レインの兄はシスコン力で世界最強になる (深淵の覇者)
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Dゲーム開始

その日、俺はいつも通りに学校へ行って家に帰るといういつも通りの事をするはずだった。この一通のゲームへの招待メールが来るまでは……

 

 

 

●●●●●●●●

俺は朝いつも通りにイヤホンをしながら学校へ来て、教室に入ると友達の須藤要(スドウカナメ)からおはようと言われたのでイヤホンを外し、挨拶を返すと

 

要「なあ、(スノウ)今日の朝さ、こんなメールが来てたんだよ。なにかわかるか?」

 

と言われていたが、俺は驚いていた。

 

雪「要も来ていたのか、そのメール。」

 

俺たちがそう話していると茶髪の男子とちょっと太り気味の男子が入ってきた。

 

浩之「よう、どうしたんだよ携帯なんか見せあってよ。」

 

ヨウタ「なんだよなんだよ、2人でなんの話ししてんだよ?」

 

茶髪の方の彼の名前は京田浩之(キョウダヒロユキ)。最近高額のバイトを見つけてバイクを買ったようだ。

 

少し太り気味の方は篠塚ヨウタ(シノヅカヨウタ)。見た目はあれだが根は良い奴だ。

 

雪「なあ、お前これのことなんか知らないか?へんなURL付きのメールがクラスメイトの慎二のやつから送られて来たんだけど。」

 

そう俺が言ってみせると急に京田が

 

浩之「なっ!?慎二のやつから来たのか、そのメールは!要もか?」

 

要「あ、ああそうだが、どうかしたのか?」

 

要が肯定すると京田は「マジかよ…」と言うと

 

京田「お前ら、そのゲームは絶対にやるな。」

 

そうやってマジ顔で言ってくるので俺はそのままメールを消したのだが要が

 

要「なんだよ、普通のゲームじゃねえか。」

 

はっとして俺と京田が要を見るとゲームをインストールしていた。

 

そしてスタートを押してしまった。

 

要「はっ?蛇!?」

 

そう言った次の瞬間要がぶっ倒れたのでちょうど担任の先生が来たので要を保健室に運んでくると言って俺と京田と篠塚は要を保健室まで運んだ。

 

 

 

 

 

 

●●●●●●

要は昼頃に目を覚ました。その時に篠塚には内緒で要と京田を放課後一緒に帰ろうと言っておいた。そして、今放課後だ。

 

京田「それで、どうしたんだわざわざ篠塚を引き離して。」

 

その質問にスノウは

 

雪「誤魔化すなよ。お前このゲームについてなにか知ってるだろ。」

 

スノウが少し強めの口調でそう言うと

 

京田「悪いなこのゲームをやっていない奴には言えない決まりなんだ。」

 

その言葉にスノウはなんで、と言うと

 

京田「無関係な者に話すと話した者は死ぬ。」

 

雪「どういう『ピロリン♪』ん?」

 

話していると要の携帯から通知音が出たので全員で見てみると

 

『バンダ君から対戦を申し込まれました。ゲーム開始まであと30秒』

 

要「なんだこれ?勝手に始まるのかよ。まだ俺ルールすら知らないのに。」

 

京田「要、俺は武器を取ってくるから少しだけ耐えていてくれよ。(スノウ)は要のことを護ってくれ。相手は恐らくステルスの異能(シギル)使いだ、気をつけろよ!」

 

それだけ言うと京田は全力で走っていった。

 

要「お、ゲームが始まったらしいけど、ここからどうすればいいんだ?」

 

雪「おい、要あれを見ろよ。」

 

俺はこちらへと歩いてきているバンダ君を指さして言った。

 

要「おいおい、なんでこんな所にバンダ君がいるんだよ。それもあれはナイフじゃないのか?」

 

俺は一目見てあれはヤバいと思い直ぐに要の腕を掴んで走り出した。

 

要「やばいぞ、アイツも走り出した!」

 

雪「要、取り敢えず警察に行くぞ!」

 

俺の言葉に要は頷くと、とにかく交番がある方へと全力で走り出した。そして、3分くらい走り続けると交番が見えてきたので、要には交番にいる警官を呼んできてもらい、俺はバンダ君と対峙した。

 

雪「おい、テメエ一体何者なんだ?」

 

俺がそう問いかけるも無視してナイフを突き出してきた。

 

雪「へえ、これは俺の事は殺す気満々ってか。」

 

バンダ君「邪魔をするなガキ、死にたくなければさっさと退け。」

 

バンダ君が初めて喋ったことに驚きつつも俺は答えた。

 

雪「悪いな、死ぬ気もないが退ける気もない。なぜなら友達が警官を呼びに行ってるからな。時間は稼がせてもらう!」

 

俺はそう言うと、取り敢えずナイフをどうにかするために腕を狙ったのだが、直前で避けられると同時に相手の姿が消えた。

 

雪「はっ?どこに行っ…後ろか!」

 

後ろに気配を感じた俺は前転をして回避した。すると虚空からバンダ君が出てくると

 

バンダ君「なぜ、わかった?見えているのか。」

 

雪「いや、もちろん見えている訳じゃあない。まあ、言うなれば勘だな。」

 

そこでバンダ君は何かに気づいたようだ。

 

バンダ君「もしや、貴様高校の剣道の全国大会で個人優勝をしたという柏木雪か!」

 

雪「へえ、よく知ってんな。で、どうする?降参か?」

 

俺がそう言うと

 

バンダ君「まさか。」

 

そう話していると後ろから

 

警官「おい、君たち何をしている!そこの着ぐるみ、速やかにナイフを地面に置きなさい。」

 

そう言い終わった瞬間に警官は首を切られていた。

 

どうやら透明化の異能(シギル)だったかを使ったのか。

 

そして、こちらではなく要を標的にして、ナイフを振り下ろそうとした瞬間バンダ君の肩にはボウガンの矢が刺さっていた。

 

京田「はっ!ざまぁ見やがれこのクソッタレの初心者狩り野郎!」

 

そう、そこには京田の姿があった。

 

雪「京田!」

 

俺が呼ぶと

 

京田「大丈夫か!?怪我は!」

 

雪「いや、とりあえず戦ってみたがど素人だったからな。」

 

俺の言葉に透明化してこなかったのかと聞いてきたがもちろんしてきたと答えた。

 

京田「どうやって見破ったんだ?」

 

雪「いや、姿隠せても気配隠せないんなら意味ないだろ。」

 

俺がそう言ってると

 

京田「身体スペックがチートだ…がはっ!」

 

京田が喋ってると急に血を吐いたのでどうしたのかと聞こうとしたら京田の後ろに気配を感じた次の瞬間、バンダ君が姿を表した。

 

バンダ君「よくもガキの分際でやってくれたな!」

 

京田「くそっ!」

 

京田は気合いを入れるとバンダ君を吹っ飛ばした。

しかし、傷は浅くはなく膝を着いてしまう。

 

雪「京田、大丈夫か!?」

 

要「京田!」

 

俺たちが駆け寄ってくるが京田は

 

京田「俺のことはいい、さっさと逃げろ。あと、スノウお前も一応Dゲームをインストールしておけ。」

 

そう言うと京田は少し携帯をいじると俺の携帯にメールが来た。そこには

 

『京田さんからダーウィンズゲームへの招待が来ました。

一緒に楽しく遊びましょう♪』

 

その文面の下にはURLがあった。

 

雪「わかった、インストールは後で必ずするからまずは安全な所に移動するぞ。」

 

そう言って俺は要に目配せすると要も頷いてきて同時に京田の腕を片方ずつ肩に回すと少しずつ、しかし出来るだけ急いでこの場を離れた。

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●

しばらく歩くと公園があり築山(つきやま)があったのでそこの中に京田を寝かせると、俺は《ダーウィンズゲーム》をURLからインストールした。そして、スタートを押した瞬間画面から蛇が出てきて俺の首筋に噛み付くと消えていった。

 

雪「くっ、これが蛇か。」

 

そして、次の瞬間俺の頭の中になにかが流れ込んできた。

それはまるで瞬間移動の仕方のようにも感じたが違う。これは物凄いスピードで走れる?

 

そして、携帯の画面を見るとプロフィールがあり、そこを見ると名前と戦績とポイント、そして異能(シギル)が書いてあった。

 

京田「スノウ、お前の異能(シギル)はなんだった?」

 

雪「俺の能力は『神速(スピードスター)』と『切断(コンプリートスラッシュ)』だ。」

 

俺がそう言うと京田はめちゃめちゃ驚いた。

 

京田「なんで異能(シギル)を2つも持ってんだよ!それも相性抜群のを…」

 

どうやらシギルは普通1人にひとつらしい。だがあるものは利用するだけだ。

 

要「なぁ、俺のシギルが『解析不能』ってなってんだけど。」

 

京田「はあ!?」

 

京田は素っ頓狂な声を上げると小声でなにか呟いていたがよく聞こえなかった。すると京田は携帯を少しいじるとどこからか日本刀を取り出した。

 

京田「スノウこれを使え。お前のシギルと元の実力があればあんなサイコ野郎は倒せるはずだ、頼んだぞ。」

 

そして、それを受け取ると俺は意識を集中した。しばらくするとバンダ君が公園に入ってきた。

 

バンダ君「あれ?彼はどこへ行ったのかな?君にはハッキリ言って用がないんだけど。」

 

雪「はっ。そう言ってもお前初心者狩りのビビりだろう?それなら結局俺の所にも来るんだろう?なら今殺す。」

 

俺がそう言って集中するとバンダ君は「なら、やってみろよガキ!」と言うと透明化したがハッキリ言って見え見えだった。まずは奴のいる場所が地味にブレてるんだよな。そして、殺気を全く隠せていない。ならやることは1つ。

 

雪「はああああ!」

 

気合い一閃バンダ君の頭と胴体が切り離された。すると、奴は四角いいくつものブロックに囲まれると消えていった。

 

雪(そうだ、京田の奴を病院に連れてかねぇとな。)

 

俺はそう思って要の所へと戻ったのだがそこにあったのは人型アートだった。

 

要「すまねぇ、京田は目の前で死んじまったよ。俺は何も出来なかった。」

 

雪「いや、お前のせいじゃない。そもそも俺が交番の時点で躊躇い無く無力化すればよかったんだ。」

 

その言葉に要は

 

要「いや、そんなことをしてたら今度はお前が警察に捕まってたかもしれない。」

 

そう言うと要はとりあえず今日はもう帰ろう。そして明日また学校で会おうと行って家へと帰っていった。



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始まり

あの後、カナメと別れて家に帰ってきた。

 

雪「ただいま。」

 

そう言って家の中に入るとそこには妖精さんのように可愛らしい女の子がいた。そう、俺の妹の柏木鈴音(カシワギレイン)だ。

 

レイン「おかえりなさい、兄さん。どうしたんですか、なにか疲れたような顔をしていますが。」

 

雪「ただいま、レイン。確かに疲れてたけどレインに会ったら一気に吹き飛んだよ。」

 

そう言って頭をぽんぽんすると

 

レイン「はいはい、兄さんのシスコンはいいですからご飯を食べましょう?」

 

俺とレインの両親は仕事の都合で長期の出張が多く家にいない時が多いため夕飯などは2人で食べる事が多い。

 

レイン「そうだ、あと兄さん。後でお話がありますのでご飯を食べ終わったら私の部屋に来てください。」

 

そう言われた瞬間俺の目はキラッと光った。

 

雪「なっ、まさかレインから部屋に来て欲しいと言われるなんて!遂にレインもブラコンに目覚めたのか!?」

 

俺がそう言うとレインはそんなわけないでしょうと言いながらご飯の準備を始めたので俺も手伝った。

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●●

30分後夕飯を食べ終わった俺はレインの部屋に来ていた。

 

レイン「単刀直入に聞きます、兄さん。」

 

その言葉にいいぞと言うとレインは驚きの言葉を発した。

 

レイン「兄さんはなぜダーウィンズゲームを始めたのですか?」

 

そう、レインが絶対に知っていてはいけない言葉『ダーウィンズゲーム』だ。

 

雪「レイン、なぜダーウィンズゲームという名前を知ってる?答えて貰おうか。」

 

俺がそう言うと分かっていたかのようにレインはさらっと理由を言い放った。

 

レイン「私の場合は友達から招待メールが来まして、それを押したら蛇に噛まれたからです。」

 

そう言うと次は兄さんの番ですと言ってきたので

 

雪「俺も友達から招待メールが来たからだが最初は消した。」

 

レイン「ならどうやって兄さんはアプリをダウンロードしたのですか?あれは招待されないと絶対にインストール出来ないはずです。」

 

雪「友達を助ける為に招待メールを別の友達に送ってもらったんだ。」

 

その言葉に、レインは嘘は言っていないと判断したようで分かりましたと一言言うと

 

レイン「では、兄さんはこのゲームについてどの程度知っていますか?」

 

雪「そうだな、実際俺を招待した友達は直ぐに死んじまったからそこまでは知らないがただ1つだけ分かるのは、『殺らなければ殺られる』ということだけだ。それと異能、シギルについてだな。普通は一人ひとつのようだが俺は偶然にも2つのシギルを持っているらしい。」

 

俺がそう言った瞬間レインは座っていた椅子をガタッと音をさせると俺の肩を掴んで聞いてきた。

 

レイン「それはどういうことですか、兄さん!シギルは一人ひとつのはず。」

 

雪「いや、それは俺の方が聞きたいけどまあ、俺にピッタリのシギルではあるな。」

 

そう言うと、どのような?と聞いてきたので聞かせてあげた。

 

雪「俺の能力は『神速(スピードスター)』と『切断(コンプリートスラッシュ)』だ。そして、神速(スピードスター)の能力は俺の素早さが光速を超えることも出来るようだ。それと副産物として反射神経が通常の300倍までは上げることが出来るらしい。」

 

そこまで言うとレインは

 

レイン「はぁ、とんだチート能力ですね。それでもうひとつの方は?」

 

雪「切断(コンプリートスラッシュ)は、簡単に言うと何でも切れるようになる。多分自分の視界内なら意識するだけで切断する事も出来ると思う。」

 

レイン「兄さん、とりあえず言っておきますね。多分兄さんはこのゲームに慣れてしまえばトップランカーまで行けますよ。間違いなくその能力と兄さんの身体能力なら3位までは狙えると思います。そもそも、そのシギル2個持ちの時点で反則級の強さですからね。」

 

まあ、普通は2個なんて持ってないからだろうな。そして、レインはもうひとつ聞いてきた。

 

レイン「ちなみに、その2つのシギルの同時発動は出来るのですか?」

 

雪「うーん、それは試してみないと分からないかな。でも試せる場所も無いし実戦でいきなりと言うのもなぁ。」

 

そう言うとレインが

 

レイン「では、使える場所があればいいのですね?」

 

どういうことかと聞くと

 

レイン「夜中の公園なら誰も居ないでしょう。それに、広さも申し分ありませんから。」

 

では行きましょうと言うと

 

レイン「着替えるので出ていってください。」

 

雪「手伝おうか? 」

 

平手打ちを食らった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●

俺たちは2人きりで夜の公園に来ていた。

 

レイン「では、そろそろ実験を始めましょうか。」

 

そう言うとレインは近くのベンチに座った。

 

雪「それじゃあ、まずは『神速』からか。」

 

レイン「はい、ではまずは全力で走ってみてください。」

 

雪「わかった。」

 

そう一言言うと俺は全力で走った。

 

レイン「ラプラス。」

 

そう呟くと速さを計算した。その結果…

 

レイン「兄さん、間違いなく今兄さんは光速を超えてましたよ。私のラプラスが無ければ恐らく見えて無かったでしょう。」

 

俺はレインの声を聞きながらもシギルを全力で使ったからか全身がだるかった。そんな俺の様子を見るとレインは

 

レイン「では、『切断』は明日の夜またやりましょう。」

 

そう言うとレインは家へと歩いて行ったので俺は呼び止めた。

 

雪「ちょっと待ってくれ。」

 

レイン「なんですか?」

 

雪「いや、手を握ってもらってもいいかな?」

 

レイン「なぜです?」

 

雪「元気が出るから。」

 

俺がそう言うとレインはなら頑張ってください、と言って歩いていったので俺は

 

雪「待って!せめて指先だけでも!」

 

そう言ったもののレインは無視して歩いていってしまったため俺も仕方なく歩いて帰った。



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渋谷デート

今日俺とレインは渋谷のショッピングモールに来ていた。Dゲームのイベントが渋谷で『宝探しゲーム』なるものが行われるらしいのでそのイベント会場である渋谷に下見に来たのである。

 

レイン「それではとりあえずはこのショッピングモールから見ていきましょうか。こういう大きな場所は大抵宝が置かれたりしますので。」

 

レインはそう言うと店を物色したり建物内の構造を調べたりしていた。

 

スノウ「いや~それにしてもこれだとまるでデートみたいだなぁ。」

 

俺がそう言った瞬間レインは足を止めると

 

レイン「まったく妄言はいいですから兄さんも何か欲しいものがあれば買ってきてもいいですよ。私は一人でも平気ですので。」

 

スノウ「そっか、じゃあお言葉に甘えて行くとするか。」

 

俺がそう言うとレインは少し寂しそうな雰囲気を出しつつも分かりました、と言うとまた歩き出そうとしたので俺が腕を掴むとびっくりしていた。

 

レイン「な、なんですか?買い物に行ってくるんでしょう、なら早く言ってきてください。」

 

スノウ「何を言ってるんだレイン。俺が買うのはお前の服だぞ。お前がいないとダメだろう?」

 

レイン「へっ?いえ、私の服はいいのです。今のがありますので。」

 

スノウ「何を言ってるんだ、自分の妹を可愛くしたいのは当たり前だろう。こんなに素材がいいのにそんなオシャレっ気のない服じゃあな。なので俺がコーディネートしてやるよ。」

 

そう言うと俺はレインを引っ張って服屋へと歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●

あれから、数時間レインの服を数種類俺は買い込んだ。

 

スノウ「いや~買った買った。レインの可愛い服を着た可愛いレインも見れたし最高だったな。」

 

俺がそう言ってるとレインは疲れた様子で

 

レイン「はぁ、まったく人の事を着せ替え人形にするのはやめて欲しいですね。それに、服を選ぶのが速いのか遅いのか…」

 

スノウ「レインが可愛いいんだから仕方ないだろ。」

 

俺がキッパリと常識のように言い切ると

 

レイン「な、なにを言ってるんですか!そんなことよりも見てみたいところはまだまだあるんですから家に帰る前に色んな場所を見ておきますよ。」

 

そう言うとレインは次の場所に向けて歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●

あの後俺たちは公園とか色んな場所を見て回ったら渋谷駅に行くと軽く中を散策したあとに電車に乗って家に帰ることになった。

 

スノウ「それにしても明日か、開始は。」

 

俺がふとそんな事を呟くと

 

レイン「そうですね。ですが必要な準備は済ませましたので後はゆっくり休んで備えるだけです。」

 

スノウ「冷静なんだな、レインは。俺は冷静じゃいられないよ。」

 

俺がそう言うと

 

レイン「なぜです?兄さんの能力なら怖いものなんてそうそう無いでしょう。」

 

レインがそう言うのだが俺はやんわりと否定した。

 

スノウ「違うよ、レインのことが心配なんだ。可愛い妹が知らない所で殺されそうになってるかもと思うとな。」

 

俺がそう言うとレインは静かに大丈夫ですよ、と言った。その言葉になぜなのか聞くと

 

レイン「もし仮に私が殺されそうになっていたとしても必ず兄さんが助けてくれるのでしょう?」

 

スノウ「ああ、もちろんだ!むしろそんな事になってたら皆殺しにしちまうかもな。」

 

俺の言葉にレインはでしょう、と返すと

 

レイン「だから私は大丈夫ですよ。」

 

その言葉に頷くと俺は明日の事を考えることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●

その日の夜また俺たちは昨日の公園に来ていた。その目的はもちろん俺のもう1つの異能である『切断』を試すためだ。

 

スノウ「それで今回の切断はどうやって試すんだ?」

 

俺がそう聞くとレインは

 

レイン「それは、今買ったこの金属製の鎧で試します。」

 

そう言うとレインの足元に鎧が現れた。

 

スノウ「なるほどな、金属製の鎧なら試し斬りにはちょうどいいか。」

 

俺がそう言うとレインは

 

レイン「では、まずはこの鎧を切ってみて下さい。」

 

スノウ「分かった。」

 

そう言って集中して、鎧を切るという意識を瞬間鎧は真っ二つになっていた。

 

レイン「これは凄まじいですね。まさかここまでの切断力だとは。では次はこの10枚の金属板を切ってみてください。」

 

スノウ「分かった、それじゃあいくぞ。」

 

そうして、意識をした瞬間10枚の金属板は同時に真っ二つになった。

 

すると次は50枚の金属板を出すしたので同じように切った。

 

スノウ「意外といけるもんだな。」

 

レイン「兄さん、なにか疲労感とかはないんですか?」

 

スノウ「いや、全然ないな。」

 

俺がそう言うとレインはではこれなら、と言うと1000枚の紙を出した。

 

スノウ「あの、さすがにこれは無理じゃないかな?」

 

レイン「とりあえずやってみて下さい。」

 

その有無を言わさない強い口調に逆らえる訳もなくとりあえず集中してみた。

 

すると

 

レイン「本当に1000枚の紙を同時に切れるとは…」

 

スノウ「うーん、さすがに少し疲れてきたかな。」

 

俺がそう言うとレインは

 

レイン「それでは今日はここまでにしておきましょう。とりあえず兄さんはあの金属製の鎧を切れて、1000枚なら確実に同時に切れることが分かったのでよかったのではないですか?」

 

その言葉に俺はそうだなと同意した。

 

スノウ「それじゃあ、とりあえず帰るか。」

 

俺はそう言ってレインの手を掴もうとするが

 

レイン「手は繋ぎませんよ。」

 

そう言うと先に歩いていってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●

次の日、俺はカナメに会うためにカナメの家に来ていた。

だが家の近くまで来たのはいいがどこからか視線を感じたので目線だけで周りをゆっくりと見てみると1台の車があってその中に乗っている人物が放っていたようだが俺がそっちを見るとサッと手元に視線を逸らした。とりあえずは先にカナメに会うのが先決だと思ったので迷わずカナメの部屋まで行ってチャイムを押したがカナメはなかなか出て来ないのでドアを少し引いたが鍵がかかっているようで動かなかった。

 

スノウ「おかしいな、まだこんな時間なのに居ないなんて。」

 

今の時間は午前10:00前だ普通ならまだ家にいてもいい頃だ。コンビニにでも行っているのかと思ったので少し待つことにした。

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●

あれから1時間が経過したが全く帰ってこないのでおかしいと思ったのでとりあえず家に戻ることにした。だがその道中カナメから救援メッセージが届いた。

 

スノウ「はっ!?まさか昨日みたいにまた知らない奴に挑まれたのか?それなら早く助けに行かないと!?」

 

そう思ったので直ぐにカナメのGPSを見ると渋谷にいることが分かったので直ぐに駅に向かうことを考えたがそんな時間はないと思ったのでシギルの能力を使うことで移動することを選んだ。

 

スノウ「確かレインはシギルを使わなければ見えなかったと言っていたな。それなら誰にも見られずに行けるかもしれない……」

 

そう考えていたが監視カメラの存在を思い出したので監視カメラが無いような裏道を進むことを選んだ。

 

 

 

 

 

 

●●●●●●

カナメからの救援メッセージが来てから30分で渋谷まで来たのでもう一度カナメの位置を衛生カメラで見ると路地裏であることが分かったので向かうとカナメの周りには知らない人間が2人居たのでとりあえずカナメと向かい合ってる方を牽制する事にした。

 

スノウ「おい、俺の友達(ダチ)に何しようとしてくれてんだ?」

 

俺がいきなり現れると全員が驚いていたが俺は全てを無視した。

 

カナメ「スノウ!?本当に来てくれるとは思わなかったよ、でも、もう大丈夫だ相手も戦うのをやめてくれたみたいだから。」

 

スノウ「そうなのか?なら良かったが、本当か?」

 

俺がもう1人の男に向かって聞くと

 

イヌカイ「ああ、もちろんだ。」

 

俺はその言葉に頷くと後ろに振り返ると少女の方にも聞いた。

 

スノウ「あんたはカナメの仲間かなにかか?」

 

俺がそう聞くと少女は

 

シュカ「もちろんだにゃー、今は協力関係にある感じ。(それにしてもさっきは一体どこから現れたの?全く気配がしなかった。)」

 

スノウ「そっか、あー疲れた!都内から渋谷まで全力疾走はマジで堪えるなー。」

 

俺がそう言って座り込むとカナメが

 

カナメ「ていうかお前どうやってあの短時間で来てくれたんだ?都内からだとどう頑張ったって1時間はかかるだろう。」

 

スノウ「まあ、そこはあれだ。シギルのフル活用だな。おかげで疲労感は半端ないが。」

 

俺がそう言うとカナメは

 

カナメ「そっか、そりゃあ悪かったな。でもありがとな、助けに来てくれて。」

 

カナメのその言葉に俺は

 

スノウ「当然だろ?友達がどこの誰ともしれない奴に殺されて溜まるか。」

 

俺がそう言っていると少女が話しかけてきた。

 

シュカ「ちょっといいかな?私はシュカっていうんだけどね、君はカナメの友達なんだよね?」

 

俺はその言葉に頷いた。

 

シュカ「なら、君もカナメのクランに入らない?」

 

スノウ「クラン?それはゲームで言うクランか?」

 

俺の問にシュカは頷いた。

 

シュカ「そして、クランがあるとねこれからの戦いはかなり便利になってくるよ。」

 

俺はその誘いはいいものだと思ったが俺にはレインがいるから無理だと言った。

 

カナメ「レインって妹のことか?」

 

俺の言ったレインという単語にシュカが

 

シュカ「待って。レインってあの情報屋の?」

 

スノウ「情報屋ってのは?」

 

シュカ「そのままよ。お金を出せばどんな情報でもくれるの。例えばあなたの現在地とか住所とかいろいろね。」

 

シュカに聞いた話しとレインの部屋にあった機材を考えると確かにレインが情報屋である可能性は高いな。まあそれでも俺の可愛い妹であることに変わりはないが。

 

スノウ「それなら多分そうかもしれない。」

 

俺のその回答にシュカはなにやら覚悟を決めたようだった。

 

シュカ「それなら尚更あなたには私たちのクランに入ってもらわないといけなくなったわ。」

 

その言葉になぜ?と聞いた。

 

シュカ「当然でしょう?あなたが情報屋の兄だというのなら妹からなんでも教えて貰える可能性がある。それは私たちの命にも関わってくるんだから。だからもしも仲間になってくれないのならここで殺すしかない。」

 

そう言われても俺の答えは変わらなかった。

 

スノウ「そう言われても俺はレインと敵対するのだけは嫌なんでな、レインに聞いてからじゃないと…」

 

俺が分からないと言う前にシュカはもういいと言った。

 

シュカ「仲間になるかも分からない人を逃がす訳にはいかない。だからここで殺す。イヌカイ、あんたも手伝いなさい。」

 

シュカにそう言われるとイヌカイは頭を掻きながら。

 

イヌカイ「まあ、確かにこれに関してはあんたに賛成だな。」

 

そう言うと2人は構えた。

 

がそこに止める声も出た。

 

カナメ「おい!ちょっと待ってくれよシュカ。いくらなんでも考える時間も無しに殺すなんて!」

 

カナメはそう言ったがシュカはそれを黙殺し、イヌカイは無視した。

 

そして、シュカは鎖を放ち、イヌカイは高速で接近してきた。そしてその攻撃は届くと思った寸前で空ぶった。

 

スノウ「そうか、お前たちは俺の敵だな?なら容赦はしない。」

 

そう言うと俺は空中で携帯を操作するとポイントでこの前京田が俺に渡した剣を家から取り寄せた。そして空中で刀をキャッチすると壁を蹴ってまずはシュカの鎖を断ち切った。

 

シュカ「うそ!?そんな刀で切れるはずが…」

 

最後まで言い終わる前に空中で回し蹴りを食らわせるとそのまま壁に激突すると気を失ったのでそれ以上は追撃をせずにイヌカイの方へと壁を何度も蹴って接近するとイヌカイはかなり驚いていた。

 

イヌカイ「うそだろ!?俺のシギルよりもはy」

 

最後まで言わせずに俺は横っ腹を蹴ると吹っ飛んで行ったので追うとそのまま喉元に刀の切っ先を突きつけた。

 

イヌカイ「降参だ、アンタには敵わねえよ。」

 

そう言って両手を上げたので俺は刀を納めた。

するとカナメが

 

カナメ「ありがとな、シュカのことを殺さないでくれて。」

 

その言葉に俺は

 

スノウ「いいさ、俺を殺そうとしたとはいえお前の仲間なんだろ?なら殺すまではしないよ。それにこれで俺はいつでもこいつを殺せるって分かっただろうし。おい、起きろ。」

 

俺はそう言うとシュカの頬を叩くと

 

シュカ「う、ん。」

 

スノウ「これで諦めはついたか?」

 

俺がそう聞くと

 

シュカ「はあ、仕方ないわね。私じゃ到底敵いそうもないし、それに殺そうと思えば殺せたでしょ?」

 

スノウ「まあな。それにどっちにしろカナメと敵対する気はないしな。カナメがレインのことを狙ったりしなければ。」

 

俺がそう言ってカナメのことを見ると

 

カナメ「いやいやいや、お前の妹を狙うなんてするわけねぇだろ!」

 

スノウ「そうかならいい。」

 

そうやって俺たちが話をしてるとイヌカイが

 

イヌカイ「なあ、あんたにもこのメールって来てないか?」

 

なんの事かと思い見ると画面にはシブヤ宝探しゲームと書かれていた。

 

スノウ「いや、どうだろうな。カナメから救援メッセージが来て直ぐに渋谷に向かったからそこまでは見てないな。」

 

俺は携帯を出してダーウィンズゲームのアプリを開くとメールが1件来ていたので開いて見るとイヌカイと同じような事が書かれていた。

 

スノウ「来てたぞ。」

 

俺がそう言うとシュカとカナメも来ていると言った。

 

シュカ「ねえ、提案があるんだけど宝探しゲームの時には共闘しない?私たちのクランに入るかどうかはともかく協力するぐらいならいいでしょ?」

 

その言葉に別にそれぐらいなら構わないと言って提案を呑んだ。

 

スノウ「それなら集合場所も決めた方がいいな。」

 

シュカ「それならなるべく目印になるものの方がいいから、全員から1番近くてわかりやすいところにしよっか。」

 

シュカがそう言った瞬間―――――転送が始まった。



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渋谷宝探しゲーム開始

シュカが喋り終わった瞬間俺たちの体は転送された。

 

スノウ「それじゃあ、ついたらr」

 

俺が喋ってる途中で転送は終了した。今の現在地を確認するためにスマホを出すと変なアプリが2つあることに気づいたのでダーウィンズゲームのアプリを開いて見ると説明文が書かれていた。

 

『ジブヤの街に隠された宝を見つけ、一気に大量ポイントをゲットしよう!ゲームの制限時間は24時間!参加プレイヤーは300名。全員バトルロイヤルモードに設定されるから、もちろん攻撃OK!

ゲームに出現する「リング」はトパーズ、べリドット、ラピスラズリ、ルビー、サファイア、エメラルド、ダイヤモンドの7種類。「リング」はゲーム終了後、それぞれ以下のポイントと交換されます。順に100pt,150pt,300pt,500pt,800pt,1200pt,2000pt。

もし、ゲームがクリア出来ずに制限時間が過ぎた場合、「リング」の所有数が3個未満のプレイヤーはゲームオーバーです。

「リング」は、地図と新機能「異次元カメラ」を使って探そう!イベントエリア内ではプレイヤーサーチは無効化されます。またイベント期間中にイベントエリア外に出た場合ゲームオーバーです。

さあ、みんなで仲良く楽しく宝探しをしよう!』

 

スノウ「仲良くって……ないな。」

 

俺は説明文を見終わって直ぐにそう思った。だって絶対にリングが人数分配られるとは思わないから。

そう思ってると携帯にメールが来たので見てみた。

 

『渋谷全域にリングが300個配られたよ!』

 

これからどうするかを考えていたのだがとりあえず新アプリである異次元カメラを開いてみた。

すると

 

スノウ「え、廃墟なのかこれは?」

 

俺が画面越しに見た渋谷はところどころ瓦礫が崩れており廃墟にしか見えなかった。だが現実には何も変わってないことからただの背景だろうと思うと廃墟のなかで光ってる所があるのでそこを探すとリングが出てきた。

 

スノウ「なるほどこれがリングでこのリングは……ルビーかつまり300ptのやつか。でもとりあえず念の為俺の分とレインの分は集めとくか。」

 

俺はそう思うとまずはレインにメールでどこにいるかを聞いたところ今は渋谷セントラルタワーにいるらしくそこには同じく転送されたカナメもいたので一緒に行動するようだ。それとタワーに閉じ込められたらしいので助けに来て欲しいとの事だった。

もちろんレインのことを助けないなんて選択肢はありえないのでレインにはリングを集めながら向かうと伝えた。

 

スノウ「さて、それじゃあ始めようか、宝探しを。」

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●

一方スノウが探索を開始した頃、ビルの屋上ではエイスの(ワン)と志道アカネが対峙していた。

 

 

ワン「おやぁ?なんだお前自殺志願者か?」

 

アカネ「そんなわけないでしょ。1番厄介な奴を潰すだけよ、燃えろ!」

 

アカネは直前に投げていた紙くずを媒体にしてワンの体を燃やして殺した―――――そう思った瞬間アカネはビルから落下していた。

 

 

 

 

 

 

●●●●●●

スノウは異次元カメラをちょくちょく見ながらリングを探しながら渋谷セントラルタワーに向かっていたのだが、途中でビルから落ちてくる影が見えたのでさすがに見殺しにするのは忍びないのでビルの壁を走りながらキャッチした。

 

スノウ「ちょっと黙って捕まってろよ、舌噛むから。」

 

アカネ「……っ!?」

 

スノウはそう言うと一気に加速すると隣のビルの間に入ると壁を交互に蹴りながら降りた。

 

スノウ「こんな所でいいか、俺はもう行く。」

 

アカネ「ちょっと待って!なんで私のことを助けたの?」

 

スノウ「ビルから落ちてくる女の子の影が見えたんでな一応助けただけだ。とりあえず急いでるから俺はもう行く。」

 

俺はそう言うと再びリング集めを再開した。

 

すると、次は少し行ったところに動くリングが4個くらいあったのでそこへ向かうとそこでは2vs4の構図で銃撃戦をしていたのでまずは4人の上の方へ近くの壁を走りながら行くと壁を蹴って一気にまずは1人の首を斬った。それでやっと気づいたようだ。

 

敵A「なんだこいつ!?いつの間に俺たちの後ろに回りやがったんだ!?」

 

そうやって叫んでるやつも一瞬で殺すと俺は向こう側にいるやつらにも聞こえるように言った。

 

スノウ「全員戦闘をやめろ。そして大人しく持ってるリングを渡せ。そうすれば命までは取りはしない。」

 

俺がそう言うと1人が俺に銃を向けると撃ってきたのでそいつの後ろに回り込むと一瞬で首を斬った。

 

スノウ「無駄だ俺に銃は効かない。もしもこれ以上従わない場合全員殺す。」

 

俺が威圧しながら言うと全員が銃を地面に置いて出てきた。そしてそのままリングを合計4つ置いたのでそれを拾った。

 

スノウ「ちゃんと全部だな。それじゃあさよなら。」

 

俺はそう言うと今度は一直線に渋谷セントラルタワーに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●

一方スノウが戦闘に乱入する前のレインとカナメは植物を使役するシギルを持つヒイラギイチローに苦戦していた。

レインは洗脳状態にされた銃を持った人間からラプラスを駆使して逃げていてその隙にカナメは壁伝いに下の階層へと降りていって現在カナメはヒイラギイチローとの戦いに勝利を収めていた。

 

ヒイラギイチローとの戦いから約1時間後にカナメは起きた。

 

カナメ「あれ?俺はアイツと戦って勝って………あれ、あの後の記憶が無い?」

 

すると部屋のドアが開くとレインが入ってきた。

 

レイン「どうやら目が覚めたようですね。無事なようで何よりです。」

 

そう言うとレインはカナメにあの後のことを話した。そして話し終わった頃にヒイラギイチローとフルアーマーの男が入ってきた。

 

ヒイラギイチロー「1階の出入口のバリケードは張り終わったよ。おや、目が覚めたようだな少年。」

 

カナメ「ヒイラギイチローさんか。それとあんたはフルアーマーの人か。」

 

リュージ「とりあえず自己紹介しとくが俺の名前はリュージだ。」

 

するとカナメはイチローとリュージに提案をした。

 

カナメ「なあ、あんた達に提案があるんだけどこの宝探しゲームの間だけ手を組まないか?」

 

ヒイラギイチロー「それはこのゲームの間の即席のクランということか。私は構わないが彼は……」

 

リュージ「悪いが俺はカナメ、あんた達となら別に構わないがこのオッサンだけは嫌だね。人の体を勝手に使いやがったんだからな。」

 

そう言うとリュージは部屋から出ていこうとしたがレインの一言で足を止めた。

 

レイン「そうですか、それだとこれからの戦いはかなりきつくなりそうですね。どうやらエイスのワンもこのゲームに参加しているらしいので。」

 

リュージ「おい、お前今『エイスのワン』っつたか!?」

 

突然の食いつきようにレインは驚きながらも頷いた。

 

リュージ「そうか、ならやっぱり俺もお前らに協力してやる!そのオッサンに体乗っ取られたことは今は水に流してやるよ。」

 

カナメ「なんで急に?」

 

カナメがそう聞くとリュージは自分の過去を語った。自分の弟がワンに殺されたことを。

 

カナメ「分かった、リュージのことは俺は信じるよ。ついでに顔を見せてもらえると有難いんだが。」

 

リュージ「ああ、確かにこれから仲間になるんだしな。別にいいぜ、ほら。」

 

そう言ってリュージは顔を見せるとカナメとレインが固まった。

その反応にリュージは?マークを浮かべた。

 

カナメ「あ、いや知り合いに似てたから。」

 

レイン「凶暴な面構えを想像していたので。」

 

そう言うとリュージは納得してくれた。

 

レイン「とりあえず私は兄に連絡しますね。」

 

そして、レインがスノウに27階の何号室に居ると教えると直ぐに行くと返ってきたのでそれを言うと

 

ヒイラギイチロー「そうか、ならばバリケードを解除しに行こう。」

 

レイン「いえ、どうやらその必要は無いようですよ。」

 

そう言いながらレインは異次元カメラで下を見ていたので全員が自分のカメラで下を見ると光がどんどん近づいてきていた。

 

カナメ「は?嘘でしょ…」

 

リュージ「………はっ!?」

 

イチロー「…………」

 

そして数秒後ガラス窓を割って1人の人間が入ってきたと思うとレインに抱きついた。

 

スノウ「会いたかったぞレイン!怪我は無いか?大丈夫か?お前の為にリングを6個も集めてきたぞ!」

 

レイン「分かりましたから離れてください、恥ずかしいでしょう。」

 

そう言いつつもレインも少し嬉しそうにしていたが一旦離れた。

 

スノウ「カナメも無事だったんだな。」

 

カナメ「ああ、当たり前だ。」

 

そう言っているとレインが咳払いをすると

 

レイン「兄さん、こちらは私たちの仲間になってくれることになったリュージさんとヒイラギイチローさんです。それとこちらが私の兄さんのカシワギスノウです。」

 

すると3人が同時に

 

スノウ、リュージ、イチロー「君(あんた)のシギルは?」

 

素晴らしいぐらいにハモった。

 

それぞれが自分のシギルを教えたあとにスノウはもうひとつカナメに言った。

 

スノウ「なあカナメ、あいつめっちゃ似てね?」

 

カナメ「ああ、俺も最初思った。」

 

レイン「2人ともまずは話を戻しましょうか。とりあえずはここの5人で敵を迎え討ちましょう。」

 

レインがそう言うとカナメが

 

カナメ「でもよ、ホントに来るのか?」

 

リュージ「ああ、絶対に来るね。あいつは強欲で傲慢なやつだからな。」

 

それと、と言うと

 

リュージ「報酬の配分はどうすんだ?」

 

レイン「ここにあるのは兄さんのを抜くと合計15個で3800ptあります。」

 

カナメ「なら、ヒイラギのおっさんには全額の半分をやる。残りは俺たち4人で分けるよ。」

 

その提案にイチローは

 

イチロー「私が言うのもなんだが本当にいいのかね?」

 

カナメ「ああ、ここのバリケードを張ってくれてるのはあんただし、それに娘のために大金が必要なんだろ?」

 

イチロー「ありがとう。」

 

そうして話しているとレインが画面を見ていたのでどうしたのか聞いて見ると

 

スノウ「レイン、どうかしたか?」

 

レイン「実はこのポイント表なのですがおかしいとは思いませんか?」

 

その言葉に全員が画面を見た。

 

カナメ、リュージ、スノウ「どこが?」

 

レイン「男性は宝石にはあまり興味が無いかもしれませんが、トパーズがラピスラズリよりも低いのはおかしいんです。」

 

リュージ「そんなの適当に決まってんだろ。」

 

レイン「それにこの説明文ちょっとおかしくないですか?特にこの『ゲームクリア出来ずに制限時間が過ぎた場合、リングの所有数が3個未満のプレイヤーはゲームオーバー』という一文なのですが。」

 

その言葉にカナメと、リュージはピンとこなかったが俺とイチローさんは気づいた。

 

イチロー「確かに、この説明文だとクリア条件が分からないな。」

 

スノウ「となるともしかしたらリングに何かしらのヒントがあったりするのかもな。」

 

俺がそう言うとレインがリングを調べるとリングの裏側にQRコードがあった。他のリングも見たが全てQRコードがあったので試しに異次元カメラで見たところ何桁かの数字が表示された。

 

レイン「これはほぼ間違いなくこのゲームをクリアする為の最初の鍵ですね。」

 

そしてレインが全てのQRコードを見ようとした瞬間カナメの携帯からメールの着信音がしたのでカナメが確認するとそこには信じられない現実があった。

 

『助けてカナメ』

 

カナメ「嘘だろ、おい。何かの冗談か何かだよな?」

 

レイン「いえ、カナメさんや私たちが救援メッセージを送るのには5ptしか使いませんが、A4クラスになると600ptを使いますから、冗談ではないでしょう。」

 

レインからメールが事実である可能性が高いと言われた瞬間カナメは動き出していた。

 

カナメ「すまねえヒイラギのオッサン、悪いが入口のバリケードを解除して通してくれねぇか。一刻も早くシュカを助けに行かねぇと!」

 

レイン「待ってください。今シュカさんの近くにいるのはA4クラスを倒せる実力を持った人間ということになります。1人で行くのは無謀です!」

 

カナメはそれでも助けに行くと言っていたので俺はついて行くことにした。

 

スノウ「なら俺も行く。」

 

俺がそう言うと続くようにリュージも行くと言ったので3人で行くことになった。

 

レイン「仕方ないですね、なら私は屋上から狙撃による援護をします。距離は大体数キロ程度なら問題ないです。ですがそれ以上の距離や地下などの場合援護は出来ませんので気をつけてください。」

 

カナメ「分かった。それじゃあ力を貸してくれスノウ、リュージ!」

 

その言葉に俺たちは頷くとシュカがいる地点へと移動を開始した。



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二重人格と無敗の女王

カナメと共にタワーを離れてから少しするとカナメの携帯のGPSが示すシュカの位置が近くなってきた。頭上からの狙撃を警戒するために建物を壁にするように向かっていたのだが不意に向こう側の影が揺らめいて見えた。

 

スノウ「待て、カナメ、リュージ。このまま進むのは危険だ。」

 

俺の言葉にカナメとリュージは警戒した。

 

カナメ「何かあったのか?」

 

リュージ「どうかしたか?」

 

スノウ「気の所為かもしれないが向こうのここから4本目の柱の影が動いたんだ。もしかしたら誰かいるかもしれん。」

 

俺がそう言うとカナメとリュージは警戒を強めた。リュージは銃口を柱の陰に向けると

 

リュージ「そこにいるやつは3秒以内に手を挙げて出てこい!じゃねえとここにいるコワーイお兄さんが殺しに行くかも知れねぇぜ!」

 

俺の事を指差しながら言うと

 

リュージ「さーん、にー、いーち、z」

 

ゼロと言うところで陰に隠れていた奴が出てきた。

 

そして出てくるのがまさか少女とは思わなかったので

 

スノウ、カナメ「え?」

 

俺とカナメは一瞬驚いたがすぐに刀を抜くと質問をした。

 

スノウ「お前は俺の敵か?」

 

殺意を消して尋ねると少女は怯えながらも

 

??「て、敵じゃないです!」

 

それを聞いてからリュージに目を向けると頷いてきたので次の質問をした。

 

スノウ「お前、ここら辺で赤いドレスのみたいなのを着ている少女を見なかったか?ついでに鎖も持ってたと思うな。」

 

俺がそう言うと少女は答えた。

 

??「み、見てないです。」

 

そしてリュージに目を向けると首を横に振った。

 

スノウ「OK、カナメお前はすぐにシュカを探せ。」

 

カナメ「えっ?」

 

カナメにそう言うと俺は次の言葉を発した。

 

スノウ「さて、最後の質問だ。お前はシュカと戦って倒したか?」

 

その質問に少女は

 

??「…い、いえ、戦ってません。」

 

スノウ「リュージ。」

 

リュージ「ビンゴだ。」

 

そして俺たちが問答している間にカナメはシュカの位置を特定出来たようだ。

 

カナメ「見つけた!けどこの位置はもしかして地下か!?」

 

そう言った瞬間少女は一気に駆け出した。そしてそれと同時に周りから敵が集まってきた。

 

リュージ「おい、待てこら!」

 

スノウ「リュージ、あの女の子は任せるぞ。カナメお前はシュカの所へ行け。俺はこいつらを片付ける。」

 

俺がそういうとカナメは

 

カナメ「でもこの数をお前一人じゃ」

 

スノウ「カナメ、シュカは今すぐにでも死んでしまうかもしれない状況なんだ。それとも助けられる確率を下げるか?」

 

カナメ「くっ、でも…」

 

スノウ「大丈夫だ。お前らの退路ぐらい確保してやる。だから安心して行ってこい。囚われのお姫様を助けに!」

 

俺がそこまで言うとカナメは意を決したようで地下への入口を見つけると入って行った。

 

そして同時に包囲も狭まって来て敵が目視出来る所まで来ていた。

 

スノウ「さて、カナメにあそこまで言ったんだ。悪いがお前らに恨みは無いが…」

 

 

 

死んでもらうぞ

 

 

 

そう言うと同時にシギル『神速』を発動させると同時に敵の1人を沈める。

 

スノウ「残り20と上に5か。」

 

後方にあるホテルの屋上をチラリと見ると銃口が見えたので上の5人は任せることにした。

 

スノウ「それじゃあさっさと終わらせるか。」

 

そう呟くと俺の姿は掻き消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●

その頃屋上から狙撃をしていたレインだけがスノウの事を見ていた。

 

レイン「全く本当に、自分に全く関係のない人には容赦がありませんね。」

 

そう呟きつつもレインは自分の役目を全うしていた。

 

レイン「あと2……1……0。終わりですね。」

 

レインがちょうど終わったところでイチローが来た。

 

イチロー「彼らの援護は終わったのかね?」

 

レイン「ええ、兄さんにかかればあの程度、余裕でしょう。それに動きが尋常ではないですし。」

 

その言葉に疑問を抱いたのかイチローは

 

イチロー「それは一体どういうことかね?」

 

レイン「それは自分の目で見た方が早いかと。」

 

そう言われて手渡された双眼鏡(魔改造版)を覗くと

 

イチロー「なにもないが?というかスノウくんが見えないな。」

 

レイン「よく目を凝らして見てください。一瞬ですが動いている影があるはずです。」

 

レインそう言われてよく目をこらすと確かに見えた。

 

イチロー「あれは……まるで流星のようだ。」

 

レイン「そうですね。それにいつの間にか刀が2本になって二刀流になってますし。」

 

イチロー「確かに。」

 

レイン「兄さんが二刀流をすると言うことは恐らくですが、本気になってるんでしょうね。」

 

その言葉にイチローは心底最初に戦ったのがカナメで良かったと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●

10分後俺の周りは血の海と化していた。

刀に付いた血を払い鞘に納めるとシュカを連れてカナメが戻ってきた。

 

スノウ「よう、おかえりカナメ。それに久しぶりだなシュカ。」

 

にやっと笑いながら出迎えるとこの場の光景に2人は驚いていた。

 

カナメ「スノウ、もしかして本当に1人でやったのか?」

 

その言葉に

 

スノウ「まあ、下のやつらは俺だ。上はレインだ。」

 

シュカ「この数を1人でとかあなた本当に人間?」

 

スノウ「まあ、一応、多分?」

 

そう疑問形で答えた俺にカナメは呆れ混じりに

 

カナメ「いや、そこは疑問形じゃダメだろ…」

 

スノウ「まあ、冗談はここまでにして、まずはリュージの所に行こうか。」

 

俺がそう言うと

 

シュカ「リュージ?だれのこと?」

 

まだ会ったことのないシュカは首を傾げた。

 

スノウ「まあ、俺たちの仲間になってくれたやつだ。とにかく説明は向かいながらにするぞ。」

 

そう言うと俺はリュージが向かった方向を思い出すと歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●

10分くらい歩いたところでコンビニがあったので入ってみるとそこにはリュージとあの少女が居た。

そして現在……修羅場ってる。

 

リュージ「なあ、お前らどうするよあれ。」

 

その質問にカナメは

 

カナメ「それはどっちのだよ?」

 

リュージ「そんなのこっちに決まってるだろ。」

 

そう言うとリュージは俺の方を見る

 

スノウ「あ、俺一般人Aなんで気にしないでください。」

 

そう言って無視しようとしたが

 

リュージ「いや、その設定は無理があるだろ。」

 

カナメ「それにここにいる時点で一般人じゃないしな。」

 

スノウ「じゃあどうしろと?」

 

俺がそう言うと2人とも目を逸らした。

 

スイ「あの、あの時は酷いことしてごめんなさい!」

 

シュカ「あら、謝れば許してもらえるとでも思った?」

 

シュカの言葉に少女、スイは首を横に振った。

 

スイ「いえ、違うんです。ただ謝ってだけはおきたかったんです。それに、もう人を殺してまで生きたいとは思わないし。」

 

するとシュカは

 

シュカ「そう、なら死になさい。」

 

そう言うと同時に武器を出した。

 

そして武器をスイに向かって投げた。

 

カナメ「ちょ、ちょっとm」

 

慌ててカナメは止めようとしたが俺はシュカから殺意が微塵も感じられないことを感じてたので止めなかった。

 

シュカ「でも、今回だけは許してあげる。」

 

シュカは武器を止めるとそう言った。

その言葉に少女は驚いていた。

 

シュカ「それにむしろあなたには感謝してるのよ。あなたに閉じ込められたことでカナメとの仲も進展したし♪」

 

そして、シュカはカナメの方を見るといいことを思いついたという顔をするとスイにある提案を持ちかけた。

 

シュカ「ねえ、あなた私たちのクランに入らない?」

 

スイ「え?でも私なんかが入ったら迷惑だと思いますし。それに私戦いたくはないんです。」

 

その言葉にシュカは

 

シュカ「なら大丈夫ね、あなたにやってもらいたいのは掃除や洗濯とか家事だし。」

 

スイ「それなら得意かも、です。」

 

シュカ「ねえ、スノウあなたもついでに入らない?やっぱり戦力は欲しいしね。」

 

スノウ「悪いが答えは変わらないぞ。妹が入るって言うなら入るし入らないなら入んないから。」

 

その言葉にシュカはまあ仕方ないと思うとカナメを見ると

 

シュカ「そういえば、私とカナメは水で濡れてるから着替えたくない?」

 

カナメ「あーそういえば俺たちはまだ濡れてるからなあ。」

 

シュカとカナメがそう言うとスイが

 

スイ「あの、それなら私のシギルで乾かしましょうか?」

 

その言葉に2人は頷いた。

 

そしてスイがシギルを発動した数秒後シュカとカナメの服から水分が抜けた。

 

シュカ「へえ、これ便利かも。」

 

カナメ「確かにな。あんなに濡れてたのに一瞬とは。」

 

リュージ「こんなこと出来んなら相手の体内から水分を絞り尽くすことも出来んじゃねえの?」

 

リュージがふと思いついたことを言うとスイは顔を青くすると

 

スイ「そ、そんな恐ろしいことできません!それに、私にはそんなに速く水を動かすことが出来ないんです。双子のソウタなら出来ますけど。」

 

シュカ「ああ、そういう設定ね。」

 

シュカはそう言って軽くあしらおうとするが、スイは至って真面目だった。

 

スイ「う、嘘じゃないです!ホントにいるんです、ソウタは私の中に。」

 

スノウ「それはどういうことなんだ?」

 

スイ「ソウタは双子の兄で、昔事故で死んじゃったんですけど魂だけは帰ってきてくれたんです。私がDゲームに願った通りに。」

 

リュージ「Dゲームに願った通り?なんだそりゃ。」

 

その疑問にスイは怪訝な顔をしながら

 

スイ「え?だって学校でみんな言ってますよ。Dゲームは願った通りのシギルをくれるって。」

 

スノウ「まあ、その辺りの事は後でレインに聞いてみるとして、とりあえずは1度戻った方がいいだろ。」

 

俺の言葉に全員が頷いた瞬間、全員の携帯にメールが届いた。

 

『ダイヤが配置されました。』



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