東方女神録 (超越の破壊者)
しおりを挟む

登場人物
超絶簡単なキャラクター紹介その一


今回は登場人物紹介です。時々ネタバレも入っているかもしれませんが、それでもよければ、どうぞ!


 

神代勇魔

 

年齢……16才。

 

能力……『ありとあらゆるものを封印する程度の能力』

 転生する前の勇魔が持っていた本来の能力であり、名前の通り、あらゆる理やものを封印することができ、相手の力や能力なども封じられる。

 

特典……仮面ライダーディケイドの力、ディケイドドライバー、オーロラカーテン。

 

武器……斬月、仮面妖刀・葵神楽

 

 どんな難易度でも即クリアすることで有名な天才少年。一人称は「俺」。大体のゲームは一日でクリアするほどの知力を持ち、学年で常にトップをとるほどの秀才。友達思いでたまに厚くなることもある。幼馴染みの女の子を助けるためにコンビニ強盗に立ち向かいナイフで刺されて死亡する。その後、その功績を認めた女神によって東方presentの世界に転生を果たす。あまり能力を使用することはなく、大体の場合が斬月で解決。本人事態が能力の事を忘れていることがあるが。本人は記憶が消滅しているので知らないが、ウルトラマンの遺伝子を過去に埋め込まれており肉体構造がおかしくなっている。転生する前に自分の能力を封印していたので、本来の能力の事をすっかり忘れている。

 

スペルカード一覧

 

自然『大いなる雷神の怒り』

 

自然『怒り狂う氷の嵐』

 

自然『滅びゆく生命』

 

自然『黒き王の祝福』

 

自然『神々しい焔の舞』

 

自然『聡明なる操り人形』

 

秘斬『燕返し』

 

秘斬『黒牙封雷』

 

秘斬『黒霊封印』

 

秘斬『黒雷蒼炎』

 

波動『かめはめ波』

 

波動『ワイルドキャノン』

 

波動『キャノンバスター』

 

波動『ダークキャノン』

 

波動『デストロイキャノン』

 

元祖『夢想封印』

 

ラストスペル『千本の夜桜吹雪』

 

 

水の呼吸

 

壱の型:『水面斬り』

 

弐ノ型:『水車』

 

参ノ型:『流流舞い』

 

肆ノ型:『打ち潮』

 

伍ノ型:『干天の慈雨』

 

陸ノ型:『ねじれ渦』

 

漆ノ型:『雫波紋突き』

 

捌ノ型:『滝壺』

 

玖ノ型:『水流飛沫・乱』

 

拾ノ型:『生生流転』

 

拾壱ノ型:『凪』

 

ヒノカミ神楽

 

炎舞

 

 

 

 

 

 

神代真愛

 

年齢……16才。

 

能力……『自然を司る程度の能力』

 あらゆる自然に関する現象を引き起こす事ができる。能力持ちの中では最強の部類に入る。能力は真愛の正体にも関係している。

 

武器……斬月、ミニ八卦炉

 

東方presentの世界に転生した勇魔の姿。一人称は「ボク」。最初こそは驚いたものの、すぐにキャラクター性を理解し、神代真愛として生活していたのだが……西行寺幽々子との戦いのあと、ある人物が真愛と勇魔の肉体と精神を分離させてしまったため、肉体に人格が現れてしまう。その後、記憶が全くない状態で目が覚めたことにより、状況を理解できないでいる。

 

スペルカード一覧

 

真愛の使用するスペルカードは勇魔の使用するスペルカード初期と同じです。途中から自分専用のスペルも持つようになります。

 

自然『大いなる雷神の怒り』

 

自然『怒り狂う氷の嵐』

 

自然『滅びゆく生命』

 

秘斬『燕返し』

 

舞府『恋舞牙蝶』

 

舞府『恋躍り』

 

舞府『愛の囁き』

 

舞府『ラブハート』

 

恋府『マスタースパーク』

 

恋府『ファイナルマスタースパーク』

 

ラストスペル『恋の目覚め』



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第一章・紅魔館編
プロローグ 転生と博麗と


 ここは、どこだ? 何でかわからないけど、神代勇魔(かみしろゆうま)こと俺は、真っ白ななにもない空間にたっていた。

 

「ここは神の部屋。現世で亡くなった者が集う場所ですよ」

 

 そう言ってこの空間に現れたのは、腰まで届くんじゃないかと思うほど長い銀髪した美少女だった。

 

「私は女神フレイヤ。現世で貴方は、幼馴染みの女の子を救うために、コンビニ強盗のはものに刺されて死にました。ですが、貴方は本来なら死ぬべき運命ではありません。そのため、貴方には転生をしてもらおうと思います」

 

 マジっすか!?

 

「じゃあ、転生先を東方projectにしてください」

 

 

 

「わかりました。能力はどうします?」

 

 能力まで決められるのか。これは悩むな~。

 

「んじゃ、『自然現象を司る程度の能力』でお願いします」

 

「了解です。他にほしいものはありますか?」

 

「黒崎一護の使っていた斬魄刀と仮面がほしいです」

 

「わかりました。これだけでよろしいので?」

 

 ま、まだくれるって言うのか?

 

「仮面ライダーディケイドの変身ベルトとオーロラカーテンがほしいかな。俺がほしいのはこれだけだよ」

 

「本当にこれだけでよろしいのですか? まだまだあげることはできますけど」

 

「いやもうこれだけでいいです」

 

 ほんと、今でも十分チートな状態なのにこれ以上チートになるわけにはいかない。まぁ……仮面ライダーディケイドの変身ベルトがあるだけでも十分チートなんだけどね。

 

「では、これらの能力と特典を貴方に授けた状態で東方projectの世界に送りますね」

 

 そう言った直後、俺の真下に光輝く魔方陣が現れる。そして、俺の意識は亡くなってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ~幻想卿~

 

 

 

 ここはどこだ?

 なんだか神社が見えるな。と言うことは博麗神社か守矢神社かのどっちかだろうな。

 

 なぜか地面に座っていた俺は立ち上がって神社の鳥居に書かれている文字を読む。

 

【博麗神社】

 

 やっぱり博霊神社だったか。

 と言うことはここには博麗霊夢がいるはずだな。

 

「博麗神社……か」

 

 俺はそう呟いたあと、自分の姿を確認する。

 

 黒く艶があり肩まで伸ばしたような黒髪、まるで夜空に浮かぶ月のような黄金の瞳、生前とは違い華奢な体にボリュームのある胸。

 服装は白いノースリーブのコートに黒のシャツ、青色のデニムズボン(半ズボン)という格好。

 

 この姿を見た俺の感想を言いかな読者様?

 

(あの女神ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!! 俺の体を女にしやがったな!? しかも俺のいた世界じゃ誰もが声をかけるような美少女になっているしよ!?)

 

 頭の中で愕然としてしまった俺は、思わず頭を抱えたくなってしまった。それぐらい今の俺は自分の体に対して驚いているのだ。

 

 深呼吸だ。そう深呼吸。落ち着きたい時には深呼吸。すぅ……はぁ。すぅ……はぁ。よし落ち着いたかもしれない。

 

「……っ!?」

 

 突然後ろの方から気配を感じた俺は、振り向きながら後ろに飛ぶ。

 

 そして目の前の人物を見て俺は唖然としてしまった。なぜなら俺の目の前にいるのは、俺が東方projectの中でも特に推しとしている博麗霊夢だった。

 

「何よ。人の顔をじろじろと見て、退治するわよ?」

 

 怪訝そうな表情を浮かべた彼女は、左手に買い物袋を持っていた。見た限りだと人里に行った帰りなのだろう。

 

「い、いやぁ、別になんでもございませんよ」

 

 今さら思ってたけどさ、俺の声って女子並みに高くなってんだよね。

 

 霊夢はまだ訝しげな表情をしている。

 

「ところで、アンタ名前は?」

 

 人に名を尋ねるときはまず自分からですよ霊夢さん?

 

 まぁ、それでも名乗るんだけどね? あれ? だとすると名前考えなくちゃな。今の俺は女の子だし。

 

「申し遅れました。ボクの名前は、神城真愛(かみしろまな)と言います。よろしくね?」

 

 

 女の子っぽく振る舞いながら名乗ってみる。

 

 フッフッフッ。何を隠そう。この俺は前世で最強のゲーマーとしてゲーム業界に君臨していたのだ。ゲームをする時に必ずそのゲームキャラクターになりきり、ゲームを攻略するのが俺のゲームスタイルだからだ。

 

 だから女の子のフリをするぐらい簡単なのだよ。

 

「ふーん。私は博霊神社の巫女博麗霊夢よ。よろしく。で、アンタはどこから来たのかしら? 少なくとも博麗大結界に綻びが確認されてないから、突然現れた意味がわからないのよね」

 

 霊夢が俺を睨んでくる。おおー怖いですな本物は。

 

「殴っていい?」

 

「なぜに?」

 

「なんかムカついたから」

 

「それは理不尽」

 

「どうでもいいから早く教えなさい」

 

 どうでもいいって……。ってか、突然現れたんだね、俺ってさ……。

 

「どこから来たのか……ね。難しい質問だなぁ。ボク自体もいつの間にかこの世界にいたからなぁ」

 

 俺の言った「この世界」という単語に、霊夢が眉を少しだけピクッと上げた。

 

「アンタは外の世界から来たのよね?」

 

「外であって外ではない、と言うのが正しいけどね。ま、ボクもわからないのだけど」

 

 そう言って俺は不敵に笑ってみせた。だって、本当に知らないんだもん。

 

「そう。だったらアンタは私がしばらく監視をするから神社に住みなさい。ちなみに異論は認めないわ」

 

 そうして俺は博麗神社にしばらく住むこととなった。

 

 やったね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第一話「霧雨魔理沙と紅霧異変」

超越の破壊者です。新作書きました。


 あれから憧れの博麗神社に住むことになってから数日がたったある日、俺は博麗神社の庭掃除をしていた。

 

 俺を博麗神社に泊めてくれている霊夢は、とても無愛想だけど優しくて便りになる。だからこそ普段霊夢がやっている庭掃除を率先してやっているから。最初は「勝手にやるな」って怒られたけど、俺が「泊めてくれるお礼です」って上目遣いで言ったら渋々許してくれた。優しいね!

 

「うわっと!」

 

 そんなことを考えていたら、博麗の巫女としての勘が鋭いで有名な霊夢が睨みながらお札を飛ばしてきた。危ないなーもう。

 

「ぁ、危ないじゃないですか! 万が一当たったらどうするんですか?」

 

 

 俺がそう文句を漏らすと、

 

「当たってないんだからいいんじゃない。それに変なことを考えるアンタが悪い」

 

「……悟り妖怪かなにかですか、貴女は?」

 

 勘ってなんだっけ?

 

「おーい、霊夢ーーーーー!」

 

 そんな茶番みたいなことをやっていた俺達の元に、白黒の服を着た金髪美少女が箒に跨がった状態で飛んできた。

 

「……打ち落とします?」

 

「面白そうだけどやめとくわ。あとが面倒だから」

 

「あはは、ですよね……」

 

 そうこうしていると、金髪美少女が降りてきた。

 

 彼女の名前は霧雨魔理沙。白と黒の服を愛用している自称『普通の魔法使い』。まぁ、俺のいた世界では魔法使いは普通ではないけど、「幻想卿では常識にとらわれてはいけない」と、緑髪の風祝を言っていたからな……漫画で。

 

「どうしたのよ魔理沙? そんな面白そうなおもちゃを見つけたような顔をして」

 

 たまに思うけど霊夢ってよくわからない例え方をするよね。俺だけかな?

 

「おもちゃ? なに言ってんだぜ。異変だよ、異変」

 

 よかった。俺だけじゃなかったみたいだ。それにしても異変ねぇ。時期的に紅霧異変かな?

 

「それって霧の湖の?」

 

「そうだけど、お前は?」

 

 俺の問いに魔理沙が訝しげな顔をする。そういやぁ、顔会うのは今日が初めてだったわ。

 

「初めまして魔理沙。ボクの名前は神代真愛。この博麗神社に居候している外来人です」

 

「へぇ~そうか。なんか知ってるみたいだけど私は霧雨魔理沙。普通の魔法使いだぜ」

 

 そう言ってニカッと笑った魔理沙は、霊夢の方に向き直り霧の湖で異変が起こっていることを伝える。

 

 霊夢はなんだか面倒くさそうな顔をしているな。多分行きたくないのだろう。だが、原作的には霊夢には魔理沙の後から行ってくれないと行けないんだよなぁ。

 

「魔理沙、霊夢は後から行くみたいだから先に行ってたら?」

 

「何でだよ?」

 

「霊夢にいい顔できるよ? 先に異変解決すれば」

 

「なに!? じゃあ、行ってくるぜ!」

 

「行ってら~。あ、そうそう。もしついたらその館の地下を調べた方がいいかもしれませんね」

 

「……わかった」

 

 意味ありげに言った俺の言葉に、若干首を傾げながらも異変の場所に向かう。なんか霊夢に睨まれている気がするけど気にしない。

 

 まぁ、いいかな。俺は俺で館に行きますかな。

 

 何気なく空間に手を突っ込んで、なにもない空間から巨大な斬魄刀である斬月を取り出す。ちなみに形は一護が死神として蘇ったときに使用していた斬魄刀だ。

 

「じゃあ、行ってくるね霊夢♪」

 

「あ、そう。行ってらっしゃ……ってちょっと待てコラァ! 今どこからそのばかでかい刀を取り出してきたぁ!?」

 

「気にしない気にしない……気にしたらダァメだよ霊夢♪」

 

 そう言って霊夢にウィンクした俺は魔理沙を追って飛び上がった。

 

 さぁて、軽~く原作崩壊させるかなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二話「亡き王女と紅い月」

  ~レミリア・スカーレット~

 

「もうすぐ博麗の巫女が来るわ。皆、丁重におもてなししてあげなさい?」

 

 そう言って皆が持ち場に向かったあと、私――レミリア・スカーレットは私専用の椅子に座る。この椅子は私の五歳の誕生日の時に、人間と吸血鬼のハーフにプレゼントしてもらった大切な椅子だ。

 

 私は愛しのあの人はいまどこにいるのかは分からないけれど、きっと世界のために戦っているんだろうなぁって思う。

 

 今日は私達が幻想卿に来てから最初の異変だ。あの胡散臭いスキマ妖怪に頼まれた博麗の巫女のサボり癖を直させるという目的も入っているが、私の一番の目的はやはり私の可愛い可愛い妹のため。

 

 そのためにもこの異変は絶対に失敗できない。

 

 なにやらパチェの担当区域で爆発音か聞こえるな。

 

「始まったようだな」

 

 祭りはまだまだ始まったばかり。さぁ、博麗の巫女よ。五百年という長い月日を生きた私を楽しませてくれよ?

 

――時の中にただ 漂うわが身よ

安らかに眠る日を 待ち焦がれている?

古城の片隅 咲き誇る真紅よ

儚さとせつなさで 満たされて散れ

 

「なんだこの歌は?」

 

 突然聞こえてくる歌声に耳を済ませる。

 

立ちふさがる者は

刹那に消えて なくなればいい

この身体に触れる事もさせずに

引き裂いてあげるから

 

 聞こえてくる歌声的に女だと思うがこれがもう聞きいってしまうぐらい美声だ。終わるまで聞いておこうかな。

 

回り始めた 運命がもし

この手を離れ 旅立つとしても

はかなく消える 魂ならば

私の中で 悪戯に踊れ

 

 

暮れ行く館に 舞い降りし闇よ

血塗られた記憶なら 永劫に消えぬ

 

はてなく続いてく 歴史の中に

何を残すの?

始まりも終わりも 来ない世界で

あがき続けなさい

 

永遠を知る 紅い眼差し

幼き月は 欠ける事知らず

この世の末が わからないなら――

 

 この時突然扉が開いた。

 

「血で染め上げて 操つってあげる」

 

 中に入ってきたのは黒髪の美しい美少女だった。

 

 奴は歌を終えると私の方を見てニコッと笑う。肩に背負ったバカでかい鍔のない刀を持ったまま。

 

「誰だお前は?」

 

 私は吸血鬼としての威厳を出しながら問う。大体の人間はこうやって威厳を出せば怖じ気づいて逃げ出すのだが、どうやら目の前の少女は怖がった感じが全くなかった。

 

「初めまして。ボクの名前は神代真愛。よろしくね?」

 

 まるで初めて出会った相手に挨拶をするぐらいの軽い声で、奴は自己紹介をしてきた。

 

「お前は博麗の巫女ではないようだが、ここにはなんのようだ? 返答次第では殺すことになるぞ?」

 

「特になんもないんだけどね。強いて言うのであれば、そうだね……霊夢が来るまでの暇潰し、かな?」

 

 その答えを聞いて私は呆れてなにも言えなくなった。立ってただの人間か私の相手をするといっているのだ。それも本来私が相手をするはずの博麗の巫女が来るまでの。

 

 私はこいつがとても正気とは思えなかった。

 

「ふん。よかろう。ならば博麗の巫女が来るまでの間、私を楽しませてみよ。こんなにも月が紅いから……」

 

 そう言って私はニヤリと笑う。

 

「「楽しい夜(日)になりそうね(だね)」」

 

 私と真愛は同時に言葉を放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ~神代真愛~

 

 

「んじゃ、ボクからいくよ? 自然『大いなる雷神の怒り』!!」

 

 そう言ってレミリアに向かって掌を向けた俺は、霊力による雷を放つ。本当はマジモンの雷を出してもいいんだけど、あんまり紅魔館を壊したくないので、これぐらいの最小限の力で戦うことにしている。

 

 レミリアは苦悶の表序を浮かべながらも避けている。まだまだ余裕そうだな。もうちょっと虐めてやろうか。

 

 極悪人の顔してる? ハハッ! なにいってるかわからないなぁ~。

 

「まだまだいくよ? 自然『怒り狂う氷の嵐』!!」

 

 今度は部屋の中に猛吹雪を出す。そして、その後から霊力に包まれた雪の塊を無数に投げる。もちろん霊力で制御して。

 

「くっ! お前本当に人間か!? 天罰『スターオブダビデ』!!」

 

 レミリアもレミリアで俺に反撃してくる。無数に飛んでくる弾幕を華麗に避けながら弾幕を飛ばしていく。あはっ……なんだか楽しくなってきた。

 

「まだまだいけるよね!? 自然『滅びゆく生命』!」

 

 そう言ってさっきまでのとは大幅に違い、巨大な弾幕を九個放つ。

 

「私を嘗めるのも大概にしろ人間!」

 

 レミリアは俺の放った巨大な弾幕をを爪で切り裂くけど、切り裂かれた弾幕から無数の色とりどりの弾幕が放たれいく。

 

「くっ! こうなったら……紅府『スカーレットシュート』!!」

 

 中と小ぐらいの大きさの弾幕を大玉に付属させて放ってきた。

 

「本当は使いたくないんだけどね……神槍『スピア・ザ・グングニル』!!!」

 

 今度は魔力で造られた紅い槍が俺目掛けて飛んできた。仕方ないから斬月で受け止める。

 

「嘘でしょ!? 私のスペルカードの中で一番威力の高い技よ!?」

 

「フフフ、なんでだろうね? はあぁ!! 秘斬『燕返し』!」

 

 斬月を片手で振り回しスピア・ザ・グングニルを跳ね返す。

 

「え!? ちょ! それはなしでしょ!?」

 

 慌てたように翼を広げスピア・ザ・グングニルを回避する。すると先程までレミリアのいた後ろの壁に大穴が開く。

 

 俺をそれを確認したあと扉に近づく一人の気配に気付き、動くのをやめる。

 

「あ~あ。たのしい時間はもう終わりだね♪」

 

「なんだと……?」

 

 訝しげな表情をするレミリアに、俺は満面の笑みを浮かべて、

 

「だって、本当の主役が来ちゃったから♪」

 

 扉を開けた霊夢の方を向いた。

 

「主役は遅れてやってくる。さぁ、本当の祭りはこれからだよ」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三話「悪魔の妹と月牙天衝」

 

「全く、先に来といてアンタはなにやってんだか……」

 

「フフフ。ごめんね霊夢。先に楽しんでたよ」

 

 そう言って小さく笑った俺は霊夢に道を開ける。その先にはレミリアが呆れたような顔をしている。

 

「お前……あんだけの力を持っておきながら、博麗の巫女に従っているのか?」

 

「従っているわけではないよ? 霊夢はボクを博麗神社に泊めてくれてる優しい人だし、多少の恩返しをちょっとずつやっていくだけだし」

 

 薄く笑った俺は霊夢の方を見てからレミリアの方に向き直った。

 

「ま、なんでもいいけど、早く異変終わらせてくれないかしら? 洗濯物が乾かないのよ」

 

 その一言に俺もレミリアもズコッとこけてしまった。

 

「人間風情が……ッ!! 天罰『スターオブダビデ』!!」

 

 いきなり弾幕を飛ばしてきたレミリアは霊夢に突っ込んで爪で切り裂こうとしてくる。だが、霊夢はそれを避けると弾幕を飛ばす。

 

「霊府『封魔陣』!!」

 

 霊夢も負けずと言う感じに弾幕で応戦していく。

 

「くそ……神槍『スピア・ザ・グングニル』!」

 

 イラッとしたレミリアは魔力で造られた紅い槍を飛ばすが、霊夢はそれも避けてしまう。まぁ、それを避けたせいで壁に大穴が空いちゃったけどね。

 

 その穴から外に出ていく霊夢もレミリアを追っかけるために、俺も外に出る。

 

 やはり異変解決のプロフェッショナルと五百年も生きた吸血鬼だけあって、俺じゃあ飛ぶスピードが追い付けない。ってか、早くない?

 

 俺が追い付いた頃にはボロボロになったレミリア(半分は俺のせい)と、無傷で余裕綽々な霊夢が宙に浮いていた。

 

 霊夢とレミリアはお互いの大技で決着をつけようとしている。だが、異変解決は俺の知っている原作通りにはいかなかった。

 

ドガアアアアアアアアァァァァァァァンンッ!!!

 

 突然建物の一部が吹き飛んで何者かが高速で出てくる。

 

 それは綺麗な七つの宝石なようなものをつけた一見に木に見える羽をした吸血鬼の金髪幼女だった。金髪をサイドテールでまとめ、吸血鬼らしい紅い瞳をしている。

 なんだか狂気に満ちたような歪んだ笑いを笑みを浮かべながら飛んできた。

 

「アッハハハハッ!! お姉様楽しそうなことしているのね!! フランも混ぜて混ぜてー」

 

「フラン!?」

 

 突然現れたフランに驚くレミリア。そしてフランが右手に持っている魔理沙を見た霊夢の眼に鋭さが増す。

 

「貴女は誰かしら? そして祖の右手に持っているのはもしかして魔理沙?」

 

「アッハハハハハハッ!! 私の名前はフランドール・スカレット! 魔理沙は私の遊び相手になってくれたの! でも残念だわー。全っ然遊び相手としてつまらないんだもの」

 

「ッ!」

 

 フランの放った言葉にギリッ飛んできた。歯軋りして弾幕を飛ばす霊夢。フランは狂気に満ちた顔でそれを避け、また楽しそうに笑う。

 

「今度は貴女が遊び相手になってくれるのね! 禁忌『レーヴァテイン』!!」

 

 フランは魔理沙を投げ捨てると右手に赤く燃えるような大剣を造りだし霊夢に迫る。

 

 俺は急いで投げ捨てられた魔理沙を救出し地面にゆっくり寝かす。そして、

 

「ッ!!」

 

「え?」

 

 霊夢とフランの間に割り込みレーヴァテインを斬月で受け止める。

 

「君の相手は霊夢じゃないよ? 君の相手はこのボクだッ!!」

 

 そう叫んで受け止めたレーヴァテインを弾き返す。体制を崩したフランは一瞬だけふらっとしたが、すくに体勢を立て直して俺に迫る。

 

「見せてあげるよ! 月牙……天衝ッ!!」

 

 斬月から真っ黒な三日月状の斬擊が放たれる。俺のすぐ近くにいたフランは避けることができずに直撃し吹っ飛んでいく。

 

「フランッ!?」

 

 吹き飛んでいったフランを心配してか、レミリアがフランに駆け寄る。

 

「大丈夫だよお姉様。フラン今とっても楽しいわ!」

 

 ボロボロになりながらも楽しそうに笑うフランに、レミリアは心配そうな顔をする。

 

「いや、もう終わりだよ、フランちゃん。……霊夢!!」

 

 その瞬間、二人の回りに無数のお札か現れる。

 

「悪いけどもう終わらせてもらうわ! 霊府『夢想封印』!!」

 

 たくさんの弾幕が放たれた瞬間、大規模な爆発が起きた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これが……博麗の巫女の実力、か……」

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

時空を越えて、冒険の旅へ ~悲しき吸血鬼編~
第四話「紅魔異変その後の紅魔館」


今回超短いよ!だって後日談だから


 

 紅魔異変があってから数日が経ったある日、俺は紅魔館に招かれた。霊夢も招かれたけど面倒だからって博麗神社に残ってしまったよ。巫女としてこればいいのに。

 

 まぁ、いいけどね! 寂しくなんかないし!

 

「おいお前! ここはあたいの縄張りだぞ!」

 

 それにしても本当に霧の湖って視界が悪くなるから嫌だなぁ。

 

「聞こえないのか! そこのお前だよ!」

 

 あー早く帰って修行したいなぁ。新しいスペルカード作りたいし。

 

「あーもう! 凍府『パーフェクトフリーズ』!!」

 

「あらっよっと」

 

 なんか飛んできたけど気にせずに紅魔館を目指していく。なんか冷たかったけど。

 

「仕方ない。霧が深いから風府『デストルネード』!」

 

 俺の周囲に緑色の霊力でできた風が吹き荒れる。すると、今まで視界の悪かった見晴らしが良くなりよく見える。

 

 あ? ネーミングセンスない? ハハッ! なに言ってるかわかんな~い。

 

「ん? あそこにいるのは……チルノ?」

 

 なんかチルノが湖に浮きながら延びていた。新しい遊びかな? 楽しそうだし放っておくかな。

 

 悪魔? なに言ってんのかな?

 

 

 

 

  ~紅魔館~

 

 

 

 ようやく着きました~。いや~途中で「お前、食べられる人間?」とか聞いてくる常闇の妖怪がいたから取り敢えず月牙天衝打っておいた。反省はしていない。ドヤァ!

 

「あ、おはようございます。貴女がお嬢様のおっしゃっていた神代真愛様ですか?」

 

 そう言って俺に話しかけてきたのは、紅魔館の門番をしている妖怪拳法家紅美鈴! いつも門の前で居眠りをしてメイド長の十六夜咲夜にナイフを突きつけられているらしい。それでいいのか紅魔館!!

 

「そだよー。ボクが神代真愛! よろしくね!」

 

「はい! お嬢様もお待ちしておりましたよ」

 

「了解だよー」

 

 俺はそう返事をして中に入る。

 

 

 

 

  ~紅魔館中~

 

 

 

「よくきたな、真愛。歓迎するぞ」

 

「アハハ、吸血様にご招待頂けたのに来ないわけにはいきませんよ♪」

 

 そう言って綺麗に女の子のお辞儀する。まぁ、スカートじゃないから完璧じゃないけどね。

 

「それで、ボクを呼んだのはなんのご用で?」

 

「フフ。せっかく来たんだ。少し話をしようじゃないか」

 

「ふふっ! それもそうだね!」

 

 俺はレミリアに勧められて向かいの椅子に座る。

 

「それで? なんの話がしたいのかな?」

 

「そうだな……ではこれなんかどうだ? 私が昔出会った人間のこととか」

 

「人間?」

 

 レミリアの言葉に俺は驚く。だって高貴な吸血鬼から人間の話題が来るとは思っていなかったからだ。

 だがまぁ、話を聞くだけ聞いてみようか。

 

「レミリアさんが話題に出すぐらいの人だったんですか?」

 

「そうだな……とても不思議で恐怖の人間だった。この私が五百生きた中で人間に恐怖を抱いたのはあやつに会ったのが初めてだった」

 

「へぇ~その人の名前は?」

 

「そいつの名は神代勇魔。またの名を仮面ライダーオーマジオウ」

 

「ッ!?」

 

 その二つの名前を聞いた瞬間俺は勢いよく立ち上がってしまった。その反動でガタンって音がしてしまったが、そんなことを気にしている余裕はなかった。

 

 

 

 

「神代勇魔……? オーマジオウ? ハハ、ハハハハハハハ、アハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!」

 

 

 

 紅く幼き吸血鬼の住む屋敷に狂ったような笑い声が響いた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第六話「かつての紅魔館」

 狂ったように笑い尽くした俺はいつの間にか博麗神社で寝かされていた。いつの間に帰ってきていつ寝たのかは覚えてないけど、あんなにも笑ったのはいつぶりだろう?

 

「あら、目を覚ましたのね」

 

 体を起き上がらせると側にいてくれたのか正座をして目を瞑っていた霊夢が声をかけてきた。

 

「はい、すみません霊夢さん。ボクいつ帰ってきたのですか?」

 

「三日前よ。吸血鬼のところのメイドが貴女を背負って来たから何事かと思ったわよ」

 

「ごめんなさい」

 

 怒ってないわ、そう呟いた霊夢の表情はいつもと変わらず無表情だった。

 

「じゃあ、私は庭の掃除をしてくるから貴女はもう少し休んでなさい」

 

 そう言って箒を持って霊夢は外に出ていく。

 

 俺はもう一度寝転がると目を瞑る。でも寝られるわけもなくまた起き上がる。

 

 三日前……俺はレミリアのところに遊びに行って話を聞いている最中に突然笑いだし倒れたのだろう。だが、だとしてもわからないことがある。それは、

 

(一体どうやって俺はレミリアに会ったんだ?)

 

 少なくとも俺には時間を移動する手段なんかないし、過去にレミリアに出会っていたわけでもない。

 

「一体どう言うことなのだろう」

 

 そう呟いた瞬間だった。

 

 俺の目の前に灰色のオーロラカーテンが現れ、そのまま俺を飲み込んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ~???~

 

 

 オーロラカーテンから出てきた俺がいたのは、無数の木が並び立つ森の中だった。

 

「ここは……どこだ?」

 

 あれ? なんか声が低いぞ?

 

「今の俺は神代勇魔なんだな……」

 

 そう小さく呟き取り敢えず辺りを見渡す。うん、なにもない。

 

 どうしようか悩んでいると、遠くの方で爆発音が聞こえた。俺は急いでその爆発音の聞こえた場所に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 走って走って走った先にあったのは紅く塗られた大きな屋敷と、そこに群がる大勢の人間だった。見れば人間達は銀製の剣や防具を所持しており、多分ここは495年前の紅魔館なのだろう。

 

 と言うことはまだフランが紅魔館地下に幽閉される前の時代。そして俺は生前の姿で495年前にオーロラカーテンでタイムスリップしたことになる。

 

 って、そんなことはいいから助けないとな。フランやレミリア、それに吸血鬼の男性が血塗れだし。

 

「なにやってるんだ?」

 

 俺は中ぐらいの音量で声を変える。すると、その場にいた全員が俺の方を向く。うわ~視線が刺さる。

 

「なんだてめぇは? 見てわかんねぇのか? 吸血鬼狩りだよバァ~カ」

 

 イラッとしたわ。

 

「へぇ~無抵抗の吸血鬼を銀製の武器で痛め付けて楽しんでるみたいだな。だったら俺も混ぜろよ?」

 

 俺の言葉に吸血鬼も人間もポカ~ンとした表情を浮かべたあと、人間側が大笑いする。

 

「笑っていられるのも今のうちだぜ?」

 

 その言葉と同時に俺の腰に黄金のベルトが装着される。

 

「……変身」

 

 俺は両手をクロスさせたあと、ベルトの両端を押し込む。すると、俺の後ろに古びた時計のようなものが現れ、カチッカチッと針を動かす。

 

『祝福の刻! 最高! 最善! 最大! 最強王! 逢魔時王!』

 

 変身音が消えると俺の体は黒と黄金の鎧に包まれ、マグマのように禍々しく現れた「ライダー」の赤い文字が顔にハマる。

 

「なんなんだおめぇはよぉ?」

 

『俺か? 俺の名はオーマジオウ。過去と未来、すべての時を支配する時の王者。それが俺だ』

 

「ふざけてんじょねええええええぇぇぇぇぇぇ!!」

 

 俺の名乗りが気に食わなかったのか、人間側のリーダーらしい人物が剣を構えて突撃してくる。それにならって後ろにいた奴らも俺に向かってくる。

 

『ふん』

 

 そんな奴らに対して俺が腕を振ると、俺以外のすべての動きが停止する。そして俺がその腕を前に持ってきて手のひらに力を加えると停止していた人間側全員が粒子となって消滅した。

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第七話「逢魔とキバ」

 

  ~レミリア・スカーレット~

 

 

 私とフランがいつものように外に散歩しようとしていたときだった。私達吸血鬼の最大の弱点のひとつとされている銀を用いた武具を所持している人間たちが、私達を攻撃し始めた。

 

 最初は私達も攻撃してくる人間どもを撃退しようと攻撃を仕掛けるが、なにぶん相手は銀の武具を持っているために迂闊に手が出せない。どうしたらいいのかわからない。そんなとき、フランが純粋な水を浴びせられ悲鳴をあげた。その悲鳴を聞いたお父様が駆けつけてくれたけど、人間どもはフランを人質にとって私やお父様にも水を浴びせてきた。

 

 今あの人はこの場にはいない。私は絶望で真っ暗になりそうだった。そんな時だった。

 

「なにやってるんだ?」

 

 見た感じ優男に見えるようなまだ幼さを残した少年が現れたのだ。少年は人間達の煽りに少しイラッとしたらしく腰辺りに黄金のベルトを出現させると、

 

「ーー変身」

 

 そう呟いた。

 

『祝福の刻! 最高! 最善! 最大! 最強王! 逢魔時王!』

 

 ベルトから何かの音声?が流れ、少年の姿を変えた。禍々しくも神々しい、思わず膝まずいてしまうような風格を持った黄金の鎧に少年は身を纏っていた。

 

「なんなんだ? おめぇはよぉ?」

 

『俺か? 俺の名はオーマジオウ。過去と未来、すべての時を支配する時の王者。それが俺だ』

 

「ふざけてんじょねええええええぇぇぇぇぇぇ!!」

 

 怒りの沸点がかなり低いのか、リーダーと思われる男が武器を構えて突撃していった。それに続いて仲間たちが突進していく。

 

『ふん』

 

 このとき、私の目の前で到底信じられないことが起きた。オーマジオウが人間達に向かって腕を振るった瞬間、オーマジオウ以外の全ての時が止まったのだ。意識はあるけど。そしてオーマジオウが人間達に向かって手を伸ばし掌に力を込めると、人間達は粒子となって消滅した。

 

 この強大な力に私はとても驚愕した。私達が知らなかっただけで、世界にはまだまだ強者と呼んでもいい人物はいたのだと。そして私はこの時から初めて人間を相手に本気で恐れを抱いた。

 

 それから吸血鬼狩りに来ていた人間達によって破壊された紅魔館は、突然現れ私たちを助けてくれた人間の少年の手によって完全修復した。

 

『大丈夫か? 幼き吸血鬼よ』

 

 オーマジオウは紅魔館の時を戻して修復したあと、私達のもとに膝をついて聞いてくる。私もフランもオーマジオウを恐れているからまともに声が出せない。

 

 そんな時、

 

「キバッていくぜ~」

 

 少し高めの男性の声か聞こえた瞬間、オーマジオウに向かって走ってくる男がいた。蝙蝠のような見た目をした赤と金の鎧を身に纏った男――仮面ライダーキバ。

 

「渡!」

 

『ほう? キバか……』

 

 オーマジオウは特に驚いた様子を見せずに堂々としていて、キバの蹴りをものともしない。

 

 キバはベルトについている赤いフエッスルをキバットバット三世に咥えさせる。

 

『ウェイクアップ!』

 

 ベルトに装着されていたキバットバット三世が飛び上がりキバの右足を縛るカナテを解き放つ。そして右足を上に向けた瞬間、突然辺りが夜とかし紅い月が現れる。

 

「はああああっ!!」

 

 そのまま跳び上がったキバは空中で一回転をすると、オーマジオウに向かってキバの持つ最強技『ダークネスムーンブレイク』を放つ。

 

 対するオーマジオウは全身に黒と金のオーラを纏うとそのオーラを右手に集める。その拳を大きく振りかぶってキバにパンチを放った。

 

 キバとオーマジオウの力のエネルギーがぶつかり合い大爆発が起きた。

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二章・春雪異変編
第八話「帰るべき時」


 オーマジオウとなった俺が黄金のキバと戦って数日が経った。

 

 紅魔館テラスで睨み合う俺と紅渡(くれないわたる)、そして俺達をオロオロしながら心配そうに眺めているレミリア・スカーレット。レミリアの父スカーレット伯爵。

 

「お前がキバか……。本当に面白いな。こんな好青年が仮面ライダーだとは」

 

「僕もまさかこんな少年が仮面ライダーだったなんて思いませんでしたよ」

 

『確かにな! オレ様もビックリだぜ!』

 

 スカーレット伯爵は俺達の言っていることが理解できていないらしく、首を傾げながらも紅茶を飲んでいる。器用なことをしやがる。俺が淹れたんだけどな。

 

「おぉ……この紅茶は最高だな! 君、よかったらここで住まないか?」

 

「お、お父様……」

 

「悪いが俺にも帰る場所があってな。早く帰らないといけない」

 

 俺のその言葉に渡は「今すぐ帰ることはできないのですか?」と聞いてくるが、正直な所全くもってできない。そもそも俺がこの時代にやって来たのは勝手に開いたオーロラカーテンのせいであり、あれと同じようにオーロラカーテンが起動しない限り俺は元の時代には帰れない。

 

「まぁ、帰る時が来ればその時に帰る。それまではここで泊まらせてもらおうか?」

 

「クワッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ! 本当に君は面白いな! よいぞ。思う存分泊まるといい!」

 

「礼を言おう」

 

 言っておくけどこれはただのキャラ作りたからね? 元からこんな高圧的で上から目線な奴じゃないからね? 作者は別として。

 

うーーーーーーん! なんか面倒なので人類の最終奥義……使っていきたいと思いまーす!

 

ではでは……

 

 

 

 

キングクリムゾン!!

 

 

 

 

 

 

 

 あれからまたもや数日が経ちました。えっ?話翔びすぎじゃないかって? ハハッ! なに言ってるかわからな~い。

 

 まぁ、色々とあったよ。吸血鬼狩りを追い返したり、吸血鬼狩りと戦ったり(遊んだり)、巨大な龍と戦ったり(手懐けたり)と、そこまで重要なことはなかったよ! なに?色々大変な事があっただろって? しつこい奴は嫌われるぜ? 知らんけどな!

 

 そう言えば知らんうちに紅美鈴が門番として雇われてました。だから軽~く手合わせ(殺しあい)しました。圧勝たったよ。イエーイ!

 

 そんな俺の元に灰色のオーロラカーテンが現れる。

 俺はなんか慣れてるからあんまり驚かないけどさ、他のみんなはそうじゃないみたいで結構驚いていたよ。

 

「どうやら帰る時間が来たみたいだな」

 

 俺はそう言って数日間一緒に過ごした仲間とも言えるメンバーを見る。みんな俺と別れるのが悲しいのか涙を流してくれている。

 

「勇魔君。僕はもっともっと強くなっていつかファンガイアの王となります。だからもしその時が来たら……また会いましょう」

 

『うぅ~勇魔ぁ~! オレ様はお前のこと忘れないぜー』

 

「また会いましょうね……勇魔」

 

「また手合わせしてくださいね!」

 

「いつでもこの紅魔館に来てくれて構わないからな!」

 

 俺の友達とも言えるみんなから言葉をもらった俺は笑顔で「また会おうな」と言ってオーロラカーテンの中に入っていく。

 

 

 

 

 

 

 

  ~博麗神社~

 

 

 長かった過去の世界から現代の世界に帰ってきた俺は、博麗神社の居間にいた。しかも神代真愛の姿で。

 

 なんか霊夢が驚いた顔で俺を見ているけど何かあったのだろうか?

 

「あ、アンタ……

 

 

 

 

 

 

 

 

今まで何処に行ってたのよーーーー!?

 

 

 凄くご立腹な霊夢様がいらっしゃいました……。

 

 これから大変かもな~。

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第九話「降り注ぐ春の雪」

少しばかり注意点が

キャラ視点の移動が

~○○~

場所の移動が

~~○○~~



ですのでご注意ください。
それではどうぞ!!


 俺が過去の紅魔館から帰ってきて激怒ぷんぷん丸の霊夢を宥めている間に五月になった。普通ならもう桜が咲いて宴会でも開かれるはずなんだが……何で雪降ってるの?

 

 いや知ってるけどね? ネタバレなるから言わないけど。

 

「ねぇ霊夢……これやっぱり異変だと思うんだ」

 

「だから何よ?」

 

「だからって……五月に雪降っているんだよ? これ絶対異変だよ?」

 

 俺がどれだけ言っても霊夢は動く気配を見せない。炬燵から。どうしようこいつ、すげぇ殴りたい。

 

「そんなに気になるんなら、アンタが行けばいいじゃない」

 

 そうですか。そんなこと言っちゃいますか。

 

「……わかりましたよ。ボク一人で行っちゃいますもんね。後で後悔しても知りませんからね!!」

 

 そんな言葉を言い残して俺は博麗神社から飛び出した。

 

 

 

 

 

 

  ~博麗霊夢~

 

 

 怒りながら博麗神社を飛び出した。真愛を見て私は溜め息を吐く。あの日、初めて真愛と出会ったとき、私は真愛に違和感を抱いた。

 

 女の子の見た目しているのに時々女の子らしくない言動するし、幻想卿とも外の世界とも言えない雰囲気があるし、何でも知ってるかのような博識さがあるし。

 

「霊夢ーーーーーー!! 異変だぜーーーーー」

 

 私が真愛についての違和感を感じていると魔理沙がやってきた。

 

「何よ? 魔理沙も真愛も異変異変って」

 

「いやいやいや、これ見て異変って思わない奴はいないと思うぜ?」

 

 なぜか呆れたような顔でなかに入ってくる魔理沙は、箒を担いでいた。

 

「知らないわよそんなの」

 

「だったら……私と勝負しないか? この異変を解決するのがどっちかが先かで」

 

 なかなか面白い提案をしてくれるわね。私が異変解決のプロだって知ってて挑発してくるのだから魔理沙といると飽きる事がない。

 

「えぇ、構わないわよ。じゃあ、負けた方は宴会の後片付けね」

 

「へへっ。じゃあいくか」

 

 そうして私と魔理沙は博麗神社を飛び出した。異変解決のために。

 

 

 

 

 

 

 

 

  ~神代真愛~

 

 

 霊夢に怒鳴って飛び出した俺は適当に飛びながら探していたんだけど、なんだか上空の方が怪しいと感じたため空を上っている。

 

 あれ? なんかあそこから声が聞こえるな。三人ぐらい。俺の前に三人が降りてくる。

 

「ヤッホー! 私はリリカ・プリズムリバーだよ! よろしくね!」

 

 真っ赤な服を着た茶髪の子が自己紹介をしてくれる。

 

「私はメルラン・プリズムリバー。次女だよ。よろしくね」

 

 桃色の服を着た水色の髪をした少女も自己紹介する。

 

「私はルナサ・プリズムリバー。長女。よろしく」

 

 最後に長女だと言っていた黒い服をした金髪の少女が自己紹介する。

 

 リリカは天真爛漫な雰囲気がしていて、メルランは明るい元気っ娘、ルナサは少し暗めの大人しい雰囲気だった。

 

「ボクは神代真愛! 今は異変解決のために。動いているんだ!」

 

「そうなんだ~」

 

 リリカがなんか興味をもったようだけど、今の俺には関係ない。だってこの先からなんだか嫌な気配を感じるし。まぁ多分、あの気配だと思うけどさ。

 

「じゃあ、ボクは行くところが決まったからもう行くね~! バイバーイ!」

 

 そう言ってプリズムリバー三姉妹と別れを告げた俺はさらに上空を目指す。

 

 まっ、何もないのが一番だけど面倒だなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれから数分空を昇っていった俺は空間に歪な割れ目があるのに気付いた。多分あれが幻想卿と冥界の境目だと思った俺は、躊躇いもなくその中に入っていく。

 

 

 

 

 

  ~~冥界~~

 

 

 

「うひゃあ~長い階段だなぁ。先が思いやられるよ」

 

 普通に冥界に来ることができた俺は、無限にあるのでは?と思いたくなるような長い階段を見て溜め息を吐く。

 

 ってか、いったい誰がこんなバカみたいに長い階段を造ったんだろうか? ちょっと……いや、かーなーりー文句が言いたいな。

 

 そんな愚痴を心の中で呟きながら階段を上っていると、いつの間にかあの長い階段を上りきっていた。そしてその奥にある玉桜楼に繋がる扉の前に一人の少女が立ちはだかった。

 

「生ある人間よ。この冥界は貴様のような者が来るところではない。今すぐ踵を返すのであれば斬りはしない。だが、ここを通りたいのであれば、私を倒してみろ」

 

 白髪に緑の服を着た少女は腰に差してある長い刀を抜くと俺に向かって構えた。

 

「我が名は魂魄妖夢! 妖怪が鍛えたこの楼観剣に、切れないものなどあんまりない! いざ参る!」

 

 あんまりないんだね! 言いきらないんだね!

 

 そう突っ込みたかったけど妖夢は真剣な表情だったからできなかった。だから俺も卍解前の斬月を取り出して構える。何処から出したって? 気にしたら終わりだよ。

 

 妖夢は俺が大きな刀を構えたからか最初は驚いた顔をしていたが、同じ剣士として比べたいのだろう。顔が嬉しそうだ。

 

 よし、この際だから俺も名乗るかな。

 

「ボクは神代真愛! 月を切り裂く漆黒のこの斬月に切れないものなんかないよ! ……多分」

 

 流石に言いきれなかったので多分をつけたら妖夢がズコッとこけそうになった。

 

 最後まで絞まらないなぁ俺って。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第十話「半人半霊と亡霊姫」

 

 

 俺が妖夢と戦闘を始めてからもう二時間もたったと思う。いつになったらこれ終わるのかな? 俺もう飽きてきたんだけど。

 

 妖夢は剣術による戦い方が得意なために、段幕を使った先方が少ないのである程度戦いやすいと言えば戦いやすい。だけど、それは妖夢がまだ未熟なだけであって、妖夢が弱いわけではない。

 

 ってか、なんかもう面倒臭くなってきた。斬月お得意のあの技で終わらせるか。

 

「ねぇねぇ妖夢!」

 

「……なんですか?」

 

 肩で息をしている妖夢が睨みながら聞いてくる。

 

「今からボクが、ボクの出せる最高の技を出すから、この技を受けきれれば君の勝ち! 受けきれなかったらボクの勝ち、と言うことにしないかな?」

 

「いいですね。流石に二時間も戦いたくはないですから」

 

 妖夢の承諾を頂いた俺は斬月構えて霊力を極限にまで溜める。すると斬月に黒いオーラが纏まりつく。

 

「いくよ! これがボクの……全力だ! 月牙天衝!」

 

 斬月に溜めた霊力を一気に妖夢に向かって放出し、俺は月牙天衝を撃つ。妖夢は極限にまで溜め込まれた霊力の斬撃を受け止めきれずに階段の方に吹き飛ばされてしまった。

 

 吹き飛ばされた妖夢は地面に頭をぶつけて意識を失ってしまった。

 

 俺はようやく先に進めると安堵の息を吐いた…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あらあら~。妖夢ちゃんは負けちゃったのね~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 突然緩やかでほんわかした女性の声が聞こえた瞬間、俺の背中に死の気配を感じた。背筋にゾクリとした感触がした俺は、その位置から離れるように跳ぶ。そのまま後ろを振り返った俺は、上空から優雅に降りてくる一人の女性に目を奪われた。

 

 肩辺りで切られたセミロングの桜髪に薄めの赤い瞳、青い服に同じ色の帽子、その上には死人の証である三角巾があった。

 

 そして何よりデカイ!! なにがって? そりゃあもちろん……おっ○いが!!

 

「なんか……不純な視線を感じたわ~」

 

 そう言いながらも俺を睨んでくる女性……西行寺幽々子を見て今日何度目になるかわからない溜め息を吐いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ~~とある場所~~

 

 幻想卿の何処かにある森の中で、マゼンタのトイカメラを持った青年が歩いていた。

 

 青年は森の風景をトイカメラで写真に残すと、突然空を見る。

 

「そろそろ、俺も動いた方がいいかもな」

 

 そう呟いた青年は懐から白いバックルを取り出した。

 

「また……破壊者となるしかないのか。この力はとことん俺を苦しめたいらしいな」

 

 その後、青年の目の前に灰色のオーロラカーテンが出現し、青年の体を飲み込んで消滅した。




どうもです。超越の破壊者です。
今回の作品はどうでしたか? なかなかの作品になったかなって思っています。
最後のあの日とはいったい……?
次回、あの日とが登場します!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第十一話「殺意と言う名の力と天鎖斬月」

 

 死に行く者達が集う場所とされている冥界……。その冥界に二人の人物が空に浮いている。

 

 ふわりふわりと優雅に浮かぶ亡霊姫とボロボロになりながらも刀を構える俺。なんともまぁ、実力の差を感じさせるほどの強さをお持ちで。

 

 しかも、幽々子は無傷で俺は満身創痍状態。俺が弱いのか、幽々子が強いのか。まぁ、後者だろうけど。

 

「あらあら~。もう終わりかしら?」

 

 クスッて笑いが聞こえるような笑みを浮かべたので、無言で大量の弾幕をpresent for youしてあげた。案の定余裕で避けられました。無念。

 

「なんだかつまらないわ~。もっと楽しめるものはないのかしらね~?」

 

 あーすげえイラつく。今の俺にその言葉はすげえイラつかせる。あぁ、いいぜいいぜ! 後悔するほどのもんを見せてらぁ!

 

「……な、なに?」

 

 突然俺の雰囲気が変わったからか、幽々子が驚いた顔で警戒する。

 

「後悔するなよ? 行くぞ」

 

 俺は斬月を前に構えて右の腕を左手で支えるように掴む。なぜか、それは俺が構えた斬月からとてつもない程の霊力が溢れ出ているからだ。これを読んでいる皆さんならもうお分かりだよね?

 

「卍……解!!」

 

その瞬間、俺の周りに黒い霊力の渦が吹き溢れ、俺の体を隠す。俺の纏っていた普段気がなくなり、その代わりとして黒崎一護が死神として戦っていたときの卍解の死覇装に変わった。そしてあのばかでかかった斬月は普通の刀サイズになる。

 

 俺は斬月を左右に一振りして霊力の風を吹き飛ばす。

 

「……天鎖斬月」

 

 俺の姿を見た幽々子は霊力の嵐に耐えきれなかったのか、地面に足をつけている。そりゃあそうだな。あんだけの力を生身?で受けているのだから。

 

「……行くよ。月牙天衝!」

 

 斬月を下から上に振り黒い月牙天衝を放つ。それと同時に俺も幽々子のもとに一瞬で移動し無数の斬撃を放っていく。

 

 幽々子は俺から離れるように移動して弾幕を撃ってくる。だが、今の俺にはそんな攻撃は効かない。瞬歩を繰り返して弾幕から避けていく。

 

 一見余裕綽々なように見える俺だが、卍解状態は霊力の消費が凄く激しいので戦闘に向かないし大体3分位しか体が持たない。

 

 ……だから早めに終わらせてもらおうか?

 

「っ!?」

 

 俺は瞬歩で幽々子の目の前に移動し、

 

「……月牙天衝」

 

 最後の、それも全ての霊力を込めた月牙天衝を放った。幽々子も間近で月牙天衝を撃たれては避けることなんか不可能のようで、攻撃が直撃してしまい吹き飛ばされていった。

 

 それを確認した俺は霊力切れを起こしてしまい、その場で倒れてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ~???~

 

 幽々子を倒した真愛が倒れたあと、真愛の元に一人の男が現れる。

 

「くくく、やはりまだまだ能力も力も未熟のようだな」

 

「彼の事はどうするの?」

 

 男の影からまだ18才と思われる年齢の少女が顔だけ出す。男は渋い顔をするが、すぐに無表情に戻る。

 

「そうだな。まぁ、こいつは『奴』の器だからな。ここで死んでもらう訳にはいかない」

 

「じゃあ、どうするの?」

 

「そうだな……少しだけ『奴』の封印でも解いておいてやるか。この先幻想卿がどうなるかは知らんがな」

 

 そう言って男は真愛の体に手をかざす。

 

「ついでだ。体を分離させてやろうか」

 

 真愛の体が黒く光ったかと思うと、真愛の体だけが残り、真愛から黒い光が何処かに飛んでいった。

 

「これでいい。じゃあ行くぞ……摩耶」

 

「はいはーい」

 

 その後、二人は何処かに消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




投稿遅くてすみません。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三章・地底編
第十二話「目覚めと体と」


 

 

  ~霊夢~

 

 何時まで経っても帰ってこない真愛を心配した私は、いろんな人から情報をもらって冥界に来ている。

 

 なんでも冥界ちょっと前にいた三人の騒霊によると、この先にある冥界に行ったきり戻ってこないらしいから。

 

 私はなんだか嫌な予感をしながらも、冥界の奥を進んでいく。

 

「桜が綺麗ねぇ……うちもこのように咲かないかしら?」

 

 そんなことを考えながら歩いていると、「おい! 真愛! しっかりしろ!」と叫ぶ声が聞こえた。あの声は魔理沙であり、あんなにも切羽詰まったように叫ぶのも珍しいので、私は嫌な予感が当たったんじゃないかと思いながら先を急ぐ。

 

「これは……!?」

 

 急いで飛んできた私は、目の前にいる真愛の姿が信じられなかった。真愛は身体中がボロボロになっており、服もないに等しいぐらいに破けている。所々血が流れていて、下手したら死んでしまうぐらいの量を出している。

 

 私はどうしてこんなにものんびりしていたのだろう。さっきまでの私を殴り殺したいぐらいのどす黒い感情が私の心を支配する。

 

「あ、あぁ……私は、何て事を……私がしっかり異変解決に行ってたら……私がちゃんと着いていってたら……私がッ!!!!」

 

「霊夢! しっかりしろ! 今そんなことを考えていてもどうしようとないだろ! 今は早く真愛を手当てしないと!!」

 

「なんですって? 魔理沙、貴女に何が……いや、なんでもないわ。魔理沙の言う通りよ。今こうしていてもどうしようもないわね」

 

 私は深く深呼吸してから周りに誰かいないかを確認する。すると、真愛のいた場所から少ししたところに青色のゆったりとした服を着た女性が倒れていた。その傍らでは緑の服を来ている白髪の半人半霊が揺すっていた。 

 

「幽々子様!! 幽々子様!!」

 

 真愛とあの倒れている……多分幽々子の服を見て私は確信した。この二人は戦っていたんだ。真愛は異変解決のために、幽々子は異変の目的のために。

 

 そう思うと私のなかにまたどす黒い感情が溢れてくる。私はお祓い棒を右手に持ってボロボロになって倒れる幽々子のもとにゆっくりと歩いていく。

 後ろで「おい、どこ行く気だよ!?」って声が聞こえる気がするが、今の私にはそんなことを考えている暇はない。こいつを殺さないと。真愛をこんなにもボロボロにしたこいつらを!!

 

「ダメよ、霊夢」

 

 その声を聞いたとたんに、私の目の前が暗くなっていく。多分声からして紫に首を叩かれたんだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ~~地底~~

 

 ここはどこだ? ありゃ? 俺は確か冥界に居た筈じゃなかったっけ? 幽々子を倒した俺は霊力切れを起こして倒れてた筈なんだけど……マジで此処どこだよ?

 

「あれ? 生前の体だ」

 

 俺はいつの間にか真愛ではなく勇魔としての体になっていた。まぁ、この体の方が使い勝手がいいからな。

 

「まぁ、それはいいとして……いやマジ何処よここ?」

 

 あぁ、またもや面倒くさいことになったなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第十三話「力の鬼と逢魔の王」

 

 

「さぁ、存分に戦いを楽しもうじゃないか!!」

 

 拳を構えて打ちつけ合う鬼……星熊勇義を見て俺はかなり焦った。勇義はニヤリと笑っているが、俺の背中は冷や汗だらけだ。

 

「いやいやいやいや、鬼と戦ったら俺間違えなく死んじゃうからね!?」

 

 本当にどうしてこうなったのかぁ? そんなことを考えている俺は、数時間の自分を大いに憎んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  《数時間前》

 

 

 

 目を覚ました俺は適当にふらつきつつも辺りに誰かいないか探していた。だが、いつの間にどこかに飛ばされていたのか、周りは岩の壁だらけで全く出口がない。

 

 あ~あ。どうしよう? しまいには此処を壊そうかな

 

 ガヤガヤ!ガヤガヤ!ガヤガヤ!

 

 ん? なんか光が見えたと思ったら騒がしいぞ? まぁ、行ってみるよね普通に考えたらさ。

 

 と言うわけで外に出られましたぁ。本当にもう出口あるのかなって思ったよ。

 

 ようやく外に出られた俺が見たのは、賑やかに酒を呑んで宴会を楽しむ鬼達の姿だった。

 

 なんとなく面倒なことに発展しそうな気がするな。あーもう嫌だ嫌だ。凄く嫌だ。

 

「ん? 人間?」

 

 そうこうしているうちに鬼の一人が、ただポツンとたつ俺の存在に気づいてしまった。……最悪だ。

 

「そこでなにやってんだ?」

 

 赤い肉体を持つ鬼が近くまで来て訪ねる。しゃべりたくないけどどうしようか?

 

「いや……俺にもなにがなんだか」

 

 鬼は俺の事を訝しげに見ると、

 

「勇義さん、ここに人間が居るんだがどうしましょうか?」

 

 勇義と呼ばれた一本角の鬼の方を向いた。

 

 どうしましょうか?じゃねーんだよ! 俺は心の中でツッコミを入れると、絶対に面倒事が起きると覚悟した。

 

 「おや、本当に人間がいるねぇ。ちょうどみんな暇してたところだからね。おい、人間。名は?」

 

「人にものを尋ねる時はまず自分からって教わらなかったか?」

 

 鬼としての性なのか威圧的に話しかけてくる勇義に、少し挑発的に返す。その言葉がきっかけで勇義以外の鬼達が殺気付いた。

 

「あっはっはっはっはっは!! こりゃあ面白い人間だねぇ。私たち鬼を見て恐れる所か挑発的に対応してくるとは……でもまぁ、確かに今のは私が悪かったな。私の名は星熊勇義。勇義でいいよ」

 

「……神代勇魔」

 

「見たところ外来人かい? アンタ見たいな奴はあまり見かけないからそうだと思うんだけど」

 

「確かに外来人だよ。つっても、かなり前から幻想卿に来ているけどな」

 

 俺の言葉に勇義はなにかを感じたのか、顎を掴んで考え事をしている。あまりいい予感はしないけど、我慢するしかないな。

 

「よし! ちょっと試合しないか?」

 

「はい?」

 

 幻想卿に分かったことその一、鬼は戦いが大好き。うん知ってた。こうなることは知ってた。だが……

 

「いいぜ! 乗ってやるよその挑戦」

 

 俺はなぜか笑顔で引き受けてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、今に至ります。

 

「回想は終わったかい?」

 

「終わったけどメタいからその発言は止めような?」

 

 今俺たちは鬼達が戦うのに使用するらしいスタジアムに来ている。いや、これはコロッセオにある闘技場と言っていいかもしれない。

 

 ってか、東方presentの知識を持つ俺はすっかり忘れていたよ。今俺がいるこの場所に鬼の四天王こと力の勇義が居るってことは、ここは地底じゃねーかよ!

 

 確か……覚妖怪と呼ばれる地上の嫌われものである古明地さとりが要るんだったよな。ふはははははは! さとりんに会いたいぜ! ……ロリコンではありませんよ? 断じて!

 

「それじゃあ、始めようか!」

 

 そう言って拳を構えた勇義は、一瞬にして俺の目の前にまで移動してきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……俺死なずに戦えるかな?

 

 






勇魔「はいどうもー! とうとう始まりましたよ!」
真愛「何が始まったの?」
勇魔「それはね……ななななんと! 東方女神録~ミニ話~ですよ!」
真愛「わーい!(*’ω’ノノ゙☆パチパチ」
勇魔「このミニ話では、東方女神録に登場するキャラクター達のちょっとした紹介をしています」
真愛「普段のキャラクター達が原作と違ってどのようなキャラなのか、もしくはどんな人なのかがわかりますね! ボク達は出てくるの?」
勇魔「進行役なので出てきません!!」
真愛「そんな~」
勇魔「東方女神録~ミニ話~は次回から開始されますので、今回の話を見てくださった方は次回をご覧くださいな! それでは……」



勇魔&真愛「「また次回で」」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第十四話「一つ目の封印」

 

 目の前にまで迫ってきた勇義の拳を余裕でかわした俺は両手に霊力を込めて構える。勇義は俺が拳を構えたのがおかしかったのか首を傾げたけど、すぐに笑顔になって走って拳を振るってきた。

 何回も何回も避けるのを繰り返していると、

 

 

「おいおい、男なら避けずに受けろよ!」

 

「鬼との戦いは真剣勝負なんだぞ!!」

 

 観戦中の鬼さん達がヤジを飛ばしてきました。というか、勇義の拳を受けたら俺普通に死にます。肉体破裂します。俺人間なので、避けるぐらいは勘弁してくださいな。

 

「……鬼ってみんなこんなのか?」

 

「あっはっはっはっはっはっは! 大丈夫!」

 

「なにが!?」

 

 仕方ねぇな。俺は勇義が振るってきた。拳を掌で受け止める。流石にかなり痛いけど、しょうがないよね?

 

「へぇ……私の拳を受け止めるなんて、やるじゃないか!」

 

「言っておくけど……これかーなーりー痛いからね!?」

 

 そう言いつつも俺は勇義の腕を掴んでそのまま回転し始める。ぐるぐると回った俺は、五週ぐらいで勇義を投げ飛ばし、掌から霊力弾を何発も放つ。これを勇義は腕を交差させて防ぐと、投げ飛ばされたことにより壁にぶつかる。

 これでどれほどダメージが入っているかによるんだよなぁ。

 

「あっはっはっはっはっは! 人間にしては随分とやるじゃないか! 気に入ったよお前!」

 

 無傷ですかそうですか! あーもう! なんか腹が立つなぁ!

 

「では、これを最後に決めようじゃないか! 行くよ!」

 

 

 

 

 一歩、勇義が足を地につけた時、地面にヒビが入った。

 

二歩、勇義が足を地につけた時、風が大きく揺れた。

 

そして三歩、勇義が足を地につけたと同時に、拳を大きく振るった。その衝撃波が俺に襲いかかってくる。

 

「四天王奥義『三歩必殺』!!」

 

 俺はその技を受け止めきれずに吹きとはされてしまった。そして吹き飛びされた俺は壁にぶつかる直前、体の中の何かがカチリと鎖のようなものが解かれるような感覚に陥り、体全体がなにか鎧のようなものが生成されていった。

 

 

 

 

 

 

 

 ~星熊勇義~

 

 あ~あ。やっちまったな。こりゃあ。

 

 嫌われものが集うこの地底に迷い混んだ不思議な人間の……確か神代勇魔だったか。鬼である私の威圧もものともせず挑発してくるあの姿勢に、私は驚いてしまった。そして私は、鬼としての性なのか、勇魔に戦いを申し込んだ。普通に考えて人間である勇魔が死ぬことになるのはわかっていたのに。でも勇魔は笑顔で答えた。

 

 この時勇魔は普通の人間じゃないって、鬼としての勘が言っていた。だから試合をしたけれど、まさかの想像以上だったね。

 

 だからこそ血が滾って本気の本気で相手しちまった。四天王奥義は鬼である私が最後に出す技だからだ。

 

「こりゃあ、勇魔の奴も生きてはいないか」

 

 あの大技を使ってしまった時点でもう生きてはいないと判断した私は、踵を返して宴会に戻ろうとした。

 

 だが、その瞬間……私の背中に強大な力の波動が迫った。

 

 鬼としての危機感から振り替えって大きく後ろに跳んだ私が見たものは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まだまだ戦えるよな? 星熊勇義……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 全身を白と赤の装甲で覆った神代勇魔だった。






勇魔「はいどうもー! 第一回! ミニ東方女神録が始まりました~」
真愛「ひゅう~どんどん(*’ω’ノノ゙☆パチパチ~」
勇魔「第一回目として、東方女神録に登場する博麗霊夢さんの紹介をしたいと思います!」
真愛「わぁい! ボク達が幻想卿にやってきて最初に出会った人だね!」
勇魔「そう! 霊夢は俺が東方presentに転生して最初に出会った人であり、真愛の体と同化していた俺達を優しく接してくれた正に巫女! 妖怪退治の専門家であり、親友である霧雨魔理沙と共に異変解決に出向いたりしています!」
真愛「おまけに霊夢さんは幻想卿の中でも屈指の実力者でありながら修業を全くしないという程の面倒くさがり屋なのです!」
勇魔「実力と霊力で勝負すれば誰も勝てないほどの実力を誇り、強大な霊力を所有しています! ちなみに、霊夢が修業を全くしないのは幻想卿でのバランス……言わば均衡を保つためと言われていますが、実際のところは本人以外わかりません!」
真愛「わからんのかい!! 東方女神録のキャラクター紹介の進行役としてどうなのよそれは!?」
勇魔「作者曰く一応OKだそうだ」
真愛「いいんだ……それ」
勇魔「さてさて、幻想卿が認める実力者……博麗霊夢の使う技の中でも、特に愛用されているのがこの技。そう! 霊府『夢想封印』!! 異変解決の時は大体がこの技で終わりになるね!」
真愛「確かに! 霊夢さんが夢想封印以外を使うところを見たことがないけど、夢想封印は霊夢さんの愛用技なんだね!」
勇魔「らしいよ? この作品である東方女神録の博麗霊夢は、過去にとある人物に一度だけ修業をつけてもらい、その時初めて習得した技が夢想封印だったみたいだし」
真愛「そうなんだね。あっ、もう時間が来たみたいだよ……?」
勇魔「えっ? もう来たの? 仕方かないなぁ。じゃあまた次回にお会いしましょう!」
真愛「次回は霊夢さんの大親友霧雨魔理沙さんを紹介したいと思います!」
勇魔「それでは……」
勇魔&真愛「「またねぇ~~」」



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。