最強最弱能力者 (竜崎)
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幻想入り

今回より東方Projectの二次創作を書かせていただきます。会話文が多いものとなりますが楽しんでください。


木々の間からさす太陽の光で目を覚ます。

 

???「あー、ここどこだ?」

 

あたりを見回すと木しか見えてこない。

 

???「なんだよここ。俺確か町にいたよな。」

 

頭の中の記憶を探ってみたがなぜここにいるのか思い出せない。ただ一つ思い出すことができたのはある一言だけだった。

 

???「あなたは、こちら側の人間なのよ。」

 

この言葉だけが唯一思い出すことができた。

 

???「ったく、なんなんだよホントに。」

 

と嘆きながら立ち上がり

 

???「とにかくこの森から出るか。」

 

歩き始めたとき、後ろから声が聞こえた。

 

???「あれー、こんなところに人間がいるのだ~。」

 

後ろを振り返っているとそこには黒いワンピースを着た金髪の少女が立っていた。

 

???「おいおい、子供がこんな山奥1人できたら危ないぞ。」

 

???「子ども扱いするんじゃないのだー。それよりお兄さんは食べてもいい人間なのか~?」

 

というと急に少女の周りから暗やみが出てきて自分と少女を包んだ。

 

???「いやいやいや、食べていいか悪いかじゃなくて、普通人は食べないでしょ。しかも、何でこんな周り真っ暗になってんの。いったいどうなってんだこりゃ。」

 

ルーミア「さっきからごちゃごちゃうるさいのだ~。ルーミアは妖怪だから人間を食べるのは当たり前なのだ~。」

 

暗やみの中でルーミアと名乗った少女は答えを聞かないまま人間の首を刈った。つもりだった。ルーミアが切ったのはただの木の枝で人間ではなかった。

 

ルーミア「どこに行ったのだ~。」

 

ルーミアは暗やみを解除して周りを見渡す。周りにはさっきの人間が見当たらない。

 

???「おいおい、そんな地面ばっかり探して立って探してる人は見つからないぜ。」

 

ルーミアが声のする方を見ると、木の枝にさっきの人間が座っていた。

 

ルーミア「あー、何でそんなところにいるんだ~(怒)。そんなに逃げたら食べられないのだ~。」

 

???「いやいや、まず俺を食べようと思うなよ。俺なんか喰ったって、おいしくないぞ?」

 

ルーミア「え~、そうなのか~?だったらやめるのだ~。」

 

(いや、めちゃくちゃ素直だな。)

 

俺は枝から飛び降りてルーミアのもとに近寄る。

 

???「あー、そういえば嬢ちゃんよ。ここはどこなんだ?そしてお前なんなんだよ。」

 

ルーミア「嬢ちゃんじゃなのだ私はルーミアなのだ~。見ての通り妖怪なのだ~。」

 

???「へ~。」

 

ルーミア「むー、思ってた以上に反応が薄いのだ。」

 

???「そりゃあ、言ってることからやってることまで人間じゃないし。」

 

ルーミア「ま、そんなことはいいのだ~。」

 

(おまえからいったことだろ)

 

ルーミア「ここは魔法の森なのだ~。」

 

???「魔法の森?」

 

ルーミア「え~、お兄さん魔法の森を知らないのか~?てことはお兄さん、ここ来るの初めてなのか~。」

 

???「まぁ、そういうことになるな。所でルーミア、さっきお前さんから暗やみが出てたよな。あれ、何なんだ?」

 

ルーミア「え、お兄さん能力を知らないのか~!?てことはお兄さんは外の世界の人間なのか~。」

 

???「外の世界?」

 

ルーミア「そう、外の世界。そしてここは、幻想郷っていうのだ~。一言でいうならば忘れられたものが集まる世界なのだ~。」

 

???「忘れられたものが集まる世界・・・。」

 

ルーミア「それにいろんな種族の生き物がいるのだ。人間や妖怪、妖精に神様だっているのだ~。」

 

???「成る程な。てことは俺にとってはここは楽園だな。」

 

ルーミア「どーいうことなのだ~?」

 

???「俺はその外の世界ってところではな、最強だったんだよ。」

 

ルーミア「最強って(笑)。まるでチルノみたいなのだ~。」

 

???「いや、そのチルノってやつがどうだ知らんが、ガチでそうだったんだよ。何なら証明してやろうか?」

 

ルーミア「どうやって証明してみせるのだ~。」

 

???「う~ん、どうやってって言われてもな~・・・。内容はそっちで決めてくれていいぜ。」

 

ルーミア「そうなのか~?・・だったらフランと勝負をして勝ってみるのだ~。」

 

???「フラン?そいつはお前の友達か?」

 

ルーミア「そ~なのだ。多分私の友達の中で一番強いのだ~!」

 

???「それはいいけど、そのフランっていうルーミアの友達はどこにいるんだ?」

 

ルーミア「紅魔館にいるのだ~。ここから近いから、一緒に行くのだ~」

 

楽しそうに移動し始めるルーミアを追いかけ、俺は紅魔館に向かった。

 




次回、最強証明
愛読ありがとうございました。


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最強証明

二話目投稿です。思った以上に長文になったので楽しんでいってください。


???「ったくあいつ、どこ行きやがったんだ?」

 

ルーミアとともに紅魔館に向かう途中突然ルーミアが浮遊してどこかに行ってしまった。

 

???「あいつ、俺が人間ってこと忘れてるんじゃねぇか?」

 

そう俺が愚痴を言っていると

 

???「あの、どうかしましたか?」

 

と声が聞こえた。俺はその声のした方を見ると羽の生えた緑色の少女がいた。

 

???「あー、えっと、ちょっとありましてね。さっき知り合った妖怪とはぐれてしまいましてね。」

 

???「そうだったんですか。所で、あなたは誰ですか?ここらへんじゃ見かけない人だし。」

 

???「えっと、外の世界の人らしいですね、はい、多分。」

 

???「え!?外の世界の人!?しかも妖怪と知り合い!?」

 

???「そうだけど?所で、お前は誰だ。」

 

大妖精「私は大妖精と言います。みんなからは大ちゃんって言われてます。お兄さんはなんて名前なんですか?」

 

???「俺の名前?俺の名前は・・・、あっ、そういえばまだルーミアに名前言ってなかったな。」

 

大妖精「えっ、探している知り合いってルーミアちゃんのことだったんですか!?

???「知ってるのか?」

 

大妖精「知っているというか、さっきすれ違いました。とても楽しそうで周りを見ていなかったですね。」

 

???「まじか、俺置いてって向かっても意味ないだろ。なぁ、大妖精、紅魔館ってとこに連れてってくれないか?」

 

大妖精「別にいいですよ。」

 

???「サンキュー、あっ、俺の名前はルーミアに追いついたら教えるわ。」

 

そう言って、俺は大妖精の案内のもと、紅魔館に向かった。

 

十数分ぐらい歩いたところで大きな湖についた。

 

大妖精「この湖の中心にある建物が紅魔館です。」

 

???「ほー、あれが紅魔館か。」

 

大妖精「所で、ここまで連れてきたのはいいんですが、ここからどうやって館に行くんですか?」

 

???「え?ボートとかそういうの無いの?」

 

大妖精「そんなのありませんよ。ここに住んでいる人みんな空飛べちゃうんですから。」

 

???「う~ん、どうしたもんか」

 

大妖精「・・・あの、よろしければ館まで飛んで連れて行きましょうか?

???「え、いいのか。」

 

大妖精「いや、それ以外どうやって館に向かうんですか。」

 

???「確かにそうだな(笑)。それじゃあよろしく頼むわ。」

 

そう言うと大妖精は俺を抱えて館のほうに飛んだ。

 

大妖精「・・・見た目以上に軽いんですね。」

 

???「そうか?それでも結構パワーはあるんだぜ。」

 

大妖精「それは分かりますよ。だって、あのルーミアちゃんに食べられなかった人間なんていなかったんですから。」

 

???「それマジ?」

 

大妖精「マジです。」

 

???「そっか~、それにしても大妖精も結構パワーあるんじゃないの?」

 

大妖精「そりゃあ妖精の長ですから。それより、私のことは大妖精じゃなく大ちゃんって・・・。」

 

???「ちょっと止まって!」

 

大妖精「!。急にどうしたんですか?」

 

???「しっ!何か聞こえてこないか?物が崩れるような音や爆発のような音が。」

 

大妖精「そうですか?私には何も。」

 

???「ちょっと嫌な予感がするな、大妖精急いで向かってくれるか。」

 

大妖精「大ちゃんって呼んでくださよ。わかりました。急ぎますよ。」

 

俺と大ちゃんは急いで紅魔館に向かった。紅魔館の門の前に着くと、爆発の音が正確に聞こえた。

 

大妖精「何が起こっているんですか!?」

 

???「そんなの知るか。それより急いで中に入るぞ。」

 

大妖精「えっ、ちょっと、危険ですよ。」

 

中に入るとそこは広いロビーとなっていた。

 

???「おーい、誰かいるかー。」

 

ルーミア「助けてなのだ~。」

 

???「!?。ルーミア、どこにいるんだ。」大妖精「ルーミアちゃん、どこなのー。」

 

ルーミアの姿を探していると館の二階から声が聞こえた

 

???「あら、ネズミが三匹迷い込んでるみたいね。」???「そうね、お姉さま。このネズミたちは壊れないかな?」

 

そこにいたのは金髪と紫色の髪をしている少女だった。金髪の方は、羽がクリスタルになっていた。

 

???「雑魚妖精と雑魚妖怪は少しぐらいは遊べると思うけど、あの人間は無理ね。この吸血鬼に人間って、ふざけてるとしか言えないわ。でも、この女と同じだったら楽しめるんじゃないかしら。」

 

 

少女たちの足元で銀髪の女性の姿が見えた

 

???「大妖精、ルーミア、人間、逃げてください。」

 

???「咲夜さん!」

 

???「あら、まだ息があったのね。」???「でももうほとんど壊れちゃってるからいらない。」

 

金髪の少女は、片手で銀髪の女性を放り投げる。

 

???「ねぇ、お姉さま。今度は誰を殺るの?」???「そうね、一番弱そうな人間から潰しましょうか。」

 

???「てことは、あの人間。壊していいの?」???「いいわよ。」

 

???「わーい。」

 

 

そういうと、金髪の少女は宙に浮き急降下で俺に向かってくる。

 

???「邪魔だからさっさと壊れてね。」

 

俺と金髪の少女は衝突し大きな砂煙が合う。

 

???「あーあ、やっぱり簡単に壊れちゃった。」

 

砂煙が薄れると金髪の少女はゆっくりと立ち上がりながら言う。

 

???「やっぱり、人間じゃ衝突ですら耐えることができなかった。当たった感覚すら感じなかったし。」

 

???「・・・そりゃあオメェ、殴れてねぇもん。」

 

???「!?。なんで、人間ごときが今の攻撃をかわせるの。」

 

???「人間ごときって、まぁいいか、そんなもんオメェさんがただまっすぐに突っ込んできただけだからに決まってんだろ。」

 

ルーミア「う~、助けてなのだ~。」

 

???「お?ルーミアそこにいたのか。」

 

俺はよけた先にあったがれき山の中でルーミアを見つけた。

 

ルーミア「あー、さっきの人間。ついてきてないから心配してたのだ~。」

 

???「いやいや、まず俺空飛べないし、どちらかというと今心配するべきはお前さん自身じゃね?」

 

ルーミア「!。確かに、じゃあ早く助けてなのだ~。」

 

???「いや、助けろってこんながれきどうやってどかすっていうんだよ。」

 

???「いつまでおしゃべりしてるの?人間さん。」

 

???「いやいや、なんで俺がオメェさんを待たせてるみたいになってるんだ。」

 

???「だって~、攻撃よけたくせに一向に仕掛けてこないんだもん!」

 

???「仕掛けてこないんだもん!。じゃねぇよ、だったらこの妖怪助けてやってくれよ。そしたら戦ってやるから。」

 

???「ホント!ねぇ、ホント。ホントに戦ってくれるの。」

 

???「戦えって言うんならな。ただし、丁寧に助けてやれよ。」

 

???「わかった!」

 

そういうと、荒っぽくだが一撃でがれきの山を吹っ飛ばしルーミアを助けた。

 

ルーミア「ふ~、何とか助かったのだ~。」

 

???「ねぇ、これで遊んでくれるんだよね!ねぇ!」

 

???「わかった。わかったから。そんなぐいぐい来るなよ。」

 

???「それじゃあ、遠慮なくいくからね。」

 

彼女が手を広げると一枚のカードが現れる。

 

???「なんだそれ。」

 

???「え~、スペルカード知らないの?そんな状態じゃあ私に勝てないよ。」

 

???「えーと、まぁそんなことはいいんだ。何かは知らんがやるなら早くなってくれ。」

 

???「言われなくてもやるもん。スペルカード発動 禁忌『カゴメカゴメ』!」

 

彼女が持っていたカードが光だし消滅する。すると、俺の周りを囲むように多色の弾幕が展開される。

 

???「さらに、スペルカード発動 禁弾『クランベリートラップ』!」

 

さらにもう一度のカードが現れ消滅する。そうすると、俺の足元にピンク色をした弾幕が現れ、一気に爆発する。

 

???「・・・爆発って、結構やばいもん使うんだな。」

 

そんな攻撃をかわして、弾幕の中から脱出した俺は彼女の方を見る。

 

???「うぅ、思ってた以上に頑丈な人間なんだ。だったら、こっちも力だそうかな。」

 

???「なんだ、まだ全然力を使っていなかったんだな。だったら最初から全力で来てくれても構わんぞ?」

 

???「言ったね。今言ったわね。全力でいいって。うわーいわーい!」

 

???「いやいや、喜ぶことなんかよ、それで。」

 

???「そりゃそうだよ。全力でやっていいって言ったのはそっちだからね。死んでも知らないからね。」

 

???「スペルカード発動 禁忌『フォーブアカインド』!禁忌『レーヴァテイン』!」

 

二枚のカードが消えると目の前の少女は四人に分裂してそれぞれが同じ独特な剣(?)を持っている。

 

???「おいおい、そんなのありかよ。」

 

???「ありなんだよ!」

 

四人に分裂した少女は四方八方に飛び俺の方に飛んでくる。

 

???「だけど残念。これが本気だとしたらオメェは俺に勝てねぇよ。」

 

飛んできた少女のうちの一人を掴み反対側から迫ってくる少女に投げつける。それは見事にヒットし、二人の少女は消えた。

 

???「成る程ねぇ。ダメージが入ると消えちゃうんだ。」

 

???「うぅ、こんなに早くこのスペルの弱点に気づくなんて、イラつく人間だな。」

 

???「ひでぇ言われようだなッ!」

 

言葉を返すとともに二体のうちの一体の方に近づき壁に向かって思いっきり投げる。

 

???「もー、こんなに早く片付けられちゃったら使った意味ないじゃない。」

 

???「そりゃあすまんな。でも、これで終わりじゃねぇんだろ。」

 

???「もちろん。スペルカー・・・。」

 

???「スペルカード発動 神槍『スピア・ザ・グングニル』!」

 

目の前の少女の声を相殺するかのように声が響き紫色の髪の少女はスペルカードを発動させ俺の方に向かって光の槍を投げる。俺はそれを当たる寸前で避けその少女の方を見る。

 

???「ちょっと!お姉さま!なんで邪魔するの!」

 

???「何でって、あなたがいつまでたってもそこにいるネズミ一匹すら殺ることができないからこうやって手伝ってあげたのよ。それとも、交代した方が嬉しいかしら?」

 

???「うるさい!こんな人間すぐに殺れるんだから!邪魔しないで!」

 

???「あらそう。だったら早くしてほしいんだけどね。」

 

???「そんなに待ち遠しいなら、そっちの嬢ちゃんもきていいんだぜ。」

 

???「あらそう。でも遠慮させてもらうわ。」

 

???「ふ~ん、嬢ちゃんは俺に勝てないから勝てない勝負はしないってことか。」

 

???「なんですって。」

 

???「だってそうじゃん。勝ち目が見えないから勝負をしないんじゃないの?」

 

???「いいわよ。そこまで言うなら戦ってやっても構わないわ。」

 

???「え~、ちょっと、じゃあ私との勝負はどうなるのよ。」

 

???「だから二人でかかって来いってことだ。」

 

???「そっか~、お姉さまと一緒に戦うのは尺だけど、まだ殺っていいんだね。」

 

???「それは私もなんだけどね。」

 

???「それより、私たち吸血鬼を相手に二対一をするだなんてあなたもばかなことを考えるのね。」

 

???「え!?嬢ちゃんら、吸血鬼だったのか・・・。」

 

(マジかよ。そんなやべぇの相手にしてたのかよ。てか、ルーミアが俺をここに連れてこさせようとしたってことは、吸血鬼をを相手にさせようとしたってことかよ・・・。)

 

???「何考えているか知らないけど、戦いの途中に別のことを考えるなんてずいぶん余裕があるのね!」

 

???「スペルカード発動 紅符『スカーレットシュート』!」「スペルカード発動 『スターボウブレイク』!」

 

その言葉とともに無数の弾幕が展開され俺の方に放たれる。

 

???「おいおいおいおい、こんなの聞いてねぇぞ!」

 

???「これで終わりね。私を煽るからこうなるのよ。」

 

???「・・・果たしてどうかな?」

 

俺は向かってくる弾幕の中で一際でかいやつを見極めそいつを思いっきり蹴飛ばす。

 

???「!?」

 

???「そんな、弾幕をけ飛ばすなんて。ありえないわ。」

 

???「ありえないと思うなら、今の現実を受け入れるんだな。」

 

俺のけったでかい弾幕はほかの弾幕を蹴散らしながら二人の少女に激突した。少女たちの方に近づいてみると、気絶していた。

 

???「ふー。思った以上は楽しめたよ。吸血鬼ってのはね。」

 

俺はそう捨て台詞を言いながら銀髪の女性の手当てをしている大妖精のもとに向かう。

 




次回、能力
ご愛読ありがとうございました。


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能力

これまでの文章がとても見にくいと感じたので、
今回から文章の前に話している人の名前を入れようと思ういます。
それに合わせて、本編の最後に今回の主人公の簡単なプロフィールを入れようと思います。
それでは、本編をお楽しみください。


???「おーい、大よっ、大ちゃん。戦闘終わったぞ。」

大妖精「えっ!?吸血鬼二人相手に勝ったんですか!?」

???「当たり前だろ。最強を名乗ってるんだから吸血鬼ぐらいじゃ俺には勝てねぇよ。てか、見てなかったんか。」

大妖精「そりゃあルーミアちゃんと咲夜さんの治療の方を優先していましたから。」

咲夜「お嬢様と妹様は無事なの」

???「あ~、あんた咲夜っていうんだ。てことは、さっきの吸血鬼はお前さんの主ってことか。」

咲夜「そんなことはいいのよ。お嬢様と妹様は無事なのかって聞いてるの。」

???「まぁ、そんな慌てるな、ただ気絶しているだけだ。」

咲夜「そう、よかった。そういえば、あなた何者なの。」

???「俺?どこからどう見たって人間でしょ。ただ最強の。」

咲夜「そういうのはあとでいいのよ。名前とかそっちの方を聞いてるんだけど。」

ルーミア「そういえば、まだ名前聞いてなかったのだ~。」

河龍「あ~、名前の方か。俺の名前は鬼神河龍(きじんがりゅう)だ。」

ルーミア「へ~、なんだか難しそうな名前なのだ~。」

河龍「難しそうって、まぁ、俺も最初そう思ったけどな。」

自己紹介を終えると同時に、倒した吸血鬼が目を覚まし頭を押さえている。

咲夜「お嬢様!妹様!」

咲夜は吸血鬼二人のもとに向かう。

???「咲夜?私は今まで何をしていたの。」

咲夜「お嬢様。よかった。本当に良かった。元に戻った。」

???「?。元に戻った。どういうことなの。何だか少しの間記憶がないし。それに、後ろにいるのは妖精と妖怪。それと、人間?」

河龍「どうも、初めまして吸血鬼さん。俺は鬼神河龍というものだ。」

レミリア「私はレミリア・スカーレット。ここ、紅魔館の主で、なぜか隣で倒れているのが私の妹、フランドール・スカーレットよ。それより、私の身に何が起きたの。咲夜、状況を説明して。」

咲夜「はい、まずお嬢様方が急に暴れ始めたんです。原因は不明ですが・・・。」

レミリア「原因不明で暴れだした・・・。」

咲夜「はい、例えるなら本能のままに暴れる怪物みたいな感じでした。」

レミリア「成る程、私の記憶がない間にそんなことが起こっていたのね。それで咲夜が止めてくれたというわけね。」

咲夜「いや、私じゃ・・・。」

レミリア「えっ、じゃあ後ろの妖精と妖怪が止めたというの?」

大妖精とルーミアは首を横に振る。

レミリア「えっ、じゃあ誰が私たちを止めたというの?霊夢が来ているようじゃないし・・・。」

河龍「俺が止めたんだよ。」

レミリア「あなたが?フフッ、冗談はやめたほうがいいわよ。あなたみたいな人間が吸血鬼を止めれるわけないじゃない。ねぇ、咲夜。」

咲夜「・・・。」

レミリア「えっ、本当にこの人間が止めたというの!?」

咲夜「はい。その通りです、お嬢様。」

レミリア「まさか、霊夢以外に私を止めれる人間がいるなんて、面白いわね。」

フランドール「う~ん、あれ、何で私ロビーで倒れてるの、しかも紅魔館ボロボロじゃん!」

レミリア「あらフラン。やっと目覚めたのね。」

フランドール「あっ、お姉さま。いったい何が起きたの?」

レミリア「何だか私たち暴走してたみたいよ。それで、そこにいる人間が私たちを止めたらしいのよね。」

フランドール「ふ~ん、そうなんだ。!。てことは私たち吸血鬼二人を相手にして壊れなかったってことだよね。ねぇ、そこの人間さん、私のおもちゃになって!」

レミリア「フラン、今はそんなこと言ってる暇はないわよ。それよりパチェたちは無事なの?」

咲夜「さぁ、図書館の方では何が起こっているか私にはわかりません。」

レミリア「なんですって!それじゃあ、いますぐ図書館に向かいましょう。」

レミリアは起き上がり奥の部屋へ急いで飛んでいく。それに続くようにフラン、咲夜もレミリアの後を追っていく。

河龍「・・・。」

大妖精「私たちも行きます?」

ルーミア「そうしようなのだ〜。」

河龍「そうだな。」

そう言って俺たちもレミリアたちの後を追った。

奥の部屋に入ると階段がありそこを降りてに道なりに進んでいくと少し大きな扉があった。そこの前でレミリアたちは立っていた。

大妖精「中に入らないんですか?」

レミリア「入りたいんだけど、内側から魔力で閉鎖されているのよ。フランの能力を使っても壊れないほどの魔力の力で。」

ルーミア「じゃあどうやって中に入るのだ~?」

レミリア「何ちゃっかりあなたたちも中に入ろうと思っているのよ。まぁ、いいわ。どうしようか悩んでいたところだしあなた達も一緒に考えなさい。」

俺は扉の前に立ってドアノブに手をかける

レミリア「何やってるの、さっき扉は開かないって言ったでしょ・・・。」

ドアノブを回し扉を押すと扉は軽く開いた。

河龍「・・・開いたんだけど。」

レミリア達「・・・えっ。」

咲夜「・・・いま、何をしたの。妹様の能力でも壊せなかった魔力の力で閉鎖された扉を普通に開けて。」

河龍「何をしたって、ただドアノブを回して扉を押しただけなんだけど。」

レミリア「咲夜、今はそんなことどうでもいいわ。中に入ってパチェたちの確認をするわよ。」

咲夜「はい、レミリア様。」

レミリアと咲夜が扉の中に入っていく。俺たちも中に入ろうとしたとき、

フランドール「ねぇ、お兄さんすごいんだね。名前なんて言うの。」

河龍「俺の名前?名前は鬼神河龍だ。」

フランドール「へー。じゃあ龍ちゃんだね。」

河龍「龍ちゃん?」

フランドール「うん!これからよろしくね。それじゃあ、あなた達も一緒に中に入りましょう。」

フランは俺の手を引っ張り大妖精とルーミアの方に声をかけ室内に入る。中には何冊あるかわからないほどの本が並べられていた。

???「おら、レミリアにフラン、咲夜どうしたの。」

レミリア「パチェ!大丈夫?」

???「大丈夫?いったい何があったの?それにそこにいる人間は?」

河龍「はじめまして。鬼河龍と申すものです。」

パチュリー「私は、パチュリー・ノーレッジよ。パチュリーでいいわ。」

河龍「パチュリーか、よろしく。」

パチュリー「よろしく。所でレミリア、さっき言ってた大丈夫ってどういう意味?」

レミリア「私はさっきまで暴れていたのよ。記憶にないけど。」

パチュリー「成る程ね、それでこっちで何か起こってないか確かめに来たってことね。」

レミリア「そうよ。」

パチュリー「それなら大丈夫よ、こっちの方では何も起きなかったわ。でも、その暴走の原因は調べた方がよさそうね。」

レミリア「そうね。それよりさっき扉が強い魔力で閉鎖されていたけど何をしていたの。」

パチュリー「あー、さっきのね、新しい魔法の研究よ、捕縛魔法の応用系だったんだけど、簡単に壊れちゃったみたいね。」

河龍「そういえば、気になっていたことが一つあるんだけどいいか?」

パチュリー「えぇ、いいわよ。」

河龍「さっき扉の前でフランの能力がって言ってたけど、能力ってなんだ?」

パチュリー「能力っていうのは幻想郷に干渉している。一部の人が持っている力のことよ。ちなみにここにいるメンバーの中ならそこの妖精以外はみんな能力を持っているのよ。」

河龍「へー、そういう力があるのか。」

大妖精「ちなみに私は能力がない代わりにもともと自然に干渉する力を持っているからあまり買わないのです。」

パチュリー「そうね。ちなみに河龍。あなたも能力を持っているかもしれないわよ。」

河龍「俺も?」

パチュリー「えぇ、あなたは今幻想郷にいる。それは、幻想郷に干渉しているのと変わらないわ。この魔導書に触れてみて。」

パチュリーは近くにあった本棚の中から一冊の本を取り出し、ページを開く。そのページには両面を使って魔法陣が描かれていた。俺は言われた通りその本に触れた。その瞬間、ある言葉が脳を横切り自然と口にした。

河龍「一歩進む程度の能力。」

パチュリー「それがあなたの能力よ。」

レミリア「一歩進む。何だかとてもしょぼそうな能力な感じがするけど。」

パチュリー「まぁ、能力はその人の使い方次第で変わる。進化したり、退化したり、もしくは能力自体が変わったりすることもあるわ。」

レミリア「確かにそうね。そうだ、ついでだし魔力の方も調べてみたらどうかしら。」

河龍「魔力・・・か。」

パチュリー「それもそうね。それじゃあ、魔力について簡単に説明するわね。魔力は基本五種類に分かれているわ。火、水、自然、光、闇。そして魔力は派生することもあって、例えば自然から、風、大地、とかに分かれることもあるわ。そう考えると魔力の種類はその人の個性で変わっていくからきりがないけど。大まかにはこの五つになるわ。それじゃあ、今度はこのクリスタルに手を近づけさせて。」

今度は机の上にあるクリスタルを持ってきて、空中に置く。

河龍「何気に今すごいもの見せられているんだけど。」

パチュリー「まぁ、そんなことはきにしないで、、クリスタルが強く反応したらそれがあなたの魔力よ。」

俺はクリスタルに手を近づける。しかしどのクリスタルも光らない。

パチュリー「おかしいわね。能力を持っている人は必ず魔力を持っているんだけど・・・。」

咲夜「クリスタルの方に原因があるんでしょうか?」

パチュリー「それはないと思うけど。河龍、手にもう少し力を込めてみて。」

河龍「力を籠める?こんな感じか?」

俺はそう言って手に力を込めてみる。そうすると五つのクリスタルが光りだす。

フラン「えっ!?もしかして、全部の魔力が使えるの。」

レミリア「そんなのありえないわ。」

おれは手に込めた力を緩めると光っていた五つのクリスタルはさらに光を増し、魔法陣を作り、その中央で重なり合う。

大妖精「いったい、何が起こっているんですか。」

ルーミア「わからないのだ~。」

重なり合ったクリスタルは一つになった。外側は透明だが中心ではもやもやとした黒い霧がかかっている。一つになったクリスタルは魔法陣を消して俺の体の中に入り込む。

河龍「!?。何が起こったんだ!?」

パチュリー「・・・。」

レミリア「パチェ、知ってるんでしょ。早く教えて。」

パチュリー「え、えぇ、でもこれは、私の知識でもあっているかどうかあやふやになるけどいいかしら。」

レミリア「構わないわ。」

パチュリー「今のは確かに魔力よ。ただ、五つの基本のどれにもあてはまらない。いわば、孤独そのもの。それがあの魔力、反対(アンチ)よ。」

河龍「反対(アンチ)。」

瞬間、俺は全身の力が抜けてその場に倒れこむ。

???「これであなたも幻想郷の仲間入り。早く会いたいよ。私だけのモルモット(お兄ちゃん)。」




名前:鬼神 河龍(きじん がりゅう)                      あだ名:龍ちゃん
年齢:18歳
能力:一歩進む程度の能力
魔力:反対(アンチ)
 外の世界から来た人間。自称最強と言っているが、実際結構強い。近接で戦うのが得意で、魔力反対を持つ。外の世界の記憶は覚えているが、なぜ幻想郷に来たのかわからない。実は弱点はあるらしい。



次回、魔力反対
ご愛読ありがとうございました。


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魔力反対

 毎回のことなのですけど、自分は思ったらそれを本文に知っちゃう人なので、たまにキャラブレが起きている気がしてひやひやしているんですよね。
多分、今回はそんなことにはならないと思う。
それでは、本文をお楽しみ下さい。


???1「あらあら、大変な奴に目をつけられたわね。そうねぇ、反対の力はこの幻想郷では彼が初めてだからね。」

???2「どうするんですか?彼の魔力は使い方次第ではこの幻想郷を壊すことも簡単ですよ。」

???1「そうねぇ。だったらあの子に式神ってことで彼の護衛兼観察をしてもらいましょうか。」

???2「あいつに行かせるんですか?・・・確かにあいつなら適任ですが、大丈夫でしょうか。」

???1「まぁ、何とかなるでしょ。それじゃああいつに行くように伝えといてね。」

???2「やれやれ。人使い、いや式神使いが悪い人ですよ。」

 

河龍「う~ん。」

(なんで俺寝てたんだ。てか、誰か腹の上に乗っ勝てる気がする。妙に腹のとこだけが重いし。寝息も聞こえてくるし。)

俺は少し警戒しながら薄目で周りを観察してみる。さっきまでいた図書室とは変わって個室になっている。多分、来客者用の部屋だろう。こんな大きな屋敷だったらそういう部屋があっても不思議はない。そこまではまだいい。一番の問題は

河龍「こいつ・・・誰だ?」

俺の腹の上に犬ぐらい?の大きさのよくわからない生き物が寝ている。

???「zzz・・・。」

河龍 「おーい、そこの俺のお腹の上で寝ている奴。なんでそんなところで寝てるんだ。」

???「う~ん、もうちょっと寝かせて・・・。」

河龍「えっ、しゃべった?」

???「う~ん、あっ、起きたのか。おはようさんなの。」

河龍「あっ、あぁ。おはようございます・・・。じゃないよ!お前は誰だって聞いているんだよ。」

???「え~っ、名前~?まずはお前さんが名乗るもんじゃないんじゃないのかなの。」

河龍「・・・鬼神河龍だ。」

???「うん、知ってるんだな。」

河龍「はっ?」

???「だって、僕がここに来たのは君を観察するために式神としてきたんだもんなんだな。」

河龍「・・・。」

???「あっ、名前だな。そうだなぁ~。シャンって言っておくんだなの。」

河龍「いやいや、えっ?式神?偵察?何言ってんだ?」

シャン「よろしくなんだななん!」

河龍「いやまだ許可して・・・。」

(いや、待てよ。こいつはこの幻想郷に住んでいる奴。てことは俺よりもここに詳しい。パチュリーが言っていた魔力についてもわかるか?)

シャン「どうしたなの?」

河龍「いや、何でもない。それよりさっき式神としてきたって言ったよな。」

シャン「そうなの。式神兼観察なの。」

河龍「まぁ、観察については詳しくか聞かないでおく。それより式神ってことは神の使いって意味で間違いないな。」

シャン「う~ん、そういうことなの・・・?多分そうなの。」

河龍「自分が式神かどうかってことわからんのか。まぁいい、それより反対(アンチ)って魔力について知ってるか?」

シャン「もちろん!知ってるなの。」

河龍「だったら教えてくれねぇか?」

シャン「それはダメなの。・・・と言いたいところだけど、少しだけなら教えてあげてもいいなの。」

シャン「反対(アンチ)っていうのは、その名の通りの魔力なの。どの魔力にも属さない。言わない反する物。そして、ある意味チートな魔力になってるなの。」

河龍「チート?」

シャン「そうなの、だってこの魔力はすべての魔力を跳ね返せるのなの。」

河龍「そりゃあチートだな・・・。それだけか?」

シャン「なの。」

河龍「なんかもうちょっと情報ないのか?」

シャン「無いなの・・・。というか、これ以上は教えるわけにはいかない理由があるなの。」

河龍「理由?」

シャン「そう理由。これ以上この魔力について知ったら君はもう元には戻れなくなるなの。」

河龍「そうか、・・・なら聞かないでおく。」

シャンとの会話がひと段落ついたところで、扉が開いた。

レミリア「あら、目覚めたのね。」

河龍「あぁ、レミリアさんか。」

レミリア「何よその態度、ここまで運んだのは誰だと思っているの?」

河龍「あー、ありがとうございます。(棒)」

レミリア「何棒読みしているのよ。・・・、まぁいいわ。それより急だけど今から魔法の森のある所に行ってもらうわ。」

河龍「ある所?」

レミリア「まぁ、行ってみたらわかるわ。そこにいる犬もどきと一緒にね。」

シャン「犬もどきって、酷い言われようなの。」

河龍「わかった。とりあえずこいつと一緒に魔法の森に行けばいいんだな?」

レミリア「ええ、気を付けていきなさい。」

レミリアに言われ俺とシャンは魔法の森に向かう。




今回は河龍と新しく登場してきたシャンの会話がメインになりました。
最初に出てきた正体不明の2人は誰なのか。東方を知っている人にとっては想像できる人(?)ですね。シャンの簡単なプロフィールは次回に回させて頂きます。








次回,魔法の森の館
ご愛読ありがとうございました。


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魔法の森の館

えー、本文の前に先に謝罪をしたいと思います。                   今回も河龍とシャンとの会話がほとんどです。努力はしたんです。ですが、今回もこうなってしまいました。自分二人以上入れるの苦手なのかなと思ってしまってます。
さて、雑談はこの程度にしておいて。
それでは、本編をお楽しみください。


レミリアに言われ魔法の森に向かった俺とは、そういえば魔法の森のどこに行けばいいのか聞き忘れたことを思い出しそれを危機に戻ろうとしたがどうやらシャンは目的地を知っているようで、今、その案内をしてもらっている。

河龍「そういえばシャン、一つ気になることがあるんだが。」 

シャン「うん?なんなの。」

河龍「俺とお前はどうやって会話しているんだ。」

シャン「それ今更聞くなの(笑)。そんなの簡単なことなの。私は、もともと人間なんだから喋れて当然なの。」

河龍「へぇー。お前って元は人間だったのか。じゃあ、もうその姿に戻ることはできないのか?」

シャン「いや、元の姿に戻ることはできるなの。だけど、どちらかというと、こっちの方が活動しやすいんだなの。」

河龍「それはすげーな。人間にもなれて、そのよくわからない姿にもなれるんだな。」

シャン「よくわかんない姿じゃないなの。よーく見ればわかるなの。」

河龍「うーん。キツネか?アライグマか?」

シャン「全然違うなの!どっからどう見たってハリネズミなの。」

河龍「え?・・・、ハリネズミ?」

シャン「当たり前なの」

河龍「いやいやい、何言ってんだ。ハリネズミって、こう、なんていうか、もっと小さいし、背中に針があるじゃん。」

シャン「そういうことは気にしちゃいけないなの!あっ、目的地に着いた名の。」

シャンの言葉を聞いて目の前にあるものを見てみると、そこには紅魔館ほどの広さはないが、それなりに大きさのある苔だらけの館が建っていた。

河龍「ここが目的地なのか?」

シャン「そうだもん。さ、早く中に入るなの。」

俺とシャンは館の扉を開けて中に入った。

中は外側からは想像できない以上にきれいだった。

河龍「そういえば、俺、どうしてここに連れてこられたんだ?」

シャン「あっ、そういえば言ってなかったなの。今回君をここに連れてきたのは、君の生活をする場所として、ここを提供されたからなのだ。」

河龍「提供?」

シャン「そう、提供。てことで今日からここが君の家になるなの。」

河龍「ここで一人暮らしってことか。何だか楽しそうだな。」

シャン「状況の飲み込みが早いなの。てか、すでにワクワクしているように見えるのは僕だけなの?」

河龍「そういえば、お前は俺の偵察として付いているんだよな。てことは、必然的にお前もここに住むことになるのか?」

シャン「当たり前なの。それとも、一人の方がいいなの?」

河龍「いや、そうわけじゃねえよ。こんな広いところに一人で住むのは流石に寂しいだろ。」

シャン「そりゃそうかなの。」

河龍「だろ。それよか一人と一匹だけっていうのも寂しい気がするけどな。」

シャン「何言ってるんなの。」

河龍「は?」

シャン「”今”は一人と一匹じゃなくて二人なの。」

そういうと、シャンの体は人の形に変わっていた。黄緑色のロングヘア―に透き通った水色の瞳、日焼けを知らないというような白い肌の少女に。俺はぽかんと開いた口が戻らなかった。

シャン「どうだ?びっくりしたなの。これが人の姿の時の僕なの。」

河龍「・・・確かにびっくりした。身長の低さに。」

シャン「なっ。」

シャン「何を言うなの。どっからどう見たって立派なレディなの!それに僕は17だし。君より年上なの!」

河龍「いや俺18なんだけど。」

シャン「えっ。」

河龍「まぁ、そんな話は置いといて、ここが俺の家になるって言ったけど環境は大丈夫なのか?火や電気、水はしっかり出るのか。」

シャン「まさか年上だったなんて、どうして、主人は何も言ってくれないんなの。知っていたらこんな恥ずかしい思いもしなかったなの。これも、それも主人のせいなんだなの・・・。」

河龍「あっ、あのー。シャンさん?」

シャン「あっ、コホン。何でしたっけ?」

河龍「火と電気と水は使えるのか?」

シャン「あっ、あー、そうだったなの。えーと、火と水はいつでも使えるなの。けど、電機は自分で充電することになっているからそこは注意なの。」

河龍「へぇー、面白そうだな。」

シャン「えーっと、僕は一回主人の元に戻るから、それまで自由にしていていいなの。」

河龍「わかった。そういえば、一つ聞きたいんだが、ここにいろんなやつ読んでいいか。」

シャン「いろんな奴?」

河龍「あぁ、大妖精とかルーミアとかいろんな奴。」

シャン「別にいいと思うなの。」

河龍「そうか、ありがとな。」

俺はそう言って館から外に出る。

シャン「僕も夕方までに戻るから、誰かさそうなら夕方までに戻ってくるなの。」

そういうと、シャンの姿は一瞬で消えた。

俺は、魔法の森の中のどこかにいるであろう大妖精とルーミアを探しに歩き始めた。

 

???「なるほどね。いいの見ちゃった。もうすぐだね。モルモット(お兄ちゃん)。もう少しで、私と一緒になれる。」

少女が放つ不適な笑みに気づくものは誰もいなかった。




名前:シャン(仮名)
年齢:17歳
能力:針を動かす程度の能力
魔力:光、自然
 河龍の式神兼偵察として河龍のそばにいる半人半獣。人間とハリネズミに姿を変えることができる。普段はハリネズミお姿で過ごしているが寝るときや食事の時は人の姿に戻る。
シャンには”主人”がいる。

何だか最強最弱と言ってる割には、戦闘シーンがまだ一回だけと、少し不安に感じてきている自分がいます。てことで次回には、必ず戦闘シーンを入れようと思います。




次回、モルモット(お兄ちゃん)
 ご愛読ありがとうございました。


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モルモット(お兄ちゃん)

はい、前回あんま戦闘シーンが少ないといいましたが考えてみれば、まだ5話分しか投稿してないから当たり前ですね(笑)。
ですが、ちゃんと宣言通り戦闘シーン入れたいと思います。
それでは、本編をお楽しみください。


夕方、俺は大妖精とルーミアを誘い、館に戻っているときに、不思議な少女と会った。

夕日にあたってもなお、色の変わらない真っ白な髪。そして瞳も神に負けず劣らずの真っ白さ。背は、ルーミアと同じくらいの高さなのに見た目より幼く感じられる。

???「オニーサンたち、タスけて。」

大妖精「こんなところで、どうしたの、この森は危険だから早くおうちに帰った方がいいですよ。」

???「イエわからない。カエりかたシらない。」

ルーミア「そーなのかー?だったら、一緒に館に行くのだー」

???「ヤカタ?」

ルーミア「館なのだ~。今からそこに行ってお泊り会なのだ~。河龍、いいか~?」

河龍「ああ、いいぜ。こんな夜遅く女の子一人で森を抜けさせるのも危ないしな。」

???「ありがとう。」

河龍「ところで、名前は何て言うんだ?」

カナ「ナマエ?ナマエはカナ。」

ルーミア「カナちゃんなのか~。よろしくなのだ~。」

伸ばしたルーミアの手を恐る恐るつなぐと笑顔になり一緒に館に向かった。

 

館に帰るとすでにシャンは戻ってきていて、食事の準備をしていてくれた。その後の夜は、まるで宴会をしているかのように楽しく時間が過ぎた。

河龍「さてと、そろそろ暗くなってきたな、今何時なんだ。」

シャン「今は、大体11時ぐらいなの。」

河龍「じゃあ、そろそろ寝る時間だな。」

大妖精「そうですね。それじゃあ寝ましょうか。」

ルーミア「そういえば、部屋はどこで寝ればいいんだ~?」

河龍「そういえば決めてなかったな。」

シャン「この館には四つの部屋があるの。だから誰か二人は一緒の部屋になるの。」

大妖精「じゃあ、私とルーミ・・・。」

カナ「カ、カナ、ガリュウとイッショがいい。」

大&ル&シャ「えっ?」

河龍「あぁ、いいぞ。」

シャン「いやいやい、ちょっと待ってください。」

河龍「どうしたんだよ。」

大妖精「だって、男の人と幼い少女が一緒の部屋なんですよ。」

河龍「それで?」

ルーミア「それでって、意味わかってるのか~。」

河龍「あー、そう言うことか。」

シャン「やっとわかりましたか。」

河龍「どっちかの寝相が悪かったら相手に悪いしな。」

大&ル&シャ(・・・こいつ天然(なの)だ。)

カナ「ダメ、なの?」

シャン「い、いや、問題ないよ。」

カナ「ホント?やったー、ガリュウ、ハヤくおヘヤイこう。」

そう言うとカナは、ガリュウの手を掴んで階段を上がっていった。

シャン「・・・あの強さを持っているのに、天然だとわ。」

大妖精「しかも結構重度の。」

ルーミア「そ~なのだ~。」

 

部屋は思ってた以上に広くベットとのほかに、ソファーやテーブルが置いてあった。

カナ「わー、すっごくヒロい。」

河龍「確かにすごく広いな。」

カナ「このフトンモフモフ~。ガリュウもサワってみてよ。」

河龍「・・・確かに。すごくモフモフだな。」

俺は布団を触りながらその上に寝転んでいるカナを見て、ずっと掲げている疑問をもう一度考えてみる。どうしてこの森に、このような少女が一人でいたのか。妖怪という線も考えたがそのような魔力は感じない。

カナ「・・・。」

ふいに、カナの方を見ると俺の方を見ていた。

河龍「どうした?」

カナ「ガリュウ、モノスゴくカンガえてるカオしてた。」

河龍「そうか、いや、ちょっといろいろあってな。」

カナ「じゃあ、カナとゲームしよう。」

河龍「ゲーム?」

急に言われたものに俺は少し驚いた。

河龍「いやいや、今から寝るんだぞ。」

カナ「おネガい、イッカイだけ。」

河龍「・・・一回だけだぞ。」

カナ「ホント、アソんでくれるの、ありがとう・・・。」

そこで俺は、カナの様子が変わったことに気づいたが遅かった。

カナ?「お兄ちゃん」

俺はとっさに扉の方へ走ったが、既に周りはさっきの部屋とは異なる場所となっていた。

カナ?「何で逃げるの?遊んでくれるんでしょ。お兄ちゃん。」

俺は遅くも気づいた。今、目の前にいる少女はすべて演技だったと。カナという人物は存在しないと。

河龍「最初に聞いておく。」

カナ?「何?」

河龍「目的はなんだ」

カナ?「そんなの決まってるじゃん。・・・私のモルモット(お兄ちゃん)を手に入れるためよ。」

さっきまで、ただの少女だとていた目の前に人物は、俺とものすごいスピードで、俺の方に寄ってきた。

???「だから、まずはお兄ちゃんの中にある邪魔なのを取り出すの。」

そう言うと、どこから取り出したのかわからないが右手に実物より何倍も大きい、まるで刀ほどの大きさのあるメスを持っ突っ込んでくる。それに合わせ受け止めようとしたとき、ふと、違和感を感じた。自分の体が自分とは異なる動きをしようとしていること。それにより、俺はメスを受け止めることができず体に深々と突き刺さる。

河龍「グッ。」

体に強い衝撃がくるが刺された部分から血は一滴も出ていない。何が起きたのか理解できず、動けずにいると目の前の少女は体に刺したメスを勢いよく抜いた。

河龍「(このまま反撃に))

と思っ時、さらに、俺は理解できないことが起きた。目の前に俺が立っている。刺されたときのままで。




 戦闘のことを考えるのって難しいですよね。それとも、自分がそうさせているだけなのか?それはともかくこれまで???だった人物が遂に登場しましたね。と言っても、今回出てきたカナって名前も怪しいですけどね。
何だか物語を書いていると、思っているのとは違う方法になっちゃうことがあるんですが、やっぱり、これも自分だけ・・・ですよね。





次回、本当の自分
 ご愛読ありがとうご会いました。


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狂気の少女

本文の前に一つ、謝罪くぉさせてください。お気づきの方もいると思いますが。前回予告したタイトルから今回のタイトルは変わっています。これは、どうしても今回の内容が前回のタイトルと合わなくなってしまったために起きたことです。(ただ、今回の内容にこのタイトルが本当にあっているのかすらわからない)まことに申し訳ございません。それでも、本編を見たいと思っていただけるのなら感激です。
それでは、本編をお楽しみください。


河龍「はっ?」

???「はぁ~、これでやっとお兄ちゃんは私だけのものになる。」

河龍「おっ、おい、これはどうなってるんだ!」

???「まずは何からしようかな~。あれもしたいし~、これもしたいな~。」

河龍「おい!聞いてるのか!」

俺がそう叫ぶと目の前の少女は、まるでごみを見るような目をしてこちらを睨んだ。

???「うるさいよ。やっと二人っきりになれると思ったのに、ホント邪魔ばかりしてくれるね。」

河龍「そんなことはどうでもいいんだよ。とにかく、これはどういうことだ。」

???「だから、ホントうるさいね。ちょっと待っててね、お兄ちゃん。すぐ邪魔な奴を消して二人きりの時間を過ごそうね。」

今、ここで理解できることが二つある。さっきまでカナダと思っていた人物は全くの別人。そしてもう一つは、俺は今、体のない魂だけの状態になっている。こんな状態で冷静に分析できる自分がおかしく思えるが今はすぐにでも現状を理解し、どうにかするしかない。しかし、どうしようというのだ。今の俺は体がない、食事の時にシャンが言っていたが魔力は体に吸収された力を放つことによってなっている。特に、俺の場合は、体内に入っタクリスタルによってそれを補っている。てことは、今の俺にはあのチートのような力は使えない。それに・・・。

河龍「・・・。」

近くで転がっているがれきみたいなものを取ろうとしたが、つかめない。つまり、今、俺は何も掴むことも触ることもできない。一方的にやられるだけだ。だが・・・。

河龍「成る程な、つまり俺は今とてもピンチというわけか。」

???「何?今になってやっとこの状況に気づいたの?最強という割には結構弱いのね。」

もう彼女の声には優しさという言葉が当てはまらなくなるほど高まっていた。

河龍「あぁ。やっとわかったよ。けどな、本当にこれで俺を殺れると思っているのか?」

???「はっ?」

この発言は予想外らしく少し動きが止まったがすぐに笑い始めた。

???「何?はったりでもかましているつもり?そんなに強がっても今から起こるのは一方的な虐殺だけよ。」

そう言い彼女は手に握りしめていたでかいメスを高々に振り上げ頭めがけて勢いよく振り下げる。ドーン。どこからかそのような音が聞こえて目の前の少女は手を止め音のした方を見る。俺もそれにつられ音のした方を見てしまった。今、この瞬間を使うならできるだけ距離を開けるなり、体の方に行ってどうにかできないか試してみることもできたのに。

壁の方では音がするが何も起きていない。気のせいと思ったのか。それともこの音自体が罠だったのか俺よりも先に音の方も向いていた少女は既に姿が見えない。だが、よく耳を澄ましてみると聞こえてくる。まるで、風を切り裂いてくるような音が上から。

河龍「しまった。」

とっさに回避しようとしたが間に合わない。どうにかあのメスだけは避けるように構えたらさっき音がした壁の方からさらに強い音が聞こえ、壁が粉々に粉砕された。今度ばかりは驚いたの一直線に俺の方を見ていた少女の目は壁の方を勢いよく振り向いた。そして壊された壁の一部がものすごい速さで飛んできて少女の体に見事命中した。その拍子で軌道がずれちょうど俺のところから1メートルのことろにさっきはで握りしめられていたメスが落ちた。

???1「ふぅー、何でこんなに硬いのよこの結界は。」

???2「まぁ、いいだろ。それより、私の高火力のマスパのおかげで壊れたんだからな。」

???1「はいはい、それより・・・。誰かしら、こんな時間に異変を起こすワルい奴は。人がせっかく寝てたというのに。まったくいい迷惑だわ。」

その声の主はまるでまたかとでも言いたいような感じにセリフを放ち部屋に入ってくる。一人は赤が特徴の巫女服を着ていて、もう一人は白と黒が特徴の服を着ている。見た目は俺とあまり変わらないぐらい二人組だ。

???「あなた達誰なの!どうして私の結界が解けたの。」

霊夢「あら、私を知らないなんていい度胸してるじゃない。私の名前は博麗霊夢。楽園の素敵な巫女よ。でこっちは、ただの付き添い人。」

魔理沙「おいおい、そりゃないぜ。しかも付添人って。私の名前は霧雨魔理沙。どこにでもいる普通の魔法使いだぜ。そして、結界は解いたんじゃなくて壊したんだぜ。」

???「ちっ、成る程ね。あなた達が噂の邪魔虫ね。これじゃ分が悪いから逃げさせてもらうとするわ。」

そういうと、少女は何をしたのか空中に円状の空間を作った。そしてその中に入っていく。

霊夢「ちょっ、こら、待ちなさい。」

虎愛「そうだ。最後に名前ぐらい教えてあげる。私の名前は鬼神虎愛。それじゃあね。モルモット達。」

その時、俺は胸のあたりにとても大きな重みを感じた。俺は彼女を知っている。だが、彼女のことは知らない。今この場で、彼女の最後の言葉の意味を理解できたのは、誰もいなかった。




さて、ついに霊夢と魔理沙が登場しました。ドンドンパフパフ。いやー、東方と言ったらやはりこの二人がないとね。ん?にしては登場が結構遅い?それはまぁー、ね?察してください。ちなみに捕捉なのですが、今回出てきた霊夢と魔理沙が『魔力反対』で出てきた???1と???2じゃないですからね。と言わなくても、勘のいい読者の皆様ならわかりましたか。






次回、記憶
ご愛読ありがとうございました。


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記憶

前回を投稿してから気づいたんですが、皆さん虎愛←これ読めましたか?(自分だったら絶対読めない自信があります。)
虎愛(とあ)と読みます。前回の後書きに入れようと思っていたのですがどうやら入れ忘れてたみたいでした。すみませんでした。
それでは、本編をお楽しみください。



霊夢「ちっ、逃げられたわね。」

魔理沙「おいおい、どうすんだ?あいつ、絶対やばいこと考えてるぜ。」

霊夢「そんなのわかってるわよ。それより・・・。」

そう言うと、霊夢は俺の方に向かってくる。俺の魂の抜けた肉体に。

霊夢「あんた、大丈夫?。意識あるの。」

返事はない。そのはずだ。だって魂は肉体から離れているのだから。

魔理沙「霊夢、そいつ意識はあるのか?」

霊夢「・・・呼吸はしているけど、意識はないみたいね。とりあえず安全なところにでも運んできましょうか。」

そう言って霊夢が俺の体を抱えてこの空間から出ようとしたとき、どこからか聞いたことがあるような声が聞こえてきた。

???「あら霊夢、それだけを持って行っても目覚めはしないわよ。」

その声を聴くと霊夢は、またか。とでも言いたいかのように呆れ声で答える。

霊夢「それはどういうことかしら。・・・紫。」

するとまたしても空中に、今度は三日月の形をした何かが出てきた。そして、そこから一人、一言でいうなら、周りとオーラが違う人が出てきた。

紫「あら?博麗の巫女も鈍くなったのかしら。」

霊夢「いちいち余計なことを言うわね。それより、目覚めないってどういうことなの。」

霊夢の問いに答える前に紫の魂の抜けた俺の体の方を少し見て、

紫「だって、彼の・・・。いえ、鬼神羽竜の魂は出ることができない。そして、その代わりである河龍の魂が抜けてるもの。」

そう言うと紫は指を鳴らす。その音がこの空間に響き終えたとき、俺の魂が体に戻っていくのを感じ、意識が途切れていく

紫「まさか、魂が二つになるとわね。」

意識が途切れる前にそのような声が聞こえた気がした。

 

目覚めると、どこなのかわからない。いや、表現することすら難しい空間にいた。

紫「お目覚めかしら?」

俺が起きたことを確認するかのように声をかけてきた。

河龍「・・・普通だ。」

紫「あらそう、なら手っ取り早く本題に入れそうね。」

河龍「本題?」

紫「あなたを襲ったあの子。確か虎愛っていたかしら。なんで襲われたかわかるかしら?」

河龍「いや、知らない。というか、俺はあいつのことは今日初めて知っ・・・。」

紫「嘘ね。」

否定されたとき、また俺の心に大きな重みを感じる。そして、ごめん、虎愛。と涙目になっていっている自分の姿が浮かんでくる。こんな記憶知らない。知っているはずがない。

紫「あなたは感じているはずよ。いや、もう気付いているんじゃないかしら?あなたは、その体の持ち主ではない。もう少し言い方を変えるなら、河龍という人間は存在しない。」

俺は、今、目の前で言われた言葉の意味を理解することができなかった。これは俺の体じゃない。河龍という人間は存在しない。脳内でこの二つの言葉が繰り返し流れてくる。

河龍「嘘だ。・・・そんなはずはない。俺はちゃんと生きている。記憶だってちゃんとある。」

紫「確かに、”今”ちゃんと生きている。だけど、その記憶はいつからの記憶かしら?」

河龍「そんなの、小さなころの・・・小さな・・・ころの・・。」

そこで俺は気づく。俺の記憶はある出来事からの記憶しかない。

河龍「そんな・・・嘘だろ・・・じゃあ、俺は、俺は・・・いったい何なんだ。」

紫「それじゃあ、本題に入るわね。鬼神河龍。あなたはいわば鬼神羽竜によってつくられた人格。つまり二重人格によって出てきた一つの人格に過ぎない。・・・となっていたはずだった。」

河龍「はずだった?」

混乱する頭の中その一言が考えていたことのすべてを吹っ飛ばした。

紫「えぇ、人格に過ぎなかったのよ。ついさっきまで、虎愛があなたに刺したあのメス、どうやらめんどくさい力を持ってたみたいでね。それによって、一人格でしかなかったあなたは魂として存在するものになったのよ。」

河龍「つまり・・・どういうことだ?」

紫「あなたも鈍い人ね。つまりあなたは、もう一人の羽竜として、河龍として存在することになったのよ。だからあなたの持っている記憶は”あの事件”以降しかないのよ。」

紫「そこで、私はあなたを一人の人間として体を授けようと思っているのよ。」

河龍「俺の・・・体?」

紫「わかりやすく言うなら依代みたいなものよ。」

河龍「そうすると、今の俺の・・・、羽竜の体はどうなるんだ。」

紫「こちらで回収することになるわね。あの虎愛って女が羽竜を狙ったってことはまた狙ってくるかもしれないしね。」

河龍「そうか・・・、そういうことな・・・。」

そう言いかけたとき、またしても何かを感じた。待って。いかないで。と。そのまま。俺は黙り込んで考える。

本当にその考えでいいのか。羽竜は自分を守るために俺を、俺という人格を作り出した。その俺が一つの魂として存在し本体から出ていけば俺の存在意義はどうなるんだ・・・。

紫「?」

河龍「いや、やっぱいいわ。新しい体はいらない。」

紫「あら、意外ね。その理由、聞かせてくれないかしら?」

河龍「理由なんて簡単さ。俺は羽竜の人格であって、ほかの誰でもない。この体の持ち主なんだからな。」

紫「ふふっ、面白い答えね。その答えにたどり着くなら、ここに呼び出す必要もなかったわね。」

そう言うと、紫は指を鳴らす。すると、俺の足元の空間に穴が開いて落ちていくのを感じた。

河龍「えっ、ちょっ、わぁぁぁ。」

二度目の目覚めは、寝室のベットの上だった。

 

???「いいんですか。彼をそのままにして。」

紫「あら、藍。見ていたのかしら。」

藍「はい、シャンからの報告が思ったより少なかったので。」

紫「あらあら、あの子、張り切るのはいいけど、やっぱりそういうところが抜けてるのかしら。」

藍「それより、・・・。」

紫「はいはい、大丈夫よ二回も言わなくて。彼なら問題ないわよ。ただ、今回の接触がどのように彼らを変えていくか。そこまでの責任はとれないけどね。」

藍「まったく、紫様はそういうところをもうちょっとしっかりしてもらいたいものです。」

紫「まぁ、いいじゃない。それよりも大事なのは、今回のこの異変、”あいつが裏にいるかもしれないことね。」




はい、てことでまたしても初登場のキャラが出てきましたね。鬼神羽竜(うと)。
ステータスは不明ですが、簡単のプロフィールみたいなのを載せておきます。
名前:鬼神 羽竜(きじん うと)
性別:男
年齢:18歳
能力:不明
魔力:不明
 河龍の主人格。何らかの原因で河龍という人格を作り出す。それ以外のことは不明。

プロフィールを書いてみたのはいいもののほとんどのことはまだ不明になっちゃいましたね。

次回、河龍の弱点
ご愛読ありがとうございました。


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河龍の弱点

今回やっとプロフィールで言った弱点に触れることができます。
正直、元々本編が最初自分が考えていた方向から変わっているのでどうしようか考えていますかが、なんとなく今のままが面白そうなのでこのまま続けようと思っています。(壮大なネタバレ)
まぁ、そんなことはさておき、河龍の弱点は何なのか?
それでは、本編をお楽しみください。


俺は寝室を出て、階段を降り1階に降りる。どうやらまだシャン達は寝ているようで、人気を感じられない。なんとなく外の空気が吸いたいと思って入り口のほうに向かい扉を開けようと扉に手を掛けたとき、急に扉がひとりでに開いた。反射的に後ろに飛ぼうとしたがさっき起きたばかりなので体のほうが思ったように動かずその場に尻餅することになる。

???「おっ、お前って、確か昨日の?」

 

俺は聞いたことのある声の主に顔を向ける。

 

河龍「あっ、ああ、確かに昨日会ったな。魔理沙?だっけ。」

 

魔理沙「おいおい、いきなり初対面の相手に対して呼び捨てはないんじゃないか?

まぁ。そんなことはいいんだけどな。それより、お前の名前はなんていうんだぜ?」

 

河龍「俺は鬼神河龍だ。まぁ、一言でいえば最強だな。」

 

魔理沙「ほぉ~、最強かぁ。じゃあその最強さんは何で今尻餅ついているのかなぁ~(笑)」

 

河龍「・・・。ぜってぇ馬鹿にしてるだろ。」

 

魔理沙「いやいや、馬鹿になんかしてないさ。って、本題からずれたな、この館、家主はお前ってことでいいのか?」

 

俺は立ち上がりながら目の前の少女が、どのような目的でここに来たかを考えてみるが見当がつかない。

 

河龍「確かに、ここの家主は俺・・・らしい。」

 

魔理沙「そうか。まさかお前だったとはな。」

 

 

魔理沙の顔からなんとなくがっかりしているような表情が見えた気がした。

 

河龍「・・・なんか腑に落ちない感じだな。」

 

魔理沙「まぁ。新しい住人が住むって聞いたからどんな奴なのか楽しみにしていたんだが、まぁ、その、なんだ・・・。」

 

言葉を探している魔理沙のポケットからスペルカードが見え、俺は彼女が言いたいことを察した。

河龍「つまり、どんな強い奴が来たか楽しみにしたが、昨日散々にやられている奴がいたからどう対応すればいいか困ってると。」

 

魔理沙「そういうことだぜ!」

 

河龍「そこまではっきりうなずくのもどうかと思うけどな。まぁ。その件に関しては心配するな。俺はさっき言った通り最強だからな。」

 

魔理沙「いや、そんな、無理しなくてもいいんだぜ。」

 

河龍「まぁまぁ、そんな気にしなくていいぜ。そういうのがお望みなら、こっちも得意分野だからな。」

 

そういって、俺は外に出て順次運動を始める。

 

魔理沙「本当に大丈夫かよ。」

 

準部運動を終えると、魔理沙はほうきに乗って空を飛んでいた。

 

魔理沙「一応確認しておくが、本当に大丈夫なんだよな。」

 

河龍「こっちの心配するより、自分の心配をしたほうがいいんじゃないか。」

 

魔理沙「なるほど、結構な自信があるようだな。」

 

魔理沙は帽子の中から数個の小瓶を取り出す。

 

魔理沙「だったら、これでも食らいやがれ!」

 

そういって、小瓶をこちらに向けて投げる。

 

河龍「おいおい、まさかただ投擲しただけじゃないよな。」

 

俺がそうつぶやくと、まるで否定するかのように小瓶は割れ、星形の弾幕になって降ってくる。

 

河龍「・・・まじかよ。」

 

 

そのまま弾幕は衝突して小爆発を起こす。

 

 

魔理沙「おい、あいつ避けずにあたりやがったのか!?」

 

 

河龍「・・・そんなわけねえだろ。」

 

 

その声に反応するように魔理沙は声のほうを見る。自分ほどの高さまでもないが、それでも結構な高さのある木の上の方に生えている枝に乗っている

 

魔理沙「おまっ、どうやっ・・・。」

 

河龍「そんなことより、気を付けたほうがいいぞ。」

 

魔理沙「はっ?」

 

その発言の意味がわからず言い返そうとしたとき、第六感的なものかが働く。後ろからさっき投げつけたはずの弾幕がこっちに迫ってくる。それをギリギリのところでかわし、もう一度河龍のほうを見る。

 

魔理沙「なるほどな、確かにこれは心配しなくてよさそうだぜ。」

 

そういって、ポケットから何か小さな黒い物体を取り出してこちらに構えてくる。

 

魔理沙「こいつは八卦炉っていてな。こいつを打つために使うんだぜ!スペルカード発動 恋府『マスタースパーク』!」

 

そういうと、八卦炉の中心から光が集中して集まり、レーザーとなって打たれる。

 

河龍「おい、ちょっ、まじか。」

 

さすがにこの技は驚き急いでほかの木に飛び移る。さっきまでいた木のほうを見てみると、その子部分だけまるで焼け焦がされたような跡ができていた。

 

河龍「おいおい、殺す気かよ。」

 

魔理沙「まじかぁー、この技を初見でかわせれるやつが人間にまだいたのか。」

 

まったく。話を聞いてほしいもんだ。心の中でそうつぶやくと、スペルカードはその者のイメージ、つまり想像力で完成する。と、誰かが脳内でつぶやくように聞こえてきた。

 

河龍「想像力・・・。」

 

魔理沙「おい、どうした、ボーっとして。」

 

河龍「いや、気にしないでくれ。それより再開しようぜ。」

 

そういって、弾幕勝負は続くが、どうしてもさっきの言葉が気になる。イメージによってスペルカードは完成する。それは、俺にもできることなのだろうか。今の俺に、スペルカードは必要なのだろうか。

と、いろいろ考えているとどうやらマリサの闘争心に火をつけてしまったようで、またしても八卦炉をこちらに向けている。

 

魔理沙「最大火力で行くぜ。スペルカード発動 魔砲『ファイナルマスタースパーク』!」

 

今度は、さっきのと比べられないほどの光が収縮され、ものすごいスピードでこちらに打たれる。これもかわそうとしたところ、足がつまずいて転んでしまう。そして、目の前に効果力のレーザーが降ってくる。その瞬間、俺は死という感覚とそれとはまた別の感覚が全身に走った。

 

河龍「・・・スペルカード発動・・・。」

 

魔理沙「!?」

 

河龍「逆符『反逆者の翼』・・・。」

 

そういうと、俺の背中から真っ黒に染まった翼が生えて、レーザーをかき消した。そう、もう一つの感覚は復讐心。河龍自身は気づいていないが。体の持ち主、羽竜が無意識のうちに感じた復讐心がスペルカードを発動させた。

 

魔理沙「おい、どういうことだ。その姿は何だ。」

 

河龍「キリサメ・・・マリサ・・。」

 

そういうと、まるで自分の体が欲望に逆らえないまま、魔理沙のほうに突っ込む。

 

魔理沙「うわぁぁぁ・・・。」

 

 

???「スペルカード発動 夢符『二重結解』!」

 

その声が響くと、俺の体が二重にまとまった結解に入れられた。

 

霊夢「全く、夜遅くに異変が起きたかと思ったら、今度は朝早くに知ってるやつが何かやらかしてるって、私に休みはないのかしら。」

 

魔理沙「おぉ、霊夢!ナイス。」

 

霊夢「全く、ナイスじゃないわよ。こんな朝早くに動くこっちも身にもなってほしいわね。」

 

二重にまとまった結解は四角い形をしている。・・・四角。その形を認識したとき、頭から体前進へさっきまでとは違う感覚が襲う。今度は恐怖。何者かに恐れる恐怖が全身を襲う。

 

河龍「あぁぁぁー。」

 

急に上がった悲鳴に霊夢と魔理沙は振り向いてみると、河龍の体から羽は消え、そのまま気絶するように倒れた。




さて、今回の話では弱点がはっきりと出ませんでしたのでこちらのほうで補足しておきます。河龍は二重結解に入って気絶しました。その結解の形は四角である。てことは、河龍の弱点は四角い部屋(?)になります。四角い部屋というか四角い空間といった法外のでしょうか。ただ、ほんとに四角い空間だけであって、例えば、その空間の中にテーブルとかが置かれていたら大丈夫ってことですね。まさかの物ではなく、空間。これはきっと、羽竜の記憶のほうに秘密があるんでしょうね。
後、ついに河龍もスペルカードデビューしましたね。(パチパチ)。ただ、今回のこれをデビューといっていいのか。そこらへんが悩みどころですね。




次回、河龍のスペルカード
ご愛読ありがとうございました。


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河龍のスペルカード

前回は弱点、今回はスペルカードと、やっとそれなりに自分のやりたい方向性にむっかてきているような気がします。実は、自分この作品はYouTubeに出したい作品として考えていたんですよね(チャンネルとか持ってないんですけど・・・)。だけど、このサイトでほかの作者の作品を見ているうちに文章で書きたいって気持ちでいっぱいになったんですよね。さてと、前置きはこの辺にして、
それでは、本編をお楽しみください。



暗い部屋の中、俺、いや僕ともう一人目の前に男が部屋の中で立っている。部屋の中に家具は何もなく床の中央に一つの魔法人が書かれていた。その魔法陣の中心に一人の少女の姿が見える。目の前の男が魔法陣の前で本を開き血を一滴本に落とす。本は血に反応したかのようにあるページが光りだす。その光は、とてつもない邪悪さを感じさせた。今、目の前で行われている一つの禁忌行為。人体錬成。人の魂を呼び出すこの行為は、何かを求めるとともに何かを差し出すことが決まりとなっている。

「本当にいいのか」

目の前の男の言葉にうなずく。それを確認した男は、俺の方に拳銃を向ける。

「ごめん」

その言葉と共に引き金が引かれ・・・。

 

河龍「はっ。」

 

目の前に見える景色、近くの窓から光が差し込み、近くではシャン達が俺の意識が目覚めたことを確認している。そこで俺は、今が現実であることを実感した。さっきの夢は、俺の記憶のどれにも当てはまらなかった。ということは、あの夢は、俺の記憶の最初の記憶であるあの出来事の前の出来事なのか?と考えていると、

 

霊夢「あら、やっと目覚めたのね。」

 

声の方を見ると、呆れ顔の霊夢と何だかこちらに目を合わせようとしない魔理沙が立っていた。

 

霊夢「ほら魔理沙、河龍に言うことあるでしょ。」

 

魔理沙「わかってるよ。えーと、河龍、その、すまなかった!」

 

勢いよく魔理沙が頭を下げる。

 

河龍「・・・何がだ?」

 

俺には、魔理沙の謝罪が全く分からない。

 

魔理沙「何がって・・・。」

 

霊夢「あっ、そうか。そういえばまだ、スペルカードについて知らなかったわね。」

 

河龍「いや、スペルカードについては知っている、その者のイメージ、なんだろ。」

 

霊夢、「うーん、まぁ、6割ぐらい正解ね。そのぐらい知っているならそっちの説明は抜いてもいいわね。じゃあ、ラストスペルの方はどうかしら。」

 

河龍「ラストスペル?」

 

霊夢「成る程、ラストスペルの方は知らないね。じゃあ、実際に打った霧雨さんに説明してもらおうかしら。」

 

そう言って、霊夢は魔理沙の方を軽くにらむ、今までに見たことのないぐらいに(と言ってもまだあってそれほど立ってないが)まじめな感じになって魔理沙は説明する。

 

魔理沙「ラストスペルっていうのは、言わば、スペルカードの上位互換みたいなものです。ただし、あまりにも強いから一枚しか持つことができないものです。ちなみに私が打ったファイナルマスタースパークもその一つです。はい。」

 

いつもとの違いに何だか戸惑ったがなんとなく理解することができた。

 

魔理沙「それよりも、河龍が使ったあのスペルカードはなんだ?」

 

河龍「俺が使ったスペルカード・・・。」

 

霊夢「確かに、魔理沙とシャンとの説明ではあなたはスペルカードを持っていないみたいだけど、じゃあほかに何か力を持っているってことなの。」

 

河龍「・・・多分、スペルカードであることには間違いない。」

 

霊夢「でも、あなたは持ってないんでしょ。」

 

河龍「確かに俺は持っていない。・・・けど、羽竜のだとしたら。」

 

霊夢「成る程・・・、と言いたいけどその可能性は低いと思うわよ。紫から話は聞いているけど、その羽竜は目を覚まさないんでしょ。」

 

河龍「でも、俺がスペルカードを使ったのはこれ以外考えられない。」

 

魔理沙「確かに、それならありえる話だぜ。だとしても、どうしたらあんな禍々しいのができるんだ?」

 

河龍「多分、魔理沙がラストスペルを放った時避けれなくて、死と一緒に復讐心を抱いたからだと思う。」

 

霊夢「あなた、そろそろ自分を見つめなおした方がいいんじゃないかしら。」

 

魔理沙「うぅ、確かにそんな気がしてくるぜ。・・・でも、それは河龍の考えに過ぎないことじゃないのか。」

 

霊夢「何が言いたいの?」

 

魔理沙「つまり実際はどうだったかは誰もわからない。あいつを除いてな。」

 

そう言うと魔理沙は扉の方に行き外に出てあるとことに向かった。

 




すみません。今回はあとがきを飛ばしたいと思います。(ネタ不足)


次回、羽竜の心
ご愛読ありがとうございました。


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羽竜の心

そう言えば前回言ってなかったんですけど前作で投稿十作目になりました~(パチパチ)。
どうしよう思ってた以上に話が進むのが遅すぎる(主の心の声)
さて今回は羽竜について触れていきたいと思います。正確には心?なのかな?
それでは、本編をお楽しみください。


魔理沙が出てからだいたい40分ぐらい過ぎただろうか。玄関の方から言い合いが聞こえてきた。

 

魔理沙「いいだろ。もうここまで来たんだからさ!」

 

???「ここまで来たって言ったって。あなたが無理やり連れだしてきたの間違いじゃないですか。」

 

1人は魔理沙なのが分かったがもう一人の方は初めて聞く声だ。周りの様子を見る限り、俺以外は誰が来たのかわかているみたいだが。

 

魔理沙「そうだったっけか?まぁ、もうそんな細かいことは気にしないでいいから来てくれ。」

 

???「細かいことって、こっちにもいろいろやることが・・・って、わぁっ!」

 

一種の悲鳴と共に扉が開いて魔理沙と一人、薄紫色の髪の少女が入ってくる。少女の方は何か赤いコードみたいなものが繋がっている。

 

???「ちょっと魔理沙さん、急に引っ張らない・・・!」

 

そこまで言いかけ、少女の言葉は止まる。

 

魔理沙「どうやら察したようだな。というわけでよろしく頼むぜ、さとり。」

 

さとり「成る程、あなたにしては、ちゃんとした理由があって連れ出したんですね。」

 

魔理沙「おいおい、それはどういう意味だ。」

 

「そのままの意味ですよ。それより・・・。」

 

少女は俺の前まで歩み寄る。

 

さとり「紹介が遅れましたね。私は古明地さとり。地霊殿の主です。」

 

河龍「あっ、どうも、俺は・・・。」

 

さとり「鬼神河龍・・・ですよね。自称最強の。」

 

河龍「・・・はっ?」

 

さっぱり理解できない。名前の方はともかく、俺の言うとしたことを読んだ?少々混乱していると、魔理沙が説明する。

 

魔理沙「河龍、こいつは人の心を読むことができる。連れてきた意味はこれでわかるよな。」

 

河龍「成る程な、そう言うことか。」

 

霊夢「つまり、目覚めない心を内側から読むってことね。そんなことできるの。さとり妖怪って確か、表面上からしか読むことができないんじゃなかったかしら。」

 

魔理沙「えっ、そうなのか!?」

 

さとり「確かに、霊夢さんの言う通りで、私は表面上からしか心を読むことができません。ですが、一応できないわけではないです。」

 

河龍「その言い方ってことは、何かやらなくてはならないことがあるってことか。」

 

さとり「察しが早いですね。記憶を見るにはスペルカードを使ってそこから能力を使わないとみることができないんです。」

 

さとり「さらにもう一つ言うと、このスペルカードは対象の記憶を一時的に外に出すことによってみるものとなります。」

 

その言葉にその場にいた全員が驚愕する。

 

霊夢「それはつまり、一時的ではあるが羽竜自信を呼び出すことができるってこと?」

 

さとり「そう言うことです。でも、それなりの危険性もあります。通常だったら、記憶だけを出すことになるんですが、今回の場合はもしかしたら人格そのものを出すことになるかもしれません。」

 

河龍「成る程ね、じゃあお願いしようかな。」

 

さとり「えっ、話聞いてました?それなりに危険なんですよ。」

 

魔理沙「そうだぜ!さとりを連れてきたわつぁいが言うのもなんだが、やめた方がいいぜ。霊夢も言ってやれ。」

 

霊夢「・・・。」

 

魔理沙「霊夢?」

 

霊夢「河龍。本当にやるの?」

 

河龍「当たり前だろ。」

 

霊夢「だと思ったわ。だったら止めはしないわ。」

 

魔理沙「ちょっ、霊夢何言ってるんだ。」

 

さとり「そうですよ霊夢さん。」

 

霊夢「いいから。さとり、やって頂戴。」

 

さとり「・・・。わかりました。本当にいいんですね。」

 

河龍「あぁ。」

 

魔理沙「おい、さとりまで。・・・あぁーもう、どうなっても知らないからな。」

 

霊夢「大丈夫でしょ。なんせここには私がいるんだから。」

 

魔理沙「まったく。その自信はどこから湧いてくるんだか。」 

 

さとり「それじゃあ、いきますよ。」

 

河龍「あぁ。よろしく頼む。」

 

さとり「スペルカード発動 想起『テリブルスーヴニール』!」

 

その言葉に反応するかのように、さとりに繋がっている目から紅に染まる光がレーザーとなって俺に撃たれる。

 

すると、俺の体から何か抜けていくような感覚を感じながら一緒に体の力も抜けてく。光が収まるとなんとなくだが抜けた体の感覚が戻ってくるように感じた。

 

魔理沙「これが、羽竜の記憶?」

 

俺の体から出されたもの、それは小さな光となって空中に浮遊している。

 

さとり「いえ、これはまだ記憶の表面です。今から見てみます。」

 

そう言うと、さとりは両眼を閉じコードに繋がった目を光の中に入れる。その瞬間この部屋にいる全員がさとりの脳内を通して羽竜の記憶が見えた。そこには、幻想郷の湖で羽竜と話すレミリアやフラン、妖精やこの屋敷が見えてくる。そして一同が一番驚いたのはその記憶の中に虎愛の姿も見えた。




いぁ、どうしてもタイトル回収するのが物語の後半に行ってしまう。どうしたものでしょうか。それはさておき、今回はさとりが登場しましたね。やっぱり記憶(心)関連と言ったら登場必須ですね。そういえば今更になるのです(一応この作品は二次創作だからわかると思っています)が、本編に出てくるキャラは主の創造でイメージが変わっているかもしれません。そこのところをご承知の上でこれからも本編をお楽しみください。


次回、羽竜の幻想郷入り
ご愛読ありがとうございました。


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羽竜の幻想入り

まず皆さんに謝罪をさせてください。先週の火曜日に投稿できなくてすいませんでした。元々は、特に何週間に一本とか気にせずやっていたのですが、途中から自分の中で二週間に一本と目標を立てていたのですが、完全に投稿していた気でいました。以後このようなことが無いよう注意していきますので、これからもこの最強最弱能力者の方をよろしくお願いします。
それでは、本編をお楽しみください。


 木々の間から照らす太陽はまさに頂点に達しまぶた越しからでも雲一つない快晴だとわかる。まだ残る眠気を振り払い、体を起こして驚愕した。

 

羽竜「ここ・・どこ・・?」

 

明らかにさっきまでいた自分の部屋とは違う。それどころかここは森の中だった。立ち上がり周りを見てみるが自分の知る記憶の中でこんな場所はない。どうしたものかと頭を抱えていると

 

???「あの・・・大丈夫?」

 

と、恐る恐る話しかける声が背後から聞こえた。その声に驚き反射帝に後ろを振り向いてみると、そこには、屋台を引いた背中と耳?に羽を生やした少女がいた。コスプレ、と最初は思ったが羽がピクピクと動き、目の前にいる人は誰なんだ、と思う好奇心と、何かやばそうな人がいる、という恐怖の二つの感情が体を走り動けずにいた。

 

???「おーい、大丈夫ですかー?」

 

目の前の人物による二回目の問いかけでようやく我に返る。

 

羽竜「あっ、ハイ、大丈夫です。それでは失礼します。」

 

そう言って、少女とは反対側の方を全速力で走る。恐怖で逃げ出したわけではない、急いで家に戻る方法を探さなければ、と自分に言い訳をして、やみくもに走る。

数分走りきったところで後ろを見て、追いかけてきてないことを確認する。

 

羽竜「ふぅー」

 

大きく深呼吸をして呼吸を整える。今考えてみれば、さっきの人から何か話を聞いた方がよかったような気がしてやまない。まず、考えてみれば、心配してくれる相手が急に襲ってきたりするのか?そんなことはない、はず。

 

羽竜「何か、悪いことした感じが強いな」

 

と、つぶやくと

 

???「ホントだよー。心配して声を掛けたら、急に逃げ出すしさ」

 

さっきの人の声がどこからか聞こえてきた。そんなはずはない、確かに走るのは周りの人に比べれば遅いかもしれないけど、ほんの数秒前に後ろには誰もいないことは確認したばかりなのだ。

 

???「そっちじゃないよー。上だよ」

 

その声の言う通り上を見てみると、さっきの少女は枝の上に座ってこちらを見ていた。

 

???「そんなに怖がらなくてもいいと思うんだけどなー」

 

枝の上からふわりと羽を羽ばたかせゆっくり降りてくる。足が地面につく前にもう一回逃げるか考えたが、正直もう体力が残ってなくてその場で、少女が下りてくるのを待った。

 

???「あれ?今度は逃げないんだね。」

 

羽竜「逃げないんじゃなくて、逃げる体力が残ってないだけです。」

 

???「なるほどねー。」

 

少女は、両手をポンと叩くと、頭を上下に振った。

 

???「そういえば、困ってるようだったけどどうしたの?」

 

そんなことより、目の前の少女は本当に人間なのか?羽生えてるし、さっきホバリングしたし、そっちの方が気になり、質問したい気持ちだったが、話を遮ったら何されるか、という恐怖がその考えを頭の中から除外させた。

 

羽竜「言って信じますか」

 

???「うーん・・・、信じるか信じないかはその内容次第だね。」

 

いや、信じる信じないはこっちだって思ってることなんだが、と突っ込もうとしたが言わず卒もんに答える

 

羽竜「さっきまで僕、自分の部屋の中で寝てたんです。それで、目を覚ましたらさっきのところにいたんです。」

 

それで、目の前に羽の生やした少女は現れ・・・、とまで言いそうになったところをどうにか口の中で抑える。

 

???「うーん、部屋で寝たたら森の中、そんなことったありえ・・・。」

 

そこまで行ったところで、少女は僕の方に勢いよく近づいてくる。何かされるんじゃないかと思って逃げそうとしたが、それより早く両手を握られ、

 

???「それってもしかして、外の世界から来たってことなの!?」

 

と目を輝かせて、聞いてくる。あまりにも急な展開に、思考が停止する。

 

ミスティア「あっ、ごめん。まだ名前言ってなかったわね。私の名前はミスティア・ローレライ。ミスティアって呼んでね」

 

羽竜「・・・鬼神羽竜です。」

 

なんだか、悪い意味ではないやばそうな人に捕まったな、と心の中でつぶやいた。




今回から羽竜の物語が始まります。早くて五話長くても八話には終わらせたいと考えているのですが、はたして、思い付きでやっている僕にそんなことができるのか心配です。ですが、しっかりと内容のあるものになるように頑張ります。










次回、紅魔の幼き吸血鬼
ご愛読ありがとうございました。


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紅魔の幼き吸血鬼

はい、なんとなくタイトルから察せられる方々がいると思いますが・・・、いや絶対皆さんわかっていると思うので特に何も語ることはございません。
それでは、本編をお楽しみください。


さて、どうしたものか。と現状を整理する。まず自分は、部屋で寝てたはず、だが目を覚ましたら森の中にいた。そして目の前に羽の生えた少女、ミスティア・ローレライが来て―――。

 

羽竜「あのー。そろそろ、手離してもらってもいいですか?」

 

ミスティア「あっ、ごめんなさい」

 

そういって、手を離す。

 

ミスティア「急にごめんね、外の世界の人に会うの初めてで、ちょっと興奮しちゃった」

 

興奮って、そのまま食べるとかじゃないよな。さっきの態度を見る限り敵意が無いのは分かったけどどうしてもそう思ってしまう。

 

ミスティア「そういえば、お腹とかすいてない?さっき屋台置いてきちゃったから取ってくるね」

 

そう言うと、ミスティアは羽ばたいてさっき全速力で走った道を軽々と飛んでいく。

 

羽竜「あ、いやお腹すいてな・・・って、いちゃった。」

 

あんな猛スピードに追われていたのかと思うとちょっとぞっとする。逃げきれないのも納得だ。さて、ミスティアが屋台を取りに行っている間、どうしたものか。

 

羽竜「・・・とりあえず座るか」

 

呼吸は整ったが足がもう限界、緊張感も薄まって近くの木に寄りかかりながら座る。そして、うとうとと眠ってしまう。

目を覚ますと、そこはさっきまでとはまた別の場所だった。小さな部屋、近くにはたくさんのぬいぐるみやおもちゃ、ここが子供部屋だと気づくのにそれほど時間はかからなかった。だがどうしても理解できないのは、明らかにこの部屋は暗すぎる。まるで地下にあるような――――。

 

???「あー、やっと目を覚ました!」

 

聞こえてきたのは幼い女の子の声。さっきのこともあり恐る恐る声の方を見ると、そこにいたのはクリスタルの羽?を生やした少女だった。さっき出会ったミスティアとは違いこちらの羽はまるで吸血鬼を連想させるような形をしている。

 

???「起きるのが遅いから食べちゃうところだったよー」

 

食べる?それはどういう意味だ?というか、起きるのが遅いから食べる。つまりそれって―――。

 

羽竜「僕、食べられるのか」

 

いろんな情報が脳内を埋め尽くすなか、反射的に言葉が出た。

 

???「おー、理解が早くて助かるね。普通の人間だったら慌てふためくのに」

 

そりゃ、さっきまで空飛ぶ屋台娘から全力で逃げたら慌てるどころか、あり得ないことが平然に理解できる。

 

???「だったらー、状況整理が早い君にはチャンスを上げましょう」

 

羽竜「チャンス?」

 

チャンスと言っても、食べます宣言してきた相手から与えられるチャンスって絶対やな予感しかしないんだが。

 

???「そう、そのチャンスとは!・・・すなわち皆さんおなじみ弾幕ゲーム~!」

 

羽竜「弾幕・・ゲーム?何それ」

 

それの問いに、目の前の少女は驚いた表情をする。

 

???「え~!?弾幕ゲーム知らないの!?」

 

いやいや、そんな知っていることが常識みたいに言われたって、こっちは外の世界?から来た住人ですし・・・。

 

羽竜「まったく知らない」

 

俺の答えに少女は不満そうな顔を浮かべた。

 

???「なーんだ。お兄さん能力者じゃなかったんだ。だったら、違う遊びを考えなきゃいけないなぁ。なにがいいかな、人形遊び?それとも人体解剖?」

 

いやまてまて、今の聞き間違いではないよな。明らかに人体解剖って言ったよな。ちょっと彼女は何を考えているんだ。

 

???「よーし、決めた!今からやるゲームはズバリ!『あなたはどんだけ耐えられる?恐怖の弾幕回避ゲーム!』」

 

羽竜「へっ?」

 

???「ルールは簡単。あなたがどんだけ私の弾幕から逃げることができるかを競うゲーム。それじゃあ始めるぞー、よーいド」

 

羽竜「ちょっとストップ!」

 

???「・・・何よー。今からゲームが始まるのに、そんなにゲームが嫌なの」

 

不機嫌な顔になりながら少女は何かを出しそうな構えから体勢を変える。

 

羽竜「いや、ゲームってとこには問題ないんだけど、さっき弾幕ゲームは分からなくて遊び変えたのに弾幕回避だとさっきと変わらなくない?」

 

???「はっ!確かに!」

 

羽竜「それに、僕はここにどうやってきたかも知らないから、そこの説明もしてもらいたいんだけど。」

 

???「・・・」

 

僕の問いに答えることなく、目の前の少女は腕を組み何かを考えている。

 

???「よし、決めた!」

 

そう言って少女は、手平を上に向け、その上に光の球体を出す。

 

羽竜「はい?」

 

さっきの決めたってもしかして・・・。

 

???「もう、いろいろめんどくさいし。とにかくこのゲームで逃げ切ることができたら、説明してあげる」

 

あぁ、成る程そう言うことか。とりあえず、理解できたことが一つある。これは逃げ切らないと絶対やばい。




物語は紅魔館に移動。???の少女は皆さんわかりますよね?さて、これから起こるゲームで羽竜はどうなってしまうのでしょうね。










次回、未来の見えない兄妹
ご愛読ありがとうございました。


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未来の見えない兄妹

さてさて、今回も全然先のわからない中始めさせていただきたいと思います。今のところ、大体一話で一場面の物語で進んできていますか、この先どうなるか、正直このストーリーを考えている僕ですらわかりません(キリッ)。それでは、前置きはここまできして(強引)
それでは、本編をお楽しみください。


まったくどうしてこうなってしまったのか。僕はただ昼寝をしていただけなのに。

 

???「ハハハハハッ、すごいすごーい。全部避けてるー」

 

急に部屋に移動したと思ったら、目の前の吸血鬼っぽい少女に弾幕回避をしろと言われ、多分これは絶対当たったら痛い光る球体を背後から投げられている。

 

羽竜「はぁ、はぁ、・・・これいつになったら終わるんだよ」

 

愚痴のように吐いた言葉が聞こえたようで後ろから迫ってくる少女は楽しそうに笑いながら答える。

 

???「もちろん!あなたが死ぬまで!」

 

羽竜「はっ?」

 

何を言っているんだあの子は。僕は何が起きているか知りたいだけなのに、死が確定されているゲームに参加した覚えはないんだが。

逃げ始めて約1分、すでに体力はほとんどなくなっていてどこか物の陰に身を隠したいと思っているが、さっきから、その物までもが球体の餌食になって砕け散っていく。

 

???「あれれ~?オニーさん、スピード落ちてきたよ~」

 

そんなこと言われなくてもわかっている。こうなればイチかバチか、あの少女を倒すしかない。と、そんな風にも考えたがそんなことができるわけがない。それができているなら今こうやって逃げる必要はないのだから。

 

???「おぉ~。ドンドンスピードが落ちてきている。これはゲーム終了のゴングが鳴るのはまじかなのか~?」

 

どこか解説をしているようにも聞こえてくる少女の声には喜びに満ちているようにも感じられる。

 

羽竜「呑気にに・・・解説なんか・・・して・・・」

 

もう息が持たない。そんな中目の前に見えた扉の隅に壁の模様と同化している壁を見つける。あそこに入れば。中がここより狭い部屋ならもう終わりだが、道が続けばまだこの勝負勝機はある。目の前に見える壁のドアに向かって走っていくと、その声がさらに高まっているようにも一瞬感じた。だがそんな声を無視して扉を勢いよく開け、すぐに閉める。さらに距離を取ろうと思って重たい足を上げ走ったがなぜか扉が開く音が聞こえない。あの部屋が彼女のテリトリーだったのか。何にせよ助かった。そのまま廊下に寝転び大きく息を吸って、吐く。そしてふとあることに気づく、床が冷たい。何か物を使って冷やしているわけではない、例えるならば、洞窟の中に入って感じるあの冷たさのようだ。

 

羽竜「疲れた」

 

乱れた呼吸も整い周りを見てみると、少し先に階段が見えた。正直もう何があっても驚くことはないだろう。さっきより怖いことがあるのだろうか。そう思い、階段の方へ向かう。と、誰か階段から降りてくるとが聞こえてくる。隠れる場所を探そうと思ったが廊下には何もなくどこにも隠れそうなところはない。ここはもう堂々としていた方が開いても驚くだろう。そう思って、こちらは堂々と廊下を進む。そして階段を下りてくる足音はついに廊下を歩く音に変わる。今度はどんな羽を生やした人?が来るのか。堂々としかし少し身構えながら廊下を歩く。が、

 

羽竜「えっ?」

 

すぐに歩みを止め廊下の先の少女を見つめる。白い髪にこれまた白い目。背丈はさっきの少女と同じぐらで、どこか見た目より幼さを感じる。

 

羽竜「虎愛?」

 

相手もこちらの存在に気づいたようで、僕の方を見つめて

 

虎愛「お兄・・・ちゃん・・?」

 

???「成る程。これがあなたの運命だったのね。これは思った以上に予想外の道を歩いているわね。」

 

僕と虎愛の間に急に現れた蝙蝠の翼を生やした少女は考え込みながら言う。そして、虎愛の方を見て何かを投げる。

 

???「おめでとう。これであなたは完全に私の予想していた運命からそれたわ。」

 

そして今度は、僕の方を向いてジーっと見つめる。

 

???「成る程ね。確かにこれなら納得できるわね。」

 

さっきから彼女は何を言っているんだ?運命やら予想外やら、まるで人の占い師のようなことを。

 

???「それじゃあ、せっかくの兄妹の再開なのだし、ごゆっくり。あぁ、虎愛。今渡した物は絶対になくしちゃダメよ。もう予備はないんだから。」

 

虎愛「わ、わかってますよー」

 

???「フフッ、それじゃ、ごゆっくり~」

 

そう言って目の前にいた少女は一瞬にして姿を消した。

 

羽竜「虎愛・・」

 

僕は妹の名を呼び、歩み寄り、抱きしめた。




さて、久々に登場していました虎愛。正直、自分の中で一番キャラ付けがはっきりしていないんですよね。なら何で登場させてんだよって話になるんですけど、そんなことはノリと勢いでどうにかしていきます!










次回、お茶会
ご愛読ありがとうございました。


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お茶会

今回は前置きなし!正直ネタ切れです!
それでは本編をお楽しみください。


あの後、いろいろなことを説明された。行方不明だと思われていた俺の妹、虎愛は実は元この世界(幻想郷)の住人であったこと。スキマの妖怪、八雲紫という幻想郷の賢者の一人によって現代(こちらでいう外の世界)に転生されたこと。そして、その記憶が戻った虎愛は自らの能力というものでこちらの世界に戻っていたこと。

 

羽竜「じゃあ、お前はもう、あっちに戻らないってことか?」

 

虎愛「そう・・・、なるかもしれない。私一人の力じゃ、あっちとこっちの行き来はできないから」

 

羽竜「えっ?でも、お前はその能力ってのを使ってこっちに来たんじゃなかったっけ?」

 

虎愛「私の能力はね、呼ぶ程度の能力なんだよ。と言っても、遠すぎる場所や、別の次元にいる人を呼ぶまではできないんだけどね。」

 

羽竜「でも、その言ってることが正しいなら、その紫って人を呼ぶのは不可能じゃないのか?」

 

虎愛「それは、・・・」

 

レミリア「ゴホン」

 

さっき廊下に現れた吸血鬼、レミリアの咳払いで会話が止まる。

 

レミリア「兄弟の再開を邪魔する気はないのだけど。せめて、お茶会の時ぐらいはみんなでお話をしたいわ」

 

そう、今僕たちはレミリアさんとお茶会をしている。理由としては、僕に対する情報収集だと虎愛は言ったけど。正直僕なんかに何を聞こうと思っているのだろうか。

 

レミリア「どれでまぁ、なんだか盗み聞きみたいな形になってしまったけど、あなた達はそういう関係ということね」

 

羽竜「まぁ、そうですね。なんだか、僕が知っている以上に何か複雑な状況になっていますけど」

 

虎愛「そんなことはいいじゃないですか。それより、レミリアさんはお兄ちゃんに何を聞こうとしているのですか?」

 

レミリア「まぁ、そうね。正直聞きたいことがありすぎてどれから聞こうか悩んでいたのだけど、それよりも聞かなくちゃいけない質問ができたわ」

 

羽竜「その質問とは?」

 

レミリア「あなた、私の妹。フランドール・スカーレットに会ったわね」

 

羽竜「あの部屋にいた少女がそのフランドールであるならね。」

 

僕の答えを聞くとレミリアは少し何か考え込んだのか。窓の外を見ている。

 

レミリア「成る程ね」

 

その一声で何か、正直に言ってめんどくさそうなことが起こるんじゃないかと感じた。

 

レミリア「なら、あなたにお願い事があるのだけどいいかしら?」

 

羽竜「お願い事、と言いますと?」

 

レミリア「フランの心を開放してほしいの。」

 

めんどくさい、ことではなさそうだがなぜそれを今しがたあったばかりの見ず知らずの僕に頼んでくるのか。

 

羽竜「さすがに理由ぐらいは話してくれますよね」

 

レミリア「確かにそうね。少し話を飛ばしすぎたわ。それじゃあ・・・」

 

レミリアは自分のポケットの中から一つのクリスタルを取り出す。色は水色何のなぜか、何と言えばいいか、その色として認識できない。

 

羽竜「これって」

 

レミリア「へぇー、見ただけで感じ取ることができたのね。」

 

そう言って、そのクリスタルをポケットの中にしまう。

 

レミリア「あなたが感じたのはフランの狂気。彼女自身の力。この世界では魔力というわ」

 

羽竜「魔力・・・」

 

僕には魔力というのがどうあれば正しく、どうあると悪いのかまったく理解できない。ただ一つその中で確かな理解ができていること。それは

 

羽竜「その力は、魔力は正常じゃないってことですか」

 

僕の回答に少々の驚きを感じたように思えたレミリアだがすぐに元に戻る。

 

レミリア「すごいわね。まさかここまで観察力と推理力が優れている人だとは思わなかったわ。」

 

フフフと少し笑い話を戻す。

 

レミリア「そう、彼女、フランは生まれてからずっと、魔力制御ができなかった。今は昔に比べてマシになっているけど。」

 

レミリア「それで、あなたの力で彼女の心を自由にしてほしいの」

 

その問いに、正直どのように答えを出せばいいかわからない。この話は、スカーレット姉妹の問題だ。だけど、それが何百年も続いている。それはフランの心に大きな負荷をかけ続けていることになる。

 

・・・なら、答えは一つしかない。

 

羽竜「わかりました。僕にできることであるのなら、やってみます」

 

そう言って僕は目の前に置いてあるカップの中身を一息で飲み切り席を立ち部屋から出ようとした。

 

レミリア「あら、ありがとう。なら、これを持って行った方がいいわね」

 

その声は部屋の中からではなく廊下、僕の目の前で発した。

 

羽竜「・・・結構心臓に悪いんですけど」

 

レミリア「フフフ、ごめんなさい。」

 

そう言って、レミリアは手に持っていた何かを僕のポケットの中に入れる。と言っても、その出来事は指パッチン一回で行われたことなので羽竜には急にポケットに重みが追加されたように感じた。

 

レミリア「それはきっと、あなたの使い方でどんなものにでもなるはずよ。」

 

そう言ってまた指パッチンを一つ。今度は部屋の中、さっきまで座っていた席にまた座っている。まったく何が起きているのか。そう思いながら部屋を出て、階段に向かった。




はい、羽竜と虎愛の再開。いやーこういうのは書いてみたかったんですよね。で、ここで大切なのがフランの狂気になってきます。いったい何のことを言っているのか。それは、これまでに投稿した話の中でヒントになるものがあるかもしれません。ぜひ、探してみてください。









次回、狂気の魔法陣
ご愛読ありがとうございました。


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狂気の魔法陣

急なのですが、次回の投稿が遅れます。その代わり、今まで投稿した分の内容の誤字や文章の形?をきちんと整えておきます。
それでは、本編をお楽しみください。


階段を降り、あの冷たい廊下を通る。ポケットの中に手を入れ、レミリアからもらった何かを見ている。

 

羽竜「・・・これで心の開放ができるのか?」

 

それは、まるで水晶のように透き通っている宝石をつけた指輪だった。もしこれを彼女、フランの指にいれなくちゃならないとするなら、とても、いやめちゃくちゃ骨の折れる作業になるんじゃないか。まぁ、物理的に折られないことを祈るしかないな。あれこれ考えているうちに、扉の前についていた。

 

羽竜「そういえば、襲われたときの対処法聞いてなかった」

 

一度戻ろうとしたがここで戻ると、なんだか逃げてきたような気がしてならなくなる。

 

羽竜「・・まぁ、どうにかなるか」

 

宝石をポケットの中に戻し扉を開け部屋に入る。完全にノープランってわけでないが実際さっきのこともあってどの行動が最善ルートになるか全く予想できない。

 

???「誰?」

 

ふと誰かが、小さな、耳を澄ませてなければ聞き取れないぐらいの声で話しかけてくる。驚きながらも声の方を見てみると、そこには、さっきまでと違う、まるで別人のように部屋の隅に座り込んでいる。フランの姿があった。

 

羽竜「えっと、この場合はどう返事をしたらいいものか」

 

僕の声を聴いた彼女は、少し身を震わせながらも受け答える。

 

フラン「あぁ、さっきの。って言ってももう数時間ぐらい前だったか。何しに来たの?」

 

あの時の雰囲気とはまるで違う。これが本来の姿。そして、数時間前に会ったあの姿が言わば狂気の姿。そうとわかると、なんだかとても罪悪感を感じてしまう。本来の彼女は見るからに寂しさで包まれているオーラを感じる。いや、見えているわけではないが例えるならの話で。

 

羽竜「・・・約束、忘れたの?」

 

出来る限り穏やかに、敵意を与えて怖がらせないように問う。

 

フラン「約束?あぁ、ここに連れてきた理由だったね。」

 

彼女は顔を上げることなく話し続ける。

 

フラン「私ね、ずっとお友達が欲しかったの。けど、いつも私の魔力が邪魔する。私を一人にしようとする。そして、私の体を使って、この目に人の血を、肉を、耳には悲鳴を、そして命を弄ぶあの悪夢を与えてくる。」

 

フランの震えはさらに強まる。

 

フラン「だけど、今日は、闇夜だから。毎年、この日だけはあいつも出てこなかったから。だけど・・・」

 

そこまで行って話は止まる。いや、止まったのではなく彼女は涙をこらえている。

 

フラン「それも全部、自分の信じた願いでしかなかった。現に私は体を操られあなたをこの牢獄に入れてしまった。・・・もう、嫌だよ。もう、誰も私の目の前で死んでほしくない!けど、私はこの呪いからは逃れることができない!もういっそ私は死―――。」

 

そこまで言って、彼女の言葉は止まる。いや、止めさせた。初対面の人にされるのはどうかと思ってためらうべきなのかもしれないがこれが一番手っ取り早い。僕は彼女をそっと抱き、包み込む。その体はとても冷たく。これまでずっと独りぼっちだったことを表しているように感じた。

 

羽竜「死ぬなんて言っちゃダメ。それだけは何があっても言っちゃいけない。たとえそれが自分を苦しめているものが原因でも。」

 

フラン「だったら、・・・だったらどうすればいいっていうの!誰も私に近づかない、そして私からも近づけない。・・・あなたならこの悪魔をどうにかすることができるの?」

 

半分は感情任せに、そしてもう半分は望むかのように聞いてくる。これにどうこたえるのがベストなのだろうか。いや、この答えにベストは存在しない。彼女の気持ちに最善や最悪の天秤をつけてはいけないのだ。

 

羽竜「・・・簡単な話だよ。」

 

僕の答えが意外過ぎたのか彼女はうつむいていた顔を上げる。その顔は涙でしわくちゃになっていた。

 

羽竜「僕は死なない。絶対君の前で」

 

フラン「そんなの無理だよ。今回はたまたま生き残れたけど毎回同じように―――。」

 

羽竜「いいから。僕を信じて」

 

そこまで言って、やっと彼女は少し笑う。

 

フラン「わかった。だったらあなたを信じる」

 

この時、指輪の宝石の中に一つの魔法陣が生成された。




一応今回で過去辺は終了にしようと思っているですが正直まだ処理しきれていないところが自分的にはあるのでどうするかすみません。次回投稿するときに決めさせていただきます。
中途半端な投稿主ですみません。それでも、温かい目で見守っていて欲しいです。










ご愛読ありがとうございました。


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