魔法少女リリカルなのは 中学生編 (KAMEZOU)
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プロローグ

なのは達の中学生編を書きたくて、今回この小説を始めました。少しでも皆様に楽しんで頂ければ幸いです。

それでは、リリカルマジカル始まります。




「いつかあの少女達と肩を並べる日が来るのだろうか」といつも自問自答しながら、訓練に明け暮れる少年がいた。その少年は決して魔力が高いわけではなく、特殊なレアスキルがあるわけではないが、誰にも負けない不屈のココロを持ち努力家であった。いかなる時間も訓練に費やし憧れる少女に少しでも近づくために…

 

「桃花ユウキ只今到着しました」

「うむ、忙しいところすまぬな。少々お主に頼みたい任務がある。いやお前しか出来ない任務だ。」

年老いた男に薄暗い一室に呼ばれたユウキはそう告げらた。

「自分にしか出来ない任務と言いますと、何でありましょう?」

「それは、管理外世界、地球での事なのだが、ここ最近謎の事件が多発しており、魔力が使用された事が確認されているのだ。その調査と高町なのは、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン、八神はやて3名の監視を頼みたい。」

「了解しました。しかし調査は分かりますが、何故3名の監視までなのでしょうか?またその程度であれば同じ諜報部の誰かでいいはずなのでは?」

ふと疑問に聞いたが帰ってきたのは答えはこんな内容だった。

「それは彼女たちは管理局では誰もが知る有名人であり、そばにいれば自ずと事件から寄って来る筈だ。また今回の事件には管理局員が関わっていると思われる。そのため内密に監視、調査することが重要であり、君みたいな潜入のプロであえばバレずに可能だろうと思い君に白羽の矢が立ったというわけだ。」

「はぁ…では住まいとかもろもろの事は其方の方で手配して下さるんですね。」

「了解しました。その任務必ずや達成してみせましょう」

面倒くさそうに答えたユウキは楽な仕事と思いつつ承諾するのであった。

 

任務を言い渡され、部屋を出たユウキは自分へと帰路につくのであった。

この広大なミッドチルダは大まかに2分されている。賑やかで栄えている新都心と、橋を渡たり町外れのスラム街と化している旧都心である。時空管理局員の殆んどは、新都心に暮らしているが、ユウキの家は旧都心にある。

「ただいま〜っていっても誰もいないか…っはは」

乾いた笑いをだしたユウキは台所に行き、水を飲む。ユウキの家は一階がリビングで二階にユウキの部屋がある。階段を上り、一つ部屋を飛ばし奥の部屋がユウキの部屋であり、筋トレ道具やデバイスを改良、メンテナンスするための工具類が置いてある。

「全く何で面倒くさい任務が俺のところに舞い込んでくるんだか」

一息ついたユウキは何でこんな俺にこの任務を任せたのか考える。

自分が選ばれたという事は、それなりに危険な潜入なのであるのだろうが、自分で無くても諜報員の誰でも出来ることだ。それなのに俺が選ばれたのは何か理由があるはずだ。そうきっと深い理由が…。この時の俺はまだ知らなかったこんな大変な任務になるなんて…。

 




今回ほぼオリ主のみの話でしたが、これからどんどん原作組が出て来ますので、楽しみにして下さい。

それではまた次回〜


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出会い

正直、書いてて楽しくなったので、ちょっと今回は量多めです。


依頼を受けたユウキは、長期任務に向けて準備を進めていた。本来戦闘で使用するデバイスは管理局の方でメンテナンを行っているが、ユウキは自分でメンテナンスから改造までしているため、スラム街の路地裏でひっそりと営業しているジャンク屋に来ていた。ユウキは前髪ボサボサで顔が隠れている痩せ細った店員に声をかけた。

「おい、いつものを頼みたいのだが」

「いつものね…。また危険な仕事かい」

「危険かどうかはまだ分からないな。だから念には念を入れて置きたいのさ。」

「そうですかい、あまり無理はするなよ」

いつも素っ気ない態度を取っているユウキに対して、心配していつもこうやって声をかけてくれるのは昔からだ。その店員は奥へ行きあるものを取り出して来た。

筒状の透明なケースに銀色の液体と特殊な弾薬(カートリッジ)だった。

「これで良いんだな、使い方は分かっているな」

「ああ、大丈夫だいつもありがとな」

一言だけ感謝の意を述べると店員は笑顔で

「はは、良いってことよ。また何かあったら来いよ、店開けて待ってから」

と言われたユウキは戸惑うつつも、苦手な笑顔を作り帰っていった。

目的の物はあらかた仕入れたユウキは、自分工房がある、自宅の地下に篭り自分のデバイスのメンテナンスと改良に勤しんでいた。彼が主に使うのは、ストレージデバイスであり、人工知能を搭載していない代わりに、処理速度が早いため仕事場では主にこのデバイスを使用している。彼の戦闘スタイルは、派手な魔力砲では無く双剣使いであるため近接戦闘であるため一瞬の間が命取りとなるため、早さを優先に調整してある。すのためバリアジャッケトも動き安さ優先に黒のタンクトップに短パンとシンプルデザインになっている。

「何で…何で…僕を使わないですかー」

とユウキのブレスレットから発せられた。

「…うるさい少し黙ってくれ。」

一言忠告を入れるユウキだがそれに臆することなく、ギャギャ話し始める。

「何でこんな高性能なインテリジェントデバイスである私がいながら使おうとしないのですか、坊ちゃん。」

「あーもう、うるさいな、お前も分かっているだろう。お前は切り札なんだおいそれと使えるわけがないだろう。」

「でも、ですよ少しぐらい使って良いじゃないですか。出し惜しみせずに、派手に行きましょうよ。」

「俺の仕事柄そんなこと出来るわけないでしょ。」

大声で無邪気なことをいう自分のデバイスに一言いい作業に没頭する。

一通り作業を終えたユウキは明日の任務出向に向けて早めに床につくのであった。

 

俺があいつに出会ったのは、11歳の冬の頃だった。頃管理局に拾われてから、11歳の頃日々訓練と任務に明け暮れる毎日であり傷を負うことも多々あった。そして季節は冬となり、どこぞの演習に駆り出されていた俺は、武装隊の演習に参加することがあった。その演習には、未来のエースオブエースと言われていた。「高町なのは」参加していた。自分の知る彼女の魔法は、全力全開で打ち出される大威力砲撃に、魔力コントロールに長けておりホーミング性能を持つシューター魔法を良く使用する。同い年ではあまり話したことは、自分の様なものが気安く話せる相手ではない。そんなこんなで、演習場所である第67無人世界ヘルムートへ来た俺たちは、2チームに分かれての模擬戦であった。そして俺は何とあの高町なのはと同じチームとなり、俺のポディションはガードウィング、彼女のポディションはセンターガードであった。ガードウィングは役割が多くこんな俺で務まるのか不安でいっぱいであった俺に彼女は声を掛けて来た。

「あの、大丈夫?」

俺は話しかけて来たのが、高町なのはだと分かり緊張しつつも答えた。

「大丈夫です、ガードウィングというポディショニングは初めてなもので、少し緊張していました。」

「そう何ですね。でも緊張しすぎるといいことないですし、ここは気楽にいきましょ。貴方以外にも戦う同じ仲間がいるんですから。」

可愛らい笑顔を振りまきながら、俺を元気付けるように言ってくれた。

「そうですね。という同い年ですから、敬語じゃなくて気安く話して下さい。」

「あ、相談たんですね。背が高いのでてっきり年上かと思いました。」

「あの、まだ敬語のままですけど」

「ごめんなさい。じゃあ名前を教えて貰ってもいいかな。」

「と、桃花ユウキです。」

いきなり、名前を聞かれたため、慌てて答えてしまった。

「桃花ユウキ、じゃあユウキくんだね。これから宜しくね」

「というか、そっちも敬語だよ」

「これは、クセなもので勘弁して下さい。」

少し照れながら、明後日の方を向いて答えた。

そんなこんなで、始まった模擬戦であるが、俺はガードウィングとして、向かってくる敵の攻撃を双剣でいなしつつ、攻撃していく。

「エアスラッシュ」

双剣を纏った風の塊を振ることにより、敵の方へ飛んで行く。倒れるまでの威力は無いが、怯んだのを確認して、敵の後ろをとり接近戦にてダウンをもぎ取った。

「やったね、ユウキくんそのまま攻撃して敵の目を引きつけといて」

「それは、フロントアタッカーの仕事なんじゃないか」

「フロントアタッカーの人は、敵チームのエースと戦ってるし、ガードウィングは前戦で戦いつつ、サポートするポディションでしょ。だからもう少し頑張ってね。」

「はぁ…。了解。」

ボヤきつつ、向かってくる敵を防衛していくが、俺の実力では防衛で精一杯でありあっさり倒され、最後は高町なのはのスターライトブレイカーにより周辺地帯が飲み込まれ模擬戦は終わった。それを見た俺は、やはり未来のエースオブエースと言われるだけの実力をまじまじと見せつけれ、絶望した。同い年な筈なのにこんなにも違うだなんて悔しかった。

「はぁ、疲れた」

疲れた体を木陰に座りながら癒してた俺に、高町なのはが喋りかけて来た。

「やったね、ユウキくん私たちの勝利だよ」

「あぁ、そうだな高町さんのお陰で、大勝利だよ。俺は途中でリタイヤしたけど」

「うんん、私じゃないよ。みんなんで掴んだ勝利だよこれは。」

「そうかい、あんたがそう思うのであればそうなんだろう。」

「どうしたのユウキくん?ちょっと怖いよ。」

自分の虚しさが態度に表れていた事を自覚しつつ、高町なのはにあったても何も変わらないと思い、一度深呼吸し自分を落ち着かせる。

「ごめん高町さん、少し自分の不甲斐なさにイラついてただけさ。」

「そうなんだ。ならよかったけど。ユウキくんも結構活躍していたと思うけど。」

この発言には、少しイラッとしたけど、今まで話して分かったことだが、この人は天然というか、素直なのだ。だから自分の思った事を正直に言葉にしてしているのだろう。

それが分かってくるとあまり苛立ちも湧いてこない。

「後、ユウキくん高町さんじゃ無くて、なのはで良いよ。」

「それはまだ勘弁して…。」

模擬戦での会話で少しは気安く話すのに慣れたユウキも今まで、同年代の女の子と喋る機会がなかったため、気恥ずかしさもあり、高町さんのまま呼ぶことにした。

 悔しさは一旦忘れて高町さんと楽しく談笑していると、赤い服を着たちびっ子が空から飛んできた。

「おい、なのはそっちはもう終わったか?」

言いつつ華麗に地面に着地した。

「あ、ヴィータちゃん。うんもう終わって反省会というかお話していたところだよ。」

ヴィータさんはなのはが話していた俺をジッと見て一番に発したのが

「誰だお前、少しフェイトに似ているか?」

「やっぱり?実は私も最初にあった瞬間に思ったんだ‼︎」

「フェイトさん?誰だそれは?」

「フェイトちゃんは私の親友で、とっても可愛い女の子なの。」

隅々まで見てくるヴィータさんに戸惑いつつもこんな事はよくある事だ。

確かに俺は、中性的な顔立ちで髪も少し長く後ろでまとめているため、女の子と間違われることが良くある。しかしフェイトさんを良く知る2人が似ているというのだから、相当似ているのだろうか?少しだけ自分に似ていると言われると興味が湧いてしまう。なんせ俺には家族がいないのだから。

「フェイトちゃんはね、とても優しくて芯が強良い子なんだよ。ここぞというときにとても頼りになって、一緒に居ると落ち着くんだ。後ね。後ね…」

「分かった、分かったからなのは少し落ち着け。」

フェイトさんのことでヒートアップしていくなのはさんを落ち着かせる様にヴィータさんが止める。

「で、こいつ結局何なんだ。」

「えっと、この人は桃花ユウキくん。同じチームで同い年だったから色々とお話している内に、お友達になったんだ。」

「え、俺たちお友達なの」

俺は、お友達と言われて、反射的に聞いてしまった。

「え、私は友達だと思ってたんだけど、ユウキくんは違うの?」

悲しそうな顔で言う高町さんを見て申し訳ない気持ちになってしまう。

「いや、今日初めて会ったばかりだから、友達と呼ばれてビックリしたと言うか、自分が友達になっても良いのかと思って。」

「そんなことないよ。ユウキくんは、時々怖いところがあるけど話しているうちに優しい人なんだって分かったし、それに一緒に居ると何だか落ち着くんだ。」

笑顔でそんな事をいう高町さんを直視出来ず、逸らしてしまった。

「へい、へい分かったよ。これから友達として宜しくな。」

「うん、宜しくユウキくん」

笑顔で嬉しそうに答える高町さんを見ていると、自分が色々と考えていたことがバカらしくてなった。

「じゃあ私とも友達だな。宜しくなユウキ」

手を出して握手を求めるヴィータさんにたじろいつつも、握手を交わした。

「そんじゃ、もう演習も終わりみたいだから、みんなの所に戻ろうぜ。」

フェイトさんのことや色々と聞きたいことがあったが、帰還準備が始まるということで止む無く断念した。

そして、自分たちは集合場所へ飛び立とうとした際に、背後から未確認の生命体らしき物体が襲って来た。その物体から生えた機械のアームが俺たち達を狙って来た。それをなんとか咄嗟に躱すことが出来たが衝撃波により吹っ飛ばされた自分とは対照的に、華麗に躱し攻撃へと転じようとした高町さんは、ディバインシューターで破壊する。ヴィータさんもシュワルべフリーゲンで応戦し一体破壊。さっきの攻撃により俺は這い上がることが出来ず横に倒れたまま、ただ見ていることしか出来ずにいた。その戦闘で未確認の物体の中で、唯一破壊出来ず残った物体がいた。他の物体よりも装甲が厚く、俊敏性も併せ持っており、中々命中させることが出来ず、命中しても撃破までは至らず破壊出来ないでいた。その物体から機械のアームが何本も生え、高町さんを狙って伸びた。高町さんは、迎撃し何本か破壊しつつ回避したが、回避することが出来ずプロテクションで防ごうとしたが一瞬遅れてしまいなのはさんの腹部を貫いた。

「うぅ…。」

地面への落ちていく高町さんを見ていた、ヴィータさんは

「おい、なのは、なのはーー」

焦っている様子で大声で叫ぶ、ヴィータさんは全力全開のフルパワーで強大な打撃を打ち込み何とか未確認の物体を破壊した。

急いで、高町さんのところへ向かったヴィータさんは

「おいなのは、なのは返事しろよ、早く医療班を呼ばないと」

「…ごめん、ヴィータちゃん少し失敗しちゃった。ヴィ……タちゃんはだい、丈夫?」

「ああ、大丈夫だ。今は人の心配より、自分の心配をしろバカヤロウ。すぐに医療班を呼んでくるからな。」

「コンチクショーーーーー」

これが俺と高町なのは、そしてヴィータさんとの出会いだった。

 

 

 

 




読んで感想あれば、メールどしどし送ってください。
もし誤字、脱字ありましたら教えてください。正直勢いで書いたので色々と不備があると思います。


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いざ、地球へ

今回は結構少なめです。


「……ハァ、ハァ、ハァ」

飛び起きた、ユウキは大量の汗をかいていた。

「また、あの夢か…」

思い出したくない過去を、自分の不甲斐なさにより起きてしまった出来事をまた見るなんて、最悪の1日の始まりだ。絶望から始まる1日を改善すべく、汗を洗い流すべくシャワーを浴びる。今日から任務だといういうのに、嫌な予感しかしない。しかしあの出来事があったからこそ今の自分がいるのだから、気を引き締めて任務に臨めと告げている様に考えれば、そこまで悪い気はしなくなった。シャワーを浴びたユウキは朝のルーティンである。訓練を始める。ユウキの魔力量はB +であり管理局の中では中の中である。そのため魔力で勝る相手に遭遇しても、任務遂行出来る様に体術、剣術の訓練も欠かさず行っている。自分が所属している諜報部にルーフェン出身の上司がおり、その方に教わったため、流派は、ルーフェン伝統武術になる。その方の教えでは日常の中で常にルーフェンの武術を感じろと言われたため、毎日朝は必ず基礎練をしている。またこのルーフェンは魔法運用にも効率的であり、少ない魔力量でもコントロールすることで、一点に魔力を集中させることで、爆発的な攻撃力を発揮出来る。基礎練と魔力コントロールの練習を終えたユウキは身支度を整えて、任務に向かうため、管理局諜報部へ向かうのであった。

 

 「桃花ユウキ3等空尉参りました。」

暑い扉の前に来た、ユウキはダルそうな顔をしながら言った。

すると扉に付いているモニターから返事が返ってきた。

「ああ、入りたまえ」

渋いオッサンの声に応えて、返事を返し部屋に入ると無愛想なの男が座っていた。

「今日から長期間の任務に入るが大丈夫か?」

こちらのことを心配してそんな言葉をかけてくる。

「ええ、大丈夫ですよ。そっちこそ大丈夫なんですか最近あまり家に帰ってきていない様ですが?」

「ふん、他人のことを心配できるだけの余裕はありそうだな。」

こっちの顔を見ずに明後日の方を見て言うこの男「桃花慎吾」は諜報部の課長であり、俺の保護責任者である。一緒に住んでいるのだが全く家に帰ってこず、職場に泊まり込み仕事漬けの毎日の様だ。まるで社畜だな。

「改めて、任務の確認を行うぞ。」

「事件解決に向けて高町なのは、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン、八神はやて3名の監視のため潜入してもらうが、潜入先は3名が通う学園に通ってもらう。女生徒として…」

「…はい、もう一度よろしいでしょうか」

目が点になる俺は、聞き捨てならない言葉を耳にしたため、何かの間違いであろうと思い聞き返した。

「…女生徒ととして潜入して3名の監視をしてもらいたい。」

俺の聴き間違えではない様だ。なぜ男である俺が男子生徒では無く女生徒なのだ。何かの間違いに決まっている。混乱している俺を他所にある荷物を持ってきた。

「これがこれから通うことになる、私立聖祥大附属中学校の制服と学生鞄だ。受け取れ。」

「3名と同様に入学する形で「女装して」この学校に潜入することになる。学校関係者はお前が一切男であると言う事は知らないため、正体がバレない様に細心の注意を心がけよ。」

俺は恐る恐るその可愛らしい制服に手を伸ばし今自分が置かれている状況を整理する。これを着て学校に通いながら、3名の監視を行うということか。なんだそれは聞いてないぞ。

俺が思考をめぐらわしていると、否応なしにこの課長は畳み掛けて来た。

「お前が住む家は俺の方で既に手配済みだ。では行け。」

「あのちょっと、女装するなんて聞いてないんですが」

課長を目を伏せて言う。

「近い場所で監視出来るものとしてお前が1番諜報部の中で適任であり、戦闘能力も申し分ない。また戦闘があった場合は、本来の姿で戦え。そのために常に女装をしてもらうことになったんだがな。」

「それにお前にとっては、女装など朝飯前だろう。」

この男は良く任務中に俺に女装の格好をさせては楽しんでいた。見た目は厳格なおじさんな様で中身はただの変態おじさんなのだ。

正直女装などしたくは無いが任務なのでしょうがない、しょうがいないと考え。課長に任務受領の返事をしたのだった。

 

転送ポートに到着した俺は、課長の秘書であるマリアさんから、家の住所のメモと任務に必要な道具一式を貰った。

「課長は貴方に期待しています。期待を裏切らない様に任務に努めてください。」

「貴方がこれまで生きてこられたのは、課長のおかげなのですから」

「分かっていますよ。マリアさん。今の自分があるのは、あのおっさんおかげですから。」

「分かっているなら結構。くれくれも課長の顔に泥を塗らない様にお願いします。タタでさえ、諜報部は忌み嫌われいるんですから…。」

マリアさんも色々と大変な様で愚痴が止まらない。

「ユウキさん、逐一連絡する様にお願いします。報告不足は仕事に遅延やミスを起こす原因なのですから。分りましたね。」

「了解しました。では行って来ます。」

俺は苛立つマリアさんからの言葉を受け止め返事をして、第97管理外世界「地球」に向かうのであった。

 

 

地球にある海鳴市に降り立った俺は、メモに書いてある住所と地図を使い向かった。そしてそこで俺が見たものは…。デカいお屋敷がそこにあった。

「何だよ、コレは。一人で住むのにこんなに大きく無くて良いだろうに…」

表札を見てみると、「桃花」と書いており、貰った鍵で家の中に入ると古臭い匂いはするも綺麗に整頓されており、オッサンのものと思われる私物が至る所に置かれている。別荘として使っているのだろう。幾らでも部屋は余っているので、自分の部屋は選び放題だ。色々と見て回ったが、リビングからすぐ近くの部屋を自分の部屋に決めた。回っている最中にオッサンの部屋を見つけたが、デスクに紫の髪の女性とのツーショットを見つけたが、この女性は誰なのだろうか。仕事の話ししかしないため、正直あのオッサンの事は良く知らないことが多いい。なんてそんなことを考えながら、事前に送られていた私物の入った段ボールを開けていくのだった。

 

翌日、朝早く起きたユウキは庭でいつものように日課を終わらせ、貰った私立聖祥大附属中学の制服に袖を通しパットもつけ、ネックレス型の潜入専用アイテム魔力認識疎外装置、ニンシキくんを首に下げいざ、入学式に向かうのだった。




これからも書いていくのでどしどし応援よろしくお願いします。


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門出

話の掛け合いが難しい…。


 桜が舞い散る春の季節。制服に身を包んだ、少年少女達が新たなる校舎に向かう中、唯一女装している自分もその流れに身を任せ登校するのだった。ここ私立聖祥大附属中は高台にあり、校門まで急な坂が続くため慣れない入学生は苦労している様だ。自分は日頃から鍛えているため、全く苦にならないが魔法が使えるのならば直ぐなのにと安易な事を思ってしまう。今魔力を使ってしまうと監視対象者に警戒されられるため、使えない。そのためこの女装も変身魔法を使わず、自分の変装技術のみで行っている。元々髪は背中まで伸ばしており、胸は潜入用によく使う弾力吸収パットで本物の胸と比較しても差は無い。スカートは膝上までしか無くスースーして恥ずかしい。もう少し長めなのを寄越してくれても良かったのではないだろうか。あの親父は…。まあこんな感じできっちりメイクも行い、何処にでもいる黒髪セミロングの少女の出来上がりである。そんなこんな考えていると、校門前の急な坂は登り切っており校門をくぐった俺は、早速入学式が行われる体育館に向かいつつ、監視対象者を探すのだった。

 

 校門前に向かう道中で人だかりが出来ており、様子を見にいくと、そこに監視対象者達がいた。

「なんでいつも、こんな囲まれるかな」

「ホントなんでなんかね」

「そんなの決まっているでしょう、フェイトとすずかが可愛いからでしょ。」

「それを言ったら、アリサちゃんも可愛いよ」

「私はいいのよ。さっさと体育館に向かいましょ。入学式が始まるわ。」

5人の美少女が会話をしているだけなのに可憐な花が咲いたかの様に、その場は華やいでいた。その花達に群がる人々をかき分けながら体育館に向かうその5人を追跡しながら、自分も向かう。しかし高町なのは、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン、八神はやてもさることながら、事前に彼女達の交友関係も確認しているため、写真で一度アリサ・バニングス、月村すずかも見ているが、写真よりもとても可憐であり、類は友を呼ぶんだろうか。体育館に着いた俺たち入学生はクラス表を確認し、名前順で列を作るのであった。俺は、あの高町、ハラオウン、八神、3名と同じクラスであり高町の真後ろに並ぶことになった。少しドキマギするが、これは任務何処にでもいる少女になりきらなければ…。

そんな事を考え、悩んだ顔をしていると前にいる高町が喋りかけて来た。

「あの…どうかされました。」

ヤバイ話しかけれたここは冷静に男だとバレない様に、完璧な女子中学生を演じよう。

「いえ、この土地に来たばかりで、私中学からの入学者なので、馴染めるのか不安で…。」

「そうなんだ。でも心配することないよ。みんないい子達だし。中学からの入学者は貴方だけじゃないよ。」

俺を落ち着かせる様に、ゆっくりと説明してくれる。高町はホント変わらないな。悩んでいる子がいたら必ず手を差し伸べてくれる。そんな高町だから俺は憧れたんだ。少し緊張が和らいだ俺はクスリと笑い、お礼を言うのだった。

「ありがとうございます。心配してくれて、慰めてくれて。」

「そ、そんなお礼言われうると恥ずかしいな。対したことはしてないし」

「私以外にも、私の友達で誰にでも優しい子だったりやどんな状況でも家族のことになるとなんでもする逞しい子だったり、いろんな子達がいるから今度紹介するね。」

「そうなんですね、そこまで言われると会ってみたいですね。」

それから高町とたわいもない会話をしていると、入学式が始まった。

 

 入学式は、校長のありがたい長いお話が終わり、次にこの聖祥大附属中学の生徒会長である。天沢ミライという金髪で碧眼の小さめな少女が舞台に上がった。

「皆さん、入学おめでとうございます。」

「ここ聖祥大附属中学での生活に期待をに胸を膨らませていることでしょう。」

「しかし、輝かしい人生がある中で、中には苦しい人生を歩いていかなければならない者もいます。ここにいる貴方達は果たしてどんな人生、生活をこの学校で送るのかとても楽しみですね。」

不適な笑顔を入学生に向ける生徒会長、天沢ミライは続ける。

「輝かしい未来を掴むのは、いつも自分次第です。後悔しない様に1日1日を大事にして下さい。また先程校長先生からもありましたが、この海鳴市で謎の事件が多発しています。巻き込まれない様に重々注意してくださいね。皆さん。」

そんな事を言いつつ、チラッと高町を見た様な気がしたが、気のせいか…。

天沢ミライか、気に止めくとしよう。

入学式はつつがなく終わり、自分のクラスに向かった俺たちは教師からこれからのカリキュラムについて説明が終わり、放課後となった。

皆が帰宅する中、高町がこちらに向かって来た。

「あの、ちょっといいかな。」

「どうかされました。」

「せっかく楽しくおしゃべりしたのに、名前教えてもらってなかったなって思って。」

「ああ、そうでしたね。私は…」

自分の名前を言いかけたときに、高町とは1度会って会話もした中であり、名前も知っているはず。しかしあったと言っても1〜2年前に1度のみであるため、大丈夫なはず。しかしこんなところで躓いてしまっては任務失敗だ。そこで俺は本名を隠すことにした。

「私は桃花ユズハって言います。貴方の名前は?」

「えっと私は高町なのはだよ。桃花…ユズハちゃんか。どっかで聞いた様な気がするけど初めて会うよね。」

「ええ、高町さんとは初対面ですよ。」

「そうだよね、私の勘違いだよね…」

自分を納得させるように言っているが、どこかまだ考えている様子だった。

「どうしたの、なのはちゃん」

俺と高町が話しているところに、金髪で長髪のすらっとした少女が声をかけて来た。

「あ、フェイトちゃん。入学式で少し話すことがあって友達になったんだ。」

「そうだ、ちょうど良かった紹介するよ。私の大親友で大好きな人、フェイトちゃん。」

「もー恥ずかしよう」

ハラオウンは照れながらも、満更でもなさそうだ。

「こんにちは、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンです。よろしくお願いします。」

「こちらこそ、よろしくお願いします。」

挨拶を終えた俺は、フェイトさんと握手を交わす。

その時俺の頭にある女性に罵倒を受け、ムチで打たれている少女の姿が流れ込んでくる。あちらも何かが見えたよで、戸惑っている様子だ。

こちらを一瞥して、何かを聞きたそうにしているが、気を紛らわせるために先手を打つことにした。

「すごい美人さんですね。もしかして、ハーフの方ですか。」

「え、そんな、美人なんて…。えーとハーフじゃなくて生粋のイギリス人だよ。小学3年生生の頃にこの海鳴市に引っ越して来て、それ以来なのはとはずっと友達なの。」

話している俺とテスタロッサを交互に見て高町は不思議な顔をしていた。

「そうなんですね、ところでどうかしたんですか、高町さん」

「いや、よく見ると二人ともお顔のパーツが似ているなと思って。こうして並んで見ると姉妹みたいだねと思っちゃって、えへへ。」

「それで、何でそんなに嬉しそうなんですか?」

疑問に思った俺は高町に聞いてみた。

「だって、大好きなフェイトちゃんが増えたみたいで嬉しいんだもん。ねえ、桃花ちゃん。これから、ユズハちゃんって読んでもいい?」

「ええ、いいですよ。」

「本当ありがとうユズハちゃん。じゃあ私たちのことも名前で呼んでよ。」

「それは、恥ずかしのでまだ名字で呼ばさせて頂きます。」

「えーそんな、せっかく友達になれたのに、どうしてもダメ?」

「呼んでも恥かしくなくなれば、ちゃんと呼びますよ。」

「本当⁉︎じゃあ、慣れるように、毎日1回は下の名前で呼ぶようにしてね」

「ええ、分かりました。なのはさん。これでいいですか。」

「はぅ、改めて呼ばれると恥ずかしいな…。」

「高町さんが恥ずかしがってどうするんですか。」

そんな俺と高町の会話を聞いていた、フェイトも名前で呼ぶように迫って来たので高町と同じく毎日1回は呼ぶことで了承した。

 

 それ以降、さっきの頭に流れ込んできたビジョンについて突っ込まれること無くことなきを得たが、テスタロッサには少しばかり警戒されるだろう。

2人は待っている人がいるとのことで、俺は用事をがあると言い、先に帰ることにし挨拶をして教室を出る。俺たちの教室へ走って向かって来ている女子生徒とすれ違ったが、あれは事前資料で見た、八神はやてだろう。4年前にあった闇の書事件の重要人物であり、管理局内では影で歩くロストロギアと呼ばれているが、話したことが一度も無いのでどういう人間なのかは資料でしか分からない。結構頭が回る人物であるため探りを入れるとなると注意が必要だ。まあ、いいこれからも事件は続く筈だ。焦らず迅速に犯人を炙り出していけいばいい。

 



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