Fall into Not Human (瑚椒)
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戦争の対価
戦争は変わった。
国家や思想のためではない。利益や民族のためでもない。
金で雇われた傭兵部隊と、造られた無人兵器が、果てしない代理戦争を繰り返す。
命を消費する戦争は、合理的な痛みのないビジネスへと変貌した。
戦争は変わった。
人形の台頭により人間の兵士は徐々に数を減らし、人としての傭兵の需要は激減し戦場は人形に取って代わられた。
人形が命じられたままに人間の代わりに銃を持ちターゲットを排除する。
痛みを抑制し、感情を制御し、命令のままに動く命なき機械。
人より優れ、人より人間らしい模造品。
戦争は変わった。
ID登録された人形たちは、ID登録された武器を持ち、ID登録された兵器を使う。
体内のナノマシンが彼女らの能力を助長し、管理する。
義体の制御、情報の制御、感情の制御、戦場の制御。
全ては監視され、統制されている。
戦争は変わった。
戦場が制御管理された時、戦争は普遍のものとなった。
戦争が日常化した近未来、このありふれた戦場で僕は今日も銃を握り、命じられたままに敵を殺す。
その点は人形と何も変わりはない。
自虐を交えつつ、光学サイトを通して見る激戦地、レティクルの中心に少女の姿を模した
銃口から7.62×51mmNATO弾が吐き出され、標的目掛け飛翔する。
そのまま弾丸は人形の頭に突き刺さり機能を停止させる。
いつも通り、俺はこのポジションで後方支援をしていればいい。
そう言い聞かせ湧き上がる罪悪感に蓋をする。
下で戦闘している味方の援護を行い、次の獲物を見繕いレティクルを合わせる。
その時だった、ポンッと軽い音が聞こえたと思った瞬間、衝撃が全身を襲った。
ポジションから投げ出され、地面に投げ出される。
突然の事でとっさに受け身を取れずそのままの衝撃が僕を襲い、意識が飛びそうになる。
「おい! 大丈夫k」
僕を助けに来た傭兵は最後の言葉を言い切る暇も無く頭を撃ち抜かれ絶命する。
魂が銃傷から抜けた眼前の肉塊は僕に覆いかぶさってくる。
あぁ、死んだのか。脳震盪で上手く働いてくれない頭で考える。
次は僕の番だろうか? 目を閉じ来たるべき死に備える。
だが僕には弾丸の代わりに言葉が飛んできた。
「おい、生きてんのか?」
女性の声だ。僕は目を開ける。
すると眼前、それもすぐ近く、吐息が掛かるくらいの距離に黒い髪をし、赤い瞳をした勝気そうな女性が僕の顔を覗き込んでいた。
「あぁ、この通り。
一応、死んではいない。だが死は一歩一歩、着実に僕に近づいてきている。
胸部に刺さった金属片が全てを物語っている。
「だけど、もう少ししたらきっと死ぬ。出血多量か、それか君、もしくは君の部下に殺される」
「あぁ、そうだな。オレがお前を殺す」
「ならさっさとしてくれないかな? 僕は痛いのは嫌なんだ。さっさと殺してくれ」
「なんだよ、せっかく最後の言葉を聞いてやろうと思ったのに。人間って言うのはアレだろ? ユイゴンってやつを誰かに言うんだろ? ハンターのやつがそう言ってたぜ?」
「そうだね、確かに殆どの人は誰かに遺言を伝えて死ぬね」
「だろ? ならオレに聞かせてくれよ。お前の最後の言葉をよ」
僕はグチャグチャになった思考で何か考える。だが考えれば考えるほど何も思いつかない。
「特に無いかな」
「は? なんかあるだろ? 死にたくないーだとか、愛する彼女にーだとか」
「生憎、僕はこの世に然程未練は無いし、恋人も居なかったから特に言うことは無いかな」
「チッ、つまんねぇ野郎だ」
「ハハ、そうだね。僕はつまらない人間だ」
血を流しすぎたのか意識が飛びそうになる。だが少しぐらい彼女の話し相手になろう。そう思いどうにか意識を保とうとする。
「……もう限界みたいだな」
「うん……そう、だね……」
息が荒くなり、視界がボヤける。
「最後に一言。お前の狙撃は見事だったぞ」
「……君こそ、素早く、て……当てるの……大、変だったよ……」
「そうか、ではさらばだ。名も知らぬ兵士よ」
彼女はそう良い片手に持った拳銃を向ける。
僕は目を閉じ、来たるべき死に備える。
銃声が鳴り響く、その銃声が僕が最後に感じた唯一の感覚だった。
チュートリアルクリアです、おめでとう!君は人形へ転生する権利を手に入れたよ!!(ゲス顔)
という訳で次からはSCAR-Hちゃんが活躍します。多分!
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新しい身体/新しい生命/新しい指令
僕は死んだ。筈だ。
あの日、あの時、確かに彼女に殺された筈なのだ。
だと言うのに僕はこの足で地を踏みしめている。
この手に銃を持ち、この目で数十メートル先に浮遊しているドローンにレティクルを合わせ、この指で引き金を絞っている。
一体全体何が起きたのか、全く理解していないが確かに言える事は『僕』は『ボク』となり、この身は人の身から機械と人工皮膚で覆われた人形の身になったと言う事実だけだ。
これがもし悪い夢だと言うならさっさと目が覚めることを祈るばかりだ。
僕は確かに前世で地獄に堕ちる事をしたが今のボクは少なくとも何も罪を犯していない筈だ。
最も、生きることが消えない罪と言われればどうしようもないのだが……
「素晴らしい、想定されている練度を有に超えています! これは今回のコンペで採用間違いなしですよ!」
「これなら今度こそは我々がコンペに勝てる筈だ!!」
ボクの後ろでうるさいくらいに興奮し、叫んでいる研究員達の音声をミュートし、思考に耽る。
まず、ボクの置かれた環境について考えてみよう。
その1:ボクはI.O.P.社が開発した試作型の人形だ。
その2;ボクの名前がは奇しくもボクが僕であった時に使用していたSCAR-Hだ。
その3;ボクは今から実地試験を行う為に前線に送られる、らしい。
……これが人形の出荷過程か。想像していたのよりもハードで涙が出てくる。
これが大戦前に存在したブラック企業と言うものだろうか? まだ前職の方が色々と緩かったぞ。
だが、今のボクは一介の人形。
逆らえば廃棄処分。それだけは御免被る。二度も死を経験する気はない。
さて、そろそろミュートを解除しよう。いい加減静かになっただろう。
「これなら憎き奴らを打倒し!」
まだ続いてる……これはしばらく掛かりそうだなぁ……
「えっと……試作人形ですか?」
昼過ぎ、突然直属の上司に当たるヘリアントス上級代行官から連絡があった。
何やら新たに製造された試作人形のフィールドテストをして欲しいとの事だった。
『あぁ、君にはI.O.Pが作った新型のフィールドテストを手伝ってもらいたい』
「はぁ……構いませんが、その人形のデータなどは頂けないんですか?」
『データは人形と共に送る予定だ。情報漏えいを避けるための措置だ』
「あぁ、そう言う事ですか。せめて名前ぐらい教えてくれたっていいんじゃありませんか」
ヘリアンさんはふむ、と少し考え込んだ後に、貴官なら構わないだろうと教えてくれた。
『今回、君の基地に配属される人形の名は《FN SCAR-H》だ。上手く使え』
「了解しました」
『話は以上だ。業務に戻ってくれ』
ヘリアンさんはそういうと通信を切る。
SCAR-Hか、確かFN社の銃だったか……
手を顎に当て、考える。FN社の銃なら彼女たちに任せるのが適任だろうか? うんうんと悩んでいれば執務室の扉が開けられた。
「指揮官、FN小隊。帰還したわ」
栗色の髪を横で纏め、独創的なファッションをした歴戦の人形。FALが書類を片手に執務室へと入ってきた。
「おかえりFAL。怪我はないかい?」
「心配しょうねぇ……定時連絡で言ったとおり損失はないわよ」
「それは良かった。ところで少し話があるんだが時間は大丈夫かい?」
FALは少し考え込む仕草をした後に大丈夫よ、と言って来客用のソファーに足を組んで座る。
彼女の服装、まぁ、その……独創的な、まぁ簡単に言ってしまえば彼女のボディーラインを強調する服を来ているのでそんな体勢をすれば色々と見えそうになる。
わざとらしく咳払いをして言外に注意してみるが彼女は何処吹く風と言わんばかりにのらりくらりと躱していく。
「それで指揮官、話って何かしら? もしかして私に惚れちゃったとか?」
「いや、申し訳ないが違うんだ」
そう言うと彼女は目に見えて落ち込み、不機嫌になった。待て、何故だ。
「……じゃあ何よ」
「な、なんでそんな機嫌悪いんだ? 何か気に触れる事でもしてしまったか?」
「……この朴念仁」
「ん? 今なにか言ったか?」
「なんでもない……それよりも早くしてよ」
「えっ、でもさっき大丈夫って……」
「急用が入ったの」
「あー……そうか、なら手短に話そう。君、いや君の部隊に一人、新しい人形を配属したいんだ」
「ふ~ん、どんな子なの?」
「それがまだ分からないんだ」
「はぁ?」
彼女はポカンと口を開け、少し間抜けな表情をする。
それが可笑しくてつい口から笑いが漏れてしまう。
「ちょっと、何笑ってるのよ」
「ごめんごめん、今回送られてくる人形は少し特殊でね」
FALに先程の話を説明すれば彼女は一応了承してくれた。
「分かったわ、ただし! 一つ条件があるわ」
「可能な範囲ならなんでも手配しよう」
「なら、そ、その……わ、私とつつ、つっ、つき」
「つき?」
「つ、付き……月を見ないかしら!」
「月を? あぁ、構わないぞ」
彼女が何故、月を見たいのか。分からないがそのぐらいなら安いものだ。
彼女はそういうとそれじゃ、と言ってそそくさと出ていってしまった。それ程までに急いでいたのだろうか?
さて、ヘリアンさんは到着まで少し掛かると言っていたし、今のうちに受け入れの準備を進めておこう。
俺は新しく配属される人形を楽しみにしつつ受け入れの為の家具の確保や人材の割り振りなどの準備を開始した。
まだ基地には着かないんじゃよ
皆、こんなんじゃ先が不安よな?○○動きます
という訳で(どういう訳?)感想評価お待ちしております。
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キャンプ・ハーモニー
A;本当に申し訳ない
突然ですが、今の時代。人形と言う備品に給料が支払われるのは極稀です。普通、家にある掃除機にいつもゴミを吸い取ってくれてありがとう、とお金を払いますか? コーヒーメーカーに毎朝美味しいコーヒーをありがとう、と給料を払いますか? いいえ、払いません。ですがこのグリフィンという企業は違うみたいです。
優しい企業ですね。ボクはこの企業に就職したいです。え? まだグリフィンに納品していないから給料は出ない? そうですか、やはりIOPはブラック企業ですね。こんな場所さっさとおさらばしたいです。
先程、研究主任に銃のアタッチメントが欲しいと言った所。あのハゲは「完璧な人形であるお前にアタッチメントなぞ必要ない」と言われました。ふざけてますね、思わず頭頂部に残った一本の毛を引き抜いてやろうかと思った程です。
ボクは平和主義者だと言うのに、こんな事を思わせるなんて……勲章ものですよ?
そもそもこの世に完璧な物なんてあるわけないじゃないですか。人が作ったものが完璧でしょうか? ご冗談は頭皮だけにしていただきたい。ボクは確かに他の人形に比べ優れているでしょう。ただそれだけです。完璧なんて程遠い。勘違いも甚だしい。
全く、嫌なことを思い出してしまったのでついため息が口から漏れてしまう。
窓の外に視線を向ければ下には木が生い茂り、それがはるか遠くにまで広がっている。ここだけ見れば平和なものだが、この下では散発的に戦闘が行われているのだろう。
優雅に空の旅と洒落込みたいものだが、どうやらそんな事を言っている場合ではないらしい。
「嬢ちゃん、後少しで基地に着くぜ。荷物を纏めときな」
「了解」
ボクはタブレット端末をドラムバッグの中に仕舞い、
降下準備をしていればヘリは徐々に高度をさげていく。窓の外を見てみれば目下に基地が広がっている。
ここがしばらく滞在する基地ですか、中々に良い設備が揃っていますね。パッと見る限り設備はどれも最新型。マイクロ波通信施設にレーダードーム。他にも様々な施設が見えており、ここがどれ程重要な拠点か分かる。
ボクがヘリから降りれば駆け寄ってくる基地職員とその中に赤いコートを着た男性が見える。おそらく彼が件の指揮官でしょう。
「やぁ、君がSCAR-Hだね? ようこそ、S09前線基地。キャンプ・ハーモニーへ」
ボクは彼が近づいてきたので敬礼をした。だが彼はボクに手を差し出してきた。
「はい、これより貴官の指揮下に入ります。FN SCAR-Hです。これより短い間でしょうがよろしくお願い致します」
「あ、あぁ……よろしく頼むよ。あぁ、もう敬礼は解いてくれて構わないよ。ここは軍じゃないからね、もっとリラックスしてくれて構わない」
「了解」
ボクは敬礼を解いてドラムバックから一冊のファイルを取り出す。
「指揮官。これを、ボクの詳細情報について書かれたファイルです。分かっているとは思いますが他言無用でお願いします」
指揮官はボクが差し出したファイルを受け取り中身をペラペラと捲る。
「T-DooL_Ver2.5?」
「一個小隊を指揮可能な簡易指揮モジュールを搭載し、銃本体のモジュールを交換することで様々な状況に対応できる新たな戦術人形の雛形。そう考えてもらえれば幸いです。その他の詳細なデータは資料に目を通してください」
「指揮が取れるのか?」
「はい、16Labで開発されていたM4A1の指揮モジュールを簡略化した物を搭載しております。ですが、簡易化したことで
それを聞いた指揮官は驚きの表情を浮かべている。
「あぁ、彼女の噂は聞いているよ。彼女も一度この基地に来たことがあるからね。もしかしたら会う機会があるかもね。さて、立ち話もなんだし、施設を案内しよう。」
彼は付いてきてくれ、と言って歩き出す。ボクもその後ろを追従する。
指揮官は施設を案内してくれた。食堂や訓練場、工廠など。この基地で使うことになるであろう施設をわざわざ案内してくれた。
そして今は宿舎に向かってる様だ。
「そう言えば、君はFNCを知っているかい?」
「はい、SCARシリーズを作る元になった銃だそうですね」
「つまりは君の姉だ。FNCも妹が出来たってはしゃいでいたよ」
「ボクはFNCの妹ではありませんし、そんな
「まぁ、そう言うな。部隊って言うのは家族だ。それが例え赤の他人でも、共に戦っていれば家族以上の絆が芽生えるさ」
「そうでしょうか」
「あぁ、そうさ。現に俺もそうだったからな。っと着いたぞ。ここが今日から君が暮らす家だ」
指揮官は宿舎のとある部屋の前で立ち止まりノックする。
『入っていいわよ』
指揮官はドアを開け中に入る。ボクもその後に続いて中に入る。
部屋の中にはベッドやサイドテーブル。ガンロッカーなどの家具が設置されていて、その部屋の中で四体の人形がそれぞれ寛いでいた。
ベッドで雑誌を読みながら寛いでいる人形もいれば、チョコレートを頬張っている人形もいる。
ボクが部屋の中を見回していると一体の人形がボクたちに向かってきた。
「あなたがSCAR-H?」
どうやらボクに用事があるみたいだ。だがその表情はあまり有効的には見えない。はて、ボクがなにかしただろうか?
「はい、SCAR-Hと申します。少しの間でしょうがよろしくお願い致します」
「私がこのFN小隊の隊長のFALよ。あなたのセンスを鍛えてあげるわ」
FALと名乗った人形はボクを品定めするように見回して、ビシッという擬音語が聞こえてきそうな勢いでボクをに指さしてきた。
「まずはそのセンスの欠片もない服を着替えるところから初めましょうか」
「は?」
何を言っているのでしょうか? ボクの服がそんなにおかしいでしょうか? ボクは今、黒の縦セーターを着て、下はTANカラーのショートパンツを履いている。別に問題ないのでは?
ボクからすれば目の前のFALと名乗った人形のほうがセンスを疑う。ランジェリーの上にジャケットを着ているのか? いったい何をどう考えればそんな服装が出来るのか、少なくともボクには理解不能だ。
「はいはい、こんなセンスのない人形の話は置いときましょ。アタシはFive-seveNよ。よろしくねSCAR」
自らをFive-seveNと名乗った人形はボクの肩に手を置いて、腰にまで手を伸ばす。
「そ・れ・よ・り、いい顔してるじゃない。どう? アタシとイイコトしない?」
ボクは触れられた手を払い除け――ようとしたのだが、間に割って入る小さな人影がFive-seveNの手を払い除けた。
「Five-seveN! 妹に手を出しちゃ駄目!!」
「ちょっと……冗談よ、取って食ったりなんてしないから安心しなさいよFNC」
FNCと呼ばれた小柄な人形はFive-seveNをうー、と唸り威嚇している。
「はは、どうやらFNCは妹が取られると思ったみたいだな」
指揮官は呑気に笑って、FALに「後は任せた」と言って出ていく。この後も仕事が残っているのだろう。
「あの……どうも。私はFN49と申します。どうかよろしくおねがいしますね、SCARさん」
突然、横から話しかけられ、そちらに顔を向ければオドオドとしている栗色の髪をした女性が立っていた。
「よろしくおねがいします。早速で悪いのですが、ボクはどこにこの荷物を置けばいいでしょうか?」
「あ、はい……えっと、一番端のベッドが空いているのでそこに、銃もその隣のロッカーに収納しておいてください」
「了解」
未だ言い争いをしている三人を尻目にボクは荷物を整理していく。
「私のどこがセンスがないですって!」
「私の妹に手を出しちゃ駄目だからね!!」
「分かったかわ!分かったから邪魔よ!!アンタたち!!!!」
……転属願いを早々に書いておいた方がいいのかもしれない。
「これは……何れは人の指揮官も不要な時代が来るのかもな」
銃のモジュールを組み替えることにより場所を選ばずに戦闘が可能。そして一個小隊なら単体での指揮も出来る。
今までの人形とは明らかに一線を画する性能を持っている。
この人形を作った科学者は天才だろう。だが、ファイルに記載されている科学者の名前を聞いた覚えは無い。
「もしかして……盗作だったりするのか?」
一瞬、脳裏に暗い考えが過るが、IOP、それも人形開発部門にはあり得ないだろうと自分に言い聞かせる。
冷めてしまったコーヒーを飲みつつ、今後の運用について考える。このまましばらくはFAL達に協力してもらいつつ、この書類に書いてある事をこなし、徐々にコミュニケーションを取る。
これで構わないだろう。この基地に配属された以上、彼女もここの家族だ。
「それに……なんだか危なっかしいからなぁ」
彼女の目を見た時、思った。あれは過去の俺と同じだ。自分の身を顧みない。そんな目をしていた。
「……兵器としては、正しいのだろうな」
少女の見た目をした
かつての部下が言っていた。
命もないのに殺し合うなんて馬鹿みたいだ。と
「全く……その通りだよ、」
今は亡き副官の事を思い出しながらファイルを引き出しにしまい鍵を掛ける。
「さて、今日も頑張りますかね」
ぐっ、と背伸びをして作戦資料に目を通し、モニターに向かい合う。
それにしても、SCARか……なんだか昔同じ銃を使っていた知り合いを思い出した。が、今は関係ない事だ。頭の隅に追いやり仕事を再開した。
やぁ、作者の調味料だよ
今回は本当に申し訳ない
仕事とかスランプとかモチベの低下とか色々ありすぎて投稿が遅れてしまったよ
遅筆で投稿が遅い作品だけど応援してくれると嬉しいな……
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