よろしくお願いします。
何もない白い空間……そこで俺は立ち尽くていた。
「何なんだ? ここは?」
確か俺はさっきまで学校に居たはずだ。普通に授業受けてて、それで……
「おお! やっと気づいたか」
背後からしわがれた声が聞こえた。
「!? 誰だ!」
振り向くとそこには…………
「ワシは神じゃ」
とほざいている髭で顔がよく見えない爺さんがいた。
「まあ、貴方が神だったとして、何で俺はこんなとこに呼ばれてるんですか?」
「それがのぅ、ワシの部下が誤って殺してしまったのじゃよ」
爺さんによると、俺は爺さんの部下が振っていた剣がすっぽ抜けて、運悪く刺さって死んだらしい。
「そうじゃから、お主には転生してもらおうと思ってな」
「転生…ですか」
『転生』という言葉は知っている。たまに見ていたウェブ小説の二次創作でよく見かけるジャンルだ。だがまさか俺が、こんな夢みたいな出来事の体験者になるなんてな……
「転生特典はありますか?」
転生特典も二次創作のオリ主などが持っている大きなアドバンテージだ。
「ああ、今回はこちらが悪いからのぅ。特別に2つやろう」
2つか…… よく考えて決めないとな。
「そうそう、お主が転生する世界はワンピースの世界じゃからな」
「ワンピース!?」
死亡フラグが結構立つあの世界か!これは慎重に特典を決めないとな……
「考えておいてもいいから、決まったらワシに話しかけての」
「分かりました」
良かった。これで心置きなく考えられる。
「決まりました」
「おおそうか。意外と早かったのぅ」
体感10時間位考えていたのにな。爺さんにとってはほんの僅かな時間だったのだろう。
「まず一つ目は際限なく強くなれる肉体を下さい」
ワンピースの世界を生き残るにはこの能力は必須だ。原作加入しないのなら、海賊にさえ気をつけていれば割と安全な人生がおくれる。だが俺は原作加入するかどうかわからない。それと体を鍛えていた方が損はないという結論からこの特典を選んだ。
「おおいいぞ。それで2つ目はなんじゃ?」
「2つ目は……悪魔の実を転生時に送ってください」
悪魔の実はどうしても欲しい。それじゃないとワンピースの世界に転生する意味が無くなってしまう。出来れば自然系がいいな。新世界にいるような人達には実態のない体でも、覇気で無効化されるかも知れないけど、偉大なる航路前半の海では覇気を使えるやつはそこまでいなかった気がする。超人系や動物系も鍛えれば強いのだけれど……
「よし、決まったな。ああそれと、原作開始時の年齢は20才でいいかの?」
「はい。お願いします」
「では、第二の人生を楽しんで来るんじゃの」
足元に穴があいた。そしておれの視界は黒くなった。
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