FAIRY TAIL After the Final (ヤシュー)
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プロローグ

妖精の尻尾と龍の心臓が手を組み、新たな冒険が始まる!
後書きでオリキャラの設定解説をしています。


[マグノリア 妖精の尻尾(フェアリーテイル)ギルド]

 

今日も魔導士達がギルドに仕事を求めてやってくる。

街の人や評議員からの仕事をこなし、報酬を得る。

それが魔導士であり、その組合が魔導士ギルドだ。

 

そして、ここ、妖精の尻尾はフィオーレ1のギルドとして有名なギルドである。

数々の仕事が舞い込み、魔導士で溢れるギルドはフィオーレ1と呼ばれるに相応しい様相をしている。

 

そんなギルドで働く1人の魔導士青いネコと共に今日も仕事を探してクエストボードの前に立っていた。

この男、名をナツ・ドラグニル。

火竜(サラマンダー)の呼び名で有名な火の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)だ。

そして、彼と共にいる青いネコはエクシードのハッピー。

ナツの相棒だ。

 

いつも通りのうるさいギルドでナツは仕事を選び看板娘に渡す。

数少ないS級魔導士の1人、ミラジェーン・ストラウス。

週刊ソーサラーでグラビアもやる人気魔導士だが現在は魔導士としては引退しておりギルドの受付兼看板娘として酒場の切り盛りをしながらクエストの管理を行い、ギルドマスターと共にギルドの運営に携わっている。

 

「ナツは今日もハッピーと2人?」

 

「おう!ルーシィはエルザと仕事に行ってていねぇからな。」

 

「だったらグレイと行けば良いのに。」

 

ふふっと微笑みながらミラが言った。

 

「あいつはダメだ。足を引っ張られるからな。」

 

ナツがそう言って仕事に向かう。

それとほぼ同時に1人の少女がギルドに入ってきた。

その瞬間、静寂が訪れる。

その少女はメンバーの誰も見たことの無い顔で、肌がピリピリとするような魔力を放っていた。

 

「皆手を出さないで!マスター!」

 

ミラが叫ぶと2階から1人の老人が現れた。

彼はマカロフ・ドレアー。

妖精の尻尾ギルドマスターで大陸上位10人の強き魔導士

聖十大魔導(せいてんだいまどう)の1人である。

 

「なんじゃあ?お主は。」

 

マカロフが2階から飛び降りてバーカウンターに立つと少女を睨むように見つめて言った。

 

「私はアリス・アルヴァスター。龍の心臓(ドラグーンハーツ)の魔導士です。

本日は妖精の尻尾に所属している滅竜魔導士に用があって来ました。」

 

少女は淡々と告げるとキョロキョロと辺りを見回してナツを見つけ、ナツの元に歩み寄る。

 

「俺に何か用か?」

 

「えぇ、貴方にはここで死んで頂きます。」

 

アリスと名乗った少女はそう言うと両手を凍らせてその両手でナツを殴る。

 

「なんだぁ?いきなり!」

 

「私は滅竜魔導士が憎い。

両親を殺した滅竜魔導士が。

だから、滅竜魔導士を滅ぼす。

私の魔法は滅竜魔導士を倒す為に鍛えた対滅竜魔導士魔法。」

 

アリスはそう言いながらバックステップでナツと距離を取った。

 

「虹龍の咆哮!」

 

アリスがそう言って虹色のビームを口から発射する。

 

「火竜の咆哮!」

 

ナツは咄嗟に炎のビームを口から放ち応戦する。

するとアリスはニヤリと笑ってからナツの炎を食べた。

 

「なっ!?炎を食った!?」

 

「いや、それはナツもだろ!」

 

ナツがアリスが炎を食べたことに驚くとギルドのメンバーが突っ込む。

ナツは火の滅竜魔導士。

その為炎を食べれるのだ。

 

「ごちそうさまです。

火龍の咆哮!」

 

微笑みながらそう言ったアリスは先程ナツがやった様に炎を吹いた。

しかし、その炎はナツの倍は威力がある炎だった。

だが、その炎がナツに当たる前に風の咆哮により軌道をそらされる。

 

アリスがその咆哮が放たれた方を見ると、そこには1人の少女がいた。

ウェンディ・マーベル。

天空の滅竜魔導士だ。

 

「ナツさん!加勢します!」

 

ウェンディがナツの元に駆け寄って言った。

アリスはそれを横目にウェンディの天竜の咆哮を食べた。

 

「空気を食べた!?」

 

「ウェンディちゃんも食べるだろうが!」

 

ギルドのメンバーが突っ込む。

ウェンディも滅竜魔導士。

空気を食べる事が出来る。

 

「凄いもの、みせてあげますね!天火龍(てんかりゅう)の咆哮!」

 

そう言ってアリスは炎と風が合わさった咆哮を放つ。

そして、それと同時にアリスの後ろに男が現れた。

彼はアリスの頭に手を置くとアリスの魔法はかき消された。

 

「俺は龍の心臓、ギルドマスターのオズ・アルヴァスターです。

うちの妹がお騒がせしました。」

 

オズはそう言って深々とお辞儀をした。

 

「兄様!」

 

「妹は昔から滅竜魔導士を憎んでいまして。

妖精の尻尾に滅竜魔導士が所属していると聞いて飛び出してしまって。

ですが、間に合って良かった。

お二人ではアリスには勝てませんから。」

 

「俺が弱いって言いてぇのか?」

 

ナツがオズを睨んで言った。

 

「いえ、そう言う訳ではないです。

ただ、お二人と我々では元が違います。

お二人は滅竜魔導士でしょう?

我々は滅龍魔導士。

同じドラゴンスレイヤーでも我々は龍から生まれ、魔法を教わりました。

我々の両親は特殊でして。

父親は祖龍シェーンレイブーン。

母親は虹竜の滅竜魔導士でした。

人と龍の間に生まれたのが我々です。」

 

そう言ってオズはコートとYシャツを脱ぐと彼の左胸から左肩にかけて黒い鱗が生えていた。

同時にアリスが服を脱ぐとアリスの両胸と腕を黒い鱗が覆っていた。

 

ナツとウェンディはそれに少しだけ見覚えがあった。

ドラゴンフォースと呼ばれる力。

それを発動した時、自身の体にも同じ様に鱗の様な物が表れる。

しかし、それは一時的な物だし、鱗と呼べるかも少し難しい様な物だ。

しかし、2人の物は鱗と呼ぶに相応しく、それは2人が本当に龍と人のハーフであると思わせる。

 

「アリス、女の子なのだから簡単に服を脱いではいけないよ。」

 

「はい、兄様。裸は兄様にしか見せません。」

 

アリスはそう言って微笑む。

オズは苦笑いしてアリスのネクタイをしめてやるとこほんと咳払いして口を開く。

 

「我々は話があって、ここに来ました。」




アリス・アルヴァスター
12歳 女性
虹の滅龍魔導士
使う魔法:虹の滅龍魔法
身長 142cm
容姿
地に着く程長い艶やかな黒髪ロングストレートに真ん丸でくりっとした赤い瞳、小さな鼻と口で顔立ちは幼く、小顔で丸顔。
体つきはウェンディとほぼ同じくぺったんこだが本人は気にしておらず成長しなくても良いと思っている。
服装は黒いブラウスに赤いネクタイ、赤いプリーツミニスカートに黒いオーバーニーソックスに膝下5cmの黒い編み上げブーツ、首には銀色の十字架のネックレスをしている。
体の胸、両肩、両二の腕、両踵に黒い鱗が生えており左脇腹にギルドの紋章である龍が巻き付いた心臓のマークがピンク色である。

特徴
丁寧な口調で話す龍の心臓所属の魔導士。
虹の滅龍魔導士で滅竜魔導士を憎んでおりそれは両親を殺されたから。
兄のオズと共に行動しており兄にべったりの超ブラコン。
使う魔法は滅龍魔法だがその実態は接収に近く、相手が滅竜魔導士であればその攻撃を食べる事で同じ滅龍魔法を扱える。
肝心なのは滅竜魔法を滅龍魔法に威力を増幅させて放てる事でその魔法を相手は食す事が出来ないという特徴を持つ。
また、兄の真似をして覚えた為相手の滅竜魔法とは少し違い、相手が鉄拳でも自身は鉤爪だったりとアレンジして繰り出す。
一度接収した滅龍魔法はいつでも使える他、2つの滅龍魔法を合わせて新たな滅龍魔法として使うことも出来る。

オズ・アルヴァスター
22歳 男性
祖の滅龍魔導士
使う魔法:祖の滅龍魔法
身長 185cm
容姿
黒髪ウルフカットで赤い瞳は目付きが悪く、知らない人からは少し怖がられる。
ナツやグレイと違い男にしては華奢な体つきだが身体能力はラクサスやエルザよりも高い。
服装は黒いYシャツに緩く結ばれた赤いネクタイ、黒いカーゴパンツに編み上げブーツ。
体の左胸から左肩、右肩甲骨から背中中心、両踵に黒い鱗が生えており右肩にギルドの紋章である龍が巻き付いた心臓のマークが赤色である。

特徴
見た目とは違い優しい言葉遣いで丁寧な対応をする龍の心臓のギルドマスター。
アリスの兄であり祖の滅龍魔導士。
アリスとは違い滅竜魔導士を憎んではいない様子だがアリスには協力的な為時には滅竜魔導士と戦う事も。
魔法は全ての祖と言われる祖龍の滅龍魔法でその力は強大であるが反動も大きく、大量の魔力を使う為継戦能力は低い。
基本的にはアリスの援護をしており攻撃にはあまり参加しない。
アリスが傷ついた時だけは本気を出し、過去に二度ギルドを1回の魔法で壊滅させている。
その為か評議員から目をつけられているがのらりくらりとかわしているらしい。
ジェラールやジュラと知り合いであり、聖十大魔導とは面識がある様子だが詳細は不明。

*用語解説

龍の心臓
ギルドマスター:オズ・アルヴァスター
本拠地:無し
魔女の罪と同じく闇ギルドでは無いが正規ギルドでも無い存在の為表立った行動はしていない。
所属しているのはアリスとオズの2人だけ。

滅龍魔法
滅竜魔法の上位互換魔法。
滅竜魔導士と同じく自身の扱う物質と同じ物質を食せる。
扱えるのは龍から生まれた、またはそれに等しい魔力を持つ滅龍魔導士のみでその力はアクノロギアと同等であり、彼も滅龍魔導士であったと語られるが詳細は不明。



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歌姫

今回もオリキャラが登場?します。
後書きでオリキャラの設定解説をしています。


オズから発された話はギルドのメンバーを震撼させた。

それは、オズ達の仲間である『歌姫』が失踪したと言う話。

そして、それと同時に2人に降りかかる不可解な事件。

その事件には必ずフェアリーテイルが関係していたと言う事。

そして、敵は共通であると言う事。

オズはそれらの経緯を話し、マカロフに協力を仰いだ。

そして、アリスの頭に手を乗せるとアリスに向けて頷いた。

アリスは微笑むと一歩前に出た。

すると無言で右手に炎を灯した。

 

「私は虹龍の魔法を使います。

この魔法は滅龍魔法ですが接収(テイクオーバー)に近く、滅竜魔法を食べる事でその滅竜魔法を滅龍魔法に強化して使えます。

また、2つの滅龍魔法を合成する事も可能です。」

 

そう言って左手に風を纏わせると胸の前で両手を合わせる。

それと同時に右手には炎とその周りを風が吹く。

風に吹かれ炎が揺るぎ、なんとも不思議な光景だ。

 

「これが虹龍の力の1つ。

そしてもう1つは・・・」

 

アリスはそう言いかけてウェンディに抱き着いた。

 

「ひゃうっ!?」

 

ウェンディから情けない声が出る。

いきなり抱き着かれればそうなるだろう。

アリスはウェンディに抱き着いたまま、ウェンディの唇を奪い舌を入れる。

それは、愛らしいキスとは違い、ねっとりとした、大人のキス、所謂ディープキスと言われる物だ。

アリスはウェンディの唇から自身の唇を離すと唇をペロリと舐めて微笑んだ。

 

龍転嫁(ギフト):天火龍。」

 

アリスが呟いた。

 

「これがもう1つの力。

最後に使った合成滅龍魔法を他の滅竜魔導士に転嫁させる事が出来ます。

発動には条件があって1つは舌を絡めたキスでしか移せないと言う事。

もう1つは合成された滅竜魔法でないと移せないと言う事。

そして移す際どちらか片方の属性を扱える滅竜魔導士である事が条件です。

そして、これには大きな弱点があります。」

 

アリスがそう言って息を飲む。

 

「弱点?なんだ?」

 

ナツが聞いた。

 

「それは、私は兄様以外の殿方とキスをするつもりはないと言う事です。

兄様以外の殿方とキスをするなんて穢らわしいです。

絶対に、生理的に、無理です。

私の体は、心は、魔法は、愛は兄様に捧げる物。

それを穢らわしい雄猿なんかに触れさせる事も嫌な程です。

兄様以外の殿方なんて消えてしまっても良いくらいですから。」

 

アリスが微笑んで言った。

それと同時にその場にいた皆が心に思った。

『この子はヤベェ。』と。

優れた能力を持つ者が必ずしも優れた人格者では無いと言うが彼女はそれを体現した様な者だ。

超ブラコンであり、兄以外の男に興味を示さず、穢らわしく思う。

彼女にとってはそれが普通の事なのだ。

 

「アリス、あまり話をそらさないでくれ。目的は違うだろ?」

 

オズがあきれた顔で言った。

 

「兄様。そうでしたね。

我々の目的はとある闇ギルドに拉致された私達の仲間である『歌姫』の救出とそのギルドの壊滅。

そのギルドの名は妖精の棺桶(フェアリーコフィン)

妖精討伐を専門にしたギルドだそうです。

まぁ、実績はないらしいですけど。」

 

アリスが言った。

フェアリーテイルのメンバーは聞いたことのない闇ギルドの名前が出てざわっとした。

 

「フェアリーコフィンはフェアリーテイル討伐の為に結成されたギルドと聞く。

なんでも滅精魔導士(フェアリースレイヤー)なる魔導士が所属しているとの話だ。

そして、我らが仲間である『歌姫』を拉致したのは彼女の力が妖精狩りに必要だからだろう。

彼女の実力はかなりの物。

彼女が味方していたら俺達に勝ち目は無いだろう。

今は彼女が俺達の味方である事を信じて本拠地へ乗り込むしかない。」

 

オズは静かに告げた。

マカロフはぐぬぬと唇を噛み怒りを顔に表す。

 

「どこの誰だか知らねぇが妖精狩りだぁ?

クソ喰らえじゃ。

どちらが狩る側か知らしめてやるわい!

ガキ共!戦争じゃあ!!」

 

マカロフの一言でギルド内はメンバーの声で溢れる。

たった一言でメンバー全員を鼓舞し、従わせる。

流石は聖十大魔導だとオズも感心してアリスと共にその姿を眺めていた。

 




ルカ・アルトマーレ
16歳 女性
歌姫
使用魔法:歌魔法
身長172cm
容姿
紺色のロングストレートの髪に透き通る碧眼、整った目鼻立ちでしゅっとした顔立ち。
胸はエルザやルーシィと同じくらいだがその高身長ゆえ体型はミラジェーンの様にモデル体系化であり第二のミラジェーンとも言える程のナイスバディ。
服装はノースリーブの黒いブラウスにピンク色のネクタイ、腰までスレッドの入ったロングスカートで裸足に2cmのヒールの黒いベルトサンダル。
左太ももに青い龍の心臓のギルド紋章がある。

特徴
龍の心臓所属の魔導士だが正式に所属している訳ではないらしく、一時的なものらしい。
その為、オズもルカの事を仲間として認めてはいるがギルドのメンバーの頭数には入れていない。
アリスからしたら姉の様な存在。
元ギャルだったらしく、たまにギャルらしい一面を見せるが一応は清楚な大人の女性らしい。
使う魔法は音を使った魔法で歌う事で様々な付与や攻撃をする。
その魔法は自身が届けたい相手にのみ届く特殊な魔法で自由に範囲を設定して歌う。
フェアリー・ロウに近い効果範囲の選択方法の為扱いは難しいが最大で街全体を範囲に出来るほど強力。
しかし、勿論の事声が聞こえなければ魔法の効果は受けず、その為音が出ない環境では魔法は使えない。

龍の心臓に所属している理由は姉である音の滅竜魔導士、ルルを探している為との事。
一部の人間はルルの話をすると死んだ人の話を懐かしむように話す事からルルは既に亡くなっており、それを信じたくないルカがルルを探しているのでは?と言う人もいる。
歌姫の異名通り、かなり歌が上手く聞いた人全てを魅了する歌声とも言われる。


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