ありふれた職業だがとりあえず蹂躙するものたち (アホな就活生)
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プロローグ
これは、例えばの話。
もし、本当に南雲ハジメたちがいた元の世界がファンタジーや異能が存在していたら。
もし、それがひっそりと存在していたら。
もし、南雲夫妻がヤツらに出会い、とある依頼をしたら。
もし、そのせいでヤツらが異世界にきたら。
そんなもしもの、変わるようで何も変わらない、悪魔どもの一方的な殲滅の物語である。
ー日本のとある家ー
「ハジメ…どこに行ってしまったんだ…。」
男性、南雲愁は突然行方不明になってしまった息子のことを思いながら思わず無意識に呟いた。
一ヶ月前に起こったとある高校の集団神隠し事件。
警察による懸命な捜査が行われているが全く手掛かりも見つからず迷宮入りではといわれてしまっている。当初は、集団誘拐にしては日中の学校で他のクラスに気づかれることなく一瞬でさらうというあり得なさと、かといって自主的な集団失踪というには食べかけの昼食や、やりかけの宿題、蹴倒されたままの椅子などといった不自然さに過剰なまでにメディアは過熱している。
警察だけでなくその事件によって行方不明になってしまった自分の子供を見つけるべくその家族たちも何か手掛かりはないかと、さまざまな手法を用いて懸命に捜索していた。
しかし現実は無情で、何か証拠が残っていることもないのでもはやそれは何もしていないのと同じくらい無意味なものとなっていた。しかし何か手掛かりはないかとで必死に捜索する。ネットの目撃なども重要な情報になる、そんな思いで情報提供を呼びかけるビラの作製や、PCの掲示板チェックをしていた。
「菫、そろそろ寝たらどうだ? 昨日も遅かっただろう?」
「平気よ。そういうあなたこそ、寝た方がいいんじゃない? 昨日は、仕事のほうも大変だったんでしょう? ほとんど寝る時間なんてなかったじゃない」
お互い顔を上げず南雲夫妻は言葉を交わしあう。本来の仕事も休み休みとはいえ長期にわたってする仕事をする二人にとってこれは肉体的にも辛いものとなっていた。するとそんな中、同じ動作をし続けているせいか間違えて別のページをクリックしてしまう。元の画面に戻そうとしようとしたその時、その画面のとある文字が見え思わず手を止めた。
『お悩み解決!!E D高校解決部!!!
何か困っていることがあればすぐ連絡!!
例えば人が行方不明になった教室などにこんな模様とかありませんか?
下手をすると不味いことになるかも!!
そんなことが有ればすぐにここへ連絡を!!!』
「か…薫…。ちょっとみてくれないか?」
「どうしたの?」
夫の何かに困惑したような声に思わず手を止めPCの画面を覗き込む。
「これなんだが…。」
「高校の部活サイト?これがどうしたのよ?」
「この部分だ。『教室に模様』『不味いことになる』。まるで俺たちに向けて書いてあるようにみえないか?」
「イタズラとかじゃないの?」
「なら部屋とかにするべきところだ。だがこのサイトには教室と断定している。そしてこの模様、まるでハジメのクラスの教室にうっすらあった模様に似てないか?」
「…怪しい詐欺の可能性もあるわよ…?」
「でも何かあるような気がするんだ。」
「…試しに電話してみます?」
「…やってみるか…。」
普段なら信じたりなどしないサイト。しかし息子が神隠しにはあい、精神的に追い詰められかけている二人にとって藁にもすがるような内容だった。電話番号を打ち込み、電話をかける。
プルルルルル。
プルルルルル。
プルルルルル。
3コールもの電話音がすると、ガチャッという音と共に電話が繋がった。すると受話器から丁寧な言葉使いとともにおそらく15才くらいの少女の声音が聞こえてくる。
「お電話ありがとうございます。こちらE D高校解決部です。こちらの番号からかかってくるということはかなりの難問とお見受けします。それでは、どういった内容でしょうか?」
これはもしもの話。
とある電話がきっかけで異世界に行くことになってしまった悪魔どもの道中の話である。
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「依頼」
ーーとある日ーー
依頼を受けてから1日が経った後、その日の部室での出来事
「嫌だぁっ!!誰か助けてぇぇーーー!!!!」
「はーい動くなよ由香。さもないとお前本当に死ぬぞ。」
ここはED高校の解決部の部室。そこで今まさに殺人が行われようとしていた。一人の女子生徒が十字の貼り付け台に括り付けられ、そしてその視線の先には明らかに危険であろう、と言うよりどこから持ってきたんだと言うほど大きなバズーカを構えている女子生徒がいた。
「待って待って待ってください!!! いきなりなんなんですか部室にくるなりいきなり縛られてそんなもの向けられるのは本気でわけわかんないんですけど!?閲覧してくれている人たちもいきなりの超展開についてきてないんですって!!!」
そう涙目になりながら叫ぶ少女はED高校1年、解決部所属の
「あぁー、それか。いやーなんか作者がプロローグがあまりの短さに、おまけに最初『プロローグ』を『エピローグ』とか書いちゃってそれを指摘されて恥ずかしすぎて絶望して投稿やめようとか言いだしたんだわ。そうなると俺たちの出番とかも無くなるからさ。無理にでも投稿させようってことでとりあえずシリアスっぽい展開を吹き飛ばすって言う名目から、とりあえずお前に大砲でも打ち込むかって話になってな。」
そうメタな発言をしながら大砲を構える女子はED高校2年、解決部部員2年の
「ふざけないでください!?なんでここの創造主的存在とちゃっかり会合してるんですか!!ほらどこに行ってしまったんですか!?プロローグのあの電話の後ですよ。みてくれている人がポカーンとしてしまってますって!!」
「ええー、そこからかよ。もう放置でよくね、こんな二次創作誰もが作ってるって。もう何番煎じみたいなところあるから、煎じすぎてもはや薄いお茶どころかお湯しか出ないって。」
「だからって私をバズーカで吹き飛ばす理由にはならないでしょう!?ほら早く説明してくださいよ。あの電話の後何があったのかっ!!」
「ちっ、しかたねぇな。面倒だがやってみるか。」
話をしよう、あれは今からーーー
「そういうのいいんでとっとと始めてください。いつまで引っ張るんですか。って先輩?なんでそんな笑顔なの?なんでギュイーンって大砲から音してるの?いや待って嘘ですよねそれ見掛け倒しで何もないんですよねそうだと言ってーーー」
ーー今から2日前ーー
『お電話ありがとうございます。こちらE D高校解決部です。こちらの番号からかかってくるということはかなりの難問とお見受けします。それでは、どういった内容でしょうか?』
電話が繋がりそんな声が聞こえてきて少し困惑した顔になりながらも男性、南雲愁はなんとか言葉を発した。
「あの…、部活のサイトをみて電話をしたのですが。」
『あー。敬語はけっこうです。おそらくそちらが年上でしょうし。」
「わかり…、わかった。それで本題にはいりたいのだが。」
『なるほど、この電話からかかってきたということはもしや最近起きた集団神隠しについてですか?」
思わず叫び出しそうになった。大声を出して何か知っているのかと、怒鳴りつけそうになった。しかし次の言葉を聞いてその口から言葉を発するのを止めてしまった。
『まぁ、結論から言いますと、どうにかなる可能性が高いですね。多分お子さん、生きてると思いますよ。』
「ど…どういうことだ?」
『まぁ、そんな感じの反応になりますよね。詳しい説明は省きますけど、状況的に見てもこの事件は現代の科学で証明できるものではありません。この手の専門家である私たちから見てもこれはかなりの異常事態でして。まさか教室の生徒まとめて1クラス分もの人数を召喚したものがいるとは思いもしませんでした。』
「……まるで見てきたような言い方だな。して、その根拠は?」
『あぁ、まぁ信じられませんよね。じゃあこれなら信じますか?』
そう相手が話した瞬間ーー
ヴォンッ
そんな起動音がすると同時、部屋の中心に模様が描き出され始めた。
「なっ…!!」
「あなたっ!!」
とっさに妻を抱き寄せ模様の範囲から外に出る。すると
ヴォンッ!!!
その中心からいきなり二人の少女が現れる。そして片方の少女の手にあるのは先ほどまで電話に使用していたであろうスマホが握られていた。
「さて、これで少しは信じていただけでしょうか〜。」
スマホの電話を切りながらそう話す少女。背は低く幼いながらも整った顔立ちに服装は制服のスカート、「自由な人生」と書かれたTシャツの上から丈の合わない白衣を着ている。髪は腰まで伸びた金髪に、目の色は灰色と藍色のオッドアイ。そんな現実離れしたような容姿だった。服装がアレなせいでパッと見ではわからないが、ある程度服装を整えればはまるで絵画に出てくるような壮麗な姿をしていた。
そんなものがいきなり出てきたことの衝撃から、
「「………」」
あまりの異常事態について行けず、ついに南雲夫妻は揃ってフリーズした。すると、
「あ……あれ〜?き、聞こえてますか〜?も、もしも〜し?」
「ほら言ったじゃないか、いきなり姿見せるのはびっくりするって。」
「ええ〜〜?でもこの方が手っ取り早いじゃんか〜。」
「君の場合、見た目からしてアレなところあるんだから自重した方がいいと思うよ。」
「そんな〜、でも話していた時は普通だったよ〜?」
「それは君の姿をみてなかったからでしょ。ほらびっくりしすぎてポカンとしちゃってるよ。」
「えぇ〜?………あっ、あの〜、そろそろお話してもいいですか〜?」
「あっ…ああ……。」
そんな不安そうな声を聞き、なんとか声を絞り出す愁なのであった。
ーー5分後ーー
その後、なんとか落ち着きを取り戻した夫妻は現れた謎の少女達をなんとかリビングに案内して椅子に座らせた。そして白衣の少女は自己紹介をする。
「では、話の前に自己紹介をさせていただきます〜。ボクはED高校2年、解決部所属のアールです〜。いろいろあって本名を明かせないのでアールとよんでください〜。」
「いろいろってなんだ!?」とツッコミたい二人だったが話が進まなくなってしまうため、心の中でぐっと堪える。
「そしてこっちがーー」
「同じくED高校2年解決部所属、
そう言いながら頭を下げる少女。見た目は肩まである黒髪を一つに結び左肩に下げて、服装は制服、目の色は黒という一見一般的な見た目だがその左腰にはとても長い日本刀が結ばれていた。
「い…いや、それは構わないのだが……聞いてもいいかな?」
「「なんでしょうか。(か〜?)」」
夫の後を引き継ぐように薫が声を発した。
「あなた達は、何者なの?」
おそらく、愁も思っているであろうことを質問した。
「ED高校のことは知ってるわ。かなり最近建設された高校で今年で10年を迎える。この辺りの高校の中では偏差値がかなり高くて倍率は三倍の高校という認識なのだけど、あってるかしら。」
「はい、その認識で間違いありません。」
「そんな高校の生徒がいきなりこんな現実離れした登場をするっていうのは聞いたことがないの。だから貴方達だけ、こんなことができると考えているのだけど、合っているかしら?」
「すいません。それに関してはノーコメントで。」
「じゃあこれは私たちが一番知りたいこと。」
そういうと、二人をじっと見つめる。
「貴方達は、私たちの息子をさらった犯人を知ってるの?それともその共犯者なの?」
そう話した。妻の言葉に同意を示すように愁も二人に視線を向ける。その目は超常現象に驚きながらも確固たる意思を持った目、『嘘偽りは許さない。』と強く言っているようだった。一見するとまるで「お前たちは共犯者なのか?」と馬鹿正直に聞いているように見える。それでも夫婦の頭の中には、『息子を見つける手がかりである。絶対に逃すわけにはいかない。』という思いと、この現象を引き起こしたであろう少女二人への疑惑の思いがそこにはあった。
「……先ほどまで電話で話したように結論からいいましょう。
まず一つ目、私たちは何者かが神隠し事件を起こしたことわかりましたがその犯人まではわかりません。
そして二つ目、私たちはこの神隠し事件に関与していません。」
そしてそこから引き継いで、アールが話し始めた。
「三つ目〜、私たちはお二人の息子さんの居場所は〜、一応特定しています〜。」
「「!?」」
「しかしこれはかなり厄介でして、おそらく警察に話しても意味がないでしょうし、私たちでも連れ戻すことはかなり難しいでしょう。」
「そ…それはどういうこと!?」
「まずですね。前提から話しますと、貴方の息子さん及び、神隠し事件にあったクラスの生徒達は異世界に召喚された可能性があります。」
「やり方はまぁ先ほど見せたような、現代科学では証明できないような方法で召喚されてしまったようです。」
「ちょ……ちょっといいかい!?先ほど『連れ戻すことは難しい』といったね、つまり連れ戻せる可能性はあるということか!?」
「えぇ、その可能性はあります。しかしここからが問題です。」
すると刀子はカバンからホワイトボードを取り出した。
「まずこの『①』が私たちのいる世界だとしましょう。そこからみていくと、このように『②』『③』と横並びで世界が存在しているのです。この横並びになった他の丸たちが私たちが異世界と呼んでいるものです。これらの世界は基本的にちょっかいなどを掛けなければ決して関わることはありません。しかし今回、どうやら何者かによって干渉され、何故かあのクラスの生徒たちを自分のいる世界に引き込んだようなのです。」
「なら、戻すことだってできるんじゃないのか!?異世界に引き込まれたものをこっちの世界に!!」
「確かに理論上はできます。しかし場所が分かったので実験してみたところ、こっちの世界から異世界のものをこちらへ引き込もうとするとその摩擦によっておそらく肉体が耐えられなくなり生徒たちはこちらに戻る前に死亡するでしょう。」
「おまけに彼らを呼び出した存在は、どうやら異世界の中心にかかわっているようでして。下手に干渉するとあちらから拒否されて最悪の場合、二度と見つけられなくなります。」
「なのでかなり慎重に動かないといけないようです。」
刀子がそう遠回しに行っているが要は『居場所わかってはいるが、連れ戻そうとすると死ぬから今は手詰まり』と言っているのと同じだった、
「そ…そんな……。」
「ですが、ボク達もこのまま引き下がる気もないので、ちょっとやってみようと思うことがあるのです〜。」
そう区切るとアールは人差し指を立てた。
「こっちの世界から異世界に干渉できないのなら〜、一度異世界に行って同じようにこちらの世界に干渉して連れ戻そうと思っています〜。」
そう突拍子もないことを言い出した。
「ちょっと待って!?こっちからいくことはできるのっ!?」
「はい、一応彼女が場所を特定してはいるので。あぁ、ですがあなた方を連れていくとかはできませんからね。はっきり言って普通に死にます。ですが私たちだけならなんとか異世界にいくことは可能です。」
思わず叫んでしまう薫に続いて話す刀子。
「…でもさっきまでかなり厳しいみたいなこと言ってたわよね、それで連れ戻すことなんて可能なの?」
「まぁやってみないとわかりませんし、下手をすると一方通行になって戻って来れなくなる可能性もありますが、私たちの場合問題ないです。そしたらなにがなんでも戻る気なので。」
「そもそもそうしようと考えていたところに〜、貴方達から電話を受けて〜こうして説明をするに至ったのです〜。」
「そうだったのか……」
そう愁が言った後、夫婦は揃って腕を組み考え始めた。果たしてこの目の前にいる少女達を信用していいのか。実はさっき話したように息子をさらったことの関係者でとぼけているのではないのか?しかし彼女達は息子を連れ戻せる可能性があると言う。しかしこんな現実味のないことを信じていいのか、詐欺なのではないか?と様々な疑惑、不安が浮かぶ。
しかし、夫婦は、
「……質問してもいいかい?」
「「はい(はい〜)」」
「貴方を、私たちは信用していいの?」
不安を押し殺してそんな、まるですがるように言った。2人は、この目の前にいる2人の少女達が嘘を言っているようには思えなかったのだ。なら、信じてみたい。少しでも可能性があるなら掛けてみたいと思ったのだ。そんな声に少女達は、
「そこは任せて〜、少なくとも途中で投げ出したりする気もなければ、無理矢理にでもどうにかしますから〜。」
そう断言するのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その後話しは進み、二人は南雲夫妻の依頼としてこの件を処理することにした。主な内容としては
①『南雲ハジメを見つけ、元の世界に返すこと。』
②『もし、死んでしまっていたとしてもその遺体だけでも持ち帰ること』
③『その他のクラスの生徒たちも出来れば元の世界に返すこと。』
そう書類に書き込み夫婦に説明した。
「最後にいいかい?」
話が終わり帰る前、愁は二人を呼び止めた。
「なんでしょう?」
「君たちはなんで異世界に行くつもりだったんだい?」
最初から不思議だったのだ。わざわざリスクを冒してまで、しかも何も関係のないのになぜ神隠し事件について調べていたのか、その理由を二人から聞いていなかったのである。そうすると二人は振り返りながら、
「簡単ですよ。」
「私たちもさらわれているんです。大切な人が。」
「だから絶対、絶対にどんな手を使ってでも見つけ出して、さらった奴には地獄を見せてやろうと考えてるんだよ〜。」
そういうのだった。
ーー現在に戻るーー
「そんな感じだな。」
「………」
「どうしたよ戌子後輩。黙りこくっちゃって。」
「だ!れ!の!せいだとおもってんですかぁ!!!私でも死ぬかと思いましたよ!!!ホントどうかしてるんじゃないですか人にバズーカ打ち込むとかどうかしてるんじゃないですか!?」
「いいじゃん死んでないんだし、どうせお前バズーカ効かないだろ?じゃあなんも問題ないだろ。」
「この鬼畜!!外道先輩!!!!おかげで制服がボロボロなんですけど!?」
「なんとでもいえ。そんな感じでアールと刀子が二人から依頼を受けて今に至るってわけだ。」
「……それで、今私たちの前にある装置が、」
「そ、元々アールが発明していた異世界間移動装置
『異世界のげーと(仮)』だ。」
そういう二人前には金属の扉があった。しかしその扉の周りには様々なケーブルやコードが接続されており、まるでどこぞの猫型ロボットの十八番のピンクの扉のプロトタイプのような見た目をしていた。
「相変わらずのネーミングセンスのなさですね。」
「知るか。作った本人に言え。」
そして区切りをつけるように会話が途切れる。
「……いよいよですね。」
「あぁ。」
「……絶対連れ戻しますよ。」
「わかってる。」
そう言うとニヤついた笑みを引っ込めて真顔になる逆差。
「さて、どこのどいつか知らねぇが
そういうと装置のその奥の広がっている世界にいる何者かに向けて宣戦布告のように言うのだった。
「それは俺たちの
神気取りのゴミ野郎が。」
ここまで見てくださりありがとうございます。
投稿のペースですが5000文字くらいかけたら投稿していこうとおもいます。
よかったら評価、感想などお待ちしています。
ここから先「ありふれた職業で世界最強」Web版ネタバレ注意⬇︎
本来なら南雲夫妻がノリそうな展開なのになぜ一般的(?)な反応にしたのかと言うと、まぁハジメさんを誘拐されて本来のテンションになれるわけがないと判断したのでこのような感じになりました。正直難産なところがあり、「こんなのあの2人の喋り方じゃない!!」みたいなことも多々あり何度も書き直した結果、このような形になりました。できればいい案などお待ちしています。その中で良いものがあれば内容を吟味したうえで書き直します。
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「転移」
でもなるべく凝りたいので更新速度は安定しません。
でも伏線などは下手くそなのですすいません。
閲覧してくれている皆さま、申し訳ありません。
なるべく早く投稿できるよう心がけます。
どうか見捨てずに楽しんでくれるとうれしいです。
いよいよ装置が完成、いよいよ異世界に転移しようとするとき、ふと戌子は言った。
「そういえば聞いてなかったんですけど、アール先輩。」
「なに〜?」
「この装置の実験って、豆腐とかバナナの皮とか先輩型のマネキンとかで実験はしましたよね。」
「うん。そうだね〜。」
「この装置って、生物で実験しました?」
シンッ…、と部室が静まり返った。
「……ワンコ後輩。」
「私の名前は戌子だし、聞きたくもないんですけど、なんですかアール先輩。」
「JAPANにはこんなことわざがあるらしいじゃんか〜。
『やってみでもみなくても結局のところわからない。』『ならば当たって打ち砕けろ』ってさ〜。」
「つまりやってないんですねそんなことだろうと思いましたよ!!とゆうか誰ですかまた変な言葉教えたの!?とゆうかそれもうことわざですらないんですが!?」
「うるせぇぞワン後輩。仕方ねぇだろ時間ねぇんだから。」
「ずいぶん小さくなっちゃったよね。コレ。」
「もはや私の名前の原型が
そう言う視線の先にあるのは謎の空間、グルグルと渦を描くように広がる空間は初めて見つけた時よりも二回り小さくなっていた。
「確かこれって人一人分くらいなら通り抜けられる大きさだったよね?」
「でも今じゃ小学生くらいでギリギリ通りそうだな。」
そんな軽口を言い合っているとそばにいた黒のパーカーのフードを深く被った少女がポツリと言う。
「……それで?誰から先に行くの?」
するとまた室内が静まり返った。
「このままだとすぐにでも消えそう。だから最初に誰が行くかによって転移の成功度は変わってくる。そうすると順番決めはかなり重要だと思う。」
しばらく無言が続く、すると唐突に、
「笑いあり涙あり!!
第一回チキチキ!!男気ジャンケン大会ィィィ!!」
「「イエー!!!」」
逆差が叫び出し、それに賛同するように刀子とアールが声を上げた。
「……(絶句)」
それを見た黒フードの少女、ED高校2年解決部の
ーー5分後ーー
その後もう決まっていたというべきか、順当というべきか、結局一番下っ端の戌子に決まる。
「…結局私じゃないですか!!コレとゆうかジャンケンする意味ありました!?」
「なんだよチワワン。厳正なる男気ジャンケンで決まったことだろ。なんの文句がある?」
「す・べ・て・です!!とゆうかジャンケンだと私が
「いいじゃん
「体質でいうなら逆差先輩や刀子先輩でもいいじゃないですか!!」
「バーカ。俺のと刀子のはそもそも能力ありきで成り立ってんだよ。そうなると消去法でお前が
「言葉もそのルビもひどいってもうコレ一種のパワハラですよね!?いい加減にしないとキレますーー」
「いいから行け。」
ゲシッ
そんな音と共に逆差に蹴り飛ばされ戌子は空間の中に放り込まれた。『いやあああぁぁぁぁぁぁ……』という虚しい声が響き渡る。
「大丈夫かな戌子ちゃん。」
「大丈夫でしょ〜。何回か無機物で実験したし〜。………まぁいくつか原型どころか分子レベルで分かれたけど。(ボソッ)」
「オイコラ開発者。」
すると、
みゃきゃぁあああぁぁぁぁぁぁぁああっ!!!
物凄い断末魔のような声が聞こえてきた。
「おっ、どうやら
「よし〜。コレでこっちの世界から一度誰かが入ることによって空間が少し広がったはずだから通れるようになったはずだよ〜。でも〜。最初に通る人は狭い空間の狭間を無理やり通り抜けることになるから物凄い痛い目に合うだろうね〜。」
「……それって最初に戌子ちゃんに言った?」
「言うわけねーだろ。それ言ったらまだグダグダ言ってくぐろうとしねぇだろうが。」
「うわーお。言ってなくても問答無用で蹴り飛ばしたくせにまるで自主性を重んじるようなそんなセリフが出てくるとは思わなかったよ。」
「じゃあおまえがいくか?刀子さんよ。」
「戌子ちゃんには悪いけど謹んでお断りするよ。」
「さて。準備もできたところで、いざ異世界へlet's go〜!!」
「……(帰りたい)」
「………腹減った。」
そんなアールの掛け声と共に他の五人も空間に入っていった。それと同時に空間が消えて無くなる。後に残ったのは無人の部室と無数の機械のケーブルに繋がれた変な扉、そして机の上のメモ帳に、
『ちょっと急用ができたので
神気取りのクズを●すために異世界にいってきまーす。
多分一年くらい帰れませーん。
後よろしくお願いします理事長せんせー。
あとその間に生徒の相談あったら
要望受付箱の中に入れといてくださーい。
帰ってきたら多分まとめて処理しまーす。
解決部一同より 』
そんな言葉の書き置きのみがポツンと残されていた。
ーー異世界トータス ハイリヒ王国礼拝堂ーー
一ヶ月前、勇者とその仲間たちが召喚された広間は本来礼拝堂として使われている。そこでは教皇たちによる日課である神への祈りが行われていた。すると
バチバチバチッ!!
そんなスパーク音と共に勇者が召喚された魔法陣が光り始めた。一ヶ月前にあった勇者の召喚の時よりを遥かに超えるような光の強さに堂内がざわめき出した。そこで落ち着くように声をあげるものがいた。
「落ち着きなさい皆さん。もしかするとエヒト様が我々のために魔人族を倒すべく、新たに勇者を遣わしてくれたのかもしれません。」
「しかし教皇。最近この魔法陣から果物のようなものの影や人型の影が見えたという報告記録がありますし、エヒト様の神託もなしにいきなりなど警戒すべきなのでは?」
「ならばエヒト様の試練なのかもしれません。それならば私たちはただ受け入れるべきです。」
その言葉を聞いた堂内の人々は落ち着きを取り戻しこれから起きることに恍惚とした表情で魔法陣を見つめ始める。この神々しい光に酔いしれるように見つめ続けた。やがて魔法陣から人影が現れ始めた。すると、
「………………」
現れた人影、否、小柄な少女は身体中から血を流しうつ伏せに倒れていた。腕もあらぬ方向に曲がっているが、ほんの少し体が痙攣していることのが見えることから、かろうじて生きているということはわかるも時間の問題のような姿だった。さすがの教皇イシュタルも召喚されたものがまさかこんなことになっているとは思わず動揺する。しかしその驚きもままならぬうちにまた魔法陣が光り始める。そして光が晴れると、そこには新たに五人の少女たちがいた。
「到着〜〜!!ビバ〜、はじめてまして異世界よ〜!!」
「ほぉ、こんなところに召喚されたのか。随分と暗いなこことゆうか息苦しいな。教会?いやコレ礼拝堂だ。」
「まぁはじめて召喚される場所の定番なんてそんなものでしょ。」
「本当にこんなんでよかったのかな。ねぇ、大丈夫由香後輩?」
「……(じーっ)」
そんな気楽な声と共に五人の人影が現れた。やがて召喚時に出ていた煙が晴れる。それは異様な組み合わせだった。ダボダボの白衣を着て召喚されたことに無邪気にはしゃぐ少女。灰色の髪のうち一房のみ藍色の髪をしてだらしなく服を着崩す少女。黒髪で清楚なイメージだがそれに不釣り合いなほどの長い刀を持った少女。黒の外套を頭から深く被った小柄な者。かろうじて体のラインから女性ということしか分からず顔すら見えない。両手を上着のポケットに手を入れ自分たちを観察するように見つめる腰まで長い赤髪の背の高い少女。一体どうしてこんな組み合わせができたのかわからないというほど共通点がなかった。
「よ……ようこそトータスへ、来訪者の皆様方。」
教皇イシュタルはなんとか声を絞り出しこの謎の来訪者たちにこえをかける。
「んっ?あっ、人がいましたか。いきなりのことで混乱してる中申し訳ないのですが、ここはどこなのですか?トータスとは一体ですか?」
そんなイシュタルの声に反応して逆差が丁寧な言葉を使いながら笑顔で対応する。すると、
「バカなッ!?逆差が敬語を使うだと〜!?」
「うわぁ、気持ち悪いよ逆差。そのこと言葉遣いとか表情とかやめてくれない?」
「……(うわっ気持ち悪っ)」
「………(誰だこいつ?)」
「はーいお前らシャラップ話進まないから。あと凶香、んな表情するな。」
他の四人がそんな反応を見せる中、表情を崩さずきっちり言い返しながらいう。
ここで唐突だが、説明していなかった最後のメンバーを紹介しよう。この今さらっと名前が出たこの赤髪の少女の名前は音音凶香(おとねきょうか)。ED高校2年解決部所属のメンバーである。基本的に必要なこと以外はあまり喋らない。背の高い身長と制服の上にいつも無地の黒のスカジャンを着ている。鬼のような鋭い目つき、常に何かに不満そうな顔をしているがコレが本人にとってのデフォルトである。とある悪癖があり解決部の中でも問題児である。今は様子見のために大人しくしている。
「わ…わかりました。詳しい説明は場所を移して説明しましょう。しかしその、一ついいですか?」
「なんでしょうか?」
「その…そこに倒れてしまっている方は?」
そんなイシュタルの声で今初めて気づいたかのように逆差がハッとした顔をしながら駆け寄る。
「おおっ!!我が後輩、駒井戌子よ!!一体なにがあったというのだ!?一体だれにやられたというのだっ!?」
そんなおおけざな動きをしながら血塗れになった戌子を抱え上げる。
「あぁっ、戌子よ。何故こんなことになってしまったのだっ!!誰がこんな非道なことを、もしお前をこんな目に合わせた外道者が分かれば、すぐにでも復讐できるというのにっ!!!」
「(ブツンッ)ーーじゃあ今すぐ死んでください首謀者」
ガシッ
そういった、現在血塗れになってしまっている戌子は、抱え上げていた逆差の胸倉を掴み上げるとねじり上げながら顔面に向かって殴りつけた。メキョッ、という嫌な音が鳴った後そのまま壁に叩きつけられる。
ドゴォン!!
ドゴォン!!
ドゴォン!!
音からするとどうやら礼拝堂の壁をつきぬけても威力が落ちずにその他の施設まで破壊しながら漫画の如く吹っ飛んでいった。
「おお〜!ナイスショット〜。」
「あれは逆差が悪いよ。いやほんとに。」
「……(壊しちゃまずいのでは?)」
「……(腰の入れ方が甘ぇ、まぁ腕と肋骨折れてる状態じゃそんなもんか)」
仲間内で争っているのにも関わらず、随分と低いテンションの四人である。
「あの、イシュタルさんでよろしいでしょうか。」
「アッ、ハイ。」
「すいませんが包帯と止血剤もらえませんか?ちょっと血が止まらなくなってきてしまったので。」
「アッ、ハイ。」
殴るために動いたせいか傷が悪化してさらに血が出ている戌子の言葉を聞きながら、本来なら不敬に当たる行為のため狂ったように激怒するはずなのだがこのあまりの異常事態に脳の処理が追いつかず、教皇イシュタルはついに考えるのをやめた。
一応出来上がりました!
でもここで少し疑問がありまして。
ハジメくんたちが召喚された場所って礼拝堂みたいなところであってますかね?読み返しては見たもののはっきり分からなくなってしまったので一応神聖な場所ということで礼拝堂ということにしました。間違っているなどあればコメントなどで教えていただけると幸いです。
ここから原作のネタバレ注意
見たくない人は目一杯スクロール推奨↓
ちなみに彼女たちはエヒトルジェエのことが正確には神に近い存在ということを知っています。理由としてはネタバレになりますが神に遭遇したことがあるから気配などからしてなんとなく予想しています。まぁ、たとえ神だったとしても容赦なく地獄みたいな目に遭わせる予定ですがね。なんせ彼女たちは▪️▪️ですから。
閲覧ありがとうございました。最近閲覧数千人超えてるのを見て震えが止まらないです。がっかりさせないように頑張ります。なにか間違っている内容などがあればどんどん指摘してください。修正していきます!!
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「職業」
ですががっかりさせないようにしていくのでどうか見捨てず楽しんでください。
でも今回はカオスはあまりないかもです。
あと少し書き方変えました。
ーー注意!!ーー
少しオリキャラの名前の漢字を変えました。
before 音音凶香 → after 音音凶歌
逆差を戌子がぶっ飛ばして礼拝堂に大きな穴が開いた後、礼拝堂から応接室らしき場所に通されると教皇と名乗る老人イシュタルからこの世界の現状や勇者召喚のこと、神エヒトについての説明を受けた。しかし彼らに質問されたどういった経緯でこの世界に来たのかと質問されたがわからないと答えた。そして逆差は『異世界の危機をほっとくことなどできない!!(大嘘)』という態度をイシュタル教皇に示した結果、迷宮攻略するための説明を受けることになった。
ーーそして訓練場にてーー
「今回お前たちの異世界攻略に向けての講義を担当することになったメルド・ロギンズだ。よろしく頼む。しかし早速質問するようで悪いんだがーー」
「なんでしょうか、メルダさん」
「メルドだ。何故、お前以外の連中はお前のことを気持ち悪いものを見る目をしているんだ?」
そうさ逆差に質問するメルド、それもそのはずさっきから他の5人のメルドを見る目は「誰だこいつ!?」みたいな目をして逆差に近寄ろうともしていなかった。
「どうしたんだい皆、これから訓練だと言うのにどうしたんだい!?」
非常にキラキラと言う音がなっているようなオーラを放ちながらまるでヒーローのようなことを言う。
「今からこのメバル・ポッキーさんからこの世界の戦いなどのレクチャーをしてくれるそうだ。これからみんなでがんばろう!!」
「何度も言うようだが、一応フルネームを言うぞ。俺の名前はメルド・ロギンズだ。」
メルドがそう言う。四人の反応としては、戌子は何かをこらえるように下を向き、刀子は眉をひそめ、アールは非常に困ったような表情を浮かべ、紀伊は目を合わせようとせずそっぽを向き、凶歌は新生物を観察するような視線を向けた。
「わかったぞ!もしやこれからの戦いが怖くなっているのかい?大丈夫!!私がみんなを守ってみせるっ!!!」
そんな様子の逆差に対して一人はついに堪えきれなくなり、四人の反応は得体の知れないものを見る目へと変わった。
「気持ち悪いです気持ち悪いです気ぃ持ち悪いです!!!!!何どこぞの勇者みたいなセリフ言ってるんですかなんですかその丁寧な言葉遣いはぁ!!!前回から気持ち悪いとは思っていましたが!!?いつもの『外道上等!!正義背教!!』みたいなスタイルどこに捨ててきたんですか気持ち悪い!!!!」(戌子)
「逆差ヤメテ、本気で気持ち悪くて吐きそうだから。」(刀子)
「…外道に戻る発明、私全身全霊で作るよ〜。これはなんかものすごい嫌だ〜」(アール)
「……(スススススッ)」(紀伊)
「………(いやだから誰だこいつ?)」(凶歌)
「…揶揄うために我慢してたんだがもう勘弁ならねぇ!!テメェら!!特にアホチワワぁ!!ブチ殺されてぇのかぁ!?」
まさかの逆ギレを言い出した。
「よかったいつもの逆差先輩だグハァ!!」
「そうだよこの品のない粗暴な口調こそだよ。(ヒョイ)」
「よかったよ〜。もう少しで今世紀初のクソ発明作るところだったよ〜。」
「……(でも相変わらず言葉遣い悪いなこいつ)」
「なんだ、偽物とかではないんだな。(パシッ)」
逆ギレした逆差は戌子を殴り、刀子を殴ろうとするが避けられ、その先にいた凶歌に当たりそうになるもの素手で受け止められた。
「つーか凶歌!!お前この二次創作二度目のセリフそれでいいのかよ!今まで頭の中の言葉と腹減ったくらいしか言ってない中でそんな感じでいいのかよ!?」
「うるさい。私の勝手だ。作者や周りが何言おうが私が言うことを決める。ゴタゴタ言うやつは⚪︎⚪︎にしてやる。」
「こぇえよ!?いきなり何言い出してんのお前!!?お前の言うことは本当にやりかねないから怖いんだけど!?ホラ、メダルさんもポカーンとしてるから早く進めるぞ!!口調は単なる悪ふざけだっつーの!!」
「だから俺はメルドだ!わざとか?さっきからわざとやっているのか!?」
気を取り直し、メルドからスタータスプレートの説明がされる。
「よし、サカサを通してみんなに配られているな?このプレートはステータスプレートと呼ばれている。文字通り、自分の客観的なステータスを数値化して示してくれるものだ。最も信頼のある身分証明書でもある。これがあれば迷子になっても平気だからな、なくすなよ?」
そんな説明のもとプレートが配られる。それぞれ血を垂らすと以下の文字が浮かび上がってきた。
===============================
逆巻逆差 17歳 女 レベル:1
天職:指揮者
筋力:60
体力:70
耐性:0
敏捷:100
魔力:120
魔耐:0
技能 : 言語理解・気配察知
===============================
===============================
駒井戌子 16歳 女 レベル:1
天職:武闘家
筋力:150
体力:100
耐性:100
敏捷:100
魔力:2
魔耐:20
技能:言語理解・先読・気配察知・剛力・縮地
===============================
===============================
由良木刀子 17歳 女 レベル:1
天職:予報士
筋力:80
体力:90
耐性:50
敏捷:90
魔力:90
魔耐:90
技能:言語理解・剣術・魔法感知・魔法理解
===============================
===============================
アール 17歳 女 レベル:1
天職:発明家
筋力:50
体力:80
耐性:20
敏捷:100
魔力:150
魔耐:10
技能:機械理解・言語理解・構造理解
===============================
===============================
三日月紀伊 17歳 女 レベル:1
天職:暗殺者
筋力:70
体力:80
耐性:40
敏捷:150
魔力:80
魔耐:10
技能:人体理解・言語理解・夜目・気配遮断・武器収納
===============================
===============================
音音凶歌 17歳 女 レベル:1
天職:歌唱者
筋力:500
体力:500
耐性:500
敏捷:500
魔力:200
魔耐:300
技能:言語理解・威圧・音響
===============================
「アッハッハ〜!!逆差相変わらず防御力クソ雑魚じゃんか〜笑えるわ〜っ!」
「それどこじゃねぇだろ!?やっぱり一人数値おかしいのがいるんだけど!?」
「やっぱりあの人もそうでしたけど凶歌先輩も相変わらずの異常性ですね………。」
そんな様子の彼女たちのなんとなくわかってたみたいな反応とは反対に、メルドは絶句していた。元々異世界から来るものたちは平均よりも高い数値を持っているとは思っていたが、一人だけ明らかに職業とステータスがあっていないものがいたからだ。
「お…オトネ…でいいか?」
「面倒だ。凶歌でいい。」
「ならキョウカ、お前は何者だ?技能は普通だが、俺は今まで最近この世界に来た勇者より強いステータスなど聞いたことがないのだが…それに歌唱者なんて明らかに戦闘向きではないのだか!?」
「知るか、飯食って暴れて、寝てればこうなるだろ。」
「それはあなただけですからね!?」
思わず戌子がツッコミを入れてしまう。
結局、凶歌の異常なステータスは本人も周りもわからないと言うことでまとまった。その後はアーティファクトやこの国にある迷宮についての説明などがあった。その後王室のアーティファクトを渡すことになっていたが、基本的な鎧以外のものは不要と6人が言ったため戸惑いながらもそれを承諾した。その後はほとんど座学の時間になり戦闘訓練を軽く初めて、それで今日はお開きになった。
ーーその日の夜中ーー
逆差が自分に割り当てられた部屋で本を読んでいると扉からノック音が響く。
「どーぞ。」
本から顔を上げずに一言だけ言うと扉から戌子と刀子の二人が現れる。
「お邪魔しまーす。おろ?本を読んでるなんて珍しいね逆差。それって魔物関連の蔵書?どこにあったの。」
「この城の図書室的なところ。司書的な人脅して無理やり貸し出し許可させた。」
「脅しちゃだめでしょう…。」
そう話の流れに一区切りつけると、由香から真面目な声で質問される。
「それで?なんで
そう断言した。
「あれま、気付いてたの?」
「あれは流石に一発で気付きますよ。いくらなんでもあなたのあのステータスはおかしすぎます。あまりにも少なすぎです。」
「おいおい?それだけじゃ証拠に何ねぇだろ。そもそもなんで俺だけじゃなくて自分たちを含めって思うんだ?そんな暇なかっただろ。」
「いえ、いつしたかは分かっています。なんせ、あなたを通してこれは配られてますから。」
そう言いながら、ステータスプレートを突きつける。
「あなたの能力上、一瞬さえあればこんなもの十分に改竄出来るでしょう。なんせそういう能力なんですから。」
「なるほど、でも何のためか分からなくて聞きにきたってワケか。」
そう言うと本を持ったまま体を二人のいる方向に向けるとそのまま話した。そして指を鳴らす。
「結論から言うとだな。ここの国の連中全員、まあ最低でも上流階級の連中は絶対信用できねぇ。」
「と言うと?」
「だって気持ち悪ぃんだよこの国、信仰率100%とか頭ん中、いじんない限り不可能だろ。」
「あぁーそれか、確かに少し異常だよね。」
「そこまでですかね?」
「そこまでなんだよ。多種多様な人間がいて、それぞれ国で文化も違うのに、なんで唯一神と言って信仰している神が同じなんだよ。どう考えても気持ち悪いわ。俺らで言うところの生粋の仏教徒なのに仏様じゃなくてキリスト教の神様を信仰してるようなもんだぞ。それに信仰心も異常だろ、あの教皇、なんかやんわりと話してはいたが『至高なるエヒト様万歳!!』って感じで、その周りにいる連中も目が逝ってたぞ。ぶっちゃけあの時ふざけて無かったら気持ち悪いって口に出すところだったわ。」
「そんなことここでペラペラ喋っていいの?今の会話聴かれてるかもよ?」
「それは心配ねぇよ、お前らがこの部屋来てから凶歌に言って壁張ってるから。」
「いつの間にそんなことしてるんですか。」
「さっき心音で合図したんだよ。」
「さらっとびっくり人間しないでください、後それならなんで凶歌先輩のステータスは改竄してないんですか?」
「したわ!とゆうか正確にいえば俺が直接書いてあることを改竄したんじゃなくて、ステータスが弱く表示されるようにセットしたんだよ。でもなんかそれでもあれなんだよステータス…」
うわぁ…という空気が流れる。
「本当に何者なんですかねあの人。」
「まぁそれは置いとくぞ、はっきり言って時間の無駄。」
話を区切ると話を戻す。
「とゆうことでこの国の上層部は信用できない。だから偽装しました。はいっ、何か他に質問は?」
「なるほどねぇ、でもそれ私たちに言ってもよかったじゃないか、なんで言わなかったのさ。」
「バーカ、お前ら、特に刀子、お前がそれを聞いたら怪しいって大義名分見つけて全員の首吹っ飛ばしただろ。」
「いやまって下さい!?流石の刀子先輩もそんなことしないでしょ!?」
「失礼なこと言わないでよ逆差。せいぜい
「信じた私がバカでした!!」
「まぁそれ以外にも不安要素あるからってことであいつらは生かしておくよ。いつか勝手に誰かの逆鱗に触れたとか雑な感じで死ぬだろ。」
「やめてくださいよ、縁起でもない。」
その後、どこぞの魔王様のドM堕竜姫により教皇たちはブレスで吹っ飛ぶことになり、なぜだか動機以外は当たっているという珍事があるのだが、それは先のお話。
「それで今後の計画は?」
「当初と同じだ。」
「…本気なんですか?」
「あぁ、本気だよ。あの計画は変わらねぇよ。」
「……別の方法はーー」
「バーカ、アホなくらい議論したろ、他になんてねぇよ。それに俺は100%の方法しかしねぇよ。」
「…でも………」
「そんな顔すんな気持ち悪い。日頃俺のこと恨んでるお前が心配するとか地球滅ぶの?」
「自覚してるんなら自重してくださいよ。ですが、それとこれとは別ですよ!!」
思わず声を荒げてしまう戌子。そんな様子を見た逆差は揶揄うように声を出す。
「なんだよいきなり怒っちゃってーー」
「貴方下手したら死ぬんですよ!!わかってるんですか!!!」
「……別にいいだろ、別に死んだって俺未練なんてないし。」
そんななんでもないように言う逆差に対して戌子は一瞬、間を入れると、少し低くなった声で淡々と言葉を発した。
「それは、本気で言っているんですか?」
「なんだよ、さっきからマジになってんじゃねえよ。どうせ俺が無茶しようが、お前には関係ないーー」
ギシィッ!!
何かが軋んだ音とともに逆差の部屋の中のものが震えだす、戌子を中心とした威圧によって机などがまるで悲鳴を上げるような音を上げる。嘘偽りは許さないと言っているような眼、基本的に脅すような行為は好きではない戌子からは考えられないくらい鋭い視線を向けながら、目の前の逆差に答えを問う。そんな様子を物ともしない感じの逆差は一瞬揶揄うために口を開こうとしたが、戌子の目が、本気で殴る時の顔だったため、口を閉じた。
「安心しろよ、ちょっとヤツに仕返しする時は力を惜しまないくらいだから他の時にそんな死に急ぐ真似はしねぇよ。だからそれやめろ、あんまそれ使うと飲まれるぞ?」
そう足を組み直しながら言う。その様子を見た戌子は不安が残りながらも、とりあえず、力を抜き威圧を解いた。
「まぁ、わかっているのならいいですが、あまり無茶しようとはしないでくださいよ。私たちの目的は、あくまで依頼の遂行と計画による彼の奪還なんですから。面倒ごとは避けて行きますからね。」
「そーそ、きみって変な意地張ったりとか自分の体だからって平気でとんでもないことにしでかしたりとか、いつ何やるか本当に予測できないんだからね。自重してほしいよ。」
「うるせー!?刀振り回しすぎて自分ごと斬っちまうお前に言われたくねぇよ刀子!!いいからテメェらも寝ろ!!明日あたりはさすがに書庫とか本格的に行きてぇんだからよ!!それに、先にこの世界に来たって言う攻略組って連中ともあうんだろ!?もう寝てやるからとっとと出てけ!!!」
「わかりましたよ、じゃあ先輩、おやすみなさい。」
「じゃあ明日ね、逆差。」
そう言った戌子と刀子は、この部屋の周りの部屋で眠っている人たちに気を使うようにゆっくりと扉を閉めた。
「チッ、やめだやめだ!!やる気が削がれちまった。」
足跡が聞こえなくなった後、逆差は本を机の上に置き、ランプの明かりを消し、ベットに身を投げ出した。そして誰もいなくなった部屋にて、独り言を呟く。
「はぁ……
さーてと、一体どうやって遊ぼうかなぁ?この
とても、とてつもなく悪意のこもった笑みを浮かべながら月明かり以外の光が消えた部屋にて、ベッドの上に転がり、逆差はステータスプレートを指先で回しながらこれからこの世界で何をしようかと頭でシミュレートしていた。
===============================
逆巻逆差 17歳 女 レベル:1
天職:指揮者・▪️▪️
筋力:60
体力:70
耐性:0
敏捷:100
魔力:120
魔耐:0
技能 : 言語理解・気配察知・完全記憶・魔法感知・敵意感知・情報閲覧・魔力操作・並列思考・拷問耐性・精神耐性・表情改竄・風圧操作・熱源操作・水源操作・落雷操作・暗黒操作・血液操作・肉体改竄・記憶改竄・公式演算・幻影操作・主導権剥奪・限界突破・金属変換・鉱石変換・分子化・引力操作・斥力操作・再構成・天使特攻・糸耐性・切断耐性・痛覚耐性・痛覚操作・暗示耐性・弱体化耐性・身体初期化・威圧耐性・悪意操作・加護無効・▪️▪️の加護・意識復活・神耐性・魔王耐性・勇者耐性・不意打ち耐性・罠感知・幻獣耐性・獣耐性・毒耐性・狂人耐性・聖句耐性・腐食耐性・聖書耐性…
===============================
偽装を解いたステータスプレートに書かれた無数の技能項目を確認しながら最後の文章に対して皮肉な笑みを浮かべる。
「まぁ、能力とかなんもなくなったても弱体化したとしても余裕で喧嘩うるし宣戦布告する気満々だけどさ、元あった能力はわかるがなんだよこの勇者耐性とか幻獣耐性とか魔王耐性って、俺の知らない項目足すんじゃねぇよ。神耐性はあのアホ型新生物のせいだからわかるけど。それにしても改めてこれ突きつけられるとなぁ。」
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注意!:現在、このステータスプレート保有者は、現在契約者である▪️▪️▪️▪️が生死不明、又は存在不明になっている可能性があります。そのため現在全ての能力値、技能は全て10分の1となっています。肉体にも技能の出力にもこれは反映されるのでご注意ください。
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「ったくよぉ。どこにいるんだよ、アイツ」
その言葉は、まるで誰かに向けるような声音で、
その表情は、ニヤついていながらもどこか寂しそうな顔をしていた。
すいませんめちゃくちゃ遅れました。ステータス画面の調整に手間取りました。凶歌のステータスだけ本当におかしなことになってきますが全員それ以外がどっかおかしいので凶歌が最強というわけではありません。基本的にまともなステータスはいないと思ってください。まぁ俺TEEEにはなりませんので誤解のないようお願いします。
本格的なステータスも用意しているため投稿が安定しません。ですがなるべく早く投稿できるように努力します。次は本格的に戦闘させます。
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「開始」
逆差がステータスを見ながら悪巧みしていた日から約3日間、城の中では様々な珍事が起こった。
勇者パーティーとの顔合わせで口説いているようなセリフを某勇者に言われた結果、
「えっと…あのっ!私好きな人がいます!告白ならごめんなさい!!」
(戌子)
「正直に言って、君についていくメリットが何もないよね」(刀子)
「ボクさ人の言うことしっかり理解できないやつ嫌いだからヤダ〜!」(アール)
「(無視)」(紀伊)
「うぜぇ。」(凶歌)
「とゆうわけでテメェについていく義理はねぇのでお断りだ金ピカマンが」(逆差)
と辛辣なセリフを吐き、それを聞いた勇者が固まっているのを見て、ポニーテール剣士がおもわず失笑してしまったり、
ヘルシャーの皇帝に勝負を挑まれ戦う羽目になった戌子が色々あってガハルドをほぼ一方的にボコボコにしてしまったり、
座学についての質問をあまりにも多くしすぎて講師陣をノイローゼにしてしまったりなど様々な珍事があった。
そしてその日の深夜11時、6人はオルクス大迷宮の前に立っていた。
「……本当にやるんですか?」(戌子)
「やるんだよ淫乱獣チワワンコ。」 (逆差)
「その渾名あんまりではっ!?」(戌子)
「また爆乳成獣チワワンの方が良かったか?」(逆差)
「あなたは普通に人のことを名前で呼べないんですかっ!!」(戌子)
「ハイハイ二人とも落ち着く。確かに今の私たちのイメージ、表向きには戌子後輩と、どう見ても普通じゃなさそうに見える凶歌以外は戦闘経験がないと思われてるから、いつまで経っても最前線にいけないからさ。でも私たちはそんな暇ないからね。」(刀子)
「それにしてもさ〜、あんな感じの勇者でこの先あの子たち大丈夫かなぁ〜。」(アール)
「…無理、あの調子じゃ殺人しなくちゃいけないってこともわかってないと思う。」(紀伊)
「知るかよそんなこと。アイツらがリーダーにしたんだ、勝手に死ぬのもそいつらの目がなかったってことだろ。」(逆差)
「ちょっと逆差先輩、そんな言い方ーー」(戌子)
「お前もわかってんだろ、あれじゃあはっきり言ってチャンバラ遊びしてるガキ以下だってこと。」(逆差)
「……それは、そうですけど…」(戌子)
「まぁ、そのうちあのポニテの剣士が指揮するだろ。まぁ肝心なところでアイツも折れそうだけどな。」(逆差)
「うわぁ〜…ここまで指揮者に恵まれない不幸すぎるパーティーないよね、もしかしてあの子たち呼び出した神ってやつはこれがわかってたのかな〜?」
(アール)
「多分そうだろ、性格の悪さは俺並みだろwww」
(逆差)
「キミ並みに性格悪い神なんてこの世の滅亡だろ逆差。さてそろそろ雑談もおいといてっと。」
(刀子)
そして6人は周りに人がいないことを確認した上で門を開いていく。
「それにしても出来ますかね。オルクス大迷宮を2日で攻略して戻ってくるなんて。」(戌子)
「理論上は可能だぜ。ちょっと今の俺たちじゃあハードなスケジュールになりそうだがな。」(逆差)
そんなことになった理由は今から2時間前に遡る。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【深夜9時】
皇帝をボコボコにした日の深夜、6人は逆差の部屋に集まっていた。
「えーっ!?今から大迷宮を攻略するっ!?」
あまりに突拍子のないことを言い出した逆差と刀子に対して思わず深夜にも関わらず叫んでしまう戌子。
「ああ、そうだよ。」
「それも帰ってくるの含めて2日でね。」
「何言ってるんですか二人ともっ!?」
「まぁ落ち着いて聞いてよ戌子後輩〜。じゃないとまたおっぱい育つよ?」
「これ以上育ってたまるかぁっ!!……じゃなくてっ!!なんでそんなことになったんですか!」
さらっととんでもないことを言った戌子の発言をスルーしつつアールの言葉を引き継ぐように逆差が口を開く。
「まぁ理由は二つだ。一つ目はまぁとっととこの国おさらばして他の国行きたいこと。」
「はっきり言って今の周りの状況、ペースを考えるとあれじゃ攻略するのに最短十年はかかりそうだよね。そうなると私たちもまずい。なんせ
「ッ!!」
すると戌子がハッとしたような顔をする。
「…そうでしたね、あまりぐずぐずしてられませんよね…。」
「まぁ一つ目はそんな感じだ二つ目は、多分オルクスをある方法を使えばショートカットしながら攻略できそうだからだ。」
「……なんかいやな予感がするのですが…。」
「それはなーー」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛もうっ!!やっぱり止めるべきでしたっ!!」
「おら走れ戌子ぉ!!次は
現在、6人は全力疾走で迷宮を下っていった。途中の魔獣は極力無視。とにかく走り続ける。今は最初に門の前に立ってから約1時間、6人は今十九階層を突破した。
「っ!!アール先輩!正面の方向に多数の敵意!多分魔獣タイプです!」
「よっしゃまかせろ〜!」
そう言ったアールは白衣からスイッチを取り出すとすぐさま押し込む。するとギミックが作動しそこから機械的な銃が生成された。すると由香がいう方向から無数のラットマンが出現する。
「外したらごめんね〜!」
『フラグ立てるなっ!!(立てないでっ!)』
そんな軽口を言い合うとアールがトリガーを引く。するとビームのようなものが銃口から放たれラットマンたちを貫く。「キィイイイッ」と言う断末魔をあげながら心臓や脳天に撃ち漏らしもなく確実に風穴が開いていく。
「うーんやっぱり音がなぁ〜、どうしても通常の拳銃みたいな音になるなぁ〜。あとで改良しようかなぁ〜。」
「それあとでいいでしょうが!」
「逆差、あれじゃない?」
そう言って指を差す刀子。するとそこには、かつての勇者たちクラスメイトたちが挫折する原因、ありふれた錬成士・南雲ハジメが落ちてしまった原因を作った鉱石、
転移トラップが仕掛けられたグランツ鉱石だった。
そう、今回逆差の言うショートカットの方法、それはわざと転移のトラップに引っかかることで下の階層まで飛ばしていくと言うものだった。
「でかした刀子ぉ!」
そう言った逆差は迷いなく鉱石にふれた。そして魔法陣が現れると6人の姿が消えた。
ーーオルクス65階層ーー
「まぁ、そりゃあ二度目のトラップにわざわざ引っかかって見逃すわけもねぇわなぁ。」
「あぁもうっ!やっぱりこんなことだろうと思いましたっ!!」
転移した先、光がはれて視界が回復していく中、6人の目の前には巨大な魔獣、かつての勇者たちを全滅寸前まで追いやった仇敵ベヒモス。
しかも今回は二回目のペナルティなのかまさかの
「あぁ、言い忘れてたけどチワワの後輩。」
「もう戦闘って時になんですか逆差先輩っ!?」
「今回、俺ら手ェ出さないから、お前一人で倒せな。」
「はぁっ!?ちょっと何言ってーー」
会話を続けようとしたその時、痺れを切らしたベヒモスが近くにいた刀子に向けて襲いかかろうとした。だが、
「とりゃあっ!!」
襲いかかろうとしたベヒモスがいつのまにか目の前に現れた戌子に顎を蹴り上げられた。ベヒモスはそのまま上下がひっくり返ってしまう。そんな様子を間近で見た刀子は、
「0.2秒動作遅れてるよ、また斬っちゃうよ?」
「鬼ですかっ!?この状況で貴方も相手にするとか地獄すぎるんですけど!?」
まさかのダメ出しだった。
なんとも閉まらない形で戌子VSベヒモス×4の戦いが始まった
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「戦闘」
構えをとりながらベヒモス達を牽制する戌子、そしてベヒモス達も戌子を本格的な敵と判断したのか今にも飛びかかりそうだ。そんな両者の中心に宝石が投げ込まれた。すると、
ピカッ!
宝石は砕けると同時に眩しい閃光を放った。視界が晴れるとベヒモス達の周りにドーム状の半透明な障壁が展開されていた。
「ちょっ!なんですかコレっ?」
「『ですまっちウォール・β-type』だよ〜。」
戌子の問いに、先程の宝石を投げ入れたであろうアールが答える。
「もう名前からして嫌な予感がする!?」
「まあ、簡単に説明すると戦って勝者が一人にならないと出られないってタイプだよ〜。がんばれ〜。」
「最低!このMAD発明家!!」
「え〜?じゃあ『勝敗が決まっても問答無用で最後に全員爆死☆da☆ze』の《α-TYPE》の方がよかった〜?」
「慈悲はないんですかッ!?」
その様子を見た逆差はポツリと呟く。
「さて、検証開始といこうか」
その言葉と同時に痺れを切らしたベヒモスが飛びだす。
「あ゛あ゛もうっ!!」
とりあえず目の前の障害に対して拳を突き出す。
「セイッ!」
ドゴンッ!
衝撃音と共に華奢に見える戌子の拳と突進してきたベヒモスの角がぶつかり合う。
「痛ったぃ!?」
しかしそんな音から一拍あげて戌子の方が吹き飛ばされる。
「おーい戌子、お前何か弱い乙女アピールしてんの?あんなやついつもなら余裕で粉砕できるだろうが。もっと力入れろー。」
「だからぁっ!!私皇帝さんと戦っている時も言いましたが弱体化してるの忘れてません!?とゆうかアナタわかって言ってるでしょうが!!」
「その通りだが、何か?」
もういっそ清々しいほどのゲス顔で言う逆差。
「本当に外道ですよねアンタァ!」
あまりの下衆発言に思わず敬語も忘れかける戌子。
「あぁもうっ!《強化付与》!」
しばらく殴るも埒があかないと思い自分の拳と両足に強化して連打する。しかしベヒモスの角の硬度と戌子の拳が互角になっただけでベヒモスの甲羅を砕くには至らない。
『あぁもう本当に困りました!とゆうか弱体化がここまで酷いとは…今の私じゃこの程度の甲羅も粉砕できなくなって………』
ここでふと、今の自分の発言を改めて振り返る戌子。
『……とゆうかこんなバイオレンスなこと実行できるくらいになってしまったな私……さらば普通の人生と普通の体…』
いつのまにか本格的に人外になってきた己の思考と身体に対しておもわず心のなかで涙目になる戌子。そんな心中を知らないベヒモス達は、目の前の敵が飛びかかるように前脚を上げる。どうやらこのままだと決着がつかないと思い持ち前のパワーと体重で押しつぶそうとベヒモスの前足が戌子に向けて迫る。
ズドンッ!
ベヒモスの巨体が小柄な戌子の体に叩きつけられる。しかし、
「な、ん、のぉぉっ……!」
普通なら抵抗できず潰されるであろうその少女はなんと、その一撃を己の四肢を用いて受け止めていた。
「ふぎぎぎぎっ!」
グッ、グガァ!?という声がベヒモスから発せられた。それもそのはず、自分の足の大きさにも満たない少女一人に押し負けて始めたのだ。
おまけにずるずると後退させられる。『まっ、負けるかぁぁ!』とばかりになんとか押し変えそうとするが全く動く気配もない、それどころか、
「ふぬぬぬぬっ…!」
さらに驚くべきことに足元から地面の気配が遠ざかっていく。なんと前足からそのまま逆立ちをするかの如く、持ち上げられていた。
「今の私の拳で砕けないほど硬いのなら…コレならどうですかっ!」
せぇーのぉ!という掛け声とともに、哀れベヒモスの巨体は天地が逆さの状態になり、近くにいたもう一体のベヒモスの脳天に背中の甲羅が直撃する。お前に投げられたベヒモスも仲間の硬い甲羅のトゲによって頭部が突き破られた。お互いの甲羅にお互いの頭部を潰されたベヒモス達は、自分の死因も分からず一瞬で絶命する。
「ハァッ…ハァ……………なるほど…やっぱり弱体化しても貴方達くらいなら純粋な力負けはしないようですね。」
その発言を聴いた残る二体のベヒモスは気付く。勝ち目がないことに。自慢の突進は素手でうけとめられ、押し合いでも勝てず、おまけに質量も戌子を止める手段にはならない。はっきり言って詰みである。しかし時はすでに遅くーー
「…申し訳ありませんが、早々に決着をつけさせていただきます!」
そういった瞬間、目の前の
ーー2分後ーー
「お疲れさーん。まぁ今のお前じゃこの程度か」
拍手をしながらとりあえず由香を労いながら戦った感触を聞く逆差。すると息を荒くしながらもなんとか答える戌子。その周りには事切れた四体のベヒモスの魔石が転がっていた。しかし戌子の姿も酷いもので左足は受け止めるときに支点にしたせいか裂けるように骨ごと折れており右肩は外れて、おまけに頭から血を流していた。
「…はっきりいって……ここまで弱体化した状態では………
「ばーか、んなことわかってんだよ。こっちは元々
「それにしても参ったね〜。戌子ですらここまで弱体化してんだから〜、私たちなんてそーとーだよ〜?マジやばくね〜?」
今の戦闘からの感想を述べるながら結界が解除されて元の状態になった宝石を拾うアール。
「…ッ!」
すると戌子が何かに身をよじると体の怪我から白い煙が出始める。シューっという音を立てながら骨ごと折れていた左足が元に戻り右肩も元の位置に戻り額の傷も元どおり塞がっていた。
「治りが遅ぇな。」
「それはそうですよ。何せ力が十分の一以下なんですから。再生も含まれているんでしょう。」
ここらか少し話を変えよう。
今の会話の通り、駒井戌子を含む6人は普通ではない。
今はこの傷の治りが明らかに異常な少女。駒井戌子について話そう。
彼女の主な力はこの尋常ではない身体能力と、それを支えている再生能力である。ちなみに今の彼女の本来のステータスプレートの内容はこうなっている。
===============================
駒井戌子 16歳 女 レベル:3
天職:武闘家・▪️▪️
筋力:998【弱体化】
体力:975【弱体化】
耐性:359【弱体化】
敏捷:752【弱体化】
魔力:409
魔耐:200
技能:言語理解・先読・気配察知[+第六感]・剛力・縮地・身体再生[+高速化【弱体化】][+回復阻害耐性【弱体化】]・▪️▪️の加護・
対神耐性・竜耐性・消耗軽減【弱体化】・反撃[+自動察知]・痛覚遮断[+乾坤一擲]・
五感能力強化【弱体化】・束の呪い・限界突破・暴走【弱体化】・金剛・念話・追跡・獣殺し・威圧・瞬歩・窮地の閃き【弱体化】・感情抑制・体力配分[+蓄積]
ー【状態】:弱体化ーーーーーーーーーーーーーー
契約者である▪️▪️▪️▪️の生死不明、又は存在不明になっている可能性あり。
ペナルティとして全て能力が10分の1以下に低下します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
===============================
そう、皆さんも思うだろうが現時点でもチートである。他の前話でさらっと出ていた逆差を除く四人も似たようなステータスとなっているが開示は次の機会ということで。
その後無事?ベヒモスを倒したあと、進んでいくことちょうど百層目、そこには巨人が通るかのような巨大な扉があった。そしてそこに刻まれた文面と六つの窪みがある。
「なにこれ〜?」
「『
王都の図書館から学んだ知識を使い解読すると文面がわかった。
「……なるほど、そーゆーことかよ。」
何か納得がいったのか逆差が言う。
「この迷宮の難易度的にどう考えても初見殺しのトラップとか、難易度高い魔獣が多いと思ったら、ここ以外の全ての迷宮を
「えぇっ!?じ、じゃあ今の勇者さんたちじゃあ…」
「どうあがいてもクリア不可能だろうな、いきなりラスボス戦なんてクソゲーにもほどあんだろ。これじゃああいつらがいくらチートだからってクリアできるわけもねぇなこりゃあ。」
そう言いながら右手でゆったりと扉に触れる。
「そう言う俺たちもまぁ証とやらなんでもってねぇんだが、いちいち戻るなんてめんどくせぇことしてる暇はねぇんだよ。」
そういった瞬間逆差の掌から魔力の光が溢れ出す。その色は大きく見れば紫に見える。しかしよく見ると様々な色が混じり合ってたまたま生まれたようなどす黒い紫色だった。
魔力を流し込んだ瞬間、扉からも光が溢れ出す。どうやら扉を力尽くで壊されない細工がされているようだった。逆差の手がだんだん燃えていく。するとギザ歯をむき出しにして一言言った。
「
バギュッ!!
まるで鉄が引きちぎられるような音がしたと同時に扉全体が砂のようにバラバラになった。しかしそれらが床に落ちることなく空中で浮いていると言う歪な光景だった。すると戌子が一言、
「…本当に貴方弱体化してます?」
「縺ッ縺?シ溘a繧薙←縺上○縺?°繧峨d縺?」
「また文字化けしてますよ先輩。」
「繧?∋縺」
こほんっ
「縺ッ縺?シ溘a繧薙…じゃなくて、あっ、戻ったわ。」
「やっぱり逆差先輩の能力も弱体化してるようですね。口調が文字化けしたのなんて久々では?」
「それなんだよなぁあーあ、とっとと元に戻りてぇな。」
そう言いながら扉があった場所を通りながら話す。
「でもまぁ、
そう言いながら指を鳴らすと次の瞬間、彼らが通った場所は元どおりの扉があった。
【タイムリミットまで、後一日と12時間26分】
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