ONE PIECE//Another=Blue=GODDESS (すくのすくお)
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オリジン//現れた[神殿]

「本部より入電ーーーーっ!!!!!現在!!!!!目標は軍艦5隻を破壊!!!!!その後破壊した船を[大きな触手で]海中へと引き摺りこみ沈黙!!!!!乗船していた海兵の生存は絶望的と思われます!!!!」

 

「ふむ……こりゃあ困った事になったわ。クザン、お前ならアレをどうする……?」

 

「おー……ありゃあ正面から殴り合うのはよした方がいいんじゃないかな?あの[神殿]とそれを守る[触手]にゃ悪魔の実の能力がさっぱり通じないのがなぁ……まるでありゃ─────

 

───────海そのものみたいなもんにしか見えませんよ」

 

薄暗く、焦りと困惑の感情が、怒号と悲鳴が飛び交う海軍本部の特別司令室。映像電伝虫の中継がモニターに映し出されているが、そこに映し出されていたのは[不穏、不気味、観た者の正気を尽く削る様な禍々しい神殿]と[それを守る様に海から生えている沢山の蛸の脚の様な触手]、[それに破壊される軍艦]、[泡を吹く、自分の手足を貪る、海へと自ら身を投げる……などと言った様な発狂をする海兵達]……と言った、正しく悪夢の様な光景が映されていた。

 

それを見て頭を抱えるのは海軍の中でもトップに位置するセンゴクと[青雉]クザン。今まで培ってきたどんな経験にも当てはまらない、[常識の外からの脅威]には対処という対処が出来ず、手も足も出ない、出せない状況へと陥っていた。

 

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時はルフィ達が砂漠の王国を巡る冒険を終えた辺り。突如世界中へと知らされた異例の[海軍からの警告]。

 

ある者は興味を。ある者は恐怖を。ある者は怒りを覚えるその文章。

 

──────『海軍より告ぐ。新世界に出現した[神殿]には何者も手を出してはいけない』と。

 

海軍の、この世界の[正義]直々の敗北宣言。それに対しての衝撃は全ての海を揺るがし、それと同時に[神殿]は[ゴールド・ロジャーの遺した宝]と並ぶ程の神秘として世界へと知らされたこととなった。

 

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あたまがいたい。

 

めのまえがまっくらだ。

 

からだがうごかない。

 

おなかもすいた。

 

「---じ--ぶか---!」

 

なんかきこえる。

 

「だい--ょうぶ---!」

 

うるさいなあ。

 

「大丈夫かーーーっ!!」

 

あたまがはたらかないなあ。

 

「船長!こいつ意識がありますぜ!!身よりも無さそうだし顔も整ってら!奴隷にうってつけじゃねぇか!!」

 

「んんん~~~!こいつぁ上々じゃないの~~~!シャボンディのマーケットで高値で売れるぜ~~~!」

 

すごいうるさいし、おなかもすいた。

 

「ほらほら嬢ちゃん!とっとと目を覚ましてこの[ハイエナ海賊団]の資金源になりなよ~~~!!」

 

つめたっ……みずかけられた。むかつく。

 

「おっ!船長!!こいつ目を覚ましましたぜ!!立ち上がって……っ!?」

 

そうだ、ごはんならここにあるじゃん。

 

「なっ……なにィ~~~!?こいつ!?能力者だったのかぁ~~~!?」

 

えーと……あれ、なんのためにここにきたんだっけ……おもいだせないや……

 

「ヒッ……ヒィィィィ!?!!?」

 

「あはまなたはらまあほもやなたはおなやさはつらたかたはウヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ」

 

「ウキョキョキョキョサキョキョキョキョ」

 

「15467952467918437914……ブツブツ」

 

「そらきれい!!!つちおいしい!!!たのしい!!!!」

 

「なに~~~!?どうしたお前ら~~~!!?おい!!!小娘!!!俺の仲間に一体何を……なんだ……なんだお前の眼は……お前は……おま……!!!」

 

ちょっといかくしたらこれだよ……つまんないの。

 

「し……触手……!?蛸……!??!?これじゃあまるで……アレみたいじゃないか~~~……っ!!?!?」

 

まあいいや。おなかすいたし……

 

「ヒッ……やめ…………食べ…………な…………」

 

うん、まずいや。

 

「アパパパパパピピポピポァァァ!!」

 

「きれい……たのしい……さむい……」

 

[245167983194……ァァァ!]

 

ふう、食べた食べた。

 

やっぱり人間食べると思考がクリアになるなぁ。

 

さて、どうしようかな……何も覚えてないんだよなぁ……

 

やっぱりいつもそう、世界っていうのは不公平だなぁ……

 

───────そう言うと、瓦礫と血溜まりを背にして少女は歩き出した。

 

ウォーターセブンの近くの島にて起きた怪事件。海賊団が丸ごと殺られるのは時々発生するのだが、死体だけが綺麗に消えているという常識外の事件。それの話題で持ち切りの街中をフラフラと歩くのは10代後半に見える少女。

 

ボロボロの赤いジャケット、ボサボサの青い髪、深い闇を映す暗い瞳。

 

───その名も[フラッグ・C・オーシャン]。この世界に訪れた[邪神]の破片、兼、[ワンピース]を求める冒険家である。




酔った勢いで書き始めたら楽しくて筆が進みました。1d100でクリティカル引くぐらいの確率で続きます。


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フラッグ//アウェイキング

思い立ったが書きどき


うーん、おなかすいた。ビタミンと糖が足りない。

 

海の中で大きな魚……魚?みたいなのをおやつにしたからいいけど……。

 

あんな魚、私の知識には無いんだけどなぁ……。

 

……なんか……ねむいや……。

 

裸足にボロボロの服、ボロボロの髪で只管どこへ行くわけでもなく彷徨うフラッグ。人間(ハイエナ海賊団)や魚?(※海王類)を食べてエネルギーを補給したはいいが、それでも動けるギリギリほどの量しか回復出来ておらず。

 

丁度、ウォーターセブンの造船ドックの外れの辺り……瓦礫が流れ着く海岸まで辿り着いた時に活動の限界を迎えてしまったのだ。

 

意識を失い、崩れ落ちる様に倒れたフラッグ。倒れる時に瓦礫に頭をぶつけてしまい、頭からは血を流している。

 

だるい……ちからもはいらない……いあ……いあ……

 

「そこのお前!大丈夫か!?意識はあるか!?」

 

「おなか……すいた……」

 

にんげんはそんなにおいしくないから……いまはいいや……

 

ぐぅ。

 

たった今行き倒れたフラッグをみつけ、直ぐに救助活動に移ったのは瓦礫を捨てに来た船大工。ロープ使いのパウリーだった。

 

「なんだ……?怪我してると思ったが……[血が流れた跡]だけあるが傷口が見つからないし……やけに安らかに眠ってるぞ……??まあいい!とにかく病院に連れて行くぞ!」

 

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うーん、うるさいなあ

 

あれ、ここどこだろ

 

「目が覚めたのか!見たところ怪我は無いようじゃが……」

 

「おなかすいた……ここどこ……?」

 

「ここはウォーターセブン、その造船所の事務所みたいなとこじゃ」

 

「あなたは……だれ?」

 

「ワシの名はカク。この街で働く船大工じゃ」

 

「そっか。おなかすいた」

 

「イマイチ話が噛み合わんのぅ……丁度晩飯時じゃ。飯に連れて行ってやろう」

 

目覚めたフラッグのケアを(パウリーからの報告を受けたアイスバーグがたまたま仕事終わりのカクを見つけたせいで)一任されたのは、四角い鼻と古めかしい語尾が特徴的な船大工、カクだった。

 

「やったー」

 

「ところでお前さんの名は何というんじゃ?ここらじゃ見ない顔じゃが……」

 

「フラッグ。フラッグ・C・オーシャン。邪し……」

 

あ、邪神っていっちゃだめなんだっけ

 

「旅をしてるんだけど……ちょっと体力の限界が来ちゃって……倒れてた」

 

「若いのに苦労してるんじゃのう。ほら、今の時間じゃと近くに旨い水水肉の屋台が来てるころじゃ。それ食って元気になるといいんじゃがなぁ」

 

わーい。

 

そう言って、ケアを押し付けられたカクと運良く助けられたフラッグは、夜のウォーターセブンでカクの財布に大打撃を加える程の量のグルメを楽しんだのだった。

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───────2日後。

 

この間までのボロボロだったフラッグとは見違える程に、服や靴、髪の毛等の身なりを整えられたフラッグが居た。

 

あの後、行く宛てが無い事を話したフラッグはアイスバーグの屋敷で面倒を見てもらえる事になり、秘書のカリファから(半ば愛玩動物の様に)可愛がられた結果、こうして一端の美少女と言っても過言では無い見た目に整えられたのだった。

 

フラッグ自体も、見た目によらない程の馬鹿力でもって船大工達の手伝いをしながら、バランスのいい食事や適度な運動のお陰で最初に流れ着いた時と比べると心身(&正気)共に一般人レベルまで回復していた。

 

そんなフラッグは今、船大工の手伝いとして資材を運ぶなどの深く考えることの無い作業を手伝っていた。

 

「おい!!!!!!船大工どもめ~!!!!!」

 

「うるせーですねぇ」

 

「おっ、嬢ちゃんは初めてだったかな?ここにゃあ時々あんな感じで無謀な海賊が因縁付けてくるんだわ」

 

「はえー」

 

「今まで乗ってきた船を捨てて!?より高い金で新しい船を買えだと~っ!??!!?」

 

パッと見で分かるように、いかにも雑魚と言うような感じの海賊が無茶苦茶に暴れて船大工達を脅して代金を踏み倒そうとしていた。

 

「さーて、そんじゃあ気晴らしに追っ払ってくるぜ!嬢ちゃんは危ないからここで待ってな!!」

 

「ふーん、あれは消えてもいい人間なんだね?」

 

「いやいや!嬢ちゃんそんな物騒な事はダメだよ!!殺さない程度に痛めつけたらあっちは逃げ出すから……って嬢ちゃん?」

 

なるほど、殺しちゃだめなのか

 

いつの間にか海賊の方へと猛スピードで駆け出したフラッグ。その速度は[六式]の[剃]に届くのではないかと思われるレベルだった。睨みを利かしていた船大工達を掻き分け海賊の目の前に躍り出た彼女は、速度を保ったまま地面を蹴って回転をつけ、船長と思われる一際目立つ男を蹴り飛ばした。

 

「「「「せっ……船長ーーーっ!!?!?」」」」

 

「うっ……あがっ……ぐっ…………」

 

「「「じょっ……嬢ちゃん……!?!?」」」

 

「いえい!」

 

ふんす、とガッツポーズを決めたフラッグ。その瞬間、子分A(仮名)がフラッグへとピストルを向け……そのまま胸を狙って発砲した!

 

……のだが、銃弾は身体へと届く事は無かった。彼女の袖の中からずるりと伸びた[禍々しい蛸の触手]が銃弾を掴み、握り潰したからだ。

 

海賊・船大工共々白目を向き、鼻水を垂らして酷く驚いた空気が流れた。漫画ならこのシーンは見開き2ページでドン!!!!!となっているだろう。

 

「殺しちゃだめ……殺しちゃだめなんだよね……?」

 

「ヒッ……!?こいつ能力者かよォッ!?!?畜生!船長の仇だ!!!!!殺っちまえーーっ!!!」

 

海賊達は無謀にも、各々の武器を構えてフラッグへと駆け出し、襲いかかった。

 

船大工達も工具や武器を構え、海賊達を迎え撃とうとしたが……

 

「……おなかすいたし、そろそろつかれてきた!」

 

「…………ヒィッ!?!!?」

 

ギン!とフラッグが赤黒い闇に染まった目で海賊達に睨みを効かせた瞬間、海賊達は一斉に[正体不明の恐怖]に襲われ、泡を吹いてその場に倒れてしまった。そう、まるで[覇王色の覇気]の様な、それでいて異質な、名付けるとしたら[邪王色の覇気]と言われるであろうチカラを使われたのだ。

 

「「「えっ…………えええええええええっ!!!!!??!??!?!」」」

 

ただの行き倒れの少女だと思っていたのが異常で異質なチカラを持っており、一人で海賊団を戦闘不能にした───────

 

そのニュースは瞬く間にウォーターセブン中のあらゆる場所に広がった。立ち寄っている海賊や海兵、船大工……そして、暗躍する政府直属の組織、[CP9]へと……。




感想・コメント・その他諸々(?)お待ちしております。


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SAN//ブレイク

人外っていいよね


数日後、(いつの間にか結成されていた)[ガレーラカンパニー・お嬢見守り隊]の代表(に任命されてしまった)カクから数百ベリー程の小遣いを貰ったフラッグは、今日も今日とて賑やかなウォーターセブンの街中をウロウロしていた。彼女にとっては若干耳障りな程の喧騒に紛れながら屋台でつまみ食いしてみたり、気のいい老人に釣り竿を借りて釣りをしてみたり……(時々様子のおかしい禍々しい魚が釣れたり)と、街の人に愛されながらのんびり過ごしていた。

 

今日はちょっと大人な気分になりたいなぁと思ったフラッグは、たまたま通りすがった路地裏の小さなバーへと立ち寄ってみたようだ。カランカラン、と景気のいいベルの音と共にバーへと入店すると、フラッグを驚いた様な目で見る牛の角の様な髪型の大柄な店主や四角い海苔の様な髪型の女性客×2、そして……

 

「アゥ!誰かと思えばお嬢じゃあねぇか!ここぁお嬢みたいな子供にゃあちと大人な場所だぜ?ほらガレーラんとこに戻んな!」

 

青いリーゼントと丸太のような腕が特徴的な、この街を裏で仕切っている裏番長的な存在として有名な男。[フランキー]が居た。

 

「よっ」

 

「よっ!じゃないわいな!」

 

「おっちゃん、フランキーがのんでるのとおなじやつちょーだい」

 

「ハハハ、お酒はまだ早いけどコーラならお嬢でも飲めるね、ほらどうぞ!」

 

「せんきゅーべりべりまっち」

 

なんだこののみもの……しゅわしゅわしてる……あまいにおい……

 

グビッ!ゴクッ!ゴクッ!とそれを勢い良く飲み干したフラッグは、初めて飲んだコーラに大層興奮したのか、いつもよりもハッキリとした呂律で店主……ブルーノに向けて

 

「凄い美味しかった!ありがとうてんちょー!」

 

と言い、満足気な眩しい程の笑顔で言い放つと、代金分のベリー硬貨をカウンターに置き、わーいっ!と言う文字を幻視する様な姿で店を出て行った。

 

「……嵐の様な勢いだったな、お嬢は……」

 

「元気が良過ぎるのも困りものだわいな」

 

「……コーラの代金、ちょっと足りなかったな……」

 

バーに残された4者はそれぞれ、やんちゃで困った妹分を見るような視線と共に先程までと同じようにいつもの日常へと戻って行った。

 

───────が、この瞬間。この街に潜む[闇]が彼女を取り込もうと動き始めた。

 

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バーを出た後、路地裏を横切ったとても大きな猫を追って人気の無い路地裏に迷い込んだフラッグ。特に気にする事はなく猫を追いかけて追いかけて……あっちを曲がってこっちを曲がって……としている内に、大昔に使われなくなった、薄暗いドックへと出てきてしまった。気づけば彼女は、いつの間にかとても広く、全く人気もない、ただただ波の音とウミネコのミャーミャー鳴く声だけが響く空間に一人ぼっちの迷子となってしまっていた。

 

「あれー、猫はどこに行ったんだろー……?」

 

フラッグがボソリと呟いたその声は、だだっ広い空間にぼんやりと響いて消えていった……が、突如彼女の背後から聞き覚えの無い別の声が響いてきた。

 

「よぅ嬢ちゃん……悪いが死んでくれや!!シャウ!!!」

 

「知らないおじさんだーッ!」

 

「お兄さん!!だ!!!シャウ!!![剃]ッ!」

 

フラッグが振り返ろうとした瞬間、声の主は姿を一瞬でくらまし……猛スピードで彼女を背中から蹴り飛ばした!

 

「いったー……」

 

数メートル転がった先で、背中に着いたホコリを払いつつ痛がっているフラッグを見ながら、その男は残忍な笑顔で彼女を見ながら

 

「俺は四式使い、[海イタチのネロ]だ!アンタにゃ悪いが、こっちも仕事なんだ……殺すっ!シャウ!!」

 

と言い放ち、先程と同じ[剃]を使って距離を一気に詰め……

 

「決まったッ![嵐きゃ……

 

「やめてよ」

 

「…………ッ!?!!?!」

 

一気に勝負をつけようと至近距離で嵐脚を放ち、身体を両断しようとした。だが、出来なかった。嵐脚を繰り出そうとしたその脚は[青白い蛸の触手]で絡め取られ、ただ力の強い少女だと思っていたその相手(殺害目標)の表情は一般人のそれではなく、[人智を超えた狂気、若しくは領域外の恐怖を一点に集めた]表情になっていた。

 

「ねえ、あなたは死んでもいいにんげん?」

 

「…………シャウ!!ンなわけねェだろうが!!喰らえっ!」

 

ネロは腰に隠し持っていたピストルをフラッグへと向け、およそ1m程の距離から脳天に向けて発砲した。

 

───────あはは

 

あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは

 

へえ、そっちがそのきなら次はわたしのばんだよ

 

いあ いあ

 

「アガッッッ!?!!?」

 

眉間を撃ち抜かれたフラッグ。銃弾は後頭部を突き抜け、誰がどう見ても即死だった筈だ。しかし、傷跡はズブズブと直ぐに肉で埋まり、常にぼんやりと開いていた目はぐりんと見開き、最早人間とは認識出来ないような狂気に呑まれた様子で狂い笑っていた。袖の下から伸ばした触手で掴んでいたネロの足はあまりにも強い触手の掴む力によってメキメキと惨い音を立て、拷問の様な痛みを与えていた。

 

「ねえ、にんげんってころしちゃだめなんだってガレーラのみんなにいわれたの」

 

「クッ……アアアアア!!!」

 

「だから……あなたにはこれをあげるね」

 

別の触手でネロの頭を掴み、器用に彼の瞼を無理矢理開いて焦点の合っていない瞳で底なしの闇を注ぎ込むように彼の瞳を覗き込む。ネロは化け物嫌でも目と目を合わさざるを得ない状況の中必死で正気を保とうと自身の喉を掻きむしっている。それを何も気にすること無く、ネロに向かって歌うように、泣き叫ぶように、恐ろしく狂気的な声で[CURSE OF THE PUTRID HUSK]と呟いた。

 

「あっ…………あああああああああああぁぁぁ!!!!!!?!!!??!??!?!!!!!?!なんだ…………!????!?なんだよ……………………っ!!!!!俺の身体が…………皮膚がっ…………腐っ…………わあああああああああぁぁぁあああああぁぁぁああああああああぁぁぁ!!!!!!!!!」

 

「これにこりたら もう けんかは しないでね」

 

白目を剥き、叫びすぎて喉から血を吹き出しているネロを後目に、フラッグは懐に入れていたカリファの手作りクッキーを頬張った。

 

「うーん、やっぱりチカラを使うとニンゲンらしさが遠ざかっちゃうや」

 

クッキーを食べ終わり、彼女が最低限[人間らしい思考]を取り戻すと、ドックから港へ……港から海へと駆け出し、そのまま海へと飛び込んだ。

 

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「ただいまーっ」

 

「ンマー!お嬢どうしちゃったの!ずぶ濡れじゃない!」

 

「泳いできた!」

 

(恐らく)能力者なのにどうして海を泳げるんだ?とアイスバーグは夕方やっと帰ってきたフラッグを見ながら首を傾げていた。




正直PVやUA、お気に入り登録が思ってた以上に短期間で沢山来ていたのでとてもビックリ&興奮しています。感想とかコメントとかも!!!!せ是非!!!!!お願いします!!!!!(ヨクバリス)


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