英雄王コネクト! (春咲 舞)
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英雄王をつれて、冒険の始まり?前編

 初めての原稿なのであたたかい目で見てくれたら、嬉しいです。




夢を見ていた。

 

長い長い夢を見ていた。

 

少女が1人立っていた。

 

少女の前には黒い何かがいた。

 

それが何かわからなかったが殺されそうになっているのは分かった。

 

突如、黒い何かが少女に向かってきた。

 

少女の前に立つ。

 

後ろから少女が叫んでるような気がした。

 

やがて、黒い何かが迫ってきて深い暗闇に覆われた。

________

 

男は1人意識はあるが肉体が存在しない空間にいた。

 

男は長い間、その空間にいる。

 

その男、聖杯の中にギルガメッシュがいた。

 

第5次聖杯戦争で敗北し、また聖杯に取り込まれた。

 

ギルガメッシュは長い間、再び具現化される日を待っていた。

 

そして、その時はきた。

 

何もない空間に光が差し込む。

 

(ほう…我の力を欲するか)

 

彼の王、ギルガメッシュは意識を戻す。

 

(さぁ…此度の戦争も派手に争い、我を楽しませろ)

 

ギルガメッシュは、口角を上げそうつぶやいた。

 

同時に光が次第に大きくなり、意識が光に包まれた。

 

________

 

「……」

 

男が目を開けると青い空が広がっていた。

 

横に目を向けると噴水があり、あたり一面花が咲いている。

 

空には小鳥が飛んでいて、花には蝶が止まっている。

 

「ごめんごめん、起こしちゃった?

まだ寝てていいわよ、作業に集中したいし…」

 

声がするほうに顔を向けると小さな少女がいた。

 

紫色の髪に透き通った葵瞳の女の子だ。

 

「ん?あんた誰って顔してるわね。こっちはあんたのことよく知ってるのに…

初対面みたいな反応されると、ちょっと凹んじゃうわ。」

 

少女は悲しそうな顔でこちらを見ている。

 

「あたしは…まぁ、アメスとでも名乗っておくわ。

夢みたいなもんだから、すぐに忘れるだろうから無理に覚えなくていいわよ。」

 

「私は見ての通り、自己修復中だから現実には関われない。」

 

すると、アメスと名乗る少女の背後に羽の形をした壊れた機械が現れた。

 

質問しようとするが声が出なかった。

 

「焦らなくて大丈夫よ、あたしの代理として、あんたには『ガイド役』を派遣しといたから。

あんたの人生、つまり現実における水先案内人ね。詳しい話は、そっちに聞いて。」

 

「おっと…時間のようね。」

 

突如、周りが光りだした。

 

「もっといっぱいおしゃべりがしたかったけど、夢はいつまでも見てられないもんね。」

 

光はだんだん大きくなり体が光に包み込まれ、意識を失った。

 

「ん、これは…なるほどね。今回の旅は面白くなりそうね。」

 

 

こうして、かむはずがない2人の男の歯車が少しずつ動き出した。

 

___________

 

「主様ー!!」

 

少女はアメスの代理ガイド役として、主様を迎えに行くために約束の地に来ていた。

 

が、つくとすでにぼろぼろになった主が魔犬に襲われていた。

 

そして今、主様を助けている最中だ。

 

「な、なんとか助けることができました。」

 

「……」

 

___________

 

「おや、お目覚めになられたのですね。

主様、お怪我はありませんか?」

 

目が覚めると自分に主様という少女が顔を覗き込んでいた。

 

「わたくしは、偉大なるアメス様によって派遣されたガイド役、名前はコッコロともうします。

よければ主様のお名前を教えてくださいませんか?」

 

名前を聞かれたので答えようとした時だった。

 

「そこの童共、貴様たちが我を呼んだのか?」

 

声がする方向を見ると青年、ギルガメッシュが立っていた。

 

「…」

 

「…」

 

2人は驚きのあまり声が出なかった。

 

これが3人の初めての出会いだった。

 

 

 

 




Q,何故、プリコネにギルガメッシュを混ぜたの?


A,私にもわかりません。


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英雄王をつれて、冒険の始まり?後編

ちなみに、ギルガメッシュは我としていますが、我と書いておれと読みます。
Fateでは、そういうことになっています。


‐コッコロ目線‐

 

「何を呆けておる。貴様らが我を呼んだマスターなのか聞いているだけだぞ。」

 

目の前で淡々としゃべるお方は何をおしゃっているのでしょうか?

しかし、このお方はだれが呼んだのでしょう?

主様が呼んだ?いえ、主様も驚いているご様子ですし…

まさかアメス様が?ですが、私に知らせてないですから違うはず…

しかし、主様のことを‹マスター›と言っていました…

やはり、アメス様が呼んだのでしょうか?

 

「申し訳ございません、主様のことをマスターとお呼びなさっているってことはあなた様もアメス様にガイド役を頼まれたお方でしょうか?」

 

「質問を質問で返すか。まぁ良い、アメスとやらとガイド役とは知らぬが、我がここにおるということは貴様らのどちらかが呼んだのであろう。」

 

アメス様のことを呼び捨てになさっているのは一旦見逃してあげましょう。

しかし、主様のガイド役ではない?では一体このお方は…

は⁉まさか、盗賊⁉

でしたら、早急に主様をお守りしなければなりません!

 

「フハハハハハ、そう怯えるではない。して貴様ら、名はなんと申す。」

 

私としたことが主様のお名前を聞いてませんでした。主様に失態を見いせてしまいました… すべてこの男が悪いですね、そういうことにしときましょう。

 

「僕は、ユウキ。こ、この子はコッコロ。」

 

ここにきて主様のお声を初めて聞きました。

良かったです、アメス様が言ってたお方で間違いないようです!間違っていたらどうしようかと思いました…

しかし、おかわいらしいお声をしていますね!

 

「しかし、貴様らは無意識に我を呼んだのか?コッコロよ、聖杯戦争は知っておるか?」

 

「申し訳ございません、聖杯戦争というのは存じません。」

 

聖杯戦争?戦争ということはモンスターと戦うことなのでしょうか?まぁ、考えても仕方ありませんね。私はこの青年のことを深く考えるのはやめましょう。疲れました…

 

「ならば、手の甲に浮かんでいる令呪を見せよ。」

 

手?手を見ても私も主様も何も浮かんでませんよ?

 

「何も浮かんでおらぬな…」

 

「…」

 

「…」

 

「? 2人とも、どうしたの?」

 

沈黙の中、主様の声だけが響いた。

 

そして、

 

 

 

「なぜ、我はここにいる?」

 

「知りません!」

 

おかしなことを言うので、ついツッコんでしまいました。

 

___________

 

「英雄様はこの後どうなさるのですか?」

 

主様と何故か英雄様?と昼食を済ませた後、今後のことを聞くことにした。

 

「今の我には特にすることもなく、行く場所もないのでな、この世界を知っているであろうコロに同行するのが吉と見た。故に、コロとユウに同行しよう。

フハハハハハ、我が同行するのだ、大いに感謝するがよい!」

 

何故この人は頼む側にもかかわらず上から目線なのでしょう?

しかも、お名前をお聞きしたときには、フハハハハハ、我は英雄の中の英雄王、ギルガメッシュである!王とは我のことをいう。貴様らの胸に刻むがよい!とかおっしゃていましたし…

私の胸に刻んでいるのは、アメス様と主様です。決してあなた様ではないのでお帰りください。

ここはお断りしまsy…

 

「英雄さんついてくるの?やったー、ありがとう!英雄さんがついてたら安心だね!」

 

主さまー⁉

まさか連れていくおつもりですか!正体もはっきりしていないひとをですか⁉

主様も英雄様のこと信じてますし!ギルガメッシュ王なんて聞いたことありませんよ…

主様は記憶喪失でいらっしゃいますし、しょうがないですけど、私、正直、主様の将来が心配でなりません。

 

「主様、お気持ちはわかりますが、ここはもう1度お考えになってくだs」

 

「…ダメ?」

 

「わかりました、英雄様同行をお願いします。」

 

「英雄さんよろしくね!」

 

主様、なんという破壊力…

これでは承諾するしかないではありませんか。

英雄様は心配ですが主様が喜んでいるので良しとしましょう。

アメス様にどういう顔をしたらよいでしょう…これも英雄様が悪いですね。そうしときましょう。

 

「兎に角、主様に英雄様、目的地に向かいましょう。」

 

やっと、進むことができるますね…

今日は本当に疲れました。

 

 

 

 

 

 




Q,コッコロちゃんキャラ変わってない?

A,知りませんね。


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こうして冒険は始まった?

‐ギル目線‐

 

「着きましたね」

 

「意外と早く着いたなコロよ」

 

ここまで歩いてきたから、さすがの我とて疲れたな…

ヴァマーナを使いたいところだったが、我の知らぬ世界ゆえ、無暗に使えん。

それにこやつ等、聖杯戦争を知らん、我の名も知らぬときた。

まぁ良い、たまには歩いて行くのも悪くない。

 

「主様、本当にお怪我がなくてなりよりです」

 

「しっぽ?」

 

それは我も気になっていたところだ。

ここに来る道中、あのようなものとすれ違ったが、今はああいった装飾品が流行っておるのか?

 

「あの方はビースト族ですね。この世界には、ヒューマンにエルフ族、ビースト族、魔族など様々な種族が暮らしております。ちなみに私はエルフ族です」

 

「ほう…この世界では魔族がウロチョロしておるのか、それはなかなかにして面白いではないか!」

 

前回の聖杯戦争では、魔術を扱う小娘はいたがエルフ族や魔族などはいなかったな…

これはなかなかにして楽しめそうではないか

 

「今日はもう遅いですし、宿を探しましょう」

 

___________

 

‐コッコロ目線‐

 

「へ?」

 

「ごめんねーお嬢ちゃん、お金たまったら泊りにきてよ!」

 

「…」

 

やってしまいました…

まさか宿がこんなに高いとは思いませんでした…

 

「申し訳ございません、主様。今日のところは野営にしまsy」

 

「野営などできるか!」

 

!?

なんですか急に!

こうなったのも英雄様にも責任がありますよ!?

なんでお金を持っていないのですか!英雄の名が泣いてしまいますよ!

 

「まぁ良い、我の下婢の不始末を背負うのも我の務めよ」

 

「ちょ、どこに行かれるのですか!?」

 

どこかに行ってしまいました…

…いいですよ、いいでしょう、もう私は知りません。

後で謝りにきても知りませんからね!

私たちはいつ英雄様の下婢になったのですか!

兎に角、ここにいても仕方ありませんし野営できる場所を探しましょう…

 

「主様、野営できる場所を探しましょう」

 

「英雄さんわ?」

 

「英雄様はほおっておきましょう、おひとりでいかれてしまいましたので」

 

何なんでしょう、あのお方は…

 

___________

 

「開けた場所があってよかったですね、主様」

 

「…」

 

あれから1時間は経ちましたが英雄様は帰ってきませんね…

今日はいろいろありましたし、お疲れでしょう…

私も久々に疲れてしまいました。なれないことはしてはいけないものですね…

主様は(ガルルルル)個性的な寝方ですね…

しかし、あの方は本当に何なんでしょうか、アメス様との関係はないとおもいますし…

兎に角、明日からどうするかを考えなけれ

 

「はれ!?主様がいらっしゃいません!?

考え事をしているうちに主様がどこかにいかれてしまいました!」

 

「主様!主様!どこに…」

 

「ワゥ?」

 

「…」

 

「ガウ!」「ガア!」

 

「主さまー!」

 

まだあの魔犬あきらめてなかったのですか!?

主様をお助けしなければ!

 

「ガぁルルル」

 

3匹目!?

私だけで助けれるかわかりませんね…

 

「ガル!」「ガウ!」

 

なんとか助けることができました…

ですが、主様の意識がありません。

ど、どどどどうしましょう!?やばいです、ピンチです…

 

「…ん?」

 

「主様!」

 

「きゃn!」

 

ん?何やら暗い森の中が一瞬光ったと思いましたら、魔犬の鳴き声が聞こえました…

まさか新手のモンスター?モンスターだといけませんし構えておきましょう。

しかし、これ以上は私が守れるかどうか…

 

「探したぞ、コロよ、こんなところで何をしている?」

 

暗い森の中から現れたのは、黒のライダースーツをきた英雄様でした。

しかし、英雄様が魔犬の鳴き声が聞こえたほうから来たということは、魔犬はどうされたのでしょう?

魔犬が英雄様を見過ごすわけがありません。

まさか倒された?ですが、武器をお持ちではないようですし…

謎が多いですね、英雄様は、

 

「野営していたら魔犬に襲われてしまいまして、先ほど追い払ったところです」

 

「フハハハハハ、またしても魔犬に襲われたのか?つくづく魔犬と縁があるな!」

 

そんなつもりはありませんよ、しかし、英雄様帰ってきたのですね。

良かったです、明日探しに行こうと思っていたので手間が省けました。

 

「野営はしないといったであろう、ゆえに我の宝物庫から金塊を換金してきた。この世界の通貨は知らぬが、まぁ宿に泊まれるくらいはあるだろう」

 

この方が金塊など持っているわけがありませんが一応確認しましょう。

英雄様が懐から取り出した袋を見る限り、多少はお金になったのでしょう。

私は騙されませんよ、金塊など換金したわけが…

 

「へ?なぜこんなにお金をお持ち何ですか!?宿に泊まれるどころか、豪邸が建てれますよ!?」

 

「何故だと?金塊を換金したからに決まっていよう。なに、婢僕の面倒を見るのも我の務めよ。よし、ユウとコロよ、宿に向かうとしよう」

 

本当に金塊を換金したんですか…

 

そのあと、宿に向かい1部屋しか空いてなかったのでそれでとお願いしたのですが、英雄様が「たわけ、婢僕といっしょの部屋に入れるか!」と言い始めて説得するのに30分かかりました。

私と主様の宿代の足りない分は英雄様が出してくれました。

ホントナゾガオオイデスネ。

明日のことは…明日考えましょう、今日はもう疲れました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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英雄王は考える。

「さて、今日は主様に冒険への基礎知識をつけるために、クエストに行きましょう」

 

「英雄さんはどこにいったの?」

 

「英雄様は、街を散策するといって朝早く出かけてしまわれました」

 

ユウキとコッコロは、朝食を食べ、クエストを受注するためにギルドに向かっていた。

ギルドに行き、簡単な採取クエストを受注した。

 

「では主様、目的地に向かいましょうか」

 

ユウキとココッロは目的地に行くために、城壁の門まで歩いていった。

 

(英雄様はどこに行かれたのでしょうか)

__________

 

その頃、ギルガメッシュはランドソルにある薄暗い路地を歩いていた。

 

「我としたことが迷ってしまったわ」

 

そう、ギルガメッシュは道に迷っていた。

 

「そういえば、昨日から気になることがあったな」

 

ふと、昨日の出来事が頭にうかんだ。

 

突然、聖杯に呼び出されたギルガメッシュは昨日から自身の体について疑問に思っていることがあった。

 

魔力供給となるマスターがいない。

 

さすがにギルガメッシュでも気はなっていた。本来、英霊とは魔術師の膨大な魔力によって現世に召喚される。マスターの魔力供給なしに現世にとどまることは不可能に近い。だが、ギルガメッシュは聖杯に呼び出されて1日は経過している。体に異変が出ててもおかしくはないのだが…

 

(まぁ、我の体はどうでもよい。こんな面白い世界に来たんだ。今は楽しもうではないか)

 

ギルガメッシュは自分の体の異変にはあまり興味はなかった。だが、それよりも、ギルガメッシュはユウキとコッコロに興味をわいていた。

 

(記憶を失ってはいるがユウの内に秘めている力はなかなかにおもしろい。その力、どのようなものか我が見極めてやろう)

 

一目見た時からユウの力にきずいていた。この力にきずいたからこそユウたちと同行している理由の一つだ。

 

(コロはまだ謎が多いが、コロが口にしていたアメスという雑種も気になる。これは見ものだな)

 

と、思い不敵に笑った。

 

「…」

 

ギルガメッシュの背後の物陰では何者かがギルガメッシュを見ていた。

 

___________

 

 

「ふむ、どうしたものか」

 

ギルガメッシュは今道に迷っていおり、元いた場所への抜け道を探していた。が、ここで問題が発生した。道端にメイド服を着た少女が慌てているのである。

 

(まあ、見てしまったからには仕方があるまい)

 

迷った結果、ギルガメッシュは少女を助けることにした。

 

「そこの娘よ、何やら慌てているがどうかしたか」

 

「ふえ、あの、道に迷ってしまいまして…」

 

(道を聞こうと思ったのだが、小娘も道に迷っているのか)

 

「早く帰らなければお嬢様にまた叱られてしまいます…」

 

きずけば日が落ち始めていた。

 

(夕時か、我も帰らなければいけないな、娘は声かけてしまったからには仕方あるまい)

 

「娘よ、名をなのれ」

 

「あ、はい!お嬢様のメイドをしているスズメと申します!」

 

ギルガメッシュは最後まで聞かずにスズメに近づき持ち上げた。

 

「あわわわ、急に何するんですか!」

 

スズメはお姫様抱っこされている状態だった。

 

「スズメよ、しかとつかまっておれ」

 

ギルガメッシュは軽々と屋根の上まで飛んだ。スズメは突然のことで驚いている。

 

「ふむ、ずいぶん奥まできてしまってたみたいだな。スズメよ、貴様の帰る場所を教えよ」

 

ギルガメッシュは、この場にスズメをおいて帰るわけにもいけまいと思い、ついでに送ることにした。

 

すると、スズメは無言でその方角をさした。そして、

 

「あなたのお名前は…」

 

「ふむ、まぁ良い。我は英雄の中の英雄王ギルガメッシュである!我の名を教えたのだ、その胸に刻むが良い!」

 

と、同時にギルガメッシュはスズメがさした方向に顔を向け、その場を後にした。

 

___________

 

「英雄様、おかえりなさいませ」

 

「うむ、出迎えご苦労」

 

スズメを送った後、特にすることもなっかたので宿に帰ってきていた。

 

「主様、英雄様が帰ってきましたので夕食を食べに行きましょう。」

 

「今日は2人でいって来い、我は疲れたから早めに休む」

 

コッコロにそう告げると、ベットにダイブした。

 

「そうですか…では、主様と夕食を食べに行ってきますので、英雄様はおやすみくださいませ」

 

ユウキとコッコロは夕食を食べに行き、ギルガメッシュは眠りについた。

 

 

 

 

 




次回「英雄王と誓約女君(レジーナゲッシュ)」


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英雄王と契約女君

「どうしてあなたは毎回ギルドに変なものを持ってくるんですか!」

 

「我がどうしようと問題あるまい」

 

「問題あります!いいですか、ここは皆さんがクエスト受注や登録をする場所です!あなただけの場合ではないんです!」

 

「王たる我がここのものをどうしようと問題あるまい、それよりここは茶も出ぬのか」

 

「文句!?」

 

あれから3日たっていた。その間、特に何もなく、平凡な日常が流れていた。それ故、ギルガメッシュは退屈していた。

 

「だめですよ英雄様、カレン様がお困りになられています。今日のところは宿に帰りましょう…」

 

「なぜ我が帰らなければならん、それにしてもこのソファーは心地悪いのぉ」

 

「英雄様!?それ以上は… あ、カレン様申し訳ございません!英雄様、カレン様に謝ってください!今にも泣きそうなので謝ってください!」

 

コッコロはギルガメッシュに謝るように頼んだが「要が済んだか、ならば帰るとしよう」と言ってギルドを出て行ってしまった。

 

「申し訳ございません、英雄様にはきちんと言っておきますので…」

 

もう一度謝って、ユウキとコッコロもギルドを後にした。

 

________

 

「ところでコロよ、娘と何を話していたんだ」

 

「はい、ギルド申請についてきいていました。ですが、あのようなことがおきたので肝心なことを聞きそびれてしまいました…」

 

「ほう…」

 

ギルガメッシュたちは宿に帰るため、商店街を歩いていた。すると、ギルガメッシュは何かにきずき立ち止まった。

 

(何者かが我たちを見ておるな、どこの誰だか知らぬがおもしろい)

 

「コロよ用ができた、先に帰っておけ。」

 

「わかりました。ですが、早めに帰ってきてくださいね」

 

「なに、心配せずともすぐにかえる」

 

と、ギルガメッシュはどこかに行ってしまった。

 

(英雄様は何を考えているのかわかりませんのでたまに心配になります…)

 

「では、行きましょうか」

 

「いたッ!」

 

宿に帰ろうとしたときだった。不意に少女とぶつかってしまった。

 

「いたたた、急になんだよ… んん?おい、おいおいおいっ?」

 

少女は何かにきずき、ユウキに駆け寄った。

 

「おぉ、お前どこで何してたんだ!心配したぞ~プリンセスナイト!」

 

________

 

(このへんでよかろう)

 

コツコツと男は誰もいない道を歩いていた。周りの窓は誰もいないのか、これから起きることを察知したのか締め切っていた。

 

「たまには、こういう貧民街を歩くのも悪くない」

 

男はつぶやく。故に、とある広場に来ていた。

 

コツコツと歩みを進め、やがてコツっと足が止まった。

 

同時にそれは姿を現した。

 

「ふん、ばれていたか。まぁいい、街をうろつく目障りな輩をこらしめにきたまでよ」

 

そう口にすると持っていた剣を男に投げつけた。

現れたのは黒いドレスに鎧を着て、男と同じ髪色のヒューマンの女だった。彼女も平和にあき、退屈していた。

 

「こらしめる?我をか?くっくっ」

 

男は愉快に笑う。故に

 

「よかろう、貴様の道化振りに免じて見逃してやる」

 

男はそういい振り返った。

 

「どのような策か知らんがワタシをたのしませてくれよ!」

 

女も愉快にそう口にし、大剣を抜くが男は一向に武器を構えようとしない。故にその姿にいらだっていた。それもそのはず、彼女は王宮騎士団の副団長であり、彼女の名は『契約女君(レジーナゲッシュ)』として知れわたっていた。だから目の前で剣も抜かずに立っている男にいらだっていた。が、それもすぐに驚愕に変わった。

 

「ちっ、雑種風情が早々に立ち去ればいいものを…」

 

瞬間、黄金に輝く波紋が男の背後に現れ、波紋から剣が2つ女に剣先が向けられていた。

 

「誰の許しを得てそこに立っている?」

 

ギルガメッシュは愉快そうに笑った。

 

 

 

 



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英雄王と契約女君2

彼女は退屈していた。

 

この生ぬるい平和な世界に飽き飽きしていた。

 

彼女…クリスティーナは王宮騎士団の副団長だ。

 

本来、街の平和を守るギルドなのだが、彼女自身戦い好きで数々の問題を起こしていた。

 

この平和に飽きたから戦争を仕掛けたこともあった。

 

ワタシより強者はいないのか。

 

しかし、求めるものはなく退屈な日々が続いた。

 

あの男が現れるまでは…

 

________

 

黄金に輝く剣はクリスティーナ目掛けて放たれた。

常人にはその剣を目で追うことはできない速度でクリスティーナを襲った。

 

ギルガメッシュの宝具『王の財宝』は、あらゆる武器や防具を空間を通して取り出すことと放つことが可能。相手に弱点や防御系となる宝具を取り出すことができる。威力が絶大でサーヴァント6体分の威力ともいわれている。常人には、太刀打ちできないであろう。

しかし、彼女は常人ではない。彼女の『乱数聖域』は自分の攻撃は必ず命中し、相手の攻撃は絶対回避かつ絶対防御という異能を持っている。自身の戦闘能力も高いが故に絶対である。攻撃力を上げるスキルを持っている。故に、相手はどんな攻撃を仕掛けても彼女の前では無意味だった。

 

クリスティーナは一撃目の剣を回避し、二撃目を剣で受け止めた。

 

「…ッ!?」

 

が、ギルガメッシュから放たれた剣は、彼女の絶対防御をもってしても完全に防ぐことはできなかった。さらに、剣を弾いて間合いを詰めようと考えていたが、受け止めた剣は速度を緩めることなく突き進んでいる。即座に体勢を変え、剣を受け流した。その剣は背後にあった小屋を破壊していった。

 

「気に入った、派手に暴れて我を楽しませるがいい!」

 

そういって、王の財宝を展開してクリスティーナにはなった。

 

________

 

「ほう、ただの雑種と思っていたが…やるではないか」

 

「ワタシも久方ぶりの相手に心が躍る」

 

彼女は戦ってきたなかで戦闘技術をフルに使える相手は今までに一人、故に楽しんでいた。

だが、目の前にいるのは贅と快楽とを貪り尽くし、すべての英雄の原型になった宝を所有した『英雄たちの王』である。

 

「さぁ、もっとワタシをたのしませろ」

 

「勝ち目がないことがなぜわからん?」

 

故に、なぜこの雑種が我を前にして臆することなく突き進んでくるのか分からなかった。

 

(ここは知らぬ世界、我を知らぬのも仕方あるまい)

 

「貴様、名をなのれ」

 

「王宮騎士団副団長、クリスティーナだ」

 

「ではな、クリスティーナよ、此度の余興楽しかったぞ」

 

そういって、ギルガメッシュは振り返り元きた道へと歩みをすすめた。

 

「まて、逃げるのか?」

 

「たわけ、コロが早めに帰って来いというのでな、頼みを聞くのも王の務めよ」

 

何を言っているんだとクリスティーナは思った、戦いの最中だというのに別のこと考えるとは

 

「それじゃあワタシが…」

 

ギルガメッシュは最後まで聞かずに槍をクリスティーナに放った。先ほどの倍の数と凄まじい速度で

彼女が持つ異能ですらとらえることができなかった。

 

(乱数聖域が発動しなかっただと!?)

 

これにはさすがに驚いた。これまで戦ってきた中で反応できない攻撃など今までなかったからだ。

 

「今のは余興への慈悲だ、次はない」

 

(まったく反応できなかった…)

 

「ま、待ってくれ…名前を教えてくれ!」

 

「貴様などに教える安い名などないわ、雑種」

 

ギルガメッシュはそういい捨て去っていった。

 

取り残されたクリスティーナは思う、彼が逃げたのではなく、ワタシを見逃してくれたことに

 

________

 

‐ギル目線‐

 

しかし、あの雑種は何だったんだ?

ちょっとは楽しめると思ったが興醒めよ。

 

まぁ雑種のことはどうでもよい、帰って…

む、あれはユウではないか

 

「こんなところで何をしておる、ユウよ」

 

「あっ英雄さん、おいっす~」

 

「なんだその腑抜けた挨拶は?」

 

すでに宿に帰っておると思ったが、こんなところで腑抜けおって

 

「英雄様、用は済んだのですね」

 

「今、みなさんとギルドを結成しないかとお話ししていたところでございます」

 

「今朝話していたことか」

 

「おいっす!ココッロちゃんのお友達ですか?」

 

急に出てきては何だこの娘は、コロの知り合いか?

 

「ユウに腑抜けた挨拶を教えたのは貴様か!普段でも腑抜けた顔をしているのにこれ以上腑抜けたらどうする!」

 

「英雄様落ちいてください…こちらいつもおなかペコペコのぺコリーヌ様です」

 

「英雄くんっていうんですか?変わったお名前ですね!」

 

貴様のほうが変わった名前をしておるが…まぁよい。

 

「しかし、困りましたね、先ほどお会いしたムイミ様にブローチを返しそびれてしまいました…」

 

「コロよ、そのブローチを見せろ」

 

…ほぉ、これはまたおもしろいものを見つけてしまったな

 

「フ、ハハ、ハハハハハ!ユウよ!どうやら貴様は厄介ごとに巻き込まれる運命らしい」

 

やはりこの世界は謎が多いよの、故に楽しめる

 

さぁ、これがどのような運命になるのか見物しようではないか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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公開可能な情報

ユウキ

 

ギルが興味ある人物。

 

ギルの下僕

 

記憶を失っており、私生活に影響を及ぼすほどの記憶喪失になっている。

 

プリンセスナイトの力は使えるが記憶を失っているため、その力が何なのかはわかっていない。

 

ギルはユウキの力にはきずいてはいるが、その力が何なのかはまだ分かっていない。

 

ギルの力は知らない。

 

 

コッコロ 

 

ギルが興味ある人物。

 

ギルの下婢

 

アメスからの託宣でユウキをサポートするよう命じられている。

 

ギルをちょっと面倒な人だと思っている。

 

ムイミが落としたブローチを持っている。

 

ギルはこのブローチを厄介だと思っている。

 

ギルの力は知らない。

 

 

ぺコリーヌ

 

ユウキとコッコロが採取クエストをしていた道中に出会う。

 

ギルは彼女のことをうるさい奴だと思っている。

 

ココッロがぺコリーヌと名前を付けた。

 

ギルの力は知らない。

 

やばいですね!が口癖

 

 

ムイミ

 

ギルとは会っていないがギルはブローチを持っている。

 

ブローチをなくしている。

 

現在、オットーに追われている。が、ブローチをなくしていることにきずいていない。

 

ユウキのことは知っていた。

 

 

スズメ

 

ギルが助けた女の子。

 

ギルのことを気になっている。

 

ドジっ子。

 

ユウキとはあっている。

 

ギルの力については知らないが普通の人ではないと思っている。

 

 

カリン

 

ギルのことを面倒だと思っている。

 

コッコロとはよく話をしている。

 

 

クリスティーナ

 

王宮騎士団の副団長 契約女君(レジーナゲッシュ)の二つ名を持つ。

 

『乱数聖域』という異能を持っている。

 

ギル曰く道化。道化なので多少興味を持っている。

 

ユウキとはあっていない。

 

王の財宝を見ている人物。

 

 

ギルガメッシュ

 

英雄の中の英雄王

 

ギルガメッシュは「宝具の原典」たる原初宝具の「所有者」

 

かつてこの世の全てを統べ、贅と快楽とを貪り尽くし、全ての宝を所有した王

 

第4次聖杯戦争の時と同じ戦闘力を持っている。

 

ギルガメッシュ自身、戦闘能力は高い。クリスティーナ以上

 

ユウキとコッコロには甘い。

 

スキル

 

王の財宝 この世界の武器とは圧倒的な差がある。

 

対魔力 魔術への耐性。無効化はできず、ダメージを軽減するのみ。

 

天地乖離す開闢の星 「乖離剣エア」による一撃。使えば、ランドソルで使えば被害がやばい。力を抑えることができる。

 

天の鎖 神性が高いものほど強度があがる。

 

ヴィマーナ この世界に空飛ぶ乗り物がないため、使うとちょっとした騒ぎが起きる。

 

カリスマ 精神異常を及ぼす魔術、魔法、神秘の無効。外部からの催眠不可能。

 

黄金律 一生お金に困らない。換金時、報酬アップ、クエスト受注時、報酬アップ

 

バビロンの蔵 王の財宝の中の宝具 レアアイテムが手に入りやすくなる。

 

つまり、全部ちーと。

 

まだ、本気は出していない。

 

 



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英雄王と黒の幻影

空から降りしきる水滴が宿の窓を何度も叩いていた。

 

椅子に座り日課となっている日記を書いていたコッコロはおもむろに首を上げ、外の光景に目を向けた。

 

(降ってきました…)

 

先程まで明るかった空は雲に覆われ、激しい雨が地上に降り注いでいた。

宿の外では突然の雨に人々は庇を求めて走り回っていた。

数分前まではたくさんの人がいたが、今は人気が消え失せていた。

机で日記を書いていたコッコロは手を止め、ふと今朝から外出している男のことが気になっていた。

 

(英雄様は大丈夫でしょうか…)

 

連続する雨音に耳を貸し、窓からの光景を見ていたが、机に目を向けて日記の続きを書き始めた。

 

__________

 

「降ってきよったな…」

 

窓から見える光景にため息をつきながらギルガメッシュは呟く。

ギルガメッシュはランドソルの裏路地にある喫茶店に来ていた。

昼の十二時になろうかという時間帯。店にはお昼時だが雨が降っていることもあって店内には一人だけであった。

 

(まぁ、すぐやむと思うがな)

 

「お待たせしました、コーヒーでございまーす!」

 

コーヒーを持ち、ギルガメッシュの元に近づいてきた少女はそう呟き、机の上にコーヒーを置いた。彼女はこの店で働くハーフエルフの少女だ。

 

「して娘よ、今日の面白い話をもうせ」

 

「はい!もちろんですよ!あと、私の名前はティーナです!」

 

最近、雨の日が多く暇をしていたギルガメッシュはたまにこの店を訪れている。彼女…ティーナは最近あった面白い話を毎回ギルガメッシュに話していた。

 

「最近、このあたりでもう一人の自分を見たって噂を耳にしましてー」

 

と、少女は男が座っている反対側に腰を下ろす。そして、男のほうに顔を向き、続きを話した。

 

「で、そのもう一人の自分を見たって子が一人だけではないらしくて、私も見たって子が後を絶たないらしいですよ!」

 

そういうと机をダンっと叩き身を乗り出した。

 

「ほう…ドッペルゲンガーか」

 

「そうです!面白くないですか!?」

 

「まぁ座れ」

 

そういわれ、すみませんといい席についた。

 

「でも、自分が二人もいるって考えると気持ち悪いですけどね」

 

「そうでもなかろう、我はあってみたいがな。まぁ、いたらそやつの命はないがな」

 

コーヒーを口に運び、愉快に笑った。もし、そうなったらランドソルどころかアストルム大陸の一部が地図から消えてしまうのだが…

 

「雨、やみませんね…」

 

「すぐやむと思ったのだが」

 

未だに降り続ける雨に二人はため息をつく。路上には水たまりができていた。残っているコーヒーを飲むと立ち上がった。

 

「では、我は帰るとしよう」

 

「あ、じゃあ傘をお持ちしますね!」

 

ティナは傘を取りに行くため、店の奥へと消えていった。

 

(ドッペルゲンガーか…)

 

と、ギルガメッシュは考えていたが奥からティナが傘を持ってきたので受け取った。

 

「では娘よ、少ないがとっておけさっきの話の礼だ」

 

「へ!?こんなにもらえません!コーヒー代だけでいいですよ!」

 

袋からコーヒー代だけ取り出し、残りを返そうとしたが

 

「たわけ、王が貴賤したものを返す出ない」

 

「しかし…」

 

「では、またここに来る。その時に酒の酌とつまみの話を用意しておけ」

 

「王様…わかりました、それまでに最高におもしろいお話しを用意しておきますね!」

 

「フハハハハハ、当然よ!」

 

そういうとギルガメッシュは傘を差し、店を出ていった。

 

__________

 

「ありがとうございました!」

 

ティーナに見送られ、ギルガメッシュは店をでた。

 

「ずいぶん遅くなってしっまたのぉ」

 

きずくとあたりは暗くなっており、メインストリートには買い物をする人がちらほらいる。ランドソルにはメインストリートと呼ばれる大道りが五本存在する。中心地から五方位、街を囲う壁まで伸びている。ランドソルを上空から見ると星形になっている。ギルガメッシュたちが泊まっている宿は東のメインストリートに沿ったところにあり、そこでは様々な種族が暮らしている。ギルガメッシュが歩いている東南メインストリートはエルフ族がメインでエルフ族が経営している店が多くある。ティーナが働いている店は裏路地にある小さな喫茶店である。エルフは薬草に詳しくポーションが多く売られていて、質がいいとされている。そのため、多くの人々がこのメインストリートに訪れる。しかし今は遅い時間、なりより激しい雨が降っているので人が少ない。ギルガメッシュの見た目はヒューマンに入るためか、こんな時間にエルフ以外の種族がいるのが珍しくすれ違うたびにギルガメッシュを凝視していた。主に女性が…

そんなことは気にしていないギルガメッシュだったが、ふとこちらを見ているある人物にきずいた。

石畳の道を歩いていると正面から顔まで隠した黒いローブ姿の男性にも女性にも見てとれる人物がこちらを見ていた。雨が降ているにも関わらず傘をさしておらず、誰もが見入ってしまう黄緑色の髪は雨で濡れていた。すると黒いローブの人物はこちらに歩み寄ってきた。しかし、ギルガメッシュは雑種程度にしか思っておらず気にしていなかったが、この後の言葉に目を見開いた。

 

 

 

『聖杯戦争』

 

 

 

黒いローブを着た人物がすれ違う時に言った言葉だった。この世界に来てから聖杯戦争とは関係ないと思っていたギルガメッシュはその言葉を聞いた瞬間目を見開き赤き瞳が、雰囲気が変わった。

 

「貴様!その言葉をどこで…」

 

しかし、振り返った時には黒いローブの人物はいなくなっていた。ギルガメッシュはその場にしばらく立ち止まった。石畳の道に激しく降り注ぐ雨はその時はより大きく聞こえた。やがて宿に帰るため歩みを進めた。

 

「どうやら我が思っている以上にこの世界は悪化しておるな…」

 

誰もいない道で一人、そう呟いた。

 

 

 

 




new☆

ティーナ・フェリエ

オリキャラ

ハーフエルフ

東南メインストリートの裏路地の喫茶店で働いている。

ギルによく面白い話をしている。


謎の黒いローブ

聖杯戦争のことについて知っている?

ギルガメッシュのことは知っている。



ギルガメッシュは長いので次からはギルに変えます。



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英雄王とギルメン

続けることって大変ですね…

みなさんはプリコネの中で推しキャラはいますか?
私の推しはママサレンです!


※出てきてほしいキャラがあったら是非コメント欄にお書きください。
※感想がありましたら遠慮せずにお書きください。私のやる気が上がり、嬉しい気持ちになります。


時間を刻む音が部屋の中に無機的に響いている。

壁にかけられた時計の針がさす時刻は朝の九時。

ギルは部屋に備えられているベットで横になっていた。

 

(昨夜のあれは何だったのだ?)

 

昨夜、東南メインストリートにて黒いローブの人物が言っていたことを考えていた。

 

「『聖杯戦争』か…」

 

「英雄様、少しよろしいでしょうか?」

 

そんなことを考えていると横からココッロがギルの顔を覗いていた。

考え事をしていたギルは外部からさえぎられたことに若干不機嫌になりながらも声がするほうに顔を向けた。

 

「なんだコロよ、我は今忙しい。故に早急にもうせ」

 

「忙しそうには見えませんが…」

 

「たわけ、王に暇などないわ」

 

と言いながらも上体を起こし、話を聞くギルは相変わらずコッコロには甘かった。

 

「先日お話ししたギルドについてなのですが、無事メンバーが集まりました。ですので、これから提出しに行こうと思っているのですが英雄様も一緒に行かれますか?」

 

一週間前、ギルはコッコロにギルドについて相談を受けていた。

ギルは悩んだ末、立ち上がった。

 

「ふむ、よかろう。決めてよいといったのは我だしな」

 

「わかりました、主様も行きましょうか」

 

部屋の扉を開け、三人は日差しが眩しい中ギルド本部へと向かった。

 

________

 

ギルド本部は北のメインストリートを奥に歩いて行った先にある。中央部から見たら正面にあるため、わかりやすい位置にある。ここ北のメインストリートはギルド本部が面していることもあって、多くの人が集まってくる。人が多く通るためか首を左右に振ると武器屋や酒場ばかり。ちょっと外れた裏路地には怪しげな道具屋が並んでいる。途中病院と書かれた看板があったが、中では病院では聞かない悲鳴が聞こえた。

 

「おいっす!みなさん、お久しぶりです!」

 

「コロ助来てあげたわよ」

 

ギルド本部の前から手を振りながらでっかいおにぎりを食べていたヒューマンの少女と隣で猫耳をピコピコ動かしている少女だった。

 

「おはようございます、ぺコリーヌ様にキャル様」

 

「おいっす~」

 

「なんだ、こやつ等にも声をかけていたのか」

 

「はい、」

 

ギルド本部の前で待っていたのはぺコリーヌとキャルであった。

 

「では、行きましょうか」

 

ギルド本部の門をくぐると前庭が広がっていて、その中央にはモニュメントが設置されている。そこを抜けると本部はあり、入るとすぐにロビーはある。

 

「提出してきますので、そこで待っていてください」

________

 

ギルド本部の後ギルド管理協会へ行き、カリンにギルドハウスへと案内してもらっていた。

今向かっているギルドハウスは南西のメインストリートから壁の外に出て、都心からは離れたところにある。ランドソルには多数のギルドが存在し、管理協会は各ギルドを管理している。そのため、管理協会は各区画に存在する。ギルド本部では管理協会を支援、運用もしているらしい。カリンは南西区画とその他のギルドを主に管理している。現在ギルたちはカリンに案内され、さびれた家の前で止まった。

 

「ここが美食殿のギルドハウスです!」

 

「いくぞユウ。違うギルドを探すぞ!」

 

故にギルは即答であった。

 

「あんた、外見はあれだけどこういうものは中は意外ときれいだったりするのよ」

 

とキャルは扉を開くが中を見るなり扉を閉めた。

 

「さ、帰りましょうか…」

 

「どうしたんですか!?」

 

涙目になり帰ってきたキャルが泣いているのを見てぺコリーヌは驚いた。

 

「人が住む前に虫と蛇が住んでたんですけど!?あの家事故物件じゃないでしょうね!」

 

「おのれ、王にここに住めというのか!」

 

「事故物件ではないですが幽霊は出るかもしれません…まぁ、住めば都といいますし!」

 

「もしや我をバカにしておるな?」

 

「大丈夫ですよキャルちゃん、幽霊さんと一緒にご飯が食べれますよ!やばいですね☆」

 

「ご飯を食べれたら何でもいいの!?」

 

キャルは地面にうずくまりシクシク泣いており、ぺコリーヌは慰めようとするがいうっていることが怖いので意味がない。それを聞いたギルは『正気か?』と驚愕していた。

 

「カリン様、手を加えてもよろしいでしょうか?」

 

「正気か、ころよ!?」

 

「私はみなさまと一緒にギルドを結成したいと思い、英雄様にもお願いしました…私はここにします!英雄様はいやかもしれませんが、駄目でしょうか…」

 

「…我はコロがきめていいといった。そして結成したら入るともな…何より下婢の頼みだ。我もここにしよう」

 

下婢?とカリンは首を傾げた。だがそんなギルにコッコロは笑みを浮かべ、ありがとうございますといった。いろいろあったがギルとココッロたちのギルド『美食殿』が誕生した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




new☆

キャル
美食殿のメンバー
虫が苦手。

後日、ギルとの出会いを書く予定。

※2日に1回の更新に変えます。理由はレポートの量が半端ない。
※寄宿学校のジュリエットを見る!
※落ち着いたら1日に1回に変えかもしれません。
※申し訳ございません。


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英雄王と黒の幻影2

最近、ユイとユカリが強いと気づいて育成中です…

他に、強いキャラがあれば教えてください!




 

日が暮れて、月が出て、夜が明けて、東の空からまた日が顔を出した、今日。

いつもならまだホームにいる時間帯、美食殿の五人は森の中を歩いていた。

ギルド結成から三日たっている。その間特に何もなかったが、今朝ぺコリーヌが掲示板からクエストを持ってきて、現在タルグム村まで向かっているところだった。

そのクエスト内容がスパイスを収穫するための人員募集である。ぺコリーヌによるとそのスパイスは幻のスパイスとして有名で逸品らしい。報酬は日当とスパイス一式と報酬がよく、受けようとしたが当然ギルは『いかん』。だが、ぺコリーヌが泣きながらギルにしがみつき、お願いしたことにより結局ついていくことにした。

 

「…」

 

タルグム村は森に入ってから一時間はかからずにつくはずなのだが、森に入ってから村は見えてこず二時間は経過していた。周りを見渡しても頭上には空を覆い隠すほどの木の葉が生え、足元には足が隠れるほどの草が生えていた。そう五人は道に迷っていた。

 

「あぁも~、道に迷ってしまってるじゃない!この森幽霊が出てきそうなんですけど!」

 

「だ、大丈夫ですキャル様、もしもの時は幽霊様に道を案内してもらいましょう…」

 

「それ一番ダメなやつじゃない!?あの世への道に案内されたらどうするのよ!」

 

この状況に嫌気がさしたのかキャルが叫びだし、コッコロはおかしなことを言いだした。ユウキとぺコリーヌは体中震えていた。

 

「何を怯えておる、幽霊などいるわけなかろう」

 

ギルだけは冷静であった。

 

「私こういうの苦手なんですよ…」

 

「あんたしっかりしなさいよね…」

 

「キャルちゃん…震えながら言わないでください…」

 

(カサ…)

 

「「ひっ!?」」

 

茂みから音が聞こえ、ぺコリーヌとキャルは涙目になり、抱き合っていた。すると、音がしたほうから出てきたのは目を赤く光らせたウサギであった。

 

「なんだ、ウサギか…まったくびっくりさせないでよね…」

 

「こここ、怖いですキャルちゃん…」

 

「しょうがないわね…あんた急に立ち止まってどうしたわけ?」

 

ぺコリーヌは立ち止まって小刻みに震えっており、『見つけちゃいました…』と目じりに涙をため、ある方向に指をさしていた。キャルとユウキ、ココッロはその方向を見て後悔した。

 

「「「…!?」」」

 

その方向には赤い髪にクマのぬいぐるみを持って目を赤く光らせた少女がこちらを見ていた。それを見たギル以外の四人は魂が抜けたかのように固まっていた。

 

『つ、つぎは、あれ、しよ、、』

 

少女はこちらへと歩いてきてそういった。その言葉を合図に四人は走り出した。

 

「なによ、なんなのよあれ!?」

 

「ゆゆゆ、幽霊でしょうか!?」

 

「うわぁぁぁぁぁぁああ!」

 

「皆様、落ち着いて!」

 

________

 

「な、なんとか逃げ切ったようね…」

 

「それに森を抜けることができましたね…」

 

現在キャルたちは森を抜け、近くの広場で横になっていた。幽霊から逃げ切ることができて、みなホッとしていたがユウキが顔を青ざめ何かを思い出しそれを口にした。

 

「あれ、英雄さんは…?」

 

「「「あ…」」」

 

________

 

「あやつら我を置いていくとは…後でそれ相応の罰を与えてやろう」

 

ギルはユウキたちが走っていった方向を見ながら言い、やがてその方向へと歩き出す。

 

「して娘よ、王である我に断りもなくつけるのは無礼であろう」

 

後についてきた少女に低い声で睨み付け告げたが答えは返ってこない。ただ、ギルの疑問が発せられただけであった。

 

「聞いておるのか、雑種…」

 

それに対して舌打ちをし、振りむいた時であった。ギルの頭上から何者かが落ちてきた…否、襲ってきた。ギルはすんでのところで身をかわし、その方向を睨み付けた。

 

「王に対して剣を向けるとはいい度胸をしておる。何者だ?」

 

「なん、で、みんな、これ、の」

 

先ほどギルが立っていた場所には大きなクレーターができており、あたりは砂煙で視界が悪くなっていた。やがて砂煙は晴れていき、ある人物がこちらを見つめていた。

 

「して、これはどういうことだ。雑種」

 

片手に剣を持った金髪の少女が立っていた。ギルが二人に問うがもちろん答えは返ってこず、『どいつも不敬よのう』と腰に手を置き呟いた。

 

「まぁよい、どちらにしよそのような不敬許さんがな…」

 

ギルの背後が歪み、二本の剣が顔を出した。それを見た二人は驚愕することも、怯えることもせず、ただその光景を眺めているだけであった。

 

「価値もわからぬ雑種共が…では、しね」

 

「ウィンドストリーム…」

 

突如、背後から大地を切り裂く攻撃がギルを襲った。ギルは到達する直前に一つの盾を出現させて無傷でそれを防いだ。

 

「…次から次へと…スズメではないか、貴様も雑種の仲間ならばお前も…」

 

と、もう一本剣が顔を出し、スズメに向けられたがギルはスズメの様子がおかしいことに気づいた。普段、あわただしいく明るい彼女であるが目の前の彼女はその真逆で、茶色の瞳は赤く輝いている。他の二人も一緒で感情がなく、瞳が赤く光らせていた。ギルはふと、ある噂を思いだし、口元に笑みを浮かべた。

 

「ほう…ならばそこの者もどこぞの雑種のドッペルゲンガーということか」

 

『価値もわからぬ雑種共が…では、しね』

 

金髪の少女がそういうと剣を構えて戦闘態勢に入った。それを見たギルも矛先を彼女らに向ける。

 

「我の言葉をまねるか雑種。その不敬死をもって償うがよい」

 

それの言葉を合図にギルは剣を放出させ、彼女らもギルに向かって魔法を放つ。剣と魔法がぶつかり合い、その衝撃音は森中に響き渡った。

 

________

 

 

 

 

 

 

 

 

 




new☆

シャドウ(スズメ、サレン、アヤネ)

他人の姿、言動をまねる。

他者に危害を加えることがある。





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