英雄の弟。今度はオカケンメンバーと異世界へ (孤独なバカ)
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登場人物設定(ネタバレあり)

Rewriteだけではなくこの作品のネタバレも入っています。
用語についても後から書きますのでしばらくお待ちください


主人公(オリキャラ)

天王寺宇宙

天職 英雄

元ガーディアン所属

能力 複製 リライト

 

Rewriteの主人公、天王寺瑚太郎の弟。年は17歳。

能力は見たものを自分の知識に加え、自分で使えるようになる複製と身体能力を強化するリライトという能力を持つ。

元ガーディアン所属の裏方であり、

ルチア、静流とは部門が違うが同じ年の仲間であるため仲がいい。

ちはやも同じ家族を失った同士家族を探している。

小鳥は幼馴染

だが二つの能力があること(能力を発動するには寿命を使うため)と複製を多く使用していることから高校卒業を体験したことがない。一番多いのは咲夜と戦い戦死することだったが、何もしなくても早死にする傾向をもちそのことについて小鳥は知っているがソラ自身がそれよりもオカケン(オカルト研究会)メンバーといられる時間を大切にしているため何もいえないでいる。

 

Rewriteヒロイン

 

此花ルチア

天職 お嫁さん

元ガーディアン所属

能力 超振動 

昔の能力 超振動 汚染

 

今回のメインヒロイン。この世界軸ではソラの両親に孤児院にいたところを引き取られ小鳥とソラと一緒に暮らしている。ここでも相変わらずの学級委員長

ゲームでの能力は汚染と超振動。

超振動は能力により遠隔でガラスを割ったり剣を超振動と合わせて威力を強化していた。

汚染についてはRewriteを見てください。アニメでも過去が分かります。

なおソラのことが好きでソラに手を繋がれると顔が真っ赤になりユデダコのようになるのだが、能力の汚染が原因でルチアが原作ヒロインの時に汚染によりソラを毒殺したことがありそれがずっと心残りに思っている。

 

 

中津静流

天職 暗殺者

元ガーディアン所属

能力 体内工場

 

今回のヒロイン枠。一個年下の高校一年生で元ガーディアンで得意なのは銃と両手に短剣を操る暗殺者タイプ。

能力は薬や毒を体内で生成できる体内工場と呼ばれるもので原作ではルチアの毒を分解できたルチアの親友。

ルチアがソラを好きな気持ちを知っておりルチアと一緒に家事を覚えている。またソラとも小学校からの付き合いであるので小鳥の次にこの世界では長くいる仲間。

ソラのことは頼れる仲間でありお兄ちゃん的な存在でありルチアと結ばれてほしいとおもっている。

 

 

神戸小鳥

天職 魔物使い

元ドルイドの後継者

 

今回の主人公の友人枠。ソラの兄である瑚太郎のことを想っている。

主人公であるソラの幼馴染でゲームの仲では鍵の守護者として活動していたがガーディアンではソラが小鳥の存在に気づいていて、隠れ場所を隠し通していたので唯一小鳥ヒロインの時以外は鍵をガーディアンには見つからなかった。また小鳥のメインヒロイン時にガーディアンを裏切り鍵と小鳥を守りとおそうとしたソラに感謝している。

なお、唯一早死にするソラのことを知っている人間でこの世界でも残り時間が永くはないと気づいている一人でもある。

 

 

千里朱音

天職 統率者

元ガイアの聖女

 

今回の主人公の友人枠。一つ年上の高校三年生であり、ソラの兄である瑚太郎のことを想っている。

ソラとは一番接点が少なく敵対組織であったガーディアンであるので瑚太郎の弟ということくらいしか思っていない。

元ガイアの長を勤めていたこともありカリスマ性は抜群だが基本的な生活がひどすぎるのでソラが面倒をみることもしばしば。

また魔物使いの適正は低い

 

 

鳳ちはや

天職 魔物使い

元ガイア最強の魔物使い

 

今回のヒロイン。ドジっ子属性を持ちさらにはメシマズ属性までついている

ほとんどのルートでちはやとソラは戦っておりこの世界でも気まずくあまり話すことは少ないが同じ家族を探す仲間である。

しかし殺しあう仲とはいえ、元々リライターであった咲夜とソラは仲がよく、分岐点前では咲夜と主人公がコーヒーの話で盛り上がること多かった。

ソラが咲夜のことで何か隠していることを知っているのだが、その話になるとソラが露骨に話をそらすため未だに聞けずにいる。



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プロローグ

世界には選択肢がある

それに気づいたのはいつだっただろうか

世界は選択肢が分かれている

それがどんな展開にもなるのか神以外には変わらない

しかしこの地球はどんな崩壊の危機も迎えるかは分からない

俺は何を選び何を切り捨てるのであろうか

一度世界は終焉を迎え新たな世界に旅立った

能力者は消え、魔物使いもいない世界

しかし俺だけは能力が消えてなかった

そして彼女たちも記憶が残ったままだった

魔物も、能力も使えないのに

何故なのかは分からない。

元々はこの能力は自分が持っていたと前世の兄が言っていた。

世界をそれで世界を変えたと

俺はそのことを知っている

俺にとってその人は英雄なんだから。

この物語は今は平和な世界に起きた二つの高校のクラスととある部活が消えた物語

さぁ始めよう

淘汰で残酷な物語を

 

 

「……ソラくん。ソラくん」

「ん〜。」

「ほら起きて!!ソラくん!!」

 

俺は幼馴染の声が聞こえる

瞼を開けるともう見慣れた朝と長髪の少し天然が入ってそうな少女の声が聞こえてくる。

 

「なんだよ小鳥。」

「ほら、今日は学校でしょ?いい加減起きないと遅れるよ!!」

「……ん〜そうだっけ?」

 

と俺は幼馴染神戸小鳥の言葉に答える

 

「もう。昨日は月曜日でしょ!!今日の放課後に儀式すること忘れたの?」

「……はぁ。いきたくねぇな。」

 

と俺は少しため息を吐く。

 

「仕方ないでしょ。この世界じゃ会長さんは本当の大金持ちなんだから。」

「……はぁ。そうだよなぁ。」

 

俺は一つ手を伸ばし、全身をほぐす

 

「んじゃ準備するわ。えっと。」

「ご飯できてるから下で待ってる。」

「ん。いつもサンキューな。小鳥。」

 

と俺は立ちあがる。

すると小鳥がジッと俺の方を見てくる

 

「どうした小鳥?」

「……やっぱり瑚太郎くんじゃないんだね。」

「兄ちゃんじゃなくて悪かったな。てかさっさとでてけよ!!」

「は〜い。」

 

と俺は小鳥を追い出すと少しため息を吐く。

天王寺宇宙

宇宙と書いてソラ。

瑚太郎っていうのは俺の前世の兄で、……この世界に存在するどころか前世では俺の小学校の時に行方不明になってしまった兄だ

 

「……行くか。俺の頼みなんだし。」

 

と俺は立ち上がると制服に着替える。

そして下に降り顔を洗いそしてリビングに向かう。

今、俺と小鳥の両親は今は外国にいて俺と小鳥は共同生活を送っている。

いや俺たち二人だけじゃないのだが

リビングに向かうと既に同居人全員が揃っていた

金髪の片目に眼帯少女とポニーテールの女の子。

俺は苦笑し二人に挨拶する

 

「ソラおはよう。」

「遅いぞ。ソラ。」

「おはよう。静流。悪かったってルチア。」

 

と笑いながら二人に挨拶する。

この二人は金髪の片目に眼帯をつけた少女は中津静流。一個年下の女の子で秋刀魚が大好きな女の子。ついでにルチアと仲がいいので何故かここに住んでいないのに朝飯を一緒に食べる女の子。

ポニーテールの少女は此花ルチア。激辛好きの女の子。委員長体質でしっかり者の少女だが時々面白い反応をする。ついでに、ルチアは孤児院で育ったのを俺の家が引き取った過去がある。

しかしここに兄ちゃんがいないのはやっぱり違和感がある。

食卓には恐らくルチアが作ったのであろう食事が並び俺は少しだけ胸がチクっと痛む。

 

「……」

「……どうしたのソラくん。」

「嫌なんでもない。早く食べようぜ。」

 

と俺が着席し座るとやっぱり違和感がある。

そして席に座ると俺は早速飯にありつく

今日の朝ごはんはサンドイッチ。ルチアが作った特性のサンドイッチだ。

恐らくわさびだろうか少し鼻にツーンとくるのでアクセントが面白い。

 

「うん。やっぱり美味しいね。」

「そうだな。」

「……(モグモグ)」

「それは良かった。今日のお弁当も豪勢に作ってある」

 

と俺たちは食卓にありつく

 

「そういえば、今日の放課後だがちゃんと空けてあるのだろうな。」

「空けてる。てか空けないと会長うるさいし。」

「……ん。」

「もちろん。」

「ならいいけど。元々はソラが言い出したんだろう。」

「そうだけどさ。……なんか怖くて。」

 

と俺が苦笑する。

 

「……ソラは怖がり。」

「お前らと違って俺は争いごとが慣れてないんだよ。」

「…月で一番瑚太郎くんと長くいたのに?」

「あれは能力上仕方ないだろ?俺も瑚太郎と一緒の血が流れているんだから。」

 

前世の話で盛り上がる。いつもそうだ。

兄ちゃんの思い出はオカケンメンバーでは良い記憶だからだ。もちろん俺にとってもいい記憶である。

そうやって話していると付いていたテレビからこんな音声が聞こえてくる

 

『昨日正午ごろ起こった〇〇高等学校の生徒は未だに見つかっておらず、これにより16名の生徒と教員1名が行方不明になっています。』

 

するとの俺の視線がテレビに向けられる。

今まで楽しそうに話していたけどなんとなく気になった。

 

「今日ってエイプリルフールじゃないよな?」

「うん。そうだけど……。」

「昨日からずっとそのニュースばかり流れているな。」

「原因不明のクラスの神隠し。」

「……なんか嫌な予感がするぞ。あのオカルトマニアが好きそうな記事だ。」

 

俺は遠い目をする。恐らく会長は学校をサボってまでこの記事に食いつくだろう

するとみんなも同じ気持ちだったのか頷く。

恐らくこの記事のせいで俺たちは兄ちゃんと親バカ執事探しを延期するしかないのだろうと思うと一斉にため息をつくのだった。

 

 

 

「神隠しした生徒たちを探すわよ。」

 

授業が終わり全員が揃ったオカルト研究会で会長こと千里朱音が宣言した。

 

「え〜咲夜を探すネタを持ってきたんじゃないんですか?」

 

と不満げに何故か他の高校の制服を着用している鳳ちはやが反論する。

俺と同じで召喚したい人がいる同級生で何かと接点が多いのだが

 

「どうせ失敗したんだろ?俺の元に会長が知らないってか担任が聞いてきたからな。」

「うっ!」

「会長さん。またサボったのか?」

「何故か出席扱いにされているけどね。」

「トーカ先生のセッカン?」

「もちろん今日の放課後やるっていってましたね〜。」

「あちゃ〜会長さん今日は帰るの遅くなりそうだねぇ〜。」

「うるさいわよ。」

 

とみんなでワイワイも盛り上がる俺たち。でも

 

「正直俺も知りたいな。十人以上の人物が消えるなんて明らかにおかしいだろ。」

「うん。久しぶりにオカ研らしい活動だし今度の文化祭の発表にも使えるかも。」

 

と俺たちは三週間後に文化祭を控えており何かテーマを決め発表しないとならないのだ。

 

「なるほどな。確かに最近は儀式の準備ばっかりだったしいいかもしれないな。」

「私としたら咲夜を先に探したいんですけど。」

「俺だって兄さんが探したいのは山々だけど完全に手詰まりだろ?というよりも……会長が何も考えず俺たちに探そうなんて言うはずがないし。」

「えぇ。それがちょっとその当時の防犯カメラを少しハックしてみたのだけれど少し気になることがあるのよ。」

「「「おい。今なんて言った。」」」

 

と会長の犯罪行為に俺、小鳥、ルチアが突っ込むがそれを無視して会長のパソコンで映像が流れる。仕方がないので黙認し俺たちはその映像に目を向ける。

クラスの中では弁当を食べる生徒たちが写っている。

普通の昼休憩の時間。しかし少し流れた後

 

「これよ。」

「っ!!」

「これは。」

 

と俺とルチアがまず反応する。

会長が止めた瞬間それは俺たちが昔よく見ていたものそのものだったからだ。

純白に光り輝く円環と幾何学模様が現れている

その紋章。それが何を意味をしているのか

 

「魔法陣だね?」

「しかもガイアが使っていた魔物使いの魔法陣とそっくりですね。」

「同じもの?」

「いや。アウロラや生命エネルギーではないぞ。これなんだ?どんな原理で動いている?」

 

俺の言葉に全員が息を呑む。

 

「それ本当?」

「てかこれ本当にハックしたものじゃないだろうな?」

「えぇ。江坂さんから送られてきたものだわ。」

 

江坂さん。つまり警視庁か。

昔アンティークショップ「フォレスト」でガーディアンの主だった江坂さんは今は特殊警察として警察でもトップクラスにえらくなっている。

 

「……なるほど。俺の能力を使えってことか。」

「できそう?」

「兄ちゃんの能力じゃなければ調節可能。ただ模写すればいいだけだろ?エネルギー源は……恐らくアウロラで代用できるか?」

「む。それじゃあ。」

 

静流が反応する。平和な時間は終わりってことだ。

 

「あぁ。準備してくれないか?西九条先生にも報告。もしかしたら数年規模で帰れないかもしれないから。」

「了解。」

「分かった。私も刀を用意してくる。」

「私は西九条先生に話してきますね。」

「多分5時間ほどかかるから……夜中の9時くらいか。それから救出に向かおう。……恐らく戦闘は免れないと思うからそのつもりで。」

 

その言葉に全員が息を呑む。恐らく全員が気づいているのであろう

これから行く先が非日常であることを。

 

「あまり危険なところに行きたくないのだけど。」

「会長諦めてください。俺たちはそういう契約なんですから。」

「そもそもあかねが授業にでたらこんなことにならない。」

「…そういえば何故私たちは会長の足拭いをしなければならないのだ。」

「…どうせ後々報酬がいいだろうしそれで我慢しようぜ。」

「そうそう。帰ってきてからパーっと会長さんが奢ってくれるよ。」

 

俺がそういうと全員が納得しきれないが頷く。

 

「それじゃあ又後で。」

「えぇ。それじゃあ後でね。」

「はい。」

「うむ。」

「了解。」

「えぇ。」

 

 

と五人は教室から出て行く。恐らく準備をするのであろう。

 

「んじゃやるか。」

 

と俺はカメラの解析に移る。

これから非日常的生活になるのかと思うと少し気が重くなった。



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異世界へ

コロナ対策のためチャットで話を作っているんですが来週から大学の電子授業が始まるので書く時間が極端に短くなると思います。
できれば大学の空き時間で制作したいんですけどね。焼肉定食さんも俺もスーパーのバイト忙しいので時間がないんですよね。
なるべく家でできることをしようと思う孤独なバカです。


「ふぅ。」

「お疲れ様〜はい。ソラくん。」

「ん。サンキュー。小鳥。」

 

と俺は自分の好きな炭酸飲料が渡される。

どうやら既に全員集まっており西九条先生と涙目になっている会長が気になるところだが西九条先生が俺に向けて聞いた

 

「えっと。とりあえず説明してくれるかしら?」

「事情の方は?」

「大体は聞いているわ。えっと複製の能力を使ったのでしょ?」

 

俺の本来の能力は複製。一度見た能力や物をそのまま自分が使えるようになるというものだ。

だから本来なら一度見た魔法陣は取得できるはずなのだがそれができなかった

 

「それなら話は早いです。複製で書いたけどこれ……ありえないぞ。まず月よりも圧倒的に転移が遠い。アウロラで換算できそうだからいいけど恐らく別の世界に行くんじゃないか?」

「別の世界?どういうことかいあんちゃん。」

「えっと。簡単に答えるなら。これ俺解析できない…」

 

すると全員が固まる

 

「どういうこと?」

「複製の能力を使ってコピーしたのはいいけど。これ全くガイアと違うんだよ。もっと巨大な力が働いている。えっと生命力で言うなれば人型の魔物の十年間以上の生命力を使うんじゃないか?」

「……それほどの大きな力がなぜ?」

 

西九条先生の目が鋭くなる。いつもはのほほんとしているがこの時ばかりは俺たちの命がかかっているのでガーディアンにいた時の目つきに変わっている

 

「分からないです。一応最小で魔法陣を書いたんですけど……これでもかなり巨大なものだと思っていいです。これ一つで俺の寿命が全部失われるくらいの大きな力が働いています。」

「……それだけのアウロラが溜まっているの?」

「一応この前のシリアでパワースポットでいくつか吸い取ってきたんで溜まっているんですけど……恐らく行きの分で帰る方法はあっちで見つけるか。アウロラを貯めることになると思います。しばらくの間は儀式もできないくらいアウロラがが枯渇します。」

「……そう。」

 

すると西九条先生が少し考えている模様

 

「それほど難解なのか?」

 

ルチアが俺に聞いてくる。ルチアは確か魔法陣には詳しくはないんだよな

 

「……いや、実はこんな文字見たことがないんだよ。魔法陣も風祭にいた時のやつでもないしこの世界でも見たことがない。」

「それって?」

「完全に無理。恐らくこの世界のものではないしな。」

「おう。本当の異世界。」

 

小鳥の意見に俺も頷く。あらがち間違えではないだろう。

 

「……まぁこれ以上は後を引けないけどどうする?」

「……ソラくんは?」

「俺は行く。もしかしたら寿命ではなくて別の力で魔物を呼びだせるかもしれないからな。」

「それなら私も行きたいです!!咲夜を呼び出す方法があるかもしれませんから。」

 

と俺とちはやがまずは行く意志を告げる。

 

「……私も行く。」

「私もだ。ソラとちはやだけじゃ不安だろう。」

「今のルチアや静流よりは強い自信はあるんだけどな。」

「ならそれならしっかり守ってもらえるのだろう?」

「とーぜん。」

「なら安心だ。」

 

とガーディアン組は行くことに決めたらしい。というよりもこの二人の俺に対する信頼が厚くないかと疑問を覚えるのだが、まぁ元々俺もそっち側の人間だったので仕方がないかとため息をつく

 

「私も行くわ。さすがに私のせいでこうなったのだもの。」

「私も!!」

「あらあら本当に仲がいいわね〜。それじゃあ私は親御さんに隠蔽しておくわね。」

 

西九条先生はさすがにこっちに残るのか。まぁそっちの方がありがたいか

 

「それじゃあ始めましょうか。」

「は〜い。えっと私にできることって何かないかしら。」

「アウロラを貯めた装置のスイッチを入れてくれませんか?恐らくすぐに発動するので。」

「えぇ。分かったわ。」

 

と俺たちは魔法陣の上に立つ

 

「それじゃあいつもの秒読み開始するよ。ご〜。」

 

と小鳥がまず開始し

 

「「よーん。」」

 

と静流とルチア続く

 

「さーん」

「にー」

 

ちはやと会長が言い終わると俺は全員の顔を見る

 

「いち。」

 

それじゃあ

 

「今日の活動を始めよう。」

 

その言葉を言った瞬間俺たちは光に包まれる

生命力が俺たちを包み込み魔法陣が純白に光る。

あまりにも眩しい光に誰もが目を瞑る。

そして目が覚めた瞬間そこは制服を着た多くの学生が集まっている場であった。

 

「えっ?」

 

まず驚いたのは近くにいる少年だった。

すると急にざわざわと騒ぎこむ

 

「鬼のような成功だ。」

「会長とは違い俺はミスする方が少ないだろ。」

「あ〜聞こえない!!」

「へぇ〜本当に異世界なんだ〜。」

「ん。荷物もちゃんとある。」

「これでしばらくはなんとかなりますかね〜。」

「なんとかするんだよ。……まぁ対象者が目の前にいるから大丈夫だろうけど。」

 

と俺たちはのんきに話していると

 

「お前らは一体。どこから現れたんだ。」

「……あ〜そういうのいいんで。えっと、畑山愛子さんたちのクラスで間違えはないですよね?」

「え、あっはい。そうです。」

 

すると小柄で少し年下くらいにしか見えないほどの童顔の女性が頷く。

 

「一応代表して。警察庁オカルト対策部、千里朱音よ。一応保護を目的としてこの世界に来たわ。」

「「「は?」」」

 

一応会長が挨拶をするとクラスメイトが

 

「警察庁オカルト対策部?えっ?どういうことですか?」

「今回神隠しにあった生徒の警備をしにきたのだ。」

「保護対象となっている。」

「結構神隠しとか会うのは珍しくないからね。」

「珍しくないの?」

 

名前も知らない女子生徒が首を傾げる

 

「あぁ。今回の場合は異世界転移と思われるんだけど普通なら裏世界と呼ばれる圧縮空間に転移されることが年に300件程度はあるかな。基本学生に多いけど。」

「圧縮空間?」

「端的に言えば異次元空間。まぁ聞きたいことはあると思うけど保護対象になっていることはお分かりいただきたい。」

 

ちはやは作戦を説明できないのでキョトンとしているが

 

「えっと。もしかして勇者と同郷の方でしょうか?」

「勇者ですか?」

「……あ〜ライトノベルでよくある展開か?」

「ソラくんが好きな展開だよね?」

「異世界転移ものは物語としたら面白いからな……って小鳥お前いつのまに俺の部屋の本読んだんだ?」

「えへ?みちゃった。」

「私も見たぞ。」

「私も。」

「あの、俺のプライベートはないんですかね?」

 

全くと呆れたように三人を見る隼人。いつのまに俺の部屋に浸入されライトノベルを読み漁られていたらしい。

 

「話逸れてますよ!?」

「いわゆる戦力として人員確保のために地球から呼び出されたってことかしら?」

「会長正解。」

 

するといつものキリッとしたカリスマ性を見せる会長。学校時のダメダメな感じをどうにかしてほしいところだけど。まぁいいか

すると女性の生徒が手を上げる

 

「えっともしかして家に帰れるの?」

「今すぐには無理だけどな。一応帰れる方法はあるけど……膨大なエネルギーが必要だな。」

「エネルギーですか?」

「あぁ。……一応こっちで俺たちとは違うエネルギーを探す予定だな。地球の座標はとってあるし魔法陣を俺たちの世界のものに切り替えるとなると召喚された魔法陣よりも多くのエネルギーを使うことになると思います。さすがにこの数は俺たちでも無理だし」

「えっとどれくらいかかるのでしょうか?」

「一応こっちの世界で皆様が転移されたエネルギーがあるとすれば。人によりますが恐らく一年以上は覚悟してください。安全対策もしないといけませんし。そのエネルギーを貯める方法ができれば帰れると思うので。」

 

すると生徒からは歓声が上がる。一応地球に帰れる手段を手にいれたのが十分喜ばしいんだろう。

その様子をしばらく見ている。

 

「それで戦争についてはどうしますか?」

「う〜ん。基本的にガーディアンの人間でしょ?私たちは魔法陣とエネルギーの着手よ。」

「私とルチアとソラ。」

 

だよなぁ。体を動かすのは俺たちの仕事だよな。

 

「……えっと。どういうことだ?」

 

と困っている男性を目に俺たちはこの世界。トータスへと降り立った。

 



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残された時間

「……ってことだ。」

「う〜ん。すなわちこの銀盤が身分証明書になるのか?」

 

と俺は正直信じられないように銀盤を見る

 

「気持ちはわかるけど他の人のステータスプレート?を見ると確かに才能が書いてあるんじゃない?」

「う〜ん。確かに信じがたいものではあるな。」

「えぇ。でも信じないと何も始まらないわよ?」

 

だよなぁ〜と思い俺はアーティファクトであるステータスプレートと呼ばれるものを見る

アーティファクトと呼ばれる現代じゃ再現できない強力な力を持った魔法の道具のこと。まだ神やその眷属達が地上にいた神代に創られたと言われているらしい。そのステータスプレートもその一つでな、複製するアーティファクトと一緒に、昔からこの世界に普及しているものとしては唯一のアーティファクトらしい。

まぁ試してみるか

 

俺がとりあえず針に指をさしプクと浮き上がった血を魔法陣に擦りつけた。すると、魔法陣が一瞬淡く輝くとプレートに文字が表示される

 

天王寺 宇宙 17歳 男 レベル:1

天職:英雄

筋力:???

体力:???

耐性:???

敏捷:???

魔力:???

魔耐:???

技能:剣術・能力複製・魔力変換・解析・血液凝固・※※※※※※・言語理解

 

魔力変換 魔力を生命力に変えることができる

 

「なんだこれ?」

「ハテナマークばっかりですねぇ〜。」

「ん?おかしいな。こんな表示一度も見たことはないんだが。もう一度やってくれないか?」

「別にいいですけど。」

「多分このままでしょうね。」

 

と会長と俺にはなんとなく予測はついていた

恐らく※マークに隠されているのは

身体能力変換だろう。

すなわちステータスが自分の意思で変えられることでありステータスを自分の意思で変えられるからだ

てか魔力変換が結構有能だな。

生命力を削らずに能力を使えるようになるって正直いうならばありがたい。

この世に生まれてからは未だにリライトの力は使ってないし

そしてもう一度やっても結局は俺のステータスは変わらないまま次の人になった

 

「ん。私も。」

 

と次は静流がやるらしい。同じようにステータスプレートを開くと

 

中津静流 16歳 女 レベル1

転職:暗殺者

筋力:50

体力:50

耐性:50

敏捷:300

魔力:200

魔耐:50

技能:暗殺術・魔力変換・体内工場・気配感知・気配遮断・言語理解

 

俺は静流のステータスを見た瞬間近くにいたルチアの手を一度有無を言わさずに握るけど……特に変わりはない

俺の手は汚染されることがなくちゃんと握れているし素手のまま触っていても平気だ。

 

「そ、ソラ?」

「ルチアの能力を確かめていただけなんだけど……ルチアの能力は発動してなさそうだな。恐らく能力なしかもう一つの超振動か?」

「……えっ?あっうん。」

「能力?」

「あ〜まぁこっち側の話。」

 

と俺は苦笑する。

これは俺たちしかわからないであろう会話だ。

ルチアの能力でみんなを怖がらせるわけにはいかないだろう

 

「あの。ソラ?」

「いいから。もうちょっとこのままで。」

 

だけど絶対に一人にしない。

月の時だって始めに死んだのはルチアだった。

孤独。それがルチアにとって一番の嫌なものであることは確かだ。

だから此花ルチアという少女とあった時から決まっている。

俺と静流は絶対に隣にいる。だから一人じゃないって。

言葉にしなくても伝わったのかルチアは顔を真っ赤にしていたがコクリと頷く。

 

「……むぅ。」

「……どうした静流?」

「ん。」

「……ルチアじゃなくて俺?」

 

すると頷く静流。会話が少ないが言いたいことはわかっている

 

「はいはい。」

「♪〜。」

 

もう片方の手を繋ぐと静流は嬉しそうに鼻歌を歌いだす。

えっと確か恋文だったか?懐かしいなと少し俺もルチアも聞きいっている

 

「本当に仲がいいんだね。」

「そりゃ何回も同じ組織にいたわけだからな。」

「……そっか。」

 

小鳥の言葉に軽く苦笑してしまう。

 

「そういや。小鳥さんや。ステータスはどうなった?」

「えっとね。……う〜ん。私とちーちゃんは魔物使いだってさ。」

「……朱音さんは?」

「統率者だって?」

 

なるほどなぁ。なんというか

 

「……面白みがないな。」

「そだね〜。多分委員長が面白いステータスを見せてくれると思うよ。」

「いやマジレスするけどどうせ剣士だろ?てか魔物使いって魔力変換は。」

「うん。ついているから大丈夫。」

「ならいいけど。」

 

と少し原理は違うけどガイアとガーディアンに戻ったんだな

 

「とりあえずルチア。って悪い手を繋いでいたままだったな。」

「えっ?あっ。」

「とりあえずステータスプレート作ろうぜ。身分証明書は大事だし。」

「あ、あぁ。」

 

とルチアも同じようにステータスプレートを作りだす。

そしてルチアのステータスを見た瞬間全員がそのステータスを二度見することになった

 

此花 ルチア 17歳 女性 レベル1

天職 お嫁さん

筋力:100

体力:100

耐性:50

敏捷:300

魔力:100

魔耐:50

技能:剣術・超振動・魔力変換・家事・言語理解

 

「「「……」」」

 

ルチアが顔を真っ赤にしてこっちをチラチラと見てくる。

……まぁそういえばそうだよなぁ

 

「……ルチアと小鳥、静流は家事ができるからなぁ。」

「「うっ!」」

「てか委員長が家事にのめり混んでいるのは多分ソラ君のためでしょ?」

「……悪かったな。家事ができなくて!!」

 

俺とガイア組がバツの悪そうな顔をしている。

ついでに能力の関係上俺も家事に関しては壊滅的である。

料理くらいは基礎的なものを作れるくらいで他はダメダメなのだ。

 

「……そういう意味で言ったんじゃないんだけどな。」

「……」

 

知っている、そんなことは俺も分かっている

それでも俺には時間がないから気づかないふりをするんだ。

すると何かに気づいたのだろう。小鳥が悲しそうな視線で見てくる

さすが幼馴染だ。もう俺の異変に気付き始めている

 

……もう近いの?

 

そう言いたげに。

俺はそれでも笑って目線で対応する

 

まだ大丈夫

 

っと。笑顔で

そうしながらも俺は笑顔で輪の中に入る。

そんな笑顔もあと何回笑えるのだろうと思いながら

 



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