金髪吸血鬼と俺 (珠玖)
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誰しも好きなタイプぐらいあると思う

初投稿です。ハッキリ言って下手くそです。

なろうにも1話目だけ上げましたが、こっちの方が落ち着くのでこっちで上げます。

 

ほとんど深夜テンションで書いてます。

誤字などあったら教えてください。

コメント待ってます。

 

 

それではどうぞ

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそ!、なんで俺はこんなことやってんだ!!」

夜の街を俺は全力で走り回る。

足を止めるな、走り続けろ、止まったら待っているのは、圧倒的な死だ。

「あぁもうちくしょう!!」

背中に背筋が凍るような殺気を受け、俺は更に足を速めながら、なんでこんなことになってしまったのかを思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

「よし、これで一段落着いたかな。」

日常生活に必要な最低限度の家具を置き終わり、引越し作業の終わりがみえたのでここで1つ、調度品を置きながら頭の中で簡単に自分を振り返って見るとしよう。

俺の名前は藤木志久 この春高校1年になる、(ラノベ基準で言えば)至って普通の男子だが、ここで俺の(ラノベ主人公にありがちな)設定を説明しよう。

俺は中学1年の時に両親を事故で無くし、親戚の叔父さんの家に中学まで住んでいた。

もちろん、アニメやドラマにあるような嫌がらせは受けずに暮らしていたんだが、やはりどうしても馴染めない所もあった。

元々独立精神が人一倍あった俺は、中学を卒業後、一人暮らしをして高校に行くことに決めていた。

しかし、一人暮らし暮しをしなければならないほどの距離の高校に、行きたい学校がなく、結局進学を決めた学校は他県の学校だった。

ハッキリ言って、叔父さんと叔母さんが進学を許してくれるかどうかは心配だった。何せ、高校から他県の学校に行く奴なんてあまりいない。

許してくれるかどうかと心配になっていたが、その心配は杞憂に終わった。

叔父さん達は、最初こそ戸惑っていたものの、なぜ自分が行きたいのが、そこで何をしたいのかをハッキリ説明すると、「若いうちぐらいやりたいことをやりなさい」と、最後には笑顔で俺の選択を応援してくれた。

本当に叔父さん達には感謝してもし切れない。

と、ここ数ヶ月間のことを思い出しながら引越し作業をしていたら、いつの間にか午後7時過ぎぐらいになってしまっていた。

「しょーがねぇ、今から飯作んのもめんどくせぇし、今日は外食にすっかな。」

因みに周りに誰もいないのに、自分の考えを口にするのは、小学校の時からの癖だ。

「これ1回お喋りな女子に聞かれて、厨二扱いされたことがあるんだよな」

またもや過去のことを思い出し、苦笑いを浮かべながら、部屋の鍵を閉め、部屋を出ていく。

外食と言っても所詮高校生、平均よりかなり多めに小遣いを貰っていると思うが、無駄使いできる程でもないので、行く先はよく見るジャンクフードのチェーン店、マケドナルド

通称マケドだ。

休日なら混んでいる時間帯だが、今日は平日なので比較的空いていた。

運良く窓側の席に座れ、バニラシェイクとチーズダブルバーガーを注文した。

少し前の、無駄使いをしない考えと壮絶に矛盾している気がするが、まあね 、晩御飯ですから、男子たるものしっかり食べないと。

と、自分に言い訳をしながら、ボーッと、人の群れを見ていた。

程なくしてハンバーガーが俺の元に運ばれた。

1口齧り付く。

美味い。

ジャンクフードって 、時々食べるとホントに美味いよな〜と思いながら、食べ進んでいき、5分程で食べ終わってしまった。

バニラシェイクを飲みながら、追加でポテト頼もうかなと考えていたら、ある女性が視界に写った。

その女性の髪は金髪だったので、ついつい見てしまったのだ。

その時俺は危うく周りに人がいる中で、変な声をあげるところだった、いや、ちょっと変な声出たね 、「ヴンっ!?」みたいな。

周りの人が数人こっちを見た気がしたが、そんな事はどうでもいい、

今俺の視線は、先程の金髪の女性に釘付けになっていた。

年齢は俺より2~3歳上だろか、おそらく大学生、身長は俺よりも少し低いく、160後半ほどだろうか。

そして何より顔。

中学時代、(今も)2次元のキャラクターが好きで、3次元の女子が全く可愛いと思えず、3年間、3次元での色恋沙汰とはほぼ無縁の俺が凝視してしまうほどの

美貌だった。目はつり目で浅葱色だが、一目でその人の優しさがわかるほど暖かい目だった。鼻も高く、唇も淡いピンク色で、思わず視線が吸い寄せられてしまった

スタイルも良く、シュッと引き締まっているが出るところは出ていていた。

俺が考える女性の魅力を凝縮したような女性だった。

そして、たった数秒でそんな事を考え

た自分が若干、いや、かなり気持ち悪くなり、軽い自己嫌悪に陥った。

長くなったな、要するに端的に纏めると、惚れました、一目惚れですねこれは、HAHAHA。

なんだかとても気持ち悪いことを考えいる気がする、何だよHAHAHAって、何処ぞのオールマ〇トさんですがね。だがしかし、俺の言い分も聞いてほしい。

俺のストライクゾーンのド真ん中を160㌔の火の玉ストレートで射抜かれたんだぜ。

誰だってこうなると俺は思うね。

しかし、世界は無常だ、俺はあの人のことを全く知らないし、あの人の俺のことを全く知らない。

そして俺は、知り合いでもなんでもない人に話しかける程の度胸は無い。

チキンだと好きに罵りやがれ、とにかく無理、絶対無理、

そいつが無理なことはきさまがいちばん知ってるはずだ...

と、潜在能力を解放した人みたいなことを心の中(若干漏れてる)でいいながら、これ以上は目に毒だと言い訳をしながら席をたった。

レジに行く途中、その女性の横を通る時、俺のことを見た気がしたがおそらくそれはただの自意識過剰だろうと、心に言い聞かせながら店をでた。

 

家に帰り、歯を磨いて布団を敷き横になったが、一向に眠れない。

目を閉じればあの女性の横顔が目に浮かぶ。

これは本格的にまずいなと思っていると

ピーンポーン

と、インターホンの音がした。

こんな時間に一体誰がと思いながら、えっちらおっちら布団から這いようとしてちると、

とても澄んだいつまでも聞いていたくなるような声が、インターホンから聞こえてきた。

「すいませ〜ん、先日隣に越してきた者です、挨拶に参りました」

俺は少し待ってくだいと返事をして、

一気にスイッチを切り替え、急いで寝間着から、普段着に着替えた

この間、僅か4秒。

もし相手が野郎だったり、普通の声の女性なら、ここまで早く着替えないだろう。(野郎なら寝間着のまま行くまである)

だがしかし、インターホンから聴こえた声は、聞き惚れてしまうほどの美声!

声優さんはみな声がよく、イケメンや、美人が多い、そこから俺は声がいい人は顔も良い理論を勝手に作っている。

声がいい人は顔もいい、はっきり分かるんだね。

「お待たせしました。」

超スピードで着替えた俺は急いで扉を開けた

今から思えば扉を開けず、居留守を使っておけば良かったと後悔している。

しかしこの時の俺はまだ何も知らず、ただ呑気に玄関の扉を開け、それと同時に常識が通じない、裏の世界への扉を無自覚で開けてしまい、奇妙な事件に見舞われることになるのだが、それはまた、別のお話。

 

続く...のか?



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誰でも好きなタイプぐらいあると思う...2

2話目です。

1話目と同様に、生暖かい目で見守って頂けたら幸いです。

コメント待ってます。

それではどうぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

扉を開けた先にいたのは、先程のジャンクフード店で見た、絶世の美女だった。

瞬間、オレの思考はギガ切れのスマホのようにフリーズした。

しかし、目の前の美女はそんな事をお構い無しに喋り始めた。

「こんばんは、私の名前はルナ、

ルナ・ツェペシュです。これからよろしくお願いします。」

そこまで言われてようやく思考が元に戻り、急いで喋り始めた。

「僕の名前は藤木志久です。趣味はゲームと読書、最近異世界転生したいな〜とか思ってる、陽樹高校新1年せいです。よろしくお願いします。」

言い終わったあと後悔した、初対面の人に自分の学校や趣味を大声で話してどうするよ。

と、さっきの言動を後悔しているオレのだったが、オレの前の美人改め、ルナさんは少し驚いた顔をしたが、すぐに笑みを取り戻しこう言った。

「志久、ね、とてもいい名前ね。志久はとても元気なのね、何かいい事でもあったのかな?」

おおぉっとそれじゃあルナさんがメ〇になっちゃいますよ。そしたら僕は阿良〇木君だよ、いやいやそれは難易度高杉くんですだよCV神〇浩〇になっちゃうぜ。

まずよ、ネタでもそんな事言ったら物〇シリーズ好きな人に叩かれちゃうよ。

とか考えていたらついポロリと本音が出てしまった。

「そうですね、ルナさんみたいな美人に会えたという良いことがありましたね」

 

うおおおおぉチャラい!、そして気持ち悪い!!、普段のオレのなら100パーセント、いや、300パーセント言わないことをよりにもよってこのタイミングで言ってしまうのかオレはぁぁぁ!!

 

しかしルナさんはより笑みを深くし、

「あら、ありがとう、キミにそう言って貰えるなんて嬉しいわ。」

と、これまで多くの男子を勘違いさせ、墓地に送り込んだ一言を放った。

しかしこの程度で勘違いするオレではない、アタックを仕掛けるならしっかりと好感度を上げてからでは無いとね。

 

などと、またもや思春期真っ盛りな思考に耽っていたオレのにルナさんが

「志久、キミに1つお願いがあるの、聞いてくれる?」

と、聞いてきた。

これは勿論YES!

「はい、僕にできることならなんでも。」

よし、ここでルナさんのお願いをスピーィーディーに叶え、更に好感度をアップを狙い、ゆくゆくはルナさんと...

 

「ありがとう、志久くん、それで、そのお願いっていうのはね。」

 

さぁこい、どんなお願いでも瞬時に叶え、ルナの好感度を上げてみせ

 

「キミの血を、吸わせてくれないかしら?」

 

ルナさんはゆっくりと、しかしハッキリとオレにそう言った。

 

 

 

 

 

 

続くかも。



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誰だって好みなタイプぐらいあると思う...3

3話目です3話目も前回同様生暖かい目

で(ry

 

それではどうぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい?」

オレはルナさんの言っていることが分からず、つい返事を疑問形にしてしまった。

 

「もう一度言ってもらってもいいですか?」

 

「キミの血を吸いたいと言ったんだけど。」

 

ちょっと何言ってるのか分からないですね。

血を吸いたいとか言う人は基本3択。

厨二病を拗らせたやつか、本物の吸血鬼、それとも献血を厨二っぽく言ったやつ。

しかし本物の吸血鬼なんぞこの世には居ないことは確定的に明らか。

したがって、ルナさんは厨二病。

Q.E.D.証明終了です。

つまり、厨二っぽく文字を変換させていくと、

血を吸う→血をとる→献血

ってなるわけだ。

つまりルナさんはオレに献血をして欲しいんだな。

 

「ルナさん、いくらなんでも遅いですよ時間が。 それにそういう事って、道具いりますよね?」

 

「?血を吸うのに道具なんていらないけど?」

 

「えぇ、逆に無かったらどうやって血をとるんですか。」

 

なんだかオレとルナさんで別のことを話している気がする。

 

「?こうやって。」

 

ルナさんはスタスタとオレに歩み寄り、オレの肩に手を置き、オレに顔を近づけた。

そして耳元で囁くように

 

「じっとしていてね」

 

とだけ言い、オレの首筋にその白い歯を突き立てた。

 

 

まず痛み、次に驚愕、最後に快感。

まるで自分の中の何かが吸い取られるような感覚。

不思議と痛みは最初だけで、あとはただ気持ちがいい。

体に力が入らない。

 

「ルナ、さん」

 

と、彼女の名前を呼んでも快感は止まらない。

あぁ、オレ死ぬのかな、と、漠然と感じ始めた時、快感が止んだ。

 

「ふぅ、取り敢えずこれくらいかしら、

たったこれだけで1週間分は吸えたかしら。流石 "不死木”一族かしらね、常人とは比べ物にならないほど、血が濃い。

癖になってしまいそう。」

 

マナさんが何か言っているが、頭が朦朧としてよく分からない。

その内、強烈な眠気に誘われ、視界が闇に包まれてきた。

意識が飛ぶ直前、マナさんが何か言った気がしたが、そんな事を考える間もなく、オレの意識は溶けていった。

 

 

 

 

「あら、寝ちゃったの。まあ、しょうがないか、初めてだもんね、血を吸われるの。これからもお姉さんに、その美味しい血を飲ませてね。」

 

「そして、ようこそ、3体の吸血王が支配する闇の世界へ。貴方がこの泥沼の戦いに終止符を打つ存在になることに期待しているわよ、"不死木”一族の生き残りさん。」

 

 

これが、オレがルナさんと初めて出会った夜に起こった出来事だ。

 



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登場人物紹介兼世界設定紹介兼その他

登場人物紹介兼世界設定

 

 

 

 

 

 

 

 

藤木志久:主人公。

 

身長180cm、体型は痩せ型

中1の時両親を事故で無くした。

何故が藤木家は若くして死ぬ人が多く、遠縁の叔父さん叔母さんの家に中学卒業まで住んでいた。

両親が死でしまったショックで鬱になり、引き取り先が決まるまで学校に行かず引きこもっていた過去を持つ。

その影響で性格が捻くれ、その結果、

「勝てばよかろうなのだ」

的な性格になりかけている。

いや、もうなってる。

戦いは基本的に避けたい性格だが、やる時は不意打ち闇討ちで片ずける。

(これは作者が正面切って戦うよりも、後ろでコソコソ動いてバクスタとる方が好きだからです。)

本人は否定しているが、周りからは、

アニオタ認定されている。

因みにタイプや身長設定は、ほぼ作者準拠。

なぜって?そっちの方が描きやすいからね。

 

 

 

ルナ・ツェペシュ

金髪で長髪のお姉さん。

吸血鬼だが、人の血はあまり吸わない方。

3体の王の間で行われている、長い間つ続く戦いに飽き飽きしている。

志久の中に眠る"何か”を感じ取り、半ば無理矢理血を吸った。

優しい口調や、老人や子供に優しく接するなど、優しい性格をしているが、階級

(年齢、戦闘力、領地の広さなどで判断される、ラノベでよくあるあれ)はかなり高い。

決まった領地を持っておらず、世界各地を放浪している。

主人公を甘やかすお姉さんキャラは巨乳の法則に漏れず、巨乳なキャラ。

 

この小説を書き始める前に何となく考えていたキャラを文字にしたら、

アル〇ェイドさんになってしまいどうしようか軽く悩んだ末、個人的に好きなお姉さん属性を追加されたキャラ。

 

まぁ、金髪巨乳身分高い女性吸血鬼な時点で若干通り越してかなりアウトな気がしますが許してください。

 

名前の意味は、「ルナ」の部分は皆さんお馴染みの「月」です。

ツェペシュの部分も、もはや吸血鬼が出てくる系の奴ではお馴染みのヴラドおじならぬウラド3世からとりました。

しかしこの「ツェペシュ」が意外とめんどくさく、ツェペシュの「ツェペ」の所まで打ったら毎回毎回、ツェペリとか「人間賛歌は勇気の賛歌」とかが出てきて誤タップしそうになる問題が発生している。

 

 

 

舞台設定

 

場所:日本の都会

時期:2020年

 

流行病のせいで春休みが延長されている

 

 

その他注意

 

 

ラノベやアニメ、漫画のパロディが大量にあります。

 

あと、面白い、オススメしたい漫画やラノベ、アニメ等があったらコメ欄で教えて頂けたら幸いです。

勿論普通のコメントも僕の励みになるのでお願いします

 

これからも生暖かい目で見守って頂けたら嬉しいです。



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血を吸われてしまった志久くんは熱が出たそうです....1

久しぶりに続きを書こうとして読み返していたら、駄作ぶりに愕然としました。

 

FGO星五鯖配布か。

分かってたよ、やっぱりFGO運営は神運営だね!(テノヒラクルー)

 

 

ということで続きです

前回同様、生暖かい目で見守って頂けたら幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めた

身体がだるい。関節が痛むし、特に運動なんぞしていないのに筋肉痛が起きている。

「風邪、引いちまったかな」

ただでさえ今は世界中で新型ウイルスからの肺炎が流行りに流行りまくっている。

若い世代は比較的かかりにくく、重症になりにくいらしいが心配なものは心配なのだ。

「とりあえず熱測るか」

引き出しの中を漁って体温計を取り出す。

電源を入れ、脇に差し込む。

体温を測り終わるのを待ちながら、オレは昨日の夜のことを思い出していた。

 

隣に住んでいる、自称吸血鬼。

オレはその人に昨日、血を吸われてしまった。

吸血鬼に噛まれ、血を吸われてしまった人間は同じく吸血鬼になってしまうのがお約束だが、今のところそういう感覚はしない。

 

「夜の間しか動けないなんざ真っ平御免だ」

 

ただでさえ無理を言って別の県の学校に行かせてもらっているのに行けないなんてことは流石にまずい。

叔父さん叔母さんには色々迷惑かけて申し訳ない

オレも極力面倒事を起こさないようにするつもりだったのだが。

 

「まあ、無理だろうな。引っ越してきてすぐ吸血鬼に血を吸われるなんてことが起きたんだから。」

と、オレは苦笑いを浮かべながらそう言った。

 

そこまで思考が進んだ時、ピピッと

音がした。

見れば38.4度

少なくとも微熱ではないが、高熱という程でもないだろう。

 

「これくらいなら飯食って寝たら1日で治りそうだな」

 

体温計を置き、軽く朝食を作ろうと立ち上がった時

ピーンポーンとインターホンがなった。

 

「こんな朝っぱらから誰だよ」

ブチブチ文句を言いながら、インターホンの液晶画面を見ると

 

「志久くーん起きてる〜?朝ごはん作ったから、昨日の話の続きでもしながら一緒に食べない?」

 

おそらくオレが現在進行形で苦しんでいる熱の元凶である女が、満面の笑みを浮かべながら立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

短めです。

最近家の真裏の場所に

 

久しぶりに続きを書こうとして読み返していたら、駄作ぶりに愕然としました。

 

FGO星五鯖配布か。

分かってたよ、やっぱりFGO運営は神運営だね!(テノヒラクルー)

 

 

ということで続きです

前回同様、生暖かい目で見守って頂けたら幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めた

身体がだるい。関節が痛むし、特に運動なんぞしていないのに筋肉痛が起きている。

「風邪、引いちまったかな」

ただでさえ今は世界中で新型ウイルスからの肺炎が流行りに流行りまくっている。

若い世代は比較的かかりにくく、重症になりにくいらしいが心配なものは心配なのだ。

「とりあえず熱測るか」

引き出しの中を漁って体温計を取り出す。

電源を入れ、脇に差し込む。

体温を測り終わるのを待ちながら、オレは昨日の夜のことを思い出していた。

 

隣に住んでいる、自称吸血鬼。

オレはその人に昨日、血を吸われてしまった。

吸血鬼に噛まれ、血を吸われてしまった人間は同じく吸血鬼になってしまうのがお約束だが、今のところそういう感覚はしない。

 

「夜の間しか動けないなんざ真っ平御免だ」

 

ただでさえ無理を言って別の県の学校に行かせてもらっているのに行けないなんてことは流石にまずい。

 

と、そこまで思考が進んだ時、ピピッと

音がした。

見れば38.4度

高熱って訳では無いが微熱でもない。

 

「これくらいなら飯食って寝たら1日で治りそうだな」

 

体温計を置き、軽く朝食を作ろうと立ち上がった時

ピーンポーンとインターホンがなった。

 

「こんな朝っぱらから誰だよ」

ブチブチ文句を言いながら、インターホンの液晶画面を見ると

 

「志久くーん起きてる〜?朝ごはん作ったから、ドア開けてくれないかな〜?」

 

おそらくオレが現在進行形で苦しんでいる熱の元凶である女が、満面の笑みを浮かべながら立っていた。

 

 

 

 

 

短目です。

最近家の真裏で家がたち始めたので朝から夕方までガンガンガンガンうるさくて大変です笑

 

一番困るのは、休んでる日にアマプラとかでアニメ観てたら、音が割り込んできてセリフが聞き取りづらいことですね

 

 

因みに今期春アニでオススメの作品は、

「波よ聞いてくれ」と、「かくしごと」

の2つですね。

他にもいい作品はあるんですが、特にこの二作品がお気に入りです。

 

SAOが延期決まって残念でしたが、他にも面白いやつがあって良かったです笑

 

 

ではさよなら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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血を吸われてしまった志久くんは熱が出たそうです...2

最近1年ぶりにスプラ2をしましてね、

ニンテンドーがインターネットプレイを有料にした時に辞めたので久しぶりすぎてエイムが悲しいことになってました笑

 

とりあえずエリアとヤグラはS+いきたいな〜と思っております。

 

 

5話目です。

世界観の紹介を書くつもりです

それではどうぞ

 

 

 

 

 

 

 

 

オレは今、隣に住んでいる吸血鬼の部屋にいる。

何かオレに話したいことがあるようで半ば無理矢理連行されてしまった。

そしてその問題の吸血鬼は....

「志久くん、早く食べないと朝ごはん冷めちゃうよ〜? ハッ!もしかして苦手なものある? 人参とか大丈夫!?

食べれる?お姉さんはね〜ニンニクが苦手なの、あの匂いはどうしても好きになれなくて。」

 

呑気に飯を食っていた

 

 

 

 

「あの〜話とはなんでしょうか?僕色々やることがあるので早く帰りたいんですが」

 

 

「まあまあ落ち着いて、それより先に朝ご飯食べちゃいましょうよ。話はそれから。」

 

 

「はぁ、ではいただきます」

 

 

メニューはトーストにサラダ、スープにベーコンエッグと、至って普通の朝食だった。

 

 

「なんというか、以外ですね、吸血鬼っていったら年がら年中血を吸ってるイメージがあるんですが。」

 

 

「まぁ、確かに私たちにとって確かに血は必要不可欠な物だけど、1日2日吸わなかったら飢え死にする程ではないのよ。 栄養は普通のご飯でも取れるしね。」

 

 

要するに吸血鬼にとって血は、人間で言う、アル中にとってのビールみたいなものなのかな〜?等と考えていたら、ようやくルナさんが喋り始めた。

 

 

「志久くん、今日君をここに連れてきたのは、吸血鬼の社会の説明をする為なの。」

 

 

「吸血鬼の社会?」

 

 

「うん、人間に人間の社会があるように、吸血鬼にも吸血鬼の社会があるの。

それを説明するためにはまず、私たちのことを1から説明しないといけないわ。」

 

 

「どうぞ、お好きなように。」

 

 

「ありがとう、なら先ず吸血鬼の種族の話から話そうかしら。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「と、いうことなの」

 

 

なるほど、今ルナさんが話したいことことをまとめると、

1...吸血鬼は大まかに分けて3つの種族があり、それぞれ、ディープダーク、ライトグレイ、ブライトホワイトと呼ばれているらしい。

(にしてもなんだか香ばしい名前だな)

因みに呼ぶ時は略してブラック、グレイト、ホワイトと呼ばれているらしい。

これからはそれぞれ、黒、白、灰とよぶことにしよう。

 

 

2..それぞれの種族で特徴があるらしい。

具体的に言うと、黒が最も身体能力が高く凶暴で、血を多く必要とするそうだ。

(因みに世間一般の吸血鬼のイメージは、黒がもっとも近いらしい。)

ただし身体能力が高い分、太陽の光に当たったら身体がすぐに崩れ始める、ニンニクの匂いに弱い、泳げない等の制限があるらしい。

(ただし、吸血鬼は泳げないというのは、人間がそう思い込んでいるかららしい。無辜の怪物みたいなものかな。)

 

 

つぎに灰、灰は最後に説明する白と黒の間に位置するらしい。

長袖長ズボンでしっかり防護すれば、太陽光に当たっても多少ヒリヒリするぐらいで命に関わるほどではないらしい。

必要とする血も黒に比べ少く、1リットルぐらい飲めば1週間は持つらしい。

3つの種族の中で最も人間に近いらしく、子供が出来た例もあるらしい。

因みにルナさんはこの種族らしいゾ

 

 

最後に白、白は3つの種族の中でもっとも制限が軽いらしく、同時にプライドが高く、普通に太陽光に当たったり、泳いだり、ニンニク入りの餃子食ったりしてるらしい。

オマケに偏食美形の面食い野郎らしい。

なんと血は人間の15歳から25歳までの処女の血しか飲まないらしく、気に入った女がいたら攫って自分の妻にするらしい。

なんでも、吸血鬼が美形のイメージがあるのはこいつらが原因とのこと。

 

 

3...それぞれの勢力は、黒、白、灰の順で大きいらしく、黒が実質的支配していたらしいが、ここ100年で白が黒に宣戦布告し、灰を巻き込んでの戦争が起きているらしく、泥沼になっているらしい。

 

 

4...吸血鬼の社会では、階級が重視され、階級上位は下位に命令権があるらしく、それに歯向かえば一族郎党処罰されるとのこと。

階級は全部で全部で13階級あり、ルナさんはそれの第4位らしい。

なんでも、上にいけばいくほど個体数は少なく、長く生きた個体が多いらしい。

戦いで特別な戦果を挙げるなどすれば昇級することはあるらしいが滅多にないらしい。

 

以上が、ルナさんの話をまとめたものだ。

 

 

「へぇ、なかなか壮大な話になってきましたね。」

 

 

「うん、まだ話きれていないこともあるんだけど、だいたいこんな感じ。」

 

「それで、ルナさんはどんな仕事で日本に来たんですか?」

 

「うん?」

 

「いや、うん?じゃなくてルナさんは第4位なんでしょ?それってかなり高いですよね?普通の雑用なら13位辺りを派遣するでしょうし。なら、第4位クラスの力がないと解決できないようなことがこの街に起こっているんですよね?」

 

ルナさんは数秒考えこう言った。

 

「うん?そんな仕事、引き受けてないわよ?私があのセクハラじじいの仕事なんてする訳ないじゃない。

私は私でやりたい事があったからここに来ただけだよ、安心して?」

 

まずい超恥ずいんですけど

結構カッコつけたつもりだったんだけどな!

 

「ちなみに来た理由の1つは君だよ?」

 

「はい?」

 

「不死木の血を吸いに来たんだよ」

 

ん?なんだか漢字が違う気がするが気のせいか?

 

「まぁそれだけではないんだけれども....そうだ!志久くん、私のやりたい事手伝ってよ!」

 

(え〜嫌なんですけど、普通に考えてウイルスが蔓延している今人が多いところとか絶対行きたくないんですがねぇ。)

 

 

「嫌ですよそんなの」

 

 

「そんなこと言わずに手伝ってよ〜

手伝ってくれたら人間に戻してあげてもいいんだよ〜」

 

 

まて、この人(吸血鬼だが)今なんつった?

オレを人間に戻すと言ったか?

まるで今オレが人間じゃないように

 

「どういうこと、ですか?」

 

「だ〜か〜ら〜、昨日私は君の血を吸いました。そこまではOK?」

 

「はい」

 

「その時に血管に唾液を入れたの」

 

「はい!?」

 

「吸血鬼は血を吸う時に自らの血を相手に与えることによって相手の細胞を変質させて仲間を増やすんだけど、志久くんは力が強いからね〜、そのまま血を入れると拒絶反応起こして死んじゃうの」

 

 

「だから先ずは唾液を入れて身体に馴染ませようとしている、と?」

 

 

「そゆこと、多分今君が体調悪いのも細胞が抵抗しているからだね。」

 

 

「ならオレはもう...」

 

 

「うん、吸血鬼ではないけど少なくとももう普通の人間ではないかな」

 

「人間じゃないって...そんな...馬鹿な」

 

 

「残念だけどこれは本当なの、ただ私ならそれを元に戻せるわ」

 

 

「なっ、なら早くしてください!早く、僕を人間に!」

 

 

「だ〜か〜ら〜私のやりたい事を手伝ってくれたら戻してあげるって言ってるでしょ」

 

 

「なっ、なんでもやります!だからオレを人間に!」

 

 

「なんでも? 今、何でもって言ったわね」

 

 

「はい!言いました!だから...」

 

 

「オーケーオーケー、なら早速今日の夜から始めましょうか」

 

 

「ちなみに、一体何を?」

 

 

「そうね、じゃ、今日は初日だし刺激は控えめでいこうか」

 

 

さっきからずっと冷や汗が止まらない。

一体何をやれというんだろうか。

はっきり言って嫌な予感しかしない。

 

 

 

 

 

 

「じゃあとりあえず志久くん、

人殺しを、しましょう」

 

 

 

 

 

彼女は笑顔でそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず次回から章を変えようと思います。

出来れば次回も見てくれると嬉しいです。

 



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風邪が治った志久くんは話を聞くそうです

かれこれ3週間ぐらい経ちましたが、

ヤグラ、ホコ、エリアは今のところA+とSをうろちょろしてますね〜やってる時間帯が深夜なのもあるかもしれないけれどもいかんせん安定しないんですよね〜笑

 

てことで7話目です。前回はほんとに自分でもはっきり痛感できるほどゴミクズな文だったので、もうちょいましなことかければいいな〜と思います。

 

それではどうぞ

 

 

 

 

 

 

 

 

「人殺しを、しましょう」

彼女は笑顔でそう言った。

 

それを聞いてオレの口からつい言葉がこぼれ落ちてしまった。

「バカですか貴方は」

 

いや、今から思えばかなり失礼なんだけどもこの時はシンプルに機嫌が悪かったのと、病み上がりで疲れていたことが災いし、つい言ってしまったのだ。

 

「一般人の僕に人殺しをさせるとか何考えてるんですか」

 

「いや、もう君人間じゃないってさっき」

 

「人間じゃなくても嫌ですよそんなの血とか怖いし」

 

「さっき何でもするって言ったわよね」

 

「うっ、それを言われると痛いんですけど」

 

「人間に戻りたくなかったらいいんだよ別に」

 

「それは嫌ですけど...」

 

「私のことを少しばかり手伝ってくれるだけでいいのよ?それに、殺す相手だって、一般人なんかではないのよ」

 

「いや、まぁ悪人だからって殺していい道理はないと思いますけど...」

 

「じゃあどうする?お姉さんが悪人を退治することを手伝って人間に戻るのか、この先ずっと化け物のまま生きていくのか。」

 

「道は二つに一つ、二者択一、オルタナティブよ」

 

うん、みんなだいたい同じ意味ですね〜

て、ことはだよ、

実質的にオレに残されている道は一つだけってことかよ

嫌だな〜人殺すの。嫌だけどしょうがないか。

まぁ言っちまえばオレと関係のない人間がいくらくたばってもオレの害にはならないわけだし、別にオレが手を汚さなければ悪人の1人か2人殺してもいいだろ

 

 

「分かりましたよ、手伝いますよ人殺し」

 

「さっすが志久くん。手伝ってくれると思ってたよ!」

 

「じゃ、どういう計画なんですか?」

 

「?計画なんて要らないわよ」

 

おいおいおいまさかこの女、正面からぶち破るなんていいだすんじゃ

 

「正面から全部纏めてなぎ倒せばいいじゃない」

 

やっぱりかーー!!

この女オレのこと全く考えてないなホントに!

 

「いや、そんなことしたら僕が死ぬんですけど」

 

「大丈夫、安心して。」

「あなたは死なないわ、私が守るもの」

 

「いやいきなりそんなエヴァネタをぶち込まれても反応にこまるんですが」

 

「だから大丈夫だって」

 

「貴女の大丈夫ってイーノックの大丈夫と同じ位信用できないんですけど。」

 

いや、本当に。

計画もなしに裏の人間殺すとかもう

大丈夫じゃない、問題あるよ

 

「わかったわ、面倒だけど貴方用の計画、立ててあげるわ。」

「ただし、それには条件があるわよ。」

 

「はぁ、一体なんでしょうか?」

 

ルナさんが真剣な顔でオレに話しかけてくるせいでつられてこっちも真剣な顔になってしまう。

 

「その条件は...」

 

 

 

 

 

 

「私と同じ部屋で生活することね!」

 

と、またもや笑顔でそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日の一言

新しく買ったエナドリが意外と美味しかった

 



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風邪が治った志久くんは話を聞くそうです...2

ただいまFGOで開催されてるrequiemコラボに出てくる、赤ずきんコスのマリーが霊衣開放して欲しいぐらい可愛かったんですよ

こんなに可愛いのは5章のアデーレちゃん以来ですよ

てことで続きです

 

 

 

 

 

前回から数日後...

 

 

 

 

「さて、じゃあ計画の確認を

するわよ。」

 

オレの部屋の机にこの街全体の地図を広げながら言った

 

「まずはターゲットからね。」

 

ルナさんはカバンから1枚の写真を取り出し、オレに見せてきた

 

「そいつの名前は赤木昌敏、38歳独身、大手製菓会社で働いている何処にでも居そうな中年男性」

 

「と、いうのが表向きの顔ですか?」

 

「察しが良いわね。その通りよ、今言ったのはこいつの表向きの顔ね、私たちが相手するのはこいつの裏側」

 

ルナさんはもう1枚写真を取り出した。

そこには派手な服装に身を包み、やたらとエロい雰囲気の女性に囲まれている赤木昌敏が写っていた。

 

「こいつの仕事は闇金と孤児院の運営よ」

 

意外だった

孤児院は少し驚いたが闇金自体はそう珍しいことではない、はっきり言って東京や大阪、名古屋等の大都市圏以外にもいるだろう。

それに根本的にドラマに出てくるような権力を持っている暴力団みたいな集まりはそう居ない。そこら辺は本当に警察万歳だ

 

「いや、それ以外にもなんかしてるでしょこいつは。」

 

「That's Right!頭の回転が速いわね。

君の言う通りこいつは他の犯罪にも手を出しててね、そこがおもしろ..ゲフンゲフン!問題点なのよ」

 

うわ〜面白いって言いかけたよこの人、

絶対ろくな事じゃないな。

 

「それで?、何をやってるんですか?」

 

「よくぞ聞いてくれましたね!そう!この腐れ外道はなんと!世にも恐ろしい人体実験をしているのです!」

 

「え、怖っ」

 

「何が怖いのよ!!興奮しない!?うら若き少年少女が研究者たちにあんな事やそんなことをされるのよ!想像してるだけでイ〇ちゃいそうね!!」

 

あぁぁぁルナさんが壊れたァァ!

作者何やってんの!?バカなの!?死ぬの!? こういうテンションの人って十中八九同じようなことを連呼す

 

「いい!いいわね!いいですよ!の3段活用!私もヤりたいというか混ざりたい!あんな事やそんなことをして欲しい!」

 

このクソ女、か〇やんの台詞をなんつータイミングで使いやがるんだ!

確かにこれ序盤しか使ってないからもっとやって欲しくはあるけどね!!

いや、そうじゃないんだ、落ち着けオレ!ステイクールだぜ志久!

 

「ルナさん落ち着いて下さいお願いします、ホントに落ち着いて、落ち着いて、ご近所さんにに聞こえますって!」

 

「わわわ分かったわっ、そう、私はいつも通り落ち着いてるわ。」

 

「そうです、まだ具体的な計画何一つ聞いちゃいないんですからね。」

 

「そうね、まず計画は...魔法1発はい終了は嫌だしね。」

 

「は?」

 

「はい?」

 

「いや、今なんて?」

 

「ん?、計画?」

 

「違いますよ、その後」

 

「魔法?」

 

「そうそこ!魔法を、それを1発で済ませられるとか言いましたよね!?」

 

「いや、確かに言ったけど」

 

「それならなんでわざわざ危険を犯すんですか、僕には意味がわからな」

 

「えっ....そんなの詰まらないじゃない」

 

「いや、つまんないってそんな。」

 

「はぁ、わっかんないかなぁ〜、そんなのチートと同じじゃない。最初は楽しくても、後に残るのはただの虚無だけ、そんなの何も面白くない。」

 

「志久くんが言っているのは、例えば開幕一ターン目にエアをぶっぱなすのと変わらない」

 

「双方が命を賭けて闘うからこその闘いでしょ?、一方的な虐殺は好きじゃないの。」

 

「分かってくれたかな?」

 

ルナさんはそう言ってオレに期待の言葉を寄せてきた。

今の今まで1人の人間の女性と同じ様にオレはルナさんと接して来た。

けど、その時点でもう間違えだったのかもしれない。

人間と吸血鬼

姿こそ似ているものの、全く違う

価値観、人生観。

それらを含んでぐちゃぐちゃになった思考の果てにオレは....

 

 

 

笑顔を抑えきれなかった。

 

「はっはははははははははははははは!

最高ですよルナさんは!ぶち壊れてる!あえて一撃で殺せる奴と命を賭けて闘うなんて!

戦略や効率を全部かなぐり捨てて、自分の快感をとり、その上で勝つと!?

ははははは!最高だ!その暴力の権化みたいな考え、大好きですよ!」

 

ああ、最高だ、生まれてこの方ここまで嬉しかったことなんてない。

なにせ初めて、自分のことを心から理解してくれる人が現れたんだ。

嬉しくないはずがない。

 

「ルナさん、協力しますよ、貴女の為ではなく、僕自身のためにも」

 

ルナさんはこんなオレを見て満面の笑みを浮かべながらこう言った

 

「今度こそよろしくね、志久くん。

嬉しいな、私の気持ちを理解してくれて」

 

「これから、2人でやっていこう。楽しいことを、いつまでも」

 

なんだろう、とてもいい気分だ、ハイになっているのだろうか?

血が昂るような感覚、今なら何でも出来る気がする。

 

「これは!血の匂いが、また一段と、濃くなって、きているの!?」

 

ルナさんが何か言っているがまるで聞こえない

ただただルナさんを組み敷いて自分の物にしたいという欲求が抑えきれなくなってきている

 

「ルナ、さん、オレ、もう」

 

「ああっ、もう我慢できない!ごめんね志久くん!血を貰うわ!」

 

ルナさんはそう叫ぶとオレを抱きしめ、首筋に真っ白な犬歯を突き立てた。

 

「あっ、あっ、ああ!ル..ナ..さ..ん」

 

強烈な快感をうけ、情けない声を上げながらオレの意識は暗闇に飲み込まれていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書き

えっ、なにこれ怖いんですけど

主人公の精神を壊そうかな〜とか思ってはいたけどデフォルトで若干壊れてるなこれ

(作者は深夜テンションで本文を書き、後日平常時に後書きを書いてますのであしからず。)

ルナさんが変態になっちゃった笑

初期はこんなつもりでは無かったんだけどね

まぁとりあえず少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです

感想や評価をつけていだけると励みになるので、菩薩のような優しさを持つ人はお願い致します。

 



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また血を吸われた志久くんはことの大きさを知るようです。

Amazonプライム使ってアニメ観てるんですが、「かぐや様は告らせたい」
と「波よ聞いてくれ」が今期のアニメの中では特に好きですね。
それに比べて僕の青春はいったいどこに消えたのかな?
ラブコメのラの字も無かったんですが。




前回はルナさんと主人公の性格を歪ませましたが、いかんせん文字数が足らないせいでただの情緒不安定な人達になってしまったんですよね。
しかし5000も6000も1話で書けるほど設定作ってないしな〜と思うこの頃です。
それではどうぞ。



声が、聞こえる。

 

「志久、貴方は私たちにもしもの事があったら、1人で生きていくことになるの。

それでも、貴方は生きなくてはならないわ。

辛くても、怖くても、泣きそうでも。

それでも貴方は生きなくてはならない。

なぜなら貴方は私たちのたった1人の息子で、

不死木一族の末裔なのだから。」

 

この声は、どこかで。

 

「この胸の証は 貴方の 抑える

だけどこれの し損ねたら貴方は」

 

そうだ!この声は!

 

「頑張ってね、志久。」

 

何でだよ!何でオレを置いて逝ってしまったんだ!

 

 

「母さん!」

 

「ひぇ!びっくりしたよ〜も〜」

 

「あれ?ここは?」

 

「なになに、志久くん覚えてないの?

もしかして軽く記憶飛んでる?」

 

そうだ、オレはルナさんの部屋で作戦会議をしていて、ルナさんにオレの本音を言って、それから

 

 

「夢を、見ました。」

 

「夢?どんな夢見てたの?どうせこの年頃の男の子の夢なんてエロいんでしょ?」

 

「ルナさん、今すぐオレを含む全男子高校生に謝ってください。

あとオレはエロい夢なんて見たくても見れません。」

 

「うそうそ、冗談よ。

それで? どんな夢見てたの?

母さん!て叫んでたけど。」

 

うわ、聞かれてたのかよ

 

「いや、別に何も」

 

「はい嘘〜、何なに言ってご覧?

母さん! なんて叫ぶとか志久くんって マザコンなの?」

 

「ああ!もう!分かりましたよ!

話せばいいんでしょ!話せば。

僕の母親が夢の中で言ってたんですよ、何がなんでも生きろって。」

 

「ふ〜ん」

 

「それにしてもおかしな話ですよね、日本に住んでるただの男子にそんなこと言うなんて。」

 

「そうね、"普通の"男の子に言うのはおかしな話ね。」

 

「ですよね〜さすがに心配しすぎだろとは思います。

けどこれって少し変ですよね、まるで自分達が死ぬ事が分かっているふうにも読み取れますし。」

 

「まあ、それは夢だからじゃない?

志久くんが両親は死んでしまうって分かっていたから。」

 

「そうですね、結局これ、夢ですし。」

 

まて、オレはいつルナさんに両親は死んでいるってことを話したんだ?

血を吸われてフラフラしてる時に口が滑ってしまったのか?

 

「それじゃ、とりあえず計画の続きをしましょう。」

 

そうだね、結局前回 ルナさんが若干壊れてることが発覚して、オレが血を吸われただけだもんね。

 

「まずここが赤木の自宅」

 

ルナさんはここから北に約50キロ程離れたところに線を引いた

 

「そしてここが職場。」

 

さらにそこから西に10キロ程離れたところにも線を引いた

 

「そしてここから南に10キロ、つまりここから見て北に約40キロ地点が私たちが侵入する場所。」

 

「赤木が運営している孤児院.....ですよね?」

 

「そう、恐らく赤木はここで孤児を使った人体実験をしているわ。」

 

「ですがよくやりますね、いくら個人の金で建てられた孤児院だとしてもそんなことやってたら普通バレるだろうに。」

 

「恐らく政治家や警察上層部と何らかのパイプを持ってるんだと思う、そうでなきゃ説明がつかないわ。」

 

「それで、赤木がやっている実験っていったいぜんたい何なんですか?

子供を使って人体実験をしなけれでならないほど重要な事なんですか?」

 

「....そうね、こいつがやっていることはまず人としてやってはいけない事ね。」

 

「それは、いったい?」

 

「...赤木がやっている事、それは...」

 

 

 

「人工的な人間と吸血鬼のハーフを作ることね。」

 

「なっ!?人間と吸血鬼のハーフを人工的に創る!?

そんなこと、出来るんですか!?」

 

「そう、こいつの実験は子供たちの体の中に吸血鬼の細胞を植え込み、成長させて、擬似的な人間と吸血鬼のハーフ....

つまりはハーフヴァンパイアを作り出そうとしているの」

 

なんてこった、一気に話が大きくなってきたぞ、人間だけではなく吸血鬼まで関わってくるなんてな。

 

「この実験が成功したらどうなるんですか?」

 

「ハーフヴァンパイアは、通常の吸血鬼と比べて肉体的な面では弱いけど、昼間でも活動できるのよね。

これを吸血鬼たちのことを知っていて、さらに完全に支配下に置ける人間が現れたなら....そして今こそ絶対数が少ないものの、安定して大量に生み出すことができるようになれば...」

 

なるほど分かった、分かってしまった。

 

数日前のルナさんの話なら、吸血鬼の王達は世界が、否、自分たちが住んでいるこの地球が滅ぶようなことにならないように人間を見張っているらしい。

しかしそんなこと知らない人間からすれば、自らの行動を邪魔されるようなものだ。さぞ鬱陶しい事だろう。

そしてその鬱陶しい奴らを消すチャンスがあれば、吸血鬼たちを駆逐しにかかるだろう。

人間側の理由は簡単だ。

しかし、一つだけ

 

「何でルナさんが知ってることなのにその王様たちが止めにかからないんですか?」

 

「まあ、それは人間なんぞが戦いを挑んできても軽くあしらえるとでも思っているのか....それぞれに思惑があるのか....

いや、あのクソじじいにそんなのあるとは思えない...つまり..まあ〜そうなるのかな〜......あのクソ老害共め」

 

怖い!ルナさんが怖い!昨日とは違うベクトルで怖いよ!

 

「そうね、吸血鬼側がやる理由は1つだけ。」

 

そこでルナさんは1泊置いて諦めたような顔で言った、

 

「ただ、人間と戦いたい...だけだね」

 

「え」

 

「うん、ごめんね志久くん。

今から思えばこれかなり大事だよ、

暇つぶしに来たけど来てよかった。ホントに。志久くん、覚悟して、この作戦の結果次第で......下手したら、世界終わるよ、これ。」

 

 

彼女は、初めて余裕が全く無い顔でそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いや〜今回初めて深夜テンションじゃない時に本文書いたんですけど、前回が酷すぎて目も当てられないですね。
前回が本当に進展がゼロだったので、少しは進めようと思って書きました。(進展したとは言ってない)

また次の回も読んでくれるとあり難いです。
それではまた


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志久くんは計画の為に訓練をするようです

この前の日曜日に、ゲームとか漫画とかが色々売ってあるところに行ってきて「紅」という漫画をセットで買ったんですが、これが結構面白くて10巻で完結なのが惜しいな〜てなりました。


ということで9話目です。
それではどうぞ


ルナさんから話を聞いてから3日間、オレはひたすらルナさんから訓練を受けていた。

 

「これで最後ね。志久くん、用意はいい?」

 

ルナさんに血を吸われてしまったオレは、もう3割ほど人間をやめているらしい。

元々オレの運動能力は平均よりちょっと上ぐらいで、特筆して良いとは言えなかった。

だがしかし、ルナさんに血を吸われたことによる熱が治り、軽く運動しようとした時にはもう元々の身体では無くなっていた。

 

「吸血鬼と人間は、根本的な身体能力とはかけ離れてるの。今志久くんがオリンピックに出たらぶっちぎりの金メダル間違いなしね。」

 

オレが受けている訓練は戦うための訓練では無く、走り込みやバービー、後は受身の練習等の運動部の連中がやっている基本的な事だけだ。

 

「志久くん、貴方はの身体はもう人間の域を越してるわ。

でも、成長したのは肉体...つまり身体能力だけで、貴方の感覚がまだまだ追いついていないのよ。

肉体と感覚のブレを無くさないと、吸血鬼の身体能力に引っ張られていつか自滅するわよ。」

 

だからとにかく今は基礎運動を続けて肉体に精神を慣らす運動を続けているんだが....とにかくしんどいだなこれが。

やっている事は人とそう代わり映えしないのだが、とにかく内容と量が段違いで

この3日は何度も何度も嘔吐してしまった。

 

「はい、いつでもいけます。」

今からやる最後の訓練は、ルナさんの制限なしの全力の拳を受けるというだけのシンプルのものだった。

 

「じゃあいくよ」

 

ルナさんは一言そういって、

次の瞬間にはオレの懐に入っていた。

 

「くっそ」

 

何とか距離を取ろうとしたがもう遅い、

 

グキャ

 

初手の蹴りを受けた右足から嫌な音が響き、次の瞬間に激痛が走った。

 

「ぐっうっうっ!!」

 

たまらずバランスを崩してしまったオレの右脇腹 つまり肝臓がある箇所にルナさんの拳が突き刺さった、そう、比喩表現なく言葉の通り拳が肋骨を粉砕してオレの体にぶっ刺さっているのだ。

 

「グブハァ!」

 

拳を引っこ抜いたルナさんはオレの鳩尾に膝蹴りを打ち込んできた。

 

さっきのリバーブローで肺の中に入っていた酸素を全て吐き出してしまい、身体が動かすまともにそれを受けてしまった。

 

情けない呻き声を出そうにも全く声がでず、鳩尾を抑えたまま身体が完璧に硬直してしまった。

それもちょうどルナさんに深いお辞儀をしているような体制で。

 

そうなった時に次に来るのは一つだけ。

 

ルナさんは一瞬だけ力を貯め、オレの顎を粉砕するアッパーを撃ち込んだ。

 

そこで完全に、オレの意識は飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めた。

朝日が眩しい、もう朝になってしまったのだろうか?

 

モゾモゾと布団から抜け出そうとした時、激痛が走った。

 

(あ〜これはイっちゃってるなかなり)

 

布団をめくって身体を確認すると、一目で重傷と分かる傷が身体中にできていた。

 

(右足の骨折、顎の粉砕骨折、両腕も治りやすいように綺麗に折られてる。)

 

頭、首、腕、足etc

大小様々な傷が身体中にあるのだが何よりも

 

(うぉ、リバーくらったとこに穴空いてるんだけど)

 

拳が突き刺さったところが重傷だ。

 

だが、オレが驚き、恐怖しているのは、

傷ではない。

本当に怖いのは、あれ程のことをされたのに、こんな程度の傷で済んでいる自分の肉体が怖いのだ。

 

こう考えているうちにも、肉眼でわかるほどはっきり傷が治っていっている。

恐くこの傷も1日経てば完治するだろう。

 

「はぁ〜〜〜、オレは本当に人間に戻れるのかねぇ?」

 

 

数秒考えた後、深く考えるのを止めた、少ないとも人間に戻る為にはルナさんの言うことを聞かなければならないのだから。

 

「さてと、とりあえず何か食べたいな。」

 

吸血鬼になっても腹は空くのだ。

 

「流石に飯を作るのは無理だから、インスタントのやつを何か....これでいいか。」

 

オレの部屋のインスタント置き場から醤油味のカップラーメンを取り出し、湯沸かし器に水を入れスイッチON、ランチョンマットを敷いて準備は完了。

 

オレは椅子座りながらぼ〜っと昨日のことを思い出していた。

 

(これだけの傷を負って意識が朦朧としているのに1人で布団敷いて傷の手当なんてできるわけが無い。

てことはやってくれたのはルナさんか、

後でお礼をしないとな。)

 

お湯が湧き、カップラーメンにお湯を注いでいく。

カップラーメンで大事なのはお湯の量と時間なのだ。

 

(そろそろ計画を実行しないと手遅れになりそうで怖いな)

 

「気分はまさしく来栖暁!なんつってな」

 

くだらない独り言をしているうちに3分が経ち、ラーメンを食い始めた。

 

「さ〜てさてさて、ルナさんは訓練は3日間だけって言ってたから、今日か明日計画を実行するんだろうけど、どうなんだろ?」

 

オレのこの状態から考えて、今日に作戦を決定してから明日実行だとは思うが

 

(今の時間は7時半、そろそろルナさんが起き出す時間だけど、今回はオレから起こしに行ってあげよう。

もしかしたらルナさんの寝顔が見れるかもしれない)

 

「はい、分かってますよ、やっちゃいけない事だと。

けど、ついやっちゃう、男の子だもん。」

 

 

そう決めたオレはすぐにラーメンを食べ終え、洗ってゴミ箱に捨てて、歯を磨き、身だしなみを最低限度整え、ルナさんの部屋の扉をノックした。

 

「(小声)起きてますか〜起きませんよね〜あれ〜返事後ないな〜おっか松岡修造だな〜おかしいな〜変だな〜ハッ!もしかしたらルナさんは声が出せない状態にいるのかもしれない!それだったら大変だ!助けないと!(棒)」

 

ということで突入

慎重に、それでいて大胆にってどっかの

誰かさんが言ってたからね!

 

「(小声)ルナさ〜ん無事ですか〜?大丈夫ですか〜心配なことかおっぱいあるな〜〜 おっ!ルナさん発見!

エロい!エロいぜ!

スピー〇ワゴンっぽく「アダルトな匂いがプンプンするぜ!」って言いたくなるな〜

 

(隊長〜!!見つけました!見つけましたよ!

そうだな!!なんとみごとなおっぱ..

いや、山なんだ!今すぐ揉みた...いや、登りたいぞ!)

 

脳内で1人探検隊をやりながら寝ているルナさんに近づいていく。

 

「はぁ、はぁ、なんという波動!エロスの波動を感じるぞ!

グッへへへへへへ」

 

それにしても少々格好が無防備すぎるな、いくらこのアパートに住んでる人少ないからって、気をつけて欲しいね!

 

(にしても本当に綺麗な顔と髪だよな〜

この人のせいで色々大変なことになってるけど、それを全部吹き飛ばすほどに綺麗なんだよ。)

 

(さあ〜ていよいよ触れる位置まで来たぞ!とりあえずまずはほっぺたからだ!)

 

オレはルナさんの柔らかそうなほっぺたに触る

 

(隊長!!柔らかい!柔らかいであります!こんな柔らかいものを触れたのは久しぶりであります!

落ち着け!隊員!これはまだコース料理でいう前菜なのだぞ!)

 

その後も首筋やお尻部分を見ていった。

ルナさんは寝る時は全裸で寝るらしく、薄い掛け布団が無かったら色々丸見えになりそうで怖い。

 

(さぁさぁさあやって参りましたよ大本命!主菜ですよ!今すぐその柔らかそうな乳房を揉みしだいてやるから覚悟の準備をしておいてください!)

 

試しに少しだけ触ってみる

 

「あっううん」

 

(おっと!ルナさんが起きそうだ!気をつけて行動しなければ!)

 

なんという、なんという柔らかさなのだろうか!だがしかし張りもある!

この柔らかさに反比例してオレのカリバーンが硬くなってる!抜かれたがっている!(意味深)

さあ、行こう、この布団を剥ぎ取り、さあ行こう全て遠き理想郷へ!

夢幻の彼方へレッツ&ゴー!

 

 

「何を、やって、いるのかな?」

 

時が、止まった。

 

「ねえ、志久くん、何で君は私の部屋にそんな格好でそんな体勢でいるの?」

 

オレは時止め返しを喰らった某吸血鬼のように動けない。

 

「ねえ、答えて?」

 

ルナさんから強烈な気配がする、この選択を間違えれば死ぬ気がするぜ!

 

「ねえ、どうして?」

覚悟を決めろ!藤木志久!今!ここが!

決断のときだ!

 

「その理由はたった一つ!」

 

オレは掛け布団を引き剥がし、ルナさんの耳元で囁いた。

 

「ルナさん!オレとヤりませ」

 

「こぉぉぉの変態がぁぁぁぁ!」

 

「グハァ!!」

 

ルナさんの強烈な蹴りがオレの胸を蹴り飛ばした。

 

オレは慌てて受身を取ると、

「ゴォメンナサァァァイ!」

 

そう叫んで部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

-ルナの部屋-

「はぁ、もう志久くんったら!エッチなんだから!

.........けど、志久くんが成長して、もう少し大人になったら......」

 

 

案外、やられて悪い気持ちにはならなかったルナなのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




あれれ、志久が想像とは別の意味で変態さんになってしまった笑

それではまた


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志久くんは何やかんやで計画を実行するようです

「さぁ〜てさて、うまく事が運んでいたら良いんだけど。」

 

志久たちがいる日本から遠く離れた場所に建てられている家の中で、1人の青年がソファーに寝っ転がりながらグラスを傾けていた。

 

「あの少年はできるだけ大きく育って欲しいんだけどな〜」

 

青年は穏やかな微笑を浮かべ、近くにいる女に話しかける。

 

「少年とあの娘が出会って何日ぐらい?」

 

女は静かに

 

「7日です」

 

とだけ答え、口を閉ざす。

 

「そっか、じゃあそろそろか」

 

青年はご機嫌そうにまたグラスを傾ける。

 

「つまりもうすぐで少年があの娘と一緒に初めてを経験するということかな?」

 

「言い方に悪意しかないですね、もう少しましな言い方は考えつかないんですか?」

 

冷たい女の返しに青年は全く動じずに

 

「そうかそうか、できるだけ喰えるものは喰ってきて欲しいものだね」

 

と、言うと青年は満足そうにグラスに入っていた赤い液体を飲み切った。

 

 

 

一方その頃.....

 

「志久くん、私たちの目標、覚えているわよね?」

 

「はい、まずはハーフ生産計画の破壊

その次に孤児たちの保護ですよね?」

 

志久達は今、赤木が運営する孤児院の近くにある廃ビルの屋上にいる。

 

「中に入ったら赤木が迎撃用に飼ってあるキメラ達が襲ってくる可能性が極めて高い。今志久くんが吸血鬼になりかけていること加味しても失敗すれば命の保証はないわ。覚悟はいい?」

 

「もちろんです」

 

「じゃ、手筈どうりにね」

 

ルナさんが屋上から跳び、孤児院の裏側に回り込む。

 

「さてと、行きますか」

 

オレは軽く跳んで孤児院の真正面に着地する。

多少痺れはあるが、骨にヒビが入ったりはしていない。

 

「子供たちはルナさんの異能で眠らせてるから音がしても起きてないよな」

 

そっと呟き、数秒呼吸を整えてからオレは孤児院に突入した。

 

(狙うは一点、孤児たちの飯を作る調理室の地下にある食料品倉庫に偽装した人体実験場だ)

 

オレは一切物音をたてずに疾走し、問題なく調理室まで侵入した。

 

(ここが境界線、だな)

 

地下室に降りる梯子には当然蓋がしてあり、鍵も掛かっている。

敏感になった五感が、この先にいる

"何か"を感じ取っている。

今まで自分が過ごしてきた世界とは別の世界の"何か"だ。

 

鍵の暗証番号はルナさんの情報網と異能の力を使っても入手出来ず、強引にぶち破るしか選択肢がなかった。

 

(覚悟の準備は....もう済んでる!)

 

オレは吸血鬼の力を使って梯子の蓋を強引にぶち破ると同時に穴に飛び込んだ。

 

スタッ

 

 

(着地までにかかった秒数から逆算して...

だいたい地下14~15メートルぐらいか)

 

一旦周りを見渡すと明らかに雰囲気が違った。

 

(広いな...そして綺麗に整理されている)

 

部屋は、某ゾンビゲーム終盤の研究所のように綺麗に整理されていて、それがより一層異質さを醸し出していた。

 

恐らくルナさんの異能と同じような力を使って空間を圧縮されているのだろう。

見取り図での食料品倉庫より遥かに広い。そして何より...

 

("いるな")

 

オレがそれの存在を視認した時、

 

ガラガラガラ!

 

何かが上に引き上げられるような音と共に

 

グルるるる!

 

体長5メートル程の狼型のキメラが3匹、近くの檻から出てきた 。

 

(チッ、対応が速いなどこかに監視カメラみたいなのがあるかもな。)

 

しかし今はそんなものを悠長に探している時間はない。

 

オレはキメラたちの真っ正面に立ち、大声でどなった

 

「来やがれ!暴れるしか能がない犬畜生どもが!」

 

詳しい意味は分からないだろうが、宣戦布告ということは分かったのだろう、1匹のキメラが唸り声をあげながらオレに突進してきた。

 

(さあ、こいよキメラ共!近づいてきたやつからぶっ飛ばしてやる!)

 

オレは横っ跳びでそれを躱し、顔面に拳を叩き込む。

それで相手は吹き飛び、動かなくなった。

 

(いける!以前のオレなら太刀打ちできなかったけど、今のオレなら闘える!)

 

その時後ろで咆哮が轟いた。

それも前にいるキメラの咆哮とは比較にならない程の威圧感で。

 

(あ、まずいなコイツ)

 

視認しなくてもわかる、この強烈な威圧感、後ろにいるやつは前にいるヤツらとは格が違う。

 

「クソ!」

 

オレは直感に従い、真上に跳んだ

 

次の瞬間....

 

ドガガガガガ!!

 

この下...つまりほんの少し前までオレが居た場所を巨大な質量か通りすぎ、近くにあった大きな本棚などを呆気なく粉砕していった。

 

(なっ!コイツ!他のキメラも!)

 

その巨大な生物は、オレのいた地点を通過し、前にいた三体のキメラをも挽肉にしていた。

凄まじいパワーとスピードだ、いくら今吸血鬼になりかけているオレでもマトモに喰らえば恐らく即死だろう。

 

(ああ〜今のオレの状況ってあれじゃん、四面楚歌っていうか、まな板の上の鯉というか、ティガレックスの前のポポというか、要するに著しく悪いというか)

 

その生物はゆっくりと後ろを振り向き、オレを視認した。

 

姿は...そう、ライオンとヒョウを足して2で割ったやつのでかいヤツというか、

ヒョウにライオンのたてがみをつけたような姿で、それを見たオレの本能が告げていた

 

「やめておけ、こいつには勝てない、闘ったら死ぬ」

 

と。

 

もちろんそんな事をとっくに分かっている。しかしオレはあえて自分の顔に笑みを貼り付け、絶対に死んでたまるかと決意しながら、恐怖で震える膝を励まし、情けなく、しかし堂々と、

 

「こいよ、番犬...いや、番猫か...まぁどっちでもいい、こいよ、時間、稼がせて貰うぜ」

 

オレはそいつに言い放った。

 

 

 

 



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志久くんは何やかんやで計画を実行するようです...2

「え〜っと、これは絶対に必要でしょ、後これと、あれも必要かな?」

 

日本から遠く離れた土地に建てられた

一軒家で、1人の青年がリュックサックに荷物を詰めていた。

 

「これ持っていった方がいいかな?」

 

「そうですね、少なくとも日本の都市部に行くのにピッケルを持っていく必要はないと思われますが。」

 

「じゃ、これは?」

 

「そうですね、山に入る予定はないのに猟銃を持っていく必要は無いと思われます。」

 

「え〜 じゃあもう君が選んでくれよ」

 

「そうですか。なら私のオススメは1つです。」

 

「ほうほう、それは?」

 

女はリュックサックを持ち上げて言った。

 

「あんたも吸血鬼なんだから少しは吸血鬼らしいことしやがれ下さいよ!この腐れ老害野郎!」

 

「なんか言葉不自由な人みたいになっt.グブフゥ!」

 

女は持ち上げたリュックサックを青年に怒りのまま叩きつけた。

 

「痛いよ〜泣きそうだよ〜」

 

ギロっ!

 

「ヒィィ!」

 

青年の軽口に女は強烈な怒りの篭った睨みを聞かせて青年を黙らせた。

 

「荷物なんて日本に到着してからでいいですから今すぐ行きましょう」

 

「やだよ。僕ちゃん枕が変わると寝れない繊細な子なんだ〜」

 

女はまたもやブチ切れて今度こそ青年をぶん殴ろうとするが、男の放った一言で拳を止めた。

 

「おい! これ以上オレを殴ったらどうなるか良かってんだろうな!?」

 

「ゲッ...」

 

女が怯んだ一瞬のスキをついてさらに言葉を重ねていく。

 

「これ以上オレを虐めてみやがれ!

オレは泣くぞ!このバカ娘!!

あと散らばった荷物詰め直しておけよ!」

 

青年は叫びながら部屋に入って行き、数秒後にガチャリと鍵をかける音が聞こえた。

 

「またやってしまった....」

 

女は疲れた声で呻くと荷物を詰めていった。

 

 

 

一方その頃....

 

「オイオイおいおいちょ〜っと待てぇぇぇぇ〜!!!」

 

志久は地下に作られた実験施設で命懸けの鬼ごっこを繰り広げていた。

 

「グァァァルルル!!」

 

逃げ惑う志久の後方約5メートルには志久の身体を易々と噛みちぎる程に発達した牙と顎が迫っていた。

 

(くっっっそコイツ速い!一本道だと追いつかれる!)

 

逃げる志久は吸血鬼の身体能力を活かし、驚異的な速さで走っているのだがそれでもじわじわと距離を詰められる。

根本的に歩幅が違うのだ。

 

 

高速で動きながらこの状況を切り抜ける手段を考えていく

 

(このまま振り返って殴り合うか?

答えはNoだ。はっきり言ってマトモにやったら殺される。

じゃあこのまま逃げ続けるか?

これもNoだ。今はいいけどいつか追いつかれる。

答えはなんだ?

答えは1つ、正面から殴り合う以外の方法で何とかしてこの化け物をぶっ殺す。

じゃあどうするか?)

 

「確かこの施設には実験用の薬品とか色々あるはずだからそれを上手く使えば何とかd...うおっ!!」

 

その瞬間後方から何から高速で飛んできた

 

(あっっっぶねぇなおい!なんだ?何飛ばしてきたんだ?)

 

チラリと後ろを振り返ると、追ってくる化け物の口に何か白いものか入っていた

 

(あれは...まさかさっきコイツが挽肉にしたキメラ達の骨か?)

 

と、考えていると後ろからバキバキバキと何かを砕くような音が聞こえてきた。

 

(おいおいまさかコイツ....)

 

そして爆発するような音と共に、後ろから超高速で動く物体が背後から迫ってきた

 

「うぉおおおっとおおぉ!」

 

直感で真横に跳んだのは正解だった。

ついさっきまでいた場所を骨弾が通過し、壁に大穴を空けていた。

 

それもただの壁ではなく、こうしてキメラたちが暴れても壊れないようにするためだろうか?かなり厚い鉄で出来ているそれに、だ。

 

(威力高ぇなおい!.44口径のマグナムと威力そんな変わらねえぞ!)

 

脳内で愚痴っても現実は変わらない。何とかして突破口を見つけない限り、自分に生存の道は無い。

 

(どうするどうするどうする!?何とかして身を隠さないと流石に死ぬ!殺される!考えろ!何とかして隠れて反撃の機会を創らないと!)

 

唯一の救いは、計画を実行する時点で研究所のマップを記憶している事だろう。

 

(ルナさんはキメラは強いが吸血鬼みたいに身体がバラバラになっても復活できるほど再生力は強くないと言っていた!

薬品使って爆破すれば流石にくたばるだろ!)

 

そうと決まれば話は早い。

直ぐに現在地から最寄りの薬品庫へのルートを割り出していく。

 

(今いるのはエリアC-3の2、最も近い薬品庫はB-2の4か。確かそこは引火性の高い薬品とかがあったはずだ、そこに行ければ!)

 

何とかこの絶望的な状況から抜け出す算段がついた。あとはこれを何とかやるしかない。

その時。

 

バキバキバキ!ボキボキ!!

 

(おっと、また来るか)

 

1度目と2度目こそ危うく当たりかけたが、3度目は余裕を持って避けられるだろう。

 

だがしかし、その時は何かが違った。

 

バキバキバキ!ボキ!ボリボリ!

 

(なんだコイツ?打ってこないぞ?)

 

ボリボリボリボリボリボリ!

 

(動物の本能で機会を伺っているのか?)

 

しかしオレは数秒後、自分の油断を呪うことになる。

 

ボリボリボリボリボリボリボリボリ!

 

(そんなに骨を噛んだら欠片が小さくなって....まて、欠片が小さく、だと?)

 

この時オレは自分の直感に従ってすぐに回避行動をすべきだった。

その時ならまだ間に合っていたかもしれないのに。

 

(欠片を小さく、弾数を多く、まさか、そんな事を考えるのか?人工的に創り出されたこの化け物が?)

 

ボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリ!ギュルルルルル!

 

(チッ、とにかく避けるしかな....)

 

その瞬間

 

ドガガガガガガガガガガガガガ!!!

 

化け物の口からまるで散弾銃の様に放たれた骨弾は、回避しようがないほど広範囲に放たれ、さらにそれが壁に当たって跳弾し、跳ねまわり、やがて弾が止まる頃。

 

そこには、腹や頭に穴が空き、片腕が吹き飛び、足も再起不能なレベルに壊れている、恐らく生きていたとしても二度と立ち上がることすら出来ないであろう程の怪我をおった、1人の少年が使い古されたボロ雑巾の様に倒れていた。



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志久くんは何やかんやで計画を実行するそうです...3

「おっ、まずいねコレ」

 

「何がですか?」

 

「あの子死にかけてる」

 

「?日本は今深夜1時、真夜中ですよ?

太陽光以外で私たち死ぬ事なんてありますか?」

 

「いや、確かまだ成りきってないから死ねるはずなんだ」

 

「なるほど、どうしましょうか?」

 

「そうだね〜....まぁ今はまだ様子を見よう」

 

「その子が死ぬかもしれないのに?」

 

「いや〜こんな所で死んだらもうそれはダメでしょ。不良品だよそれは」

 

「そうですか、貴方が良いのなら私も良いです。」

 

「じゃ、ゆっくり船に乗って日本に行こっか」

 

「分かりました。はい、荷物詰め直しておきましたよ。」

 

「ありがとう。何とかあの子、生きていて欲しいな〜」

 

「結局期待してるんじゃないですか」

 

「あはは、そうだね」

 

 

場面は変わり、

日本...赤木孤児院地下実験施設

 

 

そこで1人の少年が使い古されたボロ雑巾の様に倒れていた。

 

「.........」

 

少年は攻撃を喰らって倒れた体勢のままピクリとも動かない、当然だろう、頭、

腹、両手両足に数え切れないほどの穴が空いている。もちろん心臓も止まっていて、瞳孔も開いている。医学的にみて死亡と言ってもいいだろう。

だがしかし、少年をこの様なありはまにした張本人である化け物はコレを前にして全く油断しなかった。耳を澄まして少年の呼吸や心の臓の音を聴き取ろうとし、鋭利で力強く、対象を引き裂くことに特化した爪で少年の身体を切り刻んだ。

トドメとばかりに口から炎を出し、少年の体を焼いた。

それでも少年は動かない。

やがて化け物も目の前の獲物は生命活動を停止したと判断し、元いた地点に戻って行った。

そしてその巨体がたてる物音が離れていき、ガラガラと檻が閉まる音が聞こえた時。

 

ピクリ と動いた。

切り刻まれ、身体中に穴が空き、火達磨になった少年がだ。

少年の身体はまるでアゲハ蝶の幼虫がサナギからかえる様に、まるで古い体を脱ぎ捨てる様にして再生した。

 

(........さてと、だ。)

 

少年はゆっくりと起き上がり、回りを見渡した。

 

(あいつは完全にオレを仕留めたと思ってるはずだ。このまま薬品庫に行って薬品を調達、そして罠を仕掛けてあいつを狩る。)

 

少年は目的の薬品庫を目指して歩き始めた。

 

(今度はこっちが狩る番だ。)

 

 

 

 

 

「その前に前に服探さないと寒いや」

 

 

 

-これから先、志久の精神世界-

 

 

 

 

Aさん...水蒸気爆発というものを知っているかい?

 

Bさん...いやそんな物騒な言葉を友〇帳を知っているかいみたいな風に言われても反応に困るんだけど。

 

Aさん...いいから質問に答えてください!

 

Bさん...分かったよ。確か凄く冷えてる空気を急激に加熱したら空気中の水が一気に気化して爆発するんだっけ?

ヒ〇アカで轟がやってた。

 

Aさん...まあ、だいたいあってます。

今回の志久さん脳内3分クッキングは、それを使ってあのキメラを爆殺することが目的です。

分かりましたか?

 

Bさん...いや、それは分かったけど最初の方に薬使って殺すとか言ってなかったっけ?

それにそれが無かったんならもうちょい別の...それこそ粉塵爆発の方がやりやすいだろ?

 

Aさん...黙らっしゃい!!しょうがないんでしょうが!粉塵爆発はもはや使い古されているんですよ!ス〇ルとかアクセ〇レーターとか使ってるキャラいっぱいますからね!

それに薬品で爆発させるとかアホか!そんな危険な薬品丸出しで置いておくわけねえだろ!

 

Bさん...発言メタいな!あと2人目は名前が長いせいで〇が機能果たせてないぞ!

もうちょい真剣に説明しような!?

 

 

Aさん...分かりました。では元々水蒸気爆発というのはふたつの種類がありまして、まあ噛み砕いて説明すると、水の中に熱して液体になった金属を入れて爆発させるタイプと、キンキンに冷えた空気の中でいきなり高温の物体...まあ、要するに火ですね、を投げ込むかして爆発させるタイプの二種類ありまして、今回は後者です。

やることは1つ。できるだけ小さな部屋に入ってその部屋の空気を限界まで下げ、さっきキメラが吐いた炎をトリガーとして爆発させます。

 

Bさん...はい!先生、そこまでは分かったのですが、室温をどう下げれば良いのですか?

 

Aさん...いい質問ですね。それはもちろんドライアイスとか使ってたら時間が足りませんので、デ〇オの気化冷凍法みたいなやつを使います。

あれ確か生物だけじゃなくて剣も凍らしてたからやれるはずです。

デ〇オも私たちも同じ人間から吸血鬼になった口なのて、逆説的に私たちも使えるはずです。

 

Bさん...もうツッコミ辞めていいかな...

いや、そしたらコイツのストッパーがいなくなってしまう。それはダメだ、頑張ろう...

 

Aさん...あとはキメラが入ったら炎を吐く距離を保って炎を吐かせれば私たちの勝利です。

私たちは至近距離で爆発しても生きているでしょう。たぶん。

 

Bさん...たぶん がとても引っかかるけどこれしか方法がないならやるしか無いなよな〜

頑張ろう...

 

 

-志久の精神世界終了-

 

(準備は整った)

 

「やるか」

 

 

 

 

(あらよっと!)

 

志久は全力で通路の壁を殴り飛ばし、バカでかい音を通路中に響かせた。その音は通路の壁に当たり、反響してある地点...志久が降りてきた地点まで十分響いた。

 

程なくして檻が開放される音、何か巨大な生物が咆哮する声、そして自分の場所に一直線に突っ込んで来る足音が聞こえてくる。

 

「グルァァァァァァ!!」

 

「さぁ来いよ化け物、木っ端微塵に爆発してやらァ!」

 

キメラと吸血鬼、双方の咆哮が響き渡り、第2ラウンドの火蓋が今、切って落とされた。

 

 

 



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ルナさんは研究所を襲撃するようです...1

更新が遅れてすみません...
最近忙しかったのですが、何とか落ち着いて来ましたのでこれから週一のペースでの更新に戻していこうと思っています。

それではどうぞ


志久がキメラの攻撃を受け、反撃の準備を整えている時、研究所の奥底でハーフヴァンパイアの製造実験をしていた赤木は何者かに襲撃を受けていた。

 

「はぁ!はぁ!はぁ!なんだ!なんなんだあの化物は!」

 

息を切らせながら赤木は走る

 

("あれ"さえ、"あれ"さえ起動できればこれを乗り越えられる!)

 

カツ、カツ、カツ

 

後ろから聞こえるハイヒールの音がやけに響く。全力で走っている赤木だが、一向に音は小さくならず、むしろだんだんと近大きくなってくる。

 

(辿り...着いた、ぞ)

 

荒い息を吐きながら研究所の最奥に位置する部屋に転がり込む

 

そこは、なにかの液体で満たされている巨大なガラス瓶と、その中で眠っている人間とよく似た、しかし男とも女ともつかない中性的な顔立ちの"何か"が不思議な存在感を示していた。

 

「ふっ、ふははははは!勝った!勝ったぞ!私の勝ちだ!」

 

赤木はすぐに機械に駆け寄り、キーボードを叩いた。

そして最後にエンターキーを押し、命令を決定した瞬間

 

グギギギギギ!バギィ!

 

数々のロックが掛けられ、赤木以外は絶対に開けられないはずの扉を圧倒的な

腕力で強引にこじ開けて、ルナがゆっくりとした歩調で入ってきた。

 

その姿は道中、足止めの為に使ったキメラ達のものだろうか、多量の返り血によって赤く染め上げられ、彼女の人の域を軽く凌駕した美貌と美しい金髪に合わさり、一種の神々しささえ感じられる程だった

 

「さあ、これで詰みよ、赤木晶敏。死ぬ前に私の問に答えなさい。そうすれば苦しまないように殺してあげる。まず1つ目、貴方はハーフ製造計画の核となる吸血鬼の細胞を一体何処で手に入れたのかしら?」

 

「ふっ、ははははは!詰み、だと!?

詰みと言ったのか吸血鬼!」

 

「これの何処が詰みと言えるのか!そうだな、確かにお前はもう詰んでいるな!」

 

「何を...言って...ああ、そういう事か」

 

グァッシャァァァァン!!!

 

赤木の司令を受け、眠っていた"何か"が動き始めた

それは床を踏みしめてまるでルナから赤木を守るように2人の間に立ち、ルナを威嚇するようにうなり声あげた。

 

「見ろ!これが私の最高傑作!

"ネクストステージ・ヒューマンズ・

タイプβだ!」

 

「コイツは主の命令を疑わず必ず実行する執行者だ!コイツらを戦争をしているバカどもに売り付ければ一体いくらの金が生まれるかわかるか!?」

 

「結局、貴方の目的はただの金なの?」

 

「"ただの"、だと?もう一度言ってみろ!?」

 

「はぁ、所詮はただの金属で出来た円状の物体なんかのためなの?」

 

「"だだの"じゃねぇ!!!金っていうのはな、この世で命よりも大切なものなんだよ!」

 

赤木は大声で吐き捨てるようにして叫んだ

 

「金のためなら見知らぬ人間がいくらの死のうがどうでもいい!大事なのは金だ!金だ、金さえあればなんでもいい!

金さえあれば女も、権力も、何もかもが思いのままだ!そんなことお前らみたいな愚図な吸血鬼には分からないかもしれんがな!」

 

彼はそこまで怒鳴り散らすと彼は実験体に....ネクストステージ・ヒューマンズ

に大声で命令を出した。

 

「遊びは終わりだ!速くこの女を殺せぇ!!」

 

実験体は彼の命令を聞き入れて、その眼を赤く光らせながらルナへと襲いかかった

 

 





うおおおお何だよネクストステージ・ヒューマンズって
ネーミングセンスが欠片も感じられない、はっきり言って致命的にカッコ悪いな





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ルナさんは研究所を襲撃するようです...2

「う〜んそれは無理があると思うのだけれど」

 

実験体がルナに襲いかかり、鋭い爪でルナを切り裂こうとした瞬間、変わった、

空気が、いや、正確にはルナが纏う独特の雰囲気が、今までの冷たい氷の様なものから一変し、全てを呑み込む深海の様などす黒い殺意に変わったのだ。

 

ルナは気だるそうな声で呟き、襲いかかってきた実験体の爪を身体の軸移動で避け、そのままカウンターの拳を胴体に叩き込んだ。

 

上位吸血鬼の圧倒的な膂力によるスピードで打ち出された拳は、同種の細胞で出来ている実験体の体を貫通し、そのまま実験体は動かなくなった。

 

「ヒィイィィ!嘘だ!嘘だァ!私の、私の最高傑作がァぁァァァ!!」

 

ルナは腕を引き抜き、自らの腕に付着した血をペロりと舐めた。

 

「うん、この血は....十二、いや十三位...かな?無理だよ、そんな低い位の子の細胞使ってもたかがしてれる。どうせやるならもっといい子のを使わないと」

 

全く面白くない...そう呟いた

 

「まぁ確かに人間から見たらこのレベルでも十二分に脅威ね、下手したらこの子1人で一国を落とせるかも。やっぱり来てよかった〜」

 

自らの生涯の約半分を費やして創った生物をこんなにもあっさりと殺戮して....

 

「イヤ、いやだ、助けて、許して、殺さないで....」

 

「あ〜あ、心、折れちゃったか〜けどね〜殺さないと怒られちゃうんだ〜」

 

人の命などまるでどうでもいいように

 

「けど貴方みたいに心が折れた人間なんて殺してもね〜....そうだ!いいこと思いついた!今から10秒あげるから、その間に逃げれらだけ逃げていいよ、大サービスで目も閉じてあげるから!」

 

じゃあやるよー

 

軽い調子で始まったそれは赤木にとって生きる最後のチャンスで

 

「うぁぁぁぁあ!」

 

情けない声をあげながら死にものぐるいで走る他なくて

 

「い〜ち、に〜い、さ〜ん」

 

聞こえてくる声は自らの終わりを唄う鐘の様で

 

「し〜い、ご〜お、ろ〜く」

 

着々と近づく終わりに背を向け、少しでも距離を取ろうと普段運動しない足を酷使し

 

「ひ〜ち、は〜ち、きゅ〜う」

 

あぁ終わりだ、と、もう助からないと絶望し

 

「10!さぁ〜て赤木君は何処に逃げたのかな〜...まあ、何処に逃げてももう終わりなんだけどね」

 

来ない終わりに希望を見出し

 

「もうすぐ、もう少しで外に...」

 

「じゃあ、リセット」

 

そしてその希望はいつの間にか絶望に変わり

 

「ばいば〜い」

 

 

いつの間にかルナの手刀がまるで刀のように赤木の体を貫ぬいていて、赤木の人生はそこで、幕を閉じた。

 









いや〜これ1回やってみたかったんですよね、1回逃がして希望与えてからぶち殺すやつって色んな作品にあるんで楽しみしてました。

あと赤木みたいな小物で金にうるさい悪党大好きですね、人間臭くて。

ということで、次回も読んでくれたら嬉しいです。


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シク君はようやく力を理解するようです...1

ちょっと遅れましたね、すいません。
それではどうぞ


赤木を殺害したルナは、数分前まで実験体が入っていた装置に目を向けた。

「さてと、仕上げといきましょうか」

 

横にある端末を操作し、実験のデータを読み込んでいく

 

「ふむふむ、個体名は...プロト01、ホントに出来上がったばっかりの試作品だったのね、きちんとした名前すら付けてあげてないのね」

 

足元に崩れ落ちている肉塊を見下ろしながらそう呟く

 

「実験名...ネクストステージ...ええと、この実験は延々と続く紛争の終結を目的とした兵器を創り出すものである...

使用細胞...第13位吸血鬼の細胞を適応率が最も高い幼児に植付け、そのまま成長させる....と、ここまでやるのに一体何人殺したんでしょうね。」

 

さらに端末を操作し、出てくる情報を記憶に保存していく

 

「戦闘実験...実験用に作成したキメラ三体を相手に行う、第一回目の実験では決着までに約1分掛かったが、第二回目の実験では約20秒で殺戮...なるほど、高度な学習能力もあると。」

 

そして第三回目の映像では、殺害したキメラの骨をまるで武器の用に扱い、残り2体を相手取っていた。

 

「人間を遥かに上回る身体能力、高度な学習能力、その場にある物を使って即席の武器を作る器用さ、そして何より死ぬことを全く恐れない精神性...ここまで出来たら恐らく現代兵器をも使いこなせるでしょうね、そしてコレを量産することができていたら...」

 

そこまで考えて1度ルナは思考を止めた

 

(さて、このデータは頂いて、後は帰ってからやりましょうか。)

 

そしてルナはふと思い出す。

 

「シク君、遅いな、何してるんだろ?」

 

この時シクは戦闘実験の残りであるキメラを討伐するための計画を立てているのだが、それをルナは知らない。

 

「まぁ、先に家に帰って料理でも作ってててあげようかな〜」

 

笑顔でそう呟くと、ドロリとまるで闇も一体化するようにして消え、数秒後には荒れ果てた実験室にボロボロの機械があるだけだった。

 

そして場面は今へと移る

 

「あいったたた」

 

夜の街で、身体中に傷を負い、ボロボロになった少年が歩いている

 

「ホンットにアイツ無茶苦茶しやがるな」

 

今シクがいるのは地下にある研究所ではなく、孤児院周辺の路地裏だ

 

「まさか爆発を気にせす突っ込んで来るとは」

 

シクが計画したキメラ爆殺計画は結果としては失敗に終わった、その理由は簡単、爆発だけではキメラを殺せなかったのだ。

爆発の中、キメラはそのままシクに突進を仕掛け、身体を跳ね飛ばした。

尋常な人間ならば即死は免れない圧倒的な質量が驚異的なスピードで移動するそのシンプル且つ原始的な攻撃は、現在進行形で吸血鬼化が進んでいるシクにも深刻なダメージを与えた。

 

だがしかし、攻撃をした側にもそれなりのダメージがあったようで、シクを跳ね飛ばして直ぐに闇の中に消えていった

 

「はぁぁぁ〜きっっっっついよ全く、身体中の骨が折れてやがる」

 

折れた右足と左腕をかばいながら少しづつ、ゆっくりと進んでいく

 

「ふい〜、とりあえずこれだけ離れてたら大丈夫だろ」

 

シクは孤児院から300メートル程離れた道路の脇に座り込む

 

(とり、あえず、少し、休もう、もう体が動かないや)

 

肉体の損傷は今も少しづつ治癒してきている。行儀は悪いがここで少し寝て治癒が終わってから帰ることにしようと決めて、ゆっくりと目を閉じて疲労からくる睡魔に身を任せようとした時

 

ドガァァァァァァァァン!!

 

辺り一面に爆発するような衝撃音が鳴り響き、寝かけていたシクは叩き起される羽目になってしまった。

 

「ったく何だよいったいぜんたいこんな時間に...」

 

途端にシクの体に寒気が走った

 

シクの視線の先には....闇の中に撤退した筈のキメラが4本足で堂々と力強く立っていた。その身体にはシクが起こした爆発のによる怪我がところどころ見えているが、それらも目に見えるスピードで治癒していっている

 

「あっ、ちょっ、タンマ」

 

シクは情けない声をあげながら逃げようとしたところでキメラもシクを見つけ、まるでようやく出会うことができた運命の恋人の様に嬉しそうに(と言ってもここでは恋人ではなくようやく見つけた獲物なのだが)シクの元に突っ込んできた。




誤字や表現の間違いの指摘など、是非教えてください。
それではまた


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シク君はようやく力を理解するようです...2

はい...遅れていすいませんでしたァァァァ!


「あっ、ちょっ、タンマ」

 

もちろんそんなことを言ったところでシクのことを完全に敵として認めているキメラが止まるわけが無い。

(いや、そもそも言葉を理解できない)

 

「これを食らうわけにはいかない、な」

 

今この傷付いた体で攻撃を受けてしまうといよいよ万事休す、詰みだ。

 

シクはありったけの力を使って何とか突進を回避する。

 

横に転がるように避け、突進の射線から逃れた時、キメラの巨体がほんの数瞬前にいた地面抉りとっていく。

 

(落ち着け、落ち着け、落ち着け、こんな時だからこそ落ち着け、落ち着いて息を吸ってから考えろ、こっから生き延びる方法を!)

 

極限状態に追い込まれたシクの脳は、普段とは比較にならない驚異的なスピードで思考を進めていく

 

(コイツは怒り狂ってるお陰で動きが単調で読みやすい、確かに速度は上がったけど次の動きさえ予測出来れば....)

 

ボロボロになりながら、しかし確実にキメラの突進を回避していく。

 

そして何とかその場を離れ、息を整えていきながら体の傷を治していくが、回復が損傷に追いついていない。

先程の回避でまた脚の筋が切れてしまった。

少しでもいいから傷を治す時間が欲しい。

 

「グルルルァァァァ!!!」

 

「まぁ、休ませてくれませんよね〜」

 

全く、今日は最悪の日だな

 

そう吐き捨てて、傷だらけの体を動かして全力で逃げ出す。

目の前の殺意から生き延びるために。

 

 

 

〜回想終わり〜

 

 

 

「まっっっっったく、本当についてないな、オレは。」

 

悪態を吐きながら今はもう使われていない廃ビルの壁にもたれ掛かる。

 

キメラはまだ追ってくる、恐らく自分が完全に死んだことを確認するまで追い続けるだろう。

数秒の休息の時間、高速で脳ミソを回していく。

 

 

(さてと、このままじゃジリ貧だな、どこかで回復しないと遅かれ早かれ殺られちまう。けど、どうすればいい?アイツは疲れが全く見えない、オレがゆっくり休める時間なんてくれない、なにか、回復アイテムみたいな一気に体力を回復できるものがないと詰みだな、こりゃ)

 

そこで、シクの脳裏にある言葉が蘇る

 

「--私たち吸血鬼は、美味しい血を飲めば飲むほど強く美しくなれるのよ--」

 

それはルナがシクとのトレーニングの最中に発した言葉だ。

 

「シクくんはまだ人の血を飲んでないでしょ?だからまだ完全な吸血鬼にはなってないのよ、人の血を吸って、そこから力を得てしまったらそれはもう人ではなく、"吸血鬼"よ、だからもしシク君が人間に戻る前に人の血を吸っちゃったら.....

 

もう二度と、人間には戻れないわよ。」

 

シクはその選択肢を一瞬考えた。

 

それはほんの1秒にすら満たない思考時間だったが、その一瞬で結論を出す

 

「ヤダよ、そんなの」

 

シクは自分が世界の、そして物語の主人公の器ではないと知っている。

 

だからこそ、せめて死ぬ時は胸を張って人間として死にたいのだ。

 

無力で、惨めで、小さくて。

 

文明の力がなければ、そしてその力すら通じない者の前では全くの無力で、それでいて嫉妬深くて欲深い人間として。

 

シクは拳を握りしめる

 

全身の筋肉が引きちぎれ、骨は内蔵に突き刺さり、立っていることすら奇跡とも言えるこの状況で、せめて"人"として一矢むくいるために。

 

「オレは、吸血鬼じゃない、だけど、物語の主人公みたいに恐怖に打ち勝つために、誰かを救う為に人間を辞める、なんて覚悟もない。自分が"人"ではなくなることが怖くて、結局最後の最後まで1歩を踏み出せなかった弱っちい人間で、だからこそ」

 

そう言いながら後ろを振り返る

 

「来いよ、バケモノ。人間がやる、無駄な抵抗ってやつを見せてやる」

 

振り返った先に佇むキメラは少し冷静になったのか、シクを見つけても唸り声を上げるだけで襲いかかってこない。

 

そして、冷静になり、冷徹に目の前の敵を殺そうと考えたからこそ気づいた、シクから発せられる、どす黒い瘴気のようなオーラを

 

対象は危険だ、即刻、処理せねばならない

 

キメラはシクに対する警戒レベルを引き上げ、一撃で仕留められるよう、身体中に力を巡らせる。

 

そして、強い風が吹きキメラによる突進によってボロボロになった看板がちょうど両者の間に落下した。

 

それを合図に両者は弾かれるようにして目の前にいる敵に向かって突進し、シクは拳を、キメラは研ぎ澄まされた爪を振りかざした。

 

一瞬。

 

それでちょうど両者の立ち位置か逆になる。

シクもキメラも、ピクリとも動かない。

 

まるで世界の時が止まったような静寂が訪れた。

 

そして、数秒後。

 

シクの体に一文字に赤い線がはしり、大量の血を撒き散らしながら頭から崩れ落ちた

 



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シク君はようやく力を理解するようです...3

最近更新が送れていたので、ちょっと早めに書きました。
それではどうぞ。


 

 

 

 

 

 

「ここは、どこだ?」

 

気がついた時、そこは薄暗い路地裏ではなく、一面が真っ白な世界だった。

普通ならいつの間にか別の空間に移動していたら困惑するだろうが、何故か全く驚かない。

むしろ安心していると言っていいだろう。

 

「とりあえず、ここを出ないと」

 

オレはこの空間がルナさん達が使う異能によって構成された空間ならどこかに出口がある筈と決め、歩きだそうとしたのだが...

 

「何故足がないんだ...」

 

何故か分からないが足が消えている。

それこそ切断された、と言うより空間ごと削り取られた、といった感じだ。

物の見事にスネの中ほど辺りから消え去っている。

 

「なんと言うか、不思議な世界だな」

 

普通だったらこんな怪我をしたら血が大量に出るだろうし、とてつもない激痛にも襲われるだろう。なのに何故か痛くもないし血も出ていない、まるで元々なかった様だった。

 

「どうしよう...動けないな」

 

足が無ければ動けない。とは言うものの最悪ほふく前進で進めばいいし、何故かとてもこの空間は落ち着くし、一休みしてゆっくり考えるとしよう。

 

オレは呑気にそう考え、背中からゆっくり寝転がろうとしたのだが...

 

「呼ばれてないけどジャジャジャジャーン!」

 

上からなんだかとても古いネタを叫びながら男が落ちてきた。

 

その男は軽く着地して、決めポーズをとっている。

 

声、顔からして20代後半というところだろうか、黒髪のモデル体型でこれだけ聞くとさぞモテそうなのだが、全身から残念なイケメンオーラを醸し出しているからそれが台無しになっている。

 

オレはとりあえずこの胡散臭い男に話を聞いてみることにした。

「あの〜?すいません、ここが何処なのか知っていますか?出来ればここからの脱出方法も知りたいのですが?」

 

「おーけーおーけー、まず質問は1つずつしような少年。んじゃ、1つ目の質問から。ここはなんと、君の精神世界なんだぞ!ビックリしたかな?」

 

はい?

精神世界...は漫画とかラノベでよくあるやつだから分かる、要するに自分の心の奥底にある、自分だけの世界だ、そこでは普段自分でも気づいていない欲望が具現化している。

(早い話がパレスだ)それは分かるのだが...

 

「こんなドラ○ンボールで修行場として使われてそうなこれがオレの精神世界ってことですか?」

 

いくらなんでも自分の心の奥底が真っ白ってちょっと悲しいなぁ

 

「あぁ、これは俺がテクスチャを白紙にしてるだけだから安心してくれ。君の心は真っ白なんかじゃあない。」

 

ほっとするのも束の間、今度は別の疑問が湧いてくる。

 

「あなたは一体、何者なんですか?」

 

「おっと、そういや俺の自己紹介がまだだったな、オレの名前は...とりあえず今は、レン、と呼んでくれ。よろしく」

 

向こうが名乗ってくれたんだ、こっちも名乗るのが礼儀だろう。

 

「僕の名前は...」

 

「藤木志久、今年で16歳の高校1年生、誕生日は10月30日、身長は182センチ、

趣味は読書やアニメ、ゲームなどインドア系、恋人や友達がいないボッチであり、女性のタイプは金髪ロングの年上お姉さん、夜は毎日明日が休みの日でも夜12時には寝て、朝の8時には起きている。」

 

ぇぇえええ、どっから調べたんだそんな情報。怖い怖い怖い、特に好きなタイプなんて誰にも言ってないはずなのに!

 

「どこから、そんな情報を...」

 

「どこからって言うか...君からだよ、シク君、君が見て、聞いて、感じたものを僕は全部知ってる。君がもう忘れてしまった事もね。」

 

「それは...どういう」

 

「もう薄々気づいてるだろ?要するに俺は君で、君は俺なんだよシク君」

 

なんだよそんな急にペルソナみたいなこと言い出しやがって

あと全然気づけてなかったけども

 

「君、今僕のことペルソナかなんかと思ったろ?全部ではないけどこっちから君の気持ち分かるからね、あんまり俺が傷つくこと言うのやめてね。いや、ホントに」

 

「あ、すいません...」

 

って、何謝ってんだ

 

「いいよ、いいよそれじゃあ、本題に入るね。藤木志久君、君は...

もう、死んでいるんだ。」

 

「は?じゃあ今現在貴方と会話している僕は一体何なのでしょうか?」

 

「思い出せ、シク君。君は、あのキメラに戦いを挑んで、負けて、そして殺されたんだよ。」

 

「なっ...」

 

そうだ、少しずつ思い出してきた。

オレは確かに、アイツに戦いを挑んで、そして...

 

「うっ....」

 

そこまで思い出した時、強烈な頭痛と吐き気に襲われた。

まるで思い出したことを咎める様に

 

「さて、シク君。今から僕は君に2つ、プレゼントをあげるからさ、よーく聞けよ。」

 

レンさんがなにか言っているが、頭痛と吐き気のせいでよく分からない。

 

「1つは2度目の命だ。といってもそのまま生き返らせてもまた殺されたら流石に2回目は生き返らせるのが難しいからね、だから2つ目、これから先、様々なバケモノ共と戦っていく君のための力だ、大事にしてくれ。」

 

力?なんだ?それは?

 

「この力の名は...そうだね、とりあえず仮の名前として、

"霊気吸収"とでも呼ぼうか、この力は、底なしの魔力と体力を誇る吸血鬼やキメラにとってまさに銀の弾丸だ。この力を使いこなせれば、人類にとっての絶対的強者である吸血鬼と

も殺り合える様になるはずだよ。」

 

"霊気吸収"?なんだよ、それは?もっとちゃんと説明してくれ。

 

「説明が足りないって顔してるね、あいにく君に説明してる時間がもう無いんだ。残念だけど、使い方は実戦で確かめてくれ。」

 

そこまで言うとレンさんは少し間を置いて

 

「さぁ、起きなよシク君。そろそろ目覚めの時だ」

 

体がぷかぷか浮いている感じがする、いや、事実浮かびがっている。

そのまま上がり続けているうちに、だんだん眠くなってくる。その睡魔に抗いきれず、オレの意識は光に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もしかしたらあの子で完成するかもしれないな...

ここまで来るのに何年かかったんだろ?

もう"芽"はできている、そのうち"花"も咲くだろう。

お願いだから俺の期待を裏切らないでくれよ、シク。」

 

 

 

 

 




どちらがどちらなのか分かりやすくするために、今回登場したキャラの一人称は"俺"、シクの方は"オレ"、または"ボク"とします。

大雑把なストーリーを考えると、この新キャラクターは結構重要な立ち位置になるので、ちょくちょく登場させる予定です。
それではまた次回も読んでくださると嬉しいです。


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