東方幻血録  (れいど)
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プロローグ
“彼”は幻想と出会う


どうも。さてさて3作目でございますよ。
まだ両方とも完結してないのに…とは言っても1作目は一時更新を止めているので、2作目と3作目を交互に更新していく感じになると思います。
なお、この小説には一切にゃんこ 大戦争要素が含まれておりませんのでご了承ください。
では本編ーーーーーー


ガチャッ

 

???「ただいま。」

 

俺の名前は『ジーク・ヴィルーフ』…吸血鬼だ。

今は吸血鬼学校から帰ってきたところだ。

 

???「兄さん、おかえり〜」

 

俺の帰りを玄関で待っていたのは、俺の弟『ノア・ヴィルーフ』。

現在は弟と2人で暮らしている。

前までは実家で暮らしてたんだがな。理由は聞かないでくれ。

 

ジーク「ノア、いい加減部屋片付けろよ、散らかってたぞ。」

ノア「わ、分かってるよ兄さん…」

ジーク「本当か?まぁいい、俺は夕飯の準備をするから、ある程度片付けとくんだぞ。」

ノア「はーい。」

 

ノアは階段を上がって自分の部屋へ戻っていく。

 

ジーク「…ノアはいいよな、学校が楽しそうで…」

 

そう、俺は学校があまり楽しくないのだ。

別に授業を受けたくないとかそういう理由ではない。

…自分で言うのもあれだが、俺たち兄弟はこの地域…いや、世界で圧倒的な強さを誇る。

その中でも俺は皆から『史上最強の吸血鬼』と呼ばれている。

だが、俺はこの強さが好きではない。

なんでかって?それは…

 

 

 

この強さのせいで、学校の生徒達から避けられているのだ。

だから、友達がいる弟のことが羨ましく感じる。

そんなことを考えていると、弟が心配そうな顔をして降りてきた。

 

ノア「兄さん、どうしたの?具合悪い?」

ジーク「ん?ああ、すまない…考え事してた。」

ノア「そっか。」

 

そういうとノアは、再び自分の部屋へ戻っていった。

まぁこんなこと考えても仕方がないよな。

 

ジーク「ふう…夕飯作るか…」

 

こうして、俺は夕飯の準備に取り掛かった。

 

ーーーーーーーーーーー

 

ジ&ノ「「ご馳走様。」」

 

俺が食器を洗っていると、ノアが話しかけてきた。

 

ノア「ねぇ、兄さん?」

ジーク「ん?どうした?」

ノア「なんか…庭から変な空気しない?」

ジーク「…言われてみればそうだな…」

 

俺は食器を洗い終わると、ノアと共に庭に出た。

 

ジーク「…は?」

ノア「何…これ…」

 

そこには、大量の目がついた空間の裂け目があった。

 

ジーク「…ノア、お前何かしたのか?」

ノア「何もしてないよ!部屋で本読んでたら、いきなり変な空気が入り込んできたんだ。」

ジーク「はぁ‥この家も古いのかもしれないな。こんな謎の異変が起きるなんて…」

 

すると、裂け目の中から女性の声が聞こえた。

 

???「その異変を解決する気にはならないかしら?」

ジ&ノ「「!?」」

 

すると、急に裂け目が広がり、俺は‥裂け目に飲み込まれた。

 

ジーク「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

ノア「兄さあぁぁぁぁあん!!」

???「大丈夫。死んでないわよ。…あの子には来てもらいたかったの…『幻想郷』に。」

 

 

俺が最後に聴いたのは、弟の悲鳴と落ち着いた女性の声だけだった。

そして俺は…気を失った。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーー幻想郷ーー

 

 

 

???「お嬢様、紅茶をお持ちしました。」

???「あらありがとう『咲夜』。いつもありがとうね。」

???「これぐらいメイドとして当然ですわ。」

 

 

私は『レミリア・スカーレット』。幻想郷にある「紅魔館」の主。

今は私の館に住むメイド、『十六夜 咲夜』に紅茶を淹れてもらった。

 

レミリア「…やっぱり変ね…」

咲夜「…?どうかなさいましたか?」

レミリア「なんだか、何かが起こりそうな…そんな気がするわ。」

咲夜「?そうでしょうか…」

レミリア「本当にそうなるかは分からないわ。でも、私の運命がそう言っているような気がするのよ。」

 

私は「運命を操る程度の能力」を持っている。

その能力が、私に何かを伝えているような気がする。

その時…

 

 

 

 

ドーーーーーーン!!

 

 

レミリア「!?何!?何が起きたの!?」

咲夜「お、落ち着いてくださいお嬢様!」

 

すると、紅魔館の門番『紅 美鈴』が走ってきた。

 

レミリア「美鈴!一体何があったの!?」

美鈴「私が門番の仕事をしていたら急に何かが落ちてきました!!」

レミリア「なんですって!?案内して頂戴!」

美鈴「かしこまりました!!」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

レミリア「なっ…何よこれ…」

 

そこには巨大なクレーターが出来上がっており、土煙が舞っていた。

 

咲夜「これは酷いですね…すぐに処理を「待って咲夜!」…?」

レミリア「中に…誰か居る…?」

 

土煙が晴れるとそこには、黒い髪にグレーの上着を着た少年がいた。

ただ、何よりも気になったのは…

 

 

 

 

 

 

 

彼の背中に、私と同じような蝙蝠の羽が付いていた。

だがひどい怪我をしており、上着が所々破けている。

 

レミリア「この子、もしかして私と同じ吸血鬼…?」

咲夜「取り敢えずこの方は医務室に運んでおきますね。」

レミリア「ええ、頼んだわ。」

 

咲夜は謎の少年を抱えて紅魔館へ戻っていった。

 

レミリア「…………‥」

美鈴「どうかなさいましたか?」

レミリア「い、いえ、ただ‥……やっぱりなんでもないわ。」

美鈴「そうですか、では私は修理に取り掛かりますね。」

レミリア「わかったわ。」

 

そういうと美鈴は、大穴の修理に向かった。

 

レミリア(何かしら…なんだかあの子、これから重要になってきそうだわ。それに…)

 

私は胸に不思議な感情を覚え、館に戻った。

 

 

 

 




どうでしたか?
こういう系の書いてみたかったんですよ。
今回はプロローグなので2000字程度ですが、次回からはもっと文字数増えると思うので気長に待っていてください。
ではまた次回ーーー


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キャラ紹介

オリキャラ紹介です。

キャラの新たな情報が判明し次第書き加えていきます。


ーオリキャラー

 

 

ジーク・ヴィルーフ

 

 

性別:男

 

年齢:650〜700歳

 

身長:157cm

 

体重:45kg

 

種族:吸血鬼

 

好きな物:コーヒー(ブラック)、弟

嫌いな物:無駄な殺生、子供扱いされる事

 

能力:不明(影の中に入り込むことができるが能力かどうかは不明)

 

主な武器:ハルバード

 

 

この小説の主人公でありノアの兄。

庭に突然現れたスキマにのみこまれ幻想入りしてしまい、紅魔館の庭に落下してしまった。

現在はレミリアの厚意で紅魔館に住まわせてもらっている。

外の世界では『史上最強の吸血鬼』と言われるほどの強さを持ち、幻想入りした翌日、紅魔館を襲った吸血鬼狩り5人を秒殺した。

また異常なほどの再生能力を持ち、幻想入りした際に負ったパチュリーの治癒魔法をかけても全治3週間はかかるほどの大怪我を一瞬で治した。性格はクールで吸血鬼にしてはあまり生き血を吸いたがらない。年齢は650〜700歳程度だが、人間年齢で言うと13歳程度のため吸血鬼の中ではまだ子供である。だが子供扱いされると怒る。

 

 

ースペルカードー

 

(現在判明しているもの)

 

古符『太古の弾幕遺跡』

 

相手の周りに複数のレーザーを放って行動を制限し、上から弾幕の雨を降らせて押しつぶす。フランの「禁忌『スターボウブレイク』」にレーザーが加わったようなもの。だがスターボウブレイクと比べて上から降ってくる弾幕のスピードが速くなっている。

 

 

血符『ドラキュラ警報』

 

自身強化系スペル。主にスピード、パワーが大幅に強化され、弾幕の密度も上がる。1度発動すると一定時間効果が継続するため、発動中のまま別のスペルカードを発動することも可能。また、発動すると髪が白く、眼が赤くなり蝙蝠の羽が4枚に増えるなど姿も変化する。

 

 

悪魔符『デモニック・シールド』

 

地面から紫色の衝撃波を発生させ、バリアを生み出す。

ちなみに、バリアの外から中に入ることはできないがバリアの中から外に出ることはできる。

 

 

夜斬『ナイト・シュナイデン』

 

斬撃波を飛ばす攻撃技。

斬撃波自体の数は多くはないが、当たると破裂し衝撃波が無数の斬撃となって襲いかかる。

ジーク本体から飛ばされる斬撃+斬撃波破裂時に発生する無数の斬撃なのでまともに食らうとかなりのダメージを受けてしまう。

 

 

 

 

 

 

ノア・ヴィルーフ

 

 

性別:男

 

年齢:500〜550

 

身長:149cm

 

体重:38kg

 

種族:吸血鬼

 

好きな物:兄の作る料理、学校の友達

嫌いな物:卑怯な手、虫全般

 

能力:不明

 

主な武器:不明

 

 

兄であるジークの弟。昔から兄と修行をしていたため、戦闘能力はジークほどではないが吸血鬼の中でもトップクラス。優しい性格で面倒見が良いため、友達は多いらしい。年齢は500〜550歳程度であり、レミリアと同い年か少し年上くらい。人間年齢で言うと11歳程度。好きな物は学校の友達と兄の作る料理で、兄の作る料理の中では特にカレーが好き。嫌いな物は卑怯な手を使う事と虫全般で、虫に関してはコバエ1匹だけでビビってしまうほどダメらしい。現在はいきなり現代入りしたフランと同居中。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 








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第1章 外来吸血鬼との出会い
第1話 外来吸血鬼の目覚め


どうもどうも。今回から第1章でございます。
今回は早くも戦闘シーンだZOY☆
プロローグでも言いましたが、ジーク君はマジでチートキャラです。
弟のノア君もチートまでは行きませんがかなり強いです。
では本編ーーーーー


ーー紅魔館 医務室ーー

 

 

レミリア「パチェ、彼の様子は?」

???「結構酷いわね…治癒魔法はかけておいたけど、全治2〜3週間ってとこかしら‥」

 

彼女は私の友人で紅魔館内の大図書館の管理者である『パチュリー・ノーレッジ』だ。

魔法使いで、突然空から降ってきた彼の手当てをしている。

 

パチュリー「それに、すぐには目覚めないと思うわ…」

レミリア「そう…」

???「パチュリー様〜救急箱をお持ちしました〜」

パチュリー「あら『小悪魔』。ありがとう。」

 

小悪魔はパチュリーが管理している大図書館の秘書である。

 

小悪魔「そちらの方の具合はどうですか?」

パチュリー「今レミィにも言ったけど、全治にはかなり時間がかかりそうね。」

小悪魔「そうですか…」

 

一瞬の沈黙が生まれる。

 

パチュリー「取り敢えず、傷口は包帯を巻いておきましょうか。」

 

すると、少年の目がピクッと少し動いた。

 

ジーク「う、うぅ……こ、ここは何処だ…?」

レ&パ&小「「「!?」」」

 

彼が目覚めた。

この場にいた全員が驚いていた。

そりゃあそうだ。あれだけ怪我をしてこんなに早く意識を取り戻すなんておかしい。

 

ジーク「…誰だ、お前たちは…」

レミリア「あっ…えっと…」

 

私が困惑していると、パチュリーが少年に話しかける。

 

パチュリー「あ、あなた…怪我大丈夫なの?」

ジーク「怪我‥?ああ、大丈夫だ。お前が手当てしてくれたのか?」

パチュリー「そ、そうだけど…」

レミリア「あ、あなたは一体…」

ジーク「俺か?俺はジーク・ヴィルーフ。吸血鬼だ。呼び捨てで構わん。」

レミリア「私はレミリア・スカーレットよ。貴方と同じ吸血鬼で紅魔館の主。私も呼び捨てでいいわ。」

パチュリー「私はパチュリー・ノーレッジ。魔法使いよ。よろしく。」

小悪魔「わ、私は小悪魔です!よろしくお願いします!」

ジーク「よろしく。…で、早速だがここはどこだ?」

 

彼がそういうと、私は説明を始めた。

 

レミリア「まず、この土地の名前は幻想郷。そして、今あなたがいる場所は紅魔館よ。」

ジーク「なるほど…つまり俺は異世界転生的な展開にあった…ということか。」

レミリア「そう捉えてもらって構わないわ。」

ジーク「で、これから俺はどうすればいいんだ?」

レミリア「そうねぇ…あなた、来たばかりだから住む場所ないでしょ?ここに住んでいいわよ。」

ジーク「本当か?それは助かる。」

レミリア「別にいいわよ。部屋ならいっぱい余ってるし。」

 

すると、咲夜が部屋に入ってきた。

 

咲夜「お嬢様、彼の体調の方は…大丈夫そうですね。」

ジーク「ああ、おかげさまで。」

咲夜「私は十六夜 咲夜と申します。この紅魔館のメイドを務めております。以後お見知り置きを。」

ジーク「俺はジーク・ヴィルーフだ。よろしくな、咲夜さん。」

咲夜「呼び捨てで構いませんわ。」

レミリア「咲夜、この子、うちに住むことになったんだけど、部屋まで案内してあげて頂戴。」

咲夜「かしこまりました、お嬢様。」

 

咲夜はジークを連れて部屋から出て行った。

 

レミリア「う〜〜ん……」

パチュリー「どうしたの?レミィ。」

レミリア「なんであの子はあんなに早く目が覚めたのかしら…」

パチュリー「吸血鬼だからじゃない?吸血鬼は自然治癒能力が高いでしょ?」

レミリア「確かにそうだけど、あの早さは異常すぎるわ。」

パチュリー「もしかしたら、あの子は特別な体質の持ち主なのかもしれないわね‥」

 

彼に関しては謎が深まるばかりだった。でも…

 

レミリア「何かしら、この気持ち…あの子と一緒にいると…」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーージークSideーー

 

 

咲夜「こちらになります。」

ジーク「ありがとな、咲夜。」

咲夜「お礼は要りませんわ。では私はこれで。」

 

咲夜は来た廊下を戻って行った。

 

ギィィィィ…

 

ジーク「おお…スゲェ部屋‥」

 

そこにはクイーンサイズほどの大きさのベッドに、クローゼット、本棚、ロングテーブル、椅子、ソファーなども置いてあった。

俺は上着をハンガーにかけてクローゼットにしまった。

 

ジーク「ふぅ‥今日は疲れたな〜…」

 

俺は青色のシーツのベットに寝っ転がった。

しばらくすると、パジャマ姿のレミリアが部屋に入ってきた。

 

レミリア「あなたのパジャマ、これでいいかしら?」

ジーク「ああ、それでいい。」

 

レミリアは青黒のパジャマを俺のベッドの上に置いた。

 

レミリア「お風呂空いてるから入ってきていいわよ。」

ジーク「そうか。じゃあはいってくる。」

レミリア「ええ。あ、シャワーの右側にあるのがシャンプーで左にあるのがボディーソープだからね。」

ジーク「わかった。」

 

こうして俺は咲夜に風呂場へ案内された。

 

ジーク「…これはまたえらくでかいことで。」

 

そこにはシャワーが2つあり、風呂もかなりでかかった。

俺の実家もこれぐらいの広さはあった気がするが、かなり前の事なので覚えていない。

俺はそこで風呂に入り、パジャマに着替えて部屋に戻ったのだ…が…

 

ジーク「…なんで俺のベッドにいるんだ?レミリア…」

レミリア「い、いいじゃない…一緒に寝たいんだから…」

 

 

そーかそーかー一緒に寝たいのかー…は?

あれ?俺の聞き間違いかな?聞き間違えだな!…そうであって欲しい。

 

ジーク「え〜っと‥?もう一回言ってもらっていいか?」

レミリア「もう…分かったわ。しっかり聞いてなさいよ!」

 

すると、レミリアは顔を赤くして…

 

 

 

 

 

レミリア「私と一緒に寝て!///」

 

 

 

 

 

…うん、聞き間違いじゃなかったわ。

 

ジーク「それは本気で言ってるのか…?」

レミリア「そうよ、本気よ…///」

 

う〜ん…どうしようか…まぁこいつから一緒に寝て欲しいんなら‥

 

ジーク「分かった。一緒に寝てやるよ。」

レミリア「本当!?やった!じゃあ枕持ってくるわね!」

 

そういうとレミリアはスキップで自分の部屋に向かって行った。

 

ジーク「紅魔館の主があんなのでいいんだろうか…」

 

そんなことを考えていると、レミリアが自分の枕を持って入ってきた。

 

レミリア「じゃあ、そろそろ寝ましょう?」

ジーク「そうだな。」

 

俺が電気を消して布団に入ると、レミリアが布団の中でもぞもぞと密着してきた。

 

レミリア「ふふっ♪こんな事したの何年ぶりかしら…」

ジーク「さぁな…というか、なんでいきなり一緒に寝たいなんて思ったんだ?」

 

すると、急にレミリアが顔を真っ赤にした(暗くてよくわからないが)。

 

レミリア「そそそそそ、それは秘密よ!!」

ジーク「そ、そうか…悪い。」

レミリア「別にいいわよ♪おやすみ、ジーク‥」

ジーク「ああ、おやすみ、レミリア…」

 

こうして、俺は眠りについた…

 

レミリア(なんで、ジークと一緒にいるとこんなにもドキドキするのかしら‥///)

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーー朝7時ーー

 

 

レミリア「ジーク、起きて。朝よ。」

ジーク「ん〜…っ…」

 

俺はレミリアに起こされ、布団から出る。

 

ジーク「おはよう、レミリア。」

レミリア「ええ、おはよう♪ひどい寝癖よ。早く直してきなさい。」

ジーク「そういうレミリアだって寝癖すげぇぞ。」

レミリア「えへへ〜」

ジーク「褒めてないぞ。」

レミリア「冗談よ。」

 

そんな会話をしてから、俺は部屋を出て顔を洗いに行った。

 

ジーク「ふぅ…さてと、着替えるか。」

 

俺はいつも着ている黒が中心の長袖Tシャツと黄土色のズボン、そしてグレーのパーカーを着た。

着替えが終わり、リビングに行こうとした瞬間…

 

 

ガシャーーーーーン!!

 

ジーク「!?」

 

何かが割れる音が聞こえ、俺は急いで音が聞こえた方へ向かった。

そこには…武装をした男5人ほどと、倒れたパチュリーと小悪魔、ボロボロの咲夜、そして涙目になりながら座り込んでいるレミリアがいた。

 

咲夜「お嬢様!私のことはいいです!お逃げください!」

レミリア「嫌!貴方を置いていくことなんてできるわけないでしょ!?」

咲夜「ですがこのままでは…」

男1「ごちゃごちゃうるせぇんだよ!!」

 

ゴンッ

 

咲夜「ぐはっ…」

レミリア「咲夜!?」

男2「次は貴様がこうなるんだぜ?害悪種族に似合う最期だろ?」

咲夜「あ…貴方達は…一体…」

男1「あー?俺たちは吸血鬼狩りだよ。」

ジーク(吸血鬼狩りだと…?)

男3「吸血鬼はいるだけで俺ら人間に害を与える存在だ。よって消えてもらうことにした。」

男5「この剣は吸血鬼を殺すために作った武器…吸血鬼以外には害はあまり与えない。」

咲夜「くっ…そんなことは絶対にさせ…」

男2「だからお前は黙ってろよ。」

咲夜「ああぁぁぁぁぁぁっ!!」

レミリア「あ……あぁ……っ」

男4「さて、覚悟はいいか?吸血鬼…」

レミリア「いや…だ…死にたくないよぉ…」

ジーク(このままだとレミリアが…死ぬ…?)

 

男1「じゃあな、さようならだ。」

 

そういうと吸血鬼狩りは剣を振り上げる。

 

レミリア「い…いや…うぐっ‥…あぁ…ぐすっ…」

ジーク(いや、そんなことはさせない!こんな俺を迎えてくれた人を死なせはしない!)

 

男1「死ね!!」

レミリア「あ…ぁ…た、助け……」

 

次の瞬間、剣が思いっきり振り下ろされた。

そして、その剣はレミリアの首を切断する…ことはなかった。

 

男1「!?な、なんだ貴様は!?」

ジーク「ふぅ‥なんとか間に合ってよかった。」

レミリア「え…?ジーク‥?」

ジーク「ああ、ごめんな、待たせて。」

レミリア「…ぐすっ…本当よ…!ばかぁ…っ!」

男1「き、貴様!何者だ!」

ジーク「俺はジーク。吸血鬼だ…よかったな。狩れる人数が1人増えて。」

パチュリー「うぅ…レ、レミィ…大丈夫?って、ジーク!?あなた…剣を素手で…!?」

 

そう、俺は吸血鬼には莫大な害を与える剣を素手で受け止めていた。

 

男1「くそっ!!化け物かよ!」

 

吸血鬼狩りは、急いで剣を戻した。

 

ジーク「化け物…か…惜しいな、俺は妖怪だ。」

男1「ぬかせ!お前ら!やっちまえ!」

「「「おおおおおおおおおおおお!!!」」」

 

吸血鬼狩りたちが一気に俺に向かって突っ込んでくる。

 

レミリア「ジーク!逃げて!!!!!」

ジーク「逃げねぇよ。逃げたらお前が殺されちまうだろ。」

男2「死ねぇぇぇぇ!!」

レミリア「いやぁぁぁぁぁ!!」

 

俺に向かって振り下ろされる剣を見て、レミリアは悲鳴を上げる。

吸血鬼狩りたちは、「絶対にやった」という表情をしている。

 

ジーク「…愚かだな。」

男2「なんだと!?」

 

ドゴッ!!

 

男2「ガハアァッ!!?」

男3「何!?クソォっ!!」

 

俺はパンチで思いっきり2人目の吸血鬼狩りを殴り、見えない場所までぶっ飛ばした。

すると、今度は3人目が突進をしてきた

 

ジーク「もっと頭を使えないのか…」

 

ガシッ

 

男3「なにっ!?クッソ!離せ!」

 

ブンッ

 

ドガッ!

 

男3「ぐはあぁぁっ!!?」

 

俺は3人目の吸血鬼狩りを持ち上げると、思いっきり地面に叩きつけた。

 

男4「くそっ!こうなったら2人がかりだ!」

 

今度は4人目と5人目の吸血鬼狩りが両サイドから斬りかかってきた。

だが、俺はそれをジャンプで避ける。

そして、空振りしたところを後ろから蹴るようになぎ払った。

 

ドゴッ!!

 

男4&5「「ぐあぁぁぁぁあ!!」」

ジーク「ふぅ…これでわかっただろ?リーダーさん。」

男1「あ…ああ…」

 

ガシッ!

 

男1「ぐうっ!?」

 

俺は男の胸ぐらを掴み、持ち上げた。

 

ジーク「確かに俺ら妖怪は人間に害を与えることもある。だが、それだけを理由に無罪の妖怪までも殺すことは絶対にしてはならない…!」

 

俺はリーダーを上にトスして…

 

ジーク「吸血鬼を舐めるな。」

 

ドゴォォォッ!!!

 

思いっきり殴り、リーダーは壁を貫通して遥か遠くまで飛んでいった。

 

ジーク「ふぅ‥これで全部だな?というかここはあんなのがゴロゴロいるのか…」

レミリア「え…?あなた…あいつらを倒したの?」

ジーク「おう。そこまで強くなかったな。」

パチュリー「すごい…私でも勝てなかったのに…しかも無傷で…」

レミリア「あなた、どれだけ強いのよ‥」

ジーク「この力のせいで避けられてきたんだけどな…」

咲夜「でも…あいつらをあの一瞬で倒すなんて…本当に強いんですね…。」

 

俺があいつらを一瞬で撃退したことに、皆驚愕の声を上げる。

 

咲夜「…おっと、もうこんな時間ですね、朝ご飯の準備をしてきます。」

ジーク「よせ、お前そんなボロボロの状態で作る気か?」

咲夜「あっ…」

ジーク「今日は俺が作っとくからお前は休んでていいぞ。」

咲夜「え?ジークさん、料理できるんですか?」

ジーク「ああ、外の世界では弟と2人で暮らしてたからな。ご飯は全部俺が作ってたんだ。」

咲夜「そうでしたか、ではお願いします。」

ジーク「おう、任せろ。」

 

そう言って俺はキッチンへ向かった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーーレミリアSideーー

 

 

レミリア「ジークのおかげで助かったわね…」

パチュリー「そうね…でも、あの子あんなに強いなんて…」

レミリア「とんでもない強者を拾ったみたいね…」

???「ふわぁ〜…おねーさまー何してるの〜?」

レミリア「あら『フラン』、おはよう。」

 

彼女は私の妹『フランドール・スカーレット』である。

 

フラン「ねーねー、新しい人が来たんでしょ?今どこにいるの?」

レミリア「ああ、ジークのことね。いまキッチンで朝食を作ってくれてるわよ。」

フラン「そっか、というかなんでみんなそんなにボロボロなの?壁に穴も空いてるし‥」

レミリア「さっき例の吸血鬼狩りが攻め込んできたのよ。」

フラン「ええ!?あいつらが!?」

 

なぜさっきこの場にいなかったフランが知っているのかというと、前にも一度攻め込まれた時があったのだ。

あの時は偶然霊夢がいたから退治してくれたけど…

 

レミリア「ええ、でもジークが撃退してくれたのよ、一瞬で。」

フラン「一瞬って…強すぎでしょ…」

レミリア「ついでに言うと無傷で。」

フラン「無傷…」

 

これを聞いただけでフランも驚愕の表情だ。

 

フラン「ねぇ、お姉様。」

レミリア「どうしたの?」

 

私がそう聞くと、フランはあることをしたいと言い出した。

そのあることとは…

 

フラン「私、ジークと弾幕ごっこしたい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はいこんな感じでジーク君はマジで最強です。
一応ここに出てる吸血鬼狩りは普通の妖怪では勝てないぐらい強い設定です。
それを一瞬で倒すという最強っぷり。
弟のノア君はいつ出そうかな…


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第2話 初めての弾幕ごっこ

どうも、れいどです。2話目です。
途中でデータが爆散したのと引っ越しの準備で予定より遅れてしまいましたが、なんとか書き終えられました。
今回はジーク君が弾幕ごっこに挑戦します。
ちなみに今回はレミリア視点だゼィ


ー*ーレミリア sideー*ー

 

 

フラン「私、ジークと弾幕ごっこしたい!」

レミリア 「弾幕ごっこねぇ………」

 

弾幕ごっことは幻想郷での決闘ルールである。

だが、ジークは幻想郷に来たばかりなので、弾幕ごっこを知らない。

その時、キッチンから声が聞こえた。

朝食が出来上がったようだ。

 

レミリア 「取り敢えず今は朝食を食べにいきましょう。」

フラン「はーい!!」

 

そう言って私たちはリビングに向かった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーーリビングーー

 

ジーク「お、全員きたな。」

 

そこには、もう朝食が並べられていた。

 

フラン「お姉様ーはやく食べよーよー。」

レミリア 「はいはい、席は…足りてるわね。」

 

私たちはそれぞれの席に座った。

 

全員『いただきます』

 

パクッ

 

レミリア 「!!美味しい!」

パチュリー「もぐ…!?これ本当にジークが作ったの!?」

美鈴「‥うん!すごく美味しいです!」

 

予想以上に美味しくて、みんな大絶賛だ。

全員あっという間に食べ終えてしまい、咲夜は食器を片付けていた。

 

ジーク「もう怪我は大丈夫か?」

咲夜「はい、ある程度は回復しました。」

ジーク「そうか、よかった。」

レミリア「ジーク、ちょっとお願いがあるんだけど…」

ジーク「どうした?」

レミリア「ちょっと図書館に来てもらえるかしら?」

ジーク「ああ、別にいいけど。」

レミリア「そう、それなら良かったわ。パチェ、図書館借りるわね。」

パチュリー「いいけど、あんまり荒らさないでよ?」

レミリア「わかってるわ。」

フラン「私も行くーー!」

 

そう言って私はジークとフランを連れて図書館へ向かった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーー紅魔館 大図書館ーー

 

 

ジーク「弾幕ごっこ?」

レミリア「ええ、この世界の決闘方法よ。」

 

私はジークに弾幕ごっこを教えていた。

そして、私は手のひらに一つの小さな弾幕を作った。

 

レミリア「これが弾幕よ。基本はこれをぶつけたりするんだけど…」

ジーク「こんな感じか?」

 

すると、ジークも手のひらに弾幕を作った。

 

レミリア「そんな感じよ。あ、あとこれも渡さないとね。」

 

私はジークに6枚の白いカードを渡した。

 

ジーク「…なんだこれは?」

レミリア「それは『スペルカード』よ。今は白紙だけどね。」

ジーク「どうすれば使えるようになるんだ?」

レミリア「自分のイメージした弾幕構成に名前をつけるだけ。それだけで使えるようになるわ。まあ自分が持ってるカード枚数分だけしか作れないけどね。」

ジーク「ふ〜ん。」

レミリア「スペルカード名なんだけど、基本的にはー符「ーーーーー」みたいな感じよ。」

ジーク「なるほど…よし、大体は理解した。」

レミリア「そうそう、弾幕ごっこはあくまで遊び、殺し合いじゃないからね。」

ジーク「いや、俺そこまで恐ろしくねぇよ…」

レミリア「ふふっ、わかってるわよ。それじゃ…」

 

私は宙に浮かび、魔法陣を展開する。

 

レミリア「早速実戦といきましょう!」

 

そして私は魔法陣から弾幕を放つ。

 

ジーク「おいおい、俺まだ準備できてないんだが!?」

レミリア「急に仕掛けられることもあるからそのためよ!」

ジーク「いや、滅多にないだろそんな事!?」

レミリア「ほらほら、どんどんいくわよ!」

ジーク「くそっ!オラァ!!」

 

ドォォォン!!

 

ジークの放った弾幕と私が放った弾幕がぶつかり、爆発した。

煙が辺りを埋め尽くし、周りはほぼ何も見えなくなった。

 

レミリア「ゴホッ…ゴホッ…!やるわね‥」

ジーク「そこ!!」

レミリア「え?なに…きゃあ!?」

 

ジークは煙を払いながら、一直線に私に向かって蹴りを入れてきた。

 

レミリア「なっ!?あの視界から私の位置を当てたっていうの!?」

ジーク「煙で視界が悪くても、気配で大体感じ取れるんだよ!」

レミリア「これは…只者じゃないわね!紅符『不夜城レッド』!!」

 

私はスペルカードを宣言する。

 

ジーク「っと、これがスペルカードか。なんか…派手になった通常攻撃って感じだな。」

レミリア「喋ってる暇はないわよ!」

 

様々な大きさの弾幕がジークを襲う。

しかし全く当たる気配がなかった。

 

レミリア「なっ!?全て避け切った!?」

ジーク「ふぅ〜これで終わりっぽいな。じゃあこっちも行くぞ。」

レミリア「くっ…きなさい!」

ジーク「古符『太古の弾幕遺跡』」

 

瞬間、私の周りにレーザーの柱が出てきた。

そして上から崩れるように弾幕が落ちてくる。

なんというか、フランのスペルカードに似ていた。

 

レミリア「こんなもの!」

 

私は弾幕を相殺させながら、なんとか避けて行った。

だが、私は一つ肝心な事を忘れていた。

 

ジーク「俺のことも忘れるなよ。」

レミリア「しまっ…きゃあああ!!」

 

いつのまにか接近していたジークに気付かず、至近距離での弾幕を喰らってしまった。

 

ジーク「どうする?まだやるか?」

レミリア「…もう降参。私の負けよ…」

 

一方的な試合展開だった。

ただジークが強いというのもあるが、覚えが異常に早かった。

普通弾幕を出せるようになるには最低でも2〜3日かかるのだ。

それをジークは一瞬で出して見せた。

 

フラン「ねーねー!早く私とやろうよー!」

 

フランは目を輝かせながら待っている。

 

ジーク「いいぞ、来い。」

フラン「分かったー!」

 

そう言ってフランは宙に浮かび魔法陣を展開する。

 

フラン「禁忌『クランベリートラップ』」

ジーク「いきなりスペルカードかよっ!」

 

ジークの周りに弾幕が発生し、覆うように迫っていく。

 

ジーク「そこの隙間。」

 

しかしジークはすぐに隙間を見つけ、脱出する。

 

フラン「む〜〜!ならこれならどう?禁弾『スターボウブレイク』!!」

 

フランは2枚目のスペカを宣言し、上から大量の弾幕を降らせる。

ジークはなんとか弾幕をぶつけて相殺させていくが、さすがに全て相殺するのは難しいと思う判断し、弾幕を撃つのをやめた。

 

フラン「どうしたの?諦めた?」

ジーク「こうするからいいんだよ。」

 

そう言った瞬間、ジークの姿が消えた。

 

フラン「!?何!?どこに行ったの!?」

ジーク「お前の目の前だよ。」

フラン「えっ、キャッ!!」

 

いきなり目の前に現れたジークの蹴りを喰らい、フランは吹き飛ばされる。

 

ジーク「あんまり油断はするなよ。」

フラン「油断なんてしてないもん!禁弾『過去を刻む時計』!!」

ジーク「血符『ドラキュラ警報』!!」

 

2莅は同時にスペカを宣言する。

フランは4本のレーザーを発射する弾幕を発生させる。

一方ジークは…

 

レミリア「え…?」

フラン「なにあれ…」

 

髪の毛は白く、目は赤くなり、蝙蝠の羽が4つに増えた姿のジークがいた。

そしてその羽の後ろには魔法陣が展開されている。

 

フラン「ふ、ふん!姿が変わっても私が勝つんだから!」

ジーク「そうか、じゃあやってみろ。」

 

ドォォォォォォォォッ!!

 

2人の放つ弾幕が激しくぶつかり合う。

勝ったのは…

 

フラン「あぁぁぁっ!!」

 

ジークだった。

 

ジーク「まずい!!」

 

煙を上げて落ちていくフランを猛スピードで追いかけて、なんとかキャッチする。

 

ジーク「大丈夫か?」

フラン「あ、ありがと…」

レミリア「…‥…っ」

 

ジークに抱きかかえられるフランを見て、私は心のどこかで嫉妬していた。

 

 

ー*ー*ー*ー

 

 

フラン「あう〜負けた〜!悔しい〜!」

レミリア「はいはい、分かったから泣かないの。」

フラン「うう……」

 

フランは泣きながら私に抱きついてきた。

 

ジーク「え〜っと、なんかゴメン…あれでも結構手加減したつもりだったんだけど…」

レミリア「あれで手加減してるって…貴方の本気どれだけ強いのよ…」

 

ジークの底無しの強さに唖然とする私。

 

レミリア「そういえば最後のスペカで姿が変わってたけど、あれ何?」

ジーク「あれか?あれは自分の能力を向上させているんだ。」

レミリア「なるほどね…」

 

すると図書館の扉が開き、パチュリーが入ってきた。

 

パチュリー「はぁ…弾幕ごっこを教えるならホールとかでやればいいじゃない…」

レミリア「あらパチェ、ごめんなさいね、リビングから一番近かったから…」

パチュリー「もう…案の定本とか落ちてるし…」

 

ため息を吐きながら本を拾っていく。

 

パチュリー「で?ちゃんと教えられたの?」

レミリア「ええ、一応実戦練習もしたわ。」

パチュリー「どうだった?」

レミリア「…負けたわ。私とフランどっちともね。」

パチュリー「!?」

 

流石のパチュリーもこれには驚いている。

 

パチュリー「本気で戦って負けたの?」

レミリア「ええ、私たちは割と本気で戦ったわ。でも…彼はかなり手加減してたらしいわ。」

パチュリー「うそ…」

ジーク「え〜っと…」

 

ジークはどこか気まずそうな様子だ。

 

パチュリー「でも教えられたならよかったわ。」

ジーク「ああ、こっちも色々勉強になった。」

レミリア「ふふ、じゃあそろそろ戻りましょうか。」

 

そう言って私たちは図書館から出て行った。

 

レミリア(ジークのあの姿…カッコよかったなぁ…)

 

私はジークのあの姿が頭から離れなかった。

そして私はある感情を抱く。

 

レミリア(もしかして私…ジークの事…)

 

 

 

 

 

 




はい、終了です。
2話目にして早速恋の予感。
これからどうなっていくのでしょうか。

次回更新は未定です。
ではまた次回ーーーーー


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第3話 博麗神社に行こう

どうもれいどです。
今回はデータ爆散させないように気をつけました。

どうやらレミリアがジークを博麗神社に連れて行ってくれるようです。
では本編ーーーーー


ーージークSideーー

 

 

*7:30AM*

 

コンコン

 

レミリア「ジーク、起きてるかしら?」

 

ガチャリと俺の部屋のドアを開けてレミリアが入ってきた。

 

ジーク「ああ、おはよう。」

レミリア「ええ、おはよう♪」

 

レミリアは俺が入ってるベッドの隣に来た。

 

レミリア「ねぇねぇ、今日幻想郷を回りに行かない?あなた来たばっかりで知らない事たくさんあるでしょう?それに一度行ってみて欲しい所もあるしね。」

ジーク「そう言われてみればそうだな…わかった。」

レミリア「じゃあ、今日の10時ごろ出発ね。」

 

そういうとレミリアは俺の部屋から出て行った。

 

ジーク「ふぅ…着替えるか…」

 

そう言って俺はいつも通りの服装に着替え、リビングに向かった。

 

 

 

ー*ー*ー*ー

 

ーーレミリアSideーー

 

*10:00AM*

 

 

レミリア「準備できた?」

ジーク「ああ、もう出来てるよ。」

レミリア「それじゃあ、行きましょうか。」

 

私は日傘をさして、ジークと紅魔館の外に出た。

しばらく歩いて、私はある事に気付いた。

 

レミリア「…ねぇ、ジーク?」

ジーク「ん?」

レミリア「あなた、日光にあたっても平気なの?」

ジーク「ん〜?ああ、なんか知らんけど生まれつき大丈夫なんだ。」

レミリア「生まれつきなのね…」

 

ジークは私達と同じ吸血鬼。

日傘をさしていないととっくに燃え尽きているはずなのに何故か平然としているのだ。

まあ生まれつきならいいやと思い、気にしないことにした。

 

レミリア「もうすぐ『博麗神社』って所に着くわ。」

ジーク「博麗神社?」

レミリア「ええ、博麗の巫女が住んでる神社よ。割と面倒くさい人だけどね。」

ジーク「それ信仰とか大丈夫なのか?」

レミリア「参拝客はほぼ来ないわ。というかまず人間があまり来ないの、来るのは大体私たちみたいな妖怪だけね。」

ジーク「いろんな意味でやばくね?」

レミリア「ヤバイわ。お陰で貧乏神社と化してるわね。あ、あれよ。」

 

私たちは博麗神社の鳥居の前まで来た。

そして石段を登っていこうとしたのだが…

 

ズルっ

 

レミリア「あっ……」

 

私は足を踏み外し、後ろ向きに転んでしまった。

 

ボスッ

 

レミリア「……あれ?なんとも無い……〜〜っ!?」

ジーク「大丈夫か?気を付けろよ。」

 

なんとジークがお姫様抱っこの形でささえているではないか。

気付いた瞬間急激に恥ずかしくなり、きっと今頃顔は真っ赤になっているだろう。

 

レミリア「あ、ありがと…あ、あと…その…もうささえなくて大丈夫だから…」

ジーク「あ、すまん忘れてた。」

 

そう言ってジークは私の事を降ろしてくれた。

 

ジーク「にしても暑いなぁ…」

レミリア「まぁここ日あたりいいから…」

 

汗を拭きながら石段を登っていく。

 

レミリア「ふぅ…暑かったぁ〜…」

ジーク「レミリアは日傘さしてるからまだ平気な方なんじゃないのか?」

レミリア「あ、そうだったわ、貴方日傘さしてないんだったわね…」

ジーク「ああ…もう登るだけでめっちゃ汗かいたわ…」

 

確かにジークの額からは汗が滝のように流れている。

 

レミリア「ふふ、じゃあ私の隣入る?」

ジーク「いや、それだとレミリアのスペースが狭くなるだろ。」

レミリア「ダメ♪」

 

グイッ

 

ジーク「おわっ!?」

 

私はジークを無理やり寄せつけた。

 

レミリア「これで少しはマシになったでしょ?」

ジーク「あ、ああ…でも…」

レミリア「ん?」

ジーク「近くないか?」

レミリア「あら?さっき貴方が私をささえてくれた時もこれぐらいだったわよ?」

ジーク「そ、そうか…」

 

ジークの顔が少し赤くなってる…可愛い…って、あっ…

 

レミリア「っ……き…」

ジーク「…?」

レミリア「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

ジーク「うおおぉぉ!?」

 

急に我にかえった私は反射的にジークに対して平手打ちをかましてしまったが、なんとか避けてくれた。

怪我させなくてよかった…

 

レミリア「あっ、ゴメンなさい!私、一瞬自分が何してるのか分からなくなって…!」

ジーク「いや、大丈夫だ…ギリギリ避けたから。」

 

そんなことをしていると、神社から1人の巫女が出てきた。

 

???「何よさっきから、うるさいわよ。」

レミリア「あら霊夢、ごめんなさいね。ちょっと色々あって…」

霊夢「あらレミリア、あんたが1人でここに来るなんて珍しいわね。…で?隣の男の人は?」

レミリア「あ、そうだわ。この前幻想入りしてきた吸血鬼よ。今は紅魔館で私達と一緒に暮らしてるの。」

霊夢「外来妖怪ね。にしても妖怪が外の世界から来るって珍しいわね。大体人間なんだけど…」

ジーク「あの…さっきから全然話についていけないんだが…」

霊夢「あ、ごめんなさいね、私は『博麗霊夢』。この博麗神社の巫女よ。」

ジーク「俺は『ジーク・ヴィルーフ』。この前幻想入りしてきた吸血鬼だ。呼び方はジークで構わん。」

 

すると今度は1人の箒に乗った少女が降りてきた。

 

???「よう霊夢!遊びにきてやったぜ!」

霊夢「ん?ああ魔理沙ーいらっしゃーい。」

魔理沙「おい!なんだよその棒読み!」

霊夢「あんたが来るといつも面倒臭い事になるのよ。」

魔理沙「酷いぜ。ん?1人見慣れない奴がいるな。」

霊夢「ああ、あいつはジークよ。外来吸血鬼。」

魔理沙「おお!外来妖怪か!久しぶりに見るな、外の世界から来た奴は!」

 

魔理沙と呼ばれた少女は箒から降り、自己紹介をした。

 

魔理沙「私は『霧雨魔理沙』!普通の魔法使いだぜ!あ、あと呼び捨てで構わないぜ。お前はジークだったか?」

ジーク「ああ、よろしくな魔理沙!」

魔理沙「おう!あと霊m「はいはいお茶でしょ?」最後まで言い切らせろよー。」

 

2人は握手を交わし、魔理沙は霊夢にお茶をお願いする。

 

魔理沙「そうだ、ジーク!」

ジーク「ん?なんだ?」

魔理沙「私と弾幕ごっこしようぜ!」

ジーク「…は?ってうわぁぁぁ!?」

 

魔理沙は箒で宙に浮き、いきなり弾幕を放った。

相変わらず汚い…

そんなことを思っていると、魔理沙の放った弾幕がジークに当たり、爆音が鳴り響く。

 

レミリア「ジーク!!」

 

段々と煙が晴れてきた。

どうやら蝙蝠の羽でガードしたらしく、ダメージは無かった。

 

魔理沙「なかなかやるな!ならこれならどうだ!?」

 

そう言って魔理沙は1枚のスペルカードを取り出す。

 

魔理沙「魔符『スターダストレヴァリエ』!」

 

大量の星形弾がジークを襲っていく。

でもこれぐらいの弾幕なら避けられ…え?

 

ジーク「………」

魔理沙「なんだアイツ?諦めたのか?」

レミリア「ジーク!?何してるの!?」

 

ジークは目を瞑ったまま仁王立ちしていた。

これでは良い的だ。

 

魔理沙「まあいいや、諦めたならもう終わりにしてやるぜ!」

ジーク「!!そこ!」

 

ビッ

 

ジークの手のひらからレーザーが出る。

ただ出したレーザーは1本のみ。

それに周りには大量の弾幕。

到底当たるとは思えない。

だが…

 

魔理沙「なにっ!?うわぁぁ!」

 

信じられないことに、ジークの放ったレーザーが魔理沙の弾幕の間をすり抜けて通っていったのだ。

 

レミリア「え!?どうやったの!?」

ジーク「魔理沙の放った弾幕に当てずに飛ばせるタイミングを見計らった。」

 

あの時ジークは諦めていたのではなく、弾幕の気配を感じ取ってタイミングを待っていたのだ。

当然私たちができる領域じゃない。

その時、後ろから霊夢の声がした。

 

霊夢「…ったく、お茶挿れてる時なんか外が騒がしいと思ったら…魔理沙、また喧嘩売ってたのね。」

魔理沙「喧嘩売ったわけじゃないぜ。」

霊夢「どっちでもいいわ。取り敢えず弾幕勝負は中止、いいわね?」

魔理沙「ちぇー、分かったよ。」

 

魔理沙は口を尖らせてそう言った。

 

霊夢「というかジーク、あんた弾幕ごっこできるの?」

ジーク「ああ、レミリアから教わった。」

霊夢「ふ〜ん…」

 

すると今度は私の方を向いて言ってきた。

 

霊夢「あんた、自分から教えるなんて珍しいわね、いつも咲夜とかに任せてるのに。」

レミリア「そ、そうかしら?」

霊夢「しかも見た感じ結構隅々まで教えたみたいじゃない?さっきのレーザーもそこまで妖力感じ取れなかったし…」

レミリア「だ、だってジークが他人に大怪我させて悪者扱いされたら嫌だもの…」

霊夢「ふ〜ん?」

レミリア「な、何よ…」

霊夢「レミリア、もしかしてあんた、ジークの事気にな…」

レミリア「!?わーー!わーー!もうその話はお終いっ!」

 

急に爆弾発言をしそうになる霊夢を遮って半分強制的に話を終了させた。

 

霊夢(レミリア、話遮ったわね。)

魔理沙(レミリア、話遮ったな。)

 

霊夢と魔理沙に変な視線を向けられるも、私は見て見ぬ振りをした。

そんな事をしていると時間はあっという間に過ぎていった。

 

レミリア「じゃあ、そろそろ私達は帰るわね。」

霊夢「ええ、気をつけてね。」

 

そう言って私たちは石段を降りた。

 

レミリア「どうだった?」

ジーク「まぁ…レミリアが言った通り色々めんどくさそうな奴だったな。」

レミリア「ふふっ、やっぱりそう思うでしょ?」

 

その頃博麗神社では…

 

霊夢「まさかあいつが落ちるなんてね〜」

魔理沙「なんのことだ?」

霊夢「なんでもないわよ。」

 

そう言って霊夢は神社の中に戻り…

 

霊夢「頑張りなさいよ、恋する吸血姫さん。」

 

誰にも聞こえないように、そう呟いた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーー紅魔館ーー

 

 

*9:30PM*

 

 

ジーク「ふわぁ…今日も疲れた…」

 

ジークはもう風呂に入り終わってパジャマに着替えていたので、もう寝ようとしていた。

 

コンコンッ

 

ジーク「ん?誰だ?」

 

ガチャッ

 

ジーク「レミリアか。」

レミリア「まだ起きてたのね…その…今日も一緒に寝てくれないかしら?」

ジーク「仕方ないな…ほら。」

レミリア「ふふっ、ありがと♪」

 

そう言ってレミリアはジークの隣に入った。

 

 

レミリア「ねぇ、ジーク?」

ジーク「ん?どうした?」

レミリア「私…怖いの。」

ジーク「何がだ?」

レミリア「…あの吸血鬼狩りが…」

ジーク「…‥…」

レミリア「私が人間如きに屈するなんてらしくないんだけどね…最初は私も見下してたわ。」

ジーク「………」

レミリア「でもそれが失敗だった…あの武器は確かに私達吸血鬼にとってはかなりの危険度を誇っていた。」

ジーク「………」

レミリア「あいつらも馬鹿じゃないことは分かってる。だからこそ怖いの…もしかしたら…ジークがいない間に攻めてくるかも知れない…そしたら…キャッ!?」

 

ジークは目に涙を浮かべて話すレミリアを優しく抱きしめた。

突然の出来事にレミリアの顔は湯気が出そうなほど真っ赤になっている。

 

ジーク「大丈夫だよ、俺はレミリアの味方だ。」

レミリア「ジーク…」

ジーク「それに、俺はレミリアを見捨ててどこかに行ったりしないさ。だから…安心してくれてるか?」

レミリア「うぐっ…あ、ありがとう…っ!」

 

レミリアは泣きながらジークにお礼を言った。

 

ジーク「泣くなよ…ほら、これで涙拭け。」

レミリア「だ、だってぇ…」

 

ジークがハンカチを渡すも、レミリアは泣き止んでくれない。

 

ジーク「はぁ…仕方ねぇな。」

 

ドンッ

 

レミリア「キャアア!?な、何するの!?」

 

ジークはレミリアを押し倒し、仰向けで倒れているレミリアに馬乗りになった。

 

ジーク「こちょこちょこちょこちょ〜〜♪」

レミリア「ひゃ!?あぎゃははははははっ!ちょとっ、くすぐったいわよおおっほほほほほほ!!」

ジーク「こうでもしないと泣き止んでくれないだろ?」

レミリア「だはははははははは!!はっはははははあははははははっ!これぇへへへ!きついいぃぃぃっひひひひひひ!?」

ジーク「こことかどうだろうな、ほれほれ〜」

レミリア「いやぁぁっはははははははは!!きゃひぃん!?も、もうやだぁぁっだひひひひひ!きゃーーっははははははははははははああん!!!」

 

 

*5分後*

 

レミリア「ぜぇ……ひぃ……」

 

くすぐりを受けたレミリアは、ベッドの上でぐったりと伸びていた。

 

ジーク「大丈夫か…?」

レミリア「はへぇ…大丈夫なわけないでしょ…」

ジーク「すまん…少しやりすぎた。」

レミリア「全く…死ぬかと思ったわよ…」

ジーク「でも、やっぱり笑顔の方が可愛いじゃん。」

レミリア「!!」

ジーク「レミリア、辛かったり、苦しかったら泣いてもいい、でもその分…笑ってるところも見せてくれるか?」

レミリア「!…うんっ…!」

ジーク「じゃあ、寝るか。」

レミリア「ええ…あ、その前に…」

 

ツンッ

 

ジーク「っひぃ!?」

 

レミリアはジークの脇腹を突いた。

 

レミリア「あらあら?ジークも可愛い声出すじゃない?」

 

そう言って、手をワキワキと動かすレミリア。

 

ジーク「そうか…そっちがその気なら俺も全力でやってやる!」

レミリア「負けないわよ!」

 

 

その日の夜は、吸血鬼の少年と少女の笑い声が絶えなかったとかーーーーー

 

 

 

 

 

 

 




最後微エロになっちゃいましたが…まぁ一応R-15ですよ…ね?
そして意外と勘が鋭い霊夢。
ジークとレミリアの2人の運命はどうなって行くのか。

ではまた次回ーーーーー


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第4話 春雪異変1 終わらない冬

どもどもれいどです。
今回は早速異変です。
やっぱり最初の異変といったらこれですね。

では本編ーーーーー


*レミリアSide*

 

 

ジークが幻想入りしてから半年が経った。

あれから人里や妖怪の山などをまわり、いろいろな人妖と出会った。

だが…

 

ジーク「…なぁレミリア。」

レミリア「どうしたの?」

ジーク「今って何月だ?」

レミリア「5月よ?」

ジーク「いやおかしいだろ。なんで5月で雪降ってんだよ。」

 

そう、今は5月。

もうとっくに春になっている。

なのに外は雪が降っており、一面銀世界。

どう考えてもおかしいのである。

 

バンッ!!

 

するとホールの方から扉が開く音が聞こえた。

恐らく誰かが入ってきたのだろう。

まぁ…この状況で入ってくる人なんて1人しかいないのだが。

 

霊夢「異変よ!!」

 

やっぱり霊夢だった。

 

ジーク「ん?霊夢?」

レミリア「来ると思ったわ、霊夢。」

霊夢「来ると思ったわ、じゃないわよ!これは異変よ!なにのんびりしてるのよ!」

レミリア「はぁ?もしかして私たちに解決しろっていうの?」

霊夢「当たり前でしょ!あんたも幻想郷の住人なんだから解決する素振りぐらいしなさいよ!」

レミリア「う〜ん…私寒いの嫌いだからパスするわ。」

ジーク「なあ、異変ってなんだ?」

霊夢「異変っていうのは、幻想郷で起きる大規模な事件の事よ。あんたも暇なら解決しにいってもいいのよ?」

 

実に人任せである。

 

レミリア「はぁ…そんなに解決したいんだったら咲夜がいるじゃない。」

霊夢「あんたの従者さん、風邪ひいてなかった?」

レミリア「あっ………」

 

そうだった。

咲夜は2日前から風邪をひいていたんだった。

 

レミリア「はぁ…わかったわよ。行くわよ。行けばいいんでしょ行けば。」

霊夢「じゃあさっさと準備してきなさい。」

レミリア「はぁ…私寒いの苦手なのに…」

 

私が椅子を離れて着替えに行こうとすると、ジークが心配そうに話しかけてきた。

 

ジーク「大丈夫か?俺が解決しに行ってもいいぞ。」

レミリア「いいえ、大丈夫よ。私が行くわ。あなたはゆっくりしてて。」

 

そう言って私は自分の部屋に向かい、クローゼットからコートとマフラーを取り出し、霊夢がいる場所に戻った。

 

レミリア「お待たせ、霊夢。」

霊夢「あら、意外と遅かったわね。着替えるだけなのに。」

レミリア「ここから私の部屋までどれだけ距離離れてると思ってるのよ。ほら、さっさと行くわよ。」

 

私と霊夢は、異変解決のため紅魔館の外に出た。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーー幻想郷 上空ーー

 

 

霊夢「やっぱり冬の空は冷えるわね…」

レミリア「もっと厚着してくればいいのに…そして今は冬じゃなくて春よ。」

 

私たちがそんな会話をしていると、奥に誰かが浮遊していた。

 

霊夢「早速変なのが出てきたわね…」

???「あら?変なのとは心外ね。」

 

そこには、薄紫のショートボブに白いマフラーを巻いた『レティ・ホワイトロック』がいた。

 

霊夢「はぁ…なにかと思ったら妖精か…」

レティ「妖精じゃない!妖怪よ!」

霊夢「あら、そうだったかしら?」

 

レティは妖精と同じにされるのを嫌っているらしい。

 

レティ「もういい!どうせ異変解決に行くんでしょ!?この天国のような時間を終わらせるわけにはいかないわ!」

レミリア「あなたにとっては天国かもしれないけど、私たちにとっては大迷惑なのよ。というわけで、通してもらうわよ!」

レティ「スペルカード!!」

 

レティは高く飛び上がると、スペルカードを取り出し、宣言する。

 

レティ「寒符『リンガリングコールド』」

 

すると、辺りに霧が発生し、その霧の中から弾幕が現れ、私たちを襲う。

 

霊夢「ふん、この程度の弾幕、目を瞑ってでも避けられるわ。」

レティ「じゃあ実際にそうしてみたら?」

霊夢「どういう…!?」

 

瞬間、霊夢の視界が霧で奪われた。

 

霊夢「ちょっと!この霧消しなさいよ!」

レティ「あなたが倒れたら消してあげるわ。」

霊夢「くっ…それじゃ遅いっつーの!」

レミリア「霊夢危ない!」

 

私はとっさにスペルカードを取り出し、発動させる。

 

レミリア「天罰『スターオブダビデ』」

 

 

ドガァァァァン!!

 

 

レミリア「大丈夫かしら?」

霊夢「ありがとう、少し危なかったわ。でも、霧も消えた事だし…もう容赦しないわよ。」

 

霊夢はギロリとレティを睨む。

その殺気を感じ取ったのか、レティは少し怯えていた。

そして私は思った…

 

 

…霊夢はなるべく怒らせないようにしよう。

 

 

レティ「やばい!ここは…逃げる!」

霊夢「逃すわけないでしょ!くたばりなさい!」

 

ドォォォォォン

 

レティ「きゃああああああああああ!」

 

霊夢の放った弾幕に直撃し、レティは真っ逆さまに落ちて行った。

 

レミリア「…助けにいかなくていいの?」

レティ「知ったこっちゃないわ。」

 

うわぁ…なるべくどころか絶対怒らせちゃダメじゃないこの人…

すると、後ろから何かが飛んでくるような音がした。

 

振り向くとそこには見慣れた白黒のとんがり帽子をかぶり、箒に乗った魔法使いがいた。

 

魔理沙「霊夢たちも異変解決に来てたのか。」

霊夢「あら魔理沙、遅かったじゃない。あんたなら私たちよりも先に異変解決に向かうと思ったのだけれど。」

魔理沙「ちょっとアリスの家に行ってたのぜ。お?レミリアが異変解決に行くって珍しいな。」

霊夢「咲夜が風邪で倒れてるのよ。で、何かわかったの?」

魔理沙「う〜ん、なんか春の空気が空に向かってるってことぐらいかな…」

霊夢「空?」

魔理沙「ああ、なんか空にでかい穴みたいなのが出来てて、そこに吸い込まれていってるっぽいな。」

霊夢「まぁ取り敢えず行ってみましょう。」

 

 

ー*ー*ー*ー

 

 

ーー謎の穴 入り口ーー

 

 

レミリア「ん?あれは…」

 

大穴の近くに、楽器を持った3人組がいた。

あの感じからして…どうやら3人は姉妹のようだ。

 

???「よし!これで完璧ね!あとは本番だけ…って誰かいるし!」

???「ちょ、ちょっと姉さん!呼ばれたのって私たちだけじゃなかったの!?」

???「いや私も知らないわよ!あの人に聞いてよ!」

霊夢「ちょっといいかしら?」

三姉妹『ひゃい!?』

 

霊夢…あなた妖怪見た瞬間殺気出すのやめなさいよ…

 

???「ななななな何よ!貴方達!」

霊夢「この異変を解決しにきた者たちよ。そういうあんたたちは誰なのよ。」

???「私はリリカ・プリズムリバー!」

???「私はメルラン・プリズムリバー!」

???「私はルナサ・プリズムリバーよ。」

霊夢「わざわざ全員ありがとう。あなたたちは何でここにいるの?」

リリカ「ある方の屋敷に演奏に呼ばれてるのよ。」

霊夢「ある方?」

メルラン「ええ、ここ『冥界の結界』の向こうにある屋敷に住む方よ。」

ルナサ「貴方達も呼ばれたのかしら?」

霊夢「いいえ、というか呼ばれても拒否してるわよ。絶対。」

ルナサ「そう…なら……雑音は始末するまでよ!!」

 

そう言って3人は構える。

 

霊夢「はぁ…どうやらやるしか無いみたいね…私はルナサの相手をするわ。2人は残りをお願い。」

魔理沙「了解だぜ!」

レミリア「分かったわ。」

 

 

 

ルナサ「覚悟は出来たみたいね?」

霊夢「誰に向かって言ってるのかしら?そういう貴方はどうなのよ?」

ルナサ「私は出来てるわ。いつでも。」

霊夢「そう…じゃあいくわよ!」

 

 

 

リリカ「私の相手は貴方かしら?」

魔理沙「おう!末っ子相手でも容赦しないぜ!」

リリカ「何で私が末っ子だって知ってるのよ!?」

魔理沙「雰囲気!あと背丈だぜ!」

リリカ「私が気にしてることを……まあいいわ!こっちだって容赦しないわよ!」

 

 

 

メルラン「よりにもよって吸血鬼の相手をする事になるなんてね…」

レミリア「あら?まだ始まって無いのに不安になって、大丈夫?」

メルラン「そんなわけないじゃない。私の奏でる騒音…あなたに攻略できるかしら?」

レミリア「あまり紅魔館の主を舐めないで欲しいわね。騒霊ごときに負けるわけないわよ。」

 

 

 

こうして、弾幕の演奏会が始まったーーーーー

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーー紅魔館 地下ーー

 

 

*フランSide*

 

 

 

ジーク「フラン、おやつ持ってきたぞ。」

フラン「あっ!お兄様!」

 

 

現在は咲夜が病気で休んでいるため、ジークにおやつを持ってきて貰った。

ちなみに、弾幕ごっこのあと『お兄様』と呼んでいいか聞くと、あっさりokを貰うことができた。

 

 

ジーク「ほら。」

フラン「うわー!美味しそう!これお兄様が作ったの!?」

 

渡されたお皿には1ピースのチョコケーキが乗っていた。

さらにホイップクリームの上にはクッキーが置かれており、ミントも乗っていた。

 

ジーク「ああ、久しぶりに作ったから口に合うかはわからないけど…」

フラン「でも、見た目はすごい綺麗だよ?」

 

そう言いながら私はフォークで刺して食べ始める。

 

 

パクッ

 

 

フラン「!凄く美味しい!!」

ジーク「そうか?それは良かった。」

 

咲夜並みの美味しさに、思わずフォークを放り投げる所だった。

いや、もしかしたら咲夜以上かもしれない。

 

フラン「外の世界でも作ってたの?」

ジーク「ああ、俺の弟が甘党でな。よく作らされてたんだ。3年前ぐらいからあいつ1人で作ることが多くなってたがな。」

フラン「へぇ〜、その弟は今どこにいるの?」

ジーク「俺の家だよ。俺だけ幻想郷に連れて行かれたからな。」

 

それから私はジークに色々なことを聞きまくった。

外の世界ではなにがあるのか、どんな生活をしていたのかなどを聞いた。

そんな事を話しているとあっという間に時間が過ぎていき、お皿にあったチョコケーキもいつのまにかなくなっていた。

 

ジーク「お、もうこんなに時間がたったのか……」

 

そう言ってジークはお皿を持ち、部屋の外へ出た。

 

フラン「いろんなことが聞けたなー。」

 

そう呟きながら私はベッドに横たわった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フラン「ふわぁぁぁぁ……」

 

 

先程おやつを食べたせいか、私は一気に眠くなり、眠気が限界まで来ていた。

 

 

フラン「あ…もう寝そう…」

 

 

バタッ

 

 

掛け布団を直している途中で力付き、私はベッドの上で寝てしまった。

意識が完全に途切れる直前に布団の感触がしたので、おそらく美鈴か妖精メイドが掛けてくれたのだろう。

そして私の意識は夢の中へと離れて行った……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*PM:???*

 

 

フラン「ふあぁぁ…よく寝た…ってあれ?」

 

 

気がつくと私は謎の空間の中にいた。

見た感じスキマの中ではなさそうだ。

だが……

 

 

フラン「わ、私…落ちてる…?」

 

 

背中に空気が当たる感覚。

その瞬間、私は落下していることが分かった。

 

 

フラン「いや…違うよね!これは夢だよね!ほら、ほっぺつねっても…」

 

 

ギュッ!

 

 

フラン「!?痛い…ってことは…」

 

 

信じたくもない事実。

そうだ、私は落下しているんだ。

なにもない空間を…ただひたすら下へ下へと進み続けているんだ。

 

 

フラン「いや…いやだよ…お姉様…咲夜…お兄…様…」

 

 

 

 

 

いつにまでこの感覚が続くんだろう。

 

 

 

 

 

 

飛ぼうとしても気流のせいで重くてうまく浮けない。

 

 

 

 

 

この高さから落ちたら助からないよね…

 

 

 

 

 

ああ…もう考えたくもないや。

 

 

 

 

 

 

瞬間、お姉様やお兄様、紅魔館のみんなとの思い出が蘇る。

 

 

 

 

 

 

これが走馬灯ってやつなのかな…

 

 

 

 

 

 

そこで私の意識は再び途切れた…

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーージークの家ーー

 

 

*ノアSide*

 

 

 

ノア「兄さん…大丈夫かな…」

 

 

僕はノア、『ノア・ヴィルーフ』。

ジークの弟だ。

半年前、兄さんが謎の空間に落ちてから、一人で暮らしている。

まぁ、たまに友達が来てくれるんだけど。

 

 

ノア「本当にどこに行っちゃったんだよ、兄さん…」

 

 

そんな事を呟きながら、庭の手入れをする。

今は連休のため学校はない。

 

 

すると突然、床に小さな影ができた。

 

 

ノア「ん?影?それにだんだん大きくなってる…って、ええぇぇぇぇぇぇ!?」

 

 

僕が上を向くと少女が降ってくるのが見えた。

慌てて落ちてくる人の真下へ移動する。

 

 

 

ボスッ!

 

 

 

 

ノア「ぐぅっ!?」

 

 

流石に勢いのついた人を素手で受け止めるのは負担が大きく、両腕が痺れ始めた。

 

 

ノア「はぁ…はぁ…りょ、両腕ちぎれるかと思った…」

 

 

痺れが治まってきたところで、落ちてきた少女の様子を確認する。

 

 

黄色い髪に赤いミニスカートを着ていて、背中には7つの宝石のようなものが羽がついている。

 

 

ノア「大丈夫?聞こえてる?」

 

 

しかし、いくら呼びかけても返事がない。

 

 

ノア「落下のショックで気絶しちゃってるのかな…取り敢えず僕のベッドに寝かせよう。」

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
霊夢一行vsプリズムリバー3姉妹、勝負の行方は?

そしてフランが外の世界へ!?
奇跡的にノアに助けられたが、このあとはどうするのか…

乞うご期待でございます。
次回更新は未定です。
ではまた次回ーーーーー


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第5話 春雪異変2 騒霊と現代入り

れいどです。
超久々の更新です。

先ににゃんこの方を完結させたかったのですが最終話の内容がなかなか思いつかなかったのでこっちをさきに更新することにしました。
なんで半年も思いつかないんだろうね。

今回は春雪異変の続編です。
というか今回半分ぐらい異変関係ないです。


ーー幻想郷 上空ーー

 

 

*霊夢Side*

 

 

バシュッ!バシュッ!バシュッ!

 

 

ルナサ「あー!全然当たらないじゃない!」

霊夢「博麗の力舐めんじゃないわよ!」

ルナサ「くっ!」

 

 

ルナサと霊夢の弾幕では、圧倒的に霊夢が優勢だった。

 

 

ルナサ「弦奏『グァルネリ・デル・ジェス』!!」

霊夢「!!」

 

 

ルナサのスペルカード。

周りに複数の音符弾を出現させ、そこから霊夢を狙って弾幕が発射される。

 

しかし霊夢は軽く避ける。

 

 

霊夢「夢符『封魔陣』」

 

 

ドォン!

 

 

ルナサ「きゃあ!」

 

 

霊夢のスペルが直撃し、煙を上げながら落ちていくルナサ。

 

 

メルラン「姉さん!よくも!冥管『ゴーストクリフォード』」

 

 

姉がやられた怒りで弾幕を打ちまくるも、ひらひらと躱されてしまう。

 

 

レミリア「最早スペルを使うまでもないわね。」

 

 

ビュウン!

 

 

メルラン「わあああ!」

 

 

攻撃に夢中になっていたメルランはレミリアの不意打ち弾幕に気付かずそのまま当たってしまった。

 

 

魔理沙「お、あっちはもう片付いたみたいだな。こっちもそろそろ決めてやる!」

リリカ「末っ子でもやるときはやるのよ!鍵霊『ベーゼンドルファー神奏』!」

魔理沙「その程度か!?甘いぜ!恋符『マスタースパーク』!!』

 

 

ズオオォォォ……ドォォォン!!

 

 

リリカ「あ〜〜れ〜〜……」

 

 

ヒューーン…

 

 

魔理沙とリリカのスペル対決は魔理沙の勝ちとなり、リリカは虹色の光線に飲み込まれそのまま墜落した。

 

 

レミリア「呆気なかったわねぇ」

霊夢「気を緩めないでよ。おそらく異変の元凶は…あの大穴の中にいるんだから。」

 

 

霊夢が指を指す先には歪みによってできた穴のようなものがあった。

 

 

霊夢「桃色の何かが吸い込まれていってるようだけど…何かしらあれ。」

魔理沙「あー、ありゃ『春度』だ。」

霊夢「はるどぉ?」

魔理沙「簡単に言えば春の度合いだな。それが吸い込まれていってるわけだから…」

霊夢「もう確信したわ。2人とも、行くわよ。」

魔理沙「了解!」

レミリア「はぁ…早く帰りたいわ…」

 

 

そうして3人は巨大な穴の中に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー外の世界 ノアの部屋ーー

 

 

*ノアside*

 

 

ノア「すー…すー……はっ、いけない寝ちゃってた…」

 

 

僕は今、いきなり空から落ちてきた女の子の看病をしている。

 

 

ノア「いきなり空から降ってくるなんて…本当に誰だろ、この子…」

 

 

ぐぅ〜〜……

 

 

そんなことを考えていると、僕のお腹が鳴った。

そういえば今朝から何にも食べてなかったっけ…

時間は…ちょうど12時か。

 

 

ノア「何か作らなきゃ…」

 

 

そう言って僕はキッチンで何か作ることにした。

 

 

 

 

ー*ー 数十分後 ー*ー

 

 

 

ノア「…よし、出来た。」

 

 

作ったのはボロネーゼパスタにコンスメスープ。

パスタなんて久しぶりに作ったので上手くできるか不安だったが、結構上手くできたと思う。

 

 

というか料理自体兄さんに任せっきりだったなぁ…

 

 

ノア「いただきます。…やっぱり兄さんがいないと寂しいな…まあいいや、食べよう。」

 

 

もぐもぐ……

 

 

ノア「うん、美味しい。よかったちゃんと出来た。」

 

 

やっぱり久しぶりに自分で作ったものを食べると美味しく感じるなぁ。

そんなことを考えながら黙々と食べていると、上の方からガサガサと音が聞こえ始めた。

 

 

ノア「!!まずい、起きちゃった!?」

 

 

僕は口の中のパスタを水で無理やり飲み込み、急いで自分の部屋へと戻った。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

*フランドールSide*

 

 

フラン「うう……あれ?ここどこ…?」

 

 

知らない天井の下で目を覚ました私は今の状況に困惑していた。

 

 

フラン「私、なんでこんなところにいるんだっけ…」

 

 

その時だった。

 

 

ガチャッ

 

 

ノア「よかった、目覚ました!!」

フラン「キャッ!!貴方誰!?」

ノア「僕はノア・ヴィルーフ。信じられないかもしれないけど、吸血鬼だよ。」

フラン「吸血鬼!?貴方吸血鬼なの!?」

ノア「う、うん。そうだけど…」

フラン「ねぇ、ここは幻想郷の何処なの!?紅魔館は!?」

ノア「げ、幻想郷?取り敢えず落ち着こう?ね?」

フラン「あっ……ごめんなさい…」

 

 

いつの間にか取り乱してた…

 

 

ノア「大丈夫だよ。君、名前は?」

フラン「私はフランドール・スカーレット。私も吸血鬼なの。フランでいいよ。」

ノア「君も吸血鬼だったんだ…でも、なんで空から降ってきたの?」

フラン「…?空から降ってきた。」

ノア「うん…君、いきなり僕の真上から降ってきたんだよ。なんとか受け止めたから大丈夫だったけど。」

フラン「そうだったの…あっ、そうだ私が1回目を覚ました時よくわからない空間に放り込まれてて、落ちてる途中で気絶しちゃって…」

ノア「そっか…ところで、さっき君が言ってた『幻想郷』とか『紅魔館』って何?」

フラン「幻想郷っていうのは、人々の中で架空の存在として言い伝えられてきた者達が住む土地だよ。そこには私たち吸血鬼とか神様とか天狗とか色んな種族が住んでるの…あ、もちろん人間もいるよ。」

ノア「なるほど…で、君はその幻想郷って所から来たと…」

フラン「そういうこと。で、紅魔館は私が住んでた屋敷。お姉様とかメイドとかと一緒に住んでたの。…ってあれ?」

ノア「ん?」

フラン「貴方、名前はなんて言ってたっけ…?」

ノア「ノア・ヴィルーフ」

フラン「ヴィルーフ……どこかで聞いたような………あっ!!」

 

 

私は突然思い出した。

ヴィルーフって…

 

 

フラン「お兄様!!お兄様と同じ!!」

ノア「お、お兄様?」

フラン「うん、この間幻想郷に来て今はうちに住んでるの!下の名前が…なんだったっけ…ジ、ジ…ジー…」

ノア「ジー……!!もしかしてジークじゃない!?」

フラン「そうそれ!知ってるの?」

ノア「ジーク・ヴィルーフは僕の実兄だよ!この前庭でいきなり消えちゃって…」

フラン「そうなの!?じゃあ貴方ってお兄様が言ってた弟?」

ノア「そうだよ。まさか幻想郷に行ってたなんて…」

 

 

私は信じられなかった。

お兄様の弟にこんなにあっさり会えるなんて…

その時だった。

 

 

ぐぅ……

 

 

フラン「あっ………」

ノア「ああ…お腹空いてるの?」

フラン「………///(コクッ」

 

 

私はお腹を押さえながら小さく頷く。

 

 

ノア「もし良ければ何か作るよ?食欲とかは?」

フラン「え?でも流石に食べ物までお世話になるわけには…」

ノア「大丈夫だよ。今日暇だし。」

フラン「う〜ん……」

 

 

ぐぅ〜〜〜〜………

 

 

さっきよりも大きな音でお腹が鳴った

きっと今頃私の顔真っ赤になってるんだろうなぁ…」

 

 

ノア「あはは…お腹は正直だね。」

フラン「うう……///」

ノア「じゃあ何か作ってくるよ。何かあったら呼んでね。」

フラン「うん、分かった。」

 

 

そう言って彼は部屋を出て行った。

 

 

フラン「これからどうしようかなぁ…しばらく幻想郷に戻れそうもないし…」

 

 

私はしばらく考えていた。

幻想郷に帰る方法が見つかるまでここに住ませてもらうことも考えついたが、流石にそれは許可してくれないだろう。

 

 

フラン「…今考えてても仕方ないのかな…」

 

 

なんてことをい呟いていると、何やら下からいい匂いがしてきた。

 

 

フラン「いい匂い……また眠くなってきた……」

 

 

こうしてしばらくウトウトしていると、料理を持ったノアが入ってきた。

 

 

*ノアSide*

 

 

ノア「出来たよー。」

フラン「ん……それなに?美味しそう!」

ノア「パスタだよ。食べたことない?」

フラン「うん、幻想郷じゃ外の世界の料理はほぼ食べられないもん。」

ノア「外の世界?」

フラン「あ、幻想郷では貴方が今住んでるこの世界のことを『外の世界』って言ってるの。」

ノア「そうだったんだ。食欲のこともあるし少なめだけど…足りるかなぁ。」

フラン「それだけあれば十分だよ。ありがとう。」

 

 

そう言ってフランはパスタを食べ始めた。

 

 

フラン「…おいしい!」

ノア「お口に合ったみたいでよかったよ。」

フラン「ねーねー、パスタに絡んでるこの白いの何?」

ノア「クリームソースだよ。本当はトマトにしようと思ってたんだけどなくってさ…」

フラン「私にもこれ作れるかな?」

ノア「パスタは簡単な方だし、練習すれば作れるようになるよ。なんで?」

フラン「初対面なのにここまでしてもらってるわけだからさ…いつかお礼したいなって思って!」

 

 

満面の笑顔でそう言い放つフラン。

なんだろう、すごい可愛い。

 

 

ノア「ねぇ、フランちゃん?」

フラン「何?」

ノア「幻想郷への戻り方ってわかる?」

フラン「ううん、分からない…」

ノア「じゃあさ、戻り方がわかるまで此処に住まない?」

フラン「ええ!?」

 

 

想像以上に驚かれた。

そんなに嫌だったのかな…?

 

 

ノア「べ、別に嫌ならいいんだよ?この辺り宿泊施設とか多いし…」

フラン「そうじゃなくてっ!ほ、本当いいの…?」

ノア「うん、僕も早く兄さんを見つけたいしね。」

フラン「ありがとう!これからよろしくねっ!」

ノア「うん、よろしく!」

 

 

こうして、僕の家に新たな仲間が加わるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー幻想郷 冥界ーー

 

 

 

霊夢「…よっと。着いたわ…けど…」

魔理沙「…これはまた長い石段だな。」

 

 

目の前に広がるのは、先が見えないほど長い石段。

 

 

レミリア「…え、なに?これを登りきれってこと…?」

魔理沙「…まぁそういうことだろうな。」

レミリア「嘘でしょ!?私こんな長い石段登ったことなんてないわよ!?」

霊夢「でも登らないと異変解決できないじゃない。さっさと行くわよ。」

 

 

レミリア「いやだああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

駄々をこねるレミリアを引っ張りながら霊夢と魔理沙は石段を登っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




プリズムリバー3姉妹の小物感がすごい。
もうちょい強くしてもよかったかな…
合同スペル?…チョットナニイッテンノカワカンナイッス

ルナサ「いや分かれよ。」

そしてフランのノアの同棲が決まったわけですが。

ノア「同棲!?」
フラン「同棲ってなーにー?」

同棲というのは相思相あ

ノア「これ以上言ったら蹴るよ。」

ハイゴメンナサイ。



次回は割とガチの戦闘シーン入れたいなと思っています。

ではまた次回ーーーーー





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第6話 春雪異変3 半人半霊の剣士

………(どうしよう、書くことない)


霊夢「ふぅ……だいぶ階段を上ったわねぇ。」

 

 

霊夢たち御一行は冥界の長すぎる階段を上っている。

今ようやく半分くらいまで到達したところだ。

 

霊夢と魔理沙は特になんともなさそうだがレミリアは……

 

 

レミリア「モウヤダオウチカエリタイ……」

 

 

……この有様である。

 

 

霊夢「何このぐらいでへばってるのよ…あんた吸血鬼でしょ?」

レミリア「階段長すぎんのよ!!逆になんであんた達平気なのよ!?」

霊夢「そんなこと言われたってねぇ……っ!」

 

 

ヒュンッ!

 

 

どこからともなく霊夢に向かって一閃。

それを霊夢は間一髪で避ける。

 

 

霊夢「だれよ?いきなり斬ってくるなんて、失礼な奴ね。」

???「勝手に冥界に侵入したあなた達にだけは言われたくないです。」

 

 

階段を見上げると、そこには2本の刀を腰に付け、黒いカチューシャをした銀髪の少女がいた。

そして彼女の周りには白い『半霊』が漂っている。

 

 

霊夢「あんた、名前は?」

???「…『魂魄妖夢』。」

霊夢「そう。で、聞くけど幻想郷中の春を奪ってるのってあんた?」

妖夢「…そう簡単に答えるとでも?」

 

 

そう言って妖夢は再び刀を構える。

 

 

霊夢「はぁ…結局こうなるのね。いいわ、相手してあげる。」

魔理沙「私達に喧嘩売ったこと、後悔させてやるぜ!」

レミリア「ふふふ、お仕置きが必要みたいね。」

 

 

3人もそれぞれ武器を構える。

 

 

妖夢「では…魂魄妖夢、参ります!!」

 

 

ビュン!

 

 

次の瞬間、妖夢は猛スピードで3人に向かっていき、刀を振り下ろした。

 

 

霊夢「っと、簡単には当たらないわよ。はっ!」

 

 

霊夢は刀を飛んで躱し、数枚の札を投げつける。

 

 

妖夢「斬る!!」

 

 

ズバッ!

 

 

霊夢「やっぱり札じゃだめかぁ…」

レミリア「ならこれならどう?」

 

 

レミリアは妖力で鎖を生成し、妖夢に向かって飛ばす。

 

 

妖夢「そんなもの!」

魔理沙「私のことも忘れるなよ!」

妖夢「っ!?」

魔理沙「食いやがれ!」

 

 

魔理沙はミニ八卦路から数発の魔力弾を発射する。

レミリアの鎖と魔理沙の魔力弾が妖夢目掛けて飛んでいった。

 

 

妖夢「甘いですよ!!」

 

 

ガギギギギギギィン!!

 

 

妖夢は腰からもう一本の刀を抜き、鎖と魔力弾を全て弾いた。

 

 

魔理沙「うわマジかよ!あれでダメなのか!」

妖夢「伊達に剣士やってませんのでっ!」

 

 

ギィン!ギィン!

 

 

妖夢の2本の刀と霊夢達の弾幕が激しく交差する。

しかし、3対1では流石に多勢に無勢だったのか、明らかに妖夢が押されている。

 

 

妖夢「はぁ…はぁ…なかなかやりますね…」

霊夢「3対1なんて無理があるわ。さっさと諦めて道を開けなさい。」

妖夢「確かに数ではこちらが不利かもしれません…ですが私にも譲れない物があるんです!」

 

 

そう言うと妖夢はポケットから1枚のカードを取り出した。

 

 

妖夢「魂魄『幽明求聞持聡明の法』!!』

 

 

妖夢がスペルカードを宣言すると、彼女の周りを漂っていた半霊が段々と人の形へと変わっていった。

そして最終的には…

 

 

霊夢「なんですって!?」

 

 

半霊は妖夢の姿へと完全に変化した。

そして、半霊も同じように刀を構える。

 

 

妖&半妖「「さあ、これで2対3です!!」」

霊夢「…なるほど、でも半霊が参加したところでこっちが人数有利なのは変わらないわ!」

妖&半妖「「それはどうでしょう…ねっ!!」」

 

 

ヒュンッ!!

 

 

2本の刀が霊夢に向かっていく。

 

 

霊夢「くっ!危ないわね!『封魔陣』!!」

 

 

霊夢も負けじとスペルカードで押し返す。

しかし、妖夢の刀で斬られてしまった。

 

 

霊夢「ちっ…やっぱりさっきまでのようにはいかないようね。」

魔理沙「仕方ない…霊夢、お前は先に行け!」

霊夢「はぁ!?あんたなに言ってんのよ!」

魔理沙「この銀髪野郎は私とレミリアでなんとかする。」

霊夢「でも、それじゃあんた達が…」

レミリア「大丈夫よ。私達を信じて。」

霊夢「…分かったわ。死ぬんじゃないわよ!」

 

 

そう言うと霊夢は階段を駆け上がっていった。

 

 

魔理沙「…行ったか。」

レミリア「さあ、続きといきましょうか。」

妖夢「…わざわざ人数有利を無くすなんて…相当自信があるようですね…」

レミリア「当たり前じゃない。紅魔館の主であるこの私が貴方如きに負けるとでも?」

妖夢「…その言葉、そっくりそのままお返しします!!断命剣『冥想斬』!!」

 

 

妖夢が刀を掲げると、その刀が緑色の光を纏い、やがて巨大な光の刀と化した。

 

 

妖夢「はぁーっ!」

 

 

そしてそのままレミリアに向かって斬りかかった、

 

 

レミリア「神槍『スピア・ザ・グングニル』」

 

 

ガギィン!!

 

 

レミリアがスペルカードを唱えると、巨大な紅い槍が出現し、妖夢の刀とぶつかり合う。

 

 

半妖「私のこと、忘てませんか?」

レミリア「っ!しまっ…」

 

 

妖夢と睨み合っている内に後ろから半霊の妖夢が迫ってきており、レミリアにとっては完全に不意を突かれた形になってしまった。

 

 

魔理沙「させないぜ!恋符『マスタースパーク』!!」

半妖「!!」

 

 

ミニ八卦路から巨大なレーザーが放たれ、半霊妖夢へと向かっていく。

それを半霊妖夢は間一髪で避ける。

 

 

魔理沙「お前は私が相手してやるぜ。」

妖夢「減らず口を…!」

 

 

ヒュンッ!!ヒュバッ!!

 

 

魔理沙「っとお!魔符『ミルキーウェイ』!!」

 

 

斬撃の嵐を躱し、スペルカードを宣言する。

すると大小様々な星形弾が半霊妖夢へと向かっていった。

 

 

半妖「舐めるな!!」

 

 

しかし半霊妖夢に星形弾は全て切り落とされてしまった。

 

 

魔理沙「マジかよ、これもダメか…」

半妖「妖怪が鍛えたこの楼観剣に、斬れぬものなど、あんまり無い!」

魔理沙「少しはあるのかよ!」

 

 

そんなツッコミをしながらも魔理沙は半霊妖夢に向かって弾幕を撃ち続けるが、ことごとく斬り捨てられてしまう。

 

 

魔理沙「くっそぉ…どうしたものか…」

半妖「貴方の攻撃など通用しません。いい加減諦めては?」

魔理沙「…残念だが、弾幕ごっこで諦めるのは私のプライドが許さないんでね!」

 

 

魔理沙は再び弾幕を放つ。

 

 

半妖「無駄なことを…」

 

 

ドンッ!!

 

 

半妖「何!?」

 

 

突然弾幕が爆発し、辺り一面に煙が漂った。

 

 

半妖「ええい、鬱陶しい!!」

 

 

ズバババババッ!!

 

 

半霊妖夢は刀で煙を振り払っていく。

だが、魔理沙の本当の狙いは違った。

 

 

半妖「っ!?いない!?」

魔理沙「こっちだぜ!!」

 

 

いつの間にか後ろに回っていた魔理沙に気付くことが出来ず、半霊妖夢は素早く反応することが出来なかった。

 

 

魔理沙「これで決める…!彗星『ブレイジングスター』!!」

 

 

ゴオォォォォォォォォォォォォッ!!

 

 

ミニ八卦炉を反対方向に構え、そこからレーザーを噴射し猛スピードで半霊妖夢に突っ込んでいく。

 

 

半妖「させない!!『冥想斬』!!」

 

 

ガギィィィィン!!

 

 

妖夢と魔理沙のスペルカードがぶつかり合う。

 

 

半妖「ぐ…ぐぐぐ…」

 

 

徐々に半霊妖夢の刀が押されていき、最終的に勝ったのは…

 

 

魔理沙「うおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 

ドォォォォォォォン!!

 

 

半妖「きゃぁぁぁぁぁ!!」

 

 

魔理沙だった。

押し負けた半霊妖夢はそのまま吹っ飛ばされ壁に激突し元の半霊の姿へと戻った。

 

 

魔理沙「ふぅ……ふぅ……なかなか手強かったぜ。さてと、レミリアの方は大丈夫かな…」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

一方その頃レミリアは…

 

 

レミリア「あらあら…やるじゃない、半人前の癖に…」

妖夢「その余裕、すぐに消しとばしてあげます!人鬼『未来永劫斬』!!」

 

 

無数の斬撃がレミリアに襲いかかる。

 

 

レミリア「紅符『スカーレットシュート』」

 

 

レミリアもスペルカードで対抗する。

互いの弾幕が激しくぶつかり合う。

 

 

ドォォォォォォォン!!

 

 

レミリア「ふふふ、その程度?」

妖夢「舐めるな!天上剣『天人の五衰』!!」

レミリア「っ!!」

 

 

一瞬、時の流れが遅くなるような感覚。

次に感覚が戻った時には、レミリアの周りには大量の弾幕が張られていた。

 

 

レミリア「幻術かしら?でも、この程度なら簡単に…」

妖夢「そこだっ!」

レミリア「!くっ!」

 

 

弾幕の間から妖夢本人が斬りかかってくる。

それをレミリアはなんとかグングニルで受け止めた。

 

 

レミリア「危ないことしてくれるじゃない。当たったらどうするのよ。」

妖夢「当たるようにやってるんですけどねっ!」

 

 

ヒュンッ!

 

 

レミリア「ワンパターンね…結局刀を振ることしか出来ないなんて。」

妖夢「誰が武器が刀だけだと言いました?」

レミリア「なにをいっ…」

 

 

ドゴッ!

 

 

レミリア「うぐっ!?」

 

 

ゼロ距離からの蹴りをモロに喰らい、レミリアは後ろへ吹っ飛ばされた。

 

 

妖夢「勝手な思い込みには気をつけることですね。」

レミリア「こいつ!!」

 

 

レミリアは再び妖夢に向かっていき、槍を振り回す。

 

 

レミリア「このっ!なんで当たらないのよ!」

妖夢「ワンパターンなのは貴方の方ではなくて?」

レミリア「くっ…これで堕ちなさい!!」

 

 

ブォンッ!!

 

 

レミリアが投げた槍が妖夢目掛けて飛んでいく。

それを妖夢は飛んで避ける。

 

 

妖夢「ふん…やっぱりこんなものですかね…」

レミリア「それはどうかしら?」

 

 

パチンッ

 

 

妖夢「なっ!?」

 

 

レミリアが指を鳴らすと妖夢の周りに大量の弾幕が張られた。

 

 

妖夢「くっ…さっきの槍は視線誘導にための罠…!?ならば…『未来永劫斬』!!」

 

 

無数の斬撃がレミリアの弾幕を斬り裂く。

 

 

妖夢「ふぅ……なんとかなりました…」

レミリア「ふふふ…」

妖夢「な、なにを笑っているんですか!」

レミリア「なに勝手にあれで終わりだと思っているのかしら?」

妖夢「どういうことで…っ!」

 

 

ビュウンッ!!

 

 

妖夢「ぐうっ!?」

 

 

どうやら時間差で飛んでくる弾幕も仕掛けてあったようで、妖夢は反応しきれずに当たってしまう。

 

 

レミリア「貴方さっき、『勝手な思い込みには気を付けろ』とか抜かしてたわよね?」

妖夢「こいつ…斬る!!」

 

 

ヒュッ!!

 

 

妖夢「とらえた!!」

 

 

妖夢の振った刀は見事にレミリアをとらえた。

しかし…

 

 

バサバサバサッ

 

 

妖夢「なっ!?」

 

 

突然レミリアが蝙蝠の群れとなり、群れは飛んでいってしまった。

 

 

妖夢「!!まさかっ…」

レミリア「残念だったわね!!それは囮よ!!」

 

 

後ろからレミリア本体が叫ぶ。

そして、スペルカードを唱える。

 

 

レミリア「神槍『スピア・ザ・グングニル』!!今度こそ堕ちなさい!!」

 

 

ブンッ!!

 

 

ゴォォォォォ……

 

 

レミリアが投げたグングニルは一直線に妖夢へと向かっていき…

 

 

妖夢「きゃああああああああ!!」

レミリア「貫けえええぇぇぇぇぇ!!」

 

 

ドォォォォォォォォォン!!

 

 

見事妖夢を貫いた。

槍に直撃した妖夢はそのまま力なく倒れ、地に伏した。

 

 

レミリア「ふぅ…まさかここまでやるなんてね…」

魔理沙「おーい!レミリアー!」

レミリア「あら、魔理沙。そっちも終わったかしら?」

魔理沙「ああ、中々強かったぜ!」

 

 

レミリアが妖夢を倒したところで、レミリアと魔理沙が再び合流した。

 

 

魔理沙「しかし霊夢の奴、大丈夫かな…」

レミリア「そうね、こんなことしている場合じゃないわ。早く霊夢のところに行かないと!」

魔理沙「そうだな!よーし、待ってろよ霊夢!」

 

 

そういうと2人は階段を登っていった…

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーー幻想郷 紅魔館ーー

 

 

美鈴「お嬢様、大丈夫かなぁ…」

 

 

美鈴は門の前で考え事をしていた。

すると突然門が開き、コートとマフラーをしたジークが出てきた。

 

 

美鈴「あら、ジークさん。どうしました?」

ジーク「ああ、実はレミリアのことが気がかりでな…バレないように見にいこうと思ったんだ。」

美鈴「ふふ、ジークさんって意外と心配性なんですね。分かりました。どうかお気をつけて…」

ジーク「ありがとう、行ってくる。」

 

 

そう言ってジークは飛び立った。

 

 

美鈴「なんだか初めてのおつかいみたいだなぁ…さて、ジークさんとお嬢様が帰ってくるまで、私が館の面倒を見なきゃ。」

 

 

美鈴はしばらくの間館の門番を妖精メイドに任せ、館の中に入っていくのであった。

 




はい、今回の話は終了です。


1ヶ月って早いね。
この前更新したと思ったらすぐに1ヶ月経ってるもんね。
にしても妖夢戦あっさりすぎたかな…
2パートぐらいに分けてもよかった気がしてきた。


次の更新は定期テストとかでまた1ヶ月後とかになるかもしれませんが読んでいただけると嬉しいです。


ではまた次回ーーーーー


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第7話 春雪異変4 冥界の姫君

あけましておめでとうございます。
2021年終わるのあっという間だったな……

さて、2022年はポケモンアルセウスとかカービィの新作とかスプラ3とかお金が飛び続ける年になることでしょうね!!


今回は完全に幻想郷サイドのお話です。
それでは早速本編いきましょう。


ジーク「さむっ!!冬の空ってこんな寒かったか?」

 

 

ジークは現在風邪でダウンしている咲夜の代わりに異変解決に行ったレミリアの様子を見にいく途中である。

 

 

ジーク「というかどこに行ったのかすら分からない……どっかから情報収集しないと……」

???「ねぇ、ちょっとそこの人。」

ジーク「ん?誰だ?」

 

 

ジークが辺りを見渡すと、丁度真下にカチューシャをした金髪の少女が目に入った。

そのままジークは垂直に降りていく。

 

 

???「貴方が魔理沙の言っていた外来人?」

ジーク「ああ、外来人……外来妖怪って言った方が正しいのか……?」

???「どっちでもいいわよ。貴方、名前はなんて言うの?」

ジーク「ジーク・ヴィルーフ。外から来た吸血鬼。」

???「貴方、吸血鬼だったのね。私は『アリス・マーガトロイド』。魔法の森に住む人形遣いよ。」

ジーク「そうか。よろしくな、アリス……でいいか?」

アリス「ええ、よろしくね。にしても、まさかあの姉妹の他にも吸血鬼がいるなんてね。」

ジーク「レミリアとフランのことか?……あ、そうだ。もしレミリアがどこに行ったのか知っているなら教えてほしいんだが……」

アリス「ああ、レミリアなら魔理沙と霊夢と一緒に向こうのほうに行ったわよ。」

 

 

アリスは空を指さす。

 

 

アリス「でもどうしてレミリアの居場所なんて知りたいの?」

ジーク「レミリアがこの雪を止めるために異変解決に行っててな。心配になったから様子を見にいこうと……」

アリス「そう。というか最初から気になっていたのだけど、なんでレミリアのこと知ってるの?」

ジーク「実は……」

 

 

ジークは幻想入りしてから現在までの経緯を話した。

 

 

アリス「そうだったのね。珍しいわね、レミリアが外来人を引き取るなんて……そうだわ、折角だし、少しだけお茶して行かない?」

ジーク「気持ちはありがたいが、生憎時間が惜しいんでね。また次の機会にお願いするよ。」

アリス「そう。それじゃ、頑張ってね。」

ジーク「ああ、情報提供ありがとうな。」

 

 

そう言ってジークは飛び去った……

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーー冥界 入り口付近ーー

 

 

リリカ「いたたた……お、お姉ちゃん達……大丈夫?」

ルナサ「え、ええ……なんとか……メルランは?」

メルラン「私も……もう二度とあの3人と弾幕対決しない……(泣)」

 

 

霊夢、魔理沙、レミリアの3人にボコられたプリズムリバー3姉妹はボロボロの状態で冥界の入り口付近を漂っていた。

 

 

リリカ「というか、頼まれてた演奏会どうするの?」

メルラン「そうじゃん。でも多分今冥界に行ったら巻き込まれるよ……あの3人入って行ったし……」

ルナサ「どうしようかしら……」

 

 

3人はそれぞれの楽器を持って悩んでいると、突然声をかけられた。

 

 

ジーク「ちょっといいか?」

3人『ひゃいっ!?』

 

 

3人は霊夢の時と同じ反応をする。

 

 

メルラン「ななな……何よあなた!あなたもこの雪を止めに来たの!?」

ジーク「ああ、まあそうと言えばそうだな。」

ルナサ「あなたも私たちを倒すつもり?」

ジーク「いや、俺はただ情報を得たいだけだ。」

ルナサ「情報?」

ジーク「ああ、レミリアっていう吸血鬼が何処に行ったか知りたくてな。」

リリカ「ああ、その人なら冥界に行ったよ。」

ジーク「冥界?冥界って死人が行くやつか?」

リリカ「そう、死人が行くやつ。ほら、ここが入り口だよ。」

 

 

リリカが指差す方向には先が見えない巨大な大穴のようなものがあった。

 

 

メルラン「ちょっ、そんな簡単にばらしちゃって大丈夫なの!?」

リリカ「だってあの3人も入っていっちゃったしもういいでしょ。」

ジーク「そうか。わかった、ありがとうな。」

ルナサ「ええ、どういたしまして。」

ジーク「そういえば初対面なのに名前言ってなかったな。俺はジーク・ヴィルーフ。吸血鬼だ。」

ルナサ「あなた吸血鬼なのね。私は『ルナサ・プリズムリバー』。」

メルラン「私が『メルラン・プリズムリバー』!!」

リリカ「『リリカ・プリズムリバー』だよ!!」

メルラン「3人合わせて!!」

 

 

3人『プリズムリバー3姉妹!!』

 

 

……と、同時に3人はポーズをとる。

漫画とかならバーーーン!!という効果音がなるであろう。

 

リリカとメルランはノリノリなのだが、ルナサだけ顔を赤くしている。

やはり最年長なだけあって恥ずかしいのだろう。

 

 

ルナサ「うう……もうこれやめようよ……///」

リリカ「だめだよ!!私たちのことを知ってもらうためこのポーズは必須なんだから!!」

ルナサ「絶対違うと思う……」

 

 

そんなやりとりをしていると、メルランがジークの服のポケットに入っている袋を発見した。

 

 

メルラン「ねぇ、それなに?」

ジーク「ん?ああ……これか……」

 

 

ジークが袋を取り出すと、その中には木天蓼(またたび)が入っていた。

 

 

メルラン「な、なんで木天蓼……」

ジーク「いや、実は……」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

〜20分前〜

 

 

アリスと別れたジークはある古屋敷に来ていた。

 

 

ジーク「誰かいるかな……」

 

 

ジークが屋敷を探索していると……

 

 

???「にゃ〜!!誰か引っ張って〜!!」

ジーク「ん?」

 

 

声の方を見ると、そこには猫の尻尾と脇腹から下しか見えていない少女がいた。

 

 

ジーク「……大丈夫か?」

???「はっ!!誰かいる!?すみません、ちょっと引っ張ってください!!抜けなくなっちゃったんです!!」

ジーク「わかった。」

 

 

ジークは少女の腰を掴み、一気に引っ張った。

 

 

???「にゃあああ!!痛い痛い!!もっと優しく〜!!」

ジーク「我慢しろ!」

 

 

スポンッ!

 

 

しばらく引っ張った後、ようやく抜けた。

 

 

???「はぁ……はぁ……あ、ありがとうございます!助かりました……」

ジーク「大丈夫か?怪我はないか?」

???「はい、怪我はないです!」

ジーク「良かった……」

 

 

すると、少女は立ち上がった。

 

 

???「私、『橙』っていいます!以後お見知り置きを……」

 

 

橙は頭の猫耳をピョコピョコと動かしながら頭を下げる。

 

 

ジーク「俺は『ジーク・ヴィルーフ』。外から来た吸血鬼だ。」

橙「そうなんですね!ということはこの方が紫しゃまの言っていた……

ジーク「ん?どうした?」

橙「あ、いえ!なんでもないです!あ、そうだ……」

 

 

橙は懐から袋を取り出す。

その中には数個の木天蓼が入っていた。

 

橙「助けてくれたお礼に受け取ってください!」

ジーク「ありがとう、でも俺は猫じゃないから……」

橙「いいですから!貰ってください!」

ジーク「わかった、そこまで言うなら貰おう。」

橙「ありがとうございます!それでは、失礼しますね!」

 

 

橙はそのまま何処かへ行ってしまった。

 

 

ジーク「………あ、手がかり聞くのを忘ていた……」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

ジーク「……というわけなんだ。」

メルラン「そ、そうだったのね。」

 

 

メルランは苦笑いしている。

 

 

ジーク「じゃあ俺はそろそろいくか。」

 

 

そう言ってジークは大穴の中に入っていった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーー冥界ーー

 

 

霊夢「はぁ……はぁ……!!」

???「そんなに焦ってたら当たるものも当たらないわよ〜?」

 

 

霊夢は着物を着たピンク髪の女性と対峙していた。

すると、後ろから魔理沙とレミリアが階段を登ってきた。

 

 

魔理沙「霊夢!大丈夫か!?」

霊夢「魔理沙!それにレミリアも……」

???「あら?新しいお客さんかしら?ということは妖夢は負けちゃったのね。」

 

 

謎の人物は口を扇子で隠しながら「あの子もまだまだねぇ〜」と呟く。

 

 

魔理沙「おい!お前が異変の主犯か!?」

???「ふふ、どうだと思う?」

レミリア「いや、後ろの桜に春度が集まってる時点で確信犯でしょ。」

霊夢「そうね。」

魔理沙「言われてみればそうだな。」

 

 

謎の人物に背後には花をつけていない巨大な桜の木があり、そこに春度が集まっていくようだった。

 

 

???「あら、意外と頭がきれるのね。いいわ、新しいお客さんも来たことだし、改めて自己紹介を……」

 

 

すると、謎の人物は扇子を畳む。

 

 

幽々子「『西行寺幽々子』……ここ冥界の管理者であり、白玉楼の主よ。」

霊夢「私はさっき名乗ったから必要ないわね。」

魔理沙「私は霧雨魔理沙!普通の魔法使いだ!」

レミリア「レミリア・スカーレット、吸血鬼であり紅魔館の主よ。」

幽々子「へぇ……人間2人に吸血鬼1人ねぇ……いいわ。」

 

 

幽々子は再び扇子を開き……

 

 

幽々子「3人まとめてかかってきなさい。」

 

 

3人を挑発するように言い放った。

霊夢とレミリアは聞き流しているが、プライドの高い魔理沙は……

 

 

魔理沙「くっそぉ……言わせておけば好き勝手言いやがって!!」

霊夢「あっ、こら待ちなさい!」

 

 

まんまと挑発に乗ってしまった。

 

 

魔理沙「くらえぇ!魔符『スターダストレヴァリエ』!!」

 

 

魔理沙のミニ八卦路から星型弾が発射される。

 

 

レミリア「援護するわよ。紅符『不夜城レッド』。」

霊夢「はぁ……まったくあいつは……夢符『封魔陣』!!」

 

 

様々な弾幕が幽々子を襲う。

 

 

幽々子「作法がなってないわねぇ、亡舞『生者必滅の理 ‐毒蛾‐』

 

 

幽々子の後ろに巨大な扇子の紋章のようなものが浮かび上がり、そこから無数の蝶がヒラヒラと舞い、ゆっくりとこちらに近づいてくる。

 

 

幽々子「それは反魂蝶。触れた者の生気を奪い取ってしまうの。」

魔理沙「私たちは1発でも当たったらアウトか……」

 

 

一応弾幕扱いなので死にはしないのだが。

 

 

幽々子「それだけじゃないわよ〜」

 

 

ビュゥゥゥン!!

 

 

魔理沙「なっ!?」

 

 

蝶の隙間からいきなり複数の大型弾が飛んでくる。

それを魔理沙は間一髪で避けた。

 

 

魔理沙「鬱陶しい弾幕だな!まとめて消し去ってやる!恋符『マスタースパーク』!!」

 

 

極太レーザーが幽々子の弾幕を一気に焼き払う。

レーザーはそのまま幽々子に向かっていく。

 

 

幽々子「あら怖い♪」

 

 

しかしひらりと避けられてしまう。

 

 

レミリア「じゃあこれはどう?神槍『スピア・ザ・グングニル』!!」

 

 

ゴォォォォォォ……

 

 

レミリアの右掌にエネルギーが集まってくる。

 

 

霊夢「じゃあこっちも。霊符『夢想封印』!!」

 

 

ギュウンッ!!

 

 

巨大な槍と大量の虹色の弾が幽々子を襲う。

 

 

幽々子「ちょっとまずいわね〜、華麗『バタフライディルージョン』。」

 

 

ドォォォォォン!!

 

 

幽々子からも大量の弾幕が放たれ、霊夢とレミリアの弾幕とぶつかり合う。

だがいくつかの弾幕はそのまま霊夢たちに向かっていった。

 

 

レミリア「おっと、危なっかしいわね……」

魔理沙「でもこれぐらいの弾幕なら……」

幽々子「これだけじゃないわよ。」

魔理沙「なっ……!?」

 

 

気づいた頃には時すでに遅し。

魔理沙の目の前にいきなり大量の蝶が現れたのだ。

 

 

幽々子「さぁ、堕ちなさい……」

 

 

ドォォォォン!!

 

 

魔理沙「うわああぁぁっ!!」

 

 

魔理沙は弾幕に直撃し、気を失って墜落してしまった。

 

 

霊夢「魔理沙!?くっ、さっさとくたばりなさいよ!!」

 

 

霊夢は大量の札と針を投げるが当たる気配はない。

 

 

幽々子「さぁ、貴方もあの白黒の後を追いなさい♪」

霊夢「あっ、しまった……」

レミリア「させるか!」

 

 

ガギィン!!

 

 

霊夢に近づく蝶をレミリアがグングニルで薙ぎ払った。

 

 

霊夢「あ、ありがとう……助かったわ。」

レミリア「全く、集中しなさいよ。今は魔理沙のことより目の前のあいつをなんとかしなきゃ。」

霊夢「そうね……さっさと退治して春を返してもらうわよ!!」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ジーク「くっそ……長すぎだろこの階段……」

 

 

ジークは長すぎる階段に愚痴をこぼしながらもなんとか上っていた。

 

 

ジーク「ん?なんかあそこで誰か倒れてないか?」

 

 

半分くらいに到達したところで、銀髪の少女がボロボロの状態で倒れていた。

妖夢である。

 

 

ジーク「おーい、大丈夫か?」

妖夢「う……ん……?」

 

 

体を揺さぶられ妖夢はゆっくりと目を開ける。

 

 

ジーク「お、良かった。気づいたみたいだな。」

妖夢「わ、私ここでなに……を……って、ひゃあぁ!?あ、貴方誰ですかぁ!?」

 

 

ジークの存在に驚き急いで戦闘体勢に入ろうとする妖夢。

だが……

 

 

ズキッ

 

 

妖夢「いたっ!!」

 

 

先程の戦いで負った傷が痛むようだ。

 

 

ジーク「おい、無理するなよ。怪我してるんだし。そもそも俺お前を倒そうとしてるわけではないし。」

妖夢「え?じゃああなたは……」

ジーク「俺はジーク・ヴィルーフ。レミリアの様子を見に来たんだが……」

妖夢「レミリア……ああ、あの人ですか……あの人ならこの先へ上りましたよ。」

ジーク「本当か、すまない。ありがとう。」

妖夢「お安い御用ですよ。いったた……」

ジーク「大丈夫か?ちょっと待ってろ、確か絆創膏があったはずだが……」

妖夢「え!?い、いいですよ!!初対面の方にそこまでしてもらうわけには……」

ジーク「だがこのまま放置してたら菌が入るぞ。ほら、貼ってやるからじっとしててくれ。」

妖夢「うう……///」

 

 

ジークは妖夢の傷口を消毒し、絆創膏を貼った。

 

 

ジーク「ふぅ……取り敢えず一通り貼り終わったか……」

妖夢「あ、その……ありがとうございます……///」

ジーク「どうした?顔赤いぞ?」

妖夢「ふぇ!?///いいいいいいいえ!!気にしないでください!!」

ジーク「そ、そうか?ならいいのだが……」

妖夢「あ、そういえばまだ名乗ってませんでした……私は魂魄妖夢。この先にある白玉楼の庭師兼剣士をしています。」

ジーク「そうか。妖夢、よろしくな。」

妖夢「は、はい!こちらこそ!」

 

 

ジークと妖夢は握手をし、ジークは階段を登っていった。

 

 

妖夢「は、初めてお爺様以外の男性にこんな事してもらった……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジーク「………ふぅ、ここが一番上か?」

 

 

どうやらジークは階段を上りきったようだった。

 

 

ジーク「ん?あれは……」

 

 

ジークが目をやる先には、霊夢とレミリアが幽々子と弾幕勝負を繰り広げていた。

 

 

ジーク「というか魔理沙倒れてるじゃねぇか……しかもあの2人も相当疲れてるな……」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

霊夢「はぁ……はぁ……」

レミリア「ぜぇ……ぜぇ……」

幽々子「あらあら、もう降参?」

霊夢「くそ……もうそろそろ当たりなさいよ……人間だから体力ってもんがあるのよ……」

幽々子「そんなもの生きてれば誰だってあるわよ、現にその吸血鬼も相当疲れてるみたいね……」

レミリア「うるさい……!少し本気を出せばお前なんか……」

幽々子「ふ〜ん…………もういいわ、私だってずっと貴方達の相手をしているわけにはいかないの。だから……もう終わらせるわ。」

 

 

幽々子の手のひらに一枚のカードが現れる。

 

 

幽々子「桜符『完全なる墨染の桜 -開花-』……』

 

 

無常にもトドメのスペルカードが宣言されてしまった。

その瞬間、これまでとは比べものにならないほどの弾幕が2人を飲み込まんと襲いかかる。

 

 

レミリア「……れ……霊夢……あなた、なんとか……」

霊夢「無茶言うんじゃないわよ……こっちだって限界なのよ……!」

 

 

2人は力の限り弾幕を避け続ける。

しかし……

 

 

幽々子「もう、小賢しい蝶と蝙蝠ねぇ……さっさと堕ちなさい。」

 

 

ドォォォォォン!!

 

 

霊夢「あぐっ……!」

レミリア「霊夢!!」

 

 

博麗の巫女とはいえ、種族は人間。

妖怪よりも体力がないのは必然だ。

霊夢はそのまま大量の弾幕に飲み込まれ、落下してしまう。

 

 

幽々子「あなたもよ、吸血鬼さん。美しい蝶の中に醜い蝙蝠はいらないの。」

レミリア「しまっ……」

 

 

ガアァァァァァン!!

 

 

レミリア「うぐ………」

 

 

ドシャッ……

 

 

幽々子「……はぁ、いくら吸血鬼といえど、数百年程度しか生きていないあなたがこの私に敵うと思わないことね……まぁ、もう遅いけど。」

 

 

幽々子はゆっくりと降りてくる。

 

 

幽々子「さて、紅白の蝶に蝙蝠さん……最後に言い残したいことがあるなら聞いてあげる。」

霊夢「ふざ……けんじゃないわよ……ここであんたを止めないと……ここで負けるわけには……」

幽々子「お黙りなさい。」

 

 

ビュウンッ!!

 

 

霊夢「がっ……!?」

 

 

レーザーが霊夢の腹に直撃する。

 

 

レミリア「れ…霊夢……」

霊夢「ぐ……あ……!」

幽々子「さて……そろそろお開きにしましょう。大丈夫よ、せめて最期くらい……楽に逝かせてあげるから。」

 

 

幽々子の掌に妖力が集まってくる。

やがてそれは物凄い質量の妖力となった。

 

 

レミリア「ああ……だ、だれか……助け……」

幽々子「それじゃあ……さようなら、無謀な者達。」

 

 

幽々子の妖力は超巨大なレーザーとなり……

 

 

 

 

 

 

 

3人を飲み込んだ………

 

 

 

 




はい、終了です!

今回は6000字超えました。
6000字いったの初めてな気がする……

さて、霊夢、魔理沙、レミリアが大ピンチなわけですが……

魔理沙「私雑魚過ぎないか?」

それは思った。
でももう一回考え直すの面倒くさかった。

魔理沙「だめだこりゃ。」


さあ、果たして3人はどうなってしまうのか?
次回はノア&フランサイドのお話も載せようと思います。

ではまた次回!!


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第8話 春雪異変5 春節異変、決着

どうも、れいどです。

ポケモンLegendsアルセウス買ったぞぉぉぉぉ!
なんかめっちゃいいやん!(語彙力消失)
面白すぎて速攻で終わらせてもうたやん!
剣盾みたいに追加コンテンツとか来るのかな?

星のカービィディスカバリーの発売日も決まりましたし、めっちゃ楽しみです。

さて、今回は春雪異変決着です。
あと外界側のお話も。
では本編ッ!!


幽々子「ふぅ、呆気なかったわね。」

 

 

幽々子はレーザーの着弾地点を見下ろしながら言った。

 

 

幽々子「いくら吸血鬼に博麗の巫女といえど、私に挑もうなんて無謀な考えはよすことね……もう言っても無駄でしょうけど……」

 

 

幽々子はゆっくりと降りてくる。

 

 

幽々子「さあ、せめてお墓だけでも立ててあげましょうか。」

 

 

煙がゆっくりと晴れていく。

そこから出てきたのは血濡れた3人……ではなく……

 

 

ジーク「ふぅ……ギリギリセーフか?」

レミリア「……え?」

 

 

バリアを張ったジークだった。

 

 

魔理沙「う…ん……?あれ……って、ジーク!?なんで!?」

ジーク「悪い、心配になってバレないよう後をつけてたんだ。……遅くなったな。」

レミリア「……本当よ……もっと早くきなさいよバガァ……!」

 

 

レミリアはジークの腕にしがみついて泣き始めた。

 

 

ジーク「ああ……本当にすまない。」

 

 

ジークはレミリアの涙を拭き取る。

 

 

ジーク「霊夢は大丈夫か?」

魔理沙「っ!!霊夢……!!……よかった、気絶してるだけだ……」

ジーク「よかった……じゃあ後ろに下がっていろ。」

 

 

魔理沙とレミリアは気絶した霊夢を抱えて後ろに下がる。

そして……

 

 

ジーク「悪魔符『デモニック・シールド』」

 

 

ゴオォォォ………!!

 

 

レミリア「こ、これは……?」

 

 

霊夢、魔理沙、レミリアの3人の周りから紫色の衝撃波が吹き上がる。

 

 

ジーク「衝撃波によるバリアだ。そこの中にいれば攻撃を喰らうことはない。」

レミリア「え?ジークは……?」

ジーク「決まってんだろ?俺は……」

 

 

ジークは幽々子の方を向き……

 

 

ジーク「貴様を倒す。」

 

 

鋭い眼光で幽々子を睨みつけた。

その眼から放たれる圧は、尋常じゃないほどだった。

 

 

幽々子「あら、怖い怖い。貴方、その羽……吸血鬼ね。後ろの吸血鬼の惨状が見えなかったのかしら?貴方も同じ道を辿ることになるわよ。」

ジーク「じゃあやってみるか?」

 

 

ジークが不敵に笑う。

 

 

幽々子「…っ……面白いじゃない。受けてたってやるわ。」

 

 

幽々子も余裕そうな表情を浮かべる。

……だが、内心焦っていた。

 

 

幽々子(くっ……なんなの?こいつの殺気……こんな殺気初めてよ……!?)

ジーク「どうした?考え事か?」

幽々子「っ!!」

 

 

ビュウゥンッ!!

 

 

先程霊夢達へのトドメとして使用した高威力レーザーが、今度はジークに向かって放たれる。

 

 

ジーク「ふん。」

 

 

しかしジークはサイドステップで軽く避ける。

 

 

幽々子「くっ…… 亡郷『亡我郷 ‐道無き道‐』!!」

 

 

幽々子から大量の弾幕とレーザーが放たれる。

 

 

ジーク「古符『太古の弾幕遺跡』」

 

 

ジークは幽々子の弾幕をスペルカードで相殺していく。

 

 

幽々子「っ!?なんて量……!!相殺しきれない……!!」

 

 

ドォォォォン!!

 

 

幽々子「きゃあぁぁ!!」

 

 

ジークの放った数発の弾幕が幽々子にヒットした。

 

 

幽々子「ぐぅ……でもまだ……」

ジーク「まだ、なんだって?」

幽々子「なっ!?」

 

 

ドゴオォォン!!

 

 

幽々子「ぐうぅっ!?」

 

 

いつの間にか後ろに回り込んでいたジークに至近距離で弾幕を撃ち込まれ、幽々子は大きく吹き飛ばされる。

 

 

幽々子「まだよ!!幽曲『リポジトリ・オブ・ヒロカワ ‐神霊‐』!!」

ジーク「夜斬『ナイトシュナイデン』」

 

 

幽々子の弾幕とジークの斬撃がぶつかり合う。

しかし、押されているのは明らかに幽々子の方であった。

 

 

幽々子「なっ……なによこれ……斬撃の数は多くはないけど威力が違いすぎる……!」

 

 

幽々子の言う通り、ジークの放つ斬撃は数こそ多くはないものの、威力が高く1発1発の範囲も広いため、一回の斬撃で大半の弾幕が消しとばされてしまう。

 

 

幽々子「ならもっと数を増やして……!」

 

 

幽々子の弾幕がさらに多く、速くなっていく。

 

 

ジーク「ちっ……面倒だな……」

 

 

いくら広範囲の斬撃といえど、向こうが放つ攻撃の数が多くなってくると段々と捌ききれなくなってくる。

 

 

幽々子「このまま押しつぶしてやるわ!」

ジーク「………!」

 

 

ドオォォォォン!!

 

 

ついに幽々子の放った弾幕の一つがジークを捉え、爆発し煙を起こした。

ジークの斬撃が止み、次々に弾幕が煙の中へと向かっていく。

 

 

ドオォン!ドォォン!!

 

 

レミリア「そんな……ジークっ!!」

幽々子「ふぅ……安心なさい、あの子の魂は私がこの冥界でしっかり管理してあげるから……地獄行きじゃなかったらだけどねぇ……?」

レミリア「あぁ……」

魔理沙「嘘だろ……ジークが……」

 

 

レミリアと魔理沙から希望が薄れていく。

 

 

幽々子「さて……それじゃあこの鬱陶しいバリアを壊して、貴方達の命も終わらせてあげるとしましょうか……」

魔理沙「や、やめろ……くるな……!」

 

 

魔理沙がバリア越しに震える手でミニ八卦路を構える。

 

 

幽々子「そんなボロボロの身体でどうするつもり?」

魔理沙「でもやらないと……!マスター……あ……」

 

 

ドサッ

 

 

レミリア「魔理沙……!?」

魔理沙「くっそ……身体に……力が……!」

幽々子「魔力切れかしらねぇ?まあ、手間が省けて助かるわ。」

 

 

魔理沙の魔力も限界だった。

 

 

幽々子「それじゃあ今度こそ……終わりよ。」

 

 

魔理沙とレミリアは完全に諦めていた。

今立ち向かって痛めつけられるより、ここで死んでしまった方が楽なのではないか。

そう思い始めていた。

 

 

……その時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズゥッ……!!

 

 

ジーク「よう、亡霊……!!」

幽々子「なっ!?」

 

 

幽々子の影から、ジークが出てきた。

 

 

ジーク「オラァ!!」

 

 

ドオォォン!!

 

 

幽々子「がっ!?」

 

 

超至近距離での弾幕が炸裂し、幽々子はレミリアや魔理沙とは反対方向に吹っ飛ばされる。

 

 

幽々子「くっ……確実に仕留めたと思ったのに……!」

ジーク「詰めが甘かったな。」

幽々子「ならもう一回……!」

 

 

幽々子が再び弾幕を展開しようとする……が……

 

 

ジーク「いや、もうゲームオーバーだ。」

幽々子「……な、何を言って…‥っ!?これは……!」

 

 

幽々子はジークの相手に熱中していて気づかなかった。

……いつのまにか結界で拘束されていたことに。

 

 

霊夢「夢想……封印っ!!」

 

 

ドオォォォン!!

 

 

幽々子「きゃああぁぁ!!」

 

 

霊夢の放った虹色の球が幽々子に命中した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジーク「ふぅ……ナイスだ、霊夢。」

霊夢「ったく、もっと早く来なさいよ……危うく死ぬところだったじゃない……」

 

 

地面に降りていくジークと霊夢に、魔理沙とレミリアが近づいていった。

 

 

魔理沙「あのバリア抜けれたのかよ……てっきり抜けれないと思ったぜ。」

ジーク「ああ、内側からは抜けれるようにしているからな。」

レミリア「あとジーク……あなた影から出てきてなかった?」

ジーク「影の内側に一定以上の力を集めると入り込めるんだよ。まあかなり疲れるし、あんまりやりたくないんだけどな。」

レミリア「……なんか一生あなたに勝てない気がするわ。」

魔理沙「同感だぜ。」

霊夢「と言うか、幽々子は?」

 

 

4人は辺りを見回す。

しかしそこには、何もなかった。

夢想封印を受け、ボロボロになった幽々子がいてもおかしくないのに。

 

 

その時だった。

 

 

 

 

 

フフフ……

 

 

4人『!?』

 

 

まだよ……まだ終わらないわ……!

 

 

何処からか声が聞こえる。

 

 

霊夢「幽々子……!?どこにいるの!?」

ジーク「いや、違う!あの桜の木からだ!」

 

 

身のうさを 思ひしらでや やみなまし そむくならひの なき世なりせば

 

 

魔理沙「な……なんだ?」

 

 

次の瞬間……

 

 

ブワアアァッ!!

 

 

大量の弾幕が4人を襲った。

 

 

霊夢「なっ!?」

レミリア「こいついきなり……!」

ジーク「ちっ……悪魔符『デモニック・シールド』!!」

 

 

ドドドドドドッ!!

 

 

ジークは再びバリアを展開し、放たれる大量の弾幕を防ぐ。

 

 

ジーク「お前たちは冥界から脱出しろ!俺が相手をする!」

レミリア「えっ!?でもジークは……」

ジーク「俺はこいつを片付けてから行く!早くしろ!」

レミリア「っ……分かったわ……私が言える立場じゃないけど、死ぬんじゃないわよ!」

ジーク「ああ、分かってる!」

 

 

霊夢、魔理沙、レミリアの3人は急いで冥界の入り口まで走っていく。

 

 

ジーク「……行ったか。さっさと終わらせてあいつらの所に向かうとするか。」

 

 

ジークはバリアを解除し、次なるスペルを唱える。

 

 

ジーク「血符『ドラキュラ警報』」

 

 

次に瞬間、ジークの髪が銀に染まり、背中の羽は4枚になる。

 

 

ジーク「さぁ……行くぞ……!!」

 

 

命を吸い尽くす死の桜、『西行妖』との最終戦が始まった……

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーー幻想郷 冥界入り口ーー

 

 

霊夢「……っ、はぁ!!や、やっと出れたわ……!!」

魔理沙「あんな長い階段もう懲り懲りだぜ……」

レミリア「ええ……そうね……」

霊夢「……後はあいつを信じましょう。きっと、無事に帰ってきてくれるわ。」

レミリア「ええ、そうね。」

 

 

3人が地上に降りたその時、前から此方へあ走ってくる人物が見えた。

紅魔館の門番、紅美鈴だ。

 

 

美鈴「お、お嬢様……!!」

レミリア「ちょ、美鈴!?そんなに慌てた顔してどうしたのよ!?」

美鈴「い、妹様……フラン様が……!!」

レミリア「妹……フランに何かあったって言うの……?」

美鈴「フラン様が……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              失踪しました……!!」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーー外の世界 ノアの家ーー

 

 

*ノアSide*

 

 

僕は今、幻想郷という場所から外の世界へ来たフラン(フランドール・スカーレット)ちゃんの隣に座っている。

 

 

ノア「フランちゃんは紅魔館っていう屋敷の自室で寝てたらいきなりよく分からない空間に飛ばされて気づいたらこっちの世界にいた……って事で合ってる?」

フラン「うん……あ、あと私の名前は呼び捨てでいいよ。私もノアのこと呼び捨てで呼んじゃってるし……」

ノア「そう?じゃあそうするね。う〜ん……ねえフラン、幻想郷への入り方って知ってる?」

フラン「入り方?入り方……お姉様から聞いた話しなんだけど……幻想郷ってすっごく頑丈な結界で隔離されてるらしくて……だから入るには『八雲紫』……だったかな?その人に連れて行ってもらわないといけないの……」

ノア「ちなみにその紫って人……フランみたいに金髪だったりする?」

フラン「わ、分かんない……実際には見た事ないから……」

 

 

流石に質問量が多かったかな……

 

 

ノア「そっか……ごめんね、こっちの世界に来たばかりで戸惑ってるはずなのに色々聞いちゃって……」

フラン「ううん、いいの!気にしないで!」

ノア「ありがとう、フラン。あ、パスタ食べ終わった?」

フラン「あ、うん!すっごく美味しかった!」

 

 

もうこの笑顔が可愛い。

僕と出会ってから約1時間で2回尊死寸前まで追い込んでくるんだけどこの子……

 

 

ノア「ふふ、口にあってよかったよ。それじゃあ食器洗ってくるね。」

 

 

僕はお皿とフォークを洗う為にキッチンへ降りていった。

このまま何もなければよかったのだが……

 

 

ノア「ふぅ……さて、洗わない……と……?」

 

 

僕は見てしまった。

 

 

ーーー壁に這いつくばる黒い悪魔を……

 

 

……いや僕も悪魔なんだけどね!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*フランSide*

 

 

 

フラン「ん……美味しかった……幻想郷に帰ったらお姉様たちにもご馳走しようっと♪」

 

 

私は満腹になったお腹をさすっていた。

それにしてもノアの料理美味しかったなぁ……お兄様といい勝負かも。

 

 

そんな事を考えていると……

 

 

「ぎゃあああああああああああああああ!?」

 

 

フラン「え!?なに!?」

 

 

突然の悲鳴に私は慌ててベッドから出る。

 

 

フラン「今の声……ノア……?」

 

 

すると下からドタドタと物凄い勢いで階段を上がってくる音がした。

何があったんだろ……

 

 

ノア「はぁ……はぁ……フ、フラン……!」

フラン「ちょ、どうしたの!?」

ノア「じ……実は……」

 

 

ノアが話そうとすると、ドアの隙間からカサカサと黒い物体が這い寄ってきた。

……あれって……

 

 

ノア「うわあああああああああ!?」

フラン「きゃああああああああああ!?」

 

 

間違いない、Gだ。

 

 

フラン「どどど、どうしよう!?」

ノア「ど、どうすればいいと思う!?」

フラン「え、えと……あ、そうだ!」

 

 

私は這い寄ってくるGに手のひらを向ける。

こっち側の世界でもこの力が使えれば……!

 

私はGの『目』を手のひらに移動させ……

 

 

フラン「きゅっとして……ドカーーーーン!!」

 

 

思いっきりその目を握りつぶした。

するとGはその場で破裂し、全く動かなくなった。

 

 

フラン「はぁ……はぁ……」

ノア「た……助かったぁ〜……」

 

 

安心したのかその場に腰を下ろすノア。

もしかして虫苦手なのかな……?

 

 

フラン「ねえ、ノアってもしかして虫苦手?」

ノア「………(コクッ」

 

 

小さく頷くノア。

 

 

フラン「……因みにどれぐらいダメなの?」

ノア「小蝿1匹でもう無理。」

フラン「な、なるほど……」

 

 

うん……そりゃあGなんて出たら大絶叫するよね……

というか私もしちゃってたし……

 

 

ノア「でもフラン、生命力の塊のGを1発で仕留めるなんて凄いね……」

フラン「ううん、この能力のおかげだよ。」

ノア「能力?」

フラン「うん、『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』。幻想郷には能力者がいるんだけど、私もその1人なんだ。」

ノア「そうだったんだ。」

フラン「でも……私自身、この能力あんまり好きじゃないの……」

ノア「なんで?」

フラン「私ね……実は産まれてから495年間、この能力のせいで地下に閉じ込められてたの……」

ノア「495年間!?」

 

 

予想通りの反応をするノア。

 

 

フラン「うん。その時の私はこの能力の狂気に苛まれてて……そのせいでたまに能力が暴走しちゃって……」

ノア「………」

フラン「今は狂気が抜けたから問題ないけど……まだ怖いの。また、あの時みたいに誰かを傷つけちゃうかもしれないから……大切な人を壊しちゃうかもしれないから……っ!!」

 

 

私は気付いたら涙を流していた。

 

 

ノア「フラン……」

 

 

ノアは私の前まで移動し、私の後ろに両腕を回して……

 

 

ギュッ

 

 

フラン「……え?」

 

 

優しく抱きしめた。

 

 

ノア「そんなことがあって……辛かったよね……でも僕はフランがそんな事しないって信じてるよ。だってフランの笑顔、邪気がないもん。」

フラン「ふぇ……?」

 

 

ノアはそっと私の顔に手を添えた。

 

 

ノア「だから、もう苦しまなくていいんだよ。なんなら今まで我慢してきた分……ここで吐き出しちゃって……ね?」

フラン「う……ぁ………うわああぁぁぁぁぁあん!!」

 

 

私はノアの胸の中で泣いた。

ただひたすらに泣いた。

今まで辛かった事、苦しかった事を全部吐き出すように。

 

10分ほどして、ようやくおさまった。

 

 

ノア「……落ち着いた?」

フラン「グズッ……うんっ……!」

ノア「ふふ、よかった……それじゃ、洗い物の続きしてこようかな‥…」

フラン「あ、まって……!」

ノア「うん?」

フラン「もう少し……このままでいていい……?」

ノア「うん、いいよ。フランの気が済むまでこのままで居てあげるから……」

フラン「ありがとう……」

 

 

私はそのまましばらくの間、ノアの温もりに触れるのであった……

 

 




はい、終了です。


ジークのやってる事が完全にギ○ティナなんだけど……
そして決着とか言いつつ西行妖戦があるという……
でも多分西行妖戦は書きません(面倒くさいとは言ってない)。


そしてノアイケメン。ジークよりイケメンかもしれない。
いや、だが兄より優れている弟などいn((殴


最近若干モチベ回復してきたんで少し投稿ペース早められるかもしれません。
まあ僕自身超気分屋なのでまたすぐに落ちるかもしれませんが……


取り敢えず今回はこれで終了です。
ではまた次回!!


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第9話 フランの行方

どうもれいどです。

3月になってもうた……
2月中に出せるかなと思ったら3月になってもうた……
なんで2月って28日までしかないんや……


*レミリアSide*

 

 

レミリア「………え?」

 

 

私は美鈴が言っていることの意味がわからなかった。

フランが失踪?

 

 

レミリア「な……なんで……」

美鈴「分かりません……ジークさんがお嬢様方の所へ向かった時はいたはずなのですが……」

霊夢「フランが行方不明ねぇ……まあ紫が一番怪しいんだけど。」

魔理沙「なぁ美鈴、フランの部屋になんかなかったのか?」

美鈴「これといって手掛かりのようなものは……」

魔理沙「……いくらなんでもいきなり家出……なんてことはないだろうしなぁ……」

???「そのことに関しては、私が説明しますわ。」

 

 

突然空間が裂け、中から毛先が幾つかの赤いリボンで結ばれた金髪ロング、そして頭には私やフランと同じようにナイトキャップのようなものを被った女性が出てきた。

 

 

霊夢「……紫」

 

 

霊夢がその名を呟く。

彼女こそが妖怪の賢者にして幻想郷の創設者、『八雲紫』。

 

 

紫「話は聞いたわよ。フランちゃんの失踪についてね……」

霊夢「悪いけど、私はあんたが1番怪しいと思ってる。こんないきなり失踪するなんて、あんたの能力によるもの以外あり得ないもの。」

紫「……まあそうよね、そう言うと思ったわ。だって、ジークくんをこっちに連れてきたのだって私だもの。」

霊夢「……やっぱり」

 

 

彼女は『境界を操る程度の能力』を持つ。

全ての物事に存在する『境界』を操る力。

その力は神にも匹敵するほどだと言われている。

 

そして、その能力を応用したものが『スキマ』だ。

空間の境界を操り裂け目を出現させ、それを使い離れた別も場所に移動することができる。

その範囲は幻想郷内だけでなく、外の世界や絵本・小説の中だってそうだ。

 

 

霊夢「で、結局どうなのよ?紫……」

紫「今回の件は私の所為じゃないわ。」

霊夢「……は?」

紫「正直に言うと、私にもはっきりとは原因がわからないの。」

レミリア「……どういうこと。」

 

 

私は、少し怒りを含んだ声で言う。

 

 

紫「まず、さっきも言ったように今回のフランちゃんの失踪に私は関係していない。ここだけは押さえておいてちょうだい。」

レミリア「……分かったわ。」

魔理沙「フランの居場所とか分からないのか?」

紫「具体的な場所は分からない。でも……」

霊夢「でも?」

紫「恐らくだけど……フランちゃんは外の世界にいる。」

レミリア「外の……世界?」

霊夢「ちょっと待ちなさいよ、じゃあこの幻想郷に紫以外にも外の世界に干渉できるやつがいるって言うの?」

紫「分からないけど、私の仮説が正しければ結界の歪みに巻き込まれた可能性があるわ。」

霊夢「結界の歪み?」

紫「ええ。博麗大結界って長い間放置してると歪んでいっちゃうから1年に一回メンテナンスしないといけないんだけど……」

レミリア「だけど……?」

紫「………実はここ3年ぐらいメンテナンスしてなかったのよね☆」

 

霊夢「結局あんたじゃないのよおおぉぉぉ!!」

 

 

バゴオオォォォン!!

 

 

霊夢のお祓い棒が紫の頭にクリーンヒットした。

うわぁ……絶対痛いやつじゃない……

 

 

紫「いった〜い!!ちょっと何するのよ〜!!」

霊夢「なんで大結界のメンテナンス忘れんのよ!連絡来ないから異常ないのかと思っちゃったじゃないの!」

紫「実は一回面倒くさくなって放置してた時があったんだけど、そこからいままで忘れちゃってて……」

霊夢「あんた幻想郷が大切ならサボるんじゃないわよ!」

紫「いやほんとにごめんなさい。」

魔理沙(霊夢も修行サボってるんだけどなぁ……)

 

 

物凄い形相で紫を睨みつける霊夢。

殺気が凄いわ……

 

 

紫「取り敢えず、フランちゃんはこっちでも出来る限り探してみるわ。」

霊夢「はいはい、じゃあさっさとメンテナンスしに行くわよ!」

紫「痛い痛い!分かったから!髪引っ張らないで!」

 

 

そう言いながら霊夢と紫はスキマの中に消えていった……

 

 

レミリア「あのスキマ妖怪……もしフランに何かあったらひき肉にしてやろうかしら……?」

魔理沙「落ち着けレミリア。でもフランならなんだかんだ言って大丈夫なんじゃないのか?」

レミリア「あのねえ……あの子吸血鬼年齢ではまだまだ子供なのよ?」

魔理沙「でも私達は外の世界に干渉できないし、無事に帰ってくるのを待つしかないだろ。」

レミリア「そうよね……はぁ、何処かで拾ってもらえていればいいのだけど……」

魔理沙「そうだなぁ……ん?おい、なんか雪止んでないか?」

レミリア「!!本当ね……それに何だか暖かい……」

 

 

その時、上から何かが降りてくる音がした。

 

 

ジーク「お、雪止んだか……」

 

 

ジークだ。

どうやらあの異変を終わらせてくれたらしい。

 

 

レミリア「ジーク!」

ジーク「よっと、思ったより時間かかったな……」

魔理沙「いや、十分速いと思うぜ……」

ジーク「そうか?まあ解決した事だしいいか。」

レミリア「……そうね。」

ジーク「レミリア?どうしたんだ、そんな顔して……」

魔理沙「あー、実はな……」

 

 

少女説明中………

 

 

ジーク「………」

魔理沙「……まあ、そう言う事なんだ……」

ジーク「そうか……なんか……すまないな……」

レミリア「いいのよ、気にしないで。単なる事故だと思うから……」

ジーク「ああ……」

魔理沙「あーもう!やめだやめだ!異変解決したってのにこんなジメジメした空気でやってらんないぜ!」

レミリア「魔理沙……」

魔理沙「外の世界に放り出されたとはいえフランだって死んでるとは限らないんだ!だから嫌なこと考えるなんてやめてもう帰ろうぜ、な?」

レミリア「……そうね、あの子なら大丈夫よね!」

ジーク「ああ、そうだな。俺もフランを信じるよ。」

魔理沙「よし!じゃあ今日はもう解散!」

 

 

こうして私たちはそれぞれ帰路についた。

 

 

 

 

 

 

 

 

*ジークSide*

 

 

ジーク「レミリア……」

レミリア「なに?」

ジーク「本当にすまない……!」

 

 

俺はレミリアに頭を下げた。

 

 

レミリア「ちょ、どうしたの?」

ジーク「俺が紅魔館で留守番していた時……フランの事をしっかり見ていればこんなことには……!」

レミリア「ジーク……ううん、いいのよ、そんなに謝らなくても……」

 

 

俺はレミリアから咎められる覚悟は出来ていた。

しかし、レミリアの反応は違った。

 

その声は、神経を優しく包み込むような、そんな声だった。

 

 

レミリア「大丈夫、貴方のせいじゃない。だから私は貴方を責めるつもりはない。」

ジーク「レミリア……」

レミリア「だから今は帰りましょう?大丈夫、あの子なら無事に帰ってきてくれるわ。だって私の自慢の妹だもの。」

ジーク「レミリア……ありがとう……本当に……」

 

 

こうして俺たちは紅魔館に帰っていった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーー紅魔館ーー

 

 

ギイィィ……

 

 

レミリア「ふぅ……ただいm」

咲夜「申し訳ありませんでしたお嬢さまぁぁぁぁ!!」

 

 

レミリアとジークが紅魔館に帰ってきた瞬間、咲夜がものすごい勢いで土下座をしてきた。

 

 

レミリア「ちょっ、咲夜!?風邪ひいてるのに無理しないで!?」

小悪魔「咲夜さああぁぁん!そんなに動いたらだめですってばあぁぁ!」

 

 

どうやら小悪魔が看病しているようで、彼女は冷やしたタオルを持っていた。

 

 

咲夜「だ、だいじょうぶでゲホッ!!」

レミリア「大丈夫じゃないから!こあ、咲夜を運んで!」

小悪魔「りょ、了解です!」

咲夜「もうしわけ……ゴホッ……」

 

 

小悪魔は咳き込む咲夜を抱えて飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レミリア「そういえば……」

ジーク「うん?」

レミリア「ジークって一人っ子なの?」

ジーク「いや、弟がいる。」

 

 

紅魔館の廊下で、レミリアとジークが話している。

 

 

レミリア「弟がいたのね。どんな人なの?」

ジーク「あいつは優しくて、面倒見のいい奴だ。俺が昔実家を出た時『兄さんを1人にさせたくない』って言ってあいつも一緒に出たんだ。そこから俺が幻想郷(こっち)に来るまで一緒に暮らしてた。」

レミリア「そうだったの……それじゃあ貴方も弟と離れちゃったのね……」

ジーク「ああ。俺もあいつのことが心配なんだ。基本的な事は教えたとはいえ吸血鬼としてはまだ子供だからさ……」

レミリア「基本的な事って、家事とか?」

ジーク「ああ、それを5割ほど。」

レミリア「……残りの5割は?」

ジーク「戦闘スキル。」

レミリア「知ってたわ。」

 

 

予想通りの返答。

きっとレミリアは『やっぱりか……』とでも思っているのだろう。

 

 

レミリア「ねぇ、貴方の家系って戦闘民族かなんかなの?」

ジーク「流石にそんな物騒なものじゃねーよ……」

レミリア「でも貴方戦闘狂じゃない。」

ジーク「俺戦闘狂って思われてたの?」

 

 

若干ショックを受けるジーク。

 

 

レミリア「冗談よ。あの時貴方が来てくれなかったら、私は今死んでいたかもしれない……」

 

 

するとレミリアはジークに詰め寄る。

そして両腕をジークの後ろへ回し……

 

 

レミリア「……私たちを守ってくれて、ありがとう。」

 

 

そのままジークを抱きつく。

 

 

ジーク「いや、レミリアは素姓も分からない俺を住まわせてくれた恩人だ。そんな恩人を見殺しにできるわけないだろ?」

レミリア「貴方どこまで善人なのよ……」

ジーク「あー……それと……」

レミリア「何?」

ジーク「……そろそろ離れてくれ。さっきから妖精メイドの視線が……」

レミリア「えっ?……あ……」

 

 

レミリアが振り返ると、妖精メイドが3人ほどニヤニヤしながら覗いていた。

 

 

妖精メイドA「お嬢様……あの外来人とあんな関係だったんだぁ♪」

妖精メイドB「これはみんなに報告しなきゃ♪」

妖精メイドC「賛成♪」

レミリア「っ!?ちょっ、貴方達!違うから!私達そんな関係じゃないから!///」

妖精メイドA「あ、やば、見つかった!?」

 

 

ビューーーーン!!

 

 

レミリア「あっ!こら待ちなさい!!」

 

 

ビューーーン!!

 

 

慌てて飛び去る妖精メイド達。

それを追いかけるようにレミリアも飛んでいってしまった。

 

 

ジーク「……部屋戻るか。」

 

 

取り残されたジークは廊下を歩いて行く。

 

 

ジーク「フランが外の世界に……ノアに保護されてたりしてるといいが…まあそんな都合のいい事起こるわけねぇか……」

 

 

そんなことを言いながらジークは自室に戻っていった。

 

 

 

 




はい、今回は以上です。


やばい……期末テストが近づいてくる……
テスト終わったら小説書かねば……
こんなことなら書き溜め作っときゃよかったな……


次回の幻血録はノア&フランサイドのお話になりそうです。
ではまた次回!!


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第10話 ショッピングモールへ行こう

ども、れいどです。

テストがあったのとカービィディスカバリーが楽しすぎて本来なら二週間ちょいで投稿できそうだったものを1ヶ月ほど投稿期間が開いてしまいました。

今回は外の世界側のお話です。
では本編。



ーー外の世界 ノアの家ーー

 

 

フラン「……んぅ……」

 

 

朝8時、フランはノアの家の一室で目を覚ます。

あれからフランは2階の空き部屋を自分の寝室として使わせてもらうことにしたようだ。

 

 

フラン「ん……いい匂い……」

 

 

フランは部屋を出て階段を降りる。

すると下から包丁やフライパンの音が聞こえてくる。

 

きっとノアが朝食を作っているのだろう。

 

 

ノア「あ、おはようフラン。」

フラン「ノアおはよう〜……」

ノア「そのパジャマどう?サイズとか問題なかった?」

フラン「うん、大丈夫だったよ。」

ノア「よかった。じゃあ顔洗って着替えておいで。洗面所の場所覚えてる?」

フラン「うん、昨日教えてくれたからね。」

 

 

そう言ってフランは洗面所へ行く。

そして顔を洗い、再び寝室に入り服を着替える。

 

いつも通りの赤を基調に白いフリルの付いた半袖とスカート、そして白のナイトキャップ。

 

 

フラン「……よしっと!」

 

 

フランが寝室から出てくる。

 

 

ノア「お、丁度朝御飯できたよ。食べよう。」

フラン「うん!」

 

 

メニューはパンにベーコンエッグ。

メジャーな朝食メニューだ。

 

 

ノア「飲み物何がいい?」

フラン「う〜ん……ジュースとかある……?」

ノア「オレンジジュースならあるよ。これにする?」

フラン「うん、それがいい。」

ノア「じゃあ僕もこれにしようかな。」

 

 

2つのコップにオレンジジュースが注がれる。

 

 

フラン・ノア「「いただきます」」

 

 

モグモグ……

 

 

フラン「ん……おいひい!ノアって料理得意なの?」

ノア「うん。兄さんが料理得意でさ、僕も教えてもらったんだよ。兄さんの帰りが遅い日とかは僕が作ってたから。」

フラン「へ〜」

 

 

そんな会話を交わしながら朝食を食べる。

しかし、ノアはあることに気づいた。

 

 

フラン「………(カチャッカチャッ」

ノア「?もしかしてフラン、ピーマン苦手なの?」

フラン(ギクッ)

 

 

フランがピーマンだけ異様に避けているのだ。

 

 

ノア「嫌だったら残していいよ。僕が食べるから。」

フラン「いや、大丈夫!せっかく作ってくれたんだもん、だからピーマンぐらい……うぅ……!」

 

 

フランは腕を震わせながらもフォークでピーマンを口の前まで持っていく。

だが……

 

 

フラン「……や、やっぱりむり……」

ノア「あはは……まあピーマン苦いもんね……」

 

 

やはり無理だったようだ。

 

 

フラン「う……ごめんなさい……」

ノア「いいよ、好き嫌いなんて誰にでもあるし、僕だって嫌いなもの沢山あるし。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フラン・ノア「「ごちそうさまでした」」

 

 

結局あの後フランのピーマンはノアが美味しくいただき、ノアは食器を洗いはじめる。

 

 

ノア「フラン?」

フラン「なに?」

ノア「今日さ、フランの洋服買いに行こうと思ってるんだけどいいかな?今着てる服だと外出た時に目立っちゃうし……」

 

 

フランが今着ている服は外の世界では目立ちすぎるため、こちらの世界で着る用の服を持っていた方がいいのだ。

 

 

フラン「うん!私も外の世界にどんな服があるのか見てみたい!」

ノア「決まりだね。それじゃあもうしばらくしたら行こうか。」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーー大型ショッピングモールーー

 

 

*ノアSide*

 

 

あれから約2時間後、僕とフランは大型のショッピングモールへ着いた。

フランは僕が貸した日傘をさしている。

 

 

フラン「うわ……すごく大きい……」

ノア「幻想郷には無かったの?」

フラン「うん、こんなに大きい建物紅魔館以外で見た事ないよ……」

 

 

どうやら幻想郷にはショッピングモールというものがないようだ。

 

 

フラン「ね、早く入ろうよ!」

ノア「そうだね、入ろうか。」

 

 

ウィーン

 

 

フランがショッピングモールの入り口に近づくと、入り口のドアが自動で開いた。

 

 

フラン「え?ドアが勝手に……」

ノア「ああ、自動ドアだね。ドアの上にセンサーがあって、あれが人を感知するとドアが開くようになってるんだよ。」

フラン「せ、せんさー?分からない事だらけだよ……」

 

 

フランは頭を抱える。

自分の知らない物が大量にあるのだから頭の一つぐらい抱えたくもなるだろう。

 

このショッピングモールに来るまでも、電車やバスなどフランにとっては全く知らないもののオンパレードだったのだ。

 

 

フラン「一瞬外の世界にも魔法があるのかと思っちゃった……」

ノア「まあ、今の外の世界にとって魔法なんて伝説だからね。」

 

 

僕はフランとショッピングモールへ入る。

中は既に大量の人で埋め尽くされていた。

 

 

フラン「人がいっぱいいる!」

ノア「かなり大きいモールだからね。いつもこれぐらいいるんじゃないかな。」

フラン「ねーねー、洋服屋さんどこにあるの?」

ノア「えーっと、3階だからここから2階上だね。」

 

 

僕とフランは近くのエスカレーターで3階まで上がる。

3階まで上がり、少し歩いた先に洋服屋があった。

 

僕が知る中では結構有名なブランドの洋服屋だ。

 

 

フラン「外の世界のお洋服ってこんなに沢山あるんだ……!あ、これ可愛い!」

 

 

フランは洋服屋に入るなり目をきらつかせる。

見たことのない洋服に興味津々のようだ。

 

 

フラン「ねーねー、もっと奥行っていい?」

ノア「いいよ、でも危ないから一人で洋服屋から出て行ったりはしないでね?」

フラン「はーい!」

 

 

そういうとフランは奥の方へ走っていく。

 

 

ノア「……ついでに僕も何か買っていこうかな。」

???「あれ?ノア?」

 

 

その時、後ろから誰かに呼びかけられた。

 

 

ノア「ん?あ、紫音と豹雅?」

 

 

僕のクラスメイトであり、友達の『紫音』と『豹雅』だ。

 

 

紫音「ノアも買い物?」

ノア「うん、ちょっとね。」

豹雅「そういえばお前の兄さん、最近見ねーな。」

紫音「確かに、お前こう言うでかいモールに来る時大体兄貴と一緒だもんな。」

ノア「あはは……実は最近兄さんと予定が合わなくて……」

 

 

……異世界に飛ばされたなんて言ってもそんな漫画みたいな事信じてもらえるはずがないので、とりあえず適当な理由を作って逃れようとした。

 

 

豹雅「そうかぁ……まあ予定合わないんなら仕方ないか。」

ノア「それじゃあ僕は服見てるから。」

紫音「おう、じゃあ俺らはそろそろ行くか……」

 

フラン「ノアノアー!この服着てみたいんだけどいい?」

 

 

すると奥からフランが数着の服を持ってこちらに走ってきた。

 

 

ノア「いいよ。それじゃあ試着室行く?」

フラン「うん!」

ノア「じゃあ僕達は試着室行ってく……ん?」

 

 

振り返ると、そこには口を開けて驚いた表情でこちらを見つめる2人の姿が。

 

 

ノア「……どうかした?」

紫音「いや、なんでもねぇ!行くぞ豹雅!」

豹雅「あ、ああ!じゃーなノア!」

ノア「う、うん。じゃあね……?」

 

 

すると2人は走って行ってしまった。

 

 

ノア「ごめんね、フラン。試着室いこうか?」

フラン「うん!……というか、さっきの人達だーれ?」

ノア「あの2人は僕の友達だよ。ただそれだけ。」

フラン「そうなんだ。じゃあ早く行こう!」

 

 

そう言ってフランは僕の腕を引っ張りながら走る。

切り替えが早いなぁ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫音「なぁ、豹雅……」

豹雅「ああ……ノアが連れてたのって……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              東方projectのフランドール・スカーレットだよな……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フラン「えへへ〜買えた〜♪」

ノア「良かったね、フラン♪」

 

 

あの後フランは試着を済ませ、気に入った服を買った。

フランの選んだ服は白いブラウスに黒のミニスカート、赤ベースで所々白のラインが入ったパーカー、ジーンズなどだ。

かなりの値段がしたがそこは目を瞑ることにした。

 

僕は時計を見る。

今は……丁度お昼時か。

折角だし、昼ご飯はフードコートで食べようかな。

 

 

ノア「フラン、今日の昼ご飯フードコートで食べようか?」

フラン「ふーどこーと?なにそれ?」

 

 

またしても聞き慣れない単語に首を傾げるフラン。

 

 

ノア「フードコートっていうのはね、今いるような大きいショッピングモールとかにある、色んな飲食店が並んでるスペースのことだよ。まあ簡単に言えば、屋台が並んでるような所かな?」

フラン「へ〜、外の世界ってそんなのもあるんだ〜」

 

 

この説明で合ってるのかは分からないが、取り敢えずフランは納得してくれたようだ。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーーフードコートーー

 

 

ノア「ゲ……こ、混んでるなぁ……」

フラン「すごい人……」

 

 

昼時ということもありフードコート内はかなりの人がいた。

これは席を探すだけでも苦労しそうだ。

 

……と思っていたが、埋まっているのは1人用と4人用のテーブルだけで、2人用のテーブルは結構空いていたため、すぐに席を見つけることができた。

 

フードコート内の店舗もハンバーガーやうどん、ラーメンなどの麺系、カレー、中華料理、イタリア料理、さらにはアイスなどのデザート系まで揃っていた。

思っていたよりも種類が豊富だった。

 

 

フラン「ねーねー、私あれ食べてみたい!」

 

 

そう言ってフランが指さしたのはハンバーガー店だった。

 

 

ノア「ハンバーガーか、じゃあそこにしようか。」

フラン「やったー!」

 

 

僕たちはハンバーガー店へ向かう。

ハンバーガー店には3台ほどの巨大なタッチパネルがあったので、恐らくこれで注文するのだろう。

 

僕はタッチパネルの『メニュー』と書かれたボタンを押す。

するとメイン、サイド、ドリンク、デザートと種類分けされたメニューが表示された。

 

 

フラン「お〜、いっぱいある!」

ノア「フランはどれにする?」

フラン「えっとね〜……あ、これにする!」

 

 

フランが選んだのはチーズバーガー、とフライドポテト、そしてドリンクが揃ったもの、所謂セットという物だ。

僕も同じものを頼むことにした。

僕はアイスティーを、フランはオレンジジュースをドリンクに選び、支払いを行う。

するとお札投入口の隣から番号が書かれた紙が出てきた。

カウンターの上に番号が映った液晶画面があるので、恐らくあれで呼ばれるのだろう。

 

 

ノア「えっと……084番かぁ……」

 

 

液晶を見ると、今映っている番号は081番。

案外早く呼ばれそうだ。

 

 

 

ー*ー5分後ー*ー

 

 

店員「084番でお待ちのお客様ー、084番でお待ちのお客様ー」

ノア「あ、きた。」

 

 

僕は店員からチーズバーガー、フライドポテト、ドリンクが2セットずつ乗ったトレーを貰う。

そして横から数枚の紙ナプキンとアイスティー用のガムシロップを取り、席へ戻る。

 

 

フラン「早く食べようよ〜お腹すいた〜」

ノア「そうだね。それじゃあいただきまーす。」

 

 

そう言ってハンバーガーを包んでいた紙を取る。

すると……

 

 

ノア「なっ……!?」

 

 

明らかにチーズバーガーとは思えないサイズの物がそこにあった。

 

まず、バンズが思ったより大きい。

某マ○ドのバンズと比べると相当なビッグサイズだった。

 

そして、パティが異常に分厚い。

他の今まで食べてきたハンバーガーと比べて2倍ほどの分厚さだった。

 

極め付けにはチーズもデカい。

明らかにハンバーガーに入れるサイズではない。

横からはみ出しまくっている。

 

明らかにアンヘルシーである。

 

 

ノア「ポ、ポテトは割と普通のサイズなのに……」

 

 

ポテトの方は丁度いいくらいなのに……

しかしフランはサイズのことなど気にせずに美味しそうに頬張っていた。

 

 

フラン「ほへふっほふおいひい!!(これすっごく美味しい!!)」

ノア「フラン、リスみたいになってるよ。」

 

 

どうやらフランには好評のようだ。

僕も一口齧り付いてみる。

 

 

ノア「……美味しい!」

 

 

肝心の味も塩加減がちょうど良く、ソースもよく絡んでいたためかなり美味しかった。

僕はそのままあのサイズのチーズバーガーを速攻で平らげてしまった。

それはフランも同じだ。

 

 

フラン「あぁ〜……もう何も入らない……」

ノア「僕も……それじゃあ最後に食材だけ買って帰ろうか?」

フラン「うん……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーショッピングモール B1Fーー

 

 

 

ノア「……さて、こんなものかな。」

 

 

僕は地下の食材売り場で食材を買い足し、会計を済ませる。

 

 

ノア「よし、あとは袋詰めして……あれ?フラン?何してるの?」

フラン(ジーーーーーー………)

 

 

見ると、フランがショーケースに張り付いて中を見つめている。

 

 

ノア「フラン〜、なに見て……あっ」

 

 

そしてフランの目線の先には、かなり高級そうな……というか高級なプリンが。

そしてフランは僕に気付いたのか、急に此方を向き目を輝かせながら見つめている。

 

 

ノア「……仕方ないなぁ……まだ資金には余裕あるし、いいよ。」

フラン「やったー!」

 

 

という訳で、追加でプリンを買い、僕たちはショッピングモールを出た。

 

 

ノア(あのプリン、かなり高かったなぁ……一個4000円したんだけど……)

 

 

その分質が良いことを願うばかりだ。

 

 

にしてもあの時、なんで2人はあんな驚いてたんだろう……

 

 

フラン「ノアー!早く行こー!」

ノア「あっ、待って!」

 

 

………まあ、今気にしても仕方ないか。

そう思い、僕はフランに腕を引っ張られながら家に帰るのであった。

 

 

 

 

 




ああ……3月が終わる……新学期が始まる……
春休み終わるのはえーよぉぉ……

せめて夏休みと同じくらいまで増やしてくださいお願いします(不可能)。

次回は……学校始まるまでに出せたらいいな〜って感じです。
ではまた次回!!


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第11話 清く正しい鴉天狗

お久しぶりです、れいどです。

まさかの3ヶ月以上サボるという。
申し訳ないです。

そろそろにゃんこ2期の方も書き始めないとな……


ーー紅魔館 図書館ーー

 

 

ジーク「……ふぅ、これはここでいいのか?」

パチュリー「ええ、わざわざありがとうジーク。」

 

 

紅魔館の大図書館、ジークはパチュリーの手伝いとして本棚の整理をしていた。

あの後咲夜の風邪は無事治ったが、看病を担当していた1人である小悪魔へ見事移り、現在ダウン中なのだ。

 

 

小悪魔「ふぇぇ……すみませんジークさん……私がこんな有様なばかりに……」

ジーク「いや、気にするな。小悪魔はゆっくり休んでおいた方がいいぞ。」

パチュリー「こあ、風邪が悪化するわよ。それにこれ以上移されたらたまったもんじゃないわ。」

小悪魔「はい……では失礼します……」

 

 

そう言い残し、小悪魔は自室に戻っていった。

 

 

ジーク「あ、そうだ。そういえば今日咲夜に買い出し頼まれてるんだったな。」

パチュリー「あら、そうなの?なら早めに行っておいたほうがいいんじゃない?」

ジーク「でも本の整理は……」

パチュリー「もう大分片付いたから後は私1人でも大丈夫よ。それに暇そうな妖精メイドに頼めばいいし。」

ジーク「そうか、ありがとう。それじゃあ行って……」

 

 

その時だった。

 

 

パチュリー「きゃっ!?」

 

 

パチュリーが床に置かれた本で足を滑らせ、うつ伏せにすっ転んだのは。

 

 

ジーク「おいパチュリー、大丈夫か?」

パチュリー「いたた……ええ、大丈夫……よ……」

 

 

そして、その時本棚にぶつかった反動でその本棚の魔導書やらが大量に降ってきたのは。

 

 

ドザザザザザザーーーッ!!

 

 

ジーク「……これはまだ出られそうにないな。」

パチュリー「むきゅー……」

 

 

パチュリーは降ってきた魔導書の下敷きになり目を回していた。

結局その後魔導書を並べ直す羽目になり、ようやくジークは買い出しに出ることができた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーー人里ーー

 

 

ジーク「相変わらず賑わってるな。」

 

 

幻想郷の人里。

 

江戸時代を彷彿とさせる和風な町並みをしており、人間が唯一妖怪の脅威を感じずに生活できる場所でもある。

中には妖怪が営む店もあったりするが、そういった妖怪は基本的に無害なので心配する必要はない。

 

 

ジークはメモを見て八百屋へ向かう。

 

 

ジーク「あ、そういえば幻想郷じゃ貨幣が違うんだったな……」

 

 

幻想郷では現代(外の世界)の貨幣は使い物にならないため、幻想郷の貨幣をあらかじめ咲夜から貰っていた。

 

 

ジーク「さて、さっさと終わらせて帰るか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八百屋の店長「まいどありぃ!」

ジーク「ふぅ、これで全部だな。」

 

 

買い物を終えたジークは、人里を出て紅魔館へ帰ろうとしていた。

 

 

ジーク「……にしてもあの店長、テンション凄かったな。………駄洒落みたいになっちまった。」

 

 

そんな事を呟きながら歩いていると、突然後ろから風が吹いてきた。

 

 

ビュォォォ……

 

 

ジーク「うぉ……なんだ、風か?」

 

 

ジークが背後を振り向くと、風と共に此方へ猛スピードで向かってくる人影があった。

 

 

ジーク「ハァ……面倒くさいことになりそうだな。」

 

 

軽いため息を吐き、迫り来るものに目を向ける。

『それ』から一切目を逸らすことはない。

 

そして、次の瞬間。

 

 

???「やぁぁぁっと見つけましたよぉぉぉ!!」

ジーク「よっと(ヒョイッ」

 

???「……え?」

 

 

『それ』との距離が0になった瞬間、ジークがサイドステップで避ける。

そして……

 

 

ズシャアアァァァァッ!!

 

 

???「ぎゃあああああああ!?」

 

 

突っ込んできた『それ』はブレーキが効かなくなり、思いっきり地面に突っ込んでいった。

 

 

ジーク「……大丈夫か?」

???「だ、だいじょばないれふ……」

 

 

〜少女仕切り直し中〜

 

 

???「いきなり死ぬかと思いました……」

ジーク「あんなスピードで突っ込んでくるからだ。」

???「だったら避けないでくださいよ〜……」

ジーク「避けなかったら鳩尾に直撃してたわ。というか、そもそも誰だ?」

???「おっと、これはこれは失礼いたしました。」

 

 

そういうと彼女は先程乱れたシャツを整える。

 

 

文「申し遅れました。私、『射命丸文』と申します。」

ジーク「俺はジークだ。よろしくな。」

 

 

お互い握手を交わす。

 

 

ジーク「それで、なんでいきなり突進してきたんだ。」

文「あっ、そうです!あやうく目的を忘れるところでした!」

 

 

文は首にかけていたカメラを手に取る。

 

 

文「実は私、『文々。新聞』の記者をしているんですよ。」

ジーク「そうなんだな。で、それがどうかしたのか?」

 

 

すると文は今度はシャツの胸ポケットからメモ帳とペンを取り出した。

 

 

文「単刀直入に言いますと、私は最近幻想入りしてきた貴方に取材したいのです!」

ジーク「最近って……もう半年前ぐらいだけどな。」

文「え?もうそんなに経ってたんですか?」

 

 

ジークの言葉に文は目を丸くする。

 

 

ジーク「ああ、本当だぞ。」

文「……ということは、幻想郷の大体の人物は、既にあなたの事を知っている……?」

ジーク「まぁ、会ったことないやつもいるだろうが、知ってる奴もそれなりにいると思うぞ。」

文「そ、そんな……幻想郷最速であるこの私が乗り遅れるなんて……不覚……」

 

 

その場で膝から崩れ落ちる文。

この時、ジークは確信した……

 

「これ長引きそうだなぁ」と。

 

 

文「……いや、私はまだ諦めませんよ!皆さんが貴方のことを知っているというのならば、私は貴方の更なる情報を得るだけです。」

 

 

文は再びメモ帳とペンを手に持つ。

 

 

文「と、言うわけで是非ともご協力お願いします!」

ジーク「………なるほどな……」

 

 

ジークはその場でしばらく考える。

 

 

ジーク「……分かった。」

文「お!?それはつまり……!?」

 

 

考え抜いた末、ジークが出した答えは……

 

 

ジーク「じゃあ俺の気が向いたら取材を受けてやるよ。」

文「……え?」

 

 

そう言うとジークは背中を向けて歩き出してしまった。

 

 

文「ちょ、ちょっと!今の完全に引き受ける流れでしたよね!?しかもそれ『行けたら行く』並に信用できない言葉ですから!!」

ジーク「悪いけど今遣いを頼まれててな。なるべく早く戻らないといけないんだ。」

文「そ、そんなぁ〜……」

 

 

落胆する文を背後にジークは紅魔館へと飛び去っていった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

〜翌日〜

 

 

レミリア「うぅ〜……ああは言ったもののやっぱりフランが心配だわ……」

 

 

レミリアは自室で頭を抱えていた。

 

 

レミリア「あのスキマ妖怪に頼んで私も外の世界に送ってもらおうかしら……」

 

 

そんな事を考えていた時だった。

 

廊下からドタドタと足音が近づいてきた。

しかも2人いるらしい。

 

 

レミリア「はぁ……また妖精メイドがはしゃぎ回ってるのかしら……」

 

 

レミリアが自室のドアを開けるとそこには……

 

 

ジーク「だからしつけぇって!いい加減にしろ!」

文「私は貴方の許可が取れるまで諦めませんよ!」

 

レミリア「( ゚д゚)ポカーン…」

 

 

カメラとメモ帳を持って追い回す文と逃げるジークの姿があった。

 

 

レミリア「あんたら何やってんのよ!」

 

 

ヒュッ!!ゴッ!!

 

 

ジーク「い”っ!?」

文「ぐへっ!?」

 

 

レミリアの手刀が2人の後頭部にクリーンヒットし、2人は前のめりに倒れ込んだ。

 

 

レミリア「……ジークがいるのはいいとして、なんで文がここにいるのよ。」

文「じ、実はですね……」

 

 

 

〜少女説明中〜

 

 

 

レミリア「へぇ、つまりあんたはジークに取材しにきたと。」

文「はい、そういうことです……」

レミリア「それは兎も角、どうやって入ってきたのよ。」

文「え?門番さんが寝ていたのでそのまま正面から……」

レミリア「美鈴……本当にクビにしてやろうかしら……?」

 

 

レミリアは怒りで顔を若干赤くする。

 

 

文「ジークさん、本当に一生のお願いです。取材させて下さい。」

ジーク「……はぁ、まあこれ以上後つけられるのも嫌だしな……分かったよ。」

文「本当ですか!?」

 

 

文は目を輝かせてメモ帳を取る。

そして彼女は深呼吸して……

 

 

文「それじゃあ早速……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

             ジークさんとレミリアさんはいまどこまでいってるんですか?!!」

 

 

バッコオオォォォォン!!

 

 

次の瞬間、とてつもない轟音と共に文が消えた。

そしてレミリアの手にはグングニルが。

 

 

レミリア「あんのクソ天狗……もう出禁よ出禁!!」

 

 

レミリアは恐らく吹っ飛ばした文が開けたであろう壁の大穴に向かって叫ぶ。

 

 

ジーク「レ、レミリア……大丈夫か?」

レミリア「えぇ……ごめんなさい、取り乱してしまったわ。」

ジーク「結局取材せずに帰って行ったな。」

レミリア(……あいつ、最初の質問があれとかどうかしてるんじゃないのかしら……そ、そういうのは……ほら……もっと深い関係になってから……)

 

 

レミリアの顔が見る見るうちに赤くなっていく。

 

 

ジーク「レミリア、本当に大丈夫か?熱でもあるんじゃないか。」

レミリア「だだだだだ大丈夫よ!?」

ジーク「呂律回ってないぞ。」

レミリア「う、うるさいっ!!」

 

 

そう言ってレミリアはどこかへ飛び去ってしまった。

 

 

ジーク「……にしても、さっきの文の質問どういう意味だったんだ?」

 

 

ジークは疑問を持ちながら、自室へ戻っていった。

 

 

 

 

 

 




もうそろそろ夏休みやで。
やったね。

夏休みは投稿ペース早めたいな。

ということで次回は夏休み入ってからの投稿になると思います。
気長に待っていただけると嬉しいです。


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第12話 機械斧

れいどです。

まず最初に謝ります。
約4ヶ月も間を空けてしまい本当に申し訳ありませんでした。

正直に言いますと、またスランプ状態に陥っていました。
4ヶ月前に状態よりは回復しましたが、もしかしたらまた投稿期間が大幅に空いてしまうかもしれません。

その時は再び待たせてしまうかもしれませんが、気長にお待ちいただけると幸いです。

それでは本編です。



 

 

ー紅魔館ー

 

 

美鈴「ふ〜……今日も頑張りますかねぇ〜……」

 

 

早朝、一足先に朝食を食べ終えた美鈴は門の前で佇んでいた。

 

 

美鈴「……さてと、効率を上げるためにまずは2時間ほど睡眠を……」

 

 

と言って目を閉じようとしたその時、ある物が美鈴の目に留まった。

 

 

美鈴「おや?あれはなんでしょうか……」

 

 

それは地面に突き刺さっており、持ち手の部分以外の大半は埋まっていた。

見た感じ鉄製のなにかのようだが……

 

 

美鈴「取り敢えず抜いてみましょうか……ふんっ!」

 

 

ガゴンッ

 

 

美鈴「よしっ!抜けた……これは……斧?」

 

 

美鈴が引き抜いたそれは、三日月型の刃、先端に槍のような鋭い突起物があり、周りにはボルトや歯車などメカニカルな部分があった。

 

しかし暫くの間放置されていたのか、所々錆びている。

 

 

美鈴「誰かの落とし物でしょうか?」

 

 

美鈴は謎の斧を抱え上げ、紅魔館に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レミリア「ふぁ……おふぁよう……」

 

 

遅めの起床をしたレミリア。

テーブルには既に朝食が出来上がっていた。

 

 

パチュリー「レミィ、起きるの遅いわよ。」

レミリア「だって昨日昼寝しちゃったんだもの……」

ジーク「そういえば昨日の夜、俺がレミリアの部屋の前通った時、まだ明かりついてたもんな。」

 

 

ガチャリ

 

 

美鈴「失礼しまーす。」

咲夜「あら美鈴、門番はどうしたの?」

美鈴「それがですね、先程すi……じゃなくて仕事をしようと思ったら、近くにこれが刺さってたんですよ。」

 

 

美鈴が先程の斧を見せる。

 

 

咲夜「……見た感じ斧っぽいけど。」

パチュリー「ぽいというより、完全に斧ね。」

 

 

この場にいる全員がその斧をまじまじと見つめる。

 

 

ジーク「……ん?その斧……」

レミリア「どうかしたの?」

ジーク「すまないが美鈴、その斧を渡してくれないか。」

美鈴「いいですけど……」

 

 

美鈴はその斧をジークに渡す。

 

ジークは斧の持ち手の部分を押し込む。

 

すると……

 

 

 

ギギギィィッ……

 

 

 

全員『!?』

 

 

突如鉄が擦れるような音が鳴り響く。

 

 

パチュリー「……動いた?」

ジーク「やっぱりだ……」

レミリア「ジーク、この斧知ってるの?」

ジーク「ああ……」

 

 

斧は暫くの間音を立てていたが、やがて停止してしまった。

 

 

ジーク「こいつ……『ハルバード』だ。」

全員『はるばーど??』

 

 

聞き慣れない言葉にジーク以外の全員が頭に?マークを浮かべる。

 

 

ジーク「俺が昔使っていた武器だ。暫く使ってなかったから錆びているが、まさか幻想入りしてくるとは……」

レミリア「ふ〜ん、それ今の使えるの?」

ジーク「完全に錆び切ってるからな……恐らく今のままでは使えない。」

美鈴「にしてもその武器、すごく機械的ですよね。」

ジーク「ああ、本来はただの鉄製武器だったんだけどな。俺が改造した結果こうなった。」

レミリア「だとしたらとんでもない魔改造ね……」

 

 

歯車やらブースターやらがごちゃごちゃ付いていたら誰だって魔改造武器だと思うだろう。

 

しかし、今の問題はどうやって錆を落とすかだ。

 

 

レミリア「錆ならパチェがなんとかしてくれるんじゃない?」

パチュリー「無理よ。私機械専門じゃないから。」

レミリア「というか、そもそもそれ使えるの?見た感じかなりボロボロだけど?」

ジーク「当たり前だ。」

レミリア「ふ〜ん?」

 

 

レミリアは疑いの目を向ける。

 

 

ジーク「……信じてないな?」

レミリア「そりゃそうよ、悪いけど使える代物とは思えないわ。」

ジーク「分かった、じゃあ証明してやる。」

 

 

そう言ってジークは庭に出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

広大な紅魔館の庭園。

 

そしてそこにある巨大な岩石。

並の武器では壊すどころか傷をつけることすらままならないだろう。

 

 

ジーク「すぅ………ふっ!!」

 

 

ズアァッ!!

 

 

ジークはその岩石に向かって斧を振り下ろす。

 

 

スガアアアアァァァアアン!!!

 

 

轟音と共に辺りに煙が立ち込め、衝撃波が吹き荒れる。

 

 

レミリア「すっごい音……!」

 

 

徐々に煙が晴れると、そこには粉々に粉砕された岩、そしてその後ろの貫通したであろう木がぶっ倒れており、振り下ろした所にはクレーターができていた。

 

たった1発でこの威力である。

 

 

パチュリー「……まさかここまでだったとはね……」

咲夜「いや、これ最早ジーク様の腕力が凄まじいだけなのでは……」

 

 

ギャラリーは想像以上の出来事に困惑する。

 

あんなボロボロに錆びた斧でこんな威力出されたら誰だって困惑するだろう。

 

 

ジーク「……と、まあこんなところだ。他にも色々機能があるんだが、錆びて動いてないから落とさないとな……」

パチュリー「もう落とさなくて良くない?本当にバランスブレイカーになるわよ。」

レミリア「もう十分バランスブレイカーよ……」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

その夜、ジークは自室でハルバードの点検をしていた。

どうやら、殆どが錆びてしまいほぼ機能していない様子だ。

 

 

ジーク「……はぁ、こんなことならしっかり手入れしておけばよかったな……」

 

 

コンコンッ

 

 

その時、部屋のドアがノックされた。

 

 

レミリア「ジーク、まだ起きてたの?」

ジーク「ああ、レミリアか。少しハルバードの点検をな。」

 

 

レミリアがジークの隣に座る。

 

 

レミリア「……大切なのね、その武器。」

ジーク「ああ……暫く使っていなかったが、こいつは俺が初めて手にした武器であり俺の唯一の武器でもあるんだ。」

レミリア「そうなの……ん?じゃあ貴方最後にそれ使ってから今までずっと武器なしで戦ってたってこと?」

ジーク「まぁ、そうなるな。」

レミリア「ほんと貴方どうなってるのよ……」

 

 

レミリアが少し呆れたような声で言う。

 

 

レミリア「にしても、貴方って武器それだけなのね。もう少しあっても可笑しくないのに。」

ジーク「はは、俺も今はそう思ってるけどな。過去の俺にはこれ1つが限界だったってことだ。」

 

 

ジークは斧に付着した錆を指で摩る。

摩った指が黒くなっていくとともに、斧から錆の粉がサラサラと落ちていく。

 

 

レミリア「さて……私はそろそろ寝るわ。昨日のに二の舞になっちゃうし。」

ジーク「そうだな、おやすみ。」

レミリア「おやすみ〜」

 

 

そう言ってレミリアはジークの部屋を後にした。

 

 

ジーク「……過去の俺か……俺はこいつを初めて手にした時、どう思っていたんだろうな……」

 

 

ジークは何処か心に懐かしさと物寂しさを覚え、意識を闇の中へと落とした……

 

 

 

 

 

 





今回はスランプ状態も相まって短くなってしまった……
次回から挽回しなければ……

次回はなるべく早く書き上げることができるように努力しますので、応援していただけると嬉しいです。

では、また次回。


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