BLEACH~天継の雛~ (大筒木朱菜)
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設定
キャラ設定
・主人公
【名前】
【誕生日】
6月3日生(双子座)
【身長】
155cm(原作+4cm)
【カップ】
C(原作より確実に大きい)
【体重】
45kg(原作+6kg)
【趣味・特技】
年末年始の神楽舞(日ノ神神楽)、鬼滅流鍛錬、料理、読書、薬学
【食べ物】
好き:桃、さくらんぼ、無花果
嫌い:魚
※上弦の伍と交戦した際、魚類攻撃を目晦ましに逃亡された経験から、魚類を見ると無性に腹が立つ
【将来の目標(生前)】
帝鬼軍総隊長 兼 鬼滅組総大将となったリクオを支える帝鬼軍総隊長補佐 兼 鬼滅組奴良組若頭になること
【将来の目標(死後)】
【能力値(最大値100)】
体力:60、知力:80、霊圧:40、機動力:80、防御力:50、攻撃力:70
(プロローグ~第3話時点)
※一般隊士の平均値15
※下位席官の平均値35
※上位席官(副隊長含む)の平均値55
※隊長の平均値80
【保有能力】
・低燃費で基礎身体能力20倍
※成人男性と同じ食事量で基礎身体能力が達人級の武術家の20倍
・
※1度見れば技の原理を掌握、2度見れば技を体得、3度見れば技を昇華・完成させる。
※死神とは異なる種族である
・状態異常完全無効
※RPGの状態異常――毒、麻痺、催眠、火傷、凍傷、精神攻撃など――を完全無効
・成長限界突破
※あらゆる能力に限界が存在せず、成長し続けられる
・かまぼこ隊+αを凌駕する五感&第六感
・時空間干渉系能力の無効化
※時間停止、空間移動、時間回帰、空間回帰、過去改変、未来操作etcetc
【個人武装】
日輪刀「
名刀「
銀時計
鬼滅羽織(表地:黒地隊首羽織/裏地:矢絣柄)
【容姿】
BLEACHの雛森桃
※原作より女性的な体型
【得意技】
鬼滅流
・
※呼吸術そのものは極めているものの、秘剣(秘拳)の会得率は全体の4割
・
※免許皆伝、師範
・
※免許皆伝、師範
・
※免許皆伝、師範
・
※免許皆伝、師範
・
※免許皆伝、師範
・
※免許皆伝、師範
・
※免許皆伝、師範
・
※免許皆伝、師範
・
※免許皆伝、師範
・??型(
※現時点で詳細不明
・
※免許皆伝、師範
・??型(
※現時点で詳細不明
・??型(
※現時点で詳細不明
・
※免許皆伝、師範
・
※免許皆伝、師範
・
※免許皆伝、師範
・
※免許皆伝、師範
・
※免許皆伝、師範
・
※免許皆伝、師範
・
※免許皆伝、師範
・縮地
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鬼滅流術技設定―
【
『
一式〝
一式・改〝
二式〝
三式〝
四式〝
五式〝
六式〝
七式〝
八式〝
九式〝
十式〝
十一式〝
終式〝
『
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
奥義〝
奥義〝
奥義〝
四門〝
四門〝
四門〝
四門〝
『
一式〝
二式〝
三式〝
四式〝
五式〝
六式〝
七式〝
八式〝
『
一式〝
二式〝
三式〝
四式〝
終式〝
『
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
〝
一ノ奥義〝
二ノ奥義〝
三ノ奥義〝
四ノ奥義〝
五ノ奥義〝
六ノ奥義〝
七ノ奥義〝
終ノ奥義〝
終ノ奥義・改〝
【
一式〝
二式〝
三式〝
四式〝
五式〝
六式〝
七式〝
八式〝
九式〝
九式・改〝
十式〝
十一式〝
終式〝
※1)牙突弐式
※2)対空式の牙突参式
※3)牙突零式
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鬼滅流術技設定―陰陽五行―(2021/07/27 編集)
「鬼滅の刃~総大将の軌跡~」でお馴染みの大筒木朱菜です。
鬼滅流が登場する度に「〜総大将の軌跡〜」で確認するのも面倒だと思うので、こちらにも術技設定を載せることにしました。
こちらも技が増える度に随時更新編集しますので、よろしくお願いします。(笑)
他作品技は主人公が鬼滅流を覚えてから追加されたもので、術技難易度で順番が変化しています。
― 陰陽 ―
【
一式〝
一式・改〝
一式・改〝
二式〝
三式〝
四式〝
五式〝
五式・改〝
六式〝
七式〝
八式〝
九式〝
十式〝
十一式〝
十二式〝
終式〝
【
一式〝
二式〝
三式〝
四式〝
五式〝
六式〝
七式〝
八式〝
九式〝
― 五行 ―
【
一式〝
一式・改〝
二式〝
二式・改〝
二式・改〝
三式〝
四式〝
五式〝
五式・改〝
五式・改〝
六式〝
七式〝ねじれ
七式・改〝ねじれ
八式〝
八式・改〝
八式・改〝
九式〝
十式〝
十一式〝
十一式・改〝
十二式〝
十三式〝
十三式・改〝
十四式〝
十五式〝
十六式〝
十七式〝
終式〝
【
一式〝
二式〝
三式〝
三式・改〝
三式・改〝
四式〝
五式〝
五式・改〝
五式・改〝
六式〝
七式〝
八式〝
九式〝
十式〝
十一式〝
十二式〝
終式〝
【
一式〝
二式〝
三式〝
四式〝
五式〝
六式〝
七式〝
八式〝
九式〝
十式〝
十一式〝
十二式〝
十三式〝
終式〝
【
一式〝
二式〝
三式〝
四式〝
五式〝
六式〝
七式〝
八式〝
終式〝
【
一式〝
一式・改〝
一式・改〝
一式・改〝
二式〝
二式・改〝
二式・改〝
二式・改〝
三式〝
四式〝
五式〝
六式〝
七式〝
八式〝
九式〝
九式・改〝
十式〝
終式〝
※1)鬼滅流オリジナル。
※2)鬼滅流オリジナル。相手の技を〝凪〟で無効化すると同時に、剣技で疑似再現した攻撃を敵に向かって放つ反射斬撃術。
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鬼滅流術技設定―派生型―
本編である~総大将の軌跡~でも術技設定を分離させたので、こちらでも分離させました。
―
【
一式〝
二式〝
三式〝
四式〝
五式〝
六式〝
七式〝
終式〝
【
一式〝
二式〝
三式〝
四式〝
五式〝
六式〝
六式・改〝
七式〝
七式・改〝
八式〝
九式〝
十式〝
【
蝶ノ舞一式〝
蝶ノ舞二式〝
蝶ノ舞三式〝
蜘蛛ノ舞一式〝
蜘蛛ノ舞二式〝
【
一式〝
二式〝
三式〝
四式〝
五式〝
終式〝
【
(参照作品:家庭教師ヒットマンREBORN!)
一式〝
二式〝
三式〝
四式〝
五式〝
六式〝
七式〝
八式〝
九式〝うつし
十式〝
十一式〝
終式〝
―
【
一式〝
一式・改〝
二式〝うろこ
三式〝
四式〝
五式〝
六式〝
七式〝
八式〝
終式〝
―
【
(参照作品:るろうに剣心)
一式〝
一式・改〝
二式〝
二式・改〝
三式〝
三式・改〝
四式〝
五式〝
五式・改〝
五式・改〝
五式・改〝
六式〝
六式・改〝
七式〝
八式〝
九式〝
九式・改〝
終式〝
【
一式〝
二式〝
三式〝
四式〝
五式〝
※1)鬼滅流オリジナル。るろうに剣心に登場する飛天御剣流の〝龍巣閃〟と同質の6連乱撃斬術。
※2)鬼滅流オリジナル。
※3)鬼滅流オリジナル。るろうに剣心に登場する倭刀術〝回刺刀勢〟と同質の反射刺突術。
※4)鬼滅流オリジナル。。
※5)鬼滅流オリジナル。神速抜刀術。
※6)鬼滅流オリジナル。
※7)鬼滅流オリジナル。
※8)鬼滅流オリジナル。相手を塵すら残さず粉微塵にする超神速の乱撃斬術。使えば利き手腕が壊れる。(再起可能かは使い手の才能次第)
※9)オリジナル名称。柄頭が鎖で繋がったニ刀の内、片方の刃先を摘まんで振り回すことで間合いを伸ばす斬撃術。
※10)オリジナル名称。敵の動作を音楽の旋律として把握し、攻撃を弾いたり受け流しながら反撃に転じる戦闘技術。
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鬼滅流術技設定―複合派生型―
― 陰陽五行の派生 ―
【
(参照作品:ラブひな、魔法先生ネギま、UQホルダー)
一式〝
一式・改〝
一式・改〝
一式・改〝
二式〝
二式・改〝
三式〝
三式・改〝
三式・改〝
三式・改〝
四式〝
四式・改〝
五式〝
六式〝
七式〝
八式〝
九式〝
―
【
(参照作品:学戦都市アスタリスク)
一式〝
二式〝
三式〝
四式〝
五式〝
六式〝
七式〝
八式〝
九式〝
十式〝
十一式〝
十二式〝
十三式〝
十四式〝
十五式〝
十六式〝
十七式〝
十八式〝つく
十九式〝
二十式〝
二十一式〝
二十二式〝
二十三式〝
二十四式〝
二十五式〝
二十六式〝
二十七式〝
二十八式〝
二十九式〝
三十式〝
三十一式〝
三十二式〝
三十三式〝
三十四式〝
三十五式〝
三十六式〝
三十七式〝
三十八式〝
三十九式〝
四十式〝
四十一式〝
四十二式〝
四十三式〝
四十四式〝
四十五式〝
四十六式〝
四十七式〝
四十八式〝
四十九式〝
終式〝
終式〝
―
【
(参照作品:竹刀短し恋せよ乙女、武装少女マキャヴェリズム)
一式〝
二式〝
三式〝
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過去編
プロローグ:大改訂版(2021/05/05)
「鬼滅の刃~総大将の軌跡~」でお馴染みの大筒木朱菜です。
~総大将の軌跡~5話あとがきで宣言していた通り、BLEACH二次を投稿してみました。
主人公はタイトルから予想できていると思いますが、好きな人は好きなあの子です。
~総大将の軌跡~と同じく楽しんで頂けると幸いです。
【視点:雛森桃】
私は憑依転生者である。名前は雛森桃。分かる人には分かると思うけど、「BLEACH」で腹黒ヨ○様に裏切られたり、刺されたりする悲劇の女死神。
といっても、私が雛森桃として生を受けた世界は正史「BLEACH」とは言えない世界だったりします。
生前の私は11歳の時に両親を
この帝鬼軍っていうのが政府公認の鬼殺部隊で、私を助けてくれたのは帝鬼軍の次期総隊長となる奴良リクオ様です。
私はリクオ様が鬼滅組総大将の襲名、並びに帝鬼軍総隊長に就任する前――帝鬼軍総隊長補佐 兼、
鬼殺隊員だった期間は17歳になるまでの4年間。内、副隊長を務めていた期間は2年。鬼殺隊で例えるとリクオ様の継子の様な立場だった。
鬼殺剣士としての実力は下弦程度の
五行――鬼殺隊でいう所の風、炎、岩、雷、水の五大流派の呼吸術だけでなく、五大流派の派生である雪、花、蛇、霞の四流派。五大流派の原点とされる日の呼吸と、その対とされている月の呼吸の免許皆伝と師範の資格まで貰って、リクオ様から直々に
8代目からリクオ様に次ぐ天才剣士だと言って貰えて、ほんの少しだけ自信過剰気味になったこともあったけど、それでも才能に胡坐を掻くことなく真面目に自己鍛錬を行っていた。
………けど、結局私は井の中の蛙でしかなかった。新入りの鬼殺隊員を含む5人1組の班で担当区域を巡回中に上弦の弐である童磨と遭遇。
班員を撤退させた後、童磨の血鬼術は分かっていたので、息継ぎをする時のみ距離を取る様にして戦いを有利に進めていた。
童磨と戦っている時、正史のカナヲと伊之助が2人掛かりで倒せた相手だから、私なら1人でも倒せると勘違いしていた。
正史の2人が童磨に勝てたのは、しのぶが命を懸けて童磨を弱体化させていたからなのに、そんなことも忘れて私は戦った。
その結果、私は日の出の半刻前に〝霧氷・睡蓮菩薩〟によって体を握り潰された。
その直後にリクオ様と数名の隊長格の方々が駆け付けてくれたので、童磨に食べられることは無かったけど、結果的には全身の骨を砕かれたことが原因で私は殉死。
私にとって唯一の救いは、憧れだったリクオ様の腕の中で逝けたことだと思う。正史の海燕さんじゃないけど、心をリクオ様の中に置いて行けた気がしたから、地縛霊になる要素などは一切なかった筈だった。
けど、死後の私は何故かリクオ様に憑りつく形になってしまった。あっ、別に悪霊とかではないので、リクオ様が体調を崩すとかは無かった。
例えるなら、「シャーマンキング」の持ち霊みたいな存在だったんだと思う。リクオ様はシャーマンではないけど。
そして、リクオ様の持ち霊(?)になってから2年後。帝鬼軍と鬼殺隊の怨敵であった鬼舞辻無惨が討滅された。
鬼舞辻無惨は肉体を失った後、私と同じ魂魄となっていたけど、劇場版とかでも見覚えのある門が現れて、門の向こう側へと引き摺り込まれて行きました。
あれは地獄の門。1000年も人に不幸をばら撒き続けていた男にはお似合いならぬ鬼合いの末路だと思った。
その後、私の現世への未練は無くなったようで、気付いた時には
どうやら私の未練は鬼舞辻無惨が現世で生きていることで、鬼舞辻無惨が地獄に堕ちたことで魂魄が自然魂葬されたみたい。
ちなみに私が殉職したのは大正2年―――つまり、西暦1913年。
確か、浦原喜助と
この時に平子真子がドーナツ盤と蓄音機を持っていて、これを現世の日本で入手したするなら、日本製蓄音器が発売されたのは、私が殉職する3年前――西暦1910年。
つまり、原作開始時期が西暦2021年で今から108年後ということになる。これ、結構衝撃の事実だよね。
確か、贋作開始したのは2001年だったと思うんだけど、「BLEACH」世界では20年後以降の未来が描かれていた訳だ。
というか、浦原喜助と
………あれ?私、実年齢より2~3歳若く見られてはいたけど、それでも見た目は14~15歳くらい。確か、この頃の市丸ギンと松本乱菊は見た目が10歳前後じゃなかったでしたっけ?
色々と辻褄が合わない気がするんですけど、これって私の勘違いじゃないよね?多分、数十年単位で早く生まれて死んじゃってるよね?
…………まぁ、いいか。魂魄は基本的に年取らないみたいだし。多分、年を取れる魂魄は霊力持ちだけなんだろう。
しかも、十数年~数十年で1歳年を取るとか、そんな加齢速度だと思う。あと、霊力量も老化に影響してそう。霊力が多ければ多いほど、全盛期の肉体を維持できるとか。
取り敢えず、色々と修行とか試行錯誤すれば、原作開始時に見た目が急激に変わっているってことはないでしょ。
そういえば、魂魄の戦闘能力は霊力量で決まると聞いたことがあるけど、全集中の呼吸術とかは意味を為さないのかな?
けど、魂魄体―――少なくとも死神が生者と同じ様に呼吸しているのは、
……………試した結果、少なくとも斬拳走は向上しました。あっ、言い忘れてましたが私の今の格好は殉職した時の格好です。
帝鬼軍の軍服(
鬼滅組各隊の副隊長以上のみ所有することが許された金製懐中時計と七支刀型の日輪刀。あと、リクオ様から誕生祝に頂いた桃花の装飾がされた簪。
死んだ時に身に付けていた物、持っていた物も
生前の私が断ち斬った大岩の倍はありそうな大岩に全集中の呼吸を使った状態で日輪刀を振るうと、大岩がまるで豆腐のようにすんなりと断ち斬れた。
五行――
もしかして、心臓の鼓動と魄動が連動していて、鎖結や魄睡といった霊力の発生を司っている器官が活性化しているのかな?
霊力発生器官を活性化できる理由は、呼吸術に
……真央霊術院に入学するまで原作通りなら最短でも約60年の余裕はあるし、その間に斬拳走を鍛えながら
兎に角、この世界が「鬼滅の刃」と「BLEACH」の交わる世界であるなら、私は「BLEACH」の雛森桃として、死神になるよう努力しないとね。
ただし、腹黒ヨ○様に裏切られたり、刺されたりするつもりは毛頭ない。私にとって憧れの男性 兼 上司は生前も死後も変わることなくリクオ様なのだから。腹黒に憧れを抱くことは絶対にない。
――――― 2年後(浦原喜助&
現在、
「鬼滅流、
「鬼滅流、
小学生くらいの男の子ってチャンバラとか好きだよね~。潤林安みたいな治安のいい地区だと、死神に憧れている子達も割と多いみたいで、ちょっと太めの枝を使って死神ごっこをしている。
それを見ていた私は、子供用の木刀を堅過ぎない材木で作って上げて、気まぐれで鬼滅流の術技を見せて上げたら、男の子達は鬼滅流のチャンバラごっこを始めちゃった。
「ねぇねぇ、桃姉。どうしたら桃姉みたいに木刀から水とか火が出る様になるの?」
「あれは実際に木刀から水や火を出してる訳じゃないんだよ。私の剣技を見ている人が水や火が出ている様に見えているだけ。幻や錯覚みたいなものなんだよ」
「う~ん……。桃姉じゃないと見せられないってこと?」
「別に私じゃなくても見せられる人はいるよ」
「それじゃあ、俺達も見せられる様になるかな?」
「そうだね。たくさん練習して、身体を強くできる息の仕方を覚えたら、見せられる様になるよ」
「身体を強くできる息?」
「そう。正しい息の仕方ができる様になれば、身体を強くできるし、どれだけ動いても疲れなくなるの。
そして、鬼滅流は使い手が強ければ強いほど、水や火がはっきりと見える様になるの」
もし、これが現世でリクオ様に見られていたら、多分拳骨を落とされていたんだろうなぁ。リクオ様は一般人の子供が鬼狩りや鬼滅流に関わるのを嫌っていたから。
「その息の仕方は教えてくれないの、桃姉?」
「う~ん……。お姉ちゃん、その息の仕方を教えるのが下手だから無理かな。けど、皆と遊んでる時のその息の仕方だから、頑張れば見様見真似で分かるかもしれないよ?」
実際の所は教えられるけど、守る側ではなく守られる側の立場であるこの子達に呼吸術は必要ないし、私自身教えるつもりはない。
もし、私が呼吸術を教えるとするなら、最低条件は弱者を守る信念を持った霊力持ち。もっと厳しい条件を付けるなら、人に仇為す外道を許さず、仁義に外れる者を許さない霊力持ちです。
型式だけなら子供が使う分にはチャンバラごっこと変わりがない。けど、
そして、魂魄は生者と違って霊力次第で身体能力差を覆せるので、霊力持ちであることが最低条件になる訳です。
ちなみに、この条件はリクオ様が鬼滅組10代目総大将に襲名し、帝鬼軍総隊長に就任した時の宣言―――「俺は人に仇為す外道を許さん。仁義に外れることをする奴はなお許さん。それは鬼狩りとしての誇りを失わぬ、そういう人間で在れということだ」―――が元となっています。
まぁ、ぶっちゃけてしまうとこの2年間で、全集中の呼吸術が安易に教えられるものではないことが判明し、教える条件としてリクオ様の襲名宣言を採用させて貰っただけなんですけどね。
この2年間、全集中・常中で居続けた結果、私の霊力総量は「シャーマンキング」で死亡と蘇生を繰り返したシャーマンの巫力の様に急激に増加しているんです。
まず、初期段階の私の霊力量が10500だったとします。で、全集中・常中で2年間居続けたことで増加した私の霊力量がどれくらいになったかというと、53000。
たったの2年で約5倍の上昇率。……それでも霊力量を護廷十三隊の席官で換算すると、現時点では五~六席といった大した総量ではないんだけどね。
ちなみに、私の霊力探知能力は
多分、山本元柳斎重国が90万。現時点での藍染惣右介が63万といった所かな?多分、崩玉と融合した藍染は125万になると思う。
他の隊長達は50万前後で、藍染を除く副隊長達は25万前後。三席以下はドングリの背比べみたいで12万以下といった感じ。
霊力総量の成長限界はあると思うけど、その限界が来るまで年間20000のペースで成長するとしたら、25年で並の隊長格と並べることになる。
原作開始時に成長限界を迎えていなければ217万3000と、崩玉藍染を圧倒できる可能性もある訳だ。飽く迄予想でしかないけど。
取り敢えず、これからも隠蔽しつつ全集中・常中で霊力総量を増加し続けたいと思います。
………さて、話は変わる上、予想通りといえば予想通りな話なんだけど、原作開始106年前にはシロちゃん――日番谷冬獅郎は
確か、原作開始50年前に朽木白哉と朽木緋真が婚姻。原作開始45年前に朽木緋真が死去。朽木白哉が真央霊術院で朽木ルキアを発見したのが原作開始44年前。
この原作44年前で多分、真央霊術院2066期生は第2学年だと思われる。そう考えると、朽木ルキアと阿散井恋次が出会ったのは原作開始55年前。
原作開始55年前の朽木ルキアと阿散井恋次の外見年齢が10歳くらいで、魂魄が赤子から10歳相当の外見に成長するのに生者の1.5倍の時間が掛かるとすると、緋真とルキア姉妹が
これも想像でしかないけど、多分シロちゃんは
私が原作通りに真央霊術院に入学するなら、入学時期は今から61年後。この時点で私とシロちゃんは5~10年来の幼馴染と考えると、私とシロちゃんが出会えるのは最短で51年後。
つまり、現時点でシロちゃんがいなくても仕方ないということ。けど、ルキアみたいに赤子の時に死んで魂葬されたとするなら、40年後には出会える可能性もあるということになる。
まぁ、その場合は幼馴染ではなく母親代わりとしてシロちゃんを育てることになるかもしれないけど。
本編では書いていないのですが、この半オリ雛森さんにも神様転生特典があります。
(ただし、本人は神様に会った記憶がないので知りません)
特典①
低燃費で基礎身体能力20倍
※成人男性と同じ食事量で基礎身体能力が達人級の武術家の20倍
特典②
※1度見れば技の原理を掌握、体得。2度見れば技を使い熟せる。3度見れば技を極められる。
※死神とは異なる種族である
特典③
状態異常完全無効
※ゲームなどで状態異常に相当する現象――毒、麻痺、催眠、火傷、凍傷、精神攻撃など――を完全無効
特典④
成長限界突破
※あらゆる能力に限界が存在せず成長し続けられる
特典⑤
※かまぼこ隊+αを凌駕する五感&第六感(
特典⑥
自身に影響を与える時空間干渉系能力の無効化
※時間停止、空間移動、時間回帰、空間回帰、過去改変、未来操作etcetc
ぶっちゃけ、生前でも将来的には~総大将の軌跡~のリクオを凌駕できる存在だったりします。(笑)
ただ、成長しきる前に童磨に殺されてしまいました。
あと、この雛森さんは娯楽作品の知識が極端に偏っていて、「ぬらりひょんの孫」などを知りません。
(どちらかというと、悪役令嬢系作品を愛読してる人で、「BLEACH」や「シャーマンキング」、「鬼滅の刃」、「幽遊白書」などは友人に押し付けられる形で読んでます(笑))
故に〜総大将の軌跡〜のリクオが転生者であることには気付いていません。
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第1話:改訂版(2021/03/03)
「鬼滅の刃~総大将の軌跡~」でお馴染みの大筒木朱菜です。
今回は「~総大将の軌跡~」6話と同時投稿しようかと思ってたんですが、6話の方が難産なので「~天継の雛~」の1話を先に投稿することにしました。
ちなみに今回は戦闘シーンが多い上、護廷十三隊の隊長格が登場します。(笑)
追記
七支刀では抜刀術が不可能な為、
戦闘描写の一部で使用する鬼滅流の型を変更しました。(2020/09/30)
【視点:雛森桃】
私が
「お主、何者じゃ?」
「霊力はあるみたいですけど、死神じゃないッスね」
「それ以前に斬魄刀も持ってないっすよ。お前が持ってるのは普通の刀だろ?それでよく
私は現在、護廷十三隊の二番隊隊長である四楓院夜一と十二番隊隊長である浦原喜助、十三番隊副隊長である志波海燕の3人から物珍しげに見られている。
どうして流魂街にいる私が護廷十三隊の隊長格に遭遇したかというと、約1時間前の出来事が原因である。
――――――――遡ること約1時間前――――――――
「「「「「「「「「うわああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」」」」」」」」」
私が面倒を見ている女の子達とお手玉や綾取りをしていると、少し離れた場所でいつも鬼滅流のチャンバラごっこをしている男の子達の所に、護廷十三隊でいう所の上位席官に相当する霊圧がいきなり現れ、同時に男の子達の悲鳴が聞こえてきた。
私達のいた場所は、私達の住んでいる集落から徒歩10分程の場所だったので、私は女の子達に集落へ走って逃げるように言い終えると、男の子達のいる場所に縮地を使って向かった。
私が男の子達の所に辿り着くのに掛かった時間はものの数秒で、そこには十数体の
数人の男の子は
取り敢えず、子供達を全員逃がす為には捕まっている子達を助けなければいけない。私は全集中の呼吸術でシュフゥゥゥゥと息を吸い込むと、
「……全集中、
〝追影一閃・神速八連〟は、七支刀の様な通常の抜刀術に不向きな刀でも使用可能な居合切り――〝追影〟と〝霹靂一閃・神速〟を組み合わせた複合型式。
ただ、私やリクオ様の〝霹靂一閃・神速〟と一般的な
それは私やリクオ様が呼吸術無しで人間が到達できる超神速歩法――縮地と
本来、
けれど、超神速歩法である縮地に適応した脚力の場合、〝霹靂一閃・神速〟や〝火雷神〟を使用しても足に掛かる負担は前者より軽い為、
その速度は、近距離戦での移動速度でいえば天鎖斬月の速力と同等だと思っている。
飽く迄、移動速度のみで
私が〝龍巣閃〟で繰り出せる斬撃は、現時点で一息に十数斬が関の山といった所。
……閑話休題。〝追影一閃・神速八連〟で子供を掴んでいる
「あなた達、呆けてないで早く村まで逃げなさい!!」
「「「「「「「「「「!!?」」」」」」」」」」
子供達に対して一度も怒鳴ったりしたことの無い私が、怒鳴り声に近い大声で逃げる様に言うと、子供達は一瞬ビクついたものの私の言う通りに逃げ出してくれた。
この場に居る
超速再生の再生速度は
斬魄刀でなくても
取り敢えず、首を斬り落とすのではなく、頭を斬り飛ばす様にして、この日輪刀でも
私はさっきの
「全集中、
よし!日輪刀でも
斬魄刀ではないから昇華できないけど、霊子兵装を使っている訳でも無いから
この場に居る
「全集中、
先行する3体の
瞬く間に4体の
四方から襲い掛かれば私に隙が出来るとでも思ったのかもしれない。けれど―――
「全集中、
【視点:志波海燕】
俺の名は志波海燕。今日は潤林安にある志波家に帰省していた。
帰省時に同じ五大貴族で旧知の間柄である二番隊隊長の夜一と、その親友である十二番隊隊長の浦原隊長がついて来たことに、どうしてこうなった?と自問自答していたことは秘密だ。
まぁ、夜一が来たことに空鶴が喜んでいたから、別に迷惑って訳じゃ………。いや、正直迷惑だな。今日で帰省3日目なんだが、夜一の野郎は自分の家みたいにぐうたらしてやがる。
しかも、うちは五大貴族の中で唯一没落気味で、瀞霊廷に屋敷がある他の大貴族家より金が無ぇのに、遠慮なしに飯を食いまくる始末だ。申し訳なさそうにしてる浦原隊長を見習え!
「技術開発局としてではなく個人的な研究で金を使ってるから、少なくて申し訳ないッスけど……」
そう言いながら浦原隊長は滞在費を出したぞ!てめぇも四大貴族である四楓院家の当主ならせめて飯代くらいは払いやがれ!!
閑話休題。取り敢えず、俺は夜一と浦原隊長を連れて家に帰省していた訳だ。そして、今日も弟の岩鷲に死神の斬術を教えてくれとせがまれて、少しばかり教えていた。
岩鷲から聞いた話なんだが、家がある所とは逆方向の町外れの集落で3~4年前から
岩鷲とその友達も町の方で遊んだりするんだが、その
で、今日は死神の斬術というか、基本的な剣の振り方を教えてた訳なんだが―――
「!?」
「に、兄ちゃん」
町の向こう側――逆側の町外れから急に
「海燕!」
「海燕サン!」
家の中で寛いでいた夜一と浦原隊長も、霊圧を感じ取ったことで慌てて外に出てきた。
「この霊圧、
「うむ、恐らくは
「どちらにせよ、護廷隊を待つよりワタシ達が向かった方が早そうッスね」
俺達三人の意見は完全に一致し、岩鷲に家で待っている様に伝えると、瞬歩で
そして、出現場所へと到着すると、そこでは色を反転させた隊首羽織っぽい羽織を身に纏った14~15の少女がたった1人で十数体の
死神でも無ぇ少女が
「待て、海燕」
「何すんだ、夜一!あの娘を見殺しにするつもりか!?」
「あの娘をよう見てみい」
夜一に言われて少女の方に視線を向けると、そこに広がる光景は少女による一方的な
少女は手に持つ七支刀の軌道上に桃の花弁が舞い、1体目の
更に集団で襲い掛かってくる4体の
「……刀身から水を発生させるだけなら、俺と同じ流水系の斬魄刀って考えられるんだが………」
「刀身から水だけでなく、花弁や大蛇も顕現させておったな。それ以前に、あの刀は恐らく斬魄刀ではなかろう」
少女の強さは斬術だけでも上位席官相当。十一番隊なら即座に五席以上の席官に任官されるだろう。まさか、流魂街に斬魄刀も無しに
「いや~、本当に凄いッスね。斬術だけであれだけの実力があれば、十一番隊で席官の座を用意して貰えるんじゃないッスか?」
「うむ。鬼道も覚えれば他の隊でも同じであろう。あの娘、お主以上の天才かもしれぬな。海燕」
俺と同じく少女の戦いを見ていた夜一と浦原隊長は、少女に対して俺と同じ評価をしていた。真央霊術院を2年で卒業した俺も、周囲からは天才だと言われていたが、本当の天才は五番隊の市丸ギンやあの少女のような奴らをいうんだろう。
俺達がそんな会話している間も、少女は
逃げようとする
十数体居た
「……あとは1体だけか」
「うむ。しかし、あの
最後に残った
「……流石に加勢した方が良さそうか」
「待て。あの娘、目に見える糸だけでなく、目に見えぬ糸まで平然と避けとる」
「……確かに、目に見えてる糸は両手合わせても6本なのに、地面の傷は1回の攻撃で10は出来てる。4本の見えない糸が存在してるのに、彼女は衣服に切れ目すら入ってない。
見えない筈の攻撃を感知して、それを避けきれるだけの技量を持ってるってことッスね」
「そういうことじゃ。おっ!あの娘、
夜一はそう言いながらワクワクした顔で少女を見る。当然、俺も少女がどんな技を魅せてくれるのか、年甲斐もなく期待に胸が躍ってしまう。
【視点:雛森桃】
十数体いた
指先からリクオ様や無禅様の日輪鋼線の様な糸を出して来る。日輪刀で弾いた時の衝撃から察するに切れ味と硬度は大業物の刀以上。
性質が悪いのは、見える糸以外に見えない糸まで存在すること。私は嗅覚と触覚で感知できるから問題ないけど、護廷隊の一般隊士なら問答無用で角切りにされてると思う。
取り敢えず、
「ヒュゥゥゥゥ……。全集中!」
駆け出す私に向かって
「
身体の回転と速力による斬撃強化。たった数回の回転で目に見える糸は斬れる様になった。けど、目に見えない糸は見える糸より強度が高いみたいなので斬れない。
もっと、もっとだ!もっと身体を回転させながら、糸の攻撃に対応できる範囲で駆ける速力を上げるんだ。
【視点:四楓院夜一】
「ヒュゥゥゥゥ……。全集中!」
一瞬、血迷ったかと思うたが、駆けている最中に自分へと迫ってくる糸に対して、身体を横回転させながら斬撃を放ち、的確に
「
手に持つ刀の刀身から発生させている水の勢いは、身体を回転させる毎に増していき、娘が技名らしきものを口にした瞬間、刀身から発生している水が龍を形作りよった。
そして、娘が刀を振るうと同時に水の龍は大きく開いた咢を勢いよく閉じ、
「身体を回転させる毎に斬撃の威力が増しておる」
「それだけじゃあ無いッスね。移動速度も斬撃強化に関係してる」
「視認できない糸もあるから、それに対応できる範囲での最大の速力で駆けてる。あれが天賦の剣才ってやつなのかねぇ」
娘が
「おおっ!あの娘、ついに見えぬ糸も斬りおったぞ!」
「あの手の特殊な
「少なくとも斬拳走鬼の斬と走は三席以上の実力はあるでしょうね」
儂らがそんな話をしながら観戦していると、
「いけない!あの糸はさっきまでとは桁違いの強度だ!」
浦原が叫ぶと同時に儂と海燕が娘の救援に入ろうとする。じゃが――――
「
娘は糸の牢獄に閉じ込められると同時に、竜巻でも起こす勢いで体を回転させ、その勢いを利用した斬撃を漆黒の糸へと放った。
水を撒き上げた竜巻を身に纏う水龍は、
「………夜一サン、あの漆黒の糸を鬼道も使わずに抜け出せるッスか?」
「あの娘の様に斬術だけで抜け出すのは難しいのぉ。元より儂は斬術より白打を得意としておる故」
「純粋な斬術だけであんなことできるのなんて、山本総隊長と伝説の初代剣八くらいじゃないっすか?俺もそうですけど、浦原隊長も抜け出すとしたら始解するでしょ?」
娘がやってのけた事象に対して、ただただ驚嘆しながら話をする儂と喜助、海燕の3人。よもや、流魂街でこの様な逸材に出会えるとは、思いもせなんだ。
漆黒の糸を破られた
今回は初の虚戦―――しかも、割とハードモードでした。(笑)
(この雛森さんにとってはハードでも無かったですけど(笑))
この雛森さんは
(生前は鬼滅組若頭補佐 兼 奴良組若頭補佐だったので)
ちなみに、本編で雛森さんが使った〝横水車〟は「YAIBA」の〝風車〟と同じやり方で、これもリクオから教わってたりします。
あと、最後の
(ただし、雛森さんは炭治郎と違って無傷(笑)日輪刀も折れていません。(笑))
次話は浦原さん達との本格的な接触話になるんですが、当然の如く護廷隊にスカウトされると思われます。(笑)
(私自身、その場のテンションで執筆してるので、はっきり断言しかねますが(笑))
念の為、アンケートを取ろうとは思っていますので、あとがきまで読んで頂けた方は答えて頂けると幸いです。
あと、プロローグで雛森CPアンケートも行っています。まだ回答してない方は、そちらも答えて頂けると幸いです。
追記
海燕さんの席次を変更しました。雛森さんが尸魂界に来る2年前の時点で海燕さんは護廷隊に入隊済みで、今回の話の時点で海燕さんは入隊から6年経過しているので、原作設定上では副隊長になっていることになるので、変更となりました。
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第2話
「鬼滅の刃~総大将の軌跡~」でお馴染みの大筒木朱菜です。
今回は志波邸での雛森桃と四楓院夜一の会談といった感じの内容です。
色々とオリジナルな設定(瀞霊廷の世情?など)を組み込んだ話となっています。
(しかも、その場にいる筈の海燕と喜助がほぼ空気(笑))
そんな話ですが、楽しんで頂けると幸いです。
あと、プロローグ、第1話、第2話の最後でアンケートを実施してます。ご協力して頂けると幸いです。
【視点:雛森桃】
どうも、雛森桃です。私は現在、潤林安の中心街が少し外れた場所にある志波邸に拉致監禁されてます。
……すみません。嘘です。正確には半分嘘です。拉致はされましたが、監禁はされていません。
ちなみに私が居候させて貰ってるお婆ちゃんの家には、志波家に仕えている人が事情を説明しに行ったみたいで、お婆ちゃんが心配しない様に配慮してくれたみたいです。
無論、馬鹿正直に拉致したなどと言う訳が無く、護廷隊として
まぁ、ある意味では事情聴取も嘘では無いんだけどね。ただ、事情聴取の内容は
斬魄刀でもない刀でどうやって水や花弁、大蛇を出したのかと問われて、正直に目の錯覚の類でそう見えているだけだと話しても最初は信じて貰えなかったけど。
最終的には志波家が用意した流魂街で出回る普通の刀を使って、
それにしても、志波家は凄いね。流石、没落気味でも五大貴族の一角。
最初に手にした時、思わず「この刀、結構な名刀ですけど、どうやって手に入れたんですか?」と聞いてしまったくらいの代物。
私のこの質問に対する返答は――――
「瀞霊廷に存在する刀は斬魄刀だけと思われがちじゃが、斬魄刀の所持を認められておるのは護廷隊、隠密機動、鬼道衆に所属している死神のみ。
死神でもない貴族やその護衛は斬魄刀の所持を認められず、普通の刀しか帯刀することを許されんのじゃ。
故に瀞霊廷内には貴族お抱えの刀鍛冶や研ぎ師などが幾人も存在するのじゃが、この潤林安にはその刀鍛冶と研ぎ師を務めておった兄弟がおるんじゃよ」
というものだった。この返答を聞いた人は、馬鹿やKYでなければ大体の事情を察することができると思う。
多分、その兄弟は貴族様の不評を買って、瀞霊廷から追放されたんだろう。救いがあるとするなら、追放された先が潤林安で、志波家と縁を持てたことかな?
閑話休題。私が何度説明しても信じて貰えず、丸2日も志波邸に拘束された詫びとして、志波家から借りた刀を貰ったりしました。
実はこの名刀、その形状を一目見た瞬間からどうにかして貰うことができないかと思ったりしたんです。
刀身そのものは一般的な日本刀と同じなんですが、柄の拵えがリクオ様の日輪刀――銀龍と同じだったんです。
刀身の長さ以外は銀龍と同じ。しかも、この名刀には銘が無いとのことで、私が好きな名前を付けても問題がない。
まぁ、鬼滅流の抜刀術を使うのに、一般的な刀身の日本刀が必要だった、っていうのも名刀を貰おうとした理由の1つなんだけど……。
で、鬼滅流の説明をするということは、当然のことながら全集中の呼吸のことも教えることになる訳なんだけど、ただ単に身体能力を向上させる呼吸術としか説明してない。
魄動経由で鎖結や魄睡などの霊力発生器官に及ぼす影響や、霊子の集束なんて説明したら、無秩序に技術が拡散されそうだし。
全集中の呼吸術込で教えるなら、鬼滅流という流派の門下となって貰った上で、無闇に技術を拡散しないことを確約させ、約束を破った者は切腹くらいの規則を作らないと駄目な気がする。
そんな訳で呼吸術に関しては、子供達への説明みたいに誤魔化したりはしなかったけど、無条件で教える気はないと説明し、鬼滅流の術技に関しては、死神の斬拳走鬼で再現できる者も多いと思ったので、教えても問題ないと話した。
すると――――
「ふむ……。では、雛森よ。死神となって瀞霊廷で道場を開き、護廷隊の斬術指南役になってはどうだ?」
「「「「は?」」」」
いきなり四楓院夜一が訳の分からないことを言い出した。これには私だけでなく、浦原喜助と志波海燕、志波空鶴も「何言ってんの、こいつ?」みたいな顔をしながら、間抜けな声を出してしまった。
普通に考えると私達の反応が正しい。だって、呼吸術に関しては無条件で教える気がない上、無闇に拡散する気もないと言ってるのに、瀞霊廷で死神に技術拡散したらどうか?などと言い出したんだから。
「お主は隠そうとしとる様じゃが、鬼滅流の肝でもある呼吸術とやらには、身体能力向上以外の効果もあるのじゃろう?
そして、お主はその力を広めることで、悪用される可能性があると考え、儂ら護廷隊の隊長格が相手でも秘密を明かそうとせずにおる」
全集中の呼吸術が齎す効果の詳細は把握できていないみたいだけど、四楓院夜一は私が隠し事をしていることだけでなく、全集中の呼吸術を教えたくない理由まで看破してきた。
「しかし、瀞霊廷に住まう死神や貴族には性根の腐った者も多い。五大貴族でいえば綱彌代家が該当する」
「お、おい!夜一!?」
「呼吸術を含む鬼滅流で
今後、潤林安で同じことが起きれば、呼吸術と鬼滅流で
……確かに、潤林安――特に中心街と私が根を下ろしている町外れの集落の人達は、衣食住を与えてくれた恩があるので、
「そんなことを続けていれば、遅かれ早かれ瀞霊廷にもお主の噂は流れる。当然、貴族の耳にもお主の噂は入るじゃろう。そうなると―――」
ああ、そういうことですか。シロちゃんと接触するまで流魂街――潤林安で暮らしていようと思っていたけど、このままでは下手したら綱彌代ゲス灘の嫁にされた歌匡みたいに、ゲス貴族の分家の嫁にされかねない、と。
「自分にどういったことが起こるか、想像できた様じゃの。その様な事態を避けるとするなら―――」
「死神になって瀞霊廷で鬼滅流の道場を開くのが一番だと?死神になっても流魂街出身である以上、ゲス貴族が強引に婚姻を進める可能性もあるのでは?」
「その辺りは五大貴族である儂の四楓院家と海燕の志波家、護廷隊全隊長に鬼滅流の有用性を説き、後ろ盾となって貰えば解決する問題じゃ。
護廷隊の隊長には儂以外に同じ五大貴族である朽木家の当主もおられる故、説き伏せられれば五大貴族の内三大貴族家が後ろ盾となり、綱彌代家も容易にお主には手を出せなくなる」
「…………護廷隊の全隊長を説き伏せるというのは、文字通りの意味ではありませんよね?斬術勝負で護廷隊の隊長格を捻じ伏せ、呼吸術と鬼滅流の有用性を証明しろと言うことでいいですか?」
「お主は物分りが良くていいの。全隊長といっても儂と浦原は呼吸術と鬼滅流の有用性を見知っておるから、勝負する必要は無かろう。
海燕の所属している十三番隊の隊長である浮竹も、海燕が説得すれば斬術勝負をすることもない筈じゃ。何より浮竹は病弱じゃからな。
故にお主が鬼滅流を認めさせる為、屈服させねばならぬ隊長は総隊長を含めて最低でも9人ということじゃ」
「あー、夜一。十一番隊のブタ隊長は総隊長のいうことも聞かねぇ、自己中心的な奴だが、斬術勝負の場に現れると思うか?」
「………あのブタは煽り耐性の低い馬鹿であるからのう。煽れば来るのではないか?来なければ来なかったで、雛森が屈服させる隊長の数が減るだけじゃ。」
五番隊隊長である平子真子にも、「何で、あないなブタを隊長にしたんや?」とか言われてたけど、副隊長にすらブタ扱いされるとは、扱いが酷いにも程がある。どんだけ無能でぐうたらな役立たずな訳?
というか、先代の痣城剣八が投獄された結果、繰り上げで隊長になった聞いたことがあるんだけど、もしかしたら鬼厳城剣八って卍解が使えない可能性が高くない?
けど、護廷隊で卍解どころか始解すら修得せずに隊長になったのは、更木剣八が初めてって聞いたこともあるし、どうなんだろう?
………まぁ、いいか。鬼厳城剣八が参戦しても、この時代の隊長の中では最弱な気がするし、私は自分の出せる全力で自分の未来と鬼滅流の誇りを守る為、護廷隊の全隊長を屈服させるのみ。
「ところで、護廷隊の隊長で斬術の強い人を上から順番に教えて貰えませんか?」
「ん?知った所で対策のしようも無いと思うが……。まぁ、よかろう。まず、護廷隊最強であるのは山本総隊長じゃ。次強が卯ノ花殿じゃな」
「えっ!?卯ノ花隊長って、斬術で護廷隊2番目の強さなのか!?」
「なんじゃ、知らんかったのか?卯ノ花殿の本当の名前は卯ノ花八千流といい、護廷隊創設時に初代十一番隊隊長を務めた初代剣八じゃぞ」
「ウェッ!!?俺、そんな話聞いたことねぇぞ!!」
「儂は父上から聞かされたぞ。お主は先代から説明された時、居眠りでもしとったのではないか?
……話が逸れたな。3番目は浮竹と京楽がほぼ同列。5番目が朽木家当主である銀嶺殿。6番目は愛川と六車が同列。8番目が平子と鳳橋が同列。ブタが最下位といった所じゃな」
うん。予想通りの順位だ。なら、山本総隊長と卯ノ花隊長の2人と戦うまでは
斬術勝負ということは、白打と瞬歩、鬼道は使用禁止の筈だし、他の隊長は鬼滅流の五行の型で対処できると思う。………念の為、確認しておこう。
「念の為の確認なんですが……」
「何じゃ?」
「斬術勝負ということは、死神の徒手戦法である白打や瞬歩、鬼道は使用禁止なんですよね?」
「ん?白打と鬼道は兎も角、瞬歩は別に構わんじゃろう?お主も似た様な歩法を使うではないか」
「私の使ってる歩法は瞬歩じゃなくて縮地といって、瞬歩ほどの速度は出ません」
「いや、瞬歩並の速力だったと思うが?」
「瞬歩より遅いです」
「いや、しかし―――」
「瞬歩より遅いです」
「だが―――」
「瞬歩より遅いです」
「……分かった、分かった。元より死神ではないお主と、死神の頂点である隊長との勝負じゃ。隊長側は純粋な斬術のみで、瞬歩や白打を使用したら反則という規則で勝負ができる様、儂の方から総隊長に話して置く」
よし、勝った。瞬歩さえ封じれば、総隊長と卯ノ花さん以外は五行の型や派生の型で対応できる!
「総隊長に話を通して、勝負の日取りが決まるまで少しばかり時間が掛かるじゃろう。それまでの間――――」
「お世話になってる集落に戻ろうと思います。あの集落では子守も任されていますし、懐いてくれた子達も急に私が居なくなったら悲しむと思うので」
「では、勝負の日取りが決まったら、お主の集落まで迎えに行くとしよ」
話が纏まったことで私は志波邸から解放され、根を下ろした集落へと戻ると、
という訳で、次話は雛森桃vs護廷隊隊長です。(笑)
ちなみに浮竹さんは斬術試合を欠席。もしかしたら、海燕さんが代理勝負するかもしれませんが、今の所は未定です。
複数話に別けて投稿するかもしれませんが、それでも1話で2~3人ずつは屈服させたい所です。(笑)
では、次話も頑張って投稿したいと思うので、応援よろしくお願いします。(笑)
追記
アンケートで似たような項目があるので詳細を書いておきます。
斬術勝負に浮竹さんの代理として海燕が
出るべきだろ。そして、デブはいらん。
※海燕◎ 浮竹✕ 一心✕ デブ✕
別にでなくていいよ。当然、デブもいらん
※海燕✕ 浮竹◎ 一心✕ デブ✕
出なくていいから、一心を出せ。以下略
※海燕✕ 浮竹✕ 一心◎ デブ✕
出る上、一心が十番隊隊長代理で出るべき
※海燕◎ 浮竹✕ 一心◎ デブ✕
もう、斬術勝負は9人だけでいい。
※海燕✕ 浮竹✕ 一心✕ デブ✕
といった感じです。(笑)
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第3話:改訂版(2021/03/03)
「鬼滅の刃~総大将の軌跡~」でお馴染みの大筒木朱菜です。
今回は斬術勝負前の隊長格接触編といった感じの内容です。
内容が若干ひよ里アンチっぽくなってるかもしれませんが、別にひよ里が嫌いという訳ではありません。(笑)
(ひよ里アンチというより、ひよ里イジリのつもりです(笑))
そんな内容ですが、楽しんで読んで頂けると幸いです。可能であれば感想とお気に入り登録もよろしくお願いします。
【視点:雛森桃】
志波邸での四楓院夜一との会談から数ヵ月後。夜一さんが一向に現れないことから、山本元柳斎総隊長に夜一さんの案は一笑されたのでは?と思い始めていた。
もし、そうだとするなら四楓院家と志波家の後ろ盾だけでは私の身の安全は保障されない。あと3年も経たない内に夜一さんは浦原さんの逃走幇助で失踪するから。
四楓院家は没落とまではいかないけど、普通に考えて元当主が冤罪とはいえ、罪人の共犯となれば大貴族での発言力は確実に低下する。
更に志波家が今から84年以内に完全に没落して、大貴族から外されるので、後ろ盾として機能しなくなるのは分かり切ってる。
その場合、シロちゃんの件は諦めて、ゲス貴族に捕まらない様にする為、流浪人として東西南北の流魂街を無規則に流れるしかないかも。
まぁ、シロちゃんが現れる可能性の高い時期に当たりをつけて、潤林安に一時帰省という形でシロちゃんを探すという手段もある。
それでシロちゃんを探し出せれば、子連れ狼な流浪人として、流魂街を流れるのもいいかもしれない。
そんなことを考えながら、心落ち着かない日々を送っていると、夜一さんが斬術勝負の日程を伝えに来た。
【視点:平子真子】
「こっちとら隊長業務で毎日忙しいのに、何で理由も聞かされず、いきなり一番隊舎――しかも、斬術鍛錬場の方に呼ばれなアカンねん」
「隊長。子供じゃないんですから、駄々捏ねないで下さい」
「誰が駄々捏ねてんねん。愚痴っとるだけやろ、惣右介」
隊長、副隊長の両名で一番隊舎斬術鍛錬場に来られたし。日時の指定されたそんな連絡が、地獄蝶経由で。数日前に届いた。
斬術鍛錬場に来いちゅーことは、当然斬術に関する何かをさせられるちゅーこっちゃ。けど、ここ最近斬術でヘマした記憶がない。
「…………惣右介。お前、斬術でなんかヘマでもしたんちゃうか?副隊長のヘマに連帯責任で隊長も付き合わされるとか、どんな大ヘマかましたんや?
「平子隊長じゃないんですから、戦闘中にふざける訳ないじゃないですか。隊長こそ、斬魄刀を戦闘以外に使ったんじゃないですか?
だから、総隊長が怒って斬術鍛錬で隊長の根性を叩き直そうとしているのでは?」
「ははは、俺みたいな品行方正が服着てるみたいな男がそんなヘマする訳………」
………いや、この前羊羹切るのに包丁が見つからんで、探すのめんどくなったから逆撫で切ったことがあったな。あれがマズかったんか?
それとも、20年前に博打で大負けして、借金返済の為に1週間くらい、逆撫を流魂街の質屋に入れてたんがバレたか?
……………ヤバい!考え始めたら思い当たる節が意外と多い!!
「隊長………」
「……ハッ!な、なんやねんその顔!?自分とこの隊長をそないな目で見るなんて、副隊長失格やぞ。惣右介!」
「………隊長、一番隊舎に着きましたよ」
「おい、コラ!あからさまに話題変えてんちゃうぞ!」
惣右介には着かず離れずの距離感を維持してるし、そのことは惣右介も感付いてるやろう。惣右介自身、俺とは一定の距離感を保とうとしてる節がある。
けど、今回に限ってはいつもの距離感を保ったツッコミやのーて、いつもより距離が近めで毒を含んだツッコミやったから、俺もいつもより距離を詰めた返しをしてもうた。
で、俺と惣右介がそんな遣り取りをしとると――――――
「おー、真子と藍染じゃねぇか」
「何でこんな所で漫才なんてしてるんだい?」
「
三番隊隊長の
「なんや、お前らも総隊長に呼ばれたんか?」
「ああ。数日前に地獄蝶経由でな」
「斬術鍛錬場に来いって呼び出しだったから、なんかミスでもしたかと思ったけど――――」
「この面子から考えるとその線は無さそうだな」
どうやら拳西らも呼び出された理由は俺らと同じみたいやな。取り敢えず―――
「呼び出しの理由は分からんけど、さっさて入れて貰おうか。………もしもーし!五番隊隊長の平子真子と愉快な仲間達ですけどー?」
「おい、いつから俺達がお前の愉快な仲間になった?」
「やめなよ、拳西」
「真子には、その手の文句は言うだけ無駄だ」
「誰でもええから、門を開けてんか~」
それにしても、門を開けて貰う為にいつも声掛けせなアカンとか、面倒にも程があるやろ。
「………いっつも思うねんけど、隊長と副隊長が集まることが分かってたら、事前に門を開けといてもええと思わんか?
不法侵入の心配しとるんやったら、門番を2~3人置いといたらええだけの話やろ?」
「隊長。さっきも言いましたが、駄々捏ねないで下さい。一番隊は五番隊と違って規律に厳しい隊風なんですから」
「せやから、俺は駄々やのうて効率の話をしてんねん。拳西らは分かるやんな?」
「どうでもいい」
「分からなくもないけど、余所の隊には余所の隊風があるし、真子が正しいとは言えないかな?」
「面倒だとは思うが、文句を口に出すほどのことでもねぇだろ」
クソッ!長い付き合いやのに、俺の味方になってくれんのかい!まぁ、惣右介の味方って訳でもないけど……。
俺がそんなことを思っとると、一番隊舎の門が開き、同時に俺らに向かってドタドタという凄い勢いで走って来る音が聞こえてきた。そして――――
「オーッス、アホハゲ真子!!」
音の主は俺を馬鹿にした挨拶と共に跳び蹴りを放ってきたけど、会う度に何処かしらに蹴りを喰らう上、6年前に顔面を蹴られたことを思い出して、俺は顔面を狙った跳び蹴りを難なく躱したった。
「なっ!?―――ガッ!!?」
飛び蹴りを避けられた犯人は、そのまま俺の後ろの方に飛んでって、羅武に顔面を鷲掴みにされよった。
「おはようございます。平子サン、鳳橋サン、愛川サン、六車サン」
「おはよーさん、喜助。ってか、俺のことは真子でええって言ってるやろ?」
「おはよう、喜助。僕も
「ウッス、喜助。同じ隊長で、職歴も100年以上の差がある訳でも無ぇんだ。俺も羅武でいいぞ」
「おう。俺もこいつらと一緒で名前を呼び捨てでいいぞ」
飛び出して来たひよ里の後ろから、ひよ里の上司である十二番隊隊長の浦原喜助が出て来て、挨拶して来よったから、俺らも挨拶をしたった。すると―――
「おい!ウチのこと無視して、何のんびり挨拶交わしとんねん。ってか、いい加減離せや!羅武!!」
「………喜助。いい加減、こいつを降格させた方がええんちゃうか?まだマユリの方がマシやで。それに技術開発局の副局長はマユリなんやろ?
今からでも遅ないから、マユリを副隊長にして、ひよ里を三席にしたらどないや?」
「ハハハハハ………」
「おい!クソボケハゲ真子!!お前、余所の隊の人事に口出ししてええと思ってんのか!?越権行為やぞ、ボケカスこら!!」
「けど、涅サンは自分の研究にしか興味のない人ッスからね。総隊長直々の招集でも来ない可能性が高いんッスよ。その点、ひよ里サンはちゃんと来てくれます。
涅サンは技術開発局の副局長には向いてますが、十二番隊の副隊長には向いていない。逆にひよ里サンは十二番隊の副隊長には向いてますが、技術開発局の副局長には向いてないんッスよ」
「互いに長所と短所が極端だから、長所を生かせる人事にしてるって訳だ。6年も経ったから喜助も隊長らしくなって来たんじゃない?」
「ハハハ……。だと、良いんですけど。っと、こんな所で立ち話も何ですし、話をするなら鍛錬場に向かいながらしましょう」
喜助に促されて、俺らは一番隊舎敷地内に入ると、鍛錬場に向かって歩き出す。って―――
「おい、ひよ里。お前、いつまで羅武に頭を鷲掴みされてんねん」
「ウチが聞きたいわ!羅武、いい加減離せや!!」
「偶には真面目に仕置きしておかねぇと、お前はつけあがるだろ?って訳で、鍛錬場に着くまではこのままだ」
「ちょっと待てぇ!鍛錬場に着くまでの間で、一番隊の隊士に見られたらどうすんねん!?他隊とはいえ、こんな姿を一般隊士に見られたら副隊長の威厳がなくなるやろ!!」
「安心しろ。ことある毎に喜助や真子にちょっかい掛けてるから、お前は護廷隊で
「なんや、それ!?ウチが白と同列扱いやと!!?」
「ちょっと、ラブっち!それは失礼過ぎない!?私、ひよ里みたいに子供じゃないよ!!」
「………十二分に子供だろうが。昨日、急におはぎ食べたいとか駄々捏ねて、東仙を使い走りにしてたじゃねぇか」
「拳西、馬鹿じゃないの?私は副隊長だから、部下に命令してもいい立場なの!」
「………なら、何でてめぇは更に立場が上の隊長である俺の命令を無視すんだ?適当なことばっか言ってると、マジでぶっ飛ばすぞ!」
ひよ里がただでさえ五月蠅いのに、白が加わったことでより一層五月蠅くなってもうた。しかも、白が拳西を挑発する様なこと言うから、拳西も感情的になって怒鳴り始めるし。
ぶっちゃけられるんなら、俺はこう言いたい。「お前ら、自分から注目集めて恥晒そうとしとんぞ?」って……。
俺がそんなことを考えながら歩を進めとると――――
「女の子相手に物騒なこと言っちゃいけないよ、六車隊長」
「あれ?春水さんと十四郎さんも呼ばれてたの?」
「おはよう、愛川隊長。俺と京楽だけでじゃなくて、護廷隊全ての隊長と副隊長が呼ばれているよ」
「ってことは、十一番隊のデブも来るっちゅーことか?珍しいこともあるもんや」
「いや、彼は来ないよ。相変わらず、ってやつさ」
「喜助の十二番隊長就任式の時もそうやったけど、我儘が過ぎるやろ?いっぺん、全員で締め上げた方がええんとちゃう?」
「ま、その辺りの判断は山爺がするでしょ。代わりって訳でも無いけど、今回は十番隊の隊長代行が来てたよ」
「十番隊の隊長代行って、確か、浮竹ン所の―――」
「ああ、海燕の叔父だ。志波家の分家ではあるが、当主を務めていて、名は志波一心という」
「ってか、今更だけど一番隊舎の斬術鍛錬場に殆どの隊長格が呼び出されるとか、かなり珍しいんじゃない?」
「確かに、鳳橋隊長の言う通りだね。僕や浮竹も100年以上隊長やってるけど、初めてのことだよ。
山爺に斬術鍛錬場まで呼び出されるのなんて、隊長格でも斬術だけが不得手の新人くらいしか見たことないしね」
「……歴代の隊長格で斬術が不得手な奴なんて居ったんかい」
「隊長格といっても千差万別さ。十一番隊なんか逆に斬術しかできない隊長も居たしな」
「そう言われたらそうやな。今の剣八も斬術しか殆ど能のないブタやもんな」
浮竹の発言に対して、肯定とブタの悪口を一緒に返答したタイミングで、俺らは各隊長の出欠を確認できる木札が掛かってる場所に辿り着いた。
「なんや、十番隊の隊長代行だけやのーて、夜一と卯ノ花さん、朽木の爺さんももう来てんねんな?」
「ってことは、僕らが最後って訳だ。あまり遅くなって山爺の機嫌を損ねても何だし、鍛錬場まで少し急ぎ足で行こうか」
「そうっすね」
「ちょっと待ち、羅武!アンタ、ウチの頭を鷲掴みにしたまま走る気やないやろうな!?そんなことされたら、ブラブラと揺らされる衝撃で首の骨が折れるわ!!」
「ん?ああ。すっかり忘れてたわ。もう面倒だし、自分で走っていいぞ。ひよ里」
「忘れてたって、何やねん!?しかも、面倒って、ウチの頭を鷲掴みにしたんはアンタやろ!ウチは頼んでないわ!!」
「だろうな。俺も誰かの頼まれた記憶はねぇ」
「ムキィーーーーーーーーー!!」
「沸点低い野猿は放っといて、さっさと鍛錬場に行こうか」
「誰が野猿やねん!」
「何怒ってんねん。誰もお前のことや言うへんやろ。俺は野猿いうただけで、猿柿なんて言うてへんわ。ボケ」
「話の流れ的にウチのことでしか無いやろ!!」
「自意識過剰、乙(笑)」
俺がそう言うと、ひよ里は猿みたいな奇声を上げよった。本当、沸点の低いやっちゃな。ちなみに、「沸点低い野猿は放っといて、さっさと鍛錬場に行こうか」から走り出しとったりしとる。
「うきぃーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
「平子隊長、他の隊士の前では余所の副隊長を煽る様な真似はしないで下さいね」
「喜助!!自分ん所の副隊長が余所の隊長に馬鹿にされてんねんで!!何で怒らへんねん!!!」
「何でって、ひよ里サンと平子サンのはいつものじゃれ合いじゃないッスか」
「どこがじゃれ合いやねん!完全に馬鹿にされてるやんけ!!アンタの目と耳、イカれてるんとちゃうか!?」
「アハハハ……。まぁまぁ、ひよ里サン。話なら後で気が済むまで聞きますから、今は落ち着きましょう。もうすぐ鍛錬場に着いちゃいますし」
「……………喜助だけやのうて、真子と羅武も後で覚えときや」
喜助に諌められて、野猿みたいに五月蠅かったひよ里も漸く黙り込んだ。で、鍛錬場に到着すると、入り口戸が閉まってたから、俺が代表としてノックをする。
「五番隊隊長の平子真子と愉快な隊長格の仲間達ですけど~、失礼させて貰うで~」
そう言い終えると、中からの返答を待たずに入り口戸を開けて、鍛錬場内に歩を進めると、俺はたった数歩で歩みを止めてもうた。
「痛っ!真子、急に止まらないでよ。ぶつかっちゃったじゃないか。ちょっと真子、聞いてる?どうしたの?」
うっさいわ、
…………けど、この子は一体何者なんやろう?服装は死覇装やのうて、現世の軍人が着とる様な服と洋袴、護廷隊の隊長格が羽織ってる隊首羽織の色を反転させたような黒地の隊首羽織や。
それにこの子の左側の床には、龍の装飾が施された柄の刀と、通常より大きめの鞘に納められた刀の2本が置かれとる。
どう見ても斬魄刀やのうて、護廷隊や鬼道衆、隠密機動に所属してない貴族の護衛や、流魂街の住人が持ってるような普通の刀や。
この子、流魂街の住人か?身形から考えたら潤林安辺りの出身かも知れんけど、何で流魂街の子が一番隊舎の斬術鍛錬場に居るねん。
別に俺は流魂街出身でも見下す気はないけど、死神や霊術院の院生でもない流魂街の住人が一番隊舎、それ以前に瀞霊廷内に居るんがおかしい。
俺がそんなことを考えとると―――
「
ひよ里の怒声と共に後頭部に衝撃を受け、次の瞬間には鍛錬場の床を顔面で滑っとった。
【視点:雛森桃】
夜一さんに連れて来られた一番隊舎斬術鍛錬場で、
鍛錬場に最初に現れたのは、当然のことながら私と一緒にやって来た夜一さん。2番目に現れたのは夜一さんの副官である大前田希ノ進。
3番目に現れたのは四番隊の卯ノ花烈と山田清之介。4番目に現れたのは六番隊の朽木銀嶺と朽木蒼純。5番目に現れたのは十番隊の志波一心だった。
あっ、ちなみに精神統一の時に
あと、呼吸術を無差別に使っている時点で精神統一できてないと思われるかもしれませんが、逆に精神統一できてないと呼吸術の切り替えはできなかったりします。
呼吸術の切り替えって、肺だけでなく身体全体に結構な負担がかかるので、全集中・常中みたいに普段から慣らしていないと難しいし、精神統一できてないとスムーズに切り替えられないんですよ。
閑話休題。恐らく最後に現れるであろう一番隊の山本元柳斎重國と雀部長次郎忠息、サボり魔である十一番隊の鬼厳城剣八を除けば、14人の隊長格が現れるのを待つだけとなった。
鍛錬場に私の使う呼吸術独特の音と、同じく私の持っている銀時計の秒針が奏でる音が流れること数分。
鍛錬場の入り口戸でノック音がしたと同時に、初対面なのに聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「五番隊隊長の平子真子と愉快な隊長格の仲間達ですけど~、失礼させて貰うで~」
平子真子らしい入室の挨拶と同時に入り口戸が開く音がした。そして、鍛錬場の床を踏みしめる足音が数歩分聞こえたかと思うと、すぐに足音が聞こえなくなった。
足音の代わりに入り口戸の方から聞こえてくるのは、14人分の心音。簡単に読み取れた感情の大半が「さっさと中に入れ」というものだったけど、全く異なる感情が2名ほどいた。
1人は私に好意的感情と私が何者か思案する感情が混ざった音。もう1人は聞いてるだけで吐き気を覚える不愉快極まりない音。
私は聴覚以外に嗅覚と触覚でも他者の感情を読み取れるので、不愉快極まりない音を立てている人間が放つ臭いと空気を鼻と肌でも感じてしまって、最悪な気分になってしまった。
まぁ、私はそんな感情を正直に顔に出したりはしないんですけどね。感情を制御できないのは未熟者ですから。
私が目を瞑ったままそんなことを考えていると、怒声と共に鍛錬場の床を何かが滑るような音が聞こえて来ました。
何事かと思って目を見開くと、私の視界には血を噴き出す鼻を押さえる平子真子と、平子真子にじゃれ付いている猿柿ひよ里がいました。
「ッ!……………痛いやんけ!!何さらしとんねん、ひよ里!!!」
「あんたが鍛錬場の入口で立ち止まって、ウチらを入れんようにしてたんが悪いんやろ!!」
安定の夫婦漫才を護廷隊士でもない私に披露してくれるお二人。サービス精神の塊です。
「ってか、あんた一体何もんや!?死覇装やないってことは、護廷隊士ちゃうやろ!何でここに居ねん!!」
十八番のブチギレ芸で私の正体を問う猿柿ひよ里。取り敢えず、冷静に対応しよう。
「………護廷隊の隊長格をされる方は、上から目線の高圧的な態度で自己紹介を強要されるものなのですね。
私は人にものを尋ねる時は相応の態度を取るべきだと教わっているのですが、私の教わった常識は護廷隊では非常識な様です」
「なっ!?」
「世界の魂の均衡を保つ死神の集団。誇り高き組織だと思っていた護廷隊が、性根の腐りきった傲慢な貴族と同じ思想のならず者集団だったとは………。いい勉強をさせて頂きました」
私はそう言い終えると銀龍を腰に差し、白梅を手に取って立ち上がり、鍛錬場を後にしようとする。当然のことだが振りである。(笑)
「ま、待て待て!雛森、何処に行こうというじゃ!?」
「潤林安に戻ろうと思います。死神と貴族の住まう瀞霊廷では、私の常識が一切通じない様なので」
私と夜一さんがそんな会話をしていると――――
「死神でも無い小娘が、随分デカい口利くやないか!身の程ってもんを教えたるわ!!」
そんなことを言いながら猿柿ひよ里が私に突っ込んできた。斬魄刀を抜刀せずに向かって来てる分が評価できる点かも知れないけど、副隊長としては浅薄ですよね。
私はそんな猿柿ひよ里に対して、呼吸術を使わず
ただ、呼吸術を使えば威力が上がるので、異形を相手にする時は呼吸術と併用しているといった感じなんです。
今回使う技は
そして、頭を鍛錬場の床に叩き付ける前に、頚椎骨折しない程度の蹴りを猿柿ひよ里の頭に放ちます。結果、十二番隊副隊長である猿柿ひよ里は見事に失神しました。(笑)
「護廷隊の副隊長を名乗るなら相手の実力を見極められる様になった方がいいですよ。あと、感情を――特に激情を制御できない人は未熟者です」
死神でも無い私があっさりと副隊長を伸したことに、その場にいた隊長格は全員が驚いた顔をしていた。
斬術勝負はアンケートの結果、平子、鳳橋、六車、愛川、京楽、卯ノ花、山本の7名だけとなりました。
1話辺り2~3人くらいの勝負を書いて、3話くらいで斬術勝負編を終了させたいと思います。
今回、鍛錬場に一心も隊長代行として来ている形で書いていますが、飽く迄他隊の副隊長と同じで勝負の未届け人として来ているだけだと思って下さい。(笑)
桃ちゃんの就職先は斬術勝負後に決定します。なので、もう少しの間はアンケートを行っています。
(プロローグ、第1話、第3話の最後の方で行っています)
現時点では二番隊と十三番隊がいい感じで争っている状態です。
ちなみに二番隊に決まった場合は、就職と同時に第三席。希ノ進引退後に副隊長という流れになります。
(原作の大前田は第三席となる予定)
十三番隊に決まった場合は、浮竹が病弱なので特例として就職と同時に海燕とのダブル副隊長になります。
あっ、本編での補足ですが、今回登場した
では、次回も頑張って執筆しますので、また見に来てください。
皆さん、アディオス!(笑)
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