機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズIFストーリー 悪魔達が紡ぐ鎮魂歌 (リン・オルタナティブ)
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設定資料編
ASW-G-28


なんやかんやでもうUA400突破.....。
この機体でアンケートは締め切りです。次回から別のアンケートを行いますのでよろしくお願いします!


GUNDAMBERITH(ガンダムベリト)

型式番号 ASW-G-28

所属 不明

全高 16.2m

本体重量 37.4t

武装 ツインソーサー

   315口径ローリングミサイルポッド

   腕部収納型電磁ナイフ

搭乗者 茅蜩 クミョウ(ひぐらし クミョウ)

 

ASW-G-28 ガンダムベリト

宇宙(そら)で見つかった火星ハーフメタルで覆われた球体型の物体の中にうずくまるような形で格納されていたガンダムフレームのMS(モビルスーツ)。外部の球体は多少の傷跡があり、劣化が進んでいることが確認された。厄災戦が終結して300年間ずっと宇宙(そら)を漂い続けていたと考えられている。

機体の方はリアクターやフレームのあちこちの細かい部分にガタが来ていたりと少し心もとが無いが、ナノラミネートアーマーはしっかり手入れされ、何時でも使えるように整備されていた。

機体の肩部には特徴的なミサイルポッドが装備され、いざとなったらパージして遠隔爆破が出来るように設計されているが、パイロットのクミョウは一度も使用していない。

腕部には折り畳み式の電磁ナイフが仕込まれている。このナイフは通常のナイフと電磁ナイフの二つのパターンをパイロットの任意で切り替えることも可能と言う親切な設定を施されている。

パイロットの茅蜩クミョウについてだが.....レギュウやマウラ同様に、彼女もベリトと共に独自で調査に乗り出したと報告が来た。これで動き出したガンダムフレームのMS(モビルスーツ)は全部で6機。

___バルバトス、グシオンが鉄華団で、ベリアル、フォルネウス、ベリトが個々で、そしてキマリスがギャラルホルンで運用を開始したようだ。

さらに追い打ちをかけるかのように......ベリトが動き出した直後に、ベリアルと共に見つかり、ギャラルホルンの方で厳重に保管、管理されていたMA(モビルアーマー)カマエルが起動。今まで通りではなく今度は完全に起動を果たし、配備されていたギャラルホルンのMS(モビルスーツ)や自身が収容されていた火星基地を跡形もなく破壊、蹂躙した後にその場を去った。

____研究会の方では、今回の一件でMA(モビルアーマー)の名を、カマエルからベリトと対立していた天使の名、ナバルバへと改められ、ナバルバの追跡を行っている。

 

今回の一件___あくまで推測の域だが、ベリトが動き出した直後にナバルバは起動した。それは一体何故?___簡単な話だ。恐らく完全に敵対していたベリトが起動した事でナバルバのストッパーが外され、完全に起動を果たした。となると今度(ナバルバ)が向かうところは間違いなくベリトの所......。

計画より少し早いが.....始めるとしよう....。

第二次厄災戦計画を....

 

 

 

     さぁ........宴の始まりだ




さて、今回のでアーカイブ設定資料編は完結!
アンケートの結果から次回から鉄血のオルフェンズIFストーリー第二次厄災戦編を開始します!
3機だけ.....少なくない?とか思った人!次回のアンケートで何故少ないかは分かるから!.....多分。

今回はここまでよかったら感想とかよろしくお願いします!


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ASW-G-30

連続投稿です!
まさかのUA100突破ありがとうございます!
期待に応えられるように頑張ります!


GUNDAMFORNEUS(ガンダムフォルネウス)

型式番号 ASW-G-30

所属 不明

全高 18.9m

本体重量 35.6t

武装 アッパーナックル

専用ハンドガン×2

30mmマシンガン×1

腕部発射型ロケット砲×4(腕に二本装備)

搭乗者 亜槍 マウラ(あそう マウラ)

 

ASW-G-30 ガンダムフォルネウス

地球衛星軌道上に2基存在する民間共同宇宙港、ユトランドの奥深く....誰も手を着けないようなひっそりとした場所に安置されていたMS(モビルスーツ)。地球治安維持を目的とした組織、ギャラルホルンの襲撃を受け、そこに偶然通りかかった少女、亜槍マウラが乗り込み起動。フォルネウスのツインリアクターシステムは正常に作動し、ギャラルホルンの一方的な虐殺に介入を開始。と同時にギャラルホルンの後方から強大な高熱源反応を探知。なんと地中からMA(モビルアーマー)が出現。ギャラルホルンのMS(モビルスーツ)、グレイズの大群をを蹴散らしながらフォルネウスと合流。厄災戦が起こると畏怖されたが、再び驚きに満ちた。MA(モビルアーマー)とフォルネウスはお互いを攻撃せず、むしろカバーし合うと言う歴史とは全く真逆の行動に出たのだった。その後グレイズの大群を突破されたギャラルホルンは撤退し、フォルネウスはそのMA(モビルアーマー)と共に街を去った。

フォルネウスの戦闘方法は単騎で戦うのではなく、MA(モビルアーマー)と共に戦う事........当時の厄災戦からは考えられない戦闘方法だった。悪魔と天使、相容れぬ二つの勢力が共に敵を潰す。そんなコンセプトでデザインされた機体だろうと一部の厄災戦研究者からはそんな声が上がっている。

それもそのはず。フォルネウスが戦闘を開始した直後に起動、共に発見されたMA(モビルアーマー)に与えられた名は、《ソロネ(Throne)》。座天使......上級天使の名を与えられたそのMA(モビルアーマー)は発見当初の研究者の見解では相討ちで終わったとされていたが、最近の研究と当初の現状から結果は変わり、ソロネとフォルネウスは共にMA(モビルアーマー)に立ち向かい、共に力尽きたと言う結論になったが、賛否両論で未だ解明できない謎もいくつか残っていた。

同じ座天使の《オファニム》は何処に消えたのか、何故ソロネはフォルネウスに味方したのか、他のMA(モビルアーマー)もフォルネウスに味方するのか........等々、疑問が山ほど残っている。

だが解決した部分もあった。フォルネウスの戦闘データが発見されたのだ。そのデータの一部には厄災戦時に消えたはずだった幻のMS(モビルスーツ)、《ガンダムマルコシアス》に関する文書も発見された。今回初めて存在が確認されたガンダムフレームのMS(モビルスーツ)、ベリアルとフォルネウスのおかげで計画は進んだ。

しかし......何故フォルネウスの戦闘データは発見されたのにベリアルの戦闘データが発見されないのだ?

........阿頼耶識で接続されたパイロットのみがあの頑丈なプロテクトを解除できるのか?

 

未だベリアルは鉄華団に接触を続け、フォルネウスは新たなMA(モビルアーマー)の捜索.......。ソロネはフォルネウスと行動を共にしており、時折パイロット.....マウラに甘える瞬間がある。カマエルはギャラルホルンの禁止区域エリアにて現在も厳重保管中。今のが2体のMA(モビルアーマー)MS(モビルスーツ)の各々の動向を監視してた二班との定時報告の内容だ。

 

 

......だがやる内容は変わらない。

我々は第二次厄災戦計画の準備を進め、実行することには変更点はない.........(此処で文字は途切れている)

 

 

 

..............じき戦争は起きる。第二次厄災戦の時は近い



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ASW-G-32

ポンポン行きますよ3機目!
UA200突破ありがとうございます!
一日でこれって早すぎません?
アンケートは次の機体で締め切りとさせて頂きます!
答えてない人は答えてみてね!


GUNDAMASMODEUS(ガンダムアスモデウス)

型式番号 ASW-G-32

所属 不明

全高 16.3m

本体重量 25.9t

武装 ワイヤーブレード×2

   クロスバンカー(パイルバンカーの強化版)×2

   腰部収納型サブアーム×4

搭乗者 叢劉藍 ラナカ(そうりゅうらん ラナカ)

 

ASW-G-32ガンダムアスモデウス

フラウロスが見つかった火星ハーフメタルの採掘場から少しした位置にある洞窟から発見されたガンダムフレームのMS(モビルスーツ)。此方の状態は少し危うく、フレーム剥き出しの状態で、装甲の殆どは同じ洞窟の端っこに放置されたままだった。アスモデウスは軽装甲、フレームもベリアル達他のガンダムフレームよりもかなり特殊で、頑丈で軽い造りを追求したフレーム構造になっておりガンダムフレーム特有の大出力なエンジンにものを言わせMA(モビルアーマー)の攻撃をかわしながら近接攻撃を繰り出してその場を離脱.....一撃離脱に特化した機体だと言うことが現状ではわかっているだけだ。

アスモデウスのパイロットには叢劉藍ラナカと言う少女が選ばれた。否。アスモデウスが選んだのだ。

何故か、理由は不明だ。だが新たなガンダムフレームが動き出したのは事実だった。

別の隊からの報告によると、アスモデウスが安置、または放置されてた洞窟からMA(モビルアーマー)は発見されなかったとのことだった。ギャラルホルンが現在保管中のカマエル、そしてフォルネウスことマウラと行動を共にするソロネが発見され、期待もあったが当然の結果だ。異常性を兼ね備えたフォルネウスとベリアルだからこそMA(モビルアーマー)が味方についたのだ。そう簡単に味方につく事態こそがおかしいのだ。

アスモデウスの戦闘データも無事閲覧できるようになり、計画が少しずつ、着々と準備が出来始めている。

MA(モビルアーマー)に関しては問題はない。ギャラルホルンの方でも厳重に管理しているため、カマエルには特筆するほどでもない。.......しかし、カマエルに関して、奇妙なことが報告された。なんでも少しの時間だけ勝手に起動するのだと言う。警戒はしているが数回鳴き声のような呻き声をあげると再び機能を停止するそうだ。

___鉄華団に関しては変わらず、いや、一点変わった点がある。ブルワーズと呼ばれる海賊集団からガンダムフレームのMS(モビルスーツ)、グシオンを奪取したそうだ。その時にもベリアルは鉄華団とブルワーズの戦闘に介入したとのことだ。これで鉄華団が所有するガンダムフレームは2機となった。

___フォルネウスとソロネも変わらず新たなMA(モビルアーマー)の捜索に当たっているとの事だ。

 

今回ばかりは少し妙だ。ギャラルホルンの地下祭壇に安置されているガンダムフレームのMS(モビルスーツ)、バエルに関しては問題はない。だがバエルを囲むように設置されているセブンスターズ各家の格納庫から、ボードウィン家とバクラザン家の格納庫からガンダムフレームのMS(モビルスーツ)が消えているとの事だった。ボードウィン家の格納庫にあった筈のMS(モビルスーツ)はガンダムキマリスだった筈......誰かが持ち去ったのか?だが元々バクラザン家の格納庫には何も入ってなかった.......。

 

 

ギャラルホルン.......君達は何をしでかそうとしている?

 

 




歴史のその果てで.......君達は何を見る?


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ASW-G-68

GUNDAMBELIAL(ガンダムベリアル)

型式番号 ASW-G-68

所属 不明

全高 17.5m

本体重量 32.7t

武装 対艦刀×1(想像で言うとマルコシアスの大太刀にバルバトスの対艦ランスメイスの大きさを足したもの)

腕部180㎜砲×2

脚部内臓収納型ナイフ×2

折り畳み式300㎜滑空砲×2

ドラグネイル

背部展開式小型ダインスレイヴ×1

搭乗者 端虚(はしぞら)レギュウ

 

ASW-G-68 ガンダム・ベリアル

火星の元々坑道だった洞窟を探索中、かなり奥の方.......最奥部で発見されたガンダムフレームのMS(モビルスーツ)。300年前の厄災戦でMA(モビルアーマー)と戦ってた機体のはずなのに、または当時のパイロットが潔癖性だったからなのか、発見当初の機体は綺麗に整備が行き渡り、2基のエイハブリアクターを搭載したガンダムフレーム特有のシステム、ツインリアクターシステムも正常に稼動し、当時の厄災戦時代の機体が完璧な状態でそこに鎮座していた。

機体の外見は天使を彷彿とさせる機体になっており、この機体は変形機構が採用されており、変形後は背部展開式ダインスレイヴが砲身みたいで____戦車のような見た目に変貌する。研究者はベリアルの事を『厄災戦の時は、移動式で簡易の砲台__最後の砦のような役目だろう』

と推測している。

ベリアルの厄災戦時の戦闘データは見つかっておらず____事実はベリアルのデータに何重もの頑丈なプロテクトが掛かっている為、データの解析とプロテクトの突破、そしてそこから得られる厄災戦時のベリアルの功績に期待が高まっている。さらにそこに追い風が吹き付けるかのように、ベリアルの見つかった洞窟から近くの地点に鳥のような、MA(モビルアーマー)ハシュマルに酷似した人工物が発見された。MA(モビルアーマー)の詳細は不明であり、ひとまずは《カマエル》と名付け、ギャラルホルンが厳重に保管されている。

現在ベリアルは最近出来た新しい組織《鉄華団》と接触を開始。同時に未知のMS(モビルスーツ)......ガンダムフォルネウスも動き出した......。ガンダムフォルネウスがベリアルと接触が確認され次第、β計画.......第二次厄災戦計画に着手、準備に取りかかる。観察監視班のΩチーム、γチーム。慎重を期してベリアルとフォルネウスの監視に当たれ。

 

.........フォルネウスとカマエル......この2機のMS(モビルスーツ)MA(モビルアーマー)を今後引き合わせる機会があれば......

面白くなりそうだ(............文字は此処で途切れている)




.......歴史は動き、繰り返される。
次回はにじんだ名前の機体を紹介します!
感想よろしくお願いします!


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厄災戦過去編
プロローグ 厄災戦の異分子(イレギュラー)


はい、プロローグです。
とりあえずは頑張って書いていって、無事完結したいと思っています!
あとこのIFストーリーでは多少の個人的解釈が混ざっていますのでそこんところはご了承を!


悪魔達よ......さぁ......目覚めの時だ.....

次のアンケートを発動します!答えてみてね


          厄災戦

 

 

 人類の人口の約四分の一の命を燃やし尽くし、言葉のままの虐殺と殺戮を続けてた厄災の天使........MA(モビルアーマー)と、人類がMA(モビルアーマー)に対抗するために造り上げた.....MS(モビルスーツ)とガンダムフレームの......太陽系全体を巻き込んだ全面戦争の事だ。

そして.....時を同じくして今、厄災戦末期の最中...火星では絶望的な戦況に瀕していた....。

_____________

 

-火星-

 火星のとある地帯で......何機ものMA(モビルアーマー)がたった1機のMS(モビルスーツ)を完全に包囲していた。

 そのMS(モビルスーツ)は、片膝を地面につけ、疲弊していた。装甲の殆どは食い千切られたかのように所々(ところどころ)が破損しフレームが剥き出しになっており、厄災戦の前は綺麗に輝くかのように艶が出ていた鮮やかな純白と群青色の塗装は剥がれ落ち、ナノラミネートアーマーの本領が発揮できずにいた。

 顔にある特徴的なV字型のアンテナは、片方が根本から取れ、地面に突き刺さっていた。しかしそのツインアイは、自身の搭乗しているパイロットの意思を増幅するかのように、青々(あおあお)としたスカイブルーに光ってMA(モビルアーマー)達を寄せ付けない.....膠着状態に陥っていた。

 

「(.......ごめん。やっぱり帰れなさそうだよ)」

 

___後に悪魔と呼ばれたガンダムフレーム.....その中の1機であるガンダムアスモデウスに搭乗しているパイロットの名は......ラナカ・ストーランド。

 純粋な彼女は世間では珍しい、女性で阿頼耶識を使うパイロットであり、アスモデウスへの搭乗を自ら志願したと言う少々....いや、かなり変わった()()()()()

 

 彼女の出自は少し変わった経歴の持ち主で、幼い頃....物心がついた頃から機械に触れることが多かった。それは視覚的にではなく()()()にだ。親の隙を見てはテレビなり何でも触り、触ってはキャッキャキャッキャと歓声を上げる......そんな日々が続いていた。

 

 そんなある日、もうすぐ9歳になる成長期の頃.....それ(厄災戦)は始まった。

 

 厄災戦が始まると、自身の両親は愛する愛娘を避難させようとした。当然まだ駄々をこねるような年頃のラナカは反抗に反抗を重ねたが、親の....両親の言葉に渋々従い都市部からかなり離れた辺境の田舎に避難することになった。

 

“お父さんとお母さんは、必ず迎えに往くからね”

 

 その言葉を遺して両親は死亡。MA(モビルアーマー)のビームを受けて焼かれて死んだと.....まだ10歳にもなってなかったラナカにとっては.....絶望の底に完全に沈むのにそう時間はかからなかった。

 それから彼女はずっと独りで.....孤独で過ごし続けていた。同じ境遇の子供はラナカの他にもごまんと居た。....だが彼女はそんな子供達よりも絶望し、孤独になった。瞳には光が無く、その瞳の中身は()()の一言に尽きるものだった。

 

 そんな彼女を絶望の底から引き上げた存在が.....モビルスーツ(ガンダムフレーム)だった。

 ガンダムフレームはMA(モビルアーマー)を倒す唯一の手段......その事実を知った彼女はそのガンダムフレームと呼ばれるMS(モビルスーツ)乗りたいと思った。

 しかし、彼女の前に立ちはだかる壁があった.....そう()()()()()()()()だ。

 

 阿頼耶識システムとは、ガンダムフレームに搭載されたシステムで、搭乗者の脊髄に定着させた()()()と呼ばれる金属のプラグと機体を繋げ、搭乗者の脳と機体を直接接続することでガンダムフレームを手足のように使うことができる代物だった。

 つまり、阿頼耶識でガンダムフレームと直接接続することで、厄災の天使と呼ばれたMA(モビルアーマー)を撃破することが可能になったと言えた。

 しかし逆にデメリットも存在し、使い続ければ続けるほど、そのガンダムフレームとその繋がりは深くなり、最終的にはガンダムフレームはそのパイロットの魂すら喰らい、自身を動かすための部品にすると言う、文字通り()()の機体だった。

 

 そして現在19歳、もうすぐ20歳になるラナカは、実質10歳.....厄災戦が始まって一年、ガンダムフレームが完成したときに阿頼耶識の手術を自ら志願。その手術を三回受け、アスモデウスの搭乗に自ら志願した。阿頼耶識の手術を受けて一年......11歳の頃だった。

 それから8年間、ずっと最前線でMA(モビルアーマー)と戦い、ずっと勝ち続けてきた...。しかしそれはその分だけアスモデウスに自身の体や神経を喰らわれていると言う証拠でもあった。

 

___そして今、数機のMA(モビルアーマー)に包囲され、自身は満身創痍の機体を懸命に動かし、なんとか突破策を考えていた......しかし、

 

「....(今のこの子(アスモデウス)でこの数のMA(モビルアーマー)を相手しながら逃げる....)....やっぱり無理よね」

 

 アスモデウスのコックピットで()()()と言う言葉が脳裏にちらついたときに、一つの打開策が思い浮かんだ。

 

「.....もうやるしかないのね.....アスモデウス。貴方と相棒になれて良かった.....これからもよろしくね......行くよ!アスモデウス!」

 

 アスモデウスにそう語りかけ、アスモデウスのリミッターを外す。アスモデウスの青々としたツインアイは血に似た色で輝き始めた。

 

 ()()()()()()().....それはガンダムフレームにあらかじめ付けられたパイロットを守るためのシステム。だが、そのシステムは簡単にパイロットの意思で外すことが出来る代物で、真の力を発揮するための鍵でもあった。

 

 そして、彼女はアスモデウスのスラスターとブースターを同時に吹かせ、包囲していたMA(モビルアーマー)の1機に特攻を仕掛ける......が、現実はそう甘くはなかった。

 

「.....ぐぅぅ!!」

 

 (ただ)でさえ満身創痍のアスモデウスがMA(モビルアーマー)に突撃を敢行したとしても、簡単に避けられ、地面に押さえつけられるのにそう時間はかからなかった。

 アスモデウスを地面に叩きつけたMA(モビルアーマー)、個体名ハシュマルは自身の足裏に搭載されたパイルバンカーでコックピットを押し潰し、機能を停止させようとする。

 

「......ははっ。やっぱり....よね。ごめんなさいアスモデウス......貴方の本領を発揮できなかったわ.....ほんとにごめん」

 

 歪むコックピットの中でラナカはそうポツリと呟いた。彼女の体がパイルバンカーで貫かれる直前に『...()()()()()()()()()()()()()()()』とラナカはアスモデウスがそう言ってるように聞こえ、その言葉と共にパイルバンカーを受け入れた。

 コックピットが完全に潰され、アスモデウスは完全に機能を停止した。ハシュマルは一声咆哮をあげると、仲間のMA(モビルアーマー)と共に宇宙へと向かった。

 

 

 完全に潰されたアスモデウスとパイロットには見抜きもせずに.....。




今回から少しは厄災戦での4機の最期と前身のパイロットの過去をざっくりと書こうと思います。
誤字脱字あったら報告よろしくお願いします。


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プロローグ#2

サブタイトル?そんなの同じに決まってるだろ(ドヤッ!)
と言うわけでプロローグその二です。
多分プロローグは#4まで続きます。ご了承を!

俺はぁぁぁ!鉄血のオルフェンズを再燃させるぞぉぉぉぉ!!

あ、あとUA1000突破ありがとうございます!
御愛読されていると言う方々のために......私は死ぬまで小説を書く!(後半の言動は冗談ですお許しを...._(._.)_)


-木星-

 アスモデウスが沈黙した直後の木星で.....。

 

「......ラナカ?」

 

 そうポツリと呟く少年がいた。

 少年は突然、自身の感覚の中から何だか大切な何かを失ったような気がした。

 そんな感覚があったが、()()()()()()()()()()()()()。そんなモヤモヤとした行き場のない()()を殺意へと変換させて、目の前に佇む人工物を睨み付ける。

 そしてその人工物__MA(モビルアーマー)、個体名《ミカエル》も、彼__レギュウ・ロウ・レインの搭乗するガンダムフレームのMS(モビルスーツ)、個体名《ガンダムベリアル》に殺意の視線を向けながら睨み付け、両者一挙一動も見逃さないように__何時でも動けるように己の手に持つ得物の切っ先を相手に向ける。

 

 MA(モビルアーマー)、ミカエルの姿は一言で表すとなれば、()()使()と表すに相応しい姿だった。

 漆黒で覆われた3対6本のウイングスラスターに、血に染まったような深紅の装甲。そして何より、ミカエルの最大の特徴とも言える部分が、胸部付近だった。胸部周辺の装甲は紅色ではなく漆黒の装甲に覆われ、その中央で赤々とコアのような部分が露出していた。顔は既に押し潰されたような形跡があり、潰されていた。

 

 一方で、MS(モビルスーツ)、ベリアルの姿は堕天使と表されたミカエルとは別で()使()の一言に尽きる姿をしていた。

 純白に見える銀色の1対2本のウイングスラスターに、その上から山吹色の天輪のような()()が取り付けられていた。

 ボディは純白の装甲が(おも)で、細かな部分には山吹色と緋色の装甲で覆われていた。顔のフルフェイスは、一本角の特殊なアンテナの下で、ツインアイがモスグリーンに灯っていた。

 

 彼___レギュウ・ロウ・レインは、生まれも育ちも裕福とは言えなかったが、天真爛漫、外で遊ぶことが特に大好きだった少年だった。

___だが、阿頼耶識の手術を受けてからは、現実(世界)が変わってしまった。

 幾度となく襲いかかってくるMA(モビルアーマー)と最前線での戦闘の日々、時には味方のガンダムフレームの援護等、ありとあらゆる事をレギュウは体験してきた。その中でレギュウは、三人のガンダムフレームのパイロットに出会った。

 

 

 少々言葉足らずで、無愛想で、それでも人々を守りたいと思う意思が人一倍強い《ガンダムベリト》のパイロット、《クミョウ・レストラス》。

 

 熱心に自身の愛機を整備し、時々レギュウに声をかけては調子はどうとか、お互い頑張ろうとか、少ししつこくて五月蝿い(うるさい)が、武装や戦術を共に編み出したり、少なからず共に最前線で戦闘を行った戦友の《ガンダムフォルネウス》のパイロット、《マウラ・ストレイダー》。

 

 一番最初に戦場で助太刀したのが出会いで、時折辛辣な言葉や愚痴をレギュウにぶつけてはそっぽを向く、そんな行動を繰り返していたが、マウラやクミョウ同様に、戦場で背中を預けることの出来る数少ない友の一人《ガンダムアスモデウス》のパイロット、《ラナカ・ストーランド》。

 

 そんな彼らは、ガンダムフレームの搭乗者で、自身と同年代の子達で知り合い、そこから行動は共にしていた。

 そして、大人達からは《異端児》とも呼ばれていた。

 

 

「.......ふっ。そんな時期もあったね、ベリアル。お前に....俺の夢、言ってたよな」

 

 昔の記憶を思い起こしながら、そして、ベリアルに告げていた夢を思い出し、懐かしそうにレギュウはベリアルの操作レバーを撫でながらそう呟く。

 

 「......何時(いつ)か彼奴等と一緒に、厄災戦を終わらせて(本当の居場所に辿り着いて)、皆でバカ笑いしたいって......そう言ってたよな、俺」

 

 そこまで紡ぐとキッとミカエルの方を向く。するとミカエルも視線に答えるかのように____

 

〔ギュラァァァァァ!!ギュルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!〕

 

 お前の居場所(墓場)此処(ここ)だと言うかのようにミカエルはベリアルとレギュウに歪な咆哮(鳴き声)をあげる。

 

「......なら行こうぜ相棒(ベリアル)。俺達の後....道の先(未来)を.....馬鹿野郎(アグニカ)に繋げようぜ.....!」

 

 そう言うとレギュウはベリアルのリミッター(忌々しい枷)を外し、愛機の全スペック、本能を解き放った。

 

〔「ギュラギャラァァギュギュルゥゥ!!(じゃあ行くかぁぁ!!ベリアルゥゥ!!)」〕

 

 双方の叫び声が木星を越え、宇宙全体に魂の叫びが響き渡る。

 

 

 

 戦闘(タイマン)は数時間にも及んだ。その数時間の間に、ビームやダインスレイヴ(魔剣の嵐)が巻き起こり、周囲半径数キロ圏内には、多数のクレーターやダインスレイヴの弾丸(鉄の杭)が突き刺さり、辺りは殺伐としていた。勿論、街は粉々に消し飛び更地と化していた。

 その戦場で最後まで立ち上がっていたのは___。

 

「.........終わったんだな。ベリアル」

 

 ベリアル(レギュウ)だった。

 戦闘前まではピカピカだった装甲もミカエルのビーム兵器の攻撃を受け、すっかり焼け落ちてボロボロになっていた。フレームも動かすごとにガタガタと錆びた音を鳴らす始末となっていた。でも_____

 

「まぁ.......タイマン(殺し合い)には勝ったんだ.....これぐらいの犠牲は付き物だな......ははっ」

 

本人は気にしてないようだった。

 

「......さて、後は帰投して......あっ、推進材がもう空じゃねぇか」

 

 しかし推進材のことは考えてなかったらしく、帰投出来ない状態だった。

 

「.......仕方ない。近くに仲間が居れば拾ってもらうか」

 

 そう呟き、レギュウは一応救難信号を出して、その場に待機、後は帰投するだけだった。

 

「.....彼奴等は大丈夫かな....」

 

 他の仲間達の事が心配になり、そう呟いた。その後帰投した後には_____最悪の報告(ラナカの死亡)が待っていることも知らず、レギュウはフッと息を吐いた。




2000文字突破したぜ!やったね!
なんか最後かなり強引な終わり方だったけど、気にしないでね!

感想待ってます!


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プロローグ3 そして300年後(原作)

というわけで投稿が遅れて申し訳ありませんでしたっ!!
理由はまぁいろいろありまして内容がまとまらなかったって言うのがひとつの理由です!
今回は少し短めだと思います!


-木星衛生軌道上-

 

木星の衛生軌道上付近にあるコロニー内で....それは蠢いていた。

黒々と、そしてドロドロとした触手のような物体が何本も、何本も.......コロニー内を徘徊していた。

そして、その触手のような物体の中心...コロニー内の最奥部に.......それは居た。

歪な形で大きく発達、異形化し左右非対称になった腕に、頑丈そうな胸部装甲に守られたボディ、そして一つ目の顔、腰部から触手(もど)きと融合し、その姿はまさしく悪魔を体現したかのようなMA(モビルアーマー)だった。

それ()には名前はなかった......だから人類(彼等)はこう呼んだ.....原点(オリジン)と。

 

_____________________

 

-基地内ロビー-

 

「.......そう....あの子(ラナカ)が.....」

最後に帰投した異端児の一人、《クミョウ・レストラス》は友人のガンダムフレームのパイロットで、先に帰投していた、《マウラ・ストレイダー》の口から、仲間の死を聞いた。

「うぬ......ラナカが倒れてから我が友の気分が落ち込んでてな........すまないが少し慰めに言ってもらえぬか」

マウラもレギュウを気にかけてはいたが、落ち込んだレギュウを目の当たりにして、急遽クミョウに慰め役を頼んだのだった。

「......うん。出来るだけ....頑張ってみる」

マウラからの頼みを引き受け、クミョウは基地内のロビーを出て格納庫へ向かった。

「........心配だ......クミョウが傷を癒してくれることを期待するしかない.......()()()()()()()()()()()()().........」

残されたマウラは大事な友の心の傷すら治せない、己の無力さを、ただただ噛み締めることしか出来なかった。

 

_____________________

 

-基地内機体格納庫-

 

レギュウは格納庫の縁に座り、ボロボロになったベリアルの見上げていた。フレームは剥き出しで、装甲もあちこちが焼け落ちていた。ツインアイは自身を映し出したかのような色でレギュウを一瞥するかのように見ていた。レギュウ自身もボロボロで、あちこち傷だらけで包帯をしていた。

「.........バラバラになっちゃったな、ベリアル。あれだけ皆揃ってバカ笑いしたいって......そう言ってたんだけどな.......」

そんなことを呟いてレギュウは目をベリアルから逸らし格納庫の床に向ける。その目には何時もの鮮やかな藤色の瞳はなく、光を失いくすんだ紫色のようなどんよりとした暗い色になっていた。

「......大事な戦友が逝ってしまったのか?」

隣に目を向けるとそこには____、

「.....カイエル」

ガンダムフレームのMS(モビルスーツ)、ガンダムバエルのパイロット、《アグニカ・カイエル》の姿があった。青い髪に赤く鮮やかな深紅の瞳、クールなのに少しお茶目で、たまに大人っぽい一面がある、そんな彼が何故こんなところに?そんなレギュウの考えが通じたのか、

「何、ちょっとした気晴らしに来ただけさ、隣座るぞ?」

そう言って自身の座っている隣に腰を下ろして、アグニカはレギュウに、

「人間が死ぬのは普通の事だ。死んだ奴にはまた会えるって奴さ。それまで俺達は戦い続けて、この厄災戦(地獄)を終わらせる。そしたら....ラナカだったか?そいつも満足してくれるだろ」

そんなことを話しかけてきた。

「......やっぱり強いね、カイエルって.....俺は全然強くない....だから___」

レギュウは虚ろな瞳に少しの光を宿して返事の続きを紡ごうとした直後だった。

「まーた面倒事に首突っ込んでるの?カイエル」

そんな声が格納庫の入り口付近から響いた。

レギュウとアグニカが後ろを向くと、そこには深い藍色の髪を肩まで伸ばして、澄んだ翡翠色の瞳の子供が立っていた。13、4ぐらいの少女だった。

「あー......、少し相談事に乗ってたんだよ()()()

アグニカにラクスと呼ばれた少女__ガンダムフレームのMS(モビルスーツ)、ガンダムバルバトスのパイロット、《ゼファー・ラクス》はスタスタとアグニカとレギュウの元に歩きながらふーんと言ってアグニカとは逆の.....レギュウの左側に座って、

「相談事なら私にも話して。乗れたら乗るよ?」

そう言って来ました。

「えっと.......ありがとうございます」

「これからは敬語は無しね!私たちは友人なんだから、ね?」

レギュウはしっかり感謝の言葉を言ったら、ラクスに敬語は無しと告げられ、苦笑した。

それからレギュウは、アグニカ、そしてラクスの二人にアドバイスを教えて貰い、その後からは三人の体験談を語り合うようになった。時間が経つのは早い、そう思ったのは何時ぶりだろうか。

「今日はありがとう、カイエル、ラクス。すっきりした」

「友達を気にするのは当たり前だろ?」

「そうそう、今度また土産話を語り合おうよ!」

そう喋ってから別れ、アグニカとラクスは自身の場所へと向かった。

「さて!戻るか!」

そう言って自身の居場所(ホーム)へと歩いていった。その瞳には再び光が灯り、やる気に満ちていた。その後ろ姿を見る人影が一つあった。

「.......良かった」

その人影はクミョウだった。

アグニカとラクスをレギュウに相談させたのはクミョウだったのだ。正直言ってクミョウから直接話すのにはある程度の抵抗があった。他力本願.....まさに言葉のままだったが、成功したのなら結果オーライ。そう思ったクミョウだった。

_____________________

 

-月面-

 

「.......ふぅ。私ながら頑張った方だと思うのだが、どう思う?我が友」

「さぁね、それは自分の相棒に聞いた方がいいんじゃないのか?マウラ」

そんな話をしながらマウラとレギュウは各々の搭乗するMS(モビルスーツ)のフォルネウスとベリアルを背中合わせにして構えていた。フォルネウスの隣には........二足歩行型のMA(モビルアーマー)が居た。白銀のボディに漆黒のフレーム、特徴的な顔のようなユニットを持つMA(モビルアーマー)、個体名《ソロネ》はフォルネウスとマウラによくなついており、たまに様子を見に来るレギュウにも慣れているため、よくバディを組まされることもしばしば。

そんな3機は今........物凄くピンチに陥っていた。何機ものMA(モビルアーマー)が包囲し、逃げられないように武装を全面展開し、殺気だっていた。

「まぁどのみち俺達は此処で散るだろうな」

「うぬ......。覚悟はできているぞ」

「いや早過ぎるだろ流石に。もう少し頑張ろうぜ」

そんなMA(モビルアーマー)達の殺気すら見えてないかのように、レギュウとマウラは会話を続ける。

「ま、今は亡き友たちの為にも、頑張るぞ」

「クミョウは冷凍保存されてるけどな」

レギュウ達は寂しそうにそう会話するのを最後に、スラスターとブースターを吹かして同時に突撃を開始する。ソロネはマウラ....フォルネウスと共に突撃した。

_____________________

 

.......異端児と呼ばれた四人の少年少女は、アグニカ・カイエルやその他のガンダムフレームのパイロット達に未来を託すために戦い、そしてその命を散らした.....。無駄な死等ではなく、栄誉ある死としてだった。

ラナカ・ストーランド、マウラ・ストレイダー、レギュウ・ロウ・レインの三人は戦死し、クミョウ・レストラスは死ではなく眠りについた____冷凍保存(コールドスリープ)を使って、自身の相棒、ガンダムベリトと共に、火星ハーフメタルと高硬度レアアロイの二重構造を施した球体に入り、長い宇宙の旅に漕ぎ出したのだった。

そしてその後、アグニカ・カイエルがオリジンを撃破し厄災戦を終結させ、世界は平和となった。

 

_______だがそれは序章に過ぎなかったことだった。

 

 

300年後に再び集うことすら知らずに......歯車は動き始める




真面目に小説内容が纏まらなくて大変な今日この頃です!
あとアンケートは今回で〆切とさせて頂きます!

原作に入ったらまたアンケートをとりますがねw

と言うわけで、次回もお楽しみに!


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一期編
鉄と華と.....異分子(イレギュラー)


やっと原作に入ります......疲れたぁ。

そしてコメントお待ちしています!!


-星-

 

砂塵が吹き荒れる荒野の中......その中を歩く一人の少年が居た。

くすんだら黄土色のハーフズボンに黒の袖無しシャツ。その上からフードの付いた茶色のローブを羽織った、150センチ程の小柄な体格の少年だった。ローブは長年使われ、使い古された形跡があり、所々に穴が開いたりとボロボロに劣化していた。

右腰には彼が護身用として愛用している拳銃(ハンドガン)がホルスターで吊られ、何時でもホルスターから抜ける位置にあった。

やがて砂嵐が収まり視界が回復してくると、彼の目の前に切り立った崖が(そび)え立っていた。その崖の___彼の視界の目の前にポッカリと穴が口を開けていた。穴の先は暗闇で満たされ、奥はよく見えなくなっている。

「.......あった」

彼の口から小さく声が漏れた。小さな声で呟いた後、すぐに穴に飛び込み洞窟の地面に着地すると、奥へ駆け出した。

洞窟の中は右へ左へ......分かれ道が続き、()り組んだ、迷宮のようなその中を、迷わず足を進め、ズンズンと奥に進んでいく。まるで前に来たかのような足取りだった。

奥に進むこと約1分。彼の視界がだんだん明るくなってきた。普通なら洞窟から外に出た思うのが普通だ。そう.....普通なら、の話だ。

洞窟の最奥部.....その空間は大きな空洞になっていた。あちこちには電球があり、部屋の隅にはメイスやMS(モビルスーツ)用の弾丸なとが乱雑に置かれていた。そんな空間の奥の壁には......明かりがなくて判断出来ないが、MS(モビルスーツ)のような影があった。

彼は手前にあり、上に上がっていたレバーを下に下げると、ブゥゥゥゥンと音が響き、一斉に電球が光り、薄暗かった空間が一気に明るくなる。すると、奥に鎮座するMS(モビルスーツ)の全容が明らかになった。

かつて__300年前に起こった、人類対MA(モビルアーマー)との戦争......厄災戦でMA(モビルアーマー)に対抗するために天使(モビルアーマー)達を模して造られた悪魔(モビルスーツ)達......ガンダムフレームの1機。悪魔の名を冠されたその機体の名は....ンダムベリアル____。

朱と純白と山吹色で染められた装甲。ツインアイは当時とは違い、右が深紅、左はモスグリーンに付け替えられ、バックパックに特徴的な巨大ブレード。そして......300年後のこの世界では禁忌の装備に指定されている小型展開式の魔剣(ダインスレイヴ)がバックパックの右側に装備されていた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

当時はボロボロだったものがピカピカになっているのは、どっかの誰かの気配り配慮なのだろうか.......彼にとっては一人しか思い浮かばないが。

「お前なんだろ?カイエル.....相棒(ベリアル)を直して、此処に置いといてくれたのは」

彼はそう言うと今まで被っていたフードを頭から外す。

ボサボサの銀髪に右の眼は深紅、左は藤色の瞳になっている少年___300年前に死んだはずの_____レギュウ・ロウ・レインが居た。だが、昔のレギュウではなく、今は端虚(はしぞら)レギュウと名乗り生きる.....傭兵紛いの孤児(オルフェン)だった。

 

「.....推進材よし、うーん......あと武装はドラグネイルと脚部のナイフだけか.....ダインスレイヴ?ダメだ。昔はバカスカ撃ってたけど今はダメだ。撃てたとしても二発が限界だな」

ある程度整備されたベリアルはほぼ厄災戦のままの姿だった。そんなベリアルを前にブツブツと一人で喋り続ける。ベリアルとレギュウは当時からずっと一緒で、アグニカ程ではなかったが、魂までもが一体化したかのような存在だった。そんなときだった_____。

「......うおっ!?」

突然爆発のような衝撃が起き、空間を揺らしたのだった。

咄嗟の事で回避が間に合わず転倒する。

「痛たた.....やっぱり、長い間戦闘してなかったから...体が(なま)ってるな...っと」

起き上がりながらそう言うと、跳躍して体を立たせる。首をコキコキと鳴らして準備運動をし、意思だけでベリアルのコックピットハッチを開かせてコックピット目掛けてジャンプする。ベリアルの膝を使って駆け上がりベストなタイミングでコックピットハッチが開き切るとコックピットの目の前ギリギリでジャンプする。ローブが上にはためきレギュウの脊椎の辺りには縦一列に3つの金属のでっぱりがあった。そのデッパリ目掛けてコックピット席の背もたれから阿頼耶識用の接続コードが射出され、デッパリとピッタリ接続されると、コードが巻き取られ、そのままレギュウの体はコックピットの中にすっぽりと収まる。ハッチが閉まり自動で網膜投影がスタートされ、ベリアルが起動される。

「この辺りには確か......CGS(クリュセ・ガード・セキュリティー)....だったか、民間企業があったはず。そこを襲撃するとは.....盗賊かなにかだといいがな」

ベリアルを操作して隅に立て掛けてあったメイスを掴み、バックパックのスラスターを噴射させ、入ってきた穴の隣にあった別の穴に入り、直進する。さっきの入り組んだ道とは違い、コンクリートで整備され、直線になっていた。その奥、入口にはMS(モビルスーツ)サイズの金属製のドアで塞がれていた。

「めんどくさいからな....ごめんカイエル!」

そう言い手に持つメイスを思いっきり突き出し豪快に破壊する。

轟音と砂煙と共に外へ飛び出したベリアルのメイスは.....偶然なのか不幸なのか、オーリス・ステンジャが搭乗するギャラルホルン製のMS(モビルスーツ)、グレイズのコックピットごと貫き通していた。ついでと言わんばかりに時間差でメイスの先端にあったパイルバンカーが飛び出してコックピットにさらに追撃を与え、パイルバンカーはグレイズのバックパックを貫通するほどの威力だった。グレイズに蹴られかけていた茶色っぽいMW(モビルワーカー)はギリギリ蹴られずに済んだようで、ハッチを開けてレギュウの乗るベリアルを見上げ、目を見開いていた。

_____________________

 

ダンジhide

「基地がっ!!」

緑色のMS(モビルスーツ)が基地を砲撃して、ビルに着弾したんだ。

「やめろーー!!そこには俺の仲間がー!!」

団長から許可を貰って余っていたMW(モビルワーカー)を使って俺は全力で攻撃したんだ。だけどそのMS(モビルスーツ)には通じなかったんだ...。それどころかMS(モビルスーツ)が俺の乗ってるMW(モビルワーカー)目掛けて蹴ってきたんだ。

俺は死ぬ____そう思った時だったんだ.....。

激しい音と衝撃がして、俺は咄嗟に目を瞑ったんだ。だけど、何時まで経っても最期の時が訪れなかったんだ。

俺は不思議に思ってハッチを開けて外を向いたんだ。それで俺は目を見開いて驚いたんだ。そこには赤くて綺麗なMS(モビルスーツ)が緑色のMS(モビルスーツ)に棍棒みたいな物を刺していたんだ。緑色のMS(モビルスーツ)はグッタリとして倒れたんだ。それを見て俺は___意識を手放した。

 

ダンジhide out

_____________________

 

「.......さて、と。彼処(あそこ)....CGSの所に置いとけば襲われないか」

意識を失った少年の乗るMW(モビルワーカー)を大事に持ち上げベリアルの首を動かし、CGSの基地に視点を合わせ、視界をズームさせる。そこには沢山のMW(モビルワーカー)が居た。今持っているMW(モビルワーカー)と同じ茶色っぽいようだった。___と。

「.......おっと」

後ろからの銃撃を容易くかわし、そっちを見るとさっきと同じグレイズが2機立っており、1機は右手持つライフルの銃口を下ろし、

『よくもオーリス隊長をぉぉぉ!!』

左手のバトルアックスを構え、スラスターを吹かしこちらに向かってくる。

『やめろアイン!俺が向かうまで待っていろ!』

別のグレイズからの通信で、向かってくるグレイズのパイロットの名はアインと言うことが分かった。

「悪いが、今お前らを相手する暇は....無いのでね!」

両手が使えない__そんなハンデがあるレギュウだが、阿頼耶識をフル活用して脚にあるナイフを展開し、左脚でバトルアックスの刃を弾き、瞬時に右脚に切り換え蹴りあげる。アインの乗るグレイズは空高く舞い上がり倒れ込む。

『アインっ!!』

「少し止まってくれ、あえて言うがこれは俺にとっては正当防衛だと思う。まぁ.....お前らの隊長さんを殺ってしまったのは悪かったが」

もう1機のグレイズが突撃してくる前に俺は通信を開き話しかける。

『貴様.....子供だと!?』

相手は驚き攻撃する素振りを止めた。

「悪かったな子供で......んで、取引をしないか?」

『取引だと?』

提案に素直に乗ってきた相手にレギュウは条件を提示した。

「まぁ.....簡単に言ったら攻撃をやめて撤退してくれって話だ.....その代わりに」

『.........その代わり?』

「.....そっちから代表を一人選出して再び此処に来てくれ。決闘をする」

レギュウは条件の後に反応した相手に代わりの案を告げた。

『決闘?』

「あぁ。300年前には結構あったって話だ.....そう言えばあんた名前は?」

疑問を持った相手にレギュウはそう教え、相手の名前を聞く。

『.....ギャラルホルン火星支部実働部隊所属、クランク・ゼントだ』

「クランクさんだな。俺はレギュウ。端虚レギュウだ。帰るならそこに伸びているグレイズ回収していってくれないか?決闘の時間についてはそっちの都合で来てくれても構わない」

『.....感謝する』

そう言うとクランクの乗るグレイズはアインの乗るグレイズを抱き上げ、そのまま撤退した。

「さて......行くか」

そう言うとベリアルを操作し、改めて手の中のMW(モビルワーカー)を大事に持つとゆっくりとバックパックのスラスターを吹かし、CGS(クリュセ・ガード・セキュリティー)へと向かわせる。




ダンジ君.......君は生きろ。と言うわけでダンジ君生存させましたw
さてさて、アンケートを出しましたので答えてください!このアンケートでクランク二尉の生死が決まるからね!

評価、コメント、お気にいりよろしくお願いします!


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鉄華団

ストーリー構築が出来なくて三一投稿になりそう(泣)

後アンケートでクランク二尉は残します!当然だよね!
今回は.....戦闘描写多めかもしれません!


-CGS(クリュセ・ガード・セキュリティー)建物内-

 

「へー......此処がCGS内部か...。案外昔の基地と変わらないな」

壁に手を当て伝って歩きながら歩き回っていたレギュウははぁ、と短く溜め息を吐いた。

__________________

 

-回想-

 

「ちょっと良いか?」

俺が運んできたMW(モビルワーカー)から救出された少年......ダンジとピンクのMW(モビルワーカー)(正直言うとレギュウは引いた)から出てきた少年......ノルバ・シノがお互いに労っている光景を見届け、ベリアルに戻ろうとしたレギュウに声がかかる。

レギュウが立ち止まりそっちを向くと、190センチはありそうな色黒の巨体に前髪が特徴的な銀髪に黄色の瞳をたたえた男が立っていた。

「俺はここの参番組隊長、オルガ・イツカです。うちの隊員を救ってくれてありがとうございます」

敬語で挨拶と感謝の言葉を言うオルガと名乗る男を見て、

「....端虚レギュウだ。レギュウと呼んでくれ。助けたのは必然的偶然、運が良かっただけだ」

そう言うと踵を返して歩いていく。オルガ達は目を丸くしてレギュウの後ろ姿をを見送ることしかできなかった。

__________________

 

「はぁ......何であんなキツいこと言ったのかなぁ......」

レギュウはオルガに放った言葉に頭を抱えていると、

「待ってください!」

今度は誰だと思いながらも後ろを振り向くと、金髪を腰までのばし、高貴な服に身を包んだ女性が立っていた。

「...私はクーデリア・藍那・バーンスタインです。貴方の名前を教えてくれませんか?」

「......端虚レギュウだ。レギュウと呼んでくれ」

そう自己紹介するとクーデリアがすっと右手を差し出してきた。その意図を知っているレギュウは迷わずクーデリアの右手を自身の右手で握る。

「あ、握手を知ってるのですか!?」

「握手ぐらいなら普通だろ。むしろ知らない奴は居ないんじゃないか?」

驚くクーデリアの手を離しそう言うとレギュウは踵を返しベリアルの置いている格納庫へ歩みを進め始める。

クーデリアは離れて行くレギュウを見つめ、

(彼もどこかで苦しんでいる....。私が...彼に出来ることは......何か....)

ギュッと手を握り、レギュウの後ろ姿を見ることしか出来なかった....。

__________________

夕日に照らされる荒野の中、2機のMS(モビルスーツ)が佇んでいた。

1機は特徴的なアンテナにバックパックにはブレードとよくわからない棒のようなものを装備した緋色のMS(モビルスーツ)、ガンダムベリアル。

対峙するもう1機は深緑と緑色のカラーリングに黄色のモノアイ(?)でベリアルよりも無骨な、ギャラルホルンの標準的なMS(モビルスーツ)、グレイズ。

「......本当に単機で来るとはね」

『責任を抱えるのは俺一人で十分だ』

「また責任強い人だね、後輩に言わなくて良かったのか?」

『止められたが、無視してきた』

「そうかい」

コックピットから互いに通信で一言二言会話を交わすとそれきり両者は会話を止め、相手の挙動を見逃さないように各々の手に持つ得物__グレイズはバトルアックスを、ベリアルは大太刀を構え、相手に向ける。

『...ギャラルホルン火星支部所属!クランク・ゼント!』

「えーと......端虚レギュウ」

『「参る!(行くぞ)」』

同時にスラスターを吹かしバトルアックスと大太刀をぶつけ合う。少量の火花が散り、両方が弾かれ、再びぶつかり、今度は弾かれずにそのまま鍔迫り合いに持ち込む。

『ぐ!そんな骨董品のMS(モビルスーツ)で、このグレイズに勝てると思っているのか!』

グレイズの頭が開き一つ目が現れる。

「グレイズ?それがそのMS(モビルスーツ)の名前なのか、ベリアルのデータベースに無いと思ったら300年後の代物か。まぁ、勝てる勝てないの問題じゃない.......何処まで相棒を信じて戦えるかが問題だ!」

レギュウはそう叫ぶとツインリアクターシステムを強引に使い押し込み始める。

『ぬぉ!?押し切られるだと!?.....くっ!』

押し切られると察したクランクはすぐにグレイズを下げる。

「ちょ!?」

支えが無くなったからかレギュウの乗るベリアルが前のめりに倒れる。

『貰ったぞ!』

すぐにスラスターでグレイズを接近させ、バトルアックスを振り上げ、ベリアルに振り下ろそうと力を掛ける。

「舐めるなぁ!!」

レギュウは阿頼耶識を通じてバク宙の要領で脚部ブレードを展開し器用にバトルアックスの刃にぶつけ、アックスを弾き、同時に体勢を立て直す。

『何!?今のは.....阿頼耶識だと!?』

レギュウの芸当を見てそう叫んだクランクに少しの隙が出来る。

「脇ががら空きだぞ!」

レギュウがそう言いスラスターでグレイズの懐に潜り込み、鞘ごと大太刀を抜きグレイズに打ち込む。

『ぐぅ!!』

グレイズはその体を浮かせ、三メートル以上離れた地面に倒れる。

ベリアルは無慈悲にも鞘から抜いた大太刀でグレイズの両手両足を切断しダルマ状態にして、グレイズのコックピットハッチを強引にこじ開ける。

「クランクさーん、死んでないよね?」

レギュウもベリアルのコックピットハッチを開け、クランクに声を掛ける。

「うっ、うう......」

クランクは起き上がりながらそう呻く。破片が頭に直撃したのか、額からは血を流している。

「ほら、起きてくれなきゃ俺が困る」

ベリアルから器用にグレイズのコックピットに入り込み、クランクを抱き起こす。

「.......何故だ。何故....俺を助ける.....」

クランクはベリアルの手に寝かせられながらコックピットに戻ろうとするレギュウにそう聞く。

「.....俺はお前らとは争ったりはしていない。だから助ける。怪我人を見捨てるなどもっての他だ」

そう言うとコックピットハッチを閉め、クランクに負担が掛からないように立ち上がり、スラスターを使わず徒歩でCGSに戻り始める。

「あ、そうだ、帰ったら聞きたいことが沢山あるから.......休んだら答えてくれるか?」

「あぁ....答えよう...」

ベリアルからの声にそう答えるとクランクはそっと目を閉じ、意識を手放した。安心感からなのか、すんなり手放すことが出来た。

それをベリアルを介してモニターから見届けたレギュウは安堵しながらCGSに帰投した。




はい戦闘描写は難しい!はっきりわかんだね!
次回はクランク二尉の聴取.....かな?

次回もお楽しみに!
コメント、高評価、お気にいりよろしくお願いします!


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