達』はどうした?」

 

「・・・アハハハ、やっぱりばれちゃったか」

 

「質問に答えろ」

 

 仁の質問に村雨はおどけるが、仁は言葉を強くして質問をする。

 

「・・良いよ~、教えて上げる」

 

「・・・」

 

 仁も艦娘も、耳を傾け聞き入る。

 

「・・ここの人達は・・・・全員『食べちゃった』」

 

「!?」

 

「うっ、オエエエ」

 

 職務室にいる全員が、村雨の言った事に驚き、白露は嘔吐してしまった。

 それでも、村雨の話しは終わらなかった。

 

「私が食べたのは、ここにいた人間や艦娘だけじゃないよ!この鎮守府に来る途中に会った、おじさんやおばさん、お兄さん、お姉さん、子供、赤ちゃん!!」

 

「全部!!『食べちゃった』!!!アハハハハハハハハハ」

 

「・・・」

 

 それは電話越しでもわかった、もう村雨は『壊れてしまっている』事に。

 

「ハハハ、はぁ~来るなら来なよ提督、待ってるね♥」

 

❬ブツッ・・❭

 

 村雨からの電話は、そこで終わった。

 

「・・・」

 

 誰も喋らなかった、電話の内容を信じれなかった。しばらくして仁が口を開く。

 

「・・・七羽さん」

 

「仁・・」

 

「ちょっと出かける」

 

「!」

 

 仁が静かに言うが、

 

「待って提督!」

 

「何だ川内?」

 

 川内が仁に問いかける。

 

「行くって・・村雨の所に?」

 

「・・・」

 

 仁は川内の質問には答えなかった。

 

「待ってよ・・まだ」

 

「村雨は・・俺の娘みたいな物だからな・・」

 

❬コンコン❭

 

「!」

 

 突然職務室のドアが叩かれる。

 

「誰?」

 

 七羽が質問を投げ掛ける。

 

「『第58鎮守府』から来ました、潮と阿賀野と言います、鷹山 仁提督に話しがあってきました」

 

「『第58鎮守府』!?」

 

 第58鎮守府という単語に仁が反応する。

 

「・・・どうしたんだ?」

 

「実は私達の鎮守府の資材が『提督』のミスで枯渇してしまい、幾らか資材を分けてはくれませんか?」

 

「あんたらの『提督』が?めずらしいねぇ」

 

「『提督』だって人間です、ミスの一つや二つします!」

 

「そうかい」

 

「わかった、幾らか分けてやる・・七羽さん、頼める?」

 

「わかったわ」

 

 そう言って、七羽は職務室を出た。

 

 

―仁達の鎮守府内廊下―

 

 

 七羽は訪ねてきた駆逐艦の潮と阿賀野を連れて歩いていた。

 

「・・・」

 

(仁・・)

 

「あのー?」

 

 七羽が仁の事を考えていると、潮が質問をしてくる。

 

「どうしたの?」

 

「ちょっと・・トイレ借りても良いですか?さっきから我慢していて・・」

 

「トイレ~?」

 

「・・・いいわよ、場所は分かるわね?」

 

「はい!失礼します!!」

 

 七羽は潮からの質問に少し戸惑うが、行かせない理由はないため、潮をトイレに行かせて、阿賀野と先に資材を運びに行った。

 

 

―街の道路―

 

 

 そこを長瀬 裕紀は荷物を後部座席に乗せながら、バイクで走っていた。

 

(千翼に助けて貰って、お返しをしてねぇからな)

 

 そう、長瀬は千翼にライオンアマゾンから助けてもらった恩返しをするために、仁達の鎮守府に向かっていたのだ。

 

(千翼が何が好きなのかわからねぇけど、これを挙げれば喜んでくれるのか?大抵の人は喜んでくれるけどよ)

 

「ん?」

 

 そう思いながら走っていると、一台の赤いバイクが長瀬の反対車線を通る。長瀬はヘルメットの隙間から一瞬見えた顔とその操縦者の服に反応した。

 

「あれって、千翼か?服は同じだったけど・・」

 

 長瀬はバイクを止めて考える、丁度良い事に今は長瀬意外バイクも車も走っていなかった。

 

(いや、別人の可能性があるし・・)

 

(でも)

 

 長瀬は無視して鎮守府に向かおうとするが、何故か赤いバイクが気になり。

 

「んー!千翼かもしんねぇし、追いかけるか!!」

 

 バイクの向きを変えて、その赤いバイクを追いかけた。

 

 

―二時間後―

 

 

 赤いバイクと長瀬はまだ走っていた。

 

(一体何処に向かってんだ?もう県を跨いだぞ?)

 

「むっ!?」

 

 赤いバイクが右折したので、長瀬も数分遅れで右折する、その数十メートル先には

 

「え・・・あれって」

 

 仁達の鎮守府に類似した建物

 

「別の鎮守府じゃねーか!!」

 

 第56鎮守府だった。

 

 

―第56鎮守府正門の前―

 

 

 長瀬の追っかけた赤いバイクは正門の前にたてられていた。先に言うがこのバイクはジャングレイダーである、つまり長瀬が追ってきたのは千翼本人だ。

 

(こんな所になんの用があるんだ?)

 

 長瀬もバイクを正門前に止めて鎮守府内に入って行った。

 

 

―第56鎮守府内―

 

 長瀬が違和感に気付くのは、そう時間が掛からなかった。

 

(この鎮守府、静か過ぎないか?)

 

 長瀬は疑問に思いながら艦娘の宿舎に向かった。

 

(オッサンの所ならまだしも、この鎮守府に入ってから誰も俺の所に来ないのは、おかしいぞ?)

 

「うっ!!??」

 

 長瀬は艦娘の宿舎の扉を開けると共にとてつもない『異臭』に襲われた。

 

(なんだこの臭い!?鉄?それだけじゃなねぇ、何なんだこの臭いは!?)

 

 長瀬は余りの臭いに鼻を押さえながら宿舎内を歩く。そして、一つの艦娘の部屋の前に立つ。その部屋には『暁型の部屋』と幼い文字で書かれてあった。

 長瀬はそっとその部屋の扉を開けた。

 

「誰かー、いなっ―!!!!?????!?!」

 

 その部屋の状態を一言で表すなら地獄だった。

 上半身と下半身は離れて、腕がもがれて、脚がもがれて、目玉をえぐられて、内臓や骨が飛び出し、部屋中血まみれで、暁型だった物が辺り一面に転がっていた。

 

「うっ、うぐっ、オエエエエエエエ」

 

 長瀬はその地獄としか言い様の無い状況をみて嘔吐してしまう。

 

「なっ、ハァ、なんっ、なんだよこれは!?」

 

「お、おい!誰か―うっ!?」

 

 長瀬が動揺しながら、近くの部屋を開けるがその部屋も血に染まっていた。長瀬は吐き気を押さえながら、他に人が居ないか宿舎の部屋を片っ端から開けていくが、どこを開けても血、血、血、血、血、血、血、血、数十回部屋を開けた後、長瀬は理解した。ここにはもう生きている人間も艦娘も居ない事に。

 

「なんだよこれ・・・なんだよこれは!!!」

 

 長瀬の絶叫が木霊する。

 

 

―第56鎮守府内職務室に向かう廊下―

 

 

 千翼は静かにそこを歩いていた。途中に艦娘の宿舎に向かおうと思ったが、千翼は宿舎には行かなかった。何故なら分かっていたから、この鎮守府で生きている艦娘は一人だけだと。

 

「ここだ・・」

 

 千翼は職務室の前に来てそう呟き、そっと扉を開けた。

 

「!?」

 

 職務室の中は、背中を大きく抉られた白い軍服を着た死体と、その死体に覆い被さるように下半身が無い戦艦『金剛』の死体があった。

 

「これは!?」

 

「来たねぇ~♥」

 

 千翼が驚いていると、職務室の奥の椅子から声がした。その声の主はもちろん

 

「村雨さん・・・!」

 

「あら~、千翼さんじゃない♥ふふふ」

 

 そこには返り血でほぼ真っ赤に染まった、村雨が鎮座していた。

 

「・・・」

 

「・・・」

 

 しばらく沈黙が続くが、突然村雨が千翼に話しかける。

 

「不思議よね~艦娘って」

 

「え?」

 

「だってそうでしょ、そこの金剛さんみたいに、私って複数人いるんだからね~」

 

「そうは思わない?」

 

「・・・」

 

 村雨が千翼に問いかけるが、千翼は答えなかった。それでも村雨は話しを続ける。

 

「身体、声、顔、艦装、殆どが一緒なんだけど・・全部微妙に違う」

 

「とことん不思議よね!それってつまり『同一人物でありながら別人でもある』って事だから!」

 

「!『同一人物でありながら別人でもある』・・」

 

 千翼が村雨の言った『同一人物でありながら別人でもある』と言う言葉に反応する。

 

「そう・・・だからかな?」

 

「!」

 

 村雨が椅子から降りて千翼の方を向く。その身体には『青黒い血管』が浮かび上がっていた。

 

「まだまだ、タベタリナイ」

 

「っ!?」❬カチャ❭

 

 村雨は身体から蒸気と熱風を発生させ、千翼はベルトを腰に巻き、ベルトにインジェクターを差し込む。そして、

 

「アマゾン!!!」❬NEO❭

 

❬ドオォォォン!!!❭

 

 千翼の叫びと共に爆発が起きる、村雨は爆発を気にせず千翼に突っ込む。

 

 

―鎮守府内庭―

 

 

❬バコォォォン❭

 

 壁を破壊しながら、ネオとオオカミアマゾンは外に出た。

 

「だあ!!」

 

[おっと♥]

 

❬ガシィ!!❭

 

「!」

 

(こいつ、今!?)

 

[惜しい]

 

❬バキィ!!❭

 

 ネオが突きを繰り出すが、オオカミアマゾンに捕まれ、カウンターの蹴りをくらってしまう、そして千翼は驚いていた、オオカミアマゾンが喋った事に。

 

「ぐぅ、ふぅ村雨さん理性が・・!?」

 

[ええ、ばっちり目が覚めてるわよ!!]

 

❬ズガァ!!!❭

 

「グウオァ!!」

 

 ネオはオオカミアマゾンのパンチをもろにくらってしまい吹っ飛ぶ。

 

(こ、このパワーとスピード・・前より強くなっている!?)

 

[ふふふ]

 

 そう、オオカミアマゾンの身体能力が前回より高くなっているのだ。

 

「くっ、この!!」

 

❬シュッ、シュッ❭

 

[ふふふ、終わり?]

 

「!」

 

[ふん!!]

 

❬ドガァ❭

 

「ぐぅ、がぁ」

 

 千翼が苦戦している要因は、単純にオオカミアマゾンの身体能力が高くなったからだけじゃなく、この戦いにおいて村雨の理性が残っている事が大きかった。

 千翼も沢山の戦いを潜り抜けてきたが、それを言ったら村雨もそうである、そんな彼女の培った戦闘センスと強化されたオオカミアマゾンの力が千翼に苦戦を強いていた。

 

「ぐぅが!」

 

❬BLADE LOADING❭

 

ネオはインジェクターを更に押し込み、長剣を右腕に生成する。

 

[そら!]

 

❬ヒュオ❭

 

「だあ!!」

 

❬ズバァ❭

 

 ネオはオオカミアマゾンの蹴りを避けて、カウンターに斬撃をお見舞いする。

 

[っう、やるぅ]

 

「はあ!!」

 

[!]

 

 ネオは追撃に長剣で攻撃するが、すべて避けられてしまう。それを

 

❬ガシィ!!❭

 

「っ!?」

 

(何だって!?)

 

 なんと、オオカミアマゾンがネオの長剣を素手で掴む。

 そのせいでオオカミアマゾンの手からは血が流れる。そしてネオが動揺した瞬間をオオカミアマゾンは逃がさなかった。

 

[もらった♥]

 

「!しまっ―

 

❬ガシィ!!❭

 

 オオカミアマゾンが空いている方の手でネオの首を掴み持ち上げる。

 

[アハハハハハハハハ、やっぱり強いね!千翼さん!!]

 

「ぐぅ、おおおおおお!?」

 

❬メキメキ・・❭

 

 ネオの首から、微かに音がなる。

 

(ま、不味い・・このままじゃ・・)

 

❬ドカ、ドカ!❭

 

 ネオは必死に抵抗するが、オオカミアマゾンは一切力を緩める事は無かった。

 

(剣も・・ビクともしない・・)

 

[じゃあね♥]

 

 オオカミアマゾンがネオの首を折ろうとした瞬間

 

「うおおおおおおおおおおお!!!!」

 

「!?」

 

「だあ!!」

 

❬ズガァン!!❭

 

[!!?!・・なっ!?]

 

「・・裕紀!?」

 

 いきなり長瀬がオオカミアマゾンに突っ込み、どからか拾ってきたショットガンをオオカミアマゾンの首筋にゼロ距離でぶっぱなした。

 オオカミアマゾンは突然の事に掴んでいたネオを離してしまう。そして

 

「千翼ォ!!今だぁ!!!」

 

「!うぐっ、ああああああ!!!」

 

❬Amazon BREAK❭

 

ネオはベルトを操作して、怯んだオオカミアマゾンに接近し

 

「はああああああ!!!!」

 

[!]

 

❬ドスッ!!!ズバァァァァン!!!❭

 

 オオカミアマゾンの腹部に突き刺した後、横に振り抜いた。

 

[ぐぅ、がぁ」

 

「!」

 

 オオカミアマゾンは膝を付くと、村雨の姿に戻った。

 

「ど、どうして・・私が」

 

「・・・」

 

 村雨は、切り裂かれた腹部を押さえながらゆっくりと歩きだす。

 

「ハァ、ゴブッ、ハァ、私は・・」

 

❬ドサッ・・・!!❭

 

 そうして、村雨はこと切れた。

 

 

 

 




村雨提督ごめんなさぁーい!!!
あと、この世界の艦娘は一人が複数いる設定です。(なので金剛や暁が複数いる)
それと、出来ればで良いんですが感想など書いてくれたら嬉しいです。
では次回をお楽しみに!!!


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それぞれの対応

お待たせしました。
では、今回も楽しんでください。
追記:編集しました。



―第56鎮守府内庭―

 

 

 暴走した村雨を倒して数分、その場にいた千翼も長瀬も喋らなかった。長瀬に至っては余りに急な事が連続して起こったので混乱していた。

 千翼が自身の変身を解くと共に鎮守府に一台のトラックが到着する。

 

「!・・仁さん」

 

「オッサン・・」

 

 トラックから仁が降りてくる。そして仁に続くように霧島、榛名、川内、神通、が降りてくる。霧島達は奥で倒れている村雨に気付くと走って村雨の所へ行く。

 

「村雨さん・・・!」

 

「村雨・・・」

 

「・・・」

 

 霧島達は村雨の身体を触り、村雨が死んでいる事を実感する。そして

 

「・・・海に、沈めてあげましょう・・」

 

「!・・霧島」

 

「・・・そうだね」

 

「ええ・・」

 

 霧島の村雨の遺体を海に沈めると言う提案に賛同して、四人は鎮守府にある海岸まで村雨を運び、静かに海へ沈めた。

 その頃、仁は千翼に話しかけていた。

 

「・・・」

 

「千翼・・・」

 

「・・・」

 

 仁は千翼の名前を呼ぶが千翼は反応しなかった。二人の間に微かな嫌な空気が漂うが、そこへ長瀬が割って入る。

 

「千翼もオッサンもどうしたんだよ・・?」

 

「別にどうってことねぇよ・・千翼一先ずは鎮守府へ帰るぞ」

 

「・・・」

 

 千翼は黙っていたが、仁は何となく理解した、鎮守府へ戻る事を千翼は拒んでいると。

 

「はぁ・・」

 

 仁はめんどくさそうに、頭を掻いた後千翼に近づき耳打ちで

 

「溶原性細胞をどうにかできるかもしれない」

 

 と言った。

 

「!?」

 

 千翼はその言葉を聞いて驚く。

 

「なんだって!?」

 

「あくまで、可能性・・だかな、どうだまだ帰らないって言うか」

 

「!」

 

 この時千翼はしばらく考えて、

 

「・・・分かりました」

 

 鎮守府へ帰る事を承諾した。

 

「あとお前もだ、長瀬」

 

「ああ、当たり前だぜ!!」

 

「提督、今戻りました」

 

「ああ」

 

 そして仁はトラックの運転席に乗り、千翼達はトラックの荷台に乗る。そのトラックの荷台は壁に人が座れる用に改造されていた。千翼と長瀬のバイクは既に荷台に積まれており、全員が乗るとトラックは進みだした。

 

「・・・」

 

「・・・」

 

 荷台では誰も喋らなかった、静かな時間が進んでいた。何がなんだか分からない長瀬もただ黙っているしかできなかった。

 

 

―一時間後―

 

 

 仁達の乗ったトラックは、仁達の鎮守府に着いた。千翼と長瀬は仁に職務室へ連れられていき、霧島達は宿舎へ向かった。

 

 

―鎮守府内廊下―

 

 

 職務室へ向かう廊下を仁、千翼、長瀬、が歩いていた、千翼は顔を常に下に向けており黙っていた。長瀬はその事を不思議に思い仁に質問する。

 

「オッサン千翼どうしたんだよ?」

 

「これから分かる」

 

「?」

 

 長瀬の質問に仁は簡単に答える。

 しばらくして、仁達は職務室に着き中には七羽と、

 

「!・・イユ!!?」

 

「千翼君!!」

 

 イユとイユの父親の始がいた。

 

「イユ・・どうして君が!?」

 

「そうだぜ、どうしてイユが居るんだよ!!」

 

「私からしたら長瀬君がいる事が驚きだけどね・・」

 

 千翼と長瀬がイユが居る事に驚く。

 

「本当にどういう事だよ!?訳わかんねぇよ!?」

 

「・・・話して良いな?」

 

「っ・・・!」

 

 仁が長瀬に千翼の事を話す。

 

 

―説明中―

 

 

「溶・・・え?千翼が・・?」

 

「・・・」

 

 長瀬が仁からの説明を受けて、困惑しながら千翼を見るが、千翼は俯いて黙っていた。

 

「・・つまり?・・えっと・・その、溶何とか細胞のせいでアマゾンが生まれて・・え?」

 

 長瀬は頭を抱える、千翼はその様子を目の端で捉える。そんな千翼に始が話し掛ける。

 

「千翼君・・私が来たのは他でもないその溶原性細胞の問題を『何とかするためなんだ』・・」

 

「・・・」

 

 千翼は始の言葉を聞いて質問する。

 

「何とか・・・する?」

 

「ああ、そうだ」

 

 始は千翼の目を真っ直ぐ見ながら答える。その始の態度を千翼は疑問に思う。

 

「・・・どうして、そんな事を?」

 

「?」

 

 千翼が震えながら、始に質問をする。

 

「きっと後悔しますよ、なのに―」

 

「どうして後悔するって分かるんだ?」

 

「!」

 

 始が震える千翼の肩を掴み、力強く話す。

 

「・・君が溶原性細胞の事を黙っていた理由は仁君から聞いた、君が最初に見つかった時の状況から何となく分かる・・」

 

「っ・・」

 

「でも、千翼君・・この世をたった一人で生きている人なんていないんだよ・・」

 

「!」

 

「皆誰かと協力しながら生きているんだ、深海棲艦も人間もね・・私は千翼君が、今までどんな人生を生きてきたかは分からない・・それでも一度で良い、私達を信じてくれないか?君が一番に諦めないでくれ!!」

 

「千翼君・・・君は『生きていて良い人間』だと私は思うよ」

 

「!!!」

 

 千翼は始の『生きていて良い人間』と言う言葉に驚く、何故なら今までそんな事を言われた事が無いから。

 千翼は動揺しながら聞く。

 

「・・どうして・・そんなに」

 

「娘と同じ位の子どもを見捨てる事の方が、私には難しいよ」

 

「・・たったそれだけで・・本当に後悔するかも知れないのに・・」

 

「それは―」

 

「やってみなきゃ分からない・・ですよね?」

 

「仁君!」

 

「仁さん!」

 

 仁が話しに入ってくる、そんな仁に対して千翼は質問する。

 

「どうして、仁さんまでしてくれるんですか?」

 

「・・・さぁな、何となく・・だな」

 

「でも、俺のせいで村雨さんは・・」

 

「確かにそうだな・・だか村雨の事とお前自身の事は別じゃないか?それともお前は殺されたいのか?」

 

「いやっ、そう言う訳じゃ」

 

「ふっ、強いて言うなら俺は先生に賭けた。ただそれだけだ」

 

「千翼君!!」

 

 イユが千翼に話し掛ける。

 

「私も千翼君の力になるからね!!」

 

「・・イユ・・!!」

 

 頭を抱えていた長瀬も、イユに続くように言う。

 

「俺バカだからよ、まだよくわかってねぇけどよ・・俺もダチとして何でもするぜ千翼!!」

 

「・・裕紀まで」

 

 千翼は周りを見渡す、仁、七羽、始、イユ、長瀬、とそこには間違いない千翼の『仲間』がいた。

 千翼には、かつても仲間がいたがその仲間は千翼自身が拒んでいたせいで、千翼自身が仲間と言う物を感じれなかった実際にその中の一人と『仲間』になれたのは千翼が死ぬたった数時間前だろう。だからこそ千翼は困惑しながらも、

 

「皆、ありがとう・・!」

 

 千翼はそう言った。

 

 

―白露型の部屋―

 

 

 村雨の一件で白露型の殆どは寝込んでいた、ただその中で時雨だけは起きていた。

 

「・・・」

 

 しかし、その顔色は決して良くは無かった、顔は常に曇っており、目からは光りがなかった、そしてその目には微かに『憎悪』が感じられた。

 

「・・私が守らなきゃ・・皆を・・『守らなきゃ』」

 

 そう言って時雨は部屋を出た。

 

 

―職務室―

 

 

 始は千翼の血液を必要分取り、厳重に保管する。

 

「よし、私はこれで帰るよ」

 

「ああ、頼んだぜ先生」

 

「任せろ!」

 

 始は仁と握手した後、千翼の元に向かう。

 

「・・・始さん」

 

「千翼君、気負い過ぎるなよ」

 

「はい・・」

 

「じゃあ、イユー『千翼君を頼んだよ』ー!!」

 

 始はそう言った後職務室を後にした。千翼は始の『千翼君を頼んだよ』の言葉を聞いて困惑する。

 

「え?あ、え?イユ、え?」

 

「あ!言って無かったね、私しばらく千翼君の部屋でお世話になるからよろしく!!」

 

「えぇぇぇぇぇぇぇ!!?!!?!!??」

 

 千翼は驚きの声を上げる。

 

「イユ!!さっきの話しを聞いたでしょ!!」

 

「うん、聞いたよ?」

 

「イユ!?」

 

「おい!俺をおいてけぼりにするなよ!?」

 

「あ!長瀬君も一緒にどうかな?」

 

「ちょ・・」

 

「あ?どうゆう事だイユ?」

 

「えっと―説明中―って事だよ」

 

「成る程、千翼の所に泊まるって事か・・良いじゃねぇか!」

 

「ちょっと二人共・・」

 

「じゃあ、俺一端家に戻って荷物を持ってくるぜ!」

 

「私も荷物を置きにいくね!」

 

「ちょ!?イユ、裕紀、待て、待ってたら!」

 

 そうして、三人は慌ただしく職務室を出ていった。そして職務室には仁と七羽が残された。

 

「ふぅ」

 

「これで良かったの、仁?」

 

 七羽が仁に質問する。

 

「・・まぁな」

 

「仁が良いなら私は良いけど、艦娘は違うんじゃないの?」

 

「わかってるよ・・その為のイユだからな」

 

 そう言って仁は始と電話で話した事を思い出す。

 

 

―回想―

 

 仁は第56鎮守府に行く前に、アマゾンの細胞について調べて貰っている始に千翼の事を報告をした。

 

「それは本当か・・仁君」

 

「千翼自身が言っていたからな・・おそらく」

 

「なんだって・・」

 

「・・・」

 

「千翼君をどうする?」

 

「既に被害が出てる・・最悪は」

 

「っ・・・!」

 

「溶原性細胞は危険過ぎる」

 

「・・まだ」

 

「?」

 

「分かっているのは溶原性細胞の性質だけだろう、溶原性細胞をより詳しく調べれば解決策が出るかも知れない・・!」

 

「・・先生!?」

 

「仁君・・私は彼に助けられた・・仁君、溶原性細胞の事で一番苦しんでいるのは千翼君じゃないのか?」

 

「!」

 

 仁は、千翼が溶原性細胞の事を告白した時を思い出す。

 

「確かに・・・そうかも知れませんね」

 

「なら!」

 

「しかし艦娘は納得しますか?」

 

「!」

 

「村雨に被害が出てる・・少なくとも艦娘の数人は納得しませんよ」

 

「千翼君をしばらくこちらで預かる事は・・」

 

「出来ない危険過ぎる」

 

「仁君!!!」

 

「だから危険だと言っているでしょ!!こればっかりは先生の言う事でも聞けませんよ!!!」

 

「っ・・!!」

 

「一番良い手は・・千翼を殺す事です・・これからの事を考えて」

 

「しかし千翼君は子どもだ・・」

 

「それが通用する程、世界は甘くありません」

 

「・・・っ」

 

 

―始の研究室―

 

 

 始はそこで仁と電話をしていたが、仁との話しで頭を抱えていた。

 

(仁君はより多くの人が危険にさらされない用にする為の選択をしている)

 

 始は仁の言っている事の方が正しいと分かっていた。始の言った、溶原性細胞の事を調べて解決策を見つけると言う方法、成功すれば千翼の中の溶原性細胞を消す事が出来万々歳だが、成功せずに何の成果も得られないかもしれない。どっちにしろ大量の時間が必要だろう、村雨と言う被害者が出た以上、仁の所にいる艦娘達がその時間をくれるだろうか?もしかすると千翼を殺しに来る可能性がかる。正しく八方塞がりだった。

 

(どうする!?仁君が私に溶原性細胞の調査をさしてくれるには千翼君が常に仁君の目が届く場所、つまり鎮守府に常にいる事が最低限の条件だろう)

 

(しかし村雨ちゃんの事があった以上、艦娘の中には千翼君を毛嫌いしる人がいるだろう、最悪、千翼君が艦娘に殺される可能性がある)

 

「パパ」

 

「!?」

 

 始が考えていると、いつの間にか始の後ろに来ていたイユが話し掛けてくる。

 

「イユいつの間に!?」

 

「千翼君が・・どうしたの?」

 

「!聞いていたのか?」

 

「うん」

 

「・・イユには関係無い事だ」

 

「っ!関係あるよ!!」

 

「イユ!?」

 

「私は千翼君に助けられた・・千翼君が危ないのなら・・今度は私が・・私達が助けるべきだよ!!」

 

「イユ・・・しかしこれは危険な事なんだ!!」

 

「じゃあ、パパはなんなのさ!!その危険な事に首を突っ込んでるじゃん!!パパが良くて何で私がダメなの!?」

 

「イユの気持ちは良く分かる、でもこれは本当に」

 

「溶原性細胞」

 

「!?」

 

 イユが溶原性細胞の名前を口にして驚く始。

 

「イユ、本当に何処から聞いていた?」

 

「最初から」

 

「っ・・・!」

 

 始はしまったと思い、顔を押さえる。

 

「パパ、私はパパを信じてるから・・だからお願い、私も手伝わして」

 

「・・・」

 

 イユは始の目を真っ直ぐ見る、始はその目を見て折れた用に言った。

 

「わかったよ、イユ」

 

「!」

 

 そして始は受話器を取り、仁との話しに戻る。

 

「仁君、私の方から提案が・・・」

 

「わかってるよ、先生・・全部聞こえてた」

 

「!!じゃあ!!」

 

「ああ・・・頑固な嬢ちゃんだな」

 

「ふっ、全くだ」

 

 

―回想終了―

 

 

「例え艦娘の中に今回の事について反感をもつ奴がいても、千翼の近くにイユがいれば下手に手出し出来なくなる・・なんせイユはただの一般人だからな」

 

「でも、ちょっと強引じゃない?」

 

「しょうがないじゃん・・嬢ちゃんが望んだ事だからなー」

 

「まぁ、そうね」

 

「一番良いのは、明日艦娘の皆が俺達に賛同してくれる事だな」

 

「ええ、何も起きなければ良いけど」

 

 

―次の日鎮守府内食堂―

 

 

 今日も、当たり前に艦娘達が朝食を食べに来ていたが、昨日の出来事もあり暗い雰囲気だった。

 そこに仁が入って来る。

 

「全員注目ー!!」

 

「!」

 

 掛け声と共に艦娘達が仁の方へ身体を向ける。

 

「朝からすまねぇな、お前らに話しておくべき事がある」

 

「・・・」

 

「がその前に、白露型の奴らが見当たらないが?」

 

「白露型の皆さんは昨日から部屋で寝込んでいます」

 

 仁の質問に重巡洋艦の羽黒が答える。

 

「・・そうか」

 

「・・・」

 

 食堂内が微かに重い空気になるが、仁は話しを進める。

 

「そうだな・・まずは村雨の事だ」

 

「!」

 

「村雨は『沈んだ』・・」

 

「っっ・・!!」

 

 仁はその事実を簡潔に話す、しかしそれで充分だったこれ以上に重い空気にしたら艦娘達にも悪いし、溶原性細胞すなわち千翼の事を話しづらくなるから。

 

「そしてその原因と言って良い、溶原性細胞の事についてだ」

 

「!」

 

 溶原性細胞の話しになり、艦娘達はより真剣に話しを聞き入る。

 

「まずは溶原性細胞の性質についてだ―」

 

 仁は溶原性細胞について詳しく、明確に艦娘達に伝える、勿論感染源が千翼である事もである。

※溶原性細胞の事を詳しく知りたいのなら投稿している「これから」を見てください。

 

「―って訳だ、だから朝食を食ったら潜水艦の奴らは身体検査をする、それ意外も気分が悪かっらすぐに言えよ」

 

(さて、問題はこれからだ)

 

「そして、溶原性細胞・・千翼の事だが」

 

「・・!」

 

「溶原性細胞は俺が研究員の時の先生が調べて解決策を探している、そして先生が溶原性細胞について調べている間は千翼をこの鎮守府に置く事になっている」

 

「!!!」

 

ざわ・・ざわ

 

 仁の話しを聞いて、一部の艦娘達はざわつき始めるが、冷静な艦娘もいた。

 

「それで良いんじゃないですか」

 

「!」

 

 霧島が少し声を張ってそう言った。

 

「村雨さんの事は確かに悲しいですが、提督がその先生と千翼さんを信じたのでしょう?」

 

「ああ、そうだな」

 

「なら私も信じますよ、何より千翼さんとは一戦共闘した中ですし」

 

「そうね」

 

 霧島に続いて加賀も声を上げる。

 

「私も霧島さんと同意見です、少なくとも千翼さんは悪人じゃなく善人です、今すぐ倒す必要性はないと私は考えます」

 

「・・・」

 

(千翼、あいついつの間にこんな深い仲になってたんだ)

 

 仁が霧島と加賀の話しに驚いていると、

 

「加賀さんが言うなら、良いかな」

 

「二人がこんなに言うし大丈夫じゃない?」

 

「て言うか、悪人なら私達をアマゾンから守らないよね?」

 

「なのです」

 

「村雨ちゃんの事は悲しいけど、きっと事故だったんだよ・・」

 

「!」

 

(これは・・!?)

 

 仁は目の前の光景を見て驚く、そこには確かに千翼の事を艦娘達が認めていったのだ。

 

(運良く、うちの艦隊のリーダ格の霧島と加賀に認められたのがこの状況を作り出したか)

 

「意外と大丈夫そうだなこれは」

 

(だか・・あいつらは上手くいくかどうか・・)

 

 仁はしばらく食堂をみた後、8人分の朝食をもって白露型の部屋に向かった。

 

 

―白露型の部屋の前―

 

 

 仁は両手一杯に食器を持っていたので、足でドアの下らへんを軽く蹴ってノックした。その数秒後長女の白露が出てきたが、確実に痩せており村雨の件がどれ程辛かったかが見てとれた。

 

「!提督!!」

 

「すまんな、白露メシを持ってきた」

 

「うん、ありがとう」

 

 白露は仁が持ってきた朝食を中に運んでいく。すべて運び終わった後、仁が白露に食堂で話した事をすべて話す。

 

「―ってわけだ」

 

「・・・」

 

 話しを聞いた白露は黙ってしまう。

 

(やっぱりダメか・・)

 

 仁がそう考えていると。

 

「良いんじゃないですかね」

 

「!?」

 

 白露が活きなり仁の話しに賛同した事で、仁は驚愕する。

 

「・・本当に良いのか?言っては何だが村雨の仇みたいな物だぞ?」

 

「・・確かにそうですね」

 

「でも、ただ恨むだけじゃ駄目なんです」

 

「過去の事ばかり、見ていたら駄目なんです・・過去の事に囚われてくよくよしていたら駄目なんです、過ぎた事はどうやっても変えられませんから、私達が見なきゃいけないのは先の事です、長女である私が白露型一番艦の私が過去を引きづったら、恨んだら!!」

 

「!」

 

「私は姉妹に!!村雨に顔向け出来なくなりますから!!!」

 

「まぁ、辛いですけどねハハハ」

 

「何より千翼さんは良い人です・・提督が千翼さんを信じるなら私も信じますよ」

 

「・・・」

 

(白露・・・こいつは)

 

(いつもはおちゃらけている奴だが、こいつの心には強い芯が通っている・・長女としての強い芯が)

 

 仁は、白露の心の強さを見て感心する。

 

「強いな、白露」

 

「ヘヘヘ!だって私は一番艦だからね!!」

 

 白露は仁にいつもの笑顔を見せる。

 

 

―工房―

 

 

 朝食を食べた明石が食堂から戻ってくる。

 

「ハァー、千翼さんがなー」

 

「溶原性細胞か、恐いけど提督の言う先生を信じるしかないねー」

 

 なんて独り言を喋りながら、テーブルに乱雑に置かれた様々な装備を見る。

 

「ま!私は今まで通りに過ごせばー・・あれ?」

 

 明石は装備を見て一部の新装備が無い事に気付く。

 

「?」

 

 明石は辺りをうろちょろするが、

 

「!あれ!?無い!!無い!!私が新しく作った―」

 

 その装備が見つからず。

 

「『艦娘専用対アマゾン装備』が無い!?」

 

 と工房で叫んだ。

 

 

 




はい!ついに出しました!対アマゾン装備!!
でも一体装備はどこに行ったのか!?
それと、今回艦娘の皆は千翼の事を許してる雰囲気ですが、決して村雨に思い入れが無いなんて事はありません!!ちゃんと艦娘の全員が村雨の事を悲しんでいます、それでいて艦娘達は千翼の事をちゃんと仲間として信じた結果がこれですので勘違いしないであげてください。
では、次回をお楽しみに!!


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時雨の怒り

はい!!今回は千翼君に少し痛い思いをしてもらいます。
では、今回もお楽しみに!!


―千翼達の部屋―

 

 艦娘達が食堂で朝ごはんを食べている頃、千翼の部屋で、イユ、長瀬、千翼達もごはんを食べようとしていた。

 

「じゃあ、朝ごはんにしようか!!」

 

「おう!」

 

「あ、えっと・・」

 

 ごはんの準備をしようとしている二人に千翼が気まずそうにゼリーを取り出して言う。

 

「お、俺・・これで良いから」

 

「え?でも千翼君・・それ・・」

 

「これで良いのから」

 

「千翼君がそれで良いなら・・」

 

 イユはそう言って台所に向かい冷蔵庫を開けるが

 

「あれ?食材がない!?」

 

「・・あ」

 

 千翼が食材が無い事を思い出し声を上げる。と言うよりここは元々千翼一人が過ごすための部屋で千翼は過去のトラウマからゼリーしか食べれなかったので、部屋には食材をいれる機会が無かったのだ。

 

「じゃあ、俺なんか貰ってくるぜ!!」

 

「裕紀・・ごめん・・」

 

「謝らなくて良いぜ千翼、こんくらい家で何回も経験してるから」

 

「え?」

 

「うちの親は子供にゃあ金だけ挙げれば良いって思ってんからな、家で食事なんか出されねぇし自分で作るにしても食材が無いなんてしょっちゅうよ・・だからこんなこと気にしねぇよ」

 

「裕紀・・」

 

「じゃ、行ってくるぜ!!」

 

 長瀬が走って部屋を出る。その後を見ながら千翼は考えていた。

 

(親・・・か)

 

 千翼はそっと棚から本を取り出す、その本は仁から貰った『平行世界について』だった。

 

(この本に買いてある事が本当なら・・ここに居る仁さんと七羽さんは・・)

 

 

―鎮守府の廊下―

 

 

 長瀬は廊下を小走りで走って食堂に向かっていた。

 

「たしか―食堂は―」

 

「・・・どうしたのかな、長瀬君?」

 

「!」

 

 そこに時雨が話し掛けてくる。

 

「何か困ってるのかい?」

 

「ああ、メシ食う為の食材がないんだよ」

 

「そうなの・・丁度良かった」

 

「え?」

 

「実は私も部屋で料理してね・・・食材が残ったんだ、良かったら使ってよ」

 

 そう言って時雨は食材の入った袋を長瀬に渡す。

 

「おお!良いのか!!」

 

「うん・・・・持っていってよ」

 

「ありがとよ時雨!!」

 

 長瀬は時雨にお礼を言った後走って千翼の部屋に向かう、時雨はその背中をじっと見ていた、その目は漆黒に染まっていた。

 

 

―千翼の部屋―

 

 

「食材持ってきたぞー!!」

 

 長瀬が食材を持って入ってくる。

 

「ありがとう長瀬君、意外と速かったね」

 

「まぁな!!」

 

「じゃ!私が朝ごはん作るから待ってて!」

 

「ほいよ!!」

 

 長瀬はイユに食材を渡してテーブルに向かい、イユは食材を持って台所に向かう。

 

「え~と」

 

 イユは袋の中に入っている食材を確認する、中には冷凍のごはん、豆腐、わかめ、玉ねぎ、みそ、さば、そして調味料も入っていた。

 

「わぁ、こんなに一杯」

 

「フフフ、腕が鳴るわ!!」

 

 

―数十分後―

 

 

「はい、できたよ~!!」

 

「おお!!」

 

 イユが二人分の料理を持ってくる、内容は温めた冷凍のごはんとお味噌汁と鯖の塩焼きである。

 

「すげぇ!!」

 

「女の子足るもの、料理の一つや二つできないとね~!!」

 

 イユが誇らしげに言う。

 

「じゃ、食べようぜ!!」

 

「そうしよう!!」

 

「「「いただきます!!」」」

 

 イユが座ったのを確認して三人は食べ始めた。

 

 

―数十分後―

 

 

「ふぅ、旨かった!!」

 

「ごちそうさま」

 

「にしても千翼、本当に朝ごはんゼリーで良かったのか?」

 

「うん、大丈夫」

 

 イユは食器を台所に持っていき洗う、その間長瀬と千翼は他愛の無い会話をする。

 

 

―数分後―

 

 

「うっ!?」

 

「どうした、裕紀?」

 

 突然長瀬がお腹を押さえて声を上げる。

 

「腹が、痛てぇ、トイレ~!!」

 

 長瀬はそう言って部屋のトイレに駆け込む。

 

「・・・裕紀・・大丈夫かな?」

 

「・・っ!?」

 

「イユ?」

 

「ご、ごめん千翼君・・私も」

 

「え!?イユも!?大丈夫?」

 

「大、丈夫・・」

 

「無、無理しないで!」

 

(でもあまり千翼君の側から離れない方が・・でも長瀬君が居るし良いかな)

 

「ごめん千翼君ちょっと外に行くね」

 

「うん、行ってらっしゃい」

 

 イユが小走りで部屋を出ていく、その数秒後長瀬がトイレから出てくる。

 

「はぁー、何だったんだ?一体・・」

 

「裕紀、大丈夫?」

 

「おう、一先ずは大丈夫だ・・あれ?イユは?」

 

「あ、えっと実はイユも・・」

 

「ああ、成る程」

 

 

―数分後鎮守府廊下―

 

 

 艦娘兼女子用のトイレからイユが出てくる。

 

「はぁ~何で急にお腹が痛くなったんだろう?」

 

❬バチィ!!!❭

 

「え?」

 

 イユが独り言を言っていると、何者かに首を叩かれる。

 

「っ・・あ・・な・・・た」

 

❬ドサッ❭

 

 そこで、イユは完全に意識を失った。

 

 

―千翼の部屋―

 

 

 千翼と長瀬は疑問に思っていた、もう数十分経っているのにイユが戻ってくる気配が無いことを

 

「・・遅いなイユ」

 

「・・イユ・・」

 

「俺ちょっと見て来るぜ!」

 

「俺も行くよ・・!」

 

「そうだな・・って、ダメダメダメダメ!」

 

 イユを探しに行こうとする千翼を長瀬が必死に止める。

 

「なんで?」

 

「あ、えっと」

 

 長瀬は泊まる時にイユに言われた事を思い出す。

 

 

―回想―

 

 

「長瀬君、言っておきたい事が有るんだけど」

 

「ん?何?」

 

「私達が居る間は千翼君を外には出さないでね」

 

「なんで?」

 

「まぁ、いろいろあるの・・もし千翼君を外に出したら許さないからね!!」

 

 

―回想終了―

 

(って、きつく言われてるからな~)

 

「まぁ、イユは俺に任せて千翼は部屋で待っててくれ」

 

「でも・・」

 

「大丈夫だから千翼は部屋で待っててくれ!!」

 

「わわわ!!ちょっと!」

 

 長瀬はごり押し気味に千翼を部屋に戻す。

 

「・・裕紀」

 

 

―鎮守府廊下―

 

 

「たく、イユの奴何処に行った~」

 

 長瀬はがに股歩きで、鎮守府を回っていたが、

 

❬バチィ!!!❭

 

「!?」

 

 突然長瀬の首が叩かれる、長瀬には叩かれると同時に電流が流れる。

 

「ぐ・・ぅぅ・・お、めぇ・・は」

 

「し・・・ぐ・・っ」

 

❬ドサッ❭

 

 そこで長瀬の意識は途絶える。

 

「ここまでやるのに苦労したよ」

 

 

―職務室―

 

 

「まま~」

 

「はぁい、ちひろ~」

 

「ははは」

 

 今、職務室には仁と七羽とちひろの鷹山一家が集まっていた。

 

「よし、俺は鶏の様子を見て来るぜ」

 

「うん、行ってらっしゃい」

 

 仁は鎮守府内にある鶏小屋に向かおうとするが

 

❬ガシャ❭

 

「?」

 

❬ガシャガシャ❭

 

「!!これは!!??」

 

 職務室の扉が開かなかった。

 

 

―艦娘寮―

 

 

 部屋のドアが開かない事態に会っていたのは仁だけじゃなかった。

 

「あれ?ドアが開かない」

 

「WHAT?ドアが開きまセーン」

 

「ドアが開かないじゃない!!」

 

「これは一体?」

 

「ドアが開かない!?なんで!?」

 

 艦娘の部屋全部開かなかった。

 

 

―千翼の部屋―

 

 

 千翼は部屋で一人考えていた。

 

(仁さん、七羽さん、裕紀、イユ、ちひろ、明らかに偶然じゃない・・こんな事)

 

(やっぱり・・・そういうことなのか?)

 

❬ガチャ❭

 

「お帰り裕―!?」

 

 千翼が考えていると、部屋のドアが開き『五つ程の手榴弾』が投げ込まれた。

 

❬ドガァァァァン!!!❭

 

「ぐぅああああ!!」

 

 爆発で部屋は吹っ飛び、千翼は外に飛ばされる。

 

 

―職務室―

 

 

 手榴弾の爆発音は仁達にも聞こえていた。

 

「!深海棲艦・・違う、これは・・・まさか!?」

 

「仁・・これは不味いかも」

 

「ああ、まさかこんな事になるとは、イユと長瀬は大丈夫か!?」

 

「それもヤバイけど何よりヤバイのは・・!!」

 

「千翼が今、艦娘の攻撃に会っている!!」

 

 

―宿舎裏―

 

 

 吹っ飛ばされた千翼はうまく動けずにいた。

 

「ぐっ、ぬぅ!?」

 

(これは、手榴弾の中に小さい針が・・・痺れる!!)

 

「明石さん作『対アマゾン用手榴弾』それは明石さんが以前倒したヒョウアマゾンの皮膚を解析して作った物、アマゾンの貴方には効きますよね?」

 

「っ!!・・・時雨さん!!」

 

 千翼の目の前に艦装とはまた違う物、『艦娘専用対アマゾン装備』を全身に装着した時雨が立っていた。

 

「君見たいな『化物』は生きてちゃいけない・・僕が君を殺す」

 

 漆黒に染まった時雨の目が千翼を睨む。

 

「生きてちゃいけないか、ハァハァ、それでも俺は生きたい!!」

 

「!」

 

 千翼は部屋の方向へ走るが、

 

❬ドオォン!!❭

 

「!!ぐぁああああああ!!?!?」

 

 時雨に脚を撃たれ、千翼の両足からは血が流れる。

 

「ぐっうぅ」

 

「痺れるでしょ、さっきの手榴弾もそうだけどこれらの弾はアマゾンの体内に撃ち込まれるとアマゾン細胞?だっけそれに有害な電気を流す仕組みなんだ・・全部明石さんの考えだよ」

 

「がぁ!!」

 

 千翼がまた走り出す。

 

「また走り出して、逃がさないよ!!」

 

❬ドオォン!!❭

 

「ぐぬぅ!!」

 

 また千翼は時雨からの攻撃で吹っ飛ぶが、今度は時雨を真っ直ぐみていた。そして千翼の手にはネオアマゾンズドライバーが握られていた。

 

「!!させるか!!!」

 

❬ドオォンドオォンドオォンドオォン!!!!❭

 

 時雨は千翼目掛けて弾を連射するが、

 

 

 

 

 

「アマゾン!!!!」❬NEO❭

 

❬ドォォォォォン!!!❭

 

「っ!?」

 

 千翼が発する爆発で弾は誘爆してしまう、煙が立ち込める中からアマゾンネオが時雨目掛けて飛び出してくる。

 

「ああああああああ!!!」

 

「くぅ!!!」

 

 時雨はネオの攻撃をギリギリで避ける、それからもネオの攻撃は続くが時雨はなんとか避けて、ネオから距離を取る。

 

「!」

 

「接近戦が強い君とわざわざ接近戦をするほど、僕はバカじゃない!!」

 

❬ドオォンドオォンドオォン❭

 

 時雨はネオ目掛けて連射するが、

 

❬ガァンガァンガァン❭

 

「!?」

 

 すべてアーマー部分に当り大したダメージにはならなかった。

 

「はあああああ!!」

 

「アーマー部分にはダメージは通せない・・なら!!」

 

 ネオは時雨に向かって疾走するが、

 

❬ドオォン!!❭

 

「ぐぅ!!」

 

 アーマーの無い腹部を時雨に撃たれて脚が止まる。

 

「やっぱり!!アーマーの無い部分ならダメージは通る!!」

 

「ああああああ!!!!」

 

❬BLADE LOADING❭

 

 ネオはインジェクターをベルトに押し込み、右手に長剣を生成して時雨に攻撃するが、

 

❬ガキィン!!❭

 

「!!」

 

「僕に得物が無いと思った?」

 

 時雨の手にある、一本のナイフの両側に同じナイフが着いている『対アマゾン用ナイフ』に防がれる。

 

「でも言ったろ、君との接近戦はしないって!!」

 

❬プシュー❭

 

「!!なんだ!?」

 

 時雨はネオの周りに煙を発生させて、後ろへ退いていき、

 

「その煙も明石さんが作ったもの、でもアマゾン用じゃない・・けど一つ言うなら」

 

「その煙は『強力なガス』だよ」

 

「まさか!?」

 

 そう言って時雨は煙に向かってありったけの手榴弾を投げ込んだ。

 

❬ドッガァァァァァアアアアアアアアン!!!!!!❭

 

 

―艦娘寮―

 

 

 部屋にいる艦娘達はあわてていた。

 

❬ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ❭

 

「なに今度は!?地震!!??」

 

「こ、怖くなんかないわ!!」

 

―金剛達の部屋―

 

「ヒエー!?何ですか!?」

 

「これは・・爆発ですね」

 

「にしても異常ですよこれ!?」

 

(まさか、千翼さん)

 

 

―工房―

 

 

「う、うん」

 

 長瀬はそこで目覚めた。

 

「ここは・・工房?」

 

「・・あ!!」

 

 長瀬が周りを見渡すと、隣にはイユとその奥に明石が気絶していた。

 

「イユ!起きろ!!イユ!!!」

 

「う、長瀬・・君」

 

「早く起き―」

 

❬ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ❭

 

「キャア!!」

 

「なんだよ!!」

 

(これは、もしかして!?)

 

「長瀬君!!」

 

「何!?」

 

「千翼君が、危ないかも!!」

 

 

―宿舎裏―

 

 

 もわもわと煙が立ち込める中に、ネオは倒れていた。その身体は既に限界を越えている事は明確だった、大量に血を流していてアーマーには全体的にひびが入っていて、アーマーの無い部分はほぼ火傷していた。

 それでも彼女は止まらなかった。

 

❬ガシィ!!❭

 

「ぐっ、がぁ」

 

「随分と弱りましたね、千翼さん」

 

「し・・・ぐ・・」

 

 時雨がネオの胸元掴んで上半身を持ち上げる、しかし時雨も頭から血を流しており微かにダメージを受けていたが、時雨はそんなのお構い無しに、

 

❬ドオォン!❭

 

「アアアアアアアア!!!?!???!」

 

 ゼロ距離で千翼の頭を撃った、しかしそれで終わらず。

 

❬ドオォンドオォンドオォンドオォンドオォン!!!!❭

 

「ガッ、グッ、ゴッ」

 

 何発も何発も千翼に弾を浴びせていく。

 

❬ドオォン!!カチンカチンカチンカチン❭

 

「ぐぅ・・・」

 

 時雨が弾切れを起こすと共に、ネオの変身が解けて千翼の姿に戻る、千翼は顔も身体も血だらけで人の姿を止めておくのが限界と言った所だった。

 

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、これで・・」

 

 時雨は対アマゾン用ナイフを手に止めを指そうとするが、

 

「やめろぉぉぉぉぉ!!!」

 

「!?」

 

 長瀬が二人の間に割り込み、千翼を守る。

 

「千翼君!!」

 

 そこにイユも駆けつける。

 

「イユ!!千翼は!?」

 

「うん、一先ず大丈夫!生きてる!!」

 

「そうか・・良かった!!」

 

「?」

 

 時雨は理解出来なかった、ここに長瀬とイユが来たのは勿論驚いたが、それ以上に二人が千翼と言う『化物』の心配をした事が理解出来なかった。

 

「どうして・・そんな奴を助ける」

 

「あ?何だって?」

 

「どうして!?そんな奴を助ける!!!?!????!」

 

 時雨が叫んで二人に問うが、

 

「は?ダチだからに決まってんだろ?」

 

「は?」

 

「え?」

 

 帰ってきた答えは余りにも簡素だった。

 

「っ・・・そいつはアマゾンだ!!人間じゃない『化物』なんだぞ!!!そんな奴と友達!!??バカな事言うなよ!!」

 

「アマゾンだろうと関係ねぇ!!千翼は俺のダチなんだ!!」

 

「君は・・・バカなのかい?」

 

「ああ!?そんくらい理解してるわ!!伊達に全教科赤点取った事ねぇよ!!!」

 

「いや長瀬君それなんの自慢にもなってない」

 

「・・・どうして・・」

 

「!」

 

 時雨がわなわなと震える。

 

「そいつは村雨ちゃんを殺したんだぞ!!!」

 

「!」

 

「そいつのせいで村雨ちゃんは死んだんだ!!そいつのせいで夕立ちゃんは片腕を失ったんだ!!!そいつのせいでアマゾンは生まれたんだぞ!!」

 

「確かにそうだけど・・今イユの父さんがその溶なんちゃら細胞をなんとかする為に研究してんだ!!だから待ってくれよ!!」

 

「そんな嘘を言うな!!!」

 

「!」

 

(こいつオッサンの話しを聞いてないのか!?)

 

「ハァ、ハァ!!邪魔するなら!!!」

 

 時雨が対アマゾン用ナイフを長瀬達に向ける。

 

「やめろ!!時雨!!」

 

「私が!!村雨ちゃんの仇を!!!」

 

 時雨が長瀬達に向かって走り出そうとした瞬間、

 

❬ガシィ!!❭

 

「!」

 

 誰かが時雨の手を掴んで、時雨の顔を自分の方向に向けて、

 

❬パァァン!!❭

 

 時雨の頬をひっぱたいた、その張本人は

 

「白露姉さん・・・!」

 

「バカァ!!!!」

 

「っ!?」❬ビクッ❭

 

「時雨、あんた何してんの!!!」

 

「でも白露姉さん・・!」

 

「時雨・・あんたの気持ちもよくわかる、ハァ、ハァ、実の姉妹だからね・・でも」

 

「過去に固執して恨みを晴らして・・あなたそれで村雨に顔合わせる事できる?」

 

「っ・・!」

 

「今、鎮守府の皆が千翼さんを信じて行動してる、私達も信じてみない?」

 

「私達も千翼さんを信じて、恨みを晴らすだけなんてそんな悲しい事止めよう、時雨」

 

「っ・・・姉さん!」

 

❬ギュ❭

 

 白露が時雨をそっと抱き締める。

 

「時雨、あんたは背負いすぎるもんね・・そんな黒い気持ちは吐き出すのが一番よ」

 

「姉さん・・・うっ、うぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」

 

「うん、うん」

 

 時雨はそこで泣き崩れる、白露も涙を流しながらしっかりと時雨を抱き締める。

 

 

 こうして時雨と千翼の戦闘は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―深海の何処か―

 

 

 そこにはいかにも学者!!という顔立ちの深海棲艦達がいた、そしてその中には戦艦棲姫もいた。

 

「実験ハ?」

 

「ハイ、『ソタイ』ノホウハスデニカンセイシテマス、ソレニツギノ『ジッケン』ノソウテイヲシテツクッテマスノデ、ゴアンシンヲ」

 

「ソウカ、『ベルト』ノ方ハ、ドウナッテイル」

 

「アト、イッシュウカンホドデカンセイデス」

 

「ソウカ、フフフ順調ダナ『Σ計画』ハ」

 

 戦艦棲姫は檻の中にいる、四つん這いで銀色に鈍く光る皮膚の異形を見て呟いた。

 

 

―第58鎮守府―

 

 

 実験室の用な場所で、一人の女性が培養液の中にいる『何か』を見ながら呟く。

 

「あとは私の細胞を埋め込むだけ」

 

 そう言って女性は機械を捜査する。

 

「これで・・・あなたが『最強のアマゾン』になる!!!」

 

 

 

 

 

 




やっと書き終わった。
じゃあここでは『艦娘専用対アマゾン用装備』について解説します。
主な武器は

対アマゾン用手榴弾(中に無数の針が仕込んでる)

対アマゾン用連装砲(サイズは艦装と同じ)

対アマゾン用ナイフ(横に同じナイフが着いている、アマゾンズの劇中で使われたのと同じ)

対アマゾン用レガース(脛に着けて蹴り等の攻撃用)

の四つです。
この対アマゾン装備、艦装と同じ効果がありこれを着ければ艦装を着けずとも海の上を走れたりする。

では、今日はここまで!次回もお楽しみに!!!


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生きたいという気持ち

お待たせしました!!
では、今回も楽しんでください!!


―宿舎裏―

 

 

「ぐすっ、ぐすっ」

 

「泣き止んだ?」

 

「うん、ありがとう姉さん」

 

「いいよ」

 

 時雨が泣き止み白露に礼を言う、白露は笑顔でそれを受け取る。

 

「でも、どうやって部屋から出たの?中から開けられないようにしたのに?」

 

「わたしが、やったぽい!」

 

「!夕立!!」

 

 夕立が宿舎からひょっこりと身体を出して、時雨の質問に答える。

 

「時雨療養室には何もしなかったよね、だから夕立難なく外に出れたし、白露型の部屋のドアも外からなら簡単に開いたっぽい!」

 

「でも、夕立、外に出て・・」

 

「まぁ、余り出ちゃ駄目って言われてるけど、大丈夫っぽい!」

 

 夕立は腕の通ってない右肩の袖をヒラヒラしながら言う。

 

「・・夕立」

 

「それよりも、千翼さんをなんとかしないとっぽい!」

 

「そうだった!!」

 

 白露が、千翼の方へ駆け寄る。

 

「千翼さん大丈夫!?」

 

「あ、ああ一先ず大丈夫だ・・生きてる」

 

「そう、良かった・・よし千翼さんは手術室に運んで、時雨は最優先で職務室を開けてきて!!」

 

「う、うん分かった!!」

 

「私、他の艦娘達の部屋のドアを開けて来るっぽい!!」

 

「よし!私達も千翼さんを運ぼう!!」

 

「おう!!」

 

「ええ!!」

 

 時雨は職務室へ走っていき、夕立は艦娘寮の方へ向かい、白露と長瀬とイユは千翼を手術室へ運んでいった。

 

 

―職務室―

 

 

「・・・爆撃音が止んだな」

 

「・・・」

 

 仁と七羽は爆撃音が止んだ事に気付き、考える。

 

「七羽さん・・どお思う?」

 

「・・分からないわ」

 

 二人は最悪の状況を想像する。

 

「・・千翼」

 

❬ガチャン!!❭

 

「!」

 

 突然ドアが開いて、二人は身構える。

 

「・・・!時雨!!」

 

「時雨!?」

 

「ハァ、ハァ」

 

 仁と七羽は、ドアを開けた張本人が時雨だという事に驚く。

 

「ハァ、ハァ・・千翼・・・さんを」

 

「!」

 

 時雨から千翼の名前が出た事に二人は驚いたが、同時に状況を把握した。

 

「分かった、時雨案内しろ!」

 

「ちひろ、ここで待っててくれる」

 

「うん」

 

 仁は時雨に千翼の元まで案内させて、七羽はちひろに職務室に居るよう言った後、仁に着いていった。

 

 

―二日後―

 

 

「・・・ん?」

 

 千翼は鎮守府にある療養室で目覚めた。

 

「ここは・・!」

 

 千翼の寝かされていたベットの両端には、イユと長瀬が椅子に座りながら寝ていた。

 

「イユに・・・裕紀?」

 

「俺は・・何してたっけ?」

 

「んっ!」

 

 千翼が考えていると、長瀬が声を挙げて目を覚ます。

 

「ふぁ~今何時だ・・・って千翼!!!」

 

「あ、裕紀おはよう」

 

「ん~、何~」

 

 長瀬に続いてイユも目を覚ます。

 

「!千翼君!?怪我大丈夫?」

 

「あ、うん大丈夫ありがとうイユ」

 

「そう、良かった~」

 

 イユはホッとしたように笑顔を見せる。

 

「目覚めた用ね、千翼」

 

「七羽さん!」

 

 千翼の療養室に七羽が入ってくる。

 

「一先ずどおする?ごはん?」

 

「あ、私ここで食べます!」

 

「じゃあ、俺が飯を貰ってくるぜ!」

 

「あ、裕紀俺は・・」

 

「ん、分かった!」

 

 長瀬が療養室を出ていく。

 

「また変なの貰って来なきゃいいけど・・あ、千翼気分は?」

 

「大丈夫です」

 

「よし、じゃあイユ後頼んだよ」

 

「はい!」

 

 七羽は千翼の今の気分を聞いた後、イユに千翼の事を任せて部屋を出ていった。

 

「・・本当、ごめんイユ」

 

「どおして謝るの?」

 

「でも・・」

 

「いいの、これが私のやりたい事だから」

 

「イユ・・」

 

 千翼はイユに対して申し訳ない気持ちと感謝の気持ちを感じていた。

 

 

―数時間後―

 

 

 三人は、無事ごはんを食べ終わり、軽い会話をしていた。

 

「んで、そこで―」

 

「アハハハハハ」

 

❬コンコン❭

 

「!」

 

 突然ドアがノックされる。

 

「誰ですか?」

 

「・・時雨です」

 

「!?」

 

 イユの質問に、ドアの向こうから時雨が返答する。

 

「時雨ちゃん!!?」

 

「いれてあげて」

 

「千翼!?」

 

「大丈夫・・!」

 

 長瀬がドアを開けて、時雨が中に入ってくる、今回は何の武装もして無いラフな格好だった。

 

「僕は、千翼君に・・」

 

「ちょっとまった」

 

「?」

 

 時雨の話しを千翼が中断する。

 

「・・イユと裕紀は部屋を出ていってくれる?」

 

「!千翼君?!」

 

「大丈夫だから」

 

 千翼がイユと長瀬に部屋から出ていく用に言って、二人はしぶしぶ部屋を出た。

 

「・・・」

 

「・・・」

 

 時雨と千翼の間にしばらくの沈黙が続いた。

 

「ごめんなさい・・」

 

「?」

 

 時雨が千翼に頭を下げる。

 

「正直、どうにかしていた・・村雨ちゃんの事があって辛い気持ちや悲しい気持ちが一杯積もって・・何かに当たらないと・・・おかしくなりそうだった」

 

「・・・時雨さんは間違ってない」

 

「え?」

 

「溶原性細胞の事を黙っていたのは僕が悪い・・それに溶原性細胞の事を知れば僕の事を殺しにくるのは当たり前だ」

 

「・・・」

 

 千翼の話しを時雨は黙って聞く。

 

「でも・・・」

 

「!」

 

「それでも俺は生きたい」

 

 千翼は力強くそう言い切る。

 

「・・・僕は姉さん達を信じた」

 

「時雨さん・・!」

 

「大丈夫千翼さん、もうこの鎮守府には君の命を狙う人は居ないよ」

 

「!」

 

「溶原性細胞・・どおにかなると良いね」

 

「時雨さん・・・ごめん!!!」

 

「いいよ、よくよく考えれば仇討ちなんて村雨も望まないはずだからね」

 

 こうして二人のわだかまりは少し解消した。

 

 

―数日後職務室―

 

 

 今、七羽の話しを蒼龍、飛龍、妙高、羽黒、時津風、雪風の六人が聞いていた。

 

「ここの海域に深海棲艦が出たと報告が大本営から届いたわ・・ので、今回はここの海域の見回り、及び深海棲艦がいた場合には殲滅をお願い」

 

「「「はい!!!」」」

 

 

―海上―

 

 

 七羽に指定された海域を妙高を先導に陣形をくんで六人は進んでいた。

 

「静かですね」

 

「・・いませんね、深海棲艦」

 

「そうね、居ないに越した事ないけど」

 

 数時間海域をうろついても、深海棲艦の姿が無い事に疑問を持つ六人。

 

「あと一時間回って深海棲艦が居なかった場合は鎮守府に引き返すわよ!」

 

「「「はい!!」」」

 

 妙高が五人に指示を飛ばした瞬間、

 

「ヤッパリキタネ」

 

「!」

 

 何処から途もなく、一人の深海棲艦『雷巡チ級』が現れた。

 

「シバラク、ナカマヲチラツカセレバ・・キテクレルト、オモッテタヨ」

 

「貴女一人ですか!?」

 

 妙高がチ級に連装砲を向けながら問いかける。

 

「・・ソウダヨ」

 

「!」

 

「これは、ラッキー?」

 

 チ級の返答に全員驚く、雪風に関しては首をかしげてる。

 

「そうですね、ラッキーかもしれません・・貴女!!」

 

「?」

 

「降参してください!そっちは一人、こっちは六人です!!」

 

 妙高がチ級に降参する事を言うが、

 

「コウサンハシナイ」

 

「っ!」

 

「ソレニ・・・マダ、ラッキートハキマッテマセンヨ」

 

 そう言ってチ級は自分の装備を外す、装備を外したチ級の手には、右左に二本のグリップがあり、紫の目がデザインされている『真っ黒なベルト』が握られていた。

 

「それは?」

 

「ワタシハ、ジッケンヲシニキタンデス」

 

 チ級はベルトを腰に撒いて、左側のグリップを回して呟いた。

 

「・・アマゾン」

 

 

❬シ.グ.マ❭

 

 紫の閃光が海を走った。

 

 

 

 




いつもよりも、短いけど許してくれ。
学校から出た宿題が予想以上に多かった、ちょっと投稿ペース落ちるかも・・
それでもできるだけ早く次回を投稿しますので、お待ちください。
では次回をお楽しみに!!


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アマゾンシグマ

宿題やらなきゃ(やらない)
では、楽しんでください。


―海上―

 

 

❬ドオォォォォン!!!❭

 

「!?」

 

「何!?」

 

(これは!?)

 

 突然の爆発に驚く妙高達、爆発が収まるとそこにはチ級では無く、紫の目をし全身が銀色に光りトカゲの用な姿をしている『アマゾンシグマ』が立っていた。

 

「アマゾン!?」

 

(いや、こいつは少し違う!)

 

「イクゾ」

 

「!」

 

 シグマが妙高目掛けて跳んできて、腹パンを決める。

 

❬バキィ❭

 

「がぁ!?」

 

「フン」

 

「姉さん!!」

 

 羽黒が妙高に近寄るが、

 

「羽黒!!近付くな!!!」

 

「!」

 

 妙高がそれを止める。

 

「くらいなさい!」

 

「!」

 

❬ドオォォン!❭

 

 妙高がシグマにゼロ距離射撃をして、距離を取りながら各艦娘に指揮を飛ばす。

 

「飛龍さん!この事を副提督に連絡!雪風、時津風は後ろから援護!蒼龍さんは航空機を飛ばして空から攻撃!羽黒!中距離を保ちながら攻撃!」

 

「「「了解!!」」」

 

「飛龍さん!」

 

「何!」

 

「副提督には、『千翼さんを来させる』用に言って下さい!」

 

「千翼さんを!?」

 

「今は彼の力が必用です!!!」

 

 

―仁達の鎮守府の職務室―

 

 

 今は七羽が飛龍の連絡を受けていた。

 

「―アマゾンが現れた!?―「はい!今妙高さんを筆頭に戦闘中です!」―分かったわ、そちらに明石の作った『対アマゾン用装備』を送るわ!!―「ありがとうございます!それと妙高さんから千翼さんの力が必用だと!」―千翼を!?」

 

 七羽は少し考え、

 

「分かった、千翼と一緒に装備も送るからそれまで耐えてね!!―「はい!」―私も急がないと!!」

 

 七羽は走って職務室を出た。

 

 

―鎮守府にある鶏小屋―

 

 

 仁は、日課である鶏の世話をしていた。

 

「ほれほれ、しっかり食えよ・・・ん?」

 

 仁は後ろから千翼が近づいてくるのに気づく。

 

「どうした、千翼?」

 

「仁さん・・話しが」

 

 妙に神妙な顔をしている千翼に仁は何か重要な事だと感ずくが、

 

「いた!仁!千翼!!」

 

「!」

 

 七羽が急いで二人の元に駆け寄る。

 

「七羽さん!どうしたの!?」

 

「二人共大変、アマゾンが現れたわ!」

 

「アマゾンが!?」

 

 七羽の言葉に千翼は驚く、七羽はさらに言葉を続ける。

 

「今は妙高達が足止めをしてるわ!そこで千翼は彼女達の援護に、仁はもしもの時の為に高速修理材を港に運んで」

 

「あいよ!」

 

「俺が・・援護?」

 

 千翼は七羽の援護と言う言葉に、前回の事もあり驚く。

 

「大丈夫よ!」

 

「!」

 

「彼女達を救って・・千翼!」

 

 千翼はそこに『実の母親』の姿を見た、そして力強く、

 

「はい!!」

 

 返事をした。

 

 

―???―

 

 

 そこは薄暗く、周りにはテーブルとベットだけと、とても質素で、一人の少年がそこにじっとしていた。

 

「・・・」

 

❬ガチャ❭

 

 そこに一人の女性が入ってくる。

 

「アマゾンが出たわ、行ってくれるかしら・・・『悠』」

 

「・・わかった、母さん」

 

 

―海上―

 

 

「くっ!?」

 

 妙高達はシグマに対して、劣勢を強いられていた。

 

「はぁ、はぁ、くっ!」

 

❬ドォン!!ドォン!!❭

 

「フン!」

 

❬ヒュオ!❭

 

 妙高からの砲撃をシグマは最低限の動きで避ける。

 

(最初の数発は何故か当たってくれたけど、それっきり全然当たらない!)

 

「当たって下さい!!」

 

「くらえ!!」

 

❬ドォン!❭

 

❬ガガガガガガ!!❭

 

 蒼龍と飛龍の航空機が空から、羽黒、時津風、雪風が砲撃で攻撃するが、すべて避けられる。

 

「あれ全部避ける!?」

 

「動体視力、身体能力が圧倒的ですね」

 

「ツギハ、ワタシカライクゾ」

 

「!」

 

 シグマは妙高に圧倒的なスピードで近づき、

 

「ハァ!!」

 

❬ドガァ!!!❭

 

「うぐぅ!?」

 

 腹を殴り妙高を吹っ飛ばした後、蒼龍、飛龍に突っ込み、

 

❬ドカァ!!バキィ!!❭

 

「うっ!!」

 

「キャア!!」

 

 二人を蹴り飛ばす。

 

「フン」

 

❬ブォォォォン!!❭

 

「この音は・・・!!」

 

「ヤツカ・・」

 

 そこに『対アマゾン用装備』をバイクに積んだ千翼が到着する。

 

「千翼さん!!」

 

「大丈夫ですか!!」

 

「マッテイタゾ」

 

「!」

 

 千翼はシグマを見据え、考える。

 

(あのベルト!父さん達が使っていたのと似てる!!これも『世界が近い』からか!!」

 

❬NEO❭

 

「アマゾン!!!!!」

 

❬ドォォォォォォォォン!!!!❭

 

「フフフ」

 

「ハァァァア!!!」

 

 千翼はネオに変身してシグマに突っ込む。

 

❬ガッ!!ガッ!!❭

 

「っ!!うううう・・・!!!」

 

「グルルルル!!」

 

 ネオとシグマは互いを掴んで牽制しあう。

 

「ぐっ!!ぬぁぁああ!!」

 

「!?」

 

❬ドガァ!!❭

 

 ネオが強引にシグマを撥ね飛ばし、腹部に蹴りを入れて吹っ飛ばす。

 

❬CLAW LOADING❭

 

「ふっ!!」

 

「!」

 

 ネオがクローを右手に生成して、シグマに巻き付けて拘束する。

 

「ハァ!!!」

 

❬ドガァ!!バキィ!!❭

 

「ッ!!グッ!!」

 

 拘束したシグマに、ネオは連続して蹴り殴りを入れるが、

 

「グゥ!!」

 

❬バイオレント スラッシュ❭

 

❬ズバァン!!❭

 

「!」

 

 シグマはベルトの左側にあるグリップを回した後、機械音と共にクローを切り裂いて拘束から逃れる。

 

「ン~、キイタゾ・・フフ」

 

「!」

 

 シグマは笑ってそう言うが、誰が見ても効いていなかった。

 

(この感じ・・まるで『イユ』?)

 

 そう、千翼はこの感じを前に感じていた。

 

(だとしたら・・こいつは!?)

 

「カンガエゴトヲスルヒマガ・・・!」

 

❬ブォォン❭

 

「!」

 

「あれは?」

 

 シグマがネオに攻撃しようとするが、突然現れた『ジャングレイダーに乗る謎の男』が割って入ってきたので動きを止める。

 

「・・ダレダ?」

 

「・・・」

 

 男はジャングレイダーから降りて、『水面に立った』

 

(水面に立った!?・・だとすれば・・まさか!!)

 

 男はゆっくりとヘルメットを外し、シグマとネオを見る。

 

(!?・・こっ、この人まで!!??)

 

 ネオは男の顔を見て驚く、何故ならその男は自分を殺したもう一人の男『水澤 悠』だったのだから。

 悠はシグマを見据え、バイクの後部座席に乗せたバッグからベルトを取りだし腰に巻く。

 そして、左側のグリップを回した。

 

❬オ.メ.ガ❭

 

「アマゾン・・」

 

❬ドォォォォォォォォン!!!!❭

 

 悠を中心に赤い爆発が起きて、爆発が収まりそこに立っていたのは、赤い目をして緑色の皮膚をした『アマゾンオメガ』がいた。

 

 

 

 

 




宿題が多い。
という事で、悠がついに登場!!
どうなる千翼!?
では次回もお楽しみに!!


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アマゾンオメガ

楽しんでってください!
(前書きで書く事が、無くなったなんて言えない)


―海上―

 

 

 突然のアマゾンオメガの乱入に、その場にいる全員が困惑する。

 

「・・・」

 

「・・!」

 

 その中でも、困惑しながらも明確にオメガに対して敵意を向けている人物がいた、ネオである。

 

(この人は・・・どっちだ!!)

 

「フゥ、フゥ!!」

 

「・・・」

 

 誰も動かなかった、アマゾンオメガと言う全く未知数の相手に動けずにいた。

 そんな中、対アマゾン用装備を装着した妙高はじっと戦場を分析していた。

 

(新しいアマゾン・・こいつもベルトを使っている・・こいつは一体・・)

 

(敵か・・)

 

(味方か・・)

 

 

―仁達の鎮守府内の職務室―

 

 

❬ジリリリリリリリリリリリ!!❭

 

「!」

 

 突然机に置いている電話が鳴り、七羽が急いで電話に出る。

 

「はい、こちら第57鎮守府副提督鷹山 七羽―「どうも、こちら大本営所属の大淀です」―なんのご用で?―「突然で申し訳ございませんが、今回大本営にて会議を開く事になりました、つきまして第57鎮守府提督である鷹山 仁さんに急遽大本営に来るようお願いします」―会議!?」

 

 七羽は本当に突然の報告に驚くが、会議の内容はある程度予想がついていた。

 

(突然の会議、考えられるのは・・いや間違いなく『第56鎮守府』の事か)

 

 そう、仁達の鎮守府に所属していた、艦娘村雨のアマゾン化によってもたらされた悲劇、第56鎮守府の壊滅、七羽は間違い無く会議の内容はそれだと予想していたが引っ掛かる事があった。

 

(対応が遅すぎる!)

 

 そう第56鎮守府の壊滅から、すでに一週間の時間が過ぎていた。会議を開くタイミングとしてはあまりにも遅い。

 

(一体・・・)

 

「考えていても仕方ないか・・」

 

 七羽は館内放送を使い、仁を職務室へ呼んだ。

 

 

―海上―

 

 

 何秒?何分?ただただ続く緊張状態、それをアマゾンオメガが破った。

 

「!」

 

 オメガはシグマに向かって走り出して、オメガは拳を握りしめてシグマに攻撃を仕掛けた。

 

❬ヒュオ!!❭

 

「!」

 

「オマエモ、テキカ!!」

 

❬ドガァ!!❭

 

❬ズガァ!!❭

 

 シグマはオメガの攻撃を飛んで避けた後、オメガに対して蹴りを放ち、オメガはシグマに対してパンチを放って、両方吹っ飛ぶ。

 そんな二人の戦闘を見て、ネオ及び妙高達は困惑していた。

 

「妙高姉さん、どうするべきですか!?」

 

「分からない・・」

 

 妙高はネオの方を見る、ネオは依然としてシグマ、オメガ両方に対し警戒をしていた。

 

(千翼さんを見るに、どちらも味方では無いらしいですね)

 

「各自警戒をして!!一先ずは手を出さずに観察だけに徹して!!」

 

「「「了解!!!」」」

 

「千翼さん!!」

 

 羽黒達に命令した後、妙高はネオの元に向かう。

 

「千翼さんは両者を見てどう思いますか、特に緑の奴」

 

「・・分からない、果たしてあの人が敵か・・味方かは」

 

「そうですか・・」

 

「一先ずは俺も妙高さんの指示に従うよ」

 

 妙高達が話している間も、シグマとオメガは戦っていた。

 

❬ガキィン!!❭

 

 シグマとオメガのアームカッターがぶつかり合い、甲高い音を挙げる。

 二人の腕は暫く均衡するが、

 

「フン!!!」

 

「!」

 

❬ドカァ!!❭

 

 シグマがオメガに押し勝ち、オメガを吹っ飛ばす。

 

「ハア!!!」

 

❬バキィ!!❭

 

 シグマは吹っ飛ばしたオメガの顔面に蹴りを入れる等、追撃をする。

 

「ドウシタ!!コノテイド―!」

 

❬ズバァン!!❭

 

「グッ!!」

 

 オメガは追撃してきたシグマを、右のグリップを引き抜いて生成した『アマゾンサイズ』で切りつける。

 

「フッ、ヤルナ」

 

「フウゥゥゥ」

 

 オメガは獣の用な低い姿勢で、シグマを見る。

 

「・・・」

 

「っ!!」

 

 オメガはアマゾンサイズを、シグマを叩き割る用にして振り抜くが、シグマは冷静にそれを避けていく。

 

「ココ!!」

 

「!」

 

❬ビュオ!!❭

 

 シグマはオメガの首を狙って拳を放ち、オメガはギリギリでそれを避けるが、シグマのアームカッターが喉をかする。

 

「・・・!!」

 

「オシイ、オシイ」

 

 オメガの首から微かに血が垂れる中、オメガは右のグリップを元に戻して、左のグリップに手を回す。

 

「ホウ、イイダロウ・・・ウケテタツ」

 

 その意味を汲み取り、シグマも左のグリップに手を回す。

 そして、シグマとオメガは同時にグリップを回し、

 

❬バイオレント パニッシュ❭

 

❬バイオレント ストライク❭

 

「ハァァァァ!!」

 

「ヌゥ!!!」

 

 機械音と共に、両者走り出して、シグマは蹴りをオメガはアームカッターを伸ばしてパンチを繰り出す。

 

❬ズカァァァ!!!❭

 

❬ズバァァァ!!!❭

 

 シグマの蹴りがオメガの首筋に当たり、オメガのアームカッターがシグマの腹に直撃する。

 

「ぐぅ!!」

 

「ッッ!!」

 

 シグマとオメガは水面に落ちて、オメガは水面に落ちてすぐ変身が解除されて水澤 悠の姿に戻る。

 

「・・ヤッテクレル・・・!!」

 

 シグマは悠を睨むが、途端に動きを止める。

 

「・・ワカリマシタ、ジッケンヲシュウリョウシマス」

 

 そう言って、シグマは変身を解きチ級の姿に戻り、悠及び妙高達に向かって。

 

「ジャアネ、マタアオウ」

 

 そう言って、チ級は煙幕を発生させてその場から消えた。

 

 

―大本営―

 

 

 日本全国にある鎮守府の総括の場を担う場所、大本営そこに今日本中に散らばる提督達が集まっていた。

 そしてその様子を遥か上から見下ろしている車椅子に乗る男性とその横に立つ女性がいた。

 

「随分と集まったな」

 

「これほどの数の提督が集まるのは、非常に珍しい事です」

 

「そうだな・・ああ、それとアマゾンについて知っているのは君だけかね・・『水澤 令華』君?」

 

 車椅子の男は女性、水澤 令華に質問をし、冷華は淡々と質問に答える。

 

「いえ、あの鷹山 仁も知っている状況です」

 

「ほう、仁君がか・・」

 

 令華の答えを聞いて、男は笑みを浮かべながら話しを続ける。

 

「運命とは面白い物だな『艦娘を作り上げた』君達が、また新たな生命を作るとはな・・ハッハッハッハッ」

 

 男の笑い声が静かに木霊した。

 

 

 

 

 

 

 

 




最近一話の量が少ないが許してくれ!!
千翼が何でもするから!!←ォィ
では、また次回!!


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企み

うぉぉぉぉぉ!!!やる気を出せぇぇぇ!!!!
では、楽しんでってください。


―海上―

 

 

 シグマが深海に帰って行った後、妙高達は動きを固めるが、すぐに水澤 悠の回りに並び砲身を向ける。

 悠はそれに気づいてか気づかずか、その場にじっとしていた。

 

「・・貴方は何者ですか?」

 

「・・・」

 

「答えてください!!!!」

 

 妙高が悠に話し掛けるが、悠は沈黙をする。そんな悠に妙高は叫ぶ、そして悠はゆっくりと口を開けて

 

「それは駄目だって『母さん』に言われた・・」

 

「『母さん』?」

 

 そう言って悠は、自分の乗ってきたジャングレイダーに股がる。その進行方向に千翼が立つ。

 

「・・・」

 

「・・・」

 

 二人の間に沈黙が流れるが、悠がそれを破る。

 

「君と戦えとは、母さんに言われていない・・」

 

「・・・」

 

 悠は千翼にそうとだけ言った後、ジャングレイダーで走っていった。

 

「千翼さん!!」

 

「いや・・いい・・」

 

「・・・そう、わかった」

 

 悠の後を追おうとする、妙高達を千翼が止める。その言葉を聞いて、妙高達は悠を追うのをやめて帰路についた。

 

 

―大本営会議室―

 

 

 そこは、大学の教室に似た作りになっていた。一つの大きな教壇の用なスペースの周りに階段式に椅子が配置してあり、全員同じ服をした男性、提督達がいた。

 

こんなに集まるなんて・・

一体何の会議だ・・?

またどこかでブラック鎮守府でも出てきたか・・?

1000%あり得ない

 

 と、集められた提督達はざわざわとしながら、会議の内容を考察していた。

 しかし、この男鷹山 仁だけは違った。

 

(やっぱり・・内容は第56鎮守府についてだろうな)

 

(・・さて、どうなるか)

 

「ん?」

 

 仁がそう考えていると、教壇の所に車椅子に乗った男性が登り、全提督の目線は彼に集中していた。

 

「やぁ、全国に散らばる提督諸君、貴公らの働きで今日もこうやって話せる事を嬉しく思うよ」

 

 そう言って、車椅子の男『天条 隆顕』海軍元帥である、天条はゆっくりと車椅子を動かしながら話す。

 

「さて、今回諸君らを集めた理由だが・・まず第一として伝えておこう」

 

 提督達は静かに、天条の話しを聞く。

 

「第56鎮守府が壊滅した」

 

なんですって!!??!?

ばかな・・!!?!??

か、壊滅?!?

ウソダドンドコドーン!!!

 

 天条の話しを聞いて、提督達はあり得ないと驚きの声を挙げる。それからも天条の話しは続く。

 

「そして、特質すべきは鎮守府を壊滅させた存在だ・・!」

 

 天条がそう言った後、天条の後ろにスクリーンが出され映像が写し出される。

 

「・・先に、これから君達に見てもらうのは紛れもない真実だと言っておく」

 

 その言葉と共に、第56鎮守府の門の映像が流れ、提督達はじっとその映像を見る。

 

 映像が写し出されて数秒後、第56鎮守府の門に霞と大潮が現れる、手には箒とちり取りが握られていて掃除をしに来たと分かる。

 数分、二人は話しながら掃除をする。そこに『村雨が現れる』二人は突然現れた村雨に声を掛けるが、次の瞬間、村雨はオオカミアマゾンに変異して二人を襲う。

 それから数分はオオカミアマゾンが暴れ泣く二人を食べる映像が流れる、二人が完全に絶命した後、オオカミアマゾンの手がカメラを覆い映像は終わる。

 

・・・・・

 

 会議室内には、信じられないといったオーラが流れる、仁も顔を押さえて表情が見えない。ただその中で天条だけは『笑みを浮かべていた』

 しばらくして、天条が映像の説明を始める。

 

「これは、第56鎮守府の門で壊れていた監視カメラを解析して取れた映像だ・・」

 

なんなんだ・・あれ

あれ、村雨・・だよな?

なにが起こって・・

 

 多くの提督達が困惑の表情を見せる。

 

(まぁ、そうなるか)

 

 仁は大体そうなるだろうと思っていたので、提督達には特に反応しなかった。

 それよりも今仁が一番気になるのは、これからだった。

 

(アマゾンの事は大本営には言ってない・・果たしてどうなるか)

 

「この生命体についてだが・・・・我々はアマゾンと呼ぶ事にする」

 

「!!!??!!」

 

 天条の話しに仁は衝撃を受け天条を見る、天条はそれに気づいたかは分からないが、より声を上げて話し始める。

 

「私は、このアマゾンと言う存在を知ってもらいたく・・諸君らを今この場に集めたのだ」

 

・・・・・

 

 提督達は天条の話しを静かに聞く、そして天条はこれからについて話しだす。

 

「・・しかし安心してほしい、すでに対策を打ってある」

 

「!?」

 

 その言葉に仁はさらに驚く。

 

「・・アマゾンの権に関しては・・第58鎮守府提督の水澤 令華君に一任してある」

 

(なんだと!?)

 

 仁含め、すべての提督達が水澤 令華に注目し、令華は歩いて壇上に上がり、話す。

 

「元帥の言う通り、すでに対策は取ってあります・・私は既に悠と言う名の人工生命体アマゾンを作り、戦線に立たせています」

 

「なっ!!?!??」

 

 令華の発言を聞いて仁は小さく声を出してしまう。令華はそれに気づいてか仁を一瞬見た後、自分の席に戻った。

 

「・・・そう言う事だ諸君、新たな生命体とも取れるアマゾン、皆覚えておけ・・そしてアマゾンについてはまだ世間には内緒だ、良いな?」

 

了解!!

 

 部屋に提督達の声が響く。

 

(これじゃ、会議じゃなく説明会だ・・)

 

 仁は心の中でそう思った。

 

 

―大本営内部―

 

 

 会議と言う名の説明会が終わり、仁は大本営内を歩いていた、理由は

 

「いた・・おい、水澤 令華」

 

「・・・」

 

 令華に話しをする為である。

 

(今回の話・・俺はアマゾンについてはなにも喋っちゃいないのに村雨が変異した姿をアマゾンと言ったり、こいつの言う悠って名前のアマゾンと言ったり・・明らかに・・こいつと天条は『俺達の鎮守府に関わっている』)

 

 そう、仁は天条達がアマゾンの事を仁達の鎮守府になにかしらをして知ったと考えていた、仁はそのなにかしらを聞き出そうとするが

 

「そう・・私も貴方に話があったの」

 

❬バシィン!!!❭

 

「がぁ!?」

 

 突然仁のうなじが叩かれ、後ろから組伏せられる。

 

「てめぇら何―」

 

 仁は拘束をふり払おうとするが、二の腕に注射を打たれて気を失う。

 

「上出来、運んで」

 

「了解」

 

 令華の部下と思われる男達は、令華の命令で気絶した仁を運び出す。

 

「鷹山 仁、協力してもらうわよ・・・悠を『最強のアマゾン』にするために」

 

 

―星埜 始の研究室―

 

 

 そこでは、イユの父親の始がなんども顕微鏡とにらめっこをしており、始の目の下にはくまができていた。

 

「ハァ、これで43075回目の実験失敗」

 

 その言葉と共に始はぐったりと項垂れるが、

 

「ハァ~駄目だ!!弱気になるな!!私が何とかするんだ、千翼君を!!溶原性細胞を!!」

 

 始は力強くそう言って、薬品の調合を始める。

 

「えっと、確か、これとこれはまだだったよな・・よし!!」

 

 様々な工程を施して、完全に調合された薬品が出来上がり、それをスポイトで少し吸い上げて、実験用に獲った千翼の血にかけた後、顕微鏡にセットして覗く。

 

(ハァ、今回も多分無理だろうけど)

 

「さてさて、どうか―」

 

 始の動きが固まる、数秒後体はわなわなと震えだし顔は信じられない物を見た用になっていた。

 

「な、なっなななな、これは・・・!!!!」

 

「博士~、先日けった研究会ですけど―「君!!!」―はいぃ!?」

 

 始に報告をしにきた女性の肩を、始は乱暴に掴み、

 

「私をおもいっきりひっぱたいてくれ!!!!!」

 

「えっ?」

 

 そう頼んだ。

 

「え?博士一体?」

 

「頼む!!」

 

「・・・」

 

 始の頼みを聞いて、女性は驚くがしばらくしてその顔は嫌悪の表情になっていく。

 

「いや、キモ」

 

「頼む!!!」

 

「キャア!!くるな変態!!!」

 

❬パシィ!!❭

 

 と始をぶった音が研究室に響く。

 

「博士がそんな人だなんて知りたくありませんでした!!」

 

 そう言って女性は部屋を早々と出る。そんな始はぶたれた頬を撫でる。

 

「痛い・・つまりこれは現実・・っ!!!」

 

 始はもう一度顕微鏡を覗きこみ、笑みを浮かべた。

 

「や・・・やったぞ―!!!!!!!!」

 

 と、力の限り叫んだ。

 何故なら顕微鏡には、『溶原性細胞が死滅していく』のが確認できたから。

 それと、それからしばらく星埜 始はドMだと言う噂が研究所内で流行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やっと終わりました。
おかしいんだ・・俺は小説を書いていたら、いつのまにかゴロゴロしながら映画を見ていたんだ、なにを(ry
と言う事が5回はありました。
そして溶原性細胞が死滅!?やったね千翼!これで皆にいじめられずにすむよ!!
では、次回をお楽しみに!!


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生きていい

最近CSMアマゾンズドライバーを買いました。
めっちゃ楽しいぜ!!!

ゥウ"、アマゾン!!!!!

では楽しんでください。


―仁達の鎮守府内の職務室―

 

 

 いきなりの出来事が立て続けに起きたことで、七羽は大忙しで動いていた。

 

「えーと、これを―」

 

「あの、どうかしました?」

 

「イユちゃん!」

 

 七羽がデスクワークしていると、イユと長瀬が職務室に入ってくる。

 

「なんか忙しそうっすけど、俺達も何か手伝いますよ!」

 

「ありがとう、でも客人の二人を働かす訳には・・」

 

❬ジリリリリリリリリリリリ❭

 

 突然、机の上に置いてある電話が鳴り、七羽が電話に出る。

 

「電話?、もしもしこちら第5―「七羽君か!?」―始さん!?―「ああ、始だ!それより今千翼君はいるか!?」―千翼なら今出撃していますが?―「そうか、出来れば急ぎたいんだ!」―どうしたんですさっきから―「どうしたも、こうしたも、溶原性細胞を消す薬が出来たんですよ!!」―なんですって!?」

 

 始の話を聞いて七羽は驚きの声を挙げ、始に質問するが、

 

「ちょ、始さんどういう―「今そっちに向かってるから、ついて話すよ!!」―始さん!!・・・切れた」

 

「パ・・父からですか?」

 

「ええ、千翼の溶原性細胞をなんとか出来るって」

 

「おい、それ本当かよ!?」

 

 七羽の言葉に長瀬が驚きの声を挙げる、その後職務室に通信が入る。

 

「こちら妙高、戦闘が終わりました―「分かったわ!そっちに千翼はいる?」―千翼さんならこちらに居ますが?―「そう、千翼に帰投したら職務室にくる用に言っておいて」―了解しました」

 

 妙高と通信を終わらせると、七羽はすぐにイユと長瀬に指示を出す。

 

「イユちゃんは門で始さんを迎えて、長瀬君は千翼の迎えをお願い」

 

「わかりました!!」

 

「わかったぜ!!」

 

 二人は走って職務室を出る。

 

 

―数分後―

 

 

「ほら千翼急げって!!」

 

「ちょ、裕紀速い」

 

 長瀬が千翼をぐいぐい引っ張って職務室に向かい、職務室前に着くと少し乱暴にドアを開ける。

 そこには七羽とイユ、そして始が待っていた。

 

「おお!待っていたよ千翼君!」

 

「始さん、何で?」

 

「君の溶原性細胞を消す薬が出来たんだよ!!」

 

「え?」

 

「ああ、その反応は七羽君で見たからもういいよ」

 

「え?」

 

 始の言葉にいろいろ困惑する千翼だが、始はそれを無視して薬の説明をする。

 

「私が今回作ったのは、文字通り溶原性細胞を完全に消す薬だ・・」

 

「溶原性細胞を消す薬・・・それって千翼に投与して大丈夫なの?」

 

「それはまだなんだが恐らく大丈夫だろう、まず溶原性細胞ってのは、単体では特に害の無い千翼君のアマゾン細胞が千翼の体から血や汗の形で体外に出て変異した物だ、つまり大元は似ているが千翼君のアマゾン細胞と溶原性細胞は別物なんだ」

 

「だから、溶原性細胞に変異する前の千翼のアマゾン細胞には害は無いと・・」

 

「まぁ、まだ分からないから今から、千翼の血液から溶原性細胞に変異する前のアマゾン細胞にこの薬を使って果たして効果が出るか実験するんだ」

 

「それで効果が出たら?」

 

「また帰って実験さ」

 

「・・・」

 

 これまでの話を聞いて千翼は、喜びと少しの不安を覚えていた。

 

(本当に・・本当に溶原性細胞の呪いが解けるのか・・・)

 

「千翼君!」

 

「!」

 

 そんな事を考えていると、始が千翼に話かけてくる。始の手前には血液検査キットが机に並べられていた。

 

「君の血液検査をしたい、こっちにきてくれる?」

 

「あ、わかりました」

 

 数秒千翼の腕から血を採取した後、始は素早く行動し血の一部に薬を浸けて顕微鏡で状態を見る。

 

「一先ず効果は見られない、しばらく置いてみよう」

 

「しばらくってどのくらい?」

 

「そうだな、確か私が研究してる時は誤差も考えて三時間程でアマゾン細胞が溶原性細胞に変異してたから、それぐらいかな」

 

「三時間・・わかりました」

 

「部屋等で休んどいてくれ」

 

 

―三時間後―

 

 

 部屋で休んだ千翼は、職務室に向かい部屋に入った。

 

「失礼し―「すごいぞこれは!!!」―何!?」

 

「千翼君きたか!!」

 

 そこでは、始が酷く興奮しており千翼も困惑する。

 

「あの、どうしました?」

 

「ああ!実はな顕微鏡でアマゾン細胞の変化を見ていたんだが・・・『三時間経っても一切の変化が無かったんだ』!!」

 

「え!?それって!?」

 

「この薬は溶原性細胞を消すだけじゃなくて、『千翼君のアマゾン細胞が溶原性細胞に変異するのを抑制する』効果が有ったんだ!!!」

 

「な!?」

 

 突然の事に千翼も思わず声が出る。

 

「私は最悪、千翼君の溶原性細胞はそのままで、溶原性細胞感染者にこれを打つ事で自体を納めようと考えていたが、まさかここまで良い結果になるとは、きっと千翼君は運命に『生きていい』と言われてるんだよ!!」

 

「!・・・生きて・・」

 

「良し!!これで千翼君のアマゾン細胞に害が無い事が証明された・・後はこれを投与するだけだ!!」

 

「投与ってどうやって?」

 

「実は一時間前に明石さんに頼んでおいたんだ、もうすぐ」

 

❬コンコン❭

 

「きた!」

 

 部屋のドアが開くと明石が白いケースを持って入ってくる。

 

「えー、始さんの注文通り完璧に造りました」

 

「ありがとう、本当に一時間で終わらせるとは」

 

「まぁ、小さい物ですから変なギミックとかも有りませんし」

 

「まぁ、ともかくありがとう」

 

「お安いご用で!!」

 

 そう言って、明石は白いケースを始に渡すと職務室を出ていった。

 

「よし、これに薬を入れて千翼君の腕に巻く」

 

「これは!?」

 

 始がケースを開けると、そこにはかつて千翼も着けていた、鳥の横顔の用な造形がしてある『ネオアマゾンズレジスター』が入っていた。

 しかし、前に着けていた『ネオアマゾンズレジスター』とは違い、裏側に無数の針は無く、変わりにとても小さく円柱が出ていた。

 始はすぐに『ネオアマゾンズレジスター』を開いて中に薬を入れ始め、しばらくして準備が出来たのか『ネオアマゾンズレジスター』を持って千翼の元にやってきて、『ネオアマゾンズレジスター』を差し出す。

 

「さあ、千翼君これを着けてみてくれ」

 

「・・・」

 

 レジスターを受け取った千翼は前回の経験から一瞬躊躇うが、一息置いて左腕にレジスターを着けた。

 

「ッ!」

 

 レジスターを着けた後、左腕に微かに噛まれた用な感覚がする。

 小さな隙間から見ると、レジスター裏側の円柱が千翼の左腕にピッタリとついており、微かに食い込んでる事が分かった。

 

「チクッとするだろうが、裏側の円柱の表面には三つの突起が小さく有って、その突起が千翼君の左腕から薬を送るんだ・・・千翼君体の異常は?」

 

「・・・ありません」

 

 実際、千翼からしたら何かが変わったか言われたら分からないだろうが、千翼は感覚的に自分が変わった事を理解でき、その顔には自然と笑みが浮かんでいた。

 

 

 

 

 




やっと書き終わった!!!
待たせたな!!
溶原性細胞問題を乗り越えた千翼、一体千翼はこの艦これ世界でどういうENDを向かえるのか・・!!
次回もお楽しみに!!!

宿題が終わらん・・・


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求めるは最強

投稿遅れてすみません。
投稿ペースはこれからかなり落ちそうですが、頑張って週一投稿目指します。
では楽しんでください。


―仁達の鎮守府の職務室―

 

 

「よし、大丈夫だな!!」

 

 対溶原性細胞の薬を打って数分、念のため検査も終わり、千翼と始が安堵していると、職務室のドアが思いきり開き、イユと長瀬が入ってくる。

 

「「千翼(君)はどうなった(の)!?」」

 

「あ!イユ、裕紀!」

 

「千翼!!大丈夫か?溶何とか細胞は?」

 

「落ち着いて裕紀、溶原性細胞は何とかなったから」

 

「え、今・・」

 

 イユの反応に千翼は笑顔で答える。

 

「うん、イユのお父さんのおかげで、もう溶原性細胞の心配は要らなくなったよ!」

 

「・・・」

 

「?」

 

 千翼の言葉を聞いたイユと長瀬は突然ワナワナと震えだし、

 

「「やったー!!!!」」

 

 と力一杯叫んだ。千翼はびっくりした。

 

「やったね!千翼君!!」

 

「よ"か"った"な"ー!!!」

 

「でも本当、二人には感謝してる・・二人が居なかったら多分途中で・・・」

 

「別に大したことねぇよ!!俺やイユはただ恩返ししただけさ!!」

 

「そうだとしても、本当にありがとう・・・二人共」

 

「「千翼~!!」」

 

「どうやら何とかなったようね・・」

 

 七羽が職務室に入ってきて、千翼に話し掛ける。

 

「母・・・七羽さんもありがとうございます」

 

「礼なら仁に言ってね、私は仁の判断に従っただけだから」

 

「そうですか・・・そう言えば仁さんは?」

 

「大本営で会議があって、大本営に行ってるわ」

 

「そうですか」

 

 

―???―

 

 

 その白い空間に、二人の人物が入ってくる、一人は『水澤 悠』で、もう一人は『水澤 令華』だった。

 

「・・そう、青いアマゾンね・・」

 

「うん」

 

「よくやったわね悠・・今は休んでなさい」

 

「・・・」

 

「悠?」

 

「母さん、僕・・」

 

「!」

 

 悠が何か言おうとすると、令華は悠を無理矢理座らせて、話しだす。

 

「良い、悠・・貴方は私の言う事だけを聞いていれば良いの・・・わかった?」

 

「・・・わかった、母さん」

 

「じゃあ、今はおとなしく休んでなさい」

 

「・・・・はい」

 

 悠の返事を聞いた後、令華は部屋を出る。暫く歩いたら上に繋がる階段を登る、するとそこには『鎮守府があった』そうここは、水澤 令華提督が管理する『第58鎮守府』である。

 令華はそのまま、歩いて鎮守府内にある牢獄へ向かう、この牢獄は鎮守府内で反乱や暴動を起こした艦娘が入る所である、令華はその牢獄の奥にある、『特殊牢獄室』と書かれた部屋に入る。

 ガラスと一つの扉で隔てられた、二つの部屋があり、一つはモニターや様々な機械が置いてある制御室で、もう一つはベットが一つとその周りを鉄線で囲われた物が置いてある部屋があり、制御室には二人の男がいてガラス越しにもう一つの部屋を見ており、もう一つの部屋にある鉄線で囲われたベットの上には鷹山 仁がいた。

 

「カードキーを・・」

 

「どうぞ」

 

 令華が命令すると、男の一人が一つのカードを取りだし令華に渡す、令華は機械にカードを読み込ませると、ガラスと共に部屋を隔てる扉が開き、令華は中へ入っていく。

 仁が令華の方を見らづに言葉を投げ掛ける。

 

「・・・あんたか」

 

「ええ、久し振りね・・鷹山 仁」

 

「ふっ、久し振り、ね・・・で、俺に何の用だ?こんな所に入れて」

 

「薄々分かってるでしょう・・・アマゾンの事よ」

 

「それまた何故だ?・・・そもそも何であんたがアマゾンの事を知ってる?」

 

「・・・そう言えば、お礼まだでしたね・・わざわざ資材分けて貰ってありがとうございます」

 

「なんでその話題が・・・いやそういう事か」

 

「ええ、あの時、潮と阿賀野を貴方の鎮守府に向かわせた時に、ちょっとサンプルを貰ったんですよ」

 

 そう!かつて仁達の鎮守府、第57鎮守府には、この第58鎮守府から駆逐艦潮と阿賀野が訪れていた。

(わからない人は投稿してある『すべての原因』を見てください)

 その時、潮と阿賀野は自分達の資材が枯渇したから、いくらか資材を分けてほしいと言う理由で仁達の鎮守府に訪れたが、

 

「やっぱり、資材が枯渇したなんて嘘だったか~、もっと怪しむんだった」

 

「まぁ、そうですね」

 

 そう、嘘を言っていた。あの時の潮と阿賀野の目的は仁達の鎮守府のどこかにあるアマゾンの死体からサンプルを入手する事だった。

 実際に、あの時潮はトイレに行きたいと偽り、鎮守府内を捜索していたのだ、さらにその時仁達には村雨の騒動があり、潮の暗躍には気づけなかったのだ、その結果令華にアマゾン細胞の事がバレたのである。アマゾンの名称を知れたのはサンプルを採る際に盗聴機を仁達の鎮守府に仕掛けたからである。

 

「なんでアマゾン関連の事を感ずけたんだ?」

 

「貴方の鎮守府の戦績や、その司令塔である鷹山 七羽さんの優秀さは日々鎮守府で噂になっていましたから・・なんせ鷹山 七羽さんが司令を行うようになって貴方の鎮守府にはここ5年『大破した艦娘が一人も居ない』なんて事になっていますからね」

 

「・・・それで」

 

「だからこそ貴方の所の赤城が大破・・いや、轟沈寸前になったと聞いて不思議に思ったんですよ・・予想外の事、例えば深海棲艦以外の何かに襲われたんじゃないか?とね」

 

「七羽さんへの信頼が高くて俺は嬉しいよ」

 

「そして私は貴方の鎮守府を調べた・・」

 

「・・・ふーん、で、何が知りたいの?」

 

「貴方の持っているアマゾンの知識すべてよ・・・特にあの青いアマゾンについて」

 

「・・・!」(千翼の事を?)

 

「・・なんでだ、それを知って何がしたい?」

 

「・・・悠を最強のアマゾンにして、唯一無二の新人類にする事」

 

「最強のアマゾンだ~?」

 

「そう、その為にはまだ知識と、力が必要なの」

 

「もし、俺がその事について教えたら・・その青いアマゾンをどうするつもりだ」

 

「・・・」

 

「・・成る程」

 

 そう言って仁はベットにごろんと寝転がり、令華に背を向ける、そんな仁に令華は質問を投げ掛ける。

 

「どういうつもり?」

 

「教えないよ~だ!」

 

 令華の質問に仁は小馬鹿にした様子で答える。すると令華は冷たい目で仁に話し掛ける。

 

「こういうシナリオはどうかしら、ある一人の男が突如不慮の事故によって亡くなってしまう・・」

 

「・・脅してんのか?」

 

「ええ、そういう事」

 

 令華はそう言って、ガラスの向こうにいる男にサインする、男はサインを汲み取り機械を捜査すると、ベットを囲っている鉄線から電流が流れて、その電流は仁の寝ているベットに向かい、仁に電流が流れる。

 

「ガガガ、アアアア!!!」

 

「どうです?情報を教えるつもりになったかしら?」

 

 令華は仁にそう問いかけるが、仁は令華を真っ直ぐ見て。

 

「教えるつもりはねぇよ!!!」

 

「そうですか・・」

 

 と言い張り、それと同時に仁にまた電流が流れる。

 

「ガ!ア"ア"ア"ア"!!!」

 

 仁が苦しんでいるのを背に、令華は部屋から出て、制御室にいる男達に命令を出す。

 

「毎日死なない程度にこれを続けて、口を割る素振りを見せたら直ぐに呼んで頂戴」

 

「了解」

 

 令華は踵を返して、特殊牢獄室を出る。

 

(もうすぐ、もうすぐよ!私の悠が最強のアマゾンになる日は!!)

 

 

 

 

 

 




投稿遅れて本当に申し訳ない。
授業の合間にちょこちょこ書いてるから大変だ。
では次回もおたのしみに!!!


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闘いの動き

投稿遅れてすまぬ。
では、楽しんでいって下さい。
※熱出して寝ていました、本当に申し訳ない!!コロナの事もあり結構めんどい目にもあったので皆も気をつけて下さい。


―仁達の鎮守府の職務室―

 

 

「・・・おかしい」

 

 そこで、鷹山 七羽はある内容に頭を抱えていた。

 

「仁が帰ってこない」

 

 そう仁が会議に大本営に出向いて、もう三日が過ぎているのに一向に帰ってくる気配が無いのだ。

 七羽は不思議に思い何度も大本営に連絡を入れるがまるで繋がらなかった。

 

(会議の内容は高確率で第56鎮守府の事、オオカミアマゾン(村雨)の事もあり長引くのはある程度理解出来るけど・・三日もかかるかしら)

 

「・・もどかしい」

 

 七羽はそう呟く。

 恐らく、昔の七羽がこの自体に出くわしたら大本営に侵入、最悪カチコミに出て、仁を探しただろうが今彼女には大事なちひろ(子供)や艦娘がいる、その存在が彼女を鎮守府に縛り付けていた。

 

(私の勘だと今仁は()()()()()()()()()()()に巻き込まれてる、でもただ単に会議が長引いてる可能性もある・・いや、仁個人にも連絡が付かないのを考えると前者の可能性が高いけど、ちひろがいる以上、動くにしては不確定要素が大きい、何かしら、何かしらの証拠があれば・・!!)

 

 そう思いながら七羽は爪を噛む、普段の彼女なら絶対にしない行動である、それほどまでに七羽は言い表せない不安感に襲われていた。

 

 

―特殊牢獄室―

 

 

 第58鎮守府内にある特殊牢獄室、制御室と牢獄室の二つに別れるその場所に、牢獄室には鷹山 仁、制御室には水澤 令華がいた。

 

「今日で三日目、話す気にはなったかしら?」

 

「ねぇな・・それよりも肉くれ」

 

「・・・」

 

 これがここ三日の彼らの会話である。

 

「そらにーく!、はいにーく!、にーく!、にーく!、にーく!」

 

「いい加減にしなさい!」

 

 令華がスイッチを押して、仁のベットに電流を流す。

 仁は「ッッ・・!!」と声を押さえて、それに耐える。

 暫くして、令華がもう一度スイッチを押して、電流を止め、仁に話し掛ける。

 

「早く話した方が貴方の為だと分からないの?」

 

「ハァ、ハァ」

 

「そもそも、何で話さないんですか?」

 

「話したら、ハァ、ハァ、お前が青いアマゾンを殺しに行くからだ・・」

 

「・・確かに、私の目的の為にそうしますが、なら尚更分かりません、あの青いアマゾンは貴方の実の子供でも、家族でも無いのに、なんで彼を守ろうとするんですか?」

 

「・・・」

 

 令華の質問に仁は黙るが、暫くして天井を見ながら静かに言った。

 

「・・わからん」

 

「は?」

 

「俺にも分からねぇ・・ただ彼奴には『幸せになって欲しい』って、『心から笑って欲しい』ってそう思っちまうんだ」

 

(まぁ、溶原性細胞の事を知った時はそれと同時に『せめて俺の手で楽にしてやろう』って思ったが・・)

 

 仁は千翼の顔を思い浮かべる。

 

(始先生の言葉を聞いた時の千翼の顔・・あれ見た時どうやっても生かしてやりたいって思った、そう言えば薬どうなったんだ?・・先生の事だ徹夜してでも作りあげるだろうな)

 

(それに、なんか千翼を他人とは思えねぇんだよな~、彼奴を見てるとちひろを思い出す、同じ名前だからか?)

 

 と、仁は千翼について色々考えるが、グッと拳を作り。

 

(まぁ、今俺がすべき事は!!)

 

 仁はベットから起き上がり、ガラスの向こうにいる令華を見て。

 

「ま、ともかく俺は何をされても、お前には何も教えねぇよ!!」

 

「!」

 

 と、強く言いはなった。

 仁の言葉に令華は顔を一瞬ひきつらせるが、直ぐに元に戻り、仁に言葉を投げ掛ける。

 

「言って置くけど、鷹山 仁、貴方が外部から救出される確率は限りなくゼロに近いわよ・・ここ三日、鷹山 七羽が大本営に連絡を取ろうとしてるけどこっちで妨害してるわ」

 

「・・・」

 

「鷹山 七羽は頭が回る、恐らく会議の議題も予想している筈、それを考えれば暫く鎮守府に帰ってこない状況も、ただ会議が長引いてる確率もゼロでは無いと彼女は考えるでしょう」

 

「・・・」

 

「そして大本営は今日本を守っている全鎮守府の総括をする場所、そこに侵入工作やカチコミなんかしたら、その行為は日本中を敵に回す行為になる・・そんな事を不確定要素の大きいこの状況で、子持ちの彼女が出来るかしら?」

 

「・・・」

 

「そういう事よ・・伝える事は伝えたわよ、アマゾン細胞の事を話す気になったかしら?」

 

「・・いや、まったく」

 

「・・・そう」

 

 令華は制御室から出て行き、入れ替わりで二人の男が制御室に入ってきて、仁の監視を始める。

 

(・・令華の言う事は的を得ているな、昔とは違って今はちひろがいる、すぐにおいそれと動けない筈だ・・・何とか、こちらの状況を教える手立ては無いだろうか)

 

 

 

 

 

 

 

 先に言うと仁がこの状況を七羽に教える手立ては無い、もちろん令華達も七羽に情報が行かないように完璧に行動している・・・が、この男の動きだけは令華でも止められない。

 

 

―仁達の鎮守府の職務室―

 

 

❬ジリリリリリリリ!!❭

 

「!」

 

 突然、机に置いてある電話が成り、七羽は直ぐに電話に出る。

 

「こちら第57鎮守府副提督鷹山 七羽です―「近くにテレビ等映像を映す物はあるか?」―・・・?」

 

 電話の相手は変声機を使って話し、七羽に質問する、七羽は怪しく思い電話を切ろうとするが。

 

「―「鷹山 仁に関して話したい」―なっ!?」

 

 その言葉を聞いて七羽は驚愕するが直ぐに冷静になり、電話相手に質問する。

 

「貴方は一体誰?―「テレビ等があればそれに答えられる」―タブレットじゃ駄目かしら?―「それでも良い」―・・ちょっと待って」

 

 七羽は職務室を出て自分の部屋に向かい、タブレットを持って職務室に戻ってくる。

 七羽は電話を取って電話相手に話し掛ける。

 

「持ってきたわよ―「よし」 ブツッ 一体な!?」

 

 突然電話が切れ、七羽が驚くと、突然タブレットが点き、その男海軍元帥『天条 隆顕』が映った。

 

「貴方ですか・・元帥」

 

「ああ、仁について君に教えたくてな」

 

「それで・・仁は今どこにいるんです!?」

 

「まぁ、これを見たまえ」

 

「?」

 

 すると、タブレットに特殊牢獄室の映像が流れ、牢獄室にいる仁が映し出される。

 

「ここは!?」

 

「第58鎮守府、令華君が管理する鎮守府だ」

 

「水澤 令華、何故彼女が!?」

 

「それと、この鎮守府にはアマゾンがいる」

 

「なんですって!?」

 

「さあ、伝える事はすべて伝えたぞ鷹山 七羽」

 

「っ!待ちなさい!!」

 

「なにか?」

 

「貴方の目的は何?」

 

「ふふふ、見れる気がするのだよ」

 

「・・?」

 

()()()()()()()()()()!!」

 

「!?」

 

 そこで、映像は途切れる。

 

「・・・」

 

 七羽は困惑するが、直ぐにキッと顔を正す。

 

(確証は得られた、後は行動有るのみ!!)

 

「やってやるわよ!!水澤 令華!!!」

 

 

 

 




やっと終わったぜ。
次は早くに投稿したいな。
では次回をお楽しみに!!


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開戦

お待たせしました!!
では、楽しんでいって下さい!!!
※編集しました。


―大本営のどこか―

 

 

「ふふふふ」

 

 その場所には、車椅子に乗った元帥天条 隆顕と彼の目の前にある巨大スクリーンだけがあり、そのスクリーンには第58鎮守府の光景が見られた。

 そして、そのあまりにも質素な部屋に天条の笑い声が響く。

 

「さぁ、火種は点いた・・・見せてくれ、青きアマゾン千翼と緑きアマゾン悠による、私の理想の殺し合い(食物連鎖)を・・ハーハッハッハッハッ」

 

 異常な笑い声が木霊する。

 

 

―令華の鎮守府の職務室―

 

 

 そこで第58鎮守府提督の水澤 令華が資料に取り掛かっていた。

 

「・・・」

 

 ただ黙々と彼女は仕事をする。

 すでに闘いが始まっていると知らずに・・

 

 

―令華の鎮守府の門前―

 

 

 今門前では、大井と北上が仲良く掃除をしていた。

 

「ねぇねぇ、北上さん今度間宮さんが新商品を出すらしいんですけど一緒に食べに行きませんか?」

 

「新商品か~、うん、行こうか大井っち」

 

「やった~!!北上さんと一緒に~、デヘヘ」

 

「ん?」

 

 と、そこに一つのトラックが向かってくる。

 トラックには海軍のマークが付いており、二人の前でトラックが止まり運転席から小太りの男性が出てくる。

 

「すいません、大本営から来ましたんですけど」

 

「大本営?何の用で?」

 

「はい、何でも最近深海棲艦の動きが活発化している用でして、そこで大本営はこの書類にサインして頂いた全鎮守府の提督方に資材の供給にと」

 

 そう言って、男は一枚の書類を取り出す、そこには確かに令華の文字でサインが書かれていた。

 その間に大井がトラックの後ろに回って荷台を見るが確かに様々な資材が詰め込まれていた。

 

「・・確かに提督の文字だ、うんじゃあ通って良いんじゃないの?」

 

「はい、では」

 

 北上の了解を得て、男はトラックに乗り鎮守府に入っていく。

 

 

―令華の鎮守府の工房―

 

 

 トラックは門を通ると、そのまま工房に向かった。

 工房に着くと第58鎮守府の明石がいた。

 

「あれ?大本営何の用で?」

 

「資材を運びに来たのですが」

 

「資材ならあっちにお願いします」

 

「分かりました」

 

 明石の話しを聞いて、男は資材を運び出すが、途中で転んでしまう。

 明石が転んだ男に気付いて駆け寄る。

 

「ちょっと大丈夫―」

 

 瞬間、明石の首に小さな針が刺さり、明石はぐっすりと寝てしまう。

 

「侵入成功・・」

 

 その言葉と共に男の体がベリベリと剥がれて、中から七羽が出てくる。

 それだけじゃなく、資材を入れる箱からは霧島、榛名、神通、川内、夕立、時雨、千翼、長瀬が出てくる。

 そして霧島達が喋る。

 

「鎮守府の侵入・・以外とチョロいですね」

 

「でもほとんど、副提督が作った令華提督のサイン完璧コピー書類と明石さん特性変装キットがあればこそですよね」

 

「どう夕立、右腕の義手の調子は?」

 

「これすごいよ時雨、めちゃめちゃ動くっぽい!」

 

「ふふふ侵入工作か、夜戦忍者と呼ばれた私の実力見せてあげるわ!!」

 

「ヘマだけはしないで下さいね、姉さん」

 

「よし、やってやるぜ!!」

 

「・・仁さん」

 

「こらこら、皆作戦に集中よ!!」

 

 七羽の言葉を聞いて、全員が直ぐに真剣になる。

 さて、ここで七羽達の作戦を説明しよう。

 

―七羽達の鷹山 仁救出作戦―

 

作戦参加者

 

鷹山 七羽、霧島、榛名、神通、川内、夕立、時雨、千翼、長瀬

 

の計9人

 

作戦内容

 

1,大本営の業者を装い第58鎮守府に侵入

 

 この際、艦娘達は資材を装って荷台で待機、七羽は明石特製変装キットを使って小太りの男性に変装して侵入、さらに令華の筆跡を完璧に再現した七羽特製の書類を使い相手から信頼を得て侵入する。

 

2,第58鎮守府の監視映像を第57鎮守府の監視映像に切り替える

 

 第58鎮守府に侵入したら動きやすい用に、予め用意していたパソコンを使って、鎮守府の監視映像を切り替える、この際、鎮守府は一つ一つがほぼ同じ作りになっているので、映像を変えてもほぼ違和感を出させずにすむ。

 

3,時雨が千翼を殺そうとした時と同じように、霧島達が第58鎮守府の艦娘達を宿舎に閉じ込める

 

 不用な戦闘を避ける為、霧島達艦娘は宿舎に侵入し一つ一つの部屋に第58鎮守府の艦娘達を閉じ込める、この際、主に動くのは川内、神通にして、サポートを夕立、時雨が行う、閉じ込める時は明石特製の錠前で施錠する。霧島、榛名は暴れた艦娘を無理矢理押さえ込む役割である。

 

4,七羽が警備員に変装して特殊牢獄室に侵入し、仁を救出する。

 

 そのまま、七羽は警備員に変装し特殊牢獄室に行って仁を救出する。

 

5,その間に千翼と長瀬は鎮守府の何処かにあるアマゾン研究室に爆弾を仕掛ける事

 

 これ以上、水澤 令華がアマゾン研究を出来ない用に千翼と長瀬で研究室に爆弾を仕掛け徹底的に破壊する、この作戦の第ニの目的でもある。

 

6,侵入したトラックに乗って第57鎮守府に帰投で作戦完了

 

戦闘プラン

 

 作戦を行うに当たって最も気を付けるべきなのは、第58鎮守府にいるアマゾンである。

 千翼はそのアマゾンは恐らく男性で、千翼と同じくベルトを使っていると言っていた。

 運良く、鎮守府にいる男性となれば分かりやすい、艦娘達はその男性と出会ったら戦おうとはせずに、千翼に連絡して、千翼の到着を待つ事。

 

 艦娘との戦闘は出来る限り避ける事、どうしてもという時は実弾を使わずに麻酔弾を使い眠らせる事。

 

―以上が今回の作戦である―

 

「さぁ、やるわよ!」

 

 七羽がパソコンを荷台から取り出して操作し始める。

 

「第58鎮守府のサーバーに侵入、プログラムは―」

 

 カタカタと七羽は常人離れした速さでタイピングしていき、パソコンの画面には次から次に様々な表示が出てくる、暫くして。

 

「―にして・・出来た!」

 

「出来ましたか!!」

 

「ええ、これである程度自由は利くようになったわ・・じゃあ各自作戦道理によろしくね!」

 

「「「了解!!」」」

 

 七羽の言葉で霧島達は動き出す。

 

 

―令華の鎮守府の職務室―

 

 令華が仕事をしていると、北上と大井が入ってくる。

 

「提督ー、入るよー」

 

「あら、北上、大井、どうしたの?」

 

「いやー念のためこれ届けようと思って」

 

 そう言って北上は、七羽の作った偽造の書類を令華に出す。

 

「何これ?」

 

「? 大本営が資材をーって」

 

「ちょっと待って、一体何の事を!?」

 

❬ガシャン!!❭

 

 瞬間、職務室の扉が閉まる。

 令華は直ぐに扉を開けようとするが、扉が開くことは無かった。

 

「まさか、こんな!?どうして!?」

 

「て、提督?」

 

「何なんですか!」

 

「不味いわね」

 

 令華は電話を使って、潮と阿賀野に連絡を取る。

 

「潮、今すぐ職務室に―「すいません提督それが、部屋から出られなくなりました」―なんですって!?」

 

 

―令華の職務室の前―

 

 

 そこに川内と時雨は立っていた。

 川内は懐から通信機を取り出して連絡を取る。

 

「こちら川内、職務室を閉めたよ」

 

 

―艦娘の宿舎前―

 

 

 そこに夕立は立って、通信機から連絡を受け取っていた。

 

「こちら夕立っぽい、今ー、あっ!神通さんが最後の部屋を閉め終わったぽい!」

 

 夕立は宿舎の屋上から顔を出す神通を見ながら、連絡する。

 

 

―第58鎮守府の地下―

 

 

 七羽は地下に研究室があると予想し、鎮守府に地下の作りを書いてある地図を千翼と長瀬に渡しており、七羽の予想から千翼と長瀬は地下を移動していた。

 

「七羽さんの予想が当たれば・・」

 

「でも研究室なんて早々・・ん?」

 

 暫く進むと一つの扉があり、千翼と長瀬は警戒しながら中に入る。

 するとそこには、ザ・研究室、て感じの部屋があった。

 

「・・千翼、これって」

 

「ああ、ここが研究室だ」

 

 そう言って千翼は、バックから爆弾を取り出して設置し始める。長瀬もそれに続いて爆弾を設置する。

 

 

―第58鎮守府の牢獄―

 

 

 警備員服を着た七羽が牢獄を通って、特殊牢獄室に向かっていた。

 そして、特殊牢獄室と書かれた部屋に入る。

 

「失礼」

 

「「?」」

 

 監視の二人が振り向くと、瞬間、一人の監視員の世界が反転する。

 

「!?」

 

「貴様一体!?」

 

❬バシィ!!❭

 

 反応する間もなく、もう一人の監視員にハイキックが決まり気絶する。

 

「ぐっう・・」

 

「寝てなさい」

 

❬トン❭

 

 そう言って、転ばされた監視員のうなじを叩いて気絶させる。

 

「ふぅ」

 

 二人を気絶させた七羽は仁の方を見るが

 

「Zzzzz」

 

「・・・」

 

 仁は寝ていた。

 

「はぁ、全く」

 

 七羽はそう言って、監視員の一人からカードキーを取り出して、牢獄室に入り、寝ている仁に向かって。

 

「こら!起きろ仁!!」

 

「おわ!!何・・・七羽さん!!」

 

「全く、人が心配してるってのにあんたは・・」

 

「いやー、ごめんごめん、でも七羽さん大丈夫?」

 

「ええ、大丈夫よ・・私の事もちひろの事も心配はいらないわ」

 

「そっかーじゃあ、ありがとうのキス、ん~ぶっ」

 

 口を伸ばす仁に七羽は水筒を押し付けて止める。

 仁が水筒を取って中身を見ると、生卵が入っていた。

 

「お!七羽さんナイス!!」

 

「一先ずそれでも飲んでなさいな、じゃあ牢から出すわね」

 

 そう言って七羽は制御室に入っていき、機械を操作する。

 すると、❬ガシャン!❭という音と共に柵の一部が地面に沈んでいく。

 仁は開いた所から外に出る。

 

「あ~!やっと出れた!!」

 

「じゃ、鎮守府から出るわよ、仁!!」

 

「おうよ」

 

 仁と七羽は特殊牢獄室から出ていった。

 

 

―令華のいる職務室―

 

 

 令華は今焦っていた、上手く行こうとしていた自分の計画が何故か失敗しそうになっているのだ。

 

(間違いなくこれは鷹山 七羽の仕業、まさか彼女が動くなんて、吹っ切れたか、何かしら確証を掴んだか・・いや、それは今はいい、彼女が来ているって事は間違いなく青いアマゾンも来ている・・!!)

 

「いいわ!!私の悠は負けない・・計画より早いけど、ここで潰す!!」

 

 

―第58鎮守府内―

 

 

 そこを仁と七羽が走っていた。

 

「工房にトラックを置いてある、それで逃げるわ!!」

 

「あいよ・・! 七羽さん止まれ!!」

 

「!」

 

❬ダアァン!!❭

 

 仁の掛け声とほぼ同時に七羽達の数メートル先に、青年水澤 悠が降り立つ。

 

「・・・」

 

「そう簡単には行かないか・・」

 

 そう言って七羽は千翼に連絡を取る。

 

 

―第58鎮守府の地下研究室―

 

 

❬千翼❭

 

「!」

 

 千翼のバックから七羽の声が流れる。

 

「僕に連絡って事は―「ええ、話しに聞いてたアマゾンよ」―すぐ行きます!!」

 

「どうした千翼!!」

 

「ごめん裕紀、呼ばれた!!」

 

「じゃあ、早く行け!おれも後から行く!!」

 

「頼む!!」

 

 そう言って、千翼は走って研究室を出る。

 

「よし!千翼の分も、これをこっちに、これを・・ん?」

 

 長瀬が千翼の分まで爆弾を設置していると、机の上に置かれている左右にグリップが有り『緑色の目』がデザインされている黒いベルトを見つける。

 

 

―第58鎮守府内―

 

 

 そこで七羽と仁は、悠と対面していた。

 そんな七羽に霧島から連絡が入る。

 

❬副提督大変です!!❭

 

「何!?―「深海悽艦の群れがこの鎮守府に接近しています!!」―何ですって!?」

 

 そう、深海悽艦の群れが第58鎮守府に接近していた。そして霧島達は知らないがその中にはアマゾンシグマに変身する雷巡チ級がいた。

 

(深海悽艦、なんて間悪い!?)

 

「七羽さん!!」

 

 と、七羽の元に千翼がやってくる。

 

「千翼君!!」

 

「千翼!!」

 

「君は・・」

 

 千翼は直ぐに七羽達の前に立ち、悠と対面する。そして千翼の腰には、ネオアマゾンズドライバーが巻かれていた。

 そんな千翼に悠は話し掛ける。

 

「そうだね・・君もいるだろうと母さんも言ってたな・・そして、君と戦えとも」

 

「っ・・!!」

 

 悠は、アマゾンズドライバーを腰に巻き、左のグリップに手を架ける。

 千翼も、アマゾンズインジェクターをネオアマゾンズドライバーにセットし、中の液体を注入する。

 そして、

 

 

 

 

 

「「アマゾン!!!!」」

 

 

 

 

 

❬ドオオオオオオオオン!!!!!!!!!❭

 

 

 

 

 

戦い(殺し合い)の火蓋は切って落とされた。

 

 

 

 

 

 




次の日投稿できたぜ・・
これで一週間休んだのチャラにしてくれ。
ついでに、右腕を失った夕立は明石さん特製の義手を付ける事で復活しました。しかもこの義手元の腕同様にちゃんと動きます。
という事で今回はここまで、次回をお楽しみに!!


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ネオVSオメガ 艦娘VSシグマ

あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"←寝違えた&体育をした事による筋肉痛に苦しむ声
じゃ、楽しんでって下さい!!


―第58鎮守府広場―

 

 

「「アマゾン!!」」

 

❬オメガ❭ ❬NEO❭

 

❬ドオオオオオオオオン!!!❭

 

 鎮守府の広場に、赤と緑の爆発が起きる。

 仁と七羽は爆発の勢いで少し後退する、爆発が収まり、アマゾンオメガとアマゾンネオの姿が現れる。

 

「ふぅぅぅ!」

 

「ハァァァ、ガァ!!!」

 

❬ズガァン!!!❭

 

 二人の拳が衝突し、二人は戦闘に入る。

 その間に、七羽は艦娘達と連絡を取る。

 

「霧島、深海棲艦の動きは!―「真っ直ぐ此方に向かってします、後数十分もすればたどり着くかと!」―数十分か!」

 

 霧島の報告を聞いて、七羽は頭をフル回転させる。

 

(どうする、ここ(第58鎮守府)の艦娘を解放するか、いや令華(あの人)が指揮を取るなら、霧島達が後ろから撃たれる可能性が高い)

 

「しょうがない、第58鎮守府を防衛するわ!!深海棲艦を撃つわよ!!―「了解!深海棲艦は任して下さい!!」―頼んだわ!!」

 

「俺達は!!」

 

「乗ってきたトラックに護身用の武器はある程度載せてきたわ!!」

 

「じゃあ、俺達は変わらずトラックを目指すって事で・・」

 

❬ドカァァン!!❭

 

 瞬間、工房が爆発する。

 七羽が急いで霧島に連絡を取る。

 

「今のは!?―「深海棲艦の狙撃です!!なんて正確な・・!!」―やってくれるわね!!」

 

 七羽達は工房に向かうが、工房も、止めていたトラックも完全に壊れてしまっていた。

 

「これじゃ武器が!!!」

 

「七羽さんあぶない!!」

 

 そう言って、仁が七羽を守るように抱き締めたと同時に、壊れかけの工房の壁を破って、ネオとオメガがやって来る。

 

「くぅ!!」

 

「ダァ!!」

 

❬ヒュオ!!❭

 

 ネオがオメガに蹴りを放つが避けられてしまう。

 それから二人の攻防は続き、実力はほぼ互角だった。

 

「ヌゥ!!」

 

「ムァァ!!」

 

❬ガキィィン!!❭

 

 互いのアームカッターがぶつかり合い、甲高い金属音が鳴り響く。

 

 

―第58鎮守府近海―

 

 

 そこを、霧島を先頭に榛名、川内、神通、時雨、夕立が進んでいた。

 暫くして、駆逐イ級、ロ級が合計六匹向かってくる。それを霧島と榛名が迎え撃つ。

 

「あなた達に割いてる時間は!!」

 

「ありません!!!」

 

 ❬❬ドォォン!!❭❭

 

 霧島と榛名の同時砲撃で、イ級ロ級は完全に轟沈する。そして霧島が全員に呼び掛ける。

 

「一気に殲滅します!」

 

「「「了解!!」」」

 

 霧島達は深海棲艦と戦闘を本格的に開始し、深海棲艦を圧倒する。が、それは長く続かなかった。

 

❬ドォン!!❭

 

「!」

 

 霧島に一つの黒い砲弾が降り注ぐが、霧島は紙一重に避ける。

 そして砲弾が飛んできた方向から、雷巡チ級がやって来きて、それと同時に他の深海棲艦は退いていく。

 

(他の深海棲艦が退いた?)

 

「あなた何者ですか!?」

 

「フフフ、ナァニチョットトクシュナ、シンカイセイカンサ」

 

❬ガシャン!❭

 

 そう言ってチ級は艦装を外しアマゾンズドライバーを出す、そしてドライバーを腰に巻き、左のグリップを回した。

 

「アマゾン・・」

 

❬シ·グ·マ❭

 

❬ドオオオオオオオオン!!❭

 

「っ!!」

 

 紫色の爆発が起きて、霧島達の前にはアマゾンシグマが立ちはだかる。

 

「サァ、ヤロウカ」

 

「こいつか!妙高さん達が言っていたアマゾン!!」

 

❬ドン!!!❭ 

 

 シグマはとてつもないスピードで霧島達に接近する。霧島はそれに反応して、榛名達5人に呼び掛ける。

 

「全員、対アマゾン用装備を用意!ここで食い止める!」

 

(千翼さんは今緑のアマゾンを相手にしてる、私達で殺るしかない!!)

 

 霧島、榛名、川内、神通、時雨、夕立対アマゾンシグマの戦いが今始まった。

 

 

―第58鎮守府壊滅した工房内―

 

 

❬ドカァ!!❭

 

「グゥ!!」

 

 ネオがオメガに殴り飛ばされるが、ネオは上手く着地してインジェクターをベルトに押し込む。

 

❬BLADE LOADING❭

 

「!」

 

 機械音と共に、ネオの右腕から長剣が生成される。

 

「ハァ、ハァ」

 

「・・・」

 

「ダァ!!」

 

❬ヒュオ!❭

 

 ネオは長剣でオメガに斬りかかるが、すべて避けられてしまう。

 

(っ・・!やっぱり強い!)

 

 ネオは焦るが、それはオメガも同じだった。

 

(なんて速さ、反撃する暇がない!)

 

「なら!!」

 

「ダァ!!!」

 

❬ドスゥ!!!❭

 

 ネオの長剣がオメガの左腕に突き刺さり、オメガの左腕からは血が溢れる。

 

(よし、このまま腕を―)

 

「そうわさせない・・」

 

「な!?」

 

❬バキン!!❭

 

 瞬間、オメガは左腕を無理矢理動かし、ネオの長剣をへし折る。

 その行動でオメガの左腕からはさらに血が溢れ、ネオはオメガの行動に驚愕し、()()()()()()()()()()()()

 その一瞬が致命的だった。

 

「もらった」

 

 オメガはベルトの左のグリップを回す。

 

❬バイオレント パニッシュ❭

 

「!?しまっ―」

 

「ハァ!!」

 

❬ズバァァン!!!❭

 

 ネオはオメガに胸から腰まで『ベルトごと』縦に切りつけられる。

 

「ぐぅあ!!??!」

 

 ベルトごと切られた事で、ネオの姿から千翼の姿へ戻ってしまう。

 

「ぐぅがぁ!」

 

「・・これで終わりだ」

 

 千翼は傷を抑えながら、じりじりと後退し、オメガは千翼にゆっくりと迫ってくる。

 そして千翼はこの状況をどうするか必死に考えていた。

 

(不味い、不味い、どうする!?)

 

 目の前に迫る『死』に対してどうすべきか、千翼は考える。

 

(せっかく、溶原性細胞をどうにかしたのに、せっかく、生きていいって言われたのに・・ここで終われるか!!)

 

「っ、ぐぅ!!」

 

「・・・っ」

 

「?」

 

 千翼は必死に考える中で見逃さなかった、オメガに一瞬迷いが表れた事を

 

(今、一瞬・・)

 

「千翼ぉ―!!!」

 

 千翼が考えてると、長瀬が手に黒いなにかを持って走って来ていた。

 そして長瀬は千翼に向かってその黒いなにかを投げた。

 

「そら千翼!!」

 

「なっ、なっ、おわっ!?」

 

 千翼はそれをキャッチし、驚愕する。

 

「な!?裕紀なんでこれを!?」

 

「研究室にあった奴だ!!なんか役に立つかと思って持って来たんだ!!そして、千翼の所に来たらなんかヤバそうだったから」

 

「・・・」

 

 長瀬の言葉を聞いて、千翼はそのもう一つの黒いベルト『アマゾンズドライバー』に目を落とす。

 千翼はこのベルトを知っていた、何故なら自分の父親『アマゾンアルファ』に変身する鷹山 仁が使っていたベルトなのだから。

 

「こんな事って・・力を貸してくれてるのかな、父さん」

 

 千翼は暫く目を瞑った後、立ち上がりそのベルトを腰に巻いた。

 

「ただ、俺は生きたいから・・力を貸して貰うよ」

 

 そう言って、千翼は左のグリップをゆっくりと回した。

 

❬アルファ❭

 

「・・アマゾン」

 

❬blood and wild w w w wild ❭

 

❬ドオオオオオオオオン!!!!!❭

 

 瞬間、赤い爆発が起きる。

 爆発が収まり、そこにいたのは千翼でもネオでもなく、黄色の目と青い身体をしたアマゾンアルファがいた。

 

 

 

 

 




これがやりたかったぁぁぁぁ!!!
という事で登場!!

アマゾンアルファ(千翼ver)

まぁ、簡単に言えばアマゾンアルファの色違いです。
違いは、身体が赤色じゃなく青色で、目が緑のでは無く黄色ってだけで他は一緒です。

本当これをやりたかったんだ!!!
千翼アルファ!!
では次回もお楽しみに!!


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アマゾンアルファ

今思ったけど、アマゾンズを題材にして書くの超ムズい。
まぁ、そういう愚痴は置いといて。
最新話楽しんでください!!!


―第58鎮守府庭―

 

 

 長瀬が持って来たベルトを使い、青いアマゾンアルファに変身した千翼は静かにオメガを見ていた。

 そして、それと同時に千翼にちょっとした変化があった。

 

(不思議な感覚だ・・いつもより視界が広い気がする)

 

 千翼は落ち着いていた。

 

(いや、気付かなかったけどここ(第58鎮守府)で戦い初めてからずっとそうだ・・・前のように戦いの最中興奮する事がなかった)

 

 かつて、友人や4Cとアマゾン狩りをしている最中、千翼はとてつもない破壊衝動に支配され獣のような本能だけの戦い方をする事が多く、さらに自分の意思など関係なく身体が勝手に暴走する事もあった。

 しかし、今の千翼には破壊衝動など微塵もなく、千翼の身体は完全に千翼の意志で制御できていた、暴走など絶対起こらないと言い切れるほどに。

 

(イユ達のお陰か・・・この(父さんの)力のお陰か)

 

(・・あるいは両方か)

 

 そしてなにより、今の千翼があるのはある物がないからだ・・・恐怖である。

 さっきの暴走の話しにも繋がるが、千翼はアマゾンの力を使うのが怖かった、自分の母親を殺した力が怖かった、そういう恐怖や怒りが千翼をめちゃくちゃにし、暴走するのだ。

 

(でも今は、出来る気がする)

 

❬スッ❭

 

 千翼(アルファ)は、無意識に鷹山 仁(父親)が取る戦闘体勢と同じ戦闘体勢を取る。

 

(もう怖くない!)

 

❬バシィ!❭

 

 アルファは飛んできたオメガのパンチを受け流し、そのままオメガの背中に手刀を放つが、

 

❬ヒュオ!❭

 

 オメガは飛んで手刀を避ける、そのまま着地して飛び蹴りを放つが

 

❬バシィ!❭

 

 これもアルファに受け流される、そしてオメガはアルファの動きに少しの驚きを感じていた。

 

(!・・戦い方が変わった)

 

「ハァ!!」

 

❬ガシィ!!❭

 

 オメガはパンチを放つが、アルファに腕を捕まれ、アルファはオメガのパンチの勢いを出来るだけ殺さず、投げの体勢に入る。そして

 

「だぁ!!」

 

「うおぉ!?」

 

❬ドガァン!!!❭

 

 アルファはオメガを投げ飛ばす。

 オメガはアルファの動きが変わった事に困惑するが、アルファ自身も困惑に近い感情を抱いていた。

 

(凄い、何故だか相手の動きが分かる、次にどうすればいいかも!!)

 

 前の千翼の戦い方を言えば『力』、しかし今の戦い方を言えば『技』、そしてその戦い方は視力を失う前の鷹山 仁の戦い方にひどく酷似していた。

 しかしその事実は、この場に視力を失う前の鷹山 仁を知る人間が一人もいないので千翼には気付き用の無い事だった。

 何故千翼がそんな戦い方をするのか、それはわからない、しいて言うなら千翼の中に存在する鷹山 仁の細胞がそうさせているのだろう。

 

(いける!!)

 

「はぁ!!」

 

「!」

 

❬ヒュオ!❭

 

 アルファは紙一重でオメガの蹴りを避ける、オメガはそのままアルファに攻撃をするが、全て避けるか捌かれる。

 

「そこ!!」

 

「!」

 

❬ガキィィン!!❭

 

 オメガは、アルファの攻撃をギリギリで察知し防御する、その際互いのアームカッターが衝突し、甲高い音を上げる。

 そのまま力は均衡し、お互いの動きはそこで止まる。そんな時にアルファはオメガに話し掛ける。

 

「これがあんたがやりたい事なのか!?」

 

「何!?」

 

「おかしいって想って、さっきあんたの動きに迷いが見えたからさ・・」

 

「!?・・そんな事!」

 

「確かあんた母さんに俺を倒せ的な事言っていたよな、もしかしてあんたただ言いなりになってるんじゃないのか!?」

 

「・・それは」

 

 オメガはその言葉に黙ってしまうが、アルファは続ける。

 

「少なくとも俺の知るあんた・・いや、俺の知る人は違った」

 

「・・!」

 

「あの人は自分で決めていた、自分の守りたいものは守って、狩りたいものは狩るって人だった!!・・・お陰で何度も大変な目に会ったけど・・あんたはどうなんだ!!」

 

「!」

 

「これがあんたのやりたい事なのか!?ただ母さんって人の言いなりになってるだけなのか!?」

 

「・・っ!!」

 

❬ガァ!!❭

 

「ぐっ!!」

 

 オメガはアルファを押し飛ばし、静かに言った。

 

「だって僕は!!・・それしか知らない!!!」

 

 (オメガ)は、令華(母親)に生まれて初めて言われた言葉を思い出す。

 

(「あなたは私のいう事だけを聞いてれば良い」)

 

「僕は!!!!」

 

 オメガは乱暴にベルトの左のグリップを回し、機械音が響く。

 

❬バイオレント パニッシュ❭

 

「!」

 

 それに続き、アルファもベルトの左のグリップを回す。

 

❬バイオレント スラッシュ❭

 

 その機械音と共に、オメガとアルファは走り出す。お互いの距離が後、数メートルと言う所でお互い飛び上がった。

 

「うああああああああああ!!!!!!!」

 

「ガァアァアアアァァアア!!!」

 

❬ズバァァン!!!!!❭

 

 空中でオメガとアルファの身体は交差し、その後地面に降り立つ。

 そして互いに胸から血を出し、アルファは膝を着き、オメガは仰向けに倒れ、両方同時に変身が解かれ、アルファは千翼にオメガは悠の姿に戻る。

 

「ぐほぉあ」

 

「ぐっうぅ」

 

「・・っ!!」

 

 千翼は仰向けに倒れている悠の元に向かい、悠を見下ろし、悠に話し掛ける。

 

「さっきの話し・・どうなんです?」

 

「初めて目が覚めた時から・・ハァ、ずっと母さんの言う事を聞いていた・・そう言われたから」

 

「・・・」

 

「正直言えば嫌だった、戦うって事はあまり僕の性分とは合わないらしい・・いや違うな語弊がある・・・怖いんだ、相手を殴ったりすると、それと同時に自分じゃない何かが湧き出る用で・・・それがとてつもなく嫌だった」

 

 千翼は自分の知る水澤 悠と、目の前にいる水澤 悠の違いすぎる姿に驚く。

 それと共に(あの水澤 悠にもこんな時があったのかな?)なんて考える。

 

「じゃあ、あんたは何をしたいんだ」

 

「・・僕もわからない」

 

「じゃあ、このままただの言いなりとして生活する?」

 

「・・それは」

 

「自分のやりたい用にやれば良いじゃないか!!たとえば、戦いたく無いなら戦場から離れた所に行けば良い・・戦うんなら・・・・守りたいものは守って、狩りたいものは狩ればいい・・」

 

「守りたいものは守って・・・・狩りたいものは狩る・・・」

 

「・・どうなんだ」

 

「一つ・・」

 

「!」

 

「君はなんで戦うの?」

 

 悠は千翼に質問をする、千翼はその質問に暫く沈黙するが、海を見ながら答えた。

 

「俺は・・生きる事を否定されて鎮守府にきた、俺はそこでまた否定されるんじゃないかって思って隠しごとをした・・・その結果鎮守府の大事な仲間を一人死なせてしまった・・その時また俺は生きる事を否定される!!って思った・・・実際に艦娘の一人に殺されかけた・・でも最終的にみんな俺を受け入れてくれた・・・俺に生きて良いって言ってくれた」

 

 千翼はギュッと左腕に着けてあるネオアマゾンズレジスターを掴み、話しを続ける。

 

「こんな事、俺なんかが言って良いのかわからないけど・・俺は決めたんだ『この鎮守府のみんなを絶対に守る』って・・・俺を受け入れてくれた場所を・・これが俺の・・戦う理由だ!」

 

 千翼はそう言って、悠を見る。

 千翼は理解していた。自分にはこんな事を言う資格は無いと、自分は余りにも罪を重ねすぎたと、たとえ自分の意思じゃなくても。

 それでも千翼は言った、そこには正義も悪も関係無い自分の大事なものを必ず守ると言う、強い信念があった。

 

 

 

 




千翼「もうなにも怖くない」←死亡フ(ry

はい!と言う訳で今回は終わりです。
たったこれだけ書くのにこんな時間がかかる自分が情けない・・
本当毎日投稿してる人は凄すぎる。
と、話しはここまで!!
次回もお楽しみに!!!


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自立

今更ながらシティハンターにハマりました、おもしろすぎる。
暇があれば「愛よ消えないで」と「Get Wlid」を聞いています。
とまぁ、そんな事は置いといて、では楽しんでください!!


―第58鎮守府 庭―

 

 

「守る・・ための戦い」

 

 悠は千翼の信念を聞いて、その言葉がスッと入ってくるのが分かった。

 そんな、悠に千翼は言う。

 

「行ってきなよ」

 

「え?」

 

「あんたの言う、母さんの所にさ」

 

「・・・」

 

 悠はその場に立ち上がり、千翼を一度見た後第58鎮守府の職務室に向かっていった。

 そこに七羽と仁がやってくる。

 

「千翼!大変!霧島達の方にアマゾンが現れたわ!」

 

「ッ・・!分かりました」

 

 千翼は霧島達の所に向かおうとするが、そこに長瀬が駆け付ける。

 

「おい、千翼はさっきまで戦っていたんだぜ!?傷だってまだ・・・」

 

「ありがとう裕貴、でもたぶん霧島さん達の所にでたアマゾンはあいつ(シグマ)だ・・俺がいかなきゃ」

 

「けどよ・・」

 

「・・・」

 

「たく、わかったよ・・・必ず帰ってこいよ、イユも待ってンだからよ」

 

「! ああ、必ず戻る!!」

 

 千翼は(らしくないな)と思いながら、海へ走っていき地面を蹴って飛び出すと、アマゾンズドライバーの左グリップを回し叫ぶ。

 

「アマゾン!!!」

 

❬アルファ❭

 

❬ドオオオオオオオオオオオオン!!!!❭

 

 赤い爆発と共に、千翼はアマゾンアルファに変身し、海面に降り立つ、そして霧島達の元へ走っていった。

 七羽達はその後ろ姿を見ていた、そして仁はそんな後ろ姿を見ながら呟く。

 

「頼んだぜ、千翼・・・」

 

 

ー第58鎮守府 職務室前ー

 

 

 千翼の元を去った悠は、令華が閉じ込められている職務室前に来ていた。

 悠は職務室のドアにかかっている錠前を破壊する、そして中へ入っていく、令華は突然入ってきた悠に驚くが悠はそんな事気にせず令華に問いかける。

 

「母さん、僕はどうしても知りたい・・母さんは一体何がしたいの!?」

 

「悠、青いアマゾンはどうしたの!?」

 

「いいから答えてよ!!!」

 

「っ・・・貴方を最強のアマゾンにする、それが私のしたいこと」

 

「最強?」

 

「そう、でもこれは悠の為にもなる!貴方を最強にして唯一無二の新人類と・・・悠?」

 

「最強・・・そんなものの為に・・僕は」

 

「悠どうしたの?」

 

「決めた・・・僕はもう、母さんの言うことは聞かない!!!」

 

「なっ!?悠!!」

 

「最強なんて僕はならなくて良い!!!興味も無い!!!」

 

「なぁ・・・」

 

「これからは僕の意思で、僕が決める!!僕が狩りたいものを狩って守りたいものを守る!!!」

 

「悠・・・」

 

「そういう事だから・・」

 

 そう言って悠は走って職務室を出ていき、令華はそれを見てるしかできなかった。そしてその場にいた大井と北上は突然の事にただポカンとしていた。

 

 

ー第58鎮守府 屋上ー

 

 

 職務室を飛び出した悠は走って鎮守府の屋上に来ていた。そして海上をじっと見つめ、ふと右腕を胸の高さまで持ってき、右手を見ながら呟いた。

 

「・・僕はまだ守りたいものが何なのか分からない・・でも、狩るべきものは分かる!!」

 

 そう言って、アマゾンズドライバーの左グリップを回し、叫ぶ。

 

「アマゾン!!!!!」

 

〈ドオオオオオオオオオオン!!!〉

 

 緑の爆発が起き、アマゾンオメガの姿が現れる。

 そしてオメガは息を吸い込み、咆哮する。

 

「うおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

 

 

ー少し時間を遡って 海上ー

 

 

 そこで、霧島、榛名、川内、神通、時雨、夕立がシグマと戦っていた。

 

「「そこ!!」」

 

〈ドぉン!!〉

 

 霧島、榛名がシグマに向かって砲撃し、シグマはそれを腕でガードする、シグマが煙で見えなくなった所で川内、神通が煙の中のシグマに向かって蹴りを放つ。

 

「だぁ!!!」

 

「せあ!!!」

 

〈ガシィ!!〉

 

 が、シグマは二人の脚を掴み投げようとする。

 と、そこに夕立、時雨が対アマゾン用ナイフを使い、シグマを切りつける。が、

 

「ナニカシタカ?」

 

(っ!! 効いてない!?)

 

〈ドぉン!!!〉

 

 霧島、榛名がシグマをもう一度砲撃し、四人はその隙にシグマから距離を取る。

 そして川内が霧島に話し掛ける。

 

「さっきから、ハァ、ハァ、まるで効いてないよ!!」

 

「わかってます!!それでも続けるしかないでしょう!!」

 

「文句言ってる暇ありませんよ姉さん」

 

「!」

 

 神通がそう言うと、爆炎の中から一切の変化も無いシグマが出てくる。

 

「フフフ、オワリ?」

 

「くっ!」

 

「ジャア、コッチカラダ」

 

〈ドン!!〉

 

 シグマは高速で動き、まず霧島、榛名を殴り飛ばし、次に時雨、夕立を蹴り飛ばす、そして神通、川内に腹パンをする。

 

「おぐぅ」

 

「ぐぁぁ」

 

「なぁ、ぐぅ」

 

「っぅう」

 

「はぁぐぅ」

 

「くっう」

 

「マズハ」

 

 そう言ってシグマは、神通の方へ向かう。それを見て川内が叫ぶ。

 

「っうあ、待て、お前、神通に・・手を、出すなぁ」

 

「フン」

 

「姉さ・・ん」

 

「シズメ」

 

「神通!!!!!」

 

 シグマの腕が神通に振り下ろされるーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーが、そこに青い腕が割って入る。

 

 

〈ガシィ!!!〉

 

「!?」

 

「なっ!?」

 

「大丈夫!?神通さん!!」

 

「その声、千翼さん!!」

 

 そう、アマゾンアルファに変身した千翼が間に合ったのだ。

 アルファはそのままシグマを弾き飛ばし、戦闘態勢を取る。

 

「キサマ・・」

 

「私達の知らない姿・・」

 

 シグマを含めた、全員がアルファを驚きの目で見る。

 そんなアルファがシグマに向かって話す。

 

「前は逃がしたけど、今度は狩ってやる」

 

「フッ、デキルカナ?」

 

「出来る出来ないじゃない、殺るんだ・・俺の場所を、大事な物を守るために・・」

 

「ヘェ・・」

 

 刹那、シグマとアルファの拳が互いの顔を捕らえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです!!
構成は楽しく出来るけど、書くのがね・・大変。
感想等あったら気軽に書いてってください!
では、また次回!!


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共闘

さぁ、書くぜぇ!!
前書きで書くことが無くなってきたぜ!!
と、言うことで楽しんでってください。


ー海上ー

 

「ぐぅ!」

 

「ッ!」

 

 アルファとシグマのパンチは綺麗にお互いの顔に直撃し、お互いふらつくが、シグマはすぐに態勢を建て直しアルファに蹴りを放つ。

 

「ぐふっあ!」

 

「千翼さん!!!」

 

〈ドォン!!〉

 

 アルファが吹っ飛ばされたのを見て、霧島、榛名がシグマに砲撃をするがすべて避けられる。

 そして、川内、神通がシグマに突っ込む。

 

「うぉぉらぁぁあ!!」

 

「はぁぁああ!!!」

 

「! コザカシイ」

 

 シグマは川内、神通の攻撃をバク転で二人を飛び越える形で避ける。

 そこに、時雨、夕立がシグマに向かって砲撃をする、シグマは空中で体をひねり砲撃を避けるが、アルファが飛び上がり、

 

「!? 化け物め」

 

「フン・・・!?」

 

「はあ!!!」

 

〈バキィ!!!〉

 

 アルファはシグマに回し蹴りを食らわし吹っ飛ばす。そこにすかさず、霧島、榛名がシグマの脚に砲弾を打ち込み、川内、神通がシグマの両手首を対アマゾン用ナイフで突き刺し固定する、そしてアルファが落下の勢いを使ってシグマにかかと落としを食らわす。

 

「・・・」

 

「ハァ、ハァ、どうだ・・」

 

「・・・・・・オワリカ?」

 

「!」

 

 そう言って、シグマはアルファと川内、神通を吹っ飛ばし、何事も無かったかの用に海上に立つ。

 

(くそ・・・俺の世界(アマゾンズ世界)のイユと同じなら、いつか体に限界が来るはずなのに・・・まだ足りないのか・・・!!)

 

「ハァ、ハァ、不死身ですか・・・」

 

「本当、どうやって倒すの・・こいつ」

 

「フフフ・・・!」

 

〈バイオレント パニッシュ〉

 

「だぁ!!!」

 

 機械音と共にオメガがアルファの頭上を飛び越えて、シグマへ蹴りを放つが、シグマは咄嗟にガードをしてそれを受け止める。

 その隙にアルファはシグマの腹部を殴り、シグマを吹っ飛ばす。

 オメガはスッとアルファの隣へ降り立つ。

 

「・・・お前」

 

「僕は決めたよ・・」

 

「!」

 

「これからは守るものも、狩るものも・・・僕が決めるって」

 

「・・・そうか」

 

「うん、そしてアイツは狩るべき対象だ・・・ねぇ一つ良い?」

 

「ん?」

 

「名前・・何て言うの?」

 

「・・・・千翼」

 

「水澤 悠・・よろしく千翼」

 

「! ああ!!」

 

 オメガとアルファがやり取りしている間に、シグマは起き上がり二人を見る。

 

「・・キサマラ・・・!!」

 

「霧島さん達、難しいだろうけど俺たちの動きに合わせて!!」

 

「えぇ!?でも千翼さんそのアマゾンは・・・」

 

「大丈夫、もしもの時は俺がやる」

 

「・・・わかりました、全員後方から千翼さんと緑のアマゾンに合わせて援護!!良いわね!!?」

 

「「「了解!!」」」

 

「・・フン!!コイ!!」

 

〈ドガァ!!!〉

 

 シグマは、オメガとアルファの突撃を受け止め、1対2で攻防を繰り返し、ほぼ互角で渡り合っていた。

 

(っ!!やはり強い!!)

 

(二人で何とか互角・・・でも!!)

 

「てー!!!」

 

〈ドォン!!!〉

 

「!?」

 

 霧島、榛名、川内、神通の砲撃がシグマに直撃し、シグマは少しよろける。

 その隙にオメガはシグマの胸元を切りつけ、アルファはシグマの首に蹴りを入れ、シグマの首はひしゃげて吹っ飛んでいく。

 そこに時雨、夕立が砲撃をして、二つの砲弾はオメガの切りつけた場所へと吸い込まれていき、シグマに直撃する。

 

「!? ナッア、ガァ!!!」

 

 対アマゾン用に整備された砲弾が、体内に入ったことでシグマは痙攣を起こし動きが止まる。

 そして、その隙をアルファとオメガは逃がさない、二人は手早くベルト左のグリップに手を掛け、回す。

 

〈バイオレント ストライク〉

 

〈バイオレント スラッシュ〉

 

「ぬぅあ!!!」

 

「はぁ!!!」

 

 オメガはフットカッターを使い、シグマのひしゃげた首を切りつけ、アルファはアームカッターを使い、シグマの首をさらに切りつけ、シグマの首は完全に胴体と離れた。

 

(これで・・どうだ!!)

 

〈ドサァ!!〉

 

 次の瞬間、シグマの身体が倒れて海に沈んでいった。

 そして、オメガ、アルファ、霧島、榛名、川内、神通、時雨、夕立に貸すかな喜びが生まれるが一つの声がそれを遮る、シグマに変身していたチ級である。

 

「フ・・フフ、ムダダ・・スデニ、『ケイカク』ハ・・ホトンド、デキテイル・・オマエタチ、ニンゲンガ・・・メツボウスル、コトニハ・・カワラナイ・・フフ・・フフフフ」

 

 まるで呪いの用にそう言い残し、首だけになったチ級は海の底に沈んでいった。

 

 

 

 

 

 

 




今回短くてすみません!!
本当に時間が無くて←ただの言い訳
まぁ、と言う訳で次回かその次には最終回にします。
果たして千翼はみんなで美味しいケーキを食べれるのか!?
次回もお楽しみに!!


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休載のお知らせ

 まず最初に、ごめんなさぁぁァい!!!

 最終回前にして、モチベが完全に死にました。

 本当に勝手ですが、『仮面ライダーアマゾンズ 艦隊これくしょんINアマゾンネオ』は連載を休載します。またモチベが戻ったら書くかもしれません。

 また、休載になった理由が他にもあり実はまた別のクロスオーバー作品を書こうと思っているんです、そして完全に興味や創作意欲がそっちに向いてしまっていて、結果この作品を書くモチベがなくなったと言う本当に勝手な理由です、本当に申し訳ございません。

 自分の浮気性には、とても反省しています。

 と、ここまでダメダメな自分が書いた作品を楽しみに読んでくれていた皆様には本当に感謝しています。

 本当に、ここまでのご愛読ありがとうございました。

 

 

※ここから下は只の文字数稼ぎです、見なくて良い物なのでここでブラウザバックしてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァマァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァゾォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 



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