インフィニット・ストラトス〜楽しき世界にするために〜 (赤紫の彗星天宮)
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ー1ー

 初投稿です。

 気軽に読んでいただけると幸いです。


ーーー春

 

 春と言ったら桜、新たな始まりだと思う人もいると思います。

 そして、この男の人も例外ではない。

 今年からIS学園に入学する事になった。

 何故IS学園に入学する事になったのかというと、世界で2番目に、女性にしか動かせないIS(インフィニットストラトス)を動かしてしまったからである。そのため学園が保護という形で入学した。

 

 

 

 そして俺は絶賛クラスのど真ん中の席にいる。かなり周りの視線が痛い。

 

 そんな事思っていると先生が入ってきた。

 

「はい、皆さんおはようございます! 今日から皆さんの副担任を、務める事になりました、山田 真耶です。これからよろしくお願いしますね!」

 

「よろしくお願いします」

 

「皆さん元気がいいですね。では、出席番号順に自己紹介をお願いします」

 

 順番に自己紹介が始まって、最前列にいる男子生徒が発言する番になった。

 

「えっと、織斑一夏です。・・・以上です」

 

 そして、一夏の紹介に何を期待していたのか分からないけど、びっくりしたのか、殆どの女子生徒が椅子から転げ落ちた。

 そして、一夏は教室に入ってきた女子教師に拳骨で頭を喰らった。

 

「イッテェー。・・・って、げっ!千冬姉!?」

 

 再び炸裂する拳骨。

 その拳を振るった女子教師は淡々とした様子で注意した。

 

「学校では織斑先生だ」

 

「山田先生クラスの事任せてしまって申し訳ない」

 

「大丈夫ですよ」

 

 そんな事話すと織斑先生は生徒の方に向き直ると自己紹介を始めた。

 

「諸君、私が担任の織斑千冬だ。君達新人を一年で使い物にするのが仕事だ」

 

 そして紹介が終わると黄色い悲鳴がたくさん聞こえた。

 まぁ有名だから仕方がないね。

 

「山田先生紹介は何処まで終わりましたか?」

 

「織斑君までしか終わっていません」

 

「そうか。時間があまりないから、もう一人の男子生徒を紹介して終わるぞ。霊鉄紹介しろ」

 

「はい」

 

 やっと紹介かと思いながら立ち上がって

 

霊鉄纏(れいてつまとい)です。こんな見た目だけど日本人なので皆仲良くしてね」

 

 そんな紹介をしたら、また、黄色い悲鳴が聞こえた。

 

「キャャャャーーーーー」

 

「青髪に紅目」

 

「更にイケメン、やば過ぎ」

 

 などとたくさん言ってくれるけど正直、耳が痛い。

 

 こんな感じでSHRは終わった。

 

 

 

 

 

 

 SHR終わりの休み時間に一夏に挨拶しに行った。

 

「これからよろしく織斑。」

 

「おう、よろしく纏。俺の事は一夏と言ってくれ」

 

「わかった。これから宜しくな」

 

「宜しく。二人しかいない男子だもんな、仲良くしようぜ」

 

「勿論だ」

 

 そんな事言って握手を交わした。

 その後席に戻ると一人の女子生徒から声をかけられた。

 

「私、布仏本音。宜しくね〜レイレイ」

 

「おおぅ、宜しく本音。てかレイレイて俺の事でいいんだよな?」

 

「レイレイはレイレイだよ」

 

「な、なるほど。わかった」

 

(これは、頑張って慣れろと神からの命令かな)

 

 

 

 

 

 

 一限目の授業は一夏が、参考書を電話帳と間違えて捨ててしまって、織斑先生から1週間で覚えろと言われた。人の事言えないけどドンマイ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 現在一限終わりの休み時間。

 俺と一夏が話していると金髪の生徒から話かけられた。

 

「ちょっとよろしくて?」

 

「へ?」

 

「はい、何のようでしょうか?」

 

「まあ!なんですの、そのお返事。わたくしに話しかけられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度というものがあるんではないのではないかしら?」

 

(まぁ見た目から見ればお嬢様ってところかな。後は、女尊男卑の風潮が強く影響されているな)

 

 そんな事思っていると一夏が

 

「ごめん。オレ達、君が誰だか知らないし」

 

「わたくしを知らない?このセシリア・オルコットを?イギリスの代表候補生にして、入試主席のこのわたくしを!?」

 

「あ、質問いいか?」

 

(なんかやらかす気がする。)

 

 この時纏は何かを悟った。

 

「ふん。下々の要求に応えるのも貴族の務めですわ。よろしくてよ」

 

「代表候補生って、何?」

 

 その瞬間数人の生徒が椅子から転げ落ちた。

 

(やっぱり、そうだと思ったよ)

 

「あ、あ、あ・・・貴方本気でおっしゃってますの!?」

 

「おう。知らん」

 

「あのな一夏、代表候補生とはな、国家代表IS操縦者の候補生だよ。つまり、エリート的存在だよ」

 

「そう!!エリートなのですわ!!」

 

 そう、胸を張るように言った。

 

(俺にとっちゃ、そんな縛りの中に存在しているから、周りが見えていないんだろうな)

 

 そう、纏は思うのだった。

 

「本来ならわたくしのような選ばれた人間とは、クラスを同じくすることだけでも奇跡…幸運なのよ。その現実をもう少し理解していただける?」

 

「そうか。それはラッキーだ」

 

「馬鹿にしていますの?」

 

 セシリアがそう言った時、キーンカーンカーンコーンとチャイムが鳴った。

 

「っ…!!また後で来ますわ!逃げないことね!!よくって!?」

 

「おう、わかった」

 

 そして2限目始まってすぐの事

 

千冬「再来週行われるクラス対抗戦に出る代表者を決めないといけない。クラス代表者とはそのままの意味だ。対抗戦だけでなく、生徒会の開く会議や委員会への出席…まあ、クラス長だな。1度決まると1年間は変更はできないからそのつもりで」

 

(絶対に面倒くさいやつじゃん。まぁ此処は一夏に任せるか)

 

「自薦他薦は問わない。誰かいないのか?」

 

「はい、織斑君を推薦します」

 

「私も」

 

「私も」

 

「お、俺!?」

 

(よし、このまま行ってくれ)

 

 そんな事思っていたのは束の間

 

「レイレイを推薦します」

 

「ええーー」

 

「良かったな霊鉄」

 

「良くないですよ」

 

「自薦他薦は問わないと言った。他薦されたものに拒否権はない。選ばれた以上は覚悟しろ」

 

(理不尽だ)

 

「他にはいないのか」

 

「納得がいきませんわ!」

 

 と、セシリアが机を叩いて立ち上がった。

 

「だいだい男っていうだけの物珍しさにクラス代表なんていい恥さらしですわ!このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味わえと?だいたい、文化が違う国で暮らす事自体、私にとって苦痛な事で・・・」

 

 セシリアがそんな事言っていると、一夏が立ち上がった。

 

「イギリスだって大した自慢もないだろ。世界一マズイ料理で何年覇者だよ」

 

(うわぁ面倒くさいな。こんな馬鹿みたいな言い争いいつまで続けるんだろう)

 

 そんな事思っていると、

 

「レイレイは反応しないの?」

 

「正直、反応するのが面倒くさい。後は二人の会話を違う方向から聞いていた。本音も違う方向から聞いてみたら?」

 

「う〜〜ん。わからない」

 

「セシリアは男子をクラス代表にしたくない。そして、日本という異国に居るのが辛いって言っているんだよ」

 

「なるほど。じゃ、おりむーはなんて言っているの?」

 

「一夏はイギリスの料理を馬鹿にしているんだよ。二人とも違うこと言っているんだよ」

 

「なるほど」

 

 そんな事話していると

 

「纏なんか言ったらどうだ」

 

「話し合いで決まらないなら、ISで決めるのはどうだ。此処はIS学園だし」

 

「分かりましたわ。」

 

「そっちの方がわかりやすい」

 

「もし、私に負けたら奴隷にしますよ」

 

「望むところだ」

 

(ふぅ。やっと進んだか)

 

「よし、ならば、1週間後第3アリーナでやるからな。それぞれ3人とも準備をしておくように」

 

 こうして、1週間後に戦うはめとなった。




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 また、こんな事した方が良いと言う意見がありましたら教えて下さると幸いです


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ー2ー

 今回は原作に載っていないシーンが沢山あります

 それでも良いって人だけ、読んで行ってください。


 なんとか午前中の授業が終わり、昼休みになったので食堂に行こうとしている所。

 

「レイレイ、待ってよ〜」

 

「俺に何か用か?」

 

「いやぁ〜、私も食堂に行こうとしていたから、どうせなら一緒に行ってくれないかな?」

 

「良いよ」

 

「有難うレイレイ」

 

「そういえば、本音って友達とかこの学園に居るの?」

 

「居るよ。しかもレイレイと似ている人が」

 

「いやいや、男と女では見た目が違うから」

 

「そうゆう事じゃないよ。髪の色とか、眼の色とかが似ている人がいるんだよ」

 

「そうなんだ」

 

「しかも、二人も。一人は私の幼馴染みで、もう一人はお姉ちゃんの幼馴染みだよ」

 

「へ〜、本音ってお姉さんがいたのか。」

 

「そうだよ〜」

 

 そんな会話していると、あっという間に食堂に着いた。

 

「もう、来ていると思うんだけどな〜」

 

「本音の幼馴染みが?」

 

「うん。あ、いたいた。お〜い、かんちゃ〜ん」

 

「あ、本音」

 

 俺らは昼飯を取って、本音の幼馴染みの席にいた。

 

「・・・なんで、世界で2番目に動かした人が居るの?」

 

「私が、一緒に食べよ〜と誘ったからだよ〜」

 

 そう本音が言うと、安心したのか眼鏡をかけた少女は、警戒を解いた。

 

「なんか悪いな」

 

「別にいい。本音がそう言うなら大丈夫な人だから」

 

「そうか」

 

「私は更識簪」

 

「俺は霊鉄纏です。宜しくな更識さん」

 

「簪でいい。後、『さん』はいらない。」

 

「わかった。なら、俺も纏で良いよ」

 

「わかったよ。これからよろしく纏」

 

「こちらこそよろしくな、簪」

 

「それはそれとして」

 

「?」

 

「俺に名前教えて良かったの?」

 

「う、うん、大丈夫。纏は、私達に見た目が結構似ているから、教えても大丈夫だと思ったから」

 

「『私達』ってことは、簪はお姉さんか妹さんがいるって事?」

 

 そう言ったら、簪は暗い声を出した。

 

「いる。お姉ちゃんがいる」

 

「そう。でも、今の簪の様子からは、お姉さんと仲が悪いように感じる」

 

「ど、どうしてそれを」

 

 と、驚くように言った。

 

「予想。簪の表情と発した声とかで何となく予想がつく」

 

「そ、そうなんだ」

 

「だから、確証はない。そして、お姉さんとの関係については、今は言えないだろう」

 

「そうだね。今は言えない。でも、いつかは纏に言える」

 

「そうか。わかった。簪が言うまでお姉さんとの関係については、触れないようにする」

 

「あ、有難う」

 

「良いってことよ」

 

 そうして、5限目始まる20分前になった。

 

「少し、行かなくては行けない所があるから、先に行くね」

 

「わかった。またね纏」

 

「バイバ〜イ」

 

「またね簪」

 

 こうして、簪と本音と別れて、屋上に行くのであった。

 纏と別れた本音と簪は、

 

「本音」

 

「な〜に?」

 

「纏、なんだか更識家に、居てもおかしくない見た目だよね」

 

「そうだね〜」

 

「でも、彼の苗字は更識ではなく、霊鉄。何か裏がありそう」

 

「確かにそうだね〜」

 

 こうして昼休みを終えた。

 ちなみに纏は、屋上で授業が開始する5分前まで寝ていたらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時は変わり放課後。

 現在、纏は職員室に来ていた。何故なら、今から彼の部屋の鍵を貰いに来ていたのだ。

 

「霊鉄君、お待たせしました。これが霊鉄君の部屋の鍵です」

 

「有難う御座います、山田先生」

 

「同室は女子なので色々気をつけてくださいね」

 

「分かりました」

 

「後荷物は寮のフロントの人に言ってくださいね」

 

「分かりました」

 

 そう言って寮に向かった。

 そして寮に着き、フロントの人に言って荷物をもらった。

 そして、今部屋の前に来た。

 

(此処がこれから使う部屋か。とりあえず、中に人が居そうだから、ノックするか」

 

 そう思いノックをすると、中からバタバタと足音が聞こえ、扉が開いた。

 

「はい、どちら様・・・って、纏」

 

「よう、簪」

 

 そう出てきたのは昼食を一緒にとった簪だった。

 

「どうしたの?」

 

「今日から此処が部屋になったんだよ」

 

「そうなんだ」

 

「悪かったな、男の俺と一緒で」

 

「別に纏なら大丈夫。・・・あっちは嫌だったけど」

 

(あっちって、一夏の事だよな)

 

「まぁ、取り敢えず入って」

 

「あぁ」

 

 こうしてこれから簪と一緒の部屋で過ごすことになった。

 

「私、奥のベッド使うから、手前の使ってくれる」

 

「良いよ」

 

「有難う」

 

 こうして手前のベッドを使うことになった。

 

(取り敢えず、荷物をまとめるか)

 

 俺が、荷物をまとめていると簪が聞いてきた。

 

「台所にあるの何?」

 

「これは茶っぱだよ」

 

「どんな種類があるの?」

 

「緑茶、玄米、ほうじ茶、紅茶、烏龍茶、ジャスミン茶、煎茶、玉露、抹茶だよ」

 

「た、沢山あるんだね」

 

「毎朝の気分で飲む茶を変えているからね」

 

「そうなんだ」

 

 そんな会話していたら、まとめ終えた。

 

「さてと、夕食食べに行くか。簪はどうする?」

 

「私も行く」

 

「分かった。じゃ、一緒に行くか」

 

「う、うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夕食が終わり、今は俺がシャワーを浴び終わった所。

 

「ふぅ〜、スッキリした」

 

 ちなみに簪は、本音に誘われて、寮の大浴場に行っている。

 

(取り敢えず、玉露でも飲むか)

 

 そうして、玉露を飲んでいると、簪が帰ってきた。

 

「ただいま」

 

「お疲れ様」

 

「あ、あのね纏。お姉ちゃんのことについて言うね」

 

「わかった。でも、少し待ってね。お茶入れるから」

 

「有難う」

 

 俺は玉露を入れた湯飲みを簪に渡した。

 

「はい、どうぞ」

 

「有難う」

 

「で、話す内容は纏まったか?」

 

「うん。まず、私のお姉ちゃんは、更識楯無って言うの」

 

「それって、今の生徒会長でしょ。てことは、生徒会長の妹ってことか。なんか比較されて面倒そうだな」

 

「そうだね、私は幼い頃から、お姉ちゃんと比較され続けてきた。あの頃は、お姉ちゃんや、従者も守ってくれてて大丈夫だったんだけど、ある日お姉ちゃんに『あなたは無力で居なさい』って言われて、私は、お姉ちゃんが誇れる妹になりたかったの」

 

「なるほど。それで、今それに向けてやっていることは何?」

 

「実は、専用機を一人で創っているの。お姉ちゃんは一人で創ってたらしいし、私も一人で創らなきゃ、お姉ちゃんにまた恥をかかせちゃうから、だから、私は一人で『打鉄弍式』を作って、お姉ちゃんを超えたい」

 

「なるほど、事情はわかった。今の話を聞いて言いたい事が二つある」

 

「な、何?」

 

「一つは、家族さらに妹に向かって『あなたは無力で居なさい』とは言わない。お姉さんも、何かを思いそう言ったんだと思う」

 

「そんな事ない。だって『無力で居なさい』って言われたんだよ」

 

 そう怒ったように簪は言った。

 

「まぁ、落ち着きな」

 

「あ、ご、御免なさい」

 

「良いよ。取り敢えず、簪が思ったことは正面から受け止めたから、そう思ったと思う。違う方向から受け止めると、簪を危険な目に合わせたくない。そう俺は思うな」

 

「な、なるほど」

 

「そこは、本人に聞かないと分からないけどな。二つ目は、簪の専用機創り、俺にも手伝わしてくれない」

 

「えっ!」

 

「俺は異例でISを動かしてしまったけど、そんな俺でも、出来る事があるから」

 

「で、でも、私一人で創らないと」

 

「本当に生徒会長は一人で作れると思う?どこからどこまでかは知らないけど、人に頼らずに何かを成し遂げるなんて俺は無理だと思う。だって、必要な機材をそろえるのだって頼ってるじゃない、だからこそ、頼られたいって思う人がいると思う。お姉さんとの関係を聞いてしまった以上、一緒に作っても、問題ないと思う」

 

「そ、そうだね。宜しくお願いします」

 

「こちらこそ、宜しく簪」

 

「取り敢えず、明日から作るから、本音と一緒に来てね」

 

「わかった。さてと、少し外の空気を吸ってくる」

 

「わかった」

 

 こうして、纏は屋上に行った。

 

(ふぅ、なんか疲れたな)

 

「!そこにいるのは誰ですか」

 

「あらあら、バレてしまったね」

 

「そりゃ、そんだけ見えていればわかる」

 

「そうだったのね」

 

「貴方は誰ですか、 と言うのは、悪かったです、生徒会長さん」

 

「そんなかしこまらなくていいわ、楯無で良いよ霊鉄纏君」

 

「それで、俺に何か用ですか?」

 

「簪ちゃんとの会話を聞いていたわ」

 

「そ、そうなんですか。一体何処から聞いていたんですか」

 

「最初から全部聞いていたわ」

 

「聞いていたのなら、俺が言いたい事が分かりますよね」

 

「えぇ、分かるわ」

 

「では、答えてもらいましょう。簪に言った本当の意味と、簪を離した理由を」

 

「纏君が簪ちゃんに言ったことが私が簪ちゃんに伝えたかった事よ。でも、離したくなかったんだけどな。でも、離れていたのは事実。私は、簪ちゃんと、仲直りをしたい」

 

「そうですか、分かりました。簪との仲を戻すのは何とかしましょう。多分手っ取り早く仲を直すには、簪と戦って、簪が勝つそれが条件だろうな。ただ、真剣にやって簪が勝つ事が仲を直すきっかけとなるだろう」

 

「分かったわ。簪ちゃんが私に追いつくためにやってきた努力を受け止めてやるわ」

 

「頑張って下さい」

 

「それは、貴方にも言えるわ」

 

「そうでした」

 

「それで、試合はいつにするの?」

 

「簪の専用機がどこまで完成しているのか分からないし、俺も1週間後にクラス代表を決める戦いがあるから、まだなんとも言えないな」

 

「そう、なら連絡先交換しておこうか。その方がいいでしょ」

 

「そうですね」

 

「じゃ、完成した時と試合の時間、決めたら教えてね」

 

「分かりました」

 

 こうして、楯無さんとの会話が終わった。

 纏は、部屋に戻って楯無さんとの会話をした。

 

「って、事を言っていたよ」

 

「そうなんだ。なんか、纏の勘、当たるね」

 

「なんでだろうね。自分でも分からん。聞いて物事を別の考え方が、たまたま当たっているようにしか感じない。てか、簪は、俺が報告した事に、何か思わなかったの?」

 

「そうだね。私は勘違いをしていた。過去をずっと見ていたんだと思う」

 

「過去を振り返っても良いけど、やっぱり今を見た方がいいね」

 

「今を見始めたら目標が見えた。専用機を完成させて、お姉ちゃんに勝つ」

 

「明日、専用機がどこまで完成しているのか、確認さしてね」

 

「うん、分かった」

 

 そんな会話をしていたら、纏は欠伸をした。

 

「時間が、もう遅いから俺は寝るね」

 

「えっ、早くない?」

 

「俺は11時までには寝る人なので」

 

「そ、そうなんだ。なら、私も寝る」

 

「そうか、お休み簪」

 

「お休み纏」

 

 こうして、学校初日が終了した。

 二人は、予想外の事が起こるのを知らない。

 

 ((ね、眠れない・・・!))




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ー3ー

 クラス代表者決定戦は、まだまだ先になりそうです。
 

 すみません。




 翌日

 

 

 現在、朝の5時。

 纏は日課であるトレーニングをしていた。

 トレーニングの内容は、5時〜5時半まで、ランニングと筋トレ。その後、部屋に戻り、シャワーを浴びて、お湯を沸かし、6時にお茶を飲む。ここまでが、日課である。

 

(なんか、身体が軽いな。うん、あれは織斑先生だ。一様声をかけるか)

 

「おはよう御座います、織斑先生」

 

「おぅ、霊鉄か、おはよう。トレーニングしているのか」

 

「そうです。そうゆう織斑先生も、トレーニングですか」

 

「そんな所だ。しかし、こんな朝早くからやるなんて、感心するな」

 

「それはどうも」

 

 そんな会話をして、織斑先生と別れた。

 

 

 

 

 

 

 

 トレーニングから戻った纏は、シャワーを浴び終えて、お湯を沸かしていた。

 

(うん、丁度いいだろう。今日は、抹茶にするか)

 

 お湯が沸かし終え、湯呑みに抹茶を入れた。

 

(ふぅ〜、極楽、極楽)

 

 お茶を飲んだだけで極楽って、もうお爺ちゃんかな。

 お茶を飲んでいると、あっという間に6時15分になった。

 

(そろそろ、簪を起こすか)

 

 そう思い簪を起こした。

 

「おはよう、簪」

 

「ん、んっん〜、おはよう纏」

 

「取り敢えず、顔を洗ってきな。その間にお茶入れとくから」

 

「ん〜、分かった」

 

 そう言って簪は、洗面所に行った。

 顔を洗って、戻ってきた簪は、纏が入れた抹茶を飲んでいた。

 

「私、このお茶、好き」

 

「そうか、簪は抹茶が好きなのか」

 

「うん、好き。大好き」

 

「毎朝抹茶入れてあげようか?」

 

「う、うん。宜しくお願いします」

 

「分かった」

 

「纏は、今日、何をするの?」

 

「今日は、簪の専用機を見る」

 

「そう、分かった。学校が終わったら連絡してね」

 

「連絡するのは良いけど、まだ連絡先交換していないよね」

 

「あ、そうだった。ごめんなさい」

 

「良いよ。交換していないなら、今すればいいから」

 

「有難う」

 

 そして、連絡先を交換して、色んな会話をしたら食堂が開く時間となった。

 

「そろそろ、朝食食べに行くか」

 

「そうだね。一緒に行こう」

 

「良いよ」

 

 こうして、簪と一緒に朝食を食べに行った。道中、本音や本音の友達と、会って一緒に食べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 学校では、一夏に専用機が渡される事が決まった。俺は、既に持っているので関係ないけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時間はあっという間に過ぎ、今日の授業が終わった。

 

「では、明日も元気に登校するように。解散」

 

「纏、これから箒と一緒に剣道しに行くんだけど纏も、どう?」

 

「すまんな一夏。俺は専用機の点検をしなくてはいけない」

 

「そうか」

 

「ごめんな、せっかくの誘ってくれたのに」

 

「良いよ」

 

「でも一夏、これだけは伝えておく。やった事は決して無駄にはならない。何もやらないよりは、何かしらの行動を起こしな」

 

「おう、分かった」

 

「ちなみに、剣道は、近接武器の感覚を養えると、思うよ」

 

「おっしゃ〜、やる気が出てきたぜ。有難うな、纏」

 

「どういたしまして。何か相談事が有れば、何時でも頼りな」

 

「おう」

 

 一夏との会話を終え、俺は簪に、連絡を入れた。

 

《終わったよ》

 

《こっちも、今終わったから4組に来てくれる?》

 

《了解》

 

(さてと、4組に行くか)

 

「あ、レイレイ待って〜」

 

「本音、どうした?」

 

「レイレイは、整備室に行く?」

 

「簪に聞かないと分からないな」

 

「私も一緒に行っちゃダメ」

 

「別に良いんじゃない」

 

「有難うレイレイ」

 

 こうして、本音を連れて、4組に行った。

 簪は、驚いていたけど、了承してくれた。

 整備室に着くと、簪の専用機を見せもらった。

 

「これが簪の専用機か」

 

「うん」

 

「何処が終わってないの?」

 

「メインシステムが3割と、荷電粒子砲、マルチロックオンシステム」

 

「なるほど。それ以外は簪と、本音が完成させたのか」

 

「そうだよ〜」

 

「こりゃ、凄いや」

 

「そんな、お世辞は、要らない」

 

「お世辞なんて、言ってどうする。俺は、思った事を口にしただけだから」

 

「そうなの?」

 

「そうだよ」

 

 そう言うと、簪が泣き始めた。

 

「あれ、俺地雷踏んだ?」

 

「ち、違う。これは嬉し涙だから」ポロポロ

 

「なんだびっくりした」

 

「待ってね、すぐに泣き止むから」

 

「いや、やめときな。泣いても良いんだよ。人間は泣いていい生き物だから」

 

 そう言うと簪は、俺に抱きついて泣いた。俺は簪の事を撫でる事しか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 10分後

 

「ごめんね、服濡れたでしょ」

 

「良いよ全然気にしていないよ」

 

「いや、私が気にする」

 

「じゃ、そこまで言うなら部屋に帰ったら、洗濯するか」

 

「今じゃないの?」

 

「今は割り振り決めるから」

 

「そ、そう」

 

「じゃ、割り振りは、俺がマルチロックオンシステムと、荷電粒子砲ね」

 

「「え〜」」

 

「何か不満か」

 

「不満じゃないけど」

 

「レイレイ1人で難しい事するの?」

 

「マルチロックオンシステムは、俺の機体にあるし、荷電粒子砲は、織斑先生のデータ貰えば良い。何の問題もないよね」

 

「そうだけど」

 

「何より、メインシステムがしっかりしていないといけないんでしょ。だから、2人がかりでメインシステムを完成させて欲しい」

 

「分かった」

 

「いいよ〜」

 

「じゃ、今日は時間が少ないから1時間やって帰るよ」

 

「「了解」」

 

 こうして、簪の専用機作成が始まった。

 時間が過ぎるのは早く、1時間が経った。

 

「ふぅ、今日はここまでとするか」

 

「そうだね」

 

「おつかれ〜」

 

「片付けて夕飯を食べに行くか」

 

「さんせ〜」

 

 

 

 片付けも終わったので、食堂に行った。

 まぁ、面倒ごとに巻き込まれたが。

 

「こんな遅くまで3人で何をしていたんだよ纏」

 

「だ〜か〜ら、専用機の製作をしていたんだよ」

 

「本当か」

 

「本当だ。なら、本音に聞いてみろ」

 

「のほほんさん、纏が言っていることは本当?」

 

「本当だよ〜おりむー」

 

「本当なのは分かった」

 

「じゃ、篠ノ之さんと一緒に食べな」

 

「はぁ、ふざけるなよ。お前も一緒だ」

 

「俺は、ゆっくりと食べたいんでな。後は、なんかお前と居ると嫌な予感がするから」

 

「俺を幽霊扱いするな。まぁ、わかった。今日はいいよ。ただ明日、一緒に食べる事な」

 

「昼は、そうしよう」

 

「約束だからな」

 

「分かった」

 

 こうして、一夏と離れた。

 

「なんか、お疲れ様」

 

「でも、俺の予感が当たったな」

 

「ど〜ゆうこと?」

 

「あれを見てみな」

 

「「?」」

 

 その先には一夏が他学年の生徒に囲まれていた。

 

「本当、纏の感は当たるね」

 

「俺に矛先が何時向くのか、分からないけどな」

 

「そうだね〜。レイレイも、学校の人気者だからね」

 

「まじで、殆どの人が俺に向いたら俺は、やばくなるだろうな。っと、ご馳走様」

 

「私もご馳走様でした」

 

「私も私も」

 

「さてと、部屋に戻るか、簪」

 

「うん」

 

 

 部屋に戻っている最中、本音が言ってきた

 

「なんか2人とも仲が良いね」

 

「そうかな」

 

「そうだよ〜レイレイ。かんちゃんが、こんなにも表情豊かだもん。後かんちゃん、顔が赤いよ」

 

「ふぇ、そんな事ないよ//」

 

「もしかしてかんちゃん、そうなのかな〜?」

 

「どうゆうことよ。教えなさい本音」

 

「此処では言わないよ。後でメッセージで、教えるよ」

 

「わかった」

 

「なんだろう、女子って大変だね」

 

「そうだよ〜レイレイ。女の子は大変だよ」

 

「なるほど」

 

「ぁ、俺らの部屋此処だから」

 

「おやすみ、かんちゃんとレイレイ」

 

「おやすみなさい、本音」

 

「おやすみ、本音。また明日」

 

 この後簪は、本音から送られたメッセージの影響なのか、顔を赤くしていた。




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ー4ー

 なんだかんだで、クラス代表者決定戦の前日となった。

 簪の専用機の進み具合は、残りのメインシステム以外は終わっていた。

 

「後はメインシステムができれば終わりだな」

 

「早くても1週間で、終わると思う」

 

「そうだな」

 

「てか、レイレイは、タイピング速過ぎる」

 

「そうかな」

 

「そうだよ。少なくても1秒に30字打っているもん」

 

「確かに、纏のタイピングの速さはダテにならない」

 

「けせぬ」

 

「まぁ、お陰でメインシステムも、残り1割だから学年別トーナメントまでは間に合う」

 

「そうだな」

 

「てか、レイレイ。明日クラス代表者決定戦だよ。覚えている?」

 

「そうだったな」

 

「呑気だね。大丈夫なの?」

 

「まぁ、なんとかなるだろうな」

 

「そ、そう」

 

(言えない。忘れていたなんて)

 

「纏、本当は忘れていたんでしょ」

 

「何故バレたし」

 

「顔に出ていた」

 

「鋭いな簪」

 

「レイレイ、本当に大丈夫なの」

 

「もう知らん。セシリアさんがどう戦ってきても、なんとかして勝つ。それしか言えない」

 

「頑張ってレイレイ」

 

「あ、あのね纏、1つお願いがあるの」

 

「良いよ。俺に出来ることなら」

 

「有難う。あのね、クラス代表者決定戦の時、纏の近くで試合が観たい」

 

「えっと、つまりはピットで観るってことかな」

 

「うん」

 

「良いよ」

 

「有難う」

 

「かんちゃん、良かったね」

 

「う、うん//」

 

 こうして、簪は、纏の側で観れるとこになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 日にちが変わり、クラス代表者決定戦の日となった。

 

「凄い数の人だな纏」

 

「そうだな一夏」

 

「てか、なんで纏が此処にいるんだよ」

 

「織斑先生から、お前の機体の設定をしろと、言われたからな」

 

「そうなんだ」

 

 そんな会話をしていたら、山田先生が慌てた様子で来ていた」

 

「織斑君、織斑君、届きました織斑君の専用機が」

 

 そう山田先生が言うと、ピットの扉が開き一夏の専用機が出てきた。

 

「これが俺の専用機」

 

「設定を行う。霊鉄頼んだぞ」

 

「分かりました」

 

「織斑、専用機に、背中を預けるように座れ」

 

「はい」

 

「霊鉄、どれくらいかかりそうだ」

 

「そうですね、1分もらえれば終わります」

 

「わかった」

 

 そう言って俺は、タイピングをした。

 

「は、速いですね」

 

「あぁ、少なくても1秒に30字打っているだろうな」

 

「凄いですね」

 

「織斑先生終わりました」

 

「ご苦労霊鉄、織斑先に出ろ。ぶっつけ本番で身につけろ」

 

「分かりました」

 

「一夏良いこと言ってやろう。お前の専用機、白式はその武器しか無いぞ」

 

「まじで」

 

「まじだ。まぁ、此処で剣道をやっていた事が出せるだろうな」

 

「おう、行ってくる」

 

「頑張っておいで」

 

 俺と簪は、一夏がピットから出たのを確認して、一旦更衣室に行った。更衣室に行った理由は、俺の準備である。

 

「纏って、体柔らかいね」

 

「そうかな」

 

「話は変わるけど、纏の専用機は、遠距離するとも近距離?」

 

「両方だよ」

 

「そうなんだ」

 

「まぁ、観ていれば分かるよ」

 

「そうだね」

 

 そんな会話をしていたら試合が終わった。

 

「おし、そろそろ試合だ」

 

「頑張ってね」

 

「勿論だ」

 

 ちなみに一夏とセシリアの試合はセシリアが勝利した。




 次回、纏が闘います。

 誤字がありましたら教えて下さい。

 また、こんな事した方が良いと言う意見がありましたら教えて下さると幸いです。


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ー5ー

 俺はカタパルトに乗り、専用機を展開した。

 

「これが纏の専用機」

 

「そう、名は青蘭(せいらん)

 

「なんかカッコいい」

 

「有難う。さてと行きますか」

 

「頑張ってね」

 

「おう」

 

「霊鉄纏、青蘭(せいらん)、行くぜ」

 

 俺は、機体のスラスターをふかして空を旋回した。

 

「待たせたなセシリアさん」

 

「その前に謝罪をさしてください」

 

「どうゆう心境の変化かな」

 

「ただ、先日の私は浅はかであったと感じただけです」

 

「その心境は恋をしたのかな」

 

「ッ!?」

 

「図星かな。まぁ、頑張れ」

 

「有難うございます」

 

「良いってことよ。さてと、やるか」

 

「そうですね」

 

「両者準備はいいな」

 

「勿論いいですよ」

 

「いつでも構わなくてよ」

 

 そう言うと、カウントダウンが始まった。

 5 4 3 2 1

 

「スタート」

 

 試合開始した瞬間、セシリアは、レーザーライフルを打った。

 

「なるほど、そう来たか」

 

 纏は上へと逃げた。

 

「私と距離を取った所で貴方が不利でしたよ」

 

「そうだな。お前は遠距離が主軸だからな。しかし、俺も遠距離が主軸だからな」

 

 そう言うと、纏は2丁のビームライフルをセシリアに向けて打った。

 

「くっ、こうなったら、ティアーズ」

 

 セシリアからビット機が4つ出てきた。

 

「まじか」

 

「さぁ、奏でてましょう。私とブルーティアーズで奏でるワルツで」

 

 セシリアから出てきたビット機が纏を襲う。

 

(くそ、四方八方から打たれて回避しかできない。どうしようかなこの状況。うん、セシリアの動きが。なるほどそうゆうことか)

 

「凄いですわね」

 

「何がだ?」

 

「回避しかしていないのに1発も当たらないのは」

 

「それはどうも」

 

(一か八かやってみるか)

 

 そう思い、距離を思いっきり取って、マルチロックオンシステムを使った。

 

(よし、全部入ったな)

 

「おりゃー」

 

 両手のビームライフルと、腰にある折り畳み式荷電粒子砲を同時に発射した。

 

「きゃー」

 

 一斉射撃は、セシリアのビット機4つと、セシリアに当てた。

 

「今度はこっちのターンだ」

 

 そう言うと、纏はセシリアに接近した。

 

「ライフルとライフルの争いですか」

 

「違うな。ライフルと、刀だ」

 

「えっ」

 

 俺はセシリアに接近しているときに、片方をビームライフルから、刀の山桜に替えた。

 

「嘘でしょ」

 

「本当だ」

 

 纏の行動にびっくりしたのかセシリアは、纏に向かって打った。

 しかし、纏は全てを避け、刀をセシリアのビームライフルに押しつけ、残っているビームライフルと腰の荷電粒子砲をセシリアに向けた。

 

「さてと、この状況でまだやるか」

 

「私の負けです。降参です」

 

「セシリア・オルコットの降参により、勝者、霊鉄纏」

 

 そうアナウンスされると、会場の人達から歓声を浴びた。

 

「お疲れ様」

 

「有難うございます。あの、お願いがあります」

 

「なんだ?」

 

「これから、纏さんと呼んでもよろしいですか」

 

「良いよ。俺もセシリアと呼ぼう」

 

「これから、よろしくお願いします」

 

「こちらこそ、よろしく」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時は遡り、纏がカタパルトから出て、セシリアと戦っているとき、簪は楯無さんと会っていた。

 

「お、お姉ちゃん」

 

「久しぶりね簪ちゃん」

 

「どうして、此処に?」

 

「実は簪ちゃんに謝りたいと思ってね」

 

「どうゆうこと?」

 

「私は簪ちゃんを危険な目に合わせたくなかった。だから、『無力で居なさい』って言ってしまったの。私は何かに焦っていた。簪ちゃんに不快感を合わせてしまった。一番大切にしなくてはいけない家族に、しかも妹に。本当に御免なさい」

 

「お姉ちゃん、私こそ御免なさい」

 

「なんで。なんで簪ちゃんが謝るの」

 

「だって、お姉ちゃんは、私の為に言ったのに、私はその事を理解もせずに、ただ嫌われて、差に感じて、ずっとお姉ちゃんに追いつけないと思ったの。だけどね、お姉ちゃん。私は纏と会って、色々と思っていた事が纏のおかげで変わったの」

 

「簪ちゃん」

 

「だからね、私も仲直りしたい。こんな関係嫌だ」

 

「簪ちゃん」

 

「今からは、難しいと思うけど私は昔みたいに、お姉ちゃんと楽しく生活したい」

 

「簪ちゃん。こんなお姉ちゃんと一緒でいいの」

 

「お姉ちゃんじゃなきゃ誰が私のお姉ちゃんになるの」

 

「そうね、有難う」

 

「これから楽しく生活しようね」

 

 こうして、姉妹の仲が直った。

 

「あ、試合が終わったね」

 

「そうね」

 

 そうって言いたら、纏がピットの中に戻った。

 

「お疲れ様、纏」

 

「有難う、簪」

 

「お疲れ様、纏君」

 

「楯無さんも来ていたんですね」

 

「えぇ」

 

「2人とも仲直りは、出来たみたいだな」

 

「纏君のおかげでね」

 

「俺は2人にアドバイスをしただけです」

 

「それでも助かった。有難う纏」

 

「あ、纏君照れている」

 

「うるせー//」

 

((可愛い))

 

「それより、何か相談があるならいつでも言ってくれ、力になるよ」

 

「有難う纏君」

 

「なら、お姉ちゃんにお願い」

 

「何かしら簪ちゃん」

 

「私の専用機、打鉄弍式作るの手伝ってくれる」

 

「勿論だよ、簪ちゃん」

 

「有難う」

 

「さてと、俺は2試合目に行ってくるよ」

 

「頑張ってね纏」

 

「応援しているわ纏君」

 

「有難う2人とも」

 

「霊鉄纏、青蘭、行くぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2試合目の相手は一夏である。

 

「勝利おめでとう纏」

 

「有難う一夏。良い試合をしようぜ」

 

「勝つのは俺だ纏」

 

「そうだな。一夏、俺は近接武器をメインに使おう」

 

「そうこなくちゃ。男は黙って」

 

「「格闘戦だ」」

 

 その合図で試合開始。

 

「おりゃー」

 

 一夏は猛スピードで、接近して、纏に剣を振った。

 

「ぐっ」

 

 纏は一夏の一振りを受け止めたが反動が重かった。

 

「このまま押し切ってやる」

 

「そうは行くかよ」

 

 纏は、腰の荷電粒子砲を一夏に向けて放った。

 

「凄いな纏」

 

「それはどうも。だけど一夏人を褒めているとやられるぞ」

 

 そう言って、刀からレーザーライフルに替えて、一夏に向けて放った。

 

「まじかよ」

 

「まじだよ」

 

 ピットから観ていた簪と楯無さんはと言うと、

 

「あの変換速度、ラピッドスイッチ」

 

「しかも、あれわざと織斑を外して打っている」

 

「それだけでは無いわ。彼、マニュアル操作している」

 

「嘘」

 

「確信はないけど、あの動きはオートでは出来ない」

 

「後で聞いてみよう」

 

 纏は、一夏に打ちながら、

 

「回避ばっかでは意味が無いよ」

 

「わかっている」

 

「さてと、どうくるかな」

 

 一夏は、纏のレーザーを避けて、接近した。

 

「おりゃ」

 

「あまいな」

 

「なっ」

 

 纏は一夏に、一斉射撃をした。

 

「よく避けたな一夏」

 

「それはどうも」

 

「それより、もうエネルギーがないんじゃ無い」

 

「あぁ、後一回の零落白夜が限界だな」

 

「なら、面白い賭けをしよう」

 

「なんだ」

 

「その一回で俺に当てたら一夏の勝ち。逆に俺は、一夏に1発当てたら俺の勝ち、どうだ」

 

「面白そうだな、よし、賭けに乗った」

 

「織斑先生もそれで良いですよね」

 

「あぁ、構わん」

 

「じゃ、来い一夏」

 

 その合図に一夏は零落白夜を発動して俺に向かった。

 俺は、壽應を手にして、握っていない手を刀に添えた。

 

「おりゃ」

 

「今回は俺の勝ちだな」

 

 一夏の剣が壽應に当たった瞬間、桜の花びらが舞った。

 その瞬間、一夏のシールドエネルギーが無くなった。

 

「織斑一夏、シールドエネルギー0、勝者、霊鉄纏」

 

 そうアナウンスされた。

 

「くそー、負けた」

 

「まだまだだな一夏よ」

 

「最後何をしたんだ」

 

「カウンターだよ。刀を握っていない手を添えていたでしょう。その時に攻撃を受けるとカウンターするんだよ」

 

「まじかよ」

 

「名付けて、麗花の構え(れいかのかまえ)

 

「凄いな」

 

「一夏、お前にアドバイスを言おう。いろんな人と戦い、いろんな事を学びな。お前は、まだまだ強くなる」

 

「そうなのかな」

 

「経験を沢山すれば色んなことに対応ができる。最初の方は織斑先生にでも教わった方が良いかもよ」

 

「そうか、わかった」

 

「じゃ、俺は先に戻るぜ」

 

「おう、お疲れ」

 

「お疲れ様」

 

 試合が終わりピットに戻った。

 

「お疲れ様」

 

「有難う簪」

 

 ピットに戻ると、簪がスポーツ飲料と、タオルを渡してきた。

 

「あれ、楯無さんは?」

 

「お姉ちゃんなら、用事があるから先に戻ったよ」

 

「そうか」

 

「纏の専用機、マニュアル操作しているの?」

 

「そうだよ。もう、俺の専用機に空きがないからね」

 

「そうなんだ」

 

(お姉ちゃんの感が当たっている)

 

「そういえば、今日はこれで終わりでしょ」

 

「そうだよ」

 

「なら、部屋に戻ろう」

 

「そうしたいんだけど、疲労が酷すぎて、動けない」

 

「なら、私が運ぼうか」

 

「出来るの」

 

「多分」

 

「まぁ持てるなら、頼もうかな」

 

「任せて。よいしょ」

 

 簪は、俺の事を持ち上げた。

 

「軽いね」

 

「そうか//」

 

「ぁ、照れている」

 

「それは照れるだろ。こんな格好だし//」

 

「そう、とりあえず部屋まで運ぶね」

 

「お願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は、簪に運ばれて部屋に着いて、シャワーを浴びた。

 

「ふぅ、さっぱりした」

 

「纏は髪を乾かさないの?」

 

「そうだね。いつも自然乾燥だからな」

 

「ふぅーん」

 

 そう言うと、簪はずーっと見てくる。

 

「どうしたの」

 

「そこの椅子に座って」

 

「なんで」

 

「いいから」

 

 簪に言われた通りに椅子に座った。

 

「これから何が始まるんだ」

 

「私が髪を乾かしてあげる」

 

「そうか、頼む」

 

「任せて」

 

 そう言って、簪は髪を乾かして始めた。

 

「纏の髪、羨ましい」

 

「そうか」

 

「そうだよ。髪をいつも乾かしていないのに、さらさらだし、髪が引っかからない。羨ましい」

 

「そうなのか」

 

「そうなの。ぁ、これから毎日纏の髪乾かしていい」

 

「良いよ」

 

「有難う。はい、終わったよ」

 

「有難う簪。さてと、織斑先生に連絡でもするか」

 

「なんで」

 

「俺は、クラス代表者には、ならないからだよ」

 

「そうなんだ」

 

 俺は、織斑先生に連絡して、了承を得た。

 

「これでよしっと」

 

「なんで、クラス代表者にならないの?」

 

「俺は、多分生徒会に入ると思うから」

 

「それまたなんで」

 

「楯無、多分簪と、仲直りしたら、俺と簪を生徒会に入れようとしていたんだと思う」

 

「そうなんだ」

 

「さてと、明日からまた、頑張るか」

 

「まだ午前中だよ」

 

「俺はもうお疲れ様モードです」

 

「そう。私は、整備室で、少しでも進めておくよ」

 

「頑張ってね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私、更識簪は、整備室で打鉄弍式の製作をしていた。

 後、メインシステムだけなんだけど中々上手くいかない。

 

「ふぅ、疲れた」

 

「お疲れのようだね簪ちゃん」

 

「お姉ちゃん」

 

 いつの間に入ってきたんだろう。

 

「簪ちゃん、私も手伝うよ」

 

「有難うお姉ちゃん」

 

「何処が終わっていないのかしら」

 

「メインシステムだけだよ」

 

「凄いじゃない」

 

「私だけでやった訳ではない。纏や本音が手伝ってくれたからここまで来れた」

 

「そう。変わったね簪ちゃん」

 

「お姉ちゃんも」

 

「さてと、メインシステムは、2人で完成させよう」

 

「うん」

 

 そこから、完成までは、早かった。

 2時間くらいで完成した。

 

「これで、やっと完成した」

 

「おめでとう簪ちゃん」

 

「有難うお姉ちゃん」

 

「さてと簪ちゃん、片付けて話を聞かせてもらいましょう」

 

「何のこと?」

 

「纏君のこと好きでしょ」

 

「そ、そんなことない//」

 

「あはは、顔が真っ赤だよ」

 

「むぅー」

 

「まぁまぁ、事実でしょ」

 

「まぁ、そうだけど。てかいつ気づいたの」

 

「纏君と3人で一緒に話している時」

 

「そうなんだ」

 

「簪ちゃん、告白するなら早めにしなさい」

 

「なんで」

 

「だって、ここはIS学園。綺麗な人が沢山居るんだよ。そんな人達に、取られちゃっていいの」

 

「駄目。纏の隣は私だけ」

 

「そのいきよ。頑張ってね応援しているわ」

 

「有難うお姉ちゃん」

 

 こうして、纏の恋に気づいた簪は、纏に告白しようと頑張るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時は遡り、簪が整備室に行った後、部屋に残された纏は、眠りについていた。

 

「う、うん。ここは」

 

「ここは、ISの中です」

 

「貴方は誰ですか」

 

「それは、貴方がよく知っていると思いますが」

 

「う〜ん。ぁ、青蘭?」

 

「正解です」

 

「えっと、俺はISのコアである青蘭と、話しているってことだよね」

 

「その通りです。しかし、今回は挨拶だけで終わりましょう」

 

「そう。これから、現実世界になっても、俺に話しかけてくれる」

 

「それは勿論です。全力で貴方、霊鉄纏、もといーーー纏さんを支えましょう」

 

「有難う」

 

 こうして、ISのコアと話せるようになって、目を覚ました。

 

「えっと、話せるのはいいけど、どうやって俺に話しかけるの?」

 

「それは勿論、脳に直接語りかけます」

 

「うわっ、びっくりした。まぁ、これからよろしく、青蘭」

 

「よろしくお願いします、纏さん」




機体名 青蘭《せいらん》


 機体のスピードは瞬間加速で音速並みのスピードになる。


 背中のスラスターが翼の形になっており、スピードの緩急が自在。しかし、その分格段に操作は難しくなる。


 武装は両手にラピッドスイッチ型のビームライフル銃2丁と近接用刀2本。
 

  近接用刀の名前 
         名刀山桜 
         名刀壽應(しゅおう)


 腰に折り畳み式荷電粒子砲があり、この武装は色々な弾を速射可能。
 

 内部システムにはマルチロックオンシステムがありビームライフルと荷電粒子砲の一斉射撃が可能になっている。


 見た目は青色をベースに白色が所々に色付けられている。


 待機状態は手首に腕時計形で着いている。色は赤紫色。

 誤字がありましたら教えて下さい。

 また、こんな事した方が良いと言う意見がありましたら教えて下さると幸いです。


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ー6ー

 クラス代表者決定戦の翌日。いつも通りトレーニングを終えて部屋に戻ったら珍しく簪が起きていた。

 

「おはよう纏」

 

「おはよう簪」

 

「纏、話聞いてくれる」

 

「良いよ」

 

「実は昨日、専用機が完成した」

 

「まじで!!」

 

「驚きすぎ。昨日整備室で、お姉ちゃんと一緒に完成させたの」

 

「そうなんだ。良かったな簪」

 

「有難う」

 

「これで、テスト走行と、模擬戦で物にしていけるね」

 

「そうだね。後お姉ちゃんが7時45分に生徒会室に来てってメッセージが来た」

 

「そうか。わかった。とりあえず朝食を食べに行くか」

 

「うん」

 

 朝食を食べ、時間になったので生徒会室に移動した。

 

「ここか」

 

「そうだね。早く入ろう」

 

「そうだな」

 

 生徒会室のドアをノックすると、見知らず女子生徒が出てきた。

 

「お待ちしていました。霊鉄様、簪お嬢様」

 

 出てきたのは、布仏虚さん。本音のお姉さんである。

 

「虚、久しぶり」

 

「お久しぶりです。お二人とも朝早くから有難う御座います」

 

「それよりお姉ちゃんは?」

 

「楯無お嬢様なら中に居ます」

 

「そう。部屋に入れてくれる」

 

「勿論です。では、お入り下さい」

 

 部屋に入れてもらい、中を進むと楯無さんがいた。

 

「来てくれて嬉しいわ」

 

「呼ばれたら行くのが当然です」

 

「それでお姉ちゃん。私達を呼んだ理由は?」

 

「単刀直入に言うと、2人とも生徒会に入ってくれる」

 

「「はい?」」

 

「駄目かな」

 

「俺はどっちでも良いけど」

 

「私は纏が入るなら入る」

 

(簪はそう来たか)

 どうしようか考えていると楯無さんが扇子を広げた。

 その扇子に書かれていたのは、《お願い》の文字だった。

 

「はあ、わかりました。生徒会に入ります」

 

「有難うね纏君」

 

「じゃ、私も入る」

 

「簪ちゃんも有難うね。さてと、虚ちゃん紅茶入れてくれる」

 

「かしこまりました」

 

 虚さんが入れてくれた紅茶を飲んでびっくりした。

 

「虚さん、これ茶っ葉からやっていますよね」

 

「何故分かったのですか」

 

「これと同じ紅茶を飲んだことあるので」

 

「そうですか」

 

「さてと、纏君、これを渡しとくね」

 

「なんですかこの書類の量は!?」

 

 楯無さんから渡された書類の量にびっくりしている。書類の量は、ざっと50枚。

 

「これを今週中にやってくれる」

 

「これを一人でですか」

 

「大丈夫、私も手伝うよ」

 

「有難う簪」

 

「二人でやれば終わるでしょ」

 

「まぁ終わりますね」

 

「それじゃよろしく」

 

 こうして、朝の授業前に疲れてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 授業は、一夏がクラス代表者になる事が決まった。

 俺は織斑先生に伝えたし、セシリアは、自分の行いに誤ちがあったのでその罪滅ぼしでクラス代表者にならないって事だった。

 そして、今は、ISの飛行操縦の実践をする事になった。

 

「ではこれよりISの基本的な飛行操縦を実践してもらう。

織斑、オルコット、霊鉄試しに飛んでみろ」

 

 取り敢えず俺はISを展開させた。

 一夏は織斑先生に急かされていた。

 

「早くしろ。熟練したIS操縦者は展開オープンまで1秒とかからないぞ」

 

 まぁ大変そうだな。そう考えていたら一夏が白式を展開する。

 

「よし、飛べ」

 

 この合図で3人は飛翔する。

 一夏も飛び立つが上昇速度は俺とセシリアに比べてまだ遅い。

 

「なにをやっている。スペック上の出力では白式の方がブルー・ティアーズより上だぞ」

 

 まぁ、そんな事言っても俺も、一夏も片手で数えた数しか動かした事ないし。それなのに何故俺は言われないのだろう。不思議だ。

 

「えっと、自分の前方に角錐するイメージだっけ」

 

「ですが、イメージは所詮イメージ。自分がわかりやすい方法を模索する方が建設的でしてよ」

 

「そう言われても、上手く飛べてないように思うし」

 

「纏さんに関しては、上手過ぎです。本当に数回しか動かしていないのですか」

 

「そうだよ」

 

「纏は凄いな。俺は空を飛ぶ感覚自体がまだあやふやなんだけど。てか、なんで浮いてんだこれ」

 

「説明して構いませんが、長いですわよ?反重力翼と流動波干渉の話になりますもの」

 

「俺は説明されてもいいけど一夏は?」

 

「俺はパスで、言葉だけでも意味が分からない」

 

「そう、残念ですわ」

 

 セシリアは、代表者決定戦までとは大違いになっている。

 今は一緒に話していて楽しい。

 

「一夏さん、よろしければまた放課後に指導してさしあげますわ。その時は二人きりでーーー」

 

「織斑、オルコット、霊鉄急降下からの完全停止をやって見せろ。目標は地表から十センチだ」

 

「うひょー、楽しそうな注文しますね織斑先生は」

 

「そうでしょうか。まぁ、私が先にやらさしていただきます」

 

 そう言ってセシリアは地上に向かい完全停止を行う。難なくクリアー。流石は代表候補生である。

 

「さてと、先に行かしてもらうぜ一夏」

 

「おう」

 

 俺は、背中のスラスターでさらに加速をした。

 

「纏さん、そこままでは地面に突っ込みますよ」

 

「なら、その未来俺が壊してやろう」

 

 すぐさま方向転換。地面に向かってスラスターを吹かし急減速。ふわりと地面に着地するとクラスメイトから称賛の拍手が上がる。

 

「いや、それほどでも」

 

「纏さん、無茶苦茶な事しますね」

 

「それが俺だからな」

 

「さてと、一夏のも見守りますか」

 

 見守りながら始まった一夏の急降下の完全停止。結果はいかに・・・

 ギュン――――ズドォーン!!!

 見事に失敗してグランドに大きな穴を開けた。

 

「馬鹿者誰が地上に激突しろと言った。グラウンドに穴を開けてどうする」

 

「すみません」

 

 そんななか箒が一夏の作った穴に入って何か言ってる…それに対抗するようにセシリアも中に突入する。なんか箒とセシリアの間に火花っぽいものが見えた…

 

「おい、馬鹿ども。邪魔だ。端っこでやってろ」

 

 それを千冬さんが押しのける。一夏達が穴から出てきて千冬さんがまた話を続ける。

 

「3人ともメイン武装を展開しろ」

 

「「はい」」

 

「わかりました」

 

 俺は、ビームライフルを両手に展開した。セシリアも、スターライトmkIIIを展開した。一夏も、少し遅れて雪片弐型を展開した。

 

「遅いぞ織斑。0.5秒で出せるようになれ」

 

 俺も人の事言えないけど、遅かったな。

 

「オルコット、霊鉄近接用の武装を展開しろ」

 

「「はい」」

 

 そう言って、俺はラピッドスイッチで山桜と壽應を展開した。

 セシリアは、なんか苦戦しているな。

 

「まだか」

 

「す、すぐです―――ああ、もう!『インターセプター』!!」

 

 ヤケクソ気味に近接用武装の名前を叫びやっとこさ像を結び剣が現れる…。でも、今セシリアがやったのは教科書に載っている基本の展開方法。要は『初心者用』である。

 

「時間だな…。織斑、グラウンドは片づけておけよ」

 

 あの穴を埋めるのは大変そうだな。まぁ自業自得だな。

 そう思いながら校舎の方に歩いてた。

 

「霊鉄、手伝ってくれ」

 

「すまないけど一夏、自業自得だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 放課後になり、俺は生徒会で仕事をしていた。

 

「纏君はタイピングの速さ異常だよね」

 

「そうか」

 

「そうです。そこまで速く打てる人は纏さん以外いません」

 

「そこまで言っちゃう。はい、今日渡された書類終わりました」

 

「有難う。1時間くらいしか経っていないのに1週間分の書類終わらせるなんて」

 

「打ち込む簡単な書類だったので」

 

「「この人やばいわ」」

 

「何にも言えない」

 

「そう言えば纏君、一つ聞きたいことがあるの」

 

「なんですか」

 

「貴方、本当に何者?」

 

「これを聞くって事は俺の履歴書を見たんですね」

 

「そうよ。あんな出鱈目な履歴書を見たら聞くしかないでしょ。てか言いなさい生徒会長命令よ」

 

「すみません、生徒会長命令でも言えません此処では」

 

「この学園じゃない場所なら言えるって事」

 

「そう言う事です」

 

「なら、何処だったら言えるの?」

 

「遅かれ早かれ更識家に行かなくては行けないのでその時にでも話します」

 

「なんで家に来るの」

 

「俺の機体、実は楯無さんの前の楯無、16代目が専用機を作ってくれた。そして、今年の夏休みに点検を出しに行くので」

 

「そう、分かったわ」

 

「では、俺はこれで失礼します」

 

「お疲れ」

 

「お疲れ様です」

 

 俺は生徒会室を後にした。

 

「虚ちゃん、纏君の事何か知らない」

 

「申し訳ありません、何も知りません」

 

「そう、分かったわ」

 

 私、更識楯無は、1つの事を確信していた。彼は更識に何かしら縁を持っている事、これは確信できた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時は夕食時、この日俺は本音に『おりむーのクラス代表就任パーティーやるから来てね』と言われて来たんだけど、なんだかこの状況は?1組の人達が一つの机を占領していた。

 

「あ、レイレイ来たんだね」

 

「まぁね、誘われたら行くよ」

 

「纏、来たか」

 

「来たよ、生徒会の仕事終わらせてな。てかこの状況では夕食が食べられないな」

 

「そんな事言うなよ」

 

「そうだったな。俺は取り敢えず飯を取ってくる」

 

「おう、分かった」

 

 俺は、夕食を何にしようか悩んでいた。

 

「うーん何にしよう」

 

「あ、纏だ」

 

「簪か、お疲れ様」

 

「何かに悩んでいるなら聞くけど」

 

「有難う、実は夕食何にしようか悩んだいたんだ」

 

「そうなんだ。なら、私のオススメのかき揚げうどんにすれば」

 

「簪から勧められたら頼むしかないでしょ」

 

「役に立てて私嬉しい」

 

「有難うな簪」

 

「どういたしまして」

 

「そうだ、感謝の意味を含めて一緒に食べよう」

 

「う、うん」

 

 俺と簪の夕食を取って、席に移動した。簪は、かき揚げうどんを頼んだ。

 

「うん、上手い」

 

「そう、よかった」

 

「簪に教えてもらわなかったらこんな上手い料理出会えなかったよ」

 

「大袈裟過ぎ」

 

「それほど感謝しているって事だよ」

 

「そう///」

 

「うん、あれって新聞部だよね」

 

 ふっと一夏の方を見たら一人の女子生徒が一夏に話しかけていた。

 

「そうだね」

 

「あ、いたいた」

 

「俺!?」

 

「そうそう君。たっちゃんが言っていた生徒会に入った男子生徒」

 

「ええっーー」

 

 そう新聞部の人が言ったら周りの人がびっくりした。

 

「煩い、どうしたそんなに叫んで」

 

「叫びたい気持ちは分かるわ。だって私の部活に入れたかった」

 

「そうなんだ。それで、此処に来たって事は取材かな」

 

「そうだよ。あ、名前教えていなかったね。私は黛薫子、よろしくね」

 

「俺は霊鉄纏です」

 

「では霊鉄さんにインタビューです」

 

「なんでしょうか」

 

「貴方は何故生徒会に入ったのですか」

 

「楯無さんが手伝ってと言われたので入りました。また、男子が運動部に入らないでしょ。そんな理由です」

 

 その後沢山の質問を受けた。正直疲れた。

 

「では最後に一言お願いします」

 

「そうですね、物事を別の方から考えると違う答えが出てくるはず。何か困ったことがあったなら違う方向からみると、今までとは違う世界が見えるはずだ」

 

「有難うございます」

 

「こちらこそ有難うございます」

 

 こうして、騒がしい1日が終わった。




誤字がありましたら教えて下さい。

 また、こんな事した方が良いと言う意見がありましたら教えて下さると幸いです。


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ー7ー

 今回短いです。申し訳ございません。

 それでも良いって人はゆっくり読んで行ってください。


 月日が流れるのは早く、もう4月後半だ。4月後半ってことはクラス対抗戦である。そんな中今日のクラスはなんだか騒がしい。

 

「おはようみんな。なんかあった?」

 

「おはよう霊鉄君。実は、隣のクラスに転校生が来たんだって」

 

「そうなんだ」

 

「フン!私の存在を今さらながら危ぶんでの転入かしら?」

 

「そんな事言っていたらやられるぞ」

 

「そうでしたわ」

 

「でも今のところ専用機を持ってるのは一組と四組だけだから余裕だよ」

 

「そうだと良いんだが」

 

 と一夏がいうと……いきなり教室の前の扉が開く。

 

「そこの女子の情報古いよ。二組も専用機持ちがクラス代表になったの。そう簡単には優勝できないから」

 

「鈴?お前鈴か?」

 

「そうよ!中国代表候補生、凰鈴音よ。今日は宣戦布告に来たってわけ」

 

 そう一夏に指を向けて言った。まぁ、漫画に出てくるライバル的なやつが言うセリフを言っていた。

 

「アンタね、二人目の男性IS操縦者ってのは」

 

 そう言いながら鈴は俺に迫って来た。

 

「そうだよ。俺は霊鉄纏。纏と呼んでくれ」

 

「こっちも鈴でいいわ」

 

 そうして、握手を交わした。

 

「そうだ、鈴。もうそろそろ戻った方が良いよ」

 

「なんで」

 

「それは10秒後に悪夢を見たくなかったらね」

 

「どう言うことよ」

 

「では、悪夢を見てもらおう」

 

 そう言ったら、『ばしーん』と良い音が鳴った。

 

「いったー。って千冬さん」

 

「久しぶりだな凰。チャイム鳴っているのに戻らないとはいい度胸だ。自分のクラスに戻れ」

 

「はい。一夏、このあと昼休みに話しがあるから、じゃあ!」

 

 そう一言残して去っていった。

 

「なんか嵐の様な奴だったな」

 

「まぁ、良い奴だよ」

 

 そして、今日も一夏は織斑先生から出席簿アタックを受けて頭から湯気を出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時は変わり昼食をみんなで食べようとしているところ。

 

「にしたもビックリしたぜ。お前が二組の転校生とはな。連絡をくれりゃ良かったのに」

 

「こっちだって代表候補生として忙しいのよ。アンタと違って」

 

「なんだよ、その言い方。それとお前、まだ千冬姉のことが苦手なのか?」

 

「何よ、悪いの」

 

「いや、悪くわないけど」

 

「そういえば纏、貴方国家代表候補生を降参させたんだって」

 

「そうだけど」

 

「なら、私と模擬戦してくれる」

 

「全然良いよ。後、俺の友達も誘っても構わない?」

 

「全然構わないわ」

 

「有難う。じゃ、今日の放課後にやろうか」

 

「そうね、アリーナはこっちで取っとくから」

 

「よろしく頼む」

 

 こうして、鈴との模擬戦を行うことになった。

 

「って事で簪も模擬戦に参加してほしい」

 

「分かった」

 

「迷惑だった」

 

「そんな事ない。私は打鉄弐式の戦闘データが取りたいと思っていたから」

 

「そう、ならよかった。じゃ放課後に会おう」

 

「うん」




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ー8ー

 時は流れて放課後になった。

 俺はホームルームが終わり鈴に指定されたアリーナに向かっていた。

 

「あ、纏」

 

「お疲れ様、簪。今終わったんだ」

 

「う、うん」

 

「じゃ、一緒に行くか」

 

「う、うん//」

 

 こうして、簪と一緒に行く事になった。

 そんなこんなでアリーナに着いた。

 

「待たせたな、鈴」

 

「本当よ、もっと早く来て欲しかった」

 

「すまんな」

 

「それで、隣の人が簪」

 

「そうだよ」

 

「はじめまして、4組の更識簪です」

 

「そんなかしこまらなくていいよ。私は凰鈴音、鈴って呼んでね」

 

「なら私は簪って呼んで」

 

「よろしくね、簪」

 

「うん、こちらこそよろしく、鈴」

 

「さてと自己紹介も済んだ事だしやるか」

 

「そうね」

 

「誰からやる?」

 

「私、纏と戦ってみたい」

 

「私も」

 

「俺が2戦するの?」

 

「できるでしょ」

 

(簪さん上目遣いはやめて、可愛すぎて惚れそう。さらに断りにくいよ)

 

「纏、顔が赤いよ」

 

「そんな事ないよ//」

 

((可愛い))

 

「それで、最初誰からやるの?」

 

「簪、先に出ていいよ」

 

「有難う」

 

「じゃ準備するか」

 

「そうだね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 準備が終わりきていの位置に着いた。

 

「さてと、手加減無しに来な」

 

「そうするよ。纏こそ、国家代表候補生を舐めないことね」

 

「えっ、簪って国家代表候補生だったの」

 

「そうだよ、知らなかったの」

 

「知らなかった」

 

「二人とも始めていい?」

 

「いいよ」

 

「いつでも」

 

「それでは、始め」

 

 簪は、薙刀を握って突っ込んできた。

 

「なるほどそうきたか」

 

 俺は、簪から距離を取りながら隙を窺う。

 

「逃げてばっかだと勝てないよ」

 

「それはどうかな」

 

 俺は、壽應とビームライフルを持った。

 簪は、何かを感じて距離を取った。

 

「どうした」

 

「絶対、今突っ込んだら攻撃を交わすでしょ」

 

「よく分かったな。そのご褒美に」

 

 俺は両手にビームライフルを構え、腰の荷電粒子砲と共に簪に向けた。

 

「一斉射撃をあげる」

 

「それはご褒美じゃないよね」

 

「せーいかい」

 

 俺はその合図で一斉射撃をした。

 簪は避けるのに背一杯で何にも出来なくなった。

 

「簪」

 

「何?」

 

「チェックメイトだ」

 

 俺は壽應を手にして、簪の顔の目の前で止めた。

 

「まだまだだな」

 

 そう言うと簪が涙を浮かべた。

 

「御免な、怖い思いをさせたな」

 

「本当だよ、死ぬかと思った」ポロポロ

 

「御免って、なんでもするから許して」

 

 纏は簪の髪を撫でながら言った。

 

「わかった。・・・絶対だからね」

 

「あぁ、絶対だ」

 

 勝負は、纏の勝ちで終わった。

 

(後、鈴が残っているんだよな、大変だな)

 

 そう思ったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 二戦目、鈴との戦いが始まろうとしていた。

 

「凄い技術だね纏」

 

「有難う」

 

「本当に動かして一ヶ月経たないの?」

 

「そうだね、まだ一ヶ月使ってない」

 

「それなのにあの力、自信無くす」

 

「そんな事ないよ、俺は力でなんとか動かしているから、みんなの様な動きは出来ないんだよ」

 

「それはそれとして、マニュアル操作しているんでしょ」

 

「そうだね、こっちの方が自分の意思で動かせるから良い」

 

「そう思うと自信が無くなって来た」

 

「まぁ、頑張れ」

 

「今から対戦する人に頑張れって言われても」

 

「二人とも始めていい?」

 

「いいよ」

 

「いつでも」

 

「それでは、始め」

 

 始まった瞬間鈴は双天牙月を持って、突っ込んできた。

 

「逃さないよ」

 

「面倒くさいことするね」

 

 纏は山桜と壽應を握って正面から受け止める。

 

「受け止めるだけで跳ね返されそう」

 

「なら跳ね返してやろうか」

 

 纏は、荷電粒子砲を鈴に向けて打った。

 

「きゃゃーーー」

 

 モロに食らった鈴は吹っ飛ばされた。

 

「その装甲、荷電粒子砲だったんだ」

 

「そうだよ」

 

「ならこれはどうかしら」

 

 鈴は龍咆を纏に向けて打った。

 

「そうゆう武装か」

 

 纏は龍砲の攻撃を切った。

 

「うそ」

 

「ほんとう。空気を圧縮して打ってくる面白い武装だったけど空気だったから簡単に切れた」

 

「私に勝ち目あるの」

 

「知らない」

 

「ですよね」

 

「どうする降参する」

 

「するわけないでしょ」

 

 鈴は龍砲を打ちながら接近して来た。

 

「そうか、残念だ」

 

 纏、スラスターを思いっきり吹かして、高速で鈴の横を通り過ぎた。

 

「俺の勝ちだ」

 

「えっ」

 

「鈴シールドエネルギー0だよ」

 

「ぁ、本当だ。纏何をやったの」

 

「鈴の横を通った時に壽應で切った」

 

「でも結構残っていたんだけど」

 

「何十回も切れば削り切れる」

 

「あんな一瞬でそんな高等技術をするなんて、どうかしている」

 

「まぁ、これで二人の欠点が見えて来たな」

 

 纏と鈴はISを解除して、纏が話を続ける。

 

「簪は、近距離戦も大切だけど遠距離で戦うことも覚えなきゃいけないし、回避もただ避けるのではなく先を読んで回避が出来ればもっと強くなる」

 

「そ、そう」

 

「鈴は油断しすぎだな。なんの自慢なのか知らないけど、その自慢が自分を苦しめている。自分を苦しめると周りが見えなくなったり、正しい判断が出来なくなる。自慢は程々にして、いろんなことを受け入れな。そうすればもっと強くなる」

 

「なるほど、一夏と戦う前に知れて良かったわ。有難うね纏」

 

「私も、有難う纏」

 

「二人とも、模擬戦して欲しい時とかアドバイスが欲しい時はいつでも言ってくれ、力になる」

 

「そうさせてもらうわ」

 

「って事で」

 

 纏は、地面に座った。

 

「疲れた。もう、身体が動かない」

 

「お疲れ様だね」

 

「情けないわね」

 

「そんな事言うなよ。俺だって、機体の空きが有ればもっと楽になる」

 

「それはそうだったわね」

 

「マニュアル操作に機体はほとんど力で動かしているから、とっても疲労が溜まる」

 

「動ける?」

 

「無理です」

 

「仕方がないね。よいしょっと」

 

 簪は、纏をお姫様抱っこをした。

 

「じゃ、部屋まで運ぶね」

 

「簪、重くないの」

 

「重いどころか軽いよ」

 

「そうなの」

 

「そんなに不思議なら持ってみたら」

 

 鈴は簪から纏を受け取った。

 

「うわー、超軽い」

 

「でしょ」

 

「だから辛くないのか」

 

「うん」

 

「そろそろ運んでくれます。俺、恥ずかしいよ」

 

「照れている姿可愛いからそのまま」

 

「簪、俺はいつ運ばれるのかな」

 

「そうだね。鈴、纏をくれる?」

 

「良いよ」

 

「じゃ、運ぶね」

 

「よろしく」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 運んでもらい部屋に着いた。

 

「やっと着いた」

 

「ごめんね、遅くなって」

 

「良いよ、運んでくれて有難う」

 

「ふふっ、どういたしまして」

 

「簪は、纏と同じ部屋なの」

 

「そうだけどどうしたの」

 

「いや、ただ単に聞きたかっただけ」

 

「そう」

 

「じゃ、私は食堂に行くけど、二人は行くの?」

 

「俺は後1時間くらい動けない」

 

「私は先にシャワーを浴びようと思う」

 

「そう。じゃ、また明日ね」

 

「じゃねー」

 

「お疲れ様」

 

 こうして、鈴との模擬戦が終わった。




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-9-

 時は過ぎクラス対抗戦の日になった。

 

「凄い、沢山の人がいる。緊張してきた」

 

「大丈夫だよ。緊張は時に力を貸してくれる」

 

 今、俺と簪はピットにいた。

 

「初戦は3組か」

 

「そうだね」

 

「3組は専用機の人じゃいとは無いとはいえ油断しちゃダメだよ」

 

「分かった」

 

「さてと俺は観客席に行くかな」

 

 そう離れようとした時、簪は俺の袖を掴んでいた。

 

「どうした、簪?」

 

「此処で観て」

 

「なんで」

 

「その方が力が出るから。その迷惑じゃなかったらで良いから」

 

「そこまで言うなら此処で観よう」

 

「有難う。後一つお願いがあるの」

 

「なんだ?」

 

「私を抱きしめて欲しい」

 

「そんな事か、全然構わないよ」

 

「有難う//」

 

 俺は簪を抱きしめた。

 

「う〜〜ん。充電完了」

 

「なんの充電だよ」

 

「纏が私にくれる至福の癒し」

 

「そうなんだ」

 

「有難う、もう大丈夫だよ」

 

「そう」

 

 俺は簪を離した。

 

「じゃ、行ってくるね」

 

「頑張ってこい」

 

「更識簪、打鉄弍式、行きます」

 

 さてと簪は、どんな試合をしてくれるのかな。

 試合が始まり、簪は最初から距離を取りながら相手の様子を窺う。

 

「俺が実際に見せた方法をとっているな」

 

 簪は荷電粒子砲を相手に当てて、一瞬の隙を利用して、マルチロックオンミサイルを放った。

 それが相手のシールドエネルギーを全て削り切り、簪が勝利を収めた。

 

「お疲れ様、簪」

 

 俺は戻って来た簪にスポーツドリンクとタオルを渡した。

 

「有難う、纏」

 

「どうだった?」

 

「纏に比べて、弱かった」

 

「比べる次元が違うな」

 

「だって、私の目標は纏を超える事だもん」

 

「そうかそうか」

 

 そんな会話をしていると、一夏と鈴の試合が始まった。

 

「簪はどっちが勝つと思う」

 

「鈴じゃない」

 

「俺もそれが妥当だと思う。しかし、なんか嫌な予感がする」

 

「そう?」

 

「この試合、鈴が簡単には勝てないと思う」

 

 その予感が当たり一夏は通常速度より数倍速いスピードで鈴に接近していた。

 

「『瞬時加速(イグニッション・ブースト)』・・・凄い」

 

「彼奴いつの間に取得していたんだ」

 

「えっ、纏って瞬時加速知っているの?」

 

「機体のスラスターからエネルギーを放出、それを取り込み圧縮したものを再放出することにより爆発的な速度を生みだすテクニックだろう。しっかりと理解しているし、俺も使える」

 

「嘘でしょ」

 

「本当だよ。今度見せてやるよ」

 

「ありがーーー」

 

 ドガァァァァァァン!!!

 

 一夏と鈴に一撃を見舞おうとした瞬間、爆発音と振動がアリーナに走る。アリーナの中央からもくもくと上がっている煙を見ると遮断シールドを突き破って入ってきたと思われる。

 

「なんだ」

 

「分からないけど何かが遮断シールドを破って入って来たみたい」

 

 取り敢えずよく分からなかったから管制室にいる先生に連絡を取った。

 

「こちら霊鉄纏、管制室応答を願う」

 

「はい!!こちら管制室の山田です!!」

 

「現在の状況を教えてください!!場合によっては俺も出ます」

 

「霊鉄、今すぐ出ろ」

 

「分かりました」

 

 連絡を終えて俺はアリーナに出ようとした。

 

「じゃ簪、行ってくるね」

 

「まって、私も一緒に行く」

 

「分かった。けど無理はするなよ」

 

「わかっている」

 

「霊鉄纏、青蘭、行くぜ」

 

「更識簪、打鉄弍式、行きます」

 

 俺と簪はアリーナに出た。

 二人の目に映った光景はゾッとする。

 15機の機体がアリーナに広がっていた。

 

「一夏、鈴。無事か」

 

「纏、大丈夫」

 

「二人ともシールドエネルギーどれぐらい残っている?」

 

「俺はあと54」

 

「私は180」

 

「そっか、二人で1機倒せる?」

 

「だけど残り、14機全部纏と簪がやるの」

 

「出来るでしょ、なぁ簪」

 

「そうだね、私が後方から撃ち続けられるなら」

 

「それなら余裕。じゃ、パパッと終わらせますか」

 

 俺は敵の軍勢に向かって、一斉発射をした。

 

「うん、あれは」

 

 俺が見たのは当たった機体は機械製だった。

 

(つまり無人機か)

 

「一夏、鈴、簪、こいつらに手加減は要らない」

 

「なんで」

 

「こいつら全部無人機だからだ」

 

「そうか、なら」

 

「手加減しないよ」

 

 簪はマルチロックオンミサイルを無人機に向けて打った。

 俺はそれを合図に一斉射撃をした。

 

「やっぱり無人機だったな」

 

 倒れた機体を見て纏が言った。

 

「さてと」

 

 纏はISを解除して、壽應を手にして、降りた。

 

「お前らには俺の本気の半分を見せてやる」

 

「纏、無人機とはいえISを纏わないで戦うなんて駄目」

 

「安心しろ簪。俺は負けない」

 

 俺は残ったISに向かって歩いた。

 IS軍団は俺に向けて攻撃をして来た。

 

「まぁ、普通はそうするよな」

 

「纏、危ない」

 

 俺はISの攻撃を受けた。

 

「えっ!?」




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ー10ー

「えっ!?」

 

 私、更識簪は、目の前で起きたことに理解が出来ていない。確かに纏はISの攻撃を受けた。しかし、彼には穴どころか傷がついていない。どうゆう事?

 

「さてとこれを見たから、お前らは壊れろ」

 

 纏は壽應を一振りした。すると、沢山あった無人機ISは無残に分解された。

 

「ふぅ。簪、終わったよ」

 

「ぁ、お疲れ様」

 

「さてと、簪」

 

「は、はい」

 

(何言われるんだろう。今の事があったから、何言われてもおかしくない)

 

「?どうした簪」

 

「何でもない。それより要件は何?」

 

「俺を部屋まで運んでくれ」

 

「へ?」

 

「だから、俺を部屋まで運んでくれ。俺は疲れて、動けない」

 

「そ、そう。分かった」

 

「簪は、何を言われると思ったんだ?」

 

「それは言えない」

 

「そうか、深くは聞かないよ」

 

「有難う。それよりこの件、織斑先生になんて言うの?」

 

「後でUSBを渡す。俺の個人情報が入った奴を」

 

「そう。取り敢えず運ぶね」

 

「よろしく頼む」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうだ、元気か霊鉄」

 

「未だ、身体が動きませんよ織斑先生」

 

 簪に部屋まで運んでもらってゆっくりしていると織斑先生が入ってきた。

 

「お前には色々と聞きたいことがあるけど、まずは、学園を救ってくれて感謝する」

 

「いいえ、あそこで織斑先生が行って良いと言ってもらえなかったら、学園どころか生徒すら助けられなかったと思います」

 

「そうか、有難う」

 

「それより、織斑先生が俺に対して言いたい事は分かります」

 

「そうか」

 

「そこの机にあるUSBを持って行っていただければ、俺の個人情報が分かります」

 

「分かった。今日はゆっくり休めよ」

 

「有難うございます」

 

 織斑先生は部屋を出た。

 

「ふぅ、取り敢えず眠いから一眠りつくとしよう」

 

 こうして、纏は眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 寝てから何時間たったのか分からないけど纏は目を覚ました。

 

(今一体何時だ?)

 

 纏は近くにあった携帯を見た。

 

(嘘、もう17時半。まぁ、ゆっくり出来たと考えよう)

 

 しかし、覚醒するにつれ、何か違和感に気付く。

 

(てか、誰か俺の腕を抱きしめているな・・・えーーーー。待て待て、誰だ抱きしめている奴は。ええぃもう毛布を剥がしてしまえ)

 

「おりゃー」

 

 毛布を剥がすと、そこには水色の髪をした少女が纏の腕を抱きしめ、足をホールドしていた。

 

「すぅーすぅー」

 

(無理やり起こすのは可哀想だな)

 

 纏は少女の髪を優しく撫でた。

 

「えへへ」

 

(嬉しそうだな)

 

「う〜ん」

 

(おっと、起きたかな)

 

「おはよう、簪」

 

「おはよう、纏」

 

 寝ていた少女は同じ部屋に暮らす更識簪だった。

 

「どうして、一緒に寝ていたんだ?」

 

「嫌だったの?」

 

「嫌じゃ無いけど、何でだろうと思って」

 

「だって、あんな怖い事が起きたから」

 

「それで、俺が寝ているのを見て、一緒に寝たと」

 

「そうです」

 

「まぁ、無事だったから良いんじゃ無い。終わり良ければ全て良しってね」

 

「そうだね。それより、纏は無人機の攻撃を受けた時、身体には傷がつかなかったけどどうして?」

 

「それは言えない。如何しても」

 

「そう」

 

「でも安心しな。いつかは言ってやるから」

 

「絶対だからね」

 

「勿論だ」

 

 こうして、無人機襲来事件は終了した。



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ー11ー

 時は流れ6月の第二月曜日になった。

 今日は、何故かHR中のはずなのに珍しくざわつく教室…原因は前に立つ二人の転入生である。

 一人は男子用の制服を着た子、もう一人は軍服のような改造制服を着ている子である。

 

「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。この国では不慣れなことも多いと思いますが、みなさんよろしくお願いします」

 

「お、男」

 

「はい。こちらに僕と同じ境遇の方がいると聞いて本国から転入を・・・」

 

 ヤバイ、絶対嫌な展開になる。

 

「「「きゃああああああ!」」」

 

 ヤバイヤバイ、耳が耳がー。

 

 女性特有の黄色い音波攻撃が俺と一夏を襲う。

 黄色い歓声が止むとデュノアは驚いた顔をしていた。それもそうだろう。だって、俺もそうだったからな。

 

「ふえ?」

 

「男子、三人目の男子!」

 

「それも美形、守ってあげたくなる系の」

 

 女子たちはそれぞれ感想を言っているが織斑先生の注意によって静まる。

 

「ボーデヴィッヒ。挨拶をしろ」

 

「はい。教官」

 

 眼帯をしたその少女は千冬の言葉を受けると、姿勢を正す。

 まるで軍の号令をかけられたかのように見事な『気を付け』をした後、少女は厳格な様子で告げる。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

 ボーデヴィッヒが名前を言ってから、しばしの沈黙。

 

「あ、あの・・・以上、ですか?」

 

「以上だ」

 

 ボーデヴィッヒがそういうと、一夏を見て動きだした。

 

「貴様がっ・・・!」

 

 何か用かと尋ねようと考えた一夏の考えは一瞬で消えてなくなった。

 ハッキリとわかるような怒りを向けられていると、ラウラの表情を見て一夏は理解した。

 

 その瞬間、一夏は頬をぶたれていた。

 

「認めん。貴様が教官の弟である事など認めん!」

 

 そしてボーデヴィッヒは自分の席に行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてホームルームが終わった。

 この後は2組との合同練習である。

 

「さてと、移動しますか」

 

「そんな呑気に言っている暇があるか」

 

「どうしたの」

 

「俺たち男子は女子と違ってアリーナで着替えないといけないんだ。そして、アリーナまで距離がある。着替えで時間が取られて授業に遅れたら千冬姉の出席簿が頭に落ちてくるし、アリーナまでの行く道を妨害する奴等がいるんだよ」

 

「それはヤバイね」

 

「二人とも呑気に言ってないで早く移動するぞ」

 

「じゃ、行きますか」

 

 教室を出たら、そこはすでに地獄絵だった。

 だってよ、教室の前には移動出来ないほどの女子生徒が沢山いるんだよ。

 

「おぃ、呑気に話しているから抜け道が無くなっただろうが。如何してくれるんだよ」

 

「簡単だろ。こいつらの上を飛び越えるか、教室の窓から出るかの二つだろう」

 

「本当に如何するの?」

 

「デュノア悪いな」

 

「えっええええ?!」

 

 俺はデュノアをお姫様抱っこをした。

 

「んじゃ、一夏。アリーナで」

 

 纏はデュノアを抱えて壁を走り女子生徒の最後尾に降りて全力で走った。

 

「霊鉄君、速すぎる」

 

「まぁな、だって100M8秒以内で走れるからな」

 

「それは速すぎ」

 

「ほらよ、着いたぞ」

 

「有難う」

 

 纏とデュノアはアリーナに無事に着いた。

 

「さてと、授業開始まで5分だから早く着替えよう」

 

「そうだね。でも一夏は?」

 

「もう着くだろう」

 

「ぜぃぜぃぜぃ、なんとか着いた」

 

「お疲れ、一夏」

 

「纏、お前のせいでこっちは逃げるのが大変だったんだからな」

 

「悪いな。それより早く着替えた方が良いぞ」

 

「おぅ、もう授業開始まで5分きっている」

 

「それじゃ、俺とデュノアは先に行っているからな」

 

「えっと、一夏頑張って」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本日から実習を開始する」

 

「「「はい」」」

 

「まずは戦闘を実演してもらおう。凰、オルコット!」

 

「「はい!」」

 

「専用機持ちなら直ぐに始められるだろう。前に出ろ」

 

 鈴とセシリアは渋々といった感じで出るが織斑先生が何か耳打をしたら、途端にやる気を出した。

 

「「や~ってやるわよ(やりますわ)!!相手はどこ(ですの)!?」」

 

「慌てるな馬鹿ども。相手は・・・そうだな霊鉄、やれるな」

 

「大丈夫ですけど」

 

「無理ですわ。纏さん相手では勝てません」

 

「そうよ、纏には勝ち目ないわよ」

 

「ふふっ、冗談だ。相手は」

 

 相手を言おうとしていると、上から何かが落ちてきた。

 

「ああああーーーっ!!どいてくださ~い!!」

 

 上からラファール・リヴァイブを乗った山田先生が落ちてきた。しかも一夏に向かって。

 一夏は衝撃で吹き飛ばされるが白式を展開したようで無事っぽい。まあ体勢は異常をきたしているが・・・

 

「あ、あのう、織斑くん―――ひゃん!!」

 

 一夏が山田先生に馬乗りになり、更にはその手はしっかりと山田先生の胸を掴んでいた。ラッキースケベ野郎。そんなことばっかしてるから男女ともに反感を抱かれるのだよ。

 

「そ、そのですね・・・困ります・・・

こんな場所で・・・

いえ!!場所だけではなくてですね!!

私と織斑くんは仮にも教師と生徒ですよね!!

あ・・・でも・・・このまま行くと織斑先生が義姉さんってことで・・・それは魅力的な・・・」

 

 嗚呼、自分の世界に入っちゃった。これは救い用がないや。

 その後一夏は我に返った時にはブルー・ティアーズの射撃が来ていた。

 

「ホホホホホホホホホ・・・残念です。外してしまいましたわ・・・」

 

 セシリアの目からはハイライトが消失しており額には血管が浮き出ている。

 

「うおおおおおおっ!?」

 

 仰け反りながら避けた一夏だったが、甲龍の双天牙月は避けれそうになさそうだった。俺はビームライフルで撃ち落とそうとしたが・・・

 

 ドン    ドン

 

 銃声とともに失速して落ちた双天牙月があった。

 誰が打ったのかは速攻にわかった。

 アサルトライフルを持った山田先生だった。

 しかも体勢は、倒れたままの体勢から上体を起こしただけの状態で撃ってこの命中精度だ。

 凄い。

 

「流石は元代表候補生」

 

「む、昔の事ですよ先輩」

 

「小娘どもいつまで惚けている。さっさと始めるぞ」

 

「え?2対1で・・・?」

 

「いや、流石にそれは・・・」

 

「安心しろ。今のお前たちではすぐ負ける」

 

 そして試合結果は、織斑先生の言ったように山田先生の勝利で終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 昼休みになって食堂に行こうとすると一夏に止められた。

 

「纏。今日の昼、一緒に食べないか?」

 

「聞くがメンバーは?」

 

「メンバーは箒にセシリア、鈴にシャルルだな」

 

「そうか、じゃ行こうかな」

 

 そう言った瞬間

 

『1年1組の霊鉄纏君。大至急職員室まで来てください』

 

 と放送で呼ばれてしまった。

 

「悪いな一夏。また誘ってくれ」

 

「おぅ、わかった」

 

 俺は職員室まで急いで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 職員室に着くと中は慌しい状況となっていた。

 

「来たか霊鉄」

 

「何のようでしょうか」

 

「実は先程、FAXが届いた。その内容が『本日17時に霊鉄纏を学園近くの駅に来させろ。もし来なかった場合学園近くの公園を爆破させる』との事だ」

 

「成る程ね。面倒くさい奴に絡んだな」

 

「如何する?私には拒否権を与える資格はない」

 

「どうしようかな」

 

 俺は悩んだ。色んな可能性を考えた。

 その姿を見たのか、職員室にいる全員の先生が注目していた。

 

「よし、その内容にのってやろうじゃないか」

 

「分かった。だか1つだけ約束して欲しい。絶対に生きて戻ってこい」

 

「分かりました」

 

「では午後の授業に参加しないで準備して来い。終わり次第私の所に来るように」

 

「はい」

 

 この後纏に何が起きるのか。そして纏のいない学園でまさかあんな事態が起きる事になるとは誰も思っていなかった。




 誤字がありましたら教えて下さい。

 また、こんな事した方が良いと言う意見がありましたら教えて下さると幸いです。


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12話

 やぁ、纏だぜ。

 さて、ここは何処だと思う?みんな考えてみよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 正解は、俺もわからない。

 いゃさ、実はあの後駅に行って連絡待ちしていたらさ、連れ去れまして、何処にいるのか全くわからない。

 今わかっていることは、目の前に女性が二人いる事と自分が座っていることだけ。

「うぅぅぅぅ」

「おう、目が覚めたか?」

「、誰だお前は?」

「私はオータムだ。こっちはスコールだ。」

「よろしくね」

「お前らの目的はなんだ?

 なんで俺を連れ出した?」

「目的か。目的はお前のそのISだ。」

「なんだと」

 こいつらの目的は纏のISだ。

「さぁ、さっさと渡した方が身のためだぞ。」

「誰が渡すかよ」

「自分がどんな状況かわかっていっているのか?」

 纏は今、椅子に座っていて、手は後ろで手錠で縛られている状況である。

「さぁ、さっさと決めな。」

「答えは変わらない。絶対に渡さない」

「そうか。じゃしょうがないな」

 そういってオータムが取り出してきたのは、謎の機械だ。

「そ、それは、な、なんだ?」

「これか? これはISを強制的に引き離す機会だ。」

「な、なんだと!

 やめろくるなぁぁぁ」

 オータムは機械を持ちながら纏に近づいて行き、目の前で止まった。

「じゃ、やろうか」

「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガッシャーーン

 

 

何処かわからないけど(多分扉だと信じたい)場所が壊されて、誰かが来た。

「な、なんだ?」

「よう、纏。君は相変わらず凄い事に関わっているね。」

「誰だお前は?」

「名前は言われましても困るなぁ。」

「うるせぇ。さっさと名を言え。

 さもなくはお前を殺す。」

そう言うと、オータムはISを装着した。

「おうおう、怖いねぇぇ」

「私は言ったぜ。お前を殺すと」

「まぁまぁ、落ち着きなよ。名前は言えないけど目的は、」

そう言うと謎の人は一瞬にして消えた。

「ど、何処にいった?」

「ここだよ」

「っ、」

謎の人は纏を椅子ごと持ち、最初に現れた場所にいた。

「じゃ、纏は貰っていくね」

「ま、まてぇえぇぇ」

そう言うと謎の人は纏を椅子ごと抱えてどこかに行ってしまった。

「オータム行かなくていいよ。あれはあまり重要なものでは無い。次までの作戦までの時間合わせでしか無いからね。」

「わかった、スコール。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃纏はというと

「いゃゃゃゃゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

なぜか椅子に縛られながら謎の人に抱えながら移動していた。しかも、その移動方法はなんとなんだと思います?

 

 

 

 

 

 

 

 

正解はランニングです。

しかも車より速い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

纏達が移動開始してから約1分でなんと、学園に戻ってきてしまった。

「ぜぇぜぇぜぇ。」

「顔色悪いじゃ無いか。どうしたんだ?」

「お前のせいだぁぁぁぁぁ」

「まぁまぁ落ち着きなよ」

「落ち着けられるか」

 

3分後・・・

 

「落ち着いたか?」

「まぁな。とりあえず助かったよ。悠奈。」

「どういたしまして」

みんなに悠奈のプロフィールを簡単に、

こいつの名前は柊木悠奈(ひいらぎゆうな)

俺とは小学生からの親友で、勉強できて、可愛い。

しかし、こいつは男。

だけど外見は完全に女。

髪は腰まで伸びて、さらっさら。

髪色は白色というアニメで見るような髪をしている。

走力は凄くて、なんと1キロ1秒という化け物。

筋力は今まで見てきた人はわかるけど、纏を担ぎながら走れるほどの力をしている。

 

「とりあえずどうしよう?」

「どうした纏?学園に戻らないのか?」

「学園には戻るけど悠奈をどうするかという問題」

「なんで?」

「だって腰に刀を装備しているじゃん」

「あぁ、これね。これは特殊な刀でね」

「へぇ。」

「どうでも良さそうだな」

「だってどうでもいいんだけど」

「そうか」

「まぁ、とりあえず悠奈も学園に連れて行くか」

「わかった。どうせ、事情聴取があると思うから」

「あ、」

「どうした?」

「爆弾の存在忘れていたぁぁぁ。どうしよう」

「爆弾?」

「そうだよ。どうしよう(;゜0゜)」

「爆弾ってこれのこと?」

「な、なんであるの?」

「まぁ、色々とあるんだよ」

「まぁとりあえず解決?なのかな」

「そうじゃね」

「まぁいっか」

 



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13話

さて、学生寮に戻ってきました。纏です。

「とりあえず、織斑先生のところに行こうか」

「織斑先生とは誰だ?」

「俺の担任だ」

「へぇー。それでその織斑先生は何処にいるんだ?」

「わからない」

「そうか。じゃぁ、かんちゃんに連絡するか」

「か、かんちゃん?」

prrrr prrrrr prrrrr

『もしもし?』

『もしもしかんちゃん。元気かい?』

『悠奈?』

『そうだよ』

『どうしたの?』

『いゃぁ、実は今IS学園の寮にいるのだけど』

『えぇぇぇぇぇぇぇ。な、なんでいるの?』

『纏が連れ去れる所を見て、助けてここに来た』

『ちょ、ちょっと待ってて』

『早くしてね』

『なんで?』

『実は今僕の後ろに殺気を立たせている人がいるから』

『わ、わかった』

『1階にいるからね』

『し、死なないようにね』

『大丈夫。今後ろからの攻撃を避けているからね』

『じゃぁね』

『ばいばい』

「さてと」

 

悠奈が電話を終えると後ろから攻撃していた織斑先生の首に手を当てた。

 

「ほう、私が後ろからの攻撃を全て避けながら電話をして、首に手を当てるとは恐れ入った。」

「そんなに殺気を立たせていたら誰もが気付きます。それでまだやりますか?」

「いや、私の負けだ。」

「ほう、それはなぜですか?」

「ここでやり合っても、無駄だからな」

「そうですか」

 

そう言うと、悠奈は織斑先生の首に当てていた手を下ろした。

 

「ただいま戻りました。織斑先生」

「無事に戻ってきたな」

「まぁ、体はですけど」

「ほう、それは詳しく聞こうか」

「って言っても纏は途中から意識を失われているから移動とかは覚えていないだろう」

「そ、そうだった」

「あ、名前言い忘れた。 僕の名前は柊木悠奈と言います」

「私は織斑千冬。霊鉄の担任だ」

「よろしくお願いします」

「あぁ、よろしく」

 

「おぉーい。纏」

 

遠くから簪が来た。

 

「おぉーい、かんちゃん」

「はぁはぁはぁ、疲れた」

「お疲れかんちゃん」

「更識、私の前でよく廊下を走れたな」

「ひぃ、お、織斑先生」

「言い残したことは?」

「ま、纏が来たのがびっくりして、走ってきました。」

「まぁ、よい」

 

「久しぶりだなかんちゃん」

「うん、悠奈」

「そういえば、たっちゃんと仲直り出来たんだな」

「うん。纏のおかげでね」

「そうか、よかったな」

「ごほん」

「あ、忘れていました。御免なさい」

「まぁ、今回は見逃してやろう」

「有難うございます」

「では移動して、話を聞こうか。更識も来い。」

「わかりました。」

 

 

俺ら4人は事情聴取のため移動した。

 

 

「それで、霊鉄はどこまで覚えている?」

「確か、駅まで移動して、その後は気を失って、気づいたら知らないところに座らせられていた。座った近くに女子が二人いた。そのあとは悠奈が来て、ここまで悠奈に送ってもらった」

「送ってもらった?」

「はい。悠奈が俺を助けてそのままここまで担がれてきました。」

「成程。では柊木。教えてくれ」

「わかりました。僕は纏が駅にいる所をたまたま近くにいて、連れて行かれる所をみて、それに着いて行き、女子二人がファントムタスクと名乗っていて、僕が纏のために作ったISを奪おうとしていたので纏ごと助けてここまで走ってきました。」

「ちょっと待って。」

「どうしたのかんちゃん?」

「纏のIS、悠奈が作ったの?」

「うん、親父さんに許可をもらってね」

「いろんなことを聞きたいが、とりあえず今わかっていることは柊木はこれからこの学園に入学してもらうことは確実だ」

「なぜ?」

「当たり前だ。ファントムタスクにバレている以上変に外にいると狙われて被害が酷くない可能性があるからな」

「しゃないよ、纏。」

「受け入れがいいな柊木。」

「まぁ、僕の履歴書を見ればな」

「ほう。」

「これが履歴書です」

「後で見ておこう」

「これで事情聴取終わりですか?」

「あぁ、終わりだ。」

「疲れた」

「あぁ、そうそう、霊鉄、更識。お前らの部屋に柊木を送ってやってくれ」

「な、なぜですか?」

「今すぐに空き部屋を作ることができないからな。明日までには用意する」

「わかりました」

「じゃ、移動しよう。悠奈」

「わかったよ、かんちゃん」

 

こうして、纏の救出と事情聴取は終わった。

しかしまだ色々と問題は残っていた。

 

(柊木の履歴書は全てが本当なのか見分けがつかない。お前は何者なんだ)

 



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14話

皆さんおはようございます。纏です。

さて今の時間は朝の4時30分です。

4時30分ですよ。

何でこの時間かというと・・・

 

「纏、できるまで時間がかかるからトレーニングしてきていいよ」

「嫌だよ。眠いんだわ」

 

今俺のIS、青蘭は悠奈の手によって改造している。

 

「もう、自動音声はいらないな」

「自動音声?」

「僕は君のために自動音声で補助していたのさ」

「へぇー」

「あと、遠距離に関するものはいらないし、近距離武器も改造するし、いろんなものを改造するよ」

「そんなことしたら、整備できないじゃん」

「大丈夫。そのISは僕が作ったから全てわかるよ」

「そう、じゃトレーニングしてくるよ」

「あ、あと10分後に僕の荷物が来るから受け取って置いて」

「わかった」

 

 

 

    10分後

 

 

 

 

「荷物持ってきたよ」

「ありがとう」

「終わった?」

「うん」

「じゃ解説よろしく」

「じゃ解説します。遠距離装備、マルチロックオンシステムは全て無くした。つまりこれからは近距離で戦ってもらうように」

「何で?」

「だって、遠距離武器使う回数より近距離使う方が多いからな」

「た、たしかに」

「それだから、制動は結構効くようにしたよ。」

「そうか。後どこが変わった?」

「近距離のことについて色々やった。2本の刀を、鉄刀神楽と飛竜刀な。あとは機能でカウンターがあったけどそれを強化して、水月の構えにした。」

「ありがとう。っんで、この荷物の中身は?」

「知りたい?」

「めっちゃ知りたい」

「わかった。荷物の中身は服と下着、後は僕の小物たち」

「普通だな。で、ここの長いものは?」

「それは僕の武器だよ」

「え!?」

「天上天下無双刀。僕は生身でISと戦える人間さ」

「そういえば機械と戦っているって言ってたっけ」

「そういうこと。じゃ模擬戦やるか。織斑先生がいることだし」

「バレているか」

「おはようございます」

「あぁ、おはよう」

「織斑先生、アリーナ使っていいですか?」

「いいぞ。ただし、私も一緒に戦う」

「うぇ?」

「あの履歴書では分からん。私が直接戦って確かめる」

「わかりました。でもどうするんですか。僕はISと人間の両方で活躍できる刀。そのまま戦ってしまったら先生は最悪死にますよ」

「そうだな。ならISに乗れば関係ないな」

「わかりました。全力でお二人を相手しましょう」

 

 

 

 

 

 

 

「ルールはわかるな」

「2人のシールドエネルギーがなくなったら僕の勝ち。僕が戦闘不能になったら2人の勝ち。」

「そうだな。霊鉄、柊木。準備はいいか」

「いつでも」

「大丈夫です」

「では、始め」



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